大気排出基準等専門委員会(第9回)議事録
1.日時
令和2年6月29日(月)15:03~16:53
2.場所
WEB会議
3.出席委員
委員長 高岡 昌輝
臨時委員 片谷 教孝 鈴木 規之 谷口 靖彦
専門委員 浅利 美鈴 伊藤 茂男 指宿 堯嗣
吉川 博文 伊藤 暢浩 盛田 宗利
増田 孝弘 守富 寛
4.委員以外の出席者
環境省
小野 水・大気環境局長、関谷 水・大気環境局総務課長、
神谷 水・大気環境局大気環境課長、
小梶 水・大気環境局大気環境課課長補佐、
岩崎 水・大気環境局大気環境課係長
5.議事次第
- 開会
- 議題
(1)水銀排出施設における水銀濃度の測定結果について
(2)要排出抑制施設における自主的取組のフォローアップについて
(3)水銀大気排出インベントリーについて
(4)その他
-
閉会
6.配付資料
資料
- ・資料1
- 水銀排出施設における水銀濃度の測定結果について
- ・資料2-1
- 要排出抑制施設における自主的取組のフォローアップについて(令和元年度分)
- ・資料2-2
- 鉄鋼連盟等3団体等における自主的取組のフォローアップにおける令和元年度の大気排出基準等専門委員会の評価(案)
- ・資料3
- 水銀大気排出インベントリーについて
参考資料
- ・参考資料1
- 中央環境審議会大気・騒音振動部会大気排出基準等専門委員会委員名簿
- ・参考資料2
- 水銀排出施設の種類及び排出基準値
- ・参考資料3
- 水銀排出施設の届出様式(様式第3の5、様式第7の2)
- ・参考資料4
- 水銀自主的取組の実績等について(2020年2月19日 一般社団法人日本鉄鋼連盟、普通鋼電炉工業会、一般社団法人日本鋳鍛鋼会)
- ・参考資料5
- 要排出抑制施設における自主的取組について(第3版)(2019年5月 一般社団法人日本鉄鋼連盟、普通鋼電炉工業会、一般社団法人日本鋳鍛鋼会)
- ・参考資料6
- 要排出抑制施設と水銀排出施設の比較表(平成30年12月12日 中央環境審議会 大気・騒音振動部会 大気排出基準等専門委員会(第8回) 参考資料4(一部改変))
- ・参考資料7
- 水銀に関する水俣条約(一部抜粋)
- ・参考資料8
- 大気汚染防止法の一部を改正する法律(平成27年法律第41号)
- ・参考資料9
- 大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令(平成27年政令第379号)
- ・参考資料10
- 大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令(平成28年政令第299号)
- ・参考資料11
- 大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(平成28年政令第298号)
- ・参考資料12
- 大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令(平成28年環境省令第22号)
- ・参考資料13
- 排出ガス中の水銀測定法(平成28年環境省告示第94号)
- ・参考資料14
- 水俣条約を踏まえた今後の水銀大気排出対策について(答申)(平成27年1月23日 中央環境審議会)
- ・参考資料15
- 水銀に関する水俣条約を踏まえた水銀大気排出対策の実施について(第一次答申)(平成28年6月14日 中央環境審議会)
- ・参考資料16
- 水銀に関する水俣条約を踏まえた水銀大気排出対策の実施について(第二次答申)(平成29年5月31日 中央環境審議会)
議事
午後3時03分 開会
【神谷大気環境課長】 それでは、お待たせしました。定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会、大気・騒音振動部会、第9回大気排出基準等専門委員会を開催いたします。
本日の会議は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、WEB会議での開催とさせていただいております。
委員の皆様方におかれましては、ご多用中にもかかわらずご出席をいただき、誠にありがとうございます。司会を務めおります、大気環境課長、神谷でございます。
以降、WEB会議における注意事項として、ご発言の際にはマイクをオンにしていただき、ご発言後はオフにしていただくようお願いします。
初めに、今回、3名の委員の交代がありましたので、ご紹介をさせていただきます。
愛知県の伊藤暢浩委員です。それから、川崎市の盛田委員です。一般社団法人日本環境衛生施設工業会の増田委員のお三方です。どうぞよろしくお願いいたします。
本日、委員の皆様の出席状況でございますが、委員12名中、12名全員の方のご出席の予定でございます。
では、続きまして本専門委員会の事務局を務めます、環境省水・大気環境局のメンバーでございます。まず水・大気環境局長の小野から一言ご挨拶を申し上げます。
【小野局長】 環境省の水・大気環境局長の小野でございます。高岡委員長はじめ先生方におかれましては、本日お忙しい中での参加、どうもありがとうございます。
ウィズ コロナの新たな日常ということでございまして、環境省でもWEB会議の積極的な活用を図っております。そのため、本日の専門委員会についてもWEB会議での開催とさせていただいております。いろいろとご苦労な点もあろうかと思いますけれども、どうぞご協力をよろしくお願いいたします。
この専門委員会でございますが、平成28年から水銀に関する水俣条約を踏まえた水銀大気排出対策の在り方についてご審議をいただいております。
平成28年、29年にいただいた答申を踏まえまして、環境省では大気汚染防止法の関連の政省令の改正を行っております。
改正大気汚染防止法は、平成30年4月に施行されまして、水銀排出施設については、施設情報等の届出あるいは水銀に係る排出基準の遵守、水銀の測定が行われております。また、要排出抑制施設におきましては自主的取組が進められております。
本日の専門委員会においては、改正大気汚染防止法施行後の初年度、平成30年度の水銀排出施設における水銀濃度の測定結果の報告や、要排出抑制施設における自主的取組のフォローアップに関する審議等を予定しております。委員の先生方におかれましては、ぜひ活発なご議論をお願いしたいと思います。
簡単でございますが、開会に当たっての私からのご挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
【神谷大気環境課長】 続きまして、その他の事務局の出席者でございますけれども、関谷総務課長、小梶大気環境課課長補佐が出席をいたしております。
続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。事前に電子ファイルで資料一式を共有させていただいており、今画面では配付資料一覧を記載した議事次第を掲載させていただいております。不足等がございましたら、また画面が見づらい等がございましたら、事務局までお申しつけいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、これ以降の議事進行につきましては、高岡委員長にお願いいたします。どうぞよろしくお願いします。
【高岡委員長】 高岡でございます。 それでは、早速ですが、議題に入りたいと思います。
本日の議題は四つございまして、まず一つ目の議題から進めてまいりたいと思います。
一つ目は、水銀排出施設における水銀濃度の測定結果についてであります。
では、事務局から資料1の説明をお願いいたします。
【小梶大気環境課長補佐】 環境省の大気環境課の小梶と申します。
それでは、資料1に基づきまして、水銀排出施設における水銀濃度の測定結果についてご説明させていただきます。
説明させていただく流れですが、改正大防法の概要を説明させていただきまして、その後、水銀排出施設の設置状況、水銀濃度の測定結果、最後に水銀濃度の測定結果の詳細についてという流れで説明させていただきたいと思います。
【小梶大気環境課課長補佐】 それでは、次のページをお願いします。
改正大気汚染防止法の概要でございますが、まず、水銀に関する水俣条約につきましては、地球規模での水銀対策の必要性が認識される中、「水銀及び水銀化合物の人為的な排出から人の健康及び環境を保護すること」を目的としまして、2013年10月に採択されました。
また、2017年8月に発効されまして、2020年5月末現在において締約国数は128か国となっております。
水銀条約の締約国が取り組むべき大気排出対策につきましては、5種類の発生源に対策が義務づけられております。また、水銀の排出量に関する国レベルのインベントリーの作成・維持が規定されております。
続きまして5ページですが、大気汚染防止法の改正施行の経緯でございますが、中央環境審議会の答申を踏まえて、大気汚染防止法が改正されまして、2018年4月1日から施行されております。詳しい経緯については表1のとおりでございます。
続きまして6ページをお願いします。
法による関係主体の主な義務・役割でございます。水銀排出施設を設置している方には、水銀排出施設の設置の届出、排出基準の遵守、水銀濃度の測定が義務づけられております。
また、水銀排出施設以外で水銀等の排出量が相当程度多い施設につきましては要排出施設になっておりますが、その要排出抑制施設の設置者につきましては、自主的取組としまして、自ら遵守すべき基準の作成、水銀濃度の測定・記録・保存等、及びその実施状況及び評価を公表するということになっております。
続きまして7ページ目をお願いします。
測定の結果、排出基準が超過した場合でございますが、排出基準を超過した場合につきましては、3回以上の再測定を行うこととなっておりまして、初回の測定と3回以上の再測定のうち最大と最小を除く、全ての結果の平均値を排出基準に照らし合わせて評価することになります。
続きまして8ページをお願いします。水銀排出施設の設置状況でございます。
9ページお願いします。
排出施設設置届出情報の収集方法ですが、環境省が自治体を通じて届出情報を収集・集約し、公表することとなっております。収集・集約の流れにつきましては、図のとおりでございます。
続きまして10ページをお願いします。
水銀排出施設の届出につきましては、水銀排出施設を設置したり構造等の変更をしたりしようとするときには、都道府県知事等への事前の届出義務が課されています。届出の内容につきましては、四角囲みのとおりでございます。
続きまして11ページをお願いします。水銀排出施設の設置状況の整理でございます。
続きまして12ページをお願いします。
水銀排出施設数と設置事業所数でございますが、全国で4,673施設の届出があり、そのうち稼働している施設は3,981施設でございました。これ以降の集計につきましては、稼働中の施設のみを対象とさせていただきます。
続きまして13ページをお願いします。
水銀排出施設種類別の施設数及び割合でございます。最も多い施設につきましては、一般廃棄物の焼却施設が2,290施設で58%、次いで産業廃棄物の焼却施設が1,003施設で25%という結果でございました。
続いて14ページお願いします。
水俣条約における施設分類別に見た施設数及び割合でございます。廃棄物の焼却設備が最も多く、全体の約90%を占めておりました。
続きまして15ページ、排ガス中水銀濃度の測定結果についてご説明させていただきます。
16ページをご覧ください。
水銀濃度の測定に関する規定でございますが、水銀排出施設の設置者は、排出基準の遵守、水銀濃度の測定が義務づけられております。排出基準につきましては、施設の種類ごとに、新設、既設の基準が設けられております。基準につきましては、表のとおりでございます。
続きまして17ページをお願いします。
水銀濃度の測定対象につきましては、ガス状水銀と粒子状水銀を合わせた全水銀となっております。測定方式はバッチ測定となっております。
続きまして、18ページをお願いします。
測定頻度でございますが、排ガス量が4万Nm3/時以上の施設につきましては4か月を超えない作業期間ごとに1回、排ガス量が4万Nm3/時未満の施設につきましては、6か月を超えない作業期間ごとに1回となっております。
また、測定結果の確認方法につきましては、平常時における平均的な排出状況を確認するということでございます。また、基準を上回る濃度が検出された場合につきましては、速やかに3回以上の再測定を行い、初回の測定結果を含め計4回以上の測定結果のうち、最大値及び最小値を除く全ての測定結果の平均値により評価をすることになっております。
続きまして19ページをお願いします。
水銀濃度の測定結果等の収集でございますが、法では、設置者に対し測定結果の報告義務を課していないため、地方自治体が任意で情報提供を受けた結果を環境省が収集・集約することとしております。その流れにつきましては、図のとおりでございます。また情報の収集項目につきましては、下の表のとおりでございます。
続きまして20ページをお願いします。
測定結果の提供施設数でございますが、測定対象施設が3,878で、測定結果の提供施設数が3,684施設となっておりまして、測定対象施設の95%から平成30年度の測定結果の提供がございました。
続きまして21ページをご覧ください。
測定結果の未提供の施設についてでございますが、法の認識不足のために平成30年度は未測定であった施設や、測定値の提供に協力を得られなかった施設もございました。
なお、法の認識不足のために未測定であった施設につきましては、自治体の指導により、令和元年から測定が行われていることを確認しております。
続きまして22ページをお願いします。
測定結果と排出基準値との比較でございますが、平成30年度に排出基準値を一度も超過しなかった施設は、全体の98%を占めておりました。
排出基準値の超過が見られた施設数が83ございまして、その施設については23ページで詳細にご説明させていただきます。排出基準値の超過が見られた施設のうち、再測定の結果、77施設は排出基準値内となっていましたが、4施設は排出基準値を上回っていました。
なお、排出基準を上回っていた4施設につきましては、その後、自治体の指導により対策が取られまして、現時点では排出基準内となっていることを確認しております。また、再測定の未実施につきましては、事業者の法令の認識不足によるものとなっておりますが、地方自治体の指導により、令和元年度に再測定が実施され、排出基準内となっております。
続きまして24ページをご覧ください。
基準値の超過がみられた施設についてでございますが、排出基準値と定期測定の結果を比較してみますと、非鉄金属とセメント製造施設では1.1から2.1倍に、廃棄物焼却施設では1.02から26倍になっておりました。また、超過が見られた要因としましては、原料鉱石中の水銀濃度の変動や、廃棄物等に水銀を含むものが混入したためと推定されます。
続きまして25ページをご覧ください。
排ガス中の水銀濃度の測定結果の詳細でございますが、参考で4を載せさせていただいておりますが、時間の関係もありますので廃棄物の焼却施設とセメント製造施設についてご説明させていただきます。
52ページをご覧ください。
廃棄物焼却施設につきまして、排ガス中水銀濃度の分布でございます。排ガス中の全水銀濃度が0.00028~392μg/Nm3の範囲でございました。
53ページをご覧ください。
ガス状水銀と粒子状水銀の濃度分布でございます。ガス状水銀は0.00031~391μg/Nm3の範囲でございます。また、粒子状水銀は0.0000035~18μg/Nm3の範囲でございました。
続きまして54ページをご覧ください。
法では水銀の測定につきまして、連続する3年間継続して、次の四角囲みの①から③の条件を満たす場合につきましては、粒子状水銀の測定が省略できることとなっております。平成30年度に省略の条件を満たしている施設につきましては、全体の89%でございました。
続きまして55ページをご覧ください。
排ガス中の酸素濃度につきましては、0.5~20.9%の範囲にありました。
続きまして56ページをご覧ください。
検出下限値・定量下限値は図表のとおりでございました。
続きまして57ページをご覧ください。施設規模と排ガス中全水銀濃度の関係でございますが、施設規模の違いによる全水銀濃度の違いは、あまり明確ではありませんでした。
続きまして58ページをご覧ください。
排出ガス処理施設の種類と排ガス中全水銀濃度の関係ですが、バグフィルターを設置している施設で、相対的に全水銀濃度が低いという結果でございました。また、活性炭処理がある施設のほうが、活性炭処理がない施設と比較して、概ね全水銀濃度が低いという結果でございました。
続きまして62ページをご覧ください。
原燃料の種類と排ガス中全水銀濃度の関係でございますが、一般廃棄物焼却施設につきましては、図表のとおりとなっております。
63ページをご覧ください。
産業廃棄物焼却施設につきましては、紙くず、汚泥、木くずを多く処理している施設で、相対的に全水銀濃度の算術平均値が高いという結果でございました。
続きまして64ページをご覧ください。
下水汚泥焼却施設でございますが、図表のとおりでございました。
続きまして65ページをご覧ください。
施設設置年と全水銀濃度の関係でございます。ダイオキシン類対策特別措置法の施行年以降に設置された施設で相対的に全水銀濃度が低いという結果でございました。
続きまして66ページをお願いします。
ここからセメント施設に入ります。排ガス中水銀濃度の分布でございますが、1.0~69μg/Nm3の範囲でございました。
続きまして67ページでございますが、粒子状水銀の測定省略の条件を満たしている施設につきましては、全体の85%でございました。
続きまして68ページでございますが、排ガス中の酸素濃度の分布ですが、排ガス中の酸素濃度につきましては、4.0~17.4%の範囲でありました。
続きまして69ページでございますが、検出下限値と定量下限値の分布は、図表のとおりでございました。
続きまして70ページをお願いします。
施設規模と排ガス中全水銀濃度の関係でございますが、燃焼能力が20,000L/h以上の施設で、相対的に全水銀濃度が高いという結果でございました。
続きまして71ページをお願いします。
排出ガス処理施設の種類と排ガス中全水銀濃度の関係でございます。電気集じん機とバグフィルターの両方を設置している施設の全水銀濃度が、相対的に低いという結果でございました。
72ページをご覧ください。
原燃料の種類と排ガス中全水銀濃度の関係でございますが、石灰石中水銀濃度と排ガス中の水銀濃度の間には、比較的高い正の相関が見られました。
73ページをご覧ください。
施設設置年と排ガス中全水銀濃度の関係でございます。表のとおりとなっています。
以上で資料の説明を終わります。
【高岡委員長】 ありがとうございました。それではただいまの資料1につきまして、ご質問、ご意見等ありましたらよろしくお願いいたします。
ご発言される方は、お名前を名乗っていただきますと私が指名いたしますので、ご発言をよろしくお願いいたします。
【谷口委員】 谷口なんですけども、発言いいですか。
【高岡委員長】 よろしくお願いします。どうぞ。
【谷口委員】 そうしたら、24ページのスライドですけれども、いいでしょうか。
一般廃棄物にしても産業廃棄物にしても、定期測定の結果で高い値が出ているということで、これが多くのケースでこんな高い値が出ているとは思わないんですけれども、それでもこういうかなり基準の20倍前後のものが出ているというのは、今後できるだけ抑えていくようにする必要があるんだろうと、まずはそう思います。
特に、一般廃棄物の場合は、焼却炉の設置者が水銀についてコントロールすることができない立場かと思いますので、ぜひ廃棄物の部局とも相談していただいて、市町村の水銀含有の廃棄物の分別といいますか、そこの徹底を改めてお願いしたいなと思うんですけど、ご検討のほどをお願いしたいと思います。以上です。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
【小梶大気環境課課長補佐】 事務局からよろしいでしょうか。
今、頂いたご意見なんですが、廃棄物の焼却施設の定期測定結果が測定基準値の1.02~26倍というような結果となっていまして、この高い値の原因につきましては、先ほどもご説明させていただきましたけれど、廃棄物中への水銀の混入というのは考えられますので、先ほど谷口委員から意見がありましたように、この結果を廃棄物の部局に情報提供をして、対応を相談したいと思います。
【高岡委員長】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
【盛田委員】 川崎市の盛田ですけれども、よろしいでしょうか。先に質問ということで。
【高岡委員長】 はい。
【盛田委員】 セメントのほうの処理装置のものでバグフィルター+活性炭だと濃度が低いということを、あったんですけど。シートの61くらいになると思います。58です。この場合の活性炭処理というのは、恐らく悪臭とかの臭気対策として設置されている活性炭という意味なのでしょうか。それとも水銀用に新たに設置したというのはなかなか考えづらいんですけれども、この辺の情報があったら教えていただきたいなと思いまして。
【小梶大気環境課課長補佐】 すみません。申し訳ないですが、今回、これを集計するに当たって、設置届出の情報を自治体経由で収集させていただいているところなんですけど、詳細の部分につきましては今現状で分かりませんので、また後ほど自治体のほうにその辺を確認させていただければと思います。
【盛田委員】 はい、分かりました。ありがとうございます
【高岡委員長】 委員長から補足しておきますと、基本的に、この廃棄物焼却のところで活性炭処理というのは、バグフィルターで粉末活性炭ともにバグフィルターでキャッチするというのが一般的に多いとは思います。
詳細は環境省が調べるということでしたら調べていただきたいと思いますが、一応、一般的な情報としてはそういうふうになっていると思います。
【盛田委員】 どうもありがとうございました。
【高岡委員長】 ほかにはいかがでしょうか。
【指宿委員】 よろしいですか。指宿ですけれども。
【高岡委員長】 どうぞ。
【指宿委員】 スライドの23で、セメントについて、再測定後も4施設で基準値を上回ったというそういうデータになっているんですが。
【高岡委員長】 一般廃棄物でしょうか。
【指宿委員】 セメントです。たしか、セメントで、あれですよね。
【小梶大気環境課課長補佐】 23ページにつきましては、再測定後の基準超過につきましては、一般廃棄物の焼却施設のみです。
【指宿委員】 そうか。これは、あとで自治体の指導で超過がなくなったというご説明があったと思うんですけれども、どんな指導をされたのか興味があったもので、もし分かるようなら教えていただきたいんですが。
【小梶大気環境課課長補佐】 自治体の指導で活性炭の種類変更やメンテナンスとか、その辺も確認して、令和元年度に再度測定を行ったということを聞いております。
【指宿委員】 それは、対策のほうがよくなかったのか、それとも、その測定法に問題があったのか、それはどちらになりますか。
【小梶大気環境課課長補佐】 そこまで詳細な情報は聞いていません。
【指宿委員】 その辺が、私は測定法に興味があるものですから、そういう意味で測定法に問題があったりすると、いつまでも解決できない問題になっちゃうので、その点を調べていただけるといいかなと思ったんですが。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
もし可能であれば、測定法に問題があったのか、なかったのか、対象者に確認をお願いします。
【小梶大気環境課課長補佐】 分かりました。
【指宿委員】 ありがとうございます。
【高岡委員長】 ほかはいかがでしょうか。
【鈴木委員】 鈴木ですけど、よろしいでしょうか。
【高岡委員長】 鈴木先生、どうぞ。
【鈴木委員】 2点ありまして、一つは20枚目の測定結果の提供が、未提供のところがかなりあったというふうに説明されたんですけれども、未提供のところ状況は、どのようなもので、あと、これは今後改善される見込みはあるのでしょうかというのが、まず質問です。それが1点。
それから、もう一つは56ページの検出下限値・定量下限値の分布というところですが、下限値の最大値が10とか7とか5というのがあるようですけれども、測定値の報告を見ると中央値が大体一桁の前半ぐらいのものですので、下のグラフと見比べると、多くのところは大丈夫そうな気がしますが、設定値が、あるいはもしかしたら、非常に高い測定値の場合についてのみの下限値だというようなことなら話は別なんですけれども、平均的に見ればこの10とか5という下限値はあまり適切な設定ではないと私は考えるんですけれども、その点についてはいかがでしょうかという、2点です。
【小梶大気環境課課長補佐】 まず1点目ですが、未提供施設についてですが、未提供の理由につきましては、21ページをご覧いただきたいんですが、一つは測定をしなかったというところと、もう一つは、測定結果はあるが測定値の提供がなかったという、二つがございます。
測定をしなかったところにつきましては、法の認識不足というようなところで、自治体の指導によって令和元年度測定が行われているということでございます。測定値の提供がなかったというようなところにつきましては、19ページに書いてございますが、法律で設置者に対し測定結果の報告義務をそもそも課していませんので、地方自治体が任意で情報提供を受けた結果を、環境省が収集・集約しているというような状況でございますので、今後も情報提供をいただくように自治体にお願いしていきたいと思います。
【伊藤暢浩委員】 愛知県の伊藤でございます。よろしいでしょうか。
63ページの産業廃棄物焼却施設の、それぞれの廃棄物の種類がある表があります。その中で、紙くずというところでは、水銀の混入が多くなっているということですけれども、定常状態でほかの種類と同じように水銀が混入することは少ないと思います。別の種類が混入してくるということ、ならば考えられますけれども、何かほかの原因で、分かることがございましたら教えていただきたいと思いますが。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
環境省、さっきの鈴木先生の2番目の質問に対してのお答えをいただいてから、伊藤様への質問に対するお答えをお願いします。
【事務局】 下限値が高過ぎるというご指摘だったかと思うんですけれども、測定業者のほうに対して再度確認をさせていただきます。
【鈴井委員】 分かりました。
【高岡委員長】 伊藤様への質問へのご回答をお願いいたします。63ページのスライド辺りだと思いますが。
【小梶大気環境課課長補佐】 他の原因というのは、はっきりと分かっていないというのが答えになります。
【高岡委員長】 私からも確認というか、そもそも産業廃棄物にしても一般廃棄物にしても、この水銀濃度というのは、いわゆる届出の情報ですよね。
【小梶大気環境課課長補佐】 はい。
【高岡委員長】 ですから、必ずしもそのときにマッチしているかどうかは分からないんですよね。
【小梶大気環境課課長補佐】 はい。
【高岡委員長】 なので、そこも注意が必要だとは思います。
【小梶大気環境課課長補佐】 測定と届出の情報というのは、タイムラグはあるかと思いますので、おっしゃるとおりだと思います。
【高岡委員長】 伊藤さんは、それでよろしいでしょうか。
【伊藤暢浩委員】 承知しました。ありがとうございます。
【高岡委員長】 ほかはいかがでしょうか。
【伊藤茂男委員】 電中研、伊藤ですけど、よろしいでしょうか。
この資料が公開されるということを前提にコメントしたいと思います。幾つか、このままですと誤解を招くかなという表現があるように思いましたので、指摘させていただきたいのですが。
まず、簡単なところからいきますと、ページ27。タイトルの下のコメントのところの「第一次答申時は、<0.1~16μg/Nm3の範囲」で、これは左の大小の記号の意味が分からないので、必要ないのなら消したほうがいいと思います。もし0.1より下ということであれば、16より下ということになるかと思いますので、そこは注意かなと思います。
次に29ページですけれども、この「粒子状水銀測定省略の条件を満たしている」という表現が、これは30年度、単年度のことかと思うのですが、左下のほうには、「連続する3年間継続」するということが条件を満たすという説明になっていると思います。これは3年間満たしているのか、それとも単年度の話なのかということを区別できるように書かれたほうがいいかと思います。
あと幾つか共通するところですが、水銀濃度が高いとか低いとかという表現がところどころ出てくるのですけれども、これは、現段階ではあまりそういうふうに言わないほうがいいかと思うところが多々あります。たまたまということもあり得ますので、高い低いだけが先走らないようにしたほうが、そういう意味合いでの表現をしたほうがいいかと思います。
ページだけ申し上げますと、32ページ、38ページ、39、40、それから63ページ辺りにそういった表現がありますので、少し気をつけたほうがいいかと思います。
それから、70ページですけれど、20,000以上の施設でということですが、この20,000以上の施設の最小値を見ると7.9という数字になっています。一方、下の図を見ますと、20,000以上でゼロのところに幾つかポイントがありますので、そこは点が抜けているのかなという気がしますので、これは気をつけられたほうがいいかなと思います。今のところは分かりますでしょうか。
【小梶大気環境課課長補佐】 すみません。一番最後のところが分からなかったんですが。
【伊藤茂男委員】 まず、テーブルの中に、20,000以上の欄で最小値が7.9とありますね。そして、下のグラフを見ていただきますと、横軸20,000以上の燃焼能力のところで、水銀濃度がゼロのところに幾つか点があります。この点が抜けているのかなという気がします。そうしますと最小値がゼロに近いところにいくのではないかと思いますので、そこが気になったところですね。
【小梶大気環境課課長補佐】 最小値が7.9ではない。また確認させていただきます。
【伊藤茂男委員】 お願いします。
あともう一つだけですが、56ページですが、検出下限値・定量下限値というところですが、これは多分測定法側の問題かと思うのですが、最小値に極端に低い数値を挙げられています。これはラボの分析の精度がベースになっているのかという気もしますが、この最小値の数字でいきますと、大気中の濃度よりもはるかに低い濃度を簡単にこの方法ではかれるということになってしまいますので、これは表現といいますか、注意書きか何かを入れたほうがいいのではという気がします。このままですと、この方法で大気中の濃度を楽にはかれるという数値なってしまいますので、注意が必要かなと思います。
私のコメントは以上です。
【小梶大気環境課課長補佐】 分かりました。ありがとうございます。
先生にご指摘いただいた部分については、修正させていただきたいと思います。
それから1点だけ、表現の部分で、高いという表現につきまして、相対的に高いとか低いという表現をさせていただいたんですけど、比較をして高い、低いという、結果的にそうなっていたということで表現をさせていただいたんですけれど、そこら辺はいかがでしょうか。
【伊藤茂男委員】 そこを、よく注意書きといいますか、このデータの中ではこうだったぐらいにとどめておくと、誤解も招かないなと思います。
幾つかの中では、たまたま、ある施設で高かったということが影響していると思いますので、高い低いだけが先走ってしまうとよくないかなということで、このデータの中でこうですという形でとめればよろしいかと思います。
【小梶大気環境課課長補佐】 分かりました。ありがとうございます。
【高岡委員長】 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
【増田委員】 すみません、増田ですけどよろしいでしょうか。
【高岡委員長】 はい、どうぞ。
【増田委員】 日本環境衛生施設工業会の増田でございます。
私から幾つかあるんですけれど、まず25ページですけども、赤字の注意書きで、「(再測定を含む)の平均値で解析を行った」とあるんですけど、これは再測定前の超過した数値も含めて平均化したのかどうかということを確認させてください。
それから59ページですけど、これはコメントなんですけど、一般廃棄物処理施設の表の①のバグフィルターが設置されているもので、括弧なしが活性炭なしで、括弧ありが活性炭ありなんですけど、これから見ると、活性炭による除去率は4割ぐらい、私の感覚的にはかなり低いかなと。この活性炭というのは、鈴木先生からもありましたけれど、バグフィルターに噴霧されておりまして、恐らく元々の目的はダイオキシン用で、ダイオキシンのほうがどちらかというと取りにくいので、水銀のほうにはかなり効くと思うので、もうちょっと水銀が入っていたときの数字の差があってしかるべきなのかなと、この辺の原因追及ができればなと、今後の期待ということです。
それともう一つ、59ページの中で、②の湿式の排ガス処理施設とあるんですけど、米印で①バグフィルターが設置されているものを除くと書かれております。これが85施設あるんですけど、これは一般廃棄物処理施設、自治体の設置したものでバグフィルターがなくて湿式があるというのがこんなにあるのかなというのが疑問に思います。
もし、これが届出上の水銀対策設備で拾われたのであれば、もしかしてバグフィルターをつけていてもそう記載されていないところがあったのかなというふうに思います。
それから、60ページの産業廃棄物焼却施設のバグフィルターの活性炭ありなしの数字についても、先ほどの一般廃棄物と同様の見解です。
それから65ページで、特措法前後で比較されておりますけれど、これは多分先年度にも議論があったかと思うんですけど、特措法前の施設でありましても、ダイオキシン対策ということで基幹改良なんかを行いましたので、そのときに電気集じん機からバグフィルターに変えた施設というものも数多くありますので、それが特措法前に入っている、その結果、この前後であんまり数字の差がないように見受けられるということが、ここの数字に表れているんじゃないかという、これはコメントでございます。
以上です。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
環境省から、今お答えができるところがあればお願いします。
【小梶大気環境課課長補佐】 まず、一番初めの質問ですが、25ページの赤字の部分ですけど、これは超過した分も含めて数字を含めております。
【増田委員】 承知しました。
【小梶大気環境課課長補佐】 そのほかについては。
【高岡委員長】 コメントするということでよろしいでしょうか。
【増田委員】 お願いします。ありがとうございます。
【高岡委員長】 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
【谷口委員】 すみません。谷口ですけれども、1点だけ環境省のほうにお願いを申し上げたいなと思うんですけど、よろしいでしょうか。
【高岡委員長】 はい、どうぞ。
【谷口委員】 今回の排ガス測定結果についての詳細な解析というのは、非常に重要なことなんだろうと思います。通常、各地方公共団体において大気汚染防止法がどういうふう施行されているのかという調査は、環境省のほうから毎年行われますけれども、こういう測定結果まで詳細に調査するというのはそうはなくて、今回の水銀が初めてじゃないかなと思うんです。
この法律は、施行後5年後を目途にまた見直すというルールになっているかと思うんです。その際には、こういう今のような詳細なデータのチェックといいますか解析と言いますか、こういうものが非常に大事になってくると思いますので、ぜひこういう調査は引き続き継続してお願いしたいなというのが、1点と。
それから、水銀排出施設の種類、今回は種類に分けて調べていただいているわけですけれども、施設といっても連続式のものからバッチ式のものまでいろんな種類があったりしますので、ぜひそういう違いなども合わせて調べていただいて、さらなる解析を何年か後にはお願いしたいと思いますので、その点、よろしくお願いします。
以上です。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
【小梶大気環境課課長補佐】 環境省からよろしいでしょうか。
【高岡委員長】 はい、どうぞ。
【小梶大気環境課課長補佐】 5年を目途に見直すことになっていまして、その際にまたデータも必要になりますので、今いただいたご意見を含めて、今後データの充実をさせていただきたいと思います。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
では、時間も来ていますので、たくさんのご意見、あるいはコメントをいただきましたので、それに基づいて確認をするべきところ、それから修正するべきところ、ご対応いただいて、最終的に結果を、もう一度まとめていただきたいというふうに思います。
では、すみませんが、その次の議題(2)に移らせていただきたいというふうに思います。
議題(2)は、要排出抑制施設における自主的取組のフォローアップについてでございます。
では、事務局から資料2-1、2-2の説明をお願いいたします。
【小梶大気環境課課長補佐】 それでは、自主的取組のフォローアップついてご説明させていただきます。
まず、2-1でフォローアップの結果を説明してから、2-2で本専門委員会での評価の案についてご説明させていただきます。
まず、資料2-1の要排出抑制施設における自主的取組のフォローアップについて、ご覧ください。
要排出抑制施設における自主的取組の制度の概要について、簡単にご説明させていただきます。大気汚染防止法におきまして、水銀排出施設以外の水銀等の排出量が相当程度多い施設を要排出抑制施設と規定しておりまして、その施設の設置者には自主管理基準の設定や水銀濃度の測定、大気への排出抑制措置の実施状況及びその評価の公表が義務づけられているところでございます。また、要排出抑制施設につきましては、製銑の要に供する焼結炉及び製鋼の要に供する電気炉が規定されております。
それでは、1番のフォローアップの対象からご説明させていただきます。
鉄鋼連盟等3団体であります日本鉄鋼連盟、普通鋼電炉工業会、日本鋳鍛鋼会におきまして、自主的取組の内容を平成30年4月に公表し、また自主的取組を実施されているところです。
また、鉄鋼連盟等3団体外の一部の主要な事業者において、3団体の取組に準ずる取組が行われているということでございます。これらの事業者が設置する要排水抑制施設が、全国の排出抑制施設に占める割合につきましては、表1をご覧いただきたいと思いますが、焼結炉については、施設数ベース、生産量ベースとも100%でございます。
また、電気炉につきましては、施設数ベースで94%、生産量ベースで概ね100%と見込まれるということから、今回、鉄鋼3連盟等と3団体等における取組の内容についてフォローアップすることとしました。
2番のフォローアップにおける評価の方針でございますが、自主的管理基準の設定状況、排出抑制措置の実施状況、自主管理基準の達成状況及び評価・公表の実施状況について評価を行うこととしました。
2ページをご覧ください。
鉄鋼連盟等3団体等における自主的取組の実施状況でございます。
自主管理基準の設定状況でございますが、平成30年度における専門委員会の助言事項に対する対応状況をご説明させていただきます。
まず、自主管理基準値につきましては、助言事項としまして、自主管理基準値の設定に当たっては、海外のBATで達成可能とされている水銀濃度等を参考にして検討がなされていることを明記されることが望まれるというご意見を頂いております。
これにつきましては、鉄鋼連盟等3団体における自主的取組において、自主管理基準値の設定の考え方として、海外の規制値を勘案して設定した旨の記述が追加されております。
二つ目でございますが、今後の測定により、より詳細な排出実態の把握が進むとともに、水銀排出技術等に関する知見が更に蓄積されていくと考えられることから、これらを活用して自主管理基準値の設定について情報を整理し、検討することが望まれるという助言を頂いております。
これにつきましては、平成30年度において、全ての施設において排ガスの測定が行われており、また、測定結果を排ガス処理設備別に整理するなど、水銀排出技術等に関する知見の集積が図られております。
続きまして、測定方法でございますが、計量証明事業者による計量証明書の交付を受けることが望まれるという助言事項でございますが、これに対しましての対応状況は、計量証明事業者により測定し、事業者から計量証明書の交付を受ける旨の記述が自主的取組の中に追記されております。
続きまして、測定頻度でございますが、水銀濃度の測定により、より詳細な排出実態の把握が進むと考えられるので、これらを活用して情報を整理し、測定頻度について検討することが望まれるという助言事項に対しまして、平成30年度に全ての施設において水銀濃度の測定が行われ、測定結果が整理されています。
二つ目でございますが、製鋼用電気炉のうち「出鋼量10t/ch未満の施設」と「製鋼の用に供する電気炉として届出が行われているLF炉」については、全体的な排出実態の把握を改めて行った上で測定頻度について検討することが望まれるという助言事項に対しまして、「出鋼量10t/ch未満の施設」については、規模が小さいことと過去の測定結果において濃度が低かったこと、また、「製鋼用電気炉の届出が行われているLF炉」については、過去の測定結果において濃度が低かったことから、それぞれ測定頻度が3年に1回以上とされていますが、平成30年度につきましては、全ての対象施設において排ガス中の水銀濃度の測定が行われておりました。
続きまして、(2)排出抑制措置の実施状況でございます。
二次答申におきまして、排出抑制措置に関することのフォローアップのために必要な情報として、水銀等の大気中への排出を抑制するために実施した措置に関する情報で、新規に講じた措置に加えて、従前から継続的に実施しており水銀除去に寄与している排出ガス処理設備などに関する情報となっております。
これに対しまして、鉄鋼連盟等3団体等における公表資料によりますと、全ての対象施設に排出ガス処理設備が設置されておりまして、いずれの処理設備も従前から設置されているとのことです。
続きまして、5ページをご覧ください。
排ガスの処理設備の種類別の平成30年度の測定の実績でございます。
焼結炉・ペレット焼成炉につきましては、自主管理基準値50に対しまして、濃度は0.7~30.6μg/Nm3の範囲でございます。
製鉄ダストから還元鉄ペレットを製造する施設につきましては、自主管理基準値400に対しまして、56~110μg/Nm3の範囲でございました。
続きまして、6ページをご覧ください。
製鋼用電気炉の測定結果でございますが、自主管理基準値50に対しまして、圧延用鋼塊を製造する電気炉につきましては、不検出~49μg/Nm3の範囲でございます。
鋳鍛用鋼塊を製造する電気炉につきましては、不検出~10.1μg/Nm3の範囲でございました。
出鋼量10t/ch未満の施設につきましては、不検出~0.6μg/Nm3でございました。
LF炉等につきましては、不検出~29μg/Nm3の範囲でございました。
続きまして、7ページをご覧ください。
自主管理基準の達成状況及び評価・公表の実施状況です。
表の3-1~3-3のとおり、全ての対象施設における測定結果が自主管理基準を達成しておりました。
続きまして、②の評価・公表の実施状況でございますが、二次答申におきまして、自主的取組を効果的に進めるために留意する必要がある事項として、自主管理基準の達成状況等の公表については、設置者等のホームページや環境報告書など、国民が容易に情報を入手できる媒体で、評価後、速やかに公表することが望まれるということでございます。
これに対しまして、評価結果及び関連情報については、日本鉄鋼連盟等のホームページにおいて、令和元年8月~9月にかけて、順次、公表されておりました。
また、評価・公表の実施状況について、平成30年度における専門委員会の助言事項に対する対応でございますが、表のとおりとなっておりまして、助言事項は、水銀排出総量、平均排出原単位等の公表に当たっては、その算定方法等についても明確にされることが望まれるというのに対しまして、対応状況としましては、鉄鋼連盟等3団体の公表資料において算出方法が明記されておりました。
資料2-1の説明は以上です。
続いて、資料2-2に基づきまして、鉄鋼連盟等3団体等における自主的取組のフォローアップにおける令和元年度の大気排出基準等専門委員会の評価(案)についてご説明させていただきます。
鉄鋼連盟等3団体等においては、大気汚染防止法における要排出抑制施設の設置者の自主的取組に係る規定を踏まえ、改正法が施行された平成30年4月から自主的取組を開始され、令和元年8月~9月に、平成30年度における自主管理基準の達成状況等が順次公表されております。自主的取組の実施状況は、全ての対象施設において測定結果が自主管理基準を達成するなど、技術的観点から、現時点において概ね妥当なものと評価します。
自主的取組の実施状況を技術的観点から整理した内容と自主的取組を促進するために助言する事項は次のとおりであるということでございます。
次から、ずっと評価の内容を書いておりますが、先ほど、資料2-1でご説明させていただいた内容と同じ内容になっております。
2点だけ、今回のこの委員会の評価として助言する事項を2点、案として示させてもらっておりますので、そこについてご説明させていただきます。
1ページの一番下の測定頻度の部分でございますが、「出鋼量10t/ch未満の施設」については、規模が小さいこと、過去の測定結果において濃度が低かったことから、また、「製鋼の用に供する電気炉として届出が行われているLF炉」については、過去の測定結果において濃度が低かったことから、それぞれ測定頻度が3年に1回以上とされているが、平成30年度は全ての対象施設において排出ガス中水銀濃度の測定が行われており、測定結果は次のとおりである。
測定結果ですが、10t/ch未満の施設につきましては、不検出~0.6μg/m3の範囲にあり、平均値は0.11μg/m3でした。
LF炉につきましては、不検出~29μg/m3の範囲にあり、平均値は2.9μg/m3でした。
これに対して、今回助言する事項としまして、「製鋼の用に供する電気炉として届出が行われているLF炉」については、一部の施設における30年度の測定結果において、自主的取組の開始前に想定されていた値よりも高い値が見られていることから、高い値となった要因について検討するとともに、測定頻度の検討に資するため、高い値が得られている施設において、引き続き測定することが望まれるという助言事項とさせてもらっています。
もう1点につきましては、排出抑制措置の実施状況の中で、3ページの(3)の上でございますが、今後の水銀濃度の測定により排出ガス処理設備の種類による水銀濃度の違い等の把握が進むものと考えられる。これらを活用し、排出ガス処理設備の水銀の排出抑制効果について情報を整理することが望まれるという助言事項とさせていただいております。
資料の説明については、以上でございます。ご審議、よろしくお願いします。
【高岡委員長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまご説明いただきました資料2-1、2-2について、ご質問、ご意見等がありましたら、よろしくお願いいたします。
【吉川委員】 吉川ですけど、よろしいでしょうか。
【高岡委員長】 はい、どうぞ。よろしくお願いします。
【吉川委員】 確認なんですけど、この自主規制の対象に対しては、測定法の規定がなかったと思うんですけど、実際には過マンガン酸を使った方法で測っているのか、それ以外の方法も入っているのかというのは、確認できますでしょうか。
以上です。
【高岡委員長】 環境省、もし、お答えできましたらお願いします。
【小梶大気環境課課長補佐】 測定法としては、告示の方法で測定するということになっております。
【吉川委員】 それは、それでなきゃいけないって、ちゃんと決まっているんですか。
【小梶大気環境課課長補佐】 自主的取組の中で事業者さんのほうが、そういうふうに説明されております。
【吉川委員】 ありがとうございます。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
ほかに、いかがでしょうか。
【鈴木委員】 鈴木ですけど、よろしいでしょうか。
【高岡委員長】 はい、どうぞ。
【鈴木委員】 LF炉というやつについて、昨年度に指摘させていただいたことを、今年調べていただいたということで、大変よかったと思っております。
助言事項について確認なんですが、今年の助言事項につきまして、高い値を得られている施設において引き続き測定することが望まれるということなんですけれども、高い値が得られる施設というのは、継続して高い値が見られるというような傾向があるのでしょうか。それが分かっているんでしょうかという質問です。
逆に、今年低かったものについても、来年は高いというような可能性があったりしないのかという、そういう意味です。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
環境省、もしお答えできるようでしたら。
【小梶大気環境課課長補佐】 ここで助言事項で高い値というのは、30年度の結果においてという意味で書かせていただいております。
【鈴木委員】 それは。
【小梶大気環境課課長補佐】 結果が得られていないで、30年度の結果においてということで考えております。
【鈴木委員】 分かりました。じゃあ、では、私の意見では、もちろん30年度に上がったところを測定するということは、もちろん重要だと思いますし、ぜひご検討いただきたいと思いますが、30年度に高くなかったところについても、なるべく自主的取組ではありますけれども、可能な限りご検討いただくようにお願いしたいと思います。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
鈴木先生、そういう意味では、この助言する事項の、最後の2行目のところの高い値が得られている施設においてというところの代わりに、高い値となった要因について検討するとともに、測定頻度の検討に資するため引き続き測定することが望まれるぐらいのほうがいいというような考えですか。
【鈴木委員】 私はその方がいいと思います。意味が少し変わってくるかもしれないところですが、その方が良いと思います。
【高岡委員長】 分かりました。ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。
確かに、LF炉って、本当にどこに要因があるかまだよく分からないと思いますので、そこはしっかりお調べいただきたいところだと私も思います。
ほか、いかがでしょうか。
【片谷委員】 すみません、片谷です。
【高岡委員長】 どうぞ、はい。よろしくお願いします。
【片谷委員】 確認というか、私は去年までの経緯をきちんと把握していなくて、的外れなことをお尋ねするかもしれないんですが、他と資料2-1の6ページの表で、「括弧付きの数値は定量下限値未満で、定量下限の1/2を使って平均を求められている」と記載されていると思うんですが、不検出の場合は、不検出って環境省のページでは検出下限未満だったと思いますが、その場合の平均値ってどうやって計算しているんだったでしょうか。
【小梶大気環境課課長補佐】 不検出については不検出としているんですけど、計算するときの値は。
【片谷委員】 はい。平均値を求めるためには何か値を設定しないとできませんので、この資料ではどうされてるのかを確認したかったということです。
【小梶大気環境課課長補佐】 そこの部分は確認しておりませんので、事業者さんに確認しておきます。
【片谷委員】 下に定量下限の場合の注釈はあるので、検出下限値も記載はあるんですけど、それを平均にどう使ったのかということも確認した上で書いておいていただくとよろしいかと思います。
【小梶大気環境課課長補佐】 そうですね。そのままの検出下限値を使っているか、1/2の値を使っているかは分からないんで、その辺は確認させていただきます。
【片谷委員】 はい。お願いします。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。
【増田委員】 すみません、増田ですけど、よろしいでしょうか。
【高岡委員長】 はい、どうぞ。
【増田委員】 資料2-2の3ページの助言のところで、排ガス処理設備の水銀の排出抑制効果について情報を整理することが望まれるということがあるんですけど、この先に、そういうことが明確になった後に、例えば、要排出抑制施設において、BATに当たる技術はこれですよみたいなことを自主的に設定されるということを想定されているんでしょうか。
【小梶大気環境課課長補佐】 ここで書いているのは、これから測定を行って情報収集ができていくので、そこで効果について整理していくという意味で書かせてもらっています。
当然ながらBATとかも含めて整理していくということにはなるかと思います。
【増田委員】 水銀排出施設についてはBATが明確に記載されているんですけど、この要排水抑制施設において多分、これは、業界のことはよく分からないんですけど、新たに施設を造るときにこの水銀対策をどうすればいいのかという判断をどういうふうに、今後していくのかなというところが少し疑問で、この取組の中でそういうことが明確に示されていれば迷わないのかなというふうに思いました。
以上、コメントです。
【高岡委員長】 はい、ありがとうございます。
ここは、基本的にはBATは一応念頭には置きつつも、それを自主的取組のところになかなか書きづらいところもあるので、現状、こういう表現になっているという理解をしています。
【増田委員】 ありがとうございます。
【高岡委員長】 ほかに、いかがでしょうか。
【小梶大気環境課課長補佐】 事務局から、よろしいでしょうか。
【高岡委員長】 はい、どうぞ。事務局。
【小梶大気環境課課長補佐】 先ほど、ご意見いただきました、2ページの助言する事項の部分なんですけど、高い値が得られている施設において、「引き続き測定することが望まれる。」というような表現にさせていただいているんですけど、これについて、事務局の意図としては、ここは、元々基準値が50μg/Nm3というふうにされていまして、それに対して測定結果の値が出ていましたので、「高い値を得られている施設において」というふうに事務局としては書かせていただきました。その辺を踏まえまして、こちらの委員会では検討をいただけたらと思います。
【高岡委員長】 先ほどの鈴木先生のご意見は、恐らくこの高く出たという要因が検討して分からなければ、低いところも高い値が出るかもしれないので、高い値が得られた施設だけ引き続き測定というよりは、他の施設も調べて、とにかく情報収集が必要ではないかというようなご意見だと思います。
【指宿委員】 すみません、指宿ですけど。
【高岡委員長】 はい、指宿さん、どうぞ。
【指宿委員】 今の件なんですが、このLF炉について取られたデータは30近くあるんじゃないでしょうか。あるよね、たしか。
【小梶大気環境課課長補佐】 30年度のLF炉についてのデータを机上配付ということで業界団体さんのほうから提供頂いていますのでお示しします。
【指宿委員】 ああ、そうですか。私としては、データの分布をちゃんと見ればいいのかなとも、見てからの議論だと思うんですけど。
【小梶大気環境課課長補佐】 はい。今、画面に映し出してもらいます。
【指宿委員】 分かりました。はい。
【小梶大気環境課課長補佐】 今回、LF炉の結果については、全部で32施設ありまして、ほとんどの施設は1μg/m3未満の施設なんですけど、いくつか濃度の高い施設があるということでございます。
【指宿委員】 かなりぶっ飛んでいるとか、26だけが一つ右にぽつんとある感じですかね。そういう意味では、測定をもう一度やるのは賛成なんですけれども、全部についてやる必要があるかどうか。鉄鋼のほうといろいろご検討されたほうがいいんじゃないかなと思うんですけれどもね。私はそういうふうに、このデータを見て思いましたけれど。
【鈴木委員】 鈴木ですけど、よろしいでしょうか。
【高岡委員長】 はい、鈴木先生、どうぞ。
【鈴木委員】 この点について、多分、分かりませんが、何かこの種のものだろうとは想像したんですけれども、見せていただきまして、まあでも、5~10と10~15と15~20と25、30点々と10以上のものが並んでいますので、これが炉の特性であるかどうか、あるいは、たまたま何か質の悪い施設でも入れてしまったのか、何だか理由は分からないので、まさにこのあたりを検討していただくことは重要ではないかなと思いました。
ですので、文章につきましては、私の一意見としては、この前半の「高い値となった要因について検討するとともに」、これはこのままで良いと思いまして、「測定頻度の検討に資するため」、「必要な測定を行いつつ」、「必要な測定を加えて要因についてしっかり検討することが望まれる」というようなことを書いていただければ良いのかなという意見です。
以上です。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
ですので、どちらかというと、要因の解明が重点的で、その要因の解明について全部を測定しないといけないのか、あるいは、5以上あるいは10以上高いところに絞るのか、そのあたりは事業者と一緒に考えるという形でしょうか。
【指宿委員】 そうですね。
【高岡委員長】 はい、ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。
そうしましたら、なければ、今回、助言事項一つ目と二つ目がありますが、一つ目のところで幾らかご意見を頂きました。今、幾つか意見交換の中では、とにかく高い値となった要因の検討を重点的に行うこと、それがとにかくまず一つです。二つ目の測定頻度については、それを全部測るかどうかというところは少し相談してということにしたいと思います。この助言事項に関しまして、細かい文面については、事務局の環境省と私のほうで検討いたしまして、最終的には成案としたいと思いますが、ご一任いただけますでしょうか。よろしいでしょうか。
【鈴木委員】 私は結構です。よろしくお願いします。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
そうしましたら、今お伝えしましたように、要因のところを重点的にしていただいて、測定頻度については全部測るかどうかまでは、強要するような文言は少し控える文言にここは修正させていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。
では、そこの修正は、事務局と最終的に詰めて、事業者に伝えるということにしたいと思います。ありがとうございました。
では、環境省もそれでよろしいですね。
【小梶大気環境課課長補佐】 はい、そういう形で、本日いただきました評価と助言するべき事項について、委員長とご相談の上に、文章を修正した上でフォローアップ対象の事業者に伝えていきたいと思います。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
そうしましたら、議題3に移らせていただきたいと思います。議題3は、水銀大気排出インベントリーについてでございます。
では、事務局から資料3の説明をお願いいたします。
【小梶大気環境課課長補佐】 それでは、資料3に基づきまして水銀大気排出インベントリーについてご説明させていただきます。
まず背景でございますが、水俣条約における水銀大気排出に関する事項としまして、締約国は大気排出インベントリーを作成・維持・公表することが求められており、我が国では、2010年度、2014~2017年度を対象としたものを策定しております。
現在のインベントリーの作成方法でございますが、発生源の種類ごとに、排出ガスの水銀濃度と年間活動量等を用いて水銀大気排出係数を算出し、統計情報等から得られた全国の年間活動量を掛け合わせることを基本として排出量を推計しております。
3番の最新のインベントリーでございますが、昨年度に、学識経験者の意見をお聞きしまして、2017年度を対象としたものを作成し、現在、環境省のホームページにおいて公表しているところです。
水銀大気排出係数や年間活動量等の更新によりまして、大気排出量が変化した発生源もございますが、全体としては自然由来を含めた大気排出量は18tとなっておりまして、2017年度は2016年度とほぼ同等の値でございました。
詳細のインベントリーにつきましては、表1で示しております。
4番の今後のインベントリーの作成についてですが、昨年度、地方自治体、団体等を通じまして水銀排出施設や要排出抑制施設における2018年度の水銀測定結果を収集しました。これらを活用しまして、インベントリーを精緻化する方法について検討し、毎年度更新していきたいと思います。
資料の説明は以上でございます。よろしくお願いします。
【高岡委員長】 ありがとうございました。それでは、ただいまの資料3についてご質問、ご意見がありましたらよろしくお願いいたします。
【浅利委員】 1点いいでしょうか。
【高岡委員長】 はい、浅利先生ですかね。どうぞ。
【浅利委員】 毎回聞いてみたような気もしなくもないんですけど、自然由来って、どういうふうに検査されてきたのかなと。もうちょっと年度による変動とかがあるような気もしつつ、このあたり、算出の仕方も含めて教えていただけないでしょうか。
【高岡委員長】 環境省、いかがでしょうか。
【小梶大気環境課課長補佐】 自然由来、火山の情報が見積もられているんですが、詳細については確認しないと、今、即答はできない状況です。
【浅利委員】 今後の参考に、もうちょっと、結構、噴火している年とかいろいろあるんですけど、無視しておいていいものなのかどうなのか、一応、念のためにお聞き出来たらと思いました。
あと、災害廃棄物という視点でも、火山の災害廃棄物も若干議論に上っていたりもしたので、水銀の視点からどうなのかなと思ったんで、またフォローアップを可能な限りお願いできたらうれしいです。
【小梶大気環境課課長補佐】 分かりました。ありがとうございます。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
浅利先生、多分、基本的には、ここは全然、今まではさわっていないというか、変わっていないと思いますので。
【浅利委員】 そういうことですね。
【高岡委員長】 はい。ただ、ご指摘ありがとうございます。今後は、このあたりも考えないといけないかもしれません。ありがとうございます。
【浅利委員】 場合によっては、火山灰の処理とか、災害廃棄物の議論でどう扱うんだというような話もあったんで、そのときにつなげる意味でもぼちぼちとお願い出来たらと思います。
【高岡委員長】 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。
【指宿委員】 よろしいですか、質問なんですが。
【高岡委員長】 はい、どうぞ。
【指宿委員】 図で2017年度に数字が動いているのが、今、話題の自然かどうかは分からないんですが、その他が12%に変わっていて、非鉄金属が7%に下がっているんですよね。これは、その表を見ると分かるのか、そうじゃなくて、この表だけじゃあ分からないのか、教えていただきたいんですけど。
【小梶大気環境課課長補佐】 円グラフについては、全部まとめた形になっていますので、詳細については表1のインベントリーのほうを見ていただいたら分かるかなと思うんですが。
【指宿委員】 ああ、そうですか。表の値を見れば1%動いたのが分かるという、そういうことですか。
【小梶大気環境課課長補佐】 はい。どこが動いているかという。
【指宿委員】 非鉄金属は1.3、1.3で変わっていないのに、そうか、16年、そうですよね。まあ1.3で変わっていないのに7%に下がっているという。
【小梶大気環境課課長補佐】 2017年度はその他のところの下二つなんですけど、バイオマス燃焼を用いた電力・熱供給施設と、フェロアロイ製造施設、これについて調査して結果が得られました。
【指宿委員】 増えたわけですね。
【小梶大気環境課課長補佐】 データ追加はしております。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
【指宿委員】 分かりました。
【高岡委員長】 そうですね。相対的にその他が少し増えたところの影響が、多分、非鉄金属のところに行っているのだというような認識、そうだと思います。
【指宿委員】 そうですね。2桁目で変わったんですよね。
【高岡委員長】 はい、だと。
【指宿委員】 ありがとうございます。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。
【増田委員】 増田です。よろしいでしょうか。
【高岡委員長】 はい、どうぞ。
【増田委員】 2017年度までは、これはある意味、原単位的に排出係数、活動量という出し方をされていて、今回、平成30年度に各施設のデータが得られたということで、このインベントリーの計算の仕方も変わってくるのかなというふうに想像しているんですけど、一つは、廃棄物焼却施設の一般廃棄物、産業廃棄物、下水汚泥のこの三つの施設の内訳的なものも少し変わるのかな。といいますのは、先ほど表1の数値を見ますと、この3施設なんで、そんなに濃度的な大きな開きはなかったので、これに活動量を掛けますと、このバランスが変わってくるのかなというところで、そのあたりのデータ整理を今後よろしくお願いしますという、これはコメントです。
もう一つは、資料3の4の今後のインベントリーの作成についてというところで、今言ったような精緻化が行われるんだと思うんですが、精緻化された後に見えてきた事実に対して、例えばインパクトの大きい施設というのが特定されていくことに対する一層の取組を進めるとか、そういうところまでは考えておられるんでしょうか。
【高岡委員長】 環境省、もしありましたらお願いします。
【小梶大気環境課課長補佐】 今後、今回新たに測定結果というものが出てきまして、それにより排出原単位を適宜算出することとか、個別事業所ごとに水銀の排出量を算定して積み上げるというようなインベントリーの作成方法についても今後考えられるかと思います。それらの方法によって、今までとの整合性も踏まえまして、今年度から検討していきたいと思います。
また、それらの結果について、どういう形で排出削減等につなげていくかというのにつきましては、算出したデータを事業所さん、業界団体等にフィードバックして、排出削減につなげていきたいと考えております。
【増田委員】 ありがとうございました。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。
【守富委員】 守富ですけど、よろしいですか。
【高岡委員長】 守富先生、どうぞ。
【守富委員】 今日の話は基本的には実測結果ということで、超過した、しないというところが最初のほうの説明にあったと思いますが、インベントリーのほうから見た以前のデータは、幅を持たせていたと思います。先ほども意見がありましたけれども、精緻化という観点からすると、最終報告はこの結果はいいのですが、一次データとしては、ある程度精緻化したときの一次データの幅をどうグループ化したのかを見えるような形にしたほうがいいと思っています。その一次データの幅には、測定法あるいは平均化の際の誤差など,色々な要因が含まれてきますので、そうした各要因のどれがどれだけ影響しているのかというのが分かるような一次データの取り扱いを示して、インベントリーに使えるようにし,最終的にはこうした要因を含む代表値として排出量を示す作業が必要と思っています。そのあたりの一次データの幅、精緻化の際の影響要因を見えるようにするように,ぜひ進めていただけるとよい。今回は、実測値がありますので、実測値の基づく一次データはこの値、今後実測データは増えるので、現在までの収集データを最終データだとすると、この間に測定誤差やデータ処理による幅を持たせた結果、排出量にはこうした幅があり,精度はこのぐらいなんですよというのが見えるようにご用意いただくのがいいと思っています。
【高岡委員長】 ありがとうございます。環境省、いかがでしょうか。
【小梶大気環境課課長補佐】 どのようにして算出しているかとか、その辺が分かるような形でできたら、出せたらいいかなと考えております。また検討していきます。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
ほか、よろしいでしょうか。
【伊藤茂男委員】 電中研、伊藤です。
【高岡委員長】 伊藤さん、どうぞ。
【伊藤茂男委員】 1点質問だけですけれども、排出原単位の見直しが進んでいくと思うのですが、そうしたときに、過去の排出量のデータというのを再計算されるということになるのでしょうか。これ、純粋に質問です。
【高岡委員長】 どうでしょうか、これ。
【小梶大気環境課課長補佐】 そこら辺の、先ほど言いましたけれど、過去との整合性とかもありますので、その辺も踏まえて、この委員会等でご議論いただけたらと思っているところです。
今後結果が出てきたときに、どのデータを採用するかというのもご議論いただけたらと思いますので、よろしくお願いします。
【伊藤茂男委員】 承知しました。ありがとうございます。分かりました。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
そうしましたら、よろしいでしょうか。
ないようでしたら、本議題についてはここまでとしたいと思います。今後、今日報告がありましたデータ等を用いてインベントリーを2018年に作り、精緻化していくということですので、本日いただいたご意見を基に、環境省はお進めいただきたいというふうに思います。ありがとうございました。
では、議題4.最後、その他でございます。事務局から何かありますでしょうか。
【小梶大気環境課課長補佐】 事務局からは特にございません。
【高岡委員長】 ありがとうございます。
それでは、本日用意しました議題はこれで終了となりますが、全体を通じて何か委員の先生方からご意見ございますでしょうか。ご意見あるいはご質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
ないようでしたら、本日予定の議題はこれで終了いたしましたので、進行を事務局にお返ししたいと思います。
では、事務局、連絡事項等あれば、よろしくお願いいたします。
【神谷大気環境課長】 本日は長時間にわたってのご議論いただき、誠にありがとうございました。本日の議事録につきましては、各委員にご確認の上、環境省ホームページにて公開することとさせていただきます。
それでは、本日の専門委員会はこれで終了いたします。本日は誠にありがとうございました。
午後 4時53分 閉会