中央環境審議会水環境部会(第27回)議事録

開会

議題

  1. (1)水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目追加等について
  2. (2)水質汚濁防止法に基づく事故等の措置及びその対象物質について
  3. (3)その他報告事項
    • 地下水汚染の効果的な未然防止対策の在り方について(答申)

閉会

配布資料

資料1 中央環境審議会水環境部会委員名簿(平成23年2月18日現在)
資料2 第26回水環境部会議事録<委員限り>
資料3-1 水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目追加等について(第1次報告)
資料3-2 水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目追加等について(諮問)(付議)
資料4-1 水質汚濁防止法に基づく事故等の措置及びその対象物質について(報告)
資料4-2 水質汚濁防止法に基づく事故等の措置及びその対象物質について(諮問)(付議)
資料4-参考資料 水質汚濁防止法における事故等の措置の概要
資料5 地下水汚染の効果的な未然防止対策の在り方について(答申)
参考資料 中央環境審議会関係法令等

議事

午前10時01分 開会

【須藤課長補佐】 皆様、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会第27回水環境部会を開催いたします。
 開催に先立ちまして、本日の出席委員のご報告をいたします。所属委員34名のうち過半数の23名の委員にご出席いただいておりますので、中央環境審議会令第7条第3項により、準用する同条第1項の規定に基づき定足数を満たしており、本部会は成立しておりますことをご報告いたします。
 また、本日の会議は中央環境審議会の運営方針に基づき公開とさせていただきます。
 次に、1月14日付で新たに水環境部会に所属することとなりました委員で、前回1月17日にご欠席でした委員の紹介をさせていただきます。
 前愛知県副知事の稲垣隆司委員です。

【稲垣委員】 稲垣でございます。よろしくお願いします。

【須藤課長補佐】 ここで水・大気環境局長の鷺坂よりごあいさつを申し上げます。

【鷺坂局長】 水・大気環境局長の鷺坂でございます。
 委員の皆様には本日大変お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。また、日ごろより水環境行政全般の推進につきまして、ご指導、ご助言を賜っておりますことをこの場をおかりしてお礼を申し上げたいと思います。
 まず、本日の水環境部会でございますけれども、環境大臣から中央環境審議会に諮問しておりました2つの諮問、1つは「水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目追加等について」、もう1つが「水質汚濁防止法に基づく事故時の措置及びその対象物質について」、この2つの諮問につきまして、専門委員会での検討結果をご報告いただき、ご審議をいただくことになっております。
 また、同じく環境大臣から中央環境審議会に諮問いたしましたもので、「地下水汚染の効果的な未然防止対策の在り方について」、この点につきましては水環境部会のもとで地下水汚染未然防止小委員会でご審議をいただいておりまして、この度、大臣への答申をいただいたということでございますので、その内容についてご報告をいただくということになっています。
 本日ご審議をいただく案件が多うございますけれども、環境省といたしましても、中央環境審議会の答申をいただきましたならば、新たな環境政策の展開に向けて取組んでいきたいと、このように考えているところでございますので、さまざまな観点から本日もご議論いただければと考えております。
 簡単ではございますけれども、私からの冒頭のごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【須藤課長補佐】 それでは、次に、本日の審議のためにお手元にお配りしている資料につきましては、議事次第にあります資料一覧のとおりでございます。なお、委員の皆様には資料2といたしまして、前回1月17日に行われました部会の会議録をお配りしております。この会議録につきましては、既に当該部会出席委員との調整をさせていただいたものとなります。もし配付漏れ等がございましたら、事務局までお申しつけください。
 それでは、議事に移りたいと思います。これよりの議事進行につきましては岡田部会長にお願いいたします。それでは、よろしくお願いします。

【岡田部会長】 かしこまりました。おはようございます。朝早くからお集まりいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、早速議題に入りたいと思いますが、その議題に入る前に、今、事務局からもお話がございましたけれども、前回の部会が1月17日に開催されております。そのときの議事録が今皆様方のお手元にお配りされているかと思います。当日、ご出席をいただいた委員の皆様方には既にご確認をいただいておりますので、今後、速やかに公開ということにさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 それでは、まず、最初の議題です。「水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目追加等について」となります。これは平成21年11月30日付で環境大臣より諮問がなされ、同日付で当部会に付議されたものを排水規制等専門委員会において検討していただいたものでございます。本日はこの委員会でまとめていただいた第1次報告につきましてご審議をいただき、部会の報告案としてお取りまとめいただきたいと考えております。委員会の第1次報告につきましては、専門委員会の委員長をお務め頂いている細見委員長よりご報告をお願いいたします。

【細見委員長】 かしこまりました。それでは、お手元の資料の3-1の第1次報告について、概要を先にご説明させていただきまして、報告の具体的な詳細な内容については事務局からご報告があると思います。
 それでは、平成21年11月30日に1,4-ジオキサン、塩化ビニルモノマー、1,2-ジクロロエチレン、1,1-ジクロロエチレンのこの4項目につきまして、公共用水域の水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準と、それから、地下水の水質汚濁に係る環境基準の項目の追加と基準値の変更が行われました。これを受けまして、同日、環境大臣は中央環境審議会会長に対しまして「水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目追加等について」諮問しました。この諮問につきまして、同審議会の水環境部会に排水規制等専門委員会を設置いたしまして、専門的事項について調査検討をいたしました。
 まず、地下水の環境基準に追加されました塩化ビニルモノマー及び1,2-ジクロロエチレン並びに水質環境基準及び地下水の環境基準の基準値が変更されました1,1-ジクロロエチレンに関しまして、専門委員会で結論を得ました。
 まず、審議経過を簡単に説明いたしますと、平成21年12月17日に第1回の専門委員会が開催されまして、昨年12月10日、委員会における検討状況につきましてはこの部会に対してご報告をいたしました。引き続いて、12月17日の第6回の専門委員会におきまして、報告案を取りまとめております。この報告案は、昨年の12月24日から本年の1月24日、1カ月間パブリックコメントを実施して、34の団体・個人から合計128のご意見を賜りました。その後、2月10日に第7回の専門委員会を開催いたしまして、このパブリックコメントでいただきましたご意見を踏まえて報告案を修正し、本日、この水環境部会に報告するに至りました。
 結論でございますけれども、まず、塩化ビニルモノマー、1,2-ジクロロエチレン、この2つにつきましては、地下水の環境基準のみに追加された物質でございます。したがいまして、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目のみに追加するということにしまして、地下浸透規制基準、これは検出されないこと、それから、地下水の浄化措置命令に関する浄化基準、これは環境基準値とする。1,1-ジクロロエチレンにつきましては、水質環境基準及び地下水環境基準における基準値が0.02から0.1mg/lに見直されましたので、排水基準を新たに設定された環境基準値、すなわち0.1mg/lの10倍値の1.0mg/lとすると。それから、地下水の浄化措置命令に関する浄化基準は設定された環境基準値と同じ値とするというのがこの第1次報告の概要でございます。
 いろいろパブリックコメントをいただきました中で、特に塩化ビニルモノマー等はもともとトリクロロエチレン等の分解物で生成されると考えられる。したがって、この塩化ビニルモノマーを製造する等の工場・事業場からの地下浸透による地下水の汚染事例はこれまで確認されていないという状況を改めて確認いたしまして、さらに地下水というのは一旦汚染されてしまうと回復が非常に困難なのでということと、さらに、塩化ビニルモノマーに関しましては、環境基準値を超過している事例があるということを踏まえれば、さらに人為的な汚染が加わった場合、地下水の環境基準を超過することがないように、これまでどおり製造等の施設からの汚水等を含む水の地下浸透規制あるいは都道府県知事による改善命令等の措置によって汚染の未然防止を図っていくということが必要であろうというふうに専門委員会では議論されました。
 詳細につきましては事務局からよろしくお願いいたします。

【岡田部会長】 ありがとうございました。これは引き続いて、では、事務局からお願いいたします。

【吉田課長】 水環境課長、吉田でございます。
 それでは、私から資料3-1、第1次報告に沿って説明をさせていただきます。
 表紙をくっていただきまして、目次があります。まず、「はじめに」がありまして、その後、塩化ビニルモノマーと1,2-ジクロロエチレン、これは先ほどお話のありました地下水の規制に関する新たな項目です。そして、<3>として、これは公共用水域、それから、地下水規制を含めて以前の数値が変更になりましたので、その検討ということで1,1-ジクロロエチレンについて書かれております。
 1ページ、「はじめに」は、経緯が書かれておりまして、先ほど細見委員からお話がございましたので、省略をさせていただきます。
 2ページからが塩化ビニルモノマー、1,2-ジクロロエチレンについてということでありまして、まず、1として、物質の特性と人の健康影響についてです。
 塩化ビニルモノマーですが、これは性状といたしまして、空気よりやや重い無色の気体であります。水溶解性が比較的低く、この塩化ビニルモノマーを含んだ水が水域に出ていきますと、その揮発性のために速やかに大気中に移行します。一方、土壌に排出された場合には土壌の吸着性が低いということで、吸着されずに地下水に移行していくということでありす。そのまま分解されることもあれば、とどまることもあるということです。また、トリクロロエチレン等地下の嫌気性条件下で分解して生成することがあり、そういう物質で汚染された地下水からも検出されることがあるということであります。
 人の健康影響といたしましては、吸入経路を中心としまして発がん性が確認をされております。
 次に、1,2-ジクロロエチレン、これはシス体とトランス体、合わせてですが、特異的な臭気のある無色の液体。こちらも水溶性が比較的低く、塩化ビニルモノマーと同様、水域に排出されますと揮発性のために大気中に移行、一方、土壌に排出された場合には地下水に移動するという性質がございます。こちらも同じくトリクロロエチレン等が地下の嫌気性条件下で分解して生成することがあるということであります。
 そして、人の健康影響といたしましては、吸入いたしますと吐き気、嘔吐などが見られるというような性状がございます。
 次に、2として、用途、排出量等ですが、まず、塩化ビニルモノマーは用途が限られており、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの合成樹脂の製造が主なものです。その他の発生源としましては、次のページになりますが、有機塩素系化合物を製造するような事業所における熱分解等による副生成、あるいは先ほど申し上げました嫌気性条件下でのトリクロロエチレン等の分解による生成等があります。平成20年のPRTRデータでは排出量は約25万6,000kg/年となっており、大気への排出が97.4%と大半を占めております。土壌への排出、埋め立てによる排出は届け出られていないという状況であります。
 1,2-ジクロロエチレンにつきましては、かつて染料、香料、熱可塑性の合成樹脂などを製造する際の溶剤あるいは塩素系の溶剤の原料として使われておりました。現在は用途がないと考えられております。
 こちらも1,1-ジクロロエチレン、塩化ビニルモノマー製造時の副生成物でございます。それから、トリクロロエチレン等の分解による生成などがあります。
 PRTRデータでは、まず、シスのほうは年間約3,800キログラム、こちらは大気11.7%に対して水域への排出が88.3%。それから、トランス体は年間約1万1,000キログラムということで、ほとんどが大気への排出ということになっております。シス体、トランス体とも土壌への排出、埋め立てによる排出は届け出られておりません。
 次に、公共用水域や地下水でのそれぞれの検出状況ですが、塩化ビニルモノマー、これは水域では、指針値を超過したものが平成16年度、17年度、18年度、1カ所確認されております。ただ、いずれも同一地点で、地下においてトリクロロエチレン等が分解したものと考えられております。
 それから、19年度にも1カ所見られますが、同箇所での継続的な超過は見られておりません。
 地下水では、地下水環境基準値を超過した事例が平成16年度以降、毎年17から85カ所程度見られておりますが、これもほとんどが嫌気性条件下でのトリクロロエチレン等の分解により生成したと考えられております。
 次に、1,2-ジクロロエチレン、こちらも公共用水域では環境基準値を超えるものは見られておりませんが、環境基準値の10%値を超過するものが数カ所見られています。トランス体は10%超過も見られていないということです。
 一方、地下水では、シス体のみ、トランス体のみでもそれぞれ超過が見られております。全体の数としましては、両異性体の和が0.04mg/lを超える箇所が平成16年度以降10カ所あったということです。
 こういう2つの物質に対しまして、大きな4番ですが、排水規制、地下水浸透規制のあり方についてということであります。
 まず、基本的な考え方ですが、塩化ビニルモノマーにつきまして、水域では、第2次答申、これは中央環境審議会の答申ですが、平成21年9月、引き続き要監視項目ということでありまして、環境基準項目には設定をされませんでした。それ以後もそれぞれの水域の調査結果でも指針値の超過は見られていないという状況です。
 次の5ページに、地下水について書いております。こちらについては第2次答申におきまして、人の健康を保護する上で望ましい基準として、地下水基準が設定されております。この塩化ビニルモノマーですが、先ほど細見委員からもご説明がありましたように、地下水環境基準値を超過している原因のほとんどがトリクロロエチレンの分解で生成されたものということであります。
 一方、塩化ビニルモノマーを製造等する工場・事業場からの汚染例は確認をされておりません。ただ、地下水が汚染をされると、その回復が困難であるということ、現在も環境基準値を超過している事例があるといったことから、専門委員会では地下水規制等を行うことが適当だというご意見をいただいております。
 さらに、排水処理技術でございますが、揮散法等、一般的に適用可能な処理技術がありますので、仮に地下水浸透規制が行われた場合であっても妥当な排水処理が維持されると考えられております。
 次に、1,2-ジクロロエチレンです。こちらも水域では第2次答申で要監視項目と設定をされております。それ以後も特に環境基準値の超過は見られておりません。
 地下水につきましては、環境基準値に設定されております。この1,2-ジクロロエチレンにつきましても地下水の環境基準を超過しておりますが、その原因のほとんどはトリクロロエチレンの分解で生成されたものということでございますけれども、同様の理由によりまして地下浸透規制を行うことが適当とされております。同じく排水処理技術としましては、揮散法等、適用可能な処理技術があります。
 次に、(2)といたしまして、地下浸透規制と地下水の水質浄化措置、先ほど地下浸透規制を行うことが適当と書かれておりますが、その内容です。その内容につきましては、「汚染物質を検定した場合において、有害物質が検出されることが適当」、これは簡単に言いかえますと、地下に水を浸透させる場合においては、塩化ビニルモノマー並びに1,2-ジクロロエチレンが検出されない水を地下に浸透させることはできるが、検出される水については地下浸透の規制をかけると、このような意味合いです。定量下限を踏まえますと、その濃度としましては、塩化ビニルモノマーについては0.0002mg/l以上、1,2-ジクロロエチレンについては、それぞれにつきまして0.04mg/l以上ということであります。さらに地下水の水質を汚染してしまった場合の浄化基準でございますが、一番下の段にありますように、それぞれ0.002mg/lと0.04mg/lとすることが適当ということであります。
 次に、検定方法につきましては、それぞれ地下水環境基準の告示のそれぞれ付表と別表に掲げる方法ということです。
 <3>、1,1-ジクロロエチレンについて、7ページです。こちらは基準値の変更になりますので、先ほどのような性状等についての記載は省かれております。
 まず1としまして、排水基準等の設定状況です。この物質につきましては、平成6年2月に有害物質に追加をされまして、その際の排水基準としまして環境基準の10倍である0.2mg/l以下とされております。それから、地下水の浸透規制についても設定をされております。
 ということを受けまして、大きな2で、公共用水域への排水規制と地下浸透規制のあり方とですが、基本的な考え方といたしまして、第2次答申におきましてWHOの水質ガイドライン、それから、平成20年の水道水質基準の改定を踏まえて基準値を0.1mg/lと見直されております。
 これを受けまして、公共用水域への排水規制並びに地下浸透規制について見直すことが適当であるとされております。
 その設定値ですが、(2)にありますように、これまでの考え方を踏襲するということで、環境基準の10倍、1mg/lとすることが適当であると。また、次に(3)として、地下水はこれまでも従前どおり、同物質が検定方法により検出されないこととすることが適当と、浄化基準については地下水環境基準と同じ値の0.1mg/lとすることが適当というように、1,1-ジクロロエチレンについての排水基準値並びに地下浸透規制値が設定されることが適当だとされたところであります。
 少し長くなってしまいましたが、補足的な説明は以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に関しまして、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。

【鈴木委員】 製紙連の鈴木でございます。
 意見というわけではないのですけれども、関係者団体から上がってきた感謝の言葉がありました。特に小委員会、専門委員会での途中経過を水環境部会でご報告いただいて、まとめていただいたということに対して感謝をしているということが関係者団体から出ております。今後も小委員会あるいは専門委員会での議論の途中経過について、ぜひまたご報告をいただきたいという要望が出ておりました。お伝えしたいと思います。
 以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。では、今のようなやり方を継続していただくということでお願いいたします。

【須藤委員】 私は塩化ビニルモノマー及び1,2-ジクロロエチレンの地下水の環境基準を取りまとめた者として、排水規制をどうされるのかということに大変興味を持っておりました。この2物質は、環境基準としては今まで公共用水域と地下水は項目も濃度も同じだったのですが、初めて地下水の環境基準だけというのをつくったわけです。それに対して排水基準をどうするのかというのは、全く新しい試みだったと思います。そういう中で、いろいろ議論されて、地下水の浸透規制の部分だけに先ほどおっしゃっているような濃度を決めてくださったというので、今後こういうことは多分起こると思うので、これを前例というか、要するに排水規制というのは、一律の排水基準ということで、何が何でも排水規制をするということが今まで多かったんだけれども、地下水に浸透しないということが前提であるならば、この項目について排水規制をしないという理解でよろしいんですね。

【細見委員長】 今、須藤先生からご指摘を受けましたように、今回が多分初めての試みというか、この専門委員会におきましても、一番最初取り上げたこの2つの物質について議論がありました。地下水の環境基準のみ追加されたということで、それを中心に地下浸透規制等をしていくのが適当であろうという、一応排水規制についても公共用水域の状況だとかを考えながら、まず、差し当たって必要なのはまず地下水だろうということで、そういうふうに浸透規制について議論させていただきました。もし、何かつけ加えることがありましたら、環境省から。

【岡田部会長】 いいですね。
 ほかにございますか。
 特にご意見ないようでしたら、この報告についてお認めいただいたと考えさせていただきたいと思います。したがいまして、今いただいたご報告を水環境部会としての答申案とさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 それでは、専門委員会の細見委員長初め、委員の皆様方のご努力に感謝いたしまして、本件を終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、議題の2に移りたいと思います。「水質汚濁防止法に基づく事故時の措置及びその対象物質について」ということになっております。本件は平成22年10月14日付で環境大臣より諮問がなされ、同日付で当部会に付議されたものです。これを排水規制等専門委員会において検討していただいたものでございます。本日はこの委員会でまとめていただいた報告についてご審議いただき、部会の報告案としておまとめいただきたいと思います。委員会の報告につきましては、同じく専門委員会の細見委員長よりもう一度ご報告をお願いいたします。

【細見委員長】 かしこまりました。それでは、お手元の資料で申し上げますと、資料の4-1、水質汚濁防止法に基づく事故時の措置及びその対象物質について(報告)、それから、お手元に参考資料として資料の4というのがございます。1枚のA4のサイズでございます。今回、この水質汚濁防止法における事故時の措置の概要ということで、改めて少し整理をさせていただきますと、この資料4-参考資料のようになります。従来から事故時の措置というのは有害物質等についてやられてきたわけですけれども、今回、この赤で囲った部分、指定物質を製造、貯蔵、使用、処理あるいは有害物質を貯蔵、使用している施設を指定施設として、今回新たに事故時の措置となった項目を議論させていただきました。
 お手元の資料の4-1の報告にありますように、平成22年1月29日の中央環境審議会の答申を踏まえまして、大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正するという法律案が昨年の3月2日に閣議決定されて、4月28日に成立、5月10日に公布されました。この改正法におきましては、公共用水域に大量に排出されることによって人の健康、または生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるという物質を製造する等の施設を設置する事業場・工場の設置者に対して、事故によってこれらの物質を含む水が排出された場合における応急の措置と、それから、都道府県知事への届け出を義務づけることとなっております。
 このような状況を踏まえまして、昨年の10月に環境大臣から諮問された事項につきまして、この専門委員会におきまして、水質汚濁防止法に基づく事故時の措置及びその対象物質に関する専門的事項について検討を開始して、以下のとおり結論を得たものがこの報告書でございます。
 審議経過でございますけれども、昨年10月19日の第5回専門委員会を開催いたしました。その結果を昨年12月にこの本部会に対して中間報告をさせていただいて、12月17日の第6回専門委員会において報告案を取りまとめました。この報告案につきましては、昨年12月24日から本年1月24日の1カ月間、意見募集を実施いたしまして、52の団体、個人から合計149件のご意見をいただきました。その後、2月10日に第7回専門委員会を開催いたしまして、このパブリックコメントでいただきましたご意見を参考にして報告案を修正して、本日お手元の資料4-1という形で報告することになりました。
 この報告の内容、概要を簡単に説明いたしまして、あとは、また、この報告書の内容につきましては事務局からご説明をお願いしたいと思います。
 この水質汚濁防止法の改正におきましては、指定施設の破損その他の事故が発生して、有害物質または指定物質を含む水が事業所から公共用水域に排出されて、あるいは地下に浸透したりすることによって、人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがあると、こういうときは、事故時の措置を講じなさい、それとともに、都道府県知事に届けなければならないとされております。参考資料の4で示しましたように、有害物質については既に物質が定められておりまして、水質汚濁防止法の改正以前におきましても事故時の措置が既に適用されてきたところでございます。今回は、この赤字で示しました指定物質の赤字で囲ったところ、これを対象と、どのような物質を選定すべきか議論をさせていただきました。選定に当たっての考え方につきましては、お手元の報告書の3ページ11行目にありますように、水環境において、人の健康の保護及び生活環境の保全の観点から有害性や存在状況から規制の対象としてきた物質、また、水道水において水質の管理対象となっている物質に加えまして、事故の起こりやすさという観点から、近年において発生しました水質事故の原因となっている物質を対象としております。選定の結果、6ページに示しておりますように、合計58の物質について指定物質として、その物質名は8ページ以降の別表に示すとおりでございます。
 多くパブリックコメントでいただいたご意見の中で、あるいはこの部会で昨年12月にご報告いたしましたけれども、事故時というものの概念があいまいであるという、いろいろご指摘あるいはパブリックコメントでいただいております。それについては委員会としていろいろ議論しておりまして、この報告書でいいますと、7ページの今後の課題というところの最後の段落で、関係機関と連携しながら水質事故の発生情報を収集、必要に応じて指定物質の追加を行っていくべきであるという1つの将来の課題と、それから、「おわりに」というところにおいて、専門委員会から環境省に対するお願いというか、要望として、関連機関と連携していただいて、自治体のご意見を聞いた上で必要に応じて具体的な水質事故の事例を含めて通知等のわかりやすいものとしていただくようにお願いしたいというのがこの専門委員会でのお願いというか、環境省に対してもこれから検討していただきたいと思っておるところです。
 それでは、あとの資料4-1の詳しい内容につきましては吉田課長からよろしくお願いいたします。

【吉田課長】 水環境課長、吉田です。
 資料4-1(報告)に沿って説明をさせていただきます。
 資料4-参考資料も横に置きながら見ていただきますとわかりやすいかと存じます。
 まず、目次ですが、2の検討事項の中で、「事故時の措置」の対象の考え方、それから、(2)として指定物質の選定の考え方、それから、指定すべき物質、今後の課題という流れになっております。
 1ページの「はじめに」のところは、先ほど細見委員長からご説明がございましたので省略させていただきます。
 2ページをお願いいたします。まず、事故の考え方ですが、これについても先ほど説明がございました。「ここでいう事故とは、従来の水質汚濁防止法において対象としてきた事故と同じものである」と書かれております。さらには、その事故については、「人為的な事故に限らず、天災を含む不可抗力による事故を含む」ということでありまして、その一番下にあります、「また、意図的な放流、これについては水質汚濁防止法の事故の概念に馴染まないために事故の対象外とした」とするということでして、いずれも従来どおりの考え方であります。
 次に、2の指定施設です。これは先ほどの参考資料の表を見ていただくとわかりやすいですが、指定施設というのは有害物質を貯蔵、使用する施設、あるいは指定物質を製造、貯蔵、使用もしくは処理する施設が該当するということでありまして、特定施設と指定施設が一部重なる場合もございますが、特定施設以外としては指定物質のみを製造、貯蔵するような場合が該当します。また、一方で、農耕地、土木工事現場、道路移動中のタンクローリー、これらは施設ではありませんので、指定施設には該当しないとされております。
 それから、次の対象項目でありますが、これも先ほどの参考資料を見ていただきますと、改正前の水質汚濁防止法では有害物質と油を対象として、事故時の措置が適用されています。一方、改正法におきましては、この表にはありませんが、特定施設から排出される生活環境項目も加わりました。そして、指定物質について事故時の措置の義務が適用されることになったということであります。その事故時の措置につきましては、公共用水域への排出と地下への浸透、この2つに適用されるということであります。
 次に、指定物質の選定の考え方ですが、まず、今回指定施設が新たに加わることによりまして、指定事業場における事故においても応急措置と届け出の義務が課せられるということになります。つまり、新たに指定事業場という施設が加わり、これまでの特定事業場と同等の義務が課せられるということから、指定事業場の設置者に当該事務への認識を持っていただくなど、実効性の確保が重要であるということ、それからもう1点は、指定物質に指定することで、この物質については気をつけなければならないという注意を促す効果もあることから、過去の事故事例も参考にすることが適当であるとされまして、先ほど細見委員長からご説明があったように、水環境におきまして、人の健康保護、生活環境の保全の観点から、これまで規制の対象になってきた物質、それから、近年発生した水質事故の原因となっている物質を対象とするとされたところであります。
 選定に当たっての視点としましては、事故によって懸念される事項としまして、[1]から[4]が設定をされております。そして、その選定の項目ということで2)ですが、a)からh)となります。
 まず、a)として、排水基準で指定されている物質、それから、環境基準、これはb)、c)、d)すべてですが、まず1つ目が環境基準健康項目と地下水環境基準項目。c)では、生活環境項目のうち、水生生物の保全に関するもの、d)ではそれ以外のものとなっております。それから、e)としまして、要監視項目、これは環境基準につきましては数値が決められ、維持すべき水準となっていますが、少し乱暴に言えば、環境基準の候補と考えられている物質です。それから、f)としましては、水道水質の基準となっている物質。g)としまして、水質管理目標設定項目。これも言ってみれば水道水質基準の候補と考えられている物質です。また、h)としまして、事故事例が確認された物質となっています。
 次に、例えば生活環境項目では、水素イオン濃度も項目としては設定をされていますが、pHという物質はありませんので、物質としては特定できないということになります。しかしながら、事故事例で、酸及び塩基等の物質による事故事例がありますので、そういう物質については選定をするというような考え方です。
 また、選定に当たって考慮すべき事項ということで、次の5ページの3)です。まず、濃度の規定として、事故が発生したときには即時対応する必要性があるということ、人の健康の保護あるいは生活環境の保全のためということですので、そういう漏洩量等の数値による基準は設けられておらず、そういう被害が生じるおそれがあると認められるときには、量とは無関係に事故時の措置を講ずる必要があるとされております。
 また、指定物質についても濃度による基準を設けることは適当でなく、被害が生ずるおそれの有無で事故時の措置を講ずる必要性を判断すべきとされたところであります。
 それから、次に、溶解性の規定、つまり、水に溶けるか溶けないかということですが、水にあまり溶けにくい物質であっても、例えば粒子状の物質が大量に流れてくるといったようなケースでは水環境に大きく影響を及ぼす場合が想定されますので、溶解性の規定は設けないとされております。
 次に、金属の化合物です。これは現在も環境基準項目ですとか、あるいは水道の基準項目におきまして個別の金属化合物ではなくて、当該金属元素を含む化合物全体を指定されている場合があります。こういう事例も踏まえまして、化合物をまとめて1つの項目という形で指定をするとされております。
 次に、混合物については、それぞれ物質として指定をしておりますので、まざったものについて今回は指定を行わないとされました。
 以上のことから、、3としまして、指定すべき物質、それぞれ候補項目リストから抽出をいたしまして、ダブりを外しまして最終的に58の物質が推薦をされたところであります。
 ただし、7ページにありますように、今後の課題としまして、指定物質の選定に当たって検討した項目のうち、臭気、味、BODというような性状を表す項目、それから、物質が水中で分解あるいは生成されるために有害性の判断、原因物質の指定が困難な項目、そして、成分によって有害性が異なるとか、あるいは構成成分が明らかでない項目、こういった項目については現時点では指定が困難だということから、今後の新たな科学的知見に基いて検討を行っていくべきとされたところであります。また、あわせて水質事故の発生情報を収集し、必要に応じて指定物質の追加を行っていくべきとされます。
 「おわりに」にありますように、これらの周知が重要だということで自治体、産業界、NPO等々の関係団体と連携を図りながら周知方法について検討すること、そして、その周知については具体的な事例を含めて通知等をわかりやすいものとするなどの工夫を図られたいとなっております。
 次の8ページ、9ページが先ほどありました個々の物質名を挙げたものです。
 以下、その次に名簿、審議経過がございまして、その後に別添として、水質汚濁防止法の改定された内容、条文があります。その次には事故時の措置の位置づけの考え方といたしまして、整理された資料がございます。その次は別添2になりまして、一覧表になっています。それから、3ページからは個票ということで、それぞれの物質につきまして、その性状ですとかあるいは取り扱い状況、有害性、どういった項目から整理をされたのか、あるいは事故の事例というようなことを項目ごとに整理されております。
 補足の説明は以上です。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に関しまして、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。

【関田委員】 関田でございます。先ほど細見委員長のお話の中にもあった内容なのですけれども、事故の届け出が必要かどうかの判断基準が甚だあいまいだということで、これはこの報告の中の最後にそういうことを委員長も述べられているわけですけれども、今のままですと、例えば事業者と自治体との間や、自治体同士での判断に齟齬が生じることも大いに懸念されますので、誰がどのように判断するのかということを今後通知等で具体的かつ明確にお示しいただきたい、ご検討のほどお願いしますということを改めて申し上げさせていただきます。
 それからもう1つ、事業者及び自治体に対して届け出及びその対応において、必要以上の負荷にならないように配慮をしていただくということも重要と思われますので、この点もあわせてお願いをさせていただきます。
 以上でございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。今のご意見はよろしいですね。

【細見委員長】 はい。

【岡田部会長】 ほかにございますか。

【藤井委員】 今日、この席に稲垣前愛知県副知事がいらっしゃるので、この「おわりに」というところに関して少し伺いたいと思います。
 この周知のところですが、周知に当たっては自治体や産業界、NPO等の関係団体と連携を図りつつとありますが、こういういろんな答申が来たときに、自治体と産業界、それにNPOを含めて、そのコミュニケーションを図る場とか、継続的な場というものが、私は滋賀県ですが、なかなか多くの案件についてつくるのは難しいと思うのですね。でも、こういうものについて、例えば愛知県は大変大きい県ですが、こういう答申があって、そして、いよいよ新しい基準に向かって動くというときに、NPOを含めてどのような形で対応をなさっているか、参考のために伺いたいと思います。

【稲垣委員】 こういうものも含めてですけれども、すべてのものは行政だけが知っているだけでは全く意味がないわけであります。やはり県民の方々あるいは事業者の方々、多くの方々が理解して初めてこれは効果を上げるというものですので、これは愛知県に限らず、どこもやっていると思いますけれど、こういうものが出てくれば、当然県内いろいろなところで説明会も開かせていただきますし、また、ホームページ等でも掲載させていただいてやっていると。説明会だけではなくて、昨年、COP10が開かれておりますけれども、そういうときにもいろいろなところで業界に対する講演会とか、いろいろあるわけですから、こういう情報というのは、その都度こういうふうになっているよということはプラスして話すとか、そういうこともさせていただいております。ですから、何にしてもつくっただけでは意味がないものですから、それをいかにPRするかというのは、大変、藤井先生が言われたように重要だと思いますので、これは県だけではなくて、市町村あるいは業界の団体も一緒になってやるということが必要だと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。今のご意見、もちろん報告書の中にも書かれていますが、今の議論、それから、先ほどの関田委員のご指摘にもございましたように、ぜひ、今の周知とか連携という視点は重視して運用をしていただければと思います。
 ほかにございますか。

【稲垣委員】 これだけうまくまとめていただいて大変感謝しておりますが、確認なのですけれども、5ページの3)の[1]のなお書きのところです。「廃棄物については、指定物質を含有している場合があるため」という記述なのですが、いろいろな廃棄物にはいろいろなものが入ってくると思いますけれども、これはあくまでも管理型処分場・管理物が対象であり、安定型・安定物は入らないという理解でいいのか、その辺はどういう理解でここを書かれたのか、少しこれだけ教えていただければと思います。

【細見委員長】 ここの5ページの「廃棄物については」という文章に関しましては、特定の今おっしゃられた最終処分場のみならず中間処理施設も含めて、要はある施設から公共用水域あるいは地下水に流出したことによって人の健康とか生活環境に及ぼす影響を考えないといけませんので、相手がこの廃棄物の施設であっても事故時の措置を講じてもらうということと、それから、報告義務を課せると考えています。補足があったら、環境省からよろしくお願いします。

【吉田課長】 専門委員会のときのご議論では、廃棄物処理場の場合、そこで仮に事故が起こった場合に、濃度等の規定等は関係なく即座な対応をしてほしいということでこの一文が入ったと記憶しておりまして、指定物質を含有している場合があるというのは、あまり議論がなく、そういう廃棄物処理施設等で事故が発生した場合には濃度に関わりなく、事故時の措置の対応をとってほしいということでこの文が書かれております。

【稲垣委員】 非常に幅広くなってしまって、これこそ先ほどの藤井さんの話ではないですけれども、なかなか難しいなという気がするのですが、廃棄物だといいますと非常に幅広くなってしまう。

【岡田部会長】 どうぞ。

【田中委員】 私も関連したご質問ですけれども、今、日本でも鳥インフルエンザとか口蹄疫の殺処分の埋設施設はかなり増えてきていると思います。そういうところで事故が起きた場合に、今回のこの報告のまとめで対応できるのかどうか。たまたま今朝の朝日新聞に、韓国で口蹄疫の殺処分の埋設施設で事故が起きて、地下水汚染がかなり進行しているという記事が載っておりましたが、日本でも今後、鳥インフルエンザ等に関わるそういう問題が拡大する可能性もあると思います。これは、先ほどの5ページの3)の[1]のなお書きの部分で対応できるのか、または別の問題として他の関連法律等で対応できるのか。少しその辺をお伺いしたいと思います。

【富坂課長補佐】 水環境課の富坂でございます。
 今のご指摘につきましては、水質汚濁防止法でカバーしている範囲が施設から出る汚水ということでございまして、鳥インフルのような形で普通の地面で処理する場合にどうなるのかということになりますと、今の水質汚濁防止法ではこれは施設という概念には該当しないということで、2ページの指定施設のところで整理しているんですけれども、そういったものは対象とはならないという形で今回は整理させていただいているということでございます。
 それから、先ほど稲垣委員のご指摘の点でございますけれども、通常の廃棄物の中で指定物質を取り扱っているというところが、そもそも認識しているというところを前提としまして、水質汚濁防止法において事故時の措置として必要な対応をとっていただきたいというようなところでございまして、管理型、安定型処分場で管理の実態はともかく、通常そういう指定物質を取り扱っていないというような認識だと思いますので、そういう範囲で判断していただければよろしいかということで考えております。

【稲垣委員】 はい、結構です。

【田中委員】 どうもありがとうございました。今回のこの報告は、いわゆる水質汚濁防止法に基づく工場及び事業場を対象にしているということで理解いたしますけれども、先ほど言いましたような鳥インフルに係る殺処分での埋設場所の事故に今後どのように対応するのか、今後の課題とするのか、どうかということを少しお聞きしておきたいと思いますけれども。

【宇仁菅室長】 地下水・地盤環境室長の宇仁菅でございます。ご指摘の、例えば口蹄疫で大量の牛が埋立処分をされております。現状は周辺の地下水におきまして、韓国はどうかわかりませんけれども、日本では少なくとも埋却地の周辺の地下水を自治体で把握をしております。継続的に調査をしておりますので、異常があればそこでチェックができるということでございます。現時点では、宮崎県の口蹄疫の関係ですが、異常は見られていないという報告を受けております。

【岡田部会長】 ありがとうございました。ほかにございますか。よろしいですか。
 それでは、今、連携、周知と、それから、口蹄疫の問題に関連するところも含めてたくさん貴重なご意見をいただきました。しかしながら、ただいまの報告に関しまして、修正を要するというような意見ではないと思いますので、この報告を水環境部会の答申案という形にさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【岡田部会長】 ありがとうございます。
 それでは、今回の報告を部会の決議とさせていただき、中央環境審議会議事運営規則第6条第1項の規定に基づき、会長の同意をいただいた後、審議会の決議としていただき、大臣への答申の手続をとらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、引き続き、その他の報告事項でございます。「地下水汚染の効果的な未然防止対策の在り方について」、この答申の報告になります。
 これは平成22年8月12日付で環境大臣より諮問がなされ、同日付で当部会に付議されたものを地下水汚染未然防止小委員会において調査審議してきたものでございます。小委員会の調査審議につきましては、中央環境審議会議事運営規則第8条第4項の規定及び平成22年8月25日水環境部会決定に基づき小委員会の決議は部会長の同意を得て部会の決議とすることができるようになっております。
 去る2月7日に開催されました小委員会におきまして、答申案が決議され、2月8日、部会長の私が同意させていただきまして、部会の決議という形にさせていただきました。さらに2月15日付で中央環境審議会議事運営規則第6条第1項の規定に基づき、会長の同意を得て審議会の決議として大臣へ答申がなされたところでございます。本日はこの答申につきまして、小委員会の委員長を務められました須藤委員長よりご報告をお願いいたします。

【須藤委員】 かしこまりました。小委員長を務めさせていただきました須藤でございます。ただいまの岡田部会長の命に従って報告をさせていただきます。
 どうぞ、お手元の資料5をご覧になってください。有害物質による地下水の汚染につきましては、工場・事業場が原因とされる有害物質による汚染事例が毎年継続的に確認されておりまして、水質汚濁防止法により地下水浸透規制等の制度が導入されました平成元年度以降も汚染原因となった行為や事象が継続されて、確認をされております。このため、昨年の8月12日に、先ほどご紹介いただきましたように、環境大臣から中央環境審議会へ諮問を受け、地下水汚染の効果的な未然防止対策のあり方を審議するため、地下水汚染未然防止小委員会が設置されまして、部会長から私が小委員会の委員長に指名されたところでございます。
 小委員会は産業界、自治体、学識者、利用者代表から構成される18名の委員により9月14日に第1回を開催し、以降、2月7日までに5回の小委員会を開催し、毎回熱心な討論をさせていただきました。小委員会では、工場・事業場が汚染原因と推定される地下水汚染事例の汚染原因行為等の実態、条例における構造及び点検管理に関する基準、消防法等他法令における漏洩防止に関する措置を調査審議するとともに、産業界における未然防止対策の現状についてもクリーニング業界、石油業界、電気めっき業界、化学関係の企業からヒアリングを行わせていただきました。地下水汚染の効果的な未然防止のあり方について、これに基づいて審議をいたしました。
 また、昨年12月からはパブリックコメントの手続きを実施して、ご意見を答申案に反映させることにいたしまして、本年2月7日の小委員会におきまして、「地下水汚染の効果的な未然防止対策の在り方について」という答申案を作成いたしました。この資料が先ほどご紹介した資料5でございます。先ほど岡田部会長からお話がございましたように、本年2月8日に岡田水環境部会長の同意を得まして、さらに2月15日に鈴木中央環境審議会会長の同意を得て、大臣に答申書として既に提出をいたしましたので、ここに報告をさせていただきます。
 今後は、この答申を受けまして、水質汚濁防止法の一部を改正する法案を検討いたしまして、通常国会に提出予定と伺っております。言うまでもなく、地下水は私たちの貴重な淡水資源でございまして、良質の地下水を将来の世代に引き継いでいく必要がございます。本答申の取りまとめ役であります私といたしましては、人の健康や生活環境への影響を防止するため、速やかに答申に沿った改正法案が国会に提出され、成立施行されることによって未然防止対策が実施され、地下水の水質保全が完全になることを期待いたしております。
 以上でございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 それでは、事務局から答申の補足をお願いいたします。

【宇仁菅室長】 地下水・地盤環境室長の宇仁菅でございます。
 資料5について、簡単に説明をさせていただきます。
 まず、「はじめに」でございますが、先ほど委員長からも紹介がありましたが、まず地下水の特徴としまして、都市用水の使用量のうち約25%を依存しております。将来的にも淡水資源としての重要性は高まると考えられます。しかしながら、一般に流動が緩やかで、汚染物質の希釈が期待できないという地下水の特徴から、一旦汚染されると多くの場合は自然の浄化作用による水質の改善、回復は困難であるということでございます。したがって、将来にわたって地下水の水質を効果的、効率的に保全していくためには、汚染を未然に防止することが重要であるとしております。
 その次の水質汚濁防止法改正の経緯、今回の検討の必要性につきましては省略させていただきまして、2ページの下の方ですが、2番の工場・事業場が汚染原因と推定される地下水汚染の現状についてです。ここでは、平成20年度末までに全国で確認された地下水汚染事例のうち、工場・事業場が原因と推定される地下水汚染事例1,234ございますが、その汚染原因等につきまして環境省が21年度に地方公共団体のご協力を得て詳しい調査を行っております。その結果を示しておりますが、その下にありますように、水質汚濁防止法改正により地下浸透規制制度が導入された平成元年度以降も汚染原因となった行為や事象があることが明らかとなっております。以下、詳細に説明しておりますが、省略をさせていただきます。
 続きまして、4ページでございますが、3番としまして、「地下水汚染の未然防止に係る対策・取組の現状」について記載がされておりまして、まずは水質汚濁防止法による地下浸透規制の現状でございます。それから、続きまして、5ページにまいりますが、条例による地下浸透規制の現状を記載をしております。中身は省略をさせていただきますが、その次には他法令による有害物質の漏洩防止に関する規制の現状、その下の業界における地下浸透防止の取組などを調査、審議した結果を記載しております。
 続きまして、6ページにまいりますが、4番の「今後の地下水汚染の効果的な未然防止対策の在り方について」でございますが、ここでどういった対策を行うかということを記載しております。
 まず、(1)番の基本的な方針ですが、真ん中やや下あたりですが、地下水汚染を未然に防止するためには、現行の水質汚濁防止法に基づく地下浸透規制に加え、有害物質を取り扱う施設、設備や作業において漏洩を防止するとともに、漏洩が生じたとしても地下への浸透を防止し、地下水の汚染に至ることのないよう施設設置場所等の構造に関する措置や点検・管理に関する措置が必要である。その下ですが、依然として各地で発生している地下水汚染を未然に防止するためには法令に基づく制度として位置づけることが必要であるとしております。
 その下の(2)番、地下水汚染の効果的な未然防止のための措置にまいりますが、まず[1]施設設置場所等の構造に関する措置でございます。ここでは、7ページにまいりますが、施設の設備本体に附帯する配管等における漏洩防止としまして、3行目あたりですが、有害物質を取り扱う施設の設備本体に附帯する配管等は、例えば目視で確認できるよう床面から離して設置するか、漏洩を検知する設備を設ける等、漏洩があった場合に漏洩を確認できる構造とすることが必要としております。
 それから、イ)に飛びますが、床面、周囲等における地下浸透防止になります。3行目ですが、施設等から漏洩があった場合でも、直ちに地下に浸透しないよう、有害物質を取り扱う施設設置場所の床面は、例えばコンクリート製で表面を耐性のある材料で被覆する等、有害物質の地下浸透防止ができる材質、構造とすることが必要としております。
 それから、その下の方、[2]点検・管理に関する措置でございますが、まず、ア)の点検の実施でございます。8ページの3行目になりますが、定期的な点検及び検査を実施し、その記録を一定期間保存することが必要としております。イ)としまして、適正な作業・運転の実施でございますが、有害物質の補給状況や設備の作動状況を確認する等、有害物質が地下に浸透したり周囲に飛散したり流出したりしないような方法で行うことが必要としております。
 (3)番の対象施設等にまいりますが、まずは2行目にありますように、水質汚濁防止法に規定されている有害物質使用特定施設を対象とする。それに加えまして、有害物質の貯蔵施設からの漏洩、地下浸透の事例も見られますので、それらについても対象とすることが必要としております。
 (4)のその他にまいりますが、対象とする施設については都道府県知事等への届出義務を課す。併せて設置場所等の構造、点検・管理の方法等について、一定の基準に適合するよう、設置・維持することを義務づける。その上で都道府県等による立入検査や基準に適合していない施設に対する改善命令ができるよう措置することが必要としております。
 最後、9ページにまいりますが、今後の課題と留意事項についてですが、1)にありますように、措置の具体的な内容につきましては、本答申を基本としてさらなる検討の場を設け、関係業界の意見も十分に反映しながら決めていく必要があるとしております。その他の課題、留意事項をその下に幾つか挙げております。
 10ページにまいりますが、「おわりに」としまして、政府においては本報告を踏まえ、早急に必要な措置を講ずることが必要であるということであります。
 それから、その次、11ページ以降ですが、委員の名簿、審議の経過がありまして、14ページになりますが、参考資料1をご覧いただきたいと思いますが、先ほど説明いたしました、環境省で行いました実態調査について詳しく説明をしている資料でございます。詳細については省略をさせていただきます。以上、簡単でございますが、説明とさせていただきます。

【岡田部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご報告に関しまして、ご質問等がございましたらお願いいたします。

【田中委員】 答申案の考え方、内容については非常に結構だと思います。ただし、これを実効あるものにするためには、先ほど委員長もご説明いただきましたけれども、事務局からもご説明がございましたように、政府において今後早急に必要な措置を講じなければいけないと思います。それがないと実効性が伴わない。具体的に今後どのようなスケジュールでどういう法改正を考えているのかというところを少しお聞かせいただきたいと思います。

【岡田部会長】 事務局からお願いします。

【宇仁菅室長】 この答申の内容を受けまして、水質汚濁防止法の改正案を直ちに取りまとめまして国会に提出する予定でございます。内容としては、ここの4番に書いてあるとおりなのですが、構造に関する措置の遵守の義務づけ、あるいは点検・管理の義務づけ、さらには都道府県知事による基準に従わない施設に対する改善命令ですとか、そういったことが中心になるかと思いますが、この答申を基本にして改正案の内容を考えていくということでございます。

【岡田部会長】 ありがとうございました。

【関田委員】 地下水汚染の未然防止に係る新たなる施策としてご報告いただきましたけれども、具体的な実施内容について、いろいろこれから検討が行われると理解しています。報告書の9ページにも書いていただいていますけれども、既存施設について実施可能性にも配慮と書かれておりますけれども、これは是非よろしくご検討を願いたいと思います。
 また、その際に、事業者参画のもとで検討していただいて、具体的な実施内容につきましては、実態に即して柔軟な対応がとれるような指針のような位置づけとしていただきたいと思います。非常にいろいろケースがあろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。

【岡田部会長】 ありがとうございました。

【岸委員】 私は山梨県に畑を持っていまして、山梨県の環境にも少し関わったりしていますが、企業が様々な面で地域に貢献しているということもあると思うのですけれども、地下水をきれいにするためには、様々な法律での処置をしっかりと作っていただきたいと思います。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 ほかにございますか。

【薗田委員】 私も実は今エコビレッジとして、いわゆる新しいライフスタイルとして、平日は都会で過ごして、あるいは働いて、週末はいなかで暮らすという、そういった実験施設に関わっているのですけれども、そこで50メートルの井戸を掘りましたら微量ですが砒素や重金属が検出されました。今、詳しい分析をしてもらっているところなのですけれども、明らかに臭くて飲めない、あるいはお風呂に入れないという状況です。周りには特に工場等はないのですけれども、農家が非常にたくさんある土地ですので、恐らく農薬の影響であったりとか、除草剤であったり、そのあたりが懸念されます。聞いた話ではありますけれども、千葉県でも農薬をたくさん使っている農家あるいはゴルフ場での農薬使用によってかなり地下水が汚染されてしまって、50メートルの井戸水でも飲めないという状況があるかと思います。今回の答申についてはもちろん特定施設、企業が対象ではあるのですが、今後はそうした農薬の地下水への影響も調べていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【岡田部会長】 ありがとうございました。

【大塚委員】 大変いい答申だと思いますが、1点お伺いしたいのは、さきほども少しございました既存施設に対する実施可能性の配慮という点と、それから、18ページに出ているように、結構中小のところが多いようですが、具体的に既存施設とか中小に対して何かお考えになっていることが今あればご指摘いただきたいと思います。

【宇仁菅室長】 まず、基準の内容についてですけれども、これは先ほども説明がありましたように、関係業界ですとか団体からも説明を受けておりまして、既に多くの企業で、あるいは事業者で対策をとられております。既に対策をとっておられるところは地下浸透はないと思うのですが、そういったところをまずは参考にしてやっていくということになりますので、今回の答申の内容が法改正で位置づけられたとしても、すべての方がまた一から新しく何かをやらないといけないということにはならないと思っております。
 さらに、既存の施設につきましてはパブリックコメントでもたくさん意見がありまして、もう既に設置しているものに対して大工事をして改造するということではなくて、今後の検討になりますが、既存の施設でも十分対応できるような内容で地下浸透を検知するような施設をつくるとか、そういったことは今後検討していく予定にしております。
 そういった中で、中小企業の方でもできるだけ対応できるような、かつ、地下水汚染が未然に防止できるような内容を今後検討していくことを考えております。

【岡田部会長】 ありがとうございました。
 ほかにございますか。よろしければ、いずれもこの答申案をより具体的に、早急に実現するようにというご意見だと思いますので、速やかにそのようにしていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 ほかに何かございませんでしょうか。よろしければ、そろそろ閉会とさせていただきたいと思います。
 最後に事務局から連絡事項があればお願いいたします。

【須藤課長補佐】 ここで、冒頭ご紹介ができませんでしたが、1月14日付で新たに水環境部会に所属することとなりました委員で、前回1月17日にご欠席でした委員の紹介をもうお一方させていただきます。
 東京大学大学院工学系研究科付属の水環境制御研究センター教授の古米弘明委員でございます。

【古米委員】 古米です。どうぞよろしくお願いいたします。

【須藤課長補佐】 最後に、本日の会議録につきまして、速記がまとまり次第、委員の皆様にお送りさせていただきますので、ご確認のほうをよろしくお願いいたしたいと思います。
 以上でございます。

【岡田部会長】 それでは、以上をもちまして中央環境審議会第27回水環境部会を閉会とさせていただきます。
 本日はたくさん貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。

午前11時24分 閉会

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