中央環境審議会水環境部会 水生生物保全環境基準類型指定専門委員会(第1回) 議事録

日時

平成17年2月18日開催

場所

環境省環境管理局水環境部企画課

開会

議事

(1) 水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型の指定について(諮問)
(2) 検討事項及び今後のスケジュールについて
(3) その他

閉会

配布資料

資料 1  水生生物保全環境基準類型指定専門委員会名簿
資料 2  水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型の指定について(諮問・付議)
資料 3  中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置について
資料 4  中央環境審議会水環境部会及び専門委員会の運営方針について
資料 5  検討事項及び今後のスケジュールについて(案)
資料 6  国が類型指定を行う水域について
参考資料1  環境基本法等(抜粋)
参考資料2  水質汚濁に係る環境基準について(告示)
参考資料3  環境基本法に基づく環境基準の水域類型の指定及び水質汚濁防止法に基づく常時監視等の処理基準について
参考資料4  水生生物の保全に係る水質環境基準の設定について(答申)
参考資料5  水生生物の保全に係る環境基準に関する施策の重要事項について(水環境部会決定)

午後 2時00分 開会

○谷企画課長 それでは定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境部会第1回水生生物保全環境基準類型指定専門委員会を開会いたします。
 本日は、委員9名中7名の御出席が予定されておりまして、7名の御出席をいただいております。
 それでは、議事に先立ちまして御挨拶を申し上げます。本来でございますと、水環境部長から御挨拶申し上げるところでございますけれども、所用のため恐らく最後まで間に合わないのではないかと思います。私からかわりまして御挨拶をさせていただきます。
 本日は御多用の中、本専門委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。また委員の皆様には、水環境保全行政の推進につきまして、日ごろから格別なる御指導をいただきまして、御礼を申し上げます。
 御案内のとおり、水生生物の保全に係る水質環境基準につきましては、平成15年9月、中央環境審議会の答申を踏まえまして、平成15年11月に告示をいたしましたところでございます。この環境基準では、水生生物の生息状況の適応性によりまして類型を設けて基準値を設定してございます。このため、環境基準を運用いたしますためには、それぞれの公共用水域に類型を当てはめまして指定をしていく必要がございます。
 また、水生生物の保全に係る環境基準に関する施策の重要事項につきましては、水環境部会に水生生物保全小委員会が設けられまして、こちらで御審議いただきました。その結果、昨年8月に審議結果が取りまとめられまして、水環境部会におきまして、水生生物の保全に係る環境基準に関する施策の重要事項が決定されました。
 これらの状況を踏まえまして、環境省におきましては、水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型の指定につきまして中央環境審議会に諮問をいたしました。中央環境審議会では本件が水環境部会に付議されまして、本専門委員会で御検討いただくこととなったところでございます。
 須藤委員長をはじめ委員の皆様方には、御多忙のところ眞に恐縮でございますが、水生生物の保全に係る水質環境基準の類型指定につきまして御審議いただきますよう、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、本日は本専門委員会の第1回目でございますので、全委員の御紹介をさせていただきます。それでは、こちらから順に御紹介させていただきます。
 まず、独立行政法人水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所化学環境部長、有馬郷司委員でいらっしゃいます。
 そのお隣、魚類生態研究家、高橋さち子委員でいらっしゃいます。
 そのお隣、大阪府立大学教授、谷田一三委員でいらっしゃいます。
 そして、東北工業大学客員教授、須藤隆一委員でいらっしゃいます。
 元東京都環境科学研究所所長、土屋隆夫委員でいらっしゃいます。
 信州大学山地水環境教育センター長、花里孝幸委員でいらっしゃいます。
 東京大学人工物工学研究センター教授、藤田豊久委員でいらっしゃいます。
 なお、本日御欠席の委員お二方を御紹介させていただきます。まず、京都大学大学院工学研究科附属環境質制御研究センター教授、田中宏明委員。もう一人は、独立行政法人国立環境研究所水土壌環境領域長、渡辺正孝委員でいらっしゃいます。
 また、事務局もあわせて御紹介をいたします。本日、水環境部長は、欠席をいたしております。
 私は、水環境部の企画課長をしております谷でございます。
 こちらが、当課の補佐の大森でございます。
 また、当課の担当の市原でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは続きまして、お手元の配付資料につきまして御確認をいただきたいと思います。クリップを外していただきますと、議事次第の次が資料1の委員名簿でございます。資料2、水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型の指定についての諮問文でございます。資料3、中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置についてでございます。資料4、中央環境審議会水環境部会及び専門委員会の運営方針についてでございます。資料5、検討事項及び今後のスケジュールについて(案)でございます。資料6、横になっておりますが、国が類型指定を行う水域についてでございます。
 参考資料1ですが、環境基本法等の抜粋でございます。参考資料2、水質汚濁に係る環境基準についての環境省の告示でございます。参考資料3、環境基本法に基づく環境基準の水域類型の指定及び水質汚濁防止法に基づく常時監視等の処理基準についてでございます。参考資料4、水生生物の保全に係る水質環境基準の設定についてでございます。参考資料5が、水生生物の保全に係る施策の重要事項についてでございます。
 以上でございます。不足などございましたら、随時、事務局までお申し付けください。よろしいでしょうか。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本専門委員会の委員長に関しましては、昨年10月14日に開催されました第12回水環境部会におきまして、村岡前部会長からの御指名がございましたので、中央環境審議会議事運営規則に基づきまして、須藤先生に委員長をお願いいたします。
 それでは、これからの進行は須藤委員長にお願いいたします。

○須藤委員長 かしこまりました。それでは議事進行をさせていただきますが、一言御挨拶を申し上げます。
 本日は大変御多用の中を、委員の先生方、事務局の皆様には、この類型指定の専門委員会の御審議にお集まりいただきまして、誠にどうもありがとうございます。また、本日も大勢の傍聴の方々にもご遠方にもかかわらずおいでいただきましたことをお礼申し上げます。
 それでは、後でいろいろ本委員会で何を審議するかというようなことについては縷々御説明をいただくところでございますので、早速議事に入らせていただきます。
 水生生物の保全に係る水質環境基準の類型指定についてということでございまして、最初に環境大臣より、水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型指定についてという中央環境審議会に諮問がございまして、これについて水環境部会に付議されたものでございます。
 本諮問事項について専門的に審議を行うため、先生方にお集まりいただきましたこの専門委員会が設置されたということで、少し時間がかかったわけでございますが、その第1回目が本日のこの会合でございます。
 初めに、事務局から諮問の趣旨について御紹介願います。

○谷企画課長 それでは、資料2をお開きください。こちらが諮問文でございます。読み上げさせていただきます。
 水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型の指定について(諮問)。
 環境基本法(平成5年法律第91号)第41条第2項第2号の規定に基づき、「水質汚濁に係る環境基準について」別表2(生活環境の保全に関する環境基準)の1の(1)イ及び(2)ウ並びに同表の2のウに係る類型を当てはめる水域の指定について、貴審議会の意見を求める。
この中身は後で御説明させていただきます。
 諮問理由。
 水質汚濁に係る環境基準のうち、生活環境の保全に関する環境基準については、平成15年11月5日付けで、水生生物保全の観点からの環境基準を新たに追加設定したところである。
 生活環境の保全に関する環境基準については、公共用水域の利用目的又は水生生物の生息状況の適応性に応じて水域類型が設けられており、水域類型の各公共用水域への当てはめは、政令で定める水域については政府が行うこととされている。
 このため、水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型の指定について、貴審議会の意見を求めるものである。
 1つめくっていただきまして、こちらが中央環境審議会から水環境部会に付議された付議でございます。読み上げさせていただきます。
 水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型の指定について(付議)。
 平成16年8月27日付け環水企第040827001号をもって、環境大臣より当審議会に対してなされた標記諮問については、中央環境審議会議事運営規則第5条の規定に基づき、水環境部会に付議する。
 なお、参考資料のところで関係資料がついております。こちらはまた後で、他の資料で御説明をさせていただきます。
 それで、次に資料3でございます。これが、本専門委員会設置につきまして部会が決定したものでございます。中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置についてでございます。
 この1.の中で、中央環境審議会水環境部会に次の専門委員会を置くとなってございまして、これの(4)が水生生物保全環境基準類型指定専門委員会でございます。
 5.を御覧いただきますと審議事項が書いてございます。水生生物保全環境基準類型指定専門委員会においては、水生生物保全環境基準の水域類型の指定等に関する専門的事項を調査するということで、こちらでお願いをすることになっております。
 次に、資料4を御覧ください。この資料4が、中央環境審議会水環境部会及び専門委員会の運営方針についてでございます。細かい御説明はいたしませんが、2点ほど御確認いただきたいと思います。
 I.の1.会議の公開及び出席者についてでございますが、こちらに「会議を非公開とするときは、部会長は、その理由を明らかにするものとする」と書いてございまして、原則は公開でございます。従いまして、本日もオブザーバーの方々にお入りいただいております。基本的に公開ということで御理解いただきたいと思います。
 次に、2.会議録等についてでございます。こちら、会議録の調製に当たりましては、御出席いただきました委員の先生から明示的に了承を得まして、その後、原則として次回の会議において公開するということになってございます。なお、会議の資料は基本的には環境省のホームページに載せますので、議事録もそのような形で、先生方から明示的な御了解をいただきました後にホームページに載せますということで、どうぞよろしくお願いいたします。
 3.が資料の公開でございます。原則として公開でございますけれども、これの下の方ですが、もし何か公開すると非常によくないという資料がございましたらば、部会長が「委員限り」であるということで非公開とすることができますけれども、それ以外の資料は、部会が終了しましたら全部公開をいたします。ホームページ等で公開いたします。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○須藤委員長 どうも御説明ありがとうございました。
 そうしますと、ただいまの諮問文等、またそれぞれのあとの資料等については後ほど御説明いただきますが、資料は確認をしていただいたということでよろしいでしょうか。
 あと、諮問文のことについて何か御質問ございますか。これは御意見というよりも、御質問がございましたら、私どもが何をするかということが書いてありますので、そこを十分御理解いただけたということでございましたら、実際に審議に移らせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、特に御質問がございませんので、続けてまいりたいと思いますが、この水生生物の問題につきましては、今から5年ぐらい前から、水生生物の水質目標が必要なのではないかというところから環境省で検討が始まりまして、その後、やはり基準にすべきものは基準にしていこうということで審議が始まって、1項目ではございますが、本日、類型指定の審議に入ると、こういうことになってきたわけでございますので、その環境基準そもそもから始まって、水生生物の保全の環境基準というのはどんなものであろうかということを、いずれの先生方も御存知だとは思いますけれども、一応こういう会議でございますので、概要について谷課長の方から御説明ください。

○谷企画課長 それでは、よろしくお願いいたします。
 まず、参考資料1を御覧いただきたいと思います。先生方の多くは御存知のことかと思いまして恐縮ではございますが、もう一度御説明をさせていただきます。
 まず、環境基本法の抜粋でございます。参考資料1の1、環境基本法でございます。この3節に環境基準という項目がございます。第16条でございますが、こちらで「政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする」と書いてございます。人健康関係と生活環境の保全と、こういうことでございます。
 2でございます。この基準につきまして、その基準が2以上の類型を設け、かつ、それぞれの類型を当てはめる地域または水域を指定すべきものとして定められた場合に、その地域または水域の指定に関する事務について書いてございます。国は何をやるか、都道府県が何をやるかということなのでございます。まず、2以上の都道府県の区域にわたる地域または水域であって政令で定めるものにあっては政府です。つまり2つ以上の都道府県にまたがるような水域、これは国がいたします。それ以外の地域または水域にあっては、その地域または水域が属する都道府県の知事がそれぞれ行うものとするとございます。この政令で定めると書いてございます政令の抜粋がこの下にございます。
2、環境基準に係る水域及び地域の指定の事務に関する政令でございます。これの第1条に「環境基本法第16条第2項の政令で定める水域は、別表に掲げる水域とする」とございまして、その別表がこの下に書いてある水域でございます。
 まず一で河川がここにございます。北上川水系の北上川というのから始まりまして、阿武隈川水系とかございまして、次のページに移っていただきますと、利根川水系の渡良瀬川から、筑後川水系の宝満川まで記載されているわけでございます。
 海域につきましても、館山市洲埼から三浦市剣埼まで引いた線とか、これいろいろ書いてございますが、こうやって御覧いただくとよく見にくいかもしれないと思いまして、ちょっとこれの1つ前にございます資料6を御覧いただきますと、後ほど資料6の詳細は詳しく御紹介は申し上げますけれども、こちらに地図が書いてございます。川であれば、北上川、阿武隈川、那珂川など、湖沼でございますと、霞ヶ浦、北浦、そして琵琶湖などが書いてございます。海域もどこからどこまでというふうなことで、言葉で政令に書いてございました海域が、ここにございます黒く塗ってある海域でございます。国が類型指定を行う水域というのが大体これだけあるということでございます。
 また、次に参考資料2を御覧いただきたいと思います。こちらが参考資料2、水質汚濁に係る環境基準についてでございます。こちら何回も改正をされてきているわけでございますけれども。こちらの環境基準でまず第1、環境基準とございまして、1が人の健康の保護でございますが、今回は人健康ではございませんので、2を御覧ください。生活環境の保全に関する環境基準でございます。「生活環境の保全に関する環境基準は、各公共用水域につき、別表2の水域類型の欄に掲げる水域類型のうち当該公共用水域が該当する水域類型ごとに、同表の基準値の欄に掲げるとおりとする」と書いてございます。
 この別表2でございますが、4ページをお開きください。この4ページからが別表2でございます。生活環境の保全に関する環境基準とございまして、河川があって、次に湖沼とか海域とかございます。まず河川でございますが、左側の4ページに、これまでずっと指定されてまいりました古典的な項目がございます。水素イオン濃度pH、BOD、SS、DO、そして大腸菌群数とございまして、それぞれここに掲げておりますようなAAからEまでの類型が利用目的の適応性に応じまして、水道1級だとこのくらいということで選ばれてきたわけでございますけれども、今回当てはめを行っていただきますのは5ページのイでございます。
 この5ページのイに新しい類型の考え方が書いてございます。水生生物の生息状況の適応性でございます。まず、生物AとBとに分かれております。生物Aが、イワナ・サケマス等比較的低温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域でございます。生物Bというのが、コイ・フナ等比較的高温域を好む水生生物及びその餌になるような生物が生息する水域でございます。それぞれ生物A、生物Bに対応いたしまして、生物特A、生物特Bがございます。生物特Aは、生物Aの水域のうち、生物Aの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)または卵ですとか、子供ですとか、こういったものが産まれたり育ったりする、そういう場所として特に守る必要のあるような水域ということです。それぞれ高温域、低温域に合わせまして生物特A、生物特Bが定められているわけでございます。基準値でございますが、全亜鉛についてそれぞれ0.03mg/l以下ということで定めてございます。
 次に、6ページ、7ページを御覧いただきますと、こちらが湖沼でございます。湖沼の場合も、これまでの古典的な目的に応じたCODなどがございまして、7ページの上はイでございますが、これは全窒素、全燐について定められたものでございまして、今回これに加えてウでございますが、水生生物の生息状況の適応性に応じて、また同じように、これは全く河川と同じでございますが、全亜鉛の基準値が定められているわけでございます。
 次に、8ページ、9ページが海域でございます。8ページのアがCOD等でございます。9ページのイが全窒素、全燐でございまして、それに今回加えられましたのがウでございます。こちらは生物の水温による区分はございません。海域におきましては、生物Aが水生生物の生息する水域、そして特Aというのが卵などの育つところとして特に保全が必要な水域でございます。こちらの基準値はAと特Aということになっておりまして、Aの方が0.02mg/l以下、特Aが0.01mg/l以下ということになっております。
 それでは、参考資料3は後ほど御説明させていただくことといたしまして、参考資料4をお開きいただきたいと思います。
 参考資料4でございますけれども、これが先ほど御挨拶の中で申し上げました平成15年9月の中央環境審議会からの答申でございます。1つめくっていただきますと、こちらに水生生物の保全に係る水質環境基準の設定について(第一次報告)という部分がございます。こちらでございますけれども、適当であるとの結論を得たので報告するという第1段落に続きまして、第2段落でございますが、今申し上げております参考資料4を表紙から1つめくっていただいたところでございますけれども、それの第2段落目、「当部会は、水生生物保全に係る環境基準等の水質目標を設定し、その維持達成に努めるべきことの重要性を認識し、別添の専門委員会報告に示されたとおり、亜鉛については環境基準項目とし、」とあるわけでございます。これに従いまして、先ほどの告示等出されたわけでございます。
また、「クロロホルム等3項目については要監視項目とすることがそれぞれ適当であると判断する」というふうに書いてございます。今回、法的に環境基準項目という位置付けになっておりますのは亜鉛だけでございますので、それを念頭に置いて当てはめなどを行っていただくわけでございますが、御参考までに、要監視項目もちょっと御覧いただきたいと思います。
 参考資料4の19ページを開けていただきますと、こちらに表2がございます。これは環境基準項目と要監視項目でございます。環境基準項目のところが、先ほど御説明を申し上げましたそれぞれの水域に分けてございますが、全亜鉛のところでございます。まとめますと、淡水域と海域でございまして、こちらの類型区分の名称は、告示のものとちょっと違っておりますけれども、考え方は全く同じでございます。イワナ・サケマス域とコイ・フナ域。特Aと告示でなっておりますのは、こちらではA-Sとなっておりまして、イワナ・サケマスの特別域となっておりまして、これが産卵などのための地域です。そしてコイ・フナの特別域がございます。海域も一般海域と特別域。これが環境基準項目となっております。
 このほかに要監視項目といいますのは、ひょっとすると、今後環境基準項目にすべきではないかという検討を行う可能性も念頭に置いて監視をする必要があるという項目でございます。こちら、この答申で3つ挙がっております。クロロホルムとフェノールとホルムアルデヒドでございます。それぞれ水域の分け方につきましては、環境基準項目となっております全亜鉛と同じように淡水域と海域がございまして、淡水域はイワナ・サケマス域とコイ・フナ域、そしてそれぞれの特別域がある。海域の方は、一般海域と特別域があると。こういう類型の言葉遣いは全く同じになっております。
 環境基準項目になりました全亜鉛の方は、基準値が淡水域はすべて同じでございますけれども、要監視項目のクロロホルム、フェノール、ホルムアルデヒドにつきましては、これは基準ではございませんので指針値という言い方になっておりますけれども、これらの値はそれぞれ異なっているわけでございます。指針値、例えばクロロホルムを御覧いただきますと、イワナ・サケマス域は700μg/l、コイ・フナ域は3,000μg/lと、このような値になっております。
 なお、繰り返しでございますが、下の3つは要監視項目ということでございまして、環境基準項目は全亜鉛1つでございますが、御参考までに類型は同じ言葉遣いをされているということと、指針値はそれぞれ異なっておりますということを、これの関係で御説明をさせていただきます。
 ちょっとまた先ほどの参考資料4の2枚目にお戻りいただきたいと思います。ただいまこれの第2段落、クロロホルムなどの3項目については要監視項目とすることがそれぞれ適当であると判断するというところの御説明を申し上げました。なお、「これらは常に適切な科学的判断が加えられ、必要な改定がなされなければならない」ということになっております。
 第3段落目でございますが、また、今般の水生生物保全に係る環境基準の設定が我が国では初めてということですので、環境基準の設定に伴いまして今後推進されるべき施策を効果的なものとするために、「引き続き当部会に小委員会を設け、環境基準の運用、環境管理等水生生物の保全に係る施策重要事項について審議する必要があると判断する」とございます。後ほど、この小委員会で御議論いただきました施策の重要事項について御説明を申し上げます。
 なお、「当部会としては、今後の水生生物保全に係る水質目標の設定などをより適切で合理的なものとするために下記の点が考慮されるべきであると判断するので、ここに特に申し添えておきたい」ということで項目が2つほどございます。
 1番目です。「専門委員会における水質目標値の検討に当たっては、利用可能な科学的文献から得られた毒性情報に基づきその妥当性を総合的に検証するとともに、目標値導出の手順についても常に国内外の動向及び科学的な知見の向上を踏まえて必要な見直しを行うものとする。」とございます。
 2でございます。「環境省は他の行政機関、民間事業者を含め広く関係者の協力を得つつ、今後とも水環境中の汚染物質の水生生物への影響に関する科学的情報の集積を図り、今後の専門委員会の調査・審議に有効に活用されるよう努める必要がある。」とございます。この科学的情報の中には、「実環境中における汚染物質の化学形態や他物質の共存状況等による毒性変化及び水生生物の生息状況を含む」とございます。後ほど御説明いたします小委員会の報告にも、フィールド調査につきましての項目がございます。中身の詳しいことは今御説明いたしません。もし御質問等ございましたら、そのときにと思っておりますが、これが平成15年9月に答申をちょうだいいたしました水生生物の保全に係る水質環境基準の設定についての概要でございます。
 それでは次に、参考資料5を御覧ください。参考資料5が、水生生物の保全に係る環境基準に関する施策の重要事項についてということで、今の答申をいただきましたときに書いてございますけれども、小委員会でお話いただきまして、それで中央環境審議会の答申としてちょうだいいたしましたものでございます。
 1つめくっていただきますと、別添とございまして、水生生物保全に係る環境基準に関する施策の重要事項について(中央環境審議会水環境部会水生生物保全小委員会報告)とございます。
 「はじめに」でございます。ここで、平成15年9月12日の中央環境審議会答申を踏まえ、この年の11月に環境省の告示が行われました。それで、「全亜鉛について環境基準の設定がなされたところである。本答申では」ということで、先ほども読みましたが、「水生生物の保全に係る水質環境基準の設定が我が国では初めてであることに鑑み、環境基準の設定に伴い今後推進されるべき施策を効果的なものにするため、引き続き同部会に小委員会を設け、環境基準の運用、環境管理等水生生物の保全に係る施策の重要事項について審議する」こととされていまして、それを踏まえまして審議結果を取りまとめ報告したということでございます。
 「2、報告の取りまとめに当たって」ということで、本小委員会に委ねられた任務は、水生生物の保全に係る水質環境基準の運用に際して、その位置付け及び性格を十分踏まえて、水生生物保全に係る施策の重要事項について審議することでありまして、とりわけ水域類型の当てはめや環境管理施策の基本的方向や留意事項等を取りまとめ、具体的な検討作業に引き継ぐということでございます。この中の水域類型の当てはめをこの専門委員会で行っていただいているわけでございます。
 なお、環境管理的施策の方につきましては、別途ほかの専門委員会が設けられておりまして、そちらで話をして、もう検討を始めていただいているところでございます。
 本小委員会においては、以上のような認識の下に、次のような環境基準の位置付け及び性格を踏まえ、審議を行うこととしたとございます。
 まず、1つ目、水生生物の保全に係る水質環境基準は、環境基本法上の環境基準(生活環境項目)として設定されたものであり、これは先ほど参考資料1で御説明させていただいたとおりでございますが、「本環境基準を水生生物保全の目標として、その維持達成に努めるべきものである。」とあります。
 基準値は、水質による水生生物への影響を未然に防止する観点から維持することが望ましい水準として設定されたものでございまして、基準値を超える水域であっても、直ちに水生生物にある程度以上の影響を及ぼすといった性格を持つものではないということでございます。
 また、審議に当たっては、環境基準の運用については、環境基準の類型当てはめの姿をより具体化すること、これをこちらでお願いいたします。環境管理については、環境基準の性格を踏まえた上でどのような環境管理施策をとることが適当かを明らかにすることとし、併せて、水環境中の汚染物質の水生生物への影響に関するフィールド調査研究のデータをどう取扱うべきかということについても御議論いただきました。
 この2ページの3、こちらを御覧ください。類型当てはめの基本的考え方及び留意事項でございます。2行目の「すなわち」以下ですけれども、答申で既に定められていることですが、「すなわち、水産を利水目的としている水域のみに限定せず、水生生物の保全を図る必要がある水域のすべてについて当てはめを行うことが適当である」とございます。御存知のとおり、水産ということで既にBODですとかSSとか基準のある水域がございますけれども、それだけの限定ではないわけです。
 「また、水生生物が全く生息していなかったり生息に必要な流量や水深等が確保されない水域ではその要因を検討するものとし」ということで、「一義的に当てはめを検討する必要はないが、その要因の解決等により生息が可能となった場合には当てはめを行うことが必要である」とございます。「なお、こういった水域については、水域の関係者により、実現可能性を踏まえつつ、流量や水深等の基礎的な生息環境の確保の努力が積極的になされるべきである」と、当然のことでございますが書いてございます。
 次に、3ページを御覧ください。2つほど留意事項がございます。(1)は、既存の生活環境項目との関係についてでございます。類型当てはめを行う上で、既存の生活環境項目の類型当てはめの内容を最大限活用すべきであるとございます。先ほど御覧いただきましたBOD、COD、その他既存の生活環境項目のところです。
 この場合、既存の生活環境項目では水産を利水目的としない類型が当てはめられている水域というのがございますが、こういうところで溶存酸素濃度、DOですね。これが常に低いレベルで推移するなど、水生生物の生息の確保が難しい水質汚濁の状況になっているということも想定される場合がございます。そもそも酸素が少ないということで生き物が生きていられない。その意味では、当てはめの優先度は低くなるものと考えられます。
 ただし、水産を利水目的としない類型の当てはめは、水生生物の保全を図る必要がないということを意味するものではございません。ですから、水生生物の生息状況ですとか、水質汚濁の状況あるいはこれから将来の利用目的等を踏まえた上では、水生生物の保全を図る必要がある水域であると判断されるという場合には、水域類型の当てはめを行う必要があるということでございます。
 (2)自然的要因の取り扱いでございます。御存知のとおり、亜鉛などの鉱床地帯ですが、日本は鉱山が結構ございます。そういった鉱床地域における岩石等からの溶出のような自然的要因が水質汚濁の原因に含まれている場合、水域類型の当てはめに当たっては、これまでの環境基準の運用に準じ、個々の水域の事情を十分に考慮することが適当であるとございます。
 具体的には、これまでの運用例を踏まえますと、自然的な原因が環境基準を超過したということの原因だとされる場合には、超過する項目の環境基準としての適用を除外するという方法があります。あるいは、自然的要因に加え人為起源の発生源も原因だと考えられる場合には、その程度に応じまして環境基準達成の評価をする場合に当たって自然的原因が含まれていることを配慮する方法等によりまして、個々の水域ごとの事情に応じて運用することが適当であろうと、こういうことでございます。
 次の4ページの4ですが、これは環境管理施策の方でございますので、別の委員会での審議事項となりますけれども、1つは、全公共用水域・全特定事業場を対象とする一律排水基準として設定することが適当であるだろうということが書いてございます。
 5ページを御覧いただきますと、5番で環境基準に関連する継続的な調査研究の推進という項目がございます。こちらではフィールド調査研究、これが大変大事だということで、この委員会でも随分お話いただきました。これは直ちに環境基準の設定や見直しなどに活用することは困難ということでありますけれども、データのさらなる充実が必要であるとございます。
 そういうことで、この2段落目の最後の方ですが、環境省において関係者の協力を得つつ、フィールド調査研究を含めまして、水の環境の中での汚染物質の水生生物への影響に関して必要な調査研究を継続的に実施し、その結果を速やかに公表していく必要があるとございます。
 また、これらの調査研究によって集積された情報や、その解析結果や国内外の動向を踏まえて、今後、環境基準の設定・見直しや類型当てはめの指定・見直し等を行うべきであるとございます。
 「おわりに」でございます。「本報告に記された基本的考え方に基づき、今後、環境省においては水生生物の保全に係る水質環境基準の運用や環境管理施策の具体化等を進めるための検討作業を開始されたい」とございまして、それを踏まえまして、類型につきまして本専門委員会で御審議いただくこととなるわけでございます。
 以上でございます。

○須藤委員長 どうも御説明いただきまして、ありがとうございました。
 そもそもの環境基本法から始まって環境基準、そしてここで問題にしなければならない水生生物の保全の環境基準と、その類型当てはめの経緯について御説明をいただきました。
 どうぞ、どなたでも結構でございます。御質問ございましたらお受けいたします。今までの谷課長の御説明でいかがでございましょうか。ここのところを御理解いただいて、次の審議に入りたいと思います。特によろしゅうございますか。
 それでは、やはり全体を通した方がよろしいかもしれませんので、次の検討事項及び今後のスケジュールということで御説明いただきたいと思います。お願いいたします。

○市原係長 それでは、御説明をいたします。資料の方は資料5となります。
 まず、検討事項についてでございます。検討事項、本専門委員会の審議事項につきましては、今御説明を申し上げました環境基準の設定についての答申あるいは施策の重要事項といったこれまでの水生生物保全環境基準の設定に係る経緯を十分踏まえて検討を行うということになります。
 具体的な検討事項の御説明をする前に、まず水域類型指定の考え方に関しまして、今回の検討の前提となる事項について簡単に御説明をしておきたいと思います。
 ただいま課長の方から説明いたしましたとおり、政府として環境省が行います。または都道府県知事が実際に水生生物環境基準の類型指定を行うに当たりまして、これまでに既にもう定められている事項がございます。ただ今課長から御説明したとおりでありますが、参考資料2の告示がその1つでございます。内容につきましては先ほど御説明のとおりであります。もう一つが、参考資料4の水生生物の保全に係る水質環境基準の設定についての答申でございます。これが既に定められている事項の2番目です。3番目といたしまして、参考資料5、水生生物の保全に係る環境基準に関する施策の重要事項についてと、こちらの部会決定のこちらの3つについては既に定められているものであります。
 こちらのうち、まず参考資料2の告示でございますけれども、先ほども既に御説明したとおりではございますけれども、この告示では、既存のBODやCODといった生活環境項目についても当然含められておりますが、今回御検討をいただきます水生生物保全環境基準の類型も含めた基本的な類型指定の考え方をも示されているということになります。
 次に、参考資料5、部会決定でございます。こちらにも、本専門委員会で御検討をいただく、類型指定を行うに当たりまして留意しなければならない事項ということで、御説明をしたとおりでございます。
 5ページを御覧いただきたいと思います。「おわりに」というところ、いきなり結論から申し上げますと、本報告に記された基本的考え方に基づいて、今後、環境省においては水生生物の保全に係る水質環境基準の運用や環境管理施策の具体化等を進めるための検討作業を開始されたいとされております。そこで、本部会決定では考え方として2つの留意事項を決定しておりますので、これに基づいて作業を進めていくということが1つ決定されております。
 具体的に、国が、あるいは都道府県が類型指定をしていくに当たりまして、この部会決定で重要事項の中で既存の類型指定の状況について、参考資料5の3ページの既存の生活環境項目との関係についてを留意して検討をしていくべきというふうにされております。
 簡単に既存の生活環境項目について御説明いたします。資料6を御覧いただきたいと思います。資料6の1ページ目は地図になっておりますが、2ページ目以降に、具体的な既存の類型指定の状況というものを示しております。
 資料6の2ページ目、まず河川につきましてはこちらに示したとおり、北は北上川から南の方は九州の宝満川になるかと思いますけれども、全部で33の水系につきまして類型を、全部で合計して108の類型に区分をしておりますけれども、このような形で類型を当てはめているという状況がございます。
 4ページを御覧ください。湖沼につきましては、河川の中で湖沼として指定をすべきということで告示に示されておりますけれども、具体的に申し上げますと、天然湖沼と人工湖沼、ダム湖などがそれに当たりますけれども、貯水量が1,000万立方メートル以上でなおかつ貯留日数が4日以上のものにつきましては湖沼として取り扱うということで、参考資料2の方に書いてありますけれども、これに該当する水域として、国当てはめに係る水域については、全国21河川水系のうち、天然湖沼が5つの水域、人工湖沼が25の水域に既に類型が当てはめられているというものでございます。
 海域につきましては、資料の6ページを御覧いただきたいと思います。海域につきましても、政令により国が定めるべきとされている水域につきまして全部で10の水域がございますが、このように区分をして指定をしているということになります。そのうち、湖沼もそうでございますけれども、海域についてはCOD等の類型と窒素・燐に係る類型を区分して指定をしてございます。これらの既存の生活環境項目の類型を参考に御検討をお願いしたいということになろうかと思います。
 ここまでが検討の前提となる事項ということで、非常に雑駁で申しわけございません。そして一旦、資料5に戻っていただければと思います。
 これまで御説明をいたしました告示、答申、部会決定等をそれぞれ踏まえつつ、資料5にございますとおり、具体的な2つの検討事項、(1)といたしまして水域類型の指定の考え方、そして(2)といたしまして各水域の水域類型の指定の検討を進めていただくことになります。
 まず、(1)の水域類型の指定の考え方でございます。今回が水生生物に係る環境基準類型の初めての検討になるということもございますので、幾つかの実際の水域における類型指定の検討をまず先行して行いながら、その検討を通して類型指定の考え方を整理して一般化していくといった方法で進めていってはどうかと考えております。
 実際に先行して検討する水域でございますけれども、淡水域におきましては、環境基準の類型が主に水温に着目をした区分になっているということを考慮いたしまして、東北地方の北上川、そして関東地方の多摩川、そして四国地方の吉野川の3つの河川を選んでおります。また海域につきましては、検討に必要な情報や知見が比較的多くそろっていると考えられます東京湾について、先行して検討を行うこととしてはどうかと思います。これらの水域につきまして、具体的な類型当てはめの検討を最初に進めていくということにいたしまして、その検討を通しまして類型指定の考え方について整理をしていってはどうかということでございます。
 また、水域類型の指定がなされた水域におけます環境基準の運用につきましても、併せて御検討をいただければと思います。特にどのような場合に環境基準を達成したとするかといった環境基準の達成状況の評価方法等につきましても、御検討をいただければと思います。これにつきまして、参考資料3を御覧いただきたいと思います。
 こちらの参考資料3は、都道府県が類型指定などの事務を実際に取り行うに当たりまして、事務処理の基準となる事項を環境省から各自治体に通知をした文書でございます。
 資料の1ページを御覧ください。各都道府県が類型指定を行うに当たり基準となる事項が定められております。1ページの第1、環境基本法関係の中の(1)環境基準の水域類型の指定の必要性の判断という部分から、次の2ページにいきまして、(2)環境基準の水域類型の指定を行うための水質調査、そしてその下の(3)水域類型の指定を行う際の水域境界の判断、そして3ページにいきまして、(4)類型指定の見直しといった4つの事項について、都道府県が行う事務はこのようにして行うべしという基準が環境省から示されているということになります。この事項については、もちろん水生生物の環境基準につきましてはまだ具体的なことは決まっておりませんので、これから御検討をいただいた上で、それを踏まえた上で、各都道府県の方に通知をしていくといった作業が必要になろうかということでございます。
 この中で、資料の4ページを再び御覧いただきたいと思いますが、一番下の方に(3)というところがございまして、測定結果に基づき水域の水質汚濁の状況が環境基準に適合しているか否かを判断する場合という記述がございます。ここでは、既存の各環境基準項目につきまして、その次に5ページにございますけれども、2)に生活環境の保全に関する環境基準について、どういった場合に環境基準が達成しているかといった基準が示されております。
 その一例といたしましては、資料の5ページの下の方の2)のアというところに、BOD及びCODの環境基準の達成状況の評価という記述がございますが、BOD及びCODにつきましては、御存知の方も多いとは思いますけれども、いわゆる75%水質値で環境基準の達成を評価するということが決められておりまして、実際に水質を測定した結果、それがどういった数値になった場合にその水域は環境基準が達成になるのか、あるいは達成していないのかということを決めるということが必要となってまいります。これまで生活環境の保全に関する環境基準につきましては、アでBOD及びCODの環境基準の達成状況の評価が定められております。
 次の6ページにまいりますが、同様に、今度は湖沼における全窒素及び全燐の環境基準の達成状況の評価というものがこちらに定められております。湖沼につきましては、一言で申し上げますと、複数の環境基準点を持つ水域については、当該水域内のすべての環境基準点において環境基準に適合している場合に、その水域が環境基準を達成しているというふうに判断をするというように決められております。
 次にウでございますが、こちらは海域の全窒素及び全燐の環境基準の達成状況の考え方でございます。海域の場合におきましては、定められた1つの水域の中に複数の環境基準点を持つ水域については、当該水域の中の各環境基準点における表層の水域の年間平均値を、さらに当該水域内すべての基準値について平均した値が環境基準の値に適合している場合に、初めて当該水域が環境基準を達成しているものと判断をするということとなります。このようにそれぞれ各水域の特性や、基準項目の特性に応じて、どういった状況の場合に環境基準が達成されているのかということが定められております。
 今回、水生生物保全の環境基準の運用に当たりましても、実際に環境省あるいは各都道府県が類型の指定を行っていくわけでございます。また、実際に水質汚濁防止法に基づきまして水質の常時監視を行っていくわけでございますけれども、そのためには、達成を判断する基準として、こうした処理基準を水生生物保全環境基準についても定めておくという必要がございます。そのために、環境基準の達成状況の評価方法等を含めました水域類型指定の考え方について、併せて御検討をいただきたいと考えております。
 資料5に戻ります。ここまでの御説明で、「1.検討事項について」の「(1)水域類型の指定の考え方」につきましては、まず実際の水域を例にとりまして、その検討を行うことを通して環境基準の類型指定の考え方を取りまとめていただくということ。そして類型の指定がなされた水域における環境基準の運用、特に環境基準の達成状況の評価方法等に関する事項についても、併せて整理していくということ。これがまず1点目の考え方でございます。
 次に、検討事項のもう一つの項目でございますけれども、(2)の各水域の水域類型の指定でございます。(1)で実際の水域における水域類型の指定の考え方を、具体的にどういうふうにしていったらよいかということをおまとめいただいた後に、環境省が実際に、類型を指定していかなければいけない水域が、河川で全国で47水域、北上川から宝満川までの各水域がございますが、これらの水域について順次検討をしていきまして、考え方としては、その審議に必要な科学的知見などの資料が揃った水域から順次検討を開始していただきまして、実際に各水域にどのような類型が当てはめられるか、適しているかについて御検討いただくということが2番目の大きな検討事項になります。
 最後になりますけれども、今後のスケジュールについてということでございます。本日、第1回目の専門委員会では、(1)の諮問について及び(2)の検討の進め方、ということでただいま御説明をいたしましたが、このような考え方でよろしいかということをまず決めていただきます。
 第2回目以降で具体的な検討に入るわけでございますが、水域類型の指定の基本的な考え方について議論をしていくということになります。また、国当てはめ水域の水域類型の指定といたしまして、まずは北上川、多摩川、吉野川、そして東京湾について先行して御検討をいただきまして、考え方をまとめるのに資するといった考え方で進めてはどうかと考えております。その後につきましては、これらの4水域を除いた水域につきまして、幾つかの水域をまとめて御検討いただきまして、その都度、中間報告を行っていってはいかがかと、こういった進め方でいってはどうかというふうに考えております。
 以上でございます。

○須藤委員長 大変複雑なシステムを要領よく御説明いただきまして、どうもありがとうございました。
 環境基準、特に水質環境基準は30年の歴史を持っておりまして、BOD、CODにさかのぼれば、そのときの類型指定、先ほどからお話があるようなところで、少しずついろいろな項目が加わったりして、基本的には同じだけれども、その時代の考え方等も違って、例えば評価の方法も、その水域によって異なっているなんていうこともあったりして、非常にわかりにくい部分が多分あるんだろうと思いますが、しかし、その歴史を踏まえた上でのこの水生生物の環境基準の当てはめでございますので、やはりそれに則ってというのは水環境部会の付託事項として説明をされました。
 結果としては、資料5に示されている紙1枚が我々の仕事ということになるのであろうと思いますが、しかし、それにしても、30年の歴史を踏まえてこれから進めるわけでございますので、非常にわかりにくかった点もおありかと思いますし、それからこの部分ぐらいはこうした方がいいのではないかというようなこともあるとは思いますので、今日のところは、先ほど諮問のことについては御理解いただいたということでございますので、この資料5を中心にいろいろなところの引用がありますけれども、まずはモデルとしては北上川、多摩川、吉野川の3河川で、海域は東京湾を取り上げて、それをモデルとして類型当てはめをやると。国が指定をしなくてはならないのが、これももう法的に決まっておりますが、全部で64になるわけですね。河川33、それは足し算すればいいんですね。多分64の水域についてやるわけですが、それらもここの仕事である。それをやるためには基本的な考え方が必要であると。
 また、その基本的考え方は、各都道府県の、あるいは政令市に対してそれをお示ししないと、そちらでも類型当てはめができないということがありますので、基本的な考え方は多分同時進行で、もしそれが決まれば、地方公共団体の方にお示しするのだろうと、こういうふうに理解をしているわけで。とりあえずは今のようなまとめにさせていただいておいて、最終的には評価方法までここで議論をしていかないと、後で達成したのか、達成しないのかということができなくなりますので、そこも最終的な議論になろうかと思います。
 ということで、どこからでも結構ではございますが、とりあえず資料5を中心に、先生方にもし御意見なり、あるいは御質問なりあればということで、有馬先生の方から一通り、ちょうどまだ45分ございますので、一当たり御意見を伺って、それで相互に討論させていただきたいと思います。お願いいたします。

○藤田委員 その前に基本的なところでちょっと教えていただきたいことがありまして、人間というのは、60キログラムの人に対して10ミリグラムぐらい亜鉛を取る必要がございます、毎日ですね。そして、例えば人間にとって、水の中とか土の中にどのくらい亜鉛が含まれていたら良いかという、その方の議論は、この水生生物はわかるのですけれども、人間にとって必要な亜鉛の量。すなわち人間がたくさんいろいろな食物を食べて、水から吸ったものを食べて生きていかなければならないわけですけれども、そのような逆の考え方というのは今までございませんでしたでしょうか。

○谷企画課長 先生御指摘のとおり、人間には亜鉛が必要で、実際に亜鉛欠乏症というような症例もございますし、サプリメントで売られている亜鉛などもございます。けれども、私どもの環境の基準の考え方、先ほど御説明をちょっと申し上げましたけれども、参考資料1でございますが、環境基準を考えますときに、2つ分かれて考えているわけでございます。環境基本法の16条のところなんですけれども、人の健康を保護する人健康の部分と、それから生活環境を保全するという生活環境と、これは私どもが環境、水環境、水質を考えます際に2つの形で分けて考えているところでございます。亜鉛の人に対する影響、これはもう御指摘のとおり必要なものでもございますし、本当に不足をサプリメントで食べているような、そんなものでもございます。
 けれども、私たちが生きてまいります際に、人間の健康、これも本当に大切なものでございますが、それに加えまして、生活環境を良いものにするということも、これまた環境の政策の重要な部分ではないかと考えております。この水生生物の基準は、この生活環境ということを考えました際に、人間が自分の健康だけではなく、私たちが暮らす環境の中にさまざまな生物が生きていく中で、人間自身もやはり幸せに生きることができるのではないかという、そういった生活環境の観点から御検討をいただいたものでございます。
 そういった観点では、水生生物ということでございまして、人間に対する健康のために必要な亜鉛というのとはまた異なった観点の議論であったかと思います。

○須藤委員長 先生の御質問の部分は、一応そういう議論があったかどうか、あるいは検討したかどうかということの御質問だったわけですね。そこは、私も検討会から始まって水生生物の基準の方の専門委員会あるいは水環境部会等に出ておりまして、人間に不可欠な元素であるということの議論は当然ございました。それに対して、要するにそれが人間は必要なんだけれども、水に出てしまって、それが水生生物に影響するのでそっちの基準をつくりたいということなんです。では、人間にはどのぐらいあれば良いのかとか、地殻の中に何%含まれるのが妥当であるとか、そういうことの議論はしておりませんが、人間に対して不可欠であるということは一応合意のもとで議論は進んだということだけ付け加えさせていただきます。土屋先生もそんなところでよろしいですか。

○土屋委員 はい、結構です。

○須藤委員長 それでは、有馬先生の方から順番にお願いします。

○有馬委員 今の生き物の中に亜鉛が入っているということで、必須元素ですので入っているということと、それからあと、泥とかそういうものが巻き上がったりしたような、河川なんかの場合は特に影響があるかと思うので、そういうものと溶けているものとの仕分けというのを、やはり監視の中ではちゃんとやっていかないと、時に高い値が出たりとかというようなこともあろうかと思うので、その辺のところの考え方をどういうふうにしていくかというのが1つと、それからあと、生活環境項目の従来の類型で、CODなんかだとABCというふうに分けておられて、当然CODの高いところには、成魚というか運動性のある魚なんかはそちらの方に行かないで逃げて近寄らないという格好になっているんですけれども、実際に今度は産卵した場合には、卵とか幼稚仔は運動性が非常に低いわけで、そういう意味でいうと、そういう場所にも流されていくと。結局、環境が悪いためにそこでは生き残れないというような格好になろうかと思いますので、その辺の考え方を、初めからCのところは産卵から稚仔の分布域という問題から外して考えるというような整理、今回のお話からすると、そういう格好で整理していった方が良いのではないかみたいな形になっていると思うので、その辺のところも考え方を少し議論する必要があるかなというふうに思っております。

○須藤委員長 例えば、湖沼でもC、河川でもBぐらいになったところで、今のようなことが仮に産卵などがあったようなところであるならば、これは外すとは書いていないんだけれども議論した方が良いというようなご意見でしょうか。

○有馬委員 意味合いとしては、何かそんな感じがあります。

○須藤委員長 そうですね。ですから、そういうところも併せて検討した方がよろしいという御意見でよろしゅうございますか。
 それから、前者の方の先生の存在形態ですね。おっしゃるとおりで、特に重金属は溶解しているのか、不溶性であるのかによって随分違うのでして、そのことは何回も部会なんかでも議論がありました。結局、この値は全亜鉛なんですよね。どうして全亜鉛にしたかといったら、測定をすることはできないわけではないんだけれども、サンプリングしてきて、形態が変化しますよね。やはり全亜鉛にしておく方が、安全性の原則に立ったらそれでよろしかろうというので、おっしゃるとおり、それが不溶性か溶解性によって、これからのやり方としては、多分重金属の場合は、その存在形態というのは重要視されるんですが、今の段階で、モニタリングしていく段階ではかなり無理ではなかろうかというような議論の末、こうなったということだけ付け加えさせていただきます。
 では、高橋先生、どうぞお願いします。

○高橋委員 現在の環境基本法の枠組みの中で、水域の生態系を保全していくその第一歩というか、この水質基準というのは。そういう意味で、非常に御苦労されてここまで来たというのを、改めて先ほどから説明を聞いていて感慨深いものがあります。
 私、特に水域の生態系に大変関心があるというか、その大切さを感じておりますので、さらに調査の仕方とか、それからその評価の仕方の中で、さらに水生生物、水域の生態系保全に効果的な考え方とか、方法とかになりますようにということを考えてやっていきたいと思っています。

○須藤委員長 それは生物の方の調査も含めてですね、亜鉛の濃度だけではなくて。

○高橋委員 両方です。

○須藤委員長 わかりました。ありがとうございます。
 では、谷田先生、どうぞお願いします。

○谷田委員 とても難しい議論なんですけれども、結局、淡水域だけとってみますと、どの水域類型を当てはめても30mg/lということで、類域指定をしても、しなくても同じだということになってしまうんですね、極論を言うとね。そうしたら、一体我々は何をするんだろうかということで、きょうの御説明を聞いて多少はわかりました。例えば、BODスタイルの基準でやるのか、あるいは窒素・燐でするのか、そこら辺の議論が残っているのかなという気がします。
 それから、水生生物の代表選手として使われた生物が適当だったかどうか。安全サイドでとれば、たまたまいいんだと思いますが、私が知る限りでは、亜鉛に対して一番弱い生物のデータがどうも使われたのではないかというのが、水生昆虫をやっている専門の者から見たときの印象です。だけれども、これは安全サイドという言い方からすれば、いいわけです。
 それからもう一つは、毒性試験みたいなのが、急性毒性ではなくて慢性でございますね。それから成長制御に関する、成長抑制に関するものから選ばれた基準値ですので、そういうことも踏まえて、どういう測定値を基準にするかというのはかなり難しい問題ではないかと私は印象を持ちました。

○須藤委員長 水生生物の毒性評価の部分については、例えば先生がおっしゃるのはカゲロウとか、その辺の生物ですよね。非常に敏感な生物ではないかといことで

○谷田委員 カゲロウの中でも特に敏感な生物で

○須藤委員長 敏感ですね、そうですね。というような議論は当然ございました。
 ただ、原則としては、今まで科学的な論文として取り上げているものの中の一番敏感な部分という、そういう約束事で始めたことですね。それなので、だから、全然やっていないものだったら引っかからなかったということもあるんですね、そういう問題があるんです。
 ですから、同じ手法で同じ元素についてずっと横並びにやった上でということではないんですね。要するに文献があったものについてやっているから、少し値の取り上げ方も整合がとれていない。それから同じ30μg/lと書いてありますね。あの辺のところも、データがないから全部30μg/lになってしまうんですね。特殊な産卵場のところに。だから同じにしてしまっているんですね。
 そういうことでございますので、そういう意味では、本来ですと私の考えでは、全部もう1回実験なり、毒性評価でもやる必要が本当はあるんでしょうけれども、しかし、それは多分膨大な仕事になるので、今までの17万ぐらい、アクアイアで文献調査をやったんですね。そのデータの中で一応拾ってやった結果がこうであったということで、これ一応約束事であったということでございます。
 その辺については今後また、今1個亜鉛だけなので、まだまだこれはスタートでございますので、今、高橋先生がおっしゃっていただいたようにスタートなので、水生生物の方の毒性評価をやっていく上での検討会に生かしていきたいと、こういうふうに思いますので。
 それではどうぞ、土屋先生。

○土屋委員 検討事項と今後のスケジュール案、基本的にはこれでよろしいんだろうと思っているんですけれども、ただ、北上川、多摩川、吉野川というような河川、非常に素直なところだけが選ばれているんですね。例えば、大和川のようなところも1つ入れておいた方が一般化はしやすいのではないかなという感じはいたしました。あえてそれは、後でそのときになってやればいいというのも一つの考えですけれども、一番最初にやるのだったらば、大和川のようなちょっと違うのも入れておいた方が、最初の議論としてはいいのではないかと、そういう感じがいたしました。その程度です。

○須藤委員長 ありがとうございます。
 それでは、それは事務局で、私がこうすべきだと言うのもなんですから、大和川のことは多分谷田先生が一番詳しいと思いますので、お聞きになってください。
 それでは花里先生、どうぞ。

○花里委員 私は湖の生態系について研究している者なんですけれども、きょうのお話を伺ってやはり一番気になるのは、類型でかなり単純にサケ類と、それからコイ・フナ類に分けているというところで、これは余り細かくやってもしようがないですからこういうことで分けたんだと思って、理解はもちろんしています。
 ただ、これは、サケ・マスの方は水温、結果として水温ということになっているんですけれども、そういったものが多いところというのは上流域が多いわけですし、余り人間の影響は受けていない。どちらかというと、割ときれいなところと。コイ・フナは人間の生活圏に近いところということで、比較的汚れているところというような分け方なんですが。
 例えば水温でも、湖の場合は、暖かいところの湖でもある程度深いところは夏でも冷たい水が下の方にありますから、サケ・マスは棲んでいけるわけですね。ただし、そこが有機汚濁が進んだ場合には、深水層に酸素がなくなってくれば棲めなくなるわけなので、湖の形態・構造、深さだとか大きさだとか、それから有機汚濁の状況、それからそこにどういう生態系ができているかということによって随分変わってきますし、それから何よりも魚の場合、日本の場合はかなり人為的にその分布が決められていますね、放流によって。そういうこともあるので、実際サケ・マスがいなくても、そこはどっちに入るのかというようなことについては、またちょっと難しい部分が出てくると思います。
 それについて、その3つの河川ですか、具体的例としてやっていくことは重要なことだと思うんですけれども。その類型をするには、やはり余り複雑にしてもしようがないですから、とりあえずこの2つで良いと思うんですが、やりながらその補足といったものについていろいろ検討していかなければいけないと思うんですよね。その辺はかなり気になっていることですけれども、検討を進めながら、その辺についていろいろコメントをさせていただきたいというふうに思っています。

○須藤委員長 どうもありがとうございます。
 今の花里先生の方の類型の上流か下流の、結果としては水温の15度ぐらいのところで分けられているとは思うんですけれども、議論の中で、中流を入れるべきだというのがかなりございました。というのは、アユがどっちに入るのかと。結果として、アユは上流というような位置付けにしたんですけれども、上・中・下にして、そのうえで、毒性評価をやった方がいいのではないかという議論があったんですけれども、毒性値をそこに持ってこられないんですよね。それだったので、結果として2つしか分けられないと。海の方も海岸の状況によって違いますよね。だけれども、それも海一本にしてしまった、それはおかしいではないかと、そういう議論がございましたんですが、とりあえずは次の水生生物の毒性評価をしていくときに、今、先生にいただいたようなことはまた生かしていきたいと考えます。
 それでは、藤田先生、お願いいたします。

○藤田委員 私は、自然界からの重金属やヒ素だとかをいかにきれいにするかということを研究しておりまして、いろいろな川の亜鉛をいろいろ調査しなければいけないと思うのですけれども、現在、産業技術総合研究所地質調査総合センターにおいて、各地域の亜鉛の濃度、すなわち泥に含まれている濃度というのが測られてございます。バックグラウンドというのが非常に大切だと思います。これをよく考えていきたいと思います。
 そして、さきほど環境省さんから、例えばフッ素やホウ素の基準値はできていまして、私のところできれいにしてくれというのですが、なかなか難しくて、環境をきれいにしたいというつもりでやると、かえって環境を汚してしまうというような状況が起きる場合がございます。ですから、自然界で存在しているもののバックグラウンドということをできるだけ考えて、基準をつくっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○須藤委員長 どうも貴重な御意見いただきまして、その辺の存在量、土壌の中の存在量とか、底質の中の存在量、底質は測ってありますね。でも、土壌なんかについては余り、そういう意味ではこの調査の守備範囲外になっていたので測っていませんよね。ですからそういうことで、もしデータでもあるならば、また流域のそういう状況によって変化する可能性もありますでしょうから、もし揃えられれば、その辺のところも出していただければと思います。
 それでは、一通り御意見を伺ったんですが、環境省の方で何か事務局として、私がかわりに答えてしまった部分もありますけれども、よろしいですか。あと何か付け加えていただくことがあれば。

○谷企画課長 大変ありがとうございます。須藤先生が以前から御検討に加わっていただいて、検討をリードしていただいておりましたので、大体お答えいただいたかと思っておりますけれども、せっかくですから、順にお答えさせていただきます。
 全亜鉛という話はおっしゃるとおりでございますけれども、このほかにも、どのように測っていったらいいのかというのは様々なところでございます。ちょっとこの場の検討とは若干外れるかもしれませんけれども、測るということにつきまして、良い機会でございますので、現在の行政的な状況を御説明させていただきたいと思っております。
 三位一体の改革、これが行われまして、いろいろな議論がございました末に、平成17年度のさまざまな環境に対する計測、特に水質の測定のあり方について予算案が、大分これまでとは変わった形になっております。これまでは、国が都道府県等に補助金を出すということで、水質の測定が行われてまいりましたけれども、この国の補助金を撤廃いたしまして、自治体独自の財政の中で見ていただくと。税源移譲をしまして、あとは地方自治体が地方自治の中で行う──地方自治体の中ですけれども、もちろん法律の施行ということではございますが、行っていただくと、こういう体制になりました。
 予算の形としては大変異なっていくわけでございますけれども、環境基本法や水質汚濁防止法が、予算のあり方で一切変わるわけではございません。こういった法律に基づいて、どういった測定のあり方が適切であるかということを、大変一般論の御説明で恐縮でございますが、私どもも、これまで以上に身を入れて考えなければならないことではないかと思っております。
 その中で、もちろんこれまでは補助金がございますと、地方の財政はその補助裏を手当するというような形で、必ずしも法律の施行としての細かないろいろな御連絡なり、御相談なりということがなくとも、一定の測定が行われてきたという面がございました。ただ、これからはそういった補助金が全廃されます中で、私どもも地方公共団体といろいろな形で連携し、御協力をさせていただく一環として、私たちの水環境をどういったものとして測っていけばよいか、それは回数ですとか、項目ですとか、どういった地域を、またどのように測っていくかということについて、これまでよりも一層真剣に検討していく必要があると思っております。亜鉛の話も、まさにおっしゃるようなさまざまな論点がございますけれども、亜鉛以外の水質の項目につきましても、しっかり考えていかないといけないというふうに思っております。
 これからも、もちろんこの委員会での審議事項ではございませんけれども、さまざまな場で御意見を承ることができますと、大変ありがたいと思っております。これまでよりも一層水質を測定するということについての皆様の御理解、御支援が必要ではないかと、あるいは私どもの至らないところもあるかもしれませんし、御指導を賜る必要があるかと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 次に、高橋委員の生態系の調査のお話を承りました。これは先ほど御説明を申し上げました小委員会の報告の中でも、フィールド調査とかさまざまな指摘がされているところでございます。
 ちょっと今の話とも関連をいたしますけれども、私どもが今後、今すぐということでは必ずしもないかもしれませんが、水環境をどう把握して、どう測っていったらいいかということを真剣に考える中で、水質そのものの化学的な質もさりながら、そこにどのような生物が住んでいるのかという視点も重要な視点ではないかと思っております。現在、さまざまな地域の住民の皆様にご参加いただく形で、水生生物の実態調査が行われてきております。ただ、これは恐らく2つの面がございます。水生生物の実態調査はいろいろな方々に、例えばCODと言われるとよくわからない子供などにも、こんな生き物が住んでいますということを見ていただくことによって、水環境について関心を持っていただくということでは大変良い機会だと思っております。
 けれども一方で、さまざまな方々の御参加を賜るということと、正確な生物の調査を行うということと、この二つをどう考えるかということは、それぞれで念頭に置かなければいけない事項かと思っております。これから、私どもが水環境をどう捉えていくかということを考えます際にも、この正確性ということと、国民の皆様に、必ずしもこれまで水環境に御関心をお持ちでなかった方々も含め、広く水環境を御理解いただくという、この2つの目的をどのように追求していくか。難しいことでもあり、かつやりがいのある仕事ではないかと考えております。御指導賜りたいと思っております。
 これの関係で、これもお時間をちょうだいして大変恐縮ですが、今やっておりますことを1つ御紹介させていただきます。小池大臣の発案で、ちょっと言葉は変なんですが、「こどもホタレンジャー」というのを始めました。この「ホタレンジャー」というのはどういう意味かといいますと、ホタルという生物に着目して、水環境に対して子供さん方に関心を持っていただく。関心を持っていただくとともに、この水環境を守ろうという意識を持ち、行動に移していただく、これができないかという試みでございます。ホタルに着目して、でもそのことで、ホタルは実は子供時代は水の中に育つんだということを理解してもらうことによって、ホタルの子供たちが楽しく暮らせる川や湖を守るという活動をしていらっしゃる、そういう例を全国から募集をいたしまして、これから選考いたしまして、春休みの期間に大臣表彰をしたいと思っております。小池大臣の発案で、今回が初めての試みになります。どのようにこれからこういったものをきっかけにして水環境をよく認識し、守っていこうという人を増やしていけるかにつきましても、今後、この場では必ずしもございません、別の機会もあるかと思いますし、あるいは非公式にも、どうぞ御指導をいただければ、大変ありがたいと思っております。
 谷田先生にもいろいろ御指摘を賜りまして、ありがとうございます。これからも、先ほどの小委員会報告にもございましたけれども、今後とも私ども、水生生物につきましてさまざまな検討を行う機会があるかと思います。引き続き、御指導いただければ大変ありがたいと思っております。
 土屋先生からいただきました大和川のお話を承りまして、どのようなタイミングで、どういう資料を集めることができるか、検討してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 花里先生にもいろいろ教えていただきまして、これからもいろいろ専門的なことが多うございますので、勉強させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 藤田先生から承りましたバックグラウンド濃度のデータ、ぜひ参考にさせていただきたいと思っておりますので、御指導賜りたいと思います。
 どうもありがとうございました。

○須藤委員長 どうも御説明、御回答ありがとうございます。
 私も、先ほどから先生方のご意見を伺っていて、ここの専門委員会は類型当てはめをすると、そこだけしかないんですよね。だけれども、先生方の御専門からいろいろ伺うと、発生から、要するに亜鉛でしたら亜鉛の発生から始まって、流出があって、そして生態影響があって、そして測定もあって、そしてその基準を決めてというぐらいのところまですべて含んでいるんですね。ですから、ここでもう一度それをやるわけには当然いかないので、ずっと決まってしまっていることなので。今後いろいろあるだろうと思いますので、先生方の御専門の知見をぜひ生かしていただいて、ここでやるわけにもいきませんから、ぜひ個別にいろいろそれこそ御指導いただいて、そして少しでも多くの情報の中でやっていかないと、ここに何を当てはめるかなんて余りおもしろい仕事ではないですよ、具体的にいうと。いや、私そう思っているんですよね。先生方を駆り出して、これどれにしましょうかというのは余り私も、本来だったら、前の委員会の続きでやってしまった方がいいぐらいのような話なんです、具体的にいうと。だけれども、非常に重要なことなんですね。地方公共団体がどれを当てはめるかということのモデルを示さなければいけないですね。そのためにはここを十分やらないと、地方の47都道府県で当てはめられないんですよね。それなので、これがモデルなんですよ。
 そういう意味で、済みません、つまらないなんて言ってはいけませんね。行政上では非常に重要な仕事をやっていく上ではどうしても必要なので、先生方のお力をお借りしたいということでお集まりいただいたと、こういうことで理解をしていますので、そういう意味で、ほかの部分のことについてはぜひ、もうこれでおわかりになったでしょうから、ぜひ先生方のいろいろなお知恵をお借りしてください。
 ということで、まだ少し時間があるようですので、谷田先生、どうぞ。

○谷田委員 教えていただきたいんですが、先ほど測定の話が出て、ぱっと気になったところを思い出したんですけれども。ICP-MSでの測定というのはたしかJISには入っていないですね。亜鉛についてはかなり幅広の測定方法を採用カットしているんですけれども、ただ30μg/lという割ときわどいところなので、いろいろな方法をすべてオーケーにしたときの安定性の問題ですね。感度と安定性の問題、特に原子吸光なんかは割と良い値、安定しているとは思うんですけれども、ICP-MSはやり方によってはちょっと動くのではないかと素人ながらですが、これ御専門の御意見を聞いた方がいいと思うんですが。

○藤田委員 MSはかなりいろいろな分析のときにやるんですけれども、やはり原子吸光だとか、ICPの方がよろしいかと思いますけれども。

○須藤委員長 測定については一応出ているよね、何で測定するかということについては。

○大森補佐 亜鉛の測定については、JISの工業排水試験方法を使って、その53番というのを使って測定することになっておりまして、原子吸光法と、それから電気加熱炉原子吸光法、それからICP発光分光分析法と、今お話が出たICP-MSという方法になっております。
 ただ、精度範囲がやはり感度の悪い方法もありますので、今回の基準値はかなり下の方を測らないといけなくなるということで、その辺も環境基準を決めるときに測定法の方も議論をしていただいたところです。

○須藤委員長 それでは、今のは御注意ということで、それは一応そういうことであるということで御注意いただきましたので、十分踏まえてやってください。類型当てはめのところでは、余りこの部分はいいんですよね。類型当てはめをする、それは今度測る人が、各地の人が測らなくてはいけませんので、そのときの御注意になると思います。
 ほか、どうぞ御遠慮なく。

○花里委員 今ちょっと気になったんですけれども、これ河川と湖沼と海域ということになっていまして、それで湖沼ということに関しては、これから検討する3つの水域は河川ですけれども、途中にダム湖があるので、湖沼という部分もそこで入ってくると思うんですが。ただ、一般の湖沼とダム湖は大分違います。1つ、魚の繁殖ということになってくるとやはり浅いところが重要ですから、湖沼だと沿岸域というのはありますけれども、ダム湖というのはかなり切り立っていますから。そういう点では、自然の湖沼も検討する場所として含められたらいいかなと、その必要があるのではないかとちょっと思ったんですけれども、いかがでしょうか。

○須藤委員長 それ1つ入れておいた方がいいという意味ですね。要するに、そのモデルの中に。

○花里委員 最初、その湖沼がないと思ったんですけれども、ダム湖があるからいいかなと思ったんですが、随分自然の形状が違いますので、繁殖を考えると、自然の湖沼とダム湖は随分違いますので、その辺もちょっと検討に入れていただいた方がいいのではないかと今思いました。

○市原係長 国が当てはめる水域といたしましては、自然湖沼が霞ヶ浦と北浦、そして琵琶湖の3湖沼は当てはめるべきというふうになっておりますので、こちらの方から検討の対象にということで、またさらに不足があるようでしたら、ほかの湖沼についてもということは可能性としてあると思いますが、国の指定水域ということで自然湖沼、霞ヶ浦と琵琶湖がございますので、そちらの検討を通して考え方を取りまとめていくということではいかがかと思いますけれども。

○花里委員 はい、それで結構です。

○須藤委員長 ですから、今の花里先生のお話は、地方の方に行ったときにはダム湖がいっぱいあるわけですよね。そのときに留意事項として、さっきのようなエコトーンというのがほとんどない場所だから、どういうふうに留意するかはこれから審議すればいいんだけれども、留意事項を記載すると、そういうことでいいんでしょう。
 それから、さっきの湖でいうと、躍層をつくっている場合の湖とそうでない湖とも違うでしょうし。ですから、そういうようなことを含めて、ちょっと親切に当てはめのあり方についてしてあげないと、初めての試みですから、ほかのCOD、BODとちょっと、そのままというわけにいかないでしょうから。今のダム湖については、多分生き物の方を扱うときには相当違うと思いますよ。
 ほかよろしいですか。有馬先生、どうぞ。

○有馬委員 海域につきましては、水産資源の方の重要性ということで水産庁の方でかなり、いわゆる水産資源の産卵場だとか、それから幼稚仔の生育場とかというデータはかなり整備されていると思うんですけれども、ここで対象になっているそれ以外の水生生物についてというのは、局地的なデータはあるかもしれませんけれども、面的に広がったデータがないと思うので、その辺のところはどういうふうにやっていくかというのは、ちょっと1つ課題かなという気が今しております。

○須藤委員長 その特別域の方のところですね、その辺をどういうふうに取り上げるかということ。次回の御報告でよろしいんですけれども、今もしおわかりでしたらどうぞ。

○市原係長 特に特別域の指定について、幼稚仔や産卵場といった場所の把握というものが求められる、必要になってくると思われます。従来の知見でいいますと、水産資源保護法に基づく保護水面ですとか、そういったデータにつきましては入手が可能でございますが、海域につきましては、必ずしもそういった保護水面だけで十分ではない可能性もございますので、環境省が独自で調査をしている部分というのもございますので、そういった調査の結果をお示ししながら、その結果で類型の当てはめをしていくのに十分かどうか、あるいはどういった点が不足かといったことについて、今後御指導いただければと考えております。

○須藤委員長 それは具体的に、また有馬先生に教えてもらってください。
 それから、先ほど高橋先生も言われていたんだけれども、これ地方へお願いするときには、生物の調査が当然必要になりますよね。その辺を、今、地方は予算が非常に逼迫しているので、そういう調査とかしにくいんですよね。でも、環境省がやれと言ったらやる可能性は非常に高いんですよね。ですから、自発的にやるというのはなかなかやりにくいので、それぞれ当てはめについての基本的な考え方を出すときに、水生生物の調査をやるようにというようなことを示していただいた方がいいんですよね。多分自発的にはなかなかやらないと思いますよ。特に今人の問題もあれしますし、調査費の問題もありますので。その辺のところはぜひ、亜鉛の調査だけではなくて、生物の調査をやるようにしてください。
 どうぞ、高橋先生。

○高橋委員 今言う場所かどうかわかりませんけれども、今の調査のことなんですが、アセスメント業者がやる調査でも、かなり同定間違えというのがありまして、先ほど一般のアマチュアでやると同定の間違いがあるのではないかというお話でしたけれども、必ずしも、やっている人がアマチュアだから間違いがあって、お金を取ってやる人が間違いはないというわけでもないという実態があります。
 やはり一番安全な方法というか、一番基本的な方法は、標本を残してどこか決まったところに収めると。その都度、採取日と採取場所と、どのような団体あるいは個人が採取したかという、そのデータを付けた標本を、アセスのときにしろ、何かの野外活動のときにしろ、必ずそういうことをしていくということで、正確な情報を蓄積していくことができると思います。
 ですから、特別に何か取り組みを起こすとお金がかかるという面もありますが、そういうこともする必要がありますが、非常にいろいろなことが行われているのに、そのデータがどんどんむだになっていっている。非常にもったいないことだと思いますので、今申し上げたようなことを徹底することで、相当これから情報を蓄積することができると思います。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。これも特に地方公共団体に示さなければいけないんですが、さっきの同定の問題も大切だと思いますよ。その辺も留意する一つだと思います。
 ほかよろしいですか。土屋先生、どうぞ。

○土屋委員 環境省としての考え方なんですけれども、水質測定計画にこういうのが入ってくると思うんですよ。水生生物の環境ということで測定計画に入る際に、亜鉛だけが入るのか、あるいは水生生物が入るのかと。その辺はどういうふうに考えておられますか。

○須藤委員長 亜鉛は基準値だから入りますよね。それに伴って、水生生物の調査が測定計画として地方自治体は取り上げなければいけないんですかと、こういう質問ですね。

○谷企画課長 今のところは、水生生物の測定というのは計画には入りません。

○須藤委員長 さっき私申し上げたように、本当はやった方がいいんですよね。今までやっていたところも、予算が欠乏してやらなくなってきているんですよ。皆さんから聞きますと、環境省がやれと言えばやるというんですよ。ですからぜひ、これは法的根拠のないものは余り書いてはいけないんだけれども、進め方の中にそういうようなことを述べていただければ、要するに法的に水生生物の調査をしなさいとは書けないですよね。それはわかっているのですが、まず類型当てはめをする上では必要であるということを示していただいた方がよろしいのではないですか。もちろん先ほど高橋先生が言われるように、今までのデータを収集するということで、不足している場合には調査をしなさいというようなことは示していただいて。

○高橋委員 あの発言の中で、標本を残すということが非常に重要。かなり間違っておりましても、それから分類学の未発達の部分とかがありますので、そういうことも標本があれば解決しますから

○須藤委員長 それは、後で専門家の人がもう一回再度できますよね。わかりました。
 どこまでどういうふうに書くかは今後の問題なんだけれども、きょうの部分は全部議事録に残りますので、先生方の御発言はきちっと生きているということになりますので。

○谷田委員 おっしゃるとおり、測定項目にはないんですけれども、ただ亜鉛の基準値を決めること自体も、水生生物の保全を目標としての基準設定ですから、やはりその目標についての知見というのは一定程度集めなければいけないですよね。そういう意識は、少なくとも我々類型しか言われていないんですけれども、申し上げたいところです。よろしくお願いします。

○須藤委員長 それは本当に大事なことなんですね。こちらの委員の先生方皆さん、水生生物なしでただ亜鉛を測ったらいいというものでもないですから。その辺のところは、人間の方の場合は一応今までの蓄積があるからいいんですけれども、生き物のことになったらそういう知見がないので、生き物のどういう種類がどのぐらいどういうふうにいるかということを知っておく必要はあるわけですよね。そうしないと、再点検もしなければいけないでしょう。先ほど先生、非常に敏感過ぎるお魚というので。もしかしたら、いろいろなデータが出てきたら、基準値を再評価する必要も出てくるんですね。そのときには、そういうデータがないと再評価できないし、先ほどの資料3ですか、4ですか、のところにあったではないですか、知見が出たら、もう一回きちっと見直しましょうというようなことが。というようなところをやるには、それがないとできませんよね。亜鉛の濃度だけではできないので、多分そこは入れてください。
 ということで、その他何があるんでしょうか。

○市原係長 その他といたしまして、次回の日程についてお知らせをいたします。
 次回の日程につきましては、改めまして各委員の先生のスケジュールの方を確認させていただいた後に、日程の方をセットさせていただきたいと考えております。
 以上でございます。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。今お話がございましたように、次回の日程につきましては今後調整をさせていただくということで、できるだけ1人でも多くの委員が出席できるようにセットしていただきたいと思います。
 なお、当委員会の運営方針で、議事録を作成し公表することになっております。後日、事務局から議事録案を作成し、各先生にお送りいたしますので、御発言内容について御確認をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 ちょうど約束した時間が近づいてまいりました。ということで、本日の議事はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。お疲れさまでございました。

午後 3時57分 閉会

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