中央環境審議会地球環境部会 第7回気候変動に関する国際戦略専門委員会議事録

開催日時

平成16年11月26日(金)10:00~11:53

開催場所

環境省第一会議室 合同庁舎5号館22階

出席委員

(委員長) 西岡 秀三
(委員) 明日香 壽川  甲斐沼 美紀子
亀山 康子  工藤 拓毅
高橋 一生  新澤 秀則
原沢 英夫  松橋 隆治
三村 信男
 
 

議題

1. 「専門委員会の中間報告(案)」について
2. その他
  

配付資料

資料  気候変動問題に関する国際的な戦略について(中間報告)(案)
参考資料  ロシアの京都議定書批准手続の完了と京都議定書の発効について

議事録

午前10時00分開会

○水野国際対策室長 それでは、定刻でございますので、ただいまから気候変動に関する国際戦略専門委員会第7回会合を開催したいと思います。
 それでは、議事進行につきまして西岡委員長、よろしくお願いいたします。

○西岡委員長 皆さんおはようございます。
 第7回になりますけれども、国際戦略専門委員会を開催したいと思います。
 今まで長い間いろいろ議論いただいたものが今日まとまってきたということでございまして、一つの中間とりまとめについて、きょうは審議していただく予定になっております。
 この後、一通りまとめた後につきましては、また、COP10、あるいはその後の状況を見ながら、新しい仕事になるかと思いますので、きょうはそういう意味で一つの区切りになっているかと思います。
 事務局の方から、きょうは非常にシンプルで、資料の番号の説明もないという状況ですが、議事次第にございますように、専門委員会の中間報告(案)について、まず事務局の方からご説明いただき、その後皆さんからのご意見をいただいて、取りまとめたいというぐあいに思っております。
 予定としては12時まで予定しておりますけれども、皆さんのご協力でそれまでに終えたいという具合に思っております。
 資料の確認が一応あるらしいのでそれをちょっとお願いいたします。

○瀧口室長補佐 資料の確認をさせていただきます。
 議事次第がございまして、それから座席表、それで今日の主な討議資料でございます気候変動に関する今後の国際的な対応について中間報告(案)、それからロシアの京都議定書批准手続きの完了と議定書の発効についてという参考資料をつけております。
 それから、委員の先生方には、第4回の専門委員会の議事録を配付させていただいておりまして、この後の第5回、第6回も委員の先生方の確認がとれ次第送付させていただきます。また、一般の方々には、環境省のホームページ上からアクセス可能なようにしたいと思っております。もし資料の不足等ございましたら事務局までお申しつけください。
 それから、続きまして、参考資料のロシアの批准手続きの完了と議定書の発効について、簡単にご説明をさせていただきます。参考資料の方をごらんください。
 新聞報道等で皆さんご存じかと思いますが、去る11月18日にロシアが京都議定書の批准手続を終えまして、これによりまして議定書の発効要件を満たすということになりまして、90日後の来年2月16日に京都議定書が発効するということになりました。
 この資料に添付いたしまして、プーチン大統領が署名をした11月4日、それを受けまして、内閣総理大臣の談話、それから小池環境大臣の談話を添付しておりますのでご参照いただければと思います。
 以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 資料の過不足はないと思いますので、次に進みたいと思います。
 事務局から30分ぐらい説明をいただいて、その後は討論に入りたいと思います。ひとつよろしくお願いいたします。

○水野国際対策室長 それでは、資料に基づきまして、ご説明をさせていただきたいと思います。
 この資料につきましては、前回、中間とりまとめの骨子(案)ということで、一度ご議論いただきまして、そのときにいただいたご議論と、それからその後、この中間報告(案)をまとめる段階でも、何度か先生方にはメール等で事前にごらんいただきまして、コメントをいただきまして、それをできるだけ反映させる形で本日の報告(案)ということでまとめさせていただいたものでございます。
 まず、前回の骨子(案)から骨格のところで変わったところだけ簡単にご説明をしたいと思います。
 まず、表題でございますけれども、前回は「気候変動問題に関する国際的な戦略について中間とりまとめ」ということで題を考えてございましたが、まず委員長から、戦略についてというのは、現段階ではまだそこまで踏み込んだ議論がなされていないということで誤解を招くおそれがあるのではないかというご指摘をいただいたということを踏まえまして、今後の国際的な対応についてということで題を変えてございます。
 それから、中間とりまとめという言い方でございますけれども、実は今年の1月に部会の方でまとめていただきましたレポートにつきましても中間とりまとめという言葉を使っておりまして、少し混乱するのではないかというご指摘がございましたので、中間報告(案)という言い方に変えさせていただいております。
 それから、中身でございますけれども、まず1つは、前回の骨子(案)の中では、炭素中立社会の意義というような節があったわけでございますけれども、炭素中立社会という言葉が少しわかりにくいというご指摘がございましたので、この言葉につきましては使用せずに、かわりに脱温暖化社会という言葉で整理をしております。
 それから、前回は、各国の取組状況等というものを第8章ということで本文の中にまとめてございましたけれども、かなり事実関係にかかわる部分が多いということがございますので、その事実の部分はすべて参考ということで後ろに回させていただきまして、評価にかかわる部分だけを、先ほど脱温暖化社会のところで若干触れさせていただくということで整理をし直させていただいております。 したがいまして、前回の骨子(案)では10章ございましたけれども、今回の(案)では9章と参考資料ということで変わっております。
 以上が、大まかな骨格の変更点でございます。
 それでは、具体的な中身についてご説明をさせていただきたいと思います。
 まず、開いていただきまして目次がございます。目次を見ていただきまして、第1章から第5章までは前回もご説明させていただきましたとおり、これは既に9月の段階でまとめさせていただきました審議の取りまとめというものの内容とほとんど基本的には一緒でございますので、これにつきましては説明を省略させていただきたいと思います。6章からが、今回、具体的な中身を書き込んだものでございまして、6、7、8、9と、したがいまして4章あることになります。
 資料、中間報告の最初には、まず要旨ということで1ページから7ページまでが要旨になってございまして、その後、8ページからはじめにということで本文が始まっております。今申し上げましたように、はじめにから第5章までは、前回のものと同じでございますので、少しとばさせていただきたいと思います。
 具体的な6章は55ページになります。55ページからご説明をさせていきたいと思います。
 まず第6章、気候変動枠組条約及び京都議定書の制度の仕組みということでございます。
 ここのポイントは一番最初の四角にございますように、気候変動対策の次期枠組みは、これまでの国際合意の上に立脚して構築することが必要、かつ現実的なあり、その点で、気候変動枠組条約及び京都議定書の仕組みが、次期枠組みを構築する上での基盤となるということでございます。
 まず最初の丸でございますけれども、ここにつきましては、京都議定書及び気候変動枠組条約が長年にわたる国際交渉の結果としてつくられたものであるということで、したがって、その仕組みを十分理解しておく必要があるということをまとめております。
 続きまして、55ページの下の2つの丸以降につきましては、気候変動枠組条約の仕組みということでございまして、最初の丸は、現在の各国の批准状況などでございまして、続く丸が条約の究極目的、それから取組の原則というものがどんなものがかけられているかということを簡単にまとめてございます。
 それから、実際の各国の責務につきましても、差別化はかけられていて、共通だが差異のある責任とか、それから、先進国は率先して取り組むということが具体化されているということを明記をしてございます。
 56ページ、57ページにつきましては、参考として、まず、条約上に書かれてございます原則をそのまま引用させていただきまして、その次に、各締約国の義務をまとめた形で載せてございます。それから、図-6.1につきましては、批准国のグループごとの分類でございます。
 続きまして、58ページでございます。
 58ページの最初の上の3つの丸につきましては、ベルリン・マンデートについて整理をしてございます。
 ベルリン・マンレートは、まず条約上の責務といいますか、条約上の規定というものが先進国の約束として不十分であるという認識があるということ。それから、途上国に対して新たに義務を導入しないということが明記されているということを踏まえて、京都議定書の採択につながったという経緯を書いてございます。
 続きまして、その後からが京都議定書の仕組みということでございます。
 まず1つ目の丸は、京都議定書の批准状況を書いてございまして、先ほど説明させていただきましたとおり、京都議定書は来年の2月16日に発効するということでございます。
 次の丸は、京都議定書を巡る交渉の経緯を書いてございまして、比較的詳しく書いてございますけれども、まず小さなポツが幾つかございますが、交渉の段階で各国の主張が対立をして、日本、EU、米国、それぞれ異なったところに力点を置きながら議論が進められたということ。
それから、次のポツにつきましては、特に途上国の参加問題で米国と途上国などの間での対立が見られたということ。それから、次は、吸収源の取扱ということについても先進国の間でもかなりの議論があったということがあって、最終的には、これらのすべての国の主張に配慮して、そのかわり各国にも妥協を求めるということで先進国の数値目標だけでなく、さまざまな要素を含んだパッケージとして京都議定書がつくられたということをまとめてございます。
 次の丸は京都議定書の仕組みの柱が何かということでございますけれども、まず京都議定書の基本的な柱は、短期的な国単位で削減をその約束の達成の責任を持ち得る国というレベルで義務づけたという点にあるということでございますが、それと同時に政策措置の選択は各国にゆだねられたということ、それから削減目標が差異化されたということ、さらには吸収源、あるいは京都メカニズムという考え方が導入されたということも重要なポイントであるということを整理してございます。
 60ページには、今申し上げました京都議定書の概要、それから義務のポイントを表として整理をさせていただいております。
 続きまして、60ページの下から、マラケシュ合意の内容でございまして、その内容を61ページの表と、特に吸収源についての上限が定められましたので、それを含めた場合の各国の数値目標はどうなるかということを図で表現をさせていただいております。
 それから、62ページでございますけれども、ここにつきましては、京都議定書以降の課題ということで、特に最初の丸につきましては、京都議定書について、日本国内でいろいろな意見があると。例えば、中国などの途上国に排出削減の義務がないということで京都議定書は欠陥があるのではないか。あるいは、日本は高い省エネ効率を達成しているので、日本に厳しい不平等条約ではないかというような主張があるということを踏まえて、それはこれまでの経緯、あるいは条約の原則というものに照らして考えれば、そういった批判は当たらないということの整理を再確認をしております。
 続く丸につきましては、今後どうすべきかということでございますけれども、そもそも京都議定書というのは、地球温暖化問題に取り組むための第一歩ではあるけれども、京都議定書に参加している先進国がその約束を達成するだけでは不十分であるということで、具体的には米国が京都議定書に参加していないということです。さらに、中国やインドは今後さらに排出量の増加が見込まれるということで、これらの課題の克服が重要であるということを明記しております。したがいまして、次期枠組みにおいては、これまでの国際合意の上に立脚しつつ、それをいかに発展・改善していくのかということが重要だということであります。
 63ページには、簡単にこれまでの交渉経緯を記述させていただいております。
 続きまして、64ページからが第7章、次期枠組みに反映すべき基本的な考え方ということでございます。
 ここに対応する議論につきましては、既に第2章でも一部触れてございますけれども、これを特に制度面から議論したときにどういったことが言えるのかということをここで整理したということでございます。
 まず、衡平性の扱いでございますが、衡平性についてのポイントは、衡平性は排出量の目標値設定だけの議論ではなく、途上国への基金や脆弱な国への配慮等、次期枠組みの仕組みの全体の中に総合的に達成することを目指すことが現実的なアプローチであるということでございます。まず、衡平性の定義として、衡平性という側面にはいろいろなものがあるということを最初の2つの丸で整理をしてございます。
 続きまして、64ページの下のところからは、気候変動枠組条約、あるいは京都議定書における衡平性の扱いを整理してございます。
 まず、気候変動枠組み上も衡平性が原則として位置づけられているということと同時に、具体的な京都議定書の交渉過程でさまざまな論点で実際は衡平性という議論を念頭に置きながら議論が進められたということで、65ページの上にありますように、削減目標度の差異化ですとか、京都メカニズムの導入、それから途上国への責務のあり方等々について衡平性ということを念頭に置きながら議論が進められたということで、その結果が65ページの「その結果」と書いてあるところから始まる丸でございますけれども、まずは義務は先進国だけに課すことになったということと、それから先進国のアメリカでの削減目標が差異化されたということ、さらには基準面をどこにするかということが6月のパッケージとしたということ、さらには吸収源、それからEUバブル、あるいは京都メカニズムの導入等々によって、包括的に衡平性への対処がなされたということで、次がその評価でございますけれども、このような過去の交渉過程にかんがみたときに、ある特定の衡平性の原則がそのまま適用されているわけではないということで、先ほどまとめにも申し上げましたように、レジームの中で総合的に衡平性というのは達成することを目指すことが妥当なのではないかということをまとめてございます。
 それから、65ページの一番下の丸につきましては、レジームそのものの衡平性以外にも手続の衡平性という議論があるということを整理しております。
 続きまして、66ページですけれども、最初の2つの丸は世代間の衡平性という問題でございまして、世代間の衡平性については、現在の提案の中ではなかなか十分に考慮されているものはないということを整理しております。
 それから、その次の2つの丸につきましては、気候変動の影響面での衡平性ということで、気候変動の悪影響というのはすべての地域に平等に生じるわけではないということで、したがって適用問題への的確な対応というものが衡平性の観点からも重要になってくるということを整理してございます。
 ちなみに、これにつきましては、原因者負担という考え方もあり得るけれども、現実的には気候変動と被害との因果関係というもの証明するということは、少なくとも現時点では極めて難しいということで、そういった考え方をルールに反映させる要件は整っていないということを整理してございます。
 続きまして、66ページ下のところからは次期枠組みにおける衡平性の扱いということでございます。
 まず、非常に長期的な視点に立ったときには、1人当たりの排出量の一律化するというのが衡平であるというような意見が多いという事実を述べてございます。
 それから、67ページの上にまいりまして、しかしながら短期的にはいろいろな意見があるということで、したがって各国のさまざまな状況を反映させて、衡平性以外の効率性その他の基準なども考慮しながら、最終的な制度を決定する必要があるということでございます。この点に関連して、先進国と途上国という2つのグループ分けということには必ずしもこだわるということではなくて、さまざまな基準に基づいてグループ化し直すということも考える余地があるということを書いてございます。
 なお、GDPということを資料として使う場合には、為替レートの問題があるということもつけ加えております。
 それから、次は衡平性を考える上での留意点ということでございますけれども、これは衡平性の確保と環境保全上の実効性というものは必ずしも正の相関にないということを注意喚起しております。なぜならば、例えば非常に削減量が少ないレジームであっても、それは衡平性という観点では評価はできるにしても、十分な環境保全効果は見込めないということがあり得るということがあり得るということを説明をしてございます。
 続きまして、リスク管理の考え方でございます。
 これにつきましてのポイントは、リスク管理を進めるためには予防的取組の考え方に立って、ヘッジ戦略をとっていく必要があるということ。それから、社会にとって許容可能なリスクは何かの判断には、ステークホルダーの参加による意思決定が必要となるということ。また、その判断は科学的知見の蓄積に応じて見直されるべきであるということとしております。
 まず最初に、ここのポイントといたしましては、不確実性があるとはいっても、ロブストな科学的知見もあるということで、IPCCなどでは、いろいろな証拠を示しているということが68ページの一番最初の3つのところで記載をしております。また、そのほかにも気候システムにはさまざま慣性が内在しているということもございまして、IPCCのロブストな予測警戒や、そうした気候システムの慣性などを考えたときには、手おくれにならないように早期の大幅な排出削減に向けた対策努力の強化というものが不可欠であるということを明記してございます。
 次のところはリスト管理としての予防的取組ということで、ロブストな知見があるということの一方で、不確実性も確かにあるということより、この不確実性を前提に環境リスク管理の考え方が重要であるということ明記してございまして、この環境リスク管理をどう進めるかということについては、予防的取組の考え方が重要であるということで、気候変動枠組条約においてもその考え方が明記されているということでございます。一方、費用対効果の大きいものとすることについての配慮を払うべきということについても明記されているということも書いてございます。
 それから、68ページの一番下のところは、予防的取組の考え方を具体化するに当たっての留意ポイント、例えばできるだけ科学的評価を行うべきであるということとか、透明性を確保すべき等々を書いてございまして、69ページにまいりまして、それから予防的な取組のあり方ということで、ヘッジ戦略というものが重要になる。とりわけ地球温暖化問題のような場合には、不可逆で取り返しのつかない被害が生じるおそれがあるということで、そうしたヘッジ戦略が重要となるということを書いてございます。その次の丸は、一方で柔軟性を残した対応というものも重要であるということを書いてございます。
 続いて、第3節でございますけれども、脱温暖化社会に実現に向けた次期枠組みのあり方ということで、このポイントは温室効果ガス濃度安定化のためには、先進国においては継続した排出削減、途上国においても早期に排出の伸びを鈍化させ、それ以降排出削減が必要となる。こうしたことなどを勘案し、将来枠組みにおいては、長期目標を見据えつつ、米国の参加を実現する必要があるということ。京都議定書の先を見据えてさまざまな取り組みを進めているEUの動向がとりわけ注目されること、途上国については、まずはCDMを通じた緩和努力を促していくことが重要であり、その上で、将来枠組みについては、
"共通だが差異ある責任"の原則を踏まえつつ、少なくとも中国・インド等の温室効果ガスの主要排出国による具体的緩和努力を確保する仕組みを設けることが必須となることが重要である。脱温暖化社会への挑戦は、環境と経済との好循環、持続可能な発展への好機ととらえるべきであるということでまとめさせていただいております。
 70ページにまいりまして、まず最初の2つのパラグラフにつきましては、温室効果ガスの削減ということについて、先進国のみならず、途上国も早晩削減努力が必要になってくるということを書いてございまして、したがって具体的には次期枠組みにおきましても、米国を含む先進国における十分な排出削減の確実な達成ということと、途上国(とりわけ温室効果ガスの大量排出国)の"意味ある参加"というものが重要となってくるということを明記してございます。
 その下からは、米国の参加の重要性ということで、最初の丸は現在の米国の状況を書いた上で、米国は今までの方針を維持する可能性が少なくないということを明記した上で、しかしながら米国の参加というものが次期枠組みについては必須であるということを明記してございます。そして、最後の丸については、そしてそのためにも日本やEUがしっかりと取り組みを推進し、環境と経済との好循環を実現していくところが重要であるということを書いてございます。
 71ページにまいりまして、EUの動向の重要性ということで、EUは京都議定書の目標達成のみならず、その先を見据えてさまざまな取り組みを進めているということで、EUの動向を注目していく必要があるということでございます。
 その後は途上国の関係でございますが、まずはCDMとの関係でございます。
 途上国については、京都議定書上もCDMの取組主体として大きな役割が期待されているということで、まずはこのCDMというものをしっかりやる必要があるということを書いてございます。
 その次が、将来にわたっていかに途上国を巻き込んでいくかということでございますけれども、まず現状認識として共通だが差異ある責任ということで、まず先進国がやるべきだという認識が強いけれども、一方で中国やインドなどでは、ここでは主要国と書いてございますが、これは温室効果ガスの主要排出国ということで直させていただきたいと思いますが、そうした国での削減努力が必要となる認識は徐々に広がりつつあるということでございます。
 それから、途上国と一言で言っても、実際はいろいろな背景にある国がさまざまに分かれてございまして、必ずしも途上国を一体としてとらえる必要はないのではないかということを次期枠組みのときには考える必要があるということを書いてございます。
 それから、途上国への懸念を払拭するためには、経済発展への悪影響というものがないと、むしろ環境と経済との好循環が可能であるということを説明していくことは重要だということ。それから、特にインフラ整備ということをしっかり着目していかないと、将来の温室効果ガスの排出量に大きく影響を及ぼすだろうということが重要であるということを明記してございます。
 そして、途上国についてのポイントとして、72ページの最初の丸でございますけれども、次期枠組みについては、少なくとも中国、インド等の具体的な緩和努力を確保することが重要であると、必須であるということを明記してございます。そして、その次の丸につきましては、脱温暖化社会への挑戦というものが持続可能な発展の好機ととらえるべきであるということを整理してございます。
 続いて、第4節、政府の役割と国家間合意のあり方でございます。
 国連のもとにおける多国間協議は、気候変動問題を扱う上で多くの長所があり、今後も気候変動枠組条約を中心とした国際的枠組み作りのプロセスを維持し、国ごとの削減約束に責任を持ち得る国という主体が、枠組み作りの中心となっていく必要がある。他方、多様なステークホルダーが参加し、国連のもとでの多国間協議を補完することは国家間の合意をさらに有効なものとするということで整理をさせていただいております。
 まず、72ページの下の2つの丸につきましては、さまざまなレベルでの意思決定というものがあるということと、気候変動問題の場合にはすべてのレベル、具体的には国際レベル、国家レベル、国内レベルでの決定が必要となるということ。そして、73ページにまいりまして、わけても政府の役割というものは引き続き特に重要であるということを整理しております。それから、国連における気候変動交渉が基本ということで、国連のもとでの多国間条約というものはいかなる長所があるということで、具体的に幾つかの長所があるということを列記させていただいております。そうしたことで、74ページへまいりまして、このようにメリットがあるということで、今後も基本は国連のもとにおける多国間協議ということを中心にしていく必要があるということでございます。
 他方、74ページの次の丸でございますけれども、一方で180を超える国が参加するところもありますので、課題もあると。また、過去の経験に基づいて現状のままでは国連のもとでの多国間協議というものを必ずしも前向きにとらえないという考え方もあるということを指摘させていただきまして、したがいまして、さまざまなステークホルダーが参加した取り組みで他国間協議を補完していくということは、1つのメリットがあるのではないかということを整理してございます。
 続いて、75ページから第8章でございます。将来枠組みのあり方についてでございます。
 まず、コミットメントに関する各種提案ということで、ここについては、コミットメントに関し、既に各種の提案がなされており、これらの提案のそれぞれの長所、短所の幅広い視点からの科学的分析が必要だろう。このうち、目標に関しては、長期目標、中期目標、短期目標
を設定することが考えられる。それによって、具体的な削減効果、中期的な技術開発と普及、条約の究極目的の達成を、効果的に図ることが期待される。
 コミットメントに関する判断を行うに当たっては、各種提案を評価するための基準が重要となる。その基準の評価には幾つかのものがあり、それらの基準のトレード・オフの関係や優先順位について、判断の助けとなることができるよう理論的な整理を行うことが、今後の課題であるというまとめにさせていただいております。
 まず、この節の最初は、コミットメントの案の要素ということで、コミットメント案は幾つかの要素で分解できるということで、長期、短期、中期目標からコミットメントの種類、対象主体等々の要素があるということを整理させていただいた上で、76ページについては、それぞれの要素についての論点にどんなものがあるかということをずっと一つ一つ整理をさせていただいております。
 それから77ページにまいりまして、コミットメント案を評価する側として、評価の基準が重要であるということで、評価の基準として代表的なものにはどのようなものがあるかということで、環境保全効果、衡平性、コスト効果性等々があるということを整理した上で、これらの環境を整理することが重要だということを書いてございます。
 そして、次は特に重要な強調すべき点として、これらの評価基準のうち、えてして環境保線効果というものが軽視されがちであるということを注意喚起してございまして、地球温暖化問題に対応するということの観点から言えば、やはり将来の排出見通しを重視する必要があるということを書いてございます。それから、次は、衡平性の確保のための基準にもさらに幾つかのものがあるということで、これらの関係の整理が必要であるということ。それから、最後の丸は、評価の基準だけではなくて、国際交渉における信頼性やインセンティブの確保という点も重要だということで、例えば京都議定書を白紙に戻すとか、あるいは数値目標なしと京都メカニズムを合体させるというような提案については、成り立たないのではないかということを整理してございます。
 78ページは専門委員会でご議論いただきましたコミットメント案の具体例を表の形で整理をさせていただきました。
 続きまして、79ページは適応策の特徴と課題でございます。
 適応策に関しては、緩和策の補完策としてどう位置づけるべきか、気候変動への適応策と通常のインフラ整備・開発との区別をどのようにするか、またどのように他の政策や開発計画に踏み込んでいくかなどが課題となるということで整理をさせていただきました。
 まず、適応策の必要性ということで、気候変動等の影響は避けらないので、適応策は重要ということをまず明記をした上で、適応策の特徴としてIPCCの第3次報告書から研究されている部分を引用させていただいております。
 続きまして、80ページでございますけれども、80ページの最初の丸は、適用問題というのは、途上国だけの問題ではなくて、先進国の問題でもある。しかしながら、先進国と途上国ではやはり違った側面があるかもしれないということを整理をさせてもらいます。
 続きまして、適応に関する論点ということで、先ほどのまとめのところにもございましたように、1つ目の論点は緩和策と適応策の適切な組み合わせはいかにあるべきかということで、こういったことを考えるに当たっては、その表にありますような緩和策と適応策の特徴の違いというものも考慮する必要があるということでございます。
 続きまして、第2の論点は気候変動への適応策と通常のインフラ整備・開発の区分をどのようにするか、あるいは適応策とはそもそもどの範囲なのかという論点があるということと、それからインフラ整備ということに関しては、今後気候変動が起こってまいりますと、今、異常気象と整理されたものが常態となるということで、インフラ整備の前提が崩れてくると。そうすると、莫大な費用もかかってくるというようなことも言えるということを整理しています。
 それから、81ページにまいりまして、第3の論点として、適応策をその他の政策や開発計画にどのように組み込んでいくかということで、そういった国際的な枠組みとの連携も必要となるということを整理しております。
 最後の丸はコスト、あるいは責任の所在という論点もあるということで、これについては、国際的な協力が不可欠ということを整理させていただきます。
 それから、最後の第9章でございます。82ページでございます。
 脱温暖化社会の形成に向けてのさらなる検討の視点ということで、これにつきましては、基本的には前回の9月の取りまとめのところでも、特に1のところについてはご議論いただいた部分でございますけれども、まず1、さらなる検討の視点というところでございます。
 気候変動問題は人類が今後100年以上の間、否応なしに取り組まざるを得ない問題である。したがって、この問題への取り組みをより前向にとらえ、脱温暖化社会の形成に向けて価値観をもっとポジティブなものにすることが望ましい。また、日本は具体的な戦略を持ってこの問題に取り組むことが求められるということでございます。
 まず最初の丸は、地球規模の気候変動戦略の確立ということで、日本の現在及び将来にも気候変動問題というのは非常に幅の広い影響を与えるということで、日本に対してどのような影響があるのかということも分析した上で、戦略を持ってこの問題に取り組むということが重要ということを整理しております。
 その次の丸につきましては、どのような中期、長期の目標を設定するにせよ、その目標を達成するまでのプロセスも重要であるということ。
 それから、具体化のための方法としては、一つは政治的な意思決定によって特定の方向を目指すということと、それからもう一方ではおのずと対策が進むようなかたちで経済システムを組んでいくということがあり得るということを整理しています。
 続きまして、83ページでございますが、豊かな社会を構築するための脱温暖化社会の形成ということで、先ほどのまとめのところにもございましたように、価値観をもっとポジティブなものにして、気候変動問題に取り組んでいく必要があるということで、気候変動対策を持続可能な開発という中に位置づけていく必要があるということでございます。
 それから、次は日本社会の脱温暖化ビジョンというものをつくっていくことの有用性ということで、地球規模での温暖化問題というものも、やはり翻って日本自身がどのような社会をつくっていくのかというビジョンに返ってくるということでございまして、日本の将来ビジョンというものが重要になってくる。また、そのビジョンに照らしてインフラ整備等を進めていくことが重要であるということを整理しております。
 最後、今後の検討課題でございますが、これは84ページにございますように、前回もご議論いただいた絵も含めまして、さらに論点を少しつけ加えて整理をさせていただきました。
 それから、85ページ以降は先ほど申し上げましたように各国の取組状況でございますが、これは参考とさせていただきましたので、ごく簡単に述べさせていただきますと、まず米国の状況でございますが、米国につきましては、現在の排出状況がどのように推移しているかということと、その特徴、それから86ページは米国の連邦政府レベルでの対策の現状、それから87ページでは連邦議会、州、あるいは民間企業レベルでの取り組みの状況を整理してございます。
 それから、88ページからはEUの取り組みということで、EUのまずは排出の状況、それからEUの気候変動政策の現在の状況、それから90ページは中長期的な目標の設定に向けた取組の状況でございます。
 それから、91ページからはロシアとの市場経済移行国等ということで、ロシアの批准に向けた動きが完了したということ、それからロシア等では排出量の余剰の可能性があるということを過去の排水量のトレンドから見て整理をしてございます。
 それから、94ページはJIプロジェクトの推進に向けていろいろな動きが起こりつつあるということでございます。
 それから、94ページの最後のところからは途上国ということで、まずは途上国の温室効果ガスの排出動向を整理させていただいておりまして、一貫して増加傾向にあるということで、96ページは中国でも将来にわたって伸びることが予想されているという例を挙げてございます。
 それから、途上国における優先的な政策課題として気候変動問題にも貢献できるものが優先課題となりつつあるということ、それから途上国ではCDMについてさまざまな取組が起こりつつあるということを整理してございます。
 最後に委員名簿とこれまでの審議日程をつけてございます。
 以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 簡潔に説明していただきまして非常によくわかったと思います。
 この中間報告につきましては、既に前回終わった後、皆さんにも骨子を検討していただいて、多くの意見をいただいて、それを盛り込んで今の原稿になっているかと思います。全体として非常にすっきりした形になっているかとは思うんですが、そういう構成、あるいはそれぞれのご専門の部分で、専門の部分に限らなくてもいいんですけれども、何か一言ずつぐらい、これも中間まとめの最後になりますので、ご意見をいただいて、必要ならばさらに修正したいというぐあいに考えている次第であります。いかがでしょうか、どこからでもよろしゅうございますので、ご意見いただければと思います。
 どうぞ、工藤委員。

○工藤委員 ありがとうございます。
 手続論としてご確認させていただきたいのは、結構ボリューム的にあるので、事務局の方に後々意見という形で提示してもいいかということをご確認できればと思います。
1つ目のコメントは最初の概要のところ、これは繰り返しの確認で恐縮なのですけれども、専門委員会の今後の議論を含めた役割みたいなところの確認です。枠組みのオプションを絞り込むまでには至ってないというイメージで書かれていたのですけれども、それで引き続きということだったのですが、私の理解は一応さまざまな考え方、オプションというのがあって、その長短をちゃんと整理して、その整理したものを上の方の審議会で決めましょうという、そういった手続になっていたかと思っていたのですが、そういうことでよろしいのかどうかお願いします。
 それから、私は実は先ほど配られた4回目の委員会を欠席していて、前半の方の議論に参加していなかったものですから、改めて通しで読ませていただいたときに、1点ちょっとよくわからなかったことがあります。それは、この読者が誰なのかということを考えたときに、ミティゲーション、緩和という言葉が随所に出てくるのですけれども、例えば途上国の緩和を促進するとか、そういった文章が随所に出てきます。
 これは温暖化の世界にかなり入っている人ならばそれなりに身についた意識なのですが、それ以外の一般の方が読んだときには多分わからない、すっと入れないのではないかということで、例えばどこかにレファレンスを、若干文章中には解説は書かれているのですが、レファレンスはレファレンスでどこかに明確に書くか、それぞれの項目で若干ニュアンスが違うと思うので、例えば削減に焦点を置いているのだったら、削減というようなものも含めた表現だとか、固定化も含めたトータルの話であるならばそうだというようなことを、うまく文中に散りばめた方が読み手としては多分理解しやすいのではないかという気がいたしました。
 それから、全体の構成ということで若干気になったのは、最初の3章のところに長期、中期、短期の目標設定ということと8章の方にまた長期、中期、短期というところが出てきていて、前半の方はいろいろな考え方、後半の方は枠組みのあり方といいますか、検討の中身のあり方というようなことだと思っていますが、この辺がちょっとダブっているような気がしまして、余りすっきりしないなと感じます。最終的にこれはまだ中間報告ということですので、先々最終的な報告等をやられる際には、もう少しうまくこの辺を整理した方がいいのかなというのが率直な印象です。
 それから、自分の専門ではないのですが若干気になったのは、衡平性の定義と括弧づけでタイトルとして書かれているのですが、そこで書かれている文章というのはどちらかというと定義というよりは考え方ですよね。そこでちょっと衡平性がよく見えなくなっちゃって、以下の文章で衡平性の問題、課題が書かれているのですけれども、なかなか理解しづらいと感じました。せっかく定義と書かれているのであれば、たしか最初にいただいたドラフトか何かに、とりあえずこういう考え方で衡平性を定義づける云々とあったような気がしたのですけれども、それに近いようなはっきりした考え方というのをまず書かれた方が後の議論というのが見えるのではないかという気がいたしました。
 それと、前回の委員会でもご指摘したのですけれども、EUの動向の重要性というところが連続して読んだときに、一体どういう意味を持つのかなというのが繰り返しになりますけれども、ちょっと気になったところです。
 あと細かいことが幾つかありますが、これは書類という形で出させていただきたいと思います。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 まださらに議論を続けたいと思いますが、今答えられる範囲で事務局の方でお願いします。

○水野国際対策室長 まず、コメントを紙でいただくという部分ですけれども、既にお持ちだというので拝見させていただいておるんですが、もちろん出しいただければできるだけ反映するように努力をしたいというふうに思います。
 それから、具体的にご指摘をいただいた部分につきましてですが、幾つか非常に貴重なご意見をいただいたと思います。
 まず、読者に必ずしもフレンドリーでないということで、適応とか緩和の注釈は実は途中には入っているんですが、もうちょっとわかりやすくすぐに頭に入ってくるように工夫はしたいと思います。
 それから、またダブりが若干あるのではないかと、特に中期、長期、短期目標などのところについてダブりがあるんじゃないかということについても、できる範囲で努力をさせていただきまして、また次回のときにもさらに精査をさせていただければというふうに思います。
 それから、定義の問題、それからEUの動向等々についても、ご指摘を踏まえてどのような工夫ができるか、考えていきたいと思います。

○西岡委員長 どうぞ、三村委員。

○三村委員 今の工藤先生の発言の最初にあった読者との関係で、ちょっと今までぼんやりとしか聞いてないのですが、事務局の方に、この報告の性格は何なのかもう一遍確認していただいた方がいいと思うんです。提言とかメッセージという、我々はこう考えて、将来こうした方がいいとことをまとめるような文章なのか、それとも考え方とか一連の経過を整理して、今後検討する上ではこういういろいろな物事の考え方の配置がありますと、これをもとに今後も検討をしていってくださいという、そういう論点の整理をするようなものなのか。
 先ほどの工藤先生のお話ですと、後者のように受け取っているわけですけれども、その割にはいろいろなところにこうすべきであるというようなことが散りばめられている。提言とかメッセージとかというのであれば、もうちょっと全体の中でのそういう部分を明確にして、前半は資料の整理、後ろの方では提言的なものをまとめるといった仕分けも必要なんではないかと思ったんです。まずはこの文書の性格についてもう一度教えていただければと思うんです。

○西岡委員長 今の件につきまして、何か委員の方からご意見ございますか、ご意見といいましょうか、疑問点といいますか、よろしゅうございますか。
 それでは、事務局の方で整理していただきましょう。

○水野国際対策室長 今の点、先ほどの工藤委員からのご指摘にも若干ちょっとコメントするのを失念したところがございますので、それもあわせてお答えをさせていただきたいと思いますが、この資料を開いていただくと一番最初の1ページのはじめにのところに、この報告書を作成するに至った点、あるいは専門委員会でご議論をいただくに至った経緯を簡単に述べさせていただいておりますけれども、地球環境部会の方でことしの1月に国際的な対応の基本的な考え方ということで中間とりまとめをいただきました。これにつきましてパブリックコメント等々をやったわけでございますけれども、さらにこれを具体的にして、専門的見地から分析をしていく必要があるというようなコメントを幾つかいただきました。
 そこで、この地球環境部会の下に本専門委員会を設けさせていただきまして、ここで今後の地球部会での議論の材料を整理、収集、あるいは分析するということを目的に議論を進めていただいたということがございます。ですから、基本的には、最終的にはご議論はまた部会で行っていただくということで、そのための材料を整理していただくということになるわけでございます。しかしながら、そうはいっても専門的な見地からの分析等々ということは当然入ってくるということがございまして、専門的な観点から言える範囲での評価等々は一定の部分が入ってくるということは当然あるんだろうと思いますが、最終的にご議論はもう一度部会の方でやっていただくということを前提として整理をしていただくということでございます。
 先ほど工藤先生がおっしゃいましたように、オプションを絞り込んでこれがいいんだということをここで結論を出すということではございませんので、そういった意味では、ここの表現についてはちょっとご指摘を踏まえて工夫をさせていただきたいというふうに思います。

○西岡委員長 よろしゅうございますか。
 はい、どうぞ。

○三村委員 文章の趣旨はよくわかりました。これはしかし非常に総合的というか、いろいろなことを網羅して、よく資料も整理されているし、社会的な注目も強くて、皆さんもいろいろ興味のあるところだと思います。それで、私としては言える範囲のことについてはもっと明確にし、そういう中で我々はこういう方向に向かって考えていかなければいけないというある種のメッセージ性を込めた方がいいんじゃないかと私個人は思っています。そういう点では、最後の終わり方として今後の課題がずらずら並んでいるよりも、この検討委員会で検討した中で非常に重要な論点はこういうことであり、方向性としてはこうだというまとめのような章があってもいいんじゃないかなと思っているんですけれども、いかがでしょうか。

○西岡委員長 ほかに何かご意見ございますか。
 ちょっとまず事務局側の考え方を今の件につきまして、お伺いしたいんですが。

○水野国際対策室長 まとめをつくるというのは必ずしも適切でないというふうに考えないんですが、この報告書についてはまとめのかわりといいますか、そもそも要約ということを最初につけておりますので、要約とまとめと幾つもまとめのようなものがありますと、ちょっと若干混乱をするかなと考えまして、実はこれのほかにまさに今先生にご指摘をいただきましたような結論のようなものをつけることについても一度考えてはみたんですが、そこで要約等の整理、関係ですとか、あるいはそもそものこの性格からして、どのメッセージを出すかということについてご議論を集中的にいただいたわけではないと、あくまで専門的な観点からの分析評価をいただくということでご議論をいただいてきたということで、このメッセージが大事だということまで合意を得るような形で議論いただいたということは、必ずしもないということがございますので、今回はこういうことにさせていただいたということでございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 今の議論、ございますか、今の件で。
 今の件じゃなくて、特に今の件でいいですか。
 全体の流れを考えてみますと、結論としてはまだ具体的な提案等について踏み込むまでには、いろいろな意味で至っていないと考えております、私の見解ですが。
 それは、1つはここでの議論といいますのは、これはあくまでも専門委員会が行うものでありまして、事務局でそれをまとめていただいているに過ぎないということでありまして、その意見がどれだけ入れるかということを委員の方で決めればいいものであるとまず思っておるわけですが、多分我々今までやってきた議論といいましょうか、検討内容というのは、まず幅広にどういう問題があるだろうか、事実はどうだろうかということをまず認識しようと、そしてこれから実は交渉等々が始まるわけで、それにつきましては交渉の流れ、あるいは国益、あるいはより多くは地球益のことを十分考えたあるまとまった形の提案といったもの、あるいは提案のオプションといったもの、提案ではないと思う、オプションだと思うんですが、それを専門的な見地から提案し、かつそれを評価するというのがまた次の段階ではないかなと思っておりまして、そういう面でこの中間報告は中間報告にとどまっている。
 それから、そこに事実とある程度の意見を分けた方がいいかという意見もございましたけれども、余り教科書的にずらずら並べるというよりも、ある程度は方向性についてのジャッジが皆さんの発表の中でもなされたわけですから、それは先ほど言った第2段階目の方に踏み込まない程度には書かれてもいいんではないかというぐあいに私は考えておるという次第です。何かそういうことでよろしゅうございましょうか。
 はい、どうぞ。

○小島地球環境局長 今回、中間報告ということですけれども、スケジュール感覚で申し上げますと、いわゆる本体の中環審の地球部会に報告をしながら、また専門委員会にもフィードバックをしていくわけですが、国際的な流れから言うと、12月にCOP10がありますけれども、実際の今回のCOP10のアジェンダを見ていましても,別にCOP10からすぐ交渉が始まるというアジェンダ設定にはなっていないので、来年のCOP11でどこまでのアジェンダ設定ができるかと、これまでのCOPの交渉経過を見てみますと、途上国の対応についてアジェンダに挙げる、挙げないということでずっとやってきたわけですから、そのアジェンダ設定の議論がCOP11で行われるだろうと。
 今回のCOP10はそういう意味でのいろいろなディスカッションをしながら、その条件をどれだけ整備できるかというようなアジェンダ設定になっていると思うんですけれども、COP11で本格的な議論が始まる。これは議定書でもそう書いてある。ところが、年が明けるとG8のプロセスが始まって、2月にはイギリスの科学者の会議があり、3月には閣僚会議があり、それで7月にG8本体があると。ブレア首相の議論では気候変動とアフリカ開発、この2つが大きな議論ということですから、過去の気候変動の流れを見ますと、G8の議論があって、それが世界の議論をリードして条約交渉を加速させていくというような、そういう事柄もありましたから、G8のプロセスがCOPの議論にどういうふうに影響しているか、あるいはほぐしていくかというのが来年の前半の国際的な流れだろうというふうに思っています。
 COP11で始まる交渉というのは、京都議定書のプロセスを見ても、非常に日本の議論で性急な議論が国内ではなされるわけですけれども、1回で決まるわけではないわけですから、COP11からどのくらいのスケジュール感覚でできるか、ベルリン・マンデートのようにCOP3で決めるんだみたいなことが本当にできれば、それでも3回ぐらいはかかるんですね、うまくいって。ですから、3年ないし4年ないし5年ぐらいのロングランの交渉だというふうに考えるのが常識的なんだと思いますから、そういう意味でこの国際的な戦略が必要だという議論はその時々のいろいろな新しい情報が、あるいは国際交渉の情報が入ってくるということで、この議論というのはもう少しそのくらいのタイムスパンで考えた方がいいんだと思いますが。
 そういう意味で、3年ないし4年ないし5年ということでまとまればうまくいくというぐらいの間隔だと思いますけれども、まだ国際交渉が始まっていないというようなことから考えると、少なくとも当面はCOP10から来年のG8での気候変動の議論、それがCOP11の、これは初めてモップの会合が、議定書の締約国会議が開かれるということもありますけれども、それに向けて戦略をどうつくっていくかというぐらいの時間的な感覚ではないかと思いますので、それも頭に入れながらペース配分をしてご議論をいただければありがたいと思います。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 三村委員。

○三村委員 座長も局長も言われることに反旗を翻すつもりは全然ないんですが、私が最初にメッセージ性とか言ったからちょっと議論がそういうふうになりました。今おっしゃっていることはまことにそのとおりで、急いで結論を出そうという話を言っているんじゃないんです。しかし、例えばこの中間報告の中で衡平性をきちんと確保することが重要だとか、あるいは予防原則と経済合理性とをどこですり合わせるかとか、あるいは次期はアメリカや中国という途上国の参加がぜひ必要だとか、それから従来やってきた取り組みの上に積み上げて考えていくんだとか、そういう直接の解決策じゃないけれども、考えなきゃいけない重要なポイントはかなり浮き彫りになったんじゃないかと。そういうものが出てきたんだよということを世の中のいろいろな方にお伝えするのが重要なんじゃないかということです。それをどういう方向で衡平性を確保する必要があるというその解決策を示すというんじゃなくて、ポイントはもっと鮮明に出した方がわかりやすいんじゃないか、そういう趣旨ですので、別に発言の修正じゃないんですけれども、真意を述べました。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 それでは、高橋委員。

○高橋委員 ありがとうございます。
 先ほどの局長のお話で、我々がやっていることの意味が大分はっきりしまして、頭の整理もついてきたんですけれども、2点今の段階で触れさせていただきたいと思います。
 1点はこの中間報告、私は非常によくできていると思うんですが、これは今の我々日本でこの問題を考えるときの感覚を非常によく表現しているという意味で、非常に正直な中間報告だという感じがいたします。
 その点で私が一番気になりますのは、やはり気候変動問題も含めて環境問題一般について、どうも私どもはまだ1992年の議論の段階のような感じもするという気が強くします。それは経済と環境の調和というような議論を必死になって行っているような気がしますが、それが少なくも10年ほどかけて国際社会では経済と社会と環境ということをどうやって調和するか、それでどうやってサステーナビリティーを確保するかという方向に非常にはっきりシフトしたと思うんですが、その社会の側面というのがこの報告書は非常に弱いですね。それは我々の議論自身が弱いからなので、それは今の日本の状況そのものをあらわしていると思いますので、そういう意味で非常に我々自身の問題を明確に示しているの、中間報告としてはいいなというふうに思えます。
 そこでは当然のことながら、そうすると雇用その他社会の問題なども含めると、こういう問題をどういうふうに考えるべきかということが次の段階で非常に重要なイシューとして出てくることなんだろうというふうに思えます。
 それから、2点目に関しましては、温暖化、気候変動問題を中心にして、環境分野の国際的な取り扱いというのがちょっとほかのいろいろなイシューとの関係で、多少おかしなことになり始めているなという感じがします。
 どういうことかと申しますと、90年代に7つほどの非常に大きな国連を通じての首脳会議等々を行ってきて、国際社会の基本的な認識の方向というのをかなり変えてきたと思います。それによって多くの国はもう交渉疲れして、交渉を嫌だと、特に国連なんかあんなでかいところでやるのは真っ平ごめんだという感覚が非常に強くなったと思いますし、それが社会的な風潮にも反映していたと思うんですが、それともう一方で9.11、2001年の事件以降、世の中が非常に変わった面がある。もちろん全部変わったわけじゃないですけれどもいろいろな問題で変わった。特にセキュリティーの問題に非常に敏感になったということを反映して、次のラウンドの作業が今行われていると思います。90年代の7つの主要な国際会議に対しまして、この9.11以降今真っ最中ですが、6本ほどの非常に重要な報告書が出てまいります。そこでは9.
11以降の国際社会のそれぞれの問題に対する取り組みに関して、新しい方向を模索しようとしていまして、そこではいわゆるエピステミック・コミュニティといいますか、いわゆる専門家の出番として、今国際社会の中で交渉ではなくて、物の考え方をもう一度整理するという段階にあると思います。
 具体的には、一番最初は去年の小型船報告書、ヒューマンセキュリティーという日本がイニシアチブをとったのを初めとして、ことしの2月にはILOが中心になりましてグローバリゼーションの社会的側面ということで、A Fair Globalizationというものに対して報告書が出て、今それに関して国際社会で非常に大きな議論が展開されております。6月ころには、国際社会でまたもう一つ整理して考えなくちゃならないと思われていた、いわゆるスルーソサエティの役割って何なんだということで、いわゆるカルドーソレポートというのが出まして、それに関して議論が始まったと。
 それから、これから出てきますものとして、いわゆる地球公共財に関しましての報告書、これが来年の4月に出てきます。そのすぐ翌月、5月には2000年に合意したミレニアム・デベロップメント・ゴールという世界の貧困層を半減するということを中心にした方向、これは今のままだと全然実現できないということで、それを実現するとしたらあとは何をしなければならないかという趣旨の報告書、その今第2版が出ていますが、それの最終版が来年の5月に出ると、そういうプロセスでセキュリティーということをもう一度問題の中心に置いた上で、いろいろな問題に対する取り組みを考え直してみようということの方向転換が起こっています。恐らくこの環境問題全体ですが、気候変動問題に関しても同じような作業が必要なんだろうと思います。そのプロセスで恐らくアメリカを乗せてくる可能性というのも探れるんじゃないかという気もいたします。
 そうしますと、我々がやっている作業の一つの落としどころとしまして、今までのところはいいわけですが、今後の方向というのを考えていく部分がつけ加わるときには、随分世の中の方向が変わってきましたねと。ついては、それに関しての政治的な変化、経済的な変化、社会的な変化、それから何にも増して、こういう問題に関して常にタップしているIPCCの作業などもこれに含め、知見の蓄積というのは随分変わりましたねと、それを全部取りまとめてみると、どういうアジェンダが今後重要なことになるんだろうかということに関して、今までの延長線だけではなさそうですねということがこの報告書の中で出てきてしかるべきだと思うんですね。
 そうしますと、一つの具体的な提案としては、日本からの発信として、先ほどの局長のスケジュール、お話しいただいたあれからしますと、COP11と来年のG8サミット、そのあたりのところを念頭に置きながら、その前後、恐らくイシューをもう一度考え直してみようではと、日本からの提案としては、この分野に関するイシュー世界委員会のようなものを、これ今回は短期決戦で1年以上はかけない。1年以上はかけないけれども、できるだけもう一度整理する。それで、新しいアジェンダを考えたいと。第2弾というのは非常に状況が変わると思いますので、現実的な今後の世界を踏まえたアジェンダでないと、今までの延長線上だと、とてもじゃないけれども世界を引っ張っていけないと思うんです。そうしますと、そういうワンクッション置く時期なのかなと。それをワンクッションをこの委員会を一つの起点にして、一連のプロセスを経て日本政府から提案していくということになると、非常に今回の作業の方向というのもはっきりしてくるんじゃないかというふうに思います。
 ちょっと長くなってすみません。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 ほかにこの位置づけ等については何かございますか。

○甲斐沼委員 関連するかと思うんですけれども、コメントとあわせて。
 この報告書はすごくよくまとめられていると思いまして、非常に有用な報告書だと思います。1点ちょっと気になりましたことが、環境と経済の好循環という言葉がかなり出てくることです。環境と経済の好循環を目指してということで、それは非常に重要なテーマで、環境と経済の好循環を目指しながら対策をするという趣旨はよく理解できます。私どものところでも温暖化対策をしたときの経済影響を計算しております。またそれをいかにリカバーするか、経済影響をできるだけ少なくする、あるいはプラスの方向にするにはどうしたらいいかということをこれまで検討してきましたが、やはりプラスに持っていくのは今の状況では難しいという結果があります。2050年とか2100年の長期的なインフラ整備とかまで考えたときのプラスの効果というのはもちろんあると思います。長期的には画期的な対策技術の導入が進んでプラスの効果も出てくると思いますが、ただ短期的には、なかなかこの環境と経済の好循環を実現するのは難しいかと思います。ちょっと細かいことになるんですけれども、ほかのところの文章はかなりすっと読めたんですけれども、72ページのところの環境と経済の好循環、持続可能な発展への好機ととらえるべきであると、この文章の好機としてとらえるべきというのは非常によくわかるんですけれども、持続可能な発展ということを考えたときに、具体例を入れて頂いた方が分かりやすいかと思います。具体例を入れていこうというようなものもどこかに書いてあったと思うんですけれども、その前のページですか、なかなか今すぐ具体例を書くのも難しいかと思いますが、ここは、持続可能な発展を目指した環境と経済の好循環というような表現の方が分かり易いと思いました。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 今の点は非常に長期のお話と、それからこの文章のこととつながった重要なところかと思います。
 原沢委員。

○原沢委員 細かなところを含めて3点ほど確認というか、コメントです。1つは適応策ということで文章に出てくるわけなんですけれども、最近いろいろな人と議論をしてわかったのは、適応ということに対する考え方が少しずつ違うんですね。
 といいますのは、これまで生物の世界ですとか医学の世界で、いわゆる順応とか適応と言われたようなことで、それをもって温暖化における適応というようなことを考える方もいらっしゃれば、また別の次元で考える方もいらっしゃる。ここで言っている適応策、すなわち温暖化、気候変動の中での意味づけをしっかりしておく方がよろしい。それは先ほどの緩和策の定義と同じことですけれども、この報告書を一般の方も含めて見るということを考えると、新しい考え方や、新しい言葉については、少し丁寧に定義しておいた方がよろしいと思います。その際IPCCの報告書の中には、適応策について1章設けてやっておりますので、それをわかりやすくまとめる形で載せていただければと思います。それが1点です。
 2点目は、これは報告書の用語の使い方ですけれども、例えば価値観をポジティブにとか、ステークホルダーというのは大分使われてきてはいるんですけれども、何なのかなという感じがあるものですから、そういったところは少し表現を工夫をしていただいた方がより報告書の中身がうまく伝わるのではないかと思います。
 いろいろなところでこの報告書が参考にされて原典に戻って調べたいという方が出た場合に、いろいろな報告書を引いてあるんですけれども、引き方が非常に詳しく引いてある場合と、単に何とかによるというような形の書き方があるものですから、この辺はある意味統一した形で出典等をお出しになった方がこの報告書自体の位置づけもまた少しよりよくなるんじゃないかと思います。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 ほかにございますか。
 明日香委員、お願いします。

○明日香委員 またちょっとこの委員会なり今後の議論の位置づけに関する点なんですが、私は国際交渉なり国内の交渉もありますので、どういうスケジュールでどういうふうにすればいいかというのはなかなか難しいところだというのは十分認識しているんですが、多分EUが来年ぐらいにかなり具体的な案を出してくるとは思うんですね。そのときに、日本がそれにどう対応するかなりの議論もある程度十分にしておいた方がいいと思いますし、ある一方では、一つの考え方としては、例えば今米国とEUと非常に全然違う方向に動いていると、日本なりカナダがどういう方向に動くかというのは、多分世界中は注目しているところだと思うんですね。
 そういう意味では、日本がある意味ではリーダーシップをとれるところであって、そういうところをみんな期待しているところもあると。そのときに非常にあいまいな言い方で同じような議論を繰り返しているだけでは多分失望する人が多いでしょうし、日本のマスコミもよくあるように、日本はリーダーシップをとれと言いながらとれてないじゃないかというような同じような論調が今でもありますし、多分来年も続く可能性があると思うんです。なので、そこら辺はいろいろな問題があると思うんですけれども、なるべく議論を狭めていって、かつ具体的なたたき台に対する議論を深めていく必要があるんじゃないかなと思います。
 こういう問題は総論賛成各論反対で、大体今はまだ総論なのでそれほど議論は深まってないと思うんですが、各論になるともっともっと議論をしなきゃいけないところが出てくると思うんです。それを僕の個人的な意見としましては、なるべく早くやった方がいいんじゃないかと、まだまだ総論のところで終わってしまっていますし、今の雰囲気だと、もしかしたら来年もそれで終わってしまうんじゃないかなという危惧をするところもありますので、そこは事務局なり、皆さんもある程度意識して議論を進めていった方がいいんじゃないかなということです。 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 甲斐沼委員。

○甲斐沼委員 先ほど原沢委員の用語の話で私もちょっと気になったところが1点あります。75ページの将来枠組みのあり方についてというところの構成なんですけれども、(1)がコミットメントに関する各種提案で(2)が適応策の特徴と課題ということで、将来枠組みのあり方についてというところがコミットメントに関するというところと2つになっておりますけれども、これだと課題としては適応策の特徴と課題、適応策のところだけは課題というような感じが見受けられまして、あと削減の方に関しましては、コミットメントというところの中に書かれているのかなと思うんですけれども、コミットメントという言葉自体もちょっと一般の読者だと理解できないというか、すっと入っていけないかなというふうに感じられました。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、新澤委員お願いします。

○新澤委員 明日香委員のご発言にちょっと関連するんですけれども、特に6章から8章にかけてですけれども、いろいろな内外で京都議定書に関する問題点、発効する前からそういう話、先走ったという表現がありますけれども、京都議定書の問題点に対する指摘があって、それをどう克服するかという形でいろいろな提案がなされていると思うんですけれども、それらに関して余り真正面に結局取り上げなかったんですね。途上国の参加の問題に関して若干見解が述べられているだけでほかはほとんどない、真正面から取り上げてないということなんですけれども、これが最初の議論とも関連しますが、まだ時期尚早であってこれからやるんだということなのか、あるいは別の考えがあるのか。このままでいくと余り議論がかみ合わないと思うんですよ、この報告書ですと。わざとかみ合わせないようにしているという考えもあるのかもしれませんけれども、ちょっとその辺のお考えを伺いたいです。

○西岡委員長 亀山委員、お願いします。

○亀山委員 今日の議論の一番最初で、そもそもこの報告書の趣旨というようなことで一連の議論がありまして、多分これを読まれる読者のほとんどは全く背景を知らずに最初のページを繰り始めるんだと思うんですね。ということは、私たちよりも背景を知らない人がこの報告書を1ページ目から読み始めると。
 私からのちょっと具体的な提案なんですが、今のところこの報告書の趣旨、目的が書かれているページが要約の中にはじめにというところで半ページほど、あとは本文のところでもう一度はじめにというところが4ページほどあるんですね。しかし、具体的にページ8からページ11まで、これが本文のはじめにのページで、多分この4ページというのはサマリーの前に、目次の後にすぐ最初にもうこの4ページ分を持ってきちゃって、ある程度読者の方にこの報告書の位置づけというものを明らかにして、先ほど局長がご説明されたような願意をもう少し踏み込んで書いていただいていいかと思うんですが、環境省のスタンス、この専門家委員会のスタンスとして、こういうふうに考えて今はこれだけの整理だけにとどめましたよということを明らかにした上で、サマリーとしては1ページ目の1、気候変動対策の目標というところから始めちゃってもいいんじゃないかなという気がいたしました。それが1点です。
 あと2点目は、やはり今回、コミットメントについて余り議論し切れなかった、それは今後の課題であるわけですが、その中で具体的に言うとページ78の点々のボックスの中に具体例というのがちょろっとだけ載っているんですね。それで、ちょっと私この書き方というのは中途半端だなというふうに感じていまして、この専門委員会でこの3つが今世の中に出回っているたくさんの提案の中で一番芽があるなと見ているわけでもないわけで、たまたまこの3つはRIVMの報告書でモデルで取り上げているシナリオなんですよね。ですので、このページをなくしてしまうか、あるいはこれを紹介するのはいいんですが、RIVMでは例えばこの3つがモデルで計算されていますよという書き方をした方がちょっと誤解がないかなという気がいたしました。
 それも含めまして、このコミットメントに関する各種提案については、先ほど甲斐沼委員からもご指摘があったように、コミットメントというのは締約国に対する義務となる部分ですよということですので、また別のページでは、衡平性を確保するためにはコミットメント、数量目的だけではなくて、途上国への資金メカニズムですとか、森林のカウントの仕方とか、さまざまなところでいろいろバランスをとって衡平性というのは最終的に確保されるということが別のページで書かれていますので、それをここでももう一回ちょっと明らかにしておいた上で、コミットメントを(1)、あと適応措置が(2)というふうに書いた方がいいんじゃないかなというふうに思いました。
 以上です。

○西岡委員長 松橋委員、何かございますか。

○松橋委員 具体的な点で、81ページに適応策に対する論点のところなんですが、前回でしたか、同じような議論をしたんですけれども、今温暖化問題での資金メカニズムでは、新規追加的とかというのがかなり出てくる状況になっていて、適応についても、今までじゃないものを新たに適応策のための資金として考えなきゃいけないと、そういうような主張が結構あると思うんですけれども、しかし日本が行っているいろいろな各種のODAとか、そういうのを考えると、気候変動の適応の効果を組み込むとすごく効率的に各国の安全性を高められるとか、そういうものがたくさんあると思うんですね。だから、途上国の方も、そんなにかたくなにならないで、従来のODAの中にそういう効果を含めるという考え方でやると、随分適応の実が上がるような面があると思うんです。だから、そういうことをちょっと議論、前回でしたか、前々回か議論したと思うんですが、そういうことも我が国は提案をすると、あるいはそういうこともオプションの一つに考えるというようなこともちょっとどこかに書かれていたらいいんじゃないかと思うんです。そうすると、もしそれを可能にすると、我が国のこの問題に対する貢献は物すごい一遍に上がるとか、そういうようなことになるような気がします。

○西岡委員長 どうぞ、工藤先生。

○工藤委員 少し個別な話を2点ほど。1点は、67ページに先進国と途上国のグループ分けの指標・グループ化という話が出ていますが、あえてGDP原単位を用いる際の不確実性を示されているのですが、恐らくこれは例えば1人当たりという概念をとったとしても、その国の地理的状況や気候状況等々、人間一人当たりも絶対的な指標にはなり得ないと思うのです。逆にこういう書き方をしますと、GDP原単位のみに関してリスクがあるというように伝わってしまうと思います。こういった手法を考える際の不確実性と言いますか、データのアベラビリティーを含めた、そういったことを考えるという形のニュアンスにしておいた方が、これは各指標ともあるというふうに思っています。
 それから、特に国連ベースで進めることの有効性ということを比較的多く紙幅を使われて、それは過去の交渉経緯も含めてうまく整理されているのですけれども、逆に課題もあると書かれていながら、具体的に書かれてない。課題もあるからこういうことをやったらどうだろう、せっかくですから、メリットはこうです、デメリットはこうです、だからこういう取り組みですと、三段論法的に整理された方が後々、先ほど次の段階で議論するときには、やっぱりこういったことのデメリットがあるけれども、こういうふうに改善できるとか、そういう一つの材料提起になるんじゃないかなと思います。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 ほかにございますか。
 明日香委員。

○明日香委員 具体的な中身に関して細かい話もそろそろよろしいでしょうか。
 何点かあるんですけれども、私個人的には、多分今強くメッセージとして出さなきゃいけないのは、衡平性の問題と中長期目標をどうするかという、その2つがはっきり姿勢が見えれば、目標だけで十分だと個人的には思っている方なんですが、それに関しまして、まず66ページで気候変動の影響面での衡平性と、丸の2番目で、簡単に言うと加害者責任云々の話が出ていると思います。ここで加害者責任に関しては、因果関係を証明することは極めて困難であり、こうした考え方を実際上のルールに反映させる条件が整っていないと書いてありまして、読み方によっては、加害者責任を否定しているというんでしょうか、そういうふうに読めるかなと思います。ですが、京都議定書の先進国がまずコミットメントをするというのはある意味では加害者責任を反映させたものだと思うんです。なので、ルールに反する条件が整っていないというのはちょっと京都議定書の中身とは矛盾するかなと思います。
また、その後の方に1人当たり排出量という基準を云々という議論をしていますので、ここともある意味では矛盾するんじゃないかと。1人当たり排出量イコール加害者責任というようなコンセンサスが多分少なくとも研究者の間ではできつつあると思いますし、国際的にもそういう考え方を支持する方は多いと思いますので、これを英語で直して、日本の読者じゃなくて国際社会に出すのでしたら、ここら辺は問題になるところだと思います。
あとついでにもう一つ、"意味のある参加"という言葉を使っているんですが、この言葉自体は、非常に恣意的に使われる言葉ですので私は嫌いでして、アメリカの政策担当者の方に何人か聞いたことあるんですけれども、どういうふうに定義するんだと、みんな違う答えが返ってきまして、かつ具体的な答えを言える人はいないんですね。なので、こういう報告書にあえてそういうコントラバーシャルな言葉を使う必要性はあるのかなというふうに思っています。加害者責任をどういうふうに入れるかということと、意味のある、参加という言葉をちょっと気をつけて使っていただければなと思います。
 以上です。

○西岡委員長 それでは、どうもいろいろとコメントありがとうございました。
 全体に意見を整理してみますと、3つぐらいの段階になるかと思います。
 1つは、非常に一つ一つの細かな点でやっぱり直した方いいなというのは幾つかございまして、それに関する指摘でありまして、これは後でまたお答えもいただきたいと思いますけれども、適宜修正していきたいと思っております。
 それから、2つ目が、この報告書に盛り込むべきであるが十分に検討をしたんだろうか、あるいはするべきだったんだろうかということでございまして、あるいはしたものだったら盛り込んだ方がいいなということがございます。
 私のメモの方では、新澤委員の方から、京都議定書に対する評価といったものが十分ではないんじゃないかと、それから、工藤委員からの方もいろいろな課題ということがありながら、それが十分書かれていないでどうするんだといったことがありまして、これについては、事務局及びもう一度委員の中でもご論議をしていただければと思っております。
 それから、3つ目が非常に多くの方が次は一体どういう具合にやるべきだといったことをご意見いただいております。これにつきましては、まず高橋委員の方から、大きく世界がセキュリティーといったものをキーワードに動きつつある中で、次はこういったことをねらったらどうだろうかというご提案もございましたし、さらには、甲斐沼委員の方からは、持続可能な発展というものと、今の経済との好循環という目標に具体的に進めていく必要もあるんではないかと。
 それから、これはタイミングの問題ございまして、明日香委員からは、EU等々の動きをもっと早目に対応する必要があるだろうということで、あと幾つかございますけれども、今の次のステップへのご意見につきましては、そのときにまた考えていって、この検討会のプログラムを組んで行く必要があるかなという具合に考えております。
 その場合に、私は3つに議論を分けたんですが、どこからでもよろしいでございますし、今の段階事務局として答えられるところについてご意見をいただきたいと思います。

○水野国際対策室長 まず、たくさんの非常に貴重なご意見をいただきましてどうもありがとうございました。今いただきましたご意見につきましては、できる限り当報告書、あるいは今後の議論のあり方の中に反映すべく引き続き努力をしていきたいと思います。
 今、委員長から非常にコンパクトに4つに議論をまとめていただいたと思います。
 まず、逆に大きな流れの特徴につきましては、この報告書そのものを今の段階でどう直すというようなことでありまして、むしろ、今後の議論を進めていくに当たっての留意すべき点というようなことだと思いますので、今後の検討課題の設定、あるいは資料の準備などの中に、今いただいたような視点を含められるところは含めて、そういった専門委員会を開催するように努めさせていただきたいと思っております。
 特に今のは高橋委員からのご意見などはそういったところに出たと思うんですが、先ほど明日香委員からも、来年EUなどからも具体的な案が出てくるのではないかというようなこともご指摘ございましたが、これもまさに先ほど局長の方から時間感覚というお話をさせていただきましたが、その時間感覚の中に念頭に置いておくべき一つの論点ということだと思いますので、そういったことも頭に置きながら時間感覚を持って、来年の議論を進めていただくようにこちらの方でも会議を準備させていただきたいというふうに思います。
 それから、具体的な幾つかの議論がまだ十分になさていないのではないか、あるいはしたのであれば入れておくべきではないかという意見があると、特に2点、京都議定書の問題と、それから国連を中心とした議論のメリットだけではなくて課題というふうについても書くべきではないかとご指摘がございました。
 これにつきましては、もちろん議論をいただいた部分についてはできる限り折り込んでいきたいと思いますし、例えば国際的な国連のもとでの議論におけるメリットを幾つか具体的に列挙しているわけですけれども、この辺についての課題というものを幾つか挙げるところは挙げた方がいいということであれば、そういったことで工夫をさせていただきたいと思います。
 なお、京都議定書の問題点は、そのものの問題点というよりはむしろその問題を克服するための幾つか提案があるということで、それについても議論がされるべきではないかということだったかと思うんですが、これについてはまさに先ほどの今後の検討をどうしていくかということの一つでもあると思っておりますので、また実際に今までのところはまだ具体的に突っ込んだ議論はしていただいてはないと思いますけれども、引き続き議論していただく中で、当然そういったものも取り上げられるものは取り上げて議論していただければというふうに思っております。
 それから、あとは非常に的確な幾つか具体的なご指摘をいただきました。それで、ご指摘の一つ大きなくくりができるとすれば、1つはもうちょっと読者を考えて、もう少し読みやすくといいますか、読者の頭にすっと入ってくるような工夫というものが幾つかの点でできるのではないかというご指摘があったかと思います。それにつきましては、一つ一つお答えをさせていただきませんが、できるだけ反映をさせていただくような方向で努力をしたいと思います。
 例えば、適応については、IPCCの具体的なまとめがあるのでそれを引用したらいいのではないかというような原沢先生からご指摘もございましたが、そういったことであれば、そういったことについてはサゼッションをいただければ、それについてもちょっと含められるかどうかということで、含める方向で検討したいと思います。
 あとは、幾つか具体的な工夫だけではなくて問題点というものもあったかと思います。
 例えば、GDP当たりの排出量だけの問題点だけを取り上げるとバランスを欠くのではないかと、ほかのところでも問題になるところはないかというご指摘は、それはそのとおりだと思いますので、そういったところについては工夫をさせていただきたいと思いますし、また将来のコミットメント案についての提案が3つだけ挙げてあるのは、ちょっと誤解を招くおそれがあるということでありましたら、これは実際議論をいただいた部分でございますので、全部なくしてしまうというのはちょっとあれかと思いますので、先ほどご提案をいただきましたRIRIVMでは云々というようなことをつけ加えることで工夫をさせていただきたいと思います。
 それから、コミットメントというような言葉の使い方、あるいはステークホルダーですとか、価値観のポジティブ等々の言葉の使い方については、どのような工夫ができるか、もう少し事務局の方でも検討させていただきたいと思います。
 それから、4ページから最初のはじめにのところを前の方に持ってきた方がいいのではないかというご指摘が亀山先生からございました。最初の構成では、最初に要点がぱっとわかるようにということで一番最初に要点を持ってきたわけでございますけれども、これについてはもしあれであればまたここで議論をいただいて、どちらがいいということのご議論をいただければと思いますが、なおそういったことが一目でわかるということで最初に論点をとりあえず持ってきたわけでございます。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 全体の報告書をもう少しすっきりと言いましょうか、見やすいものにしようという話が亀山委員の方から全体のイントロダクションをどう持っていくかという点、それから工藤委員の方から最初に3章のあたりがダブってないかということのご指摘、あるいは三村委員の方から幾つかの重要なポイントがうまくハイライトできるようにならないだろうかといったお話があったと思います。
 以上のようなことを十分くみ上げて、最終的なものにする必要があるかなというぐあいに思っている次第であります。
 あと、私の今の話でメモの中でまだ答えられていないものがあるとすると、最初に工藤委員の方からEUの話がちょっとございまして、この動向をハイライトする意義がどうなんだろうかということがあったかと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。

○水野国際対策室長 EUのことにつきましては、要するにEUのところが若干違和感があるというご指導をいただきまして、具体的にどうということは後で紙でということだったと思っておりまして、それについてはそれを見させていただいて、どのように工夫できるか、考えさせていただければと思います。
 それから、1つはまた先ほどのこちらからのコメントに補足をさせていただきたいと思うんですが、今回は文字どおり中間報告ということでございますが、今後もまた議論を先ほど申し上げましたが、時間感覚を持ちながら議論をいただいて、適宜まとめをいただく必要があるというふうに思っております。
 ですから、場合によっては、この中間報告の後が必ずしも最終報告ということではなくて、これを第一次の報告書ということで、第二次、第三次と場合によっては出していただくということも考えられるわけでございまして、そういった意味では、今回はあくまでこれまでに議論いただいた部分をまとめるということで、できるだけ盛り込む形ではまとめたつもりでございますので、まだ議論をされてない部分は今の段階ですべて無理に盛り込むというよりはまた次回の報告なりというところで対応させていただくということにさせていただければありがたいかなというふうに思っております。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 今、ちょっと最初は中間取りまとめで次が中間報告で、そうすると次は何と言うか、今考えております。
 それは置いときまして、今のような事務局側のお答えでございまして、どうせもう時間もないことですので、皆さんからさらに幾つか後でぜひこの点ということがございましたら書面でいただいて、委員長に任せるということでまとまりがつくんじゃないかと思っておりますが、今この場でもう一度強調したいところも含めまして、ご意見がいただければと思います。
 どうぞ、明日香委員。

○明日香委員 ちょっとまた中身の話になるんですけれども、インド、中国は主要排出国なのか、それとも大量排出国、いろいろ意識的に使い分けているのかちょっとどうかわからないんですけれども、意識的に使い分けているのでしたら意識的に使い分けていただいて、何となく適当に書いているのだったら、ちょっと統一なり気をつけた方がいいと思います。
 これは確認なんですが、英語に訳してみんなに配るんですよね。なると、インドなり中国の方は刺激されるところもあるかと思いますので、そこら辺は刺激するのでしたら刺激してもいいんですけれども、不用意な刺激は必要ないかなという気はします。多分、大量という、どういう意味で大量なんですかと聞かれるかもしれないので、そこに対する説明というんでしょうかね、何となくニュアンスも入れた方がいいかなと思います。
 あともう一つ、これはコメントも既に出したんですけれども、米国の参加に関して必須の条件ということがありまして、ここも難しいところだと思うんですけれども、必須の条件イコール必要条件イコールそれがないとだめというように受け取る方もいらっしゃると思うんです。現実的にアメリカはどういう形で参加するかはわかりませんし、短期的には戻ってこない可能性も現状ではあると思いますので、必須の条件と書いてそれがアメリカが参加しなかったら、その枠組み自体が失敗だというようなレッテルを張られる可能性もありますし、そういうような自分たちで成功シナリオの選択肢を狭めるようなことはあえてしなくてもいいんじゃないのかなと。
 そういう意味では、望まれるなり、そういう言葉にしておいた方が安全なのかなと個人的には思いますし、個人的にはアメリカが入っていなくても成功している国際的な枠組みというのはたくさんありますので、ここで特に必須の条件なり、そういうようなご誤解を与えるような言葉というのは必要ないんじゃないかなと思います。
 あと最後に衡平性の定義なんですけれども、定義はしない方がいいというか、無理というんでしょうか、衡平性についてぐらいにしておいて、衡平性の定義というのは、そういう項目はつくらない方がいいかなと。個人的な意見です。
 というのは、衡平性という漢字自体が難しい漢字で、これ自体で最初は何となくいろいろな意味があって、うまくふさわしい漢字かなと多分皆さん期待して使っていると思うんですけれども、かえって混乱の原因になっているような、ふだん使わない漢字なのでなっているような気がします。なので、あえて定義というよりも衡平性に関してはこういうような議論をされているというようなニュアンスでやった方がいいのかなという気は個人的にはしています。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 ほかにございますか。
 松橋委員。

○松橋委員 5の技術の役割のところで若干だけコメントさせていただきたいんですが、脱温暖化社会形成のための技術ということで、例えば47には日本でこれから促進されるような技術のリストがありまして、これは非常に重要だと思います。ただ、私もその多少関与した経験から言いまして、今こういう政府関係のR&Dの予算の組み方が非常に効率的にいっているというふうに感じられないところがございます。
 といいますのも、こういう予算というのはかなり省庁別に縦割りになっておりまして、それがかなり昔から同じ技術にずっと充てられていると。ここの例にはIPCCの例がありますが、IPCCもまさにその一つなんですが、それが国家としてきちんとした戦略の中で位置づけられていないということ、例えばIPCCで言えば、これは私が学生のころからやっておりますし、また空気ガス化でやっているんでけれども、フューチャージェンとか水素の兼ね合いからすると、やはり酸素のガス化でないと合わないんですが、過去からずっとこれで来ているものですから、それで相変わらずやっていると。そういったような技術戦略全体としての統合性、それから予算の効率的な配分ということを考えますと、もう少し政府関係予算の温暖化対策の組み直しといいますか、総合評価を考えていただきたい。例えば、水素ですと連携施策分ということで環境省、経産省、国交省、文科省でやっているんですが、中身は相変わらず割られていて、それごとにばらばらに出ているような、一応すみ分けだけは考えていると。
 それと、もう一つは単一の技術で、脱温暖化社会という50%以上のCO2削減というようなことは達成できるような技術はございませんので、これからは広く単一の技術ではなくシステム技術ということで、例えばITと家庭用の省エネ技術の組み合わせとか、そういうことを広く考えていかなきゃいけない。そういう予算のあり方をぜひできれば省庁横断型の実質的に進めるという形で実効が生まれるように考えていただきたいと思います。
 それから、脱温暖化戦略ということで言えば、本来はここで言わない方がいいのかもしれませんが、環境省と他省との国家戦略そのものを乖離したままでなく、うまく連携して考えることが国家としては重要で、乖離したままですと、統一した戦略を打ち出そうにも中の調整をしている間にヨーロッパの方で先に進んでしまうということになるので、これはちょっとここで言うのも何かなとは思いますが、ぜひそういった部分でも省庁横断的な戦略を模索していただきたいなというふうに思います。
 それから、これはこういう問題というのは、環境と経済を調和させて発展させる好機であるという言葉、これは大変いいんですけれども、なかなか産業界等々はやはりそう考えていないので一つ一つの施策に対して後ろ向きというか、反対という形が強く出てくるんだと思うんですね。好機であると、その好機にするためにはやはりプラスの影響を与える、つまり温室効果ガスを削減しながら、経済を活性化するための環境ビジネスの種をまいて、それを育てていく仕掛けというのが大事だと思いますので、そういうところをぜひ政府の側で知恵を絞っていただきたいなと思います。つまり規制的措置というよりは新しい環境ビジネスのシーズを育てるような制度というのをなるべく広く考えていただきたいというふうに思います。
 以上です。

○西岡委員長 ほかにございますか。
 今の松橋委員のお話は、多分次のステップで日本がどこに基準を置いて提案していくかということに対しては非常に重要なポイントではないかなというぐあいに思っています。今回、多分ここでは1行、2行入るかもしれませんけれども、難しいかもしれませんけれども、十分今後考えていかねばならないことではないかなと思っています。
 ほかにございましょうか。
 それでは、どうもありがとうございました。
 先ほど申し上げましたように、この報告書のまとめに関しましては、今までのご意見をいただき、事務局の方でまとめて、私の方がそれをチェックするという形でファイナライズしたいという具合に考えておりますのでよろしくお願いいたします。
 何か事務局の方でございますか。

○水野国際対策室長 今回、中間報告をまとめていただく最終回ということでございますので、中間段階の最終回ということでございますので、一言地球環境審議官の方からごあいさつをさせていただきたいと思います。

○松本地球環境審議官 地球環境審議官、松本でございます。
 きょうのご意見を踏まえて、まだ表現その他修正を当然これからするということでございますが、こういう形でお集まりいただくのはとりあえずきょうが最後ということで一言お礼を申し上げます。
 ことしの4月からおおむね月1回のペースですけれども、大変に真剣に、そして精力的にご議論、ご検討をいただきまして、こういう形で取りまとめをしていただくということになりました。本当にありがとうございました。あたかもロシアが批准をいたしまして、京都議定書は来年の2月16日から本格的に発効ということになりまして、いよいよその次の段階をどうするか、この戦略専門委員会のご議論というのが国際的にも大きなテーマになってくるということでございます。
 個別のご指摘、あるいはこれからの検討をする際の考え方、あるいは先ほどはもっと大きな我が国として、政府として、どういう視点でこれから取り組んでいくか、大変大きなご意見も含めまして、いろいろと参考にさせていただくご意見をいただきまして本当にありがとうございました。できる限りそういうような先生方のご意見の趣旨を踏まえまして、前向きにこれからも取り組んでいきたいと思います。この専門委員会はそういうことでまだ中間報告ということでございまして、また年を明けましたら改めて先生方にいろいろとご検討を継続していただくということになろうかと思います。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 本当にありがとうございました。

○西岡委員長 それでは、ほかにスケジュール等についてございますか。

○水野国際対策室長 それでは、本日いろいろご指摘をいただいた点につきましては、委員長と相談をさせていただきましてできるだけ対応させていただきたいと思いますが、なおさらにコメント等で言い足らなかった、あるいは指摘を失念していたというような部分がございましたら、既にこれにつきまして事前に皆様にお配りをして、ご一読をいただいているものでもございますので、できれば今日じゅうにご意見をさらに言い足りない部分があればですが、いただきまして、それはできるだけ反映すべく努力をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、皆さん長い間どうもありがとうございました。
 今のように、事務局からの強いプッシュに皆さんよくこたえていただきまして、非常に熱心な議論をしていただいたのではないかなと思っております。
 私はお礼を事務局の方にもありますが、それから亀山委員の方には実はこの委員会のさらに下ごしらえするというグループがございまして、それの座長もやっていただいたわけで、この座を借りてお礼を申し上げたいと思います。
 この検討会は非常に私自身も楽しませていただいたんですけれども、何がこの検討会の強みかといいますと、それは非常に若い世代が実はここに委員としていらっしゃるということで、二、三の人はおれは違うよとおっしゃるかもしれませんけれども、そういう意味で皆さん責任を持った議論ができたというのは非常に私の楽しいところでありました。まだ来年もどういう形になるかわかりませんが、続くと思います。今後ともひとつよろしくお願いいたします。
 まだ早いですけれども、よいお年をお迎えください。
 それでは、これで終わります。

午前11時53分閉会

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