気候変動影響評価等小委員会(第15回) 議事録

日時

平成29年2月7日(火)10:00~12:00

場所

航空会館 702+703

議事次第

1.開会

2.議事

  1. (1) 気候変動影響評価等小委員会の中間取りまとめ骨子について

    (2) その他

3.閉会

配付資料一覧

資料

議事次第 [23KB]
資料1

気候変動影響評価等小委員会の中間取りまとめ骨子(案) [PDF 214KB]

参考資料

参考資料1 気候変動影響評価等小委員会委員名簿 [PDF 88KB]
参考資料2 気候変動影響評価等小委員会の論点の整理に対する委員追加意見 [PDF 139KB]
参考資料3 気候変動影響評価等小委員会の論点の整理及び気候変動影響評価等小委員会の中間取りまとめ骨子(案)の構成 [PDF 63KB]

10時00分 開会

竹本気候変動適応室長

皆さん、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまより第15回中央環境審議会地球環境部会気候変動影響評価等小委員会を開催いたします。

初めに、環境省地球環境局長の鎌形よりご挨拶申し上げます。

鎌形地球環境局長

おはようございます。環境省地球環境局長の鎌形でございます。お忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。

この議論もかなり精力的に重ねていただきまして、まとめの段階ということでございます。前回は論点整理という形でお示しさせていただいてご議論賜りました。いろいろご意見ありまして、その論点整理の構成自体も組みかえて、今回取りまとめの骨子(案)ということで中身を提案させていただきます。しっかりとご議論賜って、今後の具体的方向性を出していきたいと考えています。

適応をめぐりましては、昨年に気候変動適応情報プラットフォームを立ち上げて、来年度の予算案では、地域適応コンソーシアムをつくるということで予算の確保をし、その準備作業を既に始めているところでございます。ブロックごとに都道府県等の関係者にお集まりいただいて、事業をどのように進めていくか議論を進めております。ここでご議論いただいた方向性というものが、気候変動適応情報プラットフォームや、あるいは地域適応コンソーシアムを進めていく上での大きな指針になりますので、ここでの議論を踏まえて発展させていきたいと考えているところでございます。そういう意味で非常に重要な位置づけがあると私ども考えてございますので、ぜひ忌憚のないご意見を賜って、まとめていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

竹本気候変動適応室長

本日の会議ですが、現在、委員総数の過半数の委員にご出席いただいておりまして定足数に達しております。また、本日の審議は公開とさせていただきます。

それでは、初めに、配付資料の確認をさせていただきます。お手元に議事次第がございます。続きまして、資料1、本小委員会の中間取りまとめの骨子(案)でございます。あと、参考資料1が委員名簿、参考資料2が論点の整理に対する委員の追加意見、参考資料3が骨子(案)の構成でございます。資料の不足等がございましたら事務局までお申しつけください。

それでは、以降の議事進行は住委員長にお願いします。

住委員長

皆さん、おはようございます。年度末のお忙しい中にお集まりいただきまして、ありがとうございます。

いよいよ骨子(案)中間取りまとめということでございます。この取りまとめは来年度以降の活動の方向性を示すものということですので、鋭意、皆さんのご意見を取り込みながらやっていきたいと思います。事前にお配りしてあると思いますので多少はお目通しになったかとは思いますが、これから事務局の説明を受けて、コメントしながら議論していきたいと思います。そうドラスティックに来年からこんなことをするということが書いてあるわけではありませんが、役所の仕事というのはそういうものでございます。逆に言うと、やっぱり行政プロセスはそれほど拙速でやってもだめになる場合が多いというのは過去の事実にもありますので、それはステップ・バイ・ステップで着実に進めていくというものです。また、省庁連携でやっていかなければならないというのは国民の要望でもありますし、そういう流れでございます。この委員会もいろんな他省庁の方がご出席いただいておりますので、こういうところの雰囲気を他省庁の方にも伝えていただいて、なるべく全体でやれるという雰囲気がつくられていけばいいかなというふうに思っております。

それでは、議題に入りたいと思います。まず、資料の説明を事務局にお願いいたします。

小沼気候変動適応室室長補佐

ありがとうございます。それでは資料の説明を、私、小沼のほうからやらせていただきます。

まず、資料1に先立ちまして、参考資料を少しご紹介させていただきます。参考資料2をご覧いただきたいのですけれども、前回の小委員会の中で、論点の整理をしていただきました。その論点整理ペーパーに対して6名の委員から追加のご意見をいただいておりますので、簡単でございますけれども、どんな意見があったかということを最初にご紹介させていただきます。

まず天野先生でございますけれども、2点ご意見がございました。一つは、国レベルでの気候変動に対する適応策の推進のために、省庁間での連携を進める方策について検討すべきである。

二つ目としまして、気候変動の影響予測結果について、国民が信頼し納得できて、理解しやすい形の情報提供を行うことが必要ではないかという形でご意見をいただきました。

木所先生からは、各論点それぞれ相互に関連させながら議論することが必要で、そういった観点を入れたらいいのではというご意見をいただいております。

その中で、真ん中のほうに書いてありますけれども、例として、観測・監視の体制の部分でしたら、「一般市民を含む様々な情報」も含めて幅広く収集し、専門家の視点で気候変動の影響を抽出・発信する体制や、プラットフォームのようなものを構築してはどうかと。そういった取組が国民の普及啓発や地方公共団体の支援にもつながるのではないかというようなご意見をいただいております。

高薮先生でございますけれども、ご意見としまして、まず1点目、影響予測を進めていくにはということでございますけれども、適応計画の閣議決定やパリ協定の動きが出てきて、そういったインターバルが5年となったということで、そのサイクルに合わせた研究の推進が必要ではないかと。そのためには、頻繁なモデルチェンジよりも、計算シナリオ等を充実させるということが必要ではないか。特に限られた資源を有効に使うという観点から、関係省庁間の調整を行うことができる仕組みを省庁主導でつくっていくことが重要ではないか。その中で、公認シナリオをつくっていくことが大事であるということと、一方で、気候変動の予測値にはさまざまな要因から来る不確実性があるので単一手法だけで臨むのは正解ではないというようなコメントをいただいております。

特に、(2)でございますけれども、気候変動の影響予測計算の条件設定につきましては、自然科学者・社会科学者・政策決定者・市民などのco-design、co-productionが必須ではないかと。ユーザーとの観点でいいますと、気象学者、また影響評価研究者・社会科学者などと分野間のダイアローグを進めていくことも重要ではないかというようなご指摘をいただいております。

次の田中委員からは、かなり多くの項目についてコメントをいただきました。それぞれの論点整理ペーパーに追加いただく形でコメントをいただいておりますけれども、アンダーラインを引いた部分が追加のご意見ということでございました。

ポイントだけご紹介いたしますと、1-1の観測・監視の体制でございますけれども、まず初めに、影響事例を把握するようなモニタリングシステムが必要ではないかというご意見がありました。また、観測・監視の仕組みとしては、地域レベルの影響モニタリングにおいて、住民参加を促したほうがいいのではないかと。個別的事項としては、適応策が実施されて、その効果をきちんと観測できるようにすべきではないかというような意見がありました。

続きまして、1-2の気候変動の影響予測のところでございますけれども、日本版SSPと整合を持つ地域版のSSPを、自治体の行政レベルや流域レベルなどのスケールで形成することを検討してはどうかというご意見をいただいています。

また、影響評価の調査研究につきましては、影響事例を個別に分析して、社会経済要因が気候変動の影響を顕在化し、また拡大させているかを分析していくことが重要ではないかと。緩和と適応の統合的対応につきましては、地域の総合的な「基本計画」の立案に際して実装できるような、適応策の立案手法に関する研究知見の蓄積が必要ではないかというコメントをいただいています。個別的事項としては、中長期的な視野から脆弱性を改善していくことが根本的な適応策として重要であり、調査研究の推進と施策上の位置づけを明確にすべきだというようなコメントもいただいております。

次のページでございますけれども、続きましては、地方公共団体の気候変動影響評価・適応策の支援というところでございます。地域における適応策の計画は、具体的な行動、またアクション、メニュー化には至っていないというような段階だということで、地域資源に対する影響をきちんと評価して、そういったデータも活用しながら、関係主体とともに適応策を具体化していくようなモデルスタディを推進してはどうかと。さらに、地域の取組を支援するために適応計画の法定化や財政支援等の取組を行ってはどうかと。さらには、順応型の管理手法に踏み込んだ計画づくりをしてはどうかというようなコメントをいただいております。

次のページでございますけれども、国民への気候変動の影響と適応の普及啓発としましては、地域の住民が主導して影響を調べ、その内容を共有し、主体的に適応策につなげていくような学習プログラムの開発などが重要ではないかと。その一環として、地球温暖化防止活動推進センターの役割として適応策の普及を位置づけ、事業内容に組み込んでいくことが重要ではないかというようなコメントもいただいております。

中北委員からは、観測・監視の体制として、データを公開していくような常時の委員会、パネルの設置が重要ではないかということと、国土強靱化のアクションプランで触れられている45の「起きてはならない最悪の事態」との関連を評価し得るような枠組みをつくるべきではないかというようなコメントをいただいています。

また、下のほうになりますけれども、影響予測につきましては、日本の特殊事情を踏まえたような社会経済シナリオをつくっていくことが重要。さらには、その条件設定としては、影響予測計算の条件設定に関する合意形成を図るための組織を形成すべきだというようなコメントもいただいています。

次に三村先生でございます。三村先生からは、15の論点整理のポイントはそれぞれ妥当な内容になっているという一定の評価をいただいた上で、全体を通した観点からコメントをいただいております。まず、その気候変動の影響・適応策は、科学的検討の段階から自治体等による計画策定・実行の段階に入った。これに対応した推進体制と施策が必要である。関係するステークホルダーが幅広く連携して、地方創生、国土強靱化など我が国の主要な政策と緊密な連携を図るという考え方が重要ではないかというようなコメントをいただいているところでございます。

さらに、下の2ポツのところでございますけれども、地域レベルで考えると、他の具体的な課題、例えば人口減少や地方創生、国土強靱化、農業再生などが重視されてしまうが、これらの取組と気候変動の適応をどう関係づけるかというのが重要であると。そのためには、国のレベルで関係省庁と政策の連携を図るため、環境省の枠を超えた取組が重要ではないか。その一環としてA-PLAT(気候変動適応情報プラットフォーム)の位置づけをどうするか、また、他省庁にどのような参加をしてもらうかというのが課題ではないかというコメントをいただいております。

さらに、最後のページでございますが、集約点と書いておりますけれども、気候変動適応を大きな政策的流れに押し上げるには、その取組を見える化することが重要であり、文科省・気象庁などと共同で発行した影響評価の報告書、これは統合レポートというものでございますけれども、こういったものも今後定期的に発行していくことが重要ではないかと。また、全体を評価するような研究者の評価パネルを組織することも必要ではないかというコメントをいただいたところでございます。

続きまして、参考資料3でございますけれども、今回、論点の整理ペーパーから、中間取りまとめの骨子(案)を作成するに当たって、少し構成を変えておりますので、構成だけ説明させていただきます。論点の整理ペーパーでは、以前の意見具申をいただいたときに出していただいた課題に沿って整理をしていたところでございますけれども、今回の中間取りまとめにおきましては、適応計画の基本戦略に沿って構成を組みかえております。このほうが各項目の流れがよく整理されるということと、適応計画の施策体系との整合性がとれるということで、具体的な取組を進めやすいだろうという考えのもとで組みかえをさせていただいております。具体的には、適応計画の基本戦略は五つあり、一つ目に「政府施策への適応の組み込み」、いわゆるメインストリーミングがありますが、これは各府省庁において分野別の取組をしっかり行っていくということで、今回の骨子(案)には入っておりません。残り四つの基盤的・国際的な戦略が含まれており、具体的には1番、科学的知見の充実、2番、気候リスク情報の共有、3番、地域での適応の推進、4番、国際協力・貢献の推進と、大きい四つに分けて、それぞれ議論いただいた点を整理していったということでございます。

それでは、資料1のほう、本体の資料をご説明させていただきます。事前にお配りさせていただきましたので、大変恐縮でございますが、時間の都合上、ポイントを絞ってご説明をさせていただきます。

最初に、タイトル、中間取りまとめ骨子(案)ということでございますけれども、この中間取りまとめ自体のタイトルを、全体を通して見たときに、「今後の気候変動影響評価等に向けた取組の方針」という形で仮称をつけさせていただいております。

まず、大きい1番、この小委員会における検討の背景と趣旨でございますけれども、改めて振り返ってみますと、この小委員会自身は、平成25年7月に、中央環境審議会地球環境部会のもとに設置されました。その上で、平成27年3月には、「気候変動影響評価報告書」が作成されまして、この科学的な知見に基づいて、平成27年11月に「適応計画」を閣議決定しております。

下のほうになりますが、この気候変動影響評価報告書において、四つの課題が示されていたということで、これらの課題に対応するような具体的な取組の進め方についてご議論いただいてきました。

また、適応計画におきましても、次のページに行きますけれども、4行目でございますが、概ね5年程度を目途に気候変動の影響の評価を実施し、これを取りまとめ、当該影響評価の結果や各施策の状況等を踏まえて、必要に応じて本計画の見直しを行うこととするとされているところでございまして、次の「すなわち」というところでございますけれども、適応計画の見直しに必要となる2020年度を目途とする「第2次気候変動影響評価」に向けて、関係府省庁が連携し、調査研究や科学的知見の集積をしていく必要があるという背景がございました。

そういった背景を踏まえ、小委員会が昨年10月に活動を再開し、ヒアリング等をしてご議論いただきました。その結果として、中間取りまとめにおきましては、適応計画の基本戦略の構成を踏まえ、四つのテーマに分類をした上で取組の現状と課題を整理しております。さらに、政府が進めるべき具体的な取組の方向性というものを、項目ごとに、小委員会としての考え方を整理いただきました。

最後にメッセージとして、関係府省庁は、今回整理をした具体的な取組の方向性を踏まえて、適応計画の「基盤的・国際的施策」を具体化し、第2次気候変動影響評価や科学的な知見に基づく適応策の推進に向けた取組を着実に進めることを期待するとしているところでございます。

次のページ、大きい2番の現状と課題及び具体的な取組の方向性でございます。

最初に、全体を通した前書きでございますが、三村先生のご意見にもありましたとおり、この適応の取組自体が科学的な検討の段階から具体的な計画策定及び実施の段階に入ったということでございまして、ステークホルダーが幅広く連携していく必要があるということでございます。

また、地域において適応の取組を進めていくには、持続可能な地域づくりにも焦点を当てて取組を進めていくことが重要である。人口減少・高齢化、農業の再生、地域経済の活性化等の課題がある中で、これらを含めた地方創生や国土強靱化等の課題に対応する取組が優先されますが、気候変動の適応の取組をどのように関連づけて組み込んでいくかが重要であるというような全体の方針を書いております。

今回示す四つのテーマごとの具体的な取組の方向性というのはいずれも重要なものでありますが、これらを有機的に結びつけて、幅広いステークホルダーとともに、実施段階に入った気候変動の影響評価や適応の取組を進めていくことが基本的な方針となるという形で書いております。

それでは、大きい1番、「科学的な知見の充実」の中の1-1「継続的な気候変動及びその影響の観測・監視」でございます。それぞれの項目を大きく分けると10個の項目がありますが、「現状と課題」と「具体的な取組の方向性」という形で整理をしております。

まず、現状と課題としましては、「地球観測の推進戦略」が平成16年にできて以降、環境省・気象庁が中心となって、平成18年4月に「地球観測連携拠点」というものを設置しております。その上で、この連携拠点に基づいた取組を進めているところでございますが、課題としては、4ページ目の上から四つ目の丸になりますが、我が国における近年の財政状況の逼迫等の影響もあって、関係府省庁等による観測・監視の予算は縮小しつつあります。このため、長期にわたる観測・監視活動の必要性が厳しく問われている状況にあるというような課題がございます。

具体的な取組の方向性でございますが、気候変動の影響評価を行い、科学的な知見に基づく適応策を実施していくには、その基礎となる長期的な観測・監視データが不可欠であると。適応計画の策定を受けて、この適応計画自体を支えるための長期的・継続的な気候変動及びその影響の観測・監視活動というのは、国民の理解が得られやすいものではないかと考えているところでございます。その次のページにわたりますけれども、5ページ目の一番上の丸ですが、関係府省庁等においては、連携・協力をしつつ、適応計画の取組を支えていくため、気候変動及びその影響の観測・監視活動の長期的な実施を確保していく必要があるというふうにしているところでございます。

こういった取組をより一層推進していくためにも、連携拠点のもとに、「気候変動影響観測・監視ワーキンググループ」というものを設置して、関係省庁等において、その影響のモニタリングを戦略的に進めていくための実行計画の策定等について、具体的な議論を進めることが適当であるという形で締めているところでございます。

その次の項目として、1-2「気候変動及びその影響の予測」でございます。

まず、現況と課題でございますけれども、次のページの一番上の丸ですが、この小委員会でもご議論ありましたとおり、予測の調査研究につきましては、概ね5年ごとのプロジェクトレベルで進められることが多いのですが、継続的に予測研究を進めるに当たっての予算的な保証がないということで、充実した研究体制がなかなかつくりにくいというご意見がございました。

また、気候変動の予測や、その結果を活用した影響予測につきましては、異なる気候シナリオや気候モデルが採用されるなど、種々の条件設定のもとで実施されているとのことでした。このような中、第2次気候変動影響評価を控えているということで、調査研究の成果を横並びで評価をしていくことや、国民にわかりやすく情報提供していくということを考えていくと、可能な限りそれぞれの調査研究において気候シナリオ等の条件設定について整合を図っていくことを検討してはどうかということでございます。

これを踏まえての具体的な取組の方向性でございますが、第2次気候変動影響評価、また、IPPCのAR6、パリ協定のグローバルストックテイク等の国際的な動きも見据えながら、中長期的な見通しを持って戦略的に進めていく必要があるだろうということです。このため予測については、観測データを課題解決に向けて活用していくという関係もあるということで、先ほどと同様でございますけれども、連携拠点、これは関係府省庁が連携した取組でございますので、この中に「気候変動予測ワーキンググループ」というものも設置をした上で、関係府省庁で体制や計画、さらには気候シナリオ等の条件設定について具体的な議論を進めてはどうかとしているところでございます。この中で、統一したナショナルシナリオを構築していくということが重要でございますけれども、一方で、気候変動の不確実性に対応していくためにも、単一シナリオだけで進めていくことは必ずしも適切ではないだろうということも考慮に入れながら具体的な議論を進めていくことが必要ということでございます。

(2)の社会経済シナリオでございますけれども、現状と課題としましては、これまでのご議論にもございましたとおり、気候変動の影響予測では、どうしてもハザードの変化を中心とした予測がこれまでなされてきました。一方で、気候変動の影響予測に当たっては、脆弱性や曝露のような社会経済的な変化をどのように想定していくかが重要ですが、これまでその変化を適切に想定した研究はできていなかったという課題がございました。一方で、IPCCにおいて、SSPを活用していくというような動きが出ているということで、こういった動きもにらみながら研究をしていくことが重要ではないかということでございます。

それで具体的な取組の方向性でございますけれども、SSPとの整合を図りつつ、いわゆる国内SSPの検討を国内府省庁が連携しながら進めていくことが有用ではないかと。さらに、そういった国内SSPと整合が図られた地域SSPを作成することが可能となるような支援ツールの開発についても検討を進めていってはどうかというふうに整理をしているということでございます。ただ、最後になお書きで書いておりますけれども、ここで作成していく社会経済シナリオというものは、科学的な知見を充実させていく上で有効なものになると考えておりますけれども、これらが必ずしも他の政策に直接活用できるものではないということに留意が必要であるというふうに書いているところでございます。

次に、1-3「気候変動の影響に関する調査研究」でございます。ここは大きく脆弱性や曝露の評価というような課題になっておりますけれども、現状と課題としましては、次の9ページ目の一番上の丸になりますけれども、我が国においては、将来に向けて、人口減少・高齢化・過疎化・都市化・産業構造の変化等の大きな社会経済状況の変化というものが見込まれております。これらは脆弱性や曝露に大きく影響するということでございます。したがいまして、こういった変化を的確に把握をしていくということが重要な課題になるかと考えております。

このため、具体的な取組の方向性でございますけれども、海外の先進的な事例も参照しつつ、脆弱性や曝露、さらには適応策の効果を評価するための指標や手法を開発していくことが重要であり、そのための調査研究を戦略的に進めることが適当というふうにしております。その上で、開発された手法を活用しまして、地域レベルでの脆弱性や曝露の観測や評価を進めていくべきではないかということでございます。

1-4「定期的な気候変動影響評価」でございます。ここもご議論がございましたとおり、課題としましては、前回の気候変動影響評価報告書の作成の際は限られた時間内に多くの科学的知見を整理していく必要があったということでございました。さらに、これは初めての試みであったということで、試行錯誤しながら進めていかざるを得なかったという課題がございました。

このため、具体的な取組の方向性として、第2次気候変動影響評価が2020年に控えているということでございますので、これに向けてあらかじめ年次計画を定めて、早い段階から専門家の協力を得て、継続的に科学的知見の収集・整理を進めていくことが適当ではないかとしております。11ページ目の上になりますけれども、前回と同様に、非常に多様な分野にわたりますので、専門家による分野別のワーキンググループを再開して、具体的な検討の開始をしてはどうかと。さらに、第2次気候変動影響評価に先立ち、気候変動の現状、将来予測、影響についての最新の知見を、文科省・気象庁などの関係府省庁と協力して、統合レポートとして取りまとめることを目指すとしているところでございます。こういった取組につきましては、定期的にこの小委員会のほうに確認いただいてはどうかと考えているところでございます。

また、知見の収集でございますけれども、基本はボトムアップで行われた研究論文を収集していくことになりますが、このほかに「地域適応コンソーシアム事業」のような、地域ごとに影響の予測計算をしていくような事業がございますので、こういったところで、さらにその地域の知見も集めていった上で整理をしていってはどうかということでございます。

次に、影響評価の指標でございますけれども、重大性・緊急性・確信度という三つの影響評価の指標がございました。これにつきましては、有識者ヒアリングの結果としては、大きな変更・改善は必要ないという意見が多くございましたが、一方で、重大性については改善の余地があるのではないかというご意見もございました。また、国全体で一つの評価を与えるのが難しいということで、地域別に評価をしていくことも重要ではないかというコメントもございました。

このため、具体的な取組の方向性としましては、第2次気候変動影響評価において、新しい知見を踏まえて、必要に応じてこういった指標の改善もしていくことが重要ではないかと。特に重大性につきましては、分野別に評価することを基本としつつも、例えばこの小委員会において全分野を横断的に評価することを検討してはどうかということでございます。さらに、地域別の評価につきましては、先ほど申し上げました「地域適応コンソーシアム事業」の中で検討していってはどうかということでございます。

1-5「海外における気候変動影響が日本に及ぼす影響の評価」でございます。この中では大きく分けて二つ、グローバルサプライチェーンの中断の問題と、世界の食料需給に及ぼす影響、これらは我が国の経済や食料安全の保障に関わる問題であり、極めて重要であるとされているところでございます。

このため、具体的な取組として、世界各地で発生した気候変動の影響が日本国内に及ぼす影響については、残念ながら現時点では知見が乏しいということでございますので、調査研究プロジェクトを戦略的に進めていくべきではないかと。特にアジア地域に着目した研究を積極的に進めることが重要としているところでございます。こういった知見を集めた上で、第2次気候変動影響評価にその知見をインプットすることを目指すとしております。

さらに、民間事業者等がグローバルな気候変動リスクに的確に対応できるよう、2020年までに構築することを目指しております「アジア太平洋適応情報フラットフォーム」で、こういった適応に関する情報の基盤整備を進めてはどうかということを書いております。

次に、大きな2番、「気候リスク情報等の共有と提供を通じた理解と協力の促進」ということで、その中の一つ目、「気候リスク情報の基盤整備」でございます。

これにつきましては、14ページの一番下でございますけれども、「気候変動適応情報プラットフォーム」というものが開設しておりますけれども、そのポータルサイトの中でも政府、地方公共団体、事業者、個人の取組などが紹介されております。また、S-8プロジェクトの成果を中心とした全国・都道府県情報を地図情報にて提供している、こういった取組が進められるようになってきました。こういったプラットフォームの取組自体は、関係するステークホルダーをつなぐ重要な情報基盤として強い期待が示されたところでございますけれども、まだまだ改善の余地があるということで、関係府省庁のプロジェクトなどとつなげていくことや、関係府省庁一体となってユーザーにとってより使いやすい形で情報提供をしていくべきとされたところでございます。

このため、具体的な取組の方向性でございますけれども、この取組、まだまだ始まったばかりということで、関係府省庁連携しながら発展させていくことが重要と。具体的には、関係府省庁のプロジェクト等の知見の集約・整理、自治体等が活用できる簡易モデルやリスクマップなどの適応支援ツールの開発、民間事業者の優良事例の収集・発信、アジア太平洋地域への展開などを進めていくことが適当であると。

さらに、一番最後の丸でございますけれども、科学的な知見は国民等にとってなかなか難解な情報等もございますので、政策立案との橋渡しを行えるような機能の構築が重要ということと、気候リスク情報自体にさまざまな不確実性があるということで、国民等がその情報を持つ意味を誤解することがないよう留意していく必要があると。このため、例えばプラットフォームを運営する国立環境研究所においては、科学的な立場から気候リスク情報について説明し、その活用を促すためのコンサルティングの機能も期待されるとされているところでございます。

2-2「国民への気候変動の影響と適応の普及啓発」ということでございますけれども、課題としましては、委員会の中でも世論調査の結果を紹介しましたけれども、適応について「内容までよく知っている」と回答した国民はわずか4.3%にとどまっていたという現状にございます。さらに、地域において、さまざまな人材や団体が地球温暖化関係の取組を進めておりますけれども、適応に関する住民の理解や取組を促すための活動は必ずしも活発に行われているわけではないということでございました。

このため、具体的な取組の方向性としまして、地域で活動している団体等と連携し、国民の理解を深めるための取組を進めていくことが適当ではないかと考えているところでございます。さらに、国民を巻き込んでいくには、双方向のコミュニケーションというものが重要であり、そのための基盤整備が必要ということで、例えばプラットフォーム等を活用して、住民参加型の影響モニタリングの結果も含め、さまざまなステークホルダーが有する情報を収集し、それを専門家が整理をした上で公開していくというような機能を加えてはどうかということでございます。

2-3「民間事業者の取組の推進」でございます。民間事業者の取組も非常に重要でございます。気候変動に関連する自らの事業リスクというものを把握して、それを回避・低減するための適応の取組を進めていくことが重要でございます。このためリスクに対応するための取組である「気候リスク管理」や、他者の適応を支援するような商品・サービスを提供していく「適応ビジネス」、この二つの取組を進めていくことが重要であろうということでございます。

18ページ目の具体的な取組の方向性でございます。このため既存の「気候変動適応情報プラットフォーム」の枠組みを活用して、民間事業者が求める情報を積極的に提供していってはどうかと。特に民間事業者の求めに応じて科学的な観点から的確にアドバイスができるような体制の整備を進めていくことが重要ではないかということでございます。この一環として、海外の事例等も勉強し、政府が民間事業者用のガイドライン等の参考情報の整備・公開を行っている国がございますので、こういった取組を我が国においても進めることを検討してはどうかということでございます。

3.「地域での適応の推進」でございます。地域の取組、関係府省庁等において、いろいろと進めてきたところでございます。この中で19ページの下から二つ目の丸でございますが、多くの都道府県においては、環境部局と関係部局が連携した庁内の推進体制が構築され、気候変動の影響評価が一定程度行われ、「地方公共団体実行計画」等の行政計画に適応策が位置づけられていると、そういった動きが出てきました。しかしながら、地方公共団体等が実施している影響評価につきましては、国の影響評価の報告書の内容の整理にとどまるものが多いということで、地域の実情が十分に反映できていないというような状況でございます。また、科学的な知見に基づいて適応策を立案していくための技術的な知見や人材等が不足しており、関係者の連携体制をとれるような形にもなっていないというような課題がございました。

このため、具体的な取組の方向性としましては、関係府省庁が連携をして「地域適応コンソーシアム事業」というものを進めていく中で、国、地方公共団体、地域の研究機関等の関係者が連携を深め、協働して気候変動の影響評価等を実施する、そういった体制整備や仕組みの構築について検討を進めていってはどうかということでございます。特に地方公共団体のニーズをよく踏まえていくということが重要であって、地域ニーズが高い地域資源を対象とし、実際に影響の予測計算を行って、その科学的な知見をもとに具体的な適応策を検討していくと、そういったことをやっていくことが重要ではないかということでございます。

次の4.「国際協力・貢献の推進」でございます。国際的な取組も関係府省庁等において進めてきておりまして、二国間・多国間のさまざまな取組がございます。ただし、途上国におきましては、気候変動の影響評価や適応策を立案していくための基盤となるような科学的な知見が不足しているということで、そのような知見を整備し、利用していくための人材能力が不足しているという課題がございます。先ほども紹介しました「アジア太平洋適応情報プラットフォーム」、これを2020年までに構築していくということを発表しておりますけれども、この構築に向けた具体的な戦略等の策定が求められているというような状況でございます。

それで具体的な取組の方向性でございますけれども、我が国の経験や技術を活用し、途上国の研究機関等とともに、気候変動の影響評価や適応に関する計画等の支援を進めていくべきだということでございます。その上で、「アジア太平洋適応情報プラットフォーム」というような情報基盤の整備を進めていくということと、基盤整備に当たっては、上から三つ目の丸になりますが、我が国だけで一方的に進めるわけではなくて、人材育成の観点も考慮し、我が国と途上国の行政機関・研究機関等が協働して情報整備を進めていくことが適当であるというふうにしているところでございます。

最後に、結びでございます。気候変動の影響評価と適応策のPDCAサイクルの確立に向けてということで書いております。

気候変動の影響評価や適応策に関する情報を常時公開し、適応策の効果を適切に評価していくなど、適応の見える化をしていくことが重要であると。定期的な気候変動の影響評価のサイクルを国の政策として明確にプログラムし、最新の知見を常に集約・発信・評価していくことが重要。この本小委員会自体が、このような気候変動の影響評価のPDCAサイクルを支えるための科学的な評価パネルとして位置づけられるべきものであろうというふうにしております。

また、政府においては、適応計画に基づく適応策の進捗状況を定期的に把握し、その結果を公表していくことが重要で、既に政府として関係府省庁連絡会議の中でそういった取組を進めているということで、その取組は尊重されるべきであろうとしております。この本小委員会においても、こういった適応計画の進捗条件に関する動きも確認しつつ、気候変動の影響評価に向けた取組を進めていくべきとしております。

最後に、気候変動の影響評価と適応策の二つのPDCAサイクルを確立し、最新の科学に立脚する適応策を多様なステークホルダーとともに進めていくことを強く求めるという形で全体を締めているということでございます。

長くなりましたが、資料の説明は以上でございます。ありがとうございます。

住委員長

どうもありがとうございました。非常に膨大にわたる中、よくまとめていただいたと思います。

多岐にわたりますし、今日は皆さんに発言をしていただくということで、一人3分ぐらいずつ、まず順番に発言をしていただきたいというふうに思っております。

秋葉委員

この中間とりまとめ骨子(案)中のそれぞれの項目の具体的な取り組みとして関係省庁の連携や調整して推進するという文言がよく出てきますが、例えば、その分野ごと、どの省庁が対応し、地方公共団体のどの部局に当たるのか、具体的なところが見えてきません。関係省庁の連絡会議で検討しているところと思いますが、この中間取りまとめでも具体的に触れたらいいのではないのかと思います。

また、省庁の研究機関の研究活動も盛り込み、地方の環境研究所等の情報交換や共同研究を促したらよいのではないかと思います。「気候変動適応情報プラットフォーム」での情報提供としても重要であると思います。

天野委員

今回、実際に適応策が社会に実装される、社会において適応策が実効的に営まれるというところが目的だと思いますので、やはりそうなると、1番目のときにも申し上げましたけれども、たしかどこかに書いていただいていたかと思いますけれども、日本の場合は気候変動以外にも種々雑多な問題がある中で、いかにこの気候変動という問題を社会に実装してもらえるように工夫をするのかというところに、まず尽きるのかなというふうに思っておりました。そういう意味で、今回のこの骨子の中にかなり実装ということを強く意識して書いていただいていると思いますので、そこは非常によろしいかなというふうに思っております。

あとは、このようにやるのだということですけど、今後の話かもしれませんけれども、気候変動の予測にあたって、社会として見たときにどういう影響があるのかという、影響の翻訳をうまくして、本当にこの適応策というものを進めなければ非常に困るのだ、ただし、適応をうまくやれば、より明るい未来があるというような形につなげていければ、非常にたくさんの努力をいろんなところでやっているわけですので、こういった努力が実際成果になるのかなというふうに思っております。引き続きよろしくお願いいたしたいと思っております。

石川委員

全体の中で言いますと、気候変動適応に関して情報を定期的に更新していく、そのためのワーキンググループというのは大変実効的な取組だというふうに感じていまして、ここがしっかり書かれているのはいいことだと思っております。

具体的なところでは、例えば7ページの辺りですかね。具体的な取組の方向性の中で、ナショナルシナリオとか、そういう話が出てきていると思いますけども、一つは、この中で、しっかりPDCAサイクルの中でシナリオを設定していくということを、それから、気候シナリオをつくる側の気象学者と、それから使う側の影響の研究者、それから社会経済学者の連携を具体的にもう少し書き込んだシナリオの構築が重要だということをもう少し強調してもいいのではないかということを感じました。

それから、もう一点は、気候情報プラットフォームの活用というのは何カ所かでうたわれておりますけれども、実際に現在ほかのところで、例えばCMIPのデータはDIASのサーバの上に置かれているということで、その気候変動に関わる情報の一元化というところで、ここも連携というのは非常に重要なのではないかというふうに感じました。

江守委員

全体的に、割としっくりくるというか、よくまとめていただいたと思って感謝をしています。特に省庁の連携が重要であるということは多くの方が指摘してらっしゃいますけれども、これが本当に僕も重要だと思いますので、実際に連携しようとしたときにどういうバリアがあって、どう克服しながら進めなくければいけないかみたいなことも具体的に議論があると、これから進んでいくといいなと思っています。具体的な箇所を4カ所指摘したいと思います。

ちょっと落ち穂拾い的に申し上げますけど、9ページのポチとしては一つ目で、我が国においては、将来に向けて、いろいろ変化することが見込まれていますけれども、もう一つ入れるとすれば、ハイテク化というかテクノロジーをこれから不可避的にいろいろと進んでいって入ってくるというビジョンが、将来のことを考える上で非常に重要じゃないかなというふうに思いました。超スマート社会なのかどうかはあまりよく知りませんけれども、そういうことを考えながらで、それは具体的に適応にどう影響するかは、すぐに僕はいい例が挙げられませんけれども、背景の一つとして押さえておくといいかなと思いました。

2番目に、12ページの、ポチは前から続いている一番上のところで、重大性について、どのような観点から重大と評価するかは難しくて、分野横断的な専門家も設けるべきではないかということで、それはそうだと思うのですが、もう一つ、さらに言うとすれば、ここで、社会から見た評価というか、いわゆるステークホルダーとか市民とかから見て、専門家だけではない人たちから見て、その重大性がどう評価されるかということを聞いておくことというのは大事なのではと思いました。特に、やはり重大かどうかというのは、非常にその価値観というか主観というか、立場によっても違うということがあると思いますので、それを国としての重大性の評価にどう入れ込むかは別途検討するとして、そういうプロセスが僕は必要ではないかというふうに思いました。

それから、三つ目に、14ページの国際的な海外における影響のところですけれども、サプライチェーンと食料安全保障というのは当然のようにして挙がりますが、もう一つ、安全保障、地政学的な安全保障といいますか、紛争とか難民の問題が、国際的にはこの議論で恐らくよく挙がって、多分、日本ではあんまり関係ないと思っているのか、ぴんときていないと思っている、で、実際影響は小さいのかもしれませんけれども、項目としては、そこにも押さえておいたほうがいいのかなと思います。特に、最近、外務省がG7のフォローアップで、その気候変動と安全保障の議論をしているのに参加したことがあるのですが、国内でも諸外国と話をするときにはそういうことを話題にしていると思いますので、そのことを指摘しておきたいと思います。

最後に、4点目は、普及啓発ですが、16ページ目の普及啓発で、下から二つ目のポツの最後のほうに、緩和策と適応策の関連性や重要性について、普及啓発を行っていくことも重要であると書いてあって、これは僕もそのとおりだと思うのですけれども、先ほど参考資料2の9ページで、田中委員が何回も具体的に適応の位置づけを、温暖化防止活動推進センターの活動に明記したらどうかというふうに書いてありましたが、この取りまとめ骨子(案)にはあんまりそれは具体的に書かれていないところを見ると、やっぱり書くのは難しいのかなと思いながら拝見していたところです。けれども地方で実際に温暖化防止センターが市民とコミュニケーションしているのを見ると、やっぱり、市民の皆さんは異常気象にはまず興味があるので、異常気象の話をして集まってもらって、そこから緩和の話にも展開していくということが、実際にコミュニケーションとして実際に行われています。やっぱりそういうやり方が位置づけられたほうがいいなというふうに思っています。

鬼頭委員

2点あります。一つはタイトルなのですが、これは適応に向けた文章ですので、全体のタイトルにも「適応」という言葉があったほうが良いのではないでしょうか。具体例とすれば、「今後の気候変動影響評価と適応に向けた取組の方針」とかですね。

第2章でも、例えば第2章のタイトルの最後のほうに、「気候変動への適応の理解と協力の促進」というような形で、「適応」という言葉があると良いと思いました。

もう一点ですが、事前に、昨日、全体を読ませていただいての印象として、「気候変動適応情報プラットフォーム」が非常に特出しされて何回も出てくると。何回出てくるかを数えたくなって実際数えましたが、答えは置いておいて、このプラットフォームのための文章のように印象としてはなってしまっているかなと。このプラットフォームには一生懸命やっていることは伝わっていて、やろうとされているのはよくわかるのですが、ほかの省庁と一緒に適応に関して進めていくために、もう少しこの辺り、品よく書かれたらいいのではと思いました。

木村委員

私も今、今日の話、プラットフォームの話が多かったので、その問題が一つと、それから、もう一つ、SI-CATの話で申し訳ないですけれども、先週、農業関係の研究者の集まりのセミナーに参加しました。その農業関係のSI-CATの研究者のグループの中でいろんな議論があったのですが、一つは、農業という視点から見ると、気候は、これは年々の変動もあるわけですけども、それに対してどういうものを作付けするか、栽培・管理をどうするかということについては、農協とか、そういうところから指示が出ますが、それ以上に知識のあるその地域のベテランというか名人がいるようなのですね。その名人は意外といろんな人に教えたがっていると。今までそういうことで情報交換をして、営農効率を上げているという、そういう地域のコミュニティーが、全てのところかどうかわからないのですが、かなりあるらしいです。そういうときに、このプラットフォームの使い方とか広がりのスケールとかってわからないのですが、そこに参加していた人たちには、このプラットフォームが使えるのではないかと。つまり、営農のことに関して、気候変動ではなくて営農のプラットフォームのようにして、今年だったらいつぐらいのタイミングで何をどう植えつけるかと、そういう情報交換をする。普段はそれを口コミでしていたわけだけれども、そういうところにできないかどうかという、そういう議論があったわけです。もちろん気候変動というのは関係しているわけですけれども、どちらかというと農業の毎日の作業の、もともとコミュニティーの中で行われていた情報交換をそういう場でできたら便利だなという、そういう意見が出てきました。このプラットフォームというのは、今日の話だと国際的な規模まで、そのスケールで見ると非常にフレキシブルで、全て広い範囲をカバーしているのかどうか。狭い範囲も逆にカバーしているのであれば、このプラットフォームそのものか、あるいはそれに似たようなもので、その農業関係の作業の情報交換が非常に効率よくできるようになるというふうに、今日のお話を伺って考えました。もしその辺について、こういうことまでしてもいいということがわかれば、そういう情報を、この前の会議があった、その農業関係の人たちに伝えたいというふうに思います。

木本委員

取りまとめ、ご苦労さまです。3点、また例によって情緒的な意見を。

1番目は、鬼頭先生と同じ意味のことですが、タイトルでございます。1ページ目の上にあって、副題、「仮称」と書いたやつですが、私も鬼頭先生と同じ感想を持ちました。評価等とありますが、まだ評価をやっているのか、という印象を受けますので、鬼頭先生も案を示されておりましたが、評価と適応策の推進に向けた取組の方針とか、何かもうちょっと前向きな、次の段階に進むという意図を示してください。文章の中ではたくさん書かれておりますが。

2番目は、今まで何々すべきである、我々はこうすべきである、みたいな議論が多かったので、どうなることかと思いましたが、この最後の案を見ますと、多くのところで結構具体的に踏み込んでいらっしゃるという感想を持ちました。持ちましたが、一部については、ちょっと具体的に踏み込み過ぎちゃっているのではと。

その一つが、これも鬼頭先生と同じ意見ですが、プラットフォームです。これは文章を読む限りはいいのですが、もし、気候変動適応情報プラットフォームがたかだかWebページのことを言っているのであれば、そんなことで適応策の推進が実現されるのかという突っ込みが来てしまいます。そのプラットフォームが、中にあるいろんな連携を推進するワーキンググループを動かし、方針を決める、そして、さらに言えば、それのための資源もとってくるような仕組みの話をしているなら話は別ですが、たかだかWebページを何回も引用して言うというのは、若干、中身に踏み込んで解釈しようとすると、違和感を覚えます。だから、プラットフォームというものはこういうものだよと言ってから言えばいいと思うのですが、何か言葉だけが頻出しますので。

もう一つは、予測のワーキンググループをつくるとか書いてありましたね、連携拠点で。これもまた踏み込むものだなと思ったのですが、その直後に思ったことは、ワーキンググループといったら、大学の先生を何人か呼んできて、それで予測の推進が、あるいは5年ごとの見直しが進むのだろうかと、思ったわけです。ワーキンググループをつくったら、それでやったことになっちゃうのかということ。だから、踏み込めば踏み込んだで、また文句を言う私のような委員がいるわけですが、そこのところ、それでやったことにしないようにしていただきたいと思います。

連携については、各省庁連携、これは言葉がたくさん出てくる割には具体的に踏み込んでいないですね。これは踏み込んでいない例だと思います。

2点目が今言ったことで、それから3番目は、これも先ほどどなたか、田中先生の意見の中に入っていたように思いますが、特に私の知る範囲では、世の中の皆さんは、適応だけでなく緩和にもご関心がおありです。国民の皆さんの立場に立ちましたら、両者がどういうふうに関係しているかを含めて、情報伝達、説得をしていくことが肝要だと。それは当たり前ですが。当たり前な割には、気候予測、影響予測、それからシナリオですね。これらの全て、緩和も大いに関係しているはずなのに、適応だけのために方針を決めるワーキンググループをつくってみたり、何々を連携してみたりというような感じに、そんなこと、役所の人は思っていないと思いますけど、読むと、聞こえてしまうのではないかというのが少し心配になりましたので、適応の文章ではあるのですが、国民の皆さんの立場に立って、もう少し緩和も含めた論じ方を工夫されてはいかがかなというふうに思いました。

倉根委員

私も非常にきちんとまとめていただいたと思います。

二つですかね、大きく言うと。これは我々研究者側の責任になるのかもしれないけども、必ずしも気候変動影響に対するサイエンスとして意識しないでも確立されたものでも、結果として気候変動影響に対する対応に非常に役立つものというのは、やっぱり当然出てくると思うんですね。ですから、そこをきちんと見きわめる必要があるのかなと思います。

例えば、気候変動影響を非常に受けやすいある種の感染症に対する治療法なり、ワクチンなり、薬が開発されたとすれば、必ずしも開発した人は気候変動影響に対して目指しているわけではないけれども、結果的には、そこがやはり影響評価を考える上できいてくるのかなと、あるいは対策を考える上できいてくるのかなと思いますので、これはこちら側の責任になるのかなとも思いました。

もう一つが、海外における気候変動影響が日本に及ぼす、これは非常に大事なところだと思っています。ただ、この場合、海外はどこを指すかというのが非常に難しいところで、感染症で言うと、アジア及び東南アジア、南アジアというところを主に見ているのです。というのは、アフリカはちょっと遠いので、なかなか難しいというところもあります。海外の研究所との今後影響評価に対して共同研究していこうというときに、どこの研究所、どこの国を対象にするのか、あるいはどういう感染症を我々が対象にしていくのかというのは、なかなかこれは国のそれぞれの事情もあるし、体制が違うので、言うは易く、行うのは難しいのかなと思います。ただ、いろいろなところと、健康分野でも感染症分野でも、いろいろな枠組みがあるので、現在ある枠組みを、うまく使いながらやっていくというのも必要なのかなとは思っております。例えばWHOの枠組みをある程度利用するとか、そういうのも必要になるのかなというふうに思います。

それから、もう一つは、またワーキンググループをつくったりして進めていくというときに、これまでワーキンググループとして活動した人たち、先生方に加えて、やはりもう少し外部分野の先生にも参加していただく必要があったかなというふうに思っています。特に健康分野だと、例えば直には人にまだ影響していないかもしれないけども、例えば動物学の先生とか、動物を介した感染症ということを考えると、やはりそういう分野は、どうしても我々は知見が足りないので、そういう先生方にも今後入っていただく必要があるのかなと思いました。

小池委員

3点申し上げたいと思います。

非常によくまとめられていると思いますが、私が十分出席していなかったことで、私自体が勘違いしているのかもしれませんが、このプラットフォームは、地球観測の推進戦略の連携拠点のもとに置かれていると理解しております。それで、連携拠点は、私の記憶では、環境省と気象庁が中心となって、文科省と連携もしながらやっているけども、ほかの省庁、国交省だとか農水省とか、要するに現業官庁とそんなに連携されているのかなというのが疑問です。先ほど、プラットフォームを省庁関連・連携の場として運用していることにつきまして、先ほど木本先生からもご指摘がありましたが、そこまで言っていいのかなというのが疑問です。

それで、ちょっとホームページを見ると、都道府県、地方とはいろんなそこへリンクするようなものがあって、窓口もあるのですが、例えば国交省の地方整備局だとか、農林水産省の農政局とか、そういうところの取組との連携というのが、何か少なくともホームページからは見えないというふうに思います。国同士ではもっと見えない。国というか、中央官庁同士の何か情報があるのかなと思って見たのですが、例えば国交省だと想定最大外力とか、幾つか気候変動の施策を既に動かしていますけども、そういうものとの連携が見えていません。これはプラットフォームが、推進戦略の連携拠点のもとに置かれたところで運営しているというところで何か制限があるのか、そこの力がまだ十分でないのかなとも思います。もしもそうだとすると、そこをもっと強化する必要があるのだろうというふうに思いました。

それから、同じたぐいのことで、2番目は、これは小委員会の中に分野別ワーキングをつくって、今度は、前みたいじゃなくて、ちゃんと計画的にやっていくのだというふうにお書きになっているのは大変結構だと思います。1回目は、資料も十分でなくて、まあ大変な思いをしながら、とにかくやろうといってやったわけですが、これはやっぱりきちっと計画的にやっていくということで、それが書かれていることは大変結構です。しかし、ちょっと気になるのは、この気候変動予測ワーキンググループ(仮称)も、それから観測・監視ワーキンググループ(仮称)、これも連携拠点のもとに置くと書かれています。小委員会ではないのですね。それはどういう意図なのかというのがよくわかりません。これらのワーキンググループが連携拠点のもとだとすると、やっぱりそれなりに今の力では十分ではないのではないかと思います。地球観測推進戦略の連携拠点で全部そこまでできるのかというのが、ちょっと疑問になりましたということが2点目です。

3番目は、国の施策と、ほかの施策との連携ですが、さっきもちょっとございましたけど、第5期科学技術基本計画のSociety 5.0、「超スマート社会」と、必ずしもリンクができていないような気がします。また官邸では総理が中心になられて、「質の高いインフラ輸出」を推進しておられますが、こういう項目が関連するのではないかと思います。現在の案ではビジネスについては、何か民間から問い合わせがあったら科学的な観点から的確にアドバイスできるようにすると書いてありますけども、もっと積極的に科学的な知見がビジネスになるよというようなものが本来もっとあるのではないかと思います。このように、国としての他の施策とのリンクがいま一つよく見えないなというような感じを受けました。

それから、普及啓発は大変結構なのですが、これに「教育」が含まれていなくてよろしいのでしょうか。気象予測と気候予測の違いですら、まだ十分国民の中には浸透していないようにも思います。教育というのを、文科省と連携しながらやっぱり進めるべきではないかなと思いました。

高橋委員

ありがとうございます。私も、資料のほう、簡潔にうまく取りまとめていただいていると思いました。その上で、4点ありますが、最初の2点は簡単な表現関連の訂正です。

一つ目ですが、まず、7ページ目です。7ページ目の真ん中辺りから、社会経済シナリオの項目があります。そこの(現状と課題)の中で、「将来の温室効果ガスの排出量や放射強制力の変化等を表現した気候シナリオと」、その後、「社会経済シナリオを用いて」とありますけども、この「排出量放射強制力の変化等を表現」した場合は、これは気候シナリオではなく、排出シナリオあるいは濃度シナリオだと思います。もしくは、放射強制力の変化等を考慮した気候シナリオであれば、それも正しいと思います。この辺り、文章を確認、修正いただければと思います。

もう一点は、11ページ目です。影響評価の指標ということで、重大性・緊急性・確信度についてここで挙げていますが、これは呼び方が「指標」と呼ぶことについて、ちょっと違和感を覚えました。もしかしたら、ほかの方は感じないかもしれないですが。「指標」というと、水量や健康状態といったものと混同される可能性もあるので、例えば「評価軸」とか、呼び方を検討されてもいいのかなと思いました。

以上が細かな点ですが、大きいところとしては、3点目です。まず、国際協力関連に関してのコメントですが、国際協力の部分は、どちらかといえばアジアを中心とした途上国への支援であったり、協力関係であったりが強調されていると思います。しかし一方で、例えば緩和の話ですと、ラジカルな政策とか、個別の技術対策とかについての経験共有だったり、技術の共有だったりということが、先進国・途上国というのではなくて、先進国間でも今後重視されていくのではないかと感じています。同様に、適応策に関しても、ほかの国での先進事例をうまく共有していく仕組みをつくっていく、あるいは二国間の協働をより重点的に行っていくといったことも書き得るのではないかと思ったので、指摘させていただきます。

最後、4点目ですが、前の方々からもご意見が出ていますが、プラットフォームに関してです。まだこれから、実際の役割や、既存のデータベースやシステムとの線引きなどが個別に詰められていくところで、黎明期と理解しています。その黎明期の状況下において、このプラットフォームがどんな役割を担っていくのか、あるいは逆に何を役割としないのか、他省庁の有する類似のデータや仕組みとどう連携していくのかといった点を、今回の資料の中で全部書き込むことは難しいのではないかと思います。そのため、今回の資料では、プラットフォームの役割を継続的に検討し定義していく必要性について明記すればいいのかなと、お話を伺っていて思いました。

高薮委員

取りまとめ、ご苦労さまです。

連携とかシナリオの共通化みたいな話について、ちゃんと書かれているのは、非常に私には印象的でした。

あまりコメントはないのですが、高橋委員からもありましたけれども、シナリオに関しては、ちょっと私も迂闊だったのですが、分野ごとに全然違うイメージを持っていますので、その辺りはちょっと気をつけて記述したほうがいいかなというのが私の印象です。

あと、連携については、当然、いろんな分野の方としっかり連携がとれるような枠組みができればいいなと、情報の最上流の私としても思っています。それのスタート地点だというふうに私は理解しておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

中静委員

私もよくまとまった報告書になっていると思います。その上で、2点あります。

一つは、17ページから18ページにかけての民間事業者の取組の推進というところです。課題のほうには「事業活動のリスクを把握し」というふうに書いてありますが、具体的な取組のほうを見ますと、強靭化懇談会で言われているように事業の継続性にすごく関わるというような、もっと深刻な問題だというような認識を持っていただいたほうがいいのかなと思います。書きぶりが、強靭化のほうと対応していないところもありますし、全体にやや弱いかなというような気がします。緩和策については、CSRとか企業の社会的責任というようなところですごく強調されているわけですけど、適応策に関しては、頑張りなさいとしか書いていないというような印象がありました。

それから、もう一点は、19ページから20ページの地方公共団体のところですけど、地方公共団体の方の話を聞くと、気候変動だけでいろんなことをやるのは結構難しいのだと思います。その地域の将来計画とかまちづくりプランの中に、気候変動に対する対応とか適応策をどういうふうに盛り込んでいくかというような話で持ってゆかないと、進まないように思います。その点では、それができるようなツールだとか、アプリケーションだとかを用意しないと、地方行政の環境部門だけで気候変動、気候変動と言っていても、なかなか進んでいかない面がすごくあるという気はします。その辺を考えた記述をしたほうが良いのではないかと思いました。

橋爪委員

1点ございます。13ページの海外における影響が日本に及ぼす影響の評価ということですけれども、現状と課題として、グローバルサプライチェーンと世界食料需給の二つの事例が挙げられていますけれども、ここに輸入感染症の事例を追加いただくことが可能でしょうかということです。今まで申し上げていなくて恐縮ですけれども、非常に重要なこととして、感染症に国境はないというと言い過ぎかもしれませんけれども、水際で輸入感染症を防ぐ、あるいは一旦入ったものの広がりを抑えるというのは非常に大変なことでして、実際に2014年の国内でのデング熱の流行も、もとはといえば輸入感染症、輸入例から始まったとわかっています。

一方で、気候変動に伴って、デング熱等感染症流行地域、主に東南アジア、南アジアですけれども、その流行地域が広がるというようなことも予想されています。一方で、日本からの流行地域への旅行者、あるいは流行地域からの日本への旅行者も今後増えてくると予想されます。そういったところで、一つ重要な、海外における影響が日本に及ぼす影響の一例として、感染症の事例を挙げていただきたいと。具体的な取組の方向性としましては、14ページ、一番上の丸にあります、「とは言いつつ、知見が非常に乏しい」ということも事実ですので、特に「アジアの地域に着目した調査・研究を積極的に進める」ということで、齟齬はないと思います。よろしくお願いします。

原澤委員

私も非常にうまくまとめていただいていると思ったのですけど、環境研の立場ではなく、あくまでも個人的な委員としてコメントしたいと思います。

A-PLAT、気候変動適応情報プラットフォームを、ほぼ毎ページに出てくる感じで、私もちょっと多いなと思っていて、逆に言うと、このプラットフォームを中心にして、我が国として適応政策をしっかり打っていこうという、そういう政策プログラムの、ある意味中核的なものを進めるということで、先ほど高橋委員からあったように、まだ生まれたばかりなので、これからどういうふうにしていくかは、いろいろなご意見をいただいて、かつ、いろんな研究から出てきた成果もいただいてやっていくことで、Webのみということではありません。

それで、細かな点ですけども、8ページに、SSP等のいわゆる社会経済シナリオ、これはつくる必要がある、そのために研究が必要だというのは、その通りですけど、では、誰がいつどうやってやるのか、この辺について、具体化は次の段階かもしれませんけれども、例えば推進費の中で、SSPをベースにした社会経済シナリオをつくる、そういった調査研究をできれば短期でやって、成果をこちらに持ってくるというようなこともあり得るのかなと思います。一方、気候シナリオについては、環境省ですとS-8で、文科省ではリスク情報創生プログラムで、かなり力を入れて、こういった気候シナリオが、すぐ使えるところまで来ているので、そういった成果を取りまとめることでいいかと思いますが、社会経済シナリオについては、なかなか厄介な点もあったりしますので、これとはまた別の次元かもしれませんけれども、具体的に研究を進めるというようなところで、もう少し踏み込んで書いていただけるといいかなと思ったのが1点目です。

あと、15ページですけれども、気候リスク情報の基盤整備ということで、この5年ぐらい、ある意味いろんな研究が進んで、非常に情報がリッチになってきた。データも非常に多くなってきたということで、今度はデータあるいは情報をどうやって使って適応に結びつけるかという、使い方の問題に移ってきているかと思います。そういった面も、各省庁で進めている研究プロジェクトの中に、そういったところも盛り込んでいただくような形で、各府省がやっている研究とか調査、プロジェクトについて、連携も各関係府省とできるのかなということです。指摘もなされているということは、確かでありますし、さらにちょっと一歩進めた記載もあってもよろしいかなと思いました。

あと、最後のところで、「結び」のところは非常にそのとおりだなと思いつつ、現段階では複雑な体制になりつつあるということで、さっきのプラットフォームは、地球観測の連携拠点の中に入っていて、上にいくと、文科省とか内閣府の話になるのですけど、一方、適応計画そのものは、府省の連携でやっている、また違う筋の流れになっているかと思います。そういう意味では、二つのPDCAサイクルを回すという意味で、この小委員会が科学的な評価パネルというのは、ある意味IPCCの日本版で、JPCC的な位置づけでやっていくという方向性でいいと思います。ただ、府省連携という意味では、ばらばら感があるので、何か、やはり一本化するのはなかなか難しいと思いますが、そこは環境省の適応室がしっかり全体をグリップしているというような姿形になっていかないと、ばらけてしまうかなという感じがします。

といいますのは、多分、近い将来に、法制化があったときに、今の緩和策と同様な体制づくりになっていくだろうし、また、適応と緩和を両方うまくやっていくという国レベルの話にもなっていくかと思います。そういう意味では、このまとめの部分というのは、次のステップに行くために非常に重要と思うので、法制化を書くかどうかは別としても、次のステップに行くために、やはり連携と内容を充実していくというような、そういった書き方に、実際されてはいるのですが、最後、強く求めるとかという話になったりするものですから、この辺について、もう少し書き込んでいただければありがたいということです。

平田委員

非常にこの短い文章の中で丁寧にまとめられて、ポイントがしっかり書き込まれているかと思います。また、委員の先生方から、いろいろコメントをいただきましたので、残り、私のコメント、三つほど述べさせていただきたいと思います。

まず、4ページですけど、この中で観測・監視体制の計画ということについて、非常によく書き込まれています。ただし、リモートセンシングの先輩方がたくさんいる中で言うのも、後で怒られるかもしれないのですが、もちろん観測体制をつくろうとするほうとしては、予算が要るという話はもちろんしますが、今から20年前と比べて、例えば人工衛星等を使ったリモートセンシングにかかる費用はどうなったかというと、非常に費用は下がっています。むしろ、予算が下がったことに対しての観測・監視活動の必要性は、当然継続的に訴えていかなくてはいけないということと、観測・監視の体制ですね、これは昔からリモートセンシングを使いながら、さらに地上までどういう体制をつくるのかというのは、さぼっていたのだと怒られてしまうかもしれませんけれど、いろいろ絵は描かれてきていますが実際に具体化するところが非常にうまくいっていない。もちろん一つ一つ、いろいろなプロジェクト、事業などで行われている事例はありますが、うまくいってないことを強化するところが大事なんじゃないかな。だから、予算を集中的に何か配分するようなことも、限られた予算の中では必要になってくるものと感じております。

それから、私自身は、年のかなりの日数を海外、特にアジアのほうで過ごしておりますので、13ページについてちょっとお話ししたいと思います。海外における気候変動の影響のくだりの中で、実は我々のところでは、先週、REDDプラスに関する国際セミナーというのを開催して、その中で、途上国の人たち等を呼んでいろいろ議論をした中で、途上国では、緩和と適応、これをきちんと切り分けて進めていくということは無理で、恐らく一体化して進めていかなくてはいけないと。例えばここにチャオプラヤの話も書いてありますけれど、当然、森林減少ということ自体が、またこういうことに影響していく中で、適応だけではなくて、やはり緩和と適応の一体化というのが途上国では非常に重要だということを、海外から招待された方々がおっしゃっていましたので、もちろん、この取りまとめに関して、なかなか適応という言葉を前面には出せないとは理解した上での話ですけど、やはりそこの一体化というのを含めて考えていく必要があるかと思います。

そして最後に、非常に興味を持ったのが、22ページで、「アジア太平洋適応情報プラットフォーム」の構築を進めるということを書いていただいて、非常に私自身、どんなプラットフォームができるのだろうと楽しみにしております。その一方で、現在、我々のほうでも、REDDに関してプラットフォームをつくっていて、非常に問題なのが、最初に人を集める、あるいはコンテンツとしての情報を集めるという声をかけて、集めてくるところまではいいのだけれど、そこからどうやってそれを使っていくのかというところです。もちろん、文章的にはプロジェクトによって収集・整備してきたデータを集約して、わかりやすいデータコンテンツをつくるということが適当である、こういうのができれば非常に嬉しいのですが、どこにどういう情報があるよというところまでで終わってしまうと、ユーザーとしてはプラットフォームをうまく活用できないということで、そういったことにも配慮して、つくっていっていただければなと思います。もちろん、その後に、アジア太平洋地域におけるデータ整備に当たっては、人材育成の観点も重要だというふうに書かれているのですが、こういったプラットフォームも含めてアジア太平洋地域でどうやってデータを整備するのかというのは、アジアで、もう既に25年ほどこういったデータに関わってきた者としては、自分たちが取りまとめていないで、またそれも怒られることなので言うのも何ですけど、先ほどからプラットフォームをどうするの、ホームページだけじゃだめだという話も出ていたりしていますが、プラットフォームって、声をかけてつくる段階まではいいのですが、そこから先が結構難しいものだということをどう進めていくかというのを十分検討していただいたらいいかと思います。

松井委員

私からは感想的なことで4点ございまして、まず、6ページ目の一番上の丸の部分で、「概ね5年ごとのプロジェクトレベルで進められることが多いが」、「予算的な保証はなく、充実した研究体制を構築する上での支障となっているとの指摘がある」という部分に、実際にそういうプロジェクトに関わっている身としても気になったことがありまして、ではその後どうしたいのかなという記述がないから、どうなのだろうというのが、一つ印象としてありました。

二つ目が8ページ目でありまして、1-3の一つ上ですね、なお書きで社会経済シナリオのことに言及されています。「これらが必ずしも他の政策に直接活用できるものではないことに留意が必要である」という、ここを読んだ人は、ではどういうことなのかなというのが、もうちょっと、どうして使えないのかというのが書いてあったほうがいいのかなという気がいたしました。

あとは、気候シナリオ自体は、日本独自のものをたくさんつくっていかれるということですが、研究、実際に論文とか、国際誌に出そうとしているときに、日本だけのシナリオだとだめで、やはり何か世界共通的に割と論文で使われているシナリオも使わざるを得ないという、そうじゃないと論文が通らないというような、そういったこともあります。その辺の、研究者が今後影響評価等、適応策等の研究をしていく上で、どうやって我々としては使っていったらいいのかなというのも一つ感想としてありました。すみません、直接、この本文とは関係ないことかもしれません。

最後が19ページで、一番下の丸の部分で、地方公共団体の影響評価が、国が実施した研究プロジェクトや気候変動影響評価報告書の内容整理にとどまるものが多いというご指摘があるのは、確かに地方ですとそういう研究者としてのポストが少ないということもあって、行政の皆様が一生懸命情報を収集なさって、そういう報告書を書かれているということなので、やはり構造的な、地方財政の問題もあって、地方独自にそういう適応策研究ができない構造、実情があるのかなというので、その辺を国として今後どうするのかなという印象を持ちました。

安岡委員

非常によくまとめられているということを前提にして2点、コメントさせていただきます。

具体的には、例えば18ページの一番上の丸ですね。これはさらっと書かれていますが、「民間事業者の求めに応じて」と、こう書いてあるところですが、「的確にアドバイスができるよう体制の整備を進めていくこととする」と、こう書かれています。これは物すごく重要な、しかし難しい仕事だと思っています。私は、この全体の書きぶりとして、具体的な取組の方向性というところでまとめられたのは非常にいいと思うのですけれども、この文章の多くが、この丸の最後が「適当である」とか、「望まれる」とか、「期待される」とか、「重要である」というふうにまとめているのが多いです。ここは一歩踏み込んで、「進めていくこととする」と、こう書いてあって、体制をつくると書いてありますので、これは人をどうやって育てていくか、それから、組織をどうつくるかということも関係してくるわけです。ただ、ビジネスの方々から責任を持ってアドバイスをしてくださいと言われたときに、本当にどこまでできるのかなというのは、自分自身の自戒も込めて、これをやることは非常に重要であるというふうに思っています。ここを「適当である」とか、「望まれる」とか、「期待される」というふうに直すということでは決してありません。これはこのままで私はいいと思いますが、それだけに覚悟を決めなきゃいけないなというふうに思います。

もう一点、同じようなコメントになりますが、最後の「結び」のところ、22ページ、「PDCA」という言葉を使われています。これは学会の人間がPDCAって最も苦手とするような話でして、これを書き込んだというのは、それなりの覚悟がやっぱり要るだろうと。特に一つ目の丸で、「適応策の効果を適切に評価していく」というのがありまして、政策の効果を適切に評価するというのは、その指標をつくるって非常に難しくて、逆に今までの政策というのは、効果をはかる指標をつくってこなかったということが言えるわけですよね。これを科学的に、しかも根拠を持って適切に評価するということは、相当難しいと思っています。しかし、これもやっぱり覚悟を持ってやらなきゃいけないというふうな気がしています。ここは最後に「重要である」とまとめられていて、「進める」というふうに一歩踏み込んでいないので、気が楽といえば気が楽ですが、書かれている内容は非常に重いと。特にPDCAという言葉とセットになって使われているということは、非常に重いなという気がしています。

山田委員

日頃から、河川防災とか治水、水資源計画に関わっていますので、その観点から若干のコメントを述べさせてください。

6ページ、7ページ辺りに、具体的な取組の方向性と書いてあって、特に7ページの上のほうに、条件設定等について議論を進めるとあります。もちろんそれは大事ですけど、そういう私の言った洪水災害とか水資源計画に関わると、今まではせいぜい60~70年の雨のデータをもとに外挿していたのです。ただ、気候変動だ、地球温暖化だなんていうことを言うと、統計的外挿ではなくて、計算の結果、シミュレーションの結果を使わざるを得ない時代に来ていて、その中で、さっき小池先生も言われた、最大外力の雨が来たら一体どんなことが起きるのか国民に見せなさいという、水防法が改正されて、そうなっています。それでは最大外力って何ですかと言われたら、それはもう過去のデータではなくて、計算の結果を使わざるを得ない。そういう時代なのに、ここに書いてあることが非常に弱くて、条件設定等は議論すると。その下に、各府省庁の研究プロジェクトの間でデータセットを提供していくことが重要、それこそ、今、安岡委員が言われたように、「提供を可能としていくことが重要である」となっていて、「提供するシステムをつくる」というふうに書いてくれていない。一級河川で109水系あります。小さい川を全部入れると、県が管理する川は約1万7,000~8,000本あります。これ全部、ほとんど河川計画をつくらなきゃいけないのに、過去のデータで外挿はもうできない時代になっているのに、このデータベースが絶対必要になっているのに、書きぶりが弱いなという気がします。いや、それは気象庁への話だろうとか、環境省の話じゃないとか、そんなこと言われたら、私もどこがいいかわかりませんけども、ここで、どの役所でもいいのですが、そういうシステムをきちっとつくっていくというふうに踏み込んでいただけないと、勝手にいろんなことをやっちゃう、二度手間、三度手間が起きる可能性がありますということだけは、ちょっとコメントさせてください。

住委員長

どうもありがとうございました。

僕も一言だけお話ししますと、20ページのところですが、「地域適応コンソーシアム事業」が突然出てくるように思うのです。その前に関係府省庁が連携して地域適応コンソーシアム事業を進めると書いてあるけど、関係省庁が合意しているのかという感じを受けるので。ここは関係府省庁が連携して行う政策的仕組みをつくる必要があるとか、何かもっと一般的に書いて、その最後のほうで、具体的に、例えばこういうのを考えているとしてはどうかと思います。その結果、連携して事業をやらないといけないという結論になるものと思います。

それから、お金周りの話が、書くと下品だという気もしないでもないですが、やはり現実的に各部局や、地方公共団体がいろいろ展開するときに、示せる予算があったほうがいいので、連携してそういうことをやると支援があるというような、新たな政策・枠組みが必要だと僕は思います。

ちょっと注意したほうがいいのは、何か研究とは別に適応策があって、行政がそれをどんどんやれば良いというのは、間違いなのではないかと思います。やはり研究者が関与してやっていくような部分もあるので、そういう研究者の関与みたいなものをもっと書いていくほうがいいし、適応策も、何か決まったものがあって、それは行政でやるからもういいということではないと思います。

海外のところもそうですけど、SATREPSが成功したというのは、ある意味で研究者を援助の中に入れたというのが大きいのですが、具体的に、海外でキャパビルをしたとしても、何かをする金もなかったら、幾ら教えてもらったって、どうするのかという話になります。やはりキャパビルをしたとしたら、具体的に、それをどこかちょっとでも応用できて、実行できるような財政的な担保を、SATREPSに並ぶような枠組みみたいなものをつくる必要があると思います。それを考えないと、ただひたすらにキャパビルをやって、あとはお金を各国でとってきなさいというのでは、それでは進まないという気がしております。

今、いろんな意見が出ましたので、ちょっと環境省のほうから、答えられる範囲内でレスポンスをお願いします。

小沼気候変動適応室室長補佐

ありがとうございます。

かなり多くの前向きなご意見をいただきまして、ありがとうございます。次回の会議に向けて、今いただいたご意見を可能な限り盛り込めるように、しっかり文面も含めてよく調整をさせていただきたいと思います。

1点、私のほうから、ご質問というわけではございませんでしたけど、ご懸念というか、小池先生のほうから、プラットフォームにつきましては、連携拠点のもとに置かれているのではないかというお話がございました。その中で、関係府省庁との連携という観点から、ある意味、制約があるのかもしれないというようなご指摘があったかと思います。私ども、決してそうではないと思っておりまして、ご指摘のとおり、今、連携拠点のもとに設置しておりますけれども、連携拠点の中に関係府省庁の連絡会議があって、そこでしっかりと調整をしながら運営をするということになっております。さらに、もう少し実効的にも、国交省さん、農水省さんなども含めて、このプラットフォームをどういうふうに育てていくかということについて実質的にお話をしているところでございますので、どこにぶら下がっているから何か制約があるということは、今のところないのかなと思っております。

同様に、新しく今回設置について検討していく観測のワーキンググループや、予測のワーキンググループでございますけれども、これも連携拠点のもとでやってはどうかと書いております。この連携拠点というのは、今申し上げましたとおり、関係府省庁の会議の中にうまくぶら下がっている形になっているという意味で、関係府省庁の連携がとりやすい体制という形になっております。そういった意味で、ぜひ、こういった枠組みをうまく使いながら、しっかりと連携を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

小池委員

もちろん、それで進めていただければ良いのですが、もう一つ、23ページに書いてありますように、「気候変動の影響への適応に関する関係府省庁連絡会議」というのがございます。ここに紐づけておく必要があるのではないかなと思っていました。というのは、地球観測推進戦略の連携拠点をつくるときには、いろいろ関係させていただいたこともあって、基本的には、非常に限られた地球観測という枠組みだったものですから、限られた省庁でしか実際にはコミットしなかったように思っていたので、そういうふうに申し上げた次第ですが、それが拡大されて、これとちゃんとリンクされているのであれば、それで結構だと思います。

竹本気候変動適応室長

すみません、ちょっとよろしいですか、補足させていただきます。

まず、先生方のご協力で、1年3カ月前に政府としての適応計画を策定することができましたが、いわゆる緩和策の法的枠組みや、あるいは実施体制等に比べると、20年近い遅れがございます。まずはそういう状況であるということで、今般、本日初めて、計画のもとで大きく示された戦略について、課題に基づいて科学的知見なり体制をどう構築していくかということの本格的な議論ができたのではないかと思っています。そういう意味では、先生方のご協力がございましたので、どうもありがとうございます。

そういう条件のもとで考えていくと、課題だらけだということであります。実績もほとんどないという状況でありまして、ここで書かれたことは、もうできましたということではなく、今後やらなければいけないということでありますので、本日いただいたご意見というのは、ご批判等は当然だと思っております。それこそ関係府省庁との連携も始まったばかりですが、連携をしていくということでは合意されています。ですから、これからしっかり、この連携を実行していくことが重要になってくるというふうに考えております。

それで、具体的な施策、例えば気候変動適応情報プラットフォーム等も、知恵を絞って、これまで構築されてきた関係府省庁間の連携体制などに基づいて、できることからやっているところです。関係府省庁連絡会議、これは局長級のものですけれども、これもまだ始まったばかりということで、将来的には、しっかりと体系化、より効率的に実行できるような体制をとらなければいけないというふうに考えております。小池先生などからいただいたご意見については、もっともでございまして、これまでは確かに地球観測連携拠点のもとでプラットフォームを位置づけてやってきましたが、ここの課題を確かに見ると、もともとの地球観測連携拠点の定義を超えているものも出てくるかと思います。その辺のことも含めて、体制については考えていかなければいけないなというふうに思っております。これは今後の課題とさせていただければというふうに思います。

それから、ご意見ありましたから、順不同になりますが、海外協力のことでありますけれども、例えばSATREPSですとか、その他もろもろ、さまざまな二国間、多国間の協力が進められております。そのリスク情報を公開するということ自体、非常に難しいということは承知しておりまして、恐らく個々の国ごとに交渉して、一つ一つ解決していかなければいけないと思っておりますので、アジア太平洋適応情報プラットフォームは2020年までに構築と言っていますが、それまでに完璧なものをつくるというのは難しいと思います。ただ、一つの国でもいいので、まずはそこのバリアを突破するということが大事だと思います。それで、途上国では緩和と適応を一体的にということは、パリ協定の精神を踏まえれば当然のことでありますので、その辺は、運用面で対応していきます。よりユーザーニーズを踏まえて、海外協力の場合であれば、途上国政府というのも当然入ってくると思いますが、それに必要な情報を柔軟に提供して、人材育成、それから必要なツールの提供、こういったものも全部含めたものがプラットフォームの概念ですので、しっかりと、どういうものかということも含めて書き込んでいきたいと思います。これらは一歩一歩進めていく必要があるというふうに考えております。

いずれにしても、ご意見、種々ございまして、非常にもっともなご意見も多々ございました。これは事務局のほうで見直しをいたしまして、また改めてご相談をさせていただきたいと思っています。

木本委員

私だけじゃなくて、ほかの委員の先生の意見もありましたし、今回の議論もありましたので、プラットフォームとかワーキンググループの扱いは、ここまで具体的に書くことには、この委員会は合意していないのではないかと思います。そういう取りまとめをする組織が必要であるということは、各所で委員の先生方が述べられたと思いますが、それをどこの下にぶら下がった、どこを中心にして展開するというのは、委員会としては合意されていないと僕は思いますので、それは書き過ぎだと思います。

竹本気候変動適応室長

おっしゃるとおりです。これは当然委員の先生方が合意していなければ書けないことです。

鎌形地球環境局長

すみません、ちょっと補足になります。

竹本のほうからご説明しましたけども、政府全体として適応計画を閣議決定して、そのもとに実行していくことになります。フォローアップの体制も、関係府省庁の連絡会議でつくったところで、今動き始めたというところであります。そういう中で、連携拠点なり、あるいは今回提案されているワーキンググループなり、あるいは既に動き始めたプラットフォームの位置づけというのが、まだはっきりしていないというところは、正直なところあると思います。この骨子案の中で踏み込んで書いた部分もあるのですが、適応計画を政府全体で進めていく中で、科学的知見を充実させて、それを整理して提供していくと、こういう役割というのは、どこかが担っていくということが期待されるわけです。

そういう期待される役割を担うようなところが必要だということに関しては、よく議論をいただいて、そこは何か方向性を出していただきたいと思います。どの機関がどう担うというのは、それは今後の課題としていただいても結構ですので、実際、何をやるべきかということはしっかりと整理いただけたら幸いというところでございます。

住委員長

皆さんがそういうワーキンググループが必要であると言ったら、誰も反対はないので、それは必要なんです。それは別にいいので、ただ、建て付けのところは、やっぱりこの委員会で議論するというのは、ちょっと難しいところがあるのだと思います。行政的には、いろいろな省庁間の調整があると思いますので、実行面では、それは政府が決めて、やっていければいいことです。書き方としては、あまりにも決まったようなごとくオーソライズすると、やっぱり他省庁の人は違和感を持つかもしれない。だから、そこはもっとニュートラルに、そういう機能、ワーキンググループをつくって検討していく必要があるとか、そういうふうに書くのが自然かなと僕も思います。それは次回に最終的な文面の案が出てきますので、そこを見ていただきたいと思います。

現実的には、こういう報告書が出てきて、それから各省庁が、調整をしていくことになろうかと思います。ただ、これは各省庁に投げた方向性ということですので、そういう観点で、組織的な、例えばプラットフォームをどう位置づけるかは別としても、何らかのそういう枠組み、各省庁が連携する枠組みが必要であるということは間違っていないと思いますので、それに向かって具体的にどういうふうに施策を展開するかというのが、来年度以降の課題だと思います。それに向かって一つの方向性が示せればいいし、これを受けて、各省庁が対応されていくことが望ましいと思っておりますので、そうなることを期待したいと思います。

それでは、何か、そのほかございますか。

竹本気候変動適応室長

念のため申し上げますけれども、この案については、各府省庁と調整をしたものでございます。ですので、住委員長がおっしゃったように、これを実際に制度上での位置づけ、各ワーキングの位置づけをどういうふうにしていくかということについては、引き続き、関係府省庁、あるいは先生方とも相談をしながら、また検討をさせていただきたいというふうに思っております。

それから、地域適応コンソーシアム事業についても、国交省、農水省とは連携して取り組んでいくということについては調整をしておりますので、これから具体的には詰めていきたいというふうに思っております。

住委員長

具体的な内容が出ていない中で頭ごなしに書くのではなく、報告書の段階では、施策がどんなものかがわかるような形で書かないといけないと思いますので、その検討状況も、何かそういうようなコンテクストで書かれるのが望ましいと思います。

よろしいですか。それでは、どうも今日はありがとうございました。では、これで終わりにしたいと思います。

竹本気候変動適応室長

本日はどうもありがとうございました。

それで、本日の議事録の扱いでございますけれども、委員の先生方にご確認いただきました後、環境省ホームページに掲載をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

それから、次回ですが、中間取りまとめの報告案の準備を進めてまいります。次回の日程でございますが、3月7日(火曜日)10時から12時を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

小沼気候変動適応室室長補佐

私からもう一点です。本日、ご欠席の委員もございますので、また、前回と同様、追加のご意見等がございましたら、1週間以内ぐらいに事務局宛てにご意見をいただければありがたいと思っております。本日いただいたご意見は、もちろん、もう既に聞いておりますので、繰り返しは結構でございますので、何か追加でお気づきになった点については、ご連絡をいただければと思っております。また、いただいたご意見は、今回と同様に、基本的には公開させていただくことがあると思いますので、よろしくお願いいたします。

住委員長

それでは、どうもご苦労さまでした。

12時00分 閉会

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