中央環境審議会第53回地球環境部会・産業構造審議会環境部会第地球環境小委員会合同会合(第14回)議事概要

日時

平成19年4月17日(火)14:30~17:00

場所

三田共用会議所講堂

出席委員

茅地地球環境小委員長、青木委員、碧海委員、秋元委員、浅岡委員、浅野委員、飯田委員、石坂委員、猪野委員、植田委員、潮田委員、浦野委員、及川委員、大塚委員、鹿島委員、勝俣委員、木下委員、黒田委員、神津委員、河野委員、小林委員、佐和委員、塩田委員、鈴木(正)委員、須藤委員、住委員、関澤委員、高橋委員、高村委員、富永委員、名尾委員、永里委員、長辻委員、南學委員、新見委員、原沢委員、福川委員、桝井委員、森嶌委員、山口委員、吉田委員、米本委員、渡委員


1.

排出量及び取組の状況等に関する論点整理について

 茅小委員長の挨拶の後、経済産業省及び環境省より、配布資料の説明が行われた。

2.

合同会議委員の発言及び質疑

  • 石油産業は、2005年のサルファフリー達成等、温暖化対策に取り組んできた。
  • フォローアップ小委員会でも報告されたように、自主行動計画については、7年連続で目標を上回る実績を上げている。目標を引き上げるという点については、現在、可能かどうか検討中。前向きに検討したいと考えているので、もう少し時間がほしい。
  • 経済産業省から、バイオエタノールを2010年に36万kl、原油換算で21万kl導入することを要請されているが、これを100%実現する。ただ、消費者の安全・安心を確保し、製造物責任を全うする観点から、ETBEとして供給することとしており、今月末から首都圏中心の50カ所のサービスステーションで試験・実験販売する予定。
  • 運輸部門の対策としては、欧州で一般化しているがディーゼル車の導入促進が有効と考えており、石油業界としては軽油のサルファフリー化を実施済み。政府としてもディーゼルシフトに向けて具体的な検討を進めて欲しい。
  • エネルギー政策と温暖化は一体で取り組む必要がある。エネルギー安全保障や国際競争力維持の観点を無視するわけにはいかず、有効な温暖化対策のためにはエネルギーの高度化利用や効率の向上は当然として、原子力の安全利用の推進が何としても必要。いろいろ問題はあるが、その展開を強力に推進して欲しい。
  • 環境税や政府によるキャップの割当を前提にしたキャップアンドトレード制は官から民へという構造改革の流れに逆行するものであり論外であると思っている。安易な規制強化ではなく、民間の創意工夫を促す地道な努力がベースになると思う。
  • ポスト京都議定書の交渉について、主導権争いはEUがリードしているとの印象を受けている。日本が独自の枠組みを示さなければ受け身の立場となる可能性がある。日本政府として、セクター別のアプローチなどの枠組みを提案して、米や中国を取り込んでリーダーシップを発揮して議論を進めてほしい。
  • 今までの審議の結果、従来までの対策では目標達成は難しいということが分かった。これまで、第一次大綱から二度にわたって計画の修正があったが、すべて枠組みを変えない上での追加対策であった。例えば、吸収源、エネルギー起源CO、京都メカニズムなど、すべて所与としていた。ここで一度白紙に戻して、全部について見直すことが必要である。その際には最小コストで効果を上げるという考え方が重要。
  • エネルギー起源COについては縦と横の考え方がある。横は、みんなが小さいことでも一生懸命やるということ。縦は、ポテンシャルが大きい部門の対策を重点的に進めるということであり、この点に関しては特にこれまで対策が不十分であった業務部門の対策を進めるべきである。この面において、諸外国の取り組みは動き出しており、日本も遅れないようにする必要がある。
  • 日本の目標達成が難しいのは、そもそも日本の目標がヨーロッパと比べてきついからである。この点を日本全体が認識する必要がある。
  • 日本の対策はコスト無視である。また、ヨーロッパではトンあたり20ユーロ以下の対策で必要削減量の倍の削減が可能であり、政策の選択が可能である。日本はこれとは異なって、全ての対策を行い、更に想定通りの効果が出て初めて6%削減できるということになっている。この意味はコストがいくらかかってもこの全てを実施すると言うことであり、無理がある。
  • 第一約束期間の目標を達成できないという状況も考えておく必要がある。政府が公式に表明するかどうかは別にして、そのような可能性を内々考えておくことは必要。目標達成の努力は必要だが、京都の目標達成が全てではなく我々の対策が今後50年、100年、という長期でグローバルな削減にどう繋がるかという基本認識を持つべき。こうした視点の下、みんなで何をどうやっていくかを考えるべき。
  • 更に、エネルギー安定供給・エネルギー安全保障の問題を離れて温暖化の議論を行うことはできないことを十分認識すべき。
  • この会議は目標達成のためにどのような政策手段を行うべきかを議論する場であり、どこが何をやっていないとか、誰がどれだけ立派なことをやっているかを報告しあう場ではない。
  • 2008年が間近に迫っており、どの分野のCO削減が効果的に行えるか、どの分野の削減が難しいかを数量的に捉えることが出来ると思うので、至急検討して欲しい。同時に、政策手段によってどの程度のコストがかかるかを明確にすることも重要である。目標を達成するとの前提で、政策の手段、効果、コストを整理して我々に示してほしい。まずは京都議定書を達成することを前提として議論する必要がある。また、6%達成が困難であれば、どのような追加的な政策が必要なのか、その結果どの程度経済に影響を与えるのかを数量的に示してほしい。対策を提示してもらって我々も検討したいし、我々はそのために集まっている。
  • 自主行動計画についてのいくつかの論点を見てみると、未策定業種については「働きかけ」、定性目標については(定量的目標を)「促すべきである」、また「促進すべき」などの表現を用いているが、誰がどのようなことを行うのかの記述が欠けており、またどのようなインセンティブが働くのかも不明である。自主行動計画は日本が誇るべき対策との声があるが、2008年以降の世界の排出量測定に、日本独自のこの自主行動計画が値するものなのか、カウントされるものか疑問である。
  • 有力なインセンティブとして、欧州を含めて米国でも検討されている環境税の問題がとってつけたように資料の最後に記されているが、重要と考えているのか。今後更に考えていかなければいけない問題である。
  • 効果的な施策を判断する基準は何かという点について立ち返って議論する必要がある。市場メカニズムをどう活かすか、技術をいかに改革するか、企業の社会的責任を徹底することの3点が重要だと思っている。これらの観点から、今後施策を見直していく必要がある。
  • 都市全体の省CO化は重要であるが、これまであまり議論されてこなかった。交通量の問題、家庭の問題、廃棄物の処理の問題等、都市の問題は大きい問題であるので抜本的に考える必要があるように思う。現在、丸ビルなど都市の再開発で新たなビルやホテルが建設されているが、新しくできた都市の拠点がどの程度省エネを実現しているのか知らしめる必要があるように思う。省エネ建材やコージェネを導入して省エネの効果を上げている例もあるように思うので、そのような情報を提供して、いいものを競わせ、例えばビルにおけるトップランナー方式などを導入するなどして、都市開発を省エネや環境負荷と連動させる努力が必要であると思う。
  • 国民運動について言えばもっと消費者がその意識を持つ必要がある。例えば欧米に旅行すると、ホテルでシーツやタオルなどを環境のために変えたくない場合はそれを指示するようになっているが、日本のホテルではそのような取組は希である。日本のホテルでも徹底して良い。また、エコドライブなども、もっと情報提供し指針を示すべきである。更に24時間営業の自販機についても、果たして24時間営業する必要があるのか検討する必要がある。
  • 施策効果を定量化する際にデータが不足している分野がある。是非定量化を進めて欲しい。また、将来の見積もりについては、固い見積もりをするためにもやはりデータの整備が重要である。
  • 追加対策については、これまでは供給側の対策が中心となっていたが、今後は需要側の対策が重要になってくると思われる。論点整理案において、新エネルギーが上げられているが、この分野をもう少し強化した方が良いと思う。例えば、需要側において各家庭で導入されている太陽熱温水器のようなものがこのごろ減ってきているが、追加的に対策を講じることができないか。技術の進歩等もあると思うが、従来のポテンシャルのある対策も内容を見直した上で追加的対策に盛り込むことが重要である。また、CO2削減量について、供給側の対策との二重カウントがでないよう、十分気をつけてほしい。
  • これまで中央環境審議会においては、産業界にCO削減を迫ることを中心に審議してきた。環境税の導入の是非や産業界の自主行動計画のチェックに注力してきたが、他方、民生・運輸・業務部門、特に家庭部門についてはあまり討議してこなかったので、そのツケが今回ってきている。いかに家庭部門が重要かは、今日の資料に示されている基準年比の伸び率を見ても明らかである。家庭部門については継続的に国民的キャンペーンを打つなどの取り組みが必要がある。
  • 地球環境問題は非常に重要あるが、エネルギーセキュリティ問題も重要と考えている。安全・安心を前提とした原子力の利用は当然のことながら、バイオマスエネルギーの利活用についても国としてどのようにインセンティブを与えて加速化していくかを真剣に考えてもらいたい。
  • 家庭部門の対策強化は全面的に賛成。今回整理された論点に限って議論を行っていくのではなく、環境省がいろんなアイデアを出して徹底的に検討してほしい。産業界、経団連で家庭部門の取り組み、例えば社宅における環境家計簿の利用などに取り組むことは結構だが、それにとどまらず本流の対策を考えてほしい。
  • 資料(論点整理(案))の7ページ目、「交通流対策による排出削減効果の正確な定量的測定」については、前回の会合でのコメントを踏まえて盛り込まれたと思うが、前回の会合における国土交通省の答えがすれ違っていた。念のため再度申し上げると、それぞれの地域で交通流対策に取り組んだ結果COが何万トン減るのかというミクロの対策についてではなく、日本全国で交通流対策に取り組んだ場合に全体でどの程度の対策効果があるのかを把握してほしい。それは国土交通省と警察庁が持っているデータを突き合わせれば出来るはずである。
  • 資料の3ページ目の6行目、「総合的に見れば、・・・」、また10行目「各対策の見直し値が・・・」との文章は容易に理解できず、国民にとってわかりにくいのではないか。
  • 他の委員からも指摘があったように、対策は取っているが、目標としている削減効果が実際に出てこない、具体的に対策の効果がどのようになっていて、更に削減できるポテンシャルがどこにあるのか、そのために必要な施策は何かというところが不明である。一つは、原沢委員が言ったようにデータの問題がある。今回、参考資料1で関連データについて質問依頼が提出されているが、これらを踏まえて、既に述べた削減効果、更なる削減のポテンシャル、必要な施策の3点を今後の会議で具体的に検討できれば良いと考えている。前回の会合では、経済産業省から代替フロンについて具体的な数値、今後の削減のポテンシャルについて説明があって良かったと思っているが、このような具体的な削減効果や今後のポテンシャルについて今後具体的に議論していきたい。
  • それに伴って、対策の評価指標について、見直し又は追加が必要なところがあるのではないかと思っている。以前、省エネ機器の買い替えについて、導入台数ではなく機器全体に占める省エネ機器の割合で評価してはどうかとコメントした。同じように自動車の燃費についても、他方でバイオ燃料の普及等を見据えると、リッター当たりの走行距離ではなく、一定の距離を走った場合にどの程度COを排出するかとの指標の方が適切であり、バイオ燃料の普及にもインセンティブを与えるので、御検討いただきたい。
  • 今後の検討において、削減のポテンシャルの大きなところ、また一度作られてしまうと一定の期間ストックとなり切り替えが難しいものについては、重点項目として早期に対策を打つ必要がある。その意味では、建築物、特に新築については重点分野であると思う。また、代替フロン等3ガスもポテンシャルが大きく、重点分野の一つ。
  • 国民の省エネ意識向上は重要だと思う。他方で、実際に我々の行動が省エネになり、削減効果を生むためには一定の作り込みが必要ではないかと思う。つまり、我々の日常の活動の中で削減効果が出てこなければならない。このような観点からは、経団連の自主行動計画の対象となっている業務部門でどのような削減対策を取れるのか、あるいは、今回資料でも列挙されているが、まだ自主行動計画をもっていない業種について、学校も含めて計画策定が重要であると考える。
  • 更に、我々の生活する環境は提供される製品やインフラ、サービスに制約されている。例えば、住宅の省エネ化についても、その効果が国民に分からなければ国民が選択出来ず普及が進まない。また、公共交通機関への転換といっても、そもそも公共交通機関が整備されていなければ利用ができない。国民の省エネ意識の向上は一定の施策に裏付けられて初めて削減の効果が出てくるのであり、その施策も合わせて考える必要がある。
  • 国際約束を達成出来なかった場合のことを考えておく必要がある。
  • 既存のコストベネフィットで行動する企業、また既存の政治構造などでは、施策の推進に限界がある。国民運動との観点から全体を捉え直す必要があるように思う。その結果、政府の新しい施策のスペースが出て来るはず。国民運動をどうやって起こすかと言った場合、いろいろ欠けているものがあると思う。若い人に働きかけるとの観点から教育機関への働きかけが弱い、関心の極めて低い一部の省庁がある、マスコミへの働きかけが不足している、との問題がある。また、国民運動を担っていく主体は誰かと言えば、日本は高齢化社会であり、65歳以上の高齢者がこれらの運動の働きかけに重要であると思う。しかしながら、この観点は全く議論されていないのではないか。
  • 民生・運輸部門のCO削減には国民運動的な取り組みが必要とこれまで申し上げてきたが、産業界としても協力の気運は高まっている。ただ、業界によって取り組みがバラバラであったりするので、政府の率先垂範やガイドラインを策定するなど官民上げて強力な取り組みを推進していくことが必要である。
  • 環境家計簿については、産業界による民生・運輸部門への取り組みの一環として議論される場合が多いが、産業界だけが取り組むのでは意味がないのは言うまでもない。経団連が行うのではなく、国民全体が行うものであり、官公庁、地方公共団体、大学・研究所、NGO、市民サークル等による取り組みが必要であり、また環境教育を小中学校でも実施することも是非前向きに検討してほしい。サマータイムの導入、幼稚園から高校までの省エネ教育、様々な機器の規制的措置など、象徴的かつ重点的な取り組みも並行して進めることが必要。国民運動施策にきちんと取り組んで行くため、現行の目標達成計画に記載されている「国民に期待される行動内容」程度の内容ではなく、定量的な削減効果と主管官庁も明記して頂きたい。
  • 国別キャップが不公平である中、企業にキャップをかけることは不適当。鉄鋼の例を挙げると、欧州の鉄鋼企業は必ずしも日本企業より省エネが進んでいるは思えないが、EU-ETS制度の下、余った排出権を売却して大きな利益を得ている。他方、日本の鉄鋼業は自主行動計画の下、CDMを行って高いお金を払って海外から排出権を購入しており、不公平感がある。
  • 国民運動について話がでたが、例えば東京大学では大学を上げて排出量を削減するというエコ・キャンパスに取り組んでいる。公的部分で一定の目標を達成したらリターンがある制度があっても良いのではないか。また、カーボンオフセットのような、例えば飛行機で出張した場合、飛行機が排出したCO量に対応して、出張旅費用から一定額を取り、それを集めて他の対策に当てるなどのアイデアも考えられる。現行の枠組みの下でも、そのような対策により財源を確保できるのではないか。
  • これまでの合同ヒアリングは情報を共有するとの観点から大変成功だったと考えるが、今後もこのまま合同で審議を続けるのが良いかは疑問である。というのも、この合同会合を行う前に、ときどきは中央環境審議会独自に意見を戦わせて審議をし、その上で産構審と合同審議して意見を摺り合わせるということで話をしていたし、合同会合の最初の方でもそのような趣旨のことを申し上げた。2つの会合の主体性・方向性は若干異なるので、今後は、例えばそれぞれの会合で2回別途に審議を行って、一回は摺り合わせを行うといった進め方の方が良いのではないか。それに、これだけ人数が多いとまとまりもつかなくなるという問題もある。是非とも御配慮いただきたい。
  • 自主行動計画については、中央環境審議会でも多くの議論があり、目標達成を確実に担保するためには、現状の自主行動計画では不十分ではないかとの意見が中央環境審議会において、「環境自主行動計画フォローアップについて」ということで、平成18年5月12日に取りまとめられ、経団連にも提出されている。その場では合意を得ているものであるので、いま一度読んで頂き、自主行動計画の協定化あるいは法定化について議論頂きたい。
  • 将来の推計モデルを早急に行って、追加対策の必要性を定量的に示してほしい。
  • 会合の進め方については鈴木部会長及び事務局といずれ相談したいと思っている。しかし、現在の感触では、これだけ進んでいる会合の仕組みをこれから変更するのは非常に難しいと思っている。
  • 自主行動計画に対して批判は、(1)ヨーロッパではキャップアンドトレードなど法的にきっちり規制しているのに、自主行動計画では尻抜けになっているのではないかということ、(2)多くの企業が原単位を目標としており総量を規制しているものではないということの2点ではないかと思う。しかしながら、繰り返し申し上げれば、京都議定書はごく一部の先進国だけが義務を負っているものである。もしここに法的な拘束力をかけるとするならば、炭素リーケージがあるだけで何ら益はないと考えている。また、原単位目標に関する批判について言えば、COの排出量は製造の原単位掛ける消費量であるので、総量を目標とするためには、供給側に消費量についても責任を負わせることになる。これは若干無理があると思われる。例えば、誰もいない部屋で電気やテレビがついている状況で、電力の供給会社に責任を取れというのは無理ではないかと思う。
  • 今日は国民運動の必要性をうったえるコメントが多く出ているが、供給側の責任と消費側の責任を掛け合わせて目標を達成するとの立場に立つべきである。これまでの排出実績を見ると、産業界は基準年比でマイナスとなっている一方、他の分野は増えている。自主行動計画は効果的であるとのコンセンサスは出来てきており、更に深堀しようとの方向性には賛成する。しかしながら、目標達成計画全体の中では、自主行動計画以外は何もできていないといっても良い状況であり、今後はまずそれらの対策に手を付けていくべきである。その上で足りないことがあれば京都メカニズムを使えば良いと思う。
  • 90年を基準年とすることの不公平性は京都議定書が作られた時に徹底的に議論されているはず。ポスト京都の議論において、再度このような考え方を持ち出して混乱を招くのではなく、セクター別のエネルギー原単位、GDP当たり、一人当たりといった基準でまとめ上げていく必要があるのではないか。またその際には全員参加型とすることが重要である。環境税やキャップについても、全員にかかるということであれば、それに従わなければならない場合もあると思っている。
  • ポスト京都の枠組みでは、森林吸収の議論を是非して頂きたい。京都議定書の中ではこの扱いが小さい。
  • EUは2020年までにマイナス20%という目標を掲げているが、EUは京都会議の前にすでに2010年で1990年比で15%削減すべきという主張をしていた。それに対しアメリカは、97年の京都会議で1990年比0%削減を主張していた。
  • 官主導の発想に陥っているのではないか。市場を活用するためには、どうインセンティブをつけるかが重要だが、対策を進めるに当たってのインセンティブ及び費用対効果についてはほとんど書かれていない。日本が市場経済の国であるとの観点からは指摘しておきたい。
  • 5ページ目の「目標未達成業種の目標達成の蓋然性の向上」で「(京都メカニズムの活用を含む。)」との記載があるが、これは、例えばある産業界が2010年に自主行動計画の目標を達成出来なかった場合、CDMで獲得したクレジットを国に無償で提供するという意味なのか。
  • 6ページ目の「オーナー・テナント間のルールの整備」との表現が登場するが、具体的にどのようなルールを想定しているのか。実際にエネルギーを使うのはテナントである。オーナーの方は、建設するときに省エネ型のビルを建てることしか出来ない。更に、7ページ目の「低燃費車の普及に向けた技術開発・・・・」とあるが、どのような意味なのか。技術開発と普及は別問題であり、技術開発を促進するということは分かるが、普及についての技術開発というものはない。
  • 京都議定書の6%削減は日本として約束したもの。来年からは第一次約束期間がスタートするという状況にもかかわらず、各省や各業界の話を聞いてもそれに対する危機感が感じられない。危機感の中でこの問題を進めていく必要がある。論点整理の資料又は今日の議論を聞いていても、何か他人事のような印象を受ける。政府全体として絶対にこの目標を達成するとの決意を持って、例えば特別な予算を組むなどして取り組んでもらいたい。
  • 自主行動計画についても、果たして本当にきちんと取り組みが行われているのか、数値が正しいのか不明であり、もっと詳しい資料を提供してもらい、きちんと検討する必要がある。業種毎に考えれば、まだまだ深掘できる部分もあるのではないか、まだ対策を取っていない業種、例えばコンビニやスーパーのチェーン店などは統一的な対応が可能であるのではないか等、もっと深掘をしてほしい。
  • 目標達成計画の進捗の評価について、各対策の項目ごとに評価がなされているが、削減量が温室効果ガスの排出量のどの項目のどの部分に反映しているのか不明である。これから評価・検討していく中で、対策とそこから出てくる数値について明確な比較・検討を是非御願いしたい。
  • 環境税の問題はなかなか進まないが、一つの対策として、例えば低公害車や省エネ住宅への税の優遇等、グリーン税制導入を前倒して実施して頂くことを是非検討してほしい。
  • 今後議論を進める際には、温暖化対策に熱心な地方自治体、NGO、学識経験者、地球温暖化対策推進センター等からの意見を聴取してほしい。
  • 長い時間かけて議論してきたので、いまの方向性は共通した認識だと思う。
  • いまの日本経済の成長ペースでは、誰が考えても排出量は増える。これをどこでカバーするかの議論をする必要がある。モデルの計算を踏まえて検討してほしい。
  • やるべきことはすべきだが、目標達成は困難な場合も考えておく必要がある。その際に問題となるのはCDMの議論。これまでCDMについては、国が予算を組めば良いと言うことであまり議論してこなかった。CDMの購入には理屈に合わないこともある。NEDOを通じて購入したとの資料はあるが、今後国としてどの程度買うつもりか、また民間と国のCDM購入をどう整理するのか。そろそろ議論することが必要ではないか。
  • 家庭部門の対策について、どこが中心となって取り組むのか、環境省なのか内閣府なのか。あえて質問する趣旨は、国民的な運動として議論していく場合、どこかの省庁が核となって取り組まないと議論の展開が難しいと思うからである。やるやらないは別として、今後規制的な措置も考えられ得るのであって、その可能性もあるとすれば、なおさら核となる省庁が必要となる。
  • これから目標達成計画の評価・見直しに向けて定量化の作業を進めていく必要がある。今回のフォローアップは今までよりは厳密な検討が行われていると思うが未だ不十分と言わざるを得ない。各対策の目標が何であって達成がどこまで出来たかを後追いするだけではなく、目標達成のために実施した施策をきちんと評価することが重要。既存施策の評価をきちんと行っていないと、今後どのような施策をもって次の目標を達成できるかが曖昧となる。定量化作業に向けて非常に不十分でありきちんと施策の評価を行ってほしい。進捗状況点検の結果は、ただ上限と最下限を示しただけであるが、どのような理由で上限となったのか、また最下限となったのかを可能な限り評価してほしい。
  • 今回の目標達成計画の意味は過去の計画とは意味が違っている。外的要因、例えば世界経済の状況、環境・資源に対する各国の認識が大きく異なっている。国内の施策のみ着目するのではなく、世界的な視野も入れた計画を策定する必要がある。
  • 現在の計画の達成を確実にしていくことが重要。そのためには、エコドライブ等、確実なものについては、技術的のサポートを強めるとの方法がある。また、温暖化の観点からエネルギーを使うものについてはアセスしていくことも考えられるのではないか。
  • 第一約束期間が終了してもこの問題が終わるものではないので、その次に向けて、今から議論するなど早めの議論が必要。例えば、需要サイドの国民運動的な取り組みとして、経済的なインセンティブを与えるような、環境に対する価値観を持たせる対策が必要ではないか。供給サイドでは、今回の自主行動計画はかなりの達成度となるようだが、参加している企業の目標値が異なる(原単位の問題、カバー率)という問題もある。次に向けた議論として、例えば個別に行われている技術開発について、これをコーディネートするような施策を考え始めても良いのではないか。
  • 自主行動計画について、これまでフォローアップ作業を進めてきており、資料の4ページ目に方向性が示されているが、これから追加的に行う施策については危機感が乏しいとの印象を受ける。2008年からの約束期間が目前であるのに、約束期間まで後10年あるかのような議論がなされている。達成出来ない場合、CDMの活用という方策もあるが、仮に最近の排出量実績のように、基準年比5~8%増で推移し、吸収源が不足した場合も含め、6%までの不足分をすべてCDMで賄った場合、総額で税金がいくらになるか計算しておくべき。さらに、CDMが足りなくて購入できない場合もある。その場合は目標を達成できず、第二約束期間で日本としてリーダーシップを発揮できなくなる、次期期間において未達分の1.3倍の義務を追加的に負う、また排出量取引制度が出来なくなるなどの問題が発生する。そのようなことを全て考えた上で今後の施策を進めてほしい。このままだとどうなるのか、目標を達成するためには何をしないといけないのか、達成できないとどうなるか、そろそろ国として国民全体にシナリオを示してほしい。そうでないと、国民として何をすれば良いか分からない。日本として二酸化炭素の原単位が優れていることを武器に戦略的に対外交渉を行うのはよいが、こういったシナリオを数字を出して明らかにする必要がある。
  • 5ページ目の「2000平米未満の住宅・建築物についての規制対象化」について、量が多いので、住宅はやや厳しいと思うが、それ以外の建築物については大店法で1000平米以上は対象としていることも考えると、規制の対象とすることができるのではないか。
  • 算定・公表制度について、届け出情報の信頼性を確保するため情報公開を徹底してほしい。
  • 自主行動計画はいい面が沢山あるが、鉄鋼や電力は達成できない場合はCDMを購入して無償で国に提供しようとしており、そうであれば実質的には協定以外の何物でもなく、そうであれば協定としても同じではないか。
  • 温暖化防止の目標達成には、様々な意味での創意工夫が引き出されてくる必要がある。民間のアイデアがわき出て来なければ達成できない。そのような創意工夫が引き出される仕組み、インセンティブを議論する必要がある。
  • 排出削減を実行する主体がやる気を持って取り組むことが必要であるが、その主体は様々な単位がある。都市も一つの単位。どういう単位でどのような取り組みを行うかも合わせて検討する必要があるのではないか。
  • 国民的に見て望ましい施策が取られたのか。政府には説明責任がある。また、それを判断するための情報も不足している。
  • 日本の産業のエネルギー効率についてコメントしたい。省エネ技術は世界でもトップレベル。今後の効率の余地のある諸外国とは状況が違うと思う。これまでの産業界の取り組みは評価出来るのではないか。今回の意見を踏まえて、更に自主行動計画を努力し続けることによって我が国の目標達成につなげていけると思っている。
  • 世界的に見れば、グローバルなエネルギー効率基準を作り、世界共通のトップランナー方式の目標を掲げて省エネ技術協力を通じることで、相当程度のCO削減を達成できるのではないか。このような観点が、ポスト京都の議論の中で重要と考える。
  • 今回の論点整理案では構造的な問題があぶり出されていない。
  • 家庭・業務が問題という意見が多い。エネルギー消費量のみを見れば増えているが、各事業者別で石炭がどれほど増えたかについて、参考資料5のP61を見れば、電気事業者発電について1990年から2004年にかけて1億2千万トン増えている。このように石炭が野放図に増えている中、家庭・業務で減らせという構図は難しいと思う。本日、各国のエネルギー消費量を比較した資料が経済産業省から提出されているが、例えば、これを主体別の内訳でみれば業務・家庭の分が各国と比べて低いと分かるはず。石炭をどうするのか、というのが最も根本的な問題。
  • 自主行動計画については、出来なかった場合にどうするのか、コンティンジェンシープランを作ってほしい。参考資料5の57頁で削減量が掲げられている、後から白黒がはっきりした際、目標量と達成量に不整合があった場合どうするのか、ということをもっとも議論していただく必要がある。
  • 原子力の稼働率について、科学的・合理的に考えるべき。これまで一度たりとも達成したことのない稼働率が見込まれているが、設備も老朽化する中、実際には達成が困難であると考える。全ての活動量の排出原単位に関わる話なので、達成可能な妥当な水準に見直すべきではないか。
  • 新エネルギー対策について、論点整理において、「再生可能エネルギーの活用の検討」が示されているが、これは目標値の上乗せを検討すると解釈して良いのか。また、この項目に限り「費用対効果と安定供給面も勘案した」と記されている趣旨は何か。安定供給について言えば、新エネルギーは純粋な国産エネルギーであるから、安定供給面でも貢献するという話であれば分かるが、系統安定の話であれば、少し違うのではないか。これだけ世界で新エネルギーのマーケットが拡大している中で、お家芸の新エネを、目標達成計画の見直しを契機に延ばしていくことを考えるべき。
  • 配布資料について、今日の朝刊の新聞記事で資料内容が報道されていたが、自分は席上で初めて資料を見た。資料は前もって検討させてほしい。
  • 国民運動は大切だとの声が特に産業界の方から多く聞かれた。事業者や行政主体も含めてすべての主体が排出削減に取り組むという意味であればその通りと思うが、家庭部門での排出を削減すべきとのコメントには意見を申したい。家庭からの排出量のシェアは10.1%とされているが、これは高炉による17の製鉄所を合わせた数値よりも少ない。また、家庭の排出量は基準年から37.4%増えていると言うが、業務は42.7%増えており、シェアも全体の13%で家庭より多い。業務部門の主体は事業者である。家庭で排出削減するためには、トップランナー機器への買い替え等もあるが、機器の大型化を抑制することも必要。さらに、電力会社の排出係数を減らす必要があり、これは電力会社で行ってもらう必要がある。仮に増えたとしても、GDP比での民生の家庭部門はヨーロッパの3分の1である。家庭の国民運動により問題が解決するとの認識は誤解であると指摘したい。業務に関しては、製造業者の業務部門や非製造業も含めて業務の取り組みを進めてほしい。
  • 論点整理案の3頁目の3行目以降は、自主行動計画以外の施策についての記述であるように読める。しかし、自主行動計画についてもデータが十分に開示されていないという問題があり、これらは両方に含むものと考える。また、自主行動計画については、指標そのものが不適切なものがある。
  • 論点整理案の5頁、中小企業についての記載がない。環境家計簿を促すよりも中小企業対策に取り組んだ方が効果は大きいのではないか。
  • 石炭火力発電所の取扱いについて、今回戦略アセスの対象外とすることとされたが、長期的な戦略が必要である。
  • 8頁目の分野横断的事項として、業界別目標の協定化を加えることが重要である。
  • 追加対策は最も効率の高いもから実施していくべき。そのような観点からは、原子力の利用効率を高めるのが重要であると考える。操業停止がなかったとすると、全産業のCO排出量の1%以上を削減できる。これほどの効果を出せる単一の政策は他にはない。米国や韓国は90%を超える稼働率であり、老朽化の問題が指摘されるが、老朽化対策をやらずに原子炉を止めようと議論しているドイツでさえ88%を実現している。日本の安全技術は遅れているかと言えばそうではなく、世界でも最高レベルである。透明性やガバナンスが欠けたために信頼が失われた。まずは信頼性の立て直しが急務である。安全・安定な運転をするため官民協力して取り組んでいく必要がある。国と地方の関係、安全審査基準、定期検査の在り方といった問題をつぶしていけば稼働率達成は充分可能である。高いお金を出して排出権を買うよりは、既にあるインフラを利用した方が効果的であると思う。
  • 30年前にオイルショックを経験し、それ以降、自分でも出来る限りの省エネに取り組んできた。国民がCO削減との観点から協力するのは困難。なぜなら通常の生活でCO削減量を簡単にカウントすることはしないからである。したがって、電気やガスを出来るだけ使用しないなど、省エネに取り組むとの観点からしか取り組めない。国民運動を進める場合はその点を理解して進める必要がある。
  • 6ページで「環境家計簿の活用等を通じたエネルギー利用の「見える化」」との記述があるが、これは評価する。環境家計簿については、家計簿すらつけていないこの時代に本当に環境家計簿をつけるのか、という疑問があるが、「見える化」は重要。家庭内で使用される家電製品のワット数を調べようとしても、とても見にくい場所に記載されている。いま使用している製品がどの程度エネルギーを消費しているか容易に見えるようにしてほしい。
  • 高齢者の役割について指摘があったが、高齢者のいる家庭ではトイレの電気はつけたままにしている場合が多い。その理由は、トイレに明かりがついているか否かを外から確認できないため。住宅のドアには必ず小窓をつけるなどが「見える化」の具体的な例である。
  • 家庭への国民運動は、核となる組織を決めて進めるべき、という提案には自分も賛成。

○小川環境省地球温暖化対策課長

  • 施策に関するデータを精査し、将来推計を早急に行うべきとのご指摘については、ご指導に従って進めて参りたい。家庭の対策強化について環境省がしっかりアイデアを出すべきとのご指摘についても取り組んで行きたい。
  • 3ページ目の3行目の「総合的に見れば、・・・」の文章の意味については、個々の施策は60程度あるが、それぞれの施策は進んでいるものもあれば取り組みが十分でないものもある中、全体としてまとめてみれば、まだ進んでいるとは言えない状況であるという趣旨を表現したものである。また、同じページの下から2行目の「目標値を下回る程度の大きさ等に十分な注意を払って」との表現については、これは仮に目標値に達しないのであれば具体的にどの程度達しないかという量的な観点を言い表すために表現したものである。
  • 環境家計簿については、各方面で取り組まれているが、電気料金などを入力することによりCOを測るソフトもあり、このようなものを活用するなどしてから取り組んで参りたい。
  • 7頁目の(ロ)の「オーナーとテナント間のルール」ついては、例えばテナントが支払う共益費が頭割りになっている状況を改め、エネルギー利用量に応じた形にできないかという提案があったこと等を踏まえ記述している。
  • 7ページ目の「低燃費車の普及に向けた技術開発や税制等・・・・」については、燃費基準を達成するための技術開発、もう一つは採用された技術を普及させるための税制等の活用という趣旨で記述している。
  • 危機感が政府内部で不足しているのではないかとのご指摘について、総理以下、意識を持って取り組んでいるところ、今後とも政府全体で取り組んでいきたい。
  • 国民運動に対してどの省庁が中心となるのかとの質問については、環境省が中心的な役割を果たしたいと考えているが、政府全体として取り組むことが重要があると考えている。
  • なお、本日の資料は全ての委員に対して今日初めて提示されており、新聞情報については当方が新聞社に提供したという事実はない。

○谷津環境省大臣官房審議官

  • 業務・家庭の取り組みが重要とのご指摘があったが、この点について環境省としても目標達成計画に盛り込まれた対策を早急に見直しまして徹底的に見直したいと思っている。この点については若林環境大臣からも強く指示を受けており、今後の審議において事務局から報告したい。

○伊藤経済産業省大臣官房審議官(地球環境問題担当)

  • 今後の目標達成計画において京都メカニズムをどのように位置づけていくかは非常に重要な論点であると認識している。補完性ということで、まずは国内の施策を十分に評価した上で、その後CDMをどうしていくかを御議論頂いているが、今後は、他の施策と比べたコストの問題、日本の資金が海外に流出することの評価、そもそも補完性という言葉の意味について、御議論頂きたいと思っている。
  • 参考資料4で、平成18年度に経済産業省と環境省がNEDOに委託して行った買い取り事業の説明をさせて頂いている。更に、19年度は18年度の約4倍の債務負担行為が確保されているところ。1.6%分については、このような債務負担行為を活用して着実に購入を進めて行きたいと考えているが、今後の価格動向は不明確であり、この時点で具体的な数値を述べるのは困難である。

○藤原経済産業省環境経済室長

  • 温暖化対策とエネルギー安全保障との関係は度々ご指摘頂いているが、両者は表裏一体と考えている。これまで自主行動計画のフォローアップを総合エネ調と合同で審議しているが、更に今後排出量の数値の議論になっていく際には総合エネ調の需給部会とも連携して議論していく必要があると考えている。
  • 複数の委員から、ポテンシャルの高い需要分野について、定量的なデータを利用して費用対効果を考えるべきとのご指摘があったが、まさに今後の審議の円滑化のために今回論点整理をまとめさせて頂いたところであり、これをベースにして今後御議論頂きたい。
  • 自主行動計画については多くの委員からご意見を頂いたが、本年は、初めて本格的に目標の引き上げ・深堀をし、排出総量も評価するなど抜本的な見直しを行ったところである。また今後の拡充の方向性も示しており、頂いたご意見・ご批判を踏まえ、環境省と一緒に進めていきたい。新しい仕組みを追求することも大切だと思うが、既存の仕組みの中で、またその延長を徹底して行っていくことも重要と思っている。
  • 国民運動についても多くご指摘頂いたが、環境省と共にフォローしていきたい。
  • 自主行動計画の中での京都メカニズム活用の評価の仕方については、経団連でもルール化を検討して頂いた。その結果、経団連代表委員からも昨秋この審議会の場で表明があったが、自主行動計画上評価する場合には、クレジットを国のアカウントに無償で移転することが経団連ベースでルール化されている。

○江崎資エ庁エネルギー政策企画室長

  • 今後、エネルギー需給の定量的分析を進めていくに当たっては、参考資料1で求められている対策効果の最大値、最小値及びその理由についての情報が不可欠。迅速な分析のためにも各省からのデータの提出を期待。

○井内資エ庁省新部政策課長

  • (参考資料2について説明が行われた。)

○安藤資エ庁新エネルギー対策課長

  • 「費用対効果」の記載について御質問があったが、新エネはコストが高いことが悩みであるが、太陽電池、燃料電池水素、次世代バッテリーといったものを将来の技術動向を見据えてバランスを取って進めていくことが重要であることを表現したもの。
  • また、「安定供給」ということでは、輸入バイオマスを念頭においている。このようなものについては、安定供給やセキュリティ確保が重要となってくる。

○後藤資エ庁電力基盤整備課長

  • 石炭の話題が出たが、90年以降電力需要は増加しており、これに伴い、原子力、天然ガスについても、発電電力は増加している。必ずしも石炭に偏っているわけではなく、我々としてはエネルギーベストミックスを行った結果だと考えている。原子力の設備利用率88%が高すぎるのではないかとのご指摘があったが、これまでの我が国の最高は84%であり、諸外国ではアメリカ・フィンランドでは90%を超えている。諸外国の事情をよく勉強しながら、88%の目標を達成できるようまずは、保安院と一緒に取り組みを注視したい。

○浅野部会長代理

  • 数字についてダブルカウントにならないようにすることは大切。
  • 国民運動が大切ということでは大方意見が一致したと思うが、これを定量化してある枠に入れて、という話になると、前と同じようにダブルカウントの危険性が発生する。6%達成に向けた数字を示す際は根拠のある数字を扱うことが大切で、その数字を積み上げていく必要がある。最終的にはインベントリにつながることが必要であって、国民運動で見込まれる効果を定量的に示すとしても、6%の積み上げの数字とは別に示すなどの工夫が必要。
  • 今後の会合の進め方について意見が出たが、中央環境審議会としては、委員に約束があるので、中央環境審議会として必要に応じて独自の審議を行う機会は設けるべきと考えている。鈴木部会長と茅委員長にご相談し、検討していきたい。

○茅小委員長

  • 今回まとめた論点整理については、最終的には公開して広く一般からのコメントを求め、その上で今後の検討の参考としたい。委員の皆様から、内容について項目又は文章の修文につきいくつかコメントを頂いたが、あくまでも論点整理であり、よろしければ修文については浅野部会長代理と私に一任して頂きたい。
  • 今回の会合でも26名の委員にご発言頂いたが、今後対策を具体的に審議する場合、同じように議論していけるか心配なところである。どういう審議のやり方が適切か、事務局、鈴木部会長と相談して考えていきたい。

○藤原経済産業省環境経済室長

  • 論点整理については、小委員長及び部会長とも相談し、今後、広く一般にも意見募集したいと考えている。期間は3週間程度を考えている。
  • 議事概要は数日中に案を委員の皆様に送付させて頂く予定である。また、いつもの通り一週間で暫定版を経済産業省及び環境所のホームページに掲載する予定であり、ご了承頂きたい。
  • 次回以降の日程と審議内容については、小委員長と部会長とも相談した上で、追って連絡したい。