中央環境審議会 水環境部会 排水規制等専門委員会(第25回) 議事録

排水規制等専門委員会(第25回)

議事次第

1.開会

2.議題

(1)海域の窒素・りんに係る暫定排水基準の見直しについて

(2)その他

3.閉会

配布資料一覧

資料1   中央環境審議会水環境部会排水規制等専門委員会委員名簿

資料2   海域における窒素・りんに係る暫定排水基準について

資料3-1 鉱工業分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果

資料3-2 畜産分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果

資料4   海域の窒素・りんに係る暫定排水基準の見直し案について

資料5   ほう素、ふっ素及び硝酸性窒素等に係る暫定排水基準の見直しに向けた今後の検討について

資料6   地下浸透基準の設定に関する検証について

議事録

午後1時00分 開会

【渡邊課長】 定刻となりましたので、ただいまから第25回中央環境審議会水環境部会排水規制等専門委員会を開会いたします。

 本日は、委員総数11名、全員御出席いただいているところでございます。

 開会に当たりまして、水・大気環境局長の早水より一言御挨拶申し上げます。

【早水局長】 水・大気局長の早水です。本日の専門委員会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。

 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。また、平素から水環境行政の推進につきまして、格別な御指導を賜っておりますことを重ねて御礼を申し上げます。ありがとうございます。

 本日の専門委員会でございますけれども、海域における窒素・りんに係る暫定排水基準の見直しについてということで、これを中心に御議論をいただければと考えております。海域の窒素・りんにつきましては、平成5年に富栄養化対策を推進する観点から、全窒素・全りんの環境基準が設定されたことを受けまして、全国の88の閉鎖性海域及びこれらに流入する公共用水域に排水する工場・事業場に対し、排水基準が設定されています。その際、窒素については59業種、りんについては38業種に対しまして暫定排水基準が設定され、その後、5年ごとの見直しを経まして、現在は窒素について5業種、りんについて1業種ということで、本年9月末を適用期限として暫定排水基準が設定されているということでございます。ここに至るまでの各事業者あるいは技術開発をされてきた方々の御努力に大変敬意を表するものでございます。

 本日は、これらの残された業種に関しまして、暫定排水基準値の見直しの案について環境省で検討しました結果を御報告し、御審議をいただければと考えております。また、この他に今日の委員会では、議題「その他」の中で、次回以降のこの委員会で御議論いただきますほう素、ふっ素、硝酸性窒素等に関する暫定排水基準の見直しに向けた検討の予定について、それから、以前この専門委員会でカドミウム及びトリクロロエチレンの地下浸透規制に関する許容限度等を取りまとめていただいた際に検討課題とされておりました地下浸透基準の設定方法等に関する検証の結果について、御説明をさせていただく予定としております。

 大変申し訳ないですが、私、今日、急な公務で別なものが入ってしまいまして、冒頭のみで失礼いたしますけれども、忌憚のない御意見を賜りますようよろしくお願いいたします。

【渡邊課長】 次に、本専門委員会の委員についてでございますが、前回から交代はございませんが、山下委員の御所属、御役職が国土交通省国土技術政策総合研究所下水道研究部下水処理研究室室長から、日本下水道事業団技術戦略部上席調査役兼技術開発企画課長に変わっておられますので、御紹介させていただきます。

 続きまして、お手元の配付資料について確認をお願いいたします。

 上から議事次第、座席表に続きまして、資料1「中央環境審議会水環境部会排水規制等専門委員会委員名簿」、資料2「海域における窒素・りんに係る暫定排水基準について」、資料3-1「鉱工業分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果」、資料3-2「畜産分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果」、資料4「海域の窒素・りんに係る暫定排水基準の見直し案について」、資料5「ほう素、ふっ素及び硝酸性窒素等に係る暫定排水基準の見直しに向けた今後の検討について」、資料6「地下浸透基準の設定に関する検証について」を御用意してございます。不足等ございましたら、随時事務局までお申しつけください。

 先生方、よろしいでしょうか。

 それでは、カメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。以下の進行は細見委員長にお願い申し上げます。

【細見委員長】 本日、御多忙の中、委員の皆様には御出席いただきまして、どうもありがとうございます。本日の議題は基準次第にありますように、海域の窒素・りんに係る暫定排水基準の見直しについてと、その他でございます。どうぞ委員の皆様におかれましては、活発な御議論をよろしくお願いいたします。

 それでは、議事の1番目、海域の窒素・りんに係る暫定排水基準の見直しについて、事務局より資料に基づいて御説明をお願いいたします。

【坂口室長補佐】 閉鎖性海域対策室の坂口と申します。

 まず、海域における窒素・りんに係る暫定排水基準のこれまでの経緯につきまして簡単に御説明させていただきます。お手元の資料2をご覧ください。

 閉鎖性海域では、栄養塩である窒素・りんの流入の増加により、植物プランクトンの増殖が活発化することによって水質が悪化し、赤潮や青潮の発生による漁場被害やレクリエーション、景観等に影響が生じたことから、海域の富栄養化の防止のための対策を推進することが急務とされ、平成5年に全窒素、全りんに係る環境基準が設定されました。こちらをまとめたのが本資料の3ページの表1となってございます。

 同年、平成5年でございますが、設定された環境基準の達成を図るため、窒素及びりんに係る排水基準が設定され、海洋植物プランクトンの著しい増殖をもたらすおそれがある88の閉鎖性海域に適用されたところです。対象となる海域をまとめたものが4ページの表2にお示ししておりますので、あわせて御確認いただければと思います。

 排水基準は、窒素・りんの排水基準については日平均排水量が50立米以上の工場または事業場に係る排出水に対して適用されて、遵守する義務が課せられてございます。

 現在の一般排水基準は、資料2の1ページの(5)の①のほうにお示ししているとおりで、窒素含有量については許容限度が120mg/L、日間平均が60mg/L、りん含有量については許容限度が16mg/L、日間平均が8mg/Lとなってございます。

 暫定排水基準は、5年ごとに見直しがこれまで行われ、平成10年、15年、20年、25年と見直されてきています。現行の暫定排水基準は、平成25年10月の見直しによって、窒素につきましては、天然ガス鉱業、バナジウム化合物製造業及びモリブデン化合物製造業、酸化コバルト製造業、畜産農業の5業種、りんにつきましては、畜産農業の1業種の事業場に対し、平成30年9月末を期限に適用されているところでございます。

 5ページの表3をご覧ください。

 こちらは、これまでの海域の窒素・りんに係る暫定排水基準の設定状況を取りまとめたものになります。当初、平成5年になりますけれども、窒素については59業種、りんについては38業種に暫定排水基準を設定しておりましたが、現行は、窒素については5業種、りんについては1業種にまで減ってきております。

 続いて、下の表の4をご覧ください。

 こちらは、これまでの窒素及びりんの暫定排水基準の変遷をまとめた表でございます。窒素については、例えば酸化コバルト製造業、窒素の欄の一番下にありますが、こちらについて見てみますと、平成5年時は許容限度が1,800mg/L、日間平均が1,400mg/Lでございましたが、現行ではそれぞれ400mg/L、120mg/Lと大きく減少してきているところでございます。

 りんにつきましても、畜産農業においては、平成5年時の許容限度が100mg/Lで日間平均が50mg/Lでございましたが、現行ではそれぞれ25mg/L、20mg/Lと徐々に減少して、一般排水基準に近づいてきているという状況でございます。

 なお、一番下の表の下に補足で説明がございますけれども、畜産農業については、平成20年の改正から豚房を有するものにこの暫定排水基準の適用は限定され、他のものは一般排水基準に移行してございます。

 続きまして、2ページにお戻りいただいて、前回見直しからの検討状況について御説明いたします。

 暫定排水基準は、直ちに一般排水基準への対応が困難な業種について、暫定的に緩やかな基準値を時限つきで認めているものでございます。基準値については各事業場における排水の排出実態、排水処理技術の開発動向等を的確に把握しつつ、検証、見直しを行っているところでございます。

 海域における窒素・りんに係る暫定排水基準については、これらの基準が適用されている事業場の実態調査の結果等を踏まえ、各種の一般排水基準達成に向けた取組等について技術的助言を得るとともに、基準値の見直しに向けた具体的な検討を行うことを目的として、平成29年度に本専門委員会の委員長でもあります細見先生を座長としまして、「海域の窒素・りん暫定排水基準に係る技術検討会」を設置いたしまして、4回にわたり検討を進めてまいりました。本実態調査に係る自治体別の事業場数をまとめたものが6ページの表5となっております。

 天然ガス鉱業については、千葉市、バナジウム化合製造業及びモリブデン化合物製造業については、堺市、兵庫県、尼崎市、香川県に設置されてございます。酸化コバルト製造業については、兵庫県に設置されているという状況です。畜産農業につきましては、全国各地にございますけれども、群馬県や愛知県、前橋市、豊橋市あたりに事業場が多くある状況で、また、九州では熊本県、鹿児島県といったところに対象の事業場が多くございます。

 続きまして、2ページにお戻りいただきまして、見直しに係る今後の予定について簡単に御説明いたします。

 暫定排水基準の見直し案につきましては、本専門委員会に御議論いただいた後、6月中旬から7月中旬にパブリックコメント手続により意見募集を行い、意見募集結果を踏まえた見直し案について、8月に開催予定されております中央環境審議会水環境部会で御議論いただきたいと考えているところです。その後、同部会の審議結果を踏まえ省令改正等の必要な手続を進めていきたいというふうに考えてございます。

 資料2につきましては、以上でございます。

【細見委員長】 本日の議論の背景、それから、趣旨、検討対象について事務局より資料2に基づいて説明いただきましたけれども、何か御意見、御質問等があればお願いしたいと思います。

 よろしいでしょうか。

 今までの検討対象あるいは経緯等、資料にまとめていただいて、これを踏まえた上で次の各業種の検討結果あるいは取組状況、算定排水基準の見直し案について議論を進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、次に資料3-1から4、そこまでまとめて案について御説明をよろしくお願いいたします。

【坂口室長補佐】 それでは、資料3-1を御確認ください。

 こちらは鉱工業分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果をまとめた資料となってございます。鉱工業分野の暫定排水基準につきましては、排水処理技術の有無、導入状況及び排出水の実態等を考慮して設定しているところでございます。平成25年の見直しにおきましては、現在、暫定排水基準が適用されている業種及びその値について表1に取りまとめてございます。

 天然ガス鉱業については、許容限度が160mg/L、日間平均が150mg/L、バナジウム化合物製造業及びモリブデン化合物製造業については、許容限度が4,250mg/L、日間平均が3,500mg/L、酸化コバルト製造業については、許容限度が400mg/L、日間平均が120mg/Lといった形に現行はなってございます。

 ページをおめくりください。ここからは業種ごとに排水実態等の調査結果について御説明させていただきます。

 まず、天然ガス鉱業について御説明いたします。

 本調査は、平成25年から平成29年7月までの事業場が自主的に測定した結果を取りまとめてございます。例えば平成26年ですと、平成26年10月から平成27年9月ということで、暫定基準の適用の月から始まって、その1年という形でそれぞれの年が取りまとめられているところです。また、平成28年につきましては、平成28年10月から平成29年7月までをまとめた結果になってございます。また、天然ガス鉱業は全部で2事業場ございますが、1事業場については休止中ということで、1事業場の結果を示しております。

 ページ下段の図1をご覧ください。

 こちらの図は、横軸に年別、縦軸に全窒素濃度を表した図になっておりまして、表2のピーク濃度、平均濃度をグラフ化したものです。縦に伸びる青いバーがピーク濃度、赤いバーが平均濃度を表しています。横に伸びる赤の実線が暫定排水基準、緑の実線が一般排水基準の許容限度を示しており、点線のものが日間平均を示してございます。

 まず、許容限度について見てみますと、青い棒グラフと赤い実線、こちらに御注目ください。青い棒グラフのピーク濃度でございますが、平成25年から順に147、145、151、149mg/Lといった結果になっておりまして、いずれも暫定排水基準の160mg/Lは満たしているという結果になってございます。

 次に、日間平均について見てみますと、赤い棒グラフと赤い点線になりますが、赤い棒グラフ、こちらが平成25年から順に134、134、136、136mg/Lといった結果になっておりまして、いずれも暫定排水基準の150mg/Lよりは低い結果になっております。しかしながら、ピーク濃度、平均濃度、どちらも緑の線でございますが、一般排水基準は超過しているという状況です。

 続きまして、3ページの図2をご覧ください。

 こちらは排水中の全窒素濃度の推移を示した図になります。横軸に年、縦軸に全窒素濃度を表しており、横線については先ほどと同様で、赤が暫定排水基準、緑が一般排水基準となっております。天然ガス鉱業につきましては、この5年間で排水中の全窒素濃度について横ばいという状況になっております。取組状況等については、後ほど詳細は説明させていただきます。

 続きまして、4ページにお移りいただきまして、バナジウム化合物製造業及びモリブデン化合物製造業について説明いたします。こちらは全部で4事業場ございます。それぞれA、B、C、D事業場とさせていただいてございます。

 まず、A事業場について御説明いたします。

 ページ下段の図3を御確認ください。こちらの図は天然ガス鉱業と同様に横軸に年別、縦軸に窒素濃度を表した図になっております。表3のピーク濃度、平均濃度をグラフにしたものとなっております。

 まず、暫定排水基準、許容限度について見てみますと、赤い実線が現行の暫定排水基準4,250mg/Lでございます。青い棒グラフを平成25年から順に見ていきますと、3,268、3,169、3,258、3,096mg/Lといった結果になっており、許容限度の4,250mg/Lより低い結果になっております。日間平均につきましては、赤い棒グラフと赤い点線になりますが、赤い棒グラフを平成25年から順に見ると、2,232、1,988、2,147、2,169mg/Lといった値になってございます。いずれも日間平均の暫定排水基準値3,500mg/Lは満たしているという状況でございます。一方で、ピーク濃度、平均濃度、どちらも一般排水基準は達成できていないという状況になってございます。

 5ページの図4のほうを御確認ください。

 こちらは長期的にどのように排水濃度が変化してきたかというのを把握するために御提供いただいたデータになりまして、平成15年9月から平成29年9月の間の排水中の全窒素濃度の推移を示しております。横軸に年、縦軸に全窒素濃度を示しております。線につきましては先ほどと同様で、赤い線が暫定排水基準、緑の線が一般排水基準を表しています。実線のものが許容限度、点線のものが日間平均にそれぞれなります。青色の折れ線についてはピーク濃度の変化、赤色の折れ線については平均濃度の変化を示しています。この経年変化の図からもわかるように、排水中の全窒素濃度については、ピーク濃度、平均濃度ともに事業者の取組によって減少してきているというところでございます。

 続きまして、6ページのほうをご覧ください。

 B事業場の説明に移らせていただきます。

 ページ下段の図5でございますが、暫定排水基準については、ピーク濃度の変化については平成25年から順に見ていきますと、921、790、925、697mg/Lといった結果になってございます。いずれも許容限度の4,250mg/Lよりは低いという結果でございます。日間平均でございますが、赤い棒グラフにつきまして平成25年から順に見ますと、363、386、369、325mg/Lといった値でございます。いずれも日間平均の3,500mg/Lより低い結果ということになってございます。一方で、ピーク濃度、平均濃度は一般排水基準を超過しているという現状でございます。

 続きまして、C事業場の説明に移らせていただきます。

 ページ下段の図6をご覧ください。まず、青い棒グラフでございますけれども、ピーク濃度が平成25年から順に見ると、4,225、4,211、4,183、4,108mg/Lという状況になってございます。こちらも許容限度の4,250mg/Lよりは低いというような結果になってございます。

 続きまして、赤い棒グラフを見ていただきますと、2,703、2,504、2,075、2,281mg/Lといった結果になってございます。いずれも日間平均の暫定排水基準値3,500mg/Lよりは低い結果となってございますが、一般排水基準は超過しているという状況でございます。

 ページをおめくりいただきまして、8ページの図7を御確認ください。

 こちらは、平成15年9月から平成29年9月の排水中の全窒素濃度の推移を示した図でございます。A事業場と同様にこの経年変化の図からもわかるように、排水中の全窒素濃度はピーク濃度、平均濃度ともに減少してきているところでございます。C事業場の排水濃度が一番高いことから、暫定排水基準値の設定の基準となるため、平成28年10月以降の日間平均の最大値についても、右の欄に矢印で示させていただいてございます。日間平均の最大として記録されているのは3,220mg/Lを計測してございます。

 説明を先にすべきでしたけれども、赤の折れ線グラフについては、日間平均をさらに月ごとに平均した値になっており平成28年10月以降、日間平均の最も高かった値を図7のほうには示させていただいたというところでございます。

 最後に、D事業場について御説明させていただきます。

 9ページをご覧ください。

 D事業場については、C事業場の製造量が不足した場合に運転されているということで、常に運転されている状況ではないという状況でございます。また、別工場へ製造を移転中で、近年中に完全移転を予定しているというふうに伺ってございます。

 まず、図8をご覧ください。平成25年から順に見ると、169、165、179、110mg/Lと非常に低い値ということになってございます。また、日間平均につきましては、こちらは赤のバーになりますが、平成25年から6、7、7、3mg/Lといったことで非常に低いということで、グラフ上ではスケールを他の事業場と合わせているということもあり、見えないという状況になってございます。

 ここまでがバナジウム化合物製造業及びモリブデン化合物製造業の結果の説明になります。

 続きまして、酸化コバルト製造業について御説明いたします。

 ページをおめくりいただき、10ページを御確認ください。

 下段、図9をご覧ください。本図につきましては、黄色い横線がございますが、こちらは暫定排水基準の日間平均値と一般排水基準の許容限度値が同じ値となってしまっているため、2つの線が重なっているということで黄色い線で示してございます。赤い実線は先ほどと同様、現行の暫定排水基準の許容限度の400mg/Lとなってございます。ピーク濃度につきましては、平成25年から順に見ていくと、298、182、184、263mg/Lといった結果になっておりまして、いずれも現行の暫定排水基準の許容限度400mg/Lより低い結果となっております。

 次に、暫定基準の日間平均について見てみますと、黄色の横線が現行の暫定排水基準の日間平均120mg/Lの値でございますが、平成25年から順に見ていくと、63、61、66、76mg/Lといった結果になっており、いずれも日間平均120mg/Lより低い結果となっています。しかしながら、ピーク濃度、平均濃度、どちらも一般排水基準は超過しているという状況でございます。

 ページをおめくりいただき、11ページの図10を御確認ください。

 こちらは平成16年4月から平成29年7月の排水中のアンモニア性窒素濃度の推移を示してございます。アンモニア性窒素のグラフをお示ししている理由といたしましては、A事業場の排水中に含まれる窒素のほとんどがアンモニアであるということ、また、経年変化を見るために長期にわたってデータがあるものがアンモニア性窒素だったということで、このデータを御提供いただき、長期の変化という部分を検証してまいったところです。この経年変化の図からもわかるように、排水中の全窒素濃度は、ピーク濃度、平均濃度ともに減少してきているというところでございます。

 続きまして、各業種における取組状況及び暫定排水基準の見直し案について御説明させていただきます。

 12ページを御確認ください。

 まず、天然ガス鉱業の取組状況でございますが、A事業場では、天然ガス産出の際に同時に採取しなければならないかん水中に窒素が含まれているため、これまでさまざまな処理技術の導入の可能性の検討を行ってきてございます。その中で実用可能なアナモックス処理法を採用し、これまでパイロットテスト装置等を制作し、運転条件の調整等を実施する。その後、常用設備を建設し、定格稼働に向けて現在取組を進めているところでございます。この常用設備につきましては、平成29年11月から立ち上げ運転を開始し、平成30年6月を目途に段階的に定格稼働まで引き上げていくということで予定されているというところでございます。

 暫定排水基準の見直し案になりますけれども、暫定排水基準値については、これまでに設定当初の許容限度200mg/L、日間平均180mg/Lから現行の160mg/L、日間平均150mg/Lまで引き下げてきているという状況でございます。直近の5年のピーク濃度としては151mg/L、平均濃度の最大値は136mg/Lという状況でございます。この事業場の排水処理については、これまでさまざまな技術の導入可能性を検討してきましたが、いずれの方法にも問題があるということが明らかとなっており、現在取り組んでいるアナモックス法を導入しない限り、一般排水基準の達成は困難と考えられている状況でございます。

 一方で、一般排水基準の達成に向けて当該事業場では、現在アナモックス処理施設を既に建設し、定格稼働に向けた取組を進めているところでございます。ただ、かん水へのアナモックス法の適用はこれまで世界的にも例がないことから、処理設備の安定稼働までには一定の時間が必要となると考えられてございます。また、今後、季節変動の影響やバックアップ汚泥の準備など課題が残されており、まだ不確実な要素もございますので、そういった点にも留意をして、今後の見直し案を検討する必要があるということでございます。

 これらの対応を進めていく期間として、暫定排水基準の適用期限は3年間延長し、当該事業場の平成25年10月から平成29年9月までの間のピーク濃度が145mg/Lから151mg/Lであることを踏まえて、現行の基準値を維持することが適当と考えられます。

 続きまして、バナジウム化合物製造業及びモリブデン化合物製造業の取組状況でございます。

 バナジウム化合物製造業及びモリブデン化合物製造業につきましては、製造工程で窒素含有物質を使用するため、アンモニアストリッピング装置を導入し、排水中における全窒素の濃度を削減してきております。現在は、主にアンモニアストリッピング装置の長期連続稼働に向けた工程の見直しや閉塞物質の除去方法の検討並びに回収した化合物の販路の拡大等の取組を行っております。今後も引き続きアンモニアストリッピング装置の連続稼働日数の向上を図る取組等を進めていく予定となってございます。

 暫定排水基準値の見直し案ですけれども、暫定排水基準値案につきましては、これまでに設定当初の許容限度26,000mg/L、日間平均は17,000mg/Lから現在の4,250mg/L、3,500mg/Lまで下げてきている状況でございます。直近5年のピーク濃度としては4,225mg/Lと日間平均が2,703mg/Lを計測しているところでございます。一方、窒素濃度の低減に向けては、アンモニアストリッピング装置の安定的な長期稼働を実現することが重要でございますけれども、装置の閉塞など現状では技術的に解決が困難な課題も残されているところです。

 また、各事業場とも火力発電の触媒や焼却灰等を原料として使っており、現時点では代替可能な原料を選択できる状況になく、さらに、各事業場の回収物に不純物等が含まれることにより、現状では外部販路というのが限定されているという状況でもございます。

 こういった状況を踏まえまして、暫定排水基準の適用期間については、5年間を延長することが適当と考えてございます。また、基準値につきましては、最も排水濃度が高いC事業場において平成28年10月から平成29年9月までの間のピーク濃度が4,108mg/Lであること、また、平成28年10月から平成29年9月の間の日間平均の最大値が先ほどグラフに追加でお示ししましたけれども、3,200mg/L程度であること、また、事業者ヒアリングによる今後の取組の見通し等も踏まえまして、こういった観点から現行の基準値からは強化しつつ、許容限度を4,100mg/L、日間平均3,100mg/Lとすることが適当という形で、検討会で取りまとめてございます。

 続きまして、酸化コバルト製造業について御説明いたします。

 14ページをご覧ください。

 酸化コバルト製造業の取組状況でございますが、A事業場、1事業場でございますが、酸化コバルトの製造工程で窒素を含む排水が発生し、その中には低濃度の窒素を含む排水も生成されると。この低濃度を含む排水も合わせてアンモニアストリッピング装置に投入すると、当該装置内のアンモニア濃度が低下し、安定稼働が難しいといった課題が残されてございます。この課題に対応するため、現在、光学発光分析法を利用した窒素自動測定装置を設置し、設定値以上の排水が出た際に手動で回収槽に回収できるようなシステムを導入する等の対策が実施されております。今後は、排水槽を遮断して排水基準値を超過する排水を自動で回収して、濃度を平準化していくようなシステムを2年間の予定で構築していくことを事業者のほうで計画されてございます。その後、3年でこのシステムについて検証、改善を行い、操業を安定化させていきたいということで伺っているところでございます。

 暫定排水基準の見直し案になりますけれども、暫定排水基準値については、これまでに当初の許容限度1,800mg/L、日間平均1,400mg/Lから現在の400mg/L、120mg/Lまで下げてきていただいているところです。直近5年のピーク濃度としては、許容限度が298mg/L、日間平均は76mg/Lという状況でございます。

 現状におきましては、アンモニアストリッピング装置で低濃度排水の処理に課題があること、また、事業者が排水槽を遮断して設定値を超過する排水を自動で回収し、濃度を平準化するという今後のシステムの構築については操業の安定化までのスケジュールを踏まえると、暫定排水基準の期間については5年間延長することが適当と考えられます。その際の基準値については、平成25年から28年度のピーク濃度を踏まえまして、許容限度が300mg/L、日間平均100mg/Lとすることが適当という形で取りまとめてございます。

 以上が鉱工業分野の見直し案でございますけれども、別紙の1から3にこれまでの取組と今後の取組予定、別紙4のほうに窒素濃度の低減に向けた取組と事業者のほうで上げられている目標というものをお示しさせていただいています。こういった取組の見通しも踏まえまして、現在の暫定排水基準、平成30年10月以降の排水基準の案を取りまとめさせていただいてございます。

 続きまして、資料3-2にお移りいただきまして、畜産分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果について御説明させていただきます。

 検討の経緯でございますが、畜産農業についても同様に技術検討会において排水中の窒素・りんの低減方策等について技術的な助言や検討を行い、暫定排水基準の見直し案や今後の低減方策を御議論いただき、取りまとめていただいたところです。

 畜産農業に係る暫定排水基準については、暫定排水基準適用事業場の割合や事業場の取組状況、窒素・りんを除去するための技術的な観点等を考慮して設定してございます。

 具体的には、平成20年以降は全窒素・全りんともに暫定排水基準の許容限度は、現行の暫定排水基準を遵守している事業場、検討時の基準値になりますけれども、この遵守している事業場の9割が達成できる水準というのを次の暫定排水基準の値として設定してきてございます。また、日間平均については、許容限度に0.8を乗じて端数を切り上げる方法で設定しているところです。平成25年の見直しにおいては、自治体から収集した排水実態の濃度分布を踏まえて、窒素については許容限度170mg/L、日間平均140mg/L、りんについては、それぞれ25mg/L、20mg/Lといった暫定排水基準値を設定してございます。

 続きまして、排水濃度の実態把握について御説明いたします。

 平成25年10月1日から平成29年3月31日までの暫定排水基準適用事業場の排水実態を把握することを目的として、環境省において暫定排水基準の適用事業場調査を実施してございます。119の自治体を対象に事業場の概要や処理施設、排水処理の状況、排水量、暫定排水基準適用事業場での水質改善に向けた取組を調査してございます。その結果、140の事業場について排水データ等が収集されてございます。

 これらを取りまとめたものが表2になります。全140の事業場のうち3事業場については下のほうに補足がございますが、災害の影響等で稼働していない等の事情により実測データはございません。実測データが得られた137事業場について暫定排水基準を達成しておる事業場を見てみますと、窒素については108事業場で約79%、りんについては94事業場で約69%が暫定排水基準を達成しているという状況でございます。一般排水基準を達成している事業場は、窒素については71%、りんについては約50%という状況となっております。

 続きまして、平成29年と平成24年の排水濃度を比較するため、両年の相対累積度数分布表を作成してございます。3ページの図1、図2でございますけれども、図1が窒素、図2がりんの相対累計度数分布のグラフです。それぞれ横軸が濃度、縦軸が累計度数を表しており、赤紫色の線が平成29年の累積結果、緑色の線が平成24年の累積結果です。縦線については、一番左端の黒実線が一般排水基準の120mg/L、赤い点線が現行の暫定排水基準の許容限度170mg/L、黒い点線が平成24年時の暫定排水基準190mg/Lを示しています。

 まず、平成24年と平成29年の一般排水基準に対する達成割合ですが、緑色の累積度数分布と黒線の交点が平成24年の一般排水基準に対する達成率になり、50%。赤紫色の累積度数分布と黒線の交点が平成29年の一般排水基準に対する達成率となり、70.8%ということで、大幅に達成率は上昇しています。

 次に、平成24年当時の暫定排水基準190mg/Lに対する当時の達成割合は、緑色の累積度数と黒の点線の交点でございますが、こちらが68.1%、平成29年時の現行170mg/Lに対する達成の割合は赤紫と赤い点線の交点になりますが、78.8%になってございます。暫定排水基準が190mg/Lから170mg/Lに厳しくなりましたけれども、達成率は向上しているという状況でございます。

 また、平成24年当時の暫定排水基準値に対して、平成24年と平成29年の達成率の変化を見てみると、68.1%から約80%に向上しているという状況でございます。また、現行の暫定排水基準に対して、平成24年と平成29年の調査結果を見てみます。こちらは赤い点線と各累積分布の交点になりますが、こちらは達成率が60%から78.8%に向上しているという状況になってございます。

 続いて、図2のりんをご覧ください。

 平成24年と平成29年の達成割合ですが、平成24年の一般排水基準に対する達成率は44.4%、平成29年の一般排水基準に対する達成率は50.4%で、こちらも達成割合は上昇してございます。また、平成24年当時の暫定排水基準190mg/Lに対する当時の達成割合は66.7%、平成29年時点の暫定排水基準170mg/Lに対する平成29年の達成割合は68.6%となってございます。こちらも暫定排水基準値は厳しくなりましたけれども、達成率はやや上昇しているということで改善が見られるというふうに評価しております。

 また、平成24年当時の暫定排水基準に対して、平成24年と平成29年の調査結果を見てみますと、こちらは黒い点線と累積度数分布の交点になりますが、こちらの達成率は66.7%から約75%に向上してございます。また、現行の暫定排水基準に対しても達成率が約55%から68.6%に向上しているという状況でございます。

 続きまして、畜産農業の事業場における排水処理施設の内訳でございます。4ページの図3をご覧ください。

 排水処理施設には活性汚泥法を含めさまざまな処理技術がございますけれども、大部分の事業場が活性汚泥法を採用してございます。次いで凝集沈殿を採用している事業場が多いという調査結果になっております。

 5ページを御確認ください。処理方法別の排水濃度について表3に取りまとめております。

 こちらは全窒素・全りんの濃度を調査期間中の各事業場の最大値を用いて集計したものです。活性汚泥のみ、凝集沈殿の固液分離や高度処理、3つの処理方法別の排水濃度を比較すると、凝集沈殿の高度処理がある事業場の全窒素・全りんの濃度が最も低い濃度という結果になってございます。

 続きまして、暫定排水基準値の案について御説明いたします。

 暫定排水基準適用事業場のうち、半数以上が一般排水基準を達成している状況です。このため、技術的にも、経営コストの面からも排水濃度の低減というのは不可能ではないというふうに考えられます。また、他の業種の暫定排水基準適用事業場では、処理施設を新設するなどの設備投資の取組も行われており、業種間の公平性の観点から、現行の排水基準値を継続することは望ましくないと考えられます。畜産農業につきましても、これまでに一般排水基準の達成に向けて排水対策を進めている事業場が多くあり、その中で現行の排水基準案を継続するというのは、同一業種内での公平性の観点からも望ましくないということでございます。

 全窒素については、排水処理設備の適切な運用管理により、一般排水基準の達成が可能と考えられる。全りんについては、一般排水基準の達成には、一部の事業場では高度処理設備の導入等も必要と考えられてございますけれども、現在多くの事業場で採用されている活性汚泥法においても、汚泥の引き抜き等を定期的に行うなど排水処理設備の適切な運用・管理により、ある程度濃度を下げることは可能であると考えられる。しかしながら、排水処理施設の適切な運用・管理の徹底や高度処理設備の導入には、ある程度の時間は必要になると考えられる。

 こういった状況を踏まえまして、技術検討会において暫定排水基準の適用期間については5年間を延長することが適当と考えられる。また、暫定排水基準の許容限度は、前回の改正時と同様の方法で現行の暫定排水基準値を遵守している事業場の9割が達成できる水準にすることとし、許容限度のほうが窒素・りんそれぞれで130mg/L、22mg/Lとすることが適当である。日間平均につきましても、前回改正と同様の方法で許容限度に0.8を乗じると、窒素・りんそれぞれ110mg/L、18mg/Lとなり、この値は現状の暫定基準値の日間平均を遵守している事業場の約9割が達成できている水準になるということで、前回同様の方法で設定することで適当という結論をいただいてございます。

 続きまして、今後の排水濃度低減に向けた取組について御説明をさせていただきます。

 平成23年から施行された水質汚濁防止法により、特定事業場については年1回の排出水の汚染状況の測定が義務づけられてございます。今回の見直しに当たっては、排出水の策定結果の収集を行いましたが、排出水の実態が十分に把握できていない事業場も見受けられたという状況です。

 これまでの検討会においても、排水濃度低減のためには、各事業場における排出実態を十分に把握し、高濃度の排出実態が見られる事業場については、指導や自治体などの公的機関が開催する講習会等に参加していただくといったことにより、排水管理への意識向上や排水処理設備の適切な運用・管理について指導を徹底していくことが重要といった指摘を受けてございます。また、高度処理設備等の導入を促進するため、補助事業等の支援が重要という指摘も受けてございまして、これまでもこういった取組を進めています。

 今後も引き続き高度処理施設の導入への支援や立入検査や水質調査を通じた排水処理設備の運用・管理についての助言や指導、畜産農業向けの排水処理技術の開発・普及を図るとともに、自治体の環境部局及び畜産部局等と情報共有を図り、適切な指導等につなげることがさらなる排出負荷削減につながるといった御意見で取りまとめていただいてございます。

 別紙のほうには、鉱工業と同様に畜産農業のこれまでの取組と今後の取組予定を取りまとめさせていただいております。これまでも低減技術の研究開発や補助、リース、融資といった支援措置、あとは排出水の測定や自主測定を行っていないような事業場に対しての指導実施をしてきてございますけれども、今後、引き続き技術開発や導入支援、また、立入検査や水質調査については、行政側の指導という部分については、口頭指導だけではなく文書による指導等も状況に応じて行っていくといったような強化をしていくといったようなことを今後の取り組むべき課題として取りまとめていただいたところでございます。

 駆け足になってしまいましたけれども、以上で説明のほうを終わらせていただきます。

 資料4も引き続き御確認ください。

 これまで御説明した内容を踏まえまして、資料4のほうに海域の窒素・りんに係る暫定排水基準の見直し案のほうを取りまとめさせていただいております。

 検討会における技術的助言等を踏まえて、以下の①のとおり、天然ガス鉱業については、基準値は変更しませんけれども、適用期限を3年とする。バナジウム化合物及びモリブデン化合物製造業は、許容限度4,250mg/Lから4,100mg/L、日間平均が3,500mg/Lから3,100mg/L、酸化コバルト製造業は、許容限度が400mg/Lから300mg/L、日間平均が120mg/Lから100mg/Lに引き下げると。畜産分野につきましては、全窒素のほうの許容限度が170mg/Lから130mg/L、日間平均が140mg/Lから110mg/L、全りんについては、許容限度が25mg/Lから22mg/L、日間平均が20mg/Lから18mg/Lに引き下げるという形で案のほうを取りまとめさせていただきまして、裏面になりますけれども、こちらのほうに見直し案という形で、表でまとめさせていただいたところでございます。

 説明は以上となります。

【細見委員長】 どうもありがとうございました。

 丁寧に説明していただいたので、恐らく内容は御理解していただいたと思いますが、これからこの案につきまして、御意見あるいはコメント等をいただければと思います。いかがでしょうか。

 大塚委員、どうぞ。

【大塚委員】 案に直接じゃなくてすみませんが、資料3-1の10ページのところで、このA事業場に関して御説明いただいていたらすみません。平成28年のピーク濃度、平均濃度の値が増えているんですけれども、これは平成28年に関しては期間も少し短いのに増えているということだと思うんですが、これは分析をされているんでしょうか。どういう理由かというのを教えていただけますか。

【細見委員長】 事務局、どうぞ。

【坂口室長補佐】 平成28年につきましては、検討会の時点でのデータを取りまとめているという状況でございます。

【大塚委員】 増えている理由というのは。そこまで減ってきているんだけれども、ここで27年から増えていますが。

【坂口室長補佐】 天然ガス鉱業につきましては、天然ガスを……

【細見委員長】 10ページ、酸化コバルト。表7の28年の値ですよね。76mg/L、そのことでしょう。

【大塚委員】 はい、そうです。あと、ピーク濃度も増えていますけれども。

【坂口室長補佐】 アンモニアストリッピング装置を用いた場合窒素の除去率は90%台後半ぐらいになりますが、連続稼働の日数が長くはございません。一方で、酸化コバルトの製造自体は、アンモニアストリッピング装置が停止している間も続いているということもあり、排水中の窒素濃度は中々安定しない状況というのも一因かと考えております。

【細見委員長】 要は、その酸化コバルト製造業でなぜ平成28年だけ上がっているのかという質問に対して、ちゃんと答えられたかちょっとわかりませんが、恐らく……

【大塚委員】 ほかのものは割とだんだん下がってきているものが多かったので、これだけそうでもないものですから、何か分析されているのかなと思ってお伺いしました。

【坂口室長補佐】 図10を見ていただくと、月ごとに排水中の窒素濃度にばらつきがあり、平成28年度の1月付近に高く上がってしまった時期があることが分かります。しかしながら、理由については、今お答えできる情報が手元には持ち合わせてございません。

【平沢委員】 すみません、私も忘れてしまったんですが、平成28年は、寒い時期か何かで詰まってしまい、注入トラブルが発生したものだったと思います、このピークが出ちゃったのは。いずれにしても、そういうトラブルがもう起こらないように、要するに温度をできるだけ下がらないような仕組みと、そもそも濃度の変動をあまりはかられていなかったんですが、最近、高価な連続測定装置を買って常にウオッチしているような状況でして、かなり安定化はしてきているんです。それをもう少し取り組むとクリアできそうな雰囲気でありましたね。このピークはトラブルだったと私は記憶しております。よろしいでしょうか。

【細見委員長】 特に自動分析装置を入れられて、これからシステム化しようという取組、どちらかというと、そちらのほうに委員会では議論したんだと思います。

【平沢委員】 あと、少し濃度変動が大きいので、それが高くなったら、それは戻すようにしていて、もう水質が悪化しないようにできるだけ平準化をするようなシステムを組んでいるんですけれども、それはまだ完璧にできていなくて、それを今年度でやって、クリアに向けていきたいというお考えだったと思います。よろしいでしょうか。

【細見委員長】 ほかに。

 どうぞ、中村委員。

【中村委員】 資料3-1の4ページからのバナジウム化合物とモリブデン化合物の確認だけなんですけれども、AとCの事業場とBとDの事業場の排水のレベル差が結構あると思うんですけれども、これは原水に由来して、例えば原料が違うとか、あるいは処理装置の一部が違うとか、この辺は何で違うんでしょうか。

【坂口室長補佐】 B事業場のほうは香川県にございまして、香川県自体は水の降水量が少ないといった事情もあって、排水量がある程度制限を受けているといったような話を伺ってございます。

【中村委員】 濃度が何で違うのかというところ。

【坂口室長補佐】 これはAのほうは排水量が少なくて、Bのほうが6倍程度の排水量がございまして、その結果、その濃度が低くなっているという状況でございます。

【中村委員】 総量は変わらないけれども、濃縮されてきているというようなことでございますか。では、処理方式は特に変わっていないという理解でよろしいですか。

【坂口室長補佐】 はい。処理方式は同じです。

【平沢委員】 よろしいでしょうか、少し思い出しました。

 基本的に壊れているというか、性能の劣化した触媒を受け入れてアンモニアを使って溶かしたりなんかしているんですよ。それで、モリブデンとかバナジウムのきれいなものをつくっているんですが、濃度が高いところは灰とかいろんな灰も受け入れて、またバナジウムとかをとっているので、原料形態が違う部分もございます。何か僕の会社じゃないんですけれども、たまたまそういうふうにやっていたので、全く同じではないです。

【中村委員】 そうすると、今のところ、これから先を考えるに当たっては、高いところのレベルはやはり事業場として存在するという前提でこれからも考えていくということでよろしいですか。

【細見委員長】 東京湾とか伊勢湾とか閉鎖性水域の総量という観点と、今回88水域に関しては濃度規制なので、最大値と平均値で制御していこうという取組ですので、それぞれ各事業場ごとに説明を聞いて、その原料は一体何で、どういうプロセスでどういう努力をされているのかというのを1つずつチェックしていって、今回妥当だと思われるのを案として示させていただいているということでございます。

 そういう意味で、原料が発電所の灰とかに含まれているバナジウムとかモリブデン等を抽出するということですので、原料が一定量まとめて来るのか、それによってまた違ってくるんだろうと、変動が大きいというふうに伺っていました。

 どうぞ。

【辰巳委員】 この窒素・りんの排水基準は初めて参加するので確認させてもらいたいんですけれども、バナジウムとかモリブデン、それから、コバルトですね。これについての事業場というのは、これまでの硝酸性窒素の事業場とこれは同じ事業場なんですか。それとも別な事業場も含まれているわけですか。

【坂口室長補佐】 バナジウム、モリブデンは概ね一緒になります。

【甲斐課長補佐】 水環境課のほうで硝酸性窒素等の関係については担当しておりますので、お答えさせていただきますと、概ねは同じ事業場のほうになっていたと思っております。

【辰巳委員】 そうすると、今年ですか、バナジウムとモリブデンで硝酸性窒素の暫定基準値が変わりましたね、違っていますね。今まではずっと一緒だったんですけれども。たしか変わりましたよね。それは、ここでは……。

【平沢委員】 少し下げたんですね。それは、たしか考え方としては、ずっと同じだから少し努力しなさいということで、委員長の御指摘もあって下がったんだと思います。

【辰巳委員】 このアンモニアについては、こちらについて差はないということでよろしいわけですか。

【坂口室長補佐】 こちらは、いわゆる健康項目としての硝酸性窒素と、いわゆる生活環境項目としての全窒素・全りんということで、今回はC事業場からの排水中の窒素濃度がA事業場からの排出水よりも高くなったということで、今後事業場によっても変動もあるだろうということで、今回はこれまでのまとまりで案をつくらせていただいたという状況でございます。

【細見委員長】 確認してくれる。

【辰巳委員】 これから説明していただけるんだと思うんですけれども、資料5の4ページのところに平成28年6月まではモリブデンとバナジウムは同じ値でずっと来ているんですけれども、28年からモリブデンとバナジウムの値が変わっているんですけれども、これは硝酸性窒素か何かがきいているんでしたか。

【甲斐課長補佐】 水環境課からお答えさせていただきますと、後ほど御紹介させていただく予定でおりました資料5の4ページで、ただいま辰巳委員から御指摘いただきました硝酸性窒素につきましては、平成13年から暫定排水基準が設定されておりまして、モリブデン化合物製造業とバナジウム化合物製造業に関しましては、平成28年6月までは両方の化合物を製造している事業場の一番排水濃度が高かったという実態があり2業種とも同じ基準値としてきました。しかし、現行の基準値は、片方の化合物を製造している事業場の排水実態をもとにすることができましたので、切り分けて整理したというふうな経緯でございます。

【細見委員長】 よろしいですか。

 ほかにございますでしょうか。

 古米委員、どうぞ。

【古米委員】 資料3-1の14ページのところの酸化コバルト製造業で、いわゆる自動測定をやって、排水するところで管理することによって高濃度の場合には返送して対応するという御説明がありました。もともと、うまくアンモニアストリッピングが機能していない理由としては、洗浄水のアンモニアの濃度が低いので、それが処理槽に戻ってくると濃度が下がるので、アンモニアストリッピング効率が下がるということで安定的な運転管理ができないんだと。したがって、後半の排出するところで制御する、センサーを使ったエンドパイプ的な技術よりは、低濃度の洗浄水が大量に入らないようにためておいて、洗浄水の流入量を調整してアンモニアストリッピングの槽の濃度を安定化させて処理をするほうが効率的なように私は感じたんですけれども、そういう状況ではないんですか。

【平沢委員】 私もよく覚えていないんですけれども、古米先生の言われたようなシステムも含めて、要するに最適な方法をこの期間で検討していくというお考えでしたので、先ほど私が言ったようなことが全てじゃなくて、そういうのも含めてとにかくクリアに向けてシステムをつくると。

【古米委員】 センサーを入れて、より安定的なシステムに変えるということですか。わかりました。

【平沢委員】 そういうふうに聞いたと思います。

【細見委員長】 今後のフォローアップで今、古米先生の言われたことも踏まえてチェックというかフォローアップをさせていただきたいというふうに思います。要するに、変動の大きい部分を自動分析装置を使って平滑化しようという方向だと思いますが、そのやり方としては今、古米委員のことも十分あり得ると思いますので、次のフォローのときにはよろしくお願いしたいと思います。

 ほかにございますでしょうか。

 どうぞ。

【古米委員】 もう一つ、よろしいですか。

 資料3-2のほうで最終的に御提案の内容については特段問題ないと思うんですが、3ページ目のところで先ほど説明があったように、暫定基準の達成率が24年から29年で示されていますが、窒素の達成率は比較的上がってきていると。さらに厳しくしても今までどおりの行政だとか補助だとか支援ということで期待できそうなんですけれども、りんのほうを見ると、暫定基準も厳しくしたことも理由なんでしょうけれども、たったの0.9%しか達成率が上がっていないように読み取れます。後半で書いてある取組状況の予定の中には、りんに特化した形の積極的な規制への対応をするような記述はあったほうがよいのではと思います。窒素は今までどおりの対応、取組でより達成率は上がってくるけれども、りんはやや停滞気味なので、少し特出しで一文でもいいですので入れていただくと、事業者側へのメッセージになるのかなと思います。

【細見委員長】 それはどの辺りに入れれば一番いいんですかね。今のメッセージとしては、今後の排出濃度低減、5のところでしょうか。今の御意見、コメントの内容を導入するとき。

【古米委員】 今後の排出濃度のところなりに入れるのですかね。5のところの窒素・りんという合わせた形で表現ではなくて、りんに関して積極的にという言葉が出ると事業者側の意識が上がるかなと思います。現場の取り組み指導を実施するときにそういうメッセージを出していただくということも実質的には一緒かとは思いますけれども。

【細見委員長】 今、古米委員のおっしゃられた内容は、5の第2段落目のちょうど真ん中ぐらいの「また、高度処理設備等の導入」云々と書いてあるんですが、これは恐らくりんを意識した文章だと思いますので、ここのところに「特にりんについては、さらに除去効率を上げるために高度処理設備の導入を促進する」というふうに一つの語句を入れさせていただいて、今の趣旨でよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。

 辰巳委員、どうぞ。

【辰巳委員】 12ページなんですけれども……

【細見委員長】 どこの部分。

【辰巳委員】 鉱工業の分野ですね。

【細見委員長】 3-1の12ページ。

【辰巳委員】 天然ガス鉱業で、暫定排水基準の適用期限が3年間ということなんですけれども、これはもうアナモックス法はかなり現実にほぼうまくいっているというふうに理解してよろしいんですか。

【坂口室長補佐】 今、本格稼働用の設備は設置されて、11月から立ち上げ運転をして取り組まれていて、事業者さんのヒアリング等でも3年を目処に一般排水基準を目指したいということでございましたので、まずは3年の期限で御努力いただく中で状況を見ながら今後の暫定排水基準の取扱いを検討するような形でございます。

【辰巳委員】 そうすると、そのときにうまくいかなくてもそれで大丈夫なんですか。塩濃度がアナモックスの場合、特にかん水の場合は問題だと聞いてはいるんですけれども、その辺のことはもうクリアされて、実際にもううまく、もともとそれほど高い濃度ではないので、145mg/Lとか何か。だから、そこら辺は十分クリアできるような、3年間でクリアできるような見込みだということの理解でよろしいですか。

【坂口室長補佐】 見込みとしては、今はそういう形で伺っています。あとは、実際の状況は御報告いただきながら考えていくというようなことになるかと思います。

【細見委員長】 少なくともパイロットテストでは、実際の排水をたしか立米程度だったと思うんですけれども、それについては長期運転の実績があって、今度の実用設備というのは、たしか1日600トンの排水処理ですので、かなり規模の拡大は大きい。でも、設備はもうつくっておられて、今、昨年の11月から立ち上げて、ほぼ1つの、3つ大きな反応槽があったと思いますけれども、その一つが多分アナモックス処理はほぼできている状況ではないかと思います。

 御存じのように、ちょっと増殖速度が遅いので、立ち上げにちょっと時間を要するというので、そういう意味で事業者のほうでは3年の中でそういった立ち上げだとか季節変動だとか、もしも何かトラブルがあったときにどうやってバックアップするかというようなノウハウをこの3年間の間でためたいというか、処理性能はもうパイロットスケールで確認しているというふうに理解しています。

 よろしいですか。

 ほかにございますでしょうか。

 西村委員、どうぞ。

【西村委員】 資料3-1のバナジウム化合物製造業及びモリブデン化合物製造業で、既にちょっとお話が出ていたところにプラスしての質問というかコメントになるかと思います。やはりA、B、C、Dで排水濃度が非常に異なるということと、まずもって暫定基準でございますけれども、一般の排水基準に比べて非常に高濃度だというところは問題かと思いますので、今回暫定基準は継続されますけれども、濃度が下がるということで、それは一刻も早く一般排水基準まで持っていっていただくということについて継続して御努力いただかなければいけないんだと思います。

 その中で暫定基準としては4,000mg/L程度になるんですが、りんの事業場に関していきますと、かなり排水濃度は低いので、新しく提案されている暫定基準に対しても低いのでいいように、暫定基準を守れるのは当然守れると思うんですが、業種としての暫定基準はそれでよいのかと思いますが、一般の排水基準からいけば非常に高いという意味合いでは、こういう事業場においても、さらに濃度を下げるために御努力していただかなければいけないんだと思います。

 そこら辺が同じ業種の中でこれだけばらつきがあると、なかなか対応は難しいところが出てくるのではないかとちょっと懸念するので、ぜひそこはきめ細やかにといいますか、業種だけで見るのではなく、あるいは先ほど議論にありましたけれども、業種の中で受け入れている原材料が異なることによって処理を大きく変更しなければいけないというような事情があるようなので、要は対策ががらっとそこで変わってくる可能性があるわけですね。そういうものに関しては、業種としてくくるよりは、本当はもっと細かい分類の中で、あるいは暫定基準的なものに関しても本来はもうちょっときめ細やかに目標を持って、しっかりと本来の排水基準の目標であるところの直ちに一般排水基準へ持っていくというようなことをやっていかなければいけないんだと思います。

 そういうことでコメントにもなるんですけれども、少し今までのルールの中で暫定基準は守れているというだけではなくて、その先の一般排水基準へどうやって持っていくかということについては、もうちょっと踏み込んだ対応が必要なのかなというふうに思います。

【細見委員長】 どうもありがとうございます。

 これについて、平沢さん。

【平沢委員】 この4つの業種を私も長く見ているので、かなり努力をされていて、普通のやり方ではもうできない状況です。2つ課題があって、それで暫定をいただいているんですが、ストリッピング装置はもう全部入っていて、きちっとストリッピングしているんですが、予想のつかないことが起こってきて、金属のアンモニウム錯体になっていて、アンモニアをとると充填塔の中で金属の水酸化物が析出して充填塔が詰まっちゃうと、そのトラブルがあって、それがまず改善しないとストリッピングは連続的に動かないという問題があります。これは何とか対応しようとして、この暫定の中で金属を事前にとるとか析出しないようにする、あるいは洗浄するのかニットをつけるのか、いろんな手だて、基本的には除去という方法で検討をされているのが1点。

 もう一つは、回収したとしても利用先がないと戻っちゃうわけです。それで濃度が高いわけです。ですから、一応この暫定の委員会でもしストリッピングがきちっと動き、アンモニアがもし回ればどうなるんですかということはクリアできますと言っていたので、一応道筋はあるわけです。2つの点、要するにストリッピングをきちっと動かすということ、そのための技術開発、それからもう一つは、希薄なアンモニアがとれるので、それの利用先を見つける。業種によって少し低くなっているのは、自社内で循環ができるところはできています。さらに、回収アンモニアの利用先が明確になってきちっと回るようになれば、これも道筋はあるんだろうと思います。

 ただ、そのギャップは、その2つの課題はそう簡単ではなくて、事業者単独でできることではないですね。それも委員会の中で、こういうところをやったほうがいいのではないかと、そういう調査をされていて、この暫定をいただいた中で改善する努力を省庁も連携しながらやっていただくというような話で、先生、そんな感じでよろしいでしょうか。

【西村委員】 もちろん御努力していただいているんだと思います。その上でこの一般排水基準、どうやって持っていくかというときに、例えば技術的に限界があるということがもし見えたときに、では、それを暫定基準で対応していくのかというような、いずれそういう議論になろうかというふうに思います。

 私が思うに、本当に努力されていて大変な思いをされたり、あるいは会社のいろいろな例えば経営的な問題にもいった場合には、万が一会社のほうで立ち行かなくなったら排水も出なくなるので、そういうことをそこまで対応していただきたいとか、そういうことを思っているわけではないんですが、ただし、やっぱり公平性というような言葉が資料にも何度か業種間、事業場間の公平性というのが出てきておりますし、何かしら本当に特定の業種で技術的な限界というのがもし見えたとしましたら、それを排水基準というような形で求めるのか、あるいはもうちょっと代償的な措置とか、さまざまな方法で要は環境のために何か改善できるところで対応していただくとか、何かしら考えていく必要があろうかと思いますし、暫定基準に関しては、今の業種に関しましては、やはり桁が違うというところで、なかなか一般排水基準までは何十年、何百年あるいはもしかしたらというような、そういうようなことも思うので、こういう議論を今までの論理の中でどこまでやるのかというふうなことは次の段階では検討してもいいのではないかというふうに思います。

【平沢委員】 よろしいでしょうか。

 おっしゃるとおりでございまして、私も全くこれをずっとやっていて非常に苦しくなってきて、アンモニア及び硝酸、この2つ、なかなか合理的な技術がなくて、これをどういうふうに扱うのかというのはぜひ検討していただきたいなと。なかなか合理的な技術が出てこない、それをどうするのかというのは考えていただきたいなと私も思っております。

【細見委員長】 事務局、何かありますか。

【坂口室長補佐】 全窒素、全りんに限らず暫定排水基準が設定されている物質で、そういう高いものをどう考えていくかということだと思いますので、状況を整理しながら、課題というのを水環境課とも連携して整理していきたいというふうに考えております。。

【甲斐課長補佐】 今、閉鎖性海域対策室が申し上げたとおりでございますけれども、暫定排水基準全般につきましては、これまで西村委員のほうから御指摘いただいたような技術的に完全に限界が見えてという事例はまだ出てきておりませんので、もし業種によってそういうことがございましたら、業種の実情に応じて水環境課が担当している項目も含めて考えていく必要があるのかなと思っております。若干次の資料5も少し関係する部分があるかもしれませんので、これにつきまして御説明させていただいた後で、また御意見を伺えればというふうに思ってございます。

【細見委員長】 今、西村委員のほうから一般排水基準までかなり距離感があると。しかし、技術的にはかなり難問であるということも御理解していただいた上で、次のステップとしてどうするのかということについては、若干今、事務局からありましたように資料5でもこれについては少し紹介していただけると思いますので、本日の海域の窒素・りんの暫定排水基準の見直し案について、特に資料4でございますが、まとめとして、これについて一応若干加える文言はあったとしても、この基準案でいかがでしょうか。御異論がなければ、この基準の見直し案を了承していただいたということでよろしゅうございますでしょうか。

 ありがとうございます。

 若干先ほど古米先生のほうからあったようなことについては、委員長預かりで修正させていただくということにしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、次の今後の予定についてということで事務局から説明をお願いいたします。

【坂口室長補佐】 委員の皆様、御議論ありました。本議題に関する今後の予定については、最初に御説明させていただいた資料2の2ページにも記載しておりますけれども、この後、事務局におきまして本日取りまとめられた基準の見直し案についてパブリックコメントの手続をかけた上で、今後、水環境部会での御議論をいただいた上で省令改正等に向けて作業を進めていきたいと考えてございます。

 本日はありがとうございました。

【細見委員長】 それでは、今御説明のあったスケジュールで進めていただきたいというふうに思います。

 それでは、議題の2番目、その他というのがございます。これについて特に資料5ということでございましたけれども、甲斐さんのほうからお願いします。

【甲斐課長補佐】 それでは、既に一部御説明させていただいておりますが、水環境課のほうから資料5について御説明いたします。

 こちらは今後の予定ということでございますが、次の暫定排水基準の見直しとして、ほう素、ふっ素、硝酸性窒素等に係る暫定排水基準が平成13年7月から設定されてございますけれども、来年の6月末が直近の適用期限というふうになってございます。

 1ページ目の表1にこれまでの経過を表でまとめておりますが、実際の実数で申し上げますと、12業種が現在いずれか3項目のどれかについて暫定排水基準が設定されているという状況になってございます。

 時間の関係もございますので、今後の予定の部分を中心に御説明させていただきますと、2ページでございますが、来年6月の期限までに見直しがそれぞれの業種について必要というふうになっているわけでございますけれども、特にこれらの業種のうちほう素とふっ素の暫定排水基準が適用されている温泉を利用する旅館業というものがありますけれども、こちらについて少し課題が出てきております。これまで環境省のほうで平成18年度より技術開発のための実証事業というものに取り組んできておりまして、詳細は表3のほうにまとめているんですけれども、なかなか中小事業者の方が多いというところでございますのと、あと、温泉によっては自然に湧き出ているケースもあったりして、先ほど関連する議論もございましたけれども、こちらの業種については現状で処理技術が確立されてきていないというふうになっております。

 そうしたことで、環境省のほうで自ら実証試験に取り組んできているのですが、その期間がある程度経過しているというのもございますので、2ページの3ポツの今後のスケジュールでございますが、次の委員会は今年の秋ごろを想定しているんですけれども、全体としては3項目、ほう素、ふっ素、硝酸性窒素等の全12業種について見直しを行っていく必要があるんですが、温泉を利用する旅館業については若干先行して議論を始めていただきまして、ほかの業種につきましては、先ほどの窒素・りんの暫定排水基準と同様に別途検討会を開催させていただきつつ、見直しの案を検討していきたいと考えております。

 3項目全体の見直しといたしましては、今の時点では2月から3月、来年ごろの本専門委員会において見直し案について御検討いただきたいというふうに考えておりまして、こちらは3年前に各項目、各業種を見直した際のスケジュールと概ね同様となっております。

 なお、2ページの最後のところに記載しておりますが、温泉を利用する旅館業につきましては、現在、排水実態の調査を進めております。これは先ほどの畜産農業に関する全窒素・全りんの排水実態調査に若干似ているところもございますが、非常にもともと水濁法の対象になっている事業場が多いこともありまして、これまでなかなか全体的な排水実態が把握できていなかったという部分がございましたので、その調査を現在、自治体の御協力をいただきながら進めているということでございます。次回以降の専門委員会では、そういった結果も踏まえながら御議論いただければと考えてございます。具体的な内容につきましては、今後の委員会で御議論いただければと考えてございます。

 以上です。

【細見委員長】 どうもありがとうございました。

 今後、特に温泉を利用する旅館業についてまず議論を始めたいということで、これについては技術的にかなり困難な部分があるという意味で、先ほどのバナジウム、モリブデンと同じような技術的な、もちろん業種は違うんですけれども、技術的にかなり難しい点もあるということで、そういうものについてどのように進めていくかということですが、まず、排水の実態調査というものが重要だろうというのが今の認識ですが、これについて何か、進め方等について何か今現時点でコメントとか御質問とかありましたらお願いしたいんですが。

 浅見委員、どうぞ。

【浅見委員】 ありがとうございます。

 先ほどのことともちょっと関連するんですけれども、閉鎖性の水域ですとか湖沼ですとか、あと、水源となっております河川ですとか、そういう重要性の高いところに対してどのくらいの負荷量があって、これがどういう影響を及ぼしているので急がなければいけないのかということがちょっとわかりにくいので、ぜひそういう影響のことを含めてどこを急がなければいけないかということを教えていただければと思います。ぜひ今回データを集めていただいているということですので、その排出されている先の水域の状況ですとか、そういったこともあわせて解析できるような形に少しでも近づけていただけるとありがたいと思います。

 全部網羅するのは難しいと思うんですけれども、例えば閉鎖性水域の中でどこが一番超過しているのかとか、一般的にいきますと、6割程度しかまだ環境基準が達成できていないところが多いと思いますので、急がなければいけないところについては何か補助メニューをつくっていただくとか、急がなくていいところに関しては少し猶予するとか、そういった濃淡が生じないとしようがない状態になるのかもしれないなというふうに思っております。

【細見委員長】 確認ですけれども、窒素・りんについてですか。それとも……

【浅見委員】 まずは窒素・りんですけれども、全体的に今回、暫定基準を考えるときに流域の状況が全然わからない中でその数値だけを一般に持っていくか持っていかないかで物すごく費用がかかるかもしれないことをお話ししているわけで、最後本当にもう開放的な海に出るだけであればそんなにという考え方もあるかもしれないですし、やっぱりちゃんとやらなければ赤潮が発生したりとかプランクトンが物すごくなっているとか臭気が出ているとか、困っているところはやはり優先して取り組まなければいけないのではないかなというふうに思いますので、そういった情報とあわせて急がなければいけないところがどこかというのを議論できるような材料があるとありがたいと思います。

【甲斐課長補佐】 ありがとうございます。

 ほう素等の3項目につきましては、いずれも有害物質だということもございますので、排水実態調査を進める中でも各事業場の流域での利水の状況などもできる限りわかる範囲で自治体の御協力をいただきながら、できる範囲で整理してまいりたいというふうに思っております。窒素・りんに関しましては……。

【坂口室長補佐】 どういった海域かというのは、資料2の4ページの表2に、88の閉鎖性水域の中でどこに事業場があるのかという実態とについては6ページの表5のほうで整理をさせていただいております。窒素・りんについては、特に東京湾、伊勢湾では、濃度規制だけではなくて、総量の規制やすそ下げなどそういうところも含めて取組に濃淡をということかと。

【細見委員長】 恐らく窒素・りんについて、今88閉鎖性水域において、その水域の状況が非常に問題なところは優先して取り組まないといけないのではないかというような趣旨ですので、これから少し排水者側のデータがあるわけですけれども、閉鎖性水域の側のデータがあって、危機的な状況であればもっと優先的にやるべきではないかという意味だと思いますので、多分窒素・りんについてはそれでいいのかなと思うんですが、調べていただきたいと思います。

 それと、ほう素、ふっ素、硝酸性窒素等については一応健康項目ですので、水域ごとに変えるということではなくて一律という基準という考え方で、水質汚濁防止法の規制がそうしてきているので……

【山本室長】 細見先生先生がおっしゃるように、水域ごとに暫定排水の基準値は決めておらず、基本的に一律に定められています。水域ごとで問題になっていることに対しては、総量削減で上乗せ的に規制をしており、それについては水域ごとに出ますけれども、暫定排水基準の見直しにおいては全国一律の排水基準に対していかに着実に暫定排水基準を解消していくかというほうが中心の議論になっております。したがって、水域ごとの排出先を見てという話がございましたが、地域ごとに暫定排水基準を定めるということに今の仕組みですといかないので、それはまた別問題かなと思っております。

【細見委員長】 どうぞ。

【浅見委員】 いろんな話をまぜてしまって恐縮なんですけれども、水域ごとにいかないというのは、原則としてはそうなんですけれども、やはり優先的に取り組まなければいけないところは、資源も限りがある中でやはり優先的に取り組んでいただきたいというのが趣旨でございます。全体の仕組みを変えてくれというよりは、先にやらなければいけないところがあるのであれば、そこははっきりしていただいたほうがいいのかなというのと、あと、先ほどちょっと健康影響のお話がありましたけれども、ほう素とかふっ素とか、ここには急性影響のことしか書いていないんですけれども、水道の基準にもなっておりまして、やはり利水をしているところではもっと薄い濃度で発生毒性の毒性は決まっておりますので、そういう点でも急いでいただきたいところは急いでいただきたいですし、そうじゃないところは技術的に可能な限りというような形になるかなと思います。

【甲斐課長補佐】 次回以降、御議論いただく際には、健康項目ということがございますので、環境基準の達成状況などのデータもしっかり準備させていただきたいと思います。

【細見委員長】 よろしいでしょうか。

 ほかにございますでしょうか。

 今いただいた窒素・りんへのまず取組が閉鎖性水域の水質をよく調べていただいて、優先的な水域があるのかどうか、そういう取組も必要ではないかと。一律でやると。もう一つの健康項目については、基本的には全国一律なんですけれども、しかしながら、やっぱり利水とかを考えると何らかの暫定という中でも優先的な順位があるのではないかというのが浅見委員の御意見ですので、これは今後健康項目の暫定排水基準の見直しに向けて、温泉排水を考えながら今の御意見を検討する1つの意見として承って、次回以降の見直しについて反映させていただければというふうに思います。特にどういう水域で問題なのかという環境基準の達成率も含めながら、排水が流れていく水域の状況もあわせて理解しておくというふうにしたいと思います。

 この資料5についてはこれから検討していくことになりますので、次回の排水規制、この専門委員会で議論を深めていきたいというふうに思います。

 それと、もう一つ資料がございますので、資料6について、地下水の伊藤さんのほうからお願いします。

【伊藤室長補佐】 地下水・地盤環境室でございます。

 地下浸透基準の設定に関する検証について、資料6をもとに御説明させていただきます。

 平成23年にカドミウム、平成26年にトリクロロエチレンの地下水の環境基準がそれぞれ変更されました。これを受けて、地下浸透水の規制に係る許容限度等の見直しについて取りまとめられました中環審の答申では、地下浸透水が有害物質を含むものとして環境省令で定める要件、以下「地下浸透基準」と呼びますが、これは据え置くこととした上で、地下における有害物質の挙動が物質によって大きく異なる可能性があること、測定分析技術は常に進歩していること等を踏まえて、従来の地下浸透基準の設定方法の妥当性について検証が必要であること。さらに、その際には、暫定的に据え置いたカドミ、トリクロの地下浸透基準についてもあわせて精査すべきであるとされておりました。このため、地下浸透基準の設定に関する検証について行った結果を報告させていただくものであります。

 有害物質を含む水の地下浸透規制の現状について、以下整理しておりますけれども、昭和50年代に環境庁が実施した地下水汚染実態調査において、全国にわたりトリクロロエチレン等による広範な地下水汚染が判明したことから、地下水汚染の未然防止が喫緊の課題となったわけでありますけれども、地下水質保全対策のあり方について取りまとめられた平成元年の中央公害対策審議会の答申におきましては、地下水はそのままあるいは簡易な処理のもとに飲用に用いられることも少なくないなど、地下水の汚染は国民の健康に直接影響する可能性があるという状況を考慮する必要があること、地下水の特質として一旦汚染が生じればその影響が長期間継続すること等も考慮する必要があることから、地下浸透の許容限度を設定することは、地下浸透による排水処理を容認するものであると解すべきではなく、地下水汚染を惹起する可能性のある行為は厳に慎むべきであることは言うまでもないとされております。

 この答申を踏まえまして、平成元年に地下水汚染の未然防止を図るために水濁法の改正がされて、有害物質を含む水の地下浸透が規制されました。具体的には、有害物質使用特定事業場から水を排出する者は、環境省令で定める要件に該当する特定地下浸透水を浸透させてはならないとされております。環境省令では、有害物質の種類ごとに定める検出方法により汚染状態を検定した場合において当該有害物質が検出されることがその要件とされているところでございます。その後、平成9年に地下水の水質保全を図るために、地下水の水質汚濁に係る環境基準が設定をされております。

 1枚めくっていただきまして、2ページに検討結果をまとめております。

 地下浸透基準の設定方法の妥当性の検証を行うに当たりまして、地下環境中における有害物質の挙動に関する調査を行いました。また、地下浸透基準に関する検定方法として定められている分析方法の定量下限の改正状況に関する文献調査を行っております。さらに、地方公共団体の協力を得まして、水濁法第5条第2項において届出の対象とされております特定地下浸透水を浸透させる事業者に関する実態調査を実施しました。

 以下、順に整理しております。まず、地下環境中における有害物質の挙動に関する調査でございますが、現行の地下浸透基準は、日本工業規格に定める検定方法の定量範囲等も考慮しまして、地下水環境基準を下回る値に設定されております。地下水環境基準よりも地下浸透基準が厳しい値であることが適当であるかを検討するために、有害物質が地下に浸透した場合の地下環境中における挙動に関する文献調査及び地下浸透試験を実施しました。

 文献調査の結果からは、地下浸透する有害物質を含む水の濃度が地下浸透後に浸透前の濃度を超えることがないという知見は得られませんでした。また、地下浸透試験において有害物質を含む水の濃度が地下浸透後に浸透前の濃度を超えることがないかを確認するためにカラム試験を実施しましたが、浸透後の有害物質の濃度が浸透前の濃度より低いことが確認されたわけでありますけれども、浸透後の有害物質の濃度が浸透前の濃度を超えることがないということを証明するまでには至らなかったところであります。

 したがって、現行の地下浸透基準を変更し、地下水環境基準と同等にした場合に、地下水環境基準を超える懸念がないとは言い切れないことから、現行の地下浸透基準を上回る濃度に変更することは適切でないと考えられます。

 次に、地下浸透基準に関する検定方法に定められています分析方法の定量下限値の最大値の改正状況を確認しました。先ほども述べましたとおり、地下浸透基準は有害物質の種類ごとに定める検定方法により汚染状態を検定した場合において、当該有害物質が検出されることとされております。これはより多くの地方自治体や分析機関が検定できるように、水濁法施行規則等に定められる複数の検定方法の定量下限値のうち最大となる値が検出されるということを意味しているわけでありますけれども、検定方法が定められて以降の分析方法の改正状況を調査しまして、定量下限値の最大値に変更が生じていないかどうかの確認を行いました。

 別添1と別添2として、5ページ、6ページにそれぞれカドミとトリクロの測定方法と定量下限値の変遷について整理をしております。表の説明は省略させていただきますけれども、その結果によりますと、この検定方法におきまして、現行の定量下限値の最大値は、設定当時の定量下限値の最大値から変更がないことを確認しました。したがって、水濁法施行規則に定められた検定方法における定量下限値の最大値はこれまでに変更されておらず、仮にこれを下回る濃度に地下浸透基準を設定した場合、分析対応することができない地方自治体や分析機関が出てくる可能性がありますことから、行政の継続の観点から現行の地下浸透基準を変更しないことが望ましいと考えられます。

 それから、次の3ページでございますが、最後に特定地下浸透水を浸透させる事業者に関する実態調査を行いました。

 水濁法第5条第2項において、特定地下浸透水を浸透させる事業者は届出の対象とされているところでありますけれども、地方自治体の協力を得てその実態把握を行ったものです。特定地下浸透水を浸透させる事業者数は年々減少傾向にありまして、平成6年度末時点においては21業者でありましたが、平成28年度末時点においては2事業者となっております。2事業者はそれぞれほう素並びにカドミウム等を使用しておりまして、つまりトリクロを地下浸透させている事業者はなかったということであります。

 水濁法第14条第1項に基づいて、この特定地下浸透水を浸透させる者には汚染状態の測定の義務づけがされているわけでありますけれども、その測定結果によりますと、2事業者ともに地下浸透基準を遵守しておりまして、これまで周辺での地下水汚染の事例は確認されておりません。また、近年、特定地下浸透水を浸透させる事業者は数事業者で推移しておりまして、増加する傾向は見られないところであります。したがって、水濁法に基づき特定地下浸透水の浸透を行っている事業は少数ながら存在しているものの、現在のところ地下浸透基準を遵守しており、周辺での地下水汚染の事例は確認されなかったことから、現行の地下浸透基準を下回る濃度に変更する必要はないものと考えられます。

 地下浸透基準が設定された後、地下水環境基準の設定や検定方法の改正等の状況に変化はありましたものの、以上の結果を考慮すれば、地下浸透基準の設定方法は現在もなお妥当と考えられるところであります。また、暫定的に据え置かれたカドミ及びトリクロロエチレンの地下浸透基準は変更せず、現行のとおりとすることが適当であると整理しております。この取りまとめにつきましては、本日この専門委員会で御議論をいただいた上で水環境部会のほうにも報告させていただければと考えております。

 資料の説明は以上でございます。

【細見委員長】 どうもありがとうございました。

 地下浸透基準の設定について検証という作業を行っていただきました。これについて御質問とか御意見ございましたらよろしくお願いいたします。

 大塚委員、どうぞ。

【大塚委員】 ちょっと経緯を教えていただきたいだけなんですけれども、結論には何も異論ございませんが、地下水の環境基準とこの特定地下浸透水の禁止に関する検出をされることという要件と食い違っているので、合わせる必要があるのかと。地下水環境基準に合わせる必要があるのかという議論がどこかにあって、そうではないという結論を出したというふうに私は受け取ったんですけれども、そういう理解でよろしいんですね。

【伊藤室長補佐】 今、先生がおっしゃったとおりでして、この専門委員会で三、四年前に取りまとめをしていただいたときにこの件が検討課題になっておりまして、今、大塚先生から御指摘のあったような議論があったという経緯があったわけですけれども、それに関しての検討結果の整理ということで報告させていただきました。

【大塚委員】 わかりました。

【細見委員長】 よろしいでしょうか。

 御意見、御質問ありましたらお願いいたします。

 では、浅見委員、どうぞ。

【浅見委員】 すみません、ありがとうございます。

 その以前の議論のこともありまして、確認していただいたというふうに理解をしております。現在の日本では、すごく積極的に浸透を下げたいところがあまりないので、こういう結論になっている、現状ではこういうふうな結論になっているというふうに理解といいますか、そういうことなんだろうなと思います。ただ、海外のように非常に水に困ったところがまた生じてしまったりとか、地下浸透をもっと積極的にということだった場合には、またそのときの状況に応じた議論がなされることと思いますので、すみません、そういう理解をいたしました。

【細見委員長】 伊藤さん、どうぞ。

【伊藤室長補佐】 水濁法は有害物質を使用などしている事業場に対して、かつ有害物質使用特定施設に係る汚水に対しての浸透の制限ということで、このように規制をしているわけですけれども、水循環の観点からは、地下浸透を促進する方策も一方で検討されているという状況もあります。地下水保全という観点では、きれいな水であれば積極的にしたほうが水循環の確保という観点からは、よい面もありますので、事業場に対する規制と、一方で水循環という観点の両面から考えていく必要があると思っているところであります。

【細見委員長】 今回、水濁法で言う特定事業場に対して排水すると、そこに限定した、大きな水循環とはまたちょっと違うと。

【渡邊課長】 細見先生御指摘のとおり、地下水の涵養のために田んぼでも公共用水域の地下に水を浸透させた場合、それは自然な水の循環という話ですが、有害物質使用特定施設からの排水は有害物質を含むものなので、やはり今後とも基本的には、排水はきちんと処理して公共用水域に流していただくのが基本で、あまり地下浸透を奨励するという方向には行かないんだろうなと思っておりますというのと、現在もう事業者がほとんど1か2になっていて、実際にもう今後それをやりたいというふうなところはあまりないということもあって、これはむしろ緩めて地下浸透を進めるという方向で持っていかないのかなと考えます。これは水じゃなくて有害物質を含む工場、事業場から、しかも、特定事業場からの排水ですので、こういった結論になっているということです。

【古米委員】 浅見委員が言われたことに関連して申し上げると、非常に水不足のところでは、例えば下水処理水をさらに高度に処理して、地下水涵養している事例というのはカリフォルニアにもあるし、オーストラリアでもあるという実態です。日本の場合はそこまでやる必要はないということですけれども、ある意味、工場排水ではないけれども、ある程度きれいにした水を地下水に涵養するという流れは国際的にはある。そういう動向を見ながら、日本はどうするのかというような観点もあってもいいのかなと。日本の場合だからこうだということよりは、国際的には将来の水不足を想定して再生水を利用するという流れが存在していますので、高度に処理した水の地下浸透についてどう規制すればいいのかということも何か視野に入れておいていただいてもいいのかなというように私も感じております。

【細見委員長】 課長、どうぞ。

【渡邊課長】 多分、今のお話は逆にこれは繰り返しですけれども、有害物質の使用特定事業場、極めて狭い部分しかこれは規制対象になっていなくて、そうじゃない普通の水の浸透については、むしろ規制外なので、本当に問題が起きるのであれば、それはどうするかというのはあるかもしれません。今のところで言うと、それこそカドミウムとか何種類か宿題になっていましたけれども、そういうものを使っている事業場の排水、ですから、先生おっしゃったように、田んぼとか下水の水の規制をこれでやっているわけじゃないので、では、本当にそういう規制は必要あるのかどうか、出てきたらまたその時点で考えるということです。

【古米委員】 ちょっと私の説明が下手だったと思いますけれども、処理水が川に入って、作為的に地下浸透されていない場合には、今までの考え方としては自然のメカニズムの涵養、田んぼも同じようにそうです。だけれども、私が先ほど申し上げたのは、ある処理場の中に積極的ないわゆる土壌処理をするつもりで処理水がそこに入れて地下水涵養されていくといったときには人為的な、いわゆる人工的な涵養なので、いわゆる地下水浸透基準に適用されるような人為的な行為なので、なおかつそれが自然のものではなくて処理場という場所であれば、必然的に工場だとか事業場と同じような対象になると。そうすると、その対象となっている浸透させる水自体のいわゆる健康項目なり対象となっている物質がもし含まれている場合には、それをどう管理するかということも今後起き得るのではないかなという意味で申し上げました。

【細見委員長】 どうですか。ちょっとお互い理解がなっていなかったと思いますけれども。

【渡邊課長】 先生がおっしゃっている点については、現在、有害物質の使用特定事業場になっていない事業場について、懸念が生じているようでしたら追加する必要があるかもしれませんけれども、地下浸透規制は有害物質使用特定事業場に限ったものでありますので、例えば下水処理場が有害物質を相当受け入れる、そういう心配があったらどうするというのは、出てきたときに考えるしかないのかなと思います。

【細見委員長】 山下さん、下水道の立場から何かありましたら。

【山下委員】 今お話のあったとおり、基本的にこの法体系自体は有害物質を使用している事業場からの地下浸透水を規制するという体系だというのは、環境省さんの御説明のとおりだと思います。下水処理場で今、古米先生がおっしゃっていただいたとおり、特に海外ではそういったような取組もされていて、国内ではこれも申し上げたとおり、積極的にそこまでというところはございませんが、世界的に水不足という話はございますので、そういう可能性というのは国内・海外も含めてあり得るのかもしれないと考えております。その際に今は下水処理場でそれほどここの規制対象になっているような有害物質が流入しているというような状況はございませんが、そういったことが積極的に取り組まれる際は、そういった点も法で規制されているかどうかにかかわらず、当然モニタリング等をあわせて実施しながら、そういったことの取組が進められるというのは海外での事例でも同様でございますので、まずはそういったところを念頭に置きつつ、法体系は法体系として整理されていますので、その両面で考えていくことなのかなというふうに理解をしております。

【細見委員長】 うまくまとめていただいたと思いますが、今回、資料6に関しては、特に水濁法で言う有害物質を使用している事業場の排水に限定した、もう本当にごく限定した内容についての浸透水の基準を現行のままでよかろうというまとめでございます。これについては恐らく御理解していただいたと思いますので、その他の水循環の広い意味での水の浸透あるいは地下水、水資源を確保するという意味で浸透というのも諸外国では行われているので、そういうものはもう少し違った観点というか、今回の資料6というのは、それは含んでいないということで整理をさせていただきたいと思います。

 これについては再来月ですか、次回の水環境部会のほうでもう一度これは諮るんですか、報告になりますか。報告していただくということでございます。

 ちょっと時間をオーバーしてしまいましたが、今日いただいた御意見、特に今後の暫定排水の見直しの案等については、次回以降この専門委員会で諮っていきたいと思いますので、委員の皆様のこれからの御協力をよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、議事についてはこれで終了というふうにしたいと思いますが、事務局のほうで。

【渡邊課長】 本日お忙しい中、委員の皆様には熱心な御議論をいただきまして、誠にありがとうございました。

 本日の議事録案でございますが、後日お送りしますので、御確認をいただければと存じます。その上で、速やかに環境省ホームページに公開させていただく予定であります。

 それから、次回の専門委員会でございますが、また後日、日程調整をさせていただく予定でございますので、その際にはよろしくお願い申し上げます。

 本日は誠にありがとうございました。

午後3時12分 閉会

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