中央環境審議会 2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会(第5回) 議事録

日時

平成23年11月21日 15:00~17:37

場所

全国都市会館「第1会議室」

議事次第

1 開会
2 議題
(1)
関係者からのヒアリング
(2)
今後のスケジュール
(3)
その他
3 閉会

配布資料

資料1 世界自然保護基金ジャパン 山岸尚之気候変動・エネルギーグループリーダー ヒアリング資料
資料2 気候ネットワーク 平田仁子理事 ヒアリング資料
資料3 低炭素社会戦略センター 山田興一副センター長 ヒアリング資料
資料4 今後のスケジュールについて

議事

午後 3時00分 開会

地球温暖化対策課長
 ただいまから中央環境審議会地球環境部会2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会第5回会合を開催いたします。
本日、委員総数23名中、既に過半数の委員にご出席いただいておりまして、定足数に達しております。なお、本日の審議は公開とさせていただきます。それから、議事に入ります前に、連合の杉山委員が退任されまして、本日から菅家委員がご出席されておりますので、宜しくお願いいたしますでは、以降、議事進行について、西岡委員長にお願いいたします。

西岡委員長
 皆様ご参集ありがとうございます。資料の確認をお願いしたいと思います。

地球温暖化対策課長
 配付資料でございますが、議事次第の下に配付資料リストがございますけれども、資料1、脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案、それから資料の2としまして、3つの25は達成可能だと。資料3が低炭素社会へ向けてと。資料4が今後のスケジュールについてということになっております。また、委員席につきましては、ご参考ということで、机上配付というふうにさせていただいておりますが、WWFの方から出されております「脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ」と、気候ネットワークさんの方から出されております「脱原発の複数シナリオ」、それから「発電の費用に関する評価報告書」というものも出させていただいております。それから、緑のファイルあるいはピンクのファイル等で、いつもの資料をとじさせていただいておりますが、これについては、会議終了後、回収いたしますので、お持ち帰りになりませんようにお願いいたします。以上です。

西岡委員長
 どうもありがとうございました。資料がもし足りないものがございましたらお申し出ください。
それでは、議事に入ります。今日は、お手元に議事次第がございますけれども、主に二つございまして、一つは、関係者からのヒアリングということで、今日は3人の方にお願いしております。お一人目は、公益財団法人世界自然保護基金、WWFジャパンの山岸気候変動エネルギーグループリーダー、お二人目は、気候ネットワークの平田理事、そして最後に、独立行政法人科学技術振興機構低炭素社会戦略センターの山田副センター長よりお話をいただきたいと考えております。次に、議題(2)といたしまして、今後のスケジュールを事務局から説明いただくことになるかと思います。
 最初に、プレゼンテーションを二つ続けてお願いしたいと思っています。最初のヒアリングといたしましては、世界自然保護基金ジャパンの山岸気候変動・エネルギーグループリーダーからお願いしたいと思います。

山岸リーダー
 皆様、こんにちは。WWFジャパンで気候変動・エネルギーグループのリーダーをしております山岸と申します。本日は、皆様、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。私の資料1と書いていただいているものと、先ほどご紹介がありました机上配付、こちらのメインテーブルのみの配付のものが1点あります。主に資料1について説明をさせていただきますが、毎回、こういうところに呼んでいただけると、張り切り過ぎて資料が分厚くなるのですが、15分ということですので、はしょってご説明をしたいと思います。
 特に後にお話をしていただく平田さんとの区別で言いますと、私どもがこれからご紹介をするシナリオというのは、2050年をタイムスパンとして考えておりますので、その2050年という点から見たときに、特に見えるところに少し重点を置きながらお話をさせていただければと思います。まずめくっていただきまして、最初に、1-1.「自然エネルギー100%キャンペーン」とありますが、WWFとしては、こうした震災以降、自然エネルギーで100%、日本のエネルギーを満たすためには何が必要なのかを考えるようなキャンペーンを実施しているということのご紹介です。
 ちょっと先に行かせていただきます。1-2.世界全体での自然エネルギー100%は可能ということですが、これは、実はWWFインターナショナル、我々のいわゆる本部といいますか、国際事務局に当たる組織ですけれども、今年の震災前の2011年2月に、世界的なレベルでそういうことが出来るかどうかということをヨーロッパのエコフィスという研究機関と一緒になって検討して、発表した報告書がございます。我々も、基本的にはそこで示されている考え方をベースにして考えました。それが次のページの1-3.「エネルギーレポート」の考え方というところなのですけども、このグラフをちょっとご覧ください。本当に単純な考え方をしております。というのは、一番上の点線、これが、要するに2050年までを見たときの成り行きベースでのエネルギー消費です。これは電力だけではなくて、熱も含めたすべてのエネルギーが、2050年、これだけ普通に成り行きでいったら増えるであろうということを考えています。まず第1に、このシナリオのレポートの中で考えられているのは、それを省エネルギーによってどれ位落とせるのかということを考えています。それが緑色の線ですね。緑色の矢印で下にぐっと引っ張っていって、やや若干濃い目の青い線のところまで行きますけども、基本的には、あとは残った供給をすべて自然エネルギーで賄うことが出来るのかどうかということを検討している。基本はそれだけです。その間に一つ想定として置いているのは、例えば原子力発電所を段階的に廃止をしていくとかという形で検討をされているということになります。当然、自然エネルギーで100%ということは、逆に言えば、化石燃料はすべてフェーズアウトをするということになります。エコフィスのみの検討ですと、この資料にありますように、一番下、若干だけ化石燃料が残ります。例えば鉄鋼における石炭の利用であるとか、そういうところだけは残るというふうな想定をしていますが、そこは2050年までということで、革新的技術等の発展に期待をするということで、100%という結論にしている。そういう形になっております。
 基本的には、この同じ考え方を、WWFのジャパンの方でも、日本について出来ないかということで検討しました。世界全体で出来るというのに、なぜそれを日本でやるのかといいますと、この世界全体のシナリオというのは、世界全体を一つの固まりとして見たときに、それが出来るかどうか。例えば地理的に離れているかどうかとか、そういうことは一切考えないで検討しているので、日本での適用可能性というのは別途検討する必要があったということです。
 1-4へ行っていただきますと、それを今年、2回にわたって、ややちょっと急ピッチで検討を、システム技術研究所さんと一緒にやらせていただきました。中間報告という形で、まず省エネルギーの可能性について発表をさせていただき、つい先週の金曜日ですけれども、最終報告という形で、自然エネルギーも含めた、供給側も含めたシナリオを発表させていただきました。
 これから、それぞれのシナリオの特徴について、若干簡単にかいつまんでご説明したいと思います。それでは、まためくっていただきまして、2-1の2050年へ向けての大幅な需要削減というところをご覧ください。もう本当、結論から先に申し上げてしまいますと、今現在で想定出来る技術等を加味すれば、すべてのエネルギー、これは最終エネルギー消費ですけれども、2050年までには半分まで落としていけることが出来るであろうというのが基本的なシナリオの計算結果です。もともと2050年というタイムスパンで見るときには、上にあります、その成り行きのケースにおいても、もうそもそも人口減などを反映して、需要は落ちていくわけですけれども、そこからさらに削って、トータルで見ると、2008年比で、現在と比べて半分位までは落としていけるだろうという形です。
 次のページのモデルの基本的な考え方の部分は、ちょっと細かくなってしまうので飛ばさせていただきまして、今度は、2-4の家庭部門において想定している技術・対策とかというところに行ってください。ここからは、凄く2050年という観点を見たときに考え得ることについて、やや駆け足で、本当にピックアップをする形でご説明をしたいと思います。
 まず1点目は、例えばその最初の2-4のところですと、照明の部分で、LED電球の高性能化と大量普及という形で書いています。既に現状、市場で出回っているものでも80ルーメンとか、そういうレベルのものが出回り始めていて、そして、2020年位には200ルーメン位まで効率としては上がるだろうというふうに考えております。
 このレポート、実は、そのシステム技術研究所の槌屋先生に委託をしたのは今回が初めてではなくて、実は10年前にも一度やっているのですけど、そのときに、まさしく槌屋先生がレポートの中で書かれたことの一つが、このLED照明の普及ということでした。そのときは、発表したときには、当時はそんなのはまだ全然市場にも出回っていないし、そんなの普及するわけがないじゃないですかという話がされましたが、今日、例えば某家電量販店なんかに行くと、もうレジの前に大量に売りたいものとして山積みにされている、そんな状況になっています。ですから、仮にこれを2050年まで考えるのだとすれば、LEDどころか、有機ELだってもっとちゃんと普及している可能性はあると。そういうような想定がこの中でたくさんあります。
 今度は2-5も飛ばして、2-6に行ってください。もう一つ、大事なポイントだと思っているのは、こちらで業務部門での想定ですけれども、例えば冷暖房、特に問題になってくるのは断熱の機能ですけども、例えば環境省さんが国環研さんとやられたロードマップの中でも、ここについてはかなり野心的な想定を置かれていると思いますけども、ここで置かれている想定も、それと同等か、もしくは、若干前のめりかもしれないですけど、すべての建築物が、いわゆる今言われている、新しい世代の次世代省エネ基準と相当になっていると。例えばロードマップの中で想定されているのは、それよりもうちょっと一ランク上のものを想定されていたかと思いますけれども、ここでは、すべてがせめて次世代省エネ基準になっていると。これは、今の例えば新築の建築のペースであるとか、今、実際に毎年行われている改修の件数を考えれば、若干野心的と言えますけれども、でも、2050年というタイムスパンで見れば、決して不可能ではなくて、順当にいける水準ではないかというふうに思います。むしろ、それ位をやってしかるべきではないかというような水準です。
 今度は2-8の産業部門なんかをちょっと見ていただきますと、3番目の行のところに鉄鋼というのがあります。鉄鋼、ここで置いている想定は、端的に言えば、リサイクル率が例えば70%になるというような想定です。これは単純に言えば、電炉の割合がそれ位になってくるということですが、今、これを言うと、はっきり言って、何を言っているんだというふうに言われるかもしれません。ですが、2050年までを逆に考えてみると、このシナリオの報告書本体の方にも書かせていただいておりますが、例えば鉄鉱石自体が、今のようなペースでいくと、かなり不足してくるのではないかという予測があります。ですから、2050年に年間の鉄鋼生産が24億トンだとすると、その半分位は、少なくともリサイクルとかをしないと苦しいのではないと。場合によっては、90%なんていう研究者さんもいらっしゃるんですね。ですから、その中で、じゃあ、日本がずっと普通にやっていけるかというと、そうでもないかもしれないということで、こういうような想定を置いているということになっております。 こういうふうに2050年というタイムスパンで見ると、いろいろなところが想定としては置いていけるところになりますし、逆に言うと、そういうことを逆に置くと、これから短期でやっていかなければならないことも見えてくるというふうに思います。
 ここからは、ちょっと時間がないのでざっと飛ばしていただきまして、2-13の実現のために必要な政策というところまで飛んでいただけますでしょうか。ここから、実現のために必要な政策として、ちょっと区別をつけずに、ずっと列挙してしまっているのですけれども、一つは、区別として三つほどの種類があるのではないかということについてお話をさせていただきます。
 一つ目は、この2-13の1番目に上げてある、白熱灯からの切り替え奨励のように、ピンポイントで、例えば技術であるとか、あるいは、そのやらなければいけないものというものを指定するタイプ、この白熱灯からの切り替えなんていうのは、例えばEUであるとか、それから、あとは最近ですと、中国でも、やる、やらないような議論が上がっていますので、決して絵そらごとではないかと思います。こういうピンポイント政策が1点目。
 もう一つは、そのすぐ下にあります、新規建築時及び改修時における基準達成義務化のように、フローの中で関所みたいなものを設けるタイプ、ですから、このフローの流れの中で変化を求めていくタイプの規制が、もう1点のタイプの規制としてあるかなというふうに考えております。 そして、3番目、今度は次の2-14のところに行っていただきますと、三つあるうちの真ん中、工場の省エネルギー・トップランナー制度とか、それから、下にあります炭素制約の導入のように、日々の取組の中で結果のみを求めて、結果の達成のためには何をするかは、それぞれの主体が考えることが出来るタイプの政策、こういう日々の中での活動を求めていくタイプの政策というものもあり得るかなと思っています。これら三つのタイプの政策をうまく組み合わせていくことによって、逆に言うと、それにプラスして、さらに、先ほどのような長期的に行きたいポイントというのをあらかじめ設定して、それで逆算して、政策をつくっていくことが必要ではないかというふうに考えます。これが省エネルギーの分野になります。
 あと4分位で自然エネルギーの方もお話をさせていただきます。24ページの3-1というところに行っていただきますと、この自然エネルギーの方、供給側の方の考え方を簡単に整理しております。基本的に、1と2については、先ほどお話ししたように、先ほどの省エネルギーシナリオがあって、2番目は原発の段階的な廃止ですから、これは段階的に廃止を想定したということになって、その後、3番と4番がここの部分になります。3番の自然エネルギーのポテンシャルの想定を吟味した上というのは、例えば環境省さん自身が出されておられるポテンシャル調査なんかを参考にさせていただきつつ、一部、例えばバイオマスなど、想定が載っていない部分については、別途、試算をしたりとかをしてつくっております。
 その後、もう一つ、よく批判されるポイントなどで検討を行っているのは、2050年の時点で、その気象データなんか、例えば365日の気象データ、今のデータしか使えませんけども、日がどれ位、照っているのかとか、風がどれ位。吹くのかとかいうことを想定して、365日間、年間で電力をずっと提供し続けることが出来るかどうかということも、ダイナミック・シミュレーターという名前のシミュレーターによって、ちょっと検討させていただいております。その結果、年間を通じて自然エネルギーが電力を提供が出来るということを検討しております。
 結果として出てきたのが、その3-4、エネルギー全体の需給構造という、グラフに表れているような形での自然エネルギーの想定でして、ここは区別して書かれていないので、若干説明が必要なのですけども、実は、今回、我々がその検討の中で凄く悩んだ部分がありまして、それは、自然エネルギーによって電力を賄えるかどうかというポイントよりも、ポテンシャルからすると、自然エネルギーによってすべての電力を賄うことは、系統さえしっかりすれば出来るだろうというのが、我々が早期に至った結論なのですが、むしろ問題になったのは、自然エネルギーの熱の方でして、熱とか燃料需要というのはなかなか難しい。というのは、その自然エネルギーでダイレクトに熱とか燃料を供給出来るのは、基本的に太陽熱とバイオマスと、今回は詳しく検討する余裕はなかったですけど、地中熱に限られるんですね。これらですべてを賄うことが仮に出来ないとすると、ほかから持ってこなければいけない。我々が、今回、想定したいのは、自然エネルギーで純粋な電力以上に発電をして、それを水素として貯めて、一部、水素で熱を供給したり、あるいは燃料需要に充てるということを検討しています。それが正しいかどうかは別として、そういう形での熱供給というのも考えていかないといけないという、自然エネルギーですべてを賄うという想定に立つと、そういう可能性も少し見えてくるということが言えます。
 次、3-5とか3-6は、先ほどちょっとお話をした、ダイナミック・シミュレーションによる検討例です。例えば、そういうことをすると何が見えてくるかといいますと、例えばバックアップ電源がどれ位、そのタイミングでどれ位必要になるかとか、あるいは、余剰電力がどれ位になるのかとか、あるいは、バッテリーの容量としてどれ位あるのが必要なのかというようなことが少しわかってきます。
 ちょっと時間がないので飛ばさせていただきますが、最後に、あと1分間で結論を述べさせていただきますが、これらを実現するために必要な政策ということで、3-7に行かせていただきますが、今回、この委員会の中で是非ご検討いただきたいのは、やはり中長期での目標をどうするのかということを明確に検討していただきたいなというふうに思います。例えば、自然エネルギーの普及目標というのは、現行の例えばエネルギー基本計画の中ですら書いていないわけです。ですから、温暖化対策の観点から見たときも、それらが必要なことは明らかなので、それを明確に書いていただきたい。それを2050年までの、例えば10年ごとに区切った形で書いていただきたいポイントが一つあるのと、そのときに、電力に比較的注目が集まるのですが、私、先ほど悩んだと申し上げたように、燃料も重要です。そして、現行のエネルギー基本計画には書いていなくて、何年か前の新国家エネルギー戦略にしか書いていない省エネルギー目標についても、明確に検討するべきではないかというふうに思います。こちらも、実は現行のエネルギー基本計画には書いていませんので、それらを温暖化対策の観点から、若干それは越境侵犯だとか、いろいろ言われるかもしれませんけれども、気候変動の観点から考えたときも、それは必要なんですよというメッセージを明確にこちら側から出していただくというのも、非常に重要なポイントだというふうに考えています。
 ほかの部分は、ちょっと時間がないので飛ばさせていただきまして、最後に、その観点から、一番最後の3つの鍵となる政策、ページで言うと34ページをご覧ください。その観点からいったときも、中長期で、今申し上げたような長期での物事を達成していくためには、別に長期まで待っていいということではなくて、今から流れをつくらないといけない。その観点から、昨年から検討がとまってしまっています、キャップ&トレードなどの真剣な検討を再度、再開していただくというのも一つですし、もう一つは、この会議がおそらく目的としている基本計画の素案みたいなものをつくり、なおかつ、それを、今、国連の場では、「カンクン合意」に基づいて、各国が"Low-Carbon Development strategy"をつくらなければいけないというふうになっています。それは先進国については、ほぼ義務のような形で入っていますし、途上国についても、基本的にはエンカレッジ、奨励されるものという形で入っていますので、それについてのモデルを日本から逆に発信していくということをしていただきたいなというふうに思います。是非このあたりを検討していただければというふうに思います。
 すみません、ちょっと時間をオーバーしてしまいましたが、以上で終わりたいと思います。

西岡委員長
 どうもありがとうございました。時間もきちんと守っていただきまして、ありがとうございます。
 続けて、気候ネットワークの平田理事からご報告願いたいと思います。

平田理事
 皆さん、こんにちは。気候ネットワークの平田と申します。今日は、このようなお時間をいただきまして、ありがとうございます。気候ネットワークは、京都会議の前から活動している団体でありまして、部会の方では代表の浅岡が委員になっておりますので、そちらで意見を申し上げているところかと思いますけれども、本日はこの小委員会にということで、とりわけ、3.11の後、幾つかのペーパーを出してまいりました。ほとんど日の目を浴びることがないペーパーをこのような場で今日は話させていただけるということで、大変光栄に思っております。 2ページに、これまで出してきたペーパーを並べておりますけれども、この中でも、2番の2ポツの「"3つの25"は達成可能だ」というもの、それから、その次の二つ位を主に内容をピックアップして、紹介させていただきます。
 まず、震災があろうが、なかろうがといいますか、これまで私たちは、原発にも頼らない、そして、化石燃料の依存を下げていく社会を目指していくという方向で提言をしてまいりましたが、特にこの3.11があった、原発事故があったということで、エネルギー政策の大きな見直しがある中で、短期のこの夏、そして、来年、電力の需給が大丈夫か、そして、6%の達成は可能か、そして、低炭素と持続可能な原子力に頼らないエネルギー政策ということを両立させることが出来るのかと、そのあたりに関心を持っていて、研究をし、提言をしてまいりました。
 WWFさんとは違いまして、そこの外部の先生に委託するというような余力はありませんで、私どもはスタッフのメンバーと、それからNGOのネットワークと、そして、協力してくださるボランティアの研究者、ボランティアの研究者の中にはかなりの専門家もいらっしゃるということで、手弁当研究を常にやっております。
 まず、5ページの短期の影響ですけれども、泊の原発の影響を図に入れ損ねておりますが、9月には、このままでいくと、止まってしまう可能性があるということで、次の6ページ、7ページは、エネルギー・環境会議に出された、この冬、そして来年の夏の見通しで、9電力では大丈夫だけれども、一部足りなさそうな場所もあるという報告がなされております。
 8ページ、この間、この需給に関しては、今までよりはいろんなデータが出てきたと思っておりますけれども、まだわからないところが多い。この8ページの表は、政府の情報が出てくる前に、私どもが供給量はこれ位あるのではないかと見てきた表ですけれども、その後、新しい情報をパワーポイントに入れ損ねておりますけれども、それを見ても、すぐさま停電になるというような状況ではないですし、9ページ、ピーク時の対応を、わずかな時間でしかないピーク時の対応をするということ。それから、その次のページの、よくご承知と思われますが、その地域間の融通をしていくということで、特に10ページの赤になっている、もしかしたら足りないかもしれないと政府の方で見通しているところにおいても、来年の夏の電力需給も問題ではないというふうに考えております。
 また、この間、政府の方で、3兆円位、その原発代替燃料でコストがかかるというような試算も出されておりまして、それに対して、気候ネットワークの方でも、代替する燃料種別、それから省エネ・再エネの対策がある、なしで試算を行っております。
 12ページを見ていただきますと、どの燃料に転換するかによっても差がありますが、省エネ対策を見込む、見込まないによって、大きくその負担の額は違ってくると。私どもの試算によれば、むしろ、燃料コストを下げていくということが可能になるというような試算をしておりました。 また、CO2の排出についてですけれども、こちらも、その対策を順次とっていくことによって、やはり急激に全部とまってしまうということで、2014年位までは、どのような燃料に移行しても、CO2は、動かしていたときがベースですけれども、動かしていたときに比べると、増えてしまうということは否めないと思っておりますが、それがどれだけ長く続くのかというふうに見ると、やはりこれから数年の対策によって違ってくると。私どもの想定する対策をとっていくことによって、2015年には、原発を動かしていたときよりも下げるということも可能であるというふうに見ております。細かい試算の根拠等については、ご質問があればご説明さしあげますけれども、資料の方には書いてございます。
 以上が短期でして、次に、中長期についても検討しましたが、私たちが範疇にしたのは2020年です。ですから、中長期といっても、中期ですね。CO2の8割以上は2050年に減らしたいという方向で、三つのケースで試算しております、これまで。15ページに、ケース三つありまして、一つは、40年で原発を廃炉し、危険な箇所はすぐに廃炉するということ。ケース2が30年廃炉、ケース3が、危険な箇所はすぐ廃炉にするのですが、2020年には全廃になっているという、そういう三つのシナリオでございます。それに合わせて、16ページ、再生可能エネルギーは、大規模水力を含み25%から35%、前のケースと合わせております。
 供給側の対策として、天然ガスシフトを過渡的に増加させる提案です。とりわけ、今、旧型と最新の複合型とが半々位あるという中で、2020年には、これをすべてをコンバインドサイクルの効率に押し上げていくというような試算にしております。それによって、天然ガスの新しい火力発電所の建設が、電力会社が予定している3年位前倒しで必要になるということでありますが、これを、小型のコジェネをあちこちにばらまくというような方法でもあり得るのかとは思っております。
 計算に用いました省エネの対策は、発電部門、工場、それから小規模な事業所、家庭、それぞれにおいて、これまで、震災の前に私どもが想定していた、試算していたものを使って計算をしてあります。結果なんですけれども、数字の結果そのものがこの19ページになくて申し訳ありませんが、いずれのケースでも、25%を超えるCO2の削減は可能だというふうに見ております。この中で違いを設けているのは、特にその需要側の対策のケースを、原発を止めるスピードを上げるによって、より省エネを進めるということは、あえて想定しておりませんで、すべて供給側で対応するというふうになっておりますので、再生可能エネルギーの導入割合及び石炭、石油の発電所の割合の変化が、ここで見られているということを確認いただけたらと思います。
 20ページ、削減の部門はどこで大きく起こっているのかということですが、今の想定のご説明でもおわかりかと思いますが、発電部門での燃料転換、そして、省エネが非常に大きく効いております。
 化石燃料、これがかなりの負担という話はいつも出てくるわけですけれども、この取組を行うことによる化石燃料コストの削減は、原発、現状ケースと比べると、6兆円から7兆円位は削減出来るのではないかというふうに見ております。
 以上が気候ネットワークの試算なのですが、ちょっとだけ、複数のNGOで協力して行いました、今、丁度コストの分析が行われておりますので、発電の費用に関して、エネルギーシナリオ市民評価パネルという任意のグループをつくりまして行った研究の成果も、あわせて、ちょっと関連しますので、ご紹介させていただきます。まず、発電の費用、今、エネルギー環境会議、それから原子力委員会の方で検討されているということで、また新しい視点での数字、検討がなされることに期待しておりますけれども、現在のその発電コストと呼ばれるコストは誰のコストなのかということ、大変疑問を持っております。それで整理したのが、この22ページの図でして、一番小さなマルの従来の発電コスト、つまり、燃料費、建設費、運転維持費等が、電力会社にとってのコストとして、キロワットアワーが幾らという形で、今まで、安い、高いと論じられてきたと思いますが、そこに含まれる廃炉、放射性廃棄物の処理費用等は過小評価されているというふうに判断しましたし、また、それ以外の私たちが払う税金、そして、電力会社の広告宣伝費等、実際に支払っている隠れたコストがあると。そして、これまで検討に入らなかった環境外部費用と言われるもの、様々なものがあると。こういったものをきちんと費用として可視化することが重要だというふうに見ています。
 また、この既存の研究を分析した結果をまとめた報告書なのですけれども、そこで明らかになったことは、原発のコストは、実績は、政府が今まで試算していたよりも高かったと。そして、今、モデルプラント方式で検討されていますが、それはもう想定によって幾らでも変わるということなので、その想定をしっかり踏まえなければいけない。さらに、再生可能エネルギーシフトが一番いいのではないかということを示しています。24ページの図は、その便益も含めたこれからの短期、それから中長期の費用です。スケールはちょっとイメージとなっておりますが、再エネが一番メリットが大きいのではないかというふうにし、勧告を並べているところです。これに対して、27ページから、原子力委員会での事故コストについての評価が極めて過小評価であるということ。そして、核燃料サイクルのコストも、これはもうコスト論だけではないと理解していますけれども、過小評価であると考えておりまして、本当に事故を踏まえた費用の分析に、ここまで見てきて、なっていないではないかと大きな疑問を持っているので、ここであえて紹介させていただきます。
 最後に、施策の方向性ですけれども、30ページ、まず、立法と数値目標が必要であると。2013年以降の日本のこれからの方針が、今、ない状況ですので、25%、それから80%の削減を掲げた法律の実現が急がれる。そして、ここで議論なさっていることを踏まえた基本計画を策定していただきたいと。そのときの政策としては、やはり炭素に価格付けをする仕組みが何としても重要と考えております。そして、電力制度改革、たくさん並べておりますが、ここでもしっかりご議論いただき、制度の中に組み込んでいただきたいと思います。
 まとめにまいります。34ページですけれども、幾つかまとめておきました。まず、電力需給については、ピーク需要は問題ないと考えておりますので、原発の再稼働は必須要件ではないと思います。また、すべて止まった場合においても、一時は増えますが、広い目で見たら、CO2増加の影響はそれほど大きくないということで、長期に及ばないと考えております。そして、原子力によらない対策はたくさんありまして、私たちのシナリオも、原発以外の対策で25%可能だということを示しておりますので、エネルギー政策の見直しに伴う温暖化対策の見直しが必要ですけれども、その際、25%削減を取り下げる必要は全くないと考えております。
 それから、今日、ちょっと図を入れ損ねましたけれども、2020年全廃に至るシナリオにおいて、12年で再稼働を全くしないケースと、一部稼働して2020年に脱原発するシナリオということも、CO2排出、それからコストについて分析したところ、それほど差はないというふうに試算結果を出しております。
 それから、LNGシフトが鍵を握るということ。そして、省エネ・再生可能エネルギー投資は、内需拡大により地域経済と雇用にプラスになるということを、是非着目していただきたいということです。
 そして、このシナリオを含めた脱原発をしながら、低炭素を両立していくということを実現するのは政策ではあるというふうに強調したいと思います。ですので、この小委員会では、こうしたWWF、気候ネットワークにとどまらないシナリオもございますので、20年25%削減、そして、50年80%削減を確実に達成する。これはもう環境制約ですから、これを確実に達成するためのロードマップと政策提案を複数のシナリオにおいて提示して、国民に選択肢を示して、そして、持続可能な社会に向けた賢い選択を促すことを期待したいと考えております。
 最後に、ここでの議論がエネルギー政策の議論にどう関わっていくのかというところで、ちょっと不安を思っております。エネルギー政策の議論はエネルギー政策の議論として、今、たくさん場が出てきて動いておりますが、それと同時に、この気候変動、CO2削減の議論が組み入れられて進められるということが非常に重要だと思いますので、ここは環境省さんをはじめ、委員の皆様にお力添えいただいて、低炭素社会をつくること、そして、原子力に頼らない、持続可能社会をつくることを一体的に進めていくようお願いしたいと思います。以上です。

西岡委員長
 どうもありがとうございました。短い時間の間に説明していただきまして、感謝しております。
 今回のヒアリングは毎回、まず関連の深い委員の方からのご意見、ご質問を先にいただき、その後、皆さんの議論を続けたいと思っております。今日は飯田委員にお願いしておりますので、今の二つのプレゼンテーションに対するご質問をお願いいたします。

飯田委員
 ありがとうございます。まず、その共通して読み取れるというか、インプリケーションというか、非常に重要な点は、やはり原子力だと思うわけですが、これまでの環境省の温暖化政策は、いわば、原子力をデフォルトとして、ずっと引っ張っていたわけですけども、明らかにもう2050年という長期を考えれば、今日、お二人のプレゼンテーションに共通していましたし、現実を見ればはっきりしていますが、もう原子力はゼロになっているということが第一オプションというか、もちろん残っているケースも、オールタナティブ・オプションだと思うのですが、メインオプションは、原子力はもう2050年にはないということと、2020年には、こちらは総合エネ調の方でもやっていますが、2020年に関しても、やはりゼロオプションというのは検討すべきだろうというふうに思うわけですね。その上で25%、あるいは長期的には80%削減というシナリオをやはり作っていく必要があると思います。
 それの関連で言うと、ちょっとこの今日のプレゼンをもう少し広げて考えると、環境省にこれから原子力安全庁が移管をしてきて、原子力の安全規制が環境省の領域に入ってくるわけで、この間も、現実世界の中で、環境基本法だとか、廃掃法の中から、原子力の部分が取り除かれていて、非常に混乱を来しているわけですね。そういった全体としての原子力というのは、まさに、核のごみと放射能汚染を生み出すということは、これ自身が環境汚染だという認識に立って、まず、その環境基本法と廃掃法の抜本的な見直しをしっかり打ち込んでいただきたいということと、今日の平田さんのプレゼンにあった、この間、いわば脅しのように「電気が足りないから原発を動かせ」というような声があるわけですが、原子力の安全規制、今後、環境省がやっていく上で、電力需給を気にして安全性を緩和するようなことは、一切あってはならないと思うんですね。そのこともきちんと明記していただきたいということで。
 それと、あと2点、重要なのが、省エネに関して目標値を提案すべきだと。これまでのような、いわゆる弾性値とか、そういったものではなくて、絶対的にエネルギー量を削減するということの目標値、EUが丁度「20_20_20」とやっているような、やはり2020年における省エネと、そして、再生可能エネルギー、これも菅さんがドービルサミットで言って以来、今、宙に浮いていますので、これが、省エネと再エネのこの二つの目標値が、CO2とともに、やはり必要だという提言は、やはりこの場から必要なのではないかというふうに思います。
 その上で、せっかくですので、お二人にお伺いしたいのは、共通して再生可能エネルギーの野心的な普及を具体的に実現していく上で、今、ご提案された幾つかの政策をもう一段、実現するためには何が必要かということをお話しいただければというのが一つ、そして、特に省エネにフォーカスされているWWFの山岸さんの方には、やはりこの省エネ政策を実現するのに、従来、何が欠けていて、山岸さんが資源エネ庁長官になったら、こういうふうにして出来るんだと。資源エネ庁長官ではなくて、ひょっとしたら、環境エネルギー省、省エネ部長かもしれませんけども。平田さんには、やはりそのエネパネでやられた原子力のコスト、少し今、プレゼンを既にいただいたのですが、やはり今、進められている国家戦略のエネルギー・環境会議と、原子力委員会の策定会議における、机上の空論であるかのようなコストが先に先行して議論されることの問題点で、改めて少しご指摘いただければというふうに思います。

西岡委員長
 それでは、山岸さんの方からお願いします。

山岸リーダー
 ご質問ありがとうございました。どちらについても、基本的には、その実現するために必要な政策に関する部分だと思いますが、まず先に、私のプレゼンの順番に沿って、その省エネの方から申し上げますと、一つは、今までの省エネ政策で幾つか問題点があると思うのは、特にトップランナー規制に代表されるように、機器とかに関する省エネの規制というのをそこそこやってきた部分はあるのですけれども、物をつくるときの省エネ規制については、やや踏み込みが甘かったというふうに考えています。現状でも、省エネ法のもとで、例えば第一種なんかについては1%の減退、改善というものがありますけれども、これが徹底されたということはなくて、そもそも、じゃあ、それが徹底されているかどうかを確認しようにしても、外部的には確認するすべは今のところはないという状況があります。ですから、省エネ政策としては、物をつくる段階での省エネについても、もう一歩、今の時代であれば踏み込むべきであるし、さらに我々の好みという観点からいうと、キャップ&トレードのような明確な炭素制約をその上にかけていくことが、我々としては絶対的に必要だというふうに考えています。これですべてが解決するわけではありませんけれども、まず第一歩としては必要なポイント。
 二つ目は、よく省エネの議論をしているときに、一番、ハードルとして比較的よく挙がるのが、初期投資の導入費用に関する問題です。要するに、省エネをすることによって、後で費用を回収出来るかもしれないけれども、それはやっぱり難しいねと。やっぱり最初に機器を入れるときにお金がかかるからというので、それを後押しするための仕組みというものが、様々なレベルで必要だということです。国レベルでも必要ですし、地方レベルでも必要ですし、ひょっとしたら、そのさらに下のレベルで必要なのかもしれません。現時点ではいろんな、例えば補助金というものが、多分国レベルですとメインですけども、例えばアメリカなんかでも、あるいはヨーロッパなんかでも一部行われているのは、そのある種のファンドを民間自身がつくって、そこの中で初期投資導入費用を支援して、後で返してもらうというような仕組みというのは、割合とアメリカなんかでも、例えば西海岸なんかでは比較的よくやられている手法ですので、そういうものがもっとやりやすい環境を整えていくというのも、実は大事かなと思います。ですので、こういうふうに圧力をかけるための規制が一つ、第一歩として必要なのと、それから、初期投資導入費用を支援するための政策が様々なレベルで必要であるということが、もう一つのポイントとしてはあるというふうに思います。
 自然エネルギーについては、多分、平田さんと言うことがかぶるので、若干細かい、私どもが発表したシナリオにダイレクトに関係するところで言いますと、自然エネルギー100%が達成されるという上に当たっての大前提は、やっぱり全国的に電力の融通が自由に出来るということが大前提になっています。ですから、ここが一つ大きなポイントにはなります。今のように、地域でかなり分断されている形ですと、やはり難しい。だけど、それが、例えば2050年までに出来ないという言い訳は、ちょっと流石に難しいと思うんですね、今の時代。なぜ、2050年までのタイムスパンの中でそれを構想出来ないのかということは、逆に問わなければいけないので、そこは、是非一つの可能性としては検討されるべきだというふうに考えています。
 もう一つ、我々のシナリオで、先ほどもちょっと言及しましたけども、熱分野に関しても明確に自然エネルギーの活用をすると。これ、今までですと、かなり手薄なので、逆に言うと、例えば太陽熱なんて、もっともっと広がってもよかったにもかかわらず、過去の不幸な事件の結果として広がっていないというような状況もありますので、そこは必要であるのと、例えばバイオマスなんかについては、これも、やはり多分省庁間の連携が非常に難しいからだと思うのですけども、なかなか大枠での目標は出されておらず、難しい状況になっていると思います。この二つを踏まえて、あとは地中熱なんかも加えて、熱利用について明確なシグナルを、例えば本丸である経産省さんの方でなかなか検討が進まないのであれば、逆に言うと、環境省さんの方から積極的に出していっていただくというのも、温暖化対策の観点から見ても絶対的に必要なことなので、大事かなと思います。ほかの部分は、ちょっと重なりますので、平田さんにお願いします。

平田理事
 まず、再生可能エネルギーの実現をするために具体的に何が必要かということですけれども、ここで掲げたような目標を、まず目標としてきちっと設定するということが第一かと思います。FITの法律は出来たけれども、基本法が出来ていないので、目標はないままということですので、やはりどこまで向かうべきかという目標を、かなり高い法律のレベルで本当はしっかり掲げておくべきであり、省エネの目標とあわせて、まず目標が必要と思います。
 それから、電力制度改革の中にわっとまとめてしまいましたけれども、明らかに、その2050年というだけでなくて、ある程度のボリュームがいった時点で、対応しなければならない制度改革というのがありますので、それは今すぐ手がける必要があると思います。その発送配電の分離を含め、そこは再生可能エネルギーを普及させることに足かせにならない制度改革を直ちに手がけることが極めて重要だと思います。
 それから、直ちに手がけるという意味では、今回、成立しました再生可能エネルギーの固定価格買取制度において、この法律がちゃんと最初のインセンティブになっていくように、適切な価格と買取の期間を決めてあげるということが非常に重要で、そこまで、是非目配せをしていただきたいと思います。
 もう1点は、この上乗せ価格が負担だという話が随分国会でも議論になりました。単純に、確かにその部分だけ取り出すと、1円とか、1.5円とか、キロワットアワーで負担になっていくわけですけれども、これから、このコストの検討の方でも指摘しておりますけれども、化石燃料コストを削減していく分で相殺されていくということもありますし、それはもうヨーロッパの例を見ても、結果的に上乗せ価格分が単純な負担にはならない。化石燃料にする。そして、省エネをするという分は減らしていくことは出来るんだということがありますので、その一部の切り取ったような負担議論を、是非国民に対して出すようなことをうまく調整、交通整理していただくことが大事かなと思います。
 それから、2点目のエネパネですけれども、私ども、今日、発表させていただいたように、それぞれのNGOで、この震災を受けて、どういうふうにエネルギー、そして、環境対策をとっていったらいいかというシナリオを作ったり、提案をしたりしてきているわけですが、それぞれに特徴があって、でも、同じような方向を向いているということで、何か共同で作業をしようということで始めたのがエネルギーシナリオ市民パネルなんですが、本当はこれから先の、まさに、ここの小委員会にぶつけていくようなシナリオ作りを、もう少し我々の中でも評価していこうと。政府のシナリオと我々のシナリオの違いをもう少し評価するとか、そういったことをしたいというふうに思っていたところなのですが、まず最初に、共同作業として手がけたのがコストであった。なぜならば、国の方でコスト議論が先行しているからということです。私たち、コスト議論をしたいと思ってやっているというよりも、コスト議論が先行し、かつ、それにこれからのエネルギー選択が引きずられるということが非常によくわかっていたからということであります。
 そういう意味でやった作業は、何かこのパネルのメンバーで、新しい原子力は幾らですということを出したということではなく、既存の2004年の政府の検証委員会をはじめとして、コストの計算、それから震災後に出された、別な機関から出されたもの、つまり、既存の研究を評価するということに力を入れてやったということで、その結果、やはり原子力のコストというものの範疇がかなり限られていたということや、廃棄物のコストなどが相当過小評価であったのではないかというようなこと。そして、再生可能エネルギーのコストでも随分高い計算を置いているというような、いろんなことがわかってきたということで、是非、こちらは報告書をご覧いただきたいと思っているのですが、そうした作業をした結果、コスト面から見ても、外部費用を含めて、やはり原子力というのは持続的に選ぶエネルギーではないと結論づけているわけですけれども、同時に、この事故を受けた私たちが、コストでエネルギーを選ぶということだけでいいのかという、作業をしながら自己矛盾を起こしているのですが、疑問も呈しております。つまり、事故コスト、転んで、とりあえず計算してみまして、私たちの計算では92円とかになるのですけれども、幾らになろうが、今、福島が置かれている状況も考え、やはりもっと社会的、倫理的にエネルギーを選択するということも、あわせて必要なのではないかということを提起しています。そういう意味では、国の方のコスト議論に対して、いや、そうじゃないということを出すという作業はいたしましたが、私たちは、それをもってエネルギーを判断していいとは考えていないと。これからのエネルギー選択を考える上で、是非もっと広い、国民の目に立ったエネルギーを選択するということをプロセスの中に入れていただきたいなというふうに思っております。

西岡委員長
 どうもありがとうございました。飯田委員は宜しゅうございますか。それではほかの委員の方のご意見を求めたいと思います。まず安井委員、お願いします。

安井委員
 ありがとうございます。山岸さんにちょっとコメントというか、質問させていただきたいと思いますが、主として、今回、二つの部分からなることをご報告いただいたと思っておりますけど、その前半の省エネに関しては、多分2050年でそんなに無理なことを書かれていないような気がしますので、もう少しいけるのではないかという気もします。それで、ただ、それに対して後半の方は、誰かに検証を頼まれたのかどうか、ちょっとぱっと見、絶対に不可能という絵がかかれているような気がして、それで、そこにちょっと疑念がございます。
 それで、全体についてなんですけど、あと、前半の省エネは、いろいろと新技術に対するリクワイアメントが書かれているのですけど、後半の方も、実を言うと、新技術をちゃんと想定した上でリクワイアメントを書くべきだと思います。そういうことをやはりもう少しポリッシュアップをしていただかないと、このままだと、とんでもなくて、多分もう相手にされないという気がいたします。
 特に一番問題点は、28ページにございます、ダイナミック・シミュレーターが何を仮定したのかが書かれていないことなんですね。例えばどういうことかといいますと、このシミュレーターが想定した需要側の電力の品質というものが書かれていないですね。それで、例えばどの位、大体交流でやるのですか、直流でやるのですか、これ、それもよくわからない。それで、その交流でやるのだったら、どの位の揺らぎを許容しているのか、その辺もわからないし、あと、電圧もどの位揺らぐことを仮定してやっておられるのか、その辺がよくわからないですね。
 それで、2番目は、例えばここに書かれております、29ページが多分シミュレーターの結果かなと思うんだけれども、この太陽光が一番多い電力の供給なんですけれど、この場合の太陽光の設置容量をどの位考えておられるのかなというのが一つの謎です。といいますのは、これ、多分日本全体を一つの非常に強力なグリットで括って、例えばある部分だけは晴れているよと、多分仮定に基づいているんだと思うのですけど、実を言いますと、日本位のサイズだと、台風が来てしまいますと、全国、全部雨ってあるんですよ。そのときにどの位、その太陽光を残して考えておられるのか、その辺の仮定もよくわからない。そういうことが年に例えば三日あって、それでいいとお考えなのかどうなのか。その辺がちょっとよくわからないという点がありまして、ですから、もしそれをやろうとすると、太陽光を本当に、例えばもうどの辺か、西表島あたりは晴れるだろう位で、あの辺に大量に住むとか、そんな話、ばかな話になりかねないんですよ。そんなことをお考えなのかどうなのかということですね。
 それから、どういうグリットの設計をされているのかわからないのがあって、多分検討されていないのだろうと思うのですけど、どの位の投資金額まで許容されて、それを考えておられるのか。経産省なんかだと100兆円に近いやつも出てくるんですね。それは、このバッテリーをこの位でも多分いってしまうかもしれない。ですから、そのあたりをどの位のところをお考えになっているのか。したがって、それを一体誰が投資するのかと。それを全部、一般市民の電気代にやる気なのか、その辺までやっぱりいかないと、ちょっと現実性が乏しいかというような気がいたします。大体以上でございまして、まず最初の質問を繰り返しますけど、これって、検証を誰かに頼みましたかというのが一つの大きな質問でございます。以上です。

西岡委員長
 どうもありがとうございました。全体で議論の時間もたくさんはとれないのですが、ここでは一対一で始めることにしていますので、今の質問に対してお答え願いたいと思います。

山岸リーダー
 まず、その省エネの部分については、もう少しいけるのじゃないかということで、ありがとうございます。中には若干、うんと思ったところもあるのですけども、少し、確かに、代替技術で、既存の技術をベースにするという方針でやっていますので、そうした評価をいただけるのはありがたいと思います。
 ちょっと私の説明が悪かったのが、この二つの報告書ともに、WWFジャパンの内製でやったというよりは、外の外部の、ひょっとしたら先生もご存じかもしれませんが、槌屋治紀先生に委託をして、それで書いていただいたという形になっています。ですので、検証を、じゃあ、その第三者的なレビューを行っているかといえば、それは行ってはいないのですが、その作成の段階で何人かの方々からアドバイスをいただくというようなことはしております。逆に言うと、こうやって世に問う中でブラッシュアップしていこうという考え方があります。
 ご指摘のそのダイナミック・シミュレーターの部分ですけれども、私が理解している限りでは、電力の品質、それから電圧の揺らぎそのものについては、考えてはおりません。ですが、全国の天候の部分については、基本的には、今、少なくとも、手に入るデータの中では検討をしています。というのは、日本建築学会のデータがありまして、全国842地点の日射データ等をシミュレーションの中に組み込んで、それを365日走らせるということで検証していますので、それによって、先ほどの今日のもう一つの議論でも出ていました、例えばバッテリーがどれ位必要になるのかとか、あるいは、そのバックアップ電源がトータルでどれ位必要になるのかというところについては、一応実は検討はしていまして、今日はちょっと時間がなくて、すべてをご紹介する時間がなかったので、本当にどこまでが検討出来ていないのかを検証していただく時間がなくて、ちょっとそれは申し訳なかったかなと思うのですが、一応報告書の中にも一部ありますので、是非、後程もう一度、お手数ですけども、ご覧いただいて、もう少し突っ込んだ形でご意見をいただけましたら、それをまた検討させていただきたいと思います。
 特にバッテリーの容量については、一応検討しまして、トータルで300ギガワットアワー相当のバッテリーの容量まであれば、それ以上、例えばバックアップ電源が必要なくなるとか、そういうことまで、一応検討はしております。ですから、その辺の妥当性がどうなのかとか、モデルの妥当性がどうなのかというところについても、また是非ご意見をいただければと思います。
 あと、投資金額、確かにコストそのものについては、ここでは議論をしておりません。報告書本体の方も、ご覧いただいてもコストの数字は出てきませんが、一応今回は、それは将来の課題に取っておこうとしたのが一つあるのと、あと、あまりコストの議論だけにとらわれてしまうと、逆に言うと、我々みたいに気候変動の分野を重視している人間からすると、コストに明確に現状では出来ないから外しかねてしまっているコストというものとの合わせの検討が出来なくなってしまうところがあるので、そこを若干取り払った形で検討したかったというポイントも一つあります。ですが、将来にわたって、もう少しコストの議論を詰めていきたいとは思っています。

西岡委員長
 どうもありがとうございました。
それでは、大塚委員、エネルギーの関係をなさっているので。

西岡委員長 
 藤井委員の方よりさらにご質問ありますか。特に私聞いていて、2番目の発送電分離等々も含めたところですね。

大塚委員
 今日はどうもありがとうございました。特に山岸さんの方にお伺いしますが、進めていく方向からの質問ですので、そういうふうに受け取っていただければと思いますけども、一つは、さっき、系統対策について、うまくいけばということをちょっと前提として条件のようにおっしゃったので、そこはどういうふうにお考えになっているのかというのを、2050年だったらいろんなことが出来るんだと思うのですけど、もう少し前の2020年とか30年のことも含めて、ちょっとどうお考えになっているかというのをお話しいただければというのが1点でございます。
 それから、もう一つですけども、これ、もう少し細かい話で、さっき、安井先生がかなり大きな話をしてくださったので、もう少し細かい話で恐縮ですが、そのバイオマスは、27ページのスライドとかを見ると、結構多くなっていますけども、日本の場合、やはりセルロース系が多いと思うので、技術的にどうかという問題があると思うのですが、これは将来的には技術的に解決されるというふうに、あるいは、お考えになるのだと思いますが、その辺について、ちょっと教えていただければありがたいということで、以上2点でございます。

山岸リーダー
 ありがとうございます。系統対策につきましては、実は、途中の経過の部分をきちんと検討し切れていないところは確かにありまして、実際、やらなければいけないと思いつつ、時間がなくて、出来ていないのは、先ほどの議論なんかも関係するのですけども、このシナリオの中で、例えば北海道とか、それから東北とか、あるいは、例えば風力なんかですと、供給に主になりそうな地域と、それから、需要側で同じように北海道がどれ位あるのか、それから東京がどれ位あるのかということも、実は本当は検討出来るはずなんですね。それと、じゃあ、そのときに最大電力ではどれ位、通ることが想定されるのかということと、それから、今現在の各区、地域間をつなぐキャパシティがどれ位なのかというのを本当は検討が出来るはずなんですが、若干ちょっと作業が間に合っておりませんで、発表までに間に合わず、今回はちょっと盛り込むことは出来ておりません。ですから、2020年、30年の途中の過程において、どれ位の系統の発達が前提とされるのかについては、今回の報告書の中では厳密には述べることが出来ておりません。
 バイオマスにつきましては、一応バイオマス・ニッポンのデータなんかも参考にしながら、一部つけ足す形で、トータルで利用可能なバイオマスの量を計算しております。ですから、セルロース系というところについて、きちんと区別をしているというよりは、トータルでのバイオマスの量を計算しております。ただ、バイオマスは、基本的には、どちらかというと、熱利用のためにという部分が大きくなります。ですから、このシナリオの中で、仮にこの量のバイオマスが出来ないとなると、恐らく水素の量を増やさなくてはならなくなる。その水素はどこから来るかというと、主に太陽光と風力からつくるというような想定を置いていますので、そこの部分が想定として変われば、そうなるという形になります。すみません、ダイレクトなお答えではないですけども。

大塚委員
 2050年の系統対策の方は、これはもう大丈夫なんですか。2050年の方はいかがでしょうか。

山岸リーダー
 2050年の系統対策は、大丈夫かどうかというのは、ダイレクトには答えにくいですけども、基本的には出来るはずだというふうに考えています。

大塚委員
 それは全国に電力が全部融通出来ればという、そういう。

山岸リーダー
 そうですね。

冨田委員
 ありがとうございます。もう幾つかのご質問がありましたので、短くいきたいと思います。コメントが1点と、質問が1点です。
 コメントの方は、お話をお聞きしていて、この小委員会のミッションは何であったか改めて考えたということです。すなわち、我々に求められているのは、物理的にこのエネルギー需給が達成できるかどうかというところだけではなく、2020年あるいは2050年の社会として、暮らし方がどうであるとか、あるいは事業環境がどうであると、そういったところまで、我々は示さなくてはいけないということを改めて気づいた、というのがコメントです。
 それから、質問ですけれども、これは主には平田さんにお聞きしたいと思います。2020年に25%、これを維持すべきだということですけれども、多分ご主張からすれば、25%にとどまることなく、30%あるいは40%までいけば、それに越したことはないということだろうと思います。にもかかわらず25%にとどめたということは、ほかにどういう制約を考えて、25%にとどめたということなのでしょうか、ということをお聞きしたいと思います。

平田理事
 ありがとうございます。1点目のコメントについては、私も、何というのですか、NGOも説明責任といいますか、こういう社会を目指せというだけではなくて、それが出来るということを可能な限り定量的に示していこうというふうに動いているということでありますけれども、これからの社会のあり方、それから暮らしがどうあるべきか、仕事はどうあるべきかということも、あわせて考えるべきと私も思って、作業をしております。
2点目の25%、IPCCの出している知見、それから、これから2℃あるいは1.5℃を目指した世界の行動をとるべきというふうに言っている立場からすると、だんだん近づいてはいますが、2020年25%よりも、もっと野心的な削減が国内で出来れば、なおいいと思っております。これまで、基本法を作られるキャンペーンの中では、30%削減を日本でやった方がいいというふうに主張してまいったところであります。30%というのにしても、25%にしても、それが科学的に、あるいは、世界全体の削減の中の分担で適切かどうかという検討を行ったわけではありません。今回、基本法の中に25%をうたっていると。日本の方針は25%だと、鳩山前首相が言ったところを受けて、少なくとも、それは維持出来るということを示したいということで、今回の試算に用いたということで、この数字云々について、今回は問い直した、あるいは、何か考え方を持って設定したということはとりわけなく、政府の方針は維持出来るということを試算するために、その数字を使ったということです。

渡邊委員
 ありがとうございます。コメントで、特に回答が必要というわけではないですけれども、以前、シミュレーションとか、モデル分析をする方から前提条件が一番重要だという話を聞いたことがあります。それと、もう一つ、シミュレーションをするときに、いわゆる国際収支とか、貿易、国間の取引をどのように取り込むかということも非常に難しい問題だと聞いたことがあります。特に、日本は鎖国しているわけではないので、日本の生産を減らせば、どこかの国がそのニーズを満たすために生産を増やすということになります。個人的には、日本は効率の良い国ですので、日本での生産を増やして、効率の悪い海外での生産を絞る方が、世界的にCO2が減ると思っております。シミュレーションモデルとして、国際的な輸出入も考慮したモデルを検討されている人がいると聞いておりますので、そういう方を是非呼んでいただいて、議論できればと思っております。
 それから、平田さんの説明に、天然ガスシフトというキーワードか入っております。現時点でも、原子力発電所が止まっていることもあり、図らずとも、LNGが非常に増えているという状況でございます。
 先日、総合エネルギー調査会の基本問題検討会でも、IEAの事務局長の方が、天然ガス需要が増えていることに対し、エネルギー安全保障面の観点から注意喚起されておりました。日本が、そのLNGにシフトすることによって、世界的にLNG価格が高騰しており、現時点で、震災前から8割、価格が上昇しているとも聞いております。LNGが今までの量、価格で調達できていたのは、それを代替する電源があったからこそ。そういう観点からも、一つのエネルギーに頼るのではなく、エネルギーのベストミックスを追求していくことが重要であると考えております。一つのエネルギーに頼って、売り手の市場になるのではなく代替手段があるということが重要だと思っております。
 それから、最後に、お二人、共通かもしれませんが、今日の説明は、結果だけの説明であったため、実現可能性や影響について、一切、議論することができなかったという意味では非常に残念だったと思っております。これは事務局にお願いかもしれませんが、専門的に議論をしたいと思っておりますので、是非、エネルギーの専門家の方を呼んでいただいて、じっくり議論をさせていただければと思っております。以上でございます。

西岡委員長
 ありがとうございました。何かすぐに答えられることがございますか。

山岸リーダー
 資料の点についてだけ、これは事務局さんのせいではなくて、私の分については、少なくとも私のせいでして、このシナリオの後半の部分の発表自体が金曜日だったんですね。金曜日の結果をそのまま盛り込みたかったので、かなり待っていただいて、その結果、皆様にお届けするのが遅れてしまったという、大変申し訳ない結果でした。それは一言、お詫び申し上げます。

西岡委員長
 どうもありがとうございました。予定から言いますと、あと20分位の間に5人の方に応答していただきたいと思いますが、そちらからいきまして、藤野委員。

藤野委員
 多様な選択肢を示していただいて、ありがとうございます。
 一つ目は、自分自身のところにもはね返るのか、その論理性というか、まさに渡邊委員がご指摘されたように、モデルをシミュレーションするには、データだったりとか考え方が必要ですけれども、データ収集とか、シミュレーション分析をされたときに、どういう形でデータというのが共有されると使いやすいとか、余計な手間が減るというか、公共財として、こういうのを使うべきだと思うのですけれども、我々も、昨年、1,500ページのレポートは出しましたが、あれではちょっと読みづらいよというか、そういったところ、ご苦労をお聞かせ願えたらと思います。
 次は、2番目、NGOだということで、市民との関わりを大分お持ちだと思うのですが、特に3.11以後、その市民の意識というものに対して、肌に触れて、どういったことをご感想としてお持ちになったか。今、開いた窓かもしれませんが、いずれまた、その窓が閉まってしまうかもしれませんけれども、そういったところで、どういうふうにアプローチすべきか、彼らをどうやったら本気にさせることが出来るのかについて、お感じになっていること、または、その当事者の関与、別に市民だけがやる気になってもあれなので、そのエネルギー供給会社へのアプローチだったりとか、そういったところを、何かご苦労があったらお聞かせ願いたいなと思います。
 最後、これはコメントですけれども、この前、WWFの「地球の目撃者」というイベントに参加させていただいて、モンゴルだったり、ネパールだったり、ケニアの温暖化が実際に起こっているような現場の生の声というのを聞かせていただいて、ちょっと私も、最近はしばしば福島の方に行って、福島の声は聞くのですが、やはり温暖化は実際に起こっているというところの必然性みたいなところ、やっぱりここを追究していかないと、最後、何で25%なの、80%なのとか、そこら辺になるかなと思いました。以上です。

山岸リーダー
 短く説明します。まず、データについてですけれども、環境省さんの作られたロードマップを参考にさせていただいたのですけども、実際に検証しようと思ったときに必要だったデータというのは、対策の根拠という分厚いデータがあるんですね。あれがウェブサイトの中で見つけにくかったというのが一つあるのと、データの、むしろエクセル表であった方がPDFよりは使いやすいとか、何かそういうところはあったかなと思います。
 我々のシナリオについても、同様のことは言えるのですが、あと、我々のシナリオ、例えばエネ研さんのやつを使ったりとかをしていますが、なかなか情報の公開の仕方は難しいなと。我が身になってみると、なかなかわかるところもあります。
 あと、市民の方々の感触としては、やっぱり3.11以降、エネルギーの政策に関しての関心の度合いは圧倒的に高くなっていて、我々が何かをやるときでも、凄くその反応が多いです。ただ、共通しているのは、このままではいけないんだなと感じていらっしゃる方は多いにもかかわらず、何をしたらいいのかわからない。特にエネルギーの政策なんていっても、一体何が関われるのかが全くわからないという方が多くて、それについて、何らかのはけ口といいますか、思いを届けるものをつくるというのが、我々にとっても凄く大きな課題だなというふうに感じています。

藤井委員
 ありがとうございます。このWWFの方の報告については、先ほど、既にお答えになられていたので、コストの分析を議論していないというのが非常に残念というか。結局、技術的に可能であっても、それが、膨大なコストを必要とするようだと利用出来ないわけです。ですから、これは非常に労作だと思うのですけれども、できれば発電効率の技術面の分析とともに、それを実現するためのコストの分析を、是非次の機会にでもやっていただければと思います。
 それともう一点あります。例えばガスは、先ほど、ちょっと価格が高いという議論が出ました。確かに直近のマーケットでは高いですけども、シェールガスは、IEAもこれから、まさにゴールデンエイジに入るというような高い評価をしている。これは価格も安くて、量もたっぷりあるというわけです。まだ技術的な課題とか、あるいは、いろいろ環境への影響等々があるのですが。つまり、そういう中間的な化石燃料というか、CO2が少なくて、価格もひょっとすると随分安くなる可能性のあるものについても、出来れば分析していただきたい。伝統的な化石エネルギーから、いきなり再生可能エネルギーへと、全部行ってしまうというのもどうでしょうか。そこの辺の課題はあるのではないかと思います。その辺も、もし可能でしたら、次回の検討の中でやっていただければと思うのです。
 それから、気候ネットワークの方にもお聞きしたい。この25%の削減目標です。これはEUに対抗しているのか、「25_25_25」は、語感的にはいいなという感じはするのですけども、実際は、再生可能エネルギーを仮に25%削減すれば、CO2は確実に25%減るわけですよね。CO2排出量がゼロの太陽光を導入すると、ほぼ25%減る。それから節電も、この夏、電力だけで、日本全体でほぼ10%位節電出来ました。エネルギーを使わなければ確実にその分、CO2は減る。ただ、EUの場合も同じ議論があるのですけども、エネルギー効率化と、再生可能エネルギーへのシフトと、CO2全体の引き下げというものは、実は相互にいろいろ影響しますので、そこのところも、単に数字を三つ並べるのではなくて、つまり再生可能エネルギーとエネルギー効率化を組み合わせることで、GHGガスを25%、さらにそれ以上どこまで下げられるのかという展開の方が説得力があると思うのです。現実は、日本はEUよりも再生可能エネルギー導入の現状の比率も低いですし、エネルギー効率化の技術はたくさんありますので、その意味で今後の導入の可能性は凄くあると思います。そこの辺は、ただ並列ではなくて、組み合わせ、あるいは日本の技術的強みなどを生かした展望を示すほうがいいのではないか。それをやれば25%出来るかどうかというよりも、やらなければいけないテーマなので、そうした相互影響を深めて削減していくという説明のほうが、説得力を増すのではないかなと思います。これも私の意見です。コメントがあれば、どうぞお願いいたします。

平田理事
 ありがとうございます。ちょっとごろ合わせをしてしまったので、三つの25と並列した感じになりますけれども、この計算自体は、割と複雑ではない積み上げで、エネバラを使って計算しておりますけれども、いろんな組み合わせが考えられるというふうに思います。とりわけ、そのエネルギーの効率化、熱利用ということもうまく組み入れていったり、面的な利用ということを組み入れて、より具体的な導入可能性を高めていくということも出来ると思います。ただ、この計算自体、その電力だけではなくて、すべてのエネルギー、そして、温室効果ガスすべてを一応勘案して考えられる対策を、WWFの中の対策に近いものが多いですけれども、導入しているというモデル、そして、家庭や業務においては、家庭、業務の建築の専門家がつくられたモデルで計算をした踏み込むとかなり深い精緻な試算をしておりますが、ざっくり並べて紹介させていただいたので、うまく、どこは考えて、どこは考えていないか、わかるように出すことも勉強していきたいと思います。

山岸リーダー
 中間的なガスの部分というか、化石燃料のポイントにつきましては、確かに、ガスをトランジションとして活用するということは考えています。それは、今回のモデルの中では、そこまで表現をし切れておりませんが、議論の中であったことを一つだけご紹介しますと、例えば先程、燃料のために水素の生産があるという話をしましたが、今、一つ、ヨーロッパなんかでも議論になっているのが、水素というのは管理のときに漏れたりするので、若干難しいという議論があるので、水素をあえてメタンにして貯蔵するという考え方も出てきてたりとかしています。ですから、過渡期として天然ガスを使い、インフラはそのまま水素に移行させるとかという、そういう水素貯蔵のために移行させるという考え方も一部ではあるなという議論はしています。ただ、そこまで、モデルの中で表現したりとか、ちょっと化石燃料の推移について全部を表現し切るというのは、ちょっと今回、手が届いておりませんので、そこまではないですが、一応そういうガスを中間的なものとして使うということはあります。ただ、シェールガス等については、若干気候変動とかという問題以外の部分での環境影響なんかも心配されていますので、我々としては、そこも見て、総合的に検討していきたいなと思っています。

則武委員
 日本で、お金も影響力も少ないNGOの方にここまで研究していただいて、何かおかしな気もしますけど、一方では、NGOだから言えるという部分も結構あると思うので、期待する部分はあります。
 ちょっと時間もないので、お二人に1点だけ、固定価格買取制度について、どれ位の金額で、どれ位の期間がいいと思われているのか、何か研究されているなら、お答えいただきたいと思います。理由は、温暖化対策基本法案にあった三つの政策の中で、一つだけが残ったような形になっていて、再生可能エネルギー、固定価格買取制度だけでかなりいけるのじゃないかというような誤解を招いているような気が私自身しております。そこで出来る部分は少ないだろうということと、もう一つは、中国とかで、もっと安い固定価格の買取であっても普及しているということを、最近、聞いておりますので、そういう点で、お二人とも、どれ位の価格で、全体として、どれ位期待されるものと考えられているのか、研究されていれば教えていただければと思います。

山岸リーダー
 私の方は明確にやっていないので、ちょっとダイレクトにお答え出来ません。今回のシナリオの結果を踏まえて、特に電力の方ですけれども計算をするということは考えていますけれども、ちょっとお答え出来ずに、申し訳ございません。

平田理事
 私たちも、実態に即した価格を設定すべきということで、恐らく、私の記憶が正しければ、これまでのパブコメで20円、買取価格は20年と言っていたと記憶しております。ただし、バイオマス等については、規模によって相当価格を変えていくべきだということで、これは本当に現場に即している方しかわからないような、これだと全く採算がとれないと。ここまでじゃないと採算がとれないという話は、今、丁度計算していただいているところで、本当に規模が小さくて、だけれども、小規模で持続可能にやっているようなところがちゃんと回るような、バイオマスはかなりきめ細やかな設定が必要かと考えております。ちょっと価格はかなり幅があるのではないか。逆に、石炭混焼のバイオマスみたいなものは対象にしなくてもいいのではないかなと思ったり、そこはかなり、一番価格設定で幅を持たせるのはバイオマスだと考えています。

荻本委員
 分析について、コメントを一つと、質問を一つずつということで、コメントはいつもどおりですし、もう既に出たように、この手の計算というのは、前提とモデルの論理次第ということなので、ここがどんな結果を出したかという以前のお話として、やっぱりそこをみんな議論をして、そこをブラッシュアップするということがなければ、やっぱりいかんだろうなと思っています。これは私にも来る話です。
 その後で、まず、WWFさんに関しては、29ページに、先ほど安井先生もご指摘されたことと関係するのかもしれませんが、3日分の図が出ています。この左側の1日目の12時というところを見ると、1億6,000万キロワットに対してPVがほとんどの電気を出している。残りが風力と、バイオと、地熱です。このときの一番の問題は、どうやって需給調整をしているのか。実際には発電所の事故もあるし、気象の変動もありますから、ここを、その問題をどう評価しているのか、していないのかということを、モデルの中に組み込んで判断しているのかということをお伺いしたいと。もし、やっていないとすると、それを実際にどうやっていくのかということ、やっていたとしても、それをどうやってやるかということは、ここの鍵になるだろうということで、お伺いをさせていただきます。
 それから、気候ネットワークの方は、35ページのまとめの2の一番上に、LNGの転換スピードを現在より前倒しするが、効率向上で燃料増は抑えられ云々というふうに書いてあります。この話は、どこまでの話を含めて言っているかによると。実際には、最初の前提っぽいところに、省エネルギーが30%位可能というような話で燃料費が浮くので、それとの見返りで浮くということを主張されているのか、LNGの転換スピードを前倒しにするが、効率向上で電力セクターの中の燃料費が実際に抑えられるというふうに意図して書かれているのか。私のイメージでは、効率向上をしても40%が50%になるだけということで、電力セクターの中では燃料費は安くならないだろうと思っておりますので、この質問をさせていただきます。

山岸リーダー
 需給それぞれのダイナミック・シミュレーターの部分ですけども、これ、ダイナミック・シミュレーターでシミュレーションをしたのは、基本的には2050年のみでして、2050年について、どうやったかといいますと、需要の側は、基本は2008年のその需要をベースにしています。ただ、2008年の各10電力会社の1カ月ごとの電力需要と、それをベースにして、基本的には推計して、需要のパターンを1日に当てはめて、それで、そのカーブに対して、供給側がそれを満たすようなことが出来るかどうか。供給側は、先程申し上げたように、基本的には変動する電力として、太陽光と風力につきまして、太陽光の場合は日射データと、それから風量の場合は風のデータを、電力で全国について計算をして、それで当てはめることが出来るか。そのときの全国というのは、その842地点というような形になっていますので、それは、そもそもそういうデータがある場所という形になっていますので、それで合わせることが出来るかどうかです。ですから、今、ちょっとおっしゃられた、その需給の調整を極めてピンポイントでどういうふうに出来ているかどうかというところまでは、踏み込んでは出来ていないというふうに思います。ただ、現状のデータで出来るところで、しかも1年間通してというところでは、そこそこのところまでは検討しているというふうに考えています。

平田理事
 モデルは、その前提次第ということは、常に私たちが指摘していることであり、今回、こちらがというか、プレゼンするときに結果を言いたいがために前提をきちんとお伝えしないと、同じてつを踏んでいるのかなと、ちょっと反省をしておりますが、是非、この小委員会で、その前提を比較してみるというような作業があると、むしろ結果よりも意味があるのかもしれないと、コメントを聞いて思いました。
 それから、LNGですけれども、おっしゃるとおり、発電効率を上げることで、大体41%から50%位まで上がるということを見込み、それによって、CO2、燃料消費量、燃料コストは現状よりも2割位削減になるというのと、あわせて、省エネが加わって、先ほどのまとめの文章にしております。

荻本委員
 40%を50%にしても、実際には2割下がらないですね。というのはもう効率のいい発電所がほとんどの需要を取っているので、上がった分で比例して下がらないというところを、是非モデル化しないといけないと思います。

大野委員
 どうもありがとうございました。まず、山岸様から2点、1点目は、細かいことは別にしまして、大きなその主張点を確認したいのですけども、最初に、世界全体で自然エネルギー100%というレポートが出されまして、日本でも出来るかなというので、やってみましたというふうに解釈したんです。この結論は出来ますというふうに出たんですけども、その出来ますとおっしゃっているエビデンスというか、検証の例が、先ほどから話題になっている29ページなんですね。というふうに理解しますと、ちょっと私もニュートラルに見ると、これを見ると、かえってちょっと心配になってしまうところがあって、本当にこの太陽光発電で、雨が降ったらどうするのだろうというふうに見てしまうので、先ほどから繰り返しになりますけど、いろいろシミュレーションをやられているのならば、むしろ大丈夫ですという図を見せていただいた方が納得するかなと思います。感想です。
 2番目は、供給側じゃなくて、需要側の省エネの話なんですけども、これ、あまり詳しく見ていませんけど、先ほどのお話ですと、ものづくりの話が出てきましたので、産業部門については、今の例えば経団連の自主行動計画なんかではちょっと生ぬるいとおっしゃっているのかなと思ったんですけど、それ以外の部門については、大体これ、昨年度、ここの委員会で出した中間整理と大体同じかなと思いながら見たんです。間違っていないか、これはちょっと後で確認してほしいのですけど、大体同じかなと思って私は見ました。
 それから、平田様の方も、省エネについては、あまりページ数を割かれていませんけど、大体そんなふうに理解して宜しいのでしょうか。昨年度のこの委員会の出した中間整理と、大体同じレベルの省エネをお考えになっていると思われていいのかどうか、そっちの方をお聞きしたいと思います。

山岸リーダー
 ありがとうございます。最初のエビデンスとして出来そうなものを出したらいいのじゃないかというお話については、確かに、今日の私のプレゼンは反省するところが多々あるなという感じになります。
 考え方としては、まず100%自然エネルギーというシナリオ自体、私も当初は、最初にこのお話をインターナショナルから聞いたときには、いや、それって大丈夫なのみたいなところもあったんです。ただ、震災以降、そういうことをやや、かつてだったら検討出来なかったであろう、そもそも検討の対象にすらならなかったであろうことを、きちんとアイデアとして提示をするというのは、むしろ、もうそれはある種の我々みたいなところの責任であるというように考えているので、あえて出させていただいたというところは一つあります。
 それと、あと、今日のお話で、ちょっと私、説明を飛ばしてしまったのは、今回のシナリオの研究の中でやっているのは、一つは、その量的に2020年から2050年というような中長期で見たときに、量的に自然エネルギーで全体的に賄えるのかという検討が一つと、もう一つは、2050年というピンポイントで見たときに、1年間を通して電力はそれをちゃんと賄うことが出来るのかを見るというのが二つ目。この二つを見て、少なくとも一定のがい然性はある。この3日間、5月23日から25日というのをお示ししたのは、あくまで、グラフが長くなり過ぎて、どうしようもなくなるからでありまして、実は、その1年間、ずっとちゃんとモデルのシミュレートはやっている。これは、その太陽光がこうなるというのは、太陽の条件がこうなったらこうなるというだけの話なので、それだと意味がないというなら、太陽に文句を言っていただくしか本当はないのですが、これが基本的にはその自然条件でなるとすれば、やるとすればこうなるという結論になります。
 省エネのロードマップと同じじゃないかというのは、恐らく上げられている技術の部分とかはほとんど似通っているかなと思います。一つ、先ほどもちょっと、私もきちんと検証し切れていないのですけども、例えば建物の建築基準なんかについては、ロードマップ、国環研さんの検討の方ですと、恐らく次世代省エネ基準よりワンランク上のものが導入されるということを想定されている一方、すべての建築物がそれに適合するというような想定には、確かなっていなかったと思うんですね。ですから、よりハードルが高いものを想定されて、さらに細かくその分野を区切っていらっしゃるのが国環研さんで、我々の場合は、今ある基準に合わせるけども、全部がそれになっているとか、そんなような揃え方をしていると思います。ちょっと個別に細かくはちょっと比較が出来ていないので、きちんとしたお答えが出来ないですけど、そういう違いが部分的にはあるというふうに思います。

平田理事
 ロードマップの中間整理との比較は、実は、供給側について、発電量の想定の比較等は大きな変化があるので、比較はしてみたのですけれども、省エネの対策については、きちんと比較をしておりませんので、どこがどれだけ似ていて、どれだけ重みが違うのか、ちょっと今すぐお答え出来ません。出来たら、ちょっと私自身も気になるので、作業をしてみたいと思いますが、恐らく、大分似ているところはあると思います。ただし、削減として、このキャップ&トレード制度を入れることによって、産業部門の排出削減がかなり出来るであろうというふうに見ているので、重みづけとして、産業部門の省エネがロードマップより大きいのではないかなという印象だけ、とりあえず申し上げておきます。すみません。

西岡委員長
 どうもありがとうございました。それでは、お二方にはどうもありがとうございました。皆さん、また熱心に議論いただきまして、ありがとうございました。
 続けてでございますけれども、次に、低炭素社会戦略センターの山田副センター長よりご説明をいただきたいと。30分を予定しております。宜しくお願いします。

山田副センター長
 ただいまご紹介にあずかりました山田でございます。資料に沿って、30分程度でお話します。「低炭素社会へ向けて」という題目で、我々のJST 低炭素社会戦略センターで何を考えて、どうやっているかという話をしたいと思います。
 低炭素社会、今もいろいろな話が出ていましたが、やはり気候変動から見て、低炭素社会というのをつくっていかないといけない。それを我々は「明るい低炭素社会」と言っているんですね。それに向かうためには、この絵(スライド2)にありますように、左側のグリーンイノベーションだけをやっても、その場がないと向かえない。今、日本は、皆さんがよく言われているように、超高齢化社会に向けて進んでいるわけで、それを解決しながら、本当に明るい低炭素社会になるのかどうかを研究しているところです。今日は、主にそのグリーンイノベーションを中心にお話ししたいと思います。
 まず、次のページ(3)ですが、これはもう皆さんご存じのように、IPCCでいろいろなシナリオが出ていて、CO2、GHGが非常に高いシナリオ、低いシナリオ、A2とB2をやっています。しかし、あれを見てもはっきりわからないので、下の式にありますように、Matthewsらが、累積CO2と温度の関係、リニアでかなり合いますよというのをやっていますので、それを適用して書くと、このような線になります。例えば2100年に2℃近く、2℃より少し高くなりますが、抑えようとすると、現在の日本のCO2、GDPに対するCO2の比率で世界がそのままずっと続けてやって、みんなが言っている年率2.5%位のGDPの成長でやると、大体2.1℃とか、2℃位になるんですね。ですから、今の日本の比率をすぐ世界に移して、世界中がそうなると、ようやく2℃上昇になるということですから、やはり新しく出てきたシステムなりなんなりが、すんなりと世界各国に移っていかないと、なかなか出来なくて、非常に難しいということがわかると思います。この10年位、いや、40年位、1970年位からでCO2とGDPの比を見てみますと、1年に1.2%位しか減少していないので、非常に大変だということがわかります。
 次のページ(4)は、高齢化社会についてです。日本は、社会参加をしながらしたことが価値を生むという社会にしていかないといけないというための資料で、東大の秋山弘子先生が20年間、数千人の男性を対象に、同じ人をずっと追跡調査した結果です。この20%位の人は60歳を過ぎると、一気に体力が落ちていって、最後は亡くなってしまうということですが、かなりの人が72~3歳までは普通に自立して生活出来て、そのうちの10%位の人は、そのままうまくずっと90歳位までいくことを示しています。社会参加をし、健康もうまく保てるようなシステムを作りますと、これがずっと右にずれてきて、実際にこの10年間では、11歳位伸びているような傾向が見えているんです。ですから、そういうことをしながら、この力を社会に入れていくというのが大切で、少し社会実験もやっているというところを入れています。このような社会は、今度は低炭素に向かうということになります。
 以上のような背景のもとで、我々の低炭素社会戦略センターでは、低炭素の社会システムというのはどういうもので、そこに入れる技術というのはどういうシナリオがあって、それを定量的にやって、さらに経済で見るとどんなふうになるのか、ということを循環させながら、実際の社会に結びつけていこうとしています。最近というか、初めは、もちろん経済の計算もいろいろシミュレーションをしたりしていますが、一つは、定量的な技術シナリオというものをきちんとつくらないといけないと思っています。本当に日本がきちんとして、かつ、そういう産業になるのか、ならないのか、どうやっていったら世界でそれが本当に成り立つのかというあたりを見ないといけなくて、そこをきちんとやろうということで、スライド5の右側の「定量的技術シナリオ」に、今、力を入れています。左側の「定量的経済・社会シナリオ」の方も、もちろんいろいろやっているところで、それに対して、JSTの方はある程度いい研究を公募して、それに合うようなものを出していけるということがあるのですが、最近の提案を見ても、なかなかブレークスルーで、本当にこれをやって大丈夫だというのはなかなか見当たらないで困っています。
 次のページ(6)は、皆さんご存じのように、日本は産業では、既に省エネがかなり進んでいて、理論エネルギーに近いところへ行っていて、難しいというのはわかるんですが、日々の暮らしからやればいいだろうということで、数年前から、東大を中心にいろいろやってきたことを、ここでも取り入れてやっているということです。この日々の暮らしからというのは、随分世の中に広がってきたのかなと思っております。
 次のページ(7)に移ります。CO2を25%削減するということを鳩山さんが言ったので、それに合わせるようにして見てみますと、一番左の震災前では、かなり原子力に負っていたというのが重要な点の一つです。ですから、原子力をかなり増やしましょうというものです。あと、いわゆる京都議定書のものとは違いますが、二国間クレジットみたいなもので、日本がこれをやったら、それで減るというものが随分入れられています。ですから、「電源低炭素化による削減」の部分がかなり減ってきて、本当に25%を達成出来るかどうかというと、20年という目で見たときには、私はどうなのかなと思っています。
 それで、やはりもちろん、いろんな社会が大切ですが、そこに新しい技術が入り、システムが入って、本当にグリーンイノベーションのもとになる一つになるかどうかということで、JSTでは、スライド8にあるような太陽電池や、蓄電池、リサイクル材料、超伝導材料の公募をしています。それらを構造化して、こういうところをやればいいですよ、ということで出していますが、なかなかいいアイデアが出てきていないのが現状で、今の私の心配なところです。
 では、LCSでは何をやっているのかというのが、次のスライド9です。コストなどは当然、企業がやっているから、そんな必要はないということもありますが、ただ、将来、今、進んでいる技術がどのようになっていったら、これ位のコストになるということを、はっきりプロセス、材料を作るところから最後のシステムをつくるところまでをきちんと計算出来るようにしておかないといけません。今、それのデータベースを作って、どんなものが来ても、こういうスケールでやると幾ら位になるというのは出せるようにしています。コストをさらに下げるには、今ある技術はどんなものがあって、将来はどういうことが期待出来るかということを含めて検討しています(10)。こういうことをやりますと、実際にやるべきことと、本当にやっていって日本が勝つかどうかというあたりの判断材料にはなると思っています。
 例えば太陽電池を例にとると(11)、いろいろ盛んに言われていますが、この絵にあるようなことを全部やって、かなりコストを下げないと、なかなか今の電気代に太刀打ち出来るようにはなりません。結局、かなりの出費になってしまいます。この点を早く解決して、社会できちんと負担が出来るようになるかどうかというところを見極めないといけません。
 そこで、例えば、次のスライド12は少し専門的ですが、接合のものでも、バンドギャップなどを合わせて、しかも、損失が少ないものにすると、3層位積んだものでも理論発電効率で60%位のものが出来るんですね。でも、こういう材料がなくても、これに近いような材料があってやってみると、非常にプロセス的に時間がかかり、高いものになってしまう。それで、今のところはとても使えないと。では、それをどのように下げるかという点が重要になってくることは、先ほど言ったような、いろいろなコスト計算をしながらわかってきているところです。 スライド13は、3接合について、こんな理論が出ていますよという絵ですので、飛ばします。
 次のページ(14)は、私たちが15年位前に化学工学会で、いろいろ計算して、当時の10Mw/yから100GWという、とんでもない数字まで計算したものです。その当時、どんどん規模を上げていったらコストが下がりますよということを言って、本当かなというので計算してみると、1GWまではかなりスケールメリットがあって、下がっていくけれども、それ以上のところは、あまりスケールを上げていっても変わらないということがわかりました。仕入価格とかが少し変わるので、変わりますが、プロセス的にはあまり変わらないで、こんなふうになりますよということがわかってきて、次のページ(15)では、シリコン系の計算をしています。結局、これを出すと、モジュールで17%ですから、今の最高に近いようなところです。それで、非常に大きい工場を作って、しかも、生産性を上げていって、それから技術開発をしても、大体コストとしては100円/W位にしかならないので、やはりこのままいくと、なかなかシリコン系では、将来まで展開していくのは難しいということがわかりました。
 次のページ(16)に移ります。CIGSの最近のものをいろいろ見てみますと、シリコンより大分安いんですね。ただ、問題は、インジウムやガリウムを使っていて、世界でどれ位つくれるかということですが、1年に数百GW位はつくっても大丈夫な資源量です。ただし、その資源が循環するにはまだ大分時間がかかりますから、そこを抑えられてしまうと、材料費が割とかかってしまい、高くなってしまうのかなということがあります。こうみてくると、さらにこんなものは新しいものに変えていかないといけない、ということがわかってきます。
 CIGSや、最近の新しいシリコンをみると、大体こんなコストシナリオになるのでは、というのが次のページ(17)です。2020年位ですと、モジュールは100円位になり、1kWで10万円位になります。モジュールとBOSを足すと200円/Wで、今、家庭で買っている値段位の電気にはなるかなと思います。しかし、本当に現状の電力のコストになるには、まだまだ2030年位にならないと難しいです。
 そこで、我々は、麻生政権のときに出したものですと、2020年が38GW、2030年が80GWに近いものですが、それより少し増やしたところをベースケースとして、次の18の右側の図に、今のコスト試算を示しました。また、左側の図では、どのように上がるかということで、これをベースケースとして、2倍、4倍というふうにして、右側のコストを入れたものが次の19です。系統電力の料金というより、コストが10円/kWh位ですから、太陽電池の値段はずっと下がってきますが、それでどの程度の累積費用が余分にかかるものがあるかというと、もちろんベースケースの方が、なかなかピークを打たず、曲線はなだらかです。ただし、これはトータルとしては10兆円位で済み、取り返すのに2050年位までかかります。一方、4倍のケースでは、後で安くなるのが入ってきますので、実際はピークのところは20兆円位の累積で、あとは早く下がっていきます。ここで日本がどのような社会にして、どの程度耐えられるから、こうするということを、経済的な面から分析し、もう少し精度を上げながら、実際にどういう経緯を辿ると、さらに安くなる可能性があるか、といったことを研究しているところです。
 さらに、今、大量投資して、太陽電池の工場をつくるときに、どのような経営がよくて、それでしたら、後で改良がきくとか、そういう段階まで検討している最中です。
 ところで、ほかに風力発電とかある中で、太陽電池について我々が一生懸命やっているのは、まだ効率が、かなりポテンシャルとしては上がりますし、新しい材料も将来は出てきて、そのポテンシャルとしては、長い目で見た2050年、2100年というところを見たときに、やはり主流は太陽電池になってくると思うからです。風力も、もっと進めたらいいと思うのですが、何倍にもいいものが出てくるというのはなかなか考えにくいので、太陽電池を代表選手として出しているところです。
 次に、スライド20に移ります。最近、原子力発電事故の後、やはり火力発電所もかなりもつなというように考えられてきて、火力発電所の効率を抜本的によくするようなものがないか、という話が挙がっています。それから、もう一つ、安定電源がないといけない。ここでも、燃料電池がやはりポイントになってきます。燃料電池の中では、私は前から、やはり一番効率の高い、固体酸化物の燃料電池がいいと思っています。ようやく流れが少し見えてみたようで、ここに挙げたような効率のものがいろいろ出てきているところです。
 次のページ(21)は、SOFC(固体酸化物形燃料電池)ではなくて、固体高分子の燃料電池で、実際に分散電源用として、家庭で持つと安心だということで、出してこられているものです。左の図の2011年では、8,000ユニット位に対して、300万円~400万円するものに100万円位の補助金を出して売っています。今年は3月11日の事故があったために、この図のように8,000機が7月の終わりで完売してしまいました。今のところかなり高いですが、それでも、安定電源で使いやすい、効率もいいとなると、新しい付加価値を世の中が見出して売れるわけです。まさにこういうものは、グリーンイノベーションに関係している。付加価値が見出されることで、世の中が変わるという例だと思います。 スライド22は、SOFCでもう少し効率がいいものの例示写真です。
 次のページ(23)は、SOFCですと温度が高いので、天然ガスや灯油、プロパンでも、大体同じような効率でうまく動きますという例です。これは家庭用の小さい700W位の電池です。24は、もう少し大きい実際の発電所に、トリプルコンバインドサイクルで使おうということで、いろいろやられています。
 次のページ(25)は、SOFCの発電部の管です。これを4気圧位に加圧して、26にあるタンクみたいなところに数千本入れ、200kWのテストをして、高い効率でずっとうまく動き、しかも寿命も長かったというようなデータが出ています。これをもとに、27にあるような120万kW、丁度原子力発電と同じ位の規模のものをつくろうということで、今、2020年以降を目途にいろいろと進めています。これは、火力発電所が残ったりすると、レトロフィットなども可能ですから、こういうものを早くつけていけば、高位発熱量の方ですと、低位で70%以上ですが、65%位の発電効率で出られます。こうすると、27の左下に書いてあるように、現在のものをこれに変えると、1基で年間220万t位のCO2が減ります。これはかなり基礎的なものが出来てきていますから、取り込んでいくと、日本が世界で一番進んでいるので、うまくいくかもしれないということがわかります。世の中が少し変わって、燃料の多様性がもう少し必要だとなると、こういうことが生きてくるのかなと思います。
 スライド28は、燃料電池のコストについてです。材料とプロセスから計算すると、将来的には家庭用でも11円位のkWhになる。熱を使えるので、その熱の値段を電気なら3分の1位で出していますが、なんとか分散電源としては使えるのかな、と思います。集合住宅や業務用など、非常に大きいものについては、10円を切るかもしれないというところまで出ますので、やはり早く技術開発、システム開発をしていくと、どういうところに入れていったら役に立つかなどがわかってきます。
 29は、リチウムイオン電池のコストについてです。効率というか、非常に性能、エネルギー密度が低いので、電気自動車にどんどん積むわけにはいかなくて、技術開発の余地があります。開発費とか、いろいろなものを全く入れないで計算してみると、大体20円/Wh位で、将来、今のまま進めていっても、10円位になります。ただ、リチウムイオン電池は現在、100円/Whとか、80円/Whくらいだと思うのですが、たとえ10円/Whで売ったとしても、太陽電池が増えても安定電源にするため電池を例えば太陽電池の発電量の10時間分位をつけようとすると、電池代は100円/W-太陽電池で、大体同じような値段になります。さらに今の数%という値段に下がっても、かなり高いので、やはりスマートシティのようなもので、どれだけ減るかということをやらないと、リチウムイオン電池をかなり下げていっても、なかなか貯蔵用としてどんどん使うのは難しいです。何か新しい付加価値をみんなが見出して、世界中がこれを使うようになっていかなければ、なかなか展望が開きにくく、やはりもう少し新しい貯蔵用ですと、値段が非常に下がる、2けた位下がるようなことを考えていかないといけません。もちろん寿命もありますが、寿命を今の10倍位にすれば、大分安くなるとは思います。
 次(30)は、もうご存じのことなので、飛ばします。31の原子力発電設備容量と寿命というのも、もうわかっていることなので、省きます。ここで重要なのは、稼働中はもう13.3GWしかなく、放っておいたら一気に下がり、それをどうするかということです。30の世論調査を見ると、この稼働中の発電所は、動かしても仕方がないかなという意見が少し多いようですので、きちんとした安全基準がはっきりしてきたら、グラフは横にいくかもしれません。
 スライド32は、横軸に温度、縦軸に消費電力をとり、2010年と2011年の平日の平均消費電力を比較したものです。去年の夏に比べて、東電管内では消費電力をかなり下げることが出来ました。我々LCSも、多くの自治体とネットワークを組んで運動をやりましたが、やはりピークカットはうまく出来たと思います。よく今年は、去年より温度が涼しかったから大丈夫だったと書かれていますが、それは1℃か2℃ですから、ここの縦軸の目盛りで言えば、一つ位しか変わらないわけで、そこはあまり関係がありません。今年の夏が減ったというのは、寒いから減ったわけではなくて、意識的に減らすことが出来たといっていいでしょう。
 33は、どれだけCO2の排出量が違うかというのを色分けしているだけのことですから、飛ばします。
 34は、電源構成と電力費、CO2排出量についてです。これは、電池のコストは全く入れていません。電池は、10~20%位まで再生可能エネルギーが入っても、そうそうは、膨大な量は多分つけないでいいんだと思います。ただ、これに20%を超えた以上のところについては、電力費に、その50円/Wを足していかないといけません。
 一番上のベースは3.11の前に立てた計画です。これでいくと、電力費が12兆円位で1年かかっていて、CO2の排出量は2020年には4億2,000万tになります。ですから、4億2,000万tで12円位というのがベースです。それに対して、例えば原子力発電所寿命40年で原子力がなくなって、そのまま火力を増やせば、これだけCO2が増えますよということを考えてみます。今年の夏の経験や、今後の節電、ピークカットなどの動きを見ると、CO2の数字は15%位、多分2020年で減らしていくと、原子力が減った分でもそう変わらないで、電力費は逆に安くなる位のところで進みます。30年でやると、ケース5ではCO2が少し減るので、それを再生可能エネルギーを20%位にすればこの程度になりますというようなことで、ずっと計算してあります。では、これのどこに来るかですが、やはり再生可能エネルギーがどれだけ入れられるかというのと、今、どれ位出せるのかというので、35に、私の個人的な感覚で書いた図を示します。2100年のところを見ると、原子力は0から10%位の間、火力もゼロにはならないで、ある幅で残っていて、再生可能エネルギーは60から90%の間くらいかなと思います。再生可能エネルギーの部分に矢印が書いてありますが、本当に安定的な電源を供給出来るようなシステムが安く出来るかどうかということで、書いてあります。これらは議論のあるところで、後で出てくると思います。 36は、柏でどんなことをやっているかという絵です。大体農産物の3分の1は、世界中そうですが、植物病によって失われています。これは無駄に肥料をやり、労力もかけ、土地も使っているということですので、適正に農薬をやれば大丈夫ですよとか、これは病気だからやめましょうとか、そういう診断が出来る人を育成していくことが大事です。まずは、そこで入れていた肥料や何かのためのCO2が3分の1減りますし、もちろん土地も余りますので、そういうところを利用しながらやろうと。それで、この植物医に例えれば、この夏、柏で、高齢者に集まってもらって、生産性を増やしながら土地を使って、少しずつ稼ぐ人を増やしましょうというようなことやりました。すぐに700人もの人が集まって、講義を受け、たいていの人が診断出来るようになりました。では次に、その人たちが、どうやってその中で本当の作業に就いていくかが肝心になってきます。ちょっと声をかければ、柏市のシニアの丁度1%の人たちが集まってきているんですね。割とすぐ集まってきたのですが、ただ、これが大変なんです。100人ずつで7回、それぞれ一週間程度の講義があります。大学の予算を使って、資料から何から準備をしています。しかし、人が育っていますから、その人たちがまた手伝い出せば、もっと広がっていくのかなと思っています。こんなことをやりながら、農業で少し高齢者が参加して、その人たちも稼げて、そのお金を社会で使っていく、というようなことが出来ないかどうか実証しています。
 次の37は、アジアが世界の経済の発展の中心になるだろうということです。今でも、経済的には東京は世界一ですが、東京、仁川、上海あたりのトライアングルを組んで、さらに強化していき、そこで得られた経済活動の付加価値を全国に浸透していくというようなことを考えながら、低炭素と経済の活性化について検討を始めているところです。

西岡委員長
 どうもありがとうございました。それでは、まず、藤野委員の方からご質問を願えますか。

藤野委員
 山田先生、どうもありがとうございました。非常に全体、今、見通してくださっていて、3.11後、若干その特定の問題にフォーカスが当たり過ぎている、短期的な視野になり過ぎているところに対して、より長い目でおっしゃった、その明るい低炭素を目指すという点も含めながら、または、4ページ目に示してありますように、健康度とか、私も、このままの人生をやってしまうと、19%の比較的若くに死亡になってしまうような生活を改めないといけない。こちらにいらっしゃる方は、すごい参加度が高いので、健康維持パターンだと思うのですけれども。

山田副センター長
 60歳位のときから参加していないと、自然に10%伸びるわけではないんです。

藤野委員
 それまでの継続が大事だと。どうもありがとうございます。
その中で非常に興味深かったのは、こちらの9ページ目の構造化手法による定量的技術シナリオの提案というところで、これに基づきながら、太陽光のシミュレーションだったりとか、SOFCの動向だったりとか、あと、リチウムイオン電池の動向だったりとか、いただいたと思うのですけれども、その中で、太陽光の可能性が非常に高いのではないかというところで、例えば19ページ目のところで、社会全体での正味費用累積額とお書きになっていたのですけれども、これ、ちょっと解釈をもう一度いただけたらなと思うのですが。例えばPV4倍係数でこれを計算してみますと、2030年で累積で18兆円とか20兆円弱になりますが、これは年間で見ると、その2010年から1兆円ずつ、それを大きいと見るか、小さいと見るかというのは非常にありますが、やっていけば、後の10何年でそれが全部回収出来るというようなことだとするときに、それを投資するに値するかどうかというのは、どういうふうに判断したらいいのかというところに対して、山田先生のもう少し深いご考察をいただけたらなと。

山田副センター長
 これは計算が非常に単純で、こうやってコストは下がりますというのと、現在の電気代の差でやっていますから、経済的に回したときは、さらに多分減るような、それこそ、社会がどうなっているかというので変わると思うんです。ところが、今の経済のいろいろな均衡モデルでやったものは、過去のものに割り振ってしまいますから、どの社会が伸びるというのは見えません。そこのところをどう合わせていくかということになります。ですから、普通の経済学の人が見たら、違うと言うと思うのですが、まずはこれが最低というか、最高の出費になるわけですから、そこで考えて、大丈夫なものだったら大丈夫ですね。でも、これを見ると、今の日本の赤字を見たときに、大丈夫とは見えないですね。では、どうするかということを考えないといけません。
 例えば先ほどの燃料電池の話でもわかるように、安全だと思えば、かなりのところは払うという人もいるわけですね。だから、そこをいかにわかって、みんながきちんと投資してやっていけば、お金は別に国のを使わないでも大丈夫です。毎年少し戻ってきて、30年で全ての投資額が戻るところを20年で戻るというように見せていることがある。ほかのところではもっとひどい見せ方をしているのだと思うんですが、非常に厳しいところだというように見てもらった方がいいんだと思います。ですから、投資するかと言われても、このデータは回収年が長いというか、難しいところを出しているから、ここをどうやってもう少し早いところへ持ってきて、更に投資金をどこから持ってくるか。今はお金がたくさん余っています。それが何年間余った状態が続くかが問題です。財政赤字などで、日本がイタリアのように言われて金利が上がっていったら、一遍につぶれるわけですから、いかに信頼を受けながらやるかということを、みんながある程度、合意出来ていればうまくいくと思います。でも、例えばTPPのように、野田首相が海外へ行こうというときに反対していたら、日本の国を信用しなくなり、うまくいくものもいかないですね。ですから、そういうトータルの中で見ないと、これだけ大きいものですから、結局、全体をどういうふうに見るかということがポイントになるのではないですか。そこは、ある程度みんなが、ここにいる方たちが何か案を出すなら、こうやってやったら本当にいいなとみんなが思うことを出してもらって、みんなが乗るかどうかというのが決め手になるのではないですか。幾ら計算したって誤差は、そんなにぴったりなんか出るはずがないです。経済モデルで計算をしても、合っている例が今までないですから。

藤野委員
 そういう全体の方向性、こういうふうに示していただいて、議論の非常にベースになると思います。
 あと、SOFCの方が、我々、2020年の検討をしたときに、それほど深く入れていなかったところに可能性がもっとあるのじゃないか、また、今回のように、分散型なそのエネルギー供給で、また、あと、熱も含めたエネルギー供給システムをもう少し充実させなければいけないのじゃないかというときに、こちらの可能性をもうちょっと深めていかないといけないかなというようなことをご説明を聞かせていただいて思いました。
最後のところで、柏の事例とかを簡単にご紹介いただいて、私も、環境未来都市とか、その地域に今、関わっていて、やったときに、先生がまさしくおっしゃったように、ほかの価値をどういうふうに出していくかというところで、都市スケールなり、もうちょっとミクロなスケールでやることで、そのシニアの世代が参加することで、先ほどの一番最初の11%になる人が増えるとかというところがあるかもしれないですけれども、そこの、今日は技術中心にお話しいただきましたけれども、最後、その社会に返すところについての展望も、もう少しおき聞かせ願えたらと思いました。私の方からは以上です。

山田副センター長
 その答えは、非常に難しいですね。そう言われると、逆に、みんなに聞きたい位なんです。でも、私は、最初に言いましたように、例えばグリーンイノベーションをやるというのなら、グリーンイノベーションとは何かと。いろんな方向がありますが、結局、日本でそれだけの価値を生むものが、新しい目で見て、低炭素というところで増えるかどうかという話ですね。やはり国内だけで見ると、もう経済的に合わない限り出来ないわけで、外からも資金を持ってこないといけないとしたら、外に勝つ産業に、まずは産業を増やしていくことが重要です。今以上に減らすというのは、もう絶対に困ることですから、そこがいくかどうかという話になったときには、みんな言うのは、シェアの低下でしょう。半導体でも何でも、最初はもの凄いシェアが高いのに、こうやって下がりますよと。ログ(Log)で書いたらきれいに下がるから、何か説明はそれで見えるけど、それじゃ、どうするんだという話ですよね。それはどうしてだと思うかという話ですよ。それは、やはり結果を見ると、当然価格の決定をする力がなくなっていることです。だから、大体シェアの30%位以上を世界でとらないとだめで、それをとれば、いつも先頭を行って、その人が価格を決めるから、そこで価値はよいけれど、2位以下の人はもうずっと赤字で来るので、5年もたてばやめるのは決まっているから、シェアが下がるのは当たり前ですよね。だから、そこで投資する意欲がある、見通しがあるかどうか、そこがポイントなのではないですか。だから、そうなるようなことを考えて、出す人は自分のリスクで投資したらいいんです。政府が出す、出さないといっても、やはり落ちたところは企業が度胸がなかったんだと僕は思うんですよね。ですから、それが出るようなことをみんなが、こういうところの人が出してもらったらいいことだというふうに思うんですよね。それになるかどうかという基礎的な数字の計算はしますけども、それでやるかどうかは、ある程度、自分の見通しでやらないといけない。それに合うようなものかどうかというのをきっちり、やっぱりそういう意味では、技術的な積み上げの技術をいくら入れても、社会は成り立たない。その産業が勝つようなものになって、世界で打って出られるかどうかという見通しは立てないと、それはどこもやれないし、グリーンイノベーションにならない。でも、新産業も必ず増えていくわけだから、そこにどうやって入るかというのであれば、まだチャンスはあるし、日本が強いところもまだあるということだと思います。だから、結局、やはり弱いところはもちろん救わないといけないけど、強いところをどうやって本当に強くしていくかを見ない限り、今すぐは出来ないのではないですか。それがなかったらもう展望は持てないですよ。それが何かというのを決めたらいいことですよね。そのための仕事をするという。

西岡委員長
 何かさらに、藤野委員、宜しゅうございますか。
 それでは、皆さんからのご質問、ご意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。村上委員、お願いします。

村上委員
 今日は、山田先生、大変実証的な素晴らしいお話、ご報告をありがとうございました。今日のお話、例えば太陽電池、燃料電池、蓄電池というふうに、先端技術に集中してお話しいただいたかと思うのでございますけども、この低炭素社会ということになりますと、既存技術で開発、基礎研究は終わっているけども、まだ普及していないという技術がいろいろあるのじゃないかと思うので、その典型例が太陽熱利用で、熱効率もいいし、スペース効率もいいと。だから、僕はああいう埋もれている既存技術をどうやって普及させるかと、その応用研究とか、多少これは社会学的、経済的研究であるかもしれませんけども、そういうところにも、少なくとも、その低炭素化の資源は随分あるのじゃないかなと。その辺はどうお考えでしょうか。

山田副センター長
 それはシナリオにたくさん入れました。ですから、太陽光発電を入れてさらに余っているところは、太陽熱を入れるというのは、はじめのシナリオに入っているんですね。でも、それはもうかなりわかっているので、そこの計算までは、我々は、今、入れていません。どれ位、我々が計算をしないといけないかどうかというと、やはり優先順位があって、計算をするという意味では、少し低いところに入っているんです。対策としては入れているんです。

村上委員
 低炭素ということになると、しばらく当分は、太陽光よりも熱の方がはるかにいいですよね

山田副センター長
 そうです。

村上委員
 だから、それで、僕はああいうものを普及させるという研究もかなりあるのじゃないかと思うのでございますけども。

山田副センター長
 それは、LCSの研究活動の中に社会実験というものがあり、東大の松橋隆治教授を中心に、今、計画しているところで、たくさんアンケートをとったりしてやっているところです。それには太陽熱はもちろん入っています。社会にこうやって入れていきましょうというようなことで、提案が出来ると思うんですが、なかなかそこまでの知見がやデータが出てきていないという状況です。きちんと入れるように、検討してみます。

村上委員
 ありがとうございます。

村上委員
 だから、それで、僕はああいうものを普及させるという研究もかなりあるのじゃないかと思うのでございますけども。

飯田委員
 太陽光の18、19ページに関連して、34ページのコストのところをちょっとお伺いしたいのですが、この18ページのコストの低下、ちょっと確認なんですが、拝見すると、日本の設備容量の導入と、それに応じた価格低下ということで宜しいのかどうかということと、特にこのコスト、18ページに書いてあるコストですが、確かに日本はまだ高いとは言われていますが、例えばドイツのもう既に今年から導入されている買取価格はもう20円を切っているわけですね。ラーニングカーブは、もちろん各国固有の要素もあるのですが、やはり技術のユニバーサリティで下がるという、その両面が多分あると思いますので、もうちょっとこうすると、低下が早い可能性もあるのかなと。もちろんいろんな、もう将来のことなので、幾つかあれはあると思うのですが、いずれにしても、特に太陽光、去年1年間で17%のコストが下がって、今年、半年で11%のコストが下がっているという、最近はうなりを上げて下がっている要素もあるということも、少し加味をしていった方がいいかなと思うのですが、そこら辺。
 それから、19ページの正味累積費用のこの追加の部分は、系統電力のこの単なる差なのか。

山田副センター長
 これとの差です。

飯田委員
 これに対して、実は、先ほど、気候ネットの平田さんたちもプレゼンしていたのですが、これが入ることによって、アボイドされる部分というのは見なくていい。つまり、化石燃料の節約分というのは、追加で引き算されることになるのではないかというような気が。つまり、それが、なかりせばというものと比較なんですけどね。化石燃料が今回上がるということを想定したときに、その分があるのかと。我々、IGESと共同研究で出したときに、その分がむしろ大きいというのが出たので、その分の要素が、もうちょっと引き算で入る可能性はないのかどうかということですね。
 それから、34ページのところで、これはもう全体書かれているので、あれなのですが、原子力は5.9円、火力は11.4円というわけですが、ここも再生可能はとりあえず23円で計算されておられるのですが、原子力は、まさに、果たしてこのコストなのかということが、今、いろいろ問われているということで、少しここらあたりも、それこそ、東電の事故だけでも数十兆円という話がありますし、損害賠償を入れれば、ドイツで最近計算されたので数百兆円というオーダーもあるわけで、ここら辺はコストをどう見ていくのかというところが。

山田副センター長
 わかりました。大体全部、コストの話だったと思うんです。まず、太陽電池の方は、もちろん、材料費はどういうふうに下がるかというのは入れていません。今と同じもので入れていますから、本当にその材料費が下がれば下がります。それからあとは、現在のところの、でも、これは一応、もう少しドイツは安いのに、日本がラーニングカーブで下がっていないのではないかという話です。僕は、我々はラーニングカーブはやっても合わないところが出てくるから、それでやるのはだめだから、きちんともとのプロセスのところからやっていって、それは条件が決まっていて、基準を1点にしてやった結果がこれですから、ここが本当にどうかという話です。でも、今のを見ると、多分日本で言えば、今は電力買い上げ価格は40円/kWh位といっているでしょう。それで、実際に売っているシステムも1kWが30万円を切るということはないですよね。40万円とか、35万円ではないですか、買うと、1kWの値段が。そうすると、20円なんていう計算は絶対出ないですよね。どんなことをやったってもkWhが。やはりこの値段になっていると思う。それはラーニングカーブで下げるのでなくて、きちんとした設備費やなんかから見て、材料費も入れて出したものではないと、みんなが、今までほかのものが下がっているからとずっとやって、これでやりなさいというのは、我々はそういう方法論ではなくて、前提は出して、きちんと書いていきます。ここではその前提を変えたらわかるようなことで計算している1点を出しています。だから、それで、先ほど言いましたように、ある程度の規模になっても、それ以上はコストは下がらないというところを設備の方から抑えてきています。だから、販売量が増えると、買い取り代金も増えて、価格補償料が高くなるとして、ガソリンが高くなるから、持ち出し金額が下がるとかいうところは入れていないですよね。この辺りは少し経済的なものから、これから入れていかないといけないのかなというのがPVについてです。ですから、今、これ以上に、例えば2020年までにどんどん下がるというようなものは見えてこないというふうに思っています。
 それから、もう一つの、値段の方が、石油が全く、上がったらというのは入れていなくて、今の価格で入れていますから。それと、アボイデッドコストというのは、どの意味のアボイデッドコストを言っているのでしょうか。

飯田委員
 いわゆる系統価格がこの10.1円と書いてある、その部分で行って来いで、もう引かれているというご計算だというのはわかったんですけども、ただ、化石燃料が今後上がっていくということを想定したときに、その分を節約する部分と、それに対して上乗せで再エネが入る部分とを両方見ていった方がいいのかなと。

山田副センター長
 そうですね。これは、ですから、基準として、今の燃料代で決めていますから、そこはそうなる可能性もあります。だから、それは予想になるので、はじめのところをきちんとしないといけません。最初から予想を入れてしまいますと、変数が多くて何をやっているか見えないので、これでやっていますから、先ほど、藤野さんの方に答えたような話になって、そこを決めておいて、最高で見るとこうです。ですから、前提を変えると変わってきますから、それはもうちょっと幅でわかるようにしたいというふうに思います。
 それと、あと、原子力がどうだというのも、数兆円入れても数円という感じですから、それをこれで、5.9円を7円とか8円にしたり10円にしても、あまり変えても、そこでまた先ほどと同じように変数が増えますから、ここは今言われているとおりのものを使った、この5.9円でやるとこうですよと。ですから、この原子力のところが高いと思ったら、この数字に掛けてもらえば自然に結果が出るようになっています。今言われたような幅で、もう少しわかるようなものを出した方がいいだろうということについては、そうかもしれないですね。

飯田委員
 まさに、今、そこが論点になっていますので。

山田副センター長
 私は、何を話すというのは、今日、わからなかったので、低炭素で何をしようとしているかを教えてくださいと言われているから、全く今のようなことは、もちろん考えてはいますけど、今日はそういうつもりはなくて、30分でこれを話しましたので、こうなっています。

飯田委員
 ありがとうございました。

大野委員
 ありがとうございました。ちょっと細かい質問で恐縮でございますけど、15ページに、表の中にCO2という欄がございまして、私、太陽電池はライフサイクルで見ると、つくるときに出るCO2が結構問題だという話を聞いておりまして、そういう意味で、ライフサイクルのCO2をおっしゃっているのか、ちょっと教えていただけるとありがたいのですが。

山田副センター長
 CO2は、1kWhでCO2で30g位ですから、誤差としても、火力発電の600に対する30ですから、あまり関係ないと思うのですが、そこが30が40か、30が20になっても、あまりこの数字の桁には効いてこないと思います。少し効いても、結論には全く響かない数字だと思います。

大塚委員
 この中の図とかには出てこない話で恐縮なのですけども、先ほど来、外に勝つ企業とかという話も出ているのですが、グリーンイノベーションで国内雇用とかにつながることが望ましいものですから、そちらの観点からはどのようなことをお考えになっているか。簡単に言えば、外国製の方がやっぱり安いのでという話を結構批判としては受けますので、その点について何か、進んでいくべき道として何かお考えになっていることがおありでしたら。

山田副センター長
 世界で、今、例えば太陽電池にしろ、燃料電池にしろ、非常にすぐれていて、きちんとやれば、コストは安く出来るわけですね。しかし、それはやはり世界で勝つには、先ほど言いましたように、企業のスケールも大きくして、たくさん投資して、価格の決定力がないと勝たないわけですから、そこに持っていけるようになるんですか、どうですかということに対する案を出す、出したいというふうに思っていて、そういう意味では、ここに書いてあるようなものは、みんな候補者ではありますよね。ですからそういうものを増やす。
 それから、飯田さんたちが言っているような、たくさん屋根に積んでも少しは出ますよ。だけど、それも日本のものでやらないと。日本で作ればもっと雇用も増えるわけですから、そういうことが組み合わさってやる中で、何が一番大きくて、低炭素に効くかということを考えて決めること。ですから、全然、全部だめだなんていうことはないのではないですか。まだ価格的、技術的な力もあって、お金も余っているのに、何が足りないかということだけを考えると、先ほど言ったようなことで見通しを立てて、自分はやりますと思うかどうかというところではないですか。それをきちんと皆さんが推していただければいいと思います。それから、自分は、こういうものが出たら、少々高くても買うものがあるとか、こうやったらいいから買いますとかというもの、みんなが出したものを集めてみて、それで日本が成り立つかどうかという話になるのではないですかね。

大塚委員
 政策として、それを何か応援したり、別に補助金とかということでは必ずしもないと思うのですけども、そのようなことは何かお考えになっておられるんですかね。そこはもう企業に任せるというご趣旨ですか。

山田副センター長
 いや、企業だけに任せればよいということではありません。例えば10年たてば収益が上がり、税金もたくさん入るから、呼び水になるように当初は推した方がいいというものに税金を使うことも必要です。いいものを選んで、政策が選んでいくのではないですか。そこで何を選ぶかという話で、今は一番何が大きいかというところですね。そういう目で見ると、やはり近いところでは太陽電池ですよね。すぐ年間数兆円位には、やろうと思えば売れるわけですし、人数だって何万人という雇用が増えるわけですから。だけど、それよりももっと日本で自動車の分野EVやHEVの新しいシステムを作って、安いものがあるといったら、それに投資すればいいですが、そこは少し難しくなっていますよね。やはり新しいものに挑戦した方が早い。それが本当に数年できちんと税金となり戻ってくるようなものが見えるかどうかというところだと思います。

荻本委員
 質問ではなくてコメントなんですけれども、太陽電池などに関してやられている、部材というか、その基本に立ち戻って、一体幾らで出来るのかというような検討というのは、私は本当に貴重だと思います。これはなかなか難しいことなので、しようがないということはあるのですが、ラーニングカーブで検討が行われているということとか、過去数年の実勢で、下がった、上がったというような話をするわけですが、再生可能エネルギーは、今、非常に高いというところが、どこまで下がり切るかということを議論して、見通していかないといけないと。そういう意味では、非常に貴重な検討だと思っておりまして、こういう考え方を可能な範囲で、今、進められている諸検討にも反映出来たら宜しいかなというふうに思います。以上です。

山田副センター長
 確かに、本当にこれは必要ですが、大変なんですよね。それで、今は1,000位の機器を選んで、それのスケールが変わったらどうだということと、いろんなものをつくるプロセスを組み合わせて、どうやったら幾らになって、CO2はどれだけ出るというのが出来るような仕掛けを、今、一生懸命データを集めて作っています。それを集めるのは、ポンプから、タンクから、真空装置から、全部やっている。というのは、昔はタンクなどは旧来の設備のコストデータなどは多くありましたが、新しい装置については全くなくて、日本の中も、そういうデータを計算し、まとめるエンジニアリング力がなくなってしまっています。仕方がないので、今、LCSで一生懸命集めてやっています。もう大分出来てきていますから、1年もすれば大分しっかりしたものになるのかなと思っています。一生懸命こつこつやっていまして、今回のものはその途中で出てきているものです。

西岡委員長
 どうもありがとうございました。一通り出尽くしておりますが、赤井委員はこのあたりがご専門ですので、コメントをいただければと思います。

赤井委員
 急のご指名で、全く予想もしていなかったのですけども、確かに、今、荻本さんがおっしゃったポイントとほとんど同じことを考えてたんですけれども、どうしても、モデルやなんかで、ざくっとマクロにいろいろ考えようとすると、ラーニングカーブとか、そういうものを使いがちなんですけども、やはり山田先生、昔からこういう、がっちり本当に積み上げて、本当にコストは幾らなんだということをいろんなところでデータを拝見して、参考にさせていただいたりしておりますので、荻本さんと全く同感の意見を持っております。
 それから、先ほどお話があった、その競争力の話なんですけども、実は、先週、IEAの会議でパリに行ってきて、いろんなクリーンエネルギー絡みの技術について、研究開発投資だとか、それから、何が大事なんだと。要するに、イニシャルコストなのか、オペレーショナルコスト、トータルコストなのか、どの辺が導入の障害になったり、あるいは、売りに出来るのかといった議論をいろいろしてきたのですが、そのときに、非常に感じたのは、この技術もそうだよな、これもそうだよなと思ったのは、やっぱり日本は原理はわかっていて、あるいは物として作れることはわかっていたんだけど、それをきちんとしたプロダクトじゃなくて、製品じゃなくて、商品にしたのは、これも、これも、これも日本だよなと。だけど、それが先生がおっしゃったように、シェアが下がってしまって、価格決定力がなくて、例えば液晶とか、大型パネルについても、松下さんが少し縮小の方向に行くとか、何か非常に日本は頑張ったのに、何かほかに全部、結局、おいしいところはほかの方々に差し上げているような歴史がずっと続いてきていて、何か元気が出ないなというふうに思って、それが一番の印象で、夕べ帰ってきたのですけれども、そんな点から、やはり先生の方のセンターのでも、何かこういうふうにやったらとか、そういった、是非元気の出る提言が出てくれば、ありがたいなというふうに思っております。

西岡委員長
 どうもありがとうございました。突然で申し訳ございませんでした。もし、皆さんがこれで宜しければ、山田先生、どうもありがとうございました。
 それでは、本日のヒアリングの方は終わりまして、次の議題、今後のスケジュールでございます。お手元に資料がございますので、ご説明願います。

低炭素社会推進室長
 資料4でございます。今後のスケジュールについてでございますが、次回につきましても、関係者の方々からヒアリングをさせていただきたいと思っております。以降につきまして、順次、小委員会を開催をする予定で、また追って調整をさせていただければと思っております。以上でございます。

西岡委員長
 どうもありがとうございました。
 それでは、議事はこれで終わりにしたいと思います。

地球温暖化対策課長
 事務的な説明でございますが、本日、大変活発なご議論をありがとうございました。次回日程については、12月21日でございますが、詳細につきましては、追って事務局より連絡をさしあげます。また、いつものごとく、議事録につきましては、事務局で取りまとめまして、委員の皆様にご確認をお願いいたしております。宜しくお願いいたします。

西岡委員長
 それでは、本日の議事はこれで終わりたいと思います。どうも皆さん、ありがとうございました。

午後 5時37分 閉会

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