中央環境審議会地球環境部会(第82回)議事録

1.日時

平成20年11月27日10:00~12:15

2.場所

中央合同庁舎第5号館2階 講堂

3.議事

  • 1.低炭素社会の実現に向けた施策の検討について(自動車分野等)

資料一覧

資料1 自動車・交通分野の対策・施策について
資料2 運輸部門における中長期的な温暖化対策
参考資料1 低炭素社会の実現に向けた施策の検討について
参考資料2 2050日本低炭素社会シナリオ
参考資料3 低炭素社会に向けた12の方策
参考資料4 低炭素社会づくりに向けて
参考資料5 低炭素社会づくり行動計画
参考資料6 浅岡委員コメント
参考資料7 温室効果ガス排出量(エネルギー起源CO2)の算定に使用する統計の概要

議事録

午前10時00分 開会

○地球温暖化対策課長 それでは定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会第82回会合を開催いたします。
 本日は、委員総数41名中24名の先生にご出席いただいておりますので、定足数に達しております。また、本日の審議は公開として実施させていただいております。
 以降の進行は鈴木部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、早速議事に入らせていただきたいと思いますが、まず事務局のほうから配布資料の確認をお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 議事次第の下に、資料1として、自動車・交通分野の対策・施策について、それから資料2といたしまして、中央環境審議会地球環境部会、運輸部門における中長期的な温暖化対策。
 参考資料が、1から5までとじてあるものがございます。「低炭素社会の実現に向けた施策の検討について」以下でございまして、これは第1回のとき以降毎回出させていただくこととしておりますが、できれば会議終了後は机の上に置いておいていただければと思います。それから、参考資料6といたしまして、浅岡委員からいただいたコメントでございます。参考資料7が、温室効果ガス排出量の算定に使用する統計の概要というものでございます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 よろしいでしょうか。
 それでは、議事に入りたいと思いますが、資料からお気づきのように、前回は住宅につきましてのお話を中上委員からいただきましたが、今回は自動車、モビリティーの分野ということで、後ほど大聖委員からお話をお伺いすることにいたしております。資料1と参考資料7につきましては、まず事務局から説明をいただき、その後、大聖委員からご報告をいただくということになっております。
 それでは早速、事務局のほうからお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 それでは、資料1、自動車・交通分野の対策・施策についてでございます。前回と同様、自動車・交通分野につきまして、現状の対策などにつきまして、簡単にご説明をさせていただきたいと思います。
 1枚めくっていただきまして、ページ2でございますが、運輸部門の排出状況でございます。2007年度の運輸部門の排出量は2億4,900万トンでございまして、我が国のCO2排出量の19%を占めております。基準年と比べると14.6%の増加、前年度と比べると1.6%の減少ということでございます。左に図がございますけれども、基準年の運輸部門のシェアが19%、2007年度における運輸部門のシェアも19%ということでございますが、その間、排出量自体は14.6%の増加ということでございます。右の円グラフでございますけれども、旅客と貨物に分けておりますが、それぞれにおいて自動車がかなりの部分を占めておりまして、52%と35%でございますので、合わせて運輸部門の排出量のうち約9割が自動車であるということでございます。したがいまして、自動車に関する対策・施策の検討が重要であるということになろうかと思います。
 3ページでございますが、これも前回住宅のときに行いましたのと同じように、CO2の排出量を分解しております。活動量掛ける活動量分のサービス需要、掛けるサービス需要分のエネルギー、掛けるエネルギー分のCO2と分けております。それぞれ、サービスの効率化、燃費の改善、エネルギーの低炭素化といった要素を追求することによってCO2の排出量を減らしていくことができるだろう。サービスの効率化としては、歩いて暮らせる街をつくる、バスや電車を利用する。燃費の改善では、ハイブリッド自動車などの低燃費自動車の導入、渋滞を減らす、エコドライブの実施。エネルギーの低炭素化では、バイオ燃料などの利用。このように考えることができようかと思います。この分け方に従いまして、5ページ以降、目達計画等においてどのように記述されているかということをご紹介しております。
 5ページでございますが、「京都議定書目標達成計画」における主要な対策・施策として、サービスの効率化に関しては、対策として、集約型都市構造の実現、公共交通機関の利用促進、荷主と物流事業者の協働による省CO2化の推進といったことで、それぞれについて施策といたしまして、集約型都市構造の実現のところでは、都市計画制度による大規模集客施設に係る立地制限の強化等、中心市街地の整備・活性化等による都市機能の集積促進といった整理がなされております。燃費の改善については、単体対策、ITSの推進、エコドライブなどがございます。それぞれ、自動車税のグリーン化とか、補助金とか、率先的購入といった施策が挙げられております。エネルギーの低炭素化のところでは、対策としては、新エネ対策の推進、バイオマスの利活用ということが挙げられ、施策として、税制、モデル実証事業、補助事業といったものがあるところでございます。
 次の6ページでございますけれども、7月29日に閣議決定されました行動計画における主要な対策・施策でございます。サービスの効率化では、目指すべき姿として、低炭素型の都市や地域づくりということで、特色を活かしたモデル都市の取組が全国に広がっていくということ。そして、燃費の改善では、次世代自動車が2020年までに新車販売のうち2台に1台の割合を占めるようにするということで、具体的な取組としては、補助、インフラ整備といったことが挙げられております。エネルギーの低炭素化では、ゼロ・エミッション電源を2020年を目途にその割合を50%以上とするといったことが目指すべき姿として挙げられており、具体的な取組としては、地方公共団体による小水力の活用など地産地消型の新エネの利用等の取組の推進、あるいはバイオマスタウンを2010年度までに300地区へ拡大するといったことが挙げられております。また横断的なものとしては、排出量取引、税制のグリーン化、排出量の見える化、環境ビジネスといったことが挙げられているところでございます。
 運輸部門の対策・施策の3番目として、7ページでございますが、「低炭素社会づくりに向けて」、これはこの4月に地球環境部会の報告を出していただいたものでございますけれども、ここのところはサービスの効率化、燃費の改善といった整理が困難でございましたので、制度的なインフラ整備、ソフト的インフラ整備、ハード的インフラ整備ということで書かせていただいております。制度的なインフラ整備では率先実行、奨励的手法、経済的手法、規制的手法、情報的手法、ソフト的インフラ整備では情報普及、ハード的インフラ整備では都市や交通の整備といったことが掲げられております。
 8ページでございますが、国立環境研究所などが研究してきております「低炭素社会に向けた12の方策」でございます。サービスの効率化では滑らかで無駄のないロジスティックス、それから燃費の改善では歩いて暮らせる街づくり、エネルギーの低炭素化では次世代エネルギー供給といったことが掲げられているところでございます。
 現状の主要な施策の概要を10ページ以降でご紹介しておりまして、10ページではトップランナー基準を説明しております。右下の表をごらんいただきますと、1999年以降、ガソリン自動車・ディーゼル乗用車を初めとして、トップランナー基準が決められてきているということでございます。
 それから、11ページでは、温対法の算定・報告・公表制度のご紹介をしております。平成17年の法改正により導入されまして、この3月に初めの公表を行ったというところでございます。運輸部門も対象となっているということでございます。
 12ページは、省エネ法における輸送に係る措置の概要でございます。一定の規模以上の荷主等について、定期報告などの義務づけが行われているというものでございます。
 13ページは、国土交通省の資料になっておりますが、集約型都市構造の実現、低炭素型人流・物流システムの構築といった取組により低炭素社会を構築していくというものでございます。
 14ページでは、低炭素型物流システムの構築ということで、自動車部門、船舶部門、鉄道部門それぞれにおける対策が掲げられていると同時に、モーダルシフトの推進といったことも掲げられているところでございます。
 15ページには国際バイオ燃料の生産拡大工程表というものが載っておりますが、その次の16ページをごらんいただきますと、2030年ごろに大幅な生産拡大として、農水省試算でございますが、600万キロリットルまで増やしていく。現在が30キロリットルでございますけれども、600万キロリットルという目標で国産バイオ燃料を大幅に拡大していくということでございます。
 以降、主要な対策の現状でございます。まず最初は、自動車単体対策の進捗状況でございまして、右側に2000年から2006年までの実績と2010年の目標値が掲げられておりますけれども、ほぼ線上に乗っているのかなと。ただ、一番下のクリーンエネルギー自動車の普及台数は、対策上位ケースと下位ケースとかなり離れておりますけれども、下位ケースのほうはほぼトレンドでいくとどうにかなるかというものでございまして、上位ケースのほうは施策が効果を十分に発揮した場合に達成できるというものでございます。そちらのほうと比べると、かなり開きがあるという状況でございます。
 19ページで算定・報告・公表制度の集計結果を出しております。
 それから20ページで、省エネ法における輸送に係る措置の施行状況ということで、特定荷主の現状について整理させていただいております。
 21ページでございますけれども、自動車・道路交通対策の各指標について、どういう状況にあるかということでございます。左側の一番上で、自転車道の整備延長でございますが、2000年から2006年までが実績、2008年以降が見通しでございます。ほぼ線上に乗っている。路上工事の縮減がその次でございますけれども、これも同様でございます。ボトルネック踏み切りの対策、ETC、VICS、ITSと、それぞれお示ししたとおりでございます。
 その次が4-2でございますけれども、信号機の高度化、エコドライブ関連機器の普及台数、公共交通機関の輸送人員の改善効果、高速道路での大型トラックの最高速度の抑制ということで、装着台数、それから高度GPS-AVMシステム車両普及率、テレワーク人口ということでございます。いずれもほぼ線上に乗っているところでございます。
 23ページでございますが、海上輸送量(自動車での輸送が容易な貨物量)、トラック輸送の効率化等々について整理しているところでございます。いずれを見ましても、目達の達成期限である2012年までを見ますと、多くの指標について一応今までのところ線上に乗っているというところでございますが、もちろん2050年を目指すということになると、また話は変わってくるということになろうかと思います。
 24ページでございますけれども、エコ燃料の導入状況ということでございまして、バイオエタノールにつきましては、全国8地域でE3の実証試験を行っているところでございます。また、ETBEにつきましても、石油業界が2010年度に原油換算21万キロリットルの導入を目指しているといったところでございます。
 以下、参考資料でございますけれども、参考資料の最初のところは諸外国の取組でございまして、イギリス、フランス、ノルウェー、デンマークの例を書いております。イギリスでは、ロンドン市中心部のエリア内に流入する車に混雑課金を実施している。CO2が16%削減された。フランスでは、ナント地方で人や自転車と車が共存できるまちづくりをしている。ノルウェーの場合ですと、市中心地に設置されたゲートを通過するすべての車両に通行税を課して、それで得た資金を活用して地下幹線道路の建設やその他交通システムの改善を実施しているといったところでございます。
 それから、取組例の2では自動車燃費規制の比較をしております。これは各国別の燃費測定モードの違いを考慮しておりませんので、ここに掲げられている数字をそのまま単純に比較するということはできないわけでございますが、ご参考までに提示させていただいております。
 それから、諸外国の取組例3でございますけれども、ヨーロッパの自動車関連税制におけるCO2排出基準の導入状況ということでございます。左下に導入状況の表がございますが、○印が基本的にCO2排出量に応じて決定されるものということで、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、イタリアそれぞれにおいて、導入が既に行われているか、あるいはこれからするという予定であるようでございます。この右側では、フランスのボーナスマリュス制度というものの概要が示されております。排出量が少ない車に対しては奨励金が支払われ、逆に排出量が多い車に対しては課徴金を取るということでございます。
 以下、京都議定書目標達成計画、低炭素社会づくり行動計画などの概要をお示ししておりますが、これについは省略させていただきたいと思います。
 それから、前回の会議で各種の統計の状況はどうなっているのか、特に家庭部門の統計が余り充実していないのではないかといったご指摘をいただいたところでございまして、現状をまとめた資料のご説明をさせていただきたいと思います。参考資料の7でございます。

○地球温暖化対策課課長補佐 では、参考資料7について説明させていただきます。「温室効果ガス排出量(エネルギー起源CO2)の算定に使用する統計の概要をご覧いただければと思います。
 我が国の温室効果ガス排出量を算定する際に、エネルギー起源CO2排出量の推計については総合エネルギー統計というものを使っておりまして、温室効果ガスはエネルギー起源CO2以外に様々なガスがございますので、それらの各種統計を併せまして作成しておりますのが、温室効果ガス排出量の毎年の公表値ということになります。そのため、一次統計を総合エネルギー総計のようなものを利用して二次統計としており、その二次統計をまとめて、いわば三次統計の形で報告しておりますのが、我が国の温室効果ガス排出量の値ということになります。このため、その精度はもとの一次統計の精度に依存するということでございます。
 基本的に供給側と消費側ということで分けて考えますと、エネルギーの生産・供給側の統計というのは、概略を申し上げますと、化石燃料である石炭・石油・天然ガスの消費がどのぐらい国内でされているかということになりますので、我が国のように、化石燃料についてほぼ100%輸入していて、その消費をどのぐらいしているかという総量を供給側で把握するというのは、日本は島国でございますので、かなり高い精度で可能であるということでございます。他方で、どこでどのぐらい消費をしていて、温暖化対策はどこで行うこと必要性が高いかということを把握するためには、消費側のどこでどのぐらい何に使っているかということについて、だれが、何のために、どのようにエネルギーを消費しているかということについて把握する必要があるということでございます。下に示しております供給側・エネルギー転換側の推計というのは、ほぼ悉皆調査でしっかりと押さえられている。他方で消費側の統計というのは、幾つかご指摘があったとおり、まだ不十分な部分があるということでございまして、そこの消費側の統計につきましてさらにお示ししておりますのが裏側ということになります。
 エネルギー消費側での統計の整備の状況ということでございます。下の図からご説明いたしますが、消費サイドの統計として、中小規模の事業所と大規模の事業所というものに分けて考えますと、青い部分でございます石油等消費動態統計ということで、こちらのほうは鉄鋼とか化学とか機械などといったいわゆるエネルギー多消費型の製造業の部分について、一定規模以上の事業所について毎月統計が把握されており、どの工程でどのぐらい燃料や電力を使っているかということについての把握がなされているということでございます。オレンジ色のところにつきまして今取組が徐々に進んでいるというところでございまして、一つはエネルギー消費統計ということで、製造業等の産業部門の中小規模のものと業務部門のエネルギー消費量について、資源エネルギー庁が新たにエネルギー消費統計というものの整備を開始しているということでございます。また、運輸部門のところもオレンジ色になっていますとおり、自動車燃料消費量調査という調査によりまして、営業用と自家用のものについて、毎月どのぐらいガソリンや軽油を消費したか、またそのときの走行距離はどのぐらいか、またその用途としてレジャーというか自家用で使っているのか、主に業務で使っているのか、自動車の使用用途のようなものについての把握が平成18年10月から国土交通省により開始されているところでございます。他方で家庭部門については家計調査ということで、いわゆる家計簿のようなもので、電気代とかガス代、灯油代というものがその家庭でどのぐらい使用されているかということが把握されて、そこから家庭の排出量というものを推計しているわけでございますが、前回ご指摘のあったとおり、暖房用途とか、動力、いわゆる電気機器や照明でどのぐらい使われているか、もしくはその世帯に高齢者がいらっしゃるのか、どの地域にあるのかといった世帯属性のようなものについては、現時点では十分に把握されていないということでございます。

○鈴木部会長 よろしいですか。
 それでは引き続きまして、大聖委員のほうからご報告をお願いしたいと思います。どうぞよろしく。

○大聖委員 それでは、ご指名によりまして、運輸部門における中長期的な温暖化対策に関して、私どもの私見を交えてご説明してまいりたいと思います。ただいま事務局のほうから第一約束期間での見通しをご説明いただきましたので、もう少し中長期的な視点という立場からお話し申し上げたいと思います。
 これは、関東地方の浮遊粒子状物質の濃度を示しておりますけれども、大気汚染の問題は、2010年までに環境基準の達成を目指すということで、いろいろな方策が講じられておりまして、ほぼおおむね達成されるであろうと我々は見込んでおります。したがって、こういった大気環境の問題からいよいよCO2問題へと、ちょうど我々が重点を移していくべきタイミングではないかなと思っております。
 ここで簡単にまとめてみたのは、運輸部門におけるアプローチというのが3つあります。1つは、今ある車の燃費を改善していくという努力です。これは自動車メーカーが一番力を入れてやっているところだと思いますけれども、技術的にも燃費基準の設定が行われておりますので、非常に確度の高い技術的な進展が見込まれると思います。2015年度に燃費基準の強化がありますけれども、それ以降も20%か30%ぐらいの改善の効果があらわれるのではないかなと予想しております。
 次に、こういった従来の車の性能を超えるような新しい動力システムとか新しい燃料といったものを利用していかなければいけないということであります。これは、この1番と2番というのは、実は排出係数をどうやって技術的に減らしていくかということとほとんど一致しております。こういった新しいものの中にはもちろんハイブリッド車とか電気自動車、燃料電池自動車はちょっと括弧つきにさせていただきましたけれども、あとはバイオ燃料、こういったものをうまく使ってということ。
 それから3番目が自動車の利用にかかわる取組で、これはソフト的な取組とでも申しましょうか、先ほど活動量という話がありましたけれども、それをどうやって抑制していくか、それでサービスの効率を上げていくかということも含めて考えたいと思っております。これに関しては、まだまだ定量的な把握という点では上の1番、2番に比べて少し低いのかなと思いますので、その辺の努力が必要だろうと思います。それから、車というのはいろいろな使われ方をします。これは3つ挙げておりますけれども、輸送と業務と私的な利用です。こういったものをどのようにうまくそれぞれ改善していくのかということが求められていると思います。
 これは、私は毎年石油の統計のプロットを楽しみに打っているんですけれども、ここでわかりますように、ガソリンというのは1990年代にものすごく大きな消費の拡大があるんです。これは皆さんご存じのように、一つは3ナンバー、いわゆる普通車の税金が消費税の導入とともにぜいたく税の廃止で緩和されました。そういったことで非常に大きな伸びを示しております。排気量が大きくなった、車が大きくなった、それから台数がふえたということもあるかなと思います。一方、軽油ですけれども、これも宅配便の拡大、それからトラックへの鉄道からのシフトといったものがあるかなと思いますが、ここ10年ぐらいずっと減り続けてきております。これは、トラック輸送が白ナンバーから緑ナンバー、すなわち営業車への転換によって、非常に効率的な輸送が可能になってきているということがあるかなと思います。いずれにしても、石油の4割は車で使っておりまして、国民1人当たりドラム缶4本をこれに消費しておりますので、大きな量を消費しているということになります。
 それから、2010年の予想なんですけれども、これは、今申し上げた燃費の改善と、それからトラック輸送の高効率化によって、ほぼ達成が、2億4,000万いくのではないかと、私は、今の経済状態を考えますと、2億4,000万をもう少し下回るのではないかなと予想されます。
 それからもう一つは、これからちょっと技術的なお話をさせていただきますけれども、2015年に、これは世界で初めてなんですが、3.5トンを超える重量車に対して燃費基準の設定が行われました。これは諸外国からも非常に注目されております。従来こういった大きな車というのは、市場が選択するということで、特に燃費の基準はなかったわけですが、それがいよいよ日本でスタートするということになります。2002年度比で12%ぐらいの改善を図ろうというものであります。これもトップランナーのやり方を導入して設定したものでありますが、この達成には、実は来年から始まるポスト新長期規制というのがありまして、その中にNOxをその規制値に対してさらに3分の1減らせるかどうかという挑戦目標値が設定されていまして、こういったものをクリアしようとすると、排ガスをよくしながら12.2%の達成というのはなかなか難しいということがありまして、最近の自動車メーカーへのヒアリングを環境省内で行っておりますけれども、なかなか両立が難しいという現状もございます。ぜひそれを克服していただきたいものだと思います。
 それから、最近ディーゼル乗用車が復活の兆しを見せております。数社から今後1~2年の間に出てきておりまして、1台はもう既に市場に登場しておりますけれども、これからそういったディーゼル車の普及というのもある程度進みますと、もちろんポスト新長期規制の排ガス規制に適合したものですけれども、燃費がいいものが出てきておりますので、これらをある程度普及させることでCO2対策に資すると思っております。その例を挙げますと、実は石油の精製でガソリンと軽油が出てまいりますけれども、軽油の精製のほうがCO2の排出が少ないんです。ですから、生産の時点、それからそれを使った走行の時点の両方で効いてくるということで、これぐらいの削減効果があるということがわかっております。こういったものもある程度導入することが望ましいと考えております。
 それから、乗用車の燃費基準ですが、2015年にこのような強化が行われます。実に2004年度に対して23.5%の改善が行われますので、かなり大幅な改善だと我々は思っております。とりわけ、ここ10年のステップで大体20%を超えるような燃費の改善が可能になってきております。そういうことを考えますと、ここ20年ぐらいで4割から5割近い燃費の改善があるということで、例えば1リットル10キロ走っていたものが、15キロ近く走るようになってきております。それからもう一つ、今度の燃費基準の強化では、ディーゼルとガソリン車の区別を廃止しておりますので、ディーゼルにそれだけ有利だということも言えるかと思います。
 こういったモードの燃費というのは、JC08という日本で決めた実走行に近いものを模擬したテストモードで行われますけれども、とはいえ、実際にいろいろな道路を走ってみますと、その燃費との乖離がございます。こういったものもその原因を究明しながら改善するようなことも必要だろう。つまり、カタログに載った燃費のいい車が、実態として使ったときにもちゃんと燃費のいいものであると、改善率というのが大体それに比例するような統計のデータもありますけれども、そういったことが必要だろうと思います。
 それから、こういった燃費技術を使いますと、当然コストアップしますので、それをグリーン税制などでカバーできると非常に好ましいと思います。
 それからもう一つは、2015年から始まる燃費基準なんですけれども、これは新車に適用されるものですから、新車が普及して初めてストックとしてのCO2の削減効果が出てきます。それには実は十数年かかるんです。車というのは全体を代替するのに12~13年かかります。ですから、そういったものを配慮した、前倒し達成のような優遇措置も必要ではないかなと思っております。
 それからもう一つ、日本はこの燃費技術で世界を完全にリードしておりますので、そういったグローバルな貢献という意味でも、そういう技術をグローバルに普及させていく努力が必要だろうと思っております。
 これが日本のトップランナーのやり方でして、車両重量に合わせて燃費の基準を決めていこうというものであります。
 これは、インターナショナルカウンシル・オン・クリーン・トランスポーテーションという国際的なNPOがあるんですけれども、私もこれに属していまして、一緒に研究しているんですが、ここで見ますように、日本の燃費が一番抜きん出ております。2015年のプロットがありますけれども、これをさらに伸ばしていただきたいと。今、直線的に伸びていますけれども、いずれ飽和に達しますので、このまま下がっていくというものではないと思いますが、一方、アメリカやカリフォルニアでもこういう破線で示すような提案を行っているということでありますので、さらに新興国などでの燃費の改善も日本あるいは先進国を追いかけているわけですけれども、そういったものに対する何らかの支援が必要ではないかなと思っております。
 それから、このような燃費の改善というのは、エンジンの改善、それからトランスミッションの改善といったもので粛々とやってきたわけですけれども、私どもがいろいろ研究してみますと、車体の軽量化というのも実は非常に大きな燃費改善の効果があるということを確認しております。これは、Mというのは車の重量ですけれども、これを標準の1からどんどん減らしていきますと、走行に必要なエネルギーが減っていく。それから、車の転がり抵抗をμとあらわしています。それから空気抵抗CdA、こういったものもある程度改善効果があるということですが、何といっても重量の軽減というのが大きいだろうと思います。
 これは、国交省で発表しております、現に売られている車の燃費なんですけれども、車を軽くすると燃費がよくなるというのがこれでおわかりいただけるかと思います。それで、先ほど普通車の台数がふえて重たくなって燃費が悪いという状況がありましたけれども、これらを何とか改善できれば、このようなCO2の削減としては大きな効果があるだろうと我々は思っております。
 そういう中で、計量材料に対する研究が現在非常に盛んであります。引っ張り強度の高いスティールといったものを中心としながら、アルミとかマグネシウム、それから炭素繊維を使ったプラスチックとか、最近はバイオプラスチックスといいまして、そういう自然の材料を使ったものを提案して、軽量化を目指すというものがございます。そういったことで、生産性とかコスト、いろいろな面で問題はあるんですけれども、これからこういった技術面の強化も必要ではないかなと思います。ただ、軽量化しますと、安全の問題がおろそかになるということですけれども、これも実は安全をやっている先生方、研究者と我々は最近議論しているんですけれども、軽量でかつ安全な技術開発というのがやはり挑戦的な課題になるのではないかなと我々は思っております。
 これは、国際的に取り組まれているULSABというコンソーシアムなんですけれども、要するに鉄の強度を上げ、2割~3割ぐらい軽量化することで、ヨーロッパの燃費基準を達成した。それから、安全基準の5つ星の評価を得ているということもあります。
 軽量化の効果と課題ですけれども、これは、軽くすればエンジンも小さくなりますし、燃費もよくなり、運動性能も上がる。それから、課題としては、こういった新しい材料・素材の設計・製造といった技術を進展させるということです。それから、コストを下げること。それから、コンパティビリティと言っていますけれども、要するに小さい車と大きい車がぶつかると、小さい車は負けてしまうわけですけれども、大きい車は大きくつぶれてもらって小さい車を守るという考え方が安全の分野では最近大きな課題になっておりますので、そういったものも進めていただきたいなと思います。
 それから、電気自動車に関して少し触れたいと思います。1990年代、これはカリフォルニアのゼロ・エミッション・ビークルの取組によって、もう皆さん、将来全部電気自動車になってしまうんじゃないかといった誤解を生じた面がありましたけれども、その取組がかなりスローダウンしまして、その間に日本のメーカーは非常にまじめにこういった要素技術の開発に取組ました。その過程で、最近小型の電気自動車、それからハイブリッド車、さらには燃料電池自動車というものが発生してきております。こういった要素技術でも日本は大きく他国をリードしているということであります。
 これは、最近三菱自動車が出したiMiEVですけれども、非常に軽サイズで高効率で、CO2の削減が同等の軽の自動車に対して7割ぐらいあるんです。それから、夜間電力を使いますとコストが何と9分の1だということで、1キロ走るのに1円ちょっとぐらいで済むんでしょうか。こういったものが出てきておりまして、この中核をなす一つのポイントは、リチウムイオン電池の開発が大きく進展してきているということであります。これも日本がリードしている分野なんですけれども、ただコストダウンということを考えますと、中国とかそのあたりで非常に頑張っておりますので、この辺で日本が負けないように頑張ってもらいたいと思っております。
 そのためにはある程度の普及を図る必要があるということなんですけれども、小型とか超小型の電気自動車の復活の可能性ということで挙げておきましたが、やはり電池の性能、コストの低減といったこと。それから、最初は非常に狭い市場だと思うんです。利益が上がりません。そんなことで、普及策の引き金になるようなものとしては、東京電力さんの場合、向こう5年間ぐらいで業務用に3,000台、電気自動車を入れますということを言っています。それから、郵政事業では2万1,000台から2万2,000台ぐらいを配達用とか業務用に使うと言っておられますので、これが一つのきっかけになって、一般のユーザーへの認識が浸透していけばいいなと思っております。
 さて、次にハイブリッドなんですけれども、これも日本が大きくリードしております。ただ、ハイブリッドにはいろいろな方式がありまして、マイクロハイブリッド、これはアイドルストップぐらいにちょっと毛の生えたようなものから、マイルド、フルハイブリッド、これはプリウスがやっているものですけれども、これによって燃費の改善幅が違います。最近ヨーロッパの動向を見ていますと、ヨーロッパはディーゼルでいくんだと言ってきたわけですが、結局それではCO2の目標に到達できないということで、マイクロハイブリッドやマイルドハイブリッドの導入が今非常に開発として盛んになってきております。
 燃費基準の達成を目指して、ガソリン車やディーゼル車に対して、従来の技術にさらにこういうハイブリッド化を付加することでさらに燃費をよくするということなんですが、何せ燃費がよくなる反面、コストが非常に増加しますので、そこに挙げましたような重要なコンポーネントテクノロジーをさらに進展させることで共通化したり標準化して量産化へ持っていく必要があるだろうと思います。それから、例えていいますと、バッテリーでは今、国際標準化の動きがありまして、耐久性とか安全性、それから性能といったものを国際的な尺度で表示しようといった動きがありまして、日本もジュネーブで国連のもとでやっておりますけれども、今熾烈な駆け引きをやっているところだと聞いております。
 さて、これは、車両の価格がこういったハイブリッド化とかディーゼルへの転換によって増加しますので、このコストアップと燃費の改善の見合いでどの程度の価格の増加があって、それを回収するのにどれぐらい走るとそうなるかということを試算したものなんですけれども、結構コストアップに対してある程度走らないと元が取れないという状況があります。例えば5万キロ以下ぐらいで元が取れるもの下線を引いてみたんですけれども、こういった数万の負担というものを例えばグリーン税制などで少し支援するといったことになりますと、ユーザーがそちらのほうへ向くということになろうかなと思います。
 さて、電気の次は新燃料なんですけれども、電気もエネルギーですが、こういったものを普及させていくための条件というものをちょっと挙げてみました。基本的な性能を確保するということはもちろんなんですけれども、石油代替としての持続的な供給が可能であって、非常に安定供給ができるというものでなければいけませんけれども、最近問題になっておりますのは、食料との競合を回避するということだと思うんです。これはバイオがそうなんですけれども、そういう食料とのバッティングをしないようなバイオといいますと、セルロースといったものになるかと思いますが、そういう活用を図るということ。それから、燃料の取り扱いとか、インフラ面で共通的に使えるものがいいということになります。あるいは、車両に対しても、従来の燃料と同様にうまく互換性を持って使えるというものがあるといいなと思うんですが、バイオにはそういう適性が非常にあります。これは、例えばバイオエタノールにしろ、バイオディーゼルにしろ、かなりの高濃度でまぜてもエンジンのちょっとした改善で済みますし、インフラ面でも大きな改修を必要としませんので、非常に柔軟性のあるものだと思っております。ただ、経済性という点では、コストアップになりますので、何らかの支援、それからやはり長期的な取組が必要だと思います。
 これは、バイオエタノール、それからETBE、バイオディーゼルというのを挙げておきました。こういったものがある程度使われていくだろう。例えば、バイオエタノールの場合ですと、今は3%まぜていますけれども、長期的には10%ぐらいまぜることで広く普及させたいということであります。バイオディーゼルの場合は大体5%ということですけれども、これは、廃食油を集めてきても、全国レベルでこれまで普及させるというのは供給量的にはちょっと無理があります。そういったものを今後どのように考えていくかということになりますけれども、BTLというやり方がありまして、これはBiomass to Liquidということで、各国で研究が盛んにやられておりますけれども、原料を一回ガス化して合成するというものですので、割と材料を選ばないとか、いろいろないい面があると思います。それから、電気・天然ガスといったものもうまく活用していくということになります。
 それから、経産省のほうでは、そういった長期的な自動車用燃料の利用を展望して、こういった5つのテーマを挙げております。バッテリー、それから燃料電池、クリーンディーゼル、バイオ、それから「世界一やさしいクルマ社会構想」。これは、情報通信技術を使った利便性を確保した車社会の構想ということであります。それから、もう一つ重要な目標としては、2030年までに自動車の石油依存度を今の100%から80%にまで下げよう、それからエネルギーの効率を30%以上改善しようということであります。
 将来の燃料としては、いろいろなオプションがありまして、これらをどのようにうまく多様化させながら効率的に使っていくかということになります。車種としては、ガソリン車、ディーゼル車、それらをハイブリッド化したものの燃料電池車、電気自動車と、こういう4つの選択肢がありまして、これ以外はちょっとあり得ないと思うんですが、化石燃料系から再生可能なものへのシフトを図る必要があるんだろうと思います。ただ、現状の量的な供給ではなかなか厳しいものがあるかなと思います。
 これは、ソフトバイオマスと言っていますけれども、繊維質を使った新しいエタノールの製造方法の開発が競争で進められているということです。これは、Biomass to Liquidも含めて、一回ガス化したものを合成するという燃料の製造方法です。
 それから、これは、エコ燃料利用推進会議が2年前に報告を出しておりまして、将来、大体10%ぐらいのバイオ燃料の導入を図りたいと、これはエネルギーベースですけれども、2030年にこれぐらいいけないかなということであります。
 もう一つ、燃料電池に関する取組なんですけれども、日本では、アメリカとともに、これはしのぎを削っているといいますか、実証試験を2002年からスタートして、ここ数年来進めてきておりまして、実際の道路を走ることで、いろいろな問題点、それから車両と供給インフラ側の実用上の問題点、改善点を探っております。そんなことでずっと進めてきたわけですけれども、そこでCO2の排出特性を見ますと、これは一番上が現状の燃料電池自動車なんですが、将来はさらに効率がよくなってここまでいきますけれども、例えばディーゼルハイブリッド車なども結構頑張りますと、現状の燃料電池と同等ぐらいまいります。それから、一番下の小型の電池自動車は、かなりCO2の削減効果が大きいということがわかります。バッテリーの将来の性能向上といったものを見込みますと、かなり燃料電池に近い線までいく可能性があると我々は予測しております。しかも、これは自動車メーカーと水素を供給する側の石油・ガス系の側といろいろディスカッションを進めておりまして、2015年ぐらいに本格的な商業化段階を迎えるための決断をしようということを今考えております。ですから、あと7年ぐらいたちますと、本当に推進するのか、あるいは基礎研究に戻ってもう少し地道にやるのか、こういった決断が行われるだろうと思います。現状でいきますと、なかなかインフラコストも高いですし、水素は天然ガスなどからつくっていますので、脱化石燃料というわけにはいかないものですから、その辺が一つネックなのと、燃料電池自体の耐久性、信頼性、それからコストといったものにもまだ克服すべき点が多々ございます。そういったことを決断する節目の年にこの2015年がなると思います。
 さて、これは私が将来のいろいろな技術を導入した際のCO2の削減効果を推定、予測したものなんですけれども、これは国立環境研究所の西岡先生のグループに入れていただいて推定してみたものです。将来、2020年から2030年にかけてこの程度のCO2の削減効果が、ハイブリッド化とか、ディーゼル車の導入、それからEV、あるいは先ほど申し上げた車両の軽量化、それからバイオの利用といったもので、これらを組み合わせることで、かなりの削減効果が見込めるのではないかなと思います。
 さて、これまでは、1番目と2番目に挙げました課題、つまり従来の車、それから新動力システム、新燃料、エネルギーといったものの導入でやれる対策だったわけですけれども、3番目の対策としては自動車利用にかかわる取組があると思います。交通流を円滑化しながら、しかも交通量の適切な抑制を図るというもので、ここに挙げましたように、交通需要マネジメントというのが一番重要な、非常に包括的な取組ですけれども、その中に含まれるものとしては、公共交通機関の利用を利便性をもって促進するといったことですとか、道路に課金するとか、ETCはもうかなり普及し始めております。優先レーンとか、パークアンドライドとか、デマンドシステムです。それから、これから情報通信の発達によってナビゲーションシステムが非常に高度化していくと思います。そういったものをうまく活用するということ。それから、物流の一層の合理化。鉄道へのシフト。それからグリーン税制などを活用した低公害車・低燃費車の普及拡大といったこと。それから我々は車に依存した生活様式を改めていく必要があるのではないか。それから、車に乗る場合にはエコドライブとか、所有する欲望を捨ててお互いにカーシェアリングなどで共有で使うといったこともあるでしょう。それからもう一つは、長期的には都市とか道路の計画を環境に配慮してやるべきではないかなと思っております。ただ、これは時間がかかる話なものですから、その他の技術的な取組や政策とはちょっとタイムスケールを変えて考えないといけないと思います。
 それから、先ほど消費者の車種の選択が税金によって変わったというお話をしましたけども、これは3ナンバーがふえたということを繰り返しここに述べさせていただきました。それから、貨物輸送というのは、鉄道からトラックへのシフト、それから宅配便の増加といったものがあります。ただ、鉄道への回帰というのは、路線の容量の制約がありますので、非常に限定的だと思います。それから、最近の石油価格の高騰とその後の下落、こういう大きな変動がここ1、2年の間に発生していますけれども、長期的には上昇していくだろうと思います。ですから、そういったものを展望しながら、今後の車種の選択とか利用動向にどんな影響があるかということを予測していく必要があるんだろうと思います。その過程でどういうことが起こるかといいますと、排出係数の低減というのが、燃費のいい車、それから小型車へのシフトということであると思います。それから、活動量が減少していくということがあると思うんです。これは、石油の値段が上がりますと、なるべく節約しようということで、こういったエコドライブとか、車離れとか、公共交通機関へのシフトが起こると思います。それから、新車への買いかえ控えというのも実は起こっていまして、これは石油ショックがあったときに実際に起こったことですけれども、そういったことが今回も起こりそうですけれども、低燃費車へのシフトが停滞するという可能性もあります。
 さて、税のグリーン化に関しては、ご案内のように、このような排ガスがきれいで燃費がいいもの、しかも10~20%超過達成しているものです。これは2010年度の規制ですけれども、こうなりますと2015年の達成も前倒し的に可能になってくるのではないかなと思います。その一方で、超低排出ガス車といいまして、4つ星マークというのは当たり前になってきていますので、これ以上グリーン税制をやる必要があるのかなという声も聞かれます。こういったグリーン税制が消費者の選択の要因としてどのように働くのかというのは、これからいろいろと解析してみる必要があると思っております。
 それから、先ほどの事務局のほうのご説明にもありましたけれども、ヨーロッパでは、車に対してCO2の排出量で自動車の税制を決めていこうという動向が非常に大きく動いておりまして、ここに示しましたように、一番濃いものが登録の際の税金です。それから、薄い色が毎年かかってくる保有税です。それから、斜めの線は登録税と毎年の保有税に対してCO2をベースにして軽重を決めようというものであります。こういった動向がヨーロッパでありますので、車の大きい、小さいというよりは、CO2一本でいくということであります。
 ですから、そういった税制によるCO2排出量抑制の可能性について考えてみますと、小型あるいは軽量な車への誘導を図るということが非常に重要だと思いますけれども、その際の税のあり方というのは、ほかの耐久消費財への課税との公平性にも配慮する必要があるだろう。なぜ車だけねらい撃ちするのだということもありますので、そういった面の配慮が必要だと思います。
 これまでは多分こういったグリーン税制が成功してきたわけですけれども、今後の動向に関しては分析をもう少しやっていく必要があるのではないか。その一方で、これは高齢者車と書いておきましたけれども、例えばディーゼルですと11年、ガソリン車ですと13年を超えますと、税金が重たくなるんです。そういったもので税収の中立を維持しようという考えがあるんですけれども、それがちゃんと維持されているかどうかも検証する必要があると思います。今ちょっと赤字になっていると聞いております。
 それから、低公害車の4兄弟というのが、電気、天然ガス、ハイブリッド、メタノールとして定義されてきたのですけれども、この辺でもう一度見直す必要があるのではないかなと。先ほどクリーンエネルギー自動車の伸びが停滞しているというお話もありましたけれども、そういった見直しが必要なんだろうと思います。
 それから、EUではCO2の排出量によって税金を改定するということをやっています。そういったこと。それからもう一つは、道路財源の話をさせていただきますと、運輸部門にどのようにして環境対策として活用していくのか、一般財源化される中で頑張っていただきたいなと思っております。
 それから、時間がなくなりましたので、ちょっとはしょりますけれども、こういった鉄道へのシフトというのは非常に重要ではあります。それから、公共交通機関へのシフトも重要だということ。それから、輸送では、鉄道には限界がありますということです。そんなことで、東海道物流新幹線構想というのもありまして、こういったものも将来は、ちょっと夢のようなところはあるんですけれども、CO2の削減としては大きな効果があると我々は期待しているんですが、これは新東名・新名神の中央分離帯をうまく使うとか、そういったやり方で自動運転しようというものです。
 それから、先進安全自動車の取組があります。これは、安全とか利便性を売り物にしているんですけれども、実は環境の改善や燃費の改善効果があるんです。そういったものもぜひセットで取り組んでいただきたいなと思います。それを握っているのはITSという情報通信をうまく活用することだと思いますが、こういった燃費を、ルートを指定することで誘導することで大幅に改善するという例もありますので、この辺をうまく活用していければなと思っております。
 それから、エコドライブなんですけれども、これは私どももいろいろと研究を実際にやっておりまして、非常に大きな効果があるということがわかってきました。これはトラック事業者が2年かけて1,000台ぐらいを使って調査したんですけれども、燃費が1割近くよくなるのですが、それよりも何よりも交通事故が半減するんです。これによって非常に大きなメリットがあるということがわかります。エコドライブ、そういう環境に優しいことが実は安全と大きく結びついているんだということをちょっと申し上げておきたいと思います。
 それから、ちょっと最近の話題ではありますが、国土交通省のほうで交通需要予測を下方修正しております。実際にはこのようにトレンドとしてはいくんだろうと思いますけれども、こういう中で活動量自体も減っていくんだということを考慮に入れた将来予測が必要だと思います。
 これが最後ですけれども、2030年ぐらいには、従来の車の燃費改善で3割ぐらいCO2を減らせる。それから、非化石燃料、エネルギーといったものを電気・バイオで1割から1割5分、最後の車の利用の高度化・改善でもって最終的には2割ぐらい減らせるのではないか。トータルとしますと、2050年で7割ぐらいCO2は減らせるのではないかと予想しております。
 途上国、それから先進国でのこういった大気汚染の問題、それから温暖化対策、脱石油の課題、これがずれているんです。こういったことを考慮した貢献のあり方を探るべきではないかなと思っております。
 さて、ちょっと時間が来ましたので省略させていただきますけれども、一つは、私どもが期待したいのは、将来のいろいろな取組がありますけれども、それを数値的にある程度予測するようなモデルというものを構築すべきではないか、それを活用することでいろいろな諸対策の有効性を探っていく必要があるのではないかなと思っております。
 それから、最後にちょっと書きましたのは、我が国が運輸部門から出しているCO2というのは世界全体の1%なんですが、これを半減する、あるいは7割減ということも大事なんですけれども、我々が持っておりますいろいろな技術的なノウハウあるいは政策の手法を提供することで国際貢献すべき時期に来ているなと思っております。
 どうもご清聴ありがとうございました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 大変広い範囲にわたり、交通に関連したいろいろなお話を伺えました。委員の方々からいろいろご意見あるいはご質問等があろうと思いますので、また例によりましてネームプレートを立てていただければと思います。
 ちょっと私、皮切りに一つ。日本で一時乗用車がディーゼル車だったものが、途中で途絶えてしまって、また少し復活しようとしている。あれは何が原因でしょうか。規制の問題だったんでしょうか。

○大聖委員 はい。規制が厳しくなって、コストアップで、それが消費者に受け入れられないだろうということと、あとはイメージとして非常にダーティーなイメージを持たれた時期が10年来ありました。これによって消費者離れを起こしたということなんですが、来年から始まるポスト新長期規制に適合したものというのが出てきて、コストアップになりますけれども、ある層の消費者に受け入れられるという予想が立ちつつあるというところだと思います。

○鈴木部会長 ハイブリッドディーゼルなどというのは非常にいいんじゃないかと思いますが。

○大聖委員 これも、ある意味では試作例がありまして、非常に燃費をよくしているんですけれども、要するに排ガス対策と、それからそういったハイブリッドシステムと、両方でコストアップがかさむんです。そういったことがちょっと今のところネックではないかなと思っております。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 では、今立てていただいている浅岡委員のほうからまいりましょうか。猪野委員、そして鹿島委員、小林委員、須藤委員、高村委員、中上委員、永里委員、西岡委員、桝井委員、三橋委員、森嶌委員。森嶌さんが最後になると思います。どうぞ。関澤委員もありますね。では、浅岡委員。

○浅岡委員 ありがとうございました。一つは、先日の家電・建築・家庭生活についても同様なんですけれども、軽量化も含めて、小型化をどう進めるかという点でありまして、私は、トップランナーの区分の余りの細かさというものは、小型車化には障害であろうと思うんです。このことが燃費効率を改善の指標化には役立っているところはあるのかもしれないんですけれども、もしこのような小型化の細かい区分のトップランナー制度を継続していとするのであれば、あわせてメーカー単位で、あるいは販売体制単位で、全体の燃費水準の改善、アメリカのカリフォルニアのような規制のあり方、あるいはヨーロッパでとっている全体のCO2全体規制をダブルでかけていくということなしには実際は今の状況を変えられないんじゃないかなと思います。
 もう一つ、税制で小型化を誘導するというヨーロッパの例は非常におもしろいと思いますし、先ほどお話がありましたような3ナンバーを課税対象から外していったことの反省などを含めまして、税のグリーン化の根本的なつくりかえをすべき時期なのかなと思います。
電気自動車化に向けて動いている中で心配なのは、日本が間接排出によってこうした対策を立てていまして、電力供給の発電部門での排出量はどのように変化して、それと総合するとどうなるのだろうというところが、今の話だとなかなかわからないなと思いました。
 それから、車に関しましてもう一つ、先ほど環境省……。

○鈴木部会長 すみません、浅岡委員、2分以内ぐらいでお願いします。大勢の方の手が挙がっておりますので。

○浅岡委員 わかりました。ポイントだけ申し上げますが、自転車道につきましては、私は都市部では本当に自転車と自動車を分離して専用道路をふやすことなしには実際は効果が期待できないということです。
 それから、データにつきまして、地域での自治体単位での電力やガスやガソリン等の情報がないことで非常に困っていますので、その点の対策をお願いしたいと思います。すみませんでした。

○鈴木部会長 では、猪野委員。

○猪野委員 大聖委員のご報告の中に弊社の例が取り上げられており、大変恐縮でございます。弊社といたしましても、電気自動車の特性として、CO2を出さない、またガソリンに対して経済性がよいといった点から、今後、業務用車輌として3,000台を導入する計画です。来年度は当面300台程度導入する予定です。
現在、2社の自動車メーカー様の電気自動車50台を業務用車輌として実際に使用し、特性をいろいろ調べているところです。また、電力会社としては、各メーカーがそれぞれ独自の充電装置をつくるとインフラが重複することから、統一仕様の急速充電器の開発に向けてご協力をさせていただいているところです。なお、今後の普及に当たりましては、電気自動車も充電器も当初は非常に高価なため、普及に向けた補助金等について、ご配慮いただくことが非常に大事であると思っております。

○鈴木部会長 鹿島委員。

○鹿島委員 ありがとうございます。ただいまのご発表と、それから前のご説明に対して、基本的にはそんなに異論があるわけではありませんので、少し私の感想を述べさせていただきたいと思います。
 2050年ということを考えたときに、きょうのお話以外のことで私が必要かなと思うことは、一つは言葉を整理する。例えば「グリーン税制」という言葉をとったときに、基本があって、そこから環境に優しいものを誘導していくという意味なのか。それとも、先ほど浅岡先生からありましたように、税制自体をグリーンなものにしていくのか。要するに基本の物の考え方を変えていくのか、それとも基本があって、そこから変えていくのか。このあたりは整理する必要があるのかなと。これは実は「エコドライブ」も同じで、日本の場合には運転の仕方と定義してありますけれども、実は世界的に見たら、必ずしもそうはなっていないわけです。もう少し広い概念として使っているようであります。ですから、日本が2050年まで考えたときには、この辺の言葉を整理していくというのは一つあるかなと思います。
 2点目は、大聖先生は言葉がおかしいとおっしゃっていましたけれども、ソフトな社会インフラ、例えばこのあたりを考えていくということが必要じゃないか。一つエコドライブ関係で例を挙げさせていただければ、例えば免許制度とかというのにはこれは全然関係してこないわけです、今の日本の場合は。このあたりは少し考えていく。それから、日本独特というわけではありませんが、例えば社用車の問題とか、こういうものをどう考えていくかといったことがあると思います。
 3点目としては、これも浅岡先生からお話がありましたけれども、基本的な把握をしていくというところで、家庭部門というのは非常に弱くなっています。さっきの家計消費統計というのはたかだか数十サンプルの例で、ただ時系列でとれるとか、県庁所在地がとれるとかというところはいいところなんですけれども、ちょっともう一つ対策を考えていくところが弱いのではないかという気がします。それと同時に、もう一つは国際間の輸送についての貿易統計というのは、金額ベースはいいんですけれども、これをもう少し輸送量とか経済活動にリンクさせようとすると、少し問題のところがあります。世界的にはいろいろな研究が行われているんですけれども、日本では余りやっているとは聞いておりませんので、2050年に向けてお考えであれば、こういうところを検討していただきたいというのが私の意見でございます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 小林委員。

○小林委員 私のほうからは2点ございます。自動車対策というか、政策的な問題なんですが、一つは、公共交通機関の利用というのをうたわれているんですが、今一番問題なのは、公共交通機関が独立採算制になっているということから、相当赤字が出て、大変不便になっているわけです。この辺を地方自治体も含めた公共関与による財政支援をやらない限り、公共交通機関の普及というのは無理だと思うのですが、この辺の政策展開をぜひお願いしたい。これが1点です。
 もう1点は、まちづくりとか国づくりの中で環境対策や地球温暖化対策とか自動車・交通対策を進めるということで、コンパクトシティ等の政策が進んでいるのですが、地方では過疎対策とか山村対策と大変矛盾を生じているということがございます。この資料の36ページに「低炭素社会づくりに向けて」という将来像が書いてあるのですが、もっときめの細かい、いわゆる人口密度別とか、地方別のマニュアルというのを提示しない限り、ちょっと難しいのではないか。実は先日、ある過疎が進んでいる県の県議会に呼ばれまして意見を聞かれたんですが、そんな中で議会で大変悩んでおられるのが、環境適合型社会の構築とそういう過疎・山村対策との矛盾をどう整理していくのかについて今後どう考えたらいいんだろうかという、これは県というレベルからそういう相談を受けたのですが、県のレベルでさえそうですから、町村レベルになったらもっと混乱していると思うんです。この辺について、環境省というわけではなくて、全省庁横断型のそういう地方に対するアドバイスを強化しないと大変難しいのではないか。最近、地方分権が進んだということで、あまり国が地方に口を出さないという、それはいいんですが、いわゆる政策に口を出さないのではなくて、アドバイスをするということを強化していかないと、地方では今大変混乱している。この辺をぜひお願いしたいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 塩田委員。

○塩田委員 運輸部門の対策について、きょうは環境省さんと大聖先生から非常に包括的なご説明をいただいて、ありがとうございました。これだけいろいろな対策がある中で、これからこれを行政で進めていくときに、どういう点に焦点を当ててやっていくべきか。全部の対策を一律に推進していくのか。そのようなことを考えてみたときに、自動車の対策というのは、単体対策で今までやってきた燃費の基準とか、あるいはグリーン税制というのが大変に成功したということだと思います。ですから、その延長線が基本だということで考えていくのはいいと思いますし、あと率先購入という政策が説明されましたけれども、こういうものがどういうものを買っていくかという基準が、そう簡単には、あれだけたくさんのいろいろなアイデアがあると、どういうものを率先購入するかということをどうやって決めていくのかというところが難しくなっていくんじゃないのかなという気がいたしました。
 それから2番目に、旅客の分野については公共交通機関へのシフトですけれども、この問題に関しては最近大きな進展が2つあったと思うんです。1つは、定期券のIT化が進んだということ、あるいは定期券に限らずIT化が進んだということで、非常に乗りかえが便利になった。それから、駅の改造あるいは鉄道の新線の改良によって乗りかえを減らせるようになってきた。これで鉄道の輸送量が相当ふえていると私は感じます。余り統計はわかりませんけれども、国勢調査でもやられればわかると思います。こういう地味なことをやることが、国民がなるべく公共交通機関を利用するということに誘導するんだと思います。そういう点をこれから重点的に考えるべきではないかと思います。
 最後に、物流の分野ですけれども、これも荷主と運送・運輸事業が協力するという仕組み、これは非常に目立ちませんけれども、これが非常に有効に機能したと思います。いずれにしても、運輸の分野ではCO2の量が減っているということ、これはかなり特筆すべきことなので、こういうものが寄与して減ってきたんだと思いますので、このような政策を中心に進めていったらいいんじゃないかと思います。

○鈴木部会長 須藤委員。

○須藤委員 どうも貴重なお話を伺わせていただきまして、ありがとうございました。3つほどお伺いいたします。
 大聖先生に小型化、軽量化、燃費の改善等で先ほど見せていただいた表によりますと、トータルとしては今それほどすごくCO2の削減にはならないように見えたんですが、究極として、限界ではどのぐらいまでが可能なんでしょうか。例えば、70~80%は可能なんでしょうかということです。
2番目は、燃料について、バイオを使うのは私も大変よろしいし、日本はバイオの活用がまだまだ十分可能性があるんですが、エタノールを使った場合は、最後の廃液と言ったらいいでしょうか、残渣のことを余り考えずにどんどんできる、というお話は多いんですが、この問題は、もしこれをきちんと環境に悪影響しないように処理・処分するためには相当のエネルギーもかかるので、その辺の問題は特に環境省におろそかにしないでやっていただきたいと思います。
 それから大聖先生に、メタノールは私も大変いいと思っているんですが、メタノールの場合は木質バイオで化学的な還元でできると思うんですけれども、その見通しというんでしょうか、燃料としての見通しはいかがでございましょうかということ。
 最後に、私の研究センターのあるところは「環境の町」を宣言しておりまして、職員に自転車で通勤するようにということを推奨しております。全員ではございませんけれども、普通は自転車で通勤する場合は通勤費は出さないんですが、自転車が買える程度の通勤費を出すことによって、かなり車で来ていた人とかが自転車にかえているということもあるので、ちょっとした働きかけによって、もちろん交通事故の問題、それからいろいろありますけれども、場所によっては自転車を推奨するというのは大変いいんじゃないかと思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 高村委員。

○高村委員 ありがとうございました。大聖先生のご報告を非常におもしろく伺いました。私からは3点申し上げたいと思います。
 1つは、先生もご指摘の都市計画等の重要性であります。これは、モーダルシフトとも関連することだと思うのですが、先生は時間枠がほかの施策とは少し違うとおっしゃいました。私もそのように思いますが、他方で2050年を目指した、例えば2020年、30年のパスを考えたときに、このインフラの対策を今の時点でどれぐらいとれるか、仕込めるかということがある意味では非常に重要な交通分野の対策になるのではないかと理解しております。その際に、小林委員が既にご指摘になったんですけれども、例えば都市間交通、それから都市の交通、それから農漁村といった少し細かに施策を考えていく必要があるのではないかと思います。交通分野の対策を考えるときに、都市計画に関していえば、まさに地域の役割が非常に大事だと思っております。中でも都市の混雑緩和、それから過疎地域においては特に高齢者のモビリティーの問題を考えますと、公共交通をどのように整備していくかということは逃れられない課題となっております。滋賀県が実際に2030年を目指した低炭素社会の議論をしたときに、この点が非常に大きな課題であるとして議論いたしました。特に悩ましいのが、これも小林委員がおっしゃった財政の問題であります。そういう意味で大聖先生にお尋ねしたいのは、この交通インフラの問題を考えたときに今まさに必要な「仕込み」について、何かご示唆いただければというのが1点目です。
 2つ目は、財政を二酸化炭素削減のために誘導するということについて基本的に支持いたしますが、先回逢見委員からご指摘がありましたけれども、この間いわゆる温暖化対策の配分的な効果に関する議論が研究者の中でも出てきております。つまり、自動車の例をとれば、買いかえ対策をとるということを促進し、排出の多い人に対して課税を重くすると低所得者等の税負担が大きくなるといった影響であります。そういう意味で、こうした配分の問題をどのように緩和していくかという意味でも、財源の問題というのはまたもう一つの重要な問題になるのではないかと思います。これが2つ目です。
 最後はご質問でありますけれども、大聖先生からヨーロッパと日本の例をご紹介いただきましたが、ヨーロッパは走行距離あたりの二酸化炭素排出量を自動車単体のエネルギー排出効率の基準にしていると思います。燃料転換を図るというところに一つのインセンティブを与えるためだと理解しておりますけれども、例えば日本でこのような形の指標への転換あるいは現在のリットル当たりの走行距離との並行使用というのは可能かどうか、あるいはどういう影響があるのかについてお尋ねしたいと思います。以上です。

○鈴木部会長 中上委員。

○中上委員 ありがとうございます。感想と、一つご質問ですが、アメリカでは、ハリウッドのセレブの人はハイブリッドカーに乗るというのが一つのステータスだと聞いておりまして、私も先般アメリカに行ってビバリーヒルズの高級住宅街を見ますと、3台ぐらい車を持っていますが、1台はハイブリッドカーがとまっている。なぜあのエネルギー多消費の国でそういうことになって、日本でならないのかが不思議でございます。そういう意味で、例えば車のラベリングをしたらどうだろうかという議論をしたことがあるんですが、そんな面倒くさいことはやりたくないという反論があったんですが、何も新たな投資をしなくても、ナンバープレートを、燃費の悪いのは真っ赤にしてしまって、いいのはグリーンにすればいいわけであります。今の軽自動車は非常に燃費がいいのに、あれが黄色だと、あれが格好悪い。多分それで遠慮している人がいると思うので、あれをグリーンにしてしまえばいい。営業車はどうするんだと。営業車はもともとダークグリーンでありますから、それはそれで別の扱いをすればいいというんで、こういうアイデアはどうでしょうかということを言ったことがあります。
 もう1点はエコドライブに絡んでですけれども、ドイツに行きますと、タクシー乗り場ではタクシーはすべてエンジンはストップ、とめているわけです。厳寒期であってもとまっているわけです。運転手さんはヤッケを着て待合室で待っている、あるいは車に乗って待っている。日本だと考えられないかもしれませんが、何で客商売なのにこうなのかと私が質問したら、「おまえの質問のほうがおかしい。止まっている車のエンジンをかけているなんてとんでもない話だ」と言われました。そういうところから少し変えていく必要があるとするならば、例えば黒塗りの車などはほとんど主を待っている間はエンジンをかけっ放しであります。そんなところから直していくべきじゃないかと思いますし、ナンバープレートも、余りにエネルギーを多消費型に乗っていると、幾ら高級な車であっても真っ赤なものでは格好悪いというので変わるんじゃないかと思いますが、そんなこともぜひ考えていただくといいんじゃないかと思いました。
 1点はご質問ですが、電気自動車がこれから普及していきますと、バッテリーが廃棄物の問題として社会問題にならないのだろうかというのがちょっと気にかかります。あるいは資源の問題とも絡んで、バッテリーの高度化はいいんでしょうけれども、そういうものが潤沢に供給できるような資源があるのか、あるいはそのリサイクルを含めたバッテリーの廃棄物の問題はないんだろうかということが大聖先生への質問です。

 最後にもう1点だけ、事務局から家庭部門は家計調査年報があるからいいといった感じでご説明がございましたけれども、この中には単身世帯などは抜けておりますので、必ずしもこれは全部をカバーしていないということです。サンプルは8,000~9,000サンプルですから問題はないでしょうが、余りブレークダウンして県別とかになると、データがとれないという問題。それから、中に量として示されているのは、プロパンと灯油については物理量で示されておりますけれども、電気・ガスは支出額でありますから、これから量を換算するということはそう簡単ではありません。だから、こう書いてしまうと、家庭部門のデータは家計調査を見れば大丈夫だと一般の方がとられるんじゃないかと思ったので、つけ加えておきます。

○鈴木部会長 高橋委員。

○高橋委員 ありがとうございます。1点だけ、感想を申し上げます。きょうの環境省のプレゼンテーション及び大聖先生のプレゼンテーションは非常に勉強になりました。私は、きょうの2つのプレゼンテーションは、非常に明確に、今後21世紀を通じての世界の中での日本の位置を決定するテーマなんだなと思いました。このきょうプレゼントされた内容の事柄をどのような形でどのようなペースで実行していくかということが、世界の中で日本が今後も大手を振っていけるのか、それともさらにデクラインしていくのかということをほぼ決めるであろうという印象を強く持ちました。恐らくきょうのお話からそれを実行していくにつきましては、総合的なグリーン税制、いろいろな分野にグリーン税制の視点をどの程度取り込めるかにかかっているだろうと。また、それをしなかったら、これを実施するどの分野に関してもそれは非常に限られたものになるだろうという印象を受けました。したがいまして、きょうのテーマを考える場合には、ほぼ日本の将来がかかっているという意気込みで、しかも焦点を税制というところに、その税制の場合に、例えば大聖先生のお話の中などにもありましたように、途上国の状況を改善していくためにも日本が大きな役割を果たさなくてはならない技術移転の側面が多いのがはっきりと読み取れますが、そういう方向で行動する場合に対する税制の考慮ということも含めて、そのあたりに焦点を当てた作業というのが今後非常に必要になるのだなという印象を受けました。
 以上です。

○鈴木部会長 永里委員。

○永里委員 ありがとうございます。CO2削減のためにグリーン税制等は真摯に検討すべき課題ではありますけれども、王道は技術開発・研究開発に尽きます。そこで、大聖先生の資料にもありますが、資料1のページ15にありますバイオ燃料の生産拡大に関しまして一言申し上げます。企業がそれぞれ競い合い、例えばA社とB社がダブって同じ研究をしても仕方がないとしても、国の研究開発とかその支援は一元化し、効率的に運営すべきだと思います。特に遺伝子組み換え技術によるバイオ増産に関する研究に関しましては、効率的・一元的に注力してほしいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 西岡委員。

○西岡委員 まず質問ですけれども、24ページの長期的な自動車CO2排出量の削減予測のところには、その上にあります今後の交通需要の変化というのは組み込まれているかということの質問であります。
 それから、これも質問なんですが、中期目標設定との関係で、2030年とここに書いてございますけれども、この2020年から2030年のスタートダッシュはどうなんだろうかということです。とかく「今後の技術開発に期待する」といった言葉が入って、どんどん施策がおくれるということもあるわけですけれども、案外、きょうのお話を聞いておりますと、技術は結構ある。ないのは社会システム、すなわち要するに制度、あるいはそれは政策で変えられるものかもしれないということはありまして、いわゆるローハンギングフルーツ的なものが割と手近にあるのか、あるいは2030年を待たなければできないのかというポイントについてぜひお伺いしたい。もちろん公共投資の問題が、インフラまちづくりの問題は時間はかかる、そういうのはわかっておりますけれども、そのあたりについて、ざっくりした話ですけれども、ぜひお伺いしたいと思います。

○鈴木部会長 桝井委員。

○桝井委員 1点だけ、大聖先生のお考えを伺いたいと思います。25ページに運輸部門の温暖化対策の問題点と課題というのが5つばかり列挙されており、どれも重要だと思うところなんですけれども、私は最後の鉄道の問題はとてもポテンシャルの高い重要な問題だと思うわけです。そして、これは、5つが並列に書かれておりますけれども、2030年あるいは2050年というレンジで考えるとき、これは独立して考えてみるべきぐらいの要素を持っていると思います。それで、JR、かつての国鉄が大きな赤字を垂れ流していく大きな原因として貨物の問題が非常に大きくあって、これがモータリゼーションの中で衰退していく中で大きな赤字ということになったわけですけれども、今回はそれを10年、20年かけて逆の流れに持っていくというのは、またこれは壮大なプランだと思うわけです。これにつきまして、恐らくJRを含めた経営の問題もあり、大量のいわゆる新幹線を含めた輸送に対して貨物の現状等々あろうと思うんですけれども、先生の観点から、これを大きな10年、20年で変えていくモーダルシフトの大きなポテンシャルを出すためには、現状に対して鉄道会社も動く、あるいは政策として、どのようなざっくりとしたスケッチといいますか、見取り図的なお考えを恐らくお持ちだと思いますので、お伺いできればと思います。

○鈴木部会長 三橋委員。

○三橋委員 私も3点ほど質問させてもらいたいんです。1つは環境省の報告について、長期的な展望でお話を伺ったんですけれども、いわゆる京都議定書の約束期間内でやるべきことは現状どおりでいいんだといったお考え方なのか。むしろ約束期間の後のいろいろな目標値などというのは非常に納得する面があると思うんだけれども、2010年までの対策はほとんど触れられていなかったということは、現状どおりでいいのかということを1点伺いたいということです。
 それから、大聖先生からは非常に広範なお話を伺って、どうもありがとうございました。参考になりました。その上でちょっと2点ほど伺いたいと思います。1点は、19ページのいわゆる自動車の課税の問題です。ここで、大分使った高齢車に対して行われている重課で税収中立を維持できるかということですけれども、その枠内でいろいろな低公害車を普及させるというのはどうしても限界があると思うんですけれども、ヨーロッパなどでもこういう自動車の枠内で、古い自動車に対する重税、それでクリーン自動車に対して軽減していくといった取組をしているんですか。もっと全然別の考え方で低公害車普及のための税制の財源というものを考えているのかどうか。これをちょっと伺いたいということです。それと関連して、4兄弟の定義と税制優遇の見直しが必要になってくると書いてありますけれども、これをちょっと具体的に伺いたいなということです。
 それともう1点は、先ほど桝井委員が言ったように、これから自動車の需要は2050年にかけて減っていくわけです、先ほどご説明いただいたように。そういう中で鉄道の果たす役割というのは逆にふえていくんじゃないかなと考えますので、その辺はこの鉄道のウエートというのは低いような感じを受けますけれども、いかがでしょうかということです。

○鈴木部会長 森嶌委員。

○森嶌委員 前回の住宅建設に関する中上委員、それから今回の大聖委員のご報告は、大変詳細にわたって、また新しい考え方を導入されて、私どもの各委員の無知蒙昧さに対する啓発をしていただいて、大変ありがたいと思います。しかし、先ほどから質問を伺っていて、ここは学会とか講演会ではないので、私は自分の知らないことを、これはどうかということを伺うのはどうかということで、まずむしろ事務局ないしは部会長に、この部会は何をやっているのかということを伺いたいと思うんです。その点できょうの報告は、これから何をするかにとって、前回の中上委員といい、今回の大聖委員についても、これは今後の審議のために非常に役立つだろうと思います。そして、私のほうで関心事を申しますと、先ほど西岡委員が言われたように、この部会としては、中期の計画、これは今官邸で懇談会のもとで中期の目標を定めようとしているわけですけれども、環境省としてそれに対していろいろ政策的にこういうことが可能である、そうだとすれば2020年ないしは2030年に対してこういう目標を設定できるではないかということを提供することが我々の役割ではないか。だとすると、先ほど西岡委員が言われように、ここでいいますと24ページに書いてある、2030年に50%まで削減可能だという、これは技術的にはそうだということなのかどうか。そうだとすると、それは放っておいたらそうなるのかどうか。それで先ほどから税制の話などが出ていますけれども、では税ならばどういう税をやればいいのか。そうするとコストはどうなるのか。そして、税だけではだめだというのなら、例えばトップランナー方式で、規制をどうするのか。それから、先ほどどなたかおっしゃったけれども、率先購入などをするのかどうか。それから、先ほど中上さんが言われたけれども、ナンバープレートを赤に変えるのかとか、そういう政策手法を我々が考える。コストと、それからそうだとするとどれぐらいCO2が削減できるのかということを考えるのは我々ではないかと。大聖先生にいろいろお伺いを立てている暇が我々はあるのかということを私としては申し上げたい。
 それからもう一つは、そして我々が議論したことをどのように政府全体に反映するのかということです。これは、諮問がある場合には諮問に答えるということになるわけですけれども、諮問があるのかどうか。多分ない。だとすると意見を申し述べるということですけれども、所管事項は、先ほど大聖委員がおっしゃったように、多くのデータは経済産業省とか国土省とか、そういうところから出ているわけですから、我々が言うと、何とかの遠ぼえになる可能性があるわけです。そこで、目達計画のときには合同会議をやりました。合同会議でいろいろ文句を言われながらでも直接に反映したわけですけれども、そういうやり方でやるのか。そうでないとすれば、ここで議論したことをどういう形で反映するのか。これを事務局に、あるいは事務局というよりもむしろ環境省に伺いたい。環境省が事務局を担当しておりますけれども、我々は一応環境省の一部局ではありませんで、環境省が所管する独立の審議会で、環境大臣に対して意見を申し述べることができる審議会になりますから、少なくとも私は、2050年をにらみながら、当面は我々は2020年ないし2030年の中期目標を設定する、あるいは中期目標に向けて、それが実現するための政策手法を議論すべきではないか。そのときに、単にこういう政策手法があるというんじゃなくて、それがどのようなコストを伴うのか、つまり社会に受け入れられるかどうか。その手法をとるとどういう効果が生じるか。それは、その手法はいつごろまでにどのように実現できるか。先ほど西岡先生が言いましたように、いつスタートするかということを含めて、それを議論するのが我々ではないのかと。説教を申して申しわけありませんけれども、これは前々から、前会長は皮肉を言うとかと言いましたけれども、だんだんそういう心境になってまいりましたので、それはお許しいただきたいと思いますが、以上でございます。

○鈴木部会長 横山委員、どうぞ。

○横山委員 森嶌委員の後に発言しにくいですが、2点申し上げたいと思います。
 1点目は、運輸部門ではいろいろな対策があって、一筋縄ではいかないということはよく理解できましたけれども、やはり基本は保有台数と走行距離ではないかと思います。これを成り行きに任せていたのでは、幾らいい低公害車が出たとしても、余り意味はないんだと思います。そういう意味で、24ページの国交省の交通需要予測では、横ばいから減少に転じるといったことが書いてありますけれども、むしろ、例えば今七千数百万台ある車を2030年には5,000万台に減らすのだといった大きな目標を掲げて、それに基づいていろいろな対策を考えていくとか、そういうことが必要ではないかと思うんですが、大聖委員、その辺はどのようにお考えになるのか。確かに、減らすということになると大変な抵抗があるのはわかると思いますけれども、それが私は基本になるのではないかと思います。
 大聖委員に質問するなといった意見でしたが、1点だけ質問したいんですが、ディーゼル車の問題で、大気環境の改善とかでCO2にむしろ重点が移っているといったことをおっしゃる一方で、ディーゼルについてはある程度の導入が望ましいと、非常に控え目なんですが、伺っていると、EUのように、むしろガソリン車よりもディーゼルのほうを重用していったほうがいいのではないかとも受け取れたんですが、その辺はいかがでしょうか。
 以上です。

○鈴木部会長 関澤委員。

○関澤委員 では簡単に1点だけ質問致します。先程来皆さんから出ていることと絡みますが、今2050年を目指す議論を長期目標として考えていかないといけないわけですが、そういったときの運輸部門における輸送手段のウエート感、すなわち、自動車、電車、そのほか船等を含めまして、最高効率の組み合わせというのを、今あるものがそのままのウエートで2050年まで残っていくのがいいのか、それとも昔、よく議論されていたように、何か新しい交通システム、夢の交通システムといったものが学者の間では議論されているのかどうか。どういったことを目指そうとしておられるのか、もし新しい考えがあれば教えていただきたい。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。大変多様なご質問も、ご意見も、そして質問している暇はないのではないかというご意見もございました。部会長として、前回住宅、そして今回は交通、モビリティーの問題、またこういう主要なテーマが幾つかこれからも生まれてくるといいますか、こういう機会をつくっていただきたいと思っているんですが、それは、昨年度といいますか、洞爺湖の準備として低炭素社会のビジョンというものをこちらの地球部会で準備いたしました。それはあくまでも定性的なといいますか、いろいろな項目が挙がっている。これをかなり具体化・定量化して、例えば2030年の中期目標を、モデルを使って議論される委員会が今動き始めているわけですが、そういうところにも反映していかなくてはいけないと同時に、2050年50%という地球全体での50%削減、日本の場合には80%以上を目標にしなければいけないと思いますが、そういうところに到達するために、我々自身としても一体どういう施策を考えていくことが必要か。そういうことを考える上での一つのインプットにしていただく。京都議定書の第1約束期間の目達に関しましては、ご承知のように、産構審とこちらのほうとでの共同の審議というのはまた12月にも予定されておりますし、そちらのほうで当面進行状況を管理していくということになっておりますので、あくまでもここは中期目標、そして最後を見据えた意味での検討を進めていくということであろうと思います。もちろん、ですからお話を伺うだけで終わるということではなくて、それをいかに施策に反映させていくか。これは、森嶌前部会長からも繰り返し繰り返しインプットいただいておりますので、忘れることはないと思いますので、どうぞご心配なきように。
 それでは、こちらに対する質問……。

○大聖委員 私のほうで回答できるものはさせていただいて……。

○鈴木部会長 まずどっちが。

○大聖委員 私のほうから、いかがでしょうか。

○鈴木部会長 では、大聖委員のほうから。

○大聖委員 ちょっと時間がありませんので、燃費基準で車両の区分が細か過ぎるんじゃないかということですが、これは逆でして、我々はさらに細かくしたいと思っています。前に粗かったのは、粗いと、ちょっとぎりぎりのところはわざと車を重たくして規制をクリアするといったことが一部で横行していまして、これはもうできれば関数化して、重量に対して燃費を決めたいという技術的な問題があります。
 それから、グリーン税制のお話は随分ありましたけれども、ほかの耐久消費財に対する税のあり方とのバランスというのはあると思うんです。それから、燃費のいい車というのは、それ自体は消費者にとって非常に経済的なメリットを既にこうむっているということになりますので、その上でグリーン税制のメリットというのはどういうところにあるかをちゃんと考えないとまずいなと思っております。
 それから、公共交通のお話がありました。これは、確かに過疎地域での公共交通というのはもう悲惨な状態でして、真っ赤っかの赤字なわけですけれども、ヨーロッパなどではああいうバスなどの購入の8割ぐらいは公的に助成してしまっているんです。ですから、思い切った支援というのは絶対に必要だと思います。国交省などではバス料金の助成というのをやっていますけれども、そういったものを強化するということが必要だと思うんですが、何せ利用客がどんどん車のほうへシフトしていますので、これを取り戻すというのはサービスの向上しかないわけですが、そうするとなおさら赤が膨らむといったことで非常に悪循環が発生しているということで、私はデマンドバスとか、デマンドタクシーみたいなものを、情報通信技術をうまく使うことで活用してはどうかなと思っております。
 それから、コンパクトシティの話とか、都市計画の話がありました。これは、確かに理想はそうなんですけれども、私はまだ答えが出ていないと思っていまして、今ある取組を、実証モデル都市というものはあるわけですけれども、そこできちんと評価した上で、本当にこれがいいものであれば、条件が同じようなところに水平展開していくといったことが必要なんですけれども、それにはまだちょっとリスクがあるなと思います。ぜひ、富山とか、青森とか、ありますけれども、私はまだまだ実証的には足りないなと。それを踏まえた上で進めるべきだと思います。何せこれを全部オールジャパンで展開しようとしますと、膨大な投資が必要になるはずなんです。それを救う一つの手段としては、情報通信というのはまだまだ発展する可能性がありまして、利便性とか、エネルギーの削減、環境の改善に資する面がポテンシャルとしてはかなりあるものですから、それと比較しながら、その可能性とそういう都市づくりのメリットというものを公正に比較していくべきではないかなと思います。まだ結論は今のところは出せないなと思います。
 それから、税制の問題、CO2とリッターの違いなんですけれども、これはもう簡単でして、軽油とガソリンの発熱量の差をうまくとりますと、CO2とリッターの換算はできますので、これは表示のやり方の技術的な問題だけだと思っております。
 それから、軽量化の限界はどこかといいますと、私どもは3割から4割ぐらい減らした車を実際につくってみて、プリウスと同じ燃費になりました。それからあとは、最近こういうカーボンファイバーでつくった車なんですが、車両重量が3分の1近くになってしまうんです。これが極限だと思います。そうすると燃費が大体3倍ぐらいになりますので、ここまでいけるといいんですが、材料費とか、走行の安定性の問題、風に弱いとか、いろいろな問題を解決しなければいけないと思っていますが、やれないことはないと。ご期待ください。
 それから、バイオの残渣の問題なんですけれども、これは確かに問題なんです。チッソ、リン酸カリを一方的にとってしまって、畑に戻さないといけないので、それは我々は今いろいろと検討を環境省の中でも進めさせていただいております。
 それから、あとはアイドルストップのことなんですが、これをもっとやればいいじゃないかというんですが、今ヨーロッパなどでも、日本でもそうですけれども、アイドルストップを自動的にやってしまうようなシステムがこれからどんどん広がっていくと思っています。
 それから、西岡委員のほうからのご質問で、2020年か2030年かというお話なんですが、これは非常に難しい議論でありまして、実は2015年の燃費基準の改定があります。これが行われて、効果を持つのに10年かかるんです。ですから、2025年ぐらいで浸透してくるのではないか。その過程で、2050年でまた燃費基準の改定をやらなければいけないと私は思っていますので、それが浸透して、2030年で大体3割から4割ぐらい、そういったものが車に置きかわるというイメージでお考えいただければと思うんですが。
 それからもう一つは、交通需要は一応フラットで考えました。ただ、国交省で道路交通需要の予測で下がってきますと、さらに全体が下がるので、私はメリットがあるんじゃないかなと。ただ、私の見積もりの中には自動車利用のあり方というのをやっていますので、道路交通はそこで下げるというポテンシャルは持っているということは織り込んであります。
 それから、鉄道の復活なんですが、これは例えば汐留の操車場の廃止に象徴されるように、あそこはトラック貨物の基地だったわけですが、あそこがなくなってしまったわけです。それから、いろいろ結節点、重要なポイントがみんなそういう貨物輸送の廃止ということで、鉄道の主要なターミナルは失われているわけですけれども、それを復活させるというのは、また大変な投資が必要だと私は思っております。それから、今は旅客の線路を借りてそのすき間でやっているものですから、限界があるんです。ですから、物流新幹線みたいなアイデアもありますけれども、ここでももう一つ大きな投資が必要なので、それと費用対効果みたいなものはやはり適正に見積もる必要があるのではないかなということであります。
 それから、古い車の税制対策は海外ではないかということなんですが、古い車に対しては余りありません。ただ、カリフォルニアなどでは、スクラッページプログラムというのがありまして、廃車したときにお手当てがもらえるといった制度があるんですが、あれは廃棄・環境対策です。大気汚染対策です。
 それから、一方でプリウスとか電気自動車に対する助成は、アメリカなどでもちゃんと差額助成をやっています。リミットはありますけれども。
 それから、保有台数の減少の可能性はあるかというご質問なんですが、台数は昨年あたりから減少に転じているんです。ですから、その傾向をどう見るかということですが、免許の保有者が減る可能性があります。それから、少子・高齢化ということもありまして、そういうトレンド以外にもっと強化するやり方がないかということですが、私は、それは公共交通機関の利便性をちゃんと確保して、そちらのほうへシフトするという準備がちゃんとないとできないことではないか、それにはまた費用対効果の社会経済的な側面があるのではないかなと思っております。
 それから、低公害車4兄弟の見直しなんですけれども、実は233万台の目標に対して低迷しているわけですが、これの主たるものは、メタノール車はもう消えてなくなりました。それから、天然ガス自動車も3万台ちょっとにとどまっております。天然ガスの供給スタンドが制約されていますので、そういう状態です。その一方でハイブリッドというのは伸びてきているわけです。4兄弟から外していいんじゃないかなと。
 それから、バイオの話、遺伝子組み換えの話がありましたけれども、特にこれは発酵の分野で重要なんですけれども、これが安全性の問題が非常に重要だというご指摘を受けておりまして、例えば、それが外へ出て、生物多様性に何か影響を及ぼすようなことがありますと、非常に重要な問題ではないかと思いますので、その辺もきちんとやった上で発酵技術の問題を進めるべきではないかなと思います。
 それから、ディーゼルが日本では控え目の予測だということなんですが、一つはコスト高です。普通の車よりも大体2割ぐらいアップしてしまっています。それは排ガス対策が厳しいということでコストアップしています。ヨーロッパは、実は排ガス対策がちょっと緩くて、来年から始まるのと同じ規制を2015年まで延ばしているんです。そういうこともあって、対策のコストが比較的軽いということもあって、これまで普及してきました。大体ガソリン車とディーゼル車が半々ぐらいということであります。日本では、そのコストを克服できれば、ある程度普及する可能性はあるなと。
 大体そんなところでしょうか。以上でございます。

○鈴木部会長 ではあと……。

○地球温暖化対策課長 三橋委員から約束期間については運輸部門は順調にいっているという理解をしているのかということでございますが、鈴木座長からもお答えいただきましたが、約束期間の目達の達成状況については中環審と産構審の合同審議会で点検するということになっているところでございます。きょうお出しした資料は現状をお示ししたものでございます。
 それから、この部会は何をやっていくのかという森嶌委員のご指摘でございますけれども、大聖先生の24ページに2030年、2050年の削減予測というものが出ておりましたが、50%あるいは70%削減できるということでございます。政府として全体で60~80%削減をするという目標を7月の末に掲げたわけですが、ここでは70という数字が出ておりますけれども、こういった数字を達成するために必要な施策について検討するということがこの審議会でお願いしたいということでございまして、これは第1回目の部会でご説明させていただいたところでございます。大聖先生の24ページの図では、その70%削減を達成するために必要な対策が掲げられているわけでありまして、動力システムの高効率化、ハイブリッド化、車両軽量化等々が掲げられているわけですが、そういった対策を実現するための施策についての検討ということをお願いしたいということでございます。
 合同審議会等をやるのかといったお話でございますが、私どもとしては、まずはこういった対策を実現するための主な施策、特に効いてくる施策について、中環審として年度末に向けて取りまとめをお願いしたいということで、特に重要なものとして、住宅・建築物について前回ご議論いただきまして、今回交通についてご議論いただいているわけですが、それぞれの中でも特に効いてくる施策、重要なものについてご検討いただければと思っているわけであります。その後、目標達成計画と同じように、恐らく低炭素社会づくり行動計画をブレークダウンした計画というものが必要になってこようかと思います。それは各省の審議会をフルに動かさないととてもできるものではないだろうと思いますが、そのときにどういう体制で行っていくのか。目達と同じように経産省の産構審と環境省の中環審の合同会議という形でいくのか、あるいは内閣官房を中心としてやっていくのか、いろいろな形態が考えられると思いますけれども、内閣官房あるいは鈴木座長ともご相談させていただきながら検討していきたいと思っております。
 中期目標検討会へのインプット、これは必要なものがあれば、私どもも事務局に関与しておりますので、そういったルートを通じて、あるいはこの部会の西岡委員は中期目標検討会の委員でもあられますので、そういった関係でいろいろなインプットの仕方はできようかと思っているところでございます。
 そのほかさまざまなご意見をいただきましたが、ご質問というよりはご意見ということだったと思いますので、年度末に向けて取りまとめをするという予定にしておりますので、取りまとめ案の中に反映させていただきたいと考えております。

○鈴木部会長 はい。

○森嶌委員 施策の検討とおっしゃいましたけれども、私がお願いしたいのは、今やっていることは施策の検討をしているとは私は考えておりません。つまり、グリーン税制が望ましいとか、トップランナーがよろしいとかと言っているんですけれども、それではどういう部分にどういう税制をかけると、それに対してどれだけのコストが社会に及んで、そしてその結果どれだけのCO2の削減の効果があるのかといったことについて、政策手法の検討をしているわけではありません。ただグリーン税制がよろしいなどということを並べているだけで、それは既に総合政策部会の基本計画のところでただ並べてあるだけではないかと。これでは実際に基本計画を具体的に進行するわけにはいかない。施策の検討というときには、一定の目標があるとすれば、それに対して、それぞれの手法についてのコスト、効果、それからそれのタイムテーブルといいましょうか、ロードマップというのか、きちんと資料を出して、それについて皆さんのご意見を伺わないことには、先ほどから意見があったように、グリーン税制がよろしいといったって、何がどれだけよろしいのか、どれだけ効くのかということはわからないわけですから、これは単なる評論にすぎないと。その意味では、私は、ここの審議会は、少なくとも現時点までは、この低炭素社会の議論を始めてから今日に至るまで施策の検討をしたとは思っておりません、お話はしたり、評論はしておりますけれども。という意味で、私はぜひお願いしたいのは、事務局もそのような施策を検討するに十分な資料を用意し、そしてそれに対して我々もそういう検討をさせていただきたいと思います。

○鈴木部会長 施策の検討については、今、森嶌委員からお話がありましたような具体的な検討に至るまでにまだ至っていないことは確かでありますが、果たしてグリーン税制を検討するのか。あるいはまさにモビリティー、40年前と今と比べて全く違うモビリティーがここに実現している。では40年後に本当に今の形のままで外挿できるようなものなのか。あるいは公共交通機関のようなものが、あるいは新交通システムといったものがどうなっているのか。むしろそのようなところをある程度ここで税制も含めた上で、行き先をある程度具体化したビジョンを設定する。そういう目標がないと、そこへ至る手段を、税制であり、あるいはどういう技術開発であり、そういうものの検討のしようがないというのが多分実際のところだろうと思います。そういうことで、将来像を昨年度は低炭素社会ビジョンという非常に漠とした形でしか出しておりませんが、それをある程度具体化したいというのが多分今年度の仕事ではないか。それがないと、どこへ至るかがともかくわからないうちに、多分税制の議論あるいは技術開発の目標といったものも余り具体化するに至らないだろう。そのようなところで、とはいっても、森嶌先生がご心配なさっていますように、ただお話、評論をしていても仕方がないわけでありますので、前回は住宅、今回は交通システムということになりますが、こういう大きなテーマについてのトピックを幾つか検討させていただいて、少し低炭素社会のある程度具体的なビジョンが見える。そういうことになりましたら、そこへ向けて、まさに一体どういう政策を考えるのかといったことになるのではないか。私自身はそのように思っております。ただ、今年度の報告をというようなことになると、またそれがどこまで踏み込んでできるかとどうかというのは若干検討しなければいけないと思いますが、私自身は、そういう意味で、すぐにグリーン税制の具体的な検討といったところはもう少し先送りかなという感じを持っております。

○森嶌委員 部会長とここで議論するつもりはありませんけれども、少なくとも福田ビジョンあるいは政府では、来年のしかるべきときに中期目標は決めると。そして、いつが基準年かわかりませんけれども、2050年までに60~80%は下げるといったことを漠として言っているわけですけれども、EUなどでは出ていますし、オバマ政権もいずれ来年に出てくるときに、中環審だけは悠々と2020年から2030年ぐらいの目標を出して、2040年ぐらいに2050年の目標を出すといったことでは、かつて1997年に突然6%の目標をのんで、あのときにちゃんとしておかなかったから今ごろこうなったんだということを後から言って、それぞれ責任をなすりつけ合う。そのときに私は、その責任をとっていいのかどうかわかりませんけれども、そこにいましたけれども、そのときにどういうことをすべきかということをきちんと議論していなかったわけです。そして、今になって、あのときこうだった、こうだったと言うのでしたら、やはり今できることはきちんとやっておくべきで、審議会としてはそういう責任があるだろうと。間違えるかもしれない。将来見通しはわからないかもしれない。しかし、これだけの委員が集まっておられるわけですから、考え方も違うでしょうけれども、細かい、どういう税を何%の税率でここでするなどということはできないかもしれないけれども、こういう分野は税できちんとやるべきではないか。それを少なくとも中環審としては政府に対してきちんと言っておくべきではないか。そうでないとこれはできないということはもう皆さんの言葉の端々に出ているわけですから、そういうことをここでやっておかないと、税はいいよとか、何とかかんとかといったことを言っていて、ある日というか、コペンハーゲンだとか、そういうところでのまされて帰ってきて、後で、そんなことではなかったよと言って、我々の責任を果たしたことになるかどうかということを私は恐れているわけです。ヨーロッパに取り残されるとか、アメリカに取り残されるというのではなくて、そういうことではなくて、日本の国民の将来を考えたら、我々は中環審の委員としてそういう責任を負っていないかということを私は言っているわけでして、少し言い過ぎかどうかわかりませんけれども、ぜひそれを委員の皆さんにも考えていただきたいし、環境省の今の人たちにも、これをしておかないと、そのうちに退官したときにねらわれるかもしれませんから、仇を討たれるかもしれませんから、ぜひ感謝されるような行政を行っていただきたいと思います。

○鈴木部会長 グリーン税制につきましては、森嶌先生もよくご承知だと思いますが、総合政策部会のほうにグリーン税制に関する小委員会ですか、専門委員会があって、そこで……。

○森嶌委員 私が言っているのはそういう一般的な話ではなくて、例えばですけれども、こういう自動車の場合に、ハイブリッドカーあるいは電気自動車などを進めるときに規制よりも税で、少なくとも最初の部分を進めるときには税で進めたほうがいいとか、そういう政策を進めるときの手段としてこういうものが効くとか、いろいろなそれぞれの分野でそれぞれの手法の使い方を言っているわけでありまして、環境税一般とか、そういう話を私はしているわけではありません。この部隊がそれでいいかどうかということは必ずしも私は申しません。あるいは、環境基本計画でやったように、小委員会をつくって、住宅小委員会とか自動車小委員会とかというのをつくったほうがいいのかもしれませんけれども、それはそれとして、それぞれで効くところと効かないところとあるわけですから、例えばこういうのは率先して政府が買うことにすれば、政府が大口なのだから、この分野は政府がイニシアティブをとるといいだろうとか、この分野は宣伝して、大臣か何かが新聞に出て「ハイ」とか何とかと言うとみんなが動くだろうとか、情報的なものがいいとか、いろいろなやり方があると思うんです。そういうことをもう少し検討すべきではないかというのが、私の言いたいことのごく一部であります。戦略的に政策を検討しろということであります。

○鈴木部会長 多分、今、森嶌先生がおっしゃったようなことに沿った形で大聖委員にもご報告をいただいていると思いますので、その辺をちょっとお時間をとって大変恐縮でしたが、この委員会としても……。はい。

○森嶌委員 すみません、たびたび。私は、そこで大聖委員と中上委員のご報告を大変評価したのですけれども、それにもかかわらずみんな個々に質問しただけで、せっかくおっしゃっていただいたことを我々として、では政策としてどのようにするのかという議論をしないで、その区分が小さ過ぎるんじゃないかとか、何とかはどうなるかといった話ばかりしているから、我々の責任を果たしているかどうかということで、私はだんだんいらいらしてきているだけであります。

○鈴木部会長 委員の先生方はいろいろとまだご意見あるいはコメント、あるいは今の森嶌先生のご趣旨のように、ご提案等、きょうのご発言に追加すべきことがあると思いますので、それはまた事務局のほうにご提出いただくような形で本日の議事をまとめさせていただくということになろうかと思います。予定の時間を大変オーバーしてしまって申しわけありませんでしたが、一応これで本日の大聖委員からのご報告を含め、自動車・交通分野の対策・施策について、ある意味では勉強会も含めて、検討をさせていただいたということにいたしたいと思います。
 それでは、事務局のほうから。

○地球温暖化対策課長 最後の森嶌委員のご指摘の点もできるだけ反映させる形で取りまとめ案をつくって、それについてのご議論をまたいただくと、自動車あるいは住宅・建築物について、それ以外も含めて、どういった政策手法・施策を実施していくべきなのかを提案していただくということで考えていきたいと思います。
 今、座長からご発言がございましたように、追加すべき質問、コメントがございましたら、12月4日の木曜日までに書面で事務局にお送りいただければと思います。
 本日の議事概要につきましては、事務局で取りまとめの上、数日中に委員の皆様に案を送付いたします。皆様に送付後1週間で環境省のホームページに掲載いたします。諸事情により1週間内にご返事をいただくことができない委員分につきましても、一たん暫定版としてホームページに掲載させていただき、後ほど修正があれば、差しかえさせていただきます。
 本件についての次回の地球環境部会については、日程を調整の上、後日ご連絡をさせていただきます。

○鈴木部会長 それでは、本日の議事はこれで終了させていただきたいと思います。大変不手際で時間が超過いたしましたことをおわび申し上げます。

午後 0時15分 閉会

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