中央環境審議会地球環境部会(第91回)議事録

1.日時

平成22年12月22日 15:05~17:58

2.場所

ベルサール八重洲 RoomA,B,C

3.議事次第

  1. 1.「我が国における国内排出量取引制度の在り方について(中間整理)」(国内排出量取引制度小委員会)」について
  2. 2.気候変動枠組条約第16回締約国会議(COP16)等の結果報告
  3. 3.その他

配付資料

  • 資料1    我が国における国内排出量取引制度の在り方について(中間整理)
  • 資料2    我が国における国内排出量取引制度の在り方について(中間整理)参考資料
  • 資料3    我が国における国内排出量取引制度の在り方について(中間整理)骨子
  • 資料4    気候変動枠組条約第16回締約国会議(COP16)京都議定書第6回締約国会合(CMP6)等の概要

議事録

午後3時05分 開会

○地球温暖化対策課長 お待たせいたしました。
 ただいまから中央環境審議会地球環境部会第91回会合を開始させていただきます。
 本日は委員総数40名中、過半数の委員の方にご出席いただいておりますので、定足数に達しております。また、本日の審議は公開とさせていただきます。
 では、今後の進行につきましては、鈴木部会長にお願い申し上げます。

○鈴木部会長 年末の大変お忙しい中と本来ごあいさつすべきなのですが、年内にもう一回ございますので、あと本日と28日、こういう予定で地球環境部会を開催させていただきます。
 では、まだお集まりでない先生もいらっしゃいますが、議事に入らせていただきたいと思います。
 最初に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 それでは、議事次第に資料のリストがございますけれども、資料1といたしまして、「我が国における国内排出量取引制度の在り方について(中間整理)」がございます。
 資料2といたしまして、同じく中間整理の参考資料がございます。
 それから、資料3として、これは一枚紙でございますけれども、中間整理の骨子がございます。
 最後、資料4といたしまして、COP16の概要と、日本政府代表団の資料がございます。
 以上でございますけれども、不足等ございましたらばお申し出ください。

○鈴木部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 本日は国内排出量取引制度小委員会、これは植田先生に小委員長をお願いしておりましたが、先般中間整理を取りまとめていただきました。この中間整理を中心にご議論いただくということにいたしたいと思います。
 そのほかCOP16の結果につきましても、報告いただくことにしております。
 国内排出量取引制度につきましては、もうご案内のとおり、地球温暖化対策基本法案の主要3施策の一つとして位置づけられておりまして、8月に開催いたしました前回のこの部会以降、政府部内もいろいろと動きがあったようでございます。そのあたりの状況報告も含めまして、まず寺田局長よりごあいさつをいただきたいと思います。
 お願いいたします。

○地球環境局長 地球環境局長、寺田でございます。
 先ほど部会長からもお話がございましたけれども、今日も含めて更に28日と年末の大変お忙しいところ、ご参集いただくことで、誠に恐縮しております。
 ただいまお話がありましたように、国内排出量取引制度について、若干政府部内での動きがございますので、ご報告をさせていただきます。
 まず、この検討の一番の大もと、基礎になっております地球温暖化対策基本法でございますけれども、これにつきましては、先の国会に提出はいたしたのでございますけれども、審議の時間がとれず、現在継続審議ということになっております。また、先週民主党におきまして、基本法案に盛り込まれた主要3施策、すなわち税、それからこの排出量取引、更に加えて固定価格買取制度、この3つでございますけれども、この施策についてのご提言が取りまとめられております。
 これは経緯を申しますと、実はこの3つの施策につきましては、先般税制が取りまとめられたということでございますけれども、この関連する3つの施策については、個々ばらばらではなくて、3つの施策、どういうふうに考えていくのかということを一つまとめて示してもらいたいというご要望が強かったところから、この年末の税の取りまとめと同時期に3施策を取りまとめ、基本的な考え方を示すということになったものでございます。
 この中で排出量取引につきましては、産業、雇用への影響や国内外の状況を見極め、「慎重に検討を行う」とされたところでございます。
 一部報道の中では、凍結であるとか、後退であるとかという書かれ方もしておりますけれども、政府といたしましては、この提言は誠に文字どおり慎重に検討をするということであって、決して凍結とか、そういうものではないと受け止めております。今は民主党の提言が出た段階でございますので、今後速やかに政府において政府の方針を意思決定するということになるわけでございますけれども、地球温暖化対策は待ったなしということでございますので、政府としては様々な施策を一つ一つ着実に前に進めていくという姿勢に変わりがあるものではございません。
 そういう中で、本日は熱心なご議論をちょうだいいたしました国内排出量取引制度小委員会の取りまとめ結果についてご報告いただくということになっております。小委員会の先生方からも、是非この親部会で忌憚のないご意見を頂戴したいということでございますので、本日はよろしくお願いいたしたいと思っております。
 また、実は小委員会でかなり様々なご議論のある中、その議論を忠実に取りまとめたというものでございますので、ご説明でございますけれども、要旨要約ということではなく、本文そのものを用いましてご説明させていただきますので、やや煩瑣になることをお許し賜ればと思っております。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 時間も限られておりますので、早速この「我が国の国内排出量取引制度の在り方(中間整理)」につきまして、事務局から説明をいただきたいと思っております。
 この説明の前に、この小委員会の委員長を務められました植田委員からも、まず口火をお切りいただきたいと思います。

○植田委員 ご紹介いただきました植田でございます。
 国内排出量取引制度小委員会の委員長を仰せつかりまして、小委員会では本当に熱心に議論を進めました。その一応の中間整理ということで、資料3に骨子をまとめさせていただいておりますし、資料の1、2は中間整理本文そのものも提出、報告させていただいておりますけれども、本当に集中的、精力的に委員の皆さんにはご審議いただいたと思っておりますし、非常に幅広くご意見を頂けたとも思っております。
 中間整理ということで、実は議論をまだ重ねないといけない、すなわちもう少し議論を煮詰めていかないといけない部分、論点も残されているという面がございます。それから、制度の導入そのものの是非についても、もっと議論が必要だというようなご指摘もございました。しかし、もし日本で仮に国内排出量取引制度を導入するとした場合に、日本にふさわしい制度というのはどういうものかということで、まず制度設計に関わる論点、これは資料3にかなり出ておりますけれども、網羅的に取り上げまして、それぞれの個別論点といいますか、そういうものを詳細に議論いたしました。
 一致した点はたくさんございますし、同時に先ほど申し上げたように残された点もございますが、そういう個別論点について議論を深めたということに加えまして、もし一つの制度にまとめ上げるとすれば、どのような制度になるかということで、それを制度オプションと申し上げておるわけですが、その制度オプションという形でまとめ上げるということを行いました。
 それは今後議論を進めるためにという観点から、オプション案をまとめまして、方向性を示したという点で、委員の皆さん全員のご了解を得ておるわけであります。
 そういう点で、議論に一定の進展があったのではないかと考えておる次第であります。
 中身の詳細については、この後ご報告いただくわけですけれども、当然先行している制度の、例えばヨーロッパにおける課題ですとか、あるいは様々な研究論文や意見も発表されておりますので、そういうことも踏まえまして網羅的に取り上げてまとめましたので、そういう意味では従来あまり議論されていないような点も含めまして、あるいは様々な具体的な措置のあり方についても提言するという形になっているかと思います。
 先ほど局長から、政府の動きについてもご説明をいただいたのですけれども、今後の更なる検討に資するという点で、今日は中間整理を報告させていただきます。委員の皆さんに是非忌憚のないご意見を頂きたいと、このように思っている次第でございます。
 詳細は、そうしたら事務局に説明をお願いいたします。

○市場メカニズム室長 それでは、引き続きまして資料の説明をさせていただきます。
 お手元の資料の1をご覧ください。こちらをもって説明をさせていただきます。
 ただ、資料1は90ページを超える大部でございますので、全体の中の位置がわかりにくいかと思いますので、資料3は全体像を見るという観点で、横に置きながら見ていただければと思います。
 まず、めくっていただきまして、資料1の1ページ、「はじめに」というところで、こちらは、まずこの排出量取引制度の小委員会の設置に至る経緯、背景を記載させていただいております。気候変動をめぐる世界の状況、その中での我が国の取組、そして基本法案の提出に至る経緯というものが1ページに書いてあります。
 2ページ、3ページになりますが、2ページではそういった背景の中、環境省、また政府全体の中で国内排出量取引制度に係るこれまでの検討状況、事業の実施状況を説明しております。
 そして、3ページの(3)でございますが、この中央環境審議会に国内排出量取引制度小委員会を設置したと、またそこの小委員会では、3ページの下から3行目になりますが、国内排出量取引制度の在り方について専門的な検討や論点整理を行い、今後の制度設計に資するためというような位置づけで議論が開始されたことを述べております。
 おめくりいただきまして、4ページが検討の経緯でございます。
 都合18回の会合を開催いたしまして、その過程で各団体、計21団体からヒアリングを行うとともに、パブリックコメントの募集、国民対話の実施、論点の整理等を行い、今回の取りまとめに至ったということでございます。
 詳細につきましては、巻末に経緯、詳細を書いておりますので、そちらをご覧いただければと思います。
 5ページからが具体的な中身になりますが、まず最初にその検討を進めていく上での基本的な考え方を整理しております。
 こちらは、まず最初の2つのパラにつきましては、現在国会に提出をされております基本法案に掲げております温暖化対策の目的、そして対策を進める際の基本原則、これを整理して列記をさせていただいているところでございます。
 その中で、5ページの後半からになりますけれども、中長期目標を実現していくためには、排出量を確実かつ効率的に削減する仕組みが必要であると述べ、国内排出量取引制度について検討をするという位置づけを整理させていただいたところでございます。
 具体的な視点につきましては、6ページから7ページに6つほど掲げさせていただいております。
 総量削減が担保できること、効率的な削減を促すこと、公平性が確保できること、透明性が確保できること、社会的に受容可能なものであること、複雑な手続をせずわかりやすい制度であること、この6つについてかなり議論を重ねまして、集約をしたところでございます。これらにつきましては、6ページの上から2パラにございますけれども、各論点を検討する上での視点ということで、これを参照しながらいろいろ個別の論点について、委員から評価をいただいたところでございます。
 個別の論点につきましては、8ページから具体的に論を整理しているところでございます。
 まず最初に、8ページの冒頭に1パラグラフ置きまして、論点のうち幾つかのものについてはオプションという形で議論を整理したことを述べております。
 具体的には、電力の取扱い。発電に伴うCO2の排出というものを、電力会社のものとみなすのか、それとも電力需要家のものとみなすのかという点、更には排出策の設定方法、総量方式なのか、原単位方式なのか、総量方式の場合、無償で設定するのか、有償で設定をするのか、これらにつきましては、意見の集約を見いだすという観点から、個別の論点を論じるだけではなかなか集約が難しいかと考え、これについては環境保全の効果と経済的影響の評価の配慮の視点から組み合わせて、3つのオプションを提示して別途議論を行ったところであります。
 オプションについては、この後出てまいりますので、そちらで詳述をしたいと思います。
 まず、「対象期間」。1番でございますが、こちらにつきましては、ヨーロッパで先行する制度で言われているフェーズというもので、制度の基本が固定される期間というものを指すものでございます。
 効果としては、その下にありますけれども、一定の期間、排出量の限度設定ルール等を固定することによって、対象者が対策の見通しを立てやすくなると、こういうようなことを考えております。
 まず、対象期間の考え方でございますが、8ページから9ページにかけて、最初に目標年次をいつにするかということの過程を置いております。現在、基本法案が2020年と中期目標を掲げている関係上、2020年が一つの目標時期とするのは素直な考え方ではないかと考えるところでございます。
 また、9ページの上の方にいきますが、開始時期をそれではどうするかということですが、できる限り早く導入した場合と、これは仮定でございますが、した場合、どうなるかと考えますと、準備期間が相応のものが必要であると考え、例えば2013年度というものを仮定するということも可能ではないかと。
 とすると、間の期間というのは8年となるわけですが、その8年を一つの期間と見なすのか、それとも複数の期間に切るのかという、そういう検討を9ページの[2]で行っております。
 結果とすれば、基本的には5年というものを一つの目安として置くことが適当ではないかと結論づけているところでございます。ただし、その8年について5では割り切れませんので、最初3年という短い期間で、少し制度の調整が必要なものは手直しをして、以後5年ということでどうかとしているところでございます。
 10ページのところで方針と書いてあるのは、そういったことを簡潔に書かせていただいております。
 続きまして、「対象ガス」でございます。
 こちらにつきましては、京都議定書度定めている6種類の温室効果ガス、これらの中でどのようなガスを対象にするのかという議論をさせていただいております。
 まず、基本的考え方のところでありますけれども、算定・検証・報告の負担が少ないであるとか、基本的には排出量全体に占める割合が大きいであるとか、あとモニタリングの精度、そういったものを勘案して決めるというところでございます。
 11ページにいきまして、エネルギー起源CO2、これを対象とすると。これについては異論はなかったところでございます。
 その下、非エネルギー起源CO2でございますが、これについても特に精度管理が困難であるというものがなければ、特に温暖化係数の関係でそういったものがないということであれば、制度の対象とすることは適当であろうと考えたところでございます。
 ただ、幾つかの課題がございまして、精度管理も特に廃棄物の関連、リサイクルとか廃棄物処理、それらについては若干精度管理の観点で、後で出てくる取引を等価のものとして扱う観点でどうだろうかということで、精度管理の観点で対象とするかどうか、検討をすることが必要であろうというふうにしたところでございます。
 その他のガスにつきましては、地球温暖化係数が著しく大きいということで、同じ1トンの測定誤差が出た場合、何千倍もの差が出てくるということから、当面は精度管理の向上に努めると整理をしたところでございます。
 13ページは「制度対象者の考え方と特定方法」でございます。
 まず、制度対象者が責任を負う範囲というものはどういうものかというのが13ページ以降書いてございます。
 こちらの結論でございますが、そこに<1>と<2>で分けてございますが、基本的には<2>の考え方にありますように、ある裾切り値の基準値以上の事業所を有する事業者がその有する基準値以上の量を排出する事業所の排出量の合計について責任を負うという考え方でどうかというふうに整理をしております。
 後で裾切り値の話が1万トン以上というのが出てまいりますが、例えば仮に裾切り値が1万トンとした場合に、1万トンと5,000トンの2つの事業所を持っている法人があった場合には、その法人の責任の範囲というのは1万5,000トンではなくて1万トンと。また、9,000トンの事業所が2つあった場合には、どちらも対象にならないので、その法人は義務を負わないと、そういった考え方の整理でございます。
 14ページ、15ページをお開きください。
 14ページの[1]-2のところは、まずそういった形で複数の事業所を所有する法人が例えば複数の事業所が対象になったときに、その複数の事業所ごとに実際の義務の遵守を果たしていくのか、それとも全体として見るのかという議論をしているところでございます。これらについては、様々なメリット、デメリットというのを考えながら整理をしようというところでございます。
 14ページの後段からは、この法人単位ということで義務の対象になるんですが、業界単位であるとか、複数事業者単位について考えることはどうなのかという議論をしたところでございます。
 まず、業界単位につきましては、14ページの後段、下から10行目辺りに書いてありますが、業界団体とは別人格である企業として行った排出活動について、法律に基づく義務の責任を業界団体に追求することは法制的にも困難ではないかと整理をしているところでございます。
 他方、複数事業者の問題、これにつきましては15ページの下の方になりますけれども、その複数事業者による義務履行というのは、複数事業者が一体となって生産活動を行う場合、その実態をより反映できるメリットといったものも考えられるというような指摘もあります。
 しかしながら、15ページの上の方ですけれども、公正取引委員会の報告書から、形態によっては競争政策上の課題が出てくる可能性が指摘されているところでございます。
 したがって、その複数事業者の問題については、このメリットと課題を克服できるのか否か、そういった点を照らし合わせて、最終的に判断すべきだろうというふうにしているところでございます。
 15ページの下からは、ビルなどの複数の企業が含まれる事業所、この扱いをどうするかということを議論しております。
 2つの考え方が提示をされておりまして、1つは現行の温対法と同じ考え方で、温室効果ガスを排出する者、管理責任を誰が有しているのかという観点で考えるというものと、もう一つは新たな考え方ですけれども、事業所の所有者が誰なのかというものに着目をして判断をするという考え方、その2つが提出をされたところでございます。
 具体的には、それぞれ甲乙問題、メリット、デメリットがございますので、最終的にそれらを評価して決めようということで、問題点の整理にとどめているところでございます。
 17ページは裾切り値でございます。
 裾切り値につきましては、1ページめくっていただいて、18ページに現行の算定報告公表制度における規模別の報告数が掲載されております。
 2つの欄が縦に電力間接方式と電力直接方式とございますが、後で出てくるオプションの制度の評価では、一応電力間接方式をベースとして考えてはどうかということで、そちらの数字を見てみますと、現行の温対法で対象となっている事業所の数が報告数として出てきまして約1万3,000でございます。これが裾切り値を上げていくに従って、報告数が減っていくというところでございますが、それに伴ってどのぐらいのカバー率の変化があるのかというものを見たのがその横のパーセントでございます。
 実際には3,000トンからこれが1万トンという形になっても、それほど大きな減少というものは見られないということでございますので、1万トン以上のどこかの値、1万トンと決めるわけじゃない。例えば、5万トン、2.5万トン、10万トン、いろいろあるんですが、1万トン以上のどこかでそのカバー率と全体のコスト、負担等も考えながら、最終的に決定をしていくことになるのであろうというふうに整理をさせていただいたところでございます。
 18ページの下、真ん中辺り、4番でございますが、連鎖化事業者、特定輸送排出者の扱いというものの整理でございます。
 これらにつきましては、温対法の算定報告公表制度の対象になっておりますが、国内排出量取引制度というものが大口排出源に着目をして、その義務の履行を求めるという観点からすれば、今回は制度の対象とすることには問題があるのではないかというふうに整理をさせていただいているところでございます。
 以下、方針についてはそれらを簡潔に書かせていただいております。
 19ページの下から排出枠の設定方法というものを整理しております。
 こちらにつきましては、実際に個別の評価はあまりここでは述べておりませんで、後で出てきます制度オプションの評価というところで、組み合わせた結果で評価を述べていますので、それぞれの個別の課題だけ整理をしているというところでございます。
 20ページが無償設定方式でございますが、こちらにつきましては、ベンチマークの方式とグランドファザリングの方式、2つについて考え方を整理しております。いずれにつきましても、20ページの(1)の上から3行目でございますが、排出枠の設定は過去の排出削減努力や今後導入可能な技術の内容な程度等を踏まえて、実現可能と考えられる排出削減の程度、これを以下削減ポテンシャルという形で言い慣わしておりますが、この程度等の制度対象者個別の事情を踏まえて行うことが必要であるという形で整理をしております。
 この考え方をベンチマーク方式なり、グランドファザリング方式なりに反映をして、個々に丁寧に設定をしていくということを以下20ページから記載をさせていただいているところでございます。
 20ページからは、しばらくベンチマークについて記述をさせていただいております。
 22ページ以降、グランドファザリングの記述がありますが、22ページの[2]-1というところに併用というふうに書いてありますが、ベンチマークが設定できる業種でありますとか、事業の形態というのは、どうしても限られてしまうであろうと、その限界がございますので、例えば23ページの図の1がありますけれども、1つの法人、1つの事業所の中でも、ベンチマークで排出を計算するところとそれがかなわないところはグランドファザリングで計算するという、2つの併用が出てくるというふうな形で、ベンチマークの方ができることならば、個別の事情の反映というのはしやすいところですから望ましいんですが、できないところはグランドファザリングをどうしても用いることになろうと。さすれば、グランドファザリングの方でも、先ほど削減ポテンシャルということを申しましたが、そういったものをどのような形で反映できるのかということについて、23ページから記述をさせていただいているところでございます。
 具体的には、24ページにグランドファザリング方式の削減率の設定方法と書いてありますが、その削減率の程度の差を設けることで、個別の事情を反映することができないかと考えているところでございます。
 25ページからはオークション方式、総量で有償の場合ということでございますが、これについて参加の要件、量、使途、買占め・相場操縦等の防止措置、そういったものについて言及をしているところでございます。
 具体的には、26ページ、27ページでございますが、オークションへの参加要件というものは制度対象者以外の者を認めるかどうか、そこが論点になったところでございます。実施方法につきましては、実施頻度でありますとか、実際のあり方、封印入札にするのか、競り上げ入札にするのか、そういったところが課題であるとしておりますし、また使途、その収益をどうするのかについても、慎重な議論が必要であるというふうなご指摘を頂いたところでございます。
 27ページから原単位方式について説明をしております。
 原単位方式というのは、(1)の課題にございますが、各事業者の排出量の限度を設定する際に、生産量等の1単位当たり温室効果ガス排出量、これを原単位としまして、それを限度とする方式ということでございます。
 これにつきましても、先ほどの削減ポテンシャルという考え方を反映して、BATと書いてありますが、利用可能な最善の技術、そうしたものを考えながら、具体的には原単位を設定していくことになるのかと考えているところでございます。
 また、28ページになりますが、原単位方式でございますと、[2]のところにありますが、総量削減の担保をいかにするのかというところが課題になります。その課題の対応方法の例として、少し原単位を厳し目に見るというようなことも一つあるのではないかというようなご指摘も頂いたりしておりますが、全体としてなかなかその辺りは課題になろうかというところでございます。
 また、不景気のときにはどうしても各事業者の原単位が下がってしまうということで、厳しい点もあるというようなこともご指摘を頂いております。
 それらをまとめたものが30ページの方針というところでございます。
 30ページの下からは「電力原単位に係る措置」というところでございます。
 これにつきましては、仮に電力の取扱いというものを間接方式、つまり発電所で発生するCO2の排出は、その電気を使う事業者の方の排出とみなしてやる場合、電力の需要家はそれでインセンティブが働くということなんですけれども、供給者に対する何らかの措置が必要なのか、そういった指摘、観点から検討しているところでございます。
 31ページの上段の方には、まず電力需要家が用いる場合の原単位、これをどうするのかという検討をしているところでございます。全国一律という考え方、また電気事業者ごとに行うという考え方、両方一長一短があるというようなご指摘もあります。
 また、電力需要家から見れば、電力原単位はコントロールできないので、具体的には対象期間、最初に5年とされましたが、その間はこの電力原単位というのは固定せざるを得ないかなと考えているところでございます。
 ただし、そのなお書きでございますが、電力需要家における温暖化対策を推進するには、系統電力の需要に関わる対策、その削減効果の評価方法を適切に定め、その考え方を制度の施行までに明らかにする必要があると、こういった意見があったところでございます。
 電力供給者に対する措置の内容というのが[2]でございますが、こちらにつきましては真ん中辺りに書いています電力供給計画、これを基本として原単位を設定していくことが必要であろうというふうに述べているところでございます。
 32ページからは「新設、廃止等の場合」でございます。
 具体的には33ページに書いてありますが、まず新規参入される事業者には既存事業者と同様に排出枠の交付を行っていくことが適当であろうというのが[1]でございます。
 また、その事業を廃止される方につきましては、適切に償却をして返還を求めることが必要であるというのが[2]でございます。
 [3]につきましては、既に制度の対象者であった事業者が事業所を追加して診察する場合、また事業所の一部を廃止する場合、その扱いをどうするのかという考え方で論点を整理しております。
 これにつきましては、2つの考え方があるというのが33ページの[3]の最初の3行に書いてありまして、1つはある対象期間を固定するのであれば、その期間はそういった増減というものは排出枠の変動をやり直すということをしないという形で整理するということにするのか、それともそれらについても、新設または廃止についても、先ほどの新規参入、それとも廃止にあわせて、同様に細かく見ていくのかという、その両方ありますけれども、それらについては廃止のときと新設のとき、パラレルに整理をしていく必要があるだろうとしております。
 基本的には、新規参入とか廃止のときと公平性を考えて、細かく設定をしていくのではないかというふうに整理をしているところでございます。
 34ページからは「排出総量」というものを記述しております。
 この排出総量というのは、個々の事業者のレベルではなくて、制度全体、制度の対象者がどのぐらいの排出量、総量になるのかという視点での議論を整理したところでございます。これにつきましては、35ページに[1]として「排出総量の性格・設定方法」と書いてありますが、その最初のパラの真ん中辺りですが、個々の事業者の排出枠の設定とは別に、我が国全体で技術的に導入可能な対策技術を積み上げて推計する排出総量を設定し、中長期目標の実現、これは基本法案の中長期目標ですが、中長期目標の実現に向けて、国内排出量取引制度の対象外の分野での追加的な対策が必要か否かの判断を行う目安として用いることが考えられると、こういうふうに書いております。
 具体的に言いますと、今までこの4のパラでずっと書いておりました排出枠の設定の考え方に従って、個々の事業者の排出枠というものを設定し、その合計値というものを計算すると、その合計値というのが別のアプローチ、マクロのアプローチでございますが、例えば次回の地球環境部会でご議論いただくような中長期ロードマップのようなアプローチで、制度対象者全体で20年にはこのぐらいにその時点ではなっているだろうということで、この対象者を更に推計を重ねて、このぐらいのものに推計できるのではないかというマクロの数字を別途計算して、先ほどの排出枠の設定、個々に積み上げていったものと比較してみてはどうかというのがここの考え方であります。
 そこが概ね一致するのであれば、この制度というのは中長期目標の方に向かって運営されていることであり、そうでなければ何らかの深掘りというものが必要であろうと、そのときにはこの制度の対象外の分野での深掘りというものが必要ではないかという、その目安としてこういう排出総量というものを設けてはどうかというのが34ページ、35ページでございます。
 36ページからは、算定・検証・報告・償却といった排出量取引制度の対象となる方の一連の手続のイメージを書かせていただきまして、それに伴う課題を整理しております。
 36ページからは、まず最初にどういった方が対象となるのかという特定の手続が書いてあります。
 37ページは、遵守期間というものについての記述がございます。
 この遵守期間というのは、先ほどの対象期間5年とは別に、その遵守期間、対象期間の中を更に複数に分けるものと遵守期間と言っております。
 具体的には、排出枠というものが先ほど設定をされて、実際にある法人が排出量をこのぐらい出したと、その排出量があらかじめ設定された排出枠を満たしているのかどうかを確認するための期間というのを遵守期間というふうにしております。
 例えば、この遵守期間が1年として対象期間5年ということであれば、5年の中で毎年、毎年年度末ないしは年末の期間の最後のときには、自らの排出量が排出枠の中におさまっているのかどうか、おさまってない場合には後ほど出てきます取引等で遵守をするといった区切りのための期間を遵守期間と申しておりますが、これにつきましては、単年度ということを基本とはしつつも、実際に事業者の方の負担の程度とか、また単年度としなかった場合のデメリット、その正確性、そういったものを見極めて、複数年度も含めて検討をするという形で整理をしておるところでございます。
 37ページの下の方は、検証制度の必要性を書いております。
 これは実際にその他のこれまでの公害規制、環境規制と異なって、どうしてもこれまで国で行って、ないしは環境省で行っているモデル事業の結果、経験上、また他の国の先行制度の経験上、どうしても事業者の方で算定漏れとか計算間違えというのが避け得ないと、それを公平性を担保する観点から、第三者の検証というものが必要でないかというふうに議論をしておるところでございます。
 39ページは、こういった一連の手続についての明確化、効率化、ガイドラインの設定等の必要性を述べているところでございます。
 40ページの排出枠の償却手順というのは、具体的な償却が必要であるということを述べております。
 41ページは実際に今まで言ったような一連の手続というものがどのぐらいの期間行われることになるのかというイメージ、例を先行制度とともに説明をさせていただいているところであります。
 42ページの上の方に図示をしております。
 これは例えば遵守期間を1年とした場合ということですから、複数年、2年、3年、5年となった場合には、これが延びるものと思っていただければいいかと思います。
 42ページの7番のところは、排出量の公表についてということで、実際にその報告された排出量については、競争上の地位等にも配慮しつつ、適切に公表されるべきであるとしているところでございます。
 また、こういった一連の手続に伴う対象者の義務については、相応の罰則も必要であろうというので、罰則が必要な事項について、他の法制度との並びを見て整理をしているところでございます。
 44ページからは、「事業者の負担の緩和措置」でございます。
 具体的には、44ページの真ん中にあります5つの項目について整理をしているところでございます。
 バンキングというのは、ある期間の遵守期間に余った排出枠を次期の遵守期間なり対象期間に繰り越すことができるものであり、ボローイングはその逆で、足りないときに取引で他社から獲得するのではなくて、自らの排出枠を前借りするというものでございます。
 そうした取引によらず、制度の対象者外の削減を遵守に用いるというのが外部クレジットでございます。
 更に進んで、他の外国の制度と直接リンクするというのが国際リンクでございます。
 このほか、国内排出量取引制度による価格が乱高下又は高騰した時に、政府が市場に放出して安定化するためのリザーブといったものも諸外国では議論されていまして、そういったものについても整理をさせていただいております。
 簡単に時間の関係から結論だけ44ページ以降言わせていただきますと、まずバンキングとボローイングにつきまして、45ページでありますが、遵守期間をまたぐバンキングとボローイングについては必要であろうというふうに整理をしております。
 ただ、ボローイングにつきましては、あえてボローイングという規定を設けなくても、先ほどの償却の手続でどうしても排出量が確定して、その翌年度にしみ出て、そこで遵守手続をやっていると、次の年度の排出枠が交付されてくるものですから、実質100%余分に排出枠がその瞬間交付されている状況になりますので、それを通常実質ボローイングという形で言い慣わしているところでございます。
 次に、対象期間をまたぐバンキングとボローイングとありますが、対象期間というのは先ほどの5年という長きにわたる期間のものの、それをまたいでバンキングできるか、ボローイングできるかということですが、結論から言いますと、ボローイングについてはそれを認めてしまうと、いつまでも総量の管理というのが、制度が続く限り達成できないということなので、対象期間のときには一度最終的に整理をする必要があるので、ボローイングが認められないとすべきでないか、としたところでございます。
 46ページから外部クレジットの活用を論じております。これらについては、様々な議論はありますが、1つは無制限にこれを認めると、国内での対策、対象者の対策というのが進まなくなるおそれがあるのではないかという指摘もあり、質的に同等のものと言えるものに限るべしという観点と、量的にもある程度補完的に、補足的な活用にすべきではないかというような議論があったことで整理をしております。
 47ページに国際リンクがございますが、これについては様々な課題があるので、まずは当面将来的な課題であろうというふうに、48ページの最後に位置づけているところでございます。
 費用緩和リザーブ、これにつきましては、これを設ける場合にどのような課題をクリアしていかないといけないのかというのを3点ほど整理させていただいております。
 48ページの真ん中辺りですが、どれだけの量を保持すべきなのか、どういった場合に使うのか、またその法的性質、具体的手段はどうするのか、そういったことを整理しているところでございます。
 49ページからは、「国内外での排出削減に貢献する製品の配慮」でございます。
 こちらにつきましては、そもそもどういうものかというところが課題のところに書いてありますが、使用段階での排出量削減が高い製品を中心に、排出削減効果をライフサイクルで評価し、こうした製品の製造が制度の導入で阻害されることのないようにすることが重要であるとの指摘があり、これらについての対応方策を検討するというところでございます。
 50ページ、51ページにいろいろ整理をしておりますが、簡潔に言いますと、52ページに「LCA配慮のイメージ」という図を書かせていただいております。
 大口の事業者が対象となるということで、多くの製造事業者等が対象になることが想定されますが、その場合、このLCAの配慮のイメージで製造というところですが、通常の例えば家電と自動車の例が書いてありますが、仮に家電としますと、通常の家電と省エネ製品というのは省エネ製品の方がいろいろ手間もかかるし、エネルギーも用いるということで、CO2の排出量は製造段階では増えてしまうと。しかし使用段階で見ると、その削減効果というのは、とりわけ使用期間が複数年にわたるものということにつきましては、非常に大きくなって、この製造段階で排出枠を設定すると、排出枠は点線のイメージでございますが、同じ数を清算するならば、省エネ製品ではなくて、通常製品を生産する方向に行ってしまうのではないか。とすると、このせっかくの使用段階での削減というのが阻害されるのではないかというのがこの問題の提起でございます。
 結論としましては、この製造段階でこのAとBの差のところ、製造時の排出増、これについて排出枠の追加交付という形で整理をしてはどうかというふうに議論を進めたところでございます。
 このとき2つ議論がございまして、使用時の排出削減の効果を排出枠として追加交付するのか、製造段階の差を追加交付するのかということですが、使用段階の差を追加交付するのは様々な課題があることから、製造段階の差を追加交付するということで整理をしたところでございます。
 53ページからは、「炭素リーケージ、国際競争力への影響」というものでございます。
 こちらにつきましては、先行する制度、ヨーロッパないしは米国の方で議論されている制度でも、同様の競争力への影響の観点で、その配慮措置というものがございますので、本制度でも検討をするべきであろう、としております。
 具体的な視点としては、54ページの上から2パラ目でございますが、国際競争力の影響という観点で見れば、事業者が国際競争にさらされている程度と排出削減のコストの事業規模に占める程度の割合の程度、この2つを勘案して判断することが可能であると。
 前者につきましては、これを貿易集約度といい、後者につきましては、炭素集約度という形でヨーロッパでも整理がされているようです。それについて、実際に我が国の産業を分類した例というのが55ページの図のようになりますが、これらの指標を用いて該当する業種には排出枠の交付時に適切に配慮をすべきというふうに整理をしたところでございます。
 57ページからは、「国と地方の関係」というところでございます。
 これはとりわけ既に東京都におかれては、排出量取引制度を先行する制度として実施をされておりまして、その動きは徐々に広まるというような動きもあろうかと聞いております。こうした地方の制度と国の制度が仮にできた場合の整理はどうなるのかということを議論しているところでございます。
 結論から申しますと、61ページの「方針」というところでございますけれども、基本的な考え方として、法律と条例というのは制度対象者に過剰な負担や混乱が生じないよう、また条例に基づき事業者が先行して行った削減努力が適切に評価されるよう、できるだけ整合が図られることが望ましい、としております。
 また、その法律で実際にどこまでこれが整理できるのかというところですけれども、具体的に法律が先ほど裾切りの話が出てまいりましたが、裾切りの基準以上のところで、例えば1万トンなり10万トンで設定して、その法律の方で対象になった事業者、この事業者の方に法律と条例というのは2つ係るのかどうかと、このような点につきましては、その国の制度と地方の制度が同様のものであるという場合には、国に一元的に行うことが望ましいのではないかというふうに整理をしたところでございます。
 他方、そういった裾切り値以下のところの事業者については、そもそも地方にその条例制定権が憲法上認められており、国の制度でそれを一元的に禁止するということも難しいと考え、それについては先ほどの冒頭の3行になりますけれども、できる限り事業者のことを考えれば、整合性がとられるような形で整理されるべきであろうというふうに整理をしたところでございます。
 62ページからは、「国内排出量取引制度とその他の施策との関連」で見た関係を整理をしております。
 具体的に言えば、特に3つの制度でございます。
 62ページの下から63ページにありますが、国内排出量取引制度、税、そして全量固定価格買取制度、この3つの制度の特に負担等について着目をして、国内排出量取引制度の中でこれら全体の負担を考えたときに、何か加えて措置を講ずるものがあるかどうか、そうした議論を整理しているところでございます。
 63ページの後段には、ここについてはそれぞれの制度というものが目的、対象、手段、それを基本的に意味するものということで、適切に組み合わせることで、単独、一つだけで目的を達成しようとするよりは、相互補完的に効果的に実施できるであろうというふうに整理をしているところでございます。
 具体的な負担の議論につきましては、64ページの[2]から記述をしているところでございます。
 ここでその負担についての考え方、[2]と[3]で整理をしておりますが、まず[2]の方では、今回国内排出量取引制度において、個々の事業者のこれまでの削減努力の程度や今後導入可能な技術の内容、程度と制度対象の実現可能と考える排出削減の程度を踏まえて、排出枠を設定する。先ほど冒頭で申しました排出量削減ポテンシャルでございますが、これを無償で設定するということにするのであれば、それについて言えば、上記の程度というのは先ほどの実現可能な程度のことを指しましたが、そこに達するために必要な排出量削減、それを超えて追加投資を求めることにはならないであろうというふうに書いております。
 また、そういうことであれば、他の2施策との間でも負担の重複は基本的には生じないのであろうということにしております。
 ただし、排出枠を有償で設定するとしたならば、その部分については負担が追加で生じることになるというところでございます。
 ただ、そもそも上記の程度に達するために必要な排出削減のための投資を超えてということで、そもそも上記の程度に達するための投資という負担はかかってくるわけでございます。
 それらを踏まえて、全体の国内排出量取引制度の対象となる事業者の負担というのは、どのぐらいのものになるのだろうかというものについて、64ページの[3]以降整理をしているところでございます。
 具体的には、次回の地球環境部会でご議論をいただく中長期ロードマップの議論で、費用負担について整理をしておりますので、そちらの数字を拝借して負担について整理をしたというところでございます。その際の中長期ロードマップの数字を用いる際の留意点として、65ページの後段から黒い丸で幾つか箇条書きをしておりますけれども、例えば2つ目で言いますと、中長期ロードマップの投資額というのは、官民合わせた投資額であるので、官の補助金部分も入っている点でありますとか、投資をした後に得られるエネルギーの節約のメリットが入っていない点、また66ページ、67ページになりますが、需要の創出というイノベーションの便益が入っていない。また。投資を行わなかった場合の気候変動への影響を避けられたといっ外部経済について書いてない、といったものを留意する必要があるということを書いております。
 これらを踏まえて、中長期ロードマップ小委員会、昨日の最新のデータでバージョンアップをしておりますけれども、その数字を整理したところでございます。
 結論から言いますと、66ページの下の方になりますけれども、例えば裾切り値1万トン以上ということで、裾切り値を1万トンとした場合、どうなるかということですが、産業・業務というのは、それぞれ10年間で2.5兆円から2.7兆円、0.4兆円から0.7兆円となり、年間ということで単純に10で割ると、2,500から2,700、400から700億円ということでございます。
 この幅があるのは、2020年、25%というものの目標に対して、国内対策の真水分を幾らにするかというので、場合を分けて計算している。それに対応しているところでございます。
 この額が大きいのか、少ないのかという評価ですけれども、一概にこれでというわけではありませんが、例えばエネルギーコストがどのぐらいかかっているのかという年間のエネルギーコストを比較しますと、全体で見ますと産業で言えば約4%、約10%にそれぞれ当たるというふうな数字を出させていただいております。
 これは省エネメリットが入っていないのですが、省エネメリットを加えるとどうなるかというのが67ページでございます。
 結果から申しますと、これは割引率を変えることによって数字が変わってくるのですけれども、長期的な割引率を使いますと、67ページの真ん中辺りですが、年間、産業で700から800、業務ではプラスになって400から500でございます。短期の場合でありますと、それほどメリットが出てきませんので、下の方になりますが、2,300から2,700、業務の場合が200から400という数字が出ているところでございます。これらにつきまして、メリットまで加えて、更に将来的な投資によるイノベーションの効果、そういったものを68ページに記述しておりますが、全体として見れば非常に厳しい負担を求めているということではないのではないか、と整理をしておるところでございます。
 ただし、これは全体で見た場合でございますので、特定の業種、また企業のレベルで見るとしわ寄せが来ることもあるのではないか、これが68ページから69ページに書かれておりまして、これにつきましては先ほど出ました炭素集約的な産業、国際競争力への影響が大きい産業、そういったところにしわ寄せが生じる可能性があるということで整理をしているところでございます。
 70ページからは、「その他の事項」ということで、登録簿、適切な市場基盤等についての検討課題を整理しているところでございます。これらにつきましては、70ページにありますが、国内排出量取引制度の法的課題に関する検討会、本日もご出席いただいている大塚先生に座長をお引き受けいただいて、整理いただいているところでございます。制度の導入が具体的になる段階で、制度にあわせてこういった検討を更に深めていく必要があろうというふうに整理をしておるところでございます。
 74ページでございます。
 こちらから先ほど後でと言っておりました「制度オプションの評価」というものを記述しているところでございます。こちらにつきましては、先ほどの電力の扱いと排出枠の設定方法というものを環境保全の効果と経済的影響への配慮、この2つの4点からA、B、Cのオプションを設定したところでございます。
 オプションAは、電気事業者を含め温室効果ガスを直接排出する者に総量方式(有償)で排出枠を設定するもの、オプションBは、電気事業者には排出原単位での改善を義務づけ、電気事業者を除く制度対象者に無償の総量方式で排出枠を設定するというものであります。オプションCというのは、電気事業者を含め、温室効果ガスを直接排出する者に排出原単位の改善を義務づけ、排出量確定後に事後精算で超過削減量を交付するといったものでございます。
 これらにつきまして、冒頭の基本的考え方で示しました6つの視点というものに照らして、75ページ以降評価を個別に行っているところでございます。
 これらについて、全体を整理したのが見開き80ページから81ページでございます。
 80ページにオプションA、B、C、それぞれの評価を書いておりますが、81ページの結論のところを見ていただきますと、それぞれのオプションについてメリット、デメリットがあるものの、具体的な制度に当たっては、オプションA、オプションCについては、全面的な採用を行うというのは課題が多いということから、議論を進めるためということではございますが、オプションBをベースとしつつも、それぞれの利点をミックスすることが可能かどうか、検討することとしてはどうかというふうに整理してみたところでございます。
 ただ、様々な議論が残っておりまして、なお書き以降、幾つかご指摘があった点は併記をさせていただいております。
 82ページから「まとめ」でございます。
 (1)の検討結果の概要というのは、今までの各論についての方針というところを簡略にまとめたものでございますので、割愛させていただきます。
 これが少し続きまして、実際に88ページ、検討結果の評価というものがそれぞれの評価になっております。これにつきましても、[1]から総量削減が担保できること、効率的な削減を促すこと等、6つの視点でそれぞれまずはオプションBをベースに評価を加えているところでございます。
 これらについて、実際にAを加えたらどうなるのか、Cを加えたらどうなるのかというのは91ページの真ん中辺りに記載をさせていただいているところでございます。
 それらの総括でございますが、91ページの後段になりますが、これらの検討・評価については、依然として議論の収束を必要とする論点は残されているが、重視する評価項目の差でありますとか、経済の持続的成長を実現するに当たって重視するアプローチの差によって、その評価というものはいろいろ意見が分かれたところでございます。
 具体的には、それぞれの基準のところで幾つかの意見を併記させていただいております。そういったことの要因はこういうところから来たのではないかというふうに整理しております。
 「例えば」というところでございますが、先ほどの6つの視点の中でもとりわけ[1]総量削減が担保されることというところに力点を置くのか、それとも[5]社会的に受容可能なものであることという点に力点を置くのか。そういったところで全体の評価が分かれるということになったのかなと思っております。
 92、93は最後になりますけれども、そうしたところで一応今回中間整理というふうな形で個別論点についての検討、更に評価を行ったのですが、92ページの2パラの後段部分でございますが、「しかし」のところですけれども、多くの個別論点や提示したいずれのオプションについても、経済成長に影響を与える、地球規模で見て排出増になる可能性がある、政府等による排出枠の設定が企業経営の自主性を損なう等、基本的な考え方で示された6つの評価軸に照らして多くの課題が残されており、国内排出量取引制度そのものに対する懸念が払拭されなかった旨の指摘、これが一部の委員から提示をされまして、それについて付記をさせていただいたところでございます。
 そして、「おわりに」というところでございますが、それを踏まえて、最後のところのただし書きでございますが、ただし制度そのものに対する懸念が払拭されたものでなく、これは先ほど言及したところですが、他の施策と比較しつつ、制度の導入の是非についてさらなる議論が必要であるとの指摘があったことを付記するというところでございまして、まさにこの議論も含めて、今回この部会でこの中間整理に基づいて、皆様から忌憚のないご意見を頂ければと思っておるところでございます。
 94ページは参画いただきました委員をご紹介しております。
 95ページは開催実績でございます。
 説明が長くなりましたが、以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 大変多面にわたる検討をいただいて、6つの視点、これは多分皆様にこの視点の設定の仕方としては適切であるとお考えいただけるものと思いますが、総量削減が担保できると同時に、社会的に受容可能なものという、この大変難しい問いかけをどうやって満たしていくか、そういうようなことでいろいろとご検討いただき、大変細部にわたりわかりやすくまとめていただいたのではないかと思いますが、あくまでも中間整理ということで、ここでいろいろご意見を頂きまして、また更にこの部会からも4人の委員の方が小委員会にご参加いただいているわけですが、植田先生、他の先生方、ご多忙とは思いますが、また継続して検討をお願いするということになろうかと思います。
 これから1時間半ぐらいを使いまして、委員の方からのご意見を頂きたいと思いますが、まず最初の1時間でそれぞれの方々からコメント、あるいはご質問を頂く、そういうような形で進めさせていただき、少し残りの時間でいろいろな意味でのインタラクションができればと思っております。
 ご意見、ご質問おありの方は、また例によりまして名札を立てていただきたいと思いますが、最初からおわかりのように、今日は大変ご出席いただいておりますので、お一人2分以内と、こういうようなことでご発言をお願いしたいと思います。
 今立っている数だけでよろしいでしょうか、しっかりと忘れずに立てていただかないといけません。
 それでは、どちらからまいりましょうか、相澤委員の方からお願いいたしましょうか。

○相澤委員 議長、どうもありがとうございます。
 まずは8カ月にわたる小委員会の熱心な議論、検討に敬意を表したいと思います。
 前回の8月3日の部会の中でも、この小委での検討に当たり留意すべき事項として私の方から4点申し上げました。
 1点目は、地球規模での温暖化対策として実効性を確保すること。例えば、炭素リーケージが生じないこと、あるいは技術開発や新技術の普及を阻害しないこと、これが1点目でございます。
 2点目は、環境と経済の両立、とりわけ国際競争力、経済成長に配慮すべきこと。
 3点目は、LCA的な観点から事業者の貢献を促進すること。
 4点目は、エネルギーの安全保障の確保ということを申し上げました。
 更に、この検討に当たりましては、制度導入ありきではなく、メリット、デメリットを比較、検証しながら慎重に検討するようお願いしてまいりました。
 小委員会では、議長からもお話しのありました6つの視点で整理されておりまして、私からご指摘申し上げた留意事項も概ね盛り込まれており、この点は評価させていただきたいと思います。
 この6つの視点に照らして各論点の検討が行われましたが、その結果、様々な課題が浮き彫りになったという成果が間違いなくあったと認識しております。
 小委員会では、これらの課題について、今後議論、検討を進めるとし、若干一部、解決策の方向的なものを取り上げていますが、我々産業界といたしましては、懸念を払拭するには決して十分ではないと認識しています。
 また、3つの制度オプションが電力のCO2の取扱い等の観点から提示されておりますが、6つの視点から照らした評価が行われ、いずれのオプションも課題が山積しておったわけです。その中でBをベースにするというのもちょっと違和感がありますので、これにつきましても、できれば十分な検討とご説明があった方がよいと考えております。
 いずれにしても、まとめの最後の92ページのところですが、「多くの個別論点や提示したいずれのオプションについても、6つの評価軸に照らして多くの課題が残されており、国内排出量取引制度そのものに対する懸念が払拭されなかった」という文章を入れていただいており、まさにそのとおりだと考えております。
 本報告書の内容にかんがみましても、排出量取引のメリットよりも弊害がますます浮き彫りになってきており、その導入には決して賛成できるものではないというスタンスは現在も変わらないわけでございます。
 ちなみに、特に懸念されるのは、企業経営への行き過ぎた介入、あるいは成長産業の投資への阻害、更にマネーゲームの助長といったものがあるわけでございますが、立ち戻って考えますと、グローバルな観点からCO2を減らすというのは、CO2のやり取りというよりも、基本的には効率のよい技術をいかに普及させるか、あるいは更にその上をいく新しい技術をどのように開発し、それを採用していくかということがポイントだと思います。
 日本の産業界はCO2の排出原単位という観点で見ますと、ほとんどの業界が世界で一番低いというのが実態でございます。すべて自主的な削減努力によってここまで来たわけでございまして、今後も自主性というものがあくまで産業、あるいは企業の活力、活性化を促す原点であると考えております。是非この点につきまして、改めてご認識いただければ幸いです。
 そういった諸々の観点より、果たしてこの排出量取引の制度設計の議論を今このタイミングで行う必要があるのかということについても、疑問を感じているところでございます。まずは、我が国の産業に対する負担やこれに伴う雇用への影響、それから海外における排出量取引制度の動向とその効果、産業界の自主的取組など国内において先行する主な地球温暖化対策の評価、主要国が参加する公平かつ実効性のある国際的な枠組みの正否、この4点について見極めることが先決であり、これまでの検討の結果、弊害の大きい排出量取引の検討については、極めて慎重にならざるを得ないと考えております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 先ほど申し上げましたように、時間の総量が限られておりますから、是非その辺のご配慮をお願いしたいと思います。
 浅岡委員。

○浅岡委員 私は、ここまで整理いただきましたことに感謝申し上げます。本当にわかりやすくなったと思います。ここで更に一層議論を尽くして、準備を進めていっていただきたいと思います。
 その1つは、さっきのカンクンでの合意にも見られますように、世界全体として削減をしていくと、日本におきましても、国内でも削減をし、国際的な削減にも貢献すると、そういう枠組みを大きく進んでいっているわけであります。それはやらざるを得ないことでもあります。また、国内排出量取引制度につきましても、アメリカは中断しているとはいえ、詳細な法案を持っており、隣の韓国でも詳細な法案を用意しているという状況でありますので、国内での準備を怠りなくやる、議論を尽くすという点が必要であろうと思います。懸念を払拭し得ないという方がいらっしゃるという付言はありますけれども、それを払拭した上でというようなことではなくて、削減を前提として、環境と経済を両立というのではなくて、排出削減を前提として、経済を元気にしていく方策の一環としてこの制度をいかに活用するかという観点で議論を進めていかなければならないと思います。
 その中身のことにつきまして、一、二点だけ細かくは申しませんけれども、お伝えしておきます。
 事業所単位でしっかり見て検証ができるという仕組み等をしっかりとらえていただくことは非常に重要だと思います。会社単位ではなくてと、私たちは思っております。電力の間接排出でとされておりますが、シェアが小さくなりますことその他もろもろありますが、特に電力会社の排出係数につきまして、例えば全電力一律にいたしますと、今回の趣旨になかなかそぐわない、かえってマイナス効果を多く持ってくるだろうと思います。
 LCA的な観点でとらえるというので、当該製品の生産に要したことで増えたものという範疇が加えられていますが、こういうことが算定可能なのかという点でも、削減量の算定も難しいことですが、非常に難しい話を組み込もうとしているのではないかと思います。
 その他細かい点はまた追って申し上げたいと思います。

○鈴木部会長 市村委員。

○市村委員 市村でございます。
 私からはETS導入の是非についてと、ETS制度導入の場合の安定した市場の確立の観点からコメントさせていただければと思います。
 制度導入の是非ですが、これは個人的な考えですけれども、既に目標が決まっているわけですから、これはできる限り早いうちに対応しなければならない。つまりぎりぎりになって対応すればコストもかかってしまうかもしれませんし、あるいは削減目標自体が達成できないということもあり得ると考えます。
 加えて、もしコストがかかって企業の業績が急激に悪化したりしたような場合は、これは証券市場も混乱させる可能性もあるだろうということで、できるだけ早いうちに、透明性を保ちながら安定した制度を入れるということが企業のサステーナビリティーのためにも大切なのかなと考えています。
 それから、これはETSの導入を前提に次のポイントに移りますけれども、ETSの導入を前提にこの制度がうまくいくためには、これは市場の安定というところが非常に大切で、安定した市場を形成しなければこの制度はうまくいかないだろうというふうに考えておりまして、ポイントは3つあると思っています。
 1つ目のポイントは、とにかくシンプルな制度設計、これが重要だろうと思います。わかりやすくなければいけないということです。市場を開設するには、その需要とか価格予測が市場参加者にとってしやすいような形ができてなければ、参加者、つまり企業は困ってしまう。どういう意思決定をしていいのか、あるいは企業は当然経済活動として、できるだけコストをかけないでCO2の削減を行うという戦略を立てなければいけないので、この予測ができないと困るということで、シンプルな制度設計、これが必要かなと考えております。
 例えば、排出枠の設定に関しても、当然原単位方式より総量方式の方がシンプルでありますし、複数事業者をまとめて対象にするよりも、個別の事業者を対象とした方がわかりやすい。もちろん私としては、政策的に電力等の原単位方式を否定するわけではないのですけれども、それを政策的に考えながらも、できるだけシンプルな制度設計が必要なのかなというふうに考えています。
 2つ目のポイントは、透明性と信頼性の確保ということでありまして、これはつまり市場参加者に排出枠の価格予測に関する必要な情報、これをできる限りタイムリーに提供しなければならないということだと思います。これも市場の安定というところに関連するのですけれども、そのような情報を入手できなければ、価格の動向を予想することができなくて、これも企業の意思決定ができないような状況になってしまうということですので、この中間整理の72ページにも書かれてありますように、この政府の役割というような観点が非常に重要でございまして、さらなる検討を続けていただきたい。つまり必要な情報をできる限りタイムリーに企業が把握できるような体制にしてもらわなければいけないというふうに考えております。
 3つ目ですけれども、これは最後のポイントですが、排出量の検証でございまして、排出量が正しく算定されていることが担保されないで、市場で取引される排出枠自体の信頼性がなくなってしまうと、これはイコール市場自体が成立しないということになるわけで、これは2つの側面があって、1つは検証基準なんですが、この中間整理ではISOを参照しているのですが、これを全面的に依拠してしまう方向で進んでいてはちょっと危険なのかなというふうに考えています。もちろんそれとの整合性は図っていかなければいけないのですが、日本の制度や関係者の状況にあわせた日本独自の制度設計を第一に考えるべきというふうに考えております。
 つまりISO自体が独自に基準を変更したりした場合に、それに従わなければならないような日本の設計にしちゃうと、ちょっと危ないところがあるのかなと考えています。
 もう一つの側面は検証機関の独立性でありまして、特に独立性は制度の信頼性の観点から非常に重要だと考えています。どのような要件が求められるのかとか、あるいは具体的かつ本質的な議論がこれは必要なのだろうなと思っていまして、特に何か問題が将来生じたときに、その企業の関係者が検証を行っていったというような状況に陥ると大きな社会問題になりかねないのかなというふうに考えております。
 以上3点を述べさせていただきました。

○鈴木部会長 浦野委員。

○浦野委員 まだたくさんおられるので、簡潔に言いますが、かなり多くの意見や課題が整理されて、日本式の工夫もかなり見えてきて進んできて、かなりいい案にまとまってきつつあると思います。
 まず、全体的な話としては、国際的なこともあるので、できるだけ早く実現するように努力していただきたい。個別については、他の方からたくさん出ると思いますので、私の立場からは対象ガスをCO2とされることについて意見を述べます。当面はやむを得ないと思っておりますが、公平性という意味で言うと、他のガスをできる限り早い時期に入れていくと、そのためには当然精度管理が大事ですけれども、私ども担当しているHFC、PFC、SF6、いわゆる3ガスと言われるものは、GWPが非常に大きい。だから除外するかのような表現になっているんですが、逆にだからこそ非常に重要だと思います。ただPFC、SF6はかなり限られた業種で扱われるので、これとHFCを全部一括ではなくて、かなり広い産業に関わり、回収等があまり進んでないHFCを優先的に考えて頂きたい。取扱量とか補充量を届出制にしようかというような議論もされていることもございますので、できるだけこれを早目にHFCを対象にできるようお考えいただきたい。特に国際貢献上もこの3ガス、とくにHFCを中心にいろいろな貢献があります。アジア地域に対してもかなり貢献できる可能性がありますので、日本で排出権取引等の対象外になると、国際的にもなかなか貢献しにくい、発言力ないということにもなりますので、是非この辺はご検討いただきたい。
 その他のことについては、他の方にお任せします。

○鈴木部会長 大塚委員。

○大塚委員 小委員会に加わっておりましたので、最初にどういうことだったかという話をして、それからごく簡単にちょっと現在の状況に含まれた上での問題点とこれからの課題について、ごく簡単に申し上げたいと思います。
 最初に、この検討会に加わらせていただいて、産業界の方も含めて、それぞれ皆さん知恵を出し合って、ただ若干皆さん我慢したところは我慢しながら、骨をつくったということだと思います。もともとの純粋な排出量取引の考え方からすると、若干皮とか肉とかが切れているところがあることはあるんですけれども、ただとにかく骨だけは残ったということではないかと思います。
 オプションBというのは、先ほどご批判もありましたけれども、この中では多分一番6つの基本的な考え方からして、総体的にはベターなものであるというふうに思います。
 前提として、削減総量の確保というとこがありますので、そこがちょっとどこかにいってしまうと、この議論はしにくくなりますので、これは鳩山さんのときに国連でおっしゃったことというのが日本としては既にあるものですから、それを前提とした上でどういうふうに削減をしていくかと、削減総量を確保していくのかというのを前提にしてご議論いただくことが必要ではないかと思います。
 それから、2つ目に企業の方は日本の産業は確かに原単位が少ないということがあって、それは私も誇りに思っているんですけれども、ただヨーロッパが排出量取引等々を初めとした制度を導入した結果、どんどん日本に近づいてきていて、部分的には抜いているところも出てきていますので、いつまでも世界一でいられるというわけでは残念ながらないものですから、その点も踏まえてご検討いただけるとありがたいと思います。
 それから、もう一つマネーゲームについては、今回の民主党さんの方のものでもマネーゲームのことが排出量取引に関して指摘されているんですけれども、マネーゲームについてはこの中で定義をしていただいているように、価格の継続的な高どまりと価格の乱高下のことをマネーゲームと言うというふうに定義していただければ、はっきりした議論ができるんですけれども、何かお金が動くというだけでマネーゲームとかというんだったら、それ排出量取引はマネーゲームに決まってますので、そういう何かちょっとよくわからないあいまいなキャッチフレーズをつくって議論するのはちょっとよくないので、きっちり定義をした上で議論をしていただきたいと思います。
 さて、最後に今後のことでちょっと2つほど申し上げておきたいんですけれども、先ほど国際的な動向についてという話もありました。国際的な動向については、アメリカはちょっと今ストップしていますけれども、韓国というさっきの話もありましたし、これは本当に導入すると思いますし、中国も検討を始めているということもあって、日本がアジアで排出量取引を入れずに、韓国が先に入り、その後中国が入るということが出てくるかもしれません。そういうときに国益を害するということも含めて、どういうことが出てくるのかというのは、ちょっとご検討いただいておいた方がいいと思いますし、国際的な動向を見ながら、これは結構知恵の結集だと思いますけれども、いいものをつくっているので、直ちに迅速に判断ができたり、行動ができるようにということは産業界の方も含めてお考えになっておいた方がいいかなと、常に注意していただくことが必要かなと思います。
 それから、もう一つですけれども、試行排出量取引というのがあって、今でも残っているはずですけれども、あれのフォローアップの検討会というのは、森嶌先生を座長としてあったんですけれども、今なくなってしまっていて、前提として本格的な排出量取引を入れるということを前提にあれはなくしたと思うんですけれども、試行的な排出量取引だってそれなりに意味があったと思いますけれども、フォローアップの検討会はこれが慎重に検討するということだったら、是非復活をしていただきたいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 木下委員。

○木下委員 ありがとうございます。
 大変課題が多く、また利害が分かれる排出量取引制度について、このように中間的に整理ができたということについて、評価をしたいというふうに思います。その上で、93ページには2つ目のパラグラフに、国においてはこの取りまとめを踏まえ、さらなる具体化のために検討を深めていくことが適当であるというふうにされておりますけれども、今後どのように検討を進めていくお考えなのか、それについてお聞きをしたいと思います。
 もう1点は、この検討と並行いたしまして、現在J-EVR制度やあるいはクレジット制度によりまして、中小企業、あるいは農林業者等の排出削減、吸収の取組により創出されたクレジットを大企業と取引する取組が進められております。現在で申請案件は600件を超えているというふうに承知をいたしておりますけれども、このような取組について一層拡充をしていくというような制度設計が必要でなかろうかというふうに考えている次第でございます。
 以上です。

○鈴木部会長 小林委員。

○小林委員 恐れ入ります。
 時間がありませんので、要点のみということでお話をしたいと思います。
 まず、1点は言葉の定義でございます。これも何度も申し上げておるんですが、排出量取引制度と書きながら、実際にやられているのはほとんど排出量割当制度の議論をされているわけですよね。
 その割当制度がうまくいかないから、取引制度がうまくいかないというふうに一般の方々が誤解を招いている部分があると思うんです。そういう意味で、先ほど大塚委員の方からもご発言がありましたように、現在やられている試行制度、いわゆる取引制度については、私はうまくいくんではないかと考えております。
 そういう意味で、今後言葉の使い方も十分ご配慮いただいて、いわゆる排出量取引制度と排出量割当制度と切り分けて、議論をしていただきたいということをひとつお願いしたいと思います。
 それから、2つ目は総量規制制度につきましては、既に水質汚濁防止法でCOD、N、Pが行われておるわけですね。この制度も初め創設したときに産業界からは、こんなことすると企業が海外に流出すると、大変大きな発言をされたんですが、現実にはこの制度が施行されて何が起こったか、何も起こっておりません。うまくいっております。そういう意味で、これを十分にご参考にいただいて、今回の制度設計も是非お願いしたい。これが2点目です。
 それから、3点目は地方との関係なんですが、この文章の言及の中では法と条例の関係について議論をされているんですが、実際に制度を施行するに当たっての地方の関与について、ほとんど触れられていないわけですね。そういう意味で、この制度設計の中で地方の関与についてどういうふうに考えていくのか、つまりそれは法と条例という関係だけでなしに、法を施行するに当たって地方がどう関与をしていくのか、これについて是非ご検討いただければと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 桜井委員。

○桜井委員 ありがとうございます。
 総論的なことだけコメントをさせていただきます。
 排出量取引制度について、長らく議論がありますが、基本的に排出量取引というのは経済合理性のある仕組みであるという大前提があります。炭素の価格づけを行い、自主行動計画での不足分も例えば海外のクレジットで賄うということではなくて、国内の取引によって、国内に資金を環流させながら、その削減を進めるということが可能なわけで、そういった経済合理性があるという理解に基づき前政権の試行的な統合市場の試みが行われ、あるいは現在国会で継続審議になっております温暖化対策基本法でも、そういった合理的な制度であるという前提で、これをいかに導入するかを検討しましょうというスタンスだと思いますので、そのスタンスを堅持しながら、今後議論を進めていく必要があるのではないかと思います。
 なお、国際交渉がどういう状況になるかわかりませんが、日本としては温暖化対策を進めるのですから、その有効な手段として国際交渉の帰趨いかんに関わらず、制度の導入可能性を検討していく必要があるのではないかと思います。
 いずれにいたしましても、我が国としてふさわしい制度を導入するということを優先して、内容については対象の事業ですとか、裾切りの問題とか、いろいろありますが、かなり今回整理されてきました。経産省の方でも排出量取引の案をお持ちのようですので、更に議論を深めていく、終わりのところにあります検討を深めていくという姿勢でよろしいのではないかと思います。
 現実に東京都などの制度が先行している部分がありますが、いかんせん東京都の場合ですと、どちらかというと業務系がその主たる対象ということのようです。本来の製造業を中心としたCO2の排出セクターについての排出量取引がない状態で業務系の方で地方独自の取組が進んでいるというのは、ややいびつな形の排出量取引ではないかということもあり、国としての制度構築の検討を早急に進めるべきではないかというふうに思う次第です。

○鈴木部会長 杉山委員ですか。

○杉山委員 連合の杉山でございます。
 基本的に先ほど相澤委員から発言がございましたけれども、考え方、スタンスは先ほどの相澤委員にほとんど賛同するものです。
 その上で、地球温暖化対策に対して総論的なところで若干限られた時間ですが、コメントをさせていただきたいというふうに思います。
 先ほど来前提条件等々の話も出ておりますけれども、鳩山さんの25%というもの、そして今継続にはなっておりますけれども、温暖化対策基本法、そこにもきちっとした前提条件というものが付されているわけです。その前提条件というのは、国際的なしっかりとした枠組みが整わなければ発動しないということが確認されてきているわけです。
 そのことを踏まえて、この温暖化対策基本法の動向、そしてカンクンでの結果、そして向こう1年間の流れ、そうしたものをしっかり見極めながら、政策対応はしていくべきであろうというふうに考えているところです。
 そして、2つ目として、温暖化対策に関する施策としては、経済的手法だけではなくて、規制的手法、誘因的手法、いろいろな手法をポリシーミックスという形で組み合わせて、有効なやり方を考えていかなければいけないだろうというふうに思っていますので、例えばこの排出量取引だけですべてができるわけではありませんし、他の手法、施策との関係性をしっかりと整理し、国民にその納得性を問うべきではないのかなと思います。
 さらに、こういった施策の関係で言えば、個々の施策に関して必要性ですとか、効果、それが公平なのかどうか、そして国民負担、雇用、産業への競争力への影響、そういったものを含めた副作用、そして実際入れた場合に行政コストとしてどの程度かかるのだろうかといったものをしっかりと明示して、それを国民に問う、その上で合意形成を図って、それから入れていかなければいけないものではないのかというふうに考えているところです。
 そういった意味では、今回この中間整理がなされまして、非常に委員の方々、先生方、真摯にご議論をされてまとめられたということだと思います。そのことについては敬意を表したいと思います。ただし、それだけ真摯に議論されてきた中でも、この最後のおわりに、そして92ページ等々にも書かれていますが、多くの懸念が払拭されていないということがここに委員会として記載されたということは、しっかりと重く受け止めておく必要があるのだろうというふうに考えております。
 私の発言については以上にさせていただきます。

○鈴木部会長 須藤委員。

○須藤委員 ありがとうございます。
 3点ほど簡単に申し上げます。
 1点目は、排出量取引のこの制度をできるだけ早目に取り入れていただきたい。
 それに関しての質問は、基本法が通らないとこのスタートができないんでしょうかというのが私の質問です。要するに、3点セットになっているので、基本法が通らないとできないんでしょうか。
 それから、2点目は東京都に次いで、埼玉県では23年4月から、この取引制度導入を決めました。それで、私は手伝っている立場からいたしますと、2001年から4年間、それが一つ飛んで5年間のまず4年間については6%工場等は削減、オフィスでも8%削減、細かいことは時間がないから言いませんが、とにかく過去の目標の実績を目標として削減をしていただくということで、全部の事業所が工場が440、オフィスが160なんです。これを議論していく中で、払拭されないという意見が非常に多いんですが、当方がやった中では、もちろん反対もなくはなかったんですが、6つの視点について議論して、概ね了解をいただいているということだけはまず申し上げておきたいと思います。全人口のうちの埼玉県ですとわずか8%なので、一部かもしれませんが、是非参考にしていただきたいということと、それから先行した東京都とか埼玉県が割を食わない。今日ここへ来るまで、はしごを外されたと思って私は参りました。
 というのは、せっかく始めたのに、ここは国が止まっちゃったら困るじゃないかと思って来たんですが、是非はしごを外さないでいただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 3点目は先ほどの小林委員と同じ意見で、私もCODの総量規制のことはずっとやってきました。ここで第7次までやって、公平ではないと言われたことは一度もございません。
 という意味で、割り当て等を公平に私はできると。ずっとCO2よりもN、PやCODの方がずっと難しいと思いますので、そこは再度強調しておきます。
 以上です。

○鈴木部会長 関田委員。

○関田委員 ありがとうございます。鉄鋼連盟、関田でございます。
 ご検討いただいた先生方、本当にご苦労さまでございます。敬意を表します。
 ただ、グローバル化がかなり進んでいる中で、本当に地球規模の地球温暖化防止にこの制度が有効であるかという点には、疑問があるというふうに正直思っています。
 私どもの属する産業界は、今京都の第一約束期間でございますけれども、この期間中、自主行動計画を進めておりまして、これらは自主行動計画ですから、産業界自らが社会的責任を持って実現を担保する日本ならではの取組であります。
 2008年度の産業部門は90年比13%削減という結果になっていまして、この自主行動の取組というのは、有効であることが実証されたというふうに思っております。
 排出量取引制度は、先ほど他の委員の方もおっしゃいましたけれども、政府が企業の排出枠を設定するものでありまして、いろいろな制度の中でのご検討はされていますけれども、国が目標を認定する形態ということですと、これは官僚統制にほかならず、成果を上げている産業界の取組をどう評価されているのかなと思ってしまいます。このような政府が企業に関与する仕組みである排出権取引制度の導入はすべきではないというふうに考えます。むしろ日本の技術力をいわゆる地球規模での温暖化防止に役立てるような環境整備をお願いしたいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 高村委員。

○高村委員 ありがとうございます。
 まず、小委員会の詳細な中間の整理についての非常に具体的にそれぞれの論点についてオプションを含めて検討いただいたことを感謝申し上げます。
 この中間のまとめを拝見いたしますと、様々な懸念というのは表明されているというのは了解いたしますけれども、他方で排出量取引制度そのものに固有のものというよりは、むしろ様々な制度的工夫で対処がし得るものだということも、また示していただいている中間整理ではないかというふうに思います。
 まず、2点申し上げたいと思いますけれども、1つはコメントでございますけれども、今の状況にかんがみて、この検討を止めるよりは、むしろ加速をする必要があるのではないかという立場からの発言でございます。
 理由は、1つは国際的な状況についてでございますけれども、この後COP16のご報告があるかと思いますが、少なくとも今回のカンクンの合意というのは、すべての主要排出国が参加をする公平かつ実効的な国際的枠組みの構築という観点からは、明らかに1年前よりも前進をした合意だというふうに思っております。先進国だけではなくて、途上国も行動をとることが明記をされておりますし、それが2年に一度報告をし、国際的な検証を受けるということもまた書かれております。2020年の途上国の目標も定性的ではありますけれども、書かれております。
 そういう意味では、国際的な状況にかんがみますと、むしろ議論を加速する方向にあると見ております。
 もう一つの理由は自治体でございます。
 これは何人かの既に委員の方がおっしゃっておりますが、現在都道府県等でも2020年、30年に向けた施策を検討しておりますが、国の政策がどうなるかというところにかなり縛られております。そういう意味で、この自治体の施策の推進という観点からも、この議論というのを早く進めていく必要があるように思います。
 そして、3点目は、これは中間整理の中でも言及されておりますけれども、今エネルギーコストに関してアメリカの統計データ、2011年のEnergy Outlookが出ておりますが、いずれにしてもエネルギーコストがこれから上がっていくことは間違いがないわけで、そういう意味では何もしなくても高い化石燃料コストとエネルギーコストにぶち当たる局面に日本の産業は直面をしているというふうに思っております。
 先ほど市村委員おっしゃいましたけれども、むしろそれをどういうふうに脱却する、あるいはどういうふうに立ち向かっていく、そういう施策の中の一環としてこれをどう位置づけるかという観点が必要なように思います。6月の閣議決定がされました新成長戦略もそういう意味ではその一環だというふうに理解をしております。
 詳細な制度設計上のポイントについては、いろいろコメントございますけれども、簡単に2つの点だけ申し上げます。
 1つは排出枠設定の方法についての省エネ製品の製造の考慮でございます。
 非常に苦労されているというふうに思いますけれども、制度はできるだけシンプルな方がいいという評価軸から考えたときに、かなり複雑なもののようになっているように思われます。これは行政コストの観点からもそうですけれども、透明性があってわかりやすいものの方がより合意が得られやすいということを考えますと、この点については更に検討を進めていただければと思います。
 ただ、排出枠設定の方法に関して言いますと、ご指摘が何人か出ておりましたけれども、総量があらかじめ予見されないのではないかという懸念を持ちますが、しかし事業者の方々の強い懸念を考えますと、かなりそれに応える設定のオプションを提示いただいているようにも思われます。
 省エネ製品の支援に関しては、非常に技術的に難しいのではないかということと、とりわけ国外への輸出製品に関して、輸出に伴う一種の補助金として見られたときに、WTOの補助金協定等々との関係というのが問題となってこないかどうかという点は懸念をするところです。排出枠取引制度のある意味で一つのパートでございますけれども、これが問題となって、制度全体が問題となることがないように、慎重な検討をお願いできればと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 冨田委員。

○冨田委員 ありがとうございます。
 小委員会に委員として参加した者としてコメントさせていただきます。
 小委員会の議論でもそうでしたし、今この場で各委員の方々からご発言を伺っていて思うのは、意見が異なった根本的な理由というのがあるかなと。1つの考え方は、排出量取引という制度が持つ理論的な機能、これに着目して制度のあり方と、あるべき姿というのを追求するという考え方、もう一つは制度は手段であり、制度対象者に期待される温暖化対策の取組にこの制度がインセンティブを与えるかどうかという観点で判断すると、こういう違いであったのではないかなと思います。
 私自身は後者の立場でございますけれども、地球規模の温暖化問題に対して、制度対象者となる大規模排出者にどういう取組を期待するべきなのかということについて、コンセンサスが得られているならば、もう少し意見の隔たりは小さくなったかもしれないと、そういうふうに思いました。これは感想です。
 いずれにしても、制度対象者における取組を促す手段として排出量取引が適切であるという評価は、私はできませんでした。
 この中間整理において、各論点についてかなり議論が深まってきていると考えます。したがって、他の制度を含めて、排出量取引制度の導入の是非についても議論すべきであろうと考えます。
 もう1点、温暖化対策推進に関わる基本的なことについて1点問題提起させていただきます。
 これは前回のこの部会でも申し上げたことですが、電力の排出係数の問題でございます。
 この中間整理の31ページに先ほど事務局からご説明ありましたけれども、系統電力の需要に係る対策の削減効果の評価方法を適切に定めることが必要だという意見があったことを記載していただいたところであります。
 初めて聞かれた方は驚かれるかもしれませんけれども、現在政府は統一した考え方を定めておりません。課題としては認識されながら、長い間答えが出せずにおりますけれども、電力の需要家から評価方法を定めてほしいという切実な声が出ておるところでございます。
 この問題は排出量取引制度に限らず、温暖化対策推進の基本中の基本の課題だというふうに考えております。この地球環境部会で課題としてしっかり受け止め、検討体制を整えて、できるだけ早く適切な答えを出していただきたいと考えております。
 以上です。

○鈴木部会長 永里委員。

○永里委員 ありがとうございます。
 基本的なことを申し上げたいのですが、CO2削減というのは、地球益を考えることが国益にかなっているんだと思うんです。日本は2020年、90年比25%削減などという国民を苦しめる目標に惑わされずに、世界全体でもっと大きくCO2を最大限削減するという大局的な視野に立って、リーダーシップを発揮すべきだと思います。
 排出量取引制度が導入された場合に、エネルギー多消費製造業は相場で動く不安定な排出量取引価格を前提にどう経営計画を立てるのか、先進的な研究開発を安定した経営のもとで行われるものですが、不安定な経営要素を前提にしていては、先端的な研究開発に金を向ける余裕が出てきません。また、排出量取引制度を導入すれば、相場で動く不安定な排出量取引価格のリスクを避けるために、リスクヘッジとしての先物取引もせざるを得ません。技術開発で勝負する製造業に不得意な金融取引をさせるよりも、より大局に立って、技術開発を促すような施策を構ずる方が望ましいのです。
 8月の審議会で意見を述べたので、詳細は省きますが、トップランナーで走っている日本の製造業に新規事業の創出など、成長の芽をつむ排出量取引を迫るのは愚かな行為と言わざるを得ません。制度の勉強を自分でするのは自由ですけれども、排出量取引制度はいかにあるべきかの検討などに時間を割くよりも、あるいは感情的にバスに乗り遅れるなというようなフレーズに惑わされず、政府というのは世界に向けて日本のすぐれた技術を普及させる新しい枠組みの構築に向けてリーダーシップを発揮すべきだと思います。
 繰り返します。
 要するに、排出量取引なんかよりもっと大きく日本がリーダーシップを発揮していくことがあるんじゃないでしょうかということを申し上げます。

○鈴木部会長 西岡委員。

○西岡委員 どうもありがとうございます。
 私は大口排出源に対しては、総量キャップをかけた取引制度を早期に早く設立していただきたいと強く求めるものであります。
 カンクンのお話なんですけれども、今、高村委員からもお話がありましたように、大きく途上国も含めて全体を減らすという枠組みができつつあります。また、今のコペンハーゲンのプレッジでは不足であるという報告もサイドイベント等では強くなされております。大幅削減が今後も大きな方向になるという状況でございますので、このままヘジテイトしていたのでは、先ほど話がありましたように中韓等々に技術的にも置いていかれるのではないかという心配が非常にございます。
 ロードマップ委員会の方では、どういう手を打ったらいいかというのは並べましたけれども、それを強く進めていくためには是非政策を強化していただきたいと、あらゆる方策を総動員するというようなことを昨日も論議したわけであります。
 3つのやり方があるかと思いますけれども、税は広く薄く効果はございますけれども、総量の削減の保証はありません。一方、取引の方はキャップを決めて、確実に減るという特色がございますので、この特色をシンプルに生かして、原単位ということではなく総量のキャップで進めていただきたいという具合に考えます。
 それから、ロードマップの検討会のもう一つの結論、これは28日に報告があるかと思いますけれども、このような今考えておられるような炭素価格、これは税金で入る、あるいは取引で入るか、両方ございますけれども、この炭素価格ではほんの数%しか減らないと、大きく25%、40%ということはカンクンでも言われたわけですけれども、それには到底届かないと。
 じゃ、どうやってそれを減らすかということになりますと、見えない形の規制的な話でやるしかしようがないということになります。行政コストが非常に高くなって、例えば様々な住宅等々でも規格が非常に高いレベルで設定されねばならない。そうしますと、それに対する行政コスト、更にはそれを負担する国民負担等々が非常に多くなっていくという形で見えない形の負担が出てきます。
 こういうことを考えますと、各方式の特色を生かして、総量で決めるものは総量で決める、あるいは広く、薄く減らすものについては税金でいく、そして一部できたらなるべく規制のないような形で、全体に透明性が残り、かつ効率的なやり方でやっていただく、そういう面からこの総量キャップの取引制度を是非早く入れていただきたいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 三橋委員。

○三橋委員 排出量取引制度の早期導入が必要だという立場から3点ほど意見を言わせていただきたいと思います。
 排出量取引制度の導入の目的は、先ほどどなたか申したと思いますけれども、経済合理性に基づくCO2の排出削減にあるわけです。例えば、同じ1トンのCO2を削減する場合、事業体によって1万円以上かかるようなケースもあるし、数千円でできるケースもある。そういう場合、社会全体として考えれば、安く削減できる方が社会全体にとってCO2削減コストが安くなるわけですよね。そういうことで、この制度ができたということなので、本来は取引制度によって、削減コストが日本の場合にどのぐらい制度を導入しない場合と比べてコストが安くなるのかというような計算も実は欲しいなという感じがしますね。
 それから、2番目としては、中長期的に見れば、削減コストの高い事業体というのは、事業規模を縮小して、やがて市場から撤退してもらうというのがこの制度の本来の目的なんですね。それが嫌で、生き残るためにはイノベーションを起こして削減コストを引き下げるとか、代替エネルギーの開発、利用を推進するというような自己変革によって対応していくというのがもともと排出量取引制度の趣旨なんですね。その趣旨がどうもあいまいになってしまっているような感じがいたします。
 それと、これは今日まで言おうかどうかちょっと考えたんですけれども、排出量取引制度のこの小委員会、これは利害関係者が入っているわけですね。そういう利害関係者が入る中で、一つの報告書をつくれば、ああでもない、こうでもないというような意見がいっぱいあって、この報告書の最後にあるように、疑問点がいろいろあるというようなあいまいな結論になることは当たり前のことなんですね。むしろ中立的な専門家の意見に従って、本当は政治決断をするというような形で制度を早期につくり上げていくことが必要なわけです。
 確かに、何人かの委員の方がおっしゃったように、この中間整理は実によくできています。学生に国内排出量取引制度の問題点というもの、メリット、デメリット、これを解説するにはまさにすばらしいテキストだと思います。しかし、まさにすばらしいテキストだということは、排出量取引制度を前に進めるということについては、何も議論をしていないんじゃないかということにもなるわけですね。これは植田先生には誠に申し訳ないですけれども、私は利害関係者を排除して中立的に地球益というようなものを考える専門家によって、経済合理性を追求するということで、この制度をつくり上げて、それを政治決断しない限り、またまた同じような形でこの小委員会を続けても意味がないんじゃないかなというような感じがします。
 それから、最後排出量取引は本当に企業の負担になるんでしょうか。あるいは雇用を奪うようなことになるんでしょうか。私なんかは逆の考え方が大いにあると思うんですね。企業を活性化させる、その結果、雇用を促進させる、この辺はどちらがどうかというのは今はわからないんですよね。それを一方的に排出量取引制度を導入すれば企業の負担が増えるとか、雇用が圧迫されるとかというような議論がまかり通っていることについても、非常に疑問を感じます。そういうようなことで、小委員会のこの報告書づくりは大変評価しますけれども、それはメリット、デメリット、こういう問題点があるという点で評価できるということであって、今の温暖化対策を進めるというための提案としてはいかがなものであるかということを若干つけ加えさせていただきたいと思います。

○鈴木部会長 では、森嶌委員。

○森嶌委員 いつも同じことを言うので、多少気が引けるんですけれども、中環審のこの小委員会の持ち方について、ひとつ申し上げたいと思います。今、三橋委員のおっしゃったことにも関わりますが、この小委員会をどういう目的でつくったのかといいますと、小委員会はいろいろな論点をきちっと整理して、テキストとして立派なものをつくるかどうかそれはともかくとして、部会の審議のために制度設計をしてくださるということだったはずです。部会にはいろいろな考えの人がこんなに大勢、今勘定しましたら、私のような臨時委員も含めると39人の委員がいます。今日は24名が出席していますが、それだけ大勢の人が喧々がくがくやったらとてもじゃないがまとまらないので、そこで小委員会で少数精鋭できちっと制度設計をしたうえで、ポリシーディシジョンをするための議論をこの部会でやりますということだった、そういうことで小委員会をロードマップも含めて2つ作ったと私は記憶しております。
 この前、温暖化対策基本法を地球環境部会に出されたときに、私は寺田局長に申し上げたんですけれども、中央環境審議会は重要な環境政策を審議するところであり、また、そして温暖化対策基本法は重要な法律だと私は理解しているが、突然基本法案をぽんと出してこられて、審議会で一回だけ説明して、十分審議をすることなく国会に出すというのは、考え方としては、中央環境審議会は環境基本法の規定にもかかわらず、もはや重要な環境政策を審議する審議会ではなくなっているというのが1つ。そうでないというのなら、温暖化対策基本法は実際には中環審にかける必要のない重要な法案ではないというのがもう一つの考え方か、と言いましたら、局長は両方とも重要だけれども、どう言われたか忘れましたけれども、手違いでこういうことになったので、今回はお許しいただきたいというようなお話だったと思います。前回は、政権交代もあったし、やむを得なかったかもしれません。
 しかし、今回は小委員会でいろいろと論点整理をしたのですから、ここで十分、十分というのは、10回も20回も議論をしろというわけではありませんけれども、議論をすべきだと思います。私はここで、すべての委員の間で合意ができるとは思いません。しかし、今までもそうですけれども、部会は少なくとも何が問題だということを国民の前に明らかにして、各委員は、ここで賛成をしようと、反対をしようと、国民に対してどういう根拠で賛成あるいは反対をしたんだということについて責任を取れるぐらいの議論をした上で、審議会としては、結論は出るか出ないかはともかくとして国民の前に考え方を示す必要があります。それが中環審じゃないかと思います。時間がありませんから、1人2分と時間制限をするのはいかがなものか。2分で十分な意見を言えるはずがありません。
 また、小委員会の14人の委員のうち部会の委員は4人しか入ってないんです。圧倒的多数は部会の委員でない人たちですから、先ほどの三橋委員によりますと、利害関係者、利害関係者かどうか知りませんけれども、委員でない人たちの多数が議論したものをここへ持ってこられて、我々としては1人2分の発言で、それでおしまいと、私は部会長の良識をいつも信じながら裏切られているんですけれども、これで中央環境審議会が環境基本法に規定されたような役割を果たそうとするのは無理なのでして、私は部会長と環境省に対して、今の政治主導がどう考えようと、我々としては国民に対する責任として、この議論を年末に何回もやってくれとは申しませんけれども、もう少し議論を尽くして、合意というのはなかなかできないと思いますけれども、反対する人は感情的でなくて、こういう論理で反対する。賛成する人はよそがやるからやろうじゃないかなどというんじゃなくて、日本の経済にとってどうであるというようなことをきちっとした論理で議論をすべきではないでしょうか。2分間じゃなくて、1人20分だって構わないと思うんですけれども、そういう議論をしていただきたいと思います。それが第1点。
 2点目は、細かいことは申しません。用意したんですけれども、排出量取引は3点セットの1つなんです。ここが62ページ以降ですが、先ほど局長もおっしゃったように、実は環境税と排出量取引とフィードインタリフと3点一緒になっているわけで、小委員会は確かに排出量取引をやることになっているんですけれども、そしてそれぞれ制度設計の仕方が違います。ツールとしては違いますし、もともと違うものですが、負担をする側から言えば、この3点の負担をしなければならない。
 税として負担をするのか、それとも削減のためのコストとして負担をするのか、あるいは他の人が太陽光などで発電した電力を買い取るのか、いずれにしても負担する国民、あるいは企業としてはその3つのコストがかかってくるわけですから、この3つがどういう関係にあるのかということを排出量取引を制度設計するさいにはっきりさせておかなければならない。少なくとも温暖化対策基本法には3つの制度が並べて書いてあるわけですから、三者の関係をしっかり定めておかなければまずいのではないでしょうか。
 63ページに書いてあるのは、これは制度が違いますということを書いてあるだけの話。64ページに書いてあるのは、細かいことは申しませんけれども、少なくとも法律家から見れば、これは説明になっていません。64ページの[2]は、理屈になっていない。確かに追加投資は求めないかもしれないけれども、追加の負担にはなりますので、そういうことをもっとちゃんと丁寧に書くべきです。多分そういう趣旨でお書きになったんじゃないと思いますけれども、そうでないと国民的な納得は得られないと思います。他にもいろいろありますが、今後検討なさる場合に排出量取引が3点セットの一つであることを前提にしてお考えいただきたいと思います。
 その前に第1点は、局長にお願いするのか、次官にお願いするのか、大臣にお願いするのか、わかりませんけれども、我々は何のためにここに来ているのか、単に思いついたことを言い放して満足して帰るのでしょうか。少なくともこの前の温暖化対策基本法のときには、ただ発言しただけでその後それに対して何が起きたのかわかりませんので、今回はそういうことのないようにしていただきたいと思いますので、部会長、是非頑張ってください。

○鈴木部会長 では、横山委員。

○横山委員 私もこの報告を読んで、基本的にはよくまとめられていると思います。
 ここで議論になったこと以外に、例えば細かいことを見ても、その他ガスの扱いをどうするかとか、国と地方の関係とか、あるいは制度対象者の投資額などにまで言及されている点というのは評価したいというふうに思います。
 ただ、報告を読めばわかるように、3案を併記して、限りなくオプションBでいこうとしていると思います。つまり大量排出者の電力とか鉄鋼を多分例外扱いにしていこうというんだと思います。
 さらに、さっきの議論でも少し出てきましたけれども、この中環審と別に経産省がオプションCに近い案で多分まとめようとしているわけで、本来の姿であるべきオプションAというのは、その可能性はほとんどなくなってしまうのではないかというふうに思います。これでは効果が半減するし、一般の人たち、こういう政府の動きなんかを関心を持っている一般の人たちも、多分納得しないのではないか。自ら省エネに取り組もうという気もこれで失われてしまうのではないかと思います。
 例えば、経済の状況とか、産業界とか、あるいは労働界から様々な圧力がかかって、環境省とか小委員会のメンバーでかなり前向きに排出量取引を進めようとしている人たちも譲歩をせざるを得なかったのではないかと思います。
 三橋委員が指摘したように、利害関係者が入っているということで、この報告の限界は初めから見えていたのかもわからないというふうに思っています。
 私は一連の動きの中に、この報告以上にもっと残念なのは、民主党が唱えた90年比25%削減という中期目標が今ではどこかにいってしまって、今は首相もこの温暖化問題にはほとんど言及しなくなったことだと思います。今回の排出量取引どころか環境税も効果がほとんど上がらないような案に落ち着きつつあるし、全量固定価格買取制度、再生可能エネルギーのこれもどうなるかわからない。つまり三本柱みんな弱体化していってしまうという状況だと思います。これでは日本が温室効果ガスの大幅削減など、できなくなってしまうし、中期目標なんかもどこかにいってしまうのではないかというふうに思います。
 私は報告の中身もさることながら、こういう状況に対して環境省がどう考えているのか、伺いたいと思います。
 先ほど局長から待ったなしの状態なので、着実に進めていきたいという発言がありましたけれども、私は展望が開けるのかなと思います。このままでは展望が開けないのではないかと、その辺のことを率直な環境省の考え方をお聞きしたいと思います。着実に進めていきたいというのは、これからは全然読めないと思いますので、よろしくお願いします。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 大変、多くの方向というのでしょうか、複数の方向からご議論を頂きまして、またこの中環審地球部会に対しては、森嶌先生からもエールを送っていただきました。そもそも中央環境審議会というのは本来は利害調整の場ではなかったはずです。それぞれの業界代表の方が、事務局が作ったペーパーをお読みになるような場ではなかったはずです。この場は国民のためのまさに地球環境、今回ですと気候変動に対して一体我が国としてどういうふうに対応をしていくのかを見識をもってご議論頂く場であります。
 ですから、それぞれの団体の利益を体現して議論されるという場ではありませんので、そういう意味で、利益調整を小委員会にお任せしたというつもりももちろんありません。小委員会の委員の方々は本来あるべき姿というものを議論され、ここに提出頂いた中間まとめになっていると思います。
 ではこの小委員会の中間整理を受けて、私たちはどういう議論をするのか。中央環境審議会は諮問を受けてそれに対する答申をまとめること以外に、意見具申という形の議論が可能なわけでありますので、8月の段階では、そういう形で意見具申をまとめていくということも一つの視野に入っておりましたが、現状は、この段階ではないようにも思えます。ここではあくまでもこの中間整理に基づいて地球部会として議論を深めていただくということであろうと思います。
 例えば総量規制みたいなものがどうなのかということは、先ほど水に関してのこれまでのご経験の話もありましたが、そういう経験の検証なしに今議論されているところもあります。そういうようなところをきっちりと議論していくというようなことも必要なのかと思いますし、まさに制度そのものとして、先ほどの3本柱をどういうふうにきっちりと位置づけて、どうしていくのかに関して、この場はあくまでも国民全体としての視点で、私たちの将来の環境、あるいは持続可能な社会像というようなものを議論していくために集まっているものだろうと思っております。
 このようなことで、中間整理として、色々とご苦労いただいてまとめていただいたものに関しまして、これまでに出ておりますご意見、ご質問につきまして、時間が大変窮屈になってまいりましたが、小委員長を務められました植田委員、また事務局から室長の上田さんに、必要に応じてお答えいただければと思います。
 まず、その前に局長から。

○地球環境局長 まず、大きなところと申しますか、これから環境省としてどうしていくのかということについて、私の方から申し上げたいと思います。
 もちろん冒頭ごあいさつで申し上げましたように、政府としての3施策の取扱い方針というのが近々明らかになると思いますので、もちろんそれを踏まえなければならないということでございますけれども、私が今考えておりますところは、さほど与党で議論いただいたものと根本的に異なるようなものには、政府と与党の関係からいってならないだろうというふうに思っております。すなわちこの国内排出量取引制度については、様々な問題点を指摘しつつ、慎重に検討を進めていくと、こういうことになるということだろうと思っております。
 この小委員会から頂きました中間整理の中でも、また本日の皆様方のご議論の中でも、更に検討を進めなければならないという課題がいろいろと提示されたというふうに考えております。
 したがいまして、私ども環境省といたしましては、そういった検討課題に応えられるような、要すれば材料集め等々をしなければならないと、そういう義務はあろうかというふうに思っております。ただし、これは私ども今持っております情報その他はいずれも小委員会にご提出し、小委員会では相当ご熱心にご議論いただいたところでございますので、これを更に進めるためにはもう少し幅の広い作業といいますか、あるいは時間といいますか、そういうものが必要だろうというふうに考えております。
 また、そういったことを進めていく中で、先ほど部会長からもお話がございましたけれども、この検討自身は私どもが諮問をさせていただいたものではございませんで、あくまで形式的には中環審におけるご意思で始めていただいたものと心得ておりますので、そういった検討の過程で、この中環審での検討というものをどういうふうな取扱いにするのかというのは、また部会長、あるいは植田小委員長とご相談しながら、皆さんにもお諮りしていくものかなというふうにまず考えております。
 その上で、これから幾つか今日ご指摘頂いた話の中で、基本法との関係というのがございました。それから、またこれから環境省はどういうふうなやり方で進めていくのかということがございました。もちろん私どもは、それなりの行政手法を持っておりますし、予算等もございますから、そういうものを誠実に遂行していくというのは当然でございますけれども、まずこの温暖化対策というものにつきましては、我々は今国会に基本法を出しております。
 その基本法が成立すればその次は基本計画ということで、国全体の温暖化対策の大きな柱を立てていくと、こういうことになりますので、まず眼前にある基本法というものを成立させていただくことに全力を尽くすということにまずは尽きるのではないかと、その上で基本計画というのを立てていくと、こういう流れになるのだろうというふうに思っております。
 須藤先生から、基本法がないと国内排出量取引制度はできないのかとの御指摘がありましたが、それは法理論的には法律を作ってしまえば、それは基本法なんかなくたってできるわけでありますけれども、物事の手順、それからまずは基本法の成立に全力を尽くすということ、そして基本法の中には国内排出量取引制度についての文言表現がちゃんと入っているということからすれば、まずは基本法の成立に全力を尽くし、その中でこの国内排出量取引制度についての国会のご論議というものも十分踏まえた上で次のステップに進むというようなことかなと思っております。

○市場メカニズム室長 引き続きまして、私の方から。様々なご意見、頂きましたものにつきましては、今後の検討に役立てていきたいと思っておりますが、ご質問あった点について、局長が先ほど答えました点以外の点について簡単にお答えしたいと思います。
 まず、オプションの評価について、3つのオプションの評価、もう少し丁寧にご説明があった方がいいのではないかというご指摘がございました。ここで説明をすると長くなりますけれども、75ページからそれぞれ6つの視点で指摘、議論をされているところでございます。この中でも先ほど後半の方にありましたけれども、総量削減が担保できるかどうかという[1]のところと、77ページ、社会的に受容が可能なものであるかどうかということで[5]でございますけれども、そちらの点が多く議論になって、様々ご意見を頂いたところでございますので、こちらをご覧いただければと思っております。
 また、対象ガスの件で、3ガスのところについて特に重要ではないかというご指摘がございました。これらにつきましては、制度の対象としては当面CO2というふうに考えておりますけれども、1点追加すれば、外部クレジットというものが費用緩和措置の中で出てきております。その外部クレジットというのは、様々な削減プロジェクトで生み出されるクレジットなのですが、それについてはとりわけCO2に限定をしなくても、個別のプロジェクトがございますので、精度管理の問題が解消されるのであれば、それらについてはその他ガスというのも入ってくるのかな、といった議論もあったところでございます。
 また、試行の関係で、評価委員会について、今後どうなるのかというご指摘があったかと思います。これにつきましては、今回今般与党の方でもご提言をまとめた中で、先行する対策についての運用評価というものも課題として挙げられておりますので、そういった現在進めております試行の評価についても、引き続き何らかの形で評価をしていくことになるのかなというふうに考えているところでございます。
 また、国と地方の関係で、そもそも法律に地方の役割というのを明示すべきではないかと、その点について議論がなかったのかというご指摘でございますが、報告書で言いますと59ページの辺りに、[3]でございますが、法律上の位置づけをどう書くのかというところで議論を少ししたところでございます。
 結論から言いますと、法律上にこれを明記するというのはなかなか難しいのかなというふうな議論がございまして、その点については、書くとすれば自治事務なのか、法定受託事務なのか。現行の枠で言えばそういう形になろうかと思いますが、自治事務については59ページの下から2パラ目の条例に基づく制度をと、そこの最初の4行に書いてあるところでありまして、あるいは以降のところは法定受託として事務として考えた場合の記載というのを考えているところでございます。
 現行の地方自治体における計画書制度等、これが実際法律に基づいて行われて、条例でやられているというところもかんがみて、現行のそういったシステムを考えて、ここの59ページに書いてあるような議論をしておいたところであります。
 また、いろいろなご意見は各主体の理解、国民の意見を問うべきではないかというふうなご議論もあったかと思います。これにつきましては、今回様々なご意見を頂いて、こういう形で制度の様々な課題、例えば量的なものも含めて整理をしたというところでございますので、これはただ、大学のテキストにはいいのかもしれませんが、一般の方にこれで分かってもらえますかというのは、難しいのかなと思いますので、これについて、ここで指摘された論点を分かりやすく整理していくということも課題なのかというふうに思ったところでございます。
 あと細かいところで、ご質問があったところですが、中立的な委員だけでやるべきではないかというようなご質問もあったかと思いますが、逆に言えば実際に小委員会の中では、様々な方のご意見を踏まえて、実際にその業に携わっている方でないとわからないようなご指摘というのも多数頂いて、こういったこれだけ多くの方が小委員会に入っていただいた上で、その上で、報告書という形で一つにまとまったということであります。中央環境審議会として、その国内排出量取引制度という形で報告書がまとまったのは、多分初めてだと思います。
 実際にここに至るまで多くの議論を尽くして、小委員長にもご指導いただきながらまとまったというのは、大きな前進ではなかったかなと、事務局としては思っているところでございます。
 細かいところ、もしかしたら少し漏れているところがあるかもしれませんが、以上でございます。

○鈴木部会長 大体実はこちらの議題で予定した時間に近づいておりますが、何かこの段階で追加、ご質問、あるいはご意見というのはございましたらお受けいたしますが。
 植田委員。

○植田委員 意見ということではなくて、小委員会の議論を取りまとめるという立場でもございましたので、一言だけ申し上げたく存じます。
 私自身はこの制度づくりに関わって、オプション案を提示するという依頼を受けて、このメンバーの中で最善を尽くしたというつもりでございますけれども、そういう意味で言うと私個人の意見はほとんど申さずに、すべて出てきた意見をどうやったら一つの制度としてまとめ上げられるかという観点で、私は議論を進めました。
 それはなぜかと申しますと、ここからは私の個人の考えでございますけれども、低炭素社会への移行の制度的基盤をできるだけ早くつくらないといけない。それが全くないような状況で、どういうふうに低炭素社会への移行を議論するのか。こういうことになると思いますので、技術と制度・政策は低炭素社会への移行の両輪なので、技術だけで動くということはないし、制度・政策が両輪のように動くものができて、初めて動いていくのではないかというふうに考えておりますので、そういう意味で一種の明確なルールをつくるということも含めまして、制度としてまとめ上げるということを仮にするとしたら、どういう制度ができ上がるのかということについて腐心をしたというのが私が留意した点でございます。制度それ自体については様々なご意見があり得るということは、この報告、中間整理自体がそのことを示しているわけですけれども、しかし私の希望といたしましては、何とかこれをベース、もちろん中間報告とは違った制度になってもいいのですが、制度づくりへ進んでほしいと思います。制度的基盤がない限り、低炭素社会への移行はうまく進まないと、このことだけははっきりしているのではないかと思います。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 小委員会もこのままといいますか、中間整理後も継続していただくということになっておりますので、是非よろしくお願いいたしたいと思います。
 冨田委員。

○冨田委員 ありがとうございます。
 2回目の発言で恐縮ですけれども、先ほどコメントで申し上げました2つの提案、1つはこの排出量取引制度導入の是非についての議論というのは、どういうふうになるのかということと、それから排出量取引制度固有の問題ではありませんけれども、電気の係数問題に関して、この部会で課題として認識されないのかどうかというところをお答えいただければと思います。

○市場メカニズム室長 まず、最初の点でございますけれども、それについては先ほど寺田局長から申しましたとおり、与党の提言を踏まえて、政府としてもどのような形でこの施策、全体、3施策を整理していくのかという考え方が明らかになろうかと思っております。それを踏まえて、また事務局においても部会長、小委員長と相談をしながら、どういうふうな議論の進め方、部会ではどうするのか、小委員会ではどうするのか、また事務局としてどうするのか、考えていきたいということを考えております。今の時点でこうなりますというようなものを今明示的に持っているところではございません。
 また、2つ目のご質問につきましては、この報告書に書いてあるとおり、この制度を導入するという前提で、導入するというときにはそれまでには明らかにしておかなければならないという問題意識は持っているところでございます。
 ただ、現在その議論の進め方、進みに具合、進捗状況を踏まえて、今この時点でというのがいいのかどうかというのは、ちょっとまだ全体の進め方というのが我々としても整理ができていないところなので、その全体の検討のスケジュールが見えた段階で、適切にご指摘の点については考えていくことになるのかなというふうに思っております。
 以上でございます。

○冨田委員 2点目の点については、この排出量取引制度固有の問題ではないというふうに申し上げたと思いますが、排出量取引制度の検討に含めてやられるということではなくて、本来温暖化対策推進の考え方として、まさにこの地球環境部会の本題ではないかなと考えますけれども、いかがでしょうか。

○市場メカニズム室長 そういうことであれば、すみません、私が答えるのが、市場メカニズム室が答えるのがいいのかどうか、あれですけれども、今日ご指摘いただいたご意見につきましては、冨田委員からのご指摘も踏まえ、その他のご指摘も踏まえ、全体を考える中で整理していきたいと。ちょっと今の時点でどういうふうにするのかというのは、あいにくこちらの方でも十分議論できていないところではございますが、問題意識としては認識しておりますので、どの場で、審議会なのか、それとも政府の中で環境省の方で検討していくのか、それも含めてご指摘を踏まえて考えていきたいと思います。

○鈴木部会長 他省にもまたがるような、ある意味では非常に根本的なところだろうと思いますので、どういうふうに検討するかをそれでは上田室長にお任せしておいていいんですか。
 温対課全体として考えていくということで、次のどの段階でお答えがまとまるかわかりませんが。

○冨田委員 来週もございます。

○鈴木部会長 来週。ではこの中間整理につきましては、以上とさせていただきまして、また何か特にご発言を求められる方は28日においでいただければ、その部分の時間がとれるかもしれません。
 それでは、もう一つの議題といたしまして、これは報告事項ということになりますが、気候変動枠組み条約第16回締約国会議、カンクンの会議の結果報告をお願いいたします。

○国際地球温暖化対策室長 それでは、報告をさせていただきます。
 資料4という二枚紙がお手元にあるかと思いますが、そちらを参照いただきながらお聞きいただければと存じます。
 今回、第16回の気候変動枠組み条約の締約国会議、そして第6回の京都議定書の締約国会合が同時に11月29日から12月10日まで、メキシコのカンクンで開催をされました。
 本日のご審議の中でも何人かの委員の皆様からご発言の中で触れていただきましたとおり、カンクンでの一連の決定というものが採択をされまして、後で少し詳しくご説明いたしますが、一定の成果が上がったものと考えております。
 今年の会議は昨年のCOP15でのコペンハーゲン合意が正式な採択ではなく、留意にとどまったというところからスタートいたしまして、再び2つの作業部会という場で次期枠組みについて、あるいは京都議定書の次の約束についての議論が行われてきたという流れの中で開催をされております。
 2週間の会期のうちの前半で事務レベルの交渉は2つの作業部会が引き続き開催をされまして、AWG-LCAという名前のついた条約の作業部会の方では、アメリカ、途上国も含めた包括的な枠組みに関する議論、そしてAWG-KPという議定書の作業部会の方では、京都議定書の次の約束に関する議論というものが行われたわけでございます。
 事務レベルの折衝では、なかなか大きな進展が見られなかったということでございますが、その後の第2週目の閣僚級の折衝、協議を重ねた結果、条約の締約国会議、そして議定書の締約国会合、両方で一連の決定が採択をされたという結果になってございます。
 この決定、一言で申しますと、今名前としてカンクン合意という名前がつきつつありますけれども、昨年のコペンハーゲン合意というものをいわば正式に決定をした。松本環境大臣の言葉を借りますれば、コペンハーゲン合意を膨らませ、深掘りをしたものと言えるかもしれません。
 今回、日本政府としては、昨年のコペンハーゲン合意を踏まえまして、アメリカ、中国を含めたすべての主要排出国が参加をする公平かつ実効的な国際枠組みを構築する一つの包括的な法的文書を早期に採択をするという、そういう目標に向けて、一里塚となるような決定、特に先進国と途上国の排出削減、そして途上国に対する資金等の支援、この間のバランスがとれた形で合意をするということを目指して交渉に臨んだということでございます。
 また、京都議定書の関係につきましては、2013年以降に第二約束期間を設定すべきという途上国を初めとする強い要求があったというところでございますけれども、ここについては我が国としては、京都議定書の第二約束期間の設定ということでは、地球規模の削減につながらないということで反対する立場で交渉いたしました。
 結果の方でございますけれども、資料をおめくりいただきまして、裏側の方でございます。
 3.今次会合の成果等というところにございます。
 今回、条約の締約国会議、COPの方では、先ほど申し上げたとおり、コペンハーゲン合意に基づいた今後の法的枠組みの基礎となるような決定が採択をされてございます。
 特に意義があるというところは、今回一つのCOP決定の中に先進国と途上国、双方がこの1年提出をしてきた排出削減目標、あるいは排出削減行動、そういったものを国連の文書として正式に認識をし、またそれを一つのCOP決定の中で留意をするという形になったという点でございます。
 すなわちこれは我が国が目指すところのすべての主要排出国が参加をする枠組みの構築というものに向けて、大きな基礎となる前進であるというふうに考えることができるかと思ってございます。
 京都議定書の方の決定でも、先進国の排出削減目標について、同様にまとめた文書が同じ文書ですけれども、同じ文書に留意することになりました。ただ、ここにつきましては、我が国の立場も踏まえまして、京都議定書の第二約束期間についての各国の立場を害しないという注釈が同時に明記をされたという形になってございます。
 これに伴いまして、京都議定書の第二約束期間について、各国が今後どういう立場で交渉に臨むかというところは、引き続きオープンになっているというような状況でございます。
 今後でございますけれども、今回の決定は今申し上げましたように、大きな包括的な枠組みの基礎になるような前進ではあったわけですけれども、引き続きその枠組みの構築に向けて、作業が必要でございます。その交渉いたしますAWG-LCAという作業部会、これについては1年間作業を継続するということになりまして、それと同時に京都議定書の作業部会も引き続き継続をいたします。
 詳しい成果につきましては、もう一枚次のページの方に書いてございますので、また詳しくご参照いただければと存じますけれども、主な点だけ二、三点触れさせていただきます。
 1.と2.は、今申し上げましたそれぞれの削減目標や行動を位置づけた文書ができるという点とそれに留意をされるということでございます。
 3.の共有のビジョン、これは長期目標のようなものでございます。これについては、今回工業化以前に比べて気温上昇を2度以内に抑えるという観点から、大幅な削減の必要性を認めるというところと、それから2050年までの大幅な削減、それから早期にピークアウトさせていくということについての合意が盛り込まれたということで、この長期的な目標の観点からも、極めて有意義な結果になっているというふうに思っております。
 それから、削減を達成する上での様々な要素である市場メカニズム、あるいは途上国の新年対策、資金、技術といったことにつきましては、新たな仕組みを作るということが決まりまして、ただ詳細については今後の交渉に委ねられている。また、適応につきましても、特に途上国中心に適応対策を進めるための仕組みというものが決まって、今後それに中身を強化していくということになってございます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 ただいまのご報告いただきましたことにつきまして、何か委員の方々からご質問、あるいはコメント等ございますでしょうか。
 住委員、次浅岡委員、横山委員。

○住委員 最後の気候技術センターというものなんですが、これは具体的にどういうことをイメージしてこれは提起されて決定されたのかということと、昨今ヨーロッパを中心にジオエンジニアリングというのが非常に叫ばれてますけれども、そういうものも含んだ話なのか、例えば省エネだとか、そういう従来のいわゆるテクノロジーとか、そういう部分の話なのか、もう少し詳しくこれについてご説明していただけませんでしょうか。

○国際地球温暖化対策室長 ありがとうございます。
 お答えいたします。
 この技術の面でございますけれども、これは技術メカニズムという一つの大きな仕組みの中に技術執行委員会と気候技術センターというものができるというようなことが今回決まったということであります。
 実はここの組織の詳しい役割というものは、今後の議論に委ねられているところも大きいのでございますけれども、この技術執行委員会、これ自体は個別の事業であるとか、あるいは技術開発、技術移転の個々の取組についての物を申すというよりは、もう少し大きなこの国連の下での技術移転を進めるための提言をしていくような機関、一方気候技術センターにつきましては、もう少し個別に各国のニーズを踏まえて、技術移転を進めていくための助言をする機関というようなことが想定をされておりまして、この2つがセットで今後技術移転等を進めていくということが決められたということでございます。
 具体的にどういう技術が対象になるかということについては、特に今回の決定の中で限定をされているということではないと理解しておりますので、今後の議論に委ねられていると思います。

○鈴木部会長 それでは、何人かの方が挙がりましたので、また相澤委員から順番にこういうふうに回させていただいてよろしいですか。
 横山委員、最後に締めていただくと。

○相澤委員 議長、どうもありがとうございます。
 手短にお話しさせていただきます。
 AWG-KPにおいて、京都議定書の単純延長が心配されましたが、ともかく1年間は保留できましたので、これは大変に大きな成果だったと思います。それからAWG-LCAにつきましても、コペンハーゲンから一歩前進しましたので、これも大きな成果だと思います。今後、日本の優れた低炭素技術をより広く途上国にも活用できるような、そういう仕組みを是非有効かつ早急に、より多くの国と結んでいただきたい。そういう約束が世界レベル、地球レベルでの低炭素化を進める最も大きな効果のあるやり方ではないかと思います。
 日本の産業界の持てる技術、BATをより広く世界に広げられるようにするためには、日本の産業界の活力、あるいは価格競争力を維持させていくことも非常に重要になってくるわけです。そういった意味で、先ほど来議論がある国内排出量取引とも非常に密接に関係してくるわけでございまして、もちろん国内での低炭素化というのも大事ですが、その持てる技術をより広く世界に活用すべく、日本の企業の活力をよりみなぎらせるという視点、グローバルの低炭素化という視点で、是非いろいろと政策を施していただきたいと思います。
 以上でございます。

○鈴木部会長 浅岡委員。

○浅岡委員 このカンクンにおける交渉の経緯とか、最終的な合意についての評価につきまして、交渉の中にいらっしゃる場の雰囲気と国内で報道されているものとのかなり乖離があると、日本の国内で受け止められているように、あるいは報道されているように国際社会が動いているわけではないことを私たちはもっと認識し、個々の議論もそうしたことを前提とすべきではないかと思います。
 今日のこの報告の中には特に出ていませんけれども、当初ホームページに載っていたところには、日本の政府から議長に出された手紙とか、脚注を入れさせる経緯とか、第二約束期間に対するあまりにもかたくなと思われるような態度とか、こういう面は世界から見ましたときには、国際社会における日本の地位に大きな禍根を残しかねませんし、こうしたことで今後1年間、ダーバンに向けて日本が対応を続けていくといたしますと、国際合意形成に障害になってくるのではないかと、私たちは心配をしています。
 その背景に、先ほども取引制度につきまして、大口排出事業者の当事者の方々あるいはの労働組合の方々が反対し懸念としてテイクノートされていくことで動いていない。それが同じことが第二約束期間は日本として批准することはないみたいな形で報道されている。ここには議定書の21条7項の立場を留保するというか、残すという趣旨で言っているという記載になっておりますけれども、そのように伝え、現実にそう動いていることを懸念しています。こうした場で政府に対してそういう懸念を示さなければいけないのではないかと思います。
 その背景の中に、更に先ほどから相澤委員が重ねておっしゃいましたように、日本は産業において原単位では世界トップというのが前提としておっしゃっていると思うんですけれども、大塚先生おっしゃいましたように、国レベルで比較いたしましても、個別産業、あるいは個別企業で比較しましても、そういう時代は過ぎた、しっかりした情報・数値をもとにして議論すればそうではないということになってきていると認識し、その上でいかに日本の企業の競争力を確保していくのかという視点も必要なのではないかと思っております。

○鈴木部会長 大塚委員。

○大塚委員 今回、こういうカンクンの合意ができたというのは、大変喜ばしいことだとまず思っています。
 ただ、これは2013年以降の法的枠組みの基礎になるという話ですので、時期的にちょっと間に合わなくなりつつあるというのが皆さんご認識なさっているんだと思うんですけれども、それに関しては今後の見通しとしてどういうふうにお考えになっているかというのをちょっと漠然とした疑問で恐縮ですが、お話しいただけるとありがたいというのが1点です。
 それから、もう一つですけれども、京都議定書の延長についての日本国政府の立場を明らかにしたというのは、1つのやり方だったんだろうとは思いますが、かなり世界的には評判を落としているところもあるようなんですけれども、COP17に向けて、この立場を堅持していかれると思いますけれども、恐らく世界の他の国から巻き返しが出てくる可能性もあると思いますけれども、それに対しては何か戦略をお持ちかどうかというのをちょっとお伺いしたいということです。
 以上です。

○鈴木部会長 では、長辻委員。

○長辻委員 今回のCOP16で現実的な質問をしたいんですが、具体的にはロシアの姿勢についてです。
 というのが京都議定書の第二約束期間がないと、排出量取引の市場の基盤が揺らぐということで、EUが京都議定書の単純延長もやむなしという、そういう方向に傾きました。
 その中で、ロシアが日本の主張をサポートする立場をとって、意外なロシアの援護射撃というか、そういうサポートがあったわけなんですが、これはロシアのどういう真意に基づいてこういう態度をとったのか、これはずっと疑問だったんですが、よく私自身も他のところでもいい説明がないまま、今日に至っていて、随分ちょっと引っかかっているもので、というのは特に来年のCOP17でロシアのこの態度というのが非常に大きく、決定的な作用を及ぼす可能性があるので、そのあたりの真意というのをしっかり知っておきたいと思いまして、質問をいたしました。お願いします。

○鈴木部会長 ちょっと戻りまして、永里委員。

○永里委員 ありがとうございます。
 先ほど私が申し上げた「日本政府はリーダーシップを持ってやるべきだ」というのは、外国との関係において構築すべきでありまして、2020年に90年比25%削減をやっても、世界の全体でのCO2削減というのは、日本の排出量そのものが今や全体の3.7%とか、3.8%ですから、それに25%削減しても、世界全体では1%も減らないわけです。であるならば、COP17に向けて、日本国政府は(浅岡委員は大したことないとおっしゃっていますが、実際に試算がいろいろありますから)、日本のすぐれた技術を世界に広めていく、そういう枠組みを提示し、新しいリーダーシップを発揮してほしいと。排出量取引ということでやってもたったの1%にしかならない。その中の議論なわけですから、もっと大きくできるところがありますから、そういうところをやってほしいと、こういうことを言いたかったわけです。
 以上です。

○鈴木部会長 では、お待たせしました。
 横山委員。

○横山委員 ありがとうございます。
 大塚委員の最後の指摘と同じなんですけれども、日本政府の代表団がCOP16が始まってすぐに京都議定書の延長は絶対認められないという発言、結果的にそうなったわけですけれども、その後の交渉の妨げになったとか、あるいは日本が国際交渉でリーダーシップを発揮するのにいつものように疑問符がついたというような指摘があったと思います。
 一部何か真意が伝わってないというようなことも現地に行った方から伺っているんですけれども、発言に至るいきさつとか、発言の真意を何だったのかということを改めて説明していただければと思います。
 以上です。

○地球環境局長 細かいところは担当からお答えさせていただきますけれども、基本的な点について、まさに今、横山委員からお話あったようなところなんですけれども、我が国が単純に京都議定書の第二約束期間の延長に反対したのではありません。我が国は我が国の目的とする米中などが入った主要な排出国がすべて入った公平で、効率的な枠組みというものを我々は希求しているわけでございまして、アメリカと中国だけで世界のCO2の排出量の42%近くなっていると、これが入らないような枠組みというのはあり得ないということが基本にあり、そのために今のわずか世界の27%の排出量しか義務がかかっていない京都議定書を固定化したときには、他の国はある意味でもういいやということになりかねないと、そういう構造があるからこそ、我々はそういった主要な排出国が入らないような枠組みができる展望が不在の中での京都のみの単純延長には反対をすると、こういうふうに言ったわけであります。
 真意が伝わらなかった面もあるというのは、実はそこの部分でありまして、冒頭の日本政府代表の発言がそういう前提条件抜きに、ただひたすら京都議定書は絶対つき合わないもんねというふうに受け止められてしまったのを、私どもの環境大臣が現地に入ってから、主としてアフリカ諸国等々に対して、日本はなぜそういうことを言っているのかといえば、本当に世界全体のCO2を削減するために必要なのは、アメリカや中国にも何かやってもらわなきゃいけないと、そういうフレームワークでなければ効果はないのだ。だから、日本はこういうことを言っているのだとご説明して、かなりの国の理解を得たということだろうというふうに思っています。
 もちろんいろいろな方からご指摘ありましたけれども、今回はそれである程度うまくいったというか、点数をつければ60点以上は取ったような気がいたしますけれども、1年後は絶対こうはいきません。これは明らかにタイムリミットぎりぎりの時間になりますし、京都議定書の延長のプレッシャーというのは、極めて高くなる。間違いなく物すごく高くなる。同じようなやり方をしていたらとてももたないということなのだろうと思います。
 そのために、1つは日本としても、ただいま申し上げましたすべての排出国が参加する枠組みづくりを一歩でも二歩でも進めるために何をしなきゃいけないか、あるいはその次のフレームワークのための具体的なものとして何か提示をしていく。先ほどご指摘もありましたけれども、例えば二国間クレジットというものをどんどん進めて、新しいクレジットメカニズムというものに貢献していくとか、そういうことをやっていかなければならないでしょうし、そういうものの裏側で、では、京都にどう対応するのかということも再度考えていくと、こういうことになるのではないかと思っております。
 あと細かい点。

○国際地球温暖化対策室長 それでは、ご質問等にお答えをさせていただきたいと思います。
 今の日本の技術の活用というところを今後とも進めるべきではないかということについて、COP16の場でのお話について、少し触れさせていただきますと、今回の合意ではいわゆる市場メカニズムの活用というところについても合意に盛り込まれております。ただ、先ほど見ていただいた資料にもございますが、それはCOP17での新しい市場メカニズムの構築を検討することを決定したというような非常に一般的な文言にとどまっておりまして、具体的なメカニズムそのものの議論は、まさにCOP17に向けてということになってございます。
 その中で、従来の京都議定書のもとでのメカニズムの改善の話とそれと並行して新しい枠組みでのメカニズムをどうしていくかという話が並行して行われるということになると思いますので、我が国としても交渉に積極的に臨んでいきたいというふうに思っておりますし、その中で日本の技術をいかに活用できるかという観点で、物を申していきたいというふうに思っております。
 それから、時期的に間に合わないのではないかという感覚については、今、局長から申し上げたとおりでございますが、ぎりぎり来年COP17でどうなるかというのが京都議定書の年限が切れる2012年末までに次の枠組みを発効する、その発効要件はどうなるかわかりませんし、実際の発効に至るまでの各国の批准等の手続云々もわからないことでございますけれども、時間的には来年がぎりぎりというところは耳目の一致しているところかと思います。
 それから、ロシアの姿勢についてのお尋ねがございました。
 ロシアは今回まさに第二約束期間の設定に関してということでは、日本と全く同じ立場でございましたし、最終的にこの注釈をつける場面においても、全く同じ立場でございました。
 その背景というところでございますが、表面的にといいますか、ロシアの主張はまさに我が国と同様のグローバルな削減の観点から、これではだめなのだというようなことを言っています。実際のところどうなのかということは、実は明らかではないわけですけれども、よく言われることとしては、ロシアのもう一つの主張としては、京都議定書の第二約束期間に向けた検討の中で、第一約束期間で余剰となった排出枠の繰り越しの問題について、制限をかけることに反対をするとか、そういったこともございますので、そういったものが影響しているのではないかというようなことを言う人がいますけれども、交渉の場ではそういったことは直接的な言及はございませんでした。
 それから、COP17に向けては、今、局長がお話をしましたとおりでございますが、今回のカンクンでの合意というものは、最初に申し上げましたとおり、我が国が目指す大きな枠組みに向けての大きな一歩であるということを思っておりますので、是非それを実際の枠組みにつながるように、もう少し更に発展をさせていくと、そういう観点で、日本として何ができるか、その辺り、単にそういうものが望ましい、あるいはそれを目指すんだというだけではなくて、まさに交渉の中で建設的な役割を果たしていくと、できれば具体的な提案をしていくとか、そういったことも今後考えていく必要があるのではないかというふうに現在政府部内でも議論をしているところでございます。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 京都議定書の単純延長に反対するか賛成するかというのは、EUと日本とその辺のところがかなり判断が分かれたところみたいです。私はイギリス大使とお会いする機会があったときに、なぜ日本は反対するのかと問い詰められたのですが、要するに京都議定書の単純延長で進むことが米中を巻き込むことにプラスになるというのがEUの判断にあり、日本の場合はそうではない。その辺のところの判断の違いも一部にあったのかもしれません。
 ただ、これから来年の南アに向けて、会議が始まる前段階の準備がかなり私は重要だと思いますので、是非哲学、理念をしっかりと固めた上で、地球全体としての二酸化炭素の大幅削減につながる具体的な提案につないでいくと、こういうことが大事であろうと思います。
 今日は大変長い時間にわたりましたが、年末のお忙しいところ、お集まりいただいて、皆様に感謝申し上げたいと思います。
 最後に事務局から連絡事項等をお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 本日も活発なご議論ありがとうございました。
 次回の地球環境部会でございますけれども、話題に出ておりますように28日、13時から、場所は霞ヶ関ビルになりますけれども、年末の本当に大変なところ恐縮でございますけれども、よろしくお願い申し上げます。
 次回につきましては、中長期ロードマップ小委員会の中間整理のご報告をさせていただくということになっております。
 よろしくお願い申し上げます。

○鈴木部会長 それでは、これをもちまして本日の中央環境審議会地球環境部会を終了させていただきます。
 どうもありがとうございました。

午後5時58分 閉会

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