中央環境審議会地球環境部会(第90回)議事録

1.日時

平成22年8月3日9:01~12:21

2.場所

東海大学校友会館阿蘇の間

3.議事次第

  1. 1.中長期ロードマップの検討状況について
  2. 2.国内排出量取引制度の論点整理について
  3. 3.その他

配付資料

  • 資料1   我が国の温室効果ガス排出量の現状分析及び京都議定書目標達成計画の進捗状況の点検について
  • 資料2   中長期ロードマップ小委員会における議論の概要について
  • 資料3   キャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引制度について
          ~制度設計における論点の整理~
  • 資料4   フロン類等対策小委員会について
  • 参考資料1 京都議定書目標達成計画の進捗状況(環境省分個表)
  • 参考資料2 中長期ロードマップに関する主な論点に係る意見の整理
  • 参考資料3 中長期ロードマップに係る経済分析について
  • 参考資料4 中長期ロードマップを受けた温室効果ガス排出量の試算(再計算)【暫定版】
  • 参考資料5 温室効果ガス排出削減・吸収に係る国際的なクレジット・メカニズムについて
  • 参考資料6 地球温暖化対策のための施策手法の比較

議事録

午前9時01分 開会

○地球温暖化対策課長 おはようございます。まだ、若干遅れておられる先生方がいらっしゃいますけれども定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会の第90回会合を開催させていただきます。
 本日、委員総数40名中過半数の委員のご出席をいただいておりますので定足数に達しております。前回の部会は4月でございましたけれども、それ以降、委員の交代でありますとか、小委員会の設置に伴いまして、新たに委員、臨時委員になられた方、あるいは新たに地球環境部会に所属になられた委員、臨時委員の方がいらっしゃいますので、まずご紹介をさせていただきます。
 お手元にも名簿がございますけれども、まず、日本経済団体連合会環境安全委員会地球環境部会長の相澤善吾委員でございます。

○相澤委員 相澤でございます。

○地球温暖化対策課長 それから、日本公認会計士協会常務理事の市村清臨時委員でございます。

○市村委員 市村です。よろしくお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 それから、独立行政法人勤労者退職金共済機構理事長代理の櫻井康好臨時委員でございます。

○櫻井委員 櫻井でございます。よろしくお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 続きまして、日本労働組合総連合会総合政策局社会政策局長の杉山豊治臨時委員でございます。

○杉山委員 杉山でございます。よろしくお願いします。

○地球温暖化対策課長 それから、社団法人日本鉄鋼連盟環境エネルギー政策委員会委員長の関田貴司臨時委員でございます。

○関田委員 関田です。よろしくお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 続きまして、東京ガス株式会社エグゼクティブスペシャリスト環境部長の冨田鏡二臨時委員でございます。

○冨田委員 冨田でございます。よろしくお願いします。

○地球温暖化対策課長 なお、本日ご欠席でございますけれども、独立行政法人製品評価技術基盤機構理事長の安井至委員が新たに地球環境部会に所属になってございます。
 以上でございます。
 また、本日の審議は公開とさせていただきます。
 では、開催に先立ちまして、田島環境副大臣から一言ごあいさつを申し上げます。

○田島副大臣 委員の先生方、改めましておはようございます。それぞれにお忙しい中、こうして中環審の地球環境部会に出席をいただきました皆様、本当にありがとうございます。
 本来でありますならば、小沢環境大臣がこちらに出席いたしまして、皆様にごあいさつを申し上げるところでございますが、ご承知のとおり、現在、国会、予算委員会の開会中でありまして、かわりまして私、副大臣の田島一成から一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
 日ごろよりこの地球温暖化対策にご尽力いただいている先生方には、本当にご協力いただきますことに心から感謝を申し上げたいと思います。私ども、環境省からも、先の通常国会では、地球の将来を真剣に考え、また主要国の背中を押していく積極的な取組を促すために地球温暖化対策基本法案を提出させていただいたところでございますが、ご承知のとおり、国会が閉会となりまして基本法は廃案となってしまいました。大変残念な結果ではございましたけれども、この地球温暖化対策自体は喫緊の課題でもあり、改めて基本法を国会に提出をし、早期の成立を図っていきたいと考えているところでございます。
 2020年、温室効果ガスを90年比で25%削減するということを、コペンハーゲン合意に基づいて国際的に約束をしてきた我が国でございますが、この削減目標達成のためのロードマップを描いていく必要がございます。とりわけ削減目標達成のための中核的な施策である地球温暖化対策税、また国内排出量取引制度につきましては、今年の6月に閣議決定をいたしました新成長戦略におきましても、その導入と創設が盛り込まれたところでございます。政府といたしましては、この地球温暖化対策を引き続き強力に推進していくつもりでもございまして、本部会での議論も今までどおり強力に進めていただきたいとお願いをするところでもございます。
 本日は、この先ほども申し上げました中長期ロードマップ小委員会と、そして国内排出量取引制度小委員会の審議状況につきましてご報告をいただいて、ご議論をいただくことになっております。ロードマップにつきましては、3月31日に小沢環境大臣試案を公表し、これをたたき台としまして、小委員会で各界各層からのヒアリング、またパブコメを通じて幅広いご意見をいただいてまいりましたし、関係省庁においても現在進められているさまざまな検討等の調整も進めさせていただいておりますけれども、こちらのほうも可能な限り、現時点での整理をさせていただいたところであります。
 国内での削減も15%から25%までの複数のケースでの試算を示させていただきました。加えて、国際貢献による削減についても、従来からのCDMに加えまして、二国間協力における削減量のカウントについても一案として示させていただき、部会の委員の皆様のご意見をぜひ、今日は頂戴をさせていただきたいと思っております。
 そして、もう一つのテーマであります国内排出量取引制度につきましては、産業界、労働界、NGO、そして地方公共団体など、さまざまな関係団体からのヒアリングも行い、省の中でパブコメの結果も踏まえまして、原単位の扱いでありますとか、製品、LCAのカウントについての案も示し、制度設計の個別論点についてのご議論をいただいてきたところでございます。
 環境省としては、次の通常国会への法案提出に向けまして小委員会や部会でいただく意見も踏まえまして、鋭意、検討を進めていきたいと考えているところでございます。温暖化対策の具体的な内容につきましては、環境省としても一生懸命、現在検討を重ねているところでございますが、委員の皆様の精力的なご議論を重ねてお願いを申し上げてごあいさつにかえさせていただきたいと思います。
 本日は、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○地球温暖化対策課長 ありがとうございました。
 それでは、以後の議事の進行につきましては、鈴木部会長にお願い申し上げます。

○鈴木部会長 それでは、第90回地球環境部会の会合を開催させていただきます。
 議事次第にございますように、今日は主たる議題が2つございます。今、田島副大臣からもお話がありましたように、中長期ロードマップの検討状況について、そして国内排出量取引制度の論点整理について、これはいずれも前回のこの地球環境部会におきまして、どういう形で検討を進めるかというような議論のもとに小委員会をそれぞれ設置させていただいたと、こういう形でございます。で、その小委員会の検討過程をこの地球環境部会にご報告、ご紹介いただき、そしてまた、そこからのフィードバックを得てそれぞれの小委員会でご検討いただく。そして、この地球環境部会といたしましては、年内を目処にこの両方の検討を地球環境部会としてまとめさせていただきまして、意見具申という形で提出をさせていただくと、こういうようなことを考えております。
 それでは、まず、この2点に入ります前に、事務局のほうから配付資料の確認をお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 それでは、お手元の資料でございますけれども、議事次第に配付資料のリストがございますが、資料1として、我が国の温室効果ガス排出量の現状分析及び京都議定書目標達成計画の進捗状況の点検についてというA4の横の資料がございます。
 資料2といたしまして中長期ロードマップ委員会における議論の概要についてございます。
 資料3といたしまして、キャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引制度についてという、ちょっと分厚い資料がございます。
 資料4は、A4の1枚紙、縦でございますけれども、フロン類等対策小委員会についてというものでございます。
 それから、参考資料がございます。参考資料1として、京都議定書目標達成計画の進捗状況というA4の縦長の分厚いものがございます。これはちょっと分厚いものですから、委員の方のみに配付させていただいております。傍聴者の方は後ほどホームページでご覧をいただければと思います。
 それから、参考資料2といたしまして、中長期ロードマップに関わる主な論点に係る意見の整理。
 それから、参考資料3といたしまして、中長期ロードマップに係る経済分析についてというA4の横のものがございます。
 参考資料4といたしまして、中長期ロードマップを受けた温室効果ガス排出量の試算というA4横のものがございます。
 参考資料5でございますけれども、温室効果ガス排出削減・吸収に係る国際的なクレジット・メカニズムについてというものがございます。
 参考資料6といたしまして、これは2枚ものでございますけれども、地球温暖化対策のための主な政策手法の比較というものがございます。
 それから、これも委員の方のみでございますけれども、日本公認会計士協会の市村委員からのご提供の資料ということで、日本公認会計士協会様が発表された、排出量取引制度における排出量情報の信頼性確保に関する提言というものを席上配付させていただいております。
 資料は以上でございます。

○鈴木部会長 よろしいでしょうか。それでは、早速、議事に入らせていただきたいと思いますが、本日は時間も限られておりますし、この議題が大変内容豊富なものとなっております。
 まず資料1、2、この2つにつきまして、事務局からまとめて説明をいただきまして、その後、質疑応答の時間を設けます。その後、休憩を挟みまして資料3、議題2のほうに移らせていただくと、こういう形にさせていただきたいと思います。
 では、資料1の我が国の温室効果ガス排出量の現状分析及び京都議定書目標達成計画の進捗状況の点検について、そして、資料2、中長期ロードマップ小委員会における議論の概要について、この2つの資料につきまして説明を事務局よりお願いいたします。
 資料2につきましては、冒頭、中長期ロードマップ小委員会の委員長を務めておられます西岡委員からもご報告をお願いしたいと、このように思っております。
 よろしくお願いします。

○地球温暖化対策課長 それでは、まず資料1につきまして、ご説明をいたします。
 我が国における温室効果ガス排出量の現状分析及び京都議定書目標達成計画の進捗状況ということで、中長期ロードマップの話に入る前に現在の京都議定書の達成に向けた対策の最新の状況についてご報告をさせていただきたいと思います。
 めくっていただきまして、3ページにございますのが、直近2008年度の排出量のデータを示したものでございます。2008年度につきましては、リーマンショックによりまして前年度に比べると6.4%と大幅な減少になってございます。京都議定書の目標達成という観点では一番右の棒グラフでございますけれども、90年比6%削減でございますけれども、その際に国内の森林吸収源対策で最大3.8%、それから国による京都メカニズムの取得によりまして1.6%のクレジットが使用できるということでございますので、それが順調にいったとすると、その排出枠を使いますと、実際の真水の必要な削減量はマイナス0.6%ということになります。そういう意味では2008年度の排出量は90年比、プラス1.6でございますので、目標達成ラインとのギャップは1.6足す0.6ということで、2.2%ということになります。
 実際、2008年度につきましては、電気事業連合会様のほうで、自主行動計画の目標達成に必要なクレジットとして約6,400万トン、ほぼ基準の排出量の5%に相当するクレジットを既に国のほうにご提供いただいておりますので、それを活用したといたしますと、実際には2008年度に限っていえば吸収源等の対策が順調にいったという前提のもとで考えますと、京都議定書の目標達成ラインをクリアしているということになります。今後、景気の回復等に伴いまして、排出量がまた増加するというおそれもございますので、引き続き、京都議定書目標達成計画に盛り込まれた対策を着実に実施していくことが必要だというふうに考えております。少し、排出量の状況について分析したものをご説明したいと思います。
 まず、8ページでございますけれども、産業部門でございます。産業部門の2008年度の大幅な低下が全体の減少に寄与しているところでありますけれども、ここにございますように、やはり鉱工業指数で見ましても、2008年度、大幅な減少になっているということで、これによって温室効果ガスが減少しているということでございます。他方、工場の稼働率が大きく低下しているということで、エネルギー消費原単位については若干悪化をしているということになってございます。
 次に9ページ、運輸部門でございますけれども、旅客輸送量、貨物輸送量とも前年度から減少してきてございます。ということで、運輸部門の排出量も減少してございます。特に貨物部門については自家用貨物から営業用貨物への転換が進みまして、これは近年、進んでございまして、左側のグラフの棒グラフでございますけれども、貨物の総走行距離が減少しているということで、これもCO2減少の一因になってきていると。
 それから、右側にございます乗用車でございますけれども、やはりトップランナー基準等によりまして燃費が向上しているということで、これもCO2の排出の減少の要因になっているということでございます。
 10ページ、11ページが家庭、業務でございますけれども、家庭についても90年以降ずっと右肩上がりで世帯数の増加等に伴いまして増えてきてございますけれども、2008年度は電力の原単位の改善、あるいは暖冬に伴う暖房需要の減少、加えて省エネ機器の普及というようなことで、前年度から比べて減少しているということでございます。業務についても同様、90年以降はずっと伸びてきてございますけれども、これも2008年度については頭打ちになってきております。これも電力の原単位の改善、暖冬、それから省エネの取組の推進というような効果も出てきているんだろうというふうに考えてございます。
 12ページに電力に関するCO2がございますけれども、2008年度につきましては、左のグラフにございますように、電力の消費量そのものが減少しているということでございます。原単位については、原発の稼働率は若干、2008年度は下がったんですけれども、電力の消費量が減少したということで、火力発電所の発電量が減ったということもございまして、原単位は若干改善をしているという傾向でございます。
 13ページ、エネルギー起源以外のものでございますけれども、非エネCO2についても、工業プロセス等でございますけれども、あるいは廃棄物でございますけれども、排出量が減少してございます。ただ、HFCsについてはオゾン層対策として、HFCsへの転換、代替が進んでいるということを受けまして、エアコン等からの排出が増加ということで、これは2006年度以降、ずっと増加をしているという傾向が見られるということでございます。
 以上が、我が国のマクロで見た排出量の状況でございます。
 14ページ以降、環境省が取り組んでいる対策の進捗状況を整理してございます。かいつまんで申し上げますけれども、15ページ、これはいわゆるまちづくりということで、コンパクトシティ、あるいは自然エネルギーの活用というようなことにつきまして、温対法に盛り込まれた地方公共団体実行計画の策定、あるいはそこの計画に盛り込まれた事業に対するさまざまな支援というものを国交省とも連携をしながら進めているところでございます。
 17ページ以降、政府機関の排出削減ということで、これは省庁の排出でございますけれども、2001年度を基準にして8%削減するという目標が政府としては決めてございます。それに対して19%近く削減できているということで、一応目標を達成しているという状況がございます。
 18、19は業務用の冷蔵、冷凍機の普及、これはフロン対策も兼ねておりますけれども、各種補助事業によって着実に導入が図られております。
 20ページ以降、国民運動でございますけれども、20ページにクールビズ、ウォームビズの実施率の推移がございます。2009年度ですか、若干頭打ちの傾向が見られますけれども、2005年度の実施開始以来、着実に普及が進んでいるということで、さらなる定着を目指していきたいと思っております。
 22ページにございますけれども、これまでの「チーム・マイナス6%」にかわりまして、今年1月から本格的に「チャレンジ25キャンペーン」という国民運動を始めているということでございます。23ページ、「エコ・アクション・ポイントモデル事業」これは、20年度から開始してございますけれども、来年度以降は、これまで66万人、636社の参加がございましたけれども、来年度以降は民間指導のエコポイントビジネスで展開をしていくという方向でございます。
 24ページ、25ページはいわゆるエコポイントでございまして、エコポイントによるグリーン家電の普及ということで、家電については平成21年5月から開始をしてございますけれども、これまで1,700万件以上の申請が来ているということでございます。
 25ページは住宅エコポイントでございます。これについても新築で約2万件、リフォームで約6万件の申請を既に受け付けているという状況でございます。
 26ページ、「見える化」でございますけれども、家庭での見える化、あるいはリアルタイム見える化の機能を持ったエアコン等の機器の、こういうものについてのモデル事業等を進めているところでございます。
 27ページにございますように、環境コンシェルジュ制度ということで、これは新成長戦略にも盛り込まれてございますけれども、各家庭でのCO2の削減のためにどういうことをやったらいいかということを、具体的にアドバイスを行う環境コンシェルジュというようなものも今後進めていきたいということで、27ページの下にございますけれども、今年度は全国の地球温暖化防止活動推進センターに取り組んでいただいて、試行事業も進めているというところでございます。
 28ページ、カーボン・オフセットでございますけれども、この取組もだんだん浸透してきてございます。オフセットに使うクレジット、いわゆるJ-VERという制度が2008年11月から開始をいたしまして、排出削減でございますとか森林吸収による国内のプロジェクト、約30件が既に受け付けをされ、2万トン強のクレジットが既に認証されて、いろんなオフセット、年賀状等、いろんな場面で使われてきているということでございます。
 29ページ以降、省エネ機器の買い替え促進ということで、2009年度は、若干景気の関係で実績が頭打ちになってございますけれども、右下にございますように、特に効果の大きい電球型蛍光灯については、順調に、いわゆる白熱灯からの買い替えが進んでいるというところでございます。
 32ページ以降は、新エネルギー、いわゆる再生可能エネルギーでございますけれども、太陽光、風力等が増加してきておると。唯一、廃棄物発電につきましては、廃棄物そのものが減少しているというようなこともございまして、若干目標を下回っているという状況でございます。33ページにございますように、環境省といたしましても、太陽光、あるいはバイオ燃料、洋上風力、さまざまな技術についての実証事業等を進めてございますし、欄外にございますように、21年度の補正予算におきましては、リース方式によって、家庭用の太陽熱利用システムの普及というものも取り組んでいるというところでございます。
 34ページ以降、廃棄物分野でございますけれども、34ページのグラフはいわゆる廃棄物発電を主に扱ってございます。これについては先ほど触れましたように、廃棄物の減少等もございまして、若干目標を下回っている状況であるということでございます。
 36ページは、いわゆる焼却に由来するCO2あるいはN2Oということでございまして、焼却につきましては、リサイクルの推進等によりまして焼却量が着実に減少しているということで、この分野のCO2は目標を下回ってございます。N2Oについてもダイオキシン対策等による焼却炉の性能が上がってございますので、N2Oの排出も減ってきているということでございます。
 39ページは最終処分場によるメタンでございます。これも廃棄物、一廃、産廃とも最終処分量が着実に減少しているということで、これも目標を下回っているというところでございます。
 41ページ以降が、先般、平成20年度の地球温暖化対策推進法の改正に伴う対策の進捗ということでまとめてございます。41ページは、この前回の改正におきまして、都道府県、政令市、中核市、特例市において、地域の資源エネルギーの促進、あるいは公共交通機関の整備、循環型社会の形成、こういうものを都市計画や農振計画と連携をして進めていく、そういう計画をつくっていただくということを義務化をしてございますけれども、それにつきましては、マニュアルの策定等によりまして、多くの自治体で策定をいただくような働きをしてございますし、また、加えてこの計画に盛り込まれた事業を支援するということで、右にございますようなグリーンニューディール基金というようなものを設けまして、例えば自治体における公共建築物の省エネ改修等、そういうものを進めてきているということでございます。
 42ページ、排出抑制等指針、これも前回の改正で盛り込まれました。事業者が事業活動に伴うCO2の抑制に加えまして、事業者が製造する日常生活用品等を低炭素型の製品にしていくということで、日常生活における排出抑制にも寄与すると。そういうものを進めていっていただくための指針ということで、これまで業務部門について設定をしました。現在、廃棄物部門について、新たな指針をまもなく制定すべく作業をしているところでございます。
 43ページ以降、ポリシーミックスでございますけれども、排出量取引については後ほど詳しく説明がございますけれども、環境税について中段にございますように、22年度の税制改正大綱によりまして23年度実施に向けた成案を得るべく検討を進めるということで、現在政府部内で検討が進められているという状況でございます。
 45ページ、サマータイム等引き続き検討課題とさせていただいてございます。
 46ページ、算定・報告・公表制度、これは今年度から新たに事業者ベース、あるいはフランチャイズチェーンも含めた形での報告・公表をしていただくということで、そういう新たな運用を前回の改正に伴って進めていくということになってございます。
 47ページ、環境配慮、特にこれについては、先般、環境と金融に関する専門委員会報告というものを中環審専門委員会としてまとめていただいているところでございます。
 それから、ちょっと飛びまして51ページ、政府によるクレジット取得、これは環境省と経済産業省が協力をして、NEDOに委託をして政府として一応1億トンの取得を目指すということで進めてございます。現在、約9,600万トンのクレジットについての契約を終えているということで、今後、着実に契約したクレジットの移転を進めると、あるいはグリーンインベストメントスキームというのがございます。チェコ、ウクライナ等から買ったものについては、日本が払った代金が着実に両国の国内における環境対策に使われるようにきちんとチェックをしていくというようなことも必要になってまいります。
 最後、53ページでございますけれども、環境省所管業種の自主行動計画フォローアップということで、産業廃棄物、それから新聞、それからペット販売というところにつきまして、大塚委員を委員長とするフォローアップの専門委員会のところで審査をしていただきました。目標達成は可能と判断しておりますけれども、さらにカバー率の向上等を図るということでご提案をいただいているというところでございます。
 以上、足早でございますけれども、資料1の目達計画に基づく対策の実施の進捗状況について、ご報告させていただきました。
 引き続きまして、資料2,中長期ロードマップ小委員会における議論の概要でございますけれども、まず、小委員会の西岡委員長に一言ご報告いただきたいと思います。

○西岡委員 4月から中長期ロードマップ小委員会が発足しております。その活動の経過を報告させていただきます。
 まず、4月の小委員会の前に、昨年の12月末から中長期ロードマップ検討会というのが開かれております。そこでは、住宅・建築物ワーキンググループ、自動車ワーキンググループ、あるいは地域づくりワーキンググループ、エネルギー供給ワーキンググループなどのワーキンググループがございまして、その会合が全部で24回、全体検討会が5回開催されたということで、非常に短い時間でございましたけれども、集中的なご議論を皆さんからいただきました。どうもありがとうございました。
 その内容を私が座長として全体検討会で取りまとめまして、中長期ロードマップのたたき台を作成したのですが、そのたたき台をもとにして環境省のほうが、地球温暖化に係る中長期ロードマップの提案、これは環境大臣試案ということで取りまとめを行いました。
 この環境大臣試案に対しまして、企業、NPO、国民各界各層からの意見を聴取して、その内容も踏まえながら精査を行おうということで、4月から中央環境審議会、この地球環境部会のもとに、中長期ロードマップ小委員会が設置されまして、これまで既に10回の議論を重ねております。その中でも2回から7回までは、企業あるいは団体へのヒアリングを行いました。その後、8回目には、主要な論点についての意見の整理を行った後、第9回目は経済影響分析についての議論を集中的に行い、その次の10回目では、技術積み上げモデルの暫定的な分析結果、あるいは国際的に議論されているクレジット・メカニズムについての議論を行っております。
 昨年度の取りまとめの際に議論のたたき台ということで取りまとめたわけですけれども、これにヒアリングで皆さんの関係なさっておられる各界各層のご意見をいただきまして、お陰様でロードマップが、さらに複眼的な見方からの検討になっているという具合に感じております。
 以上が経過でございますけれども、この議論の際の非常に重要な視点といたしまして、私のほうで、安定的な気候という環境資源の価値、これを守るために日本が国内外でどのような貢献をできるかといったことを念頭にまず置きたい。それから、低炭素社会構築に向けて世界がどっと動いているわけです。競争が始まっていると言ったほうがいいかと思います。日本が他国の追従を許さない低炭素技術、社会システムを持っているということをよく言われますけれども、さらにそれを強化して競争に勝っていくということは日本にとっても重要であり、それが世界を引っ張っていくことではないかと、そういう観点が2つ目でございます。
 全体として、このような状況では座して待っているというわけにいかない。高い目標を掲げて、日本の産業技術を引っ張っていくという観点からの検討も行いたいということです。ただし、すべての変革、大きな変化、大変な転換でございますから、摩擦というものは必ず生じます。それは直視してそれを最小にするための道筋をしっかりと考えていくことが重要と考えております。そのような態度で、現在、中長期ロードマップの作成をやっているということでございます。
 今後どのような議論をしていくかということでございますけれども、今後の重点といたしましては、実現可能性の精査をさらにやっていきたいと思っておりますし、また、具体的にどういう対策を入れていくかということについて専門の方々の意見をさらに入れていきたい。
 2つ目、経済モデルの分析でございますけれども、これは第8回で集中的にやったのですけれども、前提であるとかモデルの使い方とか、いろんな面が十分にまだ整備されていないなということを私も感じたわけでございます。これは学術的な議論をぜひ続けていただき、これを適切な活用方法を示した上で、また、こちらにもフィードバックしていただきたいという具合に考えております。そういうことで、経済モデル分析についてもさらに続けていきたいと考えておるわけであります。
 3番目でございますけれども、いわゆる真水を何パーセントにするかということで、第10回目ですね、今の海外におけるいわゆるクレジットの状況についても報告を受けた、そして検討をしたわけでございます。こういうものを勘案しながらさまざまな国内削減分、あるいはクレジットを購入したバランスといったものを検討していきたいという具合に考えております。これにつきましては、やはり単に国内での削減だけではなく、やはり国際貢献という観点が要るかと思います。
 4番目でございますけれども、環境と成長の関係、これは最近、特に重要になってきております。低炭素社会に向けていち早く日本が排出削減に取り組んだほうがいいのか、早いのがいいのか、あるいは革新的技術に期待して、後で大幅に削減したらいいのかといったような分かれ目にも来つつあるわけでございます。こういった点につきまして小委員会として重点的に議論していきたいという具合に考えておりますので、今日、これから事務局のほうから資料2を用いまして議論の概要についてご説明申し上げますけれども、さらによりよいものにしていくために、皆様のご意見がいただければありがたいという具合に考えております。

○地球温暖化対策課長 ありがとうございます。では、引き続きまして事務局のほうから資料に基づきまして、中長期ロードマップ小委員会における議論の概要についてご報告をさせていただきます。
 1枚めくっていただきまして2ページ、先ほど西岡委員長からお話がございました審議経過ということで、特に第2回から第7回、ここにございますような関係企業、団体、自治体、NPO等からそれぞれの取組状況、それからこのロードマップについてのいろいろなご意見をいただいているところでございます。並行してこのパブリックコメント、それから、全国7カ所における国民対話で直接ご意見もいただいているというところでございます。それも踏まえまして、第8回以降、論点の整理、それから第9回においては経済モデル分析についての議論、第10回についてはヒアリングを踏まえた新たな積み上げの試算、あるいはその国際貢献の評価の仕組み等について議論をしていただいております。
 まず、3ページにヒアリング、パブリックコメント、あるいは国民対話等でどのような意見をいただいたかということの取りまとめでございます。このいただいた意見の詳しい論点ごとの整理は参考資料2のほうで書いてございます。たくさんのご意見の中から、4つのポイントに絞って整理してございますけれども、まず最初は、やはりこのロードマップに盛り込まれているさまざまな対策について、その実現可能性の精査、それからそれを具体的にどうやって実現にしていくのかという仕組み、こういうものについて、さらに詳細な検討が必要であるというご指摘をいただいております。それから、経済影響分析については専門家を含めた検証をさらに行う必要があるというようなことでございます。
 それから3つ目、やはり少し大きな視点でこの対策を議論する必要があるということで、一つは25%について、必ずしも国内ですべて削減ということではなくて、国際貢献という観点からも議論が行われる必要があるんじゃないか。あるいは、この工場、事業場という排出主体だけから見るのではなくて、資源採取から廃棄までトータルでLCA的な観点でCO2を減らしていくという考え方が重要ではないかと、こういう観点を盛り込みながら、複数の国内外の削減という観点から複数の選択肢を示して検討を深めていくことが必要だろうということ。
 4つ目としては、環境と成長との関係ということで、2つの議論があったということでございます。一つはできるだけ早く低炭素社会に向けて日本が取り組むことによって、新たな市場雇用の創出、地域の活性化、あるいはエネルギー安全保障の確保ということにつながるということで、前向きに進めていく必要があるというようなご意見、それからもう一つは、やはり高い目標を設定するということによって企業の競争力の低下、あるいは国民の負担が大きくなるという面があるということで慎重に取り組む必要があるというようなご意見もございました。これについて、一定の共通理解を得ることが必要であり、あわせて関係するエネルギー基本計画でありますとか、新成長戦略、そういうものとの整合を踏まえた議論が必要と、こういうご意見をいただいているところでございます。
 次に8ページでございますけれども、7月15日に実施いたしました経済分析についての議論の概要ということでございます。これも参考資料3のほうに、当日出席いただいた方、あるいは個別にいただいたコメントをリストアップしたようなものを用意させていただいております。
 この日は、3月31日に発表いたしました環境大臣試案で取り上げた4つのモデルについて、実際モデルを動かしていただいている専門家の方からのご説明をいただくとともに、昨年政府で実施しましたタスクフォースに参加いただいた有識者、モデル専門家の方などにもご参加をいただきまして、幅広い観点から、このモデルの解釈、あるいはそのモデルの活用の仕方、モデルの限界はどこにあるのかというようなことについて、非常に活発な議論をいただきました。
 8ページにございますのは、そのご議論の中から今後の作業に当たって重要であろうということの整理をさせていただきました。
 まず、最初、大臣試案で用いた、あるいは紹介した経済モデルについて、4つのモデルについての理解を深めていただくというところの議論でございますけれども、税収を温暖化対策に積極的に活用するとか、さまざまな適切な政策を導入することによってGDPへの悪影響を緩和することができる。また、将来を見据えて投資行動を行うというような、あるいは技術革新を進めていくと、そういう効果を考慮することによってプラスの影響も及ぼし得るというような議論がございました。ただ、それぞれのモデルについては、まだまだ十分理解が進んでない面もございます。さまざまな前提条件、あるいはモデルの構造等について、一層の明確化が必要であるということでございます。
 また、結果の公表に当たりましては、研究者の意図をきちんと伝えるように、発表の仕方、前提条件等をきちんと示すことも含めまして、より細心の注意を払うべきというご指摘もございました。
 それから、2番目はモデルの限界ということでございますけれども、やはり分析結果というのは前提条件次第で大きく変わってくるということで、あるモデルの結果を一つの数値、そのものを過大評価するということは危険であるということで、むしろ感度分析というような考え方で、政策をやった場合、やらない場合について、モデルの中でどう影響が出てくるかということを大まかに把握するというような使い方が重要ではないかと。家計への影響ということで、1世帯当たり何万円増えるとか、減るとか、こういうふうにわかりやすいんですけれども、非常にわかりやすい表現をするということが、かえって誤解を与えるおそれがあるというご指摘もございました。
 今後のモデル分析の活用ということで、今申し上げたこととも関連いたしますけれども、分析結果が、数字がひとり歩きするという傾向があるということで、モデルの構造や前提条件というものを十分理解した上で、説明した上で結果を提示すると。また、一つの数字だけではなくて定性的にあるいは幅を持った形で結果を提示するということも重要であるということでございます。また、経済モデルというのは予測に使うということではございませんので、政策の評価手段として使う場合には十分慎重に使っていく必要があると。
 それから、小沢大臣試案では十分できていないものとして国際モデルによる分析、あるいは温暖化対策を行わなかった場合の温暖化による被害コスト、これはなかなか算定がまだ難しいところがございますけれども、そういうものも考慮した分析というものも、今後考えておく必要があるということでございました。
 このような議論を踏まえまして、今後のロードマップの検討の中で経済モデルを適切に使用していくということが重要だろうと思ってございます。
 それから、次9ページでございますけれども、ヒアリング等を踏まえた積み上げの試算、暫定版ということでございます。これも詳しい内容は参考資料4の中でご紹介してございますけれども、さまざまなご意見も踏まえまして、国立環境研究所AIMプロジェクトのほうで積み上げモデルの再計算といいますか、暫定的に試算を行っていただきました。この9ページにございますような原子力発電等、4つの項目について今回、主に見直しをしております。
 現在、この住宅・建築物、自動車、あるいは地域づくり、エネルギー供給など、各ワーキンググループというのを設けて、さらにこのロードマップに盛り込まれたさまざまな対策の実現可能性でありますとか、それを実現するための施策について精査をしてございます。そういうものの各ワーキンググループの検討結果というのはまだ十分反映できてございません。まだ、暫定的なものということで、今日はご紹介をさせていただきたいと思います。
 10ページ以降でございますけれども、まず、原子力発電については新たな電力供給計画がまとめられておりますので、それを踏まえてこのエネルギー基本計画も同様でございますけれども、2020年、2030年の新増設、あるいは設備稼働率について数字を変更してございます。
 それから11ページにございますように、産業部門における天然ガス転換、これがこれまでの試案には入ってなかったということで、これについて盛り込んでおります。
 それから3番目、世帯数でございますけれども、大臣試案に用いておりました世帯数の将来推計についてはこの11ページの右下でございますけれども、実際の世帯数の増加がそれを上回っているということでございますので、最新データに基づいて世帯数の増加率の想定については上方修正を行ったということで、この分若干排出量が増える傾向が出てきているということでございます。
 それから、12ページでございますけれども、高効率給湯器でございます。
 これについては、この大臣試案に盛り込まれた数字について、特に単身世帯に対する導入の困難性等、少し課題ではないかというご意見もたくさんいただきました。それらを踏まえまして導入量の見直しというものも、これもエネルギー基本計画における目標も勘案しながら見直しを行っております。少し下方修正をしてございます。
 それから、その高効率給湯器の中に含まれておりました燃料電池、いわゆるコジェネレーションでございますけれども、これについては100万台ということで数字を明示してございます。
 このような見直しをした結果として、13ページにございますように、新たな計算結果を暫定的に出してございます。2020年について、90年比15%、20%、25%という3つのケースについての積み上げ計算、それから、それらの対策を引き続き継続した場合の2030年の数字というものを今回、国環研のチームに試算をしていただいておるというものでございまして、これらをたたき台にしてさらに先ほど申しましたワーキンググループの結果等を踏まえて、さらに精査をしていきたいという途中経過ということでございます。それの内訳についてそのページ以降にございます。
 それから、次に19ページでございますけれども、国内の削減に加えまして、国際貢献による寄与というものも重要であるということで、我が国の技術あるいは製品を国際的に提供するということなどによりまして、グローバルな排出量の削減に貢献をしていくと。その貢献を適切に評価する仕組みについての議論ということも、このロードマップ小委員会の中で始めているところでございます。
 19ページにございますように、詳しくは参考資料5のほうで、資料がございますけれども、まずは現状のCDMの課題、あるいはそれの改革に向けた、どういう議論が行われているか、あるいはNAMA、セクター別クレジットなど、いろいろな新しいメカニズムの提案もされていると、そういう現状についてご報告をしてございます。
 また、4にございますように、我が国として途上国支援に関する「鳩山イニシアティブ」、あるいは新成長戦略の中でこの国際的な排出削減の貢献というものを謳ってございます。
 20ページ、21ページにございますように、この考え方については例えば21ページにございますように、温暖化対策基本法案の中でも、我が国の技術、製品の提供などによりまして、海外における排出削減に貢献する。それを適切に評価する仕組みの構築が必要であるということを位置づけているところでございます。
 具体的には22ページ、23ページにございますけれども、国連の枠組みに加えて二国間、多国間における協力、その中で排出削減に貢献をしていくと、そのような取組をいかに評価していくかというようなことが、今後課題になってくるということで、23ページにございますように、環境十全性をどう確保するか。あるいはMRV、あるいはコンプライアンス・エンフォースメント、こういう、やはり二国間とはいえ、第三者から見て信頼性の高いものにしていく必要があるということでございますので、そういう手法をいかに確立するかと。途上国に対する、例えば途上国のインベントリの整備についての支援なんかも必要になってまいります。
 ODAとの連携等を含めて、これからいろいろと議論をしていく必要があるかと思っています。ちなみに25ページにございますけれども、環境省としてもこれまでCDM、あるいはJIに関する調査、あるいは情報提供をやってまいりましたけれども、そういう枠組みの中で新たなメカニズム、NAMAあるいはREDO、こういう新たなメカニズムについての実現可能性でありますとか情報提供、そういうものも積極的に進めていきたいというふうに考えております。
 以上で説明を終わりたいと思います。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 大変、多岐にわたる内容となっておりますので、いろいろとご質問、あるいはご意見があろうと思います。委員の先生方、ご意見、ご質問をお持ちの方はネームプレートを立てていただけますでしょうか。
 それでは、横山委員のほうからお願いいたしましょうか。一回りこういう順番で。

○横山委員 ありがとうございます。
 まず、1点目は資料1の国民運動の実施のことでお尋ねしたいと思います。
 22ページ、「チャレンジ25キャンペーン」ですけど、1月にそれまでの「チーム・マイナス6%」にかわって新しい国民運動になったということですけれども、どんなふうに、どういう理由で新しいものに変わって、それでどんな効果が出てきたのかというようなことを少し説明していただければと思います。前の段階でも、予算がかなり少なくてほとんど盛り上がらなかったというようなことが言われているわけですけれども、新たに「チャレンジ25キャンペーン」はそういう弱点というものを克服したのかどうか、その辺を説明していただきたいと思います。
 自治体の温暖化対策をやっている方に聞くと、いろいろやりたいんだけれども、何をやっていいかわからない。国も県も何も言ってくれないというようなことで、自らの庁舎とか公共施設の温室効果ガス削減というのには取り組んでいても、一般の人たちを対象にしたものはほとんど手つかずの状態になっているわけで、国民運動の展開といっても、私は現場では全くそれが実感されていない状況じゃないかということで、お尋ねしたいと思います。
 それから、2点目は資料2なんですが、例えば10ページを見ると、原子力発電についていろいろと新たなことが公表されたので、少し変えてみたということがあって、これを見ると新増設を8基から9基に、それから設備利用率を85%にするというようなことがあります。しかし、一方で原子力についてはいろいろで、私もこれまでもこの会議でも何度か発言してきたんですが、いろんな不確定要素を含んでいるわけで、何でうまくいった場合だけをやっているのか、例えば現状のように60%の稼働率でいった場合どうするんだとか、あるいは、例えば地震や大事故が起こったときに何年間か原子力がストップすると、そういうときに一体、この中長期ロードマップというものはどうなるのか。私は前提がもう完全に崩れてしまうと思うんですね。その辺を抜きにして単に稼働率が80%、新増設が何基というようなことを言っているのは本当に理解できないです。85%、それから9基というようなことでやるのは構わないですけれども、万が一の場合どうなんだと、前提が全部崩れるぞというような議論をどうして行わないのか、その辺を改めて説明していただければと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 森嶌委員。

○森嶌委員 ありがとうございます。
 まず最初に、中長期ロードマップ小委員会が今までに大変精力的に作業を進められたこと、それから、今までなされたことに対して敬意を表します。その上で、今までになされなかったこと、落ちていることについて、コメントを申しますが、ただ、いつものようにクリティカルに物を言うということではなくて、最初に最大限立派なことをなさったということを褒めたたえた上で、今から申します。
 まず、ロードマップということですけれども、このロードマップのロードはどこへ行くのかは全然わからないと。確かに今まで低炭素と書いてあるんですけれども、低炭素社会でイギリスの低炭素社会と日本の低炭素社会とインドネシアの低炭素社会は、国環研のあれを見ると、区別はほとんどないので、我が国の低炭素社会というのは一体何なのかと。それから、例えば、ここにグリーンイノベーションとか、環境関連新規市場とかいろいろ書いてありますけれども、一体その中身は何なのかということは全然わからないで、ロードマップをつくってもどこに行くのかわからないと。したがって、例えば今までヒアリングをしておられるでしょうけれども、すべてがどこへ行くのかわからない。
 先ほどの横山さんもそうですけれども、国民運動も何をするのかわからないということで、さあ、投資をしろとか運動をしろとか言っても、何をするのかわからないと。これも短期ならば、まだうろうろしていれば済むんですけれども、中長期でそしてロードマップと言われて、どこへ行くのかわからない中長期のロードマップと言われて、それで今日のあれを見ても、いろいろ書いてあるんですけれども、住宅に投資をしろ、何とかにしろ、何とかにしろといっても、それじゃこれをやったら行く先はどうなるのかが見えないで、これでは全く戦略目標はなくて道がどこへ、海の底に行くのか、空に行くのか、行った先が泥沼なのかわからないでロードマップを見せられても、国民産業すべてのステークホルダーはわからなくなってしまうということになります。
 実を申しますと、私は民主党が案を出したときに、私は民主党のあるところに、一体どこへ持っていこうとして、どういう日本の産業構造とか、どういう社会をつくろうと思ってこういうことをなさったのか、25%というのは、その結果どういうふうなことを考えておられるのかと、そういうことはわからなくて、いろいろな環境施策をつくろうと思ってもそれは無理ではないかというふうに、私は書いて意見を出してお目にかかりたいと言ったんですけれども、出した途端にお目にかかってくださるということだったんですけれども、結局、今もってあれなんですけれども、田島副大臣に、ぜひともそれをきちっと出さないと国民は温暖化対策基本法も、結局、皆さんは、その意図は非常に多としますけれども、いろんなところでヒアリングでもいろんなところからいろいろ出てくるのは、結局行く先がわからないから、じゃあ、どうしようかということははっきりしないという、皆さんがNGOもそうですし、産業界もそうです。
 ですから、私はまず日本のそれから新成長戦略も見ましたけれども、全く漠としてどこへ行くのかわからない。だからそこでエネルギー基本計画との関係、整合性といいましたけれども、じゃあ、エネルギー基本計画がどういう社会をつくるためにこういう計画を立てて、そしてどういう成長をして、どういう社会を20年後あるいは30年後、50年後につくるということで、そしてそこで温暖化対策をやっていくのか。そこで西岡さんなんかは一生懸命モデルを使って計算をなさるのか。モデルというのは、結局与えられたものに対して、それのコストや何かを計算するわけですから、図が与えられなければ何ともしようがないわけです。
 それから、特に産業界などは、こういう社会にやりますから、だから投資をしてくださいと。何ができるかわからないところに投資なんかいたしません。痛みを分かつと言っても、どういうことになるのかわからないのに、痛みだけあれして、最後にどうもすみませんでした、申し訳ありませんでしたと言って、首相だけが変わったって、それはみんなやっておられませんから、したがって、私はこの中長期のロードマップに戻りますと、中長期のロードマップをなさるなら、まず、どういう具体的な社会にする、どういう産業構造を持った社会にするのかと。
 例えば、もう低炭素社会なら鉄鋼のような、あるいはセメントのような産業は日本にはもう要らないと、やめてしまうということなのか。それとも日本の国民を養うためには、これはこれでちゃんとやると、化学もやると。そこで、その中から、それはそれでやって、それをカバーするのをどういうところでカバーするのかということを、それで国民を食わせた上で、どういう革新的な環境技術をやっていくのかと。例えば太陽光だなんて軽々しく言いますけれども、太陽光発電はもうドイツではちょっと影が差しているとか、それから、風力などについてもいろいろ問題があるとか。これは20年、50年先をもつということを考えてやっておられるのか、それで、例えば建築……

○鈴木部会長 森嶌先生、簡潔にお願いいたします。

○森嶌委員 わかりました。私は小委員会の委員になっていませんから、この機会でなければ発言ができませんので、簡潔ということは結構ですけれども、基本的なことをやっておられないので、私は言わせていただきます。簡潔を心がけておりますけど。
 ぜひとも何のためにこういうことをやっているのかということをきちっと考えて、中長期というからには、きちっとした戦略目標を立てて、そのためにはどういうふうなことを議論していくのかという戦略目標を立てた上でそれを議論するためのロードマップをきちっとつくった上で、ロードマップの小委員会をやらないと、何のためにこういう議論をしているのかわからない。そうだとすれば、産業界も国民も、私はついていかないし、環境税や排出権取引の議論をしても、いろんなところから議論が出てくるだけで結着はつきませんということを、私は申し上げたい。
 もう少し時間があれば、私はもう少し詳細にいろんなことを申し上げますけれども、鈴木部会長の言論統制がありますので、私は委員ではありますけれども小委員会の委員ではありませんので、これで終わらせていただきます。

○鈴木部会長 ただいまのペースで委員の方々にお話しいただきますと、多分夕方までかかってしまうと思いますので、大変恐縮ですが、大体2分間ぐらいを目処にご意見を、あるいはご質問をいただきたいと思います
 では、三橋委員。

○三橋委員 資料1と資料2について、2つずつ質問したいと思います。
 一つは京都議定書の目標達成は大不況という神風に支えられて、何とか実現できそうだという事実を喜んでいいのか、むしろいびつな日本経済を悲しむべきなのかということを最初に申し上げた上で、2008年度、2009年度のGDPと温室効果ガス(GHG)の前年度比伸び率の比較をぜひ提出してください。日本の場合は、不況になって失業が非常に増えて経済が停滞すると、CO2の排出量が削減する経済であることが、非常に鮮明に分かります。リーマンショック前の数年と、リーマンショック後のGDPおよびGHGの90年比伸び率もぜひ提出してください。これが第1点。
 2番目はエコポイントの件です。私もエコポイントを利用してみましたが、実に手続きが大変です。それだけエコポイントの手続きに多くの人を使っているのではないか、其れに伴って人件費がかなりかかっているんじゃないかというような感じがしました。エコポイントを取得する手続きのためにかなりの人件費がかかっているとすれば、本末転倒、そのやり方はおかしいのではないかと思います。エコポイント取得のための人件費がどのくらいかかっているのか、その辺をぜひ明快に説明してほしいと思います。
 それから、資料2。中長期ロードマップについて、2つほど質問があります。
 一つは3月時点では中長期ロードマップは20年と50年を目標にした説明がありましたが、だいつの間にか50年が消えて30年になっている。この辺はどういう事情でそうなったのかを説明していただきたい。もちろん、50年という目標があって20年と50年の間に中間の30年を入れるということは私は賛成ですけれども、しかしなぜ50年が消えてしまったのかということですよね。
 温暖化対策基本法(案)にも50年の目標が書かれているわけですから、中長期ロードマップ小委員会がその基本法に基づいたロードマップをつくるとすれば、やはり50年のロードマップはぜひ必要ですよね。私の個人的な考えで言えば、30年までは割と予測はしやすいと思います。しかし30年から50年にかけては人口が大幅に、年率で1%ぐらい減少していく。場合によっては森嶌さんがおっしゃったように、2050年には鉄鋼は日本からなくなってしまう、そういう可能性だってあるかもわからない。非常に大きな構造変化が30年から50年の間に起こると思いますが、だからと言って50年目標を避けて通れないと思います。う今回のロードマップで、50年が落ちて30年止まりになってしまったことに対して、違和感を持ちます。
 最後の1点は、中長期ロードマップの作成に当たっては効果がでるまでに一定のタイムラグがあることを考慮すべきです。政策を実施した場合に、それが効果を上げるまでに例えば5年から10年かかる場合があります。最初の5年ぐらいは効果がほとんど見られないような場合もあるわけです。そういうことも考慮して中長期ロードマップをつくらないと、政策を実施しても、短期的に効果があがらないと、その政策が間違っているのではないかという批判がすぐ出てきます。そうした批判に応えるためにも、ロードマップの中に「政策のタイムラグ」について、言及しておくことが必要だと思います。

○鈴木部会長 桝井委員どうぞ。

○桝井委員 私は、資料2の中長期ロードマップの議論の概要について、若干の意見と質問をさせていただきたいと思います。
 この3ページ目に下から2つ目の丸、私も全くこの見方に賛成します。25%削減というときに、日本一国、あるいは事業、工場というのではなくて、もっと大きな視点で見るべきだと、全くそうだと思うわけです。この視点からいくと、ここにも書いてありますが、これの24ページにやはり東アジア、特に中国を中心とした東アジアの重要性という中で、恐らく一国よりもっと大きな視点でというのは、ポイントがあるべきではないかと考えております。
 そこで質問なんですが、現在、欧米、アメリカの排出量取引を含めて、これはどうも難しい、今年度内、あるいは欧州もなかなか苦労しているという中で、やはり一つ注目すべきは中国で排出量取引というのについて、かなりおもしろい動きが起きているのではないかと。ここのところは、中国は排出量取引というものを恐らく国際間も含めてどのように考えて計画をつくろうとしているのか、この辺が今申し上げたような視点の中で環境省を含めてどのように考えておられ、あるいは日本の排出量取引を考えていくときに、またそこらの部分をどのように位置づけようと考えておられるのか、そのあたりをお聞きしたい。
 中国の話での排出量取引というと、まだ海のものとも山のものともというふうに思われがちですが、欧米の動きの停滞する中で、ここの部分、結構大事な点が含んでいるんじゃないかと思いますので、そこらをお聞きしたいと思います。

○鈴木部会長 福川委員どうぞ。

○福川委員 簡潔に質問を2つと意見を2点申し上げたいと思います。
 まず質問の第1は、この資料2の2ページでヒアリングをなさっておられますが、業界団体、あるいはシンクタンク的な機能のものはよくわかりますが、個別の企業を幾つか取り上げられており、また港区などは取り上げられていらっしゃいますが、個別の企業というのはどういう基準で選んでこういうことを、ヒアリングをなさったかというのが質問の1です。
 2つ目は資料の22ページに、これは成長戦略との関係で50兆円の新規市場と140万人の雇用増ということが成長戦略との関係で書かれておりますが、これまでのご検討の結果でこれが整合性あるものという論証ができたかどうか伺いたいと思います。25%削減というのは、現実的に国際社会ではほとんどそのように動いていないわけでありますが、そういう前提でこういうことをすることが果たして意味があるのかどうかということも疑問に思いますので、この辺の整合性、作業の整合性をお伺いしたいと思います。
 意見の2点は、こういうロードマップの作業というのは、今いろいろご意見がありましたが、大変難しい作業でございまして、しかも広範な視野が必要になります。そういう意味で、ちょっと視点として申し上げてみたいと思いますが、第1点はやはりこういうものをやるときには定量的な予測と、定性的な分析と、そしてマクロ面とミクロ面と、それから、政策的な採用の可否と、これを組み合わせてやらないと、こういう先行きのことはできてこない。いろいろそこに前提があることも申すまでもありませんので、やっぱりそういう幾つかの前提を置いた形で今の定性、定量、マクロ、ミクロ、そして政策効果というものをあわせて分析をしなければいけないと、このように思うわけでございます。
 政策を考えるときに重要なポイントは5つありまして、1つは必要性があるかないか。2つ目が有効であるかどうか、有効性の問題。3つ目が全体の政策体系の中で公平であるかないか、公平性の問題。そして4つ目は、副作用があるかないか。これは例えば高速道路料金の無料化などはその一つですが、政策というのは、ある必要性があっても反対に反作用が起こる可能性が十分あるので、その評価が必要だということであります。5つ目のポイントは行政コストが高いかどうかということでして、例えば、まさに排出量取引などをすれば相当行政コストがかかります。これから行政、いろいろ無駄の排除ということがありますが、政策効果を考えるときにやっぱり行政コストがなるべく低いものを選ぶと、こういうことが必要になると思います。
 そういった政策的な評価を加えた形でマクロ、ミクロ、定量、定性等を考えていく必要があるというふうに思います。
 この作業をする上での私の意見で、もう一つは技術革新をどう評価するかという問題でございまして、この技術革新というのは、リニアで上がるのではなくて、段階的に変わっていきます。したがって、なかなか予測が難しい。技術予測はいろんな手法がありますが、技術革新はなかなか予測が難しい。これもまた非常に政策的な影響を受けるということでございまして、例えば環境税を取って技術革新にする、あるいは投資減税にするということもあると思いますが、この技術革新をどう予測するか、それをどう実現するかというところの手段で非常に大きく変わってきます。そういうことを視野の中に入れて、作業をお進めいただきたい。
 以上です。ありがとうございました。

○鈴木部会長 永里委員。

○永里委員 ありがとうございます。
 まず、中長期ロードマップ小委員会に対して、ご苦労さまと申し上げます。本当にご苦労さまということを申しあげた上で、そして、かつ資料2のページ3には、こちらが言いたいことが示してあって、それはそれでいいという前提の上で、さらに検討してほしい点を私はここで述べたいと思います。
 それは、何よりも環境と経済の両立が重要であるということを、考えておりますので、25%削減というような数字が出ておりますけれども、これは国際的に公平な観点に立っているのか、公平な観点に立った議論を積み重ねた上で中長期的なロードマップの数値を示すべきではないかと思います。例えば、削減に要するコストの議論を徹底的に詰めているのだろうかと気になります。
 削減するためのロードマップを示す場合、削減量とそれにかかるコストをシミュレーションして国民に明らかにすべきではありませんか。そして、主要排出国との限界削減費用がほぼ同程度の目標数値を定めるのが国際的に公平なことじゃなかろうかと考えております。
 もう1点は、触れてはありますが、LCA的発想で温室効果ガス削減の果実を分配する評価システムを構築していくことが重要じゃないかと思います。一般的に言えば、製品、サービスやエネルギーを生産するところは必ず、エネルギーを使用するので温室効果ガスを排出します。そこで、産業構造の違いによって、エネルギー多消費産業の多い国では温室効果ガスを多く排出します。
 日本がその例です。生産する側が省エネ等で削減するのは当然です。そういうことを今、日本はやっておりますが、使用する側が製品やサービスやエネルギーを必要としているわけですから、使用する側で削減する努力をやっぱりしなきゃいけないわけです。
 で、低炭素社会を目指すのであれば、グローバルにそれを目指すのであれば、生産する側の技術開発によって、使用する側で削減できた分は生産した側の削減相当分としてカウントするシステムを構築するべきではないかと思います。こういう観点を踏まえて、さらに議論を進めていってほしいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 関田委員。

○関田委員 ありがとうございます。鉄鋼でございますけれども、エコプロセス、エコプロダクト、エコソリューションの推進と中長期技術開発に取組んでおります。これは小委員会のヒアリングの場でもご説明申し上げました。資料2の3ページから5ページに、今、永里委員からもご指摘がありましたように、さまざまな意見が出されております。これらを尊重した施策づくりということをお願いしたいと思います。
 一つ、これは質問というか疑問でございますけれども、ロードマップで示された経済効果が大体足し算だけのように見えるのですが、引き算はないのかと思います。例えば、後の議論にありますいろんな規制とか、税の問題とか、それに伴う日本の製造業の競争力ダウンとかいう、そういうマイナスの要因というはないのかなと。それから、足し算にでは、新しいエコビジネスというものが足されております。ちょっと調べてみたところ、太陽電池のセル、モジュールというものがございますけれども、これらは2008年まではほぼ全部、メードインジャパンでございましたが、2009年に入りますともう輸入が10%を超えているような状況です。従いまして、そういう足し算についても過大評価してないのかなというのが素朴な疑問でございます。これは一つの例でございますけれども、その辺のお答えを願えればありがたいと思います。以上です。

○鈴木部会長 須藤委員。

○須藤委員 ありがとうございます。地方公共団体の温暖化対策にかかわっているものとして3点ほど申し上げたいと思います。
 1点目は基本法が廃案になって、大変、地方も影響を受けて、何となく足踏みをしてしまっているという状況で、やはりこの見通しをきちっと出していただかないと、やっぱり国民1人1人にその気にさせるというのが自治体の役割なので、様子を見ようと、こういう感じになってしまっている部分がかなりありますので、そこはご注意いただきたいと思います。
 それから、2番目はCO2の排出量で家庭部門も大分、この2008年下がっているんですが、国民運動等を通して、そのうちどの程度が今の国民1人1人の努力でなっているのかが、少し明らかになるようにしていただきたい。例えば、サマータイムのことも、今まで私もここで随分申し上げてきているんですが、ほとんど検討されない状況であるわけですが、やはり社会実験なんかを通すと結構効果があるので、その辺のところがなぜ、こういう問題についての対応なり検討が進まないのかというのを2点目に申し上げたいと思います。
 3点目は資料2の、ロードマップ、大変しっかりやっていただいているのでよろしいのですが、ロードマップに入る前に低炭素社会の構築ということについて、本当に国民がどの程度知っているのかというのはいつも私は疑問に思っています。9割以上の人は知らないんじゃないでしょうか。そういう意味では、低炭素社会というものについて、先ほどいろいろな先生のご意見もあったんですが、やはりもうちょっと意識啓発をきちっとやっていただきたいと、こういうふうに思います。
 で、実は、私、先週1週間ほど中国に行ってたんですが、中国ではあれほどの経済成長のある国なんですが、繁華街に「低炭素適切消費」という大きな看板が繁華街でところどころ見られるんです。そういう意味で、中国でさえそういう意識啓発が進んでいるということだけ申し上げて、我が国で看板で「低炭素社会」なんて書いてあるところはあまりないんじゃないでしょうか。
 ということで、ぜひ、その辺のところはよその国のことであっても参考にしていただきたいと、こういうふうに思います。
 以上です。

○鈴木部会長 亀山委員。

○亀山委員 亀山でございます。ロードマップについて3点、簡潔にコメントさせていただきます。
 まず第1点は、もう何名かの先生方から既にご指摘がございましたが、計算する年次を2020年という単年ではなく、2030年、あるいは2050年までを通してコスト計算をしたり、あるいはどのような社会を構築していくのかというような絵を描いていくべきだと思います。この観点は特に2020年時点でどれぐらいを、国内のいわゆる真水と呼ばれる部分で達成して、どのぐらいの割合を外から買ってくるのかという議論においても非常に重要な観点で、単に2020年だけで計算をすると、恐らく外から全部買ってきて達成したほうが安いみたいな結論になりがちなわけですけれども、その場合に2030年により大変になっていくというような、時間的なダイナミズムを考慮に入れた見せ方ができるようになればいいなというふうに考えます。
 第2点は、他の国との比較、衡平性と呼ばれる比較において、必ず不確実性が伴うのは次の3点であると、一般的に言われております。一つは国際バンカーフュエルの扱い、今のところ、どの国にも国際バンカー油は入れてないわけですけれども、入れていこうという議論がある中で、それを含めた場合に、どれぐらいコストが変わってくるのかというのが1点。第2点目が海外からのクレジット購入をどのぐらい見ているのかという点。第3点が国内の森林吸収源をどうカウントするかという点、これも今は京都議定書ルールでの算定方法となっていますが、このルールは変え得るわけですので、その不確実性が伴います。
 それで、恐らく今回の議論でより反映されるべきは2点目と3点目で、2点目についてはお配りいただいた資料2の19ページのように、例えば我が国の技術や国際貢献が反映されるようなルールはないかというような検討をされているのはわかるんですけれども、特に森林について、よく言われているのは、国際的なREDDという議論で注目を浴びている途上国の森林は非常に安いんですけれども、我が国内の森林を管理しようとするとすごい高いと。コストだけで見てしまうと全部、海外の森林を守ったほうが安いわけですけれども、一般の方と話をしていると、10倍値段が高くても日本の国の里山を守りたいというようなご意見をよく聞くんですよね。ですので、やっぱりそういうのって、恐らくコストだけでは比較できなくて、林業再生みたいなのも含めて総体的に考えていかなければならない。これはもしかしたら、環境省ではなくて農林水産省、あるいは林野庁の管轄の議論かもしれませんが、ぜひ協調していただいて、全体合わせて25%というのを目指していただきたいという点が2つ目であります。
 あと3点目で、何回かLCA的な計算という議論を、本日この場で耳にしましたけれども、別の観点からLCAという考え方がありまして、どういうことかというと、よく中国とか南アとか、インドが主張しているのは、彼らはLCAをぜひ分析してくれと。それで、自分たちは世界の工場になって、自分たちが排出して、先進国の人たちがその製品を使っているんだから、その分は先進国から途上国に対してクレジットが移転されるべきだというような議論をしています。ですので、そのLCAという議論は非常に注意しなきゃいけなくて、下手をするとむしろ、新興国と呼ばれる国々にとって非常に有利なルールを導き出すきっかけともなりますので、扱いを注意しながら、ただしかし、先方からそういう意見が出てきたときに、こちらはデータを持っている必要があると思いますので検討は必要かとは思いますけれども、ルール次第かなというふうに考えるわけであります。
 以上です。

○鈴木部会長 逢見委員。

○逢見委員 ありがとうございます。これまでの委員の意見と若干かぶる部分もあるかもしれませんが、ご容赦願いたいと思います。
 まず、資料2の3ページから7ページですか、中長期ロードマップに関する意見の整理が行われております。大変よくまとめられております。国民がこのロードマップに対してどういう関心を持ち、あるいはどういう期待をしているかというのが非常に端的にわかります。特に、3ページの一番下の丸のところで、環境と成長の関係について、いち早く日本が取り組むことが成長や活性化につながるという観点と、それから、あまり高い目標を設定することが企業競争力の低下や国民の負担につながるので慎重にやるべきだと、両方の意見がございますけれども、恐らく、これが今中長期ロードマップの議論に関して、強い関心と懸念を持っているところだと思います。
 そういう意味で、中長期ロードマップの小委員会がこうした2つの意見に対して、報告自体はそこに別に結論を下す必要はないと思いますけれども、国民がそういう点について共通理解をする上で必要な検証を定性的、定量的に行う。で、最終的には政治の判断になるでしょうけれども、どういう道をたどっていったほうがいいのかということが、国民にとっても判断しやすいものをつくっていただく、そういうことを小委員会に期待したいと思います。
 そういう意味で、これもほかの委員が触れられたところですけれども、既に政府が新成長戦略を示しておりまして、そこで、グリーンイノベーションによって成長と雇用の創出が可能だということを言っているわけですが、それと、この中長期ロードマップとの整合性がどうなるのかというのは非常に重要だと思いますので、そこに配慮して作業をしていただきたいということ。
 それから、もう一つは国際貢献、途上国支援といった部分について、これを、日本が国内でやる部分がまずあって、そこで足りない部分を海外で補うという発想ではなくて、これは温対基本法の中にも考え方を書いていますけれども、日本が国際社会でどういう貢献ができるのかということが必要だと思います。国際貢献も、国内で実施する対策と同じくらいのレベルで重要だと思いますので、そうした二国間、多国間協力という中で日本が果たすべき役割についても中長期ロードマップの中できちんとした位置づけをしていただきたい。またそうした国際貢献のやり方が現在の京都議定書のルールの中でうまく機能しないのであれば、それはこれに代わる新しいルールの中で、そういうものが生かされるものを提言していく、そういう素材になるような報告をお願いしたいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 及川委員。

○及川委員 この部会ですけれども、地球温暖化を極力抑えていくためには、どのような対応を我が国として、とればいいのかということを論議する場であるというふうに、私自身が認識しております。
 そういった考えを進めるためには、一つ重要な点は、科学的な根拠をしっかり持って、そして体系的に論議していくということが重要になるんではないかというふうに考えております。
 国際的に言えばIPCCですね。気候変動に関する政府間パネルということで、論議が進んでおりまして、既に4回ですか、レポートが出されているわけです。ワーキンググループ1では、実際に温暖化がどの程度進んでいて、それがどのような形で現れているかということを科学的に評価するというのが、ワーキンググループ1。そして、2に関しましては、その影響がどのように現れているのかということを評価しております。そして、第3がそういった影響にいかに対応していくか政策を考えると、そういった構成になっていると思うんですね。
 それで、今日、お話のありました中長期ロードマップというのは、ワーキンググループでいえば2と3に対応するものであろうというふうに思います。
 とにかく、国際的な論議を踏まえた上でなおかつ日本独自といいますか、中心的になるような考え方、政策というのを打ち出すことが大事ではないかというふうに思うわけです。環境省ではもう20年ほどになると思いますけれども、地球環境研究推進費というのをつくられて、地球環境に関する研究費、多面的にサポートしてこられていて、大きな成果を上げているというふうに私は思っております。こういった成果の中からも、この地球環境に関係する政策なんかもいろいろ考えられる素材が出ているのではないかと思うんですね。
 そういったことで、そういうことをうまく汲み上げるようなシステムというのを環境省としては、お考えいただきたいというのが私の意見といいますか、希望でございます。

○鈴木部会長 浅野委員。

○浅野委員 まず、資料1についてですが、先ほど三橋委員も、経済状況とCO2削減との関係もあいまいだというご指摘があったわけですが、その要素と政策効果の双方がきいてきて効果を上げてきたと言えるのではないかと思われます。ちょっと、ないものねだりという感じがしないわけでもありませんが、 どうやら何とか6%はいけそうだというような見通しも立ちそうな気もするこの段階で、これまで取られてきた政策・施策がどのような点で効果を上げてきたかということについて、今までの実績を素材にしてさらに検討することが必要ではないかと考えます。
 もう一つは、横山委員やあるいは須藤委員がご指摘されたように、自治体との関係ということもありますが、本日示されたこの目標達成計画点検の中の「今後の展開」の項に出ていますように、都道府県あるいは地域の温暖化防止センターを活用してというようなことが言われています。
 この点については、本当に地球環境局としてきちっと考えていただかなければならないと思います。温暖化対策センターについては地球環境局として、これをどのように運営するのだということに関しては、必ずしも明確に方針が示されていませんし、一方では事業仕分けで予算が削られるといった調子で、現場のセンタ ーはやりづらくてしょうがないという状況があります。
 少なくとも2008年から2012年までの6%削減という段階なら、ある程度国民の努力みたいなものに依存しておけば何とかなるという面があったかもしれませんが、最終的には80%削減というような話をするときには、ただ単に国民の努力で頑張りましょうで実現できることには限界があることは間違いないわけですから、究極的にはこういうセンターをどういう組織にしていくのかということを今のうちから考えなきゃいけないと思いますし。当面、とりあえずここに出ている案はい い案だと思います。つまり単なるイベントもので啓発普及するだけでなく、着実に、例えば個々のサイトでどういうふうな下げ方をすればいいかというを、技術的にもアドバイスができるようなシステムを定着させるというという案はいいアイデアだと思います。これからはそっちの方向に動いていかなくてはいけませんから、一遍 地域の温暖化防止センターのありようを再検討して、きちっとしたシステム的な取組ができないようなセンターは何とかしなくてはいけない。ただ、イベントだけやっているというセンターでは困るだろうと思います。これは、早急に検討する課題として浮かび上がってきたのだと思います。
 資料2についてですが、これも三橋委員がご指摘になりましたしそれから亀山委員もご指摘になったのですけれども、やはり2050年80%と基本法案に書いてあって、そこを最終的にとりあえずは着地点として、それまでの途中経過を考えていくと2020年はこうで、30年はこうですと、そういう発想を今まで頭の中に持っていた者の立場から言うと、とりあえず仕事をするという上でいきなり50年の議論はできないからこういうことになったのだろうという察しはつきますし、やむを得ないと思うのではありますが、最終的には2050年の目標をしっかり見ておかなきゃいけないのではないかというご指摘は、そのとおりだと思って聞かせていただきました。
 最初に出されたイメージが強過ぎたものですから、いろいろと心配もあったのですが、この報告を丁寧に見ていると、経済モデルについても今度は丹念に議論をされていますし、それから、複数案をきちっと検討するという方向になってきていますので、そういうふうなことも含めたデータが出てくることはとてもいいこ とだと思います。これから先、冷静にちゃんと同じ土俵の上で議論ができるような材料をそろえていかなければいけないのですが、これまでのところは、ただ、この辺のところまで数字としてはつくれるだろう、あるいはつくらなければならないだろうということを計算しておられるだけです。この先、ロードマップ小委員会は大変 だと思うのですが、具体的に、じゃあ、それをどう進めるのかということを考えなきゃいけないのですが、それらを果たして本当にロードマップ小委員会だけで全部担えるかといえば、かなり難しい面もあると思います。やはり最終的にはパーツパーツで議論をしていることのきちんとした組み合わせができないと実行可能な政策に はなりませんので、そこら辺を審議会として最後どういう形で取りまとめていくかということがこの部会としての最大の課題なのではないかと思われます。

○鈴木部会長 浅岡委員。

○浅岡委員 最初に自治体の関心ですけれども、京都府京都市におきましては、国の施策が進むということも前提にしながらですけれども、2020年25%削減、2030年40%削減、2050年80%と、そういう目標を条例化も進めて施策を進めるということで、今、動いております。
 これは、経済界も一緒になってやっておりますので、田島先生にはぜひとも、国の土台となる仕組みがしっかり動くというふうにお願いをしたいと思っております。
 今日の資料につきましてですけれども、1につきまして、私は、5ページのところで、直接排出のデータを出していただいたと、こういう観点から、電力問題をどうするのかという観点から問題が見えるようになってきたということは、よくなったなと思います。
 8ページから12ページまで各部門についての分析をしておられるんですけれども、ちょっとこれは、先ほど三橋先生のお話にも関わりますが、産業部門と電力部門の分析の仕方とそのほかの運輸、業務、家庭と、ちょっと違うと思います。それで、産業の部門につきましては原単位問題、そして活動量の変化はどうなっているのかということで8ページをつくっておられますので、運輸、それから業務、家庭等につきましても同じ観点からやっていただきますと、施策評価をしていくための土台としての資料が出てくるのではないかというふうに思います。先ほどのお話のところです。
 また、なぜか、家庭、業務につきましては、エネルギー源、燃料源について分析があるんですけど、産業と電力につきましては、そのエネルギー源、燃料源についての分析がありません。
 今回の分析では、石炭問題をこれまでかなり議論してきたと思うんですけれども、その視点が何かとても欠落しているように思いまして、そういう点でもう一度見直していただければと思います。
 そういうこととも関連するんですが、資料2の関連で、やはり産業、電力部門にどれくらい余地があるのかということをよく見ながら、どれくらいの目標を20年、30年と考えるのか。国の目標との、そうした部門の関連性というものも見ていかないと、次の取引量取引制度を考えていきますときの、どれぐらいがそうした施策の対象なのかというあたりがなかなかとらえにくい現状、ロードマップになっているのではないかというふうに思います。
 また、電力部門での削減というのはロードマップでは大きくとっていただいて、それは重要なことですが、先ほどの横山委員のご指摘がありましたように、やはり原子力にあまりに依存し過ぎているという部分については、大きな不安材料なのではないかと思います。

○鈴木部会長 相澤委員。

○相澤委員 ありがとうございます。まず、全体として中長期ロードマップの検討におきましては、3つの点、国際的公平性、あるいは国民負担レベルの妥当性、それから実現可能性といったことを確保するということが非常に重要である。改めて、もう一度これを考えてみたいというふうに思います。これが確保されないということになれば、やはり90年比25%について、改めて現実性を踏まえた議論というのも必要になってくるのではないか。そのぐらい重いものではないかなというふうに思っております。
 そういった意味で3点について見てみますと、現在の検討の中では1点目の国際的公平性という点、どなたか委員からもご指摘がありましたが、少し議論が足りないというか、全く出てきていないということでございます。今後、この点につきましても議論を深めていく必要があるのではないかなというふうに思います。
 2点目の国民負担レベルの妥当性につきましては、これは大臣試案で用いられた経済モデル、これをより広く深くして、あるいは西岡委員からもご指摘がありました、さらに一歩進んだものを待つ必要があるというご意見もございましたが、例えば昨年のタスクフォースで用いたものを深く検討に使って、差異をつまびらかにしていくということも一つの手ではないかなというふうに思います。
 それから3点目の実現可能性ということにつきましては、産業界を含む関係者、有識者の皆さんへヒアリングを行っていただいたことは非常にありがたいことで、評価申し上げるわけですが、せっかくいろいろ出てきた意見でございますので、ぜひ真摯に対応していただきたいと思います。例えば電源で見ますと、原子力が増えれば、負荷調整機能を持たなくてはいけない。火力もある程度の比率は必ずなくてはならなくなりますので、そういったベストミックスという観点、電源の構成という点でも少し議論を入れて高めていただきたいというふうに思います。
 技術的に可能な量を超えた削減ということは不可能でございますので、その削減ポテンシャルを今まで以上に重視して、もしできないのであれば、できないということを重く受け止めなくてはいけないというふうに思います。その結果、海外からのクレジットを購入することになりますので、経済、雇用、地域経済、財政などに影響は大きいということになり、この辺も重要になってくるのではないかというふうに思います。
 同様に、大臣試案に盛り込まれました排出量取引ですとか、温暖化対策税、それから固定価格買取制度、この辺につきましてもこういった影響について慎重な検討が必要であるというふうに思います。今後の議論が必要ではないかというふうに考えております。
 最後に副大臣からお話がありました二国間取引につきましては、これは我々としては非常にいいものであって、ぜひ推進をしていただきたい。課題も多くございますので、今後議論を活発にしていただいて、枠組みの構築、あるいは推進に期待をしている次第でございます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 大変、たくさんのご意見をいただきましたし、また、ご質問もございました。
 すべてまとめることはいたしませんが、やはり、なかんずく重要なのは、中長期ロードマップについて、なぜこれを考えなくてはいけないのか。何となく低炭素社会というイメージで動いていくというよりは、やはりIPCCの報告書、これもまたいろんな議論があるかもしれませんが、これに基づくとこのままでいけば大変なことになるということは、皆さんよく理解されているんだろうと思います。したがって、2050年というような、これも2050年でいいかどうかわかりませんが、地球全体として50%削減はもう必須である。それに伴って、我々としては80%以上の削減をしなくてはいけないという、こういうこれは縛りだといいますか、境界条件として、こういうものが与えられているわけですね。
 今、できるかできないか、今の産業構造あるいは社会構造の中でできるかできないかという議論をしている場合ではない。それをするのは中長期ロードマップの小委員会でなくていいと思うんですね。いわゆる中長期ロードマップ小委員会は2050年に80%削減するための通過点として2020年、あるいは2030年にこういう目標をお立てになるとすれば、やはり最終目標をしっかりと持って、そこで全く質の違う社会がどう生まれていくのか、これを考えていただかなければいけない。
 ただ、その質の違う社会を考えるときに、現状の社会をつくり上げている産業構造、あるいはいろんな意味での雇用、その他の観点からの視点がそれだけの想像力を、イマジナティブな力を発揮できるのか、それだけの能力があるのかどうか、その辺がむしろ問われているわけで、現状のままではできませんという話は山ほどあるかもしれませんが、それを乗り越えてやるとしたら一体どういうふうになっていくのか、そういうところを、多分お出しいただくということが一番主要なところではないか。
 しかしながら、そこに至るための問題点を、現実の立場から明解にお出しいただき、また、国際的な観点で一体日本はどういう役割を果たしていくべきかと、そういうところをしっかりと国民にわかりやすくお出しいただく。いかに大変なことかということを、やはりお出しいただくということが大事なのではないかと、そんなふうに感じます。これは易しいことではないので、もちろん井戸端会議でできることではありませんから、しっかりとその辺を小委員会という場でご議論いただければと、そんなふうに思っているわけであります。
 いろいろとご質問、ご意見、また小委員会を超えて、多分田島副大臣にあてたご質問もあったのではないかというようなこともございますので、少しレスポンスを。

○田島環境副大臣 それぞれにご発言いただいた委員の先生方、ありがとうございました。多分、まだこの先続く議論の中でご意見をいただける委員の方々もいらっしゃると思うわけでありますが、おおよそ今お聞きいたしましたご意見等々、なかなか総括して一言で申し上げるには非常に難しい、いろいろな幅のあるご意見をいただいたのではないかというふうに思っております。
 ただ、私どもも本当に満を持して提出した地球温暖化対策基本法案が廃案となってしまった今にあっては、なかなかこうした中長期ロードマップも、また今後の温暖化、温室効果ガス排出量の削減についてもなかなか力が入らない、足踏みしているのではないかというご指摘もありましたけれども、本当にじくじたる思いでおるのも事実でございます。ただ、待ったなしの状況にある現在のこの温暖化の状況は、今日、お越しいただいている委員の先生方、そして傍聴席にいらっしゃる皆様も同じような思いでいてくださることだというふうに思っております。
 もちろん公平感でありますとか、現実的な目標の設定、また妥当性等々、いろんな課題が正直ございます。一つ一つをここでご披露申し上げても、時間が本当に足りないところではありますけれども、ただ、こうした状況の議論が、ご質問の中にもありましたが、今後どのような社会をつくっていこうとしているのか、中には大変厳しい現実を押しつけられることも考えられると思います。私どもはこうした状況をむやみやたらと想像力を働かせるだけで、その社会構造を転換させるであるとか、また、私たちのライフスタイルのあり方を強要するようなことがあってはなりませんし、しかしながら、それぞれの業界や、またセクターが努力をいただいている、その積み重ねで低炭素社会をきちっとつくり上げていくことが何よりも大切ではないかというふうにも思っておりますし、また、行政という立場でどのような協力、また努力が重ねられるかも、今後皆様のお知恵をしっかりといただきたいというふうに思っております。
 まだまだ、皆様のほうから建設的なご意見がいただけるものというふうに期待をしておりますので、後半、どうか皆様からもいろんなご意見を、またさらにいただきますようにお願い申し上げたいと思います。

○鈴木部会長 それでは、事務局のほうから、いろいろなご質問に対して回答などありましたら。

○地球温暖化対策課長 たくさんのご意見をいただきまして、今後の進め方につきましてもご意見をいただきました。これについては、きちんとまた小委員会のほうにフィードバックいたしまして、今後の検討の中で対応してまいりたいと思います。とりあえず、時間もございますので、ご質問の関係につきまして幾つかお答えしたいと思います。
 まず、これはご意見にも関連いたしますけれども、2050年の話、あるいは将来の姿が読めないというところでございます。今回のご報告、ちょっと中途半端といいますか、とりあえず2020年の試算のやり直しについての変更点をご説明いたしまして、2050年、当然ロードマップの検討の中でも、80%削減ということで視野に置いております。ただ、ちょっと今小委員会の議論もまずは2020年のほうを先に詳細を詰めているところもございますので、2050年あるいはそこに至る道筋、バックキャストによる分析等、今並行して国環研でもやっていただいておりますので、それについては、今後小委員会のほうでさらに議論を深めまして、最終的には2020年から2050年まで途中の30年、40年、そういう途中経過も含めて姿をお示しできるようにしたいと思います。
 そういう中で将来の低炭素社会、どういうものを目指しているのかというようなことについても、これもいろんなオプションといいますか、考え方がありますので、幾つかの典型的な複数の姿ということになるかもしれませんけれども、そういうものもできるだけ示していきたいというふうに思っております。
 それから、個別の質問ですけれども、チャレンジ25につきましては、これはチーム・マイナス6%と比べて、まさに25%という目標を提示したということで、それを踏まえてさらに発展的に深めていこうということで、端的に言いますと、やはり6%と比べると各家庭の取組も単なる心がけではなくて、いろんな省エネ機器やら太陽光パネルそういうものを実際に導入するとかそういう取組も含めてやっていただかなきゃいけないということで、いかにそういうものをわかりやすくお示しするかということでございまして、先ほどご指摘もございました環境コンシェルジェも含めて、新たな取組をしていくということで、そういう意味では国民運動の中身も質的にも変えていかなきゃいけないということかと思っております。
 原子力発電につきましてリスクがあるということでございます。これもちょっと説明を省略しましたけれども、参考資料の中ではお示ししておりますが、仮に稼働率が思ったように上がらなかった場合とか、原発の新設が滞った場合にどの程度の影響があり得るかという感度分析的なことはやっておりまして、そういうものを踏まえてロードマップの中でそういう事態に対してはどういう対応といいましょうか、要素を盛り込むべきかという議論は、これからしていきたいと思っております。
 それから、中国の排出量取引についてのご質問がございましたけれども、私ども、日中韓の枠組みの中でも排出量取引を議論もしてございます。中国というより、まず韓国が非常に関心を持っているということで、そういうところとの情報交換、意見交換もやってございますし、当然、今後のことを考えればこういう東アジアにおける炭素市場というようなものの形成というものも非常に大きな課題になると思いますので、そういう観点を含めて中国の動きについても、現在のところ、恐らくCDMの関係でいろんなマーケットを大変関心を持っておりますけれども、本当の意味での排出量取引まで考えているかどうか、それについてはまだはっきりいたしませんけれども、いずれにしても注意深く、また情報交換をしていきたいと思っております。
 ヒアリングの対象企業の選び方等についてご質問がございましたが、基本的にはやはり業界団体等にお聞きするということで、全体像をつかむということがございますけれども、西岡委員長のご意向もございまして、それだけじゃなくて、先進的なユニークな取組もしている各個別企業とか、自治体もございましたけれども、そういうところの話も聞こうということで、団体に加えて、そういう個別企業についてもお話を聞かせていただきました。
 それから、新成長戦略との整合性でありますとか、分析におけるマイナス要因をちゃんと配慮しているのか、これにつきましては、恐らくいま一つ足りないのは国際競争という観点で、日本のいろんな輸入品が入ってくるとか、その辺の要素については必ずしも十分分析できてない部分がございます。そういう国際モデルを用いた分析等についても検討していきたいと思います。
 いずれにしても、今回の試案というのは25%真水の一つの試算をしてございますけれども、今後、真水15、20、25という幅を持った形で中身を精査する中で、それの経済効果、あるいは経済影響についても再度、複数のモデルを使った形で分析をしていくということかと思っておりますので、そういう形で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 全部、お答えできてないかもしれませんけれども、とりあえず。それから、エコポイントについてお答えをお願いします。

○環境経済課長 環境経済課長の石飛でございます。三橋委員から、主として家電エコポイントのことと考えてよろしいでしょうか。手続が大変であって、それに伴う人件費が非常にかかっているのではないか、やっぱり制度としてはおかしいのではないかというご指摘でございました。
 昨年の5月にこの家電エコポイント事業を始めるに当たりまして、申請を含めた手続をどうするかというのは、最大の検討事項でもございました。
 そのときに考えた点は3つでございますけれども、一つはすべての国民の皆様に利用できる事業であること。それから、すべての販売店が対応できるような仕組みであること。これは大手の量販店に限らず、地域のお店でも対応できるということを重視しました。それから2点目は、その中でなるべく簡単な手続であり、またわかりやすい手続であるということを心がけました。3点目は、そうは言いながらも、これは国民の税金を使うものでございますので、不正を極力防止すること、こういう非常に相反するようなものをどうやって融合させるかということで考えた仕組みでございます。
 当初は、実はパソコンもしくは携帯電話で応募をされる方が半分ぐらいいらっしゃるんじゃないかなというふうに踏んで、事務費もある程度軽減を考えていたんですけれども、結果的に高齢者の方々が多く応募していただいたということで、わかりやすくという点も配慮はしたんですが、やはり製品番号を書き写すなどで誤りがあったというようなことで、また返送して書き直してもらうというようなことで、人件費がかなりかかってしまったということが結果的にあったことは事実でございます。また、一方で不正の防止という点でも、事実そういうものに引っかかって、遡及して追っかけたということで人件費がかかったというのも事実でございますが、非常に期間限定でやる事業としてはやむを得ない範囲のことかなとは考えております。
 今年の4月からは、この申請書もかなり簡素化して、特にお年寄りに配慮してなるべく数字を書き写すということがないようなものに簡素化いたしました。また、ゴールドサポート店というようなもので、ほとんどお年寄りの方々は店員が全部書きますからというようなことでの簡素化をするということもやってまいりまして、一応、今のところ12月までということでありまして、多くの苦情もいただき、また、ご提案もいただいたところでございますけれども、極力、我々も3省で協力して人件費を含めた事務費は毎月チェックをして極力抑えていくというようなことで、指導しながら進めさせていただいているところでございます。

○鈴木部会長 小委員会の西岡委員長のほうから、今後の決意も含めていかがでしょう。

○西岡委員 まず、皆さんにお礼を申し上げます。非常に貴重な意見をたくさんいただきました。今後のロードマップ小委員会の検討に入れていきたいと思っております。それから、今後だけではなく、これまでどうやって来たかということについて、先ほどもお話し申し上げました。
 やはり、2050年という長期は、ある面では遠い。しかしながら、そのことをきちんとやるためには今の一歩が非常に大切だという姿勢で臨んでおります。2020年、あるいは2030年といったところが、今後の国際交渉の一つのポイントになるかということで、今、今度はどこまで行くんだろうかという検討からやっているかと思います。
 今後でございますけれども、基本的に今、国民が、これは私のフィーリングですけれども、今日もお話がありました、自治体の人である、企業の人であるとか、欲しがっているのは、いわゆる言ってみるところの政治の意思とポリティカルウィルといったものですね、長期的にこっちの方向へ行くんだという強い姿勢、あるいはそれを裏づけるだけの十分なデータであるとか、ロードマップであるとか、政策であるとか、そういったものが今、一番求められているのではないかなと思っております。その点からいいますと、この数年間、やや足踏みしていったところがあったのではないか。
 この前の一番最初の中期目標検討委員会の結論にいたしましても、使ったモデルというのが、産業構造をあまり変えないという前提で、すべての資源を最高にうまく使っていったらあるコストになった、、そこに今度は気候のコストというのを入れていったら、そのコストがこれまでのコストに加わってそのまま負担となって出てくる。負担が生じるのはkのような計算をすれば当然なのに、それも、その負担というのはいつかはきちんと報われるものでもあるにもかかわらず、目の前の負担のことばかりがマスコミ等で非常に強調された。そのため政治の意思がどちらへ向いているのかよくわからなかったような状況にとどまったのかと思います。
 私といたしましては、このロードマップというのは、一つの方向であるかと思いますし、その中で個別にいろいろと検討する中で将来像も見えてくる、また、将来像も念頭に入れながら一つ一つ積み上げていくという形でやっていきたいと思っております。
 多くの方々、研究者の方々、参加していただいておりますので、ぜひ良いものをつくっていければなと考えております。よろしくご協力をお願いしたいと思います。

○鈴木部会長 ありがとうございました。それでは、議題1につきましては、ここまでとさせていただきまして、またさらに、次に大きな議題が残っておりますので、その間、5分間、休憩をとらせていただいて、私の時計で11時2分から始めさせていただきます。

(休憩)

○鈴木部会長 それでは、そろそろ再開させていただきたいと思います。
 後半の議論といたしましては、資料3に準備いただいております国内排出量取引制度の論点整理について、これにつきましても、小委員会を4月に設置させていただきまして、ご議論をいただいてまいりました。この小委員会の委員長は植田委員にお願いしております。
 まず最初に、資料3につきましての検討結果、これを植田委員長よりご報告いただきまして、その後、戸田大臣官房付より説明をさせていただきます。よろしくお願いします。

○植田委員 植田でございます。国内排出量取引制度小委員会の進捗状況について、若干ご報告をさせていただきます。
 資料3ということでございますけれども、もともと、私の理解では、国内排出量取引制度というのは、温室効果ガスの排出総量を確実にかつ効率的に削減する、そのためには何らかの仕組みが必要で、その最も有力な仕組みの一つとして排出量取引制度があるとこういうことかと思います。
 表紙をめくっていただいたところに審議経過が出てございますけれども、4月に第1回を開催して以降、排出量取引制度といった場合に、具体的にはどういう制度なのかということがとても重要になりますので、制度設計上の論点ということを具体的に示しながら、産業界、労働界ほか、21団体からヒアリングを行ったところでございます。
 その結果、あるいは環境省のほうで行いましたパブリックコメント、国民対話の結果も含めまして、個別の具体的な論点を整理いたしまして、8回目から10回目の3回にわたりましてご議論をいただいたということでございます。その間7回目のときには、欧州、米国の温暖化対策担当官によるプレゼンテーション、意見交換も行いまして、ヨーロッパ、米国における動向などに関して意見交換する機会も持たせていただきました。かなり精力的にご審議をいただきまして、制度設計に際しての有用な意見をいただけたと思います。
 もともと環境省のほうでは2年前に検討会を開催しておりまして、制度のあり方について中間まとめをしたという経緯もございますけれども、そのときには出ていなかった論点も新たにこの個別の論点に関する議論の場では出されるというようなこともございました。先ほどの議論でもございましたが、いわゆるライフサイクル、LCA的な評価を制度に、つまり国内外で排出削減に貢献する業種とか製品について、そういうライフサイクル的な評価を制度に組み込むことができるかどうか、あるいは組み込んでほしいというご意見も含めまして、そういう論点も新たに出てきたということでございます。
 今後ということですけれども、論点整理を踏まえまして、制度というのはやはり具体的にして初めて一つの制度になりますので、個別の論点だけ議論していても制度にはならないということですす。それで、一つのまとまった制度オプション案というものについての議論に移っていきたいというふうに考えております。今後そういう方向での議論を考えておりますけれども、その前の時点で部会の委員の皆さんにもご意見を承りたいということで、よろしくお願いしたいと思っております。
 制度のオプション案というのは、考慮すべき論点が多々ございまして、もちろん最も重要なことは温室効果ガスの排出総量を確実かつ効率的に削減できる、そういう市場をつくるということでございますので、信頼性のある公正な市場をつくるということがどういう制度のもとで可能かということを考えていきたいと思いますけれども、より具体的なところでは国際競争力問題とか、経済的な影響の問題とか、炭素リーケージの問題とか、公平な排出枠をどういうふうに設定するかとか、実は多々論点がございますが、今後そういうことも含めまして考慮して制度設計の中で対処できるか議論を進めていきたいと、以上のように考えております。詳細にわたる部分は、事務局のほうから説明をお願いしたいと思います。

○大臣官房付 それでは、先週まで市場メカニズム室長として担当しておったものですから、私のほうから資料3につきましてご説明させていただきます。
 この資料3、非常に大部な資料でございまして、基本的には小委員会でご議論いただいた資料そのものを合本したというものでございます。特に、ここで結論が書いてあるということではなくて、論点についての基礎的な資料をまとめたものということで、植田委員長のほうからもそのお話がございましたように、この場で地球環境部会の委員の先生方からご意見をいただいて、今後のオプション案の検討に役立てていきたいという趣旨でございます。
 この資料の説明に入ります前にちょっと諸外国の状況につきまして、先ほど委員のほうからもご質問がありました中国というのは、これは我々が聞いているところでは、担当官がそういう発言をしたというところまでは聞いておりますけれども、ちょっと詳細については外交ルート等を通じてもう少し調べているところでございます。ただし、例えば米国におきましても、これはオバマ政権としては、これは非常に導入に力を入れておられましたけれども、なかなか上院の票がとれないということで、議会のこのセッションにおいては排出量取引制度は恐らく成立しないだろうということでございます。
 ただし、欧州におきましては、我々が電話会議等でいろいろ聞きますと、欧州の排出枠の価格が安過ぎると、不況の影響で安過ぎるというふうな問題点を何とかしなければいけないなどの、いろんな課題はあるものの、引き続き排出量取引を中心的な制度として推進していくということでございます。
 また、韓国につきましても検討中と。ニュージーランドにも導入されたと。オーストラリアにおいても延期はされたけれども、導入するということになっているということ、そういう状況の中で、我が国としてどうするかというふうな検討をお願いしているというところでございます。
 1ページにつきましては、これは委員長のほうからご説明がありましたので割愛いたします。
 2ページに、キャップ&トレード方式による国内排出量取引制度の導入意義とありますが、これは基本的には2.3.にございますように、このキャップ&トレード方式の国内排出量取引制度というのは、大規模な工場やビルなどを対象とした制度であると。そういったものにキャップを設定して、その枠をトレードすることを認めると。5.にありますように、国際競争力の低下や炭素リーケージについては制度設計段階において対処していくと、そういう思想で検討いただいているということでございました。
 あと、ちょっとその他、かなりこれまでにもお出しした資料が続きますので、6ページにちょっと飛んでいただきますと、6ページで基本法案の規定がございますけれども、これは新成長戦略の工程表にも位置づけられたということもございまして、現内閣の方針として取り組んでいるというところでございます。
 7ページ、制度設計に関しての基本的考え方といたしまして、先ほどもご議論がありましたけれども、総量削減が達成できること、効率性、公平性、透明性、社会的重要性、また行政コストの低さという観点から検討をしていく必要があるということが、小委員会における検討の方針として示されたところでございます。
 9ページ、10ページが個別の論点でございます。委員長のほうからもご説明がありましたように、この個別の論点について、ご議論をいただいたということで、その辺の個々の状況につきまして、これからご説明をいたします。
 まず、第1番、対象期間でございます。12ページにございますように対象期間につきましては、最初の四角にございますけれども、その準備期間を考慮すると制度の開始は2013年度からとすることが考えられるがどうかということで、ただし長期にわたるパスというものを提示するという意味もあるということで、2013年から2020年を第1期間とし、2021年度以降を第2期間とするというような考え方があるのではないかという考えが示されたところでございます。
 次に、排出枠の総量ということで、今度は15ページに排出枠の総量というのはどういうふうに設定するかということであります。排出枠の総量につきましては、必ずしも25%ありきというような考え方よりは、むしろ対象部門の技術動向を踏まえて設定し、またそれを中期目標等に照らして見直していくと、そういう考え方があるのではないかということでございます。
 参考までに、これは中長期ロードマップ大臣試案のころの図ですけれども、例えばものづくりの分野におきましては、真水25%の場合の産業部門の削減率は2008年度比でマイナス8から11%と。これは、本日提示いたしました資料では、若干数字が、例えばマイナス15%という場合には、若干数字が変わりますけれども、こういった技術の積み上げによって、こういう検討がなされておりまして、このような数値が参考になるのではないかというところでございます。
 17ページに対象部門としまして、先ほど申し上げましたように産業部門、業務部門、エネルギー転換部門を中心とすることが考えられるということでございますけれども、対象部門の4つ目の四角にございますが、フランチャイズチェーン、連鎖化事業者でありますとか、特定輸送排出者を対象とするかどうかで、対象とする場合にはバウンダリの設定方法や検証方法などにも検討する必要があるというふうな課題が示されたところでございます。
 ちょっと先を急ぎますが、19ページの対象ガスというところでございますけれども、19ページの5番目のポツにございますけれども、制度開始時にはCO2を対象としつつ、その他のガスの取り扱いについてはモニタリング・報告・検証等の観点から検討しつつ、順次追加していくということが考えられるかどうかということでありまして、20ページに非エネルギー起源CO2のうち、廃棄物起源のCO2の扱いについての課題を若干紹介してございます。
 次に、排出枠の設定対象ということで、23ページの川上事業者を対象とするか、川下事業者を対象とするかで、川下事業者の場合には、電力を直接排出で見るか間接排出で見るかという、この図につきましては前回もお示ししたところでございますけれども、こういった個々のオプションについてご検討いただいたところでございます。
 24ページに川上、川下の議論がありますけれども、川上という方式は最後の一番下の欄にございますけれども、米国法案の一部で活用されてはおりますけれども、通常、排出量取引制度というと川下を指すというところは、あまり異論のないところでございますけれども、次のページ、25ページでは電力間接方式、電力直接方式、これにつきましては、両用の考え方があるという状況でございます。電力間接方式につきましては、電力需要家に対して、電力需要家にキャップがかかるということですので、直接的な削減インセンティブが働くのに対して、電力直接方式にあっては、電力供給者に対しては直接な削減インセンティブなんだけれども、需要家に対しては、これがコストが添加されることによる間接的な削減インセンティブということになるわけでございます。
 その間接をとった場合に27ページにございます。間接方式をとった場合に原単位の悪化の分を需要家が責任を持つということで、なかなかこれは難しいものですから、間接排出をした場合には原単位の改善義務を電気事業者にかけるということが考えられるのではないかということでございます。
 あと、排出枠の設定対象ということで設備単位、事業所単位、企業単位という考え方がございます。こういう考え方につきましては、さまざまな議論がございましたけれども、2.にございますように、一定の裾切りが必要となるけれども、裾切りを行う単位と適用単位というのは異なることも考えられる。例えば一定規模以上の事業所を対象として、その事業所の総体としての企業に排出枠を交付するということも考えられるのではないかというふうなご議論でございます。
 ちょっと飛びまして、次、33ページ、排出枠の設定方法のところに飛びますが、排出枠の設定方法にはベンチマーク方式、グランドファザリング方式、オークション方式というのがあるということでありまして、ベンチマーク方式というのは、まず、それは無償と有償に分かれて、あと無償の中でベンチマーク方式といいますのは、ある業種・製品について、この製品については製品1トン当たりCO2排出量というのはこのくらいであるべきだというベンチマークを設定しまして、それに生産量をかけて排出枠を設定して、この排出枠を交付するというのがベンチマーク方式でございます。
 グランドファザリング方式というのは、過去の排出実績に応じて排出枠を設定するということで、ある工場の過去の排出量が、過去3年間の平均に例えば5%ぐらいの、数パーセントの削減義務量を換算して割り引いて割り当てるというのがグランドファザリング方式ということでございます。
 それぞれの特徴について36ページになりますけれども、36ページにそれぞれの長所短所をまとめてございます。例えば公平性のところを見ていただきますと、グランドファザリング方式におきましては、結果として過去に削減を行ったものを優遇する形となり得ると。つまり、これまで削減努力を行ってこずに、過去の排出量が多かった事業者はその分の割り当てがもらえるということで、公平性を厳密に担保することは困難という問題点があるのに対して、ベンチマーク方式については、その生産効率に着目するということで公平性を高めることは可能だけれども、対象となる全業種部門にベンチマークを設定することは困難ではないかというふうな課題もございます。オークション方式につきましては、社会的受容性のところを見ていただきますと、排出のすべてにコストがかかるため、価格転嫁できない場合にはコスト負担が大きいという、そういう受容性に係る問題があるということでございます。
 個々のグランドファザリング方式、ベンチマーク方式につきまして、例えば欧州や東京都でどのような方式をとっているかということを以下、説明しておりますけれども、ちょっと時間の関係もございますので、ここはちょっと割愛させていただきまして、42ページに排出枠の設定方法というのがございまして、先ほど申し上げましたベンチマークの課題、つまりすべての製品についてベンチマークを設定することは難しいのではないかという場合に、例えばある事業所の中でベンチマークの設定が可能な製造ラインと行わない製造ラインに分けて、それぞれ排出枠を算定して交付するというふうなやり方も考えられるのではないかということで示してございます。
 43ページ以降は欧州等の例ですけれども、47ページまでちょっと飛んでいただきまして、47ページに海外における排出枠の設定方法の組み合わせということでEUと米国の法案の例がございますけれども、例えばEUにおきましては、この図にございますように当初は無償割当、特に国際競争力を配慮すべき業種につきまして無償割当をずっと継続すると。その他については無償割当の比率をどんどん下げていって有償の割合を増やしていくと、このようなアプローチがとられているということでございまして、48ページにその辺、もう少し詳細に書いてございます。EU-ETSにおいては第1フェーズ、第2フェーズは原則グランドファザリング方式でございますけれども、第3フェーズにおきましては、国際競争力配慮業種についてはベンチマーク方式、その他についてはだんだんオークション方式に移行していくというふうな方針が示されているというところでございます。
 50ページには排出枠を事前交付する場合と事後清算する場合との課題を対比してございます。
 51ページでございますけれども、排出枠の設定の中で国際競争力や炭素リーケージというものに配慮する必要があるということで、国際競争力の配慮の必要性と、あと炭素リーケージとは何かということで2.のところに書いてございます。このような、特に配慮が必要な業種につきまして、諸外国の例では炭素集約度、つまり生産活動に伴い温室効果ガスを排出する大きさの程度と貿易集約度、貿易の占める割合といった、こういったものに着目して業種や製品が絞り込まれているという状況がございます。この辺を我が国に適用した場合には54ページに簡単な試算がございますけれども、炭素集約度と貿易集約度というものを、そのある一定の仮定のもとに計算してみた結果、炭素集約度の非常に高い業種として例えばセメント・パルプ・鉄といったようなものがあると。貿易集約度の高い業種として例えば電気計測器や二輪自動車等の例が示されているというところでございます。
 こういった業種に対する配慮の仕方といたしまして、55ページに、理論的に考えられるのは無償割当、国境調整、補償、セクター別合意というのがございますけれども、諸外国の例におきましては、無償割当について継続するというふうな措置でとらえていると。国境調整につきましては、EU-ETSに条文はございますけれども、実際に発動されているという状況にはないという状況でございます。
 ちょっと飛びまして57ページですが、新規参入者と既存事業者の移動、つまり閉鎖などをどう扱うかということがございます。57ページの2.にありますように既存事業者等との公平性の観点から新規事業者に対しても枠を交付するということが考えられるのではないかという議論がございます。
 58ページに、逆に事業所が閉鎖した場合にどうするかということにつきましては、これは議論が必要ということで、ちょっと注記されているところで申し訳ないんですけれども、米印の2を見ていただきますと、事業所の閉鎖等に伴って排出枠を返還させるというルールとした場合には、これを意図的に稼働させ続けて排出枠を保持し続けようとする事業者が現れるおそれがあるという点に、留意が必要であるという課題が示されているところでございます。
 すみません、ちょっと先を急ぎまして61ページに、原単位方式というものがございます。これにつきましては、基本法案の第3項に排出枠を原単位でもって設定するという、そういう方式についても検討を行うということになっております。こういった原単位方式につきまして、62ページにさまざまな観点からの配慮事項が書いてあります。排出量の総量削減の観点からは原単位方式の場合には総量削減が担保されないということから何らかの調整措置が必要ではないかということでございます。経済成長との両立の観点ということでは、最後のポツにありますように、総量方式であっても、国際競争力への配慮等、成長と両立する制度設計を検討するというアプローチがあるということでございます。
 次のページ、63ページにいきまして企業経営の観点からは原単位方式の場合には、不景気で設備稼働率が低下すると原単位が悪化するということで、不景気の場合には排出枠が不足するという、そういう点についても考慮が必要だということが示されております。
 次、65ページまで飛びまして、先ほど電力原単位の改善措置というものについても考慮が必要だということについて、再度書いてございますけれども、その改善措置について論点として66ページのような論点が掲げられております。電気事業者、どこまでの電気事業者を範囲とするのか、その基準値の設定方法として、各者一律の値か一律の削減率か、また[5]でございますけれども、電力需要家が用いる排出係数として、全国平均、全国一律で加重平均したような値か、電気事業者ごとか。また、需要家における対策の削減効果の評価の考え方については、さまざまな考え方があるということにつきましても、どのような電力原単位を使うことによって削減効果を把握することができるのかというふうな論点もあわせて示されたところでございます。
 68ページに費用緩和措置ということで、排出枠価格が[2]にございますように長期高止まりへの懸念、[3]にございますような短期的な急変動への懸念ということで、何らかの費用緩和措置が必要であろうということで、69ページに幾つかの例がございます。バンキング、ボローイング、つまり複数年度にわたって枠が使えるようにする。また、その排出枠価格の上限の設置、外部クレジット・排出枠の活用ということで、海外のクレジットを使えるようにする。または、国際リンクということで、他国の制度とリンクするということ。で、その市場管理組織による調整というものがございます。
 あと、ちょっと[7]として戦略的リザーブというテクニカルな点でございますけれども、ちょっとこの辺、入っておりませんでしたので、この辺は後ほど修正させていただきます。特にこの中で[4]の外部クレジットの活用、また[5]の国際リンクにつきましては、我が国で達成できない部分を外国から調達するということで、これは国富が流出するというふうな懸念、ご批判があるところでございますので、これにつきましては一定の制限を課すべきではないか、また国際リンクについては慎重に検討すべきではないかというふうな議論があるという状況でございます。
 かなり、飛びまして、最後、その他ということで76ページ以降がその他の論点ということでございます。遵守ルールということで、遵守期間、これの期間を1年とするのか、複数年をとるのか、東京都においては5年ということになっているということでございます。その不遵守時の取り扱いにつきまして、検証・報告義務の違反、削減・償却義務の違反について、どのように扱うかということで既存の例をいろいろと紹介しているというところでございます。
 79ページまで飛びまして、排出量のモニタリング・算定・報告・公表ということで、やはり公平な制度とするためには、やはりモニタリング・算定・報告というのはしっかりと統一的なルールのもとでやる必要があるということが示されておりまして、最後のまとめとして86ページにこのような論点があるということで86ページに紹介してございますけれども、算定・検証を事業所ごとに行うと。その報告内容としては、この表に掲げられているようなことを報告させてはどうかと。モニタリング・算定や、その検証は統一的なガイドラインに基づき行うと。
 検証は第三者機関により検証を実施すると。こういったことが考えられるのではないかというところであります。
 次に87ページ以降が登録簿システムということでございまして、87ページは現在の温対法に基づきます国別登録簿の例でございますけれども、国内排出量取引制度におきましては、89ページにありますような排出枠の管理システム、恐らく電子上のシステムということになろうかと思いますけれども、こういったシステムが必要ではないかと。その際に、この登録簿を運用するための法的な規定というのが現在の温対法の規定を参考として、さまざまな規定が必要ではないかということで90ページに幾つかの論点を示してございます。
 91ページ、適切な市場基盤ということでありまして、これはマネーゲームで過度に排出枠価格が騰貴したり、また、過度の利潤を得るような事業者が現れたりするのではないかというような懸念がございます。こういった点につきまして、92ページにございますように、取引に関するルール、取引できるのは誰かと、どのような取引を規制するのかという、そういったルールを規定する必要があろうということ、同時に会計処理、税務上の取り扱いでありますとか、流通インフラ、取引所、清算機関等についても、これは別途整備をされていくということになろうかということでありまして、こういった適切な市場基盤を整備したときにマネーゲーム論ということで、93ページにございます削減義務を負わない取引参加者等が過度の利潤を稼ぐのではないかというような批判、投機的資金の流入等への批判、海外からのクレジットを買うことによる国富流出というような批判につきまして、このようなことで適切な規制が必要であろうということを紹介してございます。
 96ページまで飛びまして、国と地方との関係についても議論をすべきだということで、前回の部会でもご指摘をいただいたところでございます。ここでは、一般論として憲法、地方自治法の規定において、その法律の範囲内で条例を制定することができるとされているのに対し、最後の3.でございますけれども、既存の公害規制法例では、条例との関係において上乗せ規制等の規定が置かれているところでございますけれども、これを同列に考えることができるかどうかというのは慎重に考えなければいけないというところでございます。都道府県等の条例等の状況につきまして97ページにまとめてございます。また、海外の事例につきまして、98ページに紹介してございますが、海外は制度が違うということもありまして、そのまま参考にするのは難しいかなというところでございます。
 99ページ以降が、国内外での排出削減に貢献する業種・製品についての考え方ということで、先程来、LCA的観点というふうなご指摘がございました。これにつきまして、ヒアリング等で示された意見として、例えば日本鉄鋼連盟からはLCA的観点からの把握を行っていう例が示されているところでございます。また、日本労働組合総連合会、また、日本経団連等におきましては、消費段階まで含めたLCA等に対応していないといったような制度設計上の改革問題の懸念というものが示されたというところでございます。
 また、最後の日本商工会議所のほうからは、日本企業の海外での貢献分を国内での削減量に加算することが認められるようにするといったようなことをするのが必要ではないか、というふうなご意見がございました。こういったLCA的な観点につきましては100ページにございますように、慎重な意見がございます。また、技術的にも難しいのではないかというふうなご意見もございました。
 こういった、国内外への排出削減に貢献する業種・製品について、103ページ、ちょっとページ数が見にくくて恐縮ですけれども、103ページに配慮するとしたらどういうやり方があるかということで、下から2番目の行ですけれども、制度の中で考慮するやり方として、排出削減に貢献する製品の製造に伴い、追加的に必要となる排出枠について、何らかの形で評価して追加・交付を行うというオプション、またはオフセット・クレジットのような形で認めるオプションというものが考えられるのではないかということが示されているということであります。
 最後にポリシーミックスでございますけれども、さまざまな政策手法が必要であるということが、基本法案にも示されているということで、成長戦略の例が105、106ページに書いております。
 107ページにポリシーミックスの在り方ということで、各ツール、国内排出量取引制度と税、FITといったもの、それぞれの役割につきまして、それに記述してございます。詳しくはその他の手法も含めまして、参考資料6として簡単な比較を紹介しておりますので、ご参照いただければと思いますけれども、国内排出量取引制度と地球温暖化対策税との関係ということにつきましては、無償割当を行う場合には、このCO2排出そのものへの負担を侵す措置として競合するものということにはならないのではないかと。もちろん、枠を遵守するための負担というものは発生するわけですけれども、排出そのものを二重に対象としているという意味での競合というのは、無償割当を行う場合には解消されるのではないかというところがございまして、欧州の例におきましても、スウェーデン、デンマークにおいては調整措置がございますけれども、イギリス、ドイツでは特段の調整措置は置かれていないというような状況にあるということを紹介してございます。
 駆け足になりますけれども、以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。若干、残り時間が厳しくはなってはおりますが、大変大事な問題であります。ご質問ご意見をお持ちの方はまたネームプレートを立てていただけますでしょうか。では、こちらからまいりましょうか。相澤委員。

○相澤委員 ありがとうございます。低炭素社会に向けた活動や制度につきましては、幅広い理解が得られ、中途で挫折することない状態で実践が進むということが大事だと思います。そういった意味で現実性や実効性というものが大切になるのではないかというふうに考えております。その意味で、この小委員会では、この件を含めて広く議論をしていただいているというふうに認識しております。一層の広い議論を深めていただいて、制度設計へ結びつけていただきたいというふうに思います。
 改めて何点かお願いを申し上げますと、報告書の中にもございます点が多く出てまいりますが、以下の4点について特に留意をしていただきたいと思います。
 まず、1点目は地球規模の温暖化対策として実効性が確保できること、例えば地球規模の排出削減に資する、言いかえれば、炭素リーケージが生じないということにもなります。それから技術開発や普及が阻害されるトリガーにならないことだと思います。
 2点目は、環境と経済の両立ということで、とりわけ国際競争力ですとか、あるいは経済成長という点も配慮いただくべきではないかと思います。
 3点目は、これも議論に出ておりますが、LCA的な観点からの事業者の貢献を促進すること。
 4点目は、エネルギー安全保障の確保で、こういったところをぜひ留意していただきたいというのが大きな1点目です。
 2点目は、この国内排出量取引制度というのは、一つの制度として有効という議論があるかもしれませんが、これだけの導入ありきではなくて、ほかの例えば地球温暖化対策税などとのミックスで検討することが大変重要なことであると思います。この排出量取引制度のメリット、デメリットを総合的に比較検証をしながら慎重な検討を重ねていただきたいというふうに思っています。
 以上でございます。

○鈴木部会長 浅岡委員。

○浅岡委員 詳しくまとめていただきまして、私どもも参考になると思います。
 この議論の中で、国際的に世界の潮流について、冒頭お話がありましたが、一つ、私たちが留意しなければいけないと思いますのは、アメリカの議論におきましても、議会においても、また政府のレベルにおいても、はるかに詳しい細かいレベルまで、高いレベルまで議論が進み、1,000ページを超える法案が用意されているという中で、今ちょっと足踏みをするという問題があると、ほかの国もそうであります。
 で、今回のこのまとめを拝見いたしますと、よく整理いただいているところがあると思いますが、やはり実際の排出枠をどうするのか、配分するのか、グランドファザリングなり何なりというようなところは、まだ本当に入り口論であり、ベンチマーク、一体どこにどんなベンチマークができるんだろうかというような、具体的な排出枠をどうするのかみたいな議論はほとんどまだ入り口のところなのではないかという感じがいたしまして、まだまだ日本の議論は、そうした世界の先進国、他の先進国で議会も含めてなされている水準に届いていないという自覚が必要なのではないかということであります。
 それから、炭素リーケージのお話が今もございましたけれども、私はこの問題を考えているときに、先ほどのロードマップでも議論がありましたが、日本の経済のこれから、あるいは産業の今後というのは、日本国内だけで考えるのではなくて、とりわけ、アジアの国々等を含めた市場、もっと大きなグローバルな話もあると思いますが、少なくともアジア経済全体の中で日本の産業はどう生き延びていくのかというような視点で考えるべきであって、リーケージととらえるのかな、どうなのかと、積極的な進展ととらえるのかと、このあたりはやはりロードマップとの関連もありますが、発想の転換が必要なところに来ており、鉄鋼などでも既にそう動いておられるのではないかというふうに思う点であります。
 各論的なところで二、三だけ特に重要な点を申し上げますが、電力の問題は先ほどの議論で申し上げましたように、非常に排出が増えており、個々の削減が重要であると。総量での削減が重要であるということを改めて想起する必要がありますが、先ほどの戸田さんの説明で「直接、間接はいろいろありますが」という、ほかの国でもいろいろあるようなご意見であったと思いますが、発電所の大規模発電所を直接排出でとらえないような取引制度をとっているところは、私はないと思います。東京都にしましても、イギリスのCRCにしましても、それは発電所の排出削減策として、ちゃんと直接排出でとるという中でできている仕組みであると。
 ダブらない形でなされているという点は非常に重要な点であります。日本では、この直接か間接か、あと電力を入れるのか、入れないのかというところで、これまでの小委員会の議論もとてもお疲れになったというか、議論が起き、この電力問題を早くクリアするということが大事であると思います。なぜ、この間接排出でしかできないと電力会社が頑張られるのかという点ももっと検証いただく必要があるかと思いますが、やはり大事な点は本当に長いスパンで、年月のスパンで、基本的に骨格としてはやっぱりシンプルで効率的で行政コストの少ない方法をどうつくるのかというのが、どの国も考えているところだと思いますが、これを間接排出することによってどれほど複雑で困難でわかりにくくて、排出量取引の問題というものを、そのまま、より大きくすることなんだと、世界中そう考えていることだという点は改めてお考えいただきたいというふうに思います。
 それから、原単位とLCA問題につきましては、今回の資料の中で原単位ではよくないよというニュアンスで私は読んでおりますけれども、こうした視点をおまとめになっている点を、国民的にも私は理解ができるというふうに思います。LCAも結局何をやるかわからないということに、非常に評価は実際には難しいという点もあることでありますから、LCA的に、日本の企業が貢献することが大事でありまして、それをどの面でどのように日本の経済企業にとってプラスなのかというとらえ方を、別の角度に置き直すべきではないかというふうに思います。
 最後に1点だけ、細かく言うといろいろなんですけれども、期間を最初2020年まで一つの期間として考える設計がありますが、私はやはり、最初はいろいろ詳細な部分はアバウトでやりながらでも工夫をするとか、変更をするとかいう部分も枝葉ではあり得ることだと思いますし、あるいは追加的な部門というようなこともあると思いますので、もう少しここは、少なくとも2つ、あるいは3つぐらい、あるいは本格的な制度の試行的なものとして制度の仕組み見直しができていく、あるいは新たな追加ができるというような形でもう少し細かくとらえていったほうがいいのではないかと思います。

○鈴木部会長 市村委員。

○市村委員 ありがとうございます。この排出量取引制度の制度目的を確実に達成するためのポイントというのは実は幾つかあると思うんですけれども、その中でもかなり重要なポイントの一つに参加事業者から報告される排出量情報、この信頼性を確保するというのがかなり重要なのかなと考えています。つまり、これが確保されないと、幾らいい制度ができ上がっても、制度自体の根幹を揺るがしかねないし、ひいては市場は成り立たないと、こういうことになりかねないということだと思います。そのために方法は作成者と検証の2つの面から実は検討する必要があると思っていまして、その点から3つコメントを言わせてもらえばと思います。
 まず作成者サイドの観点なんですけれども、できればこの排出量情報を自らが社会一般、あるいはステークホルダーに公表するような制度を検討されてはどうなのかなと考えています。といいますのは、これをすることによって、例えば公正な排出基準のもとで自らが作成した排出量情報を自分から社会一般に公表すれば、これによって市場の透明性も確保されるし、あるいは報告者が自らの公表した数値ですから、責任を持つことになるだろうと、こういう点でございます。
 それから、2点目は、検証のルールなんですけれども、今この資料を見せていただくと、一つの国際基準、これはISOがたまたま出ていますけれども、これに準拠する方向なのかなと読み取れまして、これをやってしまうと、結構自由度とか柔軟性の観点からリスクがあるんじゃないかという気がしています。欧州でもISOに準拠していると、この資料には書いてありますが、完全に準拠しているようなところは多分ないと思っていまして、この国際基準というのを参照しながら、国際的に受け入れられる自国の基準をつくっているんじゃないかという気がしています。ということで、国際基準を最終的に準拠するという形になったとしても、今制度が固まりつつある時期においては、全面的な準拠はまだ機が熟してないのかなと思います。
 当面は自ら国際的に受け入れられるような基準をつくりながら、柔軟に対応していって、国際基準に日本としての意見も出せるような形にしておいたほうがいいのではと思います。

○鈴木部会長 それでは、関田委員。

○関田委員 ありがとうございます。目的というのが地球温暖化防止対策ということで、この観点からいろいろ読ませていただくと、グローバルな視点がもう少しあっていいのかなというふうに思います。例えば、我々、鉄鋼業の場合ですと、設備投資、技術開発を行って、年々、原単位は下げてきていますけれども、先ほど資料1でご説明があったように、2008年は生産量が一気に減りましたので、CO2排出量が大幅に減っております。原単位は当然改善しているわけで、将来に向けての技術開発も行なっているのですが、やはり生産量がCO2排出量にとってはものすごく大きいファクターであります。
 生産量というのは、我々製鉄業だけで決められなくて、お客様から注文がなければつくれないということでありますが、世界の鉄鋼需要というのは90年代に7億トン、8億トンだったのが、今は13億トン、14億トンというふうになっています。それだけ注文があるので、世界の鉄鋼メーカーがつくるわけですけれども、例えば生産量規制をかけて日本の鉄鋼業がつくれない場合、エネルギー効率の劣る他国につくってもらうことになります。ブラジルで出ようが中国で出ようが、CO2は世界を駆け回りますから一緒であります。結果として、世界のCO2は増加することになります。そんなに需要が旺盛なら、排出権を買ってきてつくったらという議論もあるかもしれませんが、これもコスト負担がものすごく増えます。さきほどのポリシーミックスの問題も手伝って、全くコスト競争力なり価格競争力がなくなる、やはり他国につくっていただくことになる、またしても世界のCO2は増えてしまうという、同じ結末になってしまうのかなと思います。
 我々は、エコプロダクトといいまして、例えばハイブリッド自動車用とか高効率の家電用とか、そういう素材を一生懸命供給していますけれども、その辺にも影響が出ることを危惧いたします。旧来からセクトラル・アプローチというのを、我々は提言をしてきているわけですけれども、そういう観点も含めてグローバルな視点、いろんな意味でのグローバルな視点というのをもう少し加えてご検討いただけたらと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 冨田委員。

○冨田委員 ありがとうございます。私自身、ロードマップの小委員会と、排出量取引の小委員会、両方に出ていますので、今日は聞き役に徹しようかと思いましたが、2点だけコメントをさせていただきます。
 1点目は、この排出量取引の制度の議論に参加していまして、一番大切と考えているところは、制度設計に際しての基本的な考え方の部分でございます。すなわち、個々の論点を議論していても、基本的な考え方のところで認識の違いがあると、なかなか議論がうまくまとまっていかないということを小委員会の議論を通じて感じております。
 7ページのところに基本的な考え方が整理されていますけれども、必ずしも小委員会の全委員の中で共通認識になっていないと感じております。例えば総量削減が達成できるというところですが、総量ってどこの総量なのかと。対象としている事業者、あるいは事業所の総量のことをいうのか、日本のことをいうのか、あるいは本来考えるべき地球規模のことを考えるのかと、そういったところに関してもやはり認識の違いが出ているというふうに思います。
 それから公平性のところについて、国内の市場を考えたときにも、国内の同業他社との競争というのもあるでしょうし、あるいは別の会社との公平性というのもあるかもしれません。それから、海外の事業者、排出量取引あるいは別に特段の温暖化対策が、厳しい温暖化対策がとられてないような海外からの製品との競争と、こういったところについてどう考えるのかということについて、まだ議論が必要ではないかなと感じております。
 それから、2点目は電力の排出係数の問題でございます。66ページのところで、先ほどご説明いただきましたが、一番後の[5]のところのなお書きで、需要家における対策の削減効果の評価の考え方については、様々だということが書かれております。これは、小委員会の中で私が追記すべきだということで、記載していただいた結果だと思いますので、その点については感謝申し上げます。排出量取引に限りませんけれども、すべての温暖化対策というのは、温室効果ガスの排出削減に寄与する取組を促すということに価値があると考えます。
 問題は、排出量取引制度の設計に当たって、この削減効果の評価に様々な考え方があるということをどう取り扱うのかというところでございます。様々な考え方を包含した制度をつくるというのは、私は不可能だと思いますので、きちんと論点として認識していただきたいということを申し述べます。

○鈴木部会長 永里委員。

○永里委員 ありがとうございます。排出量取引に関しては、温暖化対策税等も含めて総合的にパッケージで検討すべきであると思います。
 企業は経営計画を策定するに当たって、生き残るために革新的研究開発費を計上したいのですが、エネルギー多消費産業では、相場で動く不安定な排出量取引に対して予算をどう組むのか、安定した経営のもとで進取的な研究開発ができるというものですが、不安定な数値に基づく経営では、先端的な研究開発に金を大胆に振り向けるという余裕は出てきません。
 その排出量取引を導入した上で、さらに温暖化対策税も導入しようというのは、無償割当を除いて二重課税みたいなもので、これでは企業にとって負担が大き過ぎて、国際競争力を失い、国内で生産をやめるか、あるいは中国等へ進出することになります。要するに雇用が失われ、地域経済は停滞し、かつカーボンリーケージにより地球全体の排出量を増加させ、温暖化対策に逆行するというようなことになります。
 以上、排出量取引、温暖化対策税等は企業の研究開発力、国際競争力、雇用などに著しい影響を及ぼすので、それぞれ個別に検討するのではなく、グローバルな視点で総合的なパッケージで検討すべきと思います。
 そして、次にLCA的発想で、温室効果ガスの削減を分配する評価システムを構築することが重要と先ほど申し上げましたので、これについてはもう省略いたしますけれども、先ほど亀山委員がLCAに名を借りてインド、中国等の世界の生産工場に利するような理論展開をすることを恐れるという発言がありましたが、LCAというのは、あくまでイノベーティブな製品技術に関して考慮されるべき性質のものと、私は認識しています。
 以上です。

○鈴木部会長 新美委員。

○新美委員 ありがとうございます。私は2点について意見を申し上げます。一つは、今も議論がありましたが、LCA的な取組というのが効果があるというならば、これはぜひ考慮する必要があると思うんですけれども、先ほどもありましたように、イノバティブな技術で削減効果が見込めるというのは、どこまで明らかにされ得るのか、あるいは見込まれるのかというのは、考慮する際には常に意識しなければいけないと思います。
 ですから、先ほど出てきた途上国からの議論と、どこに線を引いて議論をするのかというのが大きな課題だと思います。その際に、やはり問題となるのは、これも指摘されましたが、削減というのはどのレベルで考えるのか、国内なのか、国際なのか、その辺を考えなければいけないということも出てきます。その意味ではLCA的な取組というものをどういう場合にどういうふうに考慮するのかというのは、まだまだ小委員会でも議論が熟していないと思いますので、その辺は慎重に議論をしていく必要があろうかと思います。
 それから、これはまったく違う視点になりますけれども、排出量取引制度というものは、その名前から明らかのように、これは制度によって商品をつくり出すということであります。取引の対象をつくり出すということであります。市場を流通する限りは、これは商品になるわけでありまして、排出量取引制度を考える場合に、この商品をどういうふうに扱うのかというのがまだ十分に論じられていないのではないかと。今、順調に取引されるであろうということしか考えていませんが、これ当事者が破綻した場合にどうなるのか、そういうことも考えておかなければいけませんし、生産の段階、いろんなところが出てくると思いますが、これ、罰則等では済まない、まさに民事取引としてどうなるのかということも視野に入れておかなければいけませんし、後で税制の問題が出てくるかと思いますが、税でどういうふうにそれを対応するのか、そういった点も視野に入れて取引制度を考えていく必要があるのではないかというふうに思っています。
 以上の2点です。どうもありがとうございました。

○鈴木部会長 森嶌委員。

○森嶌委員 ありがとうございます。排出権取引は先ほどから出ておりますけど、CO2を削減する政策手法です。EUの場合には、経済的な手法としてこれを主たる手法として使ってやっているわけで、すべてのCO2の排出を対象としているわけではないわけですが、日本の場合には、今までお話が出ているように、いろんなポリシーミックスを使っているわけですが、先ほどの資料1でも説明がありましたように、現在、家庭部門、業務部門、運輸部門を足しますと、2008年で11億3800万トンのうち、今の家庭、業務、運輸部門が6億4100万トン、これに対して、産業部門、エネルギー転換部門が4億9000万トンぐらいであります。
 先ほどご説明がありましたように、なかなか排出量取引ではコントロールしにくい部門が56%を占めているわけですね。この部門が1990年比ですと、家庭部門が34.2%、業務が43%ということで増えているわけですね。産業部門が減っているわけですけれども、これはともかくとして、これから今まで増えてきたものに対して排出量取引を使って減らそうという部門が排出量取引という手法を使って、あまり適切でない手法の分野が増えていると。そして、それは現時点ではかつてと違って1990年時代と違って半分ぐらいになっていると。業務については排出量取引がある程度効くかもしれませんけれども、そういうところを相手にしてやるというときにいろいろな、これはやって悪いとは言いませんけれども、それと他のポリシーミックスとの関係で、あくまでも目的はCO2削減ですから制度設計をどれだけ精密に理論的にやるかということではなくて、これからどういうふうにCO2を減らすかと、しかも効果的に減らすかと、しかも効果的だけではなくて、アドミストレーションコストを少なくやるかということであります。
 その点で、この日本の現状を前提とし将来を考えた場合に、この政策の有効性とこれはEUなんかとは違うという、EUがとっているのはこれを主たる政策手段としてやっているという点との違いを前提にして、この小委員会はこれを検討されることは大変結構ですけれども、他の手法との有効性、先ほど福川さんが言われましたけれども、必要性、有効性、副作用性、それからアドミストレーションコストなどをちゃんと検討していただきたいと思います。
 それから、第2点は、先ほど永里さんがおっしゃった、ちょっと別の観点ですけれども、これは、ちゃんとさっきの何ページかに書いてありますけれども、ちゃんと環境税も入れるということに書いてあるんですけれども、環境税は手法は違いますけれども二重課税なんですね。
 そうすると、環境税と排出量取引といずれもカーボンに値をつけて負担させるわけですから、これとの関係をどうするのかということは、ここには何も書いてないんですが、そうすると、幾ら制度設計をきちっとしていても、負担させられるほうは環境税も来る、環境税ないし温暖化対策に関する税とこれとが来るわけですね。そうするとやられるほうは二重に取られるわけですから、これについても、環境対策税とこの排出量取引との関係をどういうふうに位置づけるのか、それも制度設計の中できちっと議論をしていただきたいと。この制度だけをお勉強して一生懸命レポートをつくるという段階ではないということ、まさに中環審というのは、これは繰り返し申しますけれども、政策をここで議論をして、それをとるかとらないかは政治の問題、民主党の責任ですけれども、しかし、我々はその資料を提出するわけで、何も研究室で勉強して勉強の結果を出すのは、我々の仕事ではないということを繰り返し申し上げます。
 第1点は、排出量取引がいろんなポリシーミックスの中でどれぐらい有効かということをちゃんと、きちっと示していただきたいと。
 第2点は、環境税との関係をきっちりと位置づけていただきたいという点であります。

○鈴木部会長 横山委員。

○横山委員 簡単に意見と、それから質問をしたいと思います。
 意見のほうは2つ、簡単にですが原単位方式がなぜだめなのかということをもう少し強調してほしいということと、もう一つはマネーゲームへの批判、懸念というのが92、93ページに書いてあるんですけれども、これを読んでみると、やっぱりどこか自信なさげというか、やっぱりあいまいなところがある。
 マネーゲームの排除という観点から議論して、ぜひ記述してほしいというふうに思います。
 2点目は質問なんですが、植田小委員長もこれから制度オプション案についての議論に進みたいということですけれども、似たような検討会を行っているところが経産省を含めてあるわけで、その調整がどうなるかということをちょっと説明していただきたいと思います。ここで幾らいいものをまとめても、また調整段階であいまいなものになってしまうのではないかということを、これまでの例からいうと恐れますので、よろしくお願いします。

○鈴木部会長 和気委員。すでに予定時間を超えて申し訳ございません。

○和気委員 1997年京都議定書まで、あるいはその周辺に遡ってみても私自身の基本理念は変わっておりません。どのような内容にしろ、削減義務化を受諾したとき、いかに柔軟に経済的効率性を担保しながら国際社会の中で遵守するかという状況の中で生まれたカーボンマーケットやカーボンプライスという考え方は、付属書1国政府間取引を当時は前提にしていましたけれども、その延長線上で国内カーボン取引の仕組みへの展開が予想されていたと理解していますし、その展開があってこそ経済的メカニズムが機能すると期待していましたので、この考え方、あるいは導入理念が実現化するということで、本日のご提案の方向については、よろしいのではないかと思っています。
 たしかに、国内排出量取引制度をきっちりとした形で、日本社会の中に根づかせ成長させていくことがとても重要だろうという、そういう視点や立場でいつも考えているのですが、ただ、やや矛盾している言い方かもしれませんけれども、国内排出量取引制度、そのものに過剰な期待をしてはいけないとも思っています。制度の運営次第ではいわゆる取引コストが嵩み、それほど効率性効果は期待できないかもしれません。あくまでも削減義務目標がどこにあるかという、先ほどほかの委員がおっしゃられたように、排出総量について社会的コンセンサスを得るべく行政努力を振り向けて、そして出てきた削減義務目標からのスタートとして、本来国内排出量取引制度の審議が意味あると思いますので、こんな意見はあまり述べたくないのですが、その最初の段階から、他の主要国がコミットすればという前提条件の中で出てきた25%削減目標を達成する施策措置としての提案という感はぬぐいきれませんし、したがって現状において国内排出量取引制度の効果や具体的制度設計を審議するのは、本来の趣旨からして、順番が少し違うのではないかと思います。この制度は、削減目標に関する国内全体コンセンサスに向けて、主なステークホルダー間の協議も含めてしっかりと議論していくことで生かされると期待します。もちろん、何も決まらなければこういう議論をしてはいけないということではなくて、基本的にはより合理的な制度設計を目的として、より中立的な立場から議論する場が必要であることはいうまでもないと思いますので、本日のご提案内容に関して、制度としてはこれから詰めなきゃならない問題も少なくないと思われますが、第一歩としてすごく参考になったと思います。
 加えて、国内排出量取引制度の導入それ自体に過大の期待をしてはいけないと同時に、過剰の不安も持たないほうがいいと思います。市場取引化に進む以上、不安定性や不透明性など多くの市場が直面するリスクは回避できないと思わざるをえません。あくまでも、限られた政策目標を限られた政策手段で実現すると、そういうふうに国内排出量取引制度を考え、クールに評価したほうがいいのではないかと思います。
 次に、この国内排出量取引制度の導入が新成長戦略との絡みで出てきているようにも見受けられます。だとすれば、今回の地球温暖化対策法を含めた手法にやや不安を感じます。新成長戦略を視野に入れるのならば、もっと広い意味でのポリシーミックスが必要だと思います。つまり、環境政策における狭義のポリシーミックスではなくて、金融政策やエネルギー政策も含む産業政策、あるいは消費行動の評価も含めて、他省庁間にわたる広義のポリシーミックスやポリシーパッケージを視野に入れた政策評価・政策提言を示唆する内容を審議させていただきたいと思います。ここで重要なことは、そういう問題意識を共有できてこそ、国内排出量取引制度が結果として新成長の起爆剤になることが期待できるのではないかと思います。
 最後に国際競争力の配慮のところで、やや懸念を感じますのは、EUの貿易集約度というような考え方が参考にされている点です。貿易集約度の高い産業については無償、低い産業については有償ということで国際競争力への配慮がなされていることが紹介されており、これがある種、参考にされるといった感じを受けました。もちろん、それだけでは国際競争力への配慮には不十分だと思います。たとえば、産業構造が相当サービス経済化してきまし、サービス部門は非貿易的要素が大きいですので、サービス部門への追加的な環境コストは、他の産業へのインプットを高めますので、日本の産業全体を一層コスト高にし、結果として、無償化措置だけでは国際競争力への配慮にはならない可能性が危惧されます。国際競争力への配慮問題が狭い範囲で議論されることに強い不安を感じます。また、たとえば地域統合体であるEUにおける貿易問題と、日本の貿易問題とは当然ながら違います。広い意味でのポリシーサポーティングを工夫するとか、この辺は少し慎重にして、かつ大胆なる政策配慮が必要になると思われます。以上です。

○鈴木部会長 大変大事なところをご指摘いただき、副大臣がおられないのが残念なんですけれども。
 この小委員会におきましては、排出量取引の制度を考えていただくということで、もちろんこれは排出量取引ですから、キャップが決まった上でその中でいかに経済的な合理性を発揮して活動していくかというそういう話なので、今いろいろございましたように、先ほどのロードマップのときの議論なんかともちろん切り離して議論できるわけではない。しかしながら、またカーボンエコノミーといいますか、炭素を中心とする経済一般について議論しだしますと、これはまとまるわけもないので、ここはともかく制度についてきっちりお考えいただくという、そういうことであったろうと思います。
 それからLCAの話が出てきたんですが、これもやはりカーボンエコノミーの中で非常に重要なところなんですが、もし製品を生産する段階ではなくて、すべて消費の段階でCO2を計算するというような、これは一時そういうことも考えられたと思います。そっちへ動いていくと、鉄鋼の問題なんて、一遍にけりがついちゃうんですね。
 日本の鉄鋼を外で使っていただくときには、カーボンを背負っていってもらうという、そういうようなことを考えたときに国全体として、果たしてどうなのかというような議論はどこでされているのかも、実際よくわからないんですが、あまり私が発散させてはいけないんですが、ここでの今回の小委員会ではいろんなそういう炭素エコノミーに関する議論がある中で、国内排出量取引制度として適切な形はどうなのかというようなことを国際的な視野の中でお考えいただいて、いろんな状況の中でお考えいただいていくと、こういうことだろうと思います。
 それでは、事務局のほうから、いろいろとご質問もありましたので、対応をお願いいたします。

○大臣官房付 ご質問といいますか、ほとんどのご指摘はご意見ということで、今後の小委員会におけるオプション案の検討に役立たせていただくということかなというふうに考えます。例えば排出量取引は万能ではなくて、あくまでの大規模排出源を対象とした制度であるということでありますとか、またはLCAにつきましては、さらなる詰めが必要であると。ポリシーミックスについても、さらなる検討が必要であるというご指摘をいただいたというふうに思っております。
 質問として、明示的にいただきましたのは産構審における検討との関係ということでございますけれども、これは事務局といたしましては、最初の部会長のごあいさつにもありますように、この中環審におきましてレポートをおまとめいただきまして、その後はオプション案につきましては政府の中での調整ということになりますので、まずは、環境政策の観点からの望ましい姿ということで、おまとめいただきたいということでいうふうに考えているところでございます。

○鈴木部会長 小委員会をリードしておられる委員長の植田委員、いかがでしょうか。

○植田委員 たくさんのご意見をいただきましてありがとうございます。制度設計に関わる重要な論点を幾つも出していただいて、改めて制度設計に対する期待が大きいというふうに、私は理解いたしました。
 どこまで、制度の中に具体的に取り込めるか、あるいはどこまで取り込むべきかとかいうようなことも、とても重要な問題ですし、議論をつくしながら実際の制度として見えるものにすることが、やはり議論を進展させるためには重要ではないかとえておりまして、そうなった段階で初めてそれぞれの1人1人の個人や家計とか、企業にとってどういう内容を持つものかということがはっきりしますので、そうしたらまた制度に関する議論がしやすくなると思います。今までのさまざまな先行した実例もございますし、あるいは実務を担当されている、あるいは事業者の方々、いろんな方々からのご意見もございます。あるいは、さまざまな研究もされておりまして、そういうものを総合しながら、今日のご意見も踏まえて、できるだけ議論が活発にできるよい制度、オプション案という形で出していきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、大変時間が延びてしまって申し訳ありませんでしたが……はい。では、簡潔にお願いします。

○浅岡委員 すみませんがちょっと1点だけ。
 森嶌先生のご発言に対し私は事務局からご意見があるかと思ったんですけれども、ありませんでしたので、一言だけつけ加えさせてください。
 森嶌先生が、今、日本はエネルギー転換と産業部門では4割で、残りがこうした業務や家庭や運輸であって、そちらが増えているんだから、ヨーロッパなどでやっている取引制度とウエートが違うんだというご発言だったんですけれども、これは間接排出量について日本を勘定したときの話でありまして、これは言うまでもないことなんですけど、ヨーロッパは直接排出で取引制度を考えていて、その同じ考え方でやると、日本は65%もあると。より適合性があると、そこだけ誤解はないと思うんですけれども、確認しておいていただきたいと思います。

○鈴木部会長 それでは、最後に事務局のほうから報告事項がございますので、資料4につきましてお願いいたします。

○フロン等対策推進室長 それでは、お手元の資料4をご覧いただけますでしょうか。
 フロン類等対策小委員会についてでございます。1.の開催の趣旨の2段落目のほうから書いておるんですけれども、フロン類対策を取り巻く状況といたしましては、機器の使用時における冷媒フロン類の漏れがかなり相当程度存在することが近年判明していること、またフロン回収破壊法での廃棄時の冷媒の回収率が約3割程度にとどまっていること、また恒久的な対策としてのノンフロン製品の普及の加速化をいかに図っていくかといった課題が浮かび上がってきているところでございます。
 このため、フロン類等対策小委員会におきまして、今後のフロン類等の排出抑制の一層の推進のために必要な検討を行っていただくべく、先週の7月27日に第1回目の小委員会が開催されたところでございます。裏面に委員会のメンバーの名簿を記載させていただきましたけれども、小委員長につきましては、東京大学名誉教授の富永健先生にお願いしているところでございます。
 表に戻っていただきまして、3.にスケジュールの予定が書かれておりますけれども、本日の午後に第2回の小委員会が、関係者からのヒアリングの2回目ということで開催されます。現状及び動向の把握を進めまして、以降、課題論点の整理、必要な促進策の検討等をお願いしたいと考えているところでございます。
 以上、報告でございました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。また、いろいろ進行状況はご報告をいただけると思います。
 では、中長期ロードマップ小委員会、そして、国内排出量取引制度小委員会、この2つの小委員会におきましては、さらに検討を深めていただき、またその検討内容を本部会にご報告をいただく、こういうことで進めさせていただきます。年内を目処にいたしまして意見具申という形で取りまとめていきたいと考えておりますので、委員の皆様方、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
 それでは、最後に事務局から連絡事項等がございましたらお願いします。

○地球温暖化対策課長 活発なご議論ありがとうございました。今日は時間も限られておりましたので、追加すべき質問とかコメントがございましたらば、1週間後の8月10日火曜日までに書面でお送りいただければと思います。次回の地球環境部会につきましては、両小委員会における審議の状況も踏まえまして、改めて日程を調整しまして、また連絡をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 それでは、本日の部会を、これで終了させていただきます。どうもありがとうございました。

午後0時21分 閉会

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