微小粒子状物質等専門委員会(第1回) 議事録

日時

平成26年3月12日 10:00~12:03

場所

環境省第一会議室

議事次第

1.開会

  1. (1)井上環境副大臣挨拶

2.議題

  1. (1)微小粒子状物質等専門委員会の設置について
  2. (2)大気環境保全に関するこれまでの取組について
  3. (3)専門委員会の進め方について
  4. (4)その他

3.閉会

〔資料〕

議事録

午前10時00分 開会

【横井課長補佐】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第1回微小粒子状物質等専門委員会を開催いたします。
 委員の皆様には、大変お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
 私は、本日の司会を務めさせていただきます、環境省大気環境課の横井と申します。よろしくお願いいたします。
 まず、本委員会の開催に当たりまして、井上副大臣からご挨拶申し上げます。

【井上副大臣】 環境副大臣の井上信治でございます。
 大原委員長を初めとして、委員の先生方には、今般、委員をお引き受けをいただき、また、ご多忙中のところ、今日、お集まりをいただきまして感謝を申し上げます。
 さて、PM2.5につきまして、先月末、日本海側を中心に広域的に濃度の上昇が確認され、報道でも大きく取り上げられるなど、国民の皆様の関心が非常に高まっております。PM2.5による大気汚染に対して、国民の安全・安心を確保していくため、環境省が先頭に立って総合的に取り組むべく、昨年末にPM2.5対策の政策パッケージを取りまとめ、発表したところであります。この専門委員会の設置は、政策パッケージに盛り込んだ事項の一つでもあり、国内対策を進めていく上で重要な取組であります。
 また、PM2.5と同様に、発生源が多岐にわたり、生成メカニズムが複雑である光化学オキシダントの課題についても検討いただきたいと考えております。
 PM2.5対策について、国際的には、中国及び韓国との協力が非常に重要です。中国とは、日本の自治体などが有する経験や技術を活用した都市間連携の取組を開始したいと考えております。三カ国では、来週、北京において、大気汚染に関する政策対話を開き、4月末には三カ国の環境大臣会合を開催をいたします。
 実は昨日、私自ら、在京中国大使館を訪問いたしました。そして、中国の韓臨時大使と面会をいたしました。私からは、アジア地域において、清浄な大気を共有するための日中協力について呼びかけを行いました。また、日中及び日中韓の協力の推進について意見交換をいたしました。中国も前向きであり、さまざまなレベルでの協力が重要であるということでありました。
 本日は、専門委員会のキックオフの会合であります政策パッケージの中でも言及しておりますが、平成26年度中を目途に、国内における発生抑制策の在り方について、中間的な取りまとめを行うことを目標にしております。
 私自身は、できれば年度末よりも前に、来冬、国内濃度が高まる前までには取りまとめできればというふうに考えておりますので、ぜひこの点についてもお願いをさせていただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。

【横井課長補佐】 本日は、第1回目の専門委員会でありますので、委員の皆様方と事務局の紹介をさせていただきます。
 まず、委員長には、中央環境審議会の運営規則の規定に基づきまして、大気・騒音振動部会長より、国立環境研究所地域環境研究センター長の大原委員がご指名を受けていらっしゃいます。簡単にご挨拶をお願いいたします。

【大原委員長】 ただいまご紹介にあずかりました、国立環境研究所の大原でございます。
 この度は委員長を仰せつかりまして、いい結果が出るように邁進したいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 微小粒子状物質PM2.5につきましては、2009年に環境基準が設定されて、日本の国内では、年間の平均的な濃度は、さまざまな対策によって減少傾向にあるといったようなことが明らかになっておりますが、近年の測定の結果によりますと、環境基準達成率が3割から4割程度にとどまっているといったようなことが明らかになっていると。一方、昨年の1月に中国で非常に高濃度が発生し、越境大気汚染による影響が非常に大きな社会問題になっているということでありまして、それを受けて、環境省でも専門家会合を検討して、注意喚起を開始したところであります。
 また、先ほど、副大臣のご挨拶にございましたけれども、この2月末には、国内の非常に広域でPM2.5の汚染が発生するといったようなことも起きており、依然として国民的な関心が高い環境濃度になるというふうに考えるべきであるというふうに思います。
 一方、光化学オキシダントにつきましては、大気汚染防止法、あるいはNOX・PM法等によりまして、いろいろな対策が実施されておりますが、平均濃度は依然として上昇傾向にある。あるいは、環境基準達成率が依然として非常に低くて、1%未満であるというような状況になっているといったようなことがあります。
 一方、環境省の検討会の中ではVOC対策によって、オキシダントの高濃度の発生状況が改善しつつあるといったようなことが示唆されるような結果も得られているといったような状況になっております。
 このPM2.5も、その光化学オキシダントも、ともに二次大気汚染であるといったようなことが重要でありまして、生成機構がよくわからない。それから、発生源がいろいろあると。こういったような理由で、環境濃度を下げることというのは非常に難しいというふうな点で共通している。さらには、越境大気汚染の影響が非常にこちらも大きいといったような共通点があろうかと思います。
 私の認識では、多くの大気汚染が改善する中で、解くのが難しい問題が最後に残ったといったような印象を持っているところであります。そういったような中で、この専門委員会が設置されたところでありまして、先ほど副大臣のご挨拶がございましたけれども、できるだけ早く当面の対策の在り方の中間的な取りまとめを行うというのがミッションであります。それで、さらには、その先には、二次大気汚染の改善戦略をつくると。光化学オキシダントに対しては、VOC・NOX規制というような形での戦略、対策がこれまでつくられて、それにのっとって進められ、一定の効果を上げられてきたということでありますが、それと同じようなセンスで、二次大気汚染全体をカバーするような形での戦略をつくる必要があるだろうというふうに個人的には思っております。
 PM2.5と光化学オキシダントの問題は、本当にアカデミア、それから産業界、行政、これらが知恵を出し合って、オールジャパンで取り組む必要がある、そういう課題であるというふうに思います。幸いにも、この本委員会には、日本のトップの科学者、それから産業界と自治体、それからマスコミの代表者の皆様にご参画いただくことができたというふうに感じているところであります。
 今、世界では、「科学と社会の融合」といったようなフレーズが用いられることが非常に多いんですけれども、ぜひこの委員会でも、科学的な知見をもとにして、大気質改善のためのよりよい対策の在り方を示すということを目指して、皆様にご協力いただきながら、よい結果を出していきたいというふうに考えておりますので、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

【横井課長補佐】 ありがとうございました。
 次に、本委員会にご所属いただく委員の皆様方につきまして、ご紹介させていただきます。
 資料1をご覧ください。50音順にご紹介させていただきます。
 慶應義塾大学の飯田委員でございます。
 九州大学の鵜野委員でございます。
 京都大学の梶井委員でございます。
 海洋研究開発機構、金谷委員でございます。
 電気事業連合会の釜谷委員でございます。
 読売新聞の河野委員でございます。
 埼玉県環境科学国際センター、坂本委員でございます。
 一般社団法人日本自動車工業会、柴田委員でございます。
 国立環境研究所、田邊委員でございます。
 福岡県環境部、中村委員でございます。
 日本化学工業協会、奈良委員でございます。
 東京農工大学、畠山委員でございます。
 東京都環境科学研究所、樋口委員でございます。
 日本鉄鋼連盟、弓手委員でございます。
 本日は、石油連盟の井上委員からご欠席の連絡を受けております。委員16名中15名の出席となっていることをご報告させていただきます。
 続きまして、本専門委員会の事務局を務めます環境省側からの出席者をご紹介いたします。
 水・大気環境局長の小林でございます。
 大臣官房審議官の平岡でございます。
 大気環境課長の難波でございます。
 自動車環境対策課長の大村でございます。
 環境管理技術室長、中谷でございます。
 大気環境課からは、私、横井と後藤、山口が出席しております。よろしくお願いいたします。
 続きまして、お手元の配布資料の確認でございますけれども、議事次第に配布資料一覧を載せております。資料が、資料1の委員名簿から資料8の微小粒子状物質等専門委員会における調査検討項目と検討スケジュールとなっております。また、参考資料は1から参考資料4までとなっております。資料の不足がございましたら、事務局にお申しつけください。
 マスコミの方へのお願いでございますけれども、カメラ撮りの方は会議の冒頭のみとさせていただきますので、これ以降のカメラ撮りはご遠慮いただくようお願いいたします。
 それでは、以降の進行は大原委員長にお願いいたします。

【大原委員長】 それでは、議事に入りたいと思います。
 まず、議題(1)でございまして、微小粒子状物質等専門委員会の設置についてということでございます。
 事務局からご説明をお願いいたします。

【横井課長補佐】 それでは、資料2に基づきましてご説明をさせていただきます。
 資料2をご覧ください。こちら、「中央環境審議会大気・騒音振動部会の専門委員会の設置について」という資料でございます。
 本専門委員会は、昨年12月に開催されました大気・騒音振動部会におきまして設置が了承されましたものでございます。1.から8.までございますけれども、7番、微小粒子状物質等専門委員会について記述がございます。そのときのご説明資料が裏面になっておりまして、先ほど既に大原委員長のほうから大部分ご説明していただきましたので、重複になってしまうかもわかりませんけれども、この専門委員会を設置することとなった背景、目的についてご説明いたします。
 まず、光化学オキシダントにつきましては、昭和48年に大気環境基準が設定されまして、大気汚染防止法、自動車NOX・PM法などに基づく工場・事業場等のばい煙発生施設の規制、自動車排ガス規制、VOCの排出抑制対策などが進められてきております。後でご説明いたしますが、光化学オキシダントの平均濃度は増加傾向にある。環境基準の達成率もよくないという状況にございます。
 また、PM2.5については、平成21年に環境基準が設定されております。年間の平均的な濃度は減少傾向にありますけれども、環境基準の達成率は3~4割程度という状況でございます。
 光化学オキシダントやPM2.5の原因となる揮発性有機化合物の排出抑制対策については、これまで大気・騒音振動部会のもとに揮発性有機化合物排出抑制専門委員会というのが設けられておりまして、ここで検討が行われておりました。その検討会が、平成24年12月に取りまとめた報告書において、「VOC排出規制のみを取り扱う本委員会は発展解消し、今後は、VOCのみならず、光化学オキシダントやPM2.5を含めて総合的な検討を行う専門委員会を新たに立ち上げ、今後必要な対策の検討等について幅広い議論を行うことが適当である。」というふうに提言されたところでございます。
 光化学オキシダント、PM2.5は、生成機構の解明が不十分であり、対策検討に必要な発生源データが不足している。また、越境大気汚染による影響も指摘されておりまして、これらの課題に対応し、今後適切な対応を検討していく、そういった背景と目的から本専門委員会を設置いたしたところでございます。
 2番目の調査事項につきましては、このときの当時のイメージでございましたけれども、後ほどの資料でご説明いたしますので、この部分は割愛させていただきます。
 説明は以上でございます。

【大原委員長】 ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、ご質問、あるいはご意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 ございませんでしょうか。
 ないようでしたら、次の議題に進めさせていただきたいと思います。
 次の議題(2)でございますが、「大気環境保全に関するこれまでの取組について」ということで、これも事務局からご説明をお願いします。

【横井課長補佐】 続きまして、大気環境保全に関するこれまでの取組ということで、資料3から7までをご説明させていただきます。
 まず最初に資料3、「大気環境保全に関するこれまでの取組」ということで、大気汚染防止法ですとか、自動車NOX・PM法など、そういった法令に基づく対策などにつきまして、資料3を用いてご説明させていただきます。
 まず1ページが、「大気環境保全対策の概要」ということで模式図を載せておりますけれども、まず、環境基本法に基づく環境基準という目標を掲げまして、以下、大気汚染防止法に基づく対策、また、大気汚染防止法以外に基づく対策というのを書かせていただいております。
 真ん中に、大気汚染防止法に基づく対策ということで、規制対象物質、今回のPM2.5ですとか、光化学オキシダントに関係するものといたしまして、ばい煙。ばい煙の中には硫黄酸化物、ばいじん、窒素酸化物がございますけれども、そういったもの。あと、揮発性有機化合物がございます。それに対して、固定発生源対策ということで、発生施設に対する排出規制、排出基準と総量規制基準を、規制ということで設けております。また、移動発生源対策ということで、自動車単体に対して排ガス量の許容限度を設定しております。
 大気汚染防止法以外に基づく対策でございますけれども、自動車NOX・PM法というものがございまして、自動車の交通が集中し、大防法に基づく自動車の単体規制だけでは環境基準の達成が困難である大都市地域における特別措置法でございます。また、公道を走行しない建設機械等に対する排ガス規制を行うオフロード法といった対策もございます。
 ページをおめくりいただきまして、2ページでございますけれども、大気汚染の状況をまとめております。
 ここでは、二酸化硫黄(SO2)、二酸化窒素(NO2)、浮遊粒子状物質(SPM)について、グラフでお示しをしております。(1)がSO2でございます。SO2につきましては、点線のグラフが濃度の推移でございます。一方で、棒グラフのほうが環境基準の達成率でございまして、棒が一番上まで行っているところが環境基準の達成率がよいという状況になっております。濃度は低減傾向。近年の環境基準達成率は、SO2についてはほぼ100%という状況になっております。
 (2)がNO2(二酸化窒素)でございますけれども、こちらもSO2と同様の傾向でございまして、濃度は低減傾向、環境基準の達成率も100%というような状況になっております。
 3ページ目のグラフでございますけれども、こちらは浮遊粒子状物質(SPM)でございます。こちらも濃度は低減傾向にございますけれども、平成23年度は若干環境基準の達成率がよくなかったという状況でございます。
 3.大気汚染防止法に基づく取組でございますけれども、先ほど簡単にご説明いたしましたが、ばい煙(硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじん)につきましては、それを発生する施設に対して排出基準を定めて規制を行っております。また、施設単位の排出基準では、大気環境の確保が困難な地域におけるSOXとNOXの総量規制を行っております。
 また、大気汚染防止法に定めるばい煙発生施設については、大気汚染物質の排出状況を把握するということをやっております。近年では、3年ごとに排出量の調査をしておりまして、次ページに、23年度の排出量の状況の表を載せております。こちらは、大気汚染防止法に規定する発生施設以外に、電気事業法ですとかガス事業法に規定する発生施設についても記載をしております。
 この表は、23年度の状況でございますけれども、過去から状況は調べておりまして、それが真ん中の棒グラフになっております。水色のものがSOX、灰色のものがNOX、黄緑色のものがばいじんのグラフになっております。NOXについてはちょっと増減がございますけれども、ちょっとこちらについては、現在のところ、その増減の要因についてはまだ解釈できていない状況でございます。
 続きまして、4.の自動車排ガス対策につきましてご説明いたします。

【中谷室長】 まず、(1)でございますが、自動車単体規制についてご説明申し上げます。
 自動車の1台ごとの排出ガスの規制でございますが、今まで中環審の答申に基づきまして、累次にわたり規制を強化してございます。
 5ページに移りまして、規制の対象物質としましては、COに加えまして、ここに書いてあります①のNOX対策、それから②のPM対策、それから6ページになりますが、③のハイドロカーボンの対策ということで、技術的に最大限の規制強化を図ってきたところでございます。
 この関係で8ページを、ちょっと飛びますが、グラフをご覧いただければ、規制の強化の推移がよくわかるかと思っております。8ページ、グラフをつけてございます。
 左から、NOXとPMとHC、それから縦軸が車種カテゴリーで分けてございます。例えば、PM2.5が直接関係しますPMでございますが、一番多くガスを出しておりますトラック・バスのPMのところ、真ん中の赤いグラフでございますが、見ていただけたらと思いますが、規制当初を100としまして、現時点での規制のレベルが1、100分の1まで規制強化を図っておるという、そういう状況になっております。
 このディーゼル車のPM規制につきまして、ちょっと補足でございますが、また5ページに戻っていただきまして、5ページの下にグラフをちょっとおつけしておりますが、このグラフは、ディーゼル車から排出される排出ガスのPMの粒子のグラフでございます。ご覧いただけますように、PMの粒子、ディーゼル車から排出される粒子は、ほとんど全てがPM2.5より小さい粒子でございます。そういう意味で、ディーゼル車から排出されるPM対策を今まで規制強化してきたわけでございますが、結果としまして、PM2.5の削減にもこれは寄与しておるというふうに、私ども考えておるところでございます。
 それから、次にまいりまして、今度は9ページをご覧いただきたいと思いますが、今までご説明しましたのが、自動車の新車に対する規制でございます。実際、世の中には古い車もいろいろ混在して走っているわけでございますが、時間がたつにつれて、古い車は廃車になって、新しい最新規制の車に置きかわっていくという状況になります。その結果、どういう排出量の削減効果があるのかというのを、グラフで示したものでございます。
 NOX、PM、HC、それぞれ示しておりますが、特に真ん中の段のPMをご覧いただけたらと思いますが、一応私ともの試算で、平成25年の時点で、自動車全体から、オールジャパンで排出されるPMの量といいますのが2.7万トンということで見積もっておりますが、規制強化、特に最新規制のディーゼル車がどんどん世の中に広まれば、例えば10年後であれば、それが0.7万トンも、半分以下に下がっていくという、そういう推計を今見積もっているところでございます。
 それから、次に11ページに参りまして、(2)でございます。オフロードの特殊自動車の排出ガス規制でございます。自動車の単体規制の中でも特殊自動車の規制を行っておりますが、先ほどの特殊自動車は、ナンバーをつけて公道を走る場合でございまして、こちらのオフロードの場合は、ナンバーをつけずに、工場等の建築現場で使用される車両になっておりますが、こちらもナンバーつきの車と同様に、同じ排ガス規制強化をやっておりまして、かなり規制が進んでおるという状況でございます。
 それから、(3)自動車の燃料品質の強化の項目でございます。こちらにつきましては、特に軽油の燃料品質についてご説明させていただいております。軽油の燃料品質、これを改善、特に燃料に含まれます硫黄分につきまして、これがディーゼル車の排出ガスの悪化を招いておったわけでございますが、これを、硫黄分を順次規制強化で少なくしていくことによりまして、ディーゼル車の排出ガス対策が進展するということで、今、ディーゼル車にはいろんな後処理装置がつきまして、排出ガスが、先ほどご紹介しましたように、直近では100分の1まで規制強化が進んでおるわけでございますけども、これも軽油中の硫黄分を規制強化した効果ということでございます。
 12ページに段階表をつけておりますが、直近の規制では、10ppm以下ということで、実勢値ではもっと低い値で市場に出回っておるということでございます。こういうことで、こういう燃料の部分の対策も行いながら、排出ガスの低減を図っているところでございます。
 それから、(4)の自動車NOX・PM法でございます。単体規制を実際やってきたわけでございますが、大都市圏におきましては、どうしても自動車が集中するということで、単体規制の効果がどうしても薄れてしまうという結果がございまして、そこの局地的な対策ということでNOX・PM法を実施しております。それによりまして、総量規制を行って、一つの対策としましては、古い車を強制的に新しい車に置き換えるというふうな対策をやってきておるところでございます。その詳しい中身につきましては、13ページに参考でつけておりますので、ご確認いただけたらと思います。

【横井課長補佐】 続きまして、14ページをご覧ください。揮発性有機化合物対策でございますけれども、VOCですが、塗料、接着剤、インキなどの溶剤に含まれております。揮発性を有しまして、大気中で気体となる有機化合物の総称でございます。光化学反応によって光化学オキシダントや粒子状物質の生成の原因となる物質の一つでございます。
 これについては、過去に、平成16年2月に、中央環境審議会から提言がなされておりまして、VOCの排出量を平成22年度までに平成12年度比で3割程度削減するという目標が出されております。これに対応するため、大気汚染防止法など関係法令を改正いたしまして、規制をいたしました。
 その結果でございますけれども、平成23年度のVOCの排出量は、平成12年度比で44.7%削減された。3割目標でございましたけれども、約45%削減されたという状況でございます。この削減状況の達成状況を踏まえまして、今後のVOC対策の在り方について、中央環境審議会の大気・騒音振動部会のほうで議論をいたしました結果、平成24年12月に答申が出ておりまして、このVOCの排出抑制制度は継続することが適当というのがまず1点出ております。
 一方で、そのVOCだけでなく、光化学オキシダント、PM2.5を含む総合的な検討を行う専門委員会を新たに設置すること、という提言がなされておりまして、その答申の内容を受けての今回の専門委員会ということになってございます。
 15ページは、VOCの規制対象施設はどんなものがありますですとか、下のグラフはVOCの排出量、棒グラフが排出量でございまして、点線のものが排出量の削減割合でございます。平成12年度比でどれだけ削減しているかというグラフでございます。
 また、16ページでございますけれども、光化学オキシダントでございます。光化学オキシダントにつきましては、このグラフに見ていただけるように、平均的な濃度が上昇傾向にあるという状況でございます。最後、23年のところで若干落ちているというような状況でございます。
 光化学オキシダント対策といたしまして、NOX、VOCそれぞれやってきておりますが、こういった状況でございますので、光化学オキシダント対策についても、本専門委員会でご検討いただきたいと考えております。
 最後、微小粒子状物質でございますけれども、こちらは、大気中に漂う微小の粒子でございまして、粒径2.5μm以下のものをPM2.5と呼んでおります。粒径が小さいため、呼吸器系への影響ですとか、肺がんリスクの上昇が懸念されているものでございます。環境基準が平成21年9月に定められておりまして、平成22年度から24年度までの環境基準の達成率及び年平均濃度の状況をまとめてございます。左側が一般環境大気測定局、右側が自動車排ガス測定局の状況でございます。それぞれ達成率は若干上昇傾向、年平均濃度は若干減少傾向にあるということで、ご紹介でございます。
 続きまして、資料4のご説明をさせていただきます。
 資料4、PM2.5に関する総合的な取組(政策パッケージ)でございます。こちらは、昨年12月25日に井上副大臣のほうから発表いただいているものでございます。
 おめくりいただきまして、3枚目のスライドをご覧ください。「政策パッケージの目標と取組事項」と書いてあるスライドでございます。
 この政策パッケージでは、目標を三つ掲げまして、取組を進めることにしております。目標1としまして、国民の安全・安心の確保。目標2としまして、環境基準の達成。目標3としまして、アジア地域における清浄な大気の共有でございます。
 まず、目標1に該当する取組といたしましては、予報・予測精度の改善ということで、国立環境研究所などとも協力いたしまして、モデルを構築していき、将来的な予報を目指すということで考えております。また、的確な注意喚起の実施ということで、先ほど副大臣のご挨拶の中でもありましたけれども、先月末に、日本海側、西日本などに注意喚起が出されておりまして、一定程度の濃度が高まることが予想される場合に、都道府県から注意喚起を住民の皆さんに実施していただくことにしておりますけれども、それの実施体制を構築したですとか、昼からの濃度上昇に対応できるような対応をした、というようなことを書かせていただいております。また、日本の中のみならず、中国にお住まいの在留邦人の方々への対応ということも書かせていただいております。
 目標2でございますけれども、環境基準の達成ということで、PM2.5の現象解明と削減対策の検討。中央環境審議会専門委員会での総合的な議論ということになっております。
 また、目標3、アジア地域における清浄な大気の共有ということで、アジア地域においていろいろな関係機関と協力して取り組んでいきますですとか、日本と中国、日本と韓国という二国間の連携、または、その都市、日本の自治体と中国の自治体との都市間連携、そういったものを取り組んでいきましょう、ということを書かせていただいております。
 下の緑色の「取組の基盤となる事業」のところでございますけれども、本日、この後、一番左の「発生源情報の整備」のところと、「二次生成機構の解明」のところにつきましては、ご紹介をさせていただきます。

【中谷室長】 資料5でございます。PM2.5発生源情報の整備の検討状況でございます。
 別紙で1枚ございます、資料の一枚ものでございます。資料5でございます。
 PM2.5の発生源情報の整備でございますが、この検討会の冒頭、大原委員長からもご説明がありましたように、PM2.5の発生源といいますのは、非常に多岐多様にわたってございます。この図で示しておりますように、いろんなところからいろんな量の排出がされておるという状況でございます。そのPM2.5の削減対策を講じるためには、その各発生源の排出量を把握する必要があると考えております。また、将来的な対策の効果を確認するためにも、この排出量の把握というのが、継続的な把握というのが大事になってくると考えておるところでございます。
 しかしながら、現状でございますけども、一部の民間機関とか地方自治体さんではかった結果というのがあるわけでございますけども、網羅的に、そのPM2.5の排出実態を把握した状況というのは、まだ、残念ながら、ないということでございまして、その整備が急がれているというふうに認識しておるところでございます。
 裏側を見ていただきまして、2ページ目でございますが、こういう状況を踏まえまして、昨年の25年12月から、政策パッケージと連動する形で、PM2.5の排出の発生源の排出量の把握をするための検討会を設置しまして、その中で具体的な調査を開始したところでございます。
 位置づけとしましては、2.の(2)でございますが、これはご覧のとおりでございまして、専門委員会の下に置かれておるという状況でございます。
 今の検討状況でございますが、(3)でございますけども、まず、固定発生源のデータの整備をやっていこうということで進めておるところでございます。いろいろな、先ほど申し上げましたように、民間のデータだとか、あと自治体のデータとかございますので、それらを活用して、網羅的に発生源情報を整備していくということを進めております。
 それから、二つ目としまして、その発生源情報でございますが、直接はかったデータが少なくて、ある程度推測値で推計したものが多うございますので、それをどんどん精密化していくというのをあわせてやっていきたいと思っております。また、実測データも、できるだけ多くのものをとりまして、それを参考にしながら、推測値のほうも精緻化していくということを取り組んでいきたいと考えております。
 今後の予定、3.でございますけども、一応、この当専門委員会の取りまとめのタイミングに間に合いますように、その検討材料として、発生源情報の整備した結果を、適宜ご報告させていただきたいと考えておるところでございます。
 以上でございます。

【山口係員】 では、続きまして、資料6の説明をさせていただきます。
 「二次生成粒子の挙動解明に関する検討について」ということで、PM2.5は、一次粒子と二次粒子に分かれておりまして、一次粒子というのは、発生源から直接粒子として排出されるもので、二次粒子は、排出時はガス状で、大気中で光化学反応等によって粒子化する、そういった二つに大別できるということになります。二次生成粒子については、気象や大気混合状態によって複雑に生成条件が変わるというところで、非常に生成機構の解明が難しいといったことが言われております。
 現在の得られている知見からは、一次粒子よりも二次粒子のほうが生成割合が大きいということがわかっておりまして、先ほどから技術室のほうでも言っていましたけれども、ディーゼル排ガスとかばいじんの規制とか、そういったもので一次粒子の生成というのはどんどん対策が進んでいるのですけども、二次粒子の対策、これが非常に重要になってくるのではないかというふうに考えているところでございます。
 下の図になりますけれども、左側はPM2.5で、一次粒子と二次粒子に分かれまして、一次粒子のほうが、また一次の有機粒子、一番下で一次の無機粒子というふうに分かれます。二次生成粒子も同じように有機と無機の2種類にさらに分別することができます。
 二つ目、検討の目的でございますけれども、この図で言いますと、右上の二次生成粒子のうちSIAの部分について、大気中での前駆物質、ガス状の物質ですけども、ガス状の物質となり得るようなVOCが数百種類以上存在するということで、非常に解明が難しいということが言われています。また、無機成分由来の二次生成粒子ということで、右、上から二つ目のSOAというところですけど、二次の生成無機粒子についても、例えば硫酸塩とか硝酸塩の観測濃度というのが、季節によってシミュレーションの結果、かなり実測と乖離しているといった状況が報告されております。これらの課題に地道に取り組んでいくことで、シミュレーションモデルの高度化や対策の検討の際に不可欠な生成機構の理解につなげていきたいと考えております。
 具体的な取組概要なんですけども――すみません、裏面にいっていただきます。大きく二つ、今ございまして、平成25年11月より、「PM2.5二次生成粒子の挙動解明に関する文献調査検討会」というものを立ち上げまして、国内外の文献についてレビューを現在行っている状況でございます。また、来年度、環境研究総合推進費においても、PM2.5の二次生成粒子挙動解明を行政ニーズとして設定しておりまして、研究を進めていくこととしております。
 四つ目ですけれども、その文献調査の内容ということで、現在レビューの途中ではありますけれども、把握できている項目として、以下五つに分けて紹介させていただきます。
 一つ目が、二次生成粒子の生成機構・動態解明のためのフィールド観測ということで、PM、微小粒子をフィルターに捕集しまして、二次生成有機粒子、SOA等の有機指標成分というものを測定することで、動態や起源について知見が得られるということがわかっております。ただし、その指標成分の中には、大気中で寿命が短い、要するにほかの物質に変わってしまうようなものとか、そういうものがあるので、そこは注意が必要であると言われております。一方で、エアロゾル質量分析計といって、オンラインでリアルタイムでPMの成分分析ができるようなものですけども、それが大気粒子の組成や酸化度、揮発性等を把握することができると。この種のオンライン観測というのは、多分今後利用範囲がどんどん広がっていきますし、それに伴って技術的発展も期待されているということが報告されております。
 次に、スモッグチャンバー実験の項目ですけれども、下に1番ということで、一番下の線が入っているところなんですけど、そこにスモッグチャンバーとはどういうものかと書いてあるんですけども、簡単に言いますと、小さい閉空間の部屋のようなところで、そこに二酸化窒素とか、炭化水素とか、そういったものを添加したり、紫外線を当てたりして、光化学反応や酸化反応、そういったものを見る、そういった小さな部屋です。
 そのスモッグチャンバーを利用しての実験ということで、そこで一番大切なのが、ガス粒子の吸収分配モデルというのが重要であるということが指摘されております。また、野外での酸化された有機物というのは、チャンバー実験で生成したものに比べて酸化が進んでいて、その違いは、大気中で進む酸化、劣化、そういったエイジングのためと考えられるようになっております。また、これまでのSOAを生成しないと考えられていたイソプレン、これは植物起源のVOCの一種でございますけれども、そういったものもSOAを生成するということがわかってきております。また、分子レベルのSOAの化学組成の知見も集積されつつあるといった状況でございます。
 三つ目の凝縮性ダストですけども、これも一番下に書いてございますけれども、実際の発生源の煙道から出たときは、高温なのでガス状ですけれども、拡散して、冷却されますと凝縮して、粒子化する、そういったことが自然に起こりますので、そこで粒子になります。そういったものを凝縮性ダストというふうに呼んでおります。
 これについては、排出量算定にISO規定の希釈法というものが用いられることがありますけれども、最近の研究では、実際、大気での希釈率よりかなり小さいことから、PM2.5で濃度換算したときは、過小評価されるのではないかといったことが指摘されております。したがって、発生源での濃度調査をする際には、実際の大気状態での希釈というものを考慮する必要があると指摘されております。
 続いて、レセプターモデルでございます。レセプターモデルも下に書いてございますけれども、簡単に申しますと、実測値、いわゆる観測値と、発生源でのはかった値というものを結びつけて発生源寄与をするということ、そういうモデルになります。
 これに関しては、有機粒子に対するPOA――というのは、先ほどの1枚目のところでいったら、右側の上から3番目ですけども、要するに一次の有機粒子ということになりますけれども、一次の有機粒子については自動車排ガス由来のものが多い。SOAについてはトルエン由来のものが相対的に多いということがわかります。また、バイオマス由来、植物燃焼由来ということですけど、バイオマス由来の有機粒子や、あるいは無視できない量の不明部分の存在というのがレセプターモデルの研究によって指摘されております。したがいまして、発生源の情報というものの、その整備が必要ということが言われております。
 次に、化学輸送モデルでございます。これも4番ということで、一番下に書いてございますけども、大気中の化学反応を計算する式が入ったソフトと、簡単に言ったらそういうものでございますけれども、ここの研究によりますと、SOAの過小評価というものも、いろんなトライアルでモデル計算結果と近づいてきているということが言われております。それは、揮発特性や酸化反応というものを考慮しているため近づいてきたと。引き続き、この揮発特性や酸化反応の把握や前提条件の精査というのを続けていきたいというところでございます。
 この二次生成粒子挙動解明に関する検討の今後の予定でございますけれども、一番最初に言わせていただいた2点、文献調査と環境研究総合推進費、この2点で進めていくということでございます。
 最後の段落ですけど、PM2.5の二次生成粒子の挙動解明に関しては、過去から研究がなされてきましたけども、実際、実験規模やフィールド条件、実験設計技術等が一様ではなくて、また、テーマ自体が非常に多岐にわたっておりますので、多くの課題が残っていると認識しております。これらの課題についても引き続き地道に取り組んでいきたいと考えております。
 以上です。

【後藤補佐】 それでは、引き続き、資料7をご覧ください。資料7は、光化学オキシダントに関する取組について記載したものでございます。
 まず1番のこれまでの経緯でございますが、オキシダントにつきましては、前駆物質であるVOCとかNOXは排出削減対策で減少しているにもかかわらず、オキシダント自体は平均的な濃度が漸増傾向にあるということがありますとか、注意報の発令地域の広域化が見られ、また、環境基準達成率も極めて低い水準にあって、その対策が急務になっていると、こういう背景がございます。そのため、光化学オキシダント対策の検討に向けて必要な調査研究の在り方を取りまとめることを目的としまして、平成23年8月に「光化学オキシダント調査検討会」を設置し、平成24年3月に報告書を取りまとめました。
 また、これとは別に平成24年4月に閣議決定されました第4次環境基本計画において、光化学オキシダントについては、「広域大気汚染や気象条件の変化などの影響を大きく受けやすい注意報等とは別に、環境改善効果を適切に示す指標について検討を行い、結論を得ることを目指す」というふうにされております。
 これら二つの動きを踏まえまして、平成24年度以降についても、光化学オキシダント調査検討会において、平成23年度に取りまとめました報告書に基づいて、今後必要な光化学オキシダント対策等の検討並びに環境改善効果を適切に示す指標の検討に資することを目的としたデータの多角的な解析、それから、対策の検討等に必要なシミュレーションモデルのフレーム検討等を行っているところでございます。
 実際の検討内容でございますけれども、2番目に、23年度の取組と24年度以降の取組を分けて記載しております。平成23年度に取りまとめました今後必要な調査研究の在り方をまとめた報告書では、以下のとおり取組を進めていくことが妥当というふうにされております。
 まず、重点解析地域としまして、関東地域、東海地域、阪神地域、九州地域について重点的に解析をしていこうということでやっておりまして、また、今後の調査研究の在り方としましては、まずはこの三つの丸い輪っかがありますけども、モニタリングの充実、データの多角的解析を行って、現象の解明をはかりながら、あわせて排出インベントリの精緻化をはかって、その精緻化された排出インベントリをもとに、シミュレーションを高度化したもので回して、それで結果的にオキシダント濃度に関する現象解明につなげていこうと、こういうふうに取り組んでいこうとしているところでございます。そういうことが23年度の報告書として取りまとまりました。
 これを受けまして、24年度以降につきましては、次ページ、1ページの裏をご覧ください。
 このような23年度報告書を踏まえまして、「モニタリングデータの多角的な解析」、それから「環境改善効果を適切に示す指標の検討」、それから「シミュレーションモデルのフレーム検討」を今実施しているところでございまして、現在の実施状況は、以下のとおりとなっております。
 まず一つ目のモニタリングデータの多角的な解析でございますが、これにつきましては、今年度末に検討会の報告書を取りまとめる予定でございますので、今回はポイントのみ、さわりのみを紹介させていただきますけれども、以下のようなことが取りまとまりつつあります。
 まず一つ目ですけれども、光化学オキシダントは、年々の気象の影響を大きく受けます。ですので、この影響を軽減するためには、3年の移動平均をとって、この気象の年々変動の影響を極力取り除いて解析を行うことが適当であるということで議論がされております。この具体的な例は、図1と図2でございますけれども、図1が単年度ごとのデータで見た場合です。図2が、3年の移動平均をとった場合でございます。
 これを見てもわかるように、図2のほうでは、トレンドの傾向が見やすくなっていることが確認できると思います。また、この図2は、光化学オキシダント濃度の局別年間98パーセンタイル値の域内最高値、つまり高濃度域の状況を示したグラフですけれども、このグラフから見てもわかりますように、高濃度域の光化学オキシダントの出現というのは改善していることがわかるのかなというふうに思います。
 この原因につきましては、今後取り組んでいくシミュレーションモデルを経ないと、なかなか確かなことというのはわからないわけでございますけれども、この下がり始めた年次が、例えばVOC排出抑制制度であれば平成18年度から取り組んでおりますけれども、こういうような対策と、オキシダント濃度変化のトレンドの流れがかなり似ているところもございまして、こういう排出抑制対策の効果が示唆されるということで考えているところでございます。
 それから、二つ目ですけれども、一酸化窒素がオキシダントと反応して、オキシダントを見かけ上減少させるようなタイトレーション効果というものがございまして、この低下を考慮するためにポテンシャルオゾンに着目した解析も行っております。
 図3がオキシダント濃度による平均的な濃度の、3年移動平均のグラフでして、図4のほうは、そのタイトレーション効果の低下の影響を受けないポテンシャルオゾン濃度による解析の結果でございます。ポテンシャルオゾンにつきましては、まだまだ算定方法に課題がございまして、定量的な議論をするには十分ではないかもしれませんけども、これを見ますと、左側の図3では、濃度の漸増傾向が見られているわけですけれども、ポテンシャルオゾンで見ると、横ばい傾向になっておりまして、このことから、最近オキシダントの平均的な濃度が上昇していると言われますけれども、これはタイトレーション効果の低下というのがかなり寄与しているのではないかということが示唆されるということが、これからわかるのかなというふうに考えています。こういうことを今まとめている最中です。
 それから、三つ目が、図5と図6ですけども、このところの部分が、越境大気汚染や国内における前駆物質排出抑制対策の効果を検討するため、地域別濃度とか、季節別濃度、この図5と図6が季節別濃度ですけども、こういうものとか、前駆物質濃度との関係などについて、ポテンシャルオゾンも含めた解析を行っているところです。図5と図6でわかることは、左側は春で右側は夏ですけれども、夏よりも春のほうに平均的な濃度の上昇が大きいということがこれから見えますし、少し図が戻りますが、図4とかで見ますと、中段の右側の図4ですけれども、九州の平均、黄色い線ですけども、この上昇がほかの地域と比べて大きいということなどから、こういう部分で越境大気汚染の寄与というものが示唆されているのではないかというふうに検討をしているところでございます。
 いずれにしましても、今後のシミュレーションを行わない限りは定量的なことは言えませんけれども、一応そういう方向での議論が今なされているところでございます。
 それから、次のページに参りまして、今検討をしていることの二つ目が、環境改善効果を適切に示す指標の検討でございます。
 その指標の検討では、光化学オキシダント対策の効果を適切に示す指標としては、高濃度に着目した指標だったりとか、高濃度の出現頻度に着目した指標が、こういうタイプの指標としては有効であるということが確認をできました。中でも、2000年以降にWHOのガイドライン値だったりとか、アメリカの環境基準に採用されております8時間値の日最大値について、年間の高濃度の上位の数%を除外して、3年平均することによって安定的な傾向を示す指標となることが確認できているところでございます。
 除外するデータというのは、統計的な外れ値を除外した安定的な指標とする必要がある一方で、除外データを多くし過ぎますと、高濃度を特徴付ける重要なイベント、春季にやって来るすごく高濃度のイベントとか、そういうものだけを除外してしまうおそれもありますので、どの程度除外すべきかというのを検討する必要があります。その検討を行いました結果、年間の上位1%を除外することが適当というふうに、検討会では結論づけられているところでございます。
 ちなみに、この年間の上位1%と申しますのは、アメリカの環境基準の評価指標と同じような形になっているというところでございます。
 このようなことを2番目のことでやっています。
 それから3番目ですけれども、注意報の発令時の措置の在り方ということは、この中環審の中でも課題になっていますけども、こういうものの在り方だったりとか、オキシダント対策の検討を今後行っていくためには、シミュレーションモデルを用いた解析、検討が必要です。そのため、シミュレーションモデルフレームの、まずはフレームの検討が行われている最中です。調査目的とか条件設定、この条件というのは対象年度をどうするかとか、対象月をどうするか、それから解析地域をどこにするかとか、インベントリ、モデル、解像度など、こういう細かな条件設定だったりとか、精度の評価についても、どのように行うかということなどの検討を行っている最中でございます。
 最後に、今後の予定でございますが、今年度末、今月中に「モニタリングデータの多角的な解析」及び「環境改善効果を適切に示す指標」の検討結果につきましては、検討会の報告書として取りまとめる予定でございます。また、平成25年度に実施したシミュレーションモデルのフレーム検討結果を踏まえまして、平成26年度には、シミュレーションモデルによる現況濃度の再現を実施する予定でございます。
 さらには、その先には、注意報発令時の措置の在り方だったりとか、オキシダント対策の検討だったりとかに取り組んでいくことになるというふうに考えているところでございます。
 説明は以上です。

【大原委員長】 ご説明いただき、ありがとうございました。
 これまで環境省が取り組んでこられた大気環境保全に関するいろいろな取組について、網羅的にご説明いただきました。
 大別しますと、資料3におきまして、長期的な取組の内容ですね。それから、資料4、5、6、7におきまして、比較的最近取り組んでいる内容についてご説明があったかというふうに思います。
 それでは、これから30分弱お時間がございますので、今の資料3、4、5、6、7につきまして、ご質問、ご意見をいただきたいと思いますが、ちょっと資料が多いので、少し分けたいと思います。3分類させていただきたいと思いますが、まずは資料3の長期的な取組について、これ関して。その後、資料4、5、6に行って、昨年末に副大臣が発表されましたPM2.5の政策パッケージに関わるような取組のところに関するご質疑。最後のところで、資料7の光化学オキシダント対策についてということで、この三つに分けてご議論いただきたいというふうに思いますので、ご協力をお願いします。
 それでは、早速ですが、資料3の大気環境保全に関するこれまでの取組についてということに関して、ご質問、ご意見等ございましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

【河野委員】 ありがとうございます。
 資料3の4ページ目のばい煙年間排出量の推移について、一つ質問があるのですが、さっきご説明では、NOXの増減について解釈できていないということだったと思うんですけれども、それは例えば、もうちょっと詳しく、どういうことが考えられていて、はっきりしていないのかというところをもうちょっとご説明いただけますか。

【大原委員長】 答えられる範囲でお願いします。

【横井課長補佐】 解釈できていないと申し上げましたのは、規制を進めているわけですので、排出量というのは右下がりの傾向にあるのではないかというふうに考えていたところでございますけれども、そうではなくて、ちょっといろいろなことを解析しないといけないと思いますが、施設数がどうなっているかですとか、それぞれの施設の排出量がどうなっているとか、そういったことを考慮して、この増減を見ていかないといけない、そういう認識でおりまして、本日は、このご紹介でございますけれども、今後、この専門委員会において、これまでの施策の評価というのをしたいと思っておりますので、こういった増減があることについての解析といいますか、評価についても、やっていきたいと思っております。

【大原委員長】 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 恐らく社会経済的な要因というのもあろうかと思いますので、その辺りも含めて、原因をチェックする必要があるだろうというふうに、個人的には思っています。
 ほかにはいかがでしょうか。

【畠山委員】 すみません、ちょっと教えていただきたいんですが、1ページ目の大気汚染防止法以外に基づく対策の中の「その他」、最後のところに「越境大気汚染対策」と書いてあるんですけど、これはどのようなことが今までにされているんでしょうか。

【大原委員長】 事務局からお答えいただけますか。

【後藤補佐】 環境省で取り組んでいるものとしましては、酸性雨局というのを持っておりまして、そこで越境大気汚染酸性雨長期モニタリングという形で、全国27カ所の地点で大気もモニタリングしていますし、土壌生態系につきましても、かなりな地点でやっています。モニタリングという観点からですけれど、そういう取組がやっているということが一つあります。
 それから、国際的な取組としては、日中韓三カ国環境大臣会合の取組の中で、黄砂の共同研究をやったりとか、そういう形のものもやっています。国内のモニタリングだったりとか、国際的な取組とか、そういうものをセットにして取組をやっているところでございます。

【大原委員長】 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。

【坂本委員】 今、この資料3でさまざまなものの対策によって発生量がそういった法が制定されているような説明があったんですが、今後のことを考えた場合、重要なのは、地図上に落として、エリアごとの発生源がどういうふうになっているかを見ていかないと、PMにしろ、光化学オキシダントにしろ、濃度の高い地域についての状況がより重要なわけですので、少しそういう整理をしていただく必要があるかなという気がします。
 それからもう一つは、この整理の仕方では、固定発生源と移動発生源という形で分けてあるけど、先ほど申し上げたところは、両方を見た上で考えて、各エリアごととか、もしくは県別だとか、そういったどのぐらいの範囲が適切かは、発生源の推移を見ていくという形の資料を整理してという。

【大原委員長】 ありがとうございました。
 前半のほう、排出量の空間分布、あるいは時間分布というのが大事だと思いますけれども、それにつきましては、資料5のPM2.5発生源情報の整備、この事業の中で進められるというふうに考えておるところであります。
 それから、もう一つの発生源種類別の内訳の変化、それにつきましては、資料3の10ページにあろうかと。部分的にですけれども、こういったような解析を今後進めていく必要があるかと思います。事務局のほうから、もし何かありましたら。
 ということで、坂本委員、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。

【梶井委員】 15ページのVOCの総量の年間トレンドのところなんでございますが、VOCはそれぞれ反応性が個々に違うものでございますから、総量としてのこういう解釈と、あとは、反応性の高いものはどのぐらい減って、反応性の低いものはどうなっているのかと、そういうことが少し見えるような形にして見てみると、今後のことも対策に有効な知見を与えるのではないかと思いますので、少し細かく分けられるのであれば、していただければありがたいと思います。

【大原委員長】 重要なご指摘をいただきありがとうございます。
 反応性といったような視点から区分して、このような排出量の推移を見るというのは非常に重要だと思います。固定蒸発の発生源調査については、基本的に成分別でかなり把握されているはずですので、そういったような視点から取りまとめていただければと思います。ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。

【坂本委員】 17ページのその整理を、誤解を招かないような形にしていただいたほうがいいかなという気がします。これは、PM2.5の濃度推移か、もしくは環境基準の達成率の推移を、あたかも示しているように見えるんだけれども、測定局の整備状況が22、23、24と増えていっている状況であって、同一の測定局で見ているのではないので、ややこういう形に示すと誤解を招くおそれがある。非常に明確にことわっておくか、もしくは、22年度の時点で設置されていた測定局で見てどうだとかいうようなものを同じようにつけておくとかしていただければいいかと思います。お願いいたします。

【大原委員長】 重要なご指摘をいただき、ありがとうございます。

【小林局長】 ちょっとPM2.5の状況の分析について、資料が必ずしも十分でなくて見直していただいてございます。確かに、ここに情報として測定局数が書いていないんですが、今、自治体にお願いして、測定局数が急速に増えております。そういう意味で、ここにある達成率の数字は分母が大きくなっておりますので、そこを注意して見る必要があると思っています。
 ちょっと、それぞれ何局のものであるのかということ、それから、その中で実は22年度から継続して3年分あるもの、それから23年度、24年度続けて測定できたものも、一応、事務レベルでは見ておりまして、達成率としては、やや改善しているということは確認しておりますが、ちょっとこれも測定局数が増えていくのに従って、よく分析する必要があると思います。その辺の資料も整理をいたします。

【大原委員長】 ありがとうございます。

【樋口委員】 平成23年3月の大震災の前後で、やっぱり環境状況も大分変わっているというふうに考えられます。排出状況だとか、それからあと大気の状況も変わっているだろうというふうに考えられますので、そこら辺のことも配慮したような記載の方法も反映してもいいのかなというふうには考えております。

【大原委員長】 ありがとうございます。
 環境省のほうから。

【小林局長】 エネルギーをめぐる情勢が大きく変わっておりますので、そこら辺については若干意識をして、どういう分析ができるか、内部的には検討しておりますので、またちょっと経過によってご報告させていただこうと思います。

【河野委員】 たびたびすみません。17ページ目に、PM2.5は粒径が小さいため云々、懸念されているとあるんですが、これは私の知る限りだと、2009年9月に環境基準をつくる直前に、専門家会合がまとめたのが健康影響について出しているもので、その後は公的な文書はないと思うんですけれども、今まで結構――それは2009年なので、今2014年ですから、結構世界的にもいろんな研究が進んでいるのではないかと思うので、文献レビューだけでも、なるべく早く一般に出していただきたいというふうに思います。これは要望です。よろしくお願いします。

【大原委員長】 重要なご指摘だと思いますが。

【小林局長】 また担当からも補足をさせますが、健康影響につきましては、注意喚起を出すときに、その後どういう知見があるかということを、ざっとしたレビューはいたしましたので、昨年の2月、あるいは11月段階で、専門家のご意見を聞いているところであります。
 それから、WHOからの指摘が出たりとか、そういう状況がありますので、健康面については、文献調査、その他、情報の収集はしておりますので、これもまた状況に応じて。

【大原委員長】 ということで、よろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。

【奈良委員】 お願いというか、光化学オキシダント濃度の推移の参考ということでありますけれども、SOXとかNO2とかSPMのところは、濃度と環境基準の達成率が両方書かれているので、光化学オキシダントのグラフも同じような形でさせていただきたいということと、あと、大気汚染防止法で有害大気汚染物質ということでいろいろ取り組んでいるのだったら、これらの物質ごとの削減状況も掲載されたらどうかなと思います。

【大原委員長】 ありがとうございました。
 環境省のほうからお答えいただけますか。

【後藤補佐】 オキシダント濃度につきましては、グラフの中に示していませんが、一応参考でお伝えしますと、環境基準達成率は大体1%未満になっているという状況が現状でございます。それから、有害大気汚染物質の濃度につきましては、有害大気汚染物質の中でオキシダントに関係するVOCの部分のところは、データとしてありますので、それはそれで整理をさせていただきたいと思います。

【大原委員長】 奈良委員に確認なんですが、VOCの有害成分について、具体的にはどういったような成分というようなイメージをされていますでしょうか。

【奈良委員】 VOCは、削減が大幅に達成されたと。できたら、どういった取り組みが、どの程度、取り組んできているんだと、例えばトルエンなどは都市部において二次生成有機粒子に対する寄与率が相対的に大きいといったことが先ほど示されましたので削減状況の内容がわかるようなご説明をしていただけたらありがたいなと。

【大原委員長】 よろしいですか。ありがとうございます。
 それでは、ちょっと時間がなくなってきそうな感じですので、資料4、5、6についてご質疑いただきたいと思います。こちらのほうにつきましてはいかがでしょうか。

【金谷委員】 資料6でございますが、今後の取組を見据えてということで、二次生成粒子の挙動解明ということの中で、3ページのところで、いろいろ文献などを当たられて整理されている段階かと存じますが、レセプターモデルという中で、POAの寄与率は30~50%、SOAの寄与率は30~40%程度と、かなり絞られた数字で書かれている書類がございまして、これは地域ですとか、季節ですとか、そういったことによって相当大きく違うのではないかということが想定されますけれども、その辺について、どのように整理されたものか、あるいは、もう少し変えた書きぶりになるのかなど、もうちょっとコメントをいただければ。

【山口係員】 この文献調査、国内外の文献対象ということで、この寄与率は、海外の文献が中心だったように、すみません、思います。たしかそうなはずで、特定の地域というか、国というか、そういうところでの寄与率ですので、確かに日本のまだ地域別とかでは少し変わってくる可能性はあるかと思っております。

【大原委員長】 ありがとうございます。少なくとも資料には、条件をできるだけ明記するように。金谷委員、そういう整理でよろしいでしょうか。

【弓手委員】 資料5のほうで、今後の予定のところで、インベントリを取りまとめる予定であるという話で、これは、先ほどこの後の資料6の二次生成粒子というところをどこまでカバーすることになるのでしょうか。

【中谷室長】 今の現時点で考えていますのは、PM2.5の直接の排出量がどのぐらい出ているのかというのを整備したいと思っております。それと、あと二次生成の問題というのもありますので、その二次生成機構の解明というのが別途、別な場所で進んで検討をされておりますので、その情報も取り込みながら、例えば前駆物質がどういうふうに変わってPM2.5になるのかというのも、それもある程度推計をしていきたいと思っています。それによって、最終的に寄与率を、いろいろな排出源の寄与率がどのぐらいになるかというのを決めていくということにしたい、考えていきたいなと思っております。

【大原委員長】 よろしいですか。はい、ありがとうございます。

【畠山委員】 同じ資料5なんですけれども、この発生源情報の整備というのは、この資料で見る限りは、国内の発生源ということですよね。今、国民の関心は、むしろ越境大気汚染にあるんじゃないかと思うんですが、その辺の発生源のデータというのは、例えば中国でどのぐらい発生しているとか、そういうのはある程度情報を収集できる目処というのはあるんでしょうか。

【大原委員長】 それにつきましては、私のほうからお答えしたいと思います。
 まず重要なのは、日本の国内できちんと排出インベントリをつくるということだというふうに考えております。そういったような中で、この資料5でご説明いただいたような、こういう検討もされています。
 片や、日本以外の排出量の推計については、いろいろな調査研究が進められておりますので、そういったような中で得られた成果を取り込んで、活用していくといったようなスタンスになろうかというふうに思います。
 もし環境省のほうから補足ございましたら。よろしいですか。
 ほかには。もう一点ぐらい。ございませんか。

【樋口委員】 この発生源情報の整備、資料5なんですけれども、これについて、どのくらいの期間といいますか、スパンで、どのくらいの規模とか、そういうものというのは、大体こんなことを考えているとかというのがあったら教えていただければと思うんですが。

【大原委員長】 すみません、ちょっと最初聞き取れなかったんですけども、申し訳ありません。何に関してですか。

【樋口委員】 この発生源情報の整備をしていくということに対して、どのくらいの期間で、どのくらいの規模でやるということを考えられているか、ちょっとお聞きしたいなと思います。

【大原委員長】 それでは、環境省のほうから。

【中谷室長】 まず規模でございますが、一応オールジャパンで、それぞれの排出源について、どのぐらい出ているのか。業種ごとにどのぐらいオールジャパンで出ているのかというのを見積もりたいなと思っております。期間につきましては、とりあえず今回の委員会に合わせて、そのデータを整理するというのが一つの目標になっております。そういう意味で、26年度中にある程度のものをまとめるというものでございますが、問題意識としては、これは継続的にやっていかないといけないなというふうに思っていますので、そういう意味では、エンドレスにやるという、調査していくということになるかと思っておりますが。

【大原委員長】 よろしいでしょうか。
 それでは、次に資料7の光化学オキシダント、これに関するご質疑をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 こちらのほうは、光化学オキシダント調査検討会というのが今立ち上がっておりまして、その中でかなり検討が進んでいるといったようなことでありまして、そのご紹介を先ほどいただいたということでありますが、いかがでしょうか。
 よろしいですか。
 どうも活発なご議論をいただき、ありがとうございました。議題(2)につきましては、以上で終わらせていただきたいと思います。
 それでは、議題(3)専門委員会の進め方についてということで、事務局のほうからご説明を、資料8に基づいてお願いいたします。

【横井課長補佐】 それでは、資料8、本専門委員会におけます調査検討項目ですとか、スケジュールの案ということでお示しさせていただきます。
 まず1番目の調査検討項目でございますけれども、PM2.5と光化学オキシダントで共通するものと、光化学オキシダント特有のものがありますので、分けて書いてございます。
 PM2.5・光化学オキシダント共通のものとして、今までお話のありました発生源情報の整備を進めていくですとか、二次生成機構の解明ですとか、シミュレーションモデルの高度化、モニタリングデータの解析などなどを、今後それぞれの進捗に応じて、この専門委員会でご報告させていただいて、ご議論いただきたいと思っております。それらを踏まえまして、発生源ごとの寄与割合がどういったものか。また、越境大気汚染の寄与というものもどうかということも、一度議題に載せまして、調査・検討をしていただきたいと思っております。
 越境大気汚染の寄与については、もし本日時間があるようでしたら、参考資料3のほうで、金谷委員のほうから資料をいただいておりますので、簡単にご紹介していただければと思っています。
 また、資料3で大気環境保全のこれまでの取組についてご説明させていただきましたけれども、そういった施策がどういうふうにその大気汚染の改善につながってきたかなどといった評価についても、この専門委員会で議論いただければと思っております。
 そういったものを踏まえまして、今後必要な対策についてまとめていきたいと考えております。
 また、光化学オキシダントにつきましては、一つ、環境基本計画の中からの宿題となっております環境改善効果を適切に示す指標については、この専門委員会において、近々その指標というのもお示ししていただきたいと考えております。また、光化学オキシダントについては、光化学オキシダント注意報というのを都道府県のほうから発令していただくことになっておりますけれども、その際に、NOXですとか、VOCを排出している事業者さんに対して、排出抑制の協力を求めるなどということが法令に基づいて定められております。そういった注意報の措置の在り方というのが適切なのかということについても、この専門委員会の前身のVOCの排出抑制委員会の宿題事項となっておりますので、そういったものも検討していく必要があると思っております。
 それで、下の表が今後の今現在考えておりますスケジュールでございますけれども、次回、5月ごろ開催できないかと考えております。一つの議題といたしまして、越境大気汚染の寄与について、いろいろな文献情報などを集めまして、今現在の研究の動向などについてご紹介させていただいたり、あるいは、26年度、発生源情報の整備、二次生成機構の解明などなどについて、環境省でどんなことを取り組もうとしているのかの紹介をさせていただきます。
 また、光化学オキシダントについては、別途の調査検討会が、25年度、本年度末に検討会の報告書をまとめますので、それの報告。また、環境改善指標を適切に示す指標案についてご議論をいただくということを考えております。
 また、8月には、発生源ごとの寄与割合、これまでの施策の評価についてご議論をいただきまして、光化学オキシダントについては、環境改善効果を適切に示す指標については、ここでオーソライズしていただきたいと思っております。
 また、11月は、引き続き発生源ごとの寄与割合、これまでの施策の評価を行いまして、国内における発生抑制策の在り方についての方向性といいますか、ドラフトみたいなものをお示しできればと考えております。
 また、当面の目標といたしまして、来年1月ぐらいに、国内における排出抑制策の在り方について、まとめができないかと考えております。
 これ以降の予定についてはまだ決まっておりませんけれども、この専門委員会が来年1月に終わるというわけではなくて、引き続き検討をしていくということに予定をしております。
 裏面は、ちょっと簡単なポンチ絵になっておりますけれども、発生源がどんなものがあって、前駆物質がどうなっているですとか、最近の状況がどうだとか、今後どういったことが取り組んでいく必要があるのかなどについて、今までご説明しております事項を簡単にまとめたものでございます。
 説明は以上でございます。

【大原委員長】 ありがとうございました。
 この議題は本日の最も重要な議題であろうかというふうに考えております。この専門委員会で何を検討して、それをどういうスケジュールで検討し、アウトプットを出していくのかという点でございます。20分程度お時間がありますので、ご議論をいただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。

【坂本委員】 最終的にはPM2.5の平均濃度を下げるという形にしていきたいわけですけれども、いわばエミッションインベントリ、エミッションプロファイルの精度が、その後どういう対策を打った場合に、どの程度の低減効果があるかという予測精度にかかわってくるということになりますので、かなりそのエミッションインベントリについては急いでやらなきゃいけない。そういう状況になって、エミッションインベントリをきちんと求めるための道具立てがそろっているかというと、必ずしもそうではない。測定手法などについては、まだ考えながらやっていかなければいけない部分があります。そういうことを考えた場合に、今、PM2.5について、三つに分けて考えていかないといけないのではないかというふうに私は思います。
 一つは、関東圏でつい最近かなり高濃度が出ました。そういうようなスポット的に高濃度が出たものの原因を調べて、それを下げるような形の対策。それからもう一つは、今申し上げたエミッションインベントリとか、そういったものが十分整備されたところで、平均的なPM2.5の曝露濃度の下げていくということ。それからもう一つは越境汚染。その三つに分けて考える。そして、今、越境汚染以外で、多分関東圏の高濃度なんかは別の要因で起こっているわけだと思うんですね。そうすると、そういったものを、要因を明らかにして、それについては、場合によっては、比較的早い時期に何かできるものがあるかもしれないということも考えておく必要があるのかなというふうに思います。

【大原委員長】 ご指摘いただきありがとうございました。3点ほどご意見をいただいたというふうに思います。
 1点目は、関東等での比較的ローカル、狭い地域で発生する高濃度の原因の把握と、それに対する対策、それが必要だと。それから2番目は、もう少し長期的なPM2.5の濃度ですね、それによるところの曝露濃度ということになろうかと思いますけれども、それを下げていくためにはどうしたらいいのか。3番目は、国内対策ということではなくて、越境大気汚染に対してどのように考えていくのかということだというふうに思いますが、もし環境省のほうからお答えいただける点がございましたらお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

【横井課長補佐】 今、坂本先生のほうからご指摘いただきました考え方というのは、我々のほうもそういった対応の考え方が必要ではないかと考えておりますので、なるべくそういった趣旨で対策・検討が進めていけるように、資料も準備いたしまして、ご議論いただけるようにしたいと考えております。

【坂本委員】 もう一つ、こういったことをやっていく場合に、かなりの部分が季節的な要因があるものについては、その季節に調査をして、整備をしておくべき情報をとらないと、また次の季節まで待たなければいけないという形になりますので、その点、非常に迅速に対応していく必要があるのかなというふうな気がします。
 少し追加しておきますと、今日の一番最初の資料で、さまざまな環境対策がやられていたことが、結果的にPM2.5の環境基準なんかが決められる以前からやられていたものが、PM2.5の濃度低減に役立っているんだろうと、そういう話がございましたけれども、まさにそういったところは、そのとおりだと。それで、そういった人為起源に対する対策が進んできたために、我々があまり今まで意識しなかった発生源の寄与がだんだん増えてきている可能性がある。それは、自然起源のVOCから出る二次生成であったり、それから、一応これも産業によるものなんだけれども、あまり厳密にはそういったものが規定されていない農業廃棄物の方面だとか、そういったものが無視し得ない形になってきている。そして、関東圏でスポット的に高濃度が出るというものなんかは、その可能性がかなりありそうな情報が出つつある。そうすると、そういったものを少し狙って調査をするなり、成分分析なりをしていけば、ある部分については何らかの濃度低減の方向性というのが見えてくるものもあるのではないかということで、先ほどスポット的に高濃度になるようなことの対策ということを申し上げました。

【大原委員長】 ありがとうございました。このスケジュール案では、3回目に、これまでの施策の評価というのがございます。それから、それと同時に、今ご指摘いただいたように、未把握なものに対して、それを把握しようとするアプローチが必要になってくるというご指摘だったというふうに思います。この専門委員会の中でも、個人的には、対象とすべき課題なんではないだろうかというふうに考えている次第ですが、もし環境省のほうからお答えが。よろしいですか。
 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。

【奈良委員】 発言の内容に関連してなんですけれども、最終的な在り方というところで、提言するというふうな形で、先ほど坂本様のほうから、エミッションインベントリの精緻化という、整備というお話がありましたけども、最終的には、リスクの低減となりますと、当然、有害性の程度はインベントリの整備のほうで確かなものにするとした場合に、実際に光化学オキシダント、もしくはPM2.5、あるいはその複合汚染という形で、健康被害を受けている状況、曝露されている方々の健康被害の程度なんかもある程度押さえておかないと、総合的なリスクの低減という意味ではつなげりにくいかと思いますけども、この委員会の中では、そういった曝露、実際に曝露しているというところは、ここでちょっと検討されるかどうか、あるいはどこか別でやられていて、最終的に排出抑制策の在り方を決めるときには、インベントリの整備の話と曝露の話が合体されてリスクを検討されるのか、ちょっと私、進め方がよくわかっていなかったものですから、教えてください。

【大原委員長】 この委員会のテリトリー、対象についてですが、小林局長からお願いします。

【小林局長】 先ほどご指摘もありましたが、PM2.5についてどういう影響があるのか、それは最終的には曝露、それからどういう影響が出ているかというのを見ていくことになると思いますが、これはちょっとまた観点、それからまたご専門の先生方もかなり、また別の分野にわたりますので、今持っているものとしては、先ほどもご紹介しました注意喚起については、健康影響を気にしながら、当面どういう対応をとるかということをやり、また、並行して健康面のいろんな情報も集めていく、これはそちらの委員会からもご指摘いただいて、やっているところでありますので、そちらでやり、また、そちらからの提言があれば、そういう場を設けてやるということにしたいと思います。
 現状のところでも申しましたように、環境基準を設定し、その達成がはかばかしくないというようなことを踏まえて、どういう対応をとっていけばいいのかということを、国内、国外を視野に入れながら対応を検討していくということが、ここの委員会でお願いしたい点でございます。

【大原委員長】 ありがとうございました。奈良委員、よろしいでしょうか。
 よろしくない。どうぞ。

【奈良委員】 ということは、総合的にいろんな曝露のほうの専門的な知見もいろんなところで勘案しながら、最終的にこちらのほうでは、いわゆる有害性の程度といいますか、インベントリの整備といいますか、その辺を精緻化させて、その辺の有害性の程度の観点から、まずは効果的な排出抑制策の在り方を押し出していくという理解でよろしいのでしょうか。

【小林局長】 有害性がどうかということは、いろんな議論があるのかもしれませんが、現に今、環境基準を設定し、それを達成していくというのが政策目標になっております。それがどこからの原因によって、達成できていないのか。それから、今ご指摘がありましたように、ベースとして汚染のポテンシャルがあるという面と、それからスポット的に出てくる面もあるというふうなことでありますので、そういう汚染の現象面を解明をして、それが一体どこから来ているのか、それに対してどういう手を打てばいいのかというようなことを、まず国内はしっかりそこは固めていくと。それが諸外国とやっていくときにも、日本はこれだけのデータを持ち、これだけの対応をとっているという中で、それぞれの各国も対応をとっていきましょうということを呼びかけていく力になりますので、そういう現象の分析、それから、どういう対応をとっていくかということを議論いただきたいということであります。
 もちろん、そのときにご指摘があれば、逐次、積み重なってきた健康面の状況はどうかとか、そういうのを別途のところでやっているものをご報告するということは、ご指摘があれば検討をしたいと思います。

【大原委員長】 基本的に、この専門委員会のミッションは対策の在り方を検討するということだと思います。その上で、そのときには、健康影響等に関する知見も必要になるかもしれないと。必要になるだろうと。そういったような場合には、ほかの検討会とか、あるいは専門委員会等の知見等も活用しながら検討をしていくということになるんじゃないかなというふうに理解していますが。

【坂本委員】 今、大原委員長の説明のとおりで、まさにこの委員会は、これまで環境基準を決めたとき、粒子状物質総体としての健康影響を判断をして、環境基準を決めると。その一方、毒性学だとか疫学データだとか、そういったものも、その当時を見ても、やはりまだ個々の成分による、より大きな健康リスクがこれのほうにあるとか、そういったものだけでは説明できない状況である。要するに、総体として見ていくという判断をしているわけです。
 一部、そういう毒性学や、いろんな有害物質についてのデータも出ていますけれども、まだ必ずしもそれによって浮遊粒子状物質、もしくは粒子状物質というのを、何によって健康リスクが非常に大きいから、それを下げれば健康リスクが下げられるという形の情報については、まだ十分でないという状況であるというふうに判断して、環境省のほうでも、別途、先ほど局長の話にもありましたけれども、別の形で健康影響だとか、そういったものの文献に必要な、整理するようなものが進められておりまして、そういうものが多分またまとまって、個々の成分でそういうことが言えるということがわかった時点では、今考えているようなエミッションインベントリを総体として考えていくという話ではなくなるかもしれませんけれども、現時点では、そうではないということでございます。

【大原委員長】 ありがとうございました。
 奈良委員、よろしいですか。はい、ありがとうございます。

【鵜野委員】 簡単に申し上げます。シミュレーションモデルについていろいろ出ていますが、取組を見ますと、モデルの高精度化とか、生成機構の解明というのがあると思いますが、特に単体では、モデルだけじゃなくて、そのモデルをよくするには、発生源をちゃんと入れなくちゃいけないとか、粒子化の機構をちゃんと入れなくちゃいけないとか、その辺を全部総合的に見ていかないと、モデルだけが悪いでしょうと言われても、なかなかうまくいかない。ですから、その辺の取組を横断的にやっていただきたい。
 あと、発生源、排出量についてVOC、NOX、SOXは非常に重要ですが、最近私がやっている研究の側面からでは、アンモニアの排出量の与え方で、アンモニウムイオンができますから、PM2.5の量が変わります。ですから、モデルの高度化等の検討をされるときには、アンモニアの感度がどれぐらいあるのかという側面も加味されたらよろしいと思います。

【大原委員長】 ありがとうございました。確かにご指摘のとおりだというふうに私も思います。シミュレーションモデル、排出インベントリ、それから観測もそうだし、それから二次粒子、先ほどの二次有機粒子の生成機構のところもそうですが、それぞれ密接にリンケージさせて、総合的にいいものをつくっていくといったようなセンスが大事だろうというふうに思いますので、そのような形でアウトプットを出していければいいかなというふうには思います。
 それから、発生源インベントリにつきましても、未把握、あるいは未把握に近いような状態のものがまだ多々あると。今ご指摘の農業起源のアンモニアなんていうのは、非常に不確実性が高いというようなことは明らかでありますので、そういったような発生源、あるいは物質に、どのように取り組んでいくのか、どのように推計していくのかということに関しても、一定の検討が必要ではないだろうかというふうに考えているところであります。
 もし環境省のほうから補足等。よろしいですか。

【飯田委員】 お話を伺って、やっぱり問題の困難さというんでしょうかね、その理由は、例えば自動車のパティキューレート、微粒子のときには、大学で何を教えていたかというと、窒素酸化物は、もう地域の光化学オキシダントでいちだいは少なくともたくさん集まると。そこの大気に及ぼしますよと。それからCO2は、もうチベットだろうが、横浜市だろうが、どこで出しても地球上にたまっていきます。PM、あるいはナノパティキュレートは、初期は、本当にそういう局所汚染というふうに捉えていたんですね。ところが、衛星写真、中国で、北京から上海まで1200キロに及ぼすようなものすごい広域で汚染が起こっている。それが越境汚染としてやって来る。
 ということで、自動車からのエレメンタリーカーボンが減った後のPM2.5というのは、もう坂本先生がおっしゃるように、植物起源、硝酸塩、それから硫酸塩、それから、もちろんエレメンタリーカーボンを含めてですけども、それが非常にローカルな部分と、それから広域の部分と、それがまざっちゃっていて、かつ、原因物質が、VOCと一口で言っても、じゃ標準試料で分析したものという以外に、相当数のものがあり得る。それらが実は時系列データとして道具立てが、坂本先生が言われたように、少ないという形で、それを決定的に証明できるデータがとれていないというところがある。
 提案なんですが、もうこれは地方自治体も、国環研のデータも、大学のデータも、いろんなものを総合して分析すべきで、そうすると1年間という流れの中で、夏、とっておけばというのが、冬とれたけど夏はとれなかったとかということになるんだけども、ただ、いろんな局所のスポットの発生って本当に半日単位でどんと落っこっちゃったりしますので、それを後から、あのときの何時のナノパティキュレートのデータを皆さん出してくださいみたいなことで、シミュレーションと絡めて、ある瞬間の、ある日のものを回収できるというようなネットワークですね。だから、それぞれ研究機関が、研究の目的に試料はとられるんだけど、そのうち、3分の1だけでも必ず冷凍保存しておいて、それで、ある決まったときの状態をみんなで出し合って分析できるというふうな、そういうシステムをつくっていただくと、1年の中で、おおっというときの何か資料に役に立つ。もう既にそれはやっていらっしゃることではあるんですが、それをちょっと徹底していただくと、少ない道具立てで対費用効果の大きいものを何かつかまえられるんじゃないか。それが1点です。
 それから2点目は、質問ではなくてコメントなんですが、今回のこの委員会で、調査事項という中に、これは資料2ですね、当面の調査事項というのと、中長期的な調査事項という、二つに分けていただいています。多分、当面が1年なのか、6カ月なのか、1カ月なのか、あるいは中長期が何年なのかは書いていないんだけども、気持ちとしては、すぐにでも手をつけられるものと、それから、すぐにはなかなか解決できないよねという思いなんだと思うんですが、坂本先生のような、局所平均値越境汚染というアプローチでいえば、必ずしもこの中長期的な調査事項というほうが、そんなに中長期でなくてもできるものも含まれているんじゃないかという思いがありますので、あまりこの区分けは気にしないほうがよろしいかなというのが、すみません、差し出がましい意見なんですけども、コメントです。
 以上2点。失礼いたしました。

【大原委員長】 ありがとうございました。前半のほうでは、観測データ等、オールジャパンで、日本全国でいろいろな研究機関等で進められているデータ等をアーカイブする、あるいはデータベースをつくる、情報を収集して、きちんと整理しておくと。後で使えるようにすると、そういうご指摘だったかというふうに思います。
 後半のほうにつきましては、当面の目標と中長期的な目標で、ある意味では、シームレスにやっていく必要があるんじゃないかといったようなご指摘だったかというふうに理解しておりますが、環境省のほうから、いかがでしょう。

【小林局長】 1番目のご指摘は、ちょっと専門的な件はまた教えていただければと思いますが、課題が、今日も明らかになっておりますように、かなり広範で複雑であると。一方で、対応はできるだけ早く、前広にとっていきたいという気持ちがありますので、そういう意味で、行政としても、かなり本腰を入れてやっていく覚悟は持っておりますが、学会ベースといいますか、そういうアカデミックなほうとも相当タイアップしてやっていかないと、なかなか答えの出ない課題だろうなと思っております。
 そういう意味で、環境省が持っている競争的資金みたいなものは、テーマとしてはぜひ大きく取り上げてほしいという提案をしておりますが、もう少し広く、学会全般とも、どういう形で連携していくかということは、ぜひ模索をしていきたいと思っております。
 それから、2番目のほうにつきましては、もうおっしゃるとおりでありまして、インベントリ、それから、その発生源の機構、これがなくてどうやって考えていくのかという、どっちが先かというようなことであろうかとは思っておりますし、本当にきっちりした形で解明するというと、相当一定の期間かけてやるというようなことが必要な課題だということは、重々承知はしております。
 一方で、環境基準の達成率が、さっきご紹介したような状況でございますし、国民の関心も高い。それから、ぜひ日本がリーダーシップをとって、アジアの諸国にも対応を呼びかけていきたいと。そういうためにも、国内的にできることは、可能な範囲で、いろんな解明が途上であっても、どういう対応をとっていけるのかというような前向きな姿勢でぜひ検討して、そういう中で全体を引っ張っていけるか、こういう気持ちがございます。ですので、解明は解明でしっかりやっていくということは持ちながら、わかっている範囲でどういうことをやっていったらいいのかというような知恵を出していくというような形でご審議を進めていただければ、大変ありがたいと思っているところでございます。

【釜谷委員】 電事連の釜谷でございます。1点、お願いでございます。
 多分、この後、データですとか、いろんな解析をもって議論が進んでいくんだろうというふうに理解しておりますけれども、ぜひ、効果的ですとか効率的、あと活発に、より本日以上に活発に議論するためにも、ぜひ資料を事前にいただければというふうに思います。多分、数値的なものが多くなってこようかと思いますので、我々も事前に見ておけば、いろいろなご指摘とかご意見を言いやすくなると思いますので、ぜひご配慮いただければと思います。
 以上です。

【大原委員長】 ありがとうございました。ごもっともだというふうに思います。いろいろな状況があって、どうしても資料づくりが遅れてしまうというようなケースもあるのかなというふうに思いますが、事前に配付する方向で、ぜひご検討いただければというふうに思います。ありがとうございます。

【樋口委員】 将来濃度の推計についてなんですけれども、現在、PM2.5濃度は低下しているという状況だということなんですけども、将来的にどの程度低下するかという、そういったものをある程度踏まえた上で、どういう分野で、どのくらい減らすか、どういう分野で、どういう種類のガスなりPMを減らすかというような、そういったことがされてもいいかなというふうに思っていますので、その検討、そういうことができるかどうかもちょっと事務局で検討していただければなというふうに考えております。

【大原委員長】 そうですね。ありがとうございます。将来予測は重要で、それをもとにして、その対策検討を進めるという話になろうかと思いますけど、ただ、将来予測はどういうシナリオを設定するのかというところがある意味では難しいという側面があろうかというふうに思いますが、例えばJATOPといったようなところで推計結果とかもありますし、東京都の推計結果もたしかあったと思いますので、そういったような知見も活用しながら、この場で議論をさせていただくというふうなことになろうかというふうに考えておりますが、環境省よろしいですか。
 ほかには。どうぞ。

【金谷委員】 資料の裏側にあるダイヤグラムを見ておりますと、PM2.5については、測定数、成分分析の抽出が必要ということで、測定のほうでも今後の改善が必要ということにもなってございますが、一つは、今、そらまめ君などでも、1日の平均値という形では評価をされ、並行試験などを経て、ある程度信頼の置ける観測になっていますけれども、例えば1時間値などについて、本当に大丈夫なのかどうか、そういった観点での議論も、今日ではないにしても、今後どう進めるかというのは議論が必要かもしれませんけれども、一つのポイントになるのではないかと。
 先ほど、スポット的にかなり高濃度になるというような事例もあるというご意見もありまして、実際そうなんですけれども、やはり1日持続する事例だけでは決してないので、そういった時間値に関しても対応がとれるような測定ということに関しても何か、データはつけたほうが。

【大原委員長】 ありがとうございました。日平均値だけではなくて、時間値でどうしても議論をせざるを得ないような局面が多々これからも発生するかと思いますので、そういったような意味で、その時間値のデータをどれだけ正確に測定するのか、できているのかというところが重要なポイントだと感じております。
 もし坂本委員からコメントをいただければ。よろしいですか。

【坂本委員】 おっしゃられるとおりで、環境基準を決めるときに、いわば1日平均値としては、精度の高いデータが必ず出るようにしなければいけないという状況がございました。一方、1時間値の場合には、どういった形でその測定値を検証するかというところの方法論と、それからもう一つは、それまで出ている疫学データでは、まだ1時間値そのもので、いろんな形の情報がそう多くはないという状況で、まず1日平均値がきちんと出ることと。それについては、環境基準のところ辺りでどのくらいの精度を保とうと、そういったことをやりましたけれども、1時間値については、一切そのときは見てございませんでした。なぜかと言うと、それをそのとき一緒にやると、測定器という形で環境をモニタリングするための装置がどういったものであればいいかというものが、短期間では決められない状況でございます。
 1時間値は、そのほか越境汚染とか、どういった方向に大きな発生源があるかとか、そういったものを見る場合に、トレンドとして、濃度がどういうふうに動いていったかとか、そういうものを見る情報として、その当時は、あったほうが望ましいというような形でやってございます。ですから、今、金谷委員でしょうか、指摘があった部分については、今回の、いわば注意喚起を行うとき、私は、そういう問題を指摘しつつ、できるだけ早くそれについて現状の装置がどの程度の精度で動いているか、それから、相互比較等によって横並びに見られるものか、そういったものをやる必要があるということを環境省に申し上げてございまして、環境省のほうでも、今そういったところを少しずつ努力をしていると、そういう方向でやっているというふうに思ってございます。

【大原委員長】 重要なご指摘、それからコメントをいただき、ありがとうございました。
 それでは、そろそろ時間が押し迫ってまいりましたので、議題(3)まではこれで終わりました。
 時間がもしあるようでしたら、金谷委員と樋口委員から、参考資料3、4についてご説明いただこうと思っていたんですが、大変申し訳ございませんけれども、時間が押し迫ってまいりましたので、これで終わらせていただきたいと思いますが、もし、その他何かございましたら。
 では、簡単で申し訳ございませんが、金谷委員のほうから、参考資料3を1分で。

【金谷委員】 金谷でございます。参考資料3を提出させていただきました。
 こちらはS-7と呼ばれます環境省の推進費、5年間続けてまいって、もう3月で終わるものですけれども、そちらをまとめたものになります。
 本当に1分でということでございますと、越境大気汚染や国内の寄与率を出すというところがポイントになってございまして、17ページのところの数値が一番大事な資料かと思います。化学輸送モデルを用いまして、最新の発生源のインベントリ、アジアのインベントリを入れまして、モデルで、PM2.5を表現し、それぞれの日本での地域、九州から関東まで挙げてございますけども、そこでの発生源の寄与をモデルシミュレーションによって試算したものになります。
 こちらはまだ学会誌で論文発表、公表に至っておりませんので、試算という形でご案内しているものでございます。ただし、中国に関しての寄与率というのは、西日本、九州などでは6割程度ある。通年、2010年のシミュレーションですけども、そのぐらいあるのではないか。一方、関東におきましては、日本自身の影響がそれを上回っているのではないか。51%、5割ぐらいというふうに書いておりますけれども、そういった試算結果が出てきております。
 ただし、こちらは80kmのメッシュでのモデルシミュレーションという制約がございまして、関東と申し上げても、このような霞が関のど真ん中での寄与率というわけではございませんで、かなりその中でも田舎の地域、郊外地域での寄与率と思っていただいたほうがよろしい値かと思います。
 実際にはほかの、理想的には中国や韓国の研究者などとも連携をし、それぞれの寄与率が本当にこういったものなのかどうかということを、私たちは、その不確かさを詰めていくということで、評価をしていこうというふうに考えておりますけども、そちらにはまだかなり時間が必要だという状況になります。
 また、モデルの制約として、有機物の二次生成などに関しても、かなり制約のあるモデルでございますので、その辺の改善も今後必要かと思っております。
 手短ですが、以上です。

【大原委員長】 短時間でコンパクトに説明していただき、ありがとうございました。
 それでは、樋口委員のほうから、東京都の取組に関しまして、参考資料4について、申し訳ございませんが、簡単にご説明いただければ。

【樋口委員】 参考資料4の2ページ目、3ページ目、開いたところを見ていただきたいんですけれども、2ページ目のほうは、将来濃度推計という形でやっております。ただ、排出インベントリとか、あるいは、モデルの制約がありますので、精度としてそれほど高くはないだろうというふうに思います。それからあと、東日本大震災の影響がありまして、それの影響を加味していませんので、わからないと。
 それから、右側のほうの下の円グラフですけれども、各地域別ですね。それからあと、各発生源別でも、発生源別の寄与濃度割合というのを調査をしております。これもいろいろな精度の面で問題がありますので、これから、よりよいものに、こういうところの検討会でしていただければなというふうに考えております。
 以上でございます。

【大原委員長】 簡潔に説明していただき、ありがとうございました。
 それでは、時間がそろそろ参りましたので、これからのことにつきまして、環境省のほうからご説明いただけますでしょうか。

【横井課長補佐】 ご審議ありがとうございました。
 次回の委員会につきましては、先ほどスケジュールのほうで示させていただいたとおり、5月ごろを目処に開催させていただきたいと思っておりますので、また日程調整をさせていただきます。その際にはご協力をよろしくお願いいたします。
 あと、事務的なご連絡になりますけれども、本日の議事録につきましては、皆様に確認させていただいた上で公開いたしますので、後日、確認の依頼をさせていただきます。そちらもよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【小林局長】 1点、事務局からのお願いでございますが、今日いただいたご指摘で、かなり奥深いご指摘もいただいたかなと思っておりまして、ちょっとまたそういった点については個別にご指摘、ご指導をいただくことをぜひお願いしたいと思います。
 また、今日、ちょっとここら辺については指摘し損なったというようなことがございましたら、ご指摘を事務局にお寄せいただければ、ぜひ次回には取り入れてやってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【大原委員長】 引き続き、フォローアップをよろしくお願い申し上げます。
 それでは、本日の委員会は……。

【樋口委員】 委員長、ちょっと一言よろしいでしょうか。

【大原委員長】 はい、どうぞ。

【樋口委員】 東京都からちょっと一言コメントさせていただきたいと思います。
 東京都は、2020年に夏季のオリンピックを開催させていただきます。開催期間なんですが、7月24日から8月9日ということで、例年この時期は光化学スモッグが多発する時期でございます。光化学オキシダントはPM2.5と発生源だとか、原因物質に共通している部分が多いし、それからあと、PM2.5の生成にも密接に絡んでいると考えております。また、環境基準の達成率が低いという、先ほど、話がありました。
 本委員会では、PM2.5だけではなくて、光化学オキシダントだとか、VOCに対する対策についても検討するということなので、大いに期待をしているところでございます。今後、科学的な知見を集積した上で、国、それから地方自治体、それから関係団体が、広域的で総合的な対策を実施して、光化学スモッグとか、それから高濃度のPM2.5が発生しないような、快適な環境を創造して、2020年のオリンピックを迎えたいというふうに考えております。
 よろしくお願いいたします。

【大原委員長】 ありがとうございました。
 それでは、今日の委員会はこれで終了させていただきたいと思います。
 ご協力いただき、どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

午後 0時03分 閉会

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