中央環境審議会水環境部会(第5回)議事録

平成14年8月29日開催
環境省環境管理局水環境部企画課

日時

平成14年8月29日(木)10:00~11:45

場所

中央合同庁舎第5号館22階 環境省第一会議室

議題

 (1)水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて
  (2)専門委員会の設置について
  (3)報告事項
   ・水生生物保全に係る水質目標について
   ・ダイオキシン類の底質環境基準に係る告示について
   ・底質の処理・処分等に関する指針について
   ・ダイオキシン類対策特別措置法の特定施設(水質基準対象施設)の追加について
   ・平成14年度水浴場の水質調査結果の公表について
   ・第5次水質総量規制における総量削減計画について
   ・瀬戸内海の環境の保全に関する府県計画の変更について
  (4)その他

配付資料

  資料1中央環境審議会水環境部会委員名簿(平成14年8月29日現在)
  資料2中央環境審議会水環境部会(第4回)議事要旨
  資料3中央環境審議会水環境部会(第4回)会議録(案)(委員限り)
  資料4水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(諮問書及び付議書(写))
  資料5環境基準健康項目の見直しについて(案)
  資料6中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置について(案)
  資料7中央環境審議会水環境部会環境基準健康項目専門委員会の構成(案)
  資料8水生生物保全に係る水質目標について
  資料9ダイオキシン類の底質環境基準に係る告示について
  資料10底質の処理・処分等に関する指針について
  資料11ダイオキシン類対策特別措置法の特定施設(水質基準対象施設)の追加について
  資料12平成14年度水浴場の水質調査結果の公表について
  資料13第5次水質総量規制における総量削減計画について
  資料14瀬戸内海の環境の保全に関する府県計画の変更について
  (参考資料)
  参考資料1中央環境審議会議事運営規則
  参考資料2中央環境審議会の運営方針について
  参考資料3中央環境審議会水環境部会及び専門委員会の運営方針について

議事

【盛山課長】 おはようございます。そろそろ定刻でございますので、ただいまから第5回中央環境審議会水環境部会を開会いたします。
 まず、委員の異動につきまして御報告をさせていただきます。
 22日付で池田臨時委員と大塚臨時委員が、会長より水環境部会の臨時委員の指名を受けております。本日は委員総数36名中、25名の委員の方に御出席をいただいておりますので、既に部会開催の定足数、これは18名でございますが、これを満たしております。
 なお、本日の会議は中央環境審議会の運営方針に基づきまして公開しておりますことを御報告させていただきます。
 それでは、議事に先立ちまして、当部石原水環境部長よりごあいさつを申し上げます。

【石原水環境部長】 おはようございます。第5回水環境部会の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 お暑い中御出席いただきまして、大変ありがとうございます。本日の部会では、水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準の見直しにつきまして、専門委員会を設置していただきたいというふうに考えております。本件につきましては、8月15日付で環境大臣より中央環境審議会会長に諮問され、本部会に付議されているものでございます。
 また、前回、第4回の水環境部会の開催以降、水環境行政の関係について申し上げますと、ダイオキシン類に係ります底質の環境基準の告示ですとか、水生生物に係る水質目標についての報告ですとかという形での水環境関係の行政につきまして、いろいろな施策の展開をさせていただいております。そういうことも本日併せて御報告させていただきたいというふうに考えております。
 それでは、よろしく御審議のほどをお願いいたします。

【盛山課長】 第4回の部会以降、7月に私ども水環境部の方で人事異動がございましたので、改めて私ども事務方の御紹介をさせていただきます。
 ただいま御挨拶をいたしました水環境部長の石原でございます。
 それから、水環境管理課長の仁井でございます。
 地下水・地盤環境室長の望月でございます。
 そして私、企画課長の盛山と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 議事に入ります前に、お手元の配付資料について御確認をいただきたいと思います。
 議事次第の裏側に配付資料一覧とあるかと思います。一々申し上げませんが、資料1から資料14までの14種類の資料、それから、参考資料が1、2、3と3種類ございまして、それが大きくこのようなダブルクリップでとじてあろうかと思います。それから、テーブルの上には資料8の水生生物保全に係る水質目標についての報告本体そのもののこの白い冊子と、それから、当水環境部のパンフレットでございます「水環境行政のあらまし」、この二つの冊子がお手元の机の上に置いてあろうかと思います。もし欠落しているもの、その他があれば、私どもの方までお申し出をいただければと思います。
 それでは、これからの会議の進行を村岡部会長にお願いしたいと思います。村岡先生、よろしくお願いします。

【村岡部会長】 皆さん、おはようございます。
 まず、第4回、前回ですが、水環境部会の議事録の確認から執り行いたいと思います。
 議事録につきましては、資料3として準備されておりますが、この資料は委員の先生方に御確認いただいた後、事務局で修正し、再度各委員の先生方に送付されている資料でございます。したがいまして、「中央環境審議会水環境部会及び専門委員会の運営方針について」2(1)に基づきまして御了承いただいたものとして、この場で前回議事録として確認したいと思いますが、それでよろしゅうございますか。
                 (異議なし)

【村岡部会長】 ありがとうございます。
 事務局ではこの議事録の公開手続を進めていただきたいと思います。
 それでは、議事次第に従いまして次の議事に移ります。
 議題の1でございますけれども、8月15日付で環境大臣から水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて諮問がございまして、同日付で当部会に付議されておりますので、まず、事務局からこの諮問内容等につきまして御説明いただきたいと思います。

【瀬川補佐】 それでは、資料4に基づきまして、諮問文、諮問理由について読み上げさせていただきます。また、資料5で簡単に補足の説明をさせていただきます。すみませんが、座って説明をさせていただきます。
 それでは、資料4でございますが、先ほど部会長から御紹介がありましたように、平成14年8月15日付けで諮問をされております、水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについてでございます。
 諮問文は、環境基本法(平成5年法律第91号)第41条第2項第2号の規定に基づき、「水質汚濁に係る環境基準について」別表1(人の健康の保護に関する環境基準)及び「地下水の水質汚濁に係る環境基準について」に定める環境基準の見直しについて、貴審議会の意見を求める。
 諮問理由でございますが、水質汚濁に係る環境基準のうち人の健康の保護に関する環境基準及び地下水の水質汚濁に係る環境基準は、現在、26項目について定められている。このほか、人の健康の保護に関連する物質ではあるが、公共用水域等における検出状況等から見て、直ちに環境基準項目とせず、引き続き知見の蓄積に努めるべきとされるものが、平成5年3月から「要監視項目」として定められており、現在、クロロホルム、トランス-1、2-ジクロロエチレン等22項目が定められているところである。
 その後、平成11年2月の「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準の項目の追加等について(第1次答申)」において、環境基準健康項目及び要監視項目全般について、今後とも新たな科学的知見に基づいて必要な追加・削除等見直し作業を継続して行っていくべきとされたところである。また、国際的にも、WHOにおいて2003年に飲料水水質ガイドラインの改定が予定されている。
 こうした状況にかんがみ、国際的な動向及び国内データの蓄積を踏まえ、環境基準健康項目に追加、要監視項目の環境基準健康項目への移行等の検討を行う必要がある。
 今回の諮問は、こうした観点から水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準及び地下水の水質汚濁にかかる環境基準等の見直しについて、貴審議会の意見を求めるものである。
 資料4の裏側にまいりまして、中央環境審議会会長森嶌先生から、本件については、本部会、水環境部会に付議がされております。
 では、資料5に基づきまして補足の説明をさせていただきます。
 資料5、「環境基準健康項目の見直しについて」でございますが、我が国においては、化学物質が多数製造・使用されておりまして、環境中に放出された場合に、飲料水や食品などを介して人の健康に悪影響を及ぼすおそれがございます。このため、環境省では、水質汚濁に係る環境基準、これは平成5年に15項目の追加、また平成11年に3項目の追加をいただいているところですが、また、要監視項目、これは環境基準の予備軍というふうによく言われますけれども、指針値を定めまして都道府県にモニタリングの協力をお願いし、国においてモニタリング結果を取りまとめておる物質でございます。現在、22項目ございます。また、要調査項目、これは水環境に悪影響を及ぼすおそれがある物質として300物質をリストアップいたしまして、これらについて環境中濃度レベルの存在状況の分析を環境省で行っているものでございます。これらそれぞれに位置づけを行いまして、それぞれ環境管理、規制及びモニタリングを実施しまして、環境中濃度に関するデータについては、かなり蓄積を得たと考えております。一方、化学物質に係る毒性評価についても、科学的知見の蓄積が進められておりまして、先ほど申し上げたように、WHOでは飲料水水質ガイドラインの改定作業が進められております。こうした状況から、WHOでの改定作業という契機をとらまえ、国際的な動向、国内データの蓄積を踏まえて健康項目の新規追加や既存項目の基準値の改定などを検討するという必要を感じております。
 WHOの飲料水水質ガイドラインでございますが、本年11月、あるいは前倒しにして10月にパブリックコメントの募集がございまして、平成15年3月、あるいは前倒しで2月にもガイドラインの改定内容がまとめられる予定になっております。
 厚生労働省さんにおかれましても、水道水質基準の見直しに着手をしておられ、既に専門委員会を設置しておられるところです。
 検討範囲でございますが、まず基準項目の追加及び基準値の改定でございますが、WHOなどでの毒性情報の蓄積を見つつ、毒性情報について整理をし、その結果導き出されます基準値と環境中濃度とを比較することにより、基準項目の追加や基準値の改定の必要性について検討していただく予定にしております。あわせまして、要監視項目から環境基準への移行、要調査項目から要監視項目への移行についても検討を行っていただく予定です。また、環境基準あるいは要監視項目に達しますと、公定法としての測定法についてもお示しする必要があるため、これらについても検討を行っていただく予定にしております。その他、必要に応じ、関連事項の検討を行う、例えば、モニタリングの効率化などがこれに当たると思っております。
 事務局からの説明については以上でございます。

【村岡部会長】 ただいまの事務局の御説明に対しまして、何か御質問等ございますか。

【藤井委員】 藤井です。この人の健康の保護に関するという、この「人」なのですが、これは日本では成人ということになっていると思われます。毒性物質を含めてかなり、その「人」というのを幼児とか、もっと年齢を下げて、そして、そこに対象項目と同時に年齢を下げるという、そういう方向に持っていけないものかどうか。非常に不確かな記憶しかないのですが、橋本総理のときに行われたマイアミの環境閣僚会議のときに、この水の監視項目だったか何かはっきりわかりません、その議論の中で、「人」というのを幼児に合わせて見直すべしというような項があったのではないかと思われるのです。それが日本ではその後どうなっているのか。ほかの国では、「人」と言ったときに、この年齢というのはどうなっているのかというのを教えてください。

【村岡部会長】 事務局、お答え願います。

【瀬川補佐】 藤井先生の御指摘、マイアミ宣言に盛られました子供環境宣言の件だと思います。水質の環境基準、基本的にWHOの飲料水水質ガイドラインによるところがかなり大きく、参照して策定しておるのですが、このガイドラインにおきましては、例えば、幼少期において特定の化学物質に対するリスクが非常に大きいという判断をされる場合には、幼児の飲料水の消費量に基づいてガイドラインを設定しております。また、環境基準設定の際に、動物実験の結果を人健康に外挿するというのでしょうか、移し変える場合にも、その安全係数をとることによって、老人、幼児といった感受性が高い分についても、その影響を考慮するということを基本にしており、大気はそういう事例が多いと思います。
 では、具体的に子供の影響を考慮して環境基準値を決めた事例があるのかというふうによく聞かれるのですが、鉛などは神経毒性があるものですから、蓄積性を考慮して、幼を念頭に置いておりますし、また、平成11年、先生方に御議論をいただきました亜硝酸性窒素につきましては、幼児に対するメトヘモグロビン血症、つまり、ヘモグロビンに本来なら酸素がくっついて運ばれていくわけなのですけれども、これが阻害されて顔が青くなるというような、ブルーベビーという症例があるわけなのですが、これに着目してその環境基準値を作っております。例えば、子供ですと、成人の人よりも飲料水経由で水をとる割合が高いものですから、そういった割合を考慮して実際にガイドライン値や環境基準値を設定しております。
 諸外国については、今データがないので、申し上げられませんので、後日調べておきます。

【村岡部会長】 このあたりにお詳しい、何か委員の先生方で、関連する意見とかコメントとかございますか。藤井委員、いかがですか。どうもありがとうございました。
 それでは次に、事務局からただいま説明がありました諮問につきまして、今後、この当部会で審議を進めていきたいと思います。
 これに関連いたしまして、次の議題の2に入りますが、専門委員会の設置についてです。中央環境審議会事務運営規則の第9条第1項におきまして、「部会は必要に応じ、その定めるところにより専門の事項を調査するため、専門委員会を置くことができる」と規定されております。事務局から専門委員会の設置について、まず御説明いただきたいと思います。

【瀬川補佐】 それでは、資料6に基づきまして、中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置について、説明をさせていただきます。
 中央環境審議会水環境部会には、現在、三つの専門委員会がございます。陸域環境基準専門委員会、海域環境基準専門委員会、ダイオキシン類環境基準専門委員会でございますが、四つ目として、本件を取り扱います環境基準健康項目専門委員会の追加をお願いしたいと考えております。
 審議事項でございますが、「5.環境基準健康項目専門委員会においては、水質の汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準の設定及び改定に関する専門的事項を調査する。」としております。
 その裏のページにまいりまして、スケジュールでございます。これは現在、事務局で思っておりますスケジュールということで説明をさせていただきます。少し動く可能性がまだございます。本日でございますけれども、水環境部会第5回で専門委員会の設置をお認めいただけましたらば、9月中旬から10月中旬、10月にずれ込むと思いますけれども、専門委員会の第1回を開催いたします。その後、先ほどちょっと触れましたけれども、WHOの方のパブリックコメントの様子を見ながら、10月、11月ぐらいにありますパブリックコメントの様子を見ながら、12月ごろに専門委員会の第2回を開催したいと思っております。来年に入りまして平成15年3月ごろに専門委員会第3回を行い、ある程度案を固め、もしまとまりませんでしたら、予備として4月ごろに専門委員会第4回を予定しております。5月から6月ごろに水環境部会、先生方にお諮りし、答申をいただき、告示を6月から7月ごろに行い、その後、半年少しの間で都道府県さん、あるいは関係行政機関の方々にさまざまな準備をしていただき、平成16年4月1日に施行すると、そういうスケジュールを事務局の方では考えております。
 以上でございます。

【村岡部会長】 専門委員会の設置につきましての内容と、それからスケジュールも併せまして御説明いただきました。それで、今回の諮問の内容が極めて専門的な分野でございますので、ただいま御説明いただきましたようなことで、環境基準健康項目専門委員会を新たに設置したいと、こう考えますけれども、いかがでしょうか。
                 (異議なし)

【村岡部会長】 ありがとうございます。
 それでは、議事運営規則第9条第1項の規定に基づく専門委員会の設置につきまして、中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置については、ただいまお認めいただきましたような改正案のとおり決定いたしまして、今回の諮問につきまして、環境基準項目専門委員会を設置するということにいたします。
 それで、この専門委員会の構成でございますが、これにつきましては、ただいま決定いただきました中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置についての6におきまして、アンダーラインが引いてあるところですけれども、その中に専門委員会に属すべき委員、臨時委員又は専門委員は部会長が指名するということになっております。そこで、この資料7を見ていただきますと、そこに示されておりますように、環境基準項目専門委員会の構成(案)として、このように指名したいと思います。本部会の委員及び臨時委員の中から、各分野の学識経験者の委員に参加していただいておりますが、その他の学識経験者といたしまして篠原亮太委員、高橋正宏委員、長谷川隆一委員、林裕造委員、藤井國博委員、宮崎章委員、この方々につきましては、専門委員として御参加いただくことにしたいと予定しております。
 それから、議事運営規則の第9条第2項では、専門委員会に委員長を置き、部会長の指名によりこれを定めると、このようにされております。委員長につきましては、これまでも環境基準の設定等ございまして、それにかかわる委員会の審議に携わってまいりましたという経緯から、私、村岡にお任せいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
                 (異議なし)

【村岡部会長】 ありがとうございます。
 それでは、今回指名させていただきました委員並びに臨時委員の方々におかれましては、大変御苦労でございますけれども、今後ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、引き続きまして、議題の3として事務局から幾つかの報告事項がございます。後の資料がずっと続いておりますが、この資料に基づきまして、事務局から一応まとめて御説明いただき、後ほど質疑の時間をとりたいと思っております。が、初めに資料8というのがございます。「水生生物保全に係る水質目標について」でございますけれども、この報告を取りまとめるに当たりまして、検討会の座長を須藤委員がお務めになりましたので、まず資料8についての内容ということで、須藤委員から一言何か御説明いただきたいと思います。

【須藤委員】 座長をお預かりしました須藤でございます。今、一言ということでございましたが、ちょっともう少し語らせていただきますことをお許しください。資料8と、それから、実際の報告書は先ほど事務局から出されたとおりに報告されております。資料8に基づいて報告をさせていただきます。基本的な部分については私が申し上げまして、詳細といいましょうか、この報告書に沿ってのお話は事務局にお願いをしたいと思います。
 この検討会でございますが、水環境部長の私的諮問機関として平成13年5月に設置されたものでございますが、実際にはその前、12年にも予備的な検討のための検討会を設置いたしました。したがいまして、約2年間にわたった成果と、こういうふうにお考えいただきたいと思います。
 この検討会でございますが、水生生物の保全に係る水質目標の考え方、導出手順、それから対象水域等について議論してまいりました。毒性値の評価の部分が大変目標値を決めるのに大事なので、その検討会の中ではワーキンググループを設置いたしまして、毒性評価分科会というのをつくりました。この座長には淑徳大学の若林先生にお願いをいたしました。その毒性分科会では、水質目標値をどのように出すのかとか、あるいは若干追加試験も行いました。そして、最終的には目標値の算定をお願いをいたしました。
 次に、その概要を説明いたします。
 この報告は水生生物の保全に係る水質目標でございまして、先ほども人の健康の話があったわけでございますが、これはあくまでも人とは別に水に住んでいる生物の目標値であると、こういうことでございます。その基本的な考え方といたしましては、当然、生物はたくさんいろいろなところに住んでいるわけですから、その対象生物をどうするかとか、水域区分をどうするか、そして、水質目標値をどのような手順で判定をするのかというようなことが最も重要な点かと思います。項目がたくさんあるわけでございまして、一応、この中では81項目をとりあえずやろうということにしてございますが、一遍にそれほどできるわけではございません。それで、現時点までに目標設定値に足りる十分な知見が得られた物質について、水質目標値を算定いたしました。
 そして、水域区分でございますが、先生方も御存じのように、いろいろな水域がありまして、上流、下流、さまざまございます。そういう意味では、淡水域といたしましては、主に水生生物の生息域の水温に着目いたしまして、イワナ・サケ・マス域及びコイ・フナ域と、こういうふうに二つに区分いたしました。水温が低い方ですが、これは大体上流に該当するものです。それから、コイ・フナの方は下流で、水温はやはり高い方ということで下流に該当します。それから、海域につきましては、分けにくかったので、一つの区分といたしました。そして、先ほど子供のお話もあったのですが、生物についても、卵あるいは幼稚仔、そういう生育の場というのは特に保全をしなければならないということで、そういう水域については、もっと成魚、要するに、大人の生物よりももっと厳しい基準を適用しようということで提案をいたしております。
 水質目標値については、亜鉛、フェノール等、後でごらんになっていただきたいわけですが、9物質について水域ごとに判定をいたしました。
 今後の検討の課題でございますが、生活環境の保全に関する環境基準項目、先ほどは健康項目でしたが、一応、これは生活環境の環境基準項目への適用をお願いをしたいと。また、測定の方法も改めて検討していただきたい。そして環境中の濃度のデータが不足する物質も当然ございます。こういうものについては要監視項目等への位置づけにしていただいて、さらに検討を続けていきたいということで、最終的にはこの水質目標値が達成できるような水質管理といいますか、水環境管理ができるように環境省にぜひお願いをしたいということでございまして、この報告書は水生生物を守るまず第一段階の提案ができれば幸いということで期待をいたしております。
 あとの詳細につきましては、事務局から御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

【瀬川補佐】 それでは、資料8に基づきまして、若干補足だけさせていただきます。
 資料8、「水生生物保全に係る水質目標について」ということで検討会報告の抜粋、概要のみ、そこに示させていただいております。
 まず、背景でございますけれども、1ページ目の下段ですが、我が国では、従来から、環境基本計画、中央環境審議会などにおきまして水生生物保全の観点からの水質目標の必要性が指摘されてきております。これまで人の健康の保護や有機汚濁及び栄養塩類による富栄養化防止の観点からの環境基準設定に施策のどちらかというと重点が置かれてきたため、水生生物保全の観点を中心に据えたような化学物質の汚染に係る水質目標については設定されてきておりません。他方、欧米諸国におきましては、既に70年代から水生生物保全の観点からの環境基準などの水質目標が設定されてきております。こうした背景を受け、先ほど須藤先生から御説明いただいたように、予備的検討、平成12年12月に公表いたしました中間報告を経て、今般、報告をおまとめいただいたところでございます。
 3ページにまいりまして、報告の概要でございます。ここもあらかた説明をしていただいていると思いますので、一番最後、水生生物の保全に係る水質目標値の導出から説明をさせていただきます。
 対象生物と利水目的による水域区分といたしまして、先ほど須藤先生御紹介のように、淡水域と海域に生息域を分け、かつ、淡水域に関しましては、4ページ目でございますけれども、冷水性で川底が礫であるような水域を主な生息場としているイワナなどの魚類が生息いたしますイワナ・サケマス域と、水温に対しては比較的鈍感、比較的温かい水に住む魚、しかもその川底が泥や砂であるような水域を主な生息場とするコイやフナなどの魚類が生息するコイ・フナ域に区分をいたしました。海域はその生息域によるグルーピングは困難なので、すべて一律の生息域としております。
 これらにつきまして、それぞれ繁殖、産卵、幼稚仔の生育の場として特に保全が必要な水域には、必要に応じてより小さい水質目標値を適用することができるような仕組みを考えております。このため、各水域区分につきましては、合計では6個になります。
 水質目標値の導出の手順でございますが、主要魚介類、対象といたしました主要魚介類とその餌生物を含むものでございますが、その幾つかの成長段階、具体的には幼稚仔あるいは胚からの発生段階、そういったものも含めて毒性データを収集いたしまして、その毒性値、エンドポイントの信頼性、生物種間の感受性の相違などを考慮いたしまして値を導出しております。値はその信頼できる範囲内、信頼できる毒性試験の範囲内で最も低濃度で影響が発現する種に着目して検討を進めてまいりました。また、原則として慢性影響の観点から検討するとしており、産卵場あるいは幼稚仔の生育場などへの影響については、忌避などの行動異常についても考慮しております。
 水質目標を検討した物質でございますけれども、81物質を最初に優先的に検討すべき物質として選んでいただいております。これは水生生物への有害性が考えられる物質であって、かつ、水生生物が継続して曝露する可能性の高い物質を選んでおります。81物質を平成12年に選んでいただきまして、その後、その一つ一つの物質について毒性情報を収集し、すべて専門家の先生方の査読をいただいております。平成13年度から平成14年現在までの間に26物質、まずその環境中濃度が既存文献の急性毒性値を上回っているような場合の物質、あるいは生態リスク初期評価、これは私どもの環境保健部の方でピックアップしておりますものですが、その結果、生態リスクがあると考えられた物質について、先に検討を行ったものでございます。データが十分あったものとして9物質選んでおりまして、それが6ページ、7ページから並んでおります。ホルムアルデヒド、アニリン、クロロホルム、ナフタレン、フェノール、エンドスルファン、2,4-ジクロロフェノール、カドミウム、亜鉛、この9物質について水質目標値を導出いたしました。
 今後の課題でございますが、まず水質目標値の導出に当たっての課題でございますけれども、先ほど申し上げたように、水質目標値の導出に当たりましては、一つ一つの文献を専門の先生方に査読をしていただいておりますけれども、こういった信頼できる毒性試験データを得ることができない場合が多くございましたので、今後の課題でございますけれども、類型ごとの主要魚介類を用いた毒性試験を実際に実施すること、また、本検討の対象生物以外の生物を用いた毒性試験結果の活用、例えば、日本には生息をしておりませんけれども、諸外国では毒性試験の実施に使われておりますブルーギル、ファットヘッドミノーといった、そういった魚種の試験結果も使ってはどうかと、こういった御指摘をいただいております。
 最後になりますけれども、8ページ目で水質目標値の環境基準への適用に当たっての課題でございます。現在得られております水生生物などに与える影響に関する知見や、公共用水域での検出状況から判断して、水質環境の汚染を通じ生活環境たる水生生物に影響を及ぼすおそれがあり、水質汚濁に関する施策を総合的かつ有効適切に講ずる必要があると考えられる物質については、環境基本法に基づく水質汚濁に係る環境基準のうち、生活環境の保全に関する項目に追加することが適当とされております。また、本検討において目標値の導出が可能であった物質について、環境中濃度を把握する必要がありますので、測定法の検討を行うということとともに、既存のデータが不足する物質については、要監視項目に位置づけ、全国の環境中濃度の推移を把握していくことを検討すべきとされております。
 1ページ目に戻りまして、四角囲みの中でございますけれども、一番最後のパラグラフ、環境省では今後、この報告に示された水質目標値を一つの判断基準といたしまして、既存データの整理を努めることなどにより、水生生物保全の観点からの環境基準の設定など、環境管理施策の具体化を図ることとしております。
 説明については以上でございます。

【村岡部会長】 それでは、引き続きまして、ほかの報告事項につきまして、事務局から順次進めていただきたいと思います。

【瀬川補佐】 資料9でございますけれども、ダイオキシン類の底質環境基準に係る告示についてでございます。
 平成14年6月24日付、中央環境審議会会長から環境大臣に対して答申がなされました、ダイオキシン類底質環境基準でございます。前回の水環境部会で先生方に御審議いただき、答申をいただいたものでございます。これを踏まえまして、環境省では7月22日にダイオキシン類に係る底質環境基準を告示しております。これにつきましては、9月1日からの施行を予定しております。
 具体的には告示の別表の中に、その箱に入っております内容を追加しております。媒体といたしましては水底の底質、基準値につきましては150pg/TEQ/g以下、測定法につきましては、ソックスレー抽出、高分解能ガスクロ質量分析法を用いております。測定方法につきましては、土壌の測定法と同一にしております。
 また、その告示に併せまして、同日付でダイオキシン類対策特別措置法に基づく底質環境基準の施行についてということで、いただきました答申内容をもう少しかみ砕きまして、都道府県に通知をしております。また、水底の底質を含む水質の常時監視に係ります法定受託事務の処理基準につきましても、都道府県知事、政令指定都市の市長、あるいは中核市の市長あてに通知を発出しております。
 以上でございます。

【仁井課長】 水環境管理課長でございます。私の方から2点ほど報告させていただきます。座らせていただきます。
 資料10でございますが、「底質の処理・処分等に関する指針について」ということです。今御報告申し上げましたダイオキシンについての底質の環境基準が定められたということから、それを超えるようなところにつきましては、しゅんせつ等の対策をとっていただくことが必要になるわけです。、そういった場合にどのようにやっていくかということについてですが、従来から水銀、PCBといったものに関しては、底質について暫定除去指針というものを設け、通知しておりました。これをダイオキシンを加えた形で見直しをするということでございますが、基本的な考え方として、具体的にどうしろ、こうしろという話というのは、これはもうその場所、その場所の状況に応じて技術的に考えていただくしかないところでございますので、私どもの方で主として出しておりますのは、いわば工事をすることに伴う環境保全の考え方、モニタリングの考え方、どういう形でモニタリング計画をつくり、環境保全目標を設定し、そのモニタリングを実施し、工事期間において保全目標を超えることがあったら、どういう措置をとっていくかということを中心に従来からを記述しております。
 そういうことでございますので、いわばダイオキシンがあったからといって、その基本的な部分について変更するという話ではございませんが、まず、ダイオキシンの分析、従来のいろいろな物質に比べて非常に公定法でやりますと、結果が出るまでに時間がかかるということで、実際の現場において、そのモニタリングの結果を工事の実施状況なりに反映していくというのは、余りにもそこの時間というのが反映しづらいということもございます。公定法とそこそこのバリデーションのとれる、生化学反応等を使った簡易といいますか、そういう分析法もいろいろ提案されておりますので、そういうものも予備的な試験において有効性が確認されれば、使うことが当然あっていいのではないでしょうかという考え方を入れたということが1点と、それから、従来、その工事の方法として、堀り上げてよそで処分をする、あるいはその現場でいわば曝露ルートを断つという意味で封じ込めるという、そういう2方法を提示しておりましたけれども、オンサイトである種の無害化をするといったようなことも方法としてあり得るということでつけ加えていきたいと思っております。無害化というのはまだ動きとしてはありませんけれども、現にその汚染サイトにおいて、どうしようかという検討の中で底質を分級して、そのサイズに応じて汚染されていないものを分離するということでボリュームを減らしていこうといったような検討も、現実の対策の予備的な検討として行われているところでございます。こういった形で指針の変更をして、環境基準の施行に合わせて通知する予定でございます。
 それから、資料11でございますが、これはダイオキシン類対策特別措置法上の水に関する規制対象施設の追加でございます。水質基準対象施設については、法施行のとき、大気に比べてかなり情報が限られていたものですので、その時点で判明していた施設のみについて基準対象施設とし、その後、調査を進めていたところでございます。
 趣旨の前段のところにありますように、既に昨年の秋、11月21日公布と書いてありますが、カプロラクタムの製造施設、硫酸カリウムの製造施設、クロロベンゼン等の製造施設を追加しておりますが、その後の調査に伴いまして、改正の内容というところの表のところに四つほどの施設が書いてございますが、こういったところからダイオキシンを含む汚水・廃液がしかるべき濃度で出てくるということが判明したものですので、政令改正を行い、規制対象施設として追加したものでございます。
 若干申し上げますと、一番上のカーバイド法アセチレンの製造の用に供するアセチレン洗浄施設、これはカーバイドに水を加えることによってアセチレンをつくる。そういう中で発生するアセチレンガスの中にリン化水素とか、そういった不純物があるようなのですが、それを除去するために次亜塩素酸等で洗浄をしている。そういうところでダイオキシンが発生してくるといったものでございます。それから、2番目のアルミナ繊維の製造の用に供する施設、これは後ろの方にちょっとアルミナ繊維の解説が書いてございますが、耐熱性の繊維だそうですけれども、塩化物のアルミを焼結して繊維化しているということのようでございまして、そういう中でダイオキシンが生成されると。それから、3番目のものは顔料でございますが、ジオキサジンバイオレット。ここでのプロセスは顔料としてのジオキサジンバイオレットではなくて、その原料をつくる、業界の言葉ではクルード、粗製ジオキサジンバイオレットと言っているようですけれども、それをつくるプロセスにおいてダイオキシンの生成が見られるというものでございます。それから、最後の亜鉛回収のプロセス、これは製鋼用の電気炉でのダスト、この原料自身がダイオキシンを含んでいるということでございますので、そういったものから亜鉛を回収していくプロセスで排ガス洗浄をするところで、水系にダイオキシンが移行するといったところでございます。
 後ろのページにございますように、7月の末に公布して、既に施行となっております。
 以上でございます。

【田熊補佐】 資料12でございますが、平成14年度水浴場の水質調査結果でございます。これにつきましては、水浴場の開設前の水質調査というのを都道府県で実施しておりまして、これを全国取りまとめたものを毎年7月の初旬、ことしは7月5日でございますが、海開き前といいますか、夏休み前に公表しているものでございます。
 ことしの結果でございますが、かいつまんで申し上げたいと思いますが、調査対象となりました832の水浴場ということですが、これは海水浴場につきましては年間の利用者数が1万人以上の規模、それから湖沼、河川につきましては5,000人以上という一定規模以上のものにつきまして都道府県から報告を求めたものでございます。この水浴場についての水質、すべてが適当な水質を維持しているということでございます。ここではこの水浴場の基準につきまして、この資料の5ページに表としまして水浴場の水質判定基準というものがございます。この基準に基づきまして水質の区分におきましては水質AAからA、B、Cというふうにございますが、項目としてふん便性大腸菌群数、油膜の有無、COD、透明度ということで評価しているわけですが、これらをこういった区分で分けまして評価をしているということでございます。
 あわせてごらんいただきながら、1ページを御説明させていただきます。
 1ページの方に戻っていただきまして1の[2]ですが、水浴場として良好な水質、この1ページの表におきましては「適」の部分でございますが、水質AA及びAにランクされた水浴場につきましては、710箇所と全体の85%を占めて高い割合になっております。これは昨年は84%ということですから、高い割合で推移しているということでございます。その中でも水質AAということでかなり良好な水質につきましては、442箇所、53%ということで過半数を超えており、良好さが保たれているということでございます。
 それから2ですが、改善対策を要する水浴場でございますが、1箇所ございました。後で御説明します。
 病原性大腸菌O-157の調査、最近また話題にもなっておりますが、すべての水浴場で不検出ということでございます。
 2ページに移りまして、過去5年間の推移等を表にしております。この中で1については御説明させていただいたところですが、2は、これは昨年度との比較でランクがどのように移っていったかということでございまして、表中一番左上のところは13年度が水質AAから14年度もAAということで、315というのはそういった意味でございます。同様に、右隣の94というのは、13年度はAでしたけれどもAAにランクアップしたもの、下の103の方は逆に13年度はAAでしたけれどもAにランクがダウンしたものということでありますが、すべて見ましても、ランクアップは148、ランクダウンが143というふうにありますが、入れ替わりはありますけれども、大体全体のパーセンテージとしては同じように推移しているということでございます。
 3ページでございますが、本調査、昭和48年、環境庁ができた頃始まっておりますが、この推移を見ましても、近年、同傾向で水質良好で進んでいるということでございます。
 4ページに移りますけれども、これら水質が良好な中で、さらに特に極めて水質が良好な水浴場ということで、過去5年間をまとめております。これは水質AAの水浴場のうちで特にふん便性大腸菌群数、それからCODが小さい水浴場ということで、ふん便性大腸菌群数については不検出、それからCODにつきましては0.5mg/?未満の水浴場ということでしましたけれども、平成14年度につきましては、20の水浴場ということでございました。それから、下の「不適」ではないが改善を要する水浴場につきましては、平成14年度は一つありまして、この水浴場におきましては、海開きを中止したというふうに聞いております。
 以上でございます。

【勝野補佐】 閉鎖性海域対策室から3点ほど御説明をさせていただきます。資料の方は13をお願いいたします。
 第1点目は第5次水質総量規制についてでございます。御存じのように、昭和54年度から東京湾、伊勢湾、瀬戸内海におきまして、CODを対象といたします総量規制を実施してきているところでございます。その後、5年ごとに見直しを行いまして、今回は平成16年度を目標年次といたします5回目の見直しとなっているところでございます。今回の見直しは平成12年2月の中央環境審議会答申を踏まえ、CODに加えて窒素、りんにつきましても総量規制の対象としたところでございます。その後、13年12月に公害対策会議の議を経まして、総量削減基本方針を定めました。これを受けて、関係の25都府県におきまして具体的な展開の方策として総量削減計画を策定していたところでございますが、本年の6月27日に公害対策会議幹事会の議を経て、大臣として同意をしたところでございます。その後、各都府県におきまして総量削減計画及び総量規制基準をこの7月中に制定、公告し、現在に至っております。
 総量削減計画の内容でございますが、各都府県ごとのCOD、窒素、りんごとの発生源の種類別削減目標量を定めているところでございますが、20都府県全体で言いますと、次のページに書いてございますけれども、基準年次である平成11年度を100といたしますと、CODで93、窒素で96、りんで93となっております。海域別もしくは都府県別の数値につきましては、資料の方を後で御参照いただきたいと思います。
 この総量削減計画の内容でございますけれども、下水道、合併浄化槽等の生活排水処理対策の推進、産業排水処理につきましては、新たな総量規制基準の設定もしくは強化、その他農地からの負荷の低減、畜産排水対策、合流式下水道の改善対策等が定められているところでございます。
 次に、資料の14、瀬戸内海環境保全府県計画についてでございます。
 平成12年12月に当時の瀬戸内海環境保全審議会の答申を踏まえまして、瀬戸内海環境保全基本計画を22年ぶりに全面的に見直したところでございます。これに基づきまして、関係の13府県で府県計画の見直し作業が行われていたところでございますが、環境大臣に変更の協議がございまして、この7月17日付で大臣が同意を行ったところでございます。現在、ほとんどの府県で府県計画の告示手続は終了しております。
 計画の概要、主な点でございますけれども、従来の計画の内容に加えまして、藻場・干潟あるいは自然海岸の保全及び回復というものを追加した点、あるいは目標達成の施策としての強化、充実した点でございますけれども、海砂利採取に当たっての環境配慮、それから公有水面埋立てに当たっての環境配慮、海域の富栄養化対策の強化というものを定めております。その他、失われた良好な環境を回復させるための施策の展開、それからすべての施策に当たることだと思いますが、施策の実施に当たっての住民参加、あるいは幅広い連携・参画の推進というものを定めております。
 次に、第3点目、これは議事次第の方にもタイトルは書いてございませんが、有明海の特別措置法の最近の動きにつきまして、若干御報告をさせていただきます。
 有明海の関係自治体から要望を受けまして、自民党関係議員団によりまして、これは法律案でいいますと、有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律案、これが議員立法として作成され、今年の5月28日に与党3党から、先の通常国会にに提出されていたところでございます。この法案は、簡単に言いますと、有明海あるいは八代海をもとの豊かな海として再生するために、国がまず基本方針を定め、これに基づいて各県が県計画を策定して、その実現に向けて国とか自治体が必要な施策、海域の改善事業等の施策を推進していくという内容になっております。
 一方、民主党の方でございますが、与党案に対しまして諫早湾干拓事業を一時停止するという点、それから調査委員会、有明海・八代海再生調査委員会というものを環境省に設置をして、干拓事業と有明海の環境に関する調査を実施していくと、こういうことを柱とします独自の案を、7月16日にさきの国会に提出しておったところでございます。
 しかしながら、御存じのように、先の国会では与野党間の調整が整わず、両法案とも継続審議扱いになっているところでございます。環境省といたしましては、有明海の再生を図るということで、必要な予算を確保いたしまして、モニタリングあるいはそのほかの調査を充実させることを考えております。また、臨時国会におきまして審議される法案の動向も見極めまして、必要な対応をしてまいりたいと考えております。
 以上の3点でございます。

【村岡部会長】 以上、幾つかの御報告をいただきました。それでは、まとめまして委員の先生方から、どの点からでもよろしゅうございますので、お気づきの点についての御質問、御意見等ございましたら、お聞かせいただきたいと思います。

【高橋委員】 質問ですけれども、水生生物保全に係る水質目標についての項目です。本当に待たれていた内容だと思います。この中でちょっと単に私がよくわからないということで質問なんですけれども、淡水域を二つのエリアに分けてありますが、ここの表を見ますと、サケマス域とコイ・フナ域でしたでしょうか、サケマス域の主にサケ科の魚類ですね、それと比較してコイ・フナ域のコイ科の魚類、それからドジョウ科・フナ科の魚類は、ここに挙げられた物質ごとにまた違うようですけれども、おおむね感受性の点から言って、コイ・フナ域の魚類の方が感受性が低いという傾向に一般的に言えると、こういうデータだったのでしょうか。

【須藤委員】 これはすべてが当方で出したデータというわけではなくて、先ほどお話がありましたように、世界でいろいろ集められている文献から出してきたもの、これを本検討会で整理したと。そうしますと、今先生がおっしゃいましたように、一般的に言えばイワナ・サケマス域の方が目標値が低い、要するに、感受性が強いから低くなると。それから、コイ・フナ域の方が目標値は高くなるという、要するに、感受性がやや弱い、こういう傾向であります。

【高橋委員】 その感受性に基づいた地域分けですか。

【須藤委員】 そうです。

【高橋委員】 先ほど水温とおっしゃいましたけれども、水温との関係の意味がよくわからなかったのですが、従来、水温の低いところがサケマス域で、下流の水温の高いところがコイ・フナ域というふうな分け方というのは、結構従来習慣的にされていますが、それとその物質に対する感受性もパラレルに関係ないということによって、二つの区域に分けたというふう考えていいのでしょうか。

【須藤委員】 そうでございます。感受性が強いからということで、水温というよりも、その成分に対して感受性が強いと。ただし、すべて一律にしてしまいますと、そうしますと、何が問題が起こるかというと、コイ・フナ域というある程度温度が高いところに住んでいるような生物に対しても厳しい基準になるわけでございます。これは環境省で水域類型の指定をすると思いますけれども、そういう生物が住んでいて、ここはその魚類というところに全国一律どうかをやるということではなくて、例えば、多摩川の下流であればこのコイ・フナ域にするとか、上流域であればイワナ・サケマスにするとかですね。このようなやり方でどのくらいの流域でさらにまた水域指定をするかということが多分課題になるのだろうと思います。

【瀬川補佐】 須藤先生がおっしゃられたとおり、基本的にまず生息域でグルーピングをしたわけですけれども、その感受性につきましても、同じエンドポイント、同じ影響内容を比較してみますと、やはり全体的には差がございます。物質によってその差というのは違っていて、あるものはその3倍程度に固まっているものもあれば、もっと大きく開くものもございます。ただ、目標値の設定に当たりましては、主要魚介類だけではございませんで、餌生物を取り込んでおります。その属レベルでいきますと、我が国で見つけられる、図鑑に載っているような属であれば、9割以上の属をカバーする内容になっているわけなのですけれども、例えば、ヒラタカゲロウをコイ・フナしか食べないかというとそうではなくて、サケマスも食べるものですから、そうしますと、ヒラタカゲロウの毒性データが一番小さいというふうになりますと、コイ・フナ域も、それからサケマス域も同じ数字になってしまうということが結果としてはあります。けれども、基本的には高橋先生おっしゃられたように、コイ・フナとサケマスとでは感受性がかなりあるということが言えると思います。

【高橋委員】 餌生物を調べられたのは、餌生物が存在しないと困るという観点からであって、生物連鎖とか食物連鎖の視点を調査されたわけではないということですか。

【須藤委員】 そうでございます。その餌が、要するに、消失してしまったら、その生物は住んでいけないから、一次生産者、一次消費者、その次が魚であると、そういう段階でしておりますので、蓄積がどんどんしていくという観点は入れておりません。

【高橋委員】 コイなどのように寿命が長い魚などがあるので、今後の方向として、もしかしたらこの生物濃縮を考慮していく必要があるのではないかというふうによく心配しているのですけれども、その点について、これだけの枠組み、これから発展性のあるものとしてつくりかえたことに何か特に言っているわけではないのですけれども、それは一つ重要なポイントだと思うのですけれども。

【須藤委員】 生物濃縮は生態系影響を考えていく上で大変重要であると思いますが、とりあえずはその生物が生存していく、持続して生存できるというところに時間を費やしてやりまして、しかも、先ほど申し上げました生活環境項目として取り上げてみてやっていこうということでございますので、主としては急性毒性から、ある係数を掛けて算定をしています。しかしながら、忌避反応のような問題については当然入れてはおりますけれども、今後長期間生態系としてそれを評価していくためには、生物濃縮あるいは蓄積とか、そういう問題を考慮しなくてはいけないと思いますので、次の段階としてはそういう問題も入れていかなくてはいけないと思いますけれども、とりあえず81物質を同一指標でまずやらせていただいて、その次の段階としてそういう問題も取り入れていきたいと、こういうふうに思っております。

【高橋委員】 もう一つだけですけれども、これは水質目標ということで、底質についてお話しいただいたわけですけれども、多分この検討会の中でももしかしたらそういう議論があったのではないかと思うのですが、今、この水質を取り扱う水質のことが非常に重要視されてきております。特にこのコイ・フナ域の生物は、コイ科の魚というのはそこに落ちているものを食べるという、そういう摂食形態をとっています。それから、ほかに出てくるドジョウ、川の魚、それからハゼ科とかサケ科のほかの魚、ナマズ科の魚、みんなそうした摂食性の魚です。それから、貝類もこれは水生生物ですし、エビなども水生生物ですよね。ですから、水だけやっていたのではあまり意味がない。意味がないと言ったらちょっと語弊がありますけれども、影響が大きいのですね。水の中に全然検出されないけれども、底質に非常にたくさんあるという物質が多いわけですから、今後、底質について、水生生物に関してどの底質についてどうするかということを検討していただきたいと思います。

【須藤委員】 それも大変重要な御指摘と受けとめさせていただきますが、餌生物の中に、例えば、付着藻類だとか、それから貝類、先ほどの水生昆虫なども一応見ていますが、それはあくまでも水に含まれている濃度という点から見ているので、先生の御提言のとおり、泥の中に吸着したり蓄積しているというものについては、これを判断の中に入れておりません。そういう意味では、存在形態等の関係もあるとは思いますけれども、先ほどの生態系全体として見たら、水と底質はあわせて評価する必要があると思いますので、これも次の段階として考慮させていただきたいというふうに思います。

【高橋委員】 ぜひお願いしたいと思います。

【須藤委員】 事務局、いいですか。もし私の答えが違っていたらいけないと思いますので……。

【瀬川補佐】 底質につきましては、先般、底質の環境基準、ダイオキシンについて検討した経緯がございまして、その際に底質ダイオキシンが魚に与える影響、あるいは貝に与える影響といったもので、随分文献を探しておりました。結果、余り文献がなく、知見がなかなかないところなのだろうなと思ったことがございます。この水生生物に関しましても、定量的な検討がなされた科学的な論文がございましたら、ぜひ参考にさせていただき、将来の課題につなげてまいりたいと思います。

【村岡部会長】 池田委員、何かございますか。

【池田(駿)委員】 今の質問と関連した質問ですが、水域区分について少し質問したいと思います。
 日本の河川は基本的に東北日本のイワナ・サケマスを主体とする礫床河川、それから西南日本のアユ型河川に分けられると思います。そういう意味で、イワナ・サケマス類は肉食ですし、西南日本の礫床に住むアユは、御存じのように、珪藻類を食べていまして、食性が全く違っているわけです。一方でコイとかフナというのは、これは比較的水温が高くて、静穏な水域に住んでいるというふうに思われるわけですが、そういう意味で、日本の西南日本の河川としてアユ型河川がありまして、それについてここで名前が上がっていないのですが、そのあたりはどちらかに含まれるというようにお考えだったのでしょうか。そのあたりをちょっと教えていただきたいと思います。

【瀬川補佐】 アユにつきましては、御指摘のとおり、生息水温も比較的高温側、低温側、広い範囲に生息しているものなのでございますが、特に回遊型の魚というふうに考えております。幼少期というか、卵の時期には海域あるいは海域に近いところにおり、それがそのまま遡上してくるということでして、このコイ・フナあるいはサケマスのどちらに入れるのがより適切なのだろうかというのは、検討会の先生方でも予備的な検討、平成12年12月以前の検討の際に少し議論があったやに聞いております。結果、アユにつきましては、イワナ・サケマス域対象魚介類の方に一応クラシファイはいたしまして、毒性評価の結果があれば見るということなのでございますけれども、アユを使った実験というのは、今回26物質を見る限りはなかったので、結果としては見ていないことになると思います。

【須藤委員】 今、事務局が説明しましたとおり、かなり広範囲に生息しますよね。そういう意味で、両方に入るのだけれども、一応、考え方としては上流域のイワナ・サケマス水域ということで判断はしてきたつもりですが、先ほど申し上げましたように、これは毒性値がどれだけあるかという、要するに、バイオアッセイによる値がどのぐらいあるかということで水質を出しますものですから、対象生物に取り上げられていないと、それがやりにくい。ただし、珪藻類なんかは若干ありましたので、それで餌生物からそれを判断していくと、こういうことでございます。

【池田(駿)委員】 そういうお考えだというのはわかったのですが、水域区分という観点から見ると、あるいはその生物の水域区分という観点から見ると、この二つに分けるのはやや無理があるのではないかと思いましたので、質問をさせていただきました。

【須藤委員】 ありがとうございます。もしかしたら真ん中ぐらいの部分が必要なのかもしれないというのは、私は個人的にはそう思っておるのですが……。

【池田(駿)委員】 多分、例えば、多摩川で見ましても、扇状地の中流河川は礫床でありまして、そこにはやはりアユが中心として住んでおりますね。そういう中流域のところはちょっとこれでは分類が難しいかなという気がしました。

【須藤委員】 ですから、やはりこの考え方というのは、比較的極端な部分のところを出しているのと、それから毒性値がかなりあったということで大きく二分したということで、多分これは先生の御指摘のように、本当にこれが環境基準値になったときには、類型指定をするときに、例えば、多摩川のどこから上を今のイワナ・サケマス水域にしてかけるのか、あるいは下流のどこからをそうするのかというところでは、生息している今の状況を考えながらやっていかないといけない問題で、かなり柔軟性を持った対応をしなければいけないかなととりあえず考えていますが、先生の御指摘の中流域的な考え方というのは、これからもう少し勉強させていただきたいと思います。

【村岡部会長】 眞柄委員、どうぞ。

【眞柄委員】 今のことに関係するのですが、今の生活環境項目で水産1種、2種と書いてございますね。それから、今の水生生物の保全の対象になっている魚類は、今の生活環境項目の水産1種、2種、3種に入っている項目なのですね。それで、そういう意味で、先ほど須藤先生なり、あるいは環境省の方で言われたように、生活環境項目をこういう観点で立てるといったときに、従来の生活環境項目の仕組みを少し考え直していただかないと混乱が起きるのではないだろうかと。それから、海域に関してはいわゆる異臭魚の問題でノルマルヘキサン抽出物質が入っていますね。ノルマルヘキサン抽出物質も異臭魚だけではなくて、かつて四日市、あの辺のときにはかなり魚類も死んでおりますし、そうしますと、今の生活環境項目の水産1種、2種、3種と、今度の水生生物の保全のところの新しい生活環境項目をつくるときに、従来の生活環境項目の水産と、それから水生生物の保全というところと、もう少しクリアにカットしていただかないと、実際に都道府県で行政をされる方が少し困られるのではないかなというふうに思いました。

【須藤委員】 先生の御指摘、私も全くそのとおりに受けとめさせていただきますが、これから発言する部分は座長としてもしかしたら不適切かもしれませんが、行政的な部分はまた事務局にフォローしてもらいますけれども、私自身も生活環境項目でこの水生生物を、本来、水産1種、2種があるからここに入れていくということについては、抵抗感が実はございました。しかしながら、今の環境基準の考え方からしますと、新たに生態系を守ろうとか、水生生物を守ろうという基準をつくれる仕組みになっていないのですね。結局、人の健康か生活環境かということでやると、生活環境の中には水産の1種、2種、3種というのがあると。それだったら、そこから入っていこうと、こういうことでございまして、最終的にはその水産1種、2種、3種の問題と、それから今の水生生物の何とか水域というのと、整合性は本当はとらせなければいけないかもしれませんが、例えば、表をつくるとしたら、別表にちょうど窒素とりんと、それからCODのところですね、ああいうふうな考え方をせざるを得ないのではないかなというふうに考えます。しかし、これは行政の問題なので、あとは事務局に。

【村岡部会長】 何か行政面で追加はありますか。

【瀬川委員】 行政面というか、現行の生活環境項目の水産1種、2種、3種の考え方を少し紹介させていただこうと思います。
 現行、利水目的につきまして水産1級、2級等とありまして、実はそのお決めいただいたのが昭和45年、まだこの部会が旧経済企画庁にあったときでございますけれども、当時、その水産1級、2級、3級の中でどのお魚が入っているというのを余り明示はしていないのです。水産1級はサケ科・アユ、水産2級はワカサギ、3級はコイ・フナといった漠然とした分け方はございます。これの分け方でいきますと、今現在、淡水域で二つ分けておりますのは、水産1級、2級がイワナ・サケマス域、3級がコイ・フナ域に当たるのだろうという整理は多分できるのだと思います。ただ、実際に告示を出します場合に、既存の表の中に入れていきますと、既存のCOD及びBODでの類型指定と、こちらの類型指定と出てきます。では、一緒にしなければいけないのですかというふうに言われると、それはそうでもないのだろうと。そうしますと、今、須藤先生が行政的にとおっしゃられましたけれども、その告示は多分別表にする方がわかりやすいのだろうなと、そういう感じはしております。いずれにしろ、環境基準にするという判断をした後の話になりますけれども、現在の生活環境項目の水産1級、2級、3級という観点では、そういう分け方になっております。

【村岡部会長】 ほかに関連した御意見ございますか。

【清水委員】 この問題ばかりあまり時間をとるのは申しわけないのだけれども、やはりちょっと一言言わせてください。眞柄先生がおっしゃったように、やはりどこかでもって今までの生活環境項目からはみ出して実はやっていただきたかったということがあります。それで、もう一つは、そうやって生活環境項目から出発をして、こういう水質目標値を出したのだけれども、結果として、では、どのぐらいの水生生物が守れるのかという、その辺のところをはっきりして説明をしていただきたい。
 それから、もう一つさらに言えば、今度は全然別のことを言いますけれども、環境ホルモンなんかでもってノニルフェノールとかオクチルフェノールがメダカの精巣だとか、いろいろそういう問題がありますね。そういう問題を環境基準として取り込むときは、こっちでもってやるのでしょうかという話になりまして、そうすると、全体として環境省は水の生き物を守る水質環境基準みたいなものの全体像みたいなものというか見取り図を出しておいて、今、ここまで行って、最終的にはこういうことを考えているのですということを示した上で、この今回の報告も言っていただいた方が多分いいだろうというふうに思います。この水生生物保全に係る水質目標についてというのが出ますと、これだけでもって、ああ、もう水生生物は全部安全なのだなという話にすぐとられかねないので、どうぞそこのところは十分に注意をして、よろしくお願いをしたいと思います。

【村岡部会長】 松尾委員、ありますか。

【松尾委員】 私もこの検討会のメンバーで、水生生物の問題が入って、非常に重要な新しい論点が取り上げられたと思っています。しかし、今の清水先生のお話に若干関連して、ここでの保全対象生物というのが少し限定的に扱われているような気を個人的には持っています。それはなぜかというと、要するに、人にとって有用なことについて、その水質環境を復元・保全するという議論をするという、つまり、やはりあくまでも人が中心になっているのですよね。もうちょっと一般的な水生生物というのに広げるべきではないかというふうな印象を持っていまして、検討会の最後の段階でちょっと申し上げたのですが、この報告書の方も本体の方を見ますと、最初のところの書きぶりも、いわゆる環境基本計画ではもう少し幅広く見ようとか、それから、もう一つの検討会の結論でも、水生生物や生態系の異常によって、人の健康の保護の観点のみならずとか、そういう言い方をしているわけですよね。それから、アメリカを見ても、そういう幅広い水生生物というのを対象にして決めてきている。それに対して今回は人間にとって有用かどうかというのが最大のイシューで、そこですべてを見ようということになっていて、そこが今の時点でこれが限界なのかなというように思えます。でも、第一歩だという意味では、確かにそう思うし、新しい意味で書いてきていると思うのですけれども、次のステップではもうちょっと幅を広げないと、今おっしゃったような後半の部分のところはカバーできなくなります。報告書の前の方のところが多分結論だとすれば、人だけに有用だと、それが生活環境項目だというふうになると、ちょっと何か寂しいと思います。この点は改めてぜひ議論していただきたいと。

【須藤委員】 先ほどの清水先生の後半の議論、今の松尾先生の議論、これは実は検討会の中でも、予備的な検討会の最初の段階から随分議論がございました。当然、生態系を保全しよう、自然と共生する社会を構築していこうというようなことが言われている中で、人間にとってだけ有用な生物を保護するというのは、何となく皆さんが抵抗があって、そういう議論というのはたくさん本当はあったのですが、結局、最終的には目標値をつけて、それがもし重要であれば環境基準にしていくときに、制度ができていないと、その制度に乗らないということがやはり我々も理解をいたしまして、まずは制度に乗せると、今の行政の制度に乗せていくということで。例えば、ホタルとメダカというのはよく議論がされるところなのですが、実はこれはホタルとメダカというのはこの議論になかなか乗りにくいのです。有用と言えば有用かもしれないのだけれども、食べるという、水産ということになると、ホタルとメダカというのは、そういうものに該当しないのです。そういうこともあって、そうしますと、環境基本法自体の条文のところにまで波及をしてしまうということもありまして、それで、とりあえずということで随分同じような議論があって、最後までそこは何とかしろという委員の方もいらっしゃいましたのですが、やはり制度に乗せるということをまず考えたということで、お許しをいただくというのもおかしいのですが、とにかくこういう形でまとめさせていただいたということでございまして、さらにこの辺の議論は、これは環境省全体として議論していただかなくてはいけない問題だろうと、こういうふうに思います。

【村岡部会長】 ありがとうございました。この話題だけでいろいろ議論するわけにもいきませんので、聞いておりましたら、この第一歩としての重要なスタートをしたという御認識は皆さんお持ちで、さらにこれを、いただいた非常に貴重な御意見がたくさんあったように思いますが、これを踏まえてまた次の方に展開していただくというふうにしたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、それ以外のほかの報告も7、8件ありますので、それに関しまして何かお気づきの御意見ございましたら。どうぞ御遠慮なく、お気づきの点がありましたら。

【松尾委員】 総量規制の問題ですが、これまで全部で何年ぐらいかかったのですか。

【須藤委員】 第5次ですから……。

【松尾委員】 その割には、その海域とか湖沼の環境基準の合格率というのはなかなかあまり改善されないというのが問題かと思います。いわゆる目標と、この総量規制の決め方というか、何かその辺はもうちょっと工夫が本来されないと、いつまでたっても総量規制は総量規制で一生懸命やるけれども、実質的な成果に反映しないような部分がちょっと気になるような感じがしているのですが、これは何とかもうちょっと直接的に機能しないものかという気もしているのですが。

【村岡部会長】 今回だけでなくて、最近、どうして効果が上がらないのだろうと、だけど、やらないといけないのはなぜかというふうな、そういう議論が出ておりますけれども、確かに環境省としての長期的な見通しといいますか、あるいは現時点で考えないといけない課題もあるのではないかというふうな点で、どういうふうに御認識になっておられますか。

【勝野補佐】 先ほどもちょっとお話ししましたが、5回の見直しをやってきておるわけでございますが、御存じのように、窒素、りんの総量規制まで加えた総量規制というのは、今回が初めてでございまして、実際にこのNPを加えた汚濁負荷量の削減そのものが実施されますのが、例えば、既設の事業所も含めて言いますと、目標年次の平成16年4月1日からとなります。これまでも同じような議論がかなりございまして、CODだけではなしに、NもPも含まれた形の総量規制を実施して初めて効果が出るのだという議論から、今回初めてNPを加えております。従いまして、この効果を見ずに、その次どうするかというのは、またそれもちょっと走り過ぎではないかというふうに考えております。

【村岡部会長】 関連した御意見ございますか。

【須藤委員】 よろしいですか。私が何か事務局側のお答えをいつもしているような、ちょっと気にはならないわけではありませんが、今、専門委員会の中では解散をしてしまっているのですが、総量規制については総量規制の考え方の専門委員会、あるいは基準値の委員会とか、その専門委員会の委員長をお預かりいたしました。そういう中でいろいろ議論をやってきたわけですが、CODは第4次をやったときに、今から5、6年前になりますが、結局、もうCODでは限界であるということで、窒素、りんを入れるということで。その第4次のときもそういう議論があったのですが、いろいろすぐにというのは無理だというので、いろいろ勉強しながら第5次を待ったということでございますが、そのときのシミュレーションでいろいろやってみますと、環境基準を100%達成するには、大ざっぱな話ですが、窒素、りんを現在の陸域負荷の50%、あるいはCODも50%削減できれば、すべての海域は完璧であろうと、大体そんな計算になるのです。50%というのは2分の1ですから無理であるということは当然なのですが、ただ、窒素、りんを入れていくことによって、CODは限界にきているから、窒素、りんを入れたということで、今、事務局の方から御説明があったとおりでありますが、先ほどの表にありましたように、数%から10%ぐらいですか。ですから、100%うまくいったとしても、そのフレームどおりいったとしても、数%から10%というぐらいのところでございますので、環境基準が達成できるようになるにはもう何次かやらないと、本当は無理かなというのが……。そのいろいろ議論をしたときの成果からして、これで環境基準が第5次で達成できるというふうにはちょっと思われないので、松尾先生のお答えにならないかもしれませんけれども、こういう仕事をしながら忸怩たるものを持っているというのも事実でございます。

【清水委員】 私が応援演説をする必要もないのですけれども、たまたまこのパンフレットの20ページ、21ページあたりを見ていただくと、負荷が減ってきている様子が実際にあります。この負荷が減っているのが、本当に何も反映していないのかという話ですね。環境基準の達成率はほとんど変わらないのですけれども、ただ、実際の水質の絶対値ですね、濃度を見るとだんだんよくなっているのです。東京湾なんかでも、昔に比べればある濃度のコンターがずっと奥の方まで行っているというようなことはあります。ですから、本来は環境省もそういうようなものをもう少しPRをして。このまま環境基準の達成率だけ言っていると、全然削減計画が役に立たんではないかという話になってしまうので、もう少しきちんと成果を目に見せた方がいいだろうというふうに思います。それにしても、環境基準はなかなか達成できないのですけれども、これは環境基準自体にも少し問題があるかもしれないと。少し言い過ぎですけれども、そんなようなことをちょっと……。

【村岡部会長】 ほかに何か関連した御意見ございますか。

【恩田委員】 一般的な表現で勘弁させていただきますけれども、この感想というか、我々の企業の場合と、ここの議論と、違和感を感じるところがあるのです。なぜかというと、大変難しい多くの問題をお解きになっていますので、こういう問題を一つ一つ解いていくと、足元から解いていくということは、それはそれなりの方法があると思うのですが、我々がいろいろな計画を出す場合には、「計画というのは現状とビジョンを結ぶストーリー」でなければいけないということです。先生方は中身がよくわかっておられるから、次はこういう問題があるのだろう、次はこういう問題も解かなければいかんだろうということが分かっているわけですが、第三者にはほとんどわからないのではないかなと思います。まずこういうことが問題ですよということが提案されて、それが第1次、第2次、第5次と、いろいろ討議を進められて、だんだん進んでいるということだと思います。それは非常に結構なことだと思うのです。しかし、一体どこまで続く長い道なのかなということです。我々は「ビジョンのない計画は無価値である」ということを会社内で言っているわけです。ですから、ビジョンがないような、今よりよくなるという計画を出されても、我々トップは却下してしまうのです。そういう基本的な考え方、こういう問題を解いていく、いろいろなテーマを解いていくときの問題の解き方として、やはり「計画というのは現状とビジョンを結ぶストーリー」でなければならないと思います。では、一体最終的にどういう姿になるのか。今よりよくなるのでも、最終的に企業競争で負ければ、会社は倒産でありますから、それは一切社長の責任になってしまうわけです。そういう厳しい世界に住んでいると、今、先生方からいろいろ御指摘がありましたけれども、もう少し第三者から分かりやすく、もうこれをやり終われば終わりであるというのか、まだまだこんなにたくさん課題があるというのか、示してほしい。最後にはこういうことまでやりたいというようなビジョンが出てくると、だんだんこういうことをしている中身が皆さん理解していかれるのではないかなという感想を持っております。ぜひその様な形で進めていただければ大変ありがたいと思います。

【村岡部会長】 ありがとうございました。そのほかの報告も含めまして、何か御意見ございますか。まだ少々予定の時間まで時間がございますが。この際、どの報告がどうだということではなくて、何せこの部会も年に2回ぐらいしか開きませんので、この際、何か水環境にかかわる御意見等ございましたら。

【松尾委員】 環境基準の評価の問題なのですけれども、私、やはり都道府県別の成績というのか、何県は去年よりよかったとか、何かもうちょっと情報を満遍なくというか、地域の特性みたいなもの、あるいは努力した結果もわかるような仕掛けがあって、環境白書の中に一括して河川は何%の確率であって、何々県の河川はどうだという、都道府県別ぐらいのを出してしまったらいかがかなと思うのですけれども。たとえば、下水道普及率なんかも県単位で示されていますし、そういうのと関連づけて、何をやった結果、よくなったのか、何をやらないとだめなのかという辺がわかりやすいといいのではないかと思うのですけれども。

【村岡部会長】 何か今の松尾委員の御意見に対しまして、私はこう思うというふうな御意見ございますか。何か事務局の方で、都道府県別とか地域別とか、露骨に出すのはちょっと難しい面もあろうかなと思うのですけれども、そういうことをすることによって、何か行政をもう少し改善させていくというふうな対策が進むとか、そんな関連で何か御議論になったようなことがございますか。ちょっと難しい問題かな。
 それでは、ただいまのは一つの御意見として記録にとどめさせていただきます。
 ほかに何か。

【片山委員】 先ほどお話がありました水生生物の保全に係る水質目標ですね。これは非常に結構なことなのですが、最近、生物多様性国家戦略というものが国を挙げて出されたと思うのですけれども、そういう戦略の中で、例えば、この報告書を見ますと、その辺の点が多少……、多少というのか、文言は出てこないのですが、そういう戦略のもとでこの水質目標というものを定めているのだよとか、あるいは先ほど第一歩だという話がありましたけれども、その辺の関連についてちょっとお聞かせいただければと思います。

【村岡部会長】 それでは、事務局どうぞ。

【瀬川補佐】 いろいろな御意見があったので、ちょっと感じたままに申し上げます。
 第1回の部会のときに、鈴木継美先生が、これからはエコシステム・アプローチだと言っていただいて、非常に心強く思ったことを今思い出しております。エコシステム・アプローチは生物多様性条約の提案国会議の際に、まず最初に、人は生態系を知っていると知ったかぶりをするのはいけないというのが一番最初にありまして、私もそのエコシステムというものの全般を今回の水質目標のターゲットには残念ながらできなかったなという点があります。他方、その一歩というふうに評価していただけて大変ありがたいと思っておりますけれども、清水先生おっしゃられるように、一体その広い荒野の中でどの一歩なのだとだということをきちんと自分自身でも、あるいは皆様にもわかるように提示をしないといけないなと思っています。広い荒野の中のその一歩を踏み出して、いつかどこの国境線にたどりつくのかよくわかりませんけれども、まず第一歩がどういう一歩なのだということをもう一度見つめ直したいなという感じがいたします。
 それは、例えば、内分泌かく乱作用につきましても、重篤な、つまり、リプロダクションに影響を与えるようなものであれば、その文献は拾うということだったのですが、結果としてはなかった。しかし、内分泌かく乱作用というのは、例えば、魚だけに発現するようなものもあり、しかし、人にだけ発現するようなものもあり、そういったいろいろなことがあると思いますので、もう一度その報告が出た時点で見つめ直したいなという感じはあります。
 片山先生おっしゃられた戦略ということに関しても、地図の作成というイメージではないかと思います。国際的に比較いたしますと、G7(イタリアを除く)の中で設定をしていないのは我が国だけという状況にあり、他方、私、実際に現地の調査にも入りましたけれども、やはり化学物質濃度が高いところというのは生物が少ないということがありますので、そういった足元の情報と、それからこの荒野の地図を作成し、そこをどういうふうに一歩を進んで、その次にどこを行くのかというストーリーを考えていきたいなと思います。ちょっと概念的なイメージで申しわけありません。

【村岡部会長】 ありがとうございました。いろいろと貴重な御意見をいただきました。
 それでは、このあたりでこの報告に関する御意見を伺うということは終わりにしたいと思います。つきましては、審議を要する議事はこれで終了ということになります。
 議題の4でその他といたしまして、今後の日程等につきまして事務局の方から何かございましたら御発言ください。

【盛山課長】 次回の日程でございますが、本日設置を決定していただきました環境基準健康項目専門委員会の方で御審議をお願いすることになりましたので、こちらの審議の経過その他を見ながら、また日程を調整しまして、追って御連絡ということにさせていただきたいと思います。

【村岡部会長】 それでは、本日は非常に活発な御意見、斬新な御意見をいただきまして、どうもありがとうございました。
 これにて会議を終了いたします。ありがとうございました。

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