中央環境審議会地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」 第4回会合議事録

日時

平成13年5月10日(木)14:00~17:00

場所

東条インペリアルパレス 千鳥の間

出席者

(委員長) 西岡秀三
(委員) 飯田 哲也
浦野 紘平
小高 松男
佐土原 聡
槌屋 治紀
水谷 洋一
渡辺 征夫
内山 洋司
太田 勝敏
木谷 収
大聖 泰宏
中上 英俊
森田 恒幸
(事務局) 山田大臣官房審議官
小島大臣官房審議官
浜中地球環境局長
後藤総合環境政策局調査官
寺田総務課長
竹内地球温暖化対策課課長
石飛地球温暖化対策課調整官
角倉地球温暖化対策課課長補佐
世一地球温暖化対策課課長補佐

議題

(1)エネルギー転換部門における現行施策の評価と今後の削減ポテンシャルについて
(2)産業部門における現行施策の評価と今後の削減ポテンシャルについて
(3)その他

配布資料

資料1 エネルギー転換部門における現行施策の評価と今後の削減ポテンシャル
資料2 産業部門における現行施策の評価と今後の削減ポテンシャル
資料3 運輸部門における主な意見・論点
資料4 HFC等3ガス部門における主な意見・論点
(エネルギー転換部門、産業部門)
参考資料 組織的CO2 削減車利用抑制啓発事業:グリーン交通計画(太田委員の提出資料)

議事

午後2時02分開会

○西岡委員長 中央環境審議会地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」の第4回会合を開催いたします。議事に入ります前に、事務局の方で資料の確認をお願いいたします。

○地球温暖化対策課長補佐 配付資料の確認をさせていただきます。
 まず、1枚紙で議事次第がございます。それから座席表、そして資料1としまして「エネルギー転換部門における現行施策の評価と今後の削減ポテンシャル」です。資料2としまして「産業部門の現行施策の評価と今後の削減ポテンシャル」。資料3は第3回小委員会の議論に基づきまして先生方と調整させていただいた資料で、「運輸部門における主な意見・論点」です。資料4は同様に「HFC等3ガス部門における主な意見・論点」です。資料5は「EUにおける部門別の温室効果ガス排出削減の経済性評価について」、これはエネルギー転換部門と産業部門の翻訳のまとめになってます。それから、参考資料として1枚紙ですが、太田先生からいただいた「組織的CO2 削減車利用抑制啓発事業:グリーン交通計画」という資料です。
 先生方には、各委員の今後のご予定についてという1枚紙をお配りしております。次回は5月31日に第5回を予定しております。第6回は6月14日に予定しておりましたが、諸般の事情から第6回と第7回の日程調整をさせていただきますので、この紙にご予定をお書き込みいただいて、お帰りの際に事務局にお渡しいただきたいと思います。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 お手元で不足している資料がございましたら、事務局までお申しつけください。
 今日は、この議事次第にございますように2つの部門についての審議をいたします。午後5時までの予定ですので、よろしくお願いいたします。
 また、これまでと同様ですけれども、本小委員会は原則公開です。議事録についても、出席された委員のご了承を得てから公開することにしたいと思いますので、よろしくご承知おきください。
 それでは、第1の議題に入ります。
 最初は、エネルギー転換部門における現行施策の評価と今後の削減ポテンシャルについてです。
 事務局から、資料1に基づいてご説明いただきます。

○地球温暖化対策課調整官 資料1「エネルギー転換部門の現行施策の評価と今後の削減ポテンシャル」をごらんいただきたいと思います。
 まず最初に、排出量の現状と推移を示しています。
 エネルギー転換部門の直接的な排出量、すなわち電力を配分する前の排出量は、全排出量の26%強を占めています。内訳としましては、電気事業者が約85%、熱供給事業者が 0.2%、その他の自家消費、送電ロス、ガス供給、製油精製等が15%程度となっております。
 98年度は90年度比で 2.7%増ということで、若干増加傾向にございます。
 それから、電力消費に応じて最終需要部門に配分した後の電力配分後の排出量を見ますと、図2にありますように自家消費分が多いわけでありますけれども、90年比で 5.7%増加しております。
 2ページをごらんください。
 このグラフは燃料別のCO2 排出量の推移を示したものです。
 内訳を見ますと、一番下にございます石炭の利用に伴う排出量が急増しており、90年に比べて99年は約2倍にまで増加しております。一方、上から2番目のLNGについても、発電用の消費量が増加傾向にございます。
 3ページは、他部門との関係です。
 エネルギー転換部門は、他の部門へ電気や燃料を供給する部門ですので、そういう矢印が外側に向けられておりますが、逆にほかの部門から売電を受けたり、一部の燃料、例えば産業部門でありますと、副生ガスを燃料として受けるというやりとりがあるわけです。
 続きまして4ページ、要因分析と課題です。
 まず、図5では、一次エネルギー供給量と最終エネルギーが一貫して増加していることを示しております。
 また、図6は最終エネルギーの消費量の推移ですけれども、最も多いのが石油製品です。その次に電力ということになりますが、石油製品、電力、都市ガス、いずれも増加傾向にございます。
 続きまして、5ページは電気事業者の要因分析です。
 発電の電力量は、90年に比べて20%増加しております。図7は、電力と電灯、その他に分けた需要の伸びを示していますが、中でも電灯需要、これは主として家庭用の電気需要で、これが全体の中でも大きな伸びを示しているのが特徴です。
 続きまして、6ページに参ります。
 電源構成の変化によりCO2 の排出原単位が改善しているということです。
 図8にありますように、単位当たりのCO2 の排出原単位は、90年に比べて98年は約16%改善しておりますけれども、これは図9にありますように、原子力発電の割合が増えていることに伴って排出原単位も改善傾向にあるということです。
 7ページは、火力発電所に限ったCO2 の排出原単位です。
 火力発電所だけ見ましても、やはり改善傾向にあります。その要因としまして、図11をごらんください。一般炭の使用割合が増えてきていますが、火力発電所に限って見ますと、上から2番目のLNGの使用割合が非常に大きく伸びておりまして、それが相殺した上でも、排出係数の小さいLNGの増加が効いて、全体の排出原単位は下がっているということです。
 続きまして8ページ、火力発電の設備利用率であります。
 発電は、その種類によりまして、それぞれがどういう電力需要に応じるかという役割分担があるわけです。基本的には原子力発電、水力発電はベース電力ということで、年間を通して余り変わらない発電量を示しておりますけれども、逆に季節に応じて大きな変動がございます。また、日変動もありますけれども、そういうものは主として火力発電で調整するというのが通常になっております。
 図13は冷房デグリーデーの推移を示しております。簡単に言いますと、冷房の需要がどのぐらいあったかを示す指標でありまして、93年が非常に低くなっておりますが、これは冷夏の年でございました。一方、94年は猛暑の年でありまして、また渇水でもありました。それが図12にも反映されておりまして、一番下の水力発電は94年には下がっている。逆に調整電源である火力発電を見ますと、93年には冷夏であったことを反映して設備利用率が下がっているといった傾向が見てとれます。このように、気象要因の影響を受けることも変動の要因になっています。
 9ページに参りまして、火力発電における石油から石炭・LNGへの燃料転換が進展しているということであります。
 オイルショック以降、我が国はエネルギー政策として石油代替エネルギーへの転換を進めてきました。その政策が反映されて、図14をごらんいただいてもわかりますように、石油火力は減少傾向にございます。一方、非常に埋蔵量が抱負で政情が安定している国に存在し、しかも安いということで、石炭の割合が非常に大きく伸びております。同じように、LNGにつきましても石油代替エネルギーの柱の1つとして、しかも都市部の大気汚染防止対策に貢献するという意味からも、使用量が増えていることがおわかりいただけると思います。
 10ページをごらんください。
 今後の電源構成がどのようになっていくかということですが、現在、各電気事業者が持っておられる発電所の計画によりますと、将来的には石炭火力と原子力の比率が増加するという傾向が見てとれます。それは図15に示しておりますように、さほど大きな変化はございませんけれども、パーセンテージをごらんいただきますと、原子力、石炭が現状に比べて伸びていくということがおわかりいただけると思います。
 これに関連しまして、11ページの図16にLNGや石炭火力のCO2 の排出係数を示しております。さまざまな技術開発により、最新の火力発電所の排出係数は、LNGにしても石炭にしても既設の施設に比べて改善の傾向にあることは事実ですが、最新のもので比べましても、LNGと石炭では倍以上の開きがあることも事実です。
 11ページの本文であります。
 電力の自由化も今、エネルギー政策として進められておりまして、これに伴って、これから新規参入の事業者が増えてくると予想されるわけですが、それは主として火力発電所であり、その中でも経済的に有利な石炭や残さ油を使う可能性が高くなります。このままいくと二酸化炭素の排出を増大する方向に向かうわけであります。したがいまして、二酸化炭素の排出抑制という観点からは、その排出量を抑えるための経済的な措置や、再生可能エネルギーを一定量入れていくといったことを自由化の政策と併せてやっていくことが必要であるということを述べております。
 12ページからは、新エネルギー導入の現状と課題です。
 まず、風力発電ですが、図17で96年から4年間の実績を見ますと、徐々に増加傾向にあります。特に99年度は、今までの中では非常に大きな伸びを示しておりまして、現在、政府には2010年度に30万キロワットを導入するという目標がございますが、この調子で伸びていくと、この目標は大幅に達成できるのではないかと考えられます。
 一方、EU諸国やアメリカを見ますと、風力発電の導入は我が国に比べてはるかに進んでおります。13ページをごらんいただきますとわかりますように、99年末の導入実績で比べましても我が国より1桁ないし2桁多い発電容量を持っておりまして、日本でも、今後伸ばしていく必要があると考えられます。
 14ページに参ります。
 今後、風力発電の導入促進に当たってはさまざまな検討課題がありまして、1つ目は、系統への影響緩和ということです。
 風力発電は年中定常的な運転をするものではございませんし、周波数が変動するという問題もございます。特に、全体のキャパシティの小さい系統の中で風力発電を大々的に入れると全体のバランスを崩してしまうことから、電力会社も総枠を決めて、入札の上限を設定することでそれを防いでいるわけでありますけれども、そもそもそういう系統への影響を低減するような技術開発なりシステムの開発を進めていくことが、風力発電の導入促進につながるわけであります。
 2つ目に、風力発電の経済性を確保するための普及促進策や市場形成方策が必要であるということです。
 導入促進のための経済的支援として、今までも一部、補助金がございますが、電力会社がどのぐらいの料金で買ってくれるかということも、やはり発電事業の成立の大きな要因になってきております。仮に補助金が全くなくなると、今のままで自動的に風力発電が進むという状況にはないわけでありまして、さまざまな経済的支援策が考えられているわけであります。
 14ページの中ほどには、今、各電力会社が行っておりますグリーン電力基金制度を紹介しております。
 15ページの図は、中部電力のパンフレットから引用したものでありますけれども、グリーン電力基金のイメージ図です。
 ドイツでは、こういう自然エネルギーは、電力会社が一定の優遇価格で買い取ることが法律によって義務づけられておりますし、アメリカの幾つかの州では、再生可能エネルギーの導入を一定割合割り当てる、RPSという手法が制度で義務づけられております。また、オーストラリアでは、全電力の2%を再生可能エネルギーで供給するようにという義務づけの法律が施行されております。
 また、15ページの上の方ですが、オランダで行われておりますグリーン証明書や、イタリアやデンマークで導入が予定されているクライマト証明書--資料には「クラマイト」と書いてございますが、これは「クライマト」の間違いです。こういった証明書を発行して、それが市場に出回って必要な資金が確保されるというシステムで自然エネルギーの導入促進を図っているところがございます。今後、我が国でもそういったことを参考にして、誘導策を考えなければいけないわけです。
 続きまして16ページ、廃棄物発電です。
 98年度末で一廃、産廃含めて93.3万キロワットの容量があるわけですけれども、現行の目標値では2010年に 500万キロワットということでありますので、この到達にはまだまだ多くの努力が必要だという状況になっております。
 図20では、設備数と個々の設備容量を示しておりますが、数としては日本は非常に多く、設備容量も米国、ドイツに次いで大きくなっておりますが、全体の容量としては、今後の努力にかかっているところがあります。
 17ページはバイオマス発電、生物資源を用いた発電です。
 まず、木質バイオマスエネルギーです。
 これにつきましては、IPCCの第2次評価報告書で非常に有効であるという指摘がなされております。我が国も国土の7割が森林で覆われておりますので、こういったものを有効に活用する潜在的な可能性は非常に大きいわけでございまして、これも積極的に検討することが重要だということを述べております。
 下の方に移りまして、農業・畜産系の廃棄物のエネルギーです。
 これらは、これまでも肥料、飼料という形で農畜産業の中でのリサイクルがなされてきたわけですが、食糧自給率の低い我が国では、現状では、農地ですべてを受容することが難しいほど多くの廃棄物が発生しております。ある報告書によりますと、農地の 2.6倍に相当するような窒素量が含まれているということですので、こういったものは、もちろん農地への還元も必要でありますが、それを上回る量についてはサーマルリサイクルということで、エネルギー源として活用することが望ましいわけでありますので、こういうものを推進することも今後の検討課題になっております。
 18ページをごらんください。
 各国で注目を浴びるバイオマス発電ということで、バイオマスエネルギーの有効性、メリットが上の方に書かれておりますが、アメリカやEU各国でも非常に積極的に進められているわけであります。
 18ページの後段ですが、バイオマス発電を普及するためには、経済的措置の充実が不可欠であります。さまざまな形態がございますが、概してバイオマス発電の促進策としては、経済的な支援措置を行うことが必要です。例えば、スウェーデンでは化石燃料に多くの課税をすることで相対的にバイオマス発電を優遇するといった施策がとられております。その施策が功を奏して、今は価格も非常に低下していると報告されております。
 続きまして19ページ、太陽光発電・太陽熱利用であります。
 これは以前にも示したグラフでありますけれども、住宅用、それから住宅以外におきましても、これまでの助成制度が功を奏して非常に大きな伸びを示しております。今後もそういう助成制度が継続されるかどうか、今、不透明になっておりますけれども、この傾向を伸ばすために、一層さまざまな促進策が必要になっていることは間違いないと思います。
 20ページには、この太陽光の分野での課題を挙げております。
 まず、材料となりますシリコンの供給量が、どうも需要に対して不足気味になっていること、それから、価格はかなり低下してきたわけですが、工事費やインバータの価格が相対的に上がってきて、なかなかその値段が下がらない要因になっております。今後は太陽の熱をうまく利用するソーラーシステムとのハイブリッド、それから蓄電池を併設した太陽光発電といったような、少し進化したシステムの導入が必要ではないか。また、併せてRPS制度のような再生可能エネルギーの市場拡大措置の実施を検討する必要があるのではないか。また、政府、自治体でグリーン購入法等、率先してこういうものを推進していく必要があるということを述べております。
 太陽熱温水器につきましては前回もご説明しましたが、一時期は非常に伸びてきたわけでありますが、最近では台数ベースでも供給量ベースでも頭打ちになっております。非常に有効ではありますが、このままでは減少傾向が止まらないということで、これも何らかの促進策が必要になってきていると考えております。
 以上がエネルギー転換部門の個々の分野での増減要因です。
 続きまして、21ページからは排出量予測です。
 これは、現状の施策の中で実効性の高い確実なものを取
り出して、計画ケースという形で、将来の排出量がどうなるか予測した結果です。
 図26は、電力配分前のエネルギー転換部門全体の排出量を示したもので、これで見ますと、計画ケース1、原発13基のケースですとプラス・マイナスゼロ、また、7基のケースですと10%増になっております。また、図27で電力配分後の予測結果を見ますと、それぞれ若干数字が大きくなっておりまして、9%増、14%増という状況になっておるわけです。
 この予測と温暖化対策推進大綱の個々の技術との比較を、22ページにお示ししております。
 大綱では、全体の削減量を炭素トンで 300万トンと見積もったわけでありますけれども、今回の予測結果を見ますと、ケース1、ケース2それぞれ 252、 235ということで、大綱の削減量には届いておりません。一番大きいものは、真ん中の欄にございます精製プラントに関するものですけれども、これは石油消費量が大綱策定時の想定を下回ったことに伴い削減量も半分程度になったわけであります。
 そこで、さらに削減するためのポテンシャルの計算をしてみたのが、23ページです。
 表6がエネルギー転換部門、また、間接効果ということで、生物資源部門のポテンシャルも併せて計算しております。
 エネルギー転換部門でポテンシャルの大きいのは、原子力発電利用率の向上、火力発電の燃料転換が、基準年の総排出量を 100とした場合に2ないし 2.8%に相当するポテンシャルがあるのではないか。それから風力発電、廃棄物発電、バイオマス発電のポテンシャルを合わせますと、基準年排出量の 1.2ないし 2.9%に相当するということでありまして、やはりそれぞれ大きなポテンシャルは持っていることがわかるわけであります。
 続きまして、こういったポテンシャルを実現するとした場合に、どのぐらいのコストがかかるかはじいたものが24ページの表8であります。
 原子力発電の利用率の向上、木質バイオマスの利用のうち製材工場等の残廃材はマイナスの費用ということで、対策をすればするほど最終的にはメリットが生じるものであります。ただし、コストの計算ではそうなりますけれども、例えば原子力の場合には、安全性の確保や周辺の住民の理解が前提になるという、別の面での課題なり条件が当然あるわけです。また、火力発電における天然ガスへの燃料転換も、転換するためには天然ガスの供給システムを構築する必要があるわけですし、また、液化天然ガスを外国から買うときの契約形態も、なかなか融通のきくものではないという問題がありますけれども、ポテンシャルとしては非常に大きいわけであります。
 それから、新エネルギーや再生可能エネルギーとしては風力発電、廃棄物発電、木質系のバイオマスがあるわけですけれども、コストの面等、それぞれここに紹介しているようなさまざまな障害要因もございます。
 25ページは、対策・技術導入に当たっての課題と必要な対策手法です。
 先ほども若干申し上げましたけれども、原子力発電の利用率向上に当たっては、当然安全性の確保、住民の理解が前提になります。また、原子力発電に関する制度の見直しも必要になってきます。
 天然ガスへの燃料転換では、石炭に比べるとどうしても高くなるので、シフトを促進するための経済的な措置も考えるべきではないかということを述べております。
 風力やバイオマス発電につきましては、やはりコスト的にはかなりかかってきますので、初期投資費用を軽減するための助成制度や電力会社の買い取り制度を導入するといったような検討も必要であります。
 さらに、先ほども申し上げましたような税制面での優遇措置、それからクォータ制、グリーン証書といった制度も検討の対象にすべきだということを述べております。
 26ページでは、さまざまなポテンシャルについて、対策・技術導入に当たっての課題、対策手法、併せて副次的な効果も記載しております。
 続きまして、27ページからは推計上の課題・留意点として、計算する仮定でのさまざまな留意事項と、今後の検討課題を記載しております。
 27ページで1点ご紹介しますと、電力は、電力を消費する段階ではもちろんCO2 は出ませんけれども、その電力を発電する段階でどの程度のCO2 が出るかということは、原子力、火力、水力という発電の種類によって大きく異なってきます。ですから最終消費段階での電力消費量に伴うCO2 の数字は、どういう電源構成を想定するかによってかなり大きな差が出てきてしまいます。当然、電源構成が今後どうなるかという中・長期的なこともございます。
 それから、1日の負荷変動、年間の負荷変動も、それぞれ担当する原子力、水力、火力の割合で異なってまいりますので、そこをどう考えるかということも、まだ課題として残されています。ここは今後の推計をしていく上で、さらには排出量を計算したり、それぞれの最終電力の需要段階でCO2 の排出量がどのぐらいあるか推定したりする際の非常に重要な課題として残っておりますので、今後、引き続き検討していきたいと考えております。
 28、29ページにもいろいろ留意事項を記載していますが、時間の関係で省略させていただきます。
 30ページは、まとめです。
 (1)排出量の現状と現行施策の評価につきましては、先ほど申し上げましたので、目で追っていただければと思います。
 (2)は、今後の削減ポテンシャルと主要課題です。多くの課題があるわけですが、ここでは主なものを幾つか紹介しております。
 まず最初に、今後の電力需要が増加する可能性は非常に高いわけですので、それに応じて電力の供給体制も整えていく必要があります。その中で、原子力発電所の整備スケジュールが長期化しています。将来の計画はありますが、計画どおり進むかどうか微妙になってきています。一方で石炭火力発電の比率は増加するということですので、総体的にCO2 の排出量の少ない天然ガスへの燃料転換を誘導するために、価格にインセンティブを付与するなどの経済措置を併せて考えていく必要がございます。
 それから、電力の自由化に併せて、コストの低減だけを考えると石炭火力が伸びてくる可能性が高いわけですので、やはり二酸化炭素の排出量に応じて経済的な措置を施すようなこと、それから再生可能エネルギーをより促進させるような仕組みが必要ではないかということです。
 それに関連して、再生可能エネルギーをもっと導入するためには、初期投資の費用を軽減するような助成、それから電力会社の協力を得て積極的に買い取りをしてもらう、また、炭素税等により他の化石燃料との競争力を上げるというようなこと、さらにはクォータ制、グリーン証書なども検討していくということです。
 こういったことを今後の検討課題として位置づけてはどうかという提案です。
 2ページ飛ばしまして34ページから、対策技術シートをご紹介します。今回、風力発電からバイオマスの分野の消化ガスの有効利用までの合計10枚のシートを用意しております。
 例として、35ページの風力発電の導入をごらんいただきますと、計画ケース、ポテンシャルでこのぐらいの削減量を見込みましたということ、それから温室効果ガスの削減量、これはワットアワー当たりですけれども、2つ数字を示しております。1)は一般水力、原子力、火力といった通常の、ほとんどすべての電源の平均的な数字です。2)は火力のみを取り出した場合で、火力に代替すると考えると、削減量としては大きくなるわけです。それで計算しまして、費用対効果をごらんいただきますと、CO2 のトン当たりでいきますと1万 4,000円、または 7,500円というコストがかかるとはじき出されております。あと制度的、社会的な課題、対策手法、副次的効果は、ここに書いてあるようなことですので、お目通しいただければと思います。
 以降、45ページまですが、時間の関係で省略させていただきます。
 以上で資料1のご説明を終わります。

○地球温暖化対策課長 引き続きまして資料5で、いつものように、欧州委員会が行いました個々の温室効果ガス削減策の経済性評価について、ご紹介いたします。
 まず2ページ、排出量の現状として、EUにおきますエネルギー転換部門の排出量とシェアです。全体では13億 2,700万トン、シェアでいきますと32%で、CO2 、メタン等々のそれぞれの排出量が書いています。
 そこで、技術向上がない場合の2010年の排出見通しですが、95年と比較して、1つには、新たな再生可能エネルギー及びコジェネへの転換がない、2つ目は、化石燃料火力発電セクターでの排出係数は変わらないといった前提で、2010年の排出見通しを出しております。
 そこで、対策といたしまして各分野ごとに、例えばCO2 の対策でありますと、需要増加分につきましては天然ガスのコンバインドサイクルで供給する、あるいは既存の天然ガスのコンバインドサイクルから再生可能エネルギーやコジェネへの転換を行うといった対策を講ずることによって、一番下にございますような排出量まで下げることが可能だということ。
 3ページには、それが棒グラフで記されております。
 そこで、それらの対策につきましての個々の経済性の評価ですが、4ページでは、まず、そのうちの再生可能エネルギーについての経済性の評価をしています。
 バイオマス、風力、小規模水力等々ですが、例のように、コストの小さいものから高いものへ順番に記されております。
 5ページでは、再生可能エネルギーを除くエネルギー転換部門の個々の分野での対策につきまして、コストが書かれております。コジェネにつきましては、各産業分野ごとに評価されております。
 それらを合計いたしまして、6ページですが、全体の削減量の中でコストの安いもの、例えばゼロ・ユーロ以下でできるものはこれだけ、ゼロから20ユーロでできるものはこれだけといったようなことで右側のグラフが区分されております。左側のグラフは、90年レベルの排出量のガスごとのシェアです。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 ただいまの報告に関しまして、ご質問あるいはご意見をいただきたいと思います。
 特に、この分野についていろいろご助言いただいた委員の方、もし何かつけ加えるところがございましたらお願いします。

○小高委員 資料5では、4ページの表の中に波力発電が入っています。これは削減量から見ると、そんなに大きい割合ではないんですけれども、日本の場合は四方が海に囲まれていますので、波力発電とか潮力発電というのは結構研究されているんですね。それについて全然触れていないのは片手落ちかなという感じがするんですが。

○事務局 
 エネルギー転換部門の削減ポテンシャルの検討の前提で、2010年において削減量が比較的大きいと見込まれる技術について重点的に取り上げるということ一つの前提にしていましたので、そういった意味で、有望ではあるけれども、2010年という時間軸においては大きな削減量が見込まれないのではないかという技術は、取り上げていないという整理です。

○山地委員 どういうタイミングで発言していいかわからないんですが、今のご説明を伺って気づいた点をメモしたので、それをランダムによろしいでしょうか。
 大して大きくなく4点ぐらいあるんですが、1つは、そもそも最初の議論のときに、他の省庁で検討されていることと連携をとってという話があったんですけれども、この部分、ちょうど今、経済産業省の方で議論している最中ですよね。そことすごくオーバーラップがあって、何かそこを調整しないと非常に、無駄とは言いませんけれども、どうも同じような作業をやっているのではないかという気がするんですね。
 それで、ちょっと気がついた点、例えば資料1の12ページですが、2010年の風力の30万というのは、今、改定中の前の目標ですよね。これをわざわざここに出す必要があるのかという気がするんですね。今、 300万とかの数値になっていますから。当然そういう話を踏まえてやるのが当たり前ではないかと思うんですよね。この段階で、今、総合資源エネルギー調査会でも見直しているところなんですから、それをわざわざ前の数値を持ってくるのは何となく不思議な気がせざるを得ません。
 それと、メモした順で行きますので今と全然違う話なんですけれども、17ページのバイオマスです。
 バイオマスは私も大変興味を持っているところで、こうして取り上げてくれることは非常にありがたいんですが、17ページの下段、農業・畜産系廃棄物のエネルギー利用の3行目に「有機性廃棄物が発生しており、これに含まれる窒素量は農地の容量の 2.6倍」とあるわけですが、これ、バイオマス化してメタン利用したら窒素が減るかというと、減りは
しないわけですから、どういう関係なのかということを言わなければいけないわけですね。
 むしろバイオマスの問題点で、C-N比が減るわけですよね。そうすると生物処理しにくくなって、むしろこれはバイオマス化の課題を提供しているわけでしょう。そういうニュアンスがちょっと読めないんですよね。何かエネルギー利用するとN部分の過剰が解消されるように見えるのは、ちょっと不思議な話ではないかと思うので、ここは書き方を変えた方がいい。
 それと24ページ、ここは、実は先ほどの総合資源エネルギー調査会の、まさに今週の火曜日だったのですか、エネルギー政策ワーキンググループでこのあたりの議論をしたところですから、そこらと調整をして発言されたらいいと思うんです。
 例えば、原子力発電の利用率向上というのがあるんですけれども、これはベースラインとしてどれぐらいを見て、例えば80%というのを見ておいて、それを幾らに上げるというような話、これはもちろん他でやっておられるのは知っているんですけれども、ここでの議論の大きな違いは、多分、熱出力一定運転という話はかなり大きな提言なんですね。もしそこを主張したいなら、そこがはっきりわかるように違いを書いた方がいいのではないかと思います。
 それと表8の、生物資源等部門の下の2つですね。これはほかも出てきましたけれども、畜産廃棄物は「メタン発酵処理」と言っておいて、その次に「消化ガス有効利用」と。多分消化ガスというのは下水汚泥の方を言っているんだと思うんですが、上のメタン発酵だっていわゆる消化ガスなんですよね。だから表現を統一した方がいいのではないかという、これも割と単純な話です。
 ですが、より大きなところは、24、25ページあたりはまさに今週、総合資源エネルギー調査会で議論になったことと非常に関連するところですので、そこと調整をとって効率的に検討を進めていただきたいと思います。
 あともう一つ、細かいことばかりですが、気がついた点を全部メモしたもので。
 35ページ、風力発電の技術の表です。これはほかのところを細かく見たわけではなくて、ここだけで気がついたんですが、「コスト評価」の下の「年間費用」という欄で、克服すべき技術的課題の欄、キロワットアワー 7.4円とか 7.3円、それで追加費用を書いているんですけれども、これは私ちょっと理解に苦しんでいるんです。
 普通、風力というのは変動電源ですから、価値は燃料費分ぐらいと言われているわけですね。そうすると、キロワットアワー4円とか5円だと思うので、この 7.4円との差分の 4.5円とか 4.6円をとったのでは、追加費用としては過小評価だと私は思います。
 ちょっと思いついたところをバラバラと申し上げて恐縮ですが、以上です。

○西岡委員長 今のご質問、基本的に、エネルギー調査会等ほかの機関での検討とどう整合をとっていくかという話ですが、これについてはいかがでしょうか。

○地球温暖化対策課長 ご指摘のございました風力とか太陽、光、あるいはバイオマスの目標をどのくらいに設定するかというのは、まさに今、総合資源エネルギー調査会の方で検討されているわけでありまして、例えば風力だと今の段階で 300とか、あるいは廃棄物ですと 500から少し減って 417でしたか、そういった検討がされているわけでありますが、恐縮ですが、今そういった数字が入っているところは、これまでの施策、対策の評価のパートで現行の目標を使わせていただいたものですから、例えば風力は30のままになっているというような事情はございます。
それから、例えば14ページや15ページなど、幾つかの施策につきましては、今後、増やす施策についての提案が書かれておるわけですが、この小委員会はで、この中のどれがいいんだとか、どれをすべきだとかいうことを具体的に決めていくわけではなくて、今、世の中で検討されているような事項をここに書いているという整理と考えております。
 あと用語の統一等はさせていただきます。

○西岡委員長 確かに、この作業自身を並行してやっているということもあるかと思いますけれども、山地委員の発言のご趣旨の1つは、なるべく効率よくするためにはどこかですり合わせをした方がいいのではないかということではなかったかと思います。
 あと2点、割と細かい点といたしましては、風力の最後のコストの話、それから窒素の話ですね。このあたりは書き方を十分注意していただきたいと思っております。

○佐土原委員 2つありまして、1つは質問なんですけれども、このエネルギー転換部門の中に、先ほどのEUのところではコージェネのことがかなり触れられていたわけですけれども、今回のエネルギー転換部門の中で、今後コージェネレーションが進んでくるというようなポテンシャルをどう扱うのか。
 2つ目は、エネルギー転換部門の中に、例えば石油精製などでかかるエネルギーというようなものは入ってくるのか。産業用を見ますと、この後の説明かもしれませんけれども、そういう業種はその他に入っているのか、その辺のことを伺いたいと思います。

○地球温暖化対策課調整官 まず1点目の、コージェネレーションシステムにつきましては、この前段のシナリオ検討会で部門をどういうふうに分けるか議論したときに、「それぞれの部門で分散型のエネルギーとして使うもの」という整理をいたしました。これにつきましては後ほどの議題にも出てきますが、産業部門や民生部門でコジェネレーションシステムを導入するという整理でポテンシャルを掲げておりますので、資料5の書き方と少し整合がとれていないことは、ご指摘のとおりです。
 それから、石油精製に伴うエネルギー消費につきましては、例えば資料1の1ページ、図1に自家消費・送配電ロスというのがありますけれども、この中には石油精製等が含まれるということで、石油精製に伴う燃料消費、自家消費につきましては、この中に含めています。
 ただし、これが全体の割合からして、また、今後の対策としてどういう課題があるかとか「こうすべきだ」ということについては、その後の要因分析等では余り触れられていないのは事実ですが、現状ではそういう整理をさせていただいております。

○浦野委員 先ほどの山地委員のご発言に追加して、私もバイオマスの件なんですけれども、17ページは、主としてバイオマスはサーマルリサイクルを中心に発電するように読み取れて、いわゆるメタン発酵とか消化というキーワードが一つも出てきていないんですね。それで、24ページの方にはそういうものが出てきている。メタン発酵、確かに現時点では高いんですけれども、これから急速に、多分、燃料電池と組む方向に動いてくると思います。これは将来かなり大きくなって、民生用に小型のものもかなり入ってくるというふうな感じがするわけですけれども、それについては全く触れられていない。
 先ほどの波力発電も、確かに今は規模は小さいかもしれないけれども、やはりどこかにキーワードぐらいは載せておいていただいた方がいい。
 ですから、2010年にすぐに大きく削減ポテンシャルが効かなくても、先がかなりあるようなものは、何かキーワードとか、あるいはある量で、特にバイオマスはそれなりに動くと思いますので、もう少しきちっと書いておいた方がいいのではないかと思っています。

○内山委員 私は担当した立場から、質問というより、山地委員と浦野委員に対するコメントということで、述べさせていただきます。
 風力に関しては、たしか30万ではなくて結構大きな値で用いて削減ポテンシャルを求めています。
 今回の試算後に、経済産業省から推計データが発表されましたので、今後はご指摘のとおり、その推計データと整合をとっていく必要があると思っています。
 原子力の発電量の向上については、熱出力一定と稼働率を高める両方の立場から推計しております。
 それから、先ほどの風力の設備価値についての経済性ですが、これは非常に難しい問題で、風力だけではなくて、すべての再生可能エネルギーに言える問題であります。その価値はまだデータが得られていない現時点でどのように評価するかは、今後の課題です。今回は、最大ポテンシャルとして推計しており、100%の設備価値があったときに、その経済性を算出しています。というのは例え設備価値が100%あったとしても、風力発電の費用負担は大変で、導入していくためにはさらに設備費を削減する必要があるということを理解していただきたい。そういう視点から、他の電源と同じような基準で計算させていただいております。
それから浦野委員から、燃料電池、波力等の評価が足りないのではないかという点。そういう見方もありますが、事務局からの答えのとおり、2010年までの短期間における導入量を推計しています。今後、経済産業省から出されている数値をにらんで、2020年くらいの先を見込んでどう考えていくか課題と思います。
 私個人としては、評価対象として抜けたな思うのに小水力があります。小水力は我が国においても、それなりのポテンシャルがあり、今後、検討していくことが必要かと思っております。

○槌屋委員 電力の利用に関してですが、発電所の発電効率の向上というのはどうとらえているのか。
 それから、送配電ロスを低下させる、例えば新しい技術、トランスとか送電・配電技術の向上、そういうものは含めなかったのかどうか。

○地球温暖化対策課長補佐 22ページをごらんいただきますと、計画ケースということで、今、先生ご指摘の送・配電ロスですとかそういうものについて、計画ケースとしての算定を見込んでおります。
 ポテンシャルの方は、事務局員から答えてもらいます。

○事務局 今回お手元に、こちらのまとまった資料があるわけですが、第1回に計画ケースと削減ポテンシャルとをセットで資料を配付させていただきました。そちらの中に詳しい設定が全部書いてございますが、発電効率の向上につきましては、計画ケースあるいは固定ケースの中で、現状で計画されている発電所の効率の向上をそのまま見込んで、多少の加工はして、入れております。その削減ポテンシャルの方では、さらに効率の高い発電所を、現在の計画を排除して入れるというような想定はしていないので、削減ポテンシャルの中には、効率の向上は入っておりません。
 それから、所内率の向上ですけれども、計画ケースの想定では、新規導入分については、ここ10年ぐらいの間に導入されている設備の所内率を見て、その位は良くなるだろうということで入れておりまして、また、古い設備の一部が廃止されるとして、ストック平均の所内率は向上していく想定になっております。削減ポテンシャルとしての向上は見込んでおりません。
 送配電につきましては、トランス等は基本的には産業あるいは業務部門でのトランス効率の向上のところで見込まれておりまして、こちらは需要端までを想定しております。

○西岡委員長 今の返答でよろしゅうございますか。

○槌屋委員 いつも計画ケースと削減ポテンシャルというものが何か不明瞭になって、計画ケースというのは、2010年にかなり現実になる技術という意味なんでしょうか。それで削減ポテンシャルというのは、もう少しよくわからない要素があるということで区別しているんでしょうか。それとも、かなり恣意的に「これは計画ケース」「これは削減ポテンシャル」というふうに分けているのでしょうか。
 その辺のロジックというか、理由を明確にしてもらえたらと思います。

○地球温暖化対策課長補佐 一応事務局として考えておりますのは、計画ケースといいますのは政策的な裏づけがしっかりしているもの、削減ポテンシャルというのは、計画ケースから追加的に、目標を達成するためにどれだけの削減量が見込めるかということで算定しております。

○山地委員 先ほど浦野委員のご発言を聞いていて、17ページの私の読み方がちょっと甘かったと思っているのですが、私はサーマルリサイクルにそれほどこだわらなかったので、農業・畜産系廃棄物のエネルギー利用で、燃やして利用するとは考えなかったんです。サーマルリサイクルと書いてあるけれども、メタンとかをガス化して、それをエネルギー利用するつもりかなと思ったんですが、本当にここでサーマルリサイクルとお考えなんですか。
つまり、後の方を見るとそういうものは出てこずに、畜産系のところは結局消化ガスということになっているわけですね。「メタン発酵」と書いてあるところもありますが。
 だから、本当に燃焼するサーマルリサイクルを、木質系はもちろんあると思うんですけれども、農業の、特に畜産系が多いものですから、そちらに私は頭が行っているんですけれども、それを考えておられるのかどうかが1つ。
 もう一つ、槌屋委員のご発言の中の変圧器損失ですが、送配電の中にも入っているのがありますよね。柱状トランスのところまでですね。今、アモルファスで低損失トランスの省エネ効果が非常に大だと言われています。だから、受電側のトランスのところは受電側の省エネでいいかもしれないんですが、柱状トランス・アモルファスにしての変圧器損失を低下するということはどう考えられたのか、これは追加的な質問です。

○地球温暖化対策課長補佐 1つ目だけ私から答えさせていただきます。
 17ページの「サーマルリサイクル」という言葉ですけれども、これはちょっと言葉が不適切だったようです。我々としてはバイオマス利用には、いろいろなエネルギー利用ございますけれども、メタン発酵とか消化ガス、そういったもの、あるいは生物学的な変換などを指すつもりで「サーマルリサイクル」と書いてしまいましたが、やはり、「サーマルリサイクル」というのは一般的には直接的な燃焼を指すかと思われますので、修正させていただきたいと思います。

○事務局 供給側、送り側の送配電ロスの向上につきましては、今後どうなっていくか検討したんですけれども、計画ケースという、政策的なのか、あるいは事業者の計画なのか、そういった中での裏づけとして、検討会委員の中に事業者の方にも入っていただいておりますのでお聞きしたところ、総体としては大きな上昇は、見込めないとコメントをいただきました。それを全面的に取り入れて、現状の送配電損失率に固定して計算させていただきました。しかしながら、当然そういった技術も十分に検討していく必要はあると感じております。

○西岡委員長 今の柱状トランスのアモルファス化というのは、もう見通しがあって、行きそうだとお考えですか。というのは、もしそうだったらぜひ計算してもらって。

○山地委員 今、既にストックで柱状トランスがたしか 900万台ぐらいなんですが、ストックで1割ぐらいではないでしょうか。フローで多分もうちょっと、二、三割だと思うんですけれども。ただ、1割の柱状トランスを引くと90%が在来型ですから、それをもしポテンシャルとして全部切りかえれば、かなりなものになると思います。

○西岡委員長 ぜひそういうものも拾い上げて、入れてもらいたいと思います。

○槌屋委員 電力業界に聞いたらそのように答えたから、それを全面的に採用したというのは、私は、ここで何かを決めたり考えたりする方向として余りよくないと思います。電力業界に聞いた後、私にも聞いてほしい(笑)例えばね。
 私は、そういうことは今、山地さんが言ったように、アモルファス・トランスで効率を上げる可能性があるわけだから、日立製作所なんかそういうことを盛んに進めている。それを入れてほしいですね、そうであるならば。
 そこで、計画ケースと削減ポテンシャルというものの切り分けが論理的でないのではないかということをさっき感じたので、申し上げたわけです。

○事務局 先ほどの送配電ロスについてのコメントに若干つけ加え、修正させていただきたいと思います。ちょっと勘違いしておりまして、送配電ロスの減少要因というのは、もちろんあります。ただ、例えば電源の遠隔化や、揚水発電が増えると、遠くに1回電気を飛ばして戻してくるというような増加要因もあるので、それらが相殺するだろうという議論で、計画ケースとしては現状値に固定ということで検討させていただきました。

○地球温暖化対策課長補佐 トランスのお話、専門的でなかなか私もフォローし切れない点があるんですけれども、確かに計画ケースと削減ポテンシャル、どちらで見込むかという問題で、ここに限らず多々問題があると思います。その辺、難しいところですけれども、既に企業サイドで開発されているような技術があって、どう考えても2010年に普及しそうであれば、それは特に政策的な裏づけや決まりがなくても当然普及するだろうと、計画ケースの方へ見込むという考え方で、ほかのところは整理しております。

○木谷委員 先ほど小水力とか波力のお話もありましたので、私もこの2つに補足させていただきたいと思います。農漁村地域などでは、沿岸部の低地の排水のために波力を使うことが従来から研究されていますし、ある程度使えるだろうと思います。ただどの程度の規模と投資で、どこまでやれるかという問題があると思います。また地方の小河川などで、数十kW以下の小水力発電ができるところも少なくありません。さらに、日本では、地熱の熱利用及び発電も重要かと思います。地熱も項目としては入れておいた方がいいのではないかと思うわけです。
 それから、石炭の発電が伸びていますが、これの環境に対する影響を抑えるのに、バイオマス混合燃料による発電も考えられます。バイオマス廃棄物などを燃料の一部として押し込むことが、アメリカなどでもやられております。日本でも環境対策として、行われてもいいのではないかと思います。

○渡辺委員 先ほどの、17ページ下段の農業・畜産系廃棄物のエネルギー利用のサーマルリサイクルの話ですが、私自身は先ほどの環境省の回答と若干違い、本当の意味でのサーマルリサイクルでいいと思うんです。
 というのは、例えば稲藁は今は田んぼで燃やしてしまっているわけですが、あれをサーマルリサイクルで熱回収するとか、あるいはトウモロコシだとか、特に農産物の収穫が終わった後の残渣を利用することによって、かなりの量になって、それはメタン発酵というのは非常に限定された部分できり利用できなくて、やはりあれは燃焼させる方がエネルギー回収率がいいと思うんですね。
 ですから、このままサーマルリサイクルでいいのではないかなと思います。サーマルリサイクルすることによって、窒素の部分はNOx なり何なりで出る。NOx はNOx なりに今いろいろ回収方法も分解方法もありますので、この文脈は合っているのではないかと私は理解していたんですけれども。

○西岡委員長 今の渡辺委員のお話ですけれども、事務局はどう取り扱いますか。

○事務局 削減ポテンシャルの検討会の中では直接燃焼も一応検討したんですが、今の日本の農業形態とか経済性を踏まえると、現状では無理ということです。バイオマス全般で直接燃焼から生物学的変換までの技術についてすべて検討して、そのうち2010年を目途に、ある程度技術と対象物質をしぼらさせていただいたというところがあります。
 ですから、2020年とかもう少し先を考えれば、バイオマスのエネルギーへの変換利用形態ももう少し幅を広げて考えていきたいと思っております。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 今日は、まず最初に非常に重要な部門のご議論をいただいたわけですが、幾つかの点につきまして追加的な技術をさらに評価するべきだというご意見があり、かつ、あと2つ、ほかの審議会等での検討とある程度の整合を持ってほしいということと、槌屋委員の発言にありましたように、計画とかポテンシャルということを、毎回でもきちんと定義をはっきりさせることが必要なのではないかと感じました。
 もしほかに追加的なご意見がなければ、この議題につきましてはこれで終わりにしたいと思っておりますが、よろしゅうございますか。
 それでは、今日は5時までですので、ここで10分間休憩いたしまして、3時30分から再開いたします。

午後3時20分休憩

午後3時30分再開

○西岡委員長 再開いたします。
 次の議題は、産業部門における現行施策の評価と今後の削減ポテンシャルです。
 いつものとおり、まずご説明いただきましてから討議に入りたいと思います。

○地球温暖化対策課調整官 資料2「産業部門の現行施策の評価と今後の削減ポテンシャル」をごらんください。
 まず、排出量の現状と推移ですが、CO2 に限って見ますと、産業部門は我が国におけるCO2 総排出量の約40%を占めております。内訳を見ますと、排出量の多い業種は鉄鋼業34%、化学工業12%、窯業・土石9%、金属機械7%、紙・パルプ6%となっております。全体のトレンドは、98年度は90年度に比べて 3.2%の減少となっております。
 2ページに参ります。
 図3は、1998年度の業種別CO2 排出原単位です。それぞれの業種の業態に合わせてCO2 の排出量、すなわち主として生産額当たりの燃料の使用量が異なるため、このような傾向になっているわけです。
 表1は、1990年以降の業種別排出原単位の推移をお示ししておりますので、ご参考までにごらんいただければと思います。
 3ページは、他部門との関係であります。
 産業部門は、各部門に物やサービスを提供するわけですが、併せて廃棄物を出すとか、副生ガスをエネルギー転換部門に供給するという面もあります。したがいまして、産業部門独自の温暖化対策も重要でありますし、温室効果ガスをより排出しない製品の提供、また物流の効率化への配慮等も併せて期待されるということを説明しております。
 4ページからは、これまでの排出量増減の要因分析です。
 まず、金属機械及び化学工業の生産額が増加ということで、ここでは生産量と生産額の推移を図にしております。図5は生産量で、粗鋼やセメントの年ごとの変動が非常に大きくなっておりまして、これが排出ガスの量の変化に影響を及ぼしているという面がございます。
 それから生産額も、図6をごらんいただきますと、金属機械と化学工業が、ほかのものと比べて相対的に生産額が伸びていることがわかります。
 5ページに参りまして、CO2 の排出原単位でありますが、1965年からのグラフをお示ししております。
 2度にわたる石油危機を経て、全体的には低減傾向にあったわけですけれども、1990年代に入りますと、むしろCO2 の排出原単位が増加している業種が多く見られます。また、さらにエネルギーの効率を向上させて温室効果ガスの削減に結びつく技術開発も、最近は停滞気味で、景気停滞そのものに起因するわけですし、また、それに伴う設備投資の停滞、また稼働率の低下などの影響が考えられます。
 表2には、90年以降、90年を 100としたときのIIP--鉱工業生産指数当たりの排出原単位の推移をお示ししております。若干でこぼこはありますけれども、例えば繊維、それから窯業土石、鉄鋼、その他は20%以上の増加を示しておりますし、製造業全体でも 106ということで、90年以降は増加の傾向があることがはっきりしております。
 6ページをごらんください。産業の高付加価値化やサービス化によって排出量は減少ということです。
 産業部門全体としては若干減少傾向にあるわけですけれども、その要因を少し探ってみますと、先ほど「生産額が伸びている」と紹介いたしました金属機械は、全体から見るとエネルギーの消費原単位が小さい業種でありまして、これが 5.9%増加しているのに対してエネルギー消費の原単位が大きい鉄鋼、紙・パルプ、窯業土石が減少してきている。こういったことから見ますと、総じて基礎素材型産業から高付加価値型の産業にシフトしているということが言えるのではないかと思われます。
 また、図8で、第1次から第3次まで産業の生産額当たりの排出量を見ますと減少傾向にある。一方、菱形でつないだ業務部門だけの生産額を見ますと増加傾向にあるということで、第3次産業が増加するのに伴って、産業全体の原単位は減少傾向であるのではないかという推定であります。
 7ページに参りまして、生産拠点が海外に移転する傾向が進んでいるということです。
 表4は少し複雑ですけれども、業種別に見ますと、自動車や自動二輪車など輸送機械、電気機械など組立産業で海外の生産比率が大きくなっていることがわかります。こういった傾向は今後とも続いていくと考えております。また、素材産業から見れば、組立産業が海外に移転するとなると国内での素材そのものの需要が少なくなるということも、稼働率の低下、エネルギー原単位の下げ止まりなどの一因になっているのではないかと推定されます。
 そういう状況が進みますと、国内での経営合理化がさらに求められ、投資回収年数が長い省エネ投資などは進みづらくなり、稼働率の低下も進み、省エネルギーが進んでいない要因の1つになっているのではないかということが、これまでのトレンドを見ての要因分析結果から言えるのではないでしょうか。
 また、組立型の産業に限らず素材産業も、今後のグローバル経済の進展に伴って海外移転が進む可能性も一部にはあるわけですけれども、この点だけをとらえると、国内での温室効果ガスは減少するわけです。もちろん、世界全体から見るとどうなるかということは、それぞれの移転先の国での取り組みにもよります。
 続きまして、8ページは資源リサイクルによるCO2 の削減です。
 「循環型社会の形成促進」という大きな方向づけのもとに、今までの社会・経済活動の見直しが進められてきているわけですが、その物の流れの見直しと併せて、CO2 の削減につながるような対策も非常に多くございます。図9に書いてあるものは、その例ですけれども、そういう広い意味でのリサイクル、排出抑制、再使用、再生利用をうまく進めるということは、一般的には温室効果ガスの削減にもつながることになりますので、総じてはそういう方向とタイアップした対策の進め方も重要になってくるということをご紹介しております。
 9ページに参ります。
 情報通信技術が進んできていること、これについては政府としても戦略的に進めていくという方向を持っているわけですから、産業部門でのさまざまなエネルギー使用の制御、さらには温室効果ガス排出量の削減につなげるような技術の活用を目指していくべきだと述べております。
 ただし、一方でIT化が進みますと注文生産やE-コマースと言われる通信販売が進展し、多頻度小口輸配送が現状以上に増加することになります。すると今度は交通量の増加や渋滞の悪化を招くという面もありますので、IT産業がすべて温暖化対策に貢献するとは一概に言えません。そういったメリット、デメリットをよく見ながらうまく活用していくことが重要であるということを述べております。
 それから、情報通信技術需要の創出ですが、これはどんどん伸びていくと思われますので、それに伴う産業のサービス化の促進という間接的な効果があると述べております。
 先ほどの機械産業、特に組立型の産業が伸びるということと同じ傾向でありますけれども、高付加価値の産業技術系のものが今後、伸びていくということは、産業全体の業種間の比較で見ますと、エネルギー消費の比較的少ない業種でありますので、産業部門全体、さらには民生の業務部門も併せた全体の排出量を低下させる傾向にあるのではないかということを述べております。
 10ページの図10は、情報通信技術の活用がどういった影響をもたらすかを事務局なりに整理したものです。もちろん排出量の削減につながるものと、場合によっては増大につながるものもあり得るので、削減につながるものは大いに伸ばし、また、増大につながるものをいかに制御していくかということが、このITという切り口からも今後の対策の進め方で配慮していかなければいけないと考えています。
 11ページに参ります。
 産業部門でも自家発電が進展しておるわけですけれども、その発電端の原単位を見ますと、どうも悪化の傾向にあるということです。
 図12は発電端の原単位の推移で、かなりでこぼこがありますけれども、増加傾向にあります。これはどうも、石炭の占める割合が増加していることが効いていると考えられます。
 そのことが、12ページの図13にございますけれども、自家発電、この場合には発電所の自家消費分も含んでおりますので、原子力であるとか水力、地熱といったものもありますけれども、割合として見ますと、やはり一番下の石炭系が増加傾向にあることがわかりまして、これによってCO2 の原単位も増えてきていると思われます。
 一方コージェネレーションは産業部門でも非常に大きく導入が伸びておりまして、90年に比べて98年は 2.3倍の規模になっている。導入件数も 2.5倍ということで、この傾向は、これからも非常に期待される傾向になっています。
 続きまして、13ページは将来予測です。
 現行施策のうち今後も、確実に進むであろうというものを積み上げた、いわゆる計画ケースというものですけれども、産業部門を見ますと、原発7基のケースでは96%、13基のケースでは94%ということです。一方、推進大綱では93%に抑えるという目標でありましたので、若干ではありますが、まだこの大綱の目標レベルには到達しないという予測結果になっているわけです。
 14ページでは、大綱の個々の技術との比較をお示ししております。
 文章に書いてありますように、今回、現実性の高くないものについては大綱に書いてあっても計画ケースには含めなかったということで、削減量については大綱での見積もりと比較すると非常に少なくなっておりますので、今後、製造業において、生産工程でのエネルギー消費の効率化や資源の有効利用を進めていく必要があると思います。また、農業などの非製造業でも、エネルギー利用の効率化を進めるといった対策が必要ではないかということが結論として出てきたわけです。
 15ページからが削減ポテンシャルですが、現状では自然に進むものではない対策技術を積み上げでいるわけであります。
 この産業部門でのポテンシャルを積み上げますと、我が国の基準年の排出量の1ないし 3.4%に相当するという結果になりました。中でもコージェネレーションやコンバインド発電、その他省エネ対策の生産工程での省エネルギー対策による削減ポテンシャルが 0.4ないし 1.9%、電炉シェアの向上による削減ポテンシャルが 0.2ないし 0.4%、小型分散エネルギーシステムや燃料転換など、その他対策によるポテンシャルが 0.4ないし 1.1%、さらに新エネルギー導入など非製造業での削減ポテンシャルは0.01から0.02%という推計結果になりました。
 これら個々の技術にどれぐらいのコストがかかるかというのが、15ページであります。
 個々の対策技術と言いましても、それぞれの設備規模が異なったり、複数の対策技術を組み合わせて効果があらわれるものもありますので、それぞれの対策技術を分離して、しかも一律のコストをはじき出すことは非常に難しいわけであります。そのため、かなりの前提を置いた計算であることをご承知おきください。
 そこで見ますと、コージェネレーション、コンバインド発電などの省エネルギーは、ある程度の初期投資は必要でありますけれども、設備導入がエネルギー費用削減につながるわけですので、表7にありますように、最終的にはマイナスの費用になります。こういったところは、それ以外のさまざまな制約条件はあるにしても、それを克服することによって導入が比較的進みやすい、ポテンシャルとしては比較的高いものであると言えるのではないかと思われます。
 17ページの表8では、こういった技術の導入に当たっての課題と必要な対策手法をお示ししております。
 コスト・ポテンシャル評価では耐用年数をもとに費用を算定しまして、既存の設備に対する追加コストを算定しております。先ほどの表7にありますように、費用対効果がマイナスになるものが多いわけですけれども、実際には、初期投資が大きくて投資回収年数が長いものは、そのままでは導入が進む状況にはありませんので、経済的な助成措置が必要になってくるわけです。一方、導入すればエネルギーの費用の削減につながるものにつきましては、普及啓発することも必要ですし、それ以外の制約要因を取り除くようなことをする、さらに初期投資を促すための優遇措置を講ずることによって、かなり進む可能性もあるわけであります。
 個々の対策技術につきまして、課題、対策手法、副次的評価を表8にまとめておりますので、ごらんいただきたいと思います。
 18ページ以降は、推計上の課題・留意点です。
ここで1つ触れておきたいのは、・削減ポテンシャル推計上の課題・留意点についてですが、産業構造・社会構造の転換によって排出量がどうなるかということは非常に重要な点であり、今後の予測をする上では避けて通れない要因でありますけれども、将来、2010年であっても、さらには2020年を考えたとしても、産業構造がどう変わるか、また社会構造がどうなるか的確に予想することは非常に難しいわけです。
 2010年につきましては作業をしていませんが、2020年につきましては、産業や社会のあり方を想定した幾つかのシナリオを用意して、それに基づいて排出量がどうなるか予測評価する作業を進めようとしております。そういった形である程度の予測評価をすることで、産業・社会構造の影響もある程度、見ていく必要があるのではないかということを書かせていただいております。
 19ページの上段に移ります。
 今回、削減ポテンシャルをはじいたものは非常に限られていますが、「産業部門」と言っても多種多様でありまして、個々の対策技術なりソフト的なマネジメントといったものをどうするか、一律にシートに書いてはじき出すのは非常に難しいものが多かったわけです。中小事業所を中心としたポテンシャルも一部、試みたわけでありますけれども、まだ十分ではありませんので、この中でも重要度の高いものにつきましては、今後さらに追加していくなり、何らかの形での削減効果の検討が必要になっているというご説明をしております。
 また、工業以外の農林水産業、建築業になりますと、実態に即した予測評価にはいろいろ課題が多うございますので、そういったことも今後の課題として位置づけさせていただいているところです。
 あとは省略させていただきまして、21ページのまとめです。
 (1)は、先ほどご紹介したことですので省略いたしまして、(2)だけご紹介したいと思います。
 まず1点目に、景気の後退が続いているため、省エネへの投資も停滞気味である業種が多くなっております。さらに削減を進めていくということになりますと、普及啓発の拡充はもちろん、必要に応じて制約要因である規制緩和、そしてまたコスト面での助成措置、優遇税制についてもさらに検討する必要があります。
 2点目ですが、廃棄物の3Rにつきましては、温室効果ガス、とりわけ二酸化炭素の排出量の削減に大きな寄与が期待されますので、こういった取り組みとタイアップしながら、さまざまな対策を進めていくことが必要です。
 22ページに参りまして、3点目は、IT関係の活用はエネルギー消費量の削減につながりますが、一方で、増大を招く可能性もありますので、そこら辺をよく見ながら、物流の効率化、OA機器の省エネ化も併せて推進する必要があるということであります。
 最後に、産業部門の中での産業構造の変化ということでありますが、エネルギー多消費型の素材産業から、IT関連を初めとする高付加価値型の産業や情報サービス産業へ転換していくことにより、結果的には二酸化炭素の排出原単位を低減する方向に進むわけであります。また、積極的にエコマテリアル--なるべく環境負荷の少ない、温室効果ガスの排出の少ないマテリアルを使うような社会・経済活動への転換、また、業種間での廃熱利用、副生ガスの融通といったこともより積極的に行えば、排出量の抑制につながるわけであります。
 そのように産業構造を転換していくことによって温室効果ガスの排出を少なくする可能性があるわけですので、今後は個々の対策技術の導入促進と併せて、社会構造、産業構造という視点も持ちながら政策的な誘導を図ることが重要であるということで、締めくくらせていただいております。
 2ページ飛ばしまして、25ページから9種類の技術シートを用意させていただいております。
 コージェネから始まりまして最後の中小事業所における省エネ対策推進まで、大変申しわけございませんが、まだ削減量、コスト評価がなされていないところが多々見受けられます。作業は進めていきたいと思いますけれども、多種多様な対策技術について一律のコストをはじくのは非常に難しいということを先ほども申し上げましたけれども、何らかの参考事例として紹介するということで、一定の仮定を置いて「こういう場合にはこのぐらいのコスト評価になる」というものは、できるだけ作業として進めていきたいと思っておりますが、今日の段階ではご容赦いただきたいと思います。
 以上で資料2の説明を終わらせていただきます。

○地球温暖化対策課長 引き続きまして資料5、欧州委員会の経済性評価ですが、7ページです。
 産業部門での排出量の現状ですが、90年のEUにおける産業部門からのCO2 排出量は、CO2 で見ると全体の40%、温室効果ガスで30%です。
 技術向上がない場合の2010年の排出見通しですが、エネルギー効率の改善、他燃料へのシフトなどがないという前提で、35%増加します。
 対策といたしましては、各業種ごとの対策を講ずることによって、一番下にございますように、2010年までに9億 8,500万トンのCO2 の削減が可能であるということで、8ページの図3にございますように、技術向上がなければ34%増加する見込みのものが、これらの対策技術を導入することによって、90年比マイナス34%となる可能性があるということです。
 具体的な対策技術ごとの削減量とコストの評価につきましては、9ページです。
 ここでは、連鋳から始まってずっと並んでいるわけですが、ほとんどが業種固有の対策技術でございまして、私どもが行ったポテンシャルの中でのコスト評価は、コージェネやコンバインド発電など業種横断的なものだけです。私どもの方では、業種固有の対策技術は計画ケースに盛り込まれているという前提ですので、EUのようなコスト評価をしておりませんので、直接比較できない状況になっております。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 ただいまの報告に対して、ご意見あるいはご質問がありましたらどうぞ。

○内山委員 1つどうしても気になるのは、今、最後に述べられたところです。業種ごとに、経団連の自主行動計画も出されており、その計画による省エネあるいはCO2 削減の可能性があるにもかかわらず、それが今回、計画ケースだけでしか考慮されていない。そうすると、先ほどの削減ポテンシャルというのは一体何なのかという気がします。
 我が国でも欧州委員会がやったように、経団連の自主行動計画で検討している対策についてポテンシャルとしての検討が必要になると思います。なぜあえてそこのポテンシャルを外したのか、その辺ご説明をお願いします。

○地球温暖化対策課調整官 先ほどエネルギー転換部門のところでもご説明しましたが、産業部門の対策技術は、非常に多種多様で、特定の業種に固有のものも含まれています。確かにEUではそれを可能な限り挙げているわけですけれども、私どもの検討会のレベルでは、非常に多種多様な技術のうち横断的でウエートの大きいものに限定してやらざるを得なかったという、時間的な制約もございまして、少数の技術にとどまっています。
 もちろん、それですべてということではなくて、先ほど課題のところでも申し上げましたけれども、もう少し細かく見た上で、非常に有用なものにつきましてはさらに作業をポテンシャルでも、今のEUのものもある程度参考にしながら作業を進めていきたいと思いますので、ご理解いただきたいと思います。

○西岡委員長 今のお答えは、ちょっとずれているところがあるようにも思うんですけれども、内山委員、さらに何かございますか。

○内山委員 短期間の作業だったので、いろいろデータを集めるのが難しかったのかなという感じは私もしているんですけれども、それならそれなりに、今度は制度的な面で今後どう対策を立てたらいいのか。そういう業界内の省エネとかですね。そういったものも含めて、今後、業界の省エネについてもさらに突っ込んだ検討をお願いしたいと考えています。

○渡辺委員 8ページの資源リサイクルによるCO2 削減ですが、この趣旨には賛成なんですけれども、リサイクルをすることによって増える部分もあるんですよね。ですから私は、基本的には10ページの情報通信技術の活用、このようなフローチャートになって、全体としては削減になると思うんですが、こういうふうな図版にした方がよろしいかなと思っております。

○藤井委員 この部門を担当した経緯もあって、内山委員のご意見に対して少しお話ししなければいけないかもしれません。
 さっきもお話がありましたけれども、これはずっと、この10年間ぐらいの課題だと思いますが、個別の技術の積み上げと全体の評価量というのは、それをコンシステントに議論するのはなかなか難しいという話を前にも申し上げました。今回はなるべく簡単な構図で、ほかの省庁とすり合わせをするときにも議論ができるようにということも多分あって、単純なフレームワークで全体の評価量を出したいということもあったと思いますが、余り産業部門別の技術を個別に、しかも短期の議論をするわけにはいかなかったということが1つあると思います。
 我々としては、この積み上げの技術的な話とは別に、個別に、特に産業部門にエネルギー関連の機器を供給しているメーカーを対象に、提案をしてもらうことは行っています。ですから技術の洗い出しは、それについての細かいデータというのは、一部これとは別に作業は詰めています。ただ、時間的猶予がなかったこともありまして、それをこの作業に全部反映させて、先ほど内山委員がおっしゃったEUで出されているような産業部門別の非常に細かい、個別の技術、あるいはシステム技術の積み上げデータを載せられなかったということは、今後の課題だと思います。
 ただ、西岡先生がされた要因分析の流れから見ていただいても、この8年間、要するにバブルがはじけて以降、産業部門というのは必要排出量を減らしているわけですが、その貢献はほとんど産業構造を変えて、それからCO2 原単位が少し減っている。それも化学産業が半分ぐらいを占めているわけですので、CO2 の排出量が削減されたといっても、ほとんどシンプルな理由というのでしょうか、技術的な要因によって変えられたというのは、この10年近く全くなかったと言えると思います。
 つまり設備投資が、ヒアリングをやっても、本当に今、投資回収期間が2年ぐらいないと合わないと。要するに、設備投資にほとんど回してくれないわけですね。2年で回収できるようなエネルギーあるいはCO2 削減の技術なんていうのはほとんどないということも含めて、このデータを見ていただいてわかりますように、この10年間ほとんど設備投資をしてこなかったということではないかと思います。
 今、細かいデータを出して、たとえ投資回収年数を出したとしても、それは意味がないということではありませんが、この10年間ぐらいの短期の議論にはほとんど使えないのではないかと私は思っています。
 むしろ前にもお話ししました、このページには一部定性的な表現しか出ていませんけれども、エネルギー消費量の産業部門の6割以上を占める素材産業において、今、非常に大きな構造変化が起きているわけですね。国際的なグローバル競争の中にうまく巻き込まれた形で、具体的に言えばコスト競争の中で業界再編成が行われている。新聞にもいろいろな形で出ていますが、多分もう主要素材産業は全部新しく、構造改革といいましょうか、テイクオーバーなものを含めてグローバルな競争の中に巻き込まれていくことになるのではないかと思います。今回は海外移転のデータぐらいしか出ていませんが、吸収合併だとかいったことを通じて、生産設備の効率変化というものは、かなり大きな変化があるということは予想されるわけです。
 ただ、これについては全くデータがなくて、どうなるかもまだよくわからないところがありますので議論できませんでしたけれども、今のところ、多分、技術的な変化も含めて、産業部門で一番大きなエネルギーあるいはCO2 削減の効果が期待できるのは、そのルート、そのパスを通じての議論ではないかと、作業を行った者として感想を持っております。

○内山委員 そういった事情はよくわかるんですけれども、今回、各部門のフェーズを合わせないと、ここだけ結論を言ってしまってはちょっと困るんですよね。
 といいますのは、やはり削減ポテンシャルというのは、いろいろ課題があって、それにどのくらいのポテンシャルがあるかをまず技術的に評価するということを、どの部門もやっているわけです。それに対して制度的あるいは社会的な課題は何なのか、そしてまた、その対策手法としてどういうことを考えなければいけないのか、それを制度の小委員会の方へ我々は提言していくような、そういう流れがあったと思います。
 ですから、その辺は、先に結論を出さないで、もう少し客観的にまとめていただきたいと思います。

○西岡委員長 今の点につきまして、ご意見ございますか。--では、他のご意見でもお願いします。

○槌屋委員 2つございますが、1つは、IT技術の産業構造の変化ということと、2つ
目は、横断的な技術ということで、もっといろいろなものがあるのではないかということ。
 まず最初の、ITの産業構造の変化というのは、ここで扱っているのを読むと、実際は業務部門とか運輸部門で扱う方が適切な、流通とか輸送とかいうことが出てきています。そういうものはどういうふうに考えるべきなのかというのがまずあります。
 それから、ITが産業に与える影響を調べていると、材料の消費量を低減させる可能性が幾つか言われています。例えば店舗が要らなくなったり倉庫が要らなくなったり、建設の量が減るとか、それから紙が電子出版になるとか、CDのかわりに映像や音楽を通信で送るとか、デジタルカメラになるとフィルムが要らなくなるというようなことで、材料部門への影響ということがよく出てきます。
 そういったことがもう少し書かれると、資源リサイクルによるCO2 削減という、8ページの図9のような形のものが図10にもう少し追加されてもいいのではないかと考えています。
 ITの分野では、OA機器の利用増加でエネルギーが増えると書いてあるのですが、私の方でいろいろ分析してみると、電話回線で必要な通信のエネルギーというのは数ワットのオーダーでして、要するに、解決策を言うと、CRTパソコンをなくして液晶ディスプレイかノートパソコンに移していくということをしっかりやると、OA機器のエネルギー利用増というのは余り心配しなくていいことがほぼわかったと感じています。
 ですからITを持ち上げる理由は、ほかにもう技術革新でいいのがないから、みんな暗い気分になるかわりに1つでも希望を持ちたいというのがあって、これを持ち上げるという面もありますが、そういうことでエネルギー消費量の少ない社会をつくっていくということは、非常に大事ではないかと思います。
 もう一つの産業横断的な技術としては、例えばモーター自身の効率を向上させる、それからインバータ制御をするということが、産業部門で非常に大量に使われている電力--電力を調べると、電力の6割ぐらいがモーターで3割ぐらいが照明ということですから、そのモーターと照明というものをもう少し考えたらどうでしょうか
 照明に関しても、例えば効率が蛍光灯の2倍の電極がないような蛍光灯がつくられたり、それからLEDの照明、蛍光灯の半分以下のエネルギー消費というようなものも、もう現実に製品になってきているわけですから、そういうことをもう少し考えたらどうでしょうか。
 それから、最近この産業部門でエネルギー需要が増えている機械組立産業等を調べてみると、実際の生産に使われるエネルギーよりも暖冷房のエネルギーの方が多いという例が工場などで非常に増えていまして、冷房をしっかりやらないと若い人を雇えないというようなことが多いんですよ。ですから、工場などでスポットクーリングやスポットヒーティングなども考慮されたらと思います。

○佐土原委員 16ページの表7のうち地域熱供給施設について、後ろの技術シートでも、まだデータが不十分ということですけれども、NEDOでエコ・エネに関する研究が6年ほど進められている中で、最後の2年間に工場廃熱についてかなり詳細な調査研究をやりました。具体的には、実際担当したのは財団法人省エネルギーセンターの方で、 3,000ぐらいの工場の廃熱を調べてデータベース化していますので、それを何かうまく使えないかと思います。
 廃熱量としてはそれでわかるのですが、使える量がどのくらいかという検討は、さらにもうちょっと詰めていかないと出てこないというところは課題としてあります。
 それから、地域熱供給に関して、コスト的なものをはじくのはなかなか難しいとここでも述べられているんですけれども、確かに、地点によって、その特性によって多様な面があります。例えば工場などからの距離で、搬送してくるのにかかる部分と熱を配る部分を切り分けて、配る部分については密度の要素などを考えて、ある程度モデル化して計算して積み上げたようなことで、何かここに書いてあるようなシミュレーション的に計算して出せれば、ある程度コストをはじくことも可能ではないかと思います。ぜひこれも盛り込んでいただければと思います。

○中上委員 内山委員と藤井委員の議論を聞いていまして、民生で何回も申し上げていますけれども、恐らく現場のデータがないからこういう話になってしまうのではないかと思います。特に中小企業となるとデータがないわけですね。
 ただ、私、最近多少期待していますのは、例の省エネ法の改正で事業所分が広げられましたので、そこでのデータ整備を関係省庁とタイアップされて、もう少しそういう中小部門のデータが明らかになり、そういう報告がされてくるようになればもっと突っ込んだ議論ができるのではないかと思います。データがないために、技術はあってもトータルでどうかという数字が出せないんだと思います。
 この辺は全部門にわたっていますから、いずれにしても、ここでおまとめになるとするならばその辺のレベルを合わせておかないと、ポテンシャルと聞きますと、一般の方々はすべてだというふうに思われます。必ずしもそうではないんだということは、ぜひ整理しておく必要があると思います。
 それから、今の槌屋委員のお話にもありましたが、モーターというのは工場部門では相当大量の消費をしているはずなのですが、これも、どんなモーターがどんなところに使われているかわからないものですから、モーターの効率を上げたり、あるいはインバータ化したりしても、どの程度になるのかというのは出せないわけですよね。
 ですからやはり、何度も同じようなことを申し上げますが、データベースというものをぜひお考えいただきたいということであります。
 もう一点、さっき藤井委員のお話で気になりましたのは、ペイバック2年ぐらいしかやらないということ。ペイバック2年ぐらいで省エネできるもの、もちろんないわけではないのですが、ペイバック2年ぐらいのもので省エネやってしまいますと、ペイバックタイム、投資回収が5年とか10年に及ぶような次の省エネは一切手がつけられない。ますますコストはかかる。投資回収が長いわけですから。2年をやってしまいますと、そこから先のものは今後もう一切手をつけられる可能性がない。
 ESCOと言うと、専ら今、民生業務部門の方に注目されていますけれども、やはり産業部門にあっても、ペイバック2年だけではなくて5年から10年という長期のものまで拾い上げられるようなスキームを考えていくことだろうと思いますが、これは私も「技術検討会」という名前のもとにこういうことをやってきたものですから、必ずしも特定の技術ではなくて、枠組みだとかスキームだとかという話はどこで扱うのか、そういうものを加味してやっていかないと、これまたポテンシャルというのは、外で見ていると何でもかんでも入っているのではないかと思われてしまいますので、いろいろな形できちっと整理してフェーズ合わせをしておかないといけないのではないかと思います。

○西岡委員長 ほかにございますか。
 今までのご意見は、これはいつものことですけれども、幾つか抜けがある、それから今の中上委員のご指摘は、今の「ポテンシャル」という言葉ではちょっと誤解を受けるぐらいに細かいところが抜ける可能性があるということだったと思います。それから、今のご指摘でもう一つ大切な点は、確かに制度委員会があって、制度委員会というと、税にするとか何とか、そういうことだけがあるけれども、むしろそうではなくて、さらには、ESCOみたいなものをほかのところにも適用したらどうかとか、そういった意味での提案もこちらから制度委員会の方にできるのではないかというお話もあったかと思います。
 さらに、一番最初の議論の中では、特にこういう部門というのは個別の技術の積み上げでいくのか、あるいはもう少しまとまった形の取り組みで把握できるのか、両方あるかと思いますけれども、いずれにしましても立場をはっきりして、共通のベースでポテンシャルであるとか計画であるとかいったものを論じるようにしないと、何を言っているかわからないというところがあるということがあったかと思います。最終的なレポートにつきましては、今の幾つかのことをきちんとするとともに、そのあたりのベースについての議論をはっきりさせておいていただきたいと考えます。
 ほかにご意見ございましょうか。
 今日は、制度というような観点からのご意見が余りなかったように思うのですけれども、もし何かございましたらご意見ください。

○森田委員 この産業部門というのは、もともと自主的な取り組みによってある程度推し進められるのではないかという一つの期待があると思います。それで今、各産業部門ごとに幾つかの技術のコストをはじいてみて、果たしてそれが産業部門で自主的取り組みと言ったときに、どの程度まで自主的取り組みができるのかということを把握することも、一つの技術の検討に期待されたところだったんですね。
 例えばEUの例でいきますと、ほとんど産業部門のところはマイナスのコスト、すなわちゼロ以下でかなりのところができて、こういうものは自主的取り組みと言わずに、これはもうまさに通常の産業の利潤を上げるためには当然のことだろう、ここまでを自主的取り組みと言うのは言い過ぎではないか、むしろそれよりも少しコストが--このコストの評価の仕方は産業界の方にはかなり異論もあるかと思います。いろいろな社会的コストが入っていないということもあるかもわかりませんが、確かにコストが高いものに対して非常に努力されているといったら、やはり国民は「なるほど、自主的取り組みをおやりになられているんだな」という評価になっていくだろうということです。
 こういう技術の評価というものが、各産業界の自主的取り組みをエンカレッジするような形で情報公開されることが、やはり何といいますか、産業界の自主的取り組みを大変評価する意味でも、そういうデータベースは非常に必要になる。そういう意味では、単に個々のテクノロジーのデータを集めて公表するということではなくて、それをさらに自主的取り組みへエンカレッジするような方向にどう向けるのかということが、検討すべきポイントだと思います。
 それからまた、各産業部門で、やはり2年間ぐらいのペイバックタイムでなかなか入らないということ、まさにそれは政策がないから入らないのであって、やはりそれでなかなか入りにくいようだったら、例えば税金とか幾つかの政策介入が必要になってくる。そういうようなところで、実態はどうなのだろうかということをかなりフランクに、もうそろそろ議論していかないと、なかなかシナリオが書けないのではないだろうかとも感じるわけですね。
 そういう意味では、この産業部門のコストデータはフランクな議論の中で非常に重要なポイントになってくると思いますし、むしろ自主的取り組みを国民が評価するためにもこういうデータはどうしても必要です。今後とも、このあたりは産業界のご協力を得ながら、何とか先ほど言われたようなデータベースをつくっていくことが必要でしょう。どうも今回のこのレベルでは、なかなかそういった議論に踏み込んでいけないという感じがいたしました。

○藤井委員 データベースの話については、本当におっしゃるとおりだと思います。手法も含めて、この間、この技術評価は3回目になると思いますが、何か大きく前進したかというと、まあ……、全般的にそういうことが言えると思います。やはり間近にどうしてもデータをつくらなければいけないとなると、急に集めろという話になるわけですが、この間エネルギー事情が余り変わっていないこともあって、余り大きな、目玉は何かというような議論ぐらいしかきちっとされない。要するに、中上委員がおっしゃったようにデータをちゃんと積み上げていく、あるいは公開していく、そういうプロセスを怠ってきたと私もその1人として思います。今後、実りのある議論をしようとすると、やはりその話がすごく重要なことだと私も思います。
 先ほど内山委員からご指摘もありましたけれども、我々はこのデータとは別に、つまり量的な評価が十分できなかったということもあって、 200ぐらいのデータベースをつくっているのですが、それをうまくこういう形につなげていきたいと思っています。そういう作業も地道にして、ここに書いてあるポテンシャルは、非常に短期だったので余りいい表になっていないと思います。それはもう了解しておりますが、確かに森田委員がおっしゃるように、もう少し議論できるようなフレームワークでのデータベースにしていくことが非常に重要だと私も思います。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 いかがでしょう、ほかにございましょうか。
 特に、これはこれだけではなくて私もいつも言っているんですが、環境に関する話というのは、今、藤井委員がおっしゃったように、あるときバーッとやって、それで忘れられて、またやるというスタイルが非常に多くて、環境統計なるものがいつかは要るのではないかと声を大にして言っているんですけれども、なかなかそれができないところが問題ではありますね。
 それから、今、非常に重要なことは、やはりそういうデータを公開することによって、自分たちの目標がきちんとわかる、あるいは比較してわかるというところにあるのではないかなと思います。それも一種の制度ですので、そういう点についても制度委員会の方にトランスファーしたいと思っております。
 ほかにございませんでしょうか。
 それでは、今日は「その他」としてもう一つ議題がありますので、資料3に基づいて事務局からご説明願います。

○地球温暖化対策課調整官 資料3と資料4を併せてご説明いたします。
 前回、運輸部門とHFC等3ガス部門の現状と今後のポテンシャルについてご審議いただいたわけでありますが、そこでさまざまなご意見をいただきました。すべて網羅したわけではございませんが、ある程度まとめた形で主な意見、論点を集約したものをご用意し、各委員には、直前ではあったのですけれども事前にお送りいたしまして、さらにご意見をいただきました。それをなるべく反映させるような形で修正したものを今日お手元にお配りいたしました。
 一応皆様にはごらんいただいたという前提で、どこを変えたかという部分を中心にご紹介いたします。
 まず、資料3の運輸部門でありますけれども、まず1点目は「自動車単体からの二酸化炭素排出量削減について」。これは以前「燃費向上について」と書いてあったのですけれども、単に同じ車種の燃費向上だけではなくて、燃料そのものを排出量の少ないものに変えるということも取り組みとしてはあるので、表題そのものを変えさせていただきました。中身としては、低燃費車に限らず、よりクリーンなエネルギーを使う自動車への転換をもっともっと進めていくべきだ、その中にはバイオ燃料などを使ったものも視野に置くべきというご指摘をまとめたものです。
 2番目は「大都市と地方の特性に応じた対策について」ということで、運輸全般を論じるのではなくて、やはり対応の異なる大都市と地方を分けて、それぞれの対策がいかにあるべきかを考えるべきだというご指摘でございました。
 最初の方は、主として地方都市のことでありますけれども、地方都市も郊外にショッピングセンターが立つなど乗用車を利用せざるを得なくなるような都市化が進められてきて、相対的に公共交通機関が衰退するということであります。そういう特徴があることを踏まえて、それをどうするかを考えなければいけないということです。
 2点目は、地方都市に限らないわけですけれども、主として地方都市でさまざまな開発が進むことになった場合に、その開発申請時に、もちろん都市の再開発事業であるとか区画整理事業に対しては、事業実施段階でアセスメントをやることは義務づけられているわけですけれども、場合によっては、より早期の段階で交通に伴う影響を評価して、その影響を軽減するための対策を講じるよう開発者に求めていくことが必要であるということです。特に、「グリーン交通計画」と書いてありますが、太田委員からいただいたものを参考資料としてお配りしておりますけれども、例えばこういうイメージのものをつくって、そして計画的にやっていくことが大事ではないかということです。
 3番目は「個々の主体からの排出総量管理のための枠組みについて」ということです。
 地方公共団体、一定規模以上の事業者に対して、これは新たな開発者ということではなくて、現に事業を実施している事業者、地方公共団体ですけれども、社員の車の利用であるとか製品原材料の配送について、指標に基づく定量的な目標を定めた実行計画の作成を求めて、総量の管理に着目した対策の推進を図るべきということです。これは例えば大気汚染の面では自動車NOx 法、現在、国会で審議されておりますけれども、こういう取り組みも、温暖化対策としてもそういうものが援用できるはずであるから、そういうことを検討しろということでございました。
 さきの太田委員の参考資料は、「開発事業に伴って」と申し上げましたけれども、どちらかというと、この3番のご指摘に近いグリーン交通計画ですので、この資料は少し不十分な点がありますけれども、事業者にそういう計画を立てて実行してもらうというご意見をいただいたわけです。
 裏面をお願いします。
 4番目は「各種政策手法について」ということで、最初は税金に関することです。今までのガソリン税などは、むしろエネルギー消費を増大させる方向に活用された面が大きい。また、過去の税制改正によって、より大型車の購入を促進する方に働いてきた経緯があるので、そういった欠点を洗い直して、環境対策に活用する、また公共交通機関の整備に活用するということを念頭に置いて、税がいかにあるべきかを考えるべきだということです。
 ただし、その際に、ガソリン代にしても取得費用にしても自動車にかかわる費用が安くなるということになると、結局交通量を誘発させることになるので、そういう点に十分留意して税の体系も考えるべきだというご意見です。
 2番目は、費用対効果がいいものが対策技術としてはあるわけですけれども、逆に言えば、経済的なインセンティブがなかなか働きにくいものもあるわけですので、そういったところは経済的インセンティブをどんどん与えるというよりも、むしろネックになっております利便性が高いかどうかという点に着目して、自動車に負けないくらい利便性の高い公共交通機関の整備を図るといったような、インフラ整備と併せた政策を立案すべきであるということ。
 3番目は、自動車というのは運輸部門が独立してあるわけではなくて、当然産業部門、民生業務、民生家庭のニーズに即して発生するものでありますので、それがどういうニーズなのかをよく見きわめた上で、他の部門と連携して削減方法を検討する必要があるということです。
 最後に、自動車の単体対策としての燃費規制、これは現状でもありますし、今後とも強化が求められてきます。その効果は比較的定量的にわかりますが、一方、実際の利用の形態でそれをどう改善していくかにつきましては、定量的に評価して施策に反映するようなツールが十分でなかったわけであります。先ほど来の産業部門のデータ整備ともかかわますし、また、地域を限って、そこでのモデルを動かしてシミュレーションしてみて、そして規制の効果を把握するというようなことが望まれるわけでありますので、こういった点を今後の検討課題として早急に対応すべきというご意見をいただいたわけです。
 資料4に参りまして、HFC等3ガスにつきましては、大きく3つの論点でご指摘いただきました。
 まず、HFC等3ガスの排出削減量。絶対量を見ますと、これは運輸部門の貨物輸送とほぼ同程度ということで、潜在的に非常に大きな削減量を持っているということをまず認識すべきであるということ。しかも、こういったものは人工物質であり、また多くは意図的に生産されるものでありますので、削減への対応は技術的に十分可能であるという認識のもとで、その対策を打ち出すべきであるということ。
 2番目の、具体的な排出抑制対策につきましては、特に冷媒、発泡剤というような用途は使用してすぐに排出するのではなくて、そこにどうしてもタイムラグがあるので、2010年までにすべての対策をやり終えるというような考えではなかなか難しい面がありますので、物によっては2020年、2030年という長期で削減できるという視点に立つ必要があるということ。
 家庭用冷蔵庫については、既に家電リサイクル法の対象になって、今後の回収、破壊が期待されているわけですけれども、そうでないもの、カーエアコンにつきましても現在、国会の与党の中での法案検討、さらに国会の議論というものが進められつつありますので、そういったものが重要であると書いてありますけれども、それがもう現実になりつつあるということです。
 最後に、これはまた全般にわたることでありますけれども、データの整備についてで、特にこの3ガスのデータについては、関係する機関が協力して、物の流れ--マスフローの統計や、対策によってどのぐらいの削減効果があるかという根拠データがまだ不十分で、公開されていないものもあるので、そういうデータをしっかりと収集してデータベース化して、広く公開し、対策の評価ができるようにすべきであるというご意見をいただいたところです。
 以上で資料3、資料4の説明を終わらせていただきます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 資料3、資料4につきましては事前に皆さんに配付いたしまして、ご意見も求めておりますけれども、さらに何かつけ加えること等ございましょうか。

○大聖委員 今のご説明の中で、ITとかITSの取り組みの重要性が認識されていると思いますけれども、先ほどの産業部門の中でもITというのは非常に強調されていました。それから、多分民生の分野でもITというのはまた出てくると思っておりますけれども、そういう横断的で、しかもこの10年ぐらいの間に我々のライフスタイル、それから産業のあり方、業務のあり方に大きな影響があるもの、非常にインパクトの大きいテーマに関しては、やはり別の取り組みをして効果を見きわめる方が、私は適切ではないかと思います。
 ITもそうですし、先ほど佐土原委員がおっしゃった分散電源のあり方ですね、これも変わってくると思います。コジェネですとかそういったようなものを含めまして。そういったものは、やはり家庭から業務まで浸透しますので、そういうものは一括してうまく取り扱って、全体でどれぐらい効果があるんだというような見方をした方が理解しやすいし、定量的な議論にも、より深みが増すのではないかと思います。

○小高委員 資料3について、特に意見は出さなかったんですが、裏面の「各種政策手法について」書きぶりの問題なんですが、「ガソリン税は、道路整備に活用されるなど、むしろエネルギー消費を促す方向に活用されてきた面が大きい」これは表現として私は違うと思います。というのは、道路を整備することによって渋滞等を解消して、交通の流れをよくする。これはむしろエネルギー消費を減らす方向に行くのではないか。
 もう一つ、「公共交通機関の整備や環境対策に活用する」要するに「ガソリン税」という言葉も正式名称ではないんですけれども、これは今の税制を大幅に変えろという話だと思うんですが、公共交通機関の整備というのは口で言うほど簡単ではない。公共交通機関を整備するためにどれぐらいの費用がかかるかという試算は、私が聞いたところによりますと、今の公共交通機関を維持するだけでも今後10年間に7兆円かかる。これが現在の自動車交通に代替していくということになると、ちょっと想像できないぐらいの金額がかかるわけですね。そういう面もあるということは、やはり触れておいた方がいいのではないかと思います。

○内山委員 今の最初の問題ですが、たしか私が言ったところなものですから、責任上ちょっとコメントさせていただきます。
 確かにこう書くと、今ご指摘のとおり誤解を受けるかもしれませんが、道路整備ということは、やはり基本的には車の普及を促してきたわけですし、同時に地方経済の発展、それに伴う、経済成長というのがあったわけですが、エネルギー消費の増大をかなり高めたというのは間違いない事実なものですから、そういう視点でそういった点を正確に記入すればいいのかなと思います。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 太田委員はグリーン交通計画を出されましたが、つけ加えることがございましょうか。

○太田委員 特別なことはございませんが、この間、公用車を低公害車に変えるような話がありましたが、こういうものを契機に、所有することと同時に使う側が自己管理してほしい。そういう主体別のアクションをとるときにこういう一つの枠があると、それに向かってまたいろいろな工夫をします。その工夫の仕方について、いろいろ技術的な使い方とか、いろいろな手法について今、提案が出ています。それを促すための飴と鞭といいますか、パッケージの中でやるために、そういうたがをはめるようなものが何か必要ではないかということで、一つの考え方として提案をさせていただきました。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 先ほど仕組みという話がございましたけれども、これもその1つかなと思います。
 ほかにご議論ございますか。
 もしないようでしたら、この件につきましてはこれで終わりにしたいと思います。
 今ちょうどまとめが出ましたけれども、今日議論いたしましたエネルギー転換部門及び産業部門に関する評価につきましては、また同様にまとめまして、次の国内制度小委員会に報告したいと考えております。
 さて、これで最後になりますけれども、何かほかにご発言はございましょうか。

○山地委員 前半のエネルギー転換のときに、変圧器損失の話で私、数値を申し上げたんですけれども、多少間違っていることがわかったので、訂正させてください。
 柱状トランス約 900万台というのは正しいのですが、そのうちストックで、かなり大き目の、10%ぐらいとかうろ覚えのことを言ったんですが、どうも3%ちょっとぐらいのようです。それでフロー、要するに、取りかえフローがどうも年間30万台ぐらいらしいんですが、その中で十数%ぐらい。これも推計ですので、より詳しくは調べますけれども、先ほど3倍ぐらい大きい数字を申し上げてしまったようですので、訂正させていただきます。

○西岡委員長 では、そのように訂正をお願いいたします。
 ほかにございませんか。

○地球温暖化対策課調整官 資料3と資料4につきましては、ご指摘いただいた点は私ども事務局の責任で修正させていただきたいと思っております。
 実は明日、国内制度小委員会がございまして、そちらの方に運輸部門とHFC等3ガスの資料と併せて、この資料3、4の修正したものを出させていただきたいと思いますので、ご了承いただきたいと思います。

○西岡委員長 もし必要でしたら私も修正の相談を受けますので、よろしくお願いいたします。
 ほかにございませんでしょうか。
 それでは、次回の第5回は5月31日に予定しております。場所等は、既に事務局からお送りしております開催通知でご確認願いたいと思います。
 今まで我々は部門について検討してきましたが、これでひととおり一巡いたしました。そこで、これまでの審議結果を踏まえて、次回は温暖化対策の面で非常に関連の深い主な業界団体の方をお呼びいたしまして、それぞれ今後の取り組み、あるいは排出削減の可能性、対策等、課題についてヒアリングを行いたいと考えております。
 ヒアリングということですので、次回の小委員会は会議の性格上、非公開で行いたいと考えております。よろしくお願いいたします。
 それでは、今日の会議はこれで終わります。
 皆さんどうもありがとうございました。

午後4時50分閉会

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