中央環境審議会地球環境部会 第3回国際環境協力専門委員会議事録

開催日時

平成17年2月18日(金)14:02~16:04

開催場所

環境省 22階 第1会議室

出席委員

(委員長) 浅野 直人
(委員) 青山 俊介  高橋 一生
石田 耕三  中村 正久
加藤 久和  長谷川 雅世
黒川 祐次  廣野 良吉
小林 悦夫
 
 

議題

1. 今後の国際環境協力の取組みの方向について
2. その他

配付資料

資料1  今後の国際環境協力の取組みの方向骨子(案)
資料2  今後の国際環境協力の取組みの方向(案)
参考資料1  国際環境協力に関する既存計画/現状と課題/今後の取組みの方向(案)
 

議事録

午後2時02分開会

○田中環境協力室長 それでは定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会国際環境協力専門委員会の第3回会合を開催させていただきます。
 本日は全委員13名中10名のご出席をいただいております。園田委員、山瀬委員、和気委員は、今回はご欠席という連絡をいただいております。
 それでは、浅野委員長、よろしくお願いいたします。

○浅野委員長 それでは、本日もお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日の議事でございますが、今後の国際環境協力の取組みの方向について、ご議論をいただくことにしたいと思います。前回は理念と基本方針、それから配慮事項という、総論的な部分についてのご議論をいただきましたが、それを受けて、今回は、報告の実質的な内容部分をご議論いただくわけでございます。
最初に骨子案ということで、今後の国際環境協力の取組みの方向の全体像をご説明した後、本日は、そのうちの3つのテーマについて、ご議論いただこうということを考えております。なお、残ります1つについては、次回にご議論いただくということにいたしたいと存じます。
 なお、前回の専門委員会で、いろいろご意見をいただきましたが、それを改めて文章化して取りまとめる作業はまだ十分ではなく、基本的には「国際環境協力戦略検討会報告書」をベースにした資料になっております。これまでのご議論により、多少表現ぶりを変えている部分もございますが、文章としてきちっと押さえるのは、全部の議論が終わってからということにしておりますので、その点はどうぞご了承いただきたいと思います。
 それでは、事務局から資料の確認をお願いいたします。

○関谷環境協力室室長補佐 それではお手元の議事次第の裏面に資料一覧がございますので、これに基づきまして確認をさせていただきます。
 まず資料1でございますが、「今後の国際環境協力の取組みの方向骨子」(案)でございます。それから資料2が、「今後の国際環境協力の取組みの方向」(案)でございます。資料は以上ですが、参考資料として、「国際環境協力に関する既存計画/現状と課題/今後の取組みの方向」(案)をお配りしております。
 配布資料は以上でございまして、このほかに委員の皆様のお手元には、先日ご確認をいただきました前回の議事録を配布させていただいております。これにつきましては近日中に環境省のホームページにも掲載し、公開をさせていただきたいと考えております。
 また、それに加えまして、次々回以降、4月以降の本委員会の日程の調整のためのシートをあわせて配布させていただいております。これにつきましては後日ご記入いただきまして、来週22日の火曜日ぐらいまでにファックスでご返送いただきたいと思います。
 以上でございます。ご不足のものがありましたらお申しつけください。

○浅野委員長 よろしゅうございましょうか。
 日程調整のためにご予定をお知らせくださいということになっておりますが、4月以降になりますと、大学関係者は講義がございますので、どうしても曜日の自由がきかないということがございます。私も、この委員会は大事な委員会ですから、1度ぐらいは講義を休講にしてでも日程を合わせたいと思っておりますが、ある程度曜日が固定してしまう危険性がございます。その辺は大変恐縮でございますが、ご了承いただければと思います。
 それでは、本日の議事に入りたいと思います。まず、今後の取組みの方向の骨子(案)について、事務局から説明をお願いします。

○関谷環境協力室室長補佐 それでは資料1をごらんいただきたいと思います。今後の取組みの方向の骨子(案)でございます。これにつきましては、先ほど委員長からご説明がございましたように、基本的には国際環境協力検討会報告書の枠組みを利用してはおりますけれども、前回までのご議論を踏まえまして、若干修正した部分もございます。その点も含めて、これからご説明をいたします。
 大きく分けまして、今回の骨子案は4点からなっております。1.から4.までございまして、第1点目が、「世界的な枠組みづくりへの戦略的な関与」というものでございます。グローバルな課題に対する条約のような国際的な枠組み、あるいは世界的な政策対話の場づくり、こういったものを枠組みづくりとここでは言っております。そういったものについて記述してはどうかということでございます。詳しい中身につきましてはこの後ご説明いたしますが、現在掲げておりますのはいくつかの環境にかかわる重点分野、あるいは気候変動の問題、それから環境技術の移転という問題、それから貿易と環境の問題、こういったことを考えております。
 それから2点目でございますが、これは地域の取組みの推進に関するものでございます。この中には様々なものが含まれると考えております。前回、基本方針の説明の中で、地域における環境管理の枠組みづくりや将来的な東アジア環境共同体の構築というような言葉を使い、ご説明した部分もありましたけれども、今回は、前回の皆様のご意見も踏まえまして、少し構造を変えてございます。具体的には、この地域における取組みを進める上で、まず基本となるのは、やはり従来から進めてきている二国間の政策対話、あるいは二国間での協力の取組みであります。こういったものを発展させていくとともに、環境に関する情報・モニタリングといった体制を整備し、それらを基盤として、徐々に地域における取組みにつなげていくというアプローチが有効なのではないかと考えております。戦略としては、最終的にその地域全体の環境管理を改善していくということを意識しながら、こういった取組みを進めていこうという考え方でまとめてございます。二国間の政策対話から始まりまして、情報ネットワーク、それから共同研究、それから開発途上国の環境管理能力の向上あるいは環境教育といった問題。それから我が国がこれまでも実施してきております環境ODAの今後の効果的な活用の問題。それから現時点でもある程度地域レベルの取組みといいますか、計画、戦略といったものができているのもございますので、そういったものの作成や実施の問題。2ページ目に行っていただきまして、そういった地域の取組みに関して、点検評価の仕組みづくりをしていくこと。それから最後(8)でございますが、こういった取組みを踏まえまして、地域における環境管理の枠組みづくりを進めていくこと、それから枠組みに基づく環境管理を推進していくこと、こういったものを今後の取組みの方向として織り込んだらどうかと考えております。
 それから3.は、多様な主体による環境協力の推進ということで、政府の取組みにつきましてはその前の1.2.で書いてございますが、これに加えまして、地方公共団体・NGO/NPO・企業による環境協力として、どのような取組みが望まれるのかといったことを記述しております。
 4.は国際環境協力の実施体制の強化ということで、実際の協力を推進するための国内基盤の強化というのが4―1でございます。この中には、情報、あるいは人材、資金の問題、そういったものを記述してございます。それから、3ページ目に行きまして、協力を進めるための体制の強化というものも必要かと考えております。この中には、国際機関をいかに我が国として活用していくかといった問題、それから我が国の関係機関の連携の問題、体制の強化の問題、地方公共団体・NGO/NPO・企業の取組みを進めていくためのそれぞれの体制の強化の問題について記述してはいかがかと考えております。
 資料1に関しましては以上でございます。

○浅野委員長 それでは引き続いて、資料2に基づいて、「世界的な枠組みづくりへの戦略的な関与」についての説明をお願いいたします。

○関谷環境協力室室長補佐 では、引き続きまして資料の2をご説明申し上げます。資料の2の構成も今の骨子案に沿ってつくってございまして、1.から始まり4.までございます。
 1.の「世界的な枠組みづくりへの戦略的な関与」についてご説明をいたします。これにつきましては、4つの事項を挙げてございます。
 最初は、「重点分野に係る世界的な枠組みづくり」であります。重点分野につきましては、前回、基本方針についてご議論いただいた際にもお示しいたしました。近年の国際的なフォーラムで重点分野として挙げられている課題を踏まえまして、今後の国際環境協力を進めるに当たって重点的に考えるべき分野を特定しております。もちろん、前回のご議論にもございましたように、この分野以外全くやりませんということではございませんけれども、特にこの重点分野につきましては、今後、その世界的な枠組みづくりに我が国としても積極的に関わるべきということで掲げてございます。具体的には、水資源の問題、エネルギー・気候変動の問題、土地劣化の問題、都市環境の問題、教育・キャパシティ・ビルディングの問題でございます。また、横断的な課題として、持続可能な生産消費形態への変更といったものについても世界的な議論がなされておりますので、こういったものにも関与していくべきではないかと考えております。生物多様性につきましては、ある程度国際的な条約などできているということで、これをいかに効果的に活用し、また連携・相乗効果を図っていくかというところかと思いますが、ここについても貢献を果たしていくべきではないかということでございます。
 続いて、気候変動の問題でございます。ご承知のとおり、一昨日、京都議定書の発効日を迎えたわけでございますけれども、この問題の解決の方策につきましては、まだまだこれから長い議論と実際の取組みが必要かということでいくつか掲げてございます。まず、京都議定書で定められている京都メカニズムについて、その国際的なルール化がまだまだ必要という部分がありますので、そこに関与していくということが1つ。それから、将来的な地球規模での対策の推進につきましては、特にアジア太平洋の関係国との政策対話を進めながら、枠組みづくりに主導的な役割を果たしていくべきであるということ。それから、温暖化の悪影響への適応についても、やはり我が国として枠組みづくりを支援していくべきではないかということでございます。
 2ページ目に行っていただきまして、3点目が環境技術の移転に関する枠組みづくりでございます。我が国が蓄積してきた環境技術を有効に他国でも生かしていくために、政府として何ができるかということでございます。環境面での国際的な規格づくり、それから技術の普及に当たって障害となるようなことがないように知的所有権の保護に関するルールをつくっていくといった面でリーダーシップをとっていくべきではないかということでございます。
 それから4点目が貿易と環境に関する問題でございます。現在WTOにおいて議論されておりますが、引き続き環境と貿易の相互支持性を確保すべく、積極的に議論にかかわっていくこと。それから近年、特に活発になってきております、FTA、EPAのような協定の締結にあたり、環境面での影響について十分検討する、場合によっては環境協定のような取組みも検討を進める必要があるといったことを掲げてございます。
 世界的な枠組みづくりに関しましては以上でございます。

○浅野委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、この部分について、ご意見を承りたいと思います。いかがでございましょうか。
 青山委員、どうぞ。

○青山委員 2ページ目の環境技術の移転に関する世界的な枠組みづくりというところですけれども、経験や教訓の移転ということも重要だと思います。前回の委員会でも申し上げましたが、中国の郊外で、多摩ニュータウンのような勤労世帯用の大規模な住宅団地がつくられようとしている。我が国のニュータウンは、ちょうど私が大学を出た頃に建設され始めましたが、
それが今、多くの問題を抱えています。また、産業経験でも特に中小企業の環境対策と経営健全化などに教訓的なものが多く蓄積されております。こうした視点がウ.のところに入ってもいいのではないかと思います。

○浅野委員長 ありがとうございます。全くこの点は同感ですね。
 高橋委員、どうぞ。

○高橋委員 ありがとうございます。この前の会議は出席できなくて大変失礼いたしました。議事録を読ませていただきまして、非常におもしろい議論だったんだなという印象を受けました。特に、事務局の説明が非常に優れているという印象を受けました。この作業は、事務局にかなり頼ることになる場面が多いのではないかと思いますけれども、非常に心強く感じました。
 この最初のところのテーマに関しまして、世界的に対応していく際に扱っていくイシューというものを、個々の環境課題としてのイシューと横断的なイシューに分けるのは、そのとおりだと思います。その区分について、例えばこの教育・キャパシティ・ビルディング等々は、私は横断の方に入れるのではないかと思いますが、そういうものを出発点とするのは確かにそのとおりだと思います。ただし、その先に、国もしくは地域というものをグリッドのように入れて思考をするのではないかというふうに思います。日本から見てどういう国、どういう地域が重要であるかというような視点から、その国、地域などをもう1つのディメンジョンとして考えていく。それから3つ目のディメンジョンはタイムスケールです。これから2、3年だとどうなのか、5年ぐらいだとどうなのか、10年ぐらいだとどうなのか、さらにその先はどうなのかというようなことを考えていく。この3つの、いわば立体形で、ここの最初の入り口のところを構想するのかなというふうに思います。以上です。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 最初にお褒めをいただいたところは、事務局は大いに気をよくしたと思います。委員長としてもお礼を申し上げます。
 国及び地域のターゲットと日本の重要性のある地域をというこの点は、前回の理念の議論の中で、今後ある程度盛り込まれるという前提で今日の資料ができていますが、確かにタイムスケールというような視点が、どこまで明瞭に前回の議論の中で反映されているかわかりませんので、ご指摘の点はこの部分でもきちっと接続性があるようにということで、さらに今後の準備を進めていただきます。ご指摘ありがとうございます。

○高橋委員 もしかしたら、この前の議事録、私は読み間違えているかもしれませんが、その地域、国というのは、この前の議論では東アジアかどうかというような議論をしていたように思います。私はそういうことを言っているのではなくて、世界全体のことでこの要素を入れるべきだろうというふうに思いますので、今のように申し上げました。

○浅野委員長 わかりました。それでは、その点も勘案しながら、この点は黒川委員も時々ご指摘になっていることですから、同じようなご発言があることはよくわかっております。
 小林委員、どうぞ。

○小林委員 これを事前にいただいてちょっと読んでいて気になったのは、重点分野に係る世界的枠組みづくりという中のその重点分野というものは、世界で起こっている環境問題での重点ということだろうと思いましたが、世界の環境先進国がいろんな技術協力をしていく中で、日本の得意な分野というのがあるのではないかということを申し上げたい。その得意な分野について、よその国とは違うこういうふうな技術協力というか環境協力のあり方というのが何かあってもいいのではないかという感じがしました。重点分野の2つ目のところに項目がずっと書いてありますけれども、これが日本の得意な分野とも思えないし、だとすると何か得意な分野を重点的にもう少し押さえた方がいいのではないか、また、そういう記述が欲しいなという気がしました。

○浅野委員長 わかりました。それで小林委員としては、直感的に得意な分野は何だと思われますか。

○小林委員 いや、実はそう思いながら、よく考えるとあんまりないなという気がしてきまして、ちょっと自信を失っておりますが。

○浅野委員長 青山委員、日本は何が得意だろうと思われますか。

○青山委員 先ほど申し上げた経験ということで言えば、1960年代から70年代にかけて、日本が試行錯誤しながらやってきた経験知見が膨大にあると思います。20年前、30年前につくった建物、都市、供給処理インフラなどで問題点が多く顕在化してきている。私自身は得意というよりは、やっぱり失敗や教訓的な経験が非常に特異な経験であると思います。

○浅野委員長 なるほど、トクイの字が違うということですね。

○青山委員 そうしたものを活かしてもらうのが1つの視点と思います。

○浅野委員長 わかりました。ありがとうございます。
 どうぞ、廣野委員。

○廣野委員 先ほどのその得意の分野、小林さんの方で考えてみて、ないとおっしゃいましたけれども、僕はそうでもないと思います。
2つの点で申し上げたい。1つは、ここにあります教育・キャパシティ・ビルディング。これは、私たまたまアジア諸国をずっと回っている中で、日本の非常に得意な分野かなと思います。これは今、特に地域社会のレベルで、日本でものすごい努力をされている。国連の事務総長の発言をみても、地域的なレベルでのこういう問題のとらえ方について、これからも世界の大勢を占めると言っている。日本では、本当に各地域ですばらしい教育とかキャパシティ・ビルディングをやっており、ものすごく得意な分野ですので、大いにやったらよろしいかなと思います。
 それからもう1つの点ですけれども、それは世界的な枠組みづくりへの戦略的な関与という、この戦略的という意味ですよね。戦略的という意味はやはり先ほど小林委員がおっしゃったような形があって、我が国の得意とする分野でやっていくのが一番いい、そういう意味で戦略的とあるわけですので、大いにこれを活用してもらわなくてはいけないかなと思います。
 それからついでに申し上げますが、イ.のところで気候変動枠組条約の目的達成云々とありますが、たまたま、今日ほかの会合出ていましたが、例えばCDMなんかの活用ですよね。この分野でもちろん地球環境研究センターとかいろんなところで一生懸命やっているわけですけれども、この活用のルール化に参加するということにおいて、大変残念ながら日本はまだ積極的にやっておりませんね。今回たまたまバイオ・カーボン・ファンドなどのいろんな議論聞いてみましても、例えばバイオ・カーボン・ファンドで実際途上国に対する支払いを何でやるかというとドルとユーロですよね。円は入っていないわけです。円が入っていないというのは、日本がこういうルール化のときにしっかりとした日本なりの戦略を持っていなかったからです。そのために、バイオ・カーボン・ファンドにユーロとドルを使うということに決まったわけですね。私は円の国際化というのがこれから非常に重要な、特に東アジアのことを考えると重要な課題であると思います。これは一例ですけれども、いろんな国際的なルールを考える際に、日本が積極的に関与する必要がある。そういう意味で、この部分を私は非常に高く評価しておりますので、大いにこれを積極的にうたってほしいと思います。
 ありがとうございました。

○浅野委員長 最後の点は地球環境部会でも非常に懸念されている部分です。そう簡単にいかないという現実があるわけですから。
 中村委員、重点分野のところで、生物多様性というくだりが出てきますが、これに対して何かコメントはありますか。

○中村委員 私の直接関与している分野ではないのですが、研究レベルではかなり生物多様性の分野で日本のチームが頑張ってやっているというような印象は受けます。あるいは、ラムサールとかそういった枠組みの中での日本の頑張りというのは非常に目立ちます。しかしながら、戦略的に日本がこの生物多様性の問題でどういうふうなリーダーシップをとっていくのかとか、あるいはそのグローバルな政治あるいは政策の枠組みの中で日本が生物多様性をどういう位置づけで考えて引っ張っていくのかというようなことは、あまりよく見えていないというのが現実ではないかと思います。ですから、その辺のギャップを現実に協力という手段にどう位置づけていくのかというのは、もう少し深い分析をして、どこがひっかかっているのか、人材なのか、あるいは理念的な問題なのか、あるいは外交政策の中での関係があまりよくなってないのかというようなことがもう少しわかった方がいいのではないかと思います。特に、日本は積極的に地球環境ファシリティ等の設立に関与し、生物多様性、あるいは地球温暖化問題で一定の貢献をしてきておりますが、地球温暖化のCOPSは別として、実際に引っ張っていっているという点で、ほかの部分について客観的にどうなのかということをもう少し明確にした方がこの種の議論を起こしていくのには非常に役に立つのではないかという気がします。

○浅野委員長 大体意図通りの発言をしていただいてありがとうございました。書くだけで終わっては困りますので、実際のところはどうなのだろうと気になっておりました。
 ほかにございませんか。石田委員、何かお気づきの点はございますか。

○石田委員 先ほどの論議に戻りますが、日本もそう捨てたものでもなくて、例えば、モニタリングに関しては、私は日本が世界一だと思っています。もちろんいろんなシステムの選択の段階で、一旦少し後退した時期もありますけれども、やはりその後のメンテナンスとか総合的な信頼という意味では世界でトップレベルにある。だから安心して、私はこれを推奨できると思います。
 それから、もう1つは現在のCO2の削減に関しても、やはり日本はトップレベルにありますから、これを押し出していくことによって日本がかなりリーダーシップをとれると思います。逆に言えば、経済効果がついてきます。中国でもアメリカでも日本の技術を必要としています。そういうことで、もっと自信を持って政策にぜひ反映していただきたいなと私は感じております。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 まだまだご議論あろうかと思いますが、この後もかなりのボリュームがございますので、次に進みたいと思います。3ページ以下のところに関して、事務局から説明をお願いします。

○関谷環境協力室室長補佐 それでは資料の2の3ページに戻っていただきまして、次のセクションのご説明をさせていただきます。
 2つ目は地域における環境協力の枠組みづくりに向けた我が国のイニシアティブというふうにまとめたところでございます。先ほどの骨子のところでご説明しましたとおり、いわばここは枠組みづくりに向けまして、そういった明確な意図を持った上で、一つ一つの現行の取組みを発展させていくというアプローチで構成してございます。
 まず、1点目が二国間の政策対話の推進でございます。この政策対話を国別にどういう意図をもって進めるかということについて3点書いてございます。
 1つは、前回もご議論がありましたけれども、その国の環境の状況、それから実際の管理能力、それから前回民主化の話が出ましたけれども、環境のみならず社会経済全般の状況に関連する部分もあるということでしたので、そこを踏まえまして、例えば情報公開の状況であるとか、あるいは政策決定における国民参加の状況、そういったものも分析をした上でどういった問題がその国であって、協力のニーズというのはどういうところにあるのかといったことを把握する。それが1点目でございまして、2点目は、それをもとにその国の状況に応じた解決の方向、あるいは国際的な協力の方向づけというものを行うための対話。それから3つ目が、将来的に地域における環境管理の枠組みをつくっていくという上で、例えば酸性雨あるいは黄砂であるとか海洋汚染の問題とか、地域の環境問題を例に挙げながらになるかと思いますけれども、関係諸国の地域における取組みに関する意識の醸成を図るといったことを政策対話でやってはどうかということでございます。
 2つ目は効果的な情報ネットワーク等の整備。これはモニタリングとそれから情報データの整備と、2つあるかと思います。まず、モニタリングの体制あるいはネットワークの整備につきまして、関係する国の実情やプライオリティに合った体制を整備するための支援をする。 それから、既存のネットワーク、例えば東アジアにおいて、酸性雨のモニタリングのネットワークが既に稼働しております。あるいは渡り鳥に関しましては、重要生息地ネットワークといったものもございます。こういったものの拡充あるいは連携強化を図っていく。それから今後のモニタリング・ネットワークということで、黄砂あるいは土地被覆土地利用変化のモニタリング・ネットワークをつくっていく。砂漠化についても、条約に基づく取組みもございますけれども、モニタリング・早期警戒についてのネットワークをつくっていくといったことがあるかと思います。それから環境情報・データにつきましては、必要な情報を関係者・関係国と協力して整備していく。例えば、東アジア諸国において、生物多様性に関する情報整備を今後支援していくこと。また、AP-net、WEPA、それからその他の既存・計画中の廃棄物、大気、水に関するネットワークを相互の調整を図りながら、使い勝手のよいものにしていくということが挙げられるかと思います。
 次の4ページ目に行っていただきまして、3つ目が共同研究や研究ネットワークのより一層の推進でございます。共同研究につきましては、地域の環境にかかわる科学的知見の充実ということと、それにあわせてその成果に基づく政策形成を図っていくという観点で進める必要があると考えております。既にIGES/APNが中心になって作成した戦略的な研究計画がありますけれども、これに基づいた共同研究の推進、特にその中での我が国の研究者の積極的な参加の促進を図るべきと考えております。それから研究者と政策決定者の連携の促進を図ること、具体的に言えば関係国間での環境協定や行動計画のようなものの中にきちんと共同研究を位置づけていくということ、それから共同研究に関する体制整備のための財政支援、さらには研究者間の研究交流を一層促進するための制度あるいは場の創設といったものが挙げられるかと思います。
 4つ目は開発途上国の環境管理能力の向上、それから環境教育プログラムの開発と実施でございます。我が国はWSSDの場でも2002年度から5年間で5,000人を目標に人材育成を行うというようなイニシアティブを表明しておりますけれども、これを進め、さらに拡大していくという上では、環境管理能力の向上やあるいは環境教育のための行動計画といったものを各国と共同でつくっていく、あるいはプログラムというものを具体的につくっていくといったことを行う必要があるのではないか。それから今後は南南協力を促進して、より多層的な能力向上の取組みを進めていく必要があるのではないかということでございます。
 それから5ページ目に行っていただきますと、我が国のODAの効果的な活用及び紛争・自然災害に関する環境協力というのがございます。いくつかの切り口でまとめてございますが、1点目につきましては、ODAの活用によって政策支援をしていく、あるいは対処能力の向上を図っていくという面をより重視していくべきではないかということであります。これまでも廃棄物の管理であるとか、水質・大気に関しましては、機材供与・インフラ整備に加えまして、専門家の派遣なども実際にやってきているわけですけれども、これをさらに強化していくという政策支援型の協力を進めていく、それが1点。それから機材供与やインフラ整備に当たって、そういった事業の持続性を向上させるために、具体的な対策を行うに当たって、途上国に受け入れ可能なものを入れていく。さらにその対策の実施に係る人的あるいは組織的な能力の向上というものを組み合わせてやっていくということが重要なのではないかという点でございます。
それから2つ目の囲みでございますが、国別援助計画の作成、環境ODA案件の形成などでございます。現在、主な援助対象国につきましては、国別の援助計画の作成が順次なされております。今後、さらにそれを環境面から充実したものにしていくために、作成に携わる環境の専門家を充実していくということが必要なのではないか。そのことによって、各国と進めてきている政策対話の成果を盛り込む、あるいは今後必要となってくるような地域の環境管理の視点といったものを盛り込んでいくことができるのではないかということでございます。それから環境案件というときに、いわゆる環境改善効果のみが主に得られる案件だけではなくて、今後は地域開発あるいは地域住民の生活向上、貧困対策といったものとリンクさせたODA案件をつくっていく必要があるのではないかという点でございます。それからODA受入国が、我が国のODAをきっかけにして、その後自ら対策や技術の普及に乗り出せるようなモデル事業的なものを優先してやっていくべきではないか。さらには、我が国の企業による技術支援が促進されるように、我が国のODAを使った事業の中で、途上国の技術開発、技術に関する人材の育成、ちょっとここの表現が間違っておりますが、環境技術を途上国にとってより適正な技術にしていく、あるいは知的所有権の保護に資するような政策支援のためにODAを使っていく、そういったものが必要なのではないかということ。それから地域的な視点ということで、単に一国に対するODA供与ではなくて、地域レベルでODAを供与していくような枠組みをつくっていくべきではないかという点でございます。それから環境配慮につきましては、既にガイドラインなども整備されてきているわけですけれども、今後より開発途上国側で配慮を高めていけるような技術協力、例えば、開発セクターごとに環境配慮の専門家を派遣するような取組みなども行ってはどうかということ。あるいは、6ページ目に行っていただきますと、ODAの評価においても環境の面を充実させるための専門家を加わらせるべきではないかといった点があります。それから、地域紛争後の復興あるいは紛争予防のためにも環境ODAは有効なのではないか、あるいはそういうものが必要なのではないかということで、例えば、紛争後の廃棄物の処理、インフラの修復、あるいは人材育成や組織づくりといった問題について、他国との協力あるいは調整を図った上で、我が国としても積極的にやっていくべきではないか。また、現在スマトラ沖の地震あるいは津波の関係で喫緊の課題になっておりますが、自然災害の発生に当たってもやはり環境協力として行う必要があるだろうということで、この面につきましても、同様の取組みを行うべきではないか。さらに、防災の観点からも、例えば自然環境をうまく保全していくことによって防災能力を高めていくというような協力を行っていく必要があるのではないかということでございます。
 それから6点目、既に現時点でもある程度地域に着目した取組みというものが生まれつつあるということで、それをさらに促進していこうということでございます。1つは準地域、アジア太平洋の中のいくつかの地域ということで、例えば日本は北東アジア地域に属するわけですけれども、そういった準地域レベルでの計画づくりといったものもやっていく必要があるのではないか。北東アジアにつきましては、現時点ではあらゆる環境問題を包括的に含んだような計画はできておりません。また、拡大メコン地域においても今後そういった戦略的な計画づくりが必要ということで、ここにも我が国は関与していく必要があるのではないか。さらに計画をつくった場合には、その実効性を担保するために、政策・財政面での合意というものも重要なのではないかということでございます。それから、7ページ目に参りますと、分野別の共通計画の作成等でございます。既にいくつかの分野では地域の共通計画というものができておりますけれども、こういったものをさらに実施に向けて進めていくということと、それから新たに、例えば自然資源の管理、生物多様性、廃棄物といったような問題について共通の計画をつくって実施していくということも今後検討していくべきではないかということでございます。
 (7)は、地域においてそういった計画をつくって実施していくに当たっては、その進捗状況を点検・評価していく仕組みが必要なのではないかということで、1つは、環境モニタリングのシステムを地域できちんと整備していくということと、それからもう1つは、モニタリングの結果に基づいて政策の立案実施につなげるような仕組み、早期警戒システムといったものを含めてですが、構築していく必要があるのではないかということでございます。
 それから8番目が、そういった取組みを進めていきながら、今後は地域における環境管理の枠組みの構築を目指していくべきではないかということでございます。ここで東アジアが出てまいりますけれども、東アジアという地域に着目をして、今後、より包括的な環境協力の枠組みを検討していくということで、まずはそのアプローチといたしましては、東アジアの中の北東アジアで既に日中韓を中心として政策対話がなされておりますので、こういった場を発展させて一歩ずつ包括的な環境協力に向けた枠組みの議論を開始していくといったことが挙げられるのではないか。最終的にはそれを東アジアレベルに拡大していくというようなアプローチが取れるのではないかということでございます。8ページ目に行っていただきまして、その関係でいわゆる東アジア共同体の創設に向けた動きというものが、日本ASEAN東京宣言に基づいて開始されているわけですけれども、これと歩調を合わせるような形で今後は適切な時期に環境分野の枠組みづくりに向けた準備ができるように議論を展開していくといったことも我が国のイニシアティブとしてやっていくべきではないかということでございます。それから地域の枠組みづくりと言いましたときに、具体的に何をアウトプットとして求めていくのかということになるかと思いますが、1つの成果として考えられるのは、公平な市場を確保していく上で環境に関してのルールをできるだけ共通化していくということかと思います。これは、さまざまなレベルが考えられるわけですけれども、地域で今後目標とすべき環境の水準をいかに合わせていくかといった問題から、貿易に関するルールもありますし、規制基準の相互調整なども場合によっては検討するというふうに考えられます。また、現在、分野ごとでも政策対話が行われ、例えば交通と環境に関してのフォーラムあるいは水のフォーラムなどもございますが、こういったものを生かしながら枠組みづくりにつなげていく。それから、今年はG8のイニシアティブを踏まえて、東京で3Rイニシアティブ閣僚会合がございますけれども、それも踏まえて、今後東アジアを中心として資源循環型社会をつくっていくという、そういった動きも必要なのではないか、あるいは北半球全体を網羅するような大気環境の管理に関する枠組みづくりについても進めていくことができるのではないかということでございます。また、アジア太平洋の環境大臣会合として、エコ・アジアというものを毎年開催しておりますけれども、これにつきましては非公式な環境大臣の会合として、今後役割が果たせるのではないかということで、その発展を考えていく。例えば、先ほどの東アジアの枠組みづくり、あるいは東アジア共同体の議論の中で環境問題をどう議論していくかといった問題をここで考えるというのも一案として挙げられるかと思います。最後、ちょっと長くなりましたが、9ページ目に、そういった東アジアでの枠組みができた上で、実際の環境管理を地域で進めていく場合には、具体的な行動計画であります環境管理計画をつくり、それを点検評価しながら実施していくというメカニズムが必要なのではないかということでございます。
 地域における環境協力の枠組みづくりに向けた我が国のイニシアティブとしては、以上でございます。

○浅野委員長 それではただいまの部分について、ご意見がございましたらお聞かせをいただきたいと思います。
 高橋委員、どうぞ。

○高橋委員 私は基本的にすばらしいなという感じいたしました。多少補足するという性質のコメントを3つほど申し上げます。
 1点は3ページ目の最初の二国間政策対話。ここで、非常に重要なのが、米国・EUとの政策対話があると思います。今の形ですと、何か昔ながらの途上国との政策対話のコンセプトのような気がしますので、それをやはりもう少し拡大した方がいいだろうと思います。
 それから2点目は5ページ目の真ん中あたり、国別援助計画の作成、環境ODA案件の形成等とありますが、この2つ目のところの2行目に、貧困対策とリンクした環境ODA案件とございますが、それとの関係で、今の世界の議論の感じからしますと、やはりMDGに対する明確なレファレンスが必要であろうというふうに思います。
 それから3点目は、6ページ目で、紛争後の復興時及び紛争予防のための環境協力。私はこの何年かいわゆる平和構築論というものにすっかりのめり込んでおりまして、行く場所も東ティモールとかアフガニスタンとか怪しげなところばっかり行っていますが、環境分野が平和構築では決定的に重要になるというふうに強く感じております。ただしその内容はここで言っているようなことではなく、こういうことではないかと思います。1999年にインドネシアのマルク地方、巨大な地域ですが、ここでクリスチャンとモスレムの間で大量相互虐殺が起こりました。その後の平和構築を今やっている最中ですが、いろいろな作業やっている中で、いくつかのものは成功している。その中心は、クリスチャンとモスレムとが両方で一緒になって植林することなのです。私は非常に奇異に思いまして、今、それをインドネシア大学の人に調査してもらっていますが、私の仮説はこういうことです。調べれば調べるほどこの仮説が当たっているような気がします。どういうことかと言いますと、クリスチャンといい、モスレムといい、やはりその宗教感覚というのはその場所の自然の巨大さに対する畏敬ということが中心になります。その自然というのは、この地域では熱帯雨林なのです。その熱帯雨林との関係で、キリスト教もイスラム教も来る前から恐らく非常に大きな宗教としての力、何らかの土着宗教があったのだろうと思います。植林をクリスチャンとモスレムの人たちが一緒にやることによって、本人たちがどれだけ意識しているかどうかは別として、共通のものを感じ始めているような気がします。その共通のものを感じることによって、クリスチャンとモスレムのいわゆるこの10年来のアイデンティティー紛争、これは解決のしようがないと言われていますが、実は熱帯雨林に対して共同作業することによって、このどうしようもないと言われている紛争も共通の解決が見られつつあるのではないか、平和構築ができているのはそういうことなのではないかという感じがします。もしそれがそのとおりの形として証明されたとしますと、今世界で40いくつかの紛争が起こっており、そのほとんどがこのアイデンティティーに関する紛争ですが、もとをたどっていくとそれぞれの地域の共通項として、そこの場所で一番大事なものが出てくるのではないかと思います。それは、ある地域では水なのかもしれない、別の地域では熱帯雨林なのかもしれない。そうしますと、今世界が頭抱えて解決手段がないと言われているものも、実は解決の鍵を握るのは自然環境ということがあり得るような気がします。この6ページの紛争後の復興時云々というところで、その自然環境に焦点を当てた書きぶりをしますと、恐らく21世紀型の紛争に対して環境が大きな役割を果たすということがはっきり出てくるような気がします。すみません、ちょっと長くなりました。

○浅野委員長 ありがとうございました。今記述されている位置づけでは不十分であるということですね。その部分、今のご発言の趣旨を踏まえて書き込む余地があるだろうと思います。  
では、どうぞ、黒川委員。

○黒川委員 3点ほど申し上げたいと思います。まず、第1がODA全体の量ということですが、いくら環境面での協力をしようと思っても、ODA全体が増えたり維持されないことにはいろんなことできないわけで、ぜひODA全体の量を増やすということをどこかに書いていただきたいと思います。この二、三年はアメリカもイギリスもそれから恐らくフランスもそうだと思いますが、ODAの全体を増やすという方向に変わってきましたけれども、日本は逆に減っている。ODAの全体が増えないことには、いくら環境協力の議論をしても余り意味がないということになりますので、そこをぜひやっていただきたいということです。
 それから第2点ですが、先ほど高橋委員がおっしゃった紛争後の復興のことについては、私も大賛成です。これまでの日本のODAというのは、大ざっぱに言いますと、平時と有事というふうに分けると平時のときだけ援助してきた。もし紛争なり何かがあると、それはアメリカなりイギリスなりフランスなり、どこかでまとめてください、平和が来たら日本は出ていきますよということだったのですが、やはりそれでは世界に責任ある国としては物足りないわけで、紛争なり紛争直後ということに対してもできるだけ援助していくということが必要だと思います。JICAの緒方理事長も最近はそういうことをかなりご自身のご経験からも言っておられますし、そういう記述を入れていったら非常に結構かと思います。
 それから第3点は、ODAと京都プロトコルのリンクというと少し大げさですが、やはりこれからの環境問題ということで何が一番大事かというと、地球温暖化対策に向けた京都プロトコルの実施ということがあると思います。そうなると、アメリカなり中国がこれに貢献するということが絶対必要になってくる。アメリカへのODAはありませんが、中国に対してODAを出すときには、必ず京都議定書を意識しながらやっていくということを考えていただきたいと思います。以上です。

○浅野委員長 加藤委員、どうぞ。

○加藤委員 前回の委員会は欠席しまして、失礼いたしました。重点分野だとか、戦略性だとか、あるいは東アジア共同体というような言葉について、活発な議論が行われたようであります。その点は十分に反映されていると思いますが、用語や概念は別にして、若干表現がこの章全体を通じて平板になっているかなと思います。(1)から(8)までざっと並んでいるわけですが、もう少し構造性というか戦略性というか、あるいは階層性を持たせることはできないかなというふうに思います。例えば(1)の二国間の政策対話の推進、これはどういった分野でも必ずうたわれることですし、国際協力の前提になる重要な事柄でありますが、それ以降のいろんなレベルで我が国のイニシアティブとして進めるべき事項の前提になっている。ということで、例えばここの部分は柱書きにする。また、最終目標が地域の枠組みづくりをした上で地域の環境管理計画の策定と実施ということにあるとすれば、その点は最後に持ってきて、先ほど高橋委員のおっしゃったタイムスケールの話も含めて、そこへ最終のゴールを持っていくという意味で、少しこの章全体に構造性というか階層性を持たせることができればいいのではないかと思います。
 それから(6)の見出しが「地域の計画・戦略の作成及び実施」となっていて、(8)が「地域における環境管理の枠組み構築」とありますが、この見出しを読む限りではちょっとその関係がよくわからない。中身を読んでみると、(6)の方では世界のあらゆる地域という意味ではなくて、特に東アジアで準地域レベルでの共通計画の作成ということのようですが、(8)ではさらに具体的にそのそれぞれの意味の中において環境管理が進むような計画の策定と実施、そのための前提として点検・評価の仕組みだとか分野別の共通計画の作成ということが書かれている。(6)と(8)を一緒にしないまでも最後に持ってきて、(6)と(8)の位置づけ、違いをもう少し明確にできればいいと思います。
 それから(8)の中に、「分野ごとの政策対話の推進」というのが出てきます。これも中身を読んでみると、確かにアジア太平洋地域を中心に考えているわけですが、ある程度具体性を持たせるとしたら、章全体の前提になるような事柄として述べる二国間あるいは地域間の政策対話の推進というところでも、こういう点に触れることができるのではないかなというふうに思います。
 個別の表現ぶりについては、前回の委員会での議論を踏まえて、大変いい工夫がなされていると思いますが、若干全体として記述が平板になったかなという印象を持ちましたので、以上のようなコメントをさせていただきました。

○浅野委員長 はい、わかりました。今の加藤委員のご指摘はかなり難問を突きつけられたような面もあります。確かにストーリー性が弱いというのはよくわかりますが、ちょっと苦労しております。直ちにどうだということではありませんが、ただ、確かに順番についてはもう一遍考え直してみる必要があるかもしれません。
 小林委員、どうぞ。

○小林委員 加藤委員と同じような意見です。内容的に特にどこが抜けているとか、どこが問題だという感じはしないのですが、読んでいて、実はここだけ読むと意味がわからないのが結構多い。検討会の報告書を読むと現状と課題があるので、そこを読んだら、ここのところが、ああこういう意味だなというのがわかってくるのですが、ここだけを取り上げられてしまうと、読んでいて意味がわかりづらい。特に文章の中で、熟語が羅列され、その熟語の意味合いが全部無視されて、ただ並べてあるという感じがあちらこちら出てきています。この辺、もう少し丁寧にお書きいただいた方がいいのではないかなという感じがしました。
 全般的に同じような雰囲気があるのですが、例えば4ページの(4)のところですが、「環境管理能力向上・環境教育プログラム」と書いてありますけれども、この環境管理能力向上という言葉と環境教育プログラムという言葉の位置づけがよくわからない。中の文章を読んでいくと、環境管理能力を向上させるために環境教育プログラムが要るというふうな読み方もできるし、環境教育プログラムがどうしても必要だというふうにも読める。その辺を少し明記して、実際にあとで政策展開をしていく上で、ここはこういう意味だということがわかるような書き方の方がいいのではないかという感じがしました。
 それから5ページの(5)のところで、「政策支援型及び対処能力向上に係る協力」とありますが、並列で併記して書いてあっても意味がよくわからない。対処能力向上というのが2つ目に書いてありますけれども、これも実は読んでいると意味がよくわからない。
 それから次のところでも、「国別援助計画の作成」と「環境ODA案件の形成」と併記してありますが、この併記している関係性がよくわからない。
それから、その4つ目のところの「我が国の企業による開発途上国への云々」という文章に熟語が併記してありますが、ここに書いてある言葉が全部ODA案件の形成・実施になるのかなという感じがします。
それから、ODAの表記に関して、ODA、ODA事業、ODA案件と、3つの種類で書いてあります。言葉遣いだけの問題ですが、これは意味が違うのか同じことを書いてあるのかがよくわからない感じがします。
 同じく6ページですと、「紛争後の復興時及び紛争予防のための環境協力」のところの2つ目、「また、紛争の再発を防止するため、自然資源の適切な管理云々」と書いてありますが、これも意味がよくわからない。紛争の再発防止に、自然資源の適切な管理がなぜ必要なのかということも、少し説明が要るのではないか。
 それから次の自然災害のところで、「大量の廃棄物の処理、環境インフラの修復」というハード事業が書いてありますが、その後の「環境組織づくりや人材育成」というのはソフト事業であり、それを併記してしまっているのもどうなのかなという感じがします。これから文章を書きかえていただく上で整理していただけると思いますが、そういうものをもう少し丁寧にお書きいただいた方がいいのではないかと思います。以上です。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 ODA、ODA案件、ODA事業の言葉の使い方に関して、事務局から答えられますか。

○関谷環境協力室室長補佐 失礼しました。確かにそれぞれを明確に使い分けているわけではございません。ただ、例えば、何かインフラをつくるといった個別の一つ一つのプロジェクトを意識して書いている場合には、案件または事業と書いてありまして、総体としての環境ODA全体について書いているときには、ODAという言葉を使っている傾向はあります。ここは、言葉の使い方を徹底するようにいたします。

○浅野委員長 言われてみれば確かにという面があります。紛争の再発防止云々というところは、さっきの高橋委員の最初のご発言を多分意識して書いているのだろうと私は考えておりまして、あまり奇異な感じを受けないで読んでいましたが、確かにちょっと射程距離が狭すぎるような感じがします。

○高橋委員 今、ご指摘のところですが、実はこの10年くらいのレンジで見ますと、紛争が百二、三十起こっていますが、そのうちの7割方が自然資源関連に関する争奪戦です。その自然資源の対象は、ときに土地であり、森林であり、水である。それがどうして起こるかと言いますと、例えばそれぞれの国にとりまして、そのほとんどが途上国ですが、首都から見ますと、国をネイション・ステート(nation state)にしなければならない。その第1条件として、法整備をしなくてはならないということで近代法の整備をする。それに基づいて、例えば森林に対する管理政策というのを行っていく。それに基づいて、例えば日本の製紙会社がコンセッション(concession)の取引をする。そこで伐採をし、日本の会社のことですから、そこに植林もしていくというようなことをやっていくから、これは全然問題ないわけですが、それをやることによって何が起こるかといいますと、現地の人たちは必ずそこに慣習法の制度を持っており、そうした制度を持つ人たちからすると、日本もジャカルタも両方とも盗賊なわけですね。したがって、そういう人たちに対して攻撃をかける、それが紛争に発展していくということです。近代法と慣習法とのクラッシュという形で、大体7割ぐらいの紛争が起こっているということですので、ここに書いてあることはまさにそのとおりだろうというふうに思います。

○浅野委員長 ありがとうございます。
 どうぞ、長谷川委員。

○長谷川委員 ここだけというわけではなくて、これから後のところにもかかわってくることなのですけれども、「地域における環境管理の枠組み構築及び枠組みに基づく環境管理の推進」の特に8ページの「公平な市場確保のための環境に関する共通ルールの検討・協議」というところで、企業が出ていきますときに、その自主的な取組みを促進するようなルールづくりについて、文脈として含まれることが望まれます。それから、規制ありきでもないと思いますが、やはりこれから途上国で規制をつくっていかれるというときには、環境保全のことだけをあまりにも思い込んだ考え方に陥るのではなく、やはり経済発展と環境保全の調和、バランス、こういったものが含められて、持続可能な発展に資するようなものが勘案されると大変ありがたいと思っております。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 廣野委員、どうぞ。

○廣野委員 まさに今、長谷川委員の方からちょうど出てきたので、私もコメントしたいと思ったのですが、3ページの上のところで「二国間の政策対話の推進」というのがあるのですが、この部分があまりにも環境のことだけを書いていますね。長谷川委員がおっしゃったように、二国間の政策対話は、当然その国と日本との政策対話ですので、そうするとやはりその国の経済発展、あるいは社会的な発展という中で、環境と両立すると考えるわけです。そういう視点がちょっとここには欠けている。
 同時に、この前の方の1ページ、2ページの方に簡単に触れてありますけれども、その触れてあるものをこの3ページ以降、地域的なところにおろしていく必要がある。例えば、今の世界的な議論の中で、ポリシー・コヒアレンス(policy coherence)という言葉が使われていますけれども、そういう政策の統合性ということが言われている。そういう点から考えると、二国間の政策対話というのは、我が国の国益の問題もありますけれども、特に、途上国の発展といったことを考えた場合に、単にODAだけではなくて、貿易の問題だとか投資の問題だとかいろいろあるわけですから、そういう視点からこの政策対話を始める、そういう中で環境というのをしっかり位置づけるということが重要ではないかと思います。そういうことをしっかりやらないと、途上国から見ると、「何だこれは。環境だけ言っているではないか。」と思われてしまう。私たちは持続可能な開発のことを考えていますが、ここにはサスティナブル・ディベロップメント的なコンセプトが欠けていると思います。
 それとの関連で、同じく5ページのところ、これは先ほど黒川委員の方からもお話があったわけですけれども、最近、いろんなODAを考える場合に、ちょっと違った議論が行われています。そのあたりの視点が欠けているかなということで申し上げたいのですが、それは今どこの国も単にODAを議論するのではなくて、国際協力を議論している。国際協力をやるときに、先ほど言いましたけれども貿易の問題も投資の問題もあり、ODAもあるわけですが、同時に最近出てきているのは、経済的な協力以外の協力というものがかなり出てきている。先ほど来、高橋委員の方からいろんなご指摘がありました平和構築の問題とか、あるいはまた黒川委員の方からお話がありました紛争後の問題とかいろいろありますが、そういう課題が非常に重要な国際協力の一環である。我が国もまたイラクに対して自衛隊を派遣して人道支援をやっているわけですけれども、国際協力という概念を出してきて、その国際協力の一環としてのODAであるということがちょっと欠けている。急にODAという格好で入ってしまっている。何かもうちょっとその国際協力という概念をしっかりさせた上で、その上でなおかつ、ODAがどういうふうな役割を果たしていくかを考えることが重要ではないかと思います。
 なおその点に関連して、もう1つ、同じく5ページ。これは高橋委員の方からお話がありましたが、今世界では何といっても対途上国との関係ではMDGの達成ということが議論されている。我が国もそのための体制や対応でいろいろ悩んでいる最中ですけれども、MDGとの関連で議論していくことは非常に重要であると思いますので、そういう視点もぜひ入れてもらえるとありがたいなということです。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 前回のご議論で、それぞれの国のニーズを的確に把握すべしということがかなり強調されて、それを意識してこの部分が書かれています。しかし、先ほど加藤委員のご指摘もありましたが、もう少し工夫が必要だと思います。今までのご発言で少し答えが出てきたような気がしますので、それを参考にしてここは整理をすることができるかと思います。
 中村委員、どうぞ。

○中村委員 私も3点ばかり、私自身の疑問でもあり、どうしたらいいのかなと思案しておりますが。1つは得意分野ということをどう定義するかということです。多分、この分野が得意だからという話でも必ずしもなくて、やり方とか日本が置かれている状況ということ、あるいはそのいろんな制約条件の中で取り組む意味とか、そういうことも含めて考えなければなかなかうまく定義できないのではないか。例えば人材育成の話ですが、私の今までの経験では、言語が障害になって人材育成がうまくいかないということはあまりないですね。人材育成というのは、人と人との触れ合いとか気持ちの通じ合いみたいなところがありまして、そこは日本のやり方はすぐれているのではないかと思います。日本の今の語学レベルとか語学教育だとか、あるいは多文化性とかということでいくと、どうしたって欧米と差があるわけですね。そこはどう考えていくのか。要するにそこで対抗するようにレベルを上げていっていくのか、あるいはそれはそれとして認めた上でどういうふうな展開をしていくのかということが、例えば人材育成というところではあるのではないか。そこのところはもう少しきちんとした哲学が必要ではないかと思います。
 2つ目は北東アジアの話ですが、なぜ北東アジアなのかということがわかりにくい。地政学的な意味での北東アジアに、環境をリンクさせるという意味なのか、今まで日本は東南アジアでやってきたが、そろそろ東南アジアは卒業し、北東アジアに行きましょうということなのか、今起こっている環境問題が、酸性雨・黄砂・砂漠化ということで北東アジアなのか。その辺のロジックがもう少し明確になった方がいいのではないかと思います。東南アジアという点については、86年にイースタン・ミラクルが出ましたね。その時点では非常に高く評価されまして、竹本さんとか青山さんなんかと一緒に杉のプロジェクトをやったりしたことがありますが、その成果というのは非常に大きく、それを生かしていくべきと考えます。この南南協力の枠で行くのか、東南アジア、北東アジアのリンクを考えるのかというようなことが2つ目です。
 それから3つ目が、この委員会の位置づけですが、私は省庁横断という理解で来ていますが、例えば厚生分野の環境とか、あるいは先ほどの民間の環境事業分野の例えば計測技術あたりは、本来はもっと広範な分野です。得意あるいは実績だとかいうようなことが反映されて、だからどうだということがあった方がいいのではないか。私も通産省の委員会で、日本の水分野の国際協力がなぜ弱いのかということの分析にかかわったことがありますけれども、やはり弱いですね。省庁の縦割りで水質基準行政をやっていたという弊害があり、国際的にはなかなか日本は通用しないというのがありますが、それを含めて、今後どうするかということをきちっと理解した上で進めていく必要があるという気がします。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 青山委員、石田委員、何かございますか。

○石田委員 1点だけ。これは、大変個人的な意見で、いろいろまだ問題があるかと思いますけれども、グローバルにビジネス展開している中で感じるのは、我々が他国に物を持ち込むときの考え方というのを、こういう政策の中にもう少し先取りして組み込んだ方がいいということです。つまり、他国に持ち込んだものをどう処理するかではなく、やはり持ち込まないとか、あるいは持ち込むためのルールとか、そういうものを前もって考えていくという政策がODAの中でも必要な気がいたします。
 もう少し具体的に言いますと、例えばある国に何かを建設するときに、その中に有害物質が含まれない政策を策定するとか、そういう先行した取組みがある程度必要ではないか。物を運ぶこと自体がエネルギーを消費することですから、現地でやれるものは現地でやるとか、そういう枠組みをコントロールする仕組みをどこかに入れていくということが、今後いいのではないかなと思います。目に見えない貿易障壁というような考え方ではなくて、むしろ環境の政策の中に積極的に今述べたような点も政策のどこかに取り入れられたらいいのではないかなと思います。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 青山委員、どうぞ。

○青山委員 二国間の政策対話、国別援助計画、地域計画などいろいろ記述されていますけれども、実際にある国と政策対話を行う際に、全面的にやろうという話がかなり出てきます。そのときに、鳥瞰してこういうことが重要だということと、実際にどこで協力できるかということをもう少し区分けした議論ができないか。例えば環境分野に限った政策対話でも、全体を議論して、日本とその国はこういう協力を進めましょうということになりますが、そこには当然欧米諸国や国際機関が既にいろいろな意味で入ってきています。日本と欧米では得意分野も随分違う、そのことをわかった上で具体の協力をしようというときに、政策対話と後ろに書いてある分野別協力は、かなりクロスしてくると思います。その辺を分けずに、二国間協力、あるいは政策対話、国別援助、それと分野別というような話を一度整理できたらと思います。
 それと、先ほど私が申しました教訓ということでは、例えばある住宅地区を開発する際に、そこでは当然生活排水の問題とかごみの分別とか、いろいろな話が既に出てきているわけです。こうした分野は、ODAでなく、民間ベースで協力ができるようなものです。こうした分野での協力についても、環境ODAのあり方と一緒に、次回に議論をさせていただければと思います。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 今の青山委員のご指摘の前半部分は、やはり先ほどからたびたび言われているように、この部分の書きぶりの構造化が弱いということとの関連があるということだと思います。貴重なご意見をいただきましたので、さらにこれはブラッシュアップをお願いいたします。
 それでは、急いで申しわけないですが、残り時間が乏しくなってまいりましたので、次の多様な主体による環境協力というところの説明をお願いします。

○関谷環境協力室室長補佐 資料2の10ページからになります。3.の「我が国の多様な主体による環境協力」でございます。ここは主体別に(1)から(3)を並べてございます。
 最初にちょっとお断りといいますか、ご説明させていただく前に申し上げたいのは、今日ご議論いただく3.の部分は、それぞれの主体の取組みとして今後望まれること、方向性を主に書いているというものでございます。それぞれの主体の取組みを政府としてどういうふうに支援していくかという部分は、次回ご議論いただく「体制整備」の方に入り込んだ形になっております。ご議論いただく上で非常に申しわけないですけれども、今日はそれぞれの主体に対して、どういった取組みが望まれるかという部分についてのご議論をいただきたいというふうに思います。
 それでは具体的にご説明申し上げます。
 最初の(1)は地方公共団体でございます。もう既にこれまで多くの地方公共団体が環境協力の取組みをしているという現状でありますけれども、今後さらに取組みが望まれる分野といたしまして、環境のさまざまな法令の執行、あるいはその地域の環境管理計画の作成・実施の経験・ノウハウを生かして、途上国の研修生の受け入れ、あるいは人材の派遣を通じた技術協力を今後とも推進していくということでございます。
 それから北九州イニシアティブネットワークの強化。この都市間ネットワークは、北九州イニシアティブとして、2000年のESCAP環境大臣会合の際に立ち上げておりますけれども、これの強化を図っていくというのが1つの方策としてあるということでございます。
 それから、モデル的な都市間の協力プロジェクトというものを、ODAも活用しながら進め、これを通じて協力のケースを増やしていく。
 それから最後でございますけれども、研修員の受け入れに関連しまして、環境の分野ごとに核となる地方公共団体を決めていく。その核となる団体を中心に研修を行っていく、さらにそういった地方公共団体間の協力のネットワークをつくっていくということができたらどうかという点でございます。
 2番目が「NGO/NPOによる環境協力」です。
 これにつきましては、4点ほど挙げてございます。最初の1つは、主に途上国がフィールドになるかと思いますけれども、途上国の社会全体の環境意識の向上、あるいはコミュニティにおける環境管理能力といったものを強化していく上で、環境教育あるいはその具体的な環境改善に資するプロジェクトの実施といったものに、NGOやNPOが取り組んでいくということが望まれるのではないか。
 それから、これはやや哲学めいた話が書いてございますけれども、実際の協力を実施する際には、現地との交流を深めて、どのような協力が大事であるかというのを、現地と常に対話し、お互いに学びながら進めていくという姿勢が大変重要ではないかということです。その次に書いてありますように、途上国のNGOやNPOとの交流といったものも非常に重要で、その協力関係に立った取組みを進めていくのがよいのではないか、また、それをさらに発展させていけば、地域レベルでのネットワークの構築あるいは活動の活発化といったことにもかかわってくることにもなります。
 それから、3番目が「企業による環境協力」でございます。これにつきましては、いくつかの切り口で書き分けてございます。
 最初に開発途上国の環境管理能力の向上について、企業が協力できるのではないかという視点でございます。例えば、進出先でのサプライチェーンを通じまして、現地企業の環境管理能力を底上げするようなことができるのではないか。あるいは、進出先での事業の運営、原材料等の輸出入やプロジェクトへの融資、そういったものにおける環境配慮の実施を通じて、環境管理能力を養っていくというようなこと。さらには我が国の企業の技術や製品の普及を通じて基盤をつくっていくというようなこと。それから環境モニタリングや廃棄物処理といったものについては、これ自体が進出国での環境産業の育成といったものにつながるのではないか、そういう視点もあり得るのではないか。
 それから次のくくりとしまして、企業活動を通じた協力でございます。1番目とオーバーラップする部分もありますけれども、企業活動を通じた協力という点で、まず1点目としまして、企業における対策や環境管理に関する情報公開を進めるということ。それから2番目は、日本の産業団体と相手国の産業団体間での意見交換や交流というものを進めること。3番目としまして、プライオリティの高い課題、エネルギーの問題、水の問題、生物多様性などございますけれども、これらの対応に向けて、日本企業の有する技術、あるいは製品の普及というものを政府と協力しながら進めるといった取組みが必要なのではないか。それから国連が進めますグローバル・コンパクトに積極的に登録・参加するといった取組みも考えられるのではないか。
 それから、3番目のくくりといたしまして、事業運営における環境配慮の実施というのがございます。既に多くの我が国の企業においては、進出先の途上国の規制水準の遵守といったものは当然のこととして、それを上回る取組みをしている企業も多いと思いますけれども、技術的な対応が可能な最高水準の対策の率先実施といったものについての努力も期待されるのではないか。それから、プロジェクトレベルで環境アセスメントが求められないような事業についても、率先してアセスメントを実施していくような取組みも考えられるのではないかという点でございます。
 それから貿易における環境配慮の実施ということでは、持続可能性を考慮した輸入、特に持続可能な方法で生産された一次産品・製品の輸入といったものを推進するために、例えばそういった方向で生産されたことを消費者に伝達できるようなマークの利用を促進するようなこともできるのではないか。それから製品や廃製品の輸出入について、資源の効率的な利用、あるいは廃棄物等の適正処理についての考慮をするということも考える必要があるのではないかということであります。
 最後、12ページでございますが、金融における環境配慮ということで、これについてはもう既に、例えば政府系金融機関については環境社会配慮のガイドラインなども整備されてきておりますけれども、今後さらにほかの金融機関も含めて、環境配慮、社会配慮を進めていく。そのために、例えばエクエーター原則といったものも国際的には提唱されておりますけれども、こういったものへの参加を図っていただけないか、またその結果について情報公開をしていく必要があるのではないかというのが1点目。それから2点目としましては、途上国における持続可能な開発のためのプロジェクトに対して投資を募るような仕組みが何とかつくれないかといったことでございます。
 最初に申し上げましたとおり、こうした取組みをする各主体に対しての政府の支援といったことにつきましては、例えば人的な基盤の強化でありますとか資金の問題、あるいは各主体間の連携、対話の場の設置ですとか、体制強化の支援といったものについては、13ページ以降に記述してございます。この部分は、時間の関係で次回ご議論いただくということで整理させていただきたいと思います。以上です。

○浅野委員長 どうもありがとうございました。
 なお、最後に事務局からもご報告申し上げますが、次回は関係団体の方を呼んでお話を承るということを考えており、特にNGOについては、実際に活動されている方々のご意見を承る予定にしております。そのことを念頭に置いてご発言をいただければと思いますが、まず、この部分についてはとりあえず企業のという表現がありますので、長谷川委員と石田委員に優先的にご発言をお願いしたいと思います。
 どうぞ、長谷川委員。

○長谷川委員 ありがとうございます。
 それでは企業のところですけれども、まず、10ページの1つ目のところにあります「進出先でのサプライチェーンを通した現地企業の環境管理能力の底上」というところですが、底上げということで配慮がされた表現とは思いますけれども、実際に企業が進出しますときに、優越的な地位の濫用にあたってしまう場合があるので、サプライチェーンの2次・3次と先の方まで管理していくということがなかなか難しい。私どもの方でも第1次サプライチェーンのところまでは、こういうCSRのことも含んだ上でお願いをしていきますけれども、やはりそれから先は現地での環境管理能力の底上げに対して協力できることをしていくということで、書きぶりを工夫していただければと思います。
それから、11ページにまいりまして、企業活動を通じた協力の4つ目のグローバル・コンパクトのところですけれども、グローバル・コンパクトだけでなくて、CSRに関します国際基準というのはいくつもあります。例えば、OECDの多国籍企業ガイドラインや、コー円卓会議の企業行動指針など、企業がそれに照らして自分たちの行動基準を考えていこうというようなものがいくつかあると思います。1つだけとかいくつか列挙するということではなくて、一般的にこういうCSRに関する国際基準を自主的に念頭に置いて、活動していくという言い方にしていただいた方が、すべての企業に照らしてお使いいただけるのではないかという気がいたします。
 もう1点、これは揚げ足を取るようですが、「貿易における環境配慮の実施」の1つ目のところ、「持続可能性を考慮した輸入を、企業の社会的責任として実施すること」とありますが、「企業の社会的責任を念頭に置いて、持続可能性を考慮した輸入をする」という方が、企業にとっては受け入れられやすいような気がいたします。以上でございます。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 石田委員、どうぞ。

○石田委員 企業による役割というものを上手に表現していただいております。今、ご指摘があったような点もありますけれども、やはり最初の会議でも申し上げましたように、我々自身の事業から言って、もっともっと協力させていただく場があるのではないかということです。例えば、現地インフラのレベルアップだとか、人材のサポートとか、そういうものに積極的に協力できるよう、民間側の情報をもう少し活用できるような場をぜひ表現していただければと思います。
 あとは、進出企業として、できる限り今ご指摘があったような内容で、進出先の環境政策に対して積極的に対応できるような体制をとっていきたいと思います。逆に言えば、日本で経験したことを活かしてリーダーシップをとり、その進出国での関係機関に我々としても積極的に働きかけていく、それをODAの枠組みの中でサポートいただければ、非常にありがたいというふうに考えております。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 それでは、自治体がありますので、小林委員。

○小林委員 3点あります。地方公共団体による環境協力のところの3つ目のところに、「モデル的な都市間の協力プロジェクト」と書いてありますが、地域間に直していただきたい。都市だけではないと思います。
それからその次のところですが、「分野ごとに核となる地方公共団体を決めるとともに」というのは、ちょっと言いすぎかなと思います。本音はそうですが、地方公共団体間の協力ネットワークの構築が重要であって、その核をつくれという書き方はあまりよくないという気がいたします。
 それから、ここで書く問題ではないですが、先日JICAのヒアリングの中で言われたのですが、JICAはもっと戦略的な重点プロジェクトを進めるので、地方自治体等が行っている草の根的なプロジェクトについては力を入れないというような言い方をされまして、大分削られてしまっております。その辺、逆によろしくお願いをしたいということでございます。
と同時に、最近すごく感じているのですが、研修はほとんど英語で実施されており、英語に偏っているがために、今度は相手方も英語のしゃべれる人しか教育していない。特に東アジア等については英語圏でないところが多いわけで、英語を使わない国際協力、研修というものにもう少し力を入れていただきたいなと思います。履歴を調べてみると、英語のできる人の中には繰り返し繰り返し研修を受けている方がいます。その辺、大分気になりましたので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、これは地方自治体ではありませんが、NGOのところの2つ目、「環境協力を実施する際の云々」という文章です。これは国際協力をするための基本的な部分なので、ここに書くのはどうかという気がいたします。書くことは重要ですが、他の場所をお考えいただけたらと思います。以上です。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 ほかの委員の発言を封じる気は毛頭ございません。どうぞ、ご意見がございましたらお出しください。
 高橋委員、どうぞ。

○高橋委員 簡単に5点だけ申します。
 第1点は、このチャプター全体が対途上国の環境協力という色彩が強くなりすぎていますので、これはもう少しグローバルなものに色彩を変えていただきたいという感じがいたします。ここに出ているのは、対途上国ということが圧倒的に多いので、ちょっと違うのではなかろうかという気がします。
 2点目。この主体のところですが、私は大学間の研究教育協力というのは非常に大事になってくるように思えるのですが、それが抜けている。
 それから、3番目は同じ11ページのところですが、貿易における環境配慮の実施。これは2ページ目との関係が非常に大事かと思います。2ページ目のエのところに、WTOの話と自由貿易協定の話が出ていますが、これからの貿易のゲームというのは、ほとんどが自由貿易協定で内容が決まっていくというふうに思います。そうした中で、今までは伝統的に自由貿易協定のところで環境というのが最初抜けていて、NAFTAのように後からくっついてくるとか、そういうような形になる場合が多いわけです。この2ページ目のところと、それからこの11ページの一番下のところとを合わせた感じで、ぜひ自由貿易協定との関係でこれが大事だということを出していただくと、今の実勢に合うのではなかろうかというふうに思います。
 その次は12ページの金融に関してですが、いわゆるSRI(Social Responsible Investment)というのが、この数年来非常に重要になってきていると思います。日本の特徴としては、そのほとんどが環境分野の特別投資基金になっていることです。それがまだ多分1,000億超えていない程度だと思いますが、アメリカでは、2003年度の統計で言いますと、いわゆる投資全体の12%がこのSRIの分野になって非常に大きくなってきています。SRIについては、特に環境配慮のところで重要な芽が日本に出てきていますので、それをどうやってさらに育成していくかという点が非常に重要になると思います。
 最後、これはもしかしたら私が言うのはおかしいかもしれませんが、企業のところでWBCSDが非常に大事な役割を果たしていることは世界的に知られています。今年は年次総会が日本で行われると伺っておりますが、そういうようなことも念頭に置くと、やはり何らかの形でここの企業のところに書いておくべきではないかと思います。以上です。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 どうぞほかにございますか。では、廣野委員、どうぞ。

○廣野委員 私からは2点です。第1点は、地方公共団体による環境協力の最後のところですが、これは研修員の受け入れを積極的に進めるためだけではないですね。やはり、地方公共団体による環境協力そのものを進めるためにこれをやる、必ずしも研修員の受け入れということだけではないという点が重要です。その後に、分野ごと云々と書いてありますが、やはりあまり国の方で決めるというのもどうかと思います。それぞれの地方公共団体に得意な分野というものがあるわけですから、地方公共団体が自分たちのやり方で決めていく、そういうものを国が支援するという立場の方が重要かなと思います。その後には、地方公共団体間の協力ネットワークを構築する、これはもう本当に重要です。その場合、特定の都市が旗を振ってやるということになると思いますが、どうしても自分たちの得意な分野を出してきますので、そういうことに従って、それぞれみんなが旗を振る中へ参画していく。あまり国が率先してこまめにやるのではなくて、地方公共団体の取組みを国が側面から支援するという、そういう姿勢をもっと強く出した方がいいのではないかと思います。
 それから2番目の点ですが、これはちょっと書き足らないと思いまして申し上げたいのですが、最後の12ページの「金融における環境配慮の実施」のところです。先ほども少し触れましたように、今現在、世界銀行を中心にカーボンファンドのことが議論されております。途上国における持続可能な開発のためのプロジェクトに対する企業の投資、これは必ずしも企業が直接的にそれぞれの国に投資するということだけではなく、そういうカーボンファンドに企業がどんどん金を出していくということが重要かなと思います。当然企業はリスクを考えながらやっていくわけですが、京都議定書が発効し、企業にとってもクレジットを確保することが重要になってまいります。各企業が自分たちだけでそういうことやろうとするのは大変なことですが、国際機関が一種の公共財を提供してくれているわけですから、そういう公共財を大いに活用した方が我が国としても効率的かと思います。また、企業がそういうことに取り組むことを支援することも重要であると思います。その点、よろしくお願いします。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 では、青山委員、どうぞ。

○青山委員 (3)の最後の2事項は、環境装置メーカー、コンサルタント、あるいはモニタリング企業が企業活動を通じて実施してきた旧来型の協力であり、この展開において国内の社団的団体が機能してきた面もあります。しかし、これからの国際環境協力において、今までの例えばモニタリング協会、コンサルタント協会、環境装置メーカーの団体という国内の縦割り的な業界対応の形では、もう動けないということがはっきりしてきていると思います。
 次回の体制の議論のところで結構かと思いますけれども、いわゆる業界的な団体の縦割り的な対応ではなく、国際環境協力を展開していく上で、どういう既存技術や蓄積が活かせ、それをどのような民間対応・協同で展開できるかをぜひ議論していただきたいと思います。ここに記述されている基盤づくり等の話に繋がることになりますけれども、日本の場合には非常に硬直化した形で動いている。実際に国内蓄積・経験をそのままで持ち込もうとすると適応できないという話が多い。恐らく、石田委員の分野でも同じ問題を抱えていると思いますが、その辺また、次回に話させていただければと思っています。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 中村委員、どうぞ。

○中村委員 2点あります。これも教えていただきたいというか、私も理解しないといけないのですけれども、1つはこの地方公共団体による環境協力の中で、北九州イニシアティブネットワークを強化することというところです。資料編の65ページに説明がありますが、なるほど、ここに特出しして書き込む意味はあるということはわかりました。ただ、これだけが特別なのか、もう少し広範にその芽があり、そういうものを総じて強化するというふうな書きぶりがいいのかということは、ちょっとご判断いただきたいと思います。
 それから、地方公共団体、NGO/NPO、企業という分け方をしていますが、私は、地域のこういった主体が総じて役割を果たす、あるいは社会的・地域的に連携して協力するということをずっと模索してきています。総じて社会全体で環境に取り組むにはどうしていくのか、多様な主体が国内でどういうふうに連携しキャパシティを上げていくのか、あるいは相互に連携していくところのメリットをどう生かしていくのか。青山委員の言われた経験の移転につながる部分がありますけれども、そういうことをどういうふうに書き込むかということもご検討いただきたいと思います。

○浅野委員長 その最後の点について、どこに書くかということについては議論をもう一遍したいと思いますが、次回のところで、主体間協力、つまり国によるそれぞれの主体へのかかわり方だけではなく、主体横断的なかかわりとか協力体制という部分が出てまいります。次回またその点も含めて議論させていただきたい。それから、大学の話も出ていますし、研究機関の話も出ていますから、これを特出しで主体として挙げるかどうか、少し検討してみてください。
 あまり時間もないですが、是非にというご発言ございますか。よろしいですか。
 加藤委員、どうぞ。

○加藤委員 高橋委員も指摘されたことですが、さかのぼって考えてみると、共同研究ネットワークの推進というところが前の章に出てきますが、そこで大学間の協力のネットワークについてあまり意識されていないようなので、この章では特に1項起こしてでも、大学間の共同研究なり研究協力というのはぜひ挙げていただきたいと思います。現に今もうJICAでもかなり大学を利用して、途上国向けの教育や人材育成等推進しています。また、国立大学が法人化して、そういった制度を利用しながら国際協力を進めていくことについて、文科省も具体的な支援をやっておりますので、そういうこともこの中に含めていただきたい。

○浅野委員長 わかりました。では、これも検討してください。
 それでは、本日予定の時間を若干過ぎております。最後に事務局からの連絡事項です。

○田中環境協力室長 貴重なご意見、ご議論をいただきまして、大変ありがとうございました。今回の資料も簡単にエッセンスだけを取り出しているようなところがあるので、若干読みづらく理解しがたい部分があったかもしれません。おわびを申し上げます。今後、また文章化していく段階で丁寧に書いていくようにしていきたいと思います。
 それで、次回でございますけれども、今後の国際環境協力の取組みの方向性についての中で残りの部分、体制強化などの部分を中心にさらにご議論をお願いしたいというふうに思います。
 それから、委員長の方からお話ございましたけれども、少しヒアリングという形で専門の方々のご意見を伺う機会を設けたいと思っておりまして、もうODAだけではないというご意見ももちろんございますが、ODAも非常に重要な要素でございますので、こういったODAの実施機関からもお話を伺えればと思いますし、その他NGOなど、実際に協力に携わっておられる方々からもヒアリングという形でご意見を伺えるように、これから少しそういった機会について検討していきたいというふうに思っております。
 次回の委員会でございますが、予定といたしましては3月11日の金曜日、午後2時から5時まで、3時間を予定しております。場所につきましては、この5号館のどこかの会議室でということで予定しておりますが、改めて正式にご連絡を差し上げたいというふうに思います。
 それから、本日の委員会の議事録につきましては事務局の方で取りまとめの上、後日委員の皆様に案として送付をさせていただきますので、後ほどご確認の方をよろしくお願いしたいと思います。以上でございます。

○浅野委員長 それでは本日はこれで散会いたします。どうもありがとうございました。

午後4時04分 閉会

ページ先頭へ