中央環境審議会水環境部会(第20回)議事録

開会

議題

(1)
水生生物の保全に係る水質環境基準の類型指定について
(2)
その他

閉会

配付資料

資料1中央環境審議会水環境部会委員名簿
資料2水生生物の保全に係る水質環境基準の類型指定について
資料3陸域環境基準専門委員会における審議状況について
資料4環境基準健康項目専門委員会における審議状況について
資料5総量削減専門委員会における審議状況について
資料6生活環境項目見直しに関する検討状況について
資料7窒素含有量又は燐含有量の排水基準に係る湖沼の指定について
資料8日中環境汚染対策協力ゴールデンウィークの結果について
資料9平成21年度里海創生支援モデル事業の選定について
資料10硝酸性窒素地下水汚染対策の啓発について
参考資料1 中央環境審議会関係法令等
参考資料2 水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型の指定について
(諮問)(付議)(平成16年8月27日)

議事

午後 3時00分 開会

【今井課長補佐】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会第20回水環境部会を開催いたします。しばらくの間、進行を務めさせていただきます、水環境課今井と申します。よろしくお願いいたします。ここよりは失礼いたしまして、座ったままで進めさせていただきます。
 それでは、まず最初に、会議に先立ちまして、本日の出席委員のご報告をいたします。所属委員34名のうち過半数を満たす23名の委員にご出席をいただいております。したがいまして、中央環境審議会令第7条第3項により準用する同条第1項の規定に基づき定足数を満たしております。よって、本部会は成立しておりますことをご報告いたします。
 なお、本日は鈴木中央環境審議会会長にもご出席いただいております。
 また、本日の会議は中央環境審議会の運営方針に基づき公開とさせていただきます。
 次に、今年1月に委員の改選が行われ、その後、2月に水環境部会を開催いたしましたが、それ以降に新たに委員の交代がございましたので、ご紹介させていただきます。
 社団法人日本鉄鋼連盟環境・エネルギー政策委員会副委員長の交代により、関田貴委員が退任され、かわって、5月22日付で西崎宏委員が任命されました。
 続きまして、日本製紙連合副会長の交代により、佐藤健委員が退任され、かわって、7月15日付で鈴木邦夫委員が任命されました。

【鈴木(邦)委員】 鈴木でございます。よろしくお願いします。

【今井課長補佐】 続きまして、事務局側にも先週14日及び15日付で異動がございましたので、ご紹介させていただきます。
 水・大気環境局長の鷺坂でございます。

【鷺坂局長】 鷺坂です。よろしくお願いします。

【今井課長補佐】 総務課長の木村でございます。

【木村課長】 よろしくお願いいたします。

【今井課長補佐】 水環境課長の森北でございます。

【森北課長】 よろしくお願いいたします。

【今井課長補佐】 閉鎖性海域対策室長の室石でございます。

【室石室長】 よろしくお願いいたします。

【今井課長補佐】 地下水・地盤環境室長の是澤でございます。

【是澤室長】 よろしくお願いいたします。

【今井課長補佐】 4月1日付で異動になりました水環境課課長補佐の富坂でございます。

【富坂課長補佐】 よろしくお願いします。

【今井課長補佐】 以上でございます。
 ここで議事に入らせていただく前に、鈴木会長にご挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【鈴木会長】 今、いろいろなことが動いておりまして、総選挙を向かえることとなり、9月以降、どういうふうに変わっていくか、不透明な面もございますが、中環審のほうは粛々と、やはり国の環境を改善あるいは保全していくということで進めていくことが必要だろうと思っております。
 環境基本計画につきましても、来週から点検のためのヒアリング等が始まり、基本計画の進行状況のチェックが総政部会のほうで進むことになっております。こちらは久しぶりの水環境部会で、事務側のメンバーがほぼ一新というような感じになりましたが、そういうことで心機一転、こちらのほうも、きょうは生物指標等に関連し、ある意味では重要なステップを踏み出すということになっていくと思いますので、ぜひ松尾部会長を初め委員の方々、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。

【今井課長補佐】 ありがとうございました。
 続きまして、水・大気環境局長の鷺坂よりごあいさつを申し上げます。

【鷺坂局長】 7月14日付で水・大気環境局長を拝命いたしました鷺坂でございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 本日は大変多忙の中、多くの委員の皆様にご出席をいただきまして、ありがとうございます。厚くお礼を申し上げたいと思います。先ほど会長様のお話にもありましたが、本日、昨年6月の部会に引き続いて、水生生物の保全に関する水質環境基準の類型指定について、専門委員会のご議論を踏まえ、第3次答申の案についてこの部会でご議論をいただくこととしております。
 また、そのほか、年度が変わりまして最初の部会ということでございますので、前回部会以降の水環境行政について、進捗状況等についてご報告させていただくこととしております。
 21世紀、環境の世紀というふうに言われておりますが、とりわけその中でも水の世紀であるというふうに考えております。世界の水の危機、こういったものが指摘されている中で、水環境問題は大変重要な課題となってきております。
 昨年日本で開催されましたG8環境大臣会合、アフリカ開発会議、G8サミット等にもおきましても、こういった課題が取り上げられ、そして本年はこれらの課題に対して国内対策をしっかりと推進していく必要があるのではないか、さらには、近年よく言われております温暖化による水環境への影響、あるいは途上国の水環境問題なども重要であると考えております。
 環境省といたしましても、そういった安全で安心して暮らせる良好な水環境を確保し、さらにアジアを初めとする世界の水環境問題にも貢献していきたいと、このような心づもりでおりますので、今後とも委員の皆様におかれましては、本審議会を初めといたしまして、さまざまな場面におきまして、ご意見、ご指導を賜りますよう、よろしくお願いしたいと思います。簡単ではございますけれども、私からのあいさつとさせていただきます。何とぞどうぞよろしくお願いしたいと思います。

【今井課長補佐】 次に本日の審議のためにお手元にお配りしている資料につきまして、配付資料一覧のとおり資料1から10まで、参考資料1、2とございます。もし、配付漏れ等がございましたら、事務局までお申しつけいただきますようにお願いいたします。
 それでは、早速議事に移りたいと思いますが、水・大気環境局長の鷺坂は所用がございますので、失礼してここで退席をさせていただきます。
 それでは、これよりの議事進行につきましては、松尾部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【松尾部会長】 それでは皆様、お忙しいところお集まりいただきまして、改めてありがとうございます。この部会、非常に大きな部会でありますが、前回は2月でありましたので、今年度に入ってから初めてということであります。必ずしもそう何度も集まれない会合でありますので、ぜひこういう機会にいろいろなご意見をいただければありがたいと思うわけであります。
 それでは、議事に入らせていただきます。最初の議題が「水生生物の保全に係る水質環境基準の類型指定について」ということであります。これは平成16年の8月27日付で環境大臣より諮問がなされ、翌日付で当部会に付議されたものでありまして、水生生物保全環境基準類型指定専門委員会において検討してきたものであります。本日はこの第3次報告案についてご審議いただき、部会の答申案として取りまとめさせていただきたいと考えております。そういう意味では非常に大きな課題かもしれません。それでは、水生生物保全環境基準類型指定専門委員会の委員長をお務めいただいている須藤先生からご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【須藤委員】 かしこまりました。それでは、専門委員会の委員長を務めております須藤から報告をさせていただきます。
 今、部会長からもお話がございましたように、既に2回報告をさせていただいておりまして、これが第3次ということで、第3回目の報告でございます。水生生物の保全に係る水質環境基準に関する第3次の水域の類型指定につきましては、平成20年8月の第13回委員会開始以来、パブリックコメントを間に挟みまして、4回にわたって検討を行いました。そして、5月29日の第16回委員会において、第3次専門委員会報告としてまとめたものでございますので、ここに報告をさせていただきます。
 資料につきましては、2-1と2-2をどうぞごらんになってください。2-1は一覧表でございます。2-2はその背景になる報告内容でございます。
 今回の報告は国が類型指定すべき環境基準の水域というのは実は47水域がございます。そのうちの相模川、富士川等の10の河川及び琵琶湖の類型指定案についてでございます。
 最初のページに書いてございますが、類型指定の基本的な考え方につきましては、平成18年の第1次答申及び平成20年の第2次答申に示された考え方を踏襲してまいりました。まず、水域の水温特性及び魚介類の生息状況に関する情報を基本といたしまして、これに水域構造等の情報を考え合わせて検討を行うことといたしました。
 その際、これまでの検討と同様に、過去からの水質の変遷、生物の生息状況の変化、有識者からの意見等の情報の収集など、個々の水域の特性を把握するとともに、類型指定を効果的、効率的に進める上で、既存の水域類息の指定内容を最大限活用すること、明らかに自然的要因により基準値を超えて検出すると判断された場合には、類型指定に当たって、水域の事情を十分考慮することに努めてまいりました。これに今回、検討対象水域の水域構造等の状況を考え合わせまして、検討を行っているところでございます。
 また、第2次答申時において示されました、水域における水生生物の産卵及び幼稚仔の成育場として特に保全が必要な地域、特別域の特定の考え方等を踏まえ、一部の水域について、特別域を設定しております。
 それから、次の2ページ目以降には具体的な類型指定の検討結果でございますが、順番に相模川、富士川、天竜川、木曽川、揖斐川、長良川、猪名川、木津川について、上流域を冷水域である河川生物A類型、下流を温水域を河川生物B類型としております。
 天竜川の佐久間ダム貯水池、木曽川の味噌川ダム貯水池、揖斐川の横山ダム貯水池につきまして、いずれも冷水域である湖沼生物A類型としております。
 また、淀川及び神崎川につきましては、全域を温水域である河川生物B類型とすることが適当であるという結論を得ました。
 また、河川については、特別域の当てはめの検討に足る情報は得られませんでした。
 次に、ちょっと18ページについて、琵琶湖についてふれておりますので、どうぞごらんください。
 まず、琵琶湖については、北湖を冷水域である湖沼生物A類型、南湖を温水域である湖沼生物B類型といたしております。また、特別域として、北湖のうち、湖北町地先、西浅井町岩熊地先及び高島市針江地先について、また、南湖のうち草津市新浜町地先につきましては、コイ、ニゴロブナ等、琵琶湖における主要魚介類の主要な産卵場、成育場と確認されたことから、幼稚仔の成育それぞれ、湖沼生物特Bとすることが適当であるという結論を得ました。
 また、どの水域についても環境基準項目に設定されている、全亜鉛の水質濃度については、基準値レベルを超過する状況になっていないため、達成期間は直ちに達成するということにいたしました。
 後ろのほうに残る、あと10河川と海域が9水域残って、計19水域につきましても、具体的にデータが集積次第、議論をする必要があると考えておりまして、次の課題は残る19水域ということで、これが全部済めば、先ほど申し上げましたように、47水域が完成をすると、こういうことになっております。
 以上が報告の概要でございます。あとどうぞ、よろしくご審議ください。

【松尾部会長】 ありがとうございました。
 それでは、事務局から補足のご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【森北課長】 水環境課長の森北でございます。
 ただいまの須藤委員長のご報告に私のほうから若干補足をさせていただきたいと思います。お手元にちょっと分厚いダブルクリップでとめた資料2-2の付属資料がございます。これを使いまして、若干補足をさせていただきます。
 ただいまの類型当てはめにつきましては、水域の水温特性とか、魚介類の生物生息状況、そういった情報を基本といたしまして、須藤委員長からお話がございましたように、水域構造等の情報や、また、過去からの水質の変遷等、個々の水域の特性を考えて検討を行うということにいたしております。その結果がこの資料2の付属資料に、ちょっと分厚い資料でございますけれども、必要な情報データを整理しておるものでございます。
 簡単にご説明をいたしますと、相模川、これは1ページのところをあけていただきますが、生息状況等の概略を模式図で示しております。相模川の左のほうが下流側、右側が上流側、右から左に向かって上流から下流に流れているという河川の模式になっております。これでちょっと字が小さくて、見えづろうございますけれども、城山ダム、これは右から3分の1くらいの地点でございますが、その城山ダムより上流側につきましては、水温、平均水温で15度程度以下のエリアになってございます。
 そして、下流のほうでございますが、一番下流のところに寒川取水堰というのがございます。それより下流につきましては、15度以上ということに、水温がそういうふうになっております。その寒川堰と城山ダムの間、この間が大体平均水温が15度程度となっているということでございます。水温の特性については以上のような特性があるということでございます。
 その次に生物の生息状況についてでございますが、この資料の14ページをおあけいただきたいと思います。14ページに学識者、漁業関係者等へのヒアリング結果をまとめております。これで生物Aに該当する魚種といたしまして、山梨県側でございますけれども、ヤマメとかイワナが確認をされているわけでございます。
 一方、26ページに図がございます。これは神奈川県側の魚介類の生息状況を示しておりますが、ここではカジカが確認をされているということでございます。
 また、生物のBでありますコイ、フナ類、これはほぼ全域にわたって生息が確認をされている、こんな生物の生息状況ということでございます。この水温特性、さらには生物生息状況の特徴、そういったものから、1ページ戻っていただきまして、相模川につきましては、ちょうど真ん中ぐらいに小沢頭首工というのがございます。その小沢頭首工より上流側につきましては、河川生物のA類型、下流側を河川生物のB類型というふうにするのが適当という結論を得たわけでございます。下のほうに赤とブルーの点線矢印の区域を示しておりますが、こういった2つの類型を設定をしたということでございます。同様な考え方に基づきまして、他の河川についても検討を進めております。検討結果はこの資料の中にまとめておるところでございます。
 河川については以上でございまして、次に琵琶湖につきまして、192ページをおあけいただきたいと思います。先ほども須藤委員長のほうから概略をご報告いただきましたが、192ページから193ページのところ、まず、生物Aに該当する魚種といたしまして、193ページの上のほうでございますけれども、琵琶湖固有種のビワマス(サケ科)でございますが、北湖に確認をされているということでございます。
 また、温水性の生物Bに該当する魚種といたしまして、193ページの上段から3分の1ぐらいのところに温水性の魚介類と書いてございますけれども、コイ、フナ、ウグイ、ヨシノボリ、テナガエビ、こういったものが確認をされております。
 また、水温の状況、水域の構造と、そういったものもあわせ踏まえまして、こういった生物の生息状況等から北湖については湖沼生物のA類型、南湖については湖沼生物B類型という設定が適当ということの結論を得たわけでございます。
 その次に194ページ以降でございますが、産卵場及び幼稚仔の生息場の状況につきまして、保護水面でありますとか、沈水植物の群落、浅場、砂礫等の状況、魚介類の生息状況について、確認をいたしております。
 その結果といたしまして、最終ページでございますが、243ページをおあけいただきたいと思います。琵琶湖の地図が載っておりますが、この赤の点線で囲ってある水域、4カ所ございます。北湖に3カ所、南湖に1カ所でございますけれども、この水域につきまして、琵琶湖の主要魚介類でありますコイ、ニゴロブナ、ゲンゴロウブナ、ホンモロコ、スギモロコ、イサザ、セタシジミと、こういった主要な産卵場、生息場として利用されているというふうなことが考えられます。
 そういうことからこのエリアを湖沼生物B類型の特別域とすることが適当というふうな結論になったわけでございます。
 以上、説明を終えさせていただきます。

【松尾部会長】 ありがとうございました。
 皆さん、いかがでございましょうか。それぞれ理由があって、A、Bのところに分けたということでありますが、この分け方、その他についてご意見があれば伺いたいと思います。よろしくお願いします。
 どうぞ。

【池田委員】 ただいまご説明のあった琵琶湖ですが、北湖のほうは相当大きくて、深い湖沼だと思われますので、例えば環境も多様で、ある場所についてはその水温が、とても温度躍層等ができて高いし、場合によっては低いところがあるというような状況ではないかと思われます。そういう中で、そこにすんでいる魚類等も多様性があるんじゃないかと思いますが、そういう中で、類型Aにしたという大きな主要な理由というのはどういうところにあるんでしょうか。ちょっとお教えいただきたいと思います。

【須藤委員】 どうも先生、ご指摘ありがとうございます。
 要するに冷水性魚類を指標としております。例えばアユがどちらに入るかというのは議論ももちろんあるわけです。ビワマスを私どもは冷水性魚類として分類をいたしております。
 というようなことで、水温だけではなくて、そこに生息する魚類、それから、あと先生がおっしゃるように、成層すれば、温度の場は随分変わるんですが、そうかといって表面の温度が例えば20度で、底のほうが十数度とかというのはあり得ますね、例えば夏季成層期なんかになったら。それを言って、直ちにここは温度が低いから冷水性としたわけではございません。特に全体を通して、温度、それと難しいのはやはり今、先生のご指摘のように、多様性がある場合には、どこを指して多様性があるかということでございましたので、全体として生息魚種、それからほかの生き物の状況、それから、その場の特性、こんなものを合わせていたしたわけで、もちろん水質なんかも当然含んでおります。
 それから、当然、あと一般の普通の生活環境項目の環境基準等もございますので、そういうものまで含めて加味をしてAということにいたしました。

【池田委員】 ありがとうございました。

【松尾部会長】 よろしいですか。
 どうぞ。

【太田委員】 この数字、同じ243ページについてなんですけれども、確認ですけれども、5カ所のうちの上の2つ、つまり西浅井町と湖北については、15、16年のデータが横棒になっているので、これはデータがとれなかったのか、とらなかったのかだと思うんですけれども、同じように一番下の草津市のところは、15、16、17がそれぞれゼロになっておりますので、これはデータをとったけれども、そういう有効な数字がなかったと、こういうことでよろしいんですね。

【須藤委員】 はい。空欄のところはデータがとっていないんですね。それから、下は検出限界以下でございます。

【太田委員】 そうすると、どういうふうに理解したらいいのかむしろお教えいただきたいんですけれども、そういう3回データがなくて、18、19ではそういう数字が出てきたというものをどのように読めばいいのかというところを少しお教えいただきたいんですけれども、つまり今回、そういう指定をして、これからそういうところをより守っていこうということになるわけですね。

【須藤委員】 はい。

【太田委員】 その意味合いをちょっとお教えいただきたいと思いまして。

【須藤委員】 意味合いとおっしゃると、範囲が広いからという意味ですか。

【太田委員】 いや、このデータ自体がゼロということの持っている意味と、あとの18、19は数字が出てきておりますね、ここら辺は状況が変わっているからという認識なんでしょうか。

【須藤委員】 これは事務局ではどういうふうに理解をしているんでしたか。私はデータがというか、そのときの回数が余り多くないのでこういう結果になったんだと思うんですけれども。

【富坂課長補佐】 水環境課の富坂でございます。
 今回の琵琶湖につきましては、特別域の指定ということで、前回第2次答申のときに特別域の指定の考え方ということで整理してございます。河川、湖沼についてでございますけれども、3つほどポイントを挙げてございます。一つは水産資源保護法に基づいて保護水面に指定されている水域、それから、2点目としまして、保護水面に設定されていない水域であっても、漁業関係者などによって、これと同等以上に産卵場、または幼稚仔の成育場として保護が図られている水域、それから3番目でございますけれども、水深、流速、河床材料、川岸の植生などが当該魚類の産卵場等として適した条件にあり、今後ともこの条件が保たれ得る水域といったものを特別域を指定する考え方として示してございます。
 今回の南湖につきましては、特にこの3番でございますが、条件として極めて産卵場として適した条件である。そして、今後ともその条件を保たれ得る水域であるというような考え方のものとに今回、ここを特別域とするという考え方を整理してございます。

【太田委員】 ちょっとその補足的な話ですけれども、そうしますと、3年間はなかったというのは、環境の状況そのものが変化したのか、つまり、これからもそこでは大分産卵したりしていくんだろうという予測がないところで、余り指定しても意味がないですね。だから、そこの判断といいましょうか、根拠といいますか、そういうものが、少し状況を知りたいなというのが私の率直な質問の意味なんですけれども。

【須藤委員】 大変難しい問題でありまして、今後その状況がどう変化するかということを十分に予測したわけではございません。とにかく調査した状況のところで今のようなことでございましたので、それで一応どちらかというと、積極的に指定をする考えです。
 なぜかというと、今まで特Aというのをつくりながら、特Aを見送ってきているんです。そんなこと言ってはいけませんね。せっかく特Aをつくりながら、全くこの指定ができないのはいかがなものかという議論もあったりして、琵琶湖ぐらいは何とか積極的にやるほうがいいかというような議論も実はございまして、今度は海のほうも同じなんですが、海と湖というのはすべてが産卵の場かもしれませんし、幼稚仔の場かもしれません。そういう議論も実はございます。ですから、全部特にしろというご意見もなくはなかったんです。なので、可能であれば、今のような状況があったから、積極的にやってみたということで、余り将来の見通しまで十分立ったわけではございません。

【太田委員】 いや、私もその姿勢、非常によくわかりました。大賛成でございます。たまたま、ここからは議事録削除で結構ですけれども、滋賀県の生まれで、たくさんの湖の幸に育まれた自分ですので、ぜひ積極に対応をいただければというふうに思います。ありがとうございます。

【松尾部会長】 よろしいでしょうか。
 特別地域という考え方が大事なのでしょうか。もっと恐らくマルつけようと思えば幾つもあるんでしょうね。中から一番大事そうなところを選ばれたというような。

【須藤委員】 川でもやったほうがいいかなと思うんだけれども、先ほど事務局が言われた3つの条件をぴったり合わせるというのがなかなか無理があったので、もう少しデータがそろってから、後でも特をつけていいのではなかろうかという議論が圧倒的に多いんです。なので、今現在、なかったわけではないんです。見送ったと理解していただいたほうがよろしいかと思います。

【松尾部会長】 ほかにはいかがでしょうか。
 さっき須藤先生が言われた水域構造というような言葉を言われたんですが、温度とかいろいろ考えられる、これはある意味で新しい概念というか、今後の水環境を考える一つの指標というか、何か特別の意味を与えられるものでしょうか。

【須藤委員】 当然、底質がどうであるかなんていうのが一番大きな構造だろうと思いますので、水域構造というのは、それでは底層と書けばいいのかもしれませんが、底層だけでもすべてをあらわすわけではないでしょうから、例えば流速なんかも入るかもしれませんし、さまざまな物理的な構造と理解して、その多くは多分、底質の状況ということで。要するに生き物がすむわけですので。

【松尾部会長】 水草があるとか、そういう。

【須藤委員】 もちろん、例えば海ですと、藻場のようなものとか、藻場干潟が、腐泥が蓄積しているとか、していないとか、そういうような問題ですよね。礫も大きいか小さいか、さまざまなものがあると思いますが、そういう構造を言っております。

【松尾部会長】 わかりました。

【浅野委員】 今のお話に若干関係がございますが、環境基準の設定ということであるので、これは規制基準とは全く違いますから、こういうやり方があってもいいと思うわけです。つまり、こういう表現はたぶん本邦初公開ですし、別に厳密に書かれる必要がなくても一向にかまわないとも思われますが、「おおむね3メートル以浅の水域」というような表現になっていますね。これで行政担当者にメッセージとしてきちっと伝わるのかということです。この事案に関しては、当然、滋賀県の担当者はよくわかっていらっしゃるでしょうし、あえてマップの上に線を引っ張ったりすることはなかなか難しいだろうなと思うし、それから、条件が変わった場合にどうなるのかという、ちょうどその境界線ぎりぎりのところの出入りがあるのかなという気がして、これを拝見していたわけですが、従来のこういう基準の決め方をするときは大体海域にしても、湖にしても、大ざっぱにさっと線を引っ張って、これはA、これはBとやっていますね。今回はその意味では局地的に考えざるを得ないので従来型の大ざっぱではなく、逆大ざっぱという表現をおとりになった、おおむねというような表現がそういうことを示しておられると理解していいのでしょうか。

【須藤委員】 3メートルの深さをとっている。

【浅野委員】 おおむねという言い方になっていますので、これで環境基準のモニタリングをする場所などは、どうせ固定的に決めておくのかもしれませんが、運用面での明確に線引きができるような形ではない特別区域の指定というやり方ですが。行政現場ではうまく対応できるのかなという心配が若干あります、この辺は大丈夫ですか。

【須藤委員】 ありがとうございます。先生も現場のモニタリング、大変お詳しくいらっしゃるんですけれども、一般の生活環境項目、健康項目でも、もう既に環境基準点というのがあって、あるいは補助点というのがあって、深さがどうなろうが、干からびようが、干からびなかろうか、そこでとっているというのが実態ですね。可能であれば、別のところに水生生物の基準点を設けることは、今のいろいろな人の難しさ等を入れると、新たな点を追加していくというのがなかなか難しいので、もしそこに3メートル以浅の中に、環境基準点があれば、それを流用していくというか、それをやっていくのが一番効率がいいかなと思いますが、多分水生生物の、特に今の特別域の場合はなかなかそうはいかないだろうと思うので、新たなモニタリング地点が当然必要だと思います。
 そうなったときに、線引きはなかなか多分難しいので、やはり琵琶湖なら琵琶湖、ここは滋賀県のセンターがお詳しいと思うんですが、滋賀県のセンターでやはりそこは今のような方針に従って、とりあえず基準点なら基準点を設けてもらって、それで生物の調査なり、あるいは水質の調査なりをやっていただくということで、やっぱり現場で対応しないと無理かと思います。現場対応でないと無理と思います。

【浅野委員】 わかりました。
 多分これによると、書き方もよくわかります。常時監視実施の可能も考慮し、と書かれておりますから、多分そういうことをお考えになったんだろうと思いました。ほかの場面でも似たような議論があるわけですが、従来は環境基準即規制というような発想が強過ぎて、本当に環境の状況をしっかりと監視するという意味での環境基準としては機能しづらいことが多くて、そのためにどうしても厳格に線を引くというような議論になりかねなかったわけです。ここではそういうことから脱却することも考えられうる、ということだと理解していいと考えました。

【須藤委員】 ええ、この亜鉛は排水規制も連動していますので、「はい、そうです」というふうには私としては言い切れないんですが、これから水生生物の環境基準というのは、幾つふえるかわかりませんけれども、一種の水生生物を守るための状況を把握するということを踏まえれば、すべて即排水規制ということでないほうが逆にいいのかなという気もしていますので、先生のご指摘のように、少し今までのそういう枠組みは、これまでそこの専門委員会でも議論したわけではございませんが、私個人としてはそういうふうにもう少し柔軟に環境基準と排水基準の考え方を分けて考えてもいいのかなと、こんなふうに思っておりますので、これは私見ということで、専門委員会の委員長の意見ではございませんで、お許しいただきたいと思います。

【鈴木会長】 今の須藤先生の考えに私も賛成なんですが、ここまで第3次に至るまで大変なその作業と努力を重ねていただいて、あと第4次以降で19カ所残っているところを完成すると47水域が全部指定されることになります。そうなったときに、今までは環境基準というものが定まっていますと、常に基本計画や白書では環境基準の達成率というものが取り上げられ、上がっている、下がっているという話になっていますね。これは今後、一体どういうふうに考えていくことになるのか。現状では、現状に合わせて類型指定をしておられる。ここまでは冷水域で、こっちからは温かい、だから、ここで切る。現状ではともかく達成率は100%なわけですね。

【須藤委員】 まあ、そうです。

【鈴木会長】 そういうような形で、これからも達成率を使って話をしていくことになるのか、あるいは何か別の形でこの生物保全にかかわる環境基準というものを活かしていくのか。環境基準というのはあくまでも行政の達成目標なんですよね。

【須藤委員】 そうです。

【鈴木会長】 それを用いてどういうふうに水域を管理していかれるのかを伺いたいことが一つと、それから、じゃあこれが達成できなかったときに、先ほどの排水基準ではありませんが、どういう形でそれを達成するようにいろいろな施策を選択していくのか、そこへつなぐためには、従来の環境基準と排水基準の関係というような判りやすい話では多分ないでしょう。そこにまさに生態系の構造であったり、水域の構造であったり、そういうものが入ってくると思うんですよね。そういうようなところにどこまで深入りされるのか、きりがないような気もするので、どういうふうに考えていかれるのか、そこを専門委員会の委員長というお立場でなくても結構ですから、お考えをお聞かせいただきたい。

【須藤委員】 中環審の鈴木会長の前で私の意見を陳述してしまうのは余り適当ではないかもしれませんが、水環境部会にはかねがね会長がご出席なさっているので、こういう場に、会長に私の私見を申し上げておくのも必要かなという気もしますので、若干今の問題についてコメントさせていただきます。まずは環境基準、これは水生生物とはいっても、分析しているのは亜鉛を分析しているわけ、全亜鉛を分析しているわけです。
 ですから、全亜鉛が例えば47水域、それから、あと地方公共団体がたくさんやりますので、前の健康項目と同じぐらいの地点の数が多分最終的には出ると思いますよね。そうしますと、5,000を超える地点になるんでしょうか。それで、そのうち何点が達成している、多分、今の状況からいったら99%ぐらい。亜鉛が0.03を超える、あるいは特別域が0.01超えるというのは、そんなには私は多くないと判断をしておりますので、そういう全体的な見方というのは多分必要だろうと、こういうふうに思いますが、それをして、ずっとそれを前と同じように、人間の健康項目と同じように本年も99.9%達成、ずっとそれを並べても、私は余り意味がないだろうと、こういうふうに実は思っていまして、会長のお願いしたいのは、環境基準の中に生態系を守る基準のようなものが、例えば環境基本法に入っていないからこうなっちゃっているわけです。それなので、生活環境項目の一つなんです、この亜鉛というのは。それで言っている限りは、会長から指摘されたけれども、何%達成した、何%が超過したぐらいのことは言えても、それ以上のことはなかなか言えないので、こういう時期なので、生態系を守るような基準の設定ができるほうが私は望ましいかなとこう思っています。
 それから、物質も7つ、8つ挙がっていますので、これがどんどんどんどん挙がってくると、また、すぐ排水規制との関連とか、こういうふうに問われるので、私は生き物は生き物としてもう少し人間の環境の問題と別に取り扱っていただくような水の基準があってもいいのかなと、こんなように思っておりまして、もしかしたら事務局と意見が違うかもしれませんけれども、それはお許しいただきたいと思います。
 よろしいでしょうか。

【松尾部会長】 なかなか難しいですね。難しいというのは、環境基準なるものの考え方みたいなのがかかわってくるから。
 眞柄先生。

【眞柄委員】 同じようなことなのかもしれませんが、湖沼生物特Bというのが、この資料2-1の資料では、ヨシ帯及びその周辺の同等の環境を有する水域というふうになっているわけですね。つまり、そういう環境の場が特Bなのか、あるいは先ほどご説明があったときに、産卵場だとか、稚魚の育成する場を特Bなのか、そこら辺のところの解釈をはっきりしておかないと、ほかの水域で同じようことを決めるときに、必ずしもヨシ帯があるところではないけれども、産卵場なり稚魚の場のところがあるはずだと思いますので、これは、特Bは何を判断基準にして決めて、それの表現としてこのヨシ帯という言葉が出できているのか明確にしておいたほうが、今後のことを考えるといいんじゃないかと思いました。

【松尾部会長】 それはさっき事務局が答えている範囲に入るんじゃないのかしら。ちょっともう一遍整理して、3つの条件を明示しておられたから、それである程度特定されるわけでしょう。

【須藤委員】 眞柄先生はそこは十分ご理解の上のご質問ですよね。そうですよね。それですから、例えばヨシ帯じゃなくてもいいわけですよね。先生はそこをご指摘になっているんですよね。

【眞柄委員】 それで、その辺の水域になったときに、特Bの表現が琵琶湖等の括弧のような、括弧内の説明とは違う形になるんですねという。

【須藤委員】 そうです。私はそういう理解をして委員会を運営しておりますので、たまたまここは琵琶湖でヨシが非常に繁茂している場所であるからヨシ帯というのを言葉として使いました。違う生き物であれば、違う生き物にしたいと考えております。
 よろしいですか、先生。そういう理解です。

【眞柄委員】 そういうことです。

【松尾部会長】 わかりました。それではよろしいですね。
 ほかにはいかがでしょうか。
 どうぞ、柳下先生。

【柳下委員】 相模川について確認をしたいのですが、典型的な話なので。厚い資料の15ページを見ていただきますが、寒川取水堰から河口側の生活環境項目の類型あてはめはCですね。今回の水生生物の環境基準の当てはめを行うときに、亜鉛なり、単一の指標に着目して議論するのはそれでよろしいですが、魚とか生態系というのは特定指標だけで規定されるわけではなく、さまざまな物質や関連する要因の総体によって規定されると思います。その関連データの現状値を見る限り、少なくとも相模川において、何で一般生活環境項目の類型をCのままにしておかなければいけないのか。逆に言うと、今回ここでB指定したところで、一般生活環境項目をCのまま残すことによって、結果的に環境保全の客体の保全という目的が達成されるのか。こういう議論はないのでしょうか。今回の指定によって、既存の環境基準のあり方について、矛盾が生ずることはないのかどうか、こういう議論は審議の過程ではなかったのでしょうか。

【須藤委員】 どうも柳下先生、ありがとうございました。
 従来の環境基準でCというのは当然あるし、川で言ったら、C、Dも、Eまでありますか、一応今のはそのCの部分だと思うんですが、川の今の水生生物のAとかBとかいうのと、生活環境項目でいうC、ここでいくとBODですか、BODでいうA、Bとは一体にはしておりません。主として、では何に着目したのかというと、一番大きく着目しているのは水温でございまして、大体のところ、ぴったりではございませんが、15度ぐらいを、平均15度より上流をAにする、それから下流を、15度以上をBとするということが大きな目安でございまして、では水温だけ計っておけば基準が決められるのかと、こういうような議論になるんですが、そこは違うわけでございまして、先ほどのような幾つかのいろんな要素を入れて、ただ、水温というのを非常に大きな判断項目としていますということで、一般環境基準のほうの生活環境項目のCだのBだのという部分はそれほど考慮しておりませんので、そういう意味では矛盾というか、一致はいたしておりません。

【松尾部会長】 違う範疇の分け方ということですね。よろしいでしょうか。
 さて、ちょっと時間が押しておりますけれども、幾つかのご議論をいただいているんですが、ほぼこの原案のとおりというのでよろしいでしょうか。特に、水生生物の保全に係る環境基準というものの考え方に少し幅があって、ある意味で規制的な基準よりも少し緩い基準というんでしょうか。そういうような概念をも含んでいるというような理解だとは思うんでありますが、よろしいでしょうか。
 それでは、第3次報告については部会としてはこれを受け入れていくということで考えたいと思いますけれども、皆さんいかがでしょうか。

(「異義なし」という声あり)

【松尾部会長】 よろしいでしょうか。
 それでは、第3次のこの報告については、このとおり原案どおり部会の答申として提出をさせていただきたいと思います。
 また、あと4次ということになるんでしょうか。河川で10域、海域を入れて9域で、19域の水域についてまた改めて類型指定がされていくということであるようでありますが、今、された議論についても少し専門委員会のほうでも長期的な問題だと思いますが、特に生態系の保全にかかわる環境基準というのは須藤先生が言われたような概念について、普通の環境基準とは違うんだという辺を少し、どう出すべきかといいますか、その辺が非常に重要な問題だと思うので、それはちょっと私からのお願いということで考えていただければありがたいと思います。
 よろしいでしょうか。
 それでは、そういうことでこの件は一応終わらせていただきたいと思います。
 それでは、議題のほうは「その他」に入りますが、その他の機会を利用して、3つの専門委員会が今動いておりますので、それの進行状況等についてご報告をいただく機会にしたいと思います。
 最初に「陸域環境基準の専門委員会における審議状況について」ということで、岡田先生から。次に、「環境基準健康項目専門委員会における審議状況について」として須藤先生に。それから、再度岡田先生から「総量削減専門委員会における審議状況について」ということで、この3つの専門委員会のご報告をまず続けていただいて、それについてのご意見をいただきたいというふうに考えます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まず、最初に岡田先生、よろしくお願いします。

【岡田委員】 陸域環境基準専門委員会の委員長を仰せつかっております岡田でございます。資料3をごらんください。
 本専門委員会では水域の類型指定の見直しについて、平成19年度から、1つは上位類型を長期間達成している水域、それから、2つ目は暫定基準が設定されている水域、この2つを対象に検討を行っております。この審議状況についてご報告をさせていただきます。
 今回の報告は、国が類型指定を行いました一部の水域の見直しの検討状況でございます。前回の部会の際にご報告いたしました、お手元の資料3の参考の1のところを見ていただければよろしいかと思いますが、3河川並びに8湖沼を対象として見直しの検討を行っております。資料3の1にございます。一番上のほうの1にございますが、先月、6月17日に開催されました専門委員会において、検討対象水域の一部の水域の水質将来予測、それから、類型指定の見直し案についてご審議をいただいたところでございます。このうち幾つかの水域についてはおおむね見直しの方向性が定まってきております。
 今後の予定の2のところにございますが、次回以降の専門委員会において、残りの検討対象水域の見直しについて審議を行うこととしております。これらの審議結果を踏まえ、報告案を取りまとめていくという予定になっております。
 以上でございます。

【松尾部会長】 ありがとうございました。
 それでは、須藤先生からよろしくお願いします。

【須藤委員】 かしこまりました。
 環境基準健康項目専門委員会の委員長を仰せつかっております須藤でございます。私から報告をさせていただきます。本専門委員会では人の健康の保護に係る環境基準の項目について、昨年以降検討を行っており、この審議状況について報告をさせていただきます。
 今回の報告は平成16年の第1次答申において、宿題になっている項目が6項目ほどございましたが、それについて中心に検討を実は行っているものでございます。本年の3月16日に開催いたしました本専門委員会におきまして、食品健康評価等を踏まえた水質評価の検討と水環境中における検出蓋然性に係る整理を行いました。
 今月10日に開催いたしました専門委員会におきまして、第1次答申において課題とされた項目の整理と、その後の毒性評価情報を踏まえ、水質環境基準健康項目及び要監視項目に係る検討を行い、第2次の報告案をまとめているところでございます。
 まず、1,4-ジオキサンにつきましては、公共用水域及び地下水において、現行指針値の超過が認められて、現行指針値を超える汚染により水道の取水が停止された事例も複数報告がされております。WHO飲料水水質ガイドラインや水道水質基準の検討状況を踏まえ、公共用水域及び地下水の環境基準とすることは適当とされました。
 次に、塩化ビニルモノマー及びトランス1,2-ジクロロエチレンにつきましては、公共用水域において、ほとんど現行指針値の超過が認められない一方で、地下水においては指針値の超過事例が毎年見られております。地下水にける超過事例のほとんどが嫌気性条件下でのトリクロロエチレン等の分解により生成されたものと考えられます。
 このようなことから、地下水については塩化ビニルモノマー及び現行のシス1,2-ジクロロエチレンにかわり、シス体及びトランス体の和として、1,2-ジクロロエチレンを新たに環境基準項目とすることが適当といたしました。
 公共用水域に関しては、引き続き要監視項目として検出状況の把握に努める必要がございます。
 また、WHOの飲料水質ガイドライン及び水道水質基準の改定を踏まえ、1,1-ジクロロエチレンの基準値を改定することが適当としております。
 そのほか、マンガン等、まだ要監視項目のままでその議論を続けているわけでございますが、それらを含めますと、10項目ほど検討をしているところでございまして、この検討が済み次第、また報告を新たにさせていただきます。
 これらの取りまとめた報告案につきましては、本日からパブリックコメントの手続をとらせていただきたいと思います。パブリックコメントをいただいた意見を集約した後、次回の専門委員会で審議の上、先ほどの水生生物と同じように第2次報告案として取りまとめていきたいと思います。
 現在の報告、審議状況は資料の4に出ておりますとおり、そこに新たに設ける環境基準項目とか、それから、初めてここに地下水だけに基準項目、これはここで初めてごらんいただけると思いますので、初めてだと思いますが、地下水に追加する基準項目というものをここに取り上げさせていただきました。ということで、資料4をごらんになっていただくと、その要約がおわかりいただけると思います。
 以上でございます。

【松尾部会長】 ありがとうございます。
 それでは、岡田先生、よろしくお願いします。

【岡田委員】 資料5をごらんください。総量削減専門委員会、かつては総量規制専門委員会と言われていたものでございます。
 ご記憶だと思いますが、前回の水環境部会で諮問をいただきました。それを受けまして、ことしの5月26日に第1回の総量削減専門委員会を開きました。もうこれは1次から6次までずっと続けているところでございますので、従来の議論の形を踏襲いたしまして、というか、それよりも比較的早いペースで、第1回の委員会で水質総量削減の従来の実施状況、すなわちここにございますように、制度の概要、汚濁負荷量の変化状況、水質濃度の現状推移、環境基準の達成状況、それから、赤潮等の障害の状況について資料を検討いたしました。
 それから、この総量削減に深く関係すると思われます閉鎖性海域の中長期ビジョンの策定、すなわち環境の新たな目標として、底層の溶存酸素濃度、それから、透明度を検討しているというご報告を既にしたと思いますが、その策定状況に関する進捗状況の報告が行われました。
 第2回におきましては、指定水域の汚濁メカニズムについて、それから、汚濁負荷の削減状況と水質改善の関係、それから、関連する干潟・藻場の現状について報告を受けました。
 水質予測モデル、これは既に閉鎖性海域の中長期ビジョン等でも検討を進めております。そういう意味では従来よりもかなり早いペースで水質予測モデル、東京湾、伊勢・三河湾、それから大阪湾を含む瀬戸内海の概要、それから、現況の再現結果という一部の結果も出てまいりますので、それについて検討し、水質予測モデルに関する今後の作業予定の報告が行われました。これらを受けまして、第3回ではこの総量削減に関連する対策につきまして、関係各省・各機関のヒアリングを実施するという予定となっております。
 今回の報告は以上でございます。

【松尾部会長】 ありがとうございました。
 それでは、3つの今の専門委員会のほうからのご報告につきまして、一応順番でいこうかと思いますが、ご質問等、ご意見があればいただきたいと思います。
 最初は資料3の陸域環境基準専門委員会についてのご意見、ありましょうか。
 眞柄先生。

【眞柄委員】 河川の類型の見直しの件ですが、環境基準をずっと達成しているからということかと思いますが、河川流量が現在の環境基準を設定していた時代からかなり変わってきているということと、それから、近々国交省のほうでは水利権の見直しをされるというふうにも伺っております。そういうことから、水質の実績だけではなくて、河川の流況その他も配慮した上で見直しをしないと、後からどういうことになるのかというのもちょっと心配ですので、そのあたりもぜひご検討いただきたいと思います。

【松尾部会長】 いかがですか。

【岡田委員】 おっしゃるとおりでございます。随分古い時代に類型指定されておりますので、河川の状況、例えば水産業の状況等も変わってきております。その辺のところは事務局で新しいデータを集めて、それを見ながら見直しということを行っております。もちろん第一義的には、例えば5年なら5年、上位類型が満たされているかどうかというのがスタートラインになっているんですが、ただ、機械的にやっているというわけではございません。

【松尾部会長】 よろしいでしょうか。
 それでは、中杉先生、どうぞ。

【中杉委員】 私もちょっと古いころに基準をつくられたということに絡んでいるんですけれども、今、上位類型を満たしているところについての議論をされているというお話でしたけれども、環境基準が全く達成できていないところで、将来見通しがないところ、これはそういう場合は大体湖沼だということになるんですけれども、そこで類型指定をする。例えば例を挙げれば、霞ケ浦は水域類型のA、そういうところで水道水としての利用ができるはずなんですね。これを可及的速やかに達成できないと言いながら、もう営々と、何十年と水道水として利用してきているわけですね。この辺のところの考え方というのを少し整理しないと、何のための環境基準なのか、確かに遠いゴールとしての、達成の目標であるということであるということは十分承知しておりますけれども、余りにもそういう意味では長くなって、可及的速やかにというのは極端な話で言うと、もう未来永劫達成しなくてもいいというふうに読むのかという冗談が出てくるぐらいの話ですので、そういうところについても少し議論をしていただく必要があるのかなというふうに思っております。

【岡田委員】 おっしゃるとおりだと思います。今のところそこをやるまで必ずしも時間があるわけではございませんが、ご指摘の点は非常に重要なことだと思っております。例えば暫定を見直すような場合は、上位類型を下流にするようなことを同時にやるようなことも検討はしていますが、今まで全然だめだったところをどうするかという検討には至っておりませんので、今後検討させていただければというふうに思います。ありがとうございました。

【中杉委員】 今、水域類型については、水域の利用形態との対応でつくられているんですね。そこのところがまず、ちょっと矛盾が解消できないのではないか。単に水域類型を変えるだけの話ではないのではないかというふうに、私、思っておりますので、そこまでも少し議論をしていただければというふうに思いますが。

【岡田委員】 ありがとうございました。

【松尾部会長】 今の非常に重要な点だと思うんですよね。恐らくAだった水域をBにするとは多分言えなくて、Aはもう大変であっても、何とかして守り切ろうとか、水道水として使えるようにしようというのが一方での建前の議論になってしまうから、なかなかその辺は場合によっては非常に難しいのかもしれませんね。でも、余り長い間守られていないんだったら、やっぱり何か別のことを考えないといけないというのは非常にわかりやすい議論かもしれません。
 それから、私から質問なんですが、さっきの生物AとかBとかいう決め方がありましたね。それと、A、B、Cの、さっきもちょっと議論があったんですけれども、A、B、Cって河川のほうの水域類型の決め方とがどうなっていくのかというのが非常に問題で、漁業権がなくなってしまったような川があって、そこは水がきれいになっているんだけれども、漁業権がないから、生物がいなくても、魚がすまなくてもいいような議論になってしまうときがあったと私は思っているんですが、今度はその生物のほうのBというので、もしかかってくるならば、それをもとにしてレベルアップするというインセンティブというんですか、何かそういう、類型指定の見直しのときにこの生物AとかBとかというのがかかってきたということを積極的に利用するというか、議論に乗せていくというのはどうなのかなというのはちょっと思いつき的なんですが、さっきの話との組み合わせで、柳下さんが言ったようなことにもかかわっているんですけれども、それはどんな感じでしょうか。

【岡田委員】 例えばBOD、CODに窒素、燐が入ったときに、その整合性をどうするかというような議論をやっておりますので、今度、例えば亜鉛が入ってきたら、同じような形で整合性等も検討しながら見直していくということが多分必要になるのではないかというふうに思っております。おっしゃるとおりだと思います。

【須藤委員】 よろしいですか、私のほうから今の先生のご質問に対して。水生生物のほうから今度はどういうふうに見るかということも必要ですよね。それがご指摘だと思いますが、先ほど申し上げているように、目的がやっぱり違うので、整合性がぴったりしなくたって、多分いいだろうなと思いますが、亜鉛の基準とそれからBODの基準が多少ちぐはぐだということは、もしかしたら起こり得る問題じゃないかなという気もします。例えば発生源があれば、鉱山があったりして、それから、今先生がおっしゃるように、生物がいなくたってというような話があったのですが、水に生物がいないというのは普通はあり得ないわけでありまして、地方公共団体の小さな水域になって、環境基準当てはまらんというのはあるんですが、そういうところでは時にあります。それはどうしてかといったら、亜鉛だの鉛だと、砒素だの、濃度が高くて生物がすめないわけです。ですから、そこは基準をかけないで、まずは産業排水なり鉱山なりの対策をやった上で、それで生物がすめるようになった上で基準化していこうと、地方自治体では努力をしておりますので、必ずしもですから、言い直しますと、岡田先生がご説明の部分と一体になかなかならないところもあるのかなという気がしていますが、それはそれでいいのではないかなという気がします。

【松尾部会長】 ほかにはよろしいですか。
 それでは、この見直しの委員会としては、ちょっといろんな今のようなご議論を踏まえて進めていただければありがたいと思います。
 次は健康項目の専門委員会に対するご質問はございましょうか。

【浅野委員】 地下水の環境基準について、最初から引っかかっていることは、どこが地下水なのかということについては、最初から全く無視して議論を始めている点です。特にきょうのお話を伺っておりますと、嫌気性の場所での指針値超過の事例が多いというお話であるように思われたのですが、一体どういうような状態の地下水について環境基準の対象にするのかということを議論していないのではないか、というそもそもの話を思い起こさせられます。この点の論議を始めると、地下水の環境基準というのをどうにもつくりようがないということになってしまうため、およそ地下水というものはすべて公共用水域につながるものであるからして、そこの環境を守ることが必要なんだから、環境基準を設定する、それで何か悪いかといって強引に押し切って基準を初めたといういきさつがあるわけですが、それにしても地下水といってもいろいろな状態のものがあるし、用途も違うということになると、これから先、環境基準項目をふやしていけばいくほど、その辺の矛盾が出てくるのではないかなという疑問があります。
 これは最初から引っかかっていることなので、今後、このような点を意識をしていかなければいけないのかなと思ったわけです。もっとも素人ですから、嫌気性云々というのは意味がよくわからなかったんですけれども、例えば熊本の水道の地下水のようなものとは大分違う状態ではないかなと、ちらっと思ったんですがいかがでしょうか。

【須藤委員】 要するに公共用水域ではなく、公共用水域には当然つながってもつながらなくてもいいんですが、まだ公共用水域でないところですよね。それから、上に土かごみか何かわかりませんけれども、要するに表面に水があふれていないから、これは湧水でもあるかもしれないし、これを地下水と呼んでいいかどうかわからないんですね。その地下水の基準を決めたときには、恐らくここが地下水でということを定義をしないと多分、先生のお立場からすれば、多分必要だろうと思うので、これは法的にもきちんと決めないと多分いけないと思うし、そのうちに感潮河川というのが出てくるんです、生物のところに。感潮水域というのは、感潮水域をどこまでを感潮水域にするか、これもまだ全然あいまいなままで感潮河川をこうしましょうと言っているんですね。要するに境目の部分というのは本当の地下水だったら先生もおわかりになるし、それから、それは私どももわかるんですが、そういう状況に現在あります。
 なぜ嫌気性かというと、地下の深いところの中に、空気のないところで、要するにトリクロロエチレンが反応して、それで中間生成物ができると。そういう状況があるので、それはですから、公共用水域の好気性の状態では起こり得ないということなので、さっきのような議論になったわけでございますので、ではどこからかと言われると、湧水までは多分地下水として入れていかないと、境目が不十分なのかなと、最終的には先生のような方の法的な立場できちっとどこからどこまでということを決めていただいたほうが、あるいはいいかなと、今後、その境目の部分、さっき言った感潮河川もそうなんですが、それが出てくるだろうなという気がしております。

【松尾部会長】 よろしいですか。
 それでは、ほかにはご意見、ありますか。
 よろしいですか。そうすると、この環境基準が決まると、排水基準も決まるようなものなんですか。それとも、地下水だけに特有の環境基準、それはもう排水基準には反映しない。

【須藤委員】 地下水は浸透禁止になりますし、それから、こっちの上のほうの1,4-ジオキサンは公共水域にかかわりますから、これは排水基準を別途どうするかは、これは環境の理想的な状況を決めたわけですから、環境基準ですから、次はそれを、挙がったときにどうするかということはまた別途、審議をお願いをするし、多分この部会に諮問が起こるのではないでしょうか。

【松尾部会長】 わかりました。

【中杉委員】 多分、下で分解してくるという話で浅野先生が言われたのはそういうところの水は地下水が飲めないんじゃないかと、嫌気性だからと。そんなことはないです。だから、やはり地下水については嫌気性云々ではなくて、塩ビについて基準をつくらなければいけない。排水規制のほうの、もう一ついやらしい話があって、地下浸透の規制を本当にやるのかどうかと、下で分解するから。塩化ビニルを規制してもしようがないんですね。そうすると、トリクロロエチレン等を規制しないといけないという話になって、今、トリクロロエチレン浸透規制をやっています。それが地下に入った後、分解したときに塩ビが環境基準を超えるかどうかという議論になります。これはまた非常にやっかいな話でそういう議論をして基準を決めるのか、ですから、塩ビ自体を地下浸透禁止ということに、まずやるということもあり得るんだろうけれども、余り考えられないのかなと、私個人的な意見としては持っております。

【松尾部会長】 よろしいですかね。
 そこまでの議論は、今、しないでおくというのが現在の状況なのでしょうか。今後の議論の中では当然出てくるんでしょうが、そこまでは今は考えない、とにかく環境の問題として見ると、こういう物質がこの濃度以上あるのはおかしいと、こういうレベルでとりあえず行こうと、こういうことですね。
 よろしいでしょうか。
 それでは、次の総量削減専門委員会のほうの問題ですが、いかがでしょうか。

【宮原委員】 全漁連の宮原でございます。我々は水産関係からちょっと岡田先生にお教え願いたいのですが、総量削減の関係で、私は前にもお話をさせていただいたんですが、夏と冬との季節性の関係、これがこの専門委員会でどのようなご検討をされたのかをお教えいただきたいと思います。
 なぜそういうことを申し上げるかというと、我々、水産関係の学者の先生にお集まりいただいて、漁業用水という新しい概念をつくったわけでございます。そこで、水質の問題について、陸域から来るものが多いということでございますので、その規制のあり方が相当影響してくると、こういうふうに思っておりますので、その辺の検討状況もお教え願いたいと思います。

【岡田委員】 宮原委員のおっしゃるのは、例えばノリの養殖等に絡んで、季節によって規制のあり方が異なる可能性があるかどうかというようなことだというふうに理解しております。私が理解しているということは、そういうことが委員会の議論に少しずつは上がってきております。今のところ、シミュレーションにつきましても、季節性を持ったシミュレーションができるようになっておりますので、それも東京湾のみならず、伊勢湾、それから、瀬戸内海についてできるようになっておりますので、その辺の状況、ご要望を勘案しながらシミュレーションをやり、より適切な対応策を考えていくということになるかというふうに思います。ご指摘の趣旨は十分考慮させていただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。

【松尾部会長】 ちょっと直感的な疑問ですけれども、そういうのはうまくできるんですか。どうやればそういう、夏はたくさん出してというのか、冬は絞りなさいというような、そんなうまく、話としてはあっても、現実的にどうなのかちょっと、直感的にわかりにくい。

【岡田委員】 現実的にやっているかのうわさは聞いております。例えば下水処理場の栄養塩の除去状況を季節によって多少変えるということは多分不可能ではないだろうと。
 ただ、それをどういうふうに制度的につくっていくかというのは、全くこれからの検討の対象だというふうに理解しております。

【松尾部会長】 わかりましたというか、非常に難しいんじゃないかとは思いますが、わかりました。

【宮原委員】 今の岡田先生のお答えで結構です。

【松尾部会長】 それは総量削減というのに当たるんですか、季節的削減で。

【浅野委員】 ときにはふやしてもらいたい、ということもある?

【松尾部会長】 ときにはふやしてもらいたい……わかりました。
 ほかにはいかがでしょうか。
 それでは、これは水質モデルが再現、現象、再現結果というのがうまくいっている、これは実は前回のこの部会でもその辺のことは若干議論されたんですが、その後、その精度は上がってきているというふうに考えてよろしいんですか。

【岡田委員】 私の理解では前回の第6次のときのモデルに比べますと、かなり精度は上がっているというふうに理解しておりますし、前回その中間的な結果を見せていただいた限り、委員の各先生方もご了解というか、ご満足いただいているというふうに思います。

【松尾部会長】 わかりました。それでは、よろしいでしょうか。
 では、3つの専門委員会からのご報告は以上で終わらせていただきまして、あとは事務局のほうから、その他の幾つかの進行状況についてのご報告をいただきたいと思います。よろしくお願いします。先に説明をざっとしていただいて、後で質問を受けるようにしたいと思いますので、よろしくお願いします。

【森北課長】 それでは、資料の6でございますが、生活環境項目、見直しに関する検討状況についてご報告をさせていただきます。資料6の1のところ、この検討の目的、背景、狙いというところでございますけれども、BODとかSSDO、こういった生活環境項目につきましては35年以上、その体系が設定をされてから経過をしているわけでございますけれども、湖沼とか閉鎖性水域、そういった水域では環境基準の達成状況、依然として十分な改善は見られていない。
 また、貧酸素水塊といった問題というものも頻繁に見られているということでございます。その中で中環審の答申におきましても、生活環境項目、水環境の目標のあり方について、重要な課題だというふうにご指摘をいただいております。
 また、BOD、CODについてでございますが、こういった指標が国民の実感にそぐわないといいますか、実感しにくいというふうなご意見、そして、それが環境保全活動の推進につながりにくいというご指摘もございます。そういったことから、より実態にあった、またわかりやすい指標が求められているということもございます。このため、私どもといたしましては、平成19年度からでございますけれども、陸域と海域とそれぞれワーキンググループを設置をいたしました。水質環境基準の見直しに係る検討を行ってきております。
 今回、きょうは20年度の検討結果と21年度の取り組みについて報告をさせていただくということでございます。
 2番のところに検討結果がございます。水環境像の検討、そして状態指標、制御指標の検討という、大きくは3つ、これまでに検討してきておるところでございますが、目指す目標軸と書いております。これが生活環境項目に係る望ましい水環境像ということで、マル3つございますが、1つは水生生物にとってのすみやすさ、具体には水産業の対象となる魚種の確保でありますとか、水生生物の生息環境の保全といった観点からのすみやすさということでございます。2つ目が、人が見たときの水の美しさとか、清らかさといったものがあります。これは景観とか観光の観点、そして3つ目が水の利用のしやすさ、水道とか農業用水、工業用水等の利用の観点からと、こういった観点から水環境像を確保していくことが大事といいますか、重要だというふうに考えておるわけでございます。
 状態指標といたしまして、この水環境像を達成するに当たって、具体に障害とか利水障害、そういったものが生じているかどうかの水質面から直接的にあらわす指標として、この状態指標というのを、従来、河川、湖沼、海域、それぞれここに書いてあるようなDO、SS、pH等々の指標があるわけでございますが、それに対しまして、例えば衛生指標、従来、大腸菌群数という形でございましたけれども、大腸菌、または糞便性大腸菌群数と、こういった指標を検討すべきではないかと。
 また、DOにつきましてでございますけれども、CODを補完する項目といたしまして、下層のDOというのがございます。また、透明度といったものもございますが、そういった指標の検討をすべきではないかというふうなご意見をいただいております。
 裏のページをあけていただきまして、こういった状態指標に対しまして、それをコントロールするといいますか、制御する指標といたしましての制御指標、これも河川、湖沼、海域それぞれ、従来から、例えばSS、pH等、指標があるわけでございますが、さらに検討すべき指標として、先ほど言いました衛生指標のほかに、例えばDO消費に関連するものとして、C-BOD(ATU-BOD)でございますが、あとはN-BOD、また、DO消費に関係するものといたしまして、SOD、こういった指標について検討すべきではないか、また、クロロフィルaについても議論がされているという、こういった20年度までのこれまでの検討状況ということでございます。
 今後の課題といたしまして、最後でございますが、今のような指標について、検討をしてきておるわけでございます。いろいろな指摘を受けております。1つの例といたしまして、例えば水産利用の観点から湖沼とか海域における下層のDOの確保、これが大事ではございますけれども、現象といたしまして、下層DO消費のメカニズム、さらには下層へのDOの供給とか、底泥の有機物分解、さらには下層でのDO消費、いろいろな複雑な要因がございます。それに支配されるメカニズムがあるわけでございますので、こういったメカニズムを考えた制御指標というのもきちんと考える必要があるのではないか、その上に立って、具体的にはBOCでありますとか、SODと、こういった指標について把握するのが有効ではないかというふうなご意見がございます。
 また、さらに下層DO改善に向けた表層有機物の濃度のレベルの設定には、個々の海域ごとの汚濁機構を踏まえた個別の検討が必要というふうなご意見もいただいております。こういったご意見を踏まえて、今年度検討をしていきたいというふうに思っております。
 今現在の検討状況のご報告をさせていただきました。以上でございます。

【星野補佐】 続きまして、資料7をごらんください。
 「窒素含有量または燐含有量の排水基準に係る湖沼の指定について」ということでございます。これについては、5年に1度過去から見直しをかけております。窒素含有量の排水基準に係る湖沼としては、現在集計中で、今回変更予定と書いてありますが、10湖沼ぐらい、ここの数字では6になっておりますが、10湖沼程度ふえる。あと、燐の排水基準に係る湖沼については、約70ぐらいふえるというふうに考えております。
 増加の原因としては、ダム湖、ダムの完成によって増加した部分がほとんどの部分でございます。今後は現在、各県から水質データ等をいただいて、今、集計をしている最中ですので、それが終わり次第、パブコメを行って、早い段階に告示を行っていきたいというふうに考えております。
 若干の説明をさせていただきたいと思います。下のほうの説明というところになりますが、窒素、燐の排水基準に係る湖沼については、まず、施行令のほうで、湖沼植物プランクトンの著しい増殖がある湖沼を対象とするということでございます。この指定湖沼になりますと、排水基準がかかります。窒素、燐の排水規制がかかりまして、湖沼と公共用水域に排水される排水の窒素と燐濃度の排水規制がかかっております。
 これをどんな基準で選んでいるかというのが下のセンテンスになりまして、これは施行規則のほうに書いてありまして、まず、燐については水の滞留時間が4日以上の湖沼、一部除くのは、塩分濃度が高いもの、その他の特殊なダム、例えば酸性湖とか、揚水発電のダムとか、明らかに富栄養化が起こらないようなダムについては外しているという状態です。
 あと、窒素については、燐規制湖のうちにNP比が20以下の湖沼で、かつ、燐の濃度が0.2ミリグラムパーリットル以上になる湖沼を対象に窒素規制をかけているということでございます。その他の事例によって、窒素がプランクトンの増殖の要因ということになっている湖沼についても対象とするということでございます。このような形で告示のほうに向けて、今、現在環境省のほうで作業中ということでございます。
 以上です。

【山田主査】 続きまして、「日中環境汚染対策協力ゴールデンウィークについて」ということでご報告させていただきます。資料の8の1枚目をごらんください。
 まず、経緯についてですけれども、中国北京で開催された第11回日中韓環境大臣会合において6月13日に斉藤環境大臣と周中国環境保護部長との2国間大臣会合が開催されまして、その中で統合的かつ集中的な日中環境汚染対策協力を行うことについて合意がなされました。
 同合意に基づき、6月23日から約2週間を日中環境汚染対策協力ゴールデンウィークと位置づけ、環境汚染物質削減にかかわる一連の協力イベントを集中的に実施いたしました。
 実施された協力イベント、個別のイベントについては5ページ目のパワーポイントの資料をごらんください。日中局長級政策対話(第7回)、日中水環境協力セミナーのサイドイベントといたしまして、日中協力モデル事業分散型排水処理施設完成竣工式典、窒素・りんの水質総量削減に係る日中共同研究ワークショップ、窒素酸化物の大気総量削減に係る日中共同研究ワークショップ、コベネフィット・アプローチ共同研究ワークショップの5つが開催されました。
 なお、開催を予定しておりました日中次官級キックオフミーティング及び水環境課の日中水環境協力セミナーについては、新型インフルエンザ対応のために延期されております。
 以下、水環境課に関連した個別イベントについてご報告させていただきます。資料8の1ページ目を再度ごらんください。
 まず、日中局長級政策対話についてでございます。ゴールデンウィークの開始に先立ち、局長級の政策対話を開催し、農村地域等における分散型排水処理施設モデル事業を含む水環境協力については、複数の地域での事業の推進を確認するとともに、中国政府から同事業結果を踏まえ、中国国内で広く普及する旨の意思表明がなされました。
 また、今回から始まった窒素、りんの水質総量削減及び窒素酸化物の大気総量削減に係る協力の今後の一層の強化を確認いたしました。
 さらに、環境汚染対策と温暖化対策を同時に実現するコベネフィット・アプローチの協力を引き続き実施することを確認いたしました。そして、今後とも両国の政策について緊密に意見交換をすることといたしました。
 続きまして、日中協力モデル事業に係る分散型排水処理施設完成竣工式典についてということで、7枚目をごらんください。水環境課にて実施している日中水環境協力セミナーのサイドイベントとして、江蘇省の泰州市及び重慶市忠県において、分散型排水処理施設の完成竣工式典が行われました。これらの施設は排水処理が十分ではない中国の農村地域における水環境改善対策の普及に向けたモデル事業として建設されたものです。
 泰州市の式典には周中国環境保護部長らが、重慶市の式典には白石環境省水・大気環境局長らが出席いたしました。今後は施設の運転管理を行いながら、管理手法や浄化効果の調査を行っていきます。
 なお、泰州市の竣工式典に出席した周部長は、モデル事業の成果を普及するために、中国環境保護部の資金により泰州市でさらに5つの排水処理施設を建設するということを表明しております。
 次に、窒素・りんの水質総量削減に係る日中共同研究ワークショップということで、9枚目をごらんください。
 閉鎖性海域対策室において実施している東アジアにおける水質総量規制制度支援事業の一環として、窒素及びりんの水質総量削減に係る日中共同研究ワークショップを開催いたしました。本ワークショップでは、中国の国情に合った窒素及びりんの水質総量削減の実施方法案を作成するために、中国の環境保護部、環境企画院、清華大学等の出席のもとに、日本及び中国の水質総量削減制度に係る法制度や実施手順、発生負荷量の把握手法や測定方法等の技術についての議論が行われました。また、中国のモデル水域におけるフィージビリティスタディの実施と今後の日中共同研究の進め方を協議いたしました。今後は日中双方の水質総量削減制度について法体系や実施制度に係る資料を日中の協力のもとに、日中共同研究においてまとめていくこととなりました。
 以上で、日中環境汚染対策協力ゴールデンウィークのご報告を終わらせていただきます。

【松尾部会長】 ありがとうございました。
 それでは、資料9、よろしくお願いします。

【室石室長】 それでは、資料9でございますが、平成21年度の里海創生支援モデル事業の選定についてでございます。資料にございますように、平成19年に21世紀環境立国戦略というのを策定しておりますけれども、その中で、藻場、干潟等の保全、再生、創出、あるいは水質汚濁対策、持続的な資源管理などを総合的に推進することで、多様な魚介類等が生息する自然の恵み豊かな里海の創生というのができるということで、これを進めていくべき施策として、重点として明記されているということでございまして、20年度から私ども、この支援事業を行っておるところでございます。
 21年度につきましては、そこの表にございますように、6件を選定したところでございまして、横浜市、石川県、志摩市等でございますけれども、そこに活動の概要として書いてございますように、検討会を設置して、あるいは体験活動を行ったり、あるいは市民参加のワークショップを行うなど、里海の創生に向けた活動をやっていただくということで、その支援を環境省として行っていくということとなりましたので、ご報告させていただきます。
 以上でございます。

【松尾部会長】 それでは、資料10をお願いします。

【是澤室長】 資料の10、硝酸性窒素地下水汚染対策の啓発についてということでお配りしている資料でございます。ご承知のとおり、硝酸性窒素につきましては、地下水の環境基準項目の中で最も超過率が高いということで、取り組みが求められているものでございます。
 今般、外部への委託調査によりまして、その啓発普及のためのパンフレットの作成を行っておりまして、その原案ができ上がってまいりました。それをお手元にお配りしております。
 表紙をめくっていただきますと、まず最初に硝酸性窒素、どういうものでどういう問題があるのか、さらにその1ページ目下のほうには、その汚染の原因として肥料、家畜の糞尿、生活排水などの問題あるというようなことを書いております。そして2ページ目以降、どういう現状にあるのかということで、他の項目に比べて非常に超過率が高いというようなことを紹介し、さらにその後、3番としまして、地下水汚染対策、全体の流れについての説明、次のページに参りますけれども、では具体的には一人一人、あるいは地域としてどのような取り組みが求められているのか、さらには4ページ目のほうに地下水汚染の浄化技術として考えられるものにはどのようなものがあるのか、実際、そのような対策を講じる場合に使われる優遇制度などについてご紹介をしております。
 最後のページに、今後の対策の重要性についてまとめてございます。こういったものを作成いたしまして、今、文章、細かい表現の精査をしているところでございます。それが終わり次第、印刷し、あるいはホームページにも掲載するというような形で全国に配っていきたいということで考えてございます。もし、ごらんいただきまして何かお気づきの点等がございましたら、事務局までお知らせいただけると大変光栄でございます。
 以上でございます。

【松尾部会長】 ありがとうございました。
 それでは、資料6に戻っていただいて、順番にいきたいと思いますが、一遍やって、また戻っても結構ですから、とりあえずこの資料の順番でご質問があればということでいきたいと思います。
 資料6でありますが、何かご意見ございましょうか。生活環境項目見直しに関する検討状況であります。
 どうぞ。

【池田委員】 指標として状態指標と、それから、制御指標という2つが設定されているんですが、この考え方がちょっとよくわからないのを少しご説明していただければと思います。例えば河川ですとSSからpH、両方入っています。どのようにこの指標というのを、軸を分けているのか、そのあれがちょっと読み取れないものですから教えていただければと思います。

【富坂課長補佐】 状態指標と制御指標の違いということでございますけれども、一つ状態指標といいますのが、その水の状態、上に挙げております目標軸、水生生物にとってのすみやすさですとか、水のきれいさといったものがどれぐらい達成されているのか、満たされているのかといったものを測る物差しということで考えております。
 それから、もう一つ、制御指標ということでございますけれども、ではこの状態指標というものをよくしていく、改善していくためには、人間の側でどのようなことを対策をとっていけばいいのかということがございます。例えば透明度というようなものをとった場合に、この透明度を改善するために排水をどういうふうにするのかというようなことを考えていかなければならないということで、提案がありますようなTOCですとか、DOCですとか、クロロフィルaですとか、いろんな制御指標が現在、案として示されているという状況でございます。
 ただ、この制御指標というのが、こういうふうに指標を変えていけば、状態指標がよくなるよといったものについて、これは水域によっていろいろわからないといいますか、個別に考えていかないとならないねというご指摘を受けているところでもございますし、まだまだ指標そのものの現状がどうなっているのかといったデータとりの部分でもまだしていかなければならないところがあるというところでございまして、21年度においてはそういったところについて作業を進めていきたいと考えております。

【池田委員】 例えば河川のところを見ますと、大きな違いは有機物が違うんじゃないかという気がするんですが、それだけで状態指標と、それから制御指標の差になるというのがちょっとまだよくわからないんですけれども、そういうことだけでよろしいんでしょうか。ほかにも何かひょっとするとあるんじゃないかという気がするんですけれども。

【富坂課長補佐】 例えばSSのようなものにつきましては、河川に関して言えば、一つは状態指標、水の濁りといったものを示す指標として使えるであろうと。それをコントロールするための制御指標ということで、やはり排水中のSSの水の濁りそのものを制御すればいけるのではないかというところで今回こういった形にまとめていると。
 ただし、湖沼ですとか海域の富栄養化現象、こういったものについては状態指標と制御指標というものは恐らく異なってくるであろうと。あるいは、こちらのほうであります下層DO、低層DOといったものにつきましては、まだまだデータも少ないと。下層DOそのものを人間がコントロールするというわけにはいかないので、こちらについてはこの状態指標と制御指標が異なってくるのであろうと。
 ただし、ここの部分についてはまだまだ検討させていただきたいということでございます。

【池田委員】 どうもありがとうございます。

【松尾部会長】 ほかにはどうでしょうか。
 どうぞ。

【中杉委員】 細かく指標をつくっていくというのは一つの方向としては望ましいと思うんですが、これは余り指標をつくり過ぎると、モニタリング、監視するのが非常に大変になってくる。今の常時監視の項目だけでも非常に困っていて、いかに効率化するかということを毎回のように検討しているところですよね。これは単に数をふやしてしまうということになると、ますます項目としてはふえるかもしれないけれども、調査地点の数が減るとか、頻度が減るとかそういう話になってしまうので、そこら辺のところを十分配慮した形で検討いただければというふうに思います。

【浅野委員】 環境基本計画をつくるときに、指標をどうしようかという議論をしたわけですが、水の関係では応答が十分ではなく、不満に思っていたのですが、ようやく最近これが動き始めたことは歓迎すべきことです。しかし、せっかく指標の議論をするのでしたら、総合環境政策局で、指標についてはかなり議論をして、指標の考え方とかいろいろなことを積み重ねてきているのですが、今のご質問があった状態指標とそれから制御指標というのを、私も初めて拝見した次第です。こういうお話も、これまでにずっと、いろいろと議論をしておりまして、例えば国際機関ではこんなことをやっていますみたいなことも環境基本計画策定の段階では資料としてお示ししています。こういうようなことを、研究者が自分の好みで勝手なことを言われることを別に邪魔しようという気はないのですが、行政で何かをしようというときに学者的な関心だけでいろいろなことをやったら、中杉委員の言われるように最後は電話帳になるような環境基準になりかねないわけですから、最初から事務局としてはどこに落としどころを持っていくのかということをある程度初めから想定して、その上でどうするんだということを検討しなければいけないし、こんなことを指摘されるのであれば、今の環境基準も本当に、では状態指標と制御指標というふうになっていたのか、そこのところだって定かではない。そんなつもりでつくっていないはずですから。こういう用語で議論をされてしまうと、さっきの池田先生のご質問も出てしまうことになる。委員のご質問はまことにごもっともな質問だと思ったわけです。
 少なくとも指標について環境基本計画で責任を負わされた立場から言うと、やっておられることについて別に悪いと思いませんし、大変いいなと思いますが、もうちょっと行き着く先をお考えにならないと、何年やったってこの議論が続くのではないかと思われます。

【松尾部会長】 いかがですか。ちょっと考え方が少し違うということかもしれませんけれども、ちょっと何か答えがありますか。

【富坂課長補佐】 今の時点で答えというものを持ち合わせているわけではございませんけれども、いただいたご意見をもとに行政としてさらに、指標をどういうふうにしていくかということ、重要な課題でございますので、また今年度検討に組み込んでいきたいと考えております。

【鈴木会長】 指標というか、基準というようなもの、ここで制御指標とされているのも多分状態指標だろうと思うんですが、環境問題の構造上、DPSIRのSの部分が要するに状態指標ですよね。それに対して、何を制御すれば改善されていくのかというところを明確にし、制御に踏み込もうというのは大変私は結構だろうと思うんですが、ただ、本当に制御のために何をどう施策として取り上げていくのかを議論するために、多分ある種の構造化が必要になってくるんだろうと思いますので、この辺りをどうするか、これはむしろ部会で議論されるとよろしいのではないでしょうか。

【松尾部会長】 それは皆さん関心があるテーマだとは思うんだけれども、今これは現実にはどこで検討していることになるんですか、そうすると。専門委員会でもないんですよね。

【富坂課長補佐】 検討自体はまだそういう意味で考え方の整理をしている段階でございますので、環境省の委託検討会という形で議論をさせていただいております。

【松尾部会長】 では少しまとまった段階で一遍部会で皆さんの意見を聞くような機会があってもいいと、早めにやっておいたほうが安全かもしれませんね。私も個人的には、pHなんていうのは天候によって大きく変わるので、川の中のpHは。pHを制御するという印象が非常に私は奇異に感じられて、それを酸を入れたり、アルカリを入れたりして、pHをコントロールするかというのは、もしもどこかで考えているとすれば、えらく逆に言えば問題な印象は受けますね。だって、天気がよければどんどんアルカリになるしね。悪ければpHが下がったりしますから。ちょっとそんな印象を私は個人的には思うところです。
 だから、目指す目標軸というのがそもそもこういう非常に情感的な言葉であらわすやつを、では状態指標でというと今度、非常に急にDOになったり、SSになったりするという辺が、何ともちょっとある種の違和感を持つところかもしれないというような感じがしますね。ある段階まで来たら、ちょっとぜひここで議論させていただくと皆さん方の意見がまた出てくるかもしれません。
 それでは、ちょっと急ぎますが、資料7でありますが、いかがでしょうか。窒素、燐の排水基準に係る湖沼の指定について、これは関心のある方が多そうですが、いかがですか。

【須藤委員】 資料7の一番下のところの窒素含有量の排水基準に係る湖沼というところは、これが決まった当初から私は異論があって、水質管理課時代から恐らく五、六回同じことを申し上げてきましたが、いつも担当者が変わって、いつも振り出しに戻って、また今回も同じようなことが出てきたわけでございます。
 どうしてそういうことを申し上げるかというと、その当時、昭和57年ですから、二十数年前になるべく、燐と窒素の両方を規制するのは大変だから、燐のほうが規制しやすいし、窒素はなかなかその当時は難しかったので、窒素の規制は少し少なくしようというのでできた文章がこれなんですね。
 それで、見ていただくとわかるように、20以下であるということですね。20以下というのは窒素汚染がどんどん進んでいけば、窒素を規制しなくてもいいということになるわけです。燐が一定だったら、窒素をどんどんふやしていって、今、そういう状況ですよね。特に窒素汚染が進んでいる。窒素汚染が進めば進むほど、何もしないでもいいと、これが現実ですね。地方公共団体、極めてここが困っているわけ。環境省に私も直訴を実際に何回もしているんですが、それなりに対応していただいたこともあるし、対応していただかなかったこともあるんですが、ここだけは絶対に直してくださいということを本当に五、六回は申し上げたつもりですが、担当者がいつも変わってしまっているので、こういう同じことになるんですが、とにかく窒素はどんどん汚染が進んでいるんです。燐は削減できますね、窒素が進みますね、NP比は20じゃなくて30だの40だの50だの、最近すごくそういうのが多いんです。それは規制しなくてもいいということになる。地方公共団体では極めてこれが困っている。
 環境省に直接直訴すると、ここに書いてあるじゃないか、20以下であると。で、しようがないからじゃあ私が出て行こうということになるんですが、それでもなかなか難しかったので、直接課長なり審議官なりに言って、何とかしのいだこともあるので、ここだけは変えていただかないと、極めて矛盾しているんでですね。それは当時のことはNP比をそうしておかないと、窒素の規制がふえてしまうからというのでやったんですよね。窒素の制限因子論でこうやっているわけです。それが間違っていたんですよね。間違ったことは早めに改めてくださいと言っているんですけれども、今もまた同じことが出てきている。なので、もう一回、担当者が変わったばかりですから、あと2年間ぐらいおられるでしょうから、ぜひそこは直してください。
 以上です。

【松尾部会長】 よろしいですか、担当者が変わられた方、大丈夫かな。
 そういう意味では、須藤先生の経験に基づく重要なご指摘ですから、ぜひそこはお考えいただけたら、ありがたいと思います。
 ほかにはどうでしょうか。資料8についてはどうでしょうか。日中環境汚染対策協力ゴールデンウィークであります。関係された方も大勢おられるのかしら、この中には。
 ちょっと一つ、分散型というのはこれは規模はどのくらいのものなんですか、何人分ぐらいの装置なんでしょうか。

【富坂課長補佐】 大体500人から600人ぐらいの生活排水を処理するぐらいの施設でございます。日本でいうと、農業集落排水をイメージしていただければよろしいのではないかと思います。

【松尾部会長】 一応パイプで集めてくるのは、集めてくるわけですか。

【富坂課長補佐】 そうでございます。

【松尾部会長】 わかりました。
 ほかにはよろしいですか。
 次は資料9であります。里海創生支援、いかがでしょうか。
 どうぞ。

【西崎委員】 鉄鋼連盟の西崎でございますが、資料9に関しまして、地方自治体と申しますか、各都道府県の取り組み状況について、ちょっとお伺いしたいと思います。
 各都道府県ではここに示されたモデル事業にあわせて、今後、各都道府県それぞれに類型指定をしていくという、この検討を始められるということが課題になろうかと思うんですが、先ほど来の、国でのこういった議論を踏まえて、地方自治体、これからこういった検討を進められるというふうに伺っておりますけれども、現時点でのこういったモデル事業以外の具体的な地方自治体の取り組み状況、例えば類型指定に向けて、既に示されています6点の留意点、この調査を独自にも進められているとか、あるいは環境省への問い合わせがこういった項目が多いとか、今、環境省で把握されている範囲で結構でございますので、何か情報がございましたら、お教えいただきたいと思います。

【松尾部会長】 いかがでしょうか。

【富坂課長補佐】 都道府県における水生生物類型指定状況ということでご説明させていただきますと、現時点で7つの府県で類型指定作業が行われているというふうに私どもでは把握しております。それ以外に国が指定する水域というのが、都道府県境をまたがるような水域でございますので、それが今回28まで進んでいるという状況でございます。

【松尾部会長】 例えば実際の名前、幾つか、7つか6つと言われたけれども、例えば何県というのはありますか。

【富坂課長補佐】 現在把握しておりますのが、北から宮城県、福島県、茨城県、埼玉県、新潟県、愛知県、大阪府と7つでございます。

【西崎委員】 そういった指定をされるに当たって、きょうまさにここで議論されているような中身を踏まえて、都道府県が判断されると聞いているんですけれども、その判断基準として、例えば環境省のほうから、例えばの話ですが、ガイドラインのようなものを今後出されるご予定はございますか。

【須藤委員】 松尾先生、よろしいですか。私は各自治体のほうの委員長も幾つか今の中で務めておりますので、私から答えたほうが事務局よりは現実味があるかと思います。
 宮城県、それから、茨城県、これは水生生物の類型指定をやる類型のほうの、県のほうの委員長もいたしております。先ほどいろいろ前提条件がありましたが、それは、その前提条件は環境省からすべていただいた文書があるし、既に前にやった1次報告、2次報告はすべて受けております。それを見て、それで県の環境部局はここにある47以外の部分、例えば茨城県であれば山王川だとか、桜川とか、そういうところでやるわけですね。そのときに、それは同じ考え方で実はやっておりまして、ただ、県でやっていく場合に難しいのは、水生生物が何がどういうふうにいるかというようなところは、すべての川についての知見というのがなかなか集まりにくいのが一つですね。それから、水質はまあまあ環境基準を測っているからいいんですが、そういうことで、情報は国よりもすごく乏しいです。なので、思い切って水温で、水温が15度と先ほど申し上げたんですが、大体水温が15度ぐらいのところを目安に「えいやー」というような分け方を現実にはいたしております。
 ですから、先ほどのご質問に答えるならば、一応環境省の方針にのっとってやっておりますが、特別域を決めることはほとんどできません。というのはデータが乏しい。そういうことがあるので、国よりもっとそういう意味では特別域についてはおくれているというのが現実です。両方をやっている立場から言えば、そんなことでございます。

【西崎委員】 ありがとうございました。できるだけ地方によって判断の差の出ないようにご配慮をお願いしたいと思います。
 以上です。

【松尾部会長】 どうぞ。

【藤井委員】 もう時間が過ぎているようで、大変恐縮です。しかも、ちょっと1つ資料が戻って、資料8なんですが、この中国の農集排のような水処理に大変関心がありまして、実は琵琶湖でいろいろとJICAのメンバー、NPOであったり、研究者だったり、随分たくさんの方たちが水処理施設を見にいらっしゃいます。この水処理施設の絵づらを見る限り、このばっき槽のところに物すごい泡、多分これは洗剤の泡ではないかと思うのですが、それからこの人工湿地のところに植物、これは何を使っていらっしゃるのかな、琵琶湖の周りでもさまざまな植物を使いながらやっているんですが、一番の問題はこの住民参加型で管理するとか、研究者と行政だけでつくってしまった後、ほとんど機能しなくなってくるのではないかという思いがあって、今、中国も随分たくさんの各地域にNPO、NGOがありますが、少なくともこの重慶における処理施設のような500人、数百人単位のものが非常に小規模分散型のものが中国は有効ではないかと思われますが、ぜひここのフォローアップはどういうふうになさるかということと、どういう管理体制とかなさっているか、これが非常にうまくいくようであれば、こんなようなことを市民連携の中でも、中国だけでなくて、随分いろんなところがこの水処理に関心を持ってきているものですから、ちょっと聞かせていただけたらと思います。すみません、ちょっと戻りましたが。

【富坂課長補佐】 中国における分散型排水処理施設ということなんでございますけれども、これは日本で言いますと、一昔、二昔前の技術を導入していると。具体的には礫間浄化とか、そういうような形でやっておりまして、なるべく電気代がかからないですとか、メンテナンスがしやすいといったような技術を中心に選定しているということでございます。
 今までのそういった途上国支援の中で、日本の浄化槽のような非常に高度な水処理ができるようなものということでやって、その後、メンテナンスがなかなか続かなかったという反省のもとに、現地でそういう技術としてちゃんと維持管理ができる、あるいはコストがそんなにかからない施設ということで、今回、モデル事業ということで最終的に5カ所を整備するということで考えておりますけれども、そういったモデル実験の成果もまたフィードバックさせていく。中国側のほうでも受け入れ体制ということで考えているということでございますので、現地の技術に見合った施設整備支援というものができればいいなということで考えています。

【藤井委員】 失敗の歴史もきっちりと伝えていただきたいと思います。礫間浄化なんていうのは本当にメンテナンスできていないと、巨大な硫化水素の発生施設になってしまいますので、その辺のところをしながらうまく小規模分散自立の処理施設を、技術提携をしていただきたいと思います。
 以上です。

【松尾部会長】 ありがとうございます。
 この人工湿地までいるのかという、池を掘ればいいんじゃないかという感じも若干はしますが。
 次は資料10ですが、地下水問題ですが、いかがでしょうか。

【岸委員】 岸です。
 啓発ということで、こういう小冊子をおつくりになるって本当にすばらしいと思います。そして、読めばとても意味もわかるし、いいなと思っています。
 ただ、1ページに、一番下に硝酸性窒素による地下水汚染の模式図がありますけれども、この辺をもうちょっと危機感をあらわにあらわしていただきたいなという。何か不適切な処理なんて、不適切な処理ってどういうものかなとか、割と一般の人って本当に知らないんですよね、合併浄化槽を入れていても、お掃除していないとか、お掃除するのにそんなにお金がかかるのということも知らなかったり、何か自分たちが生活していることがこんな恐ろしいことになるという危機感をわかりやすい絵にしていただきたいなと。これは全くすばらしいんですけれども、ぱっと見ただけでは「あー、そう」で終わっちゃうみたいな感じがするんです。

【松尾部会長】 おっしゃるとおりでしょうね、きっと。ですから、ちょっとその辺は工夫がもう少し直接的にみんながわかりやすい何かが必要かもしれませんね。
 ほかにはどうでしょうか。
 どうぞ。

【後藤委員】 日化協の後藤でございます。
 資料4に戻って申しわけないですが、意見を申し述べさせていただきます。今度、1,4-ジオキサンなどに関する水質環境基準案がパブコメにかけられるわけですけれども、特にこの中で1,4-ジオキサンについては、いろいろな用途分野における溶剤を初めとして、用途が多岐にわたっておりまして、これからの議論になるかと思いますが、さらに十分な実態調査、あるいは把握を行っていく必要があるのではと思います。
 それから、また次のステップで排水規制とかいったことを考えました場合、やはりこれらの実態把握および1,4-ジオキサン自身が大変安定な物質で、処理しづらいといったこともぜひ勘案していただいた上で、慎重な対応検討をお願いしたいと思います。
 以上、よろしくお願いいたします。

【松尾部会長】 須藤先生、何かありますか。

【須藤委員】 おっしゃるとおり、ただ、処理には難しい難分解性だということも承知していますので、排水規制が実施されるような場合の処理対策なんかについては十分な検討が必要だろうなというふうには考えております。

【松尾部会長】 では、真柄先生お願いします。

【眞柄委員】 1,4-ジオキサンのことですが、実際、今、使われた後のジオキサン、廃ジオキサンと言ったほうがいいんですが、産業廃棄物にほとんど流れていってしまっているんですね。ですから、先ほど今後、水濁法でどうかけるかということと関係するときに、今、産廃で流れているのがどういう形で最終的に環境に戻っているのか、あるいは再生品として戻っているとか、そういうところまでぜひ調べていかないと、具体的に進まなくなるという懸念を私も持っておりますので、ひとつよろしくお願いします。

【松尾部会長】 それはぜひご検討いただきたいと思います。
 ほかにはよろしいでしょうか。まだおありかもしれませんが、一応ちょっと時間が10分ぐらい過ぎていて、皆さんが次の予定があるといけませんので、ここら辺で本日の中央環境審議会水環境部会は終わりたいと思いますが、最後に伊藤審議官のほうから一言ごあいさつをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

【伊藤審議官】 本日は長時間にわたり、熱心なご討論、ありがとうございました。
 本日まとめていただきました、水生生物の保全に係る環境基準の類型指定についての答申につきましては、これにのっとりまして、所要の行政手続を進めてまいりたいというふうに思っております。
 それから、きょういろいろそれ以外にもご議論いただきましたが、ことしは旧水質2法が制定されて50年ということであります。私自身もきょうの議論を聞いていて強く感じたんですけれども、この水環境行政も一歩踏み出さなければならない時期に来ているんだろうというふうに思いました。きょうご議論あった中でも、環境基準と排水基準をちゃんと分けて考えたほうがいいのではないかと、これまではどうしてもセットとして考えていたきらいがありまして、今回の地下水の環境基準は若干踏み出した格好になるのかなと思っているんですけれども、そこのところをちゃんと議論をして、頭の整理をし、行政の方向性を出していかなければならないと思います。
 それから、新しい指標についても、これは浅野先生が言われたとおり、落としどころも考えた上で、どうするのかということをちゃんとしていかなければならないのではないかなと。
 それから、きょうのご議論のあったほかでも、例えば産業系で言いますと、排水規制のところを、こういうことを言ってはなんですけれども、若干たがが緩んでいるところが最近出てきている面があるのではないかと思う一方で、これまでの私どもの行政自身も排水口での規制ということに偏重してきたきらいがあるのではないかなと。その面的な発生源からの対策をどうするんだといったところの議論もあるだろうというふうに思っております。
 それから、きょう国会解散しましたんですけれども、この国会では土壌汚染対策法の大きな改正を実施しました。この土壌汚染対策法は土壌汚染から人の健康を守ることを目的としており、土壌汚染を防止するといった観点は法の目的にも書いていないということで、国会で私は散々、与野党を問わず言われたんですけれども、土壌汚染の未然防止のことをちゃんときちんとやらなければいけないんじゃないかということを相当に指摘されました。そのことについては水濁法でいろいろ規制をやっていますというふうに答えたんですけれども、そこのところについてもちゃんとやっていかなければならないのではないだろうかということ。
 それから、環境基本計画で健全な水循環の確保というふうなことを宿題で抱えているわけですけども、それについて答えがなかなか見出していかないと、もっと踏み込んでいかなければならないと、こういったいろいろな課題がありまして、これをぜひとも一歩前へ進めたいと。今後の水環境行政をどうしていくんだということを統一的に頭の整理をして、その上でぜひこの水環境部会の場でもご議論をいずれ賜りたいと、こういうふうに思っております。
 そのための頭の整理をした上で、このやるべきことを、頭の整理といいましても、1年も2年もかけてやるということも、そういうものも必要でしょうし、また、直ちに実施していかなければならない対策もあるんだろうと思います。そういったことも分けた上で、一応私どもとして整理をした上で、この部会でご議論賜りたいというふうに考えている次第であります。
 また、この頭の整理をする上でも、先生方にいろいろまたお知恵を拝借したいと、こういうふうに考えている次第であります。きょうは本当に長時間に、時間をオーバーしました。本当にどうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

【松尾部会長】 どうも、審議官、ご苦労さまでした。よろしく頑張ってください。
 最後に事務局から連絡があれば伝えてください。

【今井課長補佐】 それでは、1点だけ申し上げます。
 本日の会議録についてですが、速記がまとまり次第、委員の皆様にお送りさせていただきますので、ご確認のほうをよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【松尾部会長】 それでは、どうも皆さん、長い間ありがとうございました。
 ではこれにおいて、部会を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

午後 5時15分 閉会

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