中央環境審議会地球環境部会 第7回国際環境協力専門委員会議事録

開催日時

平成17年6月20日(月)15:00~16:46

開催場所

合同庁舎5号館 環境省第1会議室

出席委員

(委員長) 浅野 直人
(委員) 青山 俊介  高橋 一生
    加藤 久和  中村 正久
    黒川 祐次  長谷川 雅世
    小林 悦夫  廣野 良吉
    園田 信雄  山瀬 一裕

議題

  (1) パブリックコメントの結果について
  (2) 専門委員会報告書(案)について
  (3) その他

配付資料

資料1 国際環境協力専門委員会報告書(案)に係る意見の募集及び説明・意見交換会の結果について(案)
資料2 国際環境協力専門委員会報告書(案)

議事録

午後3時00分開会

○田中室長 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会国際環境協力専門委員会の第7回会合を開催させていただきます。
 本日は全委員13名中11名出席ということになっております。石田委員、和気委員におかれましては、今回はご欠席とのご連絡をいただいております。まだ長谷川委員がお着きになっておられませんが、定刻となりましたので開始させていただきたいと思います。
 昨年12月から今後の国際環境協力のあり方ということでご検討をいただいてまいりました。できましたら、本日の会合で当委員会としてのとりまとめをお願いいたしまして、来週29日に予定しております地球環境部会で、委員長からご報告をいただけるようにお願いをしたいと考えております。
 それでは、浅野委員長、よろしくお願いいたします。

○浅野委員長 本日は7回目の会合でございます。お忙しいなか、ご出席いただきましてありがとうございました。本日の議事でございますが、まず、パブリックコメントの結果についてご報告をいたします。次に、報告書(案)について説明をいたします。この報告書(案)は、前回は素案の形でお示しして、ご検討をいただきました。その前回の委員会でお出しいただきましたご意見、パブリックコメントなどで出されたご意見を踏まえて、多くの修正を加えたものを本日は報告書の案としてお出ししております。これについてさらに先生方のご意見をうかがって、先ほど室長が申しましたように、できましたら本日、この報告書(案)の最終とりまとめということにできればと思っております。
 それでは、資料の確認をお願いいたします。

○関谷補佐 お手元の資料を確認させていただきます。きょうは2つの資料でございます。
 資料1が、先日実施いたしましたパブリックコメント、それから説明意見交換会の結果をまとめました「国際環境協力専門委員会報告書(案)に係る意見募集及び説明・意見交換会の結果について(案)」でございます。
 資料2が、「今後の国際環境協力の在り方について」ということで本委員会の報告書(案)になっております。
 それから、委員の皆様のお手元の方には、先日確認をさせていただきました、前回第6回の議事録を配布させていただいております。これにつきましては近日中に環境省のホームページの方に公開をさせていただく予定となっております。以上でございます。何か不足の点がございましたらお申しつけください。

○浅野委員長 よろしいでしょうか。
 それでは、まず「パブリックコメント及び意見交換会の結果について」でございます。意見交換会は、大阪で5月26日に開催をいたしました。廣野委員にはわざわざおいでいただきまして、この意見交換会に加わっていただきました。まことにありがとうございます。
 少し変わったやり方をしまして、集まって来られた方に二つのグループに分かれていただいて、廣野委員と私がそれぞれのグループに入って意見交換をいたしました。短い時間でしたが、倍のお話を聞くことができたと思っています。かなり広くご意見をうかがうことができました。パブリックコメントだけですと、なかなか意見が集まりにくいのが実情ですが、今回は、相当多くの意見をいただくことができたと思います。これを最終の報告には極力反映させるようにということで事務局にも指示をしたところでございます。この資料1についての説明に関連することでもございますので、資料2の報告書(案)についても一括して説明をいたします。それでは、事務局お願いいたします。

○関谷補佐 それでは、まず「意見の募集及び説明・意見交換会の概要」から説明させていただきます。表紙をめくっていただきますと2ページ目に概要が書いてございます。まず意見の募集、パブリックコメントでございますが、5月18日から6月6日まで実施いたしました。それから、委員長からご説明がありました説明・意見交換会については、5月26日に大阪で開催をしております。その結果、電子メール、郵送、それから意見交換会での意見提出者を合わせますと、延べ23名の方からご意見をいただき、意見の件数としては61件となりました。このうち11件が国際環境協力の理念及び基本方針に対する意見、23件が今後の取組の方法に対する意見などとなっております。実際の意見の中身の主なものについて、簡単にご紹介をさせていただきます。
 次の別紙の方をごらんください。一番左に整理番号がふってございますのでご参照ください。まず頭の方でございますけれども、例えば整理番号2番でございます。環境保全あるいは地球規模の問題と持続可能な開発の関係を明確に表現してほしい。これは理念や目標にかかわる部分でございます。
 それからいくつかご意見がございましたが、整理番号3番、4番、7番、8番でございます。東アジアへの協力を重点にするということについての背景、理由あるいはそれ以外の地域、全世界を対象とする環境協力との関係をきちんと明確にしてほしいというご意見でございます。
 それから3ページ目、別-3にいきますと、様々な主体による取組の促進、あるいは主体間の連携の強化といったことについてもいくつかご意見をいただいております。例えば地域社会全体での取組を進めていくことが重要であるとか、あるいはそれぞれの主体の連携強化について、どういった取組の方向性が望ましいのかの方向性は示してほしいといった意見がございました。
 4ページ目にまいります。17番の意見を見ますと、例えばNGO/NPOにおける取組についても、もう少しよい取組例の情報を追加してほしい。そういったものから今後の方向性を見てほしいというような意見がございました。
 18番、19番については、これまでの取組の失敗、「負の遺産」という言葉が意見の中にはございましたが、そういったものをきちんと総括、整理をしてそこから次の取組の方向性を議論するような、そういった失敗事例、教訓を抽出するような取組もきちんとやってほしいというご意見でございました。
 6ページ目にまいりまして、21番でございます。枠組みづくりに関してのご意見もいくつかいただいております。例えば21番については世界の森林の保全あるいは持続可能な森林の経営のための枠組みづくりといったものについては、きちんと現状と課題の方でも分析をしてほしいというようなご意見、あるいはそのほかの枠組みについても具体的な記述を求める意見がございました。
 8ページ目にちょっと飛びますが、整理番号28から31は様々な主体の取組あるいはその連携に関するものでございます。主体間の連携ということについても、もう少し具体的に何をするのか、何をすべきなのかといったことを具体的に書いてほしい。あるいは29、31についても、それぞれの主体についての具体的な取組の方向を書いてほしいというようなご意見がございました。
 32番から34番は協力に必要な基盤、そのうち特に人的な基盤についてのご意見ということで、定年を退職した人材あるいは青年、若年層の活用に関してより具体的な記述をしてほしいというようなご意見でございます。
 36番にありますように政府あるいは関係機関の連携体制の強化についても、具体的に地域やプロジェクトごとの会合といったものを設けてほしいというような具体的なご意見もいただいたところであります。
 10ページにまいります。引き続き他の様々な主体に対する支援ということでございますが、NGO/NPOに対しての仕組み、強化の支援ということでは、より書きぶりを強く方向を打ち出してほしい。あるいは39番、41番では、地方自治体の取組に関しまして国として地方自治体が、特に財政面などで苦労しているという現状を踏まえて、自治体での取組をより奨励するような取組をぜひ書いてほしいというようなご意見をいただいたところであります。
 最後12ページでも、例えば44番ですが、研究あるいは教育の面での重要性、特に若年層への支援といったものについてのご意見をいただいたところでございます。パブリックコメント、意見交換会の意見につきましては、概略このようになっております。
 引き続いて、資料2をごらんください。前回、第6回の専門委員会でいただいたご意見、それから今ご説明をしましたパブリックコメント、意見交換会の意見を踏まえて修正をしたところを中心に、説明させていただきます。
 まず、目次レベルでは大きな枠組みは特に変わっておりません。いくつか節の追加はございますが、これは個々の説明の中でふれさせていただきます。ページをめくっていただきまして、「はじめに」のところは大きな変更はございません。5ページからでございます。ここは理念及び基本方針のところでございます。まず5ページ目の上の方、「1-1 理念」のところでございますが、これは前回いただいたご意見の中で、地球環境というものの地球公共財としての位置づけあるいはその他グローバルな課題である平和の構築あるいは貧困の削減といった課題との関係、関連性を明確に位置づけるというご意見を踏まえての修正を行っております。
 「1-2 目標」のところでございます。ここについてはパブリックコメントの中で環境保全あるいは持続可能な開発、さらには地球環境問題、こういったものの関係を明確にしてほしいということで、5ページ目の一番下の段落を修正しております。
 6ページ目にまいりまして、「1-3 重点的目標」という節がございます。ここは実は前回の委員会にお示しした際には「1-2 目標」の節と一体でお示しをしたところでございます。特に我が国、日本がグローバルプレーヤーとして世界的な取組にイニシアティブを発揮すべきであるというご意見を踏まえて、重点的目標を2つ掲げるという形に構成をし直してございます。その第1番目が「国際的取組への戦略的かつ積極的な関与」、例えば地球温暖化対策あるいは3Rの推進のような、ニーズが高く、かつ我が国が経験を生かすことのできる分野を中心として取組に積極的に関与していくといったことを打ち出しております。(2)の方で従来お示しをしております「東アジアにおける環境管理の仕組みの改善」といったものを取り上げております。これが7ページ目の方に続きまして、東アジアに重点をおく理由、あるいは東アジアにおける枠組みの構築の考え方を示してございます。
 これに合わせまして、8ページの(3)を新たに節として設けました。「東アジアを起点としたアジア太平洋地域・全世界での取組の推進」という節にしてございます。内容的には前回の案にも入っている部分もありますが、日本のグローバルな取組が東アジアに及ぼす影響、あるいは東アジアを中心とした取組が世界に及ぼす影響、こういったものを位置づけております。ここが大きな変更点でございます。併せてこの円錐の図の方も東アジアの範囲をより明確にする形で、前回のご議論を踏まえて修正をしてございます。
 続きまして10ページ目です。ここは基本方針のところでございますが、10ページ目の最初の4行のところ、日本のリーダーシップを発揮するというところに関連しまして、「地球温暖化など世界的な取組が求められている課題に対して、東アジアの国々が積極的に取り組むよう、リーダーシップを発揮することが求められる」ということで、東アジアの日本の役割をここで位置づけております。
 続きまして11ページでございます。11ページは引き続き基本方針のうちの重点分野を考慮した協力でございます。このうちの見出しが3つありますが、2つ目の国際的重点分野と我が国の比較優位を踏まえた協力の推進というところがございます。ここの下から2行目のあたりに、「我が国に豊富に蓄積されている経験・知見や教訓」という文言がございますが、失敗の経験を生かすということを踏まえて、教訓についてもそれを生かしていくということを書いております。
 12ページの最初の段落でございます。自然資源の適切な管理が紛争を悪化させるということに関連して、紛争予防に関して環境がより決定的に重要な要素となるという点を強調しております。
 それから「2-2 配慮すべき事項」に関して、成果を重視するという場合に、やはり情報、あるいはデータをきちんと共有し、それを互いに評価できるシステムをまずつくることが重要なのではないか、ODA等環境以外も含めた一般の取組に比べて、今回、国際環境協力といったものを論じるに当たっては、その特徴を踏まえて評価の視点を掲げることも必要なのではないかというご意見がございました。この2-2の節の真ん中以降に、「また、協力の評価に当たっては」という一文が7行目からございますが、ここで「環境保全上の成果あるいは投入の効率性を的確に評価すべきであり、評価指標の設定、関連する情報やデータの収集、評価の実施を関係国と共同で行うことが望ましい」などの記述を追加してございます。
 13ページの現状と課題のところでは、世界的な枠組みに関連して、まだ世界的な枠組みが設定されていないもの、例えば森林の保全と持続可能な経営についての取組が求められているということを追記してございます。
 それから24ページまで飛びますが、同じく現状と課題の中で「我が国の多様な主体による国際環境協力の現状と課題」というところがございます。ここについては前回のご議論の中で、政府を中心として連携を図るということだけではなく、やはり様々な主体のそれぞれの間での連携を図っていく、主体間の連携というものを前面に打ち出すべきではないかというご意見がございました。それを踏まえて3-1として新たに「主体間の連携」という節を起こしてあります。ここでそれぞれの主体の取組をお互いの役割を認識しながら連携・協働する、それによって相乗的な効果を発揮していく必要性があるということを書いてございます。また、具体的な取組の例として、政府とNGO/NPOとの間の協議会の例などを掲げさせていただいております。この辺はパブリックコメントでも具体的な形を書いてほしいというご意見がございましたので、それに対しての答えにもなっております。
 1枚めくっていただきまして25ページにまいります。自治体ごとの協力の現状課題を書いているところで、3-3にNGO/NPOによる国際環境協力というのがございます。この25ページの下から3行に下線が引いてございますが、ここにはパブリックコメントを踏まえて、NGO/NPOの取組の中でよい事例、代表的な事例として、JICAスキームを活用した取組の例を掲げてございます。
 26ページにまいります。「3-4 企業による国際環境協力」、ここは前回の専門委員会でのご議論の中で、企業の取組につきまして社会貢献やあるいはCSRの切り口での取組よりも、むしろビジネスを通じた環境協力といったものを強調した方がいいのではないかというご意見をいただきました。ここはむしろ書きぶりの整理という感じでございますが、企業の活動にビジネスを通じた協力の方を前面に打ち出す形で再整理をしております。
 少し飛びますが、34ページからが「今後の国際環境協力の取組の方向」でございます。まず「1.世界的な枠組みづくりへの戦略的な関与」については、2行ほど「このことは」で始まる部分を追加してございます。ここは今回の在り方の重点的な目標の一つとして世界的なあるいは国際的な取組への貢献といったものを掲げたことに関して、そういった世界レベルでの取組、枠組みづくり、ここで言えば枠組みづくりへの積極的な関与が我が国の各主体の活動にも大いに意味のある、その活動の促進の基盤を提供するという意味で、大いに寄与するという点を強調してございます。
 以下、取組の方向性については細かい点でいくつか修正をしております。大きな点としましては46ページからの「3.我が国の多様な主体による国際環境協力」のところ、4番目の協力の基盤といったところを中心に直してございます。
 まず、46ページですが、3-1として、ここに「主体間の連携」という節を新たに設けてございます。ここで様々な主体の連携を進めるための場の設置などについて、3点ほど新たに掲げております。1つは、前回、委員会でもご指摘をいただきましたアジア太平洋環境開発フォーラム(APFED)の提言の中で、主体間のパートナーシップあるいはネットワークの構築が特に強調されているということもございますので、それを踏まえて、アジア太平洋地域でのマルチ・ステークホルダー・フォーラムの発展などによって主体間の連携・促進をするという点を一つ掲げております。それ以外にも我が国の政府機関・地方公共団体・NGO/NPO・企業・学術研究機関などがテーマや国ごとに取組支援の仕組みについて検討する対話の場あるいは情報交換の場を設置するということを追加してございます。また、政府が絡んだ連携ばかりではなくて、その他の主体間の連携を促進するといったことも併せて書いてございます。
 1枚めくっていただきまして47ページでございます。NGO/NPOによる国際環境協力でございますけれども、ここについても、この47ページの中ごろ、ちょうど3-4の直前ですが、より具体的な取組の方向性として、若者に対する参加の機会の提供といったものを具体的に書いてございます。それから「3-4 企業による国際環境協力」については、やはり先ほどの現状と課題の方と整合させる形で企業活動を通じた協力といったものを前面に整理をしております。
 48ページにまいります。一番下の方ですが、「3-5 学術研究機関による国際環境協力」、これは前回お示しした第6回のときの案にはありませんでした。第6回でのご議論を踏まえて、学術研究機関による協力についても今後の方向性を新たな節として書いてございます。特に49ページの方にまたがっておりますが、共同研究あるいは人材の受入れ等を通じて、地域や準地域の環境協力のニーズを踏まえた人材育成といったものに取り組んでいくことが期待されるという形になっております。
 50ページにまいります。「4.国際環境協力実施体制の強化」でございます。「4-1 新たな国際環境協力のための国内基盤の強化」については、パブリックコメントで様々な主体間の連携強化にあたっての具体的な奨励策として、情報の共有化を図る手段が要望されました。それを踏まえて国際環境協力に関するウェブサイトを活用した情報の提供といった形で具体的なものを少し盛り込んでおります。また、黒ポチの最後のところ「我が国の様々な主体による国際環境協力の経験に基づく教訓を体系化すること」、ここは失敗の経験の活用といったご意見あるいはパブリックコメントを踏まえて、追加したものでございます。
 続きまして54ページでございます。53ページから既に「4-2 新たな国際環境協力を進めるための体制強化」に入っております。このうち53ページの下からですが、「政府・関係機関の連携及び体制の強化」というところです。これについてはパブリックコメントを踏まえて具体的なプロジェクトあるいは地域などの単位で定期的な現地会合を持つべきではないかというご意見がございました。これを一部反映させる形で、「特定の支援地域や課題に焦点を当てて、JICAなどの機関、派遣されている専門家等が連携機能を強化すること」という形に修正をしております。
 それから54ページの「(4)地方公共団体・NGO/NPO・企業の国際環境協力活動への支援」です。ここについては、パブリックコメントの中で地方自治体側での国際環境協力活動に関する評価が高まるような手立てがほしいということを踏まえて、地方公共団体に対するインセンティブを高める取組、まず考えられるのは啓発や表彰といったことだと思いますが、そういったものを掲げてございます。
 以上が前回の委員会でのご指摘あるいはパブリックコメント等を踏まえました修正の主な点でございます。以上です。

○浅野委員長 どうもありがとうございました。なお先日開催された総合政策部会では、現在環境基本計画の見直しの検討を始めておりますが、その論議の中で国際環境協力に関してもふれておりまして、それが議題に上がりました。私としては、現在、専門委員会の報告案を検討しており、成案を得て、近日、地球環境部会の答申をまとめる予定であるので、できればそれがまとまった段階で環境基本計画に反映していただきたいと発言をいたしました。また、現段階でご注文があればお聞きしますと申し上げたところ、何人かの委員からご意見をいただきました。それについてもきょうのこの報告書案の中に反映させております。特に産業界の方々から温暖化との関係でCDMが円滑にいくように、はっきりしたターゲットを持った協力が必要ではないかという発言が出てまいりました。それをそのままダイレクトに書くことはどうかということはありますが、そういうご発言の趣旨も踏まえて、この中に少し折り込んだということでございます。
 それでは、あと残された時間でこの報告書の案についてご検討をいただきたいと思います。パブリックコメントについては、こういうコメントがあったということと、そのコメントに対して、このような形で報告書に取り入れる、あるいは既にこれは入っているということを資料1で説明しておりますので、特にこの資料1に絞って議論をすることはいたしません。主に資料2について皆さんのご意見をおうかがいし、これでよろしいかどうかということを確認していきたいと思います。
 まず大変恐縮でございますけれども、黒川委員には講義や会議などとちょうどぶつかる時間に専門委員会を開いてしまい、これまで2回おいでいただく機会がございませんでした。まず黒川委員から、この報告書全体を総括的に見てお気づきの点がありましたら、最終段階で可能な限り反映いたしますので、コメント、ご意見をうかがいたいと思います。
 次に、加藤委員に大学研究機関の役割の書き方について、コメントをお願いいたします。まだ位置づけが弱いというコメントも実はパブコメの中でもいただいているので、この点を中心に、加藤委員からコメントをいただければと思います。そのあと、各委員にご発言をいただきたいと思います。それでは、黒川委員お願いいたします。

○黒川委員 前回2回欠席いたしまして申しわけございませんでした。今回がおそらく最後の機会ということで、いまさらこれ以上意見を言ってもということもありますし、私も特に強いてとは申し上げませんが、やはり重点地域というところが気になります。パブリックコメントでも少し東アジアが強調され過ぎではないかという意見が二、三あったように思います。それを受けて表現も変えられたのだと思います。前の報告でもやはり東アジア重点だということで、今回新しいのが出てもまた東アジアだということですが、東アジアが重点だというのは、現状を言っているのに過ぎないのではないかと思います。東アジアは重点であるけれども、これからグローバルに打って出ていくということを少し強くどこかで表現できたらなと、あらためて思いましたけれども、強いてということは申し上げません。
 それから、もしここで認められたということになれば、部会の方に報告されるということですが、委員長の方から記者会見をされるとか新聞発表をされるとかそういうことがあるのでしょうか。その際には何をこの報告の目玉としてお話になるのかということをおうかがいできればと思います。
 以上です。

○浅野委員長 ここでご了承いただいた報告書を地球環境部会に提出いたしますが、おそらく部会ではまたいろいろご意見が出てくると思います。今までの例では特に地球環境部会や総合政策部会は必ずしも専門委員会報告をそのまま無条件で受け入れて、これをもって答申とするというやり方はしておりません。意見が出てくれば専門委員会報告はあくまでもたたき台であるという建前ですから、必要な修正を部会長に一任という形で、あるいはあまりにも否定的なご意見を多く受ければもう一度部会を開いて最終決定ということになります。そういう形で内容的には手直しをするということになると思います。
 それから記者会見ということは私の知る限り、必ずしもその都度行っているわけではありません。答申が出た場合には事務局から、こういう答申が出たということについては記者クラブに投げ込みの形でお知らせしているようであります。重要なものについては記者会見が行われるようでありますが、それが今回どうなるかはよくわかりません。地球環境部会で強調する点については、きょうの皆さんのご議論をうかがった上で、私はさらによく頭を整理してみたいと思っております。在来の国際環境協力で今まで政府が持っていたあり方というものが大きく様変わりしていることをはっきり確認し、今後の方向を示していかなければいけないということを明らかにしたということ。それから今回の答申で特に強調したいのは、政府がやるのではなく、様々な主体が様々な形で既に取組をしている、それをいかに政府が上手にコーディネートをするかということが重要であるということ。かつ政府がすべてをコントロールするという考え方よりも、多様な主体同士が積極的に方向を見出して、そこで連携しあいながら国際協力を進めていくことはきわめてよいことであるということ。こういうことが今回の専門委員会の報告、それがさらに認められれば部会の答申になるということは申し上げなければならないと思っております。
 それから今、黒川委員から東アジア重視ということについてご議論がありました。これは以前からうかがっていて承知しております。東アジア重視というのは在来型のODAの傾斜配分というような発想ではなくて、そこでのパートナーシップをしっかり作り上げていくことが、まず日本にとって一番重要であることを確認したいということです。だからお金は東アジアにしか出しませんとか、力はそこにしか出しませんということではないと、はっきり強調していかなければいけないと思っております。しかしやはり、近いところをしっかり固めないで、いきなりどこか遠くに行ってそこで全力投球というようなことは少し違うのではないかと思います。しかも我が国の環境に対して直接影響を及ぼしてくるのは、やはり近隣諸国の環境ですので、その点にまず着目をしなければいけないということは当然であります。
 今、黒川委員がおっしゃったことについては、ご紹介することになると思います。これは別に新しいことではなくて、まさに現状そのものである。そういう確認をしたが、しかしやはりそれは大事なことである。そこを起点としながら、この8ページにある絵のような形で、我が国の貢献が全世界に広がっていくということは必要であるし、逆に今度はトップダウンで全世界の方に対してということであれば、国際的な合意形成とかあるいは国際的な取組について我が国から発信をするということがいろいろあるはずです。それは我が国がこれまで作り上げてきたものの中で、最も得意なものがこのようなものだということを少し整理することができたら、この部分でははっきりと発言をしていくことができるのではないかということを言いたい。それから、今回は専門委員会の中に、従来あまり例がないのですが、多くの企業関係の方にお加わりいただいたということがあります。企業の役割についてしっかりと目配りして方向性を示すことができたということも、かなり大きなことではなかったかと思っております。
 なおきょうの皆さん方のご意見をうかがいながら最終的には報告の中身を整理したいと思っております。
 それでは、加藤委員どうぞ。

○加藤委員 特に「現状と課題」のところの記述は随分具体的に細かく書いていただいているので、ほぼこれでいいのではないかと思います。ただ、その現状と課題を踏まえて実際に実施体制の強化のところを見ると、これは最初にご説明があったように、各主体間の協働、協力の強化ということがあった上で、なおかつ大学等の学術研究機関における協力の体制の強化ということで入ってくるわけですが、現状と課題をもう一度繰り返しているような印象を受けます。そこからもう一歩進むとしたら、こういう課題を踏まえて、さらに行わなくてはならないことは、一つには大学間の交流、協働ということです。こういうネットワークをつくっているその他の大学等学術研究機関以外の、いわゆるマルチ・ステークホルダー・フォーラムと、こういう大学間のネットワークとの交流なり対応の場に、共同研究のネットワークが参画していくような、それを支援するような仕組みを考えたらいいのではないかと思われます。大学間でも国際的な大学のコンソーシアムがいろいろできています。その中では留学生の単位の互換制度なども学術交流協定を結んでいるところだけではなくて、広く国際的に進めていくということがなされています。そういったことも併せて各主体間の協力という点でもう少し強調することができればと思います。
 もう1つは、今言ったことにかかわることですが、大学等は研究機関だけではなくて教育機関でありますので、研究の面では留学生の受入れ、先ほどの単位の互換性のようなこともあるわけですが、そのネットワークも広げるというか幅広く学術交流協定を結んでいるようなところだけではなくて、より広く、特に途上国あるいはその他の国の学術教育研究機関とのネットワーク化を図るという方向で協力を進めるということが、一つ考えられるのではないか、それは特に将来の人材を担うという意味での教育の果たす役割であると思います。

○浅野委員長 わかりました。第3章は何となく課題そのものを繰り返して書いているだけだというご指摘はそのとおりです。分量でウエイトの置き方を評価決定しているという誤解を与えたり、行数が少ないと何となく無視されていると思われることも真意ではありません。もう少しきちんと書く種は今いただいたなという気がします。
 ここに書くかどうかは別として、大学は、独立法人になって一層競争にさらされています。協力どころかライバル同士でお互いに張り合って、よそよりもうちの方がといったところが目に付くこともあります。なかなか今の段階では協力しづらい面が現実にあるわけですが、しかしそれを追認するわけにはいきません。大学間の協力、それから教育機関としての大学という位置づけが教育研究ということで括られてしまっているので、そこら辺のところを少し書き分けするのがいいのかなと、今の加藤委員のお話を聞きながら感じました。
 中村委員、研究機関という点では何かほかにございますか。

○中村委員 特に加藤委員のおっしゃられたことに追加することはありません。ただ、答申が出された際、2つ、3つのポイントがあるわけですが、それをどういうふうに具体化していくのかということがここには表れていないわけです。それはたぶんこの中に表すものではないのかもしれないですが、どういうふうにその接点をもっていくのか、例えば文科省のそういう教育なり研究の推進の方向性とこの記述との関連の糸口がどこで出てくるのかというようなことは、少し気になりながらいつもこの話を聞いているということでございます。

○浅野委員長 ありがとうございました。これ自体は、国としての今後の国際協力のあり方についての方針をこういう方向で示していこう。そして具体的に環境政策、政府全体の環境についての取組ということになりますと、これがベースとなって次に出てくる環境基本計画は閣議決定になりますから、そこのところに十分反映していけば、今度は各省が閣議決定である環境基本計画の実施をしなくてはいけないということになっていきます。環境基本計画の準備段階では当然に関係各省との密接な協議をしながらやっていきますから、その中ではしっかり折り込むことができるのではないかと思います。もちろん今回の報告書案についても各省の意見を聞いてはいますけれども、どちらかというと外務省の意見を聞くことに重点がおかれていて、ほかの府省は文句があればどうぞみたいな形でやっているようです。特に文句はなかったようですからこれでいいのだろうと思いますが、しかし、文部科学省も役割はいっぱいありますよといわれて、決して悪い反応はないだろうと思いますから、加藤委員もおっしゃったようなことをもう少し加筆することによって、その辺のところがはっきりなるということを私は期待します。なお、最後に小島局長が決意表明をされるはずであります。そこでまたしっかりと環境省としてもどう取り組むかということは、うかがえるのではないかと思います。
 それでは、「はじめに」の部分について特にこれでご異論がございませんでしょうか。あまり大きな直しはしておりませんけれども、今までの経過を述べている部分です。この部分はどちらかといいますと経過説明のようなところでございまして、最終答申にこのままの文章になるかどうかちょっとよくわかりません。事務局と相談しなければいけませんが、専門委員会はこんなことを議論し、こういう経過でやっていますということを説明したという部分でございます。
 特にここはございませんようでしたら、あと1、2、3と大きくかたまりがございまして、これまでに既にご議論をいただいて、ご意見を承りながらそれを直してきたということでございます。最終的にはいただいたご意見は極力部会までにしっかり中に折り込んで、当専門委員会としてはみんながこういう意見ですということで報告を出したいと思います。もし修文すべきところがありましたら修文の具体案もお出しいただくとありがたいです。それらがなくてもこの点はちょっと弱いとか、これはどうだというようなことがありましたらご意見をお出しいただきたいと思います。
 最初にお断りでございますけれども、5ページですが、原案では「地球公共財」という言葉がだいぶ出ていました。我々はきわめて比喩的な意味でこういう言葉を平気で使うのですけれども、経済学者にはこの種の言葉は厳密でないと指摘される可能性がありますから、そこは言いたいことが伝わるようにという趣旨で、少し表現を変えたことをお許しいただきたいと思います。
 また、アジアのところは先ほど黒川委員がご指摘のとおりでございます。パブコメでもかなり指摘されました。決してそんなつもりではなかったのですが、お金はそこにしか流さないとか、そんなつもりじゃないということをはっきりさせるために、また少し東アジアに取り組むことを効用とかいうようなところを書き過ぎている面があったので、表現を簡素にいたしました。むしろそれよりも8ページにありますような形で取組を全体としてこんなふうに広げていくということが、こちらの真意であることが伝わるような書きぶりに直したということでございます。
 基本方針につきましては、これまで既にご議論をいただいたことをパブコメ段階で取り入れたつもりでございます。あとは課題とそれから方向性ということでそれぞれ対応する形で記しているものでございます。それでは、青山委員どうぞ。

○青山委員 だいぶ意見を入れていただいてありがとうございました。3点ほど手短に申し上げます。11ページの下から6行、教訓の話を入れていただいてありがとうございました。ただ、比較優位という言葉ですが、何が比較優位かというと、特にこれからの発展途上国に先駆けて、今の中国が1960年ぐらいの日本だとすれば40年、他国より早く都市集積と急速な経済発展を経験したことであると認識しています。この趣旨の修飾語的なところが入るようでしたら、ご検討いただきたいというのが1点です。
 それと26ページ、確かに私も民間ビジネスを通じての環境協力をより重要な位置付けにあげて欲しいと申し上げました。しかし、これは環境分野のコンサルティングサービスとか環境関連機器の普及というビジネスのみに限定したわけではありません。やはり日本の産業界が蓄積してきた技術やその経験を生かした、これは非常に広い分野で生かしているわけで、ここで言及されているようなコンサルティングとか環境機器に限定した表現が一番上にきてしまったというのは狭すぎると思います。当然、我々からすればこの分野は非常に重要だと思っていますが、やはり日本の企業が蓄積してきた環境、CP、省エネなどの幅広い技術や経験を生かして貢献しているというふうな書き方の方が適切と思います。
 それと48ページの半ばに「東アジア各国」とありますが、ここは東アジアのことだけを言っているとは思えません。「各国の環境管理能力向上に向けた協力」ということで、文章の中では東アジアという言葉が入っていますが、これはちょっとそぐわない。どうしても必要であれば記述方法を検討していただきたい。あといくつか指摘したいことはありますが、大きくはこの3つをご検討いただきたい。

○浅野委員長 ありがとうございました。最後の点はこの章が全部東アジアのという枕言葉を入れてやっているということの流れをそのまま受けているという感じがいたします。いずれにせよ、検討いたしましょう。最初のご指摘と2番目のご指摘は表現ぶりがどうかということでしたが、またご相談をいたしますが、なるほどと思われる点があります。
 教訓に関しては、実は2つ意味がございまして、1つは青山委員がおっしゃった意味の教訓ということと、もう1つはパブコメの中でありましたのは、NPOなどが実際に現地に行って活動をしたその経験の中にも実はサクセスストーリーばかりではない、失敗経験がたくさんあって、なかなか表には出てこないけれども、それが実は大事なんだということでした。その両方を含めて言っているつもりです。例示を挙げ過ぎてしまうと何となくそこの中が強調されるということがありますが、どうすればよいか少し考えさせてください。

○青山委員 はい、ありがとうございました。

○浅野委員長 それでは、同じような調子でご意見をお願いできればと思います。園田委員どうぞ。

○園田委員 私どもの検討を、先ほど委員長もおっしゃったように、企業の意見として取り入れていただいて、ご配慮いただいたまとめになっているなという気がしております。例えば企業の、私どもの知財に関する保護のこと、守りや攻めといった点で、攻めでは例えばいろんな規制撤廃なども必要だと申し上げました。CDMの話も本当に具体的に入れていただきました。ビジネスを進めるにあたって、どんな形で私どもの環境協力・技術が世界に生きていくか、そんな立場で意見を言わせていただいてきましたので、本当に事務局の方々、大変ご苦労いただいたというふうに思っています。
 企業はビジネスという範囲ですけれども、例えばもう東アジアという枠をはるかに超えた立場で活動をしています。あとはスピード感覚、ここだというふうに思っております。この数年、例えばそのスピードの感覚でいいますと何パーセントアップというのではなく、2倍、3倍というようなスピードアップでビジネスは進んでおりまして、環境に関する活動も同様に進んでいるということが実感でございます。そのためにはどうすべきかという本当に実施のためのスピードアップをこれから期待したいと思います。
 グローバルなイニシアティブという言葉が出ましたが、まさに企業レベルでも本当にそう思っております。例えば環境の規格の標準化のTC111の議論も本当にやっと何か日本発のそんな規格が出来上がって、体制が出来上がりつつあるように思います。私ども企業もそういう意味の情報公開、ぜひとも積極的にやっていきたいと思っております。またそういう意味でできることは各主体間の協力の中でぜひやらせていただきたい。そんなふうに思っておりますのでよろしくお願いします。
 以上でございます。

○浅野委員長 ありがとうございました。小林委員お願いします。

○小林委員 46ページの地方自治による国際環境協力のところを読んでいまして、4つポツがありますが、今もう一度読み直していて、この文章を読んで本当に地方自治体の方々は理解できるのかなと自信がなくなってきました。というのは、修飾語と述語の組み合わせがすごくわかりづらいのです。もう一度文章の組み立てを直した方がいいのかなとも思ったのですが、どう直していいか今ピンときていません。それが1点です。
 それからもう1点は、ここでもやはり同じように東アジア各国といって東アジアに限定して書いてあるのですが、東アジアという限定をしないで、「各国の」とか「他の諸国の地方自治体と」というふうにして、東アジアという言葉を全部外した方がいいのかなという感じに今ちょっと思っております。そういう意味でちょっとその辺を東アジアにこだわるのか、それともすらっともう「各国」というふうにしてしまった方がいいのかなと、ちょっとそれ思っております。

○浅野委員長 ありがとうございました。今のご意見は十分に検討させていただきます。
 黒川委員、加藤委員にはまた後でご発言いただくことにいたします。では、長谷川委員どうぞ。

○長谷川委員 どうもありがとうございます。もう既に企業の件に関しましては、青山委員や園田委員の方から言っていただいていて重複してしまって申し訳ないのですけれども、やはり東アジアのところです。48ページですが、東アジアで括っているところもそうですし、それから全体の中で特に「東アジアは」と、何度も強調されています。例えば48ページの金融における環境配慮のところで、3つ黒丸のありますところの2つは「東アジアは」とされています。ですからこれ全体に言えることですが、冒頭で強調すべきことが大きく東アジアといわれているのであれば、すべての問題が東アジアに関して特に重要になったというふうに言っていただけると、こういうことはいろんなところでも大事だけれども、東アジアでは特に、というふうに読み込めるのではないかというふうに思います。
 それと48ページで、サプライチェーンという言葉が2カ所出てきます。いろんなところに言葉が散りばめられているのはよろしいのですが、実は私は、サプライチェーンのところで以前にその言語が出てきましたときに、第一次サプライチェーンのところまではきちっと言えても、二次、三次と、どこまで私たちが内部に入っていけるのかということを問題提起したこともございます。1回ぐらい言っていただくのはよろしいとしまして、2回というのはいかがかと。大きく括っていただけるとよろしい気がいたします。
 以上でございます。

○浅野委員長 わかりました。では、この点はちょっと工夫をさせていただきたいと思います。
 それでは、山瀬委員、それから廣野委員、高橋委員からコメントをいただくことにいたします。

○山瀬委員 私も全体としてはよく書き込まれているという意見です。ただ最後の方で、例えば52ページです。「4 国際環境協力実施体制の強化」、52ページの(3)で「推進のための資金の確保・効果的活用」が書かれています。その黒ポツのところに「各種基金の充実を図るとともに、より戦略的な資金投入を行うこと」とあります。レポートとしてはこういう書きぶりだとは思いますが、実際には前段でずっと分析されてこういう位置づけでいろんな基金が既につくられています。例えば地球環境基金とかそれからボランティア貯金、JICAでもいろんな資金をつくりました。実際にやってみると最初はいいのですが、だんだんガチンガチンになってしまいます。税金が使われている関係もあるのでしょうが、それで動きがとれないというような状態になっているのが大体現実です。その効果的活用というのが、もうちょっと柔軟性のあるような活用をしていかないといけないと思います。たぶんNGOなどは動くときにはかなり柔軟に動いていると思いますし、それから相手国が途上国ということも含めて、そんなに予算どおりいかないわけです。その辺の柔軟的対応みたいなものは少し意識されていいかなというような感じはします。

○浅野委員長 ありがとうございました。それでは、廣野委員どうぞ。

○廣野委員 ありがとうございます。私も全体的にはこのドラフトで結構だと思っております。ただ、3点だけちょっと申し上げたい点があります。第1点は、ごくごく最近の状況が必ずしも反映されていないかなということです。いろいろなところで書いてあるのを見ると、例えば今度のグレンイーグルスにおけるG8のことがどういうふうなインパクトを与えるかということを念頭においた上で環境協力をどう考えたらいいかという問題がちょっと抜けているんですね。ごく最新の方向というものがいろいろ出てきておりますので、それがどういうような方向で我々の国際環境協力を進めたらよろしいかということについてのプリファレンスがあった方がいいかなと思います。特に、今、資源価格がべらぼうに上がっていて、特にエネルギー価格がバレルあたり58ドルですが、これはもう本当に驚異的な問題です。この問題の解決というのは基本的にはやはりエネルギー効率を高めるということがものすごく重要です。これが今度G8でも相当特定の国を対象に議論が出てくると思います。特定の国というのは中国とインドのことですが、そういう格好でかなりG8については心配しております。何かそんなこととの関連でもう少し強く言った方がいいのではないかという点がいくつかあります。
 それから第2番目です。例えば35ページあたりに、日本はこれから国際的に地域的な枠組みへの積極的な参加をすると言っています。しかしその積極的な参加の仕方がその後の35ページ以降のいろんな文面を読むと、まだ僕から見るとぼやっとしている。言ってみればけじめのあるそういう積極的な参加の仕方があるのではないか、そういう点でもう少し具体的に書いたらどうかなと思います。
 この点について申し上げるのはどういうことかというと、たまたま昨日中国から帰って来ましたが、中国における動きを見ていると、実は中国も21世紀においてはアメリカと中国がこれから世界を動かすということを言っております。そういう中で中国はかなり積極的に環境に対して、これからの世界的な環境の枠組みづくりに対して、中国は発言していくということを言っています。実は、どんな点で発言をするかという項目まで書いています。そういうことに対して、我が国としてはどういう格好で中国と協力しながら、あるいは時にはけんかしながら、国際協力をしていくかということを、もう少し鮮明に書いた方がいいのではないかと思います。これが第2点です。
 それから第3点です。やはりいろんなところでパートナーシップとかネットワークの強化とか言っています。これはもちろんものすごく賛成で、もともとこのレポートはそこに意味があるのですが、ただ一つ少し足らないのは、ネットワークの強化とかあるいはパートナーシップは考えとしては非常に結構ですが、具体的にはやっぱり何らかの格好で共同のプロジェクト、それが教育であろうと研究であろうとモニタリングであろうと、共同のプロジェクトを一緒にやっていくという共同行動計画といいますか、その面をもう少し前に出した方がいいのではないかと思います。
 これは必ずしも途上国との共同行動計画だけではなくて先進国との共同行動計画ですね。まさに国際環境協力が、この点は高橋先生が頻繁におっしゃっていることですが、あまりにも途上国向きであるので、やはり先進国との関係も考えながら、特に共同行動計画についてもう少し具体的にこんな方向でどうだろうか、あんな方向でどうだろうかということを入れたらどうかと思います。以上3点です。

○浅野委員長 ありがとうございました。大変厳しい宿題をいただきました。どうするか、少し考えさせていただきます。特に2番目のご指摘については、この文章の持っている性質上少し寿命の長いものにしたいということもありますから、どこまで具体的なことを書き込むかというところは少し検討しなければいけないかと思っております。それから地球環境部会の議論をあまり錯綜させたくないという部会運営上の配慮も多少あります。あまり言い始めると次の西岡専門委員会の話といっしょくたになってしまい、ややこしい面もあります。そこは少し考えさせていただきたいと思います。ご意見はよくわかりますので、本日の議事録にはしっかりと載せさせていただきます。
 高橋委員、お願いいたします。

○高橋委員 だいぶ親近感を感じる報告書になりましてありがとうございました。どの段階でどの程度のことをいうのかよくわからないのですが、やはりこういう報告書というのは何かインパクトがあるという、作業が無駄にならないということのためには、たぶん2つぐらい大事なことがあるという気がします。
 1つは、大体において問題が非常に錯綜しているので、その問題をうまく整理して世の中の理解を助けるということです。その先の政策はその整理したベースの上にまた別のプロセスにまかせるというようなことです。もう1つは、何らかの形で行動をスパークするようなもの、ボタンを押せるようなものが入っていることだと思います。私もかつては違う立場で国際公務員としてこういうような作業に随分携わりました。そのときに心がけていたことは大体そんなようなことでした。そのどっちもなかったらそれはもう終わったときで終りと、ほとんど意味がないということだと思います。
 できたらその両方がほしいという感じがいたしますが、前者に関しまして私は問題の整理、あとほんの一歩、半歩ぐらいで着きそうな感じがします。日本がどうしてこんなことやらなければならないのかということに関して、これは国際的なということとそれから東アジアということに分けておりますが、私はおそらくそのあとの方にアジア太平洋地域という表現が出てきますが、そこのところの書きぶりが鍵だと思います。
  東アジアについては、これでいいのだろうという感じがします。それからグローバルな分野、ここでは2つ特定していますが、いくつかやはり日本がイニシアティブを取る、取れる、取らなければならない、そういうものがあるような気がします。その形としてはこれでいいのだろうと思います。その中間のアジア太平洋が、東アジアから世界につながっていくその一つのステップとして、こういう議論はたしかに今までこの委員会であったと思いますし、ある意味でそれを忠実に反映している面があると思いますが、それプラスやはり世界的に見て、テーマによって役割分担というのがおのずとある。その役割分担の一環としてのアジア太平洋における日本の役割というのがいくつかの分野であると思うんですね。
 これは例えば熱帯雨林、アフリカのものはヨーロッパに主にやってもらいましょう。ブラジルのものは主にアメリカと一緒にやってもらいましょう。PNGからラオスにかけての地域は日本が主にやりましょう。例えばそんな役割分担というのが一つあり得ると思います。そうしますと一方でアジア太平洋地域というのは役割分担という色彩をもってここに書かれてしかるべきかと思います。すると、その役割分担の前提としてその役割分担を確認するための北側諸国の協力体制ということも、これは当然出てきます。そんなようなことがコンセプトとしてもう少しはっきり出てくると、この枠組みというのは理解しやすくなる。おそらく日本だけでなく、国際社会から見ても理解しやすくなると思います。
 2点目は、もしできればいくつか1つか2つか3つか、何か行動をスパークするようなボタンがほしいなということです。これに関しては実に無責任な発言でして、それがどこなのかよくわかりませんので、一般的にいってこういう報告書にそういうのがあったらいいなということです。
 3つ目には、先ほど廣野委員がおっしゃった世の中で新しい動きがどんどん出ているということに関してです。例えば先週も途上国会議、サウス委員会というのが開かれました。そこでも2,400万円程度のものですが、南基金というのが発足しました。それを南側諸国で共通の認識のある方向で協力していこうというようなことになってきています。そういうものをどんどんエンカレッジしていく。そういうのに対してどんどん我々のセンシティビティを働かせて協力していくというスタンスが見えることが、今こういうように世の中が危険している状況では好ましいのではなかろうかなと思います。主な点は、以上3つのことです。
 あと、きわめてマイナーな点が2点ございます。1つは、48ページの最後の行です。これは「3-5 学術研究機関による国際環境協力」、「国際開発や環境の分野に取り組んでいる大学や研究機関において、開発途上国の人材・研究者」とありますが、これ開発途上国の人に限らない。ですから、開発途上国の人たちがメインになるかもしれませんが、やはり「開発途上国等」と「等」を入れた方が正確だろうと思います。
 もう1点は、34ページの真ん中あたりです。大きなIIIの1.のところでそのパラグラフの真ん中あたりのセンテンスに、「その際」というのがございます。「その際、関連する国際機関へ人材を派遣すること、UNEPや国際自然保護連合(IUCN)などの国際機関によるイニシアティブへ」云々とありますが、ご案内のとおりこのIUCNの性格規定というのは常にもめています。これは国際機関なのか、NGOなのか、そのハイブリットなのかといろんな議論があります。無用な混乱を避けるために、「UNEPやIUCNなどの」というのは切ってしまった方がいいと思います。その方が、誤解がなくて済むのだろうと思います。以上です。

○浅野委員長 ありがとうございました。最後の点、ご注意はよくわかりました。前半の問題はこれまた廣野委員からの宿題以上に難しい宿題であります。締め切りまでごく限られた時間ですが、どういう形でご意見を反映させるか考えさせてください。
 それでは、黒川委員、加藤委員、中村委員にもさっきはテーマを限定してしまいましたので、何かありましたらどうぞ。加藤委員、よろしいですか。

○加藤委員 先ほど申しましたことにちょっと付け加えさせていただきます。ただいま高橋委員からもお話がありましたが、私がいうパートナーシップなりネットワークをもうちょっと広げたいろんな主体間でというのは、例えば企業、NGO、国際機関として、あるいは現地のNGOとも共同でコンソーシアムを組むというような形の研究協力もあるのではないかという意味で申しあげました。これは大学だけに限らないと思います。もう少し先の方で主に国の研究機関を想定しているのだろうと思われますが、そこでも研究機関間の連携とパートナーシップの構築というのが出てきます。それとも併せてより広いパートナーシップというかコンソーシアム、例えば具体的にいくつかの企業、先進国、途上国に限らず、コンソーシアムによる共同研究の推進というようなことを考えていいのではないかと思います。
 それと言葉づかいで恐縮ですが、パートナーシップという言葉が裸で出てきたり、「協働」と書いて(パートナーシップ)と出てきたり、それから「協働」だけで出てくるところがあります。この辺使い分けがどうもはっきりしていないので、パートナーシップで統一するのであればどこかにきちっとしたものをおいて、それで通した方がいいのかなと思います。ちなみに最近、自治体レベルではもうパートナーシップということがよくいわれますが、むしろパートナーシップをさらに超えて、実際に共に働く方のコラボレーションの意味で使っていることが多いようです。その点もちょっと考慮しながらこのパートナーシップという言葉づかいについては若干注意した方がいいかなということです。
 あとは廣野先生、高橋先生から、何か行動をスパークするようなボタンをとのことでした。これは我々全員で考えなくてはいけないことですが、この段階でそういうすばらしい何かきっかけになるような、それこそボタンのありかだけでも示せるようなことができればいいのですが、今のところちょっと思いつきません。やはり一つの特徴は、最初の段階でだいぶ議論がありましたが、東アジア共同体というコンセプトを中心にして、重点地域としては東アジアを中心にしながらそれを世界に広めていくということがありました。そのあたりが少しヒントになるのかなという気が私はしております。随分最初のころ議論があって、東アジアだけじゃないんだ、それにあまり引っ張られるようなことはない方がいいというご意見もありました。残された時間はあまりないと思いますが、議論を進める必要があるかなと感じております。
 以上です。

○浅野委員長 ありがとうございました。それでは、黒川委員何かさらにございましたらどうぞ。

○黒川委員 毎回同じようなことばかり申し上げますが、先ほどは突然のご指名だったのであまり整理しないで話してしまいました。廣野先生からさっきご指摘があったイギリスのグレンイーグルズ・サミット、ここでもやはりアフリカに対する援助を強化するという話が出てくると思います。これは単に日本が東アジアを、ヨーロッパがアフリカを分担するということではなくて、今やアフリカ問題というのは全世界が同じような関心を持って取り組むべき問題ということになっているのではないかと思います。そういうことから私は最初の会議からずっと東アジアはもちろん重点だけれどもグローバルにと申し上げてきました。こういうことを申し上げたのは、パブリックコメントにもサミットにもいろんな形でエンカレッジングな話が出てきているというふうに思った次第です。
 それから、この会がまとめの会議になるということでいうとすれば、先ほどの高橋委員のご指摘は全くそのとおりだと思います。やはりこれだけの人たちが集まって何度も会議を重ねてやるということからすれば、やはりこれの目玉、先ほどの表現でいえば、行動をスパークするものということを、もっと早くから自覚して議論すべきだったのかなと反省をしているところです。少しはじめから文章に付きすぎて議論をし過ぎたのかなという感じがしています。ブレーンストーミング的に新しいアイデアがないのかということを議論すべきであったかなという気がいたします。

○浅野委員長 ありがとうございました。その点は実は廣野委員会が先にあって、それに沿って議論をしようということであったと思います。私の認識では、廣野委員会リポートがかなり目配りの効いたリポートであったということだと思います。高橋委員が「ボタンがない」とおっしゃっていることについては、これはこれから少し考えさせていただきます。ただ、例えば大阪で意見交換会をやりましたとき、廣野委員も全く同感だと思いますが、実際やっておられる方は実によくやっておられます。そういう人たちの目から見ると「何だね、東京の連中は」とか、「お上は何やっているんだね」というきわめて厳しいお叱りが多かったわけです。
 私は別に霞が関を代表するわけでもないので、比較的簡単なことを言わせていただきましたが、この委員会のメンバーは結構そういう現場感覚をしっかり持っていて、感性的には非常に理解できる。ただ、この文章は最終的には政府の文章になるので、そこはそれなりの限界がありますからご勘弁くださいと申し上げて、ご了解いただいた面もあります。でも、今までのように政府、外務省、何々省、そういうところがこれはやるんですよ、あなたたちは付け足しですよという発想はとらないということは明確になっていると思います。このとおり受け入れられて政府の方針になっていくとすれば、やっておられる方々、特に企業の方々が、おまえら金儲けだけやっているんじゃないかという目で見られていたことに対して、相当修正を加えることができるのではないかと思います。そしてその方々とNPO/NGOの人たちが政府とは関係なしのパートナーシップを築き、協働する。今までやってきたことは間違っていないのだし、これからもっとそういうことにしっかり力を入れていこうじゃないか、いうきっかけになるなら、それはある意味では先ほど高橋委員が言われたお話の一部分ですよね。これですべてとは言いませんけれども、何かこう新しい冒険が出てくるきっかけになるかもしれない。そんなことを思います。廣野委員、どうぞ。

○廣野委員 今、委員長からお招きがありましたので申し上げます。
 おっしゃるようにこれが審議会でいろいろ議論されますから、そこでどうなるかわかりませんが、ただ少なくとも今後の国際環境協力のあり方についてというこの専門委員会から出す目玉として、やはり小泉総理がおっしゃった持続可能な開発のための教育の10年でしょう。せっかくあのような格好でWSSDをやったわけですから。私自身も、色々なところ、特にアジアの国で感じるのは、途上国では、やはり経済成長が一だと、環境問題なんか次だと、環境なんかそんなに重要ではないんだという意識がものすごく強いということです。そうであるとすると、いつまでたっても環境についての改善がみられないので、少なくとも東アジアということを念頭におくのなら、そういう一般国民大衆、企業、地方自治体、中央政府、教育機関・研究機関、すべての人々の環境意識を向上させるような、東アジアの環境意識向上のための大きなプログラムを日本として提唱する。みんなで一緒にやりましょうと提唱するというようなことがあるのではないかと思います。
 僕たちのペーパー自身が、例えば人材の育成であるとか、すぐそういう方向へ走ってしまうのですが、人材の育成の前に、最後は環境問題というのは基本的には国民がサポートしなければなかなかできない問題ですから、意識の変革が必要です。そういう意味では環境教育とか一般にいわれていますが、「持続可能な開発のための教育」という教育の重要性がありますので、せっかく小泉総理が2002年にああいう格好で言ったので、それを受けた形で今回の私たちのこの協力のあり方については、もっとアジアを対象にしてそういうことをきちんとやりましょうと出したらいかがでしょう。そこには環境意識の向上、それから環境人材の育成、それから環境保全の制度づくり、この3つを頭においたようなものをここで出すべきかと思います。また、これからのアジアのことを考えると本当にインドとか中国のことは心配です。本当にきちんとやらないとうまくいかないなと思っているものですから、そういう意味で、先ほど申し上げた、共同行動計画のようなものを出したらどうでしょうか。

○浅野委員長 ありがとうございました。この文章の文脈の中で直接書くかどうかは別として、次のステップで展開のヒントということでいえば、今の点は非常に大事な点だろうと思います。少なくとも東アジア共同体という最初生の形で出てきたものは、私自身は取りようによっては下手すると大東亜共栄圏みたいな発想になり兼ねないので、そういう表現はどうかなと思ったことがあります。東アジアの環境管理というような形で最初に書かれている文章がそのままずっと最後まで続いていると何となくおかしいなということで、かなり軌道修正をされてきました。専門委員会のこれまでの議論の経過で、軌道修正をしてきたということの究極のところの姿形は、廣野委員がおっしゃったようなところに行き着くんだろうという認識は、私も持っております。
 それは少なくとも底流にある一つの我々の共同の認識ということでありますので、この中で今の先生のご意見を入れるとしても、次の環境基本計画のように5年ターンで動くとかというようなものの中では、もっとそういうことを強調してということがあるかもしれません。少なくとも環境基本計画とこれとは少し時間的には射程距離も違うということを考えますと、その辺のところは次のステップのところで十分生かしていくことが可能ではないか。それができるような形で可能な限り残された時間で事務局には修文をさせたいと思います。

○廣野委員 ちょっとよろしいですか。委員長がおっしゃった、あまりそういうのを出すと、戦前の大東亜共栄圏のようなものをまた日本が出しているかなと、そういうことを懸念されるのではないかというお話でしたけれども、実は逆ではないかと思っています。先週、先々週も、このところ東アジア共同体に関するいろんな会議がたくさん東京でも行われております。韓国、中国、それからASEANの方々、たくさん学者が来て、議論してきました。皆さんから出る言葉は、なぜ日本がもっと積極的にやらないだと、なぜ日本はそれだけの能力があるにもかかわらずリーダーシップをとらないんだという、要請がむしろすごく強いんですよ。逆に日本は戦前の云々とか言いながら、逆に一歩下がっているように見える。だからそれが逆に彼らに対してまた何か変な気持ちを持たせるんですね。日本は口では何も言わないけれども、実際にはそう考えているのではないかとか勘ぐるわけです。もっとはっきりと言っていくことの方が重要ではないかと私は思いました。

○浅野委員長 わかりました。このあたりは小島局長にしっかり受けとめていただきたいと思います。高橋委員どうぞ。

○高橋委員 蛇足ですが、東アジア共同体は、私は全体の中でこれが突出するのは好ましくないと、ずっと言ってきました。ただ、今、委員長がおっしゃった点、大東亜共栄圏風というのは、おそらくこの二、三年で非常に薄れていると思います。韓国、中国をはじめ、この地域の状況は、一方でますます非常に対立抗争が激しくなると同時に、ますます協力関係も密接になってくる。その両方をどうするかということが非常に大きな課題になっているなという認識になっていると思います。そういうことを背景にして、今回のこの東アジアのコンポーネントを扱った方がいいと思います。東アジアに関して、政治的には新しいコンテクストなんだという認識が一つ必要だろうという気がします。その意味では今、廣野委員のおっしゃったことは私そのとおりだろうと思います。
 それからもう1点は、この報告書は2つの色彩を持っているのではないかなと私は思っております。委員長のおっしゃったのは、これはやがて環境基本計画等々への材料だと、したがって国の政策の材料だという色彩があると同時に、もう一方ではやはりここの議論で委員長ご自身もずっと言っておられたように、政府以外のアクターが非常に重要だということがあると思います。その側面を見てみると、この報告書自身がそのプロセスとは独立したものとして考えてもいいんだろうという感じもします。ですから、やがてこれはその環境基本計画の立案の材料の一つになる。そのとおりだと思います。ただ、それだけで終わらせる必要はない。それプラスアルファーそれ自身として意味のあるものをつくるべきだろうというふうに思います。

○浅野委員長 最後の点はおっしゃるとおりです。環境基本計画はあくまでも5年ぐらいのところのとりあえずの重点的なもの、それからこの専門委員会報告は前の計画からいうと、環境基本法以前にあった方針がその後の経過でこう変わっていくということです。このような位置づけの違いからいいますと、ここでもしこの報告にもとづいてきちっと審議会で答申を出していくと、答申自体はまたさらに相当長い期間の方向性を打ち出していく結果を期待をしているわけです。では、どのくらいの寿命この方針が保てるかということが、ある意味ではこの報告の出来ばえのよしあしということになるわけでしょうし、どこまで先を読んでいるかということも問われるということになるだろうということは認識しています。少なくともこの方針が2、3年ごとに変えられるということでは困るわけです。そのことはたぶん関係各省も意識しながら読んでくれているだろうと思っておりまして、今おっしゃった2つの側面があることは全くそのとおりだと思います。
 それでは、中村委員どうぞ。

○中村委員 いくつかありますが、1つは先ほど委員長がおっしゃったように、「はじめに」のところの書きぶりです。これは基本的には環境省が地球環境保全という枠組みでまとめられたということですが、これいったん英文になったり、外にこのタイトルそのままで出たときにはオールジャパンの、それからオール環境ということになります。この辺のバランス感覚というのはもう一度ちょっとチェックしていただきたい。国交省だとか経済産業省だとかいろんな省庁のこの種の会合で、それぞれのニュアンスなり強調されるところがそれぞれ違っております。この報告書としてどういうバランスでやっていただくのかというのは、委員長おっしゃったように、どこかのプロセスでうまく整合させていただければ非常にありがたいなということは思います。
 それから、この略語表ですが、組織の略語と国際的な共通概念、CDMなりの略語と、それから我が国が、特に環境省が使われている略語と、あるいは国際機関の名称の略語が全部一緒に入っています。これはちょっと何かうまい整理をして、それぞれの意味合いが違うということと、略語の英語の名称についてはきちっと入れた方がいいと思います。それが第2点です。
 それから3Rというのは日本だけの略語なのか、あるいはEPAというのもいわゆるEPAというアメリカ環境庁の略語というのもあります
 それから一つ、非常に大きな問題で、今までうまく問題提起できなかったのが、日本の国際機関への拠出金の日本の取組への還元という部分をどう考えるかということです。私は、今、世銀、GEFのプロジェクトをやっております。GEFの日本の組織で使われる最初のミディアムサイズプロジェクトというのをやっても非常に難しいですが、財務省、環境省は、こういうことを今後非常に重視していくということを言っておられるわけですから、この国際機関への拠出金が有効に日本の組織の中で活用されて、貢献していくということは一つ重要なポイントかと思います。そういう意味ではGEFが一カ所だけ、16ページにポコッと出ていますが、もう少しGEFの記述とそれからこういう報告書の関係というのがあってもいいのかなと思います。
 それと、これはちょっと小林委員にもかかわる問題ですが、34ページで「重点分野に係る世界的な枠組みづくり」で私が取り組んできたのは淡水資源の中で湖沼環境です。自然環境、それから人間が使う水資源の問題を含めて大きな流域の管理というようなことでやってきました。日本の取組をどういうふうに反映するのかということは、それぞれいろいろやってきているので、なかなか難しいと思います。ただ、ILECとエメックスが湖沼と閉鎖性水域で取り組んできたことは非常に特筆されることかなと思うので、検討の余地があるかなと思います。ここの世界的な枠組みづくりで、日本の地方自治体が取り組んできた非常にユニークな、かつグローバルにインパクトを及ぼす活動というのはあったか、これをどう取り上げられるかということについては、結果的にどうなるかということは別にしても、発言させていただきたいというふうに思います。
 以上でございます。

○浅野委員長 ありがとうございました。最後の点についてはどういう形で入れるか、なかなか難しいかなという気もしていまして、この文脈はアジェンダを並べている提案の文脈ですから、ここに入れてしまうとちょっとおかしくなるかもしれません。どういう形で入れるか、もし可能なら入れてみるということであるかもしれません。ただそうすると、これも入れろ、あれも入れろと話がまた変ってくる。ただ北九州イニシアティブだけは出てきますから、均衡上どうかなという気も確かにします。考えさせてください。
 それでは、大体ご意見はいただいたということでよろしいでしょうか。これだけ意見が出て、それで委員長におまかせくださいというのはいい加減な話だとは思いますが、これも地球環境部会の伝統でありますのでお許しをいただいて、最後の修文は一任をいただきたいと思います。なおかつ、部会でまたさらにご意見があらたに出てくるという可能性はあるかと思いますが、専門委員の先生で部会のメンバーの方は、ぜひ部会ではサポートの側に回ってくださいますようによろしくお願いいたします。

○廣野委員 ちょっとよろしいですか。もう1つ、共同行動という点で、先ほど申し上げなかったことがあります。それは、実は私たちが最初にやったときに意識的に取り除いたことで、今考えてみると除いたことが間違ったかなという考えを持っていることがあります。それは、ポスト京都プロトコルのことです。国際環境協力ということを考えたら、やはりポスト京都プロトコルに途上国が参加してくることは、たいへん重要なことです。そのことに関しては若干政治的な発言になるのかもしれませんが、我が国の今後の国際環境協力を考えたら当然ポスト京都プロトコルのことはふれざるを得ないのではないかと思います。お考えください。

○浅野委員長 十分に考えておりまして、温暖化という表現で一応はCDMまで入れていますので、ある程度それを意識したつもりでございます。なお、考えさせてください。
 それでは、もしよろしければ専門委員会としては私にご一任くださったということでよろしゅうございましょうか。

○浅野委員長 ありがとうございます。それでは、修正を加えたものを次回の部会に提出をして、部会でさらにご議論をいただく。できれば部会でご承認をいただいて答申にしていくということにしたいと考えております。
 それでは、事務局から連絡ございますか。

○田中室長 本日は、様々なご意見を頂戴いたしまして大変ありがとうございました。委員長にご指示をいただきながら、最終的な文案をこれからつくってまいりたいと思います。
 事務的なご連絡ですが、本日の議事録につきましては、いつものとおり事務局の方でとりまとめの上、後日、委員の皆様に案ということで送付させていただきます。ご確認をお願いいたします。長い間、熱心なご議論をいただきましてありがとうございました。

○浅野委員長 専門委員会は報告をまとめた段階で一応解散をしてしまうわけですが、規定上は審議会令の改正というところまでは残っておりますので、委員会は開きませんが、議事録については委員会でご承認をいただいたという扱いにすることになろうかと思います。
 それでは、最後になりましたが、小島局長から一言お願いいたします。

○小島局長 長い時間ありがとうございました。前回の国際環境協力のあり方というのはリオサミットの前後ということで、この時期は日本も自信にあふれて元気でしたし、東アジアの唯一の先進国というような気概もあったと思います。現在はもう昨今の状況のように東アジアでも中国と日本がリーダーシップを争うという状況になってきております。今後10年、20年そういう状況が続くと思いますけれども、その東アジア共同体というのが大東亜共栄圏になるわけでもなく、あるいは中華帝国になるわけでもないと思います。ただ、そういう東アジアにおける日本と中国の関係というのは東アジアにとどまらず、グローバルにもそういうリーダーシップの争いがいろんなところに波及をしていくということだろうと思います。東アジアに位置しているということで、そのことが非常にクローズアップされていくと思いますし、そのグローバルな展開というのが例えばポスト京都でありますとか、ほかのところにもいろいろ出てくる、はね返ってくる、そういうことにもなろうかと思います。
 そういう意味で今回まとめていただきました「国際環境協力の在り方」というのは、東アジアの状況というのが大きく動いている中での事柄であります。いただきました報告書についてまた部会でご議論があるかと思いますが、変化が非常に早いということもございますので、これを具体化していくプロセス、それから不断の変化に対応するような検討というものも今後必要ではないかというふうに思っております。
 きょういただきましたご議論を、委員長と相談しながら適切に盛り込んで、部会の検討に付したいと思っております。
 以上でございます。

○浅野委員長 それでは、以上をもちまして本日の専門委員会を終了いたします。本当に委員長としての役割を十分に果たすことができませんでした。とりわけ4月からきょうまでちょっと間が空き過ぎてしまったことは大変申しわけございませんでした。
 私にとっても先生方と何回も議論ができて大変勉強になりました。正直いいまして、こんなに楽に議事運営を進めることができた委員会は久しぶりでございます。ご協力、本当にありがとうございました。
 それでは、今後ともいろいろご協力いただかなければいけないことがあろうかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

午後4時46分閉会

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