中央環境審議会地球環境部会(第89回)議事録

1.日時

平成22年4月15日16:00~18:16

2.場所

東海大学校友会館阿蘇の間

3.議事次第

  1. 1.地球温暖化対策基本法案について
  2. 2.地球温暖化に関する中長期ロードマップについて
  3. 3.国内排出量取引制度について
  4. 4.中長期ロードマップ及び国内排出量取引制度に関する小委員会の設置について
  5. 5.その他

資料一覧

資料1-1
 地球温暖化対策基本法案の概要
資料1-2
 地球温暖化対策基本法案 主な意見の反映状況
資料2-1
 地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ(概要)(小沢環境大臣試案)
資料2-2
 地球温暖化対策に係る中長期ロードマップの提案(小沢環境大臣試案)
資料2-3
 中長期ロードマップを受けた温室効果ガス排出量の試算
 (国立環境研究所AIMプロジェクトチーム)
資料2-4
 地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ(小沢環境大臣試案)に対する意見の募集について
資料3
 国内排出量取引制度を巡る最近の状況について
資料4-1
 中長期ロードマップ小委員会の設置について(案)
資料4-2
 国内排出量取引制度小委員会の設置について(案)
資料4-3
 中央環境審議会関係法令等
参考資料1
 2008年(平成20年度)の温室効果ガス排出量(確定値)について
参考資料2
 「気候変動枠組条約特別作業部会第9回会合(AWG-LCA9)」及び「京都議定書特別作業部会第11回会合(AWG-KP11)」の結果について

議事録

午後4時00分 開会

○地球温暖化対策課長 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会の第89回会合を開始させていただきます。
 本日は委員総数37名中29名の委員の方からご出席予定というご連絡をいただいております。若干遅れていらっしゃる先生方いらっしゃいますけれども、既に定足数は達しておりますので、ご報告申し上げます。
 また、本日の審議は公開とさせていただきます。
 初めに、田島環境副大臣より一言ごあいさつを申し上げます。

○田島副大臣 失礼いたします。皆様大変お疲れさまでございます。本日、それぞれのお立場で、何かとご多用の中にも関わりませず、こうしてご出席をいただきました委員の皆様、本当にありがとうございます。本来でありますならば、小沢鋭仁環境大臣がこの場でマイクを握りまして、皆様にごあいさつ申し上げるところではございますが、ちょうど同じ時間に大臣が事務局長を務めます温暖化対策の副大臣級検討チームの会合が開催されておりまして、私も終わりましたら、遅れて参らなければならない状況にございますが、僣越ではございますけれども、大臣に代わりまして一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
 言うまでもなく温暖化対策は喫緊の課題でございまして、3月12日に地球温暖化基本法が閣議決定をされ、国会に提出されたところでございます。これを受けまして、今後は、2020年に温室効果ガスを90年比で25%、また、2050年には80%削減するという、中長期的な削減目標を達成するために、具体的な対策、施策の道筋を示していくことが不可欠だと考えております。
 環境省では、昨年の12月末に中長期ロードマップの検討会を設置いたしまして、各分野の専門家の先生方のご参加の下、集中的にご議論をいただいてまいりました。このご議論の成果を基にいたしまして、中長期ロードマップに関する小沢環境大臣の試案を去る3月31日に発表させていただいたところでございます。この試案につきましては、今、関係省庁において進められておりますさまざまな検討との調整を進めつつ、同時に公開の場を設けまして、いろんなお立場の関係者の皆さんからご意見をお伺いし、内容の精査をしていかなければならないと考えて取組をしているところでございます。
 また、本日のもう一つの議題であります国内排出量取引制度につきましては、25%削減を実現していく上で大きな重要な施策の一つと位置付けており、温暖化対策基本法案の中でも施策の第1番目に位置付けをしてきたところでもございます。国内排出量取引制度につきましては、温室効果ガスの総量削減を費用効果的に実現する、極めて有効な経済的アプローチであり、キャップ・アンド・トレードが今や世界の潮流となっているところでもあります。基本法案が成立・施行されれば、その後1年間でこの法律案をまとめていく必要がございますが、環境省といたしましては、これまで培ってまいりました経験、知見を十分に生かして、皆様のご意見もお伺いしながら、政府内で議論を主導していきたいと考えております。
 小沢大臣は、地球温暖化対策を議論する際には、これまでの環境と経済の両立という考え方をさらに発展させて、環境と成長の両立という考え方で内容を詰めていくことが重要だと常々申されておりまして、中環審における検討においてもこのような考え方をぜひ重要視していただきたいと考えているところでございます。ロードマップを今後進化させていくため、また、国内排出量取引制度の実現に向けた精力的な調査、そして、審議を進めていくためには、国民各界各層からの多種多様なご意見もお伺いをしながら、中央環境審議会の委員の先生方のご協力をいただくことが不可欠だと認識しているところでございます。
 本日は、温室効果ガス25%削減目標、80%削減目標の達成に向けた、大きな一歩となる重要な会合であると認識しております。委員の皆様の精力的なご議論を心からお願い申し上げまして、開会にあたりましての皆様へのお願いのごあいさつにさせていただきたいと思います。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

○地球温暖化対策課長 ありがとうございました。
 それでは、今後の議事の進行につきましては、鈴木部会長にお願い申し上げます。

○鈴木部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 まず、事務局のほうから配付資料の確認をお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 それでは、お手元の資料でございますけれども、議事次第のあとに、資料1-1といたしまして、温暖化基本法案の概要がございます。1-2といたしまして、横長でございますけれども、主な意見の反映状況というのがございます。
 次に、資料2-1でございますけれども、ロードマップ(小沢大臣試案)でございます。2-2といたしまして、横長の少し厚めのものでございますけれども、ロードマップ(試案)の本文でございます。2-3といたしまして、これも横長の少し厚いものでございますけれども、温室効果ガス排出量の試算について、国環研の資料でございます。それから、2-4といたしまして、中長期ロードマップに関する意見募集についてという1枚紙がございます。
 次に、資料3といたしまして、排出量取引の最近の状況についてという、横長のものでございます。
 それから、4-1、4-2、4-3ということで、小委員会の設置についてという2枚の紙と、中央環境審議会の関係法令等というものがございます。
 最後に、参考資料が2つございまして、それぞれ1枚でございますけれども、2008年度の温室効果ガス排出量確定値についてのお知らせと、国連気候変動に関する特別作業部会結果の概要というものがございます。
 資料は以上でございますけれども、過不足等ございましたらば、お申しつけいただければと思います。
 それから、資料1でございますけれども、委員の皆様方には別途、温暖化対策基本法案の概要資料ということで、冊子として印刷されたものをお手元にお配りしておりますので、ご承知おきください。
 以上でございます。

○鈴木部会長 それでは、議事に入りたいと思いますが、本日は時間も限られております。議題といたしまして5つございますが、1から3までの議題につきましては、事務局のほうから説明を受けまして、その後まとめてご議論、ご質問をいただきたいと思っております。
 それでは、資料1-1、1-2に基づきまして、地球温暖化対策基本法案について、議題の1、これは小林審議官のほうから。

○小林大臣官房審議官 官房審議官の小林でございます。それでは、資料1-1に基づきまして、温暖化対策の基本法案につきましてご報告を申し上げます
 これにつきましては、2月10日、それから、3月5日、2回にわたりまして、途中経過でございましたが、ご報告し、さまざまなご意見をいただいたところでございます。副大臣のごあいさつにもございましたように、3月12日閣議決定をして国会に提出しているものでございます。時間の関係で、前回からの変更点、それから、主なポイントに限りましてご説明をさせていただきます。
 資料1-1、1枚目が全体像でございますが、1枚めくっていただきますと、概要を、裏表4ページにまとめております。1の目的は、化石燃料に頼らない社会に切り換えていくということで、経済の成長、あるいは雇用の安定、エネルギーの安定的な供給の確保というようなことも図りながら、温暖化対策をしっかり推進していくという目的を掲げているもので、前回と同じでございます。
 2が基本原則で、これも復習になりますが、1つ目の○が新しい社会、ライフスタイル、ビジネススタイルも変えていこうというような趣旨でございます。2番目には、国際協調も重要であるというようなこと。4つ目の○としては、新しい産業、あるいは、就業の機会の増大ということになっていくように、対策を進めていこうということでございます。それから、エネルギー政策、また、生物多様性、食料、その他関連施策との連携を図るということなどを記述したもので、特に前回のご説明と大きな変更はございません。
 次のページにまいりまして、3の中長期の目標、これも前回ご報告のとおりでございますが、既に国会等でも論議があるところでございますので、おさらいの意味でもう一度確認をいたします。中期目標、2020年、平成32年の目標としましては、90年比、平成2年比で25%削減ということでございますが、この中期目標につきましては、すべての主要国が国際的な枠組みに乗ってくるということ、また、それぞれの国が意欲的な目標について合意をするという場合に設定されるということで、いわゆる前提条件の下でぜひこれを目指していこうと。もちろん、そういった枠組みができるように努力もしていくということでございます。
 [2]の長期目標は2050年の目標でございまして、80%削減。これを地球全体で半減するところに持っていくというようなことを見込みながら、掲げているものでございます。
 中期目標につきましては前提条件がございますが、こういった条件が整う前でありましても、長期目標に向かって施策はきっちりやっていくというようなことを、[3]で位置付けているものでございます。
 再生可能エネルギー目標もしっかり持っていこうということでございまして、この辺も前回のご報告と変わらないところでございます。
 あと、後ろのほうにございますが、この前提条件が成就したというようなことにつきましては、政府としてしっかり判断をし、政令という形で、一体いつからこれが成就したことになるのかということは明らかにしていくということが、後ろの附則のところにございます。
 それから、4が基本計画でございまして、幅広い対策が以下に出てまいりますが、これを掲げてやっていくわけでございますが、2020年、2050年のみならず、条文を見ていただくとわかりますが、2030年とか40年の見通しなども掲げながら、全体的な対策をしていこうというものが基本計画でございます。
 次のページ以下が基本的施策でございますが、前回からの変更のご報告といたしましては、1番目の国内排出量取引制度の創設につきましては、温暖化対策税の検討と並行して検討を行い、法律の施行後1年以内を目途に成案を得るというようなことは、この前ご報告したところでございます。具体的な制度の中身は、排出量の範囲でありますとか、排出量の限度の定め方ですとか、こういうものは今後の制度設計に委ねるということでございますが、そこの基本的な考え方としまして、[1]の※に書いておりますように、一定の期間における温室効果ガスの排出量の総量の限度として定める方法を基本とした上で、生産量その他事業活動の規模を表す量の1単位当たりの排出ガスの限度、いわゆる原単位でございますが、これについても検討を行うというような位置付けにしているものでございまして、こういうことでこの法律を提出いたしました。
 [2]の温暖化対策税につきましては、税制グリーン化の中で、23年度実施に向けて成案を得るように検討ということで、前回同様でございます。
 [3]の固定価格買取制度につきましては、表現としては、全量固定価格買取制度、これは電気事業者が一定の価格、期間及び条件の下で、電気である再生可能エネルギーの全量について、調達する制度、いわゆる全量買取方式であるということを明示しております。
 それから、4番目の原子力につきましても、一定の位置付けをしていきたいということを前回ご報告申し上げましたが、温室効果ガスの排出の抑制に資するために、温室効果ガスの排出の量がより少ないエネルギーへの転換ということとあわせまして、特に原子力に係る施策については、安全の確保を旨として、国民の理解と信頼を得て推進するというような位置付けをしたということでございます。
 あとは、全般的に幅広い対策を講じていくということで、若干の微修正はございますが、大きな変更はございません。
 最後のページにまいりまして、特に地域づくりというところが重点であるというふうに認識をしております。それから、国際的な協調はもちろん重要な課題でございますが、この中で国際連携の確保、あるいは、資金調達なども大きな課題でございますが、特に日本が優れております技術、製品の提供その他の取組を通じた、他の地域への温室効果ガス排出抑制の貢献が適切に評価されるような仕組みの構築ということも、今後の大きな課題として明確に位置付けたところでございます。
 それから、21番目でございますが、これからますます広範な対策を講じていく上で、さまざまな主体の皆様方とよく意見交換をして、意思疎通を図って、政策を進めることが重要であるということで、ここもしっかりと民意の反映を心がけていくということもかなり書き込んでいるところでございます。
 あと、付言でございますが、政府提案の法律をこういうことで出しておりますが、自由民主党、あるいは、昨日、公明党からも対案というような形で法案が出てまいりまして、国会で充実した審議が行われるものと期待をしているところでございます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 では、引き続き、議題の2に関連いたします中長期ロードマップの大臣試案につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 地球温暖化対策課長の高橋でございます。私のほうから、資料2-1、2-2、2-3が中長期ロードマップの中身に関するものでございますけれども、2-1の概要に基づきまして、ご説明させていただきます。
 本件につきましては、2月の地球環境部会におきまして、環境省としての調査といたしまして、西岡先生を座長とする検討会を設置いたしまして、4つのワーキンググループを設置いたしまして、検討を始めたということをご報告いたしました。特に西岡先生が座長をされる全体検討会については、それ以降都合5回開催いたしまして、特に4回、5回目については公開で開催させていただきました。3月26日に第5回目が行われまして、そのとりまとめを行いました。そのとりまとめを踏まえまして、3月31日付けで小沢環境大臣の試案を公表してございます。
 1枚目でございますけれども、中長期ロードマップで伝えたいことということで、25%、あるいは、50年80%に向けた具体的な対策・施策の道筋、一つの姿を提示していくということでございます。その際に、我慢ということではなくて快適な暮らしを実現していく、そのための国民一人ひとりの取組を進めていく。また、負担のみに着目するのではなくて、温暖化対策を新たな成長の柱というような位置付けをして、新成長戦略とも関連づけをしていく必要があるのでございますけれども、市場・雇用の創出効果、あるいは、地域の活性化等の副次的な便益というものも十分見ながら、評価をしていきたいということでございます。
 1枚目に、ロードマップに盛り込まれております施策・対策の主なものをピックアップしてございます。左上の日々の暮らし、住宅、建築物につきましては、1つは、建物の省エネ基準を強化し、その義務化をしていくというようなこと。あるいは、ラベリング、性能表示というものを改善することによって、建物の環境性能を不動産取引にも価値付けをしていく。あるいは、住宅温室効果ガス診断士とございますけれども、個々の家庭でどういう取組をしたらいいのかということをアドバイスするような仕組みもつくっていくということでございます。
 また、2つ下がりまして、自動車の分野も大変重要でございます。これにつきましては、次世代自動車、いわゆるハイブリッド、プラグイン・ハイブリッド、電気自動車、あるいは、天然ガス自動車、将来的には燃料電池、そういう自動車につきまして、2020年時点で250万台の販売台数ということ、これは販売される車の2台に1台をこういう次世代の自動車に変えていくというようなこと。あるいは、ガソリン車も相当残りますので、燃費基準というものを強化していく。E3の対応を進めて電池の開発が大変重要でございます。また、エコドライブ、カーシェアリング等のソフトの取組も進めていくということでございます。
 それから、右上でございますけれども、地域づくりというのもひとつ重要なテーマでございます。この部門はなかなか定量化が難しいわけでございますけれども、1つは、1人当たりの自動車の走行量を1割削減という目標を掲げてございます。これは左下の個々の自動車の対策だけでは25%は難しいということで、いわゆるコンパクトシティというまちづくりを進めていく、あるいは、LRT等の公共交通機関を活性化していく、あるいは、歩行、自転車の活用もありますけれども、1人当たりの走行量を減らしていく。
 もう一つ、地域づくりで重要なテーマとしては、都市の未利用熱を最大限活用していくということで、例えば清掃工場の排熱等を地域の熱源として活用していく、そういうまちづくりと一体となった取組が重要であろうということでございます。加えて、物流でありますとか、地域間、比較的長距離の旅客交通というものも、モーダルシフトを進めるなどによりまして、低炭素化を図っていくことが重要でございます。
 地域については、いわゆる農山村についても特別のサブグループをつくって議論をしていただきました。農山村については、CO2の発生というよりも吸収の役割、あるいは、バイオマス等をはじめとする再生可能エネルギーを供給する役割が重要だということで、そういう観点で活性化、あるいは、新しいビジネスを起こしていくというようなことが重要かと思っております。
 また、ものづくり、これはいわゆる産業部門でございますけれども、これまでいろいろ努力していただいて低減をしてございますけれども、引き続き重要な部分を占めるということで、さらに2050年に向けてエネルギー消費を減らしていくということでございますけれども、排出削減をする努力が報われるような市場づくり、経済的なインセンティブが重要であるということでございます。
 また、金融面の支援、あるいは、工場、事業所の段階だけではなくて、製品による排出削減を含めたライフサイクルの排出量を評価するような仕組みというものも位置付けてございます。革新的技術の開発支援は当然でございます。また、フロンについても、代替フロンが今増えてございますけれども、そういうものの排出抑制、あるいは、脱フロンというような対策も重要になってくるということでございます。
 その下の四角はエネルギー供給ということで、基本法案にも再生可能エネルギーの割合を供給ベースで10%以上にするという目標を掲げてございます。これは現時点では大規模水力を含めて5%を割っておりますけれども、それを10%以上にもっていくということで、これも意欲的な目標であろうと思っております。その一つの主要な対策として固定価格買取制度、これが今経産省のほうで議論されてございますけれども、その買取のレベルについても、事業投資を促す水準を確保する必要がある、あるいは、電気だけではなくて熱の促進ということで、グリーン証書等を含めて進めていくということでございます。
 また、再生可能エネルギーではどうしても初期投資がネックになりますけれども、そういうものをクリアするための企業あるいは地域に対する支援、場合によっては導入の義務化というようなことも視野に入れていくということでございます。また、再生可能エネルギーの大量導入に伴って、系統連携対策、それに加えて、関連してはスマートグリッドの整備というものも進めていくということでございます。
 また、再生可能エネルギーに加えて化石燃料の効率化、燃料転換、あるいは、低炭素化、将来的にはCCSの導入、また、安全を大前提とした原子力発電の利用拡大、稼働率の向上を含めて利用を進めていくということも重要でございます。
 また、それぞれの分野に共通する社会システムといたしまして、キャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引制度、あるいは、地球温暖化対策税というものを位置付けているということでございます。
 2枚目以降に少し細かい数字が書いてございます。詳しい説明は時間の関係で省かせていただきますけれども、2ページの上の棒グラフは、1990年から始まりまして、現状、それから、2020年の推計値、あるいは、2050年の値が出ております。2020年につきましては、25%削減ということでございますけれども、矢印の下の括弧にございますように、国際貢献あるいは吸収源を含みうるということで、25%真水で必ずしもやると決まったわけではございませんけれども、25%の中身としては、海外との協力によるクレジット、あるいは、国内の吸収源というものを含みうるということでございます。ただ、これらについては国際ルールがまだできてございませんので、ここでは25%真水のときの数字をこの棒グラフには書いてございます。波線をつけて幅がありうるということを示してございますけれども、ここに掲げている具体的な数字は25%真水の場合の数字ということで見ていただければと思います。
 産業部門については、これまで着実に減ってきておりますので、そういう意味では、直近の2008年度と比べた数字が括弧に書いてございますけれども、10%程度の削減でございます。それに対しまして、家庭、業務についてはこれまで増えてきているということもございまして、直近から見ますと、大幅な削減が必要になってくるというような形になってございます。
 その下以降、それぞれの分野ごとにさまざまな具体的な対策、そういうものをどの程度導入する必要があるかということを、これも25%真水という場合について最大ここまで必要だということで書いてございます。給湯器などもほとんどの家庭に導入されるというようなスケールでございます。太陽光発電も最大では1,000万世帯まで積み上げることが必要だということになってございます。新築・既築の住宅についても、先ほど申しましたように、断熱基準の達成率を上げていくということが必要になってまいります。
 3ページにまいりまして、業務ビルについても、同様に空調の改善とか、建物断熱構造基準を強化していくということでございます。
 自動車については、先ほど申しましたところでございますけれども、一番下のエネルギー供給部門を見ていただきますと、ここでも再生可能エネルギー、太陽光、風力、地熱、中小水力、それらについて最大ではここまで大きな伸びが必要であるという算定をしてございます。CCSについても、これまでは、どちらかといいますと2020年より先の技術ということで位置付けておりましたけれども、少しでも頭出しをしていくことが必要ではないかという議論がございまして、若干でございますけれども、20年においても一部実現するというような絵にしてございます。原子力については、8基新増設というこれまでの計画を踏まえております。また、稼働率については、昨年までの国環研の推定でも最大82.5というような数字を使っておりましたけれども、今回、真水25%という最大のケースにおいては88%という数字を置いてございます。これは、過去、新潟の地震等がある前の段階での我が国における一番高い目標をここで持ってきているということでございます。
 これらにつきまして、さまざまな対策を講じるに必要な追加投資額というのが右側に書いてございます。すべての合計でいいますと99.8兆円、これは2011年から2020年までの10年間のトータルでございますけれども、このぐらいの追加投資額が必要になってくる。これは官民合わせて全体ということになってございます。
 3ページの下にございますように、100兆円というものでございますけれども、これらは基本的に省エネ、あるいは、エネルギーをつくり出すというものでございますので、エネルギー費用の節約分によって回収されるということで、2030年ぐらいまでには概ね回収できるような額であるということも書いてございます。
 4ページでございますけれども、今申し上げましたように、太陽光発電をはじめ相当のボリュームで家庭でも取組をしていただく必要があるということになりますので、具体的にどのぐらいのお金がかかるのか、それが省エネ等でどのぐらい回収できるのかということを幾つかわかりやすく例示をしているものでございます。
 例えば、新築で家を建てる場合でございますと、太陽光発電、断熱、あるいは、高効率給湯、省エネ家電、こういうものをひとそろい入れたといたしますと、200万から300万円近くの追加投資がかかるということでございますけれども、固定価格買取制度、あるいは、現在はエコポイントもございますので、そういうものを活用しながら、光熱費の節約というものを加味いたしますと、この試算では10年程度で追加投資分の回収ができると、こういうような例をお示ししております。こういうような観点でわかりやすくお示しすることによって、家庭の取組についても理解いただくということが重要だろうと思っております。
 それから、5ページ以降は、ロードマップの対策を実行した場合の経済効果、経済への影響ということにつきまして、幾つかの経済モデルを使った試算を挙げてございます。これにつきましては、昨年までタスクフォースの中で一般均衡モデルを使ったさまざまな研究機関による推計について議論がされてまいりました。一般均衡モデルを使った場合に、対策を行わなかったなりゆきケースが最も効率的なケースというふうに設定されております。そこに何らかの炭素制約を加えることによってGDPは一般的には低下するということで、その低下の幅をいかに小さくしていくかというような議論がされておりました。そういう議論に加えて、むしろ対策を講じることによって、イノベーション、あるいは、新たな雇用、市場が生まれると、こういうところのプラス効果を見るとどうなるのかというふうな観点での分析を今回はお示しして、これまでの分析を補完するような形でお示ししております。
 詳細は省略いたしますけれども、例えば1番目のモデルでは、将来CO2に対する規制が強化されるということを見越して、前もって前広に低炭素投資、太陽光パネル等、投資を積極的に行うと、また太陽光パネルの値段もどんどん下がっていくと、そういうような前提を入れますと、対策を強化しない場合に比べて、GDP、雇用がプラスになるというような結果が出ております。
 2番目のモデルでは、家計に着目いたしまして、省エネ家電とかエコカー、太陽光パネル、そういうものがどんどん普及していくという前提を入れますと、そういうものの製品の価格がまず下がっていく。加えて、光熱費あるいはガソリン、そういうものが節約されるということで、家計に余裕ができて、ほかの財を買う余裕ができてくるということで、家計の効用が増えるという結果が出ております。この場合は所得階層別に分析していますけれども、所得の多い人ほどこういうものを買うことができますので、所得の高い人ほど効用が高いという部分はございますけれども、全般的にトータルで見て家計がプラスになるという結果が出ているということでございます。
 3つ目の結果は、いわゆる産業連関分析ということで、市場に新たな製品の需要が出ることによって、国内の需要もございますし、海外への輸出というものも一部ございますけれども、新たな需要ということで45兆円・125万人の需要が出てくると。これは昨年末に発表されました新成長戦略の50兆円・140万人の約9割に相当するものでございますけれども、計算されてございます。これについては、一点注意が必要なのは、ここで計算しておりますのは、あくまでも新たに生じる需要、市場の効果ということでございますので、従来型の製品、産業が小さくなる、縮むという部分については入っておりませんので、そこは割り引いて見る必要があるということでございます。
 最後のページでございますけれども、4つ目として、マクロモデルによる分析結果というものも挙げてございます。これは需給ギャップがある、失業が出ているような状況で温暖化対策を講じると。具体的には炭素税を導入して、その中で、例えば炭素税の税収を政府支出に充当した場合というようなケースを見ますと、国内需要の増加によりまして、GDPが増加し、失業率は低減するという効果が見られたということでございます。この経済モデルにつきましては、小沢大臣もこの発表の際に申し上げておりましたけれども、モデルの組み立て方、前提条件の置き方によってさまざまな結果が出てまいります。これまでのタスクフォースの結果もございますし、別の観点からの結果もあるということで、これらを総合して議論をしていくべきだろうということでございます。
 もう1点だけ。ちょっと補足をし忘れました。2ページの棒グラフのところで、真水25%の水準を書いてございますけれども、ご参考までに資料2-3という、国環研のプロジェクトチームの資料がございます。これは西岡先生の検討会でご議論いただいた資料でございますけれども、これがロードマップの議論のベースになっている数字でございます。この試算においては、25%削減のうち真水として15、20、25という3つのケースを計算していると。詳しいご説明は省きますので、見ていただければと思いますけれども、そういう3つのケースを計算しているということを一言申し上げておきたいと思います。
 この試案の今後の扱いでございますけれども、今日、後でご議論いただくわけでございますけれども、中環審の地球部会の下でオープンな場でロードマップについてご議論を活発にしていただこうと、関係者からのヒアリングを含めてやっていただこうということでございます。
 加えて、資料2-4でございますけれども、今週月曜日から小沢試案に対する意見募集、パブリック・コメントも開始をさせていただきました。こういうものも適宜ご報告したいと思っております。
 また、関係省庁でさまざまな検討が進められております。特に経済産業省のほうでエネルギー基本計画の見直しという作業も進んでございます。そういう関係省庁における検討とも十分連携をとって、このロードマップの精査といいますか、議論を進めていきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 では、続きまして、議題の3、国内排出量取引制度につきまして、事務局のほうから説明をお願いいたします。

○市場メカニズム室長 市場メカニズム室長でございます。それでは、資料3という横長の資料に基づきまして、基本法案に位置付けられております国内排出量取引制度につきまして、ご説明させていただきたいと思います。
 資料をおめくりいただきまして、1ページでございますけれども、田島副大臣のあいさつにもございましたとおり、キャップ・アンド・トレードの排出量取引制度が世界の潮流であるということを申し上げましたけれども、現在、欧州、EUの排出量取引制度、EUETSと言われておりますけれども、また、ニュージーランド、米国の州レベルでの取組、そういったキャップ・アンド・トレードシステムが世界では動いているという状況にあります。また、東京都のキャップ・アンド・トレードシステムにつきましても、本年の4月1日から施行されたというふうな状況でありまして、さらに米国の連邦レベル、カナダ、オーストラリア、韓国等において検討されているという状況にございます。
 地球温暖化対策基本方針におきましては、2ページの左下、赤くなっておりますけれども、中長期目標に向けた特に重要な具体的施策の一つとして、国内排出量取引制度の創設というものがうたわれておりまして、3ページにその条文が書いてございます。国内排出量取引制度を創設すると。このために必要な法制上の措置についてこの法律の施行後1年以内を目途に成案をうるということでございます。国において成案をうるということですので、これはとりも直さず法案を政府としてとりまとめるということであります。
 2項にございますような排出者の範囲でありますとか、キャップの設定方法等々について、今後検討を行うということでございます。第3項は、閣僚委員会の議論におきまして、この第3項が入ったわけでございますけれども、排出量のキャップの設定の仕方につきましては、総量の限度として定める方法、及び原単位により定める方法についても検討を行うということで、総量を基本としつつ、原単位方式についても検討を行うということになってございます。
 それでは、このキャップ・アンド・トレード方式によります国内排出量取引制度とはどういうものかということで、4ページにごく簡単に説明させていただいております。
 まずは、排出量にキャップを設定することで総量管理を担保するというものであります。国レベルの中長期目標の確実な達成に資するため、排出量のかなり大きな部分を占めます大規模発生源を中心として、個々の企業に排出枠を設定するということであります。
 さらに、炭素への価格付けを通じて経済効率的に排出削減を促進するということでありまして、この取引を認めることによって炭素に価格が付くということで、削減をした企業が報われるという仕組みであるということであります。
 第3点として、排出枠の取引を認めることでキャップをかけるわけですけれども、キャップの達成の仕方については柔軟性のある目標達成を可能とする。
 これがキャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引制度の特徴であるということであります。
 下の図に模式的に示しておりますけれども、横の点線で書いてあるものが排出枠、キャップでございまして、黄色い排出量が、これを超えた企業、超えなかった企業の相互で取引を認めることによって、お互いにコストのやすい目標達成が可能になるということでございます。
 このキャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引制度につきまして、環境省におきましては、2005年から自主参加型の排出量取引制度を運営しております。また、2008年、一昨年には、大塚先生に座長をお願いした検討会におきまして論点をまとめたということでございます。
 その中間報告をベースにして、この論点を5ページにまとめております。いろんな論点がございますが、例えば制度期間、排出枠の総量をどうするか、対策の設定対象をどうするか、設定方法をどうするかということでございます。このような論点につきまして、どういうふうな観点から議論をする必要があるかということについて、6ページにごく一部をまとめてございます。
 例えば対象期間につきましては、京都議定書の第1約束期間が2012年までということでありますけれども、その後、中期目標に向けて2013年から2020年が基本となるのではないかということであります。排出枠の総量、また、その対象部門をどういうふうに設定するかということでありますけれども、産業部門、業務部門、運輸部門の一部を基本として対象部門を設定する。排出枠の総量については、技術動向等を踏まえつつ、中期目標に照らして進捗状況を点検・管理して見直しを行っていくということではどうかということであります。
 対象ガスにつきましては、モニタリング、排出量の把握が可能なCO2、これはエネルギー起源、非エネルギー起源がございますが、こういったものが基本となるということではないかと。
 排出枠の設定対象でございますけれども、方式についてはいろんな方式が考えられます。大きく分けて川上事業者、化石燃料の生産・輸入、販売を行う事業者にキャップをかけるというやり方と、川下事業者、つまり化石燃料消費段階を対象とするというやり方がございます。川下事業者を対象とする場合には、電力による排出をどうするか。発電所で出てくるCO2にキャップをかけるか、または電力を消費している事業者において、電力消費イコールCO2の排出であるということで間接的にキャップをかけるか、こういった直接方式、間接方式というのがございます。また、排出枠の適用単位について、設備単位、事業所単位、企業単位、いろんな方式があるだろう。こういった論点を検討していく必要があろうということであります。
 7ページをご覧いただきまして、排出枠の設定方法でございますけれども、大きく分けて排出枠を企業に交付する際に無償の割当と有償の割当の2つがあると。有償の割当の場合にはオークション、競りによる方法ということになりますが、無償で企業に配分するという場合には、ベンチマーク方式とグランドファザリング方式という2つの有力な方式がございまして、例えばある製品1トン当たりCO2の排出量、これは先進的な技術を用いて生産するとCO2は2トンで済むということでありましたが、標準的な原単位を用いて、企業の生産量に応じて必要な排出量を割り当てるというのがベンチマーク方式でございます。グランドファザリング方式というのは、今後目指すべきベンチマークを設定することが難しい場合には、過去の排出量、例えばある工場で過去何十万トン排出していた場合には、その何十万トンをそのまま割り当てる、または一定の係数で割り引いて割り当てるといった方式で、そういったいろんなやり方について、どういうふうに組み合わせていくかという論点がございます。
 また、国際競争力やリーケージへの影響。国際競争力に配慮しなければいけない業種、また、何らかの措置を講じなければ生産拠点が海外に出てしまうことによって、かえって地球全体として排出量が増えてしまうといったようなことが起こる。そういったことを防止するために、どのような措置をとるかということについても検討の必要がございます。また、新規参入、閉鎖時の扱いをどうするかといった論点もあるということであります。
 それから、費用緩和措置ということで、排出枠の価格が余りにも高騰してしまうことを防止するために、例えば年度間でバンキング、ボローイングといったようなことを行えるようにする。また、外部クレジットとして京都議定書に基づきます京都クレジットなどの海外クレジットを用いることができるようにする。また、他国の制度とリンクする。こういうオプションが考えられるわけですけれども、こういった点をどのように考えるか。
 このような論点について今後検討していく必要があるということでございます。
 8ページ以降は参考としてこれまでの取組を掲げてございます。9ページ、JVETS、これは2005年から実施しているものでありまして、10ページにその実績がございます。これまで約300社の参加により約100件の実績があるというものでありまして、11ページをご覧いただきますと、この制度を5年間運用してくる中で、登録簿システムでありますとか、排出量管理システム、また、各種の技術的なガイドラインなどの整備を図っているところであります。
 12ページは、JVETSも含めまして、政府全体として排出量取引を試行的にやってみようということで、前政権におきまして、本格的制度の導入を前提とせずに改正したものがありますけれども、この試行的実施というのは、国内統合市場ということで、自主行動計画をベースとした試行的な排出量取引スキーム、または、環境省が行ってまいりましたJVETS、大企業と中小企業の共同による国内クレジット制度、また、海外の京都クレジット、こういったようなものの市場を統合することを実験的に行ってきたというものであります。
 この成果が13ページにございます。ちょっと見にくい図でございますけれども、概略を描いてございます。基本的には、2008年度は、リーマンショックということもあって、かなり生産量が減退した年でありました。この試行スキームにおきまして、総量目標と原単位目標と両方あったわけですけれども、総量目標については、かなり生産量が減ったということもあり、ほとんどは達成されている、8割が超過達成、しかし、原単位目標の設定者は、その半数が削減不足ということであります。そのような結果になったということでありまして、実際の取引としては、次年度からの借り入れが認められているということもあり、取引としては1件しか起こっていないという状況でございます。
 14ページ以降は、J-VER制度ということで、ボランタリーなカーボンオフセットに用いますクレジットについて、環境省が認定する制度について説明してございます。こういった制度をどのように位置付けていくかということも検討課題の一つということでございます。
 現状については以上でございますけれども、先ほどロードマップについてご説明しましたように、国内排出量取引制度の今後のあり方につきましても、中央環境審議会におきまして、各方面のご意見を広く聴きながら、ご議論をいただきたいというふうに考えているところでございます。
 以上であります。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 ただいま議題1から議題3までにつきまして、短い時間で簡潔にご説明いただきました。このご説明に対しまして、ご意見あるいはご質問等が委員の方々からいただけると思います。発言を希望される方は、また例によりまして、ネームプレートを立てていただければ幸いです。
 16名の方が立てておられます。時間に非常に限りがございますので、簡潔にご質問いただければと思いますが、それでは浅岡委員のほうからまいりましょうか。

○浅岡委員 ありがとうございます。法案につきまして、小委員会に関しましても2点お伺いし、意見を申し上げたいと思います。
 1つは法案の33条でございます。政策形成への民意の反映ということで掲げていただいています。昨日も民主党の新しい公共という検討チームの皆様との会合がございまして、お願いしたところでありましたけれども、ここに「学識経験のある者、消費者、労働、産業の領域を代表する者その他」と掲げておられますけれども、ここに、環境NGOというものは加わっていると理解してよろしいのでしょうか。NGOは、市民・消費者、あるいは、将来世代を代弁する役割を担ってまいりたいと思っていることから申し上げるものであります。
 小委員会というのは、この法律ができ上がってまいりますと、こうした新しい仕組みの一つとも見られるわけでありますけれども、そういう議論の中にあって、国際的ネットワークや、我々なりの学習や、市民、消費者等とのキャッチボールなどを反映させる、研究もしていく機会として、検討会に加えていただくようにお願いしたいところでございます。
 もう一つは中期目標についてであります。10条2項と4項と付則の1条の関係でありますけれども、この法律そのものを拝見しますと、法律が制定されましても、中期目標の25%目標が、実際に、国内の中期目標として位置付けられるとは即は読めないわけであります。しかしながら、目標達成のために国内制度の議論をするときは、国内目標が確定した上で、それを達成する手段として制度議論をすることにならなければならないんだろうと思います。国際公約上、外交交渉上の前提条件と、国内の削減目標は目的が別ですのでそれぞれ明確にする必要があります。先ほどお話のありましたように、温暖化対策が新しい成長を促していく、新しい機械産業などの発展の可能性をより高めていく機会としていただきたいと思いますので、この点につきまして、国内目標を明確にする方法をご説明いただきたいと思います。

○鈴木部会長 浅野委員。

○浅野委員 基本法の5条と34条ですが、5条には地方自治体の、公共団体の役割が示され、責務が記されており、それを受ける形で34条では、いつも同じパターンですが、「地域の自然的・社会的条件に応じた対策を図る」という書き方になっております。ただ、現行法では、温暖化対策計画については温対法の中に規定があって、それを受ける形で地方公共団体がさらに実行計画をつくるという構造になっているわけですが、今度の基本法改正によって温対法も修正されることになって、基本法のほうの基本計画があって、それを受ける形で温対法は実行計画、実施計画をつくる、地方公共団体のこれまでの実行計画もその並びになってしまう、こういうことですね。
 そうすると、これは形式論理からいうと今までよりもはるかに地方公共団体の実行計画は地位が落ちてしまう。つまり、施行規則的な位置づけになってしまうという心配があります。法律がどうなっていようと、自治体は自治体で勝手なことをやればいいわけですから、そんなことは気にしないで進めればいいのでしょうが、しかしこれによって自治体のほうが、国が何か言ってきたらそれを受けて実施計画をつくればいいんだというふうなうけとめ方になってしまうおそれがあるわけです。このような理解はぜひとも防ぐ必要があると思いますから、基本法が通った後、自治体が今までよりは手抜きでいいのだというようなことにならないようにしなければいけない。これは大きな課題を残してしまったと思います。
 実際には25%削減ということに関しては自治体も重大な関心を持っていて、それぞれが今まで6%削減という目標をめざしてやっていたがこれからは目標を25%削減にしなければいけないと自覚しているわけです。でもそのために、何をやっていいかわからない、どうやって自治体では受け止めてやっていこうかという話になっているわけです。幸いにも西岡チームがおつくりになったロードマップの案はとてもよくできていまして、ちゃんと見る人が見て知恵を絞れば、自分のところでどこを使えばいいかというのはきれいにわかるようになっているわけですけれども、なかなか知恵のある自治体ばかりでもないものですから、これを読み解いて、自分のところではどこをどう使ったらいいのかということについて、ある種のモデルのようなものをつくってみるとか示しておかないと、動く自治体は動くけれども、動かない自治体も多いのではないかという気がします。この辺がよくできているだけに、使い勝手が逆に悪くなっているという気がしてしょうがありません。
 私も幾つかの自治体に関与していまして、実際にすぐ25%削減目標達成をどうするんだという議論に加わる立場にあるわけですけれども、工業を中心とする地域とサービス業、住宅ばかりの地域では全然やり方が違うわけですから、こういう全国のロードマップみたいにべたっと全部かいてあるものをみると、自分の地域でどこをどうとるんだということについては、必ずしもうまく応用できないといううらみがあります。私も、しょうがありませんので、この中にある個々のものについて、このくらいは達成したいと書いてあるやつを、地域では適当に選びとってそれにもとづいて項目別に定量目標でもつくって行く以外にないのかなと考えたりしております。個々の地域で一律に25%削減できるなどということはとても自信がありませんと思っていますけれども、とりあえずそんな考え方でやろうかと思っております。
 これはロードマップを全国のものとしてつくって終りではないということを、事務局としてしっかりお考えいただく必要があると思いますし、自治体の関係者との対話をしっかりしていかないと、お国で決めたからといって、ロードマップがそのまま実行できるとは思えないというふうに思いますので、この点は強く意見として申し上げておきます。

○鈴木部会長 では、猪野委員。

○猪野委員 ありがとうございます。
 まず、中期目標に関しまして、前提条件がついているというご説明がありましたが、今後は前提条件の判断基準も明確にしていく必要があると思います。また、目標そのものについては、国際的公平性の確保や、実現可能性などを踏まえ、エネルギー政策とも整合のとれた、現実的なものとしていく必要があると思います。
 それから、この基本法を実行するにあたり、今後、小委員会を作って、中長期ロードマップや様々な施策について詳細に検討していくという話ですが、まず、ロードマップに関しましては、個別施策のCO2の削減効果と、国民負担を明確に示す必要があると思います。現在、特にプラスの効果のみが強調され、マイナスの効果については考慮していないということですが、マイナスの効果も考慮して評価することが、小委員会の中でも求められると思います。また、産業の面では、技術の普及のリードタイムについても、小委員会の中でよく考えていただく必要があると思います。
 それから、もう一点、排出量取引についてですが、公平なキャップの割当が非常に困難であるとか、投機的な意味も十分含んでいるなど、様々な課題があると思います。特に、先行事例でありますEUETSにおいても、例えば訴訟の件や、国際競争力に与える影響など、様々な課題が出てきていることも事実です。米国において考えられている排出量取引制度についても、価格における上限、下限の問題がありますので、小委員会の中で、こういった他国の動向も把握していくことが非常に重要であると思います。是非よろしくお願い致します。
 以上です。

○鈴木部会長 岩村委員。

○岩村委員 最初に対策基本法案の絡みですが、先般申し上げたんですけれども、日本の企業なり民間の努力でいろいろな世界最先端の技術を持っている、これを国際的に評価させて、それの対価といいますか、そういったものを回収できるような仕組みを作るべきであるということを申し上げたところですが、早速法案でそういう枠組みを検討しようということになっています。この点について感謝いたします。これを具体的に検討される際には、ぜひまたあらかじめご相談いただければと思っています。この場でご議論いただければと思っています。
 同じ話が、ロードマップもそうです。今日は時間もありませんので、個々のことは申し上げませんが、それぞれにいろいろな問題を抱えていると思いますので、小委員会なり、この部会なりでいろいろ議論を交わさせていただけたらと思います。
 それから、ちょっと気になったんですが、先ほどご説明のあった資料2-1の一番最後に小沢大臣のメッセージというのがありまして、この中で「美しい地球を引き継ぐために、科学が求める水準であり」と言い切っているんですね。これをやるのが我々の未来に対する責任だとまで言っているんですね。大臣がおっしゃったんだからとやかく言えないかもしれませんが、国民の皆様にしてみれば、そこまで本当に科学的に説明を受けているのかと。もう少し丁寧な言い方というか説明をしないと、最近特にクライメットゲートとまで言われて、新聞はおもしろおかしく地球温暖化について批判をしている面もありますので、もうちょっと丁寧な言い方をしてもらえればというふうに思います。
 以上です。

○鈴木部会長 及川委員。

○及川委員 資料2-1についてちょっとお伺いしたいんですけれども。ご説明ありましたように、中長期ロードマップの概要ということで、5ページ目に「ロードマップ実行がもたらす経済効果」ということで4つの事例が示されているわけですね。いずれにしても大なり小なり経済的な効果があるということが出されているわけですが、その辺の確からしさというのがどの程度あるのかなというところがちょっと心配になるところなんです。
 例えば二酸化炭素が倍増してこの地球の温度は何度上がるかというようなことで、世界各国の研究者が推計を出しているわけですけれども、それでさえかなり開きがある。それから、雨の降り方ですと、あるモデルでは増えたり、あるモデルでは減ったりというような、自然科学的なモデルでさえそういう状況なわけですね。そういったときに、こういう社会経済的なモデルについて、私はよく知りませんけれども、いろいろな方がいろいろ出しているんじゃないかと思うんですが、特にここに4つ取り上げたモデルが、結果、最もふさわしいんだということが、こうやって特に示すからには説明が要るんではないかということを感じます。
 以上です。

○鈴木部会長 逢見委員。

○逢見委員 私も、資料2-1の中長期ロードマップの概要(小沢試案)について意見を述べます。これを見ますと、2020年までで家庭、業務部門がこれまで排出量が伸びてきたこともあって、家庭で約50%、それから、業務では40%以上ですか、そのぐらいこの部門での削減をしなければいけないというイメージが出てくるわけです。そうした家庭や業務で半分以上減らすということは相当大変だろうというイメージを持っております。
 そこで、その絵姿をみると、給湯器の導入とか、住宅とか、自動車とか、いわゆるハードのものを買い換えることによってこういうものを達成していこうとイメージなんですが、実際には家庭部門ではこういうハードのものを買ってということだけではなくて、温暖化対策税を入れることによって行動様式を変えていくとか、あるいは、見える化とか、そういうことによってさまざまな消費行動を変えていくことも施策として考えられるわけです。この絵姿がハードの機器を買い換えることによってこれを達成するというイメージが非常に強く出すぎて、これがこのまま伝わると消費者に誤解を与えることになるのではないかと思います。総合的なポリシーミックスの中でこうした対策もメニューとしてあるということであって、実際にはこれから中長期ロードマップを考える際の家計、業務部門については、これらを十分考慮した描き方ということをお願いしたいと思っております。

○鈴木部会長 大塚委員。

○大塚委員 ちょっと別の会議があって遅れてきて申し訳ありません。
 温暖化対策の基本法案については、私は特に申し上げることは今回はございませんが、国内排出量取引制度に関して先ほどご議論がございましたので、一言だけ申し上げておきたいと思います。
 先ほどご議論があった幾つかの問題点については、さっき戸田室長がお話になった論点の中に入っていますので、ぜひこの点についてさらに深めた議論をしていただければと思っています。基本法案との関係では、総量でいくのか、原単位も補足的には書いてあるので、原単位をどうするのかということが恐らく議論になると思いますけれども、一つの視点としては、原単位目標を入れた場合に非常に複雑な制度になることと、総量目標の制度と原単位の目標の制度との関係がどうなるかという問題が恐らく発生しますので、なかなか難しいことになるということだけ一言申し上げておきたいと思います。
 それから、前に検討したときに必ずしも入っていなかったことを一つだけつけ加えておいたほうがいいと思っているのは、既にご案内のことなのでわざわざ言うこともないのかもしれませんが、東京都のほうで排出量取引の制度をつくりまして、もう始まっていますので、国のほうの排出量取引制度と地方の排出量取引制度との関係という問題が恐らく発生しますので、それについても小委員会のほうでぜひご検討いただけるとありがたいと思います。
 以上でございます。

○鈴木部会長 では、小見山委員。

○小見山委員 ありがとうございます。2点ほどご質問というか意見を言わせていただきたいと思います。
 1つは資料2-1でございまして、中長期のロードマップにつきまして、こちらのほうでお金の面のことについてお話させていただきたいと思っております。こちらのほうに見える化というようなこと、金融のグリーン化ということを入れていただいたのは、私どもは大変ありがたいと思っております。なぜかと申しますと、この中にもありますように、100兆というお金がこれから入ってこないとなかなか実現ができないかもしれない。そうしますと、皆で力を合わせなくちゃいかんというようなことになってまいりまして、それには一生懸命頑張ったところが一生懸命やったということを報告できる、いわゆる有価証券報告書という、企業にとっては大変重要な報告書を通じて情報を開示していく、これはとても大切なことだというふうに理解しております。そうしますと、こういうことをやることによって、今度は資金が供給されてくるということでございます。
 残念なことながら、このロードマップの中には資金の供給サイドについて言及しているところが非常に少ないものですから、ここからがお願いでございますが、ヨーロッパにおきましては、年金等の基金に環境に関する投資方針というものを制度開示させているということがございます。いわゆる責任投資でございますが、こういうものをある程度考慮していただきまして、責任投資をさせることによって、資金を一生懸命頑張っているところに投資させていきたいというようなことも、この中に組み込んでいただけないか、こういうお願いが一つでございます。
 2つ目は排出権取引のほうでございます。資料3の7ページ目の「その他」というところに小さく、「排出量のモニタリング・算定・報告、検証」というふうな形で書いてございます。このことについてでございますが、排出量情報の信頼性の確保ということが一番大切なことになってくるのではないかと思っております。つまり、ガバナンスの構築をしていただく必要が出てくると思っております。算定に関しましても、統一の基準とか、そういうものを公表していただきたい、そういうことを中に盛り込んでいただけないかということです。
 それから、報告に関しましては、報告の責任を明確化すべきでございまして、虚偽の報告をした者についてどういうふうに罰則を与えるのかということもある程度言及する必要があるのではないかと思います。さらに、検証ということでございますが、この検証を独立したところ、どこからも資金または人的な援助なく独立した者が検証して報告書の保証をするというような制度をつくり上げることが、排出量取引制度をしっかりしたものにしていくのではないかと、こういうふうに思っております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 進藤委員。

○進藤委員 ありがとうございます。
 議論の仕方として、個人的にはいまだに、まずはロードマップ的な十分な検討を行い、外交的な考慮も含めた削減目標のレベルが決まって、その中の真水の部分について、具体的な対策が議論されるべきだと思っておりますけれども、現実はこういうところに進んでおり、次の小委員会が2つできますので、この小委員会に対してお願いしたいという要請を申し上げたい思います。
 1つはロードマップの方ですけれども、今日ご説明いただいたものは、25%を達成するため、全部真水ということで達成するためのメニューが整理されたものと理解しております。しかしコスト、すなわちお金と時間をふんだんにかければ何パーセントであってもできないことはないということになると思いますので、一つは、ぜひコストと時間をきちんと小委員会の中で検証していただきたい。特にコストについては、家計のコスト、財政の負担、そして、企業にとっての国際競争力上コストが上がってくるというようなことについて、この小委員会でぜひ詳細を吟味していただきたい。特にキャップ・アンド・トレード、地球温暖化対策税とか、全量買取となりますと、電力の単価はかなり上がってくると思います。それは即企業の国際競争力につながってくると思いますので、コストの吟味を一つお願いしたい。
 それから、エコ住宅エコカー、再生可能エネルギー等は導入すべきだということが書いてありますけれども、その普及のペースやスピードの検証をお願いしたい。2020年の間にどのぐらい進むのか、現実的にどうなのか。これはコストとも絡みますけれども、この普及のピッチ、スピードを専門家の目でご議論いただきたいということであります。コストと時間を吟味していただいた後、2020年までに25%というのは真水では難しいということになったときに、初めて10なのか15なのか、外から買ってくるものとか、そういうものが決まってくると思います。そのときはぜひ第29条に書かれている「自国以外のCO2抑制を評価するシステム」、これを並行してご検討いただきたいと思います。
 以上がロードマップについてです。
 それから、排出権取引のほうについては、先ほど猪野委員からもありましたけれども、EUETSをはじめこの制度にはいいところもあるかもしれませんが、懸念されている事もかなりありますので、懸念事項、心配事として挙げられていることについてぜひ丁寧な吟味なり精査をお願いしたい。
 以上でございます。

○鈴木部会長 須藤委員。

○須藤委員 ありがとうございます。地方自治体の実行計画等を手伝っている立場から、3点ほど意見というかお願いをさせていただきます。
 1番目は、浅野先生がおっしゃるのと大体論点としては同じなんですが、地域であるいは地方自治体で実行計画を立てるときに、どうしていいのかがよくわからない部分がございます。25%ではそれだけでいいんですが、施策等の進捗等も自治体によって随分違います、地域特性があるので。先ほどおっしゃっておられたように、すべてをやるというわけにもいきませんので、幾つかのモデル等も実際にはお示しいただいたほうがいいのかなという気がいたします。それが1点目のお願いです。
 それから、2番目がキャップ・アンド・トレードです。埼玉県は昨年度の末に東京都と類似のキャップ・アンド・トレードを23年度から開始することを決めました。内容的には、対象事業は概ね東京都と同じで1,500Kl、それから、1万m2以上というような、大規模な事業所・店舗等でございますが、東京都と違うのは罰金の部分です。東京都は50万円だったですかね。あとのところは概ね同じで、キャップのかけ方も、2002年から2007年の間の連続する3年間の排出量を用いてキャップをするということで、それから5年間で削減目標何パーセントと。この何パーセントは本年度中に決めることになっています。東京都は6%から8%と言っていますが、大体類似の削減率をやることになっております。
 何がお願いかというと、先行してしまいますので、この前もちょっと申し上げたんですが、国の導入ができたときに、埼玉県はある程度進んでいるところだし、そこが無になってしまっては困るし、あるいは、二重になっては困るので、できれば最初の第1の約束期間というんですかね、埼玉県で言えば第1の目標期間ぐらいまではこのまま走らせていただけるようなすり合わせをやっていただきたいというのが2点目のお願いです。
 それから3点目は、ここでも昔は随分議論したんですが、深夜化するライフスタイルで、夜、照明を消したり、あるいは、24時間営業をしなければ、かなりの効果があるということを社会実験もいたしてみました。2週間程度ですが、やったことは、10時以降のネオンを消すということとか、残業を1時間少なくしてほしいとか。簡単なことなんですが、営業はやってもいいですよ、しかし外の電気は消してくださいと、こんなようなことでやってみました。これは住宅も含んでおります、要するに民家も含んでおりますが、昨年度は熊谷と草加でやったんですが、削減量が2.6%の削減をしているということです。
 これが大きいかどうかはともかくとして、何もしないでというか、要するにライフスタイルの見直しだけで、初期投資がなくてこれだけ削減できるので、ロードマップのどこかにこの問題をもう一度入れていただくほうがよろしいのではないか。それで、店舗で損をしたとか、あるいは、お客が来なくなったとか、怖くて歩けなかったとか、そういうのはほとんどございません。すべて肯定的で、96%ぐらいが肯定的であったということでございますので、住民も余り問題はなかったし、商売のほうも問題なかったということを申し上げて、ロードマップのどこかのところに今のような問題を取り上げていただくことかよろしいのではないかと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 中上委員。

○中上委員 途中で手を挙げて申し訳ございません。2点ございます。
 最初は、今話題になった実行計画の自治体版でございますが、これは多分後ほど環境省のほうからもコメントがあると思いますが、環境省でも自治体版の実行計画マニュアルをつくるという作業をやっておりまして、多くの自治体の方々に実際に来ていただいて、ワーキングをやりながらみんなで議論するということを何回も重ねておりますので、自治体によっては事情が違うということも十分議論しながら進めておりますから、ぜひご参考にしていただきたいと思います。
 2点目でございますが、私自身、ロードマップの委員だったものですから、あまりコメントできる立場ではないんですけれども、たまたま私は住宅・建築部分の中期目標のロードマップの委員をやってきたわけでありますけれども、そこで十分議論ができたかというと、とてもこの2カ月の間で議論は足りなかった、3カ月では足りなかった。しかし、そうは言ってもほとんど毎週のように議論をする場があったわけでありまして、私も含めて委員の方も相当時間をとられたことは確かでありますけれども、それでも議論は尽くされておりません。
 私どもがこの数字をつくるお手伝いの一助をやったわけでありますけれども、どの数字一つとっても極めて難しいということを随所に書き込むということを前提に、この数字を我々は出したつもりでございますけれども、最終的にはそういうコメントがなかなか目に触れなくなってしまっている。あたかもこれを読むとできるようにお感じになるかもしれませんが、どの数字一つとっても極めて難しい数であります。したがって、さらにこれを詰める作業をやっていただけるということでございますので、まだいささかでもお手伝いをしようと思っておりますが、その点十分お含みおき願いたい。
 それから、たとえて申しますと、住宅・建築となっていますが、建築の部分はエネルギーあるいは環境で言えば業務部門に相当するんでしょうけれども、ご覧になっていただいておわかりのとおり専ら建築だけにしか着目できなかった。なりわいの部分には全然触れてないわけですね。業務用というのは入れ物は皆同じような形をしているかもしれないけれども、なりわいによってエネルギーの消費の仕方は全く違うわけでありますから、一歩も二歩も突っ込んだ議論をしない限りは、実際の業務部門に対して施策を具体的に打てるかというと、これは大変難しい問題です。
 この議論のとば口にすら入れなかった。これは何度も申し上げているとおり、この分野についてデータがないんです。一時にこのデータを集めるということは大変無理かもしれませんが、順を追ってでも結構ですから、ぜひともそういうことができるような文言を入れていただいて、中央環境審議会のほうからそういうことをやれという形で出していただければ、役所のほうもそういう行動に移りやすいのではないかと思って、私、ずっと言い続けておりますけれども、いまだにないわけです。住宅のほうは少しはつまびらかになっておりますけれども、業務部門についてはほとんど暗黒大陸というかわかっておりません。
 この2-1を見ていただいても、専ら建築にしか付言していないのは、そういう事情でございまして、決して我々が手抜きをしたわけではないと。まだまだ課題が残っておりますから、ハードだけだとおっしゃる方もいらっしゃいますが、ハードだけでもその程度でございますから、ソフトに突っ込むにはまだいささか時間が必要ではないかと思っております。いささか自己弁護的なトーンもございますけれども、コメントしておかないと具合が悪いと思って手を挙げさせていただきました。どうもありがとうございました。

○鈴木部会長 長辻委員。

○長辻委員 国内排出量取引制度について一つ感じていることがありますので、お尋ねします。今年の秋にCOP16がメキシコで開かれますけれども、昨年12月にコペンハーゲンで開かれたCOP15では、新たな温暖化防止のための取組への合意が見送られてしまいました。そして今年のメキシコでもまた見送られるだろうと、そういう雲行きになっております。このままですと、2013年以降の国際的な枠組みが全くない状況、もしくは、全く新しい別の枠組みができている、そういった事態が出現する可能性もあると思います。
 そうした場合に、現在の京都議定書に基づく排出量取引制度は、国際間のものですけれども、それが根拠を失いかねません。もしそういう状況になった場合、国内取引排出量制度はまた別のものですけれども、似たような制度ですので、大きな影響を受ける可能性があると思います。そういう国際的な枠組みがない状態、空白状態ができた場合に、日本の国内排出量取引制度をどうするか、どう対応するか、その間どういうふうに処していくか、そういう考え方を今から少し検討しておいたほうがいいのではないかと思います。この点について問題提起という形でお話させていただきました。
 以上です。

○鈴木部会長 永里委員。

○永里委員 ありがとうございます。
 前回は3月5日に開かれたんですけれども、急に決まったものですから、私、欠席せざるを得なくて意見書を出しました。びっくりしたのは、はっきり申し上げると、この中央環境審議会はガス抜きの委員会ではないかと思っていたんですけれども、私が出した意見書の中の、時間がないので項目だけ言いますと、LCA的発想で温室効果ガス削減の果実を分配する評価システムを構築するとか、エネルギー多消費型産業における海外技術協力貢献分を制度化するというようなことは、今回の法律の第29条(国際協力)のほうに一応うたわれているので、事務方の努力を私は評価したいと思います。
 ところで、資料2-1、5ページ目に「ロードマップ実行がもたらす経済効果」と書いてあるんですけれども、その1番目に「低炭素投資がイノベーションを生み出す」と書いてあるんですね。これは一般論として正しいし、そのとおりなんです。そうなんですが、本当に投資が行われるような制度設計にしなきゃいけません。なぜこんなことを言うかといいますと、与党の一部では企業の内部留保はけしからん、課税せよとか、そういうことを言っている人たちがいるんですね。内部留保をはじき出して分配に回すべきだということだと思うんですけれども、いずれにしても課税するとか、そういう意見がちらほら聞こえるんです。しかし、企業というのは内部留保があって安心して投資ができるんです。そういうことを認識してほしいんです。 ですから、私が言いたいのは、排出量取引や環境税の制度設計に関しましては、国内企業の空洞化を起こさぬように、要するに企業が、こんな成長しない日本にいては市場も大きくならない、パイも大きくならないからもう出ていくと決心させないようにしなければいけません。企業の中には本当にそういうことを言う人たちがたくさん出てきました。ですから、そういう国にしてはいけないんで、ぜひその辺、空洞化がおこらないようにすべきです。別の言い方をすると、統制経済的なことが過ぎると企業は出ていくということを言いたいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 福川委員。

○福川委員 新聞報道によりますと、中国の環境問題の責任者である解賑華氏は、中国としては成長率に対する温暖化ガスの排出量を40ないし45%改善するということ以上のことはやらないということが報じられております。これからこの国際協調をどうするかという上で、これは非常に重要な問題であるように思います。
 実は私も詳しくは知りませんので、もしわかれば教えていただきたいんですが、環境衛星を打ち上げていて、温暖化問題を調査していると言われておりまして、仄聞するところによると、とくに問題が起こっているのは中国とアメリカで、冬場に温暖化が進むというふうに、ある専門家から伺いました。それによると日本はほとんど温暖化の原因にはなっていないと言われております。そういうことが、これから国際的交渉していく上で、材料になりうるのかどうか、その辺のデータ等があれば一度教えていただきたい、これはお願いでございます。
 それから、今、いろいろな方から多く出されましたか、ロードマップについて、基本原則の中で雇用の問題とか成長の問題とか生活の問題等が書いてありますが、これはマクロの面からみてバランスのとれた形になっているということをぜひ説明をしていただきたいと思います。ここにロードマップにもいろいろの数字が、結論だけ出ておりますが、議論の過程、思考の過程を論理的に明確にして公表していただきたいということをお願いしたいと思います。
 それから、もう一つお願いしておきたいのは、行政コストの話でございます。これから排出量取引あるいは環境税、その他いろいろこれだけの施策を展開していくとすれば、大変な行政コストがかかるし、行政機構の拡大ということが必要になるんでしょう。また、大きな政府になるのかどうか、この検討の中に行政コストがどうなるかということも一つ視野に入れていただきたいと思います。
 それから、もう一つのお願いは排出量取引の制度的な安定性でございます。今、何人かの方からもご意見が出ていますように、既にヨーロッパでも反省が起こっておりまして、これが制度的に安定的であるかという点についての議論があります。排出量取引の価格が事後的にしか決まらないということですので、政策的に誘導効果が低いのではないかという声があります。この排出量取引の運用に関してどれだけ政策効果があるのか、企業に対してそちらに牽引する力がどの程度あるのかということを、ぜひ小委員会でもご検討を賜りたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

○鈴木部会長 桝井委員。

○桝井委員 先ほども話がありましたけれども、今年のCOP16、メキシコですか、枠組みについてはなかなか難しいかもしれないと、来年に向けてリミットになるという状況だと思われます。そこで、今年1年さらに時間が延びるような感じで、環境省に特にお願いしたいのは、ここで基本的対策について停滞することのないよう、ほかが恐らく停滞する可能性があるから、そこのところをぜひ進めていただきたいと、これはお願いであります。
 それから、何をするかという中で重要なのが環境税及び税制の観点からいろいろ見直すということ。環境税だけではなくて、法人税も含めて全体的に見るということと、排出量取引というものについてしっかりと手をかけていただきたい。この中長期のロードマップをみましても、今のような基本対策が骨になった上でのことが書かれているわけですから、それがなければ話にならないと思うわけです。
 それで、小沢大臣の資料2-2の提案を見ますと、14ページの一番下になかなか興味深い行程表が書いてありまして、国内排出量取引制度、温暖化対策税は2011年に線が入っている、排出量取引は12年と、このようになって、なかなか苦労された図ではないかと思います。私が今日お伺いしたいのは、中長期のロードマップはわかったと、でも、その根幹となる、ここにある環境税、地球温暖化対策税及びキャップ・アンド・トレードについて、ロードマップというよりも、今年の税制改正に向けて、あるいは、来年に向けて、恐らく小委員会も含めてどういうふうなマップ、近未来のいう、今年及び来年のスケジュールはどのような感じなのか、あるいは、取り巻く情勢はどうなのか。聞くところによると、政府税調もどうしていいのかどうも停滞している感じもあるし、そこらを含めてどんな働きかけを各省庁と調整なさるのか、その辺をお伺いしたいと思います。

○鈴木部会長 三橋委員。

○三橋委員 3点ほど質問をさせてください。
 1つは、資料2-2のロードマップを見ていても、日本全体のマクロ経済のフレームワークが読めないんですね。例えば17ページをご覧ください。2020年、2050年、温室効果ガスの排出量の変化が書いてありますよね。この場合、日本経済はどういう姿をとっているのかということがわかりにくい。例えば2050年の日本のGDPは2020年と比べて多いのか少ないのか。恐らく2030年ぐらいから日本の人口は年率1%ぐらいでどんどん減っていきますから、恐らく2050年のGDPのボリューム、大きさは2020年よりはるかに小さくなっている、縮小していると思います。
 この図で80%削減で2億5,300万トンと書いてあるんだけれども、これは人口減少で80%のうちの4割ぐらいはカバーできちゃうわけですよね。そうしますと、2億5,300万トンの削減というのはそれほど難しいことではなくて、むしろ2020年の25%削減のほうがはるかに難しいとか。そういうことで人口の減少の問題がこのロードマップの中にどういうぐあいに描かれているのか、あるいは、GDPの規模そのものは2050年までずっと拡大していくのかどうか。それによって相当違ってくると思うんだけれども、そういう日本経済が2050年までにどういう姿をたどるのかということを、マクロ経済のフレームワークとして入れてもらった上で、ここに書いてあるようなさまざまな対策が描かれないと、どうも納得がいかないというか、ちょっとおかしいんじゃないのという感じが一つあります。その点が第1点です。
 だから、2050年まで日本のGDPの大きさというのは、人口減少の中でどういう変化を遂げるのかということですよね。人口減少がかなりのスピードでいけば、当然使われるエネルギーも需要面で減ってくるわけですからね。そういうようなことも含めて、2020年までの対策と、2050年までの削減対策というのは、相当違ってくると思いますよ。
 それから、ちょっと細かい点で、2点目はいわゆる輸入品ですよね。日本は消費財のほとんどは中国等々から輸入しています。中国あるいは東南アジアで製品をつくっているときにはCO2をどんどん使うけれども、日本国内に入ってきた場合には、輸出国で製品をつくるときにどのくらいCO2がつくられているかとか、そういうようなことを加味した上で、CO2あるいは温室効果ガスを計算すべきではないかというのが、例えばヨーロッパの一部の環境学者の間で今議論されつつあるんですね。だから、輸入の問題はこのモデルの中ではどういうぐあいに処理されているのか。
 何年か前にバーチャルウォーターという考え方がありましたよね。外国の食料を輸入すると、食料をつくるために使っている水を考慮しなくちゃいけないのではないかというような形で、日本が批判されたようなことがありましたよね。そういうバーチャルウォーターに近いような形の発想ですね、バーチャルCO2なんですかね、外国でつくるときにCO2を排出しているんだけれども、日本に持ってきたときにはそれは計算されているのかいないのか、ちょっとわかりませんけれども、その辺をぜひ伺いたいなと思います。
 それから、3点目、これは特に新エネとか省エネに財政資金を投入していきます。その場合、乗数効果というものがどういう変化を遂げようとしているのかということも、ぜひこのロードマップで挙げてほしいんですよね。公共投資1億円を投入することによって需要がどのくらい出るかというと、1億円投入すれば1億円だろうと思います。しかし、省エネあるいは新エネ分野に1億円を投入すれば、恐らく乗数効果が働いて1億5,000万円とか2億円とか、そういうような形で新分野に投入したほうがはるかに大きな乗数効果が出て、景気にもプラスになると思うんですよね。そういうようなことは、せっかくこういうロードマップをつくるんですから、強調したらいいと思うんですね。公共投資というのは乗数効果は1だと、しかし、太陽光発電に投入すれば2になるよとか、そういうようなポジティブな提案というものが必要なのではないかなと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 横山委員。

○横山委員 中長期ロードマップについて2点、それから、基本法案について1点の計3点述べたいと思います。
 まず1点目、ロードマップ、私も意欲的だと思いますが、幾つか気になる点があります。その1点目が、他省庁、特に経産省との連携がどうなっているのかということです。経産省の政務官が国会審議でこの中長期ロードマップについて質問されて、前もって聞いていないのでコメントできないという趣旨のことを語ったと伝えられておりますが、本当に経産省には伝わっていないのかということをお尋ねしたいと思います。逆に、経産省のほうがエネルギー基本計画の改定を進めているわけですけれども、この環境省との連携はどうなっているのか、その辺を説明していただければと思います。
 私は、政治主導と言いながらも各省の連携協力というのはうまくいっていない印象を与えていると思います。環境省の中長期ロードマップとかこれまでの一連の動きを見ていると、温暖化対策をとことん進めていくんだという姿勢が感じられて、私も基本的に賛同するんですけれども、経産省とか産業界との協力を得る手立てをどうするかという点がなかなかうまくいっていないのではないかというふうに思います。環境と発展の両立を目指すといっても、そこまで感じられないというような状況ではないかと思います。政府内のバラバラな状態がいまだに解消されていないというふうに思っています。
 2点目もロードマップに関連してですけれども、原発を8基増設して年間稼働率を88%想定すると、私は、これはかなり無理な数字を掲げていると、まず実現しないと考えたほうがいいのではないかと思います。地震国日本とか、あるいは、電力業界がいろんなことを言われているのに、最近も中国電力で原発に関する不祥事が明るみになっているわけです。そういうように原発についてこの前提がだめだったら25%削減はあきらめたほうがよいと考えているのか、その辺を説明していただければ。太陽光とか風力発電なんかは世界的にものすごい勢いで増えているけれども、原発についてはかけの要素がかなり多いと思います。その辺のところを一般の人たちに理解してもらおうと、どう考えているのかというふうに思います。
 法案を見ても、安全の確保を旨として国民の理解と信頼を得て推進するというふうに、前の政権と同じようなことを考えていますけれども、私はそれではまずいのではないかと思います。25%とか80%削減という遠大な計画に向かってあらゆることを動員するという意味で、原発に何とか頼ろうという姿勢、わからないわけではないですけれども、ほかのものに比べるとものすごいかけの部分があるということをぜひ理解して、その辺の説明も国民にはやる必要があるのではないかと思います。
 3点目は基本法案ですが、これは単純な質問です。基本法の第1条で、この場でも議論になりましたけれども、「脱化石燃料化」という言葉を使って、「低炭素社会」という表現は出てこないわけですが、これからは「低炭素社会」という言葉はもう使わないという方針なのでしょうか。かつて、この地球環境部会でも「低炭素社会」という言葉はイメージが悪いと、別の言葉に変えるべきではないかというような声がありましたけれども、その後も使われて、私はかなり定着してきた感じがあるなと思います。前政権のときの言葉だから余り使いたくないということもわからないことはないんですけれども、きちんと説明しておく必要があるのではないかと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 3つの議題につきまして、たくさんご質問いただいたと思います。次の議題で小委員会設置をお諮りいたしますが、小委員会に対するいろいろな注文もこの中に含まれていると思います。
 今ここで事務局のほうからお答えいただけるものを順次、まとめて……。

○南川官房長 今、官房長をやっておりまして、今日は昔の姿で出させていただいておりますが、私どもから、制度的な問題と予算の問題、あるいは、国際交渉、そういった点についてわかる範囲でお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、これから小委員会設置の議論もしていただくわけでございますが、当然ながらこれは中環審の部会の下につくるわけでございます。そうしますと、例えば専門委員はどういう方がなるかということが一つの示唆になると思っております。専門委員につきましては、中環審の法規上、「当該専門の事項に関し学識経験のある者のうちから云々」となっておりますので、当然そういった方が対象になるだろうと。そういった方を対象にして部会長をお決めいただくんだろうと、そんなふうに制度的には考えております。
 それから、これから国内をどれだけ減らすかということでございます。外交的な交渉の問題もございまして、今は25%ということで示しておりますが、当然ながら海外の協力ということも織り込むわけでございます。法律を見ていただきますと、今日、資料がございますけれども、要綱と法律は同じでございますが、最初の要綱の9ページから10ページでございます。この中に、国際的云々の知見に基づいて2020年までに達成を目指すべき我が国における1年間の温室効果ガスの排出量としまして、国際的約束に基づく措置であって云々ということは仕組んだよということが書いてございます。当然ながら、こういったことも考慮に入れて計算をしていくわけでございます。
 いずれ区分の明確化は必要だと思いますけれども、それにつきましては、今後の国際交渉、あるいは、国内における今後のロードマップの検討状況、そういったことも見ながらやることとになると思います。なお、ここにございますように、国際約束ということでございまして、二国間でいろいろ約束をして削減していこうと、また、クレジットを分け合おうと、そういったことも今後十分対象になりうると考えている次第でございます。
 それから、地方におきましても、ぜひ頑張っていただきたいと思います。私どもは補正でかなり無理をいたしまして、地方における対策についての基金あるいは補助金も獲得しているところでございます。そのための簡単なモデル計画もつくりましたが、また、さらに諸先生のお知恵とお力をお借りしながら、各地域が、特例市以上の規模の市で計画をつくって実行していただけるような手立てを考えていきたいと思うところでございます。法律上は、特例市以上につきましては、特例市、中核市、政令市、県につきまして、目標年次、あるいは、目標の量も設定した上で対策に努力していただくということになっておりまして、それが円滑にいくようにしていきたいと考えているところでございます。
 それから、この問題につきましては、当然ながらキャップ・アンド・トレードも今後小委員会で議論いただきますけれども、EU、アメリカ、さまざまな国さまざまな事情がございます。日本として何が一番効果的で、国内にも資し、アラウンド・ザ・ワールドの削減にも資するかという観点から、幅広いご議論を専門的にいただければ幸いだと考えているところでございます。
 それから、科学の問題につきましては、いろんな議論がございます。IPCCも幾つか指摘を受けましてかなり真剣に対応しております。今はその指摘を受けた点についてすべてIPCCで見解を出して直すところは直すと、説明が不足しているところは説明をするということで、その見解を直ちに出しております。環境省でも、その見解が出ましたら、それを翻訳しまして、環境省のホームページに載せるということで、少しでも知見がばらつかないような努力はしていきたいと考えております。
 また、今回、AR5、5次作成書に向けては独立委員会での審査もいただくというようなことで対応しておりまして、そういったIPCCあるいは国連の努力については、私どももきちんと広報いたしまして、専門家の方が十分なご議論ができるような土台をつくっていきたいと考えているところでございます。
 それから、税あるいは排出量取引、さまざまな施策をこれから仕組むわけでございまして、おのおのの役割を十分見据えて、全体としてその位置付け、役割がわかるようにしていきたい、当然ながらそうであるべきだと考えているところでございます。
 それから、資金につきまして、補正でも、私どもは無利子融資といったことをかなりやってきております。少しでもこの分野に資金が回るような仕組みをしっかり仕組みたいと思っております。また、税制につきましても、温暖化対策税のみならず、さまざまな税のグリーン化ということも努力をしているところでございます。
 それから、あとはキャップ・アンド・トレードの地方との問題もございました。国として、小委員会でしっかりご議論いただきまして、しっかりした制度をつくると、その中でどういった調整が必要かについてご議論いただくということかと思います。それに尽きるのではないかと考えているところでございます。当然ながら、今後、ロードマップ、あるいは、キャップ・アンド・トレードを議論するときには、ハード、ソフトを含めてデータが欠けている部分もございまして、それらをどうやって補うかを考えながら、しっかりした、わかりやすい制度にしていきたいと考えております。
 それから、COP16がメキシコでございます。来年、予定ではCOP17が南アであると。さらにその次の年は韓国がやりたいと言っております。いつ決まるか、はっきり私どもできませんけれども、日本としては、米中が入ったしっかりした枠組みができることが必要だと考えておりまして、その実現に努力をしたいと考えております。どうせ決まらないんだから放っておくんだと、そういった姿勢はあり得ないというふうに考えているところでございます。
 それから、衛星等の問題がございました。昨日もNHKテレビでかなり詳細にやっていただきましたけれども、日本のCO2、メタンの測定についてはかなり国際的に評価されているところでございまして、こういったものがぜひ日本の貢献として世界に評価されるような内容に充実をしていきたいと考えているところでございます。
 あと、行政コストの問題については、ぜひ視野に入れたいと思っています。ただし、かなり行政的な手間もかかるということはあるかと思います。
 あとは、すみません、余り私が答えることはないんですが、もともとG8、去年、一昨年、議論するときに、日本の8割減ということも世界の8割減も議論しましたが、先進国全体の人口が減っているということなどを前提にした議論はしておりました。
 とりあえず私がわかることは以上でございます。あとはその他必要があればと思います。あとはこれからロードマップ等の小委員会でぜひもんでいただきたいと思います。

○鈴木部会長 多くの小委員会に対する課題といいますか、いろいろと注文をいただいたと思います。しかしながら、大変重要な案件を小委員会に託するということになります。今日ここでいただきましたご意見は、もちろん議事録にきっちりと残しまして、小委員会あるいはほかのところで反映をしていただくと、そういうふうにお願いしたいと思います。
 次に議題4に移りたいと思います。中長期ロードマップにつきましては、これからパブリック・コメントをいただきながら、内容を精査していくと。そしてまた、国内排出量取引制度については、専門的な検討や論点整理を進めていっていただく。こういうことで、中央環境審議会の7日に開かれました総会におきましても、私のほうから申し上げさせていただきましたが、この地球環境部会の下に、中長期ロードマップと国内排出量取引制度、この2つの小委員会を設けさせていただく。そして、そこで専門的なご議論をいただくと。こういう形で進めさせていただこうと思っております。
 この小委員会の具体的なイメージにつきまして、概要を事務局のほうから説明をお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 それでは、資料4-1、4-2、4-3は関係法令でございますけれども、4-1、4-2をご覧いただきたいと思います。この2つの資料によりまして、小委員会の設置について本日ご決定をいただければということでございます。
 4-1でございますけれども、中央環境審議会議事運営規則第8条の規定に基づき、次のとおり決定するということでございます。この第8条におきまして、部会は必要に応じて、小委員会を定めることにより、小委員会を置くことができる。その小委員会に属すべき委員、臨時委員、専門委員は部会長が指名するという規定がございます。その規定に基づきまして、小委員会として、中長期ロードマップ小委員会を置く、あるいは、国内排出量取引制度小委員会を置くということでございます。
 それぞれの議論の中身でございますけれども、中長期ロードマップ小委員会については、中長期目標を達成するための対策・施策の具体的な姿、いわゆる中長期ロードマップについて、国民各界各層からの意見を聴取し、その結果も踏まえてロードマップの精査を行うということにしてございます。また、国内排出量取引制度小委員会につきましては、同じく国民各界各層からの意見を聴取しながら、国内排出量取引制度のあり方について調査審議をすると、こういうことで書かせていただいております。こういう内容につきまして、ご検討いただければと思っております。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 この小委員会のメンバーにつきましては、就任いただけるかどうか、現在ご意向を確認させていただいている途中でございます。そういう意味で具体的なリストをここでお示しできる段階にはございませんが、中長期ロードマップの小委員会の場合には、環境省の中長期ロードマップ検討会のメンバーでありました有識者の先生方を中心に指名させていただきたいと思っております。

○森嶌委員 質問があります。

○鈴木部会長 ちょっとお待ちください。
 国内排出量取引制度の小委員会につきましても、環境省の国内排出量取引制度検討会のメンバーでおられました有識者の先生を中心に指名させていただきたいと思っております。そして、これらの委員に加えて各分野における専門的な知見を有する方を若干名指名させていただくと、こういうふうにして進めさせていただければと思っております。
 先ほどご注文もございましたように、この小委員会はこの部会と密接に連携をとりながら、小委員会の検討結果につきましては、部会の先生方も大変ご関心が高いことと思いますので、連携を深めて進めていただこうと、こういうふうに思っております。
 それでは、この小委員会の設置につきまして、ご質問あるいはご意見ございましたら、どうぞ。
 森嶌委員。

○森嶌委員 温暖化対策基本法のときも、結局この中央環境審議会は2回しか開かれずに、具体的な意見は皆さんおっしゃいましたけれども、あれがどういうふうに反映されたのか。先ほど永里委員は自分の意見は入れられたということでしたけれども、中央環境審議会がどういうふうに位置付けられたのかということについてはきちっとしたお答えがないままでした。
 そこで、今回の地球環境部会も含めて今回は大臣からの諮問があったのでしょうか。諮問があったとすれば、どういう事項について諮問があったのでしょうか。そして、小委員会を設けるとすれば、その小委員会はどういうことをやるようにということでやったのでしょうか。少なくとも環境基本法によれば、大臣の諮問があったことについてはそれに対してきちっとした意見を述べることはできます。そうでない場合は、細かいことは申しませんけれども、今日の場合のように、皆さんこういうことをしていただければいいと、役所のほうで聞きっ放しにしたら、それっきりということになるわけです。
 私は小委員会を設置することについては反対はいたしませんけれども、それの位置付けなしにあれすると、今問題になっているのは、ロードマップはどうであるとか、排出権取引がどうであるとかいうことよりも、ロードマップも麻生内閣のときからいろんな形で既に議論されているわけです。精査しなければならないことはありますけれども、むしろ問題はどういう政策をとるかという政策判断ですね。それから、排出権取引もかつてのときと違っていろんなことはわかっているわけです。ですから、これ以上いろんなことを専門的に調べることもあるでしょうけれども、それよりもそれをめぐって国民、これは産業界も、消費者といいましょうか、NGOも、それに対してどういう政策をとるのかということを、賛否両論あると思うんですけれども、そういう意見をきちっと聞いて、それを政府がどう反映するか。そして、それを選択して、その後は政府が責任をとるべきだと思うんですけれども、それが少なくとも温暖化対策基本法のときにはなされていないと思うんですね。
 ある時期から環境省はちゃんとしたプロセスを経ていないではないかと、私自身が反省をいたしますけれども、環境税については私は小委員会の委員長でした。そして、あるところまでは皆さんと約束をしながらやってきましたけれども、あるところから環境省は小委員長の要請にも関わらず小委員会を開いていただけませんでした。そこでとうとう小委員会は野垂れ死にをしてしまいました。今回はそういうことにならないと望みますけれども、今、私たちが言っている、皆さんこういうことを望みます、望みますと言っているけれども、誰に対してその望まれたことはどういうふうに反映するのかということはきちっとした根拠は実は示されていません。諮問があるならば、その諮問に基づいてどうこうするんでしょうけれども、それをまず私は質問いたします。
 それから、第2に、仮に今度、小委員会をつくったとして、役所ないしは大臣に都合のいい話はとってもらえるかもしれないけれども、都合の悪い話が出たらつぶされてしまうかもしれないような小委員会を我々がつくるのかということで、我々はそれぞれの立場から意見を言って、それが一致しないかもしれませんけれども、それを政府に示して、政府がそれを選択する。それが我々の審議会の役割だと思うんですけれども、そこははっきりしないで、私は過去の経験からめったなことで小委員会をつくるということには必ずしも、その観点から小委員会というのは問題である。
 それから、先ほどから部会長は専門的な事項、専門的な事項と言われますけれども、専門的な事項を審議するのは専門委員会なんです。小委員会はそういうことは書いてありません。専門的な事項ではないですね。部会が大所帯であれですから、「必要に応じて」と先ほど高橋さんがいわれたように、部会は必要に応じ小委員会を置くことができると。ですから、そこで部会の委員、臨時委員、または専門委員が入るというぐあいで、専門委員会は運営規則の9条で必要に応じ定めるともに、専門の事項を調査するため専門委員会を置くことができると。
 ですから、先ほど言われたように、専門家集まってロードマップをやったり何かやったから、その人たちを中心にするというのは、少なくとも論理を少し曲げておられるので、私はそういう意図はないと思うんです。というのは、法律家ではなくて理系の人ですから、そういうことは余りお気になさらないんでしょうけれども、この際はっきりして、我々はみんなでどういうポリシーをとるかということをそれぞれの立場から、それぞれの立場というのは、産業界は産業界の意見だけを言ってほかのところを考えないというのではなくて、将来の国民のために、お国のためにどういうことを考えるべきか、ということを審議会として出して、小委員会がそういうものを反映できるのでしたら、小委員会をつくるべきだと。
 これだけの大所帯で一巡するのにすぐ1時間かかるのは困るという意味でしたら、小委員会でいいんですけれども、そうでないんでしたら、部会でやるのが筋であろうと。その意味で、先ほどから私は、これだけの所帯で人数でがやがやとやっていたのではらちがあかない、ポリシー・ディシジョン・メーキングができないということでしたら、それもいいかもしれませんけれども、そうでなくて、専門的な事項というなら、専門的なことは何年も前から皆さんたくさんあって、文献を出せと言ったら私は明日か明後日ごろ出してきますから。その意味ではもはや専門的な事項を調査する必要はないとは申しませんけれども、そういう段階ではないということを申し上げます。
 その意味で、質問の第1は、どういう諮問がありましたか、どういう根拠に基づいて我々は今日集まっているのか、どういう根拠に基づいて部会長は小委員会をこしらえようとしているのか。第2、小委員会に何を審議させようとしてやっているのか。専門的な調査をするならば専門委員会をおつくりなさいということであります。それが質問。意見としては、先ほど申し上げました、そういうことならばもう一度振り出しに戻ってお考えなさいということが意見であります。

○南川官房長 部会長から後でお話いただきますが、役所から申しますと、今回、特に諮問ということはいたしておりません。これにつきましては、今回のスキームを決めていく中で、最終的には地球環境問題は閣僚会議で決定すると。そして、その議論についても副大臣会議で詰めた議論をしようということでございます。したがって、環境省としましては、そういった素材をつくっていく中で、ぜひ専門家の方々の考え方をいろいろ示していただきたいということで考えております。そういったことを部会長に相談した結果、今日のような形の提案になっているというふうに理解しております。

○森嶌委員 それでは、まさに審議会隠れ蓑説というのがこの間ちょろっと部会長がおっしゃいましたけれども、我々は役所が格好よくするための隠れ蓑になるために集められて、隠れ蓑になるためにかわいそうに小委員会のメンバーは集められるわけでしょうか。そういう使い方をするのは役所としてはまずいのではないか、ちゃんとしたことをやって、それで閣議とか政治的な決定で政治がおとりにならないなら、それは政治ですから、差し支えないけれども、そうではなくて、委員としての見識できちっとしたことを議論されて、甲論乙駁があって、それを役所としてはきちっと受け止めて出してということで、集めておいて資料として出すのなら、競争入札をして研究会を組織しておやりになればいいので。
 何となく私は集まりましたけれども、そういうことならば私はこういう招集があっても出るのを拒否したいと思います。臨時委員ですから、それで首にするとおっしゃるならば、臨時ですから、出なくても差し支えありませんけれども。それぐらい出ている委員は皆さんきちっとした見識といいましょうか、責任をとっておられると思うんです。ここにきて自分が言ったことで役所の気に入ったものだけ使われて、先ほどからこういうことをぜひやっていただきたいと言っておられる方は、それぞれの見識に基づいてきちっとした責任の下に言っておられるはずなんですね。
 それを今のように資料として使わせていただいて、あとは閣議で決定しますと言われたのでは、我々は何でこんなところに出てきているんだと言わざるを得ない。私は、むしろ公開の場で、審議会というのはこういうふうに扱われているんだということを、出ておられる方に知っていただいたほうがいいのではないかという感じがしています。私はかつてはそうではなかったつもりですし、そういうふうに中央環境審議会も運営してきたつもりですので、繰り言になるかもしれませんけれども、改めて申し上げます。

○地球環境局長 すみません、担当のほうから、こちらのイメージと申しますか、申し上げたいことが幾つかございます。
 まず1つは、これはご存じと思いますけれども、確かに今、諮問という行為はございませんけれども、中央環境審議会は中央環境審議会の意志として、意見具申という行為によりまして、政府に対して意見を述べるという権限が付与されております。私どもといたしましては、小委員会を2つつくっていただく以上は、そこで練っていただいたものを、まさにこの部会でもまた議論いただきまして、その結果をぜひ意見具申という格好でいただきたいと。それを役所のほうでいろいろと検討はいたしますけれども、審議会の意見具申が出るまでは審議会としてのご意思でございまして、その中で我々がつまみ食いをするとか、そういうことではなくて、しっかりした意見具申をしていただきたいというふうに考えています。
 また、森嶌先生のご指摘の中で、ロードマップとか排出権取引よりももっと大きな政策マターというお話もございました。実は中長期ロードマップ自身は単なる数字を合わせたものではなくて、その数字を実現するためのさまざまな政策というのも含んでおります。そういう意味では、中長期ロードマップの中でもかなりの議論はやっていただけるのではないかという期待を持っております。
 ただし、この問題につきましては、恐らくは今国会に提出しております法律が成立した後、法律上の基本計画を作成するという手順が待っていると思います。その基本計画というのは何らかの形で審議会にご関与をいただくということになるのではなかろうかと思いますけれども、法律そのものがまだ国会に上程したばかりで、審議すらまだされていないという状況でございますので、それについて、今、私の立場で予断をもってどういうふうにするかということは申し上げかねるわけですけれども、そういった議論になるのではないかというふうに考えているところでございます。

○森嶌委員 私がたびたび発言して申し訳ないんですけれども、今、局長が言われたことはそのとおりでありまして、私はかつて何回か前の機会で、「もしも諮問がないのならば、この審議会は意見具申はできるのだから、意見具申という形でやろうではないか」ということを申し上げました。私が期待したのは、諮問があるかと言ったのは、ないのならば我々はこの件について意見具申をしたいと、するということで出しているんだということ、これはむしろ部会長のほうから言っていただきたかったということが1点です。
 それから、もう一つは、先ほどロードマップや排出権取引というのはやっている場合ではないということを申し上げたのではなくて、あちこちの国の排出権がどうなっているかとか何とかということを、専門的に調査をしている段階ではなくて、そういうものを前提にした上で、では我が国でどういうふうな、先ほど大塚さんがこうしたらこういう問題があると言われましたけれども、こういう問題があるということを言うだけではなくて、我が国ならばこういう制度をとるのがいいのではないかという政策マターを議論する段階である。
 それから、ロードマップも、これならばこうだというのはあるけれども、先ほど中上さんがおっしゃったけれども、建築ばかりやっていないで、もっと業務のところを議論しなければいけない、それではもう少しあれをするかと。政策決定を絡めて調査もしなければ、ただこれが足りないからというのでは、もはやその段階ではないということを申し上げたので。そういう前提ならば、私は小委員会をやることは大いに結構ですけれども、ただ専門的な事項をさらに精査する、そして、ここに書いてあるように国民各界各層からの意見を聴取して、何のためにやるのかわからないというのでは、我々は何のかんばせあって国民に相まみえんやという感じがいたしますので、それで、くどいようですけれども、意見を申し上げたわけです。

○浅岡委員 すみません、意見だけ二、三よろしいでしょうか。

○鈴木部会長 はい。

○浅岡委員 個人的なことを言うわけではないんですけれども、森嶌先生が気になられる点は、私も法律家なので非常によくわかる点があることで、一言だけ申し上げておきます。
 先ほど官房長から専門委員についてはというご説明がございましたが、今回は小委員会を設置するということですので、3条2項について専門委員の概念につきましてのご説明は適切な表現ではないと思います。また、本審議会には、委員、臨時委員、専門委員として加わっておりますけれども、いずれも学識経験のある者のうちから選ばれたということになっているようでございまして、私も専門委員として選んでいただいた時期もありました。委員の定義はそういうことなのかと思っております。そういう中で、今回、取引制度等の小委員会を設置するについて、専門性とか学識経験とかを余り強調なさるということは、何か別のご意思があるのかなとかえって見えてしまいますので、この制度をよりよく構築するためにあるべき意見集約のあり方を検討するという観点からお考えいただければありがたく思います。
 以上でございます。

○鈴木部会長 いろいろとご注意いただきまして、ありがとうございました。
 森嶌先生もこういう種類の場で繰り返し繰り返しおっしゃっていますように、皆さんよくご承知のように、環境基本法で定められている中央環境審議会というのは、もちろん大臣の諮問に答えるということもありますが、それに加えて種々の環境に関連する事項に関する意見を述べることができる、環境大臣及び関係大臣に意見を述べることができる、こういうふうに定められているわけでございます。今回、特に地球温暖化対策基本法につきましては、いろんな形で、政権交代ということによって政策決定スキームがどういうふうに動いていくのかという辺りがよくわからなくて、中央環境審議会あるいはほかの審議会もある意味では全く動いていないようなところもある、これはよくご承知のとおりだと思います。
 ですから、そういう関係がどうなっていくのかというような辺りがだんだんと整理がついてくるのかなという感じがいたしますが、少なくともこの地球温暖化対策に関しましては、国民の関心も高い重要な事項でありますし、ロードマップ、排出量取引、それは個々の問題としても国民的関心事であることは間違いない。どういう形の制度設計をしていくのか。基本法がもし通りますと、基本計画ということになりますが、その基本計画は一体どこが動かしていくことになるのか、そういうような問題も含めていろいろまだわかりにくい面が残っていることは確かです。
 しかしながら、国際的な約束であります2050年80%削減に向けて、そしてまた、その中途の過程としての2020年の25%、こういうものを達成していくためにどういう手立てがありえるのか、私たち自身がどういうふうに変わっていかなくてはいけないのか。こういうことを検討するのに、部会を何回開くことももちろん重要なんですが、ある意味ではこれまでの検討結果を踏まえて、そこに小委員会としては、小委員会といいますと、部会のうちの一部ということもあるんでしょうが、そこに専門的な検討をさらに加えていただくというようなことで、ロードマップであれ排出量取引であれを具体的な形にしていく。このプロセスを国民一般の方々の目に触れた形で動かしていくということが、中央環境審議会にとっては非常に重要なところだろうと私自身は思っております。
 ですから、やり方のいろいろな面での齟齬、あるいは、お気づかいの点がありましたら、ぜひおっしゃっていただきたいと思うんですが、一番重要なことは、我が国の環境、特に今の場合ですと、地球温暖化対策に対して、一体国民の総意としてどういう政策を、そして具体的な実効性のあるものをつくり上げていくのか、こういうようなところでこの地球環境部会が大きな役割を果たさなくてはいけないだろうと、そういう認識の上でこの部会も、ちょっとショートノーティスのようなこともいろいろあって大変申し訳ないと思いますが、進めてきている、こういうことであろうと思います。
 まだいろいろとご注文、コメント、お持ちでしょうか。お話しいただき出すときりがないような気もいたしますが、大体こんなことで。小委員会も決して学識経験者、スペシャリストだけを集めているということではなくて、部会のメンバーにさらにそういう専門知識を持った方に加わっていただきながら、開かれた形で透明性のある形で議論を進めていただくと、こういう趣旨でございます。繰り返し申し上げるまでもないことではないかと思っております。
 それでは、予定の時間を大分オーバーしてしまいまして、大変申し訳ございませんでしたが、この小委員会の委員長になられる方々も気が重くなられたかもしれませんが、そういうことになりましたら、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、2つの小委員会を設置するということにつきましては、ご賛同いただけますでしょうか。

(「異議なし」という者あり)

○鈴木部会長 よろしいですか。ありがとうございました。
 では、最後に事務局のほうから連絡事項ございますでしょうか。

○地球温暖化対策課長 遅くまで議論をありがとうございました。
 今日ご説明した資料につきまして、さらに追加の質問等ございましたらば、できれば4月20日までに事務局までお送りいただければと思います。
 また、今日、参考資料1、2をつけておりましたが、時間がございませんのでしたので、後ほどお目通しいただければと思います。2008年度の排出量の確定値が出たということと、先般のAWGの結果でございます。
 それから、次回の地球環境部会につきましては、今日ご決定いただきました小委員会の審議の状況も踏まえまして、日程を調整の上また後日御連絡をさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

○鈴木部会長 では、どうもありがとうございました。

午後6時16分 閉会

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