中央環境審議会 大気・騒音振動部会 第6回 議事録
1.日時
平成27年2月4日(水)13:03~14:19
2.場所
環境省 第一会議室
3.出席者
(部会長) | 坂本 和彦 | ||
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(委員) | 相澤 好治 | 礒野 弥生 | 大塚 直 |
小澤 紀美子 | 橘 秀樹 | 中杉 修身 | |
(臨時委員) | 石田 東生 | 稲垣 隆司 | 内田 友申 |
片谷 教孝 | 金子 成彦 | 崎田 裕子 | |
塩路 昌宏 | 島 正之 | 大聖 泰弘 | |
谷口 博昭 | 田村 洋子 | 中山 寛治 | |
橋本 竹夫 | 前田 義秀 | 町田 信夫 | |
三隅 淳一 | 矢野 隆 | 山本 貢平 | |
若松 伸司 | |||
(自動車排出ガス専門委員会) | 河野 通方 | ||
(環境省) | 三好水・大気環境局長 | ||
早水大臣官房審議官 | |||
近藤総務課長 | |||
是澤大気環境局長 | |||
中谷環境管理技術室長 |
4.議題
- (1)今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について
- (2)報告事項
- ・水俣条約を踏まえた今後の水銀大気排出対策について
- (3)その他
5.配付資料
資料1-1 | 今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第十二次報告) |
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資料1-2 | 今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第十二次報告)参考資料 |
資料2 | 今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第十二次報告)概要 |
資料3 | 今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第十二次答申)(案) |
資料4 | 水俣条約を踏まえた今後の水銀大気排出対策について(答申) |
参考資料1 | 中央環境審議会大気・騒音振動部会委員名簿 |
参考資料2 | 中央環境審議会関係法令等 |
参考資料3 | 今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(諮問) |
参考資料4 | 自動車排出ガス専門委員会「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第十二次報告)(案)」に対するパブリックコメントの実施結果 |
6.議事
【近藤総務課長】 定刻を少し過ぎてしまいましたけれども、ただいまから中央環境審議会第6回の大気・騒音振動部会を開会いたします。
開会に先立ちまして、本日の出席委員数のご報告をいたします。
委員総数34名のうち、過半数を超えます22名のご出席をいただいておりますので、定足数に達しており、本部会は成立することをご報告いたします。
なお、礒野委員から少々遅れるとの連絡いただいております。
なお、本日は、自動車排出ガス専門委員会から河野委員長にご出席を賜っております。
本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき、公開とさせていただきます。
それでは、ここで、昨年7月に、水・大気環境局長に着任いたしました三好よりご挨拶を申し上げます。
【三好水・大気環境局長】 水・大気環境局長の三好でございます。
本日は、ご多用の中、ご出席を賜りまして厚く御礼を申し上げます。
あわせて、日ごろから、水・大気行政を含めまして環境行政にご指導・ご鞭撻をいただいておりますことを、この場をおかりして御礼を申し上げたいというふうに思います。
今日は1時からの開会ということで、私どものエレベーターの工事がございまして、本来は、もう少し時間をずらせばよかったんですけれども、なかなかご迷惑をおかけしたことを、私のほうからもお詫びを申し上げたいというふうに思います。
本日は、自動車排出ガス専門委員会におきまして、昨年の12月に取りまとめいただきました今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第十二次報告)について、ご報告をいただくとともに、これを踏まえまして答申案についてご審議いただきたいというふうに考えております。
また、その後に、水銀大気排出対策小委員会において審議されまして、先月の23日付で中央環境審議会会長から環境大臣へ答申がなされました水俣条約を踏まえた今後の水銀大気排出対策についての答申につきまして、ご報告をさせていただきたいというふうに考えております。
水・大気環境行政は、さまざまに取り巻く環境、動いてきておりますけれども、特に先生方、大気関係で申し上げますと、例えば、この冬場になりまして、国民の関心の高いPM2.5対策でございますとか、かねて懸案のアスベスト対策というのもございますし、また、私のほうで、局としてやらせていただいている仕事の中では、福島の放射能の除染の加速化でありますとか、あるいは中間貯蔵施設の整備でございますとか、あるいは、水の分野で申し上げますと、水循環基本法が成立しておりまして、それへの対応でございますとか、あるいは総量削減の新しい検討でございますとか、さまざまな課題が山積いたしております。
このような分野に関しまして、また、先生方のご指導をいただきながら、これらの課題に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
本日は限られた時間でございますけれども、先生方からさまざまご意見をいただきまして、我々としても、それを生かしていきたいというふうに考えているところでございます。
簡単でございますけれども、私からの挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
【近藤総務課長】 次に、前回の大気・騒音振動部会以降、新たに大気・騒音振動部会にご所属いただきました委員の皆様をご紹介させていただきます。
まず、崎田裕子委員。
【崎田委員】 崎田です。よろしくお願いします。
【近藤総務課長】 それから、三隅淳一委員。
【三隅委員】 三隅です。よろしくお願いします。
【近藤総務課長】 また、本日はご欠席されておりますが、髙岡昌輝委員も新たにご所属いただいております。
なお、梶原泰裕委員は退任されております。
続きまして事務局側でございますが、三好局長以外にも、前回から人事異動がございましたので、あわせてご紹介申し上げます。
大臣官房審議官の早水でございます。
【早水審議官】 早水です。
【近藤総務課長】 それから、水・大気環境局大気環境課長の是澤でございます。
【是澤大気環境課長】 是澤でございます。よろしくお願いいたします。
【近藤総務課長】 申しおくれましたが、私は、水・大気環境局総務課長の近藤でございます。
続きまして、お手元の配付資料のご確認をお願いいたしたいと思っております。
配付資料の表紙のところにございますけれども、配付資料一覧で、資料1-1が、今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第十二次報告)。資料1-2が、それの参考資料になります。資料2が、今後の排出ガス低減のあり方についての概要になりまして、資料3が、その低減対策のあり方の案になっております。資料4が、水俣条約を踏まえた今後の水銀大気排出対策について答申概要になって、参考資料としまして、名簿と法令と諮問とパブリックコメントをつけてございます。
もし、資料の不足等がございましたら、事務局のほうにお申しつけいただきますれば幸いでございます。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。
これ以降の会議の進行は、坂本部会長にお願いいたしたいと思います。
【坂本部会長】 それでは、早速でございますが、議事に入らせていただきます。
今日の議題の最初に、議題1、今後の自動車排出ガス低減対策のあり方についてでございます。
これは、平成8年5月21日付の諮問に対して、これまで随時答申がなされてきております。
前回、第11次答申は平成24年8月に取りまとめられましたが、その中で、引き続き検討すべきとされた課題等について、自動車排出ガス専門委員会で検討が行われ、今般、同専門委員会の第十二次報告として取りまとめられたものでございます。また、この報告を踏まえた第十二次答申案も事務局案として準備されておりますので、後ほど事務局に説明いただければと思います。
それでは、まず、自動車排出ガス専門委員会の第十二次報告につきまして、自動車排出ガス専門委員会の河野委員長からご報告いただきたいと思います。
河野委員長、よろしくお願いいたします。
【河野委員長】 自動車排出ガス専門委員会委員長の河野でございます。
それでは、「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」の第十二次報告について、まず、私からご説明させていただきます。
自動車の排出ガス低減対策について、大都市地域を中心とした大気汚染は依然として深刻な状況にあったことなどから、平成8年5月、環境庁長官から、中央環境審議会会長に対し、今後の自動車排ガス低減のあり方について諮問がなされ、大気環境部会--現大気・騒音振動部会でございますが--に付議されまして、そして、自動車排出ガス専門委員会が設置され、検討を行っておるところでございます。
近年、我が国の大気環境の保全及び国際競争力の確保の観点から、第九次から第十一次までの答申において、ディーゼル特殊自動車、ディーゼル重量車及び二輪車に対し、それぞれ排出ガス試験方法の国際調和を図ることが示されております。
本第十二次報告では、残る乗用車等の排出ガス試験方法や、ディーゼル重量車のブローバイガス対策の主に二つの事項について、他の自動車と同様に、速やかな国際調和を進め、排出ガス低減対策を図ること等により、大気環境の保全への貢献をしていくことが適当としております。
まず、乗用車等の排出ガス試験方法の国際調和について、次のような形で進めることが適当であるとの結論を得ております。
排出ガス試験サイクルについて、現行のJC08モードから、世界統一試験サイクル--これをWLTCと申しておりますが、これに変更すること、新たに排出ガス許容限度--規制値でございますが--については、現行規制と同等の排出ガスレベルを確保することとし、コールドスタートの重みが増える等、試験条件が厳しくなることを考慮したものとすること。
次に、ディーゼル重量車のブローバイガス対策の国際調和についてでございますが、ブローバイガスとは、内燃機関のピストンリングのすき間からクランクケースに漏れたガスで、エンジン外に出す必要があるものですが、我が国では、大気開放が禁止されております。
一方、国際基準では、日本と同じく大気開放を禁止しておりますが、例外的に過給器を備えた車両では、排気管排出ガスにブローバイガスを加算した測定値が規制値以下であれば、車両全体の排出ガスによる大気の影響は、ブローバイガスを開放しない場合とほとんど変わらないとの考えで、ブローバイガスの大気開放が許容されております。
こちらについても、専門委員会にて結果を確認した上で国際調和を図ることが適当との結論を得ました。
以上、二つの国際調和については、それぞれ適用時期についても提言しております。
さらに、本第十二次報告では今後の検討課題も整理しており、これらの事項は、専門委員会で引き続き検討してまいります。
報告書の概要については、事務局から説明していただきます。
以上です。
【中谷室長】 環境管理技術室長の中谷でございます。
私から、報告書の概要をご説明させていただきます。
報告書は、資料1-1、1-2になりますが、ボリュームがかなりございますので、資料2を使いまして、概要をまとめておりますので、こちらを使いましてご説明させていただきたいと思います。
資料2でございますが、まず、めくっていただきまして2枚目のスライドでございます。
ここには目次が書いてありまして、報告書の構成をご紹介したいと思っております。
まず、「はじめに」という部分がタイトルでございまして、ここで、今までの答申の経緯、検討の視点といったものを整理しております。これが1ページから5ページぐらいの分量になっております。
それから、2.としまして、ここから中身のお話になりますが、乗用車等の排出ガス試験方法の国際調和について考え方をまとめております。ページは5ページから16ページになります。
それから、三つ目としまして、ディーゼル重量車におけるブローバイガス対策の国際調和、こちらも考え方につきまして、16ページから18ページに整理をしております。
それから、最後に、今後の自動車排出ガス低減対策の考え方ということで、具体的には今後の課題ということをここで書いておりますが、こちらが18ページから最後のページまで、この課題を整理した内容をここにまとめております。
以上のような構成で報告書を作成しております。
具体的な中身については、次にご説明したいと思いますが、3枚目のスライドでございます。
まず、「はじめに」の中身でございますが、ここはご覧のとおりでございますが、今までの答申の経緯といったものを書いております。
先ほど、河野委員長からもお話がありましたように、平成8年の諮問以来、累次答申を出していただいておりまして、十一次答申というものまで出ているという状況でございます。
こちらの答申を出していただくことで排出ガス規制の強化を行いまして、その結果、世界でもトップクラスの規制を実施し、大気環境の改善を図ることができたのではないかなと考えております。
さらに、最近のその検討の視点というものを後半に書いておりまして、これはどういうことかと申しますと、最近では、国連におきまして自動車の排出ガス試験方法の統一化という議論が進展している状況でございます。その統一化によりまして、自動車メーカーにおいて、新たな環境技術の集中的な、リソースを集中することで開発が可能になるというふうなことをもちまして、国内外で非常に環境に優しい自動車が普及するのではないかということが期待されてきているという、そういう状況になっております。
その状況を踏まえまして、中環審においても、その試験方法の国際調和といったものを答申の中へ盛り込んでいただいているというのが現在の状況でございます。
右側に参考で表をつけておりますが、九次答申以降、車種はいろいろ異なりますが、順次、試験方法の国際的な統一化を図っておりまして、今回、十一次報告でまとめている内容になりますが、最後の乗用車が残っておりまして、乗用車関係の試験法ですね、今回、報告書ということで整理をしたという、そういう状況でございます。それと、加えまして、ディーゼル車のブローバイガス対策についても、基準値の関係で整理をしたという、そういう経緯を持っております。
次に参りまして、4枚目のスライドでございます。中身になりますが、
まず、一つ目の検討項目としまして、乗用車等の排出ガス試験方法の国際調和でございます。
ここに書いておりますように、日本も参加した形で、各国のいろんな走行データを持ち寄りまして、最終的に世界統一試験サイクルといったものが策定されております。
当然のことながら、この試験サイクルは、日本の走行実態のデータも提供した形で作成しておりますので、この走行実態を十分に反映したものになっていると考えております。したがいまして、この試験サイクルというものを国内にも導入することが適当であるというふうに報告書のほうでは判断をしているところでございます。
この世界統一試験方法の特徴でございますが、エンジンが冷えた状態で試験するという、いわゆるコールドスタートの試験だけで評価しましょうというふうなことにしておりまして、現行のその試験サイクルの評価よりは、さらに条件が厳しくなるということ、そういうルールを新たに組み込まれておりますので、これにつきましても、日本で採用することと判断しております。
以上が試験サイクルの中身でございますが、それから、今度は試験サイクルが新しくなるということになりますので、これに伴いまして、排出ガスの許容限度目標値について、あわせて見直しを行っているところでございます。
資料1-1の報告書の29ページ、30ページで一覧表をつけておりますが、この概要のところにも、乗用車につきましては参考で表をつけておりますが、ここに規制値一覧表を載せているところでございます。
この規制値の設定の考え方としまして、この世界統一基準というものを日本が参画してまとめたこともありますので、この統一試験法を早期に日本に導入するというのを目標にするということとしておりまして、そのため、規制値につきましては、現行の規制値と同等レベルというものを目標にして規制値設定を行ったところでございます。
このスライドの表にもつけておりますが、一部の規制物質では、見かけ上、その現行規制値より数字が大きくなっている規制項目がございますが、こちらにつきましては試験条件が、先ほど申し上げましたようにコールドスタートといったような、さまざまな試験条件が厳しくなるという、そういった条件を加味した措置になっておりまして、現行の規制レベルから緩くなっているわけではないということをご理解いただけたらと考えております。
それから、最後に、試験サイクルの適用時期の設定でございますが、最後の一文ですが、車両の開発、耐久性の確認、認証手続に必要な時間をそれぞれ考慮いたしまして、乗用車とその軽量貨物は4年後の、2018年から適用する。それから、それ以外の貨物につきましては、5年後の2019年から適用するという判断をしているところでございます。
次に5枚目のスライドをご覧いただきたいと思います。
ディーゼル車におけるブローバイガス対策の国際調和についてでございます。
ブローバイガスでございますが、これは何かと申し上げますと、右側の図にも少し書いておりますが、エンジンのシリンダーとピストンの間を抜けてしまうガスのことでございます。このガスにつきましては、今、現状、日本では大気開放を規制しておりまして、これはエンジンの吸気に戻すという、そういう措置をしているわけでございますが、今度新しく策定されました国際基準では、ある車種、過給機をつけましたディーゼルエンジンにつきまして、一定の条件のもとであれば大気開放を認めるという、そういうルールが存在しているということでございます。
一定の条件とは何かということでございますが、排出ガスの基準の適合性を確認する、評価する際に、排気管からの排出ガスに加えてブローバイガスを加算した状態であったとしても、そのガスの測定値が規制値を満足しているという、そういう条件が満たされるのであれば大気開放を認めるというルールを国際的に設けております。これにつきまして、専門委員会の中で評価を行ったということでございます。
真ん中に結果を書いておりますが、ブローバイガスのガスを排気管から出るガスに加算する、しないで、一体どういうにふうにガスの数字が変わるのかというのを測定した結果が、右の表につけておりますが、この表をもとに、専門委員会としましては、ブローバイガスを加算しても、しなくても、ほとんどガスの量が変わらないという、そういう結果を得ましたので、専門委員会としましては、ブローバイガスの取り扱いも国際ルールに合わせて差し支えないのではないかという判断を下しているところでございます。
それから、次に、この国際ルールに合わせるという取り扱いの時期でございますけれども、これはディーゼル重量車に対して、この取り扱いを適用するわけでございますが、別途、ディーゼル重量車につきましては、十次答申におきまして、2016年から新しい排出ガスの規制を順次開始していくというタイミングがございますので、これに合わせたものにしたいというふうに考えております。
あと、なお書きで最後につけ加えておりますが、このブローバイガスの取り扱いにつきまして、ただ、将来どうなっていくのかというところなのですが、やはり大気開放というところが非常に気になる部分がございますので、万全を期すということで、将来、この規制の適用を受けた車が世の中に出てきた際には、実際のそのブローバイガスがどういう状況になっているのかというのは、環境省のほうでモニターをして、フォローアップしていくと、チェックしていくという、そういうふうなことを検討しております。
次に、6枚目のスライドでございます。
こちらは、今後の自動車排出ガス低減対策の考え方についてでございます。
ここにご紹介させていただいておりますのは、専門委員会報告の中でも重点的に早期に取り組むべき課題ということで位置づけておるものを三つ取り上げておるところでございます。
まず一つ目でございますが、二輪車の排出ガス規制の関係でございます。
二輪車の排出ガス規制につきましては、日本では来年、2016年から新しい排出ガス規制というものが開始される予定になっております。さらに、国連の中で、そのさらに5年後を目途としまして、新しく、さらに規制強化を検討しようという議論が最近開始されておりまして、この議論に対してどう対応するのかということで課題としてつけております。
対応の方向性ですが、やはり日本として積極的にこの議論に参加していくとともに、新しく規制強化案がまとまれば、また、日本として採用できるかどうか、これも検討していくという、そういった方向を考えていきたいと思っております。
それから二つ目でございます。こちらはPM2.5対策になります。
PM2.5対策の中で、少し細かいのですが、まず、ガソリン車の対策を考えたいと思っております。
ガソリン車につきまして、そのストイキ直噴射というものが増加しております。ストイキとは、いわゆる理論空燃比で、完全燃焼させるような直噴ガソリン車でございますが、これが最近多くなってきております。この車両の燃焼方式によりますとPMが発生するということがわかっておりますので、こういった車両に対するPM規制を、また今後検討する必要があるのではないかと考えております。
それから、また別途、微小粒子物質等専門委員会というものが部会の下に設けられておりますが、その中で、総合的なPM2.5の対策というものが、現在、取りまとめが行われているところでございます。そこに自動車も含まれておりますので、その中で自動車に何か必要な対策というものが出てきた場合におきましては、これも引き続き、この自動車排出ガス専門委員会の中で検討していきたいと考えているところでございます。
それから最後、三つ目でございます。燃料蒸発ガス対策でございます。
こちらも、もうご存じのところだと思いますが、自動車の中でガソリン車ですけれども、ガソリン車からは、ガソリンを燃料としているということで、駐車時であるとか、それから燃料を給油する際に、燃料蒸発ガスと呼ばれますVOCが発生しております。これも光化学オキシダント、またPM2.5の原因物質になってきておりますので、これらの対策についてもしっかり検討していくということをまとめております。
専門委員会報告につきまして、概要は以上でございます。
さらに、あわせまして、パブリックコメントをご紹介したいと思います。
資料としましては参考資料4になります。一枚ものでございます。
参考資料4をご覧いただきたいと思いますが、専門委員会報告書をまとめるに当たりまして、昨年12月26日から、パブリックコメントを1カ月間募集しております。その結果でございますが、ここにありますよう3件のご意見をいただいているところでございます。簡単にご紹介したいと思います。
一つ目は、ディーゼル車の許容限度の強化についてなのですが、もっと厳しくできるのではないかというようなご意見をいただいております。
これはごもっともな意見なのですが、今回は、国際的な試験法を早期に導入するという観点で、現行規制と同等レベルの規制値を設定したという、そういう形でまとめておりますので、同等レベルの規制値を設定したということで回答しております。もちろん、規制強化につきましては、これで終わりではなくて、今後とも検討していくつもりでおります。
それから、二つ目でございます。
メタンの関係でございますが、メタンも光化学オキシダントの原因として規制すべきではないかという趣旨のご意見でございました。
こちらにつきましても、メタンは有害性が低くて、それから、ほかの物質との反応が少ない、安定した物質であるということから、今はVOC規制の対象となっておりません。
このため、自動車の排出ガス規制というものに対しても、規制対象にはしていないという現状でございますという回答をしております。
この取り扱いにつきましては、諸外国でも同様なことを行っておるという状況でございますというような回答を行いました。
それから、最後、三つ目でございますが、三つ目は、総合的な自動車排出ガス対策の推進。中でも、その交通量の抑制をお願いしたい、期待するというものでございます。
こちらにつきましては、環境省としましても、関連諸施策を引き続き推進していくというふうに考えておりますので、その旨、回答しております。
以上でございます。
【坂本部会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの報告につきまして、ご意見、ご質問などがございましたら、名札を立てていただければと思います。いかがでしょうか。
それでは、まず橘委員、お願いいたします。
【橘委員】 まず、ちょっと技術的な質問をさせていただきます。
これは、恐らく試験はシャーシダイナモを使ってやるんだと思うんですけれども、こういうシャーシダイナモについての国際的な規格、これは負荷のかけ方は相当、機械によって違うと思いますけれども、そういうものがあるのかどうか。
それから、資料1-1の、今のスライドには載っていなかったんですが、資料1の28ページの、いわゆる試験サイクルの絵が2枚載っていますけれども、これは何か使い分けるんでしょうけれども、絵を見たところ全く違いがわからないんですけれども、どこが違うんでしょうか。
それから、これは実態を表しているというのか、非常にアナログ的な絵になっていまして、このとおり走ったというのをどうやって証明するのかと、相関で求めるのかなと、ちょっと興味本位で考えていたんですけれども。しかし、許容値を決める試験ですから、相当厳密にやらなきゃいけないと思うんです。
それから、コールドスタートといっても、コールドという条件が国によって随分違うんではないか、日本でも、東京だと0℃前後だと思うんですけれども、スウェーデンなんかへ行くとマイナス何十℃なんてなると思うんですけれども、その辺をどういうふうにやっていくのか。
それと、技術的ではございませんけれども、これは大事な点で、この報告書といいますか、「許容限度目標値」となっていますけれども、これは何でしょう。
「許容値」ならわかりやすいんですけれども、「許容限度目標値」、目標ならばペナルティーなしなのか、単にガイドラインで目指しましょうというのかという感じで、こういうのを議論しているときにいつも問題になるんですけれども、これをオーバーしたらもうペナルティーというか、車の場合にはもう使ってはいけませんというのか、その辺をはっきりご説明いただきたいと思います。
【坂本部会長】 ありがとうございました。
五つほどございました。お願いします。
【中谷室長】 順番にお答えいたします。
まず一つ目のご質問で、シャーシダイナモ、この試験の規格があるのかどうかというところですが、すみません、詳しい状況というのがちょっと把握できてないのですけれども、基本的に、規格というのは今のところはないのではないかというふうな理解をしております。
ただ、今まで、既にこういうモードの走行といいますのが、世界的に、日本でも、もう大分前から実施されておりますので、それに十分見合うような試験設備というのは、ある意味で確立されたものが、こういうシャーシダイナモの作製されるメーカーさんからは安定した品質のものが出ているというふうに理解しておりますので、特に、そのばらつきといったものはあまり考えなくていいと思っております。規格というのは、今現時点ではないと思っております。
国によって、何かそういうのを定めているかといいますと、特にないのではないかと思っております。
それから、二つ目でございますが、試験サイクルの話で、報告書の28ページの試験サイクルの違いでございます。
二通り設定しておりますが、これは両方とも国際統一基準の中に組み込まれているものでございますが、この違いは、最高速度の違いによって試験モードを選べるようになっておりまして、一番上の試験サイクル①が、最高速度が120キロいかないような排気量が小さい車につきましては上の試験法で行いましょうと。
それから、120キロを超えるような、日本では普通の乗用車でございますけれども、それにつきましては試験サイクル②で実施するということになっております。
この違いは、高速側の加速度が、微妙に①のほうがなだらかになっていまして、最高速度が低い車でも追従できるような、そういうふうな、モードを若干、加速度をモデファイしたような試験方法になっております。
試験サイクル①につきましては、日本の場合、どういう車が当てはまるかといいますと、軽トラックになります。
軽トラックでも、かなりギア比が低い、スピードが出ないような設定のトラックにつきましては、この試験サイクル①で行うということになります。
ほとんどの車は試験サイクル②で実施するということでございます。
そういうふうな最高速度の違いで、この二つに試験方法を分けているという状況でございます。
あとは、このモードをどうやって走るというご質問が次にあったと思いますが、こちらは、実際に、このモードに合わせて、スライド4の排出ガス試験のシャシーダイがございますけれども、このモード走行は、実際に人間が運転して実際このとおり走ることになるのですが、人間が車を運転する際に、ドライバー席の上のほうにモニター画面がございまして、自分の車が、一体この線のサイクルのどこを今走っているのかというのがちゃんと出てくるような、そういうシステムがついていまして、そのモニターを見ながら、ぎざぎざになっていますけれども、それに合わせて人間が車を運転して走る。
その際に、このサイクルの幅というのが設けられておりまして、時間の幅と、それから速度の幅、それがある一定の幅を超えると試験は不成立、その幅の中で全部走り切れば試験としては成立するという、そういった試験を行っております。
ですから、その幅というのは各国共通になりますので、どこの国でどうはかろうが、評価方法としては同一なものになるという、そういう状況になっております。
次に、コールドスタートの関係のご質問があったと思いますが、すみません、温度は今、手元にないのですが、これも先生のおっしゃるとおりでして、かなり北欧とかですと寒い国があるのですが、今の国際ルールでは、一定の、マイナス30℃とかそんな寒い条件では試験せずに、一般的な、欧州、日本でもそんなに寒くない状態を想定して試験を行うというふうに、そういう試験方法で、どの国も同じ試験方法でやるということに決まっております。
ただ、ご指摘のように、極端に寒い国の場合はどうするんだというのは、それはおっしゃるとおりでございまして、その場合につきましては、実は、国際的なフォーラムの中で、非常に温度が寒い場合の、寒冷地での試験の評価方法といいますのは、別途、審議が続けられておりまして、それはそれで、まとまれば、また国際基準としてつくり上げられるという、そんな状況になってあります。
ですから、特別な一番寒い場合というのは、また、それは評価、これから試験法として検討が進んでいる状況であるということでございます。
あと、許容限度目標値の関係の質問がございましたけれども、目標値という言い方をしておりますが、自動車排ガスの規制の手法をご説明したいと思いますが、環境省のほうで排ガスの値を決めますと、それをもとにしまして、国土交通省におきまして、実際の規制を行うという、そういう役割分担になっております。
環境省の答申という形で規制値を決めていただきますと、実際、排出ガスの試験は国交省で行う。
その際に、決めた値を超えるような車があれば、それは、この車は販売できないという、そういうルールになっております。
ですから、目標値という表現をしておりますが、大きく超えていいのか、あるところまで許容されているのかといいますと、そういうことではないということでございます。
この数字を超えてはいけないという値、そういう、ある種の規制値になっているということでございます。
【坂本部会長】 橘委員、もう一つ何かあったような。
【橘委員】 時間をあまり食ってもいけませんので。
全く素人的な考えで質問してしまいましたけれども、だけども、シャーシダイナモというのは、それでイナーシャもあるし、トルクも決まってくるし、それに規格がないというのは非常に不思議な気がするんです。
日本では、いろんな計量証明事業なんかだと計量法があって、測定装置は全部決められているわけで、そこら辺の標準がないと国際的な規格と言えないんじゃないかなというふうに疑問を持ったものです。
それから、いろいろとありますけれども、最後の目標値というのは、今度、国交省サイドでの実施へ移った場合には許容限度になるわけですね。目標値が取れると理解してよろしいですね。
わかりました。どうもありがとうございました。
【坂本部会長】 大塚委員、どうでしょうか、よろしいですか。
【大塚委員】 いや、大事なんですけど、ちょっと私はガソリンベーパーの話をしたいので、ですから、後のほうで結構です。中杉委員のほうを先に。
【坂本部会長】 お願いします。
【中杉委員】 一言、パブコメの回答に対してのコメントです。
2番目のメタンなんですけれども、光化学オキシダントの中身、構成成分は何だという議論になるんですが、有害大気汚染物質の項目の中にホルムアルデヒドがございます。
ホルムアルデヒドについては、現状がどうかという判断はできないんですが、対象のホルムアルデヒドの起源というのは、一般にはメタンの光化学反応で生成するものの割合が非常に高いというふうに言われています。
ですから、そちらの観点から言ったときに、それは光化学オキシダントなのかどうなのかという議論は別として、何らかのことを考えなければいけないかもしれないということだけコメントしておきたいと思います。
【坂本部会長】 ありがとうございました。
では、大塚委員、お願いします。
【大塚委員】 79ページのところに出ている、先ほど、最後にご説明いただきました燃料蒸発ガス低減対策について一言申し上げさせていただきたいと思います。
第5次答申の後、この点については検討があまりなされていないようですけれども、光化学オキシダント等との関係もございますので、ぜひ検討を進めていただきたいと考えております。
79ページの図にあるように、対策すべきところとしては駐車時と、それからタンクローリーから地下タンクに給油するときと、それからガソリンスタンドと三つあるわけですけれども、恐らく対策をとるときに最大の問題になるのは、ガソリンスタンドのところをどうするかということで、これに関しては、自動車の単体対策でやっていただく方法、アメリカはそのようですけれども、それからガソリンスタンドのほうで対策していただくヨーロッパのような方法と両方あって、これをどちらにするかというのは結構、制度的には考えなければいけないところかと思いますが、逆にそこがネックになって進まないという可能性もあるので、ぜひ、そこのブレークスルーをしていただきたいということがございます。
私の考えを一言だけ申しますと、どちらも原因者的なところがあるので、どちらということもあり得ると思うんですけれども、どちらが対策の実効性が高いかということも考えて、ぜひお決めいただければと思っています。
一つの考慮事項としては、二輪車に関しては単体対策ができないので、恐らくガソリンスタンドの方がいいということになると思いますけれども、それ以外の考慮事項もいろいろあると思いますので、いろんな考慮事項を検討していただいて、ぜひ対策を進めていただいて、光化学オキシダント等の対応をしていただけるとありがたいと思います。
以上です。
【坂本部会長】 ありがとうございました。
片谷委員、お願いします。
【片谷委員】 私も、かつて光化学を大分やっていた人間として、今、大塚委員がおっしゃったお話に全く同じような意見でございまして、燃料の蒸気の問題というのは、これから、多分、一番大きな問題になると思いますので、これを積極的に取り組んでいただきたいというコメントが1点です。
もう1点は、ちょっと話が戻るんですけれども、今日の資料の事前説明をいただいたときに申し上げて、もう反映していただいているんですが、少なくとも見かけ上、その数値は大きくなっているということで、先ほど、中谷室長が、実態上、緩和にならないような設定であるということを強調して説明していただいていたんですけれども、多分、今日ここにいらっしゃる方はそれで理解できたと思うんですが、今後こういう資料が外に出ていったときに、やはり数字だけ見る人というのは必ずいるわけで、規制を緩めているじゃないかという批判が出てくる可能性というのは大いにあり得ますので、規制緩和にならないようにというよりも、実は規制は厳しくなっているはずなんですよね。
試験条件が、かなり加速度が高くなっているとか、コールドスタートの比率が高くなっているということですから、同じ数値を使えば厳しくなっているということだと思いますので、実質、厳しくなっているというようなニュアンスはどこかに、もし入れられるなら入れていただくといいかなという気がいたしました。
以上です。
【坂本部会長】 ありがとうございました。
ただいまのコメントに何か今の時点で、特にありませんか。よろしいですか。
幾つかお話がありましたけれども、ガソリンのベーパーですね、蒸発ガス、これについては別の委員会等々でも、どのぐらいのものが光化学にきいているかとか、そういったものが間もなくわかるようなところへ、だんだん行くと思います。
そして、今ご指摘のように、思ったより大きそうだというような情報が出てまいると思いますので、そういった時点では、今いただきましたコメント等を参考にして、そういったものの規制なり対策なりを考えていく必要が新たに出てくるのではないかというふうに思います。ありがとうございました。
それから、もう一つ、今回、モードなりが変わったことによって、国際調和をする関係で、少し数字が大きくなったので、見かけ上そういう誤解を招くおそれがありますので、そういったところについては十分に、見たときに、少なくともこれまでと同等か、もしくはやや厳しい目とか、そういったところへ行っているのだというのがわかるような形で説明してくことが必要ではないかというようなことを伺いましたので、そういったところは実際の運用のところでやっていただくということになろうかと思います。ありがとうございました。
そのほか、ございますでしょうか。
橘委員、何かございますか、よろしいですか、もしあれば。
【橘委員】 さっきのパターン①、パターン②の違いは、これはまだわからないんですけれども、時間微分すると差があるということですか、この波形の。要するに加速度に直すと。
【中谷室長】 すみません、これは重ね合わせると。
【橘委員】 違うんですか。
【中谷室長】 高速部分で、山の頭がなだらかに。
【橘委員】 じゃあ微分すればいいんだ。
【中谷室長】 まあ、そういうことです。そこが違います。
【橘委員】 だけど、この試験は楽しそうですね。何かゲームをやっているみたいなので。
【坂本部会長】 ただ、このあれに追随して運転するのは相当な熟練がないと、なかなかできないということであります。
そのほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ただいま報告いただきましたところについて、質問をいただきましたけれども、それでは、続きまして、自動車排出ガス専門委員会の第十二次報告を踏まえた第十二次答申の案を事務局で準備してございますので、それを説明いただきたいと思います。お願いします。
【中谷室長】 資料3でございます。
この資料3でございますが、答申にまとめる内容としまして、まず、先ほどご説明しました専門委員会報告書のうち、一番重要なエッセンスといったものを抜き出して整理したというまとめ方をしてございます。
実は、そういうまとめ方をしておりますので、先ほど資料2でご説明した概要といいますのが、中身がそのまま、この答申案として資料3という、そういう形になっておるということでご覧いただけたらと思っております。
したがいまして、簡単にご説明させていただこうと思っております。
まず、かがみのページ、1ページの部分でございますが、こちらには今までの答申の経緯を少しまとめております。
1段落目に、そういった答申の経緯を少し触れております。
それから、2段落目以降に、今回検討することとなりました二つの項目、乗用車の試験法、それからブローバイガスの関係、それの検討する理由も含めて簡単に記載しております。
その後、最後、後段ですけれども、こういった検討課題につきまして、二つの検討課題につきまして、自動車排出ガス専門委員会で検討を行いました。その結果をもとに答申を行うという、そういう流れを記載しております。
実際の答申の中身につきましては、最後の行ですが、「以下のとおり答申する」ということで、2ページ目以降に中身を記載してございます。
2ページに参りまして、まず一つ目は自動車の試験サイクルの導入についてでございます。
1.になります。
1.1では、試験サイクルについて、その世界統一試験サイクルを国内に導入しますという方針を示していただいております。
それから、先ほどの試験サイクルの特徴としまして、コールドの部分につきまして、そういう試験評価を行うということで、試験サイクルの特徴をまとめてございます。
それから、1.2に移りまして、ここから許容限度目標値の中身でございます。
それから、あわせて、この試験サイクルの適用時期の説明になっております。詳細は省略させていただきます。
それから、2ページ目の最後ですが、2.が始まりまして、ここからはブローバイガスの説明を書いております。
3ページに移りまして、特に、3ページの上から5行目からですが、ここに結論を書いておりまして、排気管のガスにブローバイガスを合算した測定値が規制値以下であれば、その大気開放を認める、国際基準に合わせるという判断をしたということでまとめております。
それから、次に参りまして、3ページの中ほどですが、3.今後の検討課題という項目でございます。
こちらは、先ほど資料2お概要で説明いたしました三つの重点項目について記載しておるところでございます。説明は省略させていただきます。
それから、5ページ以降は、先ほどのサイクルの図をつけておりまして、6ページ、7ページが規制値一覧という、そういった構成にしております。
以上でございます。
【坂本部会長】 ありがとうございました。
それでは、今説明をいただきました答申案につきまして、ご質問、ご意見等ございましたらお願いいたします。
なお、この答申案の4ページの3.3のところをご覧いただきますと、先ほどコメントとしていただいたようなところの内容が、今後、早急に検討すべきだという形で書いてございます。
いかがでしょうか、ご質問、ご意見がございます方は、名札を立てていただければと思います。
どうぞ、橘委員。
【橘委員】 先ほどの、今回の改正が緩和ではないというような点、それから、先ほど私が質問しましたけれども、やはりこの絵を見ていると、今度、こういうのが公表されたときに、一般の方が見て--あまり一般の方は見ないかもしれないけど、そういう、どこが違うんだというような素朴な疑問を持たれないように、ひとつよろしくお願いします。
【坂本部会長】 ありがとうございました。
どうぞ、稲垣委員、お願いします。
【稲垣委員】 基本的にはいいと思いますが、3ページの3段落目、ただし書きのところ、「ただし、実環境下におけるブローバイガス量の増加が懸念される」と、書いてありますが、実際の資料1-1のところを見ると、「使用過程において、磨耗してくることによって増えてくる」と増加する原因が書いてあります。
17ページの下2行目ですね。ですから、ここにもうちょっとコメントを加えたほうがいいと思いました。
それともう一つ、先ほど言うべきでしたが、先ほど来、大塚先生等が言われました、ガソリンを給油するときとか、タンクへ入れるときのベーパーガスについては既に、私が勤務しておりました愛知県もやっておりますけれども、一部の自治体においては、条例で既に規制しているところもたくさんございます。早急に、これらの実態も把握していただいて、検討を進めていただけるとありがたいなというように思います。
【坂本部会長】 ありがとうございました。
事務局、何かあれば。
【中谷室長】 ご指摘ありがとうございます。
そうしましたら、ブローバイガスの答申案の部分につきましても、具体的なその中身を追加するみたいな形で、磨耗とか、そういう原因を書くということで対応させていただこうと思います。
それから、燃料蒸発ガスにつきましても、今ご指摘いただきましたように、ステージ1の実際の自治体の取組につきましては、調査をこれからやっていきたいなと思っております。ありがとうございます。
【坂本部会長】 ありがとうございました。
そのほかはいかがでしょうか。
もし、そのほか、ご質問ないようでございましたら、今、稲垣委員からコメントがございました3ページのただし書きの部分につきましては、修文を事務局と検討させていただいて、最終的な文案に、私と事務局で相談して決めさせていただくということで、ご了解いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
(はい)
【坂本部会長】 ありがとうございました。
【三好水・大気環境局長】 ご指摘をいろいろありがとうございました。
特に国民の方に、今回の趣旨が間違って伝わらないようにということは非常に大事でございますので、その辺り、今後の説明資料等を作成する場合に留意してまいりたいというふうに考えております。どうもありがとうございます。
【坂本部会長】 ありがとうございました。
幾つか、例えば図なんかも、場合によっては一番違っているところを拡大して少しつけるとか、そういうことをすれば、もう明確に、この部分がそうだということがわかるかなという気がいたします。
それでは今、少し修文させていただくということでご了承いただきましたので、最終的に修文したものを本部会の決議として、中央環境審議会の武内会長にご報告させていただきます。その上で、会長の同意が得られましたら、中央環境審議会議事運営規則第6条第1項の規定に基づき、審議会の決議としていただき、大臣への答申の手続をとらせていただきたいと思います。
本件について何か、事務局のほうからありましたらお願いします。
【中谷室長】 本日は、今後の自動車排出ガス対策のあり方につきまして、第十二次答申の案をご審議いただきまして、本当にありがとうございました。
坂本部会長のお話がありましたように、この後、中環審より答申をいただきましたら、これを受けまして、環境省としまして、これから告示の改正を行いまして、この中身が実際に規制としてなされるという手続を、これから作業を行っていきたいと考えております。
どうもありがとうございました。
【坂本部会長】 どうもありがとうございます。
それでは、続きまして、議題2、報告事項でございますが、水俣条約を踏まえた今後の水銀大気排出対策についてということでございます。
これは、26年3月17日付の環境大臣からの諮問に対し、平成26年4月18日付で、前回の部会において、水銀大気排出対策小委員会の設置について了承されたところでございます。
その後、小委員会において計8回にわたって審議され、その結果をもとに、平成27年1月23日付で、中央環境審議会会長から、環境大臣へ答申されたものでございます。
それでは、答申につきまして、事務局から報告をお願いいたします。
【是澤大気環境課長】 それでは、資料4に基づきましてご説明させていただきます。
1枚目が概要となっておりまして、2枚目が会長からの答申文、そして、別添として小委員会で取りまとめをいただきました内容のもの、審議会の答申ということで原文がついてございます。
1枚目の概要の紙でご説明させていただきます。
今般、水俣条約を踏まえまして、水銀の大気排出対策についての規制措置が必要ということでございます。
それにつきまして、大気汚染防止法に基づく既存の有害大気汚染物質の枠組みとは別に、やはり新たな規制措置を設ける必要があろうということで、その枠組みについてまとめていただいてございます。
まず最初に、新規施設に係る規制と書いてございますけれども、条約で求めておりますBATを対象施設に適用させる手法といたしまして、排出口における濃度による排出限度値規制を用いることが適当というようなこと、さらに、そのBATにつきましては、今後、具体的な値は検討するわけでありますけれども、技術進歩に応じて見直していくことが適当であるということ。
それらを踏まえて、測定義務であるとか、対象施設の設置届出等々の所要の制度を整備していくべきだということになってございます。
それから二つ目、既存施設に係る規制でございますが、これについては、基本的には新規施設と同一の制度による措置を講ずることとして、新規施設とは別に、既存施設としてのBATに適合した排出規制値を設けることが適当という内容でございます。
また、排出規制対象施設の規模につきましては、原則として一定規模以上のものに限定するということで、具体的な基準等は今後検討していくということになっております。
その4番目でありますけれども、排出規制対象施設の選定の基本的考え方でございまして、条約では、規制対象として5種の発生源分類に該当する施設、これを求めております。これらは規制対象とすることが適切であるという内容です。
さらに、条約の対象外の施設でありますけれども、鉄鋼製造施設のように、我が国においては規制対象施設と同等に水銀を相当程度排出する施設がございます。これらにつきましては自主管理基準の設定等、より一段積極的な自主的取組を求めるということにしております。
また、その取組状況については、国において定期的に把握、評価すべきということでございます。さらに、事業者・国民の自主的な排出抑制取組の責務といたしまして、事業者一般に対しては、自主的な排出抑制の取組を求めること、国民に対しては、水銀添加製品の適切な廃棄、あるいは製品購入時の水銀含有量の少ない製品の選択等の努力を求めることとしております。
大きな2番目、目標やインベントリーについてでございますけれども、まず、大気排出対策の目標の設定につきましては、排出量をできる限り抑制する観点から、インベントリーを活用して、排出量の定量的な把握・評価を定期的に実施していくべきということになっております。
そして、インベントリーについては、これは事業者の自主的な取組として、排出状況に関する広範なデータを実効的に収集できるようにすることが適当である。
その次、国・地方公共団体の責務といたしまして、国は、水銀排出抑制技術情報の収集整理、国民に対する普及啓発、さらに、開発途上国支援等を講ずるべきであるということ。
また、地方公共団体においては、規制を適切に実施し、事業者に対する情報提供、住民に対する知識の普及を図り、インベントリー整備へ協力していくことが適当であると、このような内容の答申をいただいたところでございます。
簡単に、今後の予定についてご報告を申し上げます。
本答申を踏まえまして、環境省におきましては、今国会に大気汚染防止法の改正法案を提出すべく、今、調整を進めているところでございます。
また、その後、無事、法整備が整いました暁には、必要となる政省令等の整備を進めていくことになりますけれども、それにつきましては、法整備後に、環境大臣から中央環境審議会に対しまして諮問を行い、それらの事項を検討する場を、大気・騒音振動部会のもとに新たに設置をいただいて、専門的な議論をお願いしたいと考えております。
なお、最後に、水銀に関する水俣条約の状況についてご報告いたします。
一昨年10月に採択された後、これまでに我が国を含めまして128カ国が署名して、10カ国が締結という状況でございます。
50カ国の締結から90日後に発効するということになってございます。我が国としても、早期締結に向けて、引き続き努力をしていきたいと考えております。
以上です。
【坂本部会長】 ありがとうございました。
ただいま、資料4に基づきまして説明をいただきましたけれども、これにつきまして、ご質問等はございますでしょうか。
資料4に一枚紙の概要がございまして、答申のかがみ、その後に答申の本文が別添としてございます。
崎田委員、お願いします。
【崎田委員】 質問ではありません、コメントです。
これに参加をさせていただいておりましたので、このように、今後は法整備と政省令の整備、そして実施と、少し時間はかかっていきますが、きちんと進めていただくことを期待しております。
それで、その後のフォローの仕組みが大変重要だと思っております。
特に、今お話しいただいた(4)の自主的な取組を行っていただく業界などの取組にも、国においてきちんと定期的に把握、評価するということが入っておりますので、法令上、把握、評価するものと、それからこのような自主的なものとを、できるだけ一緒に、全体的にフォローしていけるような形が続くと大変うれしいなと、期待しております。よろしくお願いします。
【坂本部会長】 ありがとうございました。
そのほかはいかがでございましょうか。
大塚委員、どうぞ。
【大塚委員】 ありがとうございます。
私も参加させていただいておりましたのでコメントです。
崎田委員がおっしゃったこととも若干関係しますけれども、この水俣条約との関係では三つの部会に分かれて検討されておりまして、それぞれに関して、お互いに連携するようにしていただいていたと思いますけれども、今後また、法律ができたり対策が始まっていったときに、ばらばらにやることになる可能性もあると思いますので、ぜひその保健部とか廃リ部とかとの関係も、連携を深めながら対応していっていただけるとありがたいと思います。
特に、インベントリーの活用とかの関係では、必ずしも大気だけの問題ではありませんので、水銀全体の問題ということになると思いますので、その観点をぜひ忘れずに進めていっていただけると大変ありがたいと思います。
以上です。
【坂本部会長】 ありがとうございました。
はい、どうぞ。
【早水審議官】 今の点、ご指摘ありがとうございます。
水銀の関係につきましては、条約にもありますけれども、国として実施計画をつくることができるとなっておりまして、今回の法案につきましても、保健部のほうで用意している法案の中で、国が計画をつくるという部分があります。これはいろんな対策を全てカバーすることになりますので、それを実際につくったり、あるいはレビューしたり、そういう中で、多分、各それぞれの取組をまとめて見ていくということになると思いますので、ご指摘のような形で進めていきたいと思っております。
【坂本部会長】 ありがとうございます。
そのほか、いかがでございましょうか。
よろしいでしょうか、ただいまの報告につきまして。
(はい)
【坂本部会長】 ありがとうございました。
そういたしますと、本日用意いたしました議題は、1それから2ということで、その他ということは特にございません。
委員の先生方で何かございますか。よろしいでしょうか。
よろしければ、ただいま申し上げたような形で本日の議題は全て終了いたしましたので、今日の第6回大気・騒音振動部会を終了したいと思います。
それでは、進行を事務局にお返しいたしますので、連絡事項等あればお願いいたします。
【近藤総務課長】 坂本部会長、ありがとうございました。
閉会に当たりまして、水・大気環境局長の三好よりご挨拶を申し上げます。
【三好水・大気環境局長】 本日は、今後の自動車排出ガス低減対策のあり方の第十二次答申につきまして、お取りまとめいただきましてありがとうございます。
本日のご議論にもございましたけれども、国際基準値を考慮しつつ、我が国の大気環境保全を図るということでございまして、そういう方向性をお示しいただいたというふうに考えております。
特に乗用車につきましては、四輪車の中でも、世界的に、国内的にも、生産販売台数に占める割合が非常に大きいということでございます。今回の世界統一試験サイクルを我が国が導入していくということで、国内の自動車産業の国際競争力の確保にも寄与しつつ、大気環境の保全にも貢献することができるというふうに考えているところでございます。
また、ご指摘いただきましたガソリンベーパー対策につきましても着実に進められるように、引き続き努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
また、ご報告させていただきました水俣条約を踏まえました今後の水銀大気排出対策にかかる答申につきましては、坂本部会長に小委員会の委員長として取りまとめ、特に水銀排出対策で、世界をリードする取組をするという方向でおまとめをいただきました。部会長を初め、小委員会にご参画いただきました先生方に、改めて御礼を申し上げたいというふうに思います。
最後でございますけれども、実は、この大気・騒音振動部会という形で設置されましてから2年が経過したところでございまして、今期をもってご退任される委員の先生方もおられまして、この場をおかりいたしまして厚く御礼を申し上げたいというふうに思っております。
また、次期もご再任される委員の先生方におかれましては、引き続きご指導・ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。
今後のことでございますけれども、例えば、環境基本計画の点検ということで、大気あるいは水質、水環境の分野もございます。また、大気環境の問題のみならず、騒音、振動も含めまして、さまざまな課題に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えておりますので、その点も含めまして、引き続きご指導いただければというふうに考えています。
本日は、どうもありがとうございました。
【近藤総務課長】 本日は、お忙しい中、長時間にわたるご審議をありがとうございました。
議事録につきましては、こちらで案を作成し、先生方にご確認をいただいた後、ホームページで公表する予定としております。
これで終了とさせていただきます。ありがとうございました。