2008年度中央環境審議会地球環境部会自主行動計画フォローアップ専門委員会合同会議 議事録

開催日時

平成20年12月3日(水)10時00分~12時00分

開催場所

砂防会館別館1階 淀・信濃会議室

出席委員

茅委員長、碧海委員、秋元委員、石谷委員、潮田委員、逢見委員、角田委員、橘川委員、河野委員、内藤委員、中上委員(中環審と併任)、中山委員、芳賀委員、福川委員、森本委員、山本委員、米本委員(以上、産構審)
大塚委員長、浦野委員、中上委員(産構審と併任)、藤江委員、増井委員(以上、中環審)

議事内容

(近藤環境経済室長)皆様、おはようございます。私、事務局をしております経済産業省の近藤と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 ただいまより、2008年度第2回産業構造審議会環境部会地球環境小委員会、中央環境審議会地球環境部会自主行動計画フォローアップ専門委員会合同会議を開催いたします。
 本日は、ご多忙のところ、ご参集いただきまして大変ありがとうございます。合同会議の開催に先立ちまして、両委員長からごあいさつをいただきます。
 まず、茅委員長からお願いします。

(茅委員長)おはようございます。毎回だだっ広いところで会議をすることになりまして、大変居心地が悪い気分になるのではないかと思いますが、人数が多いものでご容赦いただきたいと思います。
 京都議定書が約束期間に入りまして、この産業界の自主行動計画というのが大変重要な意味を持ってきたわけですが、そういう意味でもこの委員会を行うということが重大な意味を持つと認識しております。よろしくどうぞお願いいたします。

(大塚委員長)では、中環審のほうの大塚から多少申し上げたいと思います。
 本年3月に改定されました目達計画におきましては、自主行動計画では政府による厳格な評価・検証を実施するとされているところでございます。自主行動計画の目標達成を通じて、我が国の京都議定書の削減約束の達成を確実にしていく必要があると思います。このために、第1に、約束期間の排出量の見通し、それから、第2に、目標達成をするための具体的な対策、第3に、目標達成が困難になった場合の京都メカニズムクレジットの活用といった点を確認して、自主行動計画の目標達成の蓋然性を向上させることがぜひとも必要でございます。
 第1点と第2点と関連いたしまして、私自身としては、このテーマの自主行動計画の目標の引き上げは必ずしも十分ではないと考えておりますが、この点については後で詳しくお伺いしたいと思います。
 それから、第3点に関連いたしましては、10月に決定されました試行排出量取引スキームに自主行動計画参加企業がスムーズに参加していただくために、現在どういう状況になっているかということが重要になっていると思いますけれども、この点についても後でお伺いしたいと思います。
 本日は、各ワーキンググループでの審議の結果を踏まえまして、各業界の取り組み状況を厳格に評価・検証するために、委員各位に積極的なご議論をお願いしたいと思います。また、各委員からの質問に対する回答が必ずしも十分でない場合など、審議が十分に尽くされていないと考えられる場合には、さらにフォローアップ委員会を開催することを求めていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

(近藤環境経済室長)ありがとうございました。
 本日は、事務局側の経済産業省は産業技術環境局長以下、それから環境省からは地球温暖化対策課長以下が参っております。
 それでは、以降の進行は茅委員長にお願いいたします。

(茅委員長)本日の議事に入る前に、一、二ちょっと申し上げたいと思うのですが、ご承知と思いますが、この自主行動計画は、ことしの3月に京都議定書目標達成計画が改定されまして、その中でこれを政府の制度としてきちんと検証を行うということになっております。その意味で、この委員会の役割というのもかなり公的なものになったということが言えると思います。そんなこともございますし、既に京都議定書は約束期間に入っているということもございますので、ここの委員会の審議というのは大変重要で、その審議の透明性を上げる必要があるということでございますので、従来は議事概要だけを公開しているんですが、今後は議事録自体を公開するというふうにして透明性を図りたいというふうに考えておりますが、よろしいでしょうか。

(異議のないことを確認)

 特にご異議がないようでございますので、それでは、そのように進めさせていただきたいと思います。
 それでは、議事に入りますが、まず最初に、資料1、2008年度自主行動計画評価・検証結果及び今後の課題等について、近藤室長からご説明をお願いします。

(近藤環境経済室長)資料1について説明。

(茅委員長)ありがとうございました。
 正直言って、かなり大部の内容を大変短い時間で説明なさったので、おわかりにならない部分がかなりあったかと思いますが、後の質問の時間でご質問いただければと思います。
 続きまして、ことしの10月から11月にワーキンググループをそれぞれ開催しておりまして、そこで資料をまとめておりますので、各ワーキンググループの座長、あるいは座長代理の方からそれぞれの内容について、簡単にご報告をお願いしたいと思います。
 ただ、鉄鋼ワーキンググループの佐久間座長、資源エネルギーワーキンググループの山地座長代理、このお2人がきょうは欠席でございますので、これらのワーキンググループの議事については事務局から報告するという形にしたいと思います。
 それでは、化学・非鉄金属ワーキンググループの橘川委員からお願いできますでしょうか。

(橘川委員)どうも、よろしくお願いいたします。
 資料1で言いますと19ページから22ページに化学・非鉄金属ワーキンググループの議事概要が載っております。
 先陣を切って、10月20日にワーキンググループを開催しました。時間が短いので2つだけ申し上げます。
 全体として業界の努力は可とするするものの、掲げた目標と2007年度の実績、あるいは達成目標との間にまだ乖離が残っているので、精力的な取組が必要であるというのが全体的な意見でした。今年度は2つくらい特徴的なことがありました。1つは、CO排出原単位が悪化していることが多いわけですけれども、かなりのポイントは、購入電力のCO排出量原単位が高くなっているということで、ある意味ではそれぞれの業種でいかんともしがたい部分もあるために、ぜひ原子力発電の早期の再開、最もこの改善が求められるという意見が出ました。
 それから、もう一つは、伸銅業界などに既にあらわれているわけですが、景気後退の影響が出始めています。2005年度、2007年度の生産量実績が下がるという新しい動きがみられます。ただし、各業界とも目標値としてはまだ生産拡大を掲げています。私どもは、日経平均が一番下がったときよりも前にワーキンググループを開催したというようなこともありますが、景気が悪くなって生産が下がってきますと、エネルギー原単位は悪くなる方向へ、しかしCOの排出量は少なくなる方向へ変化するということで、今後、この要因をウォッチしていく必要があるということがこのワーキンググループで明らかになりました。そのほか、素材産業が多いので、前から話題になっておりますLCA的な取組をどうするのか、さらに、我々の任務を越えたところではありますが、ポスト京都議定書を見据えて、セクター別の世界的な取組を強化する必要があるとか、抜本的な技術革新を進める必要があるというような意見が出ました。
 以上です。

(茅委員長)ありがとうございました。
 では、次に、自動車・自動車部品・自動車車体ワーキンググループと、電子・電機・産業機械等ワーキンググループをあわせて石谷委員からお願いします。

(石谷委員)まず、資料1の32ページから自動車・自動車部品・自動車車体ワーキンググループの概要が書いてございますが、全体的な印象は、今橘川委員がおっしゃったことと非常に重なっておりまして、やはり電力の排出係数の影響をかなり受けているということと、稼働率が少し下がり出しているという話もございます。
 ページで言いますと、37ページになるかと思いますけれども、まず、自動車工業会と自動車車体工業会はある程度のCOを排出しておりますが、これは大体目標達成は可能ではないかと見られて、極めて順調だと考えております。自動車工業会と自動車車体工業会は今年度から一括して評価するということになっております。今お話しがありましたように、COの排出量目標を設定していますので、経済的には大問題だと思いますが、目標達成は多分可能ではないかというようなお話です。
 それから、2番目の自動車部品工業会は、原単位は達成しておりますが、排出量はふえております。これは絶対量がふえているという話でございますが、今後の見通しは非常に不明確で、今後どうなるかわからないということもございますが、必要ならCDMを考慮ということで対応するということになっております。
 それから、3番目の日本産業車両協会は、先ほどのシェアを見ますと、今回の対象の比が0.0%となっておりまして、極めてわずかなのですが、これも目標を達成するのは必ずしも楽観できないので、この場合にはやっぱりCDMを考えていく。それから、この委員会の中では、部品工業会から提起されましたが、コジェネの算出方法、これのトータルの排出量への影響と企業が受ける影響というのはギャップがありまして、フォローアップとしてはこれも評価に反映してはどうかといったような議論もございました。
 それから、先ほどLCA的な話というのもございましたけれども、自動車でも、やはり製品はCO削減に貢献するけれども、つくるときにはCOがふえるというような話もありました。これは前から常に最終商品をつくっている分野では問題になっております。
 それから、もう一つ、49ページになりますが、電子・電機・産業機械等ワーキンググループを11月末に開催いたしました。
 これもページで言いますと52ページですか、一括した表が出ております。この中で非常に排出量の大きいのは電機・電子4団体でございまして、これは目標水準を引き上げてまいりましたが、ここのところへ来てやはりもっと最後の改善性というところがちょっと不透明になっている。ただし、原因はかなりはっきりしていまして、生産量の増加と、それから電力係数がかなり影響しているということです。この中で対応はやはりCDMということになるかと思います。
 それから、2番目以下は、排出量をごらんになっていただいてもわかるように、非常にわずかでございますが、それぞれ目標達成が必ずしも容易ではないということになります。
 ベアリング協会もやはり電力の排出係数がかなり影響しております。それから、建設機械工業会は既に目標を引き上げて、一応排出係数のところの計算次第では達成できるということになっており、ここでは現在の排出係数を使っていますのでやはりきついのではないかと、そういった議論がございました。それから、あと、産業機械工業会、工作機械工業会は排出量は非常にわずかですけれども、やはり達成ができない場合にはCDMを考えていると、大体そういうことでございますけれども、先ほども化学・非鉄金属ワーキンググループでもご説明があったように、稼働率もだんだん落ちてきまして、原単位が一時的にはかなり悪化するという予想があるということです。ただし、総量としては不透明であり、この辺についてはちょうど11月末だったものですから非常にわからないところであって、今後見直しをもう少ししっかりとやっていく必要があるというような議論がございました。
 以上でございます。

(茅委員長)ありがとうございました。
 それでは、次に、流通・サービスワーキンググループと、製紙・板硝子・セメント等ワーキンググループを中上委員にお願いします。

(中上委員)2つご報告させていただきます。まず、流通・サービスワーキンググループですが、議事概要でいきますと28ページからでございます。
 全般的な議論はそこに幾つか書いてございますけれども、主な論点としましては、やはり2007年度に実績で目標を達成している業界においては、引き続き再検討を願って、目標の引き上げについて検討をいただきたいという意見が出ておりまして、別に強い反対はないので前向きに検討していただけるように伺っております。
 それから、長年参加している団体と新しく参加された方がふえて、仲間がふえることは非常にいいわけでありますが、まだまだその間に温度差がございまして、まず、新しく入られた方にはデータをきちんと精査していただいて、データをきちんと評価することについて、そういうところから取り組んでいただきたいというようなご意見もございました。
 それから、総排出量についてでございますが、これも協会加盟社数がふえてまいりますと、スタートライン、ベースラインがみんな違ってくるわけでございます。1990年度のデータはほとんど手に入らないわけですから直近のデータでということで、95年度であったり2000年度であったり、あるいは2002年度であったりという、ベースラインの年が違ってくるわけです。したがって、総量自体の定義であるとかその評価が難しい面もございますが、それはともかく参加することに意義があるということをまず報告させていただいて、事後評価については改めて別なところを評価していただく必要があるのではないかと思います。そうしないと、これから参加される方は、ほとんど古いデータはございませんので、そういうところでもし縛りがかかってしまうと、参加する気が余り期待できないことになるので、これはほかでも同じではないかと思います。
 業界別では特に問題はございませんでした。やはりこの業界は、消費者と直接接している業界でございますので、できればご自分たちが取り組まれている状況を含めて、消費者向けにも精力的にCO削減対策メッセージを出していただきたいというご要望が、各団体に向けて発せられましたが、それぞれにマイバック運動であるとか、あるいはポリ袋の削減等を通じて、消費者に的確なメッセージを伝えるようにご努力をいただいていると伺っております。
 それから、今回、情報サービス産業協会にご加盟いただきましたが、この業界の原単位を何でとるかというのは、ほかの業界は、平米時間当たりという原単位を使っているわけですが、情報サービスはそうではなかろうということで、何かうまい原単位があるといいなという議論がありました。
 概ね各業界とも、総括表はその次のページに書いてありますが、順調に減ってきていると思いますが、これはほかの委員の方からも座長からもお話がございましたけれども、時の景気に大きく左右されるわけでございまして、ここに至ってまた消費が落ち込んでいるようでございますから、そのほかの業種を殺しては意味がないので、減ればいいという話ではないのでという話もございました。それが流通業界でございます。
 引き続きまして、製紙・板硝子・セメント等ワーキンググループは44ページからでございます。これは西尾座長がご出席できなかったので私がかわって議事進行をやらさせていただきましたが、この業界は、製造業の中にあっても、エネルギー多消費企業と呼ばれるグループでありますが、ここでもメンバーはいろんな方が入っておられるわけでありまして、例えば染色工業会とか、ガラスびん協会は、90年度ベースの生産量から考えますと、現状ではほぼ当時の半分ぐらいしかその生産量が上がっていないということでございまして、確かに総量は減っているわけでございますけれども、この辺もなかなか難しい問題だなという気がいたしました。ここ二、三年は、開始当時に比べれば非常にその努力が見えていることは高く評価したいというご意見もございましたし、痛々しい面もあると思います。ただ、細かいところまでよくお聞きしたいんだけれども、業界によっては細かいデータもないのもあるので、その辺はそろえていただきたいというお話があったように記憶しております。
 次に、河野委員からだったと思いますが、排出量取引の試行制度ができたが、各業界はどのようにお考えかというような論議がありました。各業界は、例えば製紙連合会は前向きに取り組んで検討していくと答え、セメント協会は、基本的には個社の判断に任せて、各社に任せて、カバー率80%ぐらいは参加すると思われるとのことでした。染色工業会は、環境省の自主参加型取引制度に5社ほど参加しているので、こうした活動を通じて参加する企業もふえてくるのではなかろうかとのことでした。板硝子協会は、協会としては取りまとめしていないが、各社が検討していると聞いているとのことでした。ガラスびん協会も各社の検討を伺い、日本衛星設備機器工業会は、業界としての意見取りまとめはしていないが、各社ベースだろうといったご意見が出ておりました。
 それから、経済状態が悪くなっても計画的に省エネの努力をするのかというお話がございまして、製紙連合会は、省エネ投資は各工場に積み上げると、競争力維持のために引き続き多分行っていただけるのではなかろうかというご意見でしたし、セメント協会は、経済合理性に基づいた対策は行えるはずであるとのことでした。先行でトーンダウンすることではないというお話だったように思っております。
 それから、製紙連合会に対して、植林をやっていると言うけれども、どこに植えているんだと、前の木を切って植えたって意味がないだろうと意見がありましたが、そういうところではなくて、ほとんどが廃棄された牧草地や農地に植えているので炭酸ガス回収には役立っているはずだというような話でございました。
 それから、景気悪化についても言及しておりましたけれども、GDPの増加率と紙の生産量は相関が高いけれども、どんな根拠で設定したのかというのがありまして、いろいろあるようでございますが、国際競争力向上のために大型設備を導入することはやっぱり必要な、内需のほか、今後輸出が増加すると考えて、そういう意味で国内だけではなくて国際的な動向も見ながら考えているといったようなご意見もございました。
 ほかには細かいご意見も幾つかありますけれども、そこに記載してありますが、48ページに業界の進捗状況の数値が出ておりますが、先ほど橘川委員、あるいは石谷委員からお話がございましたように、生産量の低下ということは総量削減という意味では、これは非常にいい方向かもしれないが、原単位がどうしても悪化してしまうので、ベースはエネルギー消費があるものですから、生産量が落ちてしまうと原単位が悪化してしまうということで、二律背反をすることがあるからなかなか難しいですねというご議論がこの業界でもございました。
 主要なところは以上でございます。

(茅委員長)ありがとうございました。
 残りのグループは、先ほど申し上げましたように座長ないし座長代理の方がご欠席ですので、事務局側で説明してもらいます。まず鉄鋼ワーキンググループ。

(宮本製造産業局製鉄企画室長補佐)よろしくお願いいたします。
 事務局から報告させていただきます。なお、本日は、地球環境小委員会の委員でもある米本委員が鉄鋼ワーキング委員でもありますので、事務局の報告で追加があれば後ほど補足いただければ幸いでございます。
 では、ご報告させていただきます。鉄鋼の自主行動計画につきましては、日本鉄鋼連盟の自主行動計画の目標をまず御説明させていただきますと、粗鋼生産量1億トンを前提として、2010年度に鉄鋼生産工程におけるエネルギー消費量を基準年の1990年度に対し10%削減するというものです。上記目標は、2008年度から2012年度の5年間の平均値として達成するというものです。ただし、粗鋼生産量が1億トンを上回る状況においても、京都メカニズムクレジットの活用等も含めて最大限努力するというものでございます。なお、鉄鋼業界では、上記エネルギー消費を削減に見合うCO排出量削減量として、90年度に対して9%削減ということを設定しております。
 実際に現状報告に行かせていただきますと、ページは24ページから27ページになります。
 24ページの議事概要のご報告になりますが、2007年度は、世界的鉄鋼需要が旺盛でありまして、粗鋼生産量は90年度比で8.8%増加しております。鉄鋼は、そうした中、省エネ努力においてエネルギー消費量を削減し、90年度比で2.7%減少となっております。なお、COについては1.8%減少になっております。
 今後の目標達成の蓋然性のところについてですが、今後、省エネ対策及び京都メカニズムクレジットの活用を含めて目標達成に最大限努力するとしておりまして、具体的には省エネ対策においては3.2%相当分を措置する計画でございます。また、京都メカニズムクレジットにおきましては、昨年度は4,400万トン購入契約済みであるとご報告したところではございますが、今年度は5,900万トンを購入契約済みという形で、1,500万トン増加した形でご報告させていただいております。さらに、それ以外は、生産工程における取組に加えて、廃プラスチックの活用や、あるいは鉄鋼製品、産物を通じた省エネ、国際流通協力による地球規模の省エネ等の取組を強化するといったことを今年度はご報告させていただいております。
 実際に委員からのご指摘については議事概要を見ていただきますと、24ページから26ページになりますが、総じて各委員からは、鉄鋼業界は総量目標を立てており、実際に省エネ努力を行い、さらに今後努力するという姿勢が見られることから、総じて高く評価するという評価をいただいております。また、具体的には、さらにその省エネ努力を引き続き行うべく、できる限りの努力を行うよう、さらに高炉スラグの有効活用が可能であれば活用していただきたい。あるいは、今年度は国際比較として、RITEあるいはIAEAの国際比較として、日本が高炉で、世界で最も削減ポテンシャルが少ない、あるいはエネルギー原単位の比較で最も有意であるという報告を行っておりますので、そうした国際比較を行うことは大変重要であるというご指摘もいただいております。
 なお、最後に鉄鋼業界の今年度要望といたしまして、現行の廃プラスチックの有効活用のために、マテリアルリサイクル優先制度の撤廃や、自治体への容器包装リサイクル制度への一層の参加の要請等が行政に対して出ております。また、製品段階の評価をするために、LCA評価等の評価を適切に行っていただきたい。あるいは、京都議定書目標達成計画でも、今後セメントの利用引き上げやグリーン購入法で言及されているところですが、高炉スラグの有効利用の拡大のために、CO排出削減拡大のために、政府としてきちんと取り組んでいただきたいといった要望も出ております。
 報告は以上でございます。

(茅委員長)ありがとうございました。
 それでは、資源・エネルギーワーキンググループお願いします。

(近藤環境経済室長)これは私のほうからご報告申し上げますが、河野委員からもご出席を賜っており、それから、中環審からも大塚委員、増井委員にご出席いただいたものですから、必要に応じてご指摘ください。
 資料は、38ページをごらんいただけますでしょうか。
 資源・エネルギーワーキンググループは非常に大きなグループでございまして、まず最初に電気事業連合会でございますけれども、その一番下のところでございますが、2008年度はどのような数字になるか、要するに柏崎刈羽の地震についてどのようなことでしょうかという質問があり、それについてはなかなか難しいですという話がありました。
 そその次について、地震の関係で計画が立てられないのであれば、CDMについてどのようにするか考えてほしいというような指摘がありました。
 1枚めくっていただきまして、原子力がなかなか動かないということについてどう考えるかということ。
 一方で、これは天災だったんではないですかという指摘、電力会社は安定供給のためにやって頑張っているんですという指摘、それから、排出原単位の公表をできるのではないかなどの指摘がございました。
 電気事業会に対しましては、下のほうで新エネについての記述が少ないとか、それから、電気自動車の評価が一部に留まっているのではないかというような指摘がございまして、いずれにしても原子力活用についてもいろいろな議論がございました。
 次に、39ページの下の石油連盟でございますけれども、石油については目標達成になっているんですけれども、目標の引き上げを行うべきではないか。できないのなら、その理由をちゃんと示すべきではないかというご指摘を伺っています。
 日本ガス協会については、コジュネの見直しがついてございますが、これは火力平均でなっておりますけれども、そういう主張でいいのでしょうかという指摘がございました。
 40ページの中ぐらい、鉱業協会ですけれども、鉱業についても目標の引き上げを行うべきではないかという指摘がございました。
 石灰石鉱業協会については、目標達成の込みを教えてほしいという指摘がございました。
 石油鉱業協会については、CCSの地震についてのリスクということについて説明してほしいという指摘がございました。
 40ページの下から、特定規模電気事業者関係でございますが、これは、目標の値が現状に比べて悪くなっている。それについてどういう見通しなのか教えてほしいという指摘があり、これについては、個別事業者の動き、業界をまとめているというのではなくて、それぞれの個社が取りまとめているだけなんですけれども、石炭火力計画なんかを入れたりするとこういう数字になっているところですというご回答などがございました。その回答について、少なくとも現状よりもよくするべきではないか。あるいは、CDMをどうするかという理由や、少なくともIGCCやCCSの導入を検討すべきではないかというような指摘がございました。それから、どのような技術的な工夫があるか、あるいは、アセスメントの中でどのように考えているのかというような指摘もございました。
 最後にLPガス協会ですけれども、ここは、公表について、電力効果であるので、電力の削減効果と分けた整理をしたほうがいいのではないかというようなご指摘がございました。
 以上でございます。

(茅委員長)ありがとうございました。
 いろいろご質問あるかもしれませんが、全部の資料の説明が終わってから一括していたしますので、そのようにご了解をお願いいたします。
 それでは、次に、資料の2について、これは藤原参事官よりご説明をお願いします。

(藤原大臣官房参事官)資料2について説明。

(茅委員長)ありがとうございました。
 それでは、一応説明はこれで終了いたしましたので、委員の皆様からご質問、ご意見をいただきたいと思います。お手元の名札、これを立てていただいて、その状況を見て私のほうから指名いたしますので、発言をお願いしたいと思います。よろしくどうぞお願いいたします。いかがでしょうか。
 それでは、まず秋元委員からお願いいたします。

(秋元委員)ご説明いただきまして、余りに範囲が広いのでコメントのしようがないんですけれども、一応自主行動計画については、このメカニズムが非常に有効に働いているということがもう一回立証されたのかなというような感じがいたしますし、国内クレジットの排出権取引が今の自主行動計画の穴を埋めるというような意味で中小企業の環境運動の意識を高めて参加してもらうと望ましいと思っております。もう一つは、景気が非常に悪いので、こういう方向で中小の支援にも有効だというようなこともありますので、こういうメカニズムをますます検討していただきたいと思っております。
 ただ、全体的として量的に見ますと、やはり一番最初にもご説明がありましたけれども、柏崎刈羽の話題は、それの停止の影響が非常に大きかったというようなことが、これが逆に、原子力が多彩な削減に対していかに強力な手段であるかというようなことをマイナスの面から実施をしたというようなことにもなるわけですし、京都議定書の達成のためには原子力が貢献してもらうということが不可欠だというようなことが出てきたというような感じがいたします。
 実際に計算してみますと、2007年度の実績をベースにして、2012年度までに6%削減を達成するためにどのくらい足りなくなったかというと、1億1,700万トン足りなくなったということのようです。その中で電力がもし今掲げているような目標が達成できれば、1億400万トンが賄えるというようなことで90%カバーできるわけです。これだけ大きなものはないわけで、やっぱり柏崎刈羽がまず早く戦列に戻ってもらうということがいかに大事かということがありますし、もう一つは、やはりアメリカや韓国などに比べて非常に下がっている稼働率、これは今の地震の影響だけではなくて、やはり計画外停止が、日本は非常に少ないんですけれども、1回原子炉がとまるとアメリカの4倍も5倍も時間かからないと炉は動かせないというようなことがあって、今規制点検をいろいろとやっておられますし、いいほうには向いているわけですけれども、やはり基本的には地元の理解であるとか、マスコミの姿勢であるとか、社会としての仕組みというものまで考えを変えていく必要があるのではないかというような気がします。
 そういうことを考えると、やはり一業界の努力だけで電力が抱えている1億400万トンというのも達成するということは非常に限界があるというふうに思いますし、これだけ原子力の力が大きいということもわかってきたわけですので、この専門委員会として、国を挙げて目標達成をしてもらえるように支援をしていくんだというようなアピールをすることが望ましいんではないかと思っております。
 以上です。

(茅委員長)ありがとうございました。
 では、石谷委員。

(石谷委員)どうもありがとうございます。。クレジットの話でもよろしいですか。

(茅委員長)はい。

(石谷委員)1つは、49ページのところで、先ほどちょっと説明を省いたんですけれども、今秋元委員がおっしゃったことと全く同じような議論をしておりまして、これはこういう対象の業種が大幅にCOが増加したのは電力の係数ですけれども、これは電力業界だけで解決するような問題ではないというものです。だから、やはり国が責任を持って、最大限の努力をして進めていただきたいというような印象が非常に強かったように思います。ただ、ここの議論ではないので説明は省略いたしましたので、ぜひこれは進めていただきたいと思っております。
 それから、それに係わる話ですけれども、このスキームのところをさっき説明いただいて、自主的目標でクレジットが発生するというのはどうかというふうにちょっと最初聞こえたんですが、内容については、この業界の目標と、それから自身の最善の値の厳しいほうをとるということで、これはこれで非常に整合性がとれていると思いますが、まず第一に自主行動目標の設定そのものがもともと自主的であったということで、これの横並びを見たときにどうかという議論はここではなかったと思います。ですから、そういうところでフェアではないけれども、非常に不公平なそういう力、何か余地が出てくるのではないかと思います。こういったようなことを一体どういうふうに透明性を持って評価するか非常に重要かと思いますので、その点についてはぜひ何らかの形でしっかりと納得のできるような議論を進めていただきたいと思います。
 目的はあくまでも、これはやっぱり排出権取引のスキームについての試行だと思います。どういう問題があるかとか、それをどう現実に対応するかということなんですが、やはり日本語では抜けていますけれども、排出権取引の前に割り当てというのが非常に重要な課題でありまして、そのあたりが自主的な申告でいいのかどうか、このあたりについてもやはり同時に議論していただかないと、結局どこかでホットエアみたいなものが、国内でまた出てくる可能性があるので、そのあたりのところをもう少ししっかりと議論をいただければ今後のためになるのではないかと思いましたので、この辺だけよろしくお願いしたいと思います。

(茅委員長)ありがとうございました。
 角田委員。

(角田委員)評価・検証のところで、非常に厳しい時代だけに効果がどうだろうかと思っておりましたら、目標達成した業種や、未達成業種だけれども一生懸命頑張っているということでございます。その非常に厳しい時代だけに、効果がより高い評価で出てくるわけでございますから、未達成のところは大変ご苦労でございましょうが、なお一層達成に力を注いでいただきたいと思っております。
 しかしながら、非常にいい形で進んでいるのではないかと思っております。それから、項目の中でも、原子力というものがいろんな問題に発生していくのだということもわかります。ぜひそういうところもご配慮いただきたいと思います。
 それから、引き続き国民への理解と情報ということで、私はやはり達成して良い成績だったところは国民に知らせていくメリットや、そういう効果も出さなければならないのではないかと思います。もう一つ、自主行動計画は皆さんの業界の関係でございますが、これとあわせて同時に国民も取組今、非常に一生懸命やって、企業とともにグリーン物流やCOの簡易測定だとか、これからいろんな評価すべき問題点をつくっております。そういうところも加えていただく、国民の取組もこれとあわせて入れば非常にユニークでおもしろいのではないかと思っております。
 それから、もう一つ、私ちょっと気になることは、今、非常に中古の自動車が世に流れてしまっているということで、フロンの問題で今、国民は非常に問題を持っているわけでございますので、フロンの面もあわせて何かのときにお知らせをいただけたら結構かと思っております。どうぞよろしくお願いします。

(茅委員長)ありがとうございました。
 河野委員。

(河野委員)短く4点ほど。第1に、この総括にも書いてあり、前の委員会でも出たことがあるんですけれども、国内でこれだけ営々として誠実にやっている日本国内でさえ余り評価が高くなくて、正直言って、海外ではほとんど軽視・無視されており、高い評価が全くないというのは、いつも海外で接触ある先生方の話です。今これによれば、ホームページで書いてあると言うから、そのホームページを終わったら、今日引き出してみますけれども、一体どういうことをうたっているのか、日本語で書くと非常に謙虚に物を書くから、役所というのは、本当はもっとプロパンダやるということでないと、こういうことをやっていますよと、もっと真っ当に見てくださいよということを訴えるべき。訴えてあると思うけれども、訴えていなかったらまた注文をつけたいと思っています。
 2番目に、国内での排出量取引の試行の問題で、きょうも随分細かい説明があったけれども、こんなややこしい手続があって、事務取引が誠実に物を考えるのはいつものことだから結構だと思うけれども、実際業界に聞いてみると、一体こんな細かくて、全部読んで入ってくる人がどれだけいるかと思います。もっと簡便な説明の仕方があるのではないかと思います。局長がきょう見えているからお尋ねしたいんだけれども、募集してから、今どの程度の反響があったのか、今まで、それをちょっと教えてもらいたい。
 3番目に、この前のワーキンググループのときにも原子力は少し出たので申し上げたのですけれども、これは官で決めてあることみんな周知徹底されたわけだ、不幸があったようなことではあるけれども、それで結構なんです。それで問題は、皆さん腹の中で一体いつになったら、これは森本さん、出ていらっしゃる方がほとんどしゃべらないんです。いつやるかということは絶対言わないことになってしまう。だけど、それはいろんな差し支えがあるから言わないだけであって、僕の勝手な解釈によれば、今柏崎だけではないんです。ほかの電力みんないろいろ原子力問題抱えているわけであり、お金をかけているんです。どういう気持ちでかけているかというと、それは極めて切実で、新しい原子炉をつくるつもりぐらいで買い取るとペイすると思っているんです。2つ理由があって、1番目は経営上、コストが安いことが決定的に重要なんです。2番目に、COのみでいつも燃料をたたかれているわけだ。これもやればクリアできるんです、国全体もそうだし、それは切実感というのは生半可なものではないです。やっておるんでしょう。僕は1年後に、ここでもしこの会合が開かれれば随分自体は変わっていると思います、正直言って。
 4番目に、これはワーキンググループのときにも出た話なんだけれども、ダイヤモンドパワーは、石炭火力を新しくつくろうとしている。他社の人が来て大した話にはならなかったんですけれども、考えてみると、石炭火力をCO論議だけの視点だけで100%割り切るのか、セキュリティーだと経済性、3つか4つの要素があると割り切るのかという、このことをはっきりしないと、いたずらに議論が混迷するだけである。これは政府がこの石炭火力をこれからどう考えるのかということについて、単純でもいいから原則をしっかりしてみろと、それなりの議論をだんだん進めないといけない。そうしてもらえれば、もうこれ以上具体的な話を申し上げるんだけれども、これもやっぱり解決する、金も出るんだからしょうがない、正直言って。それをどう考えていらっしゃるか、担当者がいたら後で答えてもらいたい。

(茅委員長)ありがとうございました。
 では、福川委員。

(福川委員)福川でございます。3点お伺いしたいと思います。
 1つは、これまでもしばしば出た原子力の問題で、柏崎刈羽をどうするかということについての展望は、皆さんも大変関心のあることだと思います。それで、今これから非常に世界同時不況ということで非常に景気が落ちてくる、こうなっていったときに、多分電力の需要は落ちていき、そのときに原子力の比率や原子力の稼働状況というのはどういうふうに上がっていくのか、それによってかなり二酸化炭素の排出量は減ってくると思いますが、柏崎刈羽が普及する場合としない場合とで、そして電力需要がどのくらい落ちていくのか、落ちていったときに原子力依存はどう上がっていくのか、二酸化炭素はどのくらい削減できるのかという見通しをお伺いしたいと思います。
 2つ目は、国内クレジット制度についてですが、今河野委員からもお話がありましたが、これも中小企業は確かにこういうことを経験をしておくというのは大事なことだと思いますが、なかなかこれ使いにくいと思いますが、いろいろ予算等措置も講じておられるということですが、中小企業がこの問題にどの程度適応できるのか、見通しをお聞かせいただきたいということであります。
 3点目は、この審議を通じて、政策問題がどの程度議論されたかということでございまして、今、その世界同時不況という中で、この金融危機が深刻な影響を世界経済に与えているわけですが、これで今問われていることは、金融部門の対処療法ということと同時に、これから世界経済全体の成長モデルをどういうふうに持っていくか、それを探求していくかということをまさにこの政策当局は考えるべき時期にあると思います。
 今、よく言われているのが、どうやって新しい有効需要をつくっていくかということが問われていますが、その中で言われているのが、今まで進めてきた産業革命以来の産業文明というのは、根底から見直さなければいけない、改革しなければいけない。こういうときにこの環境エネルギー問題を視野に入れた成長モデルということが議論をされるべきだと思いますが、1つ、大きな視点と同時に、この具体的な視点を見た政策対応ということをどういうふうにしていかれるか、これからの問題になりましょうが、これまでの審議の過程の中でそういう大きな政策課題をどうしていくのか、投資減税を進めていくのか、技術開発を進めていくのか、いろんな考え方があると思いますが、そういった新しい成長モデルとの関係でこの問題をどう取り扱うべきかというご議論があったとすれば、それをお伺いしたいと思います。
 以上です。

(茅委員長)ありがとうございました。
 では、森本委員。

(森本委員)この各業界のフォローアップの中で、購入電力の排出係数が増加したということをご指摘受けておりますし、各委員の皆様からも原子力のお話をいただいたところでございます。この2007年度につきましては、ご承知のとおり水力の渇水もございましたし、生産量増加もございまして、さらにこの地震によりまして残念ながら柏崎が停止したということになりまして、排出係数も1割ぐらい増加する形になって本当に申しわけないと思っております。
 それで、河野委員からもお話しがございましたけれども、これからどうなるのかということについてなんですが、東京電力におきまして、復旧と再開に向けて今、全力投球しているところでございますが、いずれにしてもこの状況につきましては、適宜情報提供しながら我々として進めているところなのですが、この再開時期につきましては、やはり地元の安全安心を大事にしながら地元のご理解を得て、国の設備点検等々に対する評価等々も踏まえてしっかり進めてまいりたいと思っておりまして、ぜひこのあたりご理解お願いいたしたいと思っております。
 なお、この柏崎の影響等々に対しまして、私ども原子力をしっかりとやっていくとともに、さらに業界全体として昨年度、京メカ1.2億トンを獲得していると申し上げたんですが、さらに現在では1.9億トン追加しておるところでございまして、こうした面もあわせて目標達成の蓋然性の向上に向けて全力で取り組んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 それにあわせて、全体の自主行動計画につきまして一言触れさせていただきたいと思っております。この全体の計画の中で経団連の自主行動計画というのは大部分になるわけでございますけれども、経団連のほうでもこのあたりについて分析されております。2007年度のCO排出量については、経団連ベースでは1.3%増加したわけでございますが、内訳としましては、生産活動が14.4%、90年度に比べましてふえておりますけれども、生産活動あたりのCO排出量は14.6%減少ということで、生産活動の増加を上回る効率の改善を実現していると思っております。
 そうした中で、残念ながら先ほどの中越沖地震等々の影響によりまして、COの排出係数が1.4%増加する形になりまして、結果として1.3%増加という、こういう形になったわけでございまして、各委員の皆さんからおっしゃられたように原子力の影響というのは大きいなということで、本当にしっかりやっていかないといけないなと思っております。
 仮に、この原子力の長期停止の影響がない場合ということで試算いたしますと、CO排出量は減少しておりまして、自主行動計画そのものは確実に実績を上げてきているという思っております。ということで、いずれにしても、この低炭素社会実現のカギというのはやはり原子力だと思っておりまして、電力としましても繰り返しになりますが、全力投球してまいりたいと思います。
 ご指摘のありました原子力の設備利用率の向上の問題でございますけれども、いずれにしましても安全を大前提に関係機関の理解なども得ながら、諸外国でも既に積極的に取り入れられているところでございますが、状態監視保全でありますとかオンラインメンテナンス、また、柔軟な運転サイクルの面で保守管理技術や検査技術の高度化ということにしっかり取り組んでまいりまして、結果として利用率が向上するようにやってまいりたいと思っております。
 また、この全体計画について我々の責任も重いわけですが、今回も4業種が目標水準の引き上げも行っておりますし、こうした自主行動計画は社会的に公約している計画であり、世界にも例を見ないすぐれた取組だと思っておりまして、今後も着実に進めていくことが大事ではないかと思っております。私もそうした中で、供給力面の中でも京メカクレジット等、また、国内排出権CDMについても活用していきたいと思っておりますし、さらに需要面でも、ヒートポンプ等々含めた高効率機器の普及、こういった面、需給両面から全力投球していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

(茅委員長)どうもありがとうございました。
 では、米本委員。

(米本委員)1点だけ、むしろ練習問題として潜在的な問題点を指摘しておきたいと思うのですけれども、私は鉄鋼業界の中長期的な不足分について、排出権を買うというような試算をされておりました。それから、柏崎の原発ストップも、これは全く自然的な理由で、それでむしろ突発事故の部分は排出、あるいはCDM排出権もしくはCDMで見合わせるというようなお立場のようなのですけれども、1つ問題点は、もし個別企業に約束分の未達分を排出権取引で買う、しかもそれが非常に額が大きくなった場合、利益が明確に減少すると、これは削減という意味ではあるんですけれども、企業行動としては株主が文句を言うと、これは私が言ったんではないんですけれども、私の勉強会で、私がファンドマネジャーだったら法的根拠のない利益の、特に国外への移転ということに対して株主訴訟を起こすよなというようなことをディスカッションの中で、そういう意見を言った人が出まして、仮にそういうことが起こらないにしても、京都議定書の約束期間に限って、極端なことを言うと、今EUの排出量は安いので、日本のエネルギー集約産業だけが非常に大きなコストをこの期間に限って払うかもしれないことについて、産業政策として、あるいは日本としてどうするのかということについてそろそろ思考実験をやったほうがいいのかなと思いました。

(茅委員長)どうもありがとうございました。
 浦野委員。

(浦野委員)3点意見を、あるいはご質問したいと思いますが、まず簡単なほうから、1つは、電気事業関係で原子力の指摘がたくさんございました。これも非常に重要だと思いますが、やはり長期的なことも考えると、まず新エネの問題も非常に重要でございますので、電気事業として新エネの問題にも一層強化をしていただきたいというのが1点でございます。
 それから、2点目は、流通・サービス関係でございますが、これ自主行動計画に最近参加されたところも多くて、これの参加を促進すること、まずそれが大事だというのもよくわかりますし、また努力が始まったばかりで、まだ成果が十分出ないということもわかりますけれども、国民意識に非常に影響する分野でもありますし、エネルギー原単位、面積当たりとか原単位で物を考えていて、COの排出量はかなり増加をしているという状況も踏まえると、自主的な参加を促すと同時に、あるいは目標値についても何らかの新しい大幅に強化するための行政の新しい政策、支援等も含めた政策が必要ではないかというふうに思っております。
 それから、3点目は、国内クレジットの問題でございますけれども、これもまだ始まったばかりで、資料2の、最初の資料の5ページに、試行の状況を見ながら決定していく事項ということで書いてございますが、エネルギー起源CO以外のもの、特に私の関係では、いわゆるフロン等の3ガスの分野ですけれども、これは量的に少なくてもCOの排出量削減に非常に効果の大きい分野で、ここを大幅に促進するためには国内クレジットがうまく入るか入らないかでものすごく違ってくる可能性がございます。
 それから、国際的に議論されているのは、現在の京都議定書の3ガス以外に、従来から問題になっておった、いわゆるモントリオールフロンと言うんですけれども、CFCとかHCFCとか、これも温室効果ガスとしてカウントするという話が出ております。これもまだ国内には相当量蓄積しておって、これがもし国際的に京都議定書の後でございますけれども、入ってくることも意識すると、いずれこれも含めた国内クレジット制度ができると、この辺に対してはものすごく大きな効果が出るというふうに思いますので、この点もぜひ、少なくとも京都議定書で決められた3ガスについては早い時期にクレジット制度に組み込んでいただきたいというふうに希望します。
 以上です。

(茅委員長)ありがとうございました。
 では、藤江委員。

(藤江委員)幾つかのワーキングからCDMの必要性等についての言及がありましたので、CDMについてのコメントをさせていただきます。
 CDMの活用には、当然CO排出量削減ということを期待されている、直接的な効果も期待されているわけですけれども、これに伴いまして、ポジティブ、ネガティブ、多様な波及効果も考えられると思います。相手側、相手国にとって、例えば社会インフラの整備であるとか、あるいは持続的な発展とか、さらには我が国との友好関係というようなことも入るかもしれません。つまり、相手にとって喜んでもらえるほうが望ましいということになるわけでして、そういった点も見据えて、エフォートやコストあたりにどれくらいの波及的効果が期待されるのかというようなことも十分にご検討いただきまして、それを情報発信、都合の悪いところもあるかもしれませんけれども、そういったことを情報発信して、総合的にご判断いただくことがよろしいんではないかというふうに思います。
 以上です。

(茅委員長)ありがとうございました。
 では、増井委員。

(増井委員)ありがとうございます。まず、1点目なんですけれども、原子力の重要性について各委員からご意見があったかと思いますけれども、個人的には原子力、確かに重要ではあるんですけれども、それだけに頼ることのもろさと言いましょうか、危うさというのも今回示されたのかなというふうに思っております。ですから、たとえどんなことがあっても耐えられるような、そういうエネルギーのシナリオと言いましょうか、ミックスというところも検討する必要があるのかなというふうに考えております。
 2点目なんですけれども、資料1の71ページ、72ページあたりにCO排出量の増加の要因分析の表、グラフがあるんですけれども、その中に業界努力分という項目がありまして、そこをどういうふうに計算されているのかというのを、先ほど冒頭透明性の向上というようなことがありましたけれども、この業界努力分というのをどういうふうに計算されているのかというのをちょっと示していただきたいというふうに思います。
 と言いますのは、そのグラフを見ますと、業界努力分がプラスのほうに入っている業界が幾つかございます。それを単純に評価いたしますと、努力はしたんだけれどもプラスになっているのか、あるいは努力が間違った方向に行っているのかよくわからないというふうなことがありますので、あるいはこの全体の増減分から燃料転換分と電力原単位分を差し引いた、いわゆる誤差みたいなところで評価されているのかもしれませんけれども、この辺どういうふうに評価されているのかというのをお聞きしたいなというふうに思っております。
 それに関連してなんですけれども、72ページの星印の5番目のところに、電力原単位云々とう注釈があります。これらは環境省の専門委員会の際にも指摘させていただいたんですけれども、COの排出の計測の方法につきまして、各業界の自主行動ということで、それぞれ業界がばらばらに評価されているわけなんですけれども、こういう一覧表にされているときには原単位がもともと各業界で評価されたものと違う数値で評価されているところがあります。それは、各業界団体が評価されたレポートの数字とこういうふうなところに出てくる数字が異なるというようなことになりますので、それは若干混乱を来すのではないかというふうに思いますので、自主行動計画ではありますけれども、計測の方法、ガイドラインみたいなものというのをきちんと提示していただくというのがいいのかなというふうに思っております。
 最後なんですけれども、これもいろんな委員からご指摘ございましたけれども、現在も金融危機ということで非常に経済状況が苦しいわけですけれども、取組を決して緩めることのないように、政府のほうからも省エネ等々、CO削減に関する支援というのをぜひともしていただきたいというふうに思っています。
 以上です。ありがとうございました。

(茅委員長)ありがとうございました。
 では、大塚委員長。

(大塚委員長)4点、意見、質問させていただきたいと思います。
 まず第1点でございますけれども、PPSについてでございます。委員からの質問に対する回答というのに、11ページあたりが若干関係するんですけれども、特にダイヤモンドパワー社について、バイオ燃料混焼を極限まで行っていただいて、IGCCと同じ程度のCO削減効果をするとか、あるいは試行的な排出量取引に参加していただくということが考えられると思いますけれども、この点について、エネ庁さんのほうからお答えいただけるとありがたいと思います。
 本来であれば、資源ワーキンググループのほうに、ダイヤモンドパワー社についてご参加いただいて議論するのが必要だというふうに思いますけれども、今回PPSの自主行動計画の説明者がサミットエナジー社の方でしたので議論ができなかったという問題があったということを申し上げておきたいと思います。
 関連いたしまして、12ページのダイヤモンドパワー社の回答について若干、資源ワーキンググループは1回しか開催しませんでしたのでここで多少申し上げておきます。ご回答いただいているんですけれども、低炭素社会の行動計画の行動指針がない状況であっても2050年度までに60から80%の排出削減目標について、それに向けてあらゆる部門で現在厳しい対応をしていく必要があるということは明らかであると思いますので、最初に書いてあるところについてはちょっといかがかなという感じでございます。
 それから、エネルギーセキュティリーの観点の問題もここに出ていますけれども、ダイヤモントパワー社は今回40万キロワットということですので、この程度ぐらいのエネルギーセキュリティーについてそれほど留意する必要があるのかどうかという問題がございますし、排出原単位が0.8を超えるわけですけれども、そういう小名浜の火力を新設することについて説明が十分ではないということがございます。
 さらに、また少し下あたりに、古い効率の悪い発電所が新しい効率のよい発電所に置きかえられていることを促進しというふうにお書きになっていますが、これは理解できるんですけれども、だからといって古い火力発電所のスクラップについて何ら特に取り上げられていないような状況で、新規の石炭火力発電所を建設するという理由にはならないのではないかという疑問がございます。ということで、ここの回答に関しては若干疑問が残るということであります。
 それから、11ページのPPSさんのお答えについてでございますけれども、2010年度のCOの排出原単位の見通しを、昨年度0.56から0.58に悪化させた理由、それから、現在よりも大幅に緩い目標値である0.52というのを立てておられる理由についてですけれども、定性的な説明をされているわけですが、定性的な説明に終始されておりまして、目標値の妥当性について定量的な検証ができないという状況にあると思います。情報が表に出せないという問題もあるかと思いますが、委員だけにでも定量的な数値を説明していただいて、確実にフォローアップができるような体制をぜひ整えていただきたいと思います。
 PPS関連では以上でございますけれども、今の点について、PPSさんとそれからエネ庁さんにお伺いします。
 それから、2つ目に目標の引き上げでございますけれども、先ほどの資料1の16ページにございますように、現在目標達成している20業種がございますけれども、そのうち16業種は引き上げを行っておられないということでございまして、この目標達成16業種という黄色で書いてあるところの13業種と3業種のこの16業種でございますが、これについて目標の引き上げを検討していただきたいと思います。特に、この中でも11ページの右下のほうの◎Cに挙げてある6、7、8、9、10の5業種についてですけれども、この5業種については連続達成期間が3年以上になっていますので、特に積極的に引き上げについては検討すべきであると思います。先ほどもワーキンググループからお話が出ていましたが、特にこの5業種については目標の引き上げをぜひ検討していただきたいと思います。
 2006年度は8業種が引き上げをしましたし、2007年度は21業種が引き上げをしているわけですけれども、その結果、総計2100万トンCOの削減効果が目指されているわけでございますが、本年度は4業種だけということでちょっと少ないのかなというところがあります。これによると、削減効果がどの程度になったのかということについて事務局にお伺いしたいところでございます。
 昨年度まで目標引き上げを行ったために、それからあと、来年度の目達計画の全体の見直しに向けて、仮に産業界が目標の上げおろしをされているというようなことが仮にですけれどもあるとしますと、来年度に向けた基本的な考え方とか方針というのはどういうことになるのかということを事務局と産業界の16業種の方にぜひお伺いしたいところがございます。これが第2点でございます。
 それから、第3点でございますけれども、先ほど試行排出量取引スキームについてご説明がございましたけれども、自主行動計画の参加企業の方については、ぜひ原則としてそのスキームに参加していただくことが適切であると思います。先ほどルールがちょっと複雑だという話もございましたが、確かにそうなんですけれども、これは実験ということでいろんなオプションが入っているということがございますので、それから、先ほどご説明があったように、自主行動計画、補完するスキームとして有効であるというふうに考えられております。今回、このスキームの選定に関しては、産業界にとって負担がかからないように極めて配慮がなされているところでございますので、そういうこともございますので、原則としてすべからく、自主行動計画参加企業の方はこの仕組みに参加すべきではないかというふうに考えております。
 参加企業が少ないということは、自主行動計画の中で個々の企業の責任分担が決まっていないということを大いに疑わせるものでございまして、第一約束期間は既に始まってしまっていますので、個々の企業の責任分担が決まっていないという状況で京都議定書に対処していくというのは非常に難しいということがあると思います。現段階での個別企業の参加状況と、それから12月12日までの参加見通しについて、業種別に事務局からご説明をいただきたいと思います。
 それから、最後に第4点でございますけれども、電力業界さんについてCDMをどういうふうに買っておられるかという話はとりあえずもういいんですけれども、今年度中に既に買っておられるものについて償却をしていただけないかということがございます。これは、年間5,000万トンとか6,000万トンのCOの削減効果が電力さんについてはございますので、これは現在原発の稼働率向上がなかなか難しいということでCDMのほうを買っておられるわけですけれども、これをぜひ政府の償却口座のほうに移転していただくということを早期に行っていただけないかということがございます。これは必ずしも電力業界さんにはデメリットはないと思いますので、計画的に対応していくためには償却をぜひ進めていただけるとありがたいということでございます。
 以上、特に目標引き上げの検討、それから試行的排出量取引スキームの参加の点については、来年早々にもフォローアップが必要ではないかというふうに考えておりますので、意見として申し上げさせていただきます。
 以上でございます。

(茅委員長)ありがとうございました。
 それでは、今まで委員の方々からいろいろご意見をいただきましたし、ご質問をいただきましたが、それに対して事務局側から答えていただきたいと思います。最初に鈴木局長からお願いいたします。

(鈴木産業技術環境局長)産業技術環境局長の鈴木でございます。それでは、今いただきましたご質問を私のほうから何点かお答えさせていただきまして、その後、各担当からお答えさせていただきたいと思います。
 まず、1点目でございますけれども、角田委員からご指摘ございました、やはりしっかりやっているところはしっかりやっているというのを国民に示すべきではないかと、私も全くそう思います。やはりしっかりやってくださっているところは褒めることも大事だと思っています。しかるばっかりではやる気も出てまいりません。また、せっかくしっかりやってくださっていることを世にお示しするというのは企業のイメージがよくなっていくと、広告費の代替と言っては大変語弊がございますけれども、できますれば広告費の代替になるぐらいのものをしっかりと国民にお示しをいたしまして、褒めるべきところはしっかりと褒めたいということで私どももやらさせていただきたいと思います。
 それから、河野委員からこのような自主行動計画について海外で評価されないとのご指摘について、私も外国人の方々にご説明させていただきますと、やはり自主という言葉、この言葉で、そこで理解がとまってしまうと感じております。実は、外国人の方々にはこういうようなお白州の場があって、裁判所のように検事から徹底的にやられているのですよということをご説明すると、ええ、そんな検事がたくさんいるのですかと言うから、日本にはたくさんいらっしゃいますと、ここの委員の方々みたいな方というご説明をさせていただくと、じゃあ、何で自主という言葉を使っているのだというようなご疑問が出てまいります。やはりこういうふうにしっかりやっていただいているということをお示しするということが大事なのかなと思っております。
 それから、排出量取引の試行について、参加状況についてご説明申し上げますと、実は、10月末から参加を募集いたしまして、皆様方からご指摘がございましたように非常に複雑というご指摘もございましたけれども、この手続が大変でございます。こういう大変さを乗り越えられまして、本日ですけれども、第1号案件といたしまして東京電力が目標を設定されまして申請書を出されまして、私どもも受付をさせていただいたところでございます。それで、12月12日までの集中募集期間内にどの程度あるのかということでございますけれども、あえてきょうは申し上げることは避けたいと思います。
 と申し上げますのも、私どもは引き続き、一つでも多くの企業の方々にご参加をお願いしたいと考えておりますので、私どもがこの程度の見通しだということで言うと、大体見通しが立っているので自分たちは参加しなくてもいいのではないか、と誤ったメッセージになりますので、きょうはあえて参加の見通しを申し上げるのは控えさせていただきたいと思います。私ども12月12日まで、また、この排出量取引の参加ということだけでなくて協議会というところもございまして、実は参加をしたいんだけれども、この手続をかんがみてもうちょっと時間が欲しいという企業も中にはたくさんあります。そういう企業につきましては、そういう協議会にまずご参加をいただいて引き続き目標の設定をしていただくということで働きかけを行ってまいりたいと思います。
 それから、橘川委員のご質問である、国内クレジット制度についてどの程度の参加かということでございますけれども、実は私ども、2008年11月から3月まで、それから、来年度予算で、先ほど藤原から申し上げましたいろいろな手続のための補助と言いますか、助成でございますけれども、1,000件以上を見込んだ予算を計上させていただいております。私どもとしては少なくとも1,000件以上は中小企業のご参加をいただくように進めたいと思っているところでございます。
 それから、藤江委員からの、CDMについていろんな意味があるので、幅広く考えるべきではないかというご指摘について、全くそのとおりであると考えます。このCDMの実態を見てみますまと、政府が多いんですけれども、仲介者から単に買ってこられるCDMもございますし、それから企業の方々がみずから発掘されてつくられたCDMは、外国に対する協力のみならず、企業間連合としても非常に意味のあるものかと思っています。またあわせまして、グリーンインベストメントスキームという、例えばロシア、それからポーランド、ハンガリー、ウクライナ等々の排出量環境協力でございますけれどもスキームがございます。とりわけ金融危機が起こりましてから各国から非常に関心を持たれておりますので、環境問題をてこにしてと言っては大変語弊がございますけれども、より一層各国との関係を密にできるような、そういう対処ができないかということで今考えてございます。
 それから、目標の引き上げについて何人かの委員からご指摘がございました。こういう目標を達成したら次の目標についてチャレンジをしていただくということが非常に重要でございます。きょういただきましたご意見も踏まえまして、やはり達成された目標は常に見直しをいたしまして引き上げることが大事だと考えておりますので、その方針で臨みたいと思います。
 あと、幾つか質問ございますので、担当からご回答申し上げたいと思います。

(藤原大臣官房参事官)排出量取引関係からお話をさせていただきます。
 石谷委員の質問でございましたけれども、ホットエアが生じないための仕組み、それから自主行動計画の目標との整合性、水準の妥当性というものを、透明性の向上を図っていく必要があるということでございましたけれども、ご説明させていただきましたとおり、自主行動計画のフォローアップのワーキンググループなどで、きちんと第三者の評価を受けるという手続をきちんと踏んでまいりたいと思いますので、具体的なあり方については今後、ご説明、ご連絡をさせていただきたいと思っています。
 それから、河野委員からお話しがございましたけれども、この制度は産業界に負担をできるだけかけない仕組みにしてございます。実は、目標設定の申請も、これは後でごらんになっていただければと思いますが、3ページぐらいを書いていただくというような形になっていまして、実は申請書自体は極めて必要事項だけに限らせていただいておりまして、ぜひそのあたりはご理解いただきたいと思ってございます。
 それから、浦野委員からでございましたけれども、国内クレジットの対象ガスに、代替フロンを含めるということでございましたけれども、これは自主行動計画の整合性ということを考えており、ご承知のとおり、自主行動計画はエネルギー起源COを対象にしておりますので、決して代替フロン、あるいはメタン、その他を軽視しているわけではないのではございますが、当面としてエネルギー起源COに限らせていただいているところでございますけれども、ぜひその他のガス、エネルギー起源CO以外も検討事項にしてまいりたいと思ってございます。
 それから、局長が申し上げましたとおり、政府と経団連が事務局で努めております試行排出量取引協議会も既に多くの企業、団体から参加申請をいただいております。こちらのほうもぜひ参加を、募集をしていただくべく働きかけを強めてまいりたいと思ってございます。
 以上でございます。

(茅委員長)では、吉野課長。

(吉野電力基盤整備課長)電力・PPS関係でご質問ありましたものに関しまして順次お答えをと思います。
 まず、河野委員からご意見のございました石炭火力をどうしていくのか、原則をしっかりさせていくべきというご指摘についてでございますけれども、これに関しましてはおっしゃるとおりでございます。ただいま私どもは、電力供給システム全体の低炭素化を進めるためにいかなる課題があるかということで議論の場を設けておりますけれども、そうした中におきまして、長期の展望も視野に置いて、いかなる考え方や原則といったもとで石炭火力を導入していくべきなのか、今後技術的にはIGCC、CCSというものも順次導入されているわけでございますけれども、そういうものも視野に入れながら、どのような原則のもとで考えていくのか議論の整理をしていきたいと考えております。
 それから、福川委員からご質問のありました点について、まず1点目は柏崎の影響ということで、森本委員からも少しお話がございましたけれども、一般論としまして、柏崎刈羽原子力発電所が1年とまりますと2,900万トン、3,000万トンといったオーダーのCOの追加的な発生があるということで、それがなくなればその分戻ってくるということでございます。原子力発電所は、今や130万キロワットを超えるものが一般的でございますけれども、この一機分で大体火力を代替すれば600万トンと言われ、それから、1%の稼働率上昇で250万トンから300トンのCOがセーブできると言われております。
 それから、電力需要の今後の見通しとの関係でございます。これは、さきの5月に策定されましたエネルギー長期需給見通しの中である程度整理がされておりますけれども、その中で新エネルギー、省エネを最大導入するといったケースにおいての見通しなのでございますけれども、その中におきましては、2020年までは電力需要は徐々にふえていくシナリオの中で、原子力は44%程度までになるのではなかろうかと見通しております。それから、同じ原子力に関しましては、実際に準備から運転開始まで期間を要するということで、同じ程度原子力の導入を想定した上で、2030年にかけましては徐々に電力需要が減っていくのではないかという見通しのもとで、原子力の比率が49%まで上がっていくのではないかと、こういうような見通しが描かれているということでございます。
 私ども、福田総理のビジョンのもと、7月に閣議決定されました低炭素社会づくり行動計画のもとで、電力に関しては、2020年までにゼロエミッション電源、原子力を含めたCO電源の比率を50%以上にするべきとか、こういうような目標が掲げられておりますので、それに向けまして原子力、水力、地熱、それから再生可能エネルギーの導入ということに関してそれぞれの課題を整理して積極的に取り組むところを促していきたいと考えてございます。
 それから、大塚委員からPPSに関してご質問を幾つか受けた点でございますけれども、まず、小名浜火力は、今環境影響評価の手続の最終的な局面に入ってきておりますけれども、1つ目は、バイオ燃料混焼を進めていくべき、それから、統合市場にも参加をしていったらどうかという御意見でございますが、まず、既に小名浜火力の導入に関しましては、バイオ燃料混焼を一つのCO削減の方策としてお考えになっておられて、さらには、メガソーラーの導入といったことも中には入っているわけでございますけれども、このバイオ燃料混焼に関しては、技術的にどこまでが可能なのかと、最大限どこまで努力ができるのかといったところに関して引き続き、これについては私どもとしても話の中身をお伺いして検討をお願いしていきたいと考えてございます。
 それから、統合市場への参加に関しましては、これはPPSとしても今申し上げたようなバイオ燃料混焼などによって削減をしていき、削減努力を世に示しながらみずから取り組んでいくというような、そういう場としてとらえれば一つの方法論かと思いますので、これに関しましてもご検討をしていただきたいと考えているところでございます。
 それから、2050年に向けまして60%~80%削減という目標のある中でどうするのかということでありますが、これは先ほど河野委員のご意見、ご質問に対してお答えしているのと同じでございますけれども、いずれにせよそうした2050年の数字を想定いたしますと、電力面において相当のCO排出削減を確保していかなければならないと考えております。基本的にやはり原子力が核であり、さらには再生可能エネルギーの導入ということでございますが、残る火力に関しましても、導入できる率を最大限導入していくということが原則になってくるかと思います。そうしたところに関して、先ほど申し上げましたような検討の中で方向性、考え方の整理をしていきたいと考えてございます。
 それから、今回の小名浜火力について言うと、40万キロワットの規模で、それがエネルギーセキュリティー上どうなのかというご質問がございました。ただ、これに関しましては、一つ一つの発電所の定義というよりは、やはりエネルギー、電力であれば電力の電源構成全体の中でいかにエネルギーセキュリティーを確保していくかということであるかと思っております。先ほど申し上げましたように、長期的にもいかなる考え方のもとでエネルギーセキュリティーと環境と、それから効率性等をどのように同時に達成していくのかということを考えなければならないと思っておりますので、その中で整理をしていくべきものと考えております。
 それから、スクラップがない中での新規建設をどう考えるのかという意見もございました。ただ、スクラップができるところだけに新設するとなりますと、これは既存の石炭火力をお持ちの一般電気事業者でないと石炭火力が建設できないことになってしまいます。PPSに関しましては、2000年に電気事業制度改正のもとで徐々に事業活動を広げておられる、いわば新規産業であるわけでありますけれども、ここはやはり競争環境の整備ということを考えますと、一概にスクラップありきということで整理することは必ずしも適切ではないのではないかと考えてございます。
 それから、PPS全体の目標設定の点でございます。まず、PPSに関しましては、それぞれがマーケットで競争しているということで、お互いの将来の目標というものに関しては、公正取引委員会からの指導もあり情報を共有しない、お示ししないようにしているわけでございます。しかし、他方で、この個社の数字に関しましては、私ども自身しっかり情報をいただいております。そうしたもとで、個社としてもきちんと目標を実現をしていけるように、また、他の団体のところはCDMの活用も含めて達成していくように指導しているということが、これが原則だと思っております。
 この目標値そのものに関しましては、今現在、小名浜火力に関して、会社としてはダイヤモンドパワー社の中でさらにどこまで削減をできるのかというような検討をなさっていると思いますので、そうしたものの反映ということも含めてさらにこの数字に関してどこまで努力ができるのか引き続き検討していきたいと思っております。
 以上でございます。

(茅委員長)それでは、高橋課長。

(高橋流通政策課長)浦野委員から流通の部分につきまして、国民意識の改善に影響があるということで、さらに行政において何か積極的な流通部門の施策について対策をすべきというお話がございました。私どもといたしましては、まさに流通部門における、例えば空調問題、照明の問題、さらには冷蔵庫・冷凍庫を小売業界が使用しておるわけでございますので、省エネに資する高度な設備が導入されてくる何らかの施策というものを考えていきたいと考えているところでございます。
 また、そのほか流通業界におきます消費者、特に国民意識の改善というところで、現在、経済産業省・環境省・農林水産省等々の各省が連携いたしまして、COの見える化ということでカーボンフットプリント制度というものを検討しているところでございます。そこにつきましても流通業界に積極的に参加していただいておりまして、COを見える化することで、消費者にCO排出量の少ないものを選択していただけると考えております。さらに、CO自身を長いサプライチェーン全体の中で計測していくということで、それぞれの事業者がどこの面でCOの排出量が多いのかということに気づいていくことによって、COの排出量の削減という努力に結びつけていくという点でも効果があるのではないかと考えているところでございますけれども、その部分に流通業界が積極的に参加するということで取り組んでいるところでございますので、引き続きこれらについて一緒になってやっていきたいと考えているところでございます。

(茅委員長)ありがとうございました。電力については、吉野課長のほうから回答がございましたけれども、森本委員で何か追加のコメントはございますか。

(森本委員)大塚委員からCDMの償却をきちんとやるようにというお話がございまして、CDMの償却につきましては、これはCOの排出係数に反映できますので、我々実務的にできる段階になったら遅滞なくきちんと行います。今1.9億トンは契約ベースでございまして、実際上はモニタリングをしてデータをしっかり検証して申請して、CDM理事会で審査を受けてクレジットが発行され、我々のところにクレジットが取得されて、それで償却という手続になりますので、我々にとってはしっかり反映できますので、ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。

(茅委員長)よろしいでしょうか。
 それでは、時間もたちましたので、皆様からのご意見はこれだけにしたいと思いますが、資料1、自主行動計画評価・検証結果及び今後の課題等につきましては、1週間パブリックコメントにかけさせていただきます。その上で、その意見と、本日の審議で皆様からいただいたご意見を入れて、修正した上で皆様に配布し直すという形にしたいと思います。その場合の修正を、恐縮ですが私と大塚委員長、事務局にお任せいただけませんでしょうか。
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、そういう措置をさせていただきたいと思います。
 それでは、あと、今後の予定につきまして事務局からお願いします。

(近藤環境経済室長)ありがとうございました。
 今後の予定につきましては、自主行動計画の評価・検証以外の経産省と環境省の対策につきまして、12月16日予定の産構審・中環審の合同会合で審議が行われます。それを踏まえて、各省より地球温暖化対策推進本部、またはその幹事会にその取り組みが報告されます。また、本日の議事につきましては、事務局で議事録を作成し、皆様にご確認していただきたいと思います。

(茅委員長)それでは、皆様のほうから特になければ。

(大塚委員長)さっきは委員として申し上げたので、ちょっと最後に今後の宿題みたいなことだけ若干申し上げさせていただきたいと思うんですけれども、まず一つ、事務局にちょっとお願いを申し上げたいんですが、今回はフォローアップ委員会と各ワーキンググループで資料の送付が直前になったケースが結構多かったようで、審議を実りあるようにするには事前に前もって、かなり時間的余裕を持って資料を作成していただくと大変ありがたいと思います。大変な作業ですので申しわけないんですけれども、お願いしたいと思います。
 それから、各ワーキンググループで意見がございましたけれども、今後的確なフォローアップを進めるためには、将来見通しの算定根拠についての詳細な記載と、それから2008年度から2012年度までの年度ごとの記載、それから、目標が達成できると判断している根拠、これは京メカの活用を含めですけれども、根拠を通じて具体的な記載をするという3点が特に重要だと思います。こういう点について、先ほどの引き上げについても含めてですけれども、宿題事項として次回の評価と意見書における評価の視点に加えていただけるとありがたいと思います。
 それから、PPSの自主行動計画については、業種の計画と言えるかどうかについてやや疑問が残るところがございますので、将来見通しの算定根拠とか目標達成に向けての業種としての取組などについて、今後厳格にフォローアップしていく必要があると思います。どうもありがとうございました。

(茅委員長)それでは、本日の会議はこれで終了いたします。ありがとうございました。