中長期ロードマップ小委員会(第7回) 議事録

日時

平成22年6月17日 13:01~16:22

場所

航空会館 大ホール

議事内容

  1. 1.開会
  2. 2.議題
    1.  (1) 関係業界・団体からのヒアリングについて
    2.  (2) その他
  3. 3.閉会

配付資料

午後1時01分 開会

○地球温暖化対策課長 若干遅れておられる委員の方、いらっしゃいますけれども、定刻を過ぎましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会中長期ロードマップ小委員会、第7回の会合を始めさせていただきます。
 今日もこれまでと同様、企業、団体の皆様からのヒアリングということでございます。今日のヒアリングに対応いただける皆様のリストはこの議事次第の裏側にございますけれども、6つの企業、団体の皆様に来ていただいております。初めに前半3団体の方に15分ずつプレゼンをいただきまして、45分目途で質疑応答を行います。後半、また3団体につきまして同様に15分ずつのプレゼン、45分の質疑応答という形で進めさせていただきます。
 また、議事進行をスムーズに進める観点から、ご発表いただく皆様方につきましては残り3分と残り1分の2回ほど鐘を鳴らさせていただきますので、それを目安に時間内でプレゼンテーションをおまとめいただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
 では、今後の進行につきましては、西岡委員長にお願い申し上げます。

○西岡委員長 それでは、これは第7回中長期ロードマップ小委員会を開催したいと思います。 まず最初に、事務局のほうからいつものように資料の確認をお願いします。

○地球温暖化対策課長 資料でございますけれども、議事次第のほかに、資料1として、これは毎回お配りしてございますけれども、今回のヒアリングに当たっての論点ということでございます。それから、その後、資料の2-1から2-6まで、今日プレゼンをいただきます企業、団体の方からの資料をご用意してございます。
 以上でございます。

○西岡委員長 不足はないと思いますので、先に進ませていただきます。
 本日のスケジュール、先ほどございましたけれども、3団体ずつ2回に分けて、お話をお伺いしたいと思います。
 まず、最初のほうのセッションでございますけれども、三井物産株式会社エネルギー第二本部環境事業部部長の両祖様より、15分ぐらいでご発表いただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。

○三井物産株式会社 三井物産環境事業部の両祖と申します。よろしくお願いします。
 では、早速ですけれども、資料に基づいてご説明をさせていただきます。
 資料の2-1というものなんですけれども、まず1ページ目、本日お話をさせていただくことということで、最初に三井物産エネルギーセグメントの組織、続きまして、エネルギーセグメントの取組、これらについて簡単にご説明いたしまして、その後、私どもの部ですけれども、環境事業部の取組と。地球温暖化等の環境問題に産業的解決で貢献するということで、排出削減プロジェクト、水素・燃料電池・新エネルギー及びバイオマスエタノール、これらへの取組に関して、中長期ロードマップの関係にも適宜触れながら、ご説明させていただく予定です。
 まず、1番の三井物産エネルギーセグメントの組織ですけれども、こちらにありますように、第一本部、第二本部と分かれておりまして、第一本部が石油・ガス資源開発、石油事業、石炭、原子燃料、第二本部のロシア事業部、これはロシアのサハリン<2>というプロジェクトがやっているところですけれども、ほかにエネルギー第一事業部、第二事業部、そして私どもの環境事業部です。私どもの環境事業部は、地球温暖化防止あるいは低炭素社会関係のビジネスをやっておりますので、そういった意味で石炭、石油、ガスといった化石燃料を補完すると、そういった位置づけにあります。
 3ページ目に行きまして、エネルギーセグメントの取組なんですけれども、これはここにありますように、エネルギー資源全体を俯瞰しバランスのよい上流資源ポートフォリオを確保し、物流機能の強化を図りながら需要家への安定供給体制を構築します。また、環境事業にも取り組みますということです。その下に、LNGとか石油・天然ガス開発とか、石炭事業とか原子燃料とかありますけれども、一言で言いますと、既存の事業の安定操業に取り組む一方で、世の中のニーズですとかバランスを見ながら、新たな資源の拡張を進めていくということでございます。最後に環境事業として、排出権プロジェクトとかバイオマスエタノールとありますけれども、これについては後でご説明させていただきます。
 その下にありますのが、私どもの主なエネルギー資源の分布図でございます。これは後で見ていただければいいと思います。
 ここから3番目、ページ5ですけれども、私どもの環境事業部の取組ということで、ここにありますように、海外ネットワーク、トレーディング、ロジスティクス、投資、事業開発といった商社機能を発揮して、地球温暖化等の環境問題に産業的解決で貢献すると。すなわちビジネスとして貢献するということをやっております。具体的に言いますと、3つの分野がありまして、まず最初は京都議定書の京都メカニズムに基づいた海外で排出削減事業を実施、あるいはサポートすることによって排出権をつくると。これを、日本を中心とした需要家に供給する。これはCDMとかJIとかGISといわれるものですけれども、本日時点で私どもの契約は2012年までにCO換算で約6,600万トンがあります。ほかに、排出削減技術の海外の輸出ですとか、カーボンオフセットですとか、国内CDMといった新しいメニューにも取り組んでいます。2番目が将来の水素、燃料電池の普及に向けて、燃料電池、蓄電池あるいは燃料電池自動車用の水素インフラの構築、こういった検討も進めております。3番目が液体系の再生可能エネルギーとして、ブラジルのバイオマスエネルギーにも取り組んでいます。
 その下が、私どもがやっている排出削減プロジェクトの一例でございます。ページの左側がCDMといわれるもので、ごみ埋め立て場のメタン回収ですとか、炭鉱メタンの回収・利用ですとか、こういったプロジェクトを発展途上国で行っています。右上が国内CDMといわれるものなんですけれども、この件は製材屑の燃料利用ということで排出削減を行うというプロジェクトです。その下にあるのがカーボンオフセットといわれるものですけれども、こういったものにも我々は特に排出権の供給といったところでサポートしているという状況です。
 次に、こういった排出削減プロジェクトにおける問題と対応なんですけれども、ここでは京都議定書に基づくCDMの問題点について取り上げたいと思います。CDMというのは国連のCDM理事会というのが、プロジェクトの登録ですとか排出権の発行というのをやっているわけなんですけれども、ここの手続がどんどん遅くなっている。同時にルールが頻繁に変わるという状況が起こっています。それに伴って、プロジェクトの登録ですとか、排出権の発行が遅れてきている。結果として、排出権の歩留まりが大幅に悪化し、ひいては排出削減事業そのもののが、採算が大幅に低下しているという状況が発生しています。
 下にグラフがありますけれども、これは国連CDM理事会によって差し戻しがなく承認された案件の減少とありますけれども、これは黄色い棒グラフです。2004年ごろはほとんど承認されたんですけれども、2009年になるとかなり差し戻される。差し戻されるとまたプロジェクトが遅れる。その結果、この右側のグラフにありますけれども、2005年ごろはプロジェクト登録まで200日かかったのが、最近では600日だと。プロジェクトの登録が遅れますと、京都議定書というのは2012年までしかないですから、結局排出権の出る量が少なくなってしまうという問題が一つあります。
 2つ目が、もともとCDMというのは民間の活力を利用して、先進国の資金と技術を使って、発展途上国で削減するというコンセプトだったわけですけれども、結果として現時点では日本の技術がほとんどCDMには使用されていないということがあります。こういった中での対応なんですけれども、右側にありますように、まずはCDM理事会の改革・改善というのが必要であろうというふうに思っています。それと2013年以降の枠組みがやっぱり必要であると。現時点では全く決まっていないので、決まっていないということは排出削減が排出権という価値を生まないという状況ですから、私ども民間がビジネスとしてそういった削減に取り組むというのは今難しい状況になっています。
 3番目が、これは一つのご提案なんですけれども、やはり今後は国際的な合意に加えて、二国間で削減あるいはその設備の移転をやって、その排出権を取得する。こういったパッケージの取組が必要ではないかというふうに思います。具体的に言いますと、日本の技術・設備を海外に輸出・移転し削減を実施と。その見返りに日本が排出権を取得する。そのための資金支援だとか、排出権取得のルールを二国間で合意する。こういうことによって、国富の一方的な流出を防ぎ、海外の削減にも貢献している。同時に日本の環境技術・産業育成を行うべきではないか。今回の中長期ロードマップでは、具体的に25%のうちの排出権をどうするかというのは議論されていないと思いますけれども、それとは別にやはり日本の進んだ環境技術を持っている企業を支援して、それを海外に出して、海外での削減に協力するといった仕組みは必要ではないかと我々は思っております。
 次に8ページ目ですけれども、水素・燃料電池・新エネルギー。これはここにありますように、私どもは燃料電池ですとか、あるいは新蓄電池といわれております電気二重層キャパシタの事業化に取り組んでおります。それと、その下に燃料電池自動車の水素ステーションとありますけれども、これは中長期ロードマップにもありますとおり、燃料電池自動車というのは、今のところ2015年に販売開始を予定されております。それに向けて、我々もインフラの構築等で協力というか、検討しているわけなんですけれども、現時点での課題は、やはりこれはインフラですので、民間だけでやるには限界があると感じています。その水素ステーションを含む水素インフラというのは、社会基盤として普及に向けて、やはり日本政府のリーダーシップあるいはサポートが不可欠だろうというふうに思います。
 それと、水素ステーションというのは、今のところ1基当たり3億円から5億円かかると言われているんですけれども、これをコストダウンするためには関連の基準の緩和といったものが必要になるのではないかというふうに思います。
 その次に、バイオマスエタノール事業への取組です。これは液体系再生可能エネルギーとして、ブラジルでのサトウキビを原料とするバイオマスエタノール事業に取り組んでいます。これは中長期ロードマップでも環境対応自動車のところで、E10対応車の認証とありますけれども、我々はブラジルのエタノールの生産事業に入り、ロジスティクスを含めたサプライチェーンを構築ということを目指しております。
 ここで、ブラジルのサトウキビの優位性というところなんですけれども、一つはコスト競争力が高い。この下に棒グラフがありますけれども、ほかの地域のほかの種類に比べて、やはりブラジルのサトウキビというのはコスト競争力が高いというのが一つ。2つ目は供給力の拡張の可能性であると。現在、ブラジルではサトウキビは約800ヘクタールのところで植栽されておりまして、これで年間約2,600万キロリットルのバイオマスエタノールがつくられています。ブラジルはまだ許可を取得ができる未耕作地が約5,600万ヘクタールありまして、もちろんこれが全部が全部サトウキビになるわけではないんですけれども、ポテンシャルでいいますと約2億キロリットル、年間当たりの供給可能性があると言われております。ですから、仮に日本でE10を入れる場合、今のガソリン消費量というのは大体年間6,000万キロリットル弱ですから、E10に対して必要なのは600万キロリットルのエタノールなんですけれども、これについてはブラジルでかなりの部分をカバーすることは問題ないだろうというふうに考えております。
 さらにはCOの削減効果ですとか、あるいはトウモロコシと比べて、食料との競合が限定的であるというふうに我々は判断しております。
 最後に10ページ目で、課題と対応なんですけれども、問題点はそういったブラジルのバイオエタノールのコスト競争力及び供給可能性から、ここ1年のことなんですけれども、石油メジャーを中心とした外国資本が、要するにグローバルコモディティとして位置づけて参入して、資源獲得競争になっている。バイオマスエタノールというのは、本質的に地産地消の商品だと思っているんですけれども、ブラジルの場合は供給量があってコストが安いものですから、ある意味、世界のどこにでも持っていける可能性がある。そういった中で参入が活発化している。さらには同時に、業界内の合従連衡が進んでいるということなので、ここでも私どもちょっと苦労はしております。そういった中で、対応としてはやはりバイオマスエタノールを資源と位置づけた上で、制度的なサポートが必要ではないかというふうに思います。具体的には、JBICを中心とした資金支援ですとか、あるいは輸入関税の撤廃ですとか、あるいはさらにはバイオマスエタノールを利用した発電に対して優遇制度、例えばフィードインタリフとか、そういった制度的なバックアップが必要ではないかというふうに思っています。
 以上で私の説明を終わります。どうもありがとうございました。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。続きまして、富士通株式会社環境本部環境企画統括部統括部長、朽網さんにお願いいたします。

○富士通株式会社 富士通の環境本部の朽網でございます。よろしくお願いいたします。
 資料は2-2になります。まず、ロードマップということですので、富士通のロードマップから入りたいと思います。
 1ページ目になりますが、富士通グループの活動の全体像になります。横軸がタイムライン、縦軸が活動の領域を表していまして、21世紀全体を見たコンセプトということで、Green Policy21、すべてをグリーンにしますというものを掲げております。それからクールアース50、それから2020年の目標というものを意識しまして、中期環境ビジョン、Green Policy2020というものを2008年度からスタートしています。
 それから、縦軸の方になりますけれどもGreen Policy Innovation、これはこれまでの活動、事業領域での活動ではなくて、お客様の領域あるいは社会全体の領域に踏み込んだ形でのプロジェクトということで、内容は貢献ということになりますけれども、1,500万トンという目標を掲げて、こちらの方もプロジェクトをスタートしています。自主行動計画については1993年から、地道な活動でずっと続けてきまして、今年の4月から第6期環境行動計画をスタートしました。6期の特徴は、事業所の中の活動が主体だったわけですけれども、それだけではなくて、先ほどのGreen Policy Innovationということで、社会への貢献ということを具体的な目標として掲げたということが特徴になります。
 次のページをめくっていただきまして、ICTの特徴ということを表しています。これはもう皆さんもうご存じかもしれませんけれども、ICT産業、日本全体でいいますと1.5%のエネルギーを使っていることになります。COを排出していることになります。産業の中では4%です。1.5%のICT産業なんですが、残りの98.5%の他の産業あるいは他の分野、運輸、家庭、業務といったところのCOを大幅に削減できるポテンシャルを持っているというのが、ICTセクターの特徴というふうに認識されています。
 次のページをめくっていただきまして、富士通が考えるICT企業の役割ということで、ICT企業の特徴を生かした活動ということになりますが、まず企業の工場、事業諸活動の環境負荷低減、これを我々はαというふうに呼んでいますが、これでの貢献。それから社会全体の貢献ということでは、ICT企業自身、たくさんのICT企業を出していますけれども、その負荷をできるだけ削減するということでβ、ICTを活用して他の分野、あるいは他の産業への貢献ということでγ、この3つで貢献することだというふうに認識しています。
 次のページをめくっていただきまして、まずα、ICT企業自身ということになりますけれども、全体としてはここにある設計・開発から調達、製造、輸送、使用は外になりますけれども、リサイクルといったライフサイクル全体での環境負荷低減ということに取り組んでいます。
 具体的にCOの削減ということで、次のページにあります目標を掲げて活動を続けています。第6期の目標を紹介したいと思いますが、2012年度末までに90年度比6%を削減するということで、エネルギーCO5%、それからCO以外20%、あわせて6%という目標を掲げて現在活動をしています。これはαになります。
 次のページをめくっていただきまして、βです。ICT機器自身の省エネ。これは背景を説明していますけれども、ICT機器、インターネットの普及によって、消費電力量というのが大幅に増え続けています。2025年には5倍、それから2050年に12倍になるだろうというふうに言われていますが、このICT機器自身の省エネへの取組というのが非常に重要です。もう一つは、ITを活用して環境負荷低減、γのところですけれども、ITの本質を考えたときに、ITはいろいろなプロセスを効率化します。それからペーパーレスということでは資源を節約します。軽薄短小という意味では物を軽く、薄く、小さくすることができます。メカレスというのはいろいろな機械条件のものをソフトウエア化するということができます。すべてが環境負荷低減につながるということになるというふうに考えています。
 具体的な事例ですけれども、電子会議とか輸配送システムというのは人や物の不必要な移動がなくなる。POSシステムとか物流センターというのはスペースを有効に活用することができます。e-文書、電子出版、音楽電子配信といったものは資源とかエネルギーを削減することができます。これはγの背景になります。
 次のページは、このICT機器あるいはITソリューションの特徴を生かしまして、富士通グループは定量的な目標を掲げて、今活動を進めています。γとβの領域になりますが、2009年から2012年、1,500万トンのCO削減ということで活動しています。定量的な目標を掲げるというのが非常に重要であるというふうに、富士通グループでは認識をしています。
 次のページはβとして300万トン、γとして1,200万トンということになります。
 具体的な中身ですけれども、次のページ、ICT機器でありますが、いわゆる省エネの技術を開発して、省エネ製品を世の中に提供していくということで300万トン、一方でソリューションの方ですが、いろいろなソリューション、eラーニングシステム、テレビ会議システム、BEMS、HEMS、電子会議といったものがありますけれども、そういったソリューションで1,200万トンというものを掲げて活動をしています。
 具体的な事例を幾つかご紹介しますが、例えばITSの場合、デジタル・タコグラフの場合は、エコドライブが実現できるということで、CO削減量が19%。こういった定量的な評価というのは、富士通はもちろんそうなんですが、業界でもほぼ評価手法が確立しているというふうに考えています。電子自治体、こちらの方は電子決裁、90%以上を実現ということで45%のCO削減に貢献できるというふうに考えています。
 次のページは、これは社会のいろいろな場面でICTソリューションが貢献できるという絵を描いたものですけれども、その中で1,500万トンを実現していこうというものです。
 次のα、β、γの大きさなんですが、実は富士通グループでシミュレーションをすると、αでの貢献というのを1としますとβは約10倍、γは100倍ということになりまして、βとかγというのがより重要になってくるというふうに考えています。
 次のページは、具体的に今掲げている富士通グループの目標を横に記載したものになります。αでいいますと、90年度比6%削減、これは8万トンに相当します。それからβは300万トン、γはポテンシャルとしてはかなりまだありますけれども、今試算に組み込んでいるのが1,200万トンということになります。こちらの数字を見ていただくとわかるんですが、やはり規模としてβ、γというのが貢献量としては大きいということがわかると思います。
 京都議定書とポスト京都議定書と書いてありますが、実は京都議定書の枠組みというのはメーカーは一生懸命、この6%を実現するために努力しているということになりますので、β、γといった領域まで今後考えていく必要があるのではないかなというふうに思っています。
 次は、ロードマップとの関係なんですが、これは富士通グループを離れて、一般的なICTが貢献できるものというものをピックアップして、その中に埋め込んだものになります。全体像が17ページのものになりますが、次のページから具体的にロードマップに押し込んだ図が続きます。順番に説明したいと思いますが、地域づくりというところでは、上半分が社会の要請、下半分がICTの貢献、必要な技術ということになります。全体としては、低炭素タウンというものを目指すということになると思いますが、その中でサプライチェーンマネジメントを通じた流通の効率化、公共交通エコポイントといったものがあります。そこに貢献できる技術としては、サプライチェーンマネジメントシステム、それからCOの見える化システムというものがあります。
 次のものづくりですが、こちらの方もものづくりのプロセスの省エネルギー効率を上げていくということになりますけれども、目標としては3割から4割という目標を掲げられています。これに対して製造プロセスの効率化というものが必要になりますが、ICTとしてはものづくりにおける省エネ、省資源ICT技術の導入、シミュレーションの技術の導入、それから環境負荷の見える化技術といったものがあります。
 次は、日々の暮らしの運輸ということになりますが、こちらの方は交通流、あるいは配送の高効率化、あるいはエコドライブ、カーシェアリングの促進といったものがあります。これに対しては、それぞれ高効率の運行システム、あるいはエコドライブを支える技術といったものがあります。
 次の住宅・建築物・業務ですが、こちらの方はオフィスのゼロエミ化というのがあるんですけれども、特にICTの分野でいいますと、データセンターのエネルギーというのが非常に大きいということがわかっていますので、省エネルギーのデータセンターの普及、あるいは既存データセンターの省エネ化というのが重要になります。業務のところでは、クラウド化、これは各種業務用インフラあるいはサービスのシェアリングということになると思います。そして、使う省エネ機器、ソリューションを活用した移動レスライフ、あるいは移動レスワークといったものです。それを支える技術としてはクラウドの技術、高度化のクラウドの技術、それからデータセンターの省エネ化の技術、もちろん省エネIT機器の技術というのが必要になります。一方でソリューションの方はテレビ会議システム、あるいは遠隔医療、eラーニングシステムといったものが貢献できる技術としてあります。
 次のページをめくっていただきまして、エネルギーの方ですけれども、こちらの方もスマートメータ、あるいはスマートグリットの業務があると思いますが、それを支えるためのスマートメータ、スマートネットワークによるエネルギーマネジメントというものがあります。
 以上がロードマップとの関係ですけれども、実際にどのくらいの効果があるかというところを、グリーンIT推進協議会というところで試算した結果を、今日はご紹介したいと思います。IT機器6品目、これはパソコン、サーバー、ストレージ、ルータ、ディスプレイ、テレビというものですが、2025年には1,000万トンから4,400万トンの削減、2050年には3,000万トンから1.3億トンの削減のポテンシャルを持っているという試算があります。
 次のページはデータセンターです。同じように2025年、日本では2,500万トン、世界ではマックスですけれども2.8億トンの貢献があるというふうに試算されています。
 一方でソリューションの方ですが、こちらの方は、25ページにいろいろなソリューションがありますけれども、試算した結果、同じグリーンIT推進協議会の方で試算した結果が26ページにあります。例えばBEMSでいいますと、普及率60%で650万トン、共同配送で220万トン、テレビ会議で270万トン、エコドライブ、デジタコで840万トンという数字が、一つの試算例として出ています。
 以上、説明しましたように、ICTというのはかなりロードマップのいろいろな施策の中に貢献できるというふうに考えています。
 最後に、次のページから3ページにわたって、中長期ロードマップへの意見ということで、ICTの視点から3つほど意見を述べさせていただきます。
 まずロードマップ全体にICTの貢献の視点を追加していただければというふうに思います。ICTの貢献というのは、今説明したとおりなんですが、実際に低炭素の社会を実現するためには、多分ICTというのはマストだろうというふうに考えています。IT機器自身の省エネ、これは省エネのサーバーとかストレージとかネットワーク、データセンターの省エネ、これの開発促進と普及促進。それからICTソリューションの方ですね。これは業務、家庭、運輸、産業、エネルギー分野、いろいろありますけれども、このようなソリューションの開発促進と普及促進、ICTの貢献に関する定量的評価と制度への組み入れです。
 次のページは2項目めですが、施策、制度の設計という意味では、α、β、γの各階層の効果を考慮していただきたい。長期的にはα、β、γというのはそれぞれ連関していますので、全体の最適というのが理想的で、シミュレーションが必要になってくると思いますけれども、短期的にはそれぞれの貢献量を拡大していくという施策が必要だと思います。α、β、γそれぞれ、例えば開発支援、導入支援、それから認定制度の確立といったものがあると思います。
 最後、3項目めですが、現在のロードマップについてですけれども、ロードマップはCO削減と成長戦略の両者を考慮すべきであるというふうに考えています。現在のロードマップは日本全体のCO削減をいかに達成するかを主眼としたロードマップとして検討されているように見えます。同時に日本の成長戦略との整合が重要である。ロードマップのタイムラインというのは2020年、例えば25%、2050年、80%という目標を達成するものであるべきだと思いますが、それと同時に世界、EU、米国、アジアの環境技術との競争に勝てるロードマップ、タイムラインであることが重要であろうと。特にアジアでは、韓国、シンガポールなどの環境技術というのは最近進んできていますので、それらとの競合というのが非常に重要です。可能な限り、日本の技術で日本、アジア、世界のCO削減に貢献していくということで、この貢献なくして環境と経済の両立はないだろうというふうに考えています。
 富士通の方からは以上になります。

○西村委員長 どうもありがとうございました。
 続きまして、矢崎総業株式会社執行役員、環境システム事業部長の清水様からご発表をお願いします。

○矢崎総業株式会社 矢崎総業の清水でございます。
 お手元の資料、本日は4つの構成になっていまして、まず最初に太陽熱全体の市場を少し、世界の中のポジションから見ていこうということで、3ページ目に世界の再生可能エネルギーにおける太陽熱ということで、全体的には太陽光よりも太陽熱の方が格段に多いというのが全体的な世界の状況と。その中で太陽熱の中で、では日本はどういうポジションかということを見てみると、圧倒的に75%のシェアを持っている中国、あるいは政策的に誘導しているEUというところと比べると1%程度という意味では、かなり普及に対しては最近おくれをとっているというのが現状の太陽熱の日本におけるポジションということが言えます。
 その中で、4ページ目に、特に日本に近い特徴を持った国ということで、EUの中でも戦略的に熱を普及しているドイツと日本の熱の普及状況を過去にさかのぼって比較してみますと、1980年当時のオイルショックで、一時エネルギーの高騰に合わせて太陽熱が普及したという時期以降、エネルギーの低位安定で熱の減少に伴って、かなり厳しい状況で推移をしている。一方で、ドイツについては政策的に長期的な視点に立って熱の普及を進めてきていまして、この後出てくる自然エネルギーの熱法等投資に対する支援策ということも含めて、かなりの伸びを示しているというような差が発生しております。
 各国の普及に関するインセンティブを5ページのところに書いていますように、単一政策ではなくて2つ以上の複数の政策をかみ合わせながら、どういう形で市場を立ち上げてくるという意味では、ドイツも自然エネルギーに関する熱法とあわせて投資に対する支援策。あるいはイスラエルのように義務化をしたところは、かなり圧倒的なシェアで、全体の75%の普及という意味ではかなり特徴を持った普及の仕方をしていますので、そういった意味でいろいろなインセンティブをどう組み合わせるのかということが、市場を誘導していくためには非常に重要かなというふうに思います。
 全体的にかなり政策的な展開をしているEUの政策を簡単に見てみると、6ページの最後のところに書いていますように、環境配慮型の社会をつくるためにかなり積極的に技術革新をしていこうということを通じて、産業の構造を変えていく。それによって国内の内需という意味では雇用をつくって、他の国と比較して戦略的なポジションをつくっていこうというのが、かなり意図的に、それも長期的な視点で展開されている。
 7ページに、日本、中国、EUという3つのブロックを見てみますと、日本は当時の一時期の普及ということ以降、縮小しているという意味ではもう少し長期的な視点に立った政策誘導が必要だろうと思っています。中国についてはかなりエネルギーの基盤そのものが脆弱ですので、太陽熱が普及するというような背景が強いということと、ヨーロッパはかなり戦略的に政策誘導しているということで、そういったことも含めて、もう少し太陽熱について日本としてどうしていくのかということを考慮する必要があるというふうに思っています。
 2つ目のブロックで、太陽熱の環境価値とCOの削減効果ということで、既にご存じのように太陽熱は9ページに書いていますように、平米当たりの熱効率という意味では機械と比べてかなり大きく効率がいいという意味では、低温度レベルの熱を使っていくという意味では太陽熱の利用というのは非常に効果的だというふうに思っています。それを数字的なグラフで、10ページに、例えば一般家庭の4平米の屋根にパネル、熱を載せた場合と光を載せた場合ということで、熱は光に対して2倍以上のCO削減効果、単位面積当たりそういった効果が出る。ただ、太陽光の場合には充電ということも含めて、かなり利用価値が高いという意味では、光と熱を効果的に組み合わせていくことが最もCOを削減する意味では効果が高いというふうに言えます。
 もう一方で、普及していくための対策的なことという意味では、市場における面的利用、あるいは加速的な普及という意味では一般のユーザーの方がいかに少ない投資、いわゆるライフサイクルコストでCO削減効果の高いシステムを得ることができるかという意味で、11ページと12ページに、一般家庭が今40%強、COが1990年比増えていますので、今からどういう形で減らしていくかということで、限界削減費用で簡単に計算してみると、かなり給湯という分野では、エコキュート、エコジョーズというのは非常にすぐれた高効率給湯器という意味で、それにいかに連動できる太陽熱をつくっていくかというのが大きな課題ではなかろうかというふうに思います。したがって、全体的な家庭に自然エネルギー、例えば太陽熱をつけようとすると、安くていいものをということをやっていくというのが技術商品の課題というふうな形でとらえています。
 13ページに、過去の日本における太陽熱のストック、今まで削減したCOを簡単に計算してみました。残念ながら、実データの正確なものがございませんので、新規のデータをベースに仮定をつくって試算した結果、15年まで使った以降、単年度16年目以降から2割ずつ減って、20年目でなくなっていく。更新していくということでいくと、今までに約1,900万キロリットルのエネルギーの原油換算の削減、COでいくと5,400万トンのCOを削減してきた。これをこれからどういう形で将来に向かって熱を普及させていくことができるかということで、最大のポテンシャルということで、14ページに、計算をしてみた結果、一般の住宅、集合住宅、戸建て集合及び民生用の建物というところに全体の76%、これは太陽エネルギー学会で一度試算して論文に書いていますので、そちらの方を見ていただければ詳細が書いているんですけれども、CO換算で1年当たり単年度で約2,000万トン、10年続くと2億トンというかなり大きなCO削減効果が得られるということで、熱の持っている利用価値というのは非常に高いポテンシャルを持っているというふうに思います。
 3つ目に、そういった意味では、私ども矢崎総業がこれから取り組んでいかなければいけない太陽熱に関する基本的なアプローチということで、今まで残念ながら太陽熱温水器という単一商品を単一市場という意味で、太陽熱を売っていくというアプローチを長年続けてきていましたけれども、実際には給湯器というお湯をつくる業界、商品はかなり高度化していまして、それに追随できなかった太陽熱が今非常に遅れているという意味では、これからは基本的な事業の領域は給湯であり、更に暖房という市場に高効率な給湯器、あるいは太陽光というものとベストにミックスできる太陽熱システムをつくっていきながら、業界を横断的に協力し合って、新たなシステムを提案するということで、17ページに書いていますように、電力といえばエコキュート、ガスでいえばエコジョーズ。これから出てくるバイオ関係も含めて、自然エネルギーの太陽光、太陽熱あるいは木質系のペレットといったものを地域、地域の特徴に合わせて、組み合わせで使っていけるようなシステム開発をしていくことによって、面的な利用を増やしていこうと。
 最近の商品で、まず昨年から発売を始めました、18ページのガス給湯器一体型の太陽熱システム、これは私どもの商品でエコソーラー<1>というふうに呼んでいまして、これはノーリツさんとの相互OEM、エコソーラー<2>というのは既に給湯器をお持ちのお客様にソーラーシステムをご提案する。これは、今までの分離型のもののコストを約4割ぐらい落とした低価格で、なおかつエコの見える化のモニタ等も開発したという商品になっています。
 それと、19ページの東京電力様、デンソー様と共同開発しましたエコキュートと連動した太陽熱対応型のエコキュートソーラーヒート。
 20ページに、東京ガス様と共同開発しました集合住宅のバルコニーに垂直につける集合住宅用のソーラーシステム、総称がソラモという商品、こういったものを昨年から今年にかけて市場にご提案しながら、家庭用の戸建て、集合住宅へのさらなるバリエーションの開発ということで、毎年新商品を出しているということで、少しスピードを上げていかなければいけないと思っています。
 一方で、業務用につきましては、最も大きな課題がイニシャルコスト、初期投資ということで、現在コストハーフプロジェクトということで、これも東京ガス様を初め他のガス会社様と一緒に、コストを半分にするためのプロジェクトを立ち上げて、来年にはオールインワンパッケージということで、集熱器も蓄熱槽もポンプ関係も一体になって現地で簡単に組み合わすことができるというような取組をして、コストを下げながら、全体システムのマネジメントも含めた制御の開発をしていこうと。
 最近の施工事例が22ページに、通常、パネルを数十枚、数百枚販売をして、現地で工事をするというところを、工場でパネルをワンパッケージで架台も含めて組みつけて、それを現地に置いて簡単に施工するということの取組を昨年から始めていまして、もう数物件、導入をしております。
 最後に、低炭素に向かって、これから先ほどの太陽光、太陽熱も含めた自然エネルギーを使っていく基本的な考え方ということで、今までかなり化石資源に頼り過ぎているという意味で、これからはエネルギーをなるべく多様に使っていくということとあわせて、地球温暖化あるいは環境問題の加害者は当然イコール被害者という意味で、かなり今後の環境を考えていく上では、環境と社会と経済ということも含めて、経済重視だけでは環境は成り立ちませんし、既存エネルギーというのは目に見えていない外部の経済コストがかかっているということも含めて、今後は自然エネルギーというのは中山間地域に行けば戸建ても多いですし、山のエネルギーも使えるという意味では、地域、地域に合ったエネルギーをいかに組み合わせるかということで、エネルギーのベストミックスを追求していくということが必要だと思っています。
 その上で、最終的にロードマップをいかに具現化するかということで、これは私たちの太陽熱業界の反省も含めて、まず4つの大きなキーワードに分けて整理してみました。これからロードマップが出て、それをいかに実現するかという意味では政府の政策がこれからは市場を誘導していくように、規制から誘導に変わっていくと。そうなると当然それを実現するための支援策も出てきますし、省庁の連携もとれてくる。それをあわせて、各地域の行政も同じように政策的な誘導支援策をとりながら、各地域の一般のユーザー、あるいはそこに存在するNPOも含めて、ライフスタイルも変えていく。そうすると、左側に書いています企業のメーカーとして開発すべき技術と商品というものが、今までと違った形でシステム全体をいかにきちんとご提案できるかという意味では、単一商品ではなくて、もしかすると売り方も含めたビジネスモデルを考えていったり、あるいは企業活動そのものを、今は私ども太陽熱は事業部という一つの事業部単位でとらえていたところを、これからはグループとして企業全体としてアプローチをしていくという形で、環境というものはやっぱり全社的な取組として推進していくということも含めると、太陽熱という業界という動きではなくて、関連する大きなキーファクターを持っている業界、いわゆるエネルギー業界ですとか、あるいは給湯器業界、あるいはハウスメーカーさんといった関連団体と一緒にどういう形で、新たな業界構造をつくっていくか。この4つをうまく組み合わせることによって、多分新しい方向に実現可能なアプローチが始まるというふうに考えています。
 最後に、どういう形で実効性を高めるかということで、6つのお願い事項を書いておきました。全体的に自然エネルギーは広く分散していますので、地域、地域に合った取組という意味では自然エネルギー全体的な啓蒙活動ということとあわせて、COの排出量の総量規制とか排出量取引という中で、どちらかというと発電というところに重きを置いた取組をグリーンな熱ということも含めて、これからの取引制度の拡大、そのためにはやっぱり簡単な計量ですとか、シミュレーションを使って、どのようなシステムとして新たな方向に向かっていくのか。また、省エネ基準の強化と義務化ですとか、新築住宅に対する自然エネルギー機器の導入の義務化等も考えていただきたいなというふうに思います。
 それと、5つ目がイニシャルコスト、これはまだまだ努力が足りていませんので、それに対する支援策、あわせて化石資源がもたらす外部不経済と言っているものが非常に見えにくいということも含めて、その経済コストを少し見える化をして、いかに自然エネルギーを使っていくべきかということも含めた企業の見える化をしていただきたい。
 以上で、矢崎総業からのプレゼンテーションを終了いたします。ありがとうございました。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、委員の方からのご質問、コメントのセッションに移りたいと思います。いつものように札を立てていただきまして、順次お願いしたいと思います。今日は、順番は真ん中ぐらいからいきまして、杉山さんの方からこっちへいこうと思います。

○杉山委員 思わぬ順番になりましたので、ちょっと驚きましたけれども、どうもありがとうございました。とても興味深い報告をいただきまして、誠にありがとうございます。
 それで、私、時間の関係もありますので、3社の皆さんにお聞きしたいなというふうに思っています。お聞きしたいのは、富士通さんのご用意していただいた資料の一番最後から2枚目のページ、中長期ロードマップへの意見という中に、3ポツの(2)です。日本の成長戦略との整合が重要だと、極めて重要なキーワードをこちらに入れていただきました。この考え方は、今のご説明を聞いていても、三井さんについても矢崎さんについても共通しているんではないかな。特にこの中でもありましたように、三井さんが言われた二国間合意による日本の技術による貢献、富士通さんの中では日本の技術で世界のCO削減に貢献。では、具体的にこの方向観をどう成長戦略の中に落とし込んでいくというのか、表していくのか。その辺で要望的なものがあれば、ぜひお聞きしたいなというふうに思っています。
 例えば富士通さんの中で言われた、ICTの活用という面でいけば、今総務省の中ではICTを使っていろいろなコンソーシアムを組んでやろうという動きも出ているわけですが、例えばそれと環境の今回の削減とどう組み合わせていくのか。ではコンソーシアムはどういうふうに組んでいくのか。オールジャパンとしてどうやって海外の削減に向けていくのか。多分そういう視点も成長戦略の中には今後必要になってくるんじゃないかということを、私は思っていまして、そういったことも含めて、成長戦略という中に落とし込んでいく上で、何かあれば是非お伺いさせていただきたいというふうに思います。
 以上です。

○西岡委員長 冨田委員、お願いします。

○冨田委員 ありがとうございます。三井物産さんのプレゼンの中で、CDMの問題点というのがございました。日本の削減とかあるいは省エネ技術がほとんど使用されていないということでございますけれども、それについて理由がもしあれば教えていただければと思います。
 それから、矢崎総業さんのプレゼンについて幾つかコメントさせていただきたいと思います。我が意を得たりというところがあるわけですけれども、太陽エネルギーの利用というとどちらかというと発電というふうに注目が集まりがちですが、設置面積当たりの効率から考えれば、やはり太陽熱をかなり進めていくべきだろうと。これまで、正直なところ、太陽熱を利用した給湯システムというと、ガス事業者にとっては競合商品という考え方が主流でしたが、今は違うというふうに申し上げたいと思います。メーカーさんと一緒に課題を解決して、普及させていきたいと考えております。
 スライドの20のところにバルコニー型というのもありますが、これは都市部で多い集合住宅向けということで、東京ガスがご一緒に開発させていただいたものですが、こういうもので普及させていきたいと考えています。
 こういった取組は、個々の会社単位から業界単位の動きになっているということについてもご紹介させていただきたいと思います。昨年6月に、都市ガス業界、それからLPガスの業界、それからメーカーさん、そして有識者が集まって、ソーラーエネルギー利用促進フォーラムを立ち上げてございます。こういったものも、その表れだろうと思っております。
 それから、2番目のコメントはスライドの18と19ですが、太陽熱利用の組み合わせというシステムですが、COの削減量、ここの部分だけを比べると、エコキュートとの組み合わせというのが倍ぐらいいいよという、そういう形になるわけなんですが、ここは何人ぐらいの家庭であるとか、どういう暮らし方をしているかとか、実際にはそういったところにかなり影響を受けますので、これまでのロードマップのこの小委員会の中でも議論がありましたけれども、カタログだけの数字をどれだけ信じていいのかという問題があります。それから、ロードマップでもあります環境コンシェルジュですか、グリーンハウスガスの診断士みたいなそういう言い方もされていましたけれども、そういったところの出番というのがまさにあって、あなたの家ではどのくらいの、こういう装置がいいんじゃないかとか、そういうアドバイスが必要になってくる分野ではないかなと思いました。
 それから、次のコメントは業務用のところですが、業務用についてもこういった形で太陽熱の利用というのができると思いますが、ここの中にはちょっとコメントされておりませんけれども、太陽熱を使った冷房システムというのも既に実用化されていまして、日本全体で何カ所かでもう試験が行われているということをご紹介させていただきます。
 それから、最後に1点ですが、太陽熱を利用する際のバックアップシステムであるエコジョーズというお話がございましたけれども、ちょうど1週間前に都市ガス業界、LP業界、それからメーカーさんが集まったガス体エネルギー普及推進協議会が、2013年3月までに、すべてのガス給湯器をエコジョーズ、すなわち潜熱回収型の給湯器に切りかえるという宣言をしております。それによって、現在は160万台弱ぐらいだと思いますが、その普及を2020年までに2,000万台にしようというふうに考えております。ロードマップの小沢大臣試案の中では、目標が2,520万台ということでございますけれども、例えばバランス型の風呂釜であるとか、あるいは小型の湯沸かし器、あるいは既築の集合住宅で給湯器を置く設置場所の制約があったりすることを考えると、すべてを潜熱回収型にはできないという市場の制約がありますので、2,000万台というのはかなり意欲的な目標ではないかなというふうに私どもは考えております。
 以上コメントです。

○西岡委員長 それでは、伴委員、お願いします。

○伴委員 まず、三井物産さんにお聞きしたいことが一つございまして、それはある意味で社史にもうなっているかもしれませんが、巨大なプロジェクトということで、いわゆるイラン革命のときにかなり屋台骨を揺るがすような、そういうような経験をされたわけですけれども、今現在、もう一度海外のインフラを含めて、大きな投資をしようということを考えているわけですね。そうしたときに、当時を振り返って、一体、どういうところがやはり難しい問題としてあるかということを少し言っていただけるとありがたいと思っております。そういう痛手をこうむった会社の立場としてどういうお考えかというのを少しお聞きしたいと思っています。
 それから富士通さんにお聞きしたいのは、テレワークというか、ICTを使って遠隔地でいろいろすると。機器も非常に今は安くはなってきて、簡単にテレビ会議もできるようになったわけですけれども、やはりなかなかそういう方向に行かずに、例えばこういう形で一同に集まってするために私は大阪から出てこざるを得ない。本当はテレビ会議があれば十分大阪でもできるんですが、そういうのがなかなか進まないのはなぜなんだろうと少し思っていらっしゃるかどうかお聞きしたい。
 それから、矢崎さんについても全く同じ質問なんですが、太陽熱を個別の家で使うというのが、矢崎さんの、例えば13ページにありますように、ストックという側面からすると、90年代の半ばぐらいのピークにもどんどん減っている。個別訪問とかそういうところでいろいろなトラブルがあったということはあるんですが、やはりネガティブなイメージができてしまうと、なかなか次に踏み切れないというところがあるわけですけれども、それをこれからどういう形で踏み越えようとされているのか。その辺少しお聞きできればありがたいと思います。

○西岡委員長 藤野委員、お願いします。

○藤野委員 ありがとうございます。
 三井物産さんのクレジットの話は、多分安井先生がされるので飛ばしておいて、富士通さんにちょっとお聞きしたいんですけれども、本当にロードマップ、すごく魅力的なものを示していただいて、これが全部うまくいくとかなりGDPが国内でも増えたりとか、地域でも増えるのかななんて思うんですが、そういう試算を行われているか。または国内及び地域の雇用力がこういったICTの活用によって増加するとか、また省力化で減っちゃうところもあるのかもしれませんけれども、そういった分析というのをやられているかどうか教えてください。
 それからあとクラウドとか入っていくと、やはり電力が必要になっていくと思うんですけれども、それをどうやって確保するか。その中でグリーン電力を積極的に使っていこうというような動きがあるかどうか、教えていただければと思います。
 それから、矢崎総業さんの方にお聞きしたいのは、東京都の方で大分太陽熱を熱心にやられるということで進んでいると思うんですけれども、そのよかった点とか、十分でない点とかあれば教えていただければと思います。
 以上です。

○西岡委員長 増井委員、お願いします。

○増井委員 どうもご説明ありがとうございました。
 私の方から富士通さんと矢崎総業さんにそれぞれご質問なんですけれども、富士通さんの方では自社で削減されるCOと社会全体で削減されるCO、かなり違いがあるということで、ICTの普及が必要であるというようなお話だったかと思うんですけれども、現在感じていらっしゃる障害、ICTを普及させて、COを削減するのに当たっての障害となっていることがもしございましたら教えていただきたいというのが富士通さんへの質問でございます。
 矢崎総業さんへのご質問なんですけれども、スライドの7ページ目のところで、長期的な視点というふうなことが描かれております。実際、矢崎総業さんがお考えの長期的な視点というのはどういうふうな点なのか教えていただければと思います。
 以上です。

○西岡委員長 屋井委員、お願いします。

○屋井委員 三井物産さんも、矢崎総業さんも、大変貴重なご説明をいただきありがとうございました。私からは富士通さんの方に質問をさせていただきたいと思います。
 大変魅力的な資料をご提供いただきまして、どうもありがとうございました。1点目は12ページのところに、車載ステーション「デジタル・タコグラフ」の導入:運送業の事例とあるんですけれども、グラフの方が導入後で、減っているのが黄色く見えるところなんですけれども、右の凡例が、黄色があるようでないようで、あるとすると人の移動量のところなので、これはいわゆる自家用車とか乗用車の方を含めて、エコドライブ等の効果を示されているようにも見えてしまうんですけれども、ただ、デジタル・タコグラフと書いてあるので、そこら辺、19%の削減とかなり効果的な数字には見えるんですけれども、エコドライブというものを中心にされて、今でもかなり頑張ってやっているような気もするし、これだけ本当に削減できるのかなというような素朴な気もするものですから、ここら辺どういうものが計算されているのか、もしおわかりになれば教えていただきたいと思います。
 それから、18ページのところに、これまた非常に魅力的なロードマップが書かれていまして、ICTという意味で非常に技術がどんどん進んでいることを考えていくと、いろいろな効果を計測する上で、ここに書いてあるような都市計画シミュレーション技術というのも非常に進歩している気がしますので、ちょっとお伺いしたいんです。90年代初めぐらいに、アメリカとロシアの関係が変わって、かなり軍需産業の方が交通分野なんかに出てきまして、ロスアラモスの関係者なんかも随分な勢いで都市のシミュレーションをやりましたよね。朝起きて、歯を磨いて、車で子どもを乗せていって、また帰ってきてどうするとか。トリップチェーンにするとコートスタートじゃなくなるから、それこそエミッションが減るとか増えるとかね。その都市全員の動きを全部シミュレーションしたなんていうのを、90年代随分やっていましたけれども、最近あまり聞かなくなったんですが、しかし、今に至るまでのコンピュータの能力の向上なんかを考えると、そういう方向のシミュレーションも随分進んでいるような気もしまして、ここに書いてあるスパコンによる統合的な計算、あるいはエネルギーの計算というのはそんなイメージも含まれているのかなというのをちょっとお伺いしたいということと、それからもう一点だけついでに恐縮なんですけれども、ここまでピシッと見やすいロードマップを改めて書いていただいているので、2020年あたりに1人当たりの自動車走行量を1割削減というのは、可能性があるとお考えなのかどうか。そのあたりをお伺いできると大変ありがたいと思います。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございます。安井委員。

○安井委員 ありがとうございました。
 それぞれにちょっとずつだけ伺いたいと思います。まず三井物産さんでございますけれども、先ほど藤野委員がおっしゃってくださいました、これは7ページでございますが、クレジットの話なんですが、最終的にこの二国間合意云々というのは私もそういう方向かなと思っておりまして、ただ、これを本当にやるとなるとバイラテラルな場合だと、相手の国をどうやって選び、どうやってそこで戦略を練り、どういう特性を持っているかを解析し、本当に大変だと思うんですよね。そういうようなことが本当に、どういう体制があったらそういうものが検討できるのかというのを、今個人的に悩んでおりまして、そこに何かアドバイスをいただければと。
 それから、あと似たようなことなんですけれども、ODAを日本はやっているわけですけれども、そのODAの低炭素化みたいなものも同時に考えなきゃいけないかと思っているんですけれども、そういうことに関しましても何かございましたらということと、それから、あと日本の省エネ技術というのはかなり、いわゆるレアメタル系のそのものに依存しておりますが、その辺の獲得戦略とこのあたりも何か合体化するような方法論というのはありやなしや、そんなことをちょっと伺いたいと思います。
 それから、富士通さんの話はしばしば伺うチャンスがあるのでありますが、一つ確認なんですけど、ページ6にございますβでございますが、これは多分IT機器の改善がゼロの場合の消費電力の推計かなという気がするんですが、それがどうか。それがイエスかどうか。
 あと2050年、12倍になるという、多分これは何が増えるのかな。多分データトラフィックが増えるんだろうと思うんですけれども、その辺の内訳についてちょっとご紹介いただければと思います。
 それから、矢崎さんでございますけれども、我が家は実を言いますと、ページ18のエコソーラー<2>というタイプのやつで、6平米の吸熱盤が載っかっておりまして、別のメーカーのもので申しわけないんですが、載っかっておりまして、本当にその恩恵を享受しているところでございますが、ご質問として申し上げたいことは、実を言うとソーラーというのは地域依存が物すごく激しいですよね。ですから、太平洋側はこれで行けると私も思うんですけれども、日本海側、その辺りに関して何かお考えなのか。それともやっぱりあきらめろとしか言えないのか。そのあたりをちょっと伺いたいと思います。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 こちらへ飛びまして、赤井委員、お願いします。

○赤井委員 何かフェイントがかかりまして。いろいろおもしろいプレゼンテーションをありがとうございました。
 いろいろな方がいろいろなことをもう既におっしゃっているんですけれども、三井物産さんの、私もクレジットの話は非常に興味があって、別件でもちょこちょこ動いたりはしているんですけれども、まさに今お考えのような問題意識、それから解決方法、全く同意しますので、またいろいろと教えていただければと思います。
 ちょっと細かい話で、水素のステーションの話があったんですけれども、まさにおっしゃったように、例えば海外だと1億ぐらいで買えるようなものが日本だと3倍、4倍にすぐなってしまう。ですから、そういう規制緩和の重要性、非常にわかるんですけれども、それを前提とした上で、さらに今日本のガソリンスタンドのビジネス自体は非常に疲弊して、私の住んでいるつくばでも閉鎖が相次いでいると。そういう状況の中でやっぱり水素ステーションを設置するとしたら、何か新しいビジネスモデルというんですかね。国にお金出してちょうだいというだけじゃなくて、一部の支援はあったとしても何か自立していくようなビジネスモデルが必要だと思うんですけれども、そのあたりについてもしご検討されていたら、そういう話も含めて教えていただければと思います。
 それから富士通さんの、これ全体でさっと計算すればわかるんだと思うんですけれども、23ページの省エネ効果、あるいはCO削減効果、23、24に書いてあるんですけれども、これの削減量は書いてあるんですけれども、このとき想定されている総排出、このそれぞれのセクターの総排出量というのはどれぐらいになるのか。もし数字を今お手持ちだったら教えていただければと思います。
 以上です。

○西岡委員長 牛久保委員、お願いします。

○牛久保委員 どうもありがとうございました。
 まず富士通さんなんですが、パソコン時代に入って、我々はペーパーレスというのをよく聞かされたんですけれども、実質的には紙の消費が何か物すごく増えているような感覚があります。ご説明の中でいわゆるペーパーレスという文言が大分ありますけれども、そこら辺の我々の認識と実質的なずれがあるのか。また、いい解決方法があるのかということをお聞きしたいことが1件。それから、ICTを活用して、そのソリューションとして、地域的なことでお伺いしたいんですけれども、農村漁村、いわゆる地方に対してどのような貢献があるのかということを教えていただければと思います。
 それから矢崎総業さんにですが、これは西岡委員長にお願いすることなのかも知れませんが、資料編のところに木質ペレットの情報がいろいろあるんですけれども、このポイントについて数分説明していただく時間をいただけるかどうか、ご検討いただいて、もし可能であれば、ポイントだけでも説明していただければ幸いかなと思います。

○西岡委員長 わかりました。枝廣委員。

○枝廣委員 ありがとうございます。
 富士通さんへの質問は、増井委員が同じことを言ってくださったので、ほかの2社の方にお伺いしたいと思います。
 最初に三井物産さんですが、一つは皆さんからも質問が出ている二国間での枠の取引。これは世界的にそういう動きになっているのか。具体的にほかの国でこういった動きを始めているところがあるのかどうか、教えていただければと思います。
 もう一つ、三井物産さんにお伺いしたいのは、エネルギーを扱っている事業ということで、温暖化という意味でもほかの環境問題という意味でも、とても影響力の大きい事業をされていると思います。その扱われているエネルギーそのものの低炭素化を何らか会社として志向されているか、もしくは動かれているか。もちろん、お客さんが欲しいと言ったら何でも売るというのは商社の一つのスタンスかもしれませんが、そうではなく、お客さんを動かすことを通じて、少しでも天然ガスシフトを進めるとか、石炭を減らす方向に行くとか、何らか自社内で考え方なり基準なりを持って、どういうエネルギーを扱うかそのものも変えようとされているかどうか。それをお伺いしたいと思います。
 それから、矢崎総業さんへのお伺いです。太陽熱はすごく大事で、特に家庭部門では給湯とか、暖房とか低温の熱需要が高いですので、ここを考えないといけないんですが、どうも今、一般の方々の生活者ヒアリングをやっていても、電気に比べると熱というのはあまり皆さんぴんとこない。あまり意識されていないというのがよくわかってきました。そういう中で、ほかの国のいろいろな政策の話もありましたが、何があればもっと太陽熱の利用が日本で進むのかなと思います。例えばそれはエコポイントみたいなものなのか。特に新築はともかく、既築に太陽熱というのを後づけでつけることが、今どれぐらい技術的に可能で、もしくは難しいのか。そこを広げるにはどうしたらいいか。アイデアがあれば教えてください。

○西岡委員長 大塚委員、お願いします。

○大塚委員 ちょっと授業の関係で遅れてきて申しわけありません。
 三井物産さんにまずお伺いしたいんですけれども、皆さんがお聞きになっているところと関係しますが、この二国間合意による排出権取得のパッケージ化ですが、これは現在排出量取引に関して、アメリカの法案で出ている二国間の協定とかという話があるんですけれども、それと同じ趣旨のものかと思うんですけれども、ちょっとそこはまず確認したいところでございます。その上で、この場合の検証は二国間でやればいいという趣旨だと多分思うんですけれども、そういうご趣旨でしょうか。アメリカがやるんだったら、多分ちょっと世界秩序を変えていくという趣旨を含むことになると思いますけれども、それはそれでいつも後からくっついていくのがいいとは限りませんので、一つの方法だなと思うんですけど、ちょっとその辺についてお伺いしたいということがございます。
 それから、その下の知財流出問題ですけれども、これは恐らくCDMをやって、ある国の企業に対してその技術を移転したら、それがほかの国の中の企業とかにどんどん広がっていってしまうと、実際、ジュウジロ自体が変わってきてしまうという問題も含めてなんだろうと思いますけれども、対応として何かお考えになっていることがあるかということについて、ちょっとお伺いしたいというのがございます。
 それから、富士通さんでございますが、最後のところで、アジアとの競争に勝てるようなロードマップが重要だというご趣旨、これは非常に重要だと思いますけれども、それもその前に多分なる説明していただいていることがそれに関連するというご趣旨だと思うんですけれども、もしもう少し二、三点でも挙げていただいて、ロードマップのここが問題だというようなことでもし教えていただければ大変ありがたいと思います。
 それから、矢崎総業さんですが、全体としてお伺いしていて、業界間での連携とかいうことを結構重視していらっしゃったような気がして、あるいは競争より連携というようなことをお考えになっているのかなという気もちょっとしたんですけれども、もしそういうご趣旨であれば、その辺についてもう少し詳しく教えていただけるとありがたいと思います。
 以上でございます。

○西岡委員長 影山委員。

○影山委員 三井物産さんにお聞きしたいと思います。二国間合意について、相手国のニーズがないとなかなか成立しないと思いますが、日本の技術を活用して、プロジェクトを立ち上げて、それでクレジット化するという相手国のニーズについて、何か見通しがあれば教えていただきたいと思います。
 それから、富士通さんにお聞きしたい点ですが、ここで言われていることは、αとβとγがあって、その合計で削減する、あるいはγの方が非常にポテンシャルが高いから、そこの削減をねらっていく、ということではないかと私は受け取りましたが、そうすると、例えば富士通さん単体αでCOの排出総量のキャップをかけることになると、全体でのCO削減に害を与えることになるのではないか。効率を上げるのは良いと思いますが、富士通さんそのもののCOの排出量を制限することは、全体の削減については効率を悪くするのではないかという気がする、あるいはβでもそうだと思う。例えばデータセンターでは、非常にCO排出量が増えてしまうけれども、全体のシステムとしては大幅なCO削減が達成できるということになるのではないかと思います。αやβで、別々にCOを削減するということは、全体のCO削減として効率的ではないのではないかと思いますが、ご意見があればお願いいたします。
 以上です。

○西岡委員長 笹之内委員、お願いします。

○笹之内委員 三井物産さんにお聞きしたいです。多分皆さんの関心もそこに集まって、私もそこにいくわけなんですけれども、二国間合意というのは非常にすばらしいなと思います。ぜひこういうことはやるべきだ。と申しますのは、先週も実はAWGに行っておりまして、とても国連でまとまるということはほぼ不可能で、ちょうどWTOがFTAで行くようなものですから、そんなのを待っているよりどんどん削減したほうが地球のためにいいわけですから、こういうアイデアというのはどしどし、むしろ、先ほど大塚先生がおっしゃられたんですが、アメリカ政府がそういうことを考えているというのも聞いておりますけど、民ベースでこういうことをどんどん進めるというのは非常にいいことだなと。ということを思っているんですけれども、なのにやっぱりCDMも2013年以降欲しいという文脈に、これ読めるんですけれども、というのは対応でCDM制度の改善、2013年以降の枠組みの設定ということで、2013年以降もCDMを三井物産さんは期待されておると。
 それから、省エネ関係のプロジェクトがないという問題点を言いながら、三井物産自身も6ページの方を見るとほとんどがメタンとか何かということで、これは何か理由が。やっぱり二酸化炭素のCDMというのがやりづらいのか。二国間なら二酸化炭素もやりやすくなるのかどうかというようなことに何かお考えがあるのか。
 最後に、ビジネスに対しては情報収集と嗅覚はもうすばらしい三井物産が、2013年以降もこういうクレジットが必要だと思うということは、もちろん物産さん、グローバルでビジネスをやっておられるわけですけれども、少なくとも日本の今のロードマップは真水で達成できないという、そういうふうに思われているのかなというふうに思うんですが、それはいかがでしょうか。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。それでは時間があまりなくなってきましたが、1社7分ぐらいを目処にして、要点をお答えいただけるとありがたい。

○三井物産株式会社 じゃ手短にご説明申し上げます。
 まず杉山委員から出されました成長戦略に我々のプレゼンの中で、日本の技術にどう落とし込んでいくのかということなんですけれども、私ども申し上げたいのは、要は今までは排出権を取ってくると言っても、日本の技術が全く出ていっていない。だからこれをやはり今のCDMのメカニズムを変えていけばできるのかというと、多分そうではないと思うんで、これは後の二国間にも結びつきますけれども、国内の産業を育成するに当たって、海外のマーケットも積極的に支援することでそういったいい技術のマーケットを広げていくべきだろうと。そういったことで、同じ排出権というのを仮に将来持ってくるにしても、日本に資金が還流されるような、そういうメカニズムをつくったらどうかというふうに思っている次第でございます。
 2番目に冨田委員のCDMで、何で日本の技術が出ないんだと。これはいろいろな理由がありまして、一つは、CDMが動き始めたのが大体京都議定書が発効した2005年ぐらいでございます。その時点でプロジェクトを始めて、そのとき2012年まで排出権で回収するということになりますと、あまり長い建設期間のかかるプロジェクトというのは敬遠されたんですね。どうしても当初は早くて小さくて、効率のいいもの。私どもこういうメタンというのをやっているわけですけれども、日本の強みというのは多分省エネ系の設備にあると思うんですけれども、そういうものはどうしても入れるのに時間がかかる。かつ、これも国連のルールとかいろいろあるわけなんですけれども、省エネ設備というのがなかなかCDMとしては効率が悪いんですね。そういった問題があると思います。
 さらに言いますと、日本の省エネ技術は進んでいるんですけれども、例えば中国はちょっとそれより落ちるけれども、似たような技術が大体あるんですね。そうするとどうしてもそれに走ってしまうというようないろいろな理由があったというふうに思います。
 次に、伴委員から出されました例の資源開発の部分なんですけれども、確かに私ども1981年にIGPCという問題があったわけですけれども、ただ、引き続き資源の海外投資というのは進めていくんだろうなと思います。その際にやはり一番考えなきゃいけないのは、カントリーリスクという部分があると思います。カントリーリスクというのは、今、ある意味資源ナショナリズムだとか、あるいは中国の進出だとかいろいろ難しい部分があるんですけれども、私どもは、一つはJBICさんとか、日本政府さんとのバックアップを得て、かつ日本の需要家さんのバックアップを得て資源をとりにいくと。ただし、1点集中というのはどうしてもリスクが伴いますので、全体をポートフォリオでもって管理しながらやっていくということだと思います。
 それと安井委員から出ました二国間で相手をどう選ぶかなんですけれども、これはある意味大きく言いますと、日本の外交戦略にも絡んでくると思うんですね。昨年、COの排出が多いという意味で中国とかインドとかあるわけですし、まだまだアジアも効率が低いわけですね。こういった国ともある意味どうやってつき合っていくかという中で、そういった二国間をある意味進められるところと進めていくということではないかと思います。
 ODAの低炭素化というのは、確かに当初は、ODAはCDMに入れないという議論はありました。でもこれは最終的に、私の記憶ではODAもCDMの対象になったと記憶していますので、ある意味そういった部分での、低炭素化に向かったODAを出すという戦略は私はあってもいいというふうに思っております。
 その後、省エネ技術とレアメタル獲得戦略というのは、確かにそういうのは理論的にはあるんだと思います。技術を出すことによって、資源をとってくるというのがあればいいと思うんですけれども、これは個別のアイテム、あるいは相手によって多分違うと思うので、私の方からはそれで行くべきだというふうに言うのはちょっとどうかなと思っています。
 次に赤井委員から出ました水素の件なんですけれども、ガソリンスタンドが疲弊していると。そのとおりです。その中で新しいビジネスモデルが必要だというのも本当にご指摘のとおりだと思うんですけれども、私どもの今の検討レベルでは、そういったいいアイデアはまだないということです。水素ステーションを1個つくるのに、日本で3億円から5億円。海外では1億円ぐらいだと言われていますけれども、やはり燃料電池自動車が大体1ステーション当たり2,000台ぐらい必要なんですね。例えば初期の段階で2,000台売れるのが先か、水素ステーションが先かというのがあって、これを日本全国どう展開するかとなると、やはり今の段階では民間の力を超えているのではないかというふうに思っております。
 次に、枝廣委員の意見ですけれども、二国間の話ですけれども、ほかではどうという話も、さっき笹之内委員からも出ましたけれども、これもはっきりは言えないんですけれども、やはり業界の噂ではいろいろなところでそういう話は出ています。出ているんで、やはり能力を超えちゃいけないんじゃないかなというふうに思っています。
 それと、エネルギーの低炭素化なんですけれども、これはまず基本は枝廣委員がおっしゃったように、我々は客先のニーズ、これに合わせてとってくるということだと思います。例えば石炭についても、確かにCOは多いんですけれども、やはり将来的にはCCSの可能性もありますし、あるいは高効率な利用技術もありますので、そういったニーズを踏まえてバランスを考えた上で、やっぱり資源をとってくるんだろうなというふうに思っております。ですから、自社内基準と言われましても、ちょっと私は存じ上げません。
 それと、大塚委員から出ました検証は二国間でやればいいのかというご質問なんですけれども、これもたしか今いろいろなところで、MRVという、Measurement, Reporting and Verificationという議論がされていますので、二国間だけで勝手にやっちゃうと多分国際的には認められない部分があると思うので、そこはその国際的な議論も見ながら受け入れられるような形で、やり方はあるのではないかと思います。
 それとCDMの知財流出、これはちょっと私ども商社にとっても非常に難しい問題で、申しわけないですけれども、これに対して我々こうすべきだというのは、今のところはありません。
 影山委員から出ました二国間の相手国のニーズということなんですけれども、私ども基本的に、韓国は別ですけれども、アジアの国には排出削減ニーズというのがあると思っています。ただし、国によって、これは先ほど申し上げましたように、日本の外交政策とも絡んできますので、どこにするかというのは、ある意味総合的に考えていくべきかなというふうに思っております。
 最後の笹之内委員の件ですけれども、まずCDMで2013年以降も期待しているのかという話なんですけれども、私どもは基本的には今まで少なくとも、ほとんど日本の需要家さんのニーズに応えるべく、商社の海外機能を発揮して、海外で削減した排出権を持ってくるということでやってきました。ですから、将来的にCDMをやるかどうかとなると、もちろん欧州にもニーズはあるわけですけれども、そのマーケットはあるわけですけれども、やはり日本のマーケットとか需要に応えることを優先してやっていきたいというふうに思います。
 真水は負荷だと思っているのかという話なんですけれども、これはちょっと私が言うのがあれで、25%もちろん真水でやるというアイデアもあると思いますけれども、一つの可能性としては、やはり同じCOを削減するのに、日本でやるのと海外でやるのとコストが違う。どれだけ違うのかと。海外の方が明らかに安いのであれば、そこで削減して排出権として持ってくるというのは、地球全体の削減効率という意味ではいいのではないかというふうに私は思っております。
 大体、以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは朽網さん、お願いします。

○富士通株式会社 順番にお答えしたいと思います。
 まず杉山委員の方からいただいた成長戦略とロードマップのところなんですけれども、いずれにしても日本の技術が導入されて、COが削減されるということがベストだと思います。
 実は日本の技術が導入されるためには、日本の技術がすぐれていないといけないということになります。実はすぐれた日本の技術をどうやってつくるかというのが、実は施策として必要でして、しかも日本の効率というのは世界一というふうによく言われますけれども、これから導入される技術は世界で一番進んでいる技術が一つでもあると、それが入り込んでいくということですので、日本の例えばICTの技術もそうですが、その一つの技術、すぐれた技術を構築するということがいろいろな分野で必要なのかなというふうに思います。
 そのためにベンチマーク、世界のベンチマークですね。ICTの分野でいいますと、今日私がご説明した内容は、例えばヨーロッパでいいますと、ICT for E-forumというのがもう既に立ち上がって、2020年20%削減するという目標を、ICTで5年前倒ししましょうと。2015年にやりましょうという話が今動いていますし、韓国とかシンガポールも非常にアグレッシブに動いています。そういうところの技術、もちろんアメリカもいますが、日本の技術が勝てないと世界のCO、あるいは日本のCOですら、日本の技術が入らないということになると思います。やはりある意味で一番というのは必要なのかなという気がします。
 それから、伴委員の方からいただいたテレワーク、なかなか進まないということなんですけれども、これはコストと性能、やはりありまして、安いコストではそこそこの性能しか得られない。そうすると使い勝手が悪いということになります。使い勝手がいいものは、やはりまだまだコストが高いということになります。環境ビジネス全体を考えると、市場というのはまだまだ成熟していない。ですから、何かきっかけが、例えばエコポイントみたいなものが必要になってきますので、ぜひそういう環境に貢献できる技術に関してはやはり後押しというのが必要なんではないかなと思います。
 それから、公共性というのが必要でして、テレビ会議を個々で持つというのはなかなか大変な話ですね。ですから、こういったものを公共でシェアするという仕組みというのも重要かなと。電子カルテとかテレビ会議とか、在宅勤務もそうでしょうけれども、そういったものがあると思います。
 藤野委員から言われたGDP、ロードマップどおりにいくとGDPはどんどん増えていくと。国内の雇用の分析はしているかということなんですけれども、富士通としては何とも言えません。業界とかあるいは各関係省庁さんは多分この分析をしていますので、ICTで技術に貢献すると同時に、この関係の雇用が何万人増えるという分析を既にされていると思います。
 クラウドに関しましては、先ほど電力がどんどん増えていくということでしたけれども、これは実は逆でして、クラウドはシェアする仕組みですね。各個人とか公社が持っていたITリソースを、あるいはITの関係するサービスを集約して、それをみんなで使おうということですので、社会全体から見ますとクラウドは大幅にCOを削減する一つの施策です。
 それから、増井委員と枝廣委員からいただいた質問なんですけれども、自社6%で、β、γ、どんどんやっていこうというときの普及の障害というのは、先ほど成長戦略のところと全く同じことになると思います。やはり少し後押しが必要かなというふうに。そのためにはICTの貢献というのは社会全体に認識していただくということが必要かもしれません。
 それから屋井委員からいただいたデジタコなんですけれども、このグラフ、12ページのグラフだったと思いますけれども、黄色い部分は人の移動量。人の移動量は、実は書き方はちょっと悪いんですけれども、車の移動効率を表していますので、19%というものは車の燃費が改善されると。車自身の燃費ではなくて、エコドライブによって見かけ上の燃費が改善されるという意味の19%です。これは実際にある某運送会社で実験をした結果の19%ですので、ポテンシャルではなくて、むしろ実績というふうに考えていただければいいかなと思います。絶対量でいいますと、1万トンレベルのものです。
 それから、18ページの都市計画シミュレーション技術ですが、かつていろいろやられたスパコン、地球シミュレーターを初めとして、予測でこれまでずっと使われてきたんですけれども、これからは多分施策の分野でこのスパコンの技術というのは使われるのではないかなというふうに思っています。点から面に施策の効果を見るためには、こういった面での交通流の計算とかエネルギー全体の面で、どういうふうに分配されて使われるかというシミュレーションが必要かなというふうに。これはちょっとイメージですけれども、思います。
 それから、1割削減は可能かと、イエスかノーかということですけれども、私としてはイエスだというふうに思っていまして、先ほどのデジタコは一つの事例ですけど、10%の効率改善というのは可能ではないかなというふうに思っています。
 安井先生からいただいたβのところのグラフですが、これは5倍、12倍は、2006年度までのペースで改善が進むと5倍、12倍になります。革新的な技術が入りますとこれが下がっていく。下げなければいけないというグラフです。通信料がどんどん増えているというのが原因です。
 それから赤井委員ですけれども、グラフのところ、削減量は見えているけれども、総排出量、実はグラフの白い部分が総排出量を表していまして、左側のグラフ、GITがあって、白い部分がなくなって、黒い部分に落ちていくということですので、白い部分がちょうど削減量になっています。削減しない場合の底のボリュームというのは、例えばシナリオAの2050年は1,129と3,238を足した量になるというふうに理解していただければ。
 それから、牛久保委員からいただいた紙の消費はどんどん増えている。多分増えていると思います。プリンターで排出するほとんどが電子データをプリンターで排出するものではないかなというふうに思っています。それ以外の紙というのはそんなに増えていないんではないかなと。これは、意見としては過渡期でして、ICTの技術がより普及していきますと、ちょうど我々の世代は紙と電子データの両方を使っていますけれども、だんだんその比重が電子データの方に移っていくと。自治体とか政府とか法律関係で進むと、あるいは学校関係で進むと、社会全体はそっちの方に動いていくんではないかなというふうに思っています。
 農産業の地方への貢献。これはあります。今日ご紹介したのは産業といいますか、例えば運輸の事例なんですが、農業の事例、漁業の事例、畜産の事例というのはICTの貢献でありますので、我々の分野としては視野に入っています。
 それから、アジアとの連携のところですけれども、これは一番最初の質問の答えですね。技術のタイムライン、強豪がたくさんいますので、そこでどうやってアジアに技術を提携していくか。実は、先ほど来出ている二国間CDMというのは非常に重要なスキームだというふうに考えています。影山委員からいただいたα、β、γ、富士通は実はαを削減します、βも頑張ります、γも頑張りますというところで、全部頑張るという非常にいい目標を立てているんですけれども、β、γがどんどん増えていくと、α自身の母数が増えていきますと、そこのバランスというのが非常に大事だと思います。全体最適でいいますと、αを犠牲にしてもβ、γで頑張った方が社会には貢献できるんですが、富士通自身の考えとしては、自分たちの工場の効率をどんどん上げていくということはコストを削減するという意味でも非常に重要ですので、全部削減するという目標を今掲げています。量が多分問題なのではないかなというふうに思います。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。それでは、矢崎さんの方ですけれども、今牛久保委員の方からもご要望がありまして、少しの時間を木質ペレットのために割いていただきたい。

○矢崎総業株式会社 最初に冨田委員の方からの個別の比較のグラフのところのまずベンチマークは、東京都の4人家族で、平均的にCOを5.5トン排出しているモデルというところをベースに比較したデータで、CO排出量を計算しております。それと、アドバイスがあったように、ソーラークーリングにつきましては私どもも1974年、今から36年前にソーラー冷房というのを開発して、現在もいろいろなクーリングも含めて販売していますので、今日説明をしなかったんですけれども、非常に期待される新たな取組という意味では、ソーラークーリングは非常にこれから積極的にやっていくべきだというふうに私も思っております。
 それと伴委員の方から、熱が非常にイメージが悪いということで、実は私どもマーケットの調査をした結果、以前使っていたお客様が使わなくなったというところの4割の理由が、実はアフターサービスが非常に悪い。あるいは何かあったときに既にメーカーがやめて、いなくて困ったということで、売り切って後は知らないというようなイメージが非常に強くて、イメージが悪いというのが全体の4割を占めていたという意味では、これからはやっぱり売って、その後に当然工事の品質も含めて、サービス的に10年、15年、20年きちんとメンテナンスも含めてケアできるという信頼できるメーカーがきちんと対応していくという意味では、ワンストップのサービスと長い期間、きちんとお客様とつながっていくという意味で、お客様の顧客データも管理していないという実情がありますので、その辺をきちんと対応していくという体制を今つくっております。
 あと、藤野委員の方から、東京都のプロジェクトについては、先導的に誘導していただいたという意味では、非常に効果的に新しい動きをつくっていただいたということで非常に業界としてはいい方向にいっていると。ただ、残念ながら、メーカーのシステムの魅力ある商品がまだ追いついていないということとあわせて、どういう形でプロモーション活動をより積極的にエンドユーザー様に向かってやっていくかというところに弱さがあったということで、これはソーラーシステム振興協会という協会も含めて、メーカーが中心になってもう少し積極的にやっていくための課題ということを今議論していますので、展開としては非常にいい方向に引っ張っていただいているというふうに感じております。
 増井委員の方から長期的視点というものについての考え方ということで、実は環境商品って非常に長い年数で投資回収がかかるということで、通常の短期的な利益でキャッシュがもらえるような業界とは違って、5年、10年先にというような形で長期的に効果を出していく。そのためにやっぱりある一定のステップを踏んで、年数を踏みながらステップを上げていく。その中で失敗した事例は次に成功させていくということも含めて、例えばドイツの風力発電はどこで風が吹くかわからないんだけれども、小さな風力をつけて、その中で最も効果のあるところを大型に切りかえっていって、成功事例は伸ばし、失敗事例はもうつけないとか、そういった意味では長期的な視点でステップを踏むような政策誘導をしていくということも含めて、通常の商品あるいは物と違って、割と長い視点でのステップのロードマップという中で議論をしながら改良していくということを是非していく必要があるというふうに思っています。
 あと、安井委員の寒い地域あるいは積雪地域ということも含めて、もともと以前から積雪用の太陽熱というのはあるんですけれども、残念ながら非常に効果が薄いということもあって、これから積雪の地域とか寒冷地については、どういう商品がいいのかということについては、従来の発想の角度が寝たようなパネルではなくて、例えば垂直設置ですとか、雪が降ってもきちんと雪を取っていけるような仕組みとか、そういったことも含めて、今寒冷地あるいは積雪用のシステム商品ということをこれから検討していくというのが、私どもの商品のロードマップの課題にもなっていますので、それを商品として開発していこうと思っています。
 木質ペレットにつきましては、隣にいる庄子が木質ペレットの事業推進の責任者ですので、この後、ちょっと時間をいただいて説明させていただきます。
 枝廣委員の、熱がどういうふうにすれば進んでいくのかということと、既築に関するいい設置ということで、熱についてはさっき言ったようにイメージが悪いということをどういうふうに改善するかということとあわせて、非常にユーザー様に、ああ、こんないい商品だなということが認めていただけるような商品というのは、結果的に給湯システムと連動した全体のシステムの商品化と、あとは本当に使っていいということが見えるような見える化をどうしていくのかということとあわせて、既築につきましては非常に古い屋根につけたときには、雨漏りとかそういったことがないように、そういった比較的いい屋根と少し心配した方がいいということについては設置方法にもかなり気をつけていかなければいけない。基本的にはラックという新築でつけるワイヤーのないタイプと、古い屋根についてはラックが厳しいというときには、ワイヤーでとめて、それも木にとめるときのいろいろな課題がありますので、その辺は業界で標準化をしながら、施工要領というのをもう一回つくり直していますので、そちらできちんとした標準化して、各メーカー間では技能士制度というものを議論しながら、どういう形で施工保証をしていくのか。既築に対する取り付けはどういうふうにしていくのかという、もう一回基準の見直しを進めていますので、それでちゃんとした保証をしていこうというふうに考えています。
 あと、大塚委員の方から、競争よりも連携というような視点が強いというご指摘があったんですけれども、実はこの太陽熱というのは少し給湯器というものの進化についていけなかったということと、最近、先ほど冨田さんの方からもエネルギー推進フォーラムという新たなプラットフォームができ始めているということで、基本的には給湯器とかエネルギー業界というところと一緒になって、新しい業界構造の中で、その中で適正な競争をしていくというステップで、まず競争重視でいくと残念ながら、今まで太陽熱も他社よりもいいものという視点があまりにも強過ぎて、全体の業界をどう推進していくのかということが非常に弱かったということで、少し連携をとりながら、業界の構造を強くしていく中で適切な競争をしていくと。自然にいいものをつくっていくという形の競争が生まれてくると思っています。まずはどういう形で新しい業界構造をつくっていくのかということが、かなり今動きがあるというふうに理解しております。
 最後に、木質ペレットにつきましては、庄子の方から簡単に説明させていただきます。

○西岡委員長 簡単にお願いします。

○矢崎総業株式会社 それでは、木質ペレットのページの付録で、参考資料ということで、28ページをご覧いただきたいと思うんですが、木質ペレットといいますのは、もともと日本の森林吸収で、3.8%COを吸収されているわけですが、もともと山にある木を間引きという、整備するために間引きをして、用語では間伐というそういうことをやっていくわけですが、要は端コロですとか、幹のところですね。そのまま山の中に放置されて、真ん中のところだけが製材として使われているということで、山に捨てられたり、または製材所で引いた後に残ってくる背板ですとか、おが粉ですとか、そのようなものがどちらかというと製材産廃として捨てられたり、または別な用途で利用されているということがありまして、私どもある地域でモデル的にこの事業が地域のエネルギーにならないだろうかということをテスト的にさせていただきまして、そういった意味で森林エネルギーですから、カーボンニュートラルというエネルギーの中で地域連携というモデルをつくって、今まで取り組んできたという一つのモデル事業でございます。
 それによって、地域はそのエネルギーを使って、産業、用途としては今まで石油ですとか化石燃料的なものを使っていたエネルギーをこの木質ペレットを利用してCOを減らすということで、地元でつくったエネルギーを利用することによって地域の産業、それからCO削減ということで連携して、地域モデルとして使われているというところでございます。こういったものは、ヨーロッパ、EUですとか、アメリカなどでは200万トン、300万トンという量が使われていまして、日本でも最近石炭混焼ということで、電力会社さんも数十万トン規模で、輸入され使われ始めている一つのエネルギーになってきた。またはガスエネルギー会社でも同じように、ガスとペレットの並列利用したエネルギーとしてCO削減に貢献していこうということで着目されて、地域だけではなく、大規模のエネルギーの部分的な要素がありますけれども、使われ始めているというところでございます。
 この中で、私たちが一番悩んでいますのは、やはりエネルギーの確たるものとしてなかなか成長しにくいエネルギーだということで、固形燃料ということでチップという世界とペレットという世界があるんですが、ペレットの方は……

○西岡委員長 少々短くお願いします。

○矢崎総業株式会社 はい。31ページにありますように、一番左側の下にあります4,200ぐらいということで、油の約半分ぐらいの発熱量がありますので、非常に効果的なエネルギーだということでございます。一例ですが、私どもで設置している冷暖房装置ということで、30ページに載っていますが、全体的に34基ついて、少ないですけれども、約1,000トンCOぐらいの削減効果が出てきて、こういったものを普及させることによって、CO削減ということと、地域のエネルギーとしての循環の利用ができるというところを考えているというところでございます。
 最後のページはいろいろな商品のバリエーションがあるということで、ハウス農業用ですとか家庭用のストーブですとか、そんなところで現在使われて、日本の国内では約6万トン弱しか、民生用では残念ながら使われていないエネルギーというところでございます。
 以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 本日ヒアリングを受けて、欠席の委員も含めて、各委員から追加の質問、コメントをいただきます。そしていただいた質問に対するご回答も含めまして、環境省のホームページで掲載するという手はずになっておりますので、よろしくお願いいたします。
 どうも皆さん、ありがとうございました。
 それでは、ちょっと遅れておりますが、前半と後半の入れかえをお願いいたします。
 それでは、後半のヒアリングを始めたいと思います。
 議事の順番はお手元の資料にございますので、最初に電気事業連合会事務局長の廣江様より、約15分、お願いいたします。

○電気事業連合会 電気事業連合会の廣江でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 お手元の資料でご説明申し上げます。右肩3ページでございます。
 私ども低炭素社会実現のための基本的な考え方でございます。題名が3つ並んでございます。環境の保全の必要性、これは当然でございますが、情報のように非常にエネルギーの自給率の低い国におきましては、安定供給の確保、できるだけそれを低廉にという経済性、この3つの同時達成というのが私どもの基本的な責務と、このように考えております。
 次の4ページでございます。具体的にどのような取組をするのかということでございますが、3つのEの同時達成というのは一番左にございますが、一つは供給サイドでございます。その下に[1]、[2]、[3]と、原子力の活用、再生可能エネルギーの利用の拡大、さらには化石燃料の高効率化等々、この供給サイドの取組と、その右にございます需要サイド。高効率機器の普及、電化による省エネと、この2つの掛け算で低炭素社会を実現してまいりたいと、このように考えているところでございます。
 次の5ページでございます。私ども、2020年に向けました数値上の目標ということでございます。私ども基本的には排出原単位を目標に設定いたしております。すなわち1キロワット・パー・アワーの発電機をつくるためにどれぐらいのCOを排出するかということでございます。私どもご承知のように、自由化が始まってございますが、それでもやはり30%から20%は依然としまして規制がございまして、供給責任を負ってございます。さらに、自由市場におきましても最終保障の責任は負っているということでございます。さらに申しますと、むしろ他のエネルギーから電力の方に需要をシフトしていただいた方が、国全体としてあるいは地球全体としてCOが削減できるのではないかと、このような思いもございます。ということで、量というよりはむしろこの排出原単位を目標にしてきたということでございます。
 このグラフに3本線がございまして、排出原単位が右肩に下がってきておりました紫の線でございます。赤い線、これは原子力の発電電力量、それからグリーンの線、これが全体の販売電力量でございます。この排出原単位は70年から2000年にかけまして、右肩で下がってまいりました。これは、原子力の発電電力量がかなり相当な勢いで増えてきたということが非常に大きゅうございます。販売電力量の増分のほとんどを原子力で賄ってきたという時代がございました。ところが、残念ながら、2000年以降につきましてはやや右肩上がりにこの排出原単位がなってしまっております。ご存じだと思いますが、原子力発電所の発電の利用率の方が自然災害あるいは私どもの不祥事、あるいは事故等々で残念ながら、発電電力量そのものが横ばいから若干低下してしまっておりまして、結果としまして、この原単位も現在は右肩上がりの状況になってしまっているということでございます。
 次の6ページでございます。今の排出原単位を各国で比較をしてございます。日本をご覧いただきますと、主要国の中では低い方から4番目ということでございます。0.43kg-CO2ということでございます。中段下段には非化石電源の比率、さらには化石電源の比率が書いてございます。日本よりも圧倒的に低うございますが、フランス、これは原子力でございますし、カナダも水力資源をたくさん持ってございまして、非常に低い水準でございます。一方、ドイツでございますが、実は日本よりも15%程度、現在高いということでございます。原子力の比率は実は日本とほぼ同様でございますが、ドイツの場合には国内にたくさんの石炭資源を持っておられまして、この部分は安定供給、エネルギーセキュリティという面からあまり削減していらっしゃらないということで、日本に比べてむしろ排出原単位は悪いという状況になっています。
 次の7ページでございます。今後の取組、どのようなことでこの低炭素社会を実現していくのかということでございます。一つは、原子力発電所の新増設でございます。左の方に棒グラフがございまして、過去10年単位程度で新規に運転を開始しました原子力の容量が書いてございます。残念ながら、2000年から2009年にかけましては、幾つかの事情がございまして、非常に開発量が減ってしまったということでございますが、これを何とか2010年から2019年では、上の箱の中に文字で書いてございますが、19年までには9基、1,294万キロワット、さらにそれから先につきましても5基の開発を着実に進めてまいりたいと、このように考えております。この14基すべてが完成いたしますと、これだけで年間に1億トン程度COの排出量が減るという計算になってまいります。
 次の8ページでございます。既設の原子力発電所を、安全を当然ながら大前提にございますが、できるだけ活用するというのも非常に重要なポイントでございます。最初の箱の中に文字で書いてございますが、全国の原子力発電所の利用率の1%が向上いたしますと、年間で300万トンCOが減るという計算になってまいります。左手の下にグラフが入ってございまして、これは利用率をアメリカ、日本、フランス、韓国と比較してございます。日本も、実は90年代の後半ぐらいは80%を超えるというような利用率を維持してございましたが、右手の小さな字で書いてございますが、幾つかの不祥事あるいは事故、さらには自然災害ということで、現在は60%に下がってしまっているという状況でございます。片や、かつて60%台でございましたアメリカは現在90%を超える。韓国も90%を超えるということでございます。もちろん安全大前提、地元のご理解ということでございますが、そういった幾つかの課題を順番に解決してまいりまして、何とか2020年には85%、さらにその後につきましては世界最高水準を目指してまいりたいと、このように考えているところでございます。
 次の9ページでございます。9ページ、10ページは再生可能エネルギーの代表としまして、太陽光の取組を書いてございます。まず9ページの方は、太陽光、これは当然ながら発電段階ではCOは出しません。非常にすぐれた性格を持ってございますが、一方で出力が非常に振れるという残念ながら問題もございます。したがいまして、従来私どもがお届けしてまいりました高品質の電気とこの太陽光との幸せな共存関係をどうしてつくるのかというのが大きな課題でございまして、いわば日本版のスマートグリッド、これを一生懸命開発してまいりたいと考えております。
 下に絵が描いてございますが、従来は火力、水力、これで供給と需要をぴたりと合わすという操作をしてまいりましたが、そこに変動要因として太陽光が入ってまいります。一方で、将来大量の太陽光が入ってまいりますと、多分電力が一時的に過剰になる時間帯というのが出てくる可能性がございます。そうなりますと、蓄電池もこの系統の中に入れないといけない。そうしますと、こういったものを抱えた形で、需給を瞬時、瞬時に合わせていくという操作をしなければなりません。こういったことを今後一生懸命開発していくということでございます。
 次の10ページでございますが、メガソーラーの計画でございまして、基本的には私どもはどちらかといいますと、大量の太陽光を受け入れる側で系統の整備をしたいと思っておりますが、一方では太陽光の導入の起爆剤にするという意味で、こういったメガソーラーの計画を持っているということでございます。
 次の11ページでございます。先ほど前半でも話題になっておりました石炭についての考え方でございますが、中ほどに書いてございます。石炭は確かにCOの排出という面では問題を持ってございますが、一方では右手のグラフにございますように、可採年限が長い。あるいは比較的正常な安定した国でたくさんとれるということでございますので、左下の棒グラフにございますように、極めて自給率の低い日本、原子力を入れても18%でございますが、こういった国にとりましてやはり大事な資源だろうと考えております。
 次の12ページでございます。細かなグラフで恐縮でございますが、右下の方に各国の石炭火力発電所の熱効率の比較をしてございます。日本はこの一番上の線でございまして、大体40%を超えるレベル、世界でほぼ最高水準をずっと維持してまいりました。一方で下の方に、中国、インドがございますが、日本よりも10ポイント低いということでございます。したがいまして、同じ電気をつくるのに、日本の場合には中国、インドに比べますと30%少ないCOで発電ができるということでございます。最初の箱の2つ目のポツにございますが、米・中・印3カ国で、日本の石炭火力の技術を導入する。すなわちこの熱効率を単純に導入したといたしますと、年間で13億トン、日本の排出量に匹敵するCOの削減が可能ということでございます。日本の高い熱効率でございますが、もちろん設計効率の低さもございますが、メンテの技術というところでも相当差があるというふうに聞いております。したがいまして、こういった技術をさらに維持拡大させ、発展させるためには、ある程度やはり日本にもこういった石炭の技術、石炭火力発電所を持っていくということが重要であろうと思っております。したがいまして、日本で一定量の石炭火力を維持し、その技術も維持向上させ、安定供給にも役立てながら、この技術を海外に移転することで、地球レベルのCOの削減に努力するということではないかなと考えております。
 次の13ページ、需要サイドでございます。これも先ほどお話が出ておりました、ここではヒートポンプと電気自動車と書いてございますが、例えばヒートポンプ、2つ目の箱の中ほどでございますけれども、仮に日本のさまざまな熱利用をヒートポンプに置きかえますと、電力部門では排出量が増えますが、産業部門全体では減少するということで、我が国全体で1.3億トン削減可能という単純な計算もございます。また、電気自動車につきましても同様で、例えば軽自動車をすべて電気自動車にかえますと、我が国全体では2,500万トンという、電力セクターからの排出量は増加いたしますが2,500万トン減らすことができるということでございます。
 14ページ、低炭素化を考える上で、私どもが抱えております制約条件でございます。それは真水でCOを減らすためには、当然ながら設備で対応することになりますが、非常にその設備の形成に時間がかかるということでございます。ここでは柏崎刈羽原子力発電所の例が書いてございますが、1号機が運転を開始しますまでに、地元に立地調査等を申し入れいたしまして、18年間要したということでございます。もう一点忘れてならないのは、実は送電線の建設でございます。下にこの柏崎の電気を東京へ持ってきますために建設いたしました送電線の建設年限が書いてございますが、12年ということでございます。相当な時間がかかってしまうと。すなわち私どもにとりましては、実は10年というのはほとんど条件を変えることができない。短期ということでございます。こういった中で低炭素化は実現していかなければならないということでございます。
 次に1ページ飛びまして、16ページでございます。私どもの環境政策に対する考え方ということでございまして、箱が2つございます。上の方でございますが、地球温暖化対策を進める上でのかぎを握るのは、何と申しましても長期的視点で見れば、やはり技術でございまして、この技術開発と普及の源泉はさらに申せば企業の活力ということでございまして、こういった企業の自主的な取組を支援する政策をぜひ重要視していただきたい。逆に視野を限定いたしまして、国内対策を優先するということにいたしますと、例えば企業の海外移転等々、本来達成すべき地球規模でのCO削減の妨げになることもあるのではないかなということは、少し懸念するところでございます。
 次の17ページでございます。個別の政策についてということで、○で1から3まで書いてございます。地球温暖化対策税、排出量取引、さらには再生可能エネルギー全量買取でございますが、上の箱にございますこういったものも導入ありきではなしに、まずは制度導入によってどれぐらいCOを減らすことができるのか。あるいは国民生活や産業に対してどれぐらいの影響があるのか。こういったところを十分に慎重に検討していただいて、国民的議論を踏まえた上で、導入の可否をぜひご検討いただきたいということでございます。
 次の18ページに、特にコストの点についての計算をしてございます。これは一定の前提を置いた計算でございますので、幾つかのいろいろな計算があると思いますが、例えばここでは私どもさまざまなこういった政策が投入されますと、2兆円程度、私ども全体で発生するのではないかなと思っております。そういたしますと、下に2つの○がございますが、現在、電力会社の経常費用は総額で17兆円でございます。既に石油石炭税、あるいは電源開発促進税ということで、4,000億から5,000億円程度の負担が発生しておりますが、さらにここに2兆円程度の負担が発生する可能性もあるということでございます。
 次に1ページ飛びまして、20ページで、中長期のロードマップについての私どもの考え方でございます。白い○の2つ目をご覧いただきたいと思います。今回ご提示いただきましたロードマップでございます。これは私ども読み込み不足ということもあるかもわかりませんが、実現性、あるいは実効性で不備な点も少なくないのではないか。したがいまして、エネルギー供給に責任のある事業者としましては、特に安定供給確保あるいは経済性というところで、果たして現実的なものであるかどうかということにつきましては少し疑問に感じているということでございます。具体的な懸念点として、さらに下に2つ書いてございますが、例えば再生可能エネルギーの導入見通しに関しまして、果たして物理的なポテンシャル、あるいは現実的な前提条件・導入ペースをもとに想定されているのだろうか。あるいは費用面で申しますと、対策実施にかかる追加投資額につきまして、果たしてその財源あるいは国民全体での負担というのをどのように考えていらっしゃるのか。このあたりにつきましてやや懸念を感じているということでございます。
 したがいまして、次の21ページでございますが、幾つかのお願いがございまして、まず最初の○でございますが、現在検討していらっしゃいます新成長戦略、あるいは他のエネルギー政策、特に先週、経済産業省からはエネルギー基本計画につきましての概要が公表されてございますが、こういった各種施策を所管していらっしゃる関係省庁の見解等を踏まえて、政府としての整合のとれた内容に是非していただきたい。2つ目でございますが、産業界の影響、国民負担レベル、実現可能性、こういったことにつきまして、国民にわかりやすくお示しいただいた上で、産業界を含めた国民各層との議論をお願いをしたい。3つ目でございますが、モデルによる分析結果というのも公表されてございますが、プラス面、マイナス面、適切な評価が必要であると考えております。客観的な視点での複数の専門家の皆さん方による開かれた議論、ぜひこれをお願いしたいということでございます。
 以上でございます。ありがとうございました。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、社団法人日本化学工業協会、技術委員会委員長でいらっしゃいます塩崎さんの方からお願いします。

○日本化学工業協会 日本化学工業協会、日化協の技術委員長をしてございます塩崎でございます。本日はご意見を述べる機会を与えていただきまして、ありがとうございました。
 早速ですけれども、説明に入らせていただきます。座って説明させていただきます。
 次のページをお願いいたします。化学産業の考え方ということで、本日のプレゼンテーションの内容を箇条書きにしてございます。1点目は、自主行動計画の成果でございます。2点目は、国際競争力にさらされている現状でございます。3点目は、温暖化対策にはLCAの観点が不可欠であろうという点でございます。4点目は、途上国への技術紹介をやっているということです。最後に、1点目から4点目を踏まえまして、意見として述べさせていただきたいというふうに思います。
 次のページをお願いいたします。まず、自主行動計画についてでございます。化学産業は自主行動計画を柱といたしました活動を実施し、着実に成果を上げてきております。97年から、90年比でエネルギー原単位指数を90とするという目標を掲げて活動を推進して、2002年からは既にその目標を達成しております。このことを踏まえまして、2007年にはさらなる努力目標といたしまして、2008年から2012年の5年間で、80を目指すというふうに目標を上げました。ただし、いろいろな悪化要因があった場合には87程度になるということでございます。
 さらに、製造部門だけではなくて、次のページに示しますように、いろいろな部門におきましても、日化協の環境自主行動計画を設定して、200社の参加を得て活動を行っております。
 次のページをお願いいたします。1番目がエネルギーの原単位の改善についての項目でございます。[2]、[3]、[4]、[5]、時間の都合で省略させていただきますが、製造以外のこのような点についても目標を持って行動しております。
 次のページをお願いいたします。この図はエネルギー原単位の推移を示したグラフでございます。黒の折れ線が生産の指数でございまして、ここに示しますように生産は伸びておりますが、一方、赤の折れ線で示しましたのはエネルギーの原単位でございます。90年比、2007年度は84、2008年度は87というふうに改善することができております。また、これを達成するためにも、積極的な省エネ投資をやってございます。この資料には書いてございませんが、2008年度で367件、投資額約355億円ということを積極的な投資を実施しております。
 次のページをお願いいたします。この図は温室効果ガスの全体の削減の推移を示してございます。GHGの排出量は90年比、2008年度は26%削減という結果になってございます。
 次のページをお願いいたします。ここは日本の化学工業界が厳しい国際競争にさらされている状況を示してございます。右の表に世界のトップ企業のランキングを示してございます。黄色で着色しておりますように、最近では中東、中国との競争が激化しております。さらに、左下のグラフに主要国の化学産業の出荷額2008年を示しております。2008年、中国が日本を抜いて世界の2位になってございます。
 次のページをお願いいたします。一方、省エネ技術では、日本は世界のトップクラスでございます。ここには苛性ソーダの電解電力原単位の比較を示しております。左側に示してございますように、日本が一番低く、ヨーロッパ、アメリカ、中国ともに劣ってございます。これは右のグラフに示していますように、日本は原単位のすぐれたイオン交換膜法にいち早く転換し、そのために最高の電力原単位を保持しているためでございます。
 次のページをお願いいたします。この図は世界の石油・化学産業における各国エネルギー効率の比較を示したものでございますが、これはIEAのデータからベストプラクティステクノロジーから、どれだけ削減ポテンシャルがあるかという形のデータがございますが、それを整理したものでございます。一番左、日本が書いていますが、日本を100といたしますと、ご覧のとおり、欧州並びにアメリカ、特に右端にございます中国、インド、これは劣っているということがおわかりいただけるんじゃないかと思います。
 次のページをお願いいたします。ここからはLCA、ライフサイクルアナリシスの観点での化学製品の社会貢献の例を示してございます。蛍光ランプ、LED電球につきまして省電力、長寿命化に貢献しております。これは生産時に発生するCOの貢献度は約20倍と推定しております。それから右側は断熱材でございます。冷暖房効率の向上で生産時に比べて250倍の削減効果を示しています。右下、炭素繊維複合材であります。航空機等の軽量化に貢献しておりまして、同じく約70倍の削減に貢献しております。真ん中にございます中長期ロードマップ資料に書いてございます低炭素な日々の暮らしのイメージの中に示されております、各機器の素材は化学がすべて提供しております。これらの機器を普及させるためには、素材の供給も当然増やす必要がございます。すなわち化学の素材の増産が必要と考えております。
 次のページをお願いいたします。これはもう皆様よくご承知のグラフでございますが、左下の表にまとめてございますが、産業部門では2008年、90年比13%の削減である一方、民生部門の増加が大きゅうなってございます。ということで、製造段階ではなくて使用段階でCO排出を削減するという視点が重要であるということを示しているものではないかと思います。
 次のページをお願いいたします。ライフサイクルアナリシスの考え方につきまして、将来のCO排出削減のシナリオを漫画的に図示したものがこれでございます。縦軸はCOの排出量のイメージでございます。横軸が年を示しております。下にございますように、化学産業は新素材の生産が増加して、COの排出量は増加いたします。しかし、その上に示してございますように、先ほど例をお示しいたしましたが、それ以上に機能商品の普及によりまして、民生部門の削減に寄与できるというふうに考えてございます。
 次のページをお願いいたします。これはICCA、世界化学工業協会協議会で実施いたしました、化学製品が寄与するCO削減の可能性の定量的推定結果でございます。既に公表してございますが、例えば2005年ですと、排出量は33億トン。貢献量は69億トン。したがって、正味の削減量は36億トンでございます。削減比率は1対2対1でございます。2030年になりますと、business as usualで貢献量が113億トンから160億トン。削減比率は2.7から4.2と推定してございます。
 次のページをお願いいたします。これは前のページの貢献の内訳を示してございます。縦軸に製品名、横軸にCO削減貢献量の累積を示してございます。断熱、照明、以下それぞれの製品につきまして横軸に示します貢献があります。一番下の行をご覧ください。農業を含めた削減量は約185億トンでございます。農業を除いた正味の削減量といたしまして、一番右端にございます160億トンでございます。これが先ほどの前のページの160億トンと一致する数字でございます。
 続きまして、省エネ技術の普及活動について述べさせていただきます。このページはアジアへの省エネ技術の普及活動の実績を示してございます。それぞれの項目について詳細は省略させていただきますが、このような活動を行ってございます。
 次のページをお願いいたします。さらにこのページは中国への省エネ技術普及活動の実績を示しております。ご承知のとおり、中国のCOの排出量は、2007年にアメリカを抜き、世界一の排出国になってございます。そこで、中国での排出に貢献できるよう、省エネ・環境技術集による紹介あるいは日中省エネ環境フォーラムを開催し削減貢献の活動を実施しております。
 最後になります。まとめでございます。
 1、化学産業は地球温暖化対策として自主行動計画を柱とした活動を実施してまいりました。お示しいたしましたように、着実に成果を上げてきております。
 2、化学産業は、国際競争にさらされている基幹産業でございます。地球温暖化対策税や排出量取引等の導入が、化学産業の国際競争力を損なうことが心配されます。したがって、制度の検討に当たりましては国際的なイコールフィッティングの確保や、カーボンリーケージへの配慮が必要と考えてございます。
 3、化学産業は、LCA的な観点から社会全体の省エネに貢献してございます。地球温暖化対策基本法に掲げる施策の検討に当たりましては、こうした素材、製品の供給の足かせとならないよう、LCAの観点でGHG削減に貢献する素材・製品が評価されることが不可欠であると考えております。また、新素材の研究・開発におきましては政府の支援制度の充実を望んでございます。
 4、化学産業がエネルギーを大量に消費し続ける途上国を対象といたしまして、省エネ技術の積極的な提供・普及を目指しております。こうした取組を一層加速させるため、途上国における省エネ技術普及の貢献、これを評価した制度の創設があればと望んでございます。
 5、最後です。地球温暖化の問題は必ずしも単独では議論できないものでありまして、経済、雇用等への影響の観点も含めて、成長戦略、政府の新成長戦略やエネルギー政策、エネルギー基本計画、先ほども出てまいりました。と整合した環境政策が必要であるというふうに思ってございます。
 以上でございます。ありがとうございました。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、日本労働組合総連合会、社会政策局部長の丸田さん。

○日本労働組合総連合会 本日のトリを務めます労働組合の連合、日本労働組合総連合会の丸田と申します。本日はこのような機会をちょうだいしまして、誠にありがとうございます。
 では、資料2-6、これに沿いまして私どもの考え方を申し述べたいと思います。
 まず、そもそも連合って何?とお思いの方、かなりいらっしゃると思います。資料1をご覧下さい。日本全国で約680万人の組合員が、約2万5,000の企業別組合、そして54の産業別組合を通じて集まって、労働組合の文字どおり連合体をつくっているもの、これが連合でございます。本日、ヒアリングに来られました富士通さん、矢崎総業さん、そして電気事業連合会さんに加盟されている各電力会社であるとか、日本化学工業協会さんに加盟されている主たる化学メーカー、こういったところも私ども連合の加盟組合であります。なおかつ、いわゆる企業別、産業別という縦の枠組みだけではなくて、全国の都道府県、そしてそれをさらに細かく分けた地域、地区ごとに協議会を持っている、いわば縦と横、このつながりで運動している一つのネットワーク型の団体であると思っていただければと思います。なおかつ日本国内だけではなくて、世界155カ国の約1億7,570万人の組合が加盟している国際組織にも加盟しております。したがって、国内だけではなくて、国際的にもつながっている団体であるということをまずご理解いただきたいと思います。したがいまして、全部とは言いませんが、ほぼあらゆる産業、企業、そして職種をカバーしている労働組合であると言っていいかと思います。
 次に、私ども連合の環境政策における基本的理念であります。2-1をご覧下さい。これまで環境と経済の両立、これが重要であるという意見はよく言われるのですが、私どもはそれだけでは不十分であると考えています。ここに図式をしておりますが、環境、経済だけではなくて、社会、産業、雇用、こういった問題、こういった要素がすべて並立、共存できるもの、なおかつそれが科学に立脚したものでなければ真に実効性のある環境政策とはなり得ないと考えております。
 次に、2-2から2-4にかけまして、私ども連合を含めた国際労働運動が提唱し、呼びかけている3つのキーワードをご紹介したいと思います。詳細については後ほど触れますので、この3つの言葉だけまず覚えておいていただければと思います。一つ目がグリーン・ジョブ(Green Jobs)、2つ目が公正な移行(Just Transition)、3つ目が社会対話(Social Dialogue)であります。このことにつきましては、後ほど触れたいと思います。
 次に、3-1から3-5にかけてであります。私ども連合というのは労働組合でありまして、事業体ではございません。したがいまして、私どもが直接何かをやるというよりも、加盟している労働組合、加盟している組合員に対して、運動を呼びかける、そういう主体であります。そういったことから、私どもとしては、自らが「身近なところから、できるところから」、これを合言葉に「連合エコライフ21」という取組をやっております。なお、この「身近なところから、できるところから」というフレーズは、1992年、ブラジル、リオデジャネイロで開催されました国連環境開発会議、このときのスローガンであります"Think Globally, Act Locally"これを私どもなりにかみ砕き、意訳したものであります。それでは具体的にどういうことをやっているかということを、特に地域での取組事例を紹介する形で、3-3から3-5までつけています。この辺は後でお目通しいただければと思います。
 続きまして、4-1、ここまでは前座でありまして、ここからが本番であります。4-1に書かれていますグラフ、今回、中長期ロードマップの議論の中では何度となく目にされた図式だと思います。一番左のものづくりの分野でいきますと、最大でも11%削減、いわば向こう10年で11%削減ですが、その隣にあります日々の暮らし・地域づくり、この分野に目を転じますと、3割から5割強の大幅削減、向こう10年でバサッと削るという分野であります。したがいまして、私どもとしてはこの日々の暮らし・地域づくり、いわば民生部門での排出削減こそが今回の中長期ロードマップにおける本命、メインディッシュであるととらえております。
 その上で、今回の中長期ロードマップを私どもとしてどう見ているか。評価すべき点を3つ挙げております。別に3つしかないという意味ではありません。1つ目は、先ほど申し上げましたが、今回民生部門、日々の暮らし・地域づくりでの温室効果ガス排出削減を前面に出しているということです。、これまでは、産業部門での排出削減ばかりが前面に出ておりまして、産業、企業、これをターゲットにした議論に集中していたということです。
 2つ目は、低炭素生活スタイル、エコスタイル、これについて、我慢ではなく快適、そして豊かな暮らしの実現であると、そう位置づけていることです。これまでは、先ほど2-1の中で触れましたが、優先すべきは環境なのか産業なのか。環境のためには豊かさ追求を我慢すべきであるという議論がありましたが、そうではないのだと。こういったものが両立できるのだと、国として位置づけたことを評価しております。
 3つ目は、地球温暖化対策を新たな成長の柱と位置づけていることです。そして、その便益として市場・雇用の創出、地域の活性化、エネルギー安全保障、こういったものを掲げていることです。昨年、斉藤前環境大臣のときに出されました「緑の経済と社会の変革」、この中にありました日本版グリーン・ニューディールの視点が引き続き確保されているものと考えております。
 そして、その上であえて苦言を申し上げますと、4-3であります。1つ目がせっかく日々の暮らし・地域づくりを前面に出している割には、物の購入促進、こちらにちょっと対策が集中しているのではないだろうかと考えています。むしろ市民が日常生活の中で何をすればいいのか。そういったことがもっと前面に出ていいのではないかと思います。ただ、一方で地域づくりの中では、公共交通の利用、森林資源の活用、そういったものについてはかなりイメージが具体的になっておりまして、ここは高く評価したいなと思っています。
 2つ目が低炭素投資、これにかかる費用に対する市民の負担感、これがちょっと軽視されているのではないかと考えております。補助金があります、減税があります、向こう何年で元が取れます、というだけでは、なかなか人の行動は動かないものであります。住宅耐震改修の例、アメリカのPACEの例などが挙げられると思います。この辺も後でつっこんでいただければと思います。
 そして、3つ目がこれまでいろいろなところから指摘をされていると思いますが、海外への技術の移転・支援・評価及びその他の施策など国際的枠組みづくりの視点がやや希薄であるということです。地球温暖化問題というのはもう既に日本国内だけの問題ではありません。地球全体でどう取り組んでいくのか。その視点がもっとあってもいいのではないかと思います。そして、環境とエネルギーというのは表裏一体のものであります。エネルギー基本計画や新成長戦略、そういったものとの整合性も当然求められるべきものと思います。あと、これまでもいろいろなところで出されておりました地球温暖化対策がもたらす経済・雇用に対する効果・影響、この分析結果の数値のばらつき。これはいかがなものかということであります。
 さらに、私どもとしては、この中長期ロードマップに加味すべき点というものを4-4に載せております。当然ながら、私どもは労働組合ですので、この1点、正面突破で行きたいと思っておりますが、雇用に対する影響についててです。新しい雇用が生まれますという視点はいろいろなところで取り上げられるのですが、失われる雇用、雇用喪失のマイナス面の算定、そしてそのとき失われる雇用から別の分野にどう雇用を移動していくのか。そういったところがもっとあっていいのではないかと考えております。これが先ほど後ほど触れますと言いました2-3、国際労働運動が提唱しております公正な移行(Just Transition)の考えであります。気候変動対策を実施することによって、エネルギー構造、産業構造が変わる。それに伴って、雇用問題・失業問題が発生したときに、発生した後から対策を立てるのではなくて、雇用対策を同時進行で行い、円滑な雇用移動を実現させること。これが私どもが訴える公正な移行でありまして、これがなければ真にスムーズな低炭素社会への移行というのはなし得ないのではないかと考えております。
 再び15ページに戻りまして、真ん中辺りに、それでは具体的にどういった分野で雇用の創出が懸念されるのかということを、私どもITUCが昨年12月、コペンハーゲンのCOP15に対して出しました労働組合声明(Trade Union Statement)の中では化石エネルギーの関連部門、その他サービスを含めたエネルギー集約部門を挙げておりまして、具体的には鉄鋼、アルミ、化石燃料発電、セメント、紙パルプ、道路輸送などというのを挙げております。こういった分野において発生することが想定される、発生することが懸念される雇用の創出に対する対策、これも同時に考える必要があるかと考えています。その上で、今こそ地球温暖化対策を契機としまして、先ほど触れました2-2のグリーン・ジョブの創出や、その過程における2-3の公正な移行、Just Transitionの確保。これが必要だと考えます。
 それでは、その対策、施策はどういった場面で誰が考え、誰が決めるのか。その枠組みが2-4の社会対話(Social Dialogue)であります。これまでの有識者会議等々でもなくて、政労使の他に、地方自治体、地域社会、NGO、NPOなどさまざまな主体、マルチ・ステークホルダーが参加した、しかも協議に正式に参加できる合意形成の仕組みであります。残念ながら廃案となってしまいましたが、今回の地球温暖化対策基本法案の第33条においてこの考え方が取り入れられました。この法案は日本国内よりも実は海外での方が評価が高くて、「日本、こんな社会対話の考え方を法案に入れたよ。すごい」という評価を受けるものでありまして、是非こういったものの考えに基づく合意形成というものを今後も広めていってほしいと思います。
 では、なぜ私どもは民生部門にこだわるのかということが、5-1であります。詳細はお読みいただければと思いますが、京都議定書の枠内における取組と、ポスト京都における取組の違いについてです。特に今後は産業部門における排出削減だけでは不十分でありまして、家庭、オフィス、国民生活、そういった部分での排出削減をいかにして取り組んでいけるのか。しかも排出削減が目に見え、取り組む意欲をかき立てる、なおかつ経済的に持続可能である、そういったものが求められるのだと考えています。
 その一つの事例としまして、5-2、現在、京都で行われております京都CO削減バンクの例を出しております。解説よりも右上の表を見ていただければと思いますが、基本的には地球はもとより家庭、地域、企業、誰もが得をするというエコポイントを介在させたシステムであります。今後の対策、施策を考える上では、先ほど経済と環境だけではなくて、社会、産業、雇用、そういったもろもろの要素に対する気配り、目配り、心配り、そういったものが担保された対策が必要であると考えています。
 以上をもちまして、私の説明を終わります。ありがとうございました。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。トリにふさわしく非常に力のこもったいい提案をしていただき、どうもありがとうございました。
 それでは、委員の方からの質疑をちょうだいいたしたいと思いますので、お願いいたします。これまでの規則からいいますと、笹之内委員の方からなんですが、挙げておられないから、影山委員。こちらにこう回ります。

○影山委員 それでは、まず電気事業連合会さんに。石炭の重要性、セキュリティについて。私もこの会議で何回か言っていますが、なかなか私の言うことを信じていただけない。90年以降、電力業界が石炭を増やしていることが非常に大きく日本のCOの増加の原因になっているということをよく言われます。それも含めて、セキュリティについて、ぜひ局長のお考えをお聞かせ願えればと思います。
 それから、化学工業会さんに対して、LCAの考え方について、前半の議論でもお尋ねしましたが、製造側への総量キャップによって、下流側、例えば運輸、家庭、業務部門にどういう影響を及ぼすのか、についてお尋ねしたいと思います。
 それから、連合さんについては、この温暖化対策で工場の海外流出について、経営側から雇用喪失のおそれがあるという訴えかけがありますが、労働側からこのような雇用の喪失について、どのように見ているかをお聞かせ願えればと思います。

○西岡委員長 荻本委員、お願いします。

○荻本委員 電事連さんにお伺いしたいと思います。14ページで、送電線に非常に長い年月がかかるというご説明をいただきました。まさにそのとおりでありまして、電源というのはどちらかというと点だと。送電線が線になって、ネットワークが面になってくる。ですから、こういうものに手を入れることが必要な場合は、非常にお金も時間もかかるというのはまさにそのとおりだと思います。
 今、再生可能エネルギーをいろいろ導入することが検討されている中で、幾つかの試算がエネ庁さん側でもやられています。ただ、私自身はその計算結果の前提が必ずしも明らかではないように感じますし、どういう前提で計算するとそうなるんだろうかということが十分議論が尽くされていない。試算ということで例示されているのにとどまっているような気がします。
 そういう意味では、非常に時間のかかる流通設備であるとすると、送電線や配電網にこれからどういうことが起こるのか。どういう手を入れていかないといけないのかということに、もう少し立ち入った検討をしていかないといけないと思うんですが、とりあえず今検討されている条件等をもう少しご開示いただくようなチャンスはないのかと。または今からどのような検討が考えられるのか。このあたりを教えていただければと思います。

○西岡委員長 大塚委員。

○大塚委員 日本化学工業協会さんにちょっとお伺いしたいんですけれども、自主行動計画で減らしてきたというお話が最初の方に出てきているわけですけれども、化学工業協会さん自身のいろいろなものを化学物質としておつくりになっているので、もともと原単位が非常にわかりにくいというか、どういうふうに算定していらっしゃるのかというのがよくわからないというところが実はあるわけですけれども、自主行動計画でこれだけ減らせた理由というのは実はどこにあるのかということを、原因を教えていただきたいということでございます。
 あとLCA的な観点のところも随分強調してお話しいただいていますが、化学業界さんの特色というのが何かもしあったら教えていただきたいと思います。
 以上です。

○西岡委員長 枝廣委員。

○枝廣委員 まず、電事連さんにお伺いしたいと思います。幾つかあります。
 最初に2000年から2009年まで、開発量が減ったというところ。幾つかの理由でというお話だったんですが、どういった理由だったのか。そして、それは今後払拭できるような理由だったのか教えてください。
 もう一つ、これは私が繰り返しあちこちで言っているんですが、日本はどうしても地震国で地震が起きてしまいます。その度に、例えばそういった場所にある原発がとまって、その度にほかの代替で、例えば化石燃料が増えるとか、そういったことはCO原単位を上げてしまうと思うんですね。なので、長期的に見たときに原発の重要性はいろいろお考えだと思いますが、分散型という形で、たとえ地震が起こっても、そのように大量のCO原単位の増加を招かないような仕組みが大事じゃないかと思うんですが、そのあたりをどのようにお考えか。
 あと、もう一つは、ちょっと突拍子もなく、もしかしたら聞こえるかもしれませんが、水道の上水と中水の区別があるように、電力ももしかしたら松竹梅みたいに非常に高性能で、絶対に落ちちゃいけないものと、うちの冷蔵庫やテレビみたいに時々消えてもいいようなものと、そういうふうに分けることで、もう少しコスト、バッファーの必要性とか、コストとか、今すべてのものを最高スペックの電力を届けていただいていると思うんですね。そこの融通が少しきかないのかなと思います。
 最後の質問ですが、18ページで、税金やさまざまな仕組みを入れることで、コスト増になるというお話がありました。これは言ってみれば、コスト・オブ・アクションですよね。こういったことをやったら、これだけコストが上がると。一方で、これを判断するために、コスト・オブ・ノンアクション、これをやらなかったらどうなるかということも考えるべきだと思います。そうしたときに、例えば2008年、23兆円、私たちは化石エネルギーを輸入しているわけですが、この価格がこれから今、バーレル50ドルと想定されているのが120ドル、169ドルと上がっていく。そうしたときに、もしこういったことをやって、低炭素化を進めていなかったとしたらどういうコストなのか。もし計算されていたら教えてください。
 最後の1点はどちらかというと、ロードマップの議論へのフィードバックですが、先ほどのお話で、非常に長期が必要で12年から18年必要だというお話だったので、そうすると2020年までのロードマップに、新規8基を入れて、原発8基で減らすということを想定しない方がいいんじゃないかというふうに思いました。なので、これはロードマップの議論の方で、この8基の扱いを考えた方がいいかなと思います。
 連合さんへの質問なんですが、先ほどおっしゃった米国のPACEの例というのはぜひお話しいただきたいのと、もう一つ、企業というのは社会が必要とされる限りにおいて存続できる存在だと思うんです。社会が何を必要とするか。時代が変わると変わりますよね。時代の変化、社会の変化に対応して、変われる企業もあるし、変われない企業もある。例えば産業革命が起こったときに、機関車をぶっ壊すというラッタイドの運動があった。と同時に、いち早く変わった人たちもいた。その雇用の喪失を減らす。雇用を守るという立場からいったときに、本当にその国として守らないといけない、サポートしないといけない部分と、企業が先見の明がなくて、時代に取り残されてしがみついていたために失われた雇用と、それも含めて国がやるとは多分お考えじゃないと思うんですが、それをどのようにお考えか。もしくは労働組合の方から企業に、今時代はこういう、例えば低炭素の動きなんだから、企業としてかじ取りをそちらへ行ってくれというような企業への働きかけをどのようにされているのか教えてください。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。赤井委員、お願いします。

○赤井委員 いろいろプレゼン、ありがとうございました。
 3者さんにそれぞれ質問があります。まず電事連さんへなんですけれども、この会合もそうですけれども、いろいろなところでCOを将来減らすために無理やり電力需要が減るよみたいな想定がまず置かれて、いろいろなシミュレーションをされたりするんですけれども、私は絶対そんなことはあり得ない。むしろあってほしくないと思っているんで、そのあたり、将来の電力需要量をどうお考えなのか教えていただければと思います。
 それから、石炭の話がいろいろ出ましたけれども、エモーショナルなものも含めて、CO問題というと必ず石炭悪者論というのが語られるんですけれども、資料によりますと、石炭のところの例えば高効率化と、それからいざとなったらCCSみたいなことが書かれているんですけれども、CCSって非常に微妙な問題で、ただ8割削減とかいうと、もうほとんどマストになってくるような世界を想像しなきゃいけないんですけれども、そのときにやはり国が一定の役割、お金だけじゃない。お金という意味ではなくて、いろいろな役割を果たさなきゃいけないと思うんですけれども、そのあたりについてお考えがあればというふうに思っています。また、これも前段の検討会でも申し上げたんですけれども、例えば独立系の電力さんだったら、ゼロミッションの電力は再生可能と同じで、固定価格買取とか、あるいは9電力さんだったら、総括原価にちゃんと組み込むとか、そういった制度の検討も含めてきちんとしないと進まないんじゃないかと思っているんですけれども、その辺もあわせて、ご意見。すぐお答えされるのは難しいかもしれませんけれども、思っています。
 それから日化協さん、LCAという言葉がたくさん出てきていますけれども、20年近く前からですが、日本でもかなり熱心にやられて、私も以前は幾つかご一緒させていただいたんですけれども、一種LCA神話みたいなものがあることもあって、必ずしもLCAだけで片づかないとか、それからいろいろデータの不確実性の問題とかもあって、もちろん自ら問題点いろいろご認識されていると思うんですけれども、そのあたりについて影山委員がおっしゃったようなことも含めて、もし何か経験上、ご意見があれば聞かせていただきたいなと思います。
 それから、連合さんについても非常にシャープな意見で、非常に議論の発信としてはおもしろいと思っておりますけれども、8ページにエコライフのところで、28度設定とかそういうのがあった一方、中長期ロードマップで評価される点として、我慢ではなく快適で豊かなというふうにおっしゃっているんですけれども、28度設定というのは決して快適ではなくて、むしろこの会議室は私にとっては不快極まりないです。環境省さんにお尋ねすると、多分28度設定していると、オフィスは35度ぐらいになっているような環境で仕事をされているので、ああいう数字を設定すると、いかにもそれがそうなっているかのような、これは空調技術の未熟さというのも含めて、この辺ちょっとどうお考えかなというふうに思っています。
 それから、最後の方に、経済的持続可能性というのが必要だというお話があって、まさにそれもそう思いますけれども、さらに大事なのは、この環境問題を考えるときに、ポリシーの持続性。こちらがはるかに大事で、数年ごとにころころ変わるようなものだととてもプレーヤーの皆さんついていけない。ですから、そのあたりについてはむしろ政権よりも連合さんの方が、ポリシーの持続性はあると思うので、そのあたりについてもお考え、連合の役割という意味でお考えを述べていただければと思います。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。安井委員、お願いします。

○安井委員 ありがとうございました。
 まず、電気事業連合会さんでございますけれども、9ページ辺りにスマートグリッドのことが書いてございます。中長期の長期の方は2050年というスコープでございますと、スマートグリッドもさまざまな定義があると思うんですね。例えば2050年における電力、先ほど枝廣さんの松竹梅もあるんですけれども、電力の安定化というコンセプトそのものが変わっているんじゃないかと私なんか思うんですね、2050年となると。そのあたりをどのような見通しでお考えかというのを少しロングタームで伺いたい。
 それから、日化協さんでございますが、私も化学屋なんであれなんですけれども、LCA的観点の話でございますが、LCAも若干やっていた人間としては、やっぱり考え方として、先ほど前半で富士通さんがα、β、γ、αというのは自分たちの削減、β、γは波及効果なんですけれども、やはりそこはもう少しクリアにお書きになった方がいいかなという気がします。特に外の、そのベースラインをどういうふうに設定するかというのは、私はLCAと言ってもらっちゃ困るというぐらいのものなので、ちょっとその辺はお考えいただきたいと思います。
 αの部分、要するに化学工業自身の省エネについてちょっと伺いたいんでありますけど、こちらも2020年、2050年というふうに長期に考えたときに、省エネというものが一番有望な技術というのは一体、化学工業界はどういうものだとお考えになっておられるのか。私に言わせると、どうも分離、生成にエネルギーを使い過ぎているんじゃないかと私自身は思っているんですけど、そういうところをどのようにお考えになっているのか。
 さらには、2050を考えると、燃料としても確かにいろいろお使いになっているんだけど、原料としても一杯お使いになっていますよね。その原料というのは石油がまだ多いわけでありますけれども、何になっているんでしょうね、2050年。そのぐらいの長期をどういうふうにお考えなのかというようなことも、ちょっと伺っておきたいと思います。
 連合さんに関しては、実を言うと極めて短期的な話なんですけれども、18ページにご紹介いただきましたようなエコライフファミリーみたいな、こういうものというのはすごくおもしろいんですが、これって今やったら1戸当たり幾らお金がかかって、それって普及するんでしょうかというのをちょっと具体的に教えていただきたい。
 以上です。

○西岡委員長 屋井委員、お願いします。

○屋井委員 電事連さんのご発表の中で何度か出てくる、いわゆる発電所等の整備に関しては非常に長期間かかると。最後の方も10年、20年以上要するんだというお話があります。これに関して委員の方々から意見が出ていますけれども、私も今後これはもうさらにこれ以上かかってくるんじゃないかなという、こういう懸念もあります。それで、エネルギー政策というか、エネルギーとしてこれだけ必要だということは、もちろん、今日環境政策としての国民的な議論が必要だというお話もありましたけれども、やはりエネルギー政策としてもこういう国民的議論が必要だと思うんですね。その上で、非常に多くの時間がかかっているという中で、これは監督官庁という意味かもしれませんけれども、国としての責任を一定量果たしていけるような制度設計もなければいけないなと思うんですよ。一例をよく挙げるんですけれども、イギリスの2008年の計画法あたりは、そこら辺の役割をきっちり明確にして、それぞれ責任分担を果たして、最後に至る決定行為までを非常に速やかに行っていこうと。非常に長い時間がかかっていたことをいかに短くしていって、特にイギリスですから、エネルギー関係の施設計画はすごく数が今上がっていると思いますけれども、そういうものをできるだけ早く完成に、白黒決着も早くして、つくるべきものについては早くやるんだという、こういう法制度等の設計については、その一つの意味はやはり国としての責任分担が明確になってくる。いわゆる民間企業としてだけがどこかで合意形成をしていったり、議論をしていってつくっていくというのはなかなか限界があるというのは、これは明らかなことだと思うんですけれども、そういう点で今日は何度も長期間、長期間とかかっているということで、ロードマップと相入れないんだというんですけれども、やはり非常に重要なエネルギー政策において、それを短期的に進めていくということも、短期化するということも必要だと思うんですけど、逆に言うとより長期化しないようにはしなきゃいけないわけですけれども、そのあたりについて何らかお考えがないのかどうか。あるいはご提言がないのかどうか。その辺についてお伺いしたいと思います。
 それから、連合さんについては、14ページ辺りで、問題だという中で、一方で公共交通等については評価していただいているということで、大変そういうことをいただきました。しかしながら、次のところにありますように、市民の負担感について軽視しているんではないかというお話がありまして、簡単なというか単純な話なんですけれども、確かに補助金等をもらえばそれですぐに買ってくれるかというと、そんな簡単じゃないぞというのはわかるんですが、一方で、公共交通なんかもつくったからといって、じゃお金を出して乗ってくれるかというとなかなか乗ってくれないとか、そんな課題もありまして、ここら辺を軽視とか、軽視していないとかということではないんですけれども、いかに公共交通の利用を拡大するかという具体的な施策というのがまさに問われているところなんですけれども、そのあたりに対して何かご提言があったらお伺いしたいと思います。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。増井委員。

○増井委員 どうも各団体の皆様、ありがとうございました。
 各団体の皆様方にご質問があるんですけれども、まず電事連さんの方に。安井委員の方からもお話がありました2050年ですね。80%減という、そういうビジョンの中でどういう電源構成なりあるいはビジョン、ビジネスというふうなものをお考えになっていらっしゃるのか、ご意見がございましたら教えていただきたいと思います。
 日化協さんの方につきましては、ライフサイクルの評価ということをご提言いただいておりますけれども、やはり私自身も非常に難しいなと。特に生産って、消費の時差というふうなものがございますので、これを正確に表現する、評価するというのはかなり難しいのかなと個人的には思っております。具体的に日化協さんの方で提言といいましょうか、提案といいますか、そういうライフサイクルをどう組み込んで評価したらいいのかという、そういう案といいましょうかご意見がございましたら教えていただきたいなと思っております。
 私ではないんですけれども、さっき藤野委員の方からちょっとこれ是非ということで言付けがあるんですけれども、将来のエチレンの生産ですとか、あるいは今非常に力を入れていらっしゃる炭素繊維とかそういう見通し、特にエチレン等は、幾らかは中国等に輸出されているということなんですけれども、もう既に中国等でも設備、能力が高まってきて、今後そういう輸出というふうなものが行われなくなるのではないか。そういう国際競争力の観点から今後の生産というふうなものをどう見通しされているのかという点と、そういう日本の技術力というふうなものを高める上で、新しい素材等の生産というふうなもの。これを考えると、今現在我々がつくっておりますロードマップというふうなものをどう改良すればいいのか。もしそのあたり、ご意見がございましたら教えていただきたいと思います。
 最後、連合さんの方なんですけれども、14ページのところに、問題と思われる点ということで3つほどご指摘いただいております。家計に関するコスト、市民の負担感を軽視しているということなんですけれども、じゃ具体的に連合さんのお立場からしてどういうふうな表現の仕方がいいのか。もしご意見、ご提案がございましたら教えていただきたいなというふうに思います。
 同じページに、経済分析の方で、数値のばらつきも問題ではというふうに書かれているんですけれども、モデル分析の立場からいいますと、ばらつくのが当たり前で、逆に同じ値に収束すると何かこれおかしいんじゃないかということが起こっているわけで、むしろどういう選択をするのか。将来、不確実な中でどういう選択をするのかというふうなことを考える一つの手段というふうにお考えいただければな、これは質問ではなくてコメントです。
 以上です。

○西岡委員長 伴委員。

○伴委員 最後の点に関して、モデルの結果がどれも同じであるというのはおかしいと思います。モデルのある部分が同じになるように強制力が働きまして、モデルの内容がゆがめられているということがあります。モデルというのは誰が見ても見ることができるわけで、そういうもので議論するということ、目に見える形で議論するかということが重要だと思いまして、すべてのモデルの結果が同じにならなければいけないというのは、ある意味での独裁社会の考え方ではないかと私は思っています。だから、私の場合、プラスと出したばかりに集中砲火を浴びていますけれども、一人だけプラスというとそれだけでたたかれる。これが日本の現実なわけで、それをやっぱり私は非常におかしいという具合に思っております。
 あと、電事連の電気事業関係で、まさに先ほど枝廣委員がおっしゃったけど、電力の自由化という問題があって、結局コストに対してセンシティブになれという、そういう社会的な非常に強い圧力のもとで、私自身も石炭を悪者にしていますけれども、そういう方向に行かざるを得なかったというのは、私自身もよくわかっております。ただ、基本的に電力の自由化というのは経済学者がよく主張するわけですけれども、それがいつもいいとは経済学者も思っておりません。特に、先ほどから出ている送電網の話、それから配電に関しては公共財的な色彩がありますから、それを自由化したってできるわけがないですね。だから、NTTの問題で日本政府も右往左往していますけれども、そういう固定電話とか、そういうつながりのあるネットワークを、単純に民営化という論理だけで考えるのが、間違っていると思っております。だから、電力自由化というものに関しても、送配電網に関してはそういうものではなく、公共的なものであるということの観点というのは、国の中でぜひとも主張していただきたいと思っております。
 2つ目は、経済学者の大部分は送配電については公共財だと思っていますけれども、発電設備に関しては競争的でもいいんじゃないかという具合に考えているのが多いんですが、ただやはり原子力とか巨大な技術というものが、特定の民間の企業でできるわけではありませんので、それを放っておけば必ずエネルギーセキュリティとかで石炭がどんどん増えるというのは当たり前と思うんですね。
 私自身は別に電力業界を攻撃しているわけじゃなくて、電力自由化の中で石炭を増やす選択をせざるを得なかった。結局、そういうことを忘れて自由化だけを叫んでいたところがあったというのが問題だと思っております。
 でも、今後原子力を増やすにしろ、あるいは自然エネルギーを増やすにしろ、公共的な関与というのがやはり必要ではないかと思っておりまして、そういう点では独立系の電気事業者に関しては自然エネルギーだけに特化して、ほかはやめるべきだという具合に思っていまして、そういう点からいくと一番問題なのはガス会社ですけれども、個人的にはガスと電力が一緒に合併した方がいいと思っていますので、独立系というのは高目の自然エネルギーに特化して、あとはそれを送配電の中でうまく調整して、それに上乗せをして国民に負担してもらう、そういう制度に持っていくのが一番と思っています。今の総括原価主義は一般家庭とか限られたものが対象で、一般の事業家というのはそうじゃないんですね。そのところを制度的にはっきりさせないと、自由化だけですべて電力事業に押しつけるのはおかしいと思っています。
 コメントというよりは私の考え方を述べていますが、以上です。

○西岡委員長 冨田委員。

○冨田委員 ありがとうございます。私がトリのようですので、短めに行きたいと思います。電事連さんのプレゼンについてですけれども、同じエネルギー供給者として共感できるところが多いのですが、1点コメントをさせていただきます。
 これまで影山委員の方からもありましたけれども、電気はCOを出す人と、それからエネルギーとしての電気を使う人が違うということで、供給側、それから需要側双方の取組が必要だと、大事だというお話がありました。私も全く同感です。一方、プレゼンの中には電化推進によって、社会全体を低炭素化するという考え方があるわけですが、供給側の努力だけで低炭素社会が実現できるというふうにも聞こえて、ちょっと違和感を感じました。需要側の努力というのは、私はあくまで基本的には省エネだろうというふうに思っています。
 一方、供給側の努力を評価する指標として原単位というのがありますが、これは、私は適切ではないかなというふうに思います。自主行動計画の原単位目標達成のために、電力さん、断腸の思いで海外のクレジットを購入しているというお話もありましたけれども、これには敬意を表するものです。ただ、需要側が電化を推進することによって、供給側の方のクレジット購入が増えてしまうというようなことがあるとすれば、需要側としては不本意だろうというふうに思いますので、コメントさせていただきました。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。それでは、誠に申しわけない。いつものとおり延びておりまして、7分ぐらいを目処に要領よく答えていただいて、それでまた後ほど書面でもって、質問の足りないところ、あるいは答えの足りないところを補っていただきたいと思っておりますので、その辺よろしくお願いいたします。
 どうぞ。

○電気事業連合会 どうもありがとうございました。たくさんちょうだいしましたので、できるだけ早口でたくさんお答えしたいと思います。
 まず、影山先生、それから伴先生からもご指摘があった点と関連いたします。石炭についてでございます。確かに石炭は90年以降、かなり量が増えてまいりました。これは着手しましたのが大体第一次、第二次オイルショックの直後でございます。それ以後に地元に申し入れをし、まさに10年、20年かかって、90年代にできてきたと。そのときに石炭に着手いたしましたのが、安定供給、エネルギーセキュリティと、それから当時はやはり経済性というものだったろうと思います。当時はまだ低炭素という視点はあまりなかったかもわかりません。量的にある時点からある時点をとってみますと、大体石炭の増分と石油の増分とがほぼ電力量としてはイコールでありまして、残った電力の需要の増の部分を大体原子力と天然ガスで賄ってきたと、このような構造になっております。
 ちょっと答えが回りくどくなってしまいましたが、やはり電源にはそれぞれ特性がございます。再生可能エネルギーの特性、電子力が持っている特性、水力の持っている特性、火力の中でも天然ガスの持っている特性、石炭の特性がございます。天然ガスは確かにCOという意味では非常にすぐれておりますが、残念ながら現在のところまだ長期契約にかなりの部分が縛られる。スポットで急に需給が逼迫したとしてもなかなか持ってこられないという懸念がございます。これは将来解決するかもわかりませんが、現状においてはそういうことがございまして、やはり石炭はCOという面ではやや不利であることは事実でございますが、一方では安定供給という面では非常に頼りがいのある電源であるというふうに、そういう意味で言いますとやはり日本の国にとっては、私は欠くべからざる電源だろうと、このように考えております。
 それから、萩本先生からのご指摘の送電線のことでございますが、実はスマートグリッドでいろいろな金額が出ておりますが、これはほとんどがどれぐらい蓄電池を持たなければならないかということから計算された数字のはずでございます。主として経済産業省で出していらっしゃいます、私どもは詳しい中身を知っているわけではございませんが、かなりそこはきちんとした計算のもとに行われていると思います。一方で、私どもの送電線に関する課題は、1970年以降につくってまいりました送電線がそろそろ耐用年数を迎えるということでございまして、こういったものを建てかえをする。あるいは増強するというような課題がございます。
 一方で、電力の自由化ということで、相当設備投資を絞った時期がございまして、こういったものに従事していただける方の数も含めて、果たしてそういうものがしっかりできるかということについては、非常に実は今懸念を持っているところでございます。これはもちろんしっかりやらないといけないわけでございまして、安定供給を賄うためにもこういった努力は今後続けていきたいと思っております。
 それから、枝廣先生から幾つかご指摘をいただきました。2009年以降、なぜ伸びなかったということでございます。これは、定説はございませんが、私の見解を申し上げます。一つは当時、原子力につきましてはチェルノブイリの事故等々で、かなり逆風が吹いておりました。ということで、私の記憶している限りでも数カ所で新規立地というのを撤退した。これはなかなか地元のご了解をいただけないあるいは土地の買収ができないということで、撤退したという事実がございます。2点目でございますが、当時、非常に需要が低迷いたしました。販売電力が低迷いたしました。マイナスの時期もございました。こういったことがあると思います。それから3つ目は、先ほど伴先生がおっしゃいました。もしかいたしますと、やはり電力の自由化というものが始まろうとしていたと。どういう経営環境になるかということについては、十分な予測がつかなかった。したがいまして、膨大な金額がかかる設備投資に対してもしかするとやや二の足を踏んだという可能性はあるかもしれません。
 それでは、これから本当にできるのかということでございますが、まず需要につきましては確かに従来の高い需要は私ども想定いたしておりませんが、今後10年間はやはり1%弱ぐらい安定的に伸びると、こういうことを想定いたしておりまして、十分そういうことであればこの開発量は吸収できると思っております。
 それから、自由化でございます。これも自由化も実は新規参入者の皆さんが着実にシェアを伸ばしておられまして、私どもそれは奪われているわけでありますが、少なくとも2000年の自由化がスタートしたときにどんな状況になるかわからないというようなことはなくなってきたと。多分こういう状況になるんだろうなということは、ある程度想定されます。ここも大分環境が変わってきたと思います。
 一番大きいのは、社会の原子力に対するご理解、期待でございます。これは1990年代、80年代の非常に逆風の吹いていたときと、最近の特に低炭素化のためには原子力は機運だということについては、非常に原子力に対するご理解が高まってまいりましたし、私どもは期待もしていただいていると思います。こういったご期待に応えられるように、ぜひ着実にこの開発は進めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、再生可能エネルギーのコスト増ばかり言っているけど、でもそうじゃない部分があるじゃないかということ。これはもうそのとおりだと思います。確かに石油、石炭は今後、石炭も多分これから上がっていくだろうと思います。それは考えないといけないと思います。一方で、例えば太陽光が今、環境省さんがおっしゃっておられるのは5,000万キロワット入ったとありまして、これは実は発電できる電力量は500億キロワット・パー・アワーでございます。ということは、日本が1兆キロワット・パー・アワーぐらいを使っていただいておりますので、実は5%です。仮に5,000万キロワット入ったとしましても、日本の総需要量の5%、残念ながらこれしか賄えないという事実がございます。もちろん、そこでのコスト差はある程度評価すべきだと思いますけれども、一方ではどれぐらい太陽光のパネルの値段が下がるのかということもやや不透明でございますし、さらに申しますと、先ほどスマートグリッドのところで申し上げましたが、相当な蓄電池を持っておかないとなかなかこれを安定した電気と共存できないということもございますので、このあたりをどのように考えるかということでございます。ちなみに500億キロワット・パー・アワーといいますのは、大体原子力発電所で申しますと5基あれば賄える量ということになります。
 それから、電力の松竹梅ということでございます。大変おもしろいご指摘だと思います。実は私ども自由化が始まりましたときにもそういう議論を幾つかいたしました。ただ、私どもは電力はネットワークで、残念ながら全体としてお送りいたしております。ということで、なかなかそこにコスト差を、電力の品質に差をつけるということは難しいと思います。それから、もう一つ枝廣先生は少々停電してもいいとおっしゃっていただきましたけれども、なかなか実は消費者の方も含めて、そういうご意見、寛容なご意見をいただけるというところは少ないのが事実でございます。さらに、法律で申しますと、電力の品質は周波数と電圧でございますが、周波数は、東は50ヘルツ、西は60ヘルツというふうに決められておりますし、電圧につきましても100ボルト供給の場合には101プラスマイナス6ボルトの範囲におさめなさいというのは、これは実は法で決められているわけでございまして、なかなか品質のところで差をつけるというのは難しいのではないかなと。
 さらに申しますと、低圧の部分だけ、場合によっては品質を下げるということは可能かもしれません。これは配電線だけ少し線の細いもので張って、場合によっては停電しますよというようなことが、要は可能かもしれませんが、全体に占めるコストからいいますと、最後の配電線のところだけ線を細くしても、それほどコストが下がるとは思いませんので、あまり差をつけることに意味があると思えません。
 それから最後の枝廣先生がおっしゃいました9基20年もかかるんだったら、入れる必要がないということですけれども、これは変更しようと思えば20年かかるということでございまして、2020年に向けて、我々は9基の開発を今もう進めておりますので、20年の途中段階にいるということでございますので、ぜひとも2020年に間に合わすように開発をしてまいりたいと、このように考えております。
 ちょっとすみません。すべてお答えできなくて申しわけございませんが、CCSについてでございますけれども、これはもちろん技術でございますので、技術開発のところでやはり相当程度国のご援助もいただきたいと思いますし、これは場合によってはパブリックアクセプタンスというところでの問題があるかもしれません。こういったところについてはやはり国が前面に出て、いろいろなご説明をしていただきたいというふうに考えております。
 それから、屋井先生の国の役割というご指摘がございました。実は、最近は原子力発電所の開発なんかにつきましても相当資源エネルギー庁が前面に出ていただきまして、地元にお話をしていただいて、特に自治体に対してはいろいろな対応をしていただいていると思います。これは従来とは大分変わっておりまして、またその効果というのも非常に大きいと思っています。例えば買収までやっていただけるかというと、そういうことはなかなか難しいと思います。このあたりはやはり国と私ども事業者との役割分担をしっかりして対応していくんだろうというふうに思っております。
 それから2050年の電源構成、これは全く電力会社の中での定説はございませんが、やはり基本的には冒頭申し上げました、一つは原子力、それから再生可能エネルギー、さらには当然ながら変動対応としましては、一定量の火力も持たないといかんと思いますが、こういったものを適切に組み合わせていくということであろうかと考えております。
 ひとまず以上でございます。ありがとうございました。

○日本化学工業協会 たくさんのご質問ありがとうございます。
 まず、最初にプリミティブな質問からお答えさせていただきたいと思います。化学とは何ぞやと大塚先生からご質問がございました。化学の特徴は何ぞやと。これ、どういう面でお答えしていいかちょっと迷っているところなんですけれども、まずは日本の化学産業の地位というところからご説明させていただきますと、現在の出荷額44兆円です。これは日本の製造業の第2位です。それから付加価値は17兆円です。これも製造業の第2位です。もう一つは研究開発型です。2.4兆円ほど研究費を使っています。それから従業員は約100万人と、こういう業界でございます。そういうお答えでよろしいでしょうか。ちなみに私ども……

○大塚委員 LCAのところの関係で、化学の特徴を聞いたんです。化学全体の特徴を聞いたんじゃなくて。

○日本化学工業協会 LCAですか、わかりました。じゃ後でお答えします。これについてはこういう業界の特徴についてはこういうパンフレットを出してございます。
 それから、自主行動計画で減らせた理由は何かということなんですけれども、これは血のにじむような省エネ投資をやっております。説明の中でも一部触れましたですけれども、2008年で、約355億ほど投資していますし、件数としては367件ぐらいやっていまして、内容は運転方法の改善、例えば圧力、温度、流量、還流比等の製造条件の見直し、それから排出エネルギーの回収、それからプロセスの合理化、一部製法転換、それから省エネ機器への転換と、こういうことをやってございます。
 それから影山先生のキャップがかかったらどうなるかと。絶対量に制約がかかりますと、早い話では物がつくれなくなると。そのために下流への影響がどうかというと、日本のすぐれた技術が下流の製品に生かされない。キャップがかかるということは多分コストが上がるということになります。そうしますと、海外から物が入ってくるでしょう。世界一すぐれた技術でもってつくっている製品が使われなくて、海外で劣った技術でつくられたものが使われるという懸念があります。これは地球全体から考えると、逆行したことになるのではないかと、そういうふうに思ってございます。
 それから、赤井先生初め、LCAの問題についてですが、今回は信頼性については一つはICCAとしては、ご承知かと思いますけれども、マッキンゼーを使っています。第三者検証としては、ドイツの第三者検証機関のエコインスティテュートというところで検証してもらっています。皆さんの、多分ご疑問は何をベースにしているんだということじゃないかというふうに感じております。LEDですと例えば白熱電球、それから、すみません。風邪を引いているものですから。そういうふうにすべてベースはあるんですけれども、今日はちょっとここですべては説明できる時間はございませんと思います。
 それから、安井先生のご質問というか、これはむしろご示唆というふうに受け取りました。省エネで有望な技術は何かというご質問なんですけれども、先生がおっしゃったとおりの分離技術は、私は一つの大きなテーマじゃないかと思っております。現在は主に熱を使って分離していると。それはエネルギーを使っているということになると思います。エネルギーを使わない、例えば膜の技術なんかは将来のものじゃないでしょうか。
 それから、もう一つは、非常に低エネルギー、低エクセルギーを回収する技術。これはできるだけ今は熱交換器を効率よく使おうと言っているんですけれども、これは単に熱だけじゃなくて、あとは圧力とか電気を使って、ある非常に有用な技術的な素子的なものを入れることによって、もっと効率的になるんではないかなというふうに思います。これらについては是非国としての補助もお願いしたいというところでございます。
 それからもう一点、またこれも非常に示唆的なご質問ですが、2050年に原料は何になっているかということなんですけれども、枯渇を考慮して、既にご承知かと思いますけれども、やはり植物原料というところで、バイオマスコンビナートというようなことも検討を始めてございます。植物由来の製品ということになります。現在こういうものはナフサからつくっていますけれども、もしかしたら50年後は植物からできているということになるのではないでしょうか。
 それから、増井先生の生産と消費のタイムラグについて、LCAとの関係ということで、そのご質問だと思うんですけれども、これ非常に難しいんですけれども、一つはやはり我々の身近な製品で、快適な製品がもう日々開発されていると思うんですよね。そういうところでご理解いただくということじゃないかなと思うんです。これらについてはちょっと答え方が非常に難しいものですから、私の答えが間違っておれば、別のお答えの仕方があるかと思いますので、またお願いしたいと思います。
 それからエチレンはどうなのか、炭素繊維はどうなのか。これは非常に難しくて、私はここの問題では取り上げられにくいんじゃないかというふうに思います。これは、経済原則で世界競争をやっておりますし、それから各国の制度の問題もあります。日本でいいますと、世界一高い法人税を払っています。こういうような制度の問題とか技術の問題とかこういうものが複雑に絡み合って競争をやっていて、競争に勝ち残ったところが残っていくと、そういうふうに答えなければならないというふうに思います。
 それから、ロードマップに関する製品についてどう思うかということにつきましては、先ほどの影山先生に対するお答えとも重複するかもしれませんけれども、ここに示される製品の素材はもうほとんど化学がつくっているというふうに、もう一度ご理解をお願いしたい。それがLCA的になりますよということでご理解をいただきたいというふうに思います。
 十分じゃないかもしれませんけれども、とりあえずお答えはここで終了したいと思います。ありがとうございました。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。それでは丸田さん、お願いします。
 ○日本労働組合総連合会いろいろご意見ありがとうございました。
 まず雇用の流出に関してですが、これは複合的な要因によります。人件費の問題、税制その他制度の問題の他、原材料が近くにある、また市場が近くにある、そういうもので決まるものですから、気候変動だけで雇用流出云々というのはなかなか因果関係が見出しにくい部分もあります。ただし、これは私どもずっと政策として主張していることですが、ある国とある国の間で、あまりにも環境に対する規制が違い過ぎること。そのことが引き金もしくは追い風となって、企業なり雇用が流出する、いわゆるカーボンリーケージ、これは絶対に避けるべきです。なぜなら、地球温暖化問題というのはもう一国の問題でなくて、地球全体の問題であるからだということはずっと言っております。
 アメリカのPACEの例についてですが、早い話がイニシャルコスト、全額ではありませんが、それを州が貸し出すわけです。貸し出して、いわば環境にいい家、エネルギー効率のいい家をつくるとなると、その家は資産価値が高いわけです。資産価値が高いですから、固定資産税を多目に取るわけです。多目に取った固定資産税でもって償還をしていくようにしています。したがって、何年たったら元が取れますというときの、元が取れるのが誰か。今の日本の制度だと市民・利用者の皆さんですよとなるのですが、そうではなくて、何年たったら元が取れますよの主体は州ということです。これが大ざっぱに言うと、アメリカのPACEの例です。もちろん州ごとに若干制度は違います。
 市場の変化に対応できなくて、雇用が失われた場合でありますけれども、実は今現在でもやっぱり市場が変わる、産業構造が変わる、それに対して対応し切れなかった企業が倒産するというのはあります。日本が資本主義経済、自由主義経済をとっている以上、そういうことは避けられないと思います。ただし、労働組合として、だからそこに勤めていた労働者が悪いのだと、市場の変化に対応できなかった企業に勤めている労働者の責任だと言って、ほっぽり出すというのは絶対間違っていると考えています。ですから、原因が市場に関するものであれ、気候に関するものであれ、雇用の移動もしくは雇用の喪失、これに対する対策を考えていくというのは、労働組合としては当然求めていきますし、今後国としての政策のかじ取りを進める上では絶対に欠かすことのできない視点だと考えています。当然、企業への働きかけというのは、労使関係のあり方によって当然違いはありますけれども、これは日常的に当然やっております。かつての経営権論争の時代ではありませんので、自分たちの働く場、自分たちの労働条件、そういったものに関連することであれば、労働組合というのは常にアンテナを張っているものであります。
 温度28度についてですが、これは実はエアコンの設定温度を28度にしているのではなくて、空間の温度を28度にするわけです。エアコンの設定温度が28度でパソコンを使って、プリンターを回して、コピー使ったら、もう暑くてしょうがないです。それで能率が下がったら本末転倒です。連合の運動として取り組んでいるのは、部屋の温度を28度にしましょうということです。
 ポリシーの持続性。当然これは必要だと思います。国の政策があっち行ったり、こっち行ったりでは国民は不安でしょうがないです。ただ、一方で、これだけ変化が激しい時代です。今決めたことが、例えば5年後、10年後、本当に正しかったと言えるかどうかというのはわからない部分もあります。ですから、ポリシーの持続性と同時に、私たちはポリシーの柔軟性、この相反するものを両立されるような仕組みが必要であると考えています。それでは、それをいつ、どこで、誰がどうやって決めるのか。これは先ほど私どもが主張しました社会対話、これが一つのキーになる、一つの舞台になるのだと考えています。
 エコライフファミリーの予算ですが、機器のリース代、ソフトウエアの作成代、機器の送付代、トラブルサポート代等々込み込みで200万円です。まだ機器が高いんです、これ。スマートグリッド、スマートメーターの話がありますけれども、本当にこれが大々的に広がって、そのための仕組みができるようになれば、これほどの高い金額にはならないと思います。今現在まだ社会実験の段階ですので、結構費用はかかっています。
 公共交通の関係について。若いうちは自動車に乗れますけれども、残念ながら高齢化が進んでいる日本ではいつまでも自家用車に乗り続けることができません。そのときに、自家用車に乗れないから、家から一歩も外に出られない。住んでいるところは陸の孤島というのでは、国のあり方としては明らかに間違っているだろうと考えます。私ども、実は公共交通の充実というのを重要な政策項目に掲げておりまして、その中の基本的な考え方は、人が交通を利用すること、移動できること。これは自由権、社会権の両面から基本的人権であるということです。したがって、最低限のナショナルミニマムとして、公共交通にアクセスできる体制はつくるべきだと考えています。ここで再び持ち出しますのは先ほどの社会対話でして、それでは地域の公共交通をどうするのかというのは、むしろ日本全体で考えるよりも、地域、地域で考えるべきものであって、先ほどの社会対話の本当のローカル版を交通産業の企業だけでなくて、利用者、行政、そしてその中の1つとして、私ども労働組合も微力ながら参加ができればと考えているわけです。直接の答えにはなっていないと思います。
 市民の負担感についてですが、今後気候変動対策を進めていく上で、全く負担がありませんなどというのは夢物語だと思います。負担がある。そのために応分の責任を果たすということは、この国では市民の一般認識として広まっていると思います。とは言っても、先ほど申し上げました、例えば住宅関連となりますと、金額が大きいですから、わかっちゃいるけどできないよという世界である訳です。それをどう担保するのか、どう補助するのか。それは考えていく必要があるだろうということであります。
 モデル分析の話について。当然モデル分析ですから、前提条件等々において数値が違うというのは当然あると思います。ただ、この間見ていますと、麻生元総理の時代から鳩山前総理に至るまで、出てくる数値というのは、ベクトルを見ると大分変わっている訳です。先ほどの継続性と柔軟性ではありませんけど、短期間にベクトルの向きが変わったとなると、今この国の政府は何を志向し、どこへ向かおうとしているのか、それが市民の側から見えなくなる可能性があります。気候変動問題というのはもう政府だけの話ではなくて、国民の理解、合意、これなくして進められるものではないと思います。そういった観点からあまりにもベクトルの向きが違う、ばらついているというのは問題であると指摘したわけです。
 私どもは、今後この国のあり方、そして地球環境のあり方を考える上で、これを提示したわけでありまして、決して誰がどっちを向いたからどうというレベルで話をしているのではないということはちょっと補足をしておきたいと思います。
 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。今日は、非常に重要な議論がたくさんございまして、まだ質問なされた方に対する答えもできなかったということで、非常に私の議事の進行のまずさで反省しておりますが、まだたくさんあるかと思いますので、議事録の方をまとめていただいて……、それからお答えが足りなかったところにつきましては、書面で提出していただきたいと思っております。後ほど環境省のホームページに記載するということになっていると思います。
 どうも皆さん、ありがとうございました。

○地球温暖化対策課長 本日も活発なご議論、ありがとうございました。
 次回の日程でございますけれども、これまではほとんど毎週のように開催させていただき、ありがとうございました。来週はちょっとお休みをさせていただきまして、次回は6月30日の水曜日、9時から12時に、霞ヶ関ビルの東海大学校友会館で開催します。
 次回につきましては、これまでのヒアリングのたくさんのご意見をいただきました。またパブリックコメントもやってございます。それから来週までに全国7カ所で、国民対話ということで、説明会もいたします。そういうものでいただいたご意見を、論点ごとに整理したものを一度お示しして、ご議論していただくということにさせていただきたいと思います。
 よろしくお願い申し上げます。

○西岡委員長 それでは、これで散会いたします。どうも、皆さんありがとうございました。

午後4時22分 閉会

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