中央環境審議会地球環境部会(第84回)議事録

1.日時

平成21年2月10日14:00~16:30

2.場所

三田共用会議所3階 大会議室

3.議事

  • 1.低炭素社会の実現に向けた施策の検討について(エネルギー分野)
  • 2.その他(国内排出量取引、環境税等)

資料一覧

資料1 エネルギー分野の対策・施策について
資料2 低炭素社会構築に向けた再生可能エネルギーの普及方策について
資料3 自然エネルギーを中心とする今後のエネルギー対策について
資料4 与党平成21年度税制改正大綱の結果(環境関連)について
資料5 市場メカニズムを活用した地球温暖化対策の現状について

参考資料1 低炭素社会の実現に向けた施策の検討について
参考資料2 2050日本低炭素社会シナリオ
参考資料3 低炭素社会に向けた12の方策
参考資料4 低炭素社会づくりに向けて
参考資料5 低炭素社会づくり行動計画
参考資料6 浅岡委員提出意見
参考資料7 青木委員提出意見
参考資料8 塩田委員提出意見

議事録

午後 2時00分 開会

○地球温暖化対策課長 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会第84回会合を開催いたします。
 本日は、委員総数37名中28名の先生にご出席いただく予定でございまして、現在、既に19名ご出席いただいておりますので、定足数に達しております。
 本日の審議は、公開として実施をさせていただいております。
 議事に入ります前に、今年1月の中央環境審議会委員の任期満了及び改選後、第1回目の地球環境部会ですので、委員の先生方のご紹介をさせていただきます。特に、新しく臨時委員として任命された方のご紹介をさせていただきます。
 生田長人委員でございます。まだお見えになっていないようです。
 岩村敬委員でございます。
 再任の委員につきましては、席上配付の名簿のとおりでございます。
 以降の議事進行は、鈴木部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、地球環境部会を始めさせていただきたいと思います。
 本日は斉藤大臣にご出席いただいておりますので、まず初めに、斉藤大臣よりご挨拶を賜りたいと思います。

○環境大臣 皆様、こんにちは。
 今日はお忙しいところご出席いただきまして、本当にありがとうございます。環境大臣の斉藤鉄夫でございます。
 今日は国会予算委員会の隙間がちょっとできたものですから、その隙間を利用して、ぜひ勉強させていただきたいと思ってこちらへ来させていただきました。ただ、1時間半ほどで、3時半ぐらいには国会に帰らなくてはいけませんので、中座することをお許しいただきたいと思います。
 第1回目の会合に私、出席させていただいて、この地球環境部会での議論、これは長期目標を達成するための社会のあり方や道筋についてご議論いただいているわけですけれども、ここでのご議論を必ず私、環境省の施策に役立たせていきたいとお約束させていただきました。その決意は全く変わっておりません。
 その後、COP14のポーランド、そして先日は麻生総理とダボス会議に行ってまいりまして、各国のリーダーと地球温暖化問題について議論させていただいてきたところでございますけれども、改めて低炭素社会づくり、低炭素社会を世界が目指していくことの重要性を一段と認識したことと、もう一つは、各国が今のような経済情勢だからこそ、環境を切り口に経済を活性化させていこう、いわゆるグリーン・ニューディールという考え方のもとで各国の競争が激しくなっているなということを感じて帰ってきた次第でございます。
 今日ご議論いただく再生可能エネルギーにつきましては、まさに低炭素社会づくりの先兵になり、かつグリーン・ニューディールの中心になるものと考えておりまして、今日のご議論、私も楽しみに来させていただいたところでございます。
 グリーン・ニューディールにつきましては、3月末に環境省としての案を取りまとめることにしておりまして、再生可能エネルギーは、その中心軸になると思います。しっかり私も頑張ってまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 今日は本当にありがとうございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、早速議事に入らせていただきたいと思いますが、まず、事務局から配布資料の確認をお願いします。

○地球温暖化対策課長 資料の確認をさせていただきます。
 議事次第の下に、資料1といたしまして「エネルギー分野の対策・施策について」、資料2「低炭素社会構築に向けた再生可能エネルギーの普及方策について」、資料3「自然エネルギーを中心とする今後のエネルギー対策について」、資料4「与党平成21年度財政改正大綱の結果(環境関連)について」、資料5「市場メカニズムを活用した地球温暖化対策の現状について」。
 それから、参考資料でございますが、参考資料1から5までは前回もお示ししたものでございます。今、ちょっと遅れておりまして席上には配布しておりませんが、間もなく到着する予定でございます。参考資料1から5につきましては毎回お出ししておりますが、毎回回収させていただくこととしておりますので、よろしくお願いいたします。
 それから、参考資料6、浅岡委員の提出意見、参考資料7、青木委員の提出意見、参考資料8、塩田委員の提出意見。
 以上でございます。

○鈴木部会長 資料に過不足ございましたら、事務局にご連絡をお願いします。
 それでは議事に入りますが、本日は、私たちの地球環境部会で以前に低炭素社会ビジョンをつくっておりますが、その具体的な内容に関しましてこれまで2回、住宅、交通というトピックについて検討を重ねてまいりました。本日はエネルギーということで、非常に重要な部分に至るわけですが、飯田委員から、エネルギー分野における低炭素社会の実現に向けた施策についてご報告をいただくことになっております。
 まず最初に、資料1と2につきまして、事務局からご説明いただきます。それに続きまして飯田委員からご報告をいただき、質疑につきましては、後でまとめて時間をとらせていただきたいと思います。
 それから、質疑の後には報告事項がございますが、税制のグリーン化、市場メカニズムを利用した地球温暖化対策の現状、これについては後ほど報告事項とさせていただきます。
 それでは、資料1と2につきまして、事務局から説明をお願いします。

○地球温暖化対策課長 それでは、資料1と2についてご説明いたします。
 資料1は、前回までと同様に、私どものほうでエネルギー分野全般について基礎的な情報を取りまとめたものでございます。
 資料2は、エネルギー分野のうち特に再生可能エネルギーにつきまして、私ども、検討会で勉強していただきましたので、検討会の報告の概要をご説明させていただきたい、こういうことでございます。
 資料1につきましては、時間の関係もございますし、既に広く知られている事実が書いてございますので、ごくかいつまんでご説明させていただきたいと思います。
 1枚めくっていただきますと、「エネルギー分野の排出状況」でございます。
 エネルギー転換部門のCO2排出量は4億3,581万トンでございまして、我が国のCO2排出量の33%を占めている。基準年と比べると37.2%増えているということ、エネルギー転換部門のうち94%は、事業用の発電からの排出であるということでございます。
 3ページでございます。
 一次エネルギーの国内供給量は、90年度と比べて17%増加しておりますが、伸び率を見てみますと、天然ガスが94%増、石炭が52%増となっております。左下のグラフでございます。黒いところは石炭、薄い黄色のところは天然ガス、いずれも大幅に増加しております。
 4ページは、京都議定書目標達成計画での記述ぶりを書いております。石油連盟、日本ガス協会、特定規模電気事業者、それから電力分野の二酸化炭素排出原単位等々を書いておるところでございます。
 次のページ以降は、排出量に占める割合が大きい電力分野における取組の現状と見通しを書いております。
 6ページは、目達における主要な対策・施策でございまして、原子力設備利用率の向上、火力電源の運用方法の調整、それから京メカクレジットといったようなことが掲げられているところでございます。
 7ページ。それでは、現状どうなっているのかというところでございますが、上のグラフにございますように、二酸化炭素の排出原単位を見てみますと、近年、上昇傾向といいましょうか、悪化傾向にある。これは原子力発電所の稼働率の低迷が大きく影響しているわけでございまして、下のグラフをごらんいただきますと、2007年度では原子力発電所の稼働率が60.7%まで落ちております。
 8ページでございます。
 特定規模電気事業者と言われるものがございます。PPSと言われておりますけれども、自由化対象の一般の需要家に対して電力を供給する事業者でございます。
 PPSは、目達上、一般電気事業者とは別に目標を立てておりまして、排出係数0.52としております。一般電気事業者は0.34でございます。現状はどうかといいますと、0.47まで下がってきております。したがいまして、既に目標を達成しているわけでございますので、目標引き上げに向けた努力が必要という状況でございます。
 9ページでございます。発電電力量のうち、電源構成における石炭火力の占める割合がどうなっているか。
 ごらんいただきますと、90年と比べて2007年は、黒いところでございますけれども、約3倍に増加しております。
 また、下のグラフをごらんいただきますと、2006年度は若干減っておりますけれども、一貫して我が国のCO2に占める割合、あるいはCO2全体の排出量は増えてきております。これは2度にわたるオイルショック以降、エネルギーバランスをとる必要があるということで、石炭火力がかなりの数、計画され、それが次々と建ってきたために、現在こういう状況になっているということかと思います。
 10ページには、石炭火力の配置状況が書かれております。
 11ページは、CCSについての図でございます。
 12ページは、CCSについてのロードマップでございまして、現在、基礎実証をしているところでございますが、本格適用は2016年以降というようなロードマップが書かれているところでございます。
 13ページでございます。
 現行の石油石炭税では、二酸化炭素排出量当たりの税率は石炭が最も低くなっておりまして、左に表がございますけれども、原油、石油製品については1キロリットル当たり2,040円でございますが、石炭は700円となっているということでございます。
 14ページでございます。
 それでは、外国はどうなっているのかということでございまして、例えばEUでございますと、2つ目の「・」でございますが、EU内で新設される火力発電所について、CCS設備設置の実行可能性についてあらかじめ評価を行うことを義務づける。あるいは、2015年までに最大12件のCCS実証施設の建設を促進し、2020年以降の石炭ゼロ・エミッションを目指す。
 また、イギリスでは、現時点では石炭火力の割合は35%ぐらいでございますけれども、新設される石炭火力について、CCS設備を設置できるよう設計の義務づけを検討している。
 ドイツは石炭が50%を占めておりますが、再生可能エネルギー拡大を支持する住民の反対で、これまでに6つの大型石炭火力発電所の建設が中止になった。
 アメリカでは、やはり発電電力量の50%を占めている。ただ、近年は建設コストの上昇、環境性等からキャンセルが相次ぎ、代わりに天然ガスが増加している。
 このような動向があるわけでございます。
 15ページ、長期エネルギー需給見通しにおける発電電力量の推移でございます。
 長期需給見通しでは、現状固定ケース、努力継続ケース、最大導入ケースという3つのケースが下に表になっておりますけれども、このうち最大導入ケースをごらんいただきますと、左から3つ目のグラフでございますが、2005年で、2,529億キロワットアワー、石炭で発電している。これが2020年になりますと2,006億キロワットアワーとなっておりますし、2030年では1,481億キロワットアワーでございまして、今後、減らしていくということが描かれているわけでございます。
 16ページは、今の量をパーセンテージに直したものでございます。
 17ページでございます。
 昨年7月に「低炭素社会づくり行動計画」が閣議決定されまして、そこに2050年に60から80%GHGを減らしていくんだということが書かれているわけでございますが、仮に現時点から2050年、60から80%削減というところまで直線で結ぶとどうなるかを示しているわけでございます。もちろん、直線で減らす減らし方のほかに、最初は少な目で後々さらにグッと減らしていくという方法もあろうかと思いますし、また、その逆もあろうかと思いますけれども、仮に直線で引くとこういう感じになって、長期需給エネルギー見通しでは、長期的な目標達成が厳しい状況にあるということでございます。
 左下にCO2の排出原単位が書いてございますが、石炭火力は0.837で、IGCCを入れましても0.68ぐらい。石油火力が0.7ぐらいですから、IGCCを入れれば石油火力並みになるということでございます。LNGは0.4程度でございます。
 それでは、電力以外についてはどうかということで、次のページでございます。
 19ページでは、目達における主要な施策を書いてございます。
 20ページをごらんいただきますと、進捗状況が書いてございまして、左下に石油連盟の消費原単位の推移が書いてございます。目標が8.87でございまして、目標を既に達成しておりますので、目標引き上げが必要な状況にございます。
 右側は日本ガス協会でございまして、こちらも目標を達成しておりますので、目標の引き上げが必要だということで、目標が引き上げられたところでございます。
 次に、新エネルギー分野における取組の現状と見通しでございます。
 これにつきましては、後ほど検討会報告書でより詳しいご説明をしたいと思いますけれども、まずは基礎的な情報ということで、目達における施策が22ページ、23ページに掲げられております。
 24ページにいきますと、それでは、現状どうなっているか、将来どうなりそうかということでございますが、新エネルギー全体を見ますと、一番上のグラフでございますが、2002年に991万キロリットル導入されていた。2006年には1,262万キロリットル導入されている。
 右のほう、2010年をごらんいただきますと、1,560と1,910という数字がございますが、1,560というのは下位ケースと呼ばれるものでございます。これは、現在のトレンドを伸ばしていくとどうなるかということをもとにして設定した目標でございます。それから上の方、1,910は上位ケースでございます。
 今のまま行くとどうなるか最小二乗法で線を引っ張りますと、点線のような感じになりますので、下位ケースは、これは定義からして当たり前と言えば当たり前ですが、ほぼ達成できるだろう。他方、上位ケースにはまだまだ施策の強化が必要な状況にあるということでございます。
 太陽光発電について、左下でございますけれども、やはり同様でございます。
 右側に風力発電が出ておりますが、やはり同様でございます。
 25ページにいきますと、廃棄物・バイオマス発電、そしてバイオマス熱利用について書いてございますけれども、同様の傾向でございます。
 25ページの左下に太陽熱利用というものがございます。屋根の上に乗せるわけでございますけれども、かつて、1990年から95年あたりにかけましては全国に20万台ぐらいございましたが、それが減少してきている状況でございます。強引な販売等がたたって減ってきていると聞いておるところでございます。
 26ページは天然ガスコジェネ、燃料電池、それからバイオマスタウンの構築について書いてございますが、やはり同様に、下位ケースは達成できても上位ケースは難しい、こういう状況でございます。
 27ページは、一次エネルギー総供給に占める再生可能エネルギーの割合でございます。実績と目標値について書いてございます。
 日本と各国ごらんいただきますと、日本は、まず2005年の実績が5%でございました。2020年の目標は8.2となっております。その下に、さらにまた日本と書いてありまして、(最終エネルギー消費ベース)とございます。最終エネルギー消費ベースでは、現状は8.4%ということでございます。
 ごらんいただきますと、諸外国と比べて現状ではそんなに遜色はないわけでございますが、目標ということになりますと、かなり低い状況にあるわけでございます。
 続いて28ページ、我が国の一次エネルギー国内総供給に占める再生可能エネルギーのシェアの推移でございます。
 黒っぽいところが大規模水力を除いた再生可能エネルギーの導入率でございますけれども、1.数%で推移しております。ここ数年、上昇傾向にはございますけれども、上昇傾向にあるとは言いながらも1.数%で、ほとんど変化がないという見方もできるところでございます。
 29ページでございますが、我が国でとられている制度としてRPS制度がございます。その説明をしております。
 電気事業者に対して、毎年、その販売電力量に応じた一定割合以上の新エネルギー等から発電される電気の利用を義務づける制度でございまして、風力、太陽光、地熱等々を対象にしております。
 この制度の場合、バンキングというものが認められておりまして、発電した年度と翌年度の義務履行に使用可能であるということで、義務量を超えて新エネを供給した場合、翌年度の義務の履行に活用できるという制度になっているわけでございます。
 そういったことから、30ページでございますけれども、現状を見てみますと、新エネの供給量は義務量を大幅に超過しておりまして、その結果、毎年、翌年度への繰越し分が増加しております。2008年度は2007年度分のバンキング量が義務量の90%に達しておりまして、バンキング量のみでほぼ義務量を達成可能な状況になっております。そして2014年の義務量の目標は1.6程度となっておるところでございます。
 31ページは、電源別でございます。
 発電種別の新エネルギー等電気の供給量でございますが、左側のグラフの2007年度をごらんいただきますと、風力が緑色、水力が青、バイオマスが灰色、太陽光がオレンジ色となっておりますが、風力とバイオマスがかなりの部分を占めている。太陽光は割と少ない、こういう状況にあるわけでございます。
 続いて、32ページでございます。
 再生可能エネルギーに関する政府決定について、例えば低炭素社会づくり行動計画、右にございますけれども、太陽光の導入量を2020年に10倍、2030年には40倍にする。ドイツを含めた諸外国の再生可能エネルギーについての政策を参考にしながら、大胆な導入支援策や新たな料金システム等を検討するということでございます。
 また、規制改革推進のための第3次答申では、一番下にございますように「新エネルギーの大胆な導入支援策について国民負担の在り方も踏まえた上で検討し、結論を得るべきである」このようにされているところでございます。
 33ページは、諸外国の取組でございます。
 イギリスにおきましてはRPSを採用しているところでございますが、発電容量5,000キロワット以下の再生可能エネルギー発電設備を対象に、固定価格買取制度を2010年から導入する予定でございます。「2010年間」とございますが、すみません、「間」はとっていただきたいと思います。
 ドイツでございますけれども、電力供給に占める再生可能エネルギー比率を2010年、12.5%以上、2020年、20%以上を目標として、固定価格買取制度を導入する。
 一番下の四角囲みでございますけれども、左側、RPS制度はイギリス、日本など7カ国で採用されております。また、固定価格買取制度はドイツ、スペインなど36カ国で導入されております。
 34ページはバイオマス・ニッポン総合戦略の概要、35ページはエコ燃料の導入状況ということで、バイオエタノール、ETBE、バイオディーゼルについて記述しております。
 駆け足になりましたが、資料1については以上とさせていただきます。
 次に、資料2「低炭素社会構築に向けた再生可能エネルギー普及方策について」をごらんいただけますでしょうか。
 こちらは同名の検討会の報告の概要をお示ししたものでございます。
 構成でございますけれども、最初の3枚が概要の中でも概要になっておりまして、その次の「参考資料」と書いてあるところからが、詳しめに書いた概要となっております。今日は時間の関係もございますので、最初の3枚についてご説明させていただきたいと思います。
 それでは、表紙をめくっていただいて、「再生可能エネルギー導入拡大の意義」でございます。
 再生可能エネルギーの導入拡大は、世界の気候変動対策に貢献し、また、現状の日本の目標は最低レベルであるとしております。
 左側でございますけれども、導入拡大の意義をまとめております。もちろん、我が国の低炭素社会構築に貢献する、それから、途上国を含む世界の低炭素電力システムの普及にも寄与する、さらにエネルギー安全保障の確保にも貢献する、雇用の創出、内需の拡大、産業の国際競争力の向上、こういったことにも貢献するということでございます。
 ところが、現在どういう状況か、あるいはどういう目標を持っているかというのが右側でございますけれども、再生可能エネルギーの導入量は、現在のところ低水準でございますし、目標も低いということでございます。具体的には、左下の図、これは先ほどご説明したものと同じでございますが、日本が5%程度の導入量で、目標は8.2%である。他方、諸外国を見ますと、現状はそれほど変わりませんけれども、目標はかなり高くなっている。
 右側に、電力に占めるシェアも書いてございます。左側は一次エネルギーに占めるものでございまして、右側は電力に占めるものでございますけれども、電力で見ても、やはり同様のことが言えるということでございます。
 そういうことで、一番下でございますけれども、もっと高い目標を掲げるべきではないかというのが検討会のご提言でございまして、技術的、経済的に見込み得る導入量を推計すると、2020年で現状の2倍となる導入目標を掲げることが可能である、年間一次エネルギー供給量の10から11%、年間発電電力量の16から18%という目標を掲げるべきである。
 この年間一次エネルギー供給量の10から11%といいますのは、左の図の諸外国の導入目標量と比べて小さいではないかというご指摘があろうかと思いますけれども、グラフの下のほうに書いてございますが、2020年はEU各国は最終エネルギー消費ベースとなっております。ここで目標として掲げている10から11というのは一次エネルギー供給量の目標でございますので、最終エネルギー消費ベースにすればこれはもう少し上がって、例えば15%とか16%といった数字になることが想定されますので、諸外国並みの目標設定となるのではないかと考えているところでございます。
 そういう目標を掲げたときに、普及のためにどういう支援をしていく必要があるのかということが、その次のページ、「再生可能エネルギーの普及方策」でございます。
 これについては技術レベル、それから市場導入規模に応じて補助金とかRPS制度、あるいは固定価格買取制度、そういったものを適切に組み合わせていくことが必要であろう。
 例えばイタリアの場合は、RPS制度を導入しておりますけれども、それとは別枠で太陽光発電のみ固定価格買取制度を適用しております。また、イギリスにおいてもRPS制度を導入しておりますけれども、2010年から5,000キロワット以下については固定価格買取制度を適用する予定であるということでございます。
 2つ目の「・」でございますけれども、現行のRPS制度は1.6%と目標値が低くなっておりますので、目標値の引き上げが必要ではないかということでございます。
 IEAなどにおいても、固定価格買取制度は導入促進効果が大きいことを示しているところでございます。
 それから、電力を離れまして、熱とか燃料を対象とした政策として、熱政策としては、住宅や建築物で給湯や暖房需要を賄う太陽熱利用の義務づけ、燃料政策として、ガソリンにエタノールを10%混合したE10の利用促進ということが書かれております。電力と比べまして、熱の場合は割と安いコストで導入することができることから、太陽熱利用の義務づけをしたらどうかといったご提言をいただいているところでございます。
 左下の図でございます。これはIEAの「Deploying Renewable」という報告に書かれているわけでございますが、黄色い丸が4つぐらいございます。一番左がプロトタイプ・実証期技術で、第2世代のバイオ燃料のようなものである。それから右に行きますと、コスト差が大きい技術として太陽光が書いてございます。その上に、コスト差が小さい技術として風力、そして成熟技術として水力が掲げられております。
 2つ目のコスト差が大きい技術のところをごらんいただきますと、太陽光として、右側に「価格的政策:FIT、FIP」と例示されております。FITというのはフィードイン・タリフでございまして、固定価格買取制度。FIPというのは市場価格の電力料金に固定プレミアムを上乗せした価格で買い取りをするものでございまして、コスト差が大きい場合には、価格的政策の中でも固定価格買取制度などの導入が有効であると言っているわけでございます。
 他方で、コスト差が小さい技術、風力のような場合ですと、価格的政策としてFIPが出されていて、FITは入っていないということでございます。
 さらに技術が成熟してまいりますと、一番上にあるように、市場プルの促進、自主的な導入ということになるわけでございます。
 右下でございますけれども、諸外国では、どのような国が固定価格買取制を導入し、どういう国がRPSを導入し、それぞれどれだけ再生可能エネルギーの導入が図られているかを示しております。
 デンマーク、ドイツ、スペインについて、固定価格買取が導入されているわけですが、いずれも再生可能エネルギーの導入量が高くなっている。他方、ベルギー、イタリア、スウェーデン、イギリス、これらはRPSを導入しているわけでございますけれども、いずれも導入量が低いという状況になっているわけでございます。
 次のページでございますが、ここでは再生可能エネルギーの中でも太陽光発電に特化いたしまして、その意義とコスト目標について整理しております。
 太陽光発電について特に書いてある理由でございますけれども、我が国に技術優位性があるということがございます。今後も国際競争力を保ち得る分野である。それから、量産により発電コストの低減が見込める。地域による隔たりが他の再生可能エネルギーに比べて少ない。どこでも太陽から陽が降り注いでいる。それから、業務部門や家庭部門においても導入が可能であるといったことから、太陽光発電は、我が国において重要な再生可能エネルギーであるとしているところでございます。
 さらに、我が国に技術的優位性があるプラグインハイブリッド、あるいは電気自動車、こういったものは将来的に太陽光発電の蓄電池として利用が可能であるといったことからも、太陽光発電について詳しく見ております。
 太陽光発電の導入目標と実現方策でございますが、コスト目標をまず設定しております。2030年にキロワットアワー当たり7円というコスト目標を設定しておりますが、これは昨年4月の低炭素社会づくり行動計画に掲げられた2030年の目標でございます。この7円という数字は、現在の火力発電の単価と同様でございます。したがいまして、この価格までいけば支援、補助等が最小限、あるいはなくても普及が進んでいくレベルであると言えようかと思います。
 このコスト目標を達成するために必要な太陽光発電導入ターゲットというものを設定いたしました。2020年に3,700万キロワット、2030年に7,900万キロワット、それぞれ現状の25倍、55倍としております。
 この設定方法についてでございますけれども、真ん中あたりの左に習熟曲線というものが書いてございます。この習熟曲線を使って7円あるいは14円から7,900万キロワット、あるいは3,700万キロワットというものを導き出しております。
 習熟曲線は、ここに書いてございますように、累積量倍増のたびにコストが下がっていく傾向がございます。この比率を進歩率と言っておるわけでございますが、太陽光発電の場合は、左下にございますようにIPCC、EPIA、IEAがそれぞれ進歩率を出しております。77%、80%、83%ということですが、このうちちょうど平均的な80%を採用した計算したわけでございます。80%の意味でございますが、累積生産量が2倍になったときにコストは20%低下する、100から80を引いた20%低下するということでございます。
 こういう過去のトレンド等をもとにして出された習熟曲線がいろいろな機関から出ておりますので、それを用いて、2030年に7円、2020年に14円にするにはどれだけ普及させる必要があるかを計算したわけでございます。
 これに基づいて導入していくと、右のグラフにございますように、2015年にはドイツを抜いて世界一を奪還できる、こういうことでございます。
 次のページ、「太陽光発電の導入ターゲット達成に向けた支援方策」でございます。
 今のような導入を可能ならしめるために、どういう施策が必要なのかということでございますが、まず、公共部門での率先導入ということがございます。2つ目に、投資回収年数10年を担保する固定価格買取制度の導入、3つ目に、革新技術の普及、4つ目に、金融面での支援、5つ目に、普及啓発活動と書いております。
 公共部門に率先導入して、投資回収年数を10年に短縮いたしますと、新築住宅に対する導入率が2020年に14%となります。また、既築にも導入が進むと見込まれますので、2020年で全住宅に対する導入比率が14%になるという見込みでございます。
 左下は、投資回収年数と導入率の関係を示しております。投資回収年数がどれぐらいになると導入されるのか、アンケート調査をもとにして示しておるものでございます。
 3つのアンケート調査がございます。△と○と◇、それぞれのアンケート調査の結果を表示しております。上に「万円」単位で投資費用、下に投資回収年数でございますが、10年の投資回収年数、あるいは100万円の投資費用となった場合にどれだけの人が導入するかということでございます。△でありますと80%強、○のアンケート調査結果ですと50%ぐらい、◇でありますと40%弱の人が導入するということでございます。
 そこで、平均的なところとして50%ということを示したのが、薄い水色でございます。ただ、これは2020年以降は50%ぐらいの人が導入するといたしましても、当面はなかなかそうはいかないであろうということで、アメリカの調査結果なども加えて解析いたしました結果、引いたグラフが紫色でございます。二十数%の人が導入するということでございます。
 ただ、この二十数%導入でございますけれども、その一番下に書いてございますように、実際には、全戸数のうち日照条件を満たすのは6割程度でございますので、6割を乗じて14%という数字を導き出しているところでございます。
 右側でございますけれども、どういうところにどれだけ入るかということでございます。
 一番下といいましょうか、紫色のところが戸建ての住宅、それから集合住宅、産業とございまして、一番上が公共でございます。公共部門については、2030年時点で設置可能面積の9割以上に設置すると仮定しております。
 最後に5ページ、「再生エネルギー導入による費用と効果」でございます。
 いろいろな障壁がございます。電力の品質低下であるとか、あるいは導入コストの問題といったような問題点が指摘されているところでございますが、それに対しまして、ITを活用し大規模電源、分散電源、蓄電器などから成る電力系統を制御して電力需給の調整を図るシステム、これはスマートグリッドと呼ばれておりますが、それらにより、蓄電池導入に過度に依存しない普及が可能である。
 これは、29ページをごらんいただきますとスマートグリッドのご説明がございます。
 スマートグリッドというのは、スマートメーターと組み合わせた需要側の電力消費量の調整を可能とする技術であります。
 左側の図にスマートメーター導入世帯と書いてございますが、家にスマートメーターなるものが設置されます。そうしますと、そこで家庭における電力消費の状況がわかり、それが電力事業者のほうに送信される。また、電力事業者から家庭に対していろいろな情報が送られます。
 そうしますとどういうことが起きるかといいますと、右側にございますが、電力需要過剰の日、真夏・猛暑日、みんなが甲子園を見ているようなときに、エアコンの使用を控えてもらおうということで電気事業者がスマートメーターに指令を発します。そうしますと、スマートメーターがそれを受けて、家庭内にあるエアコンとか照明の消費を一時的に抑えることが可能である。エアコンというのは、ずっと動いていないと部屋が冷えないかというと、1時間のうち例えば3分とか4分とか、その程度とまっていても部屋の気温はほとんど変わらないということもございますので、そういったことが可能になる。
 逆に、電力供給が過剰になる日、ゴールデンウィークのような場合、太陽がさんさんと照っている、発電はどんどんできる。他方、企業が休みであったりして余り電力が使われないというときに、これまた指令が発せられて、電気自動車、あるいはプラグインハイブリッドなどへ充電する、あるいはエコキュートのヒートポンプを利用するということで、需給バランスを確保する、こういったことが可能になってくるということでございまして、欧米で導入が進められている技術でございます。
 もとのページに戻っていただきまして、そうはいいましても、こういったものを導入していくには当然金がかかります。それにつきましては、国民全体が薄く広く負担していこうではないかという提案でございまして、いろいろな負担の仕方があるわけでございますが、仮に電力料金で負担した場合に、標準世帯で平均月額260円程度の負担になるであろう。この場合、日常生活に最低限必要な使用料、例えば第1段階の120キロワットアワー程度に相当する料金には上乗せしないという配慮も可能でございますし、また、電力を多消費している産業に減免措置を講じることも可能かと思いますが、平均すると、この程度の負担で済むのではないか。
 それから、導入拡大に必要な費用は、2030年までに25兆円程度と見積もられております。
 右側、そのときのメリットでございますが、経済的メリット、CO2におけるメリット、そして雇用創出効果につきまして、ここに書いてございますように、経済効果が2020年までに29から31兆円、2030年までに58から64兆円。CO2では2020年時点で5,000万トンの削減、これは基準年比の4%に相当します。2030年で約1億トンの削減。雇用創出効果は2020年で60万人、2030年で70万人というところでございます。
 以上、大変駆け足で恐縮でございましたが、エネルギー全般についての基礎的な情報と、再生可能エネルギーについて、私どもで設置した検討会の報告の概要をご説明申し上げました。

○鈴木部会長 内容豊富なご説明でございましたが、特に後半の部分は飯田委員のお話とも関連すると思いますので、続けて飯田委員からご報告をお願いします。

○飯田委員 お手元の資料と同じですけれども、スクリーンにも映しながらご報告したいと思います。
 主に自然エネルギーですが、最後に石炭についても少し触れたいと思います。
(スクリーン)
 大きく国際的な潮流、そして自然エネルギー政策や普及支援制度、そして日本はこれから政策としてどうすべきか、そして最後、石炭対策をどうするかということに関する若干の補足になります。
 先ほど斉藤大臣のお話にもありましたが、グリーン・ニューディールということで、先週もちょうど国連でグローバル・グリーン・ニューディールの専門家会合がありましたが、これが今度、G20にも出てくるということで、やはり中心は自然エネルギーへの投融資という流れになるかと思います。
 オバマ大統領は早速グリーン経済刺激策を報告して、再生可能エネルギーへの投資減税とか、そういったものも報告されていますし、EUも昨年12月にEUの自然エネルギー指令を採択して、行動計画をつくっていく。さらに、来年にはEUは欧州自然エネルギー共同体─ERENEを立ち上げる構想があって、キャップ・アンド・トレード(EUETS)のオークションから数兆円の予算を持ってきて、スーパーグリッド、あるいは先ほどあったスマートグリッドへの大規模な投資をしていこう、そういう構想もあるぐらい、アメリカ、ヨーロッパともこの分野、一気に駆け足で走っていこうとしています。
 先々週は国際自然エネルギー機関─IRENAが発足しまして、世界75カ国がその日に署名をしました。日本は残念ながら署名をしないというか、署名どころか最初は参加しないという話もあったのですが、与党のほうでも頑張っていただいて、とりあえずは日本政府も参加したわけですが、残念ながらまだ署名はしていない状況です。
 今後、6月にエジプトで第2回準備委員会があって、徐々に世界的には自然エネルギーを進めていく体制が整います。原子力で言うとIAEA、石油で言うとIEA、そして再生可能エネルギーはこのIRENAという、3つ目のエネルギーの国際機関、中心的な機関になっていくことが予想される中で、お隣韓国は極めて積極的に最初から署名をし、さまざまな準備委員会に入っておりますので、やはり東アジアの中でリーダーシップを発揮するという意味でも、早目に政治的なリーダーシップを発揮していただきたいと考えております。
 これは先ほど環境省の図にもありましたように、世界各国、非常に高い目標値を掲げておりまして、ヨーロッパはもともと一次エネルギーで2020年に20%を目標とし、各国別に見ていくと、やはりドイツがずば抜けて高い目標値を政治的にはコミットしております。オバマ大統領も2025年までに25%という非常に高い電力分野の目標値をコミットしていますので、日本のRPSにおける1.63%という目標値の低さが著しく目立つような状況です。ここはまさに、政治的な意思が国際的にも見えてくるところですので、こういったところも課題になってくるかと思います。
 自然エネルギーが本流になってきた最大の立役者は、日本では太陽光が目立ちますが、やはり風力発電です。昨年末の速報値でアメリカは830万キロワット伸びて、世界最大に盛り返してきた。雇用も70%増えて、風力の雇用8.7万人は石炭の雇用8万人を超えたという速報値があります。
 もちろん、これまで市場を牽引してきたドイツは、自然エネルギー電力で14%、二酸化炭素で1.1億トンと、ドイツ環境省の試算では2010年の数字を既にクリアしております。その他に、4兆円の投資、26万人の雇用、地域の活性化、そして自然エネルギーのファンド等を通してマネーのグリーン化なども進んでいます。
 ちなみに、つい最近アメリカの、ちょっと州は忘れましたが、年金基金を自然エネルギーの投資ファンドに組み込んでいくことで、その州に数十万人の雇用が生まれるというニュースも流れていました。年金のように長期的に寝かせておくお金こそ、まさに自然エネルギーの投資マネーにふさわしいと思います。
 太陽光も、これは既に有名な話ですが、日本は2004年に単年度でドイツに抜かれ、累積では2005年に抜かれ、今、ドイツは累積で倍、単年度では5倍のマーケットになっている。今、日本はスペインにも単年度のマーケットは抜かれている状況ですので、太陽光を我が国で最も重要な自然エネルギー技術と位置づけるのであれば、やはりてこ入れが必要であろうと思います。
 実際にメーカーの競争力、国内の市場がなくても海外、特にヨーロッパがあると言っても、太陽光市場もいきなりグローバル産業化しておりまして、日本の太陽光メーカーも、わずか4年前、2005年に5割のシェアを持っていましたが、今や25%。恐らく昨年の数字が出ればさらにシェアは落ちてくるのではないかという状況で、国際競争も激化しておりますので、国際競争力という意味でも力を注いでいく必要があるかと思います。
 先ほどのマーケットの拡大ですが、今、毎年60%規模の自然エネルギーへの投融資が成長していまして、一昨年の数字で新規投資が1300億ドル(約13兆円)となっています。これに加えて再投資を入れると1,500億ドル(約15兆円)というマーケットになっています。昨年の速報値も世界経済フォーラム(ダボス会議)に報告されています。昨年は大体一昨年並みで、さすがに金融危機を受けて横ばいという速報値がありますが、長期的には、グリーン・ニューディールの後押しもあって、この数十%規模の成長というトレンドは続くだろうと思います。
 この規模が続くと、10年後には一桁大きくなりますから自動車産業に肩を並べると言われています。右側の図を見ていただくと、既にスペインのイベルドーラを初めデンマークのベスタス、あるいはアメリカのファーストソーラーを初めとして、いわゆる日本のそうそうたる一流企業の株式時価総額、昨年7月とちょっと古いデータですが、そこに肩を並べる自然エネルギー企業が次々に登場して、しかも急成長している状況が既にあるということです。
 こういった分野を日本でつくらないことには、10年後、日本の産業がどんな姿になっているかという想像力を我々は持たないといけないと思います。
 しかも、この自然エネルギー投資分野の内訳を見ていくと、半分はヨーロッパ、4分の1がアメリカです。6分の1が中国、10分の1がブラジルとインドです。日本はこの中に出てこないのです。つまり、日本には見るべき投融資マーケットがほとんどないということが、国際競争力から見ても非常に、いわば日本の企業の足を引っ張っているのではないか。これはまさに環境エネルギー政策の立ち遅れが如実に出ているのではないかと思います。
 ILOが去年9月に出した、これもグリーン・ニューディールの一環というか、まさに中心中の中心ですが、雇用ですね。2030年までに今の230万人が2,000万人に増える、そういうレポートですが、今、各国の足元で、ドイツは先ほどの26万人。ドイツはこの先50万人、さらには70万人を見込むということで、先ほどの環境省のシナリオそのままでいけば、ほぼドイツ並みに追いつけるわけですが、スペインでも既に19万人、アメリカは44万人。先ほどありましたように、風力の雇用が石炭を超えたというデータがあります。そして、中国は94万人、ブラジルが50万人という形で、自然エネルギーは既に相当大規模の雇用を生み出しているということで、これも今、日本の足元のデータが余りないわけですが、こういう景気のいい雇用創出をぜひやっていきたいものだと思います。
 政策に関しては、やはりドイツの固定価格買取制、いわゆるフィード・イン・タリフ─FITが注目されます。この制度はもともとは1990年に導入されて、それを改正してEEGという、いわゆるコスト負担を平準化しつつ自然エネルギーの種類ごとに適正な価格をつける、これが2000年に導入された新たな自然エネ法ですが、これが極めて成功して、風力発電、そして太陽光発電、さらに他の自然エネルギーが普及する最大の原動力になってきたということかと思います。
 日本でも、いわゆる補助金丸抱えのメガソーラー事業というのはぼちぼちと広がってきたのですが、むしろ民間事業としてのメガソーラーが、ドイツに行くと今、あちこちで見ることができる。そういった状況をつくるには、やはりこのフィード・イン・タリフは極めて有効ではないか。2007年で、1カ月1世帯当たりの負担が約230円、これが330円ぐらいまで上がるけれども、あとは先ほどの習熟曲線で、導入量の負担増を習熟曲線のコスト低下で相殺することで、全体の負担はむしろ増えないといった報告がドイツからもあります。
 世界各国、日本でも2000年当時にフィード・イン・タリフかRPSかという議論が1度はあったわけですが、EUもそのころからかなり議論がありまして、その結果、EUは各国に任せるというスタンスをとった結果、今やフィード・イン・タリフ27カ国のうちの20カ国、及びRPSの中心であったイギリスも、小規模分散の5,000キロワット以下は固定価格を昨年11月に導入決定。そして固定枠制─RPSは、今や残るのは5カ国という形になっております。
 アメリカも、一見固定枠制─RPSが中心に見えて、オバマ政権でも連邦RPS法が再提案されるという話を聞いております。また、州レベルでもRPSが導入されていて、テキサスが今、風力が伸びている中心になっているのも、テキサスのRPSがよくデザインされているということなんですけれども、実はアメリカでも、カリフォルニアを中心に既に6州がフィード・イン・タリフを導入して、次々に8州がフィード・イン・タリフを導入している。
 ここには書いていないのですが、さらにアメリカは電力生産減税、プロダクション・タックス・クレジット─PTCと言われていますが、このPTCが導入されているときに風力が伸びています。これは実は、フィード・イン・タリフに非常によく似た制度であり、このPTCが下支えをしているという側面があります。
 これも先ほど環境省の図にありましたが、EUは各国に任せるというスタンスをとった結果、ちょうどいい政策の実験場になっておりまして、フィード・イン・タリフとRPSどちらが効果的であったかという詳細な実証レポートが2005年にEUから出ております。
 まず、こちらは導入効果、普及効果ですね。これは2000年当時に新エネ部会の議論に私も参加しましたが、フィード・イン・タリフは導入効果が高い、これは日本でも当時、認められていました。見事にその結果が出ておりまして、この水色のところ、フィード・イン・タリフを導入した国はすべて縦軸が長い、つまり導入ポテンシャルに対して実際の導入実現性が非常に高い。そして、赤色が入っているのはRPSを導入した国で、これは導入ポテンシャルが十分実現できていない。とりわけイギリスは非常に高い目標値を掲げながらも、ほとんどそれが実現できていないということがはっきりしました。
 もっとおもしろいのが15ページの図です。日本では、フィード・イン・タリフは導入効果は高いけれども、価格を決めるので価格が下がらない。しかし、RPSは市場メカニズムが機能するので価格が下がるという理由でRPSを選択したわけですが、ふたを開けてみると、まずコスト、発電コストが水色のバーですが、これは実は、制度選択は前のページを見ていただければはっきりと判りますが、制度によって大差がない。
 もっと重要なことは、赤で囲ったところ、イギリスが特にそうなんですが、株を表す赤いバーのようなもの、これは国民負担をしているというか、その発電事業に対して支援をしている費用です。この発電コストと支援している費用に大きな差があるのがRPSで、それに対して固定価格はほぼ同じ傾向がある。特にイギリスでは大きく乖離している。
 これはなぜかというと、みんなが負担をして支払ったお金が直接発電に向かわずに、大きく2つのことに使われるからです。RPSというのはクレジットの取引が行えるため間に中間者がいっぱい入るので、その取引費用がかかる。もう一つは、RPSというのは非常にリスクがある制度のため保険会社が間に入ったりするので、そのリスクプレミアムがかかる。このことによって、国民が支払ったお金が途中の金融機関の懐に消えて、発電に使われないので、要は費用効率性が悪いという結果が出たのです。
 結果として、固定価格制は極めてシンプルな制度であって、費用効率性が高く、そして普及効果が高いことがEUの実証結果の中で出てきたということです。
 そういったことを整理して、欧州委員会は昨年、固定価格制は非常によい制度であるというレポートを出しております。さらにIEAも昨年出したエネルギー技術見通し、テクノロジー・パースペクティブ─ETP2008年のレポート、そして先ほどの「Deploying Renewables」のレポート、いずれもフィード・イン・タリフのほうが効果的であるという評価を出しております。しかし、経産省と新エネ部会の昨年6月の報告では、なぜか2007年のIEAのドイツレビューの特殊な1カ所を引用して、フィード・イン・タリフを批判しているんですが、これは極めてバランスが悪い認識であって、日本政府も、まずはこういうきちんとした認識に立つべきであろうと思います。
 このシートは先ほど環境省の資料にもありましたが、まだ成熟していない技術については、フィード・イン・タリフのほうがリスクが小さく、効果的であるという話です。
 では、日本はどうするか。
 このシートは私ども環境エネルギー政策研究所が事務局になって、自然エネルギー事業者の方とまとめたシナリオで、2050年、相当なポテンシャルがあるということです。一次エネルギーで50から60%、電力では67%程度、再生可能エネルギーを導入するだけのポテンシャルがある。これは自然エネルギー事業者の方々が自ら積み上げて出されている数字なので、比較的固い数字ではないかと思います。
 昨年、洞爺湖サミットの前に福田ビジョンが出ました。その中にある太陽光発電を2020年までに10倍増、2030年までに40倍というシナリオを実現するためにも新しい制度が必要である。もちろん、これを実現するだけでは、中期目標や長期の低炭素シナリオの実現に全く不十分なのですが、最低限これを実現するためにも、やはり制度の見直しが必要ではないかということかと思います。
 このシートは我々が今回、国連に出すのに積み上げた数字です。先ほどの環境省の数字より大分上目になっていますが、先ほどの2050年の数値が実現できれば、200万人近い数字になるのではないかと我々としては考えております。
 では、どのように日本の政策を見直すかということです。大きくは、経済的な障壁と非経済的な障壁があり、非経済的な障壁は、技術的な障壁と政治的、社会的な障壁に分かれると考えております。
 経済的な障壁に関しては、やはりフィード・イン・タリフを考慮した形で支援策を考えることが第1に必要ではないかと思います。
 技術的な障壁に関しては、系統連系があります。これは一見技術的であるように見えて、実はその下の運用ルール、電力会社が行っている系統の今の支配的、裁量的な市場ルールの問題があります。ここの見直しをしていかないことには、なかなか難しいのではないかと考えております。技術的な課題以上に、そちらの運用ルールのほうが重要であろう。
 さらに、今回、詳細には触れておりませんが、最近よく出てきます鳥とか景観とか、あるいは水利権、温泉権、漁業権、そういったものが日本では慣習ルールになっているなど、十分に社会ルールが整っていないことが問題の根にあります。このあたりも一つ一つ制度整備が必要ではないかと考えておりますが、本項では触れておりません。
 こういったところを1つずつ考えて、図でわかりやすく考えると、例えば風力発電市場の場合は、RPS制度と電力会社の系統制約、そして社会的な課題、技術的な課題、こういったもので制約されており、4重苦の制約で停滞が余技なくされていて、先ほどのアメリカ、ドイツ、スペイン、あるいは中国、インドといった景気のいい国に比べて、日本の風力発電市場はほとんど止まっているような状況かと思います。
 またPRSですが、これも先ほど環境省の図にあったのと全く同じですが、まず、余りに目標値が小さ過ぎるので、いわゆる積立貯金(バンキング)だけで目標値を満足できるような状況になっているという、目標値の小ささが1つあります。目標値が小さいことと重なって、事実上、実質的な買い手は東京電力、関西電力、中部電力の3社のみで、その3社に拒否されると買い手がない、そういう非対称な、流動性のない市場になっています。そもそもRPSという制度がなかなか有効に機能していないというのが欧州の評価にあり、その有効に機能していないRPSが、さらにマーケットが小さく流動性がない日本では、いっそう難しいわけですから、ここはやはり見直しが必要かと思います。
 もう一つ、RPSクレジットの下に、電気だけを電力会社が購入する電気のみ価格というのがあります。これは余り一般では注目されていませんが、自然エネルギー事業を行う人にとっては死活問題です。今、各電力会社が公表されている数字が、この電気のみ価格のところに書いてある数字ですが、これは、例えば風力発電の電気を電力会社が買った場合には、どこかで火力発電の電気を絞っています。しかし、これは電力会社が自らもいわゆる「油の焚き減らし」とかおっしゃっているわけで、だとすれば、その燃料代がちゃんと支払われているかどうか有価証券報告書でチェックすると、どうも逆ざやがあるのではないか。
 これに関しては全くきちんと説明がなされていないので、これはきちんと政府がガイドラインをつくり、それに沿って計算して価格を決めるような措置がないと、どうも買取り価格より節約される油の価格のほうが圧倒的に大きいという形に、今、なっているのではないかと思います。
 そしてもう一つ、系統への影響を理由に風力発電が締め出されているという問題があります。総系統容量の3%とか、低いところでは1.8%が風力電力のようなケースもありまして、1.3%の沖縄もありますが、これは余りに過剰に総量規制をし過ぎているのではないか。欧州委員会の報告では、大体20%ぐらいまでは制約不要という報告もありますし、そもそも日本は北海道を別にすれば、東日本と西日本は系統がすべてつながっているわけですね。その会社間連系をどう有効に使っていくかということで、ここを一体に考えていくことによって、同じ制約でもはるかに大きな容量が入りますし、先ほどのとおり、5%を超えても恐らく十分に入る余地がある。北海道電力に関しても、北本連系線を十分に活用していくことによって、まだまだ入る余地はあると思いますので、この系統の制約、ここをまず見直していくことが重要だと思います。
 系統の制約にはもう一つあります。欧州は優先接続、プライオリティ・アクセス、つまり自然エネルギー事業は系統を優先して使うことができる、これが欧州委員会の指令で権利として確保されています。アメリカの場合もオープン接続ということで、基本的に、要件を満足すれば接続に関して開かれている、こういう権利があるのですが、日本は原因者負担、つまり系統に風力発電なり太陽光発電をつないで系統に問題があると、それは事業者がすべて負担しなさいという、自然エネルギーを排除するかのような原則に立っている。これは今どき、いわゆる準公共財としての送電線の原則のあり方としては、かなりかけ離れた考え方ではないかと思いますので、こういった原則のところから見直していくことが必要かと思います。
 そういったことを前提にこの法案を見直していくと、RPSの構造を見直していく、もちろん電力会社も、枠が小さいのは自分たちがすべて費用負担されるからだという問題もある。とすると、やはり費用負担のあり方も見直さなければいけない。発電コストの違いを無視しているというところからすると、やはりフィード・イン・タリフの導入の可能性は検討する必要がある。先ほどの系統の優先接続の問題、あるいは目標値の問題、そういったことを一応クリアしていくような、例えば再生可能エネルギー促進特別措置法、いわばグリーン・ニューディール法のようなものを考えていくことが必要ではないか。ちょっと詳細を説明する時間はないのですが。
 ただ、例えば再生可能エネルギー導入目標も、今、RPSの目標を決めると、それがそのまま電力会社の義務量になるので、これは電力会社にとってはなかなか大変かもしれません。しかし、再生可能エネルギーの導入目標ということで考えれば、熱も燃料もすべて合わせた大きな目標値をきちんと政治目標として出すことが、これは電力会社も指摘するとおり、例えばガスとか石油、いろいろなエネルギー事業者が公平に義務を背負うというか、そういう意味ではまずそういうことが必要でしょうし、なおかつ費用負担のところまで踏み込んで考えていく必要もあります。
 特に費用負担に関しては、先ほどの電力会社が買い取る部分、これはいわゆる火力燃料費の回避原価、いわゆる油の焚き減らしの部分ですが、ここは実質的に電力会社の負担がない部分だとすれば、そこからかかる追加費用、これについてはコストを外出しして、見える化しながら国民が薄く広く負担することを考えていってもいいのではないか。それを電気料金で賄うのか、あるいは石油石炭税でカバーしていくのか、これはまた政府としての考え方次第かと思いますが、太陽光に関しては、やはり少なくとも固定価格が必要だろう。風力、バイオ、水力、地熱、これも固定価格のほうが普及に関しては望ましいのですが、やはり競争という視点も考えてRPSを継続するか、ここらあたりも検討していく。
 例えば、イギリスのように、小規模分散型の地産地消のエネルギーについては固定価格制、大規模な、例えば5,000キロワット以上についてはRPS、そういった使い分けをうまく組み合わせていくようなこともできるのではないかと思います。
 費用負担は、先ほど環境省の資料にありましたように、大体その程度でメリットは非常に大きいということですから、そういったことを考えていくべきだろうと思います。
 石炭に移りますと、石炭は、今、ちょうど官邸で中期目標が検討されていますが、日本で手の打ちようがないのは、とにかく石炭火力がどんどん増えてきておりまして、その石炭火力の歯どめがないことが、中期目標を打ち出せない非常に大きな問題点になっているのではないか。
 左側の図を見ていただきますと、日本全体のエネルギー消費量の中で石炭の占める割合は、もちろん非常に大きいわけですが、その中で、目標超過量が緑ですね。そのうち電事連の超過分が水色です。この電事連超過分が、ちょっと古いデータが入っていないんですけれども、石炭の伸びにほぼ比例する形で、つまり電事連が約束している20%改善、つまり0.335ですか、これから突き出ている部分が石炭の超過量にほぼ等しい。とするならば、まず石炭を増やすのを止めて、なおかつ減らす方向に持っていくのかは非常に重要な課題ではないか。
 右上の図を見ていただくと、昨年、プラス8.7%という数字がありますが、このうち94%は電事連が占める比率で、13%が鉄鋼が占める比率。100%を超えるのは、他の部分が超過達成しているので、そこに食い込んでこの2つだけで目標を超えているからです。日本の温暖化対策の問題というのは、いわば電力の問題だと考えてもいいぐらいです。もちろん電力会社の責任だと言うつもりではなくて、そういう政策を打たないといけないのに十分な政策が行われていない、そういうことを言っているつもりです。
 排出係数も非常に悪化しておりまして、東京電力しかり関西電力しかり、電事連全体としても、この排出係数の悪化が日本全体を覆っており、遡れば石炭対策をどうするかという問題に還元されます。
 この図(日本の温室効果ガス排出量の速報値)は、もう皆さんご承知なので飛ばしますが、そういった結果、ちょっともう古いデータですが、一昨年11月の世界銀行が公表した世界主要70カ国の温暖化対策のランキングで62位という結果も、一言で言うと、石炭火力を増やしながら経済成長をほどんどしなかったということが結果としては出ている。
 これをどうしていくかということですが、それでもなお石炭火力の増設計画がある。既にさまざまな環境アセスも済んでいて、食い止めようがないのかもしれませんが、それにしても、電源開発、関西電力、そして今、斉藤大臣も頑張っておられると伺っておりますが、ダイヤモンドパワーと日本化成の小名浜石炭火力があります。そして東京電力の100万キロワット、中国電力、そして九州電力というのが電源計画に出ています。このリストを見ると、地球温暖化対策を、先進国全体で目指すべき中期目標を、あるいは地球全体で目指すべき半減目標を、本当に日本政府にはやるつもりがあるのかという疑問が生じます。また、先ほどCCSの話もありましたが、「いつかはCCS」というのを増設の免罪符にしてはいけないと思うのです。
 右下の図ですが、昨年12月にスタンフォード大学のヤコブソン教授が出したレポートの中で、これは機会損失を折り込んで、さまざまな低炭素技術をランキングしたものなんですが、機会損失の大きいCCSは9位に入っております。やはり風力とか、それから3位に入っているCSPというのは、いわゆる集中型太陽熱発電所、あと太陽光も6位に入っていますが、そういったもののほうが即座にできる技術として、低炭素技術としてははるかに効果的であるというのが、レポートの1つではありますけれども、出ている。
 先ほど石炭火力の世界全体での見直しが環境省の資料にありましたが、「オバマのアメリカ」も、ここ1~2週間で石炭抑制に舵を切っています。ミシガン州知事の石炭凍結宣言、あるいはオリバー議員の石炭新設禁止連邦法案の提案とか、モンタナ電力が石炭火力の廃棄、そしてEPAが承認申請を留保とか、そういったことが次々に起きておりますので、石炭に関して食い止めていくのかということを、日本政府ももっと真正面から温暖化対策として掲げることが必要かと思います。
 まずは経済的な手法で石油石炭税、これは2007年に上がってからそのまま凍結されているので、もっと大幅に上げて、少なくとも天然ガスと価格がフェアになる程度の石炭税の増税を考えてもいのではないか。
 もう一つは、石炭火力の新設禁止ということを政治的なメッセージで出していく。これはアメリカも、ドイツですら石炭火力の増設はまだありますので、やはり日本のリーダーシップで国際的に主張していく。新設する場合はCCS付設もしくは全量オフセット等をつけたり、あるいは石油火力への政府金融の禁止等をきちんとやっていくようなことを考えていく必要があるのではないか。
 かつて石油ショックのときに石炭火力の新設禁止をしたわけですから、今度、温暖化対策で石炭火力の新設禁止というのは全く荒唐無稽ではなく、むしろあり得べきオプションだと考えております。

○鈴木部会長 今日は飯田委員が4時で抜けられるようですから、まず飯田委員のお話のほうから、ご質問がおありの方は名札を立てていただいて、それが一段落しましてから、環境省からのご報告に対するご質問等いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○猪野委員 ○猪野委員 電力に従事する立場からお話ししたいと思います。
 今、電力会社でも、CO2を出さない、いわゆる非化石電源・非化石エネルギーを使うことを中心に、2020年度までに、原子力を中心とする非化石エネルギー比率50%を目指し、再生可能エネルギーの利用拡大に取り組んでいるところです。
 具体的には、余剰電力の買い取りやグリーン電力基金、グリーン電力証書の推進を通じた普及支援に加え、RPS法の義務量を着実に何とかクリアしていこうと取り組んでいるところです。RPS自体の割合は非常に小さく見えるかもしれませんが、やはりその対応には大きな費用がかかるということが1つ言えると思います。
 現在、太陽光発電につきましては、電力会社でも、太陽光発電の価格低減や今度の普及拡大に弾みをつけるため、全国で約30地点のメガソーラー発電所の建設を計画し、着実に進めているところです。
 一方、再生可能エネルギーはどうしても自然の状況に影響を受けやすいことから、その不安定さをカバーするためには、どうしても系統安定化のための対策・設備が必要になります。そのような追加コストの負担については、やはり国民全体で検討していく必要があると思っています。
 最後にもう一点。資源の乏しい日本においてエネルギーセキュリティを確保していくためには、再生可能エネルギーはもちろん、化石エネルギーも含めて、いろいろな燃料をバランスをとりながら利用していくベストミックスの観点が必要であると考えます。

○大塚委員 飯田委員のお話、大変興味深く伺わせていただきました。どうもありがとうございます。
 1点伺いたいんですが、RPSとフィード・イン・タリフの話で、最終的にご提案としては、太陽光については固定価格にして、それ以外についてはちょっと別な扱いをされていますが、この理由を教えていただきたいんです。
 これは非常に現実的にお話しになっているのかなとも思いますし、現在、RPS法で太陽光については2倍のカウントをしているので、既に国も太陽光について特別に扱おうとは考えていると思うんですけれども、どういう観点でこのように区別されたか、お話しいただけるとありがたいと思います。

○三橋委員 大変興味深いお話、ありがとうございました。
 1点伺いたいんですけれども、新エネルギー、再生可能エネルギーの普及のためには、やはり国民の理解が非常に重要だと思うんですよね。そのことと関連して、例えば電気料金を上乗せしているわけですよね、ドイツなどでは。その場合、国民の説得はどのような形でやっているんでしょうか。抵抗なしですんなりと「そういうことなんだな」ということで説得しているんですか。
 日本の場合には、どうも国民負担をおそれて肝心なことを言わないような感じがするんですよ。国民が電気料金の割り増しを受け入れればこの制度はうんと進むと思うんですけれども、そのあたりはドイツとかスペインとか、既に固定価格制度を導入しているところでは国民に上乗せをどういう形で説得しているのか、大体抵抗なく受け入れられているのか、その辺を伺いたいんですが。

○鈴木部会長 私からも。
 これは猪野委員に伺うほうがいいのかもしれませんが、日本の電力というのは安定供給、安全供給、良質の電気を常に使えるだけ出さなければいけないというトラウマがあって、それが系統電力とこういう分散型の電力の接続を非常に難しくしている面がある。その辺は飯田さんなどがごらんになってどうかということ。
 もう一つは、やはり供給の側からはこういう話をぜひ進めていかなければいけないんですが、需要を削減するというか、分散型をどのように需要と組み合わせていくかというシステム的なことに関しては、飯田委員はどのように考えていらっしゃるかお伺いしたいと思います。

○飯田委員 まず、猪野委員からいろいろコメントいただいた件は、多分、これから先もディスカッションしなければいけない点がいろいろあると思いますが、まず、RPSの目標値は小さいけれども費用がかかるんだとおっしゃいました。
 これに関しては、私の提案や、経産省も最近、電気新聞、日経等に少しリーク記事を出されているように、プラスアルファで費用がかかるところは国民全体でどう負担するのか、外出しをしたらいいのではないかという提案をしているわけです。
 そうすることによって、まず電力会社が直接費用負担するという重い軛(くびき)からは離れることができます。もちろん、それをもし電気料金に乗せる場合は電気料金全体が上がるので、それはガスに対して不利だという議論もまたあるかもしれませんけれども、少なくとも直接自分たちのコストで飲み込まなければいけないという話からは解放されるのではないかと思います。
 メガソーラーを30基つくられているのも非常にいいことだと思うのですが、これはドイツとかスペイン等がそうですけれども、フィード・イン・タリフを導入して、そのコストを外出しすると、電力会社はその事業に自分たちが参加して、フィード・イン・タリフを使って採算をとることができるんですね。つまり、これは実は昔の総括原価方式を外出しにした、社会的総括原価方式というふうに見てもいいわけです。そうすると、これは電力会社が、例えば東京電力自らがどこかで費用を埋めるよりも、費用効率的というか、むしろ利益が上がる形で太陽光発電所をつくることができるので、私は、実はこれは電力会社にとってもいい制度だろうと思います。
 系統に関する追加コストの話は、先ほど環境省からも話がありましたが、検討会の中でも幾つか対策を検討されていますので、これは追い追い環境省からもあると思いますが、余り過剰に守りに入らず、まずは運用でできることが相当あるはずだと思うんですね。その系統コストをもうちょっと表に出しながらやっていく。いきなり「蓄電池が必要だ」と言うのではなく、例えば東京電力と東北電力の相馬幹線500万キロワットをもう少し使えるのではないかとか、そういったところにもう少し踏み込みながら議論を進めていけるのではないかと思います。
 それから環境と経済(コスト)のバランスですが、やはり先ほどの石炭を見ていくと、バランスと言いながらも、やはり安さというか、そちらに余りに行き過ぎているのではないかと思います。二酸化炭素を目達計画大丈夫かなと思えるぐらい増やした現状を見るかぎり、私は、これはやはりバランスが壊れているのではないかと考えます。
 それから、固定価格を太陽光だけに提案した点に対する大塚委員のご質問ですが、1つには、イタリアの例、つまり太陽光だけ固定価格にしている例ですね。最近ですと、イギリスの小規模分散だけ固定価格にした例を考えていくと、RPSは、いろいろありましたけれども2003年から既に6年ぐらい運用されていますので、RPSという仕組みをベースとしながら、固定価格的な要素が本当に必要なのはどこかを精査しながら導入していくことが現実的な議論なのではないかということで、提案させていただいています。
 RPSとフィード・イン・タリフの溶け込ましの前提として、先ほど猪野委員にお答えした、国民が負担すべきコストの部分を外出しして、「この負担を考えよう」というところがまず入り口論としてはあります。
 そこのところがドイツではどのように評価されているかというご質問に関してですが、正直、そんなに社会学的な調査を私はしていないので正確な知識は持ち合わせておりませんが、2000年当時、ドイツといろいろやりとりしたときに、ドイツは1998年に、いわゆる電力自由化を始めて、今はもう完全に自由化しておりますが、この料金徴収の中で、フィード・イン・タリフのプレミアムを直接徴収しているのは送電会社なんですね。つまり発電とか電気を売っている会社ではなく、送電会社が乗せているというのがまず1つ。
 それから、ある程度そこの費用が見える化されているというのもあります。
 もう一つは、今はちょっと為替のこともあって値段が上がったり、原油の値段が上がるなど状況も変わってきていますが、当時はちょうど電力自由化によってコストが下がっていた時期です。ドイツでは、そのコストが下がるところを埋めるように環境税とフィード・イン・タリフのコストを乗せて、ちょうどそれを相殺する形で、当時は電気料金はほぼ横ばいが維持されていたので、非常に上手に構造改革をするんだなと見ていた記憶があります。
 日本はそれが、自由化は自由化の議論で安い電力だけが目標になり、温暖化は温暖化で別の議論、自然エネルギーはまた別の議論というふうに3つがバラバラでしたので、その電力構造改革が、やはり日本では90年の終わりから今日にかけて失敗したと振り返ることができるのかなと思います。
 安定供給に関するトラウマの話は、まさに私もそう思います。
 以前、東京電力と議論したときに、本当に電力品質が問題だとクレームを言ってこられるのはどういう方なんですかと聞くと、昭和40年ぐらいの糸巻きのコピー等を持ってこられたことがあります。安定供給といっても、その中身は、周波数のぶれの話から、停電するという問題、そしてナショナルセキュリティとしてのエネルギーとか、幾つかの次元があると思うんですね。そこをもう少し切り分ける必要があると思います。周波数のぶれのような話をあたかもナショナルセキュリティの話と混同して、「安定供給」という言葉の中に3つが混在していることが私は問題だと思うんですね。
 ですから、ナショナルセキュリティという意味では当然、原子力とか石炭も引き続きまだ、すぐどれかを全部やめるとか増やすといったことはできなくて、当然バランスは必要だと思いますが、そこのバランスをとりながら、しかし、余りに再生可能エネルギーの市場が日本は小さいという現実に立って、そして周波数のぶれ程度の問題は、恐らく運用レベルで相当なところはカバーしていける。その先に停電とか、本当にナショナルセキュリティが危ういようなところがあれば、それはそれとしてきちんと対応していくということで切り分けてやっていかないと、「安定供給」という言葉がマジックワードとして語られる危険性を感じております。

○鈴木部会長 それでは、前半の環境省からのご説明も含めまして、ご質問等がございましたらお願いいたします。
 途中、時間が来ましたら大臣はご退席になられますので、あらかじめ申し上げておきます。

○浅岡委員 今日は飯田委員からも環境省からも前向きで積極的な話を聞かせていただいて、よかったと思います。
 今、日本の長期目標の議論もなされておりまして、まだ余り芳しい国際水準の数字になってこないんですけれども、こうした自然エネルギーをどれだけ入れられるのか、どういう計画を持てるのかということは、その目標にも非常に大きく影響すると思いますので、早く方針を決める必要があると思います。
 このフィード・イン・タリフ、固定価格買取の仕組みが、先ほどの話にもありましたように、イギリスでも導入され、一定規模、中規模以下ぐらいですか─非常に効果的だということは、実証されているわけですし、例えば、今の試算ですと月に260円とか270円とか、月にペットボトル1つか2つ分ということとともに、私は、ドイツの仕組みがとてもいいと思うのは、早く導入した人のほうがより利益を受けられるように漸減制度をとっているということです。日本の仕組みだと待っていたほうが安くなって利益がある、こういうことでは伸びないわけですよね。やはり早い投資を促す仕組みが重要です。しかし、やはり貧しい層の世帯もありますので、最低生活ラインのところではかけない、それ以上のところにはかけるとか、そういう配慮は要ると思います。
 ドイツは結構産業界が強くて、大規模の需要側の事業者には転嫁していないので、環境省案の案でもこういう配慮も要るのではないか等ありますけれども、その辺は安易にしないで、もっと幅広い見方をしていったらいいと思いますが、ぜひともこの制度を世界水準並みのところにしっかり持って、その削減効果を併せて長期目標、中期目標を決めるように早く動いてほしいと思います。

○岩村委員 資料2の中で説明があったんですけれども、3の「太陽光発電普及の意義とコスト目標」の中で気になったんですが、「技術的優位性のあるプラグインハイブリッド車や電気自動車は将来的に太陽光発電の蓄電池としても利用が可能」と書いてあって、蓄電池の問題もお伺いしたいんですが、そもそも自動車を蓄電池として使うということは、いつ使うんですかね。自動車というのは昼間動いていますから、昼間、蓄電池としては使えないんですね。逆なんですね。放電している時間ですから。だからこういう言い方、私はせっかく最先端の部分ですから利用したいと思うけれども、太陽光とここがつながるのはちょっといかがなものかということ。
 それから、蓄電池自体、今、大変な開発競争が進んでいますが、まだまだ自動車のリチウムイオン電池1つとっても、車の値段より高いぐらいの電池を使っているわけで、そこら辺の開発がどうなっているか、ご専門の方がいらしたら教えていただきたいと思います。
 特に1つ目の、自動車が蓄電池として使えるというのは逆ではないかというところを指摘したいと思います。

○植田委員 個別のことはまた個別であると思いますが、全体としてのグリーン・ニューディールと呼んでいる政策の全体的な方向との関係ですが、やはり政治的メッセージがとても重要な意味を持っているという点で、今回の資料で私がよかったと思いますのは、その政治的メッセージを出そうという意図を感じるわけですが、その具体的内容と根拠といいますか、そういうものについて明確にする。具体的に言うと、このことを進めることが雇用にどのぐらいとか、グリーンジョブと言っているものですね。それから削減にどのぐらいとか、環境効果と雇用効果と経済効果というか、そういうことを明示することが重要だと思うんです。
 それに加えて飯田委員の報告も、内容的に重要だと思いましたのは、要するに制度的基盤といいますか、技術を進める、あるいは導入していくためにも、法的改正も含めて制度を変えることがとても重要な意味を持っていて、できたらそれらをパッケージで、全部まとめて変えることが─何かが障害になっているとそれで動かないといったことが起こるわけですから、全部まとめたトータルパッケージの改革というか、特別改革、特別立法的なニュアンスですね、そういうものを考える必要があるということを示唆しているように私は思いました。

○大塚委員 3点ほどございますけれども、第1に、環境省が今回、再生可能エネルギーに関して今までになく強力な方向性を打ち出したというのは、大変画期的なことだと思います。現在、対策の強化がこの分野で非常に必要になっていることは明らかになっておりますので、そういう意味で大変よかったと思います。
 資料1の30ページに出ているように、先ほど飯田委員もおっしゃいましたけれども、2008年の義務量の90%をバンキング量が占めているんですけれども、これはちょっとまずいので、RPSの目標量の引き上げというのはまず第1にやらなくてはいけないと思いますし、先ほどの再生可能エネルギーの固定価格買取制度も、ぜひ検討していただけるとありがたいと思います。
 2番目ですが、先ほどもご議論ありましたけれども、ぜひ価格の上昇に関しては見える化して、転嫁できるような体制をつくることをお考えいただきたいと思います。これは既にご議論のあったところであります。
 3番目は、先ほど植田委員もおっしゃいましたけれども、風力に関しては、特に低周波の騒音の問題等々も発生してきていますので、環境問題としてはバッティングすることになってしまうんですけれども、ぜひこの辺の体制を整えていっていただけるとありがたいと思います。
 4番目に、石炭火力についてもこちらに書いてあるとおりだと思いますけれども、小名浜の問題として、別のところでお話ししたこともございますが、石炭火力を今、つくるということは、国がそれだけCDMを買ってくることをほとんど意味する状況でございますので、それが40年となるとかなり問題があるかなということがございますので、石炭火力についての再検討は非常に重要な課題だと考えております。

○小林委員 私からは、専門家というより全くの素人的な発想で発言させていただきたいんですが、いわゆる電力会社が石炭火力導入に積極的であるとか、自然エネルギーの導入に消極的であるということで、それについての攻撃が多いわけですが、では実際に、電力会社は本音で自分の会社の経営上、そういう意向を示しているんだろうかというのが私の一番の疑問なんですよね。そうではなくて、やはり政府の、どこの省庁かは申し上げませんが、政府のある省庁なり、また政府自身の政策の中で電力会社は動いているのではないか。そこのところの政策決定を変更すればいいのではないか、大変単純な話ではないかと私自身は思っているんです。
 環境省が今、ご提案いただいた内容については、画期的と言いながら、実際、今まで言われてきたことをただ整理しただけという気はするんですよね。そういう意味からいきますと、これを政府の方針決定に持ち上げていくことが一番重要ではないか。政府としてこれを法律化するなり、または国会決議をすれば、それで電力会社が電力の価格構成をそういうふうに切り換えれば、それで終わりだと思うわけです。そうすると、簡単に固定価格導入ができると思うんですよね。
 例えば、先ほどの石炭火力をなぜ導入するのかという話。実際に私がかかわった石炭火力を導入した会社から理由の説明を受けたときには、エネルギーの分散化が1つ、2つ目は、日本が長期的に契約して輸入している石炭が余剰でダブッてきたから、これを活用するんだという説明だったんですね。そう言われると「ああ、そうですか」という話になってしまうわけで、やはりその辺は、私は国の政策だし、これを国会で十分議論すれば国民は十分理解すると思うんです。その辺の進め方が重要ではないか。
 先ほどの安定供給の議論にしても、私、ある電力会社の方とスウェーデンに伺ったときに、スウェーデンのエネルギー担当に石炭火力を廃止しますという説明をされていて、「それによって電力供給が不足したときはどうするんですか」と質問したら─これは私ではなくて電力会社の方が質問したんですが、そのときのスウェーデン政府の答えは「それは国民が決定したことで、国民がそれについて苦労するんだから別にいいじゃないですか」で終わりだったんですね。やはりそれは政策決定ではないかと私は思います。
 そういう意味で、ぜひこれは環境省の大英断で政府決定に持ち上げていただく、それだけで動くと私は思っております。

○鈴木部会長 電力会社に対するご質問という意味合いのほうが大きいんでしょうかね。(笑)まあ、また後ほど。

○須藤委員 1つ目は、石炭火力にいかに歯どめをかけていただけるかという問題でございます。
 実は1度ご紹介したと思いますが、小名浜のPPSの事業が昨年末に環境影響評価で福島県の審査会にかかりまして、私はそこの委員でございますので、まずこれを見たときにびっくり仰天して、今どきこんなものがあっていいのかというのが最初の印象でした。40万キロワットで228万トンのCO2、原単位は0.84、こういうことで、事業者といいますか、申請者に対しても厳しくいろいろな環境保全措置をいたしました。ここでは詳しく申し上げませんが、燃料を転換しろ、規模を縮小しろ、クレジットを調達しろ、あるいはCCSを入れろ、せめてIGCCぐらいやれといったことを言いましたが、すべて拒否というか、受け入れてもらえませんでした。
 というのはなぜかというと、この問題は京都議定書目標達成計画の範囲内にあるというのが第1の理由。続いて私が、ここでやっている低炭素社会の行動計画が既に閣議決定しているんだから、それはどう考慮しているかと言いましたら、それは目標値も何もないんだから、それは今、考える必要はないというのが事業界の返事でございまして、京都議定書のほうも、具体的に10社あるんですが、その10社の中でどういう内訳で、0.52と先ほどございましたが、そのときはたしか0.47ぐらいだったんでしょうか。その中で全部吸収されるので、結果としては何らかやる必要はない、こういうことでございまして、結局、知事意見には全部盛り込んだんですが、そのまま国に上がってしまったというのが12月末の段階でございます。
 ここで何を申し上げたいかというと、これは環境影響評価の問題ではございませんが、温室効果ガスの環境保全措置をどうとるかというのは、この部会と非常に関係がございますので、次にお願いしたいのは、環境大臣意見を述べていただく機会が当然─もうあったのか、あるのか知りません。本当は私は、福島県の段階でかなりのところまでやるつもりでいたんですが、全く私の力が及ばなかったこともあって、ぜひ環境大臣意見のときには、石炭火力に歯どめをかけるような手段なり方法論を提示して、議論をしていただきたい。要するに、地球環境部会の今の議論を反映させていただきたいというのが1番目の問題であります。
 2番目の問題は、先ほど飯田委員が詳しくお話しされて、私、全く賛成でございまして、固定価格買取制度をいかに早目に導入していただけるかということでございます。RPS法は恐らく短期的な目標しか示せないし、太陽光の普及には大変いいんでしょうけれども、固定価格買取制度は小規模分散にも向いているし、費用全体を社会で負担するとか、いろいろご説明がございました。そういうわけで、他の国々でも実証されているので、ぜひこれをリーダーシップをもって具体的に進めていただきたいというのがお願いでございます。

○住委員 エネルギー消費量のことですが、昨年秋のリーマン・ショック以来、実体経済も非常に冷え込んでいる中で、これは第3四半期でもいいんですが、どのくらい……。例えば、これだけ経済がシュリンクして需要が低迷しても、例えばエネルギー消費は減っていないのか、それとも減ったのか、もしそのデータがあったらお示しいただきたい。
 それから、昨今の情勢の中で今現在、恐らく私はエネルギー消費量が減っているような気がするんですが、そのリカバリー過程が、また同じようにエネルギーを使う形で回復過程を考えているのかどうかは私は大きいような気がしますので、今は逆に言うと、やむを得ず、実験的にガーッと強制力を持って進めたみたいな感じがしますので、その辺をもうちょっと生かすような次の施策をしないと、とにかく需要が復活して車がたくさん売れればいい、電気の消費量が伸びればいい、それが経済回復かというと、ちょっと違うのではないかというのが1点。だから、そういうデータがあれば教えていただきたいということ。
 2番目は、電力に乗せるところで、低所得者のためには料金を調整して何とか救うということがありました。今の公益事業は、そういうソーシャルバリアの観点でかなり料金がいじくられている感じがするんですが、私は余りそれは正しくないような気がして、そういう人は別の観点で、ソーシャルウェルフェアでカウントするようにしたほうがクリアになるような気がするんですね。だからその辺、電気料金、公共事業の料金の中にいろいろな要素を全部入れ込むというのは、余り正しくないのではないかという気がします。

○高村委員 飯田委員のご報告にもかかわる点で、2点申し上げたいと思います。
 1つは、現在の経済状況を見て、グリーン・ニューディール、環境投資で雇用を創出しよう、産業の成長、経済の成長を図ろうという政策を打とうとしているときに、特に再生可能エネルギーを重点にするのは、ある意味で非常に質のよい投資といいますか、質のよい政策を打ち出そうとしていると思います。そういう意味で、今回、非常にいい資料を出していただいたと思っておりますけれども、それは従来から言っている、いわゆる地域分散型の電源というのがエネルギー安全保障の観点からもよい、優位性があるのではないかという点ももちろんですけれども、もう一つは、特に雇用の創出に関して言いますと、これは飯田委員のご報告の中にもあったと思いますが、やはり地域分散型であるがゆえに、地域に広く雇用を創出できるという優位点は非常に重要な点ではないかと思うからです。
 2つ目は、では、具体的な推進策ということで考える際に、この間、国内外の再生可能エネルギーの支援策についての研究を幾つか見てまいりますと、やはり買取制度といいますか、フィード・イン・タリフの優位性を示す研究が非常に多いと思っております。特に、RPSの現状の目標水準を引き上げることは必要なところだとは思うわけですが、しかし、本質的に、特に低炭素社会づくり行動計画にあるような大規模な新規の参入といいますか、投資を呼び起こそうというときには、買取価格が事後に決まる形のRPSは、ある意味では市場に参入しようとする人に価格変動のリスクを負わせることになるんだと思います。そういう意味では、きちんとある一定期間、資本の回収を確実にするという意味での買取制度の優位性は、やはり否めないのではないかと思います。
 そういう意味で、今回、検討会も含めて資料を出していただいておりますけれども、フィード・イン・タリフの具体的な制度について、ぜひ検討をお願いしたいと思いますし、今回、出ております中で、先ほど言いました観点から重要と思いますのは、投資回収年数の見通しをつけて価格を設定しよう、あるいは支援策を立てよう、この考え方は非常に重要な観点ではないかと思います。

○武内委員 この議論全体の方向としては、基本的には大賛成でありますけれども、少し議論を整理したほうがいいのではないかということと、少し強化したほうがいいのではないかということを申し上げたいと思います。
 整理したほうがいいことについては、再生可能エネルギーの比率をどの程度高めていくのかという議論と、国内におけるエネルギー自給率を高めていくという話、これは関連はしていますけれども、議論をごっちゃにすると少しおかしな話になるのではないか。
 例えば、バイオエタノールを増やすといったときに、それを国内で増やしていくことにどの程度の現実性があって、ブラジルを初めとする海外から持ち込むことの必要性はどの程度あるのか、その場合、それが相手国の環境の問題だとか輸送にかかわるエネルギーにどう関係するのか、そういうところは少し議論を整理する、その2つの議論をごっちゃにしないほうがいいのではないかというのが1つ申し上げたい点です。
 もう一つは、先ほど来、分散型という議論がずっと出ておりますけれども、需要の側では、例えば環境モデル都市のように、それぞれの地域の特性に応じて需要側の削減を実行していく。そういう中に都市のあり方のような問題が入ってくる、今こういうストーリーになっておりますけれども、今日の議論を聞いていますと、何かまだ供給の側はオールジャパンで議論していて、例えばソーラーとバイオマスと風力と地熱では、本来、その適正なロケーションというのは根本的に違ってくるし、地熱みたいなものはある程度ロケーション・スペシフィックな議論でしかできないわけで、それをこういうオールジャパンの議論の中に入れても、ほとんど意味がない。
 ですから、そこについては少しポテンシャルの評価を、やはり地域的に議論していくことが必要なのではないか、それが今後の実効性のある目標達成にもつながっていくのではないかと思いますし、また、この問題は多分、大都市ではかなりメガストラクチャーな問題と、それからエネルギーをどうするかという話に議論が集中すると思うんですけれども、これからの少子・高齢化、過疎化の地方では、この議論はやはり単なる再生可能エネルギーだけではなくて、何か地域活性化みたいな話と結びつけて、エネルギーの地産地消に基づく新たな地域圏の形成みたいな話になるのではないかと思いますので、そういったところはやや、今回、言っている再生可能エネルギーを増やせ、増やせという話だけではなくて、それがどういうふうに日本の国土の活力維持みたいなものにつながっていくかといったあたりを少し強調してもいいのではないかと思います。
 整理して言うと、従来出ている需要側の話を供給側の話にも展開していくということで、分散型と言っているものの実体化を図ることが必要なのではないか、そういう印象を非常に強く持ちました。

○永里委員 風力発電、太陽光発電を普及させるためには、利用する生活者、国民の環境分野やエネルギー分野における理解力を高めることが重要であって、例えば、より高い電力単価を生活者が負担することを容認できるような啓蒙教育が必要であり、かつ政府の広報活動が重要だと思います。

○福川委員 再生可能エネルギーについて掘り下げた研究をされたことは、大変すばらしいことだと高く評価をしております。
 ここでお尋ねしたいのは、例えば資料2の14ページ以下に太陽光発電の導入ターゲットと具体的な導入方策が書いてあって、いろいろ分析してありまして、そして22ページに、具体的達成方策についての分析結果が示されております。この分野で1つ非常に大事なことは、技術開発がどう進展するか。やはり技術のどういう点が問題で、何がまだ解決していないのか、しかもそれは経済性に関するものなのか、あるいは本当に技術について障害になっているものなのか。
 ここら辺、「革新的技術の普及」というところに超高効率パネル、新材料の名前がありますが、この技術的な開発の問題をもっと掘り下げて見ていただくことが必要かと思いますし、これがまた経済性ともかかわりがあるように思います。
 そこで、[1]から[5]まで施策が書いてありますが、ここに書いてあることは、ある程度具体的なものもありますが抽象的なものもあって、ここで達成可能となる見込みと書いてあるけれども、本当に達成可能なのかという点をもう少し詳しく論証してみる必要があるのではないかと思います。
 したがって、この技術開発について、要素技術なのかプロセス技術なのか、システム技術なのか、いろいろな問題をもっと詳しく分析した上で、その効果を上げるための方策と結びつけていただいてはいかがかと思います。

○鈴木部会長 以上、ご質問あるいはコメントも含めていただきました。飯田委員に関連するところもあったように思いますので、もし飯田委員から、あるいはつけ加えてのことでも結構ですが、お話しいただいて、それから環境省にお願いしたいと思います。

○飯田委員 私が直接お答えすることはなかったかなとは思いますが、私から質問するというか、コメントする側で言うと、この環境省の検討会のレポートは、今日は駆け足でしたけれども、先ほど高村委員でしたか、大塚委員でしたか、いい報告だという話がありましたけれども、まさに私はこの報告は、英訳して外に出してもアメリカ、ヨーロッパでも通用するレベルの制度措置というか、再生可能エネルギーの政策措置に関してかなりフェアなレポートがようやく日本政府から出たと、非常に高く評価しております。
 あとは本当に、先ほどどなたかおっしゃったように、まさにこれが政府の中できちんと制度化されていくプロセスにどう入っていくかというのが、この次のステージかなと思っています。
 それと、先ほど実は私、部会長のご質問に1つお答えするのを忘れていたんですが、需要を下げるほうの話ですね。
 これはあくまで再生可能エネルギーなので、もちろん別とはいえば別なんですが、1つには、バイチャンス的なものでもあるんですが、いわゆる太陽光発電を導入された方で、もちろんスマートメーター等も関係してきますけれども、制度のつくり方にもよりますが、今は余剰電力という制度のつくり方にすると、省エネをすることによってより売電量が増える、そういうバイチャンス的な省エネ効果もありますし、制度論的に言うと、実は省エネに関しても、フィード・イン・タリフ的な省エネという提案も最近はされていますので、仕組みとしての省エネという形も、今後、可能性はあるかなと。
 それから石炭火力、先ほどありましたけれども、これも日本の中では必ずしも追究されていませんが、つい最近、先ほど私も取り上げた事例の1つでキャンセルされた石炭火力は、いわゆる統合資源計画(IRP)、つまり電力会社が自ら行う省エネもしくは再生可能エネルギー、その他のさまざまな手段をすべて比較した上で石炭火力を出していない、そのようなことで却下された石炭火力などもありまして、そういう環境アセスの中に、日本も新しい電源計画に代替的なオプションをきちんと検討することが必要なのかなと思っております。

○地球温暖化対策課長 いろいろご意見いただきまして、ありがとうございました。
 浅岡先生から、これまでになくといいましょうか、珍しく褒められまして、ありがとうございました。(笑)
 ただ、褒められたものは実は検討会の報告書でございますので、私どもが褒められたわけではないわけでありますが、この検討会の報告書、今日ご議論いただきましたので、その結果を踏まえて、中環審としての報告書の案を次回お示ししたいと思いますので、それをまたご議論いただきたいと思っております。
 それから、岩村委員から、プラグインハイブリッドなどを蓄電池として使うとあるけれども、車は昼間は動いているではないか、蓄電できないのではないかというご指摘をいただきました。
 自宅だけではなくて町じゅうの、駐車場を含めていろいろな所にソーラーで充電できるインフラを整備する必要があろうかと思います。もう一点、車というのは動いている時間より止まっている時間のほうがはるかに長いですから、そういう意味でも蓄電池としての利用が可能ではないか。
 高いのではないかというのは、ご指摘のとおりでございまして、技術開発が今、一生懸命行われておるということでございます。
 それから、大塚委員から風力発電について、低周波騒音の問題等、ご指摘ございましたが、これは環境省内の別途部局で今、検討しておるところでございます。
 小林委員から、政府の方針決定にどう結びつけていくのかといったご指摘がございました。
 先ほど申し上げましたように、まずは検討会の報告をお出ししたところでございまして、これを中環審としてご議論いただく。そして、やはり国民のご意見を伺う必要があるのではないかと思います。260円という価格、安いと言う人もあれば高いと言う人もあるわけでございまして、将来の資本形成のために金を出すべきだ、そうではない、いろいろな意見があると思いますので、ご意見を伺い、そして報告書として出して、各方面に働きかけるというのが一つのルートでございます。
 もう一つは、中期目標検討委員会が今、内閣官房に置かれておりますが、そこが中期目標の選択肢というものが議論されております。3月中にその選択肢についての解析結果が出されるわけですが、そういった中期目標の値を達成するための政策については、今のところ検討委員会では議論されていないわけでございまして、私どもの結果をそういったところにインプットしていく。何%削減が可能だ、こういったものがこれだけ導入されれば何%削減可能だといったときに、それだけ導入するためには何をする必要があるんだというところの議論を、まさにここでしていただいていると考えているところでございます。
 それから、小名浜でございますけれども、ご指摘のように、福島県知事から厳しい意見が出されたと理解しております。私ども、まだ正式な協議は受けておりませんけれども、協議が付されればしっかりとした意見を述べていきたいと考えております。
 それからエネルギー消費量、第3四半期、どういうわけで減っているのかというご質問でごけれども、鉄鋼とか機械とかいろいろな産業分野で生産量が減っておるところでございます。そういったことなどを勘案いたしますと、私どものごく大ざっぱな試算では、CO2に換算いたしますと第3四半期では基準年排出量比で約1.4%分程度減っているのかなと。これはかなりラフなものですから、余り追究されると苦しいところでございますけれども、大ざっぱな数字としては、そんなところかなと。
 第4四半期になりますと、これはまだ終わっていないわけですけれども、今のままいくとすると、その倍ぐらいいけるのではないかという見通しでございます。
 ただ、大事なことは、そういうCO2排出量が減るわけでございますけれども、そこで資源投資も同時に減ってしまいますと、将来また生産が回復したときに排出量が増えてしまうことになりますから、そこは十分注意する必要があるだろうということでございます。
 それから、低所得者層対策として電力料金で対応するのではなくて、ソーシャルウェルフェアとして別途対応すべきではないかというご指摘がございました。
 私ども、電力料金で対応すればということで、一つの試算としてお示ししたわけでございまして、ほかにもいろいろな方法があろうかと思います。低所得者層対策だけではなくて、仮に電力料金で対応した場合でも、政府から補助金をある程度流すといった対応もまた考えられるわけで、いろいろなオプションがあり得るだろうと思いますが、一つの例としてお示ししたところでございます。
 高村委員から、固定価格買取制度は具体的制度を検討すべきではないかということでございました。今後の課題として考えさせていただきたいと思います。
 武内委員からは、バイエタなどについてのご指摘がございました。
 現在、バイオ燃料については普及率が極めて低い状況でございますので、まずは廃棄物などでの国内対策で賄っていく。同時に、食料分も含めて持続可能性の検討を行って、輸入する場合の条件などについて国際議論を踏まえながら決めていくということで考えておるわけでございます。
 今回の報告書では太陽光を中心に書いておりまして、他のエネルギーについての解析は必ずしも十分でないところがございます。議論の整理が必要ではないかというお話もございましたが、それもごもっともことかなと思います。今後の課題として受けとめさせていただきたいと思います。
 それから、国民の理解を高めること、広報活動が必要だという永里委員のご指摘は、まさにそのとおりでございまして、今回、260円要るんだ、ただでどんどん太陽光が入るわけではあんよ、だれかが負担しなければいけませんよということをお示ししているわけでありまして、これも広報活動の一環になろうかと思いますけれども、議論をして、合意をしていただくことが大事だろうと思います。
 福川委員からは、技術開発について、参考資料22ページについてのご指摘をいただきました。
 [1]から[5]まで書いてあるけれども、これで本当に目標が達成できるのかということでございます。バックにはそれぞれの資料があるわけでございますが、大ざっぱに申しますと、[1][2]で2020年までの目標は達成できる、さらに2030年までの目標を達成するためには[3][4][5]も必要であるという整理になっております。
 ちょっと追加的なコメントをさせていただきます。

○地球温暖化対策課長補佐 地球温暖化対策課長補佐の加藤と申します。
 本検討会の取りまとめに携わりましたので、事務的に幾つか補足させていただきます。
 恐縮ですが、資料2の参考資料のほう、16ページをごらんいただければと思います。
 IPCC等が出しております習熟曲線というものは、革新的技術を見込まなくても大量生産によってどのぐらいコストが下がるか、現状技術の延長線上でどのぐらいコストが下がるかを分析したものでございます。
 17ページでございます。他方で、国内市場が世界市場に占めるシェアということで、日本の市場がシュリンクすることによって国内企業の太陽光生産量に占めるシェアも激減しております。
このため、需要サイドからサポートして温暖化対策、CO2排出量が増えております家庭や業務など民生部門において対策を進めるにはどうしたらいいかということを検討したものが、18ページでございます。
 現状の太陽光の投資回収年数は約30年となっていまして、太陽光発電設備の寿命は約20年でございますので、現状ではボランタリーな取組として、いわば篤志家の方に、経済的にはペイできないものをお買い上げいただいているということで、これを投資回収年数10年にまで縮めれば、先ほど浅岡委員からもご発言がございましたとおり、早く設置した人、頑張った人がより報われる制度になるということを検討会でご議論いただいたということでございます。
 19ページをお願いします。技術革新を見込まない範囲で、公共部門での率先導入と投資回数年数を10年に短縮する需要側の支援ということで、ここでは固定価格買取制度を想定しておりますが、一番右側の青いものをごらんいただきますと、その2つは革新的技術を見込まなくても、制度によって達成が可能であるというのが分析の結果でございます。ただし、2030年につきましては制度だけでは不十分であり、技術革新が必要であるというご報告をいただいております。

○地球温暖化対策課長 すみません、先ほどCO2の排出量の減少を申し上げましたが、資源・エネルギー統計では、11月、12月について昨年同月比で約8%減っております。

○鈴木部会長 いろいろとご質問、コメントをいただきまして、それにお答えいただきましたが、ここでの検討の位置づけということになりますと、まず、この検討会報告につきましては、多分、本体がしっかりしたものがあって、それをいずれまたここでご議論いただくことになるんでしょうかね。
 前回、前々回、交通、そして住宅に関していろいろご議論いただきましたが、それをまとめて年度内ですか、ここで、この報告書としてまとめさせていただく。
 そういうプロセスの中でご議論いただいたことを、何らかのルートで、例えばグリーン・ニューディールにどういうふうに提案していくのか、あるいは中期目標の選択肢を挙げていただくプロセスに反映していただくのか、そのようなことが重要だろうと思います。
 しかし、今日はエネルギーに関して非常に、ある意味では核心に迫る─というほどではないかもしれませんが、我々としては、かなり踏み込んだ議論をさせていただいたと思います。
 小林委員でしたか、政府の方針決定に、国のエネルギー政策にこれをどう反映させるかということになりますと、口を濁されましたナントカ省のナントカエネ庁とかいうところが、そこは自分たちのカテゴリーだと思っておられるでしょうし、そこを動かしておられるのは多分、猪野さん等の会社ではないかといった関係もあって、そう簡単ではないんでしょうが、ぜひこちらとして、こういう検討結果をオープンな場で、他の省庁等々でもまたご議論いただくというようなことができれば、また一歩前進ということもあるのかなと思ったりいたしております。
 いずれにしましても、短い時間で非常にいろいろなことをご説明いただき、また、ご質問もいただきましたが、この辺の検討はぜひ進めさせていただき、また具体的な、例えばFITであるとか、いろいろな制度、パッケージのようなものも考えていくことができれば、大変実りあるものになるのではないかと思っています。
 では、エネルギー分野についてのご議論はこれまでとさせていただきまして、報告事項がございますので、与党の平成21年度税制改正大綱の結果、それから市場メカニズムを活用した地球温暖化対策の現状について、事務局からお願いします。

○小林大臣官房審議官 まず、資料4に基づきまして、平成21年度税制改正大綱の内容についてご報告いたします。
 年末に政府・与党間でまとまった内容でございまして、具体的な法改正などはこれから国会で議論される、こういうことでございます。
 その中で、四角で囲いました1、地球温暖化対策の関係、税制のグリーン化について今日はご報告したいと思います。
 (1)は、環境税を含めた税制全般の横断的見直しでございます。
 環境税につきましては、従来からいろいろな議論をいただいております。また、総合政策部会でもご意見をいただいておりますが、取りまとめとしては、第四、検討事項の1の3行目あたりから「環境先進国として、未来に向けて低炭素化を思い切って促進する観点から─これは税制全般の話でございます─税制のグリーン化を推し進める」という位置づけが、これは初めてされております。
 環境税につきましては、こういった税制全体のグリーン化を図る観点から、いろいろ掲げられておりますような諸問題について総合的に検討するといった取りまとめでございます。
 それから16、これも3行目ほどからですが、国際社会が共同して途上国を支援するための税制のあり方について総合的に検討ということで、いわゆる地球環境税についても検討課題として取り上げられたというところが新しい点でございます。
 2番目に、道路特定財源の扱いが政治的にも大変大きな問題でございました。
 6のところにございますように、道路特定財源制度は廃止するということでございますが、この一般財源化に伴う関係税制のあり方、それから暫定税率分を含めた税率のあり方につきましては、今後の税制抜本改革の際に検討するということでございます。
 しかし、それまでの間、地球温暖化問題の国際的な取組なども踏まえまして、現行税制水準は原則維持をするということで、ここも環境の観点を含めて考えることが明示されたということでございます。
 次のページに参りまして、税制の抜本改革。これは長い文章がこの前にございまして、要するに社会保障問題、それから財政改革、こういった大きな課題でございますが、この全体を議論するに当たりましても、8のところにございますが、低炭素化を促進する観点から、税制のグリーン化にもその一つの柱として取り組みということになりまして、税制全般での一つの軸になることが明示されたところでございます。
 あと個別のところははしょらせていただきますが、(2)の自動車関係、これも先ほどの道路特定財源問題とも絡みまして、期限限定付でございますが、自動車重量税がグリーン化されたというのは全く新しい措置でございます。
 また、自動車取得税などの従来からのグリーン税制も、延長、また深堀りされたということで、詳細は次のページの表をご覧いただければと思います。
 4ページでは、燃料供給設備につきまして従来から優遇税制がございましたが、充電設備を特に見込みまして、価格の引き下げといったことで制度の拡充が図られました。
 5ページ、(3)省エネ住宅。これも非常に大きな課題でございます。この部会でもご議論ございましたが、税制面からも、昨年は省エネリフォームのローン減税という新しい制度ができましたが、これが5年延長になりまして、さらに省エネリフォームの投資型の減税、それから新築住宅に係る減税措置も新たにできたということで、これはかなり大きな規模での減税措置が新たに講じられたということでございます。
 税制につきましては、当初申しましたような大きな位置づけもございますので、引き続きしっかり対応していきたいということで、ご報告でございます。

○市場メカニズム室長 引き続きまして、資料5でございます。
 市場メカニズムを活用した温暖化対策ということで、国内排出量取引、カーボン・オフセットに関する最近の動きを簡単にご紹介したいと思います。
 2ページ、諸外国の動向でございますが、ご案内のとおり、EUあるいはニュージーランドでは既に始まってございますけれども、オーストラリア、カナダでも2010年から開始予定。アメリカにつきましては2009年から一部の州で開始してございます。また、連邦レベルでもいろいろ議論されてございますけれども、オバマ政権は基本的に排出量取引制度を支持しているということでございます。
 そういう中で、ICAPということで、2007年10月からEUの主要国、あるいは米国の州等で各地域の制度をリンクするためのルールづくりも検討が開始されている。
 3ページでございます。
 つい先日、1月28日に欧州委員会が発表したコミュニケーション、これはまだコミュニケーションということで、提案でございますけれども、この中で、各地域のキャップ&トレードの市場のリンクについて踏み込んだ提言がなされております。2015年までにOECDワイドの炭素市場をつくる、あるいは2020年までに途上国へ拡大をする、また、特にオバマ政権との間でワーキンググループを立ち上げるといったことが書かれております。この辺の動きも注視してまいりたいと思っております。
 4ページ、日本の取り組みでございます。
 ご案内のとおり、前回の部会でもご報告いたしましたけれども、昨年10月から排出量取引の国内統合市場の試行的実施を開始してございます。ここにございますように、企業に自主的な目標を設定した上で参加していただいて、排出枠・クレジットの取引をしていただく。その中で、大企業等が中小企業等を支援する国内クレジットでありますとか、京都クレジットが活用できるという仕組みを始めてございます。
 5ページにございますけれども、昨年10月から募集しまして、12月12日に一次的な締め切りをいたしまして、その結果を集計してございます。
 ここにございますように、4ページで言う[1]の目標設定参加者に相当するところが446社、取引参加者は50者、その他として国内クレジットの参加が5社、合計501社ということで、その後も若干増えてございます。
 参加の状況、業種ごとの違いはございますけれども、電力を初め主要業界に入っていただきまして、産業部門では全体の約7割をカバーすることで、相当のカバーをしていただいておりますけれども、引き続きさらなる業種、企業の参加を働きかけていきたいと思っておりますし、3月まで中間レビューということで、今、政府内で作業してございます。その中で各目標、自主的な目標でございますけれども、その妥当性の審査でございますとか、また、さまざまなガイドライン、それから目標達成を確認するためのシステムでございますとか、排出枠の管理をするためのシステム、そういうものの開発整備を引き続きやってございます。
 そういうことで、この試行の成果が上がり、本格導入に必要な条件でありますとか制度設計上の課題を明らかにするというこの試行の趣旨が実現されますように、引き続き努力してまいりたいと思っております。
 6ページ以降、カーボン・オフセットについての取組を若干ご紹介してございます。
 カーボン・オフセットという言葉、巷に大分流れてきておりますけれども、ここにございますように、自らの排出量を認識し、削減した上で、どうしても削減されない排出量を、他の場所における削減とか吸収によるクレジットの購入等で埋め合わせをするということでございまして、このカーボン・オフセットを活用した商品、サービスが出てきておりますし、また、昨年、例えば洞爺湖サミットとか環境大臣会合といったイベントのオフセットに政府として取り組んだりもしております。
 6ページにございますように、いろいろな取り組みをしてございますけれども、今日は2つだけご紹介したいと思います。
 7ページにございますけれども、信頼性構築に向けた取り組みということで、カーボン・オフセットの対象となる排出量が明確であるとか、クレジットが信頼性のあるものが使われ、また、そういうものがダブルカウントされていないといった点で、このオフセットの信頼性の構築が重要でございますので、そのためのさまざまなガイドラインをつくっておりますし、一番下にございますように、第三者機関による認証というのも将来やっていきたいということで、準備しているところでございます。
 それから、8ページにございますけれども、オフセット・クレジット制度というのを昨年11月からスタートしてございます。これはカーボン・オフセット、これまでは主として海外のクレジット、京都メカニズムによる、CDMによるクレジットが主に使われておりますけれども、それだけではなくて、国内の削減とか吸収による効果をきちんと認証して、それをクレジット化して、それを使ってオフセットするということも非常にニーズがございます。
 そういうことで、昨年3月から検討してまいりましたけれども、11月からスタートいたしまして、ここにございますように、第1弾として森林バイオマスを活用したプロジェクトを対象にいたしまして、そういうものを環境省が設置した認証運営委員会できちんと認証し、また、途中には第三者の検証機関も入りまして、信頼性を確保した形でその削減量をクレジット化して、発行する、それを登録簿できちんと管理するといったシステムが動き出してございます。
 9ページにございますけれども、第1号の申請として、高知県における林地残材のバイオマスエネルギーへの活用についてのクレジットの申請をいただいて、審査をさせていただいたところでございます。
 最後のページでございますけれども、このオフセット・クレジット制度の拡充に今、努めてございまして、特に森林吸収によるクレジットの認証基準というものを、今、パブコメが終わりまして、年度内にまとめたいと思っておりますし、グリーン電力証書の活用でございますとか、その他さまざまなアイデア、バイオマスエネルギーの活用、小水力など、今日議題になりました再生可能エネルギーのようなものも含めまして、このオフセット・クレジットの対象の拡大を進めてまいりまして、地域の取組を活用した形で制度を進めていきたいと思っております。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 ただいまの2件のご報告に、何かご質問ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本日の議事はここまでとなります。
 最後に、事務局から連絡事項をお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 委員の皆様におかれましては、本日のご発言に追加すべき質問、コメント等がございましたら、2月17日火曜日までに書面にて事務局にお送りください。
 次回の地球環境部会につきましては、日程調整の上、後日ご連絡させていただきます。

○鈴木部会長 それでは、本日の議事を終了させていただきます。
 長時間にわたりまして、どうもありがとうございました。

午後 4時23分 閉会

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