中央環境審議会水環境部会(第17回)議事録

日時

平成19年4月18日

場所

環境省 水・大気環境局

開会

議題

(1)
「陸域環境基準専門委員会」の設置について
(2)
水環境行政の当面の課題について

閉会

配付資料

資料1 中央環境審議会水環境部会委員名簿
資料2 中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置について(案)
資料3 陸域環境基準専門委員会の設置について
資料4 ほう素・ふっ素・硝酸性窒素に係る水質汚濁防止法に基づく暫定排水基準の平成19年7月以降の取扱いについて
資料5 水生生物の保全に係る排水規制等について
資料6 水環境の健全性指標について
資料7 霞ヶ浦、印旛沼、手賀沼、琵琶湖及び児島湖に係る湖沼水質保全計画の概要
資料8 水質モニタリング手法の的確化・効率化に向けた検討について
資料9 化学的酸素要求量(COD)、窒素含有量及びりん含有量に係る総量削減基本方針(第6次)の概要
資料10 有明海・八代海総合調査評価委員会──委員会報告(18年12月)の概要──
資料11 豊かな沿岸環境回復のための閉鎖性海域水環境保全中長期ビジョンの策定調査について
資料12 湧水に係る水循環健全性指標の検討について
資料13 地下水・地中熱を利用したヒートアイランド対策について
参考資料1 平成18年度こどもホタレンジャーの表彰について
参考資料2 世界の水環境問題解決に向けた環境省の取組

委員限りの配布

中央環境審議会第16回水環境部会会議録(案)

議事

午後 4時01分 開会

【中込課長補佐】 定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会第17回水環境部会を開会いたしたいと思います。
 まだこれからお見えになる委員がいらっしゃいますけれども、出席人数についてご報告いたします。水環境部会は、総数33名の委員がいらっしゃいますけれども、現在22名の御出席を得ておりますので、定足数である過半数を満たしております。
 申し遅れましたが、私は、本日事務局として進行を務めさせていただきます水環境課の中込でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日は、中央環境審議会の運営方針に基づきまして、公開で会議を開催させていただいておりますので、ご覧のように傍聴の方もお見えになっております。
 初めに、委員の異動について御紹介をいたしたいと思います。中央環境審議会委員の任期は2年間でございまして、去る1月に選任が行われました。この水環境部会におきましても所属委員の方々何名かについて異動がございましたので、ご紹介したいと思います。
 まず初めに、部会長を務めておられました須藤委員が臨時委員になられまして、後任の部会長として松尾委員が指名されました。

【松尾部会長】 どうぞよろしくお願いします。

【中込課長補佐】 それから、委員の方でございますが、飯村修臨時委員が退任されまして、かわって日本鉄鋼連盟環境・エネルギー政策委員会副委員長の関田貴司様が任命されました。

【関田委員】 関田です。どうぞよろしくお願いいたします。

【中込課長補佐】 嶌田道夫臨時委員が退任されまして、かわって独立行政法人農林漁業信用基金総括理事の石原一郎様が任命されました。

【石原委員】 石原でございます。よろしくお願いいたします。

【中込課長補佐】 清水誠臨時委員が退任されまして、かわって長崎大学水産学部学部長の中田英昭氏が任命されましたけれども、中田委員は本日所用のため御欠席されております。
 さらに、福井経一臨時委員が退任されまして、かわって社団法人日本下水道協会理事長の安中德二様が任命されました。

【安中委員】 安中でございます。よろしくお願いいたします。

【中込課長補佐】 続きまして、本日出席しております環境省水・大気環境局の幹部職員についてご紹介いたします。
 まず、寺田水環境担当審議官です。
 右にまいりまして、望月水環境課長でございます。
 続きまして、高橋閉鎖性海域対策室長です。
 藤塚地下水・地盤環境室長でございます。
 では、これから御審議をいただく前に、寺田審議官より御挨拶を申し上げます。お願いいたします。

【寺田審議官】 寺田でございます。本日は大変お忙しいところ、当審議会にご出席賜りまして誠にありがとうございます。
 この審議会、しばらく開かれていなかったということでございますけれども、新しい中環審の構成になって初めての審議会ということで、部会長も交代ということになっております。これから万端ご指導よろしくお願いいたしたいと思っております。
 本日の審議会では、内容は大きく分けますと2つでございまして、1つは陸域環境基準専門委員会というのを設置していただいたらどうかという、これは私どもからのお願いでございます。実はこの専門委員会は、一旦設置されたものが廃止の形で休止状態になっているものでございまして、今後、宿題といいますか、平成15年に答申をいただいた際に今後の検討課題とされました水系についての検討を進めていく。利根川水系、相模川水系でございますけれども、これについての類型見直しの検討をしていただくためにご設置いただけないかと、こういうお願いでございます。そのほかに、しばらくご報告していなかったということもありまして、様々な水環境行政の課題の進捗状況について御報告をいたしたいと思っております。資料が10以上ございまして、ちょっとてんこ盛りという感じになっておりますけれども、できるだけ手際よく申し上げたいと思っております。
 それぞれの担当から申し上げますが、多少政治的にと言うと何ですけれども、話題になっている話について私からちょっと申し上げますと、1つは、資料4なんですけれども、ふっ素、ほう素等の話がありまして、これは温泉排水の関係で、マスコミ等に「環境省は日本の名湯を全部潰すのか」みたいな書き方をされまして、甚だおもしろがられてしまったというか、実は今日、温泉法改正案がおかげさまで成立いたしましたけれども、たまたまそういうことがあったものですから、結構政治的にも議論になった話でございます。現実的なところで収められたのではないかと思っております。
 それから、この中環審とは別の審議会の話になりますが、資料の10に有明・八代の特別措置法に基づく評価委員会の報告というのがございます。この評価委員会、須藤先生にお願いをしてまとめていただいたものでございます。昨年末にまとめたわけでございますけれども、内容的には、もともとは有明海の水産資源の話がかなり念頭にある審議だったものですから、今までの水質の議論に比べますと、バイオロジカルと申しましょうか、エコロジカルと申しましょうか、そういう話がかなり強く出ており、かつまた、例えば潮流とか潮位ですとか、あるいは海水温とか、そういうことなども非常に幅広くとらまえた、これからの水環境行政というか、水環境研究の非常に大きな一里塚になるんではないかというようなものでないかというふうに私どもは捉えておるところでございます。
 また、参考資料の方でもちょっと触れておりますが、なかなか水環境行政は課題も多いんでございますけれども、大きな方向の一つとして、今、環境省は21世紀環境立国戦略というのをまとめております。そういった中で、やはり先般のIPCCの第2作業部会の報告というのが今月の初めに出ました。それは、温暖化に伴う様々な諸般の影響というのを幅広くまとめたものですけれども、やはりそういう中でも、非常に温暖化そのものが水環境に大きな影響を与えるというようなことも言われております。同時に、先般、温家宝首相がお見えになられましたけれども、中国をはじめアジア各国で非常に水の問題がいろいろな面で深刻になっているということもございます。これから我が国といたしましても、この途上国の水環境問題、あるいは世界全体の水環境問題に貢献をしていかなければならない、協力していかなければならないと思っておるところでございます。
 様々な課題がございますけれども、何とぞ本日貴重な御意見を賜りますようお願いいたしまして、冒頭の私の挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【中込課長補佐】 それでは、続きまして、お手元の配布資料の確認をさせていただきます。まず議事次第という紙に配布資料の一覧がございます。これを読み上げてまいりますので、お手数ですが御確認を願いたいと思います。
 資料1は、本部会の委員名簿でございます。
 資料2は、本日、専門委員会の追加をお願いするわけでございますが、その案文でございます。
 資料3は、その説明資料としての陸域環境基準専門委員会の設置についてという資料でございます。
 資料の4は、ほう素・ふっ素等の関係でございます。
 資料の5は、水生生物の保全に係る排水規制等についてでございます。
 資料の6は、水環境の健全性指標について。なお、1枚の紙の後ろにパンフレットを付けております。
 資料の7は、霞ヶ浦、印旛沼等の湖沼計画の概要でございます。
 資料の8は、水質モニタリング手法の的確化・効率化に向けた検討についてでございます。
 資料の9は、化学的酸素要求量、窒素含有量等に関する第6次総量削減基本方針の概要でございます。
 資料の10は、有明海・八代海総合調査評価委員会の委員会報告の概要でございます。
 資料の11は、豊かな沿岸環境回復のための閉鎖性海域水環境保全の中長期ビジョンの資料でございます。
 資料の12は、湧水に係る水循環健全性指標の検討について。1枚の紙の後ろにパンフレットを付けております。
 資料の13は、地下水・地中熱を利用したヒートアイランド対策についてでございます。これにつきましても、1枚の紙の後ろにパンフレットを付けております。
 続きまして、参考資料でございますが、参考資料1が、18年度こどもホタレンジャーの表彰について。
 参考資料2が、世界の水環境問題解決に向けた環境省の取組という資料でございます。
 なお、委員の皆様にはこれらに加えまして、前回、昨年7月6日に行われました会議録の承認をこれからいただきたいと思っております案をお配りしております。
 以上でございますが、不足等ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは議事に入りたいと思いますが、以降の議事進行は松尾部会長にお願いいたします。

【松尾部会長】 改めて、松尾でございます。どうぞよろしくお願いいたします。今期から水環境部会の部会長ということを申し渡されたといいますか、そういう状況になっておりますので、ぜひよろしくご協力いただきたいと思います。
 本部会は、前部会長がおられて、また審議会の会長まで出てこられるという非常に重要な部会でありますので、そういう意味で、皆様方もぜひ率直ないろいろな御意見をいただければありがたいと思っております。慣れないところもありますが、私はなるべく、どこの会議でもそうなんですが、皆さん方の自由な御発言を大事にしたいというふうに考えておりまして、そういう意味ではご遠慮なく、時間の範囲内でということになりますけれども、どうぞご発言いただいたらいいのではないかと思います。
 それから、今、審議官からありましたが、本部会はというか、この審議会自体は日本の環境行政に関わるものでしょうけれども、今の審議官の話ですと、世界の水環境に関してもある程度コメントが求められるということもあるのかもしれません。そういう意味では、皆様方のそれぞれの分野でのいろいろな御見識を、そういう方面にもぜひ発揮していただければいいのではないかと考えるところであります。いずれにしましても、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それでは議事に入りたいと思います。議題が2つありますが、最初に、議題に入る前に議事録の確認ということになるんでしょうか。前回の会合が平成18年7月6日に開催されておりまして、それが今、事務局から報告がありましたとおり、皆様のお手元にあるわけでございます。従来からそうだったと思いますが、出席された委員の方々にはすでに見ていただいて、確認を入れていただいておりますが、この形で公開するということにさせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

〔「異議なし」の声あり〕

【松尾部会長】 よろしいですか。もしも終わるまでにもう一度見ていただいて、ちょっとまだ直し切れていないということであれば、場合によっては事務局にお申し出いただくということでよろしいでしょうか。この会議が終わった段階で公開の手続を進めさせていただくということにしたいと思います。それでは、そういうことでよろしくお願いいたします。
 それでは、議題の(1)を諮らせていただきたいと思います。最初の議題は「陸域環境基準専門委員会」の設置についてということであります。それでは、事務局からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

【望月課長】 水環境課の望月でございますが、ここから座らせて説明させていただきます。
 資料2をご覧いただきたいと思います。本会議は、中央環境審議会の水環境部会ということでございますが、様々な問題をここでお諮りし、専門的な問題もございますので、部会の下に幾つかの専門委員会を設置しております。この紙は平成13年9月27日付けの、水環境部会決定ということで、1.に書いてあるような幾つかの専門委員会がこれで設置されております。今回、その(7)として、「陸域環境基準専門委員会」を設置したいということでお諮りするものでございます。日付には19年4月○日ということで、本日付でお諮りしているところでございますが、この専門委員会の中身については、8.で「陸域の水質の汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の指定等に関する専門的事項を調査する」ということになっております。
 これがお諮りする案でございますが、陸域環境基準専門委員会の経緯等について資料3で御説明をしたいと思います。
 陸域環境基準専門委員会でございますが、これは実は一回り、平成13年から15年の間に類型指定等を行いまして、一遍設置をされ、現在は廃止になっているというものでございます。経緯を言いますと、13年9月25日に中央環境審議会に「水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の指定の見直しについて」という諮問がされました。その後、13年9月から15年にかけまして幾つか検討を行っておりますが、平成14年5月、平成15年2月に2回にわたり審議会答申をしております。14年5月は6水系について類型指定を行った。15年2月は18水系の水域類型指定の見直しに関する答申が行われております。
 この類型の見直しということでございますが、環境基準で水域の類型ごとに生活環境項目については基準を設定することになっておりまして、これの類型指定を行うということになっております。15年の答申に際しての専門委員会では、利根川水系の渡良瀬川に渡良瀬遊水池がございますが、渡良瀬川と利根川の合流点、ここにある渡良瀬遊水池の中にある谷中湖。それから、相模川水系でいいますと相模川の上流にあります相模ダム、城山ダムの貯水池、これは両方ともダム湖でございますけれども、湖の名前でいいますと相模湖と津久井湖ということになります。あと、四国に行きまして吉野川水系吉野川の大橋ダムと長沢ダム、これもダム湖でございます。この5つについて課題が残ったということで終わっております。
 今回、これらの5つの遊水池または貯水池につきまして、この類型指定についての検討をしてきておりまして、今回これについて最終的にこの陸域環境基準専門委員会にお諮りし、国が類型指定をすることになっている水域のうち、表の1、次のページでございますけれども、これらについて類型の見直しを行うということにしております。表1の検討対象水域を2回程度に分けて報告書を取りまとめることを想定をしておりますが、河川類型の見直し、湖沼類型の見直し、暫定目標値の見直しと幾つかございます。河川類型の方は、環境基準をある程度達してしまった、例えば江戸川下流で見ていただきますと、C類型だけれども、B類型を7年間達成してしまったので、上のB類型に持っていこうというようなことで、BからAになる場合は5年程度、AからAAになる場合には10年程度をめどに見直しをかけておるところでございます。
 先ほどご説明しましたダム湖については、湖沼類型の見直しということで、ここに書いてあります各ダム、湖等についてもう一遍見直して、今、河川等の類型になっているところを湖沼の類型に変えていくということになろうかと思います。
 あと、その下の暫定目標の見直しというところにつきましては、暫定値、これはちょっとわかりにくいと思いますが、例えば川治ダム貯水池で見ていただきますと、AAIIという類型ですが、本来の環境基準に対しまして暫定値が付けてあります。その暫定値をまず満足するか。暫定値を満足した後には、今度は一般的な本来の基準を満足するかということになりますが、バツがついているのは基準を達成していない。マルはもう基準を達成してしまった。サンカクは、基準はまだ達成していないけれども、暫定目標値の基準値は達成したというような状態になっております。これらについてどう扱っていくかということについて、いろいろお諮りするということになっております。
 参考に、次のページに13年9月に諮問をしたときの文書を付けてございますので、ご覧いただければと思います。

【松尾部会長】 ありがとうございました。
 何かご質問ございましょうか。

【眞柄委員】 湖沼の類型の見直しについてでありますが、ダム湖について湖沼の類型を適用するかしないかということについて、たしか滞留時間か交換日数か、何か取り決めがあったと思うんですが、その取り決めというか、ルールも含めて湖沼の類型見直しをしようということかどうか、それを質問です。

【望月課長】 湖沼の扱いをするかどうかということでしょうか。今のところそれは変えないというふうに考えておりましたけれども、まだ問題点が特にあれば、それは検討しなければいけないと思うんですが。

【眞柄委員】 変えないとすれば、たしか相模ダムも城山ダムも、いわゆる湖沼には該当しないから、前の類型に当てはめをしたときに河川になっているわけですよね。そのルールを変えないで、これを湖沼の類型にするというと、前の一番最初の湖沼法で環境基準を決めるときのことと違ってくるんじゃないか。しかも、それを変えるとすると、これ以外のダム湖で河川に類型されているものも湖沼として扱って類型を設定しなければならないようになるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

【松尾部会長】 恐らく、これは須藤先生が一番詳しいんだろうと思うけれども、順次ダム湖を湖沼として読み替えているんですね。それで、15年のときも一部そういうのがあるんですよ。ですから、条件が整ってきたものについてダム湖は湖沼として読み替えてというか、位直付けをして新しい環境基準を設定していく。そういう問題だと思うんだけれども、違いますか。

【松田課長補佐】 基本的に部会長がおっしゃられたとおりでして、15年の答申のときにいろいろダム湖について検討されたんですけれども、そのときに、ダム湖について湖沼とする要件についても検討されました。その要件は満たすのですが、さらに検討が必要なものとして相模湖、津久井湖は位置付けられたという経緯があります。

【松尾部会長】 滞留日数とか、それは一応数字が決まっているんでしょう。多分ある一定以上の数字が何かあったと思いますけれどもね。

【松田課長補佐】 滞留時間が4日以上です。

【須藤委員】 定量的な、今の眞柄先生の御質問に答えるならば、一応湖沼は滞留時間を平均滞留時間として完全混合と考えて4日以上を一応湖沼とすると、たしかそういう約束事になると。眞柄先生、大ざっぱに言えばほとんどのダムが入りますよね。

【眞柄委員】 大ざっぱに言えばね。

【須藤委員】 ほとんどのダムが入るんですよね。ですから、ほとんどのダムは湖沼であろうと。それで、条件が整ったら湖沼にしましょうということで、これは部会長に戻すのも何なんですが、これは松尾先生が専門委員長をたしかやられましたよね。行ったり来たりするのはちょっとぐあいが悪いんですけれども。

【眞柄委員】 それは、別にだめだと言うわけじゃないんだけれども、城山は多分4日になっていないんじゃないかな。

【須藤委員】 そうですか。4日は間違いないですよ。

【松尾部会長】 細かい数字は私は覚えていないし、あれなんですが、データの蓄積を何年間かずっと見てきて、データがないと変えられない。最初、ダム湖は全部湖沼じゃなかったんですね。川の基準でやっていたんですね。しかし、実態が湖沼に非常に近づいてきているということで、富栄養化の問題とか何か、いわゆる河川の状況とは違うということで湖沼の環境基準で評価し直そうという動きがあって、順次条件が整って、そこから湖沼に変えて設定し直しているというふうに私は理解して、15年のときは対応させていただいたというふうに思いますけれどもね。ですから、ちょっと滞留時間の数字等はデータで見せてください。

【望月課長】 昭和46年の告示では貯水容量1,000万立方メートル以上の人工湖について湖沼類型を指定するとされていましたが、平成15年のときに、このうち流水の作用の大きい人工湖については河川として水質保全を図ることが適当であると。したがって、貯留量の要件に加え、水の滞留時間、有効貯水容量割る年間流入量が4日間以上であることを判断基準とすべきということで、上の5つも対象になっているというふうに理解をしております。

【須藤委員】 それで正しいと思います。

【眞柄委員】 4日以上に……

【松尾部会長】 なっているかどうかということですね。

【眞柄委員】 それはたしか4日になっていないんじゃないか。

【望月課長】 確認をさせていただきます。

【眞柄委員】 それと関連して、水道水源で、特に簡易水道などが利用している小規模の農業用のため池と兼用している水源があるんですが、そういうところもある意味では水道目的で利水をしているので、そういうようなところも今後湖沼の類型をしていただくような調査なり検討を環境省として進めていただきたいというのが要望でございます。

【望月課長】 わかりました。検討させていただきます。

【松尾部会長】 よろしいでしょうか。
 それでは、この陸域環境基準専門委員会を設置するということで、この資料2のような規定というんでしょうか、水環境部会決定改正案のとおり進めさせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

〔「異議なし」の声あり〕

【松尾部会長】 ありがとうございました。では、このとおり進めさせていただきます。
 後ろの9.のところに、専門委員会に属する委員、臨時委員または専門委員は部会長が指名するというふうに書いておりまして、後刻部会長の方から指名させていただいて、これはまた事務局からご連絡させていただくことになると思いますが、指名された委員の方におかれましては、ぜひよろしくご協力いただきたいというふうに考えるところであります。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 次は、議題の(2)に入りますが、水環境行政の当面の課題についてということでありますが、先ほど資料が10幾つあるということでございましたが、これらの資料を参考にしながら事務局の方から御説明をいただきたいと思います。時間の都合もありまして、10項目程度の分でしょうか、御説明を先にいただいて、その後討議といいますか、御意見をいただきたいと思います。
 それでは事務局から、よろしくお願いします。

【望月課長】 それでは、資料4に従いまして、ほう素・ふっ素・硝酸性窒素に係る水質汚濁防止法に基づく暫定排水基準の平成19年7月以降の取扱いについて御説明をいたします。
 水域はいろいろな形で利用されておりますので、その水域の水質を確保するということで、環境基本法に基づきまして水域の環境基準ができております。それを守るために、各工場等からの排水、これに対して排水基準が別途水質汚濁防止法で定められている、そういう状況になっております。様々な排水基準を設けておりますが、環境基準とリンクいたしまして、健康項目でいいますと27項目について排水基準を設けております。その中にはほう素、ふっ素、硝酸性窒素というのがありますが、これらについては、ここに書いてあるとおり、人体への健康被害を防ぐことを目的に、平成11年にWHOの飲料水ガイドラインや水道の水質基準を参考に環境基準が設定されております。環境基準ができましたものですから、これを受けまして排水基準を設けるということで、この3つにつきまして排水基準の検討がなされ、ほう素については10mg/l以下、ふっ素及びその化合物については8mg/l以下、硝酸性窒素については100mg/l以下という一律の排水基準が設定されました。健康項目については水域類型による区別はなく、全国どこでも一律の基準が設けられております。
 この基準をつくるとき、業種によっては、これを直ちに達成することが難しい。これはコスト的にも、またスペースの問題、様々な問題がございますが、そういうものについては暫定排水基準というのを設けます。このほう素、ふっ素、硝酸性窒素について言いますと、困難な業種は当時40業種ございました。健康項目につきますと、大体暫定基準は3年を期限に基準をつくっておりまして、13年にできたときに、16年7月までに暫定基準を適用しますので、この40業種については排水基準を満足できるように努力してくださいということを各業界にお願いいたしましてやってきましたが、3年後の16年7月、やはり全部が一律基準に行くことはできませんので、26業種についてさらに3年間延長しております。その16年7月から3年たつのが19年6月ということで、この26業種について検討をしてきました。
 2の方に書いてありますように、19年6月末で切れることですから、この3月までの間に様々な検討がございました。排水データを収集したり、暫定基準の適用を受けている業種に対していろいろなヒアリングをさせていただきまして、この可能性とか難しさ、コスト面の問題、様々な問題について[1]から[3]に書いてあるような検討をさせていただきまして、結果として、2枚目の紙を見ていただきますと、この26業種が最終的にどういう形になるのかということをご説明したいと思います。
 左側に26業種、それから右の方にいきまして暫定排水基準値というのがございます。ほう素、ふっ素、硝酸性窒素、それぞれ別々にございますが、そのそれぞれの項目に対して左側が19年6月までの暫定基準、右側に19年7月以降の暫定基準をどうするかという案を書いております。赤いのは、例えば1番のほうろう鉄器のほう素で見ていただきますように、19年6月まで50mg/lだったけれども、19年7月以降も、やはりこれはちょっと難しいということで、暫定排水基準を変えないというものでございます。それから黄色、例えば11番の非鉄金属精錬のふっ素で見ていただきますと、19年6月までは13mg/lでしたが、19年7月以降は2mg/l下げて11mg/lにいたしますということで暫定基準値を下げる。いろいろな努力をした結果下げられるというのが、この黄色でございます。それから水色は、一律排水基準に移行できるということで、例えば12番の化学肥料製造業の硝酸性窒素を見ていただきますと、19年6月までの140mg/lを一律基準に移行すると、こういう形で色で分けてございます。このように26業種が、あるものはもう一律基準に移行する、あるものは暫定値を下げた状態で暫定基準を存続する、またあるものは、まだなかなか下げられないということで、いろいろな検討の結果が出ております。
 先ほどの1枚目のページの裏側、今後の3年間の取組ということで、今言いましたように、6年間を経過しても、まだ21事業種については暫定基準値については強化するものとそのままのものがございますが、まだ今後3年間暫定基準を設けざるを得ないということでございます。これらについては、業界ごとにこれから削減計画をつくりまして、どうやって解決していくかということをやっていただき、専門家による技術的助言、処理技術の開発等を実施しまして、産学官が一体となってフォローアップに努めていきたいと思っております。
 なお、今後のスケジュールでございますが、この4月19日から1カ月間にパブリックコメントをいたしまして、下旬にそれに対して回答し、7月1日から、その結果を踏まえた上で、この案を施行するという段取りになっております。
 以上でございます。

【松尾部会長】 続いてお願いします。

【望月課長】 続きまして、資料5の水生生物の保全に係る排水規制等についてでございます。
 さきほど、環境基本法に基づく環境基準について申し上げましたが、これは一般的には、人または水生生物に関する考え方がかなり限定的なものになっておりましたが、水の利用ということで考えたときに、もうちょっと水生生物の保全に関わる水の環境基準があるべきでないかということで、平成15年9月12日に水生生物の保全に係る水質環境基準というものが答申されました。このとき、様々な水生生物に対していろいろな影響がある項目があるわけですが、とりあえず暴露の状態とか毒性等、いろいろなことを加味しまして、環境基準としては亜鉛について環境基準が設定をされました。参考に申し上げますと、クロロホルム、フェノール、ホルムアルデヒドという3物質については、このときに要監視項目として決められております。この水生生物の保全に係る亜鉛の環境基準ができたものですから、その環境基準を守るための排水基準というものをつくるということで規制をかけるということになったわけでございます。
 水生生物の保全を図るために、これまでの亜鉛に係る排水基準の5mg/lを2mg/lに強化することとしたわけでございます。排水基準の設定については、さきほどもご説明しましたように、一律基準にいくときには、業種によってはなかなか一遍に一律基準にいけませんので、暫定排水基準も設けるということで、併せて、この排水基準の暫定基準を適用する業種というものを下に並べております。現時点で一律排水基準を適用することができないのは下の10業種でございまして、施行後5年間に限った暫定的な排水基準、これは生活環境項目でありますので、5年間の暫定基準を設けておりまして、暫定排水基準を5mg/lとして、金属鉱業から下水道業までの10業種について暫定基準を適用するというものでございます。なお、6カ月の猶予期間を設けて、猶予期間中はその従前の例にするということになっております。
 続きまして、資料の6、水環境の健全性指標についてということで、後ろにあるパンフレットと一緒にご覧いただきたいと思います。
 背景をちょっとご説明しますと、これまで水環境に関しては、環境基準によって、それを評価してまいりました。水環境に関する環境基準というのは、水中の物質の濃度により汚濁を評価するものでありまして、これについては様々な努力によって改善が見られるなど、著しい水質汚濁の状況からは改善されてきている状況にあります。しかしながら、人々の水環境に対する意識の高まりと、水質の改善だけでは良好な水環境の実感が得られないという御意見がかなり出てきておりまして、このことから、水環境を水質という面だけではなくて、水の流れ、それから生物の生息、様々な水の利用、その他快適性、歴史・文化など、幅広い要素から捉えていこうということで、この健全性指標というものをつくろうということに至ったわけでございます。
 検討の経緯は、そこの2番に書いておりますように、委員の方々に検討をいただきまして、18年度に2回検討会を実施しております。基本的考え方は、下に書いてあるとおり、水環境の健全性指標で重視することは、人々の満足感、それからわかりやすいということ、使いやすい、それから、裏にいきまして、NPOとか住民の方が活動した成果、そういうものが映し出されて行政施策の立案に役立てることができること。あと、対象とする水域としては、河川、湖沼、海域等とございますが、とりあえず今、河川を対象にしてこのパンフレットをつくってございます。
 水環境を評価する視点としては5つの軸をつくりまして、パンフレットの2ページを見ていただきますと、図がございます。
 「自然なすがた」「ゆたかな生物」「水の利用可能性」「快適な水辺」「地域とのつながり」と、この5つの軸で水環境の評価をしていこうということで今やっておるところでございます。
 また調査マニュアルの作成について、日本水環境学会の方へいろいろお願いいたしまして、現在進めているところでございます。
 資料7番は、霞ヶ浦、印旛沼、手賀沼、琵琶湖及び児島湖に係る湖沼水質保全計画の概要でございます。湖沼法に基づきまして、全国で10ケ所の指定湖沼については特に水質の改善を目指すということで、5年ごとに水質保全計画というのを作り、それぞれの湖沼において改善策を実行してきているということでございます。
 この計画の改定は10湖沼一遍にということになりませんで、今回、18年度からの5期目の計画が作られた湖沼はこの5つでございます。これらの流域については1県の場合もあるし、何県かまたがる場合もございます。湖沼計画──湖沼法そのものは平成17年に改正されまして、18年度から新しい湖沼法の下で検討がなされておりますが、特に長期ビジョンをつくるということ、それに基づきまして計画をつくろうということをやってございます。2の計画内容の2.1というところに、計画期間を今まで一律5年間ということでやっておりましたが、長期ビジョン等を踏まえ、その期間については、湖沼ごとに適切な期間を設定するという改正を行いました。水質の保全に関する方針については、以下、ここに書いてあるとおりでございますけれども、特に水質目標値等についてはCOD、全窒素、全燐の水質目標を掲げております。
 中身については3ページの水質目標値というのがございます。今言いましたようにCOD、全窒素、全燐等ここに書いてございますが、現状水質に対して22年を目標にしたときにどのぐらいの施策を──水質改善施策を講じた場合と講じない場合ということで並べて、それぞれ比較して書いてございます。湖沼ごとの計画については、国の定めた湖沼水質保全基本方針に基づいて策定され、4ページから9ページにかけまして、それぞれ推進方策、具体方策、啓発に関すること、その他が書かれております。
 ちなみに、10ページを見ていただきますと、10湖沼がどこにあるかということ、それから10ページの下には、湖沼法に基づく湖沼水質保全計画の策定の期間、今まで5カ年になっておりますが、ここで見ていただきますように、一番上の欄が、この5湖沼がちょうど18年度から変わりますよということ、また今年度は18年度までで期限が切れる釜房ダム貯水池と諏訪湖が計画の変更の対象になってくるということでございます。
 次に、資料の8にまいります。
 水質モニタリング手法の的確化・効率化に向けた検討ということでございます。これも現在検討しておりますが、水環境を保全していくためには、やはりその状況を把握していかなければならないわけです。激甚な公害に見舞われました昭和40年代は水質が相当汚れたわけですが、その頃から高度な水質管理体制を構築してまいりました。特に近年、地方公共団体が公共用水域とか地下水の水質の常時監視をやっておりますが、新規の環境基準項目とか要監視項目が追加されるとともに、類型指定水域も増加する傾向がある中で、一方で、平成17年から、いわゆる三位一体改革に基づく補助金の改革がございまして、地方公共団体の水質常時監視に対する国の補助制度が廃止され、その税源は地方公共団体に移譲されるという形になったわけでございます。しかしながら、地方自治体においては水質監視業務に係る予算、それから人員が削減されるなど厳しい状況にありまして、水質測定点や頻度の削減等により、適切な水質監視体制の維持が困難になるということが危惧されておりました。
 こうしたことを踏まえまして、現在、水質常時監視体制が17年以降どうなってきたかということを検討し、さらに、やはり地方といってもお金等がなかなかないというところもございますので、効率化の方策等につきまして、「今後の水質モニタリングのあり方について」を中間取りまとめとして17年に整理しました。18年度には、この「あり方について」で示された考え方をさらに具体化するために、地方公共団体のアンケートをいたしまして、モニタリングの効率化に対する実態を把握するとともに、今後検討すべき課題の整理を進めました。
 ちょっと裏を見ていただきますと、各地方公共団体にお願いをいたしまして、15年から18年度までの公共用水域の水質測定の地点数と水質試験の検体数を調べました。上の欄の左の表のグラフを見ていただきますと、地点数の変化というのがございます。マルはトータルの公共水域の地点数ですが、その下に健康項目なり要監視項目なりが書いてございます。トータルとしまして、観測した地点数というのはあまり変わりがないということが大体わかりました。
 下の欄を見ていただきますと、これは検体数でございますが、検体数は減少傾向にございます。測っている地点は変わらないけれども、回数が減っているというものでございます。例えばバツの点線は、これが環境基準の生活項目。生活項目はちょっと右下がりですが、菱形の健康項目、これもすこし下がっていることがわかります。
 水域別で見ますと右のとおりになっておりまして、河川、湖沼、海域、それぞれやはり減っておるんですが、湖沼はあまり減っていないという状況でございますが、河川の減少幅がやや大きいという状況でございます。
 今後の進め方でございますが、1枚目の表側のIIIに書いてございますが、今後、これらを踏まえまして、最終的に測定計画の手引きを策定し、モニタリングの的確化・効率化に係る具体的な手法を都道府県にお示ししたいと思っております。19年度では、検討会で以下のような検討を行いまして、整理をしていきたいと考えております。
 以上でございます。

【松尾部会長】 それでは、続けてください。皆さん、もう少し聞いてしまってください。すみません。

【高橋室長】 閉鎖性海域対策室の高橋でございます。私の方から、資料9から11まで3点御報告をさせていただきたいと思います。
 まず資料9でございますけれども、化学的酸素要求量(COD)、窒素及び燐に係る総量削減基本方針(第6次)の概要というものでございます。
 まず、総量規制の概要につきましては、ちょっと1枚めくっていただきまして、ポンチ絵がございますけれども、簡単に触れたいと思います。
 水質総量規制につきましては、昭和54年以降、ここにございます東京湾、伊勢湾、瀬戸内海につきまして人口・産業が集中する広域的な水域ということで、5年ごとに目標を設定いたしまして総量規制を実施してきております。当初はCODが対象でございましたけれども、第5次、直近からは窒素、燐を加えてございます。
 仕組みの概要は、この下にございますように、まず国、環境大臣が総量削減基本方針というものを定めます。目標年度、削減目標量等、大枠を決めまして、それをもとに各関係都府県の方で総量削減計画をつくっていただく。その中で事業場に対する総量規制基準の設定、あるいは小規模事業所等に対する削減指導、あるいは下水道・浄化槽等の事業の実施ということで、総合的に負荷の削減を図っていくと、そういう仕組みになってございます。
 1枚目に戻っていただきまして、今回、第6次でございますけれども、御案内のとおり、第6次水質総量規制につきましては、この当部会におきましてる御審議をいただいてきておるわけでございまして、2年前になりますけれども、17年5月には第6次水質総量規制のあり方についてということで大きな方向を出していただき、前回の部会でございますけれども、昨年の7月には、この総量規制基準の設定方法について具体的な答申をいただいてございます。それらを踏まえまして作業を進めてきたわけでございますけれども、ここにございますように昨年の11月21日に環境大臣によりまして、この総量削減基本方針(第6次)を決めています。その際には、ここにございますように、関係閣僚をメンバーとする公害対策会議の議を経て策定をしているということでございます。
 この第6次の基本方針の中身でございますけれども、その下にございますように、平成21年度を目標年度にいたしまして、東京湾、伊勢湾、大阪湾につきましては、まだまだ水質の改善が十分でないということで、さらに削減を図っていく。それから、大阪湾を除く瀬戸内海につきましては、他の水域に比べましてかなり改善が進んできておりますので、悪化防止、あるいは現状維持という観点で施策を進めるということで方針を出してございます。そういう方針のもとに具体的な施策の中身、それから削減目標量というものを規定をしてございます。ここにございますように、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海につきまして、16年度の実績と今回決めました21年度の削減目標量というものを掲げてございますけれども、概ね5%から10%の削減を図るということになってございます。
 今後の予定でございますけれども、今、この削減方針を踏まえまして、各都府県の方で計画をつくっていただいておるところでございまして、これらの計画を今年6月ぐらいには策定をしたい。それを受けまして、具体的な新しい総量規制基準の適用につきましては、今年の9月ぐらいから新しいものについては適用します。それから、既設の事業場につきましては平成21年4月から適用ということで、着実に実施をしていきたいと思ってございます。
 ちなみに、最後のページには、これまでのCOD、窒素、燐、各水域での負荷の削減の推移、それから21年度の目標の数字というものを棒グラフにして示してございます。
 続きまして資料10でございますけれども、冒頭の審議官の挨拶にもございました有明海・八代海総合調査評価委員会の報告の概要ということでございます。
 これにつきましては、平成12年度の冬に有明海でノリの大不作があったということで、こういうものを契機にいたしまして、有明海・八代海を再生するための特別措置法というものが平成14年11月に施行されてございます。この法律に基づきまして、環境省の方に有明海・八代海総合調査評価委員会というものが設置をされてございます。きょういらっしゃいます須藤先生を委員長とする21名の学識経験者によりまして構成をされてございます。この評価委員会の任務といたしましては、国・県等の調査結果に基づきまして、有明海・八代海の再生に係る評価を行い、あわせて関係省庁、関係県に意見具申をするということでございます。また、この評価の目的といたしましては、法律施行後5年以内に必要な見直しを行うということになってございまして、この見直しに関しまして評価を行うということでございます。ですから、今年の11月に見直し期限が来るということもございまして、昨年末までにこの報告をまとめていただいたということでございまして、平成15年2月から合計26回という審議を重ねていただきまして報告書をまとめたということでございます。
 中身でございますけれども、ここにございますように大きく分けまして2点ございまして、まず、両海域での問題点と、その原因・要因の考察というものと、それから、それを踏まえた再生への具体的な取組の方向ということでまとめていただいてございます。
 まず、問題点と原因・要因ということでございますが、ここにございますように、タイラギ、アサリ等の二枚貝の減少、あるいは魚類の減少、それからノリの不作。これは平成12年度でございますけれども、こういう問題が起こってきているわけでございまして、その要因を非常に幅広い観点から分析をしていただいております。
 中身ですが、1枚めくっていただきまして、ちょっとポンチ絵を用意してございますけれども、これで簡単にご説明したいと思います。大きく分けまして、魚類、二枚貝の問題とノリの問題というのは少し要因が異なっているということで分けて整理してございますけれども、まず魚類、二枚貝についての問題点とその関係ということでございます。
 いろいろ相関図ということでわかりにくいところでございますけれども、ポイントを申しますと、この左下の底層環境の悪化という四角がございます。これが1つ大きな要素として指摘をされてございます。具体的には底質の泥化、粒子が非常に細かくなってきているということ。それから、有機物とか硫化物が底層に増えてきている。これが底層の貧酸素化を起こしまして、またその貧酸素化が硫化物の増加を促すという悪循環が起こってきているというところが1つ大きな要因として指摘されてございまして、これが魚類の減少とか二枚貝の減少に大きく効いているんだろうと。この底層環境の悪化がなぜ起こったかということにつきましては、その右側でございますけれども、水温の上昇とか透明度の上昇に伴う赤潮の増加、あるいは干拓・埋め立て、ノリ網、人工構造物の構築、あるいは自然現象でございますけれども潮位の上昇、あるいは外海の潮汐の振幅の減少、こういうようなものが相まって、この有明海の潮流の減少、あるいは潮位差の減少というものを起こしている。それから、もう一つは、筑後川を初めとします河川からの土砂の供給が減少している。これについては、流域の土地利用の変化でございますとか、過去に行われました砂利採取、あるいはダムへの堆砂、こういうものが起因しているということでございます。
 それから、それに加えまして、例えば魚類の減少につきましては、生息場所の減少でありますとか、潮流の変化による稚魚の輸送への影響。この辺はまだ十分データがないわけでございますけれども、そういうものも推測されてございます。それから、二枚貝につきましては、例えばアサリについては、過去非常に小さな貝まで採ってしまったというような過剰漁獲というような問題もございますし、それから、右下にございますけれども、最近水温上昇等に伴いまして、ナルトビエイというようなエイが増えてきている。そういうものが貝を食べてしまうというような食害というようなものも指摘をされてございます。
 それから、もう一つ、一番最後の紙でございますけれども、ノリの問題がございます。ノリにつきましては、平成12年度にノリの不作があったわけでございますけれども、それ以降は一応量的には回復しているということで、ここでは12年度のノリの不作ということで分析をしてございますけれども、一言で申しますと、これにつきましてはいろいろな気象条件が重なって起こったということが、1つの大きなストーリーとして指摘されてございます。11月の集中豪雨、それとその後の日照不足、その後12月初旬に高日照があったということで、栄養を大量に含む海水に高日照が当たったということで、大型珪藻類が大発生をしてしまった。これがノリに行くべき栄養を吸収してしまいましてノリの不作が起こったということでございます。
 非常に簡単でございますけれども、以上が要因の分析でございます。そういうものも踏まえまして、この1枚目に戻っていただきますけれども、この報告では、有明海・八代海の再生に向けて具体的な、今考え得る手段というものを提言をしていただいております。簡単に申し上げますと、1つは底層環境の悪化に対応いたしまして、これを改善していくということ。覆砂を初めまして様々な対策が提言をされてございます。また、2枚目にいっていただきますと、干潟藻場の保全、あるいは負荷の削減等、沿岸域の環境保全、それから貧酸素水塊への対策、それから環境面だけではなくて、漁業者サイドの対応ということで、貝類、魚類の資源管理、それから持続的なノリ養殖業の推進というようなこと。それから、八代海につきましては養殖が中心でございますので、持続的な養殖の推進というようなことが提言されてございます。
 また、今後とも解明すべき研究課題というものも多く挙げられてございます。先ほどの要因の分析もまだまだ不確実な面がたくさんある中でやっていただいたわけでございますけれども、ここにございますような二枚貝の減少要因の解明、魚類等の減少要因の解明、潮流・潮汐に関する調査研究、それから土砂に関する知見の集積、汚濁メカニズムの解明、モデル構築と、こういうような解明すべき課題がたくさん挙げられてございます。
 最後の取組体制でございますけれども、そういう課題が多くあるという中で、これらの調査研究課題を効率よく効果的に対応していく必要があるということで、国・県、大学でいろいろな方が研究をされておりますけれども、そういうものが連携を持って効率的に進めていくということで、例えば調査のマスタープランの策定でございますとか関係機関の連携強化、それから第三者的機関による調査研究の総合的な評価の仕組みというものが言われてございます。また、モニタリングの重要性というものも大変強く指摘をされました。海洋環境の変化を長期的に見ていかなければいけないということで、悪化が推測される海域とか魚類のモニタリングの継続実施強化というものが言われてございます。また、八代海については非常に知見が少ないということで、八代海に関する調査研究の強化というようなことも言われてございます。
 以上のような提言を昨年12月にまとめていただきまして、関係省庁、あるいは関係県にも提出をしたというところでございますけれども、環境省といたしましても、これらを踏まえまして、今年度から新しい魚類、二枚貝等に関する研究の開始を考えてございますし、また、この調査研究のマスタープランというものにつきましては、私どもがイニシアチブをとりまして関係機関に働きかけをいたしまして、そういうものをつくっていくということの事業も始めたいというふうに考えてございます。
 また、この5年の法律の見直しということでございます。これは議員立法でございますけれども、現在この法律の見直しについても国会の方で調整が進められているということで、評価委員会につきましては、この5年の見直しで一度任務が終わりますけれども、今後とも継続してこの評価委員会としての評価を続けていくというような方向での見直しは今議論されているというところでございます。
 それから、最後、資料11でございますけれども、豊かな沿岸環境回復のための閉鎖性海域水環境保全中長期ビジョンの策定調査についてということで、1枚紙を用意してございます。
 これは、先ほどご説明いたしました第6次水質総量規制、これを着実に実施していくということでございますけれども、この第6次総量規制の議論をいただく中で、いろいろ課題が出されてございます。負荷削減を進めてきているんだけれども、なかなか水質の改善が進まないとか、まだまだ貧酸素水塊、赤潮の発生が見られる。あるいは、水質はきれいになったんだけれども魚は減っているじゃないか等、いろいろな課題がございます。そういうものに対応して、第6次水質総量規制以降の閉鎖性海域対策をどう進めていくかという枠組みの検討がまた求められてございます。そういうものに対応するものとして、3年間、今年から体系的な調査を進めていきたいというものでございます。
 この資料はまだ予算要求段階のものでございますので、中身をさらに細かく詰めているところでございますけれども、裏を見ていただきますとポンチ絵がございますが、ここにございますような大きな枠で今考えているところでございます。課題といたしましては、左にございますように、1つは目標とすべき水質の検討。これまでCOD、窒素、燐というような環境基準をメーンに評価をしてきているわけでございますけれども、生物生息環境とより密接にリンクした目標というものが必要ではないか。あるいは対策の面でも汚濁負荷の削減もございますし、また水辺地・浅海域の保全等、様々な対策を効果的に組み合わせていく必要があるんではないかというようなことでございます。
 そういうような問題意識を踏まえまして、真ん中にございますような項目について、今後調査を進めていきたいと思っていますが、一言で申しますと、この枠の上にございますが、水域ごとの許容負荷量。長期的に各水域でどこまで負荷を下げる、あるいは管理していかなければいけないかという長期的な目標をまず設定すべきではないか。それを踏まえて施策の最適化というものを図っていく。そのためには、シミュレーションモデルを使いまして分析をしていく必要があると考えておりますけれども、その際には、目標とすべき水環境の設定ということで、先ほど申しましたような生物の生息環境をより適切に反映するような、例えばここにございますような底層DOとか透明度、こういうふうなものが今候補として考えてございますけれども、そういうものを設定をしていく。それから、対策の中身といたしましても、様々な発生源ごとの削減ポテンシャルを評価する、あるいはその水辺地、浅海域の改善、干潟藻場の造成、そういうものの効果というものをきちんと定量的に評価していく。そういうものを入れながら、シミュレーションモデルを使ってこういう分析をしていくということを考えてございます。3年間の調査を踏まえまして、この第6次水質総量規制以降の東京湾等の施策の推進、あるいはその他の保全対策の推進ということに結び付けていきたいということでございます。これらの成果につきましては、いずれ時期が来ましたら、またこの中央環境審議会でもご議論いただくということになるかと思います。
 以上でございます。

【松尾部会長】 ありがとうございました。あと2つですか。よろしくお願いします。

【藤塚室長】 それでは、資料12、資料13、一括して説明させていただきたいと思います。地下水・地盤環境室の藤塚でございます。
 資料12でございますが、湧水に係る水循環健全指標の検討についてということでございまして、湧水につきましては、湧水の把握件数が環境基本計画で水循環の指標として位置付けられているところでございます。これにつきまして調査をしてございまして、1つは湧水の件数の把握と、2つ目に指標の検討ということをしてございます。件数の把握につきましては、全国のあらあらな調査とモデル地域、東京都の都市区域ということで野川流域、それと富山県全域を対象としまして調査を現在行っておりまして、その取りまとめを行っておるところでございます。
 指標についての検討でございますが、18年度の後半から検討会を設置いたしまして、その中で湧水の定義、あるいは目指すべき湧水の姿、指標の考え方、指標としての取り扱いやすさ等々を今御議論をまさにいただいておるところでございます。18年度の取りかかりをきっかけといたしまして、19年以降も引き続きまして調査をしていきたいというふうに考えてございます。
 続いて資料13でございますが、従来、地下水・地盤環境といいますと、どちらかといえば規制を主とする行政を行っておったわけでございますが、地下水、あるいは地中熱も有効な資源であるということで、地下水あるいは地中への影響のない範囲において、これらを有効に使っていく。先ほど審議官からもお話ししましたように、地球温暖化対策というのも非常に重要でございますので、地下水あるいは地中熱を使った温暖化対策も積極的に行っていきたいというように考えてございます。
 現在行っております事業がそこに書いてございます。1つはクールシティ推進事業ということで、地中熱、あるいは地下水を使ってヒートアイランド対策を行っていくということでございまして、18年度から5カ年で実施でございます。18年度は大阪及び福岡において実施してございます。もう一つは、石油特別会計において今年度より開始いたします温暖化対策に資するクールシティ中枢街区パイロット事業ということで、これは大気生活環境室と合同で、街区を一体として捉えまして、そこで屋上緑化、あるいは保水性建材、あるいは遮熱性塗装とあわせて地下水・地中熱を使ったヒートポンプを採用する事業者に対して2分の1補助を行うという事業でございまして、19年度より5年間の予定で実施をしたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

【松尾部会長】 ありがとうございました。非常にたくさんの資料についてご説明いただきましたが、一応順番に見ていきながら、御質問があれば、その項目についてコメントいただくようにしたいというふうに考えます。
 それで、最初がほう素・ふっ素・硝酸性窒素に関する水質汚濁防止法に基づく暫定排水基準の19年7月以降の取扱いについてというものでありますが、この件、どなたかご発言ございましょうか。

【眞柄委員】 私も温泉が好きですから、余り温泉のことを厳しく言うのはあれですが、確かにほう素・ふっ素等に関して言えば、温泉由来の発生負荷量が全国的に多くて、しかも処理が難しいということで、暫定ということになるのはやむを得ないだろうとは思うんですが、今後の検討の中で具体的に、例えば札幌の豊平川だとか、あるいは仙台の広瀬川のように水道水源として使っているところに関してはどうするか。一律だけじゃなくて、やはり実際具体的に市街なり影響を受けている地域について、きめ細かい政策なり方策を今後検討していただきたいということであります。これは環境基本計画の中でも自然由来については検討するというふうに掲げられておりますので、そういう意味で、全国的にはこういうやり方でやむを得ないかと思います。現に水道水源で使っているところで被害が生じているようなところ、砒素もそうです。そういうことについて環境省として今後どういう政策を展開していくかということを、ぜひご検討いただきたいと思います。

【松尾部会長】 いかがでしょうか。

【望月課長】 ほう素・ふっ素、特にこの2つは温泉で自然由来じゃないかという議論がいろいろございまして、それに対しては、まず現状で温泉源として見たときに、3割は昔から川に流れ出て、それを温泉として使っている。ところが、現在の温泉として使っている温泉法に基づく基準に達している温泉を見てみますと、7割は動力による汲み上げの温泉でございます。ですから、ある温泉は全部自然由来ということがあるんでしょうけれども、大半のところは機械で汲み上げているのと自然由来が混ざった形で使われているという状態でございまして、自然由来だけはいいんだということになると、同じ川に自然由来の排水とそういうものが出てしまうということで、今、なかなかこれを切り分けて自然由来だからオーケーと言うのが難しいのと、最近掘っている温泉は、よく都会で掘っているのは余りそういうものが含まれていない温泉もございます。ただ、それの実態がわからないということでございますので、今、先生の言われましたように、ほう素、ふっ素をこれからどうするのかということについては2つ考えております。
 1つは、そういう意味では、技術開発が進んで、簡単にもし除去できるのであれば、下で水道水をとっていてもいいわけですね。ですから技術開発を進めましょうと。一般にこういう項目について一律で最初に基準をつくって暫定排水基準を付けると、3回か4回延長していく中で大体一律にきれいにいくというのがあります。まだ温泉については2回でございますので、もう少し技術開発の努力を国の方も一緒になってやっていきたいというのがございます。ただ、どちらにしても現在では難しゅうございますので、先生の言われたように、もうちょっと被害状況とかをいろいろ見たらどうだということに関しては、現在、環境基準点で見ますと、ほう素については環境基準を超えているところはございません。ふっ素、それから砒素については環境基準を超えているところがあるということで、それについては水道の方で対処したり、いろいろなことをやっているところがございますので、これらを含めて今後いろいろ検討してみたいと思っております。

【松尾部会長】 よろしいですか。用途と基準の組み合わせみたいな問題だとは思うんですが、そういう意味では、少しいろいろご検討いただければありがたいと思います。
 ほかには。

【大塚委員】 今の話の続きで、ちょっと確認で恐縮なんですけれども、そうすると、3割は自然由来ということになっているんですが、これの扱いは。もしこれは絶対自然由来だというふうに言われた場合に、どういうふうにされているかということと、それから、それが規制の上でどのレベルでそれに対して対応されたかということ。法律とか施行令とか、いろいろ通知、通達とかあると思いますけれども──について法的な考え方について整理しておく必要があると思いますので、ちょっとお伺いしたいんですが。

【松尾部会長】 もうちょっと、何か中身がよく……。

【大塚委員】 具体的に、ということでしょうか。だから、絶対自然由来だというふうに温泉の事業者の人が主張してきた場合に、環境省としてはどういうふうに対応されるのかという問題があると思うんですけれども。全部自然由来だというふうに言ってきた場合ですね。

【望月課長】 現在まだそこまで具体的には検討は進めておりません。まだ実態がよくわかっていないのがございます。そういうことで、それは実態を踏まえた上で、本当に自然由来というものを分離して──例えばある1つの温泉で、ある旅館は「うちは自然由来だけだ」と。隣の旅館は「自然由来と汲み上げが混ざっている」というと、まだら模様に一つの温泉の中で、ここは物すごい機械を入れなければいけない、ここはいいんだというようなことが起こりますね。行政的には、やはりそういうこともいろいろ考えなければいけないだろうと思っております。ですから、自然由来というのは論理的には、もともと川に流れているものを使いますから、それを規制するというのは公害の観点からとは少し違うんですが、行政的観点を踏まえて、これから実態を踏まえた上で検討したいと思っております。

【松尾部会長】 よろしいですか。

【岸委員】 今と同じページなのですが、温泉にかかわらずいろいろな業種があり、暫定排水基準値の変化を赤、黄、水色で示してあります。ただ個別で努力の仕方も違うと思いますが、あまり努力しないで「あーだめだったわ」などということにならないのですか。やはり企業にとって、何か得がないとなかなか努力もできないだろうといつも思うのですが。

【望月課長】 これについては相手の業種ごとにヒアリングを行っておりますので、それを専門の先生方が一緒に聞いておられますので、努力した経過については、手を抜いていたかどうかというのはわかるようになっております。ちょっと違いを言いますと、業種によっては、大企業がやっているのが多い場合と、例えばメッキ業なんかですと中小企業が多いんですね。そうすると、機械を購入するときに、購入費用、それから維持費とかいうのがございますので、それらが1つ関わること。それから、業種によって非常にたくさん出てしまうものがございます。そういうものについてはなかなか落としにくいというようなこともあるものですから、そういう違いがいろいろあるものですから、1業種ずつヒアリングをしながら、その困難性について確認をしていく。さらに言えば、今後3年間またどうするのかということについては、これからいろいろな業種ごとに報告書を出していただきまして、それについて我々も含めて検討していくことになろうかと思います。

【岸委員】 ありがとうございます。

【松尾部会長】 よろしいですか。
 そういう意味では、これは今後7月以降、この表のような基準でいきますと、こういうことになりますね。それでよろしいかということでよろしいですか。

【望月課長】 先ほど言いましたように、これはパブリックコメントをかけて御意見を伺った上でございますけれども、一応それで、我々としては最終的な案としていきたいと思っております。

【松尾部会長】 じゃ、そういうことで多分進んでいくことになると思いますので、よろしく。

【眞柄委員】 カドミのことと関連するんですが、結局、今、コーデックスでカドミが基準が変わって、今、食品安全委員会で評価をしておられるというふうに伺っているわけですね。ほう素に関して言えば、食品安全委員会の評価を得ない段階で環境基準の値なり水道の水質基準の値を決めたわけですが、食品安全委員会でほう素の一日耐容摂取量の見直しをもしされたとすると、この10という数字、環境基準の1という数字がもう少し下がってくる可能性があるわけですね。そういう意味で、環境基準の健康項目に関して、環境省としては、今後1日耐容摂取量について食品安全委員会の方に検討をお願いする計画がおありになるのかどうなのか。ほう素に限らず、健康項目のすべてに関して食品安全委員会の再評価を受ける、あるいは諮問をする計画がおありになるかどうか。あるいは、それがないとすれば、どの段階で検討されるかご説明ください。

【松田課長補佐】 環境基準の健康項目の見直しについては、平成16年3月ですか、答申が出たということで、それ以降いろいろ状況も変わってきているところもあると思いますので、いつと明確には申し上げられませんが、見直しの準備はやっているということです。
 食品安全委員会なんですけれども、これについては直接環境省からというのは、今、具体的に想定しているものはないですけれども、水道水質基準の動きと密接に関係するところもありますので、そちらと連携するといいますか、検討の状況を見ながら検討を進めると、そういうスケジュールになろうかと考えております。

【松尾部会長】 水道が決まると環境基準の方へ影響してくるという、こういう手順ということですかね。何となく環境基準を先に決めてもいいような気もするけれども、そこはわかりました。よろしいですかね。
 それでは、次は資料5になりますが、水生生物の保全に係る排水規制等についてということで、亜鉛の含有量の問題でありますが、特に何かご発言ございましょうか。

【藤井委員】 ここには亜鉛についての規制の数値が出ておりますが、水生生物の保全に係る排水規制の対象物質がどのぐらいあって、今まで亜鉛を含めて幾つについて規制をかけてきていて、これからその対象の残り品目をどういう順序でやっていくかということの段取りを伺いたいと思います。そこの中にはLASとかAEのように、PRTRでかなり外界に多く出ているものについて、しかも生活に大変密接に結びついているところもあると思うんですが、そういう順序を先にするとか、そういうことを含めてお答えいただけたらと思います。

【望月課長】 この経過をちょっとご説明いたします。水生生物の保全に関わる環境項目といいますか、検討は約80数種やってきております。そのうち最終的には、まず8項目に絞り込みました。それらについていろいろな検討をした結果、毒性、それから暴露量、その他を含めまして、今言いました全亜鉛を含む4項目について絞り込んだわけでございます。その中から現在決めたのは、環境基準は全亜鉛だけ。残りは要監視項目としてやっております。ただ、これらは類型指定をしまして、生活環境項目ですので類型ごとに当てはめをしなければならないという作業がございまして、現在その作業を進めておるところでございます。今、河川その他湖沼についてやっているところでございますが、今、4水域だけ類型当てはめができたということで、それをさらに広めていくということで、現在、東京湾に注ぐ利根川等について検討を進めておるところでございます。
 なお、新たな項目については、現段階でこの全亜鉛以外のものについてどうするかということについては、まだ具体的に細かい検討までは入っておりません。

【須藤委員】 水生生物の方の専門委員長をやらせていただいていますので、今の対象物質のことについてちょっと追加をさせていただきます。とりあえず挙げた項目が81対象物質です。当初、8項目を毒性評価をやったんですが、その中で適当と思われる3項目をやって先ほどのようなことになりました。それで、若林先生から後でコメントをいただいてもよろしいんですが、結局毒性評価のデータが揃っていないと目標値が出せないので、この項目が大切だからやりましょうといっても、我々が実験をやるわけじゃございませんので、論文が十分に上がっていないと、その評価ができないという部分があって、例えば私が個人的に言うと、先生がおっしゃるようなLASとかAEとか、あるいはアンモニアとか、水生生物に影響を与えているような物質というのは当然考えられるし、前挙げたカドミウムなんかもやらなくてはいけないということで、カドミウムなんかはもう大体済んでいますので、すぐできるかなという気がしていますが、今後の要するに幾つかの検討会がございますので、その作業の進捗に合わせて専門委員会を動かすつもりでございます。
 若林先生、今の次の項目のことについて、何かあったら言っていただけますか。

【若林委員】 次の項目については、そろそろ検討が始まっているところなんですけれども、今まで類型指定の問題とか、あと排水基準も含めてのリスク管理の方向性がしっかりしていないということで、ずっと作業が止まっていました。今、須藤先生がおっしゃったように、データがある程度あるということ、それからあと、リスクが高そうであるとか、そういうことを考慮しながら優先的に検討する物質を選んでおります。それと、ほかの事業でリスク評価というのをやっておりますよね。そこでリスクが高くなった物質を81に少しずつ足すことも検討課題の中に入っております。

【池田委員】 項目については今の御説明でよくわかりました。須藤先生、大変ご苦労されて、亜鉛の許容限度というのを暫定的に5ppmというようにしたと思いますが、今度、2にするということです。これは何かその後、科学的な知見がつけ加えられて、2が合理的であるということがわかって2にするのか、そのあたりはどうなんでしょう。私の記憶では、5年間か何年かたって、2にしようという話では当時なかったような気がするんですけれども、どうでしょうか。

【須藤委員】 これは事務局の方が適切だと思いますけれども、もともと生活環境項目の中に亜鉛の5という規制値がありましたね。今さら5以上に暫定であってもしてはいけないですよね、どう考えても緩くなるわけですから。それで最大限の5という中で許すというか、お願いしましょうということになって、なぜそれが2なのかという部分は、もし間違ったら事務局にお願いいたしますが、多分というか、排水処理のやはり処理技術というものが大切だと思いますので、亜鉛の環境基準の0.03を守るために2が適切であるかどうかというところのことについて、これはどっちかというと松尾先生にまた振っちゃいけないんだけれども、排水基準の方は松尾先生に専門委員長をやっていただいたので、先生とご相談しながらやりましたけれども、2が科学的に0.03を守る基準値であるかどうかというような論理的な検討は不十分です。処理技術というような点ではよろしいかと思いますが、あとは松尾先生に譲ります。

【松尾部会長】 ちょっとそこで急に振られても……。事務局からご説明いただいた方が間違いがなさそうなので、よろしくお願いします。

【髙橋課長補佐】 水環境課の髙橋でございます。
 亜鉛の排水規制の検討につきましては、松尾先生を委員長にいたしました専門委員会の中で検討してまいりましたけれども、やはり今、須藤先生がおっしゃいましたように、0.03を守る目標基準を達成するという観点からやると、もっと厳しい値にしなければいけないというのが現状でございます。やはり処理技術の問題で、全国的に都道府県の方で上乗せという形で、この5よりも厳しい基準を設定することが法律上可能になっておりますけれども、全国的な条例を調べてみますと、かなりの地域で2という数字が幅広く設定されていたということ、それから、様々な業界の中の排水実態を見ますと、やはり2という数字ぐらいまで処理できている実態は9割を超えるような実態があるんですけれども、これを例えば半分の1にしますと、途端に6割、7割というところまで下がってしまって、残り3割に困難性が伴うんではないかということ。さらには、諸外国の排水規制の亜鉛について調べてみますと、やはり2という数字ぐらいが大体どこの国でも、特にフランスあたりの数字が2に落ち着いている。諸外国、それから各都道府県の上乗せの実態、さらには実際の工場での排水実態等を踏まえた結果、2という数字が妥当であるという答申を昨年の4月に本審議会の方からいただいて、最終的にこの2という数字を採用させていただいております。

【松尾部会長】 ですから、ちょっと非常にまぎらわしいんですが、健康項目だと環境基準の10倍というので排出基準が決まるんですよね。これは生活環境項目だということで、あるいは水生生物の保全に係る基準だということで、その辺がベスト・アベーラブル・テクノロジーとか、そういう状況と、それから国際的な基準の関係も加味して、たしかこの2というのを定めさせていただいたような記憶が今、話を伺っていて戻ってきましたが、そういうことで決まったというふうに思います。
 ですから、今回の5を2にして6カ月の猶予期間を設けるということを一応確認していくということでよろしいんですね。そういうことで、少しずつ厳しい方向へ動き出しているということでご理解いただければありがたいというふうに思います。よろしいでしょうか。
 時間が少し押してきておりますけれども、せっかくの機会ですから、ぜひいろいろ御意見をいただきたいと思います。
 次は、資料6の水環境の健全性指標についてということでありますが、何かご意見ございましょうか。よろしいですか。
 これ、どう使うんですか。この指標は何のときに……。行政目標の何かを設定するあれになるんですか。

【望月課長】 行政目標というよりは、最近では川とか水に関心を持つ方が増えてきまして、いろいろなNGOの方とか、いろいろな方が子供たちを連れていったりして川というものを見せたりするわけです。そういうときに、今のCODだBODだと言ってもなかなかわからないということで、こういう指標でやりやすいものをつくって、わかりやすい物差しをつくったというふうに考えていただければと思います。

【松尾部会長】 そういうことのようであります。よろしいでしょうか。
 次は資料7でありますが、湖沼の水質保全計画の概要ということでありますが、何かコメントはございましょうか。

【須藤委員】資料7の5湖沼の指定湖沼をぱっと見て、霞ヶ浦は直接私も関与しているからよろしいんですが、この5湖沼を見て、細かいことを伺うつもりはないんだけれども、総務省で指摘をされて非常におしかりをいただきましたよね。その上で、最終的には湖沼検討委員会、湖沼専門委員会、それからこの水環境部会でいろいろ審議をして、その後で湖沼法を改正して今の計画ができたわけですね。その計画を5つご覧になって、私も非常に心配なんですが、また余りよくならないんじゃないかなというのが率直な印象なんですね。
 何を申し上げたいかというと、このままいくと、またおしかりをいただくんじゃないかと。私は、湖沼の問題って、恐らく環境省の中で一番重要な環境問題じゃなかろうかと。さっきもダムの話があったですね。悪いダムをどんどん湖沼にしていったら、湖沼の環境基準の達成率はもっと悪くなりますよね。分子か分母かわからないけれども、指定していくと、とにかく悪い方の率が高くなりますね。きれいな方のダムを指定していけばいいのに悪いダムを指定するから、ますます悪くなる。そうなっていくと環境基準達成率はますます悪くなる。そうすると、総務省から見たら、最後のところでまだ50%を割ったじゃないかと、こうなるんですよね。ざっと見て、幾つかのビジョンがあったりいろいろあるのは承知はしているんですが、面源対策、それから植生をごらんになって、これ、環境省が調整をして許可をしているというか、合意をしたというふうに私は聞いているんですが、行政の専門家からご覧になって大丈夫ですかというのを一言伺いたいんです。5年たったときに大丈夫ですか。また次のときには総務省からおしかりをいただく。そのときは、皆さん、おしかりを受ける立場ではないんだけれども、同じことでやはり環境省がおしかりをいただくのはまずいんじゃないか。こう思うので、いかがでございましょうか。

【松尾部会長】 それは審議官が答えるのか、誰だかわからないけれども、ひとつよろしく。

【望月課長】 ご存じのように、3ページを見ていただきますと、余り水質がよくなっていないという状況が5年たって見えます。これは幾つかの理由がありますが、湖沼というのは停滞水域で、今までにたくさんのものが流れ込んで湖沼ができていますので、内部生産というものがあって、流入負荷をいろいろきれいにしてもなかなか変わりにくい。流入負荷のうち、下水道とか点源といいますか、下水道、農業集落排水事業等をやっているところは、かなりよくなってきています。ところが面源負荷というのがございまして、農業排水、これについては何ら排水対策がなされないで今まで来ていますね。それから畜産排水。これもある意味でいろいろやっていますけれども、なかなか点源というような形で処理ができないところでございます。これは零細企業というのもございます。あと、山林からの汚濁負荷、それから道路からのファーストフラッシュといいますか、降水初期の流入ということで、いわゆる面源負荷が非常に増えておるということ。それから内部生産が何かで出てくるというようなこともございまして、あるところまで来るとなかなかよくならないというところです。
 今ここで見ていただきますと、一番悪いところで10ぐらい、10弱のところでございますけれども、例えば今まで一番よく効いたのは手賀沼というところで、利根川から水を導水しまして、それを入れたことによって20幾つからあっという間に10まで下がったというのがございます。これは流入水としてきれいな水が混じったということと同時に、その水を入れることによって底層の方の溶存酸素をうまく入れることができまして、かなり改善された点もございます。ただ、今のようなことは即効的な措置でございますが、全部できるわけじゃなくて、やはり面源負荷、農業における肥料をどうやって施肥を減らすか、それから畜産における小規模零細の畜産業者さんたちの排水をどう処理するかというような問題、これらについてもいろいろな法律があって、農林水産省等がいろいろ指導していますけれども、強制力があるわけではございません。ですから、ここについては、今言いましたようにかなり難しい問題があって、5年後に大丈夫かと言われると非常に不安ではあります。ただ、やらないというわけにはいかないので、新しい施策が今なかなかないので、湖沼の水質をどうやって改善するかという技術の面での募集もしたりして、民間の技術を採用する等いろいろやっておりますが、ご指摘の点は非常にわかるんですが、今ここで十分お答えできる答えがなくて、少し努力して……

【須藤委員】じゃ、質問をちょっと変えますと、湖沼法を変えて、あるいは総務省で指摘されて湖沼法を変えて、それにのっとってつくられていると思うんですが、それは全部チェックされているわけですよね。それで、それは全部網羅されていますね。今の流出水対策、それから植生の保護・管理、それから総量削減計画、そのほか諸々ありますね。住民参加というのがみんなあったと思うんですが、それは全部受けて入っていますね。

【望月課長】 正確に言いますと、流出水対策地区と、面源対策の今言ったようなことはそれぞれ指導がそれこそ入っております。ところが、湖辺植生の環境の方は、まだこの中に入ってきておりません。これについてはいろいろ県等に指導したんですけれども、やはり湖辺植生を今、地区を指定してやるということについては、なかなかまだ理解が十分得られていないという状況がございます。その他の方については、概ねいろいろなことの形で入れて、あとは実効性があるかないかということになっております。

【須藤委員】 ありがとうございました。

【松尾部会長】 よろしいでしょうか。非常に専門的というか、須藤先生は矢面に立たされた経験があって恐らく深刻に考えておられると思うけれども、ぜひうまくやるように努力をしていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 次は、資料8の水質モニタリング手法の的確化・効率化に向けた検討についてということでありますが、いかがでしょうか。

【田中委員】 環境モニタリングシステムというのは、日本の環境行政を進める上で非常に重要な役割を果たしてきたと思います。それで、このシステムをいかに継続していくかというのが非常に重要なことと思います。ところが、ここに書いてありますように、平成17年度からの三位一体の改革によって今までの補助金制度が改革されたということで、非常に厳しい状況にあるということです。ここでは水質モニタリングの手法の検討ということで上がっているわけでして、一応18年度のデータを見ますと、地点数は余り変化していないということでありますが、検体数が減少している。これはやはり精度に関わってくる問題ですので、多少懸念される状況だと思います。そういう中で、19年度以降、これの検討を行うというのは非常に重要なことでありまして、ぜひこの方向で進めていただきたい。
 ただし、これは常時監視が義務付けられているものについてです。モニタリング項目の中には環境基準が決められていないものがあります。特に地盤環境にかかわる地盤沈下、それと地下水です。それで、地盤沈下の問題というのは、多くのところで鎮静化してきてはいますが、依然継続しているところもある。これは大きく言えば国土デザインというような観点で非常に重要であると思います。
 それからもう一つ、地下水の水位のモニタリングというのは、これは地盤沈下に直接関係するわけですけれども、最近は地下水資源の利用・保全という観点から非常に重要な環境モニタリング項目になっています。ただし、これらは環境基準が決められていませんので、自治事務としてやっているわけです。ここに書いてあるのは、これは法定事務の部分ですから、まだ状況はいいと思いますが、そういう環境基準が決められないものに関しても、これと同じような調査をぜひやっていただいて、問題があるとすれば、それの対策をきちんと打っていくということが非常に重要だと思います。これに合わせて、特に環境基準が決められていないもののモニタリング状況がどうなっているかと、その継続性をいかに担保するかというのは、ぜひとも検討してもらわなければいけないことだと思います。要望ですけれども、よろしくお願いいたします。

【藤塚室長】 地下水の水質につきましては同じような監視をしておりまして、同じような取りまとめを行っておりますが、今、田中先生から御指摘のような地盤沈下、あるいは地下水位につきましては基準というものがございませんので、特に義務付けて監視をしているわけではございません。
 地盤沈下につきましては、おおむねの地域でおさまっておりますが、ただ、雪がたくさん降って、その雪を溶かすために消雪用水がたくさん要るというような場合には地盤沈下をする場合がございます。例えば新潟県の南魚沼市、これは一昨年でしたか昨年でしたが、雪がたくさん降りまして、消水用水で地盤沈下が若干したというところ、そういうところにつきましては、個々に実は対応しておるのが現状でございまして、例えば南魚沼市でしたら、昨年度調査をお願いしまして、その状況について調査をしていただいたということが現状としてございます。
 片や一方、今、先生からお話がございましたように、地下水の資源としての利用、あるいは保全というような動きもございますので、そういう面から地下水の管理をするためには、地下水の水位の測定というものが必要になってございます。重々そういう重要性については承知してございますので、どのような手法──例えば簡易な手法があるのかないのかというようなことも含めて検討していきたいというふうに思ってございますが、実際、じゅうたん爆撃的に全国の地下水を全部調べるというのは、かなり財政的にも苦しいというのがございますので、いろいろな既存のデータを使ったり、あるいは簡易なデータを使って、何か地盤沈下を測る方法はないか、あるいは地下水を集める方法はないかというようなことを検討していきたいというふうに考えてございます。

【松尾部会長】 ほかには、この件はよろしいですか。
 私は、この常時監視のデータを何か有効に使う方法というのは、何となくマンネリ化していっちゃって、測っても去年と同じだったというようなところで終わっちゃうと、何かもったいないように思うんですよね。何か使って、これを測ったことが非常に住民にとってわかりやすいとか、何かフィードバックをもうちょっと積極的にやると理解も得られると思います。データばかり取って溜まっているんだけれども、それが有効にフィードバックされないような、そういう問題点はないのかなというのをちょっとかねがね思っているんですが。

【望月課長】 毎年度、公共用水域水質測定結果について報告書にして公表しております。
 また、集計システムとして全都道府県で使用できるデータベースを作ることを考えております。

【眞柄委員】 間違っていたら直してください。私の理解では、国管理の1級河川については国交省さんが国交省さんの予算でおやりになっていらっしゃって、それ以外の部分については都道府県がおやりになっている。国交省さんが監視されている検体数はそれほど変化していないというふうに私は聞いているんですが、そうすると、このデータの実数の中で都道府県が担当している分は、これよりももっと急激に減っているんじゃないかという懸念を持っているんですが、いかがでしょうか。

【足立課長補佐】 水環境課の足立と申します。
 今ご指摘の国交省の部分と自治体の部分ということでございますけれども、ちょっと今、正確な数字は手元にはございません。ただ、国交省の分につきましても、現状維持というよりは、やはり減っているような状況であるということは認識しております。今後検討会の中で、そういうようなデータもつかんでいくようにいたしたいと思います。

【松尾部会長】 よろしいでしょうか。
 それでは、資料9のCOD、窒素含有量及び燐含有量に係る総量削減基本方針の問題でありますが、これはいかがでしょうか。

【宮原委員】 質問とお願いでございますけれども、この削減目標ということで、5ないし10%削減をしていただけるという計画そのものは大変ありがたいと思っておるんですが、これを実現するためには、(2)の削減の方途というところに白丸5つあるわけでございますが、関係省庁に対しましては、環境省はどのような指導権を持ってやっておられるのか。
 それから、この次の3ページの汚濁負荷量の推移を見てみますと、生活系と、それから産業系その他というふうになっていますが、生活系もかなりのウエートを占めているようでございますので、こういうことになりますと、地方の行政による支援というものがなければ、なかなかこの生活系というのはやっていけないんじゃないかと思うわけでございまして、昨今の税源移譲によって地方財政がかなり厳しい中で、この目標を達成するための担保措置としてはどういうことを考えておられるのか、その辺を教えていただきたいと思います。

【高橋室長】 この目標の削減量をどう出したかということにつきましては、実際には各都府県で産業系については規制強化によってどれだけ下げられるか、あるいは下水道の整備がどれだけ進むかと、この辺は実際の下水道部局とも十分協議をして、現実的にできる量というものをきちんと出していただいた上で積み上げてございますので、これに出しております削減目標については十分達成可能なものだというふうに考えてございます。
 また、関係省庁との関係につきましては、説明で申しましたように、この総量削減基本方針につきましては公害対策会議の議を経てございます。閣議と同じようなメンバーで関係省庁とも十分協議をした上で決めてございますので、そういう意味では政府全体の合意ということで理解をいただければというふうに思います。

【松尾部会長】 よろしいですか。今回で第6次まで来ているんですけれども、私は、総量規制の基準の適用において、この日平均排水量50トン以上の特定事業所を超えて、もうちょっと小さい方までやっていかないと、大きなところだけ規制してもというような感じを持っています。この辺は排出基準もそうなのかもしれませんけれども、小規模なものの基準というのを長期的には見ていかないと、なかなか総量は削減できない自治体があるんじゃないかと、こう思うんですけれどもね。ひとつご検討いただければと思います。
 ほかにはどうでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、次の資料10であります。有明海・八代海総合調査評価委員会の概要でございますが、いかがでしょうか。ご質問ございましょうか。

【宮原委員】 有明特措法が今国会で延長の審議をされるというふうに聞いているんですけれども、この評価委員会の中で、実は橘湾という湾がございます。有明海の出口のところでございますけれども、そこでクルマエビ等がかなり漁獲をしていたわけですが、ここに来てさっぱりとれないといった状況も聞いておりますので、今後、この特措法が延長されて、評価委員会がさらに設置をされまして、その際には海域を広げて、特措法の範囲の中に限定されるとは思いますけれども、有明海と八代海のみならず、その関連した水域についても調査をして評価をしていただきたいというお願いでございます。

【松尾部会長】 これはいかがですか。

【高橋室長】 法律上の水域といたしましては、橘湾はちょっと含まれておりませんので、そういう意味で、有明海・八代海と同じように評価するというのは難しいかと思いますけれども、いろいろな各調査をやる中で、できる範囲で対応していきたいと思っております。

【松尾部会長】 ほかにはよろしいでしょうか。継続的にまたやっていただくということでありますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次のものは資料11になりますか。豊かな沿岸環境回復のための閉鎖性海域水環境保全中長期ビジョンの策定調査についてということでございます。今年から3年間でやるということでございますが、この調査計画について何かコメントはございましょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、この計画で進めていただくということになろうかと思います。事務局、よろしいですね。特に補足はありませんか。
 では、次は資料12であります。湧水に係る水循環健全性指標の検討についてというものでありますが、いかがでしょうか。
 湧水百選とか、そういうのはあり得るんですか。

【藤塚室長】 実は、名水百選が御案内のとおり非常に有名でして、名水百選の7割か8割かが湧水ということで、担当課としましては湧水百選というのをやりたいとも考えておるんですが、そのあたりの仕分けをどうするかという問題がありますので、そのあたり、ちょっと今後の検討課題だなというふうに考えております。

【松尾部会長】 特によろしいでしょうか。
 それでは、資料の13まで来ましたが、地下水・地中熱を利用したヒートアイランド対策についてということでの検討が動いているということであります。コメントございましょうか。

【池田委員】 これはヒートアイランド対策ということで推進されていると思うんですが、こういうやり方で、全体としての地中の熱バランスがとれているのかどうかというのが少し心配なところで、地中というのは非常に断熱性が高いといいますか、ですから、もしその中に熱がたまり始めたり、あるいは逆に冷え始めたり何かすると、それを回復するというのは非常に困難になると思うんですが、そのあたりの検討というのはちゃんとされて技術開発されているんでしょうか。

【藤塚室長】 マクロな意味でのそういう検討はしておりませんが、場所場所においてそういう検討をしておるのが、まさにこの(1)のクールシティ推進事業で、これはどういうような影響が地中にあるのかということを検討しておりますので、(1)のクールシティ推進事業の方で検討しています。その検討した結果を(2)の方の事業の方にフィードバックしていきたいというように考えております。

【池田委員】 例えば、この後ろの方の6ページですが、海外の例なんかを見ますと、冷房・融雪に使っているのが3%で、それから暖房に使っているのが34%ということで、結構アンバランスですよね。ですから、熱の収支がうまくとれていない可能性があるので、そのあたりはちょっとよく考えておかないと、後で回復させるというのは難しいと思いますので、ぜひ注意深くやっていただきたいと私は常々思っているわけです。よろしくお願いいたします。

【藤塚室長】 わかりました。そのあたりは十分注意して検討させていただきたいと思います。

【松尾部会長】 そうですね。これは季節的な熱の平衡化というか、夏は冷やして冬は温かく取り出すなんていうのは、なかなかうまくバランスしないんじゃないかというか、結果としてやはり熱くなっているんじゃないかという気もするけれども。

【藤塚室長】 海外の事例、アメリカ、あるいはスウェーデンが多うございますが、恐らく地盤の状況が固結地盤というのがございまして、非常に効率がいいというのがあるということと、そういうところで地中熱でも2種類、地下水を利用したというのがかなり多いというふうに聞いております。地下水利用で水系に出すのであれば、多分地盤にそんなに影響はないんだろうなということもあって、恐らくアメリカ、スウェーデンでは、そういう固結地盤ということと地下水の利用、地下水を使っても地盤沈下がないということで、かなり利用が進んでおるんじゃないかというふうに考えております。

【松尾部会長】 よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。一応今、議題の中に入っている検討項目として資料1から13までをご説明いただいて、それにご意見をいただきましたが、そういう意味では、こんなにいろいろなことについて検討が並行的に進められているということで、事務方がお忙しいということは改めてよくわかりますが、委員の先生方でも、もしこんな調査をすべきじゃないかとか、事務方側の意見を聞くだけではなくて、こういうこともやってみたらどうかと、それがすぐに対応できるとは限りませんが、いろいろな意味でアイデアといいましょうか、皆さん方の近くにある問題点を機会あるごとにご指摘いただいていけば、全体的にはバランスのとれた水環境行政につながっていくんではないかと思いますので、遠慮なくお申し出いただいて、しかし、自分が言ったんだから必ずやれというのはちょっと困るかもしれませんけれども、重要なことはみんなが理解して進められればいいんではないかと思います。個人的なコメントでありますけれども、そういう意味で、委員の先生方のいろいろな意味での御協力を今後ともいただきたいと思います。
 あと、参考資料が2つ残っておりますが、これをちょっと事務局からご説明いただけますか。

【望月課長】 参考資料の1は、こどもホタレンジャーということでご紹介でございます。16年度から、ホタルを通じて子供たちの水環境保全への活動の普及を図るということでやっております。18年度は3回目になりますが、今回は受賞団体が、真ん中に書いてあるような5つの小中学校、団体ということになっております。ちなみに、環境大臣賞が小学校でいわき市の高野小学校、中学校が広川町の津木中学校ということでございます。
 もう一つは、参考資料2、世界の水環境問題解決に向けた環境省の取組ということで、水環境問題が温暖化問題とあわせてアジアのかなり大きな問題になってきております。開発途上国の水問題は悲惨たる状況にありますので、これらを環境省としてどうバックアップしていくかということでございます。
 1つ目は、アジア水環境パートナーシップということで、アジア・モンスーン地域の水質問題、工場排水、それから生活排水、これらをどうしていくか。我々は事業を持っているわけではございませんので、水環境のアジアでの情報基盤、データベースをつくりまして、いろいろな皆さんが利用できる法律の面、政策の面、技術の面、それから、それを動かす行政またはNGO等の人材育成も一緒にやろうということでございます。昨年実際にやったものはどういうことかというと、昨年12月にはバンコクで市民活動のシンポジウムをやりましたし、3月には、つい最近でございますけれども、やはりバンコクでフォーラムをやりまして、そういうもののお互いの意見交換をしました。今年は12月にアジア太平洋水サミットに合わせて、何らかの形でこういうフォーラムを開催したいという意向でございます。
 あと、もう一つが中国の水環境管理。これが最近、温家宝さんが来られてかなり注目を集めておりますけれども、極端に言うと中国の水問題を日中で共同研究しようということで、昨年度、18年度の11月から調査を始めまして、現在、重大な環境問題の飲料水の水質問題ということで調査を進めておりまして、19年度までに一応の成果を上げたいと思っております。今月、4月に日中環境協力共同声明がなされましたが、飲料水源地保護を強化し、河川、湖沼、海洋、地下水の汚濁を防止し、特に渤海・黄海区域及び長江流域などの重要水域における水質汚濁防止について協力を実施するという文書の協定がなされております。これらを踏まえましてやっていくということでございます。
 あと、環境省として積極的に参加しているのがアジア太平洋水サミットということで、これは12月に大分の別府でされるものに参加していこうということ。それから、次のページを見ていただきますと、サラゴサ国際万博というのが2008年6月14日から9月13日までございます。これはスペインで行われ、テーマが「水と持続可能な発展」ということになっておりますので、これに対しても我が国の水に関する技術、歴史、そういうものを広く展開して、世界の水管理の改善に努めていきたいと思っております。
 あと、環境省の支援としては、下に書いてあるように国連への支援、それから湖沼流域の管理にかかわる支援ということで、現在なされておるところでございます。
 あと、後ろの方は参考資料でつけておりますので、ご覧いただければと思います。
 以上でございます。

【松尾部会長】 ありがとうございました。
 6時まであと5分ぐらい時間があるんですが、何か総括的なことでコメントというか、ご意見ございましょうか。

【宮原委員】 今の中国の話でございますけれども、長江が非常に汚染されている。これがまさに日本の東シナ海とか日本海にやってくる可能性が非常に高いわけでございまして、日本の環境や水産資源にも相当影響が出てくるんではないかと思いますので、ぜひともこの解明に、環境省としてもよろしく御協力をいただきたいと思います。

【松尾部会長】 非常に重要なご指摘だろうと思います。
 特に御発言がなければ、一応本日のこの部会はそろそろ終わりにしたいと思いますけれども、事務局の方から連絡事項があればお伝えください。

【中込課長補佐】 2点申し上げたいと思います。
 本日、委員の皆様のお手元には環境省の封筒を置かせていただいておりますけれども、資料郵送の御希望がございましたら、封筒にお名前と勤務先だとか自宅などと書いていただければ、こちらから送らせていただきますので、そのように置いて帰っていただければと思います。
 あと、もう1点が本日冒頭にご確認をいただきましたように、会議録を公開するための確認作業がございまして、本日の会合の速記録がまとまり次第、きょう御出席の先生方にお送りいたします。御自分の発言の部分をご確認願いたいと思います。公開で行った審議会につきましては、発言された方のお名前も明示した上で環境省のホームページに公開するという形になっておりますので、その点を踏まえられてご確認いただければと思います。
 なお、また、水環境部会の頻度が余りないと、公開まで時間が経ってしまいますので、今回の議事録がまとまって先生方のチェックを受けた時点で整理ができましたら、次回の会合を待たずに公開手続を進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

【松尾部会長】 それでは、本日はこれにて閉会にさせていただきたいと思います。どうも皆さん、ありがとうございました。

午後 5時58分 閉会

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