中央環境審議会地球環境部会(第78回)議事録

1.日時

平成20年6月26日(木)10:00~11:30

2.場所

三田共用会議所 講堂

3.議事

  • 1 低炭素社会の構築に関する最近の動向について
  • 2 地球環境部会の今後の審議の進め方について
  • 3 その他

資料一覧

資料1 「低炭素社会・日本」をめざして(平成20年6月9日福田内閣総理大臣スピーチ)
資料2 「低炭素社会・日本」をめざして(平成20年6月16日地球温暖化問題に関する懇談会提言)
資料3 経済財政改革の基本方針2008(原案)(平成20年6月23日経済財政諮問会議)
資料4 低炭素社会の構築に向けた地球環境部会の審議について(案)

参考資料1 低炭素社会づくりに向けて(要約版)(平成20年4月3日中央環境審議会)
参考資料2 低炭素社会づくりに向けて(平成20年4月3日中央環境審議会)

議事録

午前10時02分 開会

○德田温暖化対策課長 おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから会議を開催いたします。
 本日、委員総数40名中22名の委員の方から出席登録をいただいておりまして、定足数を満たす予定でございます。
 それでは、以降の進行は鈴木部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、中央環境審議会地球環境部会を始めさせていただきたいと思いますが、皆様ご案内のとおり本日の審議も公開となっておりますので、まずあらかじめご了承いただきたいと思います。
 それではまず、事務局から資料の確認をお願いいたします。

○德田温暖化対策課長 お手元の資料、一番上が本日の議事次第でございます。その裏に名簿が載っております。資料1、「低炭素社会・日本」をめざして(平成20年6月9日福田総理演説)の概要でございます。その参考資料がついております。資料2、地球温暖化問題に関する懇談会の提言(「低炭素社会・日本」をめざして)の概要。資料3、経済財政改革の基本方針2008(原案)。資料4、低炭素社会の構築に向けた地球環境部会の審議について(案)。そして参考資料1が、低炭素社会づくりに向けて。参考資料2が、同じく低炭素社会づくりに向けてでございますが、先ほどの1のほうが要約版で、2のほうが本体、全体版となっております。
 それから最後に、これは委員の皆様方のところだけにお配りをしております。ご参考までにということで、自由民主党、公明党、民主党、社民党の各報告あるいは法案、提言といったものの概要、私どもが今のところ入手しておりますものをご参考までに配付をさせていただいております。
 以上でございますが、もし足らないものがございましたら事務局のほうまでお申しつけください。

○鈴木部会長 よろしいでしょうか。それでは、議題に入りたいと思いますが、本日はこの低炭素社会づくりに向けましての最近の動向、それを議題1といたしまして、議題2として、この地球環境部会で今後どういう審議を進めていくか、これにつきましてのご相談をさせていただきたいと、そのように思っております。
 それでは、まず議題1、低炭素社会づくりに向けた最近の動向について、これを事務局のほうから説明をお願いいたします。

○德田温暖化対策課長 それでは、資料1から4を用いましてご説明をさせていただきます。
 資料1は、いわゆる福田ビジョンといわれるものでございまして、6月9日の総理演説でございます。資料2は、官邸に設けられた低炭素社会に向けての懇談会の提言ということでございます。そういったものを中心に最近の動きをご説明したいということでございます。
 資料1でございますけれども、一番上に概要がついております。そしてその後、実際に総理が話された言葉で1ページから12ページまでにわたるものがついておりますが、時間の関係上、概要版をごらんいただければと存じます。
 概要版は全部で丸が4つついておりますが、一番上のところでは、化石エネルギーへの依存を断ち切って低炭素社会へと大きくかじを切らなければいけないと言っておられます。その低炭素社会への移行は負担だととらえるのではなくて、新たな経済成長の機会であると、そうとらえるべきであるということでございます。そのヒントというのは、我が国のよさ、伝統の中に既に存在している自然との共生であるとか、あるいは「もったいない」といったものにあるということでございます。
 2つ目の丸でございますけれども、日本として2050年までに現状から60から80%を削減する長期目標を掲げるということで、長期的な目標、ここで総理が60から80%ということを明言をされたわけでございます。
 3つ目の丸でございますが、10から20年で世界全体の排出量のピークアウトという目標の実現には、全員参加型で公平かつ公正なルールというものが不可欠であると。現実的な方法論として、セクター別アプローチが有効であるとしつつ、我が国の中期的な国別総量目標を来年のしかるべき時期に発表をしたいと言われておるところでございます。長期目標については、2050年までに現状から60から80%削減すると、中期目標については来年のしかるべき時期に発表したいと、こう言われております。
 具体的な政策の4つの柱が掲げられておりまして、最初に革新技術の開発と既存先進技術の普及ということでございます。多国間基金に12億ドル拠出するとか、あるいは環境エネルギー国際協力パートナーシップ構想というものを提案するとか、それから太陽光発電、日本は世界一の座から滑り落ちておりますけれども、これを奪還するということで、2020年までに10倍、2030年には40倍にするということでございます。また2012年を目指して、すべての白熱電球の省エネ電球への切りかえ、省エネ住宅・ビルの義務化に向けた制度整備、200年住宅の普及促進といったようなことを考えておられます。
 2つ目に、国全体を低炭素化へ動かしていくための仕組みとして、今年の秋に排出量取引の国内統合市場の試行的な実施・実験を開始するということでございます。今年の秋、環境税を含め、低炭素化促進の観点から税制全般を横断的に見直すと、それから来年度からカーボン・フットプリント制度の試行的な導入実験を開始するとも言っておられます。
 3つ目でございますが、地方の活躍ということで地産地消、それから10程度の環境モデル都市を選んで、政府のバックアップのもとで革新的な取り組みを進めていくということでございます。
 4つ目でございますが、国民が主役となった低炭素化ということで、1つ目にサマータイム制度への期待ということで、これは与党を初めとして議員連盟などでも議論が行われているところでございますが、なるべく早く結論が得られることを期待するというふうに言っておられます。さらに、7月7日をクールアース・デーにして、低炭素社会への歩みを国民みんなで確認するさまざまな取り組みを行う日としたいと、こういうようなことを言っておられるわけでございます。
 以上が総理の演説の概要でございます。
 それから、続きまして懇談会の資料でございます。資料2でございますけれども、これも1枚紙の概要をつけております。実際の提言そのものはその後ろについておりますけれども、12ページからなっておるものでございます。その12ページからなっている資料の一番最後に、懇談会の名簿を掲げさせていただいておりますが、全部で14名ということでございます。この懇談会には総理も出席をされて議論に参加しておられるということでもございますので、先ほどの総理ビジョンとこの懇談会の提言は、重複している部分もございます。
 概要でご説明をしたいと思いますけれども、まず1番目、私たちはどのような時代に生きているのかということでございますが、地球温暖化は既に始まっていて、人間活動や生態系への影響が身近な問題になっている。中長期的に化石エネルギー、食糧、水などの不足が懸念される状況であるということで、未来世代は危機的状況にあって、今、行動を起こすべきであるということでございます。
 2つ目に、それでは目指すべき低炭素社会というのはどのような姿かということでございまして、私たちの出すCO2量が地球が自然に吸収できる範囲内に収まり、私たちが一層豊かな暮らしを送っている社会というふうに書かれております。
 世界が共有すべきものとしては、2050年世界全体で半減という目標達成は簡単ではなくて、既存技術の世界の普及、革新的技術の開発・普及が必要であるということでございます。その道程において、10から20年後の温暖化ガス排出のピークアウトの達成が必要であると。さらに、これらの目標の実現には、すべての主要排出国が参加する実効ある枠組みが不可欠であるということでございます。
 日本の決意でございますけれども、GDPで世界の9%を占めておりますが、温室効果ガス排出量は4%、約半分であるということで効率はよいと。他方で、世界人口の2%を占めているわけですが、4%を排出しているということでございますので、そういう実情もあるわけで、技術力を生かして、より一層努力をすべきであるということでございます。そういった低炭素社会が実現すれば、競争力が強化されて、エネルギー輸入依存度は低減して、ビジネスチャンス、雇用が生まれて、良質な社会資本が形成されるということであります。EUも厳しい目標を課して政策を総動員しているし、アメリカでも変革を目指す動きがあると。2050年の長期目標につきましては、総理が表明された60から80%というものを目指していくということでございます。さらにサミットでは、中国、インドなどの新興国の次期枠組みへの参加を促すべきである。そのために、削減目標の表明、セクター別アプローチによる技術の普及、意欲的な途上国への資金援助、コベネフィットなどに取り組むことが必要としております。
 5つ目に、低炭素社会づくりに向けた基本的な考え方でございますが、温暖化問題というのは環境、資源、エネルギー、食糧、水、産業構造など、経済・社会の基盤にかかわる問題であるということで、総合的かつ長期的な国家戦略が必要であるとしております。その際には、国民の全員参加が不可欠であると、特に新しく膨大な社会的コストがかかるということが想定されるわけでありまして、広く国民レベルでの応分の負担が必要であるとしております。
 6つ目に、低炭素社会の実現を目指して技術、エネルギー、資金、社会この4つのイノベーションが必要であるとしておりまして、革新的技術開発と既存技術の普及と、エネルギーにつきましては、つくり方と使い方ということで、つくるほうでは原子力、太陽光などの新エネの普及促進と、使い方のほうでは省エネということでございます。資金としては排出削減への金融機関からの資金供給が重要であり、その呼び水となるような公的資金の充実が必要であるということでございます。
 社会のイノベーションとしては、取り組みへの動機づけとなる炭素への価格づけの取り組みが重要であるとされております。排出量取引につきましては、欧米の動向を注視しつつ、試行的実施を通じて我が国の実情を踏まえて検討ということでございます。
 (2)でございますけれども、低炭素社会づくりに向けたそれぞれの取り組みとして、国はビジョンの提示をする。また、ぶれない息の長い取り組みをしていく。国際交渉でのリーダーシップを発揮していくと。地域については、環境モデル都市を進めていく。また、農漁村や森林が吸収源として重要な役割をしているということも書いております。企業、家庭、個人については、ライフスタイルの変革を書いております。
 国民の意識改革と政治の責任でございますけれども、知識の普及という点ではかなり進んできているわけですが、知識を行動に結びつけ意識改革を促す啓発・教育、国民運動が必要である。また、政治が方向を示すことで国民、企業が安心して行動を起こせることになるということでございます。
 最後の国民への呼びかけでございますが、これは本体のほうの12ページをごらんいただければと思いますけれども、12ページの特に真ん中あたりでございますが、2つ目のパラでございますが、国際社会の努力で炭素の排出もようやく地球の吸引力の範囲内に収まり、温暖化の脅威は事実上消散している。未来世代へ安心して地球を引き渡すことができる安堵感で満ちている。こういったものが低炭素社会の理想像であると、こうしているわけでありますが、人々の生活を見ると、地産地消が広がり、将来の食糧への不安も和らいでいる。再生可能エネルギーが飛躍的に利用され、エネルギーの安全保障に関する心配も遠のいている。リサイクルが徹底的に実施され、住居も最高の省エネが実現され、生活空間も快適そのものである。どこでも電車・バス・LRTなどの公共交通や化石燃料に頼らない自動車が走り、多くの人々が自転車を安全に利用している。長い間苦労してきた日本の農村や漁村、山村にも活気がよみがえり、人々に笑顔が戻っている。地方と都会との間にもお金や人の交流が盛んだ。日本列島が本当に一体となったようである。そして、世界にもかつてない連帯感が広がっている。文字どおり宇宙船地球号の乗組員になったのである。これが低炭素社会の理想像であると、こういうふうに言っておられるところでございます。
 資料3が、経済財政改革の基本方針。いわゆる骨太の原案でございます。それの環境関係、特に低炭素社会関係を抜粋したものでございます。15ページと書いてあるところでございますが、第3章、低炭素社会の構築でございます。ここで、低炭素社会構築のための行動計画をつくっていくんだと書いてございまして、改革のポイントの1ポツでございますが、低炭素社会に向け、我が国の行動計画を平成20年7月中に策定するということでございます。これは先ほどの総理のビジョンを受けまして計画をつくっていくということで、現在、内閣官房を中心に作業が進められているというところでございます。それから、目標達成計画の確実な達成のため取り組みを加速する。ポスト京都議定書の枠組み構築に向けイニシアティブを発揮するといったようなことが掲げられているところでございます。
 それから、(2)のところの2つ目のポツでございますけれども、先ほど来出ておりましたが、国内排出量取引制度については、平成20年秋、多くの業種・企業の参加を得て国内統合市場の試行的実施を開始するというふうにされているところでございます。
 それから、その次でございますけれども、16ページでございますが、ポスト京都議定書の枠組みづくりにおけるイニシアティブの発揮でございます。先ほどご紹介した総理のビジョンあるいは懇談会の提言等々より具体的に書いておりますけれども、2つ目のポツの最後のところでは、平成21年のしかるべき時期には我が国の国別総量目標を発表するといったことも書いてあるところでございます。
 また、2ポツ、持続可能なライフスタイルのところでございますけれども、これも環境モデル都市の選定を7月に行うと。200年住宅の普及のためのさまざまな措置を講じる、霞が関低炭素社会構想を実現する等々その総理のビジョンあるいは懇談会の提言を具体化しております。 最後のところでは、7月7日をクールアース・デーとして低炭素社会に向けた国民運動として取り組む。その前でもサマータイム制度の導入を目指すといったようなことでございますので、同じラインで記述がなされているというところでございます。
 以上が、資料1、2、3の概要のご説明でございます。それで、委員の皆様方のところには、それに加えまして、先ほど申し上げましたように、各政党のこれまでに出された提言でございますとか法案でございますとか、ああいったものの概要をご参考までに配付させていただいております。一番上は自民党でございますけれども、これは地球温暖化対策推進本部というのを設けられて、何十回かにわたりご議論され、報告書自体は厚いものでございますが、これは概要版ということでございます。2008年ピークアウト宣言、それから低炭素社会形成推進基本法を設定すべきである。2050年に60から80%の長期目標、それからサマータイムを平成22年から実施すべく議員立法等々の記述がございます。そのほか住宅、業務用ビルの省エネ化、カーボンフリー自動車、カーボンフリー電力、原子力発電、森林対策等々について記述がございます。2ページの一番下をごらんいただきますと、排出量取引については2010年から国内取引について準備的運用を開始するといったような記述も見られます。
 また、公明党のものもその後につけておりますが、2050年80%削減を視野に入れた長期目標を掲げること。中期目標としては、2020年に25%削減するとの中期目標を設定と。それから、その考え方については、サミットに先立って表明をすること。それから、地球温暖化防止基本法というものを制定したらどうかということでございます。
 民主党でございますが、2020年までに25%削減、2050年より早い時期に60%超の削減と、これは90年比ということでございます。2020年までに一次エネルギー供給量の10%を新エネルギーとしようということも書いてございます。また、国内排出量取引制度については、2010年度の創設といったような記述があるところでございます。その次のその裏のところには、より詳しく掲げられているところでございます。
 最後に社民党でございますけれども、2020年30%減、2050年80%減ということで、自然エネルギーの導入促進、それから排出量取引の制度的導入、これは2010年目途にと書いてございますが、環境税の導入その他といったようなこと、これらは私どもがこれまでに入手した各政党のさまざまな提案の概要でございます。ご参考までにご紹介をさせていただきました。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 これに関しましては、特にご質問をいただいても答えるべき方々がいらっしゃいませんので、特に何かございましたらお受けいたしますが、よろしいでしょうか。
 それでは続きまして、こういうような状況の中で、この地球環境部会として今後どういう審議の進め方を行っていくか、そういうようなことをご議論いただければと思っております。大変いろいろな場でいろんな方々がいろいろなことをおっしゃっている。しかしながら、全体としての流れは、一部のグループを除いては、多分ある意味では足並みがそろいつつあるのではないかという感じもいたしますが、そういう中で、この中央環境審議会の地球環境部会としては、どういうようなことを議論していくことが我々に課せられた義務であるのか、と同時に、やはりきっちりその効果を上げていくということも必要だろうと思うわけでございます。
 議題2に関しましては、お手元の資料4、低炭素社会の構築に向けた地球環境部会の審議について(案)というのがございますので、これをごらんいただければと思いますが、先ほど事務局からご説明いただきましたが、低炭素社会づくりについて、福田総理のスピーチあるいは官邸、総理のもとにつくられました懇談会の提言等がございました。私たちの地球環境部会では、低炭素社会ビジョンといいますか、低炭素社会づくりについての参考資料としてお配りしているものがございますが、3月に既に論点整理を行ったところです。この論点整理の中では、2050年の社会における一断面についてのイメージを検討して、その内容の描写を試みておりますが、その2050年に至る途中の過程であります2020年あるいは2030年などの中間点、ここにおけるイメージについては、今後の検討課題として残っているところであります。多面的な広がりを持つ低炭素社会の構築という課題への取り組みに当たっては、やはり中期、長期の両面において想定される政策手段、あるいは企業に求められる取り組み、それから国民のライフスタイルの変化等々をより具体的に提示することが必要となりますし、また、あらゆる政策分野、社会経済活動、国民生活において、低炭素社会の形成に配慮を進める方策を検討する、これも必要となります。さらに、低炭素社会への取り組みがほかのさまざまな政策との間で相乗効果を発揮する、そういう形をとりながら実現される豊かな社会像として共有されなければいけない、こういうことであろうと思います。低炭素社会に至る道筋に関しましては、いろいろな経路が考えられますが、当審議会におきましては、低炭素社会に至る道筋について、具体的なイメージの共有を図るべく、さらにご議論をいろいろいただきながら、そこに至る工程、手段、課題等を明らかにすることによりまして、低炭素社会の構築に向けた政策立案の指針を示す、こういうような方向で低炭素社会の実現に向けた国民各界各層の行動を促すことができればと、こういうふうに考えているわけでございます。
 なお、これまでの地球環境部会の審議におきましても、政府からの諮問事項にとどまらずに、審議会として主体的に意見具申を行う、これも検討すべきというご意見をいただいております。この点につきましても今後、具体的なテーマの提案があり、そして多数の委員の方々のご賛同が得られれば、具体的に議論を進めていくこととしたいと考えております。ぜひ委員の先生方から、具体的なテーマ及び今後の議論の進め方についてご提案をいただければと、そんなふうに思っております。
 この資料4となっておりますのが、部会長としての私からのご提案でございまして、今後の審議の進め方につきまして、これから約1時間ぐらい時間がございますが、委員の方々のご意見をいただければと思います。発言される方は、ネームプレートをまたお立ていただければありがたいと思います。
 よろしいでしょうか。大体、ほとんどの方が挙がりましたが、お1人3分以内でお願いできればありがたいと思います。
 では、佐和委員のほうから。

○佐和委員 資料4を拝見した限り、大変結構な内容だと思いますが、やはり2050年というと、多分ここにいらっしゃる方はほとんどが生きていらっしゃるかどうかよくわからないというぐらい先の話でして、どういうコミットメントなのかという、そういう2050年に60ないし80%削減するというコミットメントが、どのような意味を持つかということがよくわかりません。そういう意味で、この3つ目のパラグラフに書いてありますように、2020年、30年等の中間点のイメージについて今後の検討課題としたと、それはすべきだというふうに私も全くそのとおりだと思いますが、そういう意味では、10年刻みか5年刻みがいいのかはともかくとして、その2050年のその目標に至るまでの道筋というものをやっぱり明確にして、その道筋を明確にすることによって初めて、例えば2015年には何%削減ということで、いわゆる排出枠のようなものが数値的に定まってくると。そして、そのように枠を定めた上で初めて、排出権、排出量取引というのが具体化するということになると思いますので、そういう意味で実際、アメリカでは今、上院で、多分私は一時的だと思うのですが、棚上げになっております気候安全保障法のようなものを日本でもぜひ、要するに環境省が策定されて、2050年のまずターゲットを決めた上で、60ないし80という幅じゃなくてきっちり70なら70というふうに決めて、それまでに至るまでの道筋について10年刻みで数値を定めると、そういう法案を提案なさり、それを立法化するということがぜひとも必要ではないかというふうに考えます。
 以上です。

○鈴木部会長 では、横山委員。

○横山委員 例えば福田ビジョンとかを見ていて、方向性としてはいいところを向いているような気がしますけれども、一方でいろいろこれまでも出てきましたけれども、中期目標がかなり不明確というか、全体的な中で、あそこの中期目標のところで全然おかしな印象を与えていると。つまり20年までに2005年比で14%削減するという内容が、非常に後ろ向きになっているということだと私は思います。しかもその中で、経産省が3月に出したデータをそのまま使っているというようなところで、なんで私はああいうことになったのかということがちょっとわかりません。
 それから、いい方向を向いているということで、環境省なんかもかなり関与しているのかと思うと、どうもそうではないと。周りの人たちだけで、環境省も外務省も経産省も今度の福田ビジョンの作成にはかかわっていないというようなことで、何か全体を見ていると、もう環境省もあるいは中環審なんかも全然視野にはないと、首相の視野にはなくなっているのではないかというようなことが私は気になってしょうがないです。そこで、この中環審の部会では、やはり長期目標を達成するために、厳しい中期目標を組むのだというようなことで、どういう中期目標を設けるかということを重点的に議論して、例えばよく言われている25~40%でいいのかどうかですね。あるいはもうちょっと厳しくするのか、その辺を議論していっていきたいなというふうに思います。
 それから、福田首相も提案しているセクター別アプローチについて、本当にあれでいいのか、あれで削減目標がきちんと達成することができるのかというのは大きな問題になっているわけですけれども、それについてもほとんど議論が出てこなくて、産業界がこれでいくのだと言っているのをそのままセクター別アプローチというふうに言っているような気がしてしょうがありません。それで、セクター別アプローチで本当にいいのかどうかというようなことも、この中環審の部会で議論して、だめだったらやっぱりそれにかわるもっと目標達成に向かういい方法を見出すべきではないかというふうに思います。
 以上です。

○鈴木部会長 森嶌委員。

○森嶌委員 私は、以前から中環審は政府の審議会として、しかも環境の政策を審議するいわば唯一の審議会として、ポスト京都の政策について審議をすべきであるということを申し上げてきました。これは議事録をごらんいただければ明らかであります。現在、福田ビジョンが出ております。これは、今、横山委員のお話もありましたけれども、よかれあしかれ福田首相という一国のトップが出されたわけでありますから、政府の審議会としては、これをどのように批判といいますか、どういうふうに受けとめるかは別として、審議会としてはこれを前提として議論をし、さらにもっと進めることがあるのは進めて、できないことがあればこれだとできないということを審議すべきで、その意味では、私は福田ビジョンを枠として今後のポスト京都、あるいは長期的な議論をしていくべきだと思いますけれども、中環審の立場から考えますと、まずポスト京都、これは2010年にかなりの、最終的に決めなきゃならないかもしれない、もう少し延びるかも知れませんけれども、そうだとすれば2009年にかなりのことを決めなければならない。
 しかし、現時点ではG8がありますから、ここでばたばたしても仕方がないということもあります。その意味でも、少しロードマップをきちっと考えて、まず中期的な目標について、これは望ましい目標ではなくて、具体的にそれがセクトラルアプローチかどうかはともかくとして、具体的にどういうふうな削減可能な政策をもってすればどこまでできるかということを、いろんな識見を集めながら、まず2009年を目がけて、今年の秋ぐらいまでにある程度の議論をしていくということをまず考えて、最終的には2010年のコペンハーゲンまでには間に合うようなことを考えるべきであろうと。そして、その中期的なものは長期的な60%、80%の削減にどう結びついていくかということを見通して考えて、そのときにはNIESが出している70%削減可能という、例えばああいうものをたたき台にして、政策的な観点から考えて、望ましいことじゃなくて、現実にコストなどから考えて可能かどうかということを政策を議論する審議会として検討をすべきであるというふうに考えます。
 とりわけ、環境税については、この審議会がしなければならない、真摯に検討すべきであるにもかかわらず、私もその責任者の1人でありましたけれども、遺憾ながら真摯に検討してこなかったという責任がありますので、環境税をどうするか、それから排出権取引をどうするかと。しかも、福田ビジョンの中に既に実験的に今秋からやるということも言っているわけでありますから、それにこの審議会が全くお先にどうぞとか、私どもは関係がございませんというわけにはいきません。特に、今までも既に環境省としても幾つかのオプションを出しているわけでありますから、現実にこういうものをどう組み込んでいくかということを、現実の問題として実践的な政策を中環審として出していくべきだと。しかもこれはロードマップをつくって、抽象的なことではなくて、現実的に他のセクター、これは例えば産業界などに十分説得性のある議論を展開すべきであって、お互いにもはや非難をし合っている、あるいは格好のいいことを言っている時期ではないというふうに私は考えています。
 ありがとうございました。

○鈴木部会長 三橋委員。

○三橋委員 第1点は、横山委員と重複する部分がありますけれども、福田ビジョンについて、その中期目標に関連して14%削減の話が載っています。EUの場合には90年比で20%削減、それが2005年比だと14%の削減だと。日本でも14%程度の削減ならできるのではないかということを印象づけるような部分が載っているわけです。しかしEUの場合には、努力をした結果2005年の排出費は1990年比と比べて低くなっているから14%削減でいいということです。日本は2005年に90年比で7.8%もふえてしまったため、そこからの14%削減ということだと、90年比でいえばわずか4%の削減にすぎません。14%という数字の欺瞞性が明らかです。片や改善したために削減率が14%、片やふえてしまったために14%削減は、90年比4%減ということです。京都議定書の目標達成計画にもいかない数字です。それが2020年の排出削減量ということになる。
 私はこの福田ビジョンをつくるのに、環境省の幹部が関与していたらこんなような文章を書かせるのはおかしいのではないかと思い、いろいろ取材してみました。その結果、環境省の幹部の方は、全くこの福田ビジョンの作成には関与していなかったようです。勝手に、勝手にというかどこかの省がつくったのでしょうね。NGOとか外国の人が見れば、この14%の欺瞞性は明らかです。地球温暖化問題を中心的にやっている環境省がこのような重要なビジョンづくりにあたって全くつんぼ桟敷に置かれていることに、非常に違和感を覚えます。地球環境部会でのいろいろな議論の結果が、首相ビジョンにもっと反映されなくてはいけないと思います。福田ビジョンは官邸の仕事だから環境省は知らんというような、縦割り的な発想ではなく、積極的に関与していくべきではないでしょうか。
 それともう一つ私が感ずるのは、地球温暖化問題に関する懇談会のメンバーについてです。先日、ヨーロッパの環境専門家が来日した際、懇談会のメンバーはどういう人たちかという質問を受けました。そこで、環境の専門家として何人かすばらしい人がいるけれども、半分以上が余り環境のことを知らない人たちだと答えざるを得ませんでした。その専門家は、怪訝そうな顔をしていました。必ずしも専門家ではない人がつくった懇談会提言が、首相の名前で権威づけされ、一人歩きしてしまっていいものなのか非常に疑問に思っています。そうした疑問を無くすためにも、地球環境部会のほうからのいろいろな討議結果官邸に反映させる方法を、具体的に考えていかないといけないのではないかなというような感じがします。地球環境部会での議論が、総理の福田ビジョンとか、あるいは地球温暖化に関する懇談会提言などに余り反映されていない現状はきわめて不健全です。繰り返しになりますが、利害関係者や専門家ではないような人たちが多くを占める懇談会の提言が首相によって権威付けられ、一人歩きすることは果たして意味があるのでしょうか。地球環境部会でしっかり議論した結論を、官邸の議論にもっと反映させる努力が必要だと思います。
 それから今後の問題としては、先ほど佐和委員が指摘したように、せめて10年刻みぐらいの目標の設定、さらに緊急度の高い非常に危機的な場合なら5年ぐらい先の目標設定も必要かもわかりません。そういう時間の刻みが必要だろうと思います。
 最後に、環境安全保障の視点がこれからますます重要になってくると思います。その際、食糧の安全保障なども含めた環境安全保障という視点も、できたら地球環境部会の新しいテーマの一つに取り上げていったほうがいいのではないかと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 ちょっと、急いで退席されなくてはいけない委員がいらっしゃいますので、そこで浅岡委員のほうに。

○浅岡委員 すみません。中座しまして失礼します。
 1点は、福田ビジョンの中で、資料1の3ページですけれども、長期目標のところ、「CO2の濃度を一定レベルで安定させることが必要です」というにとどまっております。どのレベルで安定させるのかということが、先ほどからお話にあります中期の数値目標はどうなるのかという削減の経路に反映するわけでありまして、今回、福田ビジョンで出されました14%は90年比-4%であり、数字遊び論はともかくといたしまして、それでは不十分だと思います。そのことをあわせて今後、中期、長期の排出の経路、できればアメリカの法案のように、毎年の数値という形にしていくような考え方で、これからの2050年にわたる経路を国民に示すことが必要ではないかと思います。
 もう一点は、今朝の日経新聞にも排出量取引につきまして経産省がこういう提案をするというのが出ておりました。プレッジ・アンド・トレードとか呼んでいると聞きましたが、自主行動計画を形はトレードにするというようですが、それではとても国際水準にも合いませんし、必要な削減量も確保できません。それでは導入する意味もない。またこれで5年、10年と何も具体的な政策が進まない事態をつくってしまってはいけないと思います。このような中味でこの秋に試行するというのであれば、福田ビジョンのこの点は、私は気になります。今、何も準備のないまま「トレード」の形だけをとるとしますと、自主行動計画を延長してということになりがちであろうと思いますので、その点について、経産省、環境省では取引についての研究もしてきておりますので、今やはり、排出の上限枠を入れたキャップ・アンド・トレード型、それも日本におきましては、私は事業所単位で考えるということが望ましいと思いますけれども、そうした基本骨格についても早く意見を出していく必要があるのではないかと思います。
 セクトラルアプローチにつきましては、この言葉が使う人、場所でいろいろに使われますし、ここの今日お示しいただきました中でも、いろんな使い方、いろんな前提での使い方になっておりますので、セクトラルアプローチについても整理をするということをお願いしたいと思います。

○鈴木部会長 よろしいですか。
 それでは、また戻りまして新美委員お願いいたします。

○新美委員 どうもありがとうございます。
 私は、福田ビジョンの中身を見てちょっとがっかりした点があります。それは、総論と各論が結びついていないということです。総論においては、かなり抽象的、または、感覚的な目標が掲げられており、それぞれの意味が非常に多義的であります。したがって、これをもとに具体的な施策を講ずるというのであれば、総論部分で述べられているところをもう少しブレークダウンして具体的に述べるべきだと思います。何をもって新たな経済成長の機会と考えるのか、あるいは「もったいない」というキャッチ・フレーズは環境から見てどういうことなのかということを、もう少し詰めてから具体的な施策について検討をする必要があると思います。
 それから、その中で具体的な施策、4つの柱があるといわれていますけれども、この中で環境省としてどれに取り組むべきか、環境政策として何に取り組むべきかをきちんと取り上げていく必要があると思います。とりわけ、これまで中環審の中で積み重ねられてきた議論を最もよく生かすことのできるテーマを取り組むべき課題について、プライオリティを高くして取り組むのがいいのではないかと考えます。先ほど森嶌委員がおっしゃったように、環境税については蓄積があるということだと思いますし、排出量取引についてもそれなりの議論が重ねられていると思いますので、それらは早急に中環審で取り上げてしかるべきではないのかと、そういうふうに考えます。
 以上です。ありがとうございました。

○鈴木部会長 長辻委員。

○長辻委員 私もふだんからいろいろ考えてみているときに、例えばこの審議会の場、それから福田ビジョンに示されているこの低炭素社会づくりということについて、国民の了解がどれだけ得られているかという、これがまだまだ甚だ疑問だと私は感じるわけです。というのは、例えばその京都議定書の第一約束期間が始まりました4月の始まりの段階において国民の大多数が何を気にしていたかというと、ガソリンの値下げのほうですね。安いガソリンでどれだけ走るかということを、あちらのほうに国民の関心があの大事な時期に向いていたというのは非常に残念でありますし、そういう意味では、低炭素社会づくりの国ないしいろいろな方々の取り組みと国民の意識の間に、まだまだ大きな乖離があるのであろうと思います。その低炭素社会の社会像の共有ということが非常に大事であるということをおっしゃっておられますけれども、まだこれはなかなか容易ではないと私は思います。そのためには、その具体的なイメージづくりが必要であるという、これは当然そうであると思います。
 何がいいかなというふうに思いますと、ここに掲げられ、今までにこの資料の中にも出てきていますけれども、10ほどの環境モデル都市づくり、これは具体的なイメージをつくっていく、それを国民の間に広めていくということには非常に意味があると思うのですけれども、このことそのものも、きちっと考えないとなかなか難しいだろうと思います。なかなか難しいという理由は、都市にはもうそれぞれの生活、人々の生活というのが完全にでき上がっていますし、それを壊していかないといけないわけですよね。低炭素社会というのは、今までのカーボン社会とは全く別の抜本的にシステムを切りかえるわけですから、既存の生活があるところではなかなかこれはできないだろうと。これをやるためにも、環境モデル都市の選び方、10選ぶのがいいのかどうか、これを1つに、これだけのエネルギーを1つの都市に集約するのがいいのか、また全く新たな都市をつくるのがいいのか、その辺も含めてうまくやっていけば、これが国民の間に低炭素社会をつくっていく、その重要性とその手続、手順、それから2020年、30年のその中間段階における具体的な生活のイメージ、こういうものがわいてくるのではないかと思うので、この環境モデル都市というのをうまく進めていただきたいし、これをまた見守っていきたいというふうに思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 永里委員。

○永里委員 ありがとうございます。
 資料4のことについて、ちょっと敷衍したいのですが、下のほうの1ページの最後のほうにあります低炭素社会を国民が一丸となって実現するためには、低炭素社会への取り組みが国際競争力の確保、安全保障の確保、エネルギーや食糧の自給率の向上、雇用の確保、地域経済の活性化、安全・安心な社会づくり、こういうようなことを書いてあります。ややもすると大幅なCO2削減のためにこの観点が抜け落ちそうなので、ここがおざなりにならないような審議はしなきゃならないと思います。
 そして次のページに、国民各層の行動を促すということになっておりますけれども、これは本当に国民各層の覚悟がおおいに必要だという観点で審議しなきゃいけません。その中には経済的諸政策や規制も含まれているのだということも含めて、2050年に50%、世界全体のCO2を大幅に削減するためには社会システムそのものが変容していくのだと自覚し、その中で本当に国民各層の覚悟が必要ということを審議するべきだと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 それでは、高村委員。

○高村委員 ありがとうございます。
 私のほうから3つ申し上げたいと思います。1つは、福田ビジョンに対するいろんな評価はあるかと思いますが、しかし、今日ご提示いただきました各政治的立場を超えた政党の見解を見ましても、大きな社会の動きというものは共通をしているように思います。中・長期的に見たときの大幅削減、あるいはそれから非常に重要だと思いますのは、10年ないしは20年の世界的な排出量のピークアウトということは、いわゆる排出削減の速度ということを問題にしていることだというふうに理解をいたします。そういう意味では、今日ご提案をいただいている2020年、30年の具体的なイメージ、これは4月のまとめのときには今後の課題としたものだと理解をしておりますが、その中期的な削減水準を含めたその着地点とそれに至る道筋の具体的なイメージを、やはり早急に議論をしていくことが必要ではないかというふうに思います。これがまず1点です。
 第2点は、具体的なそれでは検討課題について何かということで、今日、資料4でご提示をいただきました、私のところで、先ほど新美先生もありましたが、やはり一定のプライオリティを考える必要があるだろうと思っております。その上で具体的に私、3点ご提案をしたいと思いますのは、1つは既に何人かの先生からも出ておりましたが、現在出されている首相等々からの提言も踏まえれば、排出枠取引、税制の問題というのは、当座のやはり検討課題としては議論が必要な事項ではないかというふうに思います。
 2つ目は、これは先ほどありました長辻委員からのご発言にもかかわるかと思いますが、長期の大幅な削減を考えたときに、その投資のサイクル等を考えますと、長期的に見たときに今手を打たなければいけない幾つかの事項というのが恐らくあるだろうというふうに思われます。例えば都市づくり、まちづくりの課題、それからエネルギーの分野、特にこれは福田ビジョンでもありますけれども、再生可能エネルギー政策といったような点については、プライオリティの高い事項として議論が必要ではないかというふうに思います。
 3つ目のその議論が必要と思います点は、これは森嶌先生のほうからもありましたけれども、地球全体としてのピークアウトを考えるときに、やはり世界全体としての排出削減をいかに日本が戦略を持って実現をするかという観点が不可欠ではないかというふうに思います。それは、当座の2013年以降の交渉という観点もそうですけれども、それに加えて、例えば開発援助のあり方といったことも含めた日本の対外外交的な考え方、戦略の持ち方にかかわるのではないかというふうに思います。
 3点目、これは議論の方法について、具体的な提案というよりも、ぜひ事務局も含めてご検討いただきたいと思いますのは、恐らく低炭素型社会に向けた議論、政策を考えていくときに、多くのものが従来のいわゆる専ら環境省の所管としてこなかった内容を多く含んでいるというふうに思っております。議論として環境省、この中央環境審議会のイニシアティブというものを発揮したいところであるわけですが、同時にその具体的な検討が効果的な施策に結びついていく議論の仕方ということについて、少し意見交換も含めた知恵を絞ることが必要かなというふうに思います。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 高橋委員。

○高橋委員 ありがとうございます。
 今ずっと意見を聞いていまして、佐和先生からずっとお一人お一人のご意見、私などは何かすべて、なるほどと思いながら聞いていたわけです。この議論のコンテクストといたしまして、私はこの1960年代以来の環境問題の波として、今、第3の波を迎えているようなふうに思っておりますが、この第3の波に関しましては、日本が非常に先進国の中では乗りおくれてきた、非常に残念なプロセスだったように思っております。それがここのところようやっと議論も国民の関心も、政治の関心もこの分野に向き始めたかなというふうに感じまして、これから正念場を迎えるのかなというふうに思っております。そのコンテクストでこの今回のテーマ、お話、お一人お一人の発言を伺って、鈴木先生のペーパーなどを考えますと、やはり焦点は長期の今世紀半ばあたりというのを前提として中期のあたりが弱い、それを何とかしなくちゃならないということなのかなというふうに思います。その観点から2点、私はご提案をさせていただきたいと思います。
 1つは、この分野は、この第3のサイクルに関しましては、自然科学の分野のリーダーシップ、これは非常にすばらしかったサイクルだというふうに私は認識しておりますが、それを今後、政策に固めていくプロセス、その議論をしていくプロセスでは意図的に社会科学、人文科学、こういうものを強化していく必要があるだろうと、この委員会の作業においても、その視点が非常に大事になるだろうという点が1点。
 それからもう一つは、中期、長期の視点を考えますと、国際社会それぞれの国内社会通じて、政府、企業、市民社会、そういうものがどんどん一方で一体化し、またもう一方でそれぞれの役割がさらに明確になっていくというような状況が出てくるだろうというふうに思いますし、それが国を越えて非常に密な連携がなされていくのだろうというふうに思いますが、そういう状況での問題を考えているとしますと、やはり我々がヒアリングで企業の話をいろいろ聞いたりも多少ちょっと別のコンテクストでいたしましたように、市民社会のいろんな意味での参加ということが非常に必要になるだろう。日本のNGO等々は、世界的に見ますと一種、最貧国状況で、ちょっと想像を絶する弱さだと思いますが、これを海外のNGO等々も含めて、いろいろと意見を聞きながら作業を進めていくという作業が必要なのであろうというふうに思います。
 その2点が中心ですが、それプラスもう一点、一点というか半点ぐらいということで加えるとしますと、やはり中長期の当事者である若者の声を聞く機会も必要なのではないかという感じもいたします。これはやりようによっては非常に時間の無駄だという状況にもなりかねないわけですが、いろいろな工夫をすれば、我々が彼らの声から学ぶこと、それから若者の声自身が何らかの形で反映すること、これも必要なのだろうというふうに思います。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 須藤委員。

○須藤委員 どうもありがとうございます。
 3点申し上げます。中期目標ですが、京都議定書をいろいろ評価ができるのは恐らく2013年とか14年でしょうから、やっぱり当面、2020年というのを中期目標としてぜひ挙げていただきたいということと、その後10年の30年もよろしいのですが、2020年というのが非常に大事だろうと思います。それは1点目。
 2点目は、私自身が地方公共団体の温暖化対策について、幾つかの県で手伝っているのですが、その中で幾つか気がついていることを2点ほど申し上げます。1点目は排出権の取引の問題ですが、東京都が始められているのはご存じのとおりですが、埼玉県もこの条例で排出権取引を開始しようということと、それから東京都と組もうということで準備を今進めておりますので、ぜひ環境省のほうでは各地方自治体の動きとか、それを47以上あるでしょうから大変でしょうけれどもいろいろお調べになって、比較的速やかに、首長ってえらいので比較的早く動くと思いますので、ぜひその辺のデータを集めていただきたいと、こういうふうに思います。
 それから3点目は、今の埼玉県の例、横山先生とか山本先生のお力をおかりしながら進めてはいるのですが、特にライフスタイルの変化という深夜化するライフスタイルの中で、コンビニ等の深夜営業の自粛というのをというのを取り上げたのですが、これは決して規制をしようと言ったわけではないですけれども、深夜営業を自粛しようと言ったら賛否相反して、ちょうど半々ぐらいで、私自身もしょっちゅう新聞記者に言われたり雑誌の記者に言われたり大変ですが、要するにある記者なんかは、私はコンビニがないと生きていけないと言うのですね。生きていけないといったって、昼間買ったって12時までだったらいいじゃないですかと。いや、でも仕事終わって出たら2時か3時なので、コンビニがないと飯が食えないのだと。そういうふうに、こういうことを一生懸命考えている若い、新聞記者ですから若かったのですが、そういう方なんかも結構おられるのですね。それなので、ライフスタイルの変化を促すとかいろいろ鈴木先生のペーパーにも書いていますが、この辺のところの意識の改革、啓発とかというのは、恐らくこれは環境省の大事な仕事だと思うので、先ほどおっしゃっておられた方もおられるのですが、やはりこの問題に対する切実感、必要性、それからさっきの低炭素社会というのはそんなもんだよねというのはわかっているのでしょうけれども、当面、何を我々がすべきかということについて、ほとんど欠如している方がかなり多いと、こう思うので、たかがコンビニが12時閉店になったら困るという方がかなりおられるということ自身は、我々は認識をして進めなければならないのかなと今、自覚をしているところですね。その辺のところについて環境省のほうの努力をお願いしたいと、こういうふうに思います。

○鈴木部会長 川上委員。

○川上委員 私も3点ほど申し上げたいと思います。
 第1点目の現状認識ですけれども、これはやはり今年、洞爺湖サミットがあるということが非常に大きなきっかけとなっているのだと思いますが、福田ビジョン等々、いろいろな大枠の議論のまとめが出てきたということで、私もようやく大きなところが動き始めたのかなと、日本として、という印象を持っております。ただ、この大きな動きが、大きなきっかけであるサミットが終わって、その後、具体的に進む段階でしぼんでしまうというようなことにならないように、我々として十分注意していく必要があるのではないか。しりすぼみにならないように、我々の議論でもそこのところを十分注意していく必要があるのではないかというのが第1点です。
 第2点はもう一つ、もうどなたかもおっしゃいましたけれども、この中環審自体の、これは部会長の紙の中にも書かれておりますけれども、私の言葉でいえばレゾンデートルといいますか、というものを我々として十分認識した上で議論をしていく必要があるという点でございます。今まで、例えば長期的な低炭素社会についての我々の意見をまとめたのですが、それがどのように政府の中で使われて結果として出てきているのかというようなことも、必ずしも明確ではありませんし、総理へのフィードバックというのが一体どういう形で行われて、どういうインパクトを与えたのかどうかというようなことについても必ずしも明確ではないと。これは、私が明確じゃないのかもしれませんけれども。それから、部会長のご提案の中にもちょっとありました部会として主体的な審議を行うと。私は大変結構だと思うんですが、それが、その結果が十分利用される、1つは政府部内において利用される。もう一つは国民との関係で十分なインパクトを与え得るということにならなければ意味がないので、その辺を十分踏まえながら主体的と称する審議をこれから行っていく必要があるのではないかと、それが第2点です。
 第3点目は、みんな関係するのですけれども、これからのこの場での審議でございますが、何人かの人が既に言われましたけれども、やはり来年のしかるべき時期において、日本として中期的な目標を発表するということを既に総理が言っておられるわけですから、我々として残る作業の一番大きな点は、やはりその辺に焦点を当てた議論ではなかろうかというふうに思います。例えば、先ほども須藤委員も言われましたが、2020年というようなことにターゲットを絞って日本として一体何ができるのかと、それに向けて国民的な盛り上げをどういうふうな形でつけていくのかというようなことを、我々として議論するのが一番大事なことではないだろうかというふうに思います。
 以上です。

○鈴木部会長 亀山委員。

○亀山委員 1点だけ。
 今までの先生方がご提案いただいたポイントを今後検討していくごとに、国内外の森林及び土地利用変換の排出、吸収も十分検討の対象としていただきたいというふうに考えております。IPCC等でもありましたとおり、地球全体の排出の約2割弱が森林の減少から生じているということは広く知れ渡っているところでありますし、それもスターン・レビューにもそのような観点から、森林の管理が一番コストエフェクティブな対策であるということも言われ、また、アメリカの国内排出権取引の議論の中では、農地の吸収もその排出権の対象としようといったような議論もございます。そういう国外の状況と比べますと、我が国、国内における温暖化対策の議論、あるいは今回の福田ビジョンは非常にそのエネルギー起源のCO2に非常に焦点を絞った議論のように感じられるわけです。もちろん、それが重要でないとは決して申しません。非常に重要でありますけれども、長期の炭素管理あるいは短中期的な次期枠組みの検討の数字の議論になったときにでも、森林をどういうふうに扱うかということは非常に重要な、桁が変わってきますので、忘れてはならないセクター、1つのセクターアプローチの中でのセクターではないかというふうに考えております。これはほかの省庁の所管じゃないかということを指摘されるのを、あえてこのように申し上げますのは、高村委員からももっと議論のやり方があるのではないかということを、一番最後の点、3点目でおっしゃっていただけたと思いますし、環境省内の所管の中でも、例えば里山、環境モデル都市あるいは木材関係の3Rといったようなキーワードで十分議論ができるかと思っております。国際的にも、例えば中国の黄砂対策としての植林ですとか、コベネフィットといったような観点から十分検討は可能だと思いますので、ぜひご議論の中に加えていただきたいと思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 鹿島委員。

○鹿島委員 ありがとうございます。
 私も、この議論に1年参加させていただきました。その関係からそこで私なりに感じたことを2点申し上げさせていただきたいと思います。
 1点目は、具体的なこのテーマということに関連してですが、2つの面があるのではないかと。それはどういうことかというと、1つは施策のレベル。政策としては、温暖化というのは先ほどあったように多くの方のコンセンサスが得られつつあるという段階で、具体的な多分それを実現するための施策というレベルに多分落ちていっているだろうというふうに思います。そういうふうに考えますと、その施策の中身を決めるということと、それからそれを実際に決定していくと、こういう2つのものというのは違うということを明確に意識していくことが必要ではないかと。もちろん意思思決定をしていくというプロセスについてのいろんなコメントというのは大切だと、私は働きかけというのは大切だと思いますけれども、私自身としては、審議会としては計画の中身を具体的に詰めていくと、こういうことが一つ大切ではないかと。
 例えば私のところで申し上げますと、私は交通屋でございますので交通関係に携わっている者ですので、皆さんよくご存じのエコドライブというのがございますけれども、これは大変立派な4省庁の連合体が出てきていますし、それからサポート部隊がいっぱいあります。しかし、いっぱいあるがゆえに何が起こっているかというと、皆さんそれぞれいろんな、例えば1つの例を申しますとワッペンをおつくりになっています。だから、日本じゅうそれぞれの公共団体あるいは団体がつくってらっしゃるワッペンがみんな違いますので、何のことを示しているものなのか、車につけていらっしゃってもわからないということが起こります。こういうことすらも、今のところはまだ統一ができていない。ただ、そろそろそういうことを議論するような時期に来ているのではないかと。ですから、具体化していくということが一つ必要じゃないかと思います。
 それから2点目は、今日の話も含めてなんですが、問題の定義ですとかそれから政策の方向ですとか、あるいはその基本的な目的等につきましては、これもだんだん明らかになってきているんじゃないかという気がいたします。しかし、ここはなかなか悩ましい、答えが出る問題ではないのかもしれませんが、問題の起こしている背景ということについての議論というのが少し欠けているような気がいたします。これは日本国内ということももちろんあるのですけれども、前回お話がありました東アジアの件につきまして申し上げますと、これも私の関係からいきますと、これも申し上げたことがあるかもしれませんが、現在日本では500万台を超す使用済みの自動車が出ています。トラックにつきまして、貨物車につきましては、新車の登録台数よりも圧倒的に多い台数が、倍ぐらいの台数が海外に流出しています。この流出していること自体はいろんな評価があるかもしれませんが、しかしアジアのレポートの中で、日本のような、日本の今まで歩んできた大量消費、あるいは石油に依存したそういう体系というのを少しは考えていくのだと、こう言いながら、実はアジアにそういうものを、非常に安い価格で、というか要するに輸送費だけの価格で出してしまっていますと、彼らが自分たちの選択権をかなり狭めていることになります。そういう意味で少し、なかなか議論は難しいかもしれませんが、背景の部分についての議論もここでしていただいて、ある程度のコンセンサスが得られるといいかなというふうに感じております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 及川委員。

○及川委員 低炭素社会実現のために、中期、長期的にいろんな対応をしなければならないということはわかるのですけれども、今日いただいた資料2の5番ですか、低炭素社会づくりに向けた基本的な考え方というところを拝見いたしますと、21世紀の日本のあり方を考える総合的かつ長期的な国家戦略が必要というふうに書いてあるわけですけれども、総合的というのはいろんなことがいっぱい出てきちゃって、何が重要で何がそれほどでもないのかというのがわからないわけですね。ですから、やるべきことはいろんなことの中の体系化をきちっと考えるということだと思うのですね。そしてそれをどうやればできるかということですけれども、それはやはり将来を見通したモデルをつくってそれなりの検討を行うということが、科学的な成果に基づいてそういう政策の重要度というのが決められるのではないかというふうに思うわけです。
 日本では既にアースシミュレーターといったような非常にすぐれたハードウエアをつくりまして、それを活用して現在、将来を見通した地球環境問題に関する研究が行われているわけですね。そういった研究というのは主に自然科学的な面が中心だったわけですけれども、これからは単に自然科学的な面だけではなくて、ここに上がってきているようないろいろな政策、どれが重要なのかということをモデルを使ってきちっと計量すると、そういうような動きということが重要ではないかなというふうに思うわけですね。ですから、環境省でも地球フロンティアあたりにこういった課題を検討してほしいというような要請を出していくというようなことで、こういう具体的な政策の体系化というのが図られるのではないかというのが私の意見でございます。

○鈴木部会長 飯田委員。

○飯田委員 できるだけ重複しないように手短に申し上げたいと思いますが、今ここで我々が置かれているこの状況というのは、新しいアジェンダセッティングをする場だというふうに認識しています。その際に、これまでを振り返ると、結果論かもしれませんがアジェンダセッティングにはっきり失敗しているわけです、環境省もしくは中環審としてはですね。1つは合同部会ですね、私は第1回目の合同部会で中期目標というかポスト京都を視野に入れて議論すべきだと私は申し上げましたが、それは退けられて結局明日からもう始まる、いわゆる目達計画だけに絞られ、しかもそれすら合意できなかったという無残な結果に終わったと。
 もう一つは福田ビジョンですが、福田ビジョンの中に経産省の需給見通しが3月に出ていたけれども、環境省は数字を一切出していないので引用してくる数字がこれしかなかったということですね。もちろんあれは中期目標として入ったわけではないのですけれども、それにおいてもやはり出おくれていると。やはりここアジェンダセッティングということをきちんと認識する必要があって、まず来年のコペンハーゲンをにらむとやはり中期目標だろうと。これはもう圧倒的に高いプライオリティだと思いますが、この2020年の中期目標は単にそのシナリオ、いわゆる計算モデルでシナリオを出すのではなくて、当然、必要な措置との表裏一体であって、必要な措置は先ほど亀山さんの森林という話ももちろんあるのでしょうが、国内的にいうとエネルギー転換と環境税とキャップ・アンド・トレード、この3つは絶対に外せないと。これが現実どこまで行けるのかということをきちんと裏づけながら、それと表裏一体で中期目標を中環審として責任を持った数字を出すということが、年内もしくはどんなに遅くても来年の春までにはやらないといけないことだろうというふうに私は考えております。
 その際に、先ほどレゾンデートルという言葉がありましたが、別の言い方でいうと、いわゆるレジティマシーということだと思います。幸いにして今の環境大臣は非常に熱心な環境大臣でいらっしゃるので、福田ビジョンの官邸の中のチームに入れなくても、やはり環境省、中環審としてのレジティマシーをきちんと踏まえて、その中身を出していくということだと思うんですね。ただ、経産省の長期エネルギー需給見通しについては、はっきりとバリ・ロードマップから外れたものを出しているので、いわば勝手に転んでいるわけですね。あるいは今週出た新エネビジョンというのも、来週ちょっとメモを出したいと思いますが、中身が非常にひどいというか、でたらめなものであって、例えば引用しているIEAのドイツのレビューなんかも、それだけを何か金科玉条に掲げていますが、あれ自身が非常にでたらめなレビューであって、それだけを取り上げて固定価格制であるとか、たかだか1.63%の数字を極めて高いという、どこの国のだれのことを言っているのかわけのわからないようなものを出しているので、これはエネルギー転換にはほとんど経産省のままでは踏み込めないということがはっきりしているので、そこはやはり中環審あるいは環境省として、きちんと温暖化対策のためのエネルギー転換のところに踏み込んで、特に新エネ強化についてはそこで踏み込んでいくということが必要だというふうに思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 青木委員。

○青木委員 私は炭素を減少させる道筋の議論については、もう皆さんいろいろおっしゃっていますのでそれ以上の意見を持ち合わせませんが、もう一つ、豊かな社会という視点があると思うんですね。これからの50年、100年というのは、温暖化が進行し人口が減少していく中で、低炭素化社会に持っていかなければならないと。かなりこの50年の間でも、いろいろ今言われておりますけれども、熱帯性の病気がはやってくるとか、あるいは自然環境も、例えばアルプスの上のほうはほとんど針葉樹がなくなってしまうとか、いろいろそういう、かなり自然環境もそれから人口環境も変わってくる中での議論になりますので、その中で豊かな社会というのはどういうものなのかという議論も忘れずにしていただきたいと思います。特に農村社会とか山村社会というのは、恐らく集落再編成とかそういったものが行われてまいりますので、いろいろな過去の文化の継承でございますとか、そういうエネルギーを節約していく中での本当の豊かさを感ずるというのはどういうことなのかという議論も忘れずにやっていただきたいというふうに思います。  以上です。

○鈴木部会長 大塚委員。

○大塚委員 2点申し上げたいと思いますが、1点は、政策手法との関係でございますけれども、私も多くの委員がおっしゃったように、福田ビジョンは真剣に対応しなければいけないということについてのムードづくりには大変よかったと思いますけれども、他方でちょっと具体性が少ないという問題があると思います。国内排出量取引について試行的に実施するということがこの秋からということですので、国内排出量取引という名前に値するものということを考えたときに、ベースライン・アンド・クレジットだけではちょっと無理だというふうには一般的に考えられるわけですけれども、そのような解釈をされる方も出てきているようなので、ぜひこの点についてもう少し詰める必要があるのではないかと思います。環境省では、今まで自主参加型の排出量取引を既にやっていますので、そういうものを参考にしながら検討を進めていくべきだと思っております。
 先ほど来、多くの委員がおっしゃったように、税との関係とか再生可能エネルギーについての見直しとか、やらなければいけないことはたくさんございますので、そのような点について、この審議会でも検討していっていただけるとよろしいと思います。
 それからもう一つ、目標についての問題でございますけれども、これも多くの委員がおっしゃったことと関係いたしますが、2050年に60から80%減らすということについては既に目標を立てておられるわけですから、現在からその2050年に向けてどういうトレンドラインをつくるかということをできるだけ早く決めるということが必要だと思います。トレンドラインは必ずしも直線ではなくて、どういうカーブを描くかということがありますので、そういうことについても審議をしなければいけないと思います。ただ、これについて、同時に中期目標に関しては外交交渉も絡みますので、ベストのタイミングで出すということが政府として恐らく必要になってくると思いますけれども、中環審としてはそれに向けた検討を進めてバックアップをしていくということが重要ではないかと思います。
 以上でございます。

○鈴木部会長 浅野委員。

○浅野委員 中央環境審議会の強みは何かというと、森嶌先生がおっしゃるように環境政策を扱う唯一の場だということです。もう一つは、これまでは少なくとも自然科学的な、技術的な知見の裏づけある議論ができることが強みであったと思います。加えて、何よりもさまざまな立場にある環境政策形成に関わるステークホルダーがほとんど一堂に会せる場所はここしかないということもこの審議会の強みがあったと考えます。ですから、そういう強みを生かし中環審の議論が生かされる道を探すということが今大きな課題であるということが、多くの今日ご出席の委員からのご指摘ではなかったかと思います。
 新美委員もおっしゃいましたけれども、これまで温暖化対策をめぐってどういう議論をこの地球環境部会がしてきたかという点をもう一度整理する必要があります。また私の知る限りでは結構、この部会にはこれまで、関連する専門委員会、小委員会などを設置してきましたがそれらを廃止をしたという決議をしておりませんので、設置されている専門委員会、小委員会があるわけです。そういうところで何を審議しどのような報告や提言をしてきたかを再検討する必要があります。すでに課題解決に有効な道具や素材を用意し、提案したりしてきているわけです。それらを一度、吟味してみる必要がある。つまり、言ってみれば棚卸し計算をして使えるものはもう一遍使うと、それからどうするのかということをしなくてはいけないだろうと思います。
 しかし、それらのエッセンスをある意味では整理をしてまとめたものが当部会の4月3日ペーパーではなかったかというふうに思うわけで、あることをやったら次に全く新しいところから始めるようなことをやっている限り切りがない。議論は積み上げていくほうが手間が省けるのではないか。ですから、部会が4月3日に出したペーパーと、森嶌先生がおっしゃったように、政府としての大きな方針が出ているわけですから、どこがうまく合ってどこが合わないとはっきり整理をしながら今後の審議のロードマップをしっかりつくる必要があるし、さらに審議会としても、「21世紀環境立国戦略」で既に提言し閣議決定をも経ているとおり、温暖化対策・低炭素社会形成のテーマは他の環境政策のテーマとの共通性があり、同時に実現される必要があるわけですから、他の部会とどう役割を分担しあるいは協調して論議を進めていくのかとも考えられるべきです。審議会としては例えば循環型社会や、あるいは生物との共生社会の議論をやっているわけですから、それらの議論もぜひここでの今後の論議のロードマップの中に入れなければならないのではないかと思います。
 具体的には、中期目標とそれを達成するためのプロセスを議論すべきであるということが多くの委員からのご意見でありました。これはそのとおりであると思います。それとあわせて森嶌委員、大塚委員、あるいは新美委員がおっしゃったように、それを実現するための政策手法を考えなければならないと思うわけで、環境税、排出量取引をめぐる課題というようなことがあげられました。政策実現手法にはこれ以外にもいろいろあるわけですけれども、この部会で一貫して言ってきたのはポリシーミックスということであったはずであり、ある一つの手法だけですべて問題が解決するということはないと言い続けてきたはずですが、このところ何となくそのような認識が薄れてしまってきていることが気になります。
 それから、その政策実現手法の体系化というときに、一体全体、現行法はどうなっているのかと、どこが足りないのか、どこをどうしたらいいのかというようなことをも、議論する必要があるのですが、そのような議論をする場所もここしかないわけです。それもきちんとやるべきだろうと思います。それから、地方公共団体が独自の立場でおやりになるのは一向に構いませんけれども、しかし国と地方がばらばら勝手なことをやって現場が混乱することを避けるための配慮をすることも、やはり国の審議会の役割でありますから、国と地方の整合性というようなことについても検討するということは、この政策手法の議論の中では不可欠であろうかと思います。
 その上で、現実的に議論するときの手がかりとして、私はこの、4月3日にまとめた報告の中に材料がいっぱい入っていると思いますけれども、これともう一つ、動かしようのない法定計画というのがあるわけです。つまり京都議定書目標達成計画です。目達計画は5年だけにらんでいるように見るけれども、この中にも実は中長期のことがちゃんと入っているわけです。これらがほとんど話題にもならない、関心も呼ばない、何も実施されないということは大いに問題でありますから、この法定計画の中で中長期の取り組みを要するものが何であるかきちんと洗い出して、それをどうやって実現するのかという議論もこの部会でやらない限り他ではできないだろうと思います。このことは環境基本計画の実施状況を点検している総政部会での議論との関連性も出てくると思いますし、これはプログラム化することができることだと思いますから、ぜひ取り上げるべきではないかと思います。
 そのほか、今日出された重要なご意見としては、ポスト京都における日本の対応のあり方、ライフスタイル改革についてどうすればいいのか、あるいは森林吸収源はどうしたらいいかといったようなことがありましたし、アジアとの具体的な連携のあり方の中で、温暖化対策を日本がどうするのかということとか、あるいは環境安全保障の問題、いろいろ出てきましたけれども、多分プライオリティが高いテーマはさっき言いました中期目標、政策手法であり、そしてその中期目標と当然かかわることとしてのポスト京都の問題を避けて通ることができないと思いますので、少し体系的な整理をすればポスト京都に関しても多分この部会での有効な議論ができるであろうと思います。かつて目達計画をつくるとか、あるいは大綱の見直しという議題のもとで我々は議論していましたけれども、結構そう言いながら先を見通した議論をも幅広くしてきたわけです。残念ながら産構審との、合同会議になった途端に、全く目先の問題だけということに絞られてしまったのは、我々中環審としては見込みが違っていたというふうに思いますから、そこはやはり何とかしなきゃいけないというのがこの4月3日の部会のペーパーを出したゆえんのものでありますので、これを手がかりにして、この中にほとんどの課題が出ているということを意識して具体化のための議論がプログラム化できるだろうと思います。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 大体予定の時間が参りましたが、今日いろいろと大変幅広く、また重要なご意見をいただいていると思います。浅野先生が的確にまとめていただいたので繰り返しませんが、何と言っても低炭素社会と、こう一言で申し上げていますが、やはり持続可能な地球あるいは持続可能な社会をどうつくっていくのか、これは単に環境だけの問題ではなくて、非常に幅広にいろいろな問題にかかわってくる。具体的には他省庁の所管のものにもかかわってくるわけでありまして、他省庁の管轄とすべて繰り合わせて、本来ですと官邸でその持続可能な社会というようなものをきちんとリードしていただければよろしいのでしょうが、残念ながらそういうところにまでまだ至っていないというのが現状でもあります。
 ここで中環審の地球環境部会が中心となって、これまでも低炭素社会という言葉を通じながら持続可能な将来像をある程度描いてきたわけですが、それは一体どういうふうにこの中央の施策に生かされてきたのかというようなところとか、いろいろな問題はあろうと思います。また、福田ビジョンの中身についても、いろんなご意見をお持ちだろうと思いますが、こういうようなところから、環境省としての先ほどの言葉をおかりしますと、レジティマシー、あるいはそのプレゼンスというようなものをどういうふうにきちんと示していくのかと。そういうものを念頭に置いた上で、具体的な提案がここから出ていかなくてはいけないだろうと思いますが、今日いただきましたご意見をもう一度さらに文書にしてまとめてお出しいただき、それをもとにして何を議論していくかを決めさせていただく、そういうようなステップで進めさせていただきたいと思っております。
 本当にここの範囲でというようなことになるとなかなか難しい、合同会議の経験からも頑迷固陋とは言いませんが、全く違う哲学を持っておられる方々と、なかなかどういう形で話を進めるかというようなところも悩ましいところではありますが、やはり低炭素社会、持続可能な社会というものを議論する中環審からどういう責任を果たすかというような視点で、その議論すべき課題を文書で簡潔にまとめていただくことが必要かと思います。7月2日までに事務局のほうにお願いしたいと思います。メールでまた先生方にリマインドしていただくという、そういうことでよろしいですね。

○森嶌委員 目達計画のときは、あれはちゃんと計画に基づいて、2007年の終わりにステップ・バイ・ステップでやっていますから、2008年から始まる第一約束期間に6%の削減ができるかどうかを2007年にチェックをして、できないようならば、そこで追加的な政策をとるかどうかという、その意味では極めてフォーカスされた議題での、それを合同でやったわけですから、あそこでポスト京都の議論をするとかそれ以外の議論をするということはそもそも審議会の対象でなかったわけですから、そこで今、幾つか委員の中にもありましたし、今の部会長のおまとめの中に、ややそういう意見というのがちょっとありましたけれども、この間の合同会議とこれから我々がやろうとするのとは全く目的も、それから部会のファンクションも違うわけですから、私は今後の審議のやり方は、これは部会長がちゃんと方針をお決めになってやれば、合同会議でうまくいかなかったからこっちは考え直さなければならないのではなくて、合同会議とこれからやるのとは違うという前提で、どうぞ部会長はきちっと設定をしていただきたいと思いますので。

○鈴木部会長 はい。あの合同部会に関しましては、確かに京都議定書の目達にかかわる部分だけを議論する、それはよく理解して、我々はよく理解しておりますが、ともするとカウンターパートのほうがなかなかその辺も。

○森嶌委員 ええ、ですから人はともかく、我々としてはそういう範囲内でやったので、私の言ったのはむしろその過去のことじゃなくて、今後我々がやるときに、あそこでどうだったからということではなくて、今後やるときは我々は中環審としてのファンクションを考えて、そして中央環境審議会の設置、審議会令を見ると、我々は他の省庁が所管をしていることも環境に関しては言えるわけですので、しかも地球環境に関することは審議できますので、あんまり遠慮することはないということを私は改めて申し上げます。

○鈴木部会長 はい、それはよく承知いたしております。ありがとうございました。
 それでは、ちょっと予定の時間をオーバーいたしてしまいましたが、本日の議論を踏まえまして、次回また地球環境部会、具体的な議論に入らせていただければと思います。
 事務局のほうから何か。

○德田温暖化対策課長 先ほど部会長のほうから7月2日、火曜日までに書面でご提出をというふうに言っていただきましたが、私どもカレンダーが間違っておったようでございます。7月2日は水曜日でございましたので、水曜日までにお願いをしたいと思います。
 それから、本日の会議録につきましては、各委員にご確認をいただいた後に公開をさせていただきたいと思います。次回の日程につきましてはいつものとおり、決定次第ご連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、ちょっと時間をオーバーして大変申しわけありませんでしたが、これをもちまして、本日の地球環境部会を終了させていただきます。
 どうもありがとうございました。

午前11時38分 閉会

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