中央環境審議会地球環境部会2020年以降の地球温暖化対策検討小委員会・産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合(第1回)議事録

議事録

午後0時30分 開会

低炭素社会推進室長

それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会2020年以降の地球温暖化対策検討小委員会・産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合を開催いたします。

本日の審議は公開とさせていただきます。

また、本合同会合開催に当たりまして、委員名簿の方々に委員に就任いただいております。大変失礼ではございますが、時間の都合により、名簿の配付をもってご紹介に代えさせていただきます。

まず、冒頭、環境省地球環境局長の梶原よりご挨拶させていただきます。

地球環境局長

本日は、ご多忙の中ご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。この会合は中央環境審議会、そして、産業構造審議会の合同会合でございます。第1回の進行は私どもが担当させていただいておる関係上、私のほうから冒頭のご挨拶をさせていただきたいと思います。

皆様、よくご存じのとおり、来年の末には、パリで開催されますCOP21で、2020年以降の国際枠組みが合意されることとなっております。COP19決定に基づきまして、全ての国はCOP21に十分先立って、そして、準備ができる国につきましては、3月末までに約束草案について提出するということが求められているところでございます。この約束草案の提出に向けた検討作業を迅速化、加速化するという観点で、この中央環境審議会と産業構造審議会のもとに合同専門家会合を設置させていただき、専門的なご審議を行っていただくこととさせていただきました。本日はその第1回目の会合となります。

去年から順次発表されておりますIPCCの最新のレポートにおきましても、世界の年平均気温が、今後、さらに1度上昇すれば、熱波、あるいは、極端な降水、沿岸域の氾濫等のリスクが上昇するというふうにされております。このような科学的な知見も踏まえ、約束草案の検討に当たりましては、我が国が提唱しております2050年で世界半減、そして、先進国で80%削減といった長期的な目標も視野に入れた議論が必要だと考えております。

委員の皆様方におかれましては忌憚のないご意見をいただければと思っております。よろしくお願いを申し上げたいと思います。

低炭素社会推進室長

続きまして、中央環境審議会地球環境部会2020年以降の地球温暖化対策検討小委員会の浅野委員長よりご挨拶をお願いいたします。

浅野委員長

それでは、座ったままで失礼いたします。

大変長ったらしい名前の委員会で、毎回毎回これを読むのは大変だと思いながら座っておりますが、これまでの経験で、合同の会議はあまりにも人数が多くて、1回発言すればそれで終わりというようなことでありましたので、ちょっとこれではどうかというようなこともございました。今回はそういう意味で、いろいろとご批判もあるわけですが、かなり人数を絞らせていただいたということですので、従来のように言いっ放しというようなことではなくて、できるだけ中で建設的な議論ができるようにと、こんなことを願っております。山地先生とともに進行を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

とりわけ、神学論争とか、哲学の空中戦みたいなことをやってみても間に合いませんので、そういうことは極力やめて、より現実的に具体的な議論ができるように、そんなふうに委員会の討議を進めたいと願っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

低炭素社会推進室長

ありがとうございました。

それでは、カメラはここで退席をお願いいたします。

ここで、配付資料の確認をさせていただきます。お手元にあります配付資料の一覧をご覧いただけますでしょうか。

まず、今回の資料で、資料1、2、3、それから、資料4-1、資料4-2、資料5-1、資料5-2、それから、資料6というのを用意させていただいております。それから、参考資料1、2、3を添付させていただいております。もし資料の不足等がありましたら、事務局のほうにお知らせいただければと思います。

また、本日の議事に入る前に、今回の合同会合の開催の件につきましてご説明させていただければと思います。資料3をご覧いただけますでしょうか。

中央環境審議会地球環境部会の検討小委員会、それから、産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会のワーキンググループの合同会合ということで、この合同会合を合同専門家会合というふうに呼ばせていただいております。

この開催の趣旨は、先ほど局長の梶原からも紹介ありましたように、来年12月のCOP21で2020年以降の国際枠組みが合意されることになっておりまして、COP19の決定に基づきまして、全ての国はCOP21に十分に先立って自主的に決定する約束草案を提出することが招請されているわけであります。この約束草案の検討につきまして検討作業を加速化すべく、中央環境審議会、産業構造審議会の合同会合において審議を進めることとさせていただければと思っております。

この開催の形式につきましては、今申しました合同専門家会合を設置し、専門的審議を行うとともに、必要に応じ、その審議状況を両審議会の合同会合、いわゆる親会合に報告するものとさせていただければと思っております。

審議内容は原則として公開、この合同専門家会合は原則として公開するものとするということで、ただし、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、あるいは、特定な者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合には、両座長に相談いただいて、会議及び資料を非公開とすることができるというふうにさせていただいております。

戻りますが、資料1、資料2に、それぞれ小委員会、検討ワーキンググループの名簿をつけさせていただいております。この中で、高橋委員、高村委員、中上委員は小委員会、ワーキンググループの両方に属されておりますので、両方に名前が掲載されています。ですから、この合同専門家会合は合わせて20人の会合になっております。

以上が合同会合の開催の経緯であります。

それでは、以降の議事進行は中環審の検討小委員会の浅野委員長にお願いできればと思います。

浅野委員長

それでは、ただいまから議事に入ります。

本日の議事は、議事次第にありますとおり、地球温暖化対策・国際交渉の現状について、エネルギー政策の現状について、今後の予定について、この3点でございます。

本日は、議題ごとに時間を区切って、事務局から資料の説明をいただき、皆様方からご質問、ご意見をいただきたいと考えております。

まず、議題1に関して事務局からご説明をいただきます。

低炭素社会推進室長

それでは、資料4-1、A4の横の資料をご参照いただければと思います。資料4-1、地球温暖化対策・国際交渉の現状ということで資料を用意させていただきました。この資料は、科学的な知見、あるいは、国際交渉の動向ということでまとめておりますので、具体的な対策まではあまり触れておりませんけれども、そうした対策につきましては次回以降にご議論いただくということにさせていただければと思います。

それでは、めくっていただきまして、資料の1ページ、気候変動に関する科学的知見ということで、ご承知のように、気候変動における政府間パネル(IPCC)が、昨年来、新しい報告書をまとめておりまして、このページの一番下にありますけれども、統合報告書というものが、来週、デンマークのコペンハーゲンで承認される予定で、その後、11月2日、日本時間で言いますと19時だそうですが、その時点で第5次の統合報告書が公表される予定になっております。

もう既に第1作業部会、第2作業部会、それから、第3作業部会の報告が出ております。この科学的根拠を扱っております第1作業部会で言いますと、人間による影響が温暖化の支配的な原因である可能性が極めて高い。温室効果ガスの排出がこのまま続く場合、現在から21世紀末までに最大4.8度の気温上昇、最大0.82メートルの海面上昇が予測されているといったような評価がなされております。

第2作業部会のほう、こちらは影響・適応・脆弱性を扱っております作業部会ですが、こちらの評価では、ここ数十年、既に世界中の生態系と人間社会に気候変動の影響が現れている。気候変動による八つの主要なリスク、海面上昇や高潮など、こうしたものがあるということが評価されております。

第3作業部会、緩和策、すなわち、温室効果ガスの削減につきましては、次の2ページ目にもう少し詳しくまとめさせていただいております。この記述は平成26年版の環境白書からの抜粋でありますが、青い四角があります、二つ目の四角をご覧いただけますでしょうか。この第3作業部会の報告書では、900以上の将来の緩和シナリオについて収集・分析を行っておりまして、気温上昇を産業革命前に比べて2度未満に抑えられる可能性が高いシナリオ、これは二酸化炭素換算で約450ppmのシナリオに該当するということですが、このシナリオでは以下の特徴を有するということで、2010年の世界の温室効果ガス排出量と比べて、2050年の世界の温室効果ガス排出量を40~70%削減し、さらに、2100年には世界の温室効果ガス排出量がほぼゼロまたはそれ以下に削減する。エネルギー効率がより急速に改善され、再生可能エネルギー、原子力エネルギー、並びに二酸化炭素回収・貯留、いわゆるCCSを伴う化石エネルギー並びにCCSを伴うバイオエネルギーを採用したゼロカーボン及び低炭素エネルギーの一次エネルギーに占める割合が、2050年までに2010年の3倍から4倍近くになる。そして、大規模な土地利用変化と森林減少の抑制、こうした特徴を有するというような説明をしております。

ちょっと時間も限られておるものですから、駆け足で説明させていただきますと、次の3ページ、温室効果ガス排出量の世界的動向ということで挙げております左のグラフ、これはIPCCの第3作業部会報告書からの抜粋ですが、この温室効果ガスの排出量、今もって増加傾向にあることがわかると思います。それも、1970年~2000年に比べて、2000年以降のほうが、その増加のスピードが大きいという結果が出ております。一方、世界全体の排出量のシェア、右の円グラフで言いますと、これは2010年時点のものですが、中国、アメリカと並んでおりまして、日本は全体の2.6%という数字になっております。

その次の4ページ目ですけれども、主要国の排出量の推移を表したものです。ご承知いただいてわかりますように、中国の排出量がかなりの勢いで伸びているということがおわかりになるかと思います。

次に、5ページ、6ページ目で、GDP当たりの温室効果ガス排出量、それから、一人当たり温室効果ガス排出量の推移を各国別に紹介させていただきました。GDP当たりの温室効果ガスの排出量で言いますと、各国とも減少傾向にありますが、特に、先進国と中国、ロシア、インドと比べるとまだかなり差があるというのは、このグラフから見てとれるかと思います。

6ページ目のほうは一人当たり温室効果ガス排出量ですが、もともと一人当たり温室効果ガス排出量が高いアメリカ、カナダ、こういったところが少し減少傾向にある中で、中国の排出量が一人当たりでも伸びているということがわかるかと思います。

7ページ、これは世界のエネルギー起源CO2排出量の推移を円グラフで、1990年、2011年、2030年と三つ並べて紹介させていただきました。1990年はアメリカが一番多かったわけですが、この三つの円グラフを見ていただいて、中国、それから、インドの排出量が、全体の占める割合というのが多くなっているのがおわかりになるかと思います。1990年、EUはまだこの時点では27カ国ではありませんでしたけれども、便宜上、横のグラフと比較するために27カ国として整理させていただいております。全体の排出量は、1990年の210億トンから313億トン、そして、2030年の予測では365億トンとなっております。

こうした温室効果ガスの排出量の推移があるわけですが、これまでの気候変動に関する国際交渉の経緯を8ページ目にまとめさせていただきました。気候変動枠組条約は1994年に発効しまして、毎年1回COPが開かれているわけですが、COP3(1997年)に京都議定書が採択され、京都議定書は2005年に発効しました。そして、その後、COP16、メキシコのカンクンで合意されましたのが、先進国及び途上国が2020年の削減目標・削減行動を提出するということで、こうした削減目標・行動は国際的な評価・審査を受けるということになっております。また、その翌年の南アフリカのダーバンでのCOP17で、2020年以降の全ての国が参加する新たな枠組みに2015年のCOP21で合意すると、こういう合意がなされまして、それに向けて、COP21に向けて、今、国際交渉が進んでいるわけです。

次のページ、9ページは、温室効果ガスの目標について、国際的なもの、それから、国内でどう対応してきたか、エネルギー政策も含めて一覧表にさせていただいております。説明は省略させていただきます。

そして、10ページ目ですけども、COP21に向けた国際交渉のスケジュールということで紹介させていただきます。梶原局長の紹介、挨拶にもありましたように、国際社会は、COP21において、2020年以降の気候変動に関する国際枠組みに合意することとしておりまして、昨年のCOP19で、全ての国に対し、COP21に十分先立ち(準備できる国は2015年第1四半期3月末までに)2020年以降の約束草案を示すということが招請されております。この約束草案といいますのは、英語で「Intended Nationally Determined Contributions」といっておりまして、INDCと略されております。この約束草案につきましては、その提出時期を含め、COP19での決定、各国の動向や将来の枠組みに係る議論の状況、エネルギー政策やエネルギーミックスに係る国内の検討状況等を踏まえて検討するということが目達計画の進捗状況の中で触れられております。

その下に、国際交渉の進展を少しわかりやすく紹介させていただきました。ちょうど今、今週、ボンで、10月の交渉会合、ADPと呼んでおりますけども、これが今開かれております。そして、この統合報告書、IPCCの報告書が近く発表され、今年の12月にペルーのリマでCOP20が開催されまして、そこで、各国の約束草案に盛り込む情報を確定することになっております。そして、COP21に新たな交渉枠組みを採択して、全ての国が参加する法的枠組みの発効が2020年末ということで紹介しております。

11ページ目は、我が国の2020年削減目標について、2020年度における排出削減目標を2005年度比で3.8%減とした目標を昨年策定しました。この目標といいますのは、原子力発電の活用のあり方を含めたエネルギー政策及びエネルギーミックスが検討中であることを踏まえ、原発による温室効果ガスの削減効果を含めずに設定した現時点での目標という位置付けになっております。この目標をカンクン合意に基づきまして昨年の11月29日に登録しております。

12ページ目、13ページ目には、カンクン合意に基づきます各国の2020年の削減目標・削減行動というものを紹介させていただいております。

また、各国が削減目標を提出しているわけですが、14ページ目につきまして、先進国の目標達成に向けた進捗状況の報告・審査ということで、日本も含めて先進国が提出した隔年報告書、そして、国別報告書というものは、条約事務局が編成しました専門家審査チームによる技術的な審査を受けることになっておりまして、そのチームが審査報告書をまとめて、それが条約の補助機関会合で多国間評価を受けるという、こういう流れになっております。日本の提出した隔年報告書、国別報告書におきましても、今月の初旬にこの専門的審査チームが東京に参りまして、この審査が行われたところです。

次、15ページ目、国連気候サミットということで、今年の9月23日にアメリカのニューヨークで、国連総会に先立ちまして、各国の首脳に参加いただいた国連の気候サミットが開催されました。そこで、安倍総理は大きく三つを柱としますスピーチを行いまして、途上国の支援、それから、技術の革新と普及、特に、イノベーション・フォー・クールアース・フォーラムの第1回会合を本年10月に東京で開催すること、ICEF(アイセフ)と呼んでいますが、このフォーラムにつきましては、この後の説明で経産省のほうから説明していただくことになっております。

そして、国際枠組みについて、COP19の決定も踏まえ、約束草案をできるだけ早期に提出することを目指す。また、GCF(緑の気候基金)については、その受け入れ体制など必要な環境が整った際に、応分の貢献をすべく検討するというスピーチをされました。

また、安倍総理は、「強靱性」の分野別のセッションにも共同議長として参加されております。

この国連サミットの評価でありますけれども、最初にありますように、新たな国際枠組みの構築に向けた各国の政治的意思が首脳レベルで確認されたということで、有意義であったと評価しております。

国連気候サミットでの各国の発言等を次の16ページにまとめております。日本は先ほど紹介させていただいたところですが、アメリカは来年早期に新たな目標を定める予定であり、全ての主要経済国にも同様の対応を求めると発言しております。

また、(注)のところにありますが、条約事務局への意見提出において、アメリカは、「2015年第1四半期に約束草案を提出する予定であり、同じ立場の国には同様の時間枠での提出を奨励する。また、3月31日までに提出できない国に対しては、6月のADPセッションまでにできるだけ多くの国が提出することを望む」と記載しております。

EUについては、後ほどもう少し詳しく紹介させていただきます。

また、中国につきましては、2020年以降の気候変動に関する行動は可能な限り早期に示したい。これがスピーチでありますが、記者会見では、来年の第1四半期にピークアウトの時期についての検証結果と2020年以降の中国の気候変動に関する目標を世界に向け公表するよう努力するというふうに記者会見で発言しております。

17ページ目に、今月、日本政府が、条約事務局に2020年以降の枠組みに関しての意見を提出しております。その概要ですが、2015年合意の基本的な考え方として、2015年の合意は、各国が自主的に決定した貢献を基礎として、全ての国が参加し、野心的な行動を促進するものであるべきということで、条約の別添文書に基づく(附属書1国/非附属書1国の)二分論は支持しないという意見を述べております。

また、約束草案の法的側面につきましては、全ての国は以下の義務を負うべきということで、定量化可能な約束草案の提出、約束達成に向けた対策の実施、事前協議と事後レビューを受けること、そして、約束自体は国際的な法的拘束性の対象とすべきでないということ、こうした内容の意見を述べております。

ちょっと駆け足で紹介させていただきますと、その後、18ページ、中国の最新動向ということでまとめさせていただいております。2012年11月の共産党第十八次全国代表大会において、中国の経済社会の発展全般における気候変動への対応の位置付けを一層高める方針を打ち出しておりまして、その一つとして、その次の次にあります、中国が定めた目標の達成のために、エネルギー発展第12次五か年計画に「炭素排出取引市場」の確立を規定しまして、2013年から7地方政府において排出量取引のパイロット事業を開始しているということであります。

19ページ目、アメリカですが、アメリカも、2020年に2005年比17%程度を削減するという目標の達成に向けて、国内の排出削減対策ですと、既設発電所、それから、新設の火力発電所のCO2排出規制案というものを打ち出して、今、議論がされているというところであります。

それから、20ページ目、EUですけれども、ここにあります資料は今年の1月の欧州委員会の提案ベースで作成しておりますが、ちょうど昨日、今日と、EUの首脳会合がベルギーのブリュッセルで開催されておりまして、気候変動とエネルギーに関する政策枠組みにも合意したというニュースが今朝になって入ってきております。その中身で言いますと、温室効果ガスの削減目標については、EU域内の排出量を2030年に1990年比40%削減、これは、今朝の時点では、最終的な合意内容は少なくとも40%削減というふうになったようです。そして、EU全体としての再エネ目標で言いますと、EU全体での最終エネルギー消費量に占める再エネのシェアを2030年に少なくとも27%、うち電力部門に関しては、再エネが占める割合を2030年に45%と想定すると。これはそのままのようですが、エネルギー効率につきましては、BAUシナリオに比べて、2030年にエネルギー消費を30%削減ということが提案されておりましたが、最終的な合意は、ここは少なくとも27%削減ということになって、このエネルギー効率の目標は2020年に見直しをするということになったようです。

次、21ページ目に参りまして、今後の温暖化対策の取組ということで、長期的には、世界全体として「2050年世界半減、先進国80%削減」という目標実現に向けまして、国際枠組みの構築など具体的な取組を進める必要があるということで、第4次環境基本計画では、長期的な目標として、2050年までに80%の温室効果ガスの削減を目指すというところを打ち出しております。

22ページ目は、こうした長期的な削減に関しましては、どういった技術をどういうタイムフレームで普及させていくかということが重要でありまして、環境エネルギー技術革新計画から短中期、2030年まで、それから、2030年から2050年までの中長期のどういった技術の開発・普及が見込まれるかというところをまとめた図であります。

23ページは、我が国のほうで昨年打ち出しました攻めの地球温暖化外交戦略、「ACE(エース)」と呼んでおりますが、これの概要であります。

24ページは、我が国、二国間クレジット制度、JCM(ジェイ・シー・エム)と呼んでおりますが、これを進めておりまして、これまでに12カ国と署名を済ませております。

25ページ目、これまでの最近の温室効果ガス排出量の推移を示しております。2009年以降、増加傾向にありますが、2008年~2012年の5カ年平均で評価されます京都議定書の目標達成につきましては、森林吸収源、それから、京都メカニズムのクレジットを含めて、基準年比でマイナス8.4%ということで、6%減の京都議定書の目標を達成しております。

26ページ目は我が国の全体の温室効果ガス排出量の推移、そして、27ページ目は部門別の排出量の推移であります。

28ページ目は、エネルギー起源のCO2排出量の推移ですが、この左下のグラフ、ちょっと小さくて見にくくて恐縮ですが、発電電力量自体は2010年から少しずつ減ってはおりますけれども、二酸化炭素排出量は増えていまして。というのは、火力発電の増加による電力排出係数の悪化、これが右のグラフに示されておりますが、こうした要因によりましてエネルギー起源のCO2排出量が増えていると、こういう現状になっております。

29ページ目は、エネルギー起源CO2以外の温室効果ガスの排出量につきまして、特に、エアコン等の冷媒での排出量の分が近年増えているということがこの図からわかるかと思います。

30ページは二酸化炭素排出量の内訳ということで、これは電気・熱配分後ですが、右の円グラフを見ていただきますと、企業・公共部門で78%、家計部門で22%と、こういう集計結果になっております。

以上が資料4-1の説明です。

続いて、資料4-2のほうを経産省の小浦室長からお願いできればと思います。

環境調和産業・技術室長

経済産業省環境調和産業・技術室長の小浦と申します。私からは、資料4-2を説明させていただきます。

お手元の資料4-2で、Innovation for Cool Earth Forum、(アイセフ)と呼ばれる会議を先般開催いたしました。この会議のそもそもの設置の目的・趣旨でありますけども、温暖化問題の解決をイノベーションによって解決していくのだという、その方策について、世界の産学官のリーダーが集まって議論をする知のプラットフォーム、エネルギー・環境版のダボス会議のようなものをイメージしながら、世界の温室効果ガスの抜本的な削減に日本として貢献していくのだという趣旨で、こういう会議を毎年東京で開催することを総理が提唱されまして、それを受けて、今般、開催に至ったものであります。

この会議の運営に際しては、世界の様々な方々の意見を反映させるために、世界各地の有識者16名から成る運営委員会の意見に基づきまして、当日扱うトピックですとかスピーカーですとかについて、いろいろご意見をいただきながら準備をしてまいりました。

第1回の総会でありますけども、10月8日の一日をかけて、東京のホテルで行いました。経産省と当省所管の独立行政法人NEDOが主催で、外務省、環境省に共催という形でご協力をいただいております。当日は世界約80カ国から約800名の方、うち、外国人約300名にご参加いただきました。ここにおられる合同会議の委員の皆様の何人かにも当日ご参加いただいたり、あるいは、座長という形で協力をいただきました。

当日の会議の流れですけれども、総理によるビデオレターでの開会挨拶の後、トヨタ自動車、内山田代表取締役会長による基調講演、そして、イノベーションの役割や、どうやってイノベーションを促進していくのかということに関する本会議、さらに、午後は、太陽エネルギー、あるいは、地熱など、分野ごとに分かれての分科会という形で議論を進めまして、最後、閉会式というような流れになっております。

3ページ目以降に、当日、どういう議論が行われたかということを簡単にご紹介させていただいております。これは、講演者の記載内容の確認をとっているものでありませんので、若干不正確な部分もあるかもしれませんけども、その旨はご承知おきください。

まず、本会議の1番目として、まず、イノベーションの役割ということについて議論をいただきました。アメリカのDOEの元次官であるサンダロー氏にモデレーターになっていただきまして、6名のスピーカーによるスピーチとパネルディスカッションという形で行われました。

まず、マニトバ大学のシュミル特別名誉教授は、インベンション、発明とイノベーションの違いということに留意をしながら、イノベーションへの期待を長期的な観点で持つべきだと。既存の技術をもっともっとうまく活用していく余地があるといったことのスピーチをされました。

次に、東京大学の山口客員教授におかれましては、将来の気温上昇によるリスクに触れ、イノベーションを通じて、実行可能な緩和策を確立していくのだということ。さらに、ほかの様々な国際的な課題とのバランスも考えなければならないということで発表をされました。

次、4ページ目になります。ベトナムの天然資源環境大臣のクアン大臣は、発展途上国として、ベトナムの気候変動対策について、適応策、あるいは、持続可能な発展といったことにも留意しながら取組を行っているといったようなご説明がありました。

さらに、イギリスのハンコック国務大臣におかれましては、イギリスにおける低炭素社会構築に向けたいろんな取組についてご紹介をいただきました。エネルギーセキュリティなども勘案しながら、様々な取組を進めていると。さらに基礎研究への投資が重要であるといったようなコメントがなされました。

さらに、次の5ページ目になりますけども、COP21の議長国でありますフランスの気候変動会議の特別代表であるトゥビアナ氏におかれましては、COP21において目指す四つの合意の要素、この四つとは、ポツの三つ目に書いておりますけども、法の枠組み、政府の貢献、民間資金の流動性、自発的な国家以外の主体の貢献と、こういった四つの要素に触れていただきながら、特にイノベーションの重要性ということについて、ICEFのようなプラットフォームというものが非常に重要であるというようなことのコメントがなされました。

さらに、経団連の佐々木副会長におかれましては、技術革新を中心にして、日本の産業界がエネルギー・気候変動問題へどういった取組を行ってきたかということに加えまして、政府にとってほしい政策、逆にとるべきでない政策といった点についても、ご意見、ご発表をいただいております。

次、6ページに行っていただきまして、今度は本会議の2番目として、イノベーションをどう具体的に促進していくのかといった点についての本会議でありまして、国際応用システム分析研究所のナキチェノヴィッチ副所長にモデレーターをしていただきました。

まず、IEAのウサン持続可能エネルギー政策・技術局長は、技術開発における公的機関の役割とか、どういった点を今後改善していかなければならないのかといった点についてのご発表をしていただきました。

次に、7ページに行きまして、マサチューセッツ工科大学のレスター教授は、従来の気候変動政策の反省を踏まえて、気候変動問題、あるいは、エネルギー問題を解決するためには、タイムスパンをどう考えるかといったこと、あるいは、原子力なども含めて、イノベーションをどういった形で進めていくのかといったことなどのコメントをしていただきました。

さらに、7ページの下になりますが、イランの科学技術担当のサッターリ副大統領におきましては、イランの状況を例にとっていただきながら、省エネルギーのために行っている取組、あるいは、先進国と途上国の協力の必要性などについてコメントをいただきました。

8ページの真ん中になります。シルバースプリングネットワークスというアメリカのスマートグリッドなどを行っている会社のグローバルセールス担当副社長、ドレッセルヒューズ氏におかれましては、スマートグリッドに取り組む民間企業の観点から、イノベーションをどういうふうに促進していくのかといったことなどのコメントをいただきました。

また、元シエラレオネエネルギー・水資源大臣でありますデビッドソン氏におかれましては、イノベーションを検討していく上で、貧しい国の人々のエネルギーアクセスのようなことも視野に入れながら、そういう課題を解決していくことも重要だといったことのコメントをいただいております。

また、地球環境ファシリティの石井事務局長におかれましては、国際協力の役割、あるいは、発展途上国への国際援助を通じたイノベーションのあり方などについてご発表いただいております。

次、めくっていただきまして、10ページ以降、今度は分科会が全部で七つ行われました。まず、太陽エネルギーのセッションですと、太陽光発電はもちろんそうですけども、太陽熱発電についても今回、議論として取り上げられました。太陽熱エネルギーの重大なトピックである間欠性について、これをどう克服していくかといった点について、かなり議論がなされたということであります。

地熱発電のセッションは、世界的な地熱発電のトレンドについてまず発表があった後、今ある地熱のどう持続させるかということ、さらに新たな熱源をどういうふうに技術開発によって作り上げていくかといったことの議論がなされました。

さらに、次のページに行きまして、次世代自動車ということで、燃料電池自動車、電気自動車、さらには既存の内燃機関のエネルギー効率の改善、あるいは、バイオ燃料といった自動車に係るエネルギーの幅広い論点について議論がなされました。

さらに、省エネのセッションということで、日本や各地の省エネ政策の現状ですとか、あるいは、ビルのエネルギー効率、あるいは、人間の行動をどう省エネのほうに向けていくのかといったことに関する取組について、議論がなされております。

さらに、14ページで、スマートコミュニティということで、世界各地におけるスマートグリッド、あるいは、スマートコミュニティに係る実証実験が行われております。その成果、あるいは、課題について、この中で紹介され、議論が行われたということであります。

また、15ページに行きまして、研究、開発における公的機関の役割についても分科会が開かれました。普及に関する補助制度に関する功罪などが主な議論のトピックでありました。

最後に、17ページの先進国と途上国との協力というセッション、今の技術移転の推進を促すいろんなメカニズム、これがなぜうまく機能していないのかといった点が大きなトピックでありました。

最後に、また2ページに戻っていただきまして、最後は分科会での結果報告がありまして、さらに、今回、この運営委員会として、3ポツ目、ステートメントを発表しております。今回の議論を踏まえまして、世界のイノベーションの加速化に向けて、温暖化対策の緊急性とイノベーションの重要性、さらに、イノベーションの促進と普及、ポスト2020年の気候枠組み、さらに、将来のICEF活動という4点を柱とするステートメントを運営委員会で決定して、発表しております。この仮訳を19ページ~21ページにつけておりますので、後ほど見ておいていただければと思います。

さらに、トップ10イノベーションということで、直近2年間に発表された世界の優れた技術開発だとか、ビジネスモデルとかの中から、この会議の参加者の方に、一番優れていると思うものを選んでいただきまして、下に書いてある1~3位が、投票の結果、上位に来たということでございます。

このICEFという会議はこれから毎年、10月の上旬の時期に東京で開催するということになっておりまして、来年も10月6日の夜~8日、本会議は7日・8日になりますけども、また同じく東京で開催することを予定しております。

私からは以上でございます。

浅野委員長

今、二つ報告をいただきました。この報告につきまして、ご意見、ご質問がございましたら、どうぞ。名札をお立ていただけませんでしょうか。

それでは、原澤委員、大塚委員、それから、秋元委員、この順番ですね。

原澤委員

ありがとうございます。最初の会合ということなので、質問を二つしたいと思います。

一つは、この会議で、2005年比3.8%減という、これまで提出している温室効果ガスの排出目標について見直しをするということだと思うんですが、削減量については深掘りが必要だと思うんですけど、そういう意味で、3.8%の中身がわかった上で議論をしないと、なかなかその深掘りもできないだろうということで、質問は、3.8%減の内訳、積算といったようなデータをもとにした議論ができるのかどうかということが1点目であります。

二つ目ですが、たまたま今日新聞を見ましたら、原子力の比率が30%未満というような数字が出ていまして、まさにエネルギーミックスは非常に重要な要素だと思うんですけども、こういった議論をするに当たって、この30%未満というのはどういう位置付けになるのかということを、今の段階でわかれば教えていただきたいということです。

以上、2点お願いします。

浅野委員長

ありがとうございました。

では、大塚委員、どうぞ。

大塚委員

資料4-1について、ちょっと具体的なお話でございますが、5ページと6ページのところですけども、GDP当たりの温室効果ガスの排出量がどういうふうになってきたかということで、5ページにまとめていただきましたが、これはほかのところでも申し上げたのですけど、「欧州は着実に減少し、日本の水準に近づきつつある」というまとめ方はやや日本贔屓ではないかという気がいたしまして、今回の2011年3・11以前であっても、既にイギリスとフランスに抜かれてしまっていますので、この認識は、政府全体として、やや日本は負けてきているということをご認識いただく必要があるのかなと思います。

ちなみに、6ページのところにあるような一人当たりの温室効果ガスの排出量というのは、今後の削減目標を国際的な公平性との関係で考えるときに、これだけが問題になるとは私は全く思っていませんけども、何らかの影響がありますので、これも、日本が相対的に、世界との比較で悪くなってきているということは、認識しないといけないことかと思いますので、意見として申し上げます。

浅野委員長

ありがとうございました。

それでは、秋元委員、どうぞ。

秋元委員

どうもありがとうございます。

幾つかちょっと話がありますけども、1番目は、提出時期の話がありましたけども、もちろん3月末までにできればということだろうと思いますが、やはり、しっかり内容を検討した上で、適切な時期を選んで提出するということが重要だろうと思いますので、もちろんタイミングは重要だと思いますけども、あまり焦り過ぎて変なものを出すというよりは、しっかりしたものを作っていくということをまずお願いしたいというふうに思います。

二つ目ですけども、これまで、京都議定書的な枠組みで来たわけですけれども、今後、2020年以降の目標はプレッジ・アンド・レビューになっていて、ここですごく発想の転換をやっぱりしないといけないと。数値目標の法的拘束力のある国別排出総量目標ということで、トップダウン的に決めていくというようなことから、プレッジ・アンド・レビューで積み上げ的にどういう行動をしてやっていくのかという、そこの発想の転換をやっぱり我々としてしっかり持たないと、これはもう、世界の今の流れから置いていかれてしまうということになりかねないと思いますので、そこの発想の転換をしっかりすべきだというふうに思います。

三つ目ですけども、これは、IPCCの報告の話もありました。私はIPCCの第5次評価報告書の代表執筆者をして、この長期目標のところに関しては、私の担当章だったわけです。資料の中で、必ずしも間違っているわけではないですけども、ただ、2度目標というものを仮に決めたとしても、非常に不確実性の幅があるということが、今回のIPCCの報告書の非常に肝の部分だろうと思います。やはり、気候感度が非常に不確実であって、ほかの部分の不確実性もたくさんあるわけですけども、そうすると、2度目標を決めたからといって、ここではたしか40~70%削減が2050年に必要だというようなことを書いていますが、これは、例えば、66%確率以上でそれを達成しようと思うとそういう数字が出てくるわけですけども、これまでの2度目標の位置付けは、むしろ期待値、50%確率ぐらいで考えて、2度目標が世界排出量半減という知見だったわけですが、今回は、もしそういう期待値的な発想でいけば、例えばIPCCの数字からいくと、2050年に2010年比で25%削減ぐらいでもいいという数字がまとまっているわけです。要は、幅が非常にあると。もちろん、半減して大きく削減するというのは非常に重要なわけですけども、非常に幅があるということを認識しないといけなくて、これは先ほどのプレッジ・アンド・レビューとも非常に絡むわけですが、何か長期の絶対的な排出削減目標の数字が決まっていて、そこから短中期の目標が決まってくるというものではないということを理解しないといけないと思います。

その上で、先ほどICEFの話をいただきました。これがやはり非常に重要だというふうに思いまして、長期で、もちろん、だから、長期の技術開発というのは確実に数字を予想できるわけではないわけですが、これを成功させることによって長期的に大幅な排出削減につなげていくということが非常に重要で、そこの技術開発によって長期を削減していくというところと、中短期の目標というものはある程度切り分けて、そこを分断することを考えていかないと、本当に、短中期では、これまでの悪い国際交渉へまた行って、解のない交渉をして、相手に悪いことを引き受けさせようと思って解のない交渉をやっても、実際にCO2削減にならないので、そこをしっかり我々として正しい方向性というものを、日本としても目標をそういう形で出していくべきだと思うし、世界に対してもそういう発信をしていかないといけないというふうに思います。

最後、もう1点だけ申し上げておきますと、やはり、環境だけではなくて、エネルギーセキュリティとか、そういう面に関しても、後でエネルギーの話はあるのかもしれませんけども、エネルギーセキュリティとかほかの問題に関してもやはり配慮しながら、目標を考えていくということが非常に重要だと思います。そして、資料にもありましたけれども、日本の排出量が現状では4%ぐらいだと思いますが、長期的に2030年でいくと、先ほどの説明ではエネルギー起源だけでも2.7%という見通しで、GHGにするともっと小さい数字になってくると思いますので、日本の国内で削減するというのではなくて、やはり、世界にプロダクトのイノベーションを引き起こしながら、世界でCO2削減を行っていくということが非常に重要なので、プロセスのCO2をいかに削減するのかというぎりぎりした詰めばかりではなくて、そこをあまり詰めても生産的ではなくて、プロダクトのイノベーションを引き起こしながら世界のCO2を削減していくという発想をしっかり持つことが重要だというふうに思います。

以上です。

浅野委員長

ありがとうございました。

それでは、豊田委員、竹内委員、崎田委員で、豊田委員からどうぞ。

豊田委員

ありがとうございます。

私のほうからは、2点コメント、1点質問をさせていただきたいと思います。一つは、国際的な動向について、正確に把握したいと思っておりますので、是非その情報提供を引き続きお願いしたいと思います。

先ほど、EUについてさらっとご説明をいただきましたけれども、今までのEUと今のEUは随分変わってきているのだろうと思います。そもそも、環境総局とエネルギー総局が一体化していく。これは最終的にどうなるかはわかりませんけど、そのインプリケーションは一体何なのか。それから、ウクライナの情勢がゆえに、温暖化だけではなくて、「エネルギーセキュリティ」とか、「価格競争力」とかという言葉が飛び交い始めているEUというのを一体どう評価するのか。先ほど簡単にご説明いただきましたが、まだEUの方針も明確でないだろうと思います。情報提供を是非お願いしたいと思います。

一方、米国が、シェール革命のお陰で、温暖化に非常に熱心になってきたことはよかったと思いますが、どっちかというと、消極から真ん中辺りへ来て、非現実ではなくて現実的なところへ来たぐらいな感じでみております。またEUが少し現実に寄ってきたのかなというふうに、私なんかには思えております。インドはまだこちらの消極のほうにいますので、結局、ご説明にありましたように、全ての国が参加する枠組みを作るという観点から、それぞれの国の正確なポジションというのを是非共有して議論を進めていただきたいということが1点でございます。

もう1点は、まさにこのICEFのご説明をいただきましたが、私も非常に重要なことだと思います。技術というのはこれからの鍵になっていくのだろうというふうに思います。一言で言えば、450ppmにするのか、500ppmにするのか、今、まさに秋元委員からご説明があったように、AR5は相当幅の広い議論を始めています。450ppmでなくて500ppmだとしても技術は足りないと思うのです。IEAも出しておりますが、私どもも2日ほど前にエネルギー・アウトルックを出しました。私どもは、そもそも450ppmは難しいという議論をしておりますけれども、IEAの450ppmシナリオというのは、最後は削減量の1/3ぐらいを全部CCS頼りにしています。そういう現実性のない目標を立てていくことにどれほどの意味があるのかということだと思います。したがって、重要なのは技術であり、今、足りない技術をどうやって開発をしていくのかが論点です。先ほどご説明いただきましたそれぞれの技術、非常に重要だと思いますが、それに加えて、現在実現化していない技術も中長期に作り上げていくと。例えば光、人工光合成とか、あるいは、夢物語のように語られている宇宙太陽発電とか、そのぐらいの議論も是非ICEFで今後は取り上げていただきたいというふうに思います。

最後は、質問でございますけれども、先ほどもご説明のあった21ページのスライドの「2050年世界半減、先進国80%削減」の目標実現という言葉があります。これはいつも聞かされている、私どもも理解しているつもりですが、一体いつをベースイヤーとしてこの議論をしているのかという点です。1990年なのか、2005年なのか、2010年なのか、それぞれによって半減の意味が全く違ってきますので、この辺りを明確にしていただき、かつ、どこかで、それぞれの数字で半減というのは、こんな状況になっているのですよということを皆さんで共有ができるような情報をいただければ、大変ありがたいと思っています。よろしくお願いします。

浅野委員長

ありがとうございました。

では、竹内委員、どうぞ。

竹内委員

ありがとうございます。

まず、申し上げておきたいことは、秋元委員と大分重なってしまうかもしれませんけれども、やはり、発想の転換といいますか、目標というものの位置付けを改めて共有し直す必要があるのではないかというふうに思っております。京都議定書のようなトップダウンアプローチではなくて、全ての国が参加する、公平で実効性のある枠組みというのを長年主張し続けてきたのは、日本政府だったわけですが、その発想の転換をむしろ我々のほうができていないのではないかというふうに感じる場面が実は時々ございます。例えばですけれども、JCMの仕組みを議論しておりますと、最初、この発想が出たときには、非常にイノベーティブだったのですが、詳細議論をしているうちにCDMの焼き直しのようなことになっていってしまう。やっぱり、発想の転換ができていないと、同じことになってしまいます。きちんと今の国際的な議論における目標というものの位置付け、これを認識して、共有してから議論すべきではないかというふうに思っております。

その上で、目標の出し方という議論になるかと思うのですけれども、ここで申し上げたいのは、前政権における25%削減目標、これに学ばなければならないというふうに私は思っております。一つは、緻密な経済計算等に基づいて現実的な目標を設定すべきであるということです。

先ほど、秋元委員のご発言がありましたけれども、世界全体の排出量における日本のパーセンテージ、ここで、これを20%削減する、あるいは、25%削減するということは、正直申し上げると、温暖化対策という大局的な観点からすると、正直、影響度が非常に小さいわけですが、日本国民にとってのコスト負担は非常に大きな差を生じてきます。国民がせっかく負担するのであれば、それが最大限有効に使われるべきであって、限界削減費用の高い国内対策に注力せざるを得ないような状況を生むよりは、世界全体での削減に使われるような仕組みを作っていくべきではないか。

アメリカは、やっぱりこういう議論を当然積み重ねておりまして、7月にU.S.Chambers of Commerceの研究所が、オバマ政権の石炭火力規制に行ったステートメントの中に、この規制によってオフセットされるのは、2030年の中国の排出量の13.5日分にすぎないというようなことをDOEが予想しているといったようなコメントもあったかと思います。そういった規模感の把握というものが非常に重要ではないかと。国民がどれだけ負担をすると国民にどれだけのメリットがあって、そして、温暖化にどれだけの効果があるのかというところをきちんと試算、提示していただいた上で、国民と一緒に議論をしていくことが必要ではないかというふうに思います。

2点目は、やはり、日本に求められる役割を自覚しようということを申し上げたいと思います。私は、25%目標を発表した直後のカンクンでのCOP16、現在の2005年比3.8%の目標に差し替えた昨年のCOPにも居合わせておりましたが、25%目標で日本が高い評価を受けたという実感を、私は実は持っておりません。前提条件を置いたから評価されなかったとか、そういったことではなくて、私の周りでは、できるのかというような、どういう計算で目標を設定したのかというような懐疑的な反応が多かったということを申し上げておきたいと思います。皆さん、接しられた方によって全然感触は違うかとは思いますけれども。

逆に、昨年の目標差し替えについても、国内の報道などでは、日本が非常に批判されているという内容が多かったのですけれども、現場の会議におりまして、それよりは、むしろ、そうだろうねというような反応のほうが私は多かったと思います。もちろん、交渉の場では別の発言というのがあったかとは思いますけれども、平場ではそうだろうねという反応が多かった。

ここから、日本に求められているのは何なのだろうかというところ、先ほどの資料の4ページでしたでしょうか。主要国の比較というところでグラフが出ておりますけれども、温暖化を止めるためであれば、このグラフの中のどこに対策を打たなきゃいけないかというのは、非常にこれは明らかだと思うんですね。中国は、この10年間、2000年~2010年までに50億トンぐらい増えているという計算になろうかと思います。そうすると、年間平均5.5億トン、日本の年間排出量の半分がどんどん増え続けているというような状況です。温暖化に対する対策として塞がなければならない穴は中国、インドといった伸びている国、そしてアメリカではないでしょうか。米中の動向をしっかりと見極めていただきたいと思います。

日本に求められている役割というのは、ICEF、あるいは、安倍首相の国連総会におけるコメントにあったように人材育成や技術の展開といったところではないだろうかというふうに思っております。

最後になりましたけれども、やはり、この二、三カ月で議論を尽くさずに今後10年、20年の話を決めてしまうというようなことは、これは国民を置き去りにしたような目標設定になってしまうのではないかということで、非常に私は懸念をしております。将来世代に問われたときに、我々はこういう議論をして、ここまでの負担なら負える。そして、日本国民にはこういうメリットがあるだろうという見込みがあり、そして、温暖化対策にこういう効果があるだろうと見込んだからこれだけの負担を約束してきましたと、きちんと説明をできる議論をしていただきたいと。そうでなければ国民にとって温暖化がどこか他人事のままになってしまいます。

先ほど、冒頭のご挨拶で、「目標設定に関する議論を加速化させる必要がある」ということをおっしゃっておられましたけれども、確かに、加速化する、進めるという意味での進化も必要かと思いますけれども、議論を深めるという意味での深化も是非必要であるというふうに考えております。ありがとうございました。

浅野委員長

もう一つ、エネルギーについてもかなり時間をかけてご説明いただかなくてはならないのですが、もう既に予定の1時間を過ぎて、残りは1時間しかありません。まだご発言をご希望の方が5人おられますので、すみません、崎田委員のご発言前にこういうことを言うのも申し訳ないのですが、その点をよろしくご配慮してくださるようにお願いいたします。

崎田委員

ありがとうございます。できるだけ端的にお話しするようにいたします。

私も、今回いただいた資料を拝見してどういうふうに感じているかということを、率直にお話しさせていただきたいと思います。

実は、私は環境基本計画とエネルギー基本計画と、両方の策定あるいは進捗状況の点検などに関わらせていただいております。そういう立場から申し上げまして、今回の資料にあるように21ページの第4次環境基本計画で、2050年までに先進国はCO2をマイナス80%にするという、日本もきちんとそういう方向性で行くということを、環境基本計画でいいました。やはり、長期的にはしっかりと日本は世界の中で貢献していく、そういうことを示していくことが、これからも技術を発展させることできちんと日本が役割を果たしていくという上でも、そういう長期展望を示すことは大変重要だというふうに思っています。

その上で、ただし、やはりみんなでしっかりと日本の目標として数字を出していくときに、それが実現可能な数字なのかということをきちんとそれぞれのセクターが考えて出していく数字でなければ、やはり、日本の国内でそれの実現に向けて合意ができていかないだろうというふうに強く感じております。

そういうときに、私は普段から、地域の視点で環境学習、エネルギー学習、そして、環境に配慮した視点のまちづくりを進めておりますが、先進的な技術やシステムがあるけれども、それを暮らしや地域、そして、少し面的な広がりで、あるいは、専門的な自治体が生かすときに、どうしたらいいのかというところがなかなかつながらない。金融、あるいは、システム、そういうものとつなぐということが大変難しいというような印象を持っております。

そういう点で、私は今回、ご説明にありましたICEFの会議に参加をして非常に驚いた視点が一つあります。特にどういう視点かといいますと、14ページ辺りのスマートコミュニティというところに私は参加をし、山地先生が座長で進めておられる分科会を聞かせていただきました。その中で、地域にとってもどうやって技術や知見とつないでいくかが問題になっているところが、逆に、技術のほうの方たちも、新しい技術やシステムはできているけど、どうそれを地域に定着させていくのか、それがシステムの上でのインセンティブなのか、きちんとしたそれをつなげる人材育成なのか、そういうことが問題だということを世界の専門家の方々が熱く語っておられたのが大変印象的でした。

意味から言って、私は、これからの温暖化対策を検討するときに、それと並行して、そういう日本のある技術がどれだけ定着できる可能性を持っていて、ポテンシャルがあるのか、そういうことを見据えながらきちんと進めていかないと、本当に議論のための議論になるのではないかというふうに感じております。

一つ申し上げれば、例えば、環境省では、クールビズとかスーパークールビズの次に、今年、「Fun to Share」という取組をやっておられる。私は、これは大変素晴らしい視点だというふうに思っています。やはり、新しい技術をどういうふうにみんなでシェアするかというところだと思いますので。ただし、今、まだまだ、国民目線、地域目線からいって、それをどういうふうにシェアするのかというのがあまり見えてきていない。やはり、こういうような国民運動を、もう一層広げていただき、そこにどういうふうな、例えば、先ほどの、つなぐような人材育成が必要なのかとか、そういうところを少し明確にしながらこの国民運動を盛り上げてていただくことが、民生部門の家庭や事業者部門のCO2排出事業がアップしているという課題をいかに下げていくかということにつながるのではないかと思っております。

私は、国土交通省の「住まいと住まい方」、村上先生が座長を務められた検討会にも出ていましたが、やはり、こういうつなぐ人材が大事だと、数年前に一生懸命申し上げました。いろんなことが進んでいると思っておりますので、そのような成果を定量化できるような明確な政策にしていくことが大事だというふうに思っております。よろしくお願いします。

浅野委員長

ありがとうございました。

それでは、岩間さん、藤野委員、それから、小倉委員、この順番でお手が挙がっております。3人の方、まずお願いいたします。

木村委員(岩間代理)

木村委員の代理の岩間でございます。

まず、進め方でございますけれども、合同部会に合同専門家会合の模様を報告するとありましたが、国民への説明責任という観点から言いますと、やはり、相互フィードバックをしっかり行って、十分な説明責任を果たしていくという観点が大事ではないかと思います。単なる報告で終わらず、しっかり中身のある議論をして、国益のため、あるいは、世界の地球温暖化対策のために、しっかりした議論を積み重ねていただきたいと思います。

それから、中身についてでございますけれども、今後の取組を考えるに当たっては、これから初めて温暖化対策をやるわけではなく、過去の経験がございますので、過去の取組の経験を踏まえて、教訓をうまく新しい取組に生かしていくことが大事だと思います。

京都議定書の目標達成計画では、たしか7月1日に、政府の地球温暖化対策推進本部が進捗状況の点検を行っています。そういった中で、税金の使い道についての費用対効果や要因分析も含めて、過去の取組をしっかり生かしていただきたいと思いますし、その際には、費用面や技術面で科学的・合理的な議論を積み重ねていただきたいと思います。

それから、国民運動につきましては、産業界としても積極的に取り組んでまいりたいと思っております。特に、温暖化対策は、産業界だけではなくて、市民団体、自治体、政府ともども、関係者がみんなで協力して、総力を挙げて取り組むということが大事だと思います。対立から協力へということで、しっかりみんなでスクラムを組んで取り組めるような議論を積み上げていきたいと思います。その際には、やはり過去の取組の経験、教訓をしっかり生かして、同じ過ちを繰り返さないようにしっかり取り組んでいくことが大事ではないかと思っております。

とりあえず、以上でございます。

浅野委員長

ありがとうございました。

では、藤野委員、どうぞ。

藤野委員

どうもありがとうございます。3点です。

最初に、IPCCですが、秋元委員からもご指摘がありましたけども、専門家の間でも理解がひょっとしたらさまざまかもしれません。エネルギー資源学会でも、11月14日に「IPCC第5次評価報告書の深い理解に向けて」という講習会をやりますけれども、茅先生を初め、あと、皆さん、リードオーサーの方がやられますが、やっぱり、そういった場所も使いながらIPCCの理解を深めて、この場にフィードバックするとか、ここだけで全て議論できるところではないでしょうから、そういったことも必要かなと思います。IPCCは、ワーキンググループ1、ワーキンググループ3だけではなくて、ワーキンググループ2もあって、影響の話もあります。レジリエンスがキーワードになっていますけれども、対策と影響のつながりのところ、こちらのほうも視野を広げていく必要があるのではないかと思っております。

2点目は、ICEFの会合で、マサチューセッツ大学のリチャード・レスター先生が、温室効果ガスの使用量が少ない活動を促進するようなイノベーションが必要だというふうにご指摘されています。今までは、これだけの量を作ることを考えるとこれだけの排出量があるというような発想もあったかと思いますけれども、もうちょっとさらに可能性のある社会を将来に向けて示していくというような、JST低炭素社会戦略センターの小宮山先生、山田先生が、明るい低炭素社会とかという表現でもおっしゃっているのがありますけれども、そちらのほうも見据えてやらないと、CCS頼みの社会しか描けないというようなことでは、あまり将来は明るくないのかもしれません。

最後、3点目ですけれども、秋元さんがプレッジ・アンド・レビュー的なというようなこともおっしゃいましたが、こちらのほうは、交渉の中でいろいろな表現で今交渉されていますから、最新の状況を常にご報告していただきたいことと、あと、ごめんなさい、最初の資料で、6ページ目で、1人当たり温室効果ガスの排出量のグラフがありますけれども、実は、ここ最近、日本は全然排出量が減っていないんですね。1人当たり、ほとんどフラットです。私は2008年からこういった温暖化の議論に関わらせていただきまして、ずっとそれなりの提案に関わることになっているんですが、実態として、3.11もありましたけれども、減っていないということについて深く自覚を持ってやらないと、中国云々とかというようなことはとても言えないと思いますし、ただし、やはり、岩間代理がおっしゃったように、今までずっと議論したことも経験も大事にしながら提案していくということが必要だと思います。

以上です。

浅野委員長

ありがとうございました。

小倉委員、それから、最後は安井委員です。どうぞ。

小倉委員

3点申し上げたいと思います。

まず1点目は、目標値を決めるに当たってですが、資料4-1の17ページに、日本政府の意見の概要ということで、「約束自体は国際的な法的拘束性の対象とすべきでない」というふうに主張されているとあります。非常に明快な主張ですが、これが世界にどう受け止められているのか、これによって目標値の設定の仕方というものも変わってくるなというふうに思っています。EUの目標として、40%削減が首脳会議で決まったとのことですが、是非、その背景にある固有の事情や目標達成の蓋然性というものを探っていただいて、日本の目標値を作るに当たっての参考にしたいというふうに思います。目標値を決めるに当たっては、政府の成長戦略も深く関係しますし、経産省、総合資源エネルギー調査会に設置されている3小委員会での検討結果も関係してきます。したがいまして、エネルギーミックスなどの検討結果を待ってきちんとした議論をするということが是非とも必要で、先ほどお話がありましたように3月や6月といった期限もあるかと思いますが、拙速に決めることのないようにお願いしたいと思います。

それから、2点目は、高い削減目標値を作って、世界のイニシアチブをとろうというような話をよく聞くのですが、それにはいろいろ問題があるのではないかというふうに思っています。ほかにもイニシアチブをとる方法があるのではないかということです。高い目標値を挙げても、数値の競争ということに対して相手がどう出てくるか分かりませんし、相手が乗ってこなければ結果的に意味がありません。それから、先ほど竹内委員からもご指摘があったかもしれませんが、仮に日本が高い目標を掲げたとしても、削減量という意味では残念ながら世界全体の中であまり大きな影響を与える数字ではないので、量という意味でのイニシアチブはなかなかとりにくいのではないかと思います。また、EUのように非常に大きな目標値に見えても、例えば一部に伝えられているような大量の余剰排出権が仮に使えるとすればどうなるのかなど、表面上はわからないことがいろいろとあるだろうと思います。それに、高い目標値はそれだけ国民生活や産業活動に負担をかけるわけで、日本だけが突出した目標を掲げることは、相対的に日本のコストを上げてしまい、国民生活の活力や産業の国際競争力を削いでしまうということになりかねません。そういうところは十分注意して数値目標を積み上げることが必要で、単なる数値競争にならないように是非お願いしたいと思います。一方、国内の目標値にだけこだわる必要もありません。日本には高い技術力があるわけで、これを海外でどう活用するか。例えば、鉄鋼の製造でもそうですし、セメントの製造や銅の製錬などにおけるエネルギー効率、それから、発電の効率なども全て世界一なわけです。そういった技術をきちんと海外に示していくことや、鉄鋼業界でも、ISO14404という、セクター別のCO2排出量の計算法を世界に先駆けて策定した規格がありますが、この規格化を日本の鉄鋼業界が主導したという具体的な例もあります。このようにイニシアチブのとり方にもいろいろあると思いますので、そういうところも是非産業界と政府が一緒になって頑張っていきたいと思います。

最後は国民運動についてです。先ほどからも幾つかお話がありましたが、我々も家に帰れば国民運動の当事者の一人ですので、是非国民運動を、目標値を決めながら実施するというような方法をとっていければと思います。我々自身もわからないことが実はいっぱいあって、どうすればCO2がどのぐらい下がるのかとか、例えば、電力とガスなどは公共の料金と一緒に一括で請求して、それでCO2排出量がわかるように見せるとか、それから、いろんな省エネ商品に電力消費量や電力料金が低くなると書いてありますが、そういうものにCO2の削減量や効果も一括してわかるように表示するとか、見える化という意味でまだまだやるべきことはあると思いますので、是非そういったことも含めてみんなで知恵を出し合って、我々も一緒になってやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

以上、3点でございます。

浅野委員長

ありがとうございました。

安井委員、どうぞ。

安井委員

極めて短目に。

ICEFの報告をいただきました。私自身も省エネ分野の座長をやらせていただきました。省エネといいますと、皆さん、日本のお家芸だと理解されている方は多いかもしれませんけれども、確かに、トップランナー制度なんかのお陰で、例えば、エアコンとか家電なんかの機器に関しては世界トップなのですね。ところが、今回議論いたしました将来の省エネのコア技術になるであろう、例えばICTの活用とか、電力網をどうするとか、スマートメーターどうたらこうたらという話になりますと、やっぱり、米国に追い付くのに多分2020年までかかる。今の米国の状態に行くまで、そのぐらい置いておかれているというようなことが明らかになっています。トップ10のイノベーションの1位が、見ていただくと、こんなことになっているということですね。

先ほど大塚委員からのご指摘にもありましたように、日本の現状というのはどうもちゃんとわかっていないのではないかという気がいたします。特に、消費者をどうやって取り込むかという部分が一番遅れているかもしれないというような気がいたします。そういう意味では、明らかに後進国であると。これは、ここだけでなく、メディアの方々も是非そういうような理解をしていただきたい。

あと、時間の話ですけど、私が今委員長をやっています原子力小委員会は2分半でベルが鳴ります。やはり、これはそういうことを取り入れていただいたほうがよろしいかと思います。

以上です。

浅野委員長

大変いいご提案でございました。皆さん、一々言わなくてもおわかりいただけると思いますが、今日は最初ですから我慢して黙っていましたけど、本来ですと、長いとやめてくださいと申し上げることになるのですが。

この後、さらに、資源エネルギー庁からご説明をいただきます。これも15分ほどかけてご説明をくださるそうです。そうなりますと、あまり質問の時間がなくなりますが、次はもう皆さんよくおわかりいただけると存じます。なお今までの部分で、ご質問に類するご発言がございましたが、これらについては後ほど全部まとめて事務局から答えていただくことにいたします。

それでは、大変お待たせいたしましたが、資源エネルギー庁の吉野審議官、よろしくお願いいたします。

大臣官房審議官

それでは、資料5-1、5-2を使いまして、エネルギー情勢と、それから、三つの小委員会における検討の状況をご報告したいと存じます。

まず、5-1のほうでございます。

めくっていただきまして、1ページ目、大震災後のエネルギーの制約ということでございますが、まず、上のほうは、海外からの化石燃料への依存度ということで、2013年度の実態として、88%依存をしていると。これは、オイルショック後の1973年の76%よりも厳しくなっているということでございます。それから、自給率につきましては、下ですが、6%、ルクセンブルクに次いで下から2番目ということで、2010年には、原子力も準国産エネルギーというふうに数えまして、19.9だったものがこのレベルになっているという状況でございます。

それから、2ページ目、国民生活、経済への影響ということですが、原子力発電所が止まっております結果、火力のたき増しの費用が、これは2014年の試算で3.7兆円ということになっております。実際の統計上も、2010年から2013年で10兆円の増加になっているということでございます。

それから、3ページ目は電気料金についてであります。家庭用で19.4%、産業用で約3割弱ということになっております。右側に、日商においてお調べいただきました調査の結果、概略が出ておりますけれども、中小企業の方々に影響が及んでいると。電力多消費産業の方々に影響が及んでいるという状況でございます。

それから、4ページ目は、先ほどの資料にもありましたけれども、電力会社10社のCO2排出量が1.1億トン増加をしている。これが日本の9%分にも相当するという状況をお伝えしております。

それから、5ページ目以降、エネルギー基本計画についてでございます。おさらいのようなことになりますけれども、この計画、エネルギー政策基本法に従いまして策定をし、決定するものでありまして、一番最近は、4月11日に第4次のものが決定されたということでございます。

その中身としましては、6ページ目以降であります。まず、エネルギー政策の基本的視点として、三つのEとSと。「安定供給」、「コスト低減」、「環境負荷低減」、加えて「安全性」ということがまず基本的な視点であると。加えまして、2にありますように、多層化・多様化した柔軟なエネルギー需給構造の構築を目指すと。各エネルギー源の強みが生き、弱みが補完される、強靭で、現実的かつ多層的な供給構造の実現を目指していくといったところをお示ししております。

7ページ目は、各エネルギー源の位置付け、電源構成における位置付けということでありますが、再生可能エネルギーに関しては、温室効果ガスの出ない有望かつ多様で、重要な低炭素の国産エネルギー源。3年間、導入を最大限加速、その後も積極的に推進をすると続けております。原子力に関しましては、安全性の確保を大前提に、重要なベースロード電源と位置付けた上で、依存度に関しましては、省エネ・再エネの導入や火力発電所の効率化などによって可能な限り低減をさせる。あと、石炭、天然ガス、石油、LPガスについてもそれぞれ位置付けをしているということでございます。

それから、省エネ社会について言えば、まずは、各部門に目標となるような指標を置きながら進めていこうと。かつ、電力システム改革などによりまして、エネルギー利用に関する多様な選択肢が示される環境が整うということなので、そのもとでさまざまな取組を進めていこうということでございます。下に少し部門別に書いてありますけれども、業務・家庭では、例えば、省エネルギー基準への適合を義務化するでありますとか、運輸部門については、次世代自動車に関して目標を掲げて進めていくといったこと。産業部門に関しては、省エネ効果の高い設備への更新を促進するといったところをうたっているところでございます。

以下省略をさせていただきまして、資料5-2でございます。三つの小委員会における検討事項のほうのご紹介をいたします。

まず、一つ目は、1ページ目、省エネルギー小委員会の検討状況でございます。1ページ目に、開催の趣旨、それから、委員の名簿とございます。(3)のところに開催状況がございますけれども、直近では10月21日に開催をされまして、運輸部門の省エネ対策、ディマンドリスポンス、省エネの費用対効果といったところが議論をされました。

2ページ目のところに、検討項目とそれに関する議論の状況ということでありますが、最初の1の産業部門に関しましては、省エネ投資のコストが上昇をしてきている、それから、設備の高経年化が進んでいるといったことがあります。あと、中小工場の省エネ診断といったものがとても大事だということですが、このためには技術と経験が重要であるといったところなども議論をされております。それから、民生部門に関しましては、快適性を維持したまま省エネを進めることが大事だといったこと。一方で、消費者の自主的な行動を促すとともに、定量的に把握可能で強制力のある施策も必要ではなかろうかといったこと。あと、業務部門に関しましては、ベンチマーク制度の議論があるのですが、ここでも業態によりさまざま利用形態が違うのではないかといった議論もございました。それから、運輸部門に関しましては、次世代自動車のさらなる普及に加えて、エコドライブですとか、あと、ビッグデータを活用していったらどうかとか、こういった議論もございます。

それから、3ページ目に参りまして、規制と支援策ということでありますが、省エネ基準の規制を強化していくといったこと、義務化をしていくといったことと、それから、補助金を初めとしたインセンティブの施策の整合性が大事だといった議論がございます。それから、その他としまして、さまざまな民間調査、定期報告といったものを需要家に丁寧に伝えていく仕組みを作れないかといったこと。それから、ネガワット取引、ディマンドリスポンスへの期待といったところも示されております。今後のスケジュールとしましては、次回以降でございますが、産業部門における省エネの取組といったところを取り上げていくということになっているということでございます。

それから、4ページ目以降、新エネルギー小委員会でございます。同じく4ページ目に、開催趣旨、委員名とございます。省略をさせていただきます。

5ページ目以降に、検討項目、議論の状況でございますが、先に17ページ目をお開きいただきまして、簡単に再エネの状況をお伝えいたしたいと思います。

17ページ目には、我が国における再生可能エネルギーの導入の状況ということで、10.7%、水力を除くと、2.2%といった数字でございます。

18ページ目は、同じく導入の状況でございますけれども、買取制度が開始をされました後、加速的に導入が進んでいると。制度開始前と比較して5割増になっているということでございます。他方、実際に認定されました容量のうち、運転開始をしたものが約15%といったこと、それから、太陽光の割合が9割以上になっているということでございます。下に表がございますけれども、目下、導入量を1,109.3万kWということですが、右側にあります認定の容量、これが7,000万kWを超えるような状況になってきておりまして、後ほども触れますが、今、各電力会社において、接続申し込みに対する回答を保留するといった事態になっております。

それで、新エネルギー小委員会の検討状況、中身でございますけれども、小委員会としては、現状と課題を整理し、それから、欧州への調査、関係団体へのヒアリングといったことを進めてまいりまして、9月に入りましてから、検討の進め方、あと、第4回目のところで各電力会社の系統接続問題、賦課金の試算といったところをやり、それから、第5回では、再生可能エネルギーの最大限の導入に当たって直面する課題の整理をいたしました。これに加えてなんですが、16日からは、系統の問題に対処をしなければならないということで、新たに系統ワーキンググループというものを立ち上げまして、系統接続可能量の算定方法についての考え方といったものをこの場で議論をしたということになりました。

それから、6ページ目には検討項目を整理しております。再生可能エネルギーの導入に当たっての基本的な考え方としましては、国民負担の問題、ポテンシャルといった議論。それから、やはり、一番大きな問題点は買取制度ということがございますので、マーケットメカニズム、競争原理の活用をどうしていくのか。それから、導入量を踏まえた価格制度、コスト構造を反映しやすい制度といったものはないのかと。事業の予見可能性をどう担保していくのかといったこと。あとは、価格決定のタイミングといったところも論点に挙がってきております。

7ページ目でございます。先ほど申し上げた系統ワーキンググループでございますけれども、触れましたような九州電力、北海道電力、沖縄、東北、四国、各電力会社において、接続申し込みに対する保留・留保が起こっているものですから、それを受けて今後の対応を検討するということで設置をされたものでございまして、ここにありますように、1ポツの接続可能量の検証に関する事項と、それから、接続可能量の拡大に関する事項と、この二つを大きなテーマとしておりまして、今後、年内に三、四回程度議論をして、何らかの取りまとめをするということを想定しております。1ポツの接続可能量の検証に関しましては、このうち各電力会社のほうからもこのぐらいが受け入れ可能量だといったものが出てくるかと思われますけれども、その内容をしっかり検証するということでございます。それから、二つ目には、接続可能量の拡大方策としまして、調整電源の活用でありますとか、地域間連系線のさらなる活用、それから蓄電池など設備の増強といった、そういったオプションでいかなるものがあるのかと、それによっていかなる効果をもたらしているのかといったところを検討していくことにしているということでございます。

それから、原子力小委員会でございます。同じく、8ページ目のところに、開催趣旨、委員の名簿がございます。

ここは飛ばしまして、9ページ目のところに検討状況を記しております。これまで7回開催をしておりまして、ほかの委員会同様に、国内外の有識者からのヒアリングもしております。3回目辺りから具体的な議論に入ってきておりまして、原子力依存度低減の達成に向けた課題と。廃炉の進め方、地元等の関係といったところの議論をしております。第4回目には、原子力の自主的安全性の向上、技術・人材の維持・発展といった論点。それから、第5回目には、電力システム改革が進むわけでございますけれども、そのもとでの原子力事業のあり方といった議論をしております。

めくっていただきまして、第6回目には核燃料サイクル施策の推進、それから、第7回目には世界の原子力平和利用への貢献といったところを順次進めてきております。来週27日に8回目が予定されておりまして、この場では、国民・自治体との信頼関係の構築といったところをテーマに議論がなされています。これとは別になのですが、原子力の中で大きなテーマであります放射性廃棄物に関しましては、放射性廃棄物ワーキンググループといったものを10月23日に再開をいたしまして、今後、科学的な観点からの適地の選定でございますとかといった作業を進め、また、地元との関係をいかに構築していくかといったところも今後展開をしていくということになっております。

後ろに参考資料をつけておりますが、時間の関係もございますので、割愛をさせていただきます。

説明は以上でございます。

浅野委員長

どうもありがとうございました。

それでは、安井小委員長と山地小委員長から何か補足のコメントがありましたら。

安井委員

私は特にあれですが、今ご報告いただいたとおりでございまして、割と長期的な検討をやっているということをご理解いただければと思います。

浅野委員長

ありがとうございました。

山地小委員長、どうぞ。

山地座長

私からは、特につけ加えることはございません。

浅野委員長

それでは、ただいまご報告いただきました内容につきまして、ご発言をご希望の方は札をお立ていただけますでしょうか。

ほとんど全員が札を立てておられますので、今度は、さっき2分半でチンという話がありましたが、どうぞご留意ください。

では、大橋委員から。この順番でずっと行きますので。

大橋委員

できるだけ端的に申し上げたいと思います。日本商工会議所のエネルギー・環境委員会の委員長をしております大橋でございます。よろしくお願いいたします。

初めに、先ほど、ICEFの報告がございましたが、冒頭の設置目的とか経緯のところに明らかに書いてあるとおり、地球温暖化問題は喫緊の課題であるとともに、経済成長と両立する必要があります。この言葉は非常に重要だと私は捉えております。環境政策においても「環境と経済の両立」というのが原則であろうと。この原則を忘れてはだめだと思っております。同時に、言い換えれば、環境対策とエネルギー対策は表裏一体で進めるものであるという認識でおります。

全国に514の商工会議所がございますが、これを構成する各地の中小企業にとりまして、現下のエネルギーコストの問題が非常に深刻になってございます。今、安倍政権が取り組んでおられる中小企業の活性化や地方創生は、現下の我が国の重要課題であり、国民もそれを非常に強く望んでいるわけです。ところが、現実のエネルギーコスト問題というのは、賃上げとか、あるいは、設備投資の阻害要因になっておりまして、一刻も早い解決が必要であると思っています。

それから、過去に機会のあるごとに私は申し上げてまいりましたが、安全が確認された原子力発電の早期再稼働が重要です。現時点で、原子力発電なしに、CO2削減目標は、私は作れないのではないか。現実的なCO2削減という数値を生み出すことはできないのではないかというふうに考えております。

再エネについても、いわゆる最近問題になっております非住宅太陽光発電の固定価格買取制度の見直しと対策を早くやらないと、非常に偏った形になるというふうに思います。

それから、2020年以降の地球温暖化対策の策定につきましては、いろんなお話が先ほどから出ておりますけども、やはり原子力、再エネ、省エネ等のエネルギーミックスの策定を待って、しっかりした根拠に基づいた現実的な目標設定をすることを強く要望いたしたいと思います。

それから、最後に、中長期的な温暖化対策の成功の鍵は、政府が9月の国連気候変動サミットでも言及しておりました中で、一つ先ほど紹介がありましたけれども、技術革新とその普及ということを挙げておられます。この新エネルギー、先ほど紹介がありました新エネルギー小委員会では、再生エネルギーの議論が中心と今現在ではなっておりますけれども、でき得れば、2020年以降を見据えた場合、水素などを含めた新エネルギーが非常に重要だと考えておりますので、革新的な技術開発の推進についても、是非検討をますます深めていっていただきたいというふうに私は思っております。

以上でございます。ありがとうございました。

浅野委員長

ありがとうございました。

小倉委員、どうぞ。

小倉委員

エネルギーに関しましてはいろいろな専門委員会で、再生エネを巡る課題の考察やFIT関連の見直しなど、原子力や省エネに関しても詳細な検討がなされている最中ですので、私の方からは1点だけコメントさせていただきます。昔、電力のコスト計算をおこなったことがあるのですが、これを正しく把握するのは容易ではないという実感を持ちました。そうした経験から、電力のコストというものをきちんともう一回見直すというか、把握したいと思っています。原子力のコストは本当は幾らなのか、太陽光はもう大体売り値が決まってはいるものの、本当のコストはわかっていないかもしれない。地熱のコストもそうですし、そういった電源別のコストを是非もう一度きちんと見てほしいと思います。

以上です。

浅野委員長

ありがとうございました。

では、岩間さん、どうぞ。

木村委員(岩間代理)

本日のテーマの温暖化対策の文脈からちょっと感想を述べさせていただきたいと思います。冒頭、浅野委員長から、空中戦ではなくて、現実的な議論をとおっしゃいました。今後のエネルギーの問題と温暖化を議論するに当たっては、やはり、実現可能性をしっかり認識する必要があると思います。また、その際は、大橋委員からお話がございましたように、コスト負担について国民がどの程度許容できるのかについて、しっかりと透明性のある議論をする必要があると思っております。今日の資料にはございませんでしたが、再生可能エネルギーの固定価格買取制度で、今認定されている設備が全て稼働すると、年間の国民負担が2兆7,000億円との数字もあり、今後、この数字はどんどん増えていくのだと想定されます。その中で、どのような国民負担が妥当なのか、対策コストがどの程度になるのか、というようなことを、国際的な公平性も含めてしっかり議論する必要があると思います。

それから、1点補足させていただきますと、電力について、前の資料で原単位が悪化している、係数が悪化しているとの指摘がございました。そのとおりだとは思いますが、その一方で、京都議定書の第1約束期間内では、電力業界は相当膨大なクレジットを海外で買ってきたとの事実も、併せて国民に示して、説明していくということが大事です。私どもの試算によりますと、日本全体での温室効果ガスの排出量の8.4%減に、電力業界のクレジットが貢献しております。

以上でございます。

浅野委員長

ありがとうございました。

崎田委員。どうぞ

崎田委員

ありがとうございます。

現実には、国民運動をどれだけしっかりと盛り上げて現実のCO2削減ができるかということと、今回のお話のエネルギーミックスのところをはっきりさせて、どれだけの排出原単位になるかという、その両方が明確に出てくれば、具体的な数字が出てくる事になります。そこで考えたときに、この前のエネルギー基本計画を策定したときには、2030年にCO2削減、温暖化対策を徹底するために、ゼロエミッション電源を70%にというような方向性を考えて、原子力発電比率を50%に引き上げ、再生可能エネルギーも20%に引き上げるというような議論をそのときにしていたと思います。その後、福島の事故をふまえリスクの高い原子力をできるだけ下げていく。ただし、基幹電源として活用し、再エネもできるだけ増やすという流れでした。では、そのようになったときにどこまで原子力を下げ、再生可能エネルギーを前の目標値20%からどこまで上げるのか。そして、省エネでどれだけより効率的に使って、必要総量を下げるのかというところを一歩一歩みんなで考えていきながら、私達が現実的に達成できる数字を作っていくということが、これからの大変重要な道筋だと思っています。

その中で、再生可能エネルギーに関しても、急激に増えたために系統連携やコストの問題などが起こっておりますが、その中で、私は是非これから考えていくことが必要だと思う事が二つあります。一つは、系統連系の整備とか、そういうことは大きな社会インフラと考えれば、電力を使った人が、電力料金として払うというだけではなく、国民が払った税金の中から負担するという、一部はそういうものがあってもいいのではないかと思います。

もう一つ、エネルギーの将来に関する表に、水素社会への取組がどのくらいの時期からきちんと効果を出してくるのかということがあまり出てこない。資源エネルギー庁や東京都でも、水素社会に向けた戦略会議が開かれています。やはりそういうこともきちんと入れていきながら考えていくのが、これから非常に大事だというふうに思っております。

浅野委員長

ありがとうございました。

竹内委員、どうぞ。

竹内委員

ありがとうございます。できるだけ2分で終えます。

温暖化の議論からは若干離れてしまうかもしれませんが、これから自由化が進んでいく中で、エネルギーミックスの実効性担保をどこまで持たせることができるのでしょうか。その制度設計はどういうふうにどこで議論をしていくのだろうかという、一つの大きな疑問がございます。

あまりに大きい議論なので一旦ここでは離れます。

再生可能エネルギーを入れてということが先ほどからご議論になっておりますけれども、再生可能エネルギーを入れるだけでは単純にCO2が減るわけではないというのは、自由化したドイツ等で、再エネがあれだけ増えていながら、自由化した火力発電の世界では、褐炭火力発電の稼働が増えて、かえってCO2の排出が増えているというようなことも現実としてあるわけです。導入の目的をはっきりさせ、それに見合ったコスト負担を議論すべきです。エネルギーミックスというのは、引きの視点が必要というか、バランスが必要で、全体的にどう捉えていくか。コストについても全体像の把握が必要です。再エネを入れると系統ネットワークの整備がいつまでにどれくらい必要か、どの程度のコスト負担かという議論が先にあるべきで、そして、崎田委員から、先ほど、国民負担でネットワークを整備することも一つあるのではないかということがございましたけれども、では、私は、それは電気料金か税金かという徴収ルートが違うだけという気もいたします。国民にとって負担が直接的に見えるか見えないかは関係がなく、それぞれの電源がどの程度の負担かを必要とするか、そのメリットと負担をしっかり示し議論すること、これが先に必要ではないかというふうに思っております。

以上です。

浅野委員長

ありがとうございました。

豊田委員、どうぞ。

豊田委員

ありがとうございます。簡単に2点。

1点目は削減目標です。CO2削減目標のタイミングを急ぐというのは、気持ちはわかりますけれども、順序としてはエネルギーミックスを決めてからであり、エネルギーミックスは原子力の安全性を確認した後の再稼働を見てからでないと決まらない。この事実をやっぱり再確認していただきたいと思います。

もう一つは、今日、特にご説明があったわけでもないのですけども、再生可能エネルギーについて。18ページに71GWの再生可能エネルギーがFITを入れた後に入ってきているということだと思います。ご説明がなかったので、ちょっとわかりにくいお話かもしれませんが、71GWで、新聞では原子力の70基分入るような記事を時々見ることがあります。ほとんど太陽光発電ですから、12%程度の稼働率しかないわけで、全部できたとしても7基分ぐらいでしかないと思います。そのときに、約50兆円の賦課金を払うことになるという、ここの三つの関係ですね。71GW、7基、50兆円という、この関係を常に書いて、資料として出していただいたほうがいいのではないかというふうに思います。これには再生可能エネルギーの連系コストは入っていませんし、バックアップコストは入っていません。そういうものも抜けているということも併せて理解していくことが重要です。

以上です。

浅野委員長

ありがとうございました。

村上委員、どうぞ。

村上委員

民生部門について一言申し上げます。

これは3・11後に大変増えておりまして、私自身も頭が痛いのですけど、一方で、これは先進国の間ではまだまだ少ないという指摘はあるわけでございます。ですから、いかにこれは我慢でなくて、国民の協力を得て推進するかという、そういう方策を作らなきゃいけないわけです。2020年の義務化が決まっておりますが、これは非常に、単純な話、それによって購入数が減って、断熱改修ができるかというと、それは50年とか、そんなオーダーでかかって、そういう単純な計算では、普通の経済ベースで改修できないのです。その中で、もう既に決まっている義務化をいかに国民の納得を得てソフトランディングをさせるかというのは、これは最大の問題でございまして、最近私が言っていますのは、これは同時に断熱がもたらすコベネフィットと、これはIPCCも最近非常に言っていまして、今回のAR5でですね。要するに、断熱をすれば、例えば住宅で言いますと、健康が増進するし、生産性も伸びるし、あるいは、遮音性も上がるとかという多面的便益があるから、そういうものを考慮して、そういう形で国民の理解を得て進めると。そういう意味の国民運動を進めることが必要だろうと、そう思っております。

以上です。

浅野委員長

ありがとうございました。

藤野委員、どうぞ。

藤野委員

ありがとうございます。

資料の7ページ目の系統ワーキンググループのことでちょっとご質問があるのですが、そちらのほうの資料5を、ホームページ上であるのですけども、再生可能エネルギーの接続可能性の算定方法に関する基本的考え方について(案)というものがあるのですが、そこで、需要と、あと、原子力の想定がされていまして、需要につきましては、需要想定は過去の需要実績に一定の需要増加を見込んで設定することが一般的。しかし、需要増加が見込みに達しなかった場合、将来的に接続可能量が小さくなる可能性があることから、より確実な需要実績を採用するとあって、最近は需要がちょっと減る傾向にはあるのですけれども、どういう議論がなされたかというのが一つ目。

もう一つは、原子力についても書いてありまして、一般水力、原子力、地熱の出力については、各電力会社の特性や長期的な傾向を反映することとし、電力会社別の震災前過去30年、30年経過していない場合は、運転開始後の全期間の設備利用率平均を用い、設備容量を乗じる。つまり、設備利用率×設備容量としてはどうかと。ここで、設備容量についてどのような議論があったか。この2点を教えていただけますでしょうか。

浅野委員長

ありがとうございました。

大塚委員、どうぞ。

大塚委員

簡単に3点申し上げたいと思います。

第1点は、資料5-1ですが、1ページ目のところで、私は原子力についてはニュートラルなので、別に批判するつもりはないのですけども、原子力を国産の自給率の中に当然のように入れておられるのは、準国産の扱いをされていることは知っていますが、やっぱり注ぐらいはつけていただかないといけないのかなという感じはいたします。

ちなみに、ちょっとついでに質問でお伺いしたいのですけど、核燃料サイクルができていない状況で、国産(自給)の中に当然入れてしまっていいのかどうかは、私はニュートラルな立場から申し上げているだけですが、いいのかというのは、私はややよくわからないところもありますので、その点もちょっと教えていただければと思います。

関連して申し上げておきたいのは、原子力についてどういう立場をとるかということとは別に、再生可能エネルギーに関しては、6ページのスライドにもございますように、3E+Sという観点から考えたときに、効率性のところで価格が高いということだけはありますけど、他は全て再生可能エネルギーは満たしますので、純粋な国産エネルギーとしては唯一のものということになりますので、そういう観点は、是非政策を進める上で、そんなに一度に増えるかという問題はもちろんあると思いますが、是非忘れないでいただけるとありがたいということがございます。

それから、二つ目ですけども、再生可能エネルギーの接続の中断のようなことが最近あって、結構大きな影響を及ぼし始めていると思いますが、既に先ほどご説明いただいたように、いろんな検討をされていると思いますが、これについての原因はいろいろあって、私も最初から太陽光の調達価格がちょっと高過ぎるのではないかと思っていましたし、そういう論文も書いたこともありますので、1円ぐらいは少なくとも高かったと思いますので、それも問題ではあると思いますけど、先ほどもお話があったように、申請がされて認められているもののうち、運転が開始しているのは15%程度にすぎないのに、なおかつ系統のところがおかしくなって接続ができなくなるというのは、ちょっとお粗末かなという感じはしています。これもどこに申し上げたらいいかがわからなくて、国会の問題かもしれませんが、FITの制度を入れてこういうふうにやってきたのに、再生可能エネルギーの発電事業者からすると、言い方はなかなか難しいですけど、非常にショッキングな話だと思いますので、今から対応していただくことはできるだけ早急にやっていただく必要があると思いますけど、どうしてこういうことになってしまったのか、どこが足りなかったのかとかということは、是非教えていただけるとありがたいと思います。

ちなみに、系統の強化に関しては、お金がかかることは承知していますが、電力会社のほうからは、最初から、再生可能エネルギー、特に太陽光と風力に関してはフラクチェートするので、系統の観点から非常に難しいということは、もうずっと前から言われてきたことなので、それに関しての対策がなされていなかったというのはちょっと問題かなという感じが非常にするところでございますので、そこは教えていただけるとありがたいと思います。これが再生可能エネルギーの今後の強化にマイナスの影響がないように、是非早急な対応をしていただけるとありがたいと思います。

それから、第3点ですけども、IPCCの第5次の報告書との関係で先ほどご議論がございましたが、450ppmか、もうちょっと高くてもいいかとかという議論はあると思いますけども、今後の世界の温暖化対策との関係で、66%程度の可能性を考えずに50%でいいという議論を本当にしていいのかというのは、私はちょっと疑問がありますので、つまり、安全か危険か五分五分でいいというふうに考えるかどうかという問題だと思いますが、それは結構根本的な問題だと思いますので、疑問を呈しておきたいと思います。

以上です。

浅野委員長

ありがとうございました。

それでは、ただいままでのご発言の中でご質問に当たる部分がありましたので、この点について、事務局からまとめてお答えをいただきたいと思います。

それでは、瀧口室長。

低炭素社会推進室長

それでは、前の議題も含めて、ご質問の部分をお答えしたいと思います。経済産業省のほうからも補足していただければと思いますし、また、エネルギーに関しては資源エネルギー庁のほうにお願いできればと思います。

冒頭、原澤委員から、2005年比の3.8%減の目標についての見直しのお話がありました。この3.8%減の目標につきましては、地球温暖化対策推進本部に提出しております分野ごとの省エネ量、温室効果ガスの見通し等、資料がありますので、そういった資料はお出しできるかと思います。

ただ、ちょっと私の説明が不十分だったのですけれども、今、国際交渉で求められていますのは、2020年以降、主に2030年、あるいは、2025年になる可能性もありますが、2020年以降の目標ですので、この合同専門家会合でも、その点を中心にご議論していただくのかなというふうに思っております。

それから、豊田委員から、2050年世界半減、先進国80%減のベースイヤーがどうなっているのかというご質問がありました。2050年世界半減は、安倍総理が第1次政権のときに打ち出されたものだと思いますが、その際の説明は、私の記憶ですと、排出量と地球全体の吸収量のバランスがありまして、排出量が吸収量の倍になっているから、そのバランスを図るために半減しないといけないというような話があったのではないかと思います。ただ、そこのところをもう一回確認させていただければと思います。ご指摘のように、環境基本計画の中では、基準年ということでは特に明記はされておりません。

もし経産省のほうから何か追加があれば、お願いいたします。

浅野委員長

では、ございましたらどうぞ。

大臣官房審議官

幾つかございました。

まず、さきのセッションの折にご質問がありました原子力3割、これは、基本的に報道の中だけの問題でございまして、新大臣が来られて、記者会見の中で、むしろ記者の側から3割といった数字に言及があって、原子力について言えば、基本的な方針として再エネ・省エネほかを、火力の効率化といったことを踏まえつつ、可能な限り減らしていくという方針に基づけば、過去のそういった実績に比べれば、需要が変わらなければ、そういったことになるのではなかろうかということを答えたものが大きく報じられているところで、それ以上でも以下でもないということでございます。

それから、若干の細かな点もございました。系統ワーキングの中で議論をされております今後の再エネ接続可能量の算定方法に関する基本的な考え方でありますけれども、これは、それぞれ需要サイドの想定の仕方、それから、出力の側の決定の仕方、再エネの導入においては、想定することの検討の仕方、こういったところを、電力のこの分野での基本的な考え方を、まずお示しを政府の側がしたということですが、これを踏まえて、各電力会社がそれぞれ各社ごとに、自分たちはこういう考え方のものでこういう計算をしていくのだといったところを、また次回以降示されることもありますので、その中で精査をしていく中身になると考えております。

それから、原子力を準国産エネルギーの自給率に入れる、入れないの点ですが、これは、IEAのお示しした数字がございますけど、この中で、基本的に原子力は自給率に計算をするという位置付けをしております。この点は、注にせよ、説明にせよ、この後やっていきたいと思います。

それから、接続問題に関してでございます。今回の事態を招いております原因と申しますか、昨年度末、3月の時点で、一月のうちに、それまでの1年間と同じぐらいの数の接続の申し込みがあったと。3月、一月で7.2万件の接続申し込みがあって、これまで導入済みのものと、それから、申し込みがあったものを加えると、九州電力の場合にも、需要の比較的低い時期の規模を大きく上回る。仮に、それが運開する場合には、系統の安定を著しく損なうということで、一旦接続申し込みについての回答を保留した上で、今後、受け入れ可能量を見極める。政府の側が、それを受けて、申し上げましたワーキングで検討を開始したということになっております。確かに、実際に導入されていくのはこれからという面もありますけれども、現に太陽光発電の計画から実際の運開までの期間は非常に短いところもありますので、この時点でしっかり押さえておかなければということかと思っております。

浅野委員長

恐れ入ります。時間がございませんので、もうそのような説明で結構でございます。

山地座長からコメントがございます。

山地座長

挨拶は後であるのですけども、原子力の準国産という件について一言発言させていただきます。大塚委員から核燃料サイクルが実現しない中で準国産と言えるのかという発言がありましたが、核燃料サイクルでぐるぐる回すと資源量が大きくなるから準国産だという考え方もあるのですが、通常は、エネルギーセキュリティ上から言えば、原子力が持つ備蓄性が重要です。一旦燃料を入れると、今でも1年数カ月ですけど、技術的には二年程度の運転ができますし、次の燃料も手配しているので、備蓄性が高いということが原子力の特徴です。この特性のため準国産といってよいというのが少なくとも私の解釈です。

浅野委員長

ありがとうございました。

それでは、もう時間がほとんどございませんので、恐縮でございますが、ここまでのところは今回はこれで打ち切らせていただきまして、次に、議題の(3)がございますので、これについて事務局から説明いただきます。

低炭素社会推進室長

資料6をご覧ください。この合同専門家会合の今後の開催予定、年内の予定を示させていただいております。

10月24日、今回が第1回でして、次回、11月に第2回の合同専門家会合を開催させていただきたいと思います。具体的には、11月12日に、第2回、IPCCの第5次統合報告書の報告、それから、非エネルギー起源の温室効果ガスの対策、それから、産業界のほうで取り組んでおられる低炭素社会実行計画のご紹介をいただくということで、11月の第2回専門家会合を考えております。第3回は12月ということで、エネルギー需要対策(省エネ対策)、それから、今日も何人かの委員に言及いただいた国民運動、これについて12月にご議論していただければと思います。年明けの予定は、COP20の結果も踏まえて、またご相談できればと思います。

浅野委員長

それでは、これについては、差し迫った来月のことについてはこういうことだと思いますし、とりあえず年内はこのような形で進めさせていただきたいと存じます。

さらにまたこういう内容をというご希望がございましたら、どうぞ事務局に各委員からお申し付けいただければと思います。

それでは、ここまでのご議論を踏まえて、山地座長からご挨拶をいただきたいと思います。

山地座長

産構審側の、正式に言うと記録的に長い名前の委員会ですから、最後だけ言いますと、約束草案検討ワーキンググループの座長をしております山地でございます。浅野先生は委員長ですね。私はワーキンググループですので座長と呼ばれておりますけど、交代で司会をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

浅野先生が冒頭おっしゃった、リアリスティックというか、現実的で実行可能なものを具体的に議論するということが我々に課せられているのだと思います。それを私も踏まえながら進行をさせていただきたいと思います。

時間のないところで一つだけ言わせていただくと、そういうことを考えながら議論を聞いていると、20数年前に温暖化問題をやり出したときに読んだちょっとおもしろいペーパーで、「マター・オブ・ディグリー」というのがあったことを思い出しました。程度の問題ということですけど、でも、そのディグリーは温度の気温のことでもあるのです。要するに、温暖化問題の議論はマター・オブ・ディグリーが大事だと。程度の問題が大事です。だから、数量的にきちんと詰めていく。そういうことができるようしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

浅野委員長

ありがとうございました。

それでは、続きまして、経済産業省産業技術環境局長の片瀬局長からご挨拶をいただきます。

産業技術環境局長

本日はありがとうございました。

冒頭、浅野委員長から、哲学的でない、空中戦ではない議論というお話があったわけですけれども、非常に地に足のついた本質的な議論をしていただいたと思います。

何人かの先生からお話が出ましたけれども、やはり、この温暖化問題というのは非常に重要な問題です。と同時に、世界全体で温室効果ガスを減らしていくということが求められるわけであります。

攻めの外交、地球温暖化外交戦略でも、そういう考え方で、技術で世界に貢献すると同時に、世界全体の効果的な公平な枠組みづくりに日本は貢献をするという立場をとっております。また、日本の緩和策・削減策というのは、何人かの先生からお話が出ましたけれども、国民のコスト負担を伴う問題でございます。そういう観点から、是非地に足のついた、具体的な積み上げのある約束草案を作っていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

本日はありがとうございました。

浅野委員長

どうもありがとうございました。

それでは、本日の議事は全てこれで終了いたしました。

事務局から連絡事項をお願いいたします。

低炭素社会推進室長

委員の皆様におかれましては、活発なご議論をありがとうございました。

議事録につきましては、事務局で取りまとめを行いまして、委員の皆様にご確認いただいた後、ホームページに掲載させていただきたいと思います。

また、次回の会合は11月12日(水曜日)の午後5時から7時(17時から19時)を予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。

浅野委員長

それでは、本日はこれで散会いたします。どうもありがとうございました。

午後2時30分 閉会

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