中央環境審議会地球環境部会2020年以降の地球温暖化対策検討小委員会・産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合(第4回)議事録

○小見山環境経済室長  まだお戻りでない方もいらっしゃるかもしれませんが、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会2020年以降の地球温暖化対策検討小委員会、産業構造審議会約束草案検討ワーキンググループの合同専門家会合を開催いたします。

 午前に引き続き司会をさせていただきます経済産業省の小見山でございます。

 本日は、委員総数の過半数の委員にご出席いただいておりまして、定足数に達しております。

 本日の議事審議は公開とさせていただきます。

 まず、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の「議事次第」と書いた資料でございますが、1枚おめくりいただきまして、「配付資料一覧」に従って確認させていただきたいと思います。

 資料1、中環審小委員会の委員名簿で1枚紙でございます。資料2、産構審ワーキンググループ委員名簿、1枚紙でございます。資料3、経済産業省提出の「エネルギー供給対策における取り組み」でございます。横長のパワーポイントでございます。資料4、環境省提出の「低炭素化に向けた環境省の取り組み」、横長のパワーポイント。資料5、農水省提出の「農林水産分野における今後の地球温暖化対策について」ということになっております。

 あと、参考資料1、大橋委員提出の「電力コスト上昇の負担限界に関する全国調査結果」、参考資料2は、低炭素社会実行計画に関して高村委員、藤野委員からいただいたご質問に対する産業界から来た回答をまとめたワードの冊子が用意してございます。

 不足がある場合は、今でも後でも結構でございますので、事務局にお申しつけいただければと考えております。

 それでは、早速、議事に移りたいと思います。

 以降の進行は、産構審約束草案検討ワーキンググループの山地座長にお願いしたいと思います。先生、よろしくお願いいたします。

○山地座長  それでは、さっそく、議事に入りたいと思います。本日の議題ですが、議事次第にありますように、エネルギー供給対策についてということでございます。これに関する資料が資料3から5でございますけれども、これを一括してご説明いただき、それに対する質問、コメント等も一括してその後いただくということにしたいと思います。

 では、まず最初に経済産業省から資料3についてご説明をお願いいたします。

○吉野大臣官房審議官  経済産業省大臣官房審議官の吉野でございます。私からは資料3の「エネルギー供給対策における取り組み」に従ってご説明をしたいと思います。

 私どものほうからですが、エネルギーミックスの議論を今月のうちにも開始したいということでございまして、その方向性ということでご報告申し上げます。

 まず、1ページ目をあけていただきますと、これは昨年末に宮沢大臣から発表いたしました「長期エネルギー需給見通し小委員会等の設置について」というものでございます。基本計画に記載された方針に基づきまして、現実的かつバランスのとれたエネルギー需給構造の将来像について検討するということで、新たに長期エネルギー需給見通しの小委員会を設置いたしました。

 それから、電源ごとの発電コストにつきまして、この小委員会のもとに発電コスト検証ワーキンググループを設置いたしまして、過去の検証結果も踏まえながら、最新のデータなどを反映して、改めて試算を行うということにしております。

 メンバーにつきましては、資料にあるとおりでございまして、この合同小委員会の中にもかかわりのある委員の先生方がおられまして、重ねてになりますけれども、ぜひともご協力をお願いしたいと思っております。

 2ページ目は、その議論を進めるに当たりましての基本的な考え方でございますが、4月に決定をしたエネルギー基本計画に示されたとおりでありますけれども、“3E+S”安定供給、コスト低減、環境負荷低減、これを追求・実現していくということですが、安全性が大前提であるということ。

 下にありますとおり、あらゆる面ですぐれたエネルギー源はないということで、エネルギー源ごとの特性を踏まえ、現実的かつバランスのとれた需給構造を構築していくというところを目指したいと思っております。

 3ページ目は、各エネルギー源の位置づけでございます。ご案内の内容かもしれませんが、再生可能エネルギーにつきましては、温室効果ガス排出のない有望かつ多様で、重要な低炭素の国産エネルギー源。3年間、導入を最大限加速する。その後も積極的に推進をするということで、エネルギー基本計画では、これまでの計画で示してきた水準をさらに上回るところを目指すということがいわれているわけでございます。

 原子力につきましては、低炭素の準国産エネルギー源。すぐれた安定供給性と効率性を有している。運転コストが低廉で変動もない。運転時には温室効果ガスが出ないということですが、安全性の確保を大前提に重要なベースロード電源と位置づけている。一方、原発依存度については、省エネ・再エネの導入、火力発電所の効率化などによって可能な限り低減させる。このようにうたっております。

 石炭に関しましては、重要なベースロード電源ということですが、環境負荷を低減しつつ活用していく。

 天然ガスについては、ミドル電源の中心的役割。今後その役割は拡大していくであろう重要なエネルギー源である。

 石油、LPガスについても、それぞれピーク電源、ミドル電源としての役割を位置づけているというものでございます。

 4ページ目、今、電源の性格に言及いたしましたけれども、そのイメージはこの図のとおりでございます。ベースロード電源につきましては、発電コストが低廉で、昼夜を問わず安定的に稼働できる電源という位置づけでございますが、右側の縦の棒グラフをみていただきますと、2010年におきましてはこのベースロード電源の比率が6割を超えていたのに対して、2013年では4割を切る水準というようなことでございます。こうしたところがコストに響いてきているという認識でおります。

 他方で、 CO2の観点からいいますと、この中のゼロエミッションの電源の比率がどうかということをみますと、2010年では原子力と水力ほかを合わせまして4割弱の数字、2013年では1割強、このようなレベル感かと思います。

 5ページ目以降でございます。このミックスの議論の前段として、新エネルギー、原子力、省エネにつきまして、小委員会においてそれぞれの課題を検討し、昨年中に一定の中間整理が行われてきているということでございます。

 新エネルギーに関しましては、上の四角枠の真ん中であります、昨年秋以降、各電力会社における接続申し込みへの回答保留といった問題がございました。新エネルギー小委員会の下に系統ワーキンググループを設置しまして、接続可能量の検証、その拡大策といったことを議論してまいりまして、それとあわせまして、12月18日に新エネルギー小委員会での中間的なとりまとめをしております。

 具体的な施策は、その下にありますけれども、後ろの参考資料にもう少し詳しくございますので、そこでご説明をしたいと思います。

 原子力小委員会の中間整理につきましては、この概要のとおりでございますけれども、Ⅱ.で、福島第一原発事故の教訓として安全神話の反省、廃炉・汚染水対策、福島の復興支援といったことをうたいつつ、Ⅲ.にありますのは、原子力の位置づけとして、エネルギーセキュリティ、温暖化対策にとって重要であるといった点。

 一方、原発依存度低減の達成に向けた課題としては、廃炉を進めるにしましても、そこから出てくる放射性廃棄物の基準の策定が必要だとか、それに伴う費用の計上を平準化する措置、さらには立地市町村への影響緩和策といったところもうたっております。

 Ⅵ.の競争環境下における原子力事業のあり方。並行して現在、電力システム改革等の議論も進めておりますが、その中にありましても、重なりますが、廃炉に伴う財務・会計面のリスクの平準化ですとか、核燃料サイクル事業の資金の拠出のあり方といったところが課題。

 Ⅶ.でありますが、同じく核燃料サイクル、使用済み燃料問題に関して、官民の役割分担ですとか、高レベル放射性廃棄物の最終処分の問題への取り組みといったところが課題として掲げられているということでございます。

 7ページ目、省エネルギー小委員会ですが、年内は、ここにありますような各論としての具体策についての議論が行われました。産業部門では、中小企業に対するきめ細かな支援対策の整備ですとか、民生部門では、業務部門におけるベンチマーク制度の創設、住宅・ビルの省エネ基準適合義務化などの議論がありました。運輸部門では、エコドライブ、交通流といったソフト対策ですとか、その他の問題としては、エネルギーマネジメント、ネガワット取引の実現、こういったところがうたわれておりました。

 省エネに関しましては、引き続き省エネの小委員会で続けておりまして、この後、こちらで議論いただく CO2の問題にも資するような省エネ対策の内容、それによる削減量、省エネ量といったところについて継続的に議論をしているところでございます。

 その他、参考資料のところでありますが、10ページ目以降に再エネ関係の資料がございます。

 10ページ目は再エネの導入状況でありますが、2009年以降、余剰買取制度で徐々に導入が加速し、12年7月の固定価格買取制度開始以降、このグラフにありますとおり、加速的に導入が進んでおり、2014年3月末で 2,955万キロワットに達しているという状況でございます。

 他方で、11ページ目以降ですが、その結果、昨年秋以降の接続申し込みに対する回答保留問題があったわけでありますが、その課題について、ご案内の中身かもしれませんが、11ページ目に問題の内容を図示しております。太陽光につきましては、太陽光中心に昨年度のうちに大量の駆け込みがありまして、申し上げた問題が生じたわけでありますけれども、その問題のポイントは、電力の需給に当たりまして、瞬時瞬時の需要変動に対して供給量を確保していく必要があるということなのですが、太陽光が極端に入り過ぎますと、火力発電をぎりぎりまで下げなければならない。さらには、揚水発電も昼間でも使わなければならない。こういったぎりぎりの状態で運用してもさらに太陽光が余るとなりますと、今度は出力抑制をと、こうなってくるわけでありますが、その出力抑制について、ここまでのルールのもとで議論をしても、なかなかその導入に限界があるといったことが今回出てきたというわけであります。

 12ページ目に、再生可能エネルギーについての対応策が記されております。申し上げたような、太陽光について、火力をぎりぎり落としても限界といったところの数字を検証いたしました結果が緑のところでありますが、対象の7社の太陽光発電の受け入れ量は 2,369万キロワットになったということでございました。

 そうした試算のもとでの対策パッケージを下に示しております。太陽光に関しましては、出力制御のシステムを導入することによって、受け入れ可能量を拡大するということですが、これまでの出力抑制の方法を日単位から時間単位に変えるとか、 500キロワット未満も対象にするとか、技術的には遠隔で出力制御ができるシステムの導入を義務化するといったことをしております。

 さらには、九州電力など受け入れ可能量の上限に達した電力会社は、30日を超える出力制御を前提に接続を再開する。本日付で官報告示もいたしまして、手続を進めているということになります。

 それから、地熱、水力、風力に関しまして、まず地熱、水力は原則受け入れていく、出力制御を行わないということ。風力に関しては、太陽光とは別枠管理にするということにいたしております。

 ○の3つ目、福島の被災地における再エネの優遇ですが、まず、東京電力にも接続可能となるように既存の送変電設備を整備するとか、福島県とも連携をしながら再エネ発電設備、送電線等の導入を支援する。さらには、非難解除区域等において優先的な接続枠を確保するといった特別な手当ても考えているということでございます。

 右にまいりまして、固定価格買取制度の運用見直しにつきましては、太陽光発電が過剰な利益を生まないように、価格の決定時期を、さまざまな議論がございましたけれども、接続申し込み時から接続契約時に見直しをする。それから、出力の増加や太陽電池の基本仕様の変更があった場合には価格変更を行うといったこともうたっております。それから、接続枠を確保したまま事業に至らない案件の接続枠の解除。立地に当たってさまざま地元との調整が必要な場面もございまして、情報提供をしっかり行っていくといったこともうたっております。

 それから、蓄電池の導入でございます。再エネ事業者が設置する蓄電池の導入を支援するですとか、これまでも1~2例、例はあるのですが、今後も電力会社の系統に大規模蓄電池を設置する。実証的な事業ではございますけれども、それによる受け入れ量の拡大といったところも目指していきたいと思っております。

 最後の○は、今後の検討課題でございますが、広域的な系統利用を可能とするシステムを構築するということで、優先給電指令、地域間連係線の利用ルールの見直し、さらには固定価格買取制度全体の検討の中で広域的な再エネを受け入れ可能とするような費用負担、精算ルールのあり方なども検討していきたい。さらには、エネルギーミックスの検討とあわせて系統増強の方針なども検討していくということにいたしております。

 13ページ目は、接続可能量検証の各社ごとの詳細でございます。太陽光は、先ほど触れましたとおり 2,300万キロワット余りということです。一番右側に風力の接続可能量がございますが、風力については、各社それぞれの枠を足し合わせて 564万キロワットの枠があるということで、この中において引き続き受け入れを行っていくということでございます。

 最後、15ページ目に原子力発電の資料がございます。ここにありますとおり、国内の商業用原子炉48基ございますが、現在、新しい規制基準への適合性確認の申請について、14原子力発電所21基が申請をしているということでございます。黄色枠で囲ったところがそうですが、九州電力の川内原子力発電所については比較的進んでおりまして、現在、工事認可の手続が進んでいるということでございます。これに続く形で関西電力の高浜原子力発電所の3・4号機につきまして、現在、審査の最終局面にあると考えております。玄海原子力発電所、それから伊方の3号機といったところがこれに続いているということだと思っております。

 一方、原子力発電所の廃止・廃炉についても議論がございます。現在、日本原子力発電の敦賀の1号機ですとか美浜の1・2号機、高浜の1・2号機、島根の1号機、玄海の1号機、7つの発電所に関しまして、40年以降の延長運転をするかどうかを各社が検討されている。高浜の1・2号に関しては特別検査を進めて、今後動かしていくという姿勢を示されておられますが、その他に関しては現在各社で引き続き検討中、このような状況でございます。

 私からは以上でございます。

○山地座長  ありがとうございました。

 それでは、資料4について、環境省から説明をお願いいたします。

○土居地球温暖化対策課長  資料4でございます。

 おめくりいただきまして、1ページ目でありますけれども、最終エネルギー消費量と二酸化炭素排出量の推移が記されております。最終エネルギー消費につきましては、おおむね横ばいというところでありますが、一方、エネルギー起源の二酸化炭素の排出量は近年増加をしているという状況でございます。

 さらにその内訳をみてまいりますと、2ページ目でありますけれども、一般電気事業者の発電電力量と二酸化炭素排出量がグラフになっております。赤線が CO2の排出量でありますが、右肩上がりというものであります。

 発電の内容でいきますと、棒グラフでありますが、紫の石炭火力、緑のLNG火力、黄色の石油火力ということで、この火力の焚き増しがあるというのが現状になっております。

 3ページ目でございますけれども、これらの結果を排出原単位という形でみたものがこちらのグラフでございます。電力の二酸化炭素の排出原単位(使用端)の部分でありますけれども、こちらにつきましては、震災・原発事故後につきましては 0.5を超える値ということで、悪化しているというのが現状になっております。

 また、4ページ目でありますけれども、電化の進展ということで、左のグラフにつきましては、IPCCの第5次評価報告書に記載されているものでありますが、建築部門における電化の進捗でございます。それぞれシナリオごとにどれぐらいの電化が考えられるのかということが示されておりますが、いずれのシナリオにおきましても、年を経るごとに電化が進んでいくという傾向は大きな変わりはないということで、今後考えていくに当たっては、電化が進むということが1つあろうかと思いますし、右のグラフは、日本の実績でございますが、各部門ごと電化が進んでいるという状況になってございます。

 これらの状況を踏まえてどのような対策を考えていくのかというのが5ページ目でございます。上にIPCCの抜粋なども書いておりますが、基本的な施策の方向といたしましては、エネルギーの低炭素化を進めていくという必要性が読み取れるかと考えております。

 今回ご紹介をいたしておるところは、取り組みの考え方というところで、2本柱と考えておりますが、低炭素エネルギーの導入を拡大していくということと、火力発電の低炭素化をさらに進めていく、この2本柱だと考えております。

 では、この柱につきまして、中身をご説明いたします。6ページ目につきましては、環境省が現在取り組んでおります再生可能エネルギーに関する取り組みでございます。大きく分けますと3つのセクションからなっておりますが、オレンジ色の部分は、自立・分散型エネルギーシステムの実証・導入を促進していくということ。また、各再生可能エネルギー種ごとに技術開発、基礎的な情報を整備していくということで、例えば、風力発電につきましては、ポテンシャルが大きい洋上風力の実証、また、環境アセスメントが円滑に進むような基礎情報の整備などを行っているところであります。

 下のところでありますが、これらを支えるための基盤づくりということで、環境金融などを活用して資金の支援を行っていくというものであります。

 さらに、その個別の中身につきましては7ページ目以降でございます。7ページ目が浮体式洋上風力の実用ということで、洋上風力につきましては非常にポテンシャルが大きいということでありますが、世界全体で進んでおります着床式のポテンシャルは日本は残念ながら余り大きくないということでありますので、深い海域でも適用可能な浮体式、浮いた形のものを今実証を行っているというものでございます。

 緑色の字のところで「これまでに得られた成果・知見」とありますが、効率性、耐久性の確認を行うとともに、漁業者の理解も醸成ができているというところで大きな成果が上がっていると考えております。

 8ページ目が潮流発電というものでございます。こちらは、ポテンシャルが大きいということでありますが、まだ実用に向けては技術的なハードルもあるというものでありまして、世界に先駆けてこれを商用化していくということを目的に技術実証を始めたところでございます。

 9ページ目でありますが、地熱でございます。世界第3位の地熱資源国であるということから、これを最大限活用していくというところでありますけれども、円滑な実施に当たりましては、地域の合意形成、また自然環境との調和が必要だということで、現在、8地域におきまして、自然との調和をどのように行うのか、また地元との合意形成をどうするのかという具体的な取り組みを連携しながら進めているというものであります。

 10ページ目が木質バイオの導入拡大ということで、山元から実際のエネルギーを使うところまで一貫して効率的なシステムをつくるための実証を行っております。

 11ページ目でありますけれども、小水力発電の導入ということで、特に上水道の施設を使っての発電を進めるための技術開発、実証を行っております。こちらにつきましては、発電量の変化が少ないであるとか不純物が少ないなど大きなメリットがありますので、低コスト化、コンパクト化を図って実機で実証をしているところであります。

 これらを組み合わせた自立・分散型の社会をつくるためのシステム実証も行っているところであります。

 13ページ目でありますが、これらを社会に実装していくためのサポートといたしまして、民間資金を呼び込むための低炭素ファンド、エコリースなどの仕組みも動かし始めているというものであります。

 14ページ目が環境影響評価手続の迅速化ということで、国の審査を自治体と並行して行う、また、必要となる情報を事前に提供するなどによりまして、通常3~4年かかる手続をおおむね半減していくということを目指して、具体的な取り組みを行っているところであります。

 15ページ目からが火力の低炭素化というものでありますが、火力発電につきましては、電力業界全体で CO2削減の取り組みという枠組みをつくっていただくことになっておりますが、現状でいきますとまだその構築がなされていないという課題があります。

 また、下の (2)のところにありますが、環境影響評価の対象規模未満の小規模な石炭火力計画がふえているという大きな課題もございます。

 また、欧米におきましては、16ページにありますような厳しい規制の方向にあるということで、これらを踏まえながら対策を考えていく必要があるというものであります。

 最後に17ページ目でございますが、火力の低炭素化、さらにカーボンマイナスの社会をつくっていくという面で、二酸化炭素回収・貯留技術を早く実現するということで、経産省と連携しながらの適地調査、また環境配慮型のCCSの開発ということを進めておるところでございます。

 環境省は以上でございます。

○山地座長  ありがとうございました。

 引き続きまして、資料5について農林水産省から説明をお願いいたします。

○木内環境政策課長  資料の5でございます。農林水産省の環境政策課長の木内です。よろしくお願いいたします。表紙に書いてありますように、農山漁村における再生可能エネルギーの導入についての考え方を中心にご説明いたします。

 1ページをお開きください。これは非常に基本的な情報でございますけれども、円グラフが2つございます。円グラフの左側のほうは、我が国の温室効果ガス全体の排出量のうち農林水産分野でどれぐらい排出しているかというものを示したものです。合計約 2.6%ということでございます。これは、 CO2だけではなく、メタン、一酸化二窒素といった二酸化炭素以外の温室効果ガスがございまして、それらが67%を占めております。

 右側をごらんください。右側の円グラフは、このうちの赤い部分が CO2に係る部分でございます。農林業でいいますと温室のボイラー、水産でいいますと漁船の油、こういうものが排出の源になっております。それ以外は、家畜の部分、それから田んぼから出てくるメタンとか、排泄物に係るメタンとか、そのようなものがございます。

 2ページをごらんください。2ページ目は、まず再生可能エネルギーの導入促進についての基本的な考え方を上の黄色の部分で書いてございます。国土の大宗を占める農山漁村は、森林資源のバイオマス、水、土地などの資源が豊富に存在し、再生可能エネルギー利用の面で高いポテンシャルを秘めている。農林漁業との両立を図りながら、これらを再生可能エネルギーの生産に活用し、その利益を地域に還元していく。それで農山漁村を活性化していくという基本的な考え方がございます。

 また、○の2番目にありますように、これはもう当たり前ですけれども、化石燃料の使用量の減量につながるということでございます。

 農山漁村の再生可能エネルギー資源の賦存量が左側の図に書いてございますが、国土全体の中で66.3%を占めます森林が非常に大きな部分を占めまして、木質バイオマスの発電、地熱発電などのソースになる。それから、その右隣に農地が 456万ヘクタールございます。ここの部分でも、ご存じのとおり一部耕作放棄地なるものも出てきております。これらを食料供給の機能に支障を来さないように留意しながら、太陽光発電や陸上風力発電を実施していく。それから、河川・水路などは小水力発電などに利用できるということでございます。

 ちなみに、木質バイオマスの発電では、現在、混焼、まぜて燃やすのを含めますと11ヵ所が稼働しておりまして、41ヵ所の木質バイオマス発電の場所が計画中でございます。

 それから、繰り返しになりますが、右側のほうに、農山漁村に再生可能エネルギーを導入するに当たっての主な課題を3つ挙げてございます。地域への利益還元、土地などの利用調整、地域の合意形成や機運醸成、こういうものが大きな課題となっております。

 3ページ目でございます。3ページ目には、25年11月に成立いたしました農山漁村の再生可能エネルギー法というのがございまして、昨年の5月に施行いたしましたが、目指す姿がオレンジで書いてございます。再生可能エネルギーの活用による農山漁村の活性化では、2018年度において、再エネ発電を活用して地域の農林漁業の発展を図る取り組みを現に行っている地区を全国 100地区以上、この取り組みを行う検討に着手している地区が全国 200地区以上存在していることを目指すということを考えております。

 それから、基本理念のところ、アンダーラインを引いてありますが、これも繰り返しになりますけれども、地域の活力の向上及び持続的発展、②のところでは、必要な農林地及び漁港及びその周辺の水域の確保を図るための調整が適正に行われなければならないということを基本的な考え方として進めております。

 囲みの中の右側の3.で書いておりますが、新しい法律の認定を受けた施設整備の計画に係る特例措置としまして、例えば農地法、あるいは酪肉振興法、いろいろ法律がございますが、これの届け出の手続のワンストップ化(認定により許可があったものとみなす等)という特例措置を講じております。

 最後のページ、4ページ目でございますが、予算措置による支援一覧を書いてございます。ソフト、ハード、いろいろございますけれども、再生可能エネルギーの導入による農山漁村の活性化としまして、一番上のところでは、いろいろな事業構想を作成したりとか調査、あるいは合意形成に必要な金を手当てするということにしております。

 また、下の左側のほうには、小水力発電に係るソフト的な経費、あるいはバイオマス産業を軸としたまちづくり、むらづくりということで、現在、バイオマス産業都市というのが16地域指定されております。これは7府省が共同で地域を選定して連携支援するものでございますが、これの施設整備を進める予算なども手当てをしてございます。

 そのほか、木質バイオマスの利用拡大に向けて、右側のほうですけれども、さまざまな措置を講じております。

 以上です。

○山地座長  どうもありがとうございました。

 それでは、今ご説明いただいた資料3から資料5の内容につきまして、委員の皆さんの自由なご発言をお願いしたいと思います。毎回同様でございますけれども、発言ご希望の方は手前のネームプレートを立てていただきたいと思います。本日は、今から1時間弱ですけれども、2時半までということで、通常2時間とっているところを1時間半でございますので、少し念頭に置いていただきたいと思います。ということで、ご発言はできるだけ簡潔にということをお願いいたします。実は午前中、ほとんどの方が参加されていて、1人当たり2分と午前中は申し上げましたが、ここの合同専門家会合は2分半というのがト書きに書いてありますので、厳守でお願いしたいと思います。

 どうぞ発言ご希望の方、ネームプレートを立てていただければと思います。これも暗黙の了解だと思いますが、お隣の浅野先生と私が交互に司会をやっておりますけれども、私が司会のときは中環審側の委員の方を優先的に順位をつけて発言を回していくということにしておりますので、ご了承いただければと思います。

 では、大塚委員からお願いいたします。

○大塚委員  エネルギー供給対策に関する取り組みに関しての経済産業省さんのペーパーについて、ちょっと申し上げさせていただきたいと思います。

 それぞれの委員会で議論をどんどん進めていっていただいていて、大変ありがたいと思っておりますが、2050年に80% CO2を削減するというのが環境基本計画にあり、それが閣議決定されているということを踏まえて、ぜひ検討を進めていっていただきたいと思っております。

 さらに、意見として、再生可能エネルギーの接続保留に関しての問題について、12ページにお書きになっておられるように、対策はパッケージで検討していただいて、大変ありがたいと思っていますが、最後のところの系統の活用増強、系統の強化に関して、だれの費用で対応するかということについては、これからまだご検討いただくことだと思いますので、ぜひ早急に検討を進めていただきたいと思います。

 再生可能エネルギーをより増強していくために系統の強化が必要だという面もありますので、再生可能エネルギーのほうの賦課金でという考え方も一方であると思いますが、他方で、系統というのは電力の基盤になるもので、いわば公共財でございます。しかも、今回電力の自由化等々の関係を含めて国のほうが政策を変えるということをされるわけですから、そういうことも踏まえて、公費の導入ということも十分にあり得ると思われます。ですから両方の側面があると私自身は考えていますけれども、そういうことを踏まえて、だれの費用でやるかということを早急にご検討いただきたいと思います。

 これは全く私の個人的な意見かもしれませんが、温暖化対策税の活用の仕方の1つとしても、こういうこともあり得るのかなと考えているところでございます。

 とりあえず以上です。ありがとうございました。

○山地座長  ありがとうございました。それでは、大聖委員、あと藤野委員、安井委員というように回していきたいと思います。

○大聖委員  最近、水素社会という言葉をよく聞きまして、午前中の中でも水素に対する期待があるのですけれども、これは、どのように位置づけるかというのは非常に悩ましいと思うのです。今、ナフサとか天然ガスから改質でつくっているわけですけれども、再生可能なエネルギーからそれをつくるとなると、やはり電力のほうが優先ではないかということが考えられますので、そういうものの位置づけをどのようにするかという考え方を長期的な展望でとらえる必要があるのではないかと思います。

 それから、再生可能エネルギーというのは変動が大きいわけですけれども、それは、蓄電池でためるというやり方も考えられるのですが、実はこれはものすごくコストがかかる話で、家庭レベルですとよろしいでしょうし、また、電気自動車ぐらいですとよろしいのですけれども、大規模なものはコストエフェクティブではないという考え方もしっかり押さえておく必要があるのではないかと思います。

○山地座長  ありがとうございました。では、藤野委員、お願いします。

○藤野委員  ありがとうございます。まず最初に、こちらのほうから出しましたヒアリングに対して、非常に丁寧なご回答をいただきまして、ありがとうございました。まだ読み切れてないところもあるのですけれども、鉄鋼連盟さんから出されている削減ポテンシャルの見積もりが、エネルギー環境会議で出されていたものから少し削減量が減っているようにみえたりするところもあるので、また個別に聞かせていただくかもしれませんけれども、本当にありがとうございました。

 それで、エネルギーのベストミックスの議論を小委員会のほうでされるということで、大変ありがたく思っておりますが、特に発電コストについては、世界の再生可能エネルギーと比べたときに、日本のコストがどうしても高いというところについて、もう少し検討して、どうすれば削減できる余地があるか。または、これは2030年の議論をしていますから、今後のイノベーションを見越したときに、需給のマッチング、ITを使ったり、そういったところで削減できるポテンシャルはかなりあると思うのですけれども、そういったところも見越した中での議論ということもぜひやっていただけたらと思います。

 最後ですけれども、この検討会では、温室効果ガス排出量削減値の2030年の目標値の議論をするというのが宿題になっていると思っているのですけれども、今後どのようなプロセスでその検討をするのかということについてもうちょっと明示していただけると、こちらもシミュレーションモデルを使ってお手伝いすることもできますし、ほかにも、エネ研さんも最近シミュレーションを出されていますけれども、JSTの低炭素社会戦略センターの山田先生とか松橋先生のグループも計算されていますし、WWFで槌屋治紀先生も手伝いながら計算されているとか、CASAとかもやっていますけれども、我々だけがやった結果というのを踏まえて目標の検討をするのか。いろいろな検討も踏まえながら議論をしていくということが、昨今のずっとやりとりした中でやはりいいことだなと思うので、そのあたり、どのような決定プロセスをする可能性があるかというのを事務局のほうでぜひ検討していただきたいと思います。

○山地座長  それでは、村上委員、お願いします。その次、安井委員と行きます。

○村上委員  3.11の原発事故と電力の供給不安以降、民生分野ではレジリエンスの向上ということが非常に大きな話題になっておりまして、自立・分散的な地域的なエネルギー供給システムの企画が随分進んでおります。その場合に、地域エネルギー供給というのは非常に公共性が高いものですから、通常のビジネスのベース、例えばIRRを6%とか、そういう形ではなかなか実現しづらいということで、地域エネルギー、自立・分散、レジリエンス向上、そういうエネルギー供給に関しては、公共側面からの資金メカニズムの応援という仕組みを少しお考えいただければありがたいと思います。

○山地座長  安井委員、お願いします。

○安井委員  ありがとうございます。不幸にしてか、私も長期エネルギー需給見通しの小委員会の委員になってしまいましたので、それで皆様にちょっとお願いをしようと思って、一言申し上げようと思います。

 今、藤野委員からのお話がありましたように、手法をどうやって決めるか、あるいはどういうものを使ってやるかというのは大変難しいのですけれども、大枠は、3種類しかない1次エネルギーの割合を、恐らくリスクガバナンスの可能性の有無みたいな格好で優先順位化をするみたいな――要するに、全く異なったものですから、何か別の手法、例えばLCAみたいな、そのような手法をつくらなければしようがないのではないか思っているのですが、実をいうと、その手法がまだ完璧にはできてないのです。できてないどころか、そこに必要なデータもまだ十分供給されてないような気がする。

 藤野委員がおっしゃってくださったような、シミュレーションをやったり、モデルをつくられたり、いろいろなことをやっておられますが、例えば、CCSなどもそうですけれども、導入に伴うコスト、リスク、そのようなところが十分比較できる形になっていない中での議論になっしまうということは、逆にいうと、この委員会がえいやっと決めたなといわれる可能性が非常に強い。そのリスクが非常に大きいと私は理解をしておりますので、ぜひともここにご出席の皆様から、ここいらあたり3人そろってその宿命を背負っているわけですけれども、ぜひぜひご助力をいただければと思う次第でございますので、よろしくお願い申し上げます。

○山地座長  中上委員、どうぞ。

○中上委員  発言しないのもユニークなのではないかと思って、午前中から我慢しておりましたけれども……。

 供給だということなので、余り深入りはしたくないと思いますが、この長期エネルギー需給見通し小委員会というのは、需給と書いてあるように需要が非常に大きな柱なはずでありますけれども、じっくりと腰を落ちつけて需要の見通しがつくれるかどうかということにかかってくるのではないかと思うのですが、その辺の時間の配分がかなり厳しい中で答えを導いていくということを負うているわけですから、今、安井先生がおっしゃったように、大変な責務があると思っております。

 今、農水省さんのほうからもいろいろな施策のご提示がございましたけれども、まだまだ深掘りできるところがいっぱいあるんだと思うのです。

 私、農村の計画を10年ぐらいやったことがございまして、農村と一口にいってもいろいろな営農形態がありますし、未利用のエネルギーの活用という意味ではまだまだ深掘りできるところがあると思うのですが、ここに挙がっているのは、あくまで非常にわかりやすい、理解しやすいものが入っているわけですけれども、廃熱の利用とハウスの園芸を重ねるなどというのは、低温でも結構稼げるわけです。

 そういう意味では、こういう場で議論してしまいますと、ついつい目立つところといいますか、わかりやすいところだけで議論が進んでしまうことがいつも不安に思っておりまして、省エネは私のホームでございますから、余り深入りはしたくないのですが、次回以降そういうことを詰めていきたいと思いますけれども、我々は待機電力を指摘してまいりましたが、待機電力は決して家庭だけの問題ではなくて、業務用も工場でもあるわけです。そういうところは、いわゆるメインのメニューではないわけですから、ついつい見落とされがちなのですけれども、非常に幅広くて、集めてみると相当な量になり得る可能性があるものがまだまだ残っております。

 そういう意味で、深掘りをする時間がどこまでとれるかということが省エネについても非常に大きなポイントだと思いますので、この委員会の中でできなかったときのいいわけをしているわけではないのですけれども、まだまだ拾えるところがあると思っておりますので、ここの議論ではないかもしれませんが、お持ち帰りいただいて、ご担当のところで深掘りをしていくような体制をつくっていただければと思います。

○山地座長  高村委員、お願いします。

○高村委員  中上先生から非常に心強いご示唆をいただいたのですけれども、もちろんエネルギー供給部門の多くの部分がエネ庁さんのもとで議論されているというふうに了解していますので、先ほど大塚委員からありましたように、特にこの会合から議論の方向性としてお願いをしなければいけないと思っていますのは、温室効果ガスの排出削減の観点をあらゆる施策の中に位置づけていただきたいということであります。

 その観点から、もちろんこれはエネ庁さんのもとでの政策だけではございませんけれども、1つ気になっている点であります。これは、午前中の委員会でもご議論がありましたし、これまでの委員会でも、私が参加しているとき、いないときもありましたが、もちろん海外での、とりわけ新興国での排出増への対応をどうするかというのは非常に重要な課題で、日本としてこれにどう対応していくか、どう支援していくかは非常に重要だと思っております。

 しかし、きょうご提示いただいたように、発電量の9割近くを化石燃料依存の形で来ている、そういうことをこれからも続けながら、海外で削減を支援すれば、それで事足りるというものでもないだろうと思っております。

 その観点から、2点申し上げたいと思うのですけれども、1つは、石炭火力に関してであります。これは、環境省さんの資料4の2ページのところに、一般電気事業者さんからの発電電力量の推移とその起源といいましょうか、電源ごとに書かれておりますが、今、一般電気事業者さんの発電量は全体の9割近くになっていると思いますので、それをみたときに、この間、ガス火力もふえてはいますけれども、石炭火力の依存度が非常にふえているところを非常に懸念いたします。

 同じ資料4のところでありました、スライドの15、平成25年4月に4大臣会合で承認された方向性というものがあると思っておりまして、少なくとも石炭火力にかかわって、この合意に基づいた二酸化炭素排出削減のきちんとした枠組みを早期につくっていただきたいということであります。

 2つ目は、再生可能エネルギーに関してでありますけれども、これも山地座長のもとで随分苦労して議論をしていただいたと思っております。今回、いろいろな議論はあったかと思いますけれども、私自身は、これまでの運用の中で、再エネの拡充に当たって、FITでかなり導入が促進されつつも、系統がボトルネックになってなかなか入っていかない、その問題を明らかにしたと思いますし、一定の対応を短期的な対応としてきちんととっていただいたと思っています。

 今回、エネ庁のほうからもご提示をいただきましたけれども、例えば、系統運用について、その運用の実態をきちんと監視していくでありますとか、あるいは、今後、広域運用に向けて、これは電力のシステムの自由化の問題ともかかわってまいりますけれども、明らかになった課題をきっちり議論して、早くその対応を考えていっていただきたいというふうに要望いたします。

 最後でありますけれども、こちらの議論の仕方についてであります。これは午前中もありましたけれども、透明性の高い形で、エネルギーミックスの検討はみながらだけれども、どのようにこの目標が決まっていくかという道筋プロセス、スケジュールというものを明らかにしていただきたいと思っております。

 藤野委員からもありましたように、いろいろな情報というものをこの場で目にすることが必要だというふうにも思っております。

 そういう意味では、2月以降、確かにご配慮いただいていると思っていまして、エネルギーミックスに直接かかわりないけれども、海外での削減にかかわるところですとか、早目に議論をされようとしていると思うのですが、例えば、フロン類の対応については一度ご報告いただきましたけれども、既に一定の情報を提示していただいておりますので、具体的な2030年に向けた対策強化の施策の問題についてもう議論をしてはどうかと思っております。

 最後、産業部門の方の聞き取りのところで、活動量の見通しですとか技術見通し、丁寧な対応をいただきまして、大変ありがたく思っております。これは朝も申し上げましたけれども、政策としてどのようにこうした情報をみるかという、対策の可能性、方向性をみるために、いただいた情報についての精査、検討についても今後引き続き議論をお願いしたいと思っています。

○山地座長  高橋委員。

○高橋委員  ありがとうございます。環境省の資料4に基づきながら、発言させていただきます。4ページの「電化の進展」についてですが、我が国における民生部門の最終エネルギー消費における電力の割合が増加傾向であることに鑑みるとこの場は省エネの議論ではないことは十分承知しておりますが、ここのグラフをみて改めて、環境省、経産省のみならず、関連の省庁、国交省とか消費者庁、地方自治体が協力してさらに省エネに取り組む必要があり、私たち労働組合としても、企業や、さまざまなNGOの方々とも協力して、省エネの機運を同時に盛り上げていくことが重要であることを痛感いたしました。

 また、再生可能エネルギーについてですが、もちろん地産地消ということが非常に望ましいと思いますが、必ずしも発電と最終消費地と近いは限らないため、しかるべき対策が必要ではないかなと考えます。地熱発電や木質バイオマスなど、地域ごとの特性に配慮しながら、発電量が安定的で低コストな手法に対して集中的な投資をお願いしたいと思います。

 また、農水省の資料にも関係しまますが、11ページの「小水力発電の導入拡大」の中の一番上の枠囲みの中の2つ目のところで、「農業用水路などに導入の余地が残されている」と記載があります。農水省の取り組みの中にもそこの部分の記載がありますが、、農業用の水路は総延長で40万キロメートルで、地球10周分に相当するということでありまして、このような水路については農家の水管理組合が支えていると承知していますけれども、環境省が研究している低コスト化が実現できれば小水力発電の導入のさらなる拡大も検討すべきではないかと思います。

○山地座長  ありがとうございました。豊田委員、お願いします。

○豊田委員  3省のご丁寧なご説明、大変わかりやすく、ありがとうございました。

 経産省のほうでエネルギーミックスについての議論を始められるということですので、ぜひ早急にお願いをしたいと思います。「現実的」「バランスのとれた」というのが恐らくキーワードだと思いますので、よろしくお願いいたします。

 その観点から2つほどコメントがあるのですけれども、まず第1に再生可能エネルギーです。議論が連系線に集中しているような気がして、大変気になっています。太陽光等、風力がどんどん進んでいるがゆえに、連系線が問題だという、そのこと自身、そのとおりだと思いますけれども、連系線さえ拡充されれば、再生可能エネルギー、この不安定電源である太陽、風力がどんどん入るというふうに、あるいはどんと入れるべきだという考え方があるとしたら、大変危険な議論だろうと思います。

 まず、2点問題があると思います。1つはコストです。発電コストについて議論がございますが、日本の場合、確かに発電コスト自身もまだ高いかもしれませんが、問題は、発電可能化コストだと私は思っております。太陽にしても風力にしても、 100%発電するときもあれば、ゼロになってしまうときもあるわけで、バックアップが必要なわけです。バックアップのために火力を動かすことによって、火力のほうの稼働率が下がり、そして効率が下がり、コストが上がる。火力発電の、それが石炭であろうと、天然ガスであろうと、石油であろうと、バックアップのために効率が下がってコストが上がるとすれば、それは再生可能エネルギー、太陽光発電、風力発電のコストとしてぜひみていただきたい。当然のことながら、連系線の拡充もコストとしてみるべきだと思いますし、蓄電も重要ですけれども、蓄電のコストも再生可能エネルギーの発電可能化コストとしてしっかりみていただきたい。

 もう1つ、 CO2ですけれども、まさにバックアップが必要だということは、太陽光発電や風力発電はそれだけでは成立しなくて、 CO2を発生するエネルギーをお友達にしないとできないという、いわばひとり立ちしにくいエネルギーであるという認識をしっかり共有していただきたいと思います。とりわけこの委員会ではそういう視点もしっかりみていただいて、 CO2への影響というものも考えていただきたい。ドイツは、再生可能エネルギーを入れることによって、むしろ CO2の発生量をふやしているわけですので、そういった点を忘れずに議論をしていただきたいというのが再生エネルギーについての指摘でございます。

 もう1点は原子力ですけれども、原子力は、3.11の事故の後どうなっているかといえば、ドイツは、脱原子力のポジションを変えておりませんけれども、多くの国々は引き続きそれを維持し、アジアの国々は拡大をしようとしている。スイスも、一度脱原発を決めていたようですけれども、だんだん見直しの動きも出てきている。ぜひ諸外国の動向をしっかりみていただきたいと思います。

 加えて、IPCCにおいても、原子力というのはゼロエミッション電源としての位置づけをしっかり書いているわけです。リスクもございます。リスクは全てのエネルギーにあるわけですので、原子力だけではないという意味で、しっかりと原子力を位置づけていただきたいと思います。

 質問を簡単に2つだけ、むしろ環境省さんにお伺いしたいのですけれども、再生可能エネルギーの中では安定電源としての地熱が非常に重要だと思っております。今回もご説明いただいて、大変ありがとうございます。ただ、まだ国立公園の規制について、例えば高さ制限とか、そのほかやるべきことがたくさんあるのではないかと思います。規制緩和をしませんと、安定的再生可能エネルギーは進まない。ここをどのようにお考えなのか、教えていただければありがたいと思います。

 もう1点は、環境省さんのご説明の中に原子力がなかったのはなぜでございましょうかというのが質問でございます。当然のことながら、ゼロエミッション電源としての原子力を重要視されていると思いますが、どういうご方針なのか教えていただければ幸いでございます。

○山地座長  竹内委員、お願いいたします。

○竹内委員  ありがとうございます。再エネに関して、まず4点申し上げたいと思います。

 1点目、やはり省庁間の重複というのが気になりました。以前の委員会でも相当数の指摘があったかと思いますけれども、施策の効率化を図っていただきたいと思います。

 2点目、再エネの導入拡大が目的化していないだろうかという点でございます。再エネというのはあくまで発電手段の1つで、3Eのバランスを達成するツールの1つであります。部分最適の話を積み重ねても全体最適にならないということにはやはり留意が必要だと思います。

 3点目、コスト効果について。再エネの導入量をふやす目的としてはやはり CO2削減だと思いますけれども、それであれば、例えば、昨夏までにFITの設備認定を受けたものが全て稼働すれば、賦課金が年間 2.7兆という試算がある中で、この金額をビルの省エネ等に回した場合と削減できる CO2の量というのを精査する必要があろうと思います。また、再エネの導入の進んだドイツなどで本当に CO2が削減できているのかというところも緻密に検証をしていただきたいと思います。

 4点目、実は私、前職でとある自然公園の自然保護に10年以上携わっておりました。ある山小屋に太陽光発電を導入しようとして、環境省の方に打ち合わせに伺ったのですけれども、そのときに、パネルが光を反射して自然に違和感を与えるので、山小屋の陰に置いてほしいといわれたのです。皆さん、この話を聞くと笑われるのですけれども、この場ではエネルギーという観点からしか物を考えていないのでおかしいと思われるのでしょうが、実は私、そのときに納得したのです。尾瀬の中にパネルがきらきらして、目にちらつくというのは私自身も嫌だなと思った。そういう価値観をそのときに私はもっていたので、納得しました。エネルギー供給の側からだけものを考えていると、世の中の価値観全体のバランスからすると乖離した議論になりかねないと思います。

 再エネの中でも安定している地熱やバイオマスといった電源を育てていく必要がありますし、そのためには規制緩和が必要というご指摘が豊田委員からもありましたけれども、そのとおりだと思います。環境省さんもその方向で取り組んでおられるということなので、さらに進めていただきたいとは思いますが、エネルギー供給というコンテクスト、価値観で考えたエゴの押しつけにならないようにしないといけないと思います。再エネのポテンシャルについて、あるいは経済負担の限度について、この場ではエネルギーと温暖化対策という観点からだけ議論しがちですけれども、そうしていると、机上の空論、世論から離れたものになりがちではないかということを申し上げたいと思います。

 最後に1点、石炭火力について。高村委員からご指摘がありましたけれども、原子力がない今――ないといってはいけないですね。稼働していない今、日本にとっては重要不可欠なベースロード電源であり、かつ、高効率石炭火力の技術で世界の削減に貢献しようとしているものかと思います。削減へのインセンティブは重要であると考えますけれども、再エネの4点目で申し上げましたとおり、温暖化対策からだけ、あるいは日本の排出削減、国内の排出削減からだけ物を考えるということはできないわけでして、エネルギー安定供給や世界での削減貢献というものを阻害するような枠組みにはしないでいただきたいというご配慮をお願いしたいと思います。

○山地座長  では、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員  現在の原子力発電所がなかなか動いていないという状況です。今後のCO2削減目標数値を出す上で、原子力発電所がどのぐらい動くかというシミュレーションをつくって、何基動いた場合にはどうなるかというような、上中下というように複数の前提条件のもとに、考えることが必要ではないでしょうか。原子力発電所がどのぐらい動くかわからないので数値ができないというと、なかなか前に進まないと思います。そしてそのもとに全国の自治体、あるいは事業者と連携をして対策を進めるということが必要ではないかと思います。

 午前中の会議でも出ていましたけれども、国として数値が決まらないので地方で動けない、そういう意見もございますので、幾つかの仮定を置いた上で対策を進めていくということが必要ではないかと思います。

 それから、石炭火力発電所についてですが、私も、石炭火力発電所については、それが CO2の排出量をふやしてしまうという懸念をもっております。それは、直ちにふえるというだけではなくて、稼働期間中ずっとふえるわけですね。そうしますと、かなり長期の間、排出量をふやしてしまうという要素になりますので、そういう意味では長期的な影響も考えて、小規模な石炭火力発電所については慎重な考え方をもつことが必要ではないかと思っています。

○山地座長  では、崎田委員、お願いいたします。

○崎田委員  ありがとうございます。午前中のメンバーでもあったのですけれども、なかなかたどりつけなくて、申しわけございませんでした。

 それで、いろいろな委員の皆さんのご発言から、省エネルギーについてかなり突っ込んだ意見交換があったように思います。重なってしまったら申しわけないのですが、私も、今回、温暖化対策をきちんと考えていくときには、省エネルギーとかコージェネなど、地域での効率的なエネルギー活用と、今テーマになっているエネルギー源の CO2削減、この話の両方にどこまできちんと取り組んでいけるかという、その全体像が非常に大事だと思っております。

 特に午前中の部分で、私がもう一回申し上げたいのは、やはり民生部門の家庭や地域の自治体をその気にさせるために、もう少し自治体が動きやすいような状況をつくっていただければうれしいなと強く思っています。

 特に京都議定書のときには目標値や、いろいろと地域計画をつくって動いていたのですが、最近、少し目標値を見失って、どうやって見直そうかということを延期しているような自治体が大変多いと感じております。やはり自治体がきちんととらえるべき目標がどのくらいなのかなど、そういうところをみんなで定量化していくことが大事だと思っております。

 そう思っていましたら、きょう、環境省の資料4の左上にも「Fun to Share」のマークがあって、この「Fun to Share」は、国民が技術をきちんと生かしていくという視点で、個人の行動のような印象がありますけれども、私は、この「Fun to Share」の国民運動を自治体にきちんと当てはめていくような動きをつくっていくということも、社会全体を動かすときには大事なのではないかなと思っています。

 午後のテーマですけれども、きょうのご発表を伺いながら、石炭火力の CO2削減とか、原子力の安全利用、再生可能エネルギー、全部大事なのですが、急激にいろいろなことを変えているので、地域でさまざまな課題が起きている。それをどう解決していくかというときに、今、政府の中で解決策を考えていますが、もう1つ、地域の現場で起こっていることを地域が信頼関係をもって変えていくという場も必要なのではないかとここのところ感じております。例えば都道府県ぐらいのレベルで頻繁に、今ここの地域でエネルギーはどうなっているのだということが話し合えるような場をつくっていくというのも大事なのではないかなと思っております。

 長期エネルギーの需給を考える場ができましたが、地域のところも、自治体をうまく巻き込む省エネルギー策と新エネルギー策とを両方つくっていくというところがキーになるかなと思っております。よろしくお願いします。

○山地座長  ありがとうございました。木村委員、お願いします。

○木村委員  ありがとうございます。

 まず、総論として、資料に記載のとおり、3E+Sの観点で、バランスをとることです。エネルギー源ごとの特性に関する議論は終わっていますので、これを十分考慮していかに組み合わせるかという点が重要だと思っています。

 原子力と再生可能エネルギー、化石燃料という3つについて、少しコメントいたしたいと思います。

 原子力につきましては、昨年のエネルギー基本計画に、重要なベースロード電源と明記されています。当然のことながら安全性を確保した上で、今後、政府として有効活用のための環境整備を着実に進めていただきたいと思っています。

 再生可能エネルギーは、非常に高いポテンシャルをもっていると思いますが、現時点では、コストと安定性の面で課題が残っています。したがいまして、まずは研究開発に注力しながら、その課題克服に努めていく必要があります。

 固定価格買取制度は、高い買い取り価格で導入を図り、その価格を20年間固定する仕組みです。利用者への賦課金として、来年度だけで1兆円、昨年の6月で認定された設備が全て稼働すれば、年間 2.7兆円という試算もあると聞いております。この負担は長期に及びます。したがって、国民負担を軽減すべく、制度を抜本的に考え直していく必要があります。

 また、この賦課金の問題に加えて、系統への接続可能量が実際はどの程度あるのかという物理的な問題もあります。再生可能エネルギーの導入促進のため、系統を増強すれば、さらに大きなコストがかかります。したがいまして、中長期の再生可能エネルギー導入量の算定に当たっては、過大に見積もらず、コストを含め、実現可能性や国民負担の妥当性をみながら進めていく必要があります。

 ついつい原子力とか再生可能エネルギーの議論が先にいって、化石燃料が横に置かれる傾向が若干あるかと思っております。化石燃料には石油、石炭、ガスがありますが、これにつきましても、例えば石油はエネルギー基本計画において、今後も有効に活用すべき重要なエネルギーとされていますし、エネルギーの大宗を占めます。引き続き官民一体となり、安定確保に取組むと同時に、利用方法について、高効率化、低炭素化を図り、CO2問題と両立させながら化石燃料を有効に活用、利用する知恵を出すべきではないかと思っております。

 最後にもう1点、エネルギー問題を考えるに当たって、1次エネルギー、最終エネルギー、発電構成のうち、どの部分の議論をしているのかを常に頭に入れておかないと、議論が混乱する可能性があるかと思います。電力は最終エネルギーであります。先ほど議論のあった水素は2次エネルギーですから、何から水素を取り出すかという議論にもなりますし、水素を使って電気を起こすなら、どういう用途の最終エネルギーにするのかということもあります。1次エネルギー、2次エネルギー、最終エネルギーのどの段階に視点を置いているのか、常に頭を整理しながら議論をする必要があると思います。

○山地座長  小倉委員、お願いいたします。

○小倉委員  3点ほどお願いしたいと思います。

 まず、1点目はエネルギーミックスの問題です。企業がグローバルで戦うためには、新興国の追随を許さない商品力とコスト競争力が必要なわけですが、コスト競争力というと、人件費が高いとかいろいろあるけですけれども、人件費は、上がってもお金を回す意味では価値を生むのですが、電気代が高いというのは何の価値も生まない。なおかつ海外から輸入する燃料代など、富の流出になってしまうということもあって、電気代が高いことは非常に大きな問題だということです。

 今、韓国の、あるいはアメリカの電気代に対して日本の電気代は倍なのです。そういった意味でも何とか電気代を下げなければいけない。エネルギーコストを下げること、それから CO2の対策というのをうまくバランスをとって、現実的なところにもっていっていただきたいと思います。

 その中で、再生可能エネルギーは、先ほどからも話が出ていますように、地熱などはベース電源になるのでまあいいとしても、天候に左右されるエネルギー、特に太陽光は、過度にふやそうとすると調整電源が必要になってきますので、結局、コストを上げる。それから国民負担もふえるということになるので、やはり過度にふやすべきではないということであります。

 一方、コストを下げるためには、やはり大規模な石炭発電はある程度は必要なのかなということだと思います。

 それから、 CO2排出量を上げずに発電するには、安全が十分確保されるという条件付きですけれども、原子力発電を速やかに再稼働していただきたいなということであります。

 もう1つ重要なのは、省エネルギーでございまして、省エネというのはさまざまな技術で、低コストで CO2削減を実現することができるということなので、これも重要な要素であるかと思います。

 したがいまして、こうしたコストをきちんと考えた上で、現実的なエネルギーミックスについて決めていただいて、その上で CO2削減目標を積み上げていただきたいということでございます。

 2点目は、その中で、発電所などは、非常に高効率な発電所をつくろうとすると、ガスでも石炭でもそうなのですが、非常に大きな発電所をつくらなければいけない。ところが、今計画しても、できるのは8年後なのです。その原因には環境アセスが非常に長いということもありますので、もう少し現実的なところで環境アセスを短くできないかという検討をぜひお願いしたい。

 3点目は、省エネルギーに対する支援についてです。省エネルギーというのは非常にいろいろな価値を生むということなのですが、産業界の省エネ設備などは世代を経るごとに大規模なものが必要になってくるわけです。大規模なものはどうしても設備稼働まで複数年かかることになります。さらに、規模が大きくなれば、コスト的に見合わないと企業も投資が難しくなる面がありますので、そういったところで省エネ補助金を活用するということは非常に重要だと思います。最近、省エネ補助金の制度もだんだんと使いやすいものになってきておりまして、非常にありがたいと思っています。

 その中で、年度またぎの補助金というのがあるのですが、年度またぎが認められるには要件がございまして、法令などの外的制約だとか、取引先への損害がある場合、あるいは設備が危険な状態にある場合という、3例のうち1つ以上について合理的な説明を求められるなど非常に厳しい要件がございます。そういったところももう少し緩和する等の検討をいただければありがたいと思います。以上、3点でございます。

○山地座長  それでは、大橋委員、お願いいたします。

○大橋委員  このエネルギー供給対策につきまして、2点意見を述べさせて頂きます。

 午前中にも申し上げたとおり、各地の中小企業にとりましてはエネルギーのコスト問題というのは極めて深刻な状況であります。昨年11月から12月の間に、全国の商工会議所の会員企業に対して実施いたしました「電力コスト上昇の負担限界に関する調査結果」を参考資料1として1枚配付しておりますので、これを眺めながら聞いていただきたいのですけれども、この結果によりますと、電力コスト及び単価(1キロワットアワー当たりの電力コスト)は、平均で約30%(28.7%あるいは28.1%)上昇しております。電力コスト単価の上昇負担限界額について、1キロワットアワー当たりあと幾ら上がったら負担限界額に近づくかということを調べますと、1キロワットアワー当たり「1円未満」あるいは「1円」、要するに「1円以下」と回答した割合が、3分の2以上(67.2%)を占めております。

 また、今後、仮に電力コストが上昇した場合の対応策として中小企業としてはどうするかということですが、「人員・人件費の削減」を検討すると回答した割合が半数以上(56.5%)、「設備増強や研究開発活動の縮小・抑制」が3分の1以上(36.3%)を占めております。このように、電力コストが実際に上昇した場合には、中小企業においては完全に雇用減少、あるいは就労者の収入減少、中小企業の設備投資・研究開発投資の抑制につながる可能性が懸念されるわけであります。これは、今進めております日本の経済再生とは全く正反対の方向にいってしまうことになるのではないかという懸念がございます。

 こういった現下の課題を解決するためには、今も議論が出ておりますけれども、まずは「安全が確認された原子力発電の再稼働」によって、とにかく今はエネルギーコストを圧縮することが一番重要ではないかと思っております。

 次に、再生可能エネルギー導入推進についてですけれども、これは確かに温室効果ガスの排出量削減にとっては重要でございます。しかし、これも先ほどより話題になっておりますが、受け入れ側の問題や蓄電池の導入などの課題があります。これにつきましては、「国民負担の抑制」の観点を踏まえて、バランスのとれた導入を図ることが必要ではないかと思っております。

 さらに、現時点及び将来の技術開発状況をみて、再エネと省エネのコストパフォーマンス上のバランスをよく考慮した上で、対策方針を打ち出すべきではないかと思っております。

○山地座長  ありがとうございました。では、秋元委員、お願いします。

○秋元委員  最後になると大分重複が多くなって、申しわけありません。

 1点目ですけれども、再エネについてです。ご指摘ありましたけれども、PVが今、偏った形で非常に大きく導入されている。認可が非常に大きくなっているということだろうと思います。これは、再エネ、特に太陽光発電が非常にふえてくると、例えば5月の需要が非常に小さいときにオーバーしてしまうということが起こって、そうすると、蓄電池を導入しないといけないということになりますので、急にコストがものすごく上がってしまうということになりますので、系統の接続だけではなくて、そういうところのネックがどういうところにあるのかということを精緻に考えた上で対策をとらないと、後になってみると非常に高いコストになってしまうということになりますので、そこはよく理解しないといけないと思います。

 そして、ベース電源とそうではないものを分けて考えないといけないと思います。ベース電源は、石炭とか、原子力とか、地熱とか、水力といったものになりますので、ドイツでも、原子力を減らすと褐炭が入ってきて、結局ベース電源間でのやりとりになってしまって、 CO2はむしろふえてしまっているという状況になりますので、そこをよく理解する必要があると思います。

 その上で、エネルギー供給ということを考えて、 CO2問題、そしてコストの上昇をいかに抑えるのかということを考えると、やはり一定程度の原子力というのは非常に重要なオプションで、もちろんこれだけ事故を起こして問題はあるわけですけれども、原子力の活用ということは CO2問題の上からもぜひしっかり進めていくということが必要かと思います。

 もう1点ですけれども、環境省さんの資料で、IPCCの中で、電化が進んで低炭素電源がふえていくという、このセットが非常に重要だというメッセージは、IPCCのメッセージとして書いていただいて、非常にいいことだろうと思います。そのあたり、なかなか取り上げてもらっていませんけれども、長期的なトレンドとして、このセットで大きく CO2を抑えていくということは非常に重要だということだろうと思います。

 ただ、一方で、時間軸を考えないといけなくて、今の状況では、日本で原発事故以降、電力コストが非常に上昇していますので、そういう中で、石炭の一定程度の利用ということは仕方がないところかなと思います。ただ、小規模で効率の悪い石炭火力がたくさん入るというのは、やはり CO2の問題上、問題なので、使うにしても高効率なものを使っていくという方針をとっていくということは、短期的にはどうしてもコストを下げなければいけない時期がありますけれども、中長期的には重要だと思います。

 最後、もう1点だけですけれども、CCSです。CCSも長期的には非常に重要なオプションで、これがないと大きな排出削減はできないと思いますけれども、回収技術のコスト低減とか、貯留したときのモニタリング技術の開発とか、もう少し時間をかけてやっていかないといけない部分もありますので、そこも慎重にみきわめながら、2030年にどう寄与できるのかということを考えなければいけないと思います。

○山地座長  一通りご発言いただきまして、いろいろな側面から貴重なご意見をいただいたと思います。

 特に、豊田委員から環境省さんに対する質問もありましたし、ほかにも、多くはご注文といいますかコメントが多かったと思いますが、質問もありますので、関係省、あるいは事務局から簡単に回答をいただければと思うのですが、経済産業省さん、何かございますか。

○吉野大臣官房審議官  まず、総論としまして、エネルギーミックスの議論の進め方に関していただきましたご意見は、それを踏まえて丁寧にやっていきたいと思っております。

 それから、再エネに関して系統の問題がございました、広域運用機関におけるルールの問題ですとか、今後の整備の問題に関して、これも電力システム改革などと関連して議論を進めておりますが、いただきましたご意見も踏まえつつ、同じく丁寧に議論をしていきたいと思っております。

 それから、水素についてもコメントがございましたが、これにつきましては、基本計画を踏まえてロードマップも出しておりますが、当面、利用サイドの導入を支援しながら、先々の水素をつくっていくようなところに関してはまだまだ研究開発の段階であるというように認識をしているところでございます。

 石炭に関しましては、これもご議論がございました。私どもも、最後の秋元先生のご意見同様、やはり基本計画にありますとおり、高効率なものを利用していく、環境問題を考えながら適切に利用していくことが課題というふうに考えているところでございます。

 簡単ですけれども、以上でございます。

○山地座長  ありがとうございました。環境省さん、いかがでしょうか。

○土居地球温暖化対策課長  1点目が、国立公園内での規制についてのご質問がございました。こちらにつきましては、地元の状況に応じて、どのように有機的に対応できるのかということについて、今、中身を詰めさせていただいておるところでございます。

 2点目の低炭素エネルギーに関してでございますが、資料にお示ししたとおり、IPCCの中でいきますと、低炭素エネルギーは再生可能エネルギー、原子力、CCS、バイオマスのCCSというもので書いてございます。そのものについては5ページ目に記載しております。

 一方、環境省におきましては、規制の部門ももっているということもございますので、現時点でその方向性について環境省の意見を述べるというのは差し控えさせていただいているという状況にございます。

 秋元委員からご質問、ご意見をいただきましたが、特にCCSにつきましては、我々がさまざま行っている対策の中でも、時間軸を一番意識しながらやっているものだと思っておりまして、長期的には必ず必要だと思っていますし、また、海外でもこの取り組みが進むと思っておりますので、国内のみならず海外での展開というものも視野に入れて、経産省と連携をしながら検討を進めているというものでございます。

 水素につきましては、各ステップで、どのような CO2削減につながるのかということについて、きちんとデータをとっていきたいと思っておりまして、来年度予算で、そのデータをとるための予算を要求しているところでございます。

 以上でございます。

○山地座長  農林水産省さん、何かございませんか。よろしいですか。

 事務局は、いかがですか。

○小見山環境経済室長  藤野先生、高村先生から、今後のプロセスについてご意見がございましたが、これについては、事務局の中でも調整して、お示しできるような形で考えていきたいと考えております。

○山地座長  時間が限られた中でしたので、以上のお答えですけれども、今後また深掘りしていきたいと思います。

 それでは、今までの皆さんのご意見を踏まえまして、中央環境審議会側の小委員長でございます浅野先生から一言お願いしたいと思います。

○浅野小委員長  それでは、一言申し上げたいと思います。

 豊田委員がご指摘になったとおり、系統だけでは問題が解決しない、バックアップが必要である。そのとおりなのですね。ですから、何事も、何が問題なのかということを客観的にちゃんとはっきりさせて議論するということが必要だと思います。ただし問題だから、だからだめだではないのであって、問題であることをはっきりさせて、ではどうするんだという議論をする必要があるだろうと思います。

 それから、もう1つ、今日のご議論の中で、たびたび出されたご指摘、それは我々も気にはしているのですけれども、中期の議論と長期の議論というのは密接不可分ではあるのですが、ある程度、これは長期の課題、これは中期の課題、そこの切り分けも頭の中できちっとしないとまずいと思います。

 石炭火力について、秋元さんが小型は問題だとおっしゃって、私も全くそうだと思うのです。しかし、一旦できてしまえば、これは中期でなくて長期になってしまいますので、当面はとにかく原子力がとまっているからということでやっていって、40年後というのはどうなるのだろうということも十分意識しなければいけないだろう。こんなことを感じました。

○山地座長  ありがとうございました。

 ト書きによると、ここで私も一言とあるので発言させていただきます。きょう、皆さんのお話を伺っていて、一々同意することが多かったのですけれども、中でも、今、小見山室長が今後検討していくといいましたけれども、やはり議論のプロセスというのはある程度みえるように意識していく必要がある。高村委員がおっしゃったように、私も、透明性をきちんと維持する、これは一番の原則だと思います。だから、この約束草案の中の一番大事な削減目標、これはやはりエネルギーミックスの議論と非常に関連があるわけですから、そこは総合資源エネルギー調査会の場もあるわけですけれども、そこの議論も透明にしていって、そことこちらの関係も透明にしていくということは、私も会合を運営する者として十分心がけていきたいと思っています。

 一方では、きょうは、各省間の予算の執行についての重複の議論――これは前回からあったのですけれども、この件に関しても、それぞれ行われているものはそれぞれの場のところの専門性をある意味尊重していく必要があります。。いい意見やアイデアが出る場は十分活用すればいいんだと思うのですが、限られた貴重な予算の下で行うのだから、重複の排除についても、透明性を維持するということの原則のもとで運用していけば、それでいいのではないかと私は思っています。この問題は相当重要だと思いますので、意識して今後取り組んでいきたいと思っております。

 ということで、以上で本日の議事を終了したいと思います。どうもありがとうございました。

○小見山環境経済室長  事務連絡1つでございますが、議事録につきましては、事務局でとりまとめを行い、委員の皆様にご確認いただいた後、ホームページに掲載をさせていただきたいと考えております。

 次回の開催は、2月以降の開催を予定しておりますが、詳細については追ってご連絡申し上げたいと思います。

 本日はまことにありがとうございました。

○山地座長  以上でございます。どうもありがとうございました。

                                 ――了―― 

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