中央環境審議会水環境部会 海域環境基準専門委員会(第1回)議事録

日時

平成13年9月27日(木)15:00~17:00

場所

経済産業省別館T-20会議室

議題

(1)東京湾、伊勢湾、大阪湾等瀬戸内海の一部の全窒素及び全燐に係る環境基準の暫定目標の見直しについて(諮問)
(2)東京湾、伊勢湾及び大阪湾の概況について
(3)東京湾の窒素及び燐の水質予測に係る現況再現結果について
(4)窒素・燐に係る発生負荷量について
(5)その他

出席者

委員須藤隆一委員長、清水誠委員、岡田光正委員、坂本充委員、本城凡夫委員、増島博委員、松崎勝美委員、宮崎章委員、渡辺正孝委員
環境省水環境部 福井雅輝企画課長、柴垣泰介閉鎖性海域対策室長 他

配布資料

資料1 中央環境審議会水環境部会海域環境基準背門委員会 委員名簿
資料2中央環境審議会水環境部会運営方針等
資料3諮問文
資料4付議文
資料5東京湾、伊勢湾及び大阪湾の概況
資料6東京湾、伊勢湾及び大阪湾に係る水質(全窒素、全燐及びCOD)の経年変化
資料7東京湾における窒素・燐の水質予測に係る現況流動計算及び現況水質計算結果について
資料8窒素・燐に係る発生負荷量(現況・将来)について【委員限り】
参考資料1海域の全窒素及び全燐に係る環境基準
参考資料2水質予測シミュレーションについて
参考資料3異常年検定による現況年の検討
参考資料4窒素・燐に係る発生負荷量の算定方法等について【委員限り】

議事

【田中補佐】 定刻となりましたので、それでは、ただいまから中央環境審議会水環境部会の第1回海域環境基準専門委員会を開催させていただきたいと思います。
 本日、委員12名でございますけれども、既に9名の先生方の出席をいただいておりますので、委員会開催の要件を満たしてございます。
 議事に先立ちまして、企画課長の方から一言ごあいさつを申し上げたいと思います。

【福井企画課長】 水環境部企画課長の福井と申します。
 本日は、御多用の中、本専門委員会に御出席をいただきまことにありがとうございます。
 我が国の水環境をめぐっては、幾つもの課題があります。伝統的な分野では、湖沼、内湾などの閉鎖性水域における有機汚染が依然としてはかばかしくない状況にあります。また、ダイオキシン類を始めとする新たな化学物質汚染についての取組が引き続き重要です。さらに、戦後の急速な都市化に伴って自然の水循環系が変化し、中長期をにらんで健全な水環境機能をいかに確保していくか、また、水生生物に配慮した水質目標の検討など、水環境行政の新たな領域への取組も重要と考えております。以上の四つに加え、土壌におけるストック汚染に対する取組も水環境に密接なかかわりを持つ部分があります。
 これらの重要課題の中で、公共用水域の水質汚濁の状況としては、河川においては環境基準の達成率は全体として改善傾向にありますが、海域では、内湾、内海などの閉鎖性海域において有機汚濁や富栄養化の問題は引き続き重要です。
 本専門委員会では、東京湾、伊勢湾、大阪湾等瀬戸内海の一部の全窒素及び全燐に係る環境基準の暫定目標見直しについて御審議をよろしくお願い申し上げます。
 簡単ではありますが、私のあいさつとさせていただきます。

【田中補佐】 それでは、本日午前中に開催されました中央環境審議会水環境部会におきまして、この海域環境基準専門委員会が設置されたわけでございますが、その専門委員会の第1回の会合でございますので、御出席の委員の御紹介をさせていただきたいと思います。
 お名前だけでございますけれども、左側から岡田委員でございます。
 それから、柏谷委員、お見えになっていませんが、お願いをしております。
 それから、坂本委員でございます。
 清水委員にお願いしております。
 それから、須藤委員にお願いしています。
 本城委員でございます。
 増島委員でございます。
 右側、松崎委員でございます。
 宮崎委員でございます。
 渡辺委員にお願いしてございます。
 それから、環境省側の幹部をご紹介したいと思います。
 今、ごあいさついたしました福井企画課長でございます。
 それから、こちら柴垣閉鎖性海域室長でございます。
 それでは、議事に入ります前に、お手元の資料の御確認をお願いしたいと思います。
 議事次第の下が配付資料のリストになってございますが、資料1として、委員の名簿をつけております。資料2として、運営方針についてという規則などをつけております。資料3が、諮問文。資料4に水環境部会の付議の文書をつけております。資料5、東京湾、伊勢湾及び大阪湾の概況。資料6が、水質の経年変化。資料7、東京湾における窒素・燐の水質予測に係る現況流動計算及び現況水質計算結果について。資料8として、窒素・燐に係る発生負荷量について「委員限り」と右肩に振ってございます。それから、参考資料が四つございまして、参考資料1が、海域の全窒素・全燐に係る環境基準。参考資料2が、シミュレーションの関係。参考資料3が、異常年検定による現況年の検討。資料4が、発生負荷量の算定方法等についてと。これも、資料4は「委員限り」としてございます。
 先生方のお手元で過不足などございましたら、事務局の方にお申し越しいただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、まず御報告でございますけれども、水環境部会の会合におきまして本専門委員会が設置されまして、専門委員会の委員長として須藤先生にお願いするということで村岡部会長の方から御指名をなさってございます。
 それでは、以下の進行を須藤委員長にお願いしたいと思います。

【須藤委員長】 かしこまりました。
 それでは、御指名でございますので議事進行を務めさせていただきますが、一言ごあいさつを申し上げます。
 この専門委員会の委員の先生方も、本日の午前中、部会長から御指名をいただいたわけでございます。この専門委員会は、一昨年の末ぐらいになるのでしょうか、有明海の環境基準を決めさせていただいたときと同じ先生方でございまして、村岡部会長からも継続性があるので同じ先生で続けてほしいと、こういう御要望をいただきました。ということで、私も久しぶりに、このメンバーとしてはお目にかかるわけでございまして、今までの経験を生かしまして、どうぞ円滑に議事運営ができますよう御協力をいただきたいと思います。
 きょう、水質部会の中でこの委員会に関する御注文が二つほど、もしさらに追加がありましたら事務局にお願いいたしますが、私が記憶しているところでは、直接これに関係する問題としては、暫定目標、今日の中心の課題になります暫定目標というのは、この3番の水質管理をやっていく上でのどういう位置づけがあるのかということが余りはっきりしてないということで、暫定目標というものについての位置づけについて御議論をいただきました。どうせいという問題はございませんが、そういう御議論があったということを報告いたします。
 それから、もう一つも、これも直接この議論の中でできるかどうかは問題がございますが、水質という中で、エコシステム・アプローチというのでしょうか、要するに生態系を考慮した、そういう、常にそれを念頭に置いた水質管理、あるいは水質目標、こういうことについても十分念頭に置いてほしいと、こういうふうな御注文をいただきました。
 この辺を、直接ではございませんが、念頭に置かれまして御議論に、やはり今度は私の方から水質部会に報告しなくてはいけませんので、もしいろいろ御意見があればここで出していただきたいと思います。
 それでは、当委員会の運営方針についてまず御審議をいただきたいと思います。
 中央環境審議会における各部会及び専門委員会の会議の運営方針につきましては、中央環境審議会総会の決定により、各部会の部会長が定めることになっております。
 本日午前中、これが第1回の水環境部会でございますが、これが開催されまして、部会の運営方針とあわせて専門委員会の運営方針につきましても決定されましたので、これにつきまして共通の認識を持っていただく必要がございますので、事務局の方から説明願います。

【福井企画課長】 それでは、お手元の資料2という資料に基づいて御説明をさせていただきたいと思います。
 中環審水部会及び専門委員会の運営方針についてという資料でございますが、まず、その2ページ、裏でございます。それをご覧になっていただきたいのですが、これが今朝、部会決定として専門委員会の設置について決定されております。
 この中で、まず1として海域環境基準専門委員会を設置するということが決まりまして、3項のところで、この専門委員会においては、海域に係る環境基準の設定及び改定並びに水域類型等の指定に関する専門的事項を調査するということで、その調査・審議の内容を定めてございます。4項に基づきまして、それぞれの委員の先生方及び委員長において村岡部会長の方から指名を受けてございます。
 その専門委員会の運営方針について御説明させていただきますが、その資料2の1ページをごらんください。これは先ほど委員長の方からもありましたように、部会長決定として部会と専門委員会のやり方が決められております。その中で、一番下のところのローマ数字のIIですね、そこで専門委員会の運営方針についてというところがございます。専門委員会の運営方針は、中環審の議事運営規則によるほか、総会決定1及び2並びに上記の部会の運営方針に準ずるものとするという書き方をしておりまして、つまり部会のやり方に準じて専門委員会は議論をしてくださいということになっておりますので、以下、その部会の審議の方針について、資料に則して御説明をしたいと思います。
 それでは、まず、3ページからは中環審の議事運営規則がございます。ここは本当に簡単なことだけですが、4ページ目の規則第10条でございますが、(会議録)、総会、部会、小委員会及び専門委員会の議事について、会議録を調製しますという原則が規則では書いております。それ以外の詳細なルールにつきましては、総会決定、これは9ページ以降でございますが、ここで基本的なことを総会決定として1月に定めておりまして、これに準じて専門委員会の審議もお願いすることとなります。
 まず、会議の公開でございますが、(1)のところをご覧ください。総会は、公開でございます。部会につきましては、原則として公開ですが、公開することによって、一つは公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、それから特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合、または、以下は余り関係ありませんが、野生動植物の保護に著しい支障のおそれのある場合、こういった場合には部会長は部会を非公開とすることができるとされております。それから、会長・部会長は、会議の公開に当たり、会議の円滑かつ静穏な進行を確保する観点から、入室制限等を課することができることとなっております。
 (2)で、代理出席については認められておりませんので、欠席された先生方につきましては、事務局の方から後ほど資料送付等によって御連絡を差し上げることとなります。
 次のページでございます。会議録についての取り扱いですが、内容は正確に記載するということ。それから、会議録を調製する際に出席委員の了承を得るということになっております。それから、会議録は当該会議に属する委員等に配付いたします。それから、会議録とは別に議事要旨というものもつくりますが、それも含めて会議録は公開する。非公開とした会議録であっても、部会が認めたときは公開となります。総会、すべての部会について、議事要旨というものを会議録とは別につくって、それを公開します。それらにつきまして、環境省ホームページへの掲載及び環境省閲覧窓口への備えつけという方法によって公開をいたします。
 以上が大体議事のルールということでございますが、1ページ目にお戻りいただいて、これに加えまして、水環境部会の取り扱いとして少し補足をして部会長決定がございます。大きな1のところですが、まず、公開のところで、先ほど原則公開ということなのですが、非公開とする場合は、部会長はその理由を明らかにするということでございまして、会議の冒頭なり、あるいは議事要旨なりでそれを明示することといたします。
 それから、会議録について、まず(1)のところですが、委員の了承を得てということですが、明示の了承を得ることといたしますということと、それから公開の時期ですが、原則として、次回の会議において公開するというのが原則でございますが、長きにわたりまして次回会議が開催されないことが仮にある場合はですけれども、その場合は、余り長くなってもよくありませんので、次回の会議の開催を待たずに、この場合も明示の了承を得た後にではありますけれども、公開するという取り扱いを明記しております。事務局としては、3カ月程度を目途として運用をしていこうというふうに考えております。それから、会議録の公開に際しまして、発言者の先生方の名前をあわせて記載するということとしております。公開した会議録以外の会議録につきましては、委員等以外の者は閲覧できないというルールでございます。会議録のほかに簡単な議事要旨ですが、議事要旨につきましては、事務局の方で作成いたしまして、部会長と御相談をして、了承を得て公開ということとしております。
 それから、会議の資料でございます。資料の公開につきまして幾つか注意点ですが、審議中の答申または意見具申の案文、それから、非公開を前提に収集したデータが記載されている資料、関係者と調整中の資料、その他の公開することによって公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある資料、または特定の者に不当に利益を与えもしくは不利益を及ぼすおそれがある資料、こういった資料につきましては、部会長の方の御判断で「委員限り」というふうに明記した上で、その資料につきましては非公開とする取り扱いを定めてございます。その委員会において、それ以外の配付資料がありましたら、もちろん、その点については部会終了後公開ということになっております。
 これらのルールを専門委員会の方でもそれぞれ準用いたしまして、同じような考え方で議事の方を進めていっていただきたいということで、今回、水環境部会の方で部会長決定として確認されておりますので、要点について御説明させていただきました。

【須藤委員長】 よろしいですか。
 それでは、ただいまの運営方針に本専門委員会の運営方針につきまして、何か御質問ございますでしょうか。今までとはちょっと違う部分が結構あるかと思いますが、いかがでございましょうか。
 よろしいですか、これはどちらかというと決定事項でございますので。当専門委員会におきましても、この運営方針に沿って進めていきたいと思っております。
 それでは、本来の議事に入らせていただきます。本日は、一応5時までということでお約束をさせていただいておりますが、膨大な3湾に関する御説明もございますので、もしかすると10分、15分ぐらいは延長せざるを得ない場合もあるかと思いますが、私としては、なるべくその時間を目標に議事運営をしたいと思っておりますので、どうぞよろしく御協力をお願いいたします。
 環境大臣より、東京湾、伊勢湾、大阪湾等瀬戸内海の一部の全窒素及び全燐に係る環境基準の暫定目標の見直しについてという諮問がございまして、これにつきましてが本委員会の審議事項でございますので、事務局の方から諮問の趣旨について御説明ください。
 では企画課長、お願いします。

【福井企画課長】 それでは、御説明させていただきます。
 資料の3というものをごらんいただきたいと思いますけれども、大臣からの諮問文でございますが、東京湾、伊勢湾及び大阪湾等瀬戸内海の一部の全窒素及び全燐に係る環境基準の暫定目標の見直しについてということでございます。
 海域については、政府が水域を指定すべきものとされているそれぞれのものに対して、平成7年、8年、9年、12年と、それぞれ水域類型の指定を行ったところでございます。このうちの東京湾、伊勢湾、大阪湾等瀬戸内海の一部については、それぞれ平成11年、または13年までの暫定目標の設定となっておりまして、これについて現行暫定目標を廃止するか、または新たな暫定目標を設定する必要があるという考えのもとに御審議をお願いしたいという諮問でございます。
 次のページの参考資料の方をちょっとご覧いただきますと、これが東京湾以下、暫定目標の期限が到来しているものについての水域を表しているものでありますけれども、一番右の暫定目標達成状況という欄、窒素・燐と二つありますけれども、欄がないところは暫定目標が設定されてない部分であります。設定されているもので暫定目標を達成しているものが○で表示してありまして、ここに見られますように、過去に定められた暫定目標は1水域を除いてすべて達成されているという状況にございます。基準値との関係で見ますと、網かけをしてあるところが暫定目標が設定されているものであって、ではそのものが基準値を達成しているかどうかということですが、達成している水域と達成するまでには至っていない水域と相半ばしているという状況でございます。
 これらにつきまして、検討のスケジュールというところにもございますように、今後の発生負荷量でありますとか、あるいは努力による削減量ということを含めた全体をもとにした予測を踏まえて、今後の改定あるいは廃止ということについて御審議をいただきたいというのが今回の諮問の趣旨でございます。
 以上でございます。

【須藤委員長】 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの諮問文及び趣旨につきまして、何かご質問ございますでしょうか。ご理解をいただけましたでしょうか。これが本海域環境基準専門委員会の今度の専門的に審議する事項でございます。よろしゅうございましょうか。
 どうぞ、宮崎先生。お願いします。

【宮崎委員】 これに逸脱するかもしれませんが、今回、現在暫定目標値が11年度、最大13年度までですか、海域によって違うのでしょうが、13年度で切れてしまう。ですから、新たに暫定目標値を設定するということだと思うのですが、それは今までですと、例えば何年間の暫定目標、目標の期間というのがあると思うんですね。もう一つ、これは環境基準ではございませんけれど、非常に関連することとして、海域については総量規制があって、今度第5次の総量規制で窒素・燐も入ることになっているわけですね。まだ、それが法制化はされてないようなのですけれども。

【須藤委員長】 はい。もうすぐだとは伺っております。

【宮崎委員】 それで、それとの関連でいきますと、それとこの環境基準とはもちろん違うのですが、第5次の総量規制の議論も私もちょっと委員会でさせていただきましたけれども、総量規制をやったときにどれだけ目標が達成できそうかというときに、平成16年度だったですかね、たしか見積りをやったような記憶があるのですけれども、それとの関連と申しますか、その総量規制も考慮に入れたシミュレートをやるのかどうかということとかですね、そこら辺のところは如何ですか。

【須藤委員長】 そうですね。総量規制制度の関連ですね。

【宮崎委員】 ええ。そこがちょっといろいろまだよくわからないところがあるものですから、教えていただければと思います。

【須藤委員長】 わかりました。
 これはどちらがいいんですか。瀬川さんがいいんですか。どうぞ、どちらかでお答えください。

【瀬川補佐】 では、ちょっと技術的なことの方から説明させていただきます。
 先生御指摘のいただきました総量規制、第5次の総量規制に窒素・燐が入ってきておりしまして、そちらとの技術的なコンパーチブルについては配慮をしております。具体的に申し上げますと、シミュレーションの目標年次につきましては平成16年度と、同じ年度をとっております。また、シミュレーションを行いますに当たりましては、対策込みの発生負荷量を入れていく必要があるのですが、これにつきましては、総量規制専門委員会で先生方に御審議いただきました発生負荷量を入れる予定にしております。16年度のシミュレーション結果につきましては、次回の専門委員会で御審議いただこうと思っておりますが、そういった形でいわば整合というのはとっております。

【須藤委員長】 一応、事前にその整合はとっておられると。
 よろしいですか。今のお答えでよろしいですか。
 宮崎先生、いかがでございますか、今の。

【宮崎委員】 とりあえず結構です。

【須藤委員長】 とりあえずそれでよろしいですか。
 それでは、そのほか何か今の諮問文及び諮問につきまして。
 では清水先生、どうぞ。

【清水委員】 ちょっとこれは部会でも申し上げたのですけれども、今の目標達成状況がありますね。目標達成状況は企画課長から御説明があったのですけれども、暫定目標は全部達成をしていると。箕島海域はちょっと別ですけれども。環境基準も達成しているところが結構あるんですね。ということは、環境基準が達成が無理だから暫定目標をつくろろうと言っておいたにもかかわらず、基準が達成されているわけです。これは大変喜ぶべきことなのですけれども、専門委員会として判断を誤ったというところもあるわけですね。ですから、その辺はちょっと反省をして、今度、暫定目標をつくるときには、なぜこういうふうなことが起きたのか。それは後で負荷量を見ていただくと、負荷量も減っていますし、それからシミュレーションにも問題があったのかもしれないのですが、とにかくその辺のところを検討した上でやらないと、今度、やはり暫定目標をつくりますと言ったときに、それの信頼性を問われるわけなので、その辺、ちょっと気をつけないといけないかなというふうに思っております。

【須藤委員長】 どうもありがとうございます。
 水質部会でも清水先生からそのご発言があったのですが、私は先ほどご注文があったという、二つしか申し上げなかったのですが、本日、ここで清水先生におっしゃっていただけると思ったので、先ほどは省略をいたしました。水質部会でも先生からそのご指摘をいただきましたので、その問題について、何か今の時点で。どうぞ。

【瀬川補佐】 この後、発生負荷量とシミュレーションの説明をさせていただくのですけれども、まず発生負荷量に関しましては、先生ご指摘のとおり平成6年度に平成11年度の目標を予測した時点よりも、平成11年度は発生負荷量が減っております。発生負荷量の減った原因としてどんなことが考えられるのか、あるいはシミュレーションで目標値を導き出すに当たって、なかなかシミュレーションしがたいような海域なりがあるのかどうかということについては、少し検討をしております。
 まず、発生負荷量に関しては、やはり平成6年度から平成11年度に行きます段階で、例えば下水道に関しましては、単純に原単位という形で求めていくと、周囲の人数がふえた場合には水質がよくなっている。あるいは、人口のフレームにしましても、当初考えていたフレームよりは人口が少なかったのではないか。東京湾のケースでいきますと、平成9年頃に上乗せ条例がかかってきておりますので、その影響があるのではないかと。もう少し時間をいただいて検証したいというふうに思っております。

【須藤委員長】 とりあえず今の時点では、先生、よろしゅうございましょうか。
 やはり我々として喜ばしいことなのだけれども、少し今のような問題を含んでいますので、ご審議の過程でどうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 ほかによろしゅうございましょうか。
 どうぞ。宮崎先生、どうぞ。

【宮崎委員】 最初、先ほど須藤委員長が午前中の議論の中で、二つ目のエコシステム・アプローチという、これは詳細は私わかりませんが、例えば私の理解している限りでは、アメリカのEPAの国家としての基準というか、指針ですかね、水質の指針の中に、その指針値を決めるときに、水だけを利用する場合と、あと水生生物といいますか、それも含めて水を利用する場合という、たしか二つの指針値があったように記憶しておるのですけれども、エコシステムのアプローチといった場合、どのようなことを私ども委員としては考えておけばよろしいのでしょうか。

【須藤委員長】 その辺につきましては、もちろん私がその質問があったときにお答えをしたのと、それから、きょうの水質部会の中では、有害物質の水生生物への影響というところで、今までの検討をした範囲で、要するに生物を守るための水質目標のような議論も若干ありますが、要するに環境省全体として、生態系なり生物なりを保全していく、あるいは多様性を維持・向上させていこうという状況の中で、水質という狭い範囲でこだわるだけではよろしくないのでしょうかというようなご指摘だったように、私は、細かくですね、水の場合に、水利用の中で生物をどう考えようとか。生態系。一言で言うと生態系保全ということで、先生、よろしいんですか。あのときの議論ではですね。余りアプローチの仕方をどうせいということではなくて、そのことを考慮せいということで、私がお答えしたのは、今のような有害物質が生態系に影響するような、そういうところでの今水質目標なんかも考えていますからということでお答えをいたしました。ですから、今、先生がおっしゃったような、水利用の中での生態系の問題の重要性があるなしというようなところまでは、まだ議論はございませんでした。とにかく、一言で言うと今の多様性の問題とか生態系、余り生態系の保全という言葉、よろしくない言葉かもしれませんけれども、生態系を保全していこうというような、そういう感じでの理解というふうに受けとめております。ですから、もし今後議論がありましたら、どうぞ先生からまたおっしゃってください。
 いいですか、瀬川さん。私の理解でよろしいですか。

【瀬川補佐】 はい。

【須藤委員長】 それでは、ほかにございますでしょうか。
(なし)

【須藤委員長】 それでは、きょうの本題になるわけでございますが、検討の対象となっております東京湾、伊勢湾及び大阪湾の現状ですよね、そういう水質の状況とか利用状況、これを事務局の方から御説明ください。

【瀬川補佐】 それでは、資料5、資料6に基づきまして、東京湾、伊勢湾及び大阪湾の概況について、簡単に説明させていただきます。
 まず、資料5ですが、5ページまでが概観を文章で書き下しておりまして、(資料編)がそのバックデータとなっておりますので、(資料編)に基づきまして説明をさせていただければと思います。各湾の概要というところからになります。
 各湾の概要なのですが、まず1ページ目に各湾の自然的・社会的条件の概要ということでお示ししてございます。水面積、流域面積、流域人口、流域人口密度といったことで資料を整えております。
 2ページ目からが環境基準達成状況でございます。一番上のグラフが全窒素の環境基準達成状況ということで、各湾とも、この3年間は環境基準の達成率に変動は特段にありません。真ん中のグラフが全燐の環境基準達成状況となっております。東京湾は、平成7年度以降……。

【宮崎委員】 すみません。資料の幾つを見ればいいですか。

【須藤委員長】 資料の5の何枚かめくっていただいた後に概要編というのがございます。それのページで言うと何ページかな。

【瀬川補佐】 今、2ページ目になります。すみません。

【須藤委員長】 ページでおっしゃってください。

【瀬川補佐】 はい、わかりました。
 資料5は、一番最初の5ページぐらいが概要になっておりまして、そのすぐ後に(資料編)がついておりますので、そこの2ページ目からなります。そこの2ページ目で、真ん中が全燐の環境基準達成状況のグラフになっています。
 東京湾は、平成7年度以降、環境基準の達成状況に変化はございません。伊勢湾については、平成9年度、一度達成状況が悪くなりましたけれども、それ以降持ち直して同じ水準です。大阪湾につきましては、近年2年間につきましては、環境基準を100%達成しております。
 まず、3ページ目ですけれども、暫定目標の達成状況ですが、この三つの湾の水域に関しましては、いずれも平成11年度は暫定目標を達成しております。
 次に、4ページ目が赤潮の発生状況になっております。赤潮につきましては、伊勢湾、大阪湾、この2湾につきましては、昭和54年以降、だんだん発生件数が減少しております。東京湾に関しましては、平成5年に発生件数が若干上がっておりまして、特に千葉県で発生件数が上がっています。それ以降、若干の増減はあるものの大体横ばいというふうになっております。青潮の発生件数につきましても、その右側の縦表に整理をしております。これを見る限り、近年、発生件数については減少しております。
 1枚めくっていただきまして、次が各湾、東京湾になっております。東京湾の最初のページ、5ページ目になりますが、地形の変遷をここに示しております。昭和30年以前、昭和47年前後、現在、そして将来の埋め立ての状況をここに示してございます。東京湾におきましては、現在も、横浜、南本牧、川崎、浮島二期、中央防波堤外の新海面処分場埋立地の埋め立てがございます。次期の暫定目標の期限を平成16年と事務局で思っておるものですから、16年に護岸等流況に影響を与えるような構造物があるものを、埋立免許取得状況、それから都府県へのヒアリングで導き出しまして、地図の上で黒く塗りつぶしております。
 6ページ目が水深です。
 7ページ目からが流況を示しております。
 9ページ目の流況につきましては、恒流をここに入れておるのですけれども、ちょっと季節の方がはっきりはわかりませんが、一番新しい図ということで入れております。
 10ページ目、11ページ目が環境基準の類型指定状況及び環境基準点の位置をそこに示しております。
 12ページからが、平成11年度の水質の状況をコンター図に落としております。12ページが塩分、13ページが全窒素、14ページが全燐となっております。
 次に、17ページからが全窒素の経年変化の方をグラフに示しております。ここは全窒素なのですが、濃度としてはほぼ横ばいという状況にあります。強いて言えば千葉港水域、17ページの一番上の図ですが、千葉港水域におきまして若干なりとも減少が見られるという状況になっております。
 1枚めくっていただきまして、19ページ目からが水質の経年変化のこれは全燐の方でございます。全燐の方も全窒素同様、ほぼ横ばいの状況が続いております。
 22ページからがCODとなっております。これは今回、暫定目標検討の対象ではございませんけれども、参考につけさせていただきました。
 30ページ目からが利水の状況ということで、自然公園、海浜公園等の位置です。
 31ページ目が水浴場になっております。
 32ページ目が漁獲高の推移です。これを見ますと、東京湾では総漁獲高はどんどん減少してきております。特に貝類の減少が著しいという状況が見られます。
 33ページ目が工業用水の取水状況です。工業用水の取水口は、千葉港及び川崎港にほぼ集中しております。
 次のページからが伊勢湾です。
 まず34ページ目、地形の変遷ですが、これは伊勢湾の湾央部に一つ大きい埋め立てがございますけれども、中部国際空港のプロジェクトになっております。
 そして、その後、水質及び流況などが続いていきます。
 39ページ目が、環境基準の類型指定状況及び環境基準点です。この伊勢湾に関しましては、伊勢湾の(ニ)と呼ばれる海域、湾口部から湾央部にかけてが広くなっております。
 その次のページ、40ページ目がCODの類型指定状況と環境基準点です。
 41ページ目からが水質の状況なのですが、46ページに行っていただきますと、各水域の全窒素の経年変化がそこにまとめております。この海域におきましても、全窒素を見る限りは4年間ほぼ横ばいの状況というのが続いております。
 40ページにまいりますと、全燐の経年変化になります。こちらの方は少し動きがございまして、伊勢湾の(イ)水域、これは一番名古屋港に近いところなのですが、ここで平成10年に減少しまして、少し動きが見られるかなと。あとはほぼ横ばいになっております。
 51ページからは、CODを参考に付けさせていただいております。
 また、55ページから、東京湾と同様に、自然公園、海浜公園、そして水浴場の位置を示しております。
 57ページが漁獲高です。これは昭和54年と、これはちょっとグラフが切れておりますけれども、それからもう一つ、申し訳ありません、平成8年から以降の統計のベースがちょっと変わっております。平成8年に統計のベースが変わって、南知多、美浜町、要するに三河湾側の漁協の分もちょっと含んでおりますので、ここは線がちょっとつながっておりますけれども、統計のベースが違うことを御勘案ください。
 さて、最後が大阪湾になっております。
 大阪湾に関しましては、59ページに地形の変遷を図に落としております。ここも昭和47年以降、相当程度埋め立てが行われておるのですが、さらに黒く塗っておりますところ、関西空港の2期、それから神戸空港、六甲アイランドの南、それから大阪新島の埋め立てが予定をされております。
 60ページからは、水深、流況、それから基準類型指定及び環境基準の分布を示しております。
 それから、63ページに恒流の動きを示しております。湾内流につきましては、湾奥を沿岸に沿って南側ですね、泉州沿いに南西に下っていく流れと、それから湾の西側に時計回りの循環流とがございます。
 さて、次に水質の状況ですが、71ページをご覧ください。71ページをごらんいただきますと、この三つの水域の全窒素の経年変化がございます。これに関しましては、いずれの水域も若干ではありますけれども減少の傾向が見られ、(イ)(ロ)に関しましては環境基準を達成してきているという状況です。
 73ページが全燐の経年変化です。これは全窒素ほど明確に減少の傾向は見られておりません。
 その後、CODを御参考にお付けしております。
 81ページですが、漁獲高をそこに掲げております。総漁獲高が、この湾につきましては、平成9年から平成11年にかけて、平成9年に底を打ったような形で少し増えてきております。
 概況については、以上でございます。

【須藤委員長】 どうもありがとうございました。
 3湾の概況を伺いました。膨大な資料でございますので、若干、おわかりにくいことももしかしたらあったかもしれません。どうぞ御質問でお願いしたいと思います。
 どうぞ、宮崎先生。

【宮崎委員】 30ページなのですが、これは自然公園、海浜公園等ということですので入らないのかもしれませんが、埋め立てがあったからということで、大阪湾とか神戸空港とか書いてありますが、東京湾の横断道路がございますですね、海ほたるですか、それはここには入らないのかもしれないのですけれども、例えばテレビなんかの報道では、あれができた後どうも貝がとれないとかというふうな漁民の方のこともちょっと聞いたことがあるのですけれども、そのあたりのことで考える必要はないのでしょうか。

【須藤委員長】 それでは、まず、どうぞ事務局の方から。あるいは、また先生方でお助けいただける方がおったらまたお願いいたします。
 どうぞ、先に。

【瀬川補佐】 地形の変遷なのですが、シミュレーション上は、平面上1キロメッシュの切り方をしておりまして、その結果、大体500メートルぐらいの大きさの地形がほとんどすべて拾えるような感じになっております。
 それで、アクアラインの方は、この後のシミュレーションで、湾の真ん中にちょっと出ているところがあるのですけれども、そこが一応アクアラインの位置でございまして、その影響は、シミュレーションの結果を見る限りは余りなかったような印象を受けております。

【須藤委員長】 渡辺先生、何かコメントは。

【渡辺委員】 まだ結果を見てないから。
 ただ、地形の変遷としては、このページ5に入れておくべきではないかとは思うのですけれど。

【須藤委員長】 それに記載はしておいた方がいいということですね。

【渡辺委員】 記載は、横断道路に伴う地形については埋め立ての一部なのだろうと思うので、横断道路についても記載されるべきではないかと思います。
 同じく59ページの地形の変遷についても、たしか私の記憶では、尼崎のところに一つ小さな埋め立てがあったのではないかと思って、廃棄物関係で、たしか。

【須藤委員長】 尼崎の方にですか。

【渡辺委員】 尼崎に。今、森構想という感じでたしかやっているところが一つあったと思う、小さいやつなのですけれども、それが抜けておりますね。

【須藤委員長】 瀬川さん、そこら辺は、また後ほどで追加でよろしいのですけれど。よろしいですか、今のコメント。横断道路と今の埋め立て。

【瀬川補佐】 最終的に、答申に付けます参考資料の整理をしますときに、もう一度精査をさせていただきます。

【須藤委員長】 ほか、概況。
 では、松崎先生、どうぞ。

【松崎委員】 10ページなのですけれど、これはもうずっと昔に言った千葉港区の話ですが、やっと今度初めて改正された絵が出たのだけれど、一番南側の、千葉港区の南側の下の線が、前は真っすぐ南に下がっていたのが斜めになって、私が言って変わったのに、またいちゃもんつけるのもおかしいのだけれど、昔の真っすぐ下がっていた方がよかったと思うのですけれど。とにかく水域の、文章とこれ合わないし、今度、文章も変えられているかどうかは知らないけれど、これでは前の文章を変えなければ合わないようだから、当然、だから昔の絵に出ていたように、南の方の位置で文章を変えられた、測地系で緯度経度も変わるのだからいいのではないかと思うのだけれど、やはりこれにこだわっておられるというところ、何か意味がよく理解できないので、前の絵の方がよかったのではないかと思うのですけれどね。ちょっと7~8年前の話がね。

【須藤委員長】 松崎先生、この前もそのことは御指摘されましたよね。

【松崎委員】 いつも返事が余り要領を得てないというか、理解されていないような気がしたんですよ。でも、余りしつこく言わなかったのですが、今度、正式に絵に書かれると、いかにもこれがちょっとおかしいなと。昔の真っすぐの方が、水域の分け方にしても、何かこれは川の中に半分斜めに切り込んだような形でね、ちょっと文言を書いたらどうですか。

【須藤委員長】 それは当然書いてありますよね、水域区分はね。緯度とか経度で書いてますよね。

【松崎委員】 緯度・経度はもちろん変わるのだけれど、久保田川の右岸から北方3,000メートルという文章をそのまま残しているのですか。それだったら全然わからないですからね。そこらのところが、あの当時言っていたのだけれど余り理解してもらえなくて、今度、正式に出されると余計にちょっと気になるので。

【瀬川補佐】 今回告示の別表の改正をいたしますので、それに合わせまして、久保田川につきましても文章上で措置したいというふうに思っております。

【松崎委員】 でも、せっかく変えられるのなら、昔の図面のとおりの方がいいのではないですかね、真っすぐ下がっていったところ。何か奥の方に、何か埋め立ての関係でだんだん沖に行ったかと思ったら、きょう出してもらった埋め立てのあれでいくとそういうことでもなくて、何か七不思議みたいな、何でこんなところで決まったのかなという気が今さらするので、ちょっとそれだけ。

【須藤委員長】 これはきちっと精査した上で、表現もきちっとするようにしたいと思います。
 では、どうぞ、本城先生。

【本城委員】 東京湾で赤潮件数が随分ふえていますね。しかも、説明では千葉の方側だということなのですが、どんな種類がふえてきているのでしょう。そしてもう一つは、千葉県側でもどのあたりの場所で発生が頻度が高くなってきているのでしょうか。そういうことはわかってますでしょうか。

【須藤委員長】 それはつかんでいるでしょう。どうですか。森さんがわかるの、それとも瀬川さん。どうぞ。
 別に今わからなくても、後ほど資料として提供していただければいいですよ。

【本城委員】 そういうのはわかっているのでしょう。

【瀬川補佐】 千葉県さんからいただきましたのは、発生件数と、それから何をメルクマールにして赤潮をつかまえるかということだけなので、ちょっとこの後、千葉県さんと相談してみようと思います。わかっているようでしたら、次回、専門委員会に提出させていただければと思います。

【本城委員】 それからもう一つ、私、東京湾を十分に知らないものですから。貝類が減少随分していますよね。貝がとれる場所というのは、どの辺りなのですか。富津の辺りなのですか。どこの貝がどんどん減っているのでしょう。

【須藤委員長】 清水先生に、では。

【清水委員】 貝の生産は、もっぱら千葉県側です。千葉県側で漁業者がどんどんどんどん減ってきたわけです。

【本城委員】 漁業者が減ったからですか。

【清水委員】 はい。それでアサリの、何年から何年まであったかはちょっとはっきり覚えていませんけれども、アサリの漁獲量と漁業者の相関係数が0.87です。

【本城委員】 よくわかりました。ありがとうございました。

【須藤委員長】 では、よろしゅうございましょうか。
 それでは、たくさん資料がございますので、次に進めさせていただきます。
 それでは、議題3の東京湾の水質汚濁シミュレーションについて、事務局からご説明願います。これも瀬川さんですか。

【瀬川補佐】 それでは、東京湾における窒素・燐の水質予測に係ります現況再現性につきまして、資料7、そしてお手元にあります参考資料2をもとに説明をさせていただきます。
 資料7が現況流動計算、そして水質計算結果です。参考資料2が、水質予測シミュレーションについてということです。今回用いましたシミュレーションモデルにつきましては、流動モデル、そして生態系モデルを組み合わせたものになっております。その個々の構成ですとか諸条件につきましては、参考資料として参考資料2にまとめておりますけれども、これにつきましては事前に委員の方にお持ちした内容と変えておりませんので、資料7に基づきまして説明をさせていただこうと思います。
 資料7、このシミュレーションの手順なのですけれども、まず、目次にございますように流動計算をいたします。シミュレーションは、流動モデルによりまして湾内の流動計算を行い、次にその計算結果を用いて物質循環、水質計算を行っております。
 2ページ目からが流動計算の概要になります。計算の設定なのですが、これは有明海同様、夏季の3カ月間をとっております。平成11年の7月、8月、9月の夏の時期、これを風向・風速、あるいはその他諸条件計算をいたしまして、計算値と実測値を比較するということで検証を行っております。
 具体的には、10ページ目からがその計算の結果になります。ここでは、恒流、水温分布、そして塩素量分布を示しております。
 まず、11ページ目からが恒流になっております。ここで、第1層から第10層まで東京湾については切っております。有明海は3層で計算をしたのですけれど、これは、有明海は上下混合が比較的よろしいということで3層だけとりましたが、東京湾につきましては、深いということもあって10層切っております。それで、1層ごとの結果をそこに載せております。
 41ページからが現況再現性の検討ということで載せております。現況再現性につきましては、まず潮流楕円を計算値と観測値を比較いたしました。
 43ページ目からが潮流楕円の計算値と観測値です。それぞれ観測地点番号を42ページに掲げております。基準点全部で潮流楕円を観測しているわけではありませんので、観測値があったところについて比較をしております。
 それで、あとは潮流楕円のほかに、ある程度の長期的な流れの状況ということで、水温、それから塩素量分布についても計算値と観測値を比較しております。
 潮流楕円を見ます限りは、これはどういうふうにすると合っているという明確なメルクマールはないのですけれども、大体、円の大きさ、長軸の方向などを見ても、大体合ってきているのかなという感じはしています。沿岸に近い地点で若干のずれがあるかなという感じは個人的には思っているのですが、大体、観測値に合ってきているのかなと思っております。
 62ページを開けていただきますと、水温。そして、63ページに塩素量の合っているかどうかというグラフが載せてあります。7月、8月、9月のそれぞれの観測値を線で結んでおりまして、計算値につきましては逆三角形の白い三角形で落としております。これらを見ますと、大体3カ月の観測値の範囲内、大体、水温に関しましては収まってきていると。
 63ページの塩素量につきましても、大体合ってきているかなというところだと思います。
 64ページ目からは水質計算になるのですけれども、まず全窒素についてですが、流動計算と同様、全10層を1層ごとに示しました。
 それが69ページからになります。69ページから、水質計算結果1層、2層、3層と、だんだん深い方に行きます。
 これと、先ほどの概況の中の表層の濃度のコンター図と比較をしてみますと、大体、その等濃度線並び方については同じようなパターン、ただし水質計算結果の方が、若干、湾の奥部で千葉県側にコンターの線が振れているという傾向が見られます。
 79ページからが全燐の各層の計算結果になります。全燐につきましても、全窒素同様の傾向が等の度線で見られるのですが、全窒素と違います点は、千葉、船橋を結んだ沿岸と並行方向にコンターの等濃度線が1本引かれてきます。これが第1層から比較的低層、第4層、第5層まで、ここにコンターの等濃度線が引かれております。
 最後に、先ほどの温度その他と同様、計算値と観測値の比較を100ページから載せております。これも同様に、7月、8月、9月の観測値を横に線で結びまして、計算値は白い逆三角形の点で示しております。この中で、若干外れてくるところがございます。観測値の線が長い、要するに3カ月間でぶれの大きい千葉港の3、ちょっと細かい字で恐縮なのですけれど、上から4分の1ぐらいのところですね、観測値の線が比較的長く、計算値が低濃度側に出ております。これは千葉港内の点になっております。
 1枚めくっていただきますと、101ページで燐が同じ地点で計算値の方が低くなるというものがございます。その他は大体線の中に計算値が落ちてきております。
 これらの結果を見まして、年平均値という、いわば総くくり的な数値というのでしょうか、こういった数値を予測するモデルとしては、まずまず現況再現性という面ではいいのかなと事務局では思っておるのですが、委員の先生方から御質問・御意見がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。

【須藤委員長】 そこまではよろしいですか。その次の負荷量の方も御説明いただいてしまって、それで先生方から残った時間で十分にいろいろコメントやら御質問いただいた方がよろしいと思いますので、資料の8ですか、これも御説明くださいませんか。
 きょうのところで、御説明が必要な資料はそこまででよろしいんだよね。

【瀬川補佐】 はい。

【須藤委員長】 では、それまで御説明いただいた上で、先生に残った時間いろいろコメントいただくようにいたします。

【瀬川補佐】 それでは、資料8に基づきまして、窒素・燐に係る発生負荷量について説明をさせていただきます。
 内容の説明の前に、この資料8及び参考資料4につきましては委員限りとさせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 さて、これら窒素・燐に係る発生負荷量につきましては、先ほど先生方からもご質問ございましたが、総量規制の専門委員会において御議論いただいたものをそのままいただいております。もう既に御審議が終了しているということで、私どもとしては、この発生負荷量をもとにシミュレーションをしようと思っております。
 平成6年度、平成11年度、平成16年度というふうに並べておりますが、平成11年度につきましては目標値を設定したときの発生負荷量の見込み、平成11年度(実績値)とありますのは、これは実績値の積み上げでございます。平成16年度の負荷量は、各都県で対策ありのケースを積み上げた全体発生負荷量となっております。
 これを見ますと、先ほど清水先生から御指摘いただいたのですが、平成11年度の目標値を設定した際の発生負荷量よりは、平成11年度の実績値というのは少なくなっております。この原因を私どもの方で分析をまだ十分にはしていないのですけれども、可能性として考えられるものとしては幾つかございます。
 一つは、まず人口フレームが当初考えていたほどこの流域で伸びなかったのではないかという点です。人口フレームが伸びませんと、生活系からの発生負荷量が下がってまいります。それがまずあるのではないかということ。それから、発生負荷量を生活系からの発生負荷量として下水道を少し単純な原単位を見てみますと、原単位が小さくなる。つまり人口の割には水質がよいという状況があります。まず、生活系についてはこの2点があるかと思われます。
 産業系に関しまして、負荷量が目標値と実績値との間で差があることに関しましては、この東京湾の流域に関しましては、埼玉県さんを除き、上乗せ条例で窒素・燐の規制を平成9年頃からかけておられます。その前にも管理目標値という形で行政上の目標はあったというふうに聞いておりますけれども、条例の中で、実効の上がる規制という形で導入したのは平成9年頃ということで、これが効いておるのかなということ。
 それから、最後がその他系でございますけれども、その他系に関しましては、下水道への転換その他さまざまなものがここに入っておりまして、これも落ちてきております。これが目標値と実績値とのずれということになります。
 全体の発生負荷量の推移に関しましては、一番最後のページに負荷量の推移ということで載せております。この中の図の平成11年度は実績ベースになっております。この実績ベースから平成16年度の発生負荷量までの推移を見ておりますと、11年度から見て、生活系はここを白い色にしておりますけれども、生活系からの負荷量というのは、ほとんど変わらない状況になっております、全窒素についてですね。ただ、産業系では農業系での削減がございます。具体的には、農業あるいは畜産の排泄物などに関しまして、野積みをやめるといった指導が徹底されるということで削減がございます。
 下の図は全燐になっておりますが、11年度と比較して、全窒素と違い全セクター、生活系、産業系、その他系、全部で少しずつ負荷量を削減するという方向で取り組みがなされております。
 負荷量につきましては、これら積み上げを付与条件といたしまして、これをさらに流域ごとに分割しまして水質予測モデルの方にインプットしていくという、それで計算をするという予定にしております。
 説明については、以上でございます。

【須藤委員長】 ありがとうございました。
 そうしますと、きょう資料として御説明していただくのは、この資料8までということでよろしいですね。あと参考資料に見ていただきたい資料が幾つかあるということでいいですね。
 それでは、先ほどの概要でしょうか、概況でございましょうか、3湾の概況まで含めまして、あと残った時間、今のシミュレーションによる再現性の問題、それから負荷量の問題、どこでも結構でございます。御意見、あるいは御質問でも結構でございます。岡田先生の方から順番に、御議論がありましたらどうぞお願いいたします。

【岡田委員】 確認させていただきたいのですが、資料8は東京湾だけですよね。ほかのところはこれからということですね。

【瀬川補佐】 はい。

【岡田委員】 わかりました。
 それで、全体を聞いていて、感想みたいなものを言わせていただきますと、そもそも窒素・燐の環境基準をつくったとき、それから窒素・燐の総量規制を始めるときのストーリーというのは、まず、CODの環境基準達成率のグラフがよくありますね。海域の達成率は非常に悪いと。その理由はなぜかというと、これは内部生産であると。したがって、窒素・燐の環境基準若しくは総量規制を導入して富栄養化の対策をしていけば、環境基準の達成率は上がるはずであると。非常に単純に言うと、そういうストーリーだったと思うんですね。ちなみに資料5の環境基準の達成状況というのを見ますと、東京湾と伊勢湾はしょぼしょぼしているのでいいのですが、大阪湾の場合は、環境基準の達成率、窒素はかなり上がっていますよね。燐も上がっているんですね。しかしながら、CODは全然変わらないのは、これはなぜだと。こういう単純な質問を受けたときに、別に事務局を責めているわけではなくて、我々は何て答えたらいいのだろうという素朴な疑問を持ったのですがね。
 何でそんなことをあえて言うかというと、やはり行政の公開性、それから説明性が求められる時代において、これに対する、いろいろ細かく見ていけば、環境基準の達成率というのは、本当に基準のちょっと上だったり下だったりで、ぽんぽんと上がったり下がったりしますから、そういうからくりでなるのだろうと思うのですが、その辺の説明は今後考えておくというか、自己弁護みたいになって非常に恐縮な言い方なのですが、それは必要ではないかと。最悪は、わからんという言い切る方法も、そうもいかんでしょうから。私は全然答えないですよ。申し訳ないのですがね。今のところ、ぱっと見てよくわからないなと思っているだけですから。ちなみに私なんかが講義でするときも、そういうストーリーで説明しているわけですね。これを見ると「うわっ、弱ったな」という、感想にも意見にもならないようなことで恐縮ですが。何かぱっとわかりやすく言えることがあったら、教えていただきたいと思います。

【須藤委員長】 とりあえずいいですか、それだけで。
 では、今の問題でどうですか。ずっと伺ってからにしますか。
 それでは、坂本先生。お答えの方は、では関連がございますのでまとめてお願いいたします。
 坂本先生、どうぞ御意見やらコメントをお願いします。

【坂本委員】 二つか三つちょっと意見やらを。
 一つは質問で、極めて単純な質問なのですけれど、窒素の負荷量が減らないことの原因として、参考資料の4のところのおしまいの方に11年度と16年度の表がありますね。そこのところの、その他というところの窒素負荷がすごく多いのですけれど、このその他というのは何ですか。

【須藤委員長】 先生がご覧になっているのはどの資料ですか。

【坂本委員】 14ページ、参考資料4の14ページ。15ページには16年度のデータが書いてありますけれど、この11年度のは実測値ですか。土地系というところにその他というのがありますね。そこにすごく大きな値が出ていて、下水道とコンペアラブルぐらいに大きな値があるんですね。これは何なのでしょうかという。

【須藤委員長】 それだけはお答えになってください。数値の問題ですから。

【瀬川補佐】 14ページ、15ページの方はフレームになっております。土地系のその他は市街地の、土地ですのでヘクタール数ですね。

【須藤委員長】 トンではないんですよね。

【瀬川補佐】 トンではないです。

【須藤委員長】 トンではないですよね。フレームなんですね。面積でね。

【坂本委員】 それでは、私の誤解です。
 質問は、負荷量が減らない最大原因というのは何なのでしょうかということです、窒素の。燐は減っているのですけれどね。

【須藤委員長】 どうぞ、続けておっしゃってください。全部まとめますので。

【坂本委員】 まず一つの質問。
 それからもう一つは、先ほどちょっと瀬川さんが、平均値で何とかを、とおっしゃったのですけれど、法律的な問題として環境基準をいろいろ当てはめていく場合、年平均値でやることを一応決めたし、行政的にはこうでないといけないだろうと思うのですが、先ほどずっと拝見して、例えば貝の減少など生物影響を考えていくと、これは平均値の問題ではないと思うんですよね。特に先ほど生態系への影響の問題がありましたけれど、生態系の問題を考えていくには、年間の平均値では論議できない面がかなりあろうと思うんですね。先ほどの貝が非常に減ってきているというところに、何か現在の水質管理のところに一つの問題点があるように思います。意見はそれだけです。

【須藤委員長】 ありがとうございました。
 それでは、本城先生、順番にまいります。

【本城委員】 私も生物をいろいろと扱っているものですから、やはり生物が気になります。先ほどの千葉県の方でも赤潮がすごく増えてきている点、目標は暫定目標の方側に近づいていっても、そういうプランクトンの異常が出てくるというのはどういうことなのだろうかと思ったりもします。ですから、私はあえてどういう海域なのかということをお尋ねしたかったわけですね。そういう場所で増えている、そして窒素とか燐とか、類型指定のところはどういうふうに変化しているのかと。全体というよりもそういう地域、局所的なところもやはり少し見ていかないといけないのかなと思ったりもしました。ですから、魚とかは、清水先生もおっしゃった人的なものとか、いろいろな変化でもって漁獲量が減っていきますけれども、ああいう大型動物も局所的に見ていくと、やはり水質が変化して、それらも変化しているところがあると思うんです。ですから、もう少し狭いところを見たいなと私は思っております。東京湾全体を眺めるという数値よりも、もう少し局所で、どういうところでどういう変化が起こっているかということと、指定の基準の達成とか、そういったところをあわせて見ていければいいかななんて思ったりもしています。

【須藤委員長】 どうもありがとうございました。
 増島先生、どうぞ続いてお願いします。

【増島委員】 負荷量の件なのですけれども、私も坂本先生と同じように、この土地利用のフレームが実は総面積の中で一番大きいシェアがあるわけですが、その他土地利用というのをどういうふうに、十把一からげで全部同じに考えるのか、その中身はどのように扱ったいいのかという、その件なのですが。
 それで、坂本先生は、トータルの負荷量の推移で、11年度に比べて16年度は窒素が全燐に比べてそれほど減っていないのかというふうに言われたのですが、私はむしろ全燐の方が減っているのはなぜかというような、そんな感じがいたしまして。
 それから、あともう一つ、参考資料の4の先ほど坂本先生がおっしゃいました14ページなのですが、生活系のその他の農地還元等のフレーム、これはどうやって求めたものなのかということをちょっとお伺いしたいと。
 以上です。

【須藤委員長】 ありがとうございました。それはまとめて、それでは後でお答えいただきます。
 では、宮崎先生、どうぞ。

【宮崎委員】 これはむしろ渡辺先生に教えていただいた方がいいと思うのですが、まず最初に、この窒素・燐の問題は、先ほど岡田先生もおっしゃいましたけれども、内部生産ということがやはりかなり考慮しなければいけない。そこで、教えていただきたいのですけれど、参考資料2の3ページの生態系モデル、これで計算をされていて、大体よく合っているというお話でございますけれども、窒素・燐ということで考えたときに、光合成で植物プランクトンが出てくる。そして、植物プランクトンが、一つは動物プランクトンに捕食されるのと、それから今度は枯れて、この場合はそれが懸濁態の有機物に行くように矢印が書いてあります。しかし、枯れたときに、私にはわからないのですが、そこのところで植物体の中に入っている窒素・燐の有機体だと思うのですが、それが水の中に浮遊して、あるいは溶けて、それが無機化して無機燐の方に行くという、そういう過程は考えなくてもいいのかと。
 もしそういうことがあるとすれば、この生態系モデルで、窒素・燐の内部生産というのをアンダーエスティメイトすることにならないかと思うんですね。もし、この生態系の方の内部生産をアンダーエスティメイトしているとすると、例えばそれで基準を決めたというときに、言ってみれば環境の基準を例えば10という値に保とうということであって内部生産をエスティメイトしたら5だったと。ですから、あと5は外から入れてもいいですよということで、言ってみれば、それだけ排水できるということになるわけですけれども、でも実際、それがアンダーエスティメイトされていたとしたら、実際は本当は6だったかもしれないと。そうすると、今までアンダーエスティメイトして5だったというふうにやっていて、あと5だけ排水できますよということになるわけですが、それが本当は6だったとすると、あと5だけ排水できるとすると、5だったら基準以下になるけれど、6だったら基準を超えることになりますよね。そういうことで、もしアンダーエスティメイトしているとすれば、いつまでも基準は達成できないということにならないのかというのが私の素朴な質問でございます。
 それから、もう一つは、ちょっと全く全然話が違うのですけれども、これは環境省の窒素の基準全体にかかわることでございますけれども、ここの委員会の担当ではないと思いますが、いわゆる環境基準が決まって、排水基準の方で有害物質としてアンモニア体窒素と亜硝酸体窒素と硝酸体窒素の合量が100ppm以下にするということが、7月だったですか、もう動いていますね。そのことで言うと、それは全海域に当てはまることだと思うんです。これは東京湾と伊勢湾と大阪湾、瀬戸内海でございます。そのことで、産業界の、全部ではございませんが、ある困っている例、その業界が困っている例をちょっと紹介させていただきますと、実は今度の第5次総量規制で窒素・燐が入るということがわかったので、そこの業界は実は瀬戸内海の方に排水をしていたのですが、総量規制の暫定はいただいてもなかなかこれは将来難しいと。ということもあって、実はその会社は10億円レベルのお金をかけて、瀬戸内海ではなくて、今度は日本海側の方へ工場を移したというわけですね。そしたら、今度全海域について、今言ったような100ppmというアンモニア体窒素も含めて濃度でかかってしまった。そうすると、もっと対策が大変だ。かえって行かない方がよかったという、言ってみればですね、死活問題です。でも基準を守ることは、ちゃんとやらなければならないことは当然ですが、それでは技術があるかというと、正直言ってよい技術が今のところないんですよ。ある新聞に最近出ておりましたけれど、ある会社さんが全窒素の、ちょっと私新聞忘れましたが、電解法だったですかね、窒素を削減するという処理法を開発したというようなことが出ておりまして、私がいろいろお話をした会社でもそういうことは当然ご存じだと思うのですけれど、非常に困っておられる例があるんですね。そういう問題もあるものですから、私が申し上げたいのは、環境省の方で特に窒素、もちろん燐にもそういうことは当然あるのですけれども、こういう数値を決めていくときに、やはり一貫性がないという意味ではないのですけれど、そういうところまで見通して決めていただかないと、やはりいろいろな意味で問題が起きる場合があるということです。
 私が関係しているのは産業界なのですけれども、その産業界の中でも「これはやっていけないわ」と、「もう製品をつくるのをやめるしかない」と、あるいは「もう海外へ行くしかない」というふうなことになるわけですね。それが本当に日本の、もちろん環境はちゃんと守っていかなければいけないのは当然なのですけれども、産業界なりのそういう発展ということから考えると、よいかという問題にもなってくるわけで、かなり深刻な問題だと思うんですね。そのことをちょっとだけ、これはここで議論していただく必要はないと思いますが、そういう例があるということだけ御紹介させていただきました。

【須藤委員長】 どうもありがとうございました。
 渡辺先生、今の宮崎先生の最初の御質問の生態系モデルの考え方、もし先生からコメントあれば、それも含めてお願いいたします。どうぞ。

【宮崎委員】 ちょっと絵があればわかりやすいと思うのですけれど、この植物プランクトンがありますね。これが枯死しますね。有機物になっていますね。このときに植物プランクトンの中にも当然窒素・燐はあるはずなのだけれど、この窒素・燐はどこに行っているのですかということです。これは捕食されるようになっていますよね。あと沈降とありますよね。でも、枯死すれば、ここからでも窒素・燐は出てくるのではないかなと思うんですよ、枯死した場合、これが懸濁態有機物になっていますよね。枯死したときに、ここから出てくる窒素・燐がここに……。

【須藤委員長】 無機化のところに入るんですか。無機化でしょう。

【宮崎委員】 懸濁態有機物に入って無機化するというふうに考えればいいですか。

【須藤委員長】 その前に、ただ溶け出すのもあるかもしれませんけれど、一応、形はそうなのでしょう、渡辺先生。

【渡辺委員】 いやいや、私はわからないですよ。正直言って、今回につきましては私は一切関与しておりませんので、このモデルは私どものモデルではないということで。

【須藤委員長】 解説を。

【渡辺委員】 だから、説明を求められてもちょっといかんともしがたいのですが、いろいろなモデルの考え方があるので、むしろ事務局の方に言っていただいた方がいいのかもしれないのですが、私がここの図を見て理解する限りでは、枯死して懸濁態の有機物に行って、それが無機化して最終的には溶存態の無機の窒素と燐に戻るから、要するにタイムディレイがかかっていると。当然、この死滅したやつが、単純には直接この溶存態の無機の窒素、溶存態の無機の燐に行く部分もあるのかもしれないけれども、ずっと見る限りにおいては物質は保存はされているので、単に時間おくれがかかるかもしれいなですね。この懸濁態の有機物に一たん入って、それが今度何かの係数掛けて無機化しているから。ちょっと時間遅れがあるぐらいのものであって、質量は保存されていますよ。

【宮崎委員】 直接、例えばここの枯死の段階に行って、すぐ直接溶けるものもないわけではないわけですね。

【渡辺委員】 入れたければ入れればいいので。入れたければ入れればいいけれど、要するに、結果というものと中身の複雑さみたいなもので、そこまでやる……、大したことはないのだけれども、それほど大きな、これが原因で窒素・燐、それからCODの関係を説明するものではないのではないかという。

【宮崎委員】 アンダーエスティメイトということにならないと。

【渡辺委員】 ならないのではないかなと思うんですね。むしろ私は……、よろしいですか、2、3点。
 今、では宮崎さんの方の御懸念で、私も確かにこれは概況を見させていただいて、CODが全然減らないで内部生産の部分がどこへ行ったのだろうかというのが1点あるのだけれども、もう1点、内部生産とは別に考えなければいけないのが、外部から入ってくるCODの性質みたいなものがどうなのだろうかと。これは霞ヶ浦のようなところで、随分うちの方で議論がありまして、要するに下水処理をやればやるほど、要するに活性汚泥によって全部処理されてしまった後のものが難分解性のCODという形で流入してくると。当然、下水道の処理率は上がっているわけであって、その分だけ窒素・燐は、特に燐は取られるだろうと。しかし、そうかといって難分解性のものが減るわけではない、増えるわけですから、トータルのCODとしては改善されないということがあり得るのではないかと。モデルの中身はちょっと私もあれなのですが、概念的に言って、植物プランクトン内部生産に伴う部分は、これだけ窒素・燐が減少してきている分だけ減ってはいるのだろうとは思うのですが、多分、それを埋め合わせるみたいな形での外部からのCODの負荷、特に難分解性のCODが増えているのではないかというのが私の印象であります。したがって、多分モデルの問題ではないだろうと思います。
 ただ、モデルの話に、ちょっと1点だけ感想として戻したいと思いますのは、先ほどの横断道路が余り影響が出ないという意見があったのですが、果してそれはどのような原因でそれが影響が出てこないのだろうかというのがむしろ気になりまして、特に影響が出る出ないの多分分かれ目として、乱流計算をどれぐらいやられているのだろうかというのが1点あって、恐らくモデルの中に構造物が入ったことに伴う乱流の発生みたいなものが多分入ってないのではないかなと。だから、それがあろうとなかろうと影響は出てこないのかなというのが私の方の印象でありまして、この三つの湾の概況を見てみますと、例えば伊勢湾におきましては、将来の平成16年において新たな埋立ての新空港が入ってきているということが1点と、それから大阪湾におきましても、地形の変遷が、四つの島が入ってくるということから、全くその影響が出るか出ないかということについて、特に今後の将来のシミュレーションを行う上では、かなりクリティカルな部分になるのではないかというふうな印象は持っております。したがって、どのような乱流計算をされたのかということについては、是非検証も含めて資料を提出していただければありがたいと思います。
 それから、第3番目の点で、窒素・燐に係る発生負荷量が目標値より実績値の方がはるかに減ってしまっていると。これは経済の効果というのがどれぐらいこれに効いているのだろうかという、逆に言いますと、平成16年度の発生負荷量の推定値が、経済の効果みたいなものがどれぐらい入ってくるのだろうかというのが実は一番気になるところでありまして、この戦争も起こりそうな状況で経済がかなり壊滅的な状況になったときに、今後、負荷量というものが決定的な影響を受けるのではないかという懸念がありまして、その点についてどのような、ここに書かれている値でいいのだろうかというのが一つ気になるところであります。
 以上であります。

【須藤委員長】 どうもありがとうございました。
 かなり難しい問題、それからお答えにくい問題、あるいはこれから調べなくてはいけない問題も含んでおりますので、今の段階でおわかりになる順番から、まとめてくださっても結構ですから、どうぞ順番にお願いします。

【瀬川補佐】 まず、先ほど、ちょっと私先生の御質問をとり違えて答えた点がありましたので、それをまず訂正させていただきます。
 アクアラインの件なのですけれども、私、ちょっと湾の中央に出てくるところしか申し上げなかったのですが、正確には、千葉側、川崎側の取りつけ部の埋め立てにつきましては、シミュレーション上で取り込んでおります。具体的な扱いなのですけれども、千葉県側の人工島は、確かに海面上に出ているのは割と小さい500メートルぐらいのところなのですが、浅いところがありますので、1キロメッシュの中にこれは組み入れております。ただし、川崎側の人工島につきましては、1キロ間隔の計算格子ほどは大きくなかったので、これについては入れていません。ただし、取り付け口の方は、平成11年の時点での地形を確認して、1キロメッシュなりの地形を再現しております。ですので、先ほど、私、真ん中のところしか申し上げませんでしたけれども、そういう処理をしております。

【渡辺委員】 その場合に、処理された結果として、それでも影響がないというお答えだったので、それがどういう原因なのかというのがちょっと気になったものですから。

【瀬川補佐】 影響というのは、私、先ほど申し上げた湾央部にぽんと出ているところのそばで特段流況について変化がなかったので、そこの部分のことのみ、すみませんが、お答え差し上げました。細かく見ていきますと、先生おっしゃるとおり、千葉側、川崎側で流況が変わっていると思いますので、そこについては影響はあると思います。

【須藤委員長】 それはもうちょっと検討してくださいますよね、専門家もおられるわけだから。お願いします。

【瀬川補佐】 はい、承知いたしました。
 それから、まず岡田先生のNPは下がったのだけれどもCODがという話で、これは私自身もすごく不思議だなと思って見ておったんです。例えば東京湾で見ましても、明らかにコンター図のパターンが違うのではないかなという印象を正直受けました。それは資料5でいきますと、13ページ、14ページ、それから15ページということなのですけれども、これは平成11年度のスナップショットの結果を無理やりコンター図に落としていますので、割と大ざっぱなコンター図ではあるのですけれども、明らかに全窒素の場合は旧江戸川、荒川からの影響を受けているなということが見えるのですが、CODにつきましては、むしろ船橋沖のところに等濃度線がかなり密に入っておるということで、ちょっとパターンが違うのではないかなという印象を受けていますので、これに関しましては、ちょっと私どもも勉強をしておるところなので、また次回、あるいは次々回でも、わかりました時点で資料を提出させていただきたいと思います。
 それから、坂本先生から御指摘いただきました窒素・燐の場合は、年間の平均値ということで見ていて、貝の減少といった事象をとらまえられないのではないかという御指摘、これについては非常にもっともかと思います。例えばDOなどにつきましても、本来ならDOが2以下といった非常に小さい数値になった場合には、それがものの10分や20分続けば確実に底層での生物というのは死に絶えてしまうと状況がありますので、確かに窒素・燐というのは、そういった事情をとらえるということには、余り、正確にというのでしょうか、スナップショットでの事情をとらえるような目標値、あるいは評価にはなってないのかなと私どもも思っております。
 それから、本城先生、どこの海域で貝類が減少したかという件なのですけれども、この東京湾及び伊勢湾に関しましては、集計方法が属人集計になっていまして、漁業地区ごとに、向こうの漁組に参加しておられる方の漁獲高という形でやっていますので、正確につかまえられるかどうかわからないのですが、ちょっとバックデータにさかのぼりまして、次回、御説明させていただければと思います。

【本城委員】 もう一つ、千葉県の赤潮が平成5年から突然として増えているんですよね。先ほどから話題になっている構築物ですか、あれはいつごろからなのですか。

【須藤委員長】 橋げた、できたのは7年ぐらいではないですか。

【本城委員】 そうですか。そうすると、何か水の滞りとかが少しあるのだったら、そういうところで発生しているかもしれないので、私は水域をやはり尋ねているわけではあります。お願いします。

【須藤委員長】 ちょっと調べてください。それから、正確な年数ね。いつごろ工事が始まって、これだけ完成して、地下の構造がどうなっているか。表面だけの問題ではないでしょう、水流に影響するのはね。下がどうなっていて、どのぐらいの深さまでこうなっているかというぐらいの概略はわかった方がいいですね。

【本城委員】 件数の増加がちょっと異常なものですから。数え方が違っていれば、こういうふうになったらいけませんけれども、そこも確かめてみてください。

【瀬川補佐】 数え方というのは、メルクマール自体は変えていないそうです。これは私どもも確認したのですが、それは変えていないということでした。

【須藤委員長】 それから、はい、どうぞ。増島先生のやつね。

【瀬川補佐】 窒素・燐の負荷量がなぜ減るか、あるいはなぜ減らないかというお尋ねかと思います。

【須藤委員長】 坂本先生からは、窒素はなぜ減らないか、それから増島先生からは燐はなぜ減ったか。具体的にはそういうことです。

【瀬川補佐】 窒素の方に関しましては、先ほど清水先生にお答えしたのですけれども、一つには、フレームと発生負荷量を見ますと、どうも下水道が普及する、あるいは処理をする対象人口が増加していきますと、当然、人口が同じぐらいにあるのであれば負荷量自体は減っていくはずなんですね。ですけれども、生活系だけを見ますと、そこが要するにお互いを打ち消し合っているような、そういう印象が見えます。ただ、これはそういう印象を受けるということだけなので、ちょっとまだ感度分析までやっていませんので、もう少し勉強させていただいて報告させていただければと思います。
 燐がどこでも減っていくというのは、これはもう少し、勉強させてください。
 最後に、渡辺先生から窒素・燐が目標値よりも実績値で減った経済的な影響ということなのですけれども、東京湾沿いの7都県市の分析によりますと、経済活動が若干停滞したから、平成11年度の実績が減っているのではないかという記述がございます。そういう影響はもちろんあるのだと思います。ただ、これを平成16年の今度の発生負荷量の予測の方にどのようにつなげていったらいいのかということは、ちょっとこの中には組み入れておりません。
 それから、乱流計算につきましては、シミュレーションモデルの中でどう取り扱うかについて、ちょっと勉強させていただきます。
 以上です。もし、お答え残しがございましたら。

【須藤委員長】 橋げたとか、それから、その両方で埋め立てていますよね。それが乱流計算の中にどう反映されているかというか、その辺のところをおわかりになれば出していただきたいと、こういうことだろうと思いますので、それをお願いしますね。
 それから、お答えになっていないのが、増島先生が農地還元の量をどうやって計算されたか、たしかそうおっしゃったと思う。

【増島委員】 農地還元のフレームが、平成11年度に比べて平成16年度の予測がものすごく減っているので。

【須藤委員長】 そこはどう計算されましたかというような御質問があったと思いますよ。あとは大体お答えになったかな。

【瀬川補佐】 先生、確認したいのですけれども、その他農地還元というのは、生活系の中にありますその他農地還元でよろしいでしょうか。
 これは、し尿をそのまま処理せずに農地にまく、液肥としてまくというケースが今後減るだろうというふうに予測をしておりまして、それで減少しております。

【増島委員】 ああ、そうですか。そういう意味ですか。

【須藤委員長】 それから、岡田先生と渡辺先生からのCODのこと、両先生からおっしゃられているのですが、もし証拠があったらというか、下がっていたら、私、特に後ろの方に自治体の方もいらっしゃるのですが、川のCODが最近非常に増えているということを伺っているんですよ、時々。環境基準がBODでしょう。BODばかりはかっていても、水質汚濁の方の現象がつかめていないのではないですかということをおっしゃられる自治体の環境の方もいらっしゃるので、これは継続して測ってないとまずいので、CODを河川で測っているところがあったら、例えば多摩川とか荒川とか、大体、東京であればそんなところで、継続して測ってられると、例えば岡田先生の御質問に対しても、それから渡辺先生は下水道の影響ではないかという御指摘をいただいたのだけれども、確かに下水道というのはBODを主として除去する役割を持っているので、CODに対してはそんなにパーセントでも効果的ではないから、CODは高い値が出てくるのが当然なので、そういう部分が何かあれば、先ほどの説明もある程度つくのではないですかということですね。要するにCODの負荷量は下がってないと。結果としては下がってないということになりますよね。窒素と燐は下がると。そこにかかってないから、先ほどのような絵になって、CODは達成できない、NPは達成できると、こういうことにもなるし、先ほどの経済効果とか、そういうこととも関係すると、そんなに矛盾はなくなるのだろうなと、こう思いますので、環境省としては測ってられないかもしれないので、東京都とか、あるいは神奈川県、埼玉県、あるいは千葉県ですか、そういうようなところ、特に東京湾ですとデータは豊富かもしれませんので、もし協力いただけるのでしたら、その辺を測っていただくと、渡辺先生、岡田先生の御質問にもある程度の証拠になるのではないでしょうか。
 どうぞ、あと、もし御意見があれば。どうぞ、宮崎先生。

【宮崎委員】 ちょっとしつこいようなのですけれども、先ほどの東京湾のアクアラインですか、あれの件はもちろん調べていただけるということですけれど、結局、この総量規制の答申が出て、中環審を通って、今度は住民の方ですか、説明会がございますよね。

【須藤委員長】 パブリックコメントですか。

【宮崎委員】 そういうときに、私、ちょっと先ほどテレビのことを言いましたけれど、テレビはセンセーショナルに取り上げたりしがちですから、本当にどこまで正しいかわかりませんけれども、あれができてからどうも貝がとれないんだよとか、魚がどうだという、そういうコメントだけ取り上げているのかどうか知りませんけれど、そういう話があることは事実なんですよね。そうだとすると、特にパブリックコメントで出てくるかもしれませんけれど、どれだけいわゆるあの影響についてエスティメイトして、今後どういうふうにしようとしているのかというのは、私はかなり突っ込まれて聞かれるような気がするんです。そうだとしたら、そこにちゃんと、だから検討して考えた上でこういう値を出しましたということを、出さないと、環境省としても信頼性を問われかねないと思うんですね。ですから、そういう意味でちょっとしつこいようなのですけれど、そこはやはりかなり真剣に、真剣にという言い方は悪いのですけれど、細かくやらないといけないのではないかというのが一つでございます。
 それからもう一つは、今のCODとBOD、実は他の委員会でもあったのですけれど、これは海域はCODと現在決まっていますけれど、いわゆる有機汚濁指標なのですが、それでずっとやっていっていいのだろうかというのが私のちょっと疑問で、前に排水基準のときにも、委員会があったときにもちょっと私お話したのですけれど、やはり有機物は物質としてきちっとやるべきなのではないかと。ですから、具体的に言えば、TOCをですね、それは一遍にはできないと思うのですけれど、TOCとして把握するのがやはり正しいというか、かなり一元的にできるのではないか。もちろんBODを環境の基準を定める場合の意味というのも私は理解しているつもりですし、CODの意味も理解しているつもりなのですけれど、やはりそういう河川はBOD、湖沼はCODということで、それが原因だとは申しませんけれども、なかなか長い間、河川にしても湖沼にしても、そんなに悪くはならないけれどほとんどよくならないということになっているんですよね。そこら辺も、やはりちょっとこれは、今回の委員会の議題ではないと思いますけれど、やはり環境審議会全体として、水環境部会全体としてかもしれません、環境省として、特に有機汚濁指標のところはちょっと考えていただく必要がないのかなというふうに思います。
 以上です。

【須藤委員長】 わかりました。
 これは今すぐ何かお答えするというような問題でもないと思いますし、環境基準専門委員会ですから、今日は窒素・燐にかかわる環境基準の専門委員会なのですけれども、やはり我々は環境基準のことについて論議するわけですから、もし後で本題に余裕があるときには今のようなお話も伺いながら、今後、この中でそれを生かしていくというのは、先生がおっしゃった部分は若干無理だろうと思いますけれども、こういう委員会のたびに、有機汚濁指標がこのままでいいのか、あるいはTOCに変えるべきなのかという議論をやりながら、多分、そういう議論が始まってから十数年経過していると思いますし、環境省の中でも、多分、岡田先生、坂本先生がおっしゃったかな、要するに海域のBODとTOCとCODとかいろいろはかった上、やはり今のところCODでいいのでないかというような結論を出したこともございますのでですね。例えば相関検査なんかで言うと、結構合ってしまうものですから、だんだんそのままになってしまったというのも現状ですね。ですから、その辺のところの資料あたりをちょっと見ていただいて、今、何か議論するということではないのですけれども、その辺のまとめぐらいはしておいていただかないと、常にこの問題は出てくる問題でございますので、とりあえずは、この委員会の中では窒素・燐の見直しをやって、暫定をどうするかということになるのですけれども、環境基準を論議する中ではこの問題は重要な問題でございますので、企画課長いらっしゃるし、それから閉鎖性海域対策室長もいらっしゃるので、今後の一つの検討課題としてとりあえずはしていただくということで。
 岡田先生、そんなところで、どうぞ。

【岡田委員】 午前中の水質部会で出た水質管理の中での暫定目標の位置づけが不明であるという議論があったそうですが、私自身もそう思います。今後、これをやっていくに当たって、なぜ暫定目標が必要かということを国民各位に納得、関係者に納得していただくための資料若しくは論理が用意できますか、というか、用意していただかないと大変ではないかなと私自身は思うんですね。
 例えばこの諮問文章の中に、資料3の下側の方に、4行目ぐらいに「これらの水域の段階的な水質改善を図り、環境基準の速やかな達成を期するためには暫定目標を設定する必要がある」と、ぱっと読むと何となくわかるのですが、なぜ段階的な水質改善を図ることが速やかな達成になるのかというのが、やはりちょっと説明不足だろうというふうに思います。例えば暫定目標をつくることによって、確かに種々の施策が進んだというような証拠を示すとか。総量規制自身が暫定目標を5年ごとにつくっていって、いつ達成するかわからないという、あれは目標の見えないあれですよね。日本の施策というのはいつもそうなのですが、これも暫定目標をいつまでどうするのか。今までの行政手法になじまないだろうということは承知なのですが、そろそろ暫定目標をつくって本当によかったのだろうかということがわかるように示す必要があるし、暫定目標を守った場合はどうなるのか、守られなかった場合はどうするのかという、次のことが見えるようにしていただきたいと思います。
 実際には、暫定目標というのは、今持っている計画を集めて、その結果を暫定目標にしているだけですよね、多分ね。悪い言い方をすれば。何かもう少し積極的なものがないと、目標をつくっても、暫定目標を守れたということは計算が当たった、守れなかったということは計算が外れたと、それだけのことで、余り、これだけ努力して委員会を開いて、非常に極端で申しわけないのですが、決める意味があるのだろうかと。極端に言えばですよ。それがないように、我々自身もきちっと必要性を訴えていく必要があるので、そういう資料を用意していただければというふうに思います。難しいとは思うのですが。

【須藤委員長】 わかりました。
 瀬川さん、暫定目標があるのは、この海域の環境基準では窒素・燐だけですよね。例えば湖沼とか河川では、環境基準を決めて、当てはめにしただけで、あったっけ。ずっと過去にさかのぼっても、ありましたっけ。

【瀬川補佐】 湖沼で付けております。

【須藤委員長】 それは自治体ではなくて、国として、例えば国が決める湖沼ではあるんですか。CODが3のところを5にしようとか、あったっけ。

【瀬川補佐】 湖沼でいきますと、曽根川水系、日立利根川全域で、昭和65年までの暫定目標を全窒素・全燐について定めたことがございます。同様に、利根川水系、多摩川水系、淀川水系、琵琶湖、それぞれございます。

【須藤委員長】 ああ、そうですか。その程度だね。だけれど、これほどたくさん、この今の内海、内湾の方はほとんどについてしまっているわけなので、多分、達成はなかなか、知りませんよ、私もずっと長く関与しているのだけれど、なかなか達成できないから、私が答える必要はないことなのだけれど、暫定目標ぐらい設けながらやっていこうと、こういうことだったのだろうと多分思うんですね。皆さんもそのときの担当者ではないから、なかなか、なぜ暫定をつくったとか、暫定の意義なんていうのをするのはちょっと大変かもしりませんけれど、やはり皆さんがそうおっしゃられるので、ヒアリングされるなり、過去の資料なり、あるいは前の方の担当者なりに伺って、今ぐらいのところをちょっと整理をしていただいて、証拠はとれるか、なぜ今のような資料がつくれるかどうかはちょっと私も今すぐには判断がつきかねるけれども、どうぞ、瀬川さん、もし何かお答えがあったら言ってください。今の岡田先生がおっしゃったことです。

【瀬川補佐】 暫定目標の意義というのは、私もこの委員会を立ち上げてお願いするものなのかどうかというのを考えるときに、やはり一番念頭にあったことでございます。暫定目標の立て方、暫定目標の数字の計算の仕方というのは、きょう、午前中の部会でも須藤先生がおっしゃったように、現在、考え得る最大の施策を全部とっていった場合に、この数値目標までは行きましょうという、そういう立て方に数値としてはなっています。逆に言えば、今回初めて暫定目標がワークしたのかどうか、あるいは暫定目標を達成しているのかどうかというチェックをする機会だというふうに思っています。いわば平成6年に、平成11年度においてはこの程度の施策は十分とっておるはずだということをしている。いわば、もし暫定目標が守られていない海域がございましたら、一体、なぜ暫定目標を達成できないのか、どの施策が十分ではなかったのかというチェックのための意味合いというのはあるのだと思います。そうしていきますと、そのチェックを何年ぐらいごとにやっていくのがおおむね妥当なのかという、そういう考え方をしたのですけれども、環境基準は、最初に設定した際に5年以内に達成することを目途というふうにありまして、これが大体一つの1クールなのかなというふうには思っています。暫定目標を設定せずに、この海域の目標はあくまでも環境基準なんだと、達成の目途、あるいは達成するための施策というものが、わからないけれども、環境基準をいつか達成するという形では、なかなか施策としてチェック機構が働かないのかなと思ったことが、そもそも、暫定目標の改定あるいは撤廃という検討をお願いしようと思った経緯でございます。資料にするのはなかなか難しいのかもしれませんけれど。

【須藤委員長】 どうぞ、渡辺先生。

【渡辺委員】 午前中に開かれた部会で2点のことが指摘されたということだそうで、位置づけの議論と同時に生態系を考慮したという2点があったということ、私なりに解釈をいたしますと、恐らくその二つの言葉は、当然のことながらリンクした話であって、水質基準というのはあくまでも水質であって、むしろ、それが暫定目標なり何なりが達成されたとしたときに、結果としてどれぐらい、定義が難しいのですが、生態系自身が改善したのかと。もしくは望ましい、いわゆる海の環境と言われるものは水質だけで規定できないものですから、そういったものが達成できたのかということが恐らくは問われているものであって、したがって、私は書類としてもしそれを提出する必要があるとするならば、暫定目標がどれだけ合ったか合わなかったかということよりは、暫定目標がこれだけ達成されたことによって、いわゆる海の環境が、広い意味で生態系も含めてどれぐらい回復したと言えるのかということは、ある程度過去のデータも含めて出し得るのではないかと。また、むしろそういうものを出すことによって、上の部会が御指摘になっている生態系を考慮した水管理をやっていくということが求められているのだろうと思います。したがって、その言葉の裏には、ある種、無限の正義というような、アメリカで現在無限の正義とか言っているみたいですけれど、ああいったたぐいのものではなくて、ある種、環境基準も無限にそれを達成を求めるということから、少し緩やかなステージに入りつつあるのかなと。すなわち環境行政そのものがいわゆる水質という数字そのものを盲目的に追求する、達成することを追求するということから、もう少し成長段階に入って、それにまつわる海の環境というものが、最終的にはどのように再生していけるのだろうかということの緩やかなリンケージを恐らくは設定し、また、その知見を求めていくことが多分求められているだろうというふうに思います。したがって、それは恐らくこの分科会のある種の連続したマンデイトであり、恐らくは委員の先生方のいろいろな御協力によりでき得るものだし、またやる必要があるのではないかというふうに思っております。

【須藤委員長】 ありがとうございました。
 最後に渡辺先生にまとめていただいたので、私も全くそのとおりだと思いますが、やることはやらなければいけないし、やはり背景にはきちっと今のような位置づけをしていかないと、余り水質というか、数値だけの問題では当然ないので、最終的には何が必要かというのは、海が健全であるという、海域が健全であるということを我々は目標としなくてはいけないということは当然でございます。まだこの辺を議論し出すといっぱいありますが、予定した時間がまいりましたので、あとその他ということがございますので、とにかく今のところは、多分、担当者の瀬川さんや森さんのところには大分いろいろな宿題が集まったような気はいたしますが、可能な範囲で、その辺のところを是非作業を進めていただきたいということでございます。
 その他の問題で何かございますか。

【瀬川補佐】 その他については、2点ございます。
 1点、次回の専門委員会の日程でございますけれども、10月下旬から11月にかけてを予定させていただいております。日程につきましては、別途調整させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 また、第2点目、当委員会の運営方針で、議事録を作成し、これを公表することとなっておりますので、後日、私ども事務局の方から議事録案を作成し先生方にお送りいたしますので、御発言内容のついての御確認をお願いしたいと思います。
 以上です。

【須藤委員長】 どうも本日はありがとうございました。
 次回は、今お話がございましたように、10月下旬から11月の上旬ぐらいのところで、作業の進捗も関係はすると思いますが、あらかじめ予定を決めさせていただいて進めていきたいと思います。
 本日は、どうもお疲れさまでございました。ありがとうございました。

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