中央環境審議会水環境部会 海域環境基準専門委員会(第5回)議事録
日時
平成14年12月20日開催
場所
環境省環境管理局水環境部企画課
開会
議事
(1) | 前回議事録(案)について |
(2) | 瀬戸内海の全窒素及び全燐の水質予測結果について |
(3) | 瀬戸内海の全窒素及び全燐に係る暫定目標の考え方(案)について |
(4) | 瀬戸内海の全窒素及び全燐に係る環境基準の暫定目標の見直しについて(報告案) |
(5) | その他 |
閉会
配付資料
資料1 | 中央環境審議会水環境部会海域環境基準専門委員会(第4回)議事録(案) | |
資料2 | 瀬戸内海の水質予測(現況再現結果)の鉛直プロファイルについて | |
資料3 | 瀬戸内海の全窒素及び全燐の水質予測結果 | |
資料4 | 瀬戸内海の全窒素及び全燐に係る暫定目標の考え方(案) | |
資料5 | 瀬戸内海の全窒素及び全燐に係る環境基準の暫定目標の見直しについて(報告案) |
参考資料1 | 瀬戸内海の全窒素及び全燐に係る暫定目標の設定状況及び変更点 |
議事
午後2時開会
○瀬川補佐 それでは、皆様おそろいのようなので、ただいまから中央環境審議会水環境部会第5回海域環境基準専門委員会を開催させていただきます。
本日は委員12名のうち、現時点で8名の委員の方々に御出席いただいておりますので、すでに委員会開催要件を満たしております。
議事に先立ちまして、盛山企画課長から御挨拶を申し上げます。
○盛山企画課長 本日は年末のお忙しいところをこの専門委員会のために御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
御案内のとおり、今日は予算の内示の日なものですから、部長が今、内示の会議の方に出ておりまして、遅れてまいるかと思いますが、バタバタしまして誠に申し訳ございませんが、私の方からとりあえず御挨拶をさせていただきます。
日頃から委員の皆様方には水環境行政につきまして、大変格別の御指導をいただきまして、誠にありがとうございます。まずは御礼申し上げます。
さて、今日の専門委員会におきましては、海域の富栄養化防止ということで、大変重要な瀬戸内海の暫定目標の見直しについて御審議いただいております。閉鎖性水域の中で一番大きな瀬戸内海の暫定目標につきまして、今日の専門委員会で委員会としての報告案をまとめていただきたい、このように希望しておりますので、よろしくお願いいたします。
簡単ではございますが、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
○瀬川補佐 次に、議事に入ります前に本日お配りいたしました資料について確認させていただきたいと思います。
本日お配りいたしました資料、資料1から資料5、それから参考資料が一つございます。
なお委員の先生方に限り資料4-2として用意をしております。
もし資料の不足等がございましたら、今あるいは議事の進行に伴いまして御指摘いただければと思います。
それでは、議事に入らせていただきます。議事運営規則に従い、本専門委員会の委員長でいらっしゃいます須藤先生に議事進行をお願いいたします。
○須藤委員長 かしこまりました。それでは、御指名でございますので、委員長を引き受けております私から議事進行をさせていただきます。
本日は大変年末のお忙しいなか、先生方、事務局並びに傍聴の方々には御出席をいただきまして、大変ありがとうございます。
本日は、ただいま盛山課長からお話がございましたように、瀬戸内海の暫定目標につきまして、専門委員会としての報告をできればまとめたいと考えておりますので、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
審議時間はただいまから2時間ということで、概ね4時には終了させていただきたいと思っておりますので、議事進行につきましても御協力をお願いいたします。
では、早速でございますが、前回の議事録についてでございます。資料1に前回議事録(案)が準備されております。本資料は委員の先生方に御確認をいただいた後、事務局で修正し、再度各委員の先生方に送付されている資料でございますので、この場で議事録を前回の議事録として確認をお願いしたいと思います。
2度ほどお目を通していただいておりますのでよろしいかと存じますが、よろしゅうございますでしょうか。
それでは、この本議事録を前回議事録といたしますので、事務局において公開の手続きを進めていただきたくお願いをいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
では、次に議題2でございます。瀬戸内海の全窒素及び全燐の水質予測結果についてということから始まりまして、次が瀬戸内海の全窒素及び全燐に係る暫定目標の考え方(案)について、瀬戸内海の全窒素及び全燐に係る環境基準の暫定目標の見直しについてということで、先ほど課長のお話がございましたように、最終的にはこの専門委員会としての報告を取りまとめるということでございまして、いずれも関連いたしておりまして、一つ一つ御説明をいただくよりも、一通り御説明をいただいて、それから先生方に御意見をいただく方が議事進行も円滑にいくし、流れもその方がよろしいかと判断をいたしております。前回、特に水質予測の鉛直プロファイルの予測結果を提出しなさいという宿題もいただいております。前回の宿題も含めまして、この議題の中に織り込んでいただいて御説明いただくということで、資料2、3、4を一括して、それでは瀬川補佐の方から御説明ください。
○瀬川補佐 それでは、一括いたしまして、資料2から資料5まで説明をさせていただきます。
まず、資料2でございますけれども、瀬戸内海の水質予測(現況再現結果)の鉛直プロファイルでございます。
須藤先生からも御指摘いただきましたように、前回、第4回の専門委員会で御指摘いただいた事項につきましては、事前に先生方に送付しているところでございますけれども、シミュレーションに係ります部分のみ鉛直プロファイルの追加資料として提出させていただいております。ちなみに事前にお送りしましたものと同じものになっております。
塩素量及び水温の鉛直プロファイルの作成をいたしまして、1ページ目に鉛直プロファイルを作成した地点の図を付けております。それぞれ水域ごとに1番から順に数字を振っておりますので、例えば1番という数字を複数入れたりいたしています。
2ページからが各地点における塩素量でございます。塩素量のデータが7ページまでございます。
8ページ目からは水温のデータになっております。渡辺委員から水温に関しまして、7月の水温が低いという御指摘をいただいたところでございますが、やはり全体的日にちを見ましても8月、9月の水温に比べますと、7月の水温というのは実際に低いということでございました。資料2につきましては、簡単ですけれども、以上でございます。
資料3は瀬戸内海の全窒素及び及び全燐の水質予測結果でございます。1ページ開けていただきますと、将来水質の予測ということで書かせていただいていますが、シミュレーションモデルが概ね良好であるということでございますので、平成16年度における諸施策を考慮した淡水流入量及び負荷流入量の推定結果を示しております。
負荷流入の結果につきましては、2ページ目から記しておりますが、淡水流入地点につきましては17ページ目からの地図に付けていますけれども、平成11年度の現況再現を行ったケースと全く同じ地点における淡水流入量及び負荷流入量の推定をしております。
この負荷流入量の推定に関しましては、平成16年度の発生負荷量からは流達率などを勘案して設定したものでございます。
これらをもとにした将来水質予測でございますけれども、先生方、すでに御案内のように、夏の水質計算結果を出しております。全窒素、全燐の環境基準につきましては年平均値でございますので、その算出方法をその下の数式に表しております。
平成16年度の年平均値は平成16年度の夏季の計算値と平成11年度の夏季の計算値の比を平成11年度の年平均値(実測値)に掛けるという形で作成をしております。
40ページを開けていただけますでしょうか。
40ページに播磨灘北西部から備讃瀬戸、その他順に水域ごとに水質予測結果を書いております。例えば、表4.2
備讃瀬戸における将来の水質予測結果のところで、一番上のところ、水島港口部ですが、現状の夏季計算値が0.75に対し、将来の夏季計算値が0.77と上がっておりますので、0.77を0.75で割ったものを現状の実測値の年平均値0.47に掛けると将来の年平均値の予測値0.48になるという計算をそこではしております。
ほかの地点についても同様でございます。
その結果でございますけれども、戻って恐縮ですけれども、22ページ目からは全窒素の夏季の第1層のコンター図になります。ここで示されておりますコンター図でございますけれども、この水域、この水域と申し上げるのは瀬戸内海各港、大阪湾を除くという意味でございますけれども、それについてはほとんどコンター図についての変化がありません。発生負荷量の変化がほとんどない、あるいはまた淡水流入量、そういったものがほとんど変化がないということで、コンター図がほとんど動かないという形になっております。
他方、大阪湾のようにかなりコンターが密に入っているところ、あるいは流入負荷量の変化があるところなどはコンター図の変化が見られるということで、そのコンター図の変化があまり見られない、淡路島以西についてあまり見られないという点は、これは第1層の図を見ていただいておりますけれども、窒素、燐とも第1層から第6層までほとんど同じ傾向を示しております。
そこで、先生方の御手元には資料4-2ということで、委員限りの資料をお渡ししております。資料4-2、委員限りとさせていただきました理由でございますけれども、香川県及び福岡県については、平成13年度の測定結果が未公表でございますので、この専門委員会においては現時点では委員限りとさせていただいております。
これを見ますと、平成13年度の測定結果においては、ほとんど環境基準を達成しているような状況になっておりますが、他方11年度と16年度を比べてみますと、発生負荷量の変化があまりないことから、シミュレーション上はほとんど同じ、つまり環境基準を達成していないところは環境基準を達成していない、あるいは環境基準を達成しているところは環境基準を達成するという、そういう結果になっております。
このため、暫定目標を考える際に、どう考えていったらよいのかということを資料4にまとめておりますので、資料4を御覧ください。
資料4でございますけれども、瀬戸内海の全窒素及び全燐に係る暫定目標の考え方(案)でございます。先程資料4-2で若干御説明させていただいたとおり、瀬戸内海の全窒素及び全燐に係る環境中濃度は、一般的に減少傾向でここのところ推移をしております。平成13年度のデータでは瀬戸内海全域で1水域以外は環境基準を達成しており、残り1水域も全窒素に係る環境基準値
0.3mg/Lに対して、平均値0.31mg/Lと、ほぼ環境基準レベルに達している状況でございます。
他方、シミュレーションでは基準年度であります平成11年度と16年度では負荷量の減少が少なく、環境中濃度は平成11年度と同レベルになるという結果が得られております。
16年度では環境基準を達成していない水域が見受けられますので、ルールどおりシミュレーションに基づきますとおりで、環境基準は達成しているにもかかわらず、暫定目標を撤廃できなくなるという事態が発生いたします。
このため、暫定目標を設定している水域それぞれについて、個別にどういった状況になっているのかという点検を行う方が妥当であろうと思っております。
まず、平成16年度に環境基準を達成すると予測された水域、これは3水域ございますけれども、これについては暫定目標を廃止する。2番目に平成16年度には環境基準を達成していないと予測された3水域においては水質予測の内容を再精査し、その結果を用いて暫定目標を撤廃するか、新たな暫定目標を設定するかを判断していただきたいと思っております。
1ページめくっていただきまして、2ページ目からは水域別の対応方針(案)でございます。まず、播磨灘北西部でございますけれども、類型IIの水域でございます。ここは全燐について平成13年度までの暫定目標が設定されております。この水域は平成13年度において、すでに環境基準を達成し、16年度においても基準を達成すると予測されることから、暫定目標に目標については新たに設定せず、撤廃してはどうかと考えられております。
次に水島地先海域でございます。ここは類型IIの水域です。全燐について、平成13年度までの暫定目標が設定されております。平成11年度には環境基準を達成しておりませんけれども、平成13年度には常時監視結果で達成をしております。他方、シミュレーション結果でございますけれども、平成16年度には環境基準を達成しないと予測されておりますが、平成11年度と同様の流入負荷量を用いていることがその原因でございます。
今回の専門委員会に先立ちまして、先生方にお知らせいたしましたとおり、先週、関係の自治体の方々にお集まりいただいて、個別の水域ごとに打ち合わせをさせていただきました。結果、当該水島地先水域への流入負荷量の今後の動向についてでございますけれども、当該水域については産業系では窒素及び燐を排出する大規模事業場の新規設置などの計画が、現時点では存在しないということ。それから、生活系及びその他系、その他系というのは面源負荷などでございますけれども、現時点では排出負荷量の増加要因がないということで、当該水域への流入負荷量は13年度から16年度にかけて増加する要因がないという回答を得ております。このため、暫定目標については新たに設定せず撤廃してはどうかと考えております。
箕島地先海域においても同様の考え方でございます。関係県にヒアリングを行ったところ、当該水域については産業系で窒素、燐の排出のある大規模事業場の新規設置及び増設の計画が現時点ではない。また、生活系、その他系についても排出負荷量の増加要因がないということで、先ほど説明しました水島地先海域同様、暫定目標については新たに設定せず、撤廃してはどうかと考えております。
(4)の備讃瀬戸(ロ)水域、及び備讃瀬戸(ハ)の水域については、いずれも類型IIの水域になっておりますが、それぞれ備讃瀬戸(ロ)については、全燐についての暫定目標が、備讃瀬戸(ハ)については全窒素についての暫定目標が設定されております。これらはいずれも先ほどの(1)の播磨灘北西部と同様、11年度、13年度、環境基準を達成しており、また、16年度においても環境基準を達成すると予測されるので、暫定目標については新たに設定せず、撤廃してはどうかと考えております。
最後は洞海湾でございます。洞海湾に関しましては、参考資料の方も付けておりますけれども、理由については水島地先海域、箕島地先海域と同様の理由で暫定目標については設定せず、撤廃したいというふうに考えております。
4ページ目からはケーススタディ、洞海湾のケースでございます。洞海湾につきましては、現在の暫定目標が全窒素にかかります暫定目標が
2.0mg/Lに対し、平成16年度年平均値で
1.3mg/Lが予測されておりますが、13年度においては環境基準の達成が見込まれております。このため、洞海湾の水質濃度の現状などにつきまして、少し細かく見ていきました。
当該水域に位置する環境基準点は4点ございます。全窒素年平均値に関しましては、全体的に平成6年度以降は低減をしております。
当該水域の環境基準点の中で、一番洞海湾の奥にございますD6の地点につきましては、全窒素濃度が高く、当該水域の年平均値を全体に押し上げております。4ページ目のグラフの一番上のところで推移する四角の点がD6の地点でございます。
次のページにおきましては、それでは排出負荷量の動向はどうかということで見ております。当該水域へ直接排出する事業場のうち、申し訳ありませんが、民間事業場ですので名称は伏せさせていただいておりますけれども、仮にここでA事業場と置いております。A事業場からの割合が非常に高いことがわかっており、平成11年度には全事業場合計の約60%を占めておりました。当該事業場は他方、近年全窒素の排出の削減に努めてきておりまして、平成6年度の日量11トンから平成11年度には約半量の
5.3トンへと低減させてきております。この排出負荷量の推移とD6地点での全窒素濃度の推移を見ますと、A事業場からの負荷量の削減がD6及び当該水域全体の水質改善にも寄与をしていると考えられるところでございます。
最後のページ、6ページになりますけれども、第5次総量削減計画では、本地域の平成16年度の全窒素排出負荷量は11年度と同程度と見ております。このため、当該A事業場の排出負荷について見込んでいない場合にはシミュレーションどおりとなっております。しかしながら、A事業場では平成11年度以降、全窒素排出負荷量削減してきておりますし、また平成13年度以降に関しましても増加させる予定はもちろんなく、日量
3.4トン程度で推移する予定。このため、A事業場の取り組みを考慮した場合に、ノンポイントを考慮しても全体の81%まで削減されることになるということで、洞海湾に関しましてはケーススタディということで示めさせていただきましたけれども、暫定目標については新たに設定せず、撤廃することにしたいと考えております。
資料4までの説明で、暫定目標については瀬戸内海水域におきましては全水域で暫定目標を撤廃するということになりますので、報告(案)に関しましても1ページから順に各区域、暫定目標のころに斜め線、設定しないということで報告(案)を作成しております。
なお、各水域ごとに別記といたしまして、各海域の範囲を示しておりますけれども、当然のことながら、別記は、世界測地系への移行、それから各地方公共団体で若干埋め立てなどによって陸岸線が変わった場合についてはすでに措置済みのものでございます。
最後に参考資料1でございますが、これについては一覧表でまとめています。全窒素が1ページ目、全燐が2ページ目になっております。平成13年度までの暫定目標が設定されているところについて、平成16年度には設定しないということをまとめましたところでございます。
資料につきましては以上でございます。
○須藤委員長 では、最終的に資料5は、当専門委員会として、これでよろしければこういうことになるということでよろしいですね。
○瀬川補佐 はい。
それから、すみません。もう一つございまして、報告(案)、資料5でまとまりましたら、これを須藤委員長の方から水環境部会に御報告いただく予定にしております。これに併せまして、参考資料として瀬戸内海の概況などを取りまとめました資料を公表する予定にしておりますので、あらかじめ申し添えさせていただきます。
○須藤委員長 公表というのは、部会の終了後ではなくて、その前にですか。
○瀬川補佐 部会終了後です。
○須藤委員長 部会終了後ですね。部会にはこれを中心にということで。この委員会でこれで先生方がよろしいとおっしゃればですね。これから、先生方からいろいろ御意見を伺ってということでよろしいですね。
○瀬川補佐 はい。
○須藤委員長 どうもありがとうございました。
お聞きのとおりでございまして、暫定目標が何点かあったわけでございますが、今のところギリギリというような部分もありますけれども、将来増大する見込みも自治体のヒアリングからもそうないというようなこともあって、この際、今までの暫定目標は、撤廃という意味で設定しなくてもいいのではないか。こういうのが今までのいろいろ調査をしたり、シミュレーションしたりした後の最終的な成果でございますが、それに至るところまでにいろいろ予想があったり、仮定があったりもしておりますし、前回までにもいろいろ議論をいただいているところでございますので、今日もまだ時間は十分ございますので。岡田先生の方からどうぞ。
○岡田委員 特段ないのですが、時間があるそうですから、一応確認させていただきたいんですが、資料4の1ページ目の下のところに、平成16年度には環境基準を達成していないと予測された水域、3水域、これについては水質予測の内容を再精査し、という書き方があるんですが、再精査というのは次の2ページ、3ページ目に書いてあるような、要は同じ負荷量を使ったからそういうことになったんだということだけ、そういうことですね。
ですから、それはシミュレーションの……、負荷量を用いたことが原因だというのは、もちろんそうなのですが、正しい負荷量は今の時点ではわからないわけですね。だから、やむを得ないと。多分、大丈夫だろうということでもあるし、もともと暫定目標はいろいろ批判もたしかあったはずですから。
○須藤委員長 そうです。つくるときから批判がありました。
○岡田委員 全然桁外れに遠い目標値だったらしようがないのですが、そうではないので、さっさと外した、こう考えていいですか。
○瀬川補佐 はい、結構です。
○岡田委員 ありがとうございました。
○須藤委員長 再精査というのはそういう意味で、ヒアリングなどは自治体にはしていただいているようです。ですから、新たに負荷量を積み上げ直すというのはどうも無理だったと聞いておりますので、そういうなかで増大する見込みがないと判断された、これが再精査の一つではなかろうかと思います。
柏谷先生、どうぞ。
○柏谷委員 さっきのお話で洞海湾の話ですね。洞海湾の話で、ここだけA事業場ですか。これは業種は何だったかな。
○須藤委員長 そのぐらいはいいんじゃないですか。だめですか。
○瀬川補佐 洞海湾に流入する事業場が少ないものですから、ちょっと申し上げにくいのですけれども、化学会社です。
○柏谷委員 これを見ていまして、資料4の5ページに図がありまして、これでよくわからないのは、平成6年から7年にかけて増えているんです、窒素の濃度が。8年になったら若干減っている。それでも平成6年と平成8年値は濃度にしまして同じぐらいです。だから、排出負荷量も同じぐらいではないかと思いますが、それから後どんどん減っていっているということになっていますけれども、化学会社で名前は言えないというのはわかったんですが、これはどのようになっているんですか。もう少し詳しい仕組みを教えてもらえてもらわないと、さっぱりわからない。
○須藤委員長 ただ低くなったんじゃね。では、それはわかる範囲で、瀬川さん、お願いします。
○瀬川補佐 この点に関しましては、さまざまあるわけなのですけれども、一つはこういった経済事情の折りもありまして、プラントで停止したものがまずございます。
それから、工程はわかりませんが、ピークカットを行ったということでした。あと、コークス炉を停止させるということで、さまざまございまして削減したということでございました。また、それだけではございませんで、さらなる管理強化ということでお答えいただいている面がございまして、排水処理に関してもしていただいているということでございます。
○須藤委員長 しかし、ここは総量規制だから、ピークカットと言われているけれども、全量が把握されているのですよね、負荷量として。総量規制地域ですから。その会社ですよね。そういう意味では全量がわかっているという意味でよろしいんですね、今の柏谷先生の御質問の場合。それでよろしいですね。
○瀬川補佐 はい。
○須藤委員長 柏谷先生、まだ当然、これでは説明不足でしょう。
○柏谷委員 よく理解できないんです。というのは、なぜそんなことを言っているかと言いますと、暫定目標を前に決めたときに、2mg/Lで、非常に高い濃度で決めているわけです。
○須藤委員長 そうです。2で決めています。
○柏谷委員 前の上の方の同じような窒素の話で、同じ環境基準値で4のところで、箕島なんかについては 1.1ぐらいだから、それで暫定目標は要らない。それは努力して、そのぐらいだったらわかったということなんですが、2というのは非常に高い値で、しかもそれで環境基準が達成できると言うんですけれども、ここはどのぐらい審議して、どのぐらいの議論をすればいいのかよくわからないんです。通常ならもうちょっと本当にそうなのか、担保がどうなのかという議論をしないと。それでいいんですね、ああそうですかという話にもあまりならないんじゃないかなと思うのです。その辺だけある程度の議論はされた方がいいんじゃないかなと思うです。どうですか、委員長。
○須藤委員長 当然です。だから、今の説明では柏谷先生は納得されませんでしょうと私が申し上げたのは、そういう意味です。もうちょっと掘り下げた方がよろしいかと思います。
○中西委員 前回の洞海湾の2というのは、相当議論になりましたね。非常に乖離しているから、これは何とかしなければいけないというので相当議論をして、それからどこがどうなっているかという構造も多少わかったし。今、ここでは詳しくは言えないとおっしゃるけれども、今まで総量規制のとき、各工場、名前は言わなくていいけれど、AとかBはどうなっているとか、相当詳しい議論をしているんです、専門委員会では。
○須藤委員長 総量規制のときにやりましたね。
○中西委員 だから、こういう突出したところはある程度、会社の名前は言わなくてもいいけれど、こういうプロセスでこうなっているということは、それほど秘密ではないし、今まで公害対策でやってきたのは、全部工場の中のプロセスを見て、ここがどうなっているか、そういうことを突っついて下げてきたんですから、今の時代でそれが言えないというのは、何か時代が逆行したような感じがするので、もう少し言っていただいてもいいのではないかという一委員の意見です。
○須藤委員長 これは会社名はともかくとして、ただ努力してたからこうなりましたというのでは、多分先生方はあれなんで、まず基本的には負荷量が洞海湾の負荷量の6割とか7割をその会社が占めているという意識が十分にあったわけで、これは下げなければいけないという、そういう使命感も持ったわけだ。プロセスを変更しよう、あるいは、発生源対策もやろう、いろいろやった結果として徐々に下がってきているわけなんでしょう。多分、このままいけば1に達成するぐらいのところまで負荷量は下がるでしょう。こういうふうに今説明されたんですね。そういうことでいいんですね。
だけれども、では、どういう努力があったかいうのをもう少し詳しく具体的に示していただかないと、今の柏谷先生と中西先生へのお答えにはならない。秘密といってもプロセスを何かする話と違うから、負荷量が下がったからこうなったということ、御存知でないのなら、御存知ないでいいんだけど、御存知だったらもう少し順番に言っていただいた方がよろしいのではないですか、
○瀬川補佐 県との関係もありますので、確認させていただきたいと思います。
それから、1点だけ確認させていただきたいのですが、資料5に示しました窒素排出負荷量でございますけれども、これは計画値ではございませんで、実質でございますので、実質これだけになってきているということでございます。ちょっと確認させていただきたいと思います。
○須藤委員長 平成13年度は、ここに載っていないのは、結果としてまだデータがきちっと出ていないからこうなっているんですね。空欄になっているわけですね。
○瀬川補佐 はい、そうです。
○須藤委員長 これは瀬川補佐の責任ではなくて、ここは福岡県になるんですか。
○瀬川補佐 北九州市です。
○須藤委員長 そこがきちっと掌握をしているので、そこの判断を仰がないということのようなんです。しかし、そうはおっしゃっても、ここの委員会としての判断をするわけですから、データをどれだけ言っていいかは多少市との紳士協定があるのでしょうから、今問い合わせていただいているようだから、そこは待っていただいて、後の議論にさせていただきますので。その期間に調べておいていただけますね。
○瀬川補佐 はい。
○須藤委員長 それでは、清水先生。
○清水委員 私も特段ありません。現状でほとんど環境基準を達成しているなんていうのは、万々歳でおめでたい限りだと思います。ただ、瀬川さんもちょっと触れられましたが、今の経済状況があるわけです。不況のおかげで産業活動が縮小していてよくなっている面は否めないような気がしますので、このまま大丈夫かというのは何ともなかなか言いにくい。ただし、予測に景気変動を入れるなんていうことはとてもできないことですから、今のところはしようがないけれども、しっかり見守る必要があるのだろうなという、その程度です。
○須藤委員長 わかりました。多分、今の先生がおっしゃったことは大事で、先ほどの説明の中にも経済状況がこうで、工場のプロセスが止まっているというけれど、これがもし動いたら大丈夫なのということになるので。そういう意味ではないのね。
○瀬川補佐 一時的に止めているということではございません。
○須藤委員長 景気がよくなっても、それはいいのね。
○瀬川補佐 はい。
市の方から、例えばコークス炉の停止などが挙げられたので、私どもはそれを未来永劫動かさないということなのでしょうかということはお伺いしております。確かに請け負うというところまではいきませんけれども、現時点では再度動かすということはないと。
○須藤委員長 一時的ではないのね。
○瀬川補佐 はい。
○清水委員 私が申し上げたのは特に洞海湾だけではなくて、全体的な話ですからあれですけれど。
○須藤委員長 今、環境基準が少しよくなっている。窒素、燐、特に窒素がよくなっているのは、工場のプロセスがある程度低減しているというところも関係しているという、そういうことは事実なんでしょうね。ですから、そのこととこういう問題というのはリンクしているので、それは気をつけなければいけない問題で、万々歳だと言っていてまたみんな上がってきてしまった。環境基準達成率は悪くなったということが起こってはいけないので、そういうことも考慮して環境基準は考えておく必要があるのだろう。当然だと思います。ありがとうございました。 中西先生、どうぞ。
○中西委員 基本的にはいろいろ努力していただいて、暫定基準をなくして、一応ノーマルな基準値に努力して決めていただいた。非常に結構なことだと思っております。
内容については、そういうことなんですが、コメントというか感じですね。詳しい負荷量計算を出していただいて、負荷量を出すのは大変なわけなんですが、全体に負荷量そのものが正確に出ているかはまだ課題になっています。特に、面源については見てみると相当ばらつきがあるし、地域によってです。だから、採用された数字が正しいかというのも相当宿題になっていると思います。そういう意味で、負荷量がなかなか正確でない。
もう一つは、環境省でこうして出された資料と別の省庁が出されたのと、手法が違うと数値も相当違っているんです。なぜかというのは、答えは一つだから、やはりそこに研究課題が残っているというような。
そういう不確定要素を中に積み上げた予測ですから、必ずしも正しいということは言えないと思うんですね。それは例の環境アセスなんかの場合、不確定要素というのを相当……、不確実性、こういうことをうたっているので、予測なども不確実性があるということで、これはわかれば修正した方がいいんですけれど、そういうことも思っていなければならないということ。
もう一つは、瀬戸内海全体ですが、栄養塩負荷をほかの東京湾あるいは大阪湾、有明海と横並びに見ると一番低いですね。だから、栄養塩レベルでいうと、そういう意味の富栄養化レベルでいうと、容積負荷とか表面積負荷で見るとずっと低いからね。そういう位置づけにあるということを改めて基準値を決める際に知っておいた方がいいのではないかと思います。
それから、今言った各プロセスで削減してきたというのは、洞海湾については昭和40年代の死の海と言われたときから行って、あそこに七色の海という、死の海ですね。あのとき、工場まで入って、どこから出ているということはその当時から調べているわけです。その中からだんだん落ちて、前回、まだ環境基準が非常に守られていない、暫定でいるというのは一体どうなっているのかという疑問を持ったわけです。
そういう意味では、今は工場の対策というのは物質収支でほとんど出して、それでも我々の山口県でも、地元でも議論していますので、それがここでまだブラックボックスだという、そういう時代ではないと思いますので。
かつての方がより出てきたのが、逆行するような感じがあるんで、さっき申し上げましたが、こういうことはオープンであっていいではないか。
○須藤委員長 どういう努力をしてこうなったかということですね。
○中西委員 そうです。その方が。
○須藤委員長 これはいいことですものね。
○中西委員 そういうことです。追及するとかそんな意味ではないし。そういう意見でございます。
○須藤委員長 ありがとうございました。瀬川さん、今の負荷量のところの積み上げなんだけど、これはあのときと同じなんですよね、総量規制のときと。
○瀬川補佐 はい。
○須藤委員長 その総量規制のときの積み上げたのをこのまま使っているんですよね。
瀬川さん、今の御質問、積み上げは総量規制のときの積み上げと同じデータと考えてよろしいんですか。
○瀬川補佐 はい。
○須藤委員長 ということなんです。新たにはあの時点ではまだ変えていないんです。
○中西委員 それはあります。だから、手法を変えたら、また数値が変わるんです。こういう原単位方式を中心にしたやつと、それからいわゆる河川の流出の変動。LQ式をベースにして積み上げたやつとが相当違っているんです。どっちが正しいかわかりませんけれど。だから、それは将来にわたって、やはり答えは一つだからね。どっちがどう修正すべきかという問題が負荷量については相当残っているということです。永遠の課題かもしれない。二十何年やってきたけれど、いまだにわかりません。
○須藤委員長 しかし、だんだん近くはなってきているんでしょうね。それはなっているんじゃないでしょうか。
それでは本城先生。
○本城委員 私は別の勉強会で洞海湾のデータを、よく似たのを見させていただいたことがあるんですけれども、そのときも北九州の方からはほとんど話はいただけませんでした、その原因については。
それはそれでいいんですけれども、そこの工場から相当に物質が出ている、Nが出ているということは事実であるということで、洞海湾の奥の方の生物生産の、一次生産の大半はそこの窒素によってというような、その動きにすごく左右されているようなデータを見たんですけれども。奥の方側はそのために汚れていたということのようでした。それがだんだん規制されて減ってきているわけですから、それはいいなと思いました。
あと、こういう暫定の表をあえてつくらずにやっていけるということであれば、もうそれでよろしいかと思いますけれども。
もう一つ、一番最初に、僕は2、3回欠席させていただいたものですから、資料2の説明で鉛直プロファイルの現況再現結果のことでして、一つ感じているのは大阪湾とかそういったところでの夏場の水温の変化が少ないときに観測が行われたのかなと思いましたね。まっすぐ動いている。水温躍層もあまりないというように感じましたが、それはその日に測定されているわけですから、それはしようがないと思いますけれども、それをもとにして現況の×印の平均値が出されてくるわけですね。
○須藤委員長 はい。
○本城委員 大分県が測っている伊予灘のステーションは例えば水温を2回測って×印が出ていますね。これは二つを持って出されたんですかね、この×印は。計算値というのは。9ページの一番下のところでしょうか。ここだけは二つあるんですね、伊予灘は。
今度は窒素と燐の方の伊予灘を見ますと、どこかになかったですかね。3か所あったような気がしたんですが、私の見間違いでしょうか。伊予灘は窒素と燐ではないんですか。ないんですね。
○須藤委員長 これはないですね。
○本城委員 ないんですね。私の間違いです。それでは、ここで一つ欠測があるんですね。
○須藤委員長 と思います。
よろしゅうございますか。これは多分、お送りもしてあったかと思いますので。
よろしゅうございますか。ありがとうございました。それでは増島先生、どうぞお願いします。
○増島委員 私も最終的なこの報告(案)には賛成ですが、やはり洞海湾は最初、資料4の5ページの図を見たとき、これは完全に景気の動向だとばかり思っていました。というのは、今までこれは全くブラックボックスだった。今度はブラックボックスがA事業場というブラックボックスに名前がついた。今のお話ではプロセスの構造的な変更があったというお話ですから、その辺がまだブラックボックスでわからないというところはありますけれども、一応了解はできるということです。
あと、資料3の予測結果の計算値の地図がありまして、濃度コンターがあって、濃度が書いてあるんですが、これがほとんど読めないので、さっきからルーペを使って見ているんですが、それでも見えないなんで、次回からはもうちょっと見やすいのにしていただきたいと思います。以上です。
○須藤委員長 ありがとうございました。先生方は若干見にくくなっているので、小さい字で読めない資料、複雑な資料などは見にくいので、ぜひお願いいたします。
ありがとうございました。最後に議論が残っている部分がありますので、そこは事務局から連絡していただいているので、それが出てから。今の増島先生の御質問のところもありますから、それをいたしますが、それでは松崎先生、どうぞお願いいたします。
○松崎委員 暫定目標、これは結構なんですけど、その説明の対応方針の中で水島にしても、その次にしても、生活系及びその他系についても現時点では排出負荷量の増加要因がないと。
以前、ずっと昔に下水処理場が大きくなってくると負荷が増えるんだという話を聞いたことがあるんです。なおかつないということは、下水処理場をでかくするというあれは、あまり進んでいないということでこうなっているということなんでしょうか。
○瀬川補佐 松崎先生がおっしゃられますとおり、下水処理場が下流域にできますと、そこで排出負荷量が増えるという件についてでございますが、今回、調べました水域に関しましてはそういった増加要因というのはないと聞いています。
○松崎委員 洞海湾の話が先に出ていて、暫定目標に関してではないんですが、昔、洞海湾の場合はあそこ、船底塗料を塗らなくても船はさびないというぐらいのひどい海だったんだけとれども、それはきれいになって、窒素、燐がきれいになっているということ。暫定目標の話とちょっと……、僕の記憶違いかもしれないけれど、何年か前に13年度に洞海湾を見直すというような話がちょっとあって、委員長も去年あたりに、それはやるんだと言われたような、記憶が定かではないので、あまり明確なことは言えないんですけれども、暫定目標以外にそういう見直しを13年度にやるという作業はされなかったんですね。
あれは平成9年度からだと思うけれど、ここは例えばIVとIIがつながっているという話がいろいろ議論になったことがあるんですが、そのころ、三河湾の方にも先例があるから、これでやるというような話があって、その後、平成13年度には洞海湾の水域区分を見直すという話が。今になると記憶も定かでないんですが。
○須藤委員長 そうですね。要するに、段階が飛んでいるというところですね。
○松崎委員 いや、そのときも三河湾では先例もあるという説明であったんです。そのときの話では13年度には見直すというので、委員長も去年か何か、それはやるんだというふうに言われて。
○須藤委員長 私の方が物覚えが悪うございます。
○松崎委員 見直してなければ、それで別に結構です。
○須藤委員長 そういう話題があったと思います。
○瀬川補佐 隣接した海域で類型が飛んでいる場合は類型を見直すという趣旨の御発言は委員会ではなかったと記憶しています。隣接した海域で類型が飛んで指定されている区域につきましては、おっしゃられました三河湾以外にも五つございます。これらはいずれもそれぞれの利水目的に応じて類型を指定しております都合上、IV類型とII類型が接続している、あるいはI類型とIII類型が接続していったケースがほかにもございます。
○松崎委員 だから、瀬川さんが言ったわけではないから、瀬川さんを責めても仕方がない。確かに見直すというふうに……。そこだけ変に覚えているのもおかしいんだけど。ほかのところは大分忘れていたんだけど。
○須藤委員長 そういう議論をしたことはございます。多分、ほかの委員の方も覚えていらっしゃるが、それを13年度にするというふうに私が申し上げたかどうかは、これは定かではない。
○松崎委員 いや、議事録にちゃんと載っていますから。
○須藤委員長 そうですか、それは大変……。ただ、見直すというか、点検するということは、議論するということは多分申し上げたような気がします。
○松崎委員 総量規制の話も柏谷先生なんかは盛んに言っておられて、それを見直す必要があると委員長言われたことはあるんです。これは暫定のあれとは違うから、今日の議題ではないのでしょうが。だから、暫定目標のこの点については一切。
○須藤委員長 これでよろしゅうございますか。
○松崎委員 以上です。
○須藤委員長 今の問題、またここで見直す必要がございますねと言ってしまうと、次のときにあれですけれど。ただ、利水目的で決めていますから、隣り合わせてあったとしても、それはおかしくはないですね。ただ、違和感は確かに。ある線からこっちとこっちで水質が、えらく目標が違うというのは流れている系ですから、違和感があることは確かにございます。
それでは、全員の先生方は一応暫定をなくすということについては異議はないという……。
どうぞ。
○柏谷委員 もう一つ、これは水島の話ですが、水島で、今資料4-2をいただいて見ていて、13年度は年平均で達成している。ところが、16年では予測値としては達成しないよということになっていますね。これはいわゆる負荷量が増えてしまうという、16年度が13年に対してここだけは負荷量が増えるからこうなるという、そういうことなんですか、ここは。
○須藤委員長 今の柏谷先生の御質問、どうぞ。
○瀬川補佐 水島地先海域に関しましては負荷量自体はほとんど変わっていないです。流入負荷量自体は変わっていないです。資料4-2、委員限りにさせていただいておりますもの、平成11年と平成16年度の年平均値と予測値を見ていただいていますけれども、ほぼ変わっていないという状況になっております。
○柏谷委員 そういたしますと、16年の水島地先については窒素も燐も達成できていませんというふうなことになってしまうんですね。これも原因をはっきりさせて、シミュレーション上の問題なのか、それとも負荷量の問題なのか、どこが問題なのか。
○岡田委員 計算の問題だけです。
○柏谷委員 計算の問題だけ? 計算の問題で……、この資料というのはどういうふうに扱われるのかわからないけれども、ほかに出て行った場合にこれでいいんですかね。
○須藤委員長 ×のままでいいのかということですね。
○柏谷委員 ということになりかねない。だから、これははっきりさせておいていただきたいなと思うんです。
○尾川総括 資料3の40ページを御覧いただきたいのですが。先ほども瀬川の方から触れた表でございますけれども、40ページ、表4.2(2)に備讃瀬戸の結果が出ております。上から2番目が今お話に出ました水島地先海域でございます。
これを御覧いただきますと、平均値で見ていただいたら結構かと思いますけれども、現在の実測値が0.36であるのに対しまして、シミュレーションで出てきている結果というのが0.31になっている。また、資料にもございますが、予測の仕方といたしまして、このずれというのがどうしても出てまいりますので、相対的に見たときに11から16に対して増要因がないということにしております。ただ、これは総量規制の負荷量の予測がそうなっているからということでございます。
どうしても計算でございますので、ずれが生じますから、私どもといたしましては相対的な負荷量の変化がどうなるのかということをお聞きしまして、13が今達成していることは事実でございまして、では13の水質が将来どうあるべきか。上がるのかということになりますと、これは増要因はないということは11から16と同じ考え方でございますので、現在の状況を維持していただきたいという趣旨でございます。
○柏谷委員 計算上の問題としては、それはよくわかったんですけれども、こういう資料が外に出て行った場合に、「大丈夫ですか」ということに対しての説明といいますか、例えばどのぐらいのことを書けばいいのか知りませんが、注か何かでこうこうこうだからというような説明がやはりいるのではないですか。
どこまでの資料が……。議事録だけしか表に出ないのか、どうなのか、よくわかりませんけれども。環境省の資料は全部公表するという話を聞いているんですが。
○須藤委員長 資料3は公表ですよね。
○瀬川補佐 はい。
○須藤委員長 これは公表になります。データすべてというか。資料4-2は今のところだめですよ。さっきのお話では。あとのは全部出ます。
○柏谷委員 将来は4-2も出るわけですね。
○須藤委員長 全部出ます。要するに、環境基準をこういうふうにしますというときにですね。告示するときには出ます。
○柏谷委員 もしそういうふうなことでしたら、何か説明を事務局の方で付けていただいて、こうなんですよという話をしておいた方がいいのではないでしょうかという意見です。
○須藤委員長 ここは×だけど、なぜ○ですかというようなところの説明は1行でも2行でも書いておいた方がよろしいのではないでしょうか。それは多分そうだと思います。
計算上の問題あり、かなりの負荷量自身は数年前の負荷量であるから。それはそういうことにしないと、多分合わないだろうと思います。
やはり一番重要なところは環境基準を現状の13年度のを達成しているということ自身が一番大きな根拠にはなるわけです。それ自身が大きな根拠であるということなんで、それが増大する見込みがない。どっちかというと負荷量は減少する見込みである。この点ぐらいが、予測値が超えていても大丈夫ですよという、そういう根拠に多分なるのだろう、こういうことでよろしゅうございますか。
今の瀬川さんの総まとめの部分のところで、今のでいいんですか。そんな具合の理解でよろしいですか。
それでは、今のような説明ぐらいはどこかに。この答申書ではなくて、答申書はそういうことを書くようなものではなさそうなので、結果の考察ぐらいのところに若干そんなことを入れさせていただくということにさせていただきます。
○清水委員 資料4である程度書いてはあると思いますけどね。
○須藤委員長 それでは、先ほどから問題になっています洞海湾の2の部分のところ、何人かの先生から同じような御質問をいただいているので、もう少し丁寧に説明をしていただきたいというのが趣旨でございましたので、瀬川さんの方からお願いいたします。
○瀬川補佐 先ほどA事業場ということで御質問のあったものですが、市との関係及び事業場との関係がありますが、これはA事業場の全窒素の削減対策スケジュールでございます。これ自体は計画値でございますので、先ほど資料の方でお示しいたしました排出量と若干デコボコはございますが、先ほどお話ししましたように、なぜこんなに減ってきているのかということであれば、そこに書いてありますように、プラント停止、あるいはピークカット、コークス炉の停止、排水処理の運転管理強化といったことがございます。
「今回企業」と書いてありますところ、北九州市の方に今確認をしていただいているところだと思いますが、この時間中には間に合わないと思いますので、申し訳ありませんけれどもこれで。資料として私どもがお渡しできるのはここまでしかございません。申し訳ありません。
○須藤委員長 ここで非常に定量化されているのではないですか、かなり。段階ごとに減らして、目標をそれぞれ達成して、明らかになったのは 4.6まで。それから、今は 3.2。5分の1、20%ぐらいまでになるであろう。こういうことですよね。そういう意味でよろしいんですね。
○瀬川補佐 はい。
○須藤委員長 先生、これですと大体よろしいですか。これ、ピークカットしたり、コークス炉を停止したり。
○柏谷委員 この太い線というのは、これは計画なんですか。実測なんですか。
○瀬川補佐 先ほどお話ししたように、この図の中にありますのは計画でございます。先ほど資料でお示ししましたのは実測でございます。
○柏谷委員 そうですか。計画だったらわかります。
○清水委員 小さいことだけど、縦軸は上の方が10が消えているんですね。
○瀬川補佐 10が消えていますね。10、12、14、16……。
○須藤委員長 そうですね。
○本城委員 出されている窒素の種類というか、無機なのか有機なのかというのはわかっているんですか。
○瀬川補佐 いえ、わかっていません。
○須藤委員長 T-Nで掌握しているから。ということで……。
○中西委員 わかっているんでしょうね。実際、調べての議論ばかりだから。ここで出てきていないというだけの話ですね。
私らでも地元の環境の審議会とか全部見てますからね。それで、ここはどうなっているというような議論が当たり前になっているので、何かちょっと時代が変わったのかなと思って。
○須藤委員長 北九州市は多分環境審議会があるんですね。ありますね。
○中西委員 あそこは洞海湾がきれいになったよと盛んにPRされているけれども、ここが出てこなかったら、どうもブラックボックスですからね。どうもいかがなものかなと思って。
○須藤委員長 環境省には一応報告はしていただいているのでしょうけれども、あんまり詳細にという部分がないんですよね。
○中西委員 それは専門の、内部で検討されているんだろうけれど、それは当然、アンモニア態か、硝酸態か、全部わかっている。
○柏谷委員 コークス炉と書いてあるからアンモニアですね。
○須藤委員長 アンモニアですね。コークス炉はアンモニアですね。
○中西委員 アンモニア、シアン。
○須藤委員長 ただ、ここで対象にするのは、T-Nととしてとらえているから、最低限というよりも、報告しなくてはいけない部分は報告してくるけれども、それ以上の余分のものは多分、国には報告しないというか、しないだろうと思いますね、多分。当方としてはT-Nとしてはやっているから、それは報告してくるということなんで、これを報告しなければいけませんということではなくて、お願いして、もし調べるということであれば、それはできるんだろうと思うけれど、とりあえずはその報告義務は果たしていただいているのだろうと思うわけでありますが。
先生、もう少し詳しくということですか。そうではなくていいんですね、これは。
○中西委員 いやいや、ここのところまではこの辺で構いません。けれども、こういうのはマル秘資料とかそういう時代ではもうとっくになくなっているんだという、私はそういう認識で昭和50年あたりから、そのプロセスは皆。それが判らなくては工場排水対策なんて成り立たないから。それが常識になって、そういうのは地元に全部出してもらっています。
○須藤委員長 瀬川さん、マル秘ということでお話ししたんではないですね、さっき。何か先生方はそう受け取っている。マル秘ということではないんでしょう。そのプロセスの、今のこの話は。
○瀬川補佐 私ども、これ以上のデータは手元にないので、お出ししないということだけです。すみません。個別の事業場全部のプロセスの報告を求めるに至っていないので、申し訳ありませんが、資料としてはこれ以上は。
○中西委員 ここでこれ以上出してくださいとかはいいません。
○柏谷委員 これは何から出てきたデータなんですか。ああ、そうですか。
ピークカットというのはおかしいですよ。おそらく何かの間違いではないかと思いますよ。ピークカットしただけで減る……。3年間もこういうことでピークカットだけやっているというのは、そんなことでこんなに減るというようなこともおかしいですね。コースク炉停止というのはわかる。これだけ減ったというのはわかりますけどね。
○須藤委員長 多分、すべての負荷量というのは、さっきお話がありますように、自治体から協力いただかないといけないんです。だけども、要望しているのは最後のどれだけ出たかということをお願いしているわけですよね。それなんで、どこがどういうプロセスで削減したかというところを報告させているわけではないんで、多分瀬川さんのようなお返事になるんですが、今後、総量規制とかそういうような中でどうやって削減すればいいのかという、削減のあり方だとか、規制基準とか、そういう中での議論の対象にはなるのだろうと思いますけれども、ここは最後の部分なんで、一つひとつのプロセスを取り上げる議論ではない。ただ、これだけ大きかったので、そういう議論に一応波及した、こういうことでありまして、一応こういう形でA事業場がかなり大幅な削減に踏み切って、それを達成しつつあるというので、1mg/Lでいけるでしょう、こういうことで所管している自治体もそういう意欲を示しているというので、ここではそれをフォローするというか、暫定基準をなくす方がいいので、それを認める方が妥当ではないか。こんなことでよろしゅうございましょうか。
あとのこのプロセスのあり方や何かというのは、少し違う場の方が。多分、今度、総量規制基準などをまたやらなくてはいけませんから、そういう中でこういう対策が実際にはできるんだということも大切で、今、先生がおっしゃったように私自身もピークカットで減るというのは、総量なんで、何のピークかよくわかりませんけれども、水処理の立場からすればピークカットで、総量が減るというのも何となく納得しにくいなという部分もあるので、それはそのときの議論の対象にすればいいかなと思っております。
ということで、ただいまの報告書になるのは、先ほどの資料5でしょうか。結果的には参考資料1が一覧表になるわけですが、こういう形でまとめさせていただいて、これを委員会報告としてよろしゅうございましょうか。
先程のいろいろ御注意がありました点については、多少説明をするとかそういう部分については、多少まだ不十分でありますが、資料3なり4のところで公表するときにはそういう説明をする。それから、当然、これは水環境部会で報告をしなければいけませんので、水環境部会では今のようなお話ですね。なぜ×が○になったかというようなことについては、少し丁寧に説明をするということで、この委員会のまとめを資料5のとおりにしてよろしゅうございましょうか。
それでは、どうもありがとうございました。
それでは、これを専門委員会の瀬戸内海部分のまとめとさせていただきたいと思っています。
その他に移ります。事務局より報告なり、問題点を出してください。
○瀬川補佐 本日の会議録についてでございますけれども、当委員会の運営方針で会議録を作成して、公表することとなっております。後日、事務局から会議録(案)、作成いたしましたものを先生方にお送りさせていただきますので、御発言内容について御確認をいただきますようお願いいたします。先生方に明示の了承を得た後で、すかさず公開することになっておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○須藤委員長 どうもありがとうございました。これで瀬戸内海の部分を含めまして、海域環境基準の専門委員会を一応一区切りさせていただいたわけでございます。あと、環境省の方から部長がいらっしゃっていますので、御挨拶をいただきたいと思います。
○石原部長 冒頭遅れまして、大変申し訳ございませんでした。今日は予算の内示の日でございまして、失礼をいたしました。
本日は年末のお忙しいなか、昨年の9月から東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海の暫定目標の見直しにつきまして御審議をいただきましてありがとうございました。今回の瀬戸内海につきまして、ここに御報告をまとめていただきましたので、今回をもちまして、すべて諮問させていただきましたことにつきまして、取りまとめをいただいたわけでございます。
この瀬戸内海の暫定目標につきましての御報告につきましては、来年2月に水環境部会を予定しておりまして、そこで答申をいただいて、年度内には告示をしたいというふうに考えております。大変簡単ではございますけれども、御礼に代えさせていただきます。
大変ありがとうございました。
○須藤委員長 どうもありがとうございました。
渡辺先生においでいただいたので、渡辺先生にはシミュレーションのこととか、いろいろ宿題も出していただいて、一応原案どおりに暫定を取るという形で委員の先生からこれでよろしいというようなことに。いろいろ議論はあったんですが。洞海湾のIIのところ、要するに大丈夫かと。水島地先のところも大丈夫かというようなところのお話もいただいたんですが、とりあえず今の見込みで大体環境基準でいけそうだ、こういうことなんで、先生一言。宿題もあるので、何かございましたら、どうぞ。
○渡辺委員 他の委員会で遅くなりまして申し訳ございません。担当の方とやり取りさせていただいて、大体それで結構ですということで。どうもありがとうございました。
○須藤委員長 先生からも前にいろいろ貴重な御意見をいただいたので、一言お伺いした方がよろしいかと思っていたので。
○渡辺委員 一言、結構でございます。
○須藤委員長 結構ですか。無理に発言させてごめんなさい。
ということで、渡辺先生からも御発言をいただいて、一応結構でございますということでございました。
それでは、これをもって海域環境基準の専門委員会を終了させていただきます。
どうもお疲れ様でございました。
午後3時15分閉会