中長期の気候変動対策検討小委員会(産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会地球温暖化対策検討WG合同会合)(第5回) 議事録

日時

令和3年4月26日(月)13:00~15:30

場所

WEBによる開催

議題

  1. 今後の進め方について
  2. 関係省庁からのヒアリング

配付資料

議事次第

資料1:中央環境審議会地球環境部会中長期の気候変動対策検討小委員会委員名簿

資料2:産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会地球温暖化対策検討WG委員名簿

資料3:今後の進め方について

資料4-1:主なヒアリング事項

資料4-2-1:一般社団法人日本経済団体連合会 資料

資料4-2-2:経済産業省産業技術環境局環境経済室 資料

資料4-3:警察庁交通局交通規制課 資料

資料4-4:環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室、環境省地球環境局国際連携課国際協力・環境インフラ戦略室、経済産業省産業技術環境局地球環境連携室 資料

参考資料1:江守委員提出資料

参考資料2:杉山委員提出資料

議事録

午後13時00分 開会

〇梶川室長  

 こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから第5回中央環境審議会地球環境部会中長期の気候変動対策検討小委員会・産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会地球温暖化対策検討WG合同会合を開催いたします。声のほうは届いていますでしょうか。大丈夫でしょうか。大丈夫のようなので続けます。

 本会合は、環境省、経済産業省の両省が共同で事務局を担いまして、私、今回の事務局を務める経済産業省産業技術環境局の梶川と申します。よろしくお願いいたします。

 本日は、中環審、産構審、それぞれの過半数の委員に御出席いただいておりまして、定足数の要件を満たします。よって、合同会合が成立していることを御報告いたします。

 また、ウェブ開催に当たっての御案内ということで、少し注意事項を含めてお伝えいたします。本日の合同会合ですけれども、新型コロナウイルス感染症対策のため、ウェブにより開催いたします。開催の状況はインターネットで同時配信し、動画は会議後、議事録公開までの間、ウェブ上で公開予定です。

 ウェブの開催に当たりまして、何点か御協力をお願いいたします。通信環境の負荷低減のため、御発言の際を除いてカメラの映像はオフにしていただき、御発言の際のみオンにしていただきますようお願いいたします。事務局側も発言する場合を除き、オフにさせていただきます。また、ハウリング等を防止する観点から、発言する際以外はマイクの設定もミュートにお願いいたします。

 なお、本日の会合ですけれども、薬師寺委員が御欠席、伊藤委員が会議の途中で御退席、髙村委員が一時中座されると聞いております。

 本日ですけれども、座長は山地先生にお願いしまして、今日は事務局側にいらっしゃるというよりはリモートで運営することになりますので、もしかしたら何らかコミュニケーションが少しスムーズではない場合もあるかもしれませんが、その点、御了承いただければと思います。よろしくお願いします。

 それでは、これからの議事進行に関しましては、山地座長、よろしくお願いいたします。

〇山地座長  

 山地です。本日は私が進行役を務めさせていただきます。

 今日の議題は議事次第にあるとおりでして、「今後の進め方について」、それから「関係省庁からのヒアリング」ということになっております。

 それでは、まず最初の議題であります「今後の進め方について」、資料の説明を事務局からお願いいたします。

○梶川室長  

 承知しました。経産省の梶川です。

 資料3を配付させていただきまして、また今画面上に投影しております。先週、当然御案内の方が多いかと思いますけれども、4月22日に地球温暖化対策推進本部、また夜に気候サミットが行われまして、その中の総理の御発言についてまず最初に御紹介したいと思います。下側、4月22日の気候サミットの菅総理のスピーチを抜粋しております。少し黒線を引いたところを中心に御紹介いたします。

 「2050年カーボンニュートラルと整合的で、野心的な目標として、我が国は、2030年度において、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指します。さらに、50%の高みに向け、挑戦を続けてまいります」。こういった御発言がございました。下の2つ目のポツの最後のところです。「今後、その目標の達成に向けた施策を具体化すべく、検討を加速します」。一番最後のところです。「我が国は、2030年、そして2050年に向けた挑戦を絶え間なく続けてまいります」。こういった気候サミットでの総理のスピーチがございました。

 これを踏まえまして、上のリード文にありますけれども、野心的な削減目標を掲げられましたので、各分野で政策の深掘りをしていくことが必要であると。今回のワーキングにおいて、温対計画、また国連に提出するNDCの見直しについても議論を加速化する必要があるということでございます。

 また、2050年のカーボンニュートラルの議論もこの審議会で行っていただいておりますけれども、成長戦略会議が国、地方、あと総合資源エネルギー調査会、様々、2050年の検討を行っている議論を踏まえた上で、今後、長期戦略の見直しも必要であるということと考えております。

 後ろ、別紙というものがありまして、具体的にどういった水準が必要かということを御参考までに提示しております。縦の軸は温室効果ガスの排出量、吸収量ということで、それぞれエネルギー起源、非エネルギー起源、CO、メタン、こういったものについて2013年度の排出の実績、2019年度、最新の排出実績、26%という、今提出しているNDCの目標。一番右側、先ほどの総理のスピーチを踏まえて、少し機械的に数字を出したものとしてこういったものがあるということで、それぞれの部門において施策の深掘りが必要だということをあらかじめ御認識いただいた上で御議論いただければと思っております。

 資料3につきましては私からは以上でございます。よろしくお願いいたします。

○山地座長  

 どうもありがとうございました。今の御説明については、ヒアリングの後まとめて御議論いただくということにして、続いて、議題の(2)のヒアリングのほうに移りたいと思います。

 まず、事務局から、今日のヒアリングについて御紹介をお願いします。

○梶川室長  

 梶川です。

 本日の主なヒアリング事項ということで、今資料の投影がございますけれども、大きく3つと記載しております。現行の温対計画に記載されている対策、施策の進捗状況、2つ目、現行の温対計画の策定時以降の新たな対策、施策、また先ほどの総理の気候サミットでのスピーチを踏まえた上での深掘り策です。その上で、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取組という、この辺りを意識した上でヒアリングをできればと思っております。

 具体的には、ト書きのほうにありますけれども、大きく3つの分野、産業分野、道路交通流対策、あと気候変動分野の国際協力とJCMということで、産業分野につきましては経団連、経済産業省、道路交通流対策については警察庁、国際協力、JCMについては環境省、経済産業省それぞれからプレゼンテーションをした上で、御議論いただければと思います。委員の皆様につきましても、忌憚のない御議論をどうぞよろしくお願いいたします。

 山地座長、よろしくお願いいたします。

○山地座長  

 ありがとうございました。それでは、ヒアリングに入りたいと思います。今説明があったとおりですけれども、まず、経団連と事務局から低炭素社会実行計画について、両者合わせて最大10分でお願いします。その後、警察庁から道路交通流対策について、これも最大10分、その後で最後ですけれども、環境省と経済産業省から国際協力とJCMについて、これも最大10分でお願いできればと思います。

 それでは、まず、経団連さんから御説明お願いいたします。よろしくお願いします。

○長谷川委員  

 経団連の長谷川と申します。聞こえていますでしょうか。

○山地座長  

 はい、大丈夫です。お願いします。

○長谷川委員  

 本日は、経団連の低炭素社会実行計画と気候変動対策に係る取組について御説明させていただく機会を賜りましてありがとうございました。資料4―2―1を御覧いただければと思います。

 1枚おめくりいただきまして、スライドの1でございますけれども、これはこれまでの経団連の温暖化対策への取組を示したものでございます。これまで、経団連は、1997年の京都議定書の前に環境自主行動計画、2013年の京都議定書約束期間終了後に2020年をターゲットとした低炭素社会実行計画、2015年のパリ協定合意前に2030年をターゲットとした低炭素社会実行計画フェーズⅡと、常にプロアクティブに、計画を立てて主体的に行動してきたところです。

 スライドの2は、経団連の取組の政府の政策における位置づけです。皆さん御案内のとおりですけれども、低炭素社会実行計画を産業界の対策の主要な柱として位置づけていただいているところです。

 スライドの3が、経団連低炭素社会実行計画の全体像です。横に対策の種類である、第1の柱、第2の柱、第3の柱、第4の柱を書かせていただいております。縦に時間軸でフェーズⅠ、フェーズⅡと示しております。この時間軸については、フェーズⅠが2020年、フェーズⅡが2030年に対してです。それぞれの柱につきましては追って御説明申し上げたいと思いますが、一番下に書いておりますように、これは政府からも審議会のほうでフォローアップをいただいており、経団連でも第三者評価委員会を設置してPDCAを回しているというシステムです。

 スライドの4ページ目が第1の柱、これは自らの事業活動からの排出について、それを削減していこうという取組でございますけれども、その実績を書かせていただいております。このグラフは2013年度からの比較でございますけれども、昨年度の実績で、左側の全部門合計は、6年間で10.7%の削減を実現しているということでございます。また、右側の産業部門に限って申し上げると、6年間で10.9%の削減を実現しています。

 この第1の柱の国内の事業活動における削減の中身ですが、前年度比で見るとどうなるかを一番上の1.で示しております。運輸部門を除いて、産業、エネルギー転換、業務、それぞれの部門で減少になっています。運輸部門については、バウンダリーが若干変わったこともあって、その影響で増えてしまっています。

 2013年度比については、先ほどトータルでも減っているということを申し上げたところですけれども、部門別に見ても、全ての部門で減少しているということでございます。

 スライドの6に参りまして、これは前年度からの変化についての要因分析を示したものです。3つの要因を分析しており、1つが①の黄色のところでございますけれども、経済活動量の変化です。2つ目の要因といたしまして、CO排出係数の変化です。あと、3つ目といたしまして、経済活動量当たりのエネルギー使用量の変化です。これはいわゆる省エネ努力です。

 それぞれ見てまいりますと、経済活動量はある意味で残念なことですが、業務、運輸部門については増加しておりますけれども、ほかの部門については減少しています。

 CO排出係数の変化につきましては、これも再稼働した原発の継続運転、あるいは再エネの活用などによりまして、エネルギーの低炭素化が進んでいるということです。それが全部門における減少に貢献しています。

 ③経済活動量当たりのエネルギー使用量の変化ですけれども、これは業務部門については減少しているのですが、その他の部門については残念ながら悪化していまして、その下に要因を部門ごとに書いてございます。全体といたしましては、経済活動量が減少する中で、効率が悪化せざるを得なかったというような状況が見てとれるところです。

 次の7ページ目は、第1の柱の目標との関係で、その達成の蓋然性と進捗率を書かせていただいております。第1の柱は、フェーズⅠ、フェーズⅡということで、2020年度、2030年度とそれぞれ目標を掲げているところでして、フェーズⅠでは、参加62業種中、これまで47業種が既に目標を達成している状況にございます。そのうち15業種がより高い目標への見直しをこれまで実施しております。

 右側に参りまして、フェーズⅡで、も、62業種中26業種が既に目標を達成しているということですので、そのうち24業種がより高い目標への見直しを実施しています。これにつきましては、最大限の目標水準を引き続き検討して、しっかりと皆様に御理解いただけるように努力していきたいと考えているところです。

 次のスライドの8は第2の柱です。サプライチェーン、あるいは製品・サービスによる貢献も我々は重視しておりまして、これを主体間連携の強化と言っております。ここで書かせていただいているように、企業の製品を世の中に提供することによって、使用段階でのCO削減に貢献も目指しているところでございます。

 スライドの9は、国際貢献の推進でございます。これは第3の柱と我々呼んでおりますけれども、言うまでもなく気候変動はグローバルな課題ですので、グローバルベースで取り組んでいかなければいけないと考え、海外における貢献を通じた排出削減にも取り組んでいます。

 スライド10は第4の柱です。菅総理の2050年カーボンニュートラル宣言の前から、革新的技術に関する取組みを業界団体ベースの取組として進めてまいりました。

 また、スライドの11を飛ばさせていただきまして、スライドの12が、チャレンジ・ゼロと言っておりますが、個社を中心とした革新的技術に関する取組も、新たに2020年の6月から開始しています。これは各社がネット・ゼロエミッションに貢献できるような技術の開発、あるいはその普及、金融面における支援のいずれかに取り組むことに賛同し、その具体的なアクションを表明するものです。今現在182社・団体にご参加いただいているところでございます。

 2050年に向けた取組ということで、政策面も含めた提言を13ページに書かせていただいております。これは10月に菅総理の宣言がございまして、12月に経団連としての取組をまとめたものでございます。時間もございませんので、後で見ていただければと思いますけれども、2050年カーボンニュートラルについて、政府と一体となって不退転の決意で取り組むということで、イノベーション、サステナブル・ファイナンス、電力システムの次世代化、国際展開という中身を提言させていただいているところです。

 最後、スライドの14でございますけれども、先般、先ほど事務局から御紹介のありました菅総理の46%の削減についての中西会長のコメントを発出しておりますので、御紹介したいと思います。2行目からです。総理の宣言につきましては、人類にとって喫緊の課題である気候変動の解決に向けた強い覚悟を示すとともに、国際社会を主導する確固たる決意を表明したものとして評価したいとしております。

 その上で、2パラ目の一番最後です。政府には、欧米に劣後することのない目標の野心度にふさわしい規模の政策リソースを動員することを求めたいということで、その次のパラで、お願いしたい具体的な取組を列挙しています。

 最後のパラで、経団連としてももちろん、経済界として目標達成、あるいは対策に向けて努力していくことを書かせていただいています。

 私からの説明は以上になります。どうもありがとうございました。

○山地座長  

 どうもありがとうございました。

 では、続きまして、事務局から説明をお願いいたします。

○内野企画官  

 事務局、経産省・内野と申します。音声入っていますでしょうか。

○山地座長  

 はい、大丈夫です。お願いします。

○内野企画官  

 資料4―2―2に基づきまして御説明させていただきます。先ほど経団連さんから御報告がありました低炭素社会実行計画のフォローアップでございます。資料の右下2ページ目、政府による毎年度のフォローアップとございますけれども、地球温暖化対策計画におきまして、低炭素社会実行計画等の取組につきまして、関係審議会等による厳格かつ定期的なフォローアップを実施することとされておりまして、本日委員の皆様から御意見をいただくこととなってございます。

 次の3ページ目でございますけれども、経産省所管の41業種につきましては7つの業種別のワーキンググループ、それから環境省所管の3業種についてはフォローアップ専門委員会がございまして、記載のとおりのスケジュールで昨年末から御意見をいただいているところでございます。

 1ページ飛ばしまして5ページ目でございますけれども、ワーキンググループ等でいただいた御意見を御紹介させていただきます。

 まず、総論といたしまして、自主的取組によって、多くの業種において経済性を維持しながら順調にCOを削減しているという評価をいただいております。それから、数年前に比べますと、業界ホームページ等で分かりやすい情報が発信されているというコメントがございます。2050年カーボンニュートラルという目標に向けて計画の大胆な見直しもという声も上げられております。

 次の6ページ目でございますけれども、さらなる実効力強化に向けてということでございまして、2030年目標の政府の目標、これは当然直近の議論を踏まえたものではなくて、26%というところでございますけれども、いずれにしても、業界として貢献を見える化してはどうかという御意見をいただいております。

 それから、統一的な見せ方でございますけれども、どうしても、業種によって目標の立て方がCOの排出量であったりエネルギー原単位であったりと異なっているということで、業種の特性もありまして、ある意味仕方がないところもあるのかもしれませんが、とはいえ、分かりやすく統一的な見せ方ができないのかという御意見をいただいております。

 最後、7ページ目でございますけれども、もう一つの実効力強化に向けてということでございまして、業界のカバー率とございますけれども、特に運輸部門ですとか業務部門においては中小企業も多いということで、産業部門、エネルギー転換部門になりますと、業界のカバー率が低くなってございまして、それをどう巻き込んでいくのかということが課題として上げられております。

 最後、印刷業界のグリーンプリンティングという環境基準がございまして、低炭素社会実行計画に参加すると加点されるということでございまして、実行計画に参加するインセンティブになっているのではないかということで御紹介させていただいております。

 私からの説明は以上です。ありがとうございます。

○山地座長  

 どうもありがとうございました。

 では、続きまして、警察庁から御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○井澤課長 

 警察庁の交通規制課長の井澤でございます。

○山地座長  

 はい、お願いします。

○井澤課長  

 それでは、私からは、警察において取り組んでおります道路交通流対策による地球温暖化対策の概要について御説明させていただきます。資料の2ページ目でございますが、2019年度の警察の取り組んできた対策についての概要を取りまとめているものでございます。

 現行の地球温暖化対策基本計画におきましては、運輸部門の中で道路交通流対策が掲げられておりまして、その中で警察が行っているものですけれども、道路交通流対策といいますと、もちろん道路の整備といった部分が大きいわけであります。警察において信号機の設置、管理を行っております。この信号機の高度化を行っていくことによって旅行時間の短縮に資するという部分がございまして、道路交通流対策として警察が行っているものは、まず1つ目が信号機の集中制御化、2番目としてその他の信号機の改良、3番目として信号灯器のLED化を行っております。

 個々の内容につきましては次のページで詳しく御説明いたしますが、信号機の集中制御化、それから信号機の改良について、2019年度は見込み値を少し上回ったですとか、少し下回ったというような状況になっております。さらに、2030年度目標の水準に向けた現行の位置づけということに関していいますと、これは評価としてはフォローアップでは、信号機の改良等を行っていく事業量につきまして、社会資本整備重点計画2025年度までの目標ということになっておりますからE評価としておりますけれども、着実に進めていきたいと考えております。

 それから、信号灯器のLED化につきましては、見込み値が14.5万トンであったところが11.7万トンと少し下回ったところでございますが、こちらについても引き続き着実な整備を行っていきたいと考えているところでございます。

 続きまして、3ページ目でございます。ただいま御説明したのは19年度の数値でございますけれども、では、具体的に何をしているのかというところでございます。

 まず、図の信号機の集中制御化ですけれども、信号機はそれぞれの交差点に立っておりますが、各都道府県警察本部に併設されている交通管制センターというものがございます。特に市街地の信号機につきましては、交通管制センターで個々の信号機の情報を集約して面的に信号機の制御を行っていくことによって、全体としての車の流れの円滑化を行っているところでございます。これにより、5年間で申しますと約700万トンのCOの削減に資することができたということでございます。

 それから、資料の一番上の信号機の改良事業でございます。信号機の改良のうち、例えばプログラム多段化と申しますのは、幾つかのパターン、平日あるいは休日で交通量が変わる、あるいは特定日、そこの交通量が多いということが事前に分かっているところに複数の信号制御パターンを記憶させておいて、それによって個々の交差点単位での交通流の円滑化を図っていくというものでございます。

 それから、半感応化というのは、主道路、大きな道路と小さい道路が交差しているところにおきまして、小さい道路は基本的に車が来ない限りは赤にしておくということで、感知器を置きまして、それによって主道路の交通流の円滑化を図っていこうとするものでございます。

 そのほか、右折感応化ですとか、一番右側、多現示化というのがございますけれども、交差点によって道路の太さですとか交通量が複雑な場合に、それぞれ個々の交通流を最適化していくためのプログラムを入れていくというようなものになっております。

 2015年度から19年度では、これらの事業を合わせまして約250万トンのCOの削減に資したところでございます。

 最後、一番右下ですけれども、信号灯器のLED化であります。これまで御説明した2つにつきましては、あくまでも警察の設置管理しております信号機の動きを調整することによりまして交通流の最適化を図るというものでございますが、信号灯器のLED化につきましては、信号灯器の使っている電力量を直接減らそうというものでございます。基本的には車両灯器、あるいは歩行者用灯器、それぞれ電球式のものからLED化させますと、おおむね6分の1から7分の1程度まで消費電力量が減ります。信号灯器の更新の際にLED化することによりまして、2015年から19年度でおおむね55.7万トンのCOの削減に資したと考えているところでございます。

 続きまして、資料の4ページです。これまで警察で行ってきておりました道路交通流対策としては、今御説明したような対策を計画に基づく事業と位置づけてきたわけでございますけれども、新たに次期計画におきましては、信号機のプロファイル化も事業として追加したいと考えております。プロファイル化というのは、端的に申し上げますと、個々の信号制御をするところの対象交差点に、基本的には周囲の交通量を観測しながら個々の信号機の制御を行っているわけですけれども、このプロファイルに関しましては、それよりもさらに上流の交通流を感知しながら、この交通流が近い将来に当該交差点の信号のところに来るのがどれぐらいなのかという交通量を予測しながら信号機の制御を行っていくというシステムでございます。

 通常の信号機でありますと、数分前までの過去のデータに基づいて制御しているわけでございますけれども、瞬時に交通量が増えた場合にはなかなか対応ができず渋滞を引き起こすという課題があったところですけれども、こういった近い将来押し寄せるであろう交通量を予測することによって、こうした影響を少しでも低減しようとするものでございます。

 続きまして、5ページ目でございます。道路交通流対策のうち、警察の行う施策としての削減目標を定めるのは難しいです。ただ、やはり交通流をよりよくするために警察として行っている施策について御説明させていただきたいと思います。

 まず1つ目は、信号情報の提供による自動車運転支援システム、我々は略してTSPSと呼んでおります。このシステムは、道路に設置した光ビーコンという赤外線の装置がありまして、車載器と双方向通信する路側インフラでございますけれども、この光ビーコンから走行中の自動車の車載器に対しまして、前方にある信号情報、すなわち信号機の位置ですとか、青信号、赤信号が切り替わる時間等の情報を提供することによりまして、運転者に対してゆとりのある運転、あるいは経済的な運転を行える情報を与えて支援していくというものでございます。

 具体的な内容といたしましては、資料の左下に書いてありますけれども、信号通過支援というものでございまして、これは次の信号交差点をスムーズに通過できるための推奨速度を情報として提供しております。

 また、真ん中にあります赤信号減速支援というシステムです。これは、次の信号交差点に到達するときには信号が赤になっていると計算される場合に、早めのアクセルオフにより減速を運転者に促しまして、無駄な加速を抑制しようとするようなものになっております。

 あるいは、一番右側、発進遅れ防止支援というプログラムですけれども、こちらは車が交差点で信号待ちをしている際に、青から赤に変わるまでの時間の目安を示すことによりまして、信号が変わったことを見落としするなどによって発進が遅れ、青時間が無駄になることのないような支援をしていくというようなプログラムとなっております。

 このTSPSにつきましては、令和2年3月末時点で46の都道府県警察の交通管制センターに整備されておりますので、これらをうまく運用することによって、COの削減ですとか交通流の円滑化を実現していきたいと考えております。

 最後になりますけれども、資料の6ページ目でございます。こちらはタイトル、クラウド等を活用した信号情報の提供と書いております。信号情報の提供という意味では先ほどのTSPSと似たようなことでございますけれども、こちらは内閣府のSIPという枠組み予算がございまして、その中の一事業として現在研究中の内容となっております。

 この研究につきましては、いわゆるLTE等の携帯電話網を利用して車両に信号情報を提供していくというような研究開発となっております。先ほどのTSPSと似ているものでございますけれども、TSPSは、申し上げました光ビーコンという路側インフラの整備が必須となってくるわけです。このやり方ができるようになれば、路側インフラの整備がなくても信号情報が提供できることが可能になるのではないかということで進めているものでございます。

 警察全体の交通安全施設の予算というのは都道府県警察の予算が大きな部分を占めているということもあり、一気に増やしていくというのはなかなか難しいものでございますので、こういった信号情報を提供するようなシステムが実用できるようになれば、より交通流の円滑化を図っていくことができるのではないかと考えているものでございます。

 以上が警察で取り組んできた、あるいはこれからも取り組んでいく温暖化対策に資する重要な任務になっておりますので、引き続き御指導よろしくお願いいたします。

 警察庁からは以上でございます。

○山地座長  

 ありがとうございました。

 では、ヒアリング、最後になりますが、環境省と経済産業省さんから説明をよろしくお願いします。

○杉本室長  

 環境省国際協力・環境インフラ戦略室長の杉本でございます。気候変動分野の国際協力とJCMについて、環境省及び経済産業省から御説明させていただきます。

 次のスライドをお願いします。昨年の7月発表されましたインフラシステム戦略2025の骨子におきまして、アジアをはじめとした途上国、新興国の脱炭素移行をパッケージで支援していくといった枠組みが議論され、官民連携で現在進めているところでございます。この中では、政策対話から各国の計画や法制度の支援、自治体、都市同士の連携、案件形成に至るまでのパッケージで支援していくということとなってございます。また、その中でも特に官民イニシアチブを進めていくというところでも既に出ておりまして、昨年の12月にはインフラシステム戦略2025ということで、本編を含めて発表されてございます。

 次のスライドをお願いします。環境省では、その一環といたしまして、日本と海外の都市の連携事業を支援してございます。国内の脱炭素都市づくりの経験やノウハウを海外都市に移転するということで、これまでに13か国39都市・地域が海外から参加し、日本からは15自治体が参加いただいてございます。

 成功事例の1つといたしましては、東京都の協力によりましてクアラルンプール市が建築分野での対策を進めることとなり、2050年のカーボンニュートラルを宣言することとなってございます。具体の取組、もしくは具体の組合せについては参考資料のほうで御覧いただければと思います。

 次のスライドをお願いします。こういった各都市の取組や連携の事例を共有すべく、先月の3月17、18日にUNFCCCと連携いたしまして、脱炭素都市の国際フォーラムを実施してございます。この中では、日本のゼロカーボンシティ、国・地方会議における議論、また都市間連携を共有するとともに、世界で脱炭素ドミノを広げていくということについても確認されております。登壇者といたしましては、15か国、28自治体及び関係機関が参画いただき、2,000人弱の方々が視聴してございます。

 次のスライドをお願いします。また、民間との連携ということで、昨年9月に環境インフラの海外展開プラットフォームを設立いたしまして、自治体、製造業、金融機関ほか様々な分野から現在345団体が参加いただいております。この中でセミナーや技術リストづくりというところを通じて、国際発信とともに案件形成支援をする予定でございます。

 次のスライドをお願いします。こちらは二国間クレジット制度、JCMでございますが、優れた脱炭素技術やエネルギーインフラ等の海外展開を通じまして、パートナー国のGHG排出削減を推進するスキームでございます。これにより生じたパートナー国での排出削減量は、クレジットとして両国において配分されるということで、日本の排出削減目標達成に活用できるスキームとなってございます。

 次のスライドをお願いします。具体的なJCMの案件例といたしまして、左側の下にございますが、こちらはベトナムの高効率変圧器の例でございます。この例のとおり、JCMの設備補助の結果を受けて、ビジネスベースでも実際の技術が普及してございます。このように、JCMプロジェクトだけでなく、その波及効果をもってパートナー国の排出削減への貢献を行っているとともに、脱炭素技術のマーケットづくりにも貢献してございます。

 これまで17か国約180件のプロジェクトを実施し、そのプロジェクト群による2030年度までのCO排出削減推計量は約1,800万トンと想定してございます。このJCMは、パリ協定6条2項に基づくスキームとして、具体の案件形成によりできたクレジット化、こういったプロセスが透明性、正確性が確保される形で行われてきております。こういった実績により国際ルールづくりにも貢献しているものでございます。COP26で6条の詳細ルールが議論される予定でございますが、JCM自体は合意はなくとも既に二国間の取組として成立してございます。ただ、6条ルールの合意があれば炭素市場の国際的なルールができ、JCMを含めた国際的な市場メカニズムの活用に対するさらなる追い風になると期待してございます。

 2030年の新目標を踏まえたJCMの位置づけとしては、地域的な展開等も視野に、官民連携をさらに強化、拡充して取り組み、その成果を我が国の2030年度目標に活用するということが適当ではないかと考えてございます。

 それでは、経済産業省のほうに移りたいと思います。

○長田室長  

 引き続きまして、経済産業省から御説明申し上げたいと思います。経済産業省地球環境連携室の室長をしております長田と申します。よろしくお願いいたします。

 経済産業省におきましても、JCMは海外に貢献する手段として大変重視しておりまして、特に経済産業省におきましては、技術課題を有する案件、技術性、実証性の高い案件を対象といたしまして、これはNEDOを通じた実証事業について支援する。これによりまして、我が国の低炭素技術を外に展開し、それによってクレジットを取得、また官民を通じた相手国の制度整備につなげていくということを目的に事業を行っております。

 今後の方針といたしまして、下のほうに書いてございますけれども、より大規模化をしたいということで、例えばCCUSをプロジェクトの対象とすべく調整を進めているところでございます。また、より民間事業の展開ということで、民間活力をさらに使っていく。また、ファイナンスの連携によってJCMをより広げていくという方向で検討しているところでございます。

 他方、下に図を描いてございますけれども、JCMの部分は図の一番左下のほうに黄色で描いてございます。これはこれで大規模化を目指していくということです。しかしながら、現状においても、JCMに関わらないところで見れば、官民による排出の削減ですとか、さらにその先には民間による削減ということで大きく広がっていっているというところがございます。特にこの真ん中の官民による排出削減部分につきましては、しっかりクレジットという形にこだわらない形で定量化し、日本の貢献としてアピールしていくことが日本のあり得る貢献として重要ではないかと行政として考えているところでございます。

 次のページをお願いいたします。その具体的な仕組みとしまして、当省のほうではCEFIAを推進しております。これはCleaner Energy Future Initiative for ASEANの略でございますけれども、ASEANにおける脱炭素化、低炭素化を支援する。3つの柱でこれを実施しておりまして、1つは先端技術の導入、それを支えるための政策・制度構築が2つ目、それからファイナンス。この3つをセットで進めることによって、アジア市場におけるイノベーションを通じた現実的なトランジションを進めていくものでございます。

 具体的にどのようにこれを進めるかということにつきましては、フラッグシップ・プロジェクトと我々呼んでおりますけれども、具体的な省エネ、再エネのプロジェクトを実施し、その中で、申し上げた技術の導入、制度構築支援、ファイナンスの連携というところを実現していく。特にASEANにつきましては、今年から2025年まで、APAECと呼ばれているASEANエネルギー協力行動計画を実施しておりまして、これの実施にCEFIAが貢献するというところを今後の目標として掲げております。

 また、ファイナンス面のところ、先ほど申し上げた3本柱の1つでございますけれども、これにつきましてはアジア開発銀行と先日覚書を締結しておりまして、この覚書に基づいて、CEFIAを通じてASEAN各国のプロジェクトに資金を流していくというところを実現していくものでございます。こういったことにより、日本のエネルギー安全保障の向上にも寄与するということでございます。

 右側のほうにフラッグシップ・プロジェクトということで、具体的に4つの例を書いておりますけれども、ZEB、ゼロエミッションビルディングですとか、工場におけるIoTを使ったエネマネ、また風力等を使った島国におけるマイクログリッド、ファイナンスの様々な取組というのを現在フラッグシップとして進めているところでございます。

 さらに詳細は参考につけてございますので、御関心あればぜひ御覧いただければ。

 私からは以上でございます。

○山地座長  

 以上で説明は終わりと考えてよろしいですか(「はい、以上です」の声あり)。ありがとうございました。

 それでは、今までの説明について、各委員から御質問、御意見等をいただきたいと思います。まず最初のラウンドは、今までやってきていますけれども、中環審と産構審の委員が交互に、それぞれ五十音順で御発言していただければと思います。今回は中環審側の委員の方から、中環審、産構審と交代で五十音順ということで御発言をお願いしたいと思います。途中で退席等で都合が悪いという場合には、チャット等で御連絡いただければ対応いたしますので、よろしくお願いいたします。時間が限られておりますので、御発言は3分以内を厳守してお願いいたします。

 ということで、まずは中環審側から石井委員、お願いいたします。

○石井委員  

 ありがとうございます。私からは2点申し上げたいと思います。

 まず、先週発表になりましたNDCの2030年目標ですけれども、やはり2050年ネットゼロと整合的な目標が出たということで、そのことは高い目標であると同時に、海外からも大変高く評価されていたと思うのですが、多分、既に御発表にもあったように、これから重要なのはそれの実効策をどれだけクレディブルなものを描いていけるかという点であろうと思います。その点から見ますと、ヨーロッパもアメリカも今回それなりに高い目標を出しておりますけれども、やはりその評価がちょっと分かれているところがあると思っておりまして、ヨーロッパはかなりのところ、法律的にも、制度・政策面でも、そしてそれに呼応するファイナンスの面でも非常にしっかりしたものをトータルパッケージで出してきて、かつ、その中にトータルシステムチェンジというか、需要面も含めたようなところまでカバーしている。それに対してアメリカのほうがまだやや技術革新頼みというところがあって、全体的に本当にそれで動いていくのかどうか、よく分からないという点が少し評価が分かれているように思います。

 その点、日本のほうについて言いますと、冒頭御紹介いただいた中西会長のメッセージにもありましたけれども、2030年46、あるいは50%の高みを目指してというところを本当にやっていくためには、やはりこれまでの技術の延長線上ではないということが重要なのだけれども、技術革新だけではない、やはりそれをきちんと担保する制度・政策、そして財政面でのトータルパッケージを真剣に考えていく必要があり、その中では、この場でも何度も議論しました需要サイドの転換等も重要になってくると思います。

 2点目は、国際協力の話で、菅総理がバイデンのクライメートサミットに行って3つの成果ということをおっしゃっていましたが、そのうちの3点目の国際協力、やはり特にインド太平洋における国際協力というのは非常に重要なポイントで、これが日本が海外で国際的にリーダーシップを発揮していくという点でも重要であろうと思います。

 特にこれから重要になってくるのは、今東南アジアが非常に大きく依存している石炭火力の発電をどうやって早期の撤退を目指し、それと同時にリニューアブルをどうやって加速化して入れていくかと、このトータルのパッケージ、アーリーリタイアメントとアーリーインストールメントをどうやって公的資金、特にADB等をはじめとするMDB、それからそれ以外の公的資金、そして民間資金を入れた形のブレンディッドファイナンスのスキームをつくって、こうした東南アジアの石炭火力からの撤退を早めにやっていけるかということが重要ではないか。ここに日本の国際的なリーダーシップ発揮の余地があると思っております。

 以上です。

○山地座長  

 ありがとうございました。それでは、産構審側の委員のほうに移りまして、伊藤委員、お願いいたします。

○伊藤委員  

 よろしくお願いいたします。目標値が非常に上がったということで、2030年までに46%削減するというようになると、私は中小企業も全体に取り組んでいかないといけないなと。細かいところも拾い上げて、全体でCOを削減していくということが必要になってくるかなと思うと、中小企業の取組というのはこれまでほとんど進んでいないというのが現実ではないかと思います。実際に私も中小企業の現場に行くことが多いのですけれども、何をしたらいいのか分からないと答えられる経営者の方が非常に多いということで、具体的にこういうものに対しては周知をしていくということも求められると同時に、コロナ禍で非常に疲弊しているという状況でもあるので、そういう中で削減を取り組むことでメリットが感じられる仕組みをつくるということも必要になってくるのではないかと思います。それは補助金なのか、また金融機関と連携して金融的な優遇があるとか、そのようなものを構築していく必要があるのではないかと思います。

 それから、海外の新興国、特にASEANとか途上国のほうにも活路を見いだそうとして進出している中小企業というのは非常に多いのですけれども、今コロナで大変ですが、これが落ち着けばまたその動きというのは増えてくるものと思われます。そこにCO削減の技術や取組を促進していくことで、JCMのクレジットになるような仕組みづくりというのも大事なのではないかなと。今、例えばNEDOを通じてそういう技術が承認されればJCMのクレジットになるということなのですけれども、実際に私が取材した中では、例えばJICAの中小企業海外展開支援事業などを取材したときには、現地のCO削減という課題でかなり貢献する事業を行っている企業も多いことを実感しております。

 例えばインドネシアのボルネオ島の泥炭地の毎年の森林火災です。これは本当に毎年起きていまして、そこのCO排出量は13億トン。日本の排出量をかなり上回るぐらいの排出量を出しているのですけれども、例えば森林火災がボルネオ島で起きる仕組みというのは、泥炭地の水位が下がってくると一気に燃え出すということで、その水位を管理すればいいのではないかということで、北海道のみどり工学という会社がその推移をIoTでしっかりと感知しながら警報を出せるような仕組みを現地で提供していたのです。本当にこのように細かく拾い上げていくと、私は中小企業でもCO削減に貢献している事業というのはかなりたくさんあると思いますので、そこをJCMのカウントにどんどん入れていけるような調査が必要ではないかと思います。森林火災は気候変動でこれからもどんどん増えていくと思いますので、この分野で新しい防げるような技術が確立できれば、かなり国際貢献にもなっていくのではないかとも思っております。

 以上です。

○山地座長  

 どうもありがとうございました。では、次、中環審側の江守委員、お願いいたします。

○江守委員  

 ありがとうございます。私からは、今日の話に入る前に、杉山委員から第1回以降繰り返し、御議論で異常気象は増えていないなどの御意見がありましたので、それへのコメントを前回の会合の追加資料として、それから今回の会合の参考資料1として提出させていただいております。これは気候科学の専門家としてはこういうコメントになりますということで、特に今回の資料は多くのほかの専門家にも手伝っていただきました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。

 時間がもったいないので中身は説明しませんけれども、御関心のある方は御覧いただければと思います。本日の内容ですけれども、あまり専門に近い話ではないので、大まかな考え方のみコメントさせていただきたいと思います。

 まず、新しいNDCに関して、2030年46%で、さらに50%を目指し挑戦ということで、報道等を見ておりますと、いろいろ積み上げができていないというような話が聞こえてきて、なかなか現状の見通せる範囲で、どこで何%減らすということを見込むことが難しい挑戦的な数字になっているのだろうと理解しています。

 そこで恐らく考えるべきことは、無理して数字合わせで、足りない分をどこに押し付けようというようなことを無理やり積み上げるということではなくて、より重要なのは恐らくこの10年で構造転換をどれぐらいできるかということが鍵なのではないかと個人的には理解しております。つまり、例えば地域分散エネルギー社会に社会構造を転換するとか、グリーンな産業とかグリーンな雇用に構造転換するとか、そういうことをやっていかなくてはいけない。

 よく10年先は近いので、今見通せる前提で積み上げをしましょう、30年先はイノベーションも含めて、もっと構造的な変化も考えましょうと言うかもしれないのですけれども、それを言っていると、では、10年先は積み上げで、10年たったらまたその10年先は積み上げでと言っていたら、いつまでたっても構造転換が真剣にできないので、この10年で大きな構造を変えるというつもりでこれは取り組んでいただいて、その結果として46%、さらには50%への挑戦というのがついてくると考えるべきではないかと思います。

 以上です。

○山地座長  

 どうもありがとうございました。それでは、また産構審側に戻りまして、井上委員、お願いいたします。

○井上委員  

 冒頭御報告いただきました、わが国の2030年度における温室効果ガス排出について、先日、菅総理が「2013年度比46%削減」という大変野心的な目標を示された。これは2050年カーボンニュートラル実現に向けて取り組む強い決意を国内外に示されたものと受け止めております。これまでの「26%削減」を大きく上回る新たな目標であり、既存技術をベースとし、わずか9年という短期間で達成することは容易でないと感じております。現存する脱・低炭素電源を最大限活用することが不可欠であります。また、エネルギーの供給側、需要側双方の幅広い分野において、排出削減に資する技術の実装を加速していくことが求められます。政府には、国・自治体・企業・国民が一体となり、かつ、各主体が自分事として捉え、対応が加速するよう、また民間による取組みを力強く促すインセンティブとなるよう、あらゆる施策を総動員するとともに、野心的目標の実現にふさわしく、諸外国に見劣りしない、大規模かつ積極的な財政支援を期待しております。併せて、今後、温暖化対策の増強に伴うコストの上昇を明確にお示しいただき、国民に理解を求めるとともに、公平な負担の在り方についても具体的に示していかなくては、協力が得られないと考えています。

 日本商工会議所としても、中小企業がこれまで以上に温暖化対策を自社の経営に取り入れていけるよう、各地商工会議所自身の環境アクションプラン策定の推進や省エネ対策に関する情報提供、COチェックシート活用による排出削減の見える化の推進など、一層支援を強化していきます。

 資料3―2―2の7ページで、「中小企業も含めた、業界内カバー率の引上げ」について提示していただいております。中小・小規模事業者は、地球温暖化対策に取り組まなければならないことは分かっていても、事業規模が小さいほど、新しい制度への参画や、新技術の導入に踏み切れない企業が多いのが現実です。ほかの事業者の動向や大企業からの要請などにより検討を始める中小・小規模事業者が少なくありません。また、一方的に大企業から報告書の提出を求められるケースもあり、反応やアドバイスなどが無いという声も届いています。初期段階から計画に参加することによるメリットの設定など、自主的参加のインセンティブとなるような仕掛けが必要ではないかと考えています。

 特に現在は、新型コロナウイルスの影響が続いている中、多くの中小企業は経営の立て直しを余儀なくされています。地方の商工会議所からも、「コロナ禍で経営が悪化している企業が多く、先行きも見通せず疲弊している事業者が多い」という声が届いています。また、緊急事態宣言が再度発出され、中小企業はさらに厳しい経営環境に置かれることが十分に予想されます。くれぐれもこうした地域の中小企業の現状を十分に勘案いただきたく存じます。

 また、資料3―3において、様々な方法・手段による地球温暖化対策について御説明いただき、大変興味深く拝聴いたしました。例えば、数が非常に多い高速道路等の道路照明のLED化の更なる推進や、近年増加している街中のデジタルサイネージの省エネ化などを徹底することで、相当程度の地球温暖化対策に有効ではないかと感じました。ぜひこの辺も御検討をお願いしたいと思います。

○山地座長  

 ありがとうございました。次は中環審側なのですけれども、あいうえお順でいうと大塚委員長ということになります。よろしくお願いします。

○大塚委員長  

 恐れ入ります。聞こえておりますでしょうか。

○山地座長  

 はい、大丈夫です。お願いします。

○大塚委員長  

 最初は全体的な話ですけれども、さっき江守委員がおっしゃったのは私もそのとおりだと思っておりまして、構造転換が必要だと思っています。ただ、計画としてはやはり積み上げをせざるを得ないと思いますので、それに関して一言だけまず申し上げさせていただきます。

 役所の方にお願いをたくさんしてしまうことになって恐縮なのですけれども、今回やはり計画を策定していく上で、46%削減に向けて、まず2030年については計画をつくっていくわけですけれども、どの対策を取ったときにどれだけのコストがかかってパフォーマンスがどうなのかということを大体でいいので出していただく必要があるのではないかと思っております。そうしないと、どうしても、闇雲にやってしまうと、財源は限られていますので、不十分なことになってしまうのではないかという感じがしています。

 それから、これは第5次環境基本計画にもある考え方になりますけれども、環境と経済の好循環という問題がございますので、その施策、対策によって社会経済的な影響、メリットが、国内雇用とかのことも含めてですけれども、どんな感じなのかというところもぜひ入れていただいて御検討いただくとありがたい。これはグリーン成長に今回の温暖化対策をつなげるということが国の方針としてございますので、その点からもこういう観点が必要ではないかと思っていまして、それに関しての全体の取りまとめを環境省さん、経済産業省さんがしてくださることになると思うのですけれども、その辺のチェックもぜひお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。

 それから、低炭素社会実行計画についてでございますけれども、ごく簡単に4点だけ申します。

 まず第1に、いろいろな要因がありますけれども、かなり減少の方向に向かっているということとか、既に2030年目標を達成されている業種が目標の深掘りもしていただいているところは高く評価したいと思います。先ほど来御議論がございましたように、カバー率を上げていくことが今後の課題ではないかと思います。

 さらに、フォローアップ検討会のワーキンググループ等でもお話しさせていただいたことがございますけれども、2050年カーボンニュートラル、さらに203046%削減に向けてロードマップを各企業さんがおつくりになってくださると大変ありがたいと考えています。そこでまた、海外に移転してしまって国内の雇用がなくなってしまってはあまり意味がないので、ロードマップ作成についても、その辺も踏まえた上で御検討いただけるとありがたいと思います。

 先ほど経済産業省さんからのコメントにもございましたけれども、いろいろな目標があるという点が問題だということは審議会等では20年前くらいから指摘があったところだと思いますが、そろそろ総量目標にまとまっていただくと大変ありがたいと思っております。

 3点目です。ほかのところでも御議論が出てきていると思いますけれども、2030年46%削減という野心的な目標が出てきていますので、産業界において再エネの導入を率先してやっていただきたいということがございまして、各社の再エネ導入量に関して目標を掲げてその取組に関してPDCAを回していただけるとありがたいと思っています。具体的には、御自身の社の人が屋根などに再エネに関してどういうポテンシャルがあるかということをしっかり把握していただいて、系統のほうはなかなか問題がまだ多少あると思いますので、自家消費型の太陽光をどんどん入れていく。それに関して、低炭素社会実行計画の中でも位置づけていただくということが大変大事ではないかと考えています。

 第4点でございます。低炭素社会実行計画をやはり自主的にやっていただいているということでございますが、現在、実行計画の対策を実施していただくインセンティブは算定・報告・公表制度で公表していただくとか、ESGのファイナンスとかJ―クレジットとかはありますけれども、これで十分なのかということはさらに検討が必要ではないかと思っています。カーボンプライシングは1つの方法だと思います。

 それから、JCMのほうで2つだけ申します。1つは、JCMの取組に関して、従来の経緯は承知しておりますけれども、日本の目標積み上げの基礎にそろそろしてもいいのではないかということを申し上げておきたいと思います。現在、これは目標積み上げの基礎にはなっていませんので、それをしていただいていいのではないかということを申し上げておきたいと思います。

 2つ目ですけれども、JCMの今後の進展に関しては、国内の企業さんにとってはこれを進めていくインセンティブは、さっきの算定・報告・公表制度とJ―クレジット、ESGぐらいしか多分ないということだと思います。もしカーボンプライシングが入れば、それもインセンティブになるかもしれません。相手国は御案内のように、京都議定書の頃と違って、自分のところのNDCを既に出しておられるわけですので、クレジットの配分に関して渋るということが当然出てくるわけでございまして、そういう中でJCMを進めていくためにはどのように考えていったらいいのかという根本的な問題があると思いますけれども、これについて環境省、経済産業省さんがどのようにお考えかということを教えていただきたいと思います。ありがとうございました。

○山地座長  

 どうもありがとうございました。では、また産構審側に戻りまして、小川委員、お願いいたします。

○小川委員  

 小川でございます。聞こえますでしょうか。

○山地座長   

 はい、大丈夫です。お願いいたします。

○小川委員  

 3点コメントさせていただきます。

 1点目は、政府及び経団連による低炭素社会実行計画のフォローアップについてでございます。官民それぞれでPDCAのサイクルを二重で回す仕組みが確立しているということが分かります。フォローアップされる企業、団体側にも様々な創意工夫があります。例えば鉄連では、エネルギーマネジメントを体系的に実施するために、国際規格であるISOの認証を受け、自らの活動の信頼性と透明性を高めるべく努力をしております。また、削減目標に対する進捗状況については、会員各社の社長の集まる会議で四半期に1回議論するなど、ガバナンスの面も強化しております。

 このように日本では強制力や罰則によらず、企業や団体が自主的に定め、宣言した目標に対して確実に実行し、フォローする仕組みが機能しております。このことは世界に誇るべきであると思います。必ずしも欧米流の制度を日本に適用することが唯一の解決策ではないと思います。今後も日本人の文化や価値観に根差した制度を維持しながら、内外に向けた情報発信に注力いただきたいと思います。

 次に、制度の強化に関した議論でありますが、目標が総量であったり、原単位であったり、基準年が違うと先ほどコメントがありましたが、各企業、団体に統一した取組や評価を求める声が上がっております。趣旨はよく理解でき、可能な限り配慮すべき事項であると思います。

 一方で、一つ一つ性格の異なるセクターが自らの活動に最もフィットする形で目標や計画を定め、実際に効果を上げているという点も忘れるべきではないと思います。評価する側にとっては簡単な作業ではないと思いますが、画一性を求めるよりも自主性を尊重することで実効性が高められることを重視すべきだと考えております。

 最後に、今後必要となる論点にセクター間の協力、協業の促進があると思います。カーボンリサイクルを例に取りますと、COを分離、精製するもの、メタンを合成するもの、それを化石燃料の代わりに原料として利用するもの。これらの企業や団体が協力することによって、サプライチェーン全体で大きな低炭素化が実現すると考えます。このような解決策は個別企業、業界だけの削減ノルマを定めるような画一的な評価に縛られていては実現できません。地球環境の問題を考えるときは、システム全体として捉えた排出量削減の価値評価が必要になると考えます。こうした革新的な低炭素技術は脱炭素技術の開発、普及の実現までの過渡期に極めて重要な役割を果たすと思います。何が何でもゼロカーボンでなければ認めないという考え方では、効果が得られるタイミングが遅れてしまいます。2050年のカーボンニュートラルが実現するまでの期間に発生し、蓄積するCOの総量を削減することも重要であると考えます。このために効果の大きな低炭素技術を社会全体で協力して早期に実現することが大切であると思います。

 先日、総理より新たな目標が提示されました。極めて野心的なものでありますが、これを実現するためにも、分野ごとに具体的な検討を積み上げることで、これまでどおりの実効性のある削減計画を構築する必要があると思います。

 以上でございます。

○山地座長  

 どうもありがとうございました。では、中環審委員側に戻りまして、小西委員、お願いいたします。

○小西委員  

 小西です。よろしくお願いいたします。

 菅総理から46%減を目指して、さらに50%の高みを目指すと発表されたことは、本当に政治のリーダーシップだと思っております。と同時に、これまでの地球温暖化対策というのは日本において26%を前提としてきましたので、46、これより少なくとも今までより70%増。その高みを目指して、これは計画をやはり見直していくことになるのだと思っております。中でも日本の温暖化対策というのは本当にエネルギー起源COが9割を占めますので、エネルギー次第です。ですので、エネルギーミックス、例えば既に大量導入小委とかでもうある程度の数字が再エネとかも出されていると理解しているのですけれども、こういったものもやはりまた見直していく必要があるのだと思っております。

 ということで、今後9年間で少なくとも46%削減するには、特に重要なエネミックスなどは広く意見を募るべきだと思いますので、まさに2030年の温暖化対策を話し合うこちらの合同部会でも少なくとも御報告いただいて、意見交換の場を設けてほしいと思っております。このことは今後のプロセスについてですが、事務局の見解をお伺いしたいと思っております。

 2つ目として、低炭素社会実行計画。まさにフェーズⅡで2030年の目標を62業種中26業種が既に達成されていると。真摯な御努力に敬意を払うと同時に、やはり明らかに対策強化の余地があることも示していると感じられます。ですので、まさに203046%、さらに50%という明確な目標ができました今、それにふさわしい目標とプロセスの総取替えのようなことが必要だと思っております。今、本当にコロナ禍もあって環境が変わっておりますので、この機にグリーンリカバリーとして全体の実行計画そのものを大胆に刷新することを期待しております。このことについても経団連様の御見解を伺えればと思っております。

 もう1つ環境省さんに、JCMなのですけれども、これは2030年目標に適切にカウントとなっているのです。今、累積排出量では5,000万トンから1億トンということなのですが、どのように適切にカウントされるのかという御見解があればお聞きしたいと思います。

 最後に一言だけ。前回の議論からずっと聞いておりまして、江守委員、杉山委員が出された資料も読ませていただきました。私は気候モデルは全然専門外なのですが、IPCCのこれまでの政策決定者向けの会議も全て出席しておりまして、一番印象に残っているのが、やはりそれぞれの研究機関が独自に個別に研究した成果が同じだったらば、やはり科学的な確信度が高い。確信度が高いものを集めて、それに基づいてパリ協定が合意されているとすると、日本の政府の審議会ですから、やはり確信度の高い科学的エビデンスに基づいて議論をしていきたいと思っております。その点からは、江守委員の出された資料は非常に参考になりますので、そのことについても一言申し上げたいと思っております。

 以上です。

○山地座長  

 ありがとうございました。では、次は産構審側、杉山委員、お願いいたします。

○杉山委員  

 聞こえますでしょうか。

○山地座長  

 はい、大丈夫です。お願いします。

○杉山委員  

 事前に参考資料2として提出させていただいていますので、これに沿ってお話をいたします。

 まず、2030年の数値目標についてですが、気候サミットで日本は46%を目指すとしたのですが、これは現時点での努力目標と理解すべきです。大事なのは具体的な政策で、これについては、エネルギー安全保障と経済について考慮しつつ、一つ一つ妥当性を検討すべき。その結果の積算はすぐに46%になるとは思えません。ただ、帳尻を合わせることを性急に目指すべきではなく、手堅く検討を積み重ねるべきです。米国は議会の反対で大幅なCO削減はできません。中国はCOを大幅に増大させます。かかる現実に照らし、日本は強引に46%を目指すべきではない。

 それから、2、温暖化対策に係る費用について、政府は明確にするべきだ。再エネ全量買取り制度の実績を参考にすると、1%のCOの削減のために毎年1兆円程度の費用がかかっています。26から46%まで深掘りするとなると、その差は20%である。単純に計算しても、追加で毎年20兆円の費用がかかることになる。人口1億人とすれば、追加で毎年1人20万円、4人家族世帯では80万円となります。莫大な負担になります。どの程度の費用がかかるのか、政府は明確にして国民に示すべきです。

 3、政策のカーボンプライシングを実施すべきである。温暖化対策の費用の高騰を防ぐための制度設計として、一定の炭素価格を設定し、それに基づいて具体的な政策一つ一つの費用対効果を分析して、政策を合理化する指針にすべきです。2017年の地球温暖化対策プラットフォーム報告書では、日本の温暖化対策費用は既に1トン当たり4,000円を超えていて、以下を提案します。炭素価格を1トン当たり例えば4,000円と設定する。政策は全てこの炭素価格を用いて費用対効果を分析し、それを参考として、安全保障なども考慮しつつ政策実施の可否を決める。

 4、今回の政府資料について。産業部門のCOが減少しているが、要因分解を見ると経済活動の低下が主な要因となっている。産業の空洞化が起きていることを重く受け止めるべきである。温暖化対策によってこれが加速化しないようにする必要がある。

 交通流の改善によるCO削減は、技術進歩を活用した経済と環境を両立した取組として、よい例になっている。ただ、これではよく内容が分からないので、コストなどを含め、より詳しい情報提供を望みます。

 最後、その他の事項。以下については時間の都合で詳細はこの後の添付資料に譲りますが、結論だけ述べます。

 1、気候危機説は科学的根拠が乏しいので精査すべきです。台風などの災害の激甚化など起きていないことは統計で確認できますし、将来予測は不確かです。

 2、中国の太陽光発電パネルは人権侵害との関係が疑われています。日本も調査すべきです。

 3、日本はEU、米国と比べてゼロエミッション電源が不足しているわけではありません。性急な再エネ大量導入をすべきではない。

 4、中国は今後5か年で日本の年間排出量に匹敵する12億トンの排出を増加させる計画である。COは中国の問題である。

 5、米欧と日本が海外の化石燃料事業から撤退すれば、それは中国の事業展開に好機を与えることになる。

 6、米国は議会の支持が得られないため、大幅な温室効果ガス削減はできない。日本ははしごを外されることになる。

 7、日本の石炭消費は世界のわずか3%にすぎず、その削減は意味が乏しい。日本は石炭消費を減らすのではなく、クリーンコール技術で世界に貢献すべきである。

 8、中国は日本の全石炭火力設備容量を上回る石炭火力設備容量を毎年建設している。日本の石炭火力発電量を減らすことには意味が乏しい。

 以上です。最後に、江守委員からの資料ですけれども、まだ今日見たところですので、これから検討します。

 以上です。ありがとうございました。

○山地座長  

 ありがとうございました。次は中環審側、下田委員、お願いいたします。

○下田委員  

 下田です。よろしくお願いします。

 3点申し上げたいと思いますが、まず、2030年の目標が出たという話です。2030年と2050年の両方を見た対策が重要だと思っております。住宅とか建築の省エネルギー化というのはリードタイムが長いため、2030年時点での効果がそんなに大きくないのですけれども、2050年には非常に重要な政策になってまいります。逆に即効性のある対策ですと、先ほどの構造転換等も含めた、2050年に向けてそれが伸びていくような対策の設計が大事だと思います。

 2点目ですけれども、どんな野心的な目標も、それを達成するための手だてがなければ意味がないと思っております。5年前に現行の地球温暖化対策計画を審議した際にも申し上げたのですけれども、温室効果ガスの排出主体を適切な大きさにセグメント化してマネジメントする体制が大事だと思っています。経団連の低炭素社会実行計画では、業界ごとのセグメント化を行って、小さなセグメントの中で目標を立てて、技術やコストなどの情報を共有し、計画を実行していく個々のマネジメント対策があるからこそ効果を上げることができて、技術が生まれ、さらにそれが海外へ貢献できていると考えています。

 資料にもありますように、中小企業や業務部門、運輸部門でのカバー率は低いということで、また家庭部門も、従業員の家庭への取組まで広げていただいている産業もありますけれども、本来は地方自治体等でやるべきではないかと思っております。

 私は、地方自治体とか地方の経済団体などへもこのようなマネジメントの枠組みを使って温室効果ガスの排出削減に取り組む、そのための人材育成を行うこと、これらが大事だと思っておりますけれども、もしコメントいただけるようでしたらいただきたいと思います。

 それから、国際協力の分野で東京の例も出ておりましたけれども、もともと日本の先進的なまちづくりでは産業界の貢献が大きいということもありますので、都市間連携事業において、官民連携で日本の技術を積極的に提案しているような実態があるのかどうかも教えていただきたいと思います。

 以上です。ありがとうございました。

○山地座長  

 どうもありがとうございました。次は中環審、産構審両方の委員を務めている髙村委員なのですが、さっきチャットボックスで髙村委員は中座されて3時ごろ戻ってくるということで、きっと多分今いらっしゃらないのですよね。ということで、少し後で御発言いただくことにして、先へ進めたいと思います。次は中環審側で増井委員、お願いいたします。

○増井委員  

 増井です。聞こえておりますでしょうか。

○山地座長  

 はい、大丈夫です。お願いします。

○増井委員   

 どうもありがとうございます。それでは、まず、資料3のほうなのですけれども、46%削減ということで目標が大幅に引き上げられました。既に議論になっておりますけれども、部門別の取組、あるいは部門別でどの程度排出削減目標を設定するのか、その辺りは今後の議論になるのかもしれないですけれども、この点もぜひこの委員会で提示していただければと思います。特に目標、CO削減というのは、企業、地方、国、国民、全ての主体に関わる問題でもありますので、ぜひその辺りを周知していただくことが必要かなと思っております。

 また、2030年という9年後の目標ではあるのですけれども、2050年の脱炭素化に向けてどう展開していくのか、中間年、途中の断面としてどういう状態にあるべきなのかといったことについても改めて検討することが必要ではないかと思います。それが1点目です。

 2点目が資料4の経団連の低炭素社会実行計画についてなのですけれども、まず、今回2030年の目標が更新されたということで、この新しい目標に対して今後どのように目標を変えていかれるのか。特にフェーズⅡにおいてどのように今後展開されていくのかというところについて予定がございましたら、教えていただければと思います。特に発電部門というのは全ての部門の活動に関わる非常に重要な部門ですので、その発電部門について、特にゼロ排出に向けてきちんと整合しているのかどうか、この辺りも情報提供をお願いしたいと思っております。

 あと、今回は経団連の低炭素社会実行計画ということではあるのですけれども、中小企業等でも範囲が広がっているというお話がありました。より具体的に、経団連以外の企業についてどのようにバウンダリーを広げていくのか、その辺りも具体的な計画等ありましたらお聞かせいただければと思います。

 以上です。どうもありがとうございました。

○山地座長  

 どうもありがとうございました。では、次は産構審側、竹ヶ原委員、お願いいたします。

○竹ヶ原委員  

 ありがとうございます。聞こえていますでしょうか。

○山地座長  

 はい、大丈夫です。お願いします。

○竹ヶ原委員  

 ありがとうございます。低炭素社会実現のフォローアップに関連して3点ほどコメントさせていただきます。

 まず、自主的取組の好事例として、TCFDコンソーシアムという活動について情報共有させてください。この活動が契機になって、賛同企業数が大幅に増加し、現在、賛同者数では日本が世界をリードしています。日本の特徴として、他国が金融機関中心の参加なのに対し、産業界の参加が非常に多い点が指摘されています。この結果、産業界で行われているシナリオ分析に基づく移行リスク、物理リスクの計測やカーボンプライシングの分析などの情報が、金融界にも共有される展開になっています。この辺は、任意開示のフレームワークに関する自主的な取組の共有という点の成果なのでは、と感じています。

 こうした自主的な取組の良さを前提としての話ですが、資料を拝見して、COの増減要因を分析している経団連の資料の6ページで、気になったのが、③の省エネ努力のところが業務部門を除いて、むしろ増加に転じてしまっているというところです。2030年の削減目標が46%に引き上げられたことを踏まえて、トランジションを進めていこうとすると、非連続と言われているイノベーションではなく、まず取り掛かるのが、今すぐやれる省エネ努力の徹底になると思うのですが、資料によれば、この部分の足腰が少し弱くなっているのでしょうか。そうだとすると、産業界のトランジションフェーズをきちんとファイナンスでどうサポートしようという議論をしている私共金融にとっても、この部分を産業界としてどう強化しようとされるかが大きな関心事項になります。先ほど、増井委員がおっしゃったお話と全くかぶるのですが、フェーズⅡの目標水準というのが今回のNDCの改定を受けて強化される方向にあるのかどうか、もしお時間があれば後ほどコメントをいただければと思います。これが1点目でございます。

 2点目は、企業あるいは産業単位でネットゼロをどう考えるかという話にも関わってくるのですけれども、連携の効果というか、貢献量をどう扱うのかがすごく重要な気がしています。というのは、サイエンスベーストターゲットの認定ではこの貢献量が排除されてしまっているので、今、個別の企業では、科学的に裏付けられたネットゼロ戦略を貢献量ないで検討しなければならないのか、というお悩みがあるやに聞いています。この問題は、特に素材産業の戦略を論じる上で非常に重要な意味を持つと思うのですが、この辺をどう位置づけるかについて、経団連さんとして何か方向性があるのかどうかをお聞かせいただければと思います。これが2点目です。

 3点目は、経産省の御説明であった業界内カバー率の話です。中小企業をどう巻き込んでいくかということを資料に記載いただいていますが、この部分は、幅広いサステナブル・ファイナンスの中でも、特に間接金融、中でも地域の金融機関がカバーする領域の話になってきます。そこで、サステナブル・ファイナンスをESG投資だけではなくて、地域における、いわゆるESG金融のほう、間接金融にどうビルトインして、融資の世界からどうインセンティブをつけていくかという議論も必要な気がします。この場で議論すべきテーマではないのかもしれませんが、地域の金融界の巻き込みについては並行して、いろいろな議論が別途なされておりますので、場合によってはこの場でそういった情報もシェアしていただきながら議論できれば、と考えています。最後はコメントです。どうもありがとうございました。

 以上です。

○山地座長  

 ありがとうございました。では、次は中環審側、三宅委員、お願いいたします。

○三宅委員  

 ありがとうございます。私からは、低炭素社会実行計画の位置づけと今後の数値の在り方にコメントさせていただきたいと思います。

 ここまでの事業者による自主取組とそのフォローアップ体制に対しては理解いたしましたが、今回の46%削減という新たなステージの目標に照らし合わせて今後の進め方を見直すべきだと思っております。まず、産業ごとの目標が、今度の新たな2030年目標に即したものにアップデートされた上で、それぞれが整合性のある数値なのかという評価をしなければならないと思っています。

 多くの委員から原単位だとか統一されていないという御指摘がありましたけれども、それに加えて、やはり2030年の46%は高いですけれども、それに向けて、どこまでどう整合性があるのかということは、やはりある程度客観的に見たいと思っております。それがどこでされるのかということはちょっとお聞きしたいです。

 それから、これまでは最大限可能な範囲というレベルだったと思うのですけれども、それでは46%は達成できないので、今回はできたらやるというような努力目標という位置づけではないと思っています。世界の温暖化危機を回避するためというものもあるのですけれども、それだけではなくて、日本の10年後、20年後の日本の企業の競争力のために必要だと、今やらなければならないと思っています。これまでも多くの委員の方が指摘されていると思いますけれども、グローバルサプライチェーンの中で重要なポジションを日本企業が維持していくために、そしてそのためのイノベーションを促進するためにも、これは必要だと思っております。

 そういう位置づけを前提として見たときに重要となってくるのが資料4―2―2の7ページにもありますし、今までもほかの委員の方々もおっしゃっていただいておりますが、中小企業も含めた業界内のカバー率の引上げの点だと思っております。当社は流通サービスワーキングに属しているので、ワーキングの資料等も拝見しに行って確認をしたのですけれども、現状のカバー率では業界の状況をきちんと表しているとは言い難いですし、個社の努力をより促す仕組みにもなっていないと感じております。

 御承知のとおり、同じ業界内でもいわゆる先行企業がありまして、ここで示されている業界の目標値を大きく上回る個社目標を出されたりもしています。そのほかの業界、中小企業との差が大きくなっているというような現状もあります。そもそも業界ごとの事情が違うことを踏まえて今のくくりになっているというのは理解しているのですけれども、このような業界別のくくりが本当に有効なのかというのはちょっと疑問に思いました。

 冒頭で申し上げましたとおり、私は今回の野心的な目標をうまく利用もしくは活用して、日本企業の競争力を高めることが真の目的だと思っています。そのためには業界横並びの平均値を追いかけるというようなフォローアップではなく、例えばサプライチェーンやバリューチェーン単位のような産業構造の改革につながるような形でのフォローアップ。先ほど小川委員からもセクター間の協力という言葉が出たと思います。そういったものを促すような仕組みが今後、この高い46%の目標を達成するには必要なのではないかと感じております。

 以上です。

○山地座長  

 ありがとうございました。それでは、産構審側に戻りまして、長谷川委員、お願いいたします。

○長谷川委員  

 長谷川でございます。御指名いただきましてありがとうございます。

 まず大きく、政府の取組みか、経団連の取組みかという問題はあるのですけれども、低炭素社会実行計画について御指摘をいただいていますので、それをお答えしたいと思います。大塚先生、下田先生、小西先生から評価いただきまして、大変ありがたいと思っております。御質問のカバー率の問題については、政府と共に経団連とても前向きに取り組んでまいりたいと思っているところです。

 何人かの委員の先生から46%という今度の目標を踏まえた見直し、あるいはロードマップの検討という御指摘をいただいております。これにつきましては、そもそも46%と低炭素社会実行計画の関係がどうなのかというのは、まだ整理がついていないところであり、今後の課題です。

 いずれにせよ、我々経団連としては、少なくともエネルギーの需要側において、BAT(ベスト・アベイラブル・テクノロジー)の最大限の導入を図りつつ、経済活動量をどのように見通すかということに尽きると考えておりますので、この部分については引き続き、一生懸命取り組んでまいりたいと思っております。一方、御指摘をいただいている、エネルギーの供給側の脱炭素化につきまして、最も重要なのは、今既に確立したゼロエミッション電源である原子力を、しっかり政府のリーダーシップの下で動かしていただくことが極めて重要だと思っております。

 再生可能エネルギーにつきましては、産業競争力の強化に資する形で導入を進めていくべきだと考えているところです。そういった方向で施策を進めていただけるように、ぜひお願いしたいと思っております。

 海外、あるいはサプライチェーンの貢献にどのように取り組んでいくのかというのが竹ヶ原委員からの御指摘だと思います。これについては我々としてもしっかり取り組んでいくことが重要だと思っていますが、その際、定量化をどのように進めるかについてで、そのための努力が先ほど経済産業省あるいは環境省から御説明があったJCM等の取組だと理解しているところです。

 総理のスピーチや、資料3で梶川室長から御説明があった今後の進め方と今後の政策とも、若干かぶるところもございますけれども、申し上げます。総理のスピーチでは「経済と環境の好循環」という視点として上げられていると思っております。今出されている資料のほうでは上の青の囲みところ「野心的な削減目標に向けて」のみならず、「経済と環境の好循環」という視点についても、今後資料に必ず入れていただくとともに、そういった視点を踏まえながら、軸の一つとして検討していただくことをお願いしたいと思います。

 具体的な政策につきましては、先ほど私が御説明申し上げました資料の最後の中西会長のコメントにある通りですが、とりわけ先ほど申し上げましたように、原子力はしっかり取り組んでいただきたいと考えております。

 BAT、すなわち利用可能な最良の技術の最大限導入に、経済界は取り組んでいくと申し上げましたけれども、その導入支援、あるいは、業種によっては燃料転換というようなこともあるかもしれませんが、しっかり政府のほうでも支援をいただいて、利用可能な技術をより利用しやすい形にしていただくことも、ぜひお願いしたいと思います。この点、繰り返しになりますけれども、目標の野心度に応じた政策的な支援というのをぜひお願いできればと思います。

 あと、民生部門にも経済界は低炭素・脱炭素型の製品等を供給していますけれども、住宅建築物、あるいは運輸といった分野でも、そういった支援をお願いできればと考えております。

 以上でございます。

○山地座長  

 ありがとうございました。では、次、中環審側、山口委員、お願いいたします。

○山口委員  

 よろしくお願いします。私の声は聞こえていますでしょうか。

○山地座長  

 はい、大丈夫です。お願いします。

○山口委員  

 よろしくお願いいたします。まず、今回出されました温室効果ガス2030年46%削減という目標は率直に評価したいと思うのですが、やはり鍵を握るのは再生可能エネルギーの最大限の導入とその具体的な道筋だと思います。経済界にも、先ほど御説明がありました低炭素社会実行計画に基づいて、再エネ導入のより高い目標に意欲的に取り組んでいただきたいと思うのです。

 まず、今すぐできることとして、先ほど大塚委員長からもありましたけれども、建物の屋根や敷地など、空いているスペースを活用した太陽光発電の自家消費モデルの普及が挙げられると思います。例えば第三者所有モデル、いわゆる初期費用ゼロ円モデルを利用すれば、無料で屋根に太陽光パネルを設置してもらい、メンテナンス料金も無料、電気代も同等か安くなると言われています。こうした自家消費型の普及はフィットへの依存を減らすことができますし、災害時には利用できる分散電源にもなります。

 そして、太陽光発電の技術革新も急速に進んでいます。NTTアドバンステクノロジは、無色透明な発電するガラスを年内に商品化して発売しようとしています。発電効率はまだ低いのですが、窓や壁など、設置できる面積が格段に広がるわけです。それから、東芝では、2025年の実用化を目標に、非常に薄くて軽量で、折り曲げ可能なペロブスカイト太陽電池の開発を進めています。ビルの壁面はもちろんのこと、曲面を描くような屋根だったり、それから古い住宅の屋根などにも取り付けられるため、仮に結晶シリコン太陽電池並みの変換効率が実現できれば、都市部でも原発10基分以上の発電ができる可能性があるということなのです。こうした技術開発のスピードアップを含めて、政府の支援が大切だと思います。

 ちなみに、洋上風力では2030年までに1,000万キロワット、つまり原発10基分という目標が立てられました。それから、世界3位の埋蔵量がある地熱発電の開発など、もちろん環境に配慮した上で、再エネ拡大の着実な履行が望まれます。

 それから、バイオ燃料なのですけれども、先日、経団連審議員会副委員長でもあるユーグレナの出雲社長に取材をしました。ミドリムシ由来のバイオジェット燃料が完成して、年内にもフライトに利用される予定だということなのです。ミドリムシというのはCOを吸収しながら大量培養でき、飛行機や自動車の燃料にもなります。まさに循環型社会の実現につながるということが言えると思うのです。もちろん現状ではコストの問題があるわけですが、大量導入されることでコストの低下も期待されます。

 そして、2025年にはいわゆるミレニアル世代以降が日本の労働力人口の過半数を占めるようになります。これを分岐点にして社会の価値観も大きく変わって、持続可能な循環型社会への移行が進むのではないかと、ユーグレナの出雲社長は指摘していました。未来を見据えて、ぜひ再エネを軸とした循環型経済への進化を経済界でも進めていただきたいと思います。

 最後に、江守委員が出されました資料は大変勉強になりました。どうもありがとうございました。

○山地座長  

 ありがとうございました。では、次は産構審側、山下委員です。よろしくお願いします。

○山下委員  

 山下です。聞こえますでしょうか。

○山地座長  

 はい、大丈夫です。お願いします。

○山下委員  

 ありがとうございます。今回、菅総理は2030年に温室効果ガスを2013年比46%削減という従来の削減目標に7割という大きな上積みをする宣言をされました。前回、このワーキンググループで報告を受けましたように、現状の26%削減目標にまだまだ届かないと見込まれる分野・対策があり、吸収源対策も遅れています。2030年まで10年を切っている中、いずれの分野でも、これまでの考え方を切り替えて、数字合わせをするのではなく、あるいはなぜできないかを説明するだけではなく、技術革新や新たなビジネスや産業創出を含めた、より積極的な検討が必要だと考えます。

 経団連の低炭素社会実行計画の2019年度実績についてフォローアップをしたところですけれども、既に現行の2030年目標を大幅に超過して達成している業界については、さらなる削減目標の積み増しについて早期の検討をお願いしたいと思います。

 また、業務部門を中心とした対策の遅れが見られる部門では、中小企業事業者への対象拡大を含む対策強化を検討するとの御説明でしたが、コロナ禍で経営そのものに大きな課題を抱える事業者も多いと思われますので、リスクに強い、活力のある、中小規模事業の変革に特化した独自のグリーン成長戦略のようなものを検討する必要があると考えます。2050年のカーボンニュートラル目標に向けては、革新的な技術の実用化と普及に向けたコスト削減が必要とされておりますので、研究開発に限定されない、政府の資金的、政策的支援も必要です。

 また、業務部門は、消費者の理解と協調が必要かと思います。コスト高になるのであれば、そのコストを受容できる納得感が必要ですし、既に小売では一部実験的な取組をされているようですけれども、リサイクルやアップサイクルによる資源節約、必要なものを必要な量だけ消費するといった行動変容を伴うライフスタイルの変革について、消費者と共に考えて実行に移すような新たな考え方、仕組み、ビジネスの創出が必要でしょう。特に若者の参画が重要だと考えます。考え方が柔軟で、新しい技術やトレンドに敏感な若者たちと世の中やマーケットを動かすことで、事業者の排出削減を加速化することが必要です。これまでのやり方では現行の目標達成ができない上に、46%まで引き上げられた新しい削減目標への対応が困難になってしまうかと思います。

 最後に、国際協力について。第2回のこのワーキングでファイナンス分野の御紹介がありましたクライメート・トランジション・ファイナンスの考え方に沿って、アジアを中心とした新興国や途上国のエネルギー変革やトランジションを支援するプロジェクトを官民で連携して推進していただきたいと思います。脱炭素化は世界全体で達成することが基本です。途上国や新興国を取り残してしまっては目的が達成されません。JCMではCCSへの言及もありましたが、国、地方あるいは企業における省エネや再エネの推進に加えて、化石燃料の脱炭素化が必要です。移行過程でどうしても排出されてしまう二酸化炭素を隔離できるサイトを支援するプロジェクトはエネルギー変革に向けて極めて重要だと考えます。また、官民の取組から民間主導のビジネスベースへ移行するに当たり、相手国の持続可能性、環境以外のSDGs達成に寄与するような、いわゆるマルチベネフィットを目指すことで、結果として脱炭素化も実現するような事業の創出をして、取組を加速化することも大切だと考えます。

 以上でございます。ありがとうございました。

○山地座長  

 ありがとうございました。では、中環審側、吉高委員、お願いいたします。

○吉高委員  

 吉高です。聞こえておりますでしょうか。

○山地座長  

 はい、聞こえております。お願いします。

○吉高委員  

 ありがとうございます。まず、低炭素社会実行計画について、フォローアップが確実に実施されていって、深掘りをされていることを評価いたします。経団連様の資料の中で新しいイノベーションの創出が鍵で、政府と連携してとあるのですけれども、2兆円ファンドはNEDOで活用されることになりますが、限定もされています。NEDOが石油代替エネルギー開発のために創設されたのが1980年。その後、相当の技術が生まれたのですが、経験値として全く新しいものの創出というのはどういうことなのか。特にトランジション・ファイナンスの観点から、そういったものに向かう資金をどう考えているのかをぜひ教えていただければと思います。

 それから、経産省様で原単位についての言及があったのですけれども、GPIFが採用しているカーボン・エフィシェント指数のように、投資家が評価する際には炭素効率で見る傾向があります。これについて今のお考えと何か齟齬があるのか。また総量目標、統一化というお話もあったかと思いますが、業界区分というのが、2030年、2050年と変わる可能性もあると思います。それを踏まえての統一化の必要性について、どうお考えなのか教えていただければと思います。

 警察庁様のこういった御努力は初めて知りまして、大変勉強になりました。今後新たなモビリティシステムにおいても様々な考え方があると思うので、もし新しいことがあれば教えていただければと思います。

 あと、国際協力とJCMについてなのです。これまでのJCMの制度は国内補助金制度と変わらないので規模が拡大されない。6条2項に照らし合わせて使うとすると、どのようにスケールアップさせていくのか、それのロードマップなどがあるのか。また、例えばカーボンリサイクルなど国際間をまたぐエネルギーの削減については、吸収源も含めて新たな考え方が必要かと思うのですが、これについての御認識を教えていただければと思います。

 さらに、CEFIAですが、各国の反応状況を教えていただきたいのと、ファイナンス面でこれまで様々に温室効果ガス削減技術移転に関して考えられ作られてきたのですけれども、さほど進んでいないと認識しています。新たなファイナンス面での考え方があるのであれば教えていただきたいと思います。

 最後に、2030年に向けた目標は大変インパクトもありましたし、市場にもシグナルになったと思います。この委員会で今後、2030年及び2050年のあるべき姿、それぞれからバックキャスティングしたロードマップを作成していくことになろうかと思うのです。ですので、このロードマップは大変期待したいと思います。

 そして、途上国支援です。先ほど石井委員もおっしゃっていましたけれども、このたびのインド太平洋諸国への日米の脱炭素移行への支援ということは私も大変期待したいです。今日御発表になった国際協力との関係ではどういったフレームワークになっていくのか、もし分かるようでしたらお伺いしたいと思います。

○山地座長  

 どうもありがとうございました。この発言順のルールでいくと、最後は私、山地なのですけれども、本日は皆さんから様々、しかも多様な意見をいただいて、私から特に付け加えるということはないですが、ちょっと委員の一人として発言させていただくと、まず、46%の削減です。2030年のNDC目標というのは、まさにこの合同会合で検討する温暖化対策計画の深掘りの姿として出てくるものを提示的な目標として与えられたという印象を私は持っています。その上でですけれども、資料3でしたか、簡単な資料、事務局の別紙のほうに表があって、46%減で単に7億6,000万トン、CO換算と書いてあるのですけれども、これは今までのようにやはり内訳を示すということを我々の合同会合の中で議論していくと考えてよろしいのですよねということの確認の質問です。

 もう1つは、これも何人かの方がおっしゃいましたけれども、我が国の温室効果ガスの排出量というのは世界全体で言えば3%なわけです。そういう意味では、国際的に貢献するということのほうが同じように非常に重要なことになってきます。サプライチェーンの話もありますけれども、やはりカウントできるという意味ではJCMがあるわけで、そのJCMをやはり削減努力目標の中にカウントできるように持っていっていただきたいし、そういう制度にもし万が一ならなくても、やはりカウントの中に並べて書いてほしいと思います。その点では、まだ累積で幾らという段階ですけれども、2030年という断面でどれぐらいを考えるのかという目標を、JCMで稼ぐマイナスのポイントの目標などを示されることもいいのではないかと思うのですが、どうお考えか。私からの個人的な発言としては以上にしたいと思っております。

 それで、先ほど申し上げた髙村委員は3時とおっしゃったけれども、まだお帰りではないのですか。チャットボックスには何も表示されていないので、多分お戻りではないですね(「まだお戻りではないと思います。すみません」の声あり)。今までの委員の御質問も御意見もありましたが、では、まずは事務局とかプレゼンいただいた方からの回答という形でお願いしたいと思います。各分野それぞれ最大5分程度でお願いしたいと思います。まず最初に、低炭素社会実行計画について、経団連さんと経済産業省さんから御回答いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○梶川室長  

 経済産業省です。先ほど長谷川委員からコメント中にいろいろと返答があったと思いますので、経済産業省からも御回答申し上げたいと思います。

 低炭素社会実行計画に関しては、カバー率の話について意見がありました。資料4―2―2の7ページ目に各部門のカバー率を上げております。これは御案内のとおり、比較的大きな企業の業界団体を中心にかなり数字が上がる感じになっていまして、産業・エネルギー転換部門は85%。足りない部分は、中小企業も含めたところです。ここの部分をどうのようにカバーしていくかというのは長年の課題でして、幾つか手法はあると思っています。各業界団体からかなり小まめにアウトリーチのための説明会をやっていただいたりとか、そういうこともやりながら地道に幅を広げていくということです。

 金融との関係性なども竹ヶ原委員からもありましたけれども、地銀などとうまく連携しながら、中小企業の削減にコミットできるような体制をつくっていくというのも大事かなと思います。この辺りは業界独自の中の裾野を広げる取組と、少し金融の世界からもこういった活動をうまくサポートするということも大事かなと思っております。

 井上委員からも、商工会議所でも温暖化に対する様々な取組のツールを提供いただいていますので、この辺りをそれぞれが個別にやるのではなくて、有機的につなげながら、中小企業も含めて取り組めることを推進していくのが大事かなと思っています。引き続きこれからフェーズⅡの議論が経団連さんでもありますので、より有効なものを検討していきたいと思います。

 さらなる実効力強化に向けた論点例の中の6ページ目、2030年度と政府の目標との整合性に関してです。この審議会は4月22日の議論をまず想定せずにアジェンダセッティングされていますので、まだ経団連さんのほうもこの新しく出た目標と低炭素社会実行計画フェーズⅡの目標について検討が進んでいるところではないと思います。その中で、一昨年度と昨年度で、フォローアップの会合を経済産業省が産構審で業種別ワーキングを開催しております。やはり多様性という意味では、業界ごとの目標値なり、それを測るためKPIがあるというのはすごく大事なことなのですけれども、いかんせん、評価する側から見てみると、なかなかそこが理解しにくいというのが各委員から出てきた話です。総量目標にしなさいとか、原単位だけにしなさいというよりは、それぞれ各業界の中で意味のある目標値をつくってもらうのも大事なのだけれども、総量の部分と原単位についてはある程度統一的に見られるような形が大事なのではないかというのが多くの委員の御指摘です。国の目標との整合性と、各産業界の実情に応じてどういう目標設定をするか、その両立が大変重要かなと思っているところでございます。

 すみません、今、チャットで長谷川委員から私の後に御発言ということなので、私はここまでにしまして、長谷川委員、どうぞよろしくお願いいたします。

○長谷川委員  

 ありがとうございます。低炭素社会実行計画と2030年46%目標との関係に関しましては、先ほど申し上げましたように、政府も含めてよく御相談させていただければと思っております。あと、計画の全体目標についても、梶川室長、皆さんの御指摘も踏まえながら考えたいと考えております。

 その上で、吉高委員から、私の資料の多分10ページだと思いますけれども、全く新しいイノベーションとは一体何なんですかというご質問をいただいたかと思います。

 それは、同じ資料、すなわち資料4―2―1の10ページの、例えば左下にあります鉄で言いますと、これは小川委員がお詳しいと思いますが、COURSE50と書いています、従来石炭を使って還元していたものを水素で還元する技術でありますとか、セメントについてもCOを原料としたセメント製造とか、そういったものでございます。これらについては我々のチャレンジ・ゼロでも、アクションを表明いただいております。あと、これは梶川室長にも御尽力いただいて、ゼロエミ・チャレンジということで、金融機関、投資家向けの企業リストができておりますので、ぜひ御参照いただいて、資金を投入していただければ大変ありがたいと思っております。

 以上でございます。

○山地座長  

 どうもありがとうございました。それでは、続きまして、道路交通流対策について、警察庁さんから御発言があればお願いいたします。

○井澤課長  

 警察庁の井澤でございます。

 最後に吉高委員からございました新しい取組という部分ですけれども、正直申しますと、なかなか警察でやれるものも発表させていただいたものに尽きている部分ではあるのです。と申しますのも、基本的には道路交通流対策はやはり警察だけではなくて、計画のほうにものっていますけれども、自動車単体の話ですとか、それから道路構造みたいな部分をよりよくしていくというような話もございます。

 まず最初に説明させていただいたように、信号機の制御という部分は警察単体でやっておりまして、まさに個々の交差点、あるいは複数の交差点をエリアで制御していくことによって、いわゆる断面的に切った交通量を、交通の円滑化を図っていくことによって通過時間が減れば、それによって自動車の排ガスも減っていくだろうという部分で切り取った施策というのが警察としてやっている事業であります。したがいまして、御説明したような信号機の施策、事業をまずは地道に続けていくというのが、いわゆる積み上げの量としてはそういった話になるのかなと思っております。

 一方で、後半で2つほどというか、いわゆる信号情報の提供という切り取りで、今進めている施策として、TSPSの話ですとか、あるいはSIPを使ってクラウドを活用したさらなる信号情報の提供の、より効率的なやり方を今研究しているところですが、この話に関してあえて付け加えさせていただきますと、もちろんこれは、現在はやはり人が運転しているというのがある程度は前提というか、社会的実態としてはそのようになっているのですけれども、将来的には自動運転というのが社会的につながっていくと思うのです。もちろん、先ほどTSPSのほうで説明いたしましたように、信号情報を提供して、人が判断して、アクセル、ブレーキをうまく使ってもらおうとしておりますので、数字という意味ではなかなか出にくい部分もある。人の行動にどこまで影響を与えられるのかというところを定型的に出すのはなかなか難しいところがあるのですけれども、これが機械が自動運転とちゃんとなって判断していくということになっていきますと、基本的には機械は最大効率を狙って機能していくということになると思いますので、今行っていますこういったシステムというのは、自動運転が実現化されて商用化されていくと、より効果を発揮していけるのかなと思っております。

 また、信号機の制御の部分に限らず、道路交通の安全と円滑化という観点としては、自動運転の実現に向けた取組を経産省さんとか国土交通省さん、あるいは内閣官房等で検討されていますけれども、警察としても適宜参加して、そういった取組が進むようにしていきたいと考えているところでございます。

 以上です。

○山地座長  

 ありがとうございました。では、次、国際協力とJCMについて、環境省さん、経済産業省さん、回答をお願いします。

 それと、今、髙村委員が戻られたそうですけれども、今回答をいただいている最中なので、第2ラウンドの発言をいただくときの最初にお願いしたいと思っています。

 それでは、環境省さん、経産省さん、お願いします。

○杉本室長  

 ありがとうございます。環境省からはまず、石井委員と吉高委員からインド太平洋における脱炭素移行について御指摘いただいたところについてお答えいたします。

 冒頭の発表資料でもお示ししましたとおり、やはり計画段階から実際の案件に至るまでのパッケージの支援ということで、各国における脱炭素移行の道筋をつくることの支援を通じて、石炭火力ほかを含めてどうあるべきかというところを早期に御理解いただくという機会も必要かと思っておりまして、そういった協力を進めたいと思っています。既にベトナムにおきまして、ベトナムの長期戦略の策定支援、増井委員にも御協力をいただきながら進めておりますが、このような取組も通じて行ってまいりたいと思っております。この中では米国ほか様々な国との連携を通じて行いたいと考えております。

 また、下田委員から御指摘いただきました、まちづくりでは産業界の貢献も多いということで、都市間連携において官民連携という御指摘もいただきました。ここにつきまして、既に、例えば横浜とダナン市の例では、水道局で水道事業についての省エネが進められるなど、実際に地元の企業の方々に協力をいただいた案件形成というのもセットで行われておりまして、そのような事例を進めていきたいと考えております。

 JCMについては小圷企画官からお願いします。

○小圷企画官  

 ありがとうございます。環境省の市場メカニズム室企画官・小圷と申します。よろしくお願いいたします。

 JCMにつきまして様々なコメントをいただきまして、本当にありがとうございます。大きく分けまして3つのポイントがあったかと思っております。1つは、目標との関係でございます。こちらについてはそういう意味ではJCM、26%の策定のときは実績も含めてこれからというところだったのですけれども、現在180件を超える案件も出てきまして、着実に事業も進んでいるということもございます。また今後、脱炭素技術の海外展開の大きな柱になると考えておりますので、いただいた御意見も踏まえて、NDCの引上げの中にカウントするということもぜひ積極的に考えていきたいと考えております。山地委員からも御指摘がございました2030年断面の数値ということについても少し検討したいと考えております。

 2点目については、NDCとの関係、カウントについてです。こちらについては小西委員から、JCMを適切にカウントするというのはどういうことかということで御指摘いただいた点でございますけれども、このNDC、そういう意味では、パリ協定の下で全ての国が目標を持ってやっていく中で、非常に重要なポイントとしてはダブルカウントをどのように防止していくかということがございます。これについては現在、パリ協定の6条の詳細ルールでカウントの仕方ということを検討しておりまして、我々としては、カウントの国際ルールに従ってしっかりとカウントするということを考えております。基本的には国際ルールに従いつつ、相手国、17か国とやっておりますけれども、それぞれの国とカウントのやり方を確認しながら進めていくというようなことが必要かと考えております。

 また、JCMのルール自体、現在、JCMの実施要綱というのが国内のルールとしてございまして、こちら、相当調整というダブルカウントを防止する方法なのですけれども、この相当調整を新たに入れたものを現在パブリックコメントで出しておりまして、今月末にパブリックコメントを終了し、それを踏まえて、パリ協定の下でしっかりとJCMに位置づけてやるということで進めております。

 3点目につきましては、JCMの今後の在り方の部分。こちらはいろいろといただいた質問に関わる部分なのですけれども、そういう意味では、大塚委員からも御指摘いただいている、JCMは今後、パリ協定の下で各国NDCもある中でどう進めていくかというような御質問があったと思いますけれども、JCMの考え方としては、やはり我々としては技術を通じて相手国の削減に貢献していくということが非常に重要な点として考えております。これはやはり我が国の技術も含めて、優れた技術を導入して脱炭素を推進していくというところがまず2国間クレジット制度、JCMの非常に重要な点かと考えております。この点で、やはり相手国がこういったダブルカウントを防止した上で、ちゃんとクレジットをこちら側にも配分していただくというためには、しっかりとこういったベネフィットを見せていく必要があると考えておりまして、その1つがやはり技術であったり、あとは現在政府の支援で行っているような資金支援といったものがございます。こういった部分をやはり今後より広げていく必要があると考えておりまして、現在、政府支援が中心でやっているのですけれども、ここにもう少し公的支援、JBICさん、JICAさん、様々な公的資金がございます。そういったものと連携した形でのJCMの支援、またさらにその先には、やはり民間事業者が主体的に行うような事業についてもJCMとして検討できないかということも含めて、よりスケールアップできればと考えております。

 この観点で、まさに新たな技術といいますか、これから本当に必要とされる技術として、CCS、CCUS、これ以外にも水素ですとかそういった新たな技術が非常にあります。そういったことについてもJCMとしてカウントしていけるように、例えば方法論について検討していく、またJCMの下でCCSの新たなガイドラインも検討していくということで、しっかりと整備をしていくことで、こういった新たな技術を海外に展開していく基盤を整備できればと考えております。

 すみません、全体をカバーする形でお答えさせていただいたので、少し抜けている点もあるかもしれませんが、以上、簡単にですが、回答させていただきます。

○山地座長  

 ありがとうございました。経産省さんのほうはよろしいですか。

○長田室長  

 経産省・長田でございます。

 様々な御指摘をいただきまして、ありがとうございます。特に環境省さんから御説明のあった部分は我々も一緒にやっていく部分があるのですけれども、特にうちの関係ではCEFIAに関する吉高委員からの御質問でございまして、各国の反応はどうかというところでございます。これは特にASEANの政府からは高い期待を示されておりまして、具体的にエネルギー大臣会合の文書の中にも反映されているわけです。特に、申し上げましたとおり、ASEANは今、第2次のエネルギー行動計画をつくっておりまして、そこに具体的な目標等を書いているわけですけれども、それの実施の中でCEFIAのことを期待していると。今まさにエネルギー行動計画を実現するためにCEFIAがどう貢献できるかということについて、ロードマップをつくろうという動きがありまして、そのロードマップを踏まえて具体的な貢献をしていくこととしております。

 それから、ファイナンスのところは、先ほど示しました9ページ目の資料にありますけれども、これはちょっと字が小さくて恐縮ですが、右側に表がある中にファイナンスというところがございます。ADBとも連携しながら、特にこの再エネ、省エネにファイナンスをどのように適用できるかというのを議論していく。特に書いていますけれども、地場金融機関への認識の高まりが重要だと思っていますので、彼らに対する認識の高揚、また彼らがファイナンスをするに当たって、どういった指標が必要かというところを考えて、その見える化のツールを提供していきたいと考えています。

 それから、JCMのほうでスケールアップのことですとか、施設についても先ほど小圷さんからの御発言がありましたけれども、今、スケールアップの重要な鍵と考えております。また、吸収源のほうも既に幾つかプロジェクトがありますけれども、制度整備を進めて吸収源を進めていきたい。

 1つの鍵としましては、やはりトランジションというのが大きなテーマと考えておりまして、2050年かどうかは別として、全体としてカーボンニュートラルを目指すというところが世界の共通課題ですけれども、そこに一足飛びに行けるわけではないということで、トランジションを実現していく。我々経済産業省においても梶川チームを中心に、トランジションというのはどういうものなのか、どのぐらいのタイミングでどういう技術を当てていくべきか、またそれはどうやってファイナンスをしていくのかといったところについての議論が今後なされることになっておりますので、そうした動きと足並みをそろえるようにして、JCMのプロジェクト、あるいはCEFIAのプロジェクトのほうでトランジションのロードマップに乗せる形で進めていく。その意味では、ワンチームとしてアジアにおけるトランジション支援をしていくということがJCMにとっても、CEFIAにとっても重要かなと思います。

 もう一点、これも環境省さんのほうで既に発言されましたけれども、民間の活力をもっと使ったJCMは我々の長年の課題と考えておりまして、これまでの政府1本足打法というところは脱却したいということで、より民間企業として使いやすい制度を目指して、環境省とも相談していきたいと考えております。

 以上でございます。

○山地座長  

 どうもありがとうございました。ヒアリングに先立って資料3を説明していただいたのですけれども、これは今から第2ラウンドをやりますけれども、その後で事務局から対応していただくことにして、ここから第2ラウンドにしたいと思います。

 先ほど申し上げたように、まずは髙村先生から話をしていただくのですが、ほかの方、発言御希望の方は、事務局のシナリオでは挙手ボタンをクリックとなっているのですけれども、それもよろしいですが、私の画面で挙手ボタンの挙手を探すのがちょっと時間がかかるので、できればチャットボックスで書いていただいたほうが簡単でございます。ただ、ちょっと時間が押していますので、いずれにしても発言は簡潔にお願いしたいと思っております。

 それと、これもシナリオに書いてあるのですけれども、時間切れになった場合には、事務局のほうに質問、御意見を御提出くださいというのがありますので、そちらを選ばれてもいいかと思います。

 ということで、最初のラウンドのところにも参加できなかった髙村委員からまずお願いいたします。

○髙村委員  

 ありがとうございます。山地先生、聞こえますでしょうか。

○山地座長  

 はい、大丈夫です。お願いします。

○髙村委員  

 ありがとうございます。すみません、御議論を聞いていないので、重複があったら申し訳ないのですけれども、資料の5と6についてとクレジットのところについてです。

 今、御報告は全て伺いましたけれども、50年カーボンニュートラルに向けて、特に経済界、事業者の皆さんの取組が進んできていると思います。あわせて、50年カーボンニュートラルと整合的な目標を掲げる、もう既に国ないしは国以上の目標を掲げる企業さんも出てきていると思っていまして、ぜひ低炭素行動計画の中で、やはり国の2030年の目標を踏まえた新たな目標の設定ということを推奨していただきたいというのが1点目です。

 2つ目は、低炭素社会実行計画で、国の目標達成という観点からもですけれども、各社再エネの目標を掲げていただけないかと思います。これは皆さん御存じのとおりRE100とかRE Actionなどで既に掲げていらっしゃる企業はかなり増えていると思うのですけれども、同時に、私、非効率的な火力のフェードアウトの検討に関わらせていただきました。やはりお使いのエネルギーをどう意識的、計画的に変えていくかということを、低炭素社会実行計画を媒介にして、社内で考えていただくという意味でもいいのではないかと思っています。

 これはもう既に掲げていらっしゃる企業はあると言いましたが、御存じのようにCDPなどで記載することを求められ、金融投資家からも開示を要請されることが多くある点だと思いますので、そういう意味では、企業さんの取組が目に見える形になるという意味でも非常に大事かと思っております。これが2点目です。

 最後はクレジットに関してでございます。すみません、もうお答えがひょっとしてあったかもしれないのですが、経産省さんのカーボンプライシングの検討会でも申し上げたのですけれども、やはり今後、クレジットをめぐる動向を考えると、クレジットの質が問われるようにもなってきているように思います。1トンの削減が当然1トンとして健全に勘定されるというのは大前提です。しかし、経産省さんの検討会の中で御紹介がありましたけれども、さらに加えて、COの排出削減だけでなく、社会影響ですとか、その他の環境も含めた持続可能性の評価を求めるようなクレジット発行のスキームも出てきている。あるいはそういうスキームに限定した形で、例えばICAOのCORSIAがそうですけれども、クレジットの利用を担保した形で条件をつけていくという動きがあると思っています。これは恐らくお使いになる企業さんにとって、やはり安心して、しかも企業評価を損なわないで、むしろ上げる形でクレジットが使えるというクレジットの制度というのをやはりつくる必要があるのだろうと思っております。これはですからJ―クレでもそうですし、JCMでもそうなのですけれども、ぜひ、質の高いクレジットをどうやってつくっていくかという観点も御検討いただきたいと思っております。

 以上です。

○山地座長  

 ありがとうございました。今、大塚委員、江守委員、小西委員、石井委員が御発言を御希望で、時間の関係からいってここまでにしたいと思いますので、しかも、この4名でも時間がぎりぎりですので、発言はできる限り簡潔にお願いしたいと思います。大塚委員、お願いします。

○大塚委員長  

 聞こえますでしょうか。恐れ入ります。

○山地座長  

 聞こえています。大丈夫です。

○大塚委員長  

 短くしたいので、2点だけですけれども、1つは、今、髙村委員が言われたこととも少し関係しますが、低炭素社会実行計画の中で、特に太陽光の自家消費型のものについてです。各社が目標を持って太陽光とかの再エネの導入に関して取り入れていってほしいと思うのですけれども、それに関してのお答えがなかったので、山口委員には賛成していただきましたけれども、教えていただきたいのが1点です。

 もう一点ですけれども、再エネに関してはさらに、これは経済産業省さんの関係になってしまいますが、購入、導入のほうの問題として、現在小売のところで電源種の開示に関して努力義務にしかなっておりませんので、これをぜひ義務づけしていただきたいということをお願いしたいと思います。

 以上です。

○山地座長  

 ありがとうございました。杉山委員が挙手していたのは一覧で見られないので、石井委員の後に杉山委員、ここまでにしたいと思います。次は江守委員です。お願いします。

○江守委員  

 ありがとうございます。JCMをNDCの達成に使っていいかどうかということに関して、個人的には使うことに違和感があります。これは私の理解が不十分かもしれないので、間違っていたら教えていただきたいのですけれども、理由は、パリ協定の本質というのは、全ての国が最終的にはカーボンニュートラルに向かうことだと認識しておりますので、ほかの国の分を減らしたことによって、自分の国の分はそれだけ減らさなくていいという考え方自体が本質的な議論ではないのではないかという違和感であります。しかも、京都議定書と違って、自主目標であるわけですから、自主目標をどれだけ達成するかに、ほかの国で減らした分を使うというのは、それだったら、その分だけ自主目標を減らしたらいいではないかという気もしまして、数字が格好よく見えるかどうかだけの問題になってしまうという感じがいたします。一方で、海外と協力して減らしたり、減らすのを手伝ったりすること自体は大変重要なことだと思いますので、山地座長も少しおっしゃった中にあったように、それは分けて並べて書いておくぐらいがいいのではないかと私は思いました。

 以上です。

○山地座長  

 ありがとうございます。では、次は小西委員、お願いします。

○小西委員  

 ありがとうございます。1つだけです。4月19日に、気候変動イニシアティブとして、企業さん200社以上を含める団体で、NDC少なくとも45%という宣言を、皆様、個社名を新聞に書いて出してくださっています。この中は素材、化学、機械、鉄鋼、製薬、いろいろな業種が入っております。この中で45%以上少なくとも、そして50%で、その中でやはり再生可能エネルギー40から50%、そして石炭への依存をなるべく減らしていくといったことも書いた宣言の中に皆様これだけサインしてくださっている。意欲的な企業さんが多くいらっしゃいます。

 ということで、今日もちろん低炭素社会実行計画、経団連様の産業界のいろいろな取組をお話しいただいているのですけれども、産業界は、今いろいろな声があるということで、こうした気候変動イニシアティブの企業さん、ここはJCLPの三宅さんがいらっしゃいますけれども、JCIの企業さんの声も反映していただければと思っております。

 以上です。メッセージのほうにこのメッセージを送らせていただきます。よろしくお願いします。https://japanclimate.org/news-topics/call-for-ambitious-2030-target/

○山地座長  

 では、次、石井委員、お願いします。

○石井委員  

 ありがとうございます。私のコメントもちょっと江守さんのとかぶるところがあるのですが、JCMのお話を伺ってちょっと違和感がありました。それはカウントの仕方というよりも、JCMをやることの目的が自分の数字をよくするということであって、私はやはり事の本質はどうやって世界全体が脱炭素を目指せるかと。特に発展の遅れている段階の途上国がそれを目指すときに、どれだけ先進国がそれに協力できることかと思っていて、そういう意味では、カウントするしないということそのものよりも、やはりやっているプロジェクトが、相手国の脱炭素にシステムの観点から貢献できるかどうかだと思っています。そういう意味では、技術への重視が非常に大きかったのですけれども、技術そのものよりも、やはりそれをやることによって、相手国のエネルギーシステムが変わるとか、都市システムが変わるとか、個別のプロジェクトの観点よりも、相手国の脱炭素計画をどれだけシステム的に助けられるかという観点が重要だと思いましたので、これはプロジェクト全体のつくり方の話になるのですけれども、個別に点の稼げるプロジェクトというよりは、やはり相手国のシステム転換にどれだけ役に立つプロジェクトかどうかという点から考えていただきたいと思います。私が今日冒頭で申し上げた途上国の火力発電をどうやってアーリーリタイアメントしてもらって、リニューアブルを入れるかというのも、これは向こうの国のシステム転換であると同時に産業構造政策の話であるので、そういう形での協力を目指せるといいと思います。

 以上です。

○山地座長  

 では、杉山委員、お願いします。

○杉山委員   

 ありがとうございます。今日の資料3ですけれども、世界の情勢の把握というのを、まだ時間がないせいかもしれないですが、もっときちんとやったほうがいい。中国は今回のサミットで何も約束していないわけです。今後5年間で、今の5か年計画だと、日本まるまる1個分COを増やすという話です。海外への火力支援をやめるなどと全く言っていなくて、むしろ先進国がそれをやめると、中国が世界中の火力支援をするようになります。

 それから、アメリカも、バイデン政権としては50%削減と言っているのですけれども、税や規制といった大がかりな政策が議会を通ることはありませんので、あの50%と言っている数字は政権の意向ではありますが、私は実現可能性は極めて乏しいと見ています。年内にはそれがうまくできないということは分かってくると思います。その辺をきちんと整理した上で日本は考えなければいけない。

 最後に、「コストについてもきちんと検討しよう。産業が空洞化してはいけないから」、といったことを大塚座長がおっしゃいましたけれども、これはぜひ今後詳しく詰めていくべきだと思います。

 以上です。

○山地座長  

 ありがとうございました。それでは、髙村委員は最初の発言なのですけれども、追加の発言もありましたので、事務局でここでちょっと対応できるところがあれば、先ほどの資料3に関するものも含めて、簡単にお願いしたいと思います。

○梶川室長  

 経産省の梶川です。資料3の関係でいきますと、第2ラウンドの前に御質問が出たものも含めてお答えします。

 まず、経団連さんから、環境と経済の好循環ということをしっかり意識した上で、こういう資料作りをしてほしいという話がございました。今投影している資料の総理のスピーチの中に、線は引いていないのですが、経済と環境の好循環を生み出しということを記載しておりまして、ここは御指摘承知いたしました。

 あと、山地先生から、別紙のところ、内訳という話がございまして、資料3の次のページです。まだ、そういう意味では、先週の木曜夜に出たということですけれども、まさにこの数字を踏まえて、どういう形でこの審議会及び、エネルギーのほうは総合エネ調で議論していますけれども、具体的にこの数字の実現のための対策を練っていくかということだと理解しております。

 あと、小西委員からは、すみません、今の発言の前のところで、この審議会でもエネルギーの部分についてしっかり報告したほうがいいのではないかという御指摘がございました。これは我々、エネ庁の人間とも話を綿密にしておりまして、しかるべきタイミングで御報告させていただくということになりますので、その際はよろしくお願いいたします。

 取り急ぎすみません、私からは以上でございます。

○山地座長  

 ありがとうございました。最後は少し発言を短くということまで申し上げましたけれども、先ほども申し上げましたが、時間切れでちょっと発言を控えた方は、御質問、御意見を事務局のほうに御提出いただければということでございますので、よろしく御対応をお願いいたします。

 ということで、以上で本日の議事を終了ということにしたいと思います。最後に事務局から何か連絡事項等あればお願いいたします。

○梶川室長  

 関係省庁の皆様、委員の皆様、どうもありがとうございました。本日の議事録につきましては、事務局で作成の上、委員の皆様に御確認をいただいた上で、後日、ホームページに掲載させていただきたいと思います。

 すみません、今、チャットに長谷川委員からも時間があれば簡単にというようにありますが、もしよろしければ、事務局のほうにメールでコメントいただければと思います。

 次回の開催につきましては、また詳細が決まり次第、御連絡をさしあげたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山地座長  

 ありがとうございました。それでは、以上で閉会とさせていただきます。長時間にわたり熱心な御議論、大変ありがとうございました。

                          

                            午後15時30分 閉会

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