中央環境審議会第44回地球環境部会・産業構造審議会環境部会地球環境小委員会・中央環境審議会地球環境部会合同会合(第7回)、産業構造審議会・総合資源エネルギー調査会自主行動計画フォローアップ合同小委員会化学・非鉄金属等ワーキンググループ(第6回)合同会議議事概要

日時

平成19年1月29日(月)10:00~12:30

場所

霞ヶ関ビル東海大学交友会館 阿蘇・朝日・東海の間

出席委員

(合同会合)茅地球環境小委員長、鈴木地球環境部会長、青木委員、碧海委員、浅岡委員、浅野委員、石坂委員、潮田委員、及川委員、逢見委員、大塚委員、鹿島委員、木下委員、黒田委員、河野委員、小林委員、塩田委員、鈴木(正)委員、須藤委員、住委員、高橋委員、高村委員、千葉委員、富永委員、内藤委員、中上委員、永里委員、長辻委員、新美委員、西岡委員、原沢委員、福川委員、桝井委員、三橋委員、森嶌委員、横山委員、吉田委員、米本委員、渡辺委員

(化学WG)橘川座長、角田委員、里委員、堤委員、中村委員、西委員、浦野委員


1.

代替フロン等3ガスの排出削減の現状と見通し

 鈴木地球環境部会長から開会の挨拶の後、「代替フロン等3ガスの排出削減の現状と見通し」について、中井産構審化学・バイオ部会地球温暖化防止対策小委員会委員長、各業界等((社)電子情報技術産業協会、(社)日本マグネシウム協会、(社)日本冷凍空調工業会、(株)前川製作所)から資料1~5に基づき、説明が行われた。

2.

化学・非鉄金属関連業界の地球温暖化対策の取組について

 経済産業省藤原環境経済室長から資料6に基づき、自主行動計画フォローアップの概要について説明が行われた後、化学・非鉄金属WGの各業界(日本化学工業会、石灰製造工業会、日本ゴム工業会、日本電線工業会、日本アルミニウム協会、日本伸銅協会)から、資料7~12に基づき、化学・非鉄金属関連業界の地球温暖化対策の取組について説明が行われた。

3.

WG・合同会合委員の発言

 代替フロン等3ガスの排出削減の現状と見通し、化学・非鉄金属関連業界の地球温暖化対策の取組について、委員からの発言及び発言への回答は以下のとおり。

  • 各業界の対策が前向きに行われ、着実に進んでいる点を評価。例えば、前回の製紙業界のように当初目標を達成した上で、更にそれ以上の目標に向けて一生懸命取り組んでいるところもあり、非常に良いことだと思っている。目標が未達成の業界についても、本当に達成できるのかということと、達成のために最大限努力するという意気込みを聞かせて欲しい。
  • 民生部門への取組についても、社会貢献という観点で、生活者に向けた取組をしっかりと行って欲しい。環境分野は儲からないということで、取組を行ってこなかったが、ここ最近、環境問題への企業の取組が急速に進んでいることは非常に良いことだと思っている。環境への取組を考える時には、消費者への接点についてよく考えて貰いたい。
  • 国内での達成だけでなく、中国等の対策促進のため、国際的な貢献についても考えていくことが重要。日本は、リサイクル・エネルギーの分野での取組が進んでいるので、マスコミなどを通じて、他国に対して日本の進んでいる面を示すようにして欲しい。
  • CO削減のポテンシャルについて考えるべき。自主行動計画では、エネルギー消費量、CO排出量、各原単位を指標として対策の進捗を評価しているが、これらの指標だけでは、評価できない部分がある。例えば、化学業界では、製品を製造する過程以外から排出される分が全体の3分の2になるので、製造過程からの削減を考えると、削減ポテンシャルは全排出量の3分の1程度しかないことになる。化学業界では、製品をどのようにリサイクルさせるかがポイントとなってくるだろう。他にも、石油からの排出量全体のうち精製の際の排出量は数%にとどまり、この部分の取組が石油業界の削減ポテンシャルということになる。このように、各業界において、削減ポテンシャルとなる部分がどこにあたるかを考えていかないと、更なる削減を進めるのは難しい。
  • 削減ポテンシャルという観点で見た場合、エクセルギーがどれだけあるのかを考えることが大切。
  • 日本冷凍空調工業会から、ヒートポンプについての説明があったが、本来ヒートポンプはコジェネと比較して論じられるべき。高効率というためには、COP4~6かそれ以上の効率の機器の開発を進めることが必要。
  • このまま取組を進めていくと、いずれ削減の限界に行き当たることになる。どの部分からCOが発生しているのか、トータルで考えて削減を行っていかなければならない。特に素材産業では、素材を作るのにCOが発生するが、その素材で作られた製品に省エネ効果があれば、民生分野でCO削減が行われることになる。作った製品のライフサイクルでの削減効果をうまく織り込んで評価できれば、トータルでの削減を進めることが出来る。
  • 生産量が増加するところは、どうやってもトータルのCOが増えてしまうので、原単位ベースで見たときにいかに原単位を減らすかが重要な点だと考える。
  • 海外との比較についても、もっと行うようにすべき。特に、企業がグローバル化しているので、海外に工場を移転した場合、世界全体でのCOが増えることも考えられるので、その点の配慮からも比較を進めておくことは重要。
  • トータルのCOを削減するためには、リサイクルだけでなくリユースも重要であり、リユースについての取組についても見ていくようにすべき。
  • 代替フロン等3ガス全体については、予定よりも大幅な削減が進んでいる点を評価。ただし、逆に言うと、2010年の当初見通しが過大になっていたのではないかとも考えられるので、是非根拠をもった目標の見直しをすべきである。
  • 2010年以降のこともあるので、ノンフロン化・低GWP化の今後の計画なども具体的に示してほしい。
  • 半導体・液晶関係について、世界半導体会議等の目標よりも高い目標を日本は達成して欲しい。そのためには、除害設備の設置が中心とのことであったが、今後の除害設備の整備予定について具体的に示してほしい。
  • 液体PFCの熱媒体での使用状況が不明なので教えて欲しい。
  • マグネシウム関係は、元々の計画(生産量見込み)が非常に大きく取られており、実際には4分の1にしかならない見込みもある。国際的には、マグネシウム委員会やEUにおいて、2010年や2008年にSF6の全廃を見込んでおり、それに対し日本の目標は、2010年で40%、2020年で60%の代替化というものであり、もう少し前向きな目標にできるのではないか。
  • 空調分野のHFCについては、今後、使用量が大きく増加する見込みであり、新しい法律が出来て回収率がもっと上がるということについての対応も必要だが、問題点として、使用中の現場設置型機器やカーエアコンの使用時に相当な漏洩量(補充量)があり、例えばカーエアコンで千数百トンから2,000トン出ており、現場設置用の空調機器であると、充填量と同量のものが漏洩しているものと思われる。漏洩量に対する目標や管理体制について考えていくべきであり、必要であれば目標設定や規制を行うことも考えるべき。
  • 日本アルミニウム協会の2010年の生産量見通しだが、通常考えると、この資料のようには生産量が伸びないのではないか。根拠をもって正確にして欲しい。また、石灰製造業については、目標達成が厳しい印象を受けるが、工業の特色を明確にし、目標達成にむけた努力を一層進めて欲しい。
  • 代替フロンの削減をさらに進める立場から3点伺いたい。一つは、PFCの除害装置設置で削減を進めるとのことであるが、装置の効率性はどの程度あるのか。あるいは、PFCの代替はあり得るのか。二番目に、 HFCについては、回収率を60%にまで上げることを前提としているとのことだが、技術上、現実には、最大限どれくらいまで回収が可能と考えるか。三番目に、自然冷媒の可能性について、コスト高とのことであるが、台数が出れば、通常の代替フロン材との競争に勝てるのか。
  • 自主行動計画については、これまで主に国内の議論として行われてきたが、今後国際的に打ち出すことも考えるべき。昨年のナイロビでのCOPの議論の後、世界的にセクトラル・アプローチが活発化している。例えば、EUでは自動車の環境規制の目標引き上げが発表され、米国の大企業によりCO削減に関する発表が行われたりしている。日本の自主行動計画のようなセクトラル・アプローチを国際的に発信すべき。
  • 代替フロン分野については、各部門の削減努力を評価したい。今後は、冷凍・空調機分野の増大が懸念されるが、使われているガスの回収と破壊がカギとなる。そのためには、業務用空調機を使用するビルオーナーやゼネコンへの普及啓発及び協力推進が必要。また、3ガスはかなり削減されたので、これ以上の削減を進めるためには、技術革新のブレイクスルーが大切であり、技術開発のための支援を政府当局にお願いしたい。
  • 資料7-1の20頁・21頁において、日本化学工業会から、新目標設定についての取組について発言があったが、チャレンジャブルで非常に良い。是非前向きに推進して欲しい。
  • 2010年の見通しが非常に重要であるが、見通しを作る際の考え方が業界によって違うようである。例えば、石灰製造業界ではBAUとして数値見通しとして出している。今後実施する削減対策がある程度はっきりしているので、その効果を織り込んだ見通しも出せると思うが、見通しをBAUにしている理由は何か。
  • 日本ゴム工業会の資料では、資料9の7頁に将来の詳細な見通しがはっきりと示されている。ただし、2010年のCO排出量見通しが、こちらでは90%だが、同じ資料の4頁で示されている将来見通しでは92.2%と数字が違っているが、その理由は何か。
  • 自主行動計画のカバー率については、業界によって90%のところから77%のところまで様々であるが、各業界は自主行動計画に非参加の企業を参加させるような働きかけは行っているのか。発表の中で、コスト的にきついという話があったので、同じ業界内で、取組を積極的に行っている企業と行っていない企業の不公平が生じないよう、幅広い企業に参加への働きかけを行うことが重要ではないか。
  • 半導体・液晶分野のPFCの排出について、世界では10%増えているところ日本では50%近く減らしているとのことで、大半は除害装置の設置により大幅に減らしているとのことであるが、そうした除外装置等の新技術について、国内外での使われ方や導入状況はどのようになっているのか。内外で差異があるのか。あるいはノウハウや特許の問題などで、海外で導入するのに問題になることなどあるのか。また、昨年、 WSCに中国が参加したが、工業会として中国へどのように支援や援助をしたり、関係を持っているのか。
  • SF6の削減は、自動車製造過程を中心に行っていくことになると思うが、中国での自動車生産が増えている中で、中国でのSF6削減がどうなっているのか伺いたい。
  • 日本アルミニウム協会は、原単位10%改善を目標として設定しているが、その根拠が不明である。また、既に過去3年間目標を達成しているとしながら、目標値の引上げを行わない理由が納得できない。このような対応では、自主行動計画としてのインセンティブのなさが非常に出ている業界ではないか。しかも、採られている対策を見ても、各社の省エネ事例集をホームページに公表するといったものがほとんどで、資本を投下して行っているものではなく、真剣に対策を行っているようには感じられない。もっとしっかりやって欲しい。
  • 代替フロン等3ガス関連業界の削減のための努力を評価。今後、一層目標をきびしくすることも含めて取り組んでいって欲しい。
  • 日本冷凍空調工業会の資料4の7頁のグラフでは、まずCFCから HCFCへの代替が進み、更に、HCFCからHFCへの代替が進んでいる状況が見て取れる。このような状況は、オゾン層保護の観点からは、対策が進んでいると評価できるのだが温暖化対策の観点からは、 HFCが増加しており問題である。HFCの代替となるガスの開発は非常に難しく、HFCに代わる冷媒はないとのことだが、ノンフロン化社会の実現に向けて代替ガスの開発にさらに力を入れて欲しい。また、代替ガスの開発の現在の状況を教えて欲しい。
  • マグネシウム協会に関しSF6の代替ガスの開発については、現在、代替ガスの安全性確認を進めているとのことだが、開発を急ぐあまり、安全性を疎かにすると使った後で大きな問題となる。安全性確認の見通しについて教えて欲しい。
  • 冷凍空調機のHFC回収の目標は60%とのことだが、法改正をしたこともあり、実現可能性はどの程度あるのか。
  • 日本アルミニウム協会の目標設定などについてコメントがされたが、目標指標は原単位で設定されており、今後の軽量素材製造量増によって原単位が厳しくなり目標を変えづらいこと、しかし軽量化によって最終製品での環境負荷減について定量的に見通しなど示されていることがそれなりに理解できる。
  • 他方、日本ゴム工業会は、目標設定が原単位と総排出量の両方で目標を設定しているので、CO排出量を減らさなければならず、目標引上げが難しいという説明になっているが、将来見通しからしても、容易に両方の目標が達成できるようであり、にもかかわらず目標を引き上げないとされている点は、日本アルミニウム協会に比して理解が困難、日本ゴム工業会は目標の深堀が可能なのではないか。無論、タイヤの改良(「低燃費タイヤ」)の使用による他部門での負荷軽減が見込めることは理解できるものの、残念ながら今年は定量的に評価ができないので定性的に表現されるにとどまっていて説得力を欠く。今後、きちんと定量的な算定の努力をするつもりがあるのか教えて欲しい。
  • 代替フロンの排出量について、世界の排出量が10%増で、日本の排出量が50%減というのは、何に基づいて出された数字なのか。現状の排出量から考えると、目達計画上の見通しが充分とは言えなかったということではないのではないか。
  • ノンフロン化の進展について、(株)前川製作所の資料(資料5の9頁)では、冷媒の圧縮装置の普及度を比較すると、日本より海外の方が普及が進んでいるようだが、(社)電子情報技術産業協会の資料(資料2の16頁)では日本が努力しており、日本以外の諸外国は代替フロンの削減が進んでいないことになっている。ものによって異なるとは思うが、最近のノンフロン化に関する国際的な動きや機器毎の国際状況を教えて欲しい。
  • 日本においてノンフロン型の冷凍機の導入は少ないようだが、目達計画では16万台普及させるとしながら、実際には2,000~3,000台でしかない。普及を進めるためにはどのようにすべきか。機器のコストを下げる施策が必要ではないか。
  • エアコンについてとても難しいという話だが、資料4の4頁から考えると、日本は世界に比べ、家庭に入っているエアコンが人口比で多いのではないかと思う。高効率空調機の導入を進めていくことが重要と考えるが、家庭だけでなく、業務分野でも高効率空調機の導入は1.2万台の導入目標のところを300台程度しか入っていない。特に業務用についてはコストの問題があるのだろうと思う。
  • 代替フロン分野の削減について、発泡剤での使用もかなりあると思うが、今回、発泡剤での使用状況などの説明はなかった。発泡剤での代替フロン使用をどうするかも課題である。
  • 日本化学工業協会の説明で、参加企業数の54%が目標を達成しているとの説明があったが(資料7-116頁)、各企業で目標が達成できるかどうかは、企業の規模や資力が大きく影響してくる。目標が達成できない企業のレベルに全体の目標を設定すると甘い目標になってしまうので、事業者別にきちんと分析することが必要。
  • 化学業界全体で、省エネ投資が250億円程度あったとの説明であるが、業界全体の出荷額が23兆円あり、エネルギーコストがその5%から20%、平均して10%、つまり2兆円程度のコストがかかっているとすると、削減できたエネルギー量が1.6%ぐらいとざっとすれば、250億円の省エネ投資をすれば、投資と相当近いコスト削減が見込めるのではないか。業界として、投資額についての情報を、どのような形で収集していて、投資回収をどのように検証していて、その分生じたコスト削減分についてどの程度で投資の回収できるのかを見てもらうと、今後の削減可能性が見えてくるのではないかと思う。

○日本化学工業協会

  • 事前に紙で提出された指摘の点について3点回答をさせていただく。「化学工業と石油精製業間でエネルギー利用のやりとりがあるが、両業界での連携がどのようになされているのか」との指摘については、コンビナートを形成している場合もあれば、場所的に離れているような状況もあり、連携について一概には言えないが、今後、検証を進めていきたい。
  • 2点目として、「業種細分類ベースでエネルギー消費量やCO排出量がどうなっているかの内訳を示して欲しい」との点については、いくつかの業種でコンビナートを組んで一つになっている場合、出荷額ベースでは比較的容易に切り分けができるが、エネルギーベースでは切り分けが上手くいかない場合が多い。エネルギーベースで切り分けようとすると企業の細かい部分まで立ち入って見なければならないため、産業分類ベースでのエネルギー消費量等の内訳については、可能な範囲で行っていきたいと考える。
  • 3点目として、「エネルギー原単位のより大きな製品のシェアが増えた場合、エネルギー消費量やCO排出量の絶対値が増加するのに、業界全体でみた現在の原単位の指標はむしろ改善する可能性がある」との指摘の点は、製品構成において、原単位の悪い製品の比率が高くなると、全体の原単位は悪化するため、このご指摘は適切ではないと認識している。
  • 個別企業での目標達成状況についての質問があったが、資料にも書いたとおり、業界目標を達成している企業は、企業数ベースで54%であり、未達の企業については達成ができるように加速化を進めていきたい。また、投資額についてご質問があったが、個別企業ごとその投資が回収できたかどうかまでは把握できていない。データは企業内部の問題もあるので、すぐには把握することは難しいが、可能な限り評価できるように取組を進めていきたい。

○石灰製造工業会

  • 2010年度の目標達成は大丈夫かとのご質問があったが、2004年度に大手4社が自主行動計画に参加しており、大手4社が参加する前は目標達成がクリア出来る状態であった。現在は、新たに参加した大手4社に協力してもらい、目標が達成できるように取組を進めている。
  • 2010年度見通しについてBAUを用いている点については、2010年度見通しは、経団連の予測成長率を現状の活動量に掛け合わせて見通しを推定しており、経団連の自主行動計画での見通しの策定方法に準拠している。
  • 「原料とされる石灰石起源のCOについても、その排出量を資料に明記した方が良い」との指摘については、そのような形で資料を修正させていただく。

○日本ゴム工業会

  • 資料9の4頁におけるCO排出量見通しと同資料7頁のグラフにおけるCO排出量見通しが違っているのではないかとの指摘については、4頁の数値が自主行動計画参加27社全体での見通し値であるのに対し、7頁の見通し値が2006年~2010年の各年見通しについて回答があった13社分の数値をまとめたもののため、数値が違っている。
  • 民生・運輸部門で「低燃費タイヤ使用によるCO削減効果」について定量的な効果を出せるように検討進めるべきとのご意見については、定量的効果を推計する方法をまずは検討していかなければならないと考えている。今後、効果推計の方法について検討を進めていきたい。

○日本アルミニウム協会

  • 目標設定の根拠についてご指摘をいただいたが、目標設定は、自主行動計画に参加している6社それぞれの目標を積み上げて設定したものである。また、対策についても毎年10億円程度の投資が行われ、省エネ法に従って毎年1%ずつエネルギー原単位の改善も行ってきている。また、毎年、省エネルギー委員会で各社の省エネ等のノウハウが提示されており、その結果を、会員企業用のホームページに公開し水平展開している。
  • 現在、目標を達成しているが、今後、自動車のアルミ化を進めていくと原単位の改善が難しい。自動車は、製造時よりも使用時の方がCO排出量が大きいため、自動車のアルミ化で製造時のCO排出量が増えても、軽量化で使用時の排出量を数倍減らすことが出来る。また、製錬を海外で行っているので国内のCO削減効果は更に大きなものとなる。このため、業界としては、自分自身の排出量が増えてしまっても、トータルでの削減に貢献できるため、自動車のアルミ化を積極的に進めていきたい。
  • 2010年の生産見通しについて、これまでの冷夏の年のデータを除いてプロットすると年1%の成長を見込んだ2010年度の生産量は妥当である。現在、輸出量で生産調整しており、今後、参加企業のうち2社が生産能力拡大を計画しているため、生産量が増加するものと見込んでいる。

○(社)電子情報技術産業協会

  • PFCの除害装置の能力に関してご質問があったが、除害装置の除害効率は90%となっている。排出削減のための取組として、資料2の10頁で記載のとおりプロセス最適化による使用量削減、低GWP物質への代替の取組もあるが、現状もっとも削減効果のある除害装置の設置を中心に、今後も排出削減を進めていくこととなる。また、液体 PFCの状況へのご質問については、(社)電子情報技術産業協会関連では京都議定書対象物質の液体PFCの排出は、ごくわずかとなっている。
  • 半導体・液晶分野の市場は国際的に厳しい状況にあり、競争相手は、米国・韓国・台湾・中国であり、これらの国は京都議定書において削減の義務を負っていない。このような状況の中で当業界は温室効果ガスの削減を行っている。世界の目標を日本の目標に採用しているかのご質問があったが、それは逆で代替フロンの分野での削減を進めるために、日本の当業界において自ら削減目標を設定して、その削減目標を日本から世界に提案して、削減を進める環境を整えた。また、最近中国がWSCに参加したが、中国ではデータ自体が不十分なため、対策や評価などもまだまだこれからの状況であるので、日本の業界がリーダーシップを発揮している。

○(社)日本マグネシウム協会

  • EUでは、2008年以降、 SFを850kg以上使用する者については、使用を禁止することとなっており、米国では、自主的な取組だが2010年に使用を止めることとしている。その後の対応策としては、欧州は、 SFの代わりに、これまで使ってきているSOを使うことを念頭においている。日本では、 SOを使うことは社会的に難しいため、SFの代替となるガスを新たに開発しているところ。国産ガスが開発されて始めて、 SFの代替が可能となる。
  • 代替ガスの安全性については、ガスメーカーにお願いして検証を進めて貰っている。安全性の確認はしっかりと行った上で代替ガスの開発を進めたいと考えている。

○(社)日本冷凍空調工業会

  • 冷凍空調機からの代替フロンの回収目標60%という数字は、非常に難しい数字であると認識しているが、関係団体の横での連携を密にし、回収目標を達成させたいと考えている。60%という数値は、仕組上、回収ができない部分もあることを考慮すると、非常に高い目標値である。
  • HFCは、特定フロンから HFCへの転換が進んだことで、今後使用量増加が見込まれるため、回収によりしっかりと対応していきたい。なお、機器の使用中の漏出については、食品製造や化学プラントからの漏出が把握できていないため、全体としてどれくらい漏出しているかがわからないが、今後規制するかどうかは、国の方針によるものと考えている。
  • 自然冷媒の一般空調機への導入については、現在の技術では困難である。自然冷媒については、毒性・可燃性・効率の3つの問題が全てクリアされないと使えない。給湯器では自然冷媒が実用化しているが、エアコンでは現在の技術では不可能である。そのため、自然冷媒については、替わり得るような機器の開発をNEDOと進めているところであり、各企業の技術開発に期待したい。
  • ノンフロン・コンプレッサが話題になったが、世界のエアコン6,200万台中、約99%はフロンのコンプレッサである。

○(株)前川製作所

  • 自然冷媒を使用した機器は製造コストが高いが、数年程度ランニングコストを見れば経済性はある。また、普及が進めば、量産効果によりその効果を上げることが出来る。現在、特に我々と関係が深い冷凍倉庫業界でも古い設備のリニューアルの話が出ており、その際には自然冷媒導入をかなり御検討頂いている。設備の普及が大きなポイントかと考えている。
  • 海外の方が日本に比べてノンフロン化率が高いことの理由だが、大型の冷凍冷蔵設備について、海外と日本ではアンモニア冷媒の使い方が全く異なっており、アメリカ・ヨーロッパ・アジア・ラテンアメリカではアンモニア冷媒を使用した古い大型冷凍・冷蔵庫が6~9割ほど残っているのに対し、日本では、90年代に石油業界での事故があったこと等により、冷媒のフロン化の推進がなされ、日本だけが95%以上がフロンとなったことが挙げられる。
  • エアコンでの自然冷媒の話については、我々はエアコンに対応していないが、長期的な対策としては必ず必要な検討であり、各メーカーも検討を始めていると考えている。自然冷媒の技術普及には我々も協力させていただきたい。

○藤原環境経済室長

  • セクトラル・アプローチについて日本もその取組を世界に発信すべき、とのご意見は、前回の審議会においても指摘を受けており、重要な課題であると認識している。今後、本審議会等の場でも、国内的な論点のみならず、APP、ポスト京都を含めた国際的な議論も忌憚無くお願いしたい。

○橘川座長

  • 温暖化対策は本音で話さなければならない段階にきている。日本の自主行動計画が、「地球環境対策と国際競争力の両立」のための良いモデルとなるよう、各業界には智恵を出して頂きたい。また、いくつかの業界においては、目標の一段の深堀りを検討していただきたい。
  • 今回のフォローアップ結果は、2月頃に開催予定の合同会議にて報告することとしたい。本ワーキンググループの報告資料については、各委員のご意見も踏まえ、座長取りまとめとしたい。