中央環境審議会水環境部会(第4回)議事録

日時

平成14年6月24日開催

場所

環境省環境管理局水環境部企画課

議事

【福井企画課長】 ただいまから第4回中央環境審議会水環境部会を開催させていただきます。
 委員29名のうち、15名の委員が現時点で御出席されておりますので、定足数に達しております。
 なお、本日の会議は「中央環境審議会の運営方針について」に基づきまして、公開としておりますことを御報告申し上げます。
 まずは、石原水環境部長よりごあいさつを申し上げます。

【石原水環境部長】 第4回水環境部会の開会に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 本日の部会ではダイオキシン類対策特別措置法に基づく水質の汚濁のうち、底質に係る環境基準の設定につきまして、専門委員会の御報告をいただくことにしております。部会としての答申案をいただければ幸いに思います。
 また、前回、第3回の水環境部会以降、土壌汚染対策法が5月29日に公布されております。それと5月31日には農薬の生態影響に係る第2次の中間取りまとめを行っております。2件につきまして、あわせて御報告をさせていただきたいと思います。それではよろしくお願いいたします。

【福井企画課長】 御手元の配付資料の御確認をお願い申し上げます。
 配付してある資料でございますが、申しわけありません、資料1についてちょっと誤植がありましたので、後ほどお配りいたします。
 それから資料2が中央環境審議会水環境部会議事要旨、それから資料3としまして、水環境部会(第3回)の議事録の案、資料4といたしまして、ダイオキシン類についての底質の汚染に係る環境基準の設定等についての報告案であります。
 それから資料5といたしまして、意見募集結果について、という資料が配付されていると思います。
 続きまして参考資料の方にまいりまして、参考資料1としまして土壌汚染対策法について。それから参考資料2-1が農薬生態影響評価検討会第2次中間報告について、最後に参考資料2-2としまして、農薬生態影響評価の当面の在り方について、という資料でございます。
 不足等ございましたら、お知らせいただければと思います。
 それでは会議の進行を村岡部会長にお願い申し上げます。

【村岡部会長】 お忙しい中、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。
 議事に先立ちまして、前回、第3回水環境部会の議事録の確認を行いたいと思います。議事録につきましては資料3、委員限りというのが準備されております。この資料は、委員の先生方に御確認いただいた後、事務局で訂正し、再度、各委員の先生方に送付されている資料でございますので、中央環境審議会水環境部会及び専門委員会の運営方針についての2-(1)に基づく御了承をいただいたものとして、この場で前回議事録としたいと思います。
 御異議あるでしょうか。
                 (異議なし)

【村岡部会長】 ありがとうございます。
 それでは、この議事録につきましては早速事務局の方から公開の手続を進めていただきますよう、お願いいたします。
 続きまして、議題の1でございます。ダイオキシン類対策特別措置法に基づく水質の汚濁のうち水底の底質に係る環境基準の設定等についてでございます。
 これは平成13年12月6日付けで環境大臣より諮問がございまして、これまでダイオキシン類環境基準専門委員会におきまして検討を続けてまいりました。本日はその専門委員会の報告を用意しております。これを審議いたしまして、当部会といたしましてこの答申案を取りまとめていただければ幸いと、こう考えております。
 それでは、これまでの審議経過並びに報告の概要につきまして、専門委員会の委員長を務めました私から御報告したいと思います。
 報告の資料は資料4というのがこの報告の案でございます。
 まず専門委員会におきます調査審議の経過について御報告いたします。
 ダイオキシン類環境基準専門委員会は、本年の2月以来、4回にわたりまして会議をもちました。ダイオキシン類の底質環境基準について調査・審議を行ってまいりました。
 この間、この専門委員会で討議いたしましたことは、第1に我が国の底質中のダイオキシン類濃度の実態の把握及び解析でございます。
 次いで、ダイオキシン類の底質環境基準の必要性、性格、適用範囲、評価、これらにつきまして考察をいたしました。そして、ダイオキシン類の底質環境基準値の具体的な導出方法を検討いたしまして、この報告をまとめたわけでございます。
 次に、この専門委員会の報告の中身につきまして、私の方からはその概要をまず御説明しておきたいと思います。
 まず、底質環境基準の性格ということについてでございますが、大気や水については環境基準の達成ということを目標にいたしまして、発生源対策等を行っているのと同様に、底質の場合も環境基準の達成を目指して対策を行う必要があります。しかしその際、大気や公共用水域の汚染の場合と異なりまして、底質の場合は既に汚染された底質があります。これを浚渫等の対策を行わなければ環境基準を達成することができないというわけでして、このために底質につきましては環境基準を満たさない場合には、つまり汚染された底質であるということで、その当該底質そのものに対して対策が必要であるということを意味することから、対策を講ずる基準として対策基準というふうに略称する場合がありますが、この対策を講ずる基準として設定することとしております。
 この底質環境基準値をどのように導出したかということにつきまして、次に底質中のダイオキシン類が人の健康に影響を及ぼすおそれというのは、2つの影響経路があるというふうに考えられます。1つは魚介類への取り込みがあります。それを経由して影響があるというルート。それから2番目に、底質から水に巻き上げとか溶出とかがありまして、底質が原因となるダイオキシンによって汚染されるという、そこからくる影響経路というのが考えられます。
 本専門委員会では、水への影響という観点から、底質中に含まれる間隙水の濃度が水質環境基準以下になる、つまり水質環境基準というのは既に決められておりますので、その基準以下になるように底質濃度を溶出とか巻き上げとかによって、理論的に算定したらどんな値になるかということを検討したこと。
 それからもう一つは、実際に高濃度にダイオキシンによって汚染されている底質につきまして、振とう分配試験というのを実際にやってみて、その結果がどんな値をとるかということを考える。
 理論的に算定するということと、それから分配試験を行うという、その2つから求めてきた結果を勘案いたしまして、底質の環境基準値は150pg-TEQ/g、この値とすることが適当であるという結論を得たわけです。
 すなわち、環境基準値は水への影響を考慮して、そのルートから健康に影響を及ぼすことがないという基準を導出するということにしたわけです。
 なお、ダイオキシン類につきましては、国民摂取実態から魚介類を経由した摂取が多いということは既知の事実でありますけれども、一方で国民の平均的なダイオキシン類の摂取量が耐容一日摂取量、TDIですけれども、これに比較して小さくてバランスのとれた食事が大切であるというふうに整理されております。
 また、現在のところこの食品としての魚介類の許容上限値というダイオキシンの許容上限値というのが定められておりませんので、このため、この視点からの数値を設定することは現在のところ困難な状態にあるということが言えます。
 このようにして報告書をまとめ上げたわけでありまして、概要について、大ざっぱでありましたが、私の方から説明させていただきました。
 これに関連しまして、あと事務局からもう少し補足をしていただけると、あるいは関連する事務的な手続等につきまして説明を加えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【瀬川補佐】 それでは事務局から3点、補足をさせていただきます。
 まず第1点は、専門委員会の報告の内容をもう少し補足させていただく点、第2点目は報告及び答申をいただいた後の事務局の作業、3点目はパブリックコメントを6月10日までとっておりますので、その結果を紹介させていただきます。
 まず報告ですが、資料の4に基づきまして説明をさせていただきます。
 参考資料として幾つか図表をつけておりますが、まず13ページをご覧下さい。
 ここでは平成12年度のダイオキシン類の環境測定結果をお示ししております。一番上の図が全地点、河川、湖沼、海域、すべてを統合した図になっております。1,836地点中、平均値は9.6、最大値は1,400でしたが、この図をご覧になっておわかりのように、非常に低いところに多くの地点が含まれていると。他方、80を超えるような濃度地点も33地点見られるという、そういう状況になっております。
 1枚めくっていただきまして、15ページにまいります。それではそのダイオキシン類の排出実態の方はどうなっているかという図でございます。
 ダイオキシン類の排出量の目録によりますれば、産業系発生源、廃棄物焼却施設、こういったところからの発生量というのは減っており、つまり底質に供給されるこのダイオキシン量というのはだんだんと減ってきている状況にあります。
 1ページめくっていただきまして、16ページ目が、それでは実際に東京湾、霞ヶ浦、榛名湖の表層でどのような濃度になっているのかというのを見ております。これはコアサンプリングをした結果ですが、やはりどの水域におきましても、だんだんと濃度というのは減ってきているという状況になっております。
 18ページにまいりまして、魚と、それから底質濃度との関係でございます。先ほど村岡先生からも御紹介をいただきましたように、生物、ここでは魚介類ですが、魚介類と底質のダイオキシン類散布図を見ますと、上の図はTEQ換算をする前、下がTEQ換算後ですが、上の図でいきますと検体数は2,618に対して、5%の有意水準でこの相関関係は正の有意な相関があると。ただし、相関係数については0.385と低いことから、魚介類を経由した影響を勘案して、具体的な数字をとるということはここではいたしませんでした。
 報告案本文に戻っていただきます。報告案本文の8ページからですが、適用に関しましては公共用水域すべてに適用を考えております。
 達成期間につきましては、ダイオキシン類は非常に多様な経路を経て人体に摂取されますので、環境媒体間の移行による時間的な遅れなどを考えて、可及的速やかにその達成維持に努めるとしております。
 測定方法に関しましては、現在常時監視に用いております「ダイオキシン類に係る底質調査測定マニュアル」に掲げる方法とすることとしております。
 なお、測定に当たっての精度管理の徹底に関しましても、その必要性を明記しております。
 9ページにまいりまして、測定地点でございますが、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく常時監視は、定点において継続的に測定を行っておりますが、もちろんこれら調査を通じまして底質濃度が比較的高かったような地点に関しましては、その周辺において測定地点を増加させること。また、低濃度の地点については測定地点を移動させて、別のところで測るということも考えられるとしております。
 8番目の評価に関しましては、測定結果ごとに、また地点ごとに行うものとしております。この基準値を超過するような底泥の存在を把握した場合には、可及的速やかに汚染範囲の同定のための調査を行っていただくことになります。
 9番目に底質環境基準と対策ですが、第2パラグラフからですけれども、現在底質の対策手法につきましては、浚渫、現位置コンクリート固化、覆砂などが知られておりますが、どの手法を選択するかにつきましては、汚染地点ごとに評価検討を行い、環境保全上支障のない手法を選択していただく必要をうたっております。
 また、対策内容の検討に当たりましては、まず汚染範囲同定のための詳細調査を実施する必要があります。この場合、面的な広がりに加えまして、コアサンプル等、垂直方向の濃度分布も把握をしていただく。また、除去対策に当たりましては、浚渫などによる汚濁の拡散などについても留意する必要があります。
 これら調査及び対策の実施に当たりましては、地元の関係者に対して当該事業に関する情報提供を十分行うことが重要としております。
 また、情報に関しましては対策実施者が保管し、提供することを求めております。
 10ページ目が今後の課題でございますが、底質中のダイオキシン類の魚介類への取り込みや濃縮、それから環境中のダイオキシン類への挙動などについての調査研究を今後も進める必要があるとしております。報告案の概要については以上でございます。
 第2点目、答申をいただいた後の事務局の作業でございますが、環境基準につきましては環境省の告示を従来からしておりますので、告示の作業に入らせていただきます。また、告示に伴いまして、先ほど申し上げた調査の手法を、範囲を同定するための調査の手法、あるいは除去に当たっての技術的な指針につきましては、都道府県に指針の通知を行うこととしています。
 第3点目のパブリックコメントの結果につきましては、資料5をご覧下さい。
 パブリックコメントにつきましては5月21日に公表、6月10日までの間にファクス、その他で御意見をいただいております。これにつきましては、本日答申をいただきましたらそれとあわせて公表する予定にしております。
 意見の提出者数ですが、合計で7通いただきました。意見の述べ総数は59件、寄せられた意見の概要とそれに対する考え方は別紙にしておりますが、ここでは代表的なものだけ紹介をさせていただきます。
 まず2ページ目にダイオキシン類濃度等についてですが、ダイオキシン類濃度について、河川、海域、湖沼などの濃度範囲、それから平均値、標準偏差等、詳細結果を示すべきという御意見をいただきました。こららの11年度、12年度の調査結果につきましては、データがすべて公表されておりますので、その紹介もしております。
 それから3ページ目にまいりまして、対策基準として設定しているだけでなく、望ましい環境基準として設定すべき、あるいは逆にケース・バイ・ケースで判断すべきというご意見などがございました。
 底質につきましては、先ほど村岡先生御紹介のように、底質そのものの対策が必要になってくることから、この報告ではその対策を講じる基準として設定をしております。
 また、ケース・バイ・ケースで判断すべきとありますが、先ほどグラフでお見せしたように、底質中ダイオキシン類に関しましては、魚介類に対し、弱いながらも正の相関があり、また水への影響は確かにあるという観点からは、できる限り速やかに措置を講じる必要があり、調査に入っていただくということを明確にすべきと考えております。
 4ページ目にまいりまして、今回、設定手法としては魚介類への取り込みを考慮すべきではないかという御意見がありましたが、現時点では許容上限値が定められておらず、今後とも調査・研究を進めることが必要と考えております。
 それから8ページ目にまいりまして、対策についてでございます。
 対策につきましては、対策実施主体、原因者の特定手法、費用負担の考え方などについて検討して結果を盛り込むべきという御意見もございましたが、報告に含めることが予定されている範囲外ではありますが、これまでの水銀などに係る底質の対策事例及び現行法に照らし、汚染が見つかった場合にはその当該水面の管理者が、国及び地方公共団体になるかと思いますが、対策実施主体となり、公害防止事業として対策を実施し、また汚染の実態から汚染者が原因、汚染原因者の特定が可能な場合は費用負担の割合などについて公害防止事業費事業者負担法に定めるプロセスにのっとって決定されることが多いと思われます。
 9ページ目、その他でございますが、TDIの見直しに関しての御意見、多々いただいたのですが、これらに関しましては底質環境基準の設定の報告欄には盛り込んでおりません。
 以上でございます。

【村岡部会長】 以上、専門委員会でまとめました報告につきましての内容の概要並びに関係する重要点についての説明、さらに専門委員会でも討議いたしまして了解を得ましたパブリックコメントの結果のまとめにつきまして説明していただきました。
 以上につきまして、委員の先生方から何か御質問、御意見、御指摘のある点などございましたらよろしくお願いしたいと思います。

【池田臨時委員】 ただいま環境基準設定の話がありましたが、河川とか海岸の水域ですと底質が堆積する場所、あるいはそこから持っていかれる場所等、一様ではないと思われます。
 それから、流れの早いところ遅いところとか、それに応じて底質の粒度分布というのはかなり場所によって違っている可能性が高いと思われます。
 一般的にこういう化学物質というのは、粒度によって吸着している割合が相当変わっていることが一般的であると思われるのですが、そういうことになりますと、ただいまありました定点の選び方というのは非常に重要になってくると思われますが、これについてはどのようにお考えになったのでしょうか。その辺りをお伺いしたいと思います。
 それから、多分何箇所かで測ったときに、私はダイオキシン類測ったことないのでわからないのですが、ばらつく可能性があると思うのですが、その場合にどのように考えるのかお教えいただきたいと思います。

【村岡部会長】 そういった議論もいたしましたが、まず事務局からその内容につきましては。

【瀬川補佐】 先生御指摘のように、粒度分布をとりますと、例えばダイオキシン類ですと0.75ミクロン以下の粒子が多いところは比較的高いというような傾向が見られます。ただ、関係について相関が非常にいいというものではなかったのですが、確かにそういった傾向は見られます。
 測定点の選び方につきましては、各水域を代表するような場所、底質と水と、できれば両方取ってください、ということを県の方にお願いをしておるところであります。
 それから、この報告におきましては、1点超過をすれば、それでまずその周辺の詳細調査に入っていただくという形になっております。やはり先行してやりました事例では、例えば河川では30メートル離れると非常に濃度が低いようなケースもございます。ただ、それにつきましても、詳細調査をやった上でないとわかりませんので、1点超えた時点で詳細調査をやっていただくことにしております。
 また、対策地点での試料の取り方なのですが、基本的には、当該地点で複数取っていただき、濃度を測定することにしております。
 事務局からは以上でございます。

【池田臨時委員】 そうしますと、細かい底質がたまりやすいところで取りなさいとか、そういう指導を特に行うということではないのですね。何か定点の選び方がもう少し私はよくわからなかったんですけれども、どこかで選ばないといけないですね。そのときに同じ河川でも少し離れると濃度が、大分相当違ってくる可能性があって、そのときの選び方の考え方、例えば堆積しやすいところを選びなさいとか、そういう方が、詳しい方はもちろん知っているんですけれども、多分そうではなくていろいろなところで測ると思いますので、そういうことをご存じない方にもわかるようにしておいた方がいいのではないかと思うのですけれども、どうでしょうか。

【村岡部会長】 そういった御心配はもちろんあるわけで、底質そのものが先生おっしゃるように、場所によってたまり方も違うし、それを合理的に一番汚染の実態を知るのにどういうふうな測り方したらいいかということは大変重要なことかと思います。
 ただ、これを一斉に細かくやっていくということは大変無理ですので、一応その概要的に水質環境基準点とか、そういったものを配慮して押さえていくと。そこでもって何かが出てくればその周辺を広げてやっていくということになります。
 そして、それは多分その自治体等がやりますので、実際の運用面で調査をやるときには、当然先生が御指摘いただいたたまりやすい場所とか、そういったものは知らないはずありませんので、全く素人がやるというわけではありませんので、そういったことを当然マニュアルの上で指導しながらやっていくものと思われます。
 何か追加事項ございますか。

【瀬川補佐】 御説明に1点だけ追加させていただきたいのですが、ダイオキシンの底質の測定ポイントを選ぶに当たりましては、今、村岡委員がおっしゃったような観点と、それから過去に汚染が見つかったような事例の場合は十分考慮するようにということでお願いをしております。
 また、先ほどちょっと言葉足らずになりましたが、水の環境基準との関係がございますので、水質と底質を同じ地点で測っていただくという、こういうこともお願いをしております。
 以上です。

【村岡部会長】 池田委員よろしゅうございますか。

【池田臨時委員】 はい、結構です。

【村岡部会長】 ほかに何か関連したご意見ございますか。なければほかの点につきまして御意見いただくようなことがありましたらお願いします。ございませんでしょうか。
 ないようでございましたら、先ほどいただきました専門委員会からの報告をもって、水環境部会としての答申案とさせていただきます。
 それでは、本案をもちまして中央環境審議会森嶌会長に部会から報告したいと思いますが、よろしゅうございますか。
                 (異議なし)

【村岡部会長】 ありがとうございます。
 それでは、引き続きまして事務局から2点ばかり報告事項があります。
 参考資料が関係するかと思いますが、事務局からまとめて御説明いただき、後で質疑の時間をとりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【伊藤課長】 土壌環境課の伊藤でございます。土壌汚染対策法につきまして、御説明させていただきます。
 お手元にあります参考資料1と、それからあわせてそれと同じクリップで留めておりますが、土壌汚染対策法の要綱以下、関係のセットで入れさせていただいております。
 参考資料1の方でまず御説明させていただきます。
 土壌汚染対策法につきましては、今国会で御審議いただきまして、5月22日に参議院本会議で全会一致ということで成立しまして、5月29日に公布されております。この間、本日御出席の委員の先生方にも、途中の段階でいろいろな審議会の場で大変御指導なり、御支援いただきましてありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げたいと思います。
 お手元の資料の方に土壌汚染対策法の概要ということで1枚目に書いておりますが、ここにありますように、この法律につきましては、概要としまして大体大きく4つのポイントがございます。これ一言で言いますと、要するに土壌汚染の調査を、対策をどうするのかと。それから、それを誰が実施するのか。それから、汚染の基準なり措置なり、その辺の技術的基準ですか、その辺りをどうするのか。さらには、全体としてどういう形で縷々進めるのかということでございます。それでもって、人の健康の保護を図ろうというような内容でございます。
 大きく4つのポイントがあるわけでございますが、主な内容といたしましては、まず第1では土壌の汚染をきちんと把握するという必要があるわけでございますが、ここでは有害物質を使用していた施設の廃止時にまず調査を義務付けると。それから、さらにはここに土壌汚染により健康被害が生ずるおそれがある場合に調査命令ということでございますが、例えば地下水のモニタリング等によりまして地下水の汚染が見つかって、その原因として土壌汚染であるということで、その可能性が高いということで、そういった土壌汚染の地域がある可能性があるという場合に知事が調査命令をかけるというような仕組みということでございます。これがまず第1点目でございます。
 それから2つ目に、汚染地について一定以上の汚染地の区域の指定と、それから情報の公開ということでございますが、調査によりまして一定の基準を超えるような土壌汚染が判明した土地につきまして、指定区域ということで指定して、都道府県の台帳に登録して閲覧に供するということで情報公開をするというのが、これが第2点でございます。
 それから3つ目に、汚染地の対策ということなんですが、具体的には健康被害の防止措置ということなんですが、これは2つございまして、1つは指定区域内に土壌汚染により人の健康の被害を生ずるおそれがあるということで、都道府県知事が判断した場合に、まずその場合、汚染原因者がはっきりする場合とそうでない場合がございますが、汚染原因者がはっきりした場合には汚染原因者に、そうでない場合は土地の所有者などに汚染の除去等の措置を実施していただくということでございます。それからもう一つ、この場合、土地の所有者が措置を実施した場合でも汚染原因者への費用の求償ができるという仕組みにしております。
 それから、その措置の命令とはもう一つ別のルートとして、土地の形質変更の届出というのが書いていますが、そういった区域に指定していて、対策を一応やったところでございますが、そういったところでその区域を土を掘り起こしたり、それから形質を変更する場合に、その形質の変更の届出と、それからもしその内容が十分でないということであれば、計画の変更命令ということが出せる仕組みになっております。
 それから、4つ目のポイントとしまして、措置に対する支援ということで、その土壌汚染対策を円滑に推進するためということとで、例えば住宅地などで汚染が発見されて、これが随分前の段階であったということで、必ずしも調査などが明確になされていなかったと、そういうことでそういった場合に汚染の原因者が不明などで、実施主体であります土地の所有者が負担能力が低い場合の対策というのを円滑にするということで、基金を設けて汚染の除去等の措置を実施することにつきまして助成するということでございます。
 あわせて、地域住民へのリスクコミュニケーションといいますか、そういった活動を展開するというような形でございます。全体、そういった内容でございます。
 それで、その辺りを少し流れにさせていただいておりますのが次のページ、2ページでございます。ここにフローがございます。先ほどの若干繰り返しもちょっとありますが、ポイントで申し上げますと、全体の流れとしては調査段階、それからその調査を受けて一定以上の汚染があった場合に、指定区域として指定して公告する。台帳に記載して公衆に閲覧をするという流れです。
 それから、指定区域の管理というのは具体的な対策をやっていただくということでございます。
 ここで汚染の除去等の措置の中で、誰がやるかということは書いておりますが、さらにリスクの対応において、それぞれいろいろな措置がとれる形になっているということでございます。
 それから、汚染の除去を完全に行われたと、いわば浄化の場合は指定区域との指定を解除するということになります。
 それから、枠の外に書いてございますが、基金によってそういった支援体制も整えているということでございます。
 大体土壌汚染対策法の概要は以上でございます。
 それで、あわせて本文の方を若干解説しますと、別冊がございますが、要綱がずっと流れてありまして、それから12ページまでいっていただきますと、その後に土壌汚染対策法の本文が入っているということでございます。
 今度目次を眺めていただきたいんですが、先ほど私、解説させていただきましたように、全体としてはまず総則がございまして、第2章として土壌汚染の状況調査、3条、4条関係。それから第3章として指定区域の指定等でございます、5条、6条。
 それから第4章としまして、健康被害の防止措置ということで、7条から9条までと。それから、それ以外にも関係の条項としまして、調査の機関を定めるという指定調査機関。それから基金の関係で指定支援法人。その他、雑則、罰則という構成になっているということでございます。
 それで、今後の進め方でございますが、私どもとしましては現段階で一応法律まで定めていただいたわけでございますが、今後、具体的な中身ということで政省令を今作業を進めております。特にその中の政省令の中で、いわゆる基準的なものなり、技術的な事項というのが幾つかございます。この辺につきましては、中央環境審議会の方の土壌の部会の方で御審議いただくということで、今準備を進めているということでございまして、7月からこの辺りの御審議をお願いしたいと思っておりまして、秋ぐらいまでにはその辺りの結論をいただきながら、それからパブリックコメントもいただきながら中身を定めていきまして、1月に一応全面施行という形で進めたいと思っております。
 今後ともいろいろまたこの辺の御指導なり、御支援いただくことになると思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。

【村岡部会長】 それではもう一つの報告もあわせてお願いします。

【神谷補佐】 農薬環境管理室の神谷でございます。
 農薬生態影響評価検討会の第2次中間報告についてということで、参考資料の2-1と2-2でございますが、2-1の概要版の方で御説明をさせていただきます。
 農薬生態影響評価検討会、これは座長を須藤先生にお願いしておりますが、におきましては、我が国における農薬生態影響評価の当面の在り方について第2次中間報告を取りまとめていただきました。これを去る5月31日に公表させていただいております。
 この中では、持続可能な社会の構築を実現する上で、農薬の評価制度の中に生態系保全を視野に入れた取組を評価すると、これが喫緊の課題であるという認識に基づいて、当面の実現可能措置として、水域生態系の急性影響についての評価手法の在り方を取りまとめていただきました。
 この検討会でございますが、平成10年2月に、当時の水質保全局長諮問の検討会ということで設置をしておりまして、その後、検討を行ってきていただいているということでございます。
 今回の報告の概要でございますが、資料の2ページ目をご覧いただきたいと思います。
 まず、生態影響評価をめぐる最近の情勢でございますが、環境基本計画、あるいは総理の「環の国」づくり会議等の中で、化学物質による生態系影響評価を適切に行うこと、あるいは自然共存型の関係を農業についても生態系との間で構築すべきと、こういった考え方が示されるようになってきております。
 農薬につきましては、その目的から生理活性を持つ化学物質を開放系で使用すると、こういった特性がございますので、他の化学物質以上に環境との接点が多いと。ゆえに、他の化学物質以上にその取扱いには十分な配慮が求められるということから、今回の報告がまとまっております。
 2番目に、農薬による生態系への影響の実態ということでございます。環境省で2年間調査を行いました。野外調査等の結果からは、野外調査で明確に農薬の影響というのを区別・評価するのは困難でございました。これはそのほかの要因との区別が難しいということがございますが、一方でこの河川水を用いた水生生物の毒性試験を行いますと、これは明らかに影響が見られるという事例もミジンコの実験等で見られております。このため、結果として経路は不明であるが、農薬が我が国の生態系に何らかの影響を与えている可能性は否定し得ないということでございます。
 一方、現行制度上の課題ということで3番でございますが、現在、農薬取締法における登録保留基準では、水産動植物の被害の防止という観点から基準が設けられておりまして、水田使用農薬について、コイの48時間半数致死濃度0.1ppmでございますが、及び毒性消失日数、7日間以上、こういう基準を設けておりまして、これをクリアできないものについては登録を保留にすると、こういう基準が設けられております。
 しかしながら、この基準については生態系保全という観点からいうと幾つか課題ございまして、1番目に比較的感受性の低いコイの魚毒性のみに注目しておるということで、他の魚類、甲殻類、のり、藻類への影響が評価されておりません。
 それから、農薬の種類にかかわらず一律基準として設定されておりますので、農薬の安全性評価に暴露量が十分考慮されていないということがございます。
 それから3番目に、水田以外の農薬については基準が適用されないとございます。
 4番目に、分解速度の早い農薬は魚毒性が強いものについても登録保留が行われないということがございます。
 これが事前の規定でございますが、事後の規定としまして、登録農薬について安全使用基準の設定、あるいは水質汚濁性農薬への指定による使用規制といったものがございますが、これらも十分活用されていないという状況にございます。
 今後の農薬生態影響評価の基本認識でございますけれども、こういった状況を踏まえまして、今後まず対象の生物種を増やしていく必要があると。
 それから2番目に、毒性値と暴露量を比較する評価方法を導入する必要がある。
 さらに3番目として、水田使用農薬以外にも評価対象を広げる必要があると。それから、事前の評価と事後の評価システムをともに確立する必要があると。さらに、我が国の自然条件、生態系条件、それから農地の条件等を十分踏まえた評価スキームをつくる必要があるという考えをまとめております。
 これらの基本的な考え方を踏まえて、具体的にどういう形の生態影響評価を行うかということでございますが、まず評価対象とする生態系でございますが、当面、その技術手法の確立としている水域生態系を対象とすると。
 それから2番目に対象農薬としましては、基本的には化学合成農薬全般を対象とすると。ただし、特殊な樹木注入剤のようなものについては対象から除くということにしております。
 4ページ目にまいりまして、農用地と農業用施設の扱いでございますけれども、これらの地域につきましては、生産活動のための人為的な生態系であると。生産活動の影響をかんがい等の形で直接受ける地域であるということで、当面の生態影響評価の対象とはせずに、今後の検討課題としております。
 これらの地域につきましては、登録保留基準以外のリスク削減対策、使用方法の遵守ですとか、代替剤の使用といったことによる保全を検討していく必要があるというふうにまとめております。
 それから4番目に生態保全の目標と評価の基本的な考え方でございますけれども、これも将来目標としましては持続可能な農薬使用、それから自然共生型の農薬使用といったことの実現がございますが、当面の目標としまして水質の環境基準点があるような、河川等の公共用水域において水産動植物への影響が出ないように、現状の評価手法を改善すると。可能な限り影響を削減するということを掲げております。
 評価手法でございますけれども、これにつきましては資料の後ろの8ページ、9ページのフローをご覧いただきたいと思います。
 まず新規登録の材についてのリスク評価・リスク削減でございますけれども、評価対象の生物種としまして、魚類、甲殻類、藻類を代表する生物種を選定すると。毒性試験を行いまして、急性影響濃度、AECを導くとしております。
 ここで魚類等の中で種差を考慮しまして、確立ケースを適用するとしております。
 一方、急性影響濃度と対応しました短期の環境注意予測濃度、PECを算定します。これを算定しまして、農薬の使用条件、それから外形、性質等を反映した予測質問を用いて、環境濃度も予測を行います。これらを比較することにより、影響評価を行って、水産動植物への影響があると判断された場合は、さらなるリスク削減対策を講じることとしております。また、その評価につきましては、試験のコスト、評価のコストを考慮しまして、段階的な評価を行うということで、簡単なスクリーニングでクリアできたものは、先の試験は不要にすると、こういう運用を行うことを考えております。
 既登録農薬に関してなんですけれども、これに関しては当面評価の対象から外しつつ、生態系への影響のポテンシャルが高いと考えられる剤について、モニタリングデータをもとに実際の評価を行って、何らかのリスク削減の事後対策というものを考えておるところでございます。
 最後、5ページに戻っていただきまして、今後の検討課題でございますけれども、まず当面、今回いただいた報告の内容を具体化するということで、審議会での諮問答申といった手続を進めさせていただきたいと考えております。
 一方で、水域生態系、陸域生態系、それぞれ検討課題が残っておりまして、水域生態系につきましては、より、まず慢性毒性ですね、等の影響についても考慮していく必要があると。それから回復性試験、複数農薬による影響、評価。それから生態影響モデルの具体的な内容の開発といったことを進めていく必要があると考えております。
 それから、陸域生態系については今回の報告の対象外にしておりますが、これについても今後は具体的に検討を進めていく必要があるというふうにしていただいております。
 以下、いろいろ参考資料をつけております。
 簡単でございますが、以上でございます。

【村岡部会長】 ありがとうございました。
 2つの報告がございました。1つは土壌汚染対策法、これは法成立はしておりますけれども、その内容と、それから施行に向けてのこれからの作業等についての御説明、もう一つは農薬生態影響評価検討会の中間報告についての報告でございました。
 ともに報告事項ではありますが、この際、内容につきまして御理解を深めていただくためにも、御質問とか、あるいは御意見等あろうかと思いますので、そういったものをお受けしたいと思いますが。
 どちらの御報告についてでも結構ですが。いかがでしょうか。

【鈴木(継)委員】 土壌汚染対策で修復作業などに従事するときに、従事する人たちの労働衛生的な対策をちゃんと考えてあるかと。同時に、それは人の場合だけではなしに、生態系それ自体に対する二次的な影響の問題をどう考えてあるのかというふうなところが少し気になるところでありまして、汚染が仮に高度で土壌を取るなんていうときに、それで動植物や労働者が暴露するというようなリスクはあるわけですから、そこら辺なところは何か。

【伊藤課長】 お答えさせていただきます。2つの点の御指摘だと思うのですが、一つはその修復といいますか、ここでいいますと汚染の除去等の措置を講じる場合の、その従事する方々のいわゆる衛生面の観点、この点はこの法律本体には必ずしも入れているわけではありません。ただし、これにつきましては従来から厚生労働省でダイオキシンなり、ほかの重金属等の除去といった、周りも含めて作成されておりまして、その世界でやっていただくということになると思います。
 それから2つ目の生態系の関係でございます。これは汚染の除去の際だけではなくて、全体の汚染そのものについての生態系についてどうだという議論ございます。これ、諸外国でもそういった議論がありまして、ドイツとかオランダあたりは土壌の多機能性と申していまして、土壌の本来有すべき成立ということで、人の健康だけではなくて、そういった土壌中の動植物とか、あるいはその他の動植物への影響も含めての影響といいますか、そこをやはり勘案していくべきであるという議論があります。
 このあたりは、村岡部会長おられますが、中央環境審議会の土壌農薬部会の中の小委員会の中でも、これは相当に議論させていただきました。その結果でございますが、要するに生態系について、結局今のところ私どもは結果としては宿題としていただいているという状況でございます。汚染の実態とその生態系との関わりが今どうなっているかと。あるいは、生態系の影響を指標としてどういうふうにするかという、この辺りがまだ明確でないということもありまして、そこの辺りは今後の宿題ということで、私ども今後調査研究なり、検討会等、そういったことで議論していくという形にしておりまして、この辺りは国会の審議の際でも相当御指摘があったということでございます。
 以上でございます。

【村岡部会長】 ほかに御意見ございますか。

【岸臨時委員】 簡潔に御説明いただいて大変わかりやすかったのですが、私の頭ではちょっとついていけない部分もあったりして、もしかしたらちゃんと書いてあったのかもしれないんですけれども、土壌汚染対策法と、それから農業の方と、両方に関連する質問ですけれども、何か罰則があるんですか、具体的な何かこれを怠った場合に。例えば土壌汚染対策法、法制化されたということですが、そしてその地域で、例えばそういうことを隠蔽したとかという場合に何か罰則があるのか。
 それから農業の場合、今までの歴史の中で、そして日本の湿気の多い風土の中でやはり農薬を減らしていくというのはとても大変な問題であると思うし、農協さんも絡んでいるし、いろいろなことがあると思うんですけれども、やはりこれから消費者が求めるものというのは安全なものを食べたいということにあると思うんです。そういう意味で、何か評価というか、努力している産地に対して環境省が何かマル適マークみたいなものをつくるとか、そういうふうなこともあっていいのではないかなというふうに思っております。
 その2つです。

【伊藤課長】 第1点の土壌汚染対策法に罰則はあるかどうかという、この点についてお答えいたします。
 この点については、結論から申し上げますと、当然こういう規制の関係でございますので、罰則は設けておりまして、具体的には別添のこの資料の方でいきますと、条文がずっと並んでおりますが、38条以降、ページ数でいきますと22ページ、23ページあたりに罰則が並んでおります。例えば、調査の関係でありますとか、それから3条、4条関係の部分なりがこれ調査の関係でございますし、それから7条とか9条あたりは措置に対してきちんとやっていなかったとか、そういったことに対して罰則は適応されることになりまして、最高では1年間の懲役、または100万円以下の罰金という形で、あといろいろな罰則が並んでおりますので、この辺りはきちんとその運用を図るために設けているということでございます。
 以上でございます。

【村岡部会長】 それでは続きまして内藤室長。

【内藤室長】 農薬の生態影響評価の中間報告に関して、具体的に罰則というか、どういうふうに取り締まるのかと、こういう御趣旨かと思いますが、もともと農薬は登録保留基準に合致しない農薬については登録をさせない。登録されないと販売してはならないということになっております。したがって、今回の報告も生態影響評価の評価システムで問題があると、こういうことになりますと登録ができなくなり、したがって流通しない、こういう形で担保されております。

【村岡部会長】 それでは須藤委員、どうぞ。

【須藤臨時委員】 今の岸委員の農薬の方のことについて、若干座長をお預かりしたものでございますので、そういう議論があったということだけお伝えさせていただきます。
 この中間報告を我々がつくるまでにかなり厳しいというか、議論が実はございました。先ほどおっしゃいましたように、農薬は使う人もいるし、つくる人もおりますし、いろいろ行政に携わる人もおられますし、今の我が国の農業の中で農薬を全く使わずに農業生産をやるというのは多分不可能であると、こういう認識は持ってはおりますものの、一方ではやはりどうしても生態影響というのは見逃すことができないという視点に立って議論をいたしましたので、双方、いろいろ議論がございまして、率直に申し上げれば、ここまでまとめるのにかなり時間を要したと、実はそういうことでもございます。
 しかしながら、やはり甚大なる影響が農薬から出てしまったのでは遅いので、ある程度は予防原則に立って、やはり川の水の中にある生物を入れたら死んでしまうというような例もございましたし、これを完全に農薬の影響と分けることは不可能ではあるものの、やはりその中には農薬が入っているというようなこともありましたので、このような中間報告にさせてはいただきましたが、要するにかなり幅広い意見の中でのまとめだったということだけ申し添えさせていただきます。

【村岡部会長】 ありがとうございました。土壌汚染対策法の中の罰則につきましては、伊藤課長がおっしゃったとおりだと思うんですが、岸委員の御意見の中にはひょっとしたらそういう汚染土壌の不法投棄とか、そういうふうなものがあった場合の罰則とか、そういうのはどうなっているか、というふうなことをお聞きになりたかったのかなという感じもいたしましたけれども、これはこれでまた別の法律があって、その辺りのことにつきましても、国会とか委員会の中でも討議されてきたわけですが、そういった不法投棄についてのちょっと、これ伊藤課長でもどなたでも結構ですが、どういうふうなことになっているのか、事務的に説明していただければいいのではないかと思います。

【伊藤課長】 部会長から今御指摘がありましたように、今回のこの土壌汚染対策法というのは、要するに工場の跡地が最近再開発されて、住宅地でありますとか商業地ということで、従来普通の方々が入れなかったようなところが、今度そういった不特定多数の方が出入りする。したがって、そういうリスクは生じるということで、各地でそういった汚染の案件が相当生じていると。この辺りをどういうふうにきちんと対策をして、そのリスクを管理していくかということなんですね。そういうことについて対策ということで、そういうのをつくらさせていただいたわけでございます。
 そうなりますと、今部会長御指摘のように、それとはちょっと違う世界ではありますが、一般に今各地で土壌といいますか、残土も含めて多い都市から、あるいは工事現場から主としてどちらかというと田舎の方とか、そういったところに残土が多い実態が一方であって、この辺りはどうなのかという議論が実は国会でも議論ございました。審議会の方でも一部そういった議論があったわけでございますが。
 これにつきましては、今、中央環境審議会の廃棄物リサイクル部会の方で、残土といいますか、汚染土も含めた、そういった土について、従来は明確な位置づけがなかったわけですが、これを廃棄物と位置づけるかどうかについての議論ですか、行われていまして、中間取りまとめの段階までは出ているということで、年内そういった議論を進めていって、この仮に廃棄物ということになれば、それは廃棄物処理法の世界できちんと位置づけた上でその辺りの制度的なこともやっていくというような形で進めているということでございまして、そういったもうちょっと幅広い残土的なものについても、そういう形での議論が今なされているということでございます。

【村岡部会長】 それから、農薬については私、余り詳しくはありませんが、農薬についても残っている残り物の農薬の処理とか、あるいはそれを捨てるとかいった場合の罰則とか、あるいは取り込んでなかなか保存したまま置いておくとか、そういうふうなこともあり得るかなと思うんですが、そういった罰則等についてはどこでどういうふうになっているんでしょうか。

【内藤室長】 ちょっと今手元に農薬取締法がないものですから、正確な言葉はあれですが、基本的には流通させないということでカウントする。ですから、登録制度になっていますので、販売禁止というところできちんと確保するという仕組みになっております。もし必要があればちょっと条文、正確に記憶していないのですが、回収命令もなさるようになっているかと思います。

【村岡部会長】 ありがとうございました。
 それではほかの点で何かご質問、御意見等ございますか。いかがでしょうか。

【池田臨時委員】 農薬の生態影響評価の経過、参考資料2-1ですが、この7ページですね、試験生物の話があるんですが、これを拝見しますと緑藻など1次生産の代表をしているのでしょうし、ミジンコは動物性プランクトン、それからその上のメダカまたはコイとあるのですけれども、これはどういう基準でメダカ、またはコイということになったのか、考え方もメダカとコイは随分違うのではないかと思うんですけれども、その点、考え方を教えていただきたいと思いますけれども。

【須藤臨時委員】 先生御指摘のとおり、1次生産者として当然、セレナストラムという緑藻を選んでいる、それはよろしゅうございますね。それから、1次消費者として、要するに消費者の代表してミジンコを選んでいますね。それから、その次の捕食者として、従来ですとこの農薬はもともとコイを使っていたんですね、試験にはコイを使っていました。それで、コイというのは実験をするのに、小さいコイであってもなかなかこれを飼育して供試生物としては大変であるということも実はあって、メダカが使えないだろうかというような議論は随分ございまして、メダカというのは実験生物としては大変比較的容易に使えるんですね。一般にはメダカというのは弱い生物に入るというか、そういうふうに思われがちなんですが、いろいろこういう実験をやってみますと、コイとメダカというのはそんなに違いがないんですね。ですから、今までのコイのかわりに多分メダカを使ってもよかろうかなという意味で、2次消費者として、そういう意味で実験のやりやすさということを実は含めております。

【池田臨時委員】 そういう観点で……。

【須藤臨時委員】 本当は先生ご指摘のとおり、生態影響なんですね。生態というのはある意味で生産者、消費者、分解者全部いて、それから環境との関係でというのが生態系ですよね。その影響をどう見るかということは、例えばマイクロコズムみたいなものを使わないと、それからメゾコズムを使わないと影響は出ないんですが、それですと再現性だとか、いろいろな問題が実はございますので、どうしても今のところは単一の生物の組み合わせということで、OECDなんかの実験生物として取り上げられている生物を使って、この3つを組み合わせて、例えばどこが一番弱いかというようなことで生態系の影響を代替をしようと、こういう意味で使っているわけで、決してこの3つで生態と呼んでいるわけではございません。生態系を構成する生物の代理、代替の考え方、本当はこれから、マイクロコズムなり、メゾコズムなり、そういうものについての実験手法を構築しなければならないのではないかと、こういふうに考えています。

【村岡部会長】 ありがとうございます。ほかに御意見ございますか。どうぞ。

【足立臨時委員】 大変感想的な話で恐縮なんですけれども、ちょっと現状認識の問題としてお伺いしたいのですが、参考資料2-1の2枚目に、2ページ目の2項ですけれども、農薬による生態系への影響実態という項目があるのですが、その1つ目のポツに、結論的にいいますと農薬が我が国の生態系に何らかの影響を与えている可能性は否定し得ないと、こういう認識が記載されているんですが、この程度の認識になるんだろうかということが、感覚的にですよ、これほどデータを集めてやっているわけですから、その結果の文言ですから、こういうふうになるのかどうか、私としてよくわからないんですが、よく私水道にいても、農薬の問題というのは農薬がなければ確かに現在の農業地としては大変難しいというのはよくわかりますけれども、水道事業に携わっている部分にとっては、この農薬の影響というのは非常に敏感に感じているということがあるわけです。
 それと、私も田舎育ちなものですから、東北の方ですから、よく今、田舎に行くと言われるのですが、昔とれていたフナとかドジョウとかナマズとか、ああいうものがいなくなるということはないんですが、ごくまれにしか見つからないと、こういう状況が非常に、農薬による影響ではないかということが頻繁に言われるわけですね。そういう現状、感覚的に違いわからないので、こういう感覚で物を言うのは失礼かと思うんですけれども、それが可能性は否定し得ないという程度の表現になるんだろうかという点で、何かこの文言の表現上の問題として議論があったり、見解があればお伺いしたいと思うんですが。

【須藤臨時委員】 わかりました。これもほかの事務局よりも私が全部答えた方がよろしいかもしれませんので、お答えさせていただきます。
 足立委員がおっしゃっていること、私も同じ感覚を実は持っております。私としてはそう思っております。
 ただし、これはこの辺のところのもっと違う文書だったかも、もしかしたら違うかもしれません、何回も書きかえていますから。でありますが、農薬によって生態系が甚大なる影響を受けたという問題、証拠ですよね、先ほどおっしゃったようにコイがいないフナがいないザリガニもいないということは確かにあるんです。それを農薬だということを証拠づけた資料というのは意外にないんですね。成果において。いろいろなことが、例えば有機汚濁だとかもあるかもしれない。それのない化学物質もあるかもしれない。そういう中で農薬は含まれていると、こういう中で農薬だという結論をつけるという、そういう問題、ほとんどそういう、たくさん勉強をさせていただきましたが、実はないんです。
 でございますので、当然、農薬関係者といっては言葉悪いですが、そういう方からすれば、どこに証拠があるかと言われるときに、私としてはそれを取り上げることは非常に極めて不可能であると。要するに、懸念があるということだけは確かなんですね。その懸念がこの言葉で、その可能性は否定し得ないということでございまして、まだこの検討会は実は続きます。今のようなことも実際には調べさせていただきます。実際の水質と生物との関係とか、どのぐらいできるかわかりませんが、本年度も、これと同じことではなくて、先ほどの陸域からの問題とか、複合影響とか、そういうのを調べさせていただきますので、予算にも限界がございますが、要するにこれからまだ調べていただきますので、これは結論ではないということでとどめさせていただきますし、水道の方々からこの辺の問題が一番大きな問題であると指摘もいただいていますので、どっちもそれは十分考慮して、水道の影響といえばちょっと生態とは別ですけれども、水道の影響というのも十分承知していますので、生態影響を通して、生態影響がなければ多分水道の影響もそうないのであろうという理解もいたしますので、ということで御理解をいただきたいということで、否定し得ないというのは、要するに甚大なる影響があったという証拠を実際に得られていないという意味でございます。

【村岡部会長】 ほかに御意見ございますか。

【恩田臨時委員】 これは私の専門分野ではないので、どなたからかお聞きかせいただければと思いますが。
 この農薬生態影響評価、こういう研究というのは、国際レベルの中にあって日本のレベルがどのレベルにあるのか。トップであってほしいと思いますが、現実にはどのレベルにあるのか参考までに教えていただきたいと思います。

【須藤臨時委員】 生態影響は、トップレベルとは申し上げませんが、欧米と大体追随しているというか、その程度でございまして、やはりほかの国も農薬の先ほどのような登録保留基準というようなもの等あるならば、そういう中にそれは考慮していくということは当然あるんですが、日本がそういう意味ではそこの部分はちょっと後れていると、こういうふうに私は理解していますから。ただ、いろいろ試験法とか考え方とかということについては、いい勝負ではなかろうかと、こう思います。
 ただ、制度として若干後れているので、これがもし実際に制度化されればいい勝負ということになるのではないかと、こういうふうに思います。

【村岡部会長】 ほかにございませんか。
 それでは、いろいろ興味深い御質問なり、御意見いただきました。それで、この2番目の議題の報告事項に関しては審議を終わりたいと思います。
 ということで、一応予定されました議題は済んだわけですが、事務局の方でその他のその他というふうな感じなものはございませんか。

【伊藤課長】 特にございません。

【村岡部会長】 そうですか。それでは、以上をもちまして本日の審議は終わりますが、次回の水環境部会は事務局の現時点の見込みとしまして、8月の下旬を目途に第5回目を開催したいということを伺っております。いずれ御案内がまいると思いますので、そのときにはお繰り合わせの上、御出席お願いしたいと思います。
 それでは本日は活発な御意見、御質問等いただきまして、本当にありがとうございました。これで部会を閉じたいと思います。

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