中央環境審議会地球環境部会「国内制度小委員会」 第7回会合議事録

日時

平成13年6月22日(金)14:32~18:05

場所

東条インペリアルパレス3階 扇の間

出席者

(会長)森嶌昭夫
(委員長)安原正
(委員)青木保之
浅野直人
大塚直
小林悦夫
佐和隆光
寺門良二
波多野敬雄
松川隆志
甕滋
浅岡美恵
天野明弘
梶原康二
猿田勝美
塩田澄夫
西岡秀三
福川伸次
村上忠行
横山裕道
(事務局)小島大臣官房審議官
山田大臣官房審議官
寺田地球環境局総務課長
竹内地球温暖化対策課課長
石飛地球温暖化対策課調整官
後藤総合環境政策局調査官
角倉地球温暖化対策課課長補佐

議題

(1)中間取りまとめ(案)について
(2)その他

配布資料

資料1「国内制度小委員会」中間とりまとめ(たたき台)
資料1(別添1)国内制度小委員会でこれまで議論された主要な追加的国内制度パッケージ案
資料1(別添2)国内制度小委員会でこれまで議論された地球温暖化対策推進大綱における部門別の対策の進捗状況と評価
参考資料1-1目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ(案)
(第7回目標達成シナリオ小委員会資料)
参考資料1-2目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ(詳細版)
(案)(第7回目標達成シナリオ小委員会資料)
参考資料1-3目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ参考資料
(第7回目標達成シナリオ小委員会資料)
温室効果ガス削減対策技術シート
温室効果ガス削減対策と効果
一般均衡モデルを用いた運輸部門の限界削減費用の検討
EUにおける部門別の温室効果ガス排出削減の経済性評価について
参考資料2温暖化対策の経済性評価-数量モデルによる評価-(第7回目標達成シナリオ小委員会資料)
参考資料3「自主協定検討会」報告書
参考資料4第6回会合時の質問に対する回答(英国の自主協定)

議事

午後2時32分開会

○安原委員長 それでは、何人かの委員の方がお見えになっておりませんが、定刻となりましたで、ただいまから中央環境審議会地球環境部会「国内制度小委員会」の第7回会合を開催いたしたいと思います。本日は、大変皆様方ご多忙のところをご出席をいただきましてありがとうございました。
 それでは、議事に入ります前に、事務局からの資料の確認をお願いいたします。

○事務局 それでは、資料の確認をいたします。
 資料1といたしまして「『国内制度小委員会』中間取りまとめ(たたき台)」、その別添1といたしまして「国内制度小委員会でこれまで議論された主要な追加的国内制度パッケージ案」、別添2といたしまして「国内制度小委員会でこれまで議論された地球温暖化対策推進大綱における部門別の対策の進捗状況と評価」、参考資料1-1といたしまして「目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ(案)」、参考資料1-2「目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ(詳細版)(案)」、参考資料1-3といたしまして「目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ参考資料」、参考資料1-2と参考資料1-3は委員のみの配付となっております。参考資料2といたしまして、「温暖化対策の経済性評価-数量モデルによる評価-」、参考資料3「『自主協定検討会』の報告書」、参考資料4「第6回会合時の質問に対する回答(英国の自主協定)」でございます。
 もし不足している資料があれば、事務局までお伝えください。
 そのほか、多数の委員より意見をいただいておりますので、参考までに添付させていただいております。
 また、お手元に、前回同様次回の会合の出欠確認表をお配りしてありますので、お手数でございますが、出欠席をご記入の上、お帰りの際に事務局までお渡しください。よろしくお願いいたします。

○安原委員長 ありがとうございました。
 きょうは6時までの審議を予定しております。非常に長丁場でございますので、途中で休憩を15分程度入れたいと思っております。
 それでは、本日は、中間まとめ(案)につきましての審議を中心に行いたいと思います。
 まず、6月20日に開催されましたシナリオ小委員会に提出されましたシナリオ小委員会の方の中間取りまとめ(案)について説明をいただきまして、引き続きまして、当小委員会の中間取りまとめ(案)につきまして事務局より説明をいただきたいと思います。
 それでは事務局、よろしくお願いいたします。

○石飛調整官 それでは、この国内制度小委員会の本題に入ります前に、一昨日の第7回のシナリオ小委員会に提出した資料につきまして簡単にご紹介をしたいと思います。
 シナリオ小委員会の資料は、参考資料の1-1から1-3までと、参考資料の2でございます。最終的にはこれらの資料を一体化して、中間取りまとめ(案)にしたいと考えております。この取りまとめ(案)の本体が参考資料1-1になります。それから、この1-1の基礎資料を取りまとめたものを取りまとめの詳細版として資料1-2として用意しております。参考資料1-3は、これまでもご説明いたしました部門別の対策技術シートを充実、修正したものを用意したわけでございます。それから、参考資料2は数量モデルによる評価で、前回のシナリオ小委員会で紹介したもので、委員の指摘を受けて修正した上で、資料1-2の詳細版に組み込む予定にしております。
 それでは、きょうは時間の関係で、参考資料1-1の中間取りまとめ(案)本体に沿ってご紹介をしたいと思います。
 1ページ目の「はじめに」は、シナリオ小委員会での検討に至った経緯を簡単に紹介しております。最後の段落のなお書きのところでございますけれども、この検討は国内での削減対策に限定した検討を行っており、京都メカニズムや吸収源については、今後の国際交渉で詳細ルールが決められますので、国内の削減対策に限定して検討したというを断り書きを書いております。
 それから、2の「2010年のわが国の温室効果ガス排出削減見通し」でございます。2ページに表1にケースの設定の考え方を書いています。これも以前にご紹介したとおりでございます。
 それから、図の1には固定ケース、計画ケースという将来予測をして、さらに今回は計画ケースより一層削減をする必要があるということで、その可能性を検討したわけでありますけれども、経済性評価の対象にしました削減量、これを追加的な削減量といたしまして、この削減量を確保するためにどれだけの費用がかかるかということを前回のシナリオ小委員会でご審議いただいたわけでございます。
 3ページには、関連する活動量のシナリオで、これもこれまでにご説明したとおりのものでございますので、省略させていただきたいと思います。
 4ページには、2010年の温室効果ガス排出量の予測で、これまで計画ケースと呼んできたもので、現状で決定している対策、施策を延長してやった場合に、このぐらいの排出量になるという結果でございます。
 5ページには、このグラフに対応する表を表の3として掲載しております。ケース1では、合計で、基準年に比べてケース1では5%増、ケース2では8%増という結果になったわけでございます。
 次に「削減ポテンシャル」で、これは本文の最初に書いてありますとおり、資金的・社会的・制度的制約条件をある程度捨象した場合の技術的に可能な削減量、これを潜在的な可能性のある削減量として算出したわけでございます。
 結果が6ページの表4と表5にあります。これにつきましては、シナリオ小委員会での部門別の審議の過程でさまざまなご指摘をいただきまして、当初お示しした計算結果から若干数字が変更されています。その結果、表4の一番下の段にございますとおり、計画ケースの1、2で低位水準、高位水準という書き方をしておりますけれども、基準年を 100とした場合には94、88、97、91という削減の潜在的な可能性があるということがわかりました。
 7ページには、これは今回初めてご紹介する表でございまして、1998年に策定いたしました地球温暖化対策推進大綱の際に部門別、物質別に削減量を見込みまして、それで吸収源、京都メカニズムもあわせてマイナス6%の削減目標を達成するという見通しを立てたわけです。それが中ほどより左側の大綱の欄に示した削減割合、排出量でございます。そして右半分が、今回シナリオ小委員会で検討した結果を載せています。計画ケース、さらに削減ポテンシャルを加味した場合に、それぞれの部門別、物質別の排出量がどの程度になるか。また、削減割合としてどの程度まで削減できるかを示しました。今のところ、エネルギー起源のCO2 に関しては、大綱ではプラス・マイナスゼロ%まで削減するという見積もりに対して、今回の検討結果では、ポテンシャルまで加味いたしますとプラス1からマイナス5の範囲内に入るのではないか。非エネルギー起源CO2 、メタン、一酸化二窒素につきましては、大綱がマイナス 0.5%に対して、若干それよりも掘り下げたマイナス1ないしマイナス2%の削減の可能性があるということがわかりました。HFC等の3ガスについては、大綱ではプラス2%までにとどめるという見通しに対して、これはかなり今後の削減の可能性が高いのではないかという結果で、マイナス3%ぐらいまでいくのではないかということでございます。それで、国内の対策を総計いたしますと、大綱ではマイナス 0.5%という見込みであったのに対しまして、今回の検討結果ではマイナス3からマイナス9%まで削減の可能性があるということがわかったわけでございます。
続きまして、8ページからは、対策技術の評価に基づく経済性評価で、個々の対策技術につきまして、削減の可能性、さらにその削減を確保するためにどのぐらいの費用がかかるかという計算をやって、その対策技術を総体としてまとめてコストの評価をしたわけでございます。(1)には算定方法を記載しておりますが、基本的にはこれは前回にもご紹介したとおりです。
 そして、その算定の結果が9ページの図3にございます。これは単位炭素トン当たりのコストの最も低いものを左から順に並べて、一番右には単位当たりコストの最も高いものが並ぶという形でまとめたものです。これに関しまして、前回のシナリオ小委員会でもご指摘をいただいておりまして、このグラフは、例えば電気を節減することによりまして、間接的にCO2 の排出削減につながるわけでありますけれども、その際に発電所での発電時の排出係数を火力の総平均でとったものでございます。これに対しまして、火力平均ではなく全電源の平均をとるべきであると、もう少し現実がどうなのかということに照らし合わせてこのグラフも示すべきであるというご指摘をいただきまして、本日はまだ間に合っておりませんが、次回のシナリオ小委員会では、火力平均の排出係数に加えまして全電源の排出係数を使った場合、さらには参考としまして、石炭火力の排出係数を使った場合もあわせてグラフでお示しして、コストの評価の検討につなげていただこうと考えております。
 それから、図の4には、追加的な費用のレンジを設けまして、レンジごとに積み上げていったものでございます。この出発点は、原発7基の計画ケースでは 108%まで削減が可能であるけれども、それ以上の削減が難しいということで、そこを出発点にいたしまして、例えば最初のゼロ円未満という区分があります。これは対策をやれば、ランニングコストの面で従来の対策技術よりもコストが安くなる、マイナスになるというもので、そういうものもすべて足し合わせると 3.5%程度まで削減できるということで、 108から 3.5%を引いて 104.5%ぐらいまで行くのではないか。さらにゼロから 5,000円、 5,000円から1万円までの技術による削減量を足しますと 102.5%程度まで削減できる。さらに10万円程度までいくと98.3%ぐらいまでの削減の見込みがある。非常にコストの高いもの、さらには今回、十分な情報がないために費用の算定ができなかった削減の可能性のある量、対策技術も含めますと、最終的には95.1%ぐらいまでいくのではないかという計算結果が出たわけです。これも図3と同じように火力平均で計算した場合の削減量でございます。これが前回までのシナリオ小委員会での主要な結論の一部でございます。
10ページ、11ページには、今の価格分類別の対策技術、ここで計算したものをすべて個別の対策技術ごとに削減量と削減費用を載せています。削減費用のマイナスの大きいものから順次プラスの大きいものに並べています。そして、この表の一番右に不確実性評価という欄を新たに加えております。これは11ページの右下の方に説明を加えておりますけれども、削減費用をどのように計算するかということもさまざまな前提を置いてやったわけで、そのものにまだ不確実性が含まれています。また、価格も現状で考えられる価格を導入したわけでありますけれども、将来量産効果等が見込まれる等、さらに価格が低下することが期待されそうなものについては○印を付している。それから、別目的という欄には、温暖化防止が主目的な対策もありますし、他の目的で行う対策で、副次的に温暖化防止にも効くものもあるわけでありますので、それを幾つかの分類に分けて示したわけでございます。
このように見てまいりますと、例えばゼロ円以下のものにつきましては、さまざまな設備導入を伴うようなものもありますけれども、比較的イニシャルコストもそれほど高くはなく、またランニングコストでかなり省エネの効果が期待されるというものが並んでいるのがわかります。
一方、10万円以上の非常にコストの高いものをごらんいただきますと、別目的のところに◎を付したものが非常に多いわけでございます。これは温暖化防止以外の目的が主目的で、それが温暖化防止にも貢献するというものです。ですから、公平に費用の効果を把握するためには、そういった他目的でどのぐらいの効果があるのかということを算定することが理想的ではありますけれども、なかなかこういう評価の際に、他目的の効果を価格であらわす手法が我々としてもまだ見出せておりませんので、今回はそういうものは含めずに、単に温暖化防止の効果だけと仮定して算定しましたので、比較的コストが高い結果になっております。
それから、11ページの(注)の表の上に、もう一つ注書きが施してございますが、これも前回のシナリオ小委員会でご指摘をいただいた件でもございます。エネルギー転換部門の対策として、原子力の利用率を向上するという対策を削減ポテンシャルとして検討してまいりましたが、これがこの表から除かれていたため、それについて再検討するようにというご指摘をいただきました。原子力の利用率を向上するという対策につきましては、日本の原子力の利用率、現状では80%強というふうに承知しておりますが、既に利用率の向上策は各電気事業者でも進めておられまして、これらの延長線上で進むものもかなりあるのではないかということで、既に計画ケースで利用率を85%まで上げることを既定の対策として組み込んでおります。さらに、ポテンシャルの計算では90%まで向上させる場合を仮定いたしまして、その際には、この注意書きの上にあるように削減量 2,500万トン、炭素トン当たりマイナス 2,700円で、費用対効果の非常にいいものでありますけれども、一応これも今回このような形で、90%の場合にはこのぐらいの削減量、費用が見込まれるということを追記させていただいております。
以上が対策技術の積み上げによる経済性評価でございます。
それから、12ページにまいりまして「数量モデルによる経済性評価」でございます。個々の対策技術の積み上げは、それぞれの技術ごとに削減量、費用を算出して、それを単純に足し合わせるという方式でありましたけれども、そのときに普及率なり導入率をどのように設定するかは、一定の割り切りをしなければいけないわけで、それが現実的かどうかという判定は非常に難しいわけです。また、それぞれの対策技術間のインターラクション(相互作用)もあるわけでして、そういうものを適正に評価することには限界があります。そういった面での制約条件を少し解決するためには、やはり数量モデルによる経済性評価もあわせて行うべきではないかということで、こういう評価も行ったわけでございます。
どういうモデルを使ったか、それから、どういうやり方をしたかということは、前回のこの国内制度小委員会でもご紹介いたしましたので省略いたしたいと思っておりますが、最終的な結果だけ申し上げますと、13ページの経済的措置、それぞれのモデルで炭素税を導入した場合に、まずGDPにどのぐらいの影響があるかということを算出した結果によりますと、0.06から0.72の範囲内に入っているということがわかりました。また、炭素税額も、ここでは二酸化炭素のみを対象にしておりますが、90年比でマイナス2%まで削減するということを1つの共通の到達点という仮定を置きまして計算した結果でありますが、そのためには炭素税の額としては1万 3,000円程度から3万 5,000円程度の税額を投入するということによって、マイナス2%まで達成するという計算結果が出たわけでございます。
 14ページの図の5には、今申し上げましたGDPの損失と、炭素税の額の関係をあらわした図を示しております。
 そして、14ページから15ページにかけまして、この経済モデルによるシミュレーションの分析結果もあわせて書かせていただいております。先ほどご紹介しました1万 3,000円から3万 5,000円という炭素税の課税でマイナス2%まで到達するという計算結果である。さらに、炭素トンあたり 3,000円という低額の課税であっても、削減技術導入のための補助金として最適に還流することができた場合には、先ほどの3万円と同等の効果を発揮するという計算結果も紹介されております。
 最後に、15ページの下から、このシナリオ小委員会の最終的なまとめの部分を紹介しています。16ページの要点のみかいつまんでご紹介をいたします。
 今回、さまざまな対策技術を検討対象にいたしましたところ、対策を行えば、エネルギー費用の低減等で利益を伴う対策も結構あるということがわかったわけであります。また、 5,000円までの費用をかけることによりまして、追加的な削減量が 100万トン以上期待できるという対策も結構あるわけでありまして、高性能工業炉を始め、ここに書いているようなさまざまな対策技術が非常に有望ではないかということで、こういったものを優先的に取り組ませるような仕組みを設ける必要があるのではないか。
それから、さまざまな対策技術を検討しましたが、すべてを対象にしたわけではありません。その中には、エネルギーの節約等を促すための経済的な措置による効果、これは先ほどの対策技術の積み上げの検討では対象にしていなかったわけでありますので、それは今回も作業の限界としてあります。そういう限界の範囲ではありますけれども、これも基準年に比較して排出量マイナス2%レベルに抑えるということを1つのターゲットとして考えた場合には、平均的な削減コストは炭素トン当たり1万 1,000円程度で可能であるということが、このボトムアップの積み上げ方式の計算結果として出たわけであります。
それから、下から2つ目の段落では、先ほどの数量モデルの計算結果を同じような形で紹介しているわけでございます。
以上がシナリオ小委員会での主要な審議結果でございまして、今後、こういった検討結果につきまして幅広い意見を聞きながら、将来の対策に結びつけていく必要があるということを最後に結びとして書かせていただいているわけでございます。
以上でシナリオ小委員会の中間取りまとめ(案)についてのご説明を終わらせていただきたいと思います。
 最後に、6月20日に宮本委員からご意見をいただいております。国内制度小委員会に対する意見ということでございますが、内容的にはシナリオ小委員会の資料に対する意見でございますので、これに対する我々の考え方をご説明申し上げたいと思います。
 皆様のお手元にもあると思いますけれども、3つご意見をいただいております。
最初のご意見は、この委員会で、計画ケースではケース1とケース2でこれまで議論してきたわけでありますけれども、最終的な取りまとめでは、ケース2の原発新設が7基の場合だけ取り上げている理由が不明であるというご指摘でございます。確かにケース1、2でこれまでご紹介をし、ご審議もいただいたわけでございます。最終的に経済性の評価をする際に、どちらかにある程度絞り込みたいという私ども事務局の考えもございまして、今回はケース2に絞って結論を書かせていただいたわけでございますけれども、これには原発の7基、これは既に旧電源開発調整審議会の答申が出されているということで、プロセス的にはかなり確実性の高いものになっております。現在8基目につきまして審議が行われて答申が出されたわけでありますけれども、この運転開始時期が2012年に予定されているということで、今後、電力供給計画で計上されている追加の6基につきましても、2010年という、今回の検討の対象のタームに間に合う可能性としては、かなり厳しくなってきていることが考えられます。そこで蓋然性の高いケースということでケース2を採用したわけであります。もちろん、実際にどのぐらいの基数になるかということはまだわからないわけでありますけれども、温暖化対策を考える面からすると、13基よりも7基の方がより別の対策を考えなければいけないということで、厳しいケース設定になるわけでありますので、今回は、温暖化対策という面からも、厳し目の方を一応設定して検討をさせていただいたということでございます。
 それから、2につきましては、先ほどの経済性評価のところでのご紹介をいたしましたけれども、現在は火力の排出係数のみを使っておりますけれども、このご指摘も受けまして、全電源の排出係数を使った場合もあわせて検討の対象にさせていただきたいと思っております。
 それから、最後の3番目、これは原子力の利用率の向上に関してでございますけれども、全く省いているということではありませんで、85%までの利用率向上は計画ケースに含めて、さらに90%のものもあわせて追加的に削減費用や削減量の表には加えさせていただいているという整理に改めさせていただいたところでございます。
 一応以上で宮本委員からのご指摘に対する回答にさせていただきたいと思います。

○竹内課長 引き続きまして、資料1でございますが、この国内制度小委員会の中心取りまとめのたたき台を用意させていただきました。これに沿いまして案のご説明をしたいと思います。
 まず目次でございますが、「はじめに」という次に、第1章で「地球温暖化に関する基本的認識」という章として4つのパートを用意させていただきました。それから、第2章では「現行施策の評価と課題」。これはこれまでに毎回各分野ごとに評価し、課題を抽出した作業のまとめでございます。それから第3章は「今後の地球温暖化対策の在り方について」ということで、4項目ございますが、これもこれまでこの小委員会でご提案させていただきました議論の集約でございます。
 2ページに「はじめに」というところがございます。ここは、これまでの、平成9年の12月に当審議会、前の中央環境審議会ではございますが、審議会に環境省長官の方から諮問をいたしましたときからの経緯を書かせていただいております。
 4ページに第1章ということで「地球温暖化に関する基本的認識」。まず最初が、地球温暖化問題は、既に起きている現実の問題ということで、先般取りまとめられましたIPCCの第3次評価報告書を中心に、これまでの地球温暖化の状況、それから今後の影響等について書かせていただいております。
 5ページの、上から少し下がったところの2番では「気候変動枠組み条約の基本的考え方」ということで、気候変動枠組み条約の目標、気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガス濃度を安定化させることを究極的な目的とするといった点、それから、究極の目標の達成期間ということであります。
 それから、6ページにまいりますと、地球温暖化対策は「共通だが差異のある責任」に基づいて、すべての国が取り組んでいく課題だという基本的認識を示しております。
 それから、7ページの3番では「京都議定書を巡る最近の状況」ということでございまして、これも毎回報告させていただいた面も含め、京都以降の流れを簡単に記述しております。
 それから、8ページで「本報告書の目的」ということでございますが、最後にございますように、国内制度小委員会におきましては、目標達成シナリオ小委員会の検討結果も踏まえつつ、現行施策の評価を行い、6%削減目標を達成するために必要な今後の国内制度の全体像を明らかにすることを目的として検討を行って、この報告書を取りまとめたと、中間的なものでございますけれども、そういう位置づけだということでございます。
 そこで、9ページから第2章でございます。「現行施策の評価と課題」ということで、まずその評価をするに当たりまして、現行の地球温暖化対策推進大綱での取り組みというものの概要について述べさせていただいております。具体的な排出目標、それから分野ごとの目標などにつきましては、10ページ、11ページにグラフ、表であらわしております。
 それから、12ページでございますが「大綱に基づく施策の分野別の進捗状況と評価」ということでございまして、シナリオ小委員会の検討結果によりますと、大綱に基づく現行の対策を実施した場合、既に決まっている確実性の高い対策を実施した場合には、基準年比で約8%の温室効果ガスの排出増加と、2010年でございますがなっておりまして、さらなる対策が必要だろうということでございます。
 そこで、13ページからでございますが、まず「エネルギー起源の二酸化炭素の排出削減策」の進捗状況ということでございますが、まずエネルギー転換部門におきましては、電気事業者、熱供給事業者、石油精製事業者などからCO2 の排出がございます。そのうち特に電力は、ほかの部門に密接な関係をしておりまして、特に民生・産業方面につきましては、電力の排出原単位が下がることによる波及効果等が大きい。したがって、エネルギー転換部門においては、排出原単位を下げていくことは最も重要な対策の1つとなっております。大綱策定時のここでの目標は、電力配分後のCO2 排出量を2010年度に90年にプラス4に抑制することでございますが、98年の実績でプラス 8.6%となっておりまして、シナリオ小委員会の中間取りまとめ(案)によりますと、追加的対策を実施しないと2010年には14.4%になると見込まれております。また、エネルギー転換部門独自の対策の状況につきますと、大綱策定時の目標は、CO2 排出量を2010年度よりマイナス 3.6%に削減することでございましたが、98年についてはプラス 2.9%、同じくシナリオ小委員会の中間取りまとめによりますと、追加的対策を実施しないとプラス10になると見込まれているということでございます。
下の図4は、電力消費に伴う二酸化炭素の間接排出量が電力配分後排出量に占める割合ということで、民生部門では54.2%を占めている。産業部門では21.3%を占めているという状況です。
それから、次の14ページでございますが、図5ではエネルギー転換部門におけるエネルギー起源CO2 の排出量の見通しということで、90年から98年、 8.6%の増加。大綱の目標はプラス5%、計画ケース、現行の削減対策を進めていった場合のケースではプラス14.4%ということでございます。
それから、図6が今のを電力配分前に直したものでございます。ここで、下の方でございますけれども、エネルギー転換部門の排出原単位を下げ、排出削減を進めるための方策としてさまざまな方法がございますが、その1つとして、エネルギー供給に関する諸般の事情を踏まえつつも、石炭から天然ガス等への燃料転換を促進することが有効であろうと。それから、新エネルギーの導入も、排出原単位を下げるために有効な対策でありますけれども、現状の施策は十分な施策がないということもあり、新エネルギーの導入は依然として低い水準にとどまっているというような点が指摘されるということでございます。
それから、産業部門でありますけれども、産業部門には、農林水産業、製造業などからのCO2 の発生でございます。大綱策定時の作業部門の目標は、CO2 排出量を2010年にマイナス7%に削減することでございました。現状、98年についてはマイナス 5.1%でございます。同じくシナリオ小委員会の取りまとめによりますと、追加的対策を実施しない
場合には、2010年にはマイナス 4.2%になると見込まれているということでございます。
図7が産業部門におけるエネルギー起源CO2 の排出量の見通しの電力配分後の図でございまして、下が電力配分前のものでございます。
16ページにまいりますと、産業部門における対策の大きな柱として、経団連環境自主行動計画が実施されておりまして、フォローアップも行っております。産業部門からの電力配分後のCO2 排出量は98年度でマイナス 3.2%になっておりまして、産業部門そのものの出荷額当たりの排出原単位は増加しております。これは要因としては、電力の排出原単位の改善によるところが大きいということでございまして、フォローアップにつきましても、結果のみが公表され、プロセスが明確化されていないなどの問題点が指摘されている。それから、企業の自主性を生かしつつも、その透明性・信頼性・実効性を一層高めるための措置を講じることも必要であろうという指摘がされていました。
それから、民生部門でございますけれども、家庭と業務があるわけでございますが、民生部門全体の目標は、電力配分後、2010年で大綱策定時ではプラス・マイナスゼロ%ということでございましたが、現状では12.4%になっています。同じくシナリオ小委員会の中間取りまとめでは、何も追加対策がなければプラス27.4%になると見込まれる。今後一層の取り組みが必要だということでございます。家電・OA機器などは、改正省エネ法の適用により向上が見込まれている。一方また、世帯数の増加や保有率の上昇などによりまして、エネルギー消費量の増大が見込まれている。それから、住宅・建築物につきましては、助成制度によって性能は向上していますが、ストック全体として見た場合には排出削減に対する効果はまだ少ない。さらに助成制度に加え、義務的な制度も導入が必要ではないか。あるいは診断も有効ではないかということでございます。
運輸部門につきましては旅客と貨物がございますが、大綱時の目標は2010年にプラス17%に抑制ということでございましたが、98年実績25.9%、同じくシナリオ小委員会で、追加的な措置を実施しない場合はプラス24.6%と見込まれております。
自動車につきましても、改正省エネ法の適用による新車の燃費の向上がありますが、保有台数の増加等によって総量を削減するには至っていないということで、旅客につきましては、利便性が高いということと、中心市街地の空洞化や商業施設の都市郊外への移転進出など、自動車を使用せざるを得ない社会構造となってきており、自動車への依存は一層進んでいる。貨物におきましては、輸送分担率に占める自動車の割合が増加し、積載効率が悪化しておりますが、その要因としては、少量多頻度の配送ということが挙げられるということでございます。このため、削減対策には単体対策のみならず、モーダルシフトや自動車の効率的利用、公共交通機関の一層の利用促進などによる自動車走行量の抑制に向けた取り組みが必要だという評価でございます。
次に、非エネルギー起源CO2 、それからメタン、一酸化二窒素の排出削減策の評価でございますが、これらにつきましては、大綱を策定して2010年、マイナス4%が目標でございましたが、98年度実績プラス 5.5%、シナリオ策定小委員会の中間取りまとめでは、2010年にマイナス8%になると見込まれております。この分野では、これまでの対策は自主的取り組みや普及啓発が中心となっておりました。これらのガスの発生源は多種多様でありますが、排出源が次にありますように特定されているものが多くございます。したがいまして、それぞれの発生源に適した対策を促すための措置が必要だろうということで、
下の図12では、非エネルギー起源の発生源の排出量ということで数字が示されております。
同じく、次の20ページ、21ページ、メタン、一酸化二窒素の排出源と排出量でございます。
それから、22ページがHFC等3ガスの排出削減策でございます。これも同じように、大綱策定時の目標は2010年に48%に抑えるということでございましたが、98年の実績はマイナス 9.8%となっております。対策といたしまして、家電リサイクル法が施行済みでございますし、さらに先般、フロン回収破壊法が成立いたしまして、次第に規制の枠組みがそろいつつあるということでございます。
 23ページは、HFC等3ガスの排出源と実排出量でございます。
 以上の評価を踏まえて、今後の地球温暖化対策のあり方ということで、24ページから第3章がございます。
 議定書目標の達成のための削減ポテンシャル、排出削減ポテンシャルと制度の全体像ということで、まず温室効果ガスの排出削減ポテンシャルでございます。先ほどシナリオ小委員会の方の中間取りまとめの案の中にも出てまいりましたが、25ページにもございますように、技術的な観点から見た削減ポテンシャルは、全体で見ますと国内での排出削減策、技術的なポテンシャルはマイナス3から、90年比マイナス3からマイナス10とあるということでございます。
 26ページの上には、さらにその技術ポテンシャルの経済性評価を行いまして、追加的削減量というものをグラフで示しておりますが、各削減コストごとにこのような量が見込めるということでございます。
 そこで、1-2、目標達成のための制度の全体像でございますが、温室効果ガス、とりわけCO2 は、あらゆる局面によって排出されておりますので、単独の政策手段だけで効率的かつ効果的に削減をすることは難しかろうと。したがって、国内制度に関しましては、国民・事業者・地方公共団体など広く各主体の理解を得つつ、経済的手法、規制的手法、投資など、ポリシーミックスを形成することが必要であろうということでございまして、これによりまして、現在だけの政策では、その目標に達成しないことを踏まえて追加的制度を導入することが不可欠であるということで、ここの中間取りまとめでは、まず排出量管理のための横断的仕組みと個別の対策に係る主な制度、それから海外での政策、排出削減や取引を行うメカニズムを活用するに際して必要となる国内制度、それから、これらを円滑に実施するための基盤メカニズムのあり方といったものについて示していこうということでございます。
それを全体像を絵にしますと27ページにあるような図でございまして、目標達成のために国内での排出削減のための制度ということで、上から順番に実行計画の策定・公表の義務づけ、家庭・中小事業者への温暖化対策診断、それから協定制度、国内排出量取引制度、温室効果ガス税または課徴金といったことで、上の2つによりまして各主体の排出量管理のための横断的な仕組み、それから、その下の3つによりまして、各主体の排出削減のための横断的仕組み、それから、下に縦に並んでいますのが個別の排出削減にかかる主な制度ということで、右の方から電力排出原単位改善の手法、交通体系のグリーン化等という体系を示しておるわけでございます。右の方にいきますと、京都メカニズム活用のための国内制度。これは海外での温室効果ガスの排出削減を実施する京都メカニズムを国内で実施するために必要な国内の制度ということでありまして、これらを横断的に計画し、実施し、モニタリングし、進捗を評価してフィードバックしていくというメカニズムを打ち出していくと、このような体系図を用意させていただきました。
 28ページから、個々の制度といいますか、それのオプションといいますか、それらを並べております。
 まず、各主体の排出量管理のための横断的仕組みということで、2つ用意されております。1つは実行計画の策定及び公表の義務ということでございます。事業者の行っている活動はさまざまでありますし、部門におきましてもエネルギー転換の部門、産業、民生、運輸の部門がございます。事業者の自主的な取り組みに関しましては、温室効果ガスの排出削減に対する事業者の自主性を最大限尊重しつつ、自主的取り組みの透明性・信頼性・実効性を高めることが必要であろうと。このための手法としては、現行地球温暖化対策推進法におきまして、政府と市町村の事務事業について策定・公表が義務づけられております排出削減のための計画について、事業者につきましても温室効果ガスの排出量抑制に係る数値目標、その他の目標を含む実行計画というものを策定を義務づけ、あるいは第三者による認証、あるいは届け出等について義務づける手法というものが1つあり得ようと。ただし、この際には中小企業者についても努力義務ではなかろうかというような点が1つあろうかと思います。
 そこで、この手法といいますか、この方法で一体どのぐらいの削減の可能性があるのかということを正確に把握することは難しいわけでございますが、先ほどの追加的削減費用というもので、ゼロ円とかゼロ円以下とか 5,000円以下とか、トン当たりの削減量の費用でありますけれども、そのうち追加的削減費用がトン当たり 5,000円未満の対策というものが、この実行計画の策定・公表の義務づけによって実施されるんではなかろうかという前提で削減量を見てみますと、大体 3,000万トンから 6,000万トンぐらい、CO2 の削減が見込まれるんではなかろうかということでございます。
 これは、途中に書いてございますように、目標のレベルとか、あるいは対策のメニューについては事業者の自主性にゆだねるということですから、きちんとした定量的な削減量というのは見込むこと自身、かなり難しいとは思いますが、仮に 5,000円未満というふうにした場合には、このぐらいの量が見込まれようということでございます。
 それから、2つ目に、家庭、あるいは中小事業者への温暖化対策診断ということでありますが、こういった分野におきましては、省エネルギーなどに関する具体的な知識などが十分ではないわけでありますし、経済便益を生ずるような対策であっても情報がないといったことのために、具体的には実施されていない可能性もあるわけでございます。したがいまして、各家庭とか、あるいは中小事業者からの排出総量の管理のための枠組みとして、専門的知識を有する専門家によって、仮の名前でありますけれども「温暖化対策診断」といったものを実施して、経済便益を生ずる対策を実施していく手法が考えられるのではないかということで、これにつきましては、どのぐらいの削減が見込めるかということでございますが、この民生・業務部門、家庭部門におきまして、追加的な削減費用がトン当たりゼロ円未満の対策がこれによって実施されるのではないかという前提で見ますと、 850万トンから 1,800万トン削減がこれによって見込まれると考えられるということでございます。
それから、次に、各主体の排出削減のための横断的仕組みということで、3つ記載されております。
1つは協定制度ということでございまして、先ほどの実行計画による措置におきましては、目標のレベル、あるいは対策のメニューは自主性にゆだねられているということですから、先ほど申し上げましたように排出削減が確実に行われるということはわからないわけでございますけれども、そこで、その確実性を高めるために、事業者が国または地方公共団体との間で実行計画目標レベル、あるいは対策についての協定を結び、それに基づいて履行確保を図りつつ対策を推進する手法というものが1つ考えられる。あわせて、この協定制度といったものへの参加事業者をふやすために、例えば環境税がある場合には環境税の免除、減免とか、あるいは財政上の措置、あるいはほかの優遇措置といったインセンティブを付与することも考えられる。ただし、この協定の目標を達成できなかったときには、これらの優遇措置を取り消すということも考えられる。
それで、この手法による削減の量でありますが、これも仮の話でございますが、追加的削減費用がトン当たり1万円未満というふうなものがこれによって達成できるというふうに仮定いたしますと、3万 7,000トンから7万ぐらいのCO2 削減でございますが、見込まれるというふうになろうかと思います。
2つ目は、国内排出量取引制度ということで、経済効率を確保しつつ、排出削減の確実性を高めるための手法として、その排出量が多く、特にその排出総量の管理を図る必要がある旨の認定を受けた事業者がキャップ&トレード型の国内排出量取引制度を行うということも考えられる。ここも同じように、国内排出量取引制度への参加事業者をふやすために、税制上の、例えば環境税が入っている場合にはそれを優遇するとか、あるいは財政上の措置、その他を付与することも考えられる。同じように、目標が達成できなかった場合には、こういった優遇措置は次の回から適用されないということも考えられる。ここは、これをどれだけ入れるかということもなかなか難しいわけでありますが、ここでは先ほどと同じように、トン当たり1万円未満というふうに仮に考えてみますと、 3,700万トンから 7,500万トンというふうになります。これは、排出量取引制度は、国際ルールと国内ルールとの連携が図れるような制度設計も必要があろうということでございます。
それから、3つ目が、温室効果ガス税、あるいは課徴金ということでございますが、これらは全排出部門を対象とすることが可能でありまして、基本的には公平性が確保される。さらに市場原理が機能する。理論的には排出削減費用が最少化されるというメリットもあるかと思います。先般、先ほどちょっとご紹介いたしました、シナリオ小委員会で報告された数量モデルによる経済分析によりますと、CO2 の排出量でございますが、このCO2 の排出量を基準にしてマイナス2%、1億 400万トンから1億 2,200万トンを削減するとした場合の限界費用、つまり炭素税の額でございますが、1トン当たり1万 3,000円から3万 5,000円と、6つのモデルで計算した結果が1万 3,000円から3万 5,000円でございましたが、このように試算されるわけであります。ただ、税収を補助金として還流させる場合には、1トン当たり 3,000円の炭素税を入れても同じような効果があるという結果もあります。それから、これらを導入した場合のGDP損失を試算しますと、0.06から0.07の範囲であって、軽微なものであるとされているという分析がされておるわけでございまして、今後は課税の対象などにつきまして検討を進めていくことが望まれるのではないかということでございます。
以上が各主体の排出削減のための横断的な仕組みということでございまして、次に個別の排出削減に係る主な制度的手法ということで、これまでもご紹介してまいりました手法でございますが、まず電力排出原単位改善の手法ということでは、供給サイドの対策と需要サイドの対策の2つあるわけでありますが、供給サイドの対策の中で原単位の改善に寄与するのは燃料転換や新エネルギー、あるいは上の括弧の中の原子力発電の導入と書いてありますが、これらにつきまして、例えば義務的な制度としては、販売電力量の一定比率を新エネルギーによる発電電力とするとか、あるいはクレジット(グリーン証書)ということで獲得することを義務づける制度とか、あるいは需要サイドの対策として、分散型エネルギー利用を促進するための制度としての設置の義務づけとか助成とか、政府の率先実行とか公共による熱導管の整備とかいったようなことが考えられるわけでございます。ここにつきましても、この電力排出原単位の改善という手法で、供給サイドの対策が実施されるとしますと、約 2,000万とか 4,500万トン、需要サイドにつきましては 900万トンから 3,200万トンの削減が見込まれるという数字が試算されます。
それから、交通体系のグリーン化の手法につきましても、渋滞解消などの対策とともに、トップランナー基準の強化とか、あるいは需要管理などのポリシーミックスが必要であろう。それからまた、自動車依存の交通体系からの脱却のための公共機関、あるいは共通運賃制度の導入、バスレーンなどソフト、ハードを主体とした制度の導入手法がある。それから、低公害車の大量普及に向けた手法、それから、自動車の取得段階、保有段階での税制をグリーン化するという手法も有効ではなかろうか。それから、大気汚染対策との共通の部分があるのではないかということで、先般改正されました自動車NOx 法に基づく対策メニューと一体的に温暖化対策に取り組むなど、これらの自動車環境対策との一体的な推進も効果的ではなかろうかということでございまして、これらがすべての対策が実施されるとしますと、 1,400万トンから 2,400万トンのCO2 の削減が見込まれるということです。
次に、ライフスタイルの脱温暖化の手法ということでございますが、省エネ法のトップランナー基準を拡充する、あるいは強化するといった措置、あるいは住宅・建築物の断熱化に係る制度的措置、あるいは民生用機器や住宅の温室効果ガスに関するライフ・サイクル・アセスメント、これについての第三者による認証といったことも考えられます。それから助成、融資制度の拡充等も考えられます。それから、サマータイムといった手法も挙げられます。これらによって大体 900万トンから 980万トンのCO2 の削減が見込まれます。
それから、4番でございますが、非エネルギー起源のCO2 、メタン、一酸化二窒素、HFCなどございますが、これらの分野は、対策を実施すべき対象とか対策の内容がCO2 に比べますと明確化されているものが多いわけでございまして、対策が確実に実施されるよう、規制的手法を中心として個別に制度を導入するということが有効ではなかろうかということでございます。
 非エネルギー起源、CO2 とかメタンなどの手法としては、先ほど製造、農業などにおける排出規制、構造基準・維持管理基準といった制度の導入も考えられます。それから、HFC等3ガスにつきましても、排出制限が特定されておりまして対策も明らかになっておりますし、規制的手法がそういう意味で適用しやすい。実際に家電リサイクル法は施行済みでありますし、先般のフロン回収破壊法も成立いたしましたので、こうした規制の枠組みがそろいつつありますということでございまして、今後、それらの拡充などが講じられていくことが考えられるということで、この分野につきましては 2,900万トンから 3,700万トンのCO2 の排出が認められる。
ここでの最後では、都市基盤--都市だけじゃないでしょうけれども、基盤整備のための手法ということで、廃熱を利用するための公共導管の整備や公共交通機関、あるいは住宅・建物の断熱化、屋上緑化等々、温室効果ガスの排出削減に寄与するだけでなくて、むだな費用の削減とか快適な環境の創造、創出につながる重要な社会資本となるものが多くあるわけでございまして、いわば脱温暖化社会の構築に向けて廃熱利用、あるいは公共新交通システムなどの整備を進めていくことが必要でありましょうが、その際には、例えばそれらを実施する市町村において必要な計画を策定して、それに対して必要な財源を確保するというような仕組みが必要になってくるのではないかと考えられるということと、あと、若干補足的ですが、緑を社会資本として位置づけることも必要だろうということで、都市内で緑地を確保したり、屋上・壁面の緑化に加え、あるいは森林についても温暖化という考え方ではなくて、水源対策、災害対策の関係から整備していくことが必要だろうということで、これで 250万から 750万トンの削減が見込まれるということでございまして、こうした削減、横断的個別削減策によりまして、33ページの表3にありますような、それぞれの制度によって削減量がそれぞれこのぐらいの幅でございますけれども、どのぐらい削減量が見込めるのではないかということでございます。ただし、注にございますように、これはかなりの部分が重複の制度になっておりますものですから、この段階で合計することは難しいわけでございます。
それから、34ページ、35ページには、今の具体的な幅で示された個々の横断的施策、あるいは個別の施策によってどのぐらい減るだろうかというのを算定するための背景となった追加的削減費用でございます。これは先ほどのシナリオ小委員会の中でもご紹介したものでございます。
それから次に、京都メカニズムの活用のための国内制度ということで、レジストリー、国際排出量取引と国内制度との連携と、それからCDMの認定事業ということでございまして、これらにつきまして、前回お話し申し上げたばかりでございますが、こういった京都メカニズムを達成するためには、国内制度の設定が必要になってくるということでございます。
 39ページでございますが、これは全体、各手法の組み合わせ、京都メカニズムも含めて組み合わせた政策パッケージを円滑かつ確実に推進するためのメカニズムということで、1つは計画、それからモニタリング、それから、それを踏まえた対策評価というメカニズムを構築していく必要があろうということでありまして、40ページのところではまず計画でございます。計画には、国の計画、地方公共団体の計画、それから計画の進捗状況のモニタリング、それから41ページではモニタリングの結果を踏まえた対策強化ということのそれぞれにつきまして、42ページで、これも前回お示ししました体系と同じでございますが、42ページでございまして、右上から下に来て、左下から左上に行くという一連の計画を策定し、それを実施する。実施する中身として、先ほど来出てまいりました推進メカニズム、それから、これをモニタリングして対策の強化の計画にフィードバックするというのが最後に制度的枠組みとして必要であろうということでございます。
 それから、おわりにのところでございますが、この報告書は中間的な取りまとめでございます。今後、COP6の再開会合の結果を踏まえまして、引き続き京都議定書の目標を達成するための国内制度の検討を深めていくということでございますが、政府におきましても、これを踏まえて京都議定書の締結ができるよう、目標達成をするための国内制度の構築に向けて全力で取り組むことを期待するというようなことで、この中間報告取りまとめのたたき台についてご説明申し上げました。
 それから、関連でございますが、参考資料の3でございます。これはご紹介だけでございますが、自主検討会報告書というタイトルがついたものでございます。これは実は昨日、6月21日でございますが、私どもの方で発表いたしました。これは2ページにございますように、自主協定検討会というものが委託先に設置されまして、そこにおきましてまとめられた報告書でございますが、私どもの方で発表いたしました。
そこで、その際に、関連でございますが、一番最後の資料で、寺門委員から小委員長あてに6月21日、きのう意見が届いております。「第5回、第6回国内制度小委員会の提出資料および議論について、以下のとおり意見を申し述べます」ということでおりてきておりますが、実は、今申し上げました参考資料3の発表をした際に、ほぼ同様のご意見が、これは私どもの記者クラブの方に経団連の環境安全委員長の方から来ておりました。内容は同じでございますものですから--同じでございますというのは、先ほど大綱以降の施策の進捗状況と、その評価というところに関した部分がこの自主協定検討会の中にもございましたものですから、ご意見としては同じ意見が出ておりましたものですから、それについてちょっとお話しを申し上げたいと思います。
 まず、これは前の資料なんですが、皆さんのお手元にないかと思いますけれども、政策誘導による産業構造の転換と、かつ非現実というご意見でございまして、温室効果ガス排出の少ない産業構造へと政策的な誘導を図ることが重要である。これはシナリオ小委員会の報告のときの記述でございます。このようなご意見が出ております。例えばITなんていうのは政策的に誘導していると思うんですが、こういうのも計画経済じゃないとできないのかどうか、私はよくわかりませんけれども、非現実かどうかというところについての、今ご議論をいただきたいというふうに思っております。
 それから、政府部内での見解の統一を図るべきということで、ご案内のように、この審議会だけでございませんで、制度的な面につきましては産業構造審議会、あるいは我が方でいいますところのシナリオ小委員会に近いような分野を総合エネルギー調査会、これはエネルギー起源のCO2 だけでございますが、議論されておるわけでございまして、議論の前提が統一されていない。政府部内で見解を統一すべきであという意見でございます。そのうち、とりわけ各審議会の基準ケースということで、シナリオ小委員会の方では計画ケースと言っているものでありますが、これらについて異なったものが定義されていると、今回のような重要な議論を行うに当たって、両省の知見や知恵を出し合い、努力してよりよい方向を提言すべきであるということでございます。
 現実には、今、基準ケースも計画ケースも、基本的なフレームは同じかどうかわかりませんが、政府それぞれの担当の省庁が発表しているものを使っているということと、それから、基準ケースと、それからケース2010年の排出量についての見通しについては、そんなに差がないということではございます。
 それから2ページのところ、経団連自主行動計画のレビューということでございまして、自主行動計画については、毎年政府の環境審議会合同会議におきまして、第三者レビューを受けるということでございます。批判があるのであれば、関係審議会合同会議において指摘すべきということでございまして、関係審議会合同会議、近いうちにあるかもしれませんが--すみません。ここのどの点だったかというのをちょっと確認して、またご報告申し上げます。
 それから、次に、自主行動計画の目標設定を正しく理解すべきということでございまして、大綱は、政府が経団連自主行動計画を前提に策定したものであり、自主行動計画の目標設定が低いという指摘は事実誤認であるということでございまして、実際、大綱ができました半年以上前に経団連自主行動計画ができているわけでございまして、大綱の中で示された産業分野の排出量の予測、あるいは削減量というものは、基本的にはエネルギー需給見通しの中から出てきた数字と理解しておるわけでありまして、その中の具体的な対策のかなり大きな分野として、経団連自主行動計画におきます対策というのが入っていると思います。したがいまして、大綱では産業部門マイナス7%でございまして、自主行動計画ではプラス・マイナスゼロ%でございますが、差があるのは当然だというふうに理解できると思います。それは目標設定が低いという指摘は事実誤認ということになるかどうかわかりませんが、違いはあるということは確かだと思われます。
 それから、自主行動計画に対する評価はきわめて不適当ということでございまして、まず、数値目標の不一致ということでございまして、自主行動計画では、それぞれの業種ごとにといいますか、団体ごとにといいますか、原単位の目標であったり総量の目標だったりするということでございまして、それを統一的な目標の設定を強制するということは趣旨に反する。強制をするということではございません。評価をしてきたわけでありますから、初期評価のためには同じような指標が評価しやすいということを述べてあったと思います。
 それから、目標未達成の可能性ということで「経団連の目標とする1990年度レベルの達成はすでに難しい」というのは、自主行動計画の趣旨を履き違えた表現と言わざるを得ないということでございますが、さらに、現状のBAUに対して削減努力を進めるのが自主行動計画の趣旨であるという理由が付されておりますが、目標を達成するということが、この計画、あるいは自主行動計画の趣旨ではないかと思われますので、BAUに対して削減努力を進めることだけが趣旨かということになると、そうではないんじゃないかと思います。
 それから、フォローアップ要因分析の根拠ということでございますが、フォローアップの要因分析の中で、電力の原単位の改善分と、それぞれの業界の自己の努力と分かれるという数字が出ておりますが、そのうち自己の努力の削減分が 2.1%となっていますが、その数値の根拠が必ずしも明らかでないというふうに、前回の資料でありました。ここのペーパーの中にございますが、別紙1で、要因分析の根拠となる考え方は記載をされております。しかし、これの具体的なデータといいますか、それが公表されていないものですから、その数値の根拠は必ずしも明らかでないというような表現になっているわけでございます。
それから、5番以下につきましては、それぞれ政策パッケージの中身につきましてのご意見でございますものですから、この場でぜひご議論いただきたいと思います。
以上でございます。

○安原委員長 ありがとうございました。
あと、別添1、2がありますけれども、説明なしでよろしいですか。

○竹内課長 これは、これまで各分野の小委員会の会合で提出させていただき、あるいは
ご議論のあった点につきましてまとめただけのものでございます。説明は省略いたします。

○安原委員長 それでは、ただいまの説明に対しましてご質問、ご意見がございましたら、自由にお願いしたいと思います。
 では、天野委員、佐和委員。
発言のある方は名札を立てていただければと思います。

○天野委員 ありがとうございます。
 2点ございますが、この資料の1の18ページで、ここで運輸部門のCO2 排出削減のための施策というのが取り上げられております。私は、これはこれで、こういうご議論でよろしいかと思いますが、環境省として、この運輸部門のいろいろな環境負荷というのを考えるときには、もちろんCO2 削減という点ではこういう施策は必要かもしれませんが、それ以外にも、運輸部門というのは非常に大きな環境負荷を与えておりまして、そういう対策をとることの副次的な影響としてCO2 の削減というのがあるということじゃないかと思いますので、運輸部門に関しては、もちろん我々のこの小委員会では温室効果ガスが中心になりますけれども、その他の環境への負荷という点から、付随的にCO2 削減に資するような政策というふうな視点も必要じゃないかという、そういう気がいたしました。
 それから、第2点ですけれども、28ページから29ページにかけまして、横断的な仕組みでいろいろな手法が取り上げられております。特に1番、2番、3番に共通する点としまして、政府に対してこういう対策を講じることによって、収入が入ってくる部分と支出が必要になる部分というのが両方出てくることになるんですね。特にいろいろな助成措置を講じる、例えば協定制度に参加する誘因として税制上の優遇措置をとる。これは出ていく方ですね。それから、温室効果ガス税、課徴金、こういうものを実施すれば収入が入ってくる。かなりの部分が助成措置になるような感じがいたしますので、そういう点から、政策全体として、ある意味では財政の面で、その中立性が維持できればそれにこしたことはないんじゃないかと思いますので、そのあたりの検討もあわせて行う必要があるんじゃないかというふうに思います。これは、温室効果ガス削減というふうな政策に対しては、環境負荷を下げるという点からのいろいろな指示もあるかと思いますけれども、追加の税収が必要であるというふうなことになれば、そういった面からの反対意見が強まるようなこともありますので、例えば歳入立入というんですか、総合的な収支バランスの点からの検討も一緒に進めていただければと思うわけです。
 以上です。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは佐和委員、どうぞ。

○佐和委員 主として、最初にご説明なさった目標達成シナリオ小委員会の報告書に関してなんですが、どうも理科系の先生がずらっと名前を連ねていられるわけなので、どうも算数が苦手な人が多いなという印象があるんですよね。
 それが、まず8ページの式がありますね。前回ご注意申し上げた点は、αにサフィックスがついていないじゃないかということで、aとbがついているのはいいんですが、とにかくCとかRにサフィックスのS がついていますね。こんなものは何のためのサフィックスなのかよくわからないということが1つ。
 それから、αのところに、実はαS というのがついて、そして、1プラスrの肩にあるn にサフィックスのS というのがつかないといけない。
 それから、その次の、これがよくわからない。エネルギー費用の軽減効果というのがございますね。ここのところで、まずPb とPa の引き算をして、それをRで割って、それをPs というのは、何かいかにもお粗末という感じがしますね。つまりPa 、Pb というのは何ですかということになるでしょう。つまり、これは確かにエネルギー費用がこれだけ減りましたという差になっているわけですね。それを1単位当たりということでRで割っているわけですね。だけれども、それをPb とかPa について何の説明もないわけですね。
 それから、Es に関しても何か、例えばパブリックなトランスポーテーションに乗りかえた結果、非常に不快感が増したとかいうものがここで意味されているんでしょうけれども、ここも当然、その上の四角の中の式で、前の2つの項にはtC当たりと書いていて、3つ目にだけtC当たりと書いていないのはどう考えてもおかしいですね。
 それから、もう一点、これは快適性云々、これこれの副次的効果を費用換算したものじゃないんですよね。マイナスしているということは利益換算したものなんですね。つまり、利益換算したものであって、逆に不便益が不利益といいますか、非常に不便になったというなら、それは費用ということでマイナスになるということで費用がふえたということです。これは利益換算じゃないとおかしいということですね。ですから、それは細かい点ですので、どうぞご注意ください。
 それから、宮本委員はきょうお見えになっていないですけれども、さっきメモについてご説明なさいましたね。それから、さっきの資料をご説明になる際にも、例えば電力消費の削減というようなときに、消費が減ったというときに電源をどういうふうに考えるかということについてご説明がありましたけれども、例えば、電気自動車というのが走ったりしますね。そのときに、電気自動車が走ることによってガソリンが電気に変わった。そのときに、一体CO2 の排出量はどれだけ削減されたかという議論をするときには、原子力は入った方が効果は大きく出るわけですね。逆に、例えばコジェネとか燃料電池というようなことで電力消費が削減されたときには、CO2 の排出削減の効果というのは原子力を含まない方が大きくなるわけですね。だから両面あるんですよ。
 それから、宮本委員の理由というところは、ちょっとこれは理解できないわけですね。つまりおっしゃることは、電力需要は、これは今、もうほとんど伸びが小さくなっている。全くそのとおりですね。そして今後は電力需要が減る可能性すらあり得る。それも全くそのとおりですね。伸び率がマイナスになる。その場合、もちろん火力発電所の投資もない。原子力の投資もないだろうというわけですね。したがって排出係数は火力発電平均よりも小さな値となるというふうにお書きになっていますけれども、もちろん火力平均よりは小さくなるでしょうけれども、つまり現状のままだろうということですね。おっしゃりたいことがよくわからないんですけれどもね。
 それから、排出係数は火力平均よりも小さくなる、ここで問題なんです。最初に申し上げるべきことだったんですけれども、要するに、例えば電力消費を何かの新しい機器を導入するというようなことで、消費が1単位減ったとしますね。そのときには、原子力等がベースロードであって、そして変動する利用に対しては火力で対応しているというのが普通ですね。そういう意味では火力で、例えばコジェネをやりましたというようなことで、その効果は、CO2 排出削減は幾らかというときには、限界的な部分で、つまり火力で見るのが妥当だと私は考えるんですね。原子力って、あくまでベースロードであるという意味ではですね。ところが、あえて自分が言ったことに対して反論するとするならば、例えば物すごいコジェネと装置がどんどん導入されてくれば、当然、いわゆるベースロード部分にも食い込むというぐらい電力需要が減るというようなことになることまで想定すれば、確かに原子力を見ていっている。しかし、そこまではいくことまで考えていないということですね。そうすると、やっぱり火力で効果を見るということは、決しておかしいこと
ではないというふうに思います。残念ながらきょうは宮本委員がいらっしゃっていない。
 それから、今私が問題にしている報告書の9ページですけれども、追加的費用の削減量というのがございますね。これがゼロ円未満というので 3.5%、つまりノー・リグレット・ポリシーだけで、ノー・リグレットで 3.5%も削減できますよというわけですね。それから、若干の費用をかければ、つまり 5,000円ぐらいの費用をかければ、それよりさらに追加的に 1.1%云々ということで、このことから言えることは、その 5,000から1万というところ、例えばトン当たり 5,000円程度の炭素税を課したとしても、それによって 4.6%削減できるということですね。ただし、そのときには、実は節約とか、つまりこれは設備投資を新たにすることによってどれだけ削減できるかということを見ているわけですね。それ以外に節約効果というのもあるわけですね。それを加味すれば、少なくともこの数字が正しいとすれば--さっき、あんなに式を間違えているんだったら、どうもこの数字も信用ならんなという感じがしないでもないわけですけれども、それはいいとして、この数字から見ると、とにかく 5,000円の税金をかけただけで 4.6%も削減される。それは設備投資に起因する削減効果でしょう。それ以外に節約量もあるというふうに考えますと、何かそのぐらいで、ここでおっしゃっている2%削減というのは目標達成できそうな気がするんですね。しかるに、後でいろいろなモデルで計算したのを見ると、やっぱり何万円もの税金をかけないと削減できないというような話になっているので、どうもコンシステントじゃないなという感じ、つまり4の数量モデルによる経済性評価というところの結論とコンシステントじゃないなという感じがいたします。
それから、これ、念のためにですけれども、委員の皆様方に申しわけありませんが、表の10の各モデルの炭素税額とGDP損失との関係というのがございますが、これをよく成長率が 0.5%とか0.何%低下するというふうにうっかり誤解される方が多いんです。これは2010年のGDPのレベルが、何もしなかった場合、つまり炭素税をかけなかった場合に比べて、例えば一番上のモデルだと0.54%。つまり 99.56ですか。つまり0.54%しか減りませんよということなんですね。ですから、ほとんどごみのようなものですよね。ですから、そういう意味で、つまり2010年における、それを仮に今後10年の成長率がどのぐらい低下するのかというと、これは約10分の1ですよね。だから、1年の成長率低下というのは0.05%というぐらいの程度なんですね。そういう意味で、このいずれのモデルの場合にも、非常にGDPに対する悪い影響というのは微々たるものだというふうに評価されているというふうにご理解いただきたいと思います。
 以上です。

○安原委員長 今、シナリオ小委員会の方のペーパーに対するコメントですから、もし何でしたら、西岡委員の方でお答えいただけるところはお答えいただきたいと思います。

○西岡委員 幾つかのご指摘ありがとうございました。サフィックスにつきましては、ちょっと我々、好みがあったりしまして、おっしゃるようにもっとシンプルにきちんとした方がいいと思います。それはありがとうございます。

○佐和委員 これは間違っていますよ。

○西岡委員 間違っているというのは、サフィックスのつけ方のことをおっしゃっているんでしょう。計算の仕方のことでしょうか。

○佐和委員 つけ方と、それから、その他の利益、費用、効果というところだけがtC当たりになっていない。

○西岡委員 わかりました。その点については直させていただきますが、それは数値の内容についての間違いではございませんので、誤解のないようにお願いします。

○佐和委員 それまで誤解しておりません。

○西岡委員 2つ目が、一番大きなシナリオ委員会での論点といいますのは、こうやって各技術ごとに積み上げたものがモデルの計算とどういう関係があるんだろうかということについて大いに議論しました。結論としましては、個別技術からのつみあげでの削減ポテンシャルとコストも大体この1万 1,000円という数字ですがこれと数値モデルの炭素税をもちいた計算での3万円ぐらいのところだとか1万円だとかいう値を比較して、だいたいそのあたりの見当でおさまるという確認をするものだという解釈しました。
 今ご指摘にありましたように、個別の技術があって、それをみんなが始めましたら、当然ですけれども、全体としてエネルギーの需要が減っていきますから、エネルギーの値段が安くなって、そんなに減らさなくてもよかったんだなと言ってまたフィードバックする。つみあげの方の議論にはこういったフィードバックとか全部は入っていないというようなこともございます。これはやっぱり別物であると考えて、位置づけをはっきりしておいた方がいいなという議論になっています。

○佐和委員 1つ、削減費用の計算で私は大きいと思う問題点をもう一つ追加的に指摘させていただきます。Rs という、つまりどれだけ削減できるというRで割り算していますね。つまり、これだけの設備投資をして、例えば発電所は何キロワットアワーの発電をやりましたと。その結果、要するに1年間で何万トンのCO2 削減ができましたと。したがって1トン当たり何円ですよという計算をしているわけですね。問題は、そのキロアットアワーなんですね。その発電所をどれだけ動かすかと。例えば自動車でも、その自動車がどれだけ走るかというような問題なわけですよ。それによって、実はRというのが全部変わってくるわけですね。そうしますと、それをどういうふうにしてお与えになったか知らないけれども、それを割と天下り的にどんと与えて計算していたんでは、かかった費用というのは総額はわかりますね。しかし、その可変的な費用、バリアブルなコストは運転すればするほど受けますね。しかし、恐らく単位当たりで見ると減るでしょう。ですからその辺が、つまりここで言うRの想定の仕方によって、各技術の単位当たり削減コストというのは違ってくると思うんですよね。

○西岡委員 その点については全くおっしゃるとおりだと思います。ひとつの調整法としてこの需要の幅を高位、低位でとってあります。非常に入りやすいものについては高位をとって、非常に入りにくいものについては低位をとって、その間についてはその平均をとるという形で、いささかそういう意味では、おっしゃるような意味では正確に幅が出ないものですから、そういう便宜的な取り扱いをしているという状況であります。

○佐和委員 そうしたら、炭素税を仮にかけて、実際問題として、例えば電力消費が減った、自動車の走行が減ったということになれば、コストで見ると高位の方に近づきませんか。

○西岡委員 その通りですが各技術の積み上げ計算では今の話を考慮することは不可能です。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは松川委員、どうぞ。

○松川委員 私の方は、二、三、金融のセクターで、この環境の問題を取り扱っております。ちょっと資料で一番最後の方にまとめたやつがございます。現在、この別紙の表にあるように、各種のメニュー、新エネルギーとか自然エネルギー、そして省エネ、それからモーダルシフトとかITSとかエコビルとか等、いろいろ実施しているわけでございますけれども、いわゆる共通した問題といたしまして環境投資というのは、シナリオ小委員会の数字で、もちろん非常にもうかる技術もあるんですけれども、一般的になかなか収益回収に時間がかかるというようなこと。それから、特にベンチャー系の環境開発技術の場合には、非常に信用力がないということで、なかなか実際にこの数字のように展開するかどうかというのは、やはりかなり金融セクターの方からの支援がないと、なかなか企業の方は環境投資ができないという面があると思います。
 そういう意味で、ここにまとめの方に財政措置ということで低利融資というのが書いてありますが、財政措置というと、もうどっちかというと補助金にリンクしたような感じになりますので、財政金融措置というような表現で、できるだけ金融のテクニックを使って、そのサイドから市場メカニズムを扱って、そうした環境投資を進めるというふうな考えに立っていただきたいと思います。
 それから、今後の問題といたしましては、いろいろと我々、プロジェクトを審査する際に環境情報が非常に不足しておりまして、もちろん幾つかの企業では環境報告書を出すような動きが出てきているんですが、統一的な基準がないとかいうような形で、なかなかプロジェクトの環境リスクの審査が非常に難しいというところがございます。民間企業も含めて、これから環境リスクを十分評価して融資をしようという動きが少しずつ出てきておりますので、今後、そうした民間企業を含めたこうした動きを支援するように、ぜひインフラ整備をしていただきたいと思います。
 もう少し申しますと、やはりちょっとできれば、このポリシーミックスのところに、もう少し金融的な支援が必要だというのを何らかの表現で言っていただければありがたいなと思うんですけれども。
 以上です。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 新しい問題提起でございます。十分検討したいと思います。
 それでは、その後、福川委員、どうぞ。

○福川委員 シナリオ検討委員会の方で大変膨大な作業をなさっていただいて、確かに先ほどのご議論のように問題はありますが、1つのアプローチかと思います。
 少なくともいろいろ政策の評価をしていくときに、その政策の費用対効果というか、目的と効果を対応できるような形にわかると政策が議論がしやすいんじゃないかなという気がするわけです。全体の動きがこうなっていて、そして御指摘の対策をこういうふうに入れるというと、何となくどういうふうに政策の効果があって、それに弊害があるかというのがどうもちょっとわかりにくいなという気がするんです。
 それで、例えは悪いんですけれども、例えば今、不良債権問題が非常に議論になっているときに、破綻先とか破綻懸念先とか懸念先とか、いろいろ分類をしているわけです。それと全く次元が違う話なんですけれども、これまででもこういう技術開発を非常に進めてきて、もうほうっておいてもどんどんマーケットもそちらに動くし、供給者もそっちに動くというたぐいの技術開発も進んでいるわけだろうと思いますし、先ほどの作業の中で、いわゆる削減費用の方がマイナスになるというようなものであるならば、かなり市場の面でも入ってくるということがあるんだろうと思うし、それは今、松川さんもおっしゃったけれども、ある程度金融もついてくるというようなことにもなる分野もあるだろうと思うので、今開発されているかなりの技術から見ると、これはある程度こういうふうに企業なりが当然展開をしていくだろうというふうに思われる分野があるわけです。例えば、いわゆる低燃費車というのは、多分これから非常に動いていくということでしょうし、これは助成策を講ずる必要のあるものもあるかもしれませんが、別に講じないでいけるものもあるかもしれない。
 ですから、すべては無理としても、かなりの技術の分野のものをもうちょっと技術的に積み上げて、ある程度市場機能で進んでいけるものの予想を1つ積み上げてみるというふうな分け方ができないか。そして、その次に、例えば技術がまだ不完全である。そして財政か金融かで助成をすればさらに膨らむと、こういうたぐいのものもあるかもしれない。そして、さらにもう少し進んでみて、抑止的なものがあるいは必要だということになるかもしれないし、排出権取引がふさわしいというものがあるとすれば、どういうものであるんだということがもう少しわかるようなふうな作業というのができないものだろうかという気がするわけです。例えば、先ほどの中でも、環境税でも 3,000円入れても、助成策を組み合わせると3万円の効果があると、それなら、 1,000円だっていいのか、あるいは 300円でもいいか。あるいはゼロでも、今のあるエネルギー税制の組み立てを変えて助成策だけ変えればできるかもしれないと、こういう論理だって出てくるわけですから、どうもこれも、 3,000円でも、どうやれば3万円の効果が出るかの内容がわからないと、どういうふうな施策を考えているかというのがはっきりしないだろうと思うのです。
 前から私も、できるだけ客観的に、最も一番合理的で弊害の少ない政策を選択すべきではないかと、こう思っているわけですが、大きくシナリオでつくって計算していくと、確かにこれも詳細に勉強すればわかるかもしれないんですけれども、もうちょっと今の技術開発の進展度合いと、あるいは企業の行動と消費者の行動と、いろいろな形で影響を与えていかなければ変わらないところを、もう少し政策がわかりやすくするような計算、分類というふうにできないものだろうかという気がいたします。
以上です。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
それでは塩田委員、どうぞ。

○塩田委員 私は意見と、それから質問をしたいと思います。
私の意見は、きょう、ここでいただいた資料で出された資料1について、運輸の分野についてのいろいろな言及がありますが、これについて意見を述べたいと思います。別途作業をされているマクロなアプローチについては、私は意見はありません。それに対して、ボトムアップのアプローチについては、今までシナリオ小委員会においてもそのように伺っておりますが、国内制度小委員会においてもボトムアップのアプローチを定量的にやることになっており、ボトムアップアプローチも重要だということは了解されていたと思うんです。ボトムアップのアプローチが運輸の分野については非常に複雑で、難しいというご指摘もたくさんの委員からありましたけれども、この部分についての検討が少し足らないんじゃないかというようなに思うのです。
その関係で、質問したいのは、34ページの表4の対策技術別の削減ポテンシャルと追加削減費用というところの、運輸の部分で対策効果の大きいものは、例えば低公害車の普及で 675万トン。それから購入車両の小型化 160万トン、貨物の輸送効率の改善 380万トンとなっています。これを金額合計しますと約 1,400万トンから2,400万トンですから、 1,400万トンから 2,400万トンの削減効果を見込まれたということだと思うんですけれども、このデータをどのようにまとめられたかということについて、もう少しご説明をお願いしたいというのが私の質問です。
私の申し上げたいことは、今我々の前にある課題というのは、京都議定書の批准のために必要な施策を具体的にまとめるということで、大事なことは温暖化ガスの削減の量なんだと思うんですね。ですから、その量に着目したボトムアップのアプローチというのも、何度も申し上げておりますけれども、数字的に小さいものは別にして、大きな削減量を見込むものについてどのような施策が適切で、かつ、その実現の可能性がどの程度あるのかというようなことについての評価というのをもっとすべきではないかというふうに思うわけです。
今、このたたき台の中で、その点が欠けているのではないかというのが私の疑問なんですが、その部分というのが抜けていて、それであと具体的施策の項目というのが定量的な内容がなく、また必ずしも脈絡がなく並んでいて、それを実現するための手法というのが協定とか排出権取引とか、あるいは環境税とか、そういう大きな手法というものがあって、そういう手法を全部ポリシーミックスとして実施してみれば一定の効果が出るだろうと、こういうような構成になっているように私には思えるんです。温暖化ガスの具体的な削減策別に、もう少しきめの細かい定量的なアプローチをしていかないと、具体的にこれからどういう施策がが行われ、温暖化ガスの排出がどのように減っていくのかというのがはっきりしない。特に運輸の分野については、旅客の分野で貨物の分野で、それから、運輸に関するインフラの分野においてどういう施策が行われるべきかという全体像が、全然イメージがこれでわいてこない。少なくともいろいろ項目は書いてございますけれども、そこに脈絡が余りないというところがやはり問題なのではないかというのが私の印象です。
とりあえず今は総論的な意見だけ申し上げます。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
それでは、今のご質問、意見に対しまして、何かコメントはありますか。

○石飛調整官 全体を網羅するお答えはちょっとできないかと思いますけれども、一部、今のご質問に関して答えられるところをご紹介したいと思います。
まず、資料1の34ページに運輸部門での幾つかの追加的な削減量、削減費用を載せておりますが、低公害車の普及や小型化、貨物の輸送効率の改善などの削減量を比較的大きな数字で見込んでおります。これをどういう計算で見込んだかということにつきましては、参考資料の1-3に各対策技術ごとにシートを用意しておりまして、そこでなるべく根拠が明らかになるような形でお示しをしています。例えば参考資料1-3の45ページには、ここで見込んだ削減ポテンシャルや費用は、こういうふうな計算をしておりますという説明でございまして、コストの計算で使っておりますのは従来型のガソリン車で今普及しているもの、これをハイブリッド車に置きかえた場合に、初期のコスト、それから燃料費がどのぐらい安くなるかを一定の仮定を置いて計算をしています。
 それから、例えば51ページに貨物輸送効率の改善、共同輸送というのがございます。これも個別配送の場合と共同配送の場合を比べて見たものです。また、ポテンシャルで 380万トンCO2 であるとか、 770万トンCO2 という数字を出しておりますけれども、その前提としては、普通貨物の積載率が共同配送によって五、六十%に向上するというふうに見込むという仮定を置いています。これらは当然一定の割り切りの仮定を置いた上で計算をしているというのが、各個別の対策技術の計算方式でございます。
それから、もう一つ紹介をしたいと思っておりますのが、この運輸部門につきましては、例えばモーダルシフトでもそうですし、公共交通機関へのシフトということも、単に費用効果的に見たのでは、本当に個別の対策で見るというのは非常に限界があるというご指摘をいただいております。また、それが公共交通機関へのシフト率を無理やり80%とか70%とか置くことはできますが、それが本当に妥当かどうかということについてはどうしても問題が残ってくるわけです。
そこで、運輸部門に関しては、やはりそういったところをユーザー、具体的には我々国民、それから企業、事業者がどういう輸送機関を選択するかということを、やはりある程度客観的に想定する必要があるということで、運輸部門ではそういう検討をやらないと不十分だというご指摘をいただいておりましたけれども、同じく参考資料の1-3の後ろの方に、参考資料の3がございます。ここに図の1が載っております。今申し上げましたように、それぞれが自動車から鉄道、バス等の公共交通機関に乗りかえていくという施策を考えるときに、ここでは動学的応用一般均衡モデルを用いて、それぞれのユーザーがどういう判断をするかということを、価格を評価基準にして選定をするということで、例えば炭素税のようなものをかけたときにガソリンの費用がどのぐらいになって、そして公共交通機関の方に乗り移っていくということをモデルを動かして計算をした結果、一定の条件下ではこのようなシフトをしていくということを、この図の1にあるような行動パターンを予測して、それではじいてみるということも別途試みております。
 ただし、先ほどご説明しました目標達成シナリオ小委員会としては、原則として技術の積み上げを基本に議論をしてまいりましたので、運輸部門だけモデルを使ってということになると、全体の整合性がとれませんので、参考資料の1-1等ではボトムアップの積み上げのデータだけ載せておりますけれども、あわせてこういったモデルを動かして、追加的な削減費用の検討もあわせてやって、その比較もやっていこうではないかということで、補完的な意味でこういうこともやる意義があるということで、参考資料として載せております。運輸部門でどういう対策がいいのか、その対策を推進するためにはどういう制度的な支援措置が必要なのかということを検討する1つの材料としては使っていきたいと思っております。もちろん完成した手法にはなっておりませんで、まだまだ改善の余地はあろうかと思いますが、そういった検討もあわせてやってみるということをご紹介させていただきたいと思います。
 以上でございます。

○安原委員長 どうぞ、塩田委員。

○塩田委員 ご説明ありがとうございました。
 私、今、ご説明を伺って、大体思っていた、私が予想していたとおりなんですが、私が問題と思いますのは、1つは、この現在の削減ポテンシャル、この資料1の34ページの表4の中で運輸関係のところですけれども、確実性というところにAがついているのは、バス路線の整備という、これ1つなんですね。あとCというのはかなり多い。一方でこういうことがありまして、今ご説明がありましたように、この中でもモーダルシフトのところは、これだけの目標を置いただけのものでありITSの活用というのも、こういうもの推測によるものであってのボトムアップアプローチになっていないと思うんです。
 そこで、運輸の部分は非常に重要だというご指摘があるにもかかわらず、余りこの部分に焦点を合わせたボトムアップアプローチの議論というのは今まで行われていなくて、それで、それが今回のとりまとめのところでは、例えば30ページで交通体系のグリーン化の手法ということで、非常に複雑な内容が非常にコンパクトな形でまとめられていて、そこの最後に、今のご指摘の追加的な削減が行われると、さらに 1,400万から 2,400万トンの削減が認められるというように大胆な結論を導いておられると思うんですね。ここの部分というのは、我々の審議会の作業は、定量的なアプローチではない定性的なアプローチで、削減策の方向を大体見当をつけてこのぐらいというようなものでいいということであれば別なんですが、今、この段階で、実際にそれぞれの分野で京都議定書を実施していくという体制を議論するときに、もう少し温暖化ガスの具体的な削減策とその削減量についてより深く議論をすることが最小限要るのではないかという気がするんですが、その点についてはどのようにお考えになるかをお伺いしたいわけです。
以上です。

○安原委員長 どうぞ。

○石飛調整官 削減ポテンシャルの定義から始まりまして、これまで随分ご指摘をいただいたところでございます。そこも大分我々としては配慮しながら数字を慎重に出してきたわけでございますが、ご指摘のとおり、すべての数字を一本でまとめて、非常に確実性の高いものにしていって、それを確実に実行、実現するための制度なり仕組みを用意するということを理想にしてはいきたいと思いますけれども、どうしてもそこに不確実性が入ってきてしまう。それが資金的な不確実性なのか、制度的なものなのかという分析も必要でありますし、ある程度は技術評価シートの中にそういうことを書かせていただいておりますけれども、我々としては、その確実性を少しでも上げていく努力を引き続きやっていきたいと思っております。
1点補足させていただきますと、資料1の34、35ページに不確実性の評価という欄を加えたということは、先ほどの参考資料の1-1で説明したのと全く同じ欄でございますが、これはそれぞれの対策技術の実施可能性の確実性、不確実性ではございませんで、費用の算定をするときに、どれだけ費用の確実性があるかという評価をしたものでございます。対策の確実性ではなくて、その費用を何万円というときに不確実性要素がありますので、例えば34ページの下の方にありますように、A、B、Cランク、その確実性はプラスマイナスで30ないし50におさまっているか、もっと 100%以上のばらつきがあり得るのかというような評価をしておりますので、ここは費用の算定の際の確実性の評価ということで書かせていただいているということをご理解いただきたいと思います。ちょっと欄の説明が不十分でありますので、そこをちょっと工夫させていただきたいと思います。
以上です。

○安原委員長 ありがとうございました。
それでは、今、始まりまして約2時間ほどたちましたので、ここで休憩を15分入れたいと思います。50分再開ということでお願いしたいと思います。
それでは休憩に入ります。

午後4時33分休憩

午後4時52分再開

○安原委員長 それでは皆さん、着席願いたいと思います。
 それでは審議を再開いたします。
 まず、寺門委員からお願いしたいと思います。

○寺門委員 2点だけちょっと要求をさせてもらいたいと思いますけれども、最初に私の出した意見の中の政策誘導による産業構造につきまして、竹内課長からあって当たり前だと、こういうお話です。でも、あるというのは、例えばITのことがあったという、これはどういうことだったんですか。助成するという意味の産業構造--産業構造じゃないですね。ある産業を育成していくという意味ですね。この場合の炭酸ガスの問題は、聞こえようによっては、要するに解消していくという誘導というふうに見えるわけですね。それでなかったら改善しないわけですから。産業構造の誘導によって温暖化を解消するという、そういうものしかないわけですね。片方で、インフラ的な助成というのは当然あるわけですね。道路もそうです。それから、ITで言えば回線をいわゆるインフラとしてやるのか、かつて国営だったNTTをどういうふうに開放するか、これがインフラの問題で、それは政策としてはあるけれども、ここで言う産業構造というのは、言葉がいろいろ幅が広くて、要するに退場させるために何か負担をかける産業構造の転換というね。
 炭酸ガスの問題というのは、これは要するに使っているということが前提ですから、それを減らすというためには、そういうふうにしか……。だから、要するに退場させるものとふやすという産業構造の転換と2つあるんだけれども、これはITをふやすのは結構です。しかし、それは産業構造の中身の個々を減らすということじゃないんだということですよね。そこはよく……。だから、これはITがふえれば、ITは確実に炭酸ガスをふやしていきますということですよ。ただ、ITの寄与する炭酸ガスの量は多いのか少ないかというのはGDPに対して問題ですけれども、それはわかりませんけれども、そういうものは、産業構造の転換という言葉で温暖化の問題につながっているかどうかという議論ですから、ちょっとここは理解の仕方がね--というふうに思います。
 それから、確実性論議というのが常に出てくるわけですけれども、確実性ということについて、どこまでが確実でどこまでが不確実なのかという、こういう自主行動計画は大変不確実だというふうに言われるわけです。確実性がないというふうに言われる。協定だったら確実性があるというふうに皆さんお考えですけれども、実際に個々の現実のところに、例えば協定でも何でも結構です。竹内さんがある分野を担当して、例えばAという事業者を審査する。ここには物すごいいろいろの要件が入るわけですね。昨年まではこういうものをつくっているけれども、ことしになったら世の中のマーケットが変わってこういうふうになりました。それについて、それはだめだ、もとへ戻せと、こういうことが本当にやれるか。そういうことなんですね。協定を結んで何ができるかという、協定を結んでいったときに、1つのプロセスの中でいろいろ改善していきますね。それを炭酸ガスを、例えばちょっとエネルギーが少しふえたけれども、省力が進んだ。それは省力化をやめなさいというふうに一個一個指導ができるか。そんなことをだれがお金をかけてやるんですかと。それが確実性なんですかと、そういうこと。
 自主行動計画の実際のやり方は、そんなことができるわけじゃないわけです。そんなことをやったら何人人を持っていたってできっこないわけです。一個ずつそれを全部チェックできますかと。協定というと、言葉を書かれる方は2文字で済みますけれども、実際にそれを現実にやってみるということがどれほどのことなのかということは、全く皆さんには想像がついていないと思いますね。だから、部屋の中でお考えの人は簡単にお考えですけれども、そんなものじゃないんだ。だから、どういう抵抗、第三者、そうですかと。現場へ行ったら必ずこういうふうに物が変わりましたよって説明をダーッとやられて、それを違うんだ、変えなさい、もとへ戻しなさい、あるいはこういうものにしなさいと言うことができますか。そこまで行くんです、やるとしたら。そういうことが現実にできますかと、そういうことなんです。だから協定というのは、1つの大きなブロックで、やっぱり改善するという方向を皆さんがセットして、それでそのターゲットがある。
 会社でも同じですよ。これだけ 100をコストダウンすると言ったって、そこには物すごい要件がたくさんあって、これは 100点満点をとれませんよ。そのかわり、全部給料をもらって指名をかけられている人だって 100点満点はとれないというのが……。ただ、それはどうしてもやっていかなけりゃいけないというプロ意識。会社ではプロ意識と言いますけれども、そういう倫理観といいましょうかね。そういうものがやっぱり拘束をさせているということですよね。一個一個それを第三者って簡単におっしゃる。協定、第三者っておっしゃいますけれども。
 きょう、今多分4時から鉄鋼部門の分科会があってレビューをされておると思います。4時から同時に経済産業省で、きょうからずっと始まります。そういうものはだめだと。じゃ、だめだったらどういうふうにするんですかと言ったら、どこまで入り込んでどうするんですかというふうに分解しなきゃ、はっきり言って多分これは不可能です。それが今のやっているやつが全く信用ならんとおっしゃるなら、どこまでどういうふうにしたら確実性が増したんですかということをやっぱり言わなけりゃいけない。そのためにはどれぐらいのお金をかけている、どれだけの確実性が上がったかということを証明しなきゃいけない。税金を取ったって、これは確実性なんて全然ありませんよ。この程度のシミュレーションでこれだけの幅をとって確実性だとおっゃるけれども、僕は最初からどこに確実性があるんですかと。その程度のものと、自主行動計画の確実性とはどういう比較対象のもとに、どっちが確実でどっちが非確実だということが言えますか。それぐらいまで突き詰めて物を考えていただきたいと思います。
現実には、そういうことを1つずつやっておるという姿を余り否定しだしたたら、これは要するに性善説か性悪説かというところに行きまして、要するにやっている人は、あれは性悪の人だけがやっているんだと、そういう発想ですからね、今。どこでだれが何をやっているかということに対しては、奨励する、激励する、促進するという発想が全くないですからね、今の雰囲気は。だから、そこのところが僕は非常に、書くのは簡単ですけれども、書いている方がどれだけそういう今の審議会をごらんになっているか知りませんけれども、どうぞ行って、先生方に、やっておられる方にこれじゃだめだと言っていただきたいと思いますけれどもね。傍聴もできるわけですから、これからずっと全業種進んでいきますから、ぜひそういうことの上で提言していただければいいんですけれども、こういう紙に書いたものをほうって出て、世の中で新聞はバンと書きましたね、きのう。猛烈に書きましたね。それは経団連をやっている人がもう頭に来たと思いますよ、やっている人の立場からすると。ばかだ、ちょんだ、おまえらは信用できないと、こういう書き方ですからね。だから、きょうやっているやつからずっと始まりますから、どうぞ行ってごらんになってくださいというふうに言いたいです。これはちょっと相当感情的になっていますけれども。
 きのうの経団連からのあれも非常に厳しいあれが出たかと思いますけれども、もう一度、せっかく委員の方がおられるし、これだけ傍聴の方もおられるので、物事を1つずつチェックしていくということがどういう作業なのかということですね。現実にブレークダウンしていったときにどういうことなのか。自治体でも、おいでになった先生を東京の方が迎えに行っていますけれども、どういうふうに自主計画をつくり、それを実際にこの分野で、この分野でブレークダウンしながら、この分野ではどうなったというふうに必ず予見が来ますね。あっちの仕事が我々のところに来たんだ、こっちの意思はこうだと、それをだめだとかいいだとかというふうにできないです。それぞれ担当していきますからね。企業は、それはそういうのが仕事ですからずっとやっているわけですから、それはできますけれども、実際に外の方がどういうふうにやられるかというところには限界がある。我々経団連でもそれは限界があります。当然性善説で確実にデータだけは正確だ。しかし、中身のこの辺の例になっていることを分析したやつでも、これも信用ならんということになると、もう全部信用ならないんだ、そのとおり全部やってくださいということですが、これはもうお役人全部かわっても仕事はできないと思います。そこまでお考えで腹を決めておっしゃっているのかどうか、私にはわかりませんけれども、そういうものだということですね。全部がいいんです。だから、中小企業の方とか、どんどんこれをブレークダウンしていって、小さい方々に全部そういうことを連帯で、去年の数字を全部出して、ここはこうだ、こうだ、どこまでおやりになれますかというところまで行かないと、この議論はやっぱり万歳だというふうになると思いますけれども。私はそう思いますけれども、しかし、そうは言っておれないので、制度の問題の以上に、やっぱり小さいところが参加していただくというところに意味があるということです。
マスコミの人もたくさん来ていますけれども、マスコミだって書くだけではなくて、自分たちがどれだけのエネルギーを消耗しているか。紙は大体新聞社で40%捨てていますからね。返ってきて売れないやつを戻しているんですから。そういう現実を、自分たちもやっぱり参加するんだという--僕はマスコミの方に、経団連にぜひ参加してくださいよと言っているんですよ。だから、格好だけつけないで、現実に自分たちがやるんだという発想で物事をやっていただかなければ、この問題は解決しないんだということです。だから、結局税金をかけるか何をするかと、枠をはめるかという議論にしか行かない。これは永久に不毛なところに行くんだと、それは政策面に欠けるということは僕は構わないというか、正しいものがあると思いますから、それは全部否定しているわけじゃないですよ。だから費用対効果、それから国民の痛み、そういうものを全部、産業に供する、全部そういうものを加味しながらやっていくということで、税金があっても構わないし、だけれども、それはやっぱりそういう議論を重ねていただきたいということです。
ちょっとそこの2点だけ申し上げます。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
自主行動計画の評価につきまして、産業界からの厳しいご意見をいただきました。ここでその意見は承っておくことにいたします。
それでは次に、大塚委員の方からお願いいたします。

○大塚委員 中間取りまとめの資料1について、ちょっと申し上げておきたいと思いますが、28ページから国内の排出削減対策に係る制度についておまとめいただきまして、大枠としてはこういう感じで私も賛成なんですけれども、ちょっと細かい点で1つ指摘をしておきたいところもございます。
大きいところについて、協定とか、あるいは協定に参加した場合に、税がかかっていることが前提になってしまいますけれども、減額するという、これはある種の助成というか、取っておいて返すだけですから助成と言えるかどうかわからないんですけれども、優遇措置をとって、協定に入っていただくことに関して経済的な意味を持たせるようにするという、そういう発想で、それが1つの数値になるかなというふうに考えております。ただ、大企業だけ、大きいところだけを取っていっても難しいということがあります。温暖化というのは、とにかく経済社会全体で対策をとっていかなければいけないという問題だと考えておりますので、家庭とか中小事業者、あるいは運輸の部分について何らかの方策をとらなければいけないということも非常に重要だと思います。これにつきましては税が1つの方法だと思いますが、これも大企業も含めてということになりますけれども、定率の炭素税で補助金をかけるという、30ページの上にある方法が有効だと思います。その場合に、家庭、中小事業者に関してのメンションがちょっと弱いような気がしまして、28ページの2-1の(2)のところに出ているんですけれども、この専門家による温暖化対策診断というのがどの程度やっていけるものなのかなということをもう少し検討していく必要があるかなと思います。
 関連する制度として、ちょっと参考になると思われるのは、96年の環境白書に出ているというお話ですが、インバラメーター・スコアカード・システムというのが、アメリカの州で行われているのがありまして、これは民生もやれると思いますが、一定の基準を決めて、こういう温暖化に対する対策、例えば省エネの対策をとったら、それを申請して、あるいは第三者認証にするということも可能だと思いますけれども、それを認定して、認定された場合には一定の補助金を与えるというような方法を例えばとっていくということが考えられるのではないかと思います。これは30ページの上の方に書いてある考え方とも平仄が合うので、それほど今のここに書いてあることと筋が変わってくるということではないですけれども、家庭とか中小事業者に対して経済便益を生ずる対策をすべて実施していくということが28ページに出ていますが、これだとノー・リグレットのことしかできないというふうにも読めますので、それだけではなくて、もっと民生とか中小事業者の人についても温暖化対策をどんどんとっていっていただくというために、そういう税収を補助金として活用する、インバラメーター・スコアカード・システムのようなものも非常に重要ではないかというふうに考えております。
 以上です。

○安原委員長 ありがとうございました。
 では、続きまして小林委員、どうぞ。

○小林委員 寺門委員からこちらに向かって言われたので、私の方から一言だけ申し上げておきます。論争する気はございませんが、兵庫県の場合、既に公害防止協定、環境協定を相当の企業と結んでございます。各企業との間で、その協定に基づくチェックをやってございますし、法律、条例等によって、大気ですとSOx とかNOx 、水ですとCOD等について企業の間で立ち入り検査、また届け出等によってチェックをさせていただいています。兵庫県の場合 1,000社以上ございまして、それについて全部チェックしている。ただ、私どもはこれを、例えば今回、この温室効果ガスをこの協定に入れるとなった場合は、項目を1つ追加するのみということで、作業量がそんなにふえるとは思っておりません。そういう意味で、私ども地方自治体の方にもし協定という形でお聞かせいただくんであれば、私ども、そんなに作業量がふえるとは思っておりませんので、その点、余りご危惧をされなくてもいいんではないかなと思っております。これは今後議論していただければいいと思います。
 それとは別に、私は本当は申し上げたいのは、実はこの資料1、中間取りまとめなんですが、これの28ページ以降、つまり国内制度の部分の議論でございます。これ以前のは単なる資料で、ここが一番重要だと思うんですが、ここからいわゆる33ページに至る部分でございます。この部分について、各制度についてもう少し詳しく、例えば実行計画の策定・公表義務、これはいいんですが、例えば協定制度についてもいろいろな種類のメニューがあるのではないかと、そういうもの。それから温室効果ガス税とか課徴金というふうに固めてしまっておられますが、これについてもどういうふうな種類の課徴金があるか、どういう種類の税制があるのかというのがあると思うので、この辺のメニューをもう少し詳しくお書きいただいた方がいいんではないか。
 それから、もう一つは、その各メニューについてシナリオ委員会で検討された、いわゆる34ページ以降の部分ですね。いわゆるここの各メニューの対策、技術名が書いてあるわけですが、これのどの部分にどの制度が適用されるのかというのをもう少しわかりやすくしていただいた方がいいのではないか。今ちょっと塩田委員が言われたことと近づくんですが、その辺がわかりやすくした方がいいんではないか。
 それから、もう一つが、今度はその各制度についての関係性が要るんではないかなな。どういうことかなと申しますと、おのおのの行われる国内制度が個別に適用される制度として運営をされるべきものなのか、1つの制度が実施される、その上積みとしてなされるべきものなのか。それから、この制度が実施されなければ、次の手段として次の制度があるのかという、そのおのおのの制度の関係性というのがあるのではないかと思います。そういう意味で、それを積み上げていただいたらどうかな。
 それから、もう一点は、後ろのこれは不確実性の評価と書いてある、この確実評価というところのA、B、C、これに例えば先ほどちょっとお話があった快適性とか利便性とか、そういうふうな部分がどの程度評価されているのかというのが実はよくわからないんです。例えばここでいう確実性の部分のランクの低いものが、この制度を入れることによって実効性が高まるのかどうか。何かその辺の評価が要るのではないかなと。これはいわゆる金額面の費用対効果という部分とは別の問題としてあるのではないかなと。やりづらいけれども、制度として運用されればやるよというような部分があるのではないか。そういうふうな部分をもし入れられるのであれば入れてほしいな。そういうふうなものを入れた上で、最終的なまとめとして、例えばこれはできるかどうか問題ですが、各制度のとるべき順位ができれば一番いいなと。一番しやすいものから、これから採用して、次、次というふうな採用方式というのがあってもいいのではないかな。
 例えば先ほどの中にありました実行計画の策定・公表義務、これをまずやってくださいよ。これがなければ法律で規定しますよというような方法があるのではないかな。その辺の何か整理をしていけばどうかな。何か制度委員会として、中間取りまとめで本来の制度に関する議論というのは四、五ページしかないので、ここをもう少しやっぱり深めてほしいなという気がいたします。
 以上です。

○安原委員長 貴重な意見、どうもありがとうございました。
 それでは浅岡委員、どうぞ。

○浅岡委員 まず、先ほどからの寺門委員のお話ですけれども、フォローアップをどうしていくのかという問題と、それから、この下段の経団連自主行動計画自身をこれからの温暖化対策の中にどう位置づけるのかというのとは、切り離して考えるべきでありまして、先ほどいろいろおっしゃられたのは、透明性や、信頼性に欠ける部分があるのではないかという指摘への反論としておっしゃられていたのだと思いますが、これはこれからなさるというフォローアップの中でも、そういう指摘も出てくることがあるでしょうし、産構審以外でも、需要サイドから意見を申し上げたりしていますので、改善すべきところは改善するということになっていくものと思います。
 問題は、それ以前のところで、寺門委員の出していらっしゃるペーパーの2ページのところに書いていらっしゃるとおり、この経団連の自主行動計画というのは、現状のBAUに対して削減努力を進めるというのがこの計画の趣旨であるとおっしゃっていらっしゃって、実際そうなんだろうと思います。これを大綱の基本に入れて、6%削減の全体を議論していくことが一番問題なんだろうと思います。やはり削減努力にとどめてそれぞれ自主的に、目標数値も原単位であろうが総量であろうが、自由に決めて下さいという形で、6%削減を達成していくというもので、目標数値の大きな割合を占める部分がこういう状況であるということに関して、議論をこれまでしてきたんだと思いますし、だからこそ、ここできちんとした約束事にしましょうというのが協定であろうと思います。
 ぎりぎりと毎日点検にして詰めるということではなくて、基本的に事業者の方が各社に一番いい方法を工夫してやっていただくのはいいと思いますが、約束として履行していただくための背景として、それなりの税財政、あるいは金融措置等を絡めつつ、実効ある仕組みにしていこうと、任意の自主的目標の妥当性と達成の担保をこういう形でやっていこうというものです。約束ですから、履行できなかった場合は、逆の効果もそこからあらわれてくる。それが本当に自主的に努力することへのインセンティブになると理解をしたいと思います。ですから、協定だけで済む話じゃなくて、協定とここにセットされてくる税財政措置、あるいは金融措置というものとあわせて、この自主行動計画を改善する措置になっていくのではないかと、私はそう思っております。
 それで、この資料1の28ページ以降、先ほどから議論になっているところで、これだけが削減が見込まれるというふうにそれぞれ数値を入れていただいていて、目安として出てきて、わかったような気がいたしますけれども、実際大変重複があると思うんです。例えば2-1の(1)と2-2の(1)とで、事業部分でかなり産業界の部分が重なると思いますけれども、重なっているのはどこかがわかるとありがたいなと思うんですね。そうするとどうなっているのか考えやすいと。
 あと34ページから35ページのあたりにまとめてシナリオ検討委員会の数字を出してくださっています。これを見ると、追加的削減費用が炭素トン当たりゼロのものはうまく乗せていけばいいと思いますが、四、五万円ぐらいに削減効果の大きな対策があります。5万円前後といったら高いと見るのか、これだったらやれると見るのか、それを乗せる税財政措置をうまく組み合わせられれば、かなりの対策がとれると読めるところがあります。風力発電を大きく入れているとか、木質バイオマスの利用であるとか、先ほどから出ている運輸の部分の実走行燃費の改善であるとか、購入車両の小型化であるとか、結構ぼんぼんと大きなものがそこにありますし、民生でも太陽熱温水器というのが6万 5,000円とついているんですけれども、割と目につきやすくて、人の気持ちも誘導しやすくて、付随的効果がいろいろありそうで、削減効果もありそうで、そういうものを乗せていくとすれば、どんな仕組みが必要かというところを考えと実効性が期待でき、わかりやすくていいと思います。
 それから、ちょっと長くなって恐縮ですが、この30ページのところに、エネルギー転換部門のところで、新エネルギーの導入についてはというのがありまして、義務的な制度としては、例えばですけれども、クォータ制であるとか、クォータープラスグリーン証書取引の2つが挙げられるとしています。これまでも2年かそこらかけて議論してきた自然エネルギー発電電力の買取義務化制度の法案づくりの中で議論していたような部分というのがここに入ってこないですよね。昨日も発表しましたけれども、参議院選挙を前にして、これから立候補される予定の方にアンケートをいたしまして、7割の人の回答があって、その9割の方は、この自然的エネルギー発電促進法案というものを議論の素材に置いて、これを早急に実現すべきであると答えていらっしゃる。9割の方ですね。7割の人の回答で9割の人がそうしろと言っていられて、政党を超えてかなりの賛同を得ていると思うんですけれども、これしか載らないというのはどうしてなのかと思いました。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、あと甕委員、先にどうぞ。

○甕委員 私からは1つ質問を申し上げて、事務局の見解を伺いたいと思います。
 といいますのは、この中間取りまとめを拝見して、炭酸ガスの温室効果ガス吸収源の話が抜け落ちていますね。これは、この小委員会の検討課題ではないのか。それにしては、この「はじめに」の趣旨におきましても、気候変動枠組み条約、あるいは京都議定書について全体的な地球環境の問題として記述をされておりまして、本報告書の目的、8ページのところでも、京都議定書の6%策定目標を達成するために必要な今後の国内政策の全体像を明らかにすることを目的として検討を行い、報告書をまとめたとありますね。それから、その隣のページには、森林等の吸収源の3.7%ということも書いてあるんですが、本体の現行施策の評価と課題、あるいは今後の地球温暖化対策のあり方というところで、その吸収源の話が全く触れられておりませんですね。これは報告書として片手落ちになるんではなかろうかと、こういう感じを持ちます。
 森林という言葉が全く出ていないかといいますと、32ページの脱温暖化社会の構築に向けた都市基盤整備のための手法というところに言葉としては出てまいりますが、意味不明でありますし、こういった位置づけでもなかろうと、こういうふうに思いますが。吸収源の扱いはどのように考えたらいいんでしょうか。

○安原委員長 どうぞ、事務局。

○竹内課長 国内における吸収源対策というのは、この制度小委員会のまとめの中に入れていく必要があると思っております。その吸収源の量をどのぐらいカウントするかという国際的なルールはこれからでございますが、削減対策という意味では入れていく必要があると思います。
 それから、なお、都市の中の緑とか、あるいは壁面緑化とか、これは既に先ほどの35ページあたりの追加的削減費用の中にも触れられてはいますが、今のところ、これの効果の算定は、いわゆる都市緑化して、あるいは屋上緑化してヒートアイランドが緩和する。それに伴って冷房需要などが下がって二酸化炭素の排出が下がるという効果を見ているわけでございまして、ここは恐縮ですが、いわゆる森林対策、吸収源対策というところではございません。したがいまして、吸収源対策につきましても、今回のこの資料1には述べておりますが、つけ加えていきたいと思っております。

○安原委員長 浅岡委員、今の関連ですか。

○浅岡委員 多分このことは、日本が交渉の中で吸収源を 3.7%獲得をするということを目標として、執拗に交渉して、今、京都議定書が発効の危うきになっているところで、日本に議定書にない特別項目を入れて、効率や人工密度などの評価項目を入れて、あんなのはいいのかなと思いますけれども、日本だけ特例として3%認められていますが、それと関連するんだと思うんですよ。こうして日本が最大限吸収源を目標達成にカウントすることにさせてしまうと、今後、日本はほとんどもうカウントさせようがないということですよね。これはアメリカがこれから参加してきても、何十年間も吸収分で減らしたことにできるような、そういう数字になるわけです。ほかの森林国もそうです。しかし、日本においては、ここでマキシマムに1回とってしまうと、よっぽどまた変なしくみでもつくり出さない限りは、吸収分を削減目標に対するカウントとして期待できる部分は、ありませんから、意識からすごく抜けてしまうという面があるのではないかと思われます。でも、森林保全には必要と私も思いますので、先ほどの自動車の点で天野先生がご指摘になったように、NOx 対策というのはまさに温暖化対策と一緒ですよね。直接二酸化炭素が減るかどうかということだけではなくて、やはり非常に幅広く環境汚染対策ととらえつつ見ていく方が、国民的な環境への保全対策と温暖化対策とを整合的に理解しながらとらえていくという面でも必要と思っております。

○安原委員長 甕委員、よろしゅうございますね。
 それじゃ、浅野委員、どうぞ。

○浅野委員 さっきの協定の話について、寺門委員がおっしゃったお気持ちはよくわかる面があります。ただ、公害防止協定の時代の協定は、協定の背後に「そもそも規制ありき」なんです。そして、それにまた事実上は強制的に上乗せをさせるということがあった。そして、もともとの規制基準で個々の企業活動行為を相当に縛り上げている。それをさらに上乗せをさせるために、細かくいろいろなことを要求する。実際のところ事業者側からすれば、交渉というのか押しつけというのかよくわからない。小林さんにそういうことを言うと怒られちゃうかもしれまんせんが、そういう要素が確かにあったかもしれないですね。
だから、失礼な言い方ですが、そのときの外傷体験みたいな感覚で、ここの、温暖化対策は各自が創意工夫して、最も自分がやりやすく効率性の高いものを選んでいこうという場面で論じられる協定とではちょっと話が合わない点があると思うのです。つまり、温暖化対策については、かつての公害規制のような「規制まずありき」という発想で議論をすることが難しいということは、大体みんな合意しているわけで、自主的取り組みについても、それはそれとして評価しましょうという話なんですが、それにしても自主的取組の信頼性をもうちょっと高くできないか、今は一方的宣言型の自主的取り組みなんですね。それを社会契約型に持っていこうというのが、ここで言う協定という話であって、諸外国が言っているのもまさにそういうことですから、それ以上に協定などを取り入れれば細かい行為規制が起こるべしというようにおっしゃられても、ちょっと議論がかみ合わなくなるかなという感想を持ちました。
 ところで、2つばかり実は申し上げたいことがあります。まず第一は、先ほど大塚委員がおっしゃったこととかなり関係があるわけなんですが、その前に、まずきょう出されたペーパーの中で、極めて遠慮がちにさらりと書かれておりますので、なかなか目立たないわけですが、39ページ以降の基盤メカニズムについてという部分で、モニタリングの話が出てくるわけです。ここではモニタリングという書き方がちょっと災いをしていて、何か公害時代の常時監視のようなイメージがあるんですけれども、むしろここで書かれていることは、一番の中心になる部分というのは情報システムなのです。41ページの(4)のちょっと手前のところに、国の統計制度並びに地方公共団体がデータ報告を受けるとか、あるいは中小事業者・家庭の排出状況をみずから把握し、システムを構築する、と書かれている。ここのところが重要であると考えます。
これにも評価はいろいろあるでしょう、そんなのは嫌だと言われればそれまでなんですけれども、多分この中間取りまとめの中で意識しているのは、協定が仮に地方公共団体の個々の事業者という形になった場合には、データの把握という場面で、協定にかなり実質的な意味があるのだろうと思います。
 しかし、なかなかそういうふうに話がすんなり行かないのは、こういうふうに、部門別の施策の評価を積み重ねて、最後にその総合化をするという積み上げ式の議論の進め方をしましょうとしてこれまで論議をしてきたわけですが、最後のとりまとめ段階でどうやって上手にまとめるかということが最大の課題であると申し上げてきました。しかし、先ほどの塩田委員のご指摘もまさにその点を突いておられるという気がするわけなんですが、西岡委員からは、個々の技術の面から、それを余り社会的な要素とかどうとかは考えないで、ともかく技術だけできちんと押さえていってそれを評価していこうという立場で検討したとご説明された。ですから、例えば運輸についても、出ているものについてはそういう形で評価されればそうならざるを得ないというのは、全くそのとおりなんですね。ところが、現実の運輸というのはもっとダイナミックに動くものであるわけだから、それを個別要素に切りわけて、それで全体の姿、かたちを説明し尽くしたと言えるかというと言えない面がある。これもそのとおりなんですね。たとえば運輸の問題にしても、何も温暖化という切り口からだけですべて解決しなければならないわけでもないわけで、環境基本計画は、「環境の負荷の少ない交通に向けた取組」、つまり交通のグリーン化という政策課題を掲げていますから、それをそれとしてやる場合に、ここで言っている温暖化対策が十分にその背景にあるということを意識しながら、その施策を進めることが必要だし、可能なわけです。つまい、そういうそれぞれの戦略プログラムについての個々の検討をするときに、ここでの温暖化対策とのつながりを考えるということは当然ありうるし、必要でもあろうと思われます。ただ、ここでは定量的にどのぐらい削減できるんだろうということで数字を押さえておかないと、どう安心できない。あるいは、ただただやみくもに対策対策と言ってみても、空しいから、このぐらいの定量的な可能性があるということをあらかじめ明らかにしていこうじゃないかということにウエートをかけた論議をしているものですから、「何となくちぐはぐだ」というような感じを与えているのだろうと思います。
 そこで、これをこれからどう改良していくのかが残された課題ではないかと思うわけですが、27ページの図は、ある意味ではこの「中間取りまとめ」の限界みたいなものを語っていますし、それから、これからこれをどう直していったらいいかということも示しているんではないかと思うわけです。といいますのは、上の方に横書きになっている項目、そのうちでもさらに上の2つと下の3つは、明らかに位置づけが違います。ここには吹き出しで注意書きがあるわけものの、およそ質的に違いがあるものがここに並んでいるんですね。それで、その下の縦書きに書かれているものが、中間とりまとめお勧めの主な制度であるかどうかは、なお本当は議論の余地があるんでしょうが、今からこんなところでこれをもう一度最初から考え直してなどという議論はできませんから、これは一応これはこれでということで、仮置きとして認めるとしても、でも本音でいえば、これが個々の排出削減についての主な制度であるのかなあという点ではどう考えても引っかかってしまうわけでわあるのですが、これらが主な制度であるとしても、これらの制度と上の横書きと縦書きの話とがすんなりはつながっていかない。例えば、それでは、国内排出量取引がライフスタイルの脱温暖化の手法につながるのかとか、交通体系のグリーン化の手法につながるのかということになりますと、もうちょっと何か間に説明変数を入れないと説明ができない。
 それから、温室効果ガス税、課徴金のようなものにしてみても、どこでどんな形でかけるのかということを考えていかないと、個々の制度とのつながりはどうもはっきりしない。我々が今まで部門別の議論をやってきて、そして横断的にもう一回総合的にそれらを合わせてみましょうということで議論しているんですが、やはりこの間のつながりぐあいがまだまだ十分ではないなという感じがします。
 大塚委員は先ほど、家庭・中小部門についても経済的なインセンティブをどう生かすかということをもうちょっと書けるんではないかとおっしゃったのですが、それは、まさに今申し上げた点についての1つの示唆だと思うんですね。この「中間取りまとめ」の準備には時間の制約もありますから、今から直ちに「次の回までにここを完全に埋めろ」なんてむちゃなことを申す気は毛頭ございませんけれども、しかし、やっぱり最終的にはそこのところをちゃんとつないでいかないと、どうにもわかりにくいという話になってしまうし、話が途中で切れてしまうという印象を与えるというおそれがあると思います。したがって、これの問題は、この「中間取りまとめ」、さらにそれ以降の「最終取りまとめ」をつくり上げる上でのポイントになるんではないかなという気がいたします。
さき程ご指摘申し上げた、基盤的メカニズムのところの、モニタリング、情報把握に関する記述も、ちょっと遠慮がちに書かれ過ぎてあるような気がいたします。もっと積極的に言わないと、それはただ単に基盤的メカニズムとして42ページの絵にあるように、ぐるぐる回すためだけのものではないはずなので、むしろ規制的にうまく取り込んでいって、いかないと答えが出ないというものであって、情報システムをしっかりつくるということが極めて重要な意義を有するものと考えます。もうちょっとその意味というか、その必要性について強調するとともに、関係がよくわかるように記述しておくことが必要ではないかと思います。

○安原委員長 ありがとうございました。今後検討すべきポイントをご指摘いただきました。ありがとうございました。
 それでは福川委員。

○福川委員 簡単に申し上げたいと思います。
この制度をどういうふうにつくるかということで、先ほど寺門委員が産業構造のお話をいろいろされました。政策誘導をどうかということなんですが、やっぱり基本の考えは市場機能だと思うんです。ただ、市場は完全ではない。市場のインパーフェクションというのは必ずあるから、それはどうしても補完をするということはどうしても必要になる。それをどういうふうにつくるかというところが一番の問題で、したがって、そういう政策誘導というか、あるいは規制というか、市場に介入する政策というのは必要最少限度でなければいけないということだと思います。ですから、そういう制度をつくるときに、民間市場に、あるいはまた企業に、あるいはまた個人に負担をかけるときには、やっぱりそれは最少限度でなければいけないし、またそれは公平でなければいけないし、政策目的が明確でなければいけないということだと思うんです。
 例えばここでも追加的削減費用が幾らの場合は幾らっていろいろなところで書いていますけれども、これも部門によって違うというなら、それなりによって合理的な根拠がなければいけないわけですし、どういう制度をつくるかというところが相当明確にしていかないといけないと思います。なかなか産業界は難しいことはわかりますが、今も浅野先生もおっしゃったように、やっぱりこれはきちんと制度の枠組みをつくらないといけないだろうと思いますし、そのときに、先ほどもちょっと触れましたが、今、企業は企業なりの努力をしている。これは技術的な面で解決が済んでいるのもあるし、天野先生が今大変研究なさっている企業行動の、あるいはコーポレート・ガバナンス、エンバイロメント・ガバナンスをどういうふうに行動しているかということも正当に評価をした上で制度が必要だと、こういうことになるんだと思います。
 したがって、これ、どの点まで詳しくこの制度委員会で答申を出すかということなんですが、個別にどこに助成する、設備はどうこうということまでは入らないにしても、やっぱり相当こういう制度の仕組みにしようじゃないかというところが見える程度のものの分析にはした方がいいんじゃないかというふうに思います。
 それから、自主行動計画がいろいろ評価が分かれて、なかなか制度設計が難しいと思います。どういうふうにそういう監視的な要素、あるいは協定的な要素を入れるべきかということについては、これはなかなか判定が難しいことになりますが、経済界と政府か、あるいはどこかでもう少し話し合って、信頼の限界か信頼できない限界かわかりませんけれども、もうちょっと何か話し合いができないのか。どうしてもできなければ、最後は第三者の判定ということになるのかもしれません。寺門委員のお気持ちもわかりますが、感情的にならずに、もうちょっとうまく評価をしていける方法は何かないかなという願望でございます。
 以上です。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは天野委員、どうぞ。

○天野委員 3つほどございます。
 寺門委員の出されたペーパーの最初のところで、かなり原則的なお話がありましたので、私なりの考えを述べたいと思いますが、市場主義経済をとる国で、経済の目的のために政府が政策誘導を強制的に行うというのは確かに非現実的であると思いますけれども、今問題にしております、例えば環境ですね。あるいはもう少し広く考えれば、健康とか安全とか社会的な問題、目的ですね。そういう目的を一方で実現しようとして、経済的なシステムの不完全な状況に政府が政策的な誘導をするというのは、決して非現実的でもありませんし、世界中で行われていることです。ですから、ここでの問題は、決して経済の問題について議論しているんではないということはご理解いただければというふうに思います。
 ただ、だからといって、その健康、安全、環境というふうなところで、何でもいいから政策誘導をすればいいというものでも決してございません。やり方いかんによっては非常に大きなコストがかかってしまうということであれば、それは別の、もう少しコストの低い、しかし同じ目的を達成できるような政策手段を選ぶという議論は十分必要ですし、それから、そういった政策誘導をする際に、マクロの点では目標が達成されるかもしれないけれども、ミクロの面で特定の部門であるとか、特定の階層に非常に急激な負担がかかってしまうというふうな場合には、それを補正するような措置も講じなければいけないというふうな意味で、いろいろな人々の合意の上でそういった制度というのが形成されていくということは必要であろうかと思いますが、原則的にだめだという議論では決してないというふうに私は考えております。
 それから2番目で、いろいろご意見はございますが、ポテンシャルの分析ということは、いろいろな技術的な側面だけに限って議論をするアプローチはそれなりの意義があるかと思いますけれども、やはり現実の政策に移しかえていくときには前提になっているような状態も一緒に変わるわけですから、そういうふうなものが変わったときに、どういうふうに生かせるかという点が問題になると思うんですね。きょうお配りいただきました参考資料の2というのに、数量モデルによる評価としてモデルが6つほど挙がっております。そのうちの幾つかは、もともとこういうボトムアップのデータを使いながら、しかも社会的な条件、経済的な条件が変わるのに合わせてボトムアップの構造がついていくような、そういうモデルに含まれているわけですね。ですから、私はできればこのシナリオ委員会の方でおつくりいただいたようなボトムアップの技術的なデータが生かせるんであれば、例えばAIMエンドユースモデルですか、こういうふうなモデルの中で生かしていただいて、それを含めて考えればどうなるかというふうにすれば、ここでご準備いただいた技術的なシナリオが生かされて、しかもそれが前提になっているような状況の変化も含めて、例えば環境税を導入したときにどうなるかという分析が非常に豊かになるんじゃないかというふうに思います。その辺は作業量としては大変大きなものになるかと思いますけれども、ぜひ試行をしていただけないかという希望を持っております。
 それから、第3点としまして、最後にちょっと触れましたけれども、温室効果ガスの削減をしなければいけない。数量的な削減をしなければいけないという制約がかかってしまっているわけですから、何らかの方法でそれを実現しなければいけないわけですね。我々、削減目標を外していいというのであればいいんですけれども、どうやってそれを達成するかということだろうと思うんです。その中でやっぱり最善の方法を探す中で、先ほど申しましたように、これは数量モデルの評価のところを詳しく読みますと、そういうことも書いてあるんですけれども、特定の部門に非常に大きな負担がかかる可能性がある。全体的なGNPに対する負担というのは、先ほどもおっしゃいましたようにそんなに大きなものではないとしても、特定の部門には死活問題になるような負担がかかる可能性があるわけですね。ですから、そういうことをちゃんと出していただいて、そういう部門でそういう負担が起こらないようにするためには、どういうふうな政策措置が考えられるかというふうに考えていきますと、例えばこの協定であるとか割り当てであるとか、あるいは課税であるとかいうふうな抽象的な議論ではなくて、もう少しそういうものを具体的に組み合わせて、例えば課税制度というのは、この部門に対しては非常に厳しくは適用できませんというふうな結論が出てくる可能性があるわけですね。そうすると、それを補うためにどういう措置が考えられるかというふうなあたりで、例えばこの部門では自主取引を含むような協定をやりましょうとか、あるいは無償分配による取引を認めましょうとかいう話になってくると思うんですね。ですから、単にそれぞれが抽象的なレベルで並んで、全体でパッケージをつくりますというのではなくて、個々の課題がそれぞれ政策を実施するところで出てくることに応じて、それに対応するような具体的手段を考えるという絵をかいていただくのが、次の作業になるんじゃないかというふうに思います。
 以上です。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、発表の関連ですか。それでは寺門委員、どうぞ。

○寺門委員 先ほどから幾つかありましたけれども、小林先生からは京都問題、これはSOx 、NOx ですね。私も兵庫県におりましたので検討をやらせていただいていますけれども、この問題と温暖化の問題というのは相当性格が違うと思います。SOx の場合は技術的にかなりの進歩が現実にあって、そしてそれに上限を設けて、その中に何が何でもオーバーフローするときには操業をとめるとか、そういうことも含めて解決をしていくと、こういうことを、総量も含めてでありますけれども、そういうふうにしてできておるわけで、これはもう絶対的に守らなければいけないという問題と、この温暖化ガスというものは、どこにでも拡散しますけれども、直接害がない。それで、それは即その人の経済活動の大きさとか、そういうものとリンクする。ですから、それを抑えるといいましょうか、ああいうふうに枠をはめるということについてはなかなか難しいと、そういうことであります。だから、そこのところの改善策について議論がどこまでできるか。そういうことを私は申し上げただけでございまして、別にSOx のやつを否定しているわけでも全くございませんので、そこはちょっと……

○小林委員 私が申し上げたのは、作業量としてNOx が出るか、出ないかという議論だけでございますからね。

○寺門委員 それで、先ほどから浅岡先生からもお話があったと思いますが、BAUというものについてのご理解をやっぱりしておいていただかないといけないんですけれども、BAUというのは、別に経団連がこういうふうに出しなさいと言って出しているわけではないわけです。それぞれの参加していただいている企業の方々が、今の時点で先々どのような事業活動をするかということをそれぞれが置きまして、それで、今のままでしたらここまで行きますと、事業活動をそこまで持っていけばそういうふうになりますということを言っているわけです。別にその数量については、多過ぎるとか少な過ぎるとかというのは上部団体から何も言えないわけでして、それが自主行動計画のまず入り口の自由な経済活動でありますということが、まず入り口です。そのBAUについていろいろおかしいじゃないかというお話であれば、これはだれもそれには介入できませんし、結局それをベースにして改善いたしましたかということが自主行動計画だ。それがゼロじゃないというか、マイナス方向じゃないじゃないかというのは、これは審議していただいているといいましょうか、レビューしていただいている方々が、そういう事業量でこうですという説明に対して、それは改善していないということまでであって、その事業量を抑えなさいと言うことは、これはできないというふうに、我々は経済原則としてはそういうふうに考えているということでございます。それをそこまで踏み込むんでしょうかということは、我々はもう完全に違う世界である、そういうふうに思っています。
BAUが削減するから、それはこれとは違うじゃないかと、それは常に自主行動計画の数値と--産業省はどういう数字を置かれたかどうか、私はよく知りませんけれども、そういうものとはずれているというのは、これは当たり前と言えば当たり前なわけです。ただし、それぞれの業界なら業界には企業からデータが出てくるわけですけれども、どういう事業量であったからどういうふうになるんだということのサムアップなわけですね。だから、絶対にそれは計画経済でない限り、そこにはこういうふうにしなさいということではなくて、だからこそ全体として90年にいかにもできましょうというのは、事業量がどうあろうとも、そのように持っていきたいなということであって、事業量を規制するということはできていないという意味では、不確実ですと言われたら、これは不確実ですということしか言えません。
 ただし改善のレベルについては把握ができますということですね。改善というのは改善努力量といいましょうか、そういうものについては把握できる。そういうふうに理解していただきたいと思います。どうも絶対値があって、この絶対値にはどんといかなければいけないというふうに短絡--短絡と言ったら言葉がきつ過ぎてまた怒られるけれども、そういうふうに結びつけていただきたくないなと。ですから、きょうも審議をされておりますけれども、要するに事業量ですね。ある業種の事業量、そういうものが変動していったときに、その変動に合わせて当然原単位の分と、それから事業量の分で排出量というのが移動するわけですけれども、それをどういうふうに分析しながら、こういう努力はありましたねということ、ここは悪くなったからもっと努力できませんでしょうかと、こういうところは今やられているということだと思いますので、それを協定というものは何を協定
していくのかというところに分解をしないといけないと、こういうことでございますので。

○小林委員 関連で。

○安原委員長 簡潔にお願いします。

○小林委員 今、寺門委員が言われたことが、一番初めに私が申し上げたことと同じことになるんですが、問題は、国として6%削減というのを議定書で担保する責任を持たなきゃいけない。その責任を持つ中で、産業界が自主行動計画で何%削減するということを保証し、担保するということでないと、それが自主行動計画はそういうものではございませんと言われてしまうと、じゃ産業界の削減担保をどうやってとるのかということに行き着いてしまうのではないかなと思うんですね。ですから、議論はそこだと思うんですよね。ですから、産業界自主行動計画で責任を持って削減しますと宣言されると協定の話には行かないと思うんです。ところが、そこのところがきちんと担保されないとなると問題がある。
 それからもう一点は透明性という問題で、寺門委員が実際に経団連の中で議論をされている中には、相当細かいことがきちんと議論されていると思うんです。ところが、それが透明性がない。これはこちらの言い分ではあるんですが、それが透明性がある形で公表されていないから議論がすれ違っているのではないかな。その透明性というのはどこまでなのかというのが実は問題なんですね。透明性がありますよというふうに言われるんですが、実際に受け取っている方の業界団体から出される数字は、数字は書いてあるけれども、その根拠はほとんど不明確であるというところが問題ではないかな。
 突き詰めて言うと、そこのところが多分各企業ごとに数字が出てくれば、ある程度透明性がある。しかし、それは企業秘密で、ある程度公表できませんよということになると、今回の提案にありますように、それを第三者機関が確認をして担保をする、保証をするという手続になるんではないかなと、そこの部分だろうと思いますが。

○安原委員長 もう予定の時間が近くなっておりまして、まだちょっと発言を希望されている方がいらっしゃいますので、先に発言を一括していただきたいと思います。青木委員、その後猿田委員。

○青木委員 時間もございませんので、簡単に申し上げておきたいと思います。
 私は、ちょっと制度の問題じゃないのでいかがかと思うんですが、こういうことを申し上げる機会もなさそうなので、あえて申し上げたいと思うんです。例えば渋滞なども、この報告書の中にも、あるいは案の中にもいろいろ指摘がございますけれども、消費者の好みだとか需要だとか、あるいは例えばコンビニなんかのいろいろなやり方、ジャストインタイムとか、そういったような需要サイドのいろいろな動きによって、個別の交通がふえて渋滞も起こってくる、こういうようなことがあるわけでございます。いろいろな制度ではございませんけれども、そういう個人個人の人とか企業とか、そういったところの人が、やはりこの温室効果ガスの問題の基本的なところを十分理解して、みずから考えて判断をしてもらうということが一番大切なんじゃないかと思います。
 そういう意味で、一言で言ってしまえば広報の重要性という話になるんですけれども、これも従来の官庁のやり方ですと、新聞記者に発表して、新聞何段になったということで満足されてしまうんですが、あるいは環境白書を見ても、環境月間で毎年年次計画をつくって広報していくと、こういうお話ですが、地球温暖化の問題に関しては、これはやはり世界的な問題でもございますし、人類の生存にもかかわりかねない問題でもありますので、ここはやはり政府なり環境省なりがきちんとした体制をとられて、民間の各団体にもいろいろ協力を依頼されたらいいと思いますし、公共広告機構とか、そういったようなものを使われればいいと思いますし、あるいは地方公共団体、市町村までもいろいろお願いをして、環境省みずからが国民に語りかける方法、これをやっていただく必要があるのではないか。また、こういうことをやっていただければ、いろいろな諸制度を入れたときにも理解していただけるし、国民からもいろいろな反応があるということが大事ではないか。そういう意味で、環境省主体で結構だと思うんですけれども、そういうような体系的な広報計画を立てられて、環境省みずからいろいろロゴでありますとか、そういったことまで含めて責任を持って広報されることが一番大切ではないかというふうに思っておりますので、一言申し上げておきたいと思います。
 それから、ちょっと揚げ足取りで申しわけないんですけれども、31ページのところの一番上のところで、自動車以外の交通の利便性の向上に向けて公共交通の整備とあって、括弧でバスと入っているんですが、これですとバスが自動車でないような感じもありますので、本当に揚げ足とりで申しわけございません。こういった表現等についてはご検討いただきたいと思います。
 以上です。

○安原委員長 ありがとうございました。
 続きまして猿田委員、簡潔にお願いします。

○猿田委員 ありがとうございます。
 きょうのこの中間取りまとめ案を拝見して、先ほど浅野先生からお話もございましたけれども、28ページから31ページにかけての内容、これ、さらにいろいろと肉付けしなきゃいかんとは思いますけれども、それで、27ページの図の18のところで、下に基盤メカニズムというのがございまして、これが42ページにまた22で基盤の体系図というのがありますけれども、先ほど協定方式とか、いろいろお話がございました。ここで言っている協定というのは、昔の公害防止協定とは違う内容で、当然もっと大きい、いわゆる規制的なというよりは、お互いに透明性を高める。お互いに実効性を担保しましょうということでつくられる協定すべきことだろうと思いますけれども、問題は、そういうものに対してどう呼応していくのかということで、基盤メカニズムというのが非常に重要ではないか。いわゆるプラン・ドゥー、それからチェック・アクション、PDCAと我々よく言っておりますけれども、これが非常に重要になってくるだろうと思うわけでございまして、39ページから41ページにかけてそのことがずっと書いてありますけれども、この辺も少し、PDCAについてきちんとした、国として何をすべきなのか。また地方自治体としてどうすべきなのか。恐らく計画を立てる自主行動計画というのが盛んに出てきているわけですけれども、そういうところに対するPDCAのあり方ですね。この辺をもう少し明確にしておく必要があるんではないか。この基盤メカニズムがきちんとしませんと、せっかくいろいろな計画を立てられても、それが保護できないということにもなりかねないわけでして、それを1つ申し上げておきたかったわけです。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 塩田さん、簡潔に願います。

○塩田委員 もちろん簡潔にしますが、今、モニタリングについてのご意見がお2人から出ましたけれども、私は、モニタリングというのは何をやるかということについての大筋の合意があって、それを実際やっていけるかどうかということをモニタリングをするという理解でないといけないと思います。
 それから、もう一つは、同じ公害の問題ということで、NOx 、SOx というような健康に被害を与えるようなガスと温暖化ガスとを、この温暖化ガスの削減という目的で一緒に取り扱うということはかなり無理があるんではないか。それは、対策の具体的な内容、それから範囲などにおいて、これはやはり基本的には別々に取り扱っていかざるを得ない。ただ部分的に地域的な規制の手法が利用できることがあるかもしれないけれども、別々に取り扱っていくべきだと思います。この2点を申し上げたいと思います。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、まだ寺門委員、ご意見あると思いますが、もう時間もありませんので、もしさらにご意見があれば文書でまた出していただければと思います。
 次回の準備の都合もございますので、ご意見のある方は27日水曜日までに事務局の方に出していただければ、それを参考にしてまとめ作業をやっていただくということにしたいと思います。
 それでは、次回はご連絡してありますとおり、7月2日金曜日15時から18時でございまして、場所はこの東條インペリアルでございます。
 長時間にわたって熱心なご討議をいただき、貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。きょうの議論を参考にして、事務局の方でまた次の中間まとめの改定案を作業してもらうことにしたいと思います。
 それでは、本日はどうもありがとうございまた。

○浅野委員 これ、金曜と書いてありますけれども、月曜日の誤りですね。

○安原委員長 そうですね。どうも失礼しました。月曜日の誤りでございます。15時から18時。どうも失礼しました。

午後6時05分閉会

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