中長期ロードマップ小委員会(第10回) 議事録

日時

平成22年7月29日 15:00~16:53

場所

東海大学校友会館 阿蘇の間

議事内容

  1. 1.開会
  2. 2.議題
    1. (1)国内排出削減の技術的検討について
    2. (2)温室効果ガス排出削減・吸収に係る国際的なクレジット・メカニズムについて
    3. (3)第9回中長期ロードマップ小委員会における経済影響分析の議論の取りまとめについて
    4. (4)その他
  3. 3.閉会

配付資料

資料1 中長期ロードマップを受けた温室効果ガス排出量の試算(再計算)【暫定版】
資料2 温室効果ガス排出削減・吸収に係る国際的なクレジット・メカニズムについて
資料3 中長期ロードマップに係る経済分析について
参考資料1 伴委員提出資料(第9回小委員会に係る質問に対する回答)
参考資料2 増井委員提出資料(第9回小委員会に係る質問に対する回答)
参考資料3 落合副主任研究員提出資料(第9回小委員会に係る質問に対する回答)

午後3時00分 開会

○地球温暖化対策課長 若干遅れておられる委員の先生方おられますけれども、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会中長期ロードマップ小委員会の第10回会合を始めさせていただきます。
 本日は、まずこれまでの企業、団体等からのヒアリングを踏まえまして、国立環境研究所のほうで暫定的に技術積み上げモデルの再計算をしていただいておりますので、その結果をまずご報告いただきまして、ご意見をいただきたいと思っております。
 その次に、事務局から、温室効果ガスの排出削減・吸収に係る国際的なクレジット・メカニズムについてということで、現在、国際的に議論されておりますクレジットのさまざまメカニズムについてのご紹介をいたしまして、これについても委員の先生方からご意見を賜りたいと思っております。
 最後に、7月15日でございましたけれども、前回の小委員会で経済モデル分析についてご議論いただきましたけれども、その議論の概要をまとめておりますので、それについてご確認をいただきたいということでございます。
 本日は、委員の方々、過半数のご出席をいただいております。定足数に達しております。
 また、これまでどおり公開で開催させていただきます。
 また、今日、影山委員と笹之内委員がご欠席でございますけれども、説明員といたしまして、東京電力株式会社環境部地球環境グループマネージャーの北原様、それからトヨタ自動車株式会社環境部担当部長の大野様にご出席をいただいております。
 それでは、今後の議事進行については西岡委員長にお願い申し上げます。

○西岡委員長 今日は雨が非常に強くなってきた中、どうもご参集ありがとうございます。
 まず最初に、例によりまして配付資料の確認をお願いします。

○地球温暖化対策課長 それでは、お手元の配付資料でございますけれども、資料1といたしまして、「中長期ロードマップを受けた温室効果ガス排出量の再計算」という資料でございます。資料2といたしまして、「温室効果ガス排出削減・吸収に係る国際的なクレジット・メカニズムについて」という資料でございます。資料3といたしまして、「中長期ロードマップに係る経済分析について」でございます。
 それから、参考資料は3つございまして、いずれも前回の委員会に係る質問に対する回答ということで、参考資料1として伴先生からの提出資料、参考資料2として増井委員からの提出資料、参考資料3といたしまして、日本経済研究センター、落合様からの提出資料ということでございます。
 以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 多分、資料についてはいいかと思います。
 議事に入りたいと思っております。先ほどの話にありましたように今日は3題ございます。まず3題で、これが6時までの予定になっておりますのでよろしくお願いいたします。
 まず最初に、国内排出削減の技術的検討についてということで、国立環境研究所の藤野委員から説明を願いたいと思っております。
 これは、25%の削減目標でございますけれども、15%から20%、25%、それぞれにどういう技術的な可能性があるのかといったことについての話であります。それから、これまでいろいろご意見いただいたこと、それからご指摘いただいたことも踏まえて再計算したということで聞いております。
 それでは、よろしくお願いします。

○藤野委員 どうもありがとうございます。
 それでは、資料1をご覧ください。
 表紙を開けまして1ページ目に、今までの過程と今回やったこと、プロセスのところを書いています。前回、真ん中辺りに、2010、3月26日というのが、前の中長期ロードマップの検討会のときに国立環境研究所AIMプロジェクトチーム検討結果を踏まえて再試算というものをやっておりまして、それらの結果は既に環境省のホームページなりAIMのホームページなりに出しており、それが環境大臣試案の1990年比25%削減ケースに反映されました。それらの結果を公表しまして、中環審のロードマップ小委員会ヒアリング、こちらでももうかなりご熱心なご意見をいただきました。また、国民対話、それからパブリックコメント等というプロセスを通じてご意見をいただきました。その中で、特にモデル分析に関して我々で反映し得るところ、まだ全部はできていませんけれども、できるところまで試算をやり直した。特に今回は日本技術モデルのところについて再試算をしたということについて、今の途中の経過をご説明したいと思います。
 また、今日の説明の中で、ここがまだ直っていないのではないかとか、こういう点を直すべきではないかというご意見ありましたら、この後でも、その後でもご意見いただければと思います。
 スライド2です。
 今回推計と2010年3月推計との想定の違いですけれども、先ほど申しましたように多数の意見をいただきましたから、新たに推計を行っております。特に見直しを行った項目として4点あります。原子力発電、産業部門における天然ガス転換、実績を踏まえた世帯数の見直し、そして高効率給湯器についての導入、以上の4つです。ちなみに、試算の状況としましては、(1)から(4)の見直しに伴いまして、1990年温室効果ガス排出量に対して、(1)原子力の変化によって1.7%減少、(2)によって0.4%減少、一方、(3)と(4)の見直しによってそれぞれ1%ずつ上昇、大体全部足すと前とそれほど変わらないという状況ですけれども、国内真水で15%ケースの場合ではそういうような試算結果になっております。
 次のページをご覧ください。3ページ目です。
 原子力発電につきまして次のような変更をしました。平成22年度電力供給計画の概要が経済産業省で取りまとめられて公表されております。その中で、九州電力の川内3号が新たに2020年までの開発計画として位置づけられており、電気事業連合会が設備利用率を2020年に85%を目指すということを踏まえまして、今まで新増設は8基としていたものを9基、そして設備利用率をケースによって80%または88%としていたものを85%というふうに修正しました。変化のところの表を書いています。2020年のところで左側のほう、矢印の手前のほうが今までの3月のケースで、右側のほうが今回修正したケースに当たります。
 次のスライド4をご覧ください。
 次が(2)で産業部門における天然ガス転換、こちらのほうを変更しました。産業部門におけるガス転換の重要性に関する意見を踏まえまして、産業部門の燃料転換のガス転換について下のような想定を置きました。前回、国内で真水15または真水20でやっていたもの、または真水25でも、それぞれ現状は10%で、2020年のときは15、18、または2030年に20、23というふうに今回想定して変更しました。これ、ちなみに、エネルギー基本計画における目標としては、2020年までに燃料消費に占めるガス比率の5割以上の増加だったり、2030年まではガス比率を倍増するとか、そういった目標を踏まえて、参考にさせていただきながら変更を行いました。
 (3)、世帯数のほうですけれども、前回用いた世帯数の将来推計に比べて近年の世帯数の増加傾向というものが大きくなっているという最新のデータに基づきまして、将来の世帯数の増加率の想定について上方修正しました。非常に単純に言うと、右のグラフのように、過去、2005年から2009年にかけて推計値と実績値で、推計値だと比率で102だったのが実績値だと105というふうになっておりますので、左の表のように修正をしました。
 次のページをご覧ください。
 あと、高効率給湯器です。ここもかなりご批判いただきましたが、2020年における高効率給湯器の導入量の困難性、特に単身世帯に対する困難性に関する意見をいただいたこと、また前述の世帯数の増加は単身世帯の増加による影響が大きいものと考えられるため、導入率の見直しというものを行いました。2005年では70万台で、2020年に左のような3,410万台から4,160万台の想定を置いていたんですけれども、今回それを下方修正しまして、2,910万台から3,800万台まで変更しました。2030年のケースにおいては、15%、20%ケースでは若干下方修正しております。
 そして、その(4)のうち、高効率給湯器のうち燃料電池について以下のように変更しました。ご意見で燃料電池の重要性がありましたので、家庭部門の燃料電池について今まで明示的に想定していなかったんですけれども、想定しました。2020年で100万台、2030年で200万台というような想定をしております。
 そういった中に、BEMSなり、時間が間に合わなくてちょっとまだ想定できていないものはありますけれども、上記の想定をして、以下のケース設定をやりました。つまり、2020年のときには、スライド6ですけれども、技術固定ケース、2005年の状態で技術の導入状況・エネルギー効率が固定されたケース。参照ケース、現状の延長で効率改善が行われるケース。そして、真水15、20、25%の3つのケース、合わせて5ケースをやっています。2030年に関しましては、技術固定ケース、参照ケースは同じですけれども、あと対策下位、対策中位、対策上位というケースを想定しております。
 次のスライド7をご覧ください。
 活動量の想定につきましては、これは前回から基本的には変えていません。3月26日のときには、全部もうマクロフレーム変動ケースというものを計算していました。つまり、温室効果ガスの排出に対して炭素の価格づけというものが行われるような社会では、その価格に応じて活動量が変動するということですけれども、ちょうどこの前に経済モデルの分析の話もありましたけれども、そういうことも踏まえながら、ちょっと今こちらのほうは計算をしておる最中です。
 その結果、スライド8、次のような結果になります。これは間接排出の数字ですけれども、15%を目指したものがちょっと今のところ17%と、より削減してしまっていますが、それぞれ積み上げ計算によって、17、20、25%というような目標値は達成している。
 ちなみに、すみません、ちょっと誤字がありまして、左の2020年の15%の合計値、1,039百万トンCOとあるのは、これは1,051百万トンCOの誤りです。すみませんでした。
 2030年のほうでは、それぞれ35、40、44%というように、エネルギー基本計画では2030年30%以上というものに対して、こういうような推計の仕方もあるのではないかと計算しております。スライド9はそれを定量で示したもので同じものになっております。
 スライド10は再生可能エネルギーの導入量です。若干は見直しをしておりますけれども、基本的には前お示しした傾向から変わっていません。2020年で10から12%、2030年で17から19%というような結果になっております。
 スライド11です。
 スライド11は温暖化対策の投資額になっています。1から4の見直しによって、それぞれの部門で多少、追加投資額の前後がありますけれども、合計額に関しましては前とほとんど傾向は変わらずに、例えば真水25%で10年間の合計100兆円、つまり年平均10兆円追加投資が必要だという結果になっています。
 スライド12ですけれども、ただその10兆円投資が必要だということですが、左のグラフに示しておりますように、例えば25%ケースでもエネルギー費用の削減にもつながりますので、100兆円のうち50兆円は同じ期間のうちに回収でき、また機器の中には2021年以降も動いているものはありますので、その効果によってまた同じぐらいのボリュームのエネルギー削減費用の積み重ねになりまして、あわせてほとんどキャンセルするような形になっています。これも前と、若干額が変わっているところもありますけれども、傾向は同じです。
 スライド13です。ここは少し変わっています。
 感度分析(1)ですけれども、原子力発電に関しまして、例えば25%ケースのときは、前は設備利用率88%まで上げていましたけれども、電事連の想定等を参照して85に修正しました。一方で、前8基だったものを9基にしております。それに対するコンティンジェンシープランですけれども、例えば設備利用率が85ではなく、2020年75%平均というふうになって、新設は9基あるということになると、CO排出量は3000万トン、つまり90年比2.4%相当増えるようになり得ます。または、設備利用率は85%までいきますけれども、新設が2基、今現在着工されているものだけにとどまってしまうと、4200万トンのCOが増えてしまって3.4%相当になる。さらに、どちらもあまりうまくいかないケースだと5.4%、つまり25%の目標が20%弱になってしまうというようなことになります。
 下、スライド14、感度分析(2)ですけれども、2030年の温室効果ガス排出量の比較というものも行っています。
 原子力発電は主にベースロード運用、昼夜問わず一番ボトムのところで運転するとされているため、全発電電力量に占める割合が高くなると、スマートグリッドの活用など負荷調整が必要となるであろうと想定しています。そのような調整が難しい場合には、稼働率を負荷追従運転などにして低くせざるを得なくなる。そして、そのため原子力発電の発電電力量の上限というものを全発電電力量の50%というふうに想定した場合、どのケースも大体2030年の温室効果ガス排出量を3%程度増加させる、押し上げる効果というか、マイナスの効果になってしまうということがわかりました。
 最後、スライド15です。今回のモデル分析結果と今後の課題です。
 3月26日に我々が提供しました地球温暖化対策に関わる中長期ロードマップ、議論のたたき台及びそれを受けて作成された環境大臣試案に対して、いろいろ本当にありがたいご意見をいただきました。その中で、その試算のリアリティーを高めるために、モデル分析に直接関わるご意見を反映させまして、原子力発電、新増設の基数や設備利用率、産業部門における天然ガス転換、実績を踏まえた世帯数の見直し、または高効率給湯器についての導入について試算の見直しを行いました。その結果、それぞれの項目で削減量の増減はありましたけれども、合計値としては3月26日の試算からそれほど大きく変わるということはありませんでした。今後、炭素の価格づけによりマクロフレームが変動するケースを分析するとともに、主要な要因に関する感度分析をさらに進める予定です。または、BEMS等によって、それぞれのワーキンググループでもさらに作業していただいておりますけれども、それらの結果も踏まえて、結果を更新していきたいというふうに思っています。
 以上で説明を終わらせていただきます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 ただいまの藤野委員からのご説明に対しまして委員の方々のご意見を求めたいと思います。どなたからでも結構ですので、札を立てていただきたいと思います。
 それでは、こちらのほうの説明員のほう、大野説明員、それから北原説明員のほうから。

○大野説明員 大野でございます。
 意見というより質問をさせていただきたいと思っているんですけれども、会議の進め方の話なんですが、ロードマップを今修正されようとしているわけですね。そのパブリックコメントとか委員さんの意見を受けて今修正しつつあるこの最初のバージョンが今日出てきたんだと思うんですが、先ほど藤野さんがおっしゃっているように、かなり多くのさまざまな意見が出てきているわけなんですが、今回変わりましたよというのは、原子力発電とか大きいところだけが変えて試算された結果だという理解をしております。あと、もっといっぱい細かい意見がいろいろ出てきていますし、この委員会の下のロードマップの検討会でもいろいろ活動されているんだと思いますが、それはまた追って細かい議論はしますよと、今日はその骨子のところだけ見てくださいと、そういう趣旨でこの資料を見ればよろしいんでしょうか。

○西岡委員長 私のほうから。
 まさにおっしゃるとおりです。今のところ、極めて重要で、かつ課題になりそうなところをまずちょっとやってみたということで、これからまだワーキンググループのほうからの意見も踏まえまして、さらに修正を続けていきたいという具合に考えております。
 それでは、続きまして北原説明員ですね。

○北原説明員 北原でございます。藤野先生のご説明、ありがとうございました。
 2点ほど意見を申し上げたい。まずこの推計の見直しですが、3ページにありますように、平成22年度の電力供給計画を踏まえて、原子力発電の新増設基数や設備利用率を見直していただいた点につきまして、一定の評価をさせていただきたいと存じます。
 しかしながら、この供給計画は、至近の電力需要とか、燃料セキュリティ、こういったさまざまな動向を考慮いたしまして、毎年ローリングを行っており、固定されたものではないということにつきまして、十分ご留意いただければと思います。例えば、資料の14ページに、負荷調整についての感度分析ということで記載されておりますが、原子力の構成比を上限50%にするかどうかは別にいたしまして、私ども電力会社は安定供給を最大の使命としておりますので、安定供給上、負荷調整に支障が生じるといったような事態が想定される場合には、先ほど申し上げましたように、供給計画の見直しもあり得るということで考えております。
 なお、負荷調整につきまして、いわゆるスマートグリッドに期待するところが非常に大きいと感じるわけですが、安定供給の前提となります負荷調整、こういった大きな役割、これはまだ実証試験が行われる前の段階のスマートグリッドにすべて担わせるというのは、ややちょっと荷が重いという気がしております。
 それからもう一点、大野説明員からもありましたが、今回見直していただいた点に加えて幾つかご配慮いただければと思うのが、例えば18ページの太陽光発電の導入量、あるいは住宅における断熱性基準の向上といったものですが、今までのヒアリングやパブリックコメントにおきまして、追加的な費用あるいは技術的なレベルの問題等で、その実現可能性について疑問視をするという意見が結構たくさん出されていたと認識している。今回この点が反映されていないということで、これらの意見を踏まえた見直しにつきましてもご配慮いただければと思います。
 以上でございます。

○西岡委員長 今のところで、これまで藤野委員のほうでなさったことについてのお答えをいただければと思います。

○藤野委員 わかりました。
 お二人のお答えにもなるんですけれども、今まさにワーキンググループも、このご意見いただいてそれぞれでも動いている状況で、例えば太陽光だったりとか住宅の断熱の推移についてもワーキンググループの専門家のほうでもんでいるところで、そういう意味で、まだ途中経過であるというところについて、ちょっと十分に、これ伏せて、資料の中で表れていないというところについてはお詫びします。
 ただ、そこで専門家の方のレビューを受けて、その結果をモデル分析のほうに再度入れていって、よりリアリティーの高まる試算のほうに持っていきたいというふうに考えております。

○西岡委員長 それでは、ほかの委員の方。
 伴委員、お願いします。

○伴委員 この数値に関しては、最近ちょっと家計の調査をやっていて少し気になったところがあって、先ほど世帯数の増加という形でおっしゃったんですが、結局のところ、単身者の増加ですよね、先ほど指摘されたように。それが結構あったときに、世帯数という指標がいいのかどうかという問題があります。
 単身者の増加は高齢者の増加だと思っていたんですけれども、確かにその部分があるのですが、最近2,000世帯について東京近辺の調査をしたんですが、結構若い人、つまり結婚せずに単身という方も結構います。そういう方々は、いわゆる集合住宅、ワンルームとかに住んでいらっしゃるんですが、そういうのがあるので、やはり世帯数というだけではなくて、高齢者、それから若年者も含めてどういう世帯構成になっているかということをもう少し細かく出したほうが適切ではないかと思います。それと同時にやっているのは電力の需要を事細かくチェックしていまして、世帯数の内容によって電力需要も結構変わるということがだんだんわかってきましたので、やはりその点の視点が要るかなと思います。
 あと、私どもの分析の不足だと思うんですが、村上委員は住宅関係のご専門なんですが、住宅の断熱をしているかどうかです。ここではよく二重サッシとか複層ガラスとか、それから断熱材とか、そういう話をしているのですが、それがあるかどうかでは、エネルギー需要にほとんど影響が出てこない。恐らくほかの変数に影響を受けているのかもしれないのですが、意外とエネルギーという、電力需要とかガス需要という2つの観点から見ると、住宅断熱はあまり効果がなかったです。
 ただ、住宅断熱は、この4、5年についてはかなり高い比率、半分以上がもうそういうものを装置していますので、そういう点では皆さん一生懸命やっていると思います。ただ具体的に、ビンテージを含めてちょっと見たときには意外と少なかったかです。これは東京という首都圏の数字なので少し問題かと思うので、そういう意味では冬場に北海道とか寒いところをちょっとやってみようと思っています。
 コメントというよりも、ちょっと私の最近の経験からの発言です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 冨田委員、お願いします。

○冨田委員 ありがとうございます。
 今回、3月に公表されたものからどういうところの見直しをしたかということを中心にご説明いただいたわけですが、3月に公表されたもの自体についてあまり議論がされていなかったように思いますので、そちらについてもちょっと聞きたいところがございます。
 まず1つは、この2ページ目のところで、見直しを行った項目として4点挙げられているわけですけれども、多くの意見の中からなぜこの4点に絞られたかということについて、何か理由がありましたら教えていただければと思います。
 それから、その4点の中の2点目の天然ガスの転換のところですが、見直す前はどういうふうに考えられていたかというところは特になくて、見直し後のことが書かれていると。それから同じように、燃料電池のところについても明示的に書いて、高効率給湯器の中の内数だったものを明示的に書きましたということで、特にガスに関係があるからお聞きしたいということよりも、こういうふうに変えたことによって何がその後シミュレーションで結果が変わってくるのかというところがよくわからないものですので、ちょっとお聞きしたいと思います。
 それからもう一つは、25%の中の、真水の部分を25にするか、20にするか、15にするかというところで、いろんな技術について、普及度とか、そういうのが書かれているわけですけれども、どういう基準でこの技術についてはここまでやる、15のときはここまでで、20のときはここまで、25のときにはこうだというところについて、ちょっとカテゴリーを教えていただきたいと思います。15%が仮に背伸びをして到達できるレベルだとすれば、20%というのは踏み台が多分必要なんだろうと、25%だと多分はしごが必要かもしれないというようなことが、大体それぞれの技術についてそろえるというような考え方があるのかどうか。
 例えば、物によってなんですけれども、18ページのところに太陽光パネルのことが書かれていますけれども、15%、20%で1,620、多分この20%のは、数字が1,640になっているのは間違いじゃないかなと思いますが、15と20でほとんど変わらないと、25だけ大きく増やしていると。別の技術についてはそういう傾向が必ずしもあるわけではないと。何らかのカテゴリーがあって、クライテリアがあって、そういう前提を置かれているんだろうと思いますけれども、そこのところを教えていただければと思います。
 それから、最後ですけれども、一次エネルギーに占める再生可能エネルギーの比率です。基本法案の中には10%という数字があったと思いますが、そのときには、25%なのか、20%なのか、15%なのか、そこは特に関係なくて10%という目標数値があったと思います。基本法案自体が今廃案になっているところですので、あまりそれをリファーするのは適当じゃないのかもしれませんけれども、資料の中で35ページのところで、再生可能エネルギー導入量ということで、一次エネルギー消費量に占める割合がどのケースにおいても10%を超えていると。10、11、12というふうになっているということがある一方、資料の26ページのほうには、一次エネルギー供給量の推移の中で、「新エネ等」と書かれているのが恐らく再生可能エネルギーに相当するんだろうと思いますけれども、ここだと10%にいっていないですよね。これの差は何なんだろうかというところ、ちょっと細かいですけれども、教えていただければと思います。
 以上です。

○西岡委員長 まだ村上委員の質問があるかと思いますが、ちょっと長くなっていますので、藤野委員のほうでお答えください。

○藤野委員 ありがとうございます。すみません、ちょっと資料のほうがまだ完全に整備できていなくて、比較するところとか、適切に示せていないところがあります。
 まず最初のご質問で、なぜこの4点なのかなんですけれども、非常にたくさんのご意見いただいて、1つは、まだ各ワーキンググループで精査が進んでいないところとか、今まさに精査していただいているところとかあって、その中で、こちらのほうの裁量で数字が比較的見直せるものから順番にこの4つをやったということです。
 それからあと、天然ガスのほうの産業部門における天然ガス転換の数字ですけれども、ちょっとすみません、今手元に以前の数字がすぐないので、確認次第お答えします。
 あと、燃料電池の台数につきましても、ちょっと手元のほうに今、前の数字がありませんが、前のときはそれほど数字を積んでいなかったので、今回、具体的なエネルギー基本計画等の目標を踏まえて修正をしたということです。
 あと、それぞれの15%、20%、25%における進展の違いにつきましては、ちょっとこの資料だけでは読み取れないところがあるかもしれませんけれども、政策の度合いの違いをそれぞれの項目でやっています。必ずしも部門ごとでそれが横断的に統一できているかどうかというところはあるんですけれども、実はその度合いについて今、各ワーキンググループで揉んでいただいているところで、そこでエネルギー供給ワーキンググループだったりとか、住宅建築物ワーキンググループだったりとか、地域づくりワーキンググループだったりとか、そういったところで政策の強度と数字の実現性というものについて精査していただいているところです。
 そしてあと、すみません、最後の一次エネルギーにおける再生可能エネルギーの量のところなんです。ちょっと今ほかの質問をメモっているところで正確に聞き取れていないんですが、数字が違う……

○西岡委員長 今の点につきましては事務局のほうで把握している。

○藤野委員 ああ、そうですか。

○地球温暖化対策課長 26ページのこの表の件でございますけれども、水力、新エネ等、この「新エネ等」は水力が入っていない。逆に、炉頂圧発電とか要するに再生可能エネルギーに入らないものも入っているということで、ちょっとこの定義上、単純にこれは足せませんので、要はそういうことでちょっと数字が合っていないということでございます。

○西岡委員長 まだ精査できていないところはあったかと思います。後ほどまたわかるところは書面でご返答をいただきたいと思います。
 村上委員、お願いします。

○村上委員 先ほどから世帯数のことが出ていましたので、一言コメントを申し上げます。
 住宅設備ワーキングでも非常に問題になっておりまして、いわゆる標準世帯、4人家族で収入があって、そういう世帯がどんどん減って、無職世帯が今後非常に増えていくだろうと。そうなると、貯蓄はどんどんこれ食いつぶす世帯でございますから、当然エネルギー消費も非常に減るということで、これ、僕は、産業構造全体にも非常に大きな影響を及ぼしますから、無職世帯の増加、これは多分2030年ごろに4割ぐらいになるんじゃないかというようなことで予測もございまして、少しご検討いただければありがたいと思います。
 それから、先ほど伴先生から、ちょっと細かいところはわからなかったんですけれども、断熱機密とエネルギー消費はあまり関連がないというご指摘かと思いますけれども、大いにあり得ることでございまして、関東以西というのは非常に暖かいですから、実は暖房需要というのは全体の2割5分を切っているぐらいでございまして、住まい方の影響のほうがはるかに多うございますから、そうきれいな相関は出てこないと思います、北海道のようなですね。
 それからもう一つ、今回4つの項目に高効率給湯器、あれを入れていただいたのはありがとうございました。一番気になったところでございまして、現在、住宅断熱でも鋭意詰めて、また検討したい、していただきたい点をお願い申し上げますが、やっぱり一番問題は既存住宅とか既存建築の改修でございまして、これはなかなか行政手段で非常にやりにくいところでございまして、今の見積もりは相当大きいだろうというふうな検討をしているところでございます。
 以上でございます。

○西岡委員長 伴委員。

○伴委員 その点に対して、私も改築するかどうかと聞くと非常に少ないですね。だから、屋井委員が前もおっしゃったけれども、やはりそういう人たちを行動させるには大きな努力をしなきゃいけないというのは私も感じています。

○西岡委員長 藤野委員、何かございますか、回答。

○藤野委員 いや、ご指摘のとおりというか、鋭意反映させていただきたいと思います。

○西岡委員長 どうもありがとうございます。
 じゃ、牛久保委員、お願いします。

○西岡委員長 藤野委員、何かございますか、回答。

○藤野委員 いや、ご指摘のとおりというか、鋭意反映させていただきたいと思います。

○西岡委員長 どうもありがとうございます。
 じゃ、牛久保委員、お願いします。

○牛久保委員 恐れ入ります、7ページの活動量の想定のところで、農業関連と、それから廃棄物についてです。今、世帯数の議論がございましたように、その世帯の構成状況がどういうふうになっているかということで、世帯数は増えているような状況もあります。その中で一つ、農業なんですけれども、ここでは2020年に耕作農地作付面積が非常に増えて、30年にまた極端に減るとか、それから廃棄物量が極端に減っているような状況といういわゆるそこら辺の数字の上がり下がりしている状況をというのをどのように理解したらいいか、ちょっとそこら辺のについてのお考えがあったらお聞かせいただければ幸いです。

○西岡委員長 藤野委員、いかがですか。

○藤野委員 ちょっとこれ確認して後でお答えしますが、廃棄物の一般廃棄物の発生量につきましては、農業はそれぞれ農業のワーキンググループで検討していただいた数字をあまり確かめずに入れてしまっていますので、ちょっとその原典のほうを当たって、すみません、また書面等でお答えできればと思います。

○西岡委員長 それでは、どうもありがとうございました。
 一通り……大野説明員、何かありますか。

○大野説明員 もう一つ聞かせてください。
 先ほど、今日のレポートの位置づけは教えていただいたんですが、もう一つ、今日初めてマイナス15%、マイナス20%、マイナス25%と、その内訳が出てきたのも今日初めてだと思うんですけれども、先ほどからずっとめくってみますと、すべての対策が同じように深掘りされているのではなくて、その3ケースで全く同じ対策もありますし、15から20へいくときにぽっと下がって、20から25、変わらないのもありますし、何となくじゃなくて恣意的にあるポリシーを持ってやっぱりやられているんだろうと思うんですけれども、一生懸命めくってみると何となくわかることはわかるんですが、どういう考え方でマイナス15、マイナス20、マイナス25を分けていらっしゃるかという、もうちょっとご説明いただくとわかりやすいんじゃないかと思うんですが。

○藤野委員 どうもありがとうございます。説明……

○西岡委員長 冨田委員からもそういう話がありましたですね。

○藤野委員 はい、ありました。
 1つは、実は小沢試案については確かに25%しか出しておりませんが、3月26日に我々AIMプロジェクトチームで出したものについては、15%、20%、25%は明記しておりました。
 それぞれのケースででこぼこがあるのではないかというところについては、それぞれにおいてその政策強度を考えたときに、そのレベルで難しさだったりとか易しさだったりとかということで判断して検討しておるので、どちらかというと、それぞれの項目の難易度に応じて、あと削減率でやるべきことというところで検討して、その結果を各ワーキンググループでさらに、本当にそれができるんだろうかという情報をつくるための作業というものを行ってきています。
 いずれにしましても、これ、試算で、再計算、暫定版と、いっぱい断り方が書いてあるんですけれども、ワーキンググループの成果もまた見直し版が出てきますので、それを受けて、よりわかりやすい資料にブラッシュアップしたいと思っています。

○西岡委員長 もう少し統一的な基準でもって、どこまで15%だったら技術的に入るというような指標が明快にあるという話じゃないということをおっしゃっているんですか、今。

○藤野委員 そういう意味ですと、本当にそれぞれの太陽光発電だったりとか、または住宅の話だったりとか、それぞれの項目で難易度がやっぱり違いますので、それに合わせて15%を達成するときに、結局15%の数字というのは、やりやすいものからやって何とか15%を達成できるかという、コスト試算のほうも含めながら計算していますけれども、そのときに、場合によっては20%までをやるときに、さらに次の追加ケースを計算したときに、例えば中小水力ならばその後さらに上積みできる可能性があるとか、そういうようなクライテリアでやっておりますので、場合によってはその後ずっと、地熱発電のように15%まではいけて、その後、ポテンシャルが、さらに深掘りしようとすると難しいので、その後20%、25%も同じケースで進む。一方で、その中小水力のように、さらにコストをかけていけばもうちょっと大きな量があり得るものについては、20、25というふうに進めば進むほど深掘りするとか、そういうような考え方でやっておりますので、確かに見たところ、場合によってはずっとフラットになっていたり、15から20のところで急に数字が上がったりとかいうところはありますけれども、それはそれぞれのケースでのその次の段階に行ける難易度を総合的に判断してやっておるものなので、もうちょっとうまく表現したほうがいいかなと反省しています。

○西岡委員長 基本的にその3つのケースでコストが違ってくるわけだから、やっぱり安いほうから入れていくというのが多分あって、それから個別の技術に対しては非常に階段的に動くものがありますから、それをエキスパートジャッジメントできちんと取り入れて多分入れているんじゃないかと、そういう説明で、まあまあ80%大丈夫。

○藤野委員 はい、いいです。
 あと、すべて削減ポテンシャルのところとか、その難易度のところとか、コストだけでも決まらないところももちろんありますので、そういう意味で、各ワーキンググループでその難易度を揉んでいただいていて、その実現可能性を検討していただくということは非常に重要です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、先ほどのまだ残りのところにつきましては、また書面でご回答願いたいと思います。
 事務局のほうから特にないですか。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。次が温室効果ガス排出削減・吸収に係る国際的クレジット・メカニズムについてということでございます。
 この背景は皆さんおわかりと思いますけれども、結局、真水をどうするかというときに、外国の状況はどうなっているのかということを今後また検討していかなきゃいけないということがございまして、本日のところは、こういう状況が今国際的に見られるというご説明をいただきたいと思っております。
 それじゃ、戸田室長、お願いします。

○市場メカニズム室長 では、市場メカニズム室でございますけれども、資料2に基づきまして、クレジット・メカニズムの状況、現況についてご説明をしたいと思います。
 西岡先生のほうからご説明がありましたとおり、25%のうち、国内真水として15、20、25というふうな議論がございました。それ以外の国外の分をどう考えるかということに当たって現状を取りまとめたものでございます。現在の京都議定書目標達成計画では1.6%が京都クレジットということでありますけれども、この中期目標においては、その京都クレジットだけというわけにはなかなかいかないのではないかということもございまして、現在の京都メカニズムの現状、今後とそれ以外の新たなメカニズムについて、このようなものが議論されているということについてまとめたものでございます。当省としても情報収集を始めたばかりですので、あまりまとまった資料にはなっていないかもしれませんけれども、現状ということでご容赦いただきたいと思います。
 まず、めくっていただきまして2ページに、京都メカニズムについてと、言わずもがなのことでございますけれども、CDMの説明を書いてございます。CDMといいますのは、先進国と途上国が共同で事業を実施すると、先進国の資金・技術によって途上国でなされた削減を、これをCERというクレジットの形にして先進国に移転ができると、先進国がその目標達成に使えるようにするというものでございまして、3ページにどのようなメカニズムで目標達成に使えるかということが書いてございますけれども、国別登録簿、日本の国別登録簿というのがございまして、これを矢印で下のほうに引っ張っていますけれども、この国別登録簿の中に国の口座、ここに国が買ってきた、調達をしたクレジットというものがある。この棒グラフでは[3]番になりますけれども、それ以外に民間の法人が調達をしたCERというのも国の口座に移転をして、これを全部我が国に割り当てられた初期割当量、90年レベルの6%減で94%でございますけれども、これを足し上げて、その全体の排出枠と我が国の排出量を比べて我が国のほうが多ければ達成、このように評価をされるということでございます。
 現在のCDMの現状として、4ページに2,211件、また18億2,000万トンというのが書いてありますけれども、これはあくまでも計画書記載のベースでありますので、5ページをめくっていただきますとそのCDMの需給予測というのがございます。右のほうにCDMの供給見込みとして10億3,000万トンということで、恐らく計画書よりも半分ぐらいのデリバリーしかないのではないかというふうなことが言われているという状況でございます。
 このCDMの登録に至るまでには多段階の審査が必要ということでありまして、まずCDMのプロジェクト計画書というものを作成して、これを両政府が承認すると。さらに、その有効化審査ということで、ここでそのCDMの事業が有効なものかどうかということが審査される。バリデーションと言っておりますけれども、ここで実際の削減につながるか、環境十全性、エンバイロンメンタル・インテグリティーの観点からの審査、またその追加性ということで、このCDMによる収入がなければ実現できなかった事業が、例えば省エネプロジェクトであれば、その省エネで燃料代が浮くということで、CDMがなくてもこれは進んだんじゃないかという場合には、これは追加性がないというふうに判断をされるということがございます。こういう審査を経まして、さらにその登録をされた後、削減量のモニタリングをして実際のクレジットが発生する、このような手続で進んでいるということでございます。
 その現状でございますけれども、7ページにその一つの課題があります。省エネ案件が少ないということでありまして、プロジェクトの件数とその削減量でどのような構成になっているかというグラフがございますけれども、大枠で囲ったのが省エネのプロジェクトでございます。非常に省エネというのはポテンシャルが高いにも関わらず、比率としてはかなり少なくなっているということでございます。
 また、8ページにございますけれども、非常に長時間かかるということで、バリデーションの審査が開始されてから初めてCERが発行されるまでに2.5年の歳月がかかっているという状況にあるということであります。
 9ページに、その地域の偏在性、また、ある特定の国への集中ということが書いてありますけれども、経済活動の大きい国に集中していることで、GDPとCERの登録量の散布図をつくっております。右上のほうに固まっているという状況にあります。また、民間投資が大きい国に集中していると。
 11ページ、これはそれの裏返しになりますけれども、ODAに依存しない国に集中している。要は、アシスタンス、支援が必要な国に役立つような仕組みになっていないんじゃないかというふうな課題が指摘されております。
 12ページに技術移転の話が書いてあります。CDMというのは先進国の技術と資金で削減を実現するということですけれども、この技術移転というのがどういうふうになされているかということを条約事務局自身が分析したレポートがあります。ここにありますのは、その技術移転のあった事業の割合が全体の36%であるということで、この技術がどこの国に由来しているのかということを調べますと、下の表になりますけれども、合計のところを見ていただきますと、我が国の技術によるものが比較的多いという状況にあります。また、我が国が取得したCDMについては日本の技術が使われている割合が一定程度高いということで、我が国については、その辺、比較的一致をしているということですけれども、一般論として技術移転がなかなか進んでいないというふうな現状がございます。
 14ページ以降、現行CDMの課題ということで、一部ご説明しましたけれども、幾つかまとめてございます。
 15ページが総括表でございまして、手続の煩雑さ、また削減・吸収効果の高いプロジェクトが必ずしも簡単に実施できない状況にあると、地域的な偏在性があるということであります。
 まず、手続の煩雑さでございますけれども、登録が却下されたり、または差し戻しをされるというふうな案件が多くなっている。このグラフを見ていただきますと、色で言いますと緑が風力発電、赤が省エネ、エネルギーの再利用、青が水力発電ということになっていますけれども、こういったものについて非常に却下または差し戻しというのが多くなっているということであります。
 18ページを見ていただきますと、COの削減よりはHFCのハイドロフルオロカーボンでありますとか、N2Oでありますとか、メタンでありますとか、こういうものが実際の排出量の比に比べてかなり高くなっているというような状況がございます。
 次の19ページに、ポテンシャルが高い事業が必ずしも実施されない状況にあるということをご説明したものですけれども、例えば製品普及型CDM、省エネ製品でありますとか、または再生可能エネルギーの利用のための製品の普及といったようなものが我が国の得意とするところであろうかと思いますけれども、こういうCDMを実施しようと思っても、例えばエンジンの交換プロジェクトということで、プログラムCDM、つまり非常にたくさんの関係者がいて、そういった関係者にエンジンの交換を進めてもらうことによって、それを足し合わせてクレジットにするというような仕組みがあるわけですけれども、これを一々エンジンを交換した自動車における走行時間を計測するということが求められるということになりまして、これではなかなかこれを実施できないということで、このプロジェクトは申請に至っていないというような状況でございます。その他、我が国のフィージビリティースタディーでいろんな試みをやっておりますけれども、なかなか申請に至るのが難しいような状況にあるということを紹介しております。
 21ページにコベネフィット型CDMと温室効果ガスの削減とその他環境対策、公害でありますとか廃棄物対策でありますとか、こういったものを両方便益を実現するという事業を我が国としては力を入れてやっておりますけれども、例えば閉鎖された廃棄物処分場のメタンガス排出削減に伴う環境改善事業というのにつきましては、例えば風力発電でありますとか水力発電でありますとか、そういうどちらかというと単純な、これだけの発電をしたからその分クレジットにできるというものに比べてモニタリングなどが非常に難しいということで、モニタリングの方法論も却下をされたりしておりまして、難航しているというような状況にあるということでございます。
 23ページに、バイオ燃料関連のCDMということで、ジャトロファなどを利用したバイオ燃料関連の事業を実施しようと思っても、例えばそのバイオ燃料が先進国に輸出される場合には、これはその先進国における削減ということでカウントされてしまいますので、それを除いたりしなければいけないということになると、バイオ燃料をどういうふうに使ったのかということをモニタリングしなければいけないということで、これがなかなか手続が煩雑になってくるというような状況にあります。
 25ページに、吸収源、森林の整備によるCDMというのがありますけれども、これはまず1つには、新規植林、再植林というものに限られていて、森林経営というものが対象に含まれていないという問題と、あとはその植林によって一時的にはCOが吸収されても、それが将来伐採されると排出ということになりますので、森林のCDMによるCERというのは期限つきのものになっている。例えば20年、30年後には別のCERで補てんをしなければいけないということになっておりますので、これは非常に使いづらいというふうな状況にある、このような課題があるということでございます。
 こういった課題を受けまして、27ページ以降、国際的な議論の動向ということで、CDMの改善に向けた取組が既に一部始まっております。例えばCDMの理事会の活動の透明性、一貫性、公平性。例えば、却下したり、または差し戻しということをする場合には、その理由をちゃんと明らかにするというようなことはもう既に始まっているということであります。また、先ほど申し上げましたが、追加性を立証するということについても、理由が必ずしも示されずに追加性がないということで却下されるような例が多かったわけですけれども、これにつきましては明文のガイドラインをつくったり、また簡易な手法の開発がされたりしているというような状況にございます。
 29ページにプロジェクト種類の拡大ということで、少なくともCCS、二酸化炭素の貯留に関してはその検討は始まっていると。ただし、原子力につきましては活用しないというふうなCOP決定がまだ生きておりますので、原子力については始まっておりませんけれども、CCSについて検討が始まっているというふうな状況にございます。また、CDMの関連手続を、煩雑な手続をできるだけ能率の高いものにしようということ、また地域偏在ということで、件数の少ない国に対する支援といったようなものも行われてきているということでございます。このような現状にあるということであります。
 31ページ以降は、現在の枠組み条約の中の京都議定書に基づくCDMに限らず、さらに次期の枠組みの中で提案されているものを書いてございます。
 まず1つ目として、NAMAsのクレジットというのがある。NAMAsといいますのは、Nationally Appropriate Mitigation Actionsということで、国内の適切な削減行動、こういったものによってクレジットを発生させようというふうなアイデアが出されておりますけれども、現在のところ要望だけが提案されているにすぎない状況でございまして、どのような仕組みになるのか、国際的に合意される制度を構築できるのかということはまだ未知数であるということであります。
 次に、セクター別クレジットメカニズムというのがございます。これは欧州が提案しているものでございますけれども、途上国のあるセクター、例えば製鉄でありますとかセメントでありますとか、そういった業種におきまして、ある一つの国の製鉄業全体について、まず対策なしの場合のBAUの予測をしてみて、それよりもある程度低いところ、努力をすれば成し遂げられるところにベースラインを置きまして、そのベースラインよりもさらに削減された場合に、国全体として、国のその業界全体としてクレジットを交付しようと、国に対して交付しようという、そういう提案でございます。これにつきましては、CDMのようにプロジェクトベースのものではありませんので、下の課題にありますように、民間企業へのインセンティブをどのように付与するのかということが課題になってくるかなというようなことが挙げられておるところであります。
 次に、条約の場ではありませんけれども、33ページに米国の法案、先行きはちょっと不透明な状況になっておりますけれども、現在、下院で昨年通りましたワックスマン・マーキー法案、また上院に提出されたケリー・ボクサー法案、ケリー・リーバーマン法案においては、国際クレジットの活用ということで、米国は京都議定書を批准しておりませんので、京都議定書から離れたものとして3つのクレジット種類が提案されております。
 1つは、EPA、環境保護庁長官が指定する途上国のセクター別のクレジットをEPA長官が指定するというものであります。
 次に2番目といたしまして、京都議定書またはそれを引き継ぐ国際的な枠組みに基づくクレジット、CERのようなものについては、EPA長官が認める場合には活用可能ということにしようと。
 次にREDD、これは森林減少・劣化に伴う排出の削減ということでREDD、「REDD+」のその「+」というのは、植林でありますとか森林管理、保護区のという、そういったものが「+」ということで「REDD+」ということが言われていますけれども、こういった森林関係のクレジットについても活用するというふうなことが法案に書かれておりまして、その詳細に説明したものが34ページと35ページにそれぞれ説明しておりますが、ちょっと時間の関係でここは割愛させていただきます。
 今後のクレジット・メカニズムということで、これはまだ情報収集を始めたばかりの段階でありますけれども、政策文書の中でどういうふうに書かれているかということで「鳩山イニシアティブ」の中では、現行の柔軟性メカニズムの改善、CDMなどの改善を行う必要がある。同時に、日本が世界に誇るクリーンな技術や製品、インフラ、生産設備などの提供を行った企業の貢献が適切に評価されるようなもの、二国間、多国間を含むさまざまな枠組みを通じてこういったもののクレジット化を図るんだというようなことが書いてあるところでございまして、こういったものを受けて基本法案の第29条にも同様の規定を置いているということであります。
 こういった新たなメカニズムをつくり上げていく上での課題として、40ページに幾つか、我々として課題というのはポイントが、どんなものがあるかということを考えてみたものがありますけれども、環境十全性及び追加性の壁をどう乗り越えるか。つまり、先ほど追加性といったものについては、これを重視し過ぎると省エネプロジェクトなどがなかなか含まれないということがありますので、どちらかというと環境十全性に重点をシフトしていって、排出削減効果に着目していくということが必要ではないかということになります。また、MRVCE、これはモニタリング・報告・検証を遵守していこうと、そういったものですけれども、こういったものの体制をしっかり確保する必要があるということ。我が国の削減目標の海外達成分の担当機関として、ODAまたはその他公的資金との連携といったようなものを進めていく必要があろうと。さらに、中国、東アジアにおけるプロジェクトをどのようにカウントしていくかというふうなその地域的な配慮というものがあるだろうということで、今後検討していく必要があるというふうに考えているところであります。
 42ページに、そういった中で環境省として何をしているかということを、既存の取組をまとめてございますけれども、CDMのフィージビリティースタディーの中で、CDMに限らず、新たなクレジットのメカニズムにつながる案件についても積極的な計画書の策定といったようなものを事業者に支援しているというところがございます。または情報提供の事業、また途上国における人材育成事業においても、新クレジットに重点を置いた展開をしてきているというような状況でございます。
 ちょっと現状だけの報告になりましたけれども、その資料の説明としては以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 日本で頑張ることは当然ですけれども、これからは世界全体で2050年に50%減らしていくというような方向も示されておったりしますので、海外でどれだけいいメカニズムができるか、日本はお金を出すということも言っていますけれども、それをいかに有効に使えるかといったこと、今後いろいろと取組あるいはメカニズムをつくっていくかということについて検討することは、非常によいと思います。今のような状況がございまして、こういうことをもう少し詰めていきながら、いわゆる真水分と国内・国外での協力分といったものを考えていく必要があるのかと思っております。
 委員の方々のご意見、ご質問がありましたらどうぞ。
 それじゃ、伴委員、お願いします。

○伴委員 今の京都メカニズムのCDMというのは全く使いづらいシステムであって、その点では、前から時々申しましたけれども、それとは全く別個の観点で、日本の国益とは言いませんが、それを重視した形でぜひ政府としてはやってほしいというのが率直な気持ちです。
 ただ、経済学の立場から言うと、結局、クレジットをどういう形で認証するかというのを個別案件ごとに手間暇かけてやってモニタリングするというのは、非常に無駄でして、経済学の場合には、市場メカニズム、すなわちプライスメカニズムをどういう形で働かせていくかというのが一番重要なところか思っています。そういう点では、例えば共通の炭素税とか、そういうものを国際的なところで徴収するとか、そういう持っていかないと、個別案件ごとに今みたいな形でやるとしたら、結局はそれをコントロールするところで暗礁に乗り上げて、なかなかうまくいかないんじゃないかなと思っています。
 もう一つは、アメリカがやろうとしていますけれども、二国間でやるということです。国際間の枠組みなんか全く考えずにやるというもの一つのやり方であって、その辺のところの見極めが政府としては要るのではないかと思います。
 私は、国連の非効率的なやり方ではなかなかうまくいかないわけで、二国間でどんどんやるというやり方のほうがいいんではないかなという具合に思っています。
 それと、先ほどからODAの話が出ていますが、アジアは中国を含めてODAの対象国から外れています。そうした場合に、国際的な枠組みではなくて、アメリカ型のような二国間の枠組みを構築していく方向にもう少し足を踏み出さないと、議論だけしてなかなか進まずに、企業もどうしていいかわからなくなる。そういうところが少し懸念されますので、国際的なやり方でやると同時に、やっぱり二国間でやる枠組みも考えるという形での動きが要るのではないかと思います。

○西岡委員長 大塚委員。

○大塚委員 この方向性で私も賛成で、非常にいいと思いますが、特にREDDが、世界の現在の温暖化に対する企業のかなりの部分を森林が占めていますので、REDDの重要性というのは幾ら指摘しても指摘し過ぎることはないぐらいの重要性が恐らくあるだろうと思います。
 あと、伴委員がおっしゃったように、これからどういうふうに国際的な仕組みがつくられていくかわからないところがありますけれども、二国間の協定というのは日本も積極的に進めていっていただくとよろしいかと思います。
 あと、1つ質問ですけれども、この環境十全性に重点をシフトというのが40ページにございますけれども、これは例えば再生可能エネルギーに変えたときには、もうそれで直ちに何かのクレジットを出すというような、例えばそういう考え方に恐らくなっていくと思うんですが、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
 もう一点、ちょっと個人的な意見として申し上げておきたいのは、現在のCDMでどういうふうになっているかということは若干気になっているんですけれども、CDMで若干追加性があったとして、それに関してクレジットが発生して、それでホスト国にそのクレジットのお金が行って、そのお金がまた開発に使われると、結局COって本当に減っているのかどうかよくわからないんじゃないかというところが本当は根本的な問題としてはあるんじゃないかと思っていて、あまりこれを強く言うとCDM自体が全然おかしいところになっちゃうので、ちょっと個人的な意見として気にはなっているところなんですけれども、そういう意味で、CDM改革というのはぜひ日本も積極的に進めていっていただきたいと思います。
 以上です。

○西岡委員長 則武委員、お願いします。
 すみません、マイクがあっち行ったりこっち行ったりしちゃって。

○則武委員 今言われたこととほとんど同じですが、すべてが何か費用をかけてそれに対するという形になっているかと思うんですが、技術の無償供与に対してクレジットというようなこともあってもいいのではないかというふうに思うんですけれども、その辺も考える必要があるのではないかなと思います。それ以外は2人が言われた意見とほぼ同じ意見です。

○西岡委員長 赤井委員、お願いします。

○赤井委員 ありがとうございます。
 皆様のご意見、基本的に賛成で、ここの最後のまとめのほうの課題というかご提案にも賛成なんですけれども、そのときに「鳩山イニシアティブ」のところにあるように、いろんなことをやる必要がある、やる必要があると、積極的に検討すると書いてあるんですけれども、誰が何年間責任を持ってどのようにやるのかという、そこが一番問題じゃないかなという気がします。
 こういった国際交渉事というのは、非常に人間、属人的な面があるので、2年、3年で担当がころころかわってはコミュニケーションもなかなかうまくいかずに、やはりお役所の方々が前面に出られることになるとは思うんですけれども、そういったところにプロフェッショナルとして、ある程度のコミュニケーションも円滑に、それはもう人間関係という意味でのコミュニケーションですけれども、それが円滑にいくようなベースを持った方が戦略的に動かないと、なかなかこういうことを国際的にリードしていくのは難しいので、ぜひそういった根本的なところにもご配慮いただければというふうに思っています。
 それから、非常に細かいところなんですけれども、29ページにCCSのCDMのあれがありますけれども、確かに私も今の現行CDMをちょっとぶっつぶしたいということもあって、CCSのCDMで世界の議論に火をつけた仕掛けをつくった一人なんですけれども、ここで私も、COP/MOP5ですか、そこのレゾリューションを見ていてちょっと気になったのは、ここに書いてある「漏出やリーケージによる損害への補償」というところで、ここのリーケージがいわゆる漏れと同じような意味で使われているか。CDMで言うリーケージとまた違う使い方をされているので、ちょっとこの辺が非常に用語として混同されるなと。もともとCDMの世界ではリーケージはバウンダリーの外での、例えばCCSで言うと、EORみたいなことをやって、石油が増産されたらそっちから出てくるんでという、先ほど大塚先生の議論にも若干あった、ほかで出てくるんじゃないかといった、そういったものをリーケージと言っていたのが、ここではまた、何か貯留槽からの漏れを言っているようなふうにもとれるので、この辺り、ちょっと私もレゾリューションを読んでいて混乱しているので、もし事情などわかりましたら教えていただければと思います。

○西岡委員長 大野説明員、お願いします。

○大野説明員 私は、このCDMの課題について直接的な答えは持っておりませんけれども、やっぱりちょっとベーシックなところで意見を申し上げたいと思います。
 先ほど、モニタリングが大事だという言葉が再三出てまいりまして、これはCDMによってどのぐらいCOが減るかという意味だと思うんですが、そこにいく前に、そもそもというところなんですが、先ほど国環研さんが非常に詳細な、セクターごとに何をやるとCOがどのくらい減るかというプレゼンテーションをしていただいたんですが、こういう解析ができる国というのは非常に極めて少ない先進国だけだと思うんですね。
 発展途上国も、その国で何万トンぐらい出しているかぐらいわかると思うんですが、例えば1つ例を言いますと、運輸部門の例ですと、どのぐらいの車が走っていて、何キロぐらい走っているか、平均燃費がどのくらいなのかとか、それで車が何万トンぐらい出しているか、もうそこからわからないですよね。ですから、こういうレポートが既にもう書きようがない状況でございますね。ですから、CDMによるCO削減量以前の問題で、今、全く現状把握ができていないというのが世界のほとんどの国じゃないかと思う。
 この10年、20年先を見てこういうことを計画しようというときは、やっぱりこういうことで進んでいる日本なんかが、ほかの国にそういう統計整備だとかモニタリング手法なんかでも相当貢献できるのではないかなと。逆に、そういうことが発展途上国でもわかるようになっておいたほうが我々も困らないんじゃないかなという気がいたしますので、かなりベーシックな話でありますが、ちょっとご意見をさせていただきます。

○西岡委員長 それじゃ、北原説明員。

○北原説明員 私もこれまでの先生方の意見とほとんど同じですが、やはり二国間のCDMということも含めまして、地球規模でのCO排出量抑制というものに、国際貢献、それから経済成長という両方の観点でもって、政府及び我々産業界がそれぞれの役割を認識して、協力しながら取り組むということが非常に重要だと思っております。例えば、アジアのお話がありましたが、我々の世界最高水準の熱効率を誇ります石炭火力、こういったものをアジア地域に広げるということが、地球規模での低炭素化、さらには日本のビジネスチャンスという両面から非常に意義のある取り組みなのではないかと考えております。産業界は、これからこういった海外の支援というものにしっかり取り組んでいきたいと思いますので、政府におかれましてもぜひご支援のほどをよろしくお願いしたいと思います。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それじゃ、戸田室長のほうで。

○市場メカニズム室長 ちょっと幾つかのご質問がありましたので、わかる範囲でお答えさせていただきますけれども、まず大塚委員のほうから、追加性、環境十全性にシフトするというのはどういうことかということで、おっしゃるとおり、追加性については、そんなに厳密にといいますか、現在ほどのような厳しさで見る必要はないんじゃないかというようなことでございまして、そうはいっても、もちろんそのベースラインをどこに置くかということでは、ちゃんとしっかりした考え方を持たなければいけないということで、簡単にBAUをベースラインとするだけでは、先生がおっしゃるように、結局、削減にならないのじゃないかということがありますので、あくまでも環境十全性というのは削減効果というものに着目するんだと。どうせ省エネで儲かるからこれはクレジットにしなくていいんじゃないかというふうなことを言っていると、省エネやエネルギー転換の、再生可能エネルギーのようなものがなかなかカウントされないんじゃないかというふうな、そういう意識でございます。
 あと、CCSにつきまして、確かにちょっと原文、今持ち合わせていないですけれども、普通に言われているリーケージという言葉との混同があるかもしれませんので、この辺はちょっと調べさせていただきたいと思いますけれども、ちょっとここでは正確なお答えは申し上げられませんが、ご容赦いただきたいと思います。
 大野説明員のほうから、モニタリングというものをどこまでやるのかということがございました。これ、確かに国としてのモニタリングと、国の排出量のモニタリングというのも、これも一つの大きなテーマでございまして、これを途上国においてもしっかりできるようにしてもらうということは大きな方向性でございますけれども、その能力が、なかなか体制が整っていない中で、どこまで厳密なモニタリングを求めるのかということについても、これは現実的な対応が必要な問題だというふうに我々としても考えております。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 冨田委員、何かございますか。

○冨田委員 ありがとうございます。すみません、一番最後になってしまって。
 ちょっとずっと資料を読みながら考えていたんですが、そもそもこの京都メカニズムはどうしてできたかというと、京都議定書の目標達成のための柔軟性措置ですか、そういう考え方から出てきたと思うんですね。今回、ポスト京都、2020年に向けたことを考えるときに、その発想の延長でいいのかということに関してちょっと疑問だなというふうに思い始めています。
 すなわち、25%、前提条件つきのものですので、仮に前提条件が満たされたとして25になったときに、それをいかに柔軟的にうまくやるかという観点の話ではなくて、日本が国際的に貢献していくという中でこれをとらえる必要があるのではないか。すなわち、例えばLCAの評価、日本の得意とする物づくりのところを海外にも展開していって、地球規模の削減に貢献するというようなところを戦略的に取り上げて考えるというような視点が必要ではないかなというふうに考えます。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 全般にここの場自身は京都メカニズムを論議するところではないんですけれども、先ほど私が申し上げましたように、当然、今後真水を決定するときにそういうところもしっかりと考えていかなきゃいけないと思います。多分これはよそでちゃんとまた論議していただけるんですかね、そのメカニズムをどうするかという話につきましては。

○市場メカニズム室長 はい、それはまた別途検討の場を設けて、国際交渉とも絡む話ですので。審議会というわけじゃなくて、もう少し専門家の小さな場で検討を始めたいというふうに考えて。

○西岡委員 そうですね、はい。十分検討していただいて、こちらにフィードバックしていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

○大塚委員 1つだけよろしいですか。

○西岡委員長 はい、どうぞ。

○大塚委員 今、冨田委員がおっしゃってくださったこともそのとおりだと思いまして、本当に削減につながるものにしてほしいというのももう一つあるんですよね、その柔軟性のことももちろん重要なんですけれども。
 これはちょっと本当に個人的な意見で、気にしていることなんですけれども、途上国が得たクレジットは何に使ってもいいというのはもう当然の前提に今なっているんですけれども、実は環境のようなものに使ってほしいというのは本当はあると思うんですが、でもそういう話って多分絶対できるような状況ではないというのも私も認識はしていますが、そこを開発に使われると結局COはあまり減らないんじゃないかという気もしていて、その辺の検討って誰か本当に研究していただきたいなという、あるいは実証研究とかってしていただきたいなと前から思っているんですけれども、ちょっと一言だけ申し上げさせていただきました。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 今2ページのほうに「グリーン投資スキーム」と一応は書いてありますけれども、どこまでそれが……

○大塚委員 ええ、先進国はそれをやっているわけですけれども、途上国に同じようなことをやってもらうってなかなか難しいと思うんですよね。だから、一応申し上げただけですけれども、すみません。

○西岡委員長 いやいや、そういうことは非常に気をつけておかなきゃいけないことかと思う。
 よろしゅうございましょうか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。これが、次が3つ目ですけれども、前回、7月15日、中長期ロードマップ小委員会で議題になりました経済影響分析、この議論の概要につきまして私と事務局でまとめたのがございます。
 概要について事務局のほうからお願いしたいと思います。

○地球温暖化対策課長 それでは、資料3をご覧いただきたいと思います。
 1枚めくっていただきまして、検討状況を書いてございますけれども、3月31日に発表した環境大臣試案につきまして、ヒアリング等を通しまして、この経済モデル分析について、やはり専門家を交えた議論をより深めるべきだというようなご意見もたくさんいただきました。そういうことも踏まえまして、前回、7月15日のこの小委員会におきまして、環境大臣試案で4つのモデルを取り上げているわけでございますけれども、それらのモデルに実際携わった専門家の方からご説明をいただいた上で、その議論をしていただきました。また、昨年のタスクフォースを含めて、それ以外の専門家の方にも、いろいろな立場からご参加をいただきまして、議論を深めていただきました。実際、参加いただいた先生方のリストはここにございます。佐和先生については書面で意見を出していただいたということでございます。
 このモデルについてはいろんな論点がたくさんあるわけでございますけれども、限られた時間で、この3ページにございますような3つの一応ねらいというものを置きまして議論をしていただきました。
 1つは、大臣試案で用いた、あるいは紹介した4つのモデルについての構造、前提条件、分析結果について理解を深めていただくと。
 2つ目が、その経済モデル分析が成し得ること、成し得ないこと、そういう限界というようなことについても理解を深めていくということ。
 それから3番目が、今後、経済モデル分析をいずれにしても何らかの形でやっていく必要があるかと思っておりますけれども、その場合の留意すべき点についてご示唆をいただくということでございました。
 この資料、4ページ以降でございますけれども、基本的にはそれぞれの今3つのねらいごとにいただいた主な意見をリストアップしております。この意見の中にはかなり幅広い、必ずしもこのねらいにそのまま結びつくもの以外についても、主なものについては載せてございます。そういうものを踏まえまして、この上の四角で、今回の議論のエッセンスということで少しまとめさせていただきました。これをベースに、次回8月3日の部会で、委員長から部会のほうに報告をいただいてはどうかというふうに考えてございます。
 まず4ページ目、ねらい1についてと。ねらい1というのは大臣試案で紹介したモデルについての理解を深めるということでございますけれども、これについてまとめてございますけれども、税収の温暖化対策への積極的な活用あるいはその適切な施策の導入によってGDPのロスを緩和すると。また、将来を見据えた投資行動や技術革新による効果を、そういう政策的なものを考慮しないと経済にマイナスの影響を及ぼし得ると。逆に、こういうものを考慮するとプラスの影響を及ぼし得ると、そういうことが示されたと。要するに、プラスの結果が出たというのはどういうところから来たのかということについての説明をいただき、議論をしていただいたということでございます。
 個々のモデルについていろんなやはりご指摘、ご質問が多々あったわけでございますけれども、そういうものについては、前提条件やモデルの構造等の一層の明確化に努めることが重要ではないかという意見が出された。
 それから、3月31日の環境大臣試案の公表の際、少しプラスの面が強調され過ぎたのではないかとか、その前提条件について十分な説明がなかったんじゃないかというようなご指摘もございました。研究者の意図がきちんと伝わるように、より細心の注意を払うべきだったという意見が出されたというふうなことかと思っております。
 ちょっと個々の意見のご紹介は割愛させていただきたいと思います。
 それから、6ページ目でございますけれども、ねらい2についてということで、これは経済モデル分析の成し得ること、成し得ないことというようなことでございました。
 まとめとして、経済モデル分析結果は前提条件次第で大きく変わり得るというものでございますので、特定の政策やその前提条件を想定した際のおおよその傾向をつかむということに活用すべきであって、このモデルの結果の数値そのものを過大評価すべきではないといった意見が出されたということでございます。
 また、家計への影響についてのコメントがございました。家計への効果、影響の評価という場合に、よく報道等でされています1世帯当たり幾ら増加・減少というような表現、これは非常にわかりやすいわけでございますけれども、平易にするがゆえに、かえって誤解を与えかねないという指摘もあり、指標や表現ぶりについての困難さが改めて浮き彫りになったと。下のコメントにもございますように、そもそも平均的な家計というものの概念が明らかでないというようなこともあり、その指標については非常に注意して考える必要があるというようなこともございました。
 それから7ページ目、ねらいの3ということで、今後のモデル分析についての留意事項ということでございますけれども、モデルの分析結果が示されると、その数値がひとり歩きする傾向があるというふうなことから、そのモデルの構造や前提条件を十分に理解した上で結果を表示すべきである。また、単一の解ではなくて、定性的あるいは幅を持った形で結果をとらえるということも重要であると。経済モデルの予測能力、そもそも経済モデルというのは予測あるいは予言をすることが目的ではないという指摘も多かったわけでございますけれども、予測能力にかんがみて、それを政策強化に用いる場合には慎重になるべきというような意見が出されたということであります。
 また、これまで十分分析されていない分野として、国際モデルによる分析あるいは温暖化による被害コストを考慮した分析というものが必要ではないかというような提案もなされたということでございます。
 以上のような形で、前回非常に長時間ご意見をいただき、また委員の先生方には必ずしも十分なご質問等の時間がとれなかったことを大変申し訳なく思っておりますけれども、議論の概要を取りまとめました。
 また、参考資料1、2、3ということで、特にここではご紹介いたしません、内容については触れませんけれども、前回の小委員会の中でいろいろ書面での回答を求められたという部分について、大変お忙しい中、伴先生、増井委員、それから日経センターの落合さんのほうに書面での回答をつくっていただきました。これも今日、資料として提出をさせていただいているということでございます。
 以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 本当に前回はなかなか熱心な議論をいただきましてありがとうございました。今のようなことでまとめをいたしましたけれども、委員の方々のほうからご意見、ご質問はございましょうか。
 則武委員、お願いします。

○則武委員 ちょっと私の理解が間違っていたら教えていただきたいと思うんですけれども、基本的にモデルの分析に対しての議論が、前提条件の中の細かい点についていろんな話が出ていたと思います。この6ページとかに若干は書いてあるんですけれども、モデル分析に何が一番影響があるんだろうかというと、これまでのものと今回のものとの違いは、政策をどういうふうにするかというのが経済分析として影響が大きいというところではないかなと思います。
 目標値が経済に影響をどう与えるかというような議論に、マスコミの報道とかがなっているかなと思うんですけれども、例えば25%だからプラスだとかマイナスだとかという形になっていると思うんですが、今回のモデル分析は、前回のものも見させていただいた中で、やっぱり政策をどうするから、経済にどう影響するんだという点が大きいというのが私の理解です。そういう点があまり議論の対象にもなっていなかったようですし、まとめの中でも出ていないように思うんですが、その辺、逆に政策を評価するためにこそモデル分析が重要なんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○西岡委員長 ほかにご意見ございますか。
 なければ、どなたがお答えになる。
 私のほうで答えますと、私も今のお話をお伺いしながら思ったんですけれども、結局、今2つのこととして、目標でどうだという話になって、それは政策とどう結びついていくとはっきりしなかった。これは特に、私の理解では、基本法案の中には政策としては、炭素価格を盛り込むことと、それからフィードインタリフの話が明示されていて、そのほかもろもろ努力するというような話だったと思うんですけれども、そういう面からの検討は、あれは中期目標……タスクフォースのほうではそういう見方での分析があまりなされていなかったんでしょうね、結局ですね。それは、私も政策効果を評価するためにやっているんだということをたしかどこかで言ったと思うんですけれども、その辺が十分反映されていない。確かにそう思いますね。
 伴先生、何かご専門のほうから。

○伴委員 則武委員がおっしゃったのはまさにそのとおりで、ある意味で先を読むということで、問題は、いろんなモデルの試算結果が異なっている一般的にはとらえられたと思うのですが、経済モデルの役割というのは、先の不確実性をどういう形で小さくするかだと思います。目標を明確にすることでみんなが走り出すことができやすくなるわけで、そこをどういう形でモデル化していくかが重要かと思っています。
 だから、モデルを使わなくても、さあ、みんなで一緒にやりましょうというのでいいんですが、問題は、みんなで一緒でやりましょうよと言ったときに、本当にそのとおりになるかどうかをどういうメカニズムで説明するかにかかってくると思うんですね。
 私のモデルとほかのモデルの非常に大きな違いは、ほかのモデルは先を読むということを全く入れない。はっきり言えばそのときしか見ていなくて、先に25%削減という目標がモデルの中には入っていないのです。私の場合は基本的に10年かけて25%削減するという目標を最初から入れて、それに基づいてすべての行動を計算していますので、やはり目標というものがどういう形でモデルの中で取り入れられるかを、はっきりさせる必要があります。
 ところが、いわゆる中期目標検討委員会でも、タスクフォースでも、多分半分ぐらいの方々は、25%削減は無理だという前提で議論を始めているわけですね。つまり削減するのは無理だという主張を裏づけるためにモデル分析されていたんじゃないかと思っています。それが、前回示した限界削減費用がほかの国と比べて異常に高くなるのを例として表したわけですが、何らかの意図というのがあったということは、外野からしか見ていませんが、感じています。
 そういう中で、そうではないものもあり得るし、経済モデルがいつもマイナスになるということも間違っていると思います。また、なぜプラスになるかということを示したつもりですけれども、恐らくそこまでの理解はまだまだされていないと思っています。ただ、何度も言いますけれども、経済モデルというのはいろんなケースがあり得るということではなくて、みんなの予測を手助けして、その方向に行くといい世界が生まれるのではないかというように持っていくのが一番重要じゃないかと思っています。

○西岡委員長 杉山委員、どうぞ。

○杉山委員 ありがとうございます。
 伴さんの説明も聞いていて、ほぼうなずけるところでもあります。
 前回、実は欠席をしてしまいましたので、非常に貴重な、どちらかというとマニアックだという報告を聞いたんですけれども、内容をリアルには聞くことができなくて少し残念であり、失礼をしてしまいました。1つには、今報告を出していただいた中身とそのまとめについて、これだけ多様な意見が出ている中では、多分、まだまだまとまっていかないだろうなと思います。冒頭、この報告書の扱いについては、まだ途中経過であるし、検討中でもあるというお答えもあったかと思うのですが、今後の扱い的には、この中長期の小委員会がいつぐらいまで続いていくのかというのもあるのでしょうが、9月にも研究会があるというようなことも中に書かれています。これは随時アップデートされたものが示されていくという理解をすれば良いのでしょうか。これが一点目の質問です。
 もう一つはモデルの中身ですけれども、これはもう要望ですが、数値の具体的な根拠、理屈というのは専門家の方に一生懸命やっていただくしかないかなと私は思っています。ただ、実際に削減行動をするのは個人であり家庭であり企業でありますから、そこがモデルに対してきちんと合意性を確保できるかどうかというところが一番重要なところで、幾ら適切なモデルが示されたとしても、そこに懐疑的なものが払拭されないと、結局はあまり行動につながってこ行かないのではというところをやっぱり心配いたします。今回この議論を踏まえてまたまとめていく中で、やはりどうやってこの合意性を高めていくかという工夫もぜひお願いしたいなというふうに思いますので、よろしくお願いします。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 村上委員、お願いします。

○村上委員 私の印象で、やっぱり経済モデルというのは理工学の数値モデルとは大分違うなという感じでございまして、数値モデルプラス自分の経済論が入った段階じゃないかという印象を強くいたしました。
 それで、こういう低炭素化に関わる政策がどういう経済的影響を及ぼすかということに関して、前回いろんな立場のご意見を聞くチャンスを設けていただいたということは、私、大変感謝しておりまして、前も申し上げたんですけれども、多分こういう場を設けること自体がこの委員会の社会的信用を高めることにつながっていると思います。前回結論が出たとは思いませんので、またチャンスがあったらこういう形の意見交換の場を設けていただけると大変ありがたいと思います。

○西岡委員長 どうもありがとう。
 じゃ、赤井委員、お願いします。

○赤井委員 今、村上先生がおっしゃったのとほとんど同じ意見なんですけれども、私も理系の人間で、モデルというとやっぱり物理現象の方程式をちゃんと立てて、支配方程式といろんな細かい構成方程式を立てて、そこまでは多分サイエンスだと思っています。ただ、それを解析解が出ないのでコンピューターで回すと、全く同じ数値解析の方法をとっても答えが違うことがあると。それはもう計算機の性能によってしまう。その計算機の中で積み重なる誤差によって結果が違ってしまうようなことがあるというのは、物理とか工学のほうの差がばらつくということなんですけれども、そこはいろんな工夫で、そうじゃなくするという工夫はあるんですけれども、この経済モデルあるいはシナリオ分析の今までの、ここ1年ぐらいの経過を見ていますと、前麻生政権のときの中期目標検討会からタスクフォース、それから今回の議論を見ていると、私自身も多少はモデルはいじるんですけれども、そのモデル分析を専門とされている方々にとって決して幸せな議論になっていないなという気が非常に外から見ていてもしています。
 というのは、モデルが、例えばここにいらっしゃる方はみんなもう当然わかっていると思うんですけれども、別に将来を予測するものでも何でもないということをきちんと認識せずに、このモデルでの予測はこうなって、こっちのモデルの予測はこうなっていると。お互いに違っているから、今度は前の議事メモにあったように、足の引っ張り合いみたいな議論になってしまうと。非常に何かモデラーの方々が不幸な目に遭っているなというのをちょっと参加していない立場から見て思っておりました。
 それは、少なくとも私の理解する範囲では、今、村上先生がおっしゃったのと全く同じなんですけれども、経済モデルとか、こういう将来のシナリオ分析というのは、根本的な支配方程式はやっぱりサイエンスとしてきちんと考えられていると思うんですけれども、そこにいざ現実の例えば技術のコストですとか燃料の値段だとか、そういうものが入った途端に、それはサイエンスじゃなくて人間の実生活で、いろんなよくわからないメカニズムで決まってしまうものがいきなり前提条件として入ったりパラメーターとして入ってしまうと。そうすると、モデルの構造そのものはサイエンスなんですけれども、それに対していろんなパラメーターを与えた途端に、その結果は、モデラーの人の思想であったり、それから知見であったり、場合によってはその知見の限界かもしれませんけれども、そういったものを反映したものになってしまうということで、そういう意味では、どなたか最初におっしゃいましたけれども、同じモデルで例えば簡単に言えば感度分析ということになるのかもしれませんけれども、政策はこうなったらこのモデルだとこういう結果になって、こういう政策をとったらこっちにいくと、そういったことを比較するのがまさに意味があるのであって、全く違うモデルを、こっちがプラス何%で、こっちがマイナス何%ということを比較して議論するのは本当に全く意味のないことじゃないかというふうに思っております。

○西岡委員長 それでは、北原説明員。

○北原説明員 今回、この資料を見させていただきまして、参考資料1や参考資料3では、影山の質問に対して丁寧にご回答いただきまして、影山に成り代わってお礼を言わせていただきたい。私も伴先生のモデルでわからない点がありましたが、電気の価格が他のモデルと比べると非常に低いにも関わらず、COの削減が進むということがあった。これは何故だろうと影山ともどもわからない点でしたが、先ほど伴先生のお話を聞きながら思ったのは、参考資料1の6ページにもありますが、企業あるいは家計が積極的に行動することが期待されると伴先生はおっしゃっており、まさに全国民が高い環境意識を持って、省エネ行動を自発的に行って電気の使用量を抑制する、といったことをある程度前提にこのモデルの分析がなされていると考えたところです。
 国民の意識を変えるというのは、本当に大変重要なことだと私は思っており、そのために、まさに国民、各主体が何をするべきか、我々、当然、企業の役割も含めて、いろいろな議論があってしかるべきで、この小委員会でもそういった議論がなされてもよいと感じているところです。
 以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございます。
 では、冨田委員。

○冨田委員 ありがとうございます。
 モデル分析の専門でもない者ですので、ちょっとポイントがずれちゃうといけないんですけれども、先ほど赤井委員がおっしゃられました、モデルの価値としてはやっぱり政策ありなしの感度分析というところは、私も全くそのとおりだと思います。その価値を生かすには、ある特定のモデルでその政策のありなしをやるということだけではなくて、複数のモデルで同じような政策のありなしをやってみると。その差がどういう傾向にあるのかということを見ることによって確かさがわかるということがあるのではないか。仮にそれは大きな差があるとすると、それは何でそういう差が出てきたのかというそのモデルのもう少し中を深く、前提条件とか、そういうのを分析することによって、その差が出てきた根拠、理由というのもわかるようになるかなというふうに考えます。
 一番最初に則武委員がおっしゃられた政策の評価に使うということは全くそのとおりだと思いますので、単一の答えが出ないからということであきらめるのではなくて、これしかよりどころがないということもありますし、単純にその答えをまとめてしまって、それがひとり歩きするというのも避けたほうがいいと思いますけれども、多くの方が、我々の小委員会の中でもできるだけ合意がとれるような分析結果というふうにぜひ取りまとめていただければというふうに思います。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それじゃ。

○地球温暖化対策課長 ご意見ありがとうございました。若干、事務局からコメントさせていただきます。
 1つは、最初、則武委員からご指摘がございましたけれども、まさに政策のありなし、政策の評価にこのモデルを使うということで、ほかの委員の方も皆さんご賛同されておりましたけれども、そこにつきましては、例えば6ページのねらい2のところで「特定の政策や前提条件を想定した際のおおよその傾向を掴むことに活用すべきであり、結果の数値そのものを過大評価すべきではない」と、この辺につながると思いますが、ちょっとその辺が、趣旨がまだ明確でないということであれば、もう少しわかりやすく、ちょっと委員長ともご相談をして、その辺のモデルの使い方という意味で明確にできればしていきたいと思っております。
 それから、杉山委員からも、これをブラッシュアップするのかということがございましたけれども、このモデルの議論そのものを繰り返してブラッシュアップするということよりも、まさにこれから具体的に数値も積み上げていただいてロードマップを精緻化していく中で、当然その施策の議論もやってまいりますので、実際にこのロードマップにおける施策の評価をいろんなモデルを使ってやっていくという中でやりながらまたご議論いただいて、今回ご指摘いただいたようなモデルの性格なり限界なりを踏まえた使い方ができるように、まさにやりながらまたご議論いただければというふうに思っております。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 何かありますか。

○赤井委員 伴先生等を始め、モデラーの方々にお願いがあるんですけれども、前回、ここにも書いてありますけれども、植田先生が、9月に環境経済・政策学会でモデラーの方々が集まって議論するということがあったんですけれども、そのときにモデルの細かい議論だけじゃなくて、できればそういった専門家の方々がこういう政策評価に対して、我々はこういうスタンスをとるんだといったようなモデラーの方々の何か意思統一というんですか声明みたいなものが出ないものかなと期待している。それはモデラーの方々にもいろんな思いはあるので、それぞれ皆さん思うところは違うと思うんですけれども、少なくともこういう一線は我々は守るんだというようなものがぜひこういうアカデミックな場から出てくると、またモデラーの、それからモデルそのものの価値も上がるんじゃないかと思っていますので、ぜひそういうことができましたらお願いしたいと思います。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 今のお話なんですけれども、アカデミックな場所ではどういうクエスチョンが共通なんだろうかということが1つあるんじゃないですかね。それにどう方向づけるかということよりも、どういうクエスチョンが共通にあるから、それを自分たちでどういう道具でやってみるんだということではないかなと私は今、私のほうの意見でございますけれども、申し上げます。
 それから、先回、非常に丁々発止といいましょうか、熱のこもったといいましょうか、やりとりがあって、私は非常によかったと思っております。今日の皆さんのご理解も、私どものほうに対するご意見も、結局、先ほどの赤井さんのお話じゃなかったけれども、モデラーにとってはひょっとして不幸だったかもしれないけれども、私にとっては、そうなんだ、モデルというのはこうやって使う、こういう解釈をするんだとかいうようなことがわかって、一度は通過儀礼としてあってよかったなという具合に考えております。
 また、政策の検討には必ずこういった検討をしなきゃいけないという具合に思っておりますので、先ほどのいろんなクエスチョンを詰めていくことで政策の良し悪しを判断していく必要があるのではないかなと思っております。
 どうもありがとうございました。
 それでは、今後の話になるのかなと。僕のほうか。そうですね。
 先ほど高橋課長のほうからも話がございました。8月3日に地球環境部会が開催されます。私と事務局のほうから今日あるいはこれまでの議論の経過を報告することにいたしたいと思いますので、よろしくご承知おきいただきたいと思います。

○地球温暖化対策課長 最後に事務局からご連絡いたします。
 今日はちょっと早目に終わりましたけれども、これまでいつも時間を超過しておりましたので、ちょっと今日オフセットさせていただきたいということでございます。
 次回でございますけれども、8月6日金曜日10時から12時ということで都道府県会館におきまして、今日も出ておりましたけれども、国内排出削減と国際貢献というような関係について、専門家からのお話を聞きながらご議論いただくというようなことを考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

○西岡委員長 それでは、本日、これで解散しちゃいます。どうもありがとうございました。

午後4時53分 閉会

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