中央環境審議会地球環境部会「国内制度小委員会」(第1回)議事録

日時

平成13年3月19日(月)

場所

東条インペリアルパレス千鳥の間

議事次第

  1. 委員紹介及び運営方針について
  2. 地球温暖化に関する最新の科学的知見について
  3. 現行施策の評価について
  4. 国内小制度委員会の今後の検討方針について
  5. その他

議事

午前10時00分開会

○安原委員長 それでは定刻となりましたので、二、三の委員の方まだお見えになっておりませんが、間もなくお見えになると思いますので、ただいまから、中央環境審議会地球環境部会国内制度小委員会の第1回会合を開催したいと思います。
 本日、大変ご多忙のところ委員の皆様にはご出席をいただきましてありがとうございました。
 私は、浅野地球環境部会長から、本小委員会の委員長にご指名をいただきました安原でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、まず会議に先立ちまして、浜中地球環境局長よりご挨拶をちょうだいしたいと思います。浜中局長よろしくお願いします。

○地球環境局長 先生方、おはようございます。環境省地球環境局長の浜中でございます。
 本日は大変皆様お忙しい中、お集まりをいただきましてまことにありがとうございます。
 ことしの1月6日に環境省が発足をいたしまして、それに伴い中央環境審議会も新たな装いのもとに発足をしていただきました。その中に地球環境部会が設けられまして、その部会の会合が先般開かれ、そして、地球温暖化対策につきまして、国内制度小委員会と目標達成シナリオ小委員会、こういう2つの小委員会が置かれることが決定されたわけでございます。本日は、国内制度小委員会の第1回会合ということで、ご審議を賜りたいと考えております。
 まず、国際交渉の関係でございますけれども、COP6再開会合でございますが、本年7月16日から27日にかけまして、ドイツのボンで開催されることが決定いたしましたことをご報告申し上げます。
 さらに、先般、3月2日から4日にかけまして、イタリアのトリエステで、G8環境大臣会合が開催をされ、また、4月にはニューヨークで、国連持続可能な開発委員会第9回会合の期間に、COP6議長主催の非公式閣僚級会合が開かれることになっております。今後も、COP6再開会合出の合意成立に向けて、さまざまな論議の場がこれからはあると考えておりますが、引き続きあらゆる機会を活用しながら、COP6の成功に向けまして、全力で取り組む所存でございます。
 なお、この機会に一言申し上げておきたいと思いますが、先週13日付で米国のブッシュ大統領が共和党のヘーゲル議員その他に当てまして書簡を発出され、その中で、選挙運動期間中に公約をされておりました発電所からのCO2 を含む4つの物質の複合汚染物質規制法案、これを支持するということを選挙運動期間中から言ってこられたわけでございますが、最近のカリフォルニアを初めとするエネルギーの危機でありますとか、あるいはエネルギー価格の上昇といった事態にかんがみまして、複数汚染物質法案の中で、酸性雨の原因になります硫黄酸化物、窒素酸化物、それから、最近アメリカで大変懸念されております水銀、この3物質については、排出削減を義務づけるという法案を議会と協力しながらつくっていきたいという趣旨でございますが、二酸化炭素については、ただいま申し上げました事情にかんがみて、これはその中に含めないということで、選挙運動期間中に言ってこられたことをくつがえすようなそういう内容の書簡を発出されておりまして、このことが、アメリカ国内及び国際社会に大変大きな関心を呼んでいるわけでございます。
 しかしながら、この書簡は大部分が国内対策に関するものでございまして、全体といたしましては、地球規模の気候変動問題を真剣に取り上げたいという趣旨をおっしゃっておられますし、今後、友好国や同盟国と協力することによってこうした地球規模の気候変動問題に対処するためのクリエイティブなと言っているんですが、創造的な手法を開発していきたいというような趣旨をおっしゃっておられるということでございます。
 もちろん、京都議定書そのものについては、選挙期間運動中からの主張として、これには反対するその理由は中国、インド等がコミットしていないということと、アメリカ経済に深刻な景気を及ぼすおそれがあると、こういう趣旨でございますけれども、しかしながら、米国外交筋に確認をいたしましたところでは、この言い方は選挙期間運動中と全く同じであり、気候変動国際交渉に対する立場についてはなお包括的なレビューを実施している最中であるということで、まだ何らかの具体的な方針が決まったわけではないとこういうことでございます。
 したがいまして、我が国といたしましては、現在訪米中の森総理からという首脳レベルも含めまして、あらゆる外交ルートを活用して、米国に前向きの取り組みを求める働きかけをしていきたいということで現在取り組んでいるところでございます。
 さて、先般、他方でこうしたいろいろな政治的、外向的な動向とは別に地球温暖化の現状、あるいはその将来予測につきまして、気候変動に関する政府間パネルIPCCによる最新の評価報告書が取りまとめられたところでございます。詳細は後ほどお時間をちょうだいしてご説明を申し上げたいと思いますが、概略のみを出しますと、まず気候への影響に関しましては、過去50年間の地球的な規模での温暖化傾向の原因の大部分は人間活動によるものであるということが確実になってきたということを指摘しておりますとともに、21世紀末までに、1990年に比べまして地球の平均気温が最大 5.8度、海面は最大88センチ上昇するという可能性がある、そういう予測が示されております。
 またその詳細を省きますが、その結果として深刻な影響が生ずる。あるいは、現在、既にさまざまな技術が開発されつつありまして、そうしたものを適用することによって、2010年から2020年ころまでに、2000年のレベルに排出量を世界的にでございますが戻していく可能性があるということも示されております。
 一方、国内的には、今月15日に、私ども環境省の温室効果ガス削減技術シナリオ策定調査検討会におきまして、2010年の温室効果ガス排出量の試算を取りまとめたところでございますが、その結果によりますと、現時点までに決定された政策や対策のうち、実施されている確実性が高いものの効果を推計した計画ケースでは、90年度と比較いたしまして5ないし8%の増加となっております。京都議定書の6%削減目標に達成に向けて、依然大きな隔たりがあるため相当の追加的な対策が必要であるとの結果となりました。この点につきましての詳細は後ほどご説明を申し上げたいと考えております。
 委員の先生方におかれましては、こうした現状も念頭に置いていただきまして、これまでの中央環境審議会におけるご提言等も踏まえつつ、京都議定書の6%削減目標を確実に達成するための国内制度を構築し、京都議定書の2002年までの発行締結に向け、総合的、戦略的な観点からのご審議をいただきたいと考えておりまして、何とぞよろしくご指導をいただきたいと考えております。
 以上もちまして、私からのご挨拶とさせていただきます。
 本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

○安原委員長 浜中局長ありがとうございました。
 それでは、まず議事に入ります前に資料の確認を事務局からお願いいたします。

○事務局 では、配付資料の確認をさせていただきます。議事次第にのっとって確認をさせていただきます。
 まず、資料1といたしまして、国内制度小委員会委員名簿でございます。
 資料2が、地球温暖化に関する最新の科学的知見について(IPCC)第3次評価報告書の概要をつけ足していただいております。
 続きまして、資料3-1といたしまして、温室効果ガス削減技術シナリオ策定調査検討会報告書の概要で横長の資料でございます。
 次の、資料3-2から3-5までにつきましては、3月15日のシナリオ検討会において配付させていただいた資料で、再度この委員会でも配付させていただいております。
 資料3-2が温室効果ガス削減技術シナリオ策定調査検討会報告書の概要、3-3が温室効果ガス排出量分析評価ワーキンググループの報告書、資料3-4が温室効果ガス削減技術シナリオ策定調査検討会報告書(第1部)、同じく資料3-5が第2部の報告書でございます。
 資料-4でございますが、国内制度小委員会、本委員会の今後の検討方針についての案をお示しさせていただいております。
 それ以降はすべて参考資料でございますが、参考資料の1から6までが、現在までの中環審における議論の成果物を中心に参考資料1から6まとめさせていただいております
 参考資料の1が、地球環境温暖化防止対策の在り方について(中間とりまとめ)です。
 参考資料の2が、同じく諮問でございます。
 参考資料の3が、同じくその中間答申。
 参考資料の4が、環境基本計画の見直しに係る地球温暖化対策検討チーム報告書の概要。
 参考資料の5が、地球温暖化対策の在り方の検討に係る小委員会報告書概要。
 参考資料の6が、同じくその報告書に対するパブリックコメントの結果の概要でございます。
 参考資料の7といたしまして、本年1月、中央環境審議会の総会において決定されました中央環境審議会の運営方針についてを参考につけさせていただいております。
 資料は以上でございます。

○安原委員長 もし不足している資料がございましたら事務局までお申し出願いたいと思います。
 それでは、本日は12時ごろまでの審議を予定しておりますのでよろしくご協力願いたいと思います。
 では、早速、第1の議題でございます委員紹介及び運営方針等に入らせていただきたいと思います。
 今の、浜中局長からもございましたように、先月16日に開催されました、中央環境審議会地球環境部会におきまして、京都議定書の削減目標を確実に達成するための国内制度の在り方を審議するために、同部会の下に2つの小委員会を設けるということが了承されました。このうち、当国内制度小委員会におきましては、第1としまして、ポリシーミックによる政策パッケージ、それから第2といたしまして、モリニタリング等の基盤メカニズムの構築、こういう2つの課題を中心に検討を行い、その結果を部会の方に報告するということにされているわけでございます。
 この小委員会のメンバーにつきましては、中央環境審議会議事運営規則82項に基づきまして、部会長より指名されるということで、その最終のメンバーの名簿が資料1にございます。資料1のとおりでございます。
 それから、また中央環境審議会議事運営規則83項によりまして、小委員会の委員長としまして、私安原が部会長より指名をいただいております。
 本委員会の運営が円滑に進みますよう、また、京都議定書の運用を確実に達成するための国内制度のあり方につきまして、充実した議論ができますように努めてまいりたいと思いますので、委員の皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
 次に、小委員会の運営方針についてでございますが、先月の部会におきまして、部会長及び本年1月の中央環境審議会総会におきまして決定されました中央環境審議会の運営方針についてというのを準用するということになっておりまして、その詳細につきましては、各小委員長に一任するという旨の発言があったわけでございます。これを踏まえまして、小委員会としまして、原則公開としまして、公開しました会議の議事録につきましても、出席された委員の方のご了承を得た上で公開することとしたいと考えておりますので、よろしくご承知おき願いたいと存じます。
 議題1は以上でございますが、何かございますか。
 では、なければ、議題2の方に移りたいと思います。
 議題2は、地球温暖化に関する最新の科学的知見につきましてということでございますが、事務局から説明をまずお願いしたいと思います。
 

○研究調査室長 地球環境局の研究調査室長をしております木村です。
 IPCCの第3次評価報告書がこのたび取りまとめられましたので、これに基づきまして、地球温暖化に関する最新の科学的知見についてご紹介をさせていただきたいと思います。
 IPCC、「気候変動に関する政府間パネル」、世界の第一線のこの分野の科学者によって、あるいは政府関係者によって構成されている国連の機関でございますが、この機関が、過去2回地球温暖化に関する科学的知見を取りまとめた評価報告書を取りまとめておりまして、今回は、3回目ということで、第3次評価報告書でございます。
 IPCCでは大体5年に一度評価報告書を公表しております。第2次報告書は1995年に公表されました。
 この第3次評価報告書は、3つの作業部会の検討から成り立っております。
 第1作業部会が担当しておりますのが、気候への影響でございます。中国の上海で、ことしの1月に最終的な会合がございまして、取りまとめが終わりました。
 それから第2作業部会が、生態系・人間社会への影響を担当しておりまして、これは、スイスのジュネーブでことしの2月半ばに取りまとめの会合がありまして、これも取りまとめが終わりました。
 それから、第3作業部会は温暖化対策ということでございまして、アフリカのガーナのアクラというところで、ことしの2月末から3月の初めにかけて取りまとめの会合が行われまして、これも取りまとめが終わったところであります。
 これら3つの報告書は、ことしの4月の初めに、ナイロビでございますIPCCの総会で最終的に承認されるという運びになっておりますが、基本的には、この3つの作業部会の検討で検討を終了したということでございまして、現在、公表されております案が最終的な報告書になるということでございます。
 これから順番に第1、第2、第3作業部会の結果を簡単にご紹介させていただきたいと思います。
 まず、気候への影響、これが第1作業部会でございます。
 先ほど、局長からのご挨拶の中にございましたが、非常に重要なことは、まずこれまでの観測結果についての取りまとめでございます。アンダーラインを引いて強調しておりますけれども、過去50年間の温暖化の大部分が人間活動に起因するという新たな、かつ、より確実な情報が得られたということでございます。これは、実際に温暖化が人為的に起こっているのか、それとも太陽活動とか火山活動などの自然的な影響によって起こっているのかということを解析しましてモデルなども使って分析した結果、人為的影響によるものであるということがほぼ確実にいえるということが今回明らかになったということで、5年前の第2評価報告書に比べてここのところの表現が非常に強まっております。
 これまでの結果でございますが、全球平均表面気温については、1861年以降 0.6度プラス・マイナス 0.2度の上昇があったということ、
 それから、積雪面積とか海氷面積の減少が見られているということ、
 それから、20世紀の全球平均海面水位が10から20センチメートル上昇しているということ、
 それから、エルニーニョ現象の頻発・長期化・強力化などが見られるということが取りまとめられております。
 それで、ここにお示しした図でございますが、これは過去 140年間の地球全体の表面気温の変化を示したものでございまして、実際に温度計で測定したデータを取りまとめたものであります。1860年から2000年までのデータございますが、ここに示してありますように、気温は徐々に上がってきておりまして、一度1940年からしばらく横ばいの期間があったのですが、その後、また急激に上昇しているということでございます。
 それから、これは、北半球について1000年間の気温の変化を見たものでございまして、このうち、赤で示した部分は先ほどの温度計ではかったデータでございます。この青で示したところは、実際に過去に気温を測定したデータがございませんので、年輪であるとか、珊瑚礁とか、氷床のコアを分析するなどして予測したものでございまして、この薄い灰色の部分はその予測の誤差であります。これをごらんいただいて非常に明らかなように、1900年ぐらいまでは、北半球の平均気温というのは、ほぼ横ばい、ないしは少し下がっていると言ってもいいいぐらいの変化を示していたのですが、1900年以降、急にこれが立ち上がって気温の上昇が見られるということであります。北半球は地球全体の平均よりも気温の上昇はさらに大きいということで、実際に、この赤で示してあるように、相当な気温の上昇が見られているということでございます。
 もう1つ、この報告書では、将来の予測を行っております。まず温室効果ガスの大気中濃度でございます。報告書では、21世紀の末までに現在の370ppmぐらいの濃度が540ppmから970ppmに上昇するというように予測をしております。ちなみに、産業革命前の濃度が280ppmぐらいでしたので、それと比べていただきますと非常に大きな上昇であるということがおわかりいただけると思います。
 このように、C02 濃度の予測に幅がありますのは、もちろんモデルの不確実性等の問題もございますけれども、一番大きいのは、排出シナリオがどういうふうに設定されるかということでございまして、今回の予測でも、排出シナリオについては、経済成長が大きく対策が余りとられない場合、経済成長がそれほど大きくなくて対策もかなりとられていく場合というようにいろいろなケースを想定しております。
 それから、気温でございますけれども、気温については1990年から2100年までの 110年間で、全球平均表面気温の上昇は 1.4度から 5.8度であろうというふうに予測されております。これは第2次評価の予測の1度から 3.5度に比べて、上方に修正されているというふうにいえると思います。気温につきましては、濃度の場合以上にモデルの予測結果に幅が出てくるわけですけれども、更にそれ以上に、先ほど申しましたようなシナリオの違いが影響しています。
 それからもう1つ、この報告書では、上方修正された理由の1つとして、SO2 などの大気中濃度が将来、下がることを予想して、それにより、いわゆる日傘効果と言われている温暖化を緩和する効果が減少し、その結果気温の上昇が大きくなるという説明がなされています。
 どこで気温が上昇するかということを申しますと、ほとんどすべての陸地で全球平均よりも急速に温暖化が進行ということで、すなわち海上よりも陸地の方が温暖化が大きいといことであります。
 それから、降水量ですが、全球平均の水蒸気と降水量は、増加すると予測されています。これは気温が上がることによって、一般的に見られる現象でございます。
 それから、異常気象現象としては、21世紀中に最高、最低気温が上昇する、あるいは降水強度が増加する、中緯度内陸部の渇水が起こる、更には熱帯サイクロンの強大化が起こるということが指摘されています。雨の降り方も、地球全体では増加の傾向があっても、地域的な偏りがあって、従来乾燥しているところはますます乾燥してくるというようなことが言われております。
 それから、海面上昇ですが、これは1990年から2100年の 110年間で、9センチから88センチというふうに予測をしております。この上昇の主な原因は、海水の熱膨張によるものであろうというふうに見られております。
 第1作業部会の報告の結果を取りまとめますと、過去50年間の温暖化の大部分が人間活動に起因しているということ、それから21世紀末までに、1990年と比べ、地球の平均気温が最大 5.8度上昇し、平均海面水位が最大88センチ上昇すること、豪雨、渇水などの異常気象現象が増加するということでございます。
 それから、第2作業部会報告書の方に移りますが、これは影響とか適応策に関する報告書でございます。報告書で指摘されている新たな点でございますが、まず、近年の地域的な気温上の昇によって既に氷河の後退を招いたり、あるいは生態系に目に見える影響が出ているということが強く確信されるようになっているということがございます。
 それから、どのような温度上昇であっても、開発途上国では、ほとんど、常に正味の経済的損失が生じるということも予測されております。
 一方先進国ですが、先進国でも数度以上の温度上昇となりますと、これも正味の経済的損失が生じるであろうというふうに予測しております。
 それから、影響の予測でございますが、まず、水資源に対する影響でございますが、水に関する影響を受ける人口は、現在17億人ですが、2025年には50億人へ増加するであろうということです。
 それから、農業・食料安全保障につきましては、気温が数度上昇いたしますと、食糧供給の遅延、すなわち人口増加に食糧供給が追いつかないということによりまして、食糧価格が上昇するであろうと予測されています。
 それから、陸上・淡水生態系については、絶滅の危機に瀕している種類が絶滅することを含めて、生態系の深刻な崩壊が予測されております。
 それから、沿岸域・海洋生態系ですが、これは、もっとも影響を受けやすいところですが、海水のはんらんの増加であるとか、浸食の加速化、湿地、マングローブの損失、淡水源への海水の侵入、あるいは珊瑚礁への影響というようなことも予測されております。
 それから、人間の健康に関しても、熱波、特に都市に住んでいるお年寄りなど、あるいは病人など弱い人への影響、洪水の影響、下痢、呼吸器疾患、それから熱帯病が今まで以上に広がるということも予測されております。
 さらに、居住・エネルギー・産業の分野では、例えば40センチメートル海面が上昇しますと、高潮により浸水を受ける人口が 7,500万人から2億人増大するということも予測されております。
 それから、今回始めて金融・保険サービスについても分析がなされておりまして、大規模な異常気象による年当たりの経済損失、これが1950年代は、米ドルに換算して、1年間に39億ドル相当であったものが、90年代には 400億ドルまで増えていることで指摘されています。
 第2作業部会報告全体をまとめますと、先ほど申しましたように、現在の温暖化傾向で既に脆弱な生態系等に目に見える影響が出ているということ、
 それから、今後の影響として、40センチメートルの海面上昇で、世界の浸水被害が 7,500万人から2億人増加する、
 あるいは、途上国の農業生産などに大きな悪影響がある、
 あるいは生態系の破壊、伝染病の拡大が予測されるというようなことであります。
 最後に、第3作業部会報告書でございます。
 この作業部会は、温暖化の対策について検討をしておりますが、1つは、気候変化の緩和策が、幅広い社会経済政策とそのトレンドの影響を受けると同時に、逆に、それに影響を与えているということが分析されております。
 次に、エネルギーとの関係ですが、石油、天然ガスに限って見ますと、埋蔵量が限定されているということで、21世紀中にもエネルギー構成の変化が起きる可能性があって、これが気候変動対策にかなりの影響を与える可能性があります。
 それから、排出削減、あるいはC02 の大気中からの吸収量の増進のための方策でございますが、この報告書で言われているのは、これまでかなりの技術の進展があったということで、かなりの削減ポテンシャルができたと述べています。具体的には、全世界の温室効果ガスの排出レベルを2010年から2010年ぐらいまでに2000年の水準以下にできる可能性があるということです。これは、先進国だけではなくて途上国を含めた全世界の対策のポテンシャルだということでございまして、この報告書で特に進展が見られている技術として風力発電、あるいはハイブリット車があげられており、こういうものは既に市場参入していると指摘しています。それから燃料電池技術の進歩、あるいはC02 の地下貯蔵実証試験などが進んでいることを挙げております。
 次に、生物的な緩和の可能性、これは主に森林などの吸収源によるものでございますが、2050年までに約100GtCと見積もられており、これはこの期間での化石燃料による排出予測値の10%から20%に相当するということであります。
 それから、温暖化対策のコストでございますが、ここで示しましたのは京都議定書実施の場合の推計コストということで、先進国が対象でございます。京都議定書の第1約束期間までの対策を実施した場合、排出権取り引きを導入しない場合には、2010年までの先進国におけるGDPの損失は約 0.2%から2%ぐらいであろう。一方、排出権取り引きがあった場合には、GDPの損失は約半分、すなわち、0.1%から 1.1%程度までに圧縮されるであろうという予測をしております。
 次に、安定化の濃度レベルとコストでございます。第2報告書では 450、 550、 650、 750というような、100ppm区切りでのC02 の大気濃度の安定化を分析しております。今回これらについて、コストの分析をしたところ、750ppmから550ppmぐらいで安定化させる場合には、この間で穏やかなコストの上昇が見られるであろう。550ppmからさらに450ppmまで下げて安定化させる場合には、大幅なコストの上昇が見られるであろうと予測しています。
 最後に、緩和方策の組み立て方でございますが、総合的な政策手法の導入が必要であると指摘しています。先ほどかなり大きな削減むポテンシャルがあると言いましたけれども、それを実現していくにはさまざまな障害があるということで、その障害を打破していくために総合的な政策手法の導入が必要であるということであり、この報告書では、例えば排出税、炭素税、エネルギー税のような税による方法、デポジット制度による方法、自主協定などさまざまな手法の総合的な組み合わせによる対策の推進を推奨しています。それから、もう1つは、国際的な協調活動が必要であるということ、具体的には、京都議定書に基づく排出権取り引き、共同実施、CDMなどはもちろん、さらに加えて、例えば国際協調のもとでの税、あるいは産業界との自主協定、あるいは途上国に対する資金、技術の直接移転などを挙げております。
 第3作業部会のまとめですが、全世界の排出レベルを2010年から2020年に2000年水準以下にできる可能性があるということで、その背景には技術的にこれまで多くの進展があったということがございます。
 それから、やはり排出量取り引きで京都議定書の実施コストを低減できる、例えば2010年までに先進国のGDP損失を半減させることもできると述べています。それから、技術・社会・制度的な障害の克服が必要ということで、総合的な対策であるとか、国際的な協調が必要ということを述べております。
 以上、かいつまんでご説明させていただきました。

○安原委員長 木村室長どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、ご質問等がございましたらどうぞご発言をお願いしたいと思います。
 佐和委員どうぞ。

○佐和委員 3ページのグラフなんですけれども、これは、恐らく棒グラフが気温そのもので、折れ線グラフが何年間の気温の平均と思うのですが、1940年ごろから、70年代末ぐらいにかけて、非常に気温が安定しておりますね。これについては何か説明があるんでしょうか。
 つまり、30年代末までかなり顕著な増加の傾向が観測されて、その後約40年間ぐらい安定していますね。そして、70年代末から、また顕著な上昇傾向と。

○研究調査室長 今の点でございますが、この気候が横ばいの時期につきましては、一時地球が寒冷化しているというような話もあった時期であり、温暖化についての懸念がまだ出てくる前でした。この報告書では、自然影響、先ほど申しましたように、太陽活動であるとか火山活動などの影響による予測と、それから人為活動による影響の予測をしておりまして、その結果によりますと、特に気温が上がってきています1970年以降ぐらいの部分については人為的影響を加味しないで自然的影響だけではこの状況は説明されないということが述べられています。すなわち、この気温が上がっている部分については、人為的影響が顕著であろうというふうに予測しております。一方横ばいになっているところにつきましては、自然的な影響だけ見ますと少し下がり気味になっているというようなこともありまして、人為的影響も加味して全体としては、ここはほとんど横ばいで推移したということであります。

○安原委員長 大塚委員、その後、塩田委員。

○大塚委員 やはり細かい点で恐縮ですけれども、排出量取り引きを実施した場合に京都議定書の実施コストを低減できるということ、あるいはGDPの損失が削減するということが、例えば15ページあたりに書いてありますが、この排出量取り引きの前提条件というか、どういう過程で計算しているかということがかなり重要なポイントになるのではないかと思いますが、具体的に1つお伺いしたいのは、排出量取り引きのプレーヤーを国だけに限っているか、あるいは、企業と民間主体を含めてという計算をしているかということをちょっとお伺いしたいんですけれども。

○研究調査室長 今の点につきましては、ちょっと今すぐ詳しいことをお答えできませんので、後で調べてお答えしたいと思いますので、基本的には、排出権取り引きがある場合というのは、排出権取り引きに全く制限を加えない予測だというふうに理解しております。
 詳細については、調べましてご回答させていただきたいと思います。

○安原委員長 それでは、塩田委員。

○塩田委員 3ページのグラフに関して、いま一度、単純な質問ですが、1970年以降の上昇のカーブと、それから1910年ぐらいから40年ぐらいまで上昇しておりますね。これはどういうふうな理由で上がっているかというのが1つ。
 もう1つは、5ページで、すべての陸地で急速に温暖化が進行しているというご指摘がありますが、これに関連して、すべての陸地ということであれば、例えばブラジルのアマゾンの地域とか、あるいはロシアのシベリア地方とか、そういうところも急速に温暖化が進行しているということであれば、人為的でない面もあるのかどうか、その辺について分析をしておられるのかどうかお伺いしたいと思います。

○研究調査室長 今の点につきましては、ちょっと今すぐ詳しいことをお答えできませんので、後で調べてお答えしたいと思いますので、基本的には、排出権取り引きがある場合というのは、排出権取り引きに全く制限を加えない予測だというふうに理解しております。
 詳細については、調べましてご回答させていただきたいと思います。

○安原委員長 塩田委員。

○塩田委員 今の、最後の点に関して、C02 に関しては、排出されたC02 が非常に短い期間に全世界的に移動するというふうに考えるべきなんですか、あるいはどこか非常に問題がある国あるいは場所、地域があるとすれば、そこに相当期間とどまっていると考えるべきなのか、それとも、一瞬とは言わないにしても、非常に短い期間に全世界的にそれが移動すると考えるべきか、その辺は科学的にはどういうふうに考えられておりますか。

○研究調査室長 基本的には、もちろん一瞬ということではないと思いますけれども、特定のところで排出されたC02 は、かなり広い範囲に広がるということでございまして、もちろんC02 濃度が完全に一様であるというわけではありませんけれども、基本的には、地球規模でみればC02 濃度がほぼ同じ、あるいはそれに近いということであろうかと考えます、SOXであるとかNOXのように都市部だけで非常に高いということはないという前提でモデル計算がされているというように理解しております。

○安原委員長 よろしゅうございますか。
 では、天野委員、その後、横山委員。

○天野委員 今の点と関連しまして、先ほどのご説明になかったと思うんですが、緯度によって、気温の上がり方が違って、極に近いところが高くなり、赤道の近辺は余り上がらないという、北半球の方が気温上昇が高く、南半球はそれぞれ上がらないということを聞いていますが、その理由はわかりますか。

○研究調査室長 基本的には、北半球の方が気温の上昇が大きいということは、北半球には陸地が多いということが特に大きな理由だというふうに理解しております。先ほど申しましたように、海洋部分では、海洋自体の熱容量の効果などございまして、陸域より気温の上がり方が少ないということでございます。
 それから、極域云々につきましては、ちょっと今お答えできませんので、これもまた後ほど説明させていただきたいと思います。

○安原委員長 横山委員。

○横山委員 基本的なことをちょっとお尋ねいたします。
 第2次の報告書では、気温上昇について確か 1.0から 3.5度と言いつつ、平均というか、中間値として2度ぐらい上昇するというのがあったと記憶しております。それから、海面上昇についても、平均で50センチぐらいという表現があったと思うんですが、今回は一切そういう間の値というのが出てこないのは考え方を変えたせいなのかどうか、その辺ちょっと説明していただけますか。

○研究調査室長 基本的には、先ほど説明の中で申し上げましたように、今回、用いたシナリオに上下でかなり幅があるということでございます。それらのシナリオ、どういう道筋をとってC02 などの排出が変化していくかという、そのシナリオの部分につきましては、必ずしも科学者が予測できるという問題ではない。シナリオの確からしさというのは、高い方の排出のシナリオに行くか低い方のシナリオに行くかということについて、どちらがより確からしいというふうには言えないということがございます。今回は、幅の中でどの部分が確からしい、例えば、真ん中の部分が確からしくて正規分布のように確立が分布しているとか、そういうことではないということです。その幅の中で実際にどういうような結果になるかについては、どれも同じように確からしいというような考え方を背景にしまして、特に中間値を示したりはしていないということだろうと理解しています。

○横山委員 それは第2回でも同じことだったんじゃないんでしょうか。

○研究調査室長 ただ、第2回のときに比べて今回予測の幅自体が広がっているということもあって、IPCCとして、よりそこのところを明確にして中間値を示すことはやめたというふうに理解しています。

○安原委員長 寺門委員どうぞ。

○寺門委員 2点お伺いしたいんですけれども、資源問題なんですが、資源というのは埋蔵量がありますので、急速に消えていくもんです。資源が今非常に多く使われているわけですけれども、そういうものはどこかで急速に……転換の可能性というふうに書いているんですけれども、それはストーリーの中では完全に転換していくというストーリーを描いてやるのか。今の延長線上でストーリーを描いて生きるかということを1点ちょっと教えてもらいたいのと、それから、技術面で2010年から2020年に、現在の2000年のレベルに抑える可能性があるというふうに書いてあるわけですが、ここに例として風力発電やバイブリット車ですが、この中身はもっと具体的にあるんでしょうか。例えば、自然エネルギーというのは何に大幅に転換するとか、そういうものがあるんでしょうか。その例ではC02 の貯蔵試験ですか、どこのどの辺でこれが入っているのかよくわかりませんけれども、どういうようなことがこの中には書いてあるんでしょうか。もしか何か対策があったら教えていただきたいと思います。

○研究調査室長 第1点目のご質問ですけれども、基本的には、今回の予測でいろいろなシナリオを想定しておりますけれども、自然エネルギーなどをどんどん普及させてエネルギー転換を図っていくというようなシナリオもございますし、現状のまま行けるところまでエネルギー構成を、気候変動対策としては余り変えずに動いていくというようなシナリオもありまして、いろいろなシナリオごとに扱いは異なっていると思います。
 それから、先ほどおっしゃった、2010年から2020年の排出ポテンシャルについてですが、若干詳しい資料を私が今説明しました大きな字で書いてある図表の後ろの方に参考資料としてつけております。具体的な対策のオプションについては、第3作業部会の結果ということで、この1つづりの資料2の一番後ろの方についておりまして、通しのページがついておりませんのでちょっとわかりにくいんですが、一番後ろの4ページのまとまった資料がございまして、そこの2ページ目のところに若干の記述を入れております。2ページの2、主な内容の(2)のところの最初のパラグラフでございますけれども、「2010年から2020年において2000年の水準以下にできる潜在的可能性がある」という後ですが、「例えば、風力発電、効率的なハイブリットエンジン車の市場参入、燃料電池技術の進歩、C02 の地下貯蔵実証試験などがある」ということです。
 さらに、その次のパラグラフですが、排出削減のためのオプションとして、「天然ガス、コージェネレーション、バイオマス燃料発電、ごみ発電、原子力発電」こういったものを挙げております。

○安原委員長 それでは波多野委員、それから福川委員。

○波多野委員 これはもしかしたら、地球環境局長にお教えいただいた方がいい話なのかもしれないんですけれども、アメリカの議員さんなんかと話すと、アメリカの議員さんは、「とにかくインド、中国が決定的に重要な話なんだ」と。「インド、中国を除いて先進国がいろいろやってみたって余り意味ないじゃないか」ということを言うんです。これはアメリカがそれを口実に使っているという面はあるけれども、しかし一面事実なんです。世界人口の半分近くを占めるその2つの国が、勝手にこれから工業化を進めて国際的な協力に参画しないということになったら、余り先進国でいろいろやったり何かしても意味ないというときに、温暖化対策とさっきご説明いただいた対策を見ると、途上国については、ただ資金、技術の直接移転等というだけが書いてあったんです。本当は、途上国というよりも特にインド、中国に対する説得、外向的な働きかけ、これを国際的にやるということが必要なように思うんですけれども、この第1作業部会を中国が上海で主催したなどということは中国側にもある程度問題意識はあるように思うんですけれども、しかし、COP機構に中国の人が参画する見通しとか、または、彼らが今環境問題についてどういうことを言っているのか、お話しいただければと思うんですけれども。

○安原委員長 地球環境局長。

○地球環境局長 IPCCのレポートでどういう扱いになっているかは担当室長の方から、もし必要でしたらお答え申し上げますが、政策的な意味での今の話につきましては、これまでのCOP6に至るまでの国際交渉の中で、中国、インド等の途上国は、京都会議でもそうでありましたけれども、現在の段階で先進国と同等の義務づけを行うことは断じて受け入れられない、やはりこれまでの温暖化の原因となるガスを出してきた責任の大半は先進国にあるということで、先進国が、まず具体的に行動で削減の実績を示すべきであると、それが先決であるということが1つ。
 それから、既に先進国アメリカ等も含めて、批准をして発効している気候変動枠組条約上規定されている先進国の義務、いわゆる資金の協力であるとか、技術の移転でありますとか、そういうものをきちんと履行すべきであると、これまでそれがきちんと履行されていないというようなことを繰り返し主張してきているのが現実でございます。
 これに対して、先進国側からは、そうした義務の履行に関しては、COP6の全体パッケージの中であわせて検討していこうじゃないかということを一方で言い、かつ同時に先進国による京都議定書の義務の実施の具体方策について交渉をまとめようとしてきたというのが実情でございます。
 その先に、さらに将来をにらんで途上国の参加問題といいますか、あるいは義務の強化の問題、これについて話し合いをしようとしてきておりますけれども、極めてこれは外交交渉上難しい課題になっているのが実情でございまして、この点について、実際に締約国会議、本体の中で話を始めようといたしますと、途上国が極めてその点については強く反発をし、彼らの団結が強まり、一致して先進国に関して当たってくるというふうになるのが現実でございます。
 したがって、私どもとしては、当面やはり途上国支援策については真剣に対応しつつも、まず京都議定書を実施に移すということでもって先進国のこの問題に取り組む真剣な姿勢をはっきりと示す、その上で将来の、例えば京都議定書の第2約束期間といったようなところを目指して、途上国の義務強化についての粘り強い話し合いを続けていく、これがほとんど唯一の現実的な方策ではなかろうか。それ以外に、直接京都議定書の実施について、先進国として具体的な方策を示さないままで途上国の義務の強化を求めても、国際的に交渉が成立する見通しは極めて少ないというふうに考えざるを得ないのが現状ではなかろうかというふうに認識しておるわけでございます。
 他方、同時に、IPCCにおきましても、私の理解するところでは、将来的に次をどうするかということをまだ決定しているわけではございませんが、今回の第3次評価報告書のその先、もしIPCCが検討するとすれば、やはりこういう対策に当たっての衡平性の問題といいますか、イクイティといったような問題についても、真剣に取り上げていこうと。これはやはり将来的に途上国と先進国が両方とも対策に参加をしてくるという場合に、どういう考え方で衡平を確保していく必要があるのか、これは世界的にこういう議論をしていく際に避けて通れない問題でございますので、そういった問題についても専門家として取り組みしていこうという方向が出てきているということであろうかと考えています。なお、第3次評価報告書における詳細な内容について、もし必要でございましたら、室長の方からお答えを申し上げます。

○研究調査室長 先ほどの件につきましては、第3次評価報告書では、削減のポテンシャル技術面と、それから制度面でこれからどういうものが必要かというような議論をしておりますし、またデータがたくさんございます先進国であるとか、それから、ある程度の予測が可能な経済移行国、こういう国々についてはコストの分析等もしておりますけれども、開発途上国につきましては、必ずしも十分なデータが入手できないというようなこともあって、この報告書ではそれほど突っ込んだ検討はされておりません。
 それから、先ほどご質問いただいた中で、気温の変化、特に実際に温度計ではかった1860年以降の気温の変化の図、3ページですが、これについて、何人かの方からご質問がありましたけれども、全体としてまとめてみますと、この温度変化につきましては、排出量は、途中戦争などもございまして変化がございますが、基本的には増加傾向にある。それに対して、自然影響につきましては、太陽の活動であるとか、火山活動とか、そういったような要素で気温を上昇させる方向に働いたり、抑制する方向に働いたりというようなことがございまして、そういう意味で、気温の上がり方が急であったり、横ばいになったりというような変化はあると認識しております。従いまして、基本的には、全体としては、右肩上がりの基調で来ている中で、自然の影響がそれを一時抑制したりするようなこともあった。それから、人為的な排出量自体も一時少し低下したというようなことがあったというふうに理解しております。

○安原委員長 どうぞ波多野委員。

○波多野委員 私の個人的な感触では、今の局長の言われたアプーローチだといわゆる堂々めぐりになっちゃって、アメリカも中国とか参画していない限り自分も参画できないよということで、話がうまく進まないと思うのです。途上国ということで一括して働きかけをしても、この話は進まない、というよりも、ラ米の中では協調の兆しは見えている。アフリカについては余りにも気の毒だから資金移転をして好きなように発展させてあげで、そのために若干の大気汚染が行われても地球上の汚染が行われてもしょうがないという感じがして、問題は中国とインド、その2カ国に限って働きかけをするということが必要なんじゃないかと思うんです。というのは、その2つの国、片方はもう10年のうちに13億になり、両方とも大体人口が13億人になるわけですから、その過程において、物すごい地球汚染が行われるんだと思うんです。ですから、その2カ国について働きかければ、いろいろ国際的なディールの余地というのはあるんではないだろうかという感じがいたします。

○安原委員長 貴重なご意見をいただきまして、一応承っておくということにさせていただきたいと思います。
 それから、福川委員どうぞ。

○福川委員 これまでのこの分野の中で、海の二酸化炭素の吸収要素というものをどう評価するかというのが研究されていなかったわけですが、今回、プランクトンなりを中心にした、いわゆる海洋のシンクの機能というのは、海溝の熱膨張などによって影響を受けるとか受けないとか、いろいろな見方があると思うんですが、海洋の吸収源というのはどういう評価をしたかというのを伺いたいのが1つです。
 それから、2つ目は、これは先ほどの大塚委員のご質問にもありましたが、経済損失をどう評価をするかということについて、いろいろ前提条件があって計算をされたんだと思いますが、1つその辺の根拠を……これは大変難しい作業だったと思いますが、どういう前提で計算ができているかという点、今後、伺いたいのが2番目。
 それから、3番目は、16ページで総合政策として幾つ政策のメニューが書かれているんですが、これはただ思いついたメニューが書かれているのか、あるいはそれぞれの政策について多少なりとも評価をしているのかどうかという点です。あるいは政策の評価をしたかしないかという点について、どんな作業が行われたかということを伺いたいのが3点目。
 それから、長くなって恐縮ですが、もう1つは、この報告書を受けて、これをどうこれから取り扱っていくかということです。それで、波多野委員のおっしゃったことでも伺えますが、前回もなかなかIPCCの評価というのは、特にアメリカなどでは異論がある、特に経済界などでの批判があるたびになかなか合意ができないわけですが、この報告書がいずれ総会で出た後で、例えば、国連の評価の機関で採択をするというのか、あるいは国際的な合意形成に乗っていくような仕組みというのがこの中であるのか、また各国はそれぞれ自分の都合で「この大きなここに問題あり」とか言って議論になってくるとか、この報告書がまとまった後、国際機関との間でどういう取り扱いが行われるか、それを教えていただきたいと思います。以上です。

○研究調査室長 まず、海洋の吸収源としての役割ですが、これはご指摘のように、いろいろプランクトンの活動もございますし、それから特にそのものとしてのC02 の吸収とか放出とかいろいろございます。これ自体については、様々な研究がされておりますけれども、いまだその研究の途上というふうに考えられておりまして、そういう意味では、これは今後の検討課題として、報告書の中でも重要な分野として位置づけられているところでございます。
 それから、経済的な損失、あるいはプラスになるというようなことの検討の前提条件につきましては、先ほど大塚委員でしたか、排出量取り引きのところのご質問とも関連します、まことに申しわけございませんが、お時間をいただいて、勉強をさせていただいてから回答させていただきたいと思います。
 それから、総合政策の具体の評価ですが、これも基本的には、先ほどのご質問と同じようにまとめてご回答させていただきたいと思いますが、今回の報告書では、基本的な議論の流れとして、技術的に非常に大きなポテンシャルは出てきたと、しかし、それを克服するには、いろいろ社会的、経済的、それから国民の意識の問題とかいろいろな障害がある、したがって、そういうものを克服していくに当たっては、1つの政策ではなくて、さまざまな政策を組み合わせて克服していく必要があると、そういうような展開になっております。具体のそれぞれの政策評価につきましては、お時間をいただいて回答させていただきたいと思います。
 それから、最後の、この報告書をどう扱うかということでありますが、冒頭説明で申しましたように、IPCC自体が国連の機関として、世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)が共同で設置した機関でございます。この3つの報告書を採択するに当たりましても、世界の科学者の最新の知見を集めていったわけですけれども、その過程で政府がレビューをするという機会がございました。また、最終的に、ことし1月から3月にかけて行われた会議は、出席者の大半が政府関係者でございまして、たとえていえば温暖化対策に懐疑的なサウジアラビアのような国も出席し、いろいろ意見も表明しましたし、議論もしました。その結果、すべての国が合意して今回の報告書がまとまっておりますので、この報告書が今後の温暖化対策などを進めていくに当たっての科学的な基礎になるということであります。この報告書の妥当性とか、そういうことで議論を蒸し返すということではなくて、これは基本的には世界の国々が合意した科学的基礎であるという前提でさまざまな議論に使われていくというふうに理解しております。

○安原委員長 大分時間が過ぎておりますので、次は簡潔にお願いします。

○佐和委員 先ほど福川さんのご質問なさった点について、私の方から補足といいます。かご説明したいんですけれども、15ページのまず2010年のGDP損失 0.2から2%と書いていますが、これは、まず確認しておきたいのは、いわゆる何もしなかった場合にはGDPが2010年には100になるとしたら、それが99.8ないし98になっているという意味です。ですから別に成長率が0.2%下がったとか、2%下がったという意味じゃないことを強調しておきたいと思います。
 それで、これは実はいろいろなモデルを使ってこの第3部会に参加している研究者、日本でも何かモデルを持って参加している人がいて、それらがそれぞれのモデルに基づいた数字を出すわけです。つまり一番小さかったのが 0.2で一番大きかったのが2%と、それから国内の限界削減コストも一番安かったのが20、一番高かったのが 600、国内限界削減コストといっても、国によってまちまちですから、恐らく最も安い限界削減コストとして評価されたのがひょっとするとロシアかもしれませんが20だった。それに対して 600ドルというのは日本かもしれませんが最も高い国で 600ドルと、そのような意味だと思います。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは天野委員。

○天野委員 同じ点ですけれども、1の3の3ページに出ている数字は、第3次作業部会のものと思いますが、IPCCでは、この作業をする前にシナリオに関する報告書を作成していて、シナリオのルールに従ったモデルの結果というのは、そこに詳しく書いてある。ですから、それを第3作業部会で繰り返すことはしないと思いますので、我々としては、シナリオ・グループの報告書の概要も一緒につけていただくと非常にわかりやすいのではないかと思います。第2次評価報告書の場合にも同じやり方をしていましたので、それを受けて、第3作業部会が作業をしているということをはっきりしていただけたらよいのではないかと思います。

○安原委員長 はい、ありがとうございました。
 浅岡委員。

○浅岡委員 こういう科学者の調査の結果といいますのは、国際交渉と相互関連しながら、この10年が来たと思いますし、この間交渉が、少々、いろいろな問題が出ている感がありますけれども、この第3次報告書といいますのは、第2次報告書以上に将来的な準備の背準にもリスクがあるということを示しているわけですので、これが今後の交渉に前向きな影響を持つよう活用していっていただきたいと思います。そうすべきであると思います。
 先ほど、波多野委員の方から、インド、中国などに対策を求めるようにというふうなことをおっしゃられたわけですけれども、交渉の場面でも、中国などが取り組みをやっているんだということが紹介をされておりまして、何もしないと言っているわけでは決してなく、それにはやはり資金等やその地域に技術もいいものを提供していくシステムというものを必要としているわけでありまして、アメリカが世界の4分の1の排出をしているということに代表されますように、先進国側が取り組みをすべきではないかというのは、まことに最もでありますが、アメリカがなかなか応じようとしない。先ほど浜中局長からお話がありましたように、今後、最近、ブッシュ書簡が世界を揺るがしておりますけれども、日本は、こうしたIPCC報告を真摯に受けとめて、アメリカがどうこうということなく、国内削減を実施できるシステムをつくり、実行していき、インド、中国等に参加を呼びかける準備ができると考えておりますので、アメリカのこういう状況のもとで、日本の対策をとることが必要と思います。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、まだまたこのテーマにつきましてはご質問、ご意見等があると思いますが、時間の制約がございますので、きょうはこのぐらいに閉じさせていただきたいと思います。
 あと、資料を読み返していただきまして、ご質問等ございましたら事務局の方へご連絡をいただけますように思います。
 それでは、第3の議題の方に移りたいと思います。
 現行施策の評価の問題でございます。
 それではこのテーマにつきまして、事務局からまずご説明をお願いいたします。

○地球温暖化対策課調整官 それではまたOHPをつかいまして、ご紹介をしたいと思います。
 お手元の資料では、資料3-1から3-5まで、先週15日に開催された温室効果ガス削減シナリオ策定調査検討会、配付された資料でございますが、その場でさまざまな意見がございまして、現在、最終的な確認と最後のまとめの部分について現在調整中でありまして、なるべく早く確定はしたいと思っておりますけれども、きょうお示ししたのは、先週の検討会の報告書案の段階のものということをお断りしておきたいと思います。
 この検討会でどういうことをやったかと申しますと、次の目次のところにございますように、まず最初に90年以降の排出量の増減、これは実績に基づくものでありまして、実際には90年から1998年までのデータが出ておりますので、部門別にどういうものが増加もしくは減少の要因になっているかを分析したものでございます。
 それから、2番目は、現在政府の地球温暖化対策の中心になっているものとして地球温暖化対策推進大綱があるわけでありますけれども、これに基づいて2010年まで対策を実施した場合に、2010年の排出量がどのようになるかということを現時点で推計をしてみたというものでございます。
 それから、さらに2010年の温室効果ガスの削減ポテンシャルということで、これは、現在、対策や、施策が確定して用意されているわけではないわけですが、技術的に見た場合にどのくらいの削減のポテンシャル、可能性があるか、ということを、今後の対策を検討する上での出発点として検討したわけでございます。
 最後に、今回の検討の成果と今後残された課題について検討の方針がまとめられております。
 まず、最初のこれまでの実績についての評価です。次のページにございますように、90年から1998年まで温室効果ガスの排出量のデータであります。
 1998年度の総排出量は、13億 3,600万トン、これはすべてCO2に換算した排出量のトン数でありますけれども、これは90年、に比べて約5%の増加をしているということでありまして、京都議定書の6%マイナスということからするとまだ11%の隔たりがあるというのが最新のデータでございます。
 このように総量としては増えているもの、どういう要因で増えているかを分析をしたのが次のグラフでございます。
 一番左にはエネルギー転換部門、これは、電力を実際の需要者に配分する前の発電所での排出量に着目したものであります。C02 の排出原単位は、電源構成の中で最近の9年間では、原子力発電所の発電の割合が増えてきているということを反映してC02 の排出の原単位としては下がってきているわけでありますけれども、電力の需要そのものは増えてきているということでありまして、実際には、下向きのグラフと上向きの棒グラフこれを足し合わせたものが、エネルギー転換部門の実際の排出量の増減ということになるわけであります。
 その右側に電力配分後のエネルギー転換部門、産業部門、運輸部門、民生部門のそれぞれについて要因分析をしたものでございます。主なものを拾い上げてみますと、増加要因、これは上の方に突き出た棒グラフでありますけれども、民生(業務)部門の業務床面積、それから民生(家庭)部門で世帯数というのがあげられます。
 また、産業部門、運輸(旅客)部門で、エネルギーの消費原単位が増加要因になっています。これは産業部門の中の産業構造にも関連するものですし、また、運輸部門では、自動車そのものの大型化の指向が依然として強いこと。また、実走行の燃費が悪くなっている。つまり、都市部を中心とした渋滞が依然として増加の要因になっているといったようなことが言えます。
 C02 の排出原単位、これは産業部門、民生(業務)部門、民生(家庭)部門で、C02 の排出量を下げる要因として挙げられておりますが、これは冒頭申し上げました、電源構成の変化によるものが大きく寄与しているわけであります。
 今、申し上げたことをポイントだけまとめたものが、次のページでございまして、部門別に見た増加要因としては、運輸旅客部門では輸送量そのものがふえている、民生(業務)部門、民生(家庭)部門では、床面積、世帯数がふえているということが増加の要因になっております。
 逆に、減少では、産業部門の産業構造の変化ということで、素材型のエネルギーをよく使う産業からそうでないものへの構造変化が起こっているということが要因として挙げられるのではないかということであります。
 さらに、その下に、横断的要因ということで、増加の要因としてはエネルギー消費原単位が増大しているというのが産業、運輸、民生、家庭に見られるものでありまして、それぞれはそこに書いているようないろいろな要因が考えられる。また減少の要因としては、電力のC02 の排出原単位の改善ということが産業、民生に特にきいているということが挙げられると思います。
 以上のような要因分析をいたしまして、そして、今後、2010年までに現行の施策を講じた場合にどうなるかということを検討する次のステップに入っていくわけでございます。
 次のページの大綱に基づく2010年の排出量の推計の「固定ケース」というのが最初にございます。これは全くの仮定のケースでありますけれども、98年大綱が策定されましたけれども、それまでに導入された施策・対策を考慮し、それは対策として組み入れるが、それ以降は政策・対策の効果がない。つまりその時点で、ある程度の対策技術の普及があったとしても、その以降は普及が伸びないというような仮定をした場合でありまして、通常今まで基準ケースとか成り行きケースといったようなものにほぼ相当するようなケースであります。
 続きまして、この「計画ケース」というのは、2001年2月、現時点ということですけれども、これまでに決定された確実性の高い政策・対策が今後2010年までに実施されるということを想定した場合でありますので、個々の対策技術も今の対策を続けると、自主的に取り組みにしろ、さまざまな法的な政策措置がきいてきて、普及率は徐々に上がっていくというような想定をしたものでございます。
 そして、この2つのケースのベースになっている活動量のシナリオ、これは輸送量、生産高など、さまざまなものがありますけれども、これらは現在関係省庁が発表している最新の主要経済活動の指標の将来予測値を参考にして設定したものです。したがって、私どもが独自に全く新しい設定をしたというものではなく、政府が発表した2010年の予測値を使ったということでございます。
 具体的には、資料3-2の3ページにございますが、今説明の時間がございませんので、後ほどごらんいただければと思います。
 こういうケース分けと、そして活動量の設定をした上で、具体的に予測をしたものが次からのグラフでございます。
 まず、その次のページには、温室効果ガス総排出量の予測結果を示したものでございまして、これからのグラフはいずれも基準年の排出量を 100とした指数で表しております。トン数ではございません。
 この計画ケースの場合も、さらに2つのケースを想定しています。1つは、原子力発電所が13基、これは平成12年度の電力供給計画で2010年までに運転開始が予定されている原子力発電所の増設があった場合、それから原発7基新設ケースというのは、これまでに電源開発調整審議会で答申がなされて、今後、建設に移るというもので2010年までに運転開始が予定されているものと、この2つのケースについて排出量の予測をしたわけであります。この原子力発電所につきましては、対策というよりも所与の条件として活動量のシナリオの中に含めて、その上でさまざまな削減対策を考えたというものでございます。
 結果だけ申しますと、7基の場合には 108、そして、13基の場合には 105ということで、京都議定書の目標94に対して指数で申し上げまして11ないし14オーバーしていることになるわけであります。
 次に、そのエネルギー起源のC02 の排出量だけ取り出したものが次のグラフでありますが、いずれも 114、 109ということで、先ほどの全体の総排出量に比して、エネルギー起源の排出量の伸びの方が若干大きいというふうに予測されております。
 今度は、エネルギー起源の中の部門別に見たものでありまして、エネルギー転換部門、これにつきましては 114、または 109ということでございます。
 さらに、産業部門、排出量は、これは基準年を 100とした場合には、現在でも減っていますが、2010年も96または94ということで若干減るという予測をしているわけでございます。
 一方、運輸旅客部門になりますと、過去の実績をごらんいただくとわかりますように、現在でも既に 132ということで、32%既に上回っているわけでありますけれども、これが先ほどの旅客輸送量がふえているということを考慮して、さまざまな現行の対策をやったとしても、 142または 141ということで、依然として伸びていくという予測結果でございます。
 次は、貨物部門でありまして、これは過去の実績を見ますと少しずつ増加して98年 106ということになっておりますけれども、今後は、貨物輸送量そのものも非常に大幅に伸びていくということではなさそうでありますので、さまざまな対策を加味した結果は、現状とほぼ同じぐらいの 105という予測になっております。
 続きまして、民生(業務)部門は、これは現状でも 116ということで少しふえているわけでありますけれども、先ほどの要因分析で申し上げました床面積が、これから日本全体の産業構造の変化を反映して伸びていくということはあり得るだろうということで、それを前提に123、または 115という予測結果になっております。
 続きまして、家庭部門でございます。
 これも基準年の100に比べまして、また現状の数値に比べましても世帯数の増加を反映して伸びるということで 119、または 114という結果になっております。
 続きまして、エネルギー以外のC02 、それからメタン、一酸化窒素、これを全部まとめた形で次のグラフに載せておりますけれども、これは現状までは伸びておりますけれども、今後さまざまな生産段階、使用段階での対策がきいてくる、また、エネルギー以外のC02 では、例えばセメント産業等が主要な排出源でありますけれども、そういった産業そのものの変化がこれからもあり得るだろうということで、それを反映して、 100に対して87に減少するという予測結果になっております。
 最後に、HFC、PFC、SFC、これにつきましては、1995年を基準年といたしておりまして、最近減ってきておりますけれども、今後、これにつきましては、生産、使用段階での排出削減、それから自主的な回収、破壊といった取り組みが進められることを反映いたしまして、将来的には79と、かなり減少していくのではないかという予測をしたわけでございます。
 以上の排出量の予測結果をまとめますと、まず上の方の四角に書いておりますように、原発が13基の新設の場合には基準年に比べて5%増、7基の場合には8%増ということであります。
 大綱の目標値との比較がその下でございますけれども、目標値の比較で増加しているものを見ますと、エネルギー起源が大綱での目標でプラス・マイナス・ゼロですが、我々の今回の予測結果では 9.3%増加ということになっております。その下に、細かい字で部門別の増減の比較がなされております。
 それから、減少では、非エネルギー起源、これが大綱ではマイナス 0.5%と予測していたものがマイナス 0.8%ということで、大綱に比べて若干減少するということになっております。
 それから、HFC等3ガスは、プラス2%程度という目標であったものが、マイナス 0.9%ということで、これは減少に転じるという予測結果になったわけでございます。
 いずれにしましても、5%、8%増ということは、マイナス6%に対して11%、または14%さらに削減が必要ということでありまして、さらなる対策の掘り下げが必要になってくると考えております。
 次に、検討会ではこの掘り下げるべき対策がいかにあるべきかを検討したわけでありますけれども、時間的な制約がありまして、今回は、対策を強化したケースがどういう姿になるかということころまでに至らず、まずは最初のステップとして、技術的に見た場合にどのぐらいの削減の可能性があるかというところまでを出したわけであります。
 その削減ポテンシャルというのは、対策を進めていくためには、さまざまな制約条件があるわけですけれども、ここで考えておりますのは技術的な制約は考慮しております。例えば、これからある技術を研究・開発して2010年までに 100%導入するといったようなことは現実的にはあり得ないわけですが、既に現在でも開発されてある程度実用化されているものがさらに普及していくというようなは対象として考えていく必要があります。
 それから、時間的制約、2010年という期限を切っておりますので、そこまでにどのぐらいの普及が進むかということを考えます。
 それに対しまして右側に書いてありますような、資金的な制約、社会的に受け入れられるかどうか、さらに技術の普及を促進する制度があるか、または普及を阻害しているような制度が取り払われるかどうかといったようなことは、今後、さらに検討しなければいけないということで、今回のポテンシャルの検討ではこういった制約条件をある程度捨象して検討したものであります。
 それで、一番下に書いておりますように、資金的、社会的、制度的な条件はある程度捨象した場合の技術的観点からの削減ポテンシャルを算定してみたわけです。
 次のページのグラフで、これは先ほどもご説明したとおり、計画ケースで、2010年には 108ないし 105という予測です。
 削減ポテンシャルとしては、これはトン数でありますが、1億 1,900万トンから2億 2,100万トンC02 の削減ポテンシャルとしてあり得るのではないかということであります。そして、これを加味しますと、先ほどの 108、 105という指数が、ここに書いてありますように89、ないし98、または87、ないし95というようなところまで達するということでございます。
 このページの表題、「削減が可能」というふうになっておりますが、これはちょっと誤解を招きますので、今、OHPのスクリーンには「削減の可能性」と訂正しておりますが、「可能」ではなく、あくまでも「可能性」の方まで、第一段階の可能性を計算したということでございますので、恐れ入りますがご訂正をお願いいたします。
 それで、専門家にご意見を伺いながら各部門別に削減ポテンシャルをさまざまな部門ごとにどういう技術があり得るのか、それがどのくらいの普及をするかということを、あくまでも技術的、時間的な制約の条件のもとで試算したものでございます。このグラフは左側に、例えばエネルギー転換部門33という数字がありまして、棒グラフの一番右側に56とありますが、これはポテンシャルが33から56の間というふうにご理解ください。なるべく最大限の削減ポテンシャルを試算しようとしたわけでありますが、非常に不確定要素が多いわけですので、見方もかなり異なってくるということで、こういう幅で表さざるを得なかったわけでありますので、そういう性格の数字だというふうにごらんいただきたいと思います。
 単純に量的に見ますと、エネルギー転換の産業部門と、それから運輸部門、HFC等の3ガス部門、こういう順でかなりのポテンシャルがあり得るということがわかったわけであります。
 これらについて詳細な算定項目につきましては、きょうお配りした資料の3-5の報告書の中にも総括的なものは含まれておりますが、さらに部門別の報告書がございまして、きょうは省略させていただきましたけれども、検討会では、そこまでの検討をやった上でのポテンシャルを出していただいたわけであります。
 それをもう少し簡単にしたものが資料3-2の9ページに部門別の排出削減量、ここには低位、高位というふうに書いてありますが、これが先ほどの説明いたしました不確定要素を含んだ幅で示した一番低い値と高い値というふうにご理解いただきたいと思います。
 最後に、OHPに戻りますが、削減の可能性までいったわけでございますが、これですべて結論は出たわけではございませんので、今後、6%の削減という目標達成に向けて部門別にどこまで削減が可能かどうかということを先ほどは捨象いたしました資金的、社会的、制度的制約も加味しながら実現可能な削減量ということをこれから検討していく必要があるわけでありまして、そういう削減量の精査というのが今後の課題として残っております。
 また、対策技術の開発導入のインセンティブを与える対策推進メカニズムということで、技術的な対策を支援、促進させるためのメカニズムの検討が当然必要になってくるということが方針としてうたわれております。今後、目標達成シナリオ小委員会で主として上の課題について、そして、下の課題について、国内制度小委員会で議論していただきたいということが、今後の検討方針として、打ち出されたものでございます。
 ちょっと長くなりましたが、以上で説明を終わらせていただきます。

○安原委員長 石飛調整官どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に対しましてご質問、ご意見がございますか。
 浅野委員、それから天野委員、それから猿田委員。

○浅野委員 検討会の皆さんに大変貴重なデータをつくっていただいたことに感謝したいと思います。読み方がよくわからないということで質問をするんですが、今の削減ポテンシャルのところから今後の検討で一番重要な部分の1つだと思っておりますけれども、ここである程度捨象してという非常に微妙な表現なんです。以前にこういう仕事をやったときには、ほとんど捨象していましたので、今後はある程度捨象というふうに書いてあるので、これどういうものかなということが疑問なんです。
 つまり、二通りに読まれるわけで、相当乱暴に、できるかできないかは制度的な面で、仮に現状ではなかなか難しいかもしれないけれども、仮にやるとすればという形で捨象することがありますね。技術的には十分できると、ただ制度的、資金的、経済的さまざまな制約があるけれども、それはこの際無視してやれると仮定すればという捨象の仕方もありますし、それから、ものによってはソフト面をセットすることによって、もっと効果が上がると。ただ技術面だけでは、これまでしかいかないけれども、ソフト面、制度的な面を加えればもっといけるというものもある。
 以前の検討会では、そういうフソトをプラスするということは一切抜きにして技術的にプラスできるものだけで処理をするという想定をしたこういう作業があるわけですけれども、今回のは、捨象してというのはどっちの意味なのか。あるいは両方組み合わされていて、ある部分では前者、ある部分では後者というふうに組み合わせなのか、それともどうなのかという、表現しにくいのである程度と書いてあるのでしょうけれども、実際に検討するときには、どこがどの程度捨象されているかを見ないと議論がしずらいなと思ったので、概略的にも説明できれば説明をお願いしたい。

○地球温暖化対策課調整官 ある程度という非常にあいまいな表現をしたのは、部門別のバランスをとるとまさしくそれ以上の厳密な表現がなかなかしずらい状況があったもので、こういう表現にさせていただいたわけでありますけれども、それぞれ、先ほど申し上げましたように、どのぐらいのポテンシャルかということを大きな幅を持った結論を出しているわけでありまして、専門家の中でもこのぐらいだったらいいのではないかとか、いやこのぐらいもっと削れるのではないかというような議論がありました。そこで個々の対策技術のポテンシャル算定の前提は、部門別の分科会のレポートで書いておりますので、そういったものを参考にしながら制度の検討につなげていかざるを得ないという、若干あいまいさを含んでいるものということでございます。

○安原委員長 よろしいですか。
 では天野委員。

○天野委員 今のご報告で3種類のデータがありましたが、最初は要因分析、それから2番目が2010年の予測、最後が削減ポテンシャル。この要因分析の数字ですが、これはエネルギー転換部門の電力分を配分した後のデータが示されているとして右に並んでいるというふうに理解してよろしいでしょうか。
 多分、あとの2010年の予測値というのも、そういうふうに電力部門を各部門に配分した後の産業部門なら産業部門のデータということだと思うんですが、最後の削減ポテンシャルのところは、年間非常に大きい値が出てきます。この数字も電力部門のものを産業部門に配分した後のものですか。
 そうしますと、質問があるのですが、資料3-2というのがありますけれども、これの5ページに、産業部門のエネルギー消費原単位のトレンドが書いてありますね。90年からあと、ほとんどのところで右上がり、つまり原単位の面では排出は増えているはずです。しかしCO2は減っているとすれば、おそらく電力部門から配分したところで減っているのであって、産業部門だけではプラスだと思うのです。
 そうなりますと、いろいろな予測を部門別でやって、どういうところに重点を置くべきかという議論をするときに、それぞれの部門が独自に行っている努力がわからなくなる。電力部門での削減が多く入っている部門は削減努力が大きいように見えてしまって、どこに優先順位を置くかということを見る指標にはならないのではないかと思うのです。ですから、2010年の予測をしたり、あるいはポテンシャルの計算をしたりするときには、エネルギー転換部門からの配分を除いて、独自にどれだけ減らせるかという数字を一緒に提示すべきではないかと思いますがいかがでしょうか。

○地球温暖化対策課調整官 十分理解しきれなかったんですけれども、例えば、資料3-2で、今、天野委員からご指摘のありました5ページの産業部門の図の4は、主要4業種だけをピックアップしたもので、C02 の排出量原単位が電源構成によってどう変化したかということを加味しない、あくまでもエネルギー消費原単位として表したものでありますので、産業部門ではこういうものを示しながら、これがおっしゃるとおり右肩上がりになってきていることが今後の対策の検討の出発点としては、我々としては重要な分析手法と考えています。C02 の排出原単位は電力に由来するもので、エネルギー転換部門での対策につながってくるわけでありますが、それ以外の部門で対策が必要になってくるもの、それは主としてエネルギー消費原単位というところにかかってくる。そういうものをいかに下げるかということがわかるようには要因分析をさせていただき、今後の対策には、そういうものを見ながらどこの対策を重点に置いていけばいいのかということは検討していきたいと思っております。

○天野委員 今の主な変動要因のグラフで、C02 排出原単位というのと、すぐ横にエネルギー消費原単位というのがあって、私が申し上げたのはこちらで増加しているということです。その左の方のC02 排出原単位とありますけれども、これは産業部門が独自にC02 の排出の少ないエネルギーを使うというやり方をした場合と、電力部門でCO2を減らすと、産業部門で何もしなくても、買ってきている電力をつくっているところがCO2を減らすと、産業部門で減ったように見える。ですから、産業部門独自で減った部分が分かるように書いていただけないかという趣旨なんですが。

○地球温暖化対策課調整官 申しわけございません。ちょっと取り違えておりましたけれども、ご趣旨はわかりましたので、それについては、今後の検討の中で資料提供できるようにしたいと思っております。きょうは準備できなかったことをおわび申し上げます。

○安原委員長 それでは浅岡委員、その後寺門委員、それから猿田委員。

○浅岡委員 今回、教えていただければと思いますのは、98年の値をベースにして2010年度の数を出していらっしゃると思いますが、99年度の排出の速報値が出ていると思うんです。それは98年それよりは数%上がっていたのではないか、2000年もそのようなのではないか。
 それをここに当てはめていきますと、単純にはいかないでしょうけれども2010年の値というのは上がると見るべきなんでしょうか。
 それから、資料3-2の3ページ、例えばなんですけれども、3ページの表2を見ますと、旅客輸送量のところ、旅客用自動車保有台数が2010年には恐ろしくふえる予測が出ていますけれども、これも先ほど説明がありましたような、関係省庁で発表されている最新の経済活動指標の将来予測値を参考にした、例えばこういう値が国土交通省等の予測としてあるということであるということなんでしょうか。電力消費量としましても、それらを当然の前提としてここで計画を考えますと、適切とは限らないようなこともあちこち出てこないかなと思いますので教えていただければと思います。

○地球温暖化対策課調整官 まず1点目の、99年度、確かにエネルギー起源のC02 については速報値が出されておりまして、これだけ見ると98年度に比べて増加をしているということは承知しておりますが、まだ、この検討を開始した時点ではまだ出されていなかったということと、99年度については、温室効果ガスすべてのものについてデータがそろっていないということ、さらには、98年に地球温暖化対策推進大綱が策定されたということで、一応この時点をベースにしようということで検討が始まりましたので、この報告書では98年をスタート時点にして予測をしておるわけでございます。
 もちろん、浅岡委員ご指摘のとおり、仮に99年のデータを出発点にすると、もちろん単純には計算はできません。さまざまな計算をする必要がありますけれども、これよりも少し大きな伸びになるのではないかということは感覚的には予想されますけれども、それはまた、99年のデータが確定次第、そういった検討を改めてやって、今後の検討に反映していく必要があるのではないかと思っております。
 それから、2点目の、旅客用自動車の保有台数、確かに非常に大きな伸びを示しておりますが、これは、国土交通省の発表したデータをそのまま使っているものでございますので、一応これも固定ケース、それから計画ケースのベースとして、非常に大きな伸びが予想されるということを前提にして計算をしているものでございます。

○浅岡委員 それからもう1点、3月16日ですか、ヒマラヤの方で、総合新エネルギー調査会の協議会委員会が開かれて、これこれでこれだけの資源が中へというふうな検討をされたという新聞報道を拝見しておりますが、そこには細かくこういう対策でというふうなことを報道ですからなるたけ真実しか知りませんので、一部だけ拝見しているんですが、具体的な記述や数字が出ていますが、これらは、ここで言うところの新たな削減ポテンシャルの可能性の中にこうしたものも入っていらっしゃるのか、それがどういうふうな関係になっているのかというような、きょうは難しいかもしれませんけれども、また教えていただければと思います。

○地球温暖化対策課調整官 私どもも十分に精査したたわけではございませんけれども、経済産業省の方ではエネルギー分野のC02 の削減ということを省エネの部門での将来の予測をなさっておられるわけで、その中には我々が検討しているものも、一部ではあると思いますが含まれているというふうに承知しております。
 それ以外にも、新エネルギーなどにつきましては、また別の検討部門でなされておられると思いますけれども、私どもの検討会では、省エネ以外の新エネルギーなどもポテンシャルに含まれております。

○安原委員長 それでは寺門委員、その後猿田委員。

○寺門委員 こういう検討というのは各方面でやっていただくことは大いに結構だと思うんですけれども、とにかくあちこちで同時に走っておりまして、両方に参加してますと、どこに行き着くのかがよくわからないんですけれども、少なくとも、この可能性というのは可能性としてどのぐらいあるということをどういうふうに使っていくのかということが次の問題になるわけです。だから、どういう技術的専門性のある方がやられたか私はよく知りませんが、そういうプラクティカルに実現していくときに何が問題かということをもうちょっと広めて議論していかないと、なかなか話だけがこんなにありますよということだけが一人歩きして大変問題だと思います。常にこういうものの数値の中身というのはいろいろ解釈があるわけで、例えば産業部門のさっき鉄鋼なんかも書いてありますけれども、簡単に書かれますけれども、こういうものは極端に言うと、環境対策をやりながら電力を回収するという、環境対策だけは事業の方に残って、回収電力だけは別の方に移動してしまうとかになってしまいます。数字は専門家が見ると全く違うものがこういうふうに表現としてあらわれてくるわけです。だからそういう意味では、ずいぶん見方が違うので、これはやっぱりそれなりに前提を明らかにして出していただくというか、ぜひ別の検討のところの部門とつけあわせて、議論していただいて、間違っているところは間違っているということで修正していただくような、そういう作業をしていただきたいなというふうに思います。
 それから、当然、エネルギーが増すと炭酸ガスがふえる場合に、別の対策として新エネルギーなどが出てくるわけです。具体例を上げて申しわけないんですけれども、環境省の中でも規制がありまして、実際に風力をやってみようと思っても、ものすごく制約がかかって実際にはできない。日本全体では総論で幾らでも発電できますよというようなことが一人歩きしますけれども、実際にやってみるとものすごい制約がかかって、実際には動けないんです。そのバランスというのは難しくて、こちらの部局はここのところだけを見ます、またこちらの部局はこちらだけですと言ったら、これはどっちを重視するのかという議論に必ず行くわけです。インセンティブ以前の問題というのがかなりありまして、その制約というのはどういうような理由で制約になっているのことははっきり出さないと、推進するときに対策が見えてこない。そういうこともぜひ明らかにしていく必要がある。やっぱり片方の言っていることも当たり前だし、片方の言っていることも当たり前なんで、そこをどういうふうに調整するということでは解決しないわけで、それを乗り越えないとできない。片方には公園の景観重視というのをしっかりやっているけれど、そういうところに風力発電の立地のチャンスが非常にあるということです。具体的にやりますとはっきり言えるわけです。そういうことを乗り越えていかないと自然エネルギーは物すごく美化されて、片方では推進が叫ばれるけれども、実行するときには非常に困難ということが現実に起こっておるわけでございますので、ぜひそういうことも、全体としてトータルで出て来るわけです。そういう材料を出していただきたいと思います。

○安原委員長 予定の時刻を少々過ぎてまいりましたのでちょっと延長させていただきたいと思います。
 それで、あと猿田委員のご意見を伺いまして、簡潔にお二人に述べていただきまして、それでこの問題は終わりまして、もう1つ議題がございますので、それに入りたいと思います。
 それでは猿田委員。

○猿田委員 ありがとうございます。
 ちょっと伺いたいんですが、資料の3-1で教えていただきたいんですが、大綱に基づく2010年の排出量推計というところで計画ケースの中で、確実性の高い政策・対策が実施されることを想定して設定したと書いてありますね。それを前提にして、そのものを排出量の予測などで、次のページに入りますけれども、原発7基、あるいは13基の新設のケースとして想定している。資料の3の右の3ページの表の中でも、ケース1、ケース2で原子力13基、あるいは7基というふうに増設が掲載されておりますけれども、今後、現実問題として、こういう策定のあり方について検討していく中で、やはり、この原子力13基、あるいは7基の新設というのは過去の前提としていかなけければならないのか、最悪の場合にはゼロということもあり得るわけですね、新設が難しいということもあり得るわけですので、やはり最低でも7基新設、うまくいけば13基ということなんでしょうけれども、こういうものによるC02 の削減ということを前提にした全体のケースを見ていかなければいけないのか、その辺をちょっと教えていただきたい。今後の検討のあり方に非常に影響してくるんじゃないかなと思うんですが、その辺……あくまでもこれが前提なのかどうかということをちょっとお聞きしたいと思います。

○安原委員長 続きまして、横山委員。

○横山委員 よく読めば内容を……するのかわかりませんけれども、前提としては、京都メカニズムと森林吸収については全く入ってないわけです。そういうことになると両方が入ってくるとさらにその分は削減されると、もうちょっと条件としては緩和されるというふうに理解してよろしいでしょうか。

○地球温暖化対策課調整官 まず猿田委員のご質問についてですが、13基、7基というのは資料3-2の3ページにもございますように、現時点での政府の中での計画決定、又は審議会での決定というプロセスを経たものに基づいて出したものでございます。
 そうは申しましても、13基と7基という2つのケースを出さざるを得なかったというのは、やはり現状でも将来の予測をする上で、必ずしも統一した条件設定ができないということを反映したものです。13と、7のどちらが正しいのか、またそれよりさらに減るのかどうなのかということについては、幅があるものでありまして、その中でもより現実的な線で検討する必要があるというのは、ご指摘のとおりだと思います。
 しかし、この現時点での政府の決定や計画に基づいてやるという前提にしておりますので、それにとどまっているということでございます。
 それから、横山委員からのご指摘の、京都メカニズム、森林吸収、これは検討の対象にしておりません。今後COP6の再開会合を待ってそこが明らかになるという要素もあるわけでして、この検討会では、国内での削減技術がどのぐらいのポテンシャルがあるかどうかということに限定したものでございますので、全体の対策体系から見ると、ご承知のとおり京都メカニズム、森林による吸収が加味されて6%の達成ということになってくるわけであります。

○安原委員長 それでは、まだいろいろご意見あろうかと思いますが、時間が大分過ぎておりますので、今の議題はその程度にしたいと思います。
 それで、最後の議題でございますが、今後の当委員会における検討方針につきまして、ご議論をいただきたいと思います。
 資料4を用意をさせていただいております。
 この内容につきましては、私と事務局の方で相談させていただきまして、事務局の方で作成していただいたものでございます。説明をお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 それでは資料4に基づきまして、今後の検討方針についてご説明申し上げます。
 基本的な検討方針、部会のときにも、あるいは本日の議題1でもご了解得られておりますものですから、簡単にまいりたいと思います。
 最後の参考として、国内対策の対象とすべき主な温室効果ガス排出源の例というのが表にして整理してございますが、これは対象がまだ6つの毒ガスだということと、それぞれ排出源主体に沿って整理すると1つの整理でありますが、このようになるわけでありますが、基本的にはこういった排出源ごと、あるいは毒ガスごとに今後検討をしていったらどかということでございまして、3ページ目にございます、3番の今後の検討スケジュールでございますが、2回から6回までそこに日付も時間も用意してございますが、各回それぞれ例えば第2回でございますと、民生部門における取り組みの強化と今後の対策の在り方、それから、非エネルギー起源の二酸化炭素、メタンなどの現状の評価と今後の対策の在り方ということで、部門ごと、分野ごとに対策の現状の強化と今後の在り方についてそれぞれ2回、3回、4回まで、それから5回目には京都メカニズムなどの活用の在り方の基本的な考え方、それからもう1つの課題でありますモニタリングなどの基盤メカニズムの在り方について第5回。
 それで、第6回、いわば若干予備日的な扱いでございますが、第6回、さらに7回もあるかもしれませんが、ことしの夏ごろ、7月の上旬ぐらいには部会の方に中間的な報告を挙げるというようなスケジュールでいかがでございましょうか。よろしくお願いいたします。

○安原委員長 ありがとうございました。
 今ご説明がありましたように、この制度の検討の小委員会としましては、2ページ目にありますように、ポリシーミックスによる政策パッケージの具体案、それから、京都メカニズムの活用をどう考えていくか、それから基盤メカニズムの具体化と、こういう3つの課題がございますので、一方で7月ぐらいをめどに中間報告をすることが求められているということがございまして、日程を設定いたしまして、それぞれ課題を一応割り振ってみたということでございますが、こういうテンポで、こういうテーマについて検討をしてまいってはどうかということでございます。
 これにつきましてご意見をございましたらどうぞお願いしたいと思います。
 甕委員。

○甕委員 先ほどの技術評価、そちらの方では、技術的な制約関係ということで具体的にどう考えて、資金制約、社会制約、制度制約は一応置くということと、我々の方はそういう国内の制度を考えよというわけですから、いずれは両論突き合わせて具体的なシナリオの作成が新たにできるものではないかと思うんですが、私、ここに具体的な提案をすると書いてあるんですけれども、数量的な検討をしないで、どこまで具体的な提案ができるのかというのをちょっと疑問に思うんです。ですから、例えばそういうものでどんなことをやれるかということでも、訂正的なことを言っていれば今でも議論を繰り返し、回ってしまう懸念が非常に強くいかれまして、技術会と数量的な評価を入れながらこういう制約を除くような道をとればどれだけの効果が出るのかということ。ポテンシャルの何割ぐらいがそれで数字が制約できるのかということをいちいち確認しながらシナリオを書いていくのが、具体性な提案をつくるためにどうしても必要になるのではないかと思うのんですが、その辺がよくわかりませんので、ここの小委員会で、ここの小委員会だけの、会議で議論をして、それをまた私個人の……、そのあたりが非常にわかりずらくて、最終的に数字が入って社会的要因、資金的要因、制度的要因も全部入ったシナリオがいつごろできるのか、そのスケジュールも一緒に考えるべきではないかと思うのですが、ここなんか直近の話だと、さきに誘導するかというと議論する必要があるかなという気がするんですが。

○安原委員長 竹内課長。

○地球温暖化対策課長 申しわけございません。今の資料4の参考2というページでございますが、この部会にもう1つ目標達成シナリオ小委員会がございますが、第1回目が今月25日に行われる予定でありますけれども、これも国定制度小委員会と同時並行で行っていただくということで何をやるかということでございますが、本日ご報告させていただきました、シナリオ策定調査検討会のポテンシャルをさらに精査、充実、評価しまして、確実なといいますか、さまざまな条件を用意して、そこで削減ポテンシャルというものを固めていこう。そこで、本日の国内制度小委員会の方にぜひインプットしてその削減ポテンシャルを見ながら、それぞれの分野ごとの対策方針をご審議いただこうというふうなやり方で思っておりますが。

○安原委員長 天野委員。

○天野委員 今のご説明なんですけれども、資料4の3ページ目に当たるかと思うんですが、本年夏ごろに地球環境部会中間報告を出すと書いてありますけれども、その間に、今おっしゃった、目標達成シナリオ小委員会と並行して議論するということは予定されてないと思うのですが。ところが、その次の参考2を見ますと、2001年夏には中間答申をまとめるとあって、これは議論が済んでしまった形になっている。ということは、お互いにやりとりしないで、それぞれから出てきたものをまとめて中央環境審議会の中間答申にするというふうに見えるのですが、私はそれでいいのかということをお伺いしたいと思います。

○安原委員長 浅野委員。

○浅野委員 二つの小委員会が作業を行っているわけですが、その情報交換をうまくしなければならないという天野委員のご指摘はそのとおりであろうと思います。全体のとりまとめを行う責任は部会にあるわけです。各小委員会がだした報告をとじ合わせて、これがとりまとめでございます、ということでは不十分であることはよくわかっております。できるだけシナリオの小委員会の作業を急いでいただかないとこちらの小委員会はやりにくい面があることも事実でございまして、そちらから情報をいただいて、どのような必要に、どのように対応すべきかを考えるということであろうかとも考えられるところです。各ポイントごとの検討結果を、あるいは中間的な検討内容を、適宜こちらに回していただいて当委員会の討議に資するという形がとれるよう、事務局にはお願いをいたしたいと考えます。

○地球温暖化対策課長 天野先生のおっしゃったことはうまく実現できるよう努力をいたしますのでよろしくお願いいたします。

○安原委員長 寺門委員。

○寺門委員 12日からスタートします第2回目では民生部門等を検討するんですけれども、シナリオ委員会の方で現状の数字と今後の予想をされるのでしょうが、そういうものが、その分野について提案されると、それを前提にして今後議論されるということなんでしょうか。どういうふうに進むのかということがよく見えないので、お聞きしたいのですが。

○地球温暖化対策課長 基本的にはそういうやり方をしていきたいと思っております。ただし、大変両委員会の先生方お忙しい方ばかりで、日程上、シナリオの方がこれよりも前に必ず来るかどうかというのは微妙で、確定的なものは申し上げられませんけれども、できるだけそんなふうな形にしたいと思います。また、そのふうな形じゃないとこちらのご議論もうまく進まないんじゃないかと思っておりますので、ぜひそのような方向でやりたいと思っております。

○寺門委員 ということは、要するにある程度小委員会で出ているということ、それはかなりの分はリンクしているということですね。、シナリオ委員会の方では、こういうふうに見れるが材料はそういう材料だと、そういうふうに理解すればよろしいですか。

○地球温暖化対策課長 そのようなやり方でやりたいと考えております。

○安原委員長 ほかにありますか。
 今、天野委員からご指摘の点、できるようでございますので、シナリオにつきましての小委員会とよく連携をとりながら、それを横目でにらみながらこちらで具体的に制度づくりにどう進めていったらいいかということでございますので。そして、余り抽象論をしている段階ではございませんので、具体論の検討を進めなければいけないということでございますから、事務局の方に頼みまして、できるだけ具体的な提案をベースにして議論を進めていっていただければと考えています。できるだけその方向での努力をしていきたいと思います。
 それでは、用意されました資料4の案の進め方につきまして、ご了解をいただいたということでこういう進め方をさせていただいてよろしゅうございましょうか。
              (「異議なし」の声あり)

○安原委員長 ではご異論がないということで、そのように取り進めをさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 一応、ここにございますように、この小委員会から、地球環境部会への中間報告のめどは本年7月ということでございますので、ぜひご協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、次回はここに示されておりますように、4月12日2時からちょっと時間が長いんですが4時間ほど予定していまして6時までということでございます。場所等につきましては、追ってまた事務局から連絡をしていただくことにいたします。それでは、長時間のご審議ありがとうございました。これをもちまして、本日の審議を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

午後零時20分閉会
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