中央環境審議会2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会(第14回)議事録

日時

平成24年3月28日 15:00~18:19

場所

全国都市会館 2階「大ホール」

議事次第

1 開会
2 議題
(1)
各ワーキンググループの検討を踏まえた議論について
(2)
今後のスケジュールについて
(3)
その他
3 閉会

配布資料

資料1 2020年、2030年のマクロフレームについて
資料2 非エネルギー起源の温室効果ガスの排出量の見通しについて
資料3 高位・中位・低位ケースの主な対策・施策等(中期目標に関するこれまでのワーキンググループ報告の概要)
資料4 2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会における検討を踏まえたエネルギー消費量等の仮試算(国立環境研究所AIMプロジェクトチーム)
資料5 今後のスケジュールについて
参考資料1 2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会における検討方針
参考資料2 対策の組み合わせに応じた温室効果ガス排出量の分析・検討手順について
参考資料3 エネルギー供給ワーキンググループ(補足説明資料2)

議事

午後 3時00分 開会

低炭素社会推進室長
定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会の第14回会合を開催いたします。
本日は、委員総数23名中、過半数の委員にご出席いただいており、定足数に達しております。また、本日の審議は公開とさせていただきます。
では、以降の議事進行は西岡委員長にお願いいたします。

西岡委員長
皆さん、ご参集、どうもありがとうございます。いつものように、配付資料の確認をお願いします。

低炭素社会推進室長
議事次第に続きまして、資料が五つ、まずございます。資料1がマクロフレームについてというもの、資料2が非エネルギー起源の温室効果ガスの排出量の見通しについてという資料でございます。資料3は高位・中位・低位ケースの主な対策・施策等でございます。そして、資料4は厚目でございますけども、エネルギー消費量等の見通しの仮試算、こちらは国立環境研究所AIMプロジェクトチームの資料になってございます。そして、資料5が今後の検討スケジュールについてというものであります。続く、参考資料でございますけれども、参考資料1が小委員会における検討方針、参考資料2が対策の組み合わせに応じた温室効果ガス排出量等の分析・検討手順についてというもの、資料3がエネルギー供給ワーキンググループの補足説明資料の2でございます。さらに、1枚紙でございまして、冨田委員からご提出いただきましたペーパーが1枚ついてございます。不足等がございましたらお知らせください。

西岡委員長
宜しゅうございますか。それでは、本日の議題でございますけども、各ワーキンググループの検討を既に提出されております。これを踏まえた議論をしていただきたいということで、まず、2020年あるいは2030年のマクロフレーム、どういう前提であるかという話ですね。それから、非エネルギー起源の温室効果ガスの排出量の見通し、これは事務局から説明をしていただいた後、国立環境研究所AIMプロジェクトチームからの技術モデルによる分析結果として、エネルギー消費量等の仮試算がなされております。その報告を藤野委員のほうからお願いしたいと思っております。
まず最初に、資料1から3、事務局より説明いただきたいと思います。

低炭素社会推進室長
それでは、資料1から3をご説明いたします。
まず、資料1でございます。2020年、2030年のマクロフレームについてということで、今回、国立環境研究所AIMプロジェクトチームの試算に用いた前提をまとめた資料でございます。1枚おめくりいただきまして、実質GDPについてでございます。こちらにつきましては、内閣府における二つのシナリオを参考に想定をしております。「成長シナリオ」につきましては、2010年代は年率1.8%程度、2020年代につきましては、年率1.2%程度の成長を見込むというシナリオ、また、「慎重シナリオ」につきましては、2010年代につきましては年率1.1%、そして、2020年代につきましては年率0.8%の成長を見込むというもので、今回の試算を行っていただいております。
続く、2ページ目につきましては、総人口・世帯数でございます。総人口につきましては、社会保障人口問題研究所の中位推計の推計値を使ってございます。こちらにつきましては、成長シナリオ、慎重シナリオ、ともに同じ推計値を使ってございます。
続く、業務床面積が3ページ目でございまして、こちらにつきましては、施設の種類ごとに、これまでの実績を踏まえまして、回帰推計を行って設定をしてございます。ですので、例えば業務ビル、事業所ビルにつきましては、第3次産業生産指数などを説明変数として回帰式を用いての算出、また、学校などにつきましては、15歳以下の人口の伸び率等を使いまして算出したものというもので、成長シナリオ、慎重シナリオで、それぞれの値を設定をしてございます。
さらに、その後でございますけども、主要業種のマクロフレームというところで、これまでもご報告を申し上げておりますけども、GDP等のマクロフレームを前提条件として、その業種の活動量を推計したというものでございますけれども、各業種におきましてヒアリング等を行い、その結果も踏まえての設定というものでございまして、粗鋼につきましては、成長シナリオ、慎重シナリオともに同じ値を用いるというものになっておりますし、また、続くエチレンにつきましては、成長、慎重シナリオで、ここは活動量が分かれてくるというもの、また、続くセメント、そして、紙・板紙、こういったものの活動量を設定をしての試算というものでございます。
また、最後のページにつきましては、貨物の輸送量、また、旅客輸送量の設定でございますが、こちらにつきましては、国土交通省のほうが推計をいたしました将来交通需要推計の改善の値、これを用いて推計をしているというものでございまして、それぞれシナリオごとに値を設定しての推計ということになってございます。以上がマクロフレームの設定についてのご説明でございました。
続く、資料2でございます。非エネルギー起源の温室効果ガスの排出量の見通しについてというものでございます。これまで、小委員会におきましては、各ワーキンググループから、主に二酸化炭素を中心とした取組をご報告させていただいたというものでございますが、そのほかのガスにつきまして、概要を述べてございます。
おめくりいただきまして、右上に四角囲みでページを囲っておりますけども、1ページ目、まず、現状、これまでの推移がどうなっているのかというものでございます。一つ目の丸でございますが、2010年度の速報値でいきますと、エネルギー起源CO2以外の温室効果ガスの排出量、こちらを合計いたしますと1億3,370万トンということでございまして、前年度と比べますと0.2%増加しているという状況でございます。その中、最も増加しているガスの種類といたしましてはHFCSでございまして、前年度と比べますと170万トン増加しているということでございまして、その原因の大きなものとしましては、エアコン等の冷媒、こういったものがHCFCからHFCに代替されてきているということでございますけれども、それらの機器から排出されている部分が増えてきているというところでございます。また、基準年をベースに比較というのが二つ目の丸でございますけども、こちらにつきましては33.9%減少ということで、大きく減少しているというものでございます。
続く2ページでございますけども、こちらはフロンなどのガスにつきまして、京都議定書目標達成計画でどのような対策・施策が盛り込まれているのかというものでございます。左の欄のところには分野が記載されておりますが、工業プロセスから始まりまして、農業分野、廃棄物分野、そしてHFC等3ガス分野ということでございまして、それぞれ対策・施策が位置づけられており、これらの取組が、現在、進行しているというもので、基準年比にしますと、大幅な減少を達成できているということでございます。
また、続く3ページ目でございますけども、さらに2013年以降の温暖化対策に向けた選択肢ごとの主な対策・施策というもので、整理をしたものでございます。こちらにつきましても、同様の分野ごとに、低位、中位、高位ケースに分けての設定でございますが、農業分野でいきますと、低位ケースから水田の管理、また、施肥量の削減といった対策が考えられますし、高位ケースになりますと、家畜排せつ物の管理の徹底というものも考えられるというものでございます。また、廃棄物分野につきましては、ごみの発生抑制から始まりまして、焼却処理の高度化、さらに最終処分の中でいきますと、有機性の廃棄物の直接埋立禁止であるとか、バイオマスプラスチックの利用促進などが考えられるというものでございます。工業プロセスになりますと、バイオリファイナリーなどの対策が考えられるということでもございますし、HFC等の対策でいきますと、業務用冷凍空調機器の廃棄時の回収の改善、また、使用時の漏出、こういったものを削減するための対策が低位ケースから考えられるということでもございますし、高位ケースになりますと、GWPが低い冷媒への切り替えというものも視野に入れていくというものでございます。これらの対策により、どれぐらいの削減が見越されるかということが4ページ目以降でございますが、メタン、N2O、また、非エネルギー起源のCO2について、成長ケースが記載されておりますが、これまで、基準年から大幅に削減されておりますけれども、そのトレンドとしては同様ということで、固定ケースであっても、2030年に向けては削減されていくというトレンドではあります。さらに、先ほどご覧いただきました低位ケースから高位ケースの対策をとることにより、さらに削減が期待されるという分野でございます。続くケースは、慎重シナリオというものでございまして、固定ケースがさらに削減幅が大きくなるというものであります。
続くページにおきましては、HFC等の3ガスというものでございまして、こちらは、先ほど申し上げましたように、HFCの遺漏、また、廃棄時の排出というものが増えていくということでございまして、これまで、基準年から比べますと、大幅な削減ができている分野でございますけれども、2030年に向けまして、逆に大きく排出量が増える見込みになってございます。ですので、これらにつきましては、低位ケースの段階から引き下げの対策・施策が必要ということで、業務用の冷凍空調機器での廃棄時、使用時の削減から始まりまして、さまざまな対策が必要になってくるという分野でございます。同様に、慎重シナリオでありましても、固定ケースでも、2030年に向けて、大幅な増加が見通されるという部分でございまして、こちらも対策が必要な部分になってございます。以上の内容を取りまとめたのが表の8ページ目でございますが、成長ケース、慎重ケース、それぞれで、今、申し上げてきたところを合算したものでございます。2020年をご覧いただきますと、固定ケースで見ますと、基準年比といたしますと、19.4%の削減が見越されるというところではございますが、それぞれ、対策ケースごとに、大体4%から6%分ぐらい、さらに深掘りが可能な見込みというものでございます。以上が非エネルギー起源の温室効果ガスの排出見通しのご説明でございます。
続く、資料3でございますが、高位・中位・低位ケースの主な対策・施策というものでございまして、これは、これまでご報告をさせていただいた資料でございますけれども、こちらの一番最後のページ、14ページ目をご覧いただきたいと思いますが、前回までもお話し申し上げましたとおり、作業をこれから行い、資料を提出して、議論を深めていただくというところでございますけれども、そのステップといたしましては、温室効果ガスの排出量を算定するということでございます。こちらにつきましては、原子力発電の選択肢、これの提示を受けて、それを組み込んだ全体量を計算しての提示というステップに、次に入っていきたいと思っております。また、選択肢ごとについて、議論に資するための追加的費用、また、回避可能な損失などのデータを算出し、さらに経済モデルによる分析結果もご提示をして、議論をいただきたいというふうに思ってございます。本日は、このうち、1の作業につきまして、後ほど、エネルギーの消費量の見通しの仮試算をご覧いただきながら、議論をいただくというところでございます。
資料1から3までについてのご説明は以上でございます。

西岡委員長
どうもありがとうございました。それでは、これまでの資料1から3の説明に対しまして、ご意見、ご質問がございましたらお願いいたします。

大塚委員
ありがとうございます。資料の2について、ちょっとお伺いしたいのですが、スライド3のところで、低位・中位・高位というケースがございます。例えば冷凍空調機器に関して、低GWPの冷媒の導入は高位になっていて、ほかのものもここに、カーエアコンについてもそうなのですけども、既に開発している炭化水素とかというのは、ここには入ってこないのでしょうか。これが何か高位という感じもあまりしないものですから、ちょっとお伺いしたいということがございます。
それから、中位に上がっているエアゾールに関して、代替ガスの導入とかも、この辺もなかなか難しいというふうにお考えなのかもしれませんが、少し詳しく教えていただけるとありがたいと思います。いずれにしても、この辺については、フロンのほうの検討会でも検討しましたけれども、経済的手法の導入なども含めて検討しないと、なかなか難しい。これは税のほうですけど、というところがございますので、これは別に高位、中位、低位と関係ないですが、そのようなところも踏まえていただけるとありがたいと思います。以上です。

冨田委員
ありがとうございます。資料3について、これまでも何度か申し上げていることで、もう十分おわかりかと思いますけれども、再度、確認をさせていただきます。この資料3は前回出されたものと同じですので、変わっていないということだと思いますが、先ほどご説明された14ページのところの今後の作業というところの2番ですけども、各選択肢を実現するための追加費用云々ということですけども、各選択肢というのは、それぞれ委員の方々が思っているイメージがあまりそろっていないだろうと思っておりまして、低位ケース、中位ケース、高位ケース、この三つのケースの選択肢という大くくりのものであっては、今後のあるべき姿の議論ができないというふうに思っております。分野ごとについて、それぞれの対策について、追加費用がどれだけかかるのかということで出していただかないと、なかなか説明のできる選択肢にはならないかなというふうに思っておりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

西岡委員長
どうもありがとうございます。今の2点。

低炭素社会推進室長
まず、低GWPの物質への転換、導入というものにつきまして、各対象機器ごとに、その切り替え対象の製品の開発動向、また、その安全性などが確認されているかどうか、また、その確認のための時間がどれぐらい必要なのかということを見ながら、そのハードルの高さに応じて、低位、中位、高位ということで、細かく分野ごとに分けたというものでございまして、そういった切り替えまでの作業、また、確認のハードルの高さに応じて割り振ったという考え方でございます。
また、経済的措置の重要性というものについては、ご指摘のとおりでございまして、検討会でも議論を深めておりますので、そういった面でいきますと、横断的な施策というものとしては、重要なものとして位置づけられていくべきものだというふうに考えてございます。
また、資料3の14ページ目のご指摘でございますけども、分野ごとのコストなどを見ながらの議論という重要性でございますが、そういったご指摘を踏まえまして、続く資料4の中でも分野ごとの値をお示ししておりますので、そういったものも議論いただきながら、詳細をご議論いただければありがたいというふうに考えております。以上でございます。

渡邊委員
ありがとうございます。資料3のところでございまして、これも一番最後のところに、今回、今後の作業が書かれていて、エネルギーミックスが決まってから、CO2の排出係数から排出量を算定するということと、その原子力のほうは、総合エネ調のほうの議論を待つということ、このとおりだと思います。ただ、原子力の例えば選択肢が決まったときに、火力の中の内訳をどうするかという作業が出てくると思います。これも、先ほど冨田委員が言われたように、その前の資料は従前と変わっていないので、そのままが今回示されていると思うのですけれども、従来から言っていますように、例えば3ページのところの石炭火力の選択肢につきまして、従来からS+3Eの観点での評価をお願いしたいということを言ってまいりました。特にセキュリティーに関して、その評価をどうするかということが残っていると思いますので、この辺、どのようにお考えになるかということをお聞きしたいと思います。特に石炭火力は、従来から申し上げてありましたように、セキュリティーに関して非常に重要だということと、石炭があるから、今のLNGの価格で買えるということも当然あろうかと思いますので、繰り返しになりますけども、宜しくお願いしたいと思います。
それから、そういう意味でいけば、この資料は、小委ではまだ了承されていないということを、また改めて宜しくお願いしたいと思います。
さらに、この中には書いていないですけども、従来から言っています、CCSの取り扱いについても、十分ご配慮のほうをよろしくお願いしたいと思います。以上でございます。

小林委員
教えていただきたいことが何点かございます。まず一つ目は、資料1のマクロフレームの中なのですが、このフレームには、東日本大震災の関連の需要増を見込んでおられるのでしょうかというのが1点です。これ、例えば6ページのセメントのところが相当低いまま推移しているのですが、こういうところ、相当の需要が出てくるのではないかと。その辺について、どういうふうにご配慮されたのかということでございます。阪神のときは相当伸びたというふうに記憶しています。
二つ目が、資料2の排出量の見通しのところなのですが、これの3のところなのですが、いわゆる低位、中位、高位、これはいいのですが、廃棄物分野のところ、下水道汚泥について、いわゆる焼却、燃焼ばかり書いてあるのですが、最近、下水道汚泥については、メタン化というのが相当進んできて、検討がされているのですが、これが全く触れられていないのですが、この辺はご配慮をされたのでしょうかというのが二つ目です。
それから三つ目は、フロン関係になるのですが、同じく資料2の1ページのところの右側にHFCの推移が書いてあるのですが、ここのグラフと、それから6のところに、同じようにHFC等3ガスの成長シナリオというのが書いてあるので、その後の慎重も同じなのですが、ここの実績のところのグラフが同じなのかなと。違うような気がするのです。これは同じなのでしょうか。と同時に、将来的に相当伸びるような絵になっているのですが、本当に伸びるのでしょうか。以前の目達計画でもHFCの排出量はどんどん増えますということを想定されてやったのですけど、現実には増えなかったのですよね。対策がある程度進んで、排出量は増えなかったと思うのですが、その辺、今回はどういうふうに配慮されたのかということ。その3点です。

低炭素社会推進室長
まず、原子力の設定につきましては、昨日、開催をされました総合資源エネルギー調査会基本問題委員会におきまして、幾つかのエネルギーミックスの設定が出てきたというところでございまして、幾つかの議論があって、さらに事務局のほうで取りまとめ作業を行い、次回、提示されるというのが、2030年断面でのお話だということでございます。さらに、それを受けて、2020年における電源構成におきましても、提示してくるということが資料の中にも記載されておりますので、それを受けてのCO2の計算になっていくということを考えております。そういったものを使って、温室効果ガス全体をご覧いただきながら、例えばご指摘いただきましたような火力の内訳の議論、またCCSの取り扱いの議論というものをさらに深めていただきたいというふうに考えてございます。そういった面で、さらにエネルギーセキュリティーの重要性ということもいただいておりますので、その際、どのような視点で議論をしていくべきなのかということも、事務局としても考えていきたいと思いますが、委員からも、是非ご提案をいただければ幸いかと考えております。
また、資料1のセメントなどの需要に関しまして、復興・復旧の需要を見込んでいるのかというところでございますが、今のところ、これまでのトレンドの回帰分析が中心というものでございますので、短期的にそれがここの中で表せきれていないという面はございますけれども、主に2020年、30年の値というところでございますので、そういったものもヒアリングの際に意見交換をしながら、違和感があるかどうかということを聞いておりますので、その断面ではそれほどないかとは思いますが、このグラフ全体では表せきれていないというものになってくるかと思います。
また、下水道でのメタン化などの取組ということでございますけども、廃棄物を含むバイオマス利用というところでは考えてはおりますが、ここの中では、ちょっと焼却の高度化のみを記載しておりますので、主な施策の記述からは漏れているというものでありますが、全体としては考慮しているというものでございます。

地球温暖化対策課長
フロンについてでございますけれども、資料2の1ページ目のほうにつきましては、HFCについてのグラフというのが右でございますけれども、もう一つ、お比べになられていた6ページ目のほうについては、3ガス全体になっておりまして、1ページ目でいきますと、例えば左側のほうにありますものでいけば、非エネCO2の上に95年から足されている分の三つの色、全部についてのグラフというのがページ6になっておりますので、そういう意味では、2000年以降までは減少しているということでございます。この減少の主な原因というのが、工場での製造時の対策というのがかなりよくとられたということだというふうに伺っておりまして、それに対してHFCSについては、2ページ目の右にありますように、黄色の棒の部分が急激に実績として増えてきているということからも、我々としては、将来的にはこのHFCの使用時漏洩部分について、かなり伸びがあるのではないかと危惧しているところでございます。以上です。

高村委員
ありがとうございます。もし、これまでご説明をいただいていたのでしたら、誠に申し訳ないのですが、幾つかご質問がありまして、お尋ねできればと思います。
まず、一つ目でございますけれども、資料1の4ページでありますけれども、そこのマクロフレームについてであります。ほかの業種のところでは、成長率の異なる成長シナリオと慎重シナリオで、想定をされている活動量が異なっているわけですけれども、これが全く数値が一致をしているものですから、これについて理由を教えていただければというのが1点であります。
二つ目がですが、資料2でございます。ページでいきますと3ページ、これは大塚先生が、今、先ほどおっしゃった点と同じ点でございますけれども、既に今の段階でも、とりわけ業務用の冷凍空調機器に関しては、環境省等の補助金も含めて、かなり実際上は事業者の方、転換をされていたり、あるいは、自主行動計画の中で、こうした転換というのは、もう既にかなり入ってきているように思っておりまして、そういう意味では、確かに大規模に導入をされるという意味では、高位ケースというのはわかるわけでありますが、恐らく中位の中にも入ってきて、しかし、その強度が異なるというふうな想定のほうが現実には近いのではないかというふうに感じております。先ほどご質問にお答えいただいておりますので、お答えは不要ですが、しかし、是非ご意向をいただければというふうに思います。
それから、3点目でございますけれども、資料3でございます。資料3の9ページ、10ページのところでございます。産業分野の対策導入量・施策のところで、どうしても、私あまり頭がよくないのでわからないのですが、省エネ量を換算して、対策の強度が低位、中位、高位でも、業種ごとの省エネ量が同じというのは、どういう理由かという点でございます。この点、もし既にご説明が小委員会であったのかもしれませんけども、すみません、参加しておりませんでしたので、お尋ねできればと思います。
それから、最後の点でございますけど、11ページのところで、とりわけ、エネルギー供給分野の再エネ関連部分についての施策の導入量とその内容について、示していただいていると思いますけれども、再エネ関連部分という限定で出されているので、ない物ねだりかもしれませんが、しかし、他方で、その省エネとか、排出抑制の観点からしますと、例えばこれはエネルギー供給ワーキンググループでも出てきていたように、間違っていたらあれですが、出てきたように思いますけれども、例えば発電に伴う熱の利用などといったようなものを、あるいは熱回収等の事業分野における、産業分野における熱回収利用などといったような施策というのは、かなりの削減のポテンシャルがあるように思うわけですけども、こうしたものはどういうふうに反映されるのかという点について、ご質問できればと思います。以上です。

永里委員
ありがとうございます。既に前の委員の方々が質問なさっていて、それに対して土居室長がお答えになっているので、ちょっと質問しにくいところもあるのですけれど、もう3月末になっていながら、この資料3において、「原子力発電については、総合資源エネルギー調査会において議論されており」というふうになっており、それを待ってということになっているのですが、どのような議論がなされているのか。ある種の方向性が既に示されているのか。そして、例えばエネルギーセキュリティーについてはどう考えているのか。政府は、この総合調査会の結論が出るまで何もしないのか等、この辺のニュアンスについて、教えていただけたらありがたいのですが。

西岡委員長
どうもありがとうございました。それでは、お答え願います。

低炭素社会推進室長
まず、資料1の粗鋼の生産量の見通しについてでございますけれども、こちらに関しましては、GDPなどのマクロフレームの前提条件としながら、過去の実績をもとに、その回帰分析を行った上で、それを元データにしながら、各業種の関連の方々と意見交換を、ヒアリングをしながら固めてきたというものでございます。特に粗鋼につきましては、国内の生産量、設備の最大限を常に動かし続けるということを前提として稼働していて、もし内需があれば、それは基本的には国内に売っていくというものなのですけども、慎重シナリオで内需が減ってきて、残り、その生産可能量と内需とのすき間ができた場合には、今でも海外から大きな引き合いがあるものですから、それを外に売っていくということで、基本的には原油設備の生産可能量マキシマムで動かし続けるということなので、生産量自体は変わらないのですけども、その売り先が国内に振り分けられるのか、さらに海外に輸出が多くなるのかという違いだということを意見交換、ヒアリングで、現行の売り先、また、どのような製品が売れているのか。さらに、その各国でどのような将来的な需要があるのかというデータをいただきながら、意見交換をした結果、この数字になったというのが現状でございます。
あと、資料2の3ページ目でございますけれども、HFCからの低GWP冷媒への転換ということでございます。こちらにつきましては、ご指摘のものもございまして、全くまだ開発途上で、転換がなされていないという分野もあれば、そういうものが開発されて、徐々に入ってはきているのだけども、それのさらに普及度を上げるというものが、両方あり得るというものでございますので、その進めるという面でいけば、普及率を上げるというものと、さらに新しいものを入れていくと、両方あるというふうに考えてございます。
さらに、資料3の9ページ、10ページ目で、産業分野におきまして、低位、中位、高位、それぞれのケースで同じ数字が入っている部分があるというものでございます。特に10ページ目をご覧いただきますと、鉄鋼業から始まりまして、化学工業までにおきましては、低位、中位、高位、同じ省エネ量が出ているというものでございます。こちらにつきましては、非常に排出量が各事業所ごとに多いわけでございますけども、逆に言うと、少ない事業者、事業所での対応ということでございまして、今後の工場などの更新機会なども見据えて、どれぐらい導入が可能なのかということをヒアリングをもとにチェックをしたというものでございまして、施策の強度に応じて変わるという性格のものというよりは、タイミングを見て、そのDAPを入れていくということから、同じ数字が入っているという整理になっています。
一方、この表の中でも、業種横断的技術と書いておるところにつきましては、低・中・高位で値を変えて記載しております。こちらにつきましては、例えば産業用の照明、工業炉、モーター、こういった幅広い製品について、どれぐらい入り得るのかということでございまして、こちらにつきましては、大手のみならず、零細、中小企業も含めて非常に数の多い対象になってくるということでございますので、そういった面でいきますと、さまざまな施策の強度に応じて、特に中小、零細企業の導入率が変わってくるという想定を置きまして、ケースごとに導入量の設定を変えているというものでございます。ですので、そういった二つの組み合わせで、最終的な合計が低位、中位、高位ということで、幅を持った数字にしているというものでございます。
また、11ページ目につきましては、エネルギー供給分野のうち、再エネ関連部分を参考として載せておりますけれども、そのほかの分野といたしまして、化石燃料のクリーン化、また、ご指摘がありました熱の有効利用というところも、エネルギー供給分野の非常に重要なものでございますし、また、分散型のエネルギー、こういったものも重要な部分でございますけれども、こちら、一例という形で再エネを取り上げたというもので、その他の分野につきましても重要性があるというもので、同じような整理になっておりますし、また、エネルギー供給ワーキンググループでもきちんと整理をしているというものでございまして、こちらは一例を示したという取り扱いになってございます。
また、原子力発電所の設定のところでございますが、表裏一体で並行的に議論しておりますエネルギー政策での議論を踏まえての設定という計算になりますけれども、先ほども申し上げましたように、昨日の資源エネルギー調査会におきまして、事務局からはAからFまでの設定を各委員の意見を集約して、提示をして議論を深めたというところでございますけれども、さまざまな意見が出まして、一部、集約をすべき、また、数字の見直しもあり得べしということで、事務局のほうで作業をし、次回のその総合エネルギー調査会のほうで、さらに提示をされるというスケジュールになっているというところでございます。それを見ながら、CO2、温室効果ガスの議論、計算をし、中央環境審議会のほうに提示をさせていただくというところでございまして、4月に入っての作業になろうかと思いますが、ご議論いただければというふうに考えております。以上です。

横山委員
基礎的な質問を1点だけお願いします。資料1の1ページに出てくる二つのシナリオ、成長シナリオと慎重シナリオなのですが、マクロフレームワーキンググループがこれまで示していた五つの社会シナリオとの関係がどうなのかというのが、説明があったのかもわかりませんが、ちょっとわからないのですけれども、五つのシナリオを今後はこの二つのシナリオに絞るということなのか、あるいは五つのシナリオは五つのシナリオで、いまだに生きているということなのか、その辺を説明していただけますか。

低炭素社会推進室長
マクロフレームワーキンググループにおきましてご議論いただきましたのが、主に2050年の姿をお示しをいただきまして、それをもとに議論をこの小委員会、また、部会で行っていただきたいというところで、五つの典型的な姿をご議論し、提示をしてきたというところでございまして、やはり射程といいましょうか、時間軸が若干、今回お示ししたものは2030年までの姿というところで異なってくるというもので、直接的な関係があるわけではないというふうに考えております。

赤井委員
ありがとうございます。一つだけ、資料3の3ページの、これ、前回も申し上げたのですけど、先ほど渡邊さんがおっしゃったこととも関係するのですけども、私も、この表の特にエネルギー供給のところの記述が、前回も申し上げたように、CO2の削減ということだけを考えて、ほかのことは何も考えずに設定した低位、中位、高位だというような注意書きをしておかないと、この表だけを見た場合に誤解が起きるかなという気がします。特に記述の面で、ちょっとひっかかったのは中位のところで、例えば「石炭火力はリプレースを認め」と、こういった記述は、例えばこれを施策に移したら、石炭火力の申請があったときには、アセスで絶対に通さないというふうなことを言っているようにも見えてしまいますので、ちょっとこういった記述はお考え直しいただければなというふうに思います。
それから、やはり全体として、その化石のところを見ると、何かガスシフト論を助長するような記述になっているというのも非常に気にかかります。ガスであろうとCO2排出はあるわけですから、ガスでCO2排出を削減しようとすると、これもCCSしかないわけですけども、限界削減コストは石炭プラスCCSに対してはるかに高くなりますので、そういったこと、細かいその特質ですか、先ほど石炭と火力の比率をどうするのかという議論もありましたけれども、そういった細かい特質についての議論は、ここで、この場でする話ではないかもしれませんけども、そういったことも一切無視して設定したケースだと、せめてそれぐらいの注意書きは必要かと思います。以上です。

牛久保委員
ありがとうございます。まず、資料2の3ページの農業分野と廃棄物分野、両方にわたりますが、まず農業分野でありますけども、ここに書かれている、いわゆる対策というのが、低位、中位、高位の区分中において、水田の場合に、その中干しの期間延長等とされていますが、これは旧態依然たるその手法であって、農業場面では、今、もうちょっと積極的に非エネルギー起源の温室効果ガスについての対策が行われているというふうに考えておりますし、家畜排せつ物についても、これは利用率を見ていただいてもおわかりのように、堆肥化は既に行われています。もっと積極的にエネルギー化を推し進めるような施策的あるいは、方向性について書き込みが必要ではないかなというふうに思います。それから、先ほど発言のあった下水道汚泥と同様に、家畜排せつ物のメタン化についても、もっと言及していただければと思います。
それから、廃棄物については、例えば低位のところで、ごみの発生抑制という言葉がありますけれども、ご案内のように、産業廃棄物の年間発生量が約4億トンに対して、一般廃棄物はのそれは約5,000万トンという数字の中での発生抑制対策の対象が一般廃棄物だけで、多量に発生している産業廃棄物の対策がここに記載がありません。もちろん廃棄物の中に、次のページですと、特出しで廃プラとか、廃油的の記載がありますが、もうちょっと資源化できる産業廃棄物もあると考えます。産業活動を抑制するような発生抑制は当然あってはならないと思いますけども、もっと積極的に産業廃棄物に対する対策についての記載が、ここにあっていいのではないかなというふうに思います。宜しくお願いします。

西岡委員長
どうもありがとうございました。お答え願います。

低炭素社会推進室長
まず、低位、中位、高位につきまして、今回、対策・施策をワーキンググループから出てきたものについてまとめて、ご議論いただいたというものでございまして、今後、それに基づいたエネルギー消費量、また、CO2の排出量などをご覧いただきながら、参考資料1にも提示しております、検討の方針におまとめいただきました、さまざまな観点に即して議論をいただきたいというふうに思っておりまして、その際には、当然エネルギーのセキュリティーの問題も観点の中にまとめていただいておりますので、そういった観点からのご議論も、今後、深めていただきたいというふうに思っております。
また、水田、家畜排せつ物の対策が既に積極的なものにもなっているというお話でございますので、実態がどこまで進んでいるかにつきまして、事務局としても、情報をさらに収集していきたいというふうに思っておりますし、また、廃棄物の発生抑制につきまして、産業廃棄物の分野でどのようなものが考えられるのかにつきましても、情報を集めていきたいというふうに思っております。どうもありがとうございました。

西岡委員長
どうもありがとうございました。それでは、一巡したと思いますので、次の資料4について、これは藤野委員のほうからご説明願いたいと思います。ちょっと長くなると思います。

藤野委員
どうもありがとうございます。今までのワーキンググループでのご報告もありましたけれども、そういったものをでき得る限り組み込んで、定量的にどうなっているかというのを、今日、途中経過ですけれども、お知らせしたいと思います。
あけていただいて、今回行ったことですけれども、既に事務局のほうからもご説明があった、その経済成長や対策・施策の強度について、複数のシナリオやケースを設定し、それぞれについて2020年及び2030年におけるエネルギー需要量を推計しています。
そして、そのときに必要となる省エネルギー・再生可能エネルギー等に係る投資額及び投資に伴うエネルギー費用削減額というものを推計しています。
それと、ここは前回から説明を強めているところがありますけれども、QoL、クオリティー・オブ・ライフ(生活の質)の向上などにつながる省エネ、または、そのQoLの向上が省エネを誘因する例について、整理しています。
先ほど事務局から説明がありましたように、原子力に関する選択肢というものについては、基本問題検討委員会でご議論されているものを参考にさせていただきながらやりたいと考えておりまして、そういった意味で、今日お示しするのは、最終エネルギー需要のところと、再生可能エネルギーのところで、原子力だったり、火力の話が入って、一次エネルギー供給のエネルギー構成とか、温室効果ガスの排出量を計算できますけども、それは次回までにやりたいと思います。そして、複数のエネルギーや温室効果ガスの見通しに対して、それぞれ定量的に評価するための素材というものをご提示したいと考えております。
それで、次のページですけれども、これはいつもモデルの結果をお示しするときにご説明させていただいているのですけれども、当方の姿勢としましては、各ワーキンググループにおける、既にご報告がありましたけれども、それを組み合わせて、でき得る限り整合性をとるというようなスタンスでシミュレーション結果をお示ししております。そういった意味で、そのモデル分析の作業というものは、それぞれの想定に基づいてやっておりますので、未来を予言するものではありません。その原因となる社会経済活動の関係をモデルで整理しまして、そして、その将来の社会経済の見通しを前提に、対策の強度によるエネルギー消費量等の変化の見通しというものを整合的に、また、定量的に示しています。ほかにも、あといろいろ書いていますけれども、そういった姿勢でさせていただいています。
開いていただきまして、目次ですけれども、第1部で試算の背景をご説明し、第2部のほうで、小委員会等での議論を踏まえたエネルギー消費量等の見通しの試算というものを、今日はここまでお示しします。次回のときには、第3部というか、エネルギー全体の見通しと温室効果ガスのそのときの結果というのをお示ししたいと思います。
まず、第1部のところで、現状の認識ですけれども、6ページ目ですけれども、この議論はずっと2008年の10月の中期目標、当時の麻生政権ですが、そのときからずっと継続的に続いている議題かなと思っています。2009年の3月27日に第6回の中期目標検討委員会があって、当時のそのときに委員をされていた西岡委員のほうから、国立環境研究所と、ほかのところも実は提案も入っていましたけれども、我々も提案した政策・社会の仕組み、1番目から4のところというものが、具体的に2012年3月時点ですけれども、実現してきているのではないかというような様子をお示ししています。我々が想定しているものよりも、かなり前向きに入っているものもあるのかなと思っています。そういったことは7ページ目ですけれども、世界のほうでも大きな流れとして進んでおります。EU、イギリス、ドイツのことは、よく皆さんもお耳にされているかもしれませんが、中国やインドにおきましても、コペンハーゲンの合意だったり、カンクン合意等を受けながら、中国の場合は2005年比17%削減というものを2015年までにGDP当たりCO2排出量でやるということを書いていたりとか、また、インドにつきましても、"Low Carbon Strategies for Inclusive Growth"というものをつくっておられて、GDP当たりCO2排出量というものを2020年を目標に下げるのだというようなことをやられています。そういった意味で、既に低炭素化というか、日本の場合は3.11以降、ちょっと低炭素という言葉が大分静かになりましたけれども、世界のトレンドとしては動いていますし、日本の政策としても、その結果、低炭素につながる政策というのが動いています。
スライド9ページ目は、過去のトレンドと、今後を見通したときの状況の把握です。まず、少子高齢化という大きな問題がありまして、2050年になると高齢化率が相当高くなって、75歳ごろまで働くことが想定され、これはマクロフレームワーキンググループでも議論されていて、私も働かなければいけないのかなと思うのですけれども、そういった数字があります。
スライド10のほうは、日本は人口が減少しますが、世界では90億人というような予想があります。GDPも、世界全体では100兆ドルを突破するのではないかというような試算結果がヨーロッパの研究機関から出ておりまして、日本のシェアというものは徐々に減っていくかもしれない。
スライド11は、資源の制約のほうを書かせていただいていまして、やはりその原子力の問題も重要ですけれども、石油だったりとか、資源の問題というのも非常に重要でして、需要爆発と供給不足によって、資源確保等で資源制約というのは厳しくなる可能性があるということだったり、中東の政情不安、アジアの需要増で、原油、天然ガス、石炭等の価格というものが上昇する。また、レアメタルについても、中国がかなりシェアをにぎっていますけれども、なかなか安価な値段で確保できるかどうかというところについては、慎重な見積もりがあります。
スライド12は、日本、ちょっと長い視点で示していますが、1940年から2010年まで、これを見通すと、そのエネルギーの供給量というのが、もう10倍ぐらいというか、増えているという様子です。特に石油のシェアが60年以降に増えていますけれども、そこのオイルショック以降、44%まで低下させる努力はしていますが、それでも、全体で見ると、石油のシェアというのは、やはりまだ依然として大きいということです。これが2020年、30年、さらには2050年という射程を入れたときに、どういうふうになっていくのかということを分析しなければいけません。
スライド13は、先ほども化石燃料、石炭、天然ガスについて、前の資料でいろいろご議論ありましたけれども、やはり今、10兆以上のお金を調達のために使っていて、3.11以降、原子力が動かないという状況で、今後はさらに増えるかもしれないというような懸念がありますけれども、今から示す省エネとか再エネで、その部分、カバーでき得るのかどうかということが議論になると思います。
スライド14のほうは、ほかの国と比べて、そういった一次エネルギーの自給率だったり、また、中東依存率が日本というのはどういうものにあるのだろうかというものです。これは原子力を除く数字で、2000年代の数字を書いていますけれども、自給率は著しく低くて、中東依存も高いというような地政学的なリスクがあります。
スライド15で、そういったもの、石炭、石油、ガス、どういうふうに使ってきたかというものを示しています。石炭は、主に事業用電力と鉄鋼製造で4分の3を占めるものになっています。石油は幅広く使われています。ガスのほうは、事業用電力が6割ぐらいを占めていて、今後、そういうのがどういうふうになるかということがあります。
スライド16は、発電電力量のほうのトレンド、1955年からずっと引っ張っていますけれども、これも相当な増加というものを、経済成長を伴いながら遂げてきたということです。
スライド17は、そういう一次エネルギー供給と、GNPなり人口との関係を見ていますけれども、1970年、75年ぐらいまでは、本当にこの実質GNPの伸びと一次エネルギー供給がぴったり合うようなトレンドでしたけれども、オイルショック以降、まずそこが徐々に乖離しているというような様子が見てとれます。
スライド18は、そういったその現状を踏まえて、グリーン成長国家というようなことも言われていますし、ものづくりワーキンググループでも、そういった具体的な例もお示しいただいていますけれども、そのときに、低炭素もそうですが、クオリティー・オブ・ライフをどうやって向上させていくか。それがさらに海外に普及していくかというようなことが大事なのかなと考えています。
次から第2部のほうのエネルギー消費量等の見通しの試算のほうをご説明しますけども、スライド20は、今まで、ずっとやってきた経緯になろうかと思います。一番最初に説明した2008年の中期目標検討委員会であったり、2009年10月にタスクフォースというものがあって、ずっと議論してきましたけれども、こちらのほうでは、それ以降、右のほうに全体検討会とか、住宅・建築物ワーキンググループとか、自動車ワーキンググループ、地域づくりワーキンググループ、農山村サブワーキンググループ、エネルギー供給ワーキンググループとありますけれども、やはりこの問題はかなり幅広い分野に及びますので、まずはそういったワーキンググループだったのですが、その数がどんどん増えていって、さらに詳細な検討をいただいていて、AIMのこのモデルの立場としては、そういった詳細な検討をされているものに対して、全体でまとめてみると、どういうふうに見えるかというのを定量的にお示しするというフィードバックをずっと繰り返してやってきているのかなと思います。
スライド21は、今回、今の現時点で行っているシナリオのご説明です。成長シナリオと慎重シナリオ、先ほどありましたGDPの設定だったりとか、また、その対策・施策について、固定ケースというのは、今の現状のものをそのまま固定したもの、ほかに、あと低位、中位、高位という、先ほど説明があったこの3種類のものを組み合わせて、どういうふうになるかというのを今からお示しします。
スライド22のシナリオ・ケースに応じた定量分析、こちらはもう既に事務局のほうからご説明がありましたけれども、こういったような数字を今回は使っております。
スライド24について、その対策・施策の強度に関するケース設定というものについても、既にご説明がありましたけども、技術固定ケースでは、その導入状況とか、エネルギー効率というのは、現状の状態で固定されたまま、将来にわたり、推移するというふうに想定しています。
一方、低位ケースについては、現行で既に取り組まれていて、あるいは、想定されている対策・施策を継続すること。中位ケースについては、その将来の低炭素社会の構築等を見据えて、合理的な誘導策や義務づけ等を行うことで入り得ると。高位ケースは、それをさらに後押ししたケースになります。
スライド25、部門・技術の整理、これ、よくご覧になっている絵かもしれませんけれども、この点々で囲んでいるところ、特に今回は、右側のその最終エネルギー消費が、2020年、2030年にどういうふうに移行し得るのかということを試算しました。
スライド26は、これはある意味、コミュニケーション・マーケティングワーキンググループでも「生活者」という言葉があって、その議論をしていましたけれども、ちょっと物の見方を変えまして、エネルギーというのがそれぞれの場面でどういうふうに使われているのかというのを、頭の体操的に整理しているものです。
スライド27は、技術ワーキンググループのほうで赤井委員からもご説明がありましたけれども、今回、満足度というものを一つのファクターにしながら、それぞれの部門でどういう対策があり得るか、まだこれはトライしている最中で、是非さらなる、こういうのもあるのではないかとか、こういうエビデンスがあるよというのは教えていただきたいのですけれども、そういう整理をしています。
次が、我が国のエネルギー消費量の見通しということで、スライド29から、全体でどういうふうな結果になっているか。それ以降、各セクターの数値等をお知らせしますけども、全体での結果としては、例えば最終エネルギー消費量のところで、2010年に比べて2020年では成長シナリオで、低位ケースでは右の灰色の棒グラフになっていますけれども、97%、3%減とか、中位で6%、高位で7%とか、2030年まで見ると、10%、15%、18%とか、そういったような削減になるのですけれども、これは、実は部門ごとで、いろいろな様相が異なっておりますので、それについては後でご説明します。
スライド30は、その慎重シナリオのほうの数字を示していまして、慎重シナリオのほうは、想定しているGDPが低い。そうなると、活動量自体も低くなっていまして、最終エネルギー消費量も、成長シナリオよりは、さらに深掘りできる可能性があるということです。
再生可能エネルギーの導入見込量につきましては、エネルギー供給ワーキンググループでご議論していただいている数字を基本的には使わせていただいています。
スライド32の再生可能エネルギーの発電が占める割合で、これも仮試算というか、需要を積み上げていくと必要な電力量が出ますので、そこから、それが今回、この発電電力量は自家発等を含んでいない数字ですけれども、再エネが大体どれぐらいの割合になるのかなという目安の数字というものを示しています。2020年で14~20%とか、2030年だと24~37%とか、そういった割合に当たるというような試算です。
スライド33は、それを慎重シナリオでやったらどうなるかというような計算結果というものを示しています。
スライド34のほうは、そういったその対策によって、ストックがどういうふうに変化していくかというものを示しています。例えば省エネ住宅、建築物に関しましては、2020年はやっぱりまだ、あともう8年ぐらいしかありませんので、どこまでそういった、例えば平成11年の断熱基準だったりとか、第一推奨基準、これは後でご説明しますけれども、もう既に住宅・建築物ワーキンググループのご報告でもありましたが、そういったものが入り得る余地というのは、大体16%ぐらいというような見込みですけれども、2030年、あと18年を見れば、ストック戸数の割合も、もうちょっと増やしていける可能性がある。省エネ建築物の床面積のストックの比率のほうになりますと、2020年、2030年で半分とか、それ以上の改善をやれる可能性があります。ここで大事なのは、省エネももちろんそうなのですけれども、室内環境改善等にも資するということで、そういった快適な空間というものをつくるという意味でも、大事な対策だと考えています。
スライド35は、その次世代自動車のほうのストックがどういうふうに変更していくのだろうかということです。これも、自動車ワーキンググループのほうでご議論していただいているやつをこういう絵にしているのですけれども、2020年、2030年と見ていくと、乗用自動車のほうは、電気自動車だったり、ストロングハイブリッド自動車だったり、プラグインハイブリッド自動車というのが、例えば高位ケースだと50%近くに2030年はなるとか、貨物自動車・バスに関しましては、クリーンディーゼル自動車の割合というものがかなり大きくなっていくというようなことで、こういったことも、その良質なストックというものが、ちゃんと将来を見据えてやれば、ここまで普及するというものを示しています。
スライド36は、そういったものに一体幾らぐらいお金がかかるのか。皆さん、お気にされるところだと思いますけれども、それと、今回、ここではその省エネメリットだけですけれども、幾らお金が返ってくるとか、節約できるのだろうかというようなものです。低位、中位、高位で、2020年までを見ますと、33兆円から最大63兆円、これは10年間合計の数字ですけれども、お金が必要になると。一方で、2020年までは大体半分ぐらいの省エネメリットがあって、機器の中には、その2020年以降も稼働する機器がありますから、そちらのほうのベネフィットまで含めると、同等か、それ以上のその省エネメリットというものがあり得るというような試算になります。
スライド37は、それは2030年までを見たときにどういうふうになるかということで、低位だと約20年間考えて、85兆円とか、125兆円とか、153兆円が必要ですけれども、それが回収、2030年までの省エネメリットとか、2030年以降も稼働しているものについてメリットを見ると、こういうふうに、それを図式化したのがスライド37の右のほうにありますけれども、例えば先ほど言ったのは、そのDに当たるところで、2030年の例えば直近に設置したもので、10年寿命があれば2030年以降も稼働しますので、そちらのほうの回収額というものも考慮しているという意味になります。
内訳なのですけれども、スライド38に示しておりますけれども、すまい、乗用車、ものづくり、オフィス・店舗、物流、創エネ等で、大ぐくりにそれぞれ示しておりますけれども、大体見ますと、高位ケースで2020年まで見ると、すまいで24.4兆円とか、乗用車、ものづくりは7.1兆円、3.4兆円とか、オフィス・店舗だと18.5兆円とか、物流2.8兆円、創エネ6.6兆円とあります。2010年12月21日のときにも、これに近いものをご説明していますが、そこと比べてみますと、太陽光の値段が大分下がっていることだったりとか、あと、外皮性能向上と、オフィス・店舗で書いていますけれども、その断熱住宅の値段が、技術開発等によってかなり今は下がっていることだったり、系統対策についても、エネルギー供給ワーキンググループでご議論していただいているのを見ると、もうちょっと低くできる可能性があるということで、前よりも投資額というものが削減できるのではないかというような試算になっています。
スライド39は、先ほど全体の像でお示しした最終エネルギー消費の見通しと、先ほどご質問がありましたけれども、マクロフレームというのを2050年でやっていますが、必ずしもその成長と慎重シナリオというので想定しているマクロフレームが、マクロフレームワーキンググループで想定している五つの社会と一致しているわけではないですけれども、2050年にCO2排出量80%削減するときケースを技術ワーキンググループでも検討していただきましたけれども、最終エネルギー需要を見てみると、メイドインジャパン(MIJ)では、大体エネルギー需要が、2010年に比べて70%、つまり、30%削減。サービスブランド社会(SB)、資源自立社会(RI)、ものづくり総括拠点社会(R&D)のところは約50%、半分、わかちあい社会(Share)だと40%台で、60%削減となっています。あとは、エネルギー供給側の低炭素化で80%CO2削減を実現するというのを計算しています。今回試算したそれぞれのケースで見ると、例えば2030年で、慎重で高位ケースだと、20%以上の削減して、そのまま真っすぐ線を延ばすと、何となくどこかにぶつかるかなというところはあるのですけれども、成長で低位ケースを見ると、2030年で大体10%ぐらい、最終エネルギー消費量の削減なのですけれども、頑張ってMIJか、もうちょっと技術開発というのが2030年以降とか、その省エネ普及というのがないと、例えばSBとか、2050年に例えばエネルギー需要半減というものを目指すと、相当加速しないといけないというのが、これだけでも読み取れるのかなと思っています。
これが全体の今の様子ですけれども、では、各部門ではどういうふうなことになっているのだろうかということをお知らせしたいと思います。これは、基本的には各ワーキンググループでご議論されているものをこちらなりに整理したものですが、前のときも、我々がやっているAIMのシミュレーションと、各ワーキンググループの議論の関係性がわかりづらいというご指摘も何回かいただいているところもあって、そこをできるだけトライしてみますが、まだわかりづらかったら、またご指摘いただければと思うのですけれども、各部門の可能性について、こちらなりにまとめたものをお示ししたいと思います。
スライド42で、その各部門の範囲ですけれども、四つと、あともう一つ、エネルギー転換部門の五つを今回はお示ししています。すまい、家庭部門のものだったり、オフィス・店舗、業務部門だったりとか、移動・物流、運輸部門だったり、あと、ものづくり、産業部門、そして、創エネのところはエネルギー転換部門ですけれども、この五つについて、今まで各ワーキンググループで検討していただいたものに基づきながら、こちらなりに整理するとどういうふうなことが言えるかということをお示ししたいと思います。
まず、すまいですけれども、スライド43ですが、全体のポイントとしましては、伸び続けてきたエネルギー消費量も近年横ばいの傾向にあります。
対策の組み合わせによって、「すまい」が購入するエネルギー量というのは、2020年で2~3割減とか、2030年で3~5割減というふうにすることができるのではないかというのが試算です。全体の削減に対する太陽光や太陽熱利用の寄与というのは2割程度なので、残り8割は省エネに当たるということです。
「すまい」の省エネには「これだけやればよい」というようなシルバー・ブレット的なものはなくて、各用途におけるその省エネ対策を総動員することが大事です。
住宅の断熱化は快適性の向上とか、疾病リスクの低減につながりまして、QoLを高めるという試算結果、エビデンスについてもお示しします。
スライド44が現状把握です。これ、全体を見ると、世帯数は堅実に伸びているのですけれども、エネルギー消費量は、最近、特に90年以降、特に2000年代中盤から、ほぼ横ばい、そういう意味で、世帯当たりエネルギー消費というのは低減している、暫減している様子が見てとれます。用途別に見ますと、家庭では、暖房とか、給湯とか、動力というものが大分大きくなっています。エネルギー種別の内訳は、半分が電力になっていまして、灯油、LPG、都市ガスがそれぞれの割合を2009年では占めています。
何でそういうふうなことになっているかというので、スライド45ですけれども、世帯当たり、先ほどの用途別のエネルギー消費の推移というものを見てみますと、動力も、1965年以降、相当伸びているのですけれども、今は大体頭打ちになっているとか、給湯は、今、減少のトレンドにあるとか、暖房が、今、フラットな傾向あるとか、冷房は徐々に増えていますけれども、全体の量からすると、それほどないとか、そういったことが読み取れます。特に動力他のところですけれども、家電製品の世帯保有率の推移というものをずっと見ていくと、一部はもう頭打ち傾向にある。一部伸びているものもありますけれども、そういったものの組み合わせで、動力他というもののそのエネルギー消費量が出ていますが、こういう傾向にあります。
スライド46は、よく中上先生が言われていることですけれども、日本は、そうはいっても、全体的には世帯当たりの用途別エネルギー消費というのは大分少なくて、特に暖房のエネルギー消費量というのは少ないのではないかということで、今回、暖房の2020年、2030年の必要なサービス量というものは、そこを見直して、若干増やしたりとかしていますけれども、こういう傾向にあるということです。
スライド47は、「すまい」における省エネ・低炭素化に向けた現状の取り組みの状況なのですけれども、やはりこれは施策が入るということはとても大事でして、平成11年の断熱の基準がありますけれども、2006年までは徐々には入っていますが、ほぼ横ばいだったものが、2006年4月から省エネ措置の届出を義務づけしたりとか、2009年には長期優良住宅認定制度が入ったりとか、2010年からはエコポイントだったりとか、省エネ措置の届出対象を拡大することによって、確実にその適合率というものが高まっているということです。また、家庭用機器のトップランナー基準対象範囲というものを増やしているということで、先頭を、向上させることで、全体の効率を高めるというようなことに貢献しています。
スライド48は、そういったものが、我々は基本的に省エネとか低炭素という視点で対策を見ていますけれども、クオリティー・オブ・ライフの向上にどういうふうにつながるかというのを、これはもうまだまだ要素が足りないかもしれませんけれども、生活者とか、ベネフィットを受ける人、住宅供給者とか、地域とか、国~世界全体の軸と、あとは、生活の質の向上、安心・安全、生活の質、経済、環境という点で見てみると、こういうふうにも読み取れるのではないかというような例えとして出しているものです。例えば、生活者にとってみると、エネルギー途絶時の室内環境維持、また、エネルギー確保と、断熱、PVを入れることでできることというのは、これは非常に価値があるのではないかとか、または、住宅の高断熱化でヒートショックが低減することで、室内環境の改善とか、有病率の低下につながるのではないかとか、また、LED化しますと、寿命が1万時間とかになって、ほぼ取りかえなくてもよろしくなるので、特に高齢化社会とかを迎える中では、メンテナンス性向上に非常に貢献するのではないかとか、有病率が減ることで、医療費の節約、または光熱費自体も当然減っていくことだったり、住宅供給者としては、CSRの推進に非常につながっていったり、もっと大事なのは、住宅の不動産価値が向上していくこと。地域とか、その自治体とか、国とかで見ると、医療費というものは非常に大きいですから、それの削減につながるということで、公費負担減になるとか、または、そういった産業が活性化することで雇用が送出されると。また、国際競争力が高まる。一方で、省エネを進めることは、化石燃料調達に伴う資金流出の抑制になりますし、結果として、その温室効果ガスも削減されますので、いろいろな、これは本当に一例で、もっといろいろなメリットがあるかもしれませんけれども、こういうふうにも読み取れるのではないか。
具体的に、スライド49から、例えば「すまい」の省エネ・CO2削減に伴う向上する生活の質ということで、既に住宅・建築物ワーキンググループでお示しいただいていますけれども、断熱のいい住宅に転居をしますと、左に書いてあるような、その疾病にかかる割合というのが減っているというエビデンスがあったりとか、または、右に非常時の室内環境維持と書いていますけれども、平成11年基準以上の住宅にお住まいだった方は、例えば被災地で暖房が使えなくても、15度以上の室内温度というのを保つことができましたけれども、平成11年基準未満だったり、もっと悪い基準だと、もう場合によっては5度とか、ほとんど外温、外気と近いところにさらされて、そういう意味で、非常に健康にもリスクがあるような環境にいらっしゃったというようなことがわかります。
スライド50は、医療費等削減による公費負担減の可能性だったり、住宅の不動産価値の向上の点のエビデンスを示していますけれども、もし、特に断熱化とかで光熱費削減のみで考慮してしまうと、投資回収年数とか、30年近くかかってしまいますけれども、健康維持増進の効果だったり、さらに社会的な便益というものも見ていくと、その投資回収年数というのを短くすることができる。そこのバリューをどういうふうに具体的に評価して、政策に入れ込むかというのはとても大事ですけれども、それは、ひいては、優良なストックを普及させることで、全体の負担も減るし、エネルギーの必要量も減っていって、CO2も減るというようなことになるのかなと思います。そのときにもう一つ大事なのは、右の住宅の不動産価値の向上のところで、分譲価格が高くなり得るとか、購入者もそういうのを受け入れるというようなことが、制度的には後押しされることが大事で、これは特に東京都とかは既にやられていますけれども、そういったことは非常に大事だと思います。
そういったクオリティー・オブ・ライフの観点も含めつつ、スライド51ですけれども、その「すまい」における省エネ・省CO2を達成する手法を、技術ワーキンググループでご提示していただいた方法で対策を整理すると、こういうことが言えるのかなということです。満足度を改めて見直しするということについては、室内環境の目標水準を緩和したりとか、家電等の使用を減らすということが一つの例として挙げられると思います。具体的には、冷暖房時間、設定温度の緩和だったり、時間を短縮するような工夫だったりとか、照明の間引きは大分やられて、照度の抑制というのもやられましたけれども、または、手元照明にして、必要なところだけ照明をするというような方法もあるかもしれません。
少ないサービス量で満足度を得る手法としては、暖かさや明るさを低下させずに、機器が供給する冷暖房・照明の量などを減らすということで、自然採光とか、通風を利用し、自然の状況を取り込んだような家だったりとか、住まいのデザインというようなものだったりとか、HEMS利用によって、人がいない空間へのサービス供給を自動的に削減する対応だったりとかというのがあるのかなということです。
次の少ないエネルギーでサービスを生み出す手法としては、これはもうLEDとか、3.11以降、相当販売されましたけれども、そういった高効率機器の導入でエネルギー消費量を削減することだったり、最後のエネルギー消費量当たりのCO2排出を減らす手法としては、CO2、強度の低い原単位の小さいエネルギー源の割合を高めるというようなことになります。
具体的に、スライド52ですけれども、家の中の「すまい」というもので、サービス種を、例えば涼しさだったりとか、暖房だったりとか、明かりだったり、家事・娯楽・情報だったりとか、または、創エネ・スマートメーターという項目も挙げていますけれども、そういったもので見直したときに、どういうのがあり得るのかというので、先ほど式で示したものを表にしたものです。対策の方向性、それぞれこういう方向性があるのではないかということです。
右がその考えられる主な対策で、こちらのほうも、もっともっといろいろなものがあるかもしれませんが、今のところ、こちらで用意できているのはこれなのですけれども、この中で、特に今回、試算の中で組み込めたというのが、チェックが入ったところについては、試算の中で入れています。省エネ住宅だったり、HEMSだったりとか、エアコンの効率改善だったり、特に今までずっとやってきた3のエネルギーをサービスで割ったものについては、こちらも今までの情報があるので、試算に組み込みやすいのですけれども、特に1とか2になっていくと、なかなかエビデンスがないところもあるので、十分に組み込めていないというのが状況です。
スライド53は、それをさらに冷房と暖房、涼と暖のところで、どういうふうな施策を入れて、それぞれ、低位、中位、高位で、どういうふうな割合になっているかというのを、その住宅・建築物ワーキンググループでもご議論していただいた数字を示しています。例えば、ここでは省エネ住宅とHEMS、エアコンの効率改善というものを特に取り込んでいますけれども、それを後押しするための主な施策として、省エネ住宅の普及促進には、平成11年基準相当への新築時適合義務化だったりとか、それを推奨基準相当への新築時適合義務化とか、ラベリング取得の義務化とか、機器のトップランナー基準とか、トップランナー基準の拡大・継続的見直しとか、サプライヤーオブリゲーションとか、そういったものが2020年から2030年にかけて、許可されていくというようなことで、下に示したような適合率だったりとか、エアコンの保有効率だったりとかというのが実現し得るのではないかというようなことです。
スライド54のほうは、これは「湯」、給湯のほうの対策として、高効率給湯器と太陽熱温水器を項目として入れていますけれども、それが、それぞれの施策と、それによる対策の普及率というのが、こういうふうになり得るのではないかというようなものになります。
スライド55は、それは「明」・「家事・娯楽・情報」、つまり、「動力他」という言葉で書いていますけども、そういうものでやったときに、HEMSだったりとか、高効率照明だったり、高効率家電機器だったりとか、そういったもので、どういうふうなその施策による後押しだったりとか、普及率、または全体の効率がどういうふうに向上するかというようなものを示しているものです。
スライド56は、「創エネ・スマートメーター」で、家庭の部門、家の中でやり得る、系統電力等は除いたもので、例えばHEMSで5~15%、需要を減らせ得るのではないかとか、太陽光発電を入れることで、家の中でつくった電気を自分たちが使うことだったりとか、そういったものが、それぞれの政策の強度によって入ってくるのではないかということです。
スライド57が、それを全部まとめた「すまい」における対策導入量の結果になります。冷暖房から再エネまで、ずっと書いていますけれども、こういうふうな数字に基づいて計算しています。
スライド58が、それを結果としてまとめたものになります。最終エネルギー消費量というものが、今、2010年ですと、5,600万キロリットル家庭では使っていますけれども、それが2020年、2030年になるにつれて、2010年と比べると、例えばこの成長ケースの低位でも18%とか、高位になると26%、2030年だと、低位で29%、高位で42%とか、家庭部門である「すまい」ではエネルギー需要を削減し得る対策というのが、全部は、これ、先ほど示しましたように、数字で表せるものしか入れていませんけれども、かなり可能性があるということです。
スライド59は、そのエネルギー削減量の内訳になります。下から、住宅外皮性能の向上、断熱化だったりとか、HEMS、空調機器、給湯機器、照明、家電、厨房、太陽熱、太陽光と書いていますけれども、その太陽光と太陽熱というものが占める割合というのは2割以下で、やはりそれ以外のところの省エネ機器の効率の向上だったりとか、あと、住宅外皮性能の向上だったりとか、そういった省エネというのが本当に大事なところで、逆に、ここがマーケットになり得るのかなというようなことが見てとれます。
スライド60のほうは、「オフィス・店舗など」業務部門ですけれども、家庭部門にも大分近いのですけれども、ポイントとして五つのことを挙げています。エネルギー消費量、近年、横ばいだったりとか、対策の組み合わせで「オフィス・店舗」などが購入するエネルギー量というのは0.5~2割減とか、2030年で1.5~4割減というふうにでき得る。太陽光、太陽熱の寄与度は、先ほどと似ていますが、2割程度と。4番、5番も、先ほどのやつに比較的近いことです。
スライド61が、現状の把握ですけれども、こちらも、その世帯数に近いですが、床面積は確実に増えています。一方で、エネルギー消費量は、特に2006年以降、減少傾向にあって、それに伴って床面積当たりのエネルギー消費というのは減少傾向にあります。用途別は「すまい」に比べて動力がかなり大きな割合を占めています。電力の割合は、「すまい」よりは少し少なくて、都市ガスの割合が多くなっているのが「オフィス」の特徴です。
スライド62は、その内訳のことを示しています。暖房とか給湯というのは確実に下がっていって、一方で、冷房、厨房は少しずつ微増していますけれども、動力他の割合が非常に大きいことが見てとれます。また、床面積でどこが伸びているかということについても、その事務所ビルだったり、卸小売というところが非常に多くなっていて、ほかのところの傾向は、図に示してあるとおりです。
スライド63で、その「オフィス・店舗など」の省エネ・低炭素化に向けた取り組みの状況ですけれども、こちらも、やはり政策というのは非常に大事になっていまして、省エネ措置の届出を義務づけするというのを2003年4月から入っていますが、それに伴って、オフィスのほうは、それでもまだ、入る前も50%とか適合率はありましたけれども、それが70%に上がっていったりとか、2010年4月に届出対象を拡大するということで、かなりの割合の新築建築物がよい省エネのその断熱基準のものになっているということです。右にその建築物の照度に関するアンケート結果というものがありまして、今、照度の見直しというものが、今夏というか、この前の夏の節電ということもあって行われて、来夏も継続的に行う可能性が高いというようなアンケート結果が出ています。
スライド64は、「すまい」のところでもお示ししましたけれども、そういった対策が省エネ・CO2削減とともに、生活の質をどういうふうに向上するのだろうかというようなことを示しています。エネルギー途絶時の室内環境維持、エネルギーの確保とかは先ほどと同じですけども、室内環境の作業とか、作業効率を向上するという意味で、その生産性を高めるのではないかとか、また、テナントの入居率というのが増加につながるのかどうかとか、建築物の不動産価値の向上に有効になるとか、または、災害時の拠点確保という意味でも、よいオフィスがあって、それがある程度の自主電源というか、確保できるエネルギーだったりとか、空間を持っているということも、大事になり得るのではないかとか、これも本当にまだやりかけのところですけれども、ここら辺もうまく組み込んで、クオリティー・オブ・ライフを高めるということも含めたオフィスの省エネだったりとか、CO2削減の対策の効果を見ていけたらと思っています。
スライド65は、それの具体的な例で、室内環境の改善とか、作業効率の向上として、執務・居住環境が向上する、つまり、知的生産性が向上することのベネフィットというのを、カーボンマイナス・ハイクオリティタウンという研究会のほうで調査報告書が出されています。ここら辺は、なかなかその価値判断が難しいところですけれども、頑張って定量化して、示していただいています。建築物の不動産価値向上についても、いろいろな調査が国交省のほうで行われていまして、やはりここら辺の効果をきちんと見ていくことが大事だなと感じています。
スライド66は、技術ワーキンググループで示していただいた方程式を、今度は「オフィス・店舗等」に対応したときにどういうことが言えるのだろうかということです。満足度を改めて見直すという項目では、室内環境の目標水準の緩和とか、動力機器、OA機器等の使用を減らすことだったりというのが、全体として言えるのかなと。少ないサービス量で満足度を得る手法については、その暖かさや明るさというサービスを低下させずに、機器が供給するその冷暖房、照明の量を減らす工夫として、下に挙げたような具体的な手法というのがあり得るのではないかとか、少ないエネルギーでサービスを生み出す手法としては、効率向上の対策がいろいろあるのではないかと。エネルギー消費量当たりのCO2排出を減らす手法については、ここでも太陽光なり、太陽熱なり、地中熱みたいなものもあるかもしれませんけれども、そういったものをどういうふうに入れていくかということです。
スライド67が、「オフィス・店舗等」における主な対策を、こちらでわかる範囲でリストアップしているものです。こちらでは、その照度の抑制というものが、来年度、この次の夏のときにも、事業所で検討されているということもあって、そちらのほう、満足度の項目で入れています。ほかの項目も、示しているような技術を入れています。
スライド68は、では、それをその冷房とか暖房のほうで見ていくとどういうふうなことになるかということで、省エネ建築物、BEMS、空調機器の効率改善・普及拡大、こちらのほうの要素をどんな施策で入れることで、どういうふうなその割合になり得るかというような結果をお示ししています。
スライド69は、その給湯のほうになります。給湯も、いろいろな対策がありますけれども、ここではBEMSと、高効率給湯器の導入、太陽熱温水器のこの三つを含めて入れています。
スライド70は、「明」とか、「業務・情報」のところですけれども、ここで照度の抑制として、エネルギー消費、今までに比べて約25%減につながるのではないかというような想定を置いています。あと、BEMSと、高効率照明の導入とか、高効率動力機器の導入とかを入れています。
スライド71は、その「創エネ+スマートメーター」の部分になりまして、太陽光発電の効率向上とか、太陽光発電の導入とかを入れています。満足度のところで、その特別の料金契約に基づく電力逼迫時の強制的調整というか、そういったものは、北九州のほうでスマートコミュニティの事業で、ダイナミックプライシングの実験等もこれから始まると聞いていますけれども、まだ、幾つか、いろいろ事例をやられているのは承知はしているのですけれども、そこまではここでは入れていません。そういったものを全部まとめたものとして、スライド72にお示ししたような対策導入量というものを「オフィス・店舗」のところで想定しています。それをエネルギー消費量というもので計算すると、スライド73のようになります。オフィスのほうでは、その最終エネルギー消費量、成長ケースでも、2020年では3%とか、10%とか、13%ですが、2030年まで見通すと、9%とか、23%とか、30%削減とか、家庭ほどではないですけども、オフィスでも、それなりの削減の余地が、2010年に比べてあるのかなというのが試算の結果です。
スライド74は、それの慎重ケースのほうで、慎重ケースだと、オフィスの床面積のほうが少し少なめに見ているところもありますけれども、少し削減の上積みがあるのかなということです。
スライド75は、その内訳になっていまして、こちらも、その「すまい」のところと近いですけども、太陽光とか太陽熱の寄与度というのが大体2割程度で、それ以外の8割が、やはり住宅のその性能だったりとか、機器の効率になりますので、そちらのほうでいいものをつくって、普及させていくことがとても大事だということです。
スライド76から、今度は運輸、移動・物流のほうになります。移動・物流のほうも、エネルギー消費量は、近年、減少傾向にあります。対策の組み合わせで、必要なエネルギー量というのが成長シナリオで2020年で10~14%とか、2030年で25~34%、慎重で12~17%、29~37%というようなことです。そのときには、乗用車の中で次世代自動車が入っているものがかなり増えていくということです。また、重量車についても、そういった性能のいい車の割合が増えています。これは自動車ワーキンググループの資料でもありましたが、エコドライブというものは、交通事故低減につながったりとか、また、次世代自動車は災害に強い自立拠点とか、電力需給調整の担い手になり得るとか、そういった省エネ以外のベネフィットもあるということです。
スライド77は、その全体の傾向ですけれども、エネルギー消費量自体が、今、旅客輸送量はほぼフラットですけれども、消費量は減っているということが見てとれます。右のほうは、その輸送手段別の内訳で、自家用乗用車の割合が多いことが見てとれます。燃料も、ガソリン、またはジェット油、軽油とか、そういったものが多くなっています。
スライド78は、物流のほうになります。物流のほうも、各企業の大変な努力もあったりして、全体に削減傾向にあります。2007年、2008年以降は経済危機等もあったので、それでも減っているところもありますけれども、全体としては、効率向上のほうにずっとつながっているというのが見てとれます。
スライド79は、そういった移動・物流というのが、その省エネ・CO2以外の削減とともに、どういうふうなベネフィットを生み出すのかというものを、こちらなりに整理したもので、こちらについては、是非、もっとこういうのがあるのではないかというのを教えていただけたらと思いますけれども、例えば非常時の電源供給機能というものが次世代自動車で提供できるということは、今回の被災だったりとか、そういったものに対しても非常に心強くなるかもしれませんし、それが災害に強い自立拠点とか、電力需給調整という、また違う側面での貢献ができるのではないかとか、または、次世代自動車で、静穏性とか加速性がよいものは運転環境が向上するとか、交通事故がまた低減していくことだったり、プローブ情報、GIS、GPSだったりとか、そういった情報をうまく使いながら、その渋滞の全体的な緩和になり得るとか、または、カーシェアリングすると、駐車スペースの削減につながったりとか、そういったいろいろなベネフィットというのが、その自動車だったり、移動・物流のほうの対策であり得るのではないかということです。
スライド80は、それのクオリティー・オブ・ライフを高める例の一例ですけれども、まず、大気質の改善で、NOxとかHC、COの排出がすごく少なくなるとか、それぞれのことだったり、右のほうは、EVとか、ハイブリッドビークルとか、プラグインハイブリッドビークルとかは、非常時の停電対応として期待され得るということだったりです。
スライド81のほうは、そのエコドライブが燃費向上だけではなくて、交通事故の減少につながるということで、これも非常に重要なエビデンスだと思いますけれども、そういうことだったり、右側は、そのカーシェアリングによって、全体的に走行量の減少にもつながったりとか、あと、空間をもっと有効に使えるようになることだったりというようなことがあります。
スライド82は、そういったものを、また技術ワーキンググループで提示していただいた式に合わせながら、どういうふうなことになり得るのかというようなものを整理しているものです。人の移動量、物の輸送量を減らすいうことで、テレビ会議とか、移動を伴わないで目的を達成する方法の検討だったりとか、または、少ないサービス量で満足度を得る手法として、目的地までの移動にかかる道のり・時間を短縮するような工夫で、その交通量対策だったりとか、公共交通機関の効率を高めることだったりとか、少ないエネルギーでサービスを生み出す手法としては、やっぱり燃費改善だったり、そういったものは大きくなっています。
スライド83が、では、具体的にどの対策を入れたのかというところになります。カーシェアリングだったりとか、自動車燃費改善だったり、バイオ燃料だったり、そういったもので、ちょっと交通流対策とか、特に地域ワーキンググループ等で検討していただいている部分については、十分にまだうまく組み込めていない点もあります。
スライド84は、具体的に「人の移動に伴う自動車利用」について、どういう対策を入れたかということです。カーシェアリングだったり、あと、燃費向上、次世代自動車の普及、エコドライブ、バイオ燃料というものを入れています。
スライド85は、その物流に伴う自動車利用ということで、右にチェックを入れたような項目を入れて、下に示したような施策で後押しをして、普及率を実現するということです。
スライド86は、その次世代自動車のエネルギー効率の比較というものを、自動車ワーキンググループで取りまとめていただいている主張を示しています。電気自動車、その燃費で二次換算ベースというか、電気を使うという点だけで見ると、ほかの例えばガソリン自動車に比べて5倍の効率になりますけれども、電気をどうやってつくっているかというところで、その電力の効率が3割、4割ぐらいだというふうに見ますと、ちょっとその燃費のよさというところが相殺されてしまいますけれども、全体としてこういうような傾向になっています。
スライド87は、「移動・物流に伴う鉄道・船舶・航空利用」のところになっています。ちょっと船舶、航空の施策のところ、間違えて記入していまして、次回のときに訂正して出しますけれども、それぞれ、こういうような対策というものが、特に効率改善をここで扱っていますけれども、できるのではないかということです。
スライド88は、最初に示しましたストックの変化になりまして、確実に実行していくと、2020年、2030年に、かなりの自動車の割合が、その次世代自動車になり得るのではないかということです。ただ、これはちゃんと施策を入れることが大事です。
そういうのを全部積み上げて、具体的に「移動・物流」のところで、どういうエネルギー消費量になっているのか。スライド89に示していますけれども、最終エネルギー消費量、成長シナリオのほうで見ますと、2020年で10%とか、12%、14%とか、2030年で25%、30%、34%とか、そういったような削減というのができ得るのではないか。慎重シナリオでも、比較的近いと。もうちょっと上積みしたような数字ができるのではないかということです。
スライド91は、では、どういうふうなものでやるかというところで、今回、この範囲でやっているところでは、その単体対策の効果というものが非常に大きいというところです。ちょっとそういう意味で、交通流対策とか、コンパクトシティにして、それで、その輸送量自体がどうなるかという、輸送量の中にも一部勘案していますけれども、そこら辺のエビデンスというものは、もうちょっとこれをうまく組み込みたいなとは思っているのですけれども、定量化というところで、かたく定量化しようとすると、なかなかまだ難しいところです。
スライド92は、その産業部門、ものづくりのほうになります。ポイントを三つ書いていますけれども、スライド93のほうで現状把握の数字をお示ししますと、ほとんどフラットになっていると。リーマンショックに伴って、消費量が2008年、2009年で減少しているところはありますけれども、全体としては、ほぼフラットです。業種別の内訳を見ると、化学のエネルギー消費量、特に石油ですけれども、多いのですが、半分以上は非エネルギー利用というか、原材料利用になります。そういう意味で、エネルギーの利用という意味だと、鉄鋼、化学、紙パルプ、窯業土石というものが多くなっています。
スライド94は、その「ものづくり」のところ、単純にプロセスイノベーションというか、製造の過程だけ見てしまうと、なかなかベネフィットが出てきませんので、低炭素ビジネスワーキンググループの検討等を参考にしながら、つくったものがどういうふうにバリューアディット、生み出していくかというのを、全体図を示したものです。これもクオリティー・オブ・ライフのところと組み合わせながら、もうちょっとうまく書けたらと思っています。
スライド95は、その「ものづくり」のほうでどういうふうな対策を入れているかというところで、こちらのほう、サプライチェーンマネジメントとかもありますけれども、数字として入れ込んでいるのは、4と3のところになります。対策として、いろいろな施策があり得ると思いますけれども、主な対策の定量的な結果としましては、鉄鋼業、窯業土石、紙パルプだったり、化学のところについては、ヒアリング等で教えていただいて、ここまでできるというものを入れ込んでいます。
スライド96が、具体的なその数字のところの、どういう技術でやっているのかというものを示している資料です。
スライド97が、「ものづくり」、産業のところのエネルギー消費量全体はどうなるかというところで、見ていただきますと、大体2020年、2030年と、ほとんどフラットになっています。成長シナリオだと、若干そのエネルギー消費量が増えるのかなというようなことです。
98ページ目の慎重シナリオのほうでは、若干減少傾向はありますけれども、そのほかの家庭だったりとか、オフィスだったりとか、運輸だったりとか、そういうところに比べると、削減率というのはあまり大きくないです。
スライド99は、どういうふうな削減の量があるのかということをお示ししています。
スライド100ページ目のところで、創エネというか、エネルギー転換部門、ここは主に、今の時点では再生可能エネルギーのところを示しています。
スライド101で、それがクオリティー・オブ・ライフにどういうふうにつながるかというところで、例えば非常時のエネルギー確保になることだったり、エネルギー自給率の向上ということになったりとか、セキュリティーの話が非常に重要と出ていますけれども、そういうのにつながることだったり、または、地域の活性化とか、地域に根差したエネルギービジネスというものが発展する可能性があるとか、それに伴って雇用が創出されると出ています。これも本当に一例ですけれども、そういったベネフィットもあるのではないかということです。
スライド102は、「再生可能エネルギー」のほうの施策・対策で、これもエネルギー供給ワーキンググループで議論していただいているものを、先ほどの方程式で整理したら、こういうことになるのかなということになります。
スライド103は、既に示しましたけれども、再生可能エネルギーの導入見込量がこういうふうになるのかなということです。
スライド104のところは、想定した再生可能エネルギー発電というのが、自家発を除く発電電力量の中でどういう割合を占め得るのかというのを示したものになります。それが、スライド104は成長シナリオで、スライド105は慎重シナリオのものを示しています。
えらい長い説明になってしまって、申し訳ありませんが、最後、まとめのところになります。107ページ目で、今回、行ったことになりますけれども、その経済成長や、対策・施策の強度について、複数のシナリオやケースを設定し、それぞれについて、2020年、2030年におけるエネルギー需要量というものを推計しました。数字は、一番最初にお示ししたところになりますけれども、例えば2020年で3~6%とか、6~9%とか、7~10%とか、10%弱ぐらいのところ、2030年だと、10~15%とか、15~21%、18~23%とか、20%前後ぐらいの削減率というものが、今の段階の試算で実現し得るのかなということです。再生可能エネルギーの電力が発電電力量に占める割合というものもお示ししました。
部門別で見ますと、やはり「すまい」、「オフィス・店舗」が、かなり削減の割合、貢献し得る部分が大きいのかなと。「移動・物流」についても、そういう部門が大きいかなと。それによって、クオリティー・オブ・ライフを高めることもあり得るのかなと。「ものづくり」のほうは、ほとんどフラットなのですけれども、プロセスイノベーションのところで技術革新とか、業種横断的な技術の開発というものが非常に大事です。
スライド108ですけれども、あと、お金がどうなるのかということもお示ししましたけれども、大体その必要な追加投資額というものが、33兆円とか、49兆円とか、63兆円とかになりまして、ただ、半分は、その同じ期間内で省エネメリットで回収され、さらに、それ以降に、例えば2030年まで見ると、ほとんど投資額と同じメリットがあり得るのではないかと。2030年についても試算しました。それがクオリティー・オブ・ライフにどういうふうに向上し得るのかということについて、各ワーキンググループで取りまとめていただいている知見を踏まえながら、整理しました。「すまい」のほうは、住宅の断熱化で快適性向上をすることだったり、その疾病のリスクを低減することだったりとか、オフィスは、知的生産性向上につながったりとか、災害の拠点になり得るとか、そういったようなベネフィットがあり得る。「移動・物流」については、交通事故の低減だったりとか、次世代自動車が新たな電力の供給源になり得ることだったりとか、「ものづくり」のほうは、そういった「すまい」とか「移動・物流」で必要となる要素というのをつくり出すところで、グリーンプロダクトを供給するということになるのかなということです。
最後、109ページ目で、次回までに行うことですけれども、今回は、見ていただきましたように、エネルギー需要が、まずどういう需要が必要なのかということと、省エネ対策等を行うことで、どれぐらい削減し得るのだろうかというところまでをお示ししたのですけれども、次回、その基本問題検討委員会で検討されている原子力発電に係る選択肢というものも踏まえながら、2020年、2030年における全体の数字というものをお示ししたいと思っています。そのときに、その複数のエネルギーや、その温室効果ガスの見通しに対して、それぞれ定量的に評価するための素材を提示することで、評価軸の話も大分出ていましたけれども、そういうようなご議論の参考になるものをご提示したいと思っています。ちょっと長くなって、すみませんけれども、以上です。

西岡委員長
どうもありがとうございました。1月30日だったかと思いますが、細野大臣が来られて、今、日本を世界一の省エネ国家にするように考えてくれという話がありました。それに対応した作業だったと思います。
それから、この作業は、もちろんモデルのほうの作業もございますけど、それのベースになっているのが、ワーキンググループのほうの皆さんにやってもらったこともあるかと思います。今後、今日、これから質問を受けたり、コメントを受けたりしますけれども、作業に加わった委員も、適宜ご応答になればという具合に考えております。
それでは、皆さん、ご意見、コメントがございましたら、どうぞ、皆さん、札を立てていただきまして、全体として、約1時間弱と申し上げますけど、そういうお時間をいただいておりますので、その中でうまくやっていきたいと思っております。

渡邊委員
ありがとうございます。一つ、固定価格買取制について、ちょっとお伺いしたいのですけれども、いろいろなところに対策として、ずっとバーが引いてあって、2030年ぐらいまで引いてあると。たしか、エネルギー供給ワーキンググループか何かで、非住宅だと28年ぐらいまで続くような絵が描いてあったのですけれども、固定価格買取制が、国民負担ということとか、将来世代への借金みたいな考え方ですると、なるべく短いほうがいいだろうと思いますし、海外では見直しはされているということを考えて、藤野委員が書かれているように、このモデルというのは、対策・施策の強度に応じて、どう反応するかというのをモデル自身はやるということだということなので、例えばある程度、固定価格をやった後に、そこで打ち切ったときと、それから、さっきみたいに28年まで続けた場合と、再生可能エネルギーの普及にどれほどの効果があるのだろうかというのが、もし検証できたら、教えていただきたいなと思っておりまして、例えば固定価格買取制があれば、そのパネルメーカーなんかも、削減のインセンティブは薄いのでしょうけども、もしそれがなければ、今のテレビのように、一気にパネルの価格は下がるかもしれないということからすると、そういうことも加味して、是非検証していただければと思いますが、宜しくお願いします。

藤井委員
一つは、27ページのところです。それ以外にも随所に出てきますが、満足度の評価のときに、コスト評価というのをされているのかどうかということです。例えばテレビ会議を導入すればいいということを書いていますけども、そのコストはどうなのか。もちろんそれによって出張費が減額されるということはありますけれども、そういったことを踏まえて書かれているのかどうかということをお聞きしたい。
それと、基本的なことを今さら聞くのは何なのですが、この高位という評価のレベルはどうなのか。つまり、説明によると、初期投資が大きくとも、社会的効果を、効用を勘案してやるということなのですけども、高位をやった結果が、どれぐらいの水準になるのか。つまり、25%削減ということにつながるのかどうか。25%を中期目標とすることは、まだここでは正確には決めていないわけですが、本来、政策を推進していく上において、2050年が80%と言っているわけですので、中期目標についても政策的にどこまでやらなければいけないという水準と、技術的に可能な、徹底的にやった上での可能な部分とのレベルとは、必ずしも同じではないと思うのです。その差が出てくると思うのですけども、そこがないと、技術的にできるということを言って、これが目指すベストですよといっても、実は、もっとやらなければいけないかもしれないというところがちょっと見えない。そこの辺を見せていただきたいなということです。
それから、37ページのところです。ここで省エネメリットの評価の部分において、光熱費の削減以外の、たとえば資産の価値のアップとか、あるいは、フィードインタリフをやった場合の売電収入とかが考えられますが、ここでカウントされている省エネのメリットというものには、そういったことも入っているのかどうか。この3点をお願いいたします。

藤野委員
どうもコメント、ご質問、ありがとうございます。まず、1点目の固定価格買取制度を途中でやめてしまったらどういうふうなことになるかなのですけれども、これは、恐らくあと経済モデル等も使いながら、そこの影響も評価しないといけないので、ちょっと経済モデルの担当者とも相談しながら、どういう効果を分析できるか。ただ、再生可能エネルギーの買い取りの値段を変えるということで、試算できるかもしれませんけれども、ちょっとそこは検討してみます。
2番目が、藤井委員からいただいているご質問、コメントのところで、満足度の評価で、コスト評価はしているかどうかなのですけれども、今回、満足度で含めているのが、その照度の基準の見直しというところと、あと、カーシェアリングのところで、カーシェアリングはコスト評価はでき得るかもしれませんが、ちょっと現時点では、そこまでまだ入れていないというのが答えになります。
あと、どこまでやらないといけないのかというのと、技術的にどこまでできるかというところの、もうちょっと見えてこないと。どこまでやらないといけないのかがわからないというご質問ですけれども、これは、次回のときに、CO2の削減量も含めた数字をお示しする中で、多分見えてくるところで、楽しみに待っていてくださいというと、ちょっと自分の首を思い切り絞めるような気がするのですが、ただ、状況は多分厳しいかなと思っていますけれども、そちらも含めて見ていただいて、判断していただけたらと思います。
最後、投資のほうのところで、資産の価値、向上とか、ベネフィットを含めているかというところなのですが、そこはエネルギー削減のベネフィットしか見ていないので、いずれ、そういうのも含めた評価ができたらいいなと思っています。どうもありがとうございました。

伴委員
3点ほどご質問したいと思っています。スライドの36と37のところに、投資と、そのメリットという、これが数値としてはっきり出されておりまして、私も非常に参考になるわけですけど、ただ、問題なのは、投資というのはある時点でするわけですけど、将来のメリットというのは、長期にわたって得られるもの、したがって、経済的に言うと、それは何らかのディスカウントレートを使って、ディスカウントしなければいけない。聞きたいのは、ディスカウントレート、すなわち割引率をどの程度にしているかを少しお聞きしたいと思っています。
同じスライドに関連することですけども、工学的な人は投資回収と言うのですが、投資したものが10年間で廃棄されるという前提が置かれているわけですが、現実に家電とか、給湯とか、その辺はわかるのですけど、太陽光とか、いろいろなものは10年以上の寿命を持つときに、10年で切ってしまうと、それ以上の寿命を持ったものは、ある意味で、ただで提供できることになってしまうので、そうしたときには、本当はメリットというのがもう少し出るのではないか。10年ということに区切った理由と、それを延ばしたときに、このメリットがどういう形で変化するかを、経済モデルをやっている立場からすると、技術モデルの中でどういう形で出てくるのか、少し知りたいと思っています。
3点目は、電力に関してなのですが、今回、いろいろなケースで見たときに、発電電力量というのがあまり減らないというのが非常におもしろくて、結局、エネルギー消費の中で何が一番減るかというと、石油ですかね。多分ガスもそうかもしれないのだけど、家庭とかオフィスなんかは、直接燃焼するものが随分下がっていて、電力に関しては、大体どこも、「すまい」もそうだし、「オフィス」もうそうなのですが、あまり減っていない。ここのところが少し、今、経済モデルでやっているときに、少しあれっと思うところがあるわけであります。
というのは、ここの電力というのは、ずっと前から議論していますが、原子力発電をどうするかという問題が、非常に今、重要になっていて、これと同じ結果を出そうとすると、原子力発電は大体今のまま、はっきり言えば、3,000億キロワットアワーでずっといけば、このシナリオは出てくるのですが、これを例えば30年までにゼロにするとか、あるいは20年までにゼロにするとか、いろいろなケースが、今、出ていますが、こうしたときに、やはりその電力料金は必ず上がります。電力料金が上がることで、電力の需要も抑えられるし、同時に、私のモデルの場合は、再生可能エネルギーというのがペイできるようになりますから、出てくるという。そういうことを考えたときに、本来は、いわゆる節電あるいは再エネの増加ということを考えたときは、もう少しこの発電電力量というのは低下していくのではないかと思います。発電価格が高くなれば、先ほどから言っていますけど、例えば給湯とかいうのに灯油を使うのではなくて、電力という形をここでは考えていますが、電力料金が高くなれば、また灯油に戻る可能性も高い。その辺のところが、少し経済モデルをやっている立場からすると、随分違ったシナリオをここで報告せざるを得なくなるかもしれないということをちょっと申し上げたいと思っています。

則武委員
ワーキングのときに言っていないといけなかった点もあると思うのですけど、ちょっと、重なってしまって、申し訳ないかもわからないです。
まず、18ページなのですけれども、グリーン成長国家のところに資源循環は入れるべきではないかなと思うのですが、資源循環をかなりやることによって、素材生産とかの部分を抑えるとかという考え方も必要なのではないかなと思います。
それから、38ページのところに、産業のところはほとんど何も書いていないのですけれども、それはどうなっているのかなと。全体として、産業部門に関して、あまり十分に書かれていないような気がして、ものづくりのときに言っていないといけなかったのかもしれないですけれども。
それから、68ページなのですが、これは「すまい」とか建物、両方に関わると思いますが、平成11年基準相当への新築時適合義務化というのは、これはいつ実施するのかというので、大分変わってくるのかなという点があるのかと思うのですが、いつからになっているのかと、それと、その中で、推奨基準というものの義務化も、これ、いつからするのかというのが影響してくるのかなと思います。それはどうなっているのか、教えていただければと思います。
それから、「オフィス・店舗」の対策のところで、73ページなのですけれども、一番上の動力他というところが減らないという形で、どちらかというと、増えるという形になっているのですが、それに対しての対策というのが、その上の72ページを見ても載っていないようにも思います。特にオフィスに対して、現時点では、OA機器は使っていないときも、ほとんど電源が入っているというような状態になっていたりとかということがあるので、この動力他というところは、減らすことが可能なのではないかなというふうに思います。
それから、ちょっと幾つもあって申し訳ないのですが、96ページ、「ものづくり」のところなのですけれども、まず、パルプ紙とかに関して、ちょっと理解不足かもしれないですが、これは、現時点で一番進んでいるのはドイツだというふうに聞いているのですが、これはドイツ並みのレベルになるという想定にはなっているのかなというのを、ちょっと教えていただければと思います。
それと、その次の97ページの機械のところ、最終エネルギー消費量の機械の部分なのですが、これが90年から2010年までは増えていないのが、2020年、2030年と、増えるということになっていくのですが、この辺は何か対策も必要だと思うのですが、現実には、英国のCRCのような制度で価格づけをして、下げるというようなことをやれば、結構下げられるのではないかなと思います。以上です。

藤野委員
どうもありがとうございます。まず、伴委員のほうの投資のメリットの評価なのですけれども、現時点では、ちょっとディスカウントレートを考慮せずに、もう実数として、どれぐらい効果があるかというような計算をしています。もちろんディスカウントレートを考慮すると、将来の部分が目減りしますので、効果が薄くなるということが予想されます。
それから、あと10年以降も動く機器があるのではないかというので、まさしくそのとおりで、例えば高断熱住宅とか、30年とか寿命があるものがあるので、そういうのも見込むと、もっとそのメリットは出てくるのですけれども、ここでは、その計算の都合というか、ただ、大概の機器については10年程度のものも多いので、例えば2020年までの投資については、2030年までのメリットの範囲で見ていますけれども、含めると増えることは予想されます。
あと、その電力が、エネルギー需要自体、減少の傾向で、電力だけあまり減らないというところなのですけれども、やはり非常に大きな傾向として、電化が進んでいるというのが全体のトレンドとしてあった中で、あと、電力機器の省エネの性能の向上というものが、比較的見込めるところもあって、電力のほうのシェアというのが、比較的増えるのかなというのが、ずっと描いているのですけれども、その原子力とのバランスというのか、その供給ができるのかどうかということについては、まさしく、次回のときの試算としてお示ししたいと思っています。
あと、則武委員のほうから、例えば18ページ目で、成長の絵の中で資源循環、確かにそのとおりなので、検討したいと思います。
あと、投資のところで、産業のところの数字というのがあまり入っていないのではないかというところで、最後のところにも近いですけれども、今回、産業のほうで取り入れている対策というのが、そのエネルギー集約産業の主要4業種のところと、あと、横断的な対策は入れているのですけれども、ちょっとそれ以外のところについては、こちらのほうでデータをうまく把握できていないところもあって、あまり入っていないということと、あと、機械のところは、省エネ機器だったりとか、そういったものをつくっていくという、逆にマーケットを提供していくところになると思いますので、GDPの伸びの中で、その機械産業の割合というのが増えていくというところで、エネルギー需要も増えていくというような想定になっています。
戻って、断熱基準、いつから入るのかというところで、こちらとしては、できるだけ早く入れていただかないと、そのシェアが増えませんので、政策の実現可能性の中で、できるだけ早く、もう既に検討されているという話もありますけれども、入るというのは想定です。
「オフィス・店舗」で、動力他も減らせるのではないかというところで、確かにそのとおりで、ちょっと書き切れていないところもあったのですけれども、スライド70のところで、例えば高効率動力機器の導入とか、そういう要素も一部含めて、検討はしています。
あと、「ものづくり」で、ドイツ並みの対策を入れているのかどうかというところなのですけれども、先ほどの答えに近いのですが、基本的には、主要4業種と、あと、建設、農業も一部入れていますけれども、例えば京都議定書の見直しの対策だったりとか、そういう過程も踏まえて、ずっと産業界の方に教えていただいているものの範囲でやっているので、ちょっとドイツ並みかどうかというところのチェックまでは、申し訳ないですけども、現時点ではやれていないという状況です。以上です。

冨田委員
ありがとうございます。2点あります。まず、1点目は、スライドの38のところですけども、省エネ・再エネのための追加投資額ということで、どういう対策で、どのくらいの低位、中位、高位で、追加コストがかかるかということが出ているわけで、まさに、こういうデータというのは必要だろうというふうに思うのですが、もう一つ、あわせて必要なのが、それを投資したことによって、どれだけのエネルギーが削減できるのかというのはあわせて出していただかないと、それぞれの強度が合っているのかどうか分かりませんので、是非お願いしたいと思います。
それから、もう一点は、今回は、創エネのところを除くと、エネルギー供給側の対策というところだったかと思うのですけれども、もともと、今、検討しているのは、3.11の大震災を受けて、エネルギー基本計画を白紙から見直そうという中でやっているわけで、それは供給側だけの話ではなくて、当然需要側のほうでも対策を考えておかなくてはいけないというのがあったかと思います。今回、この資料の中で、それがどこに出てくるのかということを見ていたのですが、よく見えないと。ワーキングの中では、例えばまちづくりといったようなものであるとか、あるいは、集中型だけではなくて、分散型も含めたエネルギー需給構造というのが強く出ていたと思うのですが、例えばものづくりの中で、ページは96ページですけれども、そうしたコジェネを含む分散型エネルギーみたいなものは、まさに、このものづくりの中で価値が発揮できるものであるし、あるいは、まちづくり、あるいは、業務分野の中でも価値があると思うのですが、そういうものがあまり見えていないというのは、どうしてなのだろうかというところについて、お聞かせいただければと思います。

荻本委員
まず、同じところなのですが、38ページの、今、言われました、そのおのおのの投資要素で、どのぐらいベネフィットがあるかというのは、これ、是非出していただきたいというのが第1点です。つまり、物によっては、例えば「すまい」の外皮と空調というふうに、順番のルールを何か考えないと、その効果がどっちが先というのは、ちょっと難しいところがあるのですが、是非、何らかルールをつくっていただいて、その判断できるような指標を是非出していただきたいというふうに思います。
その延長上にある話なのですが、再生可能エネルギーを、例えばFITでやると。制度を組み合わせる場合には、費用をどこでとらえるかということがあると思います。つまり、ノミナルな設備費で見るのか、それとも、FITという段階で費用化するのかと。ここについても、恐らく FITでやるということは、FITの価格を乗せて評価しないといけないということになると思いますので、もし、2種類算出すれば、それはそれでいいと思うのですが、そういう処理を是非お願いしたいと思います。
それから、先ほど、伴先生が言われたこととちょっと関連するのですが、原子力がなくなると、電気料金がたくさん上がって、消費量が下がるだろうというようなことは起こり得る話だと思います。ただ、そのときに、同時に必ず起こるのは、日本の産業が構造が変わってしまうということです。ですから、電気料金が上昇し消費が下がることに言及する場合に、その日本の構造が、具体的に言えば、産業が外国に移ってしまって、仕事がなくなって、場合によっては、収入がかなり減るというところまでやるのかどうかということをはっきりさせた上で、そういう解析は是非やっていただきたいと思うのですが、今のところ、その藤野先生の手元では、どのようにお考えかというところの質問でございます。以上です。

藤野委員
非常に難しい質問も、ありがとうございます。38ページ目が非常に人気があるみたいなのですけども、まず、冨田委員のほうのコメントで、まさしく、荻本委員の最初のコメントにもありますけれども、額だけ出ていますけど、省エネ、具体的な量はどれぐらいかというところについては、でき得る限り対応したいと思います。
あと、冨田委員の二つ目の、3.11を受けたところでの対策の変化みたいなところ、特にまちづくりとか、分散型エネルギー供給とか、その点なのですけれども、次回に特にエネルギー供給のほうも含めたシナリオを書く中で、コジェネレーションのほうの役割だったりとか、分散型、再エネという形で、ある意味、分散型エネルギーの数字の見積もりはお示ししていますけれども、その点も含めてお示ししたいと思います。
一方で、その3.11を受けて、やはり満足度というのが、これは自分たちで出していながら、非常に難しくて、とらえどころも難しいのですけれども、そういうのを入れているというところが、ある意味、今までの検討の中で、もうちょっと根本的に見直せないかというようなご提案になっているのかなと思います。
あと、荻本委員のほうで、2番目で、FITの値段の上積みのほうなのですが、今のスライド38では、結局、FITで上積みした分は誰かが負担するというので、その全体の投資額で見ると、行って来いの関係になりますので、それは含めていないのですけれども、ちょっとそこは検討はしてみます。
あと、最後、これは非常に難しい、原子力がなくなると電気料金が上がって、構造全体が変化するのではないかというところで、私自身も、それはそうは思うのですが、それを、では、どう具体的に構造が変化するのだろうかとかいうところまでの、その情報を提供できる、どなたかが具体的にそういうビジョンを書いていただいて、それに基づいて計算することはできるのですけれども、ちょっとそこの設定自体が、まだ十分に議論し切れていないところもあるかと思いますので、そこは、是非親の部会だったりとか、またこの小委員会でもそうですけれども、ご議論すべきポイントなのかなと思いました。以上です。

大野委員
ありがとうございました。3点ほどご質問があります。
まず、藤野さんは、コミュニケーション・マーケティングワーキンググループに参加されているだけあって、今年度のほうがビジュアルで、非常にわかりやすい報告書になって、ありがとうございます。
3点ですけど、まず、109ページなのですけど、次回までに行うことというときに、例えば原発が0%とか、35%と出てくると、今日は万キロリットルというエネルギー単位が、CO2万トンという単位になるということだと思うのですけど、そのときに、その原発のシナリオによって、当然供給側の話はかなり計算が変わってくると思いますが、お聞きしたいのは需要側、供給ではなくて、需要側は、単にCO2係数を変えるだけにされるのか、あるいは、需要側も、原発のシナリオによって対策とかを変えられるおつもりなのか、その辺の考え方をお聞きしたいと。
それから、同じページの下のほうの「評価するための素材」と書いてある。ちょっと意味がわからないのですけども、この会議体の大きな意義というのは、政治的にいろいろ議論することよりも、こういう藤野さんの報告書を一生懸命精査することだと思うのですね。というのは、この上にもっと地球環境部会とか、いっぱい会議があるわけですから、同じような議論をしていてもしようがないので、ここの一番の役割は、これをちゃんときちっと精査する。そういう意味からいくと、素材と書いてあるのですが、例えば私たち車で行くと、結構ここに書き込んでいらっしゃいますが、あと販売台数とか、寿命とか、そういうのを教えていただけると、そういうのを素材とおっしゃっているのかどうかはわからないですが、いただけると、さっきのコストとかそういうのも、私たち、自分で計算して、いろいろ意見言えますので、是非そういうところも開示していただければと思います。
次に、さっきの人気のある、コストのところなのですけども、質問は、従来のエネルギー基本計画を見ると、たしか、私の記憶ですと、37ページのコストに相当する部分が100兆円ぐらいだったと思うのですね。これと比べると、むしろ環境省さん、国環研さんのほうがコストが高いような表現になっていますね、100兆円よりも。ただし、回収する分が、やはりこちらのほうが多いという、ちょっと違うような気がするのですけど、かなり活動量なんかは、経済産業省さん側と調整されたと聞いているのですが、この辺のコストについて、何か調整される予定はないのかという。私たちから見ると、同じコストにしていただいたほうが助かるわけなのですけど、その点、ご予定があるかどうか、これが2番目です。
3番目の質問は85ページなのですけども、物流に関するところなのですが、これ、多分時間がなかったので、単純なミスではないかと思っているのですが、この85ページ、主な施策というところ、何か旅客のことを書いてあるように見えまして、「乗用車」なんていう言葉が出てくるので、物流のページなので、ちょっとこれ、前の84は旅客ですけども、これから直されるのだろうと思います。そのときに、一つお願いなのですけども、交通対策というのがチェックされていないので、まだ削減量に計算されていないわけですね。例えば84ページのカーシェアリングとか、バイオというのは、かなり削減量は少ないのですね。ですから、こういうところまで拾われているのは結構なのですが、むしろ私から見ると、少なくとも実績で見る限りは、物流のほうがずっと多いです、削減量は。さっき、乗用車の燃費向上が物すごく寄与していますと褒めていただいたのですが、正直言うと、実績だけで言うと、乗用車の燃費向上より、物流効率化のほうがCO2を削減している実績があります。ですから、決してその他ではないので、今後、本当にもうやり尽くしてしまってないのか、これまでのペースで物流効率化できるのかによって、かなり運輸のCO2見込みが違ってくると思いますね。だから、物流がもうできないのであれば、このとおりですけども、物流でもっと減らせるなら、このグラフよりもっとCO2が下がると思うんです。ですから、決してその他に置けないような大きな話なので、是非、今後、物流もご検討いただけないかというふうに思います。長くなりまして、すみません。

西岡委員長
どうもありがとうございました。それでは、横山委員。

横山委員
2点お願いします。1点目は、今回、室内の環境改善とか、それから環境性能の高い住宅とか、あるいは108ページを見ると、QoLで、住宅の断熱化は快適性の向上につながるとかという話がかなりあったと思います。一方で、50ページの環境性能の高い住宅というのを見ると、分譲価格の5.9%増になりますよと。環境性能が高いものは高くつきますよというようなデータも示されているわけですが、仮に一般の方がこの環境性能の高い住宅を買った場合に、省エネで、後で少し費用的には相殺されると思うのですが、この生活の快適性の向上とか、疾病リスクの低減とか、そういったものも何らかの形で数値化をして、一般の人に、やっぱり得だよというようなことを言えるのかどうか。コミュニケーション・マーケティングワーキンググループにも関係するのかはわかりませんが、その辺のことを何か検討したなら、教えていただきたいと思います。
それから、2点目は、これまでも出てきている原子力の件なのですが、109ページを見ると、次回までに原子力発電に関わる選択肢を踏まえて、いろいろ推計するというふうになっています。昨日の総合エネ調の議論では、2030年までに原子力を0%から35%ですか、5通りから6通りの案が示されたということですが、多分これ以上は、向こうの議論も進展しないとすると、次回に示されるのは、5通りないし6通りについて、それぞれこうなりますというような形になるのか、次回を見ればいいのかはわかりませんけれども、ちょっとその辺も、見通しがあれば教えてください。以上です。

西岡委員長
どうもありがとうございます。今の横山委員の後のほうは、事務局のほうから発言ください。

藤野委員
どうもありがとうございます。まず、コミュニケーション・マーケティングワーキンググループに感謝しつつ、前回も、ワーキンググループの成果がどう使われているか、わかりづらいというところもあったので、今日、ちょっと大部の資料にもなりましたけれども、読み取れるようになっているということを言っていただいて、本当にありがたく思います。
まず、大野委員のご質問で、原発ゼロケースだと、需要側の例えばCO2係数を変えるだけかというところもあるのですけれども、まずは、やっぱりどれぐらいの供給が可能で、それがやっぱり需要側で、もうちょっとさらに、何というか、対策しないといけないのかどうか、伴委員のご質問にも近いですけれども、そこは、もうまさにあと少ししかないですが、もう一度、見直してみたいと思います。
あと、その評価をするための素材ということで、販売台数とか、そういった基礎的な情報もということで、こちらは是非お示ししたいと思います。
それから、あと、38ページ目の投資のところで、前のエネルギー基本計画の数字との整合なのですけれども、これも、基本問題委員会のそちらのほうでも検討が進んでいますので、そちらのほうは情報交換しながら、ただ一方で、対策のその考え方のところが、やはりちょっと違うところもありますので、必ずしも一致しないと思うのですけれども、ただ、どういう条件で投資額というのを決めているかというようなプロセスについては、まさに評価するための素材なので、こちらで、できる範囲でお示ししたいと思います。
それとあと、交通流対策のところで、本当にご指摘のとおりのところで、ここは、また自動車ワーキンググループ、地域づくりワーキンググループの成果をもう一度見直しながら、どこまで入れ込めるかというのをもうちょっと検討はしたいのですが、常に、もう多分、このワーキンググループというか、この検討を始めた2009年の終わりぐらいから、もうずっと課題のままで残っていて、そこはもうちょっとできたらなとは思っているのですけども、でも、一方で、できない難しさもあるのかなというところです。
あと、横山委員のほうから、環境性能がよくなることで、どういうベネフィットがあり得るのかというところで、住宅・建築物ワーキンググループだったりとか、そちらでスライド50のところですけれども、伊香賀先生をはじめとする資料の中で、今、彼らのほうで示していただいているものは、光熱費削減だけだと29年、投資回収年数がかかるけれども、健康維持増進効果というのを2.7万円というふうに入れると、投資回収年数は減るねとか、こういったことを地道に、今、エビデンスとして挙げていただいているところで、是非、こういったエビデンスをもうちょっと増やしていけたらということは、本当に前からそう思っています。

低炭素社会推進室長
では、昨日の基本問題委員会のほうで提示されたものですけども、昨日の資料でいきますと、AからFまでの6種類のシナリオが提示されたわけなのですけども、そのうち、Aというものが定性的な表現、残り5ケースが定量的なものだったという案でございました。議論を経て、Cというケースがなくなりまして、一つ、定量的なものが減ったと。また、D、Eは、それぞれその中が二つに分かれておったのですが、これを一本化しましょうというお話もございましたので、座長のほうから事務局に、そういった意見を踏まえて、統合して、改め次回、提示するようにということがありましたので、2030年のものは、今申し上げたような議論を踏まえて統合され、さらに、2020年のものは、温暖化の検討に必要だということで、それも基本問題委員会のほうで考え方を示してくれというのが、昨日の結論でございますので、それを踏まえながら、CO2の削減量に活用していくということに考えております。

森嶌委員
最初に、藤野さんのチームがこれだけのデータをまとめられたことは、大変敬意を表します。その上で、まず、資料の1で、成長ケースと慎重ケースで、成長ケースの場合が成長率が1.8%と、慎重ケースが1.1%と書いてあって、これを見ると、2%近いとか、1%近いと書いてありますけども、これは、やはり同じところでやるわけですから、しかも、AIMでやったということですので、そうなのか、1.8、1.1でやっているのか、そうでないのかということをやっぱりはっきりさせたほうがいいだろうと。資料1と4だから、違うのだ、別々でいいということにはならないと思います。
それから、資料3と資料4ですけれども、資料3は、これは排出量を削減するという、それの中位、高位、低位ということになっていまして、ここはエネルギーの消費量の高位、中位、低位ということになっているわけですね。今、確かにエネルギーの消費量が減れば、排出量も減るということは確かですけれども、そうなってくると、例えば森林の問題とか、よそからくれともらってくる話とか、そういう話はシェアに入ってこなくなるということがありますので、その辺のところも、やはり同じ審議会でやるわけですから、議論を混乱させないために、その中位とか、高位とか、低位とかいうのは、何を言っているのかということを、やっぱりきちっとはっきりしたほうがよいだろうというふうに思います。
それから、これもコミュニケーションの問題ですけれども、実は、この藤野チームの計算というのは、一定の前提を置いて、こういう前提のもとで、一定の省エネ対策をとると、そうすると、こういう中では低位で、これだけのことをやると3%、これだけのものをやると6%、これだと7%ということなのですね。ところが、中を読みますと、このコミュニケーションの問題ですけども、何か当然に何%か減ってくるように書いてあるのですね。例えば自動車のところでもいいのですけども、何%になるというのが書いてあるのですけども、30ページでもいいのですが、2010年と比べて、低位ケースで6%、これに削減と、こういうふうに書いてあります。それから、32ページを見ますと、低位ケースが14%、17%、これになるというふうに書いてあるのですね。これは、しかし、計算上、そうなることは確かなんですね。前提を置いてこうなるのですけども、そうではなくて、こういう対策をとると、計算上、そうなるということなのですが、しかし、我々は何をするのかというと、実は、そういう対策をみんなにとってもらうようにする。つまり、対策・施策を、こういう施策をとると、こうなりますと。皆さんにコストが非常に人気があるのは、そういう対策をとると、どれだけコストがかかるのかと。どれだけフィージブルなのかと。それから、本当に誰にとってそれは公平なのかと。それから、例えば人によっては、それは大企業はいいけども、みんなには、消費者にはひどいではないかという、そこが問題なので、2020年までに3%にするために、再生可能エネルギーが14%になりますよというのではなくて、そういうふうにやりますよということなのですね。そのために、そうすると、36ページ、それから人気の38ページには内訳が書いてありますけども、36ページには低位でも33兆円、中位だと49兆円かかりますと書いてあるのですね。しかし、藤野さんは計算していればいいのですけども、誰が負担をするのかはともかくとして、みんなは負担するわけですね。そうすると、先ほどの話ではないけど、どこかでそれをもらえる人もいるわけですから、政策を議論する場合には、誰がその政策を、実際にはその政策の影響を受けて、そのコストを受けるのか。そして、その効果は、単に政策の効果が出るだけではなくて、それによって、誰かプラスの人がいるのか。それは、果たして公平であるのかという、つまり、ここに書いてある対策というのは、割合に技術的なのですけども、ここで、ここの言葉では「施策」と書いてありますが、その施策の部分をもう少し低位、中位、高位ではなくて、その中で、先ほどの話ではありませんけれども、交通対策がいいのか、それとも、カーシェアリングがいいのか、どっちが効果的なのか、そうすると、誰が困るのか、どういう規制でやったらいいのか、それとも、みんなに任せておけばいいのかという、それも我々としては議論したほうがいいのですが、ここでは出てこなくても、何かあたかも、この計算をしたら当然出てきますというだけでは、これは非常に意味がある計算だと思うのですけれども、ここからさらに進んで、ここである施策や対策が、それぞれどういうコストであり、どういうふうな効果が持っている、効率性を持っている、コストパフォーマンスを持っているというところは、全部をやる必要はありませんけれども、非常に重要なこと。重要なものについて、例えばですけれども、ここに書いてある再生可能エネルギーと、住宅と、オフィス・店舗、自動車、物流というのがありますけれども、それぞれの間でも、どこを重点的にやるほうが、より大きくCO2の排出を削減できるのか。安いコストでできるのか。しかも、アドミニストレーションコストはかからないのとかいうようなことは、重点的には計算可能だとは思いますので、今後、是非とも、さらに藤野チームでやっていただければと思います。どうもありがとうございました。

新美委員
ありがとうございます。私はちょっと視点を変えて、2点、ご質問と指摘をしたいと思います。これは、いずれも生活の質の向上のベネフィットという点についての問題です。
先ほど、横山委員もちょっと触れられたのですが、疾病が改善するのだと、有病率が改善するのだということになっているのですが、その内訳を見てみますと、これはお医者さんが絡んだデータなのでしょうか。まず、その点で絡んできますと、アレルギー性の疾病が上位4点出ているのですね。これら疾病というのは、大体アレルゲンを避けて減感作療法をすれば、治るとか、軽減するというのですね。そうすると、これは断熱性の問題ではなくて、転居すればいいと。アレルゲンから離せばいいというのは定説で、むしろ、密閉度の高い住宅から開放度の高いところに移って、アレルゲンが減ったら、断熱性が低くても、疾病は改善したというアレルギーの例はいっぱい見聞きするわけですね。これら、そういった点をきちんと見据えた上でのデータなのかと。それから、糖尿病に関しても、通常、これは食生活、慢性疾患ですので、これは断熱性の住宅に変えたから、直ちに疾病が改善するのかというと、少なくとも理屈の上では納得できないと。ですから、見せかけの上では有病率は改善したかもしれませんけれども、本当に、これ、住宅の断熱性を改善したら治ったのかというのは、やや乱暴な議論ではないのかというふうに、私は受けとめます。
それから、同じく、今のは49ページですが、その上の48ページに関連しますと、住宅の不動産価値が向上するというのは、そのとおりなのですが、住宅の値段というのは、こういった住居の中身の質のよさだけが値段を決めるわけではないと思うので、どれくらいのウエートを持ったファクターなのかということを論じないまま、これだけ高く売れますよ、買えますよという話をするのは、やはりマーケットの論理から言うと、奇異な感じを受けます。
それから、今度は79ページに飛びますが、これは大野委員がおっしゃったカーシェアリングの問題です。これは、カーシェアリングは、確かに削減に貢献するのかもしれませんが、これ、例えば法律家の観点から見ますと、カーシェアリングしますと、交通事故を起こして、損害賠償責任は連帯責任を負わされますので、保険の中身はよく知りませんが、保険料は、少なくともシェアリングしている人は、みんな、保険を掛けなければ、責任を取らされる可能性が高いと。そういうことになりますと、決して、車をシェアリングする人にとっては、単独で所有していることは、その人にとっては同じかもしれませんが、他の人の責任も覚悟しなければいけないということにもなり得ますし、さらには、カーシェアリングが効率的にいくためには、マネジメントをしっかりしなければうまくシェアリングできないと思いますが、そのコストをどう考えるのか、そういうことも視野に入れる必要があるかと思います。そういう意味で、ベネフィットということを言うには、もう少しきめ細かい議論をする必要があるのではないかと、そういうところでございます。どうもありがとうございました。

藤野委員
どうも重要なご指摘、ありがとうございます。まず、我々は、あくまでデータをまとめたというところで、本当に各ワーキンググループの方々のその出していただいた成果というのが貴重で、それをまとめる係をさせていただいたのかなと思います。
森嶌委員の、まず1点目のその数字の違い、ここは至急、チェックして直します。
2番目で、温暖化の観点でいくと、その排出量の削減で、森林とかクレジットも入り得るのではないかというところなのですが、それは、本当にまさしくそのとおりで、多分その低位、中位、高位のケースの想定の説明をもうちょっと丁寧に書かないといけない。ここは、特にエネルギーに特化した部分での低位、中位、高位というような考え方でやっていますので、そちらをきちんと書きたいと思います。
3番目も非常に重要なご指摘で、我々、すぐ何か計算したらこうなると書いてしまって、確かに立場の違う人から見たら、何かもうこういうふうなことになるのというふうに思わせるようなコミュニケーションになってしまうので、一方で、紙面の制約もあることはあるのですけれども、やっぱりこういう前提があって、そういう想定で組み合わせると、こうなったというようなところで、本当にその後の新美委員のご指摘にもつながるところはあるかもしれませんが、具体的には、その施策を打っていかないと実現しないわけですから、誰が具体的にどういうふうなことをやるのだというところにつながるような資料になるように、もう一度精査したいと思います。
新美委員のほうからご指摘いただいたところで、まず、その有病率の改善のところで、こちらのほうは、いただいた資料をこちらでそのまま載せているところはあるのですけれども、お医者さんも入ってやられているというところは聞いているのですけれども、その点については、もう一度お聞きしたいと思います。
住宅の不動産価値のところで、例えばスライド50で、ヘドニックアプローチというもので、分譲価格5.9%増の可能性というような効果があるのではないかというようなことも出ていましたけれども、こちらのほうも、もうちょっと慎重にやりたいと思っています。
3番目のカーシェアリングで、そのベネフィットもあるけれども、マイナスの部分というか、負担が増える部分もあるのではないかというところは、まさしく、そのとおりで、ちょっとクオリティー・オブ・ライフのところ、若干前のめりでやっているところがありますので、できるだけ公平を期するような資料に、また精査していきたいと思います。ご指摘ありがとうございます。

低炭素社会推進室長
つけ加えまして、この49ページの調査につきましては、医師も参加しての調査というふうなものでございますけども、ご指摘ありましたような紛れがないようにということで、どのような分析がなされたのかということをきちんと書き加えたいというふうに思っております。以上でございます。

西岡委員長
どうもありがとうございました。長辻委員、それから、永里委員、続けてお願いします。

長辻委員
二つ質問をお願いします。一つが、62ページなのですが、このオフィス・店舗のエネルギーで、用途別エネルギー消費の推移、ここのところで、動力他のグラフが右肩上がりで伸びておりますが、この動力は何かというのがよくわからないので、お尋ねします。といいますのが、ページ70を見ていただくと、円グラフで「動力他」を破線で囲みながら、施策・対策の部分は「明」、それから「業務・情報」となっていて、関係がよくわからない。対策のところを見ると、高効率動力機器の導入というところなどにチェックが入っております。ここでの動力というのは、エレベーターとか、エスカレーターとか、そういうものを意味するのか。右肩上がりでこれが突出して上がっているので、非常に気にかかりまして、お尋ねした次第です。
それから、もう一つは、ページ102、再生可能エネルギーの一つとして、海洋エネルギー発電が入っています。これについてお尋ねしたいのですが、現状と、それから2020年のところを見ますと、この海洋エネルギー発電というのは0となっております。しかし、それが2030年になりますと、これまで既に実績のある地熱発電並みか、あるいはそれを上回る発電量がそこに記されております。しかし、これまでの海洋エネルギー発電というのは、国の研究機関等、いろいろ挑戦してきたはずなのですが、これといった成果は、残念ながら耳にしておりません。この波力発電が、果たしてここまで期待できるのかということと、それから、この海洋エネルギー発電が波の力なのか、それとも潮汐力なのか、何をもって実行しようとなさっていらっしゃるのか、それを含めて、その見通しの根拠というのを、わかりましたら教えていただきたいと思います。以上です。

永里委員
ありがとうございます。資料4というのは、エネルギー消費量の見通しについて、2020年、2030年、場合により、2040年も示されている資料ですが、そもそも低炭素社会を目指しての検討と考えますと、その一環として考えると、他の小委員会では、CCSも大いなるイシューとして出されております。そのことを踏まえまして、これから質問したいのですが、例えば化学産業における革新的な技術として、CO2を原料とする化学品生産について、あるいは、その研究開発について、どの程度、検討されているのか。例えばCO2を原料とするものづくりでも、エネルギーを消費するわけですから、これを単なるエネルギー消費としてとらえているのか否か、この種の検討をなさったかどうかについての質問です。

藤野委員
どうもありがとうございます。まず、長辻委員のほうからいただいた動力他とはというところなのですが、ご指摘いただいたエレベーター、エスカレーターもありますし、ここでは照明も入れていたりとか、OA機器だったりとか、そういったオフィスのほうで使う、仕事に必要な機器みたいなものを動力他というもので入れていまして、近年、特にオフィスでパソコンだったりとか、情報的なものを扱う機器が増えているというところで、著しく消費が増えているということなのかなということを、分析している立場としては思っています。
あと、海洋エネルギーについては、こちらは大塚先生か、事務局ですか。

低炭素社会推進室長
海洋エネルギーにつきましては、波力と海流、両方を考えておりまして、特に海流などにつきましては、2030年に向けて、その洋上風力を大きく考えておりますが、その設置した間に設置をして、系統への接続を共同して、共通の接続で行うというものを考えておるということでございまして、今現在は実証レベルということでありますけれども、2030年で見込んでいるという考えでございます。

藤野委員
永里委員からいただいたCO2を原料としてのものづくりのところなのですけども、そういったものがあるということは、こちらも承知しているのですが、定量的にそれがどういう効果があるのかというところについて、十分なデータはこちらで持ち合わせていないところだったり、その2020年、2030年のどれぐらいつくられるかというのは、規模観だったりとか、そういったところが十分精査できていないので、現時点では含めていないのですが、ページ94のそのものづくりによるグリーン成長というようなものを考える上で、プロダクトイノベーションだったりとか、プロセスイノベーションも関わってくるかもしれませんけれども、そういうところで、やはりそういう新しい価値の高い、また、そういうものも、ちょっと産業界、ものづくりのところが我々も弱くて、あまり書き込めていないのですけれども、そこの、ある意味、クオリティー・オブ・ライフというか、バリューアディットのところというのは、もうちょっと書けたら、もっと何のためにやるかというのがわかってくるかなと思いました。どうもご指摘ありがとうございます。

高村委員
ありがとうございます。2点でございます。資料4でいきますと、96、95あたりでしょうか。2点ございますが、一つは、省エネ法の現行の大規模エネルギー消費事業者に対して、1%年率のエネルギー効率の改善は、これにもう既に盛り込まれているのかという、前提としてですね。ちょっと数値の感覚が、私、わかっていないところがあるのですけれども、もちろん対象となる事業者さんは、必ずしも合致していないでしょうし、ただ、エネルギー消費自身は大体横ばいの中で、ここで見ると、大体2010年度の最終エネルギー消費と比べると、2020年の時点で高位でも3.6%の改善になっているものですから、そこのその整合性を教えていただければというのが1点です。
2点目が、先ほど、室長から説明があって、低位、中位、高位での施策によって、エネルギー消費の削減量が同じである理由というのは了解をいたしましたけれども、逆に言いますと、説明を伺って、私の意見が正しければ、つまり、技術的な可能性というよりは、むしろ、予定をされている大規模な更新のタイミングで、適切にそのときの最も効率のいいものを入れていくという、そういう見積もりだろうという理解をしたわけであります。そうしますと、どちらかというと、技術可能性というよりは、一定のそうした投資のサイクルに合わせた対策のタイミングを想定されていると思いまして、先ほど森嶌先生もおっしゃいましたが、この数値は、この数値として了解をしながらですけれども、逆に、そのエネルギー使用コストを高くするような施策が入ったり、あるいは、逆に投資に対して十分な補助というような形で入った場合には、逆に、その投資の行使のタイミングを早くする、先に前倒しする効果というものも期待できるというふうに思いますので、そういう意味では、そうした施策による更新のタイミングが早くできる、前倒しができる、その効果というものが見れるような工夫というものができるかどうか、お願いしたいというふうに思っております。以上です。

山本委員
2点ほど教えていただければと思いますが、先ほどもちょっとオフィスのところの動力のお話がありましたけれども、61ページのこのエネルギー消費の円グラフと、それから、73ページのところのオフィスの棒グラフで、エネルギー消費量の割合が色で示されているのですけども、照明、動力をあわせて半分ぐらいというふうに、61ページはなっているのですけども、73ページのほうが、そこまでの割合になっていないので、整合がとれていないような感じがするので、そこを少し、何か精査をされたほうがいいのかなというふうに思っています。
それから、あと61ページの円グラフの割合なのですけれども、一般的なオフィスのほうのイメージがあるので、自分の勘違いなのかもしれないのですが、動力、いわゆる照明コンセントの割合が少し多いような気がしますし、給湯が15%と、オフィス以外の用途も入っている平均なのかもしれないのですが、ちょっとエネルギー消費の割合が、自分の持っているイメージと違うので、その辺、何かもしわかるようであれば、教えていただければというふうに思います。
それから、オフィス系の対策の中で、ワーキングの報告のときにもちょっと申し上げたのですが、なかなか難しいところかもしれないのですが、やはり運用の改善で、かなり省エネが進むケースがありますので、そういう運用のノウハウが広く普及していくと、全体的に省エネが進む効果が実際にはありますので、そこの辺を何か盛り込んでいかれるほうがいいのではないかなというふうに思っております。以上です。

藤野委員
どうもご指摘ありがとうございます。まず、省エネ法1%年率改善の効果なのですけれども、こちらのほうは、わかっている技術のほうで積み上げてやっているので、ちょっと必ずしも整合していない。その法律との整合性については、もう一度チェックしますけれども、それを念頭に置いて、その技術積み上げをしているわけではありませんでした。
2番目のものづくりのほうで、予定されている対策への補助をすることで、投資のタイミングが早くなるのではないかというようなところなのですけれども、そちらについては、一度は産業界にヒアリングをしたのですけれども、次回までできるかはわかりませんが、ちょっとそれについても、もう一度検討してみたいと思います。
山本委員からご質問があった、オフィスのその数字が、それぞれ61ページと73ページ目で違うというので、ちょっと使っているデータが一部違うところもあったので、もう一度、これは至急見直します。
その運用の改善で省エネが進むというのは、まさに、3.11以降の夏の節電とかで、実際に見られた効果だと思うのですけれども、今は、そのBEMSというところで、ある意味、ぐちゃっと入れてしまっているので、そこについては、もうちょっと丁寧に表現できないか、検討したいと思います。ありがとうございます。

西岡委員長
それでは、及川委員、井上委員、続けてお願いします。

及川委員
以前のワーキンググループでお話があったのですけれども、住宅の問題なのですが、戸建て住宅と、それからマンションみたいな集合住宅を比べると、圧倒的に集合住宅のほうがエネルギー効率がいいといったようなお話をいただいたのですね。そういったことを考えて、これからの住宅政策として、そういう戸建てと、それから集合住宅をどういうふうな扱いにするかとか、そういったようなことがここで考慮されているのかどうかということを、1点お伺いします。
それともう一つは、3.11があったわけですけれども、首都直下型の震度7といったような地震も、かなり近い将来に起きる可能性が高いといったようなことが言われているわけで、エネルギーだけではなくて、そういった地震に対する対応といいますか、都市計画なんかを考えるときに、あわせて考える必要があるのではないかと思うのですけれども、その辺はどういうふうに考慮されているか、お伺いいたします。

井上委員
3点ほど、コメントとお願いを申し上げます。104ページ、105ページのこの電力量の棒グラフの部分なのですが、それぞれ、やはり再エネが張付いておるのですが、グレーの部分で、火力、原子力等、ほかの電源がどういった分担をするのかというのが、これからだということですが、例えば昨日の基本問題委員会でも、柏木先生からでしたか、再エネがたくさんあるということは、火力の電源が低い負荷でずっと動いている。そのキロワットアワーを足し算すると、1年間の需要を超えてしまうのではないかという御発言がありましたが、整合性があるかどうかという、実現性の面からの検討が必要。それからもう一つ言えば、ここにはキロワットアワーの棒グラフなのですが、キロワットの設備としての分担、やはりこれも非常に重要でして、これが多分莫大な量になるのであろうと。そういったものへの設備投資が、一体誰がするのかという点もありますので、そういった中身が埋まってから、実現性という議論が必要だなというのが1点。
それから、2点目は、たくさんの委員からもう既に発言がありました。例えば固定買取のFITの料金を、電気代なのか、ほかのエネルギーなのか、税金なのかによって、エネルギーの選択が変わり、あるいは、それによって、エネルギーの消費量も変わってくるのではないか。そういったことが、やっぱりモデルとしても反映されるべきでしょうねというのが2点目。
それから、3点目でございますが、36ページのこの設備投資の表の中に、これは部会でも申し上げましたが、系統対策のコストが一応ここにも載っています。それから、エネルギー供給WGでは、一定の割り切りや、前提のもとのそういった系統対策の課題が載っています。例えばもう一つ、3月26日に電力システム改革の専門委員会、マスタープランの研究会の中で、北海道電力、東北電力さんが、今ある申出の再エネ、例えば風力500万と、太陽光はたしか90万キロワットだったと思うのですけど、その系統対策で1兆1,700億円のコストが必要ですよという、別途、こういった数字も出ておりますので、やはりその前提とか、割り切りとか、これをやっぱり条件つきでコストを示していただく等していただかないと、今後の正確な議論というか、実りある議論にならないだろうと思いますので、その辺も宜しくお願いします。以上です。

藤野委員
どうもありがとうございます。まず、及川委員の住宅の問題なのですけれども、その全体のトレンドとして、集合住宅が増えていくというようなものは、シナリオの中に織り込んでいるのですけれども、3.11を受けて、その集合を強めるとかというところまでは、今のところは入れていないというのが現状です。
それから、2番目の首都直下型震度に対応するようなエネルギープランニングのところなのですけれども、ちょっと地域づくりワーキンググループというのもあって、そこで、どこまで検討が進んでいるのかというのもあるのですが、ここで言えるのは、分散型エネルギーの普及だったり、自動車ワーキンググループで出てきた電気自動車の話だったりとか、そういった個別ではお示しできているのですけれども、必ずしも、どこかの地域での震災リスクみたいなのでのエネルギープランニングのところというところまで、ちょっと作業が間に合っていないかなというのは印象です。
あと、井上委員からのご指摘で、まず、そのキロワットアワー、キロワットのところは、本当に大事なところで、それは是非次回、お示しできたらと思っています。
2番目の固定価格買取制度、どなたが負担するかというのも、大事な議論だと思うのですけれども、こちらのほうの分析に関しまして、特に技術の積み上げの分析に関しましては、全体としてどういうコストがかかるかというところでお示ししているので、その点については、エネルギー供給ワーキンググループ等でも、まだ精査される可能性があるのかはわかりませんが、多分評価軸を検討する上で、また各委員からご意見をいただく項目にもなるのかなと思います。
最後、前提とその割り切りの提示というところで、可能な限り示したいところもありますし、一方で、この資料が、さらにCO2と一次エネルギーを加えると、150ページとか、下手したら200ページとかというところになる中で、ちょっとどういうふうに示したらいいかは、仲間と相談したいと思います。

低炭素社会推進室長
系統対策費用に関しましては、エネルギー供給ワーキンググループにおきまして、持ち得るデータ、考え方をもってお示しして、議論を深めていただいたというところでございますけれども、全体といたしましては、コスト等検証委員会でも、系統の費用は重要だと。ただ、コスト等検証委員会が報告書を出した段階では、まだその全体の再エネ利用などがわからないと、その計算ができないので、ある意味、宿題で残っていたと。その再開がされまして、基本的な考え方が示されましたので、その考え方をもとに、両審議会におきまして、検討を深めるべきということでございますので、さらに作業を続けたいというふうに考えております。

浅岡委員
一つは、私の直感的なところなのですけど、家庭と業務というのはかなり似た構造で、減らせるときは減らせるのではないかと。ところが、実際に見ますと、家庭のほうは、相当大きく90年比で削減できていて、業務はほとんど90年数字に戻ると。この差は少し違うところはありますけれども、確かに動力の部分で、でも、それは照明が多かったりすれば、随分業務のほうが大きな照明転換なんかをやりやすいわけでもありましたり、少し対策が違いましても、あるいは強化をしていく中で、基本的には似た水準までやれると思いながら、できることを探すと。そういうふうな視点を持って、見ていただける余地があるのではないかと思いました。
もう一つ、次は、いろいろな想定をしながらシミュレーションをするのですが、これも感覚的ですけれども、再生可能エネルギー、もう今まで議論を随分されてきたのだと思いますが、あるいは原子力についても、こうなるだろうというのと、こういうふうにやっていくべきだというようなことと、絡み合ってまいりますけど、例えば原子力は、山路委員が35%というのを出しておられますけど、彼は、現実は18%だと言っているわけでありますし、35を試算することの意味って、本当に何だろうというのをしながら、その試算もしようとかいうのが、今の試算でありましたり、再生可能エネルギーの割合というのは、私どもの感覚から言いますと、2020年、2030年においても、やっぱり太陽光の割合がとても大きくて、風力が少ない。バイオマスもあまり伸びない。中小水力が、何かとてもウエートを持っているという、少しバランスが、違うバランスもあり得るのではないかなと思ったりもするわけであります。そこで、どのような前提で、どういう試算をしたものだということを見せながら、これを、出てきた試算を評価していくという、その前提をよく示していくことも重要ですけれども、もう一つ、大きな枠組みで、こういうことを重点を置きながらやろうとなりましたときも、例えば再エネの割合、これはフィットの価格をどうするかとかいうようなことでも、ある意味で変わるわけでありますから、こういう割合にしたらどうというふうな、一つの前提を置いてやっている中で、さらに、その内訳の条件を変えてみながら、変化を見てみるというようなことをして見せていくと、これは、ある意味でモデルの試算をしていることだと、我々も理解ができるようになっていくのではないかと思います。
それから、最後に1点だけ、原子力が下がっていくと電力価格が上がり、いろいろ産業構造が変わるのではないかというお話がありましたけれども、産業部門について、中環審のほうでも、マクロフレームの想定がやはり大きいのではないかという意見も随分出されていた。従来、固定型ではないかという意見も出ていたと思いますが、そういうふうに産業構造が変わるというのは、原子力割合が変わるだけで変わるのではなく、そのほかの要素でも、10年、20年たっていく中で随分変わると、やはり見るべきなのではないかと。素材的なもの、あるいは単一的な生産物が新興国等にかなり移行していくと。日本から輸出するという構造を前提にしたフレームになっているように思いますけれども、そういうあたりも、原子力割合だけで変わるわけではないけれども、ここには踏み込めてやっているわけではないというようなところも共有しながら、次の議論をしたほうがいいのではないかと思います。

藤野委員
どうもご指摘ありがとうございます。確かに、家庭と業務、似たようなところもあって、もうちょっと後押しできるところもあるかもしれませんが、多分施策を考えるときに、業務のようにコストにシビアなところと、家庭は家庭の事情があって、そこでその政策の強度というか、コミュニケーションの仕方、森嶌先生がおっしゃったようなところは、ちょっと変わってくるかなと思います。
あと、再エネのそのバランスのご指摘だったりとか、産業部門のマクロフレームの想定のご指摘のところで、まず、今回の想定では、例えば経済産業省の検討委員会と、やはりある程度は共通の土台での計算にしないと、それぞれが全く違う前提で計算してしまうと、比較もできなくなってしまうので、そういう点で、GDPの設定だったりとか、素材の生産量の見積もり、見込みだったりとか、そういったものを想定しています。ただし、この部会なり、委員会のほうで、やはりそこは検討すべきだというところが強ければ、場合によったら、例えば感度分析はできますので、実際にその生産量がこういうふうに変わると、エネルギーなり、CO2にどういう影響があるかということをお示しすることだったりとか、そういうことはできるかなと思います。
最後、先ほどの再エネのバランスのところは、我々だけで全部のシナリオというか、考え方を出すのか、あと、基本問題委員会のほうでも、再エネの検討を当然されていますので、そこでの幅も見て、選択肢というのがつくられていくということもあるのかなと思います。以上です。

西岡委員長
どうもありがとうございました。宜しゅうございますね。
どうも皆さん、ありがとうございました。非常にもっともっと、ここのところをつつけば、省エネできるではないかというようなご助言もいただきましたし、それから、評価の基準をもう少ししっかりしてほしいという話があったと思います。幾つか、宿題が出ましたので、もう少し頑張っていただきたいという具合に思っております。どうもありがとうございました。
それでは、あと次に、お手元に一つ、冨田委員のほうから書面の意見が出されておりまして、これは前回の小委員会で、事務局から国内排出量取引制度の課題整理に関する検討会の検討結果ということで、報告があったということに対して提出されております。事務局のほうでコメントをいただきたいと思います。

市場メカニズム室長
市場メカニズム室でございます。意見の提出、ありがとうございました。一言、コメントをさせていただければと思います。前回の小委員会で報告をさせていただきました検討結果については、先般もご説明させていただいたように、排出量取引制度の導入の是非を直ちに議論していただくという意図ではなく、現在、産業部門でどのような対策が実施され、また、今後、どのような対策を行った場合に、どこまで深掘りが可能なのか等の議論に資するのではないかという趣旨で、報告させていただいたところでございます。
検討結果については、この制度の導入の是非に何ら予断を与える意図いうものはなかったのですが、そのように受け取られなかったとすれば、我々としても、今後の取り扱いについては、十分に注意をしたいと思っております。
また、今回の検討は、国内排出量取引制度を導入した場合の経済への影響等について、学術的な見地から分析作業を行ったものであり、今後、さまざまな議論を深めていくといった場合には、幅広いご意見を伺いながら議論を進めていくことが重要であるというふうに認識をしております。このため、先日の小委員会においても、削減ポテンシャルの調査の結果として、ゼロコスト以下の対策が進まない原因の分析でありますとか、その解決方策をさらに検討すべきではないかというような意見が多数寄せられたところでございます。これらの点について、この小委員会で議論するのかどうか、そうしたことも含めて、是非産業界の皆様の幅広いステークホルダーの参加も得て、どういうふうな形で議論ができるのか、これを検討することで、この意見に対する一つの回答というふうな形にしたいと思っておりまして、我々の中で一度整理をした結果について、資料をもって、こちらにご報告をしたいと考えており、その際には、皆様のまたご協力をいただければと思います。
なお、ご指摘いただいた点のうち、幾つかありますけれども、その六つの評価軸に基づいて、排出量取引制度の議論を行うべきという点については、報告書の中でも、先行策の運用評価を行った際に、評価軸をもとに、簡単に評価を行ったところであります。この点については、当日の概要資料にはちょっと入っていなかったのは、申し訳ございませんでした。これらについて、さらにもう少し詳しく評価を行うとすると、制度を少し具体的に設計を行わないといけないので、今の時点については、簡単な評価にとどまったところであります。
また、いただいた資料の裏のほうですが、実際のキャップの設定についてのご議論もいただいております。これらについては、実際に制度を具体的に設計をどうするのかと、そうした議論になった段階で、改めて議論をすることになるのかなと思いますが、まずは、排出量取引制度ありきというわけではなくて、産業界にどういう対策が、今後、講じる余地があるのか、そうしたものを見きわめて、その中で、では、それを実際に実現していただくために、どういう対策・施策が必要なのか、そういう議論の選択肢の多くの一つとして排出量取引制度があると思いますが、まずは、そういうのを前提とせず、幅広くご議論をいただければというふうに考えております。
いずれにせよ、前回、報告させていただいた内容を踏まえて、どうした議論ができるのか、先ほど、私のほうで検討しました、その報告をこちらでさせいただく際に、今回いただいたご指摘の点も踏まえて、作成する資料の中に反映していきたいというふうに考えております。ということで、以上、簡単にまずは口頭でご説明、お答えをさせていただきました。

冨田委員
その六つの評価点というところについて申し上げれば、2,500円、4,500円、こういったことで、どのくらいの負担になるかということは検討されましたが、それが公平にできるかどうかとか、そういうのはセットで評価できないと価値がないと思いますので、是非宜しくお願いしたいと思います。
それから、3ぽつのところについては、コメントがなかったように思いますが、お考えをお聞かせいただけますか。

市場メカニズム室長
この点も含めて、先ほど、前回の小委員会でのご議論を踏まえて、我々として、これを深める際にどういうことが検討できるのかというのを、資料をもって、ご説明、ご報告をしたいと思いますが、その中にこの点についても含めて、考え方を少し整理して、ご説明をさせていただきたいと思います。

西岡委員長
どうもありがとうございました。それでは、次の議題ですが、資料5についての説明を。

低炭素社会推進室長
資料5で、今後の検討スケジュールについて、ご説明いたします。裏面をおめくりいただきますと、次回、第15回目が4月12日でございますけれども、示されます原子力発電に関わる選択肢を踏まえまして、試算をさらに行って、資料をご提示した上で、ご議論をいただきたいというふうに考えてございます。以上でございます。

西岡委員長
どうもありがとうございました。それでは、事務局のほうから。

地球温暖化対策課長
事務的な補足でございますが、今日は大変活発なご議論をありがとうございました。
次回の日程につきましては、今、説明がありましたように、4月12日でございます。詳細につきましては、また事務局より連絡をさしあげます。また、いつものごとく、議事録につきましては、事務局で取りまとめまして、委員の皆様にご確認後、ホームページに掲載をさせていただく予定です。宜しくお願いいたします。

渡邊委員
参考資料の2と3の説明が、今回、なかったものですから、もし持ち帰って、また勉強させていただいて、次回、もし意見がありましたら、発言させていただきます。宜しくお願いします。

西岡委員長
それでは、閉会いたします。どうもご苦労さまでした。

午後 6時19分 閉会

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