中央環境審議会2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会(第13回)議事録

日時

平成24年3月15日 15:00~18:42

場所

全国都市会館 2階「大ホール」

議事次第

  1. 1 開会
  2. 2 議題
    1. (1)ワーキンググループからの報告について
    2. (2)その他
  3. 3 閉会

配布資料

資料1 低炭素ビジネスWGとりまとめ(案)
資料2 エネルギーの需要サイドの事業者へのヒアリング
資料3 高位・中位・低位ケースの主な対策・施策等(中期目標に関するこれまでのWG報告の概要)
資料4 国内排出量取引制度の課題整理に関する検討会における検討結果について
資料5 今後のスケジュールについて
参考資料1 低炭素ビジネスWG参考資料
参考資料2 各事業者へのヒアリング議事概要及びヒアリング資料
参考資料3 対策の組み合わせに応じた温室効果ガス排出量等の分析・検討手順について
参考資料4 エネルギー供給WG(補足説明資料)

議事

午後 3時00分 開会

地球温暖化対策課長
それでは、定刻の3時でございますので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会2013年以降の対策・施策に関する検討小委の第13回会合を開始いたします。本日、委員総数23名中、既に過半数の委員にご出席いただいておりまして、定足数に達しております。また、増井委員の代理として岡川説明員がご出席されております。本日の審議については、公開とさせていただいております。では、以降議事進行について、委員長にお願いいたします。

西岡委員長
それでは議事を進めさせていただきます。いつものように配付資料の確認をお願いします。

地球温暖化対策課長
議事次第が一番上にございまして、配付資料のリストがその下にございますが、資料1が低炭素ビジネスWGとりまとめ(案)でございます。資料2がエネルギーの需要サイドの事業者へのヒアリングの結果概要。資料3が高位・中位・低位ケースの主な対策・施策等。資料4が国内排出量取引制度の課題整理に関する検討会における検討結果について。資料5がいつもの今後のスケジュールでございます。
参考資料1といたしまして、低炭素ビジネスWG参考資料。参考資料2といたしまして、各事業者へのヒアリング議事概要及びヒアリング資料。参考資料3が、対策の組み合わせに応じた温室効果ガス排出量等の分析・検討手順について。参考資料4がエネルギー供給WG(補足説明資料)となっております。
また、資料番号振ってございませんが、1枚紙A4縦で各WGの資料等についてという紙と、それから青いファイルですが、本日の資料4の本体として、紙ファイルで分厚いものが、排出量取引の課題整理報告書が置かれているかと思います。
以上、ご確認の上、もし不足がございましたらお申し出くださいますよう、宜しくお願いいたします。
以上です。

西岡委員長
はい、どうもありがとうございました。よろしゅうございますか。それでは議事に入りたいと思います。
本日の議題、議事次第に書いてございますけれども、まずワーキンググループからの報告、これは低炭素ビジネスワーキンググループでございます。
その後、エネルギーの需要サイドの事業者へのヒアリング結果の報告がございます。
また、本日の低炭素ビジネスワーキンググループの報告をもって各ワーキンググループからの報告がすべて終了いたしますので、事務局より中期目標に関連するこれまでのワーキンググループ報告の概要ということで、高位・中位・低位ケースの主な対策・施策について報告をしていただきます。最後に、環境省において国内排出量取引制度について、有識者による検討会というのを開催して、その検討結果がこの程まとまったということでございますので、その結果についても報告をいただく予定であります。それでは、まず低炭素ビジネスワーキンググループにつきまして、座長の藤井委員のほうから検討内容の発表をいただきたいと思います。また、続けてエネルギーの需要サイドの事業者へのヒアリング結果を事務局から説明いただくことにいたします。その後に質疑応答をしたいと思っております。
それでは藤井委員、宜しくお願いします。

藤井委員
それでは、低炭素ビジネスWGのまとめ案についてご報告させていただきます。
レジュメのナンバーでいえば3ですね。昨年度のものづくりWG、今回は低炭素ビジネスということで、ものづくり、マニュファクチャリングだけではなくて、サービスあるいはシステム、そういったところも含めた産業のあり方、低炭素社会においてどのような展開が期待できるかということでまとめてみました。
3ページのところは、昨年度の事例です。ものづくりにシフトしてやっていたわけですが、右側の破線で囲んでいるところで、持続可能な日本版発展モデルの創出に向けて、四つのキーコンセプトを提示いたしました。そこに書いていますように、人と場の創出、低炭素消費の活性化、低炭素経営・金融の浸透、それから戦略的国際展開となっています。基本的には、このコンセプトは、ものづくりだけではなくてサービス産業に視野を広げても通ずるものだと思います。つまり大事なのは人と場ということで、人材、日本の技術力の土台を構成している人の力、それをさらに強めていく必要があるということです。それから、低炭素消費の活性化というのは、1億2000万人の日本のマーケットというのは、世界にも類のない評価・品質の高いマーケットですので、ここで低炭素消費を活性化させること自体が、企業の競争力にもつながる。それから経営の中に低炭素環境経営ということを入れていくと同時に、それを金融、資金面で支援するという必要があるとしています。そして、日本の豊かな国内マーケットの影響は、実は国内にとどまらず世界的に波及していくということで、戦略的国際展開というコンセプトを打ち出しました。しかし、3.11で、その下の括弧に書いています、新たな環境変化が生まれました。震災以降ですね、ここに書いている四つがそれです。他にも幾つもあると思うのですが、ここでは原子力代替ニーズの高まり。電力供給不安・価格の上昇の懸念。サプライチェーン――サプライチェーンについては震災後、回復しているわけですけれども、改めて日本の経済社会が物流リスクにさらされているということが顕在化したわけです。それから生活者の意識の変化、節電意識等。こうしたいろんな要素が入ってきたということで、今回の低炭素ビジネスWGでは、従来の基本的な視点を踏まえて、新たな環境変化がどう低炭素ビジネス全体に影響するのかということを見てまいりました。
4ページ目、次のスライドをご覧ください。基本的にはものづくりだけではなくて、システム、サービスを含めた日本の低炭素ビジネスのあり方そのもの全体を検討するということでスタートしています。追加的視点としまして、前回のものづくりWGでは、「スマートものづくり」というコンセプトを打ち出しました。これは高付加価値というか、知識集約型のものづくりということでスマートという名前をつけているわけです。けれども、震災後、それがそのままでいいのか、という問題。加えて、ものづくりプラスサービス産業、システム等に広げた場合の可能性はどうか。そして、震災によって新たな課題がどのような形であるのか。ここでは三つの「S」と書いています。Sustainability、Smart、これらは前回のWGでもそうなのですけれども、そこに震災後は、Safetyと Securityがつけ加わった。Sは四つのようにも三つのようにも見えるわけですけれども、ご存じのようにEUの欧州2020では、Sustainable growth、Smart growth、Inclusive growthです。EUは独自のInclusive growthを入れて、三つのgrowthを挙げています。我々はここではInclusiveということ自体、非常に大事な、つまり格差を是正するということは大事なわけですけれども、日本の原発事故の後、安全ということが非常に我が国特有の課題になっているのではないかということで、Safety、Securityを入れております。加えて、プロダクトのイノベーションだけではなくてプロセス、工程、製造工程等のイノベーションの必要性もあるということで、四つの課題を加えております。
おめくりいただきまして、6ページ目です。低炭素ビジネスの定義と検討範囲ということで、今ご説明申しました、これまでのプロダクトとプロセスに加えて、それからもう一つは関連イノベーションを指摘しています。ここに書いていますような、いろいろな測定機器であるとか、蓄電であるとか、それからソフトサービス、ソフト産業ですね。コンサルティングとか、あるいは物流データセンター等々の新しい産業が期待できるし、既にそうしたビジネスが起きているということです。つまり、広がりが非常に幅広いということを、ある意味、検討の中に入れております。
システムとオペレーションは事業の運営ですね。事業の運営そのものも低炭素ビジネスについては一つのビジネスチャンスが生まれてくるのです。そして、そうしたビジネスを支える機能としては、これは前回と同じなのですが、金融をもっと新しい形で活用する。財政だけではない民間の金融の力を発揮させる視点を強調しています。そして、やはり人づくりということは大事ですから教育を挙げました。この教育分野については我々のマンデートからは少し離れるわけですけれども、しかし構造的に非常に大事であるということで位置付けております。
8ページ目をお願いいたします。これは全体的な低炭素ビジネスが、世界的にどうかということの推計です。スマートシティの市場推計、2030年には3800、4000兆円近く達するということでございます。世界的にです。
それから、9ページ目です。これは環境省が調査しております環境経済観測調査、環境短観(通称)によりますと、調査は半年ごとにやっていまして、ここにあるのは昨年12月のデータです。通常、日銀短観というのは、ご存じのように景気の動向を見る指標として知られていますが、環境短観のDIで見ますと、環境ビジネスに対する期待は常に上振れしていることがわかります。さらに、この赤で囲っております、半年先、10年先ですの見通しが注目点です。今後の発展性でいいますと、再生可能エネルギー、スマートグリッド、太陽光発電システム等々、蓄電等が挙がっています。要するに、環境関係のビジネスでも、とりわけ電力・エネルギー関係のビジネスの展開への期待が非常に大きいということがわかります。
次をおめくりください。我が国の政府の新成長戦略においても、グリーン・イノベーションによる産業の活性化自体が、雇用創出にもつながるということで、140兆円という将来の新規雇用の見通しを立てています。実際には、私はもっといくのではないかということを期待しております。
続きまして、震災による需要家意識の変化です。こういった低炭素産業を支えていくには、まさにマーケットの力が必要です。12ページ、低炭素社会に対する生活者のイメージを示しています。これは実は、私自身もそうなのですが、「低炭素社会」と言われても、実は言葉としてはわかるのですが、実感的にピンと来ない人が多いということが、12ページのアンケートで出ております。豊かな社会になるのだということと、もう一つイメージが湧かないと、何ともいえないという、そういう見方とが、3分の1ずつ位。あるいはむしろコストが非常にアップしてしまうという不安の意識もある。
しかし、これまではそれでも、やらなきゃいけないねという気持ちが非常に強かったと思うのです。13ページになりますと、これは3.11の後の昨年7月の調査ですけれども、節電意識から無駄の削減、安心・安全、あるいは安全重視のもの選び、食べ物とか、そういった身のまわりの商品についても、震災によってかなり意識の変化が起きたことが、明らかにこのアンケートで出ております。
これは次の14ページ目もそうなのですけれども、商品を選択する場合でも、原子力事故による影響での放射線汚染の風評という面もありますけれども、実際に不安な気持ちから環境への負荷の少ない製品を選ぼうという意識になってきたり、あるいは単に価格が安いだけではなくて、社会にプラスになるようなものを選びたいという意識が、この左側の棒グラフの赤で囲ったところで明らかなように、震災後にそういう意識の人が増えていることがわかります。こうした現象は、一時的なことというよりも、むしろこれはある種、震災及び原発事故によって低炭素社会というのは一体何かということが、実は安心・安全と直結しているということに、多くの人が実感した結果、こういう反応になっているのではないかという風に解釈もできると思います。
それから右の低燃費車、あるいはエコカー、あるいはハイブリッド、つまり環境負荷の少ない車に対する期待も非常に増えています。
続きまして、そうした需要家意識の変化です。16ページには、電力の供給不安ということがこの夏も心配されるわけですけれども、企業を含めて大きく節電に対する期待、自分たちで何とかしなければいけないという意識が高まっています。それ自体が一つのビジネスを生み出す力です。今までは電力というのは契約さえすれば使える、電力会社も安定的に供給できるという意識が変わってきて、自家発電への期待、照明等の変更等と、こういうものがまさに低炭素ビジネスにつながっていくわけです。
17ページにいきまして、まさに電力価格の上昇ということも起きてきています。独立系の、既存の電力会社以外の事業者との契約、あるいは自家発電で賄うという動き、あるいは消費者の節電、光熱費の節減などを、経営の一つの課題として取り組むところが増えていることは、こういうことでもわかるということです。
続きまして、求められる低炭素ビジネスの姿です。19ページ目。今言いました個人、企業等、両方の需要家の意識の変化、その中で新しいビジネスが出てくる。つまり環境配慮とか、社会貢献、より安全・安心なエネルギーを求めたい、安定した電力、それからエネルギーコストの上昇に対する対応、といった需要家の変化に対応するビジネスとして、ここに一例ですけれども、六つほど挙げております。例えば、住宅を一つ一つの各器具で対応しているのではなくて、家全体のエネルギー効率を高めていく。あるいはまち全体、つまりスマートシティになってくるわけです。まち全体のエネルギーの効率化を考えた事業とか、あるいはそれらを一軒一軒、一社一社、需給を見て、最適な解を提供するコンサルタント・アドバイザリー等々の活動が増えてきている。20ページに一つの絵を描いていますが、いろいろな形でこのエネルギーサービス事業者というものは、もちろん既存の電力会社もこういう事業を当然やっていきますし、新たに新規参入されるところもあるということです。
ですから、再生可能エネルギー法案による太陽光、風力といった新しい発電がビジネスを生み出すだけではなくて、それを家庭で蓄電するか、どう適正に配電・送電するか、あるいは家庭の中でどう節電するか等々、いろいろな形の事業が生まれてくるのです。そして右肩に書いているように、それに資するような新しい低炭素機器が出てきます。エコカー自体も一つのバッテリーでもあるわけですから、室内のLEDとか、省エネ、効率化の設備と、ドッキングして、いろいろなものの販売が増えてくるということです。
21ページは、そうしたいろいろな「ものづくりプラスサービス」の低炭素化によって付加価値が向上していくということが、電力の供給あるいは家庭、まち全体の省エネサービスの中で生まれてくることを示しています。
22ページは、そういった事業は常に幾つも展開されているわけですけれども、国全体でこれを支えていくためには、財政だけでは不十分であることを示しています。財政はもちろん補助金等の役割があるわけですが、ここに書くまでもないのですけれども、我が国の財政事情は非常に厳しい。その中で、ある程度の初期投資を進めていくには、財政だけではなくて新しい民間の資金の活用ということが求められるということです。
一方で、民間の資金も投融資先に困っているというような現状がある。さらには年金基金、最近のAIJのような問題の背景にあるのは、高利回りの投資物件が少ないということもあるわけです。こういった一種のミスマッチが需要と供給、金融市場においても起きている中で、新しい金融の仕組みを築く必要があるだろうということです。
23ページ目は、今まで申し上げてきた、あるいは前年のスマートものづくりの枠組みの中に、基本コンセプトは大きく変わらない、変えなくてもいいだろうと思って示しています。しかし、右肩の辺には、先ほどお示ししました三つの「S」を並べています。キーコンセプトの四つと、この三つの「S」を、両方を満たすような形でマーケット展開が進むことを期待したいということです。
25ページ。まずマーケットを形づくっていく消費ということでいいますと、政府がトップランナーの企業を奨励したり、あるいはグリーン購入、政府なり自治体が、調達において低炭素製品サービスを優先的に配慮すります。あるいは生活者が、消費者が、エコポイントであるとか補助金とか、今回これから導入されるFIT等によって積極的に取り組んでいくという形になっているわけですけれども、これをさらに継続的にしていくには、この左下に書いていますが、安心・安全がさらに見えるような仕組みが必要です。つまり、自分たちが取り組んでいる商品・サービスの価値が見えるような仕組み、あるいは先ほども申し上げましたような民間資金を継続的にマーケットに広めていくには、市場化が欠かせないのです。さらには、単品の省エネ製品とか、省エネシステムにとどまらず、オペレーション全体でより効率的な展開ができるようなビジネスの発展も期待されます。
26ページは、そういった低炭素消費の活性化が、将来このようになっていくのではないかということで、幾つか施策的な提言をしています。四つ挙げています。一つは、消費者の行動が非常に低いと、低炭素価値をあまり重視しないという場合。もちろん強制的な規制というのはやはり施策的目的が明確でないと乱発はできないわけですけれども、2020年、30年を見据えた場合には、一定の、例えば自動車などでも燃費が非常に悪い車を、一定の猶予期間を置いた後において販売禁止義務化といった措置も必要ではないかというのが、ここでのポイントです。消費者行動が低い部分に対しては、一種の鞭(むち)の政策ですね。規制で事業者の背中を押す政策です。
それから真ん中の中間区になるような消費者の活動については、低炭素商品を選択する消費者の行動をさらに広めていくためのものです。ここに書いていますけれども、税制上のメリットとか、エコポイント、さらにそれを発展させたエコプレミアムとか、オフセットとかです。さらに、ここではグリーンディール、これはまた後ほど申し上げますけれども、一種の市場の取引を使った仕組みが要るだろうということです。
右側はさらに先行的な活動をする、あるいはそういった意識を高めていくためにコンサルティングとか、いろいろなシステム性の評価とか、より前向きにやっていくところを強調するような形で引っ張っていく政策がいるということです。全体を引っ張っていくような活動に対しても施策的な支援が必要である。
27ページ目は先ほど申しました一種の販売禁止義務化で、MEPSといいます。既に、ヨーロッパでもアメリカでも諸外国で結構取り入れられている制度です。自動車などでもそうです。排ガス規制については、新規の車はすべて一定の基準以上でなければいけないということです。既存のものをどうするかということは残りますけれども。そういった形で低炭素の基準に満たさないものについては、ある種の義務化をして、適合しないものは市場から排除していく。逆に前向きに先行して対応しているようなところについては、エコプレミアムで評価していく。こういうアメと鞭(むち)の政策というものが考えられる。
28ページ目は、それを取り組んでいる各国の実例です。
それから29ページ目のグリーンディールについてはイギリスで今年から実施する政策です。これはある種の所得の低い層に対する対策でもあるけれども、必ずしも所得面の格差是正策だけではありません。ご存じのようにイギリスや欧州では、要するに古い建物、既築の建物等への設備投資のコストをいかに下げて、インセンティブ与えるかということが眼目となっています。こうした政策はかなり広範囲に活用できるのではないかということでここに取り上げております。
それから次にいきます。キーコンセプト別に見た対応策で、31ページです。これは低炭素投資について、先ほど申しました金融面からの支援が必要だろうということです。低炭素投資の現状はこういうことです。政府が補助金なり税制優遇等で対応しているケースがあると、それに対して民間のお金もつくという形になっています。けれども、政府の財政の状況を考えますとそうもいかない。32あるいは33ページにありますように、基本的には同じような考え方なのですが、民間の金融機関が軸になってファイナンスを進め、それを政府が保証とか、税制上の優遇措置等でサポートして低炭素ビジネス投融資に対して、今まで以上に積極的にお金をまわしていく仕組みです。
続きまして、キーコンセプト別に見た場合の経営の低炭素化です。35ページですけれども、これは現状がこうなっていることの紹介です。環境報告書とか、あるいは温暖化ガス情報を開示する温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)の公表制度は大事ですが、温対法の公表制度は一応制度に基づいているわけですけれども、基本的には自主的な情報開示を土台にしています。自主的に対応すること、あるいは自主的取組ということは、企業の自主性を尊重すること自体、決して悪いことではありません。むしろ我が国の企業はCSR経営もかなり定着してきていますので、望ましいことでもあるわけです。けれども、さらにこれを低炭素社会をつくっていき、かつ低炭素ビジネスを発展させるという方向に持っていくには、一定の制度化というものが必要になってくるというのが36ページの説明です。
一つはCO2等の排出についての開示についてです。一定の排出レベルのものについては有価証券報告書で開示していく必要性を指摘しています。そういう法的な開示がなぜ必要かというと、現状の自主的開示では、企業間、あるいは産業間の比較可能性が十分ではないということなのです。自主的な開示だけですと、それが十分ではない。ですから、法的開示だと、比較可能性が出てくる。金融機関のほうも評価しやすくなってくる。あるいは消費者も商品の評価について、より明確な評価ができることによって、むしろ企業イメージ、企業のブランド力がアップするという好循環を生み出すような形での支援が期待できる。そういうふうに考えて、ここに提示しています。
続きまして38ページです。これは人と場の創出です。ものづくりWGにおいては、ものづくりの競争力の強い我が国において、もっと基本的な力を持つ人材を育てていくと同時に、周辺のアジアの国からも日本にどんどん人材を誘致しようと、いう考え方を示しました。つまり、日本をものづくりの人材のハブセンターにしようという議論もあったわけです。ただ、実態は3.11によって変わりました。もちろん人の往来は回復しているわけですけれども、高度な人材が必ずしも日本にやって来ようと思うだろうか、という疑問が出ています。日本には、やっぱりちょっとリスクもあると。地震のリスクもあり、放射能のリスクもあるので、他の国に行こうかということになっているのではという懸念があるわけです。
そういった疑念を払拭するためにも、ここに挙げていますような高度人材育成・誘致に対するポイント制とか、あるいはこういった低炭素ビジネス関連の人材の誘致等についても、制度的な補償等を進めていく必要がある。それを担保していく場として、次に書いていますように特区制度に期待していま。特区は既に幾つもあるわけです。けれども、特区を特区のままで終わらせないために、特区の全国展開とか、さらに特区の強化ということも政策の視野に入ってくると思います。
人づくりということは、我が国の人材だけではなくてアジアの人材を含めて日本の競争力を支える形で育てていく必要があるということです。
それから国際展開です。41ページ目。42ページ目はその現状と課題です。つまり、日本の競争力、特にものづくりシステムの面においては、このように凄く力はあるのですけれども、市場のシェア率が急速に低下する。それが左の図です。これは前回のWGでもお見せいたしましたが、かなり短期間に新興国などにキャッチアップされてしまう。せっかくの競争力が収益に必ずしも長期的にはつながらなくなっているわけです。それから、43ページのほうはそういうところを克服していくためにも、まさに知財の、特に低炭素ビジネス分野、再生可能エネルギー環境の特許の重要性を指摘しています。我が国は再生可能エネルギー関係の特許においては、世界の過半の取得件数を持っているわけです。それらを製品に活用して市場化し、収益につなげる過程においては、いつの間にか、かなり早急にキャッチアップされてしまう。そういったところを改めて国際的知財標準化戦略、WIPOのグリーンデータベースなどの領域でも、どんどん日本の特許技術を公開することによって、市場拡大につなげていく必要があるということです。
44ページ目は、国際標準化戦略です。これは経産省等も力を入れてやっておられるわけですが、どうしても業界標準のものを提案していくのはなかなか難しい、トップスタンダード制度がいるのではないか。あるいは標準化されたものの、例えばISOの14001と50001等々、あるいは99001などの共通部分を、共通化していって、より効率的・合理的に活用してマネジメントに反映できるような仕組みの構築ということも求められてくる。
それから、特許について、特に我が国の企業の強みというのが、アプリケーション分野での特許の取得力が強いということです。これは環境分野に限らずではあるわけですけれども、これはまさにいろいろなマーケットをにらんで、そのマーケットにふさわしい製品開発につなげている日本企業の強みです。基礎特許を持っているだけではなくて、こういったアプリケーション特許の強みということを、この低炭素ビジネスの分野でも十分に発揮できる、それを支援していくような仕組みが必要ということです。
少し飛びまして、プロセスイノベーションということです。48、49ページにおいては、産業の中でも特に温暖化ガスの排出の大きい素材産業について省エネを進めていくためのプロセスと省エネを進めていくうえで必要な費用の試算等をはじいています。これについてはヒアリング等の結果もありますので、後ほどまた必要であれば事務局のほうから補足していただきたいと思います。
それから、49ページは業種横断的な技術についての2020年、30年の低位・中位・高位のケースを計算しております。
それから、50ページはヒアリングに基づいてこの素材産業等の今後のシナリオ、成長していくシナリオと、慎重シナリオ、両面においての省エネの可能性についての数字の紹介です。プロセスイノベーションについては、プロセスイノベーションをやれというだけではばらばらになってしまいます。EUの場合、このようなBAT(Best Available Technology)のデータベースをつくっています。プロセスイノベーションを促進するうえにおいて、どの技術を導入すればいいのかということを、つまり最先端の技術というものが今何であるのかということを、企業が一目瞭然になるようなデータベースの整備が各産業において求められる。これはまさに国が力を入れてやっていきたい分野だと思います。
それから、52ページ以降が低炭素ビジネス構築に向けたロードマップを提示しています。53ページ、54ページに載っていますが、共通施策とプロダクトイノベーション、プロセスイノベーション等に分けて書いています。先ほど挙げました製造販売の禁止措置のような鞭(むち)の政策については、これはいろいろ議論があるでしょう。また、それから業種によっても、分野によっても必要な措置は違ってきますので、MEPSの導入というのは、2020年以降ということではないかなと思っています。ただ、見える化措置とか、トップランナー制度等については、今でも出来ておるわけです。
それから、55ページ以降はこれまでの整理です。昨年のロードマップからの変更点というのは、ここに挙げています四つです。やはり3.11の事故を踏まえて「ものづくりプラスシステムサービス」それに関連システム等の重要性を指摘しました。さらに、ものづくりだけではなく、全体の日本の低炭素ビジネスのあり方というものを示したということ。そして、やはりマーケットの反応が変わったということです。
震災・原発事故で生活者・事業者の意識の変化ということが大きいと思います。もちろんああいう事故は起きなかったほうが当然よかったわけです。しかし、そうした出来事を踏まえて、より低炭素ビジネスに対する希求というものが企業の間でも、消費者の間でも起きているのではないかなというふうに思います。
それから、そうした動きを進めていくには、やはり限られた財源の中での効率的な政策パッケージが必要です。さらにプロセスイノベーションについては、ここに推計を出しておりますので、そういった具体的な数字も踏まえて進めていきたいということです。
56ページ目のまとめのところです。これまでと同じようなことですが、需要家の意識の変化の重要性、そして低炭素ビジネスは、我が国だけではなくて、特にアジア、中国市場を控えていますので、アジア全体でますます発展していくということです。それからプロセスなり、あるいは関連ビジネスを含めてとらえるということは、まさに経営力そのものです。製品をつくって、それを単に単品で売るだけではなくて、システム全体、製造工程全体で効率化していくということですから、企業は経営力・競争力を強めていくということです。またシステム化、あるいは関連サービスということは、単品の販売だけではなくて新しい市場づくりにつながる。システムのオペレーションまで含めた新しいプロフィットを生むマーケットづくりにつながっていくということです。
民間投資については、欧米の金融機関はリーマンショック以降、そしてヨーロッパは今ユーロ危機で大変なわけです。従来の金融市場とは別の新しい仕組みが必要になっています。この点でも日本の金融界は、そのある種の好機、グローバルに展開できる好機を十分生かし切れていない。それはまさに日本の金融が新しいこういった視点が欠けているということでもあります。潜在的に非常に大きな資金需要を求められる低炭素ビジネスの世界にフィットしたような新たなスキームづくりが必要です。そして、こうしたスキームを作る上では、国際的にも日本の貢献というものが合理的に評価できるような仕組みとしての構築が求められます。日本全体がこの分野においてトップランナー、フロントランナーになる決意と制度、それが必要なのです。
課題もいっぱいあります。低炭素ビジネスなら絶対成功するわけでももちろんありません。これは言わずもがなではありますが、これまでの常識にとらわれない新たなビジネス構築が必要であるとともに、そのリスク面を十分押さえてやるということです。
規制の緩和ということは非常に大事です。あります。同時に、ある分野においては市場参入をもうこれ以上、認めないというような規制の強化ということも考えられます。規制の緩和と規制の強化。この組み合わせの合理性が必要です。そういった工夫によって、日本が諸外国に先行して、あるいはすでに技術開発力のある分野を、さらに前に踏み出させていくという、インセンティブを生み出す必要があります。そこが政策の妙です。
政府としては最後に、これは言うのは易しくてやるのは大変なところでありますが、我が国の産業界はやはり、こういう場ではなかなかあまり自らの実力を積極的に言われない企業も多いのですが、実は一生懸命やっておられる。さらに潜在力も非常に高く持っていると思います。そういった企業本来の競争力をより発揮させるような中長期的な、かつ安定した政策、ぶれない政策を実施いただきたいと思っています。以上です。

西岡委員長
どうもありがとうございました。
この小委員会の目的の一つとして、この低炭素社会をグリーン成長にどうつなげていくかという課題があったと思います。それに対しましてグリーン投資、あるいはイノベーションといったことについての具体策、そしてそれを推進するための施策について、まとめていただいたと思っています。
続きまして資料2を用いまして、エネルギーの需要サイドの事業者へのヒアリング結果、これは事務局のほうから説明願いたいと思います。

低炭素社会推進室長
それでは資料2でございます。こちらにつきましては、中央環境審議会におきましては地球温暖化対策の検討をいただいておるわけでございますが、それと表裏一体的な形で現在、総合資源エネルギー調査会におきましてエネルギー政策の検討が進められているというものでございます。
そういった面でいきまして、両審議会の委員の方々、また今後、経済影響などの分析を行うモデルを用いた分析を行っておられます研究者、研究機関の方々、こちらの方々と合同でエネルギーの需要サイドの事業者の方々から今後の活動量、また省エネルギー対策の導入見通しなどにつきましてヒアリングを行ったわけでございまして、その概要についてご報告いたします。
1枚おめくりいただきまして、2ページ目にヒアリングの概要というものが書いてございます。今回、ヒアリングをさせていただきましたのが、こちらにあります産業部門、運輸部門、そして民生部門の8団体でございます。
その際の提出いただきました資料、またヒアリングの概要、そして経済産業省、環境省が活動量の見込み、そして省エネの対策技術のラインアップ、こういったものを示した資料につきましては、参考資料2につけておりますので、後ほどご覧いただければと思います。
2ページ目、中ほどから結果の概要が書いてございます。まず産業部門でございますけれども、両省で試算をしました今後の見通しというものを示しつつ、意見交換をさせていただいたというところでございます。
(1)といたしまして、セメント業につきまして、こちらにあります慎重ケース、年率1.8%の成長。そして慎重ケース1.1%の成長というものの際の活動量の見込みを示して意見交換を行ったところでございます。このセメント業については、こういった見込みについては、違和感はないというようなコメントをいただいたところでございます。
また、(2)といたしまして鉄鋼業につきましてでございますが、成長ケースにおきます活動量につきましては、2020年、30年ともに1.2億トンというものでございますが、こちらについては違和感がないというコメントでございました。また慎重ケースというものにつきましても、同様の生産量になるという見込みをお示しされたというところでございまして、こちらにつきましては、アジアを中心とした旺盛な輸出需要が考えられるというお話がございました。
(3)といたしまして、製紙業というものでございます。2020年についての活動量の見込みにつきましては違和感がないと。こちらに示した数字については違和感がないということですが、2030年は業界としては推計していないというご発言もございました。
3ページ目にわたります。(4)といたしまして、化学業でございます。こちらにつきましては、両省から示した数値につきまして、過去の公式のデータというものを見ますと、GDPの伸びとエチレンの内需、ほぼ連動しているということが実績としてあるというご指摘ではあったわけですが、両省から示したものについては、慎重ケースについてGDPが伸びる一方でエチレンの活動量については減少するという試算になっているので、その前提の置き方等がわからないと判断できないというお話もありましたので、引き続き事務局のほうで中身についてやりとりをしているというところでございます。
また、各業界に対しまして、省エネルギー対策の導入の見込みについてお話を伺ったというもので、その結果が(5)でございます。各業界からお話をいただいたところにつきましては、各分野とも世界最高水準のエネルギー効率を達成しているというコメントがございましたし、また両省がラインアップいたしました省エネの対策リスト、こちらにつきましては、先ほど藤井委員からご説明いただきました資料2の1の48ページ目に記載されておりますけれども、例えば次世代コークス炉であるとかというもの。こちらについても違和感がないというコメントもございました。
続く3ページ目下、運輸部門でございますけれども、こちらにつきましては、燃費の向上、次世代自動車の普及、こういった単体対策のみならず、交通流対策、エコドライブなどの総合的な交通流対策が必要不可欠であるというご指摘もございました。
また、民生部門につきましては、住宅・建築物分野でございますけれども、新築対策だけではなく、既築対策も重要であるというコメントもあったというものでございます。詳細は参考資料2にございますので、後ほどご覧いただければと思います。以上でございます。

西岡委員長
どうもありがとうございました。
それでは皆さんからのご質問、コメントをいただきたいと思っております。いつものようにお二人ずつ、まとめて質問いただき、それに答えていただきたい。どなたに答えていただきたいかというお話も、質問の中で入れていただけるとありがたい。
どうぞ、札を立ててみてください。すべての委員。まず、部会の委員のほうからいきますけれども、よろしゅうございますか。冨田委員のほうからお願いします。

冨田委員
ありがとうございます。意見とそれから質問をさせていただきます。
意見ですけれども、19ページのところに震災後の需要家の意識変化云々とありまして、低炭素ビジネスに大きな期待が寄せられるという中に、左下のほうに分散型の再エネ電力供給事業というのがありますが、どこか別のページのところにも、再生可能エネルギーを、災害時においても供給可能な電源というふうに考えていらっしゃるのではないかなというふうに思われるところがあったのですが、再生可能エネルギーの供給安定性を考えると、蓄電池と組み合わせるか、あるいはコージェネみたいな別の形の分散型を考える必要があるだろうと。したがって、ここの文章は、再エネ等を使った分散型電力供給事業というほうがより宜しいのではないかなと、これは意見です。
それから質問、三つほどあるのですが、35ページのところに経営の低炭素型に向けた取組ということで、主に金融機関等の役割のところが書いてございます。
今のままですと、環境・企業に対する投資というのは、ポートフォリオとして魅力は必ずしも高くないと。したがって、36ページのような形のものが必要だろうと、こういうご説明だったかと思うのですが、右側に書かれている、縦で書かれている有価証券報告書の記載であるとか云々がありますけれども、なぜこういうことをやるとポートフォリオとして魅力的になるのかというところがもう一つ理解できませんでした。有価証券報告書のほうに記載がされるといいということでしたけれども、温対法の中でCO2の排出量は既に報告をして、公表されるということがありますので、それは決して企業が自主的にやっていることではなくて、法律に基づいて、政府のガイドラインに基づいて計算をして出しているということですので、こういうものが何でさらに必要なのだろうかと。
それから、企業別排出削減目標の設定というのもありますが、こういうのがあると何でポートフォリオがよくなるのかなというのが理解できませんでしたので、教えていただければと思います。
それから、2番目の質問ですが、49ページのところで、省エネ量、低位・中位・高位というのがございます。かなり量が違っておりますので、それぞれ必要なコストも違うのだろうと思うのです。ここはCO2ではなくて省エネですので、省エネ原油換算1万キロリットル当たり、例えば幾らのレベル位ですというような目安がありましたら教えていただければと思います。
それから、最後の質問ですが、54ページのロードマップのところです。プロセスイノベーション、これだけのことではないのですが、低位・中位・高位といろいろな対策というのが書かれています。省エネ行動の評価であるとか、あるいはグリーン投資、こういったものをやろうと思ったときに、温暖化対策によってどれほどのCO2の削減ができるだろうかという評価をする必要が当然あるかと思うのですが、系統電力に関わる対策による削減効果、CO2を削減できる量の計算方法を政府が決めていないという状況があるわけですが、それに関して先生はどういうふうにお考えかというのをお聞かせいただければと思います。以上です。

西岡委員長
ちょっとたくさんありましたから、お答え願います。

藤井委員
それでは、最初の35と36ページの経営のところです。確かに先ほど申しましたように、温対法は一応、制度なので、排出総量は出ているわけです。けれども、それが、じゃあ経営にどう影響するのか、ということがわかるような価値化した数字はない。有価証券報告書に載せるということは、企業にとってのリスクに該当するのかしないのかということを判断して載せるわけです。要するに、投資家にとって有益である情報として載せる場合において、今の温室効果ガスの排出量が、収益にいかに影響するのかしないのか、簡単に言えば、そういう開示が必要です。そういうものとして有価証券報告書というのは開示するわけですから、単に排出量が制度的に公表が義務づけられているといっても、経営面への影響について、投資家は全く判断できないわけです。排出量をそのまま載せてもまた意味がない。載せる場合には、それは企業の資源配分の中においてどのようなコストがかかっているのか、それを削減の義務が課された場合には、どう経営に影響するのかということを開示するというのが有価証券報告書の開示です。つまり、有価証券報告書の開示と温対法の開示というのは、明らかに違いがあるというふうに思います。
それから、企業別の排出削減目標の設定については、これも同じようなことですが、要するに比較可能性を持たせる必要がある。同じ業界の中において、Aという企業は共通目標の中で達成している。あるいは超過達成をこの位している、いやしていない、ということが見えるかどうかが必要です。少なくとも投資の世界から見れば、企業間、産業間の比較可能性が現状ではできないので、それを評価も理解もできないということになっていると思います。そういう意味で、この35と36ページにおいて、将来にはそれをより共通化した形で開示したほうがいいのではないかということで書いております。
49ページのところは、これは先ほどもありました、事務局のほうでちょっとご説明いただきたいと思います。
54ページのロードマップのところ、ちょっと聞き取りにくかったのですが、ご質問の趣旨は?

冨田委員
54ページの資料に書かれていることではないのですが、現状、系統電力に関わる温暖化対策、例えば、何でもいいのですが、例えば照明対策をしましたと。あるいは太陽光発電が一番わかりやすいかもしれません。太陽光発電を導入してキロワットアワーを発生しましたと。系統電力のキロワットアワーを削減できるわけですけれども、それがどれだけのCO2削減量に相当するかということについての考え方が政府として決めていないという現状があるわけです。それは温暖化対策を進める上で、一丁目一番地に相当するような話だろうと私は思うのですが、それすら決まっていないという状況を先生はどういうふうにお考えになりますかということをご質問しました。

藤井委員
それはおっしゃるとおり、決めなきゃいけません。それを決めないで全体の削減政策を進めていくわけにはいかないと思います。だからおっしゃるとおりだと思います。

西岡委員長
あとは、事務局のほうで。

低炭素社会推進室長
49ページに関しまして、コストのご質問がございました。こちらに関しましては、前回の小委員会におきましても、各部門ごとの対策費用について示して議論が出されるべきだというご指摘をいただいておりますので、次回以降、事務局のほうで計算したものを、ご提示をしながら議論を深めていただければというふうに考えております。

地球温暖化対策課長
それと、もう一つ補足でございますが、排出削減量についての考え方でございますけれども、まず例えば企業が一年間に二酸化炭素をどれだけ排出しているかということを計算するときに、例えば電気を年間1万キロワットアワーを使っていますといった場合に、それに全電源の係数を掛けて排出量を出しているという現状でございます。
つまり、それは例えば企業が週2日休んで、月曜から金曜まで運転しているということだとすると、本来であれば土日の排出係数と平日の排出係数と違うかもしれないのですけれども、そういったところを、あるいは季節によっても、夏場と冬場とで電源構成が変わったりするということもありますので、いろいろなものを考慮してきちっと決めるというのも、それもまたなかなか手間が大変でございますので、算定・報告・公表制度においては、全電源係数を掛けるということで出しているわけでございます。
母数となる排出量については、そういった計算をしているという中で、その削減するというものをどうやって引いていくかということを考えますと、細かく計算できれば、細かいものを引いていけばいいという話かもしれませんけれども、母数自体が全電源をかけているという状態を認めているという状態においては、なかなか削減する分を非常に細かく分類分けをして、これだけ削減されたというのを引き算の因数にするというのもなかなか難しいという状態でございますので、現状としてはこういう考え方ではこれだけ削減されたということを、別欄で記入していただくということになっておるところでございます。
ただし、委員のご指摘どおり、もう少し事業者の努力が見えるような計算方法はないかということは、現在検討中でございますので、その辺を申し添えたいと思います。以上です。

西岡委員長
何かありますか。

冨田委員
言いたいことはたくさんありますけれども、時間もあるでしょうから、とりあえずおまわしします。

西岡委員長
はい、どうもありがとうございます。それでは、伴委員お願いします。

伴委員
今回、ものづくりだけではなくて、そのシステムとしての低炭素ビジネスというのを前面に押し出されているわけですし、それから8ページと、特に9ページの環境DIですか、そこでも、システムとしての低炭素ビジネスが注目を浴びている。それは非常にいいことだと思っています。
ものづくりというのが日本で、これまで叫ばれてきたわけですけれども、基本的なものづくりという点では、恐らく日本は勝てないと私は思っております。例えば太陽光にしろ、風力発電にしろ、ものづくりというのが、中国の大規模な政府の補助金のもとで育っている、あるいは大規模な民間の資金のある韓国の企業の開発するものと、日本は多分、太刀打ちはできないと思うのです。
ただ、そこでつくった安い製品をシステムとして統合するのは、やはり頭の使いようであって、そういう方向に少し向いていくべきだというのは、私は思っています。
ただ、二つほど質問があるのですが、私は努力とかそういう問題ではなくて、はっきり言えば、例えば電力の場合でいけば、電力が2割、3割、値上がる。あるいは倍値上がるとか、そういう形の価格メカニズムというのがドライビング・フォースだと思っておるのですが、藤井先生はその辺をどう考えていらっしゃるのかというのが第1点。
第2点は、担い手として、中国とか韓国、韓国は企業ですが、中国の場合には政府が非常に多額な財政資金を補助金として使って、風力とか太陽光の価格をどんどん下げているわけですが、ところが日本の場合には、政府は貧乏でありまして、お金がほとんど出せない。
そうしたときに、金融という側面でお考えになっていらっしゃいますが、確かに、金融界では環境投資ということで、あるいは日銀も含めて努力はしているとは思うのですが、ただ、日本の現在の環境を考えたときに、政府が大規模な赤字を出していて、それをファイナンスすることで汲々している中で、本当に民間の金融機関というものが環境投資、あるいはグリーン・グロースに資するようなところに、本当にお金を投ずることができるかどうかという点について、藤井先生はどう考えていらっしゃるか、少しお聞きしたいと思っています。以上です。

藤野委員
どうもご発表ありがとうございました。昨年度にもさらに増してわくわくするような提案がいろいろあってうれしかったです。
そんな中で、ページ27ページで、例えば、市場成熟度に応じた段階的施策の導入とかというので、もう既にほかの国では行われていますけれども、日本ではちょっとどういう状況か個人的に存じ上げてないのですけれども、例えば、なぜ日本でできないのかとか、もう一方で、誰にこれ、もちろん低炭素ビジネスWGでさらに検討する余地もあるかもしれませんが、どういう専門家がこれに関って検討することで、日本で具体的に進んでいくのだろうかとか、各ワーキンググループもそうかもしれませんけれども、この2年、3年の議論を通じて、かなり具体的なところがわかってきたところで、誰がこれをもうちょっと進めてですね、やったらいいのか。例えば一例で、LEDとか照明のほうの話で、確かに白熱球を、製造の販売というのをしていくというところもありますし、一方で、LEDをつけるときにも受け側というか、今まで白熱灯をつけていたソケットみたいなものが、そのままLEDをつけちゃうと、照明器具のメーカーの方から言わせると、あまり効率よくないとか。本当はソケット自体も変えないと、もっと効率よくならないとかというお話も聞くのですけれども、そういったものも含めて、どうやって見える化させたりとか、そういうのをエネルギー管理士だったりとか、温暖化防止推進委員がチェックするのかちょっとわかりませんけれども、何かその次につながるような仕組みづくりをしていくには、どういうふうにしていけばいいか。全般的にご意見があったらいただきたいというのが1点目。
2点目は、6ページ目のほうに戻りまして、これは全体の枠を示していただいていて、プロセスイノベーション、プロダクトイノベーションと、システム&オペレーティングイノベーションとあって、最後のほうはプロセスイノベーションの分析結果が多かったのですが、やはりプロダクトイノベーション、ここをさらにどうできるか、さらには、システム&オペレーティングイノベーションをどうできるかというところが、今後、経済とグリーン成長というところを占う上でとても大事だと思うのですが、ここを具体的なデータを、まだないところもあるのですけれども、どうやってつくっていけばいいか。
そうしないと、例えば経済モデルだったりとか、そういったもので、いろいろ提案は具体的なものがあるのですけれども、数字が入ってこないと、やると雇用がこう生まれるとか、市場規模はこうなるとかというのができないのですが、そこら辺、具体的なデータをつくり込もうとするとどういうところが難しくて、どういう可能性があるかというところのご示唆いただけたら、または伴先生とか逆に悩みがあるかもしれませんが、まずそこら辺、コメントいただけたらと思います。以上です。

西岡委員長
藤井委員、お願いします。

藤井委員
伴先生のほうの最初のご質問で、価格メカニズムがドライビング・フォースになるということ、まさにそのとおりだと思います。ただ、例えば電力ですと、価格メカニズムをドライビング・フォースに使う仕組みに電力マーケットが今なっていません。地域独占ですし。それから今PPSは一つのビジネスチャンスなのですけれども、自由に一気に、展開できない。今後、時間がたっていけばPPSもそれこそ再生可能エネルギー発電を活用していくということになると思うのですが、基本的に今の電力の価格形成のメカニズムを変えないと、十分な価格による市場の調整ということは起きない。それは電力システム全体の問題とも絡んできます。原則はそれは価格メカニズムが機能するような仕組みにしていただきたいということです。
それから、金融機関は、そうは言ってもあまりやらないのではないかということですが、確かに今の金融機関は動きが悪い。結局リスクの評価の問題なのです。環境のリスクを含めて、リスクを全部自分たちで取るとなると動きが悪くなる。当然なのです。信用リスクから何から何までは、金融機関自身、当然取り切れない。
今、大体メガバンクで環境金融を積極的にやっているところでも、貸出の5%位が環境関係のビジネスへの融資と聞いています。これを多いと見るかどうかですが、私は非常に少ないと思うのです。ただ、5%位はある。若干の手ごたえあるという位です。これをもっと大きくしていくには、まさに市場メカニズムが十分に働くようなマーケットにするということと、初期の投融資に対する一種の政府の保障等の支援が必要ではないかと考えます。今もっと一番大事なのは、要するに、規制がしっかりしているかどうかなのです。
政府の政策がしっかりしていないとフィードインタリフも、今年度はいいけれども、政権が変わったら新規のものはやめようということになってしまうと、全くビジネスもそうですし、金融もついていけなくなってしまう。
ですから、規制リスクを極力小さくするということをすれば、低炭素市場へのファイナンスが開ける可能性がある。日本では別に日本の金融機関は国債を買いたくて買っているわけではなくて、買いたいのかもしれませんが、ほかに投資するところがあまりないのです。国債リスクの大きさは彼らは十分知っています。出来ればもっと分散させたいということです。
ただし、分散投融資する先の債権、資産があまりにも少ないというのが現状です。住宅ローンで薄い理財で競い合っているという、非常に展望のないような金融の状況になっています。そこを打開するためにも、一定の規制リスクを廃して、政策の先行きが見えるような展望を提示すると、金融も十分に私は動くと思います。
それから、藤野先生のその28ページのところですが、まさに例えば地デジなんかは一種のMEPSですよね。あれは禁止ではないのですけれども、結果として使えなくなっちゃうということですね。私は効率の悪い機器や製品は、使用禁止にしてもいいと思うんですけれど、禁止することに対する何らかの政策責任の躊躇があるのかもしれない。これは政府の方に聞きたいのですけれど、やっぱり禁止したら訴えられるのじゃないかという、そういう懸念があるのかなという気がするんです。
しかし、新しい製品が、より進んだ基準を満たして、かつ価格も十分安いものであれば、一定の猶予期間を置いて、古いものは、もう市場では使えないようにするという明確な意思を政府が示してもいいのではないかと思います。実際に地デジのケースは、間接的にはそうなっているわけです。地デジ訴訟は起きているのですか。もちろん政策変更に対する訴訟は、過去に、例えばあるでしょう。電話債券とかで訴訟になったりしました。ただ、諸外国ではMEPSは出来ています。政策がしっかりすれば、そして何のためにこれをやるのか見えれば国民の支持は得られると思います。
6ページの、プロセス、プロダクトのこのデータのところは、ちょっと私も十分その辺は持ち合わせがありません。おっしゃるようにデータ的な裏づけが必要です。ただ、このプロセスとプロダクトを分けて、特に低炭素の部分がプロセスがどれ位でプロダクトがどれ位というのは、企業自体がそのような開示をまだ今できていません。特定の産業界あるいは業種に絞ってやるということも、なかなか現状では難しい。
ですから、先ほどもちょっと冨田委員のご発言のときに言いましたが、やっぱり企業にとってどの部門においてどれ位の低炭素リスク、あるいは温暖化のリスクがあるのか、さらには削減コストがどれくらいかかっているのかということの開示が十分でないと、数字的にこれを分けて計量するというのは難しいかなというふうに思います。以上です。

荻本委員
低炭素ビジネスというのに、サービスの分を取り入れてという流れなのですけれども、あえていうと、そういうところしかだんだんなくなってきたかなというふうに感じるところが、少しあります。低炭素ビジネスは、例えば省エネを促進するとかという面がありますから、コストを削減するという面は確かにあるのですけれども、社会全体としてはベースとして費用がかかるほうに動いていって、それから収入を得るというような側面があるのは間違いないと思うわけです。
もっと悪いことを申し上げると、電気は高いし、人件費も高いし、恐らく日本の今の勤労世代というのは、ものづくりに適した人間が中心になっていて、教育体系もそういうことになっているというような中で、低炭素ビジネスというとよさげな話ではあるのですけれども、どこかに辛さがないといけないのではないか。いろいろやったんだけれど結局うまくいかなかったということもあるのかなというふうに私、感じます。
ですから、例えば人を育てるということが重要だとすると、具体的にどういうところにそのポイントがあるのかとかいうような、もう少しピンポイントをした例示でもいいと思うのですが、そういうところを少し充実させて、どういうところにフォーカスしたらいいのかということのメッセージを少し強化できたらいいかなというのが私のコメントです。以上です。

大野委員
私は、まとめの一番最後に書かれている、政府が中長期的かつ安定した政策を覚悟を持ってというところ、大変共感してお聞きしていたのですけれども、ですから質問というより確認みたいなものなのですけれど、例えば、33ページで、ここはちょっとあまり金融は私、詳しくないのですけれども、太陽光発電とかグリーン関係の投資と右側の年金、生命保険を結びつけていらっしゃるので、年金の運用をこういうほうにまわしましょうとおっしゃっているのですと、私は一国民として、グリーンのほうにまわしていただくよりも金利の儲かるほうにまわしていただきたいなというのが本音でございまして、温暖化のためにまわしていただいて儲からなくなっちゃったら年金なくなって嫌だなと思っていた。ということは、言いかえるとどういうことかというと、最初のほうに戻りますけれど、ちゃんとやっぱりグリーンのビジネスは儲かるのだというのを、長期安定的にみんなが思わないと、こういうことはできないのではないかと思うんですね。ですから、そこが一番大事なところだなということを、多分、先生と同じ話だと思いますけれど、確認させていただきたい。
それから、もう一つ例を言いますと、27ページ、これは非常にわかりやすいグラフを描いていただきまして、アメと鞭(むち)の構図がよくわかるんですけれども、例えば私どもの例でいいますと、ハイブリッドを初めて出したときに、いわゆる補助金とかいただいたわけです。
今はハイブリッド、かなり育ちまして、一本立ちできるようになって、特別クリーンエネルギー・ビークル補助金とかいただいてないのですけれども、その次の代というと、今いただいているのが電気自動車とか、プラグイン・ハイブリッドになるわけです。ですから、次々にこういう技術に移行していくと思うのですけれど、ここでどういう価値観で補助金を出していただきたいかというと、永遠に補助金をいただくつもりはないわけで、それではしようがないので、子供が育つまでの間というふうに私どもも思っているわけです。
そうすると、どういうものに補助金を出したらいいかというと、一年間で計算してこの補助金を幾ら出してCO2が幾ら減ったというのではなくて、一人前のビジネスになるための時間が、本当は15年かかったのが補助金を出すと10年とか5年で短い期間で一人前のビジネスができるような技術になると、そういうことが一番大事な指標だと思います。
そういう意味でも、その辺の中長期的な視点で、新しい技術をどういうふうに育てていくからどういう補助金を出していただくのかというのは、非常に大切なことでございまして、今の政府の予算は一年ごとでございますから、そういう意味では、先生がおっしゃったように、そういうのを提示していただくというのは大変ありがたいというふうに思います。まとめて言いますと、賛同意見を言ったつもりです。
最後にもう一つ、違う観点でございますが、人材育成のお話が最後に出てまいります。これも大賛成なんですけれども、もう一つ述べていただきたかったなと思うのが、国際交流はもちろん大事だとは思っていますけれども、国内で大学の先生、いっぱい来ていらっしゃいますが、人材育成、特に理工系の人材育成をもっとやっていただけないかなというお願いをこの場でさせていただきまして、この理工系というのは必ずしも環境に詳しい方ではなくても結構でございますので、別に環境問題を知らなくてもハイブリッドの開発できますので、そういう意味でございまして、環境学部をつくって欲しいという意味ではありません。理工系がやっぱり何かちょっと少ないような気がしていますので、是非この際お願いしたい。以上でございます。

西岡委員長
はい、いかがでしょうか、藤井委員。

藤井委員
それでは、最初の荻本委員のご指摘のサービスです。サービス、システムに、必ずしもこれは費用をかけよう、単に増やそうということではなくて、むしろ付加価値をつけるという視点にあります。現状はそういうことではないかなと思うんです。既に日本もサービス産業が主流になっています。ものづくり分野は生産及び雇用においても、全体の二割前後の存在感です。
ですから、日本の企業の大半がサービス産業になっているのです。しかし、サービス産業といっても非常に幅広い。例えばエコカーも、トヨタなりの自動車産業の競争力だけではなくて、要するに、電気を供給するスタンドの整備等、それからいろいろな、一種それを普及させるための仕組み等、これも一種のサービスです。電気供給スタンドそのものは事業になりますけれども、それを提供するサービスということも組み合わせです。ものづくりかサービスかという選択ではなくて、「ものづくりプラスサービス」の力を高めることによって企業価値を高めていく。そうした取り組みはまさに日本企業が非常に強いところだと思うのです。もちろんそれらの軸としての、ものづくりの強みが大事だというのは、これは前回のものづくりWGのときから言っています。つまり、スマートなものづくりです。ただ単にものをつくっていればいいわけではなくて、その中身がさらにレベルが高い、競争力のあるものづくりということです。
それから大野委員のおっしゃられた33ページのところです。我が国の年金基金は非常に新たな投資に慎重というか、しおかし、慎重なのにAIJのようなところで運用というか、だまされていたということですから、私流に言えば、決して慎重ではなく、全く判断が出来ていないということではないかと思います。本来、儲かるところにもお金をまわしていないし、簡単にだまされてしまっている。ただ、ここで指摘しているのは、必ずしも年金基金等が直接、再生可能エネルギー関係に投資しようということではありません。仮にこういうスキームをつくる場合は、幾つかの複数の、例えば200か300の再生可能エネルギーのプロジェクトをプール化する。それから、例えば太陽光事業だけだと、お日様が照らない年は非常にリスクがあるわけですし、制度も、技術進歩の程度も違います。そこで、いろいろなタイプの再生可能エネルギー、あるいは別の環境関係のビジネス、あるいは通常の事業等をいろいろな形でプール化して、それらを裏付けにした証券化をし、債券を発行する。その債権に対して年金が投資するという形が、恐らく考えられると思います。
先ほど申しましたように、今や年金基金は銀行以上に投資先に困っているわけです。内外の国債をこれまで大量に買ってきた。その中で欧州債については、ユーロ危機で大変な含み損を抱えている。あまりこれは開示されていませんけれど、かなり抱えていると想像できます。
ですから、より健全な、つまり低炭素ビジネス関係のビジネスがこれから大量に生まれてくる。それらのビジネスは、確かに全部が全部、バラ色ではない。したがって、適正な政府の政策誘導があり、システムの構築がある中で、ビジネスとしての可能性が、キャッシュフローが生まれてくる。そうした仕組みを踏まえて、幾つもの投資案件をプール化して、証券化した債券を発行して、それを年金などの機関投資家が流通市場で購入する。つまり、今の国債、社債、他の債券と同様な形で、しかし新しいー私は環境債と言ってるんですけれども―債券案を、我々は出しているわけです。既に欧米では先駆的な動きがあります。なぜ年金かというと、長期投資ですので、20年、30年の債券で運用するわけです。まさに再生可能エネルギー等の、あるいは発電事業のような、長期の資金によって支えられるビジネスには、今マッチングしやすいということで、ここで挙げております。
それから、補助金は全く意味がないということではありません。おっしゃられるように補助金は子供が育つまでの一つの策です。しかしなかなか子供だと言いながら、いつまでたってもおしゃぶりを外さない子供もいますので、一定の補助金のスキームと、民間マーケットのスキームが両立てであれば望ましい。企業の側も最初は、補助金で立ち上がっていくのですが、次に事業を拡大するときには、より大きな資金需要が必要になってくる。そこで、やはり民間にいこうという、両立てなのです。
我が国はベンチャーキャピタルのマーケットは非常に小さいということもあって、やはりこの補助金の役割は非常に大きいと思います。しかし、ずっと財政が抱え込む余力もない。また政府が抱え込んでいるだけだと、子供はいつまでたっても大きくならない。この民間市場の育成と両立てで進めていくということだと思います。
それから、人づくりのところは皆さんがおっしゃるとおりです。理工系の大学に関しては、私は理工系ではないので、ほかの先生方にお答えいただきたいと思うんですけど、本当に人材をいかに輩出していくかということが国力につながってくると思います。是非この審議会でも強調していきたいところだと思います。

西岡委員長
はい、どうもありがとうございます。
そうしたら、部会の先生方にお願いします。中上委員、お願いします。

中上委員
ありがとうございます。幾つかございます。冒頭は、やはり最近この種の会議に出ますと、必ず電力の供給不安という話につながってくるわけでありますが、いつまで続くのという感じで、これを恒久的に考えてやるということは、全く私はあり得ない姿だと思うんですけど、その辺は時間軸でどこまでお考えか。
それから、続けて申します。2番目は、マーケットプッシュとマーケットプルで、27ページだったでしょうか、MEPSという欧米の事例が出ておりましたけれども、これをつくった担当者とはもう五十数年付き合いがありますけれども、彼らにしてみれば、日本のトップランナーのほうがはるかに素晴らしいという評価をしておりまして、トップランナーだったら逆にマーケットプルです。上をもっと引き上げるという話でありますから、そういう意味ではMEPSはここに今頃出てくるのはいかがなものかと。もっとトップランナーについて評価をすべきではないかと思います。
そういった事例でいけば、今回とは直接関係しないかもしれませんが、我が国の極めてユニークな活動の一つとして、自主行動計画というのがあるわけですが、これには各企業が皆さん、何らかの形で関わってこられて、輪も広がっているわけでありますが、これがビジネスとしてどういうふうな評価になっているのかと。なかなか産業構造審議会とか中央環境審議会の合同部会では、そこは聞きにくいものですから、こういう切り口が違うところでですね、自主行動計画を一度評価していただけてもよかったなと思って、ご感想があればお聞きしたいと、それが三つ目です。
四つ目は、企業の保守化というのがつくづく骨にしみておりまして、これがダイナミズムを大きく、そいでいるのではないかと思います。
特に今、話題になっていました金融機関でございますけれども、私が経験した例でいくと、ESCOというビジネスモデルを日本に投入してもう十数年になるのですが、ESCOというのは省エネで投資したコストを省エネ分で回収していくということで、ペイバックタイムが10年とか15年と非常に長くなるものですから、従来の金融ビジネスには全く入ることができなかった。
ところが、その調査をアメリカにまいりましたら、アメリカで日本の金融機関はそういう金融事業をやっているわけです。「どうして日本でやらないんですか」と聞いたら、ほかの銀行がやっていないと。実績がないと。過去に例がないと。だからやらないと。アメリカではやっているのに日本ではやらないと聞いてびっくりしまして、帰ってきたら金融環境が、がらっと変わったので少しはまともになるかなと、いまだにそういうことにならないで、ESCOビジネスは物凄く苦労しているわけです。
そういう意味でいくと、先ほどのサプライオブリゲーションとかホワイトサティフィケーションというのは、そのビジネスモデルの中にはESCOのビジネスモデルが、サプライヤーがESCOとかわって投資回収していくと。だから、コストを料金に乗せて回収していくというビジネスモデルですから、まさにESCOのモデルなのですけれども、日本の場合に今どうしてこれだけ金融機関というのは保守的なのかというのをちょっとお聞きしたい。私は専門外で、私は工学系ですからわかりませんので、お聞きしたい。
それと似たようなことでいくと、太陽熱とPV(太陽電池)と二つあるわけですが、私は家庭用に限って言えば、太陽熱のほうがはるかに投資コストは有利だと思うんですけれども、一向にそちらに目が向かなくて、太陽電池、太陽電池ばっかりみんな向いて、社会全体がそっちで、太陽というと太陽光しかないような扱いでありますけれども。
これもよくよく考えると日本人の安定志向という、よく言えば安定志向ですけれども、要するに大企業がやっていると、テレビにしょっちゅう出てくると。したがって、太陽熱は宣伝している会社はあまりよく知らない。太陽光はみんな知っているというので、みんな雪崩を打ってそっちにいって、太陽熱はさっぱり芽を吹かない。東京都は物凄く苦労されて、ここ数日大キャンペーンを打ってらっしゃると思いますけれども、そういう意味で日本人の安定志向というのは、今まではよかったかもしれないけれども、国際ビジネス展開のためにいかがなものかというのを、これもむしろご意見をお伺いしたいということであります。
それから、アジアの低炭素化は、これは西岡座長に何回も申し上げているので、またかと、思われるかもしれませんけれども、アジアの低炭素化というのは非常に重要なキーワードだと思いますけれども、アジア諸国の大半の途上国は、むしろ今現在は低炭素社会でありまして、彼らは炭素社会になりたいと思っているわけでありますから、低炭素という切り口、あるいはキーワードでいくよりは、むしろエネルギー需給の安定化だとか、それから効率化、それから大気汚染の低減とか、もっと違った大きな枠組みの中で、その一環として低炭素というのが入ってくるのはいいのですが、私は最初からアジアの低炭素をビジネスモデルで日本がどんどん売るべきだというのは、いささかちょっと現場を知らないんじゃないかという気がいたしました。最後は苦言でございます。

藤井委員
最初の電力供給の不安が恒久化することの懸念ですけれども、これは私も同じ思いです。
ただ、現実に原発が電力供給の三割位まで占めていたものを別のもので代替できるかどうかということですから、簡単ではない。国民が抱く不安を政府が納得させ、解消させるような説得ある対策の提示がない限り、この削減、三割減というものの前提の中で、それをどれ位回復させた中で省エネを進めていくかは、難しいと思います。その差額の部分で新たなビジネスを、一年二年で急に電力供給が増えるわけではないと思うのですけれども、これ現状はそういう状況に陥ってしまっているということでしかないと思います。
それから、おっしゃられるように日本のトップランナーの仕組みは凄く評価されています。欧米でも真似したい、すでに真似しているわけです。ただ、ここでさらにMEPSを入れているのは、むしろ引っ張るだけはなく、後ろからも押して、よりマーケット全体の効率化を進めていきたいということです。
自主行動計画については、私個人の意見でいえば、非常に日本的であるのは間違いない。ただし、一生懸命やっているのもまた間違いない。ただ、ちょっと私には、本当は疑問もあります。というのは、競争している企業同士で、本当は自分のところはもっと削減が出来る場合がある。あるいはそこで競争力を発揮できるにもかかわらず一緒にのレベルに合わせてやるということは、普通のというと何ですが、欧米の企業社会ではちょっと考えられないのではないか。ただ、その総体としては、産業部門全体の削減につながってきたのは事実ですと。しかし、これがもっと削減目標が高くなったときに、業界全体でというような足並みをそろえていけるのかどうかです。それは各企業のステークホルダーの株主からも問われてくるリスクを企業経営者は抱えていると思います。
それから、金融機関は保守的でそんなふうに新しい金融の取り組みなんかやらないだろうというご質問ですが、確かにそういう面はあります。これは金融庁の悪口を言うと怒られるかもしれませんが、そういった長期の事業に投融資をする場合には、金融監督当局がそのリスク対応ということを求めるわけです。
それからもう一つは、特にESCOのような事業については、金融機関の中にそれがわかる人が少ないという点があります。金融機関にわかる人が少なければ、外部の専門家と提携してやればいいんですけれども、どうしても日本の金融機関は、インハウス(内部で)でやりたがる傾向があります。それが日本の金融の、特に銀行のこれまでの慣習でした。しかし、その辺を少しずつ打開していこうという企業も出てきていると思います。そうしないと競争で負けてしまうということですね。低炭素ビジネスへのファイナンスは、別に日本で資金調達するからと言っても、必ず日本の銀行に限らなくてもいいわけです。特に大きなプロジェクトの場合は、欧米の金融機関も、日本市場にかなり入り込んでいます。外資金融が日本の金融の背中を押すという環境の変化もあると思います。
太陽光と太陽熱の件については、結局は市場ニーズだと思います。熱に対するニーズが今ガス・電気でカバーされている。それに対する不都合がない限り、なかなか切り替えが起きない。新たにエネルギーを家庭に入れる場合には太陽光か、太陽熱かというニーズの差は、結局、価格で明瞭に見せることができればシフトすると思うんです。個人的な意見ですけれど。
アジアについてはまさにおっしゃるとおりですが、しかし結構、アジアの企業も、環境マインドが高まっています。先日もAPOの会議に出たのですが、もう本当に環境マインドが非常に高い企業が多くて、低炭素、ローカーボンということを経営の柱にしています。彼らはまさに競争力・効率化ということを意識しているということだと思います。我が国からすれば低炭素で、彼らからすればエネルギーの効率化であり、資源配分の効率化ということだと思います。向こうに行けば、要するに競争力を高めるために、新しい太陽光、あるいは低炭素ビジネスの機器サービスを売り込んでいくことになると思います。

西岡委員長
ちょっと私のほうにもコメントが来ました。今は、むしろ気候安定化の目的のほうから世界中の国がお金を出して、途上国の低炭素化、節エネルギー型発展を進めたいとしているところです。このまま放っておきますと今、2050年に全体で半分にしなければいけないというのに、途上国のほうが先進国の3倍も出すような状況ですから、そこをターゲットでやっていこうという話です。お金を出すときに低炭素化という条件を出しているのですけれども、実際やっている中身はやっぱり省エネですから、温暖化防止を使うのはどちらにもいいチャンスではないかなと考えています。だから今どう計画をうまくつくらせるかということが一つのポイントになる。あと、それに具体的にどうやって入っていくかというのは、多分、日本の仕事だという具合に思っております。

中上委員
そういう意味で低炭素化というと、日本の場合には、今の話ではPVだとか風力だとか、サプライサイドに目がいきがちですけれど、むしろデマンドサイドにもっと軸足を大きく移せば日本の活躍の場はいっぱいあると思います。そういうところを是非強調してください。

西岡委員長
はい、どうもありがとうございます。

則武委員
もう藤井先生のほうの答えの中に入っていたんですけれど、まとめのところに追加していただく必要があるのではないかなというのが、36ページとかまとめのところにあります。金融スキームの構築と民間投資が行われる仕組みとかが必要と書かれていますけれど、やはり民間投資とかというのにつながるためには、見える化で進めていくという部分もあったか思いますが、見える化だけでは進まないことだと思っております。
その一番は、やはり炭素制約が、日本の社会の中で実施されるのだということがなければ、チャンスにも何もならないわけですから、投資にもならないのではないかなと思います。それはやはり全体として一番重要なことではないかなと思います。途中には税制中立だとか、温暖化対策税ということが書かれているのですけれど、まとめのところに、そういった制約に関わる部分がほとんど触れられていないのではないかなと思いますので、その辺追加できればと思います。以上です。

永里委員
ありがとうございます。中上委員がおっしゃった産業界の実施行動計画についてのお答えは、触れられましたけれど、もう少し触れてほしかったなと思います。
というのは、次の排出量取引制度のところにも散見されるんですが、自主行動計画について非常に我々から見るとネガティブな表現があります。それは、この次のときにお話ししようと思うんですけれど、産業界は低炭素社会に向けて実行計画までつくってやろうとしておりますので、その辺のことについて理解して欲しいなと思います。
ところで、化学業界とか鉄鋼業界のヒアリングについて私、聞きました。それで化学業界については、先ほど土居室長がおっしゃっていましたが、エチレンはGDPに対して非常に正の相関があるにもかかわらず減っているのはなぜかということについては、土居室長は今、精査中であるというお答えでしたので、そのことについてはそれでいいと思いますが、鉄鋼業に関しまして、実はこの資料2のところにこう書いてあります。鉄鋼業は、成長ケースにおける活動見込みに違和感はないとのコメントだったと。また、慎重ケースにおいても同様の見込みになるとのコメントがあったという、こういう書き方をしていながら、実際はこの資料のところでは、慎重シナリオは約一割ダウンの数字になっております。
要するに、業界ヒアリングにおいてはこうであるにもかかわらず、実際は一割ダウンになっている。業界はこのとき参考資料2の18ページに言っており、私はこのとき聞いていたんですが、今般、示された慎重シナリオにおいて鉄鋼の内需が減少しても、日本鉄鋼業は拡大する海外高級鋼需要を補捉することが可能であり、成長シナリオと同等のレベルの粗鋼生産が見込まれると、こういっているにもかかわらず、この慎重シナリオにおいては一割位落としているというような、これは先ほどの化学業界と一緒で、何かそちらのほうに思惑があるわけでしょうか。その辺についてお聞きしたいんです。以上です。

藤井委員
則武委員のご質問のところ、おっしゃるとおりだと思います。
一応、留意点でちょっと書いているのです。まとめて、つまり中長期的かつ安定した政策を覚悟をもって提示しろと。政策がまずしっかりするということが、最大だと思います。ここで書いているつもりなんですが、まとめのほうに入れたほうがわかりやすいとすれば、そのように検討したいと思います。永里委員のご質問のところの、今の点については、事務局のほうで。

低炭素社会推進室長
鉄鋼業につきましてお答えいたします。
慎重ケースにつきましては、まず、ここで概要でお示ししました回答をいただいておりまして、資料につきましても、いただいておるというところでございますけれども、その中でいきますと、アジアを中心に輸出の需要が非常に多いということが見込まれるということでございましたので、さらに追加をして、追加で連盟のほうにお願いをいたしまして、数時間かけてまた追加の詳細のデータをいただき、事務局のほうで今、分析をしておるというところでございまして、どのような国にどのような部材が売れるのか、現状売れているのか、また今後期待されるのかということについて今現在まだやりとりをさせていただいているというところでございまして、資料1のところでございます数字につきましては暫定値というところで、今現在、環境省の事務局のほうから提示されたものを暫定的に入れておるということでございますので、その結果に応じて差し替えていくということになろうかと思っております。

西岡委員長
それでは、新美委員、それから三橋委員、お願いします。

新美委員
ありがとうございます。私は3点ほどコメントを、質問も絡むかもしれませんが、申し上げたいと思います。まず、資料1の20ページにあるところです。サービスあるいはシステムで新しい産業、事業が考えられるということで、サービスパッケージの最適化などのサービスというものが掲げられているのですけれども、抽象的ないしは観念的にはわかりますけれども、果たして可能なのかというのが大きな疑問として出てきます。
と申しますのは、需要家のニーズというのは非常に多元的でありますし、それに対して様々な事業者が関与してくるとなると、最適な組み合わせというのは事実上できないのではないか。あるいは多元的なもののそれぞれの一つ一つにきちんとした物差しないしメジャーが出来るのかどうか。物差しが出来て初めて最適化というのは可能になるはずですが、それは本当に出来るのか。ましてや、後でも出てくるんですが、安心・安全ということで、安心という主観的なものが入ってきたときに、どうやってメジャラブルな(計測可能な)ものにするのか、そういう点で大きな疑問が出てきます。
それと同時に、こういうサービスが事業として成り立っていくためには、きちんとした利益を生み出さないといけない。かつて、これと似たようなサービスモデルというのが幾つかあったわけです。例えば、アメリカにおいて地デジが多チャンネル化したときに、それぞれの家庭にとって最適なチャンネル構成は何かということでサービスを始めたところがあるわけですけれども、結局は地デジのコンテンツ(内容)が思ったほどよくないということで、そのサービスそのものも需要が低下してきているということがあるようですが、そのサービスも成功したとは必ずしも聞いておりません。
また、我が国で、携帯電話などでどれが最適な料金構成かということで、消費者は様々な議論をして、事業者がそれに応えようとしているのですけれども、これもどうもうまくいっていない。結局は、消費者が自分責任やってくれということになってしまっている。そのような事例を見てみますと、ここで述べられているような事業が本当に独立した商売としてやっていけるのかという疑問を抱きます。これが第1点です。
それから第2点は、人材の交流あるいは人材の育成ということに絡みます。39ページになります。低炭素事業のための人材交流があるというのは、是非知って欲しいことですけれども、法律家として持っている情報を基にすると、疑問がないわけではなりません。つまり、単に人材が交流するといっただけでなく、それぞれの人が、外国人も日本人も、定住していくということでなければ、本当の人材交流にはならないわけですけれども、現在の法務省の入管行政というのは基本的には定住させない方針を採っているといえます。つまり、特別な人だけしか定住させないというのが現在の入管の政策になっていると思います。
そこで、人材交流ということを掲げるならば、こうした実情の変更に向けた働きかけをするという政策というか、施策の方針を立てるのかどうかというのがお伺いしたい点です。
それから3点目です。これは是非進めていただきたいというコメントです。43ページで戦略的な国際展開が必要だということが言われております。先ほど来、何人かの委員の先生方がおっしゃっていますように、国際的に戦略的に取り組まない限りは、我が国の低炭素化政策というのは完結しないと思います。
そのためにODAのグリーン化とか日本型のシステムのトップセールスということが言われていますが、ODAという国家の施策だけではなくて、官民挙げて戦略的に手を組んで出ていくのかということを考えなければいけないと思います。先ほどもありましたように、低炭素化というだけでは商売にならない。省エネ技術という形で海外展開をしていくという意見もそうだと思うのですが、この点についてODAと民間の事業とをどう組み合わせるのかということを積極的に考えていただけたらというふうに思っております。以上でございます。

三橋委員
低炭素ビジネスを考える場合には、ものづくりの現場に狭めないで、流通、消費段階も対象に含める必要があると思います。例えばリユースがビジネスとして成長しています。リユースビジネスは、既存製品を繰り返して利用するわけですから、新品のもの使うよりもに省エネであり、低炭素に貢献します。リユースは、資源を循環させて使うという点で循環型社会に寄与しますが、同時に低炭素ビジネスでもあるというとらえ方があると思います。リサイクルビジネスにも同じことが言えると思います。こ50年のロードマップをつくる場合には、リユースおよびリサイクルビジネスも低炭素ビジネスの一翼を担うビジネスであるという認識が必要だと思います。

藤井委員
最初の新美委員の20ページのところです。おっしゃるように絵は描けるのですけれども、実際にそうなるかどうかというのは、それぞれのマーケット、それぞれの事業主体によって、これはまさにマーケットによって決まるということです。成功する場合もあるし、低炭素ビジネスだからといって成功するとは、もちろん限っておりません。
この最適な組み合わせは誰がどうやって決めるのかとか、メジャリングはどうするのかというのは、言ってしまえば、これもまたマーケットで決まるということだと思います。消費者に接するところの業者が、その背景でどれだけの事業を組み合わせて、そして自分たちが収益が出る形でどうサービス価格を設定できるかということに尽きると思うのです。
ただ、低炭素ビジネスについては、先ほど来出ていますように、やはり政府の規制なり、制度化というものがないと、放っておいてマーケットになるものではない。基本的にコストとしての要因が高いので、そういった制度の整備がされた後に、しかし、ある部分は、やはりマーケットの力で、より優れた企業がシェアを取っていくという形にしていかなければいけないと思います。その結果がまさに最適な組み合わせになっていくと思うのです。
ですから、そこはマーケットにゆだねる、一定の枠組みを整えた後にマーケットにゆだねる。ただし、マーケットにゆだねた結果が政策の方向を十分実現していない場合については、政策はさらに追加的なことをやるかやらないかということを決めていく。
したがって政策と民間の活力との組み合わせというのが非常に重要になってくる。制度をつくった後、丸投げ民間というわけにはいかないと思います。ですから、これまでの政策もそうですが、低炭素社会構築のための政策ははタームが凄く10年、20年、30年という期間にわたって展開されていきます。非常にその政策のコミットの仕方が大事です。コミットし過ぎると市場の機能が十分に機能しないということにもなる。なにしろ難しいですけれども、しかし、やっていかなければいけないところだと思います。
安心のメジャーということもまさにそういうことです。もう日本が危険だと思う人は海外に逃げて行っていたりしているわけです。それはかなり主観的なことなので、そこまでは測れませんけれども、一定の制度の整備の中で安心性を科学的データの開示の中で示していくという基盤づくりが必要です。今現在、そうした取り組みが進められておりますけれども、それがまさに非常に大事になってくると思います。
39ページの人材のところ、まさにおっしゃるとおりです。実は昨年度の報告の中では、こういった技術者についてビザとかパスポートを特別にしようということを文言では入れたのです。今回はそこまで書きませんでしたが、おっしゃるように定住してもらいたい。
しかし定住するとなると、日本は地震が多くて恐いねという人も増えている。本当にどうかなと思うのですけれども、気持ちとしては、日本は地震の被害さえ除けば、恐らく先進国の中で有数の住みやすい国だと思うのです。先進国ではなく途上国も含めてかもしれません。気候や、治安とか、生活の水準とか。
ただ、その強みが今回の地震と原発事故で、風評もありますけれども、かなりレピュテーション(評判)が落ちています。ここを改善すると同時に、今おっしゃられたような制度的な人材をより入って来やすく、ここで一生を終えてもいいよと思うような人たちが安心して暮らせるような社会づくりが大事です。安心して暮らせる日本で、十分な技術力を発揮していただくという形に持っていきたいなと思っております。
ODAと民間の組み合わせについては、まさに先ほど最初に申し上げました制度づくりと同様のことだと思います。政策のある程度の誘導がないと、民間の力だけでは済まないということもおっしゃるとおりだと思います。
それから三橋委員のご質問の点は、これもリユース、リサイクルを排除しているわけでは全くありません。消費者の選択の変化という中には入っていますし、それからカーシェアリングとか、ルームシェアリングとか、そういうものが特に若い人を中心に広がってきていることも事実です。それ自体はいろいろな要因があるかとは思いますが、やはり資源を無駄にしないという視点が基本にあります。そういう活動自体が広がってくることは、意外と大きなインパクトを与えるということは間違いないと思います。そこで、既にあるカーシェアリングのビジネスが、今後、どれだけ発展するか。市場としてはこれからですけれども、いろんな形で各地で起きてきていますので、まさに低炭素ビジネスの一翼を担うということになっていると思います。

横山委員
2点伺いたいと思います。
1点目は、5ページの追加的視点として、Safety & Security、安心・安全社会の構築というのが加わったということで、私は大変重要なところだと思っています。これについて、よく一般の方の意識は、かなり安全・安心社会に向けてということで変化があると言われているのですけれども、ものづくりの企業で、この辺のところを具体的にどのように意識するようになったのかというような具体的な例なんかがあれば教えていただきたいし、あるいはこれから対策・施策として打ち出す場合に、具体的にどんなことが考えられるのかというようなことを議論なさっていたら教えていただきたいと思います。
それから、これに関して安心・安全な社会ということを意識した場合、一時的には温室効果ガスの排出量の増加につながるようなことも考えられると思うのですけれども、その辺がどうなっているのかということです。
それから2点目は、何人の委員からも出たのですけれども、改めて伺いたいのが、27ページの製造・販売・輸入禁止、MEPSですね。これについて私も藤井委員のおっしゃるようにトップランナーの方式だけではなくて、こっちも導入すべきだというふうに思います。それで、日本ではこのMEPSについて具体的な動きがあるのか。それから仮にこれを日本に導入しようとする場合にどんな課題があるのか、その辺について説明していただければと思います。以上です。

藤井委員
企業における安心・安全の具体事例ということですが、細かくは網羅しておりませんが、例えば東京電力管内から中部電力管内に工場を移したといった企業の事例は聞いています。要するに夏場の供給停止への懸念ということです。昨年のうちにそういう事例がいくつか起きています。企業によっては海外に逃げてしまったところもあります。特にソフトとか、ネットでビジネスできる企業についてみれば、あまり日本にいる必要を感じないというところもあるようです。もちろん、海外に移して、またそこで新たな問題も課題もあるわけですけれども。
それから、自家発電はかなり強化されていると思います。自家発電はプラスマイナス両面での強化ということだと思います。一つは発電容量を強化して、日常的に使わなければ販売もできるわけです。自家発電を増強するときに、再生可能エネルギーの事業、太陽光等にして、それを売電するという形も可能になります。自分たちが電力需要の危機に直面した際の対応にも回すということはできるとは思うのですけが、実際には言われるように簡単にはいかないのではないかとも思います。たとえば、自家発電の燃料をガスとか石炭にした場合に、CO2の増加になってきます。そうすると、これは安心・安全の面でいえば、設備の増強としては必要でしょうが、温暖化対策と整合性をつけることが問題となる。したがって、石炭、ガスではなく、再生可能エネルギーにシフトさせるというような政策誘導があることが望ましい。例えば税制優遇措置を講ずるとかの判断があってもいいのではないかなと思います。今そうなっていませんけれども。
それから、MEPSについて。先ほど申しましたように、少なくとも低炭素ビジネスにおいてMEPSというのは、これまでやっていないのでここに書いているわけです。しかし日本では全く事例がないわけでもないと思います。その一定の規制基準が明確になって、それ以上の期間は使えないようなことは、例えば自動車の排ガス規制が典型ですけれども、新車については一定の年限で定めています。ただ、既存のものを排除するというものがどの程度あるかというのは調べてみなければわかりません。今は手元に持ち合わせがありません。

西岡委員長
ここでは、ものづくりを中心ということで低炭素ビジネスWGをやっていただきました。グリーンインベストメントとかという話になりますと、このほかにまだまだいわゆるインフラの関係が非常に多くある。インフラもこれまでと違う形でのインフラ投資が出てくる。もちろんエネルギーのインフラについては非常に大きな変革が予想されるわけでございますけれども、そのほか都市の関係だとか、あるいは農村をどうやっていくかとか、そういうことも含めた大きな投資の機会がある。それをこの低炭素社会づくりの中にどう入れていくかということが、本当は一つの大きな課題であるという具合に思っております。また、こういうことについても論議をしていただきたいと思っております。
それから、先ほど海外へどう進出していくかという話がありました。特に、民間をどう巻き込むかと。これも非常に重要な話で、UNFCCCなんかのサイドイベントに行きますと、イギリスの旗のもとで、壇上に5、6人が上がっている。これは途上国に新しい形の都市のプロジェクトを売り込むという話で、どういう人がでるかというと、まず最初に技術屋がこんな絵がかけますよという話。それから、コンサルティングがそれをどう運営していくか。さらには、銀行の人が「私は十分それにお金をバックアップしますから」。さらに、保険会社の人がついてきまして、それを裏打ちし、それで、最後に、政府の人が「私どもが今、話をしたことを十分政策で裏打ちしたいと思います」なんていうことを言うわけですよね。それくらいの雰囲気で来ているんですけれど、日本はどうしても単体技術の、こんなものがいい、あれがいいというような話ばかり、ちっともおもしろくないですね。だから、日本でもちろん低炭素ビジネスをちゃんとやっていかなくてはいけませんけれども、それをベースに、大いに海外でも稼ぐ体制をつくっていただきたい。
それでは次へ進ませていただきまして、資料3のほうになります。

低炭素社会推進室長
それでは資料3でございます。さらに参考資料3とあわせてご覧いただければと思っております。
資料3につきましては、これまで本小委員会におきまして、第10回から今回第13回までにおきまして、各ワーキンググループからの報告をいただいたわけでございますが、それの概要ということで、まとめたものでございます。
1ページおめくりいただきますと、1ページ目に1の1といたしまして、改めましてこの中央環境審議会でどのような報告を、エネルギー・環境会議に行うのかというものを素案、イメージとしてつくったものでございます。
中期目標に関しまして、2020年そして2030年をターゲットイヤーにした選択肢の原案を提示するというものでございまして、構成といたしましては国内排出削減、そして吸収源対策、国際貢献という三つのパーツからなるというふうに考えております。
また、国内排出削減の部分につきましては、本小委員会におきまして吹き出しにございますけれども、2013年小委員会におきまして選択肢の素案を議論いただきまして、その後、結果につきまして、地球環境部会のほうに報告いただくというところでございます。
全体につきましては、左上に吹き出しがございますけれども、地球環境部会におきまして、この三つのパーツについて議論いただき、原案を策定してエネルギー・環境会議のほうに報告いただくというところでございます。
おめくりいただきまして、これまで第10回から12回までの小委員会でご議論いただいた各ワーキンググループの概要をまとめたもので3ページ目でございます。具体的な国内排出削減につながるものといたしまして自動車WG、住宅・建築物WG、産業に関するWG、そしてエネルギー供給WGというところで、低位ケース・中位ケース・高位ケースということで、どのような施策が考えられるのかということを報告いただいたものでございます。
各分野ごとにおきましては、さらに4ページ目以降に、ケースごとに対策の導入量、また、それを行う際の考えられる施策を、2020年、30年ということで報告をいただいたものでございますし、また5ページ目には、それらを導入した場合に、どれ位のエネルギー消費量となるかの予測を行ったというものでございまして、こういったものが、6ページ目以降に住宅・建築物、そして9ページ目以降が産業分野、11ページ目以降がエネルギー供給分野というもので、各ワーキンググループからの報告の資料を抜粋したものがつけてございます。
これら議論をいただく際の素材が出てきたというものでございまして、今後の議論、また作業につきまして14ページ目に記載してございます。大きく分けますと三つの作業を行い、データ素材を提供させていただきながら議論を深めていただければと思っております。
まず第1でございますけれども、地球温暖化対策の選択肢ごとのエネルギーミックス、そして電力のCO2排出係数、こういったものを計算いたしまして、国全体、そして分野ごとの温室効果ガスの排出量算定をしてご提示をし、議論を深めていただくというところを考えてございます。この計算に当たりましては、原子力発電所の選択肢を見ながらということでございますが、その選択肢につきましては、総合資源エネルギー調査会において、議論は今現在、並行的になされているというものでございますので、それを踏まえながらの作業ということになろうかと思います。
二つ目でございますが、選択肢の議論に資するデータの算出というところでございまして、各選択肢を実現するための追加的費用が幾らなのかということ。また、これらの対策を行った場合に、回避可能な損失がどれ位あるのかなど、議論のために必要なデータを算出し、ご提示をしていきたいというふうにも考えております。
三つ目でございますけれども、経済モデルによる更なる分析ということでございまして、これらの対策をとった際の経済効果・影響、また家計の負担などにつきまして、経済モデルによる分析の結果をお示しし、議論を深めていただきたいというふうに考えてございます。
さらに具体的な作業につきましては、参考資料3をご覧いただきたいと思います。こちらにおきましては、対策の組み合わせに応じた温室効果ガス排出量等の分析・検討の手順についてというものをまとめております。
2ページ目につきましては、平成22年12月におまとめいただきました中長期ロードマップ(中間整理)におきます分析・検討の手順というものを簡単に記載してございます。
こちらにおきましても、分野ごとのワーキンググループにおきまして必要な対策・施策、こちらを3ケースに分けて検討をいただいたというものでございます。それらの検討の内容につきまして、温室効果ガスの排出量、また社会経済活動とどのような関係があるのかというモデル、ここではAIM技術モデルを使っておりますけれども、こういったものにインプットしまして、エネルギー消費量、温室効果ガスの排出量、そして対策導入のための必要な機器費用などを分析し、それをもとに議論を深めていただきまして、一昨年12月に中間整理をおまとめいただいたというのが前回までの流れでございます。
3ページ目には今回の検討手順というところでございまして、基本的には同じ作業を行い、素材を提供して議論を深めていただければと思っております。
二つ目の丸に今後の作業は書いてありますが、小委員会、ワーキンググループからの対策・施策を導入した際の国全体、また部門ごとの排出量、電源ごとの設備容量、発電電力量、一次エネルギー供給量、追加費用などにつきましてAIM技術モデルを使い、分析をした上でそれをご提示をして議論を深めていただければというふうに考えております。事務局からは以上でございます。

西岡委員長
はい、どうもありがとうございました。資料の3の一番最後に、今後の作業予定とございます。これまでのまとめがその前にございます。そして温室効果ガス、まず排出量の推定がくる。これで材料というか、仕掛けはできたし、内容も大体こんなものだということが皆さんのほうにご報告をしたわけでございますけれども、それを用いて、実際、政策を打ったときに、温室効果ガス排出量はどうなるか。あるいは、ここでは、様々な観点から選択肢の評価をするわけでございますけれども、その評価をできるようなデータが、その計算結果がちゃんと出てくるようになっているということ。そして、さらに経済モデルによる、これは主として経済効果とか、負担の状況というものを作業していこうと。そして皆さんのご議論に供したいということであるかと思います。このようなやり方で進めたいと思っておりますけれども、まず小委員会の方々のご意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。それでは、今度は渡邊委員。

渡邊委員
ありがとうございます。過去何回も指摘をさせていただいていますけれども、資料3、3ページの「1.②国内排出削減ケース毎の主な施策」一番右にエネルギー供給という欄があります。この中の低位・中位・高位全ての火力のクリーン化の項目に石炭火力の設置に制限を設ける記述があります。これは単に環境、CO2の面だけの観点から検討されており、3EプラスSの観点から検討すべきだということをご説明したはずなのですけれども、その部分が残念ながら反映されておりません。是非反映していただきたいと思っております。それからこの資料の中に、以前エネルギー供給WGの報告の際、記載のあったCCSに関する内容が載っていないので、最終的なとりまとめでは、是非反映をお願いしたいと思っております。
今日の一番のポイントは、再生可能エネルギーの導入量についてです。11ページに再生可能エネルギーの導入量の記載があり、これも何回も言っていますが、再生可能エネルギーについては、ここに書いてあるようにポテンシャルも当然大事なのですが、コスト、それから一番大事なのは、系統で受容できるかどうかという観点です。
端的な例ですが、2030年には高位ケースで1.7億キロワットという膨大な再生可能エネルギーの設備ができることになっています。しかし、繰り返しになりますが、キロワットとキロワットアワーのバランスがないので、何とも評価することができません。今現在の最大電力は1.8億キロワットです。2030年にどれほどの最大電力、キロワットになるかわかりませんけれども、1.7億キロワットの設備をどうやって運用するのだろうかということを繰り返し質問させていただいております。しかし、この質問に対する回答はいただけておりません。
さらに、この資料には掲載されていないのですけれども、2050年に3.8億キロワットというとてつもない設備ができることになっており、これは到底運用できないと思います。その点もあわせ、十分ご説明いただきたいと思っております。
この関連で、参考資料4にエネルギー供給WG補足説明資料があり、13ページ、指摘事項3に「再生可能エネルギーが大量に普及した際の系統への影響について分析されていないのではないか」というものがあります。この資料では、「定量分析しました」「対応可能です」という結論になっています。しかし、エネルギー供給WGの資料を、読み込んだのですけれども、再生可能エネルギーの導入に関する検討は過去の実績の平均値により分析されているとしか読み取ることができませんでした。
特に、太陽光は、晴れたり曇ったりすることで、当然、出力が相当程度変動するのですけれども、その変動、変動の影響をしっかり把握しなければいけません。これは実は電力業界を中心として、現状全国に300カ所の測定点を設けて、太陽光の挙動について研究している段階です。太陽光発電の発電量の変動については、現段階では我々電気事業者でもよくわかっていないというのが実態です。
ですから、例えば分析する際には、晴れたらどうなのか、曇ったらどうなのかというようなことも考慮されているのかどうかということ、2020年、30年における需要側でのピークシフト、省エネの進展ということも考慮されているのかどうかということが前提として明示されている必要があると考えます。お示しいただいた資料からは、時々刻々の電力需要をどのように想定されたのかということもよくわからないので、納得できる分析はなく、このままでは評価することもできないというところでございます。少なくともこの参考資料4の最後のQ&Aの部分については、納得できません。
それから、先ほども言いましたように、この委員会では3EプラスSという観点でエネルギー問題について十分地に足の着いた議論をお願いしたいと思っております。
選択肢(案)を机上の空論ということにしないためにも、実現可能かどうかというところを十分判断させていただくことが必要だと考えます。コストや、系統の受容性等もしっかり議論できるようにお願いしたいと思っております。

低炭素社会推進室長
今後、選択肢の素案を議論いただく際に、前回もご指摘いただきましたけれども、コストなどのデータが非常に重要なものになってくるというところでございますので、14ページ目に書かせていただいておりますけれども、コストであるとか、エネルギーの全体像がどうなるのかというデータを、是非計算をさせていただきまして、それをご提示させていただいて、さらなる議論を深めていただきたいというところで考えてございます。ですので、コストにつきましては、その計算作業の後にご提示させていただくというところで考えてございます。
あと、こちらに各ワーキンググループから報告があったものをまとめておりますので、さらに追加的にお示しいたしますデータなどをご覧いただきまして、さらに議論を深めていただければというふうに考えております。
系統につきましても、前回、非常に大部な参考資料のほうについておりましたけれども、大規模な施設の実績などのデータを使いながら解析をしておりますが、どのようなものなのかというのも追加的にお示ししながら、ご懸念の点につきまして、やりとりをさせていただきたいというふうに思っております。

渡邊委員
慎重な議論を宜しくお願いしたいと思います。

西岡委員長
はい、どうもありがとうございました。
それでは、則武委員、それから冨田委員。

則武委員
1ページの構成イメージのところでちょっと違和感があるのが、国際貢献でこれに対する目標値があるような形が見えるのですけれども、国内排出削減の進まない場合の補完的措置としての国際貢献とかという考えもあるのではないかなと思っています。国際貢献を最初あらかじめ決めて、税金でやるような形になってしまうと、あまり望ましくないのではないかなと。国内排出削減が進めば、国際貢献は抑えるとかということもあっても良く、国内排出削減の補完的措置としてというような位置づけもあっていいのではないかなと思います。
 
冨田委員
はい、ありがとうございます。資料3のところに、低位・中位・高位というところ、ケース分けと、それから分野というのが、これは要約ということで書かれているわけですが、しつこいようですけれども、コストのことを是非忘れないようにしていただきたいと。
すなわち、低位・中位・高位の各ケースの基本的考え方は書かれているのですが、私は、分野によって負担の強度というのが違うのではないかなというふうに思えます。参考資料3の3ページのほうに、部門ごとに温室効果ガスの排出量は計算しますと。追加費用に関しては、そういうふうに書かれていないのですが、こちらについても分野ごとに分析をする必要があるということで、是非お願いします。
それから、エネルギー供給のほうですけれども、資料3の3ページのほうに再生可能エネルギー、それから火力がありましたが、分析としては、導入の分析をされています。11ページのほうにもう少し詳しい内容が書かれているのですが、ここは再生可能エネルギーだけになってしまっているわけです。これは要約ですので、そんなことはないと思いますけれども、そのほかのことについても非常に大事だということで検討されましたので、是非お忘れなくということでお願いします。以上です。

低炭素社会推進室長
まず1ページ目に書かれております構成イメージ素案というものでございまして、国際貢献につきましては、この1ページ目右下のところに米印で書いてございますけれども、吸収源対策そして国際貢献の位置づけ、またどのように選択肢の報告の中に盛り込んでいくのかという全体の位置づけについても今後、ご議論賜ればというふうに思っておりますので、こちらに示しておりますのはあくまで素案、イメージというものでお考えいただければと思っております。
また、費用につきましても計算をしていくというところでございますけれども、今のところ作業のイメージといたしましては、2年前に行いました中間整理で追加的費用というところで各部門、また大所の対策に関しまして、どれ位の費用になるのかというものを一覧表で出しているものがございますが、そういったものにとりまとめていきたいというふうに考えてございます。

赤井委員
もう繰り返し述べられたことにさらに加えるようなことになるかと思うのですけれども、3ページ目の主な施策のところで、やはり私もエネルギー供給のあたりの記述の仕方が気になっていまして、必ずそのコストはどうなんだとか、セキュリティはどうなんだとかいう話は出てきますので、そのことを火力のクリーン化の下に、「コストやエネルギーセキュリティの観点を無視してCO2だけを考えた場合」という文言を加えたほうが、ここでの検討の前提がはっきりするんじゃないかというふうに思っております。
それから、先ほどこれもおっしゃったことなのですけれど、11ページのところはエネルギーケースごとの主な対策導入量・施策(エネルギー供給)と書いてありますけれども、(再生可能エネルギー供給)というふうにクリアにタイトルをされたほうがいいかなというふうに思っています。

荻本委員
同じ点なのでちょっと言いにくくなったのですが、2ページ目のマル3の原発へのというフレーズが始まるのですけれども、私が申し上げようとしたのは、エネルギー供給WGの資料の一番最初には3EプラスSという表現で始まっている点です。赤井委員と表現は違うのですけれども、3EプラスSという目標のもとでこれこれの検討をしたというのが一番穏当かなと。赤井案を反対するわけでは全くないのですが。
それで、少なくとも、それを目的にしたかどうかわからないけれど、10歩譲ってその制約のもとで考えたとかいうようなことになったらいいなと。

低炭素社会推進室長
温暖化を含めました様々な視点があるというところについての書きぶりを工夫したいというふうに思っております。

横山委員
1点だけ述べたいと思います。14ページの1の温室効果ガス排出量の算出で、原子力発電の選択肢は、総合資源エネルギー調査会において議論されており、それを踏まえて作業を実施ということですけれども、ここでも是非、原子力をこの総合資源エネルギー調査会の結論を受けて、この部会としてどう考えるのだということを議論して欲しいと、議論したいというふうに思います。これは、いかようにも読めるのですけれども、これまでもエネルギー供給WGでは、原子力についての議論をほとんどしていないということで、調査会から出されたら、この部会としてそのまま受けなきゃならないのかというふうにもとれるのですけれども、そうではなくて重要なポイントなので、是非、少しは時間をとって、この問題については、地球環境部会としても意見を言えるようにして欲しいというふうに思います。以上です。

森嶌委員
まず、この選択肢という言葉ですけれども、低位・中位・高位というのが、これが選択肢でしょうか。そうだとすれば、選択肢がそれぞれワンセットのものとして与えられているわけです。
そこで、例えばコストといった場合にも、それぞれのワーキンググループは既に低位・中位・高位としてそれぞれセットとして提示されたものについて、それを全部足し加えたものですから、例えば、間違っているかもしれませんけれども、自動車と住宅と産業とエネルギー供給のワーキンググループの報告がここにあります。その場合に、限界削減コストでみると、同じ量のCO2を削減をするのに、仮にですけれども、住宅でやった場合に物凄いコストがかかるのに、自動車でやったほうが非常に安いということだってあり得ますし、逆だってあり得ます。ところが、住宅と自動車ではそれぞれ技術的に低位・中位でやっており、住宅と自動車のどちらにより力を入れればよいかは示されていない。
それから、エネルギー供給も、3ページには火力のクリーン化と書いてあるのですけれども、後のほうの11ページを見ますと、火力のクリーン化というのはどこにも書いてなくて、再生可能エネルギーのことだけ書いてありまして、そうすると、そこでコストの計算はどこであるのか。施策が買取制度やその他のことは書いてあるのですけれども、これなどは非常にコストが高い割合に、削減の効果は非常に薄そうに思われます。その意味では、もしも選択肢というのが低位・中位・高位がそれぞれ何パーセント削減するという目標値ということで、しかも示されているのが、この間の話ですと、それぞれのワーキンググループが一生懸命、出来るかもしれない、出来ないかもしれないけれども、最終的に80%削減しなければならないので、技術的に可能性を検討してみたら技術的には、出来るかもしれないのがこれだということで、精一杯お示しいただいた。それを、この後それぞれのグループの出したものをひとまとめにしてコストを計算して、低位ならばこれだけかかります。中位ならばこれだけかかります。高位ならばこれだけかかります。さあ選択をしてくださいといった場合に、国民は低位が仮に高くても、中位よりも安ければそれを選択するということになるのでしょうか。
そうではなくて、政策の議論ということであれば、仮にですけれども、自動車の政策で、この中にも幾つもありますけれど、総コストの面で単体に対する政策でやったほうがいいのか、エネルギーでやったほうがいいのか、誰がコストを負担するのか、自動車の中でもいろいろなやり方があると思います。エネルギーのところでも、太陽光発電電力の買取制度でやるよりは既存の火力発電のクリーン化でやったほうがはるかに安いということならば、産業を、私は必ずしもそう思いませんけれども、乾いたタオルを絞るよりは、もう少し濡れたところを探して、そこでやったほうがいいかもしれない。いろいろなやり方はあると思うのですけれども、施策の選択肢を与えられないままにセットとしてやるのでしょうか。政策を議論するとすれば、セットになって与えられているものが、もしそれが選択肢だとするなら、私はまだ議論は十分に尽くされていないと思います。もう少し政策の選択肢らしい選択肢を与えられた上で、この委員会は答えを出すべきです。時間的に間に合わないのならば、少なくとも、本来はそういう議論をすべきだったということを国民の前に明らかにした上で出すべきです。そうしないと、国民を、欺まんすることにはならないと思いますけれども、正確なことを伝えたことにならないと思います。それが第一です。
選択肢ということの意味合いを明確にするということです。
第2は、それぞれワーキンググループの報告の中身です。ワーキンググループの今までのお話を全部伺って、ワーキンググループのミッションと地球環境部会のミッションとが違うので、ワーキンググループにこれでは十分でないということを申し上げるのは無理なことかと思いますけれども、例えば、エネルギー供給グループについて言えば、選択肢ごとのエネルギーミックスによる電力のCO2排出係数の算出が十分出ていないのではないでしょうか。先ほど言ったような意味での選択肢だとしても、その選択肢の出し方がまだ十分でないのではないかと思われます。
コストについては、全体のコストを積算するのではなくて、やはり政策の議論ですから、それぞれの施策についてのコストを出すべきです。この施策をとったほうがほかの施策よりもコストが安いということはあり得るわけで、あまり細かいことまで見るのは無理かと思いますけれども、せめて規制的な施策よりも経済的なコスト、市場に任せたほうが安いということがあり得るわけですから、せめてそれ位なことはやらなければならないのではないでしょうか。なお、これも先ほど申しましたけれども、少なくとも、このままでは十分でないということは明らかにしておくべきです。その意味で、いろいろな点で、私はいろいろな制約のもとでこれをつくったのだということを国民の前に明らかにしておかないと、何年かたって、国民から、中環審がちゃんとした審議をやらなかったために我々は無駄な税金を使われたと言われるかもしれません。

西岡委員長
まず、お二人お話をお伺いしまして、いずれもちょっと重要な問題です。

低炭素社会推進室長
まず記述の問題でございますが、3ページ目に記載されているものと、その後に部門、各分野ごとに記載されているものの若干整合性がとれていない部分もございますので、そちらにつきましては、修正をさせていただきたいというふうに思っております。
また、小委員会の検討の方針につきまして議論をする際におまとめいただきましたその観点についてきちんと議論ができるようにということで、様々なデータ情報を整理、作業し、ご提示したいというふうに思っておりまして、その重要な一つとしてはコストがございますけれども、そのほか様々な観点がございましたので、それにつきましてもご提示をし、幅広くご検討いただきたいというふうに思っています。
そういった面でいきますと、各ワーキンググループの報告いただきました内容について、技術モデルを使ってコストを始めとしましてエネルギーミックスなど、必要なデータを計算をし、ご提示したいということでございますので、次の作業に移っていきたいというところを、今日ご議論いただいているところだというふうに思っております。
原子力の選択肢というものにつきましては、並行して総合資源エネルギー調査会におきまして議論されておりますけれども、それを入れ込んだ姿として温室効果ガスの排出量、またエネルギーの構成などが出てまいりますので、そういったものを見ていただきながら、さらに議論を深めていただければというふうに考えております。以上でございます。

西岡委員長
三橋委員。

三橋委員
資料3の一番最後、スライドで言うと14ページ、今後の作業予定のところです。ここで経済モデルによる更なる分析の必要性について言及していますが、若干異議を申し述べたいと思います。
経済モデル分析による、温暖化対策の経済効果や影響、家計の負担などの試算は一見説得力があるように見えますが、実は大きな落とし穴があるということを指摘したいと思います。経済モデルは、ご承知のように、一般均衡理論を前提にしているわけです。一般均衡理論というのは、需要側の消費者は経済合理性だけで行動する。また、供給側の企業は、利益極大化を目指して行動する。この両者が市場で出会うことによって、唯一の均衡点、価格と数量が決まるという設定でつくられています。この前提の上で、過去のトレンドを反映させて、消費関数とか投資関数とか、可処分所得関数などをつくっていくのです。したがって、モデル上では、例えば温室効果ガス(GHG)の25%削減や、80%削減を達成するための手段として、例えば環境税の導入や外国からの排出権の購入などを政策変数として、このマクロモデルに入れますと、個人消費や企業行動を抑制して景気にマイナスに働き、可処分所得を低下させるという結論がでてきます。モデルの性格マクロ経済モデルの性格上、そういう結果が出るようにつくられているので、既存のマクロモデルを使う限り、温室効果ガス削減は家計を圧迫するという結論が出てきます。これは既存のモデルを使う限りは避けられません。なぜなら、既存のマクロモデルは100%過去のトレンドを反映してつくられているからです。過去のトレンドを最小二乗法を使ってモデルを構成する関数をつくっていくわけです。マクロ経済モデルは300本~400本からなる様々な関数で構成されています。この経済モデルに環境税や外国から購入した排出量価格などを外生変数として与え、連立方程式の解をとく形で、可処分所得への影響を分析するわけです。当然、マイナスの影響がでてきます。13年以降の対策を考える場合は、25%削減、80%削減を目指すことが逆に経済成長を高め、可処分所得を引き上げ、家計にプラスになるという新しいモデルを体系をつくる必要があります。従来のマクロモデルに従っている限りは、温暖化対策はネガティブな結果しか導き出しません。したがって、試算の意味はほとんどないということになります。専門の研究機関に、25%温室効果ガスを削減すると、家計にどのくらい負担を与えますかというようなあまり意味のない計算依頼は、今回はやらないほうがいいんじゃないかというのが私の提案なのです。
その代わりに、温室効果ガスの25%削減、80%削減が経済活動を活発化させ、経済成長を高め、可処分所得を引き上げ、家計を豊かにする。そういう新しいモデルを、是非この際つくって欲しい。これから2050年までの長い年月を被害者意識で鬱々(うつうつ)と過ごすのではなくて、経済構造の転換や税制改革、再生可能なエネルギーの導入などによって、現状を大胆に変えることによって、2050年の日本の姿は、今よりも経済規模は小さくなるかもわからないけれども、今のドイツのように、活発な経済活動に支えられ、質の高い社会にソフトランディングできるという夢の持てるビジョンをぜひ提案して欲しいと思っています。

低炭素社会推進室長
エネルギー・環境会議から基本方針として示されているものといたしまして、温室効果ガス、温暖化対策の選択肢につきましては、国民生活や経済の効果・影響などもあわせて提示するようにというふうに指示が出ておりますので、その内容についてはご検討いただきたいというふうに思います。その一端として、今後の作業の予定の中に、経済モデルによる分析というところの作業を書かせていただいておりますけれども、確かに読み方によって誤解を生じてはいけないというところは非常に重要だというふうに思っておりますので、その示し方について、まず事務局としても工夫したいというふうに考えておりますし、本小委員会、また部会におきましても、正しい読み方・示し方ができるようにご議論いただきたいというふうに考えております。

西岡委員長
今のお話は中期目標検討会のときにはそういう形でやって、必ずしも明快な評価の仕方がパブリックに出たとは私も思っておりませんので、そのあたりを十分踏まえた評価の仕方、これは皆さんからのご意見をいただいてしっかりやっていきたいというふうに考えております。

三橋委員
AIMモデルはいいモデルだと思いますよ。ただし現状を分析するという点については、いいモデルだということです。将来予測でいえばたかだか5年程度先までははいいかもわかりませんけれど、2030年とか2050年を今のAIMモデルで予想しようと思えば、あまりよい結果がえられないと思います。これからの時代は、過去と不連続な時代に向かうので、過去のトレンドを引きずったモデルには限界があります。そういうことを是非ご承知ください。

西岡委員長
それでは、また後ほどモデルのところで説明していただきたいと思います。
時間がちょっと差し迫ってきました。今様々なご意見いただきましたので、検討をどのように進めるかも含めまして。

中上委員
今のモデルの件に関して言えば、私は一種の感度分析をやっているということなので、過去のビヘイヴィアでするとこうなりますよというふうに読めばいいので、そのとおりやる必要はないと思います。だから、そこからどういうシナリオを書き出すかが実は腕の見せどころだというふうに私は思います。
それは余談ですが、ここで原子力発電の選択肢や云々と書いてありますが、土居さんもお出になっていますし、この委員の中にも何人がお出になっていると思いますけれども、あちらが先にこの数値が決まってこっちに投げかけられるような時間の流れではないような気がしていまして、私なんか逆にCO2の制約を早く決めていただければ、そのもとでエネルギーのシナリオが決まってくるというふうに思っているんです。
私、省エネ部会もあずかっていますし、それから省エネについて常に目標値を出せと言われますが、省エネの目標値をつくるということはですね、よほど緊急的なこと、あるいは国家の経済統制をしなきゃいけないような状態でない限り、お前たちはエネルギーをこれしか使っちゃいけないということは言えないのですね。ここでやってきたいろいろなシナリオも、現状と、今までの過去をずっといろいろ見てきて、この辺はちょっと幾ら出来そうだという。その結果として数字が出てきているわけで、最初に省エネの数字があるわけじゃないんですよね。省エネの数値目標を立てるということを、今、総合資源エネルギー調査会でも、そういう命題が出ているのですけれども、そうであるとするならば、CO2の制約がかかって、それからエネルギーミックスが決まって、多分、最後のしわ取りのところで、間に合わないから省エネをさらに上積みしろと、こういうシナリオになると思うんですよね。ですから、こちら側のシナリオを待っているというよりは、むしろ早くCO2の制約をどの程度において2020年、30年を考えるかということを出していただければ、むしろ私は総合資源エネルギー調査会のほうの議論もやりやすくなるのではないかと思っていまして、ここでこの結果を待っているとここでは進まなくなって、むしろこちらのほうが先に行っちゃう可能性がありますから、是非、CO2制約のほうを早く、何段階かでいいです、今、決められないと思いますから、この程度でいくという数字が出れば、それを受けて総合資源エネルギー調査会のほうでもう少しまた突っ込んだ議論ができるのではないかなと、逆に期待しているわけです。

西岡委員長
どうもありがとうございました。
昨日の議事録といいますか、皆さんの出されたご意見などを見ておりますと、こちらでは非常に評価の点について、先にきちんとやっていこうという形でやっておりまして、お互いにうまい入れ込みができればなと私は思っております。どうも貴重な意見、ありがとうございました。
大塚委員、お願いします。

大塚委員
エネルギー供給WGの座長をしています大塚と申しますが、エネルギーミックスが考え方が出ていないというご指摘がございましたが、今、中上委員の話とちょっと逆になってしまいますけれども、エネルギー供給WGとしては、Sプラス3Eというのはもちろん前提に考えていますが、特にやっぱりCO2の観点からのものを見ていますので、基本的には省エネをまず第一義的に考えて、そのときに再生可能エネルギーをできるだけ入れると。
コージェネは、調整電源等々で、そこにさらに追加するわけですけれども、その上で原子力が残るのであれば、そこでその次に考えて、ここが先ほどの事務局からのご指摘のように、総合資源エネルギー調査会のほうで決めるので、そこの数字が立たないということでちょっと困るわけですが、その上で、残るところで火力を充てるという、そういう基本的な考え方をとっていますので、それがコストがどうかというのは、ちょっとまた別の問題は確かにあるのですけれども、先ほど赤井委員からおっしゃっていただいたように、コストのことはとりあえずあまり考えずに検討をしていますが、基本的な発想としてはそういう考え方をとっているということだけちょっと申し上げておきます。

中上委員
ちょっと省エネのことが出ましたので。省エネはですね、この部会、各ワーキンググループでおやりになっている、これは淡々とこの数値でやっていけばいいと思う。まず省エネ目標を3割にしろというのは、いかにも無謀だという話をしたわけであって、省エネをやらないということではないですから。

森嶌委員
基本的にエネルギーミックスという言葉の使い方というか、理解の仕方が間違っていると申し上げます。火力もあるし、原子力もあるし、何もあるし、それをエネルギーミックスというんではないのです。
エネルギーミックスというのは、政策としてのエネルギー源の最適組み合わせです。CO2を削減するときに、コストは別だとおっしゃるけれども、政策ですから、その場合に、コストや社会的な影響力をどういうふうに考えるかは別だというわけにはいかない。社会的影響力も考えて、どのエネルギーを入れてきた場合に、CO2を最大限削減しながら経済や家庭に対して、影響を少なくしながら、例えばCO2を25%なら25%削減できるか。そのためにはどういう施策をとりながら、どのエネルギーを入れていくかということで、かつては原子力とかLNGとか、石油とか、補助金や税制などの施策を使って導入してきたわけで、火力もちゃんと考えていますなどというのは、エネルギーミックス以前の問題で、火力もありますよというだけの話です。
そこで、そのときに再生可能エネルギーを何%にするというだけの話ならば、それは政策でも何でもありません。もし、エネルギー供給ワーキンググループがその程度のことを考えてやっておられるのだとすると、もう一回ワーキンググループは、会合をやってもらって、きちんと政策としてのエネルギーミックスをやっていただきたい。
次に、これは先ほど中上さんがおっしゃったことですが、私は繰り返し申しておりますけれども、最終的に総合資源エネルギー調査会が原子力について決めるにしても、中環審としても、原子力がなくなった場合に、どのような施策をとって、CO2の何%削減を目標とするかと言う議論をしておくべきではないかと考えています。原子力発電がなくなる場合を一定の選択肢として検討すべきだということは、前に申したことがあります。
エネルギー・環境会議が最終的に原子力発電所は動かすと決めるのか、あるいはやめると決めるのか、それによってで我々の議論は意味がなくなるかもしれません。しかし、原子力発電が、2020年あるいは2030年までに動かなくなる可能性があるとすれば、エネルギーのワーキンググループは、エネルギー・環境会議かどこかが決めた途端に動き出してばたばたと作業をする位だったら、今のうちに脱原子力を一つのオプションとして考えて、きちっと議論をしておいておかれるほうが、政策を議論するにあたって、より健全な方法だと思います。最終的に決めるのは別のところが決めることになっているにしても、中環審としては、いまの段階で、もしも原子力が全部なくなったらどうなるかということを、ちゃんとコストも含めて計算して、その場合に原子力を抜いたエネルギーミックスの政策がどういうことかということを考えておくべきだと思います。

西岡委員長
はい、どうもありがとうございました。
どこで誰がどう決めるかという話は、まだ私のほうでは承知しない話でございますけれども、仕掛けとしては、一応、今おっしゃったようなことができるように設計したつもりでございます。また後ほど、じっくり説明したいと思います。

大塚委員
今申し上げたのは優先順位をご説明しただけですので、コストのことは考えていませんけれども、ちょっとそれは後で排出量取引の話が出てくると思いますが、森嶌先生がおっしゃっているコストのことは、最も効率的に対応しようとすれば、排出量取引とか、あるいは税を拡大していくという手もあると思いますけども、そちらのほうを、個人的には入れないとまずいかなというふうには思っております。以上です。

西岡委員長
どうもありがとうございます。この辺で今の議題については終わりたいと思います。
もう一つ重要な議題が残っておりまして、その資料4についてでございます。これは国内排出量取引制度の課題整理に関する検討会における検討結果ということでございます。ちょっと時間が延びるかもしれませんが、ご容赦ください。

市場メカニズム室長
それでは、お手元の資料の4、これを説明させていただきます。
資料をおめくりいただきまして、2ページ目、検討の経緯を記入しております。こちらにつきましては、まず平成22年12月の末ですが、排出量取引制度を含めた主要三施策について、関係閣僚委員会のとりまとめを抜粋させていただいています。
結論から申しますと、排出量取引制度に関しては、そこに書いてあるような様々な事項について見極めて、慎重に検討を行うとされたところでございます。
これを受けまして、そこで見極めるとされた事項について、これらを整理するため、環境省においては検討会を設置し、調査分析を実施したというところであります。見極める事項として例示で上がっているもの、4点ございますが、特に学術的にどういうふうに整理できるかというものをひたすら情報を整理していこうという観点で、その時点でできるものを四つのうちから三つ選びまして、下にありますが、経済影響と先行施策の評価、海外の動向調査、これについて実施をしたところでございます。
3ページは今回その検討をお願いした委員でございます。
4ページ、これは検討会の報告書というよりは、検討をお願いした事務局からの今回の検討会の報告書の趣旨というものを添え書きさせていただいたものでございます。この調査分析、とりわけ経済影響の分析を行うに当たっては、様々な仮定を置かなければなりません。そうした仮定を置いたもの、またその仮定を置いた結果というものが、現在、政府の中で行われている様々な検討、その議論の方向性に予断を与えるものではないということでございます。
また、とりわけ前提においた数字自体もそろっていないというところも頭にしっかり置いた上で、ここで得られた知見というものがどういうことを見せるのか、ご議論いただければというふうに思っている次第でございます。
そこで、この検討の結果を報告させていただく趣旨でございますが、課題の整理ということで、排出量取引制度導入による経済影響分析などを実施してきましたが、その排出量取引制度の是非をここで直ちに議論いただくというものではなくて、例えば経済影響分析というものを実施した際に、これは産業の部門において、どのような対策が今実施されて、どこまで深掘りができるのか。
それを、対策の実施を求めた場合に経済影響がどの位あるのかといった一つの整理は、今後の議論の中で大いに役立つものではないかと考えて、それを実現する方法の一つとして、もちろん排出量取引制度はあるかと思いますが、特にそれに限定することなく、様々な施策、それをどういうふうに実現できるのか、その議論の前提としてのデータを提供するということでご説明をさせていただくものでございます。
5ページ目から以降、経済影響分析でございます。
基本的考え方は6ページに書いてございますが、一般均衡分析と産業連関分析、二つを使いまして、導入するケースと導入しないケースということで、その差でGDPへの影響とか、個別業種への影響、また雇用への影響を見たところでございます。
一般均衡分析については、AIM/CGEを用いております。また、マクロフレームについては東日本大震災の影響をできる限り前提条件に盛り込むこととしたところでございます。また、導入することとする排出量取引制度については、2010年度に中央環境審議会で検討いただきました中間整理の結果を前提として導入するとしたところでございます。
7ページから8ページが、基本的な考え方ということで整理したものを具体的に幾つかの項目について、マクロフレームでありますとか、排出量取引制度のあり方等、記述をしているところでございます。例えば排出量取引制度のあり方の欄、7ページの下から二つ目の四角のところには、審議会で議論しましたオプションのA、B、Cのうち、オプションのBを今回、議論の対象として選ばせていただいているところでございます。
9ページをご覧ください。排出量取引制度のオプションBについて、審議会でいろいろ議論しましたが、排出量取引制度を分析するときに、その制度をどういうふうにモデルに反映するかというのが9ページに書いてございます。
そのときにいろいろ議論になったのは、排出枠の設定をいわゆるトップダウンということで一律に何%という形で事業者に求めるのか、それとも、そうしたものではなくて柔軟に設定をするのかということで、そのときのとりまとめでは、制度対象者の削減ポテンシャルを踏まえて設定をすると。それまで対策をしっかりやってきた事業者には削減量は少なく、やられていないところにはその削減ポテンシャルがあるということで、大きくという結論だったかと思います。
それをモデルとして設定するということで、一つの考え方ですが、一定の限界削減費用以下の対策をそれぞれ求めていくと。したがって、その対策、費用以下のものを既にやっている業種、または事業者の方は、その削減量というのは少なくなりますし、やられていないところは多くなるということで、こうした考え方で中央環境審議会の考え方をモデルの中に反映したところでございます。
また比較対象として、一律に削減した場合はどうなるかというものも設けておりますし、外部クレジットの効果も考えられるということで、それについても一定の仮定のもと、数値を置いております。
10ページ、11ページが今回のモデル分析に関して、特に皆さんのご参考にしていただければと思うデータでございます。これはいわゆるMACカーブ、限界削減コストカーブと言われるものでございまして、10ページの下ですけれども、対策のコストの安いものから順に左側から右へ並べまして、横はその量を幅で示したもので、面積が削減量になるということでございます。
作成方法につきましては、実際に診断を行ったデータでありますとか文献調査に加えて、算定・報告・公表制度の対象となっている事業所全体にアンケート調査をかけさせていただいて作成したものでございます。
このグラフでいいますと、0円以下の対策というのが、ちょうど丸で囲ってありますけれども、この0円以下というのは、省エネの効果で、エネルギーの費用であるとか、電気代といったものを踏まえて、3年で投資が回収できるという対策メニューでございます。
これを少し違うグラフで、11ページで見ていただきますと、先ほどは対策コストが縦になっていました。それを横軸におきまして、このプロットしているものが技術、それぞれでございますが、実施率がどうかというものをプロットしたのが、こちらのグラフでございます。
実際に、先ほど0円以下の対策というものを並べましたけれども、確かに0円より左のほうにいっている0円以下のものについては、実施率は高くなっておりますが、丸で囲ってあるところのように20%とか30%、そうした対策もまだ多く残っているということかと考えております。これらのデータをもとに分析を実施したところであります。
次に、分析におけるシナリオとしてマクロフレームのオプションにつきましては、GDPの成長ケースと慎重ケース、また節電の取組についても、2020年までずっとこの節電の体制が意識として継続する、または少しずつ緩んでいくというもの二つ比較をしました。加えて投資判断基準年数というものも、とりあえず3年というふうにおいておりますが、これが長くなる7年というふうに、その担保する施策をどうするかは別ですが、7年になった場合どうなるかというものを整理しております。
13ページでございますが、具体的に導入するケースの設定ということで、四つ考えております。ETSのaというものは一律に10%それぞれの事業者に排出枠を設定させていただいた場合でございます。bからdは限界削減費用に応じて設定をさせていただいておりまして、bとcが4,500円、dが2,500円。外部クレジットは、bとdがキャップのものと同じ額で設定させていただきまして、cがそのキャップよりも安い価格で設定させていただきました。具体的には、結局、cのケースだけ外部クレジットを購入するということで、インセンティブが働くことになります。
14ページにまいります。こうした前提のもと分析した結果で、まずCO2の排出量の推移、効果のほうはどうなるかと見たところでございまして、BAUケースが、グラフでいいますと上から二つ目のグラフであります。そしてETSのaからdで、aのクレジットの反映前のものも含めてみますと、差が大体、四角で囲んでありますが、4.5から4.7%の削減ということになります。
これは対象事業者のみでございますから、オールジャパンに換算し直すと1.8%ということになります。一律にキャップをかけて、かつクレジットというものも加えた場合には、これはもともと10%の削減ですから、基準年というのがグラフの左のほうに丸で、書いてありますが、そこから1割下がったもののところに落ちつくというふうなものでございます。これがCO2の推移でございます。
次に経済影響になりますが、15ページをご覧ください。BAUにつきましては1.82%、大体ここから成長ケースで基本的に1.8の数字がベースになると思っていただければと思いますが、その1.82に比べて導入したケースというものは1.81の近辺で、ちょっと差が小さいので4桁まで出しましたが、いずれも0.01%ポイント程度の差にしかならなかったというのが見て取れます。これらの主たる原因としては、先ほどのMACカーブの実施率のところが大きく効いているものと思います。
これを少し業種別に見たものが16ページでございます。業種によって幾つか上に上がったり下がったりするものもありますが、例えば対策の機器を製造する産業機器製造業においては、プラスの影響が出ておりますが、いずれにせよこの縦軸は0.988から1.006までですから、0からプロットすると、かなりフラットなものになるのではないかと思っております。
17ページをご覧ください。この影響は一般均衡分析だと、ネットで差引プラスなのかマイナスなのかということしかわからないので、プラスの影響はどのくらいでマイナスはどのくらいで、差引どのくらいなのかということを、今回、産業連関分析をあわせて実施させていただきまして、こプラスの効果とマイナスの効果を抜き出したものでございます。
業務部門につきましては、これも縦軸が0.97から1.05という幅で、0からいくとフラットになりますが、その中で比較すれば、ガス・熱供給部門が、エネルギー需要の低減・燃料転換の影響によりプラスに出ているということかと思っております。
19ページをご覧ください。シナリオ間の分析でございます。今までが一定の基本シナリオに基づいた分析で、今度はマクロフレームを変えたらどうなるかということで、今までの分析は、この表の中の一番上の比較対象(基本)と書いてあるところで、BAUケースは1.82の成長率だったのが、導入すると1.81となっております。これがGDPを下げる、また節電効果を見込まないと、幾つか数字が揺れるのですけれども、問題は効果として見るのであれば、その二つの差分で見ますと、ほとんどGDP低位にした場合、また節電効果を見込まない場合、いずれにしても基本ケースと0.005程度の差ということでほとんど変わっておりません。強いて言えば投資判断基準年数が長くなった場合は、若干その効果が大きく出るということかと思っています。
雇用への影響が20ページですけれども、これについては実際に経済への影響が、先ほどのような、それほど大きくないということですので、雇用についてもそれほど大きくないという結果が出ております。具体的には0.7から2.4万人の減少ということで、この数字が大きいかどうかという比較ですが、一つ比較する数字として言えば、2011年から2020年の間に生産年齢人口が800万人減少するということから見ると、それほど大きくないのではないかということでございます。
21ページに、考察を書いておりますが、これについては、その制度の設計次第では一定の効果は確保しつつも、影響を小さく抑えることができるとしております。先ほどもモデルの議論がありましたが、プラスにするというのは一般均衡分析を使っているとなかなか難しいと思いますが、効果を小さくすることができるということかと思っています。
その原因として(1)のマル1にありますが、先ほどの短期間で削減対策に係る追加費用を回収することができる対策というのが、これを確実に実施することができるというふうにモデルで仮定を置いているというところで、そのあたりは検証する必要あるかもしれませんが、この実施率がこうした結果をもたらしたのではというふうに考えているところでございます。
それから、先行施策評価でございますが、こちらは先ほどの趣旨からしますと、それを細かく説明するというよりは、結果としてその最後の評価のまとめの31ページをご覧いただければと思いますが、それぞれの施策を評価しましたが、大きく分けると特定の分野、技術を対象とする施策と、その横断的な施策の二つに大別されますが、今後、我が国が、期限の定められた排出目標というのを設定して、取組を強化していくということであれば、その横断的な施策の強化、この重要性が高まるであろうというふうに書かせていただいております。
例えば、その際には、具体的にどうするかということでございますが、今回は排出量取引制度の課題ということなので、排出量取引制度ということを書いてありますが、そうでないにせよ、そのときには削減の確実性や効率性、負担の公平性、そうしたものが議論としてよくなされる必要があるだろうということを注記しているところでございます。
最後に、海外での動向調査でございますが、これは先ほどの趣旨からいうと、直接は関係しないので詳しくは説明しませんが、33ページにありますようにEU、米国、豪州、ニュージーランドで最新動向の把握と行政機関及び産業界、研究機関からの効果と影響に対する評価、これをヒアリングと文献により調査をし、国ごとに整理をしたものは38ページでございますが、38ページと39ページに、それぞれ効果と影響についてまとめました。
これらにつきましては、お手元にファイルで大部なもので、200ページ位になるのであれですが、こちらのほうに詳しく書いてございまして、これをパワーポイントにまとめさせていただきました。これらにつきましては、ホームページには公表しておりますので、ダウンロードも可能となっております。
以上でございます。

西岡委員長
どうもありがとうございました。
この検討委員会のメンバーでは、大塚委員がそうですが、何かありますか。

大塚委員
今のご説明の10ページにございましたようなところで、0よりも削減コストがマイナスであるような、つまり対策をとったほうが得であるようなことが、まだたくさん残っているということが特に重要な点でして、排出量取引制度をこれで入れると、また排出枠の価格が上がったところまでは対策が取られるようになるので、しかもそれが先ほどご質問とかご意見がございましたように、限界削減費用のところまで、最も効率的に対策が取られるようになるというのがもともとあるわけですけれども、今回それがかなりのものが、対策をすべきものが残っていると。だからそれほど負担が大きくなくても、排出取引制度が有効に機能するということを特に指摘されたということかと思います。以上です。

西岡委員長
荻本委員、赤井委員、何かご発言・ご意見ございますかね。よろしゅうございますか。
それでは、皆さんのご意見もお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。大野委員。

大野委員
ありがとうございました。意見ではなくて質問なのですけれども、ちょっと言葉がわからなかったものですから。4ページ目。今回の調査分析結果はというところなのですけども、ちょっとこの排出量取引導入に関する議論何々といって、何ら予断を与えるものではないというところが、ちょっとどういう解釈していいかわからないので教えていただきたいのですが。というのは、これは最後まで見ると結構評価まで書いてあるんですよね。普通、見ると予断を与えるために評価を書いているというふうに、普通、常識的に考えると読めるんですけれども、それにもかかわらず最初に予断を与えるものではないという意味が、私はちょっとわからなくて、それで、その位置づけによってちょっとこのレビューの仕方が変わると思うのです。
例えば、後から4月にやられるのかもしれませんけれども、経済モデルなんていうのも、昨年から凄く議論していて、与えられても本当か、違うんじゃないかとか、先ほどの意見も出ていましたし、だから今度は一つじゃなくていろいろなモデルをやって比べてみましょうとやっているわけですから、そういう見方をするんであれば、きちんと読んで定量的にもうちょっと合っているかどうか見なきゃいけないのですが、本当に予断を与えないから、別にちょっとやってみただけで気にしないでくださいというのなら、別に見なくてもいいので、ちょっとどういう位置づけで見たらいいか教えていただきたい。

市場メカニズム室長
こちらの調査でございますけれども、現在その入手でき得る限りのデータを用いて分析をしたというところでございます。
当然、公表されていないもの、これについて分析はしていないので、実際にデータを当てはめてみると違うものがあるかもしれないということで、結論は変わるかもしれません。
ただ、我々としては今あるデータでできる限り分析をして、例えばアンケート調査などもしっかりともう一回、それぞれ業種ごとに突き合わせれば、違う数字が出てくれば結果は変わってくるかもしれないのですが、ただ、それをやっているとこの分析作業はできない訳ですし、ここで今回のような仮定を置いて、実際に分析をした結果ということでして、この意味は今回の議論に大きく貢献するのではないかと考えて提示をさせていただきました。予断を与えるものではないというのは、データの精度について、さらにまだ改良の余地があるのかなというのが大きな点でございます。

大野委員
データは変わるかもしれませんけれど、結論は予断を与えていると思ったほうがいいのでしょうか。

市場メカニズム室長
これは検討会の委員の皆様にご助言いただきながら、一生懸命整理をしたところでございますが、その文章で少し練れていないところ、誤解を与えるようなところがあれば、そこは一緒に作業させていただきました事務局の責任かと思っておりますが、そこのところがあえて誤解を与えないように、この4ページをつけ加えさせていただいた次第でございます。

冨田委員
ありがとうございます。先ほど西岡委員長のほうから大事な議論がまだもう一つ残っているということでしたけれども、そもそもこの小委員会でこれを議論すること、時間を超えて議論するところはどこにあるのだろうかと。これが小委員会として了承するかどうかということであるならば、聞きたいことはたくさんありますが、そういうスタンスで宜しいのかどうか、先に教えていただければと思います。

市場メカニズム室長
これを報告させていただいたのは、あくまで今後の議論に役立つかということで、情報として提供させていただいた次第でございまして、この報告書をご承認いただくかどうかと、そうした趣旨で今回報告させていただいたものではございません。

冨田委員
わかりました。それではお聞きしたいことは幾つかあるのですが、それは後ほど文書で事務局のほうにお出しするとして、ポイントだけ是非お聞きしたいなということを、1点か2点お聞きします。基本的にこの報告書、もちろん全部は読んでいるわけではなくてまとめの部分だけですけれども、限界削減費用2,500円なり4,500円にした場合に、どのくらいの経済的な影響があるかということを分析したということであって、必ずしも排出量取引制度についてどうかという、その制度の云々について分析がされたというふうには私は理解できませんでした。
例えば、資料の13、14、このあたりのところでケース分けをされているわけですけれども、外部のクレジット2,500円、こういう格好にすれば、14のようにグラフが貼りつくというのは全くそのとおりだろうと思うのですが、不思議なのは、4,500円の場合、すなわちETSbケースにおいて14ページの表でDというふうになっているのですが、このDのグラフもCと同じところに貼りついていると。これで解釈できるのは、我が国において4,500円から2,500円の間の限界削減費用のところはほとんど対策がないというふうに答えが出ているような気がするのですが、そういう理解で宜しいのかなということ。
それから、ETSaケースにおいて、10%削減で外部クレジットも買えるようなことのケースなのですが、14ページのグラフを見ると、ほとんどの対策は外部クレジットでやるということで10%削減を達成するような格好になっているわけですね。仮に外部クレジットがなかった場合、この10%削減というのは限界削減費用でいくとどのくらいのことになるのかということが分析されていれば教えていただければと思います。以上です。

市場メカニズム室長
第1点目でございますが、10ページのグラフを見ていただきますと、ちょっと縦軸が細かくて1メモリ2万円ですけれども、これはご指摘のとおりで、2,500円から4,500円の間の対策はそれほど大きな量のものがないので、結果として見ればグラフが近接をしているということになります。
メニューはあるかもしれませんが、その量の横幅のところがあまり効かないというところでございます。予断を与えるものではないというのはまさに、例えばこれらの点で実際にこういう対策がありますとか、こういうものがまだ量的にありますとか、対策はあるのだけれども、量が見間違えてないかとか、そういう話があるのであれば、そういったお話を伺いながら、再度またこれを精査するということはあり得るかと思っております。
また二つ目でございますけれども、そこはまさにご指摘のとおりで、外部クレジットをたまたま2,500円というところでETSaに設定をしたものですから、2,500円よりも高い国内対策は全部クレジットを買うというモデルに無理やりそういうふうにしているということになります。そこはかなり乱暴なので、違うケースでやってみたらどうなのかというのは今後の課題かもしれませんが、時間の関係上、作業の関係上、あまり多くのシナリオはできなかったので、今回はこういう形で置いたということでございます。
例えば、これを外部クレジットなしの場合ではどうなるのかというのは、一つの方法として、分析の方法としてあるかもしれません。データは今お示しできるものはなくて、またもう一回モデルを回してみる必要があるかと思っています。

西岡委員長
則武委員。

則武委員
この委員会の中で、2013年以降の施策を決める案をつくるということなので、その案の一つとして排出量取引は必要なのではないかと思っていますので、検討が必要なんじゃないかなというふうに思います。特に、今回のものがそういうのに該当するかどうかは別なのかと思いますけれども、28ページのところの負担の強度のところは、目標レベルや税率、買取価格等の制度側というのは、これは排出量取引とは別の話に対しての強度といっているのでしょうけれども、設定内、基本的には排出量取引制度、目標レベルの設定内容に大きく依存するということになるのは間違いない話ですので、だから逆に目標レベルに応じた検討が必要ではないかなと。そうしないと評価ができないのではないのかなと。
特に、先ほども出ましたけれど、基本的には、もう真水では減らない想定のものだけの評価ということですので、本来、排出量取引制度を設定する意味合いとはちょっと違っているのではないかなと。その辺、今回の評価はこういうことで評価としたということだと思うのですが、実際には評価する段階においては、必要な削減目標に対して設定をして、それに対しての評価をしなければならないのではないかなと思うので、是非そういう評価が必要ではないかなと思います。
細かい点もいろいろあるのですが、今回の中では省かせてもらいたいと思います。

市場メカニズム室長
今の御指摘については、14ページでグラフの横に大きく4.5~4.7%の削減というものを、先にまずここを5%にした場合、10%にした場合として逆算をしていくような作業をしてみたらどうなるのかということかと思います。
今まで幾つかご指摘をいただきましたので、追加でこの分析をするかどうかについて、また事務局のほうで考えたいと思いますが、そのときには今のご指摘も踏まえて検討したいと思います。

山本委員
ありがとうございます。この2010年の検討の際にも東京都は参加させていただいたわけなのですけれども、今回採用されているオプションBについてはちょっといろいろな意見が東京都としてはあったわけなのですけれども、排出量取引の検討を進めていくというのは、今回の施策を提示していく上で非常に重要な作業ではないかなというふうに思っております。
それからいろいろ位置づけについてはご説明がありましたけれども、閣僚委員会の中でも、一応いろいろな項目について見極めて慎重に検討するということで、検討することに、位置づけにはなっていると思いますので、またその3.11以降の状況を踏まえていくと、やはりこの検討をちゃんと進めていかなければいけない施策だというふうに思っております。
そういう意味で、単なる情報提供という形じゃなくて、ちゃんとスケジュールをつくって、2010年の検討が今のところ中間のまとめという形で宙ぶらりんになっておりますので、新しい状況を踏まえた形での検討を是非進めていっていただきたいというふうに思っております。

西岡委員長
何か対応ございますか。

市場メカニズム室長
今のお話はおそらく、この小委ではなくて排出量取引制度の小委員会のことを言われたのかなと思いますが、まず、こちらで今回報告させていただいた趣旨は、この2013年以降の検討の中で様々なご議論をいただく際に、こちらで提示したデータというものが大きな議論の参考になるだろうということで提示をさせていただきました。
その議論の今後の進捗の中で、どういった議論が出てくるかというのは、全体のお話かと思いますが、その議論の推移を見ながら、こちらの制度のことについてはまた考えたいと思っておりまして、今の時点では特に、我々のほうで何か意見や考えがあるというものではございません。
まず、こちらの全体の大きな絵柄の中でどういった対策が必要なのかという議論を、注視したいと思っております。

西岡委員長
渡邊委員。

渡邊委員
ありがとうございます。資料2ページにも載っているように、閣僚委員会でキャップ・アンド・トレードについては慎重に検討を行うと決定されているので、キャップ・アンド・トレードの検討に際しては利害関係者である産業界が当然入るものだと思っておりました。しかし、今回の検討会は非公開で、私個人としてはやっていることさえも知りませんでした。今週の月曜日に新聞に出て、それを見て初めて知りました。こういう手続きをとられたことに非常に驚いております。この検討は当然オープンの場で議論して、利害関係者である産業界も入った場で議論することが適切だと考えます。資料4ページに「何ら予断を与えるものではない」と書いてはあるのですけれども、エネルギー・環境会議のとりまとめが近づいたこの段階で、唐突に小委員会の議論の場に出してきたのは、まさしく予断を与えるためだとしか思えません。非常に憂慮しております。
キャップ・アンド・トレードは、従来から申し上げているとおり、合理的なキャップの設定が困難であり、企業の活力がそがれ、技術開発の足かせになるため、導入に反対せざるを得ません。
各論では、今回の検討の中には、いわゆるゼロ・コスト以下のオプションがまだあるので、それをやればこんなに出来ますよということが指摘されています。しかし、そもそも企業は、ゼロ・コスト以下のオプションであれば、当然実施しているはずです。にもかかわらず実施していないということは、それなりの理由がある可能性が高いと考えます。例えば、資金がないとか、人材がないとか、将来的に不確実性があるとか、土地がないとか、緑化できないとか、そういった様々な事由があって、企業は「ゼロ・コスト・オプション」と検討会が判断した対策を実施していないというのが実態だと思います。当然、そういうものを掘り起こしていかなければならないと思うのですが、そのためには、対策が実施に至らない事由、障害を取り除く政策を実施することが大事なのであって、その答えがキャップ・アンド・トレードというのは、これは納得できません。
今回の検討では、限界削減費用でキャップをかければ有効だということなのですが、そもそも当事者である企業でさえも限界削減費用、限界削減カーブを、正確に把握できないものなのに、どのように政策立案者が把握し、公平なキャップをかけるのでしょうか。そんなことは不可能だと思っております。今回の検討はそれを前提としてシミュレーションしており、前提の置き方自身に非常に疑問を感じております。また、もし限界削減費用で仮に、キャップがかけられるとすれば、トレードは起こりません。そうすれば別にキャップ・アンド・トレードは必要ないはずです。限界削減費用の正確な把握が出来ないからキャップ・アンド・トレードという制度があると考えます。要は、公平にキャップをかけられないので、トレードという制度がある、と理解しておりますので、今回の検討は、机上の空論としてはありえるかもしれませんけれど、実現出来ないものだと思っています。
それから、14ページにCO2の排出量の推移が書いてありまして、2,500円と4,500円のキャップ、限界削減費用をかけても、2010年総排出量の1.8%しか減らないことが試算結果として示されています。海外のクレジットが3ユーロとか5ユーロという時代に、2,500円とか4,500円かけても1.8%しか減らないということは、日本の限界削減費用の高さを表しています。
それから、10%削減するためには、8400万トン位クレジットを買うというケースになると思うのですが、そうなると8年間だけを見ても1兆円近いお金が、海外に出ていくということになるようです。これについては、国富の流出という観点でどうお考えかということを聞かせていただきたいと思います。さらに、私ども電気事業者の電源構成が決まらないと、この限界削減費用のカーブは引けないはずです。想定する電源構成はどうなっているのかということを教えていただきたいと思います。また、14ページのCO2排出量は、経年で上がったり下がったりしています。この理由も合わせて教えていただきたいと思います。宜しくお願いします。

西岡委員長
藤井委員。

藤井委員
一つは7ページの、今お話のあった電源構成のところです。つまり3.11前と後では、あるいはもちろんまだ定かではないけれども、今後変わっていくだろうと思います。原子力が十分に使えないという場合の排出ケースを仮に、これは仮の試算でしょうから、3.11の前のデータでやっていると思うのですけれども、仮に変更した場合どうなのか。電力の原単位が変わってくるわけです。現状変わっているわけですから、これが一時的なのか、恒常的になるのかわかりませんけれども。将来の課題整理の場合は、我々が今議論しているように、それこそエネルギーミックスが変わっていくという可能性の中で議論、推計するわけですから、できればそういうところも含めた推計をしていただきたかったと思います。
それからもう一つは、EUのETSは直接燃焼しか対象にしていません。ですから、このC&T制度をもし議論されるならば、日本でも直接燃焼対象は電力と素材4業種ですか。要するに、重・硫黄ガスをたくさん出している業種に絞り込んだ場合にどうなのか。
もちろん東京都がやっているように、都市部ではオフィスが軸になっているわけですけれども、こうしたオフィスの削減と、同じフィールドの中で直接燃焼の排出削減とそのクレジットを扱うのが本当に妥当なのかということもご議論していただきたい。丁度まさに我々がエネルギーをどう転換していき、それがCO2排出量の効率的な排出量と整合性がとれるかということを議論しているわけですから、今のその転換点になっていると思います。そこを是非入れていただきたかったし、もしこうした調査を継続されるならば、是非その点を検証してデータを見せていただきたいなと思います。

西岡委員長
どうもありがとうございます。それでは上田室長。

市場メカニズム室長
すみません、すべてを覚え切れているかどうかわかりませんが、まずその議論を学術者だけてやって、有識者や、ステークホルダーが入っていないのではないかという御指摘ですが、ステークホルダーの方にたくさん入っていただいて小委員会をやったときは、かなり激論になりまして、一昨年ですけれども、様々な議論をさせていただいたのですが、閣僚委員会の決定で慎重に検討を行うとしている中で、まずはここではできるだけ経済影響分析、モデルであるとか、そういう今後必要になる検討を行う際の材料を整理するということだけに努めたため、学術的な御意見をいただける学識者に限ったということでございまして、それ以上の趣旨はございません。
もし今後こちらにおいて、仮定というのは様々なデータの問題点の限界というのはあるかもしれませんから、そうしたものも踏まえて、今後先々そういう議論をしようということであれば、オープンにまた多くの方に入っていただいて御議論をする場というのが、必要があれば設けるのかなと思っております。
それからこれは答えがキャップ・アンド・トレードかというと、排出量取引の閣僚委員会で指摘された事項という目線で書いたので、若干それと照らし合わせたらどうなのかという答えになっておりますが、今回、この会議でご報告させていただいた趣旨は、ここで提示されたその中身というのが、結局モデル分析一つとってみても、結局、産業界に対して、どの位の対策を求めるのかということかと思います。
その強度に応じてどういう影響があるのかというのは、この排出量取引という手法を使うのか、それとも違う手法をとるのか、例えば、自主行動計画を今後また新しく改定をされると伺っておりますが、その中でどの位のことを強度として求めるのか、色々な議論に応用が効いて、そのときの一つのデータ、参考となるデータとして使えるのかなと思って提示をさせていただきましたので、答えがキャップ・アンド・トレードかというところは、我々もその点については今後の議論が必要なのかなと思っております。
MACカーブについて、限界削減費用を設定したら取引が起こらないのではないかというのは、そのとおりでございまして、お手元の分厚いファイルでいいますと、外部クレジットと同じような形で限界削減費用を設定させていただいた場合には、モデル上は、取引は起こりません。
それは、実際に合理的に事業者が行動するということです。
ただ、実際に、その取引が起こる要因としては、環境省で実施をしておりましたJVETSという自主参加型の排出量取引の事業がございますが、当初に予定した生産量と景気の変動、例えば売れ行きが大きく伸びるとか、そうしたものによって結局排出量が変わってくるので、その結果取引が起こるということですから、限界削減費用に応じてキャップを設定した場合でも取引というものは確実に生じるものと思っております。それはおそらく、モデルの置き方だけだと思います。モデル上はそこが合理的になるということなので、その置き方がいいのかは別として、お手元の分厚いファイルには国内排出量の取引というのはゼロとなっております。
それから、国富の流出についてご指摘がございました。これにつきましては、13ページのETSaの設定の仕方が10%一律で2,500円以上のものは外部クレジットを制限なしに認めるというふうな形になっておりますので、先ほど他の委員からも、ほかのシナリオもあったほうがいいのか、外部クレジットなかったほうがいいのではないかとか、例えば外部クレジットを使うことがあったとしても、一定の制約を課す場合があるのではないかということも、いろいろな形があるかと思います。
それらによって影響は変わりますし、効果も変わってくるのかと思いますが、その辺りになってくると、今度はどちらかというと制度のあり方の議論になってしまうので、ちょっと今回は少し絞ってシナリオを設定させていただきましたが、そうしたものも、せっかくだから分析する方がよいこういうことであれば、してみたいと思いますし、我々としても単に国富の流出という形で国内対策ではなくて、海外のクレジットを単純に買うというのではなくて、国内でできるところの対策はしっかり進めることを支援させていただきたいということは、同じ思いでございます。
電源構成についてのご質問がございましたが、これについては基本的に震災の影響をできる限り踏まえるということで、ある種一定の仮定をおいて設定させていただいております。
ただ、モデルの作業の期間というのもございますから、現時点での仮定ということでございますので、今後そのエネルギー・環境会議のもとで進められている様々な議論に基づく結果というものは入っていないわけですから、それがまた必要であれば、そうしたものを踏まえて分析をしてみるということは可能かと思いますが、ただ今回分析をした結果でいいますと、マクロフレームの違いというのはあまり大きな差が出てこなかったということかと思います。絶対値では変わってきますけれども、導入した場合、BAUと導入したケース、ESTのa~dですが、その差分で見れば大きな影響はなかったので、電源構成の差が変わったとしても、それほど全体としての結論は大きく変わらないのかなという感じはしておりますが、そこは実際にモデルを回す必要があろうかと思います。
それから、直接燃焼といったものも対象にすべきではないかというふうなご指摘でございます。これらにつきましては、実際に排出量取引という議論になれば、そうしたものも対象になるのかなとは思いますが、今の時点では、ここにあるデータが皆さんのご議論に参考になると思って提供させていただいたので検討しておりません。
以上です。もし回答で漏れがあれば指摘していただければ回答させていただきたいと思います。

渡邊委員
冒頭の、激論になるからクローズで、有識者だけで検討したというご説明には、非常に疑問を持っております。民間のシンクタンクが勝手にやったのなら、それはそれでもいいと思いますが、この検討は税金を使って、環境省がやっているわけですから、当然オープンで議論すべきものだと思います。メディアを通じて初めて知るなんて、こんなことがあっていいのかと思います。
また、今回の検討の前提をすべて明らかにしていただかないと、この検討の評価もできないので、是非情報公開について宜しくお願いします。それから、限界削減費用でキャップをかけるということが本当にできるのかどうか、そこの部分を最後に一言お願いします。

市場メカニズム室長
ギャップをかけることができるのかという話ですけれども、実際にこのモデル、カーブを描くときの作業の手順が10ページの、作成方法というところに書いてございますが、実際にCO2の削減診断というものを実施したり、また文献調査をしたり、アンケート調査をしてということで、アンケート調査が算定・報告・公表制度の対象事業者全部の事業者にかけさせていただいて、およそ半数の事業所から回答をいただいて、業種別にどういったものが入っていて、また入っていないのかというところもわかったところでございます。
そうしたデータをもとに、個別の業種にどういうふうにキャップをかけるのかというのは、また実際の問題として一つ工夫があるかと思います。それはもう少し、今の議論ではなくて先の議論といいますか、こういう強度の対策を求めようとした場合に、
それを実現する、担保するためにはどの施策がいいのかというところを議論するときに、一つの選択肢として排出量取引があるかもしれない。ただ、それはキャップのかけ方でできるのか、どうなのかというときにご議論をさせていただくのかなと思っております。
我々としては例えば、業種別にそれぞれのMACカーブというか、業種対策のリストがあって、コストがあって、そのコスト以下の、一定のコスト以下の技術のリストを導入した場合に、削減量は幾らになるのかというのを計算して設定をするということがあるかもしれません。
ただ、理論上はそうだけれど実際はどうなのかという議論も当然あるだろうと思います。その辺りは、今この段階で、そこをご議論していただこうということではなくて、排出量取引か否かに関わらず、一定の強度の対策を導入させていただいた場合に、それが経済への影響としてどういうものになるのかというところをご議論いただきたくて提供をしたということで、お答えになっていないのかもしれませんが、私のほうから答えさせていただきました。

渡邊委員
モデル分析、机上の分析だけであればそれでいいと思うのですが、この場は将来政策として導入するかどうかという議論をする小委員会ですので、現実性があることを前提としていただきたいと思います。是非、宜しくお願いします。

西岡委員長
はい、どうもありがとうございました。
それじゃあ岡川説明員、それから永里委員、はい、どうぞ。

岡川説明員
ありがとうございます。増井の代理で出てきているのに質問するのはちょっとどうかとは思うのですけれども、計算の前提というか、コストというものの定義について少し質問させていただきたいと思います。
先ほど、渡邊委員からご指摘がありましたように、マイナスの限界削減費用というのは、やはり見せられると少しこれは何なんだろうという違和感を持ちます。というのも、渡邊委員のご指摘どおり、そもそも導入して得をするものであれば、そもそも現時点でそんなものは導入をとっくにしているはずだというのを、どうしても連想してしまうんですね。
というのも、恐らくマイナスの限界削減費用というのは何かといいますと、目に見えないというか、お金に換算するのが非常に難しいような、例えばスペースが足りないだとか、そういったコストがあって導入されない。ただ、コストについては計算していないので、ここで上がってくる限界削減費用というのは、マイナスになってしまうというような理解をしているのですが、そのマイナスの調整費用のようなものを許容したとして、それが例えば応用一般均衡モデルの中でいうところの限界削減費用というものの定義とかなりずれるんじゃないかというところが不安です。というのも、応用一般均衡モデルというのは均衡を計算するモデルなので、均衡というのはどういう状態かといいますと、マイナスの限界削減費用の許さないような、マイナスになっているのだったら0に落ちつくところにいくというのは均衡の概念なので、何かちょっと応用一般均衡モデルというフレームワークの上に、このマイナスの限界削減費用を許すというところがちょっと乗らないような気がするんですね。もちろん経済の専門家の先生方がいろいろ委員になって検討されていると思いますので、その概念の違いというのはご議論されたかとは思うのですけれども、その辺のところをもう少し報告書の中で整理された結果というのを掲載されると、より理解が深まるというか、誤解なく伝わるのではないかなと思うのですが、いかがでしょうかというのが私の質問です。

永里委員
ありがとうございます。手続論につきましては、渡邊委員が言ったのであまり多く語りたくないのですが、産業界・労働界など、国内排出量取引制度の導入によって甚大な影響を被る、受ける人たちに、そういう関係者の意見を全く聴取していないというのはいかがなものかと思います。そこで、最初に予断を与えるものではないと書いてあるのですが、この資料4の26ページの評価のところに、まさしく予断を持って書いてあるんじゃないかと。削減の確実性のところの丸二つ目です。既存の施策の中で唯一CO2排出総量目標を設定し得る自主行動計画においても、実際に設定しているのは一部業種に限られていること、それから目標達成状況についても遵守していない業種があることなどから、施策全体として削減量が担保されるものではない点に留意する必要があるというのですが、これは産業界の人がこの委員に入っていたら、こんなことについては恐らく反対、こういうことを書かせなかったと思うのですが、なぜかというと、自主行動計画には、製造業・エネルギー多消費産業のみならず、流通・運輸・建設・貿易・損保など広範な業種からなる61業種、企業が参加し、また産業エネルギー転換部門では日本全体の83%をカバーしていると。決して一部の業界に限られているとは言えないと思うんですね。さらに目標達成についても、多くの業界が2008年度から12年度までの目標を設定しており、いまだ約束期間が終了していないわけです。ですから、こういうことを言われるということは、明らかに自主行動計画について誤解なさっているか、あるいは理解が足りないと思います。特に、自主行動計画については、京都議定書目標達成計画において、産業部門の対策の柱として位置づけられていまして、かなりの成果を上げているにもかかわらず、否定的な表現をされていることから、問題があると私は思っております。
それを踏まえて、私の意見を言いますと、産業界が低炭素社会実行計画というのを今進めてているのですが、これは世界規模でのCO2削減を求めて研究開発、そしてその技術の世界、海外への普及を目指しています。それで、排出量取引制度は企業が計画しているその種の原資をつみ取ることになりかねません。また、化学業界をはじめとする、いわゆるLCA的発想でいいますと、エネルギー多消費産業の化学産業とか鉄鋼業というのは、製品をつくりますが、その製品が逆に使用者側のほうにいってCO2を著しく減らしてくれるというときには、そういうものはつくったほうがいいわけです。ところが、この排出量取引制度というのは、キャップを被せるわけですから、そういう新しい研究開発とその製造について、それを阻害することになりかねないわけです。だから、国内でキャップがかかりますと、自由な取組が出来なくなりますので、産業界の自主的な実行計画をもっと理解して欲しいと、こういうふうに思います。以上です。

市場メカニズム室長
まず、岡川説明員からご指摘のあった点ですが、限界削減費用以下のところが実施されていないというもの、0円以下のものが実施されていないというものが前提となっているという話ですが、そこについては実は算定・報告・公表制度の対象事業者に対して、どの対策を実施しているのか、していないかというものを、アンケートをかける際に、なぜ出来ていないのかというものもアンケートをかけております。まだ分析が終わっておりませんので、必要があればこの委員会などにも提示をしたいと思いますが、例えば情報が足りない、不足しているとか、理解しているスタッフがいないとか、また手持ちの資金というのは限られていて優先すべき投資の優先順位が低いからやらなかったとか、様々な意見が出ております。必要があれば、また整理ができた段階で、提示をさせていただきたいと思います。
あと、二つ目のご質問については、むしろ増井先生にご指導いただきながら作業しましたので、私もモデルの詳しいところまではよくわからないのですが、お手元にお配りしている、詳しい資料の32ページ辺りのMACカーブから、どういうふうに企業が削減行動をしていくのかというところの記述が関連するのではないかと思いますが、必要があれば、増井委員に確認して、ご趣旨のところはお答えできるようにしたいと思います。
永里委員からの手続のあり方のご指摘については、今後、我々として反省すべきところは反省をして、検討の進め方を考えたいと思います。
それから、これは評価のほうですから、先ほどご指摘があったのは自主行動計画の点について、例えば26ページの確実性のところをご指摘されたのかと思いますが、これは目標を設定しているというのは、多くの業種がしているのはもちろん承知しておりまして、ここで書いたのはCO2の排出総量目標を設定しているのは一部だということで、原単位であるとか、エネルギーであるとかというものは当然ありますし、その柱の一つであるということも承知をしております。
そこで、ここは抜粋の仕方が悪かったのかもしれません。本体には、なるべく現在自主行動計画で評価をされているものというのは全部盛り込んで書かせていただいたつもりですので、そこはこの検討会というよりは、これを抜粋した事務局の扱いが悪かったのかなと反省をしている次第でございます。細かくは、こちらの第2部のお手元の資料をお持ち帰りいただいてご覧いただければと思います。
LCAの話については、若干、本日の議題とは直接関係ない、どちらかというと制度の話のあり方ですので、今日はあまり話をするつもりはなくて、このデータの持つ意味ということで、LCAについては、こちらの委員の中でも何人か中央環境審議会の排出量取引制度の委員会にご参画いただいた方もあって、ご記憶の方もあるかと思いますが、LCAについての発想をどういうふうに排出量取引の中に持ち込めるかというものを議論して、それについて持ち込むことは可能だということを、実際に、一応整理してみたということでございます。
今回は、例えば、そのインパクトはどうなのかということも少し、ここには細か過ぎて書いてないんですが、詳しい方には少し試算をしておりますので、そちらも見ていただければと思います。

西岡委員長
どうもありがとうございます。

冨田委員
委員長に短いお願いです。今、委員がこれだけ抜けて、恐らく小委員会としては成立していない状態なのではないかと思うんですね。私自身もまだお聞きしたいことたくさんあるのですが、お願いしたいのは、文書で質問を出しますので、文書でお答えいただいて、この小委員会にお出しいただくなり、部会にお出しいただくなり、そういうことをお願いしたいと思います。

西岡委員長
どうもありがとうございました。そのようにいたします。時間のマネジメントが下手でどうもすみませんでした。今の議論はこれで終わりたいと思いますが、様々なご意見がございましたので、後ほどの検討にまた反映させていただきたいという具合に思っております。
選択肢をまとめるというのは、今のところ政策でもってランクをつけていくような感じが一つあるかなという具合にまずは考えておりますが、その中でどういう政策を入れていくか、そのためのディスカッションも続けてやっていく必要があるかと思っております。今後のスケジュールについて事務局のほうからお願いします。

低炭素社会推進室長
資料5でございます。裏面をご覧いただきたいと思いますけれども、本日議論いただきました内容も踏まえまして作業をし、技術モデルによる分析結果のご提示をさせていただきながら、議論をさらに深めていただきたいというふうに思っております。
3月末からさらに4月中旬まで予定を確定した部分については書いてございますが、その後、資料3でもお話を申し上げましたけれども、経済モデルによる経済分析等も踏まえ、お示ししながら、議論を深めていただきたいというようなことを予定しております。以上でございます。

地球温暖化対策課長
追加的な事務的なご説明でございます。委員の皆様におかれましては、大変ありがとうございました。次回日程については3月28日でございます。
また、議事録につきましては、事務局でとりまとめまして、ご確認いただきました後にホームページに掲載させていただきます。宜しくお願いします。

渡邊委員
この「各ワーキンググループの資料について」という資料はどういった扱いのものでしょうか。

西岡委員長
1枚紙の説明お願いします。

低炭素社会推進室長
失礼いたしました。1枚紙につきましては、資料1の説明の前に事務局から説明をするはずだったのですが、すみません、抜けておりました。扱いについてはこのとおりでございます。

渡邊委員
欠席されている委員もいらっしゃるので、是非欠席されている方にも、この内容を周知していただくようお願いします。ワーキンググループの資料は、まだ議論中のものであり、他の委員会で活用するなどということがないよう注意していただくようお願いいたします。

低炭素社会推進室長
はい。

西岡委員長
はい、どうもありがとうございました。
それでは、これで終わります。

午後 6時42分 閉会

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