中央環境審議会 水環境部会 排水規制等専門委員会(第28回) 議事録

排水規制等専門委員会(第28回)

議事次第

1.開会

2.議題

(1)ほう素、ふっ素、硝酸性窒素等に係る暫定排水基準の見直しについて

(2)その他

3.閉会

配布資料一覧

 資料1   中央環境審議会水環境部会排水規制等専門委員会委員名簿

 資料2   ほう素、ふっ素、硝酸性窒素等に係る暫定排水基準について

 資料3-1 温泉分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果

 資料3-2 畜産分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果

 資料3-3 工業分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果

 資料3-4 下水道分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果

 資料4   ほう素、ふっ素、硝酸性窒素等に係る暫定排水基準の見直し案について

 参考資料1 温泉を利用する旅館業におけるほう素・ふっ素の排水実態等について

       (平成30年12月3日 第27回排水規制等専門委員会資料)

 参考資料2 高濃度の温泉排水を排出する旅館へのヒアリング結果

       (平成30年12月3日 第27回排水規制等専門委員会資料)

 参考資料3 これまでの温泉排水処理技術開発普及等に向けた取組状況

       (平成30年9月11日 第26回排水規制等専門委員会資料)

 参考資料4 簡易水質検査キットによる温泉排水の測定について

議事録

午前10時00分 開会

【熊谷課長】 定刻となりましたので、ただいまから第28回中央環境審議会水環境部会排水規制等専門委員会を開会いたします。

 本日、委員総数11名で、今9名のご出席をいただいております。大塚先生から10分ほど遅れて入られるというご連絡をいただいていますので、来ていただくと10名ということで進めたいと思います。

 開会に当たりまして、水・大気環境局長の田中よりご挨拶申し上げます。

【田中局長】 おはようございます。水・大気環境局長の田中でございます。

 第28回排水規制等専門委員会の開会に当たりまして、一言、ご挨拶を申し上げます。

 委員の皆様方におかれましては、ご多忙の中、お集まりをいただきまして誠にありがとうございます。また、平素から水環境行政の推進につきまして格別のご指導を賜っていることについても、重ねて御礼を申し上げます。それから、中環審も委員の構成などが変わりました。また新しい部会長、委員長のもとで熱心なご審議をよろしくお願いしたいと思います。

 本日の委員会ですけれども、本年6月30日に期限を迎えますほう素、ふっ素及び硝酸性窒素等の暫定排水基準の見直しに関しまして、ご議論をお願いしたいと考えております。これらの物質に係る暫定排水基準につきましては、平成13年の設定当初の40業種から現在は12業種まで減少して、排水の改善に関する取組が進んできているところでございます。

 この12業種につきましては、幅広い業種にまたがっておりまして、抱える課題もさまざまであるということです。これまで環境省におきましては、温泉分野、畜産分野、工業分野及び下水道分野のそれぞれについて、分けて検討を進めてまいりました。本日は、各分野の検討結果についてご報告をさせていただき、暫定排水基準値の見直し案についてご議論をお願いしたいと考えております。

 先生方には、忌憚のないご意見を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。

【熊谷課長】 それでは、お手元の配付資料の確認をさせていただければと思います。

 1枚目に議事次第、その次に座席表になりますけれども、その後ろ側に資料1としまして委員会の名簿、それから資料2としまして、ほう素、ふっ素、硝酸性窒素等に係る暫定排水基準について、資料の3-1から3-4としまして温泉分野の検討結果、畜産分野の検討結果、工業分野の検討結果、下水道分野の検討結果と、以上、枝番を含めまして資料の3-1から3-4になります。資料4としまして、ほう素、ふっ素、硝酸性窒素等に係る暫定排水基準の見直し案についてということで、以下は参考資料になります。温泉を利用する旅館業におけるほう素、ふっ素の排水実態等について、高濃度の温泉排水を排出する旅館へのヒアリング結果、これまでの温泉排水処理技術開発普及等に向けた取組状況、また参考資料4としまして簡易水質検査キットによる温泉排水の測定についてで以上になります。

 過不足がございましたら、事務局のほうにいただければと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、委員会の審議ということで、以下の進行を細見委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【細見委員長】 おはようございます。本日は年度末を迎えてご多忙の中、委員の皆様におかれましては本当にご出席いただきましてありがとうございます。

 本日の排水規制等専門委員会におきましては、先ほど田中局長からありましたように、今年の6月30日に適用期限を迎えますほう素、ふっ素、硝酸性窒素等、これらにつきまして、7月1日以降の暫定排水基準の見直しについてご議論いただきたいと考えております。委員の皆様におかれましては、活発なご議論、よろしくお願いいたします。

 それでは、早速ですが、議事の1番、ほう素、ふっ素、硝酸性窒素等に係る暫定排水基準の見直しについて、まず、資料の2について、これまでの基準について事務局より説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

【髙橋課長補佐】 では、資料2のほう素、ふっ素及び硝酸性窒素等に係る暫定排水基準について、ご説明いたします。

 資料2の1ページに経緯が書いていますけれども、今回、暫定排水基準がかかっておりますほう素、ふっ素、それから硝酸性窒素等につきましては、水質汚濁防止法による一般排水基準が平成13年7月に設定されています。ほう素については10mg/L、ふっ素については8mg/L、硝酸性窒素等については100mg/Lとなっており、海域排出の場合については、資料に記載したとおりとなっています。

 この際に、直ちに一般排水基準を達成することが難しいと認められる40業種を対象にしまして、3年間の期限で暫定排水基準が設定されています。その後、3年ごとにその見直しを実施しており、表1に対象業種数の変遷が書いていますけれども、現在ですと平成28年に行われた見直しによりまして、12業種について今年6月末を期限とした暫定排水基準が適用されています。

 2ページですが、前回見直しからの検討状況をお示ししています。暫定排水基準は、直ちに一般排水基準への対応が困難な業界について、暫定的に緩やかな基準値を一定の期限で定めているというもので、排水の排出実態でありますとか排水処理技術の開発動向などを把握して見直しを行うこととしています。今年6月に期限を迎えるものについて、個別分野の検討会も設置して検討を行ってきているというのが、温泉分野、畜産分野、それから工業分野等ということになります。

 また、温泉排水については、この専門委員会の過去の会議で、今後の中長期的な方針を含めて検討を行っていただいています。このほか、下水道分野につきましては、国土交通省からの報告もいただきながら暫定排水基準の見直しを検討してきたところです。これらの検討状況について、後ほどご説明をします資料3-1から3-4に取りまとめています。

 この見直しに係る今後の予定ですけれども、今回の専門委員会でご議論をいただき、取りまとまった後にパブリックコメント手続を行いまして意見募集を経て、その結果を踏まえた見直し案について中央環境審議会水環境部会で審議いただいた後で、今年7月1日の改正省令の施行につなげていきたいと思っております。

 3ページ以降は、暫定排水基準値の変遷、それから環境省令でどのように暫定排水基準が定まっているかというのを抜粋で載せておりますので、参考までにご覧いただければと思います。

 資料2については以上です。

【細見委員長】 どうもありがとうございました。暫定排水が適用されているほう素、ふっ素、硝酸性窒素等の業種について、ご説明がございましたけれども、何かご質問とかはございますでしょうか。よろしいでしょうか。

(なし)

【細見委員長】 それでは、現状はこうなっていて、これから、これが6月30日に適用期限を迎えますので、7月1日以降、どうするかということについて、それぞれの業種というか分野ですね、すみません、分野ごとにご説明をお願いしたいと思います。

 最初に、資料3-1の温泉分野の暫定排水基準に係る検討結果につきまして、事務局のほうからご説明をお願いいたします。

【髙野係長】 資料3-1につきまして、温泉分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果についてご説明させていただきます。

 まず、検討の経緯としまして、ほう素、ふっ素、硝酸性窒素等に係る暫定排水基準のうち、温泉を利用する旅館業について、ほう素、ふっ素の暫定排水基準が設定されております。温泉排水については、共存物質が排水処理を阻害することなどにより、既存の排水処理技術では処理するのが難しいという現状がございます。旅館業において導入可能な排水処理技術の開発等に関する検討を行うため、温泉排水対策に関する技術検討会を環境省では設置いたしまして、排水濃度の低減方策や規制のあり方などについて検討を行ってまいりました。

 また、現在の暫定排水基準が先ほどもございましたように今年の6月末に適用期限を迎えますので、温泉を利用する旅館業における中長期的な方針についてもあわせて検討するために、今年度は本専門委員会において、前回、前々回とご議論いただきました。内容としては、排水実態や技術、あとは業界団体のヒアリング等を実施しまして、中長期的な考え方の整理に向けた取組、暫定排水基準の見直し案などについて検討を行っていただきました。

 次に、温泉を利用する旅館業に係る暫定排水基準についてです。ほう素の暫定排水基準については設定当初から変更されておりません。ふっ素については、平成25年の見直しにおいて日平均排水量50m3未満の旅館業、または昭和49年12月1日に既に湧出していた温泉を利用する旅館業について、利用する源泉が自然湧出以外のものに限り暫定値を50から30に強化してございます。その他のふっ素の基準値については、設定当初から変更されておりません。

 それをまとめたのが2ページになります。一般排水基準については、先ほどご説明がございましたので割愛させていただきます。暫定排水基準については、ほう素については500、ふっ素については、こちらの表に示す区分で、それぞれ暫定排水基準値が定められております。

 次に3ページに参りまして、排水濃度の実態把握についてご説明させていただきます。まず、一般排水基準よりも高い源泉を使用する旅館の排水実態について調査を行いました。全国の自治体にアンケート調査を行いまして、ほう素、ふっ素の一般排水基準を超えるような源泉を利用している旅館の内訳について集計し、濃度、その分布を整理させていただきました。

 その結果、まず、ほう素につきましては、暫定排水基準が適用されている旅館617施設において、一般排水基準を達成している割合は全体の34%、210施設でございました。また、ほう素の濃度が判明している旅館、こちらは361施設となりますが、こちらで見ると一般排水基準を達成している割合は約58%となっておりました。ただ、暫定排水基準が適用される旅館のうち41%がほう素濃度不明という状況でございます。

 次に、ふっ素について、こちらも同様に調査を行いまして、暫定排水基準が適用される旅館538施設のうち、一般排水基準を達成している割合は全体の27%でございました。また、濃度が判明している旅館264施設に絞りますと、約54%が一般排水基準を達成しているということでした。ただ、こちらにつきましても、51%の旅館については濃度が不明という状況になってございます。詳細については、前回の資料を参考資料1としてつけさせていただいておりますので、適宜ご参照ください。

 次に、(2)の高濃度の排水を排出する旅館の状況についてです。こちらについては、なかなか温泉旅館については排水の水質組成が事実上、成分の調整が不可能な源泉によっているところ、あとは、排水処理技術の開発普及に至っていないといった課題がございます。これらの状況を踏まえまして、各温泉旅館における低減の可能性を確認するために、過去の調査結果をもとに、排水中にほう素、ふっ素が高濃度で含まれている事業所をそれぞれ、ほう素について1事業所、ふっ素について1事業所選定しまして、ヒアリングを実施いたしました。

 排水のほう素濃度が最も高い旅館をA旅館、ふっ素の濃度が一番高い旅館をB旅館と、ここでは記載させていただいております。こちらについても、前回、ご説明させていただいたものをもとにつくっておりますので、詳細については参考資料2をご参照ください。

 まず、ほう素の濃度が一番高かったA旅館についてです。こちらについては、温泉源泉が間欠泉であり、常時湧出しているわけではございませんが、源泉を貯留槽にため、一定量をお風呂に供給しているという状況です。また、所管している県の保健所さんの指導のもとで源泉の取水量を調整するなどして、暫定排水基準を超えないような努力をしているところです。実際にどれくらいの濃度で出ているかというところは、過去3年間の行政検査では87~500mg/Lの濃度で推移しております。

 次に、濃度低減に向けた取組等として何をされているかというところで、施設内に既存の井戸がございますので、その地下水で希釈することで濃度を低減することを検討されているところです。ただ、実際にどの段階で混合するか、また、どの程度の量を混合させるかといったところの検討、具体的な内容については検討が進んでいない状況と伺っております。

 次に、排水処理設備の投資予定。こちらについては、現時点で、どこまで濃度を低減すればいいのか、どういう方法があるのかというところが国からも示されていないので、具体的な検討ができない。そのため現段階では設備導入の予定はないと伺っております。地下水による希釈を検討する場合には、3年から5年程度の期間が必要だろうということも伺っております。

 次に、ふっ素の濃度が高かったB旅館についてです。こちらについては、源泉から一定量、旅館に温泉を引いておりますので、排水の量自体には変動はなく、ほぼ一定量となっております。ただ、こちらは泉質が数十年おきに変化しておりまして、ふっ素濃度も上下しているような状況でございます。平成10年度に中和処理施設を設置し、pHを調整してから排出している状態です。実際の排水濃度については、こちらも過去3年の行政検査では25~38mg/Lの濃度で推移しております。

 低減に向けた取組としては、維持管理費ですら捻出するのが難しい状況であって、低減の取組までは行えていないと伺っております。施設の投資予定につきましても、今のところは予定がないと伺っております。

 次に、5ページ、4.排水処理の技術の開発普及に向けた取組状況についてです。こちらについては、環境省でも平成18年から排水処理技術の開発として実証試験に取り組んできております。まず、ほう素については、表1の技術について取り組んでおります。結果を先に申し上げますと、表2、6ページで、処理水質の目標自体は達成しているのですが、コストの目標が達成できていない状況となっております。

 次に、7ページの(2)のふっ素の実証試験についてです。こちらについては、表3の技術について実証試験を行っております。

 こちらの結果が次の8ページの表4ですが、こちらもほう素と同様に、処理水質については達成していますが、コストについては未達成という状況でございます。

 こちらを踏まえまして、7ページに戻っていただきまして、現時点の評価としましては、全ての処理技術において目標水質は達成されているものの一般排水基準の水準に達していないものもある。また、一番のネックとしましては、イニシャルコストとランニングコストの目標をともに達成した処理技術がなく、コストの観点からは広く導入できる技術が見出せていない状況というふうに考えております。

 次に、9ページ、そういう状況を踏まえまして、暫定排水基準の見直し(案)についてです。見直しに当たっては、各温泉旅館からの排水実態、また技術の開発動向等を踏まえて、可能な場合は、その範囲内で低減させることが暫定排水基準の基本的な考え方でございます。ほう素、ふっ素とも排水実態の把握を進め、低減方策の導入可能性、技術開発の状況を考慮しつつ、今後の暫定排水基準について検討していく必要がございます。

 まず、(1)ほう素についてです。こちらについては、源泉のほう素濃度が高く、また排水濃度も最も高いA旅館においては、これまで排水濃度の平準化等の対策を進めてきておりますが、平成28年から30年度の行政検査時における濃度は87~500mg/Lを計測しております。技術についても、導入可能な技術の開発までは至っていない状況です。また、現在A旅館において地下水のくみ上げによる希釈も検討しているところではございますが、すぐに大幅な低減を図るということは困難な状況でございます。これらのことから、A旅館における排水実態等を踏まえますと、現行の暫定排水基準500mg/Lを維持することが適当と考えております。

 次に、(2)のふっ素についてです。こちらについても、導入可能な処理技術の開発までには至っていない状況でございます。まず、暫定排水基準50mg/Lが適用される温泉施設のうち、高濃度でふっ素を排出する温泉は1地域でございました。そちらの排水実態は平均で32mg/L、最大で38mg/L、これは源泉濃度が76.8mg/Lのときに最大38mg/Lとなっておりました。源泉のふっ素濃度については、概ね50~100mg/Lの範囲で変動がございますので、この源泉のふっ素濃度の変動を踏まえますと、現在の暫定排水基準を維持することが適当と考えられます。

 また、暫定排水基準30mg/Lが適用される温泉施設につきましては、ふっ素濃度が15~30mg/Lの範囲で推移している温泉施設が17施設ございまして、排水実態としては平均で18.4mg/L、最大27mg/Lでありましたので、これらの排水濃度の状況を踏まえますと、現在の暫定排水基準を維持することが適当であろうと考えております。

 次に、暫定排水基準15が適用される温泉施設につきましては、ふっ素が15~30mg/Lの濃度の範囲で推移している温泉施設も6施設ございますので、これらの状況を踏まえますと、現在の暫定排水基準を維持することが適当と考えております。

 最後に、10ページの今後の中長期的な考え方の整理に向けてという部分です。こちらについては、基本的に前回、前々回の専門委員会でご議論いただいた内容を記載しております。

 温泉を利用する旅館業に係る暫定排水基準の次回以降の中長期的な考え方の整理に向け、以下の取組を実施してまいります。まず、温泉排水処理技術の開発に向けた実証試験というところで、引き続き実証試験を行いまして、処理技術導入の可能性を検証していきたいと思います。また、温泉排水の処理業者等にヒアリング等を必要に応じて実施してまいります。

 また、②の部分ですが、排水実態に関する詳細調査で、いまだに排水濃度が不明の施設が多くございますので、関係自治体の協力を得つつ、引き続き情報の収集、精査、更新を行い、排水実態の網羅的な把握を進めてまいりたいと思います。また、これは前回の専門委員会でご指摘がございまして追加させていただいたところですが、温泉排水の簡易な測定方法についても調査、検討をしていきたいと思っております。

 次に、③、その詳細調査等を踏まえた特徴的な事業者へのヒアリング等で、これらの排水実態の把握などを踏まえまして、特徴的な事業場を対象に排水対策などの状況についてヒアリングなどを実施し、低減の可能性などの情報を整理していきたいと考えております。「また」以下の部分も今回追加させていただいたところですが、関係自治体へのヒアリング等を実施して、温泉を利用する旅館業に係る暫定排水基準について、どういったご意見があるのか、また、どういったご要望があるのかといったところも把握していきたいと考えております。

 これらの取組の結果をもとに、従来どおり3年ごとに見直すのではなく、適切な水準に設定した上で当面の間、維持するといったことも視野に入れまして、幅広い観点から検討してまいりたいと考えております。

 以上です。

【細見委員長】 どうもありがとうございます。

 ただいまの資料3-1、それに関連する資料が参考資料で1から4までありますかね、ついてございます。何か、ご意見、ご質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。

 平沢委員、どうぞ。

【平沢委員】 6ページの表の2、いろいろ通水試験の結果を出していただきまして、問題点とか、よくわかるんですが、それぞれの「達成」、「未達成」と書いてありますけど、どのくらい達成していないのかというか。目標値はあるんですけど、実際にはどのくらいになったのかというのは出さないんでしょうか。

【髙野係長】 そちらのデータが参考資料3にございます。

【平沢委員】 そっちにあるの。

【髙野係長】 はい。すみません。

【平沢委員】 ここには出てこないということですね。

【髙野係長】 そうです。資料3-1は重要な部分だけをかいつまんだような形になっておりまして、参考資料3の4ページに、実際にどれぐらいのコストだったか書かせていただいております。

【平沢委員】 あと、もう一点。平成29年にやったアパタイト法とか25年のやつとか、アパタイト法が処理コストだけ見れば、いい線いくよというようなことが書いてあるんですが、一応、バッチというやり方ですよね。要するに連続じゃないということで、これはかなり限定的な気がするんですが、ちょっと気にはなるなと思いました。それは、意見というか感想です。

 本質的に1個、気になるのは、温泉排水の場合の処理技術がないとか、現状でコストの問題とか、いろいろ出ているんですが、以前の議論の中で、私も忘れちゃったんですけれども、「自然由来」というキーワードがあったような気がするのが、今回、出てこないのはなぜでしょうか。

【髙野係長】 今回の中長期的な考え方の整理の部分かと思いますが、資料には明示的には出てきておりませんが、実際に適切な水準で当面の間、維持するということになった場合には、今までにない運用になりますので、幅広い観点から検討する必要があるだろうと考えております。

【平沢委員】 その中に含まれているの。

【髙野係長】 はい。その中で、どういう論点があるかというところも整理する必要があると思いますが、そういった観点も一つ大事な要素になってくるかなと思っております。

【平沢委員】 本当は、処理技術以外の論点の中での課題も一応、議論はあったと思うので、そういうキーワードも見えたほうがいいのかなというふうに思いました。

 以上でございます。

【細見委員長】 もし、今、平沢委員のご意見を踏まえられるとしたら、どこかへ入れられますでしょうか。

【熊谷課長】 網羅的に書く自信がなくて明示をしなかったということなのですけれども、今、ご意見をいただきましたし、最終的なもののほうには今の「自然由来」であるとか、いつか議論させていただいたキーワードを考えて修正する方向で考えたいと思います。

【細見委員長】 ありがとうございます。

 ほかに。藤江委員、どうぞ。

【藤江委員】 どうもありがとうございます。3ページ目の(1)の真ん中付近に暫定排水基準が適用される旅館の約41%では未回答、不明ということであり、また、9ページの(2)の暫定基準50mg/Lが適用される温泉のうち、高濃度ふっ素を含む温泉は1地域でありという、記述があります。これ41%がもし全部回答しクリアになったときに、説明いただいたようなアプローチで大丈夫かどうかということも検討が必要になってくると思います。後ろのほうの1地域ということですけれども、これも本当にそうかなということも、やはり確認の必要が出てくるのかなというふうに思います。

 そういう観点では、調査もそうですけれども、地球化学の研究者たちが、結構、地殻から出てくる水、温泉等の分析をやっておられる研究があると思います。そういったもの等も参考にしながら、ここでやっていることが大丈夫といいましょうか、多分、この範囲におさまるだろうということの、確証みたいなものが欲しいと思います。検討を、もし、していただければということで、コメントでございます。

 以上です。

【熊谷課長】 今後の検討の中で、この分野以外の先生からの知見等も取り込みながら進めていきたいと思います。どうもありがとうございます。

【細見委員長】 どうもありがとうございます。どうしても排水というか、排水処理とか、そういうほうに重きを置いておりますので。今回、温泉排水に関しては自然由来的な、今、平沢委員の発言もありましたように、地質学的というか地球化学的にも少し理解する必要があるかもしれないと思いますので、今後の検討の中に含めていきたいというふうに思います。ありがとうございます。

 ほかに、ご意見等は。じゃあ、珠坪委員、どうぞ。

【珠坪委員】 10ページの6の①についてなんですけれども、たしか以前の委員会資料等で、実際、こういったほう酸、ふっ素の処理技術のコスト的な受容性という意味では、恐らく、実際、使いたいコストの10倍とか、かなり開きが大きかったというふうに記憶はしています。ですので、多分、技術についても、ある一部分を使い、加えて、処理のみならず、例えば、先ほどこの資料に出てきました地下水による希釈、雨水による希釈、生活排水による希釈などの全体のシステムを通して改善というか、濃度の低減を図っていくというような感じかと思いますので。多分、この書きぶりだと技術のみに絞られているようなことになりますので、例えば、ほう酸、ふっ素の濃度低減手法の開発等々というふうに、中身について少し幅広に、希釈とか、ほかのものも含めて、コスト受容性がある程度確保されて実行可能なものに、より近づくようにというか、もうちょっとここを幅広に書いてはいかがかなというふうに思います。

【細見委員長】 どうもありがとうございます。

 これ、環境省としてはどうですか、事務局としては。

【熊谷課長】 おっしゃられるとおり、排水処理技術だけじゃなくて、全体の工程管理であるとか水の使いようというのも大きな低減策の一つだと思いますので、そういうことを含めて読み取れるように、多少、修正を最終的にはさせていただければと思います。

【平沢委員】 すみません。ちょっと、その件でよろしいでしょうか。言い忘れたので。

 希釈というお話なんですけれども、確かに、今まで希釈でクリアをしているのもあるんですが、やっぱり水域の環境基準を決めるのは負荷だと思うので、希釈というのはいかがなものかなと。今まで確かにやってきたんですけれども、非常に距離がある場合に、本当に希釈していいのかな、きれいな水を使っていいのかな。いろんな水循環基本法とかなんかができていますので、その辺は慎重に。そういう書きぶりだったんでちょっと安心したんですが、今、先生は希釈も一つと言われたんですが、ちょっと慎重に考えていただきたいと思うんですが。

【熊谷課長】 水域の状況であるとか利水の状況であるとか、直接的なその先のインパクトという問題と、もう少し多分スケールの大きいご指摘だと思います。暫定排水基準に関しては、かなり現実的な選択もしなければならないと思っていますし、まさに全体の幅広い観点からの検討ということで今後、進めていきたいと思っております。ありがとうございます。

【辰巳委員】 よろしいですか。

【細見委員長】 今の関連で。

【辰巳委員】 関連じゃないです。

【細見委員長】 ちょっと待ってください。今の関連で、お二人の委員のご意見を最大限考慮した表現方法について、ちょっと検討させていただきたいと思います。単に希釈だけやればいいというわけではないというのが今の意見ですし、希釈も、ある意味、基準を遵守する一つの方法ではあると思いますので、そこはちょっとお認めいただきたいなと。その上で、全体を考えながら実行可能性のある低減方法について幅広く検討すると、単に処理技術だけではないという、ここはよろしいでしょうか。処理技術も、もちろん重要ですし。

【平沢委員】 その辺は、だから、どのくらい距離があるかにもよると思うんです。少量だったらいいけど、例えば2倍希釈とか、そんなレベルは考えないほうがいいなと。水量が倍になるわけですよね。それはちょっといかがなものかと。そういうことを考えながら希釈もやってほしいなと。やるんだったらですね。

【細見委員長】 いろんな思いを、ちょっと文書表現は一度、事務局のほうで考えていただいて、私もチェックさせていただいた上で、最後は一度、委員の方に了解を得たいというふうに思っております。

 そのほかについて。どうぞ、辰巳委員。

【辰巳委員】 まず最初にお伺いしたいのは、実証試験の結果は出ているんですけれども、これは公表されているんでしょうか。この結果というのは、ホームページが何かで。全て、されているわけ。じゃあ、見ることはできるわけですね。

 それで、例えば、見ていると、B-5の技術というのは。

【細見委員長】 何ページですか。

【辰巳委員】 例えば、これは、すみません、補足資料のほうの。

【細見委員長】 参考資料ですか。

【辰巳委員】 ああ、参考資料ですね。参考資料の2ページ目のところに出ているB-5の技術なんですけれども。

【細見委員長】 参考資料の2ページ、参考資料3ですね。3の2ページですね、の下の。

【辰巳委員】 参考資料ですね、3。そうですね。この技術というのは、確かに高濃度の部分をある程度下げるというのは一番適した技術だと思うんで、コストが一番かからないと思うんです。確かに、参考資料を見ていても一番コストが低いわけなんですけれども、この排水を出しているところが、ヒアリングを行ったところ、排水濃度をどこまで落としたらいいかわからないとか、国からそういう指示もないし、どういう技術があるかわからないというようなことなんですけれども、実際に、この技術で、この技術が一番コストが安いんですが、どの程度まで落としたらいいのかというようなことをですね。

 これは、今、この表によりますと、900ぐらいのものを3分の1ぐらいに減らすのに、このぐらいのコストがかかったということですけれども、実際の排水が500ぐらいであるんだったら、それを例えば400にするのに、300にするのに、どのぐらいのコストがかかるから、このぐらいだったらできるかどうかで、それは実際に適用できるんではないかと。そういうふうな話を国のほうから実際に旅館業者のほうに持っていくということも、これから必要なんじゃないかと思うんですけれども。というふうに考えますけれども、いかがなものでしょうか。

【熊谷課長】 今回、個別に高濃度のところに直接ヒアリングをさせていただいたりして、実態調査もさせていただきました。おっしゃられるとおり、これから先、具体的に暫定排水基準のレベルをどこにするかといったときに、やはり対応しにくいところというのはかなり少数化してきている状況だと思いますので、そういうところに対して、どういうところを目標に立ててやっていくかというのを、もう少しきめ細かく今後、進めてまいりたいと思います。ありがとうございます。

【細見委員長】 ほかにございますでしょうか。じゃあ、大塚委員、どうぞ。

【大塚委員】 すみません。質問ということですけれども、今の6ページとか8ページのところに出ているランニングコストとかイニシャルコストについては、注の1というのがございます。それは、今、ご議論もございましたように、暫定排水基準を決めるためにはコストは考慮せざるを得ないと私も思っておりますが、このイニシャル1,000万とかランニング300万というのは、これは温泉の排水だけに限った数字なんですか。あと、ほう素、ふっ素に限った数字なんですか。その辺を教えていただければと思います。

【髙野係長】 このイニシャルコスト、ランニングコストの目標は、温泉旅館に導入する場合の目標として設定したものです。

【大塚委員】 多分、法的根拠とかは特にないんだと思うんですけれど、したがって、目安としておやりになっているということだというふうに考えておりますが、今はあまり物価が上がらないのでいいんですけれども、将来、問題になってくる可能性もあると思われます。

 それから、ほかの暫定排水基準においては、これとの関係をどういうふうに考えていくのかという問題も発生すると思います。今、お答えいただけるんだったら、ありがたいですし、将来的にご検討いただいてもありがたいと思います。

【熊谷課長】 特に、ほう素、ふっ素に関しましては、技術的に本当に難しい物質の一つだというふうに思います。ここで設定しましたコストに関しては、まず、場面設定として非常に対応に苦慮しています温泉分野ということで、温泉の排水を対象としています。コスト的な目処として、もっと低コストなもので対応したいのですけれども、実際上、専門のところにいろいろお話を聞くと、低い設定をすると、もう本当に「ない」という答えだけになってしまうということで、ある程度、提案が出てくるという現実性との間で目標的に決めたもので、何か新たなものとして出てこないかという検討の結果ということになります。残念なことながら、今の時点としてはなかなか温泉旅館レベルで使えるようなコストレベルのものが出てこないという現実を踏まえて、今後の検討を進めていきたいというスタンスで考えております。

【細見委員長】 ほかにございますでしょうか。じゃあ、西村委員。

【西村委員】 2点ほど、ちょっとお伺いしたいと思います。まず、9ページの一番下の段落になりますが、暫定排水基準が15mg/Lが適用されている施設について、6施設ですか、超過する値が出ているということが明らかになっているんです。そうして、結論的には現在の暫定排水基準を維持することが適当というのは、ちょっと理解が難しいんですが、今の状態を許容するというような案というふうに捉えてよろしいんでしょうか。

【髙野係長】 まず、この6施設につきましては、状況を自治体に確認させていただいておりまして、1施設については今は暫定排水基準値以下となっております。残りの5施設については、自治体で指導を検討中と伺っております。今の排水の実態を踏まえますと、現状から、さらに下げるということが難しい状況という理解で、現状維持という提案をさせていただいたところです。

【西村委員】 私の意見は、一律排水基準まで持っていくのには非常に難しい中で、暫定排水基準を決めてさまざま技術開発をすると、コストを低減していくという流れで、少しずつ暫定排水基準を一律排水基準に近づけていくというのが、これまでの排水規制の方法論だったと思うんですが。今回も、資料に出していただいているとおり、技術開発が進んでいないと、コスト面での部分も含めて適用可能な技術がすぐには開発されそうにないという中で考えますと、暫定排水基準を逆に見直すということも必要ではないかという。これはコメントとさせていただきます。

 どうしてかというと、A旅館、B旅館の暫定排水基準の決め方の方法論といいますか論理と、ここのところはちょっと異なっていて、これでは暫定排水基準を何のために決めるのかというところでちょっと理解が難しいのではないかというふうに思いますので。これについては、私、いきなり発言させていただいたんで、ご回答は難しいかと思いますが、暫定排水基準をどういうふうに考えるかという意味合いでご検討いただければと思います。

 もう一つ、10ページなんですが、最後の文章に、従来どおり3年ごとに見直すのではなく、これも実態を踏まえて技術開発等々、あるいはコストの低減等、難しいという状況が続くだろうという予測だと思いますので、それを前提にというのは妥当な考え方だと思うんですが、それでは、じゃあ、具体的に、今までやっていた3年ごとの見直しをどのように変えていくのかという具体的な案があるのかなと。

 例えば、暫定排水基準というのは適用期限というのを今まで決めていたわけですけれども、これをかなり長くとるとか、あるいは、見直すというに当たっても、今までのような手順を踏むのではなくて、少し状況を報告しながら見直す時期について検討した上でとか。ちょっと、そこの具体的なところがイメージがつかないので、今すぐにご回答できないとしても、ある程度具体的なイメージを持ったほうがよいかと思いますし。実際にどうするかというと、見直さないのであれば、ずっとそのまま行ってしまいかねないなということをちょっと危惧するので、もう少し何か具体的なところを書き込んでいただければなというふうに思います。

【細見委員長】 よろしいですか。

【熊谷課長】 今回につきましては、もともと当初のスタート、議論の設定として従来の3年ごとの見直しということで、前回の暫定排水基準を制度的にそういうふうに担保したという関係もありまして、このような議論をさせていただいております。

 今回、もし、ご議論いただいた内容で今回の暫定排水基準の対応をした後に、まさに今、西村先生ご指摘いただいたような、全体の骨格としてどういうふうに考えていくかと、暫定排水基準というものの運用というか考え方自体をどういうふうに整理し直すのか、ここまで調べてきた現状を踏まえながら議論をさせていただければと思っております。そこに関して、少し今の時点で具体性を欠くというご指摘、ごもっともかと思いますけれども、まさに今回の一連の作業が終わった後に、また、この委員会の中でもご議論いただきたいと思っております。

 以上です。

【細見委員長】 どうもありがとうございます。

 この排水規制等専門委員会におきましても、前回、前々回と温泉排水につきましては議論してまいりました。それでも、本日、今日、たくさんの意見をいただいて、いろんな角度から議論しないといけない問題かと思います。非常に難しい問題だというふうに思いますので、本日は、いただいたご意見で修正できるところは資料の3-1を若干修文させていただくということと、それから、西村先生が最後に言われたようなことも踏まえて、この排水規制等専門委員会で温泉排水の長期的な見通しというか、対応方針というのを検討していきたいというふうに思っておりますので。

 本日は、もう6月30日に適用期限を迎えますので、それに対してどうするかというのをまず決めていただいて、ご了解いただければと思いますが、それは、それでよろしいでしょうか。

 (はい)

【細見委員長】 じゃあ、温泉分野の暫定排水基準の見直しについて、これまでの検討結果について、これから宿題もあるというのを理解した上で、ほかに、もし、なければ、次の……

【平沢委員】 先生、もう一点、よろしいですか。

【細見委員長】 はい、どうぞ、どうぞ。

【平沢委員】 要望ばかりで。いろいろ、温泉、なかなか難しい問題なので、中長期的なところで議論するという中で1個、ぜひ調査もしてほしいなと思うんですけど。今、温泉の排水実態は調べているんですが、逆に環境基準というので、ほう素が超えているかどうかというのも、ぜひ、それも一つの大事な要素になると思うので、中長期的に、もし議論するんだったら、そういうデータも次回は載せてほしいなと思います。

【熊谷課長】 ありがとうございます。また、環境基準、今いただいたようなものも含めて、今後の議論のために必要なベースデータというか、基礎的なデータをどういうふうに取りながら議論するかということも含めて、今後、ご指導いただければというふうに思っております。

【細見委員長】 ありがとうございます。

 それでは、次の議事に参りたいと思います。畜産分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果ということで、お手元の資料3-2について事務局よりご説明をお願いいたします。

【藤原係長】 そうしましたら、資料3-2を用いまして、畜産分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果についてご説明させていただきます。

 まず、検討の経緯ですけれども、ほう素、ふっ素、硝酸性窒素の暫定排水基準のうち、畜産農業にかかっているのは硝酸性窒素等に係る暫定排水基準になっております。これにつきましては、畜産分野検討会を設置しまして、今年度、2回ほど検討してまいりました。

 2番目のところ、畜産農業に係る暫定排水基準についてですが、前回、平成28年度の見直しで硝酸性窒素は現在600mg/Lという濃度の暫定基準が設定されているところでございます。表1が今までの経緯でございまして、当初1,500 mg/Lから現在600 mg/Lまで下がっているというのが、この畜産分野の暫定排水基準の現状となっております。

 2ページ目、めくっていただきまして、表2のところ、畜産事業場の実態ですが、水質汚濁防止法で把握している特定事業場数、畜産農業の数というものは、一番右側にあります約3万事業場になります。この中で実際に排水が出ているのは6,000事業場程度ですが、概ね数が多い事業種でありまして、旅館業と同様の課題を持っているところでございます。

 3番目、排水濃度の実態把握につきまして、(1)のところですが、今年度もそうですが、過去から毎年、自治体を通じて事業場からの排出水の測定結果を収集してきております。排出水のデータの収集ですが、畜産農業の中でも特に負荷が高いと思われる養豚事業場に特化した収集の仕方をしておりまして、排水中の硝酸性窒素の濃度が高くなりやすい養豚事業場を対象としております。具体的には、自治体に対して依頼をしまして、届け出がある全ての畜産事業場を対象に排出水の測定結果等を収集しております。

 その結果、養豚事業場で724事業場の排水データを収集できておりまして、これにつきまして、表3のところで各暫定排水基準の期間ごとに整理をしております。硝酸性窒素のデータが当該期間で複数ある事業場については、その最大値を用いておりまして、もちろんデータ自体が一つしかない事業場もございますので、そういったことも含めて複数ある中では最大値を用いたという状況になっております。

 表の3のほうについてですが、一般排水基準の100 mg/Lを達成している事業場の割合といいますのは、過去から62.9%、68.4%、70.8%と徐々に増加しておりまして、逆に高濃度、概ね500mg/L以上の事業場数は、18事業場ぐらいあったのが13事業場、8事業場と減少してきております。こういったことから、養豚事業場全体としましては、硝酸性窒素等の排水濃度が概ね減少してきているという状況が読み取れると考えております。

 図1から図3は、それを分布図にしたものになっております。

 5ページに飛んでいただきまして、次に、このデータにつきまして、月・季節別の硝酸性窒素濃度の分布を比較しております。これまでに収集した硝酸性窒素濃度のデータを用いまして、季節ごとにそれを区分いたしました。最も排水データが多かったのは7月で、概ね、やはり夏期のデータが多くなっているような状況でございました。高濃度のほうではあまり季節別の変動、変化はなかったのですが、やはり低濃度、100mg/L未満で、一般排水基準に対して、それが達成している割合は6月から8月が多く、夏場のほうが安定しているような状況が過去のデータからは読み取れました。よって、季節によって事業場の飼育頭数、水量または水温、そういったものが排水濃度に影響を与えている可能性が検討会では示唆されました。

 続きまして、6ページ、(3)のところになります。この中で平成28年7月以降、前回の見直し以降に高濃度の硝酸性窒素を排出している事業場の実態把握を行いました。これにつきましては、平成28年度以降の500mg/L以上をおおよそ超過したことがある事業場に特化して把握しましたところ、600mg/L以上、暫定基準を超過してしまっている事業場が4事業場、500mg/L超が4事業場と、計8事業場ございました。これは、表3の一番右側の高濃度から数えた4、4という、この八つの事業場について現状を確認させていただいたところでございます。

 これらの結果につきましては、7ページの表5に示させていただいております。排水濃度の低減の見込みにつきまして、自治体を通じて確認を行っています。自治体に対しては、指導状況であるとか原因の有無、それに対する今後の排水濃度の低減の見込みについて確認をさせていただきました。そうしましたところ、事業場番号2番、3番、5番につきましては、自治体の指導により現在は既に一般排水基準を達成しているような状況になっております。また、1、7、8においても、施設の増設とか運転状況の変更によって500mg/Lを今後、下回る見込みであることがわかりました。

 また、6番につきましても、29年5月以降は硝酸性窒素濃度が主に200mg/Lで推移していることから、特段、指導等も現状は行っていないものの、今の暫定排水基準から概ね200ぐらいで推移しているということを聞いております。また、4につきましても、現在は指導中でございますが、今後、改善の見通しということで、比較的、この表5で示しております現在500mg/L以上を排出している事業場につきましては、今後、500mg/L以下に低減の見込みがあるということがわかりました。

 これらの状況を把握しまして、4ページに今回の暫定排水基準の案について示させていただいております。高濃度で硝酸性窒素を排出する事業場は限られておりますことから、この排出実態等を踏まえて見直すことが適当であると考えております。また、季節変動とか水温の排出濃度の変動もあることから、こういった変動を考慮することも必要と考えられます。

 平成22年からの排水濃度の分布を整理したところ、一般排水基準を達成している事業場の割合は改正ごとに増加しておりまして、高濃度の排水を排出する事業場も減少してきております。過去には高濃度の硝酸性窒素等を排出したことのある畜産事業場であっても、その排出は一時的なものが多く、排水処理施設の増設や更新、適切な維持管理を行うことによって、今後500mg/Lを下回る見込みということがわかっております。これらのことから、今後の排水濃度低減の見込みを踏まえて、現行の暫定排水基準を600 mg/Lから500 mg/Lに引き下げることが適当と考えられます。

 5番目、今後の排出濃度低減に向けての取組についてですが、特定事業場については現状でも年1回以上の排出水の汚染状態の測定が義務づけられております。自治体の環境部局から各事業場の測定結果の収集を行っておりますが、まだ、そこにつきましては十分に把握できていない状況でございます。また、各事業場においても排出実態を十分に把握して、高濃度の排出実態が見られる事業場については指導等の排水管理の意識の向上を図るなど、また、排水処理施設の適切な運転管理等を徹底することが必要であることの指摘を検討会からも受けております。

 今後は、自治体や業界団体を通じまして、そういった測定の結果に基づく適正な維持管理を一層図るなど普及啓発を行うことも重要ですし、自治体の環境部局、畜産部局と情報共有を図りまして適切な指導につなげていくことが重要だと考えております。また、環境省におきましても、排水実態を引き続き、特に冬期のデータなどを中心に把握するとともに、高濃度事業場に対してはフォローアップ調査等をしていきたいと考えております。

 9ページにつきましては、これまでの取組実績、今後の取組予定についてまとめておりますので、説明は省略させていただきます。

 あと、追加ですが、事前に古米先生にご説明に上がったときに、コメントをいただいておりまして、ここでご紹介させていただきます。

 古米先生のほうからは、表3の濃度分布のほうをご覧いただきまして、高濃度の事業場というのがある程度限られている現状を見ますと、例えば、ある一定の期間、一定の時期を設定しまして、そこを、例えば95%だと300 mg/Lぐらいになるんですが、いつまでには300 mg/Lぐらいに暫定排水基準を減少するという、ある程度の目安を設定してあげることによって、それぞれ畜産事業場の取組の状況なり、そういった取組を促すこともできるのではないかということをコメントとしていただいております。

 以上です。

【細見委員長】 どうもありがとうございます。畜産分野の検討会で検討された内容をまとめていただきました。

 ご意見、ご質問、ございましたら、よろしくお願いします。平沢委員、どうぞ。

【平沢委員】 500ppmを超えた場合のいろんな事業場の調査をして、何となく様子がよくわかるんですが、基本的に間欠ばっ気をうまくやればいくのかなというか。要するに、そもそも普通のやつは多分、窒素を取るようなシステムじゃないから、それなりのことをしなきゃ取れないのかなと思うのと、それから、もう一番上のやつなんて、本当に容量不足なんて、これ、もってのほかですよね。要するに、足りない、もともと処理水量が過剰というか、滞留時間が短くて処理できないなんていうのは、もう何とも言えないですね、これも。高過ぎるなと。

 強いて言えば、希望的な観測で言えば、もともと高いやつが、2番目とか、それから5番目とか、改善をされているというところで、きちっと運転をすれば改善するのかなというふうなのは、これで読み取れると。基本的に、うまくいかないところは脱窒がうまくっていないということかなと思います。

 それから、これは置いておきまして、これはこのとおりだと思うんですが、それ以外にやっぱり気になっているのは、今後の方向でも書いてあると思うんですけど、きちっとした運転の管理、これ、本当にやっているのかなというか。大体、誰が管理しているのかな。要するに、農家の人では厳しいよなというところもありますので、その辺は指導を。書いてあったと思うんですけれども、しかるべき人が巡回するとか、チェックするとか、ちゃんと空気が入っているかどうかとか。そういうのを管理することによって、相当、要するに、高濃度側のところとかも含めて何か下に行くんじゃないかな。

 もう一個、ちょっと書いていないのは、固形分をうまく処理してくれれば。これも、この前も意見を言ったんですけど、なかなかやってくれない。固形分をそのままやっちゃうと、やっぱり負荷が高くなるので、固形分を事前に取ってやって、それなりの処理をすると結構できるのかなという。専門じゃないから、間違っていたらごめんなさい。

 以上でございます。

【細見委員長】 最後の固形分については、概ね、ふんと尿と分けている施設が多いと思いますので。ここの表5にある8事業場がどうだったのか、ちょっと覚えていませんけれども、多くは分けてやっています。

 先生が言われましたように、維持管理というのが非常に重要だというのは畜産分野の検討会でも常に言われていることで、これをどうするのかと。多分、工業分野では、例えば、何とか組合のプロフェッショナルの人が幾つか巡回して回るという仕組みがあったかと思いますけれども、残念ながら畜産分野では、そういうことはまだ行われておりませんので。どちらかというと自治体の環境部局の人と畜産部局の人が連携して一つ一つの事業場を回っていただくということで、それが表5に上がっていますように改善が見られているというのが、この畜産分野の今の実態ではないかと思います。先生が言われているとおりだと思いますけど、ちょっと。

【平沢委員】 前の委員会で、水質が超えている、超えていない、改善しなさいというのはやっているんですけど、どう改善すればいいのかとか、そこがないので。だから、知っている人がやらないと、やっぱりだめじゃないかなと思うんですよね。自治体でも知っている人が。何とか技術センターとか、農研技術センターとかですね。そこが、ちょっと欠けているんじゃないかと。すみません、何度も言って申し訳ない。すみません。言葉が散っちゃって、ごめんなさい。

【細見委員長】 いえいえ、単に行政指導的にやるわけではなくて、技術的なアドバイスも一緒にやるべきだという、失礼しました、ご意見だと思います。

 それに、つけ足すことはありますかね。

【藤原係長】 今後の予定のところで、それぞれ事業者、業界団体、行政等で、例えば、業界団体ですと汚水処理対策を検討する部会を立ち上げていただいたり、そういった検討する場は設けていただく予定をしておりますし、自治体の中でも、それぞれの自治体の中での農業畜産技術センターというところがあったりもしますので、そこと連携できないかどうかというのは、今後、自治体との意見交換なり情報共有とかで、どのように実際にやっていけばというのは検討する余地があるかなと思いますので、今後の参考にさせていただければと思います。

【細見委員長】 よろしいですね。ほかに、ございますでしょうか。

 (なし)

【細見委員長】 じゃあ、よろしければ、資料3-3の工業分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果についてに移りたいと思います。どうぞ、事務局、説明をお願いいたします。

【髙野係長】 それでは、資料3-3に基づきまして、工業分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果についてご説明させていただきます。

 まず、すみません、1点資料の訂正がございます。1ページの表1の下から2番目、番号として4番を振っている電気めっき業の日排水量50m3以上の部分の暫定排水基準値が12と書いてあると思うのですが、こちらは15の間違いでございます。大変申し訳ございません。

 それでは、ご説明させていただきます。

 工業分野につきましては、9業種について暫定排水基準が設定されております。こちらについても、工業分野検討会を設置いたしまして検討を行ってきているところです。実際に今、どういった暫定排水基準の値になっているを表1に示しています。また、各業種のピーク濃度、平均濃度を、それぞれ表2、表3に示してございます。この後、具体的な各業種の取組についてご説明させていただきますので、その際に適宜ご参照いただければと思います。また、表4に一般排水基準を現時点で超過している事業場数もまとめさせていただいておりますので、そちらも適宜ご参照いただければと思います。

 それでは、少し先に行きまして、5ページの(2)各業種における取組状況及び暫定排水基準値の案についてです。まず、一つ目、うわ薬製造業についてです。こちらについては、ほう素の暫定排水基準がかかっております。この取組状況といたしましては、一般排水基準を達成していないのが1事業場となっております。この事業場では製造工程でほう素の排水が発生しておりまして、自主測定をされているのですが、その頻度を上げてピークカット、平準化を行うという対策を進めてきております。また、排水の再利用等についても検討を進めてきております。

 今回、B事業場の排水の放流先が河川から下水道、こちらが海域放流の下水道なのですが、そちらに放流先を切りかえることとなりまして、平成29年の4月からは工場排水を下水道へ排出している状況です。これらの取組により、下水道が海域放流であることもありまして、一般排水基準を達成していることから、延長せず、今回、一般排水基準に移行することが適当と考えております。

 次に、2)のほうろう鉄器製造業、ほうろううわ薬製造業です。こちらにつきましては、達成していないのが3事業場ございます。こちらも、ほうろう鉄器業のA事業場、B事業場においては、処理装置の追加であったり、新凝集剤のテスト、もともとのうわ薬中のほう素の削減などを進めてきておりました。今後は、両事業場とも、これらの取組のさらなる推進により一般排水基準の達成を目指すこととしております。また、C事業場については、ほう素濃度の高い排水をクローズド化することで一般排水基準に移行可能となりました。

 これを踏まえまして、案としましては、ほうろう鉄器製造業のほう素に係る暫定排水基準については、今まで設定当初の50mg/Lから40mg/Lまで引き下げておりますが、直近の3年間のピーク濃度で一番高いところが45mg/Lを計測しておりまして、これも現状から下げることは難しいだろうというところで維持が適当と考えております。

 次に、ほうろう鉄器製造業のふっ素の暫定排水基準につきましては、これまで15mg/Lから12mg/Lに引き下げておりまして、直近の3年間のピーク濃度が12mg/Lとなっておりますので、こちらも維持することが適当と考えております。なお、C事業場、こちらはほう素の暫定排水基準のみが適用されているところですが、C事業場のほうろううわ薬製造業については一般排水基準に移行することが適当と考えております。

 次に、3)金属鉱業についてです。こちらについては、ほう素の暫定排水基準が適用されております。適用されているのは1事業場のみです。A事業場からの排出水には温泉水由来のほう素が含まれておりまして、処理技術について調査研究を事業場でも進めてきております。現在は、ハイドロキシアパタイト共沈法を中心に調査研究を進めることとしております。

 暫定排水基準値については、これまで150mg/Lから100mg/Lまで引き下げております。直近の3年間の濃度で見ますと、概ね25mg/L前後で安定しておりますが、A事業場において、今後、現在採掘している場所よりも30mほど深い部分について開発を行うこととしておりまして、このエリアとつながりのある山系の温泉水で89~107mg/L程度のほう素濃度が計測されておりますので、同程度のほう素濃度の温泉水が出てくる可能性がございます。そのため、現状の100mg/Lを維持することが適当と考えられます。

 しかし、今後開発予定の深部エリアの実際の地下水を直接確認しているわけではございませんので、実際に高濃度のほう素を含む温泉水が存在するかは不明確な状況でございます。そのため、2022年、次々回の見直しの時期までに実際に開発する予定のエリアの地下水を採水、分析し、その結果をもって暫定排水基準値の妥当性を再度検討する予定としたいと思います。

 次に、4)電気めっき業です。こちらについては、ほう素とふっ素の暫定排水基準が適用されております。一般排水基準を達成していないのが、ほう素で34事業場、ふっ素で43事業場ございます。こちらについては、業界団体等による講習会など普及啓発等を実施しております。また、各事業場におかれましても、代替薬品への切替えや使用管理濃度の低減、くみ出し量の削減などの工程の見直しなどを行って削減を進めているところです。

 この暫定排水基準の案としましては、ほう素につきましては、これまで設定当初の70mg/Lから30mg/Lまで引き下げております。上記の取組により低減努力はされているものの、直近1年間で見ますと、ほう素濃度20~30mg/Lの排水を排出している事業場が10事業場ございますので、現在の暫定排水基準を維持することが適当と考えております。

 ふっ素に係る暫定排水基準につきましては、これまで設定当初の15mg/Lから変更されてございません。こちらにつきましても、徐々に排水濃度については低減が見られておりますが、直近1年間でふっ素濃度が8~15mg/Lの排水を排出している事業場が14事業場ございますので、現行の暫定排水基準値15を維持することが適当と考えております。

 また、ふっ素の排水量が50m3/日未満の事業場に係る暫定排水基準値については、これまでに設定当初の70mg/Lから40mg/Lまで引き下げております。こちらにつきましては、直近1年間でふっ素濃度30~40mg/Lの排水を排出している事業場が10事業場ございますので、こちらについても現行の暫定排水基準値40mg/Lを維持することが適当と考えております。

 次に、5)貴金属製造・再生業についてです。ほう素について一般排水基準を達成していない事業場は1事業場でございます。こちらにつきましては、工程を見直し使用量の削減などを図っておりまして、ほう素の平均濃度をこれまでの2割程度削減してきているところです。また、エトリンガイト凝集沈殿法やキレート繊維による吸着法などについて、導入検討を進めてきております。その結果、低減を図った上で希釈をすることで一般排水基準への達成が可能な見込みとなっております。これらの取組によって一般排水基準達成が可能な見込みでございますので、こちらについては一般排水基準に移行することが適当と考えております。

 次に、貴金属製造・再生業の硝酸性窒素についてです。こちらについては、7事業場が適用されております。こちらについても、原料として使用する硝酸やアンモニアの使用量の削減、代替、高濃度の廃液の産廃処理を行うことなどを実施してきております。また、アンモニア性窒素については、アンモニアストリッピング装置の導入により削減を進めてきております。硝酸性窒素につきましては、硝酸蒸発防止装置の導入であったり、硝酸をそもそも使用しないプロセスの構築などを行い削減を進めてきております。今後は、これらの取組や廃液からの硝酸回収や電気分解、生物処理法のさらなる検討などにより一般排水基準の達成を目指すこととしております。

 暫定排水基準値については、これまで設定当初の8,700mg/Lから2,900mg/Lまで引き下げてきております。上記の取組によりまして、直近3年間のピーク濃度は2,500mg/Lでございます。一方で、高濃度硝酸の使用が現時点で必須である貴金属再生事業からの排水においては、合理的な処理方法がなく希釈に依存せざるを得ない状況も考慮しまして、現行の暫定排水基準2,900mg/Lを2,800mg/Lに引き下げることが適当と考えております。

 次に、6)酸化コバルト製造業についてです。こちらについては、硝酸性窒素等の暫定排水基準が設定されております。一般排水基準を達成していないのは2事業場ございます。各事業場では、酸化コバルトの製造工程でアンモニア性窒素の含まれる排水が発生しております。ピーク濃度が高い傾向にございますB事業場におきましては、アンモニアストリッピング装置を導入し、硝酸性窒素等の濃度を約9割削減してきております。また、装置導入後も装置の増強や改造を行いまして、装置の効率的運転も実施し、装置の閉塞問題への対応、フィルタープレスの導入などの対応も進めてきております。また、バッファータンクの設定・運用方法を見直しまして、アンモニアストリッピング装置の待機状態を少なくするなどの対策を講じてきております。今後は、これらの取組のさらなる推進により一般排水基準の達成を目指すこととしております。

 暫定排水基準値につきましては、これまで設定当初の1,200mg/Lから160mg/Lまで引き下げてきております。直近3年間のピーク濃度といたしましては105mg/Lを計測しておりますことから、現行の暫定排水基準160mg/Lを120mg/Lにまで引き下げることが適当と考えております。

 次に、7)のジルコニウム化合物製造業です。こちらも、硝酸性窒素について暫定排水基準が設定されております。一般排水基準を達成していないのは2事業場ございます。こちらも、A事業場ではアンモニアストリッピング装置を導入し、硝酸性窒素等の平均濃度を約9割削減してきております。また、もう一つのBa事業場では、製造工程の変更が可能な製品について製造工程の変更を実施するとともに、29年度には排水貯槽を設置しまして平均濃度を約7割削減してきております。また、ピーク濃度が高い傾向にございますBa事業場では、アンモニア性窒素濃度が高い製品の生産工程をアンモニアストリッピング装置がある別の工場に移管するとともに、その工場でのアンモニアストリッピング装置の増設を行いまして、さらなる削減を進めております。今後は、これらの取組を進めて一般排水基準の達成を目指すこととしております。

 暫定排水基準値につきましては、これまで設定当初の2,600mg/Lから700mg/Lまで引き下げております。上記の取組を進めまして、直近3年間のピーク濃度として390mg/Lを計測しております。ただ、Ba事業場の取組の生産移管、Ba事業場から別工場のBb事業場に生産移管するに当たりまして、顧客からの承認が必要であり調整期間が必要であること、また移管先での生産トラブルに備えまして在庫の積み増しなどの顧客の要請への対応をするための増産を行う予定でございまして、増産を行った場合に、平成27年度に増産をした場合のピーク濃度が550mg/Lであったことも考慮いたしまして、現行暫定排水基準の700mg/Lを600mg/Lに引き下げることが適当と考えております。

 なお、こちらのBa事業場におきましては、生産移管、在庫の積み増しが終了した後には、一般排水基準値に近い排水濃度になるというお話をいただいております。

 次に、8番目、モリブデン化合物製造業、こちらについても硝酸性窒素等の暫定が設定されております。一般排水基準を達成していないのは3事業場ございます。各事業場とも製造工程でアンモニア性窒素が発生するため、アンモニアストリッピング装置を導入し低減を進めてきております。

 排水中の濃度が高いA事業場におかれましては、アンモニアストリッピング装置の長期連続稼働を実現するために閉塞問題の対応や、回収したアンモニア水の有効活用等を行いまして削減を進めております。今後も、こういった取組を進めまして、一般排水基準の達成を目指すこととしております。

 暫定排水基準については、これまで設定当初の5,800mg/Lから1,500mg/Lまで引き下げております。上記の取組により排水濃度は減少してきておりまして、直近3年間のピーク濃度としては1,303mg/Lであることから、暫定排水基準を現行の1,500mg/Lから1,400mg/Lに引き下げることが適当と考えられます。

 次に、9番目、バナジウム化合物製造業についてです。こちらも、硝酸性窒素の暫定排水基準が設定されております。一般排水基準を達成していないのは3事業場ございます。こちらも、各事業場とも製造工程でアンモニア性窒素排水が発生するため、アンモニアストリッピング装置を導入し、平均濃度を4割から6割程度削減してきております。濃度が高い傾向にあるA事業場及びC事業場におきましては、アンモニアストリッピング装置の長期連続運転を実現するための閉塞問題への対応や、回収した塩安溶液の有効活用等により削減を進めてきております。今後も、こういった取組の促進により一般排水基準を目指すこととしております。

 暫定排水基準値につきましては、これまで設定当初の5,800mg/Lから1,650mg/Lまで引き下げております。直近3年間のピーク濃度は1,643mg/Lであることから、暫定排水基準については現行の1,650mg/Lを維持することが適当と考えます。

 これらをまとめたものが12ページの表5になります。今後の排出濃度低減に向けた取組としては、今後も各業種における排水実態や取組の状況を把握しまして、排水処理施設の適切な運転管理等について指導を進めるなど自治体、業界団体とも連携し、排水濃度のさらなる低減に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。

 それぞれの取組につきましては、別紙として13ページ以降につけております。説明は省略させていただきます。

 以上です。

【細見委員長】 どうもありがとうございます。

 資料3-3の説明について、何かご意見等ありましたらですが、ちょっと10ページの、さっき、これ下から8行目ぐらいのところの暫定排水基準値(案)のところに、5,800から現在1,500じゃないの。1,500mg/Lまで引き下げていると。それを、今度は1,400に下げるというんじゃないの。わかりますかね。暫定排水基準値(案)の2行目のところの1,400というのは、これ1,500に修正すべきだと思います。

 ご意見とかご質問があれば、よろしく。はい。じゃあ、どうぞ。

【中村委員】 ちょっとわかりにくいところがあったので確認なんですけれども、7ページの下のところの貴金属製造・再生業のほう素のところなんですけれども、このB事業場というのは、下水道放流しているけれども、いろいろ対策をとって一般排水基準の達成が可能になったということなので、今後、同様の事業場が出てきても、仮に公共用水域に放流することになっても技術的には対応可能ということでよろしいんですか。

【髙野係長】 はい、そうです。

【中村委員】 その上で、戻って5ページのうわ薬製造業のほう素のところなんですけれども、ここも、いろいろ対策をとった後で下水道放流をしたということで、一般排水基準に移行できるというお話なんですけれども、ここも、仮に新しい事業所ができて下水道放流ができないとなった場合には、一般排水基準の適用は可能なんでしょうか。そういう事業所はもうないという前提で考えられたのか、あるいは技術的に下水道放流しなくても可能であるという形で考えられたのか、その辺の確認をしたかったので質問しました。

【髙野係長】 こちらについては、新規で建てた場合には、今回、一般排水基準に移行した場合には、一般排水基準を守っていただく必要がございます。技術的には、B事業場が最大で126mg/Lくらいの値を出しています。そのため、海域以外の河川などに放流する場合に一般排水基準を達成できる値ではないのですが、こちらで把握しているところでは1事業場だけが適用されておりまして、そちらが移行できるという状態ですので、未然防止の観点も含めまして一般排水基準に移行できるときに移行するという考え方です。

【細見委員長】 よろしいでしょうか。

【平沢委員】 すみません、ちょっと補足をさせていただけますと。

【細見委員長】 じゃあ、マイクを使ってください。

【平沢委員】 ごめんなさい。下水道が初めからあったんじゃなくて、下水道があって、排水が120でクリアできないから、わざわざ下水管を布設してつないだというところがあります。別に、もともと下水道に放流していたわけじゃなくて、わざわざ下水管をその会社がつくって、つないで、つなげることができたというのが一律にいただけたという特殊なケースのような気がします。だから、処理技術があったわけじゃないというケースですね。

【細見委員長】 下水道に接続される努力をされたという、そこは認めないといけないと思いますね。

【平沢委員】 かなり時間をかけて。

【細見委員長】 ほかにございますでしょうか。じゃあ、浅見委員、どうぞ。

【浅見委員】 ありがとうございます。6ページの金属鉱業のところについて教えていただきたいんですけれども、こちらでは1事業場のみ、今、守れていないということなんですけれども、暫定排水基準値の案のところで、今後、開発を行う水の中に入っているかもしれないので、今の暫定排水基準値を維持するというような趣旨のことが書いてあるんですけれども、これは、ほう素が入っているということを重々承知の上で開発をされて使われるということになるんでしょうか。

 「温泉水」と書いてあるので、何で、ここにわざわざ「温泉水」と書いてあるのかわからないんですけれども、温泉だからいいみたいな感じに思っていらっしゃるのか。むしろ、今後も温泉を開発されるときには、こういう処理費用がかかるということを見越して設置をしてほしいということを前回のときもお話がございましたけれども、水源開発をする場合には、しかも新たに開発するという、今まで使っていない深部の部分を掘り出して使うというからには、そういった費用がかかるということを承知でされるということだと思いますので、ちょっと、これを適当と言ってしまっていいのかどうか、ご質問させていただければと思います。

【髙野係長】 ありがとうございます。ご指摘ごもっともかと思います。現在25mg/L程度で安定しておりまして、今後、掘り進めたときに高い濃度のものが出るかもしれないというところで、今回、事業場からはご要望をいただいております。ただ、実際に出るかまだわかりませんというところが、こちらとしても今の段階で具体的にどのような値に設定するのが適当か判断の難しいところでございます。

 ただ、こちらのA事業場につきましては、今回延長したからといって、すぐに開発を始めるわけではなく、今後3年間かけまして、きちんと、どれぐらいのほう素濃度の地下水が存在するのかというところをモニタリングしていただくというお約束をしております。その中で実際にどれくらいの値が出るかによって、こちらとしても対応を考えていく必要があると思うのですが、A事業場としても、今のところ具体的な値がわからないという状況でしたので、きちんとモニタリングをしていただく期間を今回確保させていただきたいという意味合いが、こちらとしては大きいです。

【細見委員長】 「温泉水」と書くのも、また、そこはひとつ表現として。「湧水」とか、そういう感じのものですよね、ここの地域。

【平沢委員】 すみません。

【細見委員長】 じゃあ、マイクで。

【平沢委員】 ごめんなさい。この排水した後の水は、その後、温泉で使われているから、そういう言い方をしているんだと思うんです。

【細見委員長】 ああ、排水された水が温泉で使われている。

【平沢委員】 たしか、温泉が使っているんだったよね。違うか。

【辰巳委員】 一部、温泉で使っている。出てきた水のうちの一部は、温泉で使っている。一部は温泉で使っているということで、結局、出てきているのは温泉水が出てきているんです。

【平沢委員】 何とも言えないですけどね、それは。微妙なところはありますが、一応、温泉でも使っているので「温泉水」という書き方をしたのかもしれないですね。ちょっと微妙かもしれない。

 それから、もう一個、よろしいですか。今の関連で、本当に、何で早く調べないのと、その深いところをですね、前から言っていたんですが、実は、深いところを掘るのは結構大変らしくて、ほかのいろんな伏流水とかも取っちゃったりするらしくて、すごい苦労して取る方法を検討されて、それで、3年後だったかな、暫定をもらったら、その先には多分、水質をしっかり取れて、それで暫定値を決められるというようなことをおっしゃっていたような気がしました。

【細見委員長】 どうぞ。

【浅見委員】 暫定が引き延ばされるんであれば、いや、開発というと、何かちょっと趣旨と逆になってしまうような。暫定を設置して全体的には一般排水基準に近づけていこうという流れからいくと、ちょっと、それが気になるところではあるんですけど、今のお話をお伺いしまして、温泉にも使われることがあるので、温泉の開発と同時なような感覚で開発されるのかなというのからいきますと、例えば、ここのところ、適当というよりは、ちょっと、やむを得ず、しばらく様子を見るみたいな表現にしておいていただくほうが実際に近いのかなというような感じがいたしました。

 もう一つ気になるのが、金属鉱業さんは、結構、水量をお使いになるような感じがいたしますので、負荷としても割と大きいところでそういうご判断をされるということは、それなりに影響があるということなのかなと思いますので、もし、どうしてもそういうご事情があるのであれば、当面の間はやむを得ずというような感じのニュアンスがわかるような形にしておいていただけるとと思いました。

【熊谷課長】 ありがとうございます。温泉水何とかの表現のところは、実態にあわせて修正を考えたいと思います。今回の場合は、適当というよりは、今後の動向がわからないので一旦留保させていただきたいという意味で、やむを得ずの判断というふうに事務局としては考えております。今後の開発に伴って野方図に濃度が上がるような状況がないように、事業者の方ともきちんと連携をしながら、今後の動向を踏まえた上で、また後日の議論をしていただければと思っております。

 以上です。

【細見委員長】 これ、「適当である」でしたか。その表現は、どうしましょうか。

【熊谷課長】 細かい表現は、また委員長と相談の上、各委員にもう一度お伺いさせていただいて確定するという方針でよろしければ、その方向で進めたいと思いますけれども。

【細見委員長】 浅見委員、よろしいでしょうか。平沢委員も、よろしいでしょうか。

【平沢委員】 結構だと思います。これでいいかと思いますね、実態は。

【細見委員長】 今、熊谷課長から言われましたように、データがないので留保というのが基本的な姿勢で、精神論的に言うと、やむを得ず暫定だと。今の表現で「適当である」という表現が本当に適当かどうかに関しては、少し文案を検討させていただいて、各委員にもう一度お諮りしたいというふうに思います。

 ほかに、ございますでしょうか。

 (なし)

【細見委員長】 じゃあ、なければ、もう一つの分野である下水道分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果について、資料3-4、ご説明をお願いいたします。よろしいでしょうか。

【髙橋課長補佐】 では、資料3-4、下水道分野の暫定排水基準の見直しに係る検討結果の資料について、ご説明いたします。

 1ページに1.検討の経緯とありますけれども、ほう素、ふっ素、硝酸性窒素等に係る暫定排水基準について、下水道分野に関しては大きく二つのカテゴリーについて暫定排水基準が適用されております。

 2.にありますけれども、一つは温泉を利用する旅館業に属する特定事業場からの排水を受け入れる下水道業、これについては、ほう素について適用をされております。また、もう一つですけれども、モリブデン化合物製造業またはジルコニウム化合物製造業に属する特定事業場からの排水を受け入れる下水道業については、硝酸性窒素等について設定をされています。

 それぞれ暫定排水基準の変遷について、表1にまとめております。現在、それぞれについて、直ちに一般排水基準に対応できない事業場が1事業場ずつある状況になっておりまして、この各事業場の排水実態等を把握して暫定排水基準の見直しについて検討を行っております。

 まず、(1)下水道業のうち温泉排水を一定割合以上、受け入れているものについてですが、これはほう素になりますが、実態としては、こちらのA事業場について、周辺の旅館業からの温泉排水を受け入れて処理を行っています。直近の3年間での排水中のほう素濃度の平均値は16.8mg/Lでありまして、最大値は23mg/L、これは平成28年度の値になっています。ほう素については、効果的な処理方法がないことや、温泉由来であることから、今後も定常的に同程度の濃度のほう素が排出される見込みと考えております。

 また、この事業場についてですが、温泉の流入割合が高くなることも懸念されている中、仮に周辺の旅館からA事業場への温泉の流入割合が100%となった場合の試算を行ったところ、25mg/Lとなるという試算を行っております。

 その下になお書きで書いておりますけれども、高度処理などの排水処理施設の導入というのは、処理技術が未開発であることなどから困難でありまして、産業維持の観点からも難しい状況ということを書いております。

 濃度的には、先ほど申し上げましたとおり、最大値で23mg/L、また温泉流入割合が仮に高くなったとしても25mg/Lぐらいということもございまして、一定程度、下げることが期待はできるところ、現時点でいいますと、暫定排水基準値(案)のところの2段落目に書いておりますが、温泉原水のほう素濃度の変動について十分なデータがないこと、この事業場において周辺の温泉排水の管理に関する取組状況の把握や、濃度低減に向けた取組も行われていることも鑑みまして、現在の暫定排水基準を維持するとしつつ、温泉原水とか温泉排水の水質の変動、濃度低減に向けた取組状況を今後逐次把握し、下げることの妥当性を確認した上で2022年7月以降、30mg/Lへの見直しを検討することが適当と考えられるという事務局案としています。

 それから、2ページの(2)になりますけれども、モリブデン化合物製造業、ジルコニウム化合物製造業からの排水を受け入れているもので、対象物質が硝酸性窒素等になっております。

 こちらで一般排水基準を達成していないB事業場について、こちらは特定公共下水道の事業場でございまして、約80社の事業所の排水を受け入れています。このうち3社が高濃度の硝酸性窒素等の排出者で、この3社を中心に企業側の対策の推進、それから処理場における窒素低減方法の検討、処理系統の新設等に取り組んでいるところです。

 放流水の状況ですが、2ページから3ページ目に書いているとおり、平成30年の放流水のデータでいいますと平均で37.3、それから最大で60となっていまして、一般排水基準値を達成している状況です。

 図で表したものが図1、3ページの図1にあります。このような状況にあり、現時点で既に一般排水基準を達成していますが、この事業場では近い将来、硝酸性窒素等を高濃度に排出する事業所において、排水量の増加に伴い汚濁負荷が増加するといったことが見込まれており、現在、新たな処理施設の増設や既存の処理系列の設備の更新、新たな設備の付加を行う予定となっております。

 この下水処理場は、一般家庭から排出されるものを受け入れているところではなくて、工業団地の排水を受け入れているという特徴がございまして、その硝化・脱窒処理を阻害する物質も存在するというようなこともあり、一般家庭からの排水に含まれているような有機物が通常と比較して少ないという特徴もございます。こういったようなことから、今後の設備の増設や更新も鑑みまして、現時点では現在の暫定排水基準を維持するとしつつ、今後、施設整備の状況や引き続き濃度低減に向けた取組を行っていただいき、その増強を考慮しながら一般排水基準への移行を検討することが適当と考えられる、という案としております。

 資料3-4については以上です。

【細見委員長】 どうもありがとうございます。下水道分野の暫定排水の基準の見直しについての検討結果でございます。

 ご質問とか、ご意見とか、ありましたら、よろしくお願いいたします。平沢委員、どうぞ。

【平沢委員】 モリブデンが絡んでいるんで。3ページのところなんですが、ちょっと気になるところで、近い将来、上から4行目くらいに、先ほど説明がありましたが、「高濃度の硝酸性窒素を排出している事業所の排水量増加に伴い」と書いてあるんですけど、本当に増えるんでしょうか。私が聞いているのは、要するに、排水負荷は増やさないという取組でいいような気がするんですが。負荷が増えるという予測というのは、誰がしたんでしょうか。業者でしょうか。予想されるというのは、誰が予想したんでしょうか。

【髙橋課長補佐】 これは受け入れ元の企業さんのほうで一定の計画を持っておりまして、その試算に基づいて計算をしています。

【平沢委員】 そうすると、やっぱり設備をつけるのもあるし、逆に言えば、負荷を維持してくれと。水量が増えても濃度を下げるとか、結局、そういうことですよね。

【髙橋課長補佐】 そういった取組も必要になってくるかとは思います。ただ、この事業場の特徴でいいますと、受け入れている側で企業側の濃度の制御はできないというようなこともございまして、濃度がかなり高くなったとしても下水処理場側で達成できるようしっかりやっていきたいとも聞いております。そういった意味で、確実に処理の体制を整えたいとのことで、その状況を見ながら、また、引き続き濃度低減の取組もやっていくともありまして、このような案としています。

【平沢委員】 これは、あまり下水道の方にこういうことを言うと怒られるかもしれないんですけれども、無機の排水でアンモニアで取る技術というのはストリッピングぐらいしかないんですが、やっぱり有機物があれば、それなりに硝化・脱窒とかがあるので、有機物が欲しいところなんですね。それを、ある意味、下水道でちょっと希釈をしつつ有機物を使って窒素を取っているというところもあるので、現実は、ここにあるように非常にクリアする水質になっているので、そういう取組というのも、これから。これが一般水質を超えるほどの負荷になるとは思えないですよね、だけど。アンモニアですから。だから、むしろ産業が出す負荷量を増やさないでという取組が一番いいんじゃないかなと思うんですよね。もし、処理量が増えたとしても、負荷は増やさないでねという、そういう取組がいいんじゃないかなと思う。そうしたら、これを一応維持できますよね。

【細見委員長】 これに関連して、山下委員、ありましたら。

【山下委員】 下水道の技術的な観点で少し、今、窒素の処理のようなこともお話がございましたので、させていただきますと、例えば、ここは工業団地の排水等を受け入れているとなると、一般的な家庭排水の性状とはかなり水質が異なっていまして、先ほど平沢委員がおっしゃられた、例えば窒素を除去するような処理についても、有機物と窒素が適切なバランスでないと生物学的な処理も難しいということと、あとは、やはり工業団地ですとさまざまな物質が排水中にも含まれていますので、生物学的なそういった処理がどの程度安定的に行われるかといったようなことも含めて、いろいろ、ここの特定公共下水道ならではの難しい点があろうかと考えております。

 あとは、ご説明もございましたが、基本的に受け入れる側でして、各企業さんは、それぞれの製造の必要に応じて排水の質や量をそのまま下水道のほうに排出されてきまして、それを今、下水道側で、じゃあ、水質を幾らで出してくださいというふうに、法的な強制力をもって規制するということが今の体系上はできませんので。そうしますと、もちろん各企業においても当然、努力はしていただくと、そういったことはあるんですが、どこまで当該、ここで上げている下水道の事業者が自ら責任を持って管理ができるかということになりますと、一定の限界があろうかと思いますので。

 そうした観点、そういう特殊性、位置づけの特殊性、さらに、ここに流入している排水の特殊性等の状況を考えますと、今、現段階で事務局のほうで資料でご整理いただいている内容が妥当なのではないかというふうに考えております。

【細見委員長】 3ページの暫定排水基準値(案)のところで、3行目から負荷量が増大することが見込まれていて、下水道事業側としても新たな処理系列の増設とか既存処理系列の設備の更新等、新たな設備をつけ加えていただくという予定というふうになっていますので、全く何もしないというわけではないと思われますので。  今、現実は図1にあるとおりなんですけれども、排水の特殊性というんでしょうかね、一般の下水処理とは違う工業排水を受け入れている処理施設として、事業場からの排水を単に受け入れる側として、できる最大限のことが処理系列の増設とか、そういう類いのもので、これを今後、更新をしていただくということで、これも順次、一番最後の文章でいくと、一般排水への移行を検討していくということが、将来的にですね、妥当なのではないかと、適当なのではないかと考えられるというのが、この下水道分野の硝酸性窒素等の今の案でございます。

 藤江委員、どうぞ。

【藤江委員】 今の議論のところに関連してですけれども、B事業場に流入する下水には硝化・脱窒処理を阻害する物質という文言がありまして、これは、硝化・脱窒と書いてありますけれども、多分、硝化を阻害するのではと思います。さらに、脱窒まで阻害するということになりますと、これ生物処理が非常に難しくなって、逆に言うと、それが下水処理場の放流水として河川に出てくるということが危惧されなくもない。

 そうすると、一つは、流入する下水が硝化・脱窒を阻害するというところは、これは硝化としておいたほうが適切かと思います。脱窒まで含めてしまうと生物処理への影響が大きいと言っているようになるのかなという感じます。硝化を阻害するのかどうかということと、放流水には阻害物質が含まれるのかという二つの質問です。

【細見委員長】 今の二つ目は何でしたっけ。放流水。

【藤江委員】 放流水の水質。硝化を阻害するような物質が、そのままスルーしていく可能性があるのではないかということです。

【細見委員長】 B事業場というか、下水処理場に入る前の。

【藤江委員】 入ったものが、そのまま下水処理場で処理を阻害して出ていってしまう可能性がないかということです。

【細見委員長】 どうでしょうか。

【髙橋課長補佐】 まず書きぶりについては、確認をした上で、藤江委員ご指摘のようなことが正しければ、そのように修正をさせていただきたいと思います。

 また、放流水への影響、今回対象となっている硝酸性窒素等以外についてもということかと思いますけれども、それも今後、取組状況の確認をしていく中で、委員ご指摘のことも含めて把握していければと思っております。

【藤江委員】 ありがとうございます。

【細見委員長】 硝化・脱窒処理のことに関しては、もう一度、確認をしていただいて。硝化だけと言ったほうが藤江委員は適切なのではないかというご意見でしたので、ちょっと確認してください。

 それから、放流水の影響も含めて今後の予定として取組状況をチェックしていくというのが、この委員会として指摘するのが妥当かなというふうに思いますけど、どうでしょうか。

【山下委員】 恐らく、ここで議論されている暫定排水基準の対象となっている項目以外につきましては、通常の下水処理場なり、ほかの一般的な排水事業場と同様な規制がかかっていて、同様に測定等をして遵守等が確認されていると思います。特別な処理をしていなければ普通の標準法と言われるような処理をしておりまして、主に有機物、BODを中心に処理をして、必要な基準を満たすようにして放流をしているというのが通常の処理になりますので、基本的に、ほかの物質については、既に規制されているとおり対応がなされているというのが素直な考えだろうと思います。

【平沢委員】 すみません。

【細見委員長】 今のに関連して。

【平沢委員】 若干、これに関連してなんですけど。

【細見委員長】 まず、藤江先生の今のは、山下委員の回答でよろしいですかね。基本的には、硝酸性窒素等以外の物質については、基準をちゃんと遵守して放流していると。

【藤江委員】 多分そうだろうと思いますけれども、あえて、ここに阻害する物質がクローズアップされているので、逆に懸念を持たれる可能性がなくはないという、そんなことで質問させていただいたつもりです。

【細見委員長】 ありがとうございます。

 じゃあ、平沢委員、どうぞ。

【平沢委員】 これを議論するときにちょっと知りたいのは、どのくらいの希釈率なのかというんですかね。要するに、ほかの水量に対して、それがどのくらいで。ただ、タンゲが除去されているというよりは、希釈されている部分もあると思うので、そこの比率がそんなになければというところもあるので、その辺をきちんと、全量が排水じゃないと思うので、議論したほうがよろしいなと思いました。

【熊谷課長】 現地の下水道業の方も、もちろんそうですし、関係省庁でも連携しながら、今後、どのような整備の方式とか、排出をされる操業側の方の予定とか、そういうところも見させていただいて、なるべく、ここで最後にお書きしているように、一般排水基準への移行を検討するということで進めていけるように。これも先ほどと同じような議論かもしれませんけれども、今の時点でちょっと計画を立て切れない部分がございますので、一旦留保ということで今回の措置として考えていただければというふうに事務局としては考えております。

【細見委員長】 よろしいでしょうか。

 それでは、今までの見直しの検討結果を踏まえて、資料4、最終的に暫定排水の見直し案について、事務局からご説明をお願いいたします。

【髙橋課長補佐】 では、資料4ですけれども、ほう素、ふっ素、硝酸性窒素等に係る暫定排水基準の見直し案についてという資料です。これまで資料3-1から3-4まででご議論いただきました内容について、暫定基準が切れた後、今年の7月から3年間適用される暫定排水基準の見直し案ということでまとめております。

 1ページ目ですけれども、まず温泉分野については対象が旅館業になっておりますが、ほう素、ふっ素については変更しないとしております。

 それから、②の畜産分野ですけれども、硝酸性窒素等について500mg/Lの暫定排水基準を7月以降適用するという案になっています。

 それから、③工業分野ですが、うわ薬製造業について、ほう素、ふっ素については、現在、暫定排水基準が適用されているものがなくなり一般排水基準に移行すると。それから、ほうろう鉄器製造業、金属鉱業については、現在適用されている暫定排水基準について、引き続き適用をするとしております。

 それから、2ページですけれども、電気めっき業についてですが、現在、暫定排水基準が適用されているものについて、引き続き7月以降も適用されるという案になっています。それから、貴金属製造・再生業についてですけれども、ほう素については7月以降、暫定排水基準を適用せず一般排水基準に移行すると。それから、硝酸性窒素等については、7月以降、2,800mg/Lの暫定排水基準を適用する案となっています。

 酸化コバルト製造業については、7月以降120、硝酸性窒素等ですけれども120mg/L、ジルコニウム化合物製造業については600、それからモリブデン化合物製造業については1,400mg/L、それぞれ適用を7月以降するという案になっています。また、バナジウム化合物製造業については、現在適用されている硝酸性窒素等1,650mg/Lを引き続き7月以降も適用するという案になっております。

 それから、④下水道業についてですけれども、温泉排水を一定程度、受け入れているものについてのほう素、それからモリブデン化合物、それからジルコニウム化合物製造業からの排水を受け入れているものについて、それぞれ7月以降も引き続き適用されるというような案としております。

 これらをまとめたものが3ページの別紙になっています。それぞれ色塗りで分けておりますけれども、暫定排水基準を変更せず延長するもの、それから改定をして延長するもの、それから色塗りをしていないものは一般排水基準に適用、ということで、色塗りで分けて書いております。

 また、引き続き取組状況を確認するとか、いろんな議論をいただきましたけれども、この資料4では書いておりませんが、これまでご議論いただいた3-1から3-4に基づく内容等を踏まえて、進めていければと思っております。

 資料4については以上です。

【細見委員長】 どうもありがとうございます。資料3-1から資料3-4を踏まえて、資料4、別表のような形にまとめていただきましたけれども、これについて。今までの検討の結果で、ご異論がなければ、これを認めていただきたいと思いますが。ただ、資料の3-1から3-4につきましては、少し修正すべき点がございますので、これについては後日、事務局のほうから修正した案文を少し見ていただいて、了解を得た後、恐らく、その後、パブリックコメントにかけたいと。

【熊谷課長】 すみません。水環境部会のほうに委員長からご報告いただいて、最終的に全体の結論というふうにしたいというふうに思っております。

【細見委員長】 資料4について、特に何かございますでしょうか。

(なし)

【細見委員長】 なければ、これでお認めいただいたということにさせていただいて。

 今後の予定について、もう一度、ちょっと確認の意味で事務局からご説明をお願いいたします。

【髙橋課長補佐】 今後の予定につきましては、最初の資料2で少しご説明をさせていただきましたが、この後、先ほど委員長からもご指摘いただいたとおり、少し資料の修正を加えまして、それで確認いただいた後に、取りまとめられた案をパブリックコメントの手続にかけたいと思っております。この結果を踏まえて、再度、この専門委員会でご議論いただくかどうかにつきましては、委員長とも相談して判断をしていきたいというふうに思っています。その後ですけれども、最終的な取りまとめ案を水環境部会でご議論いただいた上で省令改正の手続に入りたいと考えております。

 以上です。

【細見委員長】 今後の予定についてご説明いただきましたけれども、何かご質問等、ありましたら。ご要望とか、ありますでしょうか。よろしいでしょうか。

 (なし)

【細見委員長】 それでは、本日、いろいろ活発なご議論、ありがとうございました。今、事務局の今後の予定についてご説明のあったように進めていただきたいというふうに思います。パブリックコメントの結果を踏まえて、問題がないようでしたら、本日、ご議論いただいた内容をもとに事務局で資料を作成していただき、5月ですかね、水環境部会のほうに私のほうから報告させていただきたいというふうに思います。

 議題には、その他というのがありますけれども、事務局、いかがでしょうか。

【熊谷課長】 特にありません。

【細見委員長】 それでは、議事については、これで終了というふうになりますので、事務局にお返しいたします。

【熊谷課長】 委員の皆様、熱心なご議論、どうもありがとうございました。幾つか資料としての整理の表現上で宿題が残っておりますので、それについて事務局で案を作成し、委員長ともご相談の上で、委員の皆様にお諮りした形で最終的に決めたいと思います。また、パブリックコメントの中の回答についても、場合によっては各委員にご相談することがあるかもしれませんので、もうしばらくご指導いただければと思います。

また、本日の議事録案につきましては、後日、お送りしますので、ご確認いただければというふうに思います。皆様のご確認の後に、環境省のホームページで公開させていただく手続としたいと思います。

 本日は、本当に熱心にご議論いただきまして、ありがとうございました。

午後0時01分 閉会

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