中央環境審議会地球環境部会(第7回懇談会)議事録

日時

平成19年11月22日(木) 14:00~16:00

場所

環境省第1会議室

出席委員

(部会長代理)浅野 直人
(委員)   浅岡 美恵 大塚 直
       武内 和彦 猪野 博行
(臨時委員)
       青木 保之 石坂 匡身
       及川 武久 鹿島 茂
       川上 隆朗 木下 寛之
       小林 悦夫 塩田 澄夫
       須藤 隆一 大聖 泰弘
       高橋 一生 中上 英俊
       永里 善彦 長辻 象平
       福川 伸次 横山 裕道

議事次第

低炭素社会の検討について

 ○伊藤 滋  早稲田大学特命教授
 ○桜井正光  株式会社リコー代表取締役会長執行役員

配付資料

資料1   都市計画による低炭素化の試み
      (早稲田大学特命教授 伊藤 滋)
資料2   リコーグループの環境経営(低炭素社会への実現に向けて)
      (株式会社リコー代表取締役会長執行役員 桜井正光)
資料3   第1回~第5回懇談会のヒアリング概要
資料4   中央環境審議会地球環境部会(低炭素社会検討)の開催日程

議事録

午後2時00分 開会

○浅野部会長代理 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会第7回懇談会を開催いたします。
 本日の審議は公開としておりますことをご報告申し上げます。
 それでは、事務局から資料の確認をお願いいたします。

○市場メカニズム室長 では、資料を確認させていただきます。
 議事次第に続きまして、資料1といたしまして早稲田大学、伊藤先生の資料がございます。資料2といたしまして、リコーの桜井会長様の資料がございます。資料3といたしまして、第1回から第5回までの懇談会のヒアリング概要ということで、お話をいただきました皆様方の内容を、キーワードごとに簡単にまとめてございます。各プレゼンテーターの確認をいただいたものを載せておりますので、一部まだ確認がとれていないものについては掲載してございませんけれども、お目通しいただければと思います。資料4といたしまして、開催日程でございます。

○浅野部会長代理 それでは、議事に入りたいと思います。
 低炭素社会の検討について一連のご意見の聴取を続けておりましたが、本日は、伊藤先生と桜井様、お二方からご意見を伺うことになっております。
 まず、国土計画、都市計画のご専門でいらっしゃいます早稲田大学の伊藤 滋教授からお話を伺いたいと思います。
 おおむね40分以内ということでお願い申し上げております。どうぞよろしくお願いいたします。

○伊藤 滋氏 なるべく早く終わらせるようにいたします。資料は50枚ぐらいありますけれども。
 一等初めは、今年の6月ぐらいでしたか、人口問題研究所が2035年の各県の人口推定を出したんですが、これを2050年に合わせて私が各県の表をつくりました。資料の6ページです。
 6ページまでのデータは、もう皆さんご存じのとおりですが、改めて言うと、5ページ、低位推計と中位推計はかなり違うということですね。2100年は、低位推計だと日本の人口は3,700万人になる。中位推計が4,700万、高位推計で6,400万、これ相当の違いなんですが、参考的にこれまでの常識を言っておきますと、ご存じのとおり、日本はずっと人口問題研究所の低位推計に従って動いてきました。中位推計でいくのではないかといつも期待しながら、実態は低位推計で来ておりましたが、どうも噂話を聞きますと、人口問題研究所もそれに懲りて、今までの低位推計を中位推計にしたという話です。ですから、そのラインでいくと私の6ページのデータ、これは中位推計に基づいているんですけれども、この数字は今までの中位推計よりはリアリティがあるかなということです。これだけ1つ、注釈です。
 2050年に何が起きるかといいますと、この表のとおりでございまして、秋田県が断トツに、2005年対比で半分以下になりますが、これは5つ、これも人口とか都市計画とか国土計画の常識なんですが、秋田、和歌山、青森、山口、島根、これが大体50%ぐらいにいきます。そして、これも常識ですが、沖縄県はどういうことか、ほとんど現状維持です。
 東京は頑張っているんですが、後ほど出てきますけれども、年寄りがべら棒に増えます。
 ついでに、6ページの左の方で青になっているところを見てください。北海道から東北6県プラス新潟県、これ全部青です。ここは2005年の人口が約1,760万、これが2050年に1,100万になりますから、約700万の減ですね。何を言っているかというと、暖房を使う所の人が減るので、少しはエネルギーを使わなくて済むかなということを言いたいだけの話なんです。(笑)
 これは私のジョークですけれども、でも、東北、それから北陸も、全部いなくなります。人口の減り方が激しいんですね。何やかやで日本海側の雪国での人口の減り方は、2005年と2050年対比で800万ぐらい減りますね。暖房費に関係するということです。
 次に、7ページ。
 7ページで重要なのは、真ん中です。年寄りがどうなるかということですが、生産年齢人口、これは政策投資銀行の藻谷さんという非常に有名な、元気なお兄ちゃんがつくった表ですが、2000年と2050年の対比で、これはちょっと統計が、藻谷さんは本当に働ける人口を20歳から59歳にしているんですが、これが大体7,000万から4,500万ぐらい減る。だけど年寄りはこんなに増えますよ、どうするんですかということで、その倍率対比をしたのが一番右側でして、2000年と2050年で一番働く20歳から59歳が0.6に近くなるんだけれども、年寄りは、一番ひどいのは80歳以上ですね、2.8倍になる。
 この人口統計は、いろいろな官庁統計で一番リアリティがあるわけで、みんなこれを使っているんですが、まさに年寄り社会を如実にとらえているわけでして、こういうところで、例えば対前年比人口1人当たり1%から1.5%に伸ばしていけるかということになりますと、もう一回藻谷さんの表に戻りますが、稼げる人は20歳から59歳で、これが0.6に減るわけですから、人口1人当たりのGDP1%というのは、大体働ける人が2%ぐらい稼がなければいけない、そういう状況が出てきそうだということです。
 8ページへ行きます。
 8ページは、実はこれ本邦初出なんですが、2003年に東京で第23回世界ガス会議が開かれました。そのときに、2100年の世界の各都市の将来像をコンペティションで応募を募りまして、日本のチームが2チームと世界から7チームかな、ブエノスアイレスとモスクワとバンクーバー、ベルリン、ボンベイ、上海、サンディエゴ、9チームぐらいで1等賞、2等賞を決めたんです。そのとき一等賞になったのがバンクーバーです。ベルリンは落選したんですが、ただ、日本と非常に似ていますので。2100年、これは世界のチャレンジャブルな年です。各チームが2100年に向けてどんなことを考えているかご紹介した方がいいと思いますので。
 私、これコンペで審査をやってまとめたんですが、さすがに2100年というと、専門家でも書き切れないんですね。ですから、これを2050年と置きかえるとちょうどいい感じなんです。それで持ってきました。日本の国立環境研が今年2月に出した報告にも「バックキャスティング」という言葉がございますが、これ、バンクーバーでは同じようなことを、4年前からバックキャスティングして、それから現在へ戻って戦略を立てるということをやっています。そのときのターゲットは、政府間パネルの「年間の1人当たりCO2排出量を1トンとする」これをもとにしてバックキャスティングして戦略を練っているわけですね。
 いろいろな戦略がありますけれども、ここに関係した戦略だけを取り上げました。
 9ページ、促進戦略、多目的利用空間と変換可能な構造設計。これは英語の下手な学生が日本語に訳したので難しいんですが、要するに、建物などは多重利用しようと。普通の学校をフルサービスのコミュニティスクールに変えて、小学校だけではなくて、そこで年寄りもみんな集まって楽しむんだ、場合によっては都市の中に畑が入ってもいいだろうと。
 具体的なエネルギー関係の指標としてそこのチームが言ったのは、低温熱のエネルギーネットワークに接続可能な建物ですね。これは皆さんご存じの下水利用とか、そういうことでしょう。それから、建物平均寿命。これは日本で言う200年住宅。これは当たり前ですが。それからもう一つは、2つ以上の用途のために設定された都市空間。例えば、丸ビルは昼間使っているけれども夜は学校にする、そういうことですね。これは実はバンクーバーだけではなくて、ベルリンも、それから日本でも共通して出てきています。多目的利用ですね。
 促進戦略2、これは絵姿ですが、時間がないので飛ばしますが、この英語を見てください。Adaptive re-useとかMulti-use buildingとか、そんなことが書いてある。
 1つだけ、私は建築屋ですので言っておきますけれども、彼らの描く建物の構造は、軽量デフラット、軽いんです。重いコンクリートではないんです。木質系で高気密、高断熱をやろうと。ですから、こういう絵姿になっているんですね。
 促進戦略3、ショート・ループと総合インフラ・ネットワークの計画立案。
 これは何を言っているかというと、要するに、コミュニティ、地域の中に働く所も遊ぶ所も学ぶ所も全部ひとまとめにして、例えば人口5,000とか1万単位で。なるべく遠距離通勤とか、荷物をあっちこっち遠距離に運ぶことをやめて自給自足型の地域社会をつくって、それをネットワークして全体を調整する。これもバンクーバーもベルリンも日本も全部同じです。それがショート・ループとネットワークですね。
 余剰はノードからノードへ容易に配分される、それは水、電気、熱、情報、全部そうだと。ノードとネットワークの関係は、ちょうど自然界の植物連鎖の複雑さを模倣している。
 何を具体的に都市計画の目標にするかというと、鉄道の停車場からなるべく近い所に住宅をつくろう、庭とか畑とかそういう所の近くに住宅をつくろう、細々した日常サービス、これもすぐ近くにあるような所に住宅をつくろう、こういったことですね。
 これも絵姿がかいてありますが、これは飛ばします。
 13ページ、促進戦略6、選択の多様性の向上。
 これも同じなんです。居住タイプや不動産保有形態の混合や多様性は、しばしば同一区域内においても促進される。こういうことを促進しようということですね。都市計画・建築規制は、目的を基礎としたものとなり、技術革新などに対して柔軟性のあるものになる。
 そのようなことで、戦略指標は、複数世帯居住単位を25%以上、要するに祖父さんと息子と孫と3世代居住とか4世代居住をもっとやるようにしようではないかということです。
 次に、ベルリンにいきます。
 ベルリンはバンクーバーと違いまして、バンクーバーは、2100年でも人口が増えるという想定なんです。なぜかといいますと、メキシコ系の連中がどんどんアメリカに入ってきますから、世界的な人口統計でも2050年のアメリカの人口は増えるんですね。ベルリンは、日本から20年遅れで急速に減っていきます。ですから、ベルリンの話のスタートは、人口学的な問題が待ち受けて、人口の劇的な減少をもたらし、これは安定化することなく減少を続ける。これは大変だということで、現状分析が16ページから。これは飛ばします。
 18ページを見てください。ここでベルリンの連中は、2100年に向けて提案しています。
 まず総論として、エコポリスとかインテリジェント化とかテクノポリス、いろいろ書いていますが、一番下に、しかし、ベルリンの100年後は現在の都市と余り変わらない。ヨーロッパ社会は、ご存じのとおり石とレンガの建物で、ベルリンも、第二次大戦でぶっ壊したものを元の形に戻してしまったんですよね。だからヨーロッパもフランスもイギリスもドイツもみんな、建物に関する限りは300年、400年使ってきたんだから、同じだと。400~500年の歴史の中で100年先の都市を考えたときに、変わるはずがないというのが前提です、建物については。
 人口統計。
 人口統計はドイツ人はおもしろくて、出生率が下がっているけれども、これを少しもとへ戻そうということが前半に書いてあります。高齢者が多い現在の人口構造は、100年後にはゆっくりと逆転していって、その後です、ほとんどの年代層の人数を同数に、ドラム缶のようにするんだと。そのためには出生率1%、これは再生産率だと2%ちょっとぐらいになると思うんですが、そのように変えるんだということですね。
 それから一番下に、これも日本と共通です。2100年には4世代、時として5世代が共に生きるわけだが、そのうち労働年齢にあるのはおおむね2世代だ、これは大変なことだということですね。
 労働です。
 労働は、3節目、サービス産業の仕事が増える、自宅に近い場所での雇用をつくろうと。人々の移動は、例えば今のように吉祥寺から丸の内に通うのではなくて、要するに双方的になるということですね。さまざまな場所で異なるスキルを柔軟に利用する。
 それから、空間利用。建物は今あるものを100年も使って、手直しをしながらいくんだということですね。
 それから、エネルギー。
 エネルギーは、もう当たり前です。要するに、トップダウン型から水平で交差連結型、これはどこの国でも言っていることです。
 問題は、ここで意識の問題を書いていまして、人々の心がけやライフスタイルに直結しているんだと。だから持続可能な未来を築くためには社会的な変化も重要だ、そういう政策的な措置が必要だ、だから政府も頑張って、技術屋だけに依るのではなくて啓蒙・宣伝してくださいと。
 交通手段。
 これは笑ってしまったんですけれども、ベルリンのように寒い所でも、自転車と歩くのを使わないともうだめだと言っているんです。上の方で「時代遅れに見えるかもしれないが、現在のところこれ以上の解決方法は見当たらない」というんですね。自転車と、歩く、これをやってくれということですね。
 それから、テクノロジー。
 ここで割合重要なのは、建物の建設と都市デザインのところで「ビルの密集度が中程度であればコストは削減され、社会的な質もメンテナンスも向上する」これは何を言っているかというと、ドイツやフランスやイギリスの既存の都心部の7階建ての長屋建築、マンション、それが一番いいんだと言っているんです。超高層とかそういうものをやると維持・管理のコストは上がるぞと。だから、現状のようなまちをつくりたいということを言っているわけですね。
 それから、教育。
 教育がおもしろいのは、さっきのバンクーバーと同じように「100年の歳月のうちに学校は次のような変化を遂げる」近所の子供たちが通う学校は総合的な地域の学校となり、世界的なネットワークにアクセスできる地域センターに変わるんだと。だから、もう年寄りもお父さんお母さんも子供も、みんな一緒になってそこで学習したり遊ぶというふうに学校の概念を変えていこうということですね。
 次に、娯楽。
 娯楽で一番重要なのは、4節目。「このコミュニティー・センターは、世界の娯楽ネットワークの入り口であり、世界中の人と共にエンターテイメントを楽しむことができる」これ、バーチャルに楽しむんです。「センターには、来場者たちが架空の世界に入り込んで探検を楽しむことができる大型スクリーンも設置されている」この後です。「日常の仕事から別の世界へと逃避できれば、人々の物理的な移動距離も、地球環境への負担も削減することができる」これ、議論しましたら、もう飛行機を使わないということです。飛行機燃料に代わるものがないから、飛行機は今よりずっと高くなって大金持ちしか使えないんだ、貧乏人はバーチャルで─100年後のバーチャルというのはほとんど実態と変わらないだろうから、こういうことをベルリンはやらなければいけないと。
 年寄りの連中が多かったので、それ以上の想像ができなかったので、問題は航空機です。
 結論は、社会的一体性。26ページですね。
 都市のシステムは変化し、以下のようになる。利用するスペースが減る、利用するエネルギーが減る、当たり前のことです。問題は、教育や訓練の建物をつくろう。これはちょっと違います。それからメディア、再生可能、オープンスペース、一応こういうことがベルリンの話です。
 次が、日本です。
 今年2月に国立環境研が出した非常に興味のある報告書がありまして、その中から、算術のところではなくて、専門家がやった交通と都市の部分のシナリオを抜いてきました。ですから、算術で70%削減で2050年に都市づくりができるという、そういう複雑なところは全部取っ払って、交通のシナリオと都市のシナリオのところだけ描いたんですね。
 女性の通勤目的が増加する、要するに、下に《シナリオ 地域内トリップ発生原単位》で、仕事関連のトリップが50%増える、60%以上は今のように呑気にしていられない、もっと働け。倍増える。それから、家事、買い物のトリップは30%減る。それから生涯学習、これはおもしろいんですね、バンクーバーもベルリンも同じなんです。生涯学習で通学トリップが増えるんだということです。それから、田舎は変わらないだろう。
 地域間交通は、ここに書いたとおりで、これはどうってことないんですが、今、言っている御託を29ページ、これを見てください。これで交通のグループのシナリオを整理しているわけです。2000年と2050年で3大都市圏は自動車が減って、鉄道が増えます。そして航空が増えるんですね。地方都市圏は、やはり自動車が増える。バスはほとんど使われないということですね。だから、ここのところで3大都市圏の公共交通機関は大事だという話です。
 それから30ページ、都市シナリオのイメージ。これは大事ですね。
 これはよくわかりませんが、多分、都市の専門家が集まって議論したと思います。都市型の社会になって大規模な集中社会になる。これは先ほどの2050年の人口統計でも、後でちょっと説明しますが、これはこれから2050年、そういう方向へ行く。ただし、ここの日本のシナリオは、A型とB型があります。私がしゃべっているのはA型です。A型というのは、現状の都市化の傾向がずっと続いていったらどうなるかという環境研のシナリオです。B型はユートピアで、もっと田舎に人が住んで、鴨長明みたいな生活を営むというのがB型ですが、やはりA型の方がリアリティがありますね。A型のシナリオは、ここに書いてあります。
 都市圏人口はやや減少、これは50年の総人口が減りますから、都市圏人口比率は増えます。しかし、総量は減ります。
 それから、このシナリオでおもしろいのは、農村部について「ああ、そうなるだろう」ということを記述してあります。それは4点目で、農村は、バイオテクノロジーを駆使した民間企業による大規模効率管理型の、非常にいい農産物生産ができるだろうということ。これは前置きです。
 人口のシナリオ、これはいいでしょう。ただ、外国人居住人口は全人口の10%、ですから2050年には約1,000万近く。中位推計の9,500万としても10%で950万増えるというんですが、それは大問題ですね。この外国人居住者が10%行くか。これは私は反対でして、そう行くべきではないと思っているんです。
 都道府県人口分布は、さっきの2050年のデータを見てください。ちょっとこれと違います。
 各論ですが、32ページ。人口減少社会では、人口や資本の集中が進んで、少数の巨大都市圏で人口がある程度維持される。そうですね、2050年に減らないということです。もう一つは、都心部でも人口が減っていきますから、非常に極端に、例えば丸の内とか霞が関の土地は高い値段だけれども、馬喰町のような所、日本橋の裏側へ行くと途端に地価が下がってしまう、住む人もいない、ビジネスも成り立たない。極端に地価の変動が起きるということですね。
 次に、33ページ。
 33ページは、一種のユートピア。これはもう私たちが前から言っている姿そのままなんです。公園が増えるよ─本当に増えるかなと思うんですが、人がいなくなれば増える。スポーツ施設がつくられる、都市緑化が行われる、配電線の地中化もやられるでしょう。そして、要するにコンパクトな都市だと。
 ニュータウンの方でも、これもなかなかいいニュータウンができるよと。これは相当ユートピア的ですね。
 おもしろかったのは、34ページです。農地、山間部において人口が大幅に減少して土地資源の効率的な利用が進められるので、民間会社による大規模経営が起きる、そしてヒト、モノ、カネといった資源の効率的な利用が進んで、最先端のバイオテクノロジーが日本の農村社会でやられ、世界で有数のレベルになる。要するに、食料の自給自立は成り立つということですね、価格だけ別に議論すれば。日本の9,500万の人口は、年寄りが増えたから飯も食わない、そうすると戦争中の、7,000万で私たちニゴウサンセキで食っていたわけですから、大体大丈夫だよということを言っているんです。これ、おもしろいんです。
 それから35ページ、ライフスタイル。これはさっきのバンクーバー、ベルリンと同じで、若者や高齢者の1人世帯は増えるけれども、人々が居住するビルではさらに多様化する人々のライフスタイル、世帯構造、好みに合わせて、ビル内でさまざまな間取りや家具、家賃の住宅が提供される。要するに、ビル内に多様な組み合わせ、多様な世帯、ビルの中に多様な仕事場と居住のスタイル、これをつくれということで、これは何てことない、パリの中心の都市の姿ですね。
 ワークスタイル。
 これは相当立派でして、個人の能力、特性、専門性に応じた雇用が当たり前になる。要するに学閥とか閨閥とかシニョリティーシップとか、そういうものはなくなるということです。そして生涯学習が普及するんだと。だからさまざまな立場、国籍、年齢のヒトが肩を並べて学ぶ姿が多く見られるようになる。これはなかなか立派な記述です。
 次に突然、今度は36ページですね。これは3年前に建設省の都市局とガス協会とが一緒になって、地方都市、大都市の都心部における土地利用、都市計画的なコントロールとエネルギー供給の姿をコンビネーションするとどうなるかを考えたわけですね。ですから都市計画と、ガス協会ですからどうしてもガス屋になるんですが、エネルギー屋とが一緒になって考えた一つのモデルを提案しています。
 37ページ。都市計画の方から考えますと、都市の再開発を、例えば日本橋だとか船場だとか、あるいは福岡の、ああいうまち中で再開発すると広場とか公開空地が増えますから、その下にエネルギーセンターをつくりなさい。それから、建物を大規模化すると、大規模化に伴ってエネルギー供給の効率はある程度上がりますから、ある程度の大規模化はしよう。
 もう一つは、エネルギーの施設をインストールすることと建物をつくることを一緒にやったらどうなるか。それから、都市計画の方で重要なのは、オフィスビルだけではなくて、オフィスビルの隣に病院があって病院の隣には住宅があるとか、あるいはオフィスビルの隣に学校があって、夜間の学校もある、その隣に生涯教育センターがある、そういう土地利用の用途複合をすると、エネルギーの供給はある程度ピークが少なくなりますから、そういうことをやろう、そんな提案をしまして、38ページに絵姿がありますが、これは都市計画の絵姿ですね。都市再開発するときに、必ず複合用途にしよう、オフィスと商業、住宅とオフィス、例えば都市型住宅と生活サービスをくっつける、住宅と商業、あるいは高齢者施設とホテルと託児所をまとめた再開発をして、そこへ広場をつくる、そういうところにエネルギープラントを入れようということなんです。
 それが39ページですね。
 これは右側の方が都市計画で、左側がエネルギー屋です。都市計画をこういうふうにして、防災性の高い業務ビルとか親水性のある水辺空間とか、文化、娯楽、滞在機能を入れたビルをつくるとか、こういうことをやって、そこに空地や施設が空きますから、そこへエネルギーセンターを配置して管路で結ぶということになって、それを前提にして計算しますと、40ページ。
 これは3年前の作業ですが、例えば業務特化型市街地、これは多分、中央区だと思いました。京橋か日本橋。これはCO2を51%削減できるというんです。それから都心居住。これは大阪の船場です。船場でも53%ぐらい。それから成熟型市街地、これはどこでしたか、忘れてしまいました。地方都市は、前橋のアーケード街を対象にして、そこへホテルをつくったりマンションをつくったりして用途混合をすると、これだけ減る。一応こんな数字を出して、この勉強会は閉じました。
 次に、43ページを見てください。
 今、千代田区でいろいろ議論しているんですが、丸の内界隈でどうもビルがいっぱい建って、ビルの床面積当たりのエネルギー効率は高くなっているんだけれども、ビルが増えているのはどうしてくれるんだ、それを減らさなければいけないというんで東京都の環境部門も怒り心頭に発しているらしいんですね。
 それで、2004年に225万トンCO2を出していたのが、このままいくと2012年に260万トンになる。その中で、業務部門で努力して25万トン減らす、電気屋さんも一生懸命頑張って39万トン減らす、そして残り197万トンになるわけですけれども、何とか我慢してくれと。これは2020年になりますと、両方とも限度があるので対応できないのが余ってしまうんです。その他の追加対策、20万トンぐらい。これは赤です。個別の空調機を直したり太陽光熱を入れたりしてもだめだということですね。
 それで、中長期のところに「13年からの個別対策に目標達成計画を超える水準の対策を実施しても千代田区設定のCO2削減目標を達成できないため、面的対策が必要」と。この赤いところ、面的対策とは何かというと、これがさっき言ったマイクログリッドのような面的対策になるんですね。これが千代田区版です。
 だから、丸の内あたりで今、地域冷暖房の管路がありますけれども、あれをもうちょっとうまく冷水と温水と両方区分しながら、三菱あたりがエネルギーセンターを幾つか配置して有楽町から大手町まで全部系統的にやっていくと、この面的対策で相当減るよということを言っているわけです。
 その次、44ページは、地方都市でもやろうと。これは、これからやる予定です。予定というのは、どこがやるのかな、都市局と飯田市が一緒になってやるのかな、わかりませんが、やる予定なんです。飯田市(人口10万人)をフィールドとして、地方都市で再生可能エネルギーを活用するタウンエコエネルギーシステムを検討する。
 これは何をやるかというと、木質ペレットを使って木質バイオマスと、太陽エネルギーなど再生可能エネルギーと、それから河川が通っているんですね、だから河川の水の温度など未利用エネルギーを生かして、そして中心市街地の炭素の排出量を減らしていこう。そのために、都市空間のエネルギー供給基地として、太陽熱パネルやボイラーなど再生可能エネルギーの供給システムを設置する場所が必要だと。そのために、まちを区画整理しようということなんです。区画整理すると道路も広くなったり空き地ができたり、公園もできます。そういう所の地価を使って、街なか居住などにより街区更新が行われる街区の公開空地、公共施設の敷地や屋根、青空駐車場などの未利用地を使って、そこへエコエネスポットを置いて、そこで熱供給をコントロールしようということで、45ページにその略図があります。
 ここのところで、これも細かい話なんですけれども、「裏界線」と書いてあります。これは何かといいますと、飯田市は昭和30年ごろ大火に遭ったんです。それで区画整理をしました。そのときに、もう一度大火が起きたときに、敷地の中の残骸を表に出さないで、人様のご商売に迷惑をかけないように裏通路を通ってトラックまで運べるようにという裏道をつくったわけです、敷地の後ろに。大体1.8メートルぐらいのものです。その下に熱供給管を入れてみたらどうか、それをうまく使えるぞと。低温と高温のですね。そして区画整理でやった公開空地や公園にこのCGSを入れたりボイラーを入れたり、太陽熱の集熱機を入れたり、こんなことをやって、そして既存の建物にも熱交換機でこれを配ることにすればうまくいくのではないかということですね。
 ただし、これをやるためには金が要ります。どうするんだということですね。そこで、これは今回、資料を持ってこなかったんですが、例えば国内版のCDMみたいな、これはどうしても国交省からのサポートが必要なんですが、そのようなことを考えたらどうか。
 というのは、よくわかりませんが、三菱地所とか三井住友銀行が丸の内でどんどん建物を建てますね。それでキャップレートをはめて金を出して、区に行ってしまうわけですね。そうではなくて、例えば丸の内熱供給株式会社を発展的に広げていって、そこでさっき言った千代田区の面的整備を、やらせますと、儲かるんですよ。その儲かった金をファンドに入れて積み上げるわけです。そうすると確実に毎年何億と積み上がっていきますから、その金を飯田市にやるんですよ。
 要するに、何を言いたいかというと、CDM、CDMと言っているけれども、みんなオーストラリアの植林をしたりロシアの工場をよくしたりということで、何のことはない、日本の企業は儲かって外国も儲かるけれども、日本の国民社会は全然それに関係ないということをやっていいのかということなんですね。やはり国内で努力しようというところを大資本がサポートする、お役所抜きに。そういう仕組みを1つつくった方がいいのではないかという話が、実は今日の説明に裏にございます。
 これ、実は物すごく難しい話なんです。実は経済的な仕組みとしては難しい話ですが、幾ら何でも、日本で儲けた金が、気がついたら中国行ったりロシアへ行ったりオーストラリアへ行ったりして、これはばからしい。これはちょうど米の需給問題と同じなんです。つい20年ぐらい前まで必死になってやりましたね。あれと同じことなんです。今、米は、うまいということで高値で買ってくれる人がいます。地方都市の熱供給システムの性能がべらぼうによくなれば、30年後ぐらいに中国が買いに来るかもしれませんよね。そんな話も裏側にあります。
 46ページから後は全部、国土交通省と地域整備局のパンフレットですので、説明はやめます。後で見てください。
 それから、これは秘密資料なんですが、実はNEDOに頼みまして、昔の住宅公団の5階建て住宅の上に太陽熱パネルを置きました。発電ではなくて。現場へ行きました。そうしたら、物すごくきれいに入っているんです。私、知らなかったけれども、昔は調布製作所のゴムのべこべこのやつだったんだけれども、そうではない、真空管の中に集熱のコイルが通っていて、きれいなんですよ。それがずらっと並んで実験中。
 実験は4月からスタートして、現在、継続中なんですけれども、これは秘密なんですけれどもしゃべってしまいますと、今のところ、下に住宅あるでしょう、その住宅が毎月使う燃料費の50%を、その集熱板の温水で賄っています。
 ですから言いたいのは、太陽熱発電のような、工学部で言うと電気とか金属のような高度な技術だけではなくて、建築のような熱、温水、お湯を扱うような素朴なローテク技術でも、うまくやれば、とにかくその実験住宅で電気屋とガス屋に払う料金が半分減ったんですよ。これ数字あるけれども、秘密だから言いませんけどね、太陽熱依存率40%、55%、64%、49%。だから、ローテクもまんざらではない。
 役人はちゃんとそれをわきまえていまして、これからどうするかというところに必ず太陽光発電と太陽熱温水と両方入れているんです。うまく考えていますね、役人は。感心しました。これが1つ。
 もう一つは、これはもう古くなったんですが、東京電力。今度は電気屋です。これは中上先生の領域なんですが、電気屋が昔、それぞれの家の調査結果で、30坪─100平米の戸建て住宅と100平米の例えば5階建てのマンション、両方同じ床面積で、1年間でどれぐらいエネルギーを使うかというと、戸建てを30坪で100にしますと、マンションは大体4分の1から3分の1安くなる。これは考えれば当たり前ですよ。そうでしょう、戸建てというのは六面体全部外気と地面に触れるわけですね。ですがマンションは2面、端っこは4面ですか。
 当たり前なんですけれども、何を言いたいかといいますと、東京のど真ん中に建て売り3階建てという戸建て住宅がいっぱいできているんですよ。物すごく醜いんです。大阪にもあります。あれは単に美観的な問題だけではなくて、こういう熱効率の問題から言っても絶対よくない。あれをやるなら3階建ての京町家をつくれというんです。京町家をつくって高気密・高断熱にすれば、熱については必ず25%から35%少なくなるんですよね。
 これをもっとオーバーに言いますと、東京の50年後は、大金持ちの100坪以上の敷地を持っているところだけ1戸建てを許す、あと小金持ちから普通のやつはみんな集合住宅に住め、そういうのが東京の姿だという話になるんです。これは1つ申し上げます。
 そして最終的には、これ持ち上げるわけではないんですが、もう随分前に、これ有名なんです、小林さんのね。これを言います。これはもうあらゆるところに出ていますが、小林さんが実験されて、1年目は32%、2年目は42%削減。これ、すごいことですね。ついこの間、朝日新聞か何か見ていたら、小林住宅を真似て自分も同じことをやったけれども、結局だめだった、安くならなかった、これは行いがまずいと。新聞屋というのは役人と違って勝手なことをするから、ちっとも安くならないというコラムが出ていましたけれども。
 以上でございます。どうも失礼しました。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの伊藤先生のお話にご意見なりご質問なりございましたら、お伺いしたいと思います。
 いつものとおり、どうぞ名札をお立てください。私は余り寛容ではありませんので、後からの駆け込みは望ましくないと思っておりますので、今のうちにご発言ご質問ご予定の方は予め名札をお立てください。後での撤回はご自由です。
 よろしゅうございましょうか、このあたりで多分タイムアウトになると思います。
 それでは、武内委員から順に簡潔にご質問をお願いしまして、一渡り全部ご質問差し上げますので、伊藤先生、まとめてお答えください。

○武内委員 1点目は、超長期的な都市計画を環境との絡みでやっていくときの都市計画法を初めとする法律の側の整備の問題、これをどういうふうに進めていくかについて、何かご意見があればお聞かせいただきたいということ。
 それから、伊藤先生、今日は先進国を中心にお話しされましたけれども、これから人口の増えていく途上国ですね、これから世界の巨大都市が出現していく中で、そういうところは、まあ難しいんですけれども、最近どういうことをお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。

○青木委員 先生は都市のほうのご専門ですが、都市と農村の関係で、農業経営が大規模化してしまう、こういうお話で、現在の都市と農村の関係というのは、かなり変わってくると思うんですね。農村部、我々はまだ親の世代だとか、さらにそのおじいさんの世代が農村におって、我々子供が東京にいる、こういう形で農村との付き合いがあって、緑との関係も、都市の人も地方の自然を共有できる立場にあるわけですが、この辺が大規模化されて、非常に効率化されて世界的に対抗できるような農業になってくると、現在の農村社会は崩壊してしまうだろう。そうすると、日本に残っている過去からの農村文化はかなり壊れてしまって、我々の農村の依存している文化の関係とか、そういったものがかなり変質してくるのではないかという感じがするんですが、その辺について何かお考えがあればお話しいただければと思います。

○及川委員 先生のお話を伺っていまして、将来の日本の都市の姿を考えたときに、それはやはり基本的に、人口がどうなるかが根本にあるように感じたんですね。
 それで、最初に日本の人口が非常に減っていく、特に秋田県などは半減以下になってしまうというお話があったわけですけれども、こういう人口の推計はどういうふうにやられているのか。モデルか何か使われているんだろうと思うんですけれども、その基本的なアルゴリズムでしょうか、そういったことを教えていただきたいと思うんですね。

○鹿島委員 こういう社会情勢の中で、地方分権だとかいろいろな中で、地方公共団体で個別事業ごとにいろいろな協議会をつくって、その対策を立てようとしている。これをもし今のままやっていきますと、20年後ぐらいにでき上がって、これが50年とか60年とかもってしまうと、事によったら2100年まで今の体制で考えていかなければいけないことになってしまうかもしれない。
 この今、乱立している協議会とか地方で進めているようなものを、うまくコーディネートするための方法がおありであれば教えていただけたらというのが私の質問でございます。

○小林委員 私、兵庫で、阪神・淡路大震災のときの再開発で先生には大変お世話になったわけですが、このときにエネルギーの集中化をやったわけですね。現実にエネルギー供給基地を1カ所つくったんですが、実際に再開発で各ビルが建っていく段階で、各ビルは、トータルコストが安い、省エネだと幾ら説明してもだめなんですね。要するに、イニシャルコストとランニングコストを別々に考えてしまわれて、結局イニシャルコストに少々金がかかっても、ランニングコストが安ければいいという方向で、現実に今ある熱供給施設は青息吐息の状況にあるんですが、何かこれをうまく誘導する方法がないでしょうか。

○塩田委員 最初におっしゃったバンクーバー型等、大規模なエネルギーセンターと大規模な再開発ビルを中心にした都市が50年先までにできるとして、そのときに多世代の居住が実際に起こるだろうか。それはやや強制的にそういうことを起こさせるのか、誘導的にそういうことが─これは日本についての質問ですけれども、そういう可能性があるのか、私はかなり疑問のような気がします。
 もう一つは、これから人口が減るというときに、今、住んでいる家がもともと余っていくわけですけれども、それがどうなっていくのかという問題があると思いますから、いろいろな意味で、新しい立派な所に入る人が余り多くないのではないか。そういう点をどうお考えになっているか。
 理論的には、省エネの観点からこういうものがいいというのはもちろんでありますが、大都市においてどのくらいそのシェアを占められるんだろうか、その点をお伺いしたいと思います。

○須藤委員 1点目は、私、以前は、この環境問題のために、これから生まれてくる子はかわいそうだなと思っていたんですね。しかし、先生のお話を伺っていたら、これから生まれてくる方がよかったなというのが実際の印象です。
 それに関連して、低炭素社会、要するに2050年50%が実現できるためにこのようになるのか、自然にそういうふうにやっても誘導されるのか、卵とニワトリのようなものですけれども、その辺の先生のお考えをお聞きしたいというのが1点目です。
 2点目は、どんなことがあっても温暖化が起こって高温多湿、あるいは多雨、それから洪水が起こる、あるいは台風が今よりたくさん来るというために、災害を防がなくてはいけない、あるいは温暖化に適応できるような都市なり住宅をつくらなければいけないと思うんですが、その辺のお考えをお伺いしたいと思います。

○大聖委員 同じ大学ですが、すれ違いで、先生とのコミュニケーションは初めてで最後になるかもしれません。(笑)
 先生のお考え、重々承知していますが、例えば住宅の問題とか農村と都市のあり方、これを展開していくためには、やはり何か仕掛けが要ると思います。じっと待っていたら自然にそうなるというものではありませんから。そうすると、百年の大計ではありませんけれども、そういう仕掛けをどういうふうにやっていくのか。とかくいろいろな地方都市で実例がありますけれども、どうも単発的に終わっていまして、それが広がっていく状況にはない。
 それから、100年かけてどういうふうにシフトしていくのかというストーリーも構築する必要があるのではないかと思っております。
 それから、これは追加ですが、先ほど太陽熱の利用……

○浅野部会長代理 すみません、まだご質問ご希望の方が多くて、次のヒアリングのスケジュールもありますので。

○大聖委員 太陽熱の利用に関しては先生のご意見、全く私、同感で、本当に活用していただきたいと思います。

○浅野部会長代理 大変恐縮です、お答えいただく時間もとっておく必要がございますので、お一人1問にしてください。それから、コメントはなし。質問だけにしてください。

○高橋委員 1つは、世の中が変わっていく中で、この低炭素社会をどういうふうに考えるかということ。2つ目は、外との関係でのことを質問させていただきます。
 1点目に関しましては、私、2030年、2050年、2100年なんていうレンジで考えているとき、まず、その社会構造が激変すると思うんですね。今は生まれて勉強する時間、それから……

○浅野部会長代理 すみません、質問だけ端的にお願いいたします。

○高橋委員 仕事する時間、それからくたばる時間、その3つになっているのが、恐らく近い将来に四重構造になるだろう。四重構造というのは、60代、70代が元気だけれども余り稼ぐ必要もない、そういう社会が中心になるだろう、さらにその先にも変わる。それが多分、都市構造などに随分インパクトを与えるだろうということ。それから2つ目には、ナレッジ・インダストリが産業の中心になっていくだろう、それがどういうふうに社会構造にインパクトを与えるか。3つ目には、今は男社会のジェンダーパスで構成されている世の中が、恐らく男時間、女時間、2つのパスで構成されるようになるだろうと思うんですが、それが都市の構造にどういう影響を与えるか。これは3つともすべて必然だと思うんですが、それをどうお考えになるか。
 2つ目には、日本の中で……

○浅野部会長代理 大変恐縮です、あと4人質問があります、そして3時が次のスケジュールですから。

○中上委員 多世代居住の可能性というのは、昔に戻ることになるわけですが、ライフステージと居住ということを考えたときに、持ち家制度か借家かといった選択肢があるだろうと思います。ライフステージに応じて住みかえる、そういう社会制度の可能性と都市のあり方について、何かお考えがあればお聞かせください。よろしくお願いします。

○永里委員 先生、人口シナリオの中で、外国人居住者が10%になったら問題だとちらっとおっしゃいましたが、日本が仕事の上で、あるいはいろいろな意味で魅力的であれば、逆に外国人が来るはずですね。それで、摩擦のある社会の方が仲良しクラブの村の論理よりはいいのではないかと思うんですが、そこについての先生のご意見を聞きたいわけです。

○長辻委員 バンクーバーのところで紹介していただいた中で、ショート・ループと総合インフラで「ノードとネットワークは自然界の食物連鎖の複雑さの……」という説明をしていただいているんですが、食物連鎖ですと、一次生産者がいて二次生産者がいて、それでまた消費者も1次、2次となるんですけれども、食うと食われるの関係ですね。これがノードとネットワークの中にどううまく生かされているのか、その辺ご承知だったら教えていただきたいと思います。

○横山委員 今後の低炭素社会のかぎを握るのは、私もやはり途上国だと思うんですけれども、先進国が途上国の都市計画にどんなことができるかという意味で、どういう議論があるのか、その辺を教えてくれますか。

○浅野部会長代理 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

○伊藤 滋氏 役人のスタイルは、1度出したら30年変えませんよね、大体。ですから、2050年までに都市計画法を変えるのは、あと2回ぐらいだと思うんですよ。何を変えるか。一番のスタイルは、私は、できないけれども、さっきご質問があったようにやらねばならないのは、最小限宅地規模です。これをやらなければいけない。
 それから、今日は森林の方のお話がないんですが、関連して、森林問題が非常に深刻ですよね。間伐ができないから、間伐しない所は換算してくれないでしょう。民有林で6割ぐらいあるんですよね。あの大問題は、地籍が不明確で、個人所有の所へ強制的に入れないんですよ。そんなばかなことないと思う、森林は。だから性能のいい森林部隊をつくって、民間のどうしようもない、昔100坪なんてやっていたところは全部仕事をしてしまう。そして、もし儲かったら分けてやるという、昔の評判の悪い分収林の逆なんですけれども、そのぐらいのことをやらないと森林のCO2の問題は解けないんです。
 皆さん今日は森林のお話なかったんですが、ちょっとそれを申し上げます。森林は大問題です。
 それから、人口推計のやり方ですが、これはトレンドです、基本的に。もう人口問題研究所、トレンドです。ですから、過去10年間とかそういう確率的な変化を追いながらずっとやっていきますから、突然変異というのは絶対予想しておりません。その変化を起こさせるのは、産業界です。それは厚労省の人口問題研究所の中に入っておりません。
 それから、ショート・ループとネットワークですね。それは、こういうことなんです。ベルリンの報告書で2100年のときには、ブランデンブルグは500万の都市なんですけれども、それを5万の都市に分割するというんですよ。5万の都市になればお互いが全部わかるというんです。そして5万の都市でできることは全部やって、そこでの問題をネットワークして、5万が100ぐらいできますよね、そこへ受け渡しをやっていけばいいんだと。そのコーディネーションをやるのがプロフェッショナルだ、そういうことを言っているんです。
 だから、先ほど大規模とおっしゃいましたけれども、実はバンクーバーのケースも全部コミュニティが小さいんですよ。1,000人とか5,000人とか。ベルリンもそうなんです。日本の国環研もそうなんですよね。だから、全部大規模大集中ではなくて、これからは小規模型で多様な、そういう都市構造をつくっていけと。それが基本的。
 これは日本のプロジェクトでガス会議のときに、三島を対象にした清水建設のプロジェクトもそうでした。中国の上海のプロジェクトもそう。みんなが小規模のところで自給自足型の、21世紀自給自足型の、武内先生は知っているチュウネンのコリツケンではないけれども、それぐらいの思想を持ってまちをつくっていけということなんですよ。
 発展途上国は、私は日本の農村計画をやるべきだと思うんですよね。都市計画をやるべきではないと思うんです、発展途上国は。あそこにヨーロッパ型とか日本の東京型のをやっても何の役にも立たない。むしろ今まで農村で我々は何をやってきたか。特に戦争前。それが私は都市計画に役に立つと思っているんですね。
 それから地方協議会は、先生、今、いっぱいあってとんでもないですよ。あれは要するに、地方分権システムの中で今、大問題は、都市が合併して大きくなったけれども、もう一度「字」に戻れという議論があるんですよ。農村のね。字こそが、みんながわかる所だと。その字でやったことについて、できるだけ字でやって少なくしたものを、合併した市役所がやる、そういうふうにやれというんです。
 環境省の自然環境局で3年かけて調査しているんですけれども、地方の人口10万以下の都市を救わなければいけないんですよ。問題は東京ではないんです。これは絶望的に救えないんです。救えないけれども、やはりそこに、先ほどご質問があった文化のストックが残っているんです。それをちゃんと表へ出して、文化のストックをもとにした人の交流を、居住人口は少なくなるけれども、そこに文化のストックを体験しに行ってみんなが交流する、そういうモデルをつくれば10万以下の都市も救われるのではないかといった話をしています。
 夢物語には描けない、農村は。絶望的なんです。限界集落はなくなります。普通の集落もほとんど人がいなくなります。建物はどうなるかというと、日本人の習性として必ず残します、空いていても。そのうち腐り出すんですよ。建物所有者、例えば男の所有者がいますね、それが親父から引き継いだ建物があるでしょう。残すでしょう。30年たつでしょう。心理的に減価償却するんです。それで壊すんですよ。わかりますか。
 以上でございます。

○浅野部会長代理 先生、どうもありがとうございました。
 大変刺激的なお話を伺いましたので随分たくさん質問が出てしまいまして、先生に後で書面でお答えくださいなどという失礼なことを申し上げるのは無理だと思いますけれども、もしお気が向かれるようでしたら、今日ご回答漏れの点についてメモをいただければ大変幸いでございます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
 それでは、お待たせいたしました。
 次に、環境経営に積極的に取り組んでこられましたリコーの桜井正光会長にご意見を伺いたいと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○桜井正光氏 ただいまご紹介いただきました桜井でございます。
 今の話を聞いていると、私の話そうとする内容はちょっと違う話だなという感じがいたしまして、企業の進める環境保全活動ということで、ぜひ新鮮な気持ちで聞いていただければと思います。
 今日はリコーの進めてきた環境保全活動、特に、リコーでは「環境経営活動」と呼んでいますけれども、環境経営について、それからもう一つ、もし時間があればポスト京都議定書の枠組みに対しての、むしろ私から言うとご質問をしたいな、そんな意味で、もし時間があれば……

○浅野部会長代理 今、桜井副大臣がお出でになりましたので、ご紹介いたします。

○環境副大臣 桜井郁三でございます。どうぞよろしくお願いします。

○浅野部会長代理 どうぞお続けください。

○桜井正光氏 それでは、その2つについてお話ししたいと思います。
 皆さん専門家でございますので、もうご承知おきのところはどんどん飛ばしてまいりたいと思いますけれども、まず名刺代わりに、1ページ、リコーグループの事業内容ですけれども、我々はほとんど、そうですね、約80%超はOA機器の製造販売ということになります。そのほかが半導体であるとか、あるいはデバイスであるとか、あるいはその他カメラ、コンシューマーといったものであります。
 ここにパイチャートをかきましたけれども、右側、ブルーのところがOA機器分野ですね。下に点線が打ってあるのは、点線より右側がハードウェアの商品の製造販売と見ていただければいいと思います。同じ水色でも、点線の左側は、このハードウェアをベースにしてのオフィスのソリューションビジネスであります。それから、赤がネットワーク。大ざっぱには、点線の右側のハードウェアが55%ぐらい、点線の左側と、その上のネットワークシステムソリューションというソリューションのビジネスが大体30%という構成であります。
 当社は単なるハードウェアのマニュファクチャラーからソリューションのプロバイダーへということで、右から左へ事業構造を変えていこうと。これは特に環境保全を意識したわけではなくて、もうお客様のニーズの方向が単なるハードからソリューションということでありますので、それに続いているということであります。
 それから、少し飛ばしまして、リコーグループの環境経営に入りたいと思います。
 急に結論めいたことが飛び出して、我々が環境経営を進めるということで、環境経営とは何かということであります。
 実は私、社長になりましたのは1996年、今から11年前。その前までは地球環境保全に対して、会社の基本方針にはありましたけれども、積極的にこれに取り組もうという姿勢よりも、むしろ企業で行う環境保全活動は経費先行、投資先行ということで、かなり利益の足を引っ張ると。要するに、企業最大の目的であります利益の足を引っ張る。それで結構躊躇しておりましたので、いや、実は環境保全活動と利益を創出する活動というのは同時に実現できるんだ、自信を持ってこれにチャレンジしようということですね。
 それで、たまたま東京大学のある先生から「リグレット・ポリシー」「ノンリグレット・ポリシー」という提唱がありました。ここをわざわざお話しするのは、今の時代に非常に重要だなと思っているからなんですが、環境保全、あのときIPCCの報告は大したものがありませんでしたし、いろいろな研究でばらばらでありまして、本当に地球の温暖化というのは人為的なことなのか、あるいは本当に炭酸ガスと温暖化は直結しているのか、いろいろと疑問がありました。
 ですけれども、大体疑問があるからやらないという方法をとるのか、疑問があったとしてもやろうとするか、これがノンリグレット・ポリシーとリグレット・ポリシーの境目なんですね。疑問があるからやらないというのは、実は後で後悔したら大変だというリグレット・ポリシーなんですね。後で後悔しないようにやるというのは、疑わしいけれども、実は片方で利益さえ生み出していけば、そのプロセス上で企業価値はどんどん上がるのではないか。環境保全と利益創出とを並行して進めておけば、もし50年後に炭酸ガスと温暖化は一切関係なかったということがあったとしても、後悔することはないですね、こういう意味であります。すなわちノンリグレット・ポリシーです。
 今の場合にはIPCC、相当なものを出してきましたし、こんなことを言っている必要はないと思うんですが、スタートのときはそういうことでありました。
 次に、リコーグループの環境綱領でありますけれども、基本方針と行動指針ということで、基本方針で大事なのは、地球環境保全の活動というのは、一部公害問題のように加害者と被害者が別々に存在するのではなくて、川上が加害者で川下が被害者であるというのではなくて、私たち自身が加害者にもなり、そして被害者にもなるんだと。ですから、地球の住民として責任を持って、この地球の再生に当たらなければいけないととらえましょうということですね。 そういうことをベースにして、行動指針としては、自らの責任で目標を設定する、そして、一番下に飛びますけれども、環境に対しては、環境保全というのは技術屋さん、ものづくりの人間、この人たちがやれば済む問題ではないんだ、我々働いている全社員がやらなければいけない。というのは、全社員が日常の活動あるいは企業活動に加わっている、そして、その一人一人が環境負荷を出しているんですから、もう全員参加ですということですね。
 次のチャートですけれども、当然のことながら、地球環境保全というのは持続可能な循環型社会をつくり出すことだということで、私たちの経営コンセプトにも、保全活動というものには循環型企業活動を展開することが非常に大事だということであります。
 この内容をいちいち説明していると時間がかかりますので、やめます。
 それから、リコーが取り組む─これはリコーだけの問題ではないと思いますけれども、特に、できるだけ全社員にわかりやすく、企業が、リコーが取り組む環境保全活動の対象は何か、具体的に3つ挙げてあるわけですね。それは省資源、省エネルギー、そして汚染防止ということであります。
 みそは、3つの活動について、それぞれ対象領域がごらんの3つですけれども、活動の主体、企業活動では、製品をつくってお客様に提供する活動と、その製品をつくるための間接業務、あるいは直接業務があるわけですね。そういう我々事業所内で行われる活動、ですから製品を出して、そしてお客様のところで環境保全に役に立つという活動と、それをつくり出すための事業所内の活動、この2つがあるわけですね。
 活動内容としては、製品の方は特に環境技術がキーになります。もう一つ、事業所内の活動というのは、これは日常の作業、日常の活動であります。実はリコーはここにも特に、日常の管理活動には注意しておりまして、一人一人の活動はこういうぐあいにしようということで、いろいろなガイドラインをつけたり、その進捗状況をチェックしてといった活動をしているわけです。一般に環境保全活動というと、大体技術開発活動に焦点が当たります。もちろんそれは当然なんですが、一人一人の作業のやり方に目をつけております。
 リコーの環境経営ですね。これは環境保全活動を3つのパターンあるいはステップに分けて、企業というのは、いつも全社員に徹底的にその思想なりやり方なりを理解していただくことが非常に大事なので、こういうわかりやすいチャートにしてあるわけです。
 環境保全活動には3ステップあるというのは、環境対応活動、環境保全活動、環境経営活動とまいりまして、リコーの環境保全活動は、左から右へ、そして右の段階でより昇華させていこうということです。
 対応活動というのは、法規制があるからとか、競合会社がエコプロダクト、エコ商品を出してきたからこれは負けるぞ、あるいはグリーン調達、グリーン購買が始まったからそれに対応しなければいけない等、すべて対応、対応、対応型です。これは非常に効率の悪い、先ほど申し上げた経費・投資先行で、なかなかリターンが入ってこない活動になるわけですね。
 環境保全活動というのは、私がさっき言った、地球市民として自らの目標、要するに地球市民としての使命感を持ってやろうというものですね。これは下手にやりますと、確かに経費・投資先行型の、企業価値を上げられない、利益を上げられない活動になり得るんですね。環境保全活動、地球の負荷を低減するという活動は、末永く継続的にやらないと何の意味もありません。これを宣伝用に、あるいはある意味でボランティア的な活動として、お金があって暇があって、それだけの手数があるときにやるなどといった活動では地球のためにならない。継続的にじっくりとやるというのが環境保全活動ということであります。
 そうすると、どうしても環境保全活動と利益を生み出す活動を同時に実現しないといけないことになります。それが環境経営という一番右の段階です。
 私が1997年にこのことを社内外で打ち上げたときに、マスコミも、それから他社の皆さん方も、そんなことできっこないというのが大多数でした。
 実はこれ、企業経営そのものの活動の中で環境保全活動というのは具体的に何をすべきなのかなといったときには、当然のことながら、プロダクト、商品を構成する部品点数を減らすことが省資源になります。部品点数を減らせば当然コストダウンになります。それから、省エネ活動もそうです。工場の生産工程あるいはアッセンブリの工程を2分の1にしてしまう。要するに100工程あったものを50工程にする、そういうことが省エネ活動になります。そうすると、それは当然のことながらコストダウン活動、経費削減の活動になります。それから、汚染活動でもそうです。捨てるものがあるから汚染になるんですね。ところが、リサイクル活動をして捨てるものを減らしてみたり、あるいは、実は捨てるものというのは産廃物が多いんですね。産廃物というのはほとんどが不良品なんですよね。不良品を少なくするというのは良品率を高めることですから、これは確実に品質向上とコストダウンになるわけですね。そういうところを見失っているわけですよね。
 だから、生産性向上活動と環境保全活動を別々に扱うからおかしな話になる。
 ただ、一言だけ。実はこれは産業別に違います。私たちはセットメーカーで、商品を開発して、設計して、そして部品を外部から調達して、そしてほとんどがアッセンブリ工程で、品質検査をして、そして市場に供給するという状況ですから、案外そこの、先ほど私が3つ申し上げた、この論理が成り立つんですよね。ですけれども、これがエネルギー産業であってみたり他の化学プロセスの企業であってみたりというときに環境保全活動とその成果の回収に時間がかかるのでドンピシャにいくかというと、これはそれぞれ違いますので何とも言えないところがあるんですが、ただ、ポスト京都議定書についての説明時間が多分なくなると思いますので言っておきたいのは、ポスト京都議定書の枠組みをどうするか、絶対値でいくのか、あるいは原単位数で目標を決めていくのか等々の話になってくると、やはり産業界としてもいろいろな意見があるはずだと私は信じているんですよね。
 それでは、次の環境会計のところですが、要するに、保全活動とコスト削減活動、利益を生み出す活動が同時に実現できると口だけで言っていたのではしようがない。実際の我々の活動でそれを示そうということで、毎年毎年、環境経営報告書を出していますけれども、その1ページにこのPL表を出してあるわけです。まだまだ環境会計のレベルが非常に低いところもあると思いますけれども、どんどん環境会計のレベルを上げ、そしてコストと効果、これは利益の部分ですけれども、この対応をとっていくことにしております。これはずっと黒字です。
 次に、リコーグループの事業活動。
 温暖化ガスに限って見ると、先ほどセットメーカーという話をしましたけれども、上流があって、リコーグループの事業活動があって、そして商品をお客様にお売りして、お客様がそれを使用するときに地球環境の、いわゆる温暖化ガスを発生する。ですから、前工程と後工程があるわけですね。常にこれを把握しているんですけれども、パイチャートがあります。これ、1台のプリンターをお客様に使っていただいたと考えてもらえば結構なんですが、そのライフサイクルの中での比率であります。なんとお客様が78%CO2を発生するということです。これが今、京都議定書の中でも、家庭、そしてオフィス、オフィス分野がどんどん増大しているということですね。ここには実施計画も何もありませんから、何とも管理、コントロールがつかないわけです。リコーグループの中の部分は11%にすぎないわけですね。
 ですから、これは我々が今もやっているんですが、更に、お客様のところで負荷が増えないような、あるいは減らせるような商品を提供していくことが非常に大事だというところですね。
 あと、いろいろ活動をやっておりますけれども、さて、その結果、事業所の省エネ、温暖化防止活動が京都議定書の枠組みの目標数値に一体どこまでどういうふうに来ているかということですね。
 余り格好いいことは言えないんですが、赤の線がリコーの炭酸ガス総排出量であります。そして数字が並んでいるのは、1990年を100とした指数でありまして、現在2006年が97.5%のところです。ですから、言ってみれば90年比2.5%しか減っていないということですね。これは6%を目標に動いているんですが、実はこの状態であります。2001年までは順調に来たんですが、このままずっと下降していくつもりでいたんですが、実はそこからどんどん、総量では上がってきているんですね。何とか90年よりも低いレベルを維持していますけれども。
 ただ、原単位の方を見ていただきますと、これは逃げ口上になりますので余り言いたくないんですが、せっかく出ていますので。
 一番下が、これはインフレ率を差し引いた実質の生産高原単位であります。一番下がリコーの実質生産高原単位であります。真ん中の緑色は、電子・電気関連の業界の実質原単位であります。原単位レベルで見ると、業界の約2分の1というところまで来ているわけですね。
 2005年、2006年を比較して見ていただきたいんですが、原単位で少々下がっています。33.8、32.4。大体5%ぐらいダウンですか、原単位で見ると5%ダウン。しかし、一番上の総量で見ると96.3から97.5、1.2%ぐらいの上昇ということですね。これはなぜかというと、実は生産高の予想以上の増量ですね。結局、原単位でやっていると、こういうことがどんどん発生してくるわけですね。
 ここに総量なのか原単位なのか非常に重要なところがあると思うんですが、私たちの中期計画レベル以上の、実は今、OA業界は非常に好調でありまして、どんどん買っていただけますので、それが総量のアップにつながっていくわけですね。やはりこれを企業が吸収しなければいけないわけですね。今のところ、手っ取り早い吸収手段はありませんので、次のページのCDMというところですが、6%ダウンさせるためにはということで、実はこの方法をとっております。
 今、6%と申し上げましたけれども、リコーは実は90年比12%のダウンを独自に設定して、12%ダウンを追いかけているんです。12%と計算すると、こういう図になるんです。真ん中に棒グラフがありまして、緑のてっぺんのところですね、2004年度、総量で16万4,730トン。そして2010年には12%削減しようということでいきますと、一番下の緑のところで、総量で15万5,000トン、ここまで持っていかなければいけないわけですね。今のレベルが16万4,000トンで、そこから出ている右への矢印の相手のところは、実質の生産高が年率4%の場合には、ここで総量がアップするわけですね。ところが、この総量をアップさせないで、しかも12%の目標を達成するための15万5,600トンにしようとすると、これは生産革新で、自主努力でやるという意味であります。これはもう視野に入っております。
 もし年率、実質の生産高が4%ではなく7.9%、今度は緑色の枠の方になりますけれども、こうなると、余分に6万2,000トンが発生してしまうわけです。この部分と、それから電力係数ですね、これは私たちの努力ではとてもできない、電力係数が原子力のダウンによって変わってくると、予測するとここでまた7万6,000トンぐらい出てきてしまうのではないだろうかということですね。
 その部分をCDMで、トータル13万8,000トンというのを一応、当面はCDMでいこうという計画であります。
 しかし、きれいごとを言うわけではありませんけれども、やはりCDM頼みというのも、世界の温暖化防止のためのポテンシャルを活用するという意味では大変重要だと思うんですが、こればかりにいくと、やはり技術開発、あるいは企業の競争力強化には直結しないので、どんどん内部努力に向けていくことが非常に重要だということであります。
 それから、先ほど言いましたお客様の方ですね。これは今のところ、京都議定書の中ではお客様の方は実際には加算しておりませんけれども、実はこれ大変に重要な話で、先ほどの約79%といいましたっけ、それぐらいの分量は我々の後のお客様のところで発生する。これを食い止めなければいけないということで、今、販売から開発から、お客様のところでいかに紙を使わなくて済むか。
 紙を使わなくて済むかというのは我々にとっては大変きつい話で、紙を使っていただいて、プリントしていただいて事業が成り立っているんですから、自分たちのコア事業を否定することになるんですね。実は逃げ道ではありませんけれども、もっともっと紙を有効に使おうというのが我々の思想でありまして、オフィスのいろいろな業務処理、文書処理、そういうものを改革していくことをお手伝いして、成果が出始めているわけです。
 次に、長期的な視点で、これは6年ぐらい前、京都議定書だけが目標ではない、ポスト京都議定書あるいは地球の再生能力の中に我々の企業活動なり社会活動の負荷がおさまるように、そういう目標を持って循環型企業活動を形づくっていくことが必要である、どんなに高い削減目標になるにしても、とにかくそれを試算してみようということでやったのがこれなんです。
 これは縦軸に数値が書いてありません。数値は2枚目の方に出てきますが、これはイメージ図であります。これ「昔」と書いてありますけれども、左側の縦のスケールで豊さの指標、それから統合環境影響、これが今で言う先進国と途上国が同じというのは人類の発祥の時ぐらいかなと思いますけれども、同じだった。そして今に来るまでに、やはり先進国は豊かさ指標、大体GDP、GNPを考えていただければいいと思うんですが、これは1人当たりの豊かさ指標ですから、1人当たりのGDPという感じで直していただければいいし、統合環境影響も、炭酸ガス以外の温暖化ガス、あるいは危険物質、あるいは重金属類、危険物質、あるいは資源の枯渇の問題等々を全部ファクターとして入れた、いわゆる地球環境負荷の話であります。先進国は、過去から今までに豊かさ指標も高レベルまで行って、それに対応する負荷が出ているということですね。途上国の方はその上昇が非常に低くて、今、この下のレベルにあるということですね。
 さて、これからどうなるの、どうするのということでありますけれども、これはもう前提条件が、本当にこういうことになるのかどうか非常に難しいというか、ほとんどこういうふうにならないと思いますけれども、先進国と途上国、赤いところですが、等しく豊さを享受できる。要するに、1人当たりの豊さレベルは、遠い将来、先進国も途上国も同じレベルに来る。そして、それに対する統合環境負荷、地球に与える負荷も、先進国も途上国も1人当たり同じレベルにするということですね。
 そうするとこの図のようになって、さあ、先進国は一体どこまで下げなければいけないのか、途上国はどこまで負荷を上げることが許されるのかということになります。先進国については、現在よりもX分の1、途上国はY倍まで許されるということですね。
 次のページは、それを大体計算した結果です。
 今までのは1人当たりでしたけれども、ここには人口の要素も入れまして、2000年には、これ縦軸は統合環境影響の総量で、これだけの負荷が上がっていると考えていただければいいんですが、先進国は12億人ですから、20%の人口で負荷は80%、途上国は80%で負荷が20%ということであります。これをさっきの論理で2050年に引っ張ってみますと、点線でかいてあるのは実際に地球が耐え得る環境負荷の総レベルであります。ここまで持ってくると、途上国は人口が48億から78億に増加して、許される負荷は1人当たりで換算すると2倍。先進国の方は、これは恐ろしい話でありまして、12億から12億、人口は同じですけれども、負荷は8分の1まで落とさないと、この許容量の枠の中には入らないということであります。
 そういうことで、この8分の1を一応の長期の目標と、まだIPCCのデータ等々出ておりませんでしたので、中間段階のデータ等はかなり、6年ぐらい前はありましたけれども、一応こういう計算をして、8分の1の実現可能性というのを当社の中で評価したわけであります。
 ここはもちろん上流も下流も、さっきのお客様の方も入れまして、すべてに対して8分の1をどう実現するかを書いたのが、右であります。それぞれ赤の方は、私たちの実際の直接の努力、そして、黒でかきましたのはエネルギー資源の努力、そのように分けてかきました。
 一応裏側に、一番最後のところに、それをなし遂げるための環境技術戦略ということで、特に技術革新というのは非常に大事なものでありますので、今日は、ほとんど黒くなってしまって一部で申しわけございませんけれども、これは秘密に値するものがいっぱいありまして、私のチャートには大きいのは全部かいてあるんですが(笑)、そういうことで、省エネ系あるいは省資源系、あるいは紙負荷削減、これはお客様のところですね。そういうことでそれぞれ担当部門を決めて、技術戦略として挑んでいるわけであります。
 最後に、IPCC第4次報告書が出されたのは、もう皆様十分にご承知だと思いますけれども、そこで、今回の報告書、これは日経さんがうまくまとめているので、日経新聞のものを引用したんですけれども、ポイントとしては、2番、今後20~30年の努力が大変に重要だということであります。
 それから3番目、温暖化ガスを抑えようとすればするほど早期に排出量の削減に転じなければいけない。要するに、速やかに削減活動を起こさなければいけないということであります。
 そして、6番の対策の厳しさ。要するに、対策をやればやるほど、ちょうどこれ、多分IPCC第3作業グループの報告書の中にあるカテゴリー1の話ですね。かなりの努力をする。報告書の中では炭素コストを100ドルにするといった表現もありましたけれども、最大の努力をするということにすれば、大体20世紀末で1.1から6.4、あるいは50年で2.3度ぐらいというところで止まるだろうというわけであります。
 ここで止めれば7番の、50年のところで2~3度に止めれば経済的な損失が、努力したものとのバランスをとって、これは一番推奨のコースであろうということですね。
 こんなことは多分に、これからポスト京都議定書がバリ島でCOP13から始まりますけれども、そこに対するあるシグナルを送っているということだと思います。
 環境問題というのは、先ほどもちょっと言いましたように、業種、業態によってもかなり受け取り方が違いますし、あるいは対策の可能性もかなり違います。そういう意味では非常に、今、グローバルに世界各国、各地域に目標をどう分配するかといったことに似ていまして、非常に難しいんですね。
 環境保全、地球温暖化の問題に対して、今、目の前にCOP13から始まって15で世界の枠組みをしっかりと決めるに当たって、どうも方法・手段論の方が、例えば技術開発が重要であるとか、あるいは排出権取引がどうだとか、あるいは環境税がどうだとか、あるいは技術移転を相当やられなければいけない、森林をやらなければいけない、私はそういうことも非常に重要だと思うんです。しかし、一番芯のところは、IPCCをどれだけ信用するか、しないかにもよりますけれども、やはり何年までに世界全体でこれだけの炭酸ガス発生量、温室効果ガスの発生量に食い止めるかだと思うんですね。そして温度上昇─炭素濃度でもいいけれども、温度上昇の方がいいですね、温度上昇をどこで止めるかだと思うんですね。これが非常に重要なことで、その目標のコンセンサスが出ないとだめだと思うんですね。
 そして、さあ、そのためには、これははっきり言うと、届いても届かなくても、今現在の努力プラスαでどこまでいくかをしっかりと、例えば世界で共有化することが非常に大事だと思うんですね。そうすると、あとどれだけ残ってしまっているのかわかっていなくて、方法、手段ばかりがある程度整理されたとしても、それで一体どこまで届くのか、どれだけ残ってしまっているのかがわからないと、私は、世界全体でやる枠組みの骨組みが一つもはっきりしないと思います。私たちもできるだけ可能性のあるいろいろな検討をどんどんやりたいと思うんですけれども、ぜひ皆さんの方でも、しっかりとその辺をとらえた枠組みに対する進め方をしていただければなと思います。
 それから、もう一つ気になるのは、リーダーシップ、リーダーシップとよく出てくるんですが、一体何のリーダーシップをとろうとしているんだと思うことが私、個人的には多いんですね。
 以上、非常にがさつな話をしましたけれども、企業が進める環境保全活動という意味で、こんなやり方をしているということをご紹介しました。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 これまた先ほどと同様、いろいろとご質問、ご意見が出てきそうなんですが、さっきは終了時間を言わないで大変失礼いたしました。本日は4時まで、あと残り時間15分でございますが、この15分の間に、ぜひとも桜井会長からはリプライのご回答もいただきたいと思いますので、質問は、できれば10分ぐらいで止めたいと思います。
 ただ、先ほどご質問だよというような形でのチャレンジも受けていますので、そのことについてのコメントをしたいという方もいらっしゃるかもしれませんが、そのあたりは今の時間配分をお考えいただいて、よろしくお願いいたします。
 先ほどはしょったので申しわけなかったんですが、今度はこちらから当てますので、まず、発言ご希望の方は札をお立ていただきたいと思います。
 それでは、横山委員からお願いします。

○横山委員 ポスト京都議定書問題で、絶対値か原単位かと。いろいろな意見があるが、難しいと信じているといったお話でしたが、一方で、リコーは絶対値で達成するためにCDMをやるという決意を示されているわけですね。しかし、原単位でやる企業が出てもやむを得ないんだといった趣旨だったんでしょうか、その点だけ伺いたいと思います。

○桜井正光氏 最後のところまでは言っていません。リコーの話でいくと、とにかく自分たちは絶対値主義でいきます。絶対値でないと、要するに、地球が何を求めているかというと、地球が生き物だとするならば「もう温度はここで止めてよ」と言っているわけですよね。ですから、止めるということは、お湯を沸かしている方が効率がどうのこうのという話ではなくて「温度はここで止めます」ということですから、もう絶対値ですね。
 次の質問でありました、では、他の企業が原単位でいくということを言ってもいいのかということですね。いや、リコーの会長としては、いいということでございます。(笑)ただし、効率でいったとしても、その効率にその会社の売上高あるいは生産量というものを掛けたときに、どこまで絶対値でいくんですかということはしっかりとらえてやってほしいなと思います。

○浅野部会長代理 今の点は、今、点検をやっているところでは、基本的にその方針をとっているつもりでいるわけですが。
 さて、あとご発言ご希望の委員が4人いらっしゃいまして、おおむねどの程度の発言時間になるか想定がつくんですが、4人の方のご発言の後で、まとめて桜井会長からお答えいただきたいと思います。

○須藤委員 企業のトップとして大変申し分のない環境経営観をお伺いして、頼もしく思いました。
 それを踏まえて、全社員に徹底させるとおっしゃっていたんですが、その教育のプロセス等、もう少しお教えいただければありがたいと思います。
 それから、下流側のお話はあったんですが、上流側に対しての、要するにCO2削減、あるいは環境対策、こういうものについての発言なり関与なりはどのようにされているんでしょうか。上流側というのは、部品メーカーとかそういうことですね。

○猪野委員 今、桜井会長からいろいろお話を伺いまして、特に15ページになりますと、環境の経営の仕方が整理されて、非常に参考になるものだと思っておりまして、特に自主的な計画を立てて、それを具体的にリサイクルや省エネをしたり、そこら辺も含めて、また、最終的な不良品を出さない、そういう話も非常に参考になりました。
 一方では、24ページのところで実際のCO2絡みの、排出量のグラフを示されましたけれども、総量的にはまだなかなか落とせないということと、原単位では十分落としてきているというご説明がございました。また、そのご説明の中に、リコーさんとして大変いい製品をつくっておりますので、今、ちょうど増産的に生産が上がっている、そういう部分はなかなかコントロールし切れないという話も伺いました。
 そうしますと、先行き原単位で、例えばこれから何か目標をつくるとしますと、例えば製品の性能とかそういうものも、さらに性能アップというのは省エネ型にしていくとか、そのような将来の見通しというんでしょうか、そういうものをお持ちで管理されているかどうか、そこをお伺いできればと思っております。

○武内委員 リコーが8割のCO2削減の製品開発等を行っておられるといったことはたびたび聞いておりまして、私は大変すごいことであると敬意を表しているわけですけれども、他方、今日いみじくもお話しいただいたように、経済団体のある種の枠組みの中でお話されるときには、しばしば他社との関係とか団体を意識されて、必ずしもそういう先進的な取り組みが積極的に前に出てくるような方向にならない問題があると私は常々思っていたものですから、今日は大変いい機会だなと思ってお伺いします。
 例えば、ある小売業界の方が夜間営業を中止すると言ったところ、その業界から「そんなことを言ってもらっては困る」というお触れが回ったなんていうことを、直接そのリーダーの方から伺うわけですけれども、団体がこういう環境に対して促進力になるのか、それとも足を引っ張るようなものになるのかということは、これからの社会にとっては大変重要な意味を持つと思います。先ほどは、調整をされているというお話がありましたけれども、率直に言って、その辺は今後どういうふうに考えていけばいいのか、ぜひそういうリーダーとしてどうお考えか、お話しいただければと思います。

○浅岡委員 大変頼もしく思った次第でありますが、19ページからの上流、リコーグループ、顧客のところのこうした分析を拝見いたしまして、とても興味深かったです。
 特に、顧客側で使用時電力を減らすためには、電力会社に対する要請が1つありますでしょうし、リコーグループとしてのさらなる効率改善という部分もありますし、使用者側での考えるところがある─余りないかもしれませんけれども、あるかもしれない、これが1つあるかと思います。
 ただ、紙の方は、ほとんどこれは製紙業界の問題というか、製紙業界の排出量がここにあらわれていると理解できるわけですね。そして、それを裏紙を使うといったことで幾らか使用者側で減らすこともできる。さらなる、例えば一定期間たつと消えるような印刷の仕方でも考えられるとか、そういったことがひょっとしたらあるかもしれませんけれども、そういうことを考えますと、やはり電力会社とか製紙業界等に対して指導力を発揮していただくことがある意味で重要なのではないか。その点をお願いしたいと思うわけですが、そこでの総量での削減のための対策を一緒に考えていただく。
 そのときに、例えばアメリカなど、USキャップのような形で企業が姿を見せて「我が社はこうしてやります」そういったところを引き出して一緒にやっていただくようなことを、同友会の会長としてやっていただくのも1つでしょうし、リコーとしてやっていただくのもあると思いますが、そういう取り組みを急いでやっていただければ随分空気が変わるのではないかと思いました。

○浅野部会長代理  それでは、恐縮でございますが、お答えをよろしくお願いいたします。

○桜井正光氏 最初に、全社員への教育の問題ですね。
 全社員の教育の問題というのは、実はこれ、環境保全の活動の推進体制というのが全社にダッとありまして、本社に63人、そして各事業部門、それから本社機能、人事だとか総務だとかも含めまして間接的なところもみんなそうなんですが、そういうところにその部門の推進委員を全部配置していまして、それから生産部門、販売部門。ですから、環境保全活動を全社で推進する責任を持った人たち、この体制があるわけです。
 その体制の中に本社が環境保全、例えば、こんなチャートを1枚つくりますね。対応だ保全だ経営だという、あるいはいろいろなチャートをつくります。そういうものは全部その機関を通じて教育するわけですね。
 それから、全社の環境保全大会というのが毎年1回なんですが、そこでいろいろな事例発表をして、いい事例はみんな水平展開する、他の部門でもやるということですね。
 それからもう一つは、これはインセンティブの方なんですが、実は個人、個人の人事考課にも、環境保全に対してどれだけの活動をしていますか、あるいはどれだけの実績を出しましたかという項目もあるわけですね。ちょっときれい事になりますけれども、実は人事考課は余り効いていないように思うんですよね。ウエートは高いんですが、大体一律につけてしまいますからね。だから、その辺はちょっと問題がある。
 そんなことを通じて全社員、そしてリコーの特色は、これはもう本当に誇りを持って言いたいんですが、全社員活動で、実は今日は写真を持ってこなかったんですが、海外、アメリカでもヨーロッパでも同じ展開をしているんですね。例えば工場のごみゼロ、今、工場は完全ごみゼロです。
 ごみゼロにはレベルがありまして、第3レベルのごみゼロ。これは実は産業廃棄物を捨てないというレベル。第2レベルは一般の生活系の、例えば紙コップだとか文房具だとかというレベルですね、そして第3レベルというのが最高のレベルで、ここまで捨てないということになると、もう完璧にゼロになるんですね。それは汚物だとかそういうものです。残廃物、それから汚物の問題、こういうものまで全部処理して─ただ、逃げ道はあって、第3レベルでも、燃やして熱エネルギーで再利用すればという逃げ手があるんですが、それもできるだけ少なくしていく。リコーの工場では、世界ですべてこの第3レベルのごみゼロです。
 言いたかったのは、そういう活動をみんな非常に楽しんでやっているんですよ。規制があるから、社長が命令するから、評価項目にあるからとか、実はそんなことではないんです。沼津だとか福井の工場に行ってもらうとわかるんですが、みんな遊び心でやっているんですね。例えば、ごみの分別なんていうのはみんな遊び心です。「おふくろさん」なんていうのが提灯で飾ってありまして、夜になると非常にきれいなんですが、この「おふくろさん」というのは紙の捨て場所なんですね。そんな要領で、本当に遊びになっています。
 それから、上流への介入ですが、これはいろいろな方法がありまして、介入しています。介入というのは、規制的な介入と、それから支援型介入。例えば、私たちの方が生産効率を上げるとか、あるいは捨てるものを少なくするとか、いろいろ技術的な、あるいはプロセス的なことを知っていますから、そういうことは担当の資材購買部門、あるいは技術部門が教えに行くわけですね。
 規制の方は、これはグリーン調達です。要するに「ISOをとっていますか」とか「どのぐらいの危険物を含んでいるかちゃんとしたデータをとっていますか」とかいろいろな項目があって、それをちゃんとレポートしないとだめだ、もう取引はできないということですね。これは規制の部分です。
 それから、格好いいことを言っていたけれども、結局総量のところを見ると、生産量がアップしてくると一網打尽にだめになるといった感じで、そうすると、相当な総量、総量というのは生産量の総量が動いても、それに耐え得るだけの技術開発なりプロセス改革なりをしなければいけませんねということですね。
 まさにそのとおりなんですね。ここはもう観念論でしか言いようがないんですが、今のところは、先ほど全部マスキングしてしまいましたけれども、あの技術開発さえすればいけると見ています。それでIPCCと同じように、では、その技術開発にどれだけの開発投資を投入するんですか、どれだけのコストになるんですか、それも一応弾いています。弾いて、びっくり仰天の数字になるんです。だけれども、それは開発成果が上がれば、これは非常に泥くさい話だけれども、競争力強化となって、行く行くはリターンにはね返ってくる分量だろうと考えざるを得ないとしてやっています。
 それに関連して、武内先生からのご質問ですが、そうすると、もうみんな考え方が違って、積極的にいこう、それは業界が決めた線でいこう、そうではなくて、まだまだじっと見ていようとか、いろいろとあると思うんですね。それで、まず業界が足を引っ張る役になっているかというと、今までの京都議定書の範囲で言うと、これは足かせにはなっていないです。やはり促進機能になっていますね、業界の動きは。自主計画と言いながらも、かなりハイレベルの実施計画をつくり、そして、自主でありながらギャップが、届いていないのはわかりますから、それに対してまたチャレンジをするというのは業界ぐるみでやっていますからね、団体あるいは業界というのは、今までのところは案外足かせよりも、むしろプラスの方向に効いているということです。
 それから、今後のポスト京都議定書に対して、どうなるだろうかというところは、ちょっとわかりませんね。
 ただ、1企業から見たら、私は、業界で公式に「こう行こう」というものであったとしても、それを超える努力は、何も業界が足を引っ張るわけではありませんから、それは大いにやるべきだと。そういう企業が、あるいは産業があったっていいではないかと考えた方がいいと思うんですね。
 それから、さっき紙の件でちょっと気になりましたんですが、我々のお客様のところで紙を消費して、紙に基づく炭酸ガスの発生、温室効果ガスの発生というのは物すごいんですね。これは電力会社、あるいは紙をつくる製紙会社等々だけの話ではなくて、実は、何枚紙をとるかというのが非常に大きいんです。プリントだとかコピーに何枚紙を使うかという、その枚数に対して、いわゆる電力、エネルギー起源の炭酸ガス、それから業者のいろいろな経費等々が掛け算になりますので、実はこっちの、オフィスの中で紙をとる枚数を減らすということをすべきなんですね。これが実はプリンターであり複写機であり、そしてITシステムであり、我々の範疇の話なんですよね。
 さっきあえて大胆に言いましたけれども、そういう紙、プリントする枚数をいかに減らすか、これはオフィスの生産性にすごく寄与するものですから、コピーする枚数とか、それはみんなIT化してペーパーレスで、向こう側の世界というところで全部処理すればいいようにやればいいわけで、だからオフィスの生産性改革と非常に一致している話なんですね。そしてオフィスの生産性改革というのは、OA業界であったりIT業界であったりそういうものが、何もプロダクトだけの話ではなくて、お客様オフィスの生産性向上、これをやるべきだという話をさっきしたかったので、電力会社さん、紙屋さんだけの話ではない、むしろ我々の方がもっともっと大きな重責を担っているということです。

○浅野部会長代理 ありがとうございました。
 我々、審議会におりますと、それこそ資料のコピーで書斎が埋まっておりますので、まずそのオフィス改革は環境省からやっていただくと違うのかもしれません。

○桜井正光氏 そうですね。役所に行くとほっとします、まだまだ儲かるぞと。(笑)

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 最初の伊藤先生のところで少し時間を食ってしまいましたので、予定の時間をオーバーいたが、次回の予定についてお知らせを申し上げます。
 次回は11月29日木曜日の14時からでございます。前半は、有識者ヒアリングの最後ということで、黒川 清内閣特別顧問からご意見をいただくことにいたします。
 これまでの有識者ヒアリングを踏まえて、今後、地球環境部会としての論点整理に入ることになります。そこで、この懇談会を始めました第1回、第2回の議論を踏まえて、鈴木部会長からもお話がありましたように、懇談会形式で会を開くことは本日までといたしまして、次回からは、地球環境部会ということで開催いたします。
 したがって、定足数が非常に厳しく求められることになりますので、ぜひ次回のご出席をお願い申し上げます。
 それから、次回以降の議論の素材として、最初に事務局からお話がありましたように、これまでのヒアリングでいただいたご意見を整理した資料、あるいは論点を抽出した資料を用意していただくことになっておりますけれども、これまでのヒアリング概要の資料は、本日、参考までにお配りしておりますので、お目通しいただければということでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、副大臣、ありがとうございました。何かご発言がございますか。

○環境副大臣 いつもご厄介になっていまして、ありがとうございます。
 また、桜井さんにおかれては大変いいお話をいただきました。
 来年、洞爺湖サミットがございます。私も副大臣になってまだ3カ月でございますが、環境問題でいろいろ勉強させていただきました。来年の洞爺湖サミットでは、やはり京都議定書以後の日本のリーダー─さっきリーダーシップって何だろうかというお話でしたけれども、やはり世界に先がけて、環境立国としての日本というものを確立してやっていく必要があるのかなと思っております。
 私は3カ月の間に、もしお時間があれば、大変ショッキングな温暖化、北極の氷が溶け始めてきた。これはもう温暖化関係なく、自然の中で溶け始めるから、あと数年で溶けてしまうだろうと。北極の海が温かくなっているんだそうです。ですから自分で溶けている、こんな話を聞きまして、私はちょっとびっくりしております。これは現実に、来年、再来年にもし本格的にそうなったときに、地球をどうしていくのかということになってくるんだろう、こんなことをちょっと勉強させていただきました。
 今後、皆様方のさらなるご指導、ご意見をいただきまして、しっかりやっていきたいと思っております。
 ありがとうございました。

○浅野部会長代理 どうもありがとうございました。
 本日はこれで散会いたします。

午後4時08分 閉会

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