中央環境審議会 水環境部会(第38回)議事録

議事次第

1.開会

2.議題

  • (1)環境基本計画の点検について(水環境保全に関する取組)
  • (2)気候変動による水質・生態系への影響及び適応策について
  • (3)その他

3.閉会

配付資料一覧

資料1-1 重点点検分野に係る関係府省の自主点検結果(調査票)
「水環境保全に関する取組」(①健全な水循環構築のための取組)
資料1-2 重点点検分野に係る関係府省の自主点検結果(調査票)
「水環境保全に関する取組」(②水環境改善のための取組)
資料2 「水環境保全に関する取組」における取組推進に向けた指標
資料3 第1回点検(平成25年)で指摘した「今後の課題」に対応した進捗状況
資料4 「水環境保全に関する取組」に係る報告書構成案
資料5-1 気候変動による水質・生態系への影響及び適応策の検討について
資料5-2 気候変動による湖沼における水質・生態系への影響及び適応策の検討
参考資料1 第四次環境基本計画の第3回点検(平成27年)の進め方について
参考資料2 水分野重点検討項目
参考資料3 今後のスケジュール
参考資料4 第四次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について(抜粋)
(平成25年12月 中央環境審議会)

議事録

午後1時30分開会

【司会】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会第38回水環境部会を開会いたします。

 開催に先立ちまして、本日の出席委員数のご報告をいたします。

 所属委員25名のうち、過半数16名の委員の先生方にご出席いただいておりますので、中央環境審議会令第7条第3項により準用する同条第1項の規定に基づきまして、定数を満たしております。本部会は成立いたしておりますことをご報告いたします。

 また、細見委員が若干遅れて出席されますので、あわせてご報告いたします。

 また、本日の会議は中央環境審議会の運営方針に基づき、公開とさせていただきます。

 それでは、議事に入ります前に、水・大気環境局長の三好よりご挨拶を申し上げます。では、よろしくお願いします。

【三好水・大気環境局長】 水・大気環境局長の三好でございます。

 開会に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。

 本日はご多忙の中、また、特に暑い中、多くの先生方にご出席をいただきまして、ありがとうございます。日ごろから水環境行政の推進につきまして、さまざまな面でご指導賜っておりますことを改めて御礼申し上げたいと思います。

 本日の議題でございますけれども、議事次第にあるとおりでございまして、1つは環境基本計画の点検ということでございます。水環境保全に関する取組の点検は平成25年にも行ったところでございまして、今回は2度目の点検ということになるところでございます。前回の部会で重点検討項目につきましてご審議をいただきましたところでございまして、今回はこの重点検討項目に関しまして、環境省内、それから、関係省庁における点検の結果を整理して、資料として用意させていただいているところでございます。この場でご報告いたしまして、先生方にご意見やご助言をいただければというふうに考えておりまして、それを踏まえまして、点検作業を進めまして、秋ごろには取りまとめていきたいというふうに考えているところでございます。

 それから、第2点目は気候変動による水質・生態系への影響及び適応策についてでございます。政府全体の温暖化に対する適応につきまして検討を進められているところでございますけれども、私どもで行いました特に水関係のところにつきまして、この調査結果をご報告いたしまして、ご意見を賜ればというふうに考えているところでございます。

 簡単でございますけれども、開会のご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。

【司会】 ありがとうございます。

 なお、局長は本日所用のために途中退席させていただきますので、ご了承をよろしくお願いします。

 次に、本日の審議のためにお手元にお配りしております資料につきましては、資料一覧のとおりとなっておりますので、よろしくお願いいたします。

 また、委員の皆様につきましては、先日閣議決定されました水循環基本計画を配付いたしておりますので、よろしくお願いします。もし配付漏れ等ございましたら、事務局のほうまでお申しつけくださいますようお願いいたします。

 また、本日は環境基本計画の点検のために厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、若干遅れて出席の予定ですが、外務省の皆様方にもご出席いただいております。各省の皆様のお名前、ご紹介は申し訳ありませんが、配付しております座席表をもってかえさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、議事に移りたいと思います。これよりの議事進行につきましては、岡田部会長にお願いいたしたいと思います。岡田部会長、よろしくお願いいたします。

【岡田部会長】 かしこまりました。

 大変お暑い中、委員の皆様方、それから、関係する省庁の皆様方、ご出席いただきまして本当にありがとうございます。

 それでは、早速第38回の水環境部会の議事に入らせていただきます。

 まずは議題1になります。環境基本計画の点検について、すなわち水環境に関する取組の部分になります。水分野の重点検討項目、これは2つあります。まずは重点検討項目1、健全な水循環構築のための取組について、それぞれの取組状況につきまして関係各省からご説明いただき、その後ご意見をいただくというふうにしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 なお、時間が限られておりますので、タイムスケジュールに従って進めていただきますようご協力のほどをお願いいたします。

【二村水環境課長】 それでは、まず資料の構成についてご説明させていただきます。

 お手元にあります資料1-1、それから1-2、これは今、部会長からご紹介のありました水分野に係る関係省庁の自主点検結果の調査票の一式ということでございます。これに基づきまして、各府省からご説明をさせていただきます。

 また、資料2は「水環境保全に関する取組」における指標ということで、資料1に関するバックグランドの情報をグラフ等や図表で示しているものでございます。

 また、資料3は第1回の点検の報告書におきまして指摘されました「今後の課題」への対応状況について、各府省の自主点検結果を抜粋して一覧にしたものでございます。

 資料2、資料3ともに各府省からの説明をお聞きいただく際に適宜参照いただければというふうに思います。

 それでは、早速でございますが、資料1-1に基づきまして、各施策の状況について、時間も限られておりますので、ポイントを紹介させていただきたいと思います。

 資料1-1、1ページをご覧いただきたいと思います。

 まず、新規環境基準項目の検討という施策でございます。

 この施策の目標・概要につきましては、底層における水生生物の生息、水生植物への影響、新たな衛生微生物指標などに着目した環境基準等の目標について調査検討を行い、指標の充実を図るというものでございます。

 実際の実施状況でございますが、大きく2つございます。1つは新たな指標に係る検討、それから、調査研究というのを行いました。2つ目としまして、生活環境項目環境基準専門委員会におきまして、平成25年度、26年度それぞれ2回ずつ、合計4回の会議開催がされまして、そこで底層溶存酸素量、底層DOですね。それと沿岸透明度の環境基準化に向けた審議が行われております。

 また、今年度につきましては、7月末までに2回同専門委員会を開催しまして、報告書の案の議論が行われ、この後、中央審議会の答申、パブコメを経て、年度内に基準化の内容を確定し、公表するという予定で動いているものでございます。

 この本施策に関します予算は、ここにありますとおり25年度から27年度までこういった数値で推移しているということでございます。

 今後の課題・方向性としましては3つございます。1つ、底層DOにつきましては、生活環境基準項目として、既存の類型とは別の類型を指定する方向で議論しております。また、沿岸透明度につきましては、議論の結果、環境基準というものではなく、地域にとって望ましい目標値とすべきということで、底層DOとは若干異なった議論が進められているところでございます。また、今後とも底層DOにつきましては、新たな類型の設定に向けた評価方法の決定、それから、国が類型当てはめを行う水域の類型指定というのを行います。また、沿岸透明度につきましては、地域目標ということでございますので、地域の設定が促進されるような手引き作成といった支援、これを行う方向で考えております。

 また、先ほど申しました資料3におきましては、今後の課題番号②ということで、このような2行の文章を4ページ目に挿入させていただきたいというふうに考えております。

 駆け足で恐縮でございます。2ページ目、気候変動による水質等への影響解明、水循環への影響評価・適応策の検討という施策でございます。

 この施策の目標・概要につきましては、いわゆる気候変動に起因します公共用水域の水温の変化、それから、生態系への影響というものにつきまして、平成21年から24年度にかけて検討を行いまして、その結果、比較的水の滞留時間が長い湖沼におきまして、水温上昇、それから、これに伴う温度成層の変化、底層DOの低下、それから、水質の変化が懸念されることが明らかになりました。これに基づきまして、気候変動に脆弱とされる湖沼に特化して、水質や生態系への将来影響の整理、必要な適応策、モニタリングに関する検討を行い、想定される悪影響に対しての適応策を講じるということがこの施策の目的であり、概要でございます。

 実際どのようなことをやってきたかといいますと、25年度には文献調査等を行いますとともに、モデル湖沼、八郎湖、琵琶湖、池田湖を選定して解析モデルをつくりました。26年度につきましては、この解析モデルを使って水質、生態系への影響評価を行いまして、その適応策を検討しております。今年度、来年度につきましては、このモデル湖沼における予測精度の向上、それから、適応策の精査というのを行いますとともに、このモデル湖沼から全国の湖沼への影響予測の評価、適応策の抽出・検討ということで拡大を考えております。

 施策に関する予算はここにあるとおりであります。

 今後の課題・方向性としましては、昨年度まで行いました解析の結果、モデル湖沼の中の八郎湖におきましては、水温上昇によるクロロフィルの増加が予想されるということで、その適応策を検討しました。また、琵琶湖や池田湖については、顕著な水温・水質の変化は少ないという結果に至っております。ここにつきましては、後ほど別の議題でまた詳細をご紹介させていただく予定でございます。

 27年以降、この一応のモデル湖沼の結果は出ておりますが、先ほど申しましたように、この精度向上、それから、適応策の検討というのをさらに進めてまいりたいというふうに考えております。

 続いて、3ページ目でございます。

 水環境における危機管理・リスク管理推進検討業務ということで、これは水質事故によっていわゆる上水道等の給水に支障を及ぼす可能性がある化学物質、現在は未規制である化学物質につきまして、平常時にこういった事故を防止するための適切なリスク管理あるいは事故が起こった際に迅速な原因究明によって被害拡大防止が図られるような調査結果を行うということと、それから、特に自治体を中心としたこういった水質事故に備えた危機管理、リスク管理の推進を目的として行うものでございます。

 実際にどういうことをやっているかといいますと、潜在的なリスクを与える物質というものを抽出しまして、環境中における存在状況や工場・事業場からの排出実態を踏まえたリスク情報を整理するということと、実際のいわゆるリスク管理のための方策の検討を行いまして、自治体におけますリスク管理の推進につなげていきたいというものでございます。

 なお、25年度につきましては、こういった考えに基づきまして、4つの化学物質についての実態調査、26年度については、3つの化学物質についての実態調査を行ってまいりました。今年度は、これらの結果を踏まえまして、リスク管理方策についての取りまとめを行う予定としております。

 今後でございますけれども、24年度に大規模な水質事故を発生させましたヘキサメチレンテトラミンにつきましては、水濁法による指定物質の追加を行っております。また、今後の調査結果をもとに取りまとめを行うということを考えております。また、資料3にあります今後の検討課題、4番目ということで、今申し上げた内容を整理させていただいているところでございます。

 以上でございます。

【鳥居自然環境計画課長】 続きまして、自然環境局でございます。

 資料は次のページ、4ページをご覧ください。

 生物多様性国家戦略の推進でございます。2012年に現行の生物多様性国家戦略が基本法に基づきまして策定されてございますが、その中の4つの施策のうちの一つに森・里・川のつながりを確保することということが盛り込まれてございます。具体的には、森林や緑地などのネットワークに加えて、氾濫原を含む河川、湖沼、湿原、地下水、湧水、水田などの水系あるいは沿岸域にわたる水循環に着目したネットワークの重要性、そういったネットワークの形成などについて盛り込まれてございます。

 また、昨年の12月からこの「つなげよう、支えよう森里川海プロジェクト」というものを立ち上げまして、今年の先月末に中間とりまとめを行いました。今後こういう森里川海のつながり、水循環の重要性というものを積極的に普及啓発していく予定でございます。

 その下に整理番号5番で生物多様性上重要な湿地の保全の推進ということでございますが、先ほどご紹介した生態系ネットワークとも密接に関わりがございます湿地に着目しまして、平成13年に日本の重要湿地が500カ所選定されてございますけれども、選定から10年以上たっているということで、この見直し作業を平成26年度から着手して、今年度中に公表したいと思っています。この重要湿地は環境影響評価などの際に考慮されるほか、地域でもその地元の方々への普及啓発ということで、これまでも保全が図られてまいりましたけれども、さらに一層の普及に努めたいと思っております。

 以上でございます。

【二村水環境課長】 続きまして、5ページ目でございます。

 浄化槽整備の推進でございます。これにつきましては、この事業の目的は、下水道の農業集落排水施設等の適切な役割分担のもと、人口密度の低い地域での効率的な整備が可能となる浄化槽の整備を推進するということで、次のカラムのところにありますように、地方公共団体が行う浄化槽整備事業に対して、循環型社会形成推進交付金による支援を行うということでございます。一応1年間に約6万基の浄化槽を国庫助成の対象として整備支援を行っているという実績でございます。施策の予算は、ここにあるとおりでございます。

 今後の方向性・課題ということで、昨年の1月にまとめました持続可能な汚水処理システム構築に向けた都道府県構想策定マニュアルに基づきまして、各地域のニーズに応じた独自の検討を行うことで、人口減少とかいわゆる社会情勢の変化を踏まえた都道府県構想の見直しを推進したいと考えております。また、引き続き交付金による浄化槽整備を進めてまいりたいと思っております。

 また、点検項目に関します内容につきましては、ここにあるとおりでございます。

 駆け足で恐縮でございます。6ページ目、こどもホタレンジャー事業でございます。

 これにつきましては、環境保全活動、それから、生物調査や遊びといった直接水環境と触れ合うことを通じて、水環境への関心を喚起し、環境保全に対する理解と活動の推進を図ることを目的としております。特に子供の水生生物に注目した活動の報告を募集して、すぐれた取組の表彰を行うと、こういった事業でございます。

 施策の実施状況でございますが、25年度には全国から23団体の参加がありました。それから、予算につきましては、こちら表記のとおりでございます。

 この今後の課題・方向性でございますけれども、ここにありますように、文部科学省で取りまとめております環境教育に関する新たな施策、そういったものに基づきまして、官民連携による取組を促進、それから、水循環の重要性についての理解と関心を高めるために必要な学校教育、社会教育が求められている、こういう状況を踏まえまして、27年度からこの事業の見直しを図りまして、より健全な水循環の維持・回復のための総合的な推進を図る事業として再整理をさせていただいております。

 また、点検に関する内容につきましては、今申しました内容を資料3の1ページの7ということで記載をさせていただいております。

 続きまして、7ページ目でございます。

 全国水生生物調査、これにつきましては、川に生息しております生物を採取して、その種類を調べることで水質の判定を行うという調査でございます。これにつきましては、昭和59年度から当省と国交省の事業として実施してきております。25年度につきましては、国交省分とあわせて約5万9,000人の参加を得て行われております。うち調査2,238地点のうちの59%がきれいな水と判定されております。また、同様に26年度も約6万人の参加を得てこの事業を行いまして、全調査地点2,251地点のうちの61%がきれいな水と判定されているということでございます。

 これにつきましては、今後の課題ということで、引き続き国交省と連携を図りつつ、参加者の増加に努めてまいりたいと思っております。

 続いて、整理番号9番でございます。地下浸透規制に係る地下水汚染の未然防止対策の推進と、前回の名称が地下浸透の防止による地下水汚染対策推進費というものでございます。これはいわゆる地下に対する有害物質の浸透を規制することによって、地下水汚染を未然に防止するということを進めていく事業でございまして、具体的には、平成23年度の水濁法改正によって導入されましたいわゆる構造基準の制定に基づきまして、地下水汚染防止のための基準の遵守についてのマニュアルの作成、それから、事例集といったものをつくるとともに、講習会を通じまして周知徹底を図ってまいったというものでございます。

 施策の実施状況でございますが、25年度は今申しました事例集を更新するとともに、講習会を全国3会場で延べ8回、約1,600名の参加を得ております。26年度も管理要領の解説書を作成しまして、同様に全国9会場で14回の講習会を行い、2,600名ほどの参加者を得ております。また、今年度はこの地下浸透規制制度のあり方を検証するための基礎データでありますいろんな地下水挙動に関する科学的知見を収集する予定としております。

 今後の課題の方向性としましては、これまで水濁法の改正に基づいて導入されました制度の周知を行ってまいりましたので、今後地下水規制のあり方の検証を行うとともに、地下水浸透基準29項目ございますが、この全てについての科学的知見を収集し、地下浸透基準の設定法の妥当性を検討するということにしております。

 続きまして、8ページ目でございます。

 地下水流域における硝酸性窒素対策の推進ということで、硝酸性窒素につきましては、地下水の環境基準の中でも最も超過率が高いということで、これも原因がいろんなところに多岐にわたるということから、これを環境基準の超過率の低下をどのように図っていくかというのが大きな課題になっております。これを推進するという事業でございます。

 具体的には、地下水保全のための硝酸性窒素等地域総合対策制度という制度を構築しまして、これにより支援を行います。また、ガイドラインを策定しまして、こういった活動の推進を図っていくということをやっている事業でございます。

 26年度につきましては、今申しました総合対策制度の構築、それからマニュアルの改訂というのを行いました。今年度につきましては、このガイドラインに盛り込むべき情報についての情報収集を引き続き行っていくということを予定しております。

 今後の課題・方向性につきましては、先週金曜日に策定されました水循環基本計画に基づきまして、地下水マネジメントの推進がうたわれているわけでございますが、これを進めるためにも水循環構造を効果的・効率的に見える化するということがこの地下水マネジメントの重要なポイントになりますので、そういったところを中心とした調査検討を進めていくことにしております。

 また、進捗状況につきましては、今申しました内容を資料3の4ページ目に記載させていただいております。

 駆け足で恐縮でございます。9ページ目でございます。

 地盤沈下対策の推進ということでございまして、これは地下水の流動や水質の特性、利用状況を踏まえた管理方策を進めることによって、地下水、地盤環境の保全を図るということを目的にしております。実際には、全国の自治体の地盤沈下測量結果をまとめて公表するということと、それから、地下水の保全と利用のための管理方策の検討、この2本立ての事業を行っております。26年度につきましては、47都道府県、20政令指定都市において地盤沈下に関する調査を行いまして、その結果の取りまとめ、公表を行っております。ちなみに年間2センチ以上の沈下が発生した地域は、全体の13.8%、4地域/29地域となっております。25年度よりも若干減少しているということになっております。

 また、地下水マネジメントを実施するための手引きとなる地下水保全と持続可能な地下水利用のためのガイドラインというものを26年度に作成しております。また、今年度でございますが、先ほどと同様の地盤沈下の調査を行うこととしております。また、水循環基本計画の内容を受けまして、地下水対策のガイドラインを修正しますとともに公表する、それから、地球観測衛星でありますだいち2号の観測データの解析ということも実施する予定にしております。

 今後の課題・方向性としましては、自治体の地盤沈下測定の結果の取りまとめにつきましては、引き続き情報を公開していく、それから、利用しやすいような形での検討を進めてまいりたいと思っております。また、適切な地下水の保全と利用のための管理方策の検討ということにつきましては、先ほど申しましたガイドラインにつきまして、これを特に実効性が上がるものとするために地下水のいわゆる挙動解明を行うためのシミュレーションモデルを構築して、その結果を反映していくということが必要だと考えております。

 また、地下水採取規制のあり方ということでございますが、いわゆる地下水流域の観点という新しい視点に立ちまして、持続可能な地下水利用に向けた規制のあり方を検討していく、これを今後考えていきたいと思っています。

 また、先ほど申しました衛星データの活用方策の検討につきましては、こういった衛星データの活用をどのようにしていくのか、それをどのようにすれば適切に使えていくのかという検討を引き続き進めていきたいというふうに考えております。

 10ページ目でございます。

 地中熱の利用の促進でございます。いわゆる低炭素社会実現のためには、地中熱といった再生可能エネルギー源を効率的に活用することが必要ということで、地域における熱エネルギーニーズと地盤特性に応じた最適な地中熱利用を技術開発から効果検証までトータルにサポートするといった事業でございます。26年度におきましては、地中熱利用に当たってのガイドラインについて24年度から検討を行ってきましたが、これを26年度に改訂を行っております。また、今年度は、25年、26年に行っております補助事業の効果の検証、それから、環境配慮型の地中熱利用新技術実証の効果検証といった形での新しい形での地中熱利用の議論を進めてまいりたいと考えております。

 今後の課題としましては、地中熱利用補助事業の効果検証によって効率的・効果的な地中熱利用の技術の普及促進を図りたいと考えております。また、環境配慮型の最適な地中熱利用モデルの構築、普及促進を行うために、定量的な評価によって地盤環境への影響を最小限とするシステム構造、それから、運用方法の構築、普及促進のための方策を検討し、実施していきたいと考えております。

 以上でございます。

【宮崎水道課長】 厚生労働省水道課、宮崎でございます。

 11ページをご覧いただきたいと思います。

 厚生労働省では、健全な水循環構築のため、水道事業者等の取組の推進支援ということを図っているところでございます。

 施策の実施状況といたしましては、この施策等の実施状況・効果の欄に記載がありますように、水道法に基づきまして、水道事業の認可、立入検査等を通じまして、また、水道施設整備に対する効果的な国庫補助予算を確保するなどによって、安全・快適な水道水の供給が確保されるよう、技術的・財政的な支援を行っております。

 予算額のところをご覧いただきますと、昨今非常に厳しい状況が続いておりまして、社会資本整備全般にそうでありますけれども、老朽化が進み、耐震化がなかなか進んでいかないというような状況でありますので、予算の確保が重要な課題となっているところでございます。

 第1回の点検では、ご指摘いただいたのは、関係団体との連携といったことがございました。これまで新水道ビジョンの推進協議会ということで4回、各地域の水道事業体との地域懇談会ということで6回開催してきておりまして、今後とも引き続き新水道ビジョンに基づく施策を関係者と連携強化を図りつつ、推進していくこととしております。

 2つ目の指摘は、水道側の水質事故の対応能力に関する指摘でございました。先ほど環境省からもございましたような浄水処理対応困難物質として新たに通常の浄水処理が困難な物質を指定いたしまして、27年3月に排出側での管理促進ですとか水質事故把握の体制整備及びリスク把握等を求める通知を発出しまして、排出側も含めて体制の整備を図ったところでございます。

 以上でございます。

【木内環境政策課長】 続きまして、農林水産省です。

 少し資料が多いので、駆け足で説明させていただきます。資料1-1の12ページをお開きください。

 整理番号14番からです。流域における取組としまして、1つ目の施策として家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律でございますが、この目的は、家畜排せつ物の処理、保管施設などの管理基準を策定しまして、一定規模以上の畜産業を営む者にその管理基準を遵守していただくという法律です。また、その家畜排せつ物の利用も促進をしております。

 施策の実施状況のところに書いてございますが、平成26年12月1日時点で約99.9%、これは管理基準対象農家が4万戸近くあるんですが、この約99.9%が管理基準に適合しております。また、一番下の欄にありますが、不適合の農家というのは23年には10戸あったんですけれども、これが4戸に減少しております。

 次に、13ページをご覧ください。

 整理番号の15番です。農業集落排水事業です。この目的は、農業集落におけるし尿や生活雑廃水などの汚水または雨水を処理する施設、それから、循環利用を目的とした施設、これらの整備を行うものです。

 施策の実施状況のところにございますが、この事業は国交省や環境省と連携しながら進めておりまして、全国の汚水処理の普及率は下水道や浄化槽と合わせた全体で89%、うち農業集落排水施設は3%でございます。

 次に、14ページをご覧ください。

 整理番号16番の環境保全型農業直接支払交付金でございます。これは流域対策と、それから、農村部や都市郊外部での取組ということで記述しております。この目的は、化学肥料や化学合成農薬の5割低減の取組とセットで温暖化防止や、生物多様性保全に効果の高い営農活動に取り組む農業者を支える取組です。

 施策の実施状況を見ていただきますと、平成25年度の実施面積は5万1,000ヘクタール余り、それから、26年度の実施面積は5万7,700ヘクタール余りと着実に増加しております。

 それから、その下の施策番号でいいますと17番です。持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律です。この目的は、土づくりと化学肥料や化学合成農薬の使用低減に一体的に取り組む農業者をエコファーマーとして認定して支援措置を行っております。

 この実施状況のところにありますが、累積の新規認定件数は年々増加しておりまして、27年度3月末時点で29万2,300件余りとなっております。

 それから、15ページでございます。

 整理番号の18番、農業環境規範の普及・定着です。土づくりの励行あるいは施肥など農業者が農業生産活動において実行されるべき基本的な取組をまとめたものが農業環境規範というものですが、農水省が実施する補助事業などの要件として、この環境規範を関連づけることとしております。26年度は40事業において実施しております。

 それから、同じくページの下のほう、整理番号19番の有機農業の推進ですけれども、ここの枠の中にはちょっと書いておりませんが、有機JASの格づけ数量というのは、国内生産全体の約0.2%にとどまっているんですけれども、農水省では、農薬やこの化学肥料に頼らない有機農業の普及に取り組んでおります。具体的には、有機農業の参入希望者の相談活動とか栽培技術の確立支援、収益力を向上させるための支援などを行っております。平成30年度までの5年間で有機農業の面積を概ね倍増するという基本的な方針を立てております。

 次に、16ページをご覧ください。

 整理番号の20番、多様な主体による森づくり活動でございます。この目的は、森林の保全や整備が森林所有者だけでなく住民、NPOや企業などの多様な主体の参加が重要であるという観点から活動を促進するための施策を講じています。実施状況のところですけれども、26年度、NPO等の3団体に支援を行っております。

 それから、同じく16ページの下のほうに整理番号21番、森林整備事業ですけれども、これはもうご存じのとおり、目的は森林の有する水源の涵養などの多面的機能を持続的に発揮するために、間伐などの森林の整備や路網の整備を実施するものです。施策の実施状況にございますが、25年度は全国で52万1,000ヘクタールの間伐を実施しており、育成途中にある水土保全林、水を保全するための森というような形でつくっておりますけれども、このうちの機能が良好に保たれている森林の割合は74%近くに達しております。

 このほかに一番下の欄の第1回の点検、指摘のところに書いてございますが、民間による造林が困難な奥地についても、森林総合研究所が分収造林契約によって計画的に森林の造成を行っております。

 それから、次のページでございます。

 17ページの22番でございます。22番は治山事業についてです。これは国土の保全、水源涵養等の公益的機能の維持増進を図るために、荒廃地の復旧、整備や水源地において保安林の整備を実施するというものでございます。実施状況でございますが、25年度、26年度それぞれですけれども、2,400カ所余り、この治山事業を実施しております。これで周辺の森林の山地災害防止機能が確保されている集落数というのは、25年度では約5万4,700カ所と、目標は5万6,000カ所を目標にしておりますけれども、ほぼ達成しておるということでございます。

 それから、次の18ページをご覧ください。

 18ページ、最後でございますけれども、耕作放棄地対策でございます。この目的は食料自給率の向上というのは当然ですけれども、健全な水循環にも資する水源の涵養等の農業の多面的機能の発揮の観点から、耕作放棄地の解消、発生防止に向けた施策をやっております。具体的に施策の実施状況のところに書いてございますが、基盤整備を通じて耕作放棄地を有効活用したり、中山間地域直接支払いあるいは農地・水保全管理支払いという、こういうような対策を講じて耕作放棄地の発生防止に努めております。

 それから、資料2のところなんですけれども、データ集がございます。これはさらっとご説明させてください。資料2の6ページのところに、まず下のほうに森林面積というのがございます。これも全体としては2,500万ヘクタールぐらいということでございます。

 その図の真ん中にサンドイッチされています育成複層林が101万ヘクタールというふうに2012年はなっております。ここが少しずつ増えておりますけれども、こういうような構成になっております。天然生林と、それから、育成単層林との構成はこのようになっております。

 それから、次のページの7ページ目には保安林の面積が上のほうに書いてございます。ここ平成20年から25年まで微妙ですけれども、毎年大体4万ヘクタールずつぐらい増えておるところです。

 それから、その下には田園自然環境の創造に着手した地域数、これも着実に増やしております。

 最後ですけれども、次の8ページの上のグラフですけれども、地域協同により農地周りの水環境の保全管理を行う面積ということですが、取組をした面積が増えてきております。

 以上でございます。

【中嶋環境指導室課長補佐】 続きまして、経済産業省でございます。

 資料1-1のほうに戻っていただきまして、19ページをご覧ください。

 経済産業省のほうでは、事業者の皆様方の水環境保全に向けた取組を支援するということで、3点報告させていただきます。1つは予算措置、それから、設備投資等に伴う制度融資、そして、税制措置でございます。

 まず、24番でございますが、こちらは技術開発の予算措置でございます。NEDOの交付金を活用しまして、平成21年度から5年間予算措置を講じておりまして、25年度は2億円でございますが、5年間で総事業費22億円の予算を講じました。25年度までの事業で終了しておりますが、省エネの目標をそれぞれ立てており、4つのテーマそれぞれ目標を上回る技術開発を進めたということで、達成はできているところでございます。今後の課題としては、技術開発の結果をしっかり事業化していくということで、実績づくりが課題になっているところでございます。

 次に、下の整理番号25番でございますが、こちらは制度融資でございます。汚水、廃液等の施設を導入した者に対して制度融資ということで、特利として通常1.7%ぐらいのところをマイナス0.65%ぐらいまで金利を下げて融資するという制度でございまして、こちらも実績で言えば42億円ぐらい過去5年間であるところでございます。毎年の見直しが必要になっておりますので、今年度も引き続き延長の要求をしているところでございます。

 次のページにいっていただきまして、20ページでございます。

 こちらは税制措置ですが、こちらのほうも汚水、廃液処理施設を導入する企業の皆様方が税制上の優遇措置を受けられるということで、固定資産税の課税標準の特例により、取得価額の3分の1を基準に、6分の1から2分の1の範囲内で取得価額を圧縮できるというものでございます。実績としては、毎年4億円弱から5億円ぐらいの減税額が出ておりまして、コンスタントに利用いただいているところでございます。こちらは2年おきの制度見直しになっておりまして、今年度は見直しの年になっておりますので、税制要求は引き続きしているところでございます。

 以上でございます。

【竹内環境政策課課長補佐】 国土交通省でございます。

 施策番号27から36まで説明させていただきます。

 まず、ページ番号21ページの整理番号27でございます。施策名、第二期水環境改善緊急行動計画、清流ルネッサンスですが、施策の中身については、特に水環境の悪化が著しい河川、湖沼等における施設改善や水量確保の観点から、関係者が一体となって行動計画を策定し、総合的な水環境改善施策を実施するものです。

 施策の実施状況ですが、当該施策は平成13年度から開始しております。全国の32カ所において地域協議会が目標設置等を含む計画を策定し、水環境改善事業を実施しております。米印で綾瀬川の状況について記載しております。今後の方向性ですが、全国の一級河川に比べて環境基準を満足している地点の割合は高まっていることもありますので、引き続き水環境の改善を図っていきたいと考えております。

 次に、整理番号28、雨水貯留浸透施設の整備及び雨水利用の促進でございます。

 施策の内容ですが、流域からの雨水の流出量を抑制し、地下水涵養等、健全な水循環の再生を図るものです。

 施策の状況ですが、社会資本整備総合交付金等による補助制度を設けておりまして、例えば大規模なものに関しましては、愛知県の春日市において春日公園雨水貯留施設、これは5,000立米ほどの施設でございますが、これが公園の地下に平成25年度に設置されております。平成25年度時点の設置数につきましては、約1,900となっております。

 今後の方向性ですが、引き続き交付金、税制等により雨水貯留浸透施設の促進を図っていくこととしております。第1回の点検の際にご指摘として、関係各省をはじめとして水循環の形成のための施策を総合的に推進していく必要があるという指摘がありましたが、これに関しましては、平成27年3月10日に国及び独立行政法人等が自らの雨水利用のための施設の設置に関する目標を閣議決定しております。具体的には、床下等で雨水貯留に活用できる新築建築物につきましては、雨水利用施設の設置率を原則100%とするということとしております。また、同日、雨水の利用の推進に関する基本方針を定めております。

 1ページおめくりいただきまして、整理番号29でございます。

 下水処理水の再利用による水循環系の健全化ですが、施策の中身につきましては、再生水を修景・河川維持用水等として供給することで、地域の水循環系の健全化を図るものです。施策の状況ですが、下水処理水の送水施設の整備等により下水再生水利用を推進しているところです。

 今後の方向性としましては、引き続き再生水を修景・河川維持用水等として供給していきたいと考えております。

 次に、整理番号30、環境用水の導入です。

 施策の概要ですが、環境用水の導入による清流の再生を図るものでして、施策の状況ですが、平成18年3月の通知、環境用水に係る水利使用許可の取扱いに基づきまして、地域のニーズと合意のもと、環境用水の水利使用を認め、生活環境または自然環境の維持、改善を図っているところでございます。

 今後の方向性としましては、引き続き通知に基づきまして環境の改善を図ることとしております。

 1枚おめくりいただきまして、整理番号31、ダムの弾力的管理による流況改善でございます。

 施策の概要ですが、洪水調整に支障を及ぼさない範囲でダムの洪水調節容量の一部に流水を貯留し、これを保留することにより、よどみ水の流掃等を行うものです。施策の状況ですが、平成25年度は16ダムで実施しております。平成26年度は20ダムで実施しているところす。今後も引き続きダムの弾力的管理の取組を推進してまいりたいと考えております。

 整理番号32、効率的な汚水処理施設の整備や既存施設の計画的な更新、再構築です。

 施策の中身については、施策名と同様でございます。施策の状況ですが、平成26年1月に国交省、農水省、環境省の三省統一マニュアルを作成しておりまして、汚水処理手法の見直し等による早期整備を推進しております。また、既存施設の計画的な更新や再構築を実施しているところです。今後も引き続き汚水処理施設の早期改善に向けて、効率的な汚水処理施設の整備を推進してまいりたいと考えております。

 1枚おめくりいただきまして、整理番号33、自然川づくりの推進です。

 施策の概要でございますが、下線全体の自然の営みを視野に入れ、地域の暮らしや歴史・文化との調和にも配慮し、河川が本来有している生物の生息・生育・繁殖環境及び多様な河川景観を保全・創出するものでございまして、これは調査、計画、設計、施工、維持管理等の河川管理の全てのプロセスを対象にしております。施策の状況ですが、多自然川づくりを基本とすることとしております。今後の方向性としましては、引き続き多自然川づくり基本方針を踏まえまして、良好な自然環境の創出に努めてまいりたいと考えております。

 整理番号34、総合的な土砂管理の取組の推進ですが、川床の低下、海岸浸食等の土砂移動の変化に起因する問題に対応するため、砂防事業、ダム事業、下線事業、海岸事業等を所管する関係機関が連携して、山地から海岸までの土砂の流れを改善するものです。

 施策の状況ですが、問題が起きている流砂系において、関係機関と事業連携のための方針策定、適正な土砂管理に向けた総合土砂管理計画の策定等をしております。平成26年度までに連携方針を13水系で策定済みでます。総合土砂管理計画を安倍川、日野川の2水系で策定済みです。

 次に、整理番号35、都市公園の整備、緑地保全等の推進です。

 都市における緑とオープンスペースの確保を図ることを推進しております。施策の状況ですが、社会資本整備総合交付金等により、緑とオープンスペースの確保への支援を行っております。その下に指標が書いてございますが、都市域における水と緑の公的空間確保量につきましては、人当たり12平米から12.9平米まで増加している状況です。

 今後の方向性としましては、今後とも官民協働等による効率的・効果的な施策の実施を推進していくこととしております。

 最後に36番、下水熱利用の促進でございます。

 施策の概要ですが、下水熱は都市に豊富に存在する温度差エネルギーですので、制度面、技術面等から下水熱利用を推進するものです。

 施策の状況ですが、社会資本整備総合交付金等により下水熱利用設備導入を支援しております。また、減税の対象設備に下水熱利用設備を追加しております。あとはB-DASHプロジェクト、下水道革新的技術実証事業において低コスト型下水熱利用システムを実証しております。また、下水熱ポテンシャルマップの開発もしております。平成24年度末時点で下水処理場での下水熱利用は35カ所で実施されており、あとは民間事業者等による利用が13カ所実施されている状況にございます。

 今後の方向性としましては、下水熱利用に対する全国的な関心が高まっていることもありますので、優良事例を掘り起こすことで、より目に見える形で機運の波及を図るということとしております。

 以上でございます。

【岡田部会長】 どうもありがとうございました。時間の制約の中で手短にご説明いただきまして、ありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明に関しましてご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。

 では、高村委員、どうぞ。

【高村委員】 どうもありがとうございます。

 全般的に健全な水循環というのは、生態系が健全であること、その生態系が健全であることというのは生物多様性が保全されて、その多様な生物の機能による生態系機能が働いているというふうな考え方で進めていただいているというふうに理解しています。

 それで、気候変動のところですけれども、やはり水温とか水質だけに、重点を置いているような気がしますので、もう少し大きなスケール、生態系(システム)を対象として検討をしていただければありがたく思います。気候変動は予測が難しいと言われておりますので、プロセスと結果を示すだけでなく、今後起こるであろう幾つかの可能性にも言及して頂ければと思います。個々の湖沼や生態系については地域にお任せして、環境省では、全体を見据え、検討すべき項目や、適応策のオプションを提示する、そういうようなまとめ方をしていただければありがたいなというように思いました。

 5番の湿地の件ですが、生物多様性保全の観点から水域というのは非常に劣化が著しく進んでいる環境です。平成13年、2001年ですけれども、このときに湿地500選で環境省が大事な湿地を明確化したことは非常に意義が高かったと思うんですが、今年度の見直しは、平成26年で時間が経過しているので意味もありますが、単に見直すだけじゃなくて、その湿地をどういうふうに保全していくべきかもう少し踏み込んだ施策につなげていただけないかなというふうなお願いです。

 それで、評価をするには現状のデータがないというのが非常に大きな問題です。湿地については、1995年の自然環境基礎調査を最後にその後の調査ができていない状況です。今回の500選の見直しは委員会形式でエキスパートオピニオンを中心にやっておられると思うんですが、多岐にわたる分類群の専門家が500の湿地を全部わかるわけでも何でもないので、評価をする際の根拠となる科学的データをいかにしてとって、湿地の評価をしていくかについて少し考えて進めていただければありがたいなと思います。

 8番の全国水生生物調査というのは、長い期間多くの皆さんにご参加いただいてやっていただいていると認識しています。これについては質問なんですが、水生昆虫のデータベースのようなものはつくっていただいているのでしょうか。河川水辺の国勢調査は国交省のほうがやっていただいていますけれども、生物のデータは水質を指標にするに留まらない価値がありますので、何らかの形でオープンデータ化していただけると非常にありがたいというふうに思いました。

 23番の耕作放棄地対策の推進についてですけれども、発生防止だけでなくて、例えば非常に耕作がしにくいような場所、例えば谷津など機械が入りにくいようなところは真っ先に放棄されがちで、ほっておくとヨシ原とかにはなるんですが、それはそれで湿地の再生という観点から見ると、生物多様性の保全にとっては意味のある土地利用になる可能性もあります。そのため、単に発生防止だけをするのではなく、適切な土地利用への変換についても考えていただければありがたいというふうに思います。

 以上です。

【岡田部会長】 最初の気候変動の話は後で報告が出てまいりますので、そこでお答えいただきたいと思います。

 2番目の湿地の保全の推進、これはご意見と承ってよろしいですね。3番目の8番、これについてのこれはご質問ですので、お答えいただければと思います。環境省からお願いします。

【二村水環境課長】 ご指摘ありがとうございます。

 水生生物の調査のデータベースがあるのかというご指摘だったかと思いますが、例えばこういったデータベースは現在のところ作成していないのではないかと思います。ご指摘、非常に重要な点だと思いますので、これを踏まえまして、どのように対応していくか、今後我々の宿題とさせていただきたいと思います。

【岡田部会長】 すみません、4番目の農水省の件も、これももし今あれば。これはご意見として承っていてよろしいかと思いますが。

【木内環境政策課長】 農水省でも今大体二十六、七万ヘクタールぐらい使えない耕作放棄地といいますか、放棄されたようなところがあるんですが、そのうちの半分ぐらいはなかなか戻らないだろうということで、基本的には山に戻すとか、耕地以外の形でうまく使えればと思っております。

 以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。ほかにございますか。

 では、大塚委員、どうぞ。

【大塚委員】 どうもありがとうございます。各事業、非常によくやっていただいていて大変ありがたいと思います。

 1つちょっと気になったのは、最終的には資料4のような形で報告書になっていくんだと思うんですけれども、各省のばらばらの施策をぜひ有機的に結合した形で、連携した形で書いていただきたいなというふうに思います。今まで環境基本計画の点検は多少関わってきましたが、ばらばらのままに書いていたことはあまりないと思うので、そこは少し連携させることを気にしていただけるとありがたいと思います。

 13番の事業に関して若干気になったのは、これ厚生労働省として今回通知を出したりしてご検討いただいていますが、環境省も若干関わらせていただきましたけれども、事故時の対策とかあるいはWDSとかとの関係での検討は今までしてきて、改善してきていると思いますので、そういうものも含めて、まとめて書いていただいたほうがありがたいというふうに最後の報告書の構成についての意見でございます。

 以上でございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。これは最後に報告をまとめるときに環境省を中心にご配慮いただければということでよろしいかと思います。よろしいですね、先生。

【大塚委員】 はい。

【岡田部会長】 ありがとうございました。ほかにございますか。

 それでは、白石さん。

【白石委員】 ありがとうございます。

 1ページ目ですか、新規環境基準項目の検討に直接関わるものですけれども、このほかに基準絡みですと水生生物保全に関わる水環境基準の生成は多分これ24年で新しいのが出て、その後出ていないので、この資料に載ってこないんじゃないかと思うんですけれども、それに関連して、類型指定の専門委員会が多分開かれていて、類型指定が多分もう終わったのかわかりませんけれども、ほぼ終了したような状況でないかと思うんです。その辺についても少しどこかで記載しておいていただけたらありがたいなというふうに、最後のまとめの段階でもよろしいんですけれども、この調査票からは何も出てこないので。

【岡田部会長】 では、これはご注意として最後にまとめるときにご配慮いただければと思います。

 まだあるかもしれませんが、時間の関係でここまでにさせていただきます。今、主として最後の取りまとめに向けてさまざまなご注意をいただきました。これは取りまとめをする環境省のみならず各省庁のほうでも再度ご検討いただいて、必要に応じて調査票の修正等のご対応をお願いいたします。それをもとに必要に応じて次回の部会で報告いただくか、検討結果を多分こちらのほうでよろしいかと思いますが、報告書に反映させるという形で進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、重点検討項目の①「健全な水循環構築のための取組」これにつきまして、ご協力いただいた省庁におかれましては、この後のご予定等がございましたらご退席いただいて結構でございます。本日はお忙しいところご出席いただき、本当にありがとうございました。

 次に、重点検討項目の②になります。「水環境改善のための取組」について、もう一度関係各省よりご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【二村水環境課長】 それでは、お手元の資料1-2に基づきまして、重点項目②「水環境改善のための取組」の状況を報告させていただきます。

 まず1ページ目、整理番号37でございます。湖沼水質汚濁メカニズムの解明と湖沼水質保全対策の効果的な実施手法の整理という施策でございます。

 これは湖沼の水質につきましては、いまだに十分な改善が行われていないということがございます。これに基づきまして、湖沼水質汚染メカニズムの解明、それから、栄養塩等の影響要因、それから、影響程度を明らかにした上で、湖沼水質保全対策の効果的な実施手法について整理し、望ましい環境の実現を目指すと、こういった施策でございます。施策につきましては、25年度につきましては汽水湖の水環境保全の対策などの参考資料を取りまとめるとともに、実際の調査、それから、対応策の例示などを行っております。26年度につきましては、諏訪湖をモデル事業としまして、地元の地方公共団体に委託実施して効果を確認しております。また、底層溶存酸素と透明度に関する影響因子の整理、水質予測モデルといったものを使いまして、課題の抽出を行っております。今年度はモデル事業を3湖沼、八郎湖、諏訪湖、湖山池、この3つで行うということで事業を進めております。

 今後は新規基準の設定、これは底層溶存酸素量、透明度となっていますが、こういった新規基準の設定に伴う運用対策についていわゆるマニュアル類の整備、それから、新たな基準とか課題を踏まえた湖沼水質保全制度の見直し検討を行うということを考えております。

 駆け足で恐縮でございます。

 2ページ目、整理番号38でございます。自然浄化機能を活用した有効な水質保全対策の推進ということで、湖沼の水質環境基準の達成率は50%程度であるということで、他の水域に比べて低いと。こういった状況を踏まえまして、湖沼の水質改善対策の一環として水辺の植生、それから、底質の改善といった自然浄化機能を積極的に活用した水環境保全対策の検討を進めるといった事業でございます。

 25年度につきましては、湖沼流域水循環健全化事業の一環として、公募によって選定しました6湖沼、ここにございます6つの湖沼についてどのような対策をしていくかということについての効果検証を行っております。また、26年度につきましては、この検討結果を踏まえまして、どういう点に配慮すべきかあるいは参考事例の取りまとめということで、湖沼自然浄化活用手引きというものを公表しております。今後こういったこれまで行ってまいりました検討を踏まえまして、湖沼水質保全のメカニズムの解明、それから、望ましい湖沼水環境実現に向けた湖沼水質保全対策の効果的な手法について検討を引き続き進めてまいりたいというふうに考えております。

 次、3ページ目、整理番号39でございます。

 環境技術実証事業でございます。これについては、現段階において客観的な評価を行われていないがために普及が進んでいないようないわゆる先進的環境技術について、これを第三者が客観的に評価して、その利用を促進していきたいといった目的で行っております。大きく3つございまして、有機性の排水処理技術分野ということで平成15年度から26年度まで37技術について実証しました。また、湖沼等の水質浄化技術分野では、平成17年度から26年度まで23技術の実証をしております。また、閉鎖性海域における水環境改善技術分野ということで、平成19年度から26年度まで15技術について実証を行ってきております。

 今後もこういった新しい技術に対する効果の客観的な実証というのを進めてまいりますとともに、有用な技術の普及拡大を図ってまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

【根木閉鎖性海域対策室長】 続きまして、4ページは先ほどの施策の再掲ですので、5ページをご覧ください。閉鎖性海域対策室より幾つか説明をいたします。

 5ページ、整理番号41番、総量削減状況等モニタリングでございます。施策の内容は、東京湾など指定の水域を含めた26の都府県からの発生負荷量の把握、推計を行ったということであります。また、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海において水質のモニタリング調査を実施したということであります。こちらについて今後とも引き続きしっかりと行ってまいりたいというふうに思います。

 続きまして、6ページ、整理番号42番をご覧ください。

 総量削減制度のあり方及び汚濁負荷削減対策の検討に向けた調査ということであります。東京湾など各指定水域の現状と課題を踏まえて、水環境状況の評価、そして、その将来の水質の予測などを実施するというようなことでございます。今、専門委員会のほうでも総量削減制度のあり方、第8次のあり方についてご検討をいただいている最中でございます。

 今後につきましては、そのあり方の答申をいただいた後にということでございますが、その削減目標量とか総量削減基準の検討といったところも必要になってくるのではないかなというふうに考えております。

 続きまして、施策番号43番でございます。海域における窒素、りんに係る暫定排水基準の見直しということであります。

 これについては、88の閉鎖性海域等の水環境の状況について試験の収集、分析を行ったと。それで、さきの窒素、りんの暫定排水基準の期限が平成25年9月ということでございましたので、この際に暫定排水基準の撤廃を含めた見直しの検討を行ったということでございます。今後については、次の暫定排水基準の期限が平成30年になっておりますので、この基準の見直しに向けて適用事業場における排水の実態把握等を行って、一般排水基準化に向けた取組を進めるということでございます。

 おめくりいただきまして、44番をご覧ください。

 瀬戸内海の環境保全基本計画の変更でございます。この基本計画について、今年の2月に14年ぶりに変更を行った、閣議決定を行ったということでございます。方向性としましては、生物多様性、そして、生物生産性を有した豊かな海を目指すというようなことでございます。今後につきましては、基本計画に掲げられている施策を進めて、適宜フォローアップをしていくということでございます。きれいで豊かな海の観点から、重要な各種調査、検討を行っていくといようなことを考えております。

 続きまして、9ページ、整理番号45番、有明海・八代海等の再生でございます。

 こちらについては、有明海、八代海等の特別措置法がございまして、この評価委員会を環境省に置くということになってございます。これまで評価委員会、そして、2つの小委員会において各種検討を進めておりますが、平成27年度も二枚貝の減少要因解明ですとか、海域の特性を把握するための調査を実施する予定でございます。そして、ご審議をいただく予定でございます。

 今後の方向性のところで一番下のところに「なお」ということで記載いたしましたが、平成28年を目途に評価委員会報告を取りまとめるというようなことでスケジュールを打ち出しているということでございます。

 その下、46番、里海の創生でございますが、こちらについて各種のこれまで施策を行ってきています。例えばということでございますが、平成26年度、昨年度は藻場・干潟等の分布状況を把握するための効率的な手法を検討したりですとか、もしくは全国各地の里海づくり活動に関する状況をアンケート調査で把握したということでございます。今後の方向性でございますが、今年度が瀬戸内海の藻場・干潟分布状況を把握すると、瀬戸内海環境保全基本計画の変更も踏まえまして、こちらをやっていきたいというふうに考えております。

 資料2のほう、関係のところを少し紹介させていただきますと、まず資料の11ページをお開きいただければと思います。

 東京湾、伊勢湾、瀬戸内海における汚濁負荷量の推移ということでございます。ここで1点恐縮ですが、訂正をさせていただきたいのですけれども、一番下の備考のところでございます。備考の終わりの辺りで、グラフの右端のH21、H26は目標値とありまして、この「H21、」を削除いただければ幸いであります。このグラフにおいて目標値は平成26年度分のみでございます。

 続きまして、13ページ、同じように13ページで主要な閉鎖性海域の藻場・干潟の面積ということでありますが、必ずしも統一的にデータがとれているということでございませんので、先ほど申し上げたとおり、今年度から瀬戸内海について藻場・干潟の分布を把握したいというふうに思っております。その下が里海づくりの取組箇所数アンケート調査でありますが、平成22年度は123件という回答だったのに対して、平成26年度は217件になったということでございます。

【鳥居自然環境計画課長】 続きまして、10ページの生物多様性保全回復施設整備交付金事業でございます。

 この事業は、地方公共団体が行う地域の生態系の保全回復を図るための生物の生息空間の整備事業を支援するということでございまして、平成25年度から熊本県が行っております荒瀬ダムを撤去し、球磨川の生態系を回復する事業を採択いたしまして、支援しているところでございます。県の行っておりますモニタリングによれば、河川環境の回復が確認されているということでございます。

 以上でございます。

【坂本海洋環境室長】 海洋環境室の坂本です。よろしくお願いいたします。

 該当ページは11ページから14ページになります。

 初めに、11ページ、整理番号48のロンドン議定書国内対応でございます。具体的には海洋汚染防止法に基づく土砂の海洋投入処分に係る許可制度の適切な執行と海底下CCSの適切な審査に係る事業でございます。

 このうち土砂の海洋投入処分につきましては、近年減少傾向にございます。大きな割合を占めていた赤泥についても、昨年度末で終了いたしました。引き続き海洋投入処分量の削減に努めてまいります。

 なお、投入処分量の推移につきましては、資料2の12ページをご覧いただければと思います。

 続いて、海底下CCSについては、来年度から事業の開始が予定されているところ、許可申請が出されれば最新の知見を踏まえて適切な審査を進めてまいる予定でございます。

 次に、12ページ、整理番号49の海洋環境モニタリングです。

 これは廃棄物の海洋投入処分の執行状況等を確認するために実施している事業でございます。昨年度は九州北部から北東の方向に向けた日本海で実施しております。今年度は北海道の噴火湾から南東の方向に向けて実施する予定としております。この事業は廃棄物による海洋環境への影響を評価する上で重要なものでありまして、今後とも引き続き調査を継続してまいる予定でございます。

 次に、13ページ、整理番号50の漂流・漂着・海底ごみに係る削減方策総合検討事業です。

 本事業は、我が国沿岸及び周辺水域における海ごみの実態等を明らかにするため、平成19年度から継続して実施してきているものでございます。昨年度からは沖合域における漂流海底ごみの調査も始めたところであり、今後とも海ごみの実態解明とその成果を海ごみの回収処理と発生抑制対策に生かすため、引き続きこの事業を継続してまいる所存でございます。

 最後に14ページ、整理番号51の北西太平洋地域海行動計画、通称NOWPAPに係る事業です。

 従来からNOWPAP海域における富栄養化状況を評価するための事業を継続して実施してきているところであり、昨年度からは衛星を用いたクロロフィルaの水の濃度について広範囲にわたる海域評価を開始しております。今年度においても同様の調査を行う予定としております。

 以上です。

【二村水環境課長】 引き続きまして、15ページ目でございます。整理番号52、アジア水環境パートナーシップ、WEPAでございます。

 この施策につきましては、2003年の京都で開催されました第3回の世界水フォーラムにおいてこの事業を提唱したわけでございます。現在、アジアの13カ国のパートナー国の協力のもと、人的ネットワークの構築、それから、情報の収集、共有、関係ステークホルダーの能力構築といったものを通じまして、アジアの水環境ガバナンスの強化を目指しているということでございます。

 このWEPAにつきましては、第Ⅰ期、平成16年から20年度におきまして、いわゆるネットワーク構築、それから、データベースの整備ということを進めてまいりました。また、第Ⅱ期、21年から25年には第Ⅰ期で明らかになった共通課題としての生活排水処理、それから、気候変動と水環境、この2つについてのワークショップ、それから、各国の水環境ガバナンスの分析を行いまして、必要な課題の抽出、分析、それから、生活排水処理及び気候変動と水環境に関します議論や調査結果をまとめまして、最終的にWEPAの水環境アウトルックという冊子を提出しております。

 また、アジア・太平洋水サミット、25年に行われましたそういったものに出席しまして、WEPAのテクニカルワークショップを開催するなど関連する活動も積極的に進めております。また、昨年度から始まりました第Ⅲ期の活動につきましては、いわゆるアクションプログラム、個別の議題について突っ込んだ検討を行っていくためのアクションプログラムというものをつくりまして、ガバナンス改善の取組を支援しております。

 また、27年度につきましては、ベトナムの養豚場におきますクリーナープロダクションを課題としてアクションプログラムを実施しますとともに、2カ国目としてスリランカを予定しておりますが、これを検討しているところです。

 なお、今年4月に韓国で行われました第7回の世界水フォーラムにも参加しまして、WEPAの活動を積極的にPRしてまいったというところでございます。今後はこの第Ⅲ期の活動を通じまして、水環境ガバナンスの改善、それから、情報といったものを積極的に発信していくということを計画しております。

 駆け足で恐縮でございます。16ページ目、整理番号53、中国農村地域等におけるアンモニア性窒素等総量削減協力事業、いわゆる日中の水環境協力事業でございます。

 これは平成23年の日中の両環境大臣間で締結されました覚書に基づきまして、アンモニア性窒素等の水質汚染物質の総量削減分野に係る政策・技術交流を強化しますとともに、分散型の排水処理技術モデル事業を実施し、これを中国で普及していくと、こういった事業でございます。

 これまで平成25年度から山東省、それから、四川省、それから浙江省、この3カ所で分散型の排水処理技術の導入の検討を進めてまいりまして、最終的に27年3月にはこの3カ所の分散型の排水処理モデル施設を中国側に引き渡すというところまで行きました。また、今後の協力として畜産汚染物質の排水総量削減の協力に関する意向書というのを両国の局長級で締結しました。この覚書に基づきまして共同研究、それから、セミナーというのを今後実施してまいることにしております。

 次でございます。

 17ページ目、アジア水環境改善モデル事業、これは我が国の水関係の企業が有しますすぐれた水処理技術の海外展開、特にアジアに展開していくのを促進、支援するということで、公募を通じて選定した技術をどの程度使えるのかといった、いわゆるフィージビリティスタディや実証試験といったものを通じまして、ビジネスモデルを構築していくということを目的としたプログラムでございます。あわせまして、現地の環境規制とかプロジェクト情報の提供、現地企業のマッチングの提供といった側面的な支援も検討を進めております。

 これまで平成25年度では、24年度に採用した3件の現地実証に加えまして、2件のFSを行うといった形でフィージビリティスタディと実証試験というのをセットにしてこれまで進めてまいりました。27年度につきましても、FSが終わりました4件につきましての実証試験を実施するほか、また、新規案件、フィージビリティスタディの募集を行うということで活動を進めております。

 これまでの活動につきましては、5カ年間やってまいりましたわけでございますが、いろんな成功事例、失敗事例の蓄積はたまってまいりましたので、これを広く公開し、共有していくためのシステムを考えていきたいというふうに思っております。

 なお、点検のところに書いてございますけれども、これまでFS、それから実証試験を終えたモデルのうちの2事業が27年度にビジネスとして成立する見込みがあります。今後ともこういったビジネスとしての成功例の数を増やしていくべく、この事業を推進してまいりたいと思っております。

 駆け足で恐縮でございます。18ページ目でございます。

 整理番号55、し尿処理システムの国際普及の推進ということで、日本のすぐれたし尿処理技術の国際普及ということで、2015年までに衛生施設を継続的に利用できない人々の割合を半減するという国連ミレニアム開発目標の達成に寄与したいということでございます。

 25年、26年度には中国とベトナムの現地調査、それから、産学官の関係者からなる検討会を設置し、今後どのような形でし尿処理の技術の普及をしていくかといった検討を行いました。また、同様にし尿処理に関する国際ワークショップの開催というのを行っております。

 なお、今後2015年、さきの国際開発目標、いわゆるポストMDGsというのも検討されておりますので、引き続きJICAやJSTといった関係機関と連携して、日本の処理システムの一層の推進を図ってまいりたいというふうに考えております。

 続きまして、19ページ目でございます。整理番号56、国連大学拠出金でございます。

 これはアジアの各国が自国内の排水管理、水質管理政策を進めるための情報整備や政策評価手法の提供、そういった支援を行うという事業でございます。26年度には調査実施方針に基づきまして、アジアの4都市での基礎データの収集、それから、ワークショップを行いまして、この4都市における課題の把握を行いました。また、今年度は調査対象地域の拡大、それから、基礎的データの収集を引き続きやっていくとともに、データベースというものの構築を進めてまいりたいと思っております。また、水質予測モデルの構築と水環境の持続可能性を評価する指標の開発というのも着手する予定でございます。

 引き続きこの事業につきまして、積極的に進めてまいりたいというのが今後の課題でございます。

 それから、整理番号57番のアジア地域におけるコベネフィット型環境汚染対策推進事業でございます。

 アジア地域におきましては、地域環境の改善、それから、あわせて温室効果ガスの削減効果が見込めるといういわゆるコベネフィットの対策実施の優先度が非常に高いということでございまして、政府間合意の協議を通じて、こういったコベネフィット型の対策導入のための戦略策定、それから、技術実証、それから、我が国の経験に基づく規制制度の整備、人材育成といった、こういったものを全てパッケージにしまして、対象国のニーズに合わせたモデル事業を推進するというものでございます。

 具体的には、25年度にインドネシアの水産加工場における実証施設においてモニタリングをやるとともに、26年度もモニタリングを継続しまして、約6割の温室効果ガスの削減効果が確認できたということでございます。また、ワークショップや研修といったものも引き続き実施しております。27年度は同じくインドネシアの水産加工業とパーム油を対象としたコベネフィット型廃水処理対策のための調査を実施するということで、この事業につきましても、積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

【阪口地域環境課首席事務官】 続きまして、外務省でございます。

 資料をすみません、少し進んでいただいて25ページになります。海洋汚染対策国際協力の観点から3点、外務省からご報告いたします。

 まず最初に2点、海洋汚染対策ですけれども、まず1点目は先ほど環境省からもご報告がありました北西太平洋地域海行動計画、NOWPAPを通じた取組でございます。既にご説明あったとおり、地域海計画をUNEPの提唱のもとでやっておりますけれども、毎年このNOWPAPの政府間会合というものが実施されておりますので、その中で我が国の取組などを紹介しつつ、積極的に議論に参画してきているところでございます。

 海洋環境の保全という観点からは、今年の6月にドイツで行われましたG7エルマウ・サミットにおきまして海洋環境の保全に関するコミットメントというものが示されているという事情もありますので、我が国はG7のメンバー国としてそういった決定があることも踏まえつつ、NOWPAPにおいて取組の強化というものを目指していきたいというふうに思っております。

 引き続いて、同じページの下、59番、これも環境省から既に説明がありました廃棄物その他の投棄に関するロンドン条約議定書を通じた取組ということでございますけれども、これも毎年ロンドンのIMO、国際会議海事機関の本部のほうで締約国会議が行われておりまして、我が国のこの分野における取組を紹介しつつ、積極的に議論に参画していくということをやっております。今年も10月に今のところ会合を予定しておりますので、その中で我が国の貢献というものを示しつつも、条約議定書の着実な実施というものに貢献してまいりたいというふうに考えてございます。

 ページをめくっていただきまして、26ページ目、こちらは国際協力になりますけれども、政府開発援助、ODAを通じた国際的な水環境保全への対応ということでございます。我が国の水環境保全に関する技術というものを生かして、途上国のニーズに応じて支援を実施していくと。その中で海外の水環境問題の解決を図るということを実施してきておりまして、水環境分野、下水道分野、それから、上水道分野におきまして主に技術協力が多いですけれども、技術協力と有償資金協力という形で実施をしてきているところでございます。今後も引き続き我が国の水環境保全に関する技術・経験を生かしまして、この問題、世界的に開発を図ることに努めてまいりたいというふうに考えております。

 駆け足ですが、以上でございます。

【木内環境政策課長】 続きまして、農林水産省でございます。

 20ページに戻ってください。資料1-2の20ページでございます。

 整理番号61番になります。これは湖沼における取組などということなんですけれども、61番は健全な内水面生態系復元等推進事業でございます。この施策の目的は、都市化に伴う漁業環境の悪化やカワウ、外来魚による被害の増加による淡水魚の漁獲量の減少などの問題を解決するために技術開発や内水面漁場環境の保全、それから、カワウ、外来魚などの駆除に係る漁業関係者の取組を促す。それで、在来魚、漁獲量の維持、回復を図ってくるということでございます。

 実施状況は、各年とも全国6ブロックでこの事業を実施しております。カワウの対策というのはまだまだ非常に問題になっているというような状況でございます。

 それから、その下の整理番号62番ですけれども、水質保全対策事業です。

 この目的は、農地などから閉鎖性水域など公共用水域へ排出される汚濁負荷量を削減するために浄化水路や曝気施設などの浄化施設整備などを実施しておるものでございます。

 今後の課題のところに書いてございますが、平成6年度の事業の開始から実施してきた全国37地区のうち15地区が閉鎖性水域関係の事業となっております。平成27年度につきましては、中段の施策の実施状況のところに書いておりますけれども、農村地域防災・減災事業、これ水質保全対策事業の一部ですけれども、全国で4カ所、実施中でございます。

 それから、次のページの21ページからは既に説明いたしました環境保全型農業が63番、それから、その下の64番は持続的な農業生産方式の導入の促進、それから、次のページ、22ページの整理番号65番の農業環境規範の普及・定着、それから、その下の66番の有機農業の推進につきましては、里のセッションでご説明いたしましたので省かせていただきます。

 23ページからでございます。

 23ページ、これは閉鎖性海域における対策ということで登録してございますが、1つ、水産環境整備事業というのが整理番号67番でございます。この目的は施策の目的に書いてありますように、我が国の周辺の水域が磯焼けなどの拡大による藻場・干潟の減少、それから、閉鎖性海域等における赤潮の発生など漁場環境が悪化しており、水産資源の生産力の向上とともに、豊かな生態系の維持、回復を図ることが必要ということですので、実施しております。

 実施状況につきましては、平成25年度は11地区、26年度は14地区の閉鎖性水域でヘドロなどの堆積物の除去、それから覆砂、藻場造成などの漁場環境の整備と水域の環境保全対策を実施いたしました。

 それから、その下でございます。68番、これは海洋汚染の防止ということで国土交通省と協力してやっているものでございます。海岸漂着物の円滑な処理ということでご説明いたします。

 これは洪水、台風などにより漂着した流木などについて、海岸管理者が緊急的に処理を実施するものでございまして、実施状況に書いてありますが、平成25年度は全国8カ所、26年度は全国7カ所で実施しております。今後、海岸協力団体などと連携して取り組んでいきたいというふうに考えております。

 それから、最後24ページでございます。これは国際協力、連携の検討でございます。この中で整理番号69番と書いてございますが、アジアモンスーン地域連携水田・水環境評価検討事業というのをやっております。

 これは施策の目的のところにありますように、INWEPFというアジア地域を中心とした水田農業を営む17か国と8つの国際機関からなる組織が実施する水田の水質浄化や地下水涵養などの多面的機能の貨幣価値換算評価、そういうようなものを発信するということ、そういう取組を支援することを通じて、この多面的機能について国際社会の理解醸成を図ってきております。

 一番下に書いてございますが、本年4月に第7回世界水フォーラムを開催しましたけれども、当該水フォーラムの参加者の意見を反映した閣僚への勧告文というところで、これまで主張してきました多面的機能の重要性について記述もなされており、一定の理解が進んでいるというふうに考えております。

 以上でございます。

【竹内環境政策課課長補佐】 国土交通省でございます。

 ページ番号、27ページに飛んでいただけますでしょうか。整理番号70からになります。海の再生等閉鎖性水域における総合的な取組の推進です。

 施策の目的ですが、都市再生プロジェクト第三次決定、これは平成13年12月に取りまとめられたものでございますが、この中で大都市圏における海の再生を図ることとされております。これを受けまして、東京湾等の閉鎖性海域の水質改善に向けて関係機関が連携しまして行動計画を策定し、総合的な施策を推進するものです。

 施策の状況ですが、陸域負荷対策、河川負荷対策、海域浄化対策、モニタリング、普及活動、海域におけるごみ回収等の総合的な取組を実施しております。東京湾につきましては、平成15年に第一期行動計画が取りまとめられておりまして、平成25年5月に行動計画の第二期を策定しております。また、同年11月には関係機関で構成される東京湾再生官民連携フォーラムを設置しておりまして、行動の輪を広げているところでございます。

 また、大阪湾につきましては、平成26年5月にこれも行動計画第二期を策定しておりまして、引き続き多様な主体と連携した環境改善を推進してまいりたいと考えております。

 整理番号71、下水の高度処理等による湖沼における水環境の保全でございます。

 施策の中身ですが、下水の高度処理、合流式下水道の改善等による水環境の改善を進めるものです。流域別下水道整備総合計画の策定、見直しを進めまして、これに基づく下水処理施設における高度処理を推進するとともに、合流式下水道の改善対策等を推進してまいりたいと考えております。

 1枚おめくりいただきまして、整理番号72でございます。

 これは下水の高度処理等による閉鎖性海域における水環境の保全する取組でして、中身につきましては、先ほどのものと重複しますので割愛させていただきます。

 また、整理番号73、下水の高度処理等による陸域からの負荷の削減につきましても、こちらも先ほどご説明しておりますので、割愛させていただきます。

 次のページでございます。

 整理番号74、第二期水環境改善緊急行動計画、清流ルネッサンスにつきましても、先ほど資料1-1のほうでご説明させていただいておりますので、こちらについても割愛させていただきます。

 整理番号75、干潟の再生でございます。施策の中身ですが、閉鎖性海域において港湾整備等により発生する浚渫土砂を有効活用し、干潟の再生に取り組むものでございます。

 施策の状況ですが、平成24年度から28年度までの5カ年で干潟を45ヘクタール再生することとしております。平成28年度までに全国で30ヘクタールの干潟の再生を行う予定としております。今後の方向性につきましては、引き続き港湾整備等により発生する浚渫土砂を活用してまいりたいと考えております。

 1ページおめくりいただきまして、整理番号76、底質環境の改善に向けた取組です。

 施策の中身ですが、赤潮、青潮の発生原因と考えられる海水交換の悪化、富栄養化に対して、港湾整備により発生する浚渫土砂を有効活用しまして埋め戻し等を行いまして、底質環境の改善を図るものです。施策の状況ですが、平成24年度から28年度までの5年間で埋め戻し等を115ヘクタール実施することを目標としております。平成28年度までに全国で47.7ヘクタール埋め戻しを行う予定です。

 次の整理番号77、閉鎖性水域における環境モニタリングでございます。

 施策の中身ですが、ここの概要のところに3つ書いております。千葉灯標に設置したモニタリングポストにおける水質の常時観測、地球観測衛星による観測データを利用した東京湾内の広域にわたる赤潮等の発生状況の把握、海上保安庁の測量船による瀬戸内海における貧酸素水の実態調査という中身になっております。施策の状況でございますが、上の2つに関しましてはインターネットで情報を提供しておりまして、3つ目に関しましては、瀬戸内海において貧酸素水の実態把握調査を実施しております。引き続き各種環境モニタリングを継続して実施してまいりたいと考えております。

 次のページで整理番号78、海洋汚染調査でございます。

 施策の内容ですが、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律に基づきまして、科学的調査を実施するものです。具体的には、外洋に面した12の内湾域から外洋域にかけまして、油分、PCB等の調査を行うものです。施策の状況でございますが、調査した内容に関しまして報告書にまとめてインターネットにより公開している状況です。今後の方向性としましても、引き続き科学的調査を実施してまいりたいと考えております。

 整理番号79、海洋環境保全思想の普及・啓発活動ですが、施策の中身につきましては、海事・漁業関係者を対象とした海洋環境保全講習会、また、若年層を含む一般市民を対象とした海洋環境保全教室を実施しております。施策の実施状況ですが、平成26年における実施状況はここに記載させていただいているとおりでございます。

 今後の方向性ですが、引き続きボランティアや地方公共団体等とも連携しながら普及啓発活動を精力的に実施していく方向です。第1回目の点検でこちらについてもご指摘をいただいておりまして、状況について詳しく書かせていただいております。平成26年に海上保安庁が確認した海洋汚染の件数というのは380件、これは前年比75件減少しているものでございます。海洋汚染の現状として、油による汚染は人為的要因による汚染が半数を超えており、また、廃棄物による汚染は一般市民による不法投棄が依然として多い状況にあり、こういう状況でございますので、平成27年度も海洋汚染の原因や地域の実情に応じて対策をとり、関係機関等と連携しまして、海洋環境保全対策を推進してまいりたいと考えております。

 1ページおめくりいただきまして、整理番号80でございます。

 マルポール条約に基づく国内対応です。施策の概要ですが、船舶による海洋汚染等の防止を目的としたマルポール条約の的確な実施を確保していくことを目的としております。施策の状況ですが、平成25年度は、1つは海上において運送される有害物質による汚染の防止のための規則を定めた附属書Ⅲ及びもう一つが船舶による大気汚染の防止のための規則を定めた附属書Ⅳ、これの改正に伴いまして、これを国内担保するため国内法施行令、規則について所要の改正等を行っております。今後も国際条約等の改正内容の国内担保措置を的確に実施してまいりたいと考えております。

 整理番号81でございます。船舶バラスト水規制管理条約に規定されるバラスト水処理設備に係る承認です。

 施策の中身ですが、バラスト水とは、船舶が空っぽのときに船舶を安定させるためのおもしとして取水する水でございますが、このバラスト水に混入した有害水生生物の越境移動による生態系の破壊等が懸念されますので、船舶バラスト水規制管理条約が採択されてございます。この条約が発効した際に備えて、日本国籍船の船舶バラスト水処理設備の承認を進めているところでございます。今後も引き続き国際的なルールに基づく国内対応の着実な推進を図ってまいりたいと考えております。

 整理番号82、下水道分野の水ビジネス国際展開でございます。

 施策の中身ですが、我が国下水道事業の経験と技術を生かした案件形成支援や国際標準化等を推進していくものです。施策の状況ですが、まず平成25年度は、ベトナム、インドネシア、マレーシア、サウジアラビア等との間でセミナー及び政府間協議を実施しております。平成26年度もベトナム、インドネシア、マレーシアの重点対象国を中心に政府間協議、セミナーを実施しております。また、ベトナム、インドネシアを対象に本邦研修も実施しておりまして、下水道事業実施能力の強化を図っております。国際標準化に関しましては、我が国が幹事国を務める水の再利用の取組を進めております。水分野の国際標準化プロセスへの積極的、主導的な参画を通じ、国際標準の策定を推進しております。

 今後の方向性のところでございますが、繰り返しになる部分もございますが、平成25年9月にはインドネシア公共事業省と協力覚書を締結しておりまして、平成26年3月にはベトナム建設省と下水道分野に関する技術協力の覚書を3年更新しております。また、東南アジア諸国の政府機関との関係構築が着実に進展している状況にあります。また、ベトナム、インドネシアにおきましては、本邦下水道技術の推進工法に関する理解を醸成しているところでございまして、平成25年度には日越協働で作成した推進工法関連記事をベトナム側に手交しておりまして、平成26年度にはその基準により設計されたベトナム国内の下水道推進工事に本邦企業が参画するという形になっております。国際標準化に関しましては、引き続き議論に積極的、主導的に参画してまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

【岡田部会長】 どうもありがとうございました。

 それでは、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。

 では、福島委員から。

【福島委員】 どうもありがとうございます。

 今回、資料1のほうでは各省庁ともさまざまな努力をされて、それが順調に進んでいるというご報告だったかと思います。それと、資料2というものがございまして、取組の推進に向けた指標ということで、その幾つかの項目に関してどうなっているかが示されております。この両者を見た場合に、例えば水循環、資料1-1のほうの水循環の取組に対しては、例えば資料2でそれに対応した指標が特にないような印象を受けまして、水環境の水質面での状況等を表現はしていると思うのですが、資料1-1に対して具体的にどうなのかと。それから、各省庁の皆さんが考えている水環境というのは、環境省が考えているものより随分広めな感じがしますが、この資料2をもう少しいろんな指標を入れて充実することが実際、水環境保全に向けて本当に何に役に立っているかを見る一番重要なものだと思いますので、ここを充実させていただきたいというのが1点です。

 それからもう一点なのですが、この1と2の関係で、その両者がうまくいっている場合はいいと思うんですが、うまくいかないようなことを議論するのは、今回の点検では行うのか行わないのかどうかということです。例えば私は湖のことをやっていまして、資料2の10ページ目に湖沼における汚濁負荷量の推移ということで中海、宍道湖の負荷量の変遷が書かれております。これを見ますと、減少してきていい傾向かなと思うのですが、これは発生負荷量の変化ということで、実際に湖に入ってくる河川での負荷量をはかるとこういう状況にはなっていない、すなわち水質面での改善もあまり進んでいないというのが現状かなと思います。という意味で、各省庁がいろいろご努力されてやっているというのはわかるのですが、そのものが最終的な目標の水環境のよさというところに反映できないものがあるとすれば、それを明確に議論するということが重要かなと思いまして、今回その点検を行うのかどうか、行わないとしたら、どういう段階で行うのかという質問です。

【岡田部会長】 では、1番目はいいかと思いますが、2番目を事務局からお答えください。

【二村水環境課長】ご指摘ありがとうございます。今回の点検につきましては、現在進めております事業、いわゆる環境基本計画に基づいてやっている事業がどのような状況にあるのかというのをご報告させていただくということがメーンでございます。福島委員ご指摘のとおり、うまくいっているものもあれば、うまくいっていないものもございます。今回はあくまでもこういう状況にありますということをご報告させていただいて、今のところこういう状況なので、今後こうしますということをご報告させていただきましたので、委員の皆さん方からは、それについてこの方向性とか今後の検討についてもしご意見なりお考えがあればご指摘いただければというのが今回の趣旨でございますので、結論から言いますと、先生からいただいたようなご質問といいますか、今やっているものに対しての何らかの意見、特にうまくいっていないものに対する意見というのは、この場で言っていただければ我々としてもこの次の部会で報告させていただきます中間の点検の報告書の中に適宜反映をさせていただきたいというふうに思っております。

 また、仮に今回それがない場合でも、当然個別の施策につきましては、今後も進めてまいりますので、その施策の中で例えば検討会ですとか、先生ご参加になっていらっしゃるいろんな委員会の場等でぜひご指摘をいただければというふうに思っております。完全な答えになっていないかもしれませんが、以上でございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。

 では、大塚委員、どうぞ。

【大塚委員】 2点ございまして、1つは13ページの整理番号50と、あと整理番号78が関係するんですけれども、漂流ごみとの関係で海洋がプラスチックのスープになっているようなという話が最近ちょっとマスコミでは議論されていますが、小さく砕かれたプラスチックが海洋の中でどんどん細かくなっていてというような話なんですけれども、これについて環境省はどういうスタンスでいらっしゃるかというちょっとご理解をお伺いしたいのと、もちろん対応しようと思うと、日本だけの問題ではないのですし、さまざまなことを考えなくちゃいけないんですけれども、とりあえず78のところでもPCBとか重金属以外のプラスチックもぜひ調査をしていただきたいということがございますし、ちょっと環境省のお考えをお伺いしたいというのが1点でございます。

 もう一点は簡単ですけれども、32ページの整理番号81ですけれども、このバラスト水に関する条約は、発効したらというおつもりでいらっしゃるのかもしれませんが、法制化に関して何かお考えになっておられるかということをちょっとお伺いしたいところでございます。

 以上でございます。

【岡田部会長】 では、今の点は環境省、それから、国交省ですね。お願いします。

【坂本海洋環境室長】 まず、微細なプラスチック、マイクロプラスチックについてでございます。

 昨今非常に世界的に話題となっております。私どももこれについては非常に関心を持っておりまして、昨年度の調査から我が国周辺海域、沖合域も含めまして、沿岸も含めてマイクロプラスチックの実態調査を開始しております。引き続き行っていくということになろうかと思いますけれども、それとあわせて大塚先生ご指摘のとおり、海外でもさまざまな研究、調査が行われておりますので、そういった成果についても取り寄せながら整合性をとっていければと思っております。

【岡田部会長】 では、国交省のほうからお願いします。

【国土交通省海事局】 国土交通省海事局でございます。

 ご質問いただきました本条約についてなんですけれども、2004年2月に本条約がIMOで採択され、我が国では2014年6月に国内法、海洋汚染等防止法ということで法律を改正し、その後、同年10月に本条約に締結しております。我が国としては本条約に締結し、そして、国内法で担保しており、正式な条約発効を待っているという現状の中で、条約がいつ発効してもいいよう、国内法に基づき、淡々と装置の審査・承認を進めている状況でございます。

【大塚委員】 さっきのプラスチックの件ですけれども、ちょっと言い忘れただけですが、もしプラスチックが非常に溶けていくということになると、生態系への影響ももちろんありますし、魚介類を食べる人間への影響も考えられないわけではないと思うので、あまり声高に言う必要はないんですけれども、可能性としてはないわけではないので、ぜひ調査をしていただけると大変ありがたいということです。

 以上です。

【坂本海洋環境室長】 ご指摘のとおりだと思います。ありがとうございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。ほかによろしいですか。

 はい、藤井委員どうぞ。

【藤井委員】 15ページのアジア水環境パートナーシップが1つと、2つあります。

 2003年に水フォーラム、京都でやったときには非常に多くのNGOが参加しています。この文面からは政府間会合の部分がほとんど語られていて、この間ずっと7回目までどんな感じで動いているかというのが大変気になります。多分このパートナーシップの中の政府間の国レベルの政府間会合だけではなくて、このNGOとのパートナーシップというのも大変大きなテーマだったというふうに思うからです。

 それからもう一つ、水処理関係です。2つあるんですが、18ページの55番のし尿処理の国際普及の推進のところと、最後の国交省の33ページの82番の水ビジネスの関係です。

 このし尿については、ここにある平成25、26よりもずっと以前にベトナムでも水資源への配慮からし尿分離トイレの開発とか、その国に見合ったトイレ、衛生の問題が随分と議論されたように思うのですが、その辺りの配慮、水循環、水資源の配慮がこの中で議論されているかどうか。それは国交省のところでいうと、もう水ビジネス国際転換となると、多分非常に技術的なことが入っていくと思われ、できれば農水でやっているような農村集落水道、つまり各国においてもその地域特性の水処理の仕方を日本の形をそのままでは多分だめだというふうに思いますが、日本でやっているのは環境、農水、国交でやっているところのそこの連携軸の中で、この水処理のところをどういうふうに展開しているかということがわかればありがたいです。

 以上です。

【岡田部会長】 では、これは事務局から。

 はい、どうぞ。

【二村水環境課長】 ご指摘ありがとうございます。

 まず、WEPAについてのご質問だったと思いますが、ご指摘のとおり、このWEPA、2003年の第3回の世界水フォーラムにおいてこういう事業を日本側が提唱し、活動を開始したというものでございまして、これは今、環境省が主体となってアジア13カ国のいわゆる行政官の方々を中心として、行政官の方々を対象とした国際協力事業でございます。ご指摘のように、水フォーラム自身につきましては、4月に韓国でも開かれましたけれども、ご指摘のとおり大きなプレイヤーとしては国以外にもNPOですとか、そういった国以外の方々の活動が非常にクローズアップされておりまして、そこの重要性が宣言の中にも入っているということでございます。

 ただ、この整理番号52番のWEPAというのは、そういった水フォーラムに基づいて環境省が独自にやっている行政官を対象としたいわゆる水ガバナンスの向上のための活動ということで整理させていただいているところでございます。

【岡田部会長】 あと一つの水処理、し尿とか。

【二村水環境課長】 し尿処理システムの件でございますが……。

【国土交通省下水道部】 国土交通省の下水道部でございます。

 委員からご指摘いただきましたとおり、ビジネスという観点で日本のシステムをそのまま持っていくというよりは、現地のニーズをしっかり把握して、そこの地域に最も適するシステムを日本の技術も用いながら適用していくというのが基本の姿勢でございます。そのために今、インドネシア、ベトナム両国に対しまして、国交省から下水道の専門家を相手方政府に送り込んで、しっかりニーズを聞き取りながら事業を進めているというところでございます。基本的には下水道が適するのは人口密集都市というところでございます。人口規模がまばらなところは浄化槽で対応する等いろんな施策が考えられますので、引き続き現地のニーズをしっかり把握しながら、現地に適したシステムを導入していくという姿勢で取り組んでまいりたいと思います。

 以上でございます。

【岡田部会長】 よろしいですか。ありがとうございました。まだあるかもしれませんが……。

【環境省】 し尿処理システムの国際普及への推進につきまして、環境省の事務局のほうから説明させていただきます。

 こちらの事業では、トイレの先の汚水処理ということで浄化槽による生活排水処理やその先の浄化槽から出てくる汚泥をし尿処理施設で適正に処理するというところを海外普及するという内容でやっております。そちらの点で先生からご指摘ありましたように、日本のものをそのまま向こうに持っていくと、コストの面などで適応できないというところもありますので、現地状況を踏まえて、向こうに合わせた検討というのは進めております。

 また、水循環につきましては、コンポスト化など水循環に加えてごみ処理のほうの循環も含めて検討を進めているところでございます。

 以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。

 本日はご説明いただく時間も短いし、それから、ご質問、ご意見をいただく時間も大変短くて申し訳ございませんでした。この資料1、2、3で今までの話が出ております。もしその後、それから、今日の委員会の後お気づきの点がございましたら、ぜひ事務局のほうにご意見もしくはご質問をお寄せいただければ大変ありがたいと思います。よろしくご協力のほどお願いいたします。

 それでは、次に、これに関連する次のもので、水環境保全に関する取組に係る報告書の構成案について事務局からご説明をお願いいたします。

【二村水環境課長】 では、お手元の資料4、1枚紙でございます。両面ご覧いただきたいと思います。

 今ご説明させていただきました各重点項目につきまして、前回と同様、いわゆる状況報告という形での報告書で取りまとめたいと思っております。具体的な内容につきましては、総合政策部会とも相談させていただきつつ進めたいというふうに思っておりますけれども、前回の点検において課題として挙げられている事項についての取組が明らかになるように記載するということに心がけて準備を進めたいというふうに思っております。

 また、第3回の点検の進め方という資料、参考資料1でございますけれども、これの表現の中にも点検分野を鳥瞰する記述を設けることと考えておりますので、これにつきましても、あわせてこの報告書の中に入れていきたいというふうに思っております。

 いずれにしましても、具体的な報告案につきましては、本日の説明、それから委員の皆様からいただきました意見を踏まえまして報告書とし、次回ご報告させていただきたいというふうに思っております。

 以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。何かご意見ございますでしょうか。

 細見委員、どうぞ。

【細見委員】 点検についてですが、先ほど福島委員もおっしゃられたように、点検するための指標をぜひもう少し具体化する努力がやっぱり必要かなと思うんですね。特に水循環系といったときの指標というのは、これはかなりいろんなところで議論しないと、個々の対策とか施策が横並びで並んでいるだけで、それは一体どのぐらい効果があるのかという総体的な重みづけというか、それがやっぱり点検の指標が明らかにならないとなかなか難しいなと思います。

 例えば先ほどの下水とかし尿の処理でも、一方ではコウベロンヒットといってCO2換算でも議論していますけれども、ほかのところは割と多分それが抜けていて、コストだとかそういう効率だとかというのが点検の指標かなと。その辺が統一できていくための議論する場とかそういうところが私はどこかに宿題というか課題として取り上げていただければというふうに思います。

 以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。おっしゃるとおりかと。事務局のほうから何かあれば。

【二村水環境課長】 ご指摘ありがとうございます。

 次回この報告書の案につきましてご説明させていただきますが、この取組の中で指標というものが適切であるものにつきましては、なるべくそれを書き込むような形で、もちろんそれが適切でない事業もあるかと思います。そこはご説明の中で、区分して説明をさせていただくようにさせていただきたいと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。

 それでは、今までいただきましたご意見、今出ました指標の問題、それから、各省の事業をどう取りまとめていくか、統合的な成果がどうなるか、幾つかのご注意をいただきました。そのようなご注意を踏まえて、ここに今ある方針で報告書案の取りまとめを行うということになるかと思いますが、ということでよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。この方針で事務局、かなり大変かとは思いますが、事務局で原案を作成していただきます。次回の部会で水環境保全に関する取組に係る報告書、これにつきましてご審議いただきたいというふうに思いますので、事務局におかれましては、よろしくお願いいたします。

 そのほか、今日お諮りいたしました環境基本計画の点検全体を通じて何かご意見等がございましたら賜りたいと思います。よろしいですか。

 ありがとうございました。

 それでは、議題1についてはこれで終了というふうにさせていただきます。ヒアリングにご協力いただいた各省の方々につきましては、ご退席いただいても結構です。お忙しいところをご出席いただきまして、本当にありがとうございました。

 次に、先ほども少し出ましたが、気候変動、議題(2)でございます。「気候変動による水質・生態系への影響及び適応策について」事務局からご説明をお願いいたします。

【谷補佐】 失礼します。水環境課の谷と申します。よろしくお願いします。

 資料5-1、資料5-2に基づきまして説明させていただきます。

 資料5-1を見てください。

 「気候変動による水質・生態系への影響及び適応の検討について」ということで、経緯についてちょっと触れさせていただきます。1ページ目の一番下をちょっとご覧ください。

 ※の1のところですけれども、平成25年7月に中央環境審議会地球環境部会のもとに気候変動評価小委員会が設置され、気候が日本に与える影響の評価について審議が行われております。その結果を平成27年3月、中央環境審議会において日本における気候変動による影響の評価に関する報告と今後の課題が取りまとめられ、環境大臣に意見具申が行われているところでございます。

 一方、水・大気環境局においても平成21年から24年、先ほどの議題の中でありましたように、河川や湖沼における気候変動による水質・生態系への影響検討を行っており、この内容がこの中央環境審議会意見具申の中に反映されているところでございます。

 それから、意見具申については7分野毎にまとめられておって、水環境におきましては、ここにあります①、②、③というそれぞれの小項目において意見具申がなされているところでございます。①の湖沼、ダムに関してですけれども、これ重要性の評価は特に大きい、緊急性は中程度、確信度は中程度という評価がなされているところでございまして、その具申の内容としては、琵琶湖で2003年において水温の上昇に伴うDOの低下とか水質の悪化が予想されるということが記載されております。

 続きまして、河川においては、重要性は特に大きいとはいえない、緊急性は低い、確信度は低いという評価がなされておりまして、河川においては、雄物川において水温の上昇があること。特に冬季に影響が大きいというような結果が出ているという内容でございます。

 それから、③沿岸域及び閉鎖性海域においては、重要性は特に大きいとはいえない、緊急性は中程度で確信度は低いという評価がなされておりまして、これについては、特に定量的な予測された研究事例は確認できていないというのが大きなところでございます。ただ、海面上昇に伴い、沿岸域の塩水遡上域の拡大が想定されるという結果が具申の中に書かれているところでございます。

 次のページ、ご覧ください。

 こうした具申の内容、状況を鑑みまして、水・大気局では平成25年度より先ほど申した重要性が特に大きいとされる湖沼に特化して、最新の気象モデル、それから水質予測モデルを用いた水質及び生態系への影響予測及び適応策の検討を3湖沼をモデル湖沼としまして実施してきております。この内容を説明資料5-2のほうで具体的に説明させていただきます。

 5-2の13ページをお開きください。

 先ほどモデル湖沼ということで3湖沼、具体的に言いますと、13ページの下にありますように、八郎湖、琵琶湖、池田湖でモデル湖沼を選定しております。八郎湖につきましては、寒冷地にある湖で、富栄養化による問題が生じる浅い湖沼。琵琶湖については、深い成層化の湖沼の代表として選んでおります。池田湖は冬季に全循環が停止する湖沼として代表湖沼と選んでございます。

 14ページをご覧ください。

 モデル湖沼、先ほど3つについて検討項目を整理しております。実際に気象変動が起きている内容、それから、モデル湖沼の地形特性や水質・生態系の特徴を踏まえまして、それぞれ表8にありますように3湖沼ごとに検討項目を特定しております。

 4)でございます。モデル湖沼における水質・生態系への影響予測及び適応策については、シミュレーションモデルを構築していまして、その内容が15ページ以降にございます。

 まず、15ページでございますけれども、水質予測モデルの選定としまして、それぞれ表9のような形で設定しております。流域モデルと湖内モデルから構成されておりまして、流域モデルは分布型、湖内モデルについては、それぞれ地形の特性とか管理状況が異なるということがございますので、準三次元モデルと鉛直二次元モデルというのを適用しております。これらのモデルについては、湖沼法に基づく水質保全計画を算定するときに各県が定めているモデルを参考にしているところでございます。

 16ページをご覧ください。

 気候モデルの選定ということで、表10のところで左、右にそれぞれ気候モデルの条件を設定しております。21年から24年と25年から26年、気候モデルの適用を変えております。その内容につきましては、2つ目の丸のところに書いていますように、さらに精度の高いものを選定するということで、25年においてはNHRCMの5キロメッシュというものを使って気候変動予測をしております。

 留意点として一番下の丸のところですけれども、今回検討結果というのは一定条件のもとに将来予測を解析した予測で、適用した気候モデルの違い、または気候変動の予測変動の中央値を採用したことによる結果であって、気候変動の予測変動幅のピークを使えば異なった結果になるという可能性も留意しなければならないということを考えているところでございます。

 17ページ、ご覧ください。

 3湖沼のシミュレーションモデルの結果について整理させていただいております。

 1つ目が八郎湖でございます。図8を見ていただければと思うんですけれども、現在がブルー、近未来がダイダイ色でございます。3月から5月、6月にかけて近未来のほうがクロロフィル濃度が現在より増加していると。それから、9月、10月については変動幅が現在より大きくなっているという予想結果が出ております。これに対する適応策というのが17ページ、18ページに整理しておりまして、18ページの表11を見ていただけたらと思います。

 表11に現在と近未来のクロロフィル濃度を与えておりますシミュレーション結果ですけれども、41.2が現在、近未来が42.3でございます。将来と将来のところに括弧書きでNP負荷5%減、10%減という形で表記していまして、そのときのクロロフィルの値を整理していますが、これは何かといいますと、流入負荷量を5%削減したときと流入負荷量を10%削減するという適応策としたときにどれだけのクロロフィルになるかという整理をしたものでございまして、5%削減のときは41.5、10%削減のときは40.6とございます。現在41.2ぐらいの値にしようとすると、適応策としては流入負荷量を6.5%削減するというような結果ということになってございます。

 続きまして、琵琶湖でございますけれども、これにつきましては、25年から26年の気候モデルの条件で算定しますと、下の図9のように、これはそれぞれの水温の上昇を表層から底層まで与えております。表層のほうが赤い色で底層のほうが青色とか紫色になります。これについて見ますと、水温が一定になるときがあります。これによって全循環が起きますという結果になっており、底層DOとか全りんについて改善効果がなされるということで、19ページを見ていただけたらと思うんですけれども、現在と近未来のそれぞれDOとかTPの値については変わりないというような結果が将来予測として出てきているところでございます。

 20ページ、ご覧ください。

 池田湖でございます。池田湖についても予測した結果を整理してございますけれども、下の図12でございます。現在と近未来、青と赤、見ていただければと思うんですけれども、水温について大きな変化が見られないという予測結果になってございます。

 21ページですけれども、これらモデル湖沼での検討結果を踏まえた湖沼の適応計画というのが考えられるものを3点ほど掲げてございます。

 1点目は、「水温上昇や降雨の変化によって植物プランクトンの変化」ということで、先ほど八郎湖の例を想定しているわけですけれども、こういう湖沼では、工場・事業場の排水対策とか生活排水対策などの流入負荷の軽減対策を推進するとともに、植物プランクトンの変動を適切に把握するためのモニタリング体制を強化することというのを考えております。

 それから、2つ目でございますけれども、深い成層湖沼で水温変化に伴う冬季の全循環不全が予想される場合には、底層DOの改善の対策を検討する必要があるといっています。

 それから、3点目ですけれども、最新の科学的な知見の把握を継続して、予測精度の向上を図るとともに、その結果を踏まえた必要な追加的措置を検討する必要があるということを考えています。

 それで、資料5-1に戻っていただけたらと思います。

【岡田部会長】 もう少し手短に説明いただけますか。

【谷補佐】 すみません。資料5-1の3のところで、政府の適応計画へ反映についてということで、湖沼と河川、沿岸、閉鎖性海域に分けてございます。

 湖沼については、最初の丸のところでは具申に書いた内容を整理しております。それから、2つ目、3つ目、4つ目については、先ほど説明した内容をそのまま記載しておりまして、最後のところですけれども、気候変動による水環境への影響は長期にわたることから、水質や生物に関する長期・継続的なモニタリング及び適応策の効果を高めるための施策もあわせて検討することが望ましいということで考えております。

 それから、河川、沿岸域については、研究事例が十分ではないことから、科学的知見の集積を図る必要があると。それから、閉鎖性海域については、気候変動が水質や生物多様性・生物生産性に与える影響や適応策に関する調査研究を推進し、科学的知見の集積を図る必要があるということを適応計画への反映という形で考えているところでございます。

 以上です。

【岡田部会長】 どうもありがとうございました。ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。

 先ほどの高村委員のご質問、ご意見に関しまして事務局のほうから。

【高村委員】 本結果がどういうような検討で導かれたものかを私、把握していないで申すんですが、本当かなというのが正直な感想です。池田湖は既に成層していますので、今後あまり影響はないだろうというのはわかります。また、八郎湖は浅いですので、水温がきいてくるだろうというのはわかるんですが、琵琶湖、さらに、これから温暖化がすすむと二回循環する湖が一回循環になることが予想されますが、そうした系では、酸素分布が変わり、生き物の分布も変わってくると思うので、影響が出てくると思います。気候変動の予測というのは不確実性が非常に高いので、その不確実、非常に極端な年を経験したことで、生態系ががらっと変わるようなこともあると思われます。今回の検討も、もう少し幅広く、タイムスパンももっと長くみていき、こういうふうなことが想定されれば、こういうふうなことが起こるという可能性を示すことを主体にしていただいて、個別の湖沼の予測は、各地方自治体が湖沼のモニタリングとかされていると思いますので、そういうようなデータを活用してできるように、環境省が全ての湖についてやれるわけではないので、俯瞰的な立場からのアプローチで検討をしていただければありがたいなというふうに思いました。

【岡田部会長】 では、事務局から。

【早水大臣官房審議官】 私のほうから先ほどご指摘の点の生態系の関係も含めてご説明いたしますが、今の資料5-2の4ページ、5ページ辺りに一般的などんな影響があったらどんなことが起きそうかというのは、一応整理をしておりまして、それを模式図にしたのがその次の6ページの図であり、また、その適応策のオプションの効果を高めるための施策というところまで含めて7ページまで一般的な議論としては整理をしたと。それをまず頭に置いた上で、その次のページから説明は省略しましたが、水質の予測モデル、水温の予測、水質予測とかをしたわけですけれども、琵琶湖については、最初の21から24の検討ではかなり影響がありという結果があったんですが、今回のモデル予測では、そういう結果にはならなかったということで、ご指摘のあったようにいろいろな条件でまた変わってくるのかもしれないなということであります。

 そういったことで、水温の影響とか水質の予測まで今回はやったわけでありますけれども、その3つをモデル湖沼として選んだけれども、結局琵琶湖については前回と違った結果になってしまったということもあり、なかなか難しいなと事務局のほうとしては考えたところもございました。

 それで、さらにそれを踏まえた生態系への影響となると、結構これまた次の段階に移るということになるので、さらに次のステップの検討が必要だろうなということで、4ページ辺りには少し生物への影響なんかも書いてありますけれども、まだそこまでは至っていないということでありますので、一応この調査研究は、その前の2ページにありますが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、27年度、28年度、もう少し続いてやることになっておりますので、その中でやはりある程度個別の湖沼を念頭に置いてやっていかないと、その実態面が予測できないとは思いますが、その中でもう少し一般的な水質なりあるいは生物への影響などがうまく含んで何か提言とかがまとめていけるかどうかというのをもう少し検討したいなというふうに思います。もし何か助言があればお願いしたいと思います。

【岡田部会長】 まだあるかもしれませんが、では最後に短く。

【福島委員】 温暖化予測とか、実際の観測もヨーロッパ等では行われていて、深い湖の下層でかなり温度が上がってDOが減ってきている、実際にそう観測されている湖もありますので、今回は出ないという結果なのですが、ではなぜ日本ではでなくてヨーロッパは出るのかということも含めてご検討いただきたいというのが1点です。

 それともう一つ、資料5-1の一番最後に海水面上昇の話が書かれていて、沿岸域と閉鎖性海域だけが書かれているのですが、汽水湖は塩分でいろんな水質が決まりますので、ぜひ汽水湖に対しても海水面上昇の影響を評価いただきたいというお願いです。

【岡田部会長】 では、太田委員どうぞ。

【太田委員】 湖沼の水質シミュレーションについて、確からしさをどんどん追求していくのも大事なんですけれども、今回の検討対象以外の湖沼のことも考えると、感度分析的な方法というか、何かそういうものを示すというのも一つのやり方というふうに思いますので、ご検討いただければと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございます。まだあるかもしれませんが、本日大分予定より遅れています。申し訳ございません。今までいただいたご意見をもとに「政府の適応計画への反映について」という案に記載されている内容について再度詳細にご検討いただき、取りまとめていただきたいというふうに思います。

 それでは、本日最後のその他について事務局何かございますでしょうか。

【二村水環境課長】 最近の水環境行政に係る状況について簡単にご紹介させていただきたいと思います。

 本部会に設置されております2つの専門委員会におきまして審議が行われております。1つは生活環境項目環境基準専門委員会では、「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて」の諮問を受けまして、先ほどからご紹介させていただいております底層溶存酸素量、それから、沿岸透明度の目標設定に関する議論を行っております。また、陸域環境基準専門委員会では、「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の指定の見直しについて」の諮問を受けまして、暫定目標の目標年度が到達しております6つのダム湖の暫定目標値の見直しについて議論を行っております。どちらも先週開催されました委員会におきまして、概ね報告案を取りまとめていただいております。最終的に文案が確定いたしましたら、近日中にパブリックコメントの手続にかけることとしております。

 また、専門委員会報告が最終的に取りまとめられましたら、本部会にご報告させていただきました上でご審議をお願いしたいというふうに考えております。

 それともう一点、先週10日に本部会でもご審議いただきました水循環基本計画が閣議決定されました。委員の皆様にもこの資料をお配りしているかと思いますので、お時間があるときにお目通しいただければというふうに思っております。

 事務局からは以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。

 それでは、以上で議題は終了しましたが、全体を通じてぜひということがございましたらお願いいたします。よろしいですね。

 それでは、以上をもちまして第38回水環境部会を終了いたします。

 事務局にお返しいたします。

【司会】 ありがとうございました。本日はお忙しい中、長時間にわたるご審議をいただき、ありがとうございました。

 なお、次回は、9月2日13時半から、場所は環境省第1会議室、この場所を予定しております。委員の皆様には、ご多忙のところとは存じますが、ぜひとも出席を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

 お手元の資料につきまして、郵送をご希望される場合は、封筒にお名前をお書きいただければ事務局で郵送させていただきます。

 また、議事録につきましても、事務局で案を作成しまして、先生方に確認をお願いしたいと思いますので、ご面倒をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

 これにて本日の部会を終了いたします。どうもありがとうございました。

午後 3時14分閉会

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