中央環境審議会地球環境部会(第48回)議事録

1.日時

平成19年2月20日(火) 午後2時03分~午後3時57分

2.場所

東海大学校友会館 33階 阿蘇の間

3.出席委員

(部会長) 鈴木 基之
(委員) 大塚  直 猪野 博行
(臨時委員) 青木 保之 飯田 哲也
石坂 匡身 植田 和弘
浦野 紘平 及川 武久
川上 隆朗 塩田 澄夫
住  明正 高橋 一生
高村 ゆかり 富永  健
中上 英俊 永里 善彦
長辻 象平 新美 育文
西岡 秀三 福川 伸次
桝井 成夫 桝井 成夫
森嶌 昭夫
 
清水  誠 二酸化炭素海底下地層貯留に関する専門委員会委員長

4.議事次第

  1. 開会
  2. 議題
    (1)地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋環境への影響防止の在り方について
    (2)その他
  3. 閉会

5.配付資料

中央環境審議会地球環境部会委員名簿
中央環境審議会議事運営規則(委員限り)
資料1 地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋環境への影響防止の在り方について - 中央環境審議会地球環境部会二酸化炭素海底下地層貯留に関する専門委員会報告書
参考資料1-1 地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋環境への影響防止の在り方について(諮問)
参考資料1-2 地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋環境への影響防止の在り方について(付議)
参考資料2 平成19年度京都議定書目標達成計画関係予算案について
参考資料3 平成19年度漂流・漂着ゴミ対策関連予算政府原案とりまとめ
参考資料4 第8回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM)の結果について
参考資料5 第1回日本・モンゴル環境政策対話の結果について
参考資料6 IPCC第4次評価報告書第1作業部会報告書(自然科学的根拠)について
参考資料7 GLOBE ワシントン議員会議について
(参考 京都議定書目標達成計画)

6.議事

午後 2時03分 開会

○徳田環境保全対策課長 それでは、定刻でございますので、ただいまから第48回中央環境審議会地球環境部会を開催いたします。
 委員総数40名、定足数21名でございます。まだ数名の方、来られておりませんが、会議の途中で参加されるというふうに伺っておりますので、開催させていただきたいと存じます。
 それでは、まず最初に、南川地球環境局長から御挨拶申し上げます。

○南川地球環境局長 皆様、お足元の悪い中、まことにありがとうございます。久しぶりの地球環境部会単独開催でございます。鈴木部会長に御就任いただいてからも、多分単独としては初めてになろうかと思います。私どもも鈴木部会長はじめ皆様の御指導を受けて、これまで以上にさまざまな地球環境問題に積極的に対応していきたいと考えております。
 今日は久しぶりの単独開催でございます。大きく分けまして2つ議題がございまして、1点は、地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用についてでございます。いわゆるCCSですけれども、これにつきましては京都議定書上国内あるいはCDMとしての対策として使えるかどうか、まだ未確定でございます。ただ、一部の国での実験も始まっておりますので、こういった条約の流れを受けて、我が国としても必要な対応をしたい。そういったことで清水委員長を中心に御検討いただいたものでございます。これにつきまして御議論いただきまして、できればとりまとめをお願いしたいと考えております。
 2点目は、この間、数カ月の間に起こりました主なことについて私どもから御報告をして御意見をいただきたいと考えております。予算、あるいは中国を含めた東アジアの動き、また先日行われましたアメリカでの地球温暖化をめぐる会議、そういったことについての御報告をさせていただきまして、御議論をいただきたいと考えております。
 なお、この後の中環審でございますけれども、産構審とともに進めております京都議定書目標達成計画につきましてはまだしばらく時間がかかると思います。とりあえずの中間的なまとめを夏にはしたいと思っておりますけれども、その後も当然ながら具体化について議論が必要になります。また、恐らく目標達成計画とは別にといいますか、その内容を受けてということになると思いますけれども、当然ながら何らかの制度改正が必要になってくると思っております。こういったことについてはこれからぜひ御議論をいただきたいと思っております。
 また、それ以外にも、2013年以降の温暖化対策の世界的なフレームワークの目標の在り方とか、東アジア地域の環境問題をめぐる動向、そういったことも含めて、できるだけ私どもいろいろなことを御報告する中でフリーな立場からの御意見をいただきたいと考えているところでございます。
 今日はどうぞよろしくお願いいたします。

○徳田環境保全対策課長 それでは、お手元の配付資料について御確認をお願いいたします。
 一番上に第48回中央環境審議会地球環境部会議事次第がございます。その次に中央環境審議会地球環境部会委員のリストがございます。続いて中央環境審議会の議事運営規則、これは委員限りとなっております。資料1「地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋環境への影響防止の在り方について」、参考資料1-1は諮問文になっております。その裏に参考資料1-2といたしまして中央環境審議会会長から地球環境部会への付議の紙がございます。参考資料2が「平成19年度京都議定書目標達成計画関係予算案について」、参考資料3が「平成19年度漂流・漂着ゴミ対策関連予算政府原案とりまとめ」、参考資料4が「第8回日中韓三カ国環境大臣会合の結果について」、参考資料5「第1回日本・モンゴル環境政策対話の結果について」、参考資料6「IPCC第4次評価報告書第1作業部会報告書」の概要、参考資料7「GLOBE ワシントン議員会議について」、そして、参考に「京都議定書目標達成計画」の冊子を委員の方にはお配りをしております。
 資料の不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。
 それでは、これ以降の会議の進行は鈴木部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長 部会長を仰せつかりました鈴木でございます。
 会議の進行に当たりまして、委員の先生方の御協力をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 先ほど御紹介がありましたように、本日は審議事項が1点ございます。議題(1)の「地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋環境への影響防止の在り方について」、これが終わりましてから、先ほど南川局長からございましたように、最近の動向についての御説明をお伺いする、そういう進め方にさせていただきます。
 では、まず第1の議題でございますが、「地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋環境への影響防止の在り方について」、これについては先ほど参考資料1-1及び1-2で御紹介がありましたが、昨年の9月に環境大臣から中環審へ諮問がなされまして、地球環境部会に付議されております。これまでに二酸化炭素海底下地層貯留に関する専門委員会が設置されまして、そこで検討が重ねられてきたわけでございます。委員長は、お隣にいらっしゃいます清水先生でございます。この結果をとりまとめたものが本日提出されております報告書になっております。この報告につきまして、まず本専門委員会の委員長であられました清水先生から御説明をいただいた後、事務局から追加的な説明をお願いしたいと思います。
 では、清水先生、よろしくお願いします。

○清水委員 専門委員会の委員長を仰せつかりました清水でございます。よろしくお願いいたします。座って御報告いたします。
 既に御案内かと思いますけれども、本専門委員会は昨年の9月に発足いたしました。これは、局長のお話にもありましたけれども、ロンドン条約の96年議定書で海洋投棄を検討することができる物のリストに、回収した二酸化炭素が加えられる可能性があるということで、これについて検討するためでございます。参考資料として諮問文がついておりますけれども、内容は2つありまして、1つは、これが温暖化対策の有効なオプションになり得るかどうかということ、もう1つは、実施した場合の環境影響の検討でございます。これを受けて部会から専門委員会で検討するようにという指示があったわけでございます。
 委員は、今日も御出席の大塚先生、高村先生を含めまして、今日は御欠席ですが、須藤先生、原沢先生、4人の方に入っていただいて、総勢は14名ということになりました。  9月25日に第1回の会合を持ちまして、ほぼ毎月1回、かなりハードな日程で検討を進めました。委員の先生方には大変御協力をいただきまして感謝をいたしております。  12月に素案をまとめてパブリックコメントの手続を経まして、2月8日、最後の第5回の委員会で報告書の最終的なとりまとめを行ったものでございます。
 報告書の3ページに検討の日程と委員の名簿が載っております。
 では、先ほど御紹介がありましたように、私から概要を申し上げまして、詳細な説明は事務局にお願いをするということにいたします。
 まず、地球温暖化対策としての利用の在り方ですが、二酸化炭素の貯留技術は、環境への影響を生じないように適切に実施されるのであれば、中長期的には地球温暖化対策の重要なオプションとなり得ると考えられます。なお、今後も研究開発を行っていくとともに、環境影響評価、安全性評価や社会に与える影響の評価などを実施していく必要もあると思われます。
 次に、海洋環境への影響防止の在り方ですが、海底下地層貯留については96年議定書を踏まえ、国による許可・発給の対象とする必要があること。事業者は貯留地点の選定を適切に行うこと。許可申請に当たっては、潜在的影響評価を実施し、許可申請書に添付すること。事業に際しては監視を実施し、海洋環境への影響のおそれが生じた時は適切な措置をとれるようにする必要があります。
 なお、海底下地層貯留に係る管理制度の詳細につきましては、96年議定書の実行ガイドライン、こういったものの国際的な議論の動向を踏まえつつ検討する必要があり、また、国としても監視手法でありますとか、生態影響評価の検討も含め、二酸化炭素海底下地層貯留に関する調査研究を推進することが重要であるということも報告に入れております。
 以上、概要を御報告しましたが、詳細は事務局からよろしくお願いいたします。

○徳田環境保全対策課長 それでは、資料1を御覧いただきたいと思います。「地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋環境への影響防止の在り方について」という資料でございます。
 1枚めくっていただきますと目次がございます。3章からなっております。第1章が「二酸化炭素海底下地索貯留をめぐる動向と利用の在り方」ということになっております。第2章が「二酸化炭素海底下地層貯留に係る海洋環境への影響防止の在り方」、第3章が「その他」でございます。
 第1章のところでは、ロンドン条約、96年の議定書、さらに96年議定書の附属書の改正といったようなこれまでの経緯、この二酸化炭素の地層貯留の御審議をいただくに至った経緯が(1)から(3)にかけて書いてございます。(4)で二酸化炭素回収・貯留技術についての御紹介、(5)で環境影響についての整理、(6)で地球温暖化対策としての展望の整理をしております。第2章では、海洋環境への影響防止の在り方について、制度的な検討を行っております。
 それでは、3ページを御覧いただきたいと思います。先ほど少し御紹介がありましたけれども、専門委員の先生方の名簿があります。清水委員長を含め合計14名の方でございます。
 昨年の9月25日に第1回の会合を開催いたしまして、今年の2月8日まで5回にわたる会議を開催しております。  4ページから第1章ですが、(1)から(3)まではこれまでの経緯です。ロンドン条約と呼ばれる「廃棄物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」が1972年に採択されておりますけれども、その強化を目的として96年の議定書というものができております。この96年の議定書は海洋投棄、洋上焼却を原則禁止いたしまして、海洋投棄を検討できるものを限定列挙するという方式を採用しております。それは附属書Iに書かれておりますが、さらに海洋投棄する場合には、その影響の検討に基づいて許可を発給することと定められておりまして、附属書IIとして廃棄物評価フレームワークというものがあります。"Waste Assessment Framework"の頭文字をとって"WAF"と言われることが多いようですが、さらに、この"WAF"の実行ガイダンスとして「廃棄物評価ガイドライン」、"Waste Assessment Guideline"、頭文字をとって"WAG"と言われますけれども、そういったものがあります。このように、ロンドン条約、96年議定書、それから附属書I、附属書II、WAGといったような国際的な枠組みを踏まえて今回検討をしていただいたわけでございます。
 (2)のところで、この中の附属書I改正に関する動向が書いてありますけれども、昨年の4月にオーストラリアから「96年議定書附属書Iに定める投棄可能な廃棄物その他の物」として、海底下地層に貯留される二酸化炭素流を追加することを内容とする議定書附属書I改正案が提案されたわけでございます。この改正案は、フランス、ノルウェー、イギリスによる支持を受けて提出されました。そして、その後、昨年11月に採択されまして、この2月10日に効力を生じているということでございます。
 こうした流れを踏まえまして、(3)の最後のパラグラフにありますように、我が国としても、地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋環境への影響防止の在り方について検討を行うこととしたということでございます。
 (4)は二酸化炭素回収・貯留技術についての御紹介をしております。二酸化炭素回収・貯留、英語では"Carbon Dioxide Capture and Storage"と言われておりますけれども、この頭文字をとって"CCS"と一般によく言われておりますが、このCCSは、大きくは地中貯留と海洋隔離に区分されます。地中貯留は土の中に入れるものです。海洋隔離は海の水の中に入れるものです。この地中貯留というのはさらに2つに分かれまして、陸域の地中貯留と海底下の地層貯留に分かれるわけです。今回御審議いただきましたのは、先ほど来、御説明いたしておりますロンドン条約の流れを受けて海底下地層貯留について御審議をいただいたということでございます。
 それでは、この二酸化炭素をどのようにして地下に入れるのかというのが6ページです。地下1,000メートル程度よりも深いところに入れるということが想定されております。地下1,000メートルよりも深いところは気圧が高くて、温度もそれなりに高いということで、二酸化炭素が超臨界流体になる。気体と液体の中間的な性質を持つ超臨界流体となる。そういう状態で貯留層内部に安定的に二酸化炭素を浸透させるということが想定されているわけでございます。
 その貯留先ですが、2つ目のパラグラフにありますように、枯渇油層、かつて油田であったところとか、あるいは枯渇ガス層、帯水層、炭層、そういったようなところが検討されておるわけでございます。これは海外では既に行われている事例がありまして、最大規模のものとしてはノルウェーの「Sleipner(スライプナー)プロジェクト」というものが1996年から北海において行われております。年間100万トンのCOを入れております。それから、現在計画されているもので最大規模のものといたしましては、オーストラリアの西の方で「Gorgon(ゴルゴン)計画」というものがあります。他方、我が国の中におきましては、新潟県の長岡市におきまして、地球環境産業技術研究機構が経産省の補助事業として小規模の実証地験を行ってきております。これまでに1万トンのCOを入れております。また、北海道の夕張市では炭層貯留の研究開発が行われている。こういう状況でございます。
 次の[3]のところは二酸化炭素の分離・回収技術です。発電所などから出てきた排ガスから二酸化炭素を吸収するような技術、分離・回収する技術、そういったものがあるということが書いてあります。7ページの2つ目のパラグラフですけれども、さらなる技術の省エネ化、それからコストがまだまだ高いということですので、コストの低減化などが課題となっているということでございます。
 [4]は監視技術でありまして、二酸化炭素の貯留層における監視手法が存在しておる。あるいはもし万が一二酸化炭素が海洋中に漏れた場合の監視手法があるということが書いてあります。
 (5)は、これは漏れないことを当然前提としているわけですが、もし万が一海洋中に二酸化炭素が漏れた場合どんな影響があるのかという検討をしております。[1]のところで、そもそも我が国周辺の二酸化炭素濃度はどの程度かということが書いてあります。周辺の海域では340ppm程度であるということでございます。
 8ページにまいりまして、それでは、その濃度がどの程度上がると海洋生物に影響が出てくるのかということです。8ページの[2]の3つ目のマルを御覧いただきたいと思います。(ア)のところで「浅海域の成魚については、短期致死濃度がpCO-二酸化炭素の濃度とお考えいただければと思いますが、5万~7万ppmである。それから(イ)空気呼吸する生物、海生哺乳類とかウミガメは二酸化炭素濃度の上昇の影響はわずかである。(ウ)といたしまして殻を持つ動物(棘皮動物)、これはウニのようなもの、それから腹足類、これはマキガイのようなものですが、そういったものは二酸化炭素濃度が560ppmまで上昇すると成長率、生存率が低下する傾向がある。炭酸カルシウムでできた殻を持つ動物は二酸化炭素濃度が高くなると炭酸カルシウムが溶け出してしまうということがあるようでございます。それから(エ)カイアシ類のような動物プランクトンの場合は、二酸化炭素濃度の増加によっても影響が生じないであろうとする推定濃度は5,000ppmと、このようにいろいろな生物について、どのような影響があり得るのか、どのくらいの濃度で影響があるのかという知見があるわけでございます。
 以上のようなことから、9ページの下から2つ目のパラグラフですが、「以上から、二酸化炭素海底下地層貯留に係る海洋環境影響評価を行うための知見は存在しており、許可発給の際に事業者が潜在的影響の評価を行うことは可能である」ということになっております。
 続きまして、10ページを御覧いただきますと、[3]として「二酸化炭素の海底漏洩後の挙動に関するシミュレーションの例」です。まず、一旦入れたものが海底から漏れ出てくるという可能性はかなり低いわけですが、仮に漏れてきた場合に海水中でどの程度の濃度になるかということをシミュレーションすることはできるということが[3]で書いてあります。そもそも漏れる可能性はかなり低いということは、ちょっと戻って恐縮ですが、9ページの最後のパラグラフを御覧いただきますと、IPCC特別報告書の政策決定者向け要約によれば、「適切に選択され管理された地中貯留サイトに二酸化炭素が留まる割合は、100年後に99%以上である確率は90~99%、1000年後に99%以上である確率は66~90%」ということでありまして、適切な選定・管理が行われれば二酸化炭素が漏洩するという可能性は極めて低いということでございます。
 こうした二酸化炭素貯留技術を地球温暖化対策にどう位置付けていくべきなのかということが11ページの(6)です。「地球温暖化対策としての展望」と書いてあります。
 [1] 概要のところですが、まず地球温暖化の影響のうち海洋環境に関わるものといたしまして、海水温の上昇に伴うサンゴの白化であるとか、海洋生物の分布の変化であるとか、海面上昇といったものがありますが、大気中の二酸化炭素濃度が増加いたしますと、海洋表層の酸性化が起きるわけです。大気中の二酸化炭素濃度が高くなれば、それに伴って海のpHも低くなるということで、それによる海洋生物への影響も指摘されております。ロンドン王立研究所の報告によりますと、現在の表層海水中のpHは、産業革命前と比較して0.1既に低下している、2100年までにさらに最大で0.5低下するという予測があります。したがいまして、大気中の二酸化炭素濃度が高くなるということは、海洋汚染、あるいは海洋環境の観点からも大きな問題であるということが言えるわけでございます。したがって、海洋環境の面からも地球温暖化対策を早急に講ずる必要があるということになってくるわけでございます。
 それでは、その対策技術の一つといえるCCSの可能容量というのはどのくらいかというのが12ページの[2]のところです。二酸化炭素の地中貯留の可能容量と書いてあります。世界的には2兆トン、COを貯留することができると推定されております。我が国においては、背斜構造を持つ地層のうち基礎地錐データがあるもので52億トン、かなり確率が高く入れることができると思われものが52億トンぐらいあるということでございます。ただ、これはコストは考慮しておりません、物理的に入れることが可能であろうというものが52億トンです。我が国で出ておりますCO、年間13億トンぐらいですから、4年分ぐらいということになろうかと存じます。
 さて、このCCSを短期的な地球温暖化対策としてどう位置付けるべきなのかということが[3]です。13ページの2行目の真ん中あたりですが、「CCSによる削減量を京都議定書第一約束期間に適用することについては決定されていない」、つまり今の段階でCCSによって二酸化炭素を地中に入れても、その二酸化炭素は大気中に放出されなかったとみなせるかというと、みなせないということでございます。それから、クリーン開発メカニズム(CDM)に関しましても、その扱いの検討が今行われていて、2008年までに決めるという段階でございます。
 それから、我が国における技術動向ですが、まだ実証試験の段階である。さらにまた、二酸化炭素の分離・回収、パイプラインによる輸送、そういったものにかかるコストが高いということで、今、当該技術を短期的に導入・普及できるかというと、さまざまな課題があるということでございます。
 次のパラグラフですが、こうしたことから短期的に実用ベースの実施に至る可能性は高くないと考えられている。これらのことから、我が国としては二酸化炭素地中貯留技術について研究開発を進めていくこととし、京都議定書第一約束期間においては、着実に現行の温室効果ガスの削減対策を推進していく必要があるとしております。
 それでは、中長期的にはどう位置付けるのかということですが、IPCC特別報告書で、世界全体の温室効果ガス削減量に占めるCCSの割合は、大気中の濃度が750ppmの水準で15%、450ppmの水準で54%というふうに見積もっておるところでございます。IEAでも同様の数字を出しております。そういったことから中長期的には重要な地球温暖化対策のオプションの1つになり得るであろう。
 ただ、温室効果ガス排出量の大幅削減の実現、低酸素社会の実現に向けた社会経済システムの抜本的な変革のためには、省エネの推進でありますとか、再生可能エネルギーの普及、そういったものを引き続き最大限取り組む必要があることは当然である。それから、長期的展望に立ちますと、やがて化石燃料資源は枯渇をするわけです。ということであれば、低炭素社会の実現に向けた社会経済システムの抜本的な変革、安全かつ確実な革新的技術の出現が必須です。こうしたことから、それまでの「つなぎの技術」として有効なオプションの1つとなり得るというふうに書いてございます。
 14ページですが、こうしたことから、中長期的にも研究開発を進めるとともに、当該技術の位置付け、環境影響評価、安全性評価、コスト評価、そういったものについて今後とも検討を行う必要があるとしております。
 次は第2章ですが、今申し上げたような中長期的あるいは短期的な検討の一環として、実際に我が国において二酸化炭素海底下地層貯留が実施される可能性が出てきております。しかしながら、海底下に二酸化炭素を入れるということは、海洋環境に悪影響を及ぼすおそれがありますので、海洋環境保全の観点から二酸化炭素の漏洩防止が図られるべきである。このために国際的な枠組みでありますところの96年議定書を踏まえた適切な制度による管理のもとに置かれるべきであろうということでございます。
 それではどのような許可制度を設けていくべきなのかということを(1)以下から書いてあるわけですが、(1)では許可の申請主体は、貯留事業を行う事業者とすることが適切であろう。15ページですが、(2)許可の主体は国、(3)で国民からの意見聴取の必要性、(4)で二酸化炭素の処分量に関する削減努力、処分方法に関する検討といたしまして、WAFの実行ガイダンスである評価ガイドライン(CO・WAG)などの国際動向を踏まえながら実態に即した制度の検討を行う必要がある。
 それから(5)は特性把握及び行動基準とありますけれども、これは貯留をする二酸化炭素に含まれる不純物の濃度についての規定でございます。これにつきましては16ページの2つ目のパラグラフですけれども、附属書Iにおきまして「二酸化炭素が圧倒的(overwhelmingly)であること。また、分離・回収プロセス及び原料に起因し、偶発的に含まれる物質を含み得る」、「廃棄物その他の物が廃棄目的で添加されないこと」、こういうような表現がなされております。こうしたもの、さらにこれからできますところのCO・Waste Assessment Guideline、そういったものを踏まえながら適切な判定基準を設定していくことが適切であるとしております。
 (6)は貯留場所の選定でありまして、これは事業者が適切に選定をする必要があるということです。17ページの最初のパラグラフにありますが、藻場、干潟、サンゴ群落、そういった海洋環境保全上重要な海域に留意する必要があるとしております。
 (7)は二酸化炭素流による潜在的影響の評価ということでありまして、CO・Waste Assessment Guidelineなどに基づいて事業者が評価を適切に実施する必要があって、そのために国が法令、指針等によって具体的な検討内容等を明確にしておく必要があるということでございます。
 (8)はモニタリングでありまして、18ページの・監視の主体として許可事業者、それから監視の手法、圧入、圧力等々列挙しております。この監視は圧入期間中だけではなくて、圧入終了後についても行う必要があるということが19ページの[4]に書いてあります。もし万が一、二酸化炭素が漏れてしまった、海洋環境に漏れてしまったという場合の措置が(9)です。20ページにありますけれども、もしも漏れた場合には、当該圧入行為を直ちに中止する。それから、貯留槽内の圧力の解放などの対応措置を講ずる。これは減圧井から水などをくみ上げまして、地下の圧力を下げることによって漏洩を防ぐということです。さらに、海底下地層内の二酸化炭素の挙動について高頻度で監視を継続する必要があるということです。圧入終了後に漏れた場合も同様の措置を講ずる必要があります。
 許可制度ですが、既に海洋汚染防止法に基づく廃棄物海洋投入処分の許可体系というものがありますが、それと同様に、実施計画、環境影響の事前評価、監視計画、そういったものをお出しいただいて、それに基づいて「有期限の許可」を環境大臣が発給をする。監視結果等に基づいて許可の更新を行う仕組みとするということでございます。
 許可の有効期間としては、最長5年程度が想定されております。
 21ページですが、この二酸化炭素の貯留というのは、当面は研究機関などによって実証試験などが実施されるということが想定されておるわけですけれども、将来的には民間企業によって商用規模で本格的に実施されるということになり得るわけでありまして、その時までには許可事業者が破産などによって監視を継続できなくなるという場合の措置についても検討していく必要があるということが21ページの最初のパラグラフに書いてございます。
 3のその他のところですが、漁業権、鉱業権等との調整の必要性、科学的知見の集積、国民への普及の必要性、そして最後に、本報告書は、現時点での国際的な枠組みに立脚している。具体的には96年の議定書、あるいはそのもとでの附属書I、II、さらにその下のガイドラインといったものに立脚しているわけでありまして、今後も国際的な動向を注視して、積極的に議論に参加をし、必要に応じて制度の見直しを行っていく必要があるとまとめているところでございます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 大変周到におまとめいただいた専門委員会報告でございますが、ただいまの説明につきましていろいろ御質問があろうかと思いますので、御質問がおありの方は名札を立てていただければと思います。
 それでは、飯田委員からお願いいたします。

○飯田委員 先ほど御説明があった9ページのリスクのところに関心があるのですけれども、まだ非常に初期段階なのでこれからだと思うのです。リスクと合意形成というか、ここに海洋生物の影響云々と幾つか書いてあるのですが、これはある意味、原子力と似ているところがあって、こういう日常的といいますか、一般的なリスクとは別に、カタストロフィックなリスクとそれに対する対応というような評価はどういうふうにされているのか。特に1000年後という話が書かれておりまして、これは高レベル放射性廃棄物と非常に似ている話なのですが、これは全く手を放して、後は放置していいようなものなのか、高レベルの場合ですと、ヒューマン・イントリュージヨンというか、意図せず人為活動でまた破壊してしまうようなリスクまで入ってきて、結局そういったところが実現性において高レベル廃棄物においても非常に難しい。
 もう1つは、合意形成、先ほど事業者云々ということもあったのですが、現実に日本の近傍、あまり遠くに運ぶとコストが合わないと思いますが、では、日本の顔の見える場所あるいは海洋でこういったものが政治的、現実的に本当に可能なのかといったところの合意形成のアプローチというか、少なくとも論点としてそこら辺はもう少し切り開く必要があるのではないかと思うのです。非常に研究開発的なペーパーにとどまっているのかなという印象を受けましたが、そこら辺はいかがでしょうか、というふうに思います。

○鈴木部会長 幾つか御質問を受けましてからお答えをお願いしたいと思います。
 高村委員。

○高村委員 ありがとうございます。私自身、専門委員会に参加させていただきましたが、温暖化対策が温暖化の抑制、特に悪影響が顕在化していく中で、世界的にそのスピードが見合っていないという中でのこの技術の位置付けと、そして、実際に一定の技術が展開をされているということで、それをいかに環境影響を生じさせない形の適切な制度のもとで行うかという意味での議論だったと理解をしております。
 報告書について、もう既に意見としては反映していただいておりますけれども、今後の検討課題として書いていただいているところで2点、あと専門委員会で話題とならなかったのですが、1点、御質問をさせていただきたいと思います。
 今後の検討課題という点で2点ですが、1つは、13ページから14ページにかけて、この技術、CCSの中長期的な温暖化対策としての位置付けについてまとめていただいております。委員会の中の議論でもありましたし、パブリックコメントの中でもありましたけれども、この技術が化石燃料を使う、そこから出てくる二酸化炭素を処分するという技術であるということを考えますと、パブリックコメントの中でも、この技術に依存するということの政策的、社会的な意味合い、もう少しかみ砕いて言いますと、この報告の中にもあります低炭素型社会への転換を阻害する、あるいは転換を足踏みをさせるような形でのこの技術の展開であってはならないということであったかと思います。そういう意味では、中長期的な温暖化対策としての議論が今後の検討課題としてもまだ残っているかと思いますが、その点に留意が必要ではないかという点が1つでございます。
 今後の検討課題についての2つ目ですけれども、これは後半部分で、この技術展開に伴う環境影響にかかわって懸念が専門委員会の委員の方からも何回か出ておりましたが、とりわけ圧入終了後のモニタリングと漏洩への対策でございます。つまりこの技術の実用化が展望される段階において、圧入を終了した後も長期でモニタリングを行い、場合によっては漏洩が生じれば対策をとる義務というものをどういうふうに法的に担保するか、実際に漏洩が生じて回復が必要な場合には、対応の費用をだれが負担をするかといったような問題については今後の課題として残っているかと思います。こうした問題は、適切な管理を促すという意味でも重要な課題かと思いますので、この点についても改めて確認の意味で言及させていただければと思います。
 そして、最後に御質問ですけれども、専門委員会で明確には話題とならなかったことでございますが、2006年の11月の新聞報道で、地中の微生物、つまり地中に二酸化炭素を貯留した際の地中の微生物への影響について懸念されるという報道がされているのを目にいたしました。この点について、事務局あるいは委員の先生方からもし補足をいただけますと助かります。
 以上です。

○鈴木部会長 では、富永委員。

○富永委員 大変単純な質問を2点させていただきたいと思います。
 1つは、10ページのシミュレーションの話のところで「通常想定される以上の規模の大地震」という記述があるのですが、非常に定性的な表現でありますので、特に海洋下の貯留という場合にはどういう地域、日本海側なのか、太平洋側なのか、その辺ちょっと私もよくわかりませんけれども、具体的な選定によってはいろいろ既にかなりの確率で予測されているような大規模地震などの影響ということがあるわけなので、「通常想定される」云々というのがどういうようなことを実際に具体的に意味しているのかなというのは、注でもつけ加えていただけると具体的なイメージとしてそのリスクに対する理解が深まるのではないかということが1点です。
 もう1点は、今のこととも関係がないわけではありませんけれども、12ページのところで、地中貯留の可能容量ということで、例えば我が国の場合には52億トン、大体4年分の排出量相当というお話がありましたが、この報告書の最初の方に書いてある文面からいたしますと、地中貯留というのは、この場合は海洋下と、それから地上といいますか、その両方を含めて52億トンぐらいということなのでしょうか。もし両方含んでいるということであれば、そのうち実際に海洋下、今回のケースに当てはまるのは大体どのくらいの割合なのか。大きな部分であるのか、小さい部分であるのか、その辺のところがちょっとわかりかねますので、まずそれを伺いたいと思います。非常に単純なことでございますが、お願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、長辻委員。

○長辻委員 お尋ねしたいのですが、貯留された二酸化炭素ですけれども、専門委員会の方では当然議論があったと思うのですが、これがどういう形で貯留されるのか。というのは、水に溶解するのか、あるいは炭酸カルシウムとして岩石とくっついていくのか、どういう形で貯留されるのかということがこの報告書の中に入っていた方がいいのではないかと思うのです。というのは、先ほどの御説明にありましたけれども、7ページですが、二酸化炭素の海底下貯留の環境影響というところで御説明があった時に、これがもし漏れた時にということを念を入れておっしゃっておられました。いろいろな報告書を見ていますと、漏れるということはまず考えられないというふうに、IPCCでもがなり高い確率での貯留ということを言っておりますけれども、それならばこの報告書の中で、まず漏れないんだということをもう少し明確に言っておいた方がいいのではないかと思うのです。
 というのは、こういう新しい技術が世の中に受け入れられるかどうかというのは、多分にして不安な要素、一般の方々の胸の中で不安感というのが醸成されてきて、これが結構マイナスのブレーキになってしまうので、この海底下貯留で基本的なチェックをすることは当然なのですけれども、無用な部分、不安感の肥大というのは避けた方がいいので、できるだけ安全なものは安全に思われるということをもう少し明確にする。そのためには、ガスの状態で地下に入るのではない。例えば鉱物化するとか、岩石化するとか、そういうことをもう少し明確にされた方がいいのではないかと思いました。

○鈴木部会長 それではちょうど半分終わりましたところで、これまでの御質問に対してのお答えをいただこうかと思います。

○徳田環境保全対策課長 それでは、まず最初の飯田委員の御質問でございます。9ページのところでリスクと合意形成というお話がありました。11ページの2つ目のパラグラフの2行目ですが、「仮に巨大な断層が発生した場合であっても、断層内は岩石等の物質で充填されていることから、暴発的な漏洩が起こる可能性は非常に低いと考えられる」という記述をしております。先ほど御指摘のようなカタストロフィックな問題というのは、そういったことが起きる可能性というのは非常に低いという専門委員会のお考えでございます。
 それから、合意形成のお話でございましたけれども、日本の近傍で、どういうところで入れられる可能性が、政治的にあるいは社会的にあるのかということです。データがある程度存在していて入れられる可能性があると思われているところは、既に石油とか天然ガスの開発のために掘削等が行われているようなところ、そういうところになってこようかと思います。したがって、行われるとすれば割と合意形成がしやすい場所で行われるということになるのではないかと考えられます。
 それから、高村先生が最初におっしゃられました13ページから14ページにかけての中長期的な位置付けということですが、技術に依存することの社会的意味合いということをおっしゃられましたが、御指摘の点につきましては確かにそのとおりでございまして、これは専門委員会でも議論になったわけでございますが、14ページの最初のパラグラフに反映をさせておるところでございます。最初のパラグラフの2行目を御覧いただきますと、中長期的な観点からの我が国としての当該技術の位置付け、環境影響評価、安全性評価、コスト評価、それに加えまして当該技術が社会に与える影響の評価といったような点についても検討を行う必要があるということで反映をさせていただいているというところでございます。
 それから、圧入終了後の長期的なモニタリング、あるいは漏洩した場合の対応の問題点を御指摘いただいたわけでございます。これについても議論がありまして、それを反映しておりますものが、先ほど簡単に御説明いたしましたが、21ページの最初のパラグラフです。「今後、民間企業によって二酸化炭素海底下地層貯留が本格的に実施される段階においては、別途、許可事業者が破産等により監視等を継続できなくなる場合の対応について、検討していく必要がある」としているわけです。当面は研究機関などが国の補助などを受けて監視下のもとで実施していくということですが、将来的には御懸念のようなことがありますので、しっかり検討を進める必要があるということでございます。
 それから、地中の微生物への影響いかんということでございます。二酸化炭素を貯留することによって微生物への影響が問題になる、懸念されるという場合はどういう場合かといいますと、これは二酸化炭素を地下に入れて、そこに入れたと思っていたところが、二酸化炭素がどんどん広がっていって、そこの微生物に何らかの影響を与えるというようなことであれば問題とされることもあり得ようかと思います。実際には、これはどんな形で入れるのかという御質問が先ほどありましたが、それにも関連するわけですが、入れた二酸化炭素はいずれ地下水に溶けるわけです。溶けて、それが移動するかどうかということになってまいりますけれども、特に海の下の地下水といいますのは、内陸部に比べて動水勾配が小さいということから地下水の流速は非常に遅いとされておりまして、塩水域での地下水の流速は1000年間で1メートルぐらいであるというような計算結果もありますので、微生物への影響というのは極めて小さいのではないかと考えておるところでございます。
続いて富永委員でございますが、52億トンというのは、地中貯留の中でも陸域なのか、あるいは海底下なのか、割合はどうかということですが、52億トンというのは陸域、海底下両方入っております。割合はということになりますと、我が国の場合は、海底下が大部分になるというふうに考えております。陸域は適地があまりないというふうにされております。
 それから、長辻委員でございますが、どういう形で貯留するのかということですけれども、6ページの最初のパラグラフを御覧いただきたいと思います。「二酸化炭素は常圧・常温では気体であるが、約73気圧以上、31.1℃以上では液体でも気体でもない超臨界流体となる」。こういう超臨界状態のもとで貯留をされるということが想定されております。地下1,000メートルよりも深いところに入れるということでございまして、地下1,000メートルよりも深いところといいますというのは、気圧が100気圧あるいはそれ以上というのが一般的であろうかと思いますが、温度も高くなってくるということで、超臨界状態になるということであります。
 ただ、入ったものがその後どうなるのかということですが、地下水に溶けるものもあるでしょうし、何万年か、何十万年かわかりませんけれども、超長期的には鉱物化する、炭酸マグネシウムでありますとか、炭酸カルシウムになるということも言われております。
 それから、まず漏れないのだということを書くべきではないかという御指摘でございますけれども、これについてはIPCCの報告書を引用する形で9ページのところで書いておりまして、「IPCC特別報告書の政策担当者向け要約」ということで、適切に選択され管理された地中貯留サイトに二酸化炭素が留まる割合は、100年後に99%以上である確率は90~99%、1000年後に99%以上である確率は66~90%ということでありまして、まず漏れないということをこういう表現で書いておるところでございます。

○鈴木部会長 よろしいでしょうか。4人の方の共通する御質問として、何かカタストロフィックなことが起こった時にということが、やはり一般の方々には大変関心が高いところですし、それから「超臨界」という言葉が、炭酸ガスの場合には、単に圧が高くて気体と液体の中間的なガスということなのですが、核反応などの超臨界という言葉をちょっと想像させることもありまして、何か危ないガスではないかというような印象を与えたりするので、その辺もどこかに、これに加えることはないと思いますが、解説などが必要になるかもしれません。地震も、海底火山などが起こったらどうなるかとかいろいろな問題があるかもしれませんので、単に適切なところへ貯留すればという表現だけでよろしいのかどうか、その辺少し検討しておかれる方がいいかもしれないと思います。
 あと、4人の方いらっしゃいますので、西岡委員からお願いします。

○西岡委員 私の方は質問というよりもお願いということかもしれません。私どもの研究で、2050年、70%ぐらいCOを減らせるという研究をやった時に、今後やらなければいけないことの技術の加速というのは、これまで我々が経験したよりもかなり厳しい加速をしていかなければいけない。年率1.5%ぐらい下がっていたわけですけれども、それを2%ぐらいにしなければいけないという状況があります。そういう中でいろいろ工夫して、技術の加速をしたとしても、やはりちょっと最後のところで、このCCSも入れていかなければいけないようなシナリオも我々考えているところです。
 私が申し上げたいのは、今後はともかくいろいろなオプションを早目にきちんと調べてほしいということを申し上げたいわけであります。そういう面から見まして、今日このように一段落をしたということは非常に結構なことだと思います。ただ、どうしても2つのハードルがありまして、今お話がありましたように、我々自身も生態系への影響ということを非常に心配しております。先ほど高村委員の方からバクテリアの話があって、それに徳田さんのお話がございましたし、私も聞いているところによりますと、バクテリアの問題というのは、COがそこにあるから、そんなに動かないから心配ないということを確かに聞いておるわけです。こういった小さな疑問を1つ1つゆっくりとつぶしていきながら、安心感を高めていっていただきたいということのお願いが1つです。
 それから、どれだけ入るかということもありましたけれども、これはひとえにどれだけのお金がかかるかということと関係してくるわけでございまして、具体的なコスト計算をする段階にそろそろ入ってきているのではないかということで、そういうところにまた進んでいただきたいというのが私のお願いであります。

○鈴木部会長 福川委員。

○福川委員 専門委員会の方で精力的に検討されたことを高く評価をし、敬意を表したいと思います。これも1つの有力な技術の選択肢ということでございますので、それをひとつ慎重に推進をしていくという方向で引き続き御検討をお願いしたいと思います。
 この種の問題の政策選択についていえば、1つは安全性の問題、もう1つ経済性の問題がありまして、今、西岡先生も触れられたわけですが、それを総合的に判定をした上で政策としての採用を決めていくということになると思います。大変有望な技術分野だと思いますので、ひとつこれを慎重にというか、大切にというか、そういう形で取り進めていただきたいと思います。
 海外で既にかなり例があって、ノルウェーでは年間100万トン、これまでで700万トンを超えているような貯留をやっているということでございますが、これがどのくらいの経済性があったのか。これは日本から比べれば規模が大きいということですが、やはり規模の問題の経済性に与える影響というのはどういうことであるのか、海外の事例を1つの先例として、安全性と経済性双方からひとつ詳細に検討してみていただければと思っております。
 6ページの下から2つ目のパラグラフでは、RITEのケースが引用されておりますが、まだこれは実証試験の段階ということでしょうが、一体この時の技術的な問題点、特に経済的な影響というのはどういうことであるのかということを、どのくらい予算をかけて、どのくらいのコストをかけてやったか、もしわかれば教えていただきたいと思います。特にこの場合に、7ページに書いてありますように、この問題自身の省エネ化、あるいはコスト低減というのが非常に問題になると言っておられますが、どういう技術的な展開をすれば省エネ化あるいはコスト低減ができるのか、この辺ももし御検討の結果があれば伺いたいと思いますし、もし今後の検討課題ということであれば、それをぜひお願いしたいと思います。
 13ページのあたりにもその辺の記述がございますけれども、この辺もどのように経済性を高めていくことができるのか、ということは安全性の問題に加えてぜひ検討していただきたいと思います。
 ありがとうございました。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 では、桝井委員。

○桝井委員 私は、小島さんに2つばかり聞きたいと思います。
 1つは、この報告書を見ますと、これは中長期的なことなんだと、大変大規模な削減で有望だけれども、まだいろいろな技術的な問題等を含めてとなっておりますし、いわゆる第一約束期間にどうのこうのということは決定されていないということです。しかし、考えてみますと、もう2013年以降の次の大きな取り組みをどうするのかというふうに考えていく時に、これだけの大規模な削減ということが期待され、全然机上の論議ではなくて、今おっしゃったようにノルウェーあたりではいろいろやっている。金がかかるかもしれないけれども、やっている。こういうことはもう既に次期の枠組みにつきまして非常に重要なテーマになっておるわけで、これを現実にやるかやらないかというような技術的な問題だけではなくて、もう既に交渉の1つの大きな材料として位置付けなければいけないのではないか。例えばオーストラリアなどは大いに頑張っていますけれども、批准していないところ、アメリカを含めて、こういうふうな大規模な削減というのができるのならまた違う様相になるのかもしれない。
 もう1点は、この技術では、要するにCDM、8年までに決められると言うけれども、一番重要な問題になる途上国への技術移転、あるいは資金が流れそうにないわけです。そんな点も、これは単に中長期的と言っているだけではなくて、もっと具体的に考えるものではないのか、これが1つです。
 もう1つは、低炭素社会に対してこういう技術は化石燃料の抑制にならないのではないかと、すぐそういう意見が出ますけれども、低炭素社会の先頭を行こうという、例えばEUを含めまして、この地域では特にこの問題には熱が入って進めようとしている。IPCCの報告書もああいうふうに書くわけですけれども、この背景にあるのは何なのか、どういうことなのか、その辺2つお伺いしたいと思います。

○鈴木部会長 では、三橋委員。

○三橋委員 私もコストパフォーマンスという点で幾つか質問したいのですけれども、これが実用段階になる場合に民間企業で対応できるのですか。むしろ国家ベースで取り組むような問題なのかなと、それが1つ疑問です。ノルウェーの会社は民間企業みたいなことが書いてあります。それは貯留技術によって違うと思うのですけれども、恐らく民間が取り組むべきプロジェクトにしてはお金がかかり過ぎるのではないかという感じがするわけです。そういう場合の取り組みをどういうふうにお考えになっているのか。
 それともう1つ、やはりコストの問題で非常に気になるのは、これだけのことをやるならば、例えば新エネルギーへの資金援助を増やしていって、そちらの方を増やした方が結果的に削減につながるのではないかというような批判に対してどういうような回答を用意なさっているのかということです。いずれにしても、コストの部分が非常に曖昧になってしまっているのではなかなか議論がしにくい部分があります。この辺の大ざっぱな見通し、つまりこれが民間ベースできる話なのか、むしろ国が総力を上げて取り組まなくてはいけない問題なのか。それに伴って相当のお金がかかるのだったら、もっと別のチョイスだってあるのではないのというような意見に対してどう対応するかということです。
 それと、コストパフォーマンスとは別ですけれども、この貯留場所です。これは海洋のどこでやってもいいのですか、あるいは日本の領海ということなのですか、ということもちょっと知りたいのです。この施設というか、貯留行為を行う場合には公海でもいいのですかということです。

○鈴木部会長 それでは、徳田課長にお答えいただいた後、小島審議官からお願いします。

○徳田環境保全対策課長 最初の西岡先生の話は、お話を承りましたということでよろしいかと思います。
 それから、福川先生でございますけれども、安全性、経済性を総合的に判定すべきであるということ、ノルウェーのプロジェクト、あるいは長岡のプロジェクトの経済性等について御質問がありました。まず、ノルウェーのSleipner(スライプナー)プロジェクト、これは天然ガスを地下から採掘しているのですが、その天然ガス中に二酸化炭素がかなり含まれておりまして、そのままでは売却することできない。したがって、事業として二酸化炭素をまず分離する必要があるわけです。その分離したものを、そのまま大気に捨てれば確かにただであるわけですが、それを地下に入れているというわけです。これはノルウェーの場合、炭素税がかかっておりますので、大気中に出すよりも地下に入れた方がよいということで、そうなっておるという理解をいたしております。
 それから、RITEですけれども、これは二酸化炭素を購入してきて入れておりますので、通常の今後実施されるであろうプロジェクトとは異なります。実験でございますので、コスト面というのは、そういうことではあまり議論がされていないのではないかと承知しておるところでございます。
 それから、今後のコスト低減の見通し等ですけれども、コストで高いのは、二酸化炭素の分離・回収のところです。そこのところ、日本企業もかなり技術開発をしておりますけれども、諸外国とも連携をしながら進めていく必要があるのではないかと考えております。国としてもその辺の支援というのは必要になってくるのかもしれないと考えております。
 それから、桝井先生でございますが、これは後ほど小島地球審議官からも回答があると思いますけれども、私の方で答えられるところは、EUがかなり力を入れて進めているというところでございますけれども、やはり適地が多い、北海油田をはじめとして適切な場所が多いというのも1つの原因であろうということでございます。そのほかにも原因があると思いますけれども、後ほど回答があろうかと思います。
 それから、三橋委員でございますが、民間企業で対応できるのか、国がやるべきではないかという御指摘でございます。確かに今のところコストは高くて、1トン処理をするのに5千円から1万円ぐらいかかっておりますので、今のコストではとてもできないわけです。今は大気中に出せは、それはただなわけですので、そういう状況のもとでは民間企業が採用する、CCSを採用していくという可能性は低いのは事実でございます。これは情勢が今後どう変わっていくかということにかかってくると思います。
 それから、こういった技術開発、CCSのようなものに対する技術開発、それに対する支援というのをするのであれば新エネ、代エネ、そういったことにもっと力を注ぐべきではないかというお話でございます。これは将来の地球温暖化対策の1つの有効なオプションであるということから、やはり技術開発を進めていくことが重要であろう。同じパイであるとすれば、それをどう分けるかという問題もあるかもしれませんけれども、地球温暖化は極めて重要な問題だという認識をすれば、パイを増やしていくという考え方もあろうかと思います。
 それから、貯留場所はどこでもいいのか、公海でもいいのかという御指摘でございましたが、EEZ内、排他的経済水域内だろうと思います。ただ、これがそもそも経済的に成り立つかどうかということがあるわけでございまして、遠くに運んでいくためには、そこに船で運ぶ、あるいはパイプラインを通すと非常にコストがかかるわけですけれども、当然そういったことは行われないであろう。日本の近海で行われるということになろうかと思います。

○小島地球環境審議官 CCSの中長期的な対策であります。まず、中長期的という期限の問題ですが、まず第一に長期という、いわゆる安定化レベル、450~550ppm、あるいは2℃というような長期がありますが、CCSで言われる1つの年限は2050年の段階でCCSというのがどのくらい活用されているかということであります。ここにあるIEAの1つの見通しというのは、2050年時点での削減ということをラフにいいますと、50%は省エネルギー、25%はCCS、残りの25%は原子力であり、リニューアブル・エナジーであり、バイオ・エタノールだと、こういうことです。
 逆に言うと、今CCSの分野というのはほとんどゼロですから、2050年の4分の1の市場というのは非常に大きいということが言えます。これはIEAの考え方です、かなり大きな市場だと。次期枠組みについての提案は、今2020年のEUしかありませんけれども、では、2020年の次期枠組みにこれが間に合うかということであります。これはこれからやってみないとわかりませんが、ドイツは2015年ぐらいから地下貯留をやりたいという話もしておりました。北海油田を使っての貯留はいつ始まるかわかりませんけれども、次期枠組みの期間に間に合うかもしれませんし、間に合わないかもしれない。
 2つ目ですけれども、EUは非常に熱が入っている。今回の経過もそうですが、イギリス、ノルウェー、オーストラリアが提案しているわけです。もともと北海油田を持っているイギリス、ノルウェーというのがバックにいるわけですが、オーストラリアが出して、イギリス、ノルウェーがそれをサポートして改正をする。北海油田は2025年ぐらいに枯渇するというふうに言われておりますけれども、それまでの間に絞り出していくプロセスがあります。炭素を注入して絞り出していくということでありますから、BPもそれを使うつもりだと思います。だれがやるのか。それは石油メジャーです。それは自分の貯留部分を持っていますし、パイプラインも持っていますから、石油を出してくるところに今度は埋め戻すということでもう一度それを使っていくということだろうと思います。
 ちなみにIEAの計算は、トン当たり25ドルということでやっておりますから、その段階には25ドルぐらいにはCCSはなっているという計算だと思います。去年の5月のボンでのCCSのセミナーでは、石油メジャーがずらっと並んでいましたけれども、トン当たり35ドルぐらいというような意見を言っていました。エクソン・モービルだったか、どこの会社だったかちょっと忘れましたが、民間企業かといえばもう民間企業です。BP、シェルをはじめその石油メジャーが持っている資金力、技術力、これがまずCCSの主要な担い手だと思います。
 もう1つ、中国は石炭を使わなければいけない。この中国の石炭をどうするか。クリーン・コール・テクノロジーということでEUも中国にアプローチしております、もちろん日本もやっていますが、それだけでは足りないのではないか。その時にCDMになっているのか、中国もコミットメントをして違う形のカーボンマーケットになっているのかわりませんが、主要なもう1つの市場は中国だと思っています。今CCSをやろうとしている企業も、有力な市場は、もう1つは中国の石炭火力です、そういうことだと思います。そういう意味で、EUが熱が入っているというのは自分のところで埋め戻す場所を持っている、パイプラインも持っているということと、中国を何とかしなければいけないという思い、その2つだろうと思っております。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 CCSに関しまして、温暖化対策としての位置付け、それから環境影響の防止、その辺につきましていろいろと先生方から参考とすべき御意見をいただきました。特に報告の内容を変更すべきというまでの議論はなかったと思いますので、本日の意見は、これを今後運用していく上で環境省にも十分配慮していただくということにさせていただきまして……。

○猪野委員 ちょっとよろしいでしょうか。最初のお話の時に「御質問はありませんか」という話でスタートしたので、そういう意味ではその時に手を挙げなかったのですけれども、意見ということで発言させていただきます。
 既に委員の先生の方からも幾つか出ておりましたけれども、いわゆる1つの事業者という立場で仮に考えたといたしましても、やはり地球温暖化に対してはいろいろな手段をとらないとなかなか達成できないという事情にある。そういう意味では、CCSそのものも、今こちらの報告書の中の整理では短期と中長期ということで整理されておりまして、そういう意味では報告書の中身については、方向的には非常にわかりやすい話なのかなと思います。
 もう1つは、現実的な意味も書いてありまして、実際に技術が今研究段階とか、非常にお金がかかりそうだとか、では、実際にどちらの人が最初に取りかかってくるのかというようなことも幾つか出ましたけれども、こういうような立場でいいますと、先ほどRITEの話もちょっと出てまいりましたけれども、やはり最初の段階につきましては、オイルメジャーみたいに既に事業をやられている範疇の中で展開していくのが非常にやりやすいと思います。もし日本の国の中で仮にやるということになりますと、経済的な面もあり、なかなか入りにくい。そういう場合は、やはりRITEがしているような、国からのそういう技術的な開発というのでしょうか、そういうところも非常に大事ではないかということは感じますので、そこら辺も、少し促進の意味でこういう報告書の中に反映されれば非常にありがたいと思います。
 それから、最後のページのその他のところで、事業者ということで、いろいろな権益の方との対応は全部事業者でやるべきではないかと記述をされておりますけれども、日本の国内でいろいろな権益が重なっているところになりますと、これは1つの省だけではなくて関係省庁もいろいろあると思うのですけれども、そういう省庁が一体となってやっていかないと、1つの権益を解決していくのも非常に時間がかかるのではないかと思っております。そういう意味ではこのCCSをこれからもっと実際に経済性を上げてやるためには、やはり国全体でやっていかなければいけないと思います。そして、やっていく過程の中において、その技術のレベルと、またはリーケージの話とかいろいろ出てきますけれども、そういうものも含めて時期ごとに反映していって、それで最終的な環境影響評価みたいなものをしっかりまとめていく、そういう必要があるではないか。ぜひそういう意味では国を挙げてというようなことも含めてよろしくお願いをしたいと思っております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。これも今後の運用に当たりまして大いに配慮していただく、そういうことでよろしいでしょうか。
 それでは、本案をもって地球環境部会の報告とさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

〔「異議なし」の声あり〕

○鈴木部会長 今後、この地球環境部会の報告が中央環境審議会の答申といたしますには、中環審の会長の同意が必要ということでございますが、私が会長を兼ねておりますので、ここで本案に関して同意をさせていただくということで、中央環境審議会から環境大臣に対する答申とさせていただきたいと思います。
 なお、この運用に当たりましては、先ほど申し上げましたように、各委員の先生方からいただきました御意見をきちんと踏まえて、今後進めていただくようにということをつけ加えさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

○徳田環境保全対策課長 ただいま委員の先生方、合計22名でございます。定足数21名でございますが、定足数を満たしているということを御報告いたします。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは議題(2)その他ということですが、本日は昨年10月以来の地球環境部会の単独開催ということになりますし、また新しく委員になられた方もいらっしゃいますので、その間どういう状況にあるかということを御説明いただくと同時に、地球環境部会のミッションを少し確認していく、そういうようなことにさせていただきたいと思います。
 それでは、南川局長の方からお願いいたします。

○南川地球環境局長 私の方から参考資料2と3を使いまして、現在国会に出しております予算のポイントだけ御説明させていただきます。
 まず参考資料2ですが、これは京都議定書目標達成計画、つまり地球温暖化について現在提出しております予算案の中の関係のものです。ABCDと4つ分けてありまして、全体で約1兆円ということでございます。Aが具体的に京都議定書のマイナス6%ということに効果があると思われるもので、これが5,300億ということで約5%増えております。Bは技術開発とか人材育成とか、もう少し長い目で見て意味があるというもの。Cは直接温暖化対策目的ではありませんけれども、大いに温暖化対策に資するもの、植林などです。それからDが監視・測定、そういった基盤施策でございます。
 3ページを御覧いただきたいと思います。3ページは具体的に京都議定書の達成に直接効果があるものということで区分けをしております。金額的には5,300億のうち一番大きなもの、4割程度がエネルギー供給源の対策でありまして、その中でも原子力、新エネといったものが圧倒的に多くを占めております。
 続きまして、3.8%の部分について対応することになりました森林吸収源対策です。来年度予算でこの必要な予算が確保されたということでありまして、私どもとしては森林吸収源の3.8%達成について一応の目安が立ったと考えておる次第でございます。
 その他、産業部門、業務部門、横断的な施策、さらに省CO型の都市構造、それから京都メカニズム対策といったことになっております。
 続きして、参考資料3に移ります。これは全く分野が変わりまして、漂流・漂着ゴミの問題も実は地球環境の問題として今扱っております。といいますのも、年間、日本海側の海岸を中心に10万トンをはるかに超える漂着ゴミがあります。その中には中国語の入った注射器とか薬ビン、そういったものも多く混じり込んでいるということで扱っているものでありまして、従来は政府としてまとまった対応をしておりませんでした。昨年度から環境省が窓口になって政府の施策をまとめて推進するということになりましたので、こういった予算もまとめた次第でございます。
 具体的には、1枚めくっていただきまして3に実際に被害の著しい海岸にゴミが着いた、その処理をどうするかということで、今回相当な予算を手当ていたしました。例えば(1)の[1]ですが、これは国土交通省河川局等々の事業です。海岸保全区域内につきまして、台風あるいは外国からの漂流によるゴミが着いた場合、これまでは1,000立米を超える流木等については、海岸の保全施設に影響があるということで、国交省が県に対して2分の1補助をしておったわけですが、これにつきまして漂流・漂着ゴミも対象にする。なおかつ、その処理量を従来の70%から100%にするということで充実されたわけでございます。
 [2]が環境省で廃棄物対策として行う補助事業でありまして、これは海岸保全区域外です。これにつきまして、ゴミが着いた場合に、150立米以上ですけれども、その処理につきまして2分の1補助、残りの5割のうちの4割を交付金で措置するということがなされたわけでございます。
 最後のページの上から2つ目、(2)の[1]、国内削減方策モデル調査、3億5,000万でございます。2年間で7地域を対象にしてモデル調査を行いたいと思っております。1つの海岸を例にとりまして、その中で年3回程度、5km当たりの海岸を全部きれいにして、なおかつ、そのゴミがどのように、どこから流れてくるのかを観測する。また、具体的にどう処理することが一番環境保全上もよく、なおかつ安く済むか、そういった方策も探ろうということでございます。
 まだ不十分かもしれませんが、とりあえず初年度ですけれども、漂流・漂着ゴミについての予算体系が整備されたと考えております。
 以上でございます。

○米谷環境協力室長 環境協力室長の米谷でございます。引き続きまして、参考資料4と参考資料5を用いまして、環境省として重視しております東アジア諸国との環境政策対話について、実は昨年末に中国、韓国との間で、日中韓三カ国環境大臣会合を開催しました。そして、年が明けましてから、モンゴルとの間で第1回の日本・モンゴル環境政策対話を行いましたので、その結果について御報告いたします。
 日中韓三カ国環境大臣会合は1999年から毎年開催しております。今年は12月2日~3日、北京で行いました。結果は、概要に書いておりますとおり、まず、気候変動問題について、三カ国との間で国際社会が気候変動問題に対処するためには共同行動の必要があることを再確認する。そして、この三カ国環境大臣会合の直前に、今年はCOPが行われましたので、そこで行われた2008年に京都議定書の第二回の見直しを実施する決定がなされたことなどを評価するといったことを合意したところでございます。
 また、三カ国が入りまして、クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ(APP)をやっておりますので、これについても京都議定書を代替するものではなく、補完するものとして支持していく意思表明をいたしました。
 めくっていただきまして、黄砂についても、人の健康や悪影響を軽減するため、協力していくということで合意をいたしました。
 具体的に韓国から共同研究の設立などの提言がなされていたのですが、これについては、今後局長級の会議を開催して、検討していくということで合意をいたしました。
 また、漂流・漂着ゴミの対策につきましても、さらなる協力が必要との認識を共有しました。
 水質管理についても、地域の水環境の保全と管理における協力の必要性を確認いたしました。
 また、化学物質管理についても、政策や規制に関する情報交換を推進することで合意し、今年、日本でワークショップを開催することなどを合意したところでございます。
 また、この機会に日中、日韓の環境大臣会談を行いました。中国との間では、若林大臣より、中国に対して地球温暖化の対策に当たっては各国の能力に応じた対応が必要であり、特に温室効果ガスを大量に発生させている国には、抑制の努力が求められるといったことを申し上げました。中国の周大臣からも、第11次5カ年計画の中で目標を掲げてCOの削減に取り組んでいるという話がございました。
 そのほか3つの合意をいたしまして、今年日中環境保護合同委員会を再開すること、それから水環境管理の分野で日中共同研究をスタートさせること、廃棄物リサイクル政策分野で、局長レベルの政策対話を実施することに合意をいたしました。また、漂流・漂着ゴミについても、両国で前向きに取り組むということで一致をいたしました。
 韓国の大臣との間でも二国会談を行いまして、黄砂や循環型社会の構築について協力していく。また、温暖化についてもAPPの活動の重要性を認識し、引き続き情報交換などで連携を密にしていこうということを合意したところでございます。
 参考資料5に参ります。今年の1月に、今度はモンゴルとの間で、これは初めて環境政策対話を行いました。結果は下に書いてありますように、第1回目ということでありまして、双方が環境問題の状況、あるいは対策の状況を紹介し合うところから始めました。モンゴルは今大きく分けて2つの問題、1つは自然、生態系が非常に悪化しているという問題、それから、都市を中心に大気汚染や廃棄物処理などが大きな問題となっているというふうな紹介がございました。日本からは、公害対策から始まった日本の環境政策の歴史を説明するとともに、最近の問題として、廃棄物対策、自然環境保全についての取り組みなどを説明いたしました。
 その後、日本とモンゴルとの間では、黄砂、ウランバートル市の廃棄物管理、ユキヒョウの保全などで協力をしていること、それらについて双方で発表して、確認をしたところでございます。
 今後は、実は今回の政策対話で感じたのは、モンゴル側も非常に温暖化問題に関心を持っておりました。そういうこともあって、次回以降は、今回あまり主ではなくて取り上げなかった温暖化の問題、それから双方が関心を持って進めているエコツーリズムなどの問題も取り上げてやっていく。第2回はモンゴルで来年開催しようということで合意したところでございます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、お願いいたします。

○名倉研究調査室長補佐 研究調査室で補佐をしております名倉と申します。
 参考資料6を使いまして、IPCCの報告書について御説明させていただきます。
 IPCCの第4次評価報告書の第1作業部会報告書については、日本時間の2月2日にとりまとめられて、その時点で発表させていただいております。
 IPCCの報告書につきましては、2ページ目の右下にありますけれども、1990年に第1次の評価報告書が出されまして、その後、順次数年おきに出されておりまして、前回の第3次評価報告書が2001年に出されております。今年第4次評価報告書というのが順次出されております。
 それぞれのスケジュールと内容につきましては、2ページ目の左下の方に書いておりますけれども、大きく分けまして4つのコンポーネントからなっております。そのうち第1作業部会、これは科学的根拠についての報告書で先般とりまとめられて、承認されたということになっております。その後、第2作業部会、これは影響、適応とか脆弱性に関する報告書ですが、4月にとりまとめられる予定になっております。第3作業部会報告書、緩和策については5月にとりまとめられる予定になっております。それから、全体をとりまとめ直した統合報告書というのがありまして、それが本年の11月にまとめられる予定になっております。
 第1作業部会の報告書概要につきましては、裏面の3ページ、4ページを使って説明させていただきます。この中で一番大きなところとしましては、4ページの上の方に黄色で細く書いているところがあるのですけれども、人為起源の温室効果ガスの増加が温暖化の原因とほぼ断定されたということになっておりまして、第3次報告書の時点でも可能性が高いと、人為起源のものが温暖化の原因である可能性が高いというふうには言われておったわけですけれども、今回ほぼ断定されたということになっております。
 3ページに戻っていただきまして、これは行で幾つかの項目ごと、列の方で、左の方がこれまで観測された変化、右の方が将来予測というふうに書いてあります。
 まず、気温につきましては100年間で0.74℃上昇したということになっておりまして、上昇の仕方がだんだんと加速化しているということになっております。将来予測の方につきましては、21世紀中に、一番大きな幅でいきますと、1.1℃~6.4℃ということですけれども、これは社会のシナリオごとに予測をしておりまして、6つのシナリオがありますけれども、一番上と一番下のもので、2つ目のポツに書いておりますけれども、経済成長社会というものでの上がり方としては約4℃、幅としては2.4℃~6.4℃の幅で上昇するというふうに予測されています。また、経済と環境の両立した社会では1.8℃、幅としては1.1℃~2.9℃の幅で上昇するというふうに予測されております。この予測幅につきましては、今回炭素のフィードバックといいまして、温暖化がさらに温暖化を加速するというような要素も含めまして考えると幾らか幅が出るというような書きぶりになっております。
 それから、海面上昇については、1961年から2003年まででは年間1.8mmの上昇、93年から2003年の間では3.1mmの上昇ということで、これもだんだんと加速しているという状況をあらわしていることになっております。100年間、20世紀の間には17cmぐらい上がっているというふうに報告されています。それから、予測の方につきましても、同様に社会シナリオごとに予測がされておりまして、経済成長社会としては26cm~59cmぐらい上昇するであろう。経済と環境の両立した社会では18cm~38cmぐらい上昇するであろうというふうに言われております。
 この海面上昇の予測につきましては、気温の方とちょっと違いまして、炭素循環のフィードバックとか、氷河がゴソゴソッと崩れ落ちて海面が上昇するというような要素を入れずに予測された結果ということになっております。
 4ページの方にまいりまして、温室効果ガスの増加ですけれども、2つ目のマルになりますけれども、工業化前、二酸化炭素の濃度としては約280ppmであったものが、2005年では379ppmということになっております。それから、年間排出量の方も、90年代では年間64億炭素トンと言われておりましたものが、2000年~2005年の間では年間72億炭素トンということになっております。予測としても大きく濃度が上がるというふうに予測されています。
 それから、北極の海氷につきましても、10年当たり2.7%、特に夏期の10年当たりでは7.4%減少しておりまして、晩夏、夏の終わりの9月ぐらいですけれども、21世紀後半までにほぼ完全に消滅するというふうな予測がされております。
 それから、降水につきましても、これまでも地域によって増加するところ、それから乾燥が進むところというのがありまして、長期間の干ばつ地域というのも拡大しているということがこれまでに観測されております。これまでの観測でも大雨の頻度が増加しておりますけれども、予測の方でも、極端な高温や熱波とか大雨の頻度がさらに増加すると言われております。それから降水量も、増えるところでは増えて、減るところでは減るというような予測がされておりまして、高緯度地域では増加する可能性が大きくなっているとか、亜熱帯の陸域では減少する可能性が大きいということが言われております。
 その他というところで、例えば台風やハリケーンにつきましても、観測された結果としても、発生数に明確な傾向はないけれども、強度の増加が示唆されているとか、永久凍土が解けたり、面積が減っているということが言われております。予測の方につきましても、発生数の方は減少するというふうに言われておりますけれども、強度が強まったりとか、最大風速や降水量が増加するというふうに言われております。
 あと、ここには盛り込めていないのですけれども、例えば2030年までは社会シナリオによらずに、10年当たりで0.2℃温度が上昇するというふうな予測がされているとか、あと、海洋の酸性化が現状でも進んでいる。pHが0.1落ちておりますし、今後もさらに酸性化が進むというような予測も新しい見解として出されております。
 IPCCの報告書については以上でございます。

○鈴木部会長 それでは、GLOBEにつきましてお願いいたします。

○小島地球環境審議官 参考資料7、先週ワシントンで国会議員の会合が開かれました。オブザーバーとして見てまいりましたので、その報告をしたいと思います。
 主な出席者は日本、アメリカ、その他の国、フランス、イタリアが抜けておりますし、アメリカの委員の中でクレイグ議員という京都議定書強行反対波の議員もいらっしゃったので、それもつけ加えたいと思いますが、14カ国の国会議員が来られました。企業も、タタ・スティールは名簿にはあったのですが、いらっしゃらなかったと思います。そのかわりセメントの会社、スーパーマーケットの会社がいらっしゃいました。
 コンセンサス方式ということで、別添のところで"Washington Legislators' Forum Statement"というのがウェブでアップされております。この会議に集まった国会議員がG8プラス5のリーダーに注文するという形でこのステートメントがまとめられております。
 パラグラフの2は、今のIPCCの説明にもありましたけれども、90%の確率で人間が温暖化を引き起こしている。
 パラグラフの3は、スタンレビューのコスト・オブ・インアクションというのはコスト・オブ・アクションよりも大きいということを言っております。
 パラグラフの6ですが、climate securityという言葉が出ています。これはenergy securityやair security、あるいはbiodiversityということも増進させていくという、バイプロダクトもあるのだということです。climate securityの議論はアメリカの立法者の中にもストンと落ちておりまして、イギリスが初めて使ったわけですけれども、今後このclimate securityという言葉は温暖化、気候変動について多く語られることになるだろうというふうに思います。
 パラグラフの7は、450~~500ppm、equivalentですから、GHC全体でこれが究極目標だということであります。中国の代表団はいかなる数字も反対と言っておりまして、究極目標も2050年半減目標も嫌だと言っておりましたが、いろいろ調整をして、これだけは生き残ったということだろうと思います。
 パラグラフの9にテクノロジーがありますが、今日御議論いただいたCCS、あるいはrenewable、biofuels、energy efficiency technologiesという技術が列挙されております。強調されたのはglobal carbon price、market value for greenhouse gas emissionsということで、市場メカニズムをつくっていく、その技術を促進していく場合にもカーボン・プライスが非常に重要だということを言っております。
 パラグラフの10は、排出権取引を各国でつくって、それをリンクさせようということが書かれております。イギリスがメインになってドイツと一緒にまとめたわけですが、彼らの目から見て、ヨーロッパのETS、アメリカの東部のRegional Greenhouse Gas Initiative、それからカリフォルニア、ニューメキシコのEmissions Trading、そして5月末に報告書が出てくるオーストラリアのEmissions Trading、これが彼らの視野に入っている。彼らというか、レイスレーターの視野に入っているEmissions Tradingだということが言えます。
 13番が、次のフレームワークについての考えでありますが、タイミングとして今年のバリから始めて2009年に結論を得るというのがタイムフレームであります。先進国はロンターム・ターゲットをやる。そして、ディベロッピング・エコノミーは中国、インド、南ア、ブラジル等が来ておりましたが、Appropriate targetsという表現をしております。
 deforestationは20%程度の排出減になるということで、この会議では非常に重要視されているということが会議の雰囲気をあらわすステートメントだと思います。
 感想をちょっと述べさせていただきたいと思いますけれども、「アメリカの変化・ヨーロッパの力」というのが印象であります。中間選挙が終わって議会が始まるこの2月というタイミングで、それもキャピタルヒルで会議を開催する。この会議は別にアメリカがやっているわけではなくて、GLOBE INTERNATIONALの会長であるイギリス、そしてドイツが仕かけて開催した。とても日本にそんな芸当はできないなと思いました。そして、有力上院議員を出席させ、大企業のCEOを出席させ、世銀も出席する。ヨーロッパからは、メルケル首相のビデオメッセージと、メルケル首相のG8の2人のアドバイザーを出席させるということをやりました。
 企業の目玉は、ヴァージンの会長だろうと思います。リチャード・ブランソンというヴァージンの世界有数の大金持ちという会長が出てきました。
 次は「アメリカの変化」ということであります。もちろんブッシュ政権におきましては、下院の今の状況、上院の今の状況を見ても現時点で変化はないということは押さておく必要があります。すなわち連邦レベルのキャップ・アンド・トレード制度には反対、2013年以降の枠組み交渉に参加しない、京都議定書は批准しない、今の状況は変わらないということを押さえた上で、それでも、この中間選挙の後の変化というものをとらえておく必要があるだろうと思います。  この変化の第1は、クリントン=ゴアの時代は、政権は気候変動に積極的でありましたけれども、議会は非常に消極的でありました。仮にゴア大統領ができても京都議定書は批准されなかったかもしれません。しかし、ブッシュ政権の6年の間に議会は大きな変化を見せ始めまして、特に中間選挙後、アメリカの議会は大きく変わりつつあります。毎週のようにクライメイト・チェンジの公聴会が開かれていました。
 それから、アメリカの大統領選挙が前倒しになっておりまして、既に始まっているわけですが、共和党、民主党の候補もこれまで以上に早く決まるということで、来年の3月には次期大統領候補が決まるということであります。次期大統領候補の気候変動に対する政策も来年の3月には明らかになる。現在の最有力候補、共和党候補、民主党候補も気候変動の対策には非常に積極的ということであります。すなわち政権と議会が積極的になるという条件が整いつつあるわけですけれども、そういうことになりますと、アメリカの国内制度が整う可能性もありますし、アメリカが国際的なリーダーシップをとって合意をすれば、アメリカも批准ができる、そういうような状況になる可能性があるということだろうと思います。
 その雰囲気をあらわすアメリカの、ここに書かれている委員長等が出てきて演説をしたわけですが、「科学のコンセンサスは既に得られている。これまでアメリカは眠っていたけれども、今やリーダーシップを示す時が来た」と、非常な高揚感が感じられました。
 注目すべき議会の動きは2つだと思います。1つは、アメリカの国内法であるキャップ・アンド・トレードの法案であります。代表的なものはマケイン=リーバーマン法案でありますけれども、ケリー=スノー法案、ボクサー=サンダース法案、ビンガマン法、たくさん出てきています。これらの法案が収斂するのか、あるいはどの段階で収斂していくかということは見守っていく必要があります。上院は非常に自由な討論がありますので、議事妨害を排除して可決に持ち込むには60人の賛成が必要ということであります。マケイン=リーバーマン法案は、民主、共和の有力な大統領候補が賛成をしているので、大統領候補の法案というようなことを最近言われているようであります。
 仮に、キャップ・アンド・トレード法案が成立した場合に、ブッシュ政権が拒否権を発動するかということについて、カリフォルニア州東部のレジをはじめ気候変動に州が乗り出し、あるいは有力な企業もそれを支持する。もちろん石油会社は最後まで反対するかもしれませんが、という状況で、また、民主、共和の次期大統領候補がそれに賛成しているということから、法案を拒否する理由も少ないだろうというふうに見られております。ただ、収斂するかどうかというのが一番大きな問題ということであります。
 もう1つの注目すべき法案、決議はエルーガ=バイデン決議案でありまして、これはアメリカは国際交渉に乗り出すべきという決議案であります。前会期中、委員会では決議されましたが、上院本会議では決議されなかったものであります。この決議案は、1997年のバード=ヘーゲル決議案をオーバーライドする決議になるということで注目をされる決議案であります。この決議案が決議されるのか、あるいはどういう形で扱われるのかということもアメリカの動きを見ていく重要な鍵だと思います。
 今年中にこの2つの法案、国内法と対外交渉に関する決議案というのが可決されるのか、あるいは来年になるのか、あるいは2008年の大統領選挙後になるのか、それはわかりませんけれども、アメリカの議会の動きもあります。国内法が整備されればアメリカは国際交渉に乗り出してくるだろうと思います。ケリー上院議員もとにかく中国やインドを見ながら、「おれたちがやるのだから、おまえたちもやれ」と、非常に強力なメッセージを中国とインドに、特に中国に発していたということが印象的でありました。
 いずれにしても、頭の体操でありますけれども、「アメリカの変化・ヨーロッパの力」というものを感じた会議でございました。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。大変ビビッドなところを御紹介いただいて、いろいろ御質問があろうかと思いますが、ちょっと時間がきてしまいした。特にお聞きいただくことがありましたら、1件くらいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、事務局の方からお願いいたします。

○南川地球環境局長 どうもありがとうございました。最後ちょっと時間切れになって申し訳ございません。またいろいろな場で説明いたしますので、電話、メール等で結構でございますし、またできるだけこういう場をつくりたいと思っております。
 それから、今日の資料でございますが、公開にいたします。
 それから、会議録につきましては、今後作成いたしまして、皆様方に確認の後、公開ということにしたいと思います。
 どうもありがとうございました。

○鈴木部会長 それでは、本日の議事を終了させていただきます。ありがとうございました。

午後 3時27分 閉会

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