中央環境審議会 水環境部会(第36回)議事録

日時

平成26年10月20日(月)10:00~12:00

場所

22階 第1会議室

議事次第

1.開会

2.議事

  1. (1)水循環基本法における水循環基本計画について
  2. (2)報告事項
    • ・海洋汚染防止法の改正について

3.閉会

配付資料一覧

資料

  1. 資料1-1 水循環基本法の概要
  2. 資料1-2 水循環基本法(全文)
  3. 資料1-3 水循環基本法における水循環基本計画等の動きについて
  4. 資料1-4 水循環基本計画の作成に向けたスケジュール
  5. 資料1-5 水循環基本計画作成にあたっての有識者からの意見聴取の方法
  6. 資料1-6 水循環基本計画の骨子
  7. 資料2 海洋汚染防止法の改正について

参考資料

参考資料 環境基本計画(委員限り)

議事録

午前10時00分 開会

【司会】 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会第36回水環境部会を開催いたします。

開催に先立ちまして、本日の出席委員数のご報告をいたします。

所属委員25名のうち過半数の16名の委員の方にご出席頂いておりますので、中央環境審議会令第7条第3項により準用する同条第1項の規定に基づき定足数を満たしており、本部会は成立しておりますことをご報告いたします。

それでは、ここで水・大気環境局長の三好よりご挨拶を申し上げます。

局長、よろしくお願いいたします。

【三好水・大気環境局長】 おはようございます。水・大気環境局長の三好でございます。

部会の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。

本日は先生方、お忙しい中ご出席を頂きましてありがとうございます。また、日ごろから水・環境行政の推進について様々な面でご指導頂いておりますこと、この場をおかりしまして改めて御礼申し上げます。

本日の主な議題は、水循環基本法における水循環基本計画についてでございます。先生方ご案内のとおりでございますけれども、水循環基本法が、議員立法でございますけれども、本年7月1日に施行された状況でございます。詳しくは後ほど資料に基づいてご説明いたしますけれども、7月18日には総理大臣を本部長といたします水循環政策本部の会合が開催されまして、基本法で8月1日と定められました「水の日」に政府を挙げて各種事業を実施すること、それから、この本部自身が司令塔になって、来年夏までの出来る限り早い時期に水循環の道標となる水循環基本計画を閣議決定することが決まっております。

また、この基本計画を作成するまでに、この分野に造詣の深い先生方を初め色々な方のご意見を伺うことになっている所でございます。今後の進め方も後ほど資料に基づいてご説明させて頂きますけれども、本日この部会では、水循環基本計画の原案の方向性についてご披露致しまして、その観点で先生方から全般的なご意見を聴取させて頂ければと考えております。頂きましたご意見につきましては、計画原案の作成の際に参考にさせて頂きたいと考えている所でございます。

もちろん環境省、主な分野といたしまして河川、湖沼、海域における水質の保全でございますとか健全な水循環を支える生態系の保全といった観点がございますけれども、せっかくの機会でございますので、先生方からは幅広く水循環に関するご意見を頂戴できればと考えている所でございます。

簡単でございますけれども、ご挨拶とさせて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。

【司会】 次に、本日の審議のためにお手元にお配りしている資料につきましては、議事次第の中にあります配布資料のとおりとなっております。資料1-1「水循環基本法の概要」、資料1-2「水循環基本法(全文)」、資料1-3「水循環基本法における水循環基本計画等の動きについて」、資料1-4「水循環基本計画の作成に向けたスケジュール」、資料1-5「水循環基本計画作成にあたっての有識者からの意見聴取の方法」、資料1-6「水循環基本計画の骨子」、資料2「海洋汚染防止法の改正について」。また、委員の皆様限りとなっておりますが、参考資料として「環境基本計画」を置いております。

もし配布漏れ等ございましたら、事務局までお申しつけください。

それでは、議事に移ります。

これよりの議事進行につきましては、岡田部会長にお願いいたします。

【岡田部会長】 朝早くからお集まり頂きまして、ありがとうございます。

それでは早速、第36回水環境部会の議事に入らせて頂きます。

まず議題1、水循環基本法における水循環基本計画についてです。

事務局からご説明をお願いいたします。

【大村水環境課長】 水環境課長の大村でございます。私から説明させて頂きます。

資料1-1から1-6までが今日の資料でございます。参考資料は環境基本計画でありますが、水循環に関することも書いてございますので、参考にと思って配らせて頂いております。

まず、資料1-1をご覧ください。水循環基本法の概要が書いてございます。

第1条が目的でありますけれども、「水循環に関する施策を総合的かつ一体的に推進し、もって完全な水循環を維持し、又は回復させ、我が国の経済社会の健全な発見及び国民生活の安定向上に寄与すること」と書かれております。

では、定義は何かといいますと、「水循環」については「水が、蒸発、降下、流下又は浸透により、海域等に至る過程で、地表水、地下水として河川の流域を中心に循環すること」と定義されておりますし、「健全な水循環」という言葉がよく出てまいりますが、これについては、「人の活動と環境保全に果たす水の機能が適切に保たれた状態での水循環」と定義されております。

基本理念は第3条で5つ書かれておりまして、「1.水循環の重要性」ということでは、「水については水循環の過程において、地球上の生命を育み、国民生活及び産業活動に重要な役割を果たしていることに鑑み、健全な水循環の維持又は回復のための取組が積極的に推進されなければならないこと。」となっております。

水の公共性ということでは、「水が国民共有の貴重な財産であり、公共性の高いものであることに鑑み、水については、その適正な利用が行われるとともに、全ての国民がその恵沢を将来にわたって享受出来ることが確保されなければならないこと。」と持続可能な概念も入った形で公共性が謳われております。

「3.健全な水循環への配慮」ということで、「水の利用に当たっては、水循環に及ぼす影響が回避され又は最小となり、健全な水循環が維持されるよう配慮されなければならないこと。」となっております。

「4.流域の総合的管理」という概念が出てきております。「水は、水循環の過程において生じた事象がその後の過程においても影響を及ぼすものであることに鑑み、流域に係る水循環について、流域として総合的かつ一体的に管理されなければならないこと。」となっております。

最後に「5.水循環に関する国際協調」が書かれておりまして、「健全な水循環の維持又は回復が人類共通の課題であることに鑑み、水循環に関する取組の推進は、国際的協調の下に行われなければならないこと。」となっております。

第4条から第12条につきましては、「国・地方自治体の責務」でありますとか「関係者相互の連携・協力」、あるいは施策の基本方針、あるいは「水の日」、先ほど8月1日という話が局長のご挨拶の中でもありましたけれども、そのようなことですとか「法制上の措置」、「年次報告」、これは政府が報告を年に1回まとめるということでございますけれども、そういうことで書いてございます。

第13条が「水循環基本計画」、今日ご意見を頂戴する「水循環基本計画」、これから作って行くものでありますけれども、政府全体の計画として定められ、5年ごとに見直しをする、そのような全体の計画でございます。

第14条から21条が「基本的施策」として行われなければならないことで、8つのことが書かれてございます。

そして「水循環政策本部」、これは第22条から第30条でありますけれども、水環境に関する施策を集中的かつ総合的に推進するため「内閣に水循環政策本部を設置する」となってございまして、ここの大きな枠の1つが先ほど申し上げた「水循環基本計画の案の策定」となります。

ここで「関係行政機関が実施する施策の総合調整」、「水循環に関する施策で重要なものの企画及び立案、並びに総合調整」を行うとなっております。組織としましては、本部長が内閣総理大臣、副本部長が内閣官房長官と水循環政策担当大臣、そして本部員がすべての国務大臣ということで、全閣僚を挙げた組織となってございます。

資料1-2に移ります。

これは水循環基本法の全文でございます。時間の都合上、説明は割愛させて頂ければと思います。

資料1-3にまいります。

水循環基本法における基本計画等の動きについて書いてございます。

本部が設置されたのが7月1日でございますけれども、構成員は先ほど申し上げたとおりでございます。そこになお書きでありますが、全府省から構成する局長級の幹事会をあわせて立ち上げております。

最近の動向としては、二重線の所をご覧頂ければと思いますが、第1回本部会合が開催され、その後のスケジュール等が決まりました。10月10日に先ほど申し上げた幹事会、これは局長級でございますが、これを開催いたしまして、後ほど説明いたしました水循環基本計画の骨子を決定して、公表いたした所でございます。私ども、これを受けましてすぐに皆さんに資料をお送りした次第でございます。

今後のスケジュールでございます。

10月から12月にかけてこの水循環基本計画の骨子に基づき意見聴取をしてまいることになりますが、私ども環境省といたしましては、中央環境審議会水環境部会の場におきまして意見を承りたいということで、今日、開催かせて頂いた訳でございます。

また、並行して適宜様々な有識者の方から意見聴取を進めることとしてございます。

それ以降は原案を作成して、最終的に水循環基本計画の閣議決定に至るということでございます。

資料1-4をご覧頂くと、もう少し詳しいスケジュールがおわかりになるかと思います。これは幹事会で合意したスケジュールでございますが、7月1日に本部ができまして、18日に作成スケジュールが決まりました。そして幹事会で基本計画の骨子と、他に有識者意見の聴取の方法でありますとかスケジュール、今、説明したこの紙ですね、これが決まりまして、それから12月までの間に有識者意見聴取①と書いてある所をさせて頂くことになってございます。

この水環境部会を開かせて頂いて、有識者意見聴取の一部として活用させて頂くことになってございます。

後に基本計画の原案を作成してまいることになりますが、基本計画の骨子に肉付けする形で作成して行くことになってございます。

そして基本計画の原案から本部のほうで計画案として決定する訳でございますが、最終的に平成27年の夏までの出来る限り早い時期に基本計画の閣議決定をする、このようなスケジュールで進んでいこうと考えております。

時間的には、パブリックコメントも含めてかなりタイトでありますけれども、こういうことで考えております。

すみません、1つ申し遅れましたが、基本計画原案のたたき台を骨子から肉付けする形で作成した後に、もう一度有識者の意見聴取がされる予定でございます。

資料1-5をご覧ください。

これは本部幹事会のほうで定めました有識者意見聴取の方法でありますけれども、水循環基本計画原案の参考とするため、水循環基本計画の骨子等を提示しつつ、水循環に造詣の深い有識者から水循環基本計画の原案の方向性について全般的な意見をお伺いすることになってございます。

また、意見をお伺いする有識者の方については、各府省庁等の意見を聞き、水循環政策本部事務局が選定することになってございます。

意見聴取は対面あるいは書面等、柔軟性をもって実施することになってございます。

特に匿名を希望する方を除き、有識者名を付した形で意見を公表するという形で進めさせて頂くということでございます。

こういう流れの中での、今日の意見をお伺いする場だとお考え頂ければと思います。

さて、資料1-6にまいります。

こちらが今日、全般的に意見をお伺いしたい水循環基本計画で、幹事会において取り決めました骨子でございます。これに今後、色々な有識者のご意見を伺いながら肉付けして、先ほど申し上げた基本計画原案たたき台をつくっていこうということでございます。

簡単にですが、骨子を順に説明してまいります。

まず総論のところでは、基本計画の性格とか計画期間等について記述することが書かれています。これは具体的に性格でありますとか計画期間について記述してまいることになっておりますが、そこはこれから書いて行くということでございます。

この計画期間ですけれども、一応水循環基本計画は5年ごとに見直すことが法律にはございますので、それを念頭に置いたものになろうかと思ってございます。

次に、第1部は、水循環に関する施策についての基本的な方針を記すものとして考えてございます。これにつきましては、法律の基本的な構成をもとに準備してございます。と申しますのは、基本理念がございますので、それに基づいた形で第1部で、5つの点を順に書いています。法律では基本理念を簡単に書いてございますので、それを肉付けしていこうというものでございますが、ある程度肉付けしたものがこちらに用意されております。さらに有識者の方のご意見を踏まえて、それに肉付けしてまいりたいと考えている所でございます。

第2部は、水循環に関する施策に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策ということで、こちらは8つの点を書いてございます。これは最初に申し上げた水循環基本法の概要の所ですね、基本的施策が8つあると申し上げた、それに対応いたしまして8つの項目を起こしております。1が「貯留・涵養機能の維持及び向上」、2が「水の適正かつ有効な利用の促進等」、3が「流域連携の推進等」、4が「健全な水循環に関する教育の推進等」、5が「民間団体等の自発的な活動を促進するための措置」、6が「水循環施策の策定に必要な調査の実施「、7が「科学技術の振興」、8が「国際的な連携の確保及び国際協力の推進」でございます。

現在の所、各項目は2~3行ほどしかございませんが、これは法律から基本的な所を持ってきた訳でございますが、これは順次、各府省、そして本部での色々な議論を踏まえつつ、具体的な肉付けをして行くことになります。

最後のページ、第3部でございます。第3部は、「水循環に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための必要な事項」です。これは基本法で言いますと、第4条から第10条の国と地方公共団体等の責務でありますとか、関係者相互の連携でありますとか施策の基本方針、水の日、あるいは法制上の措置、年次報告などなどに相当するような所でございますけれども、そこに必要な事項として肉付けを考えている所でございます。

以上、非常に簡単ではございますけれども、骨子についての説明を終わります。

参考資料は、先ほど申し上げたとおり環境基本計画でございますが、環境基本計画も内閣で閣議決定をするものでございます。したがいまして、水循環基本計画と同格という計画、それも近々のものでございますので、参考になろうかと思って配布させて頂きました。

【岡田部会長】 それでは、これからご意見を頂きたいと思いますが、本日は最初に今のご説明に関してご質問等、ご意見を伺う前に明確にしておきたいといったご質問等がありましたらお受けしたいと思います。その後、本日の位置づけは資料1-4で言いますと有識者意見聴取①となっております。ですから通常の水環境部会とは若干異なりますが、大塚委員のほうから順番に、お1人ずつご意見を伺っていきたいと思っております。

最初に、今までの資料等に関してご質問がございましたら受けたいと思います。いかがでしょうか。

【古米委員】 水循環基本計画も、ここにある環境基本計画と同様に閣議決定されるということで、類似の対応する基本計画だということで認識しました。計画自体は3部に分かれて記載されると。環境基本計画はページ数で言うとかなりの多くになっていますけれども、水循環基本計画に関しては、短いことが問題であるとは思いませんし重要な内容が書いてあれば良いと思いますけれども、どの程度まで基本計画に書き込むのかは結構重要な点だと思います。想定されている具体的な部分というのは、ページ数で言うと大体どのぐらいを考えておられるのでしょうか。

これは質問というより、どうするのかは全体で調整されるものとは思いますけれども。

【岡田部会長】 イメージをつかみたいという趣旨だと思いますので、事務局、もしありましたら。

【大村水環境課長】 まず、この水循環基本計画でございますが、内閣府に設置された水循環施策政策本部で原案を作って行く形になります。その下に事務局ができておりまして、実は私自身も事務局のメンバーとなっている訳でございますけれども、実はその中で、どのぐらいの分量にしようということについては具体的な取り決めがある訳ではございません。皆さんのご意見を賜りながら、これから議論をして作って行くものだと私は承知しております。

【岡田部会長】 よろしいですね。

【福島委員】 今の古米委員のご質問と関係するのですが、環境基本計画を見させて頂きますと、取組推進に向けた指標とか具体的な目標までかなり細かく書かれています。今回、水循環基本法の概要を読ませて頂きますと、定義の中にも「健全な」とか、あるいは「適正な」ということで、若干皆さんそれぞれによって意味のとり方が違うような言葉が入っていまして、こういう言葉の中身も議論を進めながら、来年度の半ばぐらいまでにこの辺のことまですべてまとめるおつもりなのかどうか、それを聞かせて頂けないかと思います。

【大村水環境課長】 そこもまだ本部のほうで何か決定がある訳ではありませんけれども、私の理解といたしましては、既に閣議決定した環境基本計画がかなり詳しい定義までも含めて書かれているということでありますから、これから作る水循環基本法の基本計画も当然それを踏襲したものになろうかと思います。定義とかそういう考え方ですね。ただ、水の環境保全という点から足りない所があれば、さらにそれを加えて行くことになるのかなとは考えております。

【中田委員】 意見は後で述べたいと思うのですが、地球を循環する水の基本的な要素の1つである海洋に関する記載が非常に少ないなという印象を受けました。

基本法の総則の第2条に水循環の定義がある訳ですけれども、この中に「海域等に至る過程で」云々と定義づけされた経緯みたいなものがあれば教えて頂きたい。

【大村水環境課長】 申し訳ございません、冒頭、局長のご挨拶の中にもありましたけれども、これは実は議員立法でつくって頂いた法律でございますので、私もそこの経緯までは踏み込んで承知している訳ではございません。ご了承頂ければと思います。

【岡田部会長】 半分ご意見になるかもしれませんね。

【長屋委員】 中田委員に関連するのですが、今回の基本計画において、海は対象となるのか、ならないのか。いえばこの対象の範囲についてお伺いしたい。

第2条に書いてある「海域に至るまでの過程」というのは海を含むのか、含まないのか、ここについてご回答頂きたいと思います。

【岡田部会長】 今のもご質問かご意見か、ちょうど中間的な所ですね。

では、わかる範囲でお願いいたします。

【大村水環境課長】 海がこの中に含まれるのかということでございます。

こちらで明確には、まず水域としての海域というのは書いておらないという、地表水、地下水としてということが書いてあるので、明確に海洋を全部対象にしている訳ではありませんけれども、しかし、循環を構成しているという観点での必要な範囲について、入るのかどうかということか思います。

そこについては、必ずしも条文の中では明確になっておられないかと思いますが、この法律を目的として健全な水循環ということがございますので、それに必要な範囲について入れるべきなのかどうかといったご意見があれば、お伺いしたいと考えてございます。

【長屋委員】 まだ明確になっていないことはよくわかりました。

やはりここで基本法上も、前段でも、水というのは地球上を循環して、大気まで含めた循環、そういうものの構成要素に影響を与えるということでございますので、後ほどまた意見のほうで、是非ここは海も含めた循環ということでないと全体が構成できないと思いますので。

また後ほどお話ししたいと思います。

【竹村委員】 今の海域にも関係するのですけれども、私も議員立法を議員の方々のそばで聞いていまして、海が入っていないではないかという意見があって、入ったような記憶を持っています。

資料1-6の2ページ、今回の基本計画骨子の中の4、流域における総合的かつ一体的な管理の中で、2つ目の「◎」里地里山等というのは、役人の一番いけないのは「等」で全部書いてあるというごまかしなのですけれども、これはやはり水循環の一番後の決着が干潟と海域になるので、「等」ということで囲ってはいけないので、「里山、干潟、海域」という所までいかないと全く手落ちだと思っております。

河川の湖沼を入れろとかそういう細かいことはあるかもしれませんけれども、少なくとも海域は当然、私どもも水循環のターゲットの空間であることは認識しなければいけないかなと考えております。

そして全体的に見まして、第2部の政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策ということで、「政府」となっているのですけれども、中央の縦割りの行政が幾らやっても、これは本当に出来るのかといつも国民は心配している訳でございまして、縦割りの行政を克服するのは、実は流域を担当している地方自治体、県であり基礎単位の自治体であり、そういう所が縦割り行政を克服する一番の拠点でございますので、全体的に見て流域の方々が主役なのだという概念が若干薄くて、霞が関の行政の役割が強調されるのは良いのですけれども、一番の拠点は地方、流域だと思っておりますので、その辺の書きぶりをもう少しきちんと骨子の中に入れて行くべきではないかという感じを持っています。

【岡田部会長】 ありがとうございました。ただいまのはご意見として承りたいと思います。

それでは、これからお1人ずつご意見を頂きたいと思います。

時間の関係上、お1人最大5分、それ以上の部分は後ほど文書、メールで結構ですが、文書で頂ければ事務局として大変ありがたいと思います。

それと、本日色々な資料を出して、すぐに意見を出せというのも難しい所があるかと思いますので、もちろん今日頂いたご意見だけではなくて、それに加えて後ほど事務局のほうにご意見をお寄せ頂くのは当然構わない、歓迎だと理解しておりますので、よろしくお願いいたします。

それから、匿名希望という選択肢があるように理解しておりますが、もし匿名ということがございましたら、これは後ほどメールでお願いいたします。ここで頂いたご意見は匿名という扱いは若干難しいかと思いますので、ご承知おき頂ければと思います。

大塚委員から順番にご意見を賜りたいと思います。

ただ、これはあくまでも水循環基本計画の原案作成の参考という位置づけです。従いまして、頂いたご意見に対して事務局から個別に回答することは、本日は無いということで、ご了解頂きたいと思います。どうしてもご意見の中で質問したいということがあれば、明確におっしゃって頂ければ事務局からお答えするようにしたいと思います。

【大塚委員】 最初で恐縮ですが、3点ほど申し上げたいと思います。私自身の考え方が今、完全にまとまっている訳ではございませんので、後で補足させて頂きたいと考えております。

1つは、健全な水循環に関しては、今まで環境省も中心となって検討されてきた所でございますので、今回こういう法律ができ、基本計画が出来ることは非常に良いことだと思っていますけれども、環境基本計画のほうにも出ておりますが、従来、健全な水循環として考えられてきたときに、水量の確保の問題と安全な水質の問題と、あと水辺地の確保の問題と水生生物の問題と4つございましたが、そのうち3つ目の水辺地、あるいは親水と言われる部分が恐らく欠けていると思いますので、それをどこかに入れて頂く必要があるのかなと思います。

どこに入れるかはすぐに出てきませんが、例えば第1部の基本方針には入れて頂いたほうが良いと思いますし、あるいは第1部の最初の所には入れて頂くとありがたいと思いますし、2辺りにも入れて頂くとありがたいと思いますけれども、第2部のほうでどのように入れて行くかは若干難しいかもしれませんが、第2部の2辺りに入るかもしれませんけれども、親水の観点がないのではないかということを1つ申し上げておきたいと思います。

2つ目でございますが、今回のこの法律の制定の大きな意義として、公水とまでは言っていないけれども、水が国民共有の貴重な財産だということを挙げて公共性が高いと言っていて、これは法律の話になってしまうので計画では若干難しいかと思いますけれども、個人が水に関して所有権が及ぶことに関して、若干限定して行く可能性を秘めた規定になっていると思いますが、そこに関しては基本計画の中でもう少し膨らませることが可能ではないかという感じもします。ただ、これは基本的には法律で決めなくてはいけない話なので、基本計画にどこまで書けるかは微妙な問題かと思いますので、若干難しいかなと思いながら申し上げているのですが、ここだと骨子2ページの一番上の辺りが関係しますけれども、もう少し膨らませられないかなという感じがします。

ただ、ここは本当に所有権と関係する話ですので、どこまで書けるかはなかなか難しいかなとも同時に思っております。

第3点ですけれども、先ほど既にご議論ございましたが、今回これは国でやるということですけれども、実際に大事になって来るのは流域であり、自治体だということでございますので、その点が明確になるような書き方をして頂く必要があると思います。第1部の最初の所に関係して来るかと思いますし、あと、流域については第1部の4とか第2部の3の辺りにそういうことを書いて頂くと良いのではないかと思います。

【中杉委員】 2点だけ申し上げます。

1点目は、他の委員からも出ていましたように海が入るか入らないかということもあるのですが、海が入るとなると、イギリスの辺りで注ぎ込んでペルーの辺りで湧き出して来るという海洋大循環みたいな話もある意味では水循環、海の中での重要な水循環でございます。それから陸に上がっても、これは【要確認】関東ダイスイボウまで含めた議論をするのかどうかということで、私も昔、地下水汚染の問題を始めて地下水専門の先生と話をしているときに、どうも合わなかったのは、ごく近くの地下水、ごく近くの中での水循環の話で、【要確認】関東ダイスイボウで考えるような話にならないのですね。

だから、対象をどこにするかということと、そのような色々なレベルでの循環があることを十分踏まえた上で整理して頂く必要があるだろう。どこまで入れるかは私、特段意見を申し上げませんけれども、そのようなことを1つ指摘しておきます。

2点目は、水質と水量の保全の観点ですが、これは地下水の保全の観点で、涵養というのは非常に重要な視点であることは間違いないのですけれども、地下水の涵養というのは、ある意味では地下水への汚染物質の投入行為であることを忘れないでほしい。穴を掘ってどんどん放り込むと、途中で土壌によって浄化することなしに地下水に直接放り込むことになります。そういう視点もあるので、水質と水量の保全確保はお互いに矛盾する場合もあることを十分頭の中に入れておいて頂ければと思います。

【藤井委員】 水循環基本法が出来るまで、国民会議から議員立法を作る中で関わってまいりました。そんな中で、そのプロセスではNGOも100団体近くが参加しながら、どういう法律が良いかということでつくって来る中で水循環の政策本部ができて、このパブリックコメントであるとか専門家の意見を聞く、そういうことで最終的にこの非常に大きい本部が決めて行くとなると、本当に実効性があるかが大変懸念されます。ですから、今まで地方自治体を含めて色々ありますが、具体的に内容を充実したものにするために、この本部が具体的にどういうチームと連携しながら最終的に取りまとめて行くのか、そこが見えにくい形になっているなというのが1つです。

藤井が初めからこの国民会議の超党派の議員立法に関わろうと思ったのは、地域課題が幾つかあってのことで、1つは地下水の問題で、これは私水で公水ではないために汲み上げが非常に多くなって、地域の水生生物との関係の中で地下水が非常に失われて行く。では、河川から引き込もうとすると今度は水利権の問題があって、これはもう農水があるので生活水は回せないということで、水利権と地下水で随分とやってきている経緯が今もあるということが1つです。

それから琵琶湖、淀川の流域の中で、これは利害関係も関わってきますが、南郷洗堰のバルブの操作権が滋賀県にはありませんので、大きな災害が来るたびにこのバルブを閉める、開ける話で大きな問題が起きていて、流域の水の循環、それから管理という所を含めて、今までの河川法のままで良いのかということまで含めて国民会議の中では議論してきたのですが、最終的にはこの基本法をつくって行く中で、様々な既存の法律にどう食い込んで行くかという所まで見通さなければいけないのではないかという印象があります。

【鷲谷委員】 流域の総合的管理という必要性は認識されながら、実現していないマネジメントを理念に掲げているということですけれども、それが有効に機能するようにするにはどういう点が重要かを、理念的なり、示すことが重要ではないかと思います。循環システムを構成している水のプールとフローに関して、量、配分、質を決めて順応的な管理をすることが流域の総合的管理だと思いますが、かつてはほぼ自然の営力で駆動されていたフローが現在は人為的操作による部分が大きくて、それぞれのセクターが独自の利益に基づいて別個に操作することになっている訳ですが、流域管理はそれを調和的に管理することになると思うのですけれども、その手法はともあれ、自然の循環をどの程度回復させるかが一つの課題になると思います。そのことは、社会に直接の利益をもたらす部分もあると思いますし、生物多様性、多様な生態系サービスのポテンシャルを失わせないということを介して、間接的な利益ももたらすのではないかと思います。

そういう管理のための科学というのが重要なのではないかと思いますが、現在は、もう存在しなくなっている自然の循環のポテンシャルというものを把握して、様々な人為操作がもたらすことで、それがどのように変わり、色々なセクターとか社会全体への多様な利益と、場合によっては今でもそういうことが生じている訳ですけれども、コストとも言える負の効果も出て来ると思うので、それを予測することが重要ではないかと思います。

そういう意味で、総合的な管理のためには、一部はこれについてはモデルが既に存在する世界ではあると思いますけれども、そういう観点からの統合的な科学が重要なのではないかと思います。

【浅見委員】 3点、水利権の関係と水源事故、水質の関連のこと、あと地下水、藤井先生と多少重なる所があるのですけれども、希望を申し上げたいと思います。

1番目の水利権に関しましては、水道でも、非常に良質な水道水を良い位置から確保することが非常に困難な場合がありまして、取水口の位置の調整ですとか省エネルギーの観点、水質確保の観点から色々調整したいという希望はあっても、どこに相談を持っていけばどう調整出来るのかという所が非常に難しく、皆さん自治体さんとか、それぞれ持っていらっしゃる所が既存の所からなかなか離れられないという実態が、今回の法律で良い方向に行くきっかけになると非常に良いいことなのではないかと思っております。

2番目の水源に関しましては、事故対策ということで、最近、水質汚濁防止法関連でも改善している所ですけれども、化学物質もそうですし、生物に関しても藻類の発生や異臭味の被害、今年も琵琶湖の水辺の草はすごく臭いと色とで淀川の水源が非常に汚染されてしまったというようなこともありまして、毎年毎年色々な質の変わったものも出てまいりますので、そういった点でも管理をしっかりして行くという所が重要だと思います。

3番目の地下水に関しましては、藤井先生のご指摘のように、汲み上げが自由に行われてしまっている実態の把握、それから個人でそのまま井戸を使っている所の安全性が確保されているかはまだわかっていない部分が多いと思いますので、実態調査をしっかりして対策をとるきっかけになることを希望いたします。

最後、対策のほうですけれども、海外ですとか、国内でも幾つかの流域では主体的な流域管理といいますか、どこかの会社とか公社とか団体が連続的にそこの流域を管理するとか調整する機能をつくろうとしているような所があると伺っておりまして、そういう所が主体的に調整機能を持てるような仕組みを考えて頂けると大変ありがたいと思います。

よろしくお願いいたします。

【石川委員】 3点ほどご意見を申し上げたいと思います。

1つは、山間部あるいは中山間部、要するに川の相当上流のほうの水源地帯で、湧水あるいは地下水を取る場合が増えていると思います。ペットボトルに入れた水があちこちの名産品として売られていますけれども、そういうものが大量になった場合に、それが河川流量に相当影響を及ぼすのではないかということで、大量取水についてどう考えるのか、規制が必要なのかという点も入れてほしいと思います。

それは次の問題として、最近、外国人が日本の水源地帯の土地を買っていることが多く見られるということですが、それについても何か考えなければいけないのではないかと思います。

2点目は、人工林、スギの林の手入れが行き届かないでいるということで、大雨が降れば流木となって流れて、保水能力も少なくなっているという辺りの対策も、この計画の中で考えるべきではないかと思います。

3点目は、健全な水循環の恵沢の対象となるもので、水に関する色々な伝統行事みたいなものがあります。例えば灯籠流しとか花火大会とか水神祭りとか、そういうものが色々ありますが、そういうものが復活し、そしてそれを振興して行く振興策まで考えると、循環と、その恵沢を受けるそういう行事、そういうものが両立してうまく行くのではないかと思いますので、その辺も記述したらいかがかと思います。

【太田委員】私からは、水資源機構において総合的な水資源管理に関わった立場、それから農業・農村と水に関わる立場、この2つの立場からご意見を申し上げたいと思います。

まず、総合的な水資源管理のあり方ですけれども、これは渇水時の調整システム、あるいは利水者間で培った互譲の精神、こういったものを流域水循環の向上を図るために生かすべきだという意見です。

これまでたびたび渇水が起きておりますけれども、そういったものが克服できたのは、渇水時に利水者相互で節水の対応、あるいは用水の融通について真剣な調整が行われてきた結果だと考えます。いわばボトムアップによる調整システム、それから互譲の精神が発揮されてきた訳であり、こうした実績のあるシステムと精神、これは渇水時だけではなくて平常時における総合的な水循環の維持・向上にこそ生かされるべきものだと思います。

もちろん渇水調整の当事者は利水者という立場ですけれども、水循環についてはさらに広い範囲の様々な関係者が関わるような、そういうシステムづくりが重要なのではないかというのが1点目です。

2点目は、水循環への農業用水関係者の関わりです。

農業用水分野が水に関する意見を申し上げる場合、これまでは用水の管理主体である土地改良区、あるいは行政の農政担当組織が代表して述べてきていましたが、今後、用水に関わる非農家を含めた流域の幅広い関係者の意見も反映出来るようにして、健全な水循環の確保を担保出来るようにしてはどうかという提案です。

少し説明しますと、かんがい農業では河川から用水路で農地に水を引き、余分な水や農地に降った雨を地下に浸透させたり、排水路に集めて河川に戻したりしている訳ですけれども、これは言い換えれば、そのままでは海に流れてしまう真水をかんがい排水システムで地域に面的に広げて、また河川や地下水に戻すという、モンスーンアジアに特有の水循環系の重要な構成要素となっている訳です。こうした水循環の量的な面に加えて、平成13年に土地改良法が改正され、環境との調和に配慮するという条文がつけ加えられました。その結果、法改正の趣旨を踏まえた整備と水管理が進められてきており、現在では水循環系における水環境という質的な改善にも一定の役割を果たしているのではないかと考えます。

特に総延長40万キロという地球10周分に相当する水路網の大部分を占めるのは、末端の水路網、毛細血管に当たる部分ですけれども、これであり、その維持管理はこれまで主に農家が行ってきましたけれども、平成19年に非農家を含めた地域の協議会が担い手となって、その農地、水環境の保全あるいは向上をして行くという施策が制度化されております。現在約1万9,000地区の協議会で水路や農地と水環境を守る活動が進められておりまして、この施策は今年5月、農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律が成立いたしまして、法律補助制度として恒久化された所です。こうした状況を踏まえると、これまでの農業用水の主な管理主体である土地改良区や行政担当だけではなくて、非農家を含めた農地、水環境の保全・向上のための協議会の活動を、この水循環の向上に役立てる。この制度には環境教育等もプログラムの中に含まれているので、様々な関係者の意見集約の場になり得るのではないかという意見です。

よろしくお願いします。

【岡田部会長】 半分ほどの委員の方からご意見頂きましたので、ここで事務局のほうから何か、今まで頂いたご意見の中で確認したい点等がございましたら確認しておきたいと思いますが、何かありますか。よろしいですか。

よろしければ、引き続きご意見を賜りたいと思います。

【金澤委員】 先ほど何人かの方から海の問題をどうするのだという話がございました。私の経験等々からも、やはり海洋の水の問題は大きな意味での水の循環、我々が水を利用するとか、あるいは水循環に気候変動等の要因が非常に大きな変化を生じさせて、それが大きな問題を起こしているといった記述もございますが、そういう観点からも、やはり海の問題は避けて通れないだろうと思います。

そういう観点から2つほど具体的な意見を申し上げたいと思いますが、水の利用というのは我が国の場合、私は詳しくありませんけれども、一応雨が降って、河川を流れて、地表水あるいは地下水、そういうものを使うことによって国民の水需要が基本的に賄われているのだろうと思いますが、世界的に見れば当然、水不足で大変だという所もございます。例えば海水を淡水化するとか、あるいはいわゆる深層水の利用をどんどん図って行くとか、そういうことも国際的な立場から考えれば大きな問題であろうと思いますから、この中でも国際的協調をやるとか、あるいは科学技術の振興をやるといったことが書いてありますから、どこで取り上げるかは別として、そういう問題にきちっと対応することがこの基本計画の幅を広げ、深みを増すのではないかと思います。

もう一点は、地球の気候変動等の様々な要因がという所で、実は私がいます研究所で、もう30年になるのですが、茨城県の波崎という所で海岸線に桟橋を出しまして、海岸の変動、いわゆる海岸が浸食しているか、前に出ているかとか海底の地形がどう変化しているかということをずっと調べているのですけれども、そうすると、例のエルニーニョとかラニーニャといった地球の環境、気候変動、そういう影響で海岸線なり地形の変化が結構起こっていることが実証できてきているのです。

一方で、IPCCなどの地球温暖化の問題、COの報告書がありますが、地球温暖化によって当然海面水位が上がって来るという話もございます。また、昨今の非常な、何といいますか、つい最近もそうですが、物すごい雨が降るという話もございまして、そういう海の変化みたいなことが洪水を通じたり、あるいは渇水を通じたり、あるいは海岸が変化する。海岸がずっと浸食されて来ると当然それは河川の流れに影響を及ぼします。そういうことも含めて、だから雨が山に降って川を流れて海へ出てというだけではなくて、海の変化が逆に川を遡って上流にまで影響を及ぼすことも当然考えられますから、そういう観点からもきちっと検討されることが必要ではないかと思います。

【中田委員】 今の金澤委員のご意見と共通する所がかなりあるのですけれども、この基本法の全文、あるいは今日出して頂いております基本計画骨子の第1部の基本的な方針の中でも、地球を循環し、大気等と相互作用する水の循環の姿、あるいは気候変動等によってその水循環等が変化しているといった所を問題として取り上げておられることから考えても、水循環の、ある意味では始点であり、かつ終点になっている海域を含む観点を、是非この計画の中に取り入れて頂いて、水の循環のサイクルが完結するように考えて頂きたいというのが第1点です。

もう少し具体的に言いますと、海洋といっても河口、沿岸あるいは外洋でそれぞれ持っている役割あるいは水循環における位置づけ、重みの置き方は変わって来ると思うのですけれども、今、金澤委員からもご意見がありましたように、水循環の健全性のシグナルが海の環境や生物の変化として現れて来る事例も非常に多いので、是非海洋の環境や生物の保全の問題、あるいはその監視の問題、こういった点についての記述をどこかに盛り込んで頂ければと思います。

【長屋委員】 先ほど申し上げたように、水循環の基本計画を考えていかれる際には、是非海を含めた循環ということで考えて頂きたいということでございます。法律もその前文で書いてございますように、水が生命の源であって絶えず地球上を循環して大気、土壌等の他の環境の自然的構成要素と相互に作用して、多様な生態系に多大な恩恵を与えている、このようなことについて書かれているところでございますから、ここはしっかりと、海まで含めた水の循環というものを是非考えて頂きたいと思います。

あと、今の国会で審議が予定されておりますもう一本の議員立法がございます。瀬戸内海の特別措置法の改正の法案でございます。この法案をお願いしている私どもの基本的な考え方というのは、瀬戸内海をきれいな海だけではなくて、きれいで豊かな海にして行くということで、岡田部会長には瀬戸内海部会でもご議論頂いていて、大変感謝申し上げている所でございます。

先ほどもございましたように水というものが循環しながら、人の生活に大きな恵沢を与えている。その中で農業の生産物、そして海における漁業の生産物を食料として、供給する役割を担っているということも、是非この中でご認識を頂いた上でご検討を頂きたいということです。

資料1-6の第1部の下から2つ目の◎、「生態系への影響等様々な問題が顕著となっている」ということが書いてございます。この事も私が今、申し上げましたように、瀬戸内海における生物生産なり生物多様性に対する水環境の影響についても是非触れて頂きたい。海において、干潟であるとか藻場がしっかり存在しその中で多様な生物が生き生きと生きていることによって自然自体がその力によって水を浄化して行く、こういう力をさらに高めて行く、こういうことを海においても、また陸においても、進めていく必要があることについて触れて頂くことをお願いしたいと思います。

最後に、これは質問でもあるのですが、この基本法の議論において、先程藤井委員からもございましたけれども、狙いが一体どこにあってこの基本法の議論がされてきたのか。これはどなたかお答え頂ける方にお答え頂ければと思います。

基本法でございますから、これは理念法です。これによって何かの施策が行われるということではなくて、基本法は理念を定めた上で、他の法律なり施策で展開されて行くことになると思います。これがどの辺にその中心が置かれるのかということについて、もしもお答えが頂けるのであれば、お願いしたい。

私どもも、この中で余り欲張り過ぎて申し上げて行くと分散してしまうことになりますから、その辺についてご説明出来る方がいらっしゃいましたら、お話を頂ければと思います。

【岡田部会長】 それではここで止めて、事務局なり、藤井委員がよろしいかどうかわかりませんが……。

【藤井委員】 スタートは大変シンプルでございまして、縦割りの水制度と水管理体制が人と水とのあるべき関係をゆがめてきていて、水循環サイクルが壊されて久しい、このままで良いのですかというのがそもそものスタートなのですね。ですから長屋委員おっしゃるように理念法で、今、実はこの法律ができて、7月にフォローアップ委員会を立ち上げて、その中で私たちも具体的に政策を議論していこうということでやっておりまして、ですから海域の問題も、多分このメンバーの中に海域に詳しいメンバーがいなかったことが大変大きな欠点でございまして、そこの所は私も委員会に参加していながら気づきが─大分海の問題は出たのですが、その深さでは語れていなかったかなと思います。

ですから、狙いはそう大きいものではなく、ただし、省庁縦割りの中のこの構造を変えない限り、水循環は戻らない、そこから始まったということでございます。

【竹村委員】 この理念法がどういうゴールに向かっているのか、私の考え方を少しお話しします。

日本の近代化が膨張した人口と経済を克服するために、私たちはずっとその膨張に対してインフラ投資をしてきた。膨張する社会に対して社会を構築してきたということは、もう見事にそういうことだと思います。そのためには縦割り行政というのは極めて有効で、効率的で、公平な手法だったと思います。ただし、これからは膨張する社会ではなくて成熟社会になって行く訳ですので、この縦割り行政の事業法、それぞれの事業法を乗り越えて行く理念が必要なのだという議員の方々の発想はすばらしいものだったと私は思っております。

では、一体その理念法が何に基づくのかというとこまでは、国会議員の方々はそこまでは至らなかった訳でございますけれども、縦割り行政をやってきた霞が関の皆様方がこの理念に基づいて従来の行政を乗り越えた、新しい水循環という大きなテーマで縦割りを乗り越えて行く行政をどうやって構築して行くかということがゴールだと、私ははっきりそう考えております。

【岡田部会長】 藤井委員、竹村委員、ありがとうございました。

事務局から何かよろしいですか。

それでは、続いて西垣委員から。

【西垣委員】 先ほど竹村委員がおっしゃっていましたけれども、この法律は日本の国土をいかに有効に使おうかということだと私は思います。水というのは、山間部に降ってくるものであり、いかに山間部を守って行くかというその辺も考えて頂ければと思います。

私の分野に入りまして、私の分野で是非、この狭い日本と言われる国土全体の地質ですね、今、国地盤とか色々な学会等々で地盤をつくっておりますけれども、水に関しまして、水の器、特に地下水の器である地盤の状態をきちっと把握してもらえないか、特に地盤の強度とかそういうものに関しては最近、震災等々ございますから、そういうハザードマップ等々で調査されておられますけれども、水文地質に関しましてはほとんど、日本には水文地質学という学問がございませんので、是非水文地質について、頑張って国のほうでこれをつくって行く。時間がかかると思いますが、是非それをやって頂ければと思います。

2番目は、涵養に関しましては先ほど中杉委員からもございましたけれども、汚染水を涵養しない。ですから、屋根の上の水を集めて地下水に入れれば良いといった安易な地下への涵養ではなしに、涵養するのであればもう少しきっちりした水を涵養する、あるいはドイツ等でやっています涵養域というのですかね、湧水が出ている所のバックグラウンドまでを大切にして行くという法体制を日本もやって頂きますと、名水を守っていけるのではないかと思います。

3番目でございますが、先ほどから色々議論になっております海に関してです。

例えば、富山湾とか駿河湾というのは地下からの海底湧水が出ている、それが芳醇な漁場になっているという連続性ですね。海水が入ってこないとなってきますと、そういう豊富なミネラルを含んだ地下水がなくなってきているということと、これはまだきちっとした因果関係はとれていませんけれども、そのようなミネラルを含んだ淡水、これは地下水だけではございません、表流水に関しましてもダムをつくりますと、窒素とかリンとかそういうものが欠けて来ると海がやせて来るという所がございますので、そういうミネラルを含んだ表流水なり地下水をいかに守っていって、アメリカよりも長い海岸線を持っている日本ですから、そこでの海域の生物をどう守るかは大きな水循環の課題になるのではないかと思います。

もう一つ、最後は地震とか渇水とか洪水等々ございましたときに、多くの所では地表のことをおっしゃいますけれども、地下で下水管が割れたり何かしますと完全に地下水汚染になってしまうのですよね。ですからそのようなことに関して、健全な水を守ることに関しても、防災等々において地下水汚染を守るというぐらいの構造が、今後、強制的にそのような形のものをつくりなさいというような、あるいは井戸が津波で覆われましても塩水が入ってきますので、そのような所まで考えて頂ければと思います。

 また追って色々なことを出させて頂きます。

【西川委員】 専門外ですので簡単に、2~3質問をさせて頂きます。

まず、この基本計画の守備範囲についてです。環境基本計画に既に水環境保全という項目があるのですが、その切り分けをどうされるのかを確認させてください。

それに関連して、水というのは森林とも深く結びついておりますので、その森林に対してどれ位の対策を考えられているのかということ。

それから、より広く言えば上下水道でも水の循環には入る訳ですけれども、それは関係ないのかという点。

それから、気候変動に伴う集中豪雨等によって水の循環が一時的に大きく崩れることがあるのですが、文面からは恐らくそれも視野に入っていると思うのですが、本当にそうですかということ。

【岡田部会長】 出来る範囲で事務局からお答え頂ければと思います。

【大村水環境課長】 出来る範囲でお答えできればと思っています。

まず、環境基本計画と水循環基本法に基づく基本計画の関係でございますけれども、私どもの理解では、環境基本法は国全体の施策に関する環境保全の観点からの枠組みを示したもので、その下に様々な個別法があると考えておりますけれども、水循環基本法になりますと、環境保全という機能のみならず、例えば治水でありますとか、そういった水のその他の機能についてもカバーするような全体の理念を示したものとなります。したがいまして、関連の法律についてもこの基本法を受けた形で、もし必要であれば改定なされるようなことにもなろうかと思っております。

それから、森林などの水源涵養機能の話でありますが、上下水というものが循環の中に入るのかというご質問でございました。

今の水循環基本計画の骨子、資料1-6は本部の幹事会でご用意させて頂いたということでございますけれども、これをご覧頂くと、森林あるいは農地などの水源涵養機能というものも視野に入れて考えておりますし、また上下水道、水のインフラ関係、これも水循環の中の要素と、何も自然の流路だけが循環の要素ではなくて、上下水道あるいは用排水路といったものを含まれていると考えて頂ければと思っております。

以上でお答えになったかと思いますが、もし足りなければまた。

【西川委員】 結構です。ありがとうございます。

【福島委員】 2点ほどございます。

1点目は、先ほど質問させて頂いた具体的目標とか指標に関することです。先ほど来、環境省の場合には既に4つほど目標が決まっていて、それで計画をつくられているということですが、他の省庁もそれぞれ健全とか適正ということで色々な理念を持っておられて、特に災害等に関心のある省庁もあるでしょうし、水利用に中心的な省庁もある。そういったもの各省庁の持っている目標をなるべく早く相互にすり合わせて、従来、各省庁が縦割りであったということを目標づくりの面でどのように融合させて一つの目標に向かっていけるかを、まずは議論して頂きたいというのが1点目です。

2点目は、流域の相互的管理ということで、水の話を中心に今回、議論をしておられるのですが、実際に色々なことを行おうと思いますと、物質循環とか産業活動とか土地利用計画とか、そういったものをちゃんとセットとしてやっていかないといけないのかなと思います。ですので、こちらはもう少し長期的な視野でそういったものを議論して頂きたいと思います。

【古米委員】 大きいポイントを3つと、ここで述べるべきかどうかわかりませんが、細かいことで、気になっていることを3つ4つお話ししたいと思います。

まず1点目、今の福島委員の最初のご発言に関連しますけれども、やはり健全な水循環というものをどう定義して、適正な水利用はどういうものなのか。言葉としては書いてあり、その概念はわかるのだけれども、数値化するとは言いませんけれどもいかにそれを定量化することが重要だと思います。その意味において、水循環の対象として、量と質と生態サービスかもわかりませんけれども、それらを指標にするなり、その健全性のレベル、健全度みたいなものがないと、5年たって見直すとしても何か改善されて次にどう進めば良いかという所が非常に重要かなと思います。

定量化をどう考えて行くのかについては、やはり流域における水収支みたいなものがしっかり把握できていないといけないし、同時に水質等のモニタリングデータは従来どおりの方法で良いのか、あるいはデータの統合をどうすれば良いのかだとかの議論が必要だと考えます。また、毎年発行されている「日本の水資源」で報告されている水資源量や用水量データの中で、地下水利用が本当に正しく評価されているのか、あるいは農業用水のデータは他の用水量に対してどのぐらいの精度があるのかということを少しずつ明確にしていかないと、国民全体が納得するような形の水循環の健全性あるいは適正な水利用のための説得力を持たない議論になるのではないかという懸念があります。

健全性の指標という意味では、私も関わりましたけれども、環境省で水環境の健全性指標を提案しております。健全性を色々議論しているような過去の研究事例だとか検討事例を踏まえながら、水循環の健全度をどう定義するのか、あるいは適正な水利用はどうなのかということが定量化する努力が重要かなというのが1点目です。

2点目は、先ほど竹村委員から指摘があったように、第一部に大きく基本方針があって、第二部で政府がやること、そして第三部でそれ以外の所との連携が記載されると理解しますけれども、流域単位で水循環を考えると、ある地方自治体の範囲にすべての流域が入っている場合もあるでしょうけれども、今回の基本計画は国土グランドデザインぐらいのレベルの議論ですので、やはり政府がしっかりと流域全体を把握する立場になる、そして、その中で地方自治体がどう関わって行くのかを示す必要があるかと思います。あるいは流域協議会なりの管理主体というのですかね、実施主体は何なのかをはっきり定義しておかないと、結局誰が水循環の健全化に対して責任をとるのかという所が明確にならない。

そのとき私自身が気になっているのは、水文学的な流域ではなくて、やはり水利用の話になって来るとそれを使っている地域を含めた流域圏という部分で検討をすることが必要となります。要は水を使っている所と水文学的な流域が必ずしも一致していない現実をどう定義しておくのかが大事な点かなというのが2点目です。

3点目は、気候変動のことを若干は書いてあるのですけれども、平成27年の夏ぐらいに適応計画の策定が予定されていることを踏まえる必要があります。適応計画の策定は、大事な話ですので、やはり長期的なビジョンの中で、この水循環基本計画と気候変動への適応計画との整合性というのですか、その点にも留意をしておかなければいけないのではないかということです。

あと3つほど細かい点のお話をします。第13条の所に「予算措置をする」という記述があるのですが、第3部で記載される予定の施策を総合的かつ計画的に推進するための必要事項として、いかに費用負担をするとか、水循環を改善する努力、維持する、回復するというものに対してどういう予算確保の方針を持つのか。要は国の予算なのか、私自身はもう少し国民が十分に理解した上で、水循環の健全化に費用負担面で貢献するようなことが重要だ、といったことを感じています。細かい意見ですけれども、そういった財政だとかそこら辺のことを、この基本計画に書くのかどうかはわかりませんけれども、書くとすると第3部辺りに少し頭出しをして頂くと良いかなと思います。また、施策推進のために、教育、普及啓発、広報という所が大事ですが、要は情報や目標を共有する枠組みが重要なので、例えば、鶴見川の水マスタープランのような非常に良い事例があれば、そういったものを周知して行くことを積極に進めることを、第3部辺りに書くのも良いのかなということです。

次に、細かくはないのかもわかりませんけれども、水利用と言ったときに、水資源として地表水と地下水がある。今回「公共性の高い水」という言葉が出て、環境基準的にと言いますか、公共用水域に残念ながら地下水は入っておりませんので、そういう意味において環境基準はございますけれども、別々に設定されております。地下水は公共的なものでありながら私的にも使って良い水源を、この水循環基本計画の中でどう位置づけてどう扱うのか、あるいは地下水の情報をどう統合して水循環計画の、先ほど申し上げた水収支だとかそういった所にどうはめ込むのかが非常に大事なのかなと思っています。

最後ですけれども、手前味噌ではありませんけれども、ちょうど持続的な水利用システムのJSTの戦略的創造研究推進事業(CREST)のなかに「持続可能な水利用を実現する革新的な技術とシステム」という研究領域が設置されております。このCRESTで多くのプロジェクトが進んでおりますので、その成果を参照頂きながら基本計画を考えて頂くと良いかなと思います。

【竹村委員】 先ほど申し述べましたので、具体的にもう少しお話しさせて頂くと、縦割り行政の克服と申しましたけれども、具体的に言いますと、水に関する各個別法の改正、この水循環基本法に基づく個別法の改正という所に各省庁いって頂きたい。来年やれといったって無理なので、例えば10年後にやってくれと言えば、みんな「10年後ならやっても良いな」と思うでしょうから、そういう長期的な目線で水循環基本法に基づいた個別法の改正を、是非考えて頂きたいということです。

具体的に言いますと、他の省庁のことは私、言えませんけれども、ずっと河川行政をやってきましたので河川行政についてお話しさせて頂きますと、河川行政は昭和39年、ちょうど50年前、河川法の第1条で水の利用ということを明確にしまして、実に高度成長を上手に乗り切った。きちんとした公水という概念でもって、社会的な近代法の中で水利用に関してルールがで来た、それが実は先程太田委員がお話しされた江戸時代の慣習法に基づいた近代化のルールなのですけれども、でも、少なくともきちんと水のルールができて来た訳ですけれども、現在それが形骸化しつつございます。

と申しますのは、流域という概念がなかったために、河川法は堤防の中しか見ておりません。堤防の中に流れている表流水しか見ておりません。それに対するコントロール、マネジメントなのですけれども、実態は流域全体で地下水が流れておりまして、今、地方で何が行われているかというと、各地方自治体の水道行政が極めて困難な状況になっております。東京、横浜等の大都市は別ですよ。そんな所はもう楽勝なのですけれども、地方の中核都市の水道行政が極めて今、厳しい状況にあります。

なぜかというと、人口減少ではないのです。地下水の汲み上げで、特に大学です。大学とアウトレットと病院と、そういう所が自分の敷地の中でどんどん地下水を汲み上げて、簡単にきれいにする技術ができていますので、ですから水道の配管は市にさせながら一切水を使わない訳です。緊急事態にだけ使おうということで、では実際、各地方の水道行政の根幹的な水源費とか浄水場の費用だとか、メインのパイプの配管の費用負担、これは誰がやっているかというと、個別の家庭が払っている訳です。大事業者が使わない部分は全部個別の家庭が負担している訳です。ですから今、例えば神戸と横浜ですが、人口はどんどん伸びているのに水道料金による収入は大きく減少している。というのは、新しく出て来る事業者たちは自分たちで地下水を汲み上げているからです。それは河川法の中ではない訳ですね。

だから規制しろということではないのですよ。これはみんなが使って良いのですけれども、そのダメージを、その地方の困窮に陥っている水道事業体をどうやってみんなが救って行くかとか、この流域全体の水利用の中でどうやって水道事業を支えて行くか、そういうことを一緒に考えても良いということが大事であって、地下水汲み上げを規制しろということではないのですよ。これは適正に使って良いのですけれども、それを使っている方々は、空気を使って工場で生産して排煙を出さないように努力している訳ですので、水も同じように、流れているものを使って生産性を上げて良い訳ですが、ただし、それで流域としてダメージがもしあるのなら、またはダメージを受けている水道企業体があるのなら、それをみんなでどうやって支えて行くかということぐらいは、こういう水循環基本法で初めて水利行政と水道行政が初めて一体となって考えていける、または工業立地とか大学立地とか、そういう所が一緒になって考えていけることになるのかなということで、最終的に個別法の改正を是非お願いしたいということは、従来与えられた権限、空間の中だけの議論ではなくて、もう少し幅広い概念で考えて頂けたらと思っています。

第2点、最終的にはこれは政策決定者、国会議員の方々が水循環基本法の骨子に感動して「では、やろう」という所に持ち込まなければどうしようもありません。霞が関の行政の頭の良いチームが良い文案をつくっても何もならないので、要は国会の先生方、全国に散らばっている国会の先生方が感動して「それでは、やってやろうじゃないか」と、各地域で。北海道から沖縄まで。そういう所へ持ち込むための霞が関の役目は何なのか。地方の国会の先生方、政策決定者に何を与えて行くかがとても大事になって来るなと思っております。

それは良い政策であり良い技術、地下水の可視化とか、例えば様々な技術があると思うのですけれども、そういう技術を駆使して国民に訴えるということは、実は国会議員に訴えることですので、この骨子の中で私ども、この行政の中で閉じるのではなくて、あくまでもメインは個別の改正であり国民への訴えなのだ、大きな動きなのだという概念を持って進められたほうが良いのかなと考えております。

【岡田部会長】 どうもありがとうございました。たくさんのご意見、感謝いたします。

まだ若干時間がございますので。

【中杉委員】 先ほど申し上げようかと思って躊躇していたことが1つあります。

水循環を妨げる人間活動をどのように押さえて行くかという話で、具体的な例で言いますと、最近話題になっているリニア新幹線が水循環を大きく妨げるのではないかという懸念を持たれている。そういうことに対して何か物が言えるのかと思って、これは基本法をもう一回見直してみて、第6条の(事業者の責務)という所を見ました。「事業者は、その事業活動に際しては、水を適正に利用し、健全な水循環への配慮に努めるとともに、」と。水を利用する際には適正にやりなさい、それがメインなのですね。その他に、後で国が実施する水循環に関する施策に協力責務と書いていますけれども、例えばリニア新幹線、あれが問題あるかどうかという議論をここでするつもりはありませんけれども、ああいう活動に対してどのように考えて行くのかという視点がそもそも基本法で抜けているのではないか。基本法で抜けてしまっていると基本計画に入らないのかもしれませんけれども、そこは非常に重要なポイントではないかということに気づいてしまいましたので、あえて指摘させて頂きます。

【大塚委員】 最初に話したので不十分で申し訳ありませんでしたが、2点ほど追加しておきたいと思います。

流域に関して、どこが中心になって流域の管理をするかというのは大事な問題で、私さっき自治体と言ってしまいましたが、古米委員にもおっしゃって頂きましたけれども、フランスではフランス全体を6つの流域に分けて、それぞれ1つずつ流域財団をつくって管理をしています。日本でそういうことをやるのは恐らく相当大変だろうとは思いますが、流域協議会とか何か具体的な例を出して、この基本計画の中に入れて頂いて、そこには住民も入るようなことを打ち出して行く必要があるのではないか。

さらに、本当はそういう流域財団みたいな今の自治体とは別の組織をつくったほうが、恐らく流域の管理はしやすいのだと思いますけれども、その辺はすぐには難しいかと思いますし、法律の話になって行くのではないかと思いますけれども、検討が必要だと思います。

もう一つ、水循環との関係だと雨水の浸透の話が結構重要になってきますけれども、どこかに入っていると思うのですが、これも個別法との関係ですけれども、例えばドイツの土壌保全法には穴を開けて雨水が浸透しやすいようにするといった規定が入っていたりしますけれども、そういうことを個別法の中で検討して行くことを考えるべきだと思っております。

【太田委員】 先ほどの1番目の提案に対して、もう少し具体的にイメージをご説明申し上げたいと思います。

流域を管理する場合に、IWRM(総合水資源管理)という世界的な概念があるのですけれども、これの基本はプロセスだと言っているのですね。もちろんゴールはあるのですけれども、そのプロセスが大事だと言っていますので、それに向けて例えば情報の共有、それから透明性、それから人々の関与、こういう3つぐらいの所をしっかり担保出来るようなシステム設計といいましょうか、今、大塚委員が言われたようなことができればと思います。

特に情報の共有の所は、えてして行政は、私もそういう経験をして来た訳ですけれども、何か物を外に出せば伝わったと思うのですけれども、実際はほとんど伝わりません。今、市町村の回覧板でも本当のことをいうと横に流すような状況なので、やはり関わるということを通じて人間はより関心を深くして行くということがあるので、そういうことを、先ほど教育だとか色々な場面の話がありましたけれども、それとうまくリンクさせて行くことが非常に大事なのではないかと思いますので、そういう視点をうまく盛り込んで頂ければと思います。

【西垣委員】 これは今、環境省の委員会で、水は日本では非常に豊富でしょう、その水を守りましょうと。では、守ってどうなのだという、それが非常に大きな、石油より高い資源なのですよ、水のない国にそれを売っても良いのではないかというぐらいの割り切りが出来るかどうか。だから、確かに日本は瑞穂の国で、水が豊富ですし、日本国民は1億3,000万人がこれから8,000万人ぐらいに人口が減っていきますから、どれだけの人が水をどれだけ利用して行くのか、余った水をどうするのか、何かその辺が、水は日本国民の財産だと、それをどういう形で有効利用して行くかということを考えて頂いても良いのではないかと思います。

【岡田部会長】 他に、よろしいですか。

ありがとうございました。

委員の先生方に色々おっしゃって頂きましたので特段ないのですが、私から1つだけ、皆様方が余りおっしゃらなかった国際的協調の話でコメントさせて頂きたいと思います。

「国際的な協調の下での水循環に関する取組の推進」を見ますと、「世界全体」とか「世界共通」とか、そういう世界一般的な話が割と多く出ております。もちろん事務局のイメージの中にはあるのだと思いますが、ご承知のように、例えばバーチャルウォーターみたいな概念ではかると、日本が使っている水資源量とバーチャルウォーターとして輸入している水資源量は同じ位あると言われている訳ですね。

そういう意味で、世界全体というよりも我が国が様々な物資を輸入している、例えばオーストラリア、アメリカ、他の国もこれから出て来るかもしれませんが、そういう国々の水資源もしくは水循環に非常に大きく我が国が依存しているという、世界全体で何とかではなくて、個別にもう色々やっているという話をこういう中で今後どのように考えて行くかという視点は、少し具体的に考えたほうが良いのか、考えないほうが良いのか、色々難しいことはあると思いますが、頭の中に入れておいて頂ければありがたいと思います。

他にございますでしょうか。─ありがとうございました。

それでは、最初にお約束いたしましたように、今日の時間は限られておりますので、また頭の中を再整理し、もう一度読んで頂いて何かお気づきの点が出て来るかもしれません。その際は是非事務局に、メール等の文書が一番よろしいかと思いますので、文書でお寄せいただければ事務局としても大変ありがたいと思いますし、事務局というか、むしろ我が国の水循環基本計画の推進に非常に有効になると思いますので、是非ご協力のほどをお願いいたします。

そのようなご意見を頂いた後、事務局におきましては委員ごとにご意見をまとめ、水循環政策本部に提出することになっておりますので、ご了承頂きたいと思います。

いま一度、具体的な今後の作業について事務局よりご説明をお願いいたします。

【大村水環境課長】 委員の先生方、大変貴重なご意見どうもありがとうございました。

 今、先生方にご発言頂いた内容につきましては、これから議事録をベースに各先生のご意見として素案をつくって、メールなどで送付させて頂きます。その際に内容の確認を頂きますとともに、もし今日の番目でご発言できなかった、あるいは追加したい点等々ありましたらその分を加筆など頂きまして、11月14日までにお送り頂ければと考えてございます。

その後、これから水循環計画原案の骨子に肉付けして参る訳でございますが、頂いたご意見はその際、参考とさせて頂きます。当然水循環基本法のもとでの計画となりますから、あくまでも基本法の範囲内ということでございますけれども、今、せっかく頂いたご意見でございますので、色々本部の中で、どのように反映して行くか考えて行くことになろうかと思います。

また、基本計画でございますけれども、これは当面の、といいますか、まずは取り組むべきものということでございますので、あるいは長期的な課題もあるのかもしれませんが、その辺りを入れることもあろうかと思います。

ご意見を頂戴した後、具体的な肉付け作業に入って行く訳でございますけれども、一つ一つ頂いたご意見に対してご回答してから原案をつくって行くというものではありませんので、その点もご了承頂ければと考えてございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。

 水循環基本計画の議論はこれまででよろしいでしょうか。─ありがとうございました。

 それでは次に、議題2の報告事項にまいります。

 海洋汚染防止法の改正について、事務局よりご説明をお願いいたします。

【坂本海洋環境室長】 海洋環境室の坂本でございます。

お手元の資料2、3枚物でございますが、ご覧ください。

「バラスト水管理条約とは・・・」となっておりまして、皆さんご承知でしょうけれども、正式名称は「2004年の船舶のバラスト水及び沈殿物の制御及び管理のための国際条約」でございます。

目的につきましては、船舶のバラスト水を適切に管理し、バラスト水を介した有害水生生物及び病原体の移動を防止、最小化、最終的には除去することによりまして、海洋環境の保護、生物多様性等の保持を図るというものでございます。

採択・発効要件でございますが、採択は平成16年でございます。発効要件については2つございまして、1つが30カ国以上の国が批准すること、もう一つが、その国々の合計商船船腹量が世界の全商船船腹量の35%以上となった日の1年後となっております。現状、批准国の数は41カ国、合計商船船腹量は2014年10月9日現在で30.25%となっております。これ、実は日本の数字が1つ入っていないと思いますが、実は日本は1.5%ぐらいありますので、少し上がろうかと思います。

続いて条約の概要でございます。

バラスト水管理の実施で、船舶の建造時期及び大きさに応じまして、排出基準を満たすバラスト水処理を義務化しております。なお、排出基準適用開始までは、バラスト水をある海域で交換することも可能でございます。

バラスト水の排出基準、この表にございますけれども、対象生物としてはプランクトン、そして細菌ということで、50ミクロン以上の比較的大型のものにつきましては、1立米当たり10個が上限、そして比較的小さい10ミクロンから50ミクロンの生物につきましては、1cc当たり10個未満となっております。細菌につきましてはご覧のとおり、病毒性のコレラ、大腸菌、腸球菌等について規制がございます。

なお、締約国間で規制の免除を行うためのリスクアセスメントを行うこととしておりまして、仮に締約国間でこの合意がなされれば、その国との間ではこういったバラスト水の規制は適用から外れることになります。

あと、日本の周辺で、先ほど一定期間はバラスト水交換でも構わないと申し上げましたけれども、その交換水域を指定する必要が出てまいります。

それから、船舶に搭載する装置といたしまして、化学物質等を用いた処理装置を国として承認して行く形になります。

右に参りましてその下でございますけれども、昨年時点、国交省とか環境省で考えていた部分でございますけれども、条約発効に備えた国内法整備に係る課題ということで、条約の発効要件を間もなく満たす─30%を超えておりましたものですから、早急に国内法の整備を行う必要があるという認識を持っておりました。その理由としては2つございまして、発効前に批准できない場合、国際的な信用を失う可能性があることが1つでございます。2つ目といたしまして、批准国の周辺海域で航行上の制約を受けることになるため、日本の海事産業に極めて大きな影響を与えるのではないかという懸念がございまして、改正の手続に入った所でございます。

 2枚目をご覧ください。

タイトルの最後が「法律案」となっておりますが、今年6月にもう法律ができましたので、「案」はとってください。申し訳ございません。

この背景でございますけれども、もうご承知のとおり、バラスト水は船舶の航行に当たって安定を確保するための重石になるものでございます。ただ、一方で、バラスト水に含まれる生物がバラスト水とともに本来の生息地でない外国に排出されることによって、環境問題が顕在化しているということで、右側にゼブラガイの話、アメリカの五大湖ですけれども、あと中国のモクズガニ、上海ガニですね、これが欧州のドイツとかバルト海で大発生をしている。日本においては、もう随分昔でございますけれども、ムラサキイガイが入ってまいりまして漁業被害を与えている。他方、我が国のワカメがオーストラリアとか北米大陸に行って大量に繁殖しているといった事例がございます。

 次に改正の概要でございます。

まず排出規制ですが、基本的に船舶からの有害のバラスト水の排出を禁止いたします。2つ目といたしまして、船舶所有者に対する義務づけを行います。主に3点ございます。まず、処理設備を設置して頂くこと、それから管理者を選任して頂くこと、3つ目に、手引書の作成及び備え置きをして頂くこと。それから、船舶の責任者でございます船長に対する義務づけがございまして、そのような色々なバラスト水の処理について行って頂く訳ですけれども、記録簿を備えつけてその経緯なり結果を記録して頂くことになります。

 規制の担保といたしましては、船舶検査を実施いたしまして国際証書を我が国船舶に交付する。2つ目といたしまして、外国籍の船舶につきましては立入検査を実施し、国際証書、記録簿等を確認することによって、この条約が順守されているか否かチェックするというものでございます。

最後でございます。資料の3枚目、我が国の対応でございますが、先ほどお話ししたとおり、今年6月通常国会におきまして海防法の改正を行いました。その後、関係する政省令等の改正も行ってまいりまして、今月10日はそういった準備ができましたので、IMO本部において、我が国の加入書をIMOの事務局長に寄託したということで、我が国も加盟国になっております。

【岡田部会長】 ただいまのご説明に関しまして、ご質問、ご意見等ございますでしょうか。

【中杉委員】 バラスト水条約は、これまで法律の担保がなかったもので、他にも担保がない条約があるのですけれども、担保をつけて頂いて結構だと思うのですが、1つだけ教えて頂ければと思うのですけれども、バラスト水交換の海域の指定というのは、まだやっておられないのですよね。これは具体的にどうされるのか。日本の場合だとバラスト水交換、例えば東京湾の中という訳にはいかないので多分外に出て行くとなると、バラスト水交換のために船を動かさなければいけないことになりますよね。現実的にあるのかなということが1つと、それから、2016年まであと2年間ですよね、それが認められるのは。そういう意味で、具体的なあれとして海域の指定を予定しておられるのかどうか。それが指定されないと、このバラスト水交換はできない訳ですよね。

【坂本海洋環境室長】 バラスト水の交換水域でございますけれども、おっしゃるとおり暫定的な規制措置でございますが、基本的には沿岸から50マイル以上の海域での指定になろうかと思っております。今後、国交省または私ども内部の各部局と相談しながら、多分今年中もしくは今年度中には条約の発効基準を満たし、そして1年後ですから来年度中には発効する可能性があるということを考えれば、それに間に合うような形で交換水域を設定するための手続を進めていきたいと考えております。

【岡田部会長】 他にございますでしょうか。─ありがとうございました。

特段なければ、以上をもちまして第36回水環境部会を終了させて頂きます。

事務局にお返しいたしますので、連絡事項等がございましたらお願いいたします。

【司会】 本日はお忙しい中、長時間にわたるご審議を頂きありがとうございました。

議事録につきましてはこちらで案を作成し、先生方にご確認頂いた後、ホームページで公表する予定としておりますので、よろしくお願いいたします。

また、お手元の資料につきまして郵送をご希望の場合は、封筒にお名前をお書き頂ければ事務局より郵送させて頂きます。

これにて本日の部会を終了いたします。ありがとうございました。

午前11時48分 閉会

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