中央環境審議会水環境部会(第28回)議事録

開会

議題

  1. (1)水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第3次報告)(答申)
  2. (2)総量規制基準専門委員会の廃止について
  3. (3)地下水汚染の未然防止対策について(諮問)
  4. (4)その他報告事項
    • 第7次水質総量削減について
    • 亜鉛に係る暫定排水基準の見直しについて
    • 今後の水環境保全の在り方について(取りまとめ)について
    • 東日本大震災への対応について

閉会

配布資料

資料1 中央環境審議会水環境部会委員名簿(平成23年7月22日現在)
資料2 水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第3次報告)
資料3-1 総量規制基準専門委員会の廃止について
資料3-2 化学的酸素要求量、窒素含有量及びりん含有量に係る総量削減基本方針の概要
資料3-3 化学的酸素要求量、窒素含有量及びりん含有量に係る総量削減基本方針
資料4-1 水質汚濁防止法に基づく有害物質貯蔵指定施設となる対象施設並びに有害物質使用特定施設等に係る構造等に関する基準の設定及び定期点検の方法について(諮問)
資料4-2 水質汚濁防止法の一部を改正する法律の概要
資料5 亜鉛に係る暫定排水基準の見直しについて
資料6-1 今後の水環境保全の在り方について(取りまとめ)
資料6-2 今後の水環境保全の在り方について(概要)
資料7 東日本大震災への対応について
参考資料1 中央環境審議会関係法令等
参考資料2 水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(平成14年8月15日諮問・付議)

議事

午前10時00分 開会

【池田課長補佐】 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会第28回水環境部会を開会いたします。
 開催に先立ちまして、本日の出席委員のご報告をいたします。所属委員35名のうち、過半数の26名の委員にご出席いただいておりますので、中央環境審議会令第7条第3項により、準用する同条第1項の規定に基づき定足数を満たしており、本部会は成立しておりますことをご報告いたします。
 また、本日は、鈴木中央環境審議会会長にもご出席いただいております。
 なお、本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき、公開とさせていただきます。
 初めに、水・大気環境局長の鷺坂よりごあいさつを申し上げます。

【鷺坂局長】 おはようございます。水・大気環境局長の鷺坂でございます。
 本日は、大変お忙しい中、また、大変お暑い中、多くの委員の皆様にご出席をいただきまして、厚くお礼を申し上げたいと思います。
 また、委員の皆様には、日ごろより水環境行政の推進につきまして、何かとご指導、ご鞭撻を賜っておりまして、この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。
 さて、本日の議題でございましては、環境大臣より中央環境審議会に諮問し、そして水環境部会の環境基準健康項目専門委員会でご検討いただいておりました「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直し」の第3次報告につきまして、委員会の検討結果、それから、それに基づく答申案についてご報告いただきまして、ご審議いただきたい、このように考えております。
 また、総量規制基準専門委員会の廃止、それと、さきの通常国会で成立しました水質汚濁防止法の改正を受けての「地下水汚染の未然防止対策」、こういった事柄についても、あわせてご審議を願えればと、このように考えております。
 そして、その他のところで、東日本大震災への対応等についてご報告させていただきたいと思います。環境省といたしましても、東日本大震災への対応等につきましては、さまざまな対応をさせていただいておりますけれども、特にこの部会に関係しますことになりますと、さまざまな水環境関係のモニタリングを実施しているところでございまして、有害物質等のモニタリングもしているところでございます。
 また、放射性物質への対応等につきましても、特にモニタリングにつきましては、政府全体の中の役割分担のもとに、特に水環境分野につきましては環境省が中心となって、河川でありますとか、地下水でありますとか、それから、海洋の、原発の周辺というよりも少し離れたところの一部について対応をしているというところでございます。
 また、先日、官邸の官房長官からの指示に基づきまして、海水浴シーズンを迎え、海水浴場の水質の目安を定めたところでございます。
 このように、震災対応につきましては、さまざまな課題に対応して、環境省としてこれまでの知見を生かして、できる限りのことを対応させていただいている状況でございますけれども、今後ともいろいろな課題が出てくるのではないかと考えておるところでございまして、委員の皆様方のさらなるご指導、ご助言を賜りますよう、重ねてお願いを申し上げたいと思います。  簡単ではございますけれども、本日、よろしくご審議をお願い申し上げまして、私からの簡単なごあいさつとさせていただきます。
 どうかよろしくお願いしたいと思います。

【池田課長補佐】 次に、本日の審議のためにお手元にお配りしております資料につきましては、資料一覧のとおりとなっております。もし配付漏れ等がございましたら、事務局までお申しつけください。
 それでは、議事に移りたいと存じます。
 これよりの議事進行につきましては、岡田水環境部会長にお願いいたします。
 岡田部会長、よろしくお願いいたします。

【岡田部会長】 かしこまりました。おはようございます。
 それでは、早速、第28回水環境部会の議事に入らせていただきます。
 本日の議題は、審議として、最初に、「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて」、第3次報告の答申がございます。  次に、「総量規制基準専門委員会の廃止について」。
 3番目に、「地下水汚染の未然防止対策について」。
 この諮問に関する3件がございます。
 また、報告事項といたしまして、「第7次水質総量削減について」。
 それから、「亜鉛に係る暫定排水基準の見直しについて」。
 3として、「今後の水環境保全の在り方について」の取りまとめについて。
 4、今、局長が申し上げました「東日本大震災への対応について」の4件となっております。
 それでは、まず、審議案件(1)水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直し、第3次報告についてでございますが、これは平成14年8月15日付で環境大臣より諮問され、環境基準健康項目専門委員会において検討していただいてきております。
 本日は第3次報告についてご審議いただき、部会としての答申案を取りまとめさせていただきたいと思います。
 それでは、環境基準健康項目専門委員会の委員長をお願いしております須藤先生から、最初に全般的なご説明をいただきたいと思います。
 では、先生、よろしくお願いいたします。

【須藤委員】 かしこまりました。それでは、どうぞ、資料2をご覧になってください。
 私は、今ご紹介いただきました環境基準健康項目専門委員会の委員長をおあずかりしております須藤でございます。須藤から、この概要についてご報告させていただきます。
 環境基準健康項目専門委員会におきましては、水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準の見直しにつきまして、随分昔になるわけですが、平成14年8月にいただいた諮問に関して、平成16年2月に第1次答申、平成21年9月に第2次答申を取りまとめました。
 今般、平成22年9月より専門委員会を再開し、第2回目の専門委員会を12月に行い、本年1月のパブリックコメントを挟んで、3月22日の3回目の専門委員会におきまして、第3次専門委員会報告として取りまとめましたので、ここにご報告させていただきます。
 今回の報告は、人の健康の保護に関する環境基準につき、カドミウムの基準値の見直しをやりました件でございます。
 それでは、資料2の1ページ目をご覧になってください。
 環境基本法に基づく水質汚濁に係る環境基準は、公共用水域について維持することが望ましい基準として定められている行政上の目標でございまして、現在、人の健康の保護に関する環境基準については、公共用水域について27項目、地下水については28項目が定められております。
 それでは、2ページ目をご覧になってください。
 今回の検討におきましては、平成20年に食品安全委員会において新たな毒性評価値が示され、平成22年に水道水質基準及び農用地の土壌環境基準が見直されたカドミウムにつきまして、これらの検討結果を踏まえた水質環境基準値の見直しを行いました。
 検討の基本的な考え方につきましては、平成16年の第1次答申並びに平成21年度の第2次答申に示された考え方を踏襲させていただきました。
 それでは、次に4ページから、それ以降をご覧になってください。
 具体的な検討結果といたしましては、公共用水域及び地下水におけるカドミウムの基準値につきましては、現行の0.01mg/L以下を、0.003mg/L以下に改めることにしております。
 それでは、最後のところに触れさせていただきます。巻末をご覧になってください。
 今後は、残る農薬につきまして鋭意検討を進めるとともに、引き続き、より適切な水質環境基準健康項目の設定に向けた検討を行うことといたしております。
 大変簡単ではございますが、報告書の概要について報告させていただきました。
 以上でございます。

【岡田部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、事務局から補足説明があれば、続けてお願いいたします。
 では、吉田課長、お願いいたします。

【吉田課長】 水環境課長、吉田です。それでは、私のほうから若干補足させていただきたいと存じます。
 今、須藤委員から報告書の概要についてご報告いただきましたので、データ等について補足させていただきます。
 資料の後ろのほうに別紙1、2というのが配られております。その別紙1の1ページをご覧下さい。
 カドミウムの検出状況の表をお示しさせていただいております。上段が公共用水域、いわゆる河川、海域、湖沼等になるわけですが、平成11年から20年までの間で、測定地点数というのが一番左にありまして、右側に、基準値超過地点数というのがあります。平成11年、7地点、12年、8地点、そして平成20年が6地点です。これが今回の0.003mg/Lを超過している地点数です。
 それから、その右側に10%基準値超過地点数とありまして、これが0.003の10分の1ですので0.0003mg/Lになるんですが、それを超過している地点数ということです。
 見ていただきますとわかりますように、毎年全国どこかで基準値を超過している地点があるという状況が見てとれます。
 下のほうが、同じく地下水につきましてもお示しをさせていただいたものでありまして、こちらにつきましては地点数は少ないですが、毎年、超過している地点が見られるという状況です。
 その個々の箇所につきましては2ページに示しております。こちらが公共用水域についてですが、北海道から長崎までわたっておりまして、この5年間で超過した場所について、記載させていただいております。
 右側に超過原因というのをお示ししておりますが、これは、詳細に原因を調べたというところまで詰めておりませんで、都道府県からのヒアリングの結果を示しております。
 ざっと見ていただきますとわかりますように、大半が昔、採掘をされていて、もう埋蔵量がなくなったので廃止されたような鉱山、そういったところからの排水の水質試験によりまして、カドミウムが新たな基準値を超えている箇所が多々見つかっていると、こういうような状況です。
 次に、3ページが、同じく地下水のほうの状況です。こちらは廃止鉱山の影響というのも一部見られますが、大半は、詳細な原因がよくわかっていないといった状況ですので、こちらも引き続きモニタリングを続けながら、その状況を把握していく必要があろうと考えておるところです。
 その後、別紙2で、設定根拠等についてまとめております。
 1ページはカドミウムの物質情報等ですので、これは省かさせていただきます。
 別紙2の2ページですが、国内需給の概要、それから現行基準等ということでありまして、現行基準では、国内の基準。ここの3行目に水道の水質基準ということで平成22年1月に変更された値が示されております。このもととなっておりますのが、その下の諸外国のWHOの飲料水の水質のガイドラインということで、これが0.003mg/Lというふうに設定をされております。
 さらに、3ページでは、PRTR制度によります全国の業種別の届け出の排出量を示しております。
 そして最後に、4番としまして指針値の導出方法ですが、そこの下の「計算式」というところをご覧いただきますと、食品安全委員会では耐容週間摂取量(TWI)というのがあります。これは、1週間に、その摂取量をこの量にとどめておくべきということですが、それが、1週間に体重1キロ当たり7µgと決められております。したがいまして、これを1日当たりに直しますと、耐容一日摂取量ということになりまして、これが1µg/kgとなります。人の体重を50kgと仮定いたします。したがいまして、これを50倍しますと、1日当たり1人当たり50µgというふうになるわけです。1日1人当たりの水の摂取量を2Lと仮定をいたしますと、1L当たり25µgというふうになります。
 カドミウムは、ほかにも食品等々でとることも想定されますので、水を摂取することによる寄与率というのを10%と想定いたします。したがいまして、25を10分の1にして2.5µg。これをmgに直しますと、一番下の段でございますが、0.0025mg/Lとなりまして、これを四捨五入しまして0.003mg/Lというふうに、今回基準値を決定いたしたところでございます。
 以上、補足とさせていただきます。

【岡田部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に関しまして、ご意見、もしくはご質問等がございましたら、お願いいたします。
 どうぞ。

【後藤委員】 日化協の後藤でございます。専門委員会の先生方、ご検討ありがとうございました。
 今回カドミウムの環境基準値が新たに決まり、今後、排水基準値を決めるということになると思いますが、この排水基準値が決まるのはいつごろになるのでしょうか。また、この排水基準値につきましては、いろいろなステークホルダーの皆さんが納得できるような、合理的な根拠に基づいて決めていただきたいと思います。
 過去は10倍値で設定するということでしたが、ご検討をよろしくお願い致します。
 以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 今の点。どうぞ。

【吉田課長】 それでは、私のほうから。
 排水基準の検討につきましては、これで答申いただきまして、改正が終わりますと、手続に入っていくという格好になりますが、こちらについても排水基準の専門委員会がございますので、そちらでご審議をいただきながらということになります。
 あわせまして、当然、それぞれ関係する企業や団体から、ヒアリングさせていただいたり、いろいろとご意見を聞きながら、その辺は慎重に進めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。

【後藤委員】 ありがとうございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 どうぞ。岸委員。

【岸委員】 岸です。カドミウムの検出状況のところで、別紙の1ページ、表のところで0.003の基準値超過地点数というのがずっとあって、平成11年から20年まで。それで、平成18年から、割とがたっと落ちているというか、20年にはまた6に上がっているんですけど、この結構落ちたというのは、何か原因があるんですか。

【吉田課長】 特段、特に原因ということではなく、単に数値が落ちているという状況ではないかと考えております。

【岸委員】 何か努力なされたとか、そういうのは別にないわけですね。

【吉田課長】 ただ、先ほどもありましたように、WHOの基準ですとか、あるいは水道水質基準の見直し等々も始まっておりますので、そういった状況から、各企業の自主的な取組というのは想定されますが、そこについては詳しく調べておりません。

【岡田部会長】 では、浅野先生。

【浅野委員】 数値そのものについては、専門の先生方がご検討くださっていることでありますのでこれで構わないと思います。同じ資料の2ページを拝見しますと、どこで超過したかという点から見ますと、かなり休廃止鉱山というものが出てくるわけです。休廃止鉱山に関しては、特定施設がなくなってしまったようなものがあるはずだと思いますし、前々から、金属鉱山の休廃止鉱山の排出問題というのが問題になっていますけども、ほとんど管理する事業者がいないという場合もありますから、必然的に、この問題について自治体に負担がかかっている可能性があるわけです。どういう形で今後対策をされるのか。
 この中には、鉱害防止事業を実施しているというものもあるわけですけども、そのような形で事業が実施できるものはいいのですが、そうでないものについては、どうなるだろうということが心配であります。
 恐らく、ある程度の設備を設けて対策を講じていても、その後のメンテナンスをちゃんとやる主体がいなくなっているような場合は大変であろうと思います。ある程度、施設が古くなると、また汚染された廃水が出てしまうとか、あるいは河川にあっては、そのときの降水量によって濃度が上がったり下がったりするとか、急激に数字が下がったりということもありそうです。あるいは渇水期のときに、また数値がバッと上がるということもあり得ると思うのです。
 休廃止鉱山の問題については資源エネルギー庁の責任があると思いますから、そのあたり、環境省としてはどうお考えなのかおたずねいたします。

【岡田部会長】 どうぞ。

【吉田課長】 休廃止鉱山については、特定施設として設定されているものが多々ございます。また、金属鉱業等鉱害対策特別措置法という法律がございまして、そういう、廃止されたところについてもきちっと対応していくといったことが規定されております。
 また、このカドミウムの問題はこれから出てまいります。ほかにも有害物質が出ているようなケースもございますので、そういったことも含めて、経産省と連携しながら、こういう廃止鉱山の問題について、引き続き対応を進めていきたいと考えているところです。

【岡田部会長】 では、会長のほうから。

【鈴木会長】 カドミウムについては、今、廃止鉱山の話がありましたが、天然起源のものが考えられるということと、これは測ってみたらこうだったというだけではなくて、特に地下水は検出地点数が少ないですから、そこが本当に何に起因するのかを明らかにして頂けると良いのではないかと思います。
 公共用水域については、排水の問題も含め、どこが問題でこういう結果が生まれているのか、この表の裏にはそういうものをお持ちでしょうから、ご検討いただく。
 ただ、これだけ表が出て、数字がこう動きましたというだけでは、情報として、伺っているほうもわかりにくいのではないか。ぜひ、その辺のところをよろしくお願いしたいと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。今のご注意、特にあれば。

【吉田課長】 ご指摘ありがとうございます。今回、そういう意味では基準値自体が下がりましたので、そういう基準値を超えるようなケースにおいては、もう少し詳細に原因等も含めて調査していくといった流れになってこようかと考えております。ご指摘を踏まえて考えていきたいと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 どうぞ。藤井委員。

【藤井委員】 この検出状況の数値が挙がっていますが、検出された当該地域での地域住民含めての説明会というのは、毎年何らかの形で行われているのでしょうか。行われているとすれば、そういう説明会に、どういうところが主導して、どういうメンバーが集まって、こういう結果が出ているというか、それは数値が挙がるだけですか。説明会はないのですか。

【山本課長補佐】 別紙で示させていただいている超過地点数は、今回改正された場合に、その値と比べてということでございます。したがいまして、現行の基準値でございますと、平成13年度以降、公共用水域、地下水とも、基準値を超えているものはございません。そういう中で、なるべく低減しようということで、各廃止鉱山では、こちらに記載されているとおり鉱害防止事業などを未然の取組として行っているところでございます。

【岡田部会長】 よろしいですか。ほかにございますでしょうか。
 どうぞ。大久保委員。

【大久保委員】 カドミウムではないんですけれども、今日ご説明がなかったところに関して質問があります。5ページですけれども、「要監視項目のあり方について」というのがありまして、この測定状況自体が必ずしも十分とは言えないので、「都道府県において適切な監視実施の動機となるような要監視項目の位置づけについて引き続き検討すべき」というのが入っています。これは重要なことだと思うんですけれども、例えば、このような策があるのではないかというような具体的な検討は、ここではなされたんでしょうか。

【山本課長補佐】 委員会の須藤委員長からご説明がございましたように、まずカドミウムについて精力的にご審議いただいて、今後の課題ということで、要監視項目のあり方については引き続き検討することとしてございます。

【大久保委員】 ぜひよろしくお願いいたします。

【岡田部会長】 ありがとうございました。ほかによろしいですか。
 それでは、幾つかご意見、それから今後のご注意をいただきましたが、本件について、部会として了承ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【岡田部会長】 ありがとうございました。それでは、本報告を、部会からの答申案とさせていただきます。
 中央環境審議会の議事運営規則第6条第1項の規定に基づいて、鈴木会長がちょうどここにいらっしゃいますので、会長の同意を得て、審議会の決議とさせていただき、大臣への答申の手続をとらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、次に、審議案件(2)「総量規制基準専門委員会の廃止について」、及び報告事項1の「第7次水質総量削減について」、事務局からご説明をお願いいたします。

【橋本室長補佐】 閉鎖性海域対策室室長補佐の橋本でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、総量規制基準専門委員会の廃止についてご説明させていただきます。資料3-1をご覧いただけますでしょうか。
 こちらの水環境部会に総量規制基準専門委員会を設置いただきまして、第7次水質総量削減におけます総量規制基準の設定方法についてのご審議をいただいてまいりました。こちらにつきましては平成23年1月17日付で答申をいただきまして、それに基づきまして、3月31日付で、その総量規制基準の設定方法に関する告示を出させていただいたところでございます。  そういうことで、本専門委員会が担当しております専門事項に係る調査が終了いたしましたので、このたび、総量規制基準専門委員会について廃止の手続をとらせていただきたいと考えてございます。
 資料3-1の裏面に、「中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置について」という、水環境部会決定の改正案をつけておりますが、1.(5)として、総量規制基準専門委員会というのがございましたが、ここが廃止になって、水生生物保全環境基準専門委員会を繰り上げたという改正の内容となってございます。
 それから、引き続きまして、報告事項でございますけども、第7次水質総量削減について、ご説明を申し上げます。資料3-2をお願いいたします。
 第7次水質総量削減につきましては、この水環境部会で、あり方についてのご審議をいただいてまいりました。平成22年3月にあり方の答申をいただき、また、先ほどご説明いたしましたように、今年の1月に総量規制基準の設定方法についてのご答申をいただいたところでございます。
 それらを受けまして、このたび、第7次の総量削減基本方針というものを策定いたしました。
 1枚めくっていただきまして、水質総量削減制度の概要というのが裏面にございますけども、法律に基づきまして、環境大臣が総量削減基本方針を定め、その中で、今回の目標年度、あるいは削減の目標、それから削減に関する基本的事項を示すということになってございます。制度といたしましては、この基本方針を受けて各都府県知事で総量削減計画を策定し、取組を推進していくというものでございます。
 このたび、公害対策会議の議を経て、平成23年6月15日付で環境大臣が総量削減基本方針を策定いたしました。
 資料3の1枚目に戻っていただけますでしょうか。
 こちらの2番でございますけども、第7次総量削減基本方針の概要につきまして、目標年度としては、答申でいただきましたように平成26年度ということにいたしております。
 それから、削減の方途につきましては、あり方答申に基づいてということでございますが、東京湾、伊勢湾、大阪湾については水環境をさらに改善していく。それから、大阪湾を除きます瀬戸内海につきましては、現在の水質からの悪化を防止するという考え方で施策を講じていくとしております。
 総量削減基本方針の中には、削減目標達成の方途として、下水道、浄化槽等の生活排水処理施設の整備でございますとか、産業系の対策といたしましては、総量規制基準の設定等を記載しております。この総量規制基準につきましては、その設定方法の答申の中で、東京湾、伊勢湾、大阪湾については、さらに改善という観点、大阪湾を除く瀬戸内海につきましては、現在の水質を維持するという観点から、適切な基準設定を行うことという考え方に基づいて設定をするということになってございます。
 それから、○が5つございます、一番最後の○のところでございますが、干潟・藻場の保全・再生に加えまして、自然にある栄養塩、あるいは餌を利用して行う藻類養殖等の推進というところが、今回新たに、あり方答申のご審議の中でいただいたご意見を踏まえて追加させていただいたところでございます。
 それから、削減目標量でございますけども、(3)に表として挙げてございますように、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海のCOD、窒素、りん、それぞれについての削減目標量、一番右端のところが基準年になります平成21年度で、この年をスタートとして、平成26年度においては、ここまで排出量を削減する。例えば、東京湾で言いますと、21年度は1日当たり183トンのCODが出ておったものを、26年度には1日当たり177トンが発生と、6トンの削減を図っていくという形になってございます。
 一番下、瀬戸内海のところは括弧書きになってございますけれども、こちらは、括弧の中は大阪湾の値でございまして、大阪湾を除く瀬戸内海につきましては、若干21年度より26年度のほうが数値として高くなるという状況、設定になってございます。
 りんにつきましては、トータルで28.0トンから27.4トンとなってございますが、この減少分は大阪湾の減少分ということで、大阪湾を除く瀬戸内海につきましては、現状維持ということになってございます。
 今後のスケジュールでございますが、先ほども申しましたように、この削減基本方針に基づきまして、20ございます関係の都道府県において、それぞれで割り当てをいたしまして、削減目標の達成に向けた総量削減計画の策定、あるいは、それぞれの都府県で適用する総量規制基準についての設定ということを行っていく予定になってございます。
 説明は以上でございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に関しまして、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。

【藤井委員】 削減目標量のことで伺います。普通、目標量というのは、年度がたつと下がっていくものだと思うのですが、この瀬戸内のCOD及び窒素含有量などは上がるという形になっていますよね。目標量が上がるというのは、どういう視点でこういう形になっているのか、わかりやすくご説明をいただきたいと思います。

【橋本室長補佐】 ご指摘のように、現状に比べて将来のほうが少し高めの値になっておるということでございますけども、こちらは、基準年となっております平成21年度、それから、その前の平成20年度あたりに、かなり産業系のところが、景気の影響もございまして産業排水の負荷量が大きく減少するような状況が見られております。そこが基準になっておりますので、若干、将来としては上がるような目標設定になっておりますが、当初、第6次の総量削減を実施いたしましたときに、平成21年度で考えておりました目標量と比べますと、逆転していることはないと考えております。

【藤井委員】 よくわからない。

【岡田部会長】 どうぞ。

【浅野委員】 いろいろな混乱の原因がどこにあるかということを考えてみたのですけども、ちなみに、平成22年度の数字は、いつごろになったら把握できるんですか。常識的には12月ぐらいと考えていいのですか。

【橋本室長補佐】 平成22年度の値は、時間かかります。今年度の。

【浅野委員】 年度の終わりぐらいですか。

【橋本室長補佐】 末ぐらいです。

【浅野委員】 1年かかるわけですね。ですから、これは、ちょうど循環の計画をつくる場合と同じような現象が起こっていて、計画策定段階で、その時の現況は十分には把握できていないのではないか。2年ぐらい前のデータにもとづいて状況を見なければいけない。それによって目標を立ててやっていくものだから、前の計画を立てたときに目標として掲げた数字が現在では十分達成できているけれども、この計画の目標値はさていかがなものかと、こういう話になってくるのだろうと思うのです。
 ですが、とにかく数字をどんどん厳しくしていけばいいというものでもないだろうという考え方もよくわかるわけですけども、結局のところ、どう考えたらいいんでしょうか。26年度の目標を決めていますけど、26年度がどうであったかというのがわかるのは27年度の終わりぐらい。しかも、21年度を基点としてと言っていますけど、都府県の審議会で、これに基づく地域の計画を立てるのは、次の8月の何日かの審議会でやっと始まるといった具合です。
 そうすると、計画期間と言っておきながら、最初の1年半ぐらいは完全に何もなしの状態になっていて、その後に新計画にもとづいての対策を始めますから、見込みどおりにやると考えると実質3年間で全部やらなきゃいけないことになってしまうけど、3年間努力してみても、3年目の終点のときにその時点での数字がどうであるかということについては、実はよくわかっていないというような現象が起こっているわけです。
 どうも問題の根っこにはこういう時間的なズレというものがありそうな気がするのですが、これは、トレンドはわかるわけですから、3年やってみたら、こんなになっているんだというですね。傾向としては数値は徐々に下がっているから、これで、目標年次はこのぐらいの数値になっているであろうという推計が、計画を考える段階でできるのかできないのかですね。それが疑問だなと思われます。

【岡田部会長】 どうぞ。

【眞柄委員】 これのバーグラフで、生活排水系と、産業排水系と、その他系があるわけですね。瀬戸内に関して言うと、大阪湾はCODも窒素もりんも減っている。しかし、大阪湾以外の瀬戸内でCODも増えているし、窒素も増えているし、りんは少々下がっていると。この大阪湾を除く瀬戸内に面している領域の県の下水道の整備率は下がるという前提で、生活系が下げているかどうか。
 もしそうだとすれば、産業系も、この面している流域県において、これだけCODなり、窒素なり、りんもそうですが、そういうものが増えるという、企業活動が盛んになるという推計を環境省がされて、この数値を出しておられるのかどうなのか。あるいは、環境省じゃなくて、それぞれの都府県が持ち寄った数字がこれになるから、これに合わせて計画を立てているのか。そこのところの手続を説明していただくとわかりやすいと思うんですが、いかがでしょうか。

【岡田部会長】 事務局、お願いします。

【橋本室長補佐】 目標量の設定につきましては、法律によりまして実施可能な限度において決めるとなってございまして、その中に、それぞれの地域の状況を把握しております都府県との調整のもと、目標の数値設定というのは行っているところでございます。
 生活排水につきましては、基本的に下水道の整備というのはこれからも進んでいくという前提でございまして、そういったところでの生活排水の負荷というのは徐々に下がっているということで考えてございます。
 先ほども申しましたように、産業排水の分ですけども、下水道が普及して、下水道に取り込まれる分というのは、その分は産業排水の負荷も減っていくということになりますが、個別、大きな工場等で、下水道に入れて、あるいは自家処理をして放流をするというものにつきまして、平成21年度においては、かなり稼働率が低いような工場があったということで、その辺の、通常状態への回復というところで、どのぐらいの負荷量になるかというところを各府県と調整をいたした結果、設定した数値となってございます。

【眞柄委員】 後ほどご説明があるかと思いますが、今後の水環境保全の在り方について議論していったときに、これからの日本の産業構造と人口減少化において環境へ排出する負荷がどうなるかというようなことを注意しなければならないということが議論になったと私は覚えています。
 少なくとも、私の間違いだったら指摘していただいて結構ですが、瀬戸内に関して、人口減少の流れが大きいと思いますし、産業構造の変化も確実に起きているだろうと思います。多分CODの排出量が一番大きいのは、産業系で言うと紙パだと思うんですが、紙パの系統は、この計画では増やしていいという、そういう環境省のご判断なんですか。

【橋本室長補佐】 増やしていいということではなくて、通常の状態に比べて、21年度はかなり少なかったというふうに認識してございまして、通常の状態につきましては、もちろん増やすということではなくて、そのレベルは維持をする。あり方に関しての審議の中でも、大阪湾を除く瀬戸内海につきましては、現状、水質の状況もよくなっているということで、これからどんどん削減していくということではなく、現状の水質を維持できるような取組をしていくという考え方であったと認識しておりますけども、そういう考え方に基づきまして、現状の産業活動というのが維持されるという想定のもとで、数字の調整をいたしたところでございます。

【岡田部会長】 よろしいですか。

【眞柄委員】 わからない。
 須藤さんがいらっしゃるから、あるいは、浅野先生もいらっしゃるから。
 総量規制制度というのが、この制度として定着化するのに先輩たちがどれだけ苦労してきたかということを、私はぜひ考えていただきたいと思います。もちろん、もう決まっていることですから、これはこれでやむを得ないと思いますけども、少なくとも総量で規制するということであって、それをすることによって、産業系の活性が高くなったら、C値はそのままでいいという、そういう議論は総量規制制度が発足するときにはなかったと思います。
 ただ、現状で瀬戸内がだんだんきれいになってきているということはもちろん評価しますので、そういう意味で、これだけ増やしても瀬戸内のCODなり、窒素なり、りんなり、あるいは富栄養化の状況がこれ以上悪化しないとお考えになっているから、こうしたんだと言っていただければ、我々のほうは非常にわかりやすい。
 ただ、なぜ総量規制制度をつくったかというところから考えると今の説明は納得しかねるということを申し上げたいと思います。

【須藤委員】 水環境のあり方もそうでございますが、総量規制の第1回から、多分、眞柄先生もご一緒だと思いますが、これの1次から5次まで私は参加させていただきましたので、特に初期については十分承知いたしまして、眞柄先生のおっしゃるとおりでございまして、これを、この新たな規制として定着させるのに、当時は、水質規制課だとか、今の呼び方と違いますが、水質保全局というのがあって、そこで一番苦労した、これは多分水環境行政の中の根幹をなす、私は、仕事であったかというふうに記憶しています。
 その成果が今やっと現れてきて、そして、その途中で、窒素、りんを入れて、そして、今回、特に瀬戸内海全体としては概ね目標値が環境基準に近づいてきたと、こういうことでございまして、これ以上、悪化は多分しないだろうということで、もちろん、これは規制を受ける産業界のことも十分考慮しなくちゃいけませんので、それを考えると、この程度を維持できるであろうと、こういうことで、これは岡田部会長が専門委員会の委員長だったと思いますが、このような理解を私はしておりますので、水環境のあり方のときにもそういう意味でございまして、紙パは悪くなってもいいとか、そんな個別のことは特に議論しませんですが、全体としては今の状態が維持できるであろう。もしかしたら、向上するかもしれないということを踏まえて、このようなことにしたと思っております。最初のこの大幅に削減している部分というのを、1次、2次、3次というのは、相当これは産業界の反対と言っちゃいけませんが、抵抗があって、苦労したことを記憶していますし、特に窒素、りんを入れるときには、まさしくそういう苦労をいたしたわけでございまして、水環境部会の皆さんには、この辺のところはどうぞ、過去の問題ではございますがご理解いただきたいと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 まだ議論を。じゃあ、どうぞ。

【鈴木会長】 総量規制の議論になると、汚濁負荷量のグラフが出てきて、次の目標というところでいつも終わるようですが、この効果がどうだったのか、これによって水質の変化にどう寄与したのか、その辺を並行して示していただかないと、努力の割には効果が上がらないとか、瀬戸内海にしても、太平洋よりもきれいにしなきゃいけないのかとか、そういう議論が出てくると思います。
 瀬戸内海の場合は、ほかにも部会があり、ここで議論していることと、どうつながるのかなどという構造的な問題もあるのではないかと思っております。さらに、総量規制などの施策というのも賞味期限というと誤解があるかもしれませんが、ある期限で、ある役割を果たしたら、次は何を求めるかということを考えていただくのが、この水環境部会の役割ではないかという感もいたしますので。ちょうど第4次環境基本計画をこれから考えていくときに、水環境の側から何をインプットされるのか、その辺も含めて期待をしております。よろしくお願いいたします。

【岡田部会長】 ありがとうございました。今、会長ご指摘の水質がどうなったかという解析も、もちろんしております。次のときには、そういう資料も一緒につけていただいたほうがわかりやすいかと思います。
 それから、賞味期限切れという、かなりきついご指摘がございましたが、賞味期限切れというふうにはなかなか申し上げられませんが、新しい水質目標の検討も行っているところでございますので、それを踏まえた新たな総量規制というか、制度についても検討していくことになるだろうというふうに理解しております。今のご指摘を踏まえて、次の検討をさせていただければというふうに思います。
 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは、総量規制基準専門委員会の廃止について。まず、これについては、部会としてご了解いただいたということで、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 それでは、次に、審議案件(3)になります。「地下水汚染の未然防止対策について」です。これは今国会で成立いたしました水質汚濁防止法の改正を受け、平成23年7月15日付で、環境大臣より中央環境審議会へ諮問され、鈴木会長より水環境部会へ付議されたものでございます。
 それでは、事務局から、諮問の趣旨を含め、ご説明をお願いいたします。

【宇仁菅室長】 地下水・地盤環境室長の宇仁菅でございます。
 資料4-1と4-2をご覧いただければと思います。
 4-1でございますが、これは環境大臣からの諮問文になっております。タイトルは、少し長いのですが、「水質汚濁防止法に基づく有害物質貯蔵指定施設となる対象施設並びに有害物質使用特定施設等に係る構造等に関する基準の設定及び定期点検の方法について」でございます。
 諮問の理由にありますように、地下水汚染の未然防止につきましては、平成23年、本年の2月15日付で、「地下水汚染の効果的な未然防止対策の在り方について」というタイトルで答申をいただいております。この中で、地下水汚染を未然に防止するためは、現行の水質汚濁防止法に基づく地下浸透規制に加え、有害物質を取り扱う施設・設備や作業において漏洩を防止するとともに、漏洩が生じたとしても地下への浸透を防止し地下水の汚染に至ることのないよう、施設設置場所等の構造に関する措置や点検・管理に関する措置が必要とされたところでございます。
 資料4-2をご覧いただければと思いますが、資料4-2は「水質汚濁防止法の一部を改正する法律について」という表題でございます。
 答申の内容を踏まえまして、今回改正した内容を説明しています。
 「改正の背景」というところは、これまで答申をまとめていただく段階で、かなり審議していただいていますが、有害物質の漏えいによる地下水汚染事例が毎年継続的に確認されている、これらは、設備の老朽化ですとか、使用の際の作業ミス等による漏えい、「非意図的な漏えい」という呼び方をしておりますが、そういったものが原因の大半だということでございます。
 一方で、地下水は貴重な淡水資源であり、一度汚染すると回復が困難であるという特徴がございますので、地下水汚染の未然防止のための実効ある取組の推進を図る必要があるとされたところでございます。
 その下の絵は、実際の事例をお示ししておりますが、こういったことで地下浸透をして、地下水が汚染したということでございます。
 その下の黄色い部分、改正の内容について説明させていただきます。  まず(1)としまして、対象施設の拡大でございます。これは、有害物質を貯蔵するのみの施設については、これまで水質汚濁防止法の規制の対象になっていなかったのですが、そういった施設からも漏洩の実態があるということを確認しておりますので、今回、対象といたしまして、都道府県知事に事前に届け出なければならないこととしております。
 (2)ですが、構造等に関する基準遵守義務を創設しております。これは、有害物質を使用、貯蔵等を行う施設の設置者に対しまして、構造等に関する基準を遵守しなければならない。さらに、都道府県知事は、当該施設が基準を遵守していないときは必要に応じ命令できることとしております。
 (3)ですが、あわせて定期点検の義務を増設しておりまして、同じく、施設の設置者は、施設の構造・使用の方法等について定期に点検しなければならないこととしております。
 ここには書いておりませんが、既存施設につきましては、施行後3年間は、この基準の遵守義務については猶予するという規定もございます。
 こういったことで、一番下にありますが、非意図的な漏えいや、床面等からの地下浸透を防止するということで、改正したものでございます。
 施行は、公布の日から1年以内で、政令で定める日から施行となっておりまして、この6月に公布されておりますので、来年6月までの政令で定める日からの施行ということになるわけでございます。
 委員の皆様には参考資料としまして、お手元に、こういった冊子で「水質汚濁防止の一部を改正する法律(案) 参考資料」というものをお配りしておりますので、必要なときにご参考にしていただければと思います。新旧の対照表などが入っておりますので、後でご覧いただければと思います。
 それで、資料4-1に戻っていただきたいのですが、そういったことで、この改正する法律につきましては3月8日に閣議決定されまして、国会での審議を経て6月14日に成立、22日に公布されたところでございます。
 改正後の水濁法におきましては、先ほどご説明いたしましたが、有害物質貯蔵指定施設等に関する届出、それから構造、設備、使用の方法に関する基準の遵守、定期点検及び点検結果の記録・保存を義務付けることとしておりまして、今回の諮問は、こうした状況を踏まえまして、改正後の水質汚濁防止法の施行に必要な事項について、具体的には、今後、政令ですとか省令で定める事項につきまして審議会の意見を求めるものでございます。
 裏をご覧いただきますと、この諮問につきまして本水環境部会に付議するということで資料をおつけしております。実際には2月の答申まで審議をしていただいておりますが、地下水汚染未然防止小委員会で具体的な内容について審議していただければということでございます。
 以上、説明を終わります。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に関しまして、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。
 特段よろしいですか。
 それでは、本件について、部会としてご了承いただくということで、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 以上をもちまして、本日の審議案件は終了いたしました。
 次に、報告事項に入ります。
 初めに、報告事項2の「亜鉛に係る暫定排水基準の見直しについて」、これを事務局からご説明をお願いいたします。

【吉田課長】 水環境課長、吉田です。資料5をご覧いただきたいと存じます。「亜鉛に係る暫定排水基準の見直しについて」ということです。
 「背景」のところにありますように、亜鉛につきましては、水生生物保全という観点から平成15年に生活環境項目としての環境基準が設定されております。
 それを受けまして、平成18年に排水基準が強化されております。これは、5mg/Lから2mg/Lに強化されました。その際、10の業種についてはこれに対応することが難しいということで、5年間の期限で暫定排水基準、これは従来どおりの5mg/Lが設定されているという状況です。この期限が平成23年12月10日ということでございますので間もなく期限を迎えるということから、この期限以後の暫定排水基準についてどうするかということで、今回見直しを行ったという内容です。
 2にございますように、その10業種のうち、下水道を除く9業種につきまして、専門家の方々からなります検討会を設置しまして、業界団体等からヒアリング調査、さらには、いろいろ技術的な助言もいただきながらフォローアップを行ってきたところです。
 結果、7業種については一律排水基準への移行が可能になったということでありますが、2業種については引き続き暫定排水基準の延長ということで、考えております。
 先に3ページをご覧いただきたいと存じます。
 ここに表がありまして、業種ということで、上から、金属鉱業、無機顔料製造業と、並んでおります。これが今申し上げました10業種でありまして、右側の「許容限度」と書いてありますが、平成23年12月10日までについては「5」という数字が入っております。これが5mg/Lという排水基準を適用していたということです。
 それが、平成23年12月以降については、金属鉱業、電気めっき業、そして下水道については、金属鉱業、あるいは電気めっき業からの排水を受けるものに限られ、そういう条件つきということになりますけれども、この3業種が5ということでありまして、残る7業種については、これは上に書いてございますように、一律1リットルにつき2mg/Lに移行していただくということです。
 引き続き、暫定排水基準を延長せざるを得ないという金属鉱業と電気めっき業ですが、これの状況について、また1ページに返っていただきまして、中段あたりに[1]金属鉱業ということで、業種の取組状況を書いております。
 この金属鉱業というのは、先ほどもカドミウムのところで話が出ましたが、休廃止の鉱山です。これまでも鉱山のほうで中和槽の増設等の設備の整備を進めてきているところですけれども、いまだ対応が困難な事業場が存在するということで、こちらで把握している状況では、この対象となります事業場が、およそ110ぐらいありまして、そのうち16の事業場において、まだこの一律排水基準には大変厳しい状況と伺っておるところでありいます。
 今後も整備を進めていくというところですけれども、一部には、山間部にあって電力の供給がなかなか難しいといったことがございますし、冬季、雪深くてメンテナンスがなかなか難しいといった状況を聞いております。
 そういったことから、そういう設備の状況とあわせまして、パッシブトリートメント、これは、「自然のエネルギー」と書いておりますが、できるだけメンテを少なく、さらにはエネルギーもできるだけ使わないような、そういう方策の導入を検討していくということであります。
 それから、もう1つの業種が電気めっき業ということですが、こちらも、これまで取組が進んできておりまして、かなり数は減ってきております。これも、私どものほうで把握している限りでは、大体、対象事業場が500強ございまして、現在まだ2の達成が難しいと言っているのが90前後といったところです。
 これも、関係団体から、個々の事業場に対しまして、年2回の排水の水質調査を行っているといったような取組をされておりますし、それぞれ地域ごとに改善事例の冊子をつくったり、あるいはその留意点を示したようなものを配付して、あるいは講演会等々、いろいろな取組が行われているという状況です。
 ただ、次の2ページにありますように、小規模な企業が多いものですから、なかなか費用面とか設置スペースの面で、すぐに対応できないといった問題もありまして、今後そういった面の改善、あるいはMF膜等の精密ろ過設備の導入、こういったものも含めて検討を進めていくと聞いております。
 今後のスケジュールですが、この後、8月から9月にかけましてパブリックコメントを実施し、省令の改正の手続を進めていく予定にしております。
 亜鉛の暫定排水基準の見直しにつきましては、以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 ただいまのご報告に関しまして、ご質問、ご意見等がございましたら、お願いいたします。
 どうぞ、眞柄委員。

【眞柄委員】 今、課長もおっしゃられましたが、金属鉱業の暫定はこれだ、これだというふうには承知します。ただ、金属鉱山、山の場合は、大体我が国で亜鉛とカドミの比が、およそ200対1ですよね。そうすると、5という数字ですと、先ほどのカドミの環境基準と排水基準を設定するときに、この辺のところが非常に微妙な対象になるだろうと思います。  そういう意味で、亜鉛だけじゃなくて、こういう微妙なところについてはカドミもあわせて調査していただいて、今後、その結果が、カドミの排水基準等を設定をするときに、多分有益な資料になると思いますので、ご配慮いただきたいと思います。
 実際に、亜鉛のメタルになっている分については、カドミの量は、最近は電解法で随分よくなっていますので少なくなっていますが、山のほうは、まさに地質にあるそのものですので、その辺のところをもう少し配慮していただきたいと思います。
 以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 よろしいですね。どうぞ。

【吉田課長】 ご指摘ありがとうございます。ご指摘いただきましたように、先ほどのカドミウムについても、これから基準を厳しくするという方向で検討が進められることになるわけですので、廃止鉱山の取り扱いといいますか、それぞれの対応について、先ほども申しましたが、経産省とも連携しながら、今後制度面の支援等を含めて勉強していこうといったことで、調整をしているところですので、またいろいろご意見をいただきながら、その辺も整理していきたいと思います。
 ありがとうございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 では、太田委員から、どうぞ。

【太田委員】 内容的には、こういうことだろうと思います。
 1つだけ質問ですけれども、金属鉱業と、それからもう1つの電気めっき業の最後のほうで、「いろんなやり方を検討する」と書いてあるんですけども、この主体をどう考えたらいいんでしょうか。
 例えば、国が、あるいは地方自治体が、何らかの関与があるのか、ないのか。あるいは、それぞれの企業の努力に依存するのか。そこの関係を教えてください。

【吉田課長】 基本的には、それぞれの業界団体のほうで中心になって検討をされると伺っております。もちろん、国あるいは都道府県から、いろいろ融資等の支援制度があろうかと思いますので、その辺をご活用されることになろうかと思います。

【岡田部会長】 須藤先生、どうぞ。

【須藤委員】 ありがとうございます。
 今の亜鉛の暫定基準については概ねよろしいかと思います。10業種あって、1回目で7つ、それを活用できた、あるいは一律に移したということは大変いいことだと思います。
 ただ、もう一度確認をしておきたいのですが、暫定排水基準というのは、万やむを得ず、どうしてもということで、できれば一回だけでやめましょうというのが、もともとの申し合わせですよね。
 何となく、今までもそうですが、2回だったり、3回だったり、あるいは4回目になっちゃったのもあるんです。この辺のところを水環境部会として、昔の、そういう慣例があったことをもう一回見直すのはいいのですけども、何となく、当たり前に暫定基準をつくっていくというのは本来よろしくないであろうと。みんな一律であるべきです。本来は1回でやるべきです。それを、技術上、あるいは、いろいろの問題を含めて無理なのはわかるのですが、そこは、今回のやつは2年、3年残っているのでいいと思いますが、伺いたいのは、質問は、2回目でいけますか、それとも、もっといきましょうかということを、事務局としてどうお考えかということです。
 それと、下水道について、これは、当然その2つの業種が下水道に入るから、これは5にするんですよね。それはこの式で出すから多分いいと思うんですけれども、ほとんど下水道は、こんなわずかになっちゃっているから、2を超えるなんて、あまりないんじゃないかと推定をしていたんですが、いかがでございましょう。
 この2点、質問です。

【浅野委員】 今の須藤先生のご発言に乗っかっての発言になるのですが、私は、暫定基準というものを設定することは個別の事情を考えればやむを得ないことだろうなと思っておりまして、一律に、須藤先生のおっしゃるように厳しく1回でやめるべきだとまでは言い切れないだろうと思うんですけども、ただ、気になるのは、暫定基準が設けられている業種はともかく、このままでよろしいというメッセージを送ってしまうことになりかねないわけです。ところが、金属鉱業についても、今日のご説明を聞いていると16事業所に下がっているわけです。これが次には5事業所になるかもしれないです。
 となると、法律を変えるわけにいかないかもしれないですけども、ある意味では、逆公害防止協定的な、ポイントを押さえて、おまえのところはいいんだがというような発想に変えていかないと、どうも何となく落ちつきが悪いようにも思われるわけです。
 つまり、暫定基準があるのだけど、ちゃんと一律基準に達しているところは損したような気になりませんか。その問題があるのではないか。だから、暫定基準適用施設がどんどん少なくなっていっている段階では、万やむを得ない。しかも、地域の経済活動をさまざま考えたら廃止というわけにいきません。あるいは休廃止鉱山のように、そもそも、もうやっていないんだから、どうにもなりませんというような場合に限って、そこを特別なポイントとして指定して、そこは例外を認めるというふうにしていかなくてはいけないようにも思われますが、今の法律ではそんなことできません。しかし、そろそろ、そういう考え方も工夫として検討していかないといけないのではないかと思います。
 この部会とは別のところで、もう1つ暫定基準の問題を議論していますから、それとの関係もあわせて考えると、そういう知恵があってもいいのかなという気がしているんですが、いかがでしょうか。

【岡田部会長】 事務局、お願いいたします。

【吉田課長】 ご意見ありがとうございました。
 確かに暫定基準は、あまり環境面から見てよろしいわけはありませんので、できるだけ早く一律基準にと考えております。ただ、半分言い訳になるかもしれませんが、今、浅野委員からもご指摘がありましたように、かなり減ってきています。金属鉱業については、もともと100幾つが基準値の、2を超えていたものが、現在、この5年間で16まで減ってきたということでありまして、めっきも同じような状況です。
 それぞれの業界とも、この問題については自分たちで認識をきちっとして取組を進めていくという意欲といいますか、その辺がかなりあるように、見受けられるような状況ですので、次の5年間で、恐らく一律基準に移行することになるのではないかと、私どもとしても考えておるところです。

【岡田部会長】 ありがとうございました。よろしいですね。
 それでは、次に報告事項3、今後の水環境保全の在り方の取りまとめについて、事務局からご説明をお願いいたします。

【吉田課長】 それでは、続きまして、資料6-1と6-2で説明させていただきます。
 まず、6-1です。目次で全体の構成を見ていただきたいと思います。
 「1.これまでの取組」ということと、それから「2.これからの取組に当たっての4つの観点」というのを整理いただいております。その後、「3.水環境の現状と課題」がありまして、「4.望ましい水環境像」、そして、「5.水環境保全のための今後の取組」ということで、ここがまたさらに分かれておりまして、「5-1速やかに解決されるべき課題」。それから、「5-2新たな施策の枠組みをつくる取組」。そして、次のページになりますが、「5-3これからの時代に向けた水環境行政の新たな展開」。そして、「5-4水環境保全を推進する基盤づくり」といったことで、個々の課題ごとの、これからの取組内容について整理しております。
 この検討に当たりましては、飛びますが、37ページをご覧いただきたいと思います。
 「今後の水環境保全に関する検討会」を設けまして、次の38ページですけれども、11回にわたって各先生方からいろいろとご意見をちょうだいした上で取りまとめたものであります。途中、第4回のところで、中間取りまとめというのがありまして、これを受けまして、昨年の水質汚濁防止法の改正の手続がなされたといったような流れがございます。
 個々の中身の説明については、また見ていただくといたしまして、もう1枚の資料6-2、、こちらで簡単に説明させていただきたいと存じます。
 先ほど目次のところにありました、「これからの取組にあたっての4つの観点」ということであります。これは、この4つの観点を常に念頭に置きながら、今後、水環境保全の取組を進めていくべきということでありまして、左の上から行きますと、まず、地域の観点。これは、水環境の目標イメージというのは、それぞれの地域ごとに異なっていいのではないか。したがって、その地域が主体となって、水環境の保全が進められるような、そういうことを意識すべきということであります。
 一方、右上になりますと、今度はグローバルな観点となっておりまして、これは水環境が世界とつながっている。もちろん物理的に、海でつながっておりますが、また、日本というのは有数の食料輸入国でありまして、食料を輸入するというのは、その相手国の水もあわせて輸入するということになりますので、そういう意味でも、世界とつながっているということから、国外の水環境悪化による国内へ影響といったものも出てまいりますし、さらには、我が国としての国際的な責任、あるいは我が国が培ってきた技術の海外への展開といったものも意識すべきということであります。
 それから、右下には、生物多様性の観点ということで、これは昨年のCOP10で、愛知目標が設定されまして、生物多様性ということが改めて認識されたところであります。これまで、水環境の構成要素として、水量、水質、水生生物、水辺地ということで進めてきておるところですが、あわせて生物多様性といったことも意識しながら、水環境の改善を進めるということであります。
 それから、最後に左下で、連携の観点です。これは、もちろん環境省だけでできるわけではなく、他省庁、地方公共団体、そしてそれぞれ地域で活動されておりますNPO等の主体と一緒になって、連携しながら、ということです。この4つの観点を常に意識しながら水環境の課題に取り組んでほしいということであります。  裏面に移ります。左のほうに、良好な水環境の目標がありまして、かつての水環境、昭和30年代ごろの水環境を取り戻すべく、これまでの時代の変化、背景・要因、そして現状の課題といったものも整理いたしました上で、今後の取組ということで、先ほど申し上げました目次のところにあります1、2、3、4、この4つの分類をした上で、優先順位をつけながら、それぞれの取組に当たっているという内容になっております。
 申しましたように、個々の説明については時間の関係もございますので、またご覧いただきまして、個別で結構ですが、何かお気づきの点等ございましたら、ご遠慮なくお申しつけといいますか、ご質問でも結構でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 以上でございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの報告に関しまして、ご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。
 どうぞ。

【大久保委員】 詳細は見てくださいということですけれども、1点だけお聞きしたいんですが。
 地域の観点というのが4つの観点のうちの1つとして位置づけられているんですが、地域の主体性といった場合に、どの範囲、大きさとしては、どういう広さを考えて主体となるべきというふうに議論されているのかということです。
 そこがはっきりしないと、総合的な水目標と言ってみても、どこでそれをどう議論するんだという話になります。取組のほうを見ますと、基本的に、速やかに解決されるべき課題というのは、かなり個別の話になっていて、既存のスキームを使っているわけですよね。
 新たな枠組みのほうも、統合的な水目標みたいなものを、どの範囲の主体が、どう集まって、どう議論するのかということが、どこかに出ているのであれば、それを含めて教えてください。

【吉田課長】 地域の大きさということですが、この中では、大体流域というのを1つの単位ということで意識しておりますけれども、例えば、流域なら流域であるべきというふうに決めつけるというところまでは行っておりません。
 といいますのは、例えば、湖などですと、湖の周りの、例えば市町村等が集まって、よくしていこうという話もあるでしょうし、それぞれNPOさんの活動ということになりますと、もっと小さい単位で、ここをよくしようといったような、それぞれの活動もございますので、そういったものも大切にしながら、できれば、その流域全体を統合するような形で、その取組が広がっていければと言ったような中身になっておりまして、その辺は、いろんなところで書いております。
 例えば、5-3の(1)の「生物多様性の確保と水圏生態系の確保」がそうですし、その下の「地域特性を的確に把握できる水環境指標」もそうですし、一番最初の(2)「湖沼の水質改善」のところにも、その辺の地域の視点といったものは取り込んでおりますので、いろんなところに散りばめて入っております。特にここということはございませんが、そんなイメージで、それぞれの主体と連携しながら水環境の保全を進めていければと考えておるところであります。

【浅野委員】 いいですか。

【岡田部会長】 どうぞ。

【浅野委員】 これ自体が、きちんとした行政計画をつくっているというよりも、今後の政策のあり方、考え方を整理しましょうというものであって、そのための観点としては、どういうことが大事かということを言っているのが最初の部分だと思います。ただ、後のほうについては、確かに個別の問題に入り込んでいて、かなり行政のプログラムに近いようなことを書いていたり、実は、ここには必ずしも明確に出ていないのですが、タイムスケジュール表までつくってある面もあるわけです。
 ですから、この文章そのものは結構多様な内容を持っていることをご理解していただいてお読みいただかないと、つまり、1つの行政計画としての一貫性のある論理が展開されていると思ってお読みいただくと、ある意味では困るわけです。だから、地域といっても多義性があります。とりわけ、水の環境を考えるときには、いろんな切り口から地域というものを考えなくてはいけないから、それを、とにかくまず大事にしましょうということを言っているわけです。
 一方では、グローバルな観点ということも言っているわけですから、それを論理的に言ったら矛盾するじゃないかと言われても困るわけで、見方としては、その両方ありますねと言っているだけです。

【岡田部会長】 どうぞ。

【大久保委員】 趣旨はよくわかります。地域を一律に捉え、これでこうしなさいというのが、それ自体がおかしいというのは大変よくわかるんですけれども、むしろ問題となるのは、さまざまなレベルでの取組があって、その連携を確保する仕組みをどういうふうにつくるかということです。それが、具体的な法制度面での対応等ということになってくると重要なんじゃないかと思いまして、申し上げた次第です。

【岡田部会長】 それでは、それは今後ということで、よろしくお願いいたします。
 ほかにございますか。どうぞ。

【薗田委員】 薗田と申します。
 これからの取組に当たっての4つの観点の中に、グローバルな観点というのが入っているのは非常にいいなと考えております。特に日本の国際的な責任とか、水環境技術の海外への展開ということで、この辺はチャンスにつながるところになると思います。国際的な動きのうち、今現在、「アライアンス・フォー・ウオーター・スチュワードシップ」というものがあります。こちらではNGOのWWFであったりとか、アメリカのネイチャー・コンサーバンシーであったりとか、あるいは、グローバル・コンパクトのウオーター・マンデートというのも入っております。また、投資家が企業に情報開示を求めるというカーボン・ディスクロジャー・プロジェクトというものがありますが、こちらが水の情報開示というのを求めるために入っています。こういった団体と80ぐらいの水関連企業が入っているようです。欧米では、こういう地域イニシアチブというのが始まって、流域の管理であったり、地下水の管理であったり、いわゆる水資源の管理の標準を世界的に決めていこうとしています。水管理基準を決めていこうという動きが、もう既に3年ぐらい前から始まっています。
 残念ながら、日本、あるいはアジアからはどこも入っていないということを聞いております。今後、例えばISO化してくるとか、世界的な情報開示であり、あるいは企業に対してサプライチェーンで全体で管理をしていく水管理基準ができたときに、日本としては慌ててそれをまた何かしなきゃいけないことになると思います。そうではなく、ある程度情報としては先取りするべきではないでしょうか。そのためにも早目にこういった動きをとらえていくということが求められてくるかと思うんですけれども、このあたりは環境省がやるのか、あるいは別のところがするのかわかりませんけれども、できましたら、今後の第4次環境基本計画の中にも、世界の潮流を踏まえていくというのが必要になってくるかなと思います。
 あともう1つは、報告というか、私のほうで今やっていることですが、この流れをとらえて、日本の企業の中でも、例えばサントリーさん、キリンさん、パナソニックさん、東芝さんあたりを中心に、サプライチェーンで水の管理をしていこうという研究会を7月からスタートすることになりました。企業の関心は非常に高いということを感じておりますので、一般社団法人でそういった研究会をやっていこうと思うんですが、そことの連携等についても今後何か方向性を出していただければと考えております。

【岡田部会長】 ありがとうございました。  特に、いいですか。

【吉田課長】 ありがとうございます。
 今のご指摘を踏まえて、我々のほうでもいろんな情報を集めていきたいということを考えております。
 1点だけ、今、カーボンフットプリントというのがございますが、これの水版、ウオーターフットプリントというものの議論が、これはISOを中心に始まっておりまして、その中で、我が国としては、水の量だけではなくて、例えば、この製品をつくるのに、どれだけの水の量を使ったというだけではなくて、例えばこの製品をつくるために使った水を、排水についてもきちんと処理をしたものがこれですよといったような、そういう質も含めて、その中に織り込んでもらうように、経産省とも一緒になって対応しているところですので、またいろいろとご指導をよろしくお願いいたしたいと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 どうぞ。長屋委員。

【長屋委員】 全漁連の長屋でございます。
 この良好な水環境の目標として、水質とインフラに加えて、多様な水生生物の生育・生息環境として保全されると、こういうことを加えていただいているのは大変ありがたいところでございます。
 本日午後に、瀬戸内海部会が開催されて、今後の瀬戸内海における目指すべき将来像なり、保全・再生の在り方についての諮問がなされると伺っていまして、この諮問の背景にありますのが、水質については一定の改善が見られるわけですが、その一方で、生物多様性の低下なり、それから漁獲量の低下等、そういう問題が発生している。こういうことから、水質改善の推進の在り方というものが問われている。こういうことが諮問の背景とされているところでございます。
 ぜひ、ここにも掲げられておりますような生物の多様性なり、そういう生息環境、これについてのご議論というものが、瀬戸内海の部会でもされてまいりますので、この水環境部会ともしっかりと連携をしていただくということと、先ほどの総量削減の計画策定等については、こういう観点からのご指導もぜひお願い申し上げたいと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 どうぞ。

【稲垣委員】 今後の水環境の在り方について大変うまくまとめていただいておりますが、一方、この2枚の資料を、もう少し検討を加えていただけるとありがたいと思ったのは、これからの水環境というのは、いろんなところで言われています、15ページのところにも書いてありますけれど、水循環というのが一番重要じゃないかなと思います。森林から海まで。森林の再生、あるいは農地の見直し、あるいは都市構造の見直し、あるいは里海から干潟、こういうものが大変重要じゃないかと思います。
 15ページに若干書いてありますけれど、まさに、先ほど少しお話がありました地域にふさわしい水環境という面から言っても、それぞれ流域ごとにそういう取組をやるというのが、僕は大変重要だと思います。
 ですから、ぜひこのまとめの段階で、特に裏面は、今まで言われてきたことがずっと列挙してありまして、取組になると少し細かいのかなという気がしないでもありません。もう少し、もっとグローバルに、水環境、水循環という言葉を入れていただいた取組を国民に示していただけるとありがたいと思います。これはお願いであります。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 では、岸委員。

【岸委員】 これは質問でもあり、お願いでもあるんですが、4つの観点、地域の観点で、地域の主体性と書いてあります。それで、これは私が感じることですけど、一般市民のほうが物すごくいろいろ興味を持って、自分たちの水のことだから一生懸命やっている姿はあるんですけど、それを、各自治体はどうも動きが鈍いなということを感じます。国が決めてくれれば私たちもやるけれどみたいな、それは当然でしょうけど、そういう感覚というのは何か歯がゆくて、無理とは思いますが自治体自身に何か指導していくというか、これは時間が必要なんでしょうか。

【吉田課長】 水質汚濁防止法の考え方としては、それぞれの地方が主体となって、水質保全に取り組むという枠組みになっておりまして、余り中央から、ああせい、こうせいということではなく、それぞれの地方で主体的な取組。これはもともと、滋賀県の琵琶湖で、せっけん条例等々、琵琶湖の水質をよくしようということで、県独自の取組というのがあって、そういうものを大切にしながらということですので、基準についても、各県で上乗せといいまして、より厳しい基準とか、そういったものができるような仕組みになっております。
 ですので、そういう意味からして、国から、一律にということは余り考えておりませんが、ただ一方で、そういう取組が弱いといいますか、余り積極的ではない自治体もあるわけですので、その辺は指導というよりも、特によく話をしながら、そういう大切さといいますか、重要性をいろいろ話をしていくといったことで、これからも地道な取組ではありますが、それは続けていきたいと考えております。

【稲垣委員】 副知事という、自治体の代表という立場でも出席させていただいておりますので、少し言い訳になるかもしれませんけれど、お話させていただきたいと思います。  私も40数年、環境問題に携わっておりますけれど、環境問題というのは、行政だけが一方的に押しつけるものもありますが、行政だけじゃなくして、各主体それぞれが取り組んでいただくというのが大変重要だろうと思います。
 現に、やってないところがあると言われれば言い訳になりますけれど、私ども愛知県においても、それぞれのNPOの方、NGOの方、あるいはそれぞれの市町村、あるいは県のレベル、いろんな方々が一緒になって、その地域、地域の取組というのは、させていただいております。それがまさに、伊勢湾もきれいになってきたし、川も40年前と比べればきれいになってきた、あるいは大気汚染もきれいになってきた。まだまだ改善しなければいけない部分もあろうかと思いますけれど、行政だけでどうやれというものではないと思っております。
 この環境問題というのは、それぞれの主体が、それぞれの責任において、一緒になってやるというのが大変重要だろうと思っております。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 たくさん貴重なご意見をいただきました。今後の水環境保全の在り方を具体化する上で、今いただいたご意見を生かしていただければと思います。まだご意見等あるかもしれませんが、若干時間をオーバーしておりますので、この辺で、本件に関する質疑は閉じさせていただきたいと思います。
 次に、報告事項4、東日本大震災への対応について。事務局からご報告をお願いいたします。

【吉田課長】 続きまして、資料7をご覧いただきたいと思います。少し分厚い資料でございますが、「東日本大震災への対応について」ということで整理いたしております。
 これは、環境省はいろんな取組をしておりますが、その中でも、水環境分野についての取組だけを抽出したものです。
 まずⅠとして、発災直後の対応といたしましては、被災を受けた自治体に対しまして、水質事故あるいは施設の破損等の情報があれば、これを情報提供いただくように依頼をしております。
 また、他の都道府県・政令市等に対して、必要な資機材・人員派遣の支援を要請をいたしております。
 さらに、関係団体に対しましても、そういう支援の要請をしたというのが、発災直後の対応であります。
 それからⅡ点目が環境モニタリング等ということでありまして、これは被災地におきまして、環境汚染による国民の健康への悪影響、あるいは生活環境の悪化といったことが懸念されますので、1次補正を用いまして公共用水域、地下水の水質、海洋環境について、国が緊急的に環境モニタリングを実施いたしております。
 また、あわせまして、公共用水域と地下水におきまして、福島県内において放射性物質、これはヨウ素とセシウムですが、この測定を行っております。
 その下からが結果です。まず公共用水域ですが、調査日が5月26日から6月15日ということでして、範囲としては青森県から茨城県まで及んでおります。
 次の2ページに結果が出ております。
 まず、福島県内の放射性物質濃度の測定結果ですが、これは後ろに表等ついておりますので、また後ほどご覧いただければと思います。まず河川の水質につきましては、水のほうからは放射性ヨウ素、セシウムともに不検出でありました。ただ、底質、いわゆる河川の底の砂ですとか泥ですとか、こういうところには、ヨウ素が一部の地点で検出。そしてセシウムについては全地点で検出されております。
 それから、次に、福島県内の有害物質、これについては、砒素が1地点、それからほう素が3地点で、環境基準を上回る値が見られております。それから、海域については、特に環境基準を上回っているものは見つかっていません。
 それから、岩手県と宮城県ですが、まず岩手県のほうは、すべての地点で環境基準を下回っております。ただ、宮城県は、ふっ素1地点、それからほう素4地点で、環境基準を上回る値が見られております。海域は大丈夫だったということです。
 それから、青森、茨城については、全地点で環境基準を下回っております。
 それから、ダイオキシン類、これはまだちょっと分析に時間がかかっているという状況です。
 次に、地下水ですが、こちらについては、その下の結果のところを見ていただくとわかりますように、今のところ、放射性物質についても全地点で不検出となっております。
 それから、環境基準項目、ダイオキシン類については、現在分析中です。
 3ページに行きまして、海洋ですが、これについては、宮城県沖、岩手県沖、福島県沖の8測線26測点で、そういう調査を行ったところであります。
 分析が終了しておりますのは、まず、7地点の海域、海底土の放射性物質。これについては、海水中は不検出ですが、海底土からは、セシウム134、137合計で24~1,380Bq/kgが検出されております。他のものについては現在分析中ということです。
 それから、次の丸ですが、こういうモニタリングだけではなくて、水浴場の放射性物質に係る指針を策定し、都道府県に通知いたしております。これは、海水浴シーズンを前にして、官房長官から、環境省でこれを検討しろといったような指示があったもので、中央環境審議会の環境基準の専門委員会の先生方にお集まりいただきまして、さらに、放射性物質にお詳しい方3名にも加わっていただいて、ご意見をちょうだいしながらまとめたものであります。
 これについて少しお話をさせていただきますと、後ろのほうになります別紙10ですが、66ページです。
 66ページが、各都道府県にあてました文書でありまして、67ページからが指針の内容になっております。
 68ページが、まず、「水浴場の放射性物質に係る水質の目安について」ということでありまして、その上の四角にありますように、放射性セシウム、これはセシウム134と137の合計ですが、これが50Bq/L。そして放射性ヨウ素131、こちらが30Bq/Lを目安とするということであります。
 解説の1番目にありますように、この考え方といたしましては、水浴場の利用による水からの被ばくについては、通常の生活でいろいろ少なからず被ばくを受けるわけですので、それに加えての追加的な被ばくというふうに考えられますので、それらの被ばく量を低く抑えることが適当といったようなことから、この目安の値を決めているという内容です。  それから、次の69ページのほうが、そのモニタリングということでありまして、必要に応じて1カ月に1回程度はモニタリングを実施すべしと言っております。  さらに、次の70ページで、その他として、砂浜の空間線量率、これについて示しておりまして、通常、砂浜の空間線量率は、周辺市街地に比べますと、大体少な目というふうに今のところ出ておるわけですが、念のため、きちっと空間線量率を測定してほしいと。そして、中にはホットスポット的に周辺より高い空間線量率が出るケースもあろうかと思いますので、そういった場合には、きっちり注意喚起をすることが必要と、こういうことでまとめたものであります。
 これについては、75ページにありますように、原子力安全委員会の助言もいただいて、指針をまとめたという内容になっております。
 恐縮ですが、3ページにまた返っていただきまして、Ⅲの海洋ごみ・海洋投入処分については、海洋室から説明をいたします。

【森室長】 海洋環境室の森でございます。よろしくお願いします。
 お手元の資料の後ろのほうでございますが、78ページを見ていただければと思いますけれども、宮城県と岩手県において水産物が、発災後、腐敗して自然環境への悪影響が懸念されたということで、両県において、緊急的に腐敗水産物の海洋投入処分が行えるよう告示を発出いたしました。
 宮城県は4月7日付で環境大臣名による告示を発出いたしまして、海洋投入処分を4月8日から開始し、気仙沼地区で2万509トン、それから石巻・女川地区で3万2,585トンの海洋投入処分をいたしました。
 それから、岩手県におきましては、岩手県ではそもそも水産物自体、量はそんなに多くなかったもんですから、地中に一時的に埋めて対応しようということでやっていたんですが、夏場になりまして、それも間に合わなくなったということで、緊急的に海洋投入処分をするということになりまして、6月17日付で環境大臣名による告示を行いました。
 その結果、海洋投入処分量としましては5,800トンを予定していて、5,500トンあるということで、大体7月14日に終了ということで、今確認しましたら終わっているということを受けております。
 それで、海洋投入処分自体は、この右の図を見ていただくとわかりますが、50海里、90キロですね。90キロ以遠のこの丸のついているところに投入をするということで、告示を出しております。
 以上でございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 東日本大震災への対応につきましては、去る4月20日に中央環境審議会の総会が開催されました。そこでは、環境省の対応について各委員から意見をいただいておりまして、本日、中央環境審議会の鈴木会長が出席されておりますので、その概要について、お話をいただければと思います。
 よろしくお願いいたします。

【鈴木会長】 震災は、ご承知のように大変な事態に至りまして、そしてまた、その震災、さらに津波を受けまして発生した廃棄物の問題等は、環境省の所管として粛々と動いていく、そういう状況でありますが、もう1つの大きな問題である、原発の事故に関しまして、環境基本法には、廃棄物等に関しては放射性物質に関わるものはすべて除外されているわけであります。環境省がどういう形で放射能汚染というものに関わるのか。過去におきましては、ごく限られた地点でモニタリングをする、これは日本海側でモニタリングをするというようなことしか行われていませんでした。
 しかし、今度のように、原発の敷地外に放射性物質が拡散していって環境を汚染している、そういうところは一体どこが扱うのかということになると、法的には全く定められていない。それはなぜかといいますと、原発は100%安全であり、そういうことが起こるはずがないということで進んできた今までの原子力行政、原子力政策のもとで、環境中に放出した放射性物質をどうするかという議論は、ある意味では禁句であったわけです。
 それが現実に起こったということで、これをやはりきっちりと対応すべきなのは環境行政ではないかというようなこともありまして、中央環境審議会では、そこのところをぜひ環境省でお考えいただくというようなことを総会としてお願いいたしまして、当時の環境大臣、松本龍大臣が、「覚悟を決めた」というようなお言葉でしたが、お引き受けいただく、そういう方向に進んでいただく決意のお言葉をいただきました。
 総会の提言という形で、申し上げまして、放射性物質を含む瓦れきの問題であるとか、いろいろな問題に環境省が取り組んで頂くこととなっております。環境省は他省に比べ本当に少数精鋭で動いているわけですが、この時期は、ある意味では、これまでのいろんな価値観を問い直すという、そういう時期にも至ったのであろうと思います。ちょうど環境行政では第4次環境基本計画の策定に向かっております。今年度中にその辺のところをまとめることになりますが、水環境部会からも、そういう意味では、どういうことをそこにインプットしていただくのかが問われていると思います。
 これまで通りのハウスキーピングに関することは、それはそれで粛々と進めていただくとして、今、本当にいろんなことを考え直すとしたら、どこが大事なのかということを考えるいい機会ではないかと思っております。
 基本的計画は大体五、六年のタイムスケールで次の基本計画を考えるわけです。五、六年で達成すべきこと、しかし、それはあくまでも長期的な将来を眺めて、当面の政策は何かということであろうと思いますので、将来ビジョンとして「水環境保全の在り方について」というパンフレットができておりますが、今後どのように進めるのかをご議論頂くことと思います。
 例えば、海域では、東北震災地域から流出した廃棄物が今ハワイ方向に向かって大量に流れているわけですが、一体これをどうするのかとか、いろいろな問題がこれからも出てくるだろうと思います。放射性物質を含む排水の問題もあります。こういうものも視野に入れながら今後の環境行政における水環境保全政策はどういうふうに考えていくのか、ぜひその辺を部会できっちりとご議論いただいて、上げていただければと思います。これは総合政策部会の環境基本計画を考えている側からのお願いということでございます。
 ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 それでは、先ほどの報告も含め、本件、東日本大震災への対応について、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。
 中杉委員、どうぞ。

【中杉委員】 有害物質の調査の結果についてですけど、福島と宮城で河川の水質で超えているものが出ている。これは場所を見ますと、ほとんど河口近くなので、例えば超えている項目というのは、ほう素、ふっ素、海域には適用しない項目ですよね。実際に、ここの水質というのは、いわゆる汽水域ではないのかどうか。例えば、塩分濃度はどのぐらいなのかということを把握しておられるかどうかということを教えていただけますか。

【岡田部会長】 これは事務局から。

【吉田課長】 塩分濃度についてはまた確認をしたいと思います。おっしゃるように、もうほとんど海に近いところでありまして、今回、地盤沈下もしていますので、海水の影響もあるかもしれませんが、基本的には、とりわけ、ほう素、ふっ素については、津波の影響ではないかと想定をいたしておりますけど、いずれにしても県とも話をしておりまして、県のほうで注意深く見ていくといったことで、今後対応をしていきたいと思っています。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 では、大塚委員、どうぞ。

【大塚委員】 どうもありがとうございます。
 2ページの上のほうに出ている、河川の底質における放射性セシウムは結構量が多いと思いますけれども、3万ベクレルはそれなりの量だと思います。それから、新聞報道によると、海域の底質についてもセシウムが出ているんじゃないかと思うんですけれども、これについての対応は何かお考えでしょうか。
 海域の底質だと、海底近くに住んでいる魚とか、あるいは海草にも、いろんな問題が出てくるんじゃないかという感じがしますけど、これに対する対応に関して何かお考えのことがあれば、お願いします。

【吉田課長】 現時点では、モニタリングを引き続き進めていくということで、今、2次補正を国会で審議中ですけど、この中でも環境モニタリングということで、これは文科省、それから農水省等を含めて、政府全体として、もう少しきめの細かい環境モニタリングをしていこうということで今整理をしておるところであります。2次補正が採択されましたら、それを受けて、細かな調査をしていこうということで考えております。

【大塚委員】 調査しか、とりあえずはお考えになっていないということですね。対策としては、浚渫をすると、また別の問題が起きますけれども、いろんなことをこれから考えていかなくてはいけないのではないかと思いますが。

【吉田課長】 おっしゃるように、いろいろ課題がございまして、取るにしても、取ったものをどこへ持っていくのかといったことも含めて、これから、政府全体として考えていくことになってくるかと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。  須藤委員、どうぞ。

【須藤委員】 私自身、現地のど真ん中におる者でございまして、日々、水環境課にもいろいろお願いをしているのでございますが、水質モニタリングの問題については、恐らく、この結果についても迅速にやっていただき、このとおりであろうと思いますが、時間を経るに従って、いろんなものが顕在化をしてきている。環境問題ですから時間的に変化をする。  例えば、沿岸汚染であるならば、排水処理や下水処理がほとんどやられてない状況で汚染がどんどん進んできて、例えば大腸菌群がどんどん増えてくるとか、海域が濁ってくるとか、それから生物調査が、これは水質しかやっていないんですけども、生態系調査がほとんどなされずに、私が簡易的に調べた分ですと、過去のベントスの10分の1以下の現存量しかないとか、それから干潟が全く消失してしまったとか、それから藻場がなくなってしまったとか、震災に伴う、水質という以外の部分に物すごく大きな変化と障害、被害を受けております。
 それから、土壌については、これは土壌部会になるかもしれませんが、塩害が極めて、まだ塩水が引いてない部分がかなりございます。それから、沿岸の生態系、これもこの分野じゃないかもしれないですが、何を申し上げたいかというと、水と関わっているほかの生態系との部分が、接点のところが抜けないようにしてほしい。
 例えば、地盤地下もこの分野じゃないんですよね。例えば地盤沈下がかなり起こって、それから、さっき水循環の話もあったんですが、ところどころから、湧水なのか地下水なのかわかりませんが、流出したり、水質のモニタリングとかなりかけ離れているけども、水と関係する問題もたくさん含んでいるのです。3次補正にお願いをしたいということは、私も個人的にはお願いをしているんですが、そういう放射性物質と、それから水質だけではない問題、結局は陸地からの負荷量が、恐らくこの3年間ぐらい、生活排水について、あるいは工場排水についても、ほとんど海に負荷されるだろうと思うんです。その変遷もきちっとモニタリングしていかないと対応ができないんではないかなと、こういうふうに思っております。
 それは当然、地方自治体がやるべき問題もあるんだけれども、環境省としてご指導なり、全体を、沿岸が450kmとか500kmありますよね、それ全体を通してどうなるかを、ぜひモニタリングしていかないと、回復とか復興とかというふうにはなかなかならないんじゃないか、こういうふうに思っております。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 ほかにございませんでしょうか。どうぞ。長屋委員。

【長屋委員】 今回の原発事故に伴います放射能汚染水、これを海洋に流出させ、そして、特に人為的に、低濃度とはいえ汚染水を海に排出をした行為は、海を生業の場としている私どもとしては、とても許せることではないということで、強く東電にも国にも抗議してきたところでございますし、各国からも批判を浴びているところだと思っております。  まだまだこの汚染水の流出については、完全にこれがとまったということでは、私どもは決してないと思っております。海洋におけます水質を、しっかりと守っていっていただくという観点からも、ぜひこの部会、それから審議会において、汚染水の海洋への流出、これを二度と起こさないような対応にご尽力をお願いしたいと思います。1回海に流した水は、二度とこれは回収できないわけでございます。これをいかにその前でとめるということについて、どれほどの努力が4月4日の時点までに払われたのかということについて、私どもは非常に強い怒りを覚えますので、このようなことを、ぜひご認識をいただければと思います。
 もう1点、先ほどモニタリングの話をいただきました。各省庁が、これはそれぞれ今行っているわけでございますが、これを統一化していくというお話を伺っているところでございます。何か具体的な話が伺えれば、お願いしたいと思います。

【岡田部会長】 どうぞ、事務局。

【関審議官】 放射性物質のモニタリングにつきまして、政府全体として統一的にということで、細野原発担当大臣を中心としまして、関係省庁の局長会議で、モニタリング調整会議というのを結成いたしまして、先日、各役所の役割分担ということで公表したところでございます。その中で、従来環境省は、先ほど鈴木会長からお話がありましたように、比較的放射性物質については距離が遠かったわけでございますけれども、政府全体の水環境、自然公園、廃棄物の放射性のモニタリングについては、環境省が中心になって、政府全体を引っ張っていくと、こういうことでございまして、全体として、すき間なくモニタリングができるように、この場を通じて、政府が一体となって取り組んでいるところでございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。  どうぞ。

【兼廣委員】 1点お伺いしたいのですが、現在、漂流中の大量の瓦れきについて、追跡調査とか、あるいは回収とか、お考えの点があれば、環境省としての対応を教えていただきたいのですが。

【森室長】 震災のときに大量の瓦れきが発生して、それが外洋に流れ出たというところは、情報でいろんなところから言われているわけでございますが、うちのほうとしても、そういう事実を把握するために補正の予算を取って対応したいと考えているわけでございますが、2次補正は規模的にそんなに大きくなかったものですから、環境省としては放射性のモニタリング以外はとれていないものですから、今後また予算をとりながら、モニタリング等に対応をやっていくということで考えております。

【岡田部会長】 よろしいですか。
 ほかにございますでしょうか。どうぞ。

【鈴木会長】 いろいろなご意見が出ましたが、1つ、これからの水環境保全の在り方についてでは触れられているのかもしれませんが、海というと、今まで沿岸地域、あるいは閉鎖性水域しか考えてないんですが、日本は、排他的経済水域としては世界で6番目に広い面積を抱えているんですね。ここを一体どう考えるのかというところで、森室長が頭を抱えられるかもしれませんが、海上保安庁、水産庁等と一緒に日本の周辺の海域をどう管理していくのか今回の事象をきっかけとしてでいいと思うのですが、考えていくことが必要なのではないかと。そのときに、環境省がイニシアチブをとっていただくというのがいいのではないかと思います。
 もちろん水産の問題もあります。今、沿岸の海底にいろいろと、どうしたらいいかわからないようなものが、沈み込んでいる。そういうような状況をどう回復させるのか。それが一体自然に放置すれば回復できるものなのかどうか色々な問題を含んでいると思います。
 排他的経済水域の中であれば日本が責任をとるべきなのか、あるいは、国際的な責任をどういうふうに果たしていくべきなのか、いろいろな問題があると思いますが、世界的には海洋法というのがもう既にでき上がっているはずで、日本にも、海洋基本法が出来ているわけですから、そういう方向と軌を一にしながら、要するに公海に対してもどういうふうに考えるか。
 それから、日本から流れ出したごみに対して、一体日本はどういうふうに責任をとらなければいけないのかというような、新しい問題がいろいろあろうと思いますので、ぜひご検討いただければと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。よろしいですか。
 大体予定の時間になりました。本日予定させていただきました審議、それから報告につきましては、すべて終了いたしました。
 以上をもちまして、本日の第28回水環境部会を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。
 事務局にお返しいたしますので、連絡事項等がございましたらお願いいたします。

【池田課長補佐】 本日は、お忙しい中、長時間にわたりご審議ありがとうございました。
 お手元の資料につきましては、郵送をご希望の委員の方は封筒にお名前をお書きいただければ、事務局から郵送させていただきます。
 事務局からは以上でございます。本当にありがとうございました。

午後12時05分 閉会

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