中央環境審議会地球環境部会 第1回海洋環境専門委員会議事録

開催日時

平成15年8月29日(金)13:30~15:30

開催場所

経済産業省別館10階 1014号会議室

出席委員

(地球部会長) 浅野 直人
(委員長) 清水  誠
(委員) 浦野 紘平  大塚  直
塩田 澄夫  小林 悦夫
細川 恭史  細見 正明
小山 次朗  
(環境省) 小島地球環境局長  荒井環境保全対策課長 他

議題

(1) 今後の審議の進め方について
(2) 廃棄物の海洋投入処分の現状等について
ロンドン条約及びロンドン条約96年議定書の概要
廃棄物の海洋投入処分に関する現行制度
廃棄物の海洋投入処分の現状
(3) 今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方に係る基本的考え方について

配付資料

資料1 海洋環境専門委員会委員名簿
資料2 今後の審議スケジュール(案)
資料3 ロンドン条約及びロンドン条約96年議定書の概要
資料4 廃棄物の海洋投入処分に関する現行制度
資料5-1 廃棄物の海洋投入処分の現状
資料5-2 廃棄物の海洋投入処分に関する従来の方針
資料5-3 廃棄物海洋投入削減に向けた今後の取り組みについて
資料5-4 各廃棄物の海洋投入削減に向けた取り組み等の状況(暫定版)
資料6 今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方に係る基本的考え方(案)
参考資料1 1972年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約
参考資料2 1972年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の1996年の議定書
参考資料3 96年議定書附属書II(WAF)と一般ガイドライン(WAG)の比較
参考資料4 ロンドン条約及び96年議定書加盟国一覧
参考資料5 廃棄物海洋投入処分等関連法令条文(抄)
参考資料6-1 「今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方について」 (中央環境審議会への諮問)
参考資料6-2 「今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方について」 (地球環境部会への付議)
参考資料6-3 海洋環境専門委員会の設置について(地球環境部会決定)
参考資料6-4 海洋環境専門委員会の運営方針について(地球環境部会長決定)

議事録

午後1時34分開会

○荒井環境保全対策課長 ただ今から、中央環境審議会地球環境部会海洋環境専門委員会第1回の会合を開催させていただきます。
 傍聴の方もいらっしゃいますので、着席のまま失礼させていただきます。
 私は、司会を務めさせていただきます環境省地球環境局環境保全対策課長の荒井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、会議に先だちまして、小島環境省地球環境局長よりごあいさつを申し上げます。

○小島地球環境局長 地球環境局長の小島でございます。本日はお暑い中をお運びいただきましてありがとうございます。
 地球規模の環境問題は色々ございますが、ちょうど今日は温暖化の推進本部が開かれまして、温暖化の対策についても政府全体で進めているところでございます。
 今日は地表の環境の大部分を占めております海洋の環境ということでご審議をいただくわけでございます。海洋の関係につきましては、廃棄物の海洋投棄の問題が従来から国際的に取り組まれておりまして、逐次、国際的な約束事が強化されてきております。今回は、1996年11月に開催されましたロンドン条約の締約国会議で合意された議定書につきまして、この国内的な対応をどうするかということについてご審議いただきたいと考えております。
 大きく5点ございまして、1つは、この議定書では廃棄物の海洋投入処分を原則的に禁止する。2つ目が、例外として海洋投入処分を検討することができる廃棄物の種類についても、現行のロンドン条約より限定する。3つ目が、廃棄物を海洋投入処分する場合には、事前の許可を要するということであります。4つ目が、その許可の前提として、廃棄物の特性の把握や潜在的な環境への影響の検討を必要とする。最後、5つ目は、事後のモニタリングを実施するということでございまして、廃棄物の管理と海洋投棄、そしてアセスメントとモニタリング、こういうものを一体的に進めていく仕組みをどうしたらいいかということが課題になるわけであります。このロンドン条約の新しい議定書は早ければ2004年中にも発効することが見込まれております。我が国もその体制を早急に整備する必要があるということで、先般、今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方について、環境大臣より中央環境審議会に対して諮問がなされました。
 本専門委員会におきましては、我が国の廃棄物の海洋投入処分の現在の状況、実態と、今後の趨勢を踏まえまして、96年議定書に対応するために、この議定書の定める一連の廃棄物の海洋投入処分の許可制度などを、どのように国内制度の中に反映していくかということについて、専門的な見地からのご検討をお願いしたいと思っております。まことに勝手ではございますけれども、私どもとしてはこの秋にも専門委員会としてのご報告を頂戴いたしまして、地球環境部会でご議論をいただければと思っております。
 非常に限られた時間の中で申し訳ないのですが、活発なご議論をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。

○荒井環境保全対策課長 ありがとうございました。
 続きまして、中央環境審議会地球環境部会の浅野部会長よりごあいさつをお願いいたします。

○浅野部会長 地球環境部会長の浅野でございます。
 地球環境部会は、温暖化の対策を議論する部会だと思われている節があるのですが、そうでもなくて、地球環境全部をやらなければいけない部会であります。第1回の部会のときに清水先生から「温暖化だけでなく、海洋の問題もある」というご指摘をいただきまして、私もそうだと思っておりました。今回、その海洋の問題をまともに取り上げなければいけないということになったわけでございまして、専門委員会を開催させていただいたわけでございます。大変お暑い中、お忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございます。
 部会長というのは専門委員会にはどこにでも出席していいという仕組みになっているのだそうで、私は出なくてもいいものは出る必要がないと思っておりますけれども、今回は内容に大変興味があるものですから、初めて部会長権限を発動して、出席させていただいたわけですが、2回目からは果たしてその決意が続くか自信はないんですけれども、よろしくお願いいたします。
 先ほど小島局長からお話がありましたように、先般、大臣から、今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方について審議会に諮問がありまして、これが当部会に付議されたわけでございます。当部会といたしましても、できるだけ早く部会を開いて、これについての結論を出さなければならないわけでございますけれども、事は専門的な検討を十分にすることが必要でございますので、この専門委員会を開きまして、ご検討をお願いすることになったわけでございます。
 新しい議定書に対応する必要があるわけで、議定書の内容については先ほど局長からご説明があったとおりでありますけれども、何分にも専門的な分野、特に技術的な面での専門性も必要でありますし、我が国の廃掃法を含めた法制度との関連、さらには国際法絡みの問題でありますから、国際法の知見を交えた検討も必要になるわけでございまして、検討すべき中身が大変多いと思いますが、これまた先ほど局長からご要望がありましたように、来年にも発効するであろう議定書に間に合わせて、我が国の国内法対応の措置を講ずる必要があります。そうなりますと、どんなに遅くても通常国会には間に合わせるということになろうかと思います。
 というわけで、限られた時間の中で集中的なご議論をいただくことになります。大変ご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

○荒井環境保全対策課長 ありがとうございました。
 小島局長は、所用によりここで退席させていただきます。
             (小島地球環境局長退席)
 議事に入ります前に、本日の資料を確認させていただきます。

○水野環境保全対策課課長補佐 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 まず座席表をめくっていただきまして、1枚目に「議事次第」がございます。それをめくっていただきますと、「資料一覧」がございます。
 続きまして、資料1といたしまして、委員名簿がございます。資料2は、今後の審議スケジュール(案)でございます。資料3は、ロンドン条約及びロンドン条約96年議定書の概要でございます。資料4は、廃棄物の海洋投入処分に関する現行制度でございます。資料5は幾つか分かれておりまして、資料5-1が廃棄物の海洋投入処分の現状、資料5-2が廃棄物の海洋投入処分に関する従来の方針、資料5-3が廃棄物海洋投入削減に向けた今後の取組みについて、資料5-4が各廃棄物の海洋投入削減に向けた取組み等の状況(暫定版)。資料6が今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方に係る基本的考え方(案)でございます。
 以下は参考資料でございまして、参考資料1が1972年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約(ロンドン条約)でございます。参考資料2が同条約の1996年の議定書でございます。参考資料3が廃棄物評価の枠組み(WAF)と一般ガイドライン(WAG)の比較でございます。参考資料4がロンドン条約及び96年議定書加盟国一覧、参考資料5が廃棄物海洋投入処分等関連法令条文(抄)、参考資料6-1が諮問、それから、参考資料6-2、6-3、6-4ということで2枚つづりのものになっております。
 以上でございます。過不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。

○荒井環境保全対策課長 本日は地球環境部会海洋環境専門委員会の第1回目の会議でございます。開催にあたりまして、専門委員会設置の経緯等につきまして、参考資料6ー1以下を使いまして簡単に説明させていただきます。
 先ほど小島局長、浅野部会長のごあいさつでも触れられていましたように、去る8月5日、参考6-1にありますとおり、環境大臣から「今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方について」、中央環境審議会に対し諮問がなされ、同案件は地球環境部会に付議されたところでございます。参考資料6-2に付議の文書がございます。
 この問題につきまして、専門的見地からの調査検討を行うために、中央環境審議会議事運営規則第9条1項の規定に基づきまして、地球環境部会におきまして本専門委員会の設置及び検討事項が決定された次第でございます。参考資料6-3に決定がございます。
 それでは、海洋環境専門委員会の所属委員を紹介させていただきます。
 海洋環境専門委員会の所属委員につきましては、資料1にあるとおりでございます。なお、本専門委員会の委員長には、中央環境審議会議事運営規則第9条2項の規定に基づきまして、部会長から清水誠東京大学名誉教授がご指名を受けておられます。
 それでは、本日ご出席の委員の方々を紹介させていただきます。
 清水誠委員長でいらっしゃいます。
 浦野委員でございます。
 小山委員でございます。
 塩田委員でございます。
 細見委員でございます。
 浅野部会長の右側は大塚委員でございます。
 小林委員でございます。
 細川委員でございます。
 ありがとうございます。
 本日は、須藤委員及び高村委員はご欠席でございます。
 なお、本専門委員会の運営方針につきましても、参考資料6-4のとおり、部会において決定されておりまして、会議は原則公開、公開した会議の会議録は公開することとされております。今回の第1回の専門委員会につきましては、事前に清水委員長にご相談申し上げまして、公開で開催することといたしております。
 なお、会議の公開・非公開につきましては、委員長の決定ということになっております。会議録につきましては、各委員ご確認の後、公開することといたします。
 それでは、議事に入っていただきます。ここからの議事進行につきましては、清水委員長にお願いいたしたいと思います。
 清水委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

○清水委員長 部会長のご指名でございますので、委員長を務めさせていただきます。議事進行によろしくご協力をお願いいたします。
 既に、局長、部会長からこの会合の設置の意義等についてはお話がございましたので、改めて繰り返しませんけれども、委員の方にはかなりタイトなスケジュールで審議をお願いしなければいけないのですが、事態の緊急性に鑑みまして、ご協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、早速、議事に入りたいと思います。まず1番目、今後の審議の進め方について、事務局からお願いします。

○水野環境保全対策課課長補佐 それでは、資料2に基づきまして説明をさせていただきます。
 申し遅れましたが、私、担当しております水野と申します。よろしくお願いいたします。
 資料2は、今後のスケジュール(案)となっております。先ほど局長のあいさつの中でも述べさせていただきましたとおり、本専門委員会でご審議いただいた後、地球環境部会でさらにご検討いただきまして、11月下旬には答申をいただきたいと考えております。それに間に合うような形で、大変タイトでございますが、ご審議いただければと考えております。
 専門委員会の報告書案につきましては、パブリックコメントに約1カ月を要するということがございますので、実質的には専門委員会としての報告を11月下旬には案として取りまとめていただく必要があろうかと考えております。それまでの過程といたしまして、今回は第1回目ですから、基本的な概要についてご説明をさせていただくわけですが、実質的な検討のご審議の時間を考えますと、今回以外に3回ほど審議の時間をとっていただく必要があろうかと考えておりまして、通算4回ほど、今回第1回から10月の下旬まで4回ほど審議をいただいて、報告書案を取りまとめていただければと考えております。
 なお、今回が第1回目ということで概要を説明させていただき、第2回目では関係省庁に対しまして、廃棄物海洋投入の現状等についてのヒアリングを実施していただくということも予定しております。
 簡単ですが、以上でございます。

○清水委員長 ありがとうございました。
 本日、第1回でございますけれども、今後のことについて基本的にどういうふうにしていこうかというご相談、次回からは実態を、関係省庁からのヒアリングも含めて行っていく。制度の在り方について3回、さらに4回には報告書案をまとめるということで、かなりタイトでございますが、何かお気づきの点、こんなふうにしたらどうであろうかとか、ご注文等がございませんでしょうか。
 10月下旬には報告書案を完成させるということでございます。もちろん、この間、お集まりいただいた会だけでは十分ではないかと思いますので、文書でやりとりをしたり、個別のご相談をしたりということはさせていただかないといけないかもしれませんが、基本的には4回で結論を出そうということでございます。いかがでございましょうか。
 特にご発言がなければ、最後にでも、何か思いつかれたらお話いただくということで、とりあえずはこういうふうなスケジュールで進めるということにさせていただきたいと思います。
 それでは、本題に入りまして、資料のご説明をお願いします。

○水野環境保全対策課課長補佐 それでは、資料3から5まで説明させていただきたいと思います。これは議事の(2)の廃棄物の海洋投入処分の現状等についての説明資料でございます。
 今回は、ロンドン条約の96年議定書が来年にも発効しそうだということを受けまして、それについてどのように対応すべきかということについてご議論いただくわけですが、そのための基礎的な情報といたしまして、まず1つ目として、ロンドン条約96年議定書がどういうものかということをご説明させていただきたいと思っております。それから、2点目が、我が国の国内制度は現在どのようになっているかということについて説明させていただきたいと思います。最後に、実際の廃棄物の海洋投入の状況についてご説明をさせていただきたいと思っております。以上、大きく分けまして3点ほどございますが、順を追って説明させていただきます。
 まず、ロンドン条約96年議定書の概要につきまして、資料3に基づき説明させていただきます。なお、ロンドン条約及びロンドン条約96年議定書の本体は、参考資料1、2にそれぞれ原本がございますので、必要に応じてご参照いただければと思います。資料3に戻りまして、ロンドン条約96年議定書は、ロンドン条約を規制強化したということになっておりますので、ロンドン条約を説明させていただく必要がありますので、資料はそこから説明を始めさせていただいております。
 資料3の1ページ目がロンドン条約の概要でございます。この条約は、目的を廃棄物の海洋投棄による海洋の汚染を防止することとなっておりまして、1975年に国際発効したものでございます。その後、一度、規制強化ということで1993年に改正がなされておりまして、規制強化したものが1994年2月から発効しております。
 以下、模式図がございますが、これが現行の条約の簡単な構造になっております。左側に現行のロンドン条約の本文が書いてございますが、主要条項といたしまして、附属書Iに掲げる廃棄物等の投棄を禁止するということが定められております。2点目といたしまして、附属書IIに掲げる廃棄物等の投棄には事前の特別許可を要するということが定められております。3番目といたしまして、附属書II以外の廃棄物、投棄が可能な廃棄物についても事前の一般許可を要するということが定められております。4番目といたしまして、いずれの許可も、附属書IIIに掲げるすべての事項に慎重な考慮が払われた後でなければ与えてはならないという定めがございます。したがいまして、附属書Iで投棄が禁止されるものが定められていて、附属書IIでは特別な注意を要する廃棄物が定められていて、附属書IIIではその注意すべき事項が定められているということになっているわけでございます。
 1枚めくっていただきますと、96年議定書の概要が書いてございます。なお、3ページ以降で両者の比較をしておりますので、ここでは雑駁な話をさせていただきたいと思いますが、96年議定書は、その名前のとおり96年に採択されたものでございまして、発効要件がロンドン条約の締約国15カ国を含む計26カ国以上の批准の後30日後に発効するということになっております。2つ目のパラグラフに書いてございますように、2003年8月現在で17カ国が加盟しておりまして、そのうち現行条約締約国が14カ国になっております。
 参考資料4を見ていただきますと、現行のロンドン条約の加盟国と96年議定書の加盟国一覧がございます。今申し上げましたように、96年議定書で言いますと17カ国載っております。なお、

○をつけた国のほかに△が6カ国ほどございますが、この△は今年中にも加盟するという公式な宣言をした国でございます。そうしますと、ほとんど発効要件を満たすのが間近ということがご理解いただけるのではないかと思います。
 資料3に戻っていただきまして、近々発効要件が満たされることになろう96年議定書の概要でございます。その目的はロンドン条約と基本的には変わっておりません。構造ですが、これにつきましては、比較的変化が大きくございまして、下の図を見ていただきたいと思います。議定書本文には主要条項として5点ばかり掲げておりまして、附属書Iは捨てることが検討できるものが列挙されております。先ほどロンドン条約のところでは、禁止されるものが附属書Iだったわけですが、今度はその反対に捨てることが検討できるものが附属書Iに掲げられております。
 [2]といたしまして、洋上焼却が全面禁止になっております。[3]といたしまして、予防的取組み及び汚染者負担原則が議定書の中に明示されました。
 [4]といたしまして、附属書Iに掲げる投棄を検討できる廃棄物につきましても、投棄する場合には附属書IIに掲げる評価の枠組みに則った形で許可を与える必要があるということになっております。先ほどのロンドン条約では附属書IIは特別の配慮を要する廃棄物について列挙されていたわけでございますが、附属書IIでは廃棄物評価のためのフレームワークが定められておりまして、Waste Assessment Frameworkを略しまして、通称WAFと呼んでおります。
 [5]といたしまして、内水適用または内水での効果的措置の採用。内水と言いますのは、領海の基線より内側の水域のことで、そこは基本的にはロンドン条約では適用除外となっておりましたけれども、96年議定書でも適用除外であることは変わらないんですが、その部分についても基本的に同じような措置をとりなさいということが定められております。
 以上が96年議定書の骨格でございまして、図2の太枠で示したところが議定書本体になります。これとは別に附属書IIのところから下に線が延びて、一般WAG、品目WAGと書いてございますが、これは附属書IIの廃棄物評価フレームワーク;WAFの実行ガイダンスとして定められた参考書みたいなものでございます。これを一般WAGといって、どのような廃棄物についても従うべき基本的考え方を示したものがありまして、その下に、附属書Iで掲げられた品目ごとにどのような廃棄物の評価をしていくべきかということを定めた品目WAGが定められております。
 以上が96年議定書の概要でございます。
 続きまして、3ページに移らせていただきます。3ページからは現行条約と96年議定書との違いをもう少し丁寧に説明したものでございます。まず最初の段落でございますけれども、現行条約では、先ほど申しましたように、附属書Iに掲げられた廃棄物だけが海洋投入禁止ということになっております。逆に申しますと、これに該当しないものは海洋投棄ができる仕組みになっておりました。
 ところが、96年議定書では発想が全く逆転しておりまして、廃棄物は全面的に投入禁止が原則になっております。ただし、例外として一部の廃棄物は投棄を検討してもよいということが定められております。この「検討してもよい」廃棄物が附属書Iに限定列挙されたということでございます。これはまたあとで説明させていただきますが、現在、我が国では一般廃棄物については条約の下では海洋投入処分が可能だという考え方に基づきまして、廃火薬類とか不燃性一般廃棄物などを海洋投入しておりますが、これについては海洋投入処分ができなくなるのではないかと考えております。
 次のポツですが、附属書IIに従って廃棄物の海洋投入を管理していくわけですけれども、この考え方としては、おのおのの廃棄物の海洋投棄が海洋環境にもたらす影響を予測評価し、その上で規制当局が許可を発給するという仕組みの整備を求めるものでございます。先ほど申しましたように、下の枠で囲ってあるような5つの点が、変更も含めてポイントになる点でございます。
 その概念的な整理をしたのが4ページの図3でございます。海洋投棄できる廃棄物の考え方がどのように変わったかをイメージとしてご理解いただくために、ポンチ絵を用意させていただきました。上が現行条約の考え方、下が96年議定書の考え方です。白抜きは投棄をしていいもの、色がついている部分は投棄禁止のものです。現在は、産業廃棄物と廃棄物その他の物の中で、ある一定部分が海洋投入禁止となっております。これを産業廃棄物にかかる形でもう少し大きく黒くした方がよかったかもしれませんが、産業廃棄物は原則禁止でございまして、産業廃棄物の原則禁止の例外の部分が黒枠の外側の点線で囲まれた部分になります。ですから、産業廃棄物は原則禁止なんですが、一部、白抜きのところがあるというのが現在の条約の理解でございます。
 下の図は96年議定書の考え方でございます。廃棄物その他の物というのは何でもということです。海には何でも捨ててはいけませんということになっておりますが、例外があって、産業廃棄物の一部とそれ以外のものでも一部あるということでして、産業廃棄物についての例外のところは基本的には変わっておりません。その外側にはみ出ているところは、代表的なものは水底土砂などでございまして、そういったものを除いて廃棄物、あるいは廃棄物以外のものも海洋投入できなくなるので、一般廃棄物については海洋投入ができなくなるということになるのではないかと考えております。
 5ページですが、さらにもう少し踏み込みまして、附属書Iの概要というところで、96年議定書の附属書Iと現行条約で例外的に海洋投入が認められているものの対応表を載せております。下の表を見比べていただきますと、ほとんど文言は変わっておりませんで、現行条約で海洋投入の禁止から除外されている物質と、今回の96年議定書で海洋投棄を検討することができる廃棄物は1:1で対応していると考えていいのではないかということであります。
 続きまして、6ページに移らせていただきます。今度は附属書IIで、先ほど申しました附属書Iで掲げられた物質をどのように審査して、その結果として許可を与えるかということを示した、略称WAFの仕組みが整理されたものでございます。これは個別の海洋投入処分許可を発給する際に規制当局が考慮する事項を規定しているものでございまして、締約国に対して許可の発給及び附属書IIの規定への適合を確保するために、行政上あるいは立法上の措置をとることが条約本文で義務づけられております。
 下の枠内が具体的に附属書IIで明記されている項目でございます。まず最初に廃棄物の防止のための審査という段階がございまして、廃棄物の発生量の削減の段階から審査することが求められております。次に、廃棄物管理の選択肢についての検討ということで、この段階で海洋投入処分量を最小化することが十分なされているかを検討することが求められております。次の段階が、化学的、物理的及び生物学的特質ということで、投棄する廃棄物の性状を明らかにするということです。
 それから、行動基準というのは、行政側のなすべきことですが、投棄の可否を判断する前提となる基準を国が設けると。行動基準というのはアクションリストの訳ですが、そういうものを国が設けることが求められております。それから、投棄場所を選択して、潜在的影響を検討し、さらにモニタリング計画を定めた上で、それぞれの結果に基づいて当局が許可を発給すると。事後にもモニタリングを行うという仕組みを設けることが定められております。
 7ページが、2ページでご説明いたしましたように、附属書IIのWAFを分解して、その意図するところをもう少し丁寧に細かく説明した廃棄物評価ガイドライン(WAG)の概要でございます。これも、参考資料3でWAFとWAGの比較ということで、どの部分がブレークダウンされているかということを整理したものをつけてございますが、簡単に申しますと、WAFをブレークダウンしただけですので、考え方としてはWAFそのものでございます。
 最後の8ページに、この流れに沿うとどういうことになるかということを、模式的に示しております。少し繰り返しになりますが、廃棄物が発生してから投棄され、あるいは、その後に至るまでどのようなことが行われる必要があるかということが、この模式図からご理解いただけるのではないかと考えております。
 まず、廃棄物が出ますと、これが投棄可能品目に該当するかどうかというチェックが必要になります。これが附属書Iとの対応関係を見ることになりまして、附属書Iに対応するということになりますと、次の段階に移ります。次の段階で、廃棄物防止審査、廃棄物管理手法の検討、廃棄物特性の把握ということで、廃棄物の量そのものが最小化されているか、あるいは、海洋投入量が最小化されているか、あるいは、廃棄物の特性がしっかりと把握されているかということをチェックします。
 それをクリアしますと、国が定めた行動基準の適合状況を見て、基準値に適合しているかどうかということが判断されます。それをクリアしますと、投棄場所の選択をして、潜在的影響の検討をして、監視計画を立案するいうことがあって、次の8番のところへいって許可発給をするということになります。その許可に基づいて、9番のところで海洋投入処分が実施されます。その後さらに監視がなされて、その監視結果に基づいて許可が更新されるということで、矢印が戻っていって、ぐるぐる回っていくということになっております。
 以上が96年議定書が求めている仕組みの概要でございまして、ロンドン条約と比べますと、1つは投棄できる廃棄物の種類が若干減ったということ、もう1つは投棄が検討できるものについてもしっかりとした管理の仕組みを導入することが求められているということでございます。
 続きまして、資料4に基づきまして、我が国でどのように制度を構築しているかということについて説明させていただきます。ロンドン条約は我が国も1980年に発効しておりまして、ロンドン条約に対応できる仕組みを国内的に設けておりますので、その仕組みがどうかということを説明させていただきまして、96年議定書に変わったとき、それを受け入れるとするならば何が足らないのか、何をしなければいけないのかということをご検討いただくための基本的情報ということでございます。
 まず最初に、全体的な構造として我が国の現行制度がどのようになっているかということを説明させていただいた上で、1ページ目に枠で囲っておりますように、現行の制度では[1]から[5]までのそれぞれの段階でどのようなことを、我が国の制度では定めているかということを3ページ以降、順を追って説明させていただいているという仕組みになっております。
 まず、全体的構造を1ページに基づいて説明させていただきます。我が国ではロンドン条約を海洋汚染防止法と廃掃法に基づきまして制度化して、廃棄物等の海洋投入処分を管理しております。ロンドン条約上海洋投入処分の対象とされている廃棄物等であって、我が国の現行法の下で海洋投入処分可能とされている廃棄物は、廃掃法上の廃棄物(一般廃棄物及び産業廃棄物)が1つ、2つ目として水底土砂、3つ目として船舶等と、3つに大別されますが、船舶等につきましては、現在我が国で投棄実績がなく、さらに廃棄物としても位置付けられておりませんので、以下では[1]と[2]に焦点をあてて説明させていただきます。
 以下、「廃棄物等」と呼ばせていただきますが、これらの廃棄物等につきましては、現行法下では、下の枠の中にあるような形で手続をとることが求められております。1番目に、法律が定めた品目に該当するかという確認の段階がございます。2番目として、その品目に該当した後で判定基準を充足することということで、有害物質が一定基準値以下であるという確認が求められます。
 さらに、3番目として、2番目もクリアした品目について一定の排出海域で排出するということ。さらに、4番目と合わせて、一定の排出海域で一定の排出方法で排出することが求められます。5番目に書いてございますように、それも処理業の許可を受けた処理事業者が排出船の登録をした船で排出するという仕組みになっておりまして、こういったプロセスを経たものが投棄しても問題ないということになっております。
 枠の下にございますように、我が国の現行の制度は、「法律上定められた要件を遵守していれば、海洋投入処分による海洋環境への悪影響は発生しない」ということが前提となった制度であるということになっております。
 今、説明させていただいたものを模式的に示したものが図1でございます。左側が国が法律等で定めている事項等でございまして、右側は排出事業者と処理事業者に分かれておりますけれども、それぞれがなすことを整理しております。排出事業者の廃棄物等というところから下へ下りていきますと、廃棄物が出ますと、これが投入処分可能かどうか、国が定めた品目指定に該当しているかどうかというチェックが行われます。品目指定は、一般廃棄物・産業廃棄物は廃掃法、水底土砂は海防法で定められております。と言いますのは、水底土砂は廃掃法上の廃棄物ではございませんので、この部分だけは海防法で定められているという整理になっております。
 これをクリアいたしますと、次に、先ほど申しました判定基準を満たしているかどうかということで、先ほどと同じように判定基準が、産業廃棄物については廃掃法、水底土砂については海防法で定められていますが、有害物質の含有量が十分に低いかどうかという確認がされます。これが終わりますと、次に処分の委託。本人がやる場合もありますが、基本的には処理事業者の責務に移ってまいります。処理事業者は処理業の許可を受けた者という廃掃法上の規定がございまして、そうした処理事業者が処分をしなければならないことになります。
 さらには、処理に使う排出船も海防法上で登録された船でなくてはいけません。許可を受けた処理業者が、登録をした排出船を用いて排出するわけですが、そのときの排出海域、排出方法が具体的に品目ごとに海防法で定められております。この定めに従って海洋投入処分が実行されて、その実績が国に聴取されるという仕組みになっております。そのほかに国としては別途、排出海域のモニタリング等も実施しているところでございます。
 以上が大きな流れでございまして、先ほど1ページでご説明しました[1]から[5]のそれぞれの項目について順を追って説明させていただきたいと思います。
 [1]に該当する品目でございます。これにつきましては、一般廃棄物・産業廃棄物と、水底土砂に分けて説明させていただきたいと思っております。3ページ、4ページはいわゆる廃棄物、5ページから7ページが水底土砂でございます。
 まず、3ページ、4ページの一般廃棄物・産業廃棄物ですが、先ほど申しましたように、廃掃法の中で一般廃棄物・産業廃棄物それぞれに、こういったものについては処分が可能であるという定めがございます。上の図が一般廃棄物、下の図が産業廃棄物でございます。
 まず一般廃棄物ですが、処分可能なものとしては、廃火薬、浄化槽汚泥・し尿、不燃性の一般廃棄物、それから、環境大臣が指定したものとありますが、4番目の指定したものは現在品目がございません。2番目の浄化槽汚泥またはし尿につきましては、下の注釈に書いてございますように、平成14年2月1日をもって海洋投入処分禁止とされておりますが、猶予期間が設けられておりまして、平成19年1月末までは許可が過去から継続して処分をするものに限って海洋投入処分ができるということになっております。
 下が産業廃棄物でございますが、1つ目が汚泥で、汚泥については発生する施設が限定されておりまして、右側に書いてあるような施設から発生した汚泥に限って認められるということでございます。それから、汚泥の一部でございますが、ボーキサイトを原料とする水酸化アルミニウム製造用から出てくる汚泥、赤泥と申しております。それから、建設汚泥、下水汚泥ということで、大括りにしますと、4品目ほどが汚泥というカテゴリーの中で投入処分が可能という位置付けになっております。そのほかに、廃酸・廃アルカリ。これは汚泥と同じようなものでございまして、水分量等の違いによって別区分しているだけというふうにご理解いただければと思います。3番目が動植物残さ、4番目が家畜ふん尿でございます。
 産業廃棄物の一覧を見ていただくとわかりますように、海洋還元が速やかに行われそうな有機性の廃棄物、それから、その性状が海底を構成する成分と大差がないと想定される廃棄物に限って、海洋投入処分が認められているという仕組みになっております。
 4ページが、それぞれの廃棄物ごとの判定基準でございまして、有害項目ごとに基準が設けられております。特に汚染が想定されないようなものについては基準が設けられていないのが現状であります。
 5ページが、水底土砂であります。水底土砂はこれまでの廃棄物と違いまして、判定基準の上下で、イエス・オア・ノーで、投入処分できる、できないという仕組みではなくて、やや複雑な仕組みになっおりますので、その仕組みを説明するために図を示しております。水底土砂は5つのカテゴリーに分類されまして、それぞれのカテゴリーに応じて処分の在り方が異なることが定められております。このフローを見ていただくとわかると思いますが、水底土砂が発生いたしますと、6ページの表2の判定基準に基づいて判断されます。この判定基準を上回るものは海洋投入処分が禁止されますが、これを下回るものは表3の判定基準と表4の判定基準に基づいて判断されることになります。
 このそれぞれの判断基準を上回るものは特定水底土砂、あるいは、有害水底土砂ということになりまして、そのままでは海洋投入処分ができないことになっておりますが、固化した上でA海域という特定の海域に限って海洋投入処分ができることになっております。A海域については後ほどご説明いたします。なお、特定水底土砂と有害水底土砂は、ほかの処分の在り方、海面埋立のところで取扱いが違うので分かれておりますが、海洋投入処分に関する限り、この2つは基本的に同じ扱いというふうにご理解いただければと思います。
 それから、この2つにも該当しないものが、表5の判定基準のところに判断が移ります。表5の判定基準に該当するものが指定水底土砂というもので、これは有機性の高い土砂という位置付けになっておりまして、ほかの有機性の廃棄物と同様にC海域で排出することが定められております。C海域についても後ほど説明させていただきます。
 最後に、どれにも該当しないものが一般水底土砂ということで、F海域へ排出ということになります。F海域というのはどこへ捨ててもいいという位置づけでございます。
 有害物質の判定基準につきましては、物質の品目が違うだけで、6ページに列挙しておりますので、割愛させていただきますが、指定水底土砂につきましては、有害物質の含有量ではなくて、どこの海域から浚渫された土砂であるか、あるいは、熱しゃく減量ということで、有機物がどれぐらい含まれているかということがメルクマールになっております。
 以上が、1ページの[1]、[2]に該当するところで、品目と判定基準をどのように判断するかについての説明でございます。
 続きまして、8ページの排出海域でございます。排出海域については、排出方法とパッケージになっておりますので、8ページと10ページを合わせてごらんいただきたいと思います。まず、排出海域につきましては、8ページ、9ページにございますようにAからFまでの海域に分類されております。
 A海域というのは、図5の黒く塗りつぶしてある海域で、日本沿岸からかなり外洋に出たところで限定された海域でございまして、有害水底土砂が固化されたものなどが投入処分可能となっております。B海域というのは、A海域を含む、少し細長い四角の枠が図5にございますが、全国で6海域ございます。これにつきましては、集中的に投入して速やかに海底に沈降するものを投入していいことになっております。
 10ページの表6で説明をしておりますA海域については、特定水底土砂などが固化した上で投入処分可能ということで、速やかに沈降するようにある程度の比重を持った形にして排出しなさいということが、廃掃法とセットになって定められております。一番上の一般廃棄物というのは、先ほど申しましたように、現在未指定でございますので、該当はございません。
 B海域につきましても、A海域を含むやや広い海域ですから、これについてもできるだけ速やかに沈降させるということを念頭に置いたものでございまして、非水溶性の無機性汚泥としての産業廃棄物、一般廃棄物の廃火薬、不燃性一般廃棄物で液状でないものということが定められております。これらの投入方法は集中式排出方法と呼んでおります。
 9ページに戻っていただきまして、C海域というのは、すべての国の領海基線から50海里を超えるということで、図5で日本を囲うようにして引いてある線の外側になります。この海域で捨てるということになっておりまして、親潮等が流れていることを念頭に置いて定められておりまして、有機性の廃棄物ができるだけ速やかに海に還元されるようにということで、拡散式排出方法で投入することになっておりまして、ここに捨てることが認められている廃棄物は10ページの表6にございますように、有機性の汚泥、あるいは一般廃棄物のし尿、あるいは、指定水底土砂などの有機性の高い水底土砂などは、拡散して速やかに海に広がって還元されるようにということで投入方式も定められております。
 F海域というのは、先ほど申しましたようにどの海域でもいいということで、AからCの海域に排出が求められる水底土砂以外の水底土砂を捨てていいということが定められております。
 以上が我が国の現行制度の概要でございますが、もう一度1ページに戻っていただきまして、品目を指定した上で判定基準が定められておりまして、品目と判定基準に該当するものが排出海域と排出方法を守って処分することが定められているわけでございます。
 続きまして、廃棄物の海洋投入の実態について説明させていただきたいと思います。まず資料5-1をごらんいただきたいと思います。ロンドン条約の締約国会合におきまして、各国から報告義務がある報告資料をもとに締約国会合で提出された資料をもとに作成したものでございまして、各国の海洋投入処分の状況がどのように推移したかということを簡単に整理したものでございます。これは1992年、97年、99年のそれぞれの状況が各国ごとに比較できるように、表1、表2という形で整理してございます。
 まず2ページの表1をごらんいただきたいと思います。表1はしゅんせつ物、下水汚泥、産業廃棄物等と分かれておりますが、しゅんせつ物というのは、我が国の法律では水底土砂に該当いたしまして、これについては各国とも、変動はございますけれども、処分は継続しております。それから、下水汚泥につきましては、1992年にはアイルランド、スウェーデンなどの国が海洋投入処分の実績が報告されておりましたが、97年、99年といくに従いまして、現在では恐らく日本と韓国だけが下水汚泥の海洋投入処分を実施しているのではないかと考えられます。ちなみに、我が国の下水汚泥はし尿ということで、一般廃棄物としたものもこの分類で報告しておりますので、この中に含まれております。
 それから、産業廃棄物につきましては、1992年あるいは1997年を見ていただきますと、各国が、それぞれ量は違いますが、いろいろな投棄実績がございます。ところが、徐々に減少傾向にございまして、1999年には我が国がカナダと並んで高い、我が国が最も高い、ほかの国はほとんどやめているという実績がご理解いただけるかと思います。
 産業廃棄物だけを取り出してさらにブレークダウンしたものを、3ページの表2に整理しております。先ほどと同じように、1992年、97年、99年の比較でございますが、1992年の段階では各国ともいろいろな廃棄物を海洋投入していました。我が国は突出して種類も多いわけですけれども、各国とも処分をしていたという実績が読み取れます。これが、我が国も含めて各国とも努力をしてきまして、徐々に投入量が削減されているという実態がございます。そして、1999年は、先ほど日本は量が多いと申しましたが、種類についても我が国が突出して多い状況がうかがえます。
 これをまとめたものが、1ページ目の(2)でございます。[1]にございますように、水底土砂につきましては、各国ともに投入処分が継続しているということがわかります。それから、下水汚泥につきましては、1999年以降、主要国で投入処分をしているのは我が国と韓国のみと考えられるということでございます。ここで「考えられる」と書いてございますのは、投棄報告をしていない国もかなりございますので、あくでも想定ということになります。3番目に産業廃棄物についてでございますが、投棄量、投棄品目数ともに我が国が最大の投棄をしているということでございます。
 続きまして、4ページ以降が我が国の海洋投入処分の現状でございます。現状と言いましても、主に推移に着目して整理させていただいたもので、現在の状況については、資料5-3、5-4で説明させていただきますが、これは特に推移に注目していただければと思います。
 5ページの上の図が産業廃棄物・一般廃棄物、それから、水底土砂を全部合わせたものの推移で、下の図は産業廃棄物だけを取り出したものの推移でございます。これをご覧いただくとおわかりのように、平成6年から徐々に我が国も投入量が減少傾向にあるということがうかがえます。産業廃棄物だけを取り出してみましても、平成7年のところで、規制強化によりまして30%程度削減がなされまして、それ以降、徐々にではありますが、減少傾向にあるということがうかがえます。
 以上、概要でございますが、世界と比較した場合の我が国の状況が資料5-1でございます。
 それから、資料5-2は我が国の廃棄物の海洋投入処分の従来の方針をまとめたものでございまして、政府といたしまして、ロンドン条約締約国会合の場でこれまでも我が国の考え方を表明しておりますが、その代表的なものを抜粋してお示ししたものが資料5-2でございます。
 後ろに英文がついておりますが、主要な要素を抜き出して日本語にしたものが1ページでございまして、我が国は陸上処分の原則を堅持するということを国際的に表明しておりまして、廃棄物の処分は陸上において行うことが原則であり、海洋を処分場所として安易に認めるべきではないということで、この原則は廃掃法にも明記されているということが1点目でございます。
 2点目といたしましては、海洋投入処分の禁止の継続ということでございまして、陸上処分の原則を踏まえまして、国内法令により1996年以前にも海洋投入処分が禁止されてきた廃棄物については、ロンドン条約で認められる廃棄物であっても引き続き海洋投入処分はしないということを宣言しております。
 3点目が、海洋投入処分量の削減ということでございまして、陸上処分の原則を踏まえまして、海洋投棄がロンドン条約で許容されている廃棄物であっても、今後とも海洋投入処分量の抑制に努めていくということを表明しております。
 以上が、我が国が国際的に表明した考え方でございます。
 続きまして、国内的な考え方の現状について、資料5-3と5-4に基づきまして説明させていただきます。

○新田専門官 資料5-3と資料5-4をご説明させていただきます。
 まず資料5-3でございます。廃棄物海洋投入削減等に向けた今後の取組みについてということで、ロンドン条約関係省庁等、この資料の一番最後にありますけれども、廃棄物の海洋投入処分に関係している省庁が廃棄物の海洋投入処分の削減について今後どういうふうに取り組むかといったものを取りまとめたものでございます。
 1番は総論ということで、我が国としては、今後も廃棄物の海洋投入処分の一層の削減に努めるとしております。2.は、先ほど説明がありました海洋投入ができる廃棄物の品目を列挙しております。
 2ページに、海洋投入処分量の推移を記載してございますが、これについては個別のところでご説明させていただきます。
 3ページにまいりまして、3.は廃棄物を品目ごとに今後どのように削減していくかという方針をまとめたものでございます。この部分と資料5-4を一緒に説明していきたいと思います。資料5-4は、各廃棄物の品目ごとにどのような状況にあるかということにつきまして、環境省から関係省庁にアンケートをいたしまして、それを取りまとめたものでございます。とりあえず現状について取りまとめたということで暫定版というふうにさせていただいております。
 資料5-4の1ページ目でございますが、廃弾薬というのは自衛隊から生ずる不良弾、不用弾、不良誘導弾等についてでございます。海洋投入処分の状況につきましては、実績ありということで、現在も海洋投入処分が行われております。不良弾の発生総量は約 980トン、うち海洋投入処分量が 616トンとなっております。海洋投入処分以外の処分として、陸上処分が 364トンあるということでございます。不良誘導弾につきましては、発生総量約8トンのうち海洋投入処分量が約8トンという状況になっております。これにつきましては、資料5-3の3ページの表の廃火薬類の(1)自衛隊の廃弾・廃火薬類という分類になりますが、この削減方針といたしまして、防衛庁から民間業者に委託して陸上処分の方向で検討中という方針が出ております。
 資料5-4の2ページ、廃火薬類でございます。廃火薬類は火薬工場からの不良火薬は1999年以降海洋投入されていないということで、今後も投入するものはないというふうにされております。また、猟銃用の残火薬類等ということで、銃砲の所持者が有害鳥獣駆除の目的で購入した火薬類で不要となったものを、警察が廃棄依頼を受理して、警察から自衛隊に処理を依頼しているものがございます。発生総量は表のとおりでございますが、自衛隊にすべて処理を依頼しているということで、警察庁としては海洋投入量までは把握していないそうです。これにつきましては、資料5-3の3ページの表の(3)の廃火薬類の中に入っておりまして、この後説明する不発弾及び押収爆発物等と同じような方針とされております。
 資料5-4の3ページ、第二次大戦に起因する不発弾、旧日本軍の弾薬ということで、掘削工事中等に土中から発見された不発弾でございます。これは発生から海洋投入までのフローのところにございますけれども、発見された場合、警察に通報される。警察から自衛隊に対応を依頼しまして、自衛隊が現場に赴き安全化処理・回収して、それを海洋投入しているということでございます。
 また、不発弾のうち実砲等で比較的安全なものにつきましては、警察で一時保管して、先ほどの残火薬類などと一緒に自衛隊に処理を依頼していくという状況があるそうです。発生総量は約65.9トン、また少量の実砲等で警察で一時保管しているものが約4800個あるということです。65.9トンのうち海洋投入されたものが30.2トン、海洋投入以外の処分量として35.7トンが陸上処理されているということでございます。これの今後の方針につきましては、資料5-3の(3)のところですが、陸上処理体制及び予算措置等を関係省庁間でさらに検討していく必要があるという方針とされております。
 資料5-4の4ページは押収爆発物で、拳銃の弾、ライフルの弾等、刑事事件等において押収された爆発物についてでございます。法務省検察庁では、自衛隊に処理を依頼しているということでございます。また、裁判所が没収したものにつきましては、海洋投入処分の実績はないということでございます。これらの発生総量につきましては、防衛庁が預かったものが 0.9トンで、海洋投入処分したものが 0.5トン、残りは陸上処分したということでございます。法務省検察庁で押収した爆発物は 385kgありまして、そのうち 322kgを自衛隊に処分を依頼し、そのほかにつきましては、専門業者に処分委託をしているということでございます。これも陸上処理体制及び予算措置等を関係省庁間で検討していく必要があるというふうにされております。
 資料5-4の5ページにまいりまして、不燃性の一般廃棄物でございます。1つがごみピットの汚水で、一般廃棄物処理施設のごみピットにたまった汚水でございますが、現在海洋投入処分が行われているということでございます。一般的にはごみ処理施設で処理するか、下水道放流するということですが、2つの自治体で海洋投入処分が行われているそうでございます。
 もう1つ、ためます汚水ということで、浄化槽を設置する家庭の沈殿槽にたまった汚泥でございます。これも通常は一般ごみとして市町村のごみ処理施設で処理されるのですが、1自治体で海洋投入処分が実施されているということでございます。これの今後の方針といたしましては、陸上処分への移行は可能という方針で取りまとめられております。
 資料5-4の6ページにまいりまして、浄化槽から発生する汚泥、し尿でございます。発生総量が 3,151万 8,000kl、うち 149万 8,000klが海洋投入処分され、残り7万kl程度が肥料で、そのほかはし尿処理施設、下水道投入で処分されています。現在 282自治体では海洋投入処分が行われております。今後の方針は、資料5-3でございますが、廃掃法の施行令が改正されておりまして、2002年2月からし尿の海洋投入処分は禁止されております。しかしながら、以前から継続して海洋投入処分を行っている者については5年間の経過措置がございますので、2007年1月末までは継続して投入処分ができるという規定になっています。それ以降は全くできなくなるということになります。
 資料5-4の7ページ、アミノ酸、有機酸、エチルアルコール等の発酵廃液でございます。アルコール類、ビタミン類、アミノ酸類の発酵廃液は2002年以降は海洋投入が行われていません。グルタミン酸製造業の発酵廃液についても2000年以降は海洋投入は行われていということでございます。
 続きまして、8ページ、イースト製造業の濃縮液、廃糖蜜かすでございますが、これも1999年以降海洋投入処分の実態はないということでございます。
 9ページ、砂糖製造業の廃糖蜜廃液です。こちらは現在も海洋投入処分があるということでございます。 1,338トン発生するうち 1,262トンが海洋投入されているということですが、これは1つの事業者によって行われているということでございます。しかし、今後の方針といたしまして、2003年中に海洋投棄を取りやめる方向で、現在、処理施設を建設中というふうにされております。
 10ページにまいりまして、焼酎の蒸留粕です。製造工程で出てくる粕ですが、 509トン発生するうちの 119トンが海洋投入されております。残りは処理施設において肥料にされたり、焼却されたりという措置がとられております。これは発生者が54事業者で、処理業者が5事業者となっております。これの今後の方針ですが、現在、業界で陸上処理体制の整備を進めているということでございまして、2004年中に海洋投棄から陸上処理へ移行する見込みと伺っております。
 11ページ、リンター蒸煮廃液ですが、これは1990年以降は海洋投入処分の実績はないということでございます。
 12ページは、赤泥(ボーキサイト残さ)でございます。こちらは 169万 8,000トン程度発生しているうちのほとんどが海洋投入されているという状況でございます。アルミナ製造業者3事業者から発生しまして、3つの処理業者で処分されているという現状でございます。これの今後の方針といたしましては、処分量の削減に向けて有効利用技術の開発促進を図るということになっています。一部は有効利用として現在もセメント製造時の鉄源として利用されているという形になっております。
 13ページは建設汚泥でございます。これは泥水を用いる建設現場から発生するということで、 825万トン発生しているうちの 108万トンが海洋投入処分されているということです。有効利用されているものが約 340万トンあるということでございます。今後の方針といたしましては、発生抑制及び再資源化を促進するということで、処分量の削減を図るというふうな方針が出されております。
14ページは下水汚泥でございます。こちらは3万 2,000トン発生して、 3,100トンは海洋投入されています。残りの分は下水処理場に返送されて下水として処理されているということでございます。現在、2自治体が海洋投入処分をしています。これにつきましては、陸上処理へ移行する方向で対応を進めているということで、国土交通省から陸上処理あるいはリサイクルをするように要請を行っているというふうに伺っております。
 15ページ、動植物性残さは食品加工で出るということがあるようですが、農林水産省で現在調査中ということで、空欄にさせていただいております。
 16ページ、家畜ふん尿ですが、約 571万トン発生するうちの 4,000トン程度が海洋投入されています。残りはたい肥としての利用が多くあるということでございます。畜産農家2戸から出ているということでございます。処理施設を整備すれば陸上処理への移行は可能というふうに削減方針ではまとめられております。
 17ページはしゅんせつ物、水底土砂です。表の左の方が国土交通省から回答のあったもので、港湾の整備で出るしゅんせつ土砂でございます。約 150万トン、海洋投入処分ということでございます。有効利用されているもの、港湾埋立、養浜というものはこの量の中には入っていません。ただ、海洋投棄している量としてこれだけあるというふうにアンケートで回答をいただいております。それから、右側は漁港における浚渫工事ということで、漁港の分は有効利用されているということで、海洋投入処分はないという回答をいただいております。
 品目ごとには現在このような状況になっております。なお、資料5-3の最後のページは、関係省庁の今後の方針ということで、洋上焼却とか、WAFの対応の検討を進めるといったことも取りまとめられているところでございます。
 以上でございます。

○清水委員長 ありがとうございました。
 ただいま、海洋投入処分に関連する国内外のいろいろな情報についてご説明いただいたわけで、これからご質問、ご意見をいただきたいと思いますけれども、最後にご説明いただきました現状と今後の方針につきましては、次回に各省庁から直接お話を伺う機会を考えておりますので、詳しいご質問はそのときにお願いしたいと思います。
 それから、あまり議論があちこちにいっても困りますので、まずは資料3、96年議定書あるいは条約関係のご質問がございましたら、お受けしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

○細川委員 英語の読み方の問題の質問で大変申し訳ないんですけれども、参考資料2は96年議定書の文章だと思うんですが、それの第四条の1.2のところで、これは資料3の6ページのWAFの説明のところの上から3行目の記述の根拠になっている英文だと思います。よくわからなかったのは、英文の2つ目で「Contracting Parties shall adopt administrative or legislative measures」と「or」と書いてあるんですが、右側の日本語では「行政上及び立法上の措置をとる」と書かれておりまして、資料3の6ページの上から4行目の記述も「行政上及び立法上の措置をとる」と書いてあるんですけれども、これは「及び」と読むのが妥当なんでしょうか。

○水野環境保全対策課課長補佐 申しわけございませんが、参考資料2は環境省仮訳ということで、暫定的なものということでご理解いただきたいと思います。間違いがございましたら、別途ご指摘いただければと思いますが、特段、意図があって訳を変えているということはないということをご理解いただければと思います。

○清水委員長 いずれにしても原文を参考にして議論をしていただければ結構だということのようでございます。

○大塚委員 基本的なことで恐縮ですが、資料3の4ページの図のご説明をいただいたんですが、今回の96年の改正議定書においては、産業廃棄物か一般廃棄物かということは特に概念上は問題にならないというふうに考えてよろしいんでしょうか。産業廃棄物は点線ですけれども、かなり強調していらっしゃるような感じもしたんですけれども、特に附属書Iにあたるものについて産業廃棄物かどうかというのは直接関係ないような気もしますが、そこを確認させていただければと思います。

○水野環境保全対策課課長補佐 ご指摘のように基本的には96年議定書には関係ございません。ただ、上の図と比較の形で、産業廃棄物で捨てられる分は変わっていないということを示すために、上の図と同じ図を使って書かせていただいたということでございます。

○清水委員長 よろしいですか。

○大塚委員 はい。ありがとうございました。

○小林委員 今お話があった産業廃棄物、議定書の方で抜けてしまうので、特に問題にはならないと思うんですが、日本で使われている術語とこの条約で使われている術語に差があるわけですね。そういうふうなものが産業廃棄物以外の定義で違うものがあったら教えていただければというのが1点目でございます。
 2つ目が、さっき廃棄物の現状の説明がありまして、これは後でいいんですが、そのときに書かれた品目の中で、今回議定書で原則禁止になるもの、というか禁止にならないものがどれなのかということを教えていただければと思います。

○水野環境保全対策課課長補佐 まず1点目の議定書上の解釈の話ですが、定義があるのは、産業廃棄物については条約上ありまして、参考資料1の13ページの11と書いてあるところの下で「"Industrial waste"means・・・ 」とありまして、日本語にしますと「製造作業または加工作業において生ずる廃棄物をいい」となってまして、これが定義になっております。ここが我が国の産業廃棄物の定義とは若干異なっていることになると思いますが、ほかのものにつきましては、その下で列挙されている名前から判断するしかないことになっておりまして、その解釈がどのようになるかというのは、基本的には各国が判断することになるというふうに理解しております。

○清水委員長 2点目は、次の議題で、96年議定書にどう対応するかというところで現状ということで出てまいりますので、そのときでよろしゅうございましょうか。

○小林委員 はい。

○清水委員長 ほかにどなたか。
 それでは、4に関してはいかがでしょうか。あるいは、時間の節約で、5-1、5-2も含めてご質問等ございましたらばどうぞ。

○大塚委員 これも細かい点で恐縮ですが、先ほど資料4でロンドン条約の海洋投入処分の対象とされている廃棄物等であって、我が国の現行法の下で海洋投入処分可能な廃棄物で船舶が挙げられていて、我が国では投棄実績がないということ、廃棄物とされていないということだったんですが、私も廃棄物にかかわっていますので、申しわけないんですけれども、現在我が国はどういう扱いになっているかご説明いただけますでしょうか。

○水野環境保全対策課課長補佐 これは廃棄物という扱いではなくて、別途、海洋汚染防止法で規定がございまして、船については原則海洋投入禁止となっております。全く別条であるんですが、海洋投入処分禁止で、ただし一定の要件を満たすものは一定の海域に投入処分できるとなっております。一定の海域というのは、簡単に申しますと、1500メートル以上の深い海で、浮いてきてしまうようなものは全部取り外した上で捨てなさいということが定められております。

○清水委員長 ほかにどなたか。
 言葉のことでつまらないことを申し上げると、「海洋投棄」という言葉は我が国の法制度では使ってないようですね。すべて「海洋投入処分」ということになっているようでございますので、資料の中でも国際関係のことで書いてあるところは「投棄」になっていて、我が国のことに関することは「海洋投入処分」になっているようでございます。
 よろしゅうございましょうか。
 それでは、戻っても結構でございますけれども、また後で時間をとることにいたしまして、きょうの一番大切な資料6「基本的考え方について」に移りたいと思います。
 まずご説明をお願いします。

○水野環境保全対策課課長補佐 それでは、資料6に基づきまして、今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方に係る基本的考え方(案)をご説明させていただきたいと思います。これは、今後4回にわたって議論をしていただく予定にしているわけでございますが、議論をしていただくにあたっての基本的な方針について考えを整理していただこうということでございます。
 これは大きく分けて3つに分類しております。まず最初が基本的な考え方ということで、1ページ目の黒枠で囲ったところでございます。この黒枠のところの考え方を前提といたしまして、附属書Iへの対応の在り方、附属書IIへの対応の在り方ということで、2ページの黒枠のところと4ページの黒枠のところが出てくるという構成になっております。
 まず1ページ目から説明させていただきます。読ませていただきますが、「今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方を検討していくに当たっては、以下を基本的方針とすべきではないか」ということで、[1]が環境立国を標榜する我が国としては、海洋国としての国際的な責任を確実に果たす観点から、国際発効に遅れることなく96年議定書を締結することを目指し、早急に国内体制の整備を図る必要があるのではないかということ。
 [2]は、このため、96年議定書上、海洋投棄が禁止されることとなる廃棄物--これが具体的にどういうものかということについては次にご議論いただくのですが--については、速やかに海洋投入を中止するための措置を講じるべきではないかということ。[3]が、その他の廃棄物については、我が国として国際的に表明している「陸上処分の原則」を維持・強化し、海洋投入処分量の削減化を一層進めることを基本とするべきであるということ。[4]が、その上でなお、海洋投入処分を継続せざるを得ない廃棄物及び水底土砂について、96年議定書の求めるところに従って、新たな海洋投入処分管理の仕組みを整備するべきであるということについて、ご議論いただきたいということでございます。
 枠の下に幾つか参考情報を整理しております。1点目は、持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)でも汚染防止の観点でロンドン条約も含めた各種条約等の遵守に向けて努力しましょうということが書かれているということを書いております。2点目は、我が国は廃棄物の海洋投入処分量の削減に向けて努力してきて、その結果として廃棄物の投入処分量は減少傾向にあります。しかしながら、国際比較をしてみますと、世界的に海洋投入が継続される水底土砂を除いて、我が国が依然として量及び種類ともに世界最大の廃棄物海洋投棄大国であるという事実には変わりなく、我が国の今後の取組みには世界的にも大きな関心が寄せられているという事実がございます。
 3番目は、また、我が国が海洋投入処分を継続している廃棄物の内訳--これはロンドン条約の会議資料をもとに説明させていただきましたが--を見てみると、主要各国が過去に海洋投入処分を実施し、これを中止した廃棄物なども少なくなく、特殊な廃棄物は見当たらない。従って、世界各国が96年議定書を締結していく中で、我が国だけが96年議定書で海洋投棄が禁止される廃棄物の海洋投入処分を継続し、あるいは、海洋投入処分を継続する廃棄物について、96年議定書が求める新たな海洋投入処分管理制度を導入できないとする理由は見いだせないのではないかということでございます。ただし、先ほど委員長からもご紹介がございましたように、我が国の実態につきましては、さらに調査が必要だということで、次回、関係省庁からのヒアリングということでご検討いただければと考えております。
 以上が基本的考え方の整理でございますが、この考え方がよいといたしますと、次の2の附属書Iへの対応に移るわけでございます。附属書Iへの対応では、96年議定書の基本的な考え方はあらゆるものの海洋投棄は禁止であるというのが原則で、附属書Iに掲げられた品目は海洋投棄を検討できるとするものであります。したがいまして、附属書Iに該当しない品目については海洋投入処分ができなくなるということが考えられます。
 これにつきましては、我が国が投入処分できるとしているものは、資料4の3ページに図で整理させていただいたものが、法律上定められている廃棄物でございます。ロンドン条約と96年議定書でどのようなものが海洋投入処分できるかというものを整理したものが、資料3の5ページの比較表でございます。これを横にご覧いただきながら、資料6の2の説明を聞いていただければと思いますが、まず枠の中を読ませていただきます。

附属書Iへの対応の基本的考え方
96年議定書の締結に向け、同議定書の附属書Iについては、以下のような方針で対応していくべきではないか。
[1]我が国で海洋投入処分が認められている廃棄物のうち、「廃火薬類」及び「不燃性の一般廃棄物」は附属書Iに掲げられた品目に該当しないと判断されるので、これらの廃棄物の海洋投入処分を速やかに廃止するための措置を講じる。
[2]附属書Iに掲げられた品目には該当するが、既に海洋投入処分を終了した廃棄物については、今後の見通し等を精査した上、順次、海洋投入処分ができる廃棄物のリストから削除していく。
[3]水底土砂のうち、特定水底土砂、有害水底土砂及び指定水底土砂の海洋投入処分は、96年議定書の主旨に照らして廃止する。

以下、[1]、[2]、[3]に合わせる形で情報を整理しております。3ページの一番上のところは、資料5-3、5-4で説明させていただいたように、当面、今後も海洋投入の継続が見込まれる廃棄物は、水底土砂のほかにここに掲げました7種の品目がございます。これらの品目と96年議定書附属書Iとの対応関係を見てみますと、以下のように整理できます。
 1番目が、附属書Iと我が国が海洋投入処分をしている一般廃棄物との対応関係でございます。浄化槽に係る汚泥またはし尿は、資料3の5ページの図の下水汚泥、あるいは、6番の天然に由来する有機物質に該当するのではないかと考えられます。ちなみに、今でも下水汚泥として整理しておりますので、この概念にあてはまるというのは既存の整理でございます。以上が、浄化槽に係る汚泥・し尿についての考え方でございます。なお、この部分につきましては、先ほど申しましたように、既に投入処分が中止されることが法律上決まっております。ただし、猶予期間が設けられておりますので、96年議定書の締結時期によっては、締結後数年程度、経過措置に基づいて海洋投入処分が継続する可能性がございます。
 これ以外の一般廃棄物については、96年議定書上、投入処分可能な品目であるというふうには解釈できないのではないかということでございます。要するに、我が国で投入処分できると定められているものは廃火薬、不燃性の一般廃棄物があるわけでございますが、これを96年議定書附属書Iのリストと比べていただきますと、どこにも入りようがないのではないかということで、この2つは96年議定書を締結するとなれば、海洋投入処分を速やかに廃止せざるを得ないということになるのではないかということでございます。
 続きまして、産業廃棄物との対応関係ですが、これにつきましては、基本的に条約と議定書の投入処分可能な産業廃棄物の種類は変わっておりませんので、今捨てているものについては、少なくとも条約遵守という観点から見れば、海洋投入処分を直ちに中止するだけの必要性は認められないのではないかという整理をしております。それが1番です。
 2番目は、逆にロンドン条約、議定書では海洋投入処分が引き続き認められるけれども、我が国では既に海洋投入処分を中止、あるいは、速やかな中止が可能なものですから、こういったものについては今後の見通し等を精査の上で、順次、リストから外していくことも考えられるのではないかということでございます。
 4ページにまいりまして、水底土砂につきましては、資料3のリストの一番上のしゅんせつ物にこれまでどおり該当するということでございますから、水底土砂そのものを海洋投入処分することについては可能ではないかと考えられます。ただし、水底土砂の現行区分のうち特定水底土砂、有害水底土砂、指定水底土砂につきましては、判定基準を超えて有害物質などが含まれるものということになりますから、議定書の趣旨あるいは附属書IIの仕組みに鑑みても、海洋投入処分を禁止する必要があるのではないかということでございます。
 これにつきましては、今までの資料ではなかなか判断できないところだと思いますので、参考資料2の21ページの附属書Iの行動基準というところを見ていただきたいと思います。9、10は、判断のための基準を国がつくらなければいけないということが書いてありまして、10の・1で、上位の基準が今までの判定基準に該当するものだというふうにお考えいただければと思いますが、上位の基準を越えて特定の物質を含む廃棄物は投棄してはならないという定めになっております。
 要するに、基準を設けて、それより下のものは検討できるけれども、上のものは駄目という形で基準をつくりなさいという整理をしておりまして、今まで海洋投入処分が特定水底土砂、有害水底土砂については、固化した上で投入処分可能としているわけですが、固化しているにしても、有害物質はそのまま入っているわけでございますし、それをそのまま捨てるということは、この行動基準の考え方には該当しないのではないかということでございます。
 資料6に戻っていただきまして、4ページの3に移らせていただきます。附属書II(廃棄物評価の枠組み;WAF)への対応ということでございます。附属書IIは、やむを得ない廃棄物の海洋投棄であり、なおかつ海洋投棄が海洋環境に影響をもたらさないことが明らかとなった廃棄物に限って、規制当局が海洋投棄の許可を与える仕組みの導入を求めているということでございます。
 これにつきましては、今まで大枠の説明しかさせていただいておりませんので、第2回、第3回の委員会でも説明させていただき、議論をしていただく必要があると考えておりますが、基本的な考え方といたしましては、今申し述べましたように、新たな管理制度の導入を求めるものでございます。したがいまして、ここの結論は暫定的なものにならざるを得ないかと思いますが、基本的な考え方としては以下のように考えられるのではないかということでございます。
 四角の中でございますが、[1]といたしまして、附属書IIが締約国に導入を求めている許可発給体系は、我が国の現行制度では対応できているとは言えない。このため、現行の海防法等における制度を見直し、許可発給制度の導入を含めた新たな廃棄物海洋投入処分管理の仕組みを設ける。[2]、制度構築にあたっては、96年議定書本文に明記された「予防的取組み」と「汚染者負担原則」の考え方を踏まえた制度とする。[3]、また、新たな許可制度の構築にあたっては、附属書IIに沿ったものとすることが前提であり、あわせて廃棄物評価ガイドラインをできるだけ尊重するものとする、ということでございます。
 続きまして、5ページでございます。最初のところが、なぜ現行の我が国の制度が附属書IIに対応できないのかということを簡単に説明した部分でございます。[1]、先ほどご説明いたしましたように、現在の我が国の制度は、「法令で指定された品目で、判定基準を満たすものを、法令で定めた海域に、定められた方法で排出する」となっておりますので、形式的にも、実態としても、品目、判定基準、排出海域、排出方法が遵守されていれば、「海洋環境への影響はない」と見なす仕組みであり、品目などを定める際に国が「概括的な環境影響評価」を実施していると解釈できるのではないかと考えられます。
 一方、附属書IIは、やむを得ない海洋投棄であり、なおかつ海洋投棄が海洋環境に影響をもたらさないことが明らかとなった廃棄物に限って、規制当局が海洋投棄の許可を与える制度の導入を求めています。すなわち、個別の品目ごとに評価をしなければ、許可ができるかどうか判断できないという仕組みの導入を求めているわけですから、現在の我が国の仕組みとは相違が大きいのではないかということでございます。
 とりわけ、先ほども申し上げましたように、附属書IIには「廃棄物防止審査」ということで、廃棄物の海洋投入処分量が最小化されているかということを確認することが求められておりますが、現行制度ではこうしたことが全く盛り込まれておりませんので、対応しきれないのではないかということでございます。したがいまして、([4]になっていますが、[3]と修正して下さい。)このため、附属書IIに対応するには、許可発給制度の導入を求めた新たな廃棄物海洋投入管理の制度の導入が不可欠ではないかということでございます。
 続きまして、予防的取組みと汚染者負担原則でございます。予防的取組みというのは、「Precautionary approach」の訳でございますけれども、附属書IIは「人の健康及び環境に対する潜在的な影響について適切な行動を行うことができないような場合には、当該廃棄物を投棄することはできない」旨定めております。要するに、問題があることがはっきりしたらということではなくて、問題があるかどうかわからないのでは投棄してはいけないということが定められているわけでございます。したがいまして、許可発給の仕組みを新たに導入するにあたっては、その要件として環境への潜在的影響の適切な検討等を求めることで、予防的取組みを確保する必要があるのではないかと考えられます。
 2番目として、汚染者負担原則ということも明記されておりまして、これに対応するためには、やむを得ざる事情があるにせよ、海洋を廃棄物等の投入処分に利用している排出事業者がその影響や環境監視の実施に係る負担を担う仕組みとする必要があるのではないかということです。ただ、水底土砂や下水汚泥については、上流側の汚染の責任についても附属書IIで記述がございますけれども、これらにつきましても投入場所、あるいは、投入方法の意思決定をする主体、あるいは、潜在的影響として化学物質以外にも物理的な量の影響なども考えられるということ、あるいは、実務上の実現可能性などを考えたときには、ほかの廃棄物と同じように排出者に対して負担を求めていくことが現実的ではないかというふうに考えられます。
 続きまして、6ページですが、WAFとWAGに沿った新たな全体像です。これにつきましては、先ほど申し上げましたように、我が国の現行制度のような概括的な仕組みではなくて、個別の廃棄物の排出ごとに、もちろん個別と言いましても、排出事業者の一定の合理的な集合ごと、あるいは、1回ごとの投棄ではなくて、一定期間ごとというのは当然考えられるわけでございますけれども、いずれにしても個別の審査を行って有期限の許可を発給する制度を整える必要があるのではないかということが1つ目でございます。
 2つ目には、許可の有効期限を設けることによって、監視を行った結果を踏まえて許可を更新する制度を設ける必要があるのではないかということでございます。その一連の流れを簡単に整理したものが7ページのフローになります。先ほどWAFのところで説明させていただきましたが、WAFが求める審査の流れを、我が国で対応するためには何を検討しなければいけないということを考える際の参考にということで、整理をし直したものでございます。
 物質の品目への適合状況から始まりまして、廃棄物の発生量を減らす取組みの実施、それから、判定基準への適合状況の確認、排出海域の選択、潜在的影響の検討、許可の申請及び受給、監視の実施、さらには許可の更新という一連の流れがございますので、それぞれについてどのような制度である必要があるのかと、現行制度の維持ということも含めて検討する必要があるということを[4]に書かせていただいております。したがいまして、大枠としてこうした流れになると思いますが、今後さらに個別の事項について専門委員会でご議論いただく必要があろうかと考えております。
 その検討すべき事項について整理をしたのが、最後の8ページでございます。今後の検討課題というところでございますけれども、第2回、第3回、第4回というところに書いてございますように、申請主体・審査主体についての検討、住民関与の在り方についての検討、廃棄物防止審査の在り方の検討、判定基準の検討、潜在的影響の検討の在り方の検討などについてご議論いただいて、報告書骨子のご検討をいただき、最終的な報告書案のご検討をいただく必要があるのではないかというふうに考えております。
 資料6の説明は以上でございます。

○清水委員長 ありがとうございました。
 この専門委員会で今後やっていかなければいけないところまでご説明いただいたわけですけれども、資料6に関しては、1、2、3、4それぞれについてご議論をいただきたいと思います。
 まずは、96年議定書締結に向けての基本的な考え方ということで幾つかの論点が記してございますけれども、これに関してご質問あるいはご意見をお願いしたいと思います。どなたからでもどうぞ。

○細川委員 第1回目ということで、入口の議論で申しわけないんですけれども、一つ確認させていただきたいと思います。
 この議定書締結に向けて国内法を整備しましょうという動機というんですか、理由というんですか、それは議定書を締結するためにということで書かれているんですけれども、現行の法令で何か不都合があったり、環境上の汚染とか生態系の劣化とかいった不都合があるからという部分はないんですか。「何で海防法を変えなきゃいけないんですか」と言われたときに、「議定書を締結するからです」という理由だけが書かれているような気がするんですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。

○浅野部会長 
 形式的な理由と、さらにそれを支える実質的な理由という説明はあってもいいと思います。細川先生もおっしゃるように、条約責務で国内法の整備をしなければいけないからこうですという、もっと積極的なファクターがあってもいい。そもそも国際的な責務、我が国の環境に対する配慮をさらに強化するということは当然であるということは言えることだと思います。しかし、直接的には現行法では96年議定書に加入できないということが明らかであり、少なくとも議定書に加入しておかなければ国際社会で大変な批判を受けてしまうということは事実ですし、最低限これだけはやらなきゃいけないということがあると思います。
 事務局のご提案の中で読み取れるのは、最低限ぎりぎりのことだけやろうというよりも、もっとできるところはやりましょう。それは我が国が既に締約国会議で何度も表明してきていることが背景にあるんだから、それはやりますということですから、最終的にアウトプットが出てきたときの説明ぶりとしては、細川委員がご指摘のように積極的な要素をもっと強調するということはあり得るだろうと思います。それをどの段階でどう整理するかは別として、大事なご指摘だと思いますから、最終報告書の頭書きのところにきちっとそれを入れることは必要だろうと思います。

○清水委員長 ありがとうございました。
 事務局から何かありますか。特にいいですね。

○水野環境保全対策課課長補佐 まさにご指摘いただいたとおりと考えております。

○清水委員長 ほかにいかがでございましょうか。

○小林委員 今、細川委員が言われたことと同じことなんですが、以前、海防法を制定するという議論の中で、海洋汚染はあまり起こっていないのになぜ海防法を決めて規制しなければならないのかという議論が一時あったような気がするんですけれども、今回の議定書締結にあたって、日本としてそこまでやる必要があるのかという議論はないんでしょうか。それについては皆さん合意というふうに理解したらいいんでしょうか。

○水野環境保全対策課長補佐 まず、政府としてどのようなスタンスかということについては、先ほどこの資料でご説明させていただきましたように、直接的にこの条約がどうのこうのということではないんですが、条約の考え方に沿う形で我が国としても積極的に努力をしていくということを表明してきたということがございます。
 それから、これは政府としてはなくて、あくまで関係省庁としてでございますが、資料5-3の1.の総論のパラグラフの一番最後のところにも書いてございますように、関係省庁といたしましては、「我が国が同議定書を実施するために必要となる国内体制を早期に整備することが重要である」という共通認識を持っております。したがいまして、我が国としては96年議定書の締結への大変重要な課題であって、先ほどのご議論にもありましたように、我が国が単に議定書でもあるからということではなくて、積極的な意義を認めてそれに加入していくというふうに政府として考えていくべきではないかと環境省としては考えているところでございます。

○塩田委員 今これを伺うのは議題上は問題があるかもしれませんが、資料5-1の表1、1990年代の主要国海洋投入処分の実施状況、これは国際海事機関(IMO)の資料のようですけれども、これは必ずしも世界のすべての国が入ってませんよね。ほかの国はどうなっているかということと、このデータは、もちろん関係国が提出した資料だと思いますけれども、何らかの形で検討しているかどうか。
 ただいまご指摘があった海洋汚染が実際に起こっているのか、起こってないかというようなことに関連して、これは確かに重要な国はみんな入っているとは思いますけれども、そのほかの国はどうなっているのかということも承知しておく必要があるのではないかと思いますので、その点についてわかったら教えてください。

○水野環境保全対策課課長補佐 資料5-1の一番最初のところに書いてございますように、1997年分の報告で申しますと、加盟77カ国1地域あるんですが、このうち45カ国が報告をしていないという状況にございまして、実態の把握としては必ずしも十分ではないということかと思います。
 ですから、これが本当に全体像かということになりますと、そのほかの国が何をしているかわからないわけですから、全体像だと言い切ることは言いすぎだと思いますが、先ほどご指摘いただきましたように、主要国についてはこの中で報告が出ておりますし、先進国についてはほとんど出ているわけですから、これは基本的に先進国の全体的な考え方は反映できているのではないかと思います。

○塩田委員 その点は確認のしようもないと思うんですけれども、今日、我が国に関してお調べになったことを説明していただいて、これだけ詳細なことがよく把握されているなとびっくりしたぐらいなんです。これが世界のほとんどの国で行われているとは予想もしなかったんですが、環境省さんは全般的に国際会議の情報交換などを通じて、日本と同程度の精密なものを各国が把握しているという心証はお持ちでしょうか。その点いかがでしょうか。

○水野環境保全対策課課長補佐 個別の各国からの報告があったものについては、科学者会合でその報告が妥当なものかということは必要に応じて検討しておりますので、ある程度信頼性があるデータを各国が出してきていると理解しておりますが、それがどの程度細かいのかというところまでは、残念ながら把握しておりません。

○塩田委員 私のとりあえずの意見としては、このデータが本当にしっかりした調査に基づくものであり、かつ、これだけの国がこういう状況であれば我が国も96年議定書批准のための体制を整えることは当然だろうというご判断には賛成します。
 ただ、この資料が必ずしも網羅的なものではない、ここに漏れている国でも、例えばインドなどはどうなっているのか。それにこのリストには、先進国もすべては入ってないんですね。多分あまりウエイトが大きくないから問題ないだろうというご判断かもしれません。その辺の判断がもう少し要るような気がいたしますが、それを入れても結論が変わらないというのであれば、正しいご指摘なんだろうと思います。

○清水委員長 ありがとうございました。
 よその情報を十分に考慮することは必要かもしれませんけれども、日本として基本的にはどういうふうにするんだということはあろうかと思います。
 ほかにはいかがでございますか。

○大塚委員 先ほどからご議論がありますように、議定書に対応するためにどうするんだという話、法的には非常によくわかる話ですけれども、それが重点が置かれているために、実態として必要があるのかというご議論が出ているんだろうと思います。
 その辺はこの議定書が出している予防的アプローチをどう考えるかという問題と関連するところで、海洋の汚染がある時点で飽和状態になったときには手がつけられないということが前提としてあって、改正議定書の背景とか趣旨をどう考えるかという問題が実態的な問題としてあると思いますが、それをもう少し出していただいた方がよいと思います。あるいは、それに関連する資料も出していただいた方が説得力があるのではないかと思います。
 以上です。

○清水委員長 ありがとうございました。
 お約束の時間が迫ってきましたので、ここでちょっとお願い申し上げますが、あまり大幅にとは申し上げませんけれども、もう少し時間をとりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 今、資料6の1についてご議論いただきましたけれども、時間の関係もありますし、2、3も含めてご議論をお願いできればと思います。4については一番最後に伺いたいと思います。
 どうぞ。

○浅野部会長 2の点は比較的単純な法解釈の問題ということでありますので、こういう結論だろうということはよくわかります。今後論議を呼びそうだと思いますのは、3の部分でありまして、ここにもありますように、我が国の現行体系とはかなり違うものを考えなければいけないだろうというご指摘が重要な点ではないかと思います。
 先ほど大塚委員が指摘されたように、予防的取組みと汚染者負担の原則(PPP)が新たにここで出てくるわけですけれども、そのことを勘案していきますと、3の6ページに許可制度の全体像という荒っぽいドラフトが出ているわけですが、こういう考え方になるのは、論理の帰結として当然だろうという気はいたします。さりながら個別許可とはいえ投棄できる海域はかなり限定されてしまうということになりますと、下手をすると後発者についてはかなり形式的なチェックで終わってしまうという可能性が出てくるので、その点について個別主義ということとの調整をどうするかという問題が出るかもしれません。
 その点も十分お考えになって、排出事業者の合理的な集団ごとというのが出てきていると思うので、そこでうまく調整していただければいいんですけれども、それがうまくいかないような場合にどうなるのということをよく考えておかないと、ひょっとすると批判をされてしまう可能性がある。議定書の中にも誰がどこに持っていったかわかるようにしろと書いてあるわけです。
 それから、減量についての努力はきちっと把握しなければいけない、それがなければ許可しないと言ってますから、その点から見ても、このドラフトにあるような考え方にならざるを得ないことはよくわかるんですけれども、結局のところ、定型的にあるものについてある形でしか処理できないということになると、誰が出しても同じことを繰り返すことになってしまう可能性がないとは言えませんね。
 化審法のときにもそんな議論があったわけですが、先行者が費用負担をして、後発者は費用負担をしなくても、ほとんどただ乗りで許可をとることができるという危険性があるわけです。その辺も悩ましい問題として出てきそうな気もします。枠組みとしてこの枠組みでいこうというのであれば、今のような点についての後々のご議論が出てこないような検討が必要ではないかという気がいたします。この辺は、大塚委員もおられますから、安心してお任せしておきます。よろしくお願いします。

○清水委員長 ありがとうございました。
 今のお話は、これからどんなものがどのくらい続くかということとも関連してまいりますし、排出海域がどんなふうに設定されるのか、それぞれがどこへどういうふうに入れるのを決めるのかということとも関係するわけですね。ですから、品目ごとに大分違うような感じもいたしますので、これから十分にいろいろな方のご意見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ほかにございませんでしょうか。

○細川委員 水野さんが説明されたと思うので、確認になるかもしれませんけれども、5ページから6ページにかけて、水底土砂及び下水汚泥に関する汚染者負担原則に対する見解を述べられていますが、これは今後、例えば第2回のヒアリングなどを経てもうちょっと議論していきましょうという部分ですよね。

○清水委員長 そういうことでいいですね。

○水野環境保全対策課長補佐 はい。

○清水委員長 ほかには。どうぞ。

○小林委員 今、浅野先生が言われたことと全く同じなんですけれども、汚染者負担の原則の「汚染者とは」という議論で、今お話がありましたような審査、また、後のモニタリングを含めて、海域ごとに1つの集団をつくって共同責任をとるようなシステムをお考えいただいた方がいいのではないか、そういう検討が要るんじゃないかなという気がするんですね。例えば3年とか4年という枠を決めて、その枠内で集団的に許可を下ろす。その集団の権利については、新規参入者はその中に均等負担を織り込むとか、そういうシステムがないと後々大変だろうなという気がいたします。

○清水委員長 どこでどう決めるのかというのは、これからいろいろご意見を伺わないといけないと思います。
 ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございましょうか。
 今日ご欠席の先生もいらっしゃいますので、今日のことも含めてご説明をして、またご意見を伺うということもあろうかと思います。
 今後でございますけれども、この資料の8ページに予定とありまして、さっき紹介をしていただきましたように、第2回ではこういうこと、ヒアリングが主体でございます。第3回ではこういうことを考えているということでございます。この辺に関して何かご注文、お気づきの点ございましょうか。どうせ何かやるんだったらば、こういうことにも気をつけて情報が入るようにしたらどうかとか。
 今この場ではこれでよろしかろうということで、後ほどお気づきの点がございましたらば、事務局におっしゃっていただくということにさせていただければと思います。
 少し足早に進めましたけれども、全体を通して何か改めてご意見がある方はどうぞ。

○細見委員 先ほどの許可制について、私も十分勉強していないので申しわけないんですが、他の例として、バーゼル条約では個別に1個1個やるんですか。品目とか基準とかすべてケースごとにやるものなんですか。

○荒井環境保全対策課長 バーゼル条約の場合も基準そのものは包括的なものであると理解しています。

○細見委員 基準はそのものですけれども、申請があったものは個別ごとなんですか。

○荒井環境保全対策課長 バーゼル条約による輸出の承認等は個別に行われるものと思います。

○細見委員 そのときに、今回の場合も、例えば排出海域はどこの国かということで、結構類似しているところもありますので、そこで問題になることがあるのかないかというのを調べておいていただければ、今回の許可制というか、ちょっと議論していただけるのではないかと思います。

○清水委員長 ありがとうございます。

○浦野委員 大したことではないんですけれども、資料6の2ページの枠の中の[2]で「海洋投入処分を終了した廃棄物については」という表現があるんですが、この「終了した」というのはどういう趣旨で使われているんですか。現在は既に行われていなくなっていると、そういう理解でいいんですね。「終了した」という表現はあまり適切ではないかなという感じがしました。

○浅野部会長 現在はもう行われていない、まだ誰かやるかもしれませんけれども・・・という意味でしょうか。

○清水委員長 その辺も含めて次回に改めてきちんとご説明いただけると思います。
 ほかによろしゅうございましょうか。
 それではどうもありがとうございました。
 今後のことについて、荒井さんから何かありますか。

○荒井環境保全対策課長 先生方には長時間にわたりましてご議論いただきましてありがとうございました。
 先ほどご議論がありましたけれども、我が国にこの議定書の制度を導入するにあたって海洋汚染の問題点が、以前の例えば赤潮問題というような形で日々対応を迫られているというよりは、今まで我が国としてきちんと海洋投入処分を減らすように努力をしてきておりますが、さらに国際的にも胸を張れるような形でぜひやっていきたいということでございますので、どうぞご理解よろしくお願いいたしたいと思います。
 次回の日程でございますけれども、あらかじめ委員の方々のご都合を伺っておりまして、9月16日、午後2時からということで調整させていただきたいと思います。後ほど文書で正式にご連絡させていただきたいと思っております。次回は、資料6にございますように、ヒアリングを行うことも一つの大きな議題として考えておりまして、現在、関係省庁に対応をお願いしているところでございます。いずれにいたしましても、日程につきましては、後ほどきちんと正式にご案内をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それから、本日の資料は公開ということにさせていただきたいと思います。議事要旨につきましては、委員長にご確認いただきまして、公開することになります。それから、会議録につきましては、各委員にご確認いただいた後に公開させていただきたいと存じます。
 以上でございます。

○清水委員長 ありがとうございました。
 ということで、皆さんから予定を伺って、事務局としても苦慮したようなんですが、考えている期間の中で最大多数が出席できるときということで、16日にさせていただいたようでございます。ご都合が悪いとご回答なさった方もできれば都合をつけていただければ大変ありがたいと思います。ご無理なお願いは承知でございますけれども、ひとつよろしくお願いいたします。
 それでは、本日はどうもありがとうございました。これで閉じたいと思います。

午後3時27分閉会

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