自動車排出ガス総合対策小委員会(第9回) 議事録

1.日時

平成28年3月17日(木)13:30~15:00

2.場所

環境省 第1会議室(中央合同庁舎5号館22階)

3.出席者 

(委員長)  飯田 訓正

(委 員)  浅野 直人    石田 東生

       遠藤 啓二    織  朱實

       小林 雅文    竹間 雅人

       千田  敏    丸山 義弘

       横田 久司

(環境省)  早水大臣官房審議官

       江口総務課長

       小野自動車環境対策課長

       永見自動車環境対策課長補佐

       定自動車環境対策課長補佐

       三上環境専門調査員

4.議題

(1)自動車NOx・PM総量削減基本方針に係る施策進捗状況について

(2)自動車NOx・PM対策地域における環境基準確保の目標の評価手法の検討状況について

(3)その他

5.配付資料

  資料1   自動車排出ガス総合対策小委員会 委員名簿

  資料2   自動車NOx・PM総量削減基本方針に係る施策進捗状況

  資料3   自動車NOx・PM対策地域における環境基準確保の目標の評価手法の検討状況

  参考資料1 自動車NOx・PM総量削減基本方針(平成23年3月25日閣議決定)

  参考資料2 関係省庁における自動車NOx・PM総量削減基本方針関係施策

  参考資料3 関係都府県における自動車NOx・PM総量削減基本方針関係施策

  参考資料4 東京都貨物輸送評価制度

  参考資料5 グリーン・エコプロジェクト(東京都トラック協会)

  参考資料6 排ガス削減に向けたITSの取り組み(UTMS協会)

6.議事

【永見自動車環境対策課長補佐】それでは、定刻前でございますけれども、ご予定いただいている全員にお越しいただきましたので、ただいまから第9回中央環境審議会大気・騒音振動部会自動車排出ガス総合対策小委員会を開会いたします。

 私は司会を行います、自動車環境対策課の永見と申します。よろしくお願いします。

 本日は、草鹿委員、村木委員におかれましては、ご欠席のご連絡をいただいております。都合、10名の委員の方にご出席をいただいております。

 本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき公開とさせていただきます。

 次に、本日の資料について確認をさせていただきます。

 まず、議事次第がお手元にあると思いますが、その下に資料1、委員名簿、資料2に自動車NOx・PM総量削減基本方針に係る施策進捗状況というパワーポイントの資料。資料3として、同じくパワーポイントですが、自動車NOx・PM対策地域における環境基準確保の目標の評価手法の検討状況という資料。その後ろに参考資料の1から6となっています。1が基本方針、2が関係施策と若干字が小さくて恐縮ですけれども、エクセルの表の後に個票が続いている資料、参考資料3がA3のエクセルの表で、基本方針関係施策。参考資料4、5がパワーポイントの資料になりますけれども、東京都貨物輸送評価制度と、グリーン・エコプロジェクトの資料。参考資料6も、パワーポイントで排ガス削減にむけたITSの取組という資料、以上でございます。もし、配布漏れ等がございましたら、事務局までお申しつけください。よろしいでしょうか。

 それでは、議事に移りたいと思います。

 以降の進行については飯田委員長にお願いをいたします。

【飯田委員長】 皆様、ご多忙のところお集まりいただきましてありがとうございます。それでは第9回大気・騒音振動部会自動車排出ガス総合対策小委員会の議事に入らせていただきます。

 本日は、表の議事次第にございますとおり、二つの議題でございます。最初に議第(1)自動車NOx・PM総量削減基本方針に係る施策進捗状況についてということで、この議第(1)の内容についてまずは事務局から説明をお願いいたします。

【自動車環境対策課 定課長補佐】 自動車環境対策課の定でございます。よろしくお願いいたします。それでは座って説明させていただきます。

 それではお手元の資料2に基づきまして、自動車NOx・PM総量削減基本方針に係る施策進捗状況についてご説明します。

 最初に今回の報告の概要についてご説明します。前回の小委員会でも整理をいたしましたが、今年度が基本方針の中間目標年度であることから基本方針の中間評価が必要となっております。中間評価は、中間目標の達成状況と合わせて、施策の進捗状況についても情報を取りまとめて、今後の取り組みとあわせて検討するというものでございます。

 今回は、この中間評価の作業の途中段階でございますが、ここにお示しをしました3点についてご報告をして、いただいたご指摘を踏まえて今後の検討を行ってまいりたいと考えております。

 一つ目は、排出量の削減に影響する指標、次に26年度までの関係省庁及び関係自治体の関係施策情報、次に、参考としまして現状の対策を継続した場合の32年度の環境濃度の推計結果について、まだ途中段階ではございますが、ご説明をいたします。

 32年度は基本方針の最終目標年度でございまして、このような推計結果を踏まえて、今後の基本方針に基づく取り組みについて検討を行う必要があると考えてございます。

 それでは、めくって次の画面に進みます。総量削減の進捗状況と、各指標との関係について、ご説明をいたします。

 この指標との関係を踏まえることで、排出削減に寄与する施策が何かということを具体的に考えることができます。

 次の4画面目の図ですけれども、環境省で毎年調査を行っております、対策地域内の幹線道路における排出量の推移でございます。4つの車種に分類しておりますけれども、いずれのカテゴリーも排出量は減少しています。この4車種の分類でいきますと、普通貨物車が大きな比率を占めておりますが、ここも21年度と最新の集計年度であります25年度と比べますと、随分と減っている状況でございます。

 次の5画面目ですけれども、自動車からのNOxとPMの排出量のうち、最も大きな比率を占めておりますのは、道路を走行しているときの排出量でございます。まず走行時以外には、例えば、エンジンが始動するときであるとか、小さな排出量を計算する部分もありますが、ほとんどを占めておりますのは道路を走行しているときの排出量ということでございますので、この計算方法について大ざっぱに示しますと、この図のように走行量に排出係数をかけるという方法で算出いたします。この自動車走行量は、ある地域で年間何台、何キロを走るかというような数字ということで、統計から引用しています。それから排出係数ですけども、これは車1台当たりNOx、PMが走行キロ当たり何グラム排出されるかという数字でございます。この排出係数はある地域内の道路を走行する車のカテゴリー、例えば普通貨物車であるとか、そういったようなカテゴリーごとに係数を決めるというようになっております。この排出係数は、低公害車の比率が高くなるとか、あるいは、新しい排ガス規制に適応した車の比率が高くなると、この排出係数は小さくなってまいります。その結果、排出量も削減されるということになります。

 前回の小委員会でご質問がありました、対策方法別の排出削減量ですけれども、この計算方法をもとに算出をしているということになります。低公害車の比率が上昇した分を考慮することで、排出係数の低下に伴う排出量の削減量が計算できますので、これを低公害車普及施策の排出削減効果とみなして計算をしています。

 排ガス規制強化の単体対策の効果についても、同じような考え方で計算をしてございます。

 また交通流対策で渋滞が少なくなって、車の走行速度が速くなれば、それに応じて排出係数も小さくなって、排出量も減少するので、その削減量をこの図式において計算できます。

 毎年度、各道路区間の平均の走行速度というのを調べてございますので、この速度の上昇による排出量の減少を、交通流対策による削減効果とみなして、計算するという方法がございます。

 同じように、交通需要の低減の施策の効果は、自動車走行量の減少にあらわれるというように考えて、それによる削減量というのが計算できます。

この図式から、各施策による排出削減効果というのが計算できるということです。前回の小委員会ではその一部の計算例についてご紹介をしたところでございます。

 次、6画面目に進みます。

 先ほどの図式にあった自動車走行量と排出係数のデータについて、対策地域内の幹線道路における普通貨物車についての値は、このようになってございます。走行量につきましては21年度から25年度にかけてほぼ横ばい、NOxの排出係数は14%ぐらい減ってございます。PMの排出係数は約50%減ということになっており、排出係数の大幅な改善により、排出削減が進んでいるということがわかります。

 この排出係数に影響する指標のうち主なものについて、次、7画面目ですけれども、21年度から25年度のデータの変化を示しています。まずこの排出係数に影響を与える一つの要素としまして、重量が重い車両がふえると排出係数は増大いたしますけれども、データの上ではほとんど変化していません。それから、積載率について見ますと、21年度と25年度を比較すると若干減っています。しかし、この指標は、23年度以降は横ばいで推移しています。積載率がふえると車が重たくなる影響で、排出係数は大きくなるということでございますけれども、積載率は、同じ荷物量を運ぶ場合に積載率が下がってしまうと、逆に走行量がふえて、結局排出量がふえてしまうということになりますので、ここでは一般的には例えば、荷物を運んだ帰りで空荷になるのを防ぐように、帰り荷を確保するであるとか、あるいは共同輸配送で輸送効率を上げると言ったような施策が講じられているところでございます。

 一番下ですけども、結局この5年間で大きく排出削減に寄与したのは、「新しい排出ガス規制適合車の比率」でございまして、5年間で約1.5倍増大をしてございます。これによる排出削減効果も大きいということ、それから今後も新しい排出ガス規制の適用ですとか、あるいは、古い車両の更新が順次行われていくということによって、この新しい排出ガス規制適合車の比率というのは今後も当面、上昇し続けて、排出削減に寄与することが期待されると考えております。

 次に、関係省庁及び自治体における施策の進捗状況について、情報を収集しておりますので、ご紹介いたします。

 次の9画面目ですけれども、基本方針の中には、ここに掲げたような、総量削減施策に関する基本的事項として7項目を挙げています。これらについて、関係省庁や自治体において、各種の施策を展開しています。5年前の中間報告に向けた小委員会の検討時にもこの情報を取りまとめておりますけども、今回の報告では、23年度から26年度までの情報を取りまとめております。関係省庁につきましては、参考資料2、それから関係都府県につきましては参考資料3のほうに、この取りまとめの結果をお示ししています。いずれも可能な範囲で事業の実施量あるいは事業の効果について具体的な情報を収集するようにいたしました。

 28年度はこれらの情報に中間目標年次である27年度のデータを追加しまして、中間レビュー資料として取りまとめる予定でございます。

 次の画面ですけれども、これら施策情報につきましては、基本方針における施策の基本項目別に、主なものとしてこのような状況となってございます。前回の小委員会でも、このうち一部についてはかいつまんでご紹介をしたところでございますけども、関係省庁では、環境省をはじめ、国土交通省、経済産業省、警察庁の関係施策がございます。それから自治体では、対策地域内の8つの都府県のほか、市町村の行う施策、あるいは首都圏では9つの都県と政令指定都市が連携して行っている施策といったものもございます。そういった情報も広く収集いたしております。いずれの分野でも各行政機関が、適宜連携をして、各種政策を展開してきているところでございます。

 その中で、この基本項目の4のエコドライブの推進に関する最近の動きとしまして、二つの資料をご紹介させていただければと思います。

 一つは、東京都様で平成24年度から始められた、貨物輸送評価制度。もう一つは、東京都トラック協会様にて以前より取り組んでおられます、エコドライブに継続的に取り組むための現場の教育システムとして実施していらっしゃいます、グリーン・エコプロジェクト。それから、6の交通流対策の関係で、前回の小委員会で小林委員から少しご紹介をいただきましたITS技術、高度道路交通システム、これによる交通流対策について資料をご提供いただきましたので、ご紹介します。

 これらの詳細については、お手元の参考資料をご覧いただければと思いますけれども、それぞれのポイントについて、簡単に前の画面でご説明をいたします。

 参考資料のほうでは、詳細情報を全てお示ししていますが、時間の関係もございますので、前の画面で、抜粋をした画面だけご紹介しますので、前の画面に基づいてご説明を少し進めさせていただきます。

 まず最初に、東京都貨物輸送評価制度でございますけれども、こちらの制度は車種や車両重量ごとの燃費データを計42万台分、収集されまして、車種と車両重量の各区分における燃費値のベンチマークをつくって、それによって車両ごとの燃費改善努力、いわばエコドライブのパフォーマンスを定量的に評価できるようにしたという仕組みでございます。そのパフォーマンスを評価した結果によって、星の数に差をつけたマークを車両に貼りつけるというものでございます。この評価の取得事業者の数は、制度開始後、年々大きく増加をしてきているということでございます。

 この評価の認証を取り入れた事業者様におかれましては、取り入れていない事業者に比べまして、CO2は約2割程度削減されているというデータがございます。ここでCO2をお示ししておりますのは、燃料使用量から原単位を使って、直接計算ができる指標がCO2であるということによるのですけれども、エコドライブによって、CO2の排出量低減にほぼ比例して、NOxとPMの排出量も低減するといった知見もございますので、正確な量の算出というのはちょっと難しいところがございますけれども、NOxとPMも相当程度、排出削減されているものと考えられます。

 この東京都貨物輸送評価制度につきましては、お手元にご提供いただきましたパンフレットがございます。A4一枚もので、クリアポケットに入ってございますけども、ご参考にご覧ください。

 次に、参考資料5の抜粋で、東京都トラック協会様の、グリーン・エコプロジェクトについて少しご紹介させていただきます。こちらは平成18年度から継続をして実施をしておられる仕組みでございます。

 こちらは、現場のドライバーさんを対象に、燃費の記録をつけて評価をして、みずから課題の解決に取り組むように教育をしていくというようなシステムでございます。この小委員会で5年前にも、ご紹介いただいておりますけども、そのときと比べまして、会社は約80社、車両数は約5000台ふえまして、今、この数字となってございまして、現在も拡大中ということでございます。こちらに取り組んでおられる車両においても、燃費向上率のデータを取っておられまして、積載率2から4トンのバンについてこの画面で示されておりますけれども、平均約16%という改善率が示されています。これに伴って、NOx、PMの排出削減も進んでいると考えられます。このエコドライブは、事故防止にも効果があるということで、これまでこのプロジェクトに参加された事業者さんで集計をしたところ、平均で損害金額は、50%以上削減されたといったデータも把握されています。

 次に、UTMS協会の小林委員様よりご提供いただきました、ITS技術の適用例についてご紹介します。お手元は参考資料7でございますが、前の画面に抜粋してお示しいたします。最初の画面でお示ししていますのは、エコドライブを支援をするためのシステムとして、信号情報を活用した運転支援システムでございます。道路沿いに設置された光ビーコンから、前方の路線の信号が変わるタイミングというのを情報として受け取りまして、ドライバーに対して、適正速度で通過、あるいは早目にアクセルオフするといった、燃費の良い運転を支援するように情報提供する機能がございます。これによって急な減速、急な加速といったエコではないドライブが抑制されるというものでございます。それから、赤信号の残り時間の情報をもとに、アイドリングストップの時間を最適化することを支援するといった機能もございます。これらは既に実用化されているものもございまして、環境省においてCO2排出削減対策として、車載器に対して補助を行う事業も予定されているものがございます。

 次にお示ししますのが、交通公害低減システム、EPMSといわれるものです。この仕組みは、道路沿いで計測される排ガス、あるいは大型車を感知するセンサーなどの情報によって、信号のタイミングをコントロールして、それによって円滑に大型車を交差点を通過させるということによりまして、交差点付近の環境影響の低減をはかるというものでございます。これについては参考資料2の交通流対策の施策において、警察庁様において、26年度末現在で対策地域内の195の交差点に導入されているといった情報もございます。

 こういった技術の導入については、警察などさまざまな行政機関との連携の中で検討されることになってまいりますが、局地的な沿道環境の改善に寄与するものと考えられます。

 参考の施策情報のご紹介としては、以上でございます。

 続いて、平成32年度の対策地域内環境濃度推計結果についてご説明をします。画面としては、資料2の11画面目にもどります。お手元の資料2を適宜ごらんください。

 こちらの推計の目的でございますけれども、現状の対策を今後も継続した場合における、対策地域内の将来の環境濃度を推計したものでございます。今回の中間レビューでは、現状を踏まえて、今後、平成32年度の最終年度までの間の取り組みについても検討していくということとなりますけれども、その検討に当たっての参考とするために計算をしたものでございます。

 推計を行った地点につきましては、常時監視測定局等ということで、それ以外の地点も推計の作業を行っているところでございます。推計の手順ですけれども、交通量などの発生源に関する最新データをもとにして、現状の対策を継続した場合の将来の各種発生源の排出量の推計をまずいたします。自動車の発生源は、道路区間ごとに将来の排出量を推計します。そのデータをもとに、環境濃度を推計するといった手順で、計算しています。

 次の13画面目でございますけれども、濃度推計の方法につきましては、窒素酸化物総量規制マニュアルなどに準じた方法でございまして、工場・事業場、自動車、船舶などの各種発生源の最新のデータと、それらの発生源の32年度の状態についての推計データを合わせまして、拡散計算によって、常時監視測定局などの地点の濃度を予測したものでございます。

 次の画面ですが、これまでに、この推計を首都圏の1都3県の常時監視測定局について行いました。その結果をこの表でお示ししています。

 まず、25年度の濃度について推計、これは実測のデータもございますので、これが再現できるかといった意味での再現計算になりますけれども、ここは実測結果と同じように東京都の2地点で超過をしておりました。

 次に32年度の、濃度推計結果が下の表でございますけども、今回の調査では、いずれの都県でも基準超過局数は0となりました。ここで比較といたしまして、23年度に環境省において、平成21年度の観測結果と発生源データを基準としまして、推計を行った結果を並べておりますけども、このときは32年度時点で、東京都内の1局で、基準超過するという推計結果でしたけれども、これが今回の推計結果では0となってございます。

 今回の推計結果を図示いたしますと、このようになります。全て環境基準値上限の0.06ppm以下となってございます。お手元の資料2では15画面目でございます。なお、ここで赤色がありますと環境基準値上限の0.06を超えている地点ということになりますけれども、赤色の地点はございませんでした。緑と青と色分けをしてございますけども、これは環境基準が、0.04ないし0.06のゾーン内かそれ以下といった定義になっていますので、この0.04以上であるか、以下であるかといったところで、色分けをして図示をしています。

 次の16画面目でございますが、SPMの濃度についても推計を行っておりますが、これについても全ての常時監視局の地点で、日平均値の年間2%除外値につきましては、環境基準値の0.10以下と推計されました。この結果については、23年度当時に行った推計と同様の結果でございます。

 これを踏まえまして、17画面目、今後の検討方針についてでございますけれども、まず、首都圏の対策地域内の常時監視測定局においては、現状の対策を継続した場合に、32年度にはいずれの地点も基準に適合する濃度になると推計されました。したがって現状の総量削減対策を着実に継続することにより、首都圏と1都3県の対策地域内の測定局においては、基準を達成すると推定されます。しかし、32年度においては、対策地域内における基準の確保が目標となってございます。32年度の基準確保の目標達成状況の評価手法については、現在検討中でございますけれども、今回の中間レビューに当たっては、今回この推計に使いましたモデルを使いまして、測定局の地点以外に幹線道路の交差点近傍で高い濃度が出る可能性があると考えられる地点についても将来どのような濃度になるかということを、今、計算を行っているところでございます。

 それから、来年度にはそのような将来濃度の推計を愛知県、三重県それから大阪府、兵庫県のそれぞれの対策地域内におきましても同様に推計を行っていきたいと考えてございます。基本方針に掲げる32年度の目標達成に向けた今後の取り組みにつきましては、これらの推計結果を参考として、検討してまいりたいと考えてございます。

 ご説明は以上でございます。

【飯田委員長】ありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明に対しまして、ご意見をお願いしたいと思います。

 はい、石田委員、お願いします。

【石田委員】 ありがとうございます。何点かあるんですけれども、できる範囲でありがたいんですけど、例えば、第1番目が資料2の7枚目のスライド、及び関連して5枚目のスライドなんですけれども、推計方法でございます。これ、例えば積載率は貨物が減少しているというふうな平均の数字がございますけれども、例えば過積載とか、整備不良車というのは、排出量という観点からすると相当悪さをしておると思うんですね。特に過積載については、インフラのメンテナンス問題等があって、最近取り締まりも非常に厳しくなっているとか、積極的な政策が展開されていると思いますので、その辺の数字が何かわかりましたらお教えくださいということですね。

 2番目であります。この5ページの、こういうこの方程式で基本的には大丈夫で、精度が高い数字が出るということで、これについては異存はないんですけれども、でも、中ほどでご説明いただきました関係施策の効果、モニタリングとの関係で言いますと、随分何か粒度の違いというものがございまして、量的なものはこれでオーケーだと思うんですけれども、でも、一人一人、あるいは、一つの主体が張り切って施策を推進するためには、そういう方々の成果というのがきちんとモニタリングをされると、それが国におかれましても、ちゃんと把握しておりますよという、そういうメッセージが大切だと思うので、そういうことについて、何かお考えがありましたらお聞かせいただければと思います。

 以上、2点でございます。

【定自動車環境対策課課長補佐】 そうしましたら、1点目の過積載ですとか整備不良に関する取り締まりいったところですけれども、関係施策でいきますと、参考資料のほうになりますけれども、参考資料3、こちらに各地域で取り組まれている施策を取り集めています。この表の一番左端に、基本方針の中での施策の基本的事項の項目をお示ししています。この1番の単体対策の項目の中で施策名というところに監視・指導といった欄がございます。ここで路上検査、路上での車の指導といったことが各地域でいろいろ取り組まれているといったような数字を把握してございます。こちらは、どちらかというと単体、車ごとの排ガスの対策ということで、黒煙を排出して走っている整備不良の車というのはきっちりチェックをしないといけないということで、数字のとり方は各地域でいろいろな方法で把握していますが、こういった施策も一つ重要なメニューとして各地域で取り組まれているところでございます。過積載そのものについては、データは集めておりませんけれども、データがあるのかどうかも含めて、検討はしたいと思います。

【石田委員】 高速道路系ですね。首都高とかについては、かなり過積載の車両の割合というのは把握できていると思います。それと、念押しになりますけれども、こういう目標値を掲げて、それぞれの施策をきちんと実施されているということは、誠に頭が下がりますし、効果があると思うんですけれども、効果の見える化みたいなものも考えないといかんのかなという気がいたしましたので、先ほど発言いたしました。

【定自動車環境対策課課長補佐】 ありがとうございます。

 2点目のご質問にございました関係の施策の効果を算出するに当たって、この資料2の5ページ目でお示ししましたこの計算の方法、排出量の計算の方法に当てはめたときに、施策の効果の算出の方法というのを、概略ご説明申し上げましたけれども、おっしゃるとおり、いろんな個別の施策はあるんですけれども、個別の施策ごとの排出削減効果というのを、すべてこの図式の中に当てはめて計算するというところは難しい部分がございます。例えば低公害車が何台か増えれば、それはその分だけ排出係数もどれだけ減って、どれだけ排出削減につながると、そういった部分はかなりクリアに計算ができるわけですけれども、非常に難しい部分というのは、例えば交通流対策というのは、交通流対策そのもので、旅行速度、走行速度が上がるという部分もございますし、世間の交通需要、荷物の需要が減って、交通量が減ることで速度が上がるといったようなこともあって、そこの切り分けや統計上での把握はなかなか、非常に難しいものがございます。

 走行量の削減につきましても、経済動向の影響も受けますし、実際に荷物の集約とか、そういったことでの走行量の減少ということもあると思われますので、一つ一つの施策をNOx・PMの削減量に結びつけるということは、できる部分はできるんですけども、なかなか難しい施策もあります。そういった部分は正直ありながらも、施策がどれだけ定量的な効果を生じているのかといったことは、できるだけ把握したいという思いで、今回、関係省庁、それから関係都府県からできるだけ数字を集めるようには努力したところでございますけれども、ここの中から、さらに排出削減量というのが計算できる施策があるかどうか、できる場合にはどのぐらいできるか、ちょっと際限なく労力をかけるというわけにもなかなかいかないんですけれども、ご指摘をいただいた視点を踏まえて、今後、情報の取りまとめを工夫したいと考えております。

【飯田委員長】 浅野先生。

【浅野委員】 今の石田委員のご指摘は、温暖化対策の効果の評価の場合も同じような話があるわけで、望ましい、できればこれにこしたことはない、というご指摘ですが、実際には難しいという類の話だと思われます。しかし、たしかに種々の施策はそれぞれがどれだけという評価は難いでしょうが、複合的に効果を上げることは間違いないと思われるわけですから、大いに想像力を発揮してみれば、どこかに定量的に把握できるところがあるだろうし、そこを1点でも押さえてみて、そこで何か物が言えるというようなことはありそうな気もする。

 例えば、この表を見ていると条例でアイドリングストップ義務づけというのがほとんどの自治体で行われていますね。これは、多分罰則つきではないだろうとは思うのですが、条例制定前と制定後で、交差点でアイドリングがどんな状況かということをちょっと調べてみて、例えば半分ぐらい減りましたということが把握できるとしたら、それはさっきの計算には入っていないのですが、それが多分プラスアルファで効果を上げているはずだ、といった話をすることはできるのではないだろうかと思われる。もっともこれは、限りなく定性的評価に近い「定量」評価なのだと思いはいたしますけれども。

 そういった工夫はしていかないといけないんだろうと思います。そういう意味で、石田委員のおっしゃるとおりだと私も思います。学問的に厳密にデータがとれないと物が言えませんというのでは、行政としてはだらしないわけで、荒っぽく言うと、少々うそでもいいから、努力をしたことが努力をした結果としてあらわれているということは必要であろうということです。そしてそれは最後のところ、トータルでこういうふうに環境基準不達成の地点数の数字が下がっていることにあらわれているわけですから。どの施策がどれぐらい効いたかということを厳密に評価することは難しいとしても、これも効きました、これも効きましたみたいな話はあっていいのではないでしょうか。

 さっきの東京都がやっておられる貨物輸送評価制度も、よく公共事業の評価でのB/Cの計算などでよくやられているように、もしこれがなかりせばといって、計算しますね。ああいうやり方を取り入れてみて、もしこういうのがなかったとしたらどうなるか、あったらどうなるかというぐらいの推計はできるはずではないのかなあと思いますね。B/Cでやっている推計もかなりいいかげんだということはよくわかっていますが、それが実際にには通用していて、そう言われると何となく納得できるような面があるわけです。政策の評価というのはそんなものなんでしょうね。

 これは、多分、振り返って温暖化対策のほうでもそういうことをやらないといけないと思いながら言っているわけです。ついつい評価されるときに何もやってないじゃないかと言われるのもしゃくなものですから。これは恐らく同じことだと思います。この方面の政策、施策の評価方法としてうまいアイデアを出してくださったら、すぐ温暖対策の評価にもそれを利用させていただきたいと思うほどです。

【飯田委員長】 織委員、どうぞ。

【織委員】 私も同じところに関連してなんですけれども、個別の車の排出量が減っていくという、排出係数の計算というのは、ある意味わかりやすいんですけれども、全体で、例えば事業者の方、トラックの方が頑張ってやっていること、あるいは、各メーカーが共同配送でやっていることが排出係数にすごく効いてきているんだという、何かその辺が見えてくるとメッセージ性が明らかになってくると思うんですね。一つ一つ新しい車に買いかえて、規制値をクリアしていることじゃなくても、こういう形で共同配送をやっていきますとか、エコドライブを進めていきますということになってくると、それもすごく効いていますよということが、皆さんが頑張っていることが、この排出量の算定方法の中でも、ポンチ図でも何でもわかりやすくなって、先生がおっしゃるように、それはもしかしたらすごく科学的には不確かなことになるのかもしれないですが、メッセージ性という意味では、こういうことをやっていくとこれだけ、効果ありますよということはすごく重要だと思うんです。

 それは、国内だけではなくて、アジアに向かって日本がどういう取り組みをしてきて、大気汚染、自動車公害をどうやって克服して、それから、ある程度のレベルに達した以降、ここからぎりぎり何をやっていくかというところで、こういう工夫があるんですということがすごくわかりやすく、見えてくると思うんですね。例えば、先ほどのような共同配送、エコドライブ、そういった自主的なやり方というのは、実は、結構効いていますよとか、そういう形の新しいアイデアをアジアに提供するというメッセージという意味でも、何かわかりやすいポンチ図みたいな、また、必ずしも数量的でなくてもいいと思うんですけれども、この個車との関係が、個車の排出削減との関係がどういうふうにあるんだろうという、何か相関図だけでもわかるとありがたいなと思います。

【丸山委員】 二つあります。

 今出されたこととの関係が一つですけれども、全体で総量が削減されているということは理解をし、評価をいたします。それで、これのところの、特に排出量の判定の仕方だとかというようなところだけじゃなくて、総量を減らすときに、車の性能がよくなるとか、渋滞が解消されるだとかということだけではなくて、例えば、地方自治体のところのこういう環境の関係のエコを考えるような場面というと、もうちょっと幅が広いですよね。例えば、もうちょっと人の移動、市民の移動の仕方、例えば自転車がどうだとか、それから、公共交通を利用するだとか、いろんなシェアをするだとか、そんなことも含めて、いわゆる市民の行動のあり方だとか、それからまちづくりだとか、そういうようなところもある程度入るんだと思うんです。だから、先ほど、もうちょっと何か見えるようにというようなことで言えば、そういうようなことの中の一つとして、例えば車の関係だとかというのだとか、渋滞解消だとかいうのがあるんだろうなと思う。その辺のところは見えたほうが伝わりやすいんじゃないかなというのが一つです。

 それから、この間のところで、特に幹線道路を中心にして対策をして、それでよくなったというのは大変な理解をしております。例えば、私は神奈川県ですけれども、神奈川県のところで言うと、大変地形に起伏があって、そういう中のところで幹線道路沿いの空気の状況というのは大変よくなったと、川崎のところも含めてよくなったと理解をしていますけれども、例えば、前もお話をしたかもしれませんけれども、例えば学校の、小学生の健康状態をずっと調べて、経年的に調べていくと、ぜんそくの子どもたちが多いところがあると。そういうようなところというのはどういうどころかというと、地形のでこぼこのへこんだところ、つまり汚染された空気がなかなか移動しないところというのは多いというのが、この間の調査でも、行政の調査でもあったんですよね。

 だから、今後のところで、交差点とかそういう道路のところの常時監視の測定というようなことについては、それはそれでとても、今後ともやっていただくことはありがたいんですけれども、その辺のところが解消されていく中で、次にほかのところというのはどうなんだろうかと考えたときに、なかなか地形を変えるというわけにはいきませんけれども、どうしていくのかというようなことについては、考えていく必要があるんだと思います。特に住民、特に今後の社会を担っていく子どもたちが学ぶところについては、この辺のところについてモニタリングをして、今後の対策を考えていくというようなことというのは、何のためにこういうような取組みをしているんだというようなところとの関係で言えば、誰のために、何のためにということで言えば、必要だと思います。すぐに対策が立てられるとは思いませんけれども、その辺のところについては、今後、次のやるべきこととして、ぜひご検討いただきたいなと思います。

【飯田委員長】 はい、ありがとうございます。丸山さんのご発言でした。

 ちょっと話を整理しましょうか。今、多くの委員にお話をいただいた最初の点は、「物差し」を持ちましょうということですね。物差しがあれば、あ、頑張ったねと誇らしく思ったり、それから、あ、こんなに違うんだということが判断できます。時計を持っているから、我々はいつもより5分早く着いたとか、30分遅れたとか判断できます。自動車には燃料計がついてますし、軽井沢に遊びに行って帰ってきたときに、燃料代支払う際に、「前の車は5,000円掛かったのに、今度の車は4,000円で済んだ」とお金で換算できる。最近では燃費の詳細なデータが走りながら確認ができるようになった。同じように窒素酸化物の排出積算計があれば、例えば友人に「6トンも排出したんですか、私はまだ4トンですよ」と自慢ができるけれども、そういう機器は日常的に自動車を使うケースでは簡単には使えません。「物差し」があれば、窒素酸化物を低減するような運転も普及することでしょう。

 ポスト新長期、あるいは新長期という単体規制に加えて、車の利用の仕方、例えば、エコドライブや共同配送等の活動は、物差しがないと、モチベーションを保つのは難しい。それを何とか工夫しませんかというのが、最初の先生方のお話だったと思います。

 これは、事務局からの説明のとおり、CO2の削減量は比較的計算しやすいので、そこからNOxの削減効果を換算して大枠で示す案。さらには、浅野先生ご発言の通り、「細かいことを言わずに、燃料消費量に大枠は比例して減りますよ」というメッセージを発信することで何か援助できれば良いと考えます。インベントリ解析を環境省はやっていますので、今日示された推算式以外にも、いろんな推算方法を示すことは可能と思います。

 丸山委員からは、スライドの5ページに関してご指摘がございました。どの場所で、どれだけ出てくるかは、スライドに示した計算で出てくるけれども、出てきたものがどれだけの健康被害を与えるかというと、排出量そのものじゃなくて、その場所における濃度に関わります。だから、くぼ地であるとか、その周辺の建物、浜風・陸風などの気象条件と大きくリンクしています。そこに小学校があるのか、という視点も自治体としては考慮したいとと思われます。そのような視点から、「点ではなくて領域で考えていきましょう」という今回の見直しのキーとなっているんだと思いますので、これは、まさしくこの委員会で議論、あるいはデータの精査をしていければと思います。

 事務局からは何か補足はございますでしょうか、はい、お願いします。

【小野自動車環境対策課長】 飯田先生にまとめていただいたとおりでございますけれども、何らかの定量的なところというのは、特に個人の努力によるところというのは、何らか浅野先生が若干科学的にはというのがありましたけれども、そこを示すというのは非常に重要なんではないかと思っております。

 今回、東京都さんの評価制度、あるいはトラ協さんのプロジェクトなんかもありますし、こういうデータもございますので、こういうところから、例えば、トラックの運送業者のエコドライブの効果によってこのぐらいの効果があったのではないかとか、そういうことが少し事例的にでも示せるといいなと思っております。

 それからもう一つ、地方自治体ごとにきめ細かい、個々の場所ごとの対策も行われておりますので、そういったものはもう少し事例的に、コラム的に示していくとか、そういうことでも、地域、地域で努力されている、それが見える化できると、定性的ではございますけれども、があろうと思います。

 最後の丸山委員のご指摘は、委員長からもございましたように、まさに地域全体、面的に評価をしていくという大きな宿題がございますので、その中で、どういうふうに反映できるかということについて、この委員会でもご議論いただければいいと思いますし、専門家の検討会もございますので、そこでもまた議論をしていきたいとこう考えております。

【浅野委員】 竹間委員にご質問ですが、自治体の取組みの中で情報提供というのが2枚目にあります。池上測定局NOx情報システムというのがあって、NOx高濃度時に、登録アドレスに情報提供するというシステムが動いているようですが、この情報提供の回数が年次を追うごとに減っていますね。回数が減っているというのは、要するに高濃度時が減ったと単純に考えるわけですが、この高濃度時が減ったのは、自動車起因ということで評価できるのか、それとも、工場群も含めてなので、必ずしも自動車とは関係なしとお考えなのか、その辺はどうでしょうか。

【竹間委員】 この高濃度情報の提供というのは、実は、川崎のデータが神奈川県に行って、神奈川県のほうで予測しているもので、池上測定局の高濃度が予想される場合、すぐに高濃度時に提供しても、なかなか対応というのは難しいといった現実があるので、前日の大体午後3時ぐらいに提供して、その分、提供した情報で翌日の対応を考えてもらうといったものです。それで、神奈川県さんのほうからだとメールで、登録した事業者とか、個人とか、大体約60弱ぐらい提供しています。その中の提供先に川崎市も入っておりまして、川崎市では、その情報をもとに、さらに600カ所程度、川崎の自動車環境対策推進協議会のメンバーだとか、あと、川崎のほうではエコドライブ宣言という、宣言してもらうような制度がありまして、そこでメールアドレスを書いていただいた人に対して、そういった情報を提供しています。それと、また、その結果についても、環境基準が超えませんでしたとかという、そういった情報も提供させていただいているということであります。

【浅野委員】 ありがとうございました。私の関心があったのは、回数が減っているということです。かなり大きく減っている、特に愛知県のほうが顕著なんですが、川崎の場合でも、平成24年度が12回だったものが3回とか4回ですから、かなり減っているということは、要するに注意を促さなきゃいけない頻度が減った。つまり、改善されたということのあかしではないかなと思ったのです。

【竹間委員】 過去に比べれば確かに減っていると思います、それは。

【飯田委員長】 翌日の気象条件および走行量から光化学オキシダント濃度を予測して、運送事業者に予測警報を伝えて、走行のルートの変更や走行量の削減をお願いする。その結果、基準超えが回避出来た時には、ご協力いただいたことの成果なのか、それとも予想が外れたのか、わからないところがございます。

【浅野委員】 むしろ、それよりも、客観的に警報を出さなきゃならない状況が減っているということを、ある種、政策効果と考える、だから個々の話じゃなくてね。要するにモニタリングをして数字が下がりましたということばかりじゃなくて、こういう警報の数字が減っていますねということも意味があるだろうと思ったわけです。

【飯田委員長】 わかりました。他に本件についてご発言はございますか。

(な し)

【飯田委員長】 よろしければ、次の議題の2に入りたいと思います。

 議題の2、自動車NOx・PM対策地域における環境基準確保の目標の評価手法の検討状況について、事務局よりご説明をお願いいたします。

【自動車環境対策課 定課長補佐】 それでは、議題2、自動車NOx・PM対策地域における環境基準確保の目標の評価手法の検討状況ということで、お手元は資料3でございます。

 それでは、まず、検討の概要でございます。

 この検討の背景としましては、総量削減基本方針における平成32年度の目標が「対策地域においてNO2及びSPMに係る大気環境基準を確保すること」とされてございます。また、この目標の考え方については、平成23年1月に、この小委員会で取りまとめた中間報告におきまして、赤字の部分でございますけれども、汚染の広がりも考慮して対策地域全体として環境基準が達成されていることが必要とされてございます。

 次の画面に参ります。

 この目標の評価手法につきましては、26年度から評価の考え方の整理について、学識者による検討会などにおいて検討を行ってまいりました。今年度は、この評価に使える可能性のある具体的な手法につきまして、実際の地域に適用してケーススタディーを行って、その上で課題を整理いたしました。この検討は、学識者の検討会などでも検討いただいておりますほか、対策地域内の関係都府県とも、連絡会議の場で意見交換を行ってまいりました。今回は、これらケーススタディーを通じて把握された各手法の特徴と課題、それらを踏まえての今後の検討方針についてご説明をいたします。28年度はさらに検討を進めて、評価手法を取りまとめたいと考えております。

 検討の手順につきましては、学識者検討会におきまして技術的な検討を実施いたしまして、検討結果を、この委員会にご報告させていただきます。その報告を踏まえて、評価手法についてご議論いただきまして、最終的に、この委員会において取りまとめる中間レビューに反映していただければと考えております。

 それでは次の画面でございます。

 検討すべき事項といたしましては、前回の小委員会においてもご説明をいたしましたとおり、数値計算、簡易測定、及び常時監視測定局の結果を組み合わせて、対策地域全体としての環境基準の確保の状況を評価することのできる手法、これが必要と考えられます。

 次の画面ですけれども、この手法につきましては、実際に施策の評価に適用することを考えた場合に、幾つか必要な条件があると、ケーススタディーを通じての議論の中で考えられてまいりました。

 まず、要件の一つとしまして、対策地域全体で評価が可能であることということです。一部の地域の範囲だけの評価しかできないのでは不十分と考えられます。

 次に2点目ですけれども、評価の結果は、これまでの施策の効果の評価、また、場合によっては、その後の取組みの検討の参考となる情報が得られることが必要と考えられます。都市の中の環境濃度は、自動車だけではなく、さまざま発生源の影響を受けております。その中で、自動車の排出ガス対策がどの程度濃度の改善に影響したのか、寄与したのか、また、今後もさらなる取組みが必要な場合でも、発生源別にどの程度の対策が必要なのかといったことを検討するために、必要な情報が得られることが望ましいと考えられます。そのためにさまざまな発生源の影響割合がわかることが一つの重要なポイントと考えられます。

 次に3点目ですが、今後、評価を実施していくことになる実施者、これは国または自治体の役割分担を踏まえて実施をしていくことになりますけれども、ここで適切に運用していけることが必要と考えられます。複雑過ぎる手法というのは適切な運用が難しくなります。これらの視点を踏まえながら、評価手法に適用できる可能性のある測定手法、あるいは数値計算の手法について、検討を行ってまいりました。

 次の画面です。評価手法の検討状況についてご説明します。

 8画面目でございますけれども、評価手法に適用できる可能性のある手法といたしまして、ここに挙げたものについて具体的に検討してまいりました。

 まず、測定手法といたしましては常時監視、それから簡易測定の手法、それから、数値計算の手法としましては、解析解モデル、それからERCAと書いていますが、エルカ手法と呼んでおります。それからMCADモデル、DiMCFDといった手法、それぞれ説明は資料の下のほうに注釈としてつけさせていただいております。それぞれの手法の概要については、この後でご説明をいたしますけれども、これらの手法につきまして、27年度は、実際の地域に適用して、一部の地域ですけれども、適用して計算を行って、各手法の適用条件や特徴を比較して検討してまいりました。

 次の9画面目でございますが、これは検討を行った各手法の概要でございます。

一番上の常時監視については、測定局の24時間測定で得られる値でございまして、一番正確な環境濃度値を把握できるものです。大気汚染防止法に基づいて常時監視測定局がございますし、ほかに、市町村などが独自に設置をする測定局もございます。

 次に簡易測定がございます。これは年に数回、大気中のNOxなどに反応する試料を設置いたしまして、それを回収して、分析をするという方法です。これまで、多くの自治体で実施がされてきております。

 次に解析解モデル、これは窒素酸化物総量規制マニュアルに記載された方法で、大気中の汚染物質の拡散をシミュレートするものでございます。

 次に、ERCA手法は、環境再生保全機構において、現在、調査研究中の手法でございます。ある対象エリアで、道路発生源と、それから道路の周辺の建物のデータを使いまして、面的に計算を行って、高濃度が予想される地点を抽出する方法でございます。ただし、直接濃度を推計するわけではなくて、高濃度となるポテンシャルを推計するというイメージの手法でございます。

 最後に、MCADモデルとDiMCFD、この二つの手法については、三次元の大気拡散シミュレーションでして、沿道の構造物、建物などの構造物の影響を反映できる数値計算手法でございます。MCADモデルは、その下のDiMCFDと比べまして計算負荷を若干抑えております。その分、よりいろんなケースに対応できるモデルということでございます。DiMCFDは計算負荷が大きい手法になりますけれども、構造物の影響をより詳細に、精緻に反映できる手法といったものでございます。

 次の画面、10画面目ですけれども、これらの手法が、どのような範囲を対象として、どういうふうな数値の結果が得られるかといったことをまとめた表でございます。

 常時監視結果は、年間6,000時間以上測定ができれば、環境基準値と直接比較ができる日平均値の年間98%値を得ることができます。測定地点については、大気汚染防止法に基づく常時監視の場合ですと、自動車排出ガスによる地域の大気汚染状況が効率的に監視できるように、配置地点の類型化をして設置するとされています。一定の基準に基づいて、地域内全域を監視できるように配置がされているというものでございます。

 次に簡易測定ですけれども、こちらは常時監視局に比べますと、もうちょっとさまざまな場所に容易に設置をしやすい方法でございます。ただ、こちらの方法は年間で限られた期間の測定の結果から、環境基準値と比較をする日平均値の年間98%値について、推計をしないといけません。ここの計算方法については、一部検討中の部分もございます。

 次に解析解モデルです。これは計算点を決めて、そこの計算点の濃度を計算していくものでございますけれども、この計算は、複数の都府県にまたがる広い対策地域で一気に計算が行えるという特徴があります。それから、計算点も適宜、多数の地点を設定することができるということから、対策地域全体を対象とした評価には使いやすいといったメリットがございます。

 その次のERCA手法ですけれども、こちらは解析解モデルよりは少々狭い、市区町村の範囲でのメッシュごとの、このメッシュは10mから30mとかいったような程度のサイズで検討がされているわけですが、こういうメッシュごとの計算結果を出すことができる手法でございます。ただし、現在、調査検討中でございまして、具体的な適用条件というのは、まだ確定はしていない状況でございます。

 次に、MCADモデルとDiMCFDにつきましては、発生源から数百m程度の範囲内での計算メッシュごとの数値を示すことができるという手法でございます。

 次、11画面目でございますけれども、こちらの表は、それぞれの手法で考慮できる発生源についてまとめたものでございます。

 常時監視と簡易測定について、全てに○が入っているというのは、あらゆる発生源の影響を受けた結果としての環境濃度を直接把握することができるという意味でございます。

 解析解モデルも数値計算の方法ですが、同じように、あらゆる発生源を加味して濃度計算を行うことができるんですけれども、※1で注釈にございますように、解析解モデルの場合には、計算により得られた濃度の値に対して、自動車とか、工場とかいったさまざまな発生源が、それぞれどれぐらい濃度に影響したかということを逆算できるという、ほかにはない特徴がございます。

 その他の数値計算手法は、ほぼ自動車影響だけを反映するといった手法です。

 DiMCFDにつきまして※印が入っておりますのは、計算を行う範囲内、計算対象の範囲内に、一定の高さの範囲内に発生源のデータがあれば、適宜計算に反映させることができるということですけれども、この場合も、計算範囲の外から流れ込むさまざまな発生源の影響までは計算できないといったことでございます。

 次の12画面目で、各手法のこれまでの運用の状態、運用実績についてまとめてございます。

 常時監視は、既に長年、大気汚染防止法に基づく常時監視として実施されております。ほかに市町村の自主的な監視といったものも事例がございます。

 簡易測定についても、多くの自治体で実績がございます。

 解析解モデルにつきましても、これまで自治体での総量削減目標の算定ですとか、各種のアセスメントで多くの実績を有します。

 一方で、ERCA手法については、現在、28年度までの予定で、環境再生保全機構のほうで研究開発中でございます。まだ適用の事例は多くはございません。

 それから、MCADモデルにつきましては、当該モデルが開発された環境省の局地的大気汚染の健康影響に関する疫学調査「そらプロジェクト」がございますが、こちらのプロジェクトの中で、NOxの年平均値を推計するのに使われておりまして、ある程度の運用実績は有しているというものです。

 DiMCFDですけれども、こちらも運用実績はございますけれども、ほとんどは1時間ごとの濃度の数字を推計するという非常に細かいモデルですので、基本、1時間ごとの濃度の値を推計するという事例についてはいろいろございますけれども、環境基準値と比較、評価をするためには年間の数字、年平均値ですとか、日平均値の年間98%値といった数字が必要になります。この数字の推計方法につきましては、参考となる考え方の整理はされておりますけれども、適用事例はまだ多くないといったような状況でございます。

 次、13画面目でございます。

 このような特徴がこれまでの検討から見えてまいりました。これらの各手法の特徴を踏まえまして、引き続き、評価手法について検討を行ってまいります。いずれの手法も、単独で対策地域の基準確保の状況について、全て評価できるということはなくて、常時監視測定の結果と、その地点の間の環境状況を数値計算で把握する、場合によっては、簡易測定手法を組み合わせるといったような合わせ技で評価をしていくことが必要であろうと考えられます。

 ここで、この画面で、最初に掲げました評価手法に求められる要件について、それぞれ見てみますと、まず、対策地域全体で評価が可能であることといったことについては、一つの手法では難しく、適用範囲と得られる結果の特徴を踏まえまして、複数の手法を組み合わせることで対応は可能と、対応が必要と考えております。

 次に、施策効果の評価、それから、今後の取組みに資する情報が得られることにつきましては、解析解モデルの手法につきましては、唯一、各種発生源の影響割合について情報を得ることができるということが強みであろうと考えられます。

 次に、国や自治体における適切な運用につきましては、これまでに運用実績の多い三つの手法については適切な運用が可能と考えられます。それ以外の数値計算手法については、検討いたしましたけれども、適用事例が少なかったり、作業が非常に複雑になり得るといったようなことがありますので、対策地域全体の環境基準確保の評価に適用するのは、運用面でも課題があると考えられます。

 次、14画面目でございますけれども、以上のようなことを踏まえまして、28年度も引き続き検討を行ってまいりますけれども、検討の方向性については、次のように考えております。

 まず、測定以外の何らかの推計手法は適用せざるを得ないと考えられますので、この推計結果の妥当性について、推計結果と実測値との比較などにより検討することを考えてございます。

 それから、推計手法としましては、現段階では、対策地域全体への適用性と、それから各種発生源の影響割合がわかるといった点、それから、運用実績の面からも、解析解モデルが最も有用であると考えられますので、解析解モデルの適用性について、引き続き検討を進めてまいりたいと考えてございますが、計算方法、あるいは、得られた結果をどのように評価に活用するのかといったことについては、さらに計数作業を行って、検討してまいりたいと考えてございます。

 また、簡易測定手法につきましても、多くの地点の環境濃度を把握し得る有用な手段であると考えられますけれども、例えば、年間に最低どのぐらい測定回数が必要になるかとか、あるいは、環境基準値と比較をする方法、日平均値の年間98%値といった年間の数字を計算して環境基準値とどう比較するかといった方法については、なお検討を要する部分が残っておりますので、これについても手法の確立に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。

 以上のような方向性のもとで、具体的な検討方法については、今後、学識者の検討会のご意見もいただきながら詰めていく予定でございますけれども、28年度中に評価手法として位置づけられるように検討を進めてまいりたいと考えてございます。

 ご説明は以上でございます。

【飯田委員長】 ご説明ありがとうございました。

 それでは、ただいま説明をいただきましたNOx・PM対策地球における環境基準確保の目標の評価手法の検討状況について、委員の皆様から意見をいただきたいと思います。

【浅野委員】 問題を出しておいて、答えも自分で書かなきゃいけないというのはきついものです。

 要するに、今、我々に課されている問題は何かというと、単に測定局で環境基準が達成できているというだけじゃだめですよということで、対象地域において達成できるようにしてください、ということが問題なんですが、実は、そういうふうに問題ないし目標を決めたときに、それを極めて無邪気に決めてしまっているということが今ごろわかってきたわけです。つまり、問題を解くためには、対策地域での環境基準達成ということを評価する方法を見つけなくてはいけないのですが、環境基準が達成できているかどうかについては、かなり厳密な判断基準があって、年に98%値がどうであるかという、こういうことを要求されますから、データがそれだけそろってないと、環境基準が達成できているかどうかというのは評価できないわけです。そうすると、ぎりぎり厳密に言うと、あらゆる場所に測定局をつくって、とにかく1年間はそれを回してみなきゃだめだということになってしまうのですが、現実にはそれはあり得ない話ですね。

 そうすると、ここで出されている判断方法はどういうことかというと、政策としてどうするかということを考えていくわけですから、まず、現在の測定局は地域を代表するものとしてつくられているという建前としての大前提があるわけですね。それで、測定局で環境基準が達成できているということは、建前としては、地域の代表的なところで達成できたんだから、地域全体が達成できたと言っていいんだけれども、念のために、本当にそう言えるかどうかを確認してくださいということになると考えるべきです。

 そうすると、どこで確認すべきかというときには、ほとんど代表地点である測定局で調べた数字と同じか、それよりもいい数字が出るような場所は、幾ら調べてみても意味がないわけです。そうじゃなくて、危なそうな場所だけ探すということになる。そして、危なそうな場所で環境基準が本当に達成できているかどうかをぎりぎり、完全に調べるということまで要求しているわけじゃなくて、近似値でいいから、とにかく環境基準が達成できているであろうということが、そこの場所についても言えるというデータを手にいれることが必要なのだろうと思います。

 そのときに、特に市民の方々に誤解を与えないようにする必要があることは、瞬間風速的に基準を超えることがあってもそれは問題にならないということです。一時的に高い数字が出るということがあったとしても、年間を通じてそんなにひどい状態でなければ、環境基準としてはそれはそれでよろしいということになるわけですから、その辺のところを、まずよく理解していただく必要があるわけです。そうすると、今、提案されているやり方というのは、これで完全に学問的に間違いないと言えるかどうかというと、恐らく専門家は「うーん」と言うかもしれませんけれども、これはある意味では医学で言う臨床治験を獲得するようなものなので、大筋が間違っていなければそれでいい。例えば、臨床医学では、70、80%の確実性があれば、それで確定診断だと言うようで治療方針さえ間違っていなければいいと考えられているようです。ここでも政策を考えるのであれば、ある程度の粗っぽさがあってもいいんではないかと考えることは許されるのではないかと思われます。ある程度にしておかないと、お金ばっかりかかって全然答えが出てこないということになりますから、しようがないのではないかなという気がします。

 そこで、簡易測定法というのは、環境基準の評価の厳密な基準に照らしたときには、まずだめだろうけれども、でも、解析解モデルでやってみて大丈夫だと思うところで危なそうなところについては念のために調べてみて、例えば、月に1回でもいいから調べてみて、そんなにしょっちゅうオーバーしていませんよということがあるなら、大体これでいいんだという、言ってみれば検証の手段として使うというような考え方ではどうかと思われます。つまり、両方同じように並べて、その両方ともクリアできなきゃだめですというようなことを言い始めると、多分行き詰まるのではないかなという気がするわけです。

 私は法律が専門ですから、これ以上のことは自信がないのですが、政策的には、これで十分クリアできると考えますので、あとは専門の先生方からお知恵とコメントをいただければと思います。

【飯田委員長】 大局観をありがとうございます。

 この手法等をご検討いただいている横田委員、よろしくお願いします。

【横田委員】 この検討に関わっているものですから、一言申し上げたいと思いますが、今、まさに浅野先生がおっしゃったようなことでして、学問的に言うと、こういう評価手法というのは今まで全くないわけですね。ですから、それを新たにこの短い期間でつくるというのは到底無理ですし、今後もなかなか難しいのではないかと思っています。ですから、今ある手法を活用して、ある程度の根拠をもって評価できる手法というのが必要ではないかと考えているところです。

 概略説明があったんですが、ちょっと細かいことを言いますと、スライドの11ページ目で、各手法の特徴のところで、常時監視と簡易測定のところで、いろんな発生源のところに○がついておりますけれども、これは常時監視と簡易測定は濃度の測定、環境での測定だけですので、○の表記はなしにしたほうが妥当です。

 それで、こういう手法が将来的にも必要だと思いますので、28年度中には無理かと思いますけれども、ある程度学問的な研究というのは、今後、続けていく必要があるんじゃないかとは思っています。

 とりあえず以上です。

【飯田委員長】 はい、織委員、どうぞ。

【織委員】 私もちょっと素人なので、細かい内容がどうなのかということはわからないんですけど、評価手法という観点から考えていったときには、結局、いろんなものを、適切なものをしていくためには、組み合わせていかなくちゃいけないということに最終的にはなると思うんですね。で、その組み合わせがどういうふうに組み合わせていけば、より広く対象エリアを拾っていけるのかということがわかればいいんだと思うんですね。

 そのときに、今の(3)のところで気になるのは、コストというのはどうして入ってないんだろうと、例えば、各自治体や国がやるにしても、コスト的なものというのは全然考慮しなくていいんだろうかと、手法の組み合わせを考えていくときにというのは、ちょっと素人的に思うんですね。

 それから、このスライド11で○がいっぱいついている点、今、まさに横田先生がおっしゃったように、その中でも得手不得手みたいなものはきっとあるんだと思うんですね。対象をカバーしているように見えても、実は、かなりこっちの、常時監視だと実測値でかなり精緻なものが出る、分析モデルのほうについてはすごく粗々で全体像がわかるとか、そういう特徴がこの表からわかると、これとこれを組み合わせていくと、よりエリアみたいなものは、この手法の組み合わせはできますとか、あるいは、この手法の組み合わせだとコストはかかりますけどという、そういうところがもう少しわかると素人的にはいいのかなというのが、ちょっと気になったところです。

【飯田委員長】 はい、ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか、石田先生、どうぞ。

【石田委員】 この手法の比較検討の中で、今、いろんなところで周辺技術が急速に変わりつつありまして、例えば、発生源たる自動車の走行状況なんていうのはETC2.0という、若干普及に時間がかかるかもわかりませんけれども、そういうものができますし、画像処理技術によってそういうのもわかりますでしょうし、あるいは、最近もう測量会社では、主な幹線道路の高精度地図をレーザー測量でつくったりしていますし、何より、計算パワーがすごく発達していますよね。で、そういう前提条件となるところというのはどのように考えるのかというのが一つのポイントだと思うんですが、それによって、監視とシミュレーションの何かバランスが変わってくる可能性もありますので、そういう点もぜひご検討いただければと思います。

【飯田委員長】 はい、ありがとうございます。

 11ページに各手法の特徴という形でおまとめいただいていますが、要は、浅野先生のおっしゃるように、環境基準の定義に基づくと、常時監視を1年間続けない限り環境基準を達成したとは誰も宣言をできません。常時監視システムを100mおきに設置できるかといえば、織委員の言われるとおりで、「それで1兆円もかけるの?」という話になっちゃいますので、それはできないということですね。

 ですから、シミュレーションという手法を使うというのが大前提だと思います。ただ、シミュレーションは、それが正しい物理法則に基づいてできているかというベリフィケーションの評価、および結果が正しく予測できているかというバリデーションの評価、いわゆるV&Vが必要です。横田さん、および本評価手法を検討していただいている皆様には、このシミュレーションをできるだけ精緻なものにすべくしていこうと、ご尽力をいただいております。石田先生が言われたような新しいテクノロジーや可能性を含めて、これからも粛々と頑張っていただくとのことですので、よろしくお願いします。

 バリデーション、評価は、常時監視のデータとの比較に加えて、それだけではあまりに比較する地点数が少ないので、簡易測定で得られるデータ、これは、ある地点における瞬時値の時系列データではなく、時間の平均値とか積分値となりますが、バリデーション評価として多点でできる特徴を活かしていただきたいと思います。それ以外の範囲は、このシミュレーションによって、面として評価することになります。この11ページは、実は、1行目と2行目についてはバリデーション評価であって、残りの4行が開発するシミュレーションないしは予測手法を提示していますので、そのように説明、および理解して進められると良いですね。

 あとは、横田委員において行っていただいています学識経験者による検討において、限られた時間と費用、投入できる工数という制限の中で、現時点で一番妥当と思われるアプローチを取ることが大事なポイントになろうかと思います。

 それで浅野先生の、この大所からのお墨つきも今日いただきましたので、精度を求めすぎてバランスを欠くシミュレーションではなく、この小委員会にて「当たらずといえども遠からず、でも、本質は外していませんよ」というような、施策判断ができるための資料を提供していただくということが大事だと思います。

 すみませんが、横田さんには、その辺の見通しと、心づもりをご紹介いただければ幸いです。また、もしも、困っているということがあれば、ここで言っていただくと、早水さんもいらっしゃいますので、いろいろと手だてをさせていただけると思います。ご紹介いただけませんか。

【横田委員】 現時点では、今まで総量規制とかに使われてきた解析解モデルを使わざるを得ないかなという、ベストではないんですけど、ベターに近いというような感じかもしれません。で、簡易測定も、常時監視と同じような頻度ではかるのではなくて、例えば、有害大気汚染物質の場合は1カ月に1日測定をして、12個のデータで年間の環境基準の評価をしているような例もありますので、簡易測定のほうもそういう使い方ができないかなというような検討もしているところでございます。

 それから、この手法の中では、ERCA手法というのは、自動車発生源の排出量の多さと、周りの建物状況とかを勘案して、汚染のポテンシャルをはかるというふうな考え方ですので、ある程度、どういうところが濃度が高そうだというのは評価に使えるんじゃないかと思っています。

 それから、あとの数値計算ですが、これは費用と時間がかかるということですけれども、ある局地的な対策をとったときに、絶対的な評価ではありませんけれども、相対的な対策の効果というふうなものを測るのに使えるのではないかというような気がしております。ですから、今回、使えないからといって捨てるわけではなくて、研究はずっと継続する必要があると思います。

【飯田委員長】 ありがとうございます。

 事務局のほうからはいかがでしょうか。

【小野自動車環境対策課長】 どうもありがとうございます。非常に大きな方向性をお示しいただきまして、我々としても、あと1年足らずでございますけれども、今日いただいた大きな方向性のもとで、さらに進めたいと思います。特にコストとか、どういう技術まで使うのかというのは、資料にもございますけれども、国なり自治体において適切に運用可能であるか、というところに込めているつもりでございまして、学問的にというか、1回だけ莫大なお金を費やしてやったというだけではなくて、毎年やるかどうかは別にいたしまして、ある程度の期間ごとにでき得るとか、あるいは、国が基本的にやるとしても、自治体のほうでもやる、もしやるという希望があれば、適用し得るとか、その辺りというのが非常に重要かと思っておりますので、コスト面についても適用可能性と、運用可能性というところで十分考えながら、自治体の方々とも意見交換をして、さらに検討を進めたいと考えております。

【飯田委員長】 どうもありがとうございます。それから横田委員、どうもありがとうございました。それぞれ、織委員、それから石田委員、浅野委員の言われたご指摘の点を既に加味して、組み立てていらっしゃるということがよくわかりましたので、そんな方針で進めていただければと思います。

 ほかに何かございますでしょうか。

(な し)

【飯田委員長】 特にないようでしたら、その他といたしまして、最後に、今日の議題1、2を含めまして、全体にわたって何かご質問、あるいはご意見がございましたら、お願いしたいと思います。

 小林委員はご発言がございませんでしたが、今回、ITS関係の資料をご提供いただきました。これについて、何か補足、あるいはコメントがございましたら、お願いいたします。

【小林委員】 そうですね。先ほどの評価手法のところで少し気になりましたのが、計測するものと、あと、気象や地形で広がりを推定される仕組みだと思うんですけれども、どこでどれだけ発生するかという、推定モデルがここでは書かれていないので、先ほどの、どこにポテンシャルがある、濃度、たまりやすいかという評価なのか、全体の本当の最後の効果評価なのかというところが、ちょっとわからなかったなというところを感じました。

【定自動車環境対策課課長補佐】 そこの部分は、すみません、非常に簡略化した資料になっていますので、表現しきれていない部分がありますけれども、それぞれの計算手法において、それぞれの計算に必要な発生源データというのを織り込んで、予測なり推計なりする仕組みというのは伴っております。ですから、幹線道路は基本的には道路交通センサスのデータから、あと、いろんな統計を使って、各道路区間についてどういうふうな交通状況にあるか、大型車とか、どんな規制対応の車が何割走っているとか、そういったデータも全て反映させて、それぞれの計算手法に合うように加工して反映させるというような仕組みになっています。自動車以外のいろんな固定発生源などのデータもいろんな形で、それぞれのモデルに応じた形で織り込むという形になっています。それも含めた形で、ちょっと簡略化して書いてしまいました。わかりにくくてすみませんが、表現は今後もいろいろ検討したいと思います。

【飯田委員長】 はい、どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

(な し)

【飯田委員長】 それでは、特にないようですので、本日の第9回自動車排出ガス総合対策小委員会を終了いたします。

 事務局にお返しいたします。連絡事項があればよろしくお願いします。

【永見自動車環境対策課課長補佐】 本日は熱心にご審議いただき、ありがとうございました。議事録につきましては、事務局で案を作成し、先生方にご確認いただいた後、ホームページで公表する予定としておりますので、よろしくお願いします。

 お手元の資料につきましては、郵送をご希望の場合は、今お配りしております封筒に、郵送をご希望の場合はお名前をお書きください。お名前をお書きいただければ、事務局より郵送させていただきます。

 次回は、第8回の小委員会でお諮りしましたスケジュールのとおり、来年度の秋ごろ、今年の秋、開催予定でございます。改めて日程調整をさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

 本日は、これで本小委員会は終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

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