中央環境審議会水環境部会(第11回)議事録

日時

平成16年8月27日 開催

場所

環境省環境管理局水環境部企画課

開会

環境省水環境部長あいさつ

議事録の確認

議題

  1. (1)水生生物保全小委員会報告について
  2. (2)水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型について(諮問)
  3. (3)水生生物の保全に係る排水規制等の在り方について(諮問)
  4. (4)その他

閉会

配布資料

 資料1  中央環境審議会水環境部会委員名簿(平成16年8月27日現在)
 資料2  中央環境審議会水環境部会(第10回)議事要旨
 資料3  中央環境審議会水環境部会(第10回)会議録(案)(委員限り)
 資料4  水生生物の保全に係る環境基準に関する施策の重要事項について(水生生物保全小委員会報告) [PDF 25KB]
 資料5-1  水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型の指定について(諮問) [PDF 10KB]
 資料5-2  水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型の指定について (諮問関係資料) [PDF 64KB]
 資料6-1  水生生物の保全に係る排水規制等の在り方について(諮問) [PDF 51KB]
 資料6-2  水生生物の保全に係る排水規制等の在り方について(諮問関係資料) [PDF 152KB]
 資料7  中央環境審議会水部会の専門委員会の設置について(現行・改正案)
 資料8  総量規制専門委員会の検討状況について
 資料9  水浴場の水質調査結果について
 資料10  全国水生生物調査結果について
 資料11  「地下水をきれいにするために」(改訂版)(委員限り)
 参考資料1  中央環境審議会議事運営規則 他
 参考資料2  水生生物の保全に係る水質環境基準の設定について(答申)(委員限り)
 参考資料3  湖沼対策検討会の概要等(委員限り)

議事

午後3時00分 開会

【谷課長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第11回中央環境審議会水環境部会を開会いたします。
 本日は委員総数34名中26名の御出席が予定されておりまして、ただいまのところ24名の御出席をいただいておりますので、既に部会開催の定足数18名を満たしております。
 なお、本日の会議は、「中央環境審議会の運営方針について」に基づきまして公開としておりますことを御報告いたします。
 議事に先立ちまして、7月1日付で事務局に異動がございましたので、報告いたします。
 水環境部長が、前任の吉田から甲村に変わりました。

【甲村部長】 7月1日付で水環境部長を拝命いたしました甲村でございます。よろしくお願いいたします。

【谷課長】 私、水環境部企画課長の谷でございます。よろしくお願いいたします。

【太田課長】 水環境管理課長になりました太田でございます。よろしくお願いいたします。

【志々目室長】 地下水・地盤環境室長の志々目でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【谷課長】 それでは、甲村水環境部長より御挨拶を申し上げます。

【甲村部長】 水環境部長の甲村でございます。本日はお忙しい中お集まりいただきまして、大変ありがとうございます。
 今日の部会では、まず、水生生物保全小委員会報告について御審議をいただきたいと思います。本件につきましては、平成15年9月の中央環境審議会答申を受けまして、同年12月以降、水生生物保全小委員会におきまして環境基準の運用、環境管理等、水生生物の保全に係る施策の重要事項について御審議いただいてまいりまして、本日、この部会の前に行われました第5回小委員会におきまして報告が取りまとめられたところでございます。本日の水環境部会におきましても、部会としての取りまとめに向けた御審議をいただきたいと思います。
 次に、本日付けで、「水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型の指定について」と、もう一つ、「水生生物の保全に係る排水規制等の在り方について」が環境大臣から中央環境審議会会長に諮問され、水環境部会に付議されました。本件につきまして、事務局から説明させていただきますとともに、御審議をいただきたいと思います。
 そのほか、水環境に関しまして、総量規制専門委員会の検討状況や、湖沼対策検討会の検討状況等につきまして幾つか報告事項がございますので、報告をさせていただきたいと考えております。
 今回も活発な御議論、御意見をちょうだいいたしたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

【谷課長】 続きまして、お手元の配付資料について御確認いただきたいと思います。資料の一番上、議事次第がございまして、1つ捲っていただきますと、配付資料の一覧がございます。数が多うございますので、個別に読み上げいたしませんが、不足などございましたら随時事務局までお申し付けください。
 それでは、これ以降、会議の進行は村岡部会長にお願いいたします。

【村岡部会長】 本日はお忙しい中、多数御出席いただきまして、どうもありがとうございます。本日の審議もひとつよろしくお願いしたいと思います。
 初めに、委員の異動がございましたので、御報告申し上げます。
 4月16日付で岡田光正委員が新たに臨時委員として就任されました。なお、本日は岡田委員は御欠席と伺っております。
 それから、4月27日付で平瀬幸一委員にかわりまして、安岡秀憲委員が水環境部会の臨時委員として就任されました。一言御挨拶いただけますか。

【安岡委員】 日本鉄鋼連盟を代表しまして、JFEの安岡と申します。水生生物の保全小委員会の方で3回ばかり議論させていただきました。何分まだ勉強中ですが、しっかりやりますので、よろしくお願いいたします。

【村岡部会長】 どうもありがとうございます。安岡委員におかれましては、ひとつ今後ともよろしくお願いいたします。
 それから、もうひと方、7月8日付で満岡三佶委員にかわりまして、篠原善之委員が水環境部会の臨時委員として就任されました。恐縮ですが、一言御挨拶をお願いします。

【篠原委員】 日本化学工業協会の篠原でございます。7月から新たにこの部会の臨時委員になりました。よろしくお願いいたします。

【村岡部会長】 篠原委員にもひとつ今後ともよろしくお願いいたします。
 それでは、まず、第10回水環境部会の議事録の確認を行いたいと思います。前回の議事録でございます。議事録につきましては、資料3として準備していただいておりますが、この資料は委員の先生方に御確認いただいた後、事務局で修正いたしまして、再度各委員の先生方に送付されている資料でございますので、「中央環境審議会水環境部会及び専門委員会の運営方針について」(2-1)に基づく御了承をいただいたものとして、この場で前回の議事録としたいと思います。それで御異存ございますか。
            (「異議なし」と呼ぶ者あり)

【村岡部会長】 ありがとうございます。
 それでは、事務局におかれましては、この議事録について公開の手続きをとっていただくようお願いいたします。
 議題の1でございますが、これは「水生生物保全小委員会の報告について」でございます。参考資料2が昨年9月の第9回部会で取りまとめをいたしました答申「水生生物の保全に係る水質環境基準の設定について」でございます。この答申の後、水生生物の保全に係る施策の重要事項につきまして引き続き審議をするために、当部会におきまして「水生生物保全小委員会」を設置いたしまして、私が小委員長を務めておりまして、審議を行ってまいりました。
 本日は、資料4にこの小委員会の報告を用意しております。これにつきまして、小委員会の小委員長を務めました私から報告をさせていただきたいと思います。
 資料4の1の「はじめに」というところに、この小委員会の設置の経緯とか、あるいはこれまでの審議経過が記されておりますが、生物に対する環境基準設定というのは初めてのことでございますので、何かと重要事項があるということで、この小委員会が設置されたということでございます。
 第1回から第5回、第5回というのは先ほどこの部会に先立って行われました最後の小委員会でございますが、5回の審議をいたしました。第1回、第2回は環境基準に関する運用や環境管理に関しましてどんな重要事項があるかというふうなこと。それから、これまでの対応と違って水生生物の保全が目的の環境基準でありますので、新たに問題とすべき課題も多うございます。そういったところを網羅いたしまして、それぞれの専門的な意見を伺ったわけでございます。自由討議を行ってきたということです。
 その中で幾分論議を交わす中で論点を絞り込むことができましたので、第3回におきましてはその絞り込んだ論点につきましてより深く討議を進めました。その中で、ある程度合意点が整理されましたので、第4回の前回におきましてはこの小委員会の報告書に盛り込むべき事項について具体的に討議をし、整理をしてきたところでございます。
 そして、最後の第5回におきまして報告書素案を提示いたしまして、これを小委員会案といたしまして承認いただいてここに準備していただいておる報告書になったわけでございます。
 資料4の2に「報告の取りまとめに当たって」というのがございますけれども、ここでまず、この小委員会の任務を明らかにしておりまして、1つは水域の類型のあてはめという作業がある。2つ目に環境管理施策の基本的な方向とか留意事項があると。そのほかこれに関連する重要な事項がありますので、これにつきまして基本的な考え方を整理いたしまして、具体的な検討作業を環境省に引き継ぐということを任務といたしております。
 そこで、この環境基準というものの位置づけあるいはその性格につきまして、2つの認識をしております。1つは、今回の環境基準が生活環境項目の環境基準として設定されているということ。それから、これまでの生活環境項目の考え方と同様でございまして、同様に水生生物への影響を未然に防止するための方向、考え方を持つということ。それから、仮に水域におきましてその環境基準の超過があっても、直ちに生物に影響を及ぼすというふうな性格ではありませんということを認識いたしました。
 この認識のもとに、3つの見解につきまして考え方を討議し、まとめております。その3つの見解といいますのが、次の2ページ目の中ほどに丸ポツが3つありますが、これでございます。1つは、類型あてはめの基本的考え方及び留意事項ということで、類型あてはめに関する重要事項になります。2つ目が、水生生物保全のための環境管理施策ということでございます。3つ目が環境基準に関連する継続的な調査研究の推進と、この3つの見解について、以降、3、4、5という項目でまとめております。
 この3でありますが、1つ目の見解ということになりますけれども、「類型あてはめの基本的な考え方及び留意事項」でございます。水産を利水目的とする水域というのが類型あてはめの場合の公共用水域の考え方にあるわけですけれども、水生生物だからといってこの水産を利水目的とする水域に限って類型あてはめを行うというものではなくて、生物保全に関わって必要とするすべての水域について類型あてはめを考えるべきであると、そういう認識に立っております。
 また、そうはいっても生物が棲めないような悪条件の水域というのはございます。1つは、水質汚濁がかなり進んでいて、水質の面でとても水生生物の生息環境が整っていないというケースもありますが、そのほかに水が少ないとか、あるいは水の流れがないと、こういった環境条件、こういった場合にもやはり水生生物の生息条件が整っていないということでございますので、そういった水域につきましてはまずその要因の解決ということに努力を払って、水域環境を確保するということに努め、そしてその成果が上がった段階で類型あてはめを行うというふうな考え方をすべきであるというふうに思っております。
 また、この類型あてはめに関しまして論点がほかに2つございまして、1つは、既存の生活環境項目との関連とか、その環境項目との整合をどう考えるかということでございます。これは、例えば水産何級というふうな言い方で既存の生活環境項目がありますけれども、そういったところに今回の類型あてはめを行う場合には、その既存の考え方、内容を充分最大限活用してそれを適用していこうということでございます。しかし、水産1級、2級、3級以外に河川の場合ですとD類型とかE類型とかいうふうな水域がございまして、その水産何級という利水目的のない水域がございますけれども、そういったところは溶存酸素が少ないとかいうことで、現実に生物の生息の確保が非常に困難な場合がございます。しかし、類型あてはめはそのために優先度は落ちるかもしれないけれども、しかしそのために水生生物の保全が不要であるというわけではない。したがって、将来の利用目的などを考えて、そういった水域でも類型あてはめは必要であるという立場をとっております。
 もう一つの論点が、「自然的原因の取扱い」でございます。この自然的原因というのは主として鉱床地帯から有害物質が溶出してくる、それによって水質汚濁が起こるというふうなケース。それから、海水の浸入とか混入とかがある。こういったケースが自然的原因の代表的なものでございますけれども、こういったところに対しましても従来の環境基準の運用に準ずるということで考えていきたいと思います。
 それはどういうことかというと、自然的要因がかなりはっきりしていて、それによって汚濁が起こっているというふうな水域に対しては、類型あてはめの環境基準の適用を除外するということもあり得ると。あるいは、自然の汚染に加えて人為的な汚染もあるというふうなことでありますと、その両者の程度に応じて環境基準の類型あてはめ等を考えていくべきであるというふうに流動的に考えるというふうなことを考えております。
 次に、2つ目の見解が4ページの上から始まっておりまして、これは「水生生物保全のための環境管理施策の在り方」ということについて重要事項を討議いたしました。これは答申にもありますけれども、環境基準の維持・達成のために、水質汚濁防止法の排水基準の設定による管理施策が必要というふうな判断をしておりまして、これは答申だけではなくて、従来からそういう考え方で排水基準を設定するという必要性があるということで現実に行ってきておるものでございます。
 この場合、全亜鉛というのが環境基準項目に今回なっているわけですけれども、それが、自然原因であるけれども、全亜鉛を排出する業種ですね、これも全国にいろいろとたくさんあるというふうなことに鑑みまして、この排水基準の設定というのはまず全公共用水域・全特定事業場を対象とした一律基準という考え方で行うべきであるということであります。
生活環境項目という位置付けですけれども、この場合、最低限の許容濃度を設定するというのが原則的になっておりますけれども、これはシビルミニマムというふうな1つの考え方にも即するものであるというふうに考えております。
 それから、もう1つの論点で、この規制をするとしましても、この規制の基準値をどういうレベルで決めていくかというその考え方ですけれども、これは、多くはこれまで行われてきておる方法に最大濃度値をとるということがあるわけですけれども、一方でCOD、BODのように平均値規制を導入するという考え方もございます。また、暫定基準をとりあえず設定しておくというふうな考え方もありますので、こういった従来の生活環境項目で実績がありますこういう方法を勘案して慎重に対処すべきであるというふうにしております。
 そのほか、規制の具体的な検討に当たっては工場・事業場の排出の寄与率とか、あるいは排水濃度の実態とか、処理技術の水準とか、規制効果、あるいは外国の同様の問題に関する動向というふうなものを留意しながら対処すべきであるというふうにしております。
 4ページの一番下から3つ目の見解といたしまして、環境基準に関連して継続的な調査研究が推進されるべきだということに関しましては、今回もいろいろと議論になりましたが、水生生物の環境基準を設定するに当たって、かなり重要な資料であるフィールド調査研究データというものが必ずしも充分でないということもありましたので、そういったデータの充実を今後図っていかないといけない。図っていくと同時に、水質目標の合理的な判断をそこでそういった資料を用いて行うべきであるという見解に至っております。
 また、このフィールドの調査研究データと並んで、そのほかの調査研究も継続的な実施が必要ということでありますが、あわせて、そういった結果が出た場合には速やかな公開を行って国民の理解を得るということに努めるべきだということでございます。
 そのほか、国内外の知見をもとに環境基準の設定を見直すということ。あるいは、類型あてはめを見直すということも一応基本的な考え方として認識を持つというふうに考えております。
 以上、まとめました一番最後の5ページの「6 おわりに」というのがございますけれども、「今後、環境省においては水生生物の保全に係る水質環境基準の運用や環境管理施策の具体化等を進めるための検討作業を開始されたい。」と、こういう言葉で結びといたしております。
 以上、雑駁ではありましたけれども、報告書の内容を説明いたしましたが、いろいろと私の方で漏れもあるかもわかりませんので、何か事務局の方から追加事項でもありましたら御説明をお願いしたいと思いますが、いかがですか。

【松田補佐】 特にございません。

【村岡部会長】 よろしいですか。
 それでは、ただいまの説明で充分御理解いただけたかどうかわかりませんが、お手元の資料4という報告書の内容につきまして、何か意見がございましたら伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
 小委員会ではかなり活発な意見をいただきまして、このようにまとめさせていただくことができたわけですけれども、この部会でも前回にはいろいろ御議論いただいた経緯もございますので、この際何かこの内容につきましてコメントでもいただければ幸いと思いますが、いかがでしょうか。
 中杉委員、どうぞ。

【中杉委員】 この小委員会の議論に参加をしておりませんので少し教えていただければと思います。
 3ページのところで2つ、1、2と2つございます。上の方の既存の生活環境項目の関係というところの真ん中辺に、水生生物の生息の確保が難しい水質汚濁の状況というのは、いわゆる有害物質の汚染というふうに書かれておりますけれども、この自然的原因以外で基準を超えているというところはやはりそういうふうな解釈ができるのではないかと。自然以外で基準を超えているところというのは本来的にそういう生物が生息を確保することが難しいという解釈ができないわけでもないですが、そこをどういうふうにするんだろうということが1つ。
 それから、もう一つは、自然以外、ここではそこまで議論が進んでいないわけでございますけれども、自然以外のところで環境基準の適用を場合によっては除外する、見送るということですね。そうなりますと、例えば排水の規制といいますか、何らかの規制というか、排出の抑制も除かれるということになるのですね。河川の中のある水域、ある範囲は今の状況では自然以外ではこのぐらいの範囲まで基準を超えている。それにさらにそういう負荷が加わるとその範囲が広まるというふうなことも起こるのではないだろうか。そういうところをどういうふうに考えていくのだろうかという、2点をちょっと疑問点としてございますので、何か小委員会での議論の内容を御説明いただければと思います。

【村岡部会長】 少なくとも後の方は、中杉委員おっしゃるように、そういう問題が生じる可能性はあると思いますが、これは対象とする水域によりましてどういう状態かという背景をもう少し調べた上でということになります。そうしますと、小委員会での討議内容ではなくなって、今後具体的な場で討議していただかないといけない問題だというふうに思っております。
 最初の点についてはちょっと事務局から。

【松田補佐】 事務局から補足させていただきますと、(1)の水生生物の生息の確保が難しい水質汚濁の状況ということで、どちらかといいますとこれは、例えば溶存酸素と書いてありますけれども、そういうかなり基本的な条件で水生生物の生息が難しいとかそういった場合を想定した書きぶりにはなっております。
 それで、自然的原因を超過というようなことでありますけれども、これも具体的には個別の水域の状況を踏まえて、ここに例として出してあります基準を適用除外するとか、あるいはその評価を自然的原因が含まれますと、そういうことを考えて評価していくとか、そういったことを個別に考えていくということになるかと思います。

【村岡部会長】 ほかに小委員会の先生方で関連して御意見、ただいまの中杉委員に対します関連意見はございますでしょうか。
 では、どうぞ。

【中杉委員】 基本的には考え方の整理だけですので、今、事務局から御説明いただいたので了解いたしました。

【村岡部会長】 はい。高橋委員、どうぞ。

【高橋委員】 4ページの上から3分の2ぐらいのところですけれども、排水基準、規制基準についていろいろ議論をしていただいているようですけれども、ここで平均値規制の導入、そういうことも含めて今後御検討していくという、議論していくということが書かれているのだと思いますが、水の中に住んでいる生き物は、平均値に対応して生きているのではないような気がするのです。概ね非常にいい水質であっても、ごくまれにちょっと都合の悪いものが流れ込んでくるという環境であれば、生き物は継続して生息することができません。陸上動物である人間にとっての水環境と水生生物にとっての水環境との非常に大きな違いはその辺にあって、むしろ最も悪い値に対応して分布しているという傾向があるように感じています。
 ですから、この平均値という考え方とそこに住んでいる生物の生息条件というのはちょっとなじまないように思っております。

【村岡部会長】 ありがとうございます。
 高橋委員の御意見で、確かにある閾値を超えるような有害物質の濃度が生じた場合にはころっとやられるというケースはあると思います。
 ただ、小委員会での中でのいろいろな議論によりまして、瞬間的といえばあれですし、またその閾値に達しなくても環境基準は超えるようなそういう濃度が一時あらわれてもすぐに対応する、生物が影響を直ちに及ぼされるという考え方でもないというふうな御意見が一方にありまして、だから、必ずしも平均値をとるべきであるということは申しておりません。だから、現実に水域の中での水生生物は1つの有害物質に対して1対1で対応するような影響を持つだけではなくて、それ以外に水温もあり、ほかの物質もありといろいろなことで大変難しいと。そういったことをこれから具体的な施策を講じる専門委員会の場で討議すべきであるというレベルでまとめております。
 確かに高橋委員の御意見はそういうことがあるということは多分小委員会の委員の先生方も認識されておると思いますので、その辺で御理解いただきたいと思います。

【高橋委員】 今の点で答えをいただきましたので、今後、いろいろ議論されていくこともあるので、平均値ということで決まったということではないというふうに理解しておりますので、そういう考え方を常に持っていただきたいということで、あえて強調したいと思って発言しました。

【村岡部会長】 ありがとうございます。当然、議事録に高橋委員の発言は記録されますので、今後専門委員会を開くとしたらそういった事柄も考慮されていくべきだというふうに思います。
 ほかに何か。田中委員、どうぞ。

【田中委員】 5ページの5番に関してなんですけれども、前回の亜鉛の環境基準値をつくるときに、科学的根拠の信頼性について、特に慢性毒性に関するデータが少ないというような議論があったかと記憶しております。基準値は信頼性を高めるというのは非常に重要であるわけでして、科学的根拠のある基礎データの集積というのを重点にこれから図っていっていただきたい。
 この5番目のところの文章の、多分真ん中の段ぐらいにその辺のところが含まれているのかと思いますけれども、読んでその辺のところがわかりにくく、フィールド調査が強調されておりまして、これはどうしても必要ですけれども、プラス、毒性の基礎的なデータの集積というものを広く収集していただきたいというふうに思っております。

【村岡部会長】 ありがとうございます。そのように「フィールド調査の研究を含め、必要な調査研究を継続的に実施し」というところで書いておるつもりではありますけれども。
 ほかに何か御意見ございますか。どうぞ。

【若林委員】 同じく5番に関してですけれども、こういうことを書いていただいて、我が国でこういう分野の調査とか研究がこれから進むということは大変結構なことだと思います。
 それで、希望なんですけれども、例えばフィールド調査などに関しまして、できるだけ例えば地方自治体の力を借りる、あるいはそれを通して地方自治体を活性化するとか、そういう方向でやっていただけたらなというふうに思います。

【村岡部会長】 ありがとうございます。それに関連した御意見が小委員会で、須藤委員からも似たような御意見が出ましたけれども、そのときの確認で、やはり地方自治体の力あるいは水生生物そのものの調査が制度化されていない面もありますので、そういった点を今後行政レベルでの課題として捉えて欲しいということは言っております。
 片山委員、どうぞ。

【片山委員】 一律排水基準の設定に関しまして、4ページの下から10行目ぐらいのところに、いわゆるシビルミニマムに基づき設定するとございますが、シビルミニマムといいましても時代によって変化は随分しているところですよね。今の排水基準は1970年代当時のいわゆる生活排水の濃度レベルというものをシビルミニマムと考えていたのではなかろうかと理解するわけですけれども、当時の下水道普及率は、30%のレベルだったわけですし、残りの70%の家庭、生活排水はいわゆる生活雑排水は未処理放流だったと、こういう状況であったわけですね。その時代のシビルミニマムはそういうことで、しかも下水道の処理技術も当時はいわゆる沈殿法という簡易処理といいますか、そういうものがございました。現在そういう処理はしないですね。
 一方で現在は下水道の比率が65%から70%に整備率が上がっておりますし、それから農村集落排水施設あるいは合併処理浄化槽、こういうものの整備によりまして、いわゆる未処理放流の水準も非常に低くなってきているのではなかろうか。
 ですから、当時の時代と現在とでシビルミニマムをどのように理解すればいいのかという点について、ぜひとも御検討いただきたいと思います。

【村岡部会長】 ありがとうございます。小委員会の委員の先生方、福井委員、何か今の片山委員の御意見に関連して御意見ございますか。

【福井委員】 今の下水道の普及率については全くそのとおりで、合併浄化槽とかあるいは農村集落排水、これを入れますと77%ぐらいになっておりまして、かなり普及されておりますので、今、おっしゃったことはよくわかります。そのとおりだと思います。

【村岡部会長】 水道の普及率ももう98%ぐらいですか。水道の水源水域ということも、30年前と今とでは大いに違うだろうというふうな、いろいろな新しい水環境の観点のポイントがございますので、当然片山委員がおっしゃるように、そういった新しい観点をくみ入れて、今後具体的な作業に入るべきだということで記録にとどめさせていただきます。
 ほかに何かございますか。
 それでは、御意見がもうないようでございますので、大変貴重な御意見をたくさんいただきましてありがとうございます。
 ここでこの本件につきまして、部会としての結論をまとめたいと思います。環境基準の運用、環境管理と水生生物の保全に係る施策の重要事項につきまして、本小委員会の報告をもって水環境部会としての結論としてはどうかと思いますが、御異議ございますでしょうか。
            (「異議なし」と呼ぶ者あり)

【村岡部会長】 ありがとうございます。
 それでは、この小委員会報告をもって水環境部会の決定といたします。
 今後、環境省におかれましては、ただいま決定いたしました事項を踏まえまして、環境基準の運用、環境管理施策の具体化等を進める検討作業を始めていただきますようお願いいたします。
 それでは、次の議題にまいります。
 議題の2と3は関連した議題でございますので、一括して審議させていただきます。議題の2は、「水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型について」でございます。また、議題3は、「水生生物の保全に係る排水規制等の在り方について」でございます。
 議題の2につきましては資料の5-1と5-2、議題の3につきましては資料6-1と6-2のとおりでございまして、本日付で環境大臣から諮問され、当水環境部会に付議されたところでございます。
 まず、事務局から諮問文を読み上げていただきますと同時に、その趣旨につきまして御説明をお願いしたいと思います。また、あわせまして、専門委員会の設置についても御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

【松田補佐】 それでは、事務局から、資料5-1から御説明いたします。
 資料5-1は諮問ということですので、読み上げさせていただきます。
 水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型の指定について(諮問)
 環境基本法(平成5年法律第91号)第41条第2項第2号の規定に基づき、「水質汚濁に係る環境基準について」(昭和46年12月28日環境庁告示第59号)別表2(生活環境の保全に関する環境基準)の1の(1)イ及び(2)ウ並びに同表の2のウに係る類型を当てはめる水域の指定について、貴審議会の意見を求める。
 諮問理由
 水質汚濁に係る環境基準のうち、生活環境の保全に関する環境基準については、平成15年11月5日付けで、水生生物保全の観点からの環境基準を新たに追加設定したところである。
 生活環境の保全に関する環境基準については、公共用水域の利用目的又は水生生物の生息状況の適応性に応じて水域類型が設けられており、水域類型の各公共用水域への当てはめは、政令で定める水域については政府が行うこととされている。
 このため、水生生物の保全に係る水質環境基準の水域類型の指定について、貴審議会の意見を求めるものである。
 5-1の裏側ですけれども、表側が環境大臣から審議会会長への諮問ですが、こちらは審議会会長から部会長に宛てた付議というものでございます。
 続きまして、資料5-2でございますが、今回の諮問の関係資料をお付けしてございます。先ほどの諮問の中にもございましたが、1ページ目でございますが、水生生物の保全に係る水質環境基準についてということで、昨年11月5日付で告示、制定されてございます。
 3ページ目に政令がございますけれども、政府が定めるべきとされている政令の部分の水域の類型指定の事務を行うことになろうと考えております。
 環境基準の概要でございますが、全亜鉛ということで、水域について河川及び湖沼と海域に分かれてございます。河川及び湖沼につきましては、生物A、生物特A、生物B、生物特Bという類型に分かれてございます。海域についても同様に生物A、特Aという類型でございます。
 それぞれの類型につきましては、例えば生物Aにつきましてはイワナ、サケマス等比較的低温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域ということになっておりまして、それについて基準値が定められているということで、類型ごとに基準値が定められてございます。ちなみに基準値は年間平均値とするというものでございます。
 2ページ以降でございますが、これは全く関連法令ということで、2ページ目が環境基本法、それから3ページ目は国が類型あてはめする対象となる水域がここに載ってございます。3ページ目から河川で北上川、北から並べてございますが、河川というところに一部湖沼も含まれてございます。それで、4ページ目の海域というところで、こういう書き方ですけれども、東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海と有明海というところの海域でございます。
 6ページ以降は水質汚濁に係る環境基準の告示全文を載せてございます。先ほどの別表の2の(1)とかそういったものはこれをごらんいただくとわかるということになっております。
 それから、専門委員会の設置についても関連しまして御説明させていただきますと、資料7でございます。現在の水環境部会の専門委員会の設置についてでございますが、ここにこれの改正案が裏面にございます。現在までは(1)から(3)までの専門委員会がございますが、これに(5)についてはこの後に御説明することになると思いますが、関連しますと、(4)の専門委員会を設置するというような案となってございます。私が御説明している諮問の関連でありますと、(4)の「水生生物保全環境基準類型指定専門委員会」という名称で、5番目の説明ですが、水生生物保全環境基準の水域類型の指定等に関する専門的事項を調査するというようなことで付け加える案となってございます。
 もう一つの方はこの後の説明の中でまた改めて御説明させていただきます。

【熊谷補佐】 続けて、資料6、排水規制の関係に関して御説明させていただきます。
 資料6-1ですが、同じく環境大臣からの諮問でございます。
 水生生物の保全に係る排水規制等の在り方について(諮問)
 環境基本法(平成5年法律第91号)第41条第2項第2号の規定に基づき、水生生物の保全に係る排水規制等の在り方について、貴審議会の意見を求める。
 諮問理由
 水質汚濁に係る環境基準のうち、生活環境の保全に関する環境基準については、平成15年11月5日付けで、水生生物保全の観点からの環境基準を新たに追加設定したところである。
 環境基準は、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準であり、環境の保全に関する施策を総合的かつ有効適切に講ずることにより、環境基準が確保されるように努める必要がある。
 本諮問は、このような状況を踏まえ、水生生物の保全に係る排水規制等の在り方について、貴審議会の意見を求めるものである。
 同様に、裏面の方に審議会会長から当水環境部会部会長宛ての付議の文書をコピーでお配りしております。
 資料6-2になりますけれども、これは小委員会の中で御議論いただいた際に、これまでの環境基準と排水規制の関係で、水質汚濁防止法のこれまでの経緯をまとめた資料でございます。既にいただいた小委員会の報告をもって部会の結論としていただきましたが、基本的に生活環境項目として今回の全亜鉛が環境基準として設定されたことを踏まえて、従来の生活環境項目の排水基準の設定の延長線上で考えていくというような内容でいただいたかと思います。
 資料6-2の1ページ目、2ページ目は経緯になりますので、関係のところだけ御紹介いたしますけれども、3ページ目に水質汚濁防止法に基づく排水基準の設定についてという部分で、健康項目と生活環境項目、それに対応したおのおのの排水規制の考え方の特徴を簡単にまとめさせていただいています。健康項目に関しましては環境基準の達成を念頭に基準値を算定すると、よく言われています環境基準値の10倍レベルを排水規制の基準値としてきたという経緯がございます。
 これに対しまして、生活環境項目に関しましては、まずは具体的な適用可能性、実際に現場で対応ができるかどうかということ。また、どの程度まで社会的に、また経済的に、技術的に許容し得るものか、適用できるものかということを総合的に勘案した上で決めてきた。よく説明の例示として使っています生活排水レベル、これはBOD、COD、窒素、燐といったような生活排水である程度負荷量が出てきているものについてその1つのメルクマールとして掲げているものですし、また生活環境項目のほかにここに例示で挙げておりますけれども、大腸菌群数のように塩素殺菌法という標準処理法を決めて、それで担保し得るようなレベルに一律の排水基準を置くというような考え方で設定をしてきているものもございます。
 亜鉛に関しましては、現在主に利水障害の排除の観点から5mg/Lという最大値の規制基準がありますけれども、これを今後どのように考えていくかという部分が小委員会の基本的な考え方にのっとって今後議論されていく内容ではないかなというふうに考えております。
 以上が、諮問と諮問の理由でございまして、先ほど、説明が前後しますけれども、資料7の方に、以上の2つの諮問を踏まえまして、資料7の方で2つの専門委員会の設置を御提案させていただきたいと思います。前段の説明でありました(4)「水生生物保全環境基準類型指定専門委員会」、また、今、御説明させていただきました排水規制等に関しての専門委員会、「水生生物保全排水規制等専門委員会」という、以上2つの専門委員会の設置を御提案させていただきたいと思います。

【村岡部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの2つの諮問文及び関係資料等につきまして、御説明いただきました内容につきまして、御意見とか御質問とかございましたらお願いしたいと思います。
 いかがでしょうか。ございませんか。
 ないようでございますので、この諮問事項につきまして、それでは中央環境審議会議事運営規則第9条に基づきまして、専門委員会を設置して、そこで専門的な内容につきまして御議論いただく、御検討いただくということにしたいと思います。
 資料7のとおり、「水生生物保全環境基準類型指定専門委員会」及び「水生生物保全排水規制等専門委員会」、この2つの専門委員会を新たに設置することにしたいと思いますけれども、御異議ございますか。
            (「異議なし」と呼ぶ者あり)

【村岡部会長】 ありがとうございます。
 それでは、この専門委員会におきまして、今日の小委員会報告、この部会の結論に基づいて具体的な施策等の専門的な討議を進めていただきたいというふうに思います。よろしくお願いしたいと思います。それで、その結果は、後日のことになりますが、この部会に御報告いただくことになるということでございます。
 それでは、次に、議題4といたしまして、事務局からその他報告事項が幾つかございます。資料に基づきまして、事務局からまとめて御説明いただき、後で質疑の時間をとりたいと思いますので、順次事務局から御説明願いたいと思います。

【坂川室長】 それでは、資料8に基づきまして、総量規制専門委員会の検討状況につきまして御説明したいと思います。私、閉鎖性海域対策室長の坂川と申します。よろしくお願いいたします。
 前回の水環境部会のときに御説明しましたけれども、今年の2月に環境大臣より中央環境審議会会長に第6次水質総量規制の在り方について諮問を行ったところでございます。これを踏まえまして、水環境部会に総量規制専門委員会を設置するということを決めていただきました。その後、総量規制専門委員会が設置されたわけでございますけれども、その構成は資料8の2枚目の別紙1にあるとおりでございまして、委員長を岡田光正先生にお願いしているところでございます。
 今まで3回、この専門委員会が開催されております。現在までのところまだ報告がまとまったというわけではございませんし、また何らかの見解が示されたというわけではございませんので、本日は検討の状況について御説明させていただきたいと思います。
 まず、第1回総量規制専門委員会が4月21日に開催されました。このときには、今までの水質総量規制の実施状況といたしまして、汚濁負荷の削減状況、また水質濃度の経年変化、赤潮・青潮の発生状況等について御説明しました。また、指定水域の水質汚濁メカニズムに関しましては、5年前に第5次総量規制の在り方が検討された際の水質汚濁メカニズムに関する考え方につきまして御説明しました。
 その後、第2回の専門委員会を7月7日に開催しまして、水質及び水質汚濁による障害の推移といたしまして、指定水域における水質濃度分布について、昭和58年度前後と平成13年度前後との比較を行いました。また貧酸素水塊の発生状況、さらに東京湾における底生生物の状況などについて御説明しました。
 指定水域における水質汚濁メカニズムに関しましては、COD濃度に対する陸域発生負荷、内部生産、そして外洋バックグラウンドの寄与率についての検討が行われております。さらに、底質からの溶出、沈降、干潟の水質浄化機能、漁業による栄養塩類の回収などについても検討が行われております。
 さらに、水質予測シミュレーションに関しましては、第5次総量規制の検討の際に行われました計算の概要、また今回新たに行います計算方法の概要について説明を行っております。
 2ページ目にまいりますが、第3回総量規制専門委員会は8月26日に開催をされております。このときには、まず、総量規制の開始から平成11年度までの発生負荷量の削減状況につきまして、業種区分別に事務局から説明を行っております。
 また、それに続きまして、汚濁負荷の削減等に関するヒアリングを行っております。まず、小規模・未規制事業場の汚濁負荷削減対策について、愛知県からヒアリングを行っております。さらに、持続可能な農業、家畜排せつ物の管理など、養殖汚濁負荷の削減対策につきまして、農林水産省からヒアリングを行っております。
 ここまでが今までの検討状況でございまして、今後の予定でございます。まず、ヒアリングについて続きがございます。汚濁負荷の削減対策に関しまして、産業界、また国土交通省、環境省、農水省のヒアリングを行う。また、干潟の再生や浚渫窪地の埋め戻しなどにつきまして、国土交通省のヒアリングを行うことを予定しております。
 また、指定水域の水質汚濁メカニズムに関しましては、現在実施中の水質汚濁シミュレーション、この結果がいずれ出てまいりますので、その結果を参考といたしましてさらに検討を行っていくということを考えております。
 これらの情報、また検討の結果を踏まえまして、指定水域の水質を改善するための水質総量規制の在り方につきまして、今後さらに検討を行っていく予定となっております。また、検討の結果に関しましてはこの水環境部会に御報告をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

【太田課長】 水環境管理課長でございます。
 今、私どもがやっております湖沼の問題につきまして、今の状況について簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
 参考資料3というペーパーが入っているかと思います。
 実は水環境の中の環境基準の達成率を見ますと、湖沼というのがいまだに環境基準の達成率40%台ということで低いまま推移しているというのは先生方御承知のとおりかと思います。また、そういうものを改善するために湖沼法を昭和59年に施行いたしまして20年たちました。その間、湖沼法に基づきまして種々の汚濁負荷量の対策を実施してきておるわけでございますが、残念ながら、環境基準の達成状況は依然として芳しくないと、そういう状況が続いております。
 また、湖沼につきましてはいろいろ健全な水循環とか自然再生とかそういうような観点から非常に湖沼に対するニーズといいますか、その取り巻く状況が変化しているということもございまして、20年たった機会をとらえまして湖沼対策の在り方というものをもう一度考え直そうということで、そこにありますような湖沼対策検討会というものを開催させていただいております。
 具体的には、その裏のページに学識経験者の方々のお名前を書いてございますが、こういうメンバーにお集まりいただきまして、今までのやってまいりましたいろいろな湖沼の水質保全対策についてのレビューを行った上、今後の施策の展開の在り方についての御検討をいただいているということでございます。
 本年3月に第1回の検討会を開始いたしまして、2回ほどレビュー関係のことをやり、その後、湖沼対策の今後の在り方ということで課題を幾つか取り上げまして、例えば水質の評価に関する課題、負荷削減のやり方に対する問題、新しいニーズにどう対応するかの課題、今後の進行管理の問題とか、そういうような課題を取り上げまして、それについて2回ほど議論を行ってまいったところでございます。
 また、今後、来週から会議を予定していますが、もう少し議論を詰めて今後の在り方についての取りまとめをしていきたいというふうに考えております。
 なお、もう一つ湖沼関係につきましては動きがございまして、その2枚目の紙を見ていただきたいと思いますが、今、言ったように、湖沼関係につきまして湖沼法をつくりまして施策をやってきたわけですが、必ずしも十分な成果を上げていないという状況でございます。これにつきまして、これは環境省だけの問題ではなくて、実は複数省庁、農林水産省とか国土交通省の施策も含まれておりますので、そういう複数省庁に係る施策についての政策評価というものを総務省が行う制度がございます。その観点から、総務省が「湖沼の水環境の保全に関する政策評価」というテーマを取り上げまして、このほど、今年の8月4日でございますけれども、報告が取りまとめられまして、農林水産省、国土交通省、あと私ども環境省に対しましてその結果が通知をされてまいりました。
 その評価の要点がそこに書いてございますが、評価の結果ですが、そこには各種施策が進展をしまして負荷量につきましては削減され、水質汚濁の進行を抑制したり一部湖沼では水質の改善が見られると一定程度の効果は認められるということは書いてありますが、しかし、20年たってもいまだにまだ環境基準の未達成というのが非常に多くて、湖沼の水質に顕著な改善が見られないということで、総体として期待される効果が発現しているとは認められないという非常に厳しい評価をいただいたところでございます。
 それを踏まえまして意見として、今後配慮すべき事項といいますか、推進施策について、4点ほどの指摘をいただいてございます。1点目が、水質汚濁の機構の解明や、汚濁負荷量の把握というものを的確にやること。
 それから、2つ目は、湖沼の水質保全計画をつくりながら対策を進めているわけですが、それのつくり方について適切な策定をするのと、それの進捗状況といいますか、施策の推進を適切に行うこと。
 あと、具体的な施策の中では、特に面源、農地とか市街地とかそういうもの、ここでは非特定汚染源と書いてございますが、こういうものの対策が十分進んできていなかったので、それに対しての有効な対策を検討し、その実施を図りなさいということ。
 もう一つは、生活系の排水関係、これにつきましては下水道とか農村集落排水施設、浄化槽等で推進してきているわけですが、面的な整備とか量的には進んできたわけですが、まだ整備は進んだのですが、下水道等に対する接続が十分でない面があるので、その接続を推進をしなさいとか。あと、まだ高度処理化が十分されていないので、高度処理化を推進すると、こういうような指摘がされてございます。
 最後に、新しい政策手法も検討しなさいということで、排出権取引等の経済的手法等についても検討しなさいと、こういう御指摘をいただいているところでございます。
 私ども、こういう評価も踏まえまして、これを受けとめて、今後の湖沼保全対策のより一層充実を図るための検討をさらに進めてまいる覚悟をしております。
 また、委員の先生方にもいろいろと御助言いただく機会があろうかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

【谷課長】 このほか、配付資料一覧にお示ししている資料がございますけれども、前回の部会以降に公表した各種調査結果などの資料ということで、資料配付のみとさせていただき、説明は省略させていただきます。
 ちなみに、資料の9でお配りしておりますのが、「水浴場の水質調査結果について」、資料10でお配りしておりますものは、「平成15年度全国水生生物調査結果について」、いずれも7月に公表したものでございます。このほか、資料11、資料番号をつけておりませんが、「地下水をきれいにするために」という冊子をお配りしております。
 以上でございます。

【村岡部会長】 どうも御説明ありがとうございました。
 それでは、一括して御説明に関して何か御質問、御意見ございましたらお聞かせいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 この機会に広い範囲で水環境に係る施策の現状を御説明いただきましたので、何かお気づきの点があったらぜひお聞かせいただきたいと思います。
 中杉委員、どうぞ。

【中杉委員】 湖沼はまさにこういう状況だろうと思いますが、私も富栄養化防止計画、湖沼計画などをつくるのをずっとお手伝いしていますが、実際問題としてそもそも人間活動という、人間活動の張り付きがどうにもならない状況にあるのではないかという根本的なところがどうもあるのではないか。毎回努力はしているけれども、常にそれをつくるときに感じるのですが、そういう観点からの議論というのは、今はなされていないのですか。

【須藤委員】
 湖沼でなぜ40%前後で環境基準が達成されないかというのは、そもそも基本的な発想でその湖沼の評価をいただいたわけだし、それが20年間たっていると。例えば霞ヶ浦の例でいきますと、そこに20年間でつぎ込んだ予算がすべてで私は1兆円と聞いております。そういう費用対効果を考えて本当にそれでよろしいのかというようなこともあるわけでありまして、それがどうしてそうなのかということを問われているわけだし、それから今の中杉先生の御質問ですと、社会工学的というか、そういう面での評価では、負荷量が何とか、今の程度でいっぱいこれだけやっているから現状維持がやっとであるというぐらいのところまでは何とか評価できると思うのですが、これを減らすためにはさらに負荷量を下げなくてはいけないことも事実だと思います。
 それはそうだけれども、それに対する費用がまたさらに加わるわけだし、今度はほかの面からいえば、エネルギーの問題、あるいは資材の投入の問題、さまざまありまして、総合的な評価が多分これから必要だろうと、こういうふうに思います。
 総務省のここに書いてある評価書というのは一通り私も当然読んでおりますが、よくできていると思います。厳しいことを言われて、今度これに対応するために環境省が議論しているわけではないのだけれども、環境省の評価というか、これからの施策がもっと総務省に言われているよりも立派なものでなくてはいけないだろうというふうに意気込んではいるのだけれども、本当にそうできるかどうかというのは一応座長をお預かりはしているものの、環境省が独自にできる部分というのは非常に少ないのですね。ここに書いてある国土交通省であるとか農林水産省とか、それはお願いをしなくてはならない筋なので、その辺の部分もどうしたらいいのか。水質の評価とか、それから評価項目をどうするとか負荷量をどうするとか、それはこの水環境部会でよろしいですけれども、ほかの施策になってくるともう一つ隔靴掻痒といいましょうか、当方でできない部分があるので、そういうことをどうやって意思表示をして連携していくかというのはこれからの課題なので。やはり環境省だけの議論だけでは極めて、今、先生のお答えになると不十分だということを自覚をしていますが、まずは湖沼水質保全特別措置法の水質保全という部分のところは少なくともここの守備範囲なので、何とかそこはクリアしていきたいというふうに思っているわけでございます。
 課長、どうぞ。一応座長としてはそういう自覚でやっているつもりですが、お願いします。

【太田課長】 環境省としましても、基本的に非常に難しい問題だろうとは思っておりますが、やはり水質の負荷量を抑制する、かなり流域の様子が変わったりとか、湖沼・湖岸の様子が変わったり非常に難しい面はあると思っておりますし、そういう中で少なくとも抑えてきた、ある程度負荷量を下げてきたということは考えておりますが、なかなか現実的な水質にあらわれてこないという実態があろうかと思います。今後はそういうものを抑えつつ、やはり効果があらわれるようにしなければいけないということと、やはり、流域の皆様方が全体で大切にするというか、それを通じて、単に水質ばかりではなくて、そこに住む人たちが水を大切にするようなことを、活動を深めながらやれるような施策を推進する。これは私どもだけではなくていろいろな方々に御協力していただかなければいけませんが、そういう方々にやっていただけるような方策を打ち出していけたらというふうに考えておるところでございます。

【村岡部会長】 ほかに関連した御意見ございますか。
 それでは、そのほかのことで何か。松尾委員、どうぞ。

【松尾委員】 水浴場の水質調査ですけれども、以前、水浴場の八十八選をつくってきましたが、あれは結構、地域起こしというか、地元の水浴場を管理されているグループに対しては非常にインパクトを与えてきてよい方向が出てきたのではないかと思うのですけれども、あれはもうやらなくなったんですか。
 私は、さっきの湖沼の問題もそうだけれども、何か環境省がもう少し住民とか地域の人とかを巻き込んでそういうものに関わっていくというポジションをとられるのがいいのではないかと思うのですが、その辺、例の水浴場というのはある程度効果を持つのではないかと思っていたのですが、その辺はどんな計画になっているのでしょうか。

【村岡部会長】 どうぞ。

【谷課長】 ありがとうございます。まず、もっと住民のいろいろな方の関心を呼ぶようにという御指摘をいただきまして、これは本当におっしゃるとおりと思っております。先ほど太田課長からも御説明いたしましたけれども、これからそういう方向にいろいろな施策を、今、企画しているところでございます。湖沼の方のプランもございますし、私どもの方も今後興味を持たれるような企画をつくって発表していきたいと思っております。また、こちらの部会の先生方の御意見も承り、発表したときは御報告を申し上げたいと思っております。
 一方、水浴場八十八選も大変評判が良いものですが、これを選び直すことについてもこれもこれでまたいろいろな議論もあるのかなというふうにも聞いております。先生方の御意見も賜りながらいい形で、新しい関心を水にもっともっと引き寄せるような企画をつくってまいりたいと思いますので、どうぞこれからも御指導ください。

【村岡部会長】 ありがとうございます。
 ほかに何か御意見ございますか。
 それでは、岸委員、どうぞ。

【池田(駿)委員】 今のに若干関連して。

【村岡部会長】 そうです。それでは、池田委員、それから岸委員というふうにしたいと思います。

【池田(駿)委員】 今の水浴場とちょっと違うのですが、河川に関して、ベスト10とワースト10というものがよく出てくるのですけれども、ワースト10に入っている方の方々が一生懸命努力をして相当程度水質がよくなっているのに、相変わらずワースト10の中にいつも入ってしまって、どうも元気が出ないというようなことを最近伺うことがあります。
 私、この間の小委員会でも御説明がありましたが、D類型、E類型というのはほとんどなくなっているという中で、私はもうちょっと観点を変えて、例えば今まで非常に水質が悪かったけれども、これぐらい改善をしたというような観点で評価をしてあげると、もう少し励みになるかと思いますね。地元の方は大変努力をされているのにいつもワースト10に入ってしまうと、だんだん元気がなくなってくるということがあると思います。そういうことを少し考えていただければ大変ありがたいなと思います。

【村岡部会長】 ありがとうございました。
 それでは、岸委員、お願いします。

【岸委員】 今、水というのはもうこれからすごいキーワードで、暮らしていく中でやはり健康にいい水を飲みたい、それから、いい水で体を洗いたい、日々暮らしの中でそういう水に触れたいという意識が高まっていると思うのです。私が畑を持っている山梨でも、白州あたりは、今、都会からどんどん人が入ってきて井戸を掘って暮らし始めている人がいるわけですけれども、何かその土地の人たちと不動産業の人たちがちょっと意識が低いようで、私などもこの水はどういう水系ですか、富士山ですか南アルプスですかなんて聞いても知らない事が多い。これからの時代水のいいところが高い土地になって行くであろう事も考えられます。環境省でここの水はいいですよと決めるのはちょっと難しいかもしれないけれども、そういう事がそこの住んでいる人達が水をきれいにしようという意識が高めて行く事につながるのではないかと思います。
 自治体の人とかその不動産業の人が水にもうちょっと関心を持つような施策がないかなと思います。

【村岡部会長】 ありがとうございます。それでは、企画課長、どうぞ。

【谷課長】 池田先生、岸先生、本当にありがとうございます。私どもも、今、何とかそういうわかりやすい水のきれいさ、心地よさ、美しさ、そういうものをあらわす指標というか、何かそういうものができないかということをこれから考えていきたいというふうに思っておりますところでございます。ただ、具体的に一体何をどういうふうにしたら一般の方々あるいは岸先生がおっしゃっていただいた不動産業の方もよくわかっていただける、親しんでいただけるかというのが本当になかなか知恵がないと思っておりましたところでございます。どうかこれからいろいろいいお知恵を、先ほど水浴場のお話も含めまして、教えていただけると大変ありがたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【村岡部会長】 地下水に関していいますと、ただいまの岸委員の意見に関連しますけれども、健全な水循環という立場から、地下水はその重要なパートを担っているわけなので、そういった点について、その地域の地下水がどのような価値を持っておるのかというふうなこともぜひあわせて御検討いただきたいと、私の個人的な意見でございます。
 ほかに何か御意見ございますか。どうぞ。

【中野委員】 私は滋賀県なのですけれども、平成4年から滋賀県の琵琶湖に入ってくる河川の調査をずっと続けているのですけれども、ただ、きれいとかいろいろな薬品を使ってしているのですけれども、それだけでは終わらずに、何かおいしい水とか何か、もう一歩進んだ何かことをしたいなと思うのですけれども、環境省の方でいろいろな資料とかやり方などありましたら、教えていただきたいなと思いますし、よろしくお願いします。

【村岡部会長】 はい、ありがとうございます。
 ほかに御意見ございますか。須藤委員、どうぞ。

【須藤委員】 先ほどの湖沼のお話もありましたし、今、川のお話もございましたし、水を従来のCODやBODではなくて、いろいろな形で評価をしてみたりとか、あるいは評価する方法とかそんなことも含めていろいろ議論があるのはよく承知をしておるわけです。いつもここでおしまいになって、まずいですよね。大体そうなっているのが多いです。
 ぜひ私がお願いしたいのは、少し長い期間をとって、例えば水環境あるいは水環境懇談会とか、これはここでやるとやはり2時間ぐらいの制限の中であまり議論ができないので、予算のこともあるかもしれませんが、少し長い期間をとって、今、おっしゃっていただいたようなおいしい水も含めて課題をまとめていただいて、最終的にはここで審議をするということにしたらいかがですかね。何か進め方として、いろいろそのときどきに応じて御意見はいただいて、出させていただいているように思うのですけれども、それが前へ進展しないのはそういう組織なり検討する場が極めて少ないからだろうと思うので、ですから、もうちょっと広い形で、来年度の予算の要求していただいてもよろしいのですけれども、何かそんなことをしていただければよろしいのではないかなと、こういうふうに思います。

【村岡部会長】 はい、貴重な御提案だと思います。
 それでは、御意見もそろそろ尽きたようでございますので、先ほどの環境省からの御説明を踏まえて、いろいろな多岐にわたった貴重な興味のある御意見をたくさんいただきました。本当にどうもありがとうございました。
 それでは、議題も一応済みましたので、最後に事務局から事務連絡等ございますでしょうか。

【谷課長】 特にございません。

【村岡部会長】 そうですか。
 それでは、これをもちまして、本日の議事を終了いたしたいと思います。長時間にわたり熱心に御討議いただきまして、本当にありがとうございました。

午後 4時27分 閉会

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