中央環境審議会 水環境部会(第40回)議事録

議事次第

1.開会

2.議題

  • (1)環境基本計画の点検について(水環境保全に関する取組)
  • (2)水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の指定の見直しについて
  • (3)第8次水質総量削減の在り方について
  • (4)総量削減専門委員会の廃止及び総量規制基準専門委員会の設置について
  • (5)報告事項

      ・瀬戸内海環境保全特別措置法の改正について

      ・琵琶湖の保全及び再生に関する法律の制定について
  • (6)その他

3.閉会

配付資料一覧

資料1-1 「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて」(報告)
資料1-2

底層溶存酸素量及び沿岸透明度に係る目標設定に関する参考資料

(報告の参考資料)
資料2-1

「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の指定の見直しについて」(報告)

資料2-2 検討対象水域の水質予測結果について
資料3 「第8次水質総量削減の在り方について」(報告)
資料4 総量削減専門委員会の廃止及び総量規制基準専門委員会の設置について(案)
資料5 瀬戸内海環境保全特別措置法の改正について
資料6 琵琶湖の保全及び再生に関する法律の制定について
参考資料1-1 「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて」に対する意見の募集(パブリックコメント)の実施結果について
参考資料1-2 「底層溶存酸素量及び沿岸透明度の測定方法について」に対する意見の募集(パブリックコメント)の実施結果について
参考資料2

「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の指定の見直しについて」に対する意見の募集(パブリックコメント)の実施結果について

参考資料3 「第8次水質総量削減の在り方について」に対する意見の募集(パブリックコメント)の実施結果について

議事録

午後3時30分開会

【司会】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会第40回水環境部会を開会いたします。

 開催に先立ちまして、本日の出席委員数のご報告をいたします。所属委員25名のうち、過半数の15名の委員の先生方にご出席いただいておりますので定足数を満たしており、本部会は成立しておりますことをご報告いたします。

 また、本日の会議は中央環境審議会の運営方針に基づきまして、公開とさせていただきます。

 それでは、開催に当たり水・大気環境局長の高橋よりご挨拶を申し上げます。

【高橋水・大気環境局長】 皆さん、こんにちは。ただいまご紹介がありました水・大気環境局長の高橋でございます。今日はもう12月に入りまして、何かとお忙しいところかと思いますけれども、多くの委員の皆様にご出席を賜りまして厚く御礼申し上げます。

 本日の水環境部会第40回でございますけれども、3件のご審議をいただく事項がございます。 1つは、「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて」、底層DOという新たな環境基準の追加がございます。2つ目が、「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の指定の見直しについて」、ということで、6つのダム湖について、暫定目標を設定しておりまして、その期限が来たということで、その見直しでございます。3つ目が、「第8次水質総量削減の在り方について」、ということでございます。いずれも環境大臣から諮問いたしまして、水環境部会の各専門委員会におきましてご審議をいただき、またパブリックコメントの手続をとらせていただいたものでございます。いずれも今後の水質保全行政を進めるに当たりまして、大変重要な案件でございますので、よろしくご審議を賜りますようお願いを申し上げます。

 また、最近の取組のご報告ということで、先般の国会で2つの水関係の法律が議員立法で成立いたしました。「瀬戸内海環境保全特別措置法の改正について」、というものと、「琵琶湖の保全及び再生に関する法律の制定について」、でございます。これについても簡単にご報告をさせていただきたいと思います。本日のご審議よろしくお願い申し上げます。

【司会】 次に、本日の審議のためにお手元にお配りしております資料について、議事次第の裏面にあります配布資料一覧のとおりとなっております。今回は、資料が多くなっております。配布資料一覧に沿って確認させていただきます。

 資料1-1になっております。次に資料1-2。それから、資料2-1。資料2-1の次に資料2-1の参考というA4が1枚ございます。次に資料2-2、厚いものです。それから、資料2-2の別紙がA4で1枚入っております。それから、資料3。資料4。続きまして、カラーのA4の1枚ずつ、資料5、資料6。参考資料1-1。参考資料1-2。参考資料2。参考資料3となっております。

 よろしいでしょうか。もし配布漏れ等がございましたら、事務局のほうにお申しつけください。

 それでは、議事に移りたいと思います。これよりの議事進行につきましては、岡田部会長にお願いいたします。

 よろしくお願いいたします。

【岡田部会長】 お集まりいただきまして、ありがとうございました。

 多分慣れない会議室でいらっしゃるので大変だと思いますけれども、よろしく審議のほうはお願いします。

 それでは、ただいまから第40回の水環境部会の議事に入りたいと思います。

 本日の議題は、審議事項として先ほど高橋局長がおっしゃいました3件。それと「総量削減専門委員会の廃止及び総量規制基準専門委員会の設置について」、で4件となります。

 報告事項は先ほどのお話にありました瀬戸内海と琵琶湖の法律に関する2件でございます。

 それでは、審議案件の1、「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて」、でございます。

 本件につきましては、私自身が生活環境項目環境基準専門委員会の委員長を承っておりますので、まず私のほうから全般的なご説明をさせていただきます。

 資料1-1、1-2になります。底層溶存酸素量及び沿岸透明度につきましては、平成25年8月の中央環境審議会に対する水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて、諮問を受けました。平成25年12月より中央環境審議会水環境部会生活環境項目環境基準専門委員会において、検討を行ってまいりました。7回にわたる専門委員会での審議、それからパブリックコメントを経て、専門委員会報告というものを取りまとめましたので、ここにご報告をさせていただきます。

 まず、資料1-1の4ページ、ここに今回の検討の基本的な考え方として、①魚介類等の水生生物の生息・再生産や海草藻類等の水生植物の生育に対して、直接的な影響を判断できる指標。それから、②といたしまして国民が直感的に理解しやすい指標、この2点に着目して底層溶存酸素量及び沿岸透明度について検討を行ってまいりました。底層溶存酸素量につきましては、水生生物の生息への影響等を直接判断できる指標として検討を進めてきたわけです。

 10ページをご覧いただければ、(4)のところに底層溶存酸素量の目標の設定にあるとおり、環境基本法第16条に規定する環境基準として設定し、必要な施策を総合的にかつ有効適切に講じることにより、その確保に努めることとすることが適当であるという旨を取りまとめました。基準値はこの表にあるとおりでございます。

 このほか11ページには、類型指定の方向性、それから13ページにはその監視並びに評価の方法、対策の方向性について整理を行っております。

 対策については、中長期的な対策も視野に入れた総合的な水環境保全施策を進めていくことが必要であるというふうにしております。

 次に、沿岸透明度につきましては、水生植物の生育に対して、直接的な影響判断ができ、かつ国民が直感的に理解しやすい指標であるということで、水生植物の保全、再生及び親水利用の場、この保全の観点から検討を進めてまいりました。

 これにつきましては、16ページ、(4)でございます。沿岸透明度の目標の位置づけにあるとおり一定の知見が得られたものの、環境基準として政府が目標を定め、必要な施策を講じてその確保に努めるものとして位置づけるということよりもむしろ地域の合意形成により地域にとって適切な目標として設定することが適当であるということを取りまとめいたしました。

 このほか18ページには、目標値設定の方向性、20ページには監視及び評価方法、対策の方向性について整理を行っております。

 対策の方向性については、先ほどと同じ総合的に対策を推進していくことが重要であるというふうにしております。概要については、以上でございます。詳細につきましては、事務局からご説明をお願いいたします。

【二村水環境課長】 水環境課長でございます。

 委員長からご説明のありました詳細について資料1-1に基づいてご説明いたします。

 これまでの経緯について2ページ目に記載されています。ここにありますとおり6点ほど過去、底層DO、透明度の必要性について言及されています。これに基づきまして、3ページ、(2)にある課題ということで、COD、全窒素及び全りんの環境基準は水質改善のために大きな役割を果たしてきましたが、一方、貧酸素水塊の発生、藻場・干潟の減少、水辺地の親水機能の低下の課題が残されている。こういったことから親水機能、水生生物生活環境を評価するための新たな指標が必要であることが指摘されています。

 それに基づきまして、4ページ目でございます。先ほど、岡田部会長からご説明がありましたように基本的な考え方ということで、この2つの視点が取りまとめられています。

 具体的に、底層DOの現状について5ページから記載があります。2つ目のパラグラフで、閉鎖性海域以外の海域では底層溶存酸素量が4mg/L以下になる地点はほとんど見られない。また、閉鎖性海域においては、湾奥で夏季に底層溶存酸素量が2mg/L以下になる地点がある。湖沼についても同様のことが少なくないとされています。資料1-2の4ページ目以降に、このバックデータを取りまとめております。

 底層溶存酸素量が低くなることにより生じる問題についてはその2つ後のパラグラフにあるとおり水生生物の生息を困難にさせる。あるいは生物に有害な硫化水素の発生、赤潮、青潮の発生、といった問題があります。

 一方、6ページ目ですが、透明度につきましては、藻場とか湖沼の植物について、一定程度の水中光量を得るために必要な透明度を確保することが水生生物の生育に不可欠であるとされています。

 沿岸域の透明度については、海域についてはほとんどが2mあるのに対して、湖沼は1m未満の地点が少なくないということで、透明度が下がることによって、水質浄化機能を損なう恐れがあること、良好な水辺地を損なうおそれがあるということで、各水域に応じた適切な透明度を確保することが必要である、とされています。

 底層溶存酸素量の目標設定については(2)貧酸素耐性評価の導出方法との項目において、いわゆる文献調査を中心にこの数値を出しております。

 具体的には、発育段階別の貧酸素耐性ということで、生息段階、再生産段階に分かれてそれぞれの数値が文献調査をベースに取りまとめています。

 その結果、再生産段階の貧酸素耐性評価値は、生息段階に1mgを加えた値として推定するととされています。

 目標値としましては、水生生物生息の場の確保、再生産の場の確保、無生物域の解消との観点から設定しています。具体的には4mg/L、3mg/L、2mg/L以上との基準が案として提示されています。

 また、測定方法としては、JIS規格その他が適切であると指摘されています。

 また、類型指定の方向性については12ページ目のフローチャートにまとめてあります。勿論今後詳細を詰めなければならないのですが、生息状況の把握、保全対象種の選定、貧酸素耐性評価を基にしてどういうものを守っていくのか。無生物を解消するのか類型の当てはめを行っていくということを手順として示しています。

 底層溶存酸素量の監視及び評価方法については、海底又は湖底直上、これが難しい場合は1m以内の底層で測定する、頻度は、原則月1回以上、可能であれば、複数回の測定や連続測定を行うことが望ましいとされています。

 評価方法につきましては、日間の平均値が底層溶存酸素量の目標値に適合していることをもって評価するとされていますが、これは今後面的な設定をしなければいけませんので、時間的、空間的な観点からの評価方法は今後の議題とされています。

 対策の方向性につきましては、従来の水質汚濁防止対策だけでなく、藻場・干潟の造成等の対策もあわせて進めることが記載されています。

 続きまして、沿岸透明度につきましては沿岸透明度の目標設定の考え方ということで、1つは水生植物の保全・再生のために水生植物ごとに求められる分布下限水深とそれに必要な透明度の関係式を求めること、親水利用の場合は、現状のデータをもとに整理しております。

 その結果、海藻草類、例えばアマモですと分布下限値に0.95をかけた数字が年間平均透明度となるとしております。

 また、沈水植物については、0.64の係数となっています。

 また、親水利用につきましては、現状として、自然環境保全に海で10m。湖沼については6mから7mということとされています。

 水浴についても、平均は6m、最低2mとされているわけですが、親水利用についてはあくまで事実をとりまとめたもので望ましい透明度を示したものではないことに留意が必要とされています。

 この沿岸透明度の位置づけは、先ほどご説明があったとおり、いろいろな場合が想定されるということで、地域環境目標とするのは適切ということになっています。

 目標値の設定につきましては、先ほど用いました数式に基づいて目標値を算定すること水域の利水状況や特性、地域住民等のニーズ等に応じて目標値を設定することとの規定が親水利用の場合にあります。

 設定の方向性ですが、フローチャート、水生植物をどのようにしたいのか、親水利用をどのように進めたいのかということに基づいて設定することが規定されています。

 測定頻度については、原則月1回以上測定する。評価方法としては、年間の平均値で評価して差し支えがないとさています。

 また、対策の方向性として、状況にあわせて適切な目標値が設定されるよう、定期的な見直しを行うことが望ましいということが記載されています。

 なお、参考資料1-1と1-2については、パブリックコメント結果の集計に関する資料です。

 参考資料1-1は専門部会でご紹介させていただいておりますので、説明を割愛させていただきます。

 参考資料1-2は測定方法に関するパブリックコメントですが、1件の意見提出がありました。

 意見内容としては、水平方向の透明度が6mで水深が2mしかない場合、実際に6mの透明度があるにもかかわらず、表記上は2mの透明度になってしまうという意見でしたが、それについては、水深が2mしかない場合には「全透」とするのが一般的であるということとしています。

 駆け足で大変恐縮でございますが、以上ご説明させていただきました。

【岡田部会長】 それでは、ただいまの説明に関しまして、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。

【小倉委員】 これから具体的にどの地域でどういう類型を適用するかを決めていく手段、流れはこの資料には今日は紹介されないですか。

【二村水環境課長】 本日の資料はあくまでも底層DO、透明度に関する考え方の整理でございまして、これは答申をいただきました後に、実際の類型指定に関する検討が進められることになっています。

【小倉委員】 具体的な地域はこれからもう一度議論する機会があると考えてよろしいのでしょうか。

【柳田水環境課課長補佐】 今回、特に閉鎖性水域において、底層溶存酸素量が低いという状況でございますので、そういったところから順次類型指定を行っていくというふうに考えているところでございます。

【早水大臣官房審議官】 類型指定でございますが、国が指定する水域とそれから都道府県が指定する水域がございます。国が指定する水域は、これまでの例で言いますと、東京湾や瀬戸内海のような2つ以上の都道府県がまたがるところがそうなります。これについては、恐らくですが、過去の例を踏襲すれば、審議会に諮問をして、また専門委員会でご議論いただくという形になります。各都道府県が指定する海域につきましては、各都道府県で検討されるということでございます。

その際に、どの水域を対象にするのか、また全部の水域を対象にするか、その中でも一部でいいのか、そのあたりは指定権限を持つ人が考えるということになります。あわせて沿岸透明度につきましても、これはもうまさしく地域で検討するということになりますので、その地域の中で、例えば湖沼とか、大事なところの水域など、特に必要なところを選んでいくのではないかと思います。今回初めての考え方でございますので、そのあたりにつきましては、国のほうである程度根本的なことや手法をできる限り示していきたいと思っておりますけれども、基本的にはまさしく地方のほうで水域も含めて選んでいく形になろうかと思います。

【小倉委員】 考え方とか大きな流れについて議論があるということはないと思うんですけれども、最終的に貧酸素領域の周りにいる事業者さんの意見を聞いたり、言ったりする機会が設定されることを期待しておりますので、よろしくお願いいたします。

【岡田部会長】 それは当然あると考えてよろしいですね。類型指定ですから。

【柳田水環境課課長補佐】 当然類型指定を行う際には、地域で進めていくということ、また類型指定を定めるということになりますと、当然パブリックコメントの対象ということになりますので、そういった場でもご意見等をいただければと考えております。

【岡田部会長】 ほかに。

【曽小川委員】 資料1-1の13ページあたりに、対策の方向性というのが書いてありますけれども、従来の環境基準であれば、対策の中身というのは大体1対1に対応するようなことですけれども、先ほどのご説明では、かなり藻場の形成とか、かなり抽象的なお話で、多分そこら辺が基準を設定されても、1対1の対策といいますか、それができにくいのではないかと思うんですけれども、そこら辺の見通しとか知見ということはもう整理されているのでしょうか。

【二村水環境課長】 底層DOを改善するやり方はいろいろなものが考えられるということで、実際の現場でどのような対策が適切であるかというのは、その場、その時期に最適なものを選んでいただくということになると思います。今後類型指定の作業を進めていく中で、環境省としての知見を蓄積させていただきたいと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。ほかにございますか。

【山室委員】 この底層DOというのは、CODと並行して目標としてやるのか、それともCODはこれが決まったら、もう目標としてやらなくてもいいというふうに、どちらの方向で考えていらっしゃるのですか。

【二村水環境課長】 現段階におきましては、底層DOは新たな目標として追加されると考えております。

【山室委員】 ということは、各自治体は両方達成することが今後求められるようになるということですか。

【二村水環境課長】 はい。そういう方向になると思います。

【岡田部会長】 ありがとうございます。ほかにございますか。

 特段よろしければ、この水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準見直しに係る専門委員会の報告につきまして、水環境部会としてご了承いただき、そのまま部会の報告として会長に報告させていただくということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【岡田部会長】 どうもありがとうございました。

 それでは、次の案件、審議案件の2、「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の指定の見直しについて」、でございます。

 これにつきましても、私が陸域環境基準専門委員会の委員長を承っておりますので、まず私のほうから全般的なご説明をさせていただきます。

 今度は資料2-1、2-2に基づいてご説明させていただきます。

 水質汚濁に関わる生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の見直しについて、これは環境大臣から中央環境審議会会長に対して、平成13年9月に諮問がなされております。陸域環境基準専門委員会において、陸域、すなわち河川や湖沼における水域類型の当てはめ及び見直し等に関わる検討を随時行ってきております。これまで5回の報告を行っていりました。

 今回につきましては、国が類型指定するべき水域のうち、暫定目標の期限を迎えました6つの湖沼について、本年3月と7月に専門委員会で審議し、パブリックコメントの手続を経て、水域類型の見直しについて、報告を取りまとめましたので、ここにご報告させていただきます。

 お手元の資料の2-1が今回の見直し案でございます。資料2-2が見直しの対象となる各水域の水質予測結果、厚い資料になっております。

 資料2-1の1から2ページに記載されているとおり、今回は須田貝ダム貯水池、川治ダム貯水池、相模ダム貯水池、城山ダム貯水池、土師ダム貯水池及び松原ダム貯水池について見直しを行いました。

 見直しに当たりましては、従来どおり各湖沼の水質の状況、利水の状況、それから将来の水質予想に関する情報を整理し、暫定目標の設定に当たっては資料2-1の2ページに記載するアからウの考え方を基本に検討を行いました。検討の結果については、資料2-1の2ページ以降に記載のとおりでございます。

 5ページから7ページにかけまして、それを整理した表がございますので、そちらの表をご覧ください。

 水域類型については、各水域の利水状況を勘案し、いずれの水域も現行の類型を当てはめるということとしております。6つの湖沼のうち、須田貝ダム貯水池、川治ダム貯水池、松原ダム貯水池、この3水域におきましては、水質の改善が見込まれ、環境基準の達成が見込まれるというふうに判断し、暫定目標を設定せず、達成期間は直ちに達成するということにしております。

 一方、相模ダム貯水池、城山ダム貯水池及び土師ダム貯水池の3水域におきましては、現在見込み得る対策を行ったとしても、5年後の平成32年度において、環境基準の達成が困難であるということから達成期間は段階的に暫定目標を達成しつつ、環境基準を可及的速やかに達成するというふうにしております。

 また、算定目標につきましては、相模ダム貯水池及び城山ダム貯水池については実現可能というふうに考えられる範囲で暫定目標を強化し、土師ダム貯水池については、従前の暫定目標を据え置くということとしております。

 概要につきましては以上でございます。詳細につきましては、事務局から説明をお願いいたします。

【柳田水環境課課長補佐】 それでは、詳細について説明させていただきます。

 今、委員長から説明のあった結論を得るためにどのような検討を行ったかということをそれぞれのダム湖の概要とともに説明させていただきます。

 資料2-2をご覧ください。

 検討対象水域の水質予測結果について、でございます。

 まず、1番目が須田貝ダムでございます。1ページの表1.1.1として、須田貝ダムの概要が載っております。ダムについては群馬県にございまして、利根川水系利根川にございます。現在、環境基準類型は湖沼A、これについては達成しているものですけれども、湖沼Ⅱ類型ということで、平成25年度末までの暫定目標として全窒素0.29mg/L以下、全りん0.018mg/L以下といった暫定基準が現在設けられております。裏面が須田貝ダム貯水池の位置図になります。

 現在の須田貝ダム貯水池の水質の状況でございますけれども、1-6ページと7ページ、7ページがグラフになっておりますので、こちらのほうをご覧になっていただければと思います。

 今回、暫定目標が定められている窒素とりんについて、ご覧になっていただきますと、平均値が青色の線で記載されております。これについて、暫定目標は窒素については0.29mg/Lと定められておりますけれども、実績を見ますと、湖沼Ⅱ類型の基準値である0.2mg/L前後を推移している。りんについても23年を除いては、湖沼Ⅱ類型の基準である0.01mg/Lのあたりを推移しているという状況でございます。

 11ページ目が、須田貝ダム貯水池の利水状況でございます。利水の状況といたしましては、須田貝ダムの利用目的は発電のみでございます。また、次のページ、1-12ページをご覧になっていただきますと、須田貝ダム貯水池流域に係る漁業権について記載しております。これが須田貝ダムの現状でございます。

 次が、水質予測でございますけれども、まず1-14ページをご覧になっていただければと思います。将来、水質汚濁負荷量の算定についてということで、これは各ダムで共通でございますけれども、それぞれ水質汚濁負荷の算定について、現況を平成22年度として将来を平成32年度というふうにしております。

 須田貝ダム貯水池に対する負荷量の算定や将来水質の予測方法の概要はこの図の1.5.1に示しているとおりでございます。

 まず、左上で現況フレームを設定しております。それに対して、それぞれのフレームに対して、右側の発生負荷原単位がございまして、それを掛け合わせることによって現況の発生負荷量を求めるということにしております。

 現況フレームをベースに例えば既存の計画等をもとに、将来のフレームを設定いたしまして、それをもとに下にございますとおり、将来の発生負荷量を算出するということになります。そういった関係から、別途現況の右側のほうの上になりますけれども、現況の水質データ、これを把握いたしまして、その発生負荷量と現況の水質データをまとめまして、最終的に将来の水質を算出するという流れでやっております。

 具体的な計算結果ですけれども、細かなフレーム等の設定は省略させていただきますけれども、予測結果につきまして、1-28ページ目をご覧になっていただきたいと思います。

 窒素の水質予測ということでございます。

 それぞれ上に現況の水質や現況の発生負荷量、流入負荷量というものを出しておりますけれども、将来ダム水質の算定式というのが、その下の四角に書かれております。将来のダム水質の年平均値につきましては、現況の水質に現在の流入負荷量と将来の流入負荷量の比をかけるということによって算出しているというものでございます。

 この計算式に基づいて、将来の水質予測を算出いたしまして、その結果が1-29ページにございます。

 1.6.9須田貝ダム貯水池の将来の窒素の水質予測結果でございます。将来の水質が年平均値として0.21mg/L、変動範囲といたしまして、0.19mg/Lから0.24mg/Lとしております。この変動範囲につきましては、下の表のとおり標準偏差を求めまして、その数値を将来の水質に加算、減算して求めたものでございます。

 この変動範囲は、後から目標を決める際に活用しております。後で説明させていただきますがこういった形で将来の水質とその変動を求めたというところでございます。

 1枚めくっていただきますと、1-31ページに、同じような形で算出したりんの水質予測結果でございます。年平均値といたしまして、0.013mg/L、変動範囲といたしましては0.0087mg/Lから0.017mg/Lと算出されたところでございます。同様な方法で、以下ダムの水質予測を行っております。

 2-1が川治ダムの概要でございます。栃木県にございまして、利根川水系鬼怒川にございます。裏面にその位置図が載っております。

 水質の状況につきましては、グラフ2-7ページをご覧になってください。

 川治ダムにつきましては、窒素については、基準を適用するべき湖沼の条件に当てはまっておりませんので、りんだけが対象ということになっております。暫定基準としてほぼ基準値に近いんですけれども、0.010mg/Lといった暫定目標が定められておりまして、現状は基準値を下回る年もかなり見受けられるという状況でございます。

 利水目的等につきましては、2-15ページになります。洪水調節、流水機能維持、農業用水、水道用水、工業用水を利用目的としております。

 また、流域の漁業権につきましては、2-18ページに、流域として漁業権が設定されているところでございます。

 水質の予測結果でございます。りんの予測結果は、2-35ページに同じように予測のための現況の水質、それに用いる値を出しております。最終的な予測結果といたしましては、将来水質が年平均値で0.0085mg/L、変動範囲といたしまして0.0053mg/Lから0.012mg/Lという結果が出たところでございます。

 次に、3-1で相模ダムでございます。ダムの所在地は神奈川県にございまして、水域名は相模川水系相模川ということになります。位置図が裏面に、貯水池の流域が載っております。

 水質につきましては、3-7ページをご覧になっていただければと思います。

 湖沼のⅡ類型に対して暫定目標は1.4mg/L、りんは0.085mg/Lということで、非常に基準値に比べて高い暫定目標が設定されているところでございます。基準値に比べて非常に高い値で推移しているところでございますが、窒素については近年少し減少傾向にあると見てとれるところでございます。

 3-11ページが、相模ダム貯水池の利用目的ということで、水道用水、工業用水、発電を利用目的としております。

 3-13ページは漁業権でございますけれども、相模ダム貯水池の漁業権の設定はないということでございます。

 次が予測結果でございます。まず、窒素につきましては、3-53ページになります。窒素の予測結果といたしまして、将来の年平均値が1.3mg/L、変動範囲といたしましては1.2mg/Lから1.3mg/Lとしております。

 次の3-54ページが、りんの予測結果でございます。将来水質が0.080mg/L、変動範囲が0.070mg/Lから0.090mg/Lとしております。

 4番目が、城山ダム貯水池でございます。これは相模ダムの下流にございまして、同じく神奈川県にございます相模川水系相模川のダムでございます。

 水質につきましては、4-7ページとなります。これも相模ダムと同様、暫定目標が設定されておりますが現在の基準に比べて高い値で推移しているという状況でございます。

 利水目的が4-13ページ目になります。これは洪水調節と水道用水、工業用水、発電を利用目的としておりまして、4-15ページ、漁業権については相模ダムと同じく設定はないということでございます。

 これについての予測結果は、4-55ページになります。値については、4-55の表4.6.8のとおりでございまして、その予測結果についてはその次の4-56ページ、年平均値として1.2mg/L、変動範囲として1.1mg/Lから1.3mg/Lとなっております。

 また、りんについてはその次のページに将来の水質算出に用いる値として、4-57ページの下の値を用いまして、予測結果が4-58ページのとおり平均値として0.048mg/L、変動範囲として0.042mg/Lから0.054mg/Lとされております。

 5番目が、土師ダムでございます。概要については、5-2ページになります。広島県にある、江の川水系江の川にあるダムでございます。

 位置図が5-3になります。土師ダムは広島県にありますけれども最終的には島根県に流れ出ている川でございます。

 水質の状況については、5-8ページをご覧になっていただければと思います。暫定目標が、窒素については0.43mg/L、りんについては0.018mg/Lと設定されておりますが、近年、いずれも暫定目標を上回っているという状況でございます。

 5-11ページが、利用目的でございます。土師ダムは洪水調節、流水機能維持、農業用水、水道用水、工業用水、発電を利用目的としております。

 また、漁業権につきましては、5-13ページに貯水池流域の漁業権として記載しているところでございます。

 次は、予測結果が5-31ページになります。5.6.8に水質算出に用いる値を記載しておりまして、それを用いた予測結果が表5.6.9でございます。年平均値が0.62mg/L、変動範囲が0.49mg/Lから0.75mg/Lとなっております。

 また、りんについては次の52ページに結果として年平均値が0.018mg/L、変動範囲が0.011mg/Lから0.025mg/Lとなっております。

 最後は、松原ダムでございます。6-1ページになります。概要といたしましては、大分県にあるダム、筑後川水系の筑後川のダムでございます。位置図については、次の6-2ページに載っております。

 また、松原ダムの水質でございますが、ここはほかのダムと違ってⅢ類型となっておりまして、窒素の基準が0.4mg/L、りんの基準が0.03mg/Lとなっております。りんについては、もう基準が達成しているということで暫定目標は設定しておらず、窒素についてのみ暫定目標が定められておりまして、近年、ほぼ環境基準に近い値となっているところでございます。

 利水の状況につきましては、6-13ページになります。利用目的としては、洪水調節、流水機能維持、水道用水、発電となっております。6-14ページに松原ダムの下流域の漁業権を記載しているところでございます。

 予測結果でございます。窒素についての予測結果が6-36ページです。年平均値として、年平均値として0.43mg/L、変動範囲として0.36mg/Lから0.50mg/Lという予測結果となっております。

 予測結果と現状の水質をまとめたものが、資料2-2別紙となります。説明には、こちらのほうの数字を見比べながら説明させていただきます。

 説明が長くて恐縮でございますが、資料2-1に結果が載っております。参考資料で暫定目標設定の考え方をご覧になっていただきたいと思います。資料2-1参考でございます。

 先ほど委員長から基本的な考え方、アからウと示しておりますが、それと同じものを1から3に記載しております。暫定目標の検討に当たっては、最近の水質改善対策の効果や発生負荷量の変動を反映している直近の実測値も勘案し、将来において実現可能と考えられる範囲で最も良好な値を目指すということを基本とする。上のところに記載がありますが、これまで基本的には水質予測結果の年平均値をそのまま用いてきたんですけれども、最近、やはり予測には一定の期間を要するので、直近の傾向が将来水質予測に反映されていない可能性があるということで、そういったことも踏まえて、考えていくということとしております。

 その結果、環境基準の達成が見込まれる水域については、暫定目標を設定しないということ。見込まれない水域は実現可能と考えられる範囲で暫定目標を強化するということ。また、従前の暫定目標に比べて水質の悪化が見込まれる場合は実測値の推移等も考慮して、可能な限り水質悪化の防止が図られるような暫定目標を設定する。としております。

 その具体的な設定方法については、1番として、将来における改善目標値を算出する。どれだけ実現可能と考えられる範囲で、最も良好な値にするかということでございますけれども、今回、予測結果というのは22年までの値を用いました。それに対して直近の値、最近の実測値ということで、23年から25年度の値があるということで、その予測結果とその実測値を見比べて判断したということになります。

 裏面の(1)将来水質予測結果の値よりも良好な直近の実測値がない場合、こういった場合には、将来水質予測結果の平均値をそのまま将来における改善目標値とするということ。(2)として、良好な直近の実測値が1つ以上ある場合には、将来水質予測結果の変動範囲の下限値、さっき予測で変動範囲と申しましたけれども、それの下のほうの値、それを将来における改善目標値とするということとしております。

その結果、その改善目標値が環境基準を満たす場合には、達成が見込まれるということで、暫定目標を設定しないということ。

 また、改善目標値が環境基準を満たさないけれども、従前の暫定目標を下回る場合はその値を暫定目標に設定するということ。また、悪化する場合には、いろいろ考慮して実現可能と考えられる最も低い値を暫定目標に設定するという考え方に基づいたものでございます。

 また、資料2-1のほうに戻っていただきたいと思います。

 例えば、2ページに、須田貝ダム貯水池がございます。3ページ目の2段落目から全窒素、全りんについての記載がございます。全窒素、全りんについては共に水質の改善が見込まれ、平成32年度の予測結果、この予測結果は、窒素については0.21mg/L、りんが0.013mg/Lということで、基準値であるそれぞれ0.2mg/L、0.01mg/Lというものは上回っているけれども、近年将来水質予測結果を上回る実績値、つまり将来予測結果、例えば窒素でいきますと0.21mg/Lという予測結果と、23年から25年の実測値を比較いたしまして、0.21 mg/Lを下回っている0.20mg/Lという値があるということ。

 その場合には、変動範囲の0.19mg/Lから0.24mg/Lの下の値の0.19mg/Lが、先ほど申しました改善目標値になります。これが基準値を下回っているということで、環境基準達成が見込まれると判断したということでございます。その結果、須田貝ダムについては、暫定目標を設定しない。りんについても同様でございまして、0.013mg/Lという予測結果に対して、平成24年度の実績で、0.011mg/Lという実測値がありますので、予測の下限値0.0087mg/Lを採用する。これが基準値を下回っているということで、窒素、りんいずれも環境基準達成が見込まれると判断したということでございます。

 以下同様な方法で算定したところでございます。例えば、3番目の相模ダムでいきますと、全窒素、全りん、これの水質の予測結果については、例えば窒素については、基準は満たさないけれども、予測の1.3mg/Lを下回る実績値1.1mg/Lというのがございます。そういったことから、予測の変動範囲の下限値である1.2mg/Lというものを今回の暫定目標として設定しています。

 全りんについては、予測結果が0.080mg/Lに対して、23、24、25とこれを下回る値がないということで、0.080mg/Lの予測結果をそのまま暫定目標にしているということでございます。

 土師ダムについては、窒素の予測結果が暫定目標0.43mg/Lを上回っているという状況でございます。下限値0.55mg/Lも暫定目標を上回っているんですけれども、これについては近年の実測値が低下傾向にあったり、過去、暫定目標を満たす年があったということも踏まえて、従前の暫定目標を据え置いて、0.43mg/Lと設定したというところでございます。りんは同じ0.018mg/Lですので、同じ値としております。

 そういうような形で、ほかのダムも同様な形で整理を行った結果が、先ほど委員長からありました5ページ目から7ページ目の表になったということでございます。

 説明が長くて恐縮ですが、以上でございます。

【岡田部会長】 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明に関しまして、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。

【柳田水環境課課長補佐】 1点だけ、参考資料2で、これにつきましてパブリックコメントを実施しましたので、その結果について簡単にご報告させていただきます。

 9月14日から10月13日まで行いました。2通の意見が来ました。中身は別紙のとおりでございます。主に、相模ダム貯水池に関する意見ということで、水質が改善されてないのではないかということで、例えば努力してないのではないかとか、そのようなご意見をいただきました。

 今まで、水質予測結果をそのまま暫定目標としていたんですけれども、今回の暫定目標につきましては、水質改善のためのさらなる努力というものを前提に、将来において実現可能と考えられる範囲で最も良好な値を設定するという考え方を用いておりますので、そういった形で今回より厳しい値を設定したと考えているところでございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。それでは、ご意見、ご質問等をお願いいたします。

 それでは、水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の指定の見直しに関わる専門委員会報告につきましては、水環境部会として了承し、そのまま部会報告として会長に報告したいと思いますが、いかがでしょうか。

(異議なし)

【岡田部会長】 ありがとうございました。

 それでは、次に審議案件3でございます。「第8次水質総量削減の在り方について」、今回は大変珍しく、3番目も実は私が、総量削減専門委員会の委員長を承っておりますので、私のほうから全般的なご説明をさせていただきます。

 この第8次水質総量削減の在り方、これは資料3に基づいてご説明させていただきます。

 最後の1つ前のページにあるとおり、平成26年9月8日付で環境大臣より中央環境審議会に対して、第8次水質総量削減の在り方について諮問がなされ、水環境部会に付議されました。

 122ページをご覧いただきますと審議経過がございます。総量削減専門委員会において9回にわたって審議を行いました。

 審議の中では、関係省庁、関係自治体、産業界、NPO団体からヒアリングを行い、水質総量削減に関わる取組状況を確認させていただきました。

 それらを踏まえ、第8次水質総量削減の在り方についての案をまとめ、本年9月から10月にかけてパブリックコメントを行いました。その結果を踏まえまして、11月2日の専門委員会で委員会報告として取りまとめたものがお手元の資料でございます。

 報告の20ページからが第8次水質総量削減の在り方について記載されております。まず、指定水域における水質改善の必要性というのがございます。(1)として、東京湾、伊勢湾においてはご承知のように環境基準達成率が低く、大規模の貧酸素水塊も発生しているということから、今後も水環境改善を進める必要があると考えられます。

 大阪湾におきましては、平成22年度から窒素、りんの環境基準が達成されております。しかし、CODの環境基準の達成率は低く、大規模な貧酸素水塊も発生しております。このことから、窒素、りんの環境基準の達成状況を勘案しつつ、特に有機汚濁解消の観点から水環境改善を進める必要があると考えられております。

 次に、大阪湾を除く瀬戸内海。これにつきましては、水質は他の指定水域と比較して良好な状態であり、現在の水質が悪化しないように必要な対策を講じることが妥当というふうに考えられます。

 対策の在り方でございますが、これはきれいで豊かな海という観点から総合的な水環境改善対策を進めていくことが必要であるというふうにしております。

 21ページに記載しております汚濁負荷削減対策に加え、22ページでは、干潟・藻場の保全再生等について水質浄化及び生物多様性、生物生産性の確保等の重要性に鑑み、総合的な取組を推進していくことが必要であるとし、第7次と比較して、アからキに掲げる各種対策を充実させているということになっております。

 それから、(3)の目標年度、同じページの下でございます。これまでと同じく5年間とし、平成31年度を目標年度としております。以上が、専門委員会報告の主要な部分でございます。詳細につきましては、事務局からご説明をお願いします。

【根木閉鎖性海域対策室長】 閉鎖性海域対策室長の根木でございます。

 資料3の表紙の裏を見ていただくと目次になっております。4つの章からなっておりまして、第1章が水質総量削減の実施状況であります。水質総量削減制度の概要、汚濁負荷量の状況、汚濁負荷削減対策の実施状況、汚濁負荷削減対策以外の対策の実施状況ということであります。時間の都合がありますので、ポイントの図表を少し紹介しつつ説明いたしますが、27ページ、図3をご覧ください。

 指定水域における汚濁負荷量の推移であります。上からCOD、窒素、りんの発生負荷量の推移でありまして、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海についてそれぞれ暫次負荷量が減少してきているというような状況が見てとれるかと思います。

 行ったり来たりで恐縮でございますが、目次のほうにお戻りいただきまして、次に第2の指定水域における水環境の状況でございます。2-1で水質濃度の状況、2-2で環境基準の達成状況、2-3で障害の状況としまして、赤潮や青潮や貧酸素水塊の発生状況についてもデータをつけております。2-4で、藻場・干潟の分布状況。2-5では、栄養塩類等の推移。これは例えば瀬戸内海においては、湾・灘ごとに細かくデータを掲載いたしました。

 52ページをお開きください。

 夏季底層DO濃度分布についてであります。52ページの上は東京湾でありまして、赤いところが2mg/L以下。そして、オレンジ色のところは2mg/Lから3mg/Lということであります。左側は、昭和57年から59年度の平均ということで、この制度が始まったころであります。そして、右側が近年の状況ということであります。

 ご覧いただいているとおり、東京湾では湾奥部の一部で底層DO濃度が上昇した水域も見られるものの、湾奥部全体としては底層DO濃度が低下傾向である。そして、大阪湾、伊勢湾、そして大阪湾を除く瀬戸内海では全体的に大きな変化は見られないということになっております。

 次に、58ページをご覧ください。

 環境基準の達成状況であります。CODについては、下のグラフが各水域の達成値の推移であります。大きな変動は見られないという状況でございます。

 次に59ページは、窒素、りんの環境基準の達成状況でありますが、下のグラフの推移を見ていただきますと、少し見にくいんですけれども、三角が大阪湾になっておりまして、大阪湾につきましては22年度から4年連続で100パーセント窒素、りんの環境基準を達成しています。これは、7次の同様の議論をいただいたときにはなかった状況であります。1つ留意するべき点かと考えております。

 また、目次のほうにお戻りいただきまして、3、指定水域における水環境に係る分析ということであります。3-1で、水質汚濁に影響を与える要因、特に今回はCODの負荷について減少してきているという経緯がございますが、水域におけるCOD濃度が近年特にあまり変化が見られないというところに着目して分析を行ったということであります。

 3-2が、藻場・干潟の機能について、定量的に試算。3-3は水質の将来予測をしたということであります。それぞれ代表的な図表を紹介いたします。

 まず、96ページをお開きください。

 真ん中より上のほうが、水域におけるCODの水質濃度に対して、どのような原因が寄与しているかということをΔCOD法という方法を使って試算したものであります。上の図が、30年ほど前の試算値であります。上から東京湾、伊勢湾、大阪湾、大阪湾を除く瀬戸内海ということであります。例えば東京湾については、陸域負荷が37%程度あったということで、真ん中のグラフは近年の試算値であります。これを見ていただくと、陸域の負荷の寄与率が大阪湾、伊勢湾、東京湾、昔に比べて低下してきている。これはこの制度の効果ということだと思いますが、内部生産やバックグラウンドの割合が相対的に上昇しているということが試算から見てとれるということでございます。

 そして、次に99ページをお開きください。

 失礼いたしました。98ページで少し説明いたします。藻場・干潟の機能としては、水質の浄化、生物多様性の維持、複数の効果が期待できるということがございます。

 そして、99ページの表で、下の2つの表を見ていただきますと、まず表23で干潟、浅場の水質の浄化能について試算しました。

 例えば、東京湾で窒素については、流入負荷量に対して現在ある干潟、浅場で2%程度を浄化する機能を有しているのではないかと試算したということであります。窒素について伊勢湾は9%、瀬戸内海は8%として、りんについて東京湾6%、伊勢湾20%、瀬戸内海20%、一定程度の浄化機能が期待できるのではないかということでございます。

 藻場については、藻場が枯れたときに、水に戻っていくというところがありますので、干潟、浅場に比べて、約1桁小さい浄化能になっておりますが、このような試算を今回行ったということでございます。

 続きまして、104ページをお開きください。

 今回の検討の基礎資料を得るために、水質の将来予測を行いました。足下年度を平成21年度といたしまして、31年度の水質将来予測を行った。これは7次の総量削減というものがそのまま継続する。さらなる強化というものは特に行わずに、現在の7次の総量削減が継続されているような前提で試算をしております。

 例えば、104ページは左側が平成21年度の東京湾のCODの分布状況、右が31年度で、この2つだけを見ても少しわかりにくいので、その差をとったものが、下のグラフでございます。31年度には、湾奥部で0.2程度、CODの改善が期待できるのではないかというような試算を行いました。このような試算をCODだけでなくて、窒素、りん、そして底層溶存酸素について行っております。東京湾に加えて、伊勢湾、そして瀬戸内海についても行っております。

 以上、このような分析データを踏まえまして、先ほどの20ページをお開きいただければと思います。

 20ページの第8次水質総量削減の在り方について、ここがこの報告書のまとめの部分でございます。

 4-1の指定水域における水環境改善の必要性については、先ほど岡田部会長からご説明をいただきました。

 4-2の対策の在り方でありますが、21ページ(1)ということで、汚濁負荷削減対策であります。アとしまして、水環境の改善が必要な東京湾、伊勢湾及び大阪湾においては、効率的にCOD、窒素及びりんに係る汚濁負荷量の削減が図られるようこの下の(ア)から(オ)に掲げる各種対策が考えられ、関係者、関係機関の協力を得つつ推進することが必要であるということであります。

 なお、大阪湾においては窒素、りんの環境基準達成状況を勘案しつつ、特に有機汚濁解消の観点から必要な対策を推進することが必要である。ということであります。

 そして、このページの下のほうで、イを見ていただきますと、大阪湾を除く瀬戸内海においては、従来の工場・事業所の排水対策など各種施策を継続して実施していく必要があると記載いたしました。

 また、ということで、湾・灘ごと、季節ごとの状況に応じたきめ細やかな水質管理について、順応的な取組を推進していく必要があると記載しております。

 ページをおめくりいただきまして、22ページ、(2)干潟・藻場の保全・再生等について記載ぶりの充実をさせているところであります。

 例えば、(ア)でありますが、これは7次のときも記載がありましたが、真ん中に干潟・藻場の分布状況把握など、基礎情報の整備を進めつつ、という文言を8次で新たに追加したということであります。

 また、(イ)は適切な漁業の実施、(ウ)底層の改善、(エ)は窪地を記載しておりますし、(オ)、(カ)、(キ)は7次にはなかった記載でございます。(オ)は生物共生型護岸等の環境配慮型構造物の採用に努める。(カ)は国や地方公共団体等の関係行政機関はもちろんNPOや漁業者、企業など多様な主体が有機的に連携して総合的に取り組んでいくことが重要。地域の実情に応じて、そのための仕組みづくり等を進めていく。(キ)は、対策を実施する者に対して、必要な支援に努めるというふうに記載しております。

 目標年度は、説明を先生にしていただいたとおりです。今後の課題としまして、関係機関及び関係者が連携して取り組むべき主な課題、調査、研究の推進等、情報発信及び普及・啓発の充実を記載しております。

 また、参考資料の3ということで、後ろにつけておりますが、パブリックコメントの実施結果でございます。こちらについては、個人、団体から27件いただきましたが、専門委員会でご議論、整理をしていただいておりますので、ここでの説明は省略をいたします。以上です。

【岡田部会長】 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に関しまして、ご質問、ご意見等がございましたらお願いします。

【山室委員】 資料3の63ページを見ますとほかの水域は赤潮の発生件数が特にここ最近減っているんですけれども、一番下の豊後水道が特にここ数年増えているんです。ほかの数値を見て、とくにここだけが増えているという原因とかはわかるのでしょうか。

【根木閉鎖性海域対策室長】 こちらについては、瀬戸内海についてはできるだけ湾・灘ごとにきめ細やかに見ていこうということで、今回湾・灘ごとに整理したものでございます。豊後水道について、なぜ赤潮が増えているかというような考察まで、今回の報告の中でできているものではございませんが、後ほどにも説明いたしますが、瀬戸内海環境保全特別措置法も改正されておりまして、湾・灘ごとにまさにきめ細やかに見ていくという方針は、先ほど説明した中にも書いておりまして、そのあたりをきめ細やかに見ていくということをしっかり実施していきたいというふうに考えております。

【山室委員】 先ほどCODの説明のところで、CODだと住民が環境の改善を感じられないという話があったと思いますが、赤潮はまさに発生件数が増えると環境が悪化しているという印象を持つと思います。ですので、こういうデータがあるのであれば、なぜそうなったのかというのはぜひ細かく見ていただけると思います。

【岡田部会長】 ご指摘ありがとうございます。今の件はよろしいですね。

 ほかにございますか。

【古米委員】 この第8次水質総量削減の在り方、これ自体のことというよりは、新しく環境基準として底層DOと沿岸透明度が出てきた。その当てはめがされて、目標値なり基準値ができてくるという。そうすると今回の場合には、環境基準としてはCOD、T-N、T-Pですが、既に底層DOに対しても水質シミュレーションをやって考察をしているという取扱いが出ているので、ある意味継続性をもって対応できると思うんですが、もう一つの地域目標とされている沿岸透明度というものがその当該地域に適用され、目標設定されたときに、総量規制としてその沿岸透明度という地域目標が達成されているかどうかというのを水環境の目標である水質環境改善の必要性を考える上で評価するとなると、例えば水質シミュレーションの中に透明度を予測するようなものを入れていくというような今後のことを考えていくと、新しい基準ができる、あるいは目標ができることによって、今後の改善の対策をどう考えればいいかというのが課題になろうかと思います。そこら辺については何か方針があればお聞かせいただきたいと思います。

【岡田部会長】 これは事務局からどうぞ。

【根木閉鎖性海域対策室長】 今回の第8次水質総量削減の在り方については、今日議論されましたが、底層DO、沿岸透明度などを目標というものがない中でこの議論を進めてきておりますので、これについては第8次の総量削減については基本的に従来の考え方で今後も検討していくということかと思っております。ご意見をいただいたことについては、ご意見として受け止めさせていただきたいと思います。

【二村水環境課長】 底層DO、それから透明度につきましては、先ほどご説明したように、ある地域についてどのような湾海域にしていきたいのかを実現する指標としてお使いいただくというのが今回の説明です。

 先生がご指摘のような総量規制との関係につきましては、私どもとしては関連は考えずに、基準ということで、まずは運用させていただきたいと思っています。

【岡田部会長】 ほかにございますか。

【小倉委員】 先ほど説明があった資料3の22ページの(2)の内容が非常にいいと思うんですけれども、すべてのパラグラフ、(ア)も(イ)も、「必要がある」、で終わっているので、これから先にどう進展するか、どんな場でやっているか、やっていないかを議論するかというようなことがもう少し語られないと、若干尻切れトンボ的な感覚を得るんですけれども、その辺はどう考えておられるかご意見があればと思います。

【岡田部会長】 事務局からお願いします。

【根木閉鎖性海域対策室長】 このあたりについては、さらなる具体化の観点から皆様方のご意見をいただきながら進めていきたいと思っております。

 例えば、先ほど少し申し上げましたが、(ア)のところで干潟・藻場の分布情報把握、基礎情報の整備を進めつつということで、新たに記載しておりますが、こういった環境行政は定量的なデータに基づいて進めていくべきというふうに考えておりまして、そういったいろいろなデータに基づいて議論ができると、具体的なお話につながりやすいかなというところも込めまして、このような書きぶりも入れております。いろいろご意見をいただきながら、前に進めていきたいと考えています。

【小倉委員】 結構なんですけれども、概念としては定期的に議論する場をつくるとか、そんな形が追記されていってもいいのではないかなと感じますので、よろしくお願いします。

【根木閉鎖性海域対策室長】 ここの場に追記するのには馴染まないかなという気もしますが、ご意見として受け止めさせていただきます。

【早水大臣官房審議官】 総量規制の場合は、ご承知のようにこの後に規制基準を決めていくということと、それから基本方針を国が定める。それを受けて都道府県ごとに削減計画をつくって実施していくという形になっております。それで、今回の審議につきましても、5年たった時点で、過去の5年を振り返りつつ、次の総量規制をどうするか考えるということをしておりました。

 今のご指摘は、他のいろいろな計画のように途中でのチェックとかがあったほうがいいのではないかというご指摘ではないかと思います。そのあたり、総量規制はちょっと古い制度ですので、5年ごとにしておりますけれども、今回新しい施策とか、新しい目標ができたりしておりますので、一方で国の役割、都道府県の役割というのもあり、全部国が見てチェックしていくわけにもなかなか行かないと思いますので、今、根木からご説明しました一例として干潟・藻場の調査は国のほうでリードしてやっていきたいと思っておりますが、そのあたりの分担を考えながら、5年間後にやるのか、途中段階でやったほうがいいのか、そのあたりも検討していきたいと思っております。

 先ほどの発言を若干訂正させていただきたいのですが、環境基準の類型指定について、瀬戸内海は国がと申し上げたかと思いますが、瀬戸内海も海域ごとに違いがありますので、国がやる海域と都道府県がやる海域がございます。伊勢湾も実は西側は複数にまたがって国なんですが、三河湾側は全部愛知県です。そういうふうになっております。東京湾は全体が国ということでございます。これもやはり国と地方の分担がございますので、訂正させていただきます。

【岡田部会長】 どうもありがとうございました。

 ほかにございますか。

【永井委員】 資料3の99ページのところで、いろいろお願いをしてまいりました藻場・干潟、浅場の機能についてこのような形でお示しをいただいたことはありがたいと思っております。私ども、全国で500を超えるようなグループでこのような干潟の改善、または藻場の造成を一般の方々を含めて活動しているところでございます。ぜひ、こういうことをPRしていただきながら、そういう方々がまたさらに前に向けての活動を進めるように、ぜひこういうことを広くやっていただければと思います。よろしくお願いします。

【岡田部会長】 ほかにございますか。

 よろしければ、「第8次水質総量削減の在り方について」、に関わる専門委員会の方向につきまして、水環境部会として了承し、そのまま部会の報告として会長へ報告したいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

(異議なし)

【岡田部会長】 ありがとうございます。

 それでは、本日ご審議いただいた3つの報告の取扱いですが、それぞれについてご了承いただいたとおり、これを部会の決議として中央環境審議会の浅野会長へ報告させていただきます。

 その上で、会長の同意が得られましたら中央環境審議会議事運営規則第6条第1項の規定に基づいて、審議会の決議とさせていただき、大臣への答申の手続をとらせていただくようにしたいと思います。

 それでは、今後の予定について事務局から何かございますか。

【二村水環境課長】 本日は、「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて」、「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の指定の見直しについて」及び「第8次水質総量削減の在り方について」、この3つの報告を取りまとめていただき、大変ありがとうございました。

 この後、中環審において答申をいただきましたら、これを受けて環境省として環境基準につきましては、告示の改正、沿岸透明度に係る目標については自治体に通知をそれぞれ行ってまいりたいと思っています。また、総量削減につきましては、次の段階ということに入りますので、次の議題で具体的にご説明をさせていただきます。以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。

 それでは、今ございましたように審議案件の4でございます。「総量削減専門委員会の廃止及び総量規制基準専門委員会の設置について」、でございます。

 事務局からご説明をお願いいたします。

【根木閉鎖性海域対策室長】 資料4をご覧ください。専門委員会の廃止及び設置についての案でございます。

 中央環境審議会水環境部会に設置している専門委員会のうち、専門の事項に係る調査が終了したため、まさに水質総量削減の在り方について調査していただいたため、「総量削減専門委員会」を廃止する。また、新たに総量規制基準に関する専門的事項に係る調査を行うため、「総量規制基準専門委員会」を設置することとする。ということであります。

 よって、水環境部会決定の中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置についての別紙をおめくりいただいて、1の(7)の部分、そして8.の部分を見え消しのとおり改訂をしたいということでございます。

 また、総量規制基準について、この在り方の答申をいただいた後に、新たに総量規制基準について中央環境審議会へ諮問を行うということを予定しております。以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして、ご質問、ご意見等がございましたらお願いします。

 本件につきましてはよろしいでしょうか。

 それでは、資料4の案のとおり「総量削減専門委員会」を廃止し、「総量規制基準専門委員会」を新たに設置するということにしたいと思いますが、ご異議ございませんでしょうか。

(異議なし)

【岡田部会長】 ありがとうございます。

 専門委員会に所属する委員、臨時委員、専門委員につきましては、資料4の別紙、中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置についての第9の規定に基づき、部会長が指名するということになっております。追って指名させていただきたいと思います。

 また、環境大臣から総量規制基準に関する諮問があり、水環境部会に付議された場合には、この専門委員会で審議していただくということにしたいと思います。

 それでは、次に報告事項に入ります。

 2件の報告がありますが、順番に事務局からご説明をお願いいたします。

【根木閉鎖性海域対策室長】 資料5をご覧ください。

 「瀬戸内海環境保全特別措置法の改正について」、でございます。この法律は環境省が所管しておりますが、さきの通常国会で議員立法として改正法案が国会に諮られまして改正されました。今年10月2日に交付施行されております。

 内容について、説明をいたします。まず、瀬戸内海の環境の保全に関する基本理念が新設されました。その中身は、①、②、③のとおりでありますが、瀬戸内海を、美しい景観が形成されていること。生物の多様性、生産性が確保されていることなど多面的価値機能が最大限に発揮された豊かな海とする。②として、施策は、規制の措置のみならず、藻場・干潟など沿岸域の良好な環境の保全・再生・創出などの措置を合わせて講じる。③で、施策は瀬戸内海の湾・灘その他の海域ごとの実情に応じて行う。となっております。

 そして、この法律に基づく瀬戸内海の環境保全基本計画につきましては、従来は水質の保全、自然景観の保全の2本立てだったものを①から④の4本立てにする。そして、政府は概ね5年ごとに基本計画について検討を加え、必要があると認めるときは変更する。というように規定がなりました。

 このことについては、先に基本計画が今年2月に14年ぶりに変更、閣議決定されまして、4月にこの部会の場でもご説明しておりますが、この内容と整合がとれた内容になっております。基本計画の変更を法的にも担保するというようなことでございます。

 そして、右側を見ていただきますと、関係府県知事は、府県計画を定めようとするとき、変更するときも含めてでありますが、その海域の実情に応じたものになるように必要な措置を講じるということです。その例示として、湾灘協議会の意見を聞く、その他広く住民の意見を求めるということも記載されております。

 そして、その下の具体的な施策の追加等でありますが、漂流ごみ・海底ごみの除去等に努めるというような施策も追加されております。また、貧酸素水塊の発生機構の解明等に努めるということも追加されております。

 また、自然海浜保全地区の指定という制度がもともとありました。干潟ももともと制度の対象でありましたが、今回法律に干潟という文字を明記するということで、干潟を強調して明らかにするということもされました。また、環境大臣による環境状況の定期的な調査などについても法定化されたということであります。

 検討条項が附則でついておりまして、政府は栄養塩類の適切な管理に関する調査、研究に努め、その結果を踏まえて法施行5年を目途として、瀬戸内海における栄養塩類の管理の在り方について検討を加え、必要と認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講じる。

 ②で、政府は、法施行後5年以内を目途として、特定施設の設置の規制の在り方を含め、新法の規定について検討を加え、必要と認めるときはその結果に基づいて所要の措置を講じる。という附則がついております。私からは以上です。

【二村水環境課長】 続きまして、資料6に基づき「琵琶湖の保全及び再生に関する法律」の概要をご紹介させていただきます。

 琵琶湖につきましては、「琵琶湖総合開発特別措置法」が平成9年までありましたが、それが失効いたしており琵琶湖独自の法律が今回制定されました。

 先の国会で、議員立法として成立いたしましたが、目的は琵琶湖の保全、再生に関することを行うこと。具体的な内容としては、基本方針を定めること、具体的に3つの内容を国が定めること。それに基づいて、滋賀県が琵琶湖の保全再生計画を策定することが規定されています。

 その下、国による支援として国がやるべきこと、それから関係者の協力、これはNPOとか民間の方を含めた琵琶湖に関連する方がこういった活動をするということが規定されています。

 その下で、国と地方公共団体が実際にやるべき施策として、調査研究、水質の汚濁の防止のための措置、教育の充実、多様な主体の協働などの幅広い事項が規定されています。

 こういった活動を束ねる機関として、琵琶湖保全再生推進協議会を国、地方公共団体、関係者が集まって琵琶湖再生保全に関する施策を総合的に進めていくいうことが規定されています。この法律につきましては、今年9月28日から施行され、現在、国で基本方針の策定について事務的な調整を行っている状況です。

 簡単でございますが、「琵琶湖の保全及び再生に関する法律」の概要をご紹介させていただきました。以上です。

【岡田部会長】 それでは、ただいまの報告に関しまして、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。

【藤井委員】 琵琶湖再生法についてちょっと質問させていただきたいと思います。

 議員立法でようやくというか、これが策定されましたが、先ほどのご説明の中で、基本方針が今は国のほうでという話がありましたが、これは主務大臣が環境、農水、国交、総務だと思いますが、その4省の連携はどのような形で今国の方針をつくっていらっしゃるでしょうか。滋賀県のほうでも、これに対応してすぐにこれを実現していくためのセクションができていますが、まず国の今のありようを聞かせていただきたいと思います。

【二村水環境課長】 現状を申しあげますと、各省の担当官と基本方針の案について検討を進めている状況です。また、この検討には、滋賀県からもオブザーバーでご参加いただいておりまして、基本方針から再生計画までスムーズにつながるように事務的な作業を進めている状況です。

【藤井委員】 それについては、まだロードマップとかそこはまだまだ出てこない段階ですね。この法案の中には、NPOの参加、協働とか、かなり地域への折り込みがあるものですから、NPOサイドでもどういうふうに具体的にいよいよ動いていくかということの中で、行政レベルでどんどん進んでしまうと今までどおりになってしまう。そこをちょっと変えたいという思いがかなり意気込みとして見えているんですが、そのあたりはどの時間、ペースで動くのでしょう。それはまだ読めないですね。

【二村水環境課長】 法律中で関係者の協力が規定されていますので、当然計画の中では、そのような内容が規定されることになるのではないかと思います。いずれにしましても、基本方針は国が主体でつくりますけれども、しかるべき段階で皆様のご意見を聞くというプロセスもあると思いますので、そこでご指摘をいただければと考えています。

【岡田部会長】 ほかにございますか。

【二村水環境課長】 先ほどの主務省庁に関して、4大臣と言われたかと思いますが、実際は総務、国交、農水、文科、環境の5大臣でございます。

【岡田部会長】 ほかにございますか。

【細見委員】 この「琵琶湖の保全及び再生に関する法律」というのは、ちょっと今までの湖沼水質保全法との違いというのは一言で言うと、例えば藤井委員が参画されているようなNPOとか、いろいろな協働を進めようというところがポイントなのでしょうか。

【二村水環境課長】 この法律につきましては、保全再生に関して水質だけでなく、例えば生物多様性、開発、そういったことも含めて琵琶湖の環境を幅広く保全するということで、従来の水質保全よりも若干幅広いところをカバーし、それを関係者が参加して実現していくというところが従来との違い、特徴となると考えています。

【細見委員】 だとすると、従来の湖沼水質保全法プラスということであれば、ほかの湖沼とか何か動きはあるのでしょうか。

【二村水環境課長】 これは琵琶湖を特定とした法律でございますので、今後他の湖沼で同様の動きがあるかどうかというのは、今のところ具体的な動きは承知しておりませんが、そういう動きが出てくる可能性もあるかもしれいないと思っています。

【細見委員】 今日、一番最初に議論になりました水質汚濁に係る生活環境保全に関する環境基準の見直しについての中で、沿岸透明度に関しては従来の類型指定ではなくて、従来の類型指定というのはやはりどちらかというと役所がやるようなことです。ところが、沿岸透明度に関しては多くの地域の合意形成ということなので、今回の琵琶湖の保全、再生のやり方に近いのかなという思いがあるんですけれども、ほかの湖沼についてもこういう考え方というのが沿岸透明度の目標の位置づけを考慮するときに関係するのではないかと思ったので、沿岸透明度の目標の位置づけについて新しい試みなので、琵琶湖の保全再生法との関わりがあるとわかりやすい。しかも、ほかの湖沼にも影響というか、及んでいくのではないかと思います。これは私の思いでございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。どうぞ。

【早水大臣官房審議官】 沿岸透明度については、細見先生のご指摘のとおり、地域でやってもらおうということで、現実に野尻湖とか一部の湖沼ではもう既に透明度を目標にしているところもありますので、そういったものがさらに進むことを期待しております。琵琶湖もそういったものを取り入れてやっていただけるというのは大変いいことだと思いますので、我々もそれを後押しできるようなことをしていきたいと思います。

 ただ、法律レベルとなると、琵琶湖は前には「琵琶湖総合開発特別措置法」もありましたし、下流域に水道を供給しているとか、いろいろなことがありますので、これと同じものがほかのところでも出てくるかというと、ちょっと私個人はそういうことはないかなという気がしますけれども、法律があるということとは別に、沿岸透明度の設定は地域でどんどん進めていくということにはなると思います。

 琵琶湖の保全及び再生に関する法律は、先ほど二村も申し上げましたが、総合的な幅広いものです。湖沼法はあくまで水質だけですので、この保全再生計画では「水質の汚濁の防止及び改善に関する事項」のところだけが湖沼法になり、ほかの部分はほかの法律ということで、いろいろな中身が入っておりますので、総合的な法律と個別の実施法という関係になると思います。こういうものがいろいろな湖沼で出てくるかというのはちょっとどうかと思いますが、それとは別に沿岸透明度はぜひやっていただきたいと思っております。

【岡田部会長】 ありがとうございました。

 どうぞ、大塚委員。

【大塚委員】 「瀬戸内海の環境保全特別措置法」の改正については、これは中環審でも議論していたことがかなり入っていると思います。ちょっと細かい点を幾つかお伺いしたいんですけれども、1つは具体的な施策の追加等のところの②の生物の多様性・生産性の確保に支障を及ぼす動植物の駆除、これは具体的にはどういうものを考えていらっしゃるか。それから、一番最後の検討事項②の特定施設の設置の規制、これは具体的にはどういうものを考えておられるか、ちょっと教えてください。

 それから、先ほど藤井委員が言われたこととの関係で言うと、「瀬戸内海の環境保全特別措置法」の改正については住民の意見を求めるということがかなり明確に出てきていると思うんですけれども、琵琶湖のほうは協議会の中にはあまり出てきてなくて、先ほどのご説明では関係者の協力というところにちょっと出てくるということで、大分位置づけが違うようにも思いますが、同時につくっているのに何か違いができているということなのか。あるいは、たまたまこの図がそういうふうになっているだけなのか、ちょっとその辺を教えてください。

【根木閉鎖性海域対策室長】 まず動植物の駆除については、今回、法律で新しい条文が規定されております。国及び地方公共団体は瀬戸内海の海域における生物の多様性及び生産性の確保に支障を及ぼすある恐れのある動植物について駆除その他の必要な措置を講じるよう努めるものとする。という条文が入ったということであります。これについてまさに新しい条文が入っておりますので、これは関係省庁としっかり連携して。

【大塚委員】 何か具体的なことがあるから入っていると思うので、そこをちょっと教えてくださいという話ですけれども、何なんでしょうか。

【根木閉鎖性海域対策室長】 例えばの話としては、ナルトビエイ、アイゴ、水温が上昇したからではないかということも言われておりますが、そういったものが具体例として挙げられると考えております。

 特定施設の設置の規制の在り方については、この法律、特別措置法を置いて、施設を改築するときなどにいろいろと設置者に義務を求めているというところがございます。そのあたりについて、法施行後5年以内を目途として、少し緩和できないかというような話もいただいておりますが、附則の中で検討条項として盛り込まれたということでございます。

【二村水環境課長】 「琵琶湖の保全及び再生に関する法律」における多様な主体の参加ということに関しては、説明資料の下から2番目のところに多様な主体の協働というのがあります。これは第22条に規定がありまして、国と地方公共団体は個人、事業者、特定非営利法人活動等の多様な主体が協働して琵琶湖保全再生施策に取り組むということを推進するため、こういう方々が参画できる機会の提供、交流の促進、その他必要な措置を積極的に講ずるものとする、と明確にうたわれておりますので、いろいろな場面でいろいろな方々のご意見を聞くことになると思います。

 それから、この琵琶湖保全再生計画の策定に当たりましても、下から3番目の四角のところで、住民、事業者、特定非営利活動法人等の多様な主体による協働の推進に関する事項ということがあります。法律の中でもこの再生計画を定めるときに、あらかじめ住民の意見を反映させるための必要な措置を講じるということで、それぞれの策定の段階で地元の方々の意見を聞くというのが法律に明記されています。

【岡田部会長】 ありがとうございました。ほかにございますか。

 山室委員、どうぞ。

【山室委員】 「琵琶湖の保全及び再生に関する法律」の概要のところで、第4条から第6条に国による支援というのが書かれていて、これは条文を見ていないので、具体的にどういうふうに書いたのかはかわからないんですけれども、湖沼法にはこういう財政上の措置とか地方債についての配慮とかそういうことが書かれてないと思います。こういう法律をつくったらちゃんとここまで明記してくれるとなると、ほかの湖沼法指定の湖もこういう法律をつくろうかという動きになるのではないかとちょっと危惧しているんですが、そのあたりはいかがでしょうか。

【二村水環境課長】 法律第4条には、国がこういう計画に基づく事業が円滑に実施されるよう必要な財政上の措置を講じるものとすることが規定されています。第5条は地方債についての配慮をするということ、それから、資金の確保ということで、国はこの計画に基づく事業実施について必要な資金の確保とか、その他の措置を講じるように努めなければならない、ということが書いてあります。

 国としてできるだけのことをしろということが、この法律で規定されているのですが、これは今、実施している範囲の中でやっていくということが基本でございますし、必要があれば国としてもこういった琵琶湖の保全に積極的に関与していくべし、ということが規定されているということで、将来的に湖沼に関する法律でこういうことがあるんだったら、ということになる可能性は否定できないと思いますが、現状で進められている施策が既にあることを踏まえれば、これを契機にそのような動きが起こることはちょっと考えにくいと思っています。

【早水大臣官房審議官】 湖沼法は、第38条に少しですが、「国は事業者が行う指定湖沼の水質の汚濁の防止のための施設の整備について、必要な資金のあっせん、技術的な助言その他の措置を講ずるように努めなければならない。」というのがございます。湖沼法は基本は規制法ですので、ちょっと性質が違うかなと思います。もちろん、私は先ほど否定的なことを若干申し上げましたが、他の湖沼でもどうしてもこれを守るということで法律にしたいということが将来出てくる可能性があると思いますけれども、やはり総合的な法律と個別の規制法と関係はちょっと違うような気がいたします。

 だからと言って、湖沼の水質改善にお金をかけないということではないと思います。それはそれで当然必要なことはしなければいけないと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。

 ほかには。

【藤井委員】 この目的の一番頭のところに、国民的資産であるというふうに書かれたことで、逆に滋賀県は市民も含めて行政も非常に責任を感じていて、一体本当にこういうことができるのかということを含めて、そちらのほうが大変大きいです。一部のところではこれでいよいよ財政措置がついたからというので、エコツーリズムのプログラムをどんどんつくるとか、そういうことも動いていることは確かですが、そんなにどんどん国からお金が下りるわけではないという縛りの中で、責任のほうが実際はかなり強く動いているというのが全体の雰囲気です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。

 ほかにございますか。

【高村委員】 ちょっと質問をしそびれてしまったんですけれども、最初の資料1-1の底層溶存酸素のところですが、温暖化が進んでいくと、湖沼はどんどん成層化が強くなってきて、底の溶存酸素というのは達成が難しい状況が起こってくると思います。実際は、西日本のほうは湖沼が少ないんですが、池田湖では底層酸素がすでにないというのが普通です。こうした点について、委員会でどのような議論をされたか教えていただけないでしょうか。

【二村水環境課長】 この底層DOにつきましては、ご説明させていただきましたように水生生物の保全のために、どのような環境が適切なのかという視点での議論でございます。ご指摘ありましたように、現実として特に夏季に底層溶存酸素量がほぼゼロになるという地域があるという現実がありますところ、私どもとしましては、この環境基準にしたがって例えばそういう場所をどのようにしていきたいのかという議論のもとに、水生生物の再生とか保全を図りたいから底層溶存酸素量をこのようにしていくんだという努力目標、最後はクリアしていくための対策をとられるための1つの指標としてお使いいただきたいと考えています。

【岡田部会長】 ありがとうございました。

 ほかにございますか。

 今、高村委員からご質問がございましたように、本日3件、それから2件の報告がございましたが、全体を通じて何かご質問、ご意見がございましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。

 その他のところで事務局から何かございますか。特段よろしいですか。

 それでは、特段、ご質問、ご意見等がなければ、以上をもちまして第40回の水環境部会を終了させていただきたいと思います。

 本日はありがとうございました。事務局にお返しいたしますので、連絡事項等がございましたらお願いいたします。

【司会】 本日はお忙しい中、長時間にわたるご審議ありがとうございました。

 お手元の資料につきまして、郵送をご希望される場合は封筒にお名前をお書きいただければ事務局のほうから郵送させていただきます。

 議事録につきましては、事務局で案を作成しまして、先生方にご確認をいただいた後に、ホームページで公表する予定としております。

 お忙しいところ、ご面倒をおかけいたしますが、よろしくお願いします。

 これにて本日の部会を終了いたします。

 どうもありがとうございました。

午後5時23分閉会

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