中央環境審議会地球環境部会(第95回)議事録

1.日時

平成23年9月9日 9:36~11:53

2.場所

東海大学校友会館 「阿蘇の間」

3.議事次第

  1. 1.東日本大震災を踏まえた今後の低炭素社会に向けた方針について
  2. 2.今後のスケジュールについて
  3. 3.その他

配付資料

資料1
地球環境部会での主なご意見について
資料2-1
第三次環境基本計画-環境から拓く新たなゆたかさへの道-(抜粋)
資料2-2
第四次環境基本計画策定に向けた考え方(中間とりまとめ)
資料2-3
今後の検討について
(平成23年7月28日第62回中央環境審議会総合政策部会参考資料2)
資料2-4
本日お伺いしたい事項
資料3
京都議定書目標達成計画の進捗状況の点検について
資料4
今後のスケジュール
参考資料1
中央環境審議会地球環境部会意見具申
-東日本大震災を踏まえ地球温暖化対策の観点から、復旧・復興、電力需給逼迫解消等において配慮すべき事項-
参考資料2
環境基本計画の見直しに係る重点分野「地球温暖化対策」(案)
(平成17年11月4日第32回中央環境審議会地球環境部会資料1)
参考資料3
総合的環境指標の発展的見直しに向けた方針について
参考資料4
京都議定書目標達成計画の進捗状況(環境省分個表)
参考資料5
前回ご意見等いただいた事項について
参考資料6
夏の電力需給対策の総括

議事録

午前9時36分 開会

○地球温暖化対策課長
 それでは、定刻でございますので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会第95回の会合を開始いたします。本日、委員総数36名中、過半数である18名の委員に既にご出席いただいておりますので、定足数に達しております。また、本日の審議は公開とさせていただきます。冒頭に、地球環境部会委員の入れかえがございましたため、ご紹介を申し上げます。日本経済団体連合会の環境安全委員会委員でございました関田委員がご退任されまして、今回、新たに加わった委員がございます。ご紹介をいたします。進藤委員でございます。

○進藤委員
 進藤でございます。宜しくお願いします。

○地球温暖化対策課長
 また、電気事業連合会環境専門委員会委員長であります、井上委員が新たに加入いたしております。

○井上委員
 電気事業連合会の環境専門委員会で委員長を務めております、関西電力の井上でございます。宜しくお願い申し上げます。

○地球温暖化対策課長
 さて現在、中央環境審議会の総合政策部会におきまして、策定が検討されております第四次の環境基本計画につきましては、計画の中で重点分野として地球温暖化に関する取組というのが設定されております。この重点分野の内容を議論するに当たりましては、地球環境部会を活用し、当部会で議論をするということになっております。本日の地球環境部会では、その重点分野の議論を開始していただくということでご説明をいたしたいと思っておりますけれども、議論に当たりましては、当部会に総合政策部会の委員の方にもご出席をいただき、議論に参加していただくということになっております。本日は、総合政策部会のほうから、独立行政法人農畜産振興機構理事長でいらっしゃいます木下委員、それから一級建築士事務所オーガニックテーブル株式会社代表取締役であらせられます善養寺委員にご参加いただくということになっております。宜しくお願いいたします。それでは、以降の議事進行については鈴木部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長
 それでは、早速、議事に入らせていただきたいと思いますが、大部の資料が配付されておりますので、まず、事務局から配付資料の確認をお願いしたいと思います。

○地球温暖化対策課長
 今日、お手元、表に議事次第がございます。配付資料が、その下のほうに紹介されておりますけれども、資料1が地球環境部会での主なご意見について。資料2-1が、第三次環境基本計画の抜粋でございます。資料2-2が、第四次環境基本計画策定に向けた考え方(中間とりまとめ)で、2-4まで一括でとじられております関係で、資料2-1のほうに、資料2-4まですべて含まれておりますので、ご確認いただきますようお願いいたします。資料3が横でございまして、我が国の温室効果ガス排出量の現状分析及び京都議定書目標達成計画の進捗状況の点検についてでございます。それから、資料4が今後のスケジュール。それから、参考資料が1、2、3、4、5、6までついております。ご確認いただきますようお願いいたします。過不足ございましたら、事務局のほうまでお知らせくださいますようお願いいたします。

○鈴木部会長
 ありがとうございました。それでは、議事次第に従いまして議題のほうに進みたいと思いますが、ここにご覧いただけますように3つ議題として上げてあります。1は東日本大震災を踏まえた今後の低炭素社会に向けた方針について。ここの部分で、環境基本計画に向けたこの部会の検討をさせていただくと、こういうことでございます。また、今後のスケジュールについてが2番、3がその他となっております。報告事項等があることになっていると思います。早速、一つ目の議題に入らせていただきたいと思いますが、これにつきましては、まず事務局より説明をいただくと。こういうことで、その説明を40分位いただくことになりますが、その後で委員の方々からいろいろとご意見、ご質問、ご発言をお願いしたいと思います。それでは、事務局のほうから、資料1から3までということですね、お願いします。

○低炭素社会推進室長
 それでは、資料1でございます。こちらにつきましては、地球環境部会での主な意見についてというものでございまして、これまで2回、7月11日、そして7月27日にご議論いただきました意見につきまして、項目別に事務局のほうで整理をさせていただいたものでございます。各意見、総論から始まりまして、整理をしてございますけれども、各意見の頭に○をつけたものと、そして後ほど2ページ目以降には●のものが出てまいりますが、●のものにつきましては、早急に対応すべきというものに関連するものでございますので、先日おまとめいただきました意見具申という形で取りまとめをしたということかと考えております。本日も、後ほどご説明いたします資料2、3に基づきましてご議論いただきまして、いただきました意見につきましては、これに整理をして、次回にも提示をしたいというふうに考えてございます。構成といたしましては、1ページ目に総論ということで、議論の前提に関する部分、主に社会の変革、また価値観の変革が起こっているのではないかということに関するご意見が幅広くいただいておるというものでございます。また、2ページ目にわたりましては、地球温暖化対策を具体的に進めるに当たっての視点というものでございまして、こちらにつきましては、どれ位のタイムスパンを考えるべきなのか、また、様々検討をする際に考慮すべき事項について、幅広くご意見をいただいたものでございます。3ページ目には、エネルギー政策との関連というものでございまして、こちらにつきましては、環境政策とエネルギーの政策、これをバランスを見ながら、また一体的に議論をしていくべきだというご意見をいただいておりますし、また、その具体的な施策というものにつきましては、3ページ目中ほどからでございますけれども、どのような議論を進めていくのかということで、特に3ページ目一番下の意見などでは、民間資金をいかに活用していくのかというご意見も賜っているところでございます。4ページ目にわたりましては、国内でのエネルギー起源以外のガスの対策ということで、代替フロンであるとか、森林吸収源、また、2国間クレジットのスキームということも幅広くご意見をいただいております。4ページ目中ほどからは、省エネルギー対策ということで、視点といたしまして、様々いただいておりますけども、エネルギーを議論する際には四本柱というふうには言われているけども、省エネルギーとほかの3施策、これは需要と供給側で分かれるので、分けて議論をするべきだというようなお話。また、5ページ目の頭にかけてでございますが、日本の住宅のあり方を変えていくといった視点が重要であるというような視点をいただいてございます。具体的な施策といたしましては、ベンチマーク化であるとか、あと交通関係の対策ということにも意見をいただいております。5ページ目、中からは節電に関する観点でございまして、議論を行うに当たっての視点ということでいただいておりますのが5ページ目下でございますけども、電力コスト高、供給不安定という話であると、海外流出の懸念もあるというようなご指摘もいただいておるところでございます。具体的な施策といたしましては、6ページ目にかけてでございますけども、節電を進めるに当たって正しい情報の提供などの施策が必要というご指摘もいただいております。また、6ページ目中からは原子力発電に関する部分でございますが、幅広くいただいておりますけども、どのような位置づけにしていくか、この部会でも議論が必要だというようなご意見もいただいております。6ページ目下からは再生可能エネルギーに関する部分でございますけれども、視点、幅広くいただいておりまして、7ページ目にわたって議論を整理しておりますが、再生可能エネルギーに関しては、7ページ目、下から4つ目の部分でございますけども、環境教育というものを早急に進める必要があるであるとか、あと一番最後、7ページ目下でありますけども、地域との連携を図って進めていくべきだというご意見もいただいております。また、具体的な施策ということは8ページ目に整理をさせていただいておりますけども、8ページ目下でいきますと、東北地域で考えますと、冬の暖房にも使えるという観点で、地中熱空調というものの実証などの必要性もいただいております。また、9ページ目でございますけども、まちづくりという分野につきまして、視点もいただいておりますが、中ほど3つ目のところでありますが、まちづくりの中でもモビリティの問題を取り上げていくべき、また情報通信技術を活用する視点が必要だというようなこと。あと、まちづくりそのもののあり方が最大のデモンストレーション効果があるなど、幅広く意見をいただいております。これは前回までのご議論を整理したものでございますので、本日いただきました意見も、この中に整理をしていきたいというふうに考えております。以上が資料1でございます。続く資料2の固まりでございますけども、こちらにつきましては、環境基本計画の見直し作業が進んでいるというところでございまして、地球温暖化対策部分のご議論を賜りたいというものの関連資料でございます。まず、資料2-1でございますけれども、こちらにつきましては、現行の環境基本計画、第三次の計画というものの抜粋でございます。これは平成18年に決まったものでございます。今回、資料2-1としてお示ししておりますものは、そのうち地球温暖化問題に対する取組の部分を抜粋したものでございます。構成と主な内容につきまして、ご説明を申し上げます。まず1ページ目といたしまして、1として現状と課題の整理がされております。(1)といたしまして、地球温暖化に関する科学的知見が整理をされているというところでございまして、この中でいきますと、人間の健康や経済社会活動にも広範かつ深刻な影響を及ぼすなどの科学的知見が示されているということ。また、3つ目のパラグラフの部分でいきますと、究極的には濃度を一定レベルで安定させる必要があるということでありますが、現在の排出量が自然吸収量の2倍程度あるというような知見も示されておるところであります。続く2ページ目でございますけれども、国際的な対策の枠組みというものが(2)として整理をされておりまして、こちらにつきましては、気候変動枠組条約、また、京都議定書の採択、その内容について整理がされているということ。また、締約国会議の議論の進捗などが整理されております。続く(3)といたしまして、国内における対策の内容ということで、京都議定書で定められた6%削減約束、これの確実な達成を担保するということから、京都議定書目標達成計画というものが2005年に閣議決定されて、それに基づいて対策・施策が進められているということが整理されております。以上が1の現状と課題というものでございます。続く2ページ目、下からでございますが、目標について整理がされているという部分でありまして、まず(1)といたしまして、究極の目標ということで、こちらにつきましては、国際的な整理ということで、気候変動枠組条約が究極的な目的に掲げる「気候系に対する危険な人為的影響を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させること」を目指しますということを掲げております。続く中長期的な目標というのが(2)として整理されておりまして、3ページ目、上でございますけども、社会経済のあらゆるシステムを、構造的に温室効果ガスの排出の少ないものへと抜本的な変革を遂げることを目指すということを掲げております。そして、30年から50年を射程とする中長期目標を策定することとし、必要な作業を進めるということをうたってございます。(3)といたしまして、当面の目標ということが整理されておりまして、こちらが京都議定書で定められました2008年から12年までの第1約束期間6%削減、これを確実に達成するということが掲げられております。以上が目標に関する部分でありますが、3ページ目、中ほどからは施策の基本的方向というものが整理されております。こちらにつきましては、まず、項目としては、(1)として京都議定書の6%削減約束の確実な達成ということで、必要な施策・対策が掲げられておりますが、3ページ目、下からでありますが、まず、すべての主体の参加・連携の促進と各主体に期待される役割というのを明記するということが記載されておりまして、具体的には、4ページ目にわたってでございますが、最初のパラグラフでございますが、地球温暖化対策の進捗状況に関する情報を積極的に提供・共有するということ。また、各主体の対策・施策への積極的な参加。そして、連携強化を促進するということ。あと、あらゆる場で様々な主体が参加した環境教育を進めるということが掲げられており、さらに国がどのような取組を行うか、また各主体がどのような役割を担うのかということが、4ページ目から、国、地方公共団体、事業者、国民、そして5ページ目にわたって、民間団体(NGO)の役割が整理されているという構成になってございます。また、5ページ目でございますが、イといたしまして、多様な政策手段の活用ということでございまして、削減余地を最大限に発揮し、あらゆる政策手段を総動員するということ。そして、インセンティブ付与型の施策を重視するということが掲げられております。また、ウといたしまして、評価・見直しのプロセスを重視するということが掲げられておりましてPDCAサイクルを回して、柔軟に対策・施策の見直し、追加を行っていくということが記載されてございます。次の固まりといたしまして、(2)といたしまして、さらなる長期的・継続的な排出削減ということでございます。手法といたしましては、バックキャスティング手法の重要性を認識していくということで、長期的な視点から目指すべき社会を描いた上で、そこからどのような対策が必要なのかということを考えていくという手法の重要性をうたっていること。また、6ページ目でございますけれども、中長期的な国内対策のあり方といたしまして、技術革新を進めるというほかに、地域・都市構造であるとか、あと交通システムの抜本的な見直しの重要性、また、既存住宅・建築物の断熱化などの社会ストックに関する対策。そして、持続可能な森林経営と。こういったものが謳われてございます。また、ウといたしまして、新たな国際枠組みの検討ということで、第1約束期間後の議論ということで、多面的にリーダーシップを発揮していくということを掲げております。6ページ目、中からでございますが、(3)といたしまして、避けられない影響への適応策ということで、影響がどうしても出てしまう部分につきましては、その影響への対応(適応策)を考えていくということで、2つ目のパラグラフでございますが、適応策のあり方に関する検討、また技術的な研究を進めること。そして、モニタリングの拡充・強化。こういったところと、あと脆弱な国における適応策への支援という、国際的な視野も入れていくという必要性をうたっております。4つ目の項目といたしまして、重点的取組事項ということで、6ページ目、下から整理しておりますけども、まず一つ目といたしまして、温室効果ガスの排出削減、吸収、こういったものを進めるための対策・施策をうたっております。7ページ目から具体的な内容を掲げておりますが、(ア)といたしましては、社会経済システムを見直していくということで、地域・都市構造、あと交通システムの見直しなど、地域ぐるみでの取組が重要だということを掲げております。また、(イ)といたしまして、具体的な対策といたしましては、大きく分けて[1]から[4]まで掲げておりますけれども、まず[1]といたしましては、省CO2型の地域づくりの対策を進めると。また、[2]といたしまして、公共交通機関の利用促進、こういったものを進めるということ。[3]といたしましては、物流体系全体をグリーン化していくという対策が必要であること。そして、4つ目といたしましては、エネルギー資源の効率的な地産地消を進め、地域全体でのCO2を減らしていくということを推進するということを掲げてございます。また、次のイといたしまして、吸収源対策といたしましては、森林の整備・保全、そして都市緑化、こういったものを進めるということが掲げられております。8ページ目でございますけども、次の対策・施策といたしましては、京都メカニズムの活用ということでございまして、CDMなどの活用が謳われております。また、基本的な原則といたしましては、このパラグラフ最後のところでありますが、国内対策に対して補足的であるという原則を踏まえての活用だということが掲げられております。8ページ目、中ほどからは、(2)といたしまして、横断的施策ということでございまして、国民運動の展開であるとか、あと公的機関の率先的取組、またポリシーミックスの考え方の活用といったことが掲げられておりますし、4つ目のパラグラフでございますが、環境税についての記述。最後のパラグラフとして、国内排出取引制度についての記述が、前回は現行としては整理されているというものであります。8ページ目下からは、基盤的施策ということで、技術開発の推進、また研究・監視観測、そして国際連携の重要性についてうたっている部分がございます。あと、5つ目の大きな柱といたしましては、9ページ目、中ほどからでございますが、取組推進に向けた目標ということで、取組全体としての目標を掲げている部分が9ページ目の表の部分でございますが、排出量としての目標値が掲げられているということと、10ページ目にわたりましては、CO2以外のガスの排出量の目標。また、10ページ目、下からの部分でございますが、(2)といたしまして、個々の主体からの排出量等に関する目安ということで、1世帯当たりの排出量であるとか、業務でいきますと床面積当たりの目標、こういったものを掲げてございます。以上が現行の第三次環境基本計画の温暖化部分の抜粋となっております。これを第四次の環境基本計画として見直していくというご議論を賜りたいというものでございます。それに当たりまして、中央環境審議会の総合政策部会でどのような考え方が示されたかということにつきまして、続きます資料2-2でございます。こちらは総合政策部会で8月に中間取りまとめがなされたものでございまして、第四次環境基本計画策定に向けた考え方というものでございます。「はじめに」ということで、概括が書いてございますが、2ページ目以降に具体的な内容が掲げられております。まず、第四次環境基本計画策定に向けての現状と課題というものが2ページ目から整理されておりまして、1といたしまして、環境に関する状況が整理されております。(1)としまして、世界全体の状況ということで、各部門ごと、温暖化であるとか廃棄物、こういったものが世界でどうなっているのかということが整理をされている部分でございます。3ページ目まで、各分野で整理が続いておりまして、4ページ目からが我が国の状況ということで、また各環境分野ごとに現状が簡潔に整理をされているというところでございまして、それが4ページから5ページ目、そして6ページ目にわたって整理がなされております。6ページ目の中ほどでございますが、第三次と状況が大きく異なりますのが、東日本大震災による環境問題という項目が出ておりまして、ここで整理されておりますのが、瓦礫の発生、また、それに伴ってのアスベストであるとか、有害化学物質の飛散、さらに3つ目の○でございますけども、原子力発電事故等による放射性物質の放出、こういったものの状況が整理をされているというところが、この第四次の特色かと思っております。続く6ページ目、下からでございますが、環境問題に関係する経済社会の状況ということで、こちらにつきましても、世界全体の状況を取りまとめるのが6ページ目から始まりまして、7ページ目には環境と経済との関連性、特にグリーンニューディール、グリーン成長といった流れについて整理がなされているのが8ページ目まで続いております。あと、8ページ目、中からは、我が国の経済社会の状況が記載されておりまして、人口であるとか経済、また資源エネルギーの状況について整理がなされている部分。環境と経済についても、国内での対応といったところが記載がされております。また、9ページ目にわたりまして、土地利用の状況なども整理がされているというのが現状の整理ということであります。9ページ目下からは取り組むべき課題ということで、1、2に示されました環境であるとか社会経済の状況を踏まえてどのような課題があるのかという整理が9ページ目から始まっておりまして、具体的には10ページ目の上からでございますけども、一つ目の○といたしましては、地球全体の持続可能性を念頭に置いての取組が不可欠であるということ。あと、2つ目の○でありますが、その際には、環境と経済、社会の統合的な向上を目指すことが不可欠であるというような課題が整理されております。これら課題が11ページ目まで続いておりまして、11ページ目、一番下のところでございますが、先ほど状況のところにございましたけれども、原子力発電事故による放射性物質への対応ということで、それにつきましては、この計画に反映していくこととするという整理になっております。12ページ目からは、二といたしまして、環境政策の展開の方向ということで、今後の目指すべき持続可能な社会を考える上で留意すべき点というところが整理されております。こちらにつきましては、別途、これまで整理をされていた例えば「21世紀環境立国戦略」などの話、また震災、原発事故を背景にした「安全・安心」、こういった視点が重要だということが整理がなされてございます。具体的には、13ページ下からでございますけども、今後の環境政策の転換に当たり重視すべき方向というところが、大きく4つの考え方が提示をされてございます。(1)といたしまして、政策領域の統合による持続可能な社会の構築ということ。2つ目といたしまして、国際情勢に的確に対応した戦略を持った取組の強化が必要であるということ。3つ目といたしまして、持続可能な社会の基盤となる国土・自然の維持・形成が必要であること。そして、4つ目といたしまして、地域を初め様々な場における多様な主体による行動と協働の推進が必要であるという考え方が、整理がなされております。その具体的な中身につきまして、14ページ目以降に整理がなされております。まず、一つ目の政策領域の統合による持続可能な社会の構築という考え方に関しまして、14ページ目上からでございますが、一つ目としましては、環境と経済の密接不可分の関わりを踏まえた取組を推進する必要があるということでございまして、こちらにつきましては、14ページ目、下から2つ目のぽつ、最後のパラグラフでございますが、経済との関係を意識した環境政策を進めていくことが重要であるというようなこと。また、最後の黒ぽつでありますが、あらゆる経済活動が金銭を媒介として行われるということを踏まえて、環境等の要素を評価基準として取り入れた環境金融、こういったものを進めていくという重要性についても言及がなされております。また、15ページ目でございますけども、グリーンイノベーションを通じた持続可能な社会づくりということの重要性が掲げられておりまして、具体的に、2つ目のぽつの最後の一文でございますが、グリーンイノベーションを進めるということは、環境分野への投資を呼び込むことにもつながり、環境と経済の好循環が実現されることとなるという整理がなされております。3つ目の整理といたしましては、長期的な視野を踏まえた環境研究・技術開発の充実・活用ということが掲げられておりまして、これらを通じて持続可能な社会の構築を検討すべきだということが整理がなされております。また、16ページ目には、分野相互間の連携を視野に入れた取組ということで、こちらにつきましては、一つ目のぽつの2行目でございますが、低炭素社会、そして循環型社会、自然共生社会、これを統合的にとらえるということの必要性が謳われておりまして、この評価・考慮する手法についても議論をすべきということが謳われております。16ページ目、中ほどからは、(2)といたしまして、国際情勢に的確に対応した戦略を持った取組の強化の考え方の具体的内容について記載がなされております。大きく分けると2つでございますが、一つ目が、国益と地球環境全体の利益、この双方の観点からの戦略的な取組が必要であるということが謳われておりまして、長期的な視野に立って、この双方の観点からの検討が必要であるということと、16ページ目、下でございますが、国際環境協力の推進による互恵関係の構築の重要性が謳われているというものでございまして、これらを具体的に議論していくべきだということが示されております。17ページ目、中ほどからは、3つ目の基本的な考え方といたしまして、持続可能な社会の基盤となる国土・自然の維持・形成ということでございまして、こちらにつきましては、ストックとしての国土の価値の増大に向けた取組ということでございまして、森林、河川、海洋、こういった自然、こういったものを維持・活用していくということの重要性。また、下から5行目位でございますが、地球温暖化対策にもなるバイオマス資源の活用など、こういったものについても重要性が指摘がされているというものでございます。また、18ページ目でございますけども、環境保全の観点からの国土利用メカニズムの構築ということが柱として掲げられておりまして、具体的な内容といたしましては、一つ目の○の中ほどでございますが、自動車利用から公共交通利用への転換なども謳われておりますし、3つ目の●でいきますと、自立分散型のエネルギーシステムを未利用資源・未利用エネルギーなども活用しながら進めていくということが謳われてございます。また、良好な環境の保全に向けた取組ということで、こちらにつきましては、有害な物質による環境汚染からの人また生態系を守るということが謳われております。最後の4つ目といたしまして、地域を初めとする様々な主体の協働の推進ということで、18ページ目、下からでございますが、環境教育であるとか、意識啓発による一人一人の行動への環境配慮の織り込みというものの重要性。また、19ページ目でございますが、環境問題の解決に向けた多様な主体の連携の必要性が謳われてございます。これらが基本的な考え方ということでございますけども、それらを踏まえながら、環境政策を実施する上でどのような原則・手法があるのかというのが、19ページ目、中ほどから整理がなされております。まず、(1)といたしまして、環境政策における原則を改めて整理がなされておりまして、こちらでは「汚染者負担の原則」、また「環境効率性」、「拡大生産者責任」、こういった原則の整理がされております。また、(2)といたしまして、最適な手法の選択というところでございまして、こちらは多様な政策手段の中から最適な手法を組み合わせていくということの重要性が整理されております。20ページ目からは、具体的な第四次の環境基本計画の構成という部分でございます。まず、重点分野の設定ということで、(1)でどのような考え方で設定をしていくのかということが整理がなされております。2つ目の○のところでございますけれども、こちらで重点分野の考え方が整理がされておりまして、一つ目の黒ぽつでございますが、まずはこれまでの取組状況と課題、こういったものを整理をする、記述をするということ。あと、中長期的な目標についての記述。そして、政策の基本的な方向性の記述。最後に、取組推進に向けた指標及び具体的な目標を示すということが構成上謳われてございます。また、2つ目の黒ぽつでございますが、様々な主体ごとに取り組むことが望まれる行動を明確化するということと、その実現のために、政府が講ずる施策を明らかにするということ。さらに、他の分野との関連が明らかになるようにしていくということが謳われてございます。これらを踏まえて、具体的な重点分野でございますが、(2)にそれが示されておりますけども、まずは事象横断的な重点分野に係る取組ということで、こちらにつきましては、3つの分野が示されております。まず、[1]といたしまして、経済・社会のグリーン化とグリーンイノベーションの推進というものに関する記述。そして、21ページ目でございますが、国際情勢を的確に対応した戦略的取組の推進に関する記述が必要であるということ。3つ目といたしまして、持続可能な社会を実現するための地域づくり、人づくり、基盤整備の推進ということに関して整理が必要であるということでございます。さらに、21ページ目、中ほどでございますが、事象面で分けた重点分野ということで、こちらにつきましては、6分野が設定されております。[4]といたしまして、地球温暖化に関する取組が必要であるということ。そして、22ページ目でございますが、生物多様性の保全、また持続可能な利用ということ。[6]として、物質循環の確保と循環型社会の構築。[7]といたしまして、水環境保全。[8]といたしまして、大気環境保全。そして、最後の[9]番目といたしまして、包括的な化学物質対策の確立と推進ということが掲げられております。以上が第四次の環境基本計画を策定するに当たっての考え方として総合政策部会から示された考え方でございます。どのような検討を行うべきかというところが、続く資料2-3といたしまして示されてございます。こちらは先日、7月28日に開催されました総合政策部会で示された資料でございますが、今後の検討についてということで、検討の方法等については、ここに示された1から3のとおりとするということであります。一つ目といたしましては、総合政策部会として、各種団体との意見交換会を開催するということで、9月頭から10月の頭までにわたりまして、各種団体、行政機関などから意見をお伺いするということ。そして、2といたしまして、重点分野の検討については、先ほどお示しをいたしました9つの分野ごとに検討を進めていくということと、各重点分野ごとに主担当の総合政策部会委員を決めていくということ。また、環境省のほかに、関係する府省の協力を得ながら検討を行うということ。そして、中間取りまとめで示された重点分野の考え方に基づいて検討を行うということが示されております。今後のスケジュールといたしましては、3.でございますが、検討結果につきましては、11月の下旬から12月上旬を目途に、総合政策部会に重点分野ごとの検討結果を報告するというスケジュールになっているということでございます。裏面につきましては、さらに詳細なスケジュールが書いておりますが、ゴールから行きますと、一番下でございますが、年度内を目途に第四次の環境基本計画を閣議決定するというスケジュールでございまして、そこから逆算して、中環審の答申、またパブリックコメントなどの手続を経て整理をしていくということでございますので、この11月から12月にかけて、各分野の報告がそれぞれなされるというスケジュールになってございます。続く資料2-4でございますけども、本日から、この第四次の環境基本計画の策定に向けて、地球温暖化部分に関してのご議論を賜ればと思っておりまして、ご議論いただきたい事項ということを頭出しをしたものでございます。まず、議論をする重点分野につきましては、先ほどありました全部で9つある分野の中から、アンダーラインを引いてございますが、地球温暖化に関する取組に関してご議論をいただければと思っております。また、重点分野に関してどのような議論、そして最終的な取りまとめとして記載事項にするかというのは、先ほど総政部会での中間取りまとめでご説明を申し上げましたが、[1]から[4]まで書いてございますが、これまでの取組状況と課題、そして中長期的な目標、施策の基本的な方向、取組推進に向けた指標、そして具体的な目標、これに関しまして記述をしていくというためにご議論を賜ればと思っております。表面から裏面にかけては、その関連部分の抜粋が書いてございます。そして裏面、3.といたしましては、検討の成果については、先ほど申し上げましたように、11月下旬から12月上旬にかけまして、本部会で取りまとめていただきました内容につきまして、総政部会のほうに報告をいただくというスケジュールを考えておるというものでございます。以上、資料1から資料4が環境基本計画部分でございます。最後に資料3でございますけれども、こちらにつきましては、温室効果ガスの排出量の現状分析、そして京都議定書目標達成計画の進捗状況の点検についてというものでございます。資料の3ページ目から13ページ目までは、排出量の現状ということでございまして、こちらにつきましては、前回までもご説明を申し上げましたが、排出量が確定しております2009年度までの値を整理したものでございます。飛びますが、14ページ目以降からが、環境省の対策の進捗状況のご説明でございます。まず、14ページ目に、環境省として取り組んでいる具体的な施策につきまして整理をしたものでございまして、大きな括りでいきますと、5つの括りになってございます。上から行きますと、エネルギー起源CO2を減らしていくというもの。また、エネルギー起源CO2以外のガス、メタンであるとか、N2O、こういったものを減らしていくという対策。そして、その他の横断的な対策ということが3つ目の括りでございます。4つ目といたしましては、京都メカニズムに関する施策ということで、クレジットの取得などの話でございます。最後、5つ目といたしまして、国際交渉であるとか、あと環境省所管業種等の自主行動計画をフォローアップしているという内容になってございます。それぞれ対応する施策につきましては、15ページ目以降から詳細について記載しておりますが、15ページ目は、環境負荷の少ないまちづくりといたしまして、コンパクトシティをつくっていくという観点から、グリーンニューディール基金などを活用しているという実態でございます。また、16ページ目でございますが、温室効果ガス対策にもなります都市内緑化など、ヒートアイランド対策の現状でございまして、グラフでいきますと、青線、赤線が当初見込んでいた削減指標ということでございまして、緑の部分が実績ということでございまして、こちらにつきましては、対策がかなり順調に進んでいるということでございます。また、公的機関での排出削減ということが17ページ目でございますけども、政府で作成しました実行計画の進捗状況ということで、こちらも同じく緑の部分が実績、青のところが見込みでございまして、こちらも見込みよりは進んでいるという状況かと思っております。また、18ページ目は、業務用の省エネ冷蔵・冷凍機器の普及ということでございまして、コンビニなどの業務用冷凍・冷蔵機、こういったものの進捗ということでございまして、こちらも対策で見込んでいたケースよりも実績は上回っているというのが現状でございます。あと、20ページ目からは国民運動の実施ということで、様々、普及啓発活動を行っている現状でございますが、20ページ目には、その一例といたしまして、クールビズ、またウォームビスの進捗ということでございまして、こちらにつきましては、年度によっては対策上位ケースよりも上回っている場合、また下回っている場合ということでございますが、一層の努力が必要な部分もございます。20ページ目以降が国民運動を様々行っているものが、取組として表としてついてございますので、それがしばらく続きまして、29ページ目まで具体的な中身が記載されております。29ページ目からは省エネ機器の買いかえの促進ということでございまして、こちらにつきましては、電球型の蛍光灯であるとか、節水シャワーヘッド、こういったものの買いかえを促進するというものの進捗状況でございます。こちらにつきましては、2010年度、最新の値でいきますと、実績が対策見込みケースよりも下回っているということでありますが、右下の青い囲みのところに評価で書いてございますが、全体としては計画時の目標には届いていないというのが最新の状況でございまして、こちらにつきましては、導入台数全体が減っているというのは、景気の悪化も一つの原因かと思われるということでございまして、さらなる施策の必要性がわかるかと思います。個別の機器の導入台数につきましては、続く30ページ目、31ページ目に、それぞれ導入台数の進捗状況が書いてございます。また、32ページ目には、新エネルギー対策の推進ということでございまして、環境省として行っております補助事業などの予算額の整理が書いてございます。33ページ目以降が廃棄物処理におきます対策ということでございます。33ページ目は、廃棄物の焼却施設での発電による削減ということでございまして、左上のグラフでは、青色が見込量、そして緑が実績ということでございますが、実績としては、削減量が当初の見込みよりも下回っているというのが現状でございます。評価といたしましては、右上の青い囲みでございますけれども、ごみ発電ができる施設での焼却量が見込みより少なかったということが主な原因として考えられるということで、今後、ごみ処理の広域化、また施設の改良による、さらに発電効率を高めていくという施策が必要だということかと思っております。続く35ページ目でございますが、こちらは焼却に伴って排出されるN2Oなどの状況でございまして、排出量を削減するという面からいきますと、焼却量を減らしていくという施策が必要だということでございまして、左下などに対策評価指標というものが書いてございますが、一般廃棄物のプラスチックの焼却量の実績が書いてありますが、見込量よりも削減、深掘りができているという状況がございます。また、実際にどれ位N2O等が削減できたかというのが36ページ目でございますけども、左上の棒グラフのところでございますが、削減量につきましては、赤い見込量よりも実績は下回っているというのが現状でございます。こちらにつきましては、同じく右の上の囲みに評価が書いてございますが、2つ目の●でありますが、焼却量自体は減少傾向にはあるということでありますが、当初想定していたよりも削減が進んでいなかったということで、この焼却削減量をさらに進める必要があるということでございます。あと廃棄物、最後の部分が38ページ目でございますが、最終処分量の削減ということで、最終処分場から出るメタンの量を削減していくという取組でございまして、最終処分量をいかに減らしていくかということでございます。実績といたしましては、左下のグラフでございますけれども、食物くずなど生ごみ系のものにつきましては、最終処分量の削減が進んでいるというのが現状として見られてございます。以上が廃棄物の部分でございます。あと、分野横断的な取組が40ページ目以降から整理がなされておりますが、地球温暖化対策推進法の改正の内容が40ページ目。そして、41ページ目としては、その具体的な内容として、排出抑制指針を策定していくというような施策が打ち出されていること。そして、42ページ目には、ポリシーミックスの活用といたしまして、経済的手法の一つといたしまして、環境税の現状。43ページ目としては、排出量取引制度の中身について整理がなされているというところでございます。あと、細かなものが44ページ目以降、ずっと続きますが、若干飛びまして、50ページ目でございます。こちらに次の大括りなものとしまして、政府によるクレジットの取得という現状でございまして、政府の予算措置が左側に、毎年、18年度から23年度まで掲げておりますし、また実際、NEDOがクレジットの取得事業を行っておりますけれども、下の緑色の吹き出しにございますが、総契約量といたしましては、約1億トンに相当するクレジットの取得が行われているというところでございます。あと51ページ目には、国際交渉のスケジュールということで、今年の予定が書いてございまして、COP17につきましては、11月28日から12月9日で、南アフリカで行われるということ。あと、この資料最後でございますが、52ページ目でございますが、環境省所管業種等の自主行動計画フォローアップということで、これは昨年12月末にフォローアップ専門委員会で行っていただいたものでございますけども、産業廃棄物関係、そして新聞業種関係、ペット関係というもので、進捗状況がどうなのかというフォローをいただいているところでございまして、その概要を記載したものでございます。資料3は以上でございます。

○鈴木部会長
 環境基本計画の第四次の策定に向けまして、地球部会としてどういうものをインプットしていくかと、こういうことについて、そのベースとなる部分を、限られた時間ではありましたが、説明をいただきました。委員の方々から、いろいろご質問あるいはご意見があろうかと思いますので、ご発言をなさりたい方は、例によりまして名札を立てていただきまして、こちらのほうから順に指名をさせていただきたいと思います。総政部会からご参加いただいた委員の方も、どうぞご発言があれば。それでは、こちらからまいりましょうか。浅岡委員のほうから順番に、一通りご意見を伺いましてから、事務局のほうで対応させていただくと、こういうふうにしたいと思います。

○浅岡委員
 第四次の計画の骨格をご紹介いただきまして、今後、考えるべき視点という点で、とりわけ政策で重視すべき方向として整理いただいているところは、私たちも考えるところであり、そうすべきだと思います。これらにも共通するのですけれども、どう進めるかについて、もっと大きな、環境基本計画全体に感じるところとして、それはこの18ページ、19ページにも係るのですけれども、国の施策と、自治体・国民・事業者とかの関係が従来型を超えられていないと思います。多様な主体の行動・協働の推進、情報の提供と、こういう骨格が、当初の計画以来、ずっと変わっていないのではないかと思います。消費者政策の点などを見ますと、消費者が主体的に参加する仕組みというのをかなり入れていて、政策形成にも反映させていく流れになっています。現実の政策の遂行にも関与していく仕組みに随分変わってきていると思います。温暖化に限りませんけれども、ここらあたりで、オーフス条約にまとめられている、情報へのアクセス、意思決定への市民参加、司法へのアクセスの保障といった視点を取り入れていくべきときなのではないかとずっと思っているんですけど、まだそこが進まないんだなという印象を受けましたので、ご検討いただければと思います。

○浅野委員
 環境基本計画の立案にあたる立場にある者といたしましては、どちらかというと、今日は地球環境部会の先生方のご意見を伺って帰る立場にあるわけですが、前回の第4次環境基本計画は、その策定の1年前に京都議定書目標達成計画が既にできておりましたから、そういう意味では、環境基本計画そしては、あまり悩まないでも、温暖化対策に関しての政策の枠組みや目標ができていましたから、それに従って計画策定の議論をすることが可能であったわけです。ところが、今回の第四次環境基本計画は、大変困ったことでありますけども、2013年からどうなるのかということがよくわからない。それから、我々が共通に了解理解できることは2050年に1990年比80%削減を、何としてもやらなくてはいけない、これが最低のことだろうということは、ほとんど異論がないのですが、しかし、それに至る中間の時期での目標をどのように考えればいいのかとなりますと、現在、国会でまだ継続審議中の地球温暖化対策基本法案に示されている考え方があれば、そうでない野党案の考え方もあるわけで、国会での意思が明確に決定されていないという状況にありますので、この辺の状況も考えながら、今回は計画を考えていかないといけないということになるわけです。率直に申し上げますと、先ほど事務局がご紹介くださいました第四次環境基本計画に向けての現状と課題というペーパーですが、総政部会ではかなりの時間をかけて議論をしているのではありますが、温暖化対策に関してはやや腰が引けているということを、積極的に認めざるを得ません。本当なら、最も重要な項目として真っ先に上げておかなきゃいけないんですけども、やや下がった位置に置かれていますし、これは議論の結果でありますけども、重点領域についても、総論がこんなにちゃんと整理できているなら、それを先に重点で上げるべきであろうということになって、それが先に上がっていった結果、温暖化対策については重要な環境政策の個別の事項として4番目に顔が出てくるということですから、下手をしますと、もう温暖化の問題はこれでいいんだとか、これまでの政策・施策を続けていけば何とかなるのだろう、というメッセージを国民の方々に送ってしまう危険性すらあるわけです。だから、最終的にはやはりこれが我が国のみならず地球にとっても非常に深刻な問題であるということを総論の中にもっと加筆していかなくてはいけないだろうと思うのですけども、先ほど言いましたように、何しろ国の政策の方向がはっきりしないということがあって、7月段階ではあまり深く突っ込んで書くことができなかったということだったと思います。ですから、是非、これをどう考え、どういう目標を立てて、次のステップで我々が何をやっていくのかということを明らかにしなければなりません。先ほども言いましたように、私は2050年の80%ということを強調する必要があると思います。そのことは既にこの資料2-2のペーパーにも大きく書いているつもりではあるのですけれども、そのことが何よりも第4次環境計画での大前提であるというような話よりは、3月11日の大震災によって、大きな価値観の転換があったということが先に出ていますので、その真意が、だから地球環境に負荷を与えないビジネススタイル、ライフスタイルへの転換が必要なのだ、というポイントをはずしてたメッセージを発信してしまう危険性がないだろうか、その点を心配しております。では、どう考えたらいいかということについては、私は法律案が言っている数字を大前提にした議論をするということが本当に可能かということに関しては、若干危惧の念を持っております。と申しますのは、参考資料にいろいろな予測が既に出ていまして、2011年、2012年がどうなるのかというような数字が出ておりますが、これがそのとおり当たるとなりますと、2012年の第1約束期間の最終の数字が、平均値で見ても厳しいものになっていくだろうというおそれがありますから、そういうことも踏まえた上で議論をしなくてはいけないだろう。そこで、この地球環境部会で前から議論をしているように、2050年のターゲットを明確にし、そのためのロードマップを考えるという、このバックキャストの手法をもう一遍思い出しながら、中間点ではどういうことになるのかということをそこから逆算して考えていくという思考をやりませんといけない、10年後どうなんだという数字だけを先に考えて議論をしていくという思考方法では、どうももたないのではないかと心配しております。

○井上委員
 電気事業連合会として、まず最初にお詫びと御礼を申し上げたいと思います。東京電力の福島第一発電所で発生しました重大な事故によりまして、地元や周辺の皆様はもとより、全国の皆様方に大変なご不安とご迷惑をおかけしておりますこと、同じ電気事業に携わる者といたしまして、心よりお詫び申し上げます。また、この事故に端を発しまして、原子力発電所の多くが今、停止しておりまして、全国的に大変厳しい電力需給となっております。重ねてお詫び申し上げますとともに、節電に対する多大なるご協力に対して深く感謝申し上げます。各社とも、お客様に節電をお願いしながら、今、全力を挙げて安定供給確保に取り組んでおりますので、何卒ご理解・ご協力のほど、宜しくお願い申し上げます。さて、本題でございますが、私からは2点申し上げたいと思います。これまで電力業界は、環境のみならずエネルギーのセキュリティ、それから経済性にも配慮して、石油ショック以来、原子力を中心に火力、水力をバランスよく組み合わせまして、電源のベストミックスを進めてまいりました。今後の我が国のエネルギー源といたしましては、原子力をどのように活用していくのかについて、エネルギー政策全体について幅広い視点から国民的議論がなされるものと認識しておりまして、私どもといたしましても、そうした議論に真摯に対応してまいりたいと思っております。エネルギー自給率というのは、ご承知のとおり4%でございますので、我が国の事情を考えますと、エネルギーのセキュリティという観点が重要でありまして、省エネルギー、それから再生可能エネルギーとともに、原子力につきましても安全性をしっかりと確保した上で、今後とも有効活用を図っていく必要があると考えております。また、発電の際にCO2を排出しない原子力は今後とも地球温暖化対策の中核をなすと考えております。そのため、私ども電気事業者といたしましては、今回の事故から得られた反省、新たな知見を十分に踏まえまして、原子力発電所の安全対策に徹底的に取り組みまして、立地地域を始め、国民の皆様の不安の解消、信頼回復に向けて全力を尽くしていく所存でございます。2点目でございますが、震災を踏まえまして、エネルギー政策の見直しが議論される中、我が国の温暖化対策というのは、やはりゼロから見直すべきではないかと、このように考えております。2020年の温室効果ガス削減目標、90年度比25%削減というものにつきましては、もともと国内対策と国外対策の比率そのものが示されておりませんでしたが、国内の温暖化対策のベースとなるエネルギー政策が見直される以上、25%削減という目標につきましても、今、浅野先生からもお話がございましたが、やはりゼロベースで議論し直すのが自然だと考えております。そして、"25%"が記載されました地球温暖化対策基本法案につきましても、一旦、取り下げるべきではないかと考えております。最後に、当部会で温室効果ガスの削減に関する中長期的な目標を検討する際には、新成長戦略、それからエネルギー基本計画など、温暖化対策のベースとなる検討を行っているところと意思疎通を密にするのは無論のこと、できればエネルギー政策と温暖化政策を一体となって議論する、そのような省庁の垣根を越えた一つの会議体をつくって、整合性を持って検討を進めることが望ましいと考えております。それから、目標を達成するための施策につきましては、実現可能性、施策の導入による国民負担のレベル、産業界への影響、雇用への影響、こういったものについて十分な検証を行いまして、国民にわかりやすく提示し、広く国民各層の理解活動を真摯に行うことが必要だと考えております。私からは以上でございます。

○及川委員
 京都議定書の第1約束期間が、来年、2012年で終わるわけですね。それで日本は6%削減ということなんですけれども、その中で森林吸収によって3.8%という、もう半分以上のCO2吸収削減を担うものと期待されているわけです。そういった意味合いで、森林の役割というのが非常に大きいということは、私、機会があるごとに申し上げているわけなんですけれども、日本を考えますと国土の3分の2が森林で覆われているということで、北欧と並ぶ位、非常に森林の面積の比率が高いという意味では森林大国でもあるわけです。ところが木材の自給率、これが今せいぜい20%ちょっと位しかないというような現状でありまして、これは非常にまずい状況であろうと思っていたわけですけれども、この7月26日ですか、閣議決定で木材自給率を10年間で50%まで引き上げるということが決定したそうなんですね。10年で2倍以上も引き上げるというのが果たして本当にできるのかどうかというのは、私も非常に興味あるというか、ある面では危ない可能性ではないかなということは思っているわけですけれども、とにかく、前から申し上げておりますように、森林が吸収するということは、それだけ木が太るということにつながって、単に太らせるだけではなくて、環境を通じて林業を活性化するというような視点というのは、是非要ると思うんですね。ですから、環境省と農水省でしょうか、連携を密にしていただいて、うまくその辺を進めていただきたいというのが一つのお願いでございます。それから、来年で京都議定書の第1約束期間が終わりまして、それ以降の国際的な枠組みがまだ決まっていないという状況があるわけですね。これは何としても早く国際的な合意をとっていただきたいということを思っているわけなんですけれども、そういったときに、一番いい指標というのは、大気中のCO2濃度だと思うんですね。これが増えるからこそ、地球温暖化が進行するわけです。それで、将来的には450ppm位に安定化させたいということがあると思うんですけれども、CO2濃度の変化を見てみますと、1990年代では1年間に1.5ppm位の増加だったんですね。それが2000年代に入って減るどころか2ppmに増加しているというのが現状なわけです。ですから、低炭素社会を実現したいということがあるわけですけれども、今の現状というのは、非常に危険な状況であるのではないかと思います。そういったことを踏まえまして、環境省としては、今度のCOP17あたりでも、これから先の国際的な方向性というのを論議していっていただきたいというのが私の希望でございます。以上です。

○逢見委員
 私は、まだ十分頭の整理がついていないところがございますので、意見というよりは質問ということで、私の頭をクリアにする意味で質問してみたいと思っております。まず、東日本大震災を踏まえた今後の低炭素社会に向けた方針についてという議題でご説明を受けまして、その中心は第四次環境基本計画の策定ということになるわけですが、東日本大震災を踏まえた今後の低炭素社会に向けた方針ということであれば、第四次環境基本計画も、その中の重要な一つではあるけれども、しかし、それはすべてではないと思います。全体として、大震災を踏まえた低炭素社会に向けた方針という全体像がいかなるものかを想定して、その中で、この第四次環境基本計画というのがどういう位置づけになるのかということを、もう少しクリアにしていただきたいと思います。それから、先般の国会でも成立させられなかった温対基本法案でございますが、これを前提、所与のものとして議論をするのか、あるいはそこはもう全く外して、いわゆる環境基本法に基づく第四次環境基本計画という枠内で、例えば温対基本法に盛り込まれた、例えば90年比25%削減といったものも一つの考え方としてとらえて、必ずしもそれに拘束されないという形で議論していいのかどうかということ。それから、2013年度以降の枠組み、これは国際的枠組みについてもまだ決まっていないし、日本国内における中期計画をどうしていくかということもこれからの議論になるわけですが、そういったものとの関係をどの辺でバランスさせるのかという、そういうこと。それから、エネルギー基本計画を政府が見直すということになっておりますが、そこでは環境エネルギー政策というところで、環境とエネルギーというものを政府の国家戦略の中でも、密接なものとして位置づけているわけです。そうすると、当部会においても環境とエネルギーという両方の視点を見ていかなきゃいけないと思うんですが、このエネルギー基本計画の見直しとの関係を、どのように我々は反映して審議していかなきゃいけないのかという点。これらがまだちょっとよくわからないというところがありますので、是非、その点についてもお答えいただきたいと思います。

○大塚委員
 あちこちで言っているので、同じようなことで恐縮ですが、2点あるいは3点、ちょっと申し上げたいと思います。簡単にです。1点目は、浅野委員と同じように考えているんですけども、2020年はともかくとして、2050年、80%削減という目標は是非維持していただきたいというふうに考えます。世界で2050年にCO2排出量を半減するという目標は、2℃というところの関係で必須ということになりますので。先進国は50%削減ではちょっとまずいということがどうしてもございますので、80%削減という目標は、2050年という少し先のことですけれども、是非維持すべきだと思います。これは福田内閣のときでも60~80%削減というのは既に打ち出していたわけですから、そういう意味では、ごく最近になっていて変更された目標とかいうことではないんだという認識は知っておいたほうがいいんじゃないかというふうに考えます。それから、2点目です。エネルギーセキュリティーの話は非常に重要だと私も考えていますけれども、今回の震災で原発の新増設というのはちょっと無理になったということが、事実上の問題として、原子力に対してどういう姿勢をとるかはともかくとしてございますので、そういう意味では再生可能エネルギーでエネルギーセキュリティーを高めていくという姿勢が必要ではないかというふうに考えています。もちろん低炭素という観点から、再生可能エネルギーはエネルギーセキュリティーという観点と低炭素社会という観点と、両方の観点から重要だということを申し上げておきたいと思います。それから、第3点目として、この資料の2-1のほうにもございましたけれども、8ページにあるような横断的施策というのは、現在ちょっといろいろな形でストップしていますが今すぐはちょっとこの半年位は難しいのかなというふうに私も思っておりますけれども、やはり継続的に検討していく必要があるということは、打ち出していく必要があるのではないかと考えています。以上でございます。

○進藤委員
 ありがとうございます。具体的なことについて、4点申し上げたいと思います。今回の、地球温暖化対策の検討というのは、エネルギー基本計画の見直しと表裏一体であると考えております。これとの一体的検討が必要だということが1点であります。少し説明しますと、まずエネルギー起源のCO2が、我が国の温室効果ガスの9割を占めるという構造になっています。又、今のエネルギー基本計画は原発30%弱で、これを50%にするという内容だったわけですけれども、大震災による原発事故で、これが困難であることは明らかだと思います。再生可能エネルギーは、今回通った特措法では、今、全体で9%のものをサーチャージ150円/家庭・月 前提ですから、13.5%にするということになっています。菅前総理の発言でも、再生可能エネルギーは増やしたとしても、2020年代の早い時期に20%を超える位ということであります。原発稼働の考え方も含めて、時間軸を入れたエネルギー基本計画、この見直しが始まったところであります。無論この見直しについては、エネルギーの安全性だとか供給安定性、それは当然考慮すべきでありますが、コストや、それが及ぼす企業の国際競争力、これは国内の雇用をどれ位維持できるかということにつながるわけですが、これらをシミュレーションして、決めないといけないと我々は思っているわけです。いずれにせよ、この再生可能エネルギー普及のスピードがそんなに速くなく、原発分をすぐ埋めるような形にはならないとすると、化石燃料への依存が当分進むだろうと思います。そうすると、CO2削減にとっては大変厳しい環境となるわけで、この環境基本計画とエネルギー基本計画、この議論の場を、今のように環境省と経産省という2トラックではなくて、連携をとるのは当然として更に、共同の会議体的なもので、一体的に議論すべきだと思います。それから、このエネルギー基本計画見直しのタイミングですが、私どもが聞き及んでおります所は、この年内で中間報告で、最終的には一年位かかると聞いております。それと密接な関係のあるこの環境計画のほうは来年の3月末に閣議決定に持っていくということで、このタイミングの齟齬がどういうことなのか、少し疑問であります。これが1点です。2点目は、地球温暖化対策基本法、これが2回の国会で継続審議となっておりまして、「2020年前提条件つきの25%CO2削減」、この目標は国際公約にはなっていますが、国内的には、私の認識では宙に浮いた状況になっている。この25%削減という目標は、基本的にもう見直すべきだと我々は考えるわけであります。先ほど来言っていますように、化石燃料依存が高くなると、この25%達成というのは、いかにそういう志があっても現実的に私は無理だと思います。我々は震災の前から無理だと言ってきたわけであります。各国を巻き込むという、その前提条件の実現性も、本音を言うと、無理だと思います。したがって早いうちにこの目標を実現可能な地に足のついたものにしないと、将来に大きな禍根を残すと我々は思っています。この国際公約も早いうちにいろいろな場で、今回の震災、原発事故等の事情変更を考えると、なかなか難しいということを正直に発信していくべきだと我々は考えております。又、目標の見直しに関しては、今のようなリーマンショックから始まったデフレの状況がずっと続くという前提で考えてはいけないと思います。成長とCO2の削減を分ける、デカップリングをきちんと入れて議論すべきだと思います。これが2点目です。3点目ですが、私は1年半ぶりにこの会に出させていただきました。この間議事録等もずっと見させていただいているんですが、あまりにもCO2削減を、国内での削減にフォーカスし過ぎだという感じがします。もっと地球規模での削減の視点を中心に据えるべきだと思います。国境を越えて企業が移るということについての議論もあるようですので、国境を越えて日本が技術で貢献するということを評価してもらうような仕組みを、議論の中心に据えるべきだと思います。日本が貢献するのは、やはり先端の省エネ技術、世界一の省エネ技術をトランスファーして、地球規模で外国で減らして、それを日本の削減努力にカウントしてもらうということを目指すべきであります。よく言われますが、米国、中国、インドの3カ国の石炭火力発電所に日本の効率的な石炭火力の技術を入れればCO2が13億トン減る。日本の発生させているCO2全部の量が減るという試算があるわけです。鉄鋼業でも、今の技術を各国の鉄鋼業へトランスファーするだけで3.4億トン、日本の排出量の25%減るということになっているわけです。これはプロセス技術ですけれども、プロダクト技術も、プリウスはLCAで評価するとCO2の排出を43%削減すると言っているわけですから、日本でプリウスをつくって外国へ輸出している、これは日本の努力としてカウントするという仕組みも考えるべきだと思います。輸出しなければ、もっと効率の悪い自動車を外国の方は買って、一生涯CO2を出すわけですから。それから、抜本的技術開発。鉄鋼の水素還元等については、何回もご紹介していますが、ノーベル賞の根岸博士が主催しているCO2から有用な物質をつくる触媒を探す研究があります。これができれば世の中は変わるわけで、このような研究を支援していくべきだと思います。最後に、4点目です。今回の電力節約の成果、「やればできるじゃないか」というようなご発言、議論もあるように理解しておりますが、これは緊急対策として相当な無理、相当な努力の上に成し遂げたものであります。この種のソフトの努力に長期間依存するということは難しいと我々は考えるわけであります。ライフスタイルの転換など、個々人のソフトの行動様式の変化、これに政策的に過度に期待、依存することは、私は避けるべきだと思います。今回、頑張った成果の分析は必要でありますけれども、省エネとか省電力、これは本来、技術を通して、製造プロセスだとか、機械あるいは製品などのプロダクト、そういうものにエンボディされて、その効果が定着化していくものだということを確認した上で進めるべきだと思います。

○永里委員
 はい、ありがとうございます。今の進藤委員のお考えとほとんど一緒なのですが、同じことをまた言うと、皆さん、テープレコーダーを聞いていらっしゃるようなふうになるかと思いますので、そこはもうやめます。ただ、はっきり言います。同じ考えです。そこで、いつも言っているんですが、環境とエネルギーというのはコインの裏表ですから、日本のエネルギー政策をどうするかということを考えて環境政策があり、あるいは、こういう環境政策をするんだったらエネルギー政策はこうなるということを、しなきゃいけないわけです。
 日本で今、一番問題になっているのはデフレで、成長がとまっているということですから2020年に成長がとまった状態でいくならば、原発は徐々になくなっていっても大丈夫だろうという試算が行われております。ですが、人口も減り、GDPも減っていく、こういう姿というのは日本にとって果たして幸福な姿なんだろうかと考えますと、やっぱり成長戦略というのは重要だろうと思います。そうなると、エネルギーを使わざるを得ないわけで、その場合、環境政策はどうあるべきかということを考えなきゃいけないと思います。
 そこで、事務局の方というか、あるいは浅野先生、それから、森嶌先生は今日来ていらっしゃいませんけど、ちょっと質問みたいなのがあるんです。実は、今回の資料の2-1の3ページ目の3の(1)京都議定書の6%削減約束の確実な達成とあります。これについては、まさしくそのとおりで、やらなきゃいけないと思っています。ただ、民間でプラント輸出などするとき、フォースマジュール条項というのが入っているんですけど、京都議定書にそういう条項があったんですかね。僕はないような気がします。それで、万が一達成できないときに、このフォースマジュール的発想というのは考えられないんだろうかというのが、私の疑問です。
 それから、もう一つ、今、新しい国際間の枠組みを決め、各国でどうするかというようなことを決めようとしておりますが、今度は、このフォースマジュール条項を入れるべきじゃないかなというふうに私は考えていますので、ご検討ください。
 それから、今日は電事連の方が久しぶりに見えたので、お願い事ですが、この12年間で震度6の地震が12回位、日本に起きているというような気がします。そうすると、この震度6に耐えられる原子力プラントでなければ日本はだめなわけですから、引き続き原発を運転なさるんなら、津波も含めて、そこは十分考慮してお願いしたいと、こう思います。以上です。

○西岡委員
 3点ございます。まず第1が、気候変動の問題、どんどんどんどん後送りという感じになっておりますけれども、物理的な意味で気候変動の変化はどんどんどんどん進んでおりまして、昨年、それまで地球全体の温度というのが横ばいだったものですから、もうこれで温暖化はなしかなんて話も新聞には載っておりましたけれども、2010年、これが2005年と同じ高さにまた戻ったということで、着実にといいましょうか、残念ながら温暖化は進んでいると。さらに、AR4の後の様々な科学的観測から言いますと、極の動きが非常に危険になっているということ。それから、後送りすればするほど、後で温度、あるいは気候を安定化するのは非常に難しいということがだんだんとはっきりしてきた。なおかつ地球のフィードバック、生態系のフィードバックを考えると、それがますます困難になってきている状況が見られます。この前、文科省等々の発表もございましたけれども、非常に雨が急に降って、大量に降ると。そのときに深層崩壊というのが起こるだろうというようなことを言っていて、まさにそういう状況が起きているという状況ですが、もっと深刻に考えていただきたいということであります。後送りすることをしないでということです。そういう意味で、この日本がきちんとした不動の目標を示すこと、すなわち80%、あるいはその中間であります20年、あるいは30年の目標をきちんと示すということが、国の内外にとって非常に重要だということはきちんと認識していただきたいと思います。2点目ですけれども、デカップリングの話がございます。私ども、今までどちらかというとエネルギーあるいは電力の供給側の方々が安全で、しかも安心・安定な供給体制をしっかりするから、需要側のほうは、あまりそんなことは気にしないでどんどん使ってくださいというような形で、実は日本の経済全体が進んできたんではないかという具合に考えております。ヨーロッパの国々、先進的なところは、その経済成長とエネルギー、あるいはCO2のデカップリングの話がどんどん進んでおりまして、このままでいきますと、日本がそういう潮流から取り残されるんじゃないかなと思っております。そういう意味で、今後、非常に重要なのは、供給のほうが非常に不安定になったものですから、これはやっぱり需要のほうできちんとした方策を、どんどん今後の環境基本計画等々にも入れていくということについて、是非お願いしたいと思います。省エネという言い方だと、どうしても機器一つ一つで、エネルギーの使用が減ればいいというような感じですけど、そうじゃなくて全体のボリュームとして減らすと。私はそういうのをまさに、節電という言葉があったように「節エネルギー」、あるいは節電という言葉で示すトータルの削減の方向に持っていくと。ですから、供給の方々、これからも頑張っていただかなきゃいけないんですけれども、あまり当てにならないところもあるということでしたら、それは我々のほうで、需要のほうで減らしていくと。そして、そこに大きな産業をつくっていくということで、産業の転換を図っていくということが今後必要ではないかなと。そこに成長のチャンスを見つけることができるんではないかと。世界中で今、グリーン・グロースという話が進んでおりまして、まさにその方向はそこにあるのだろうと。3点目ですけれども、その件に関連いたしまして、特にアジアの途上国等々のこれからのCO2、あるいはエネルギーの使用というのは莫大になってきます。これに対してきちんとした知的な支援についてもありますし、それ以上のものもあるし、お金もあるかと思いますけれども、それは是非この基本計画の中にも書き込んでいただければという具合に考えています。以上です。

○原澤委員
 2点。1点は、課題のところにありますように、安全と安心というキーワードがより重要になってきたという認識だと思うんですけれども、ご説明のあった20ページからの計画の構成の中では、特に安全・安心というようなキーワードが表向きには入っていないので、是非この辺は低炭素社会あるいは循環型社会を支える基盤として、非常に重要性が増しているということがありますので、是非そういったことをベースに考えていただきたいという話です。その中の一つとしては、地球温暖化に関わる取組ということで、0.74℃上がっただけなんですけれども、ここ数年、やはり毎年の夏、熱中症で倒れる方がいたりとか、今回、台風12号のせいですけれども、2,000ミリを超えるような雨、あるいは都市では集中豪雨があるという、もう温暖化の影響は確実に出ていて、毎年やはり深刻化しているという状況があるわけですから、やはりその原因となるCO2の削減を確実にやっていくという意味で、2020年の25%削減、2050年の世界で半減というのは、これはやっぱり確実にやっていかないといけないと思います。ただ、一方、もう既に影響が出ているということで、計画の概要にも書いていただいていますけど、22ページ、適応策というのがやっぱり非常に重要になってきて、ここ数年、やはり各省庁あるいは研究者のレベルで、いろいろな研究成果あるいは実施の実例が出てきておりますので、そういったものを是非具体性を持って書き込んでいただきたいというのが一つ目のお願いです。やはり、その適応策そのものは、どちらかというと予算が必要なハードウエアの整備みたいな話になっているんですが、広義のグリーンイノベーションの中には、環境インフラですとか社会インフラという意味での適応策も入っていますので、そういう意味では、位置づけをしていただきたいのと、あと、ソフトの対応ですね。今回の場合も、やはり非常に、豪雨の場合にいかに早く逃げるかとか、そういったソフトの対応もやはり必要になってきているという意味で、例えば環境教育という中でも、そういったことが必要になってきているのではないかということで、施策の横断的な実施というのも必要ではないかと思っています。2点目が、先ほど来この夏の節電の効果を、やはりしっかり見ていくべきだということでありまして、それを踏まえて需要のほうの管理もできると思ってはおるんですが、一方、供給のほうでも、ちょっとまだこれはニュースの情報ですが、需要の見積もりが甘いとか供給力がまだあったとかといって、本当はそんなに節電する必要はなかったんだという論調もちょっとあったりしますので、その辺は電力供給側のデータをやはりしっかりと出していただいて、需要側ではどれ位、抑えられて、供給側ではどれ位の余裕があって、今年の冬、来年の夏、本当にどうなるかというのをやっぱり真剣に打ち合わせをしていく必要があるんではないか。そういう意味では、エネルギー政策と環境政策が一つの場で議論ができるというのは、やはり非常に重要になってきているんではないかなとは思います。以上、2点です。

○藤井委員
 順不同ですけれども。一つは、至るところで書いている点ですけれども、たとえば、資料2-4で、各施策を実行する主体の位置づけについて、並列列挙で国・地方公共団体・事業者・国民等々書いています。もちろんそれぞれの主体にそれぞれの役割があるのですが、地球温暖化問題を考えれば、まず、これはやはり国が明確な法規制なり、政策の方針を定め、そして、主要な排出体である事業者に対して枠組みをかけることが一番大事だと思います。これはもちろん各国もそのように、やっています。国の法規制に対して、各主体で何らかの支援が必要な場合は国がサポートをする。そして、そこから出てくる商品・サービスの枠組みを消費者が選択を通して選ぶということです。ですから、まずは国の法規制、政策、このスタンスをしっかりさせるということを明確にしていただきたいと思います。二つ目は、浅野委員が言われました点ですが、重点分野の位置づけにおける地球温暖化問題が四つ目というのは、確かに違和感が私もあります。ただ、よくよく見ますと、この最初の三つの「事象横断的」というのは、対策、手段のことを書いているわけですね。とすると、これは実は順番を逆にしたほうがいいのではないかと思います。当面、我々がやらなきゃならないことを最初に書いて、それをやる上において共通の施策として使えるものをこの1、2、3で書いているわけですから、ちょっと誤解を招くと思いますので、書き変えてはどうでしょうか。これは一つの提案です。それから、原澤先生が言われました安全・安心の点。これはもう今、国民全部が感じている問題だと思います。特に今起きていることは、安全・安心が大事だということではなくて、「安全・安心が壊れた」ということです。したがって、いかにこれを再構築するのかということが問われています。その視点がないと、「安全・安心は大事です」「大事です」と言っているだけではしようがない。安全・安心が、もう壊れてしまい、既に将来世代にも負荷をかける状況になっていると、特に原発事故ですね。そういうことが現実に起きているということで国民の間に不安が広がっているわけです。それも日本人の間だけではありません。外国人という、一般的な言い方で恐縮ですけれども、原発事故を引き起こした日本に対する一種の嫌悪感、ゼノフォビア(外国人嫌い)じゃなくて"ジャパンフォビア"みたいなものが一般的に起きているのではないかという懸念があります。日本の国内にいるとよくわからないですけれども、日本商品・製品、日本人そのものにそうした嫌悪感が向けられていないか。もちろんそうした視点には、根拠のないものが大半ではあるわけですけれども、こうした問題はあまり簡単に、風評だからそのうちなくなると思っていると、日本経済、日本人にとってかなりの長期にわたる大きな打撃になるのではないかと思いますので、ここのところはしっかりと政府でとらえて、対策を講じていただきたいと思います。それから、25%についての議論も必要です。確かに、25%については基本法の中で既に案が出ておりますので、あえて書かなかったということでもあるかもしれません。けれども、わが国が提唱した25%削減目標については、先ほどのご議論の中でも、国際的には宙に浮いているというご意見がありましたが、私はそうじゃなくて、国内的に宙に浮いていると思います。国際的には日本の首相が約束したわけですから、これは日本がやるんだろうと普通の人は思っていると思います。だけど国内では原発事故対策でそれどころではないとの主張が出ている。そうしたなかで2020年の目標をどうするのかということは、もちろん一から議論したほうがいいと思います。25%を再確認するのかどうか。一方で、EUなどでは、既に2020年目標を引き上げて30%削減にしようという議論が起きているわけです。先進国としての責務、この重点分野の中での日本の国際的な役割、戦略として、じゃあどうしたらいいのか。今まで立てた目標を下げて別の目標、どのようなものを持っていけば国際的に信頼されるのか、あるいは目標をさらに強化するのかどうか、ということはしっかりこの審議会でも議論すべきだと思います。それから、ポスト京都の枠組みについてもこの案では、ほとんど触れていません。もちろん交渉自体が流動的であるということもありますが、国として戦略的にどうするのかということもしっかり議論したほうがいいと思います。それから、エネルギー基本計画との一体議論、これはもう当然やるべきであります。その場合において、原子力がゼロの場合も含めてどうするのかということ、それから、単に発電、電源の議論だけではなくて、まさに我が国の電力のネットワークをどうすればエネルギーの効率化と温暖化対策にも資するのか、を議論すべきだと思います。電事連の方が来ておられますけれども、これまでの仕組み(地域独占)でいいのか、発送電分離の議論はここではどのように、環境面から議論していけばいいのかということも含めて、しっかり議論していくべきだと思います。以上です。

○三橋委員
 私も3点あります。西岡委員に近い考え方ですけれども。第四次基本計画は、第三次計画もそうでしたが、大体5年先を見通して計画を考えているわけです。そういう点で言えば、第三次計画と同じように第四次環境基本計画も具体的な目標数値を入れるべきだと思います。第三次計画の場合には京都議定書の目標数字が掲げられています。第四次基本計画にも具体的に取り組むべき数値目標がないと、説得力がない基本計画になってしまうのではないかと思います。具体的には民主党政権が世界に公約している2020年に、90年比でGHG(温室効果ガス)排出量を25%削減するという目標を第四次環境基本計画の中にきちんと書くべきだと考えています。そうしないと、この5年タームで改定を続けてきた環境基本計画の意味が薄れてしまうのではないかと思います。もちろんその場合には、50年に80%削減という最終目標もきちんと書くべきだろうと思います。
 第二点として、グリーンイノベーションの部分に日本の製造業の省エネイノベーションについても触れておくべきだと思います。現在、日本の製造業では、例えば生産方法としては、いわゆるベルトコンベヤーを使った大量生産方式からセル生産方式、少人数の個別対応の生産方式に転換することによって、生産性が非常に高くなり、省エネにも貢献しています。特に日本が得意とする軽薄短小型の技術は省エネに非常に貢献しているわけです。ナノメーターの世界での、様々な微細な技術開発は省エネ効果を高めています。業務部門や家計部門がGHGを増やしている中で、製造部門がGHGの排出量を減少させているのは、日本の製造業の省エネ型の技術開発や生産方式の転換がいかに大きく省エネに貢献しているかについて、はっきりと書き込んだ方がよいと思います。第3点は、今度の原発事故で環境政策に新しい分野が加わってきたわけです。例えば汚染瓦礫の処理は従来の瓦礫の処理とは全く違う対応が必要です。原発事故と環境対策という新しい項目を、第四次環境基本計画には加えるべきだと思います。そこで原発事故によって新たに起こった環境問題について言及すべきだと思います。
 今度の原発事故で一つ大きな成果があったのは節電効果です。私は「節電革命」と呼べる位の大きな効果があったろうと思います。先ほど、委員の方から、産業界は、我慢に我慢を重ねて、節電に対応してきたので、このような節電は好ましくないという趣旨の発言がありましたが、この点について私の見方は逆です。今度の原発事故によって、日本は否応なく電力不足の時代になります。15%程度の節電に対応できない企業は、これからの日本ではやっていけなくなると思います。企業は厳しい状況に置かれないと、いわゆるブレークスルーを伴うようなイノベーションを起こしません。これは過去の歴史を見れば明らかです。これからは、これまでのように旺盛な需要を満たすだけの電力供給が難しくなります。今度の15%節電に耐えられないような企業は、これからの日本の社会では事業展開が難しくなると思います。今夏、東京電力、東北電力管内で、20%節電できたということは、それだけ電力を浪費してきたという言い方もできます。節電前の状態に電力供給を戻すためには、当面、原発で減った分を火力発電で代替することになりますが、それでは、温暖化を加速させてしまいます。15%削減に耐えられないような企業は海外に移転するとか、あるいは事業を縮小するとか、逆に15%削減に対応できるように省エネ化を進める、など思い切った対策がとられることによって、日本経済の足腰は逆に強くなると思います。日本が省エネ型の産業構造に転換していくためには、15%削減日本企業にとって大きなチャンスではないかと思います。節電で困ったなという企業がある反面、よし、これをビジネスチャンスにして頑張ろうという企業もたくさんあるわけです。そういう点で私は15%削減に耐えられるような企業のみが日本に残ってもらう、それが日本の産業構造の転換を進め、日本を再生させるための手段ではないかというふうに考えているわけです。

○安井委員
 ありがとうございます。いささか後出しで札を立てさせていただきましたが、それも及川委員のご発言にちょっと触発されたからでございます。森林吸収の重要性も先生は述べられておりますけれども、林業の復活、特にその自給率50%に上げるというような目標ができたということはあれなんですが、森林バイオマスの有効利用なんて考えますと、林業がちゃんと動いていないと全然だめですよね。ですから、これは大変温暖化対策としても重要なことだろうと考えておりますが、実際この最大の問題点はいろいろと調べてみますと、やっぱり今の森林の所有権があまりクリアでないということが非常に大きいようでございまして、要するに誰が持っているか、所有者というのは大体わかっているんだけれども、その境界があまりクリアでないとか、実際、登記されている面積を全部足すとその辺の面積に至らない、要するに過小登記しているとか、何かそんなような問題がいっぱいあって、土地所有というのは本当に法治国家の基幹中の基幹だと思うんですけどその体をなしていないのがどうも森林の実態であると。こんなことを、やはりもう少しどこかに書くなんていうのもいいのかなと思います。資料の2-2の17ページ、18ページあたりに、国土の利用のメカニズムというところがあるんですが、この辺のあたりに、こういう森林吸収とかバイオマス利用とかということをきっかけにして、もう少し強いことを書いてしまってもいいんじゃないかという気がいたします。関連して、今、参考資料の4というのを眺めていて、ご説明いただいておりませんが、最初ぱっとあけますと、コンパクトシティというのが出てくるんですね。このコンパクトシティも非常に重要なコンセプトで、東日本大震災も方向性は明らかでこっちに行くべきなのに、ちっともそういうような動きができないんですね。これも実を言うと、結局は土地所有の問題が大きいと。要するに、ある意味ではある部分をぶっ壊して、それを中央に集めるということをやらない限りは無理なんですが、この東日本大震災でできなかったら、これもまたできないだろうと。実際、関東大震災のときの後藤新平氏も東京大改造をやったんですけど、地主の大反対ってめちゃくちゃだったみたいで、それでやはりそれを何かうまく、うまくじゃないですね、かなり強引にやれる人がいたからこそ、どうもできたみたいであります。いずれにしても、資料の2-2の6ページあたりに、東日本大震災における環境問題というのが環境問題として書かれているんですが、この辺ももう少し本当は膨らませちゃってもいいのかな、なんていう気がいたしました。本来、私も総政部会の委員でございますので、皆様のご意見を伺う立場にあるんですが、一応、発言をさせていただきました。

○横山委員
 ありがとうございます。私も3点申し上げたいと思います。1点目は、資料2-2の第四次環境基本計画に向けた考え方、中間とりまとめを読んでいて一番印象に残ったのは、12ページの下から3分の1位のところにある、東日本大震災や原子力発電所事故等を受けて、人の健康や生態系に対するリスクが十分に低減され、安全が確保されることを前提として、低炭素社会とか循環型社会とか、自然共生社会の統合を図っていくというくだりだったんですね。まさに今度の福島第一原発事故のような原発事故を避けることが大前提だということを言っているんだと解釈できると思います。地震国日本では、多くの原発を抱えるという矛盾の上に成り立って、温暖化対策を進めてきたのではないかというふうに思います。いつでも、どこでも地震が起こるかもしれない日本では、原子力の安全確保ということは、私は本質的にできないことではないかと思います。電事連の井上委員も原子力の安全を確保して今後やっていくということですけれども、私は本質的にはできないことだろうと思います。今回は津波が大きく関わっているけれども、地震動そのものも怖い。直下で起こったら原発が破壊されてしまうのは目に見えているというふうに思います。私としては、原発の即時撤廃、全廃というのがベストだと思うけれども、なかなかそうはいかない面もあるんで、段階的に廃止していくのがいいんだと思います。今後は原子力に頼らずに、再生可能エネルギーとか節電とか省エネとかで削減目標を達成していくということを、この部会でも明確に打ち出すべきではないかというふうに思います。西岡委員が需要面でも減らすということを強調しておりましたが、私もそうだというふうに思います。それから、2点目として、2020年までに1990年比で25%削減するという中期目標ですが、私は堅持すべきだというふうに思います。これまで日本は原子力に頼るあまり再生可能エネルギーを軽視して、一向に温室効果ガスを削減できなかったんではないかという面が強いと思います。確かに、脱原発の道を歩んで温室効果ガスを削減するというのは、当初は難しいと思います。今年度とか来年度はかなりアップするかわかりませんけれども、2020年までに25%削減するということは、十分可能だというふうに考えております。浅岡委員のところの気候ネットワークなど、幾つかの団体は原子力に頼らなくても25%削減は可能だという試算結果を出しているわけで、この部会でも是非議論、そして試算をして、脱原発で25%削減がどうなのかというようなことの結論を出して、それを打ち出していくべきではないかというふうに考えます。2050年までに80%削減するという長期目標ももちろん堅持すべきだというふうに考えています。3点目は、2点目とも絡むんですけれども、地方公共団体に関してです。私は埼玉県の温暖化対策に少し関わっているんですけれども、埼玉県では「ストップ温暖化・埼玉ナビゲーション2050」という意欲的な実行計画を策定して、2020年に05年比25%削減というものを掲げて、目標設定型というふうに銘打った排出量取引制度を、今年度から創設しております。そして、この3年間では、温暖化対策を中心とした環境みらい都市という認定も行っていて、かなり意欲的な市町村があらわれているわけです。万一、25%削減というのを、もう国もやめたというようなことになったら、こういう自治体は困惑して、日本の温室効果ガス削減というものは宙に浮いてしまうんではないかというふうに思います。そういう面からも25%削減は何とか堅持する方向を、この部会でも打ち出していただきたいというふうに思います。以上です。

○鈴木部会長
 はい、ありがとうございました。本質的なご議論もいろいろといただきました。地球部会よりも総政部会で議論しなければいけないようなこともご指摘いただいて、これは総合政策部会のほうでまた、この基本計画に関する検討に生かすということになると思います。では、植田先生、どうぞ。

○植田委員
 簡潔に、三つだけちょっと申し上げたいと思います。エネルギーの政策・基本計画と気候変動政策、環境基本計画を統合的に考えるというご意見が幾つか出て、私もそういう方向で考えるべきではないかと思うのですけれども、その際には、統合する理念と目標を明確にして統合を考えるということが大事なことではないかと思います。例えば、気候変動政策的観点から、当然、気候の安定化と、それを具体化した目標、先ほど2050年の80%削減を含めたご意見ございましたけれども、そういう目標をはっきりさせること、それとリスクの小さいエネルギーシステムと、幾つか、考えるべき基本的なことがあるのではないかということを思いますので、その点の議論をする必要があるのではないか。これが1点です。二つ目は、私もこの夏の節電・省エネに関わる取組は、日本社会の適応力を示した面があるので、大変貴重な経験だったと思いますし、これを徹底的に分析・検証してほしいと思います。どういうところでブレークスルーを起こすようなイノベーティブな取組が、どういう形で起こってきたのかとかいうことですね。それから、普及できるものかどうかことですね。ダイナミックな変化を生み出している動きをもう少し理解できれば、それを気候変動政策に適用するということは十分できることではないかと思いますので、貴重な経験を我々の知識にかえて、それを普及するというふうにしていく必要があると思いました。三つ目はエネルギーのことですが、従来、供給に偏り過ぎたので需要のことを扱うべきだと、これは節電で、その側面の重要性が明らかになった面があると思うのですが、同時に需要と供給の調整の仕組みの問題、システムそのものの問題があるかと思います。システムの再設計という問題が震災、福島の事故である意味で問われたという面があると思いますので、その点もあわせて考えていくということが必要ではないかなと思います。以上、3点です。

○鈴木部会長
 ありがとうございました。やはりエネルギーと環境を同時にというのは、例えばイギリスでも、もうクライメート(気候)とエネルギーが一つの省で議論され、取り扱われるようになっているわけでもありますし、当然のことなんですが、問題はエネルギーと環境だけではなく、やはり産業構造みたいなものがこれからどう変わっていくべきなのかというようなことに対して、極めてガードがかたいようなところもあることです。そういう意味では今度の大震災によって、特に福島第一の問題もあって、私たちが生き方あるいはライフスタイル、産業構造、国の構造と、先ほどありましたように電力の供給・需要のシステムが一体今のままでいいのかというような問題とか、小さい国で50、60なんていうことを続けていたり、よく考えると不思議なことがいろいろとあるわけなんですが、そういうことを見直す非常にいいチャンスになったと。それによって、もちろんいろいろな努力を重ねた結果として、ある意味では、いろいろなことが変えられるということが少しずつわかってきたということは、震災を生かしていく、やはり非常に大事なところなんではないかと思います。そういう震災を基本計画の中でどういうふうにさらに取り上げていくかというようなことで、ちょっと全体の流れがなかなか読みにくくて、まだこれから検討していくべきかと思います。8月の末に法律が通りましたが、放射性物質汚染対処特措法と言うんですか、短くするとそういうことになります。正式の法律の名前は3行位にわたるもの凄い大きなものですが、そういうようなことで、環境省もちゃんと除染に対して責任を持ってやっていくというようなことになりますし、先ほどありましたように、やはり安全・安心、人がきっちり安心して住める環境を再構築していくというようなこと、これもやはり環境省であるから、ある意味では信頼を受けてやっていけるというような面もあるかもしれません。そういうようなことも基本計画の中には、これからの五、六年を考える上では書き込んでおく必要もあるのかなと思います。国際的な面というのは非常につらいわけでありまして、ダーバンのCOP17で一体、日本は何を持っていくのかと。温対基本法がきっちりできなければ、手ぶらで行って、中国、米国が参加しないから京都議定書は延長反対ですなんて言ったところで、どうしようもないんじゃないかと私自身は思います。もし米中を巻き込む、あるいはインド等々のことを考えるのであれば、やっぱりそれなりの外交的な努力をどういうふうに日本は進めていくのか。先ほど、日本の技術をというようなお話もありました。これも、やはり極めて重要だろうと思います。そういうようなことで総合的に存在感を示していかなくては、なかなか地球全体として2℃という――これは反対される方はないと思いますが、2℃以上温度を上げないという、この目標を達成することができないだろうと。それに対して我が国は本当にどうしていくのかというようなことだろうと思います。現状の社会構造、産業構造がこうであったと。したがって、例えば2020年、25%は現実的ではない、こんな議論はやっぱり前世紀のパラダイムだろうと思います。今求められていることはそういうことではない。やはり気候変動を可能な限り抑制しながら、一体豊かさとは何かというようなことを考えていくことが求められているわけでありますので、そういうようなところに対して、きっちりと今回の環境基本計画もこたえていかなくてはいけない。ただ、アジア諸国に対して、ここへ具体的に書き込むというのは非常に難しい面もあります。要するに、他国に手を入れるようなことというのはなかなか難しいかもしれませんが、むしろ私は日本としてこういうことをやるんだと、こういうものを実現するという固い決意を示すことが、やはりアジア諸国に対して非常に力になる面もあり、そしてまた、アジアが成長していくときに一つのお手本になるという、そういう面もあるんではないかと、そんなふうに思ったりいたしております。いずれにしましても、やはり世の中がどんどんどんどん変わっていくところで、頑なに、現状を維持するというようなことではなくて、どういう形で進んでいくべきかということを考える。それはもう環境の問題だけではなくて、まさに国を挙げて、すべての面で検討していかなくてはいけない。そういう面での、あるいは対話フォーラムみたいなものがオールジャパンで生まれていくということもできればいいのかなと思います。ただ、そこで何かしたことがちゃんと生かされていくような国の仕組みであってほしいという面も、これはあまり議事録に書いていただきたくないんですが、そういう思いもございます。事務局のほうから若干、逢見委員等々からご質問的なところがあったと思います。それについては補足をお願いします。

○低炭素社会推進室長
 本日いただきましたご意見につきましては整理をいたしまして、第四次環境基本計画の策定に向けた議論の骨子として、次回、事務局からお示しし、また、議論を深めていただきたいと思っておりますし、また、本日ご提示いたしました資料1にもさらにつけ加えて、基本的な整理をしていきたいというふうに考えております。個別にいきますと、例えば国とそのほかの主体との関係がこれまでのままでいいのか、それとも見直していくべきなのかというご意見。また、主体、または役割分担というところもございましたので、こちらにつきましても重点分野を記述していく面での大きな視点というところで、議論を深めさせていただきたいと思っております。また、森林吸収源の重要性、さらに森林バイオマスを活用するという重要性につきましてもお話しいただきまして、こちらにつきましても記載事項として議論をさらに深めていただきたいと思っております。また、日本が持っております環境技術を活用して、国際的に貢献をしてCO2を削減していくということの重要性、また、日本の持っております製造業での生産方式なり、ソフトも含めたものでのCO2の貢献ということの重要性についてもご議論いただきましたので、そこも深めていくしつらえにしていきたいというふうに思っています。また、大きな視点といたしまして、安全・安心の視点をつけ加えていくことが重要だという議論もございましたので、ここも記載事項でどのように扱うのかという整理をさせていただきたいと思っております。また、現状と課題の書きぶりにつきまして、さらに補強していくべきだと。特に温暖化の面からの書きぶりを補強すべきだというお話もございましたので、どのような書きぶりがいいのかということを、事務局のほうでも考えてまいりたいと思っております。あと、質問という形でいただきました、この震災を踏まえての対応ということと、環境基本計画を議論するということの関係性でございます。続きまして資料4のほうで「スケジュールについて」という紙がございますが、その中で開催の目的、検討事項というのが前段部分に書いてございまして、こちらをごらんいただきながら説明をさせていただきたいと思います。検討事項といたしましては、当初から三つ掲げてございまして、一つが、2013年以降の総合的・計画的な地球温暖化対策の推進についてご議論いただきたいということ、そして、東日本大震災を踏まえて今後の低炭素社会に向けた方針をご議論いただくということ、そして、当面早急に実施すべき施策という、この3本を検討事項として掲げておりました。三つ目の、当面早急に実施すべき施策ということに関しましては、復興であるとか、あと電力需給の逼迫対策ということで早急にご議論いただきまして、前回、意見具申として取りまとめていただいたということで、こちらについて、基本的に検討は終わったというふうには認識しております。残る総合的・計画的な対策の推進ということと、低炭素社会に向けて東日本大震災を踏まえて検討していくということが、今後さらに深めていただきたい部分でございます。その関係といたしましては、開催の目的のところでございますが、最終的には、一つ目の○でございますけれども、現在あります京都議定書目標達成計画、こちらが2012年までの計画であるということでございますので、2013年以降の計画的な対策をするために、どのようなことを準備するのかということが最終的な結論、検討結果ということだと思っておりますが、それを検討するに当たりまして、三つ目の○にございますけれども、震災による影響、これはエネルギーの影響、また、需給の部分の変更、その他もございます。また、復興の姿によって、かなり変わってくる部分もあるということでございますので、これまでも2013年以降、2020年、2030年の姿を、昨年末までも精力的にご議論いただきましたけれども、この震災の影響によってどこが変わるのか、変わらないのかということを、改めてご議論いただきたいというところで、議題としては、この震災を踏まえてどうあるべきなのかというところを、深掘りしていただきたいということを立てたわけでございます。その議論を深めていった結果といたしまして、この冬、11月末から12月に総政部会のほうにお返しする第四次の環境基本計画の中で、地球環境分野でどのようなことが重要なのかということをお返しするわけですが、その返す議論にも資するということで、別々のものとして出てくるというよりは、議論の結果として、それが切り取られて第四次の環境基本計画のほうに返していくというふうに、今のところ事務局では考えてございます。あと、ご議論の中で本日ありました、25%の議論についてですけれども、温暖化の基本法案、また、国際的に提出している日本の約束というものは、前提つきの25%ということでございます。その達成をどのように行っていくのかということで、国内削減、また、森林吸収源、国際貢献分という内訳の議論を進めるということを昨年も行っていただいておりまして、特に国内部分での削減がどれ位可能で、どのように行っていくのかというところを、昨年末まで詰めてきていただいたわけでございますが、先ほど申し上げましたように震災、また原発の事故によって状況が大きく変わった部分、また変わらない部分というところが出てまいりましたので、その見きわめを行い、需要・供給両方につきまして検証を行っていくという作業が必要になってきたというふうに認識しております。本部会で基本的な考え方をご提示いただき、また、小委員会を改組して議論をスタートしておりますので、現時点でいきますと、この小委員会でさらに議論を深めていただいて、定期的に小委員会での議論進捗状況を本部会にご報告申し上げるということで、作業を進めてまいりたいというふうに思っております。その中でいきますと、ご指摘の中にも多々ありましたけれども、この夏に行われました節電努力について定着すべきもの、また、定着させるためにはどのような政策が必要なのかという議論も、あわせて行う必要があるというふうに感じておりますし、また、その前提といたしましては、節電がどのようなものだったのかという分析も重要だというふうに考えております。そういった一連の流れといたしまして、本日、説明の中では言及いたしませんでしたが、参考資料の6ということで、一番最後につけております資料が、先日、資源エネルギー庁のほうから公表されました夏の電力需給対策の総括ということで、この夏、どうだったのかということが取りまとめられております。このような形で逐次、取りまとめが行われるというふうに思っておりますし、また、事務局のほうでも整理をさせていただきたいと思っております。結果といたしましては、1ページおめくりいただきまして、総括のところでは、東地域、中西地域、この二つに分けてのものということで、東地域につきましては15%超の節電が実現できたと。ただ、これは気温等の補正をする前ということではございます。また、中西地域につきましては、おおよそ10%の節電ができたという総括でございまして、この詳細について、さらに分析が行われますし、また、事務局としても行ってまいりたいというふうに考えております。あと、エネルギー政策の議論と温暖化、環境の議論との連携ということで、ご指摘いただきましたように表裏一体として進んでいくというところはご指摘のとおりでございまして、様々な方策で連携をしてまいりたいというふうに思っております。また、環境面で議論を深めていくということも重要だと思っておりますので、地球温暖化の側面での考え方、基本的な方針などを、さらに深掘りをしてご議論賜れればというふうに考えてございます。あと1点、6%目標が達成できない場合の対策・対応についてのご質問もございました。現状でいきますと、2008年、2009年まで2カ年分の実績値が確定してございます。その内容につきましては、森林での吸収、また、国際貢献のうち国のクレジット取得分、こういったものを見据えますと、2008年、2009年、この2カ年部分については目標を達成するレベルであったというふうには考えてございます。また、2010年につきましては、速報値が出るのが例年でいきますと今年の末になります。そういった面でいきますと、今年の末位には2010年の方向性がわかると考えております。あと、11年、12年がどうなっていくかということは予断を許さないわけでございますけれども、最終的に5カ年平均で達成ができるかどうかということが確定してまいりまして、多分、2015年位に手続になろうかと思います。それまで、まだ努力をする時間が残っておりますので、省エネなど、深掘りをした対策を国としてもとっていくということだと思っております。以上でございます。

○鈴木部会長
 いろいろご意見をいただきましたが、何かこの段階でご発言ございますでしょうか。よろしいでしょうか。では事務局のほうから、今後のスケジュールはもうよろしいわけですね、これで。

○低炭素社会推進室長
 はい。資料4の下の検討スケジュールでございますが、次回が10月7日でございまして、本日いただきましたご議論を整理させていただきまして、改めて資料等を提出し、議論を深めていただければと思っております。

○鈴木部会長
 そういうことになりますので、本日の議事といたしましてはこれまでとさせていただきます。次回までに各委員の方々におかれまして、本日議論となりましたところ――これまでの取組状況と課題であるとか、中長期的な目標、あるいは施策の基本的方向、取組推進に向けた指標及び具体的な目標、こういうようなところにつきまして、是非こういうことを記載すべきだと、こういうようなご意見がございましたら事務局に文書でご提出いただければと思いますので、宜しくお願い申し上げます。

○地球温暖化対策課長
 それでは、本日も長時間にわたりまして活発なご議論をいただき、大変ありがとうございました。次回の地球環境部会につきましては、10月7日金曜日の予定になっております。場所等についてご案内、追って事務局よりご連絡を差し上げますので、宜しくお願いいたします。また、いつものごとく議事録につきましては、事務局で取りまとめまして、ご確認いただきました後にホームページに掲載いたしますので、宜しくお願いいたします。なお、先ほどのご意見をいただくという件に関しましては、ご依頼文を送付させていただくような形で、また促させていただきたいと思いますので、宜しくお願いいたします。

○鈴木部会長
 それでは、以上をもちまして、本日の議事を終了させていただきたいと思います。長時間どうもありがとうございました。

午前11時53分 閉会

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