中央環境審議会地球環境部会(第36回)議事録

1.日時

平成18年9月13日(水) 午後3時02分~午後4時44分

2.場所

フロラシオン青山 「芙蓉」

3.出席委員

(部会長) 須藤 隆一
(部会長代理) 浅野 直人
(委員) 浅岡 美恵 大塚 直
鈴木 基之 早瀬 佑一
桝井 成夫
(臨時委員) 青木 保之 天野 明弘
石坂 匡身 浦野 紘平
及川 武久 川上 隆朗
小林 悦夫 塩田 澄夫
清水  誠 富永  健
中上 英俊 永里 善彦
長辻 象平 福川 伸次
横山 裕道

4.議事次第

  1. 地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の実施可能性とその海洋環境への影響防止の在り方について
  2. 経団連環境自主行動計画フォローアップへの参加について
  3. その他

5.配付資料

中央環境審議会地球環境部会委員名簿
中央環境審議会議事運営規則(委員限り)
資料1-1 地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋環境への影響防止の在り方について(諮問)
資料1-2 中央環境審議会地球環境部会気候変動に関する国際戦略専門委員会
CO回収・貯留技術(CCS)について(審議経過の整理)
資料2 自主行動計画フォローアップ専門委員会の設置について(案)
資料3 割当量報告書における報告事項等について
資料4 中央環境審議会地球環境部会気候変動に関する国際戦略専門委員会適応対策について(審議経過の整理)
資料5 京都議定書目標達成計画の一部変更について
資料6 京都議定書目標達成計画の進捗状況
資料7 熱利用エコ燃料の普及拡大について
資料8 オゾン層保護対策推進月間の取組について(お知らせ)

6.議事

午後 3時02分 開会

○事務局 それでは、定刻を過ぎておりますので、ただいまから第36回の中央環境審議会地球環境部会を開催いたしたいと思います。
 本日は、委員総数40名中22名の先生に御出席いただく予定でございます。ただいま18名の先生方に御出席いただいております。本日、御出席予定の先生方、22名の先生方でございますので、若干遅れられると思いますけれども、本日、定足数に達するものと考えてございます。
 また、本日の会議は中央環境審議会の運営方針に基づきまして、公開として実施させていただいております。
 また、議事に入ります前に、私ども環境省の方で、9月5日付で人事異動がございました。まず、地球環境局長でございますけれども、小林が官房長にかわっております。出席予定でございますが、今、遅れておりまして、後ほど御挨拶をさせていただきたいと思います。
 新任の地球環境局長ですが、南川でございます。

○南川地球環境局長 よろしくお願いします。

○事務局 私、地球温暖化対策課長でございましたが、今度、地球環境局の総務課長でございます。改めて、よろしくお願い申し上げます。
 私の後任で、地球温暖化対策課長になっております小川でございます。

○小川地球温暖化対策課長 小川でございます。よろしくお願いします。

○事務局 その後の環境保全対策課長でございますが、徳田でございます。

○徳田環境保全対策課長 徳田でございます。よろしくお願いします。

○事務局 それでは、地球環境局長の南川の方から、御挨拶をさせていただければと思っております。

○南川地球環境局長 皆様、雨の中、またお忙しい中、大変ありがとうございます。こうして20名を超える先生方にご出席いただいて、非常に重要な問題をご審議いただけると、大変喜んでおる次第でございます。
 9月5日付をもって地球環境局長を拝命いたしました。私、以前は自然環境局長をしておりまして、またその前が廃棄物リサイクル対策部長、その前が環境保健部長ということで、外から見ると、ころころ変わっていると、いつも言われるのですけれども、その中で、各分野ごとの地球環境問題ということには取り組んできたつもりでございます。今回、地球環境局長を拝命しまして、そういった従来の個々の地球環境問題の取組を、ここでぜひ集大成をしたいというふうに考えている次第でございます。
 私、この仕事をもう30年以上やっておりますけれども、やはり環境の仕事というのは、裏表なく仕事を進めることが大事だというふうに考えております。これまで、さまざまな分野の方とお付き合いをしてまいりましたけれども、その中で時と場合によっては、言うことがまるで裏返しになる。毀誉褒貶相半ばするということもありますけれども、そういう人とたくさんお付き合いをしてまいりました。
 やはり、環境行政というのは、私はぜひ真っ直ぐに進みたいと思っておる次第でございます。ぜひ首尾一貫したポリシーをつくって、たとえ苦しくても、歯を食いしばって頑張っていきたいというふうに考えておる次第でございます。そのためには、多くの方のご意見に真剣に耳を傾けたいと思っております。また、実際に現場も見たいと思っております。実は拝命しましてすぐ週末でございますけれども、大阪と宮古島を訪ねまして、当座進めたいと思っておりますECGのためのエタノールの製造現場にも行ってまいったところでございます。ぜひともしっかりした仕事をやりたいと思っております。
 本日は二酸化炭素の海底貯留の課題、いわゆるCCSでございますけれども、これについて諮問いたしましたので、その議論を行っていただきたいということでございます。  また、もう一点は経団連環境自主行動計画のフォローアップということでございますので、非常に大きな課題でございます。ぜひとも皆様の活発なご議論をお願いする次第でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○事務局 続きまして、官房長の小林の方から一言御挨拶させていただければと思います。

○小林官房長 南川局長に地球環境局長をお願いいたしまして、9月5日付で官房長の方に移りました小林でございます。今回は前回の京都議定書のころと比べまして、1年間、短い期間でございましたけれども、この中央環境審議会地球環境部会には大変なご指導を賜りまして、この席をおかりいたしまして、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
 フロンの排出抑制、規制の問題、そして海洋汚染の問題、そして京都メカニズムの法制化というようなことでございまして、大変難しい話題でございましたけれども、適切なご議論をいただきまして、環境省を助けてくださいましたこと、また地球環境局を助けていただきましたこと、大変厚く御礼申し上げます。
 官房と立場は変わりますけれども、地球環境問題、これは環境省全省を上げて取り組むべき最重要課題の一つでございます。私としても、ここでいろいろ頂戴いいたしましたご薫陶を踏まえまして、引き続き官房の立場で頑張ってまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

○事務局 報告をいたしますけれども、ただいまで定足数を足りております。
 それでは、部会長、議事の方をよろしくお願いいたします。

○須藤部会長 かしこまりました。それでは、議事進行を進めさせていただきたいと思います。
 配布資料の確認をその前にやらなければいけませんので、私の進行の前に、事務局の方から配布資料の確認をまずお願いします。

○事務局 それでは、配布資料の確認をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、これは番号がついておりませんけれども、地球環境部会の委員名簿がございます。その次は、中央環境審議会議事運営規則でございます。これは両方とも資料番号がついてございません。
 その次でございますが、資料1-1といたしまして、環境大臣から中央環境審議会に対します諮問の資料がございます。資料1-1でございます。
 資料1-2は、その諮問についての中身でございますが、中央環境審議会地球環境部会気候変動に関する国際戦略専門委員会CO回収・貯留技術についてということの資料が1-2としてついております。
 資料2でございますが、自主行動計画フォローアップ専門委員会の設置について(案)という資料でございます。
 次に資料3でございます。割当量報告書における報告事項等についてという資料、これは横長になってございます。
 次の資料4でございますが、中央審議会地球環境部会国際戦略専門委員会適応対策について、審議経過の整理というのは、資料4でございます。
 次に資料5でございますが、京都議定書目標達成計画の一部変更についてという資料でございます。
 資料6でございますが、京都議定書目標達成計画の進捗状況という資料でございます。
 資料7、これは冊子でございますが、熱利用エコ燃料の普及拡大についてという、こういう冊子でございます。
 資料8、これは記者発表資料でございますが、オゾン層保護対策推進月間の取組についてでございます。
 あと、リーフレットとしてフロンの回収が必要ですといったリーフレット、それと平成19年度の環境省の重点施策について配布させていただいております。なお、一番最後の重点施策の方については、委員限りでございます。
 以上でございます。何か足りない、抜けているものがあったら、お知らせいただければ、大変ありがたいと思います。

○須藤部会長 それでは、よろしゅうございましょうか。議事進行を始めさせていただきたいと思いますが、委員の先生方におかれましては、大変足元の悪い中、御多用の中をお繰り合わせ御出席いただきまして、どうもありがとうございます。
 また、本日も大変多くの傍聴の方にもおいでいただきましたことをお礼を申し上げておきたいと思います。
 本日は、その他まで含めますと、先ほども御紹介いただきましたように3つございますが、主とした議題は2つでございます。
 議題1の地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋資源への影響防止の在り方についてということと、それから経団連環境自主行動計画フォローアップへの参加についてということで、3番目がその他ということでごすが、本日も先生方には15時から18時ということで、3時間のご連絡を申し上げてあったかと思いますが、これはいつものとおりなので、そのようにしていただいたわけでございますが、本日の議題の進行によりましては、恐らくでございますが、17時ぐらいにはおおむね終了できるかなと予想をしているところでございますので、その辺をお含みおきいただきまして、議事進行にもご協力いただければ、大変幸いだと、こう思っておりますので、よろしくご協力をいただきたいと思います。
 それでは、最初の議題、審議事項、地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋環境への影響防止の在り方についてということでございますが、これにつきましては、資料1-1のとおり、9月4日付で環境大臣から諮問がなされ、地球環境部会に付議されたところでございます。事務局から諮問文を読み上げていただくとともに、その趣旨について説明をいただきたいと思います。あわせて専門委員会の設置についても説明を願います。さらに、二酸化炭素貯留技術については、国際戦略専門委員会において別途審議をいただいておりますので、その審議状況についても合わせて御説明を願いたいと思います。
 徳田環境保全対策課長と水野国際対策室長、続けて御説明をお願いしたいと思います。
 それでは、まず徳田課長の方からどうぞ。

○徳田環境保全対策課長 それでは、資料1-1を御覧いただけますでしょうか。
 今、ご指示ございましたように、まず諮問文を読み上げさせていただきます。
 地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋環境への影響防止の在り方について(諮問)。
 環境基本法第41条第2項第2号の規定に基づき、地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋環境への影響防止の在り方について、貴審議会の意見を求めます。
 諮問理由。地表環境の大部分を占める海洋環境の保全は、地球環境保全にとって極めて重要であり、海洋汚染を生じさせる恐れのある活動については、厳格に管理することが求められる。
 国際的には、「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」(いわゆる「ロンドン条約」)により、廃棄物の海洋投入処分等の規制が行われており、我が国としても同条約を締結し、所要の制度を整備し、海洋投入処分等の適切な管理を行ってきた。さらに、平成8年(1996年)には、廃棄物の海洋投入処分等の規制をさらに強化することを内容とする議定書(96年議定書)が採択されたため、平成16年に所要の法制度を整備し、同議定書の締結準備を進めているところである。
 今般、地球温暖化対策施策の一つである二酸化炭素地中貯留についての認識が高まり、96年議定書に定める投棄可能な廃棄物として、海底下地層に貯留される二酸化炭素を追加することを内容とする議定書改正案が提案された。同改正案は本年10月の議定書締約国会議において検討される予定であり、改正案が採択されれば、我が国としても海洋環境保全を確保する観点から、その締結に向けた準備を進める必要がある。
 このため、96年議定書の改正を踏まえて、地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋環境への影響防止の在り方について、貴審議会の意見を求めるものである。
 以上が諮問文でございますが、ここで参考1、次のページの図を御覧いただけますでしょうか。地中貯留の概念図というものでございます。これを御覧いただきますと、お碗をひっくり返したような図が2つ、真ん中より下のところにあろうかと思います。この黒い部分、これがキャップロック、水を通さない不透水層でございますが、そこの下に帯水層がございまして、そこに二酸化炭素を貯留するというのが地中貯留でございます。
 今般、海洋環境保全の観点から御審議をいただきたいということでございますが、今般はこの2つのいわばお碗をひっくり返したところの右側の方です。左の方は地中ではございますけれども、海底下にはなっていない。右の方は海の底の地層の中に貯留をするということでございまして、それによる海洋汚染の恐れ等々も懸念されるところでございまして、そちらを今般は対象に御審議をいただければということでございます。
 なぜ、そういうことをするのかという背景でございますけれども、参考2を御覧いただけますでしょうか。諮問文の中にございましたロンドン条約、96年議定書というものがございます。ロンドン条約そのものは1972年にできたわけでございますが、それを強化するため、96年の議定書というものができておるわけですが、議定書の概要というのが10行目あたりにありますけれども、海洋投棄及び洋上焼却を原則禁止し、海洋投棄を検討できるものを限定列挙する方式を採用するということが1つ、これが附属書Iに書かれているのですが、もう一つが、海洋投棄する場合には、その影響の検討等に基づいて許可を発給すること、これが附属書IIに書かれております。
 この2つがポイントでございまして、最初の方につきましては、その次の参考3を御覧いただきますと、96年議定書附属書Iに掲げられた海洋投棄を検討できる廃棄物として1から7まで掲げられております。しゅんせつ物、下水汚泥、魚類残さ、船舶及びプラットフォームその他の人工海洋構築物、不活性な無機性の地質学的物質、天然に由来する有機物質等と7つ挙げられているわけですが、今般提案がありましたのは、この96年議定書附属書Iに掲げられた海洋投棄を検討できる廃棄物に、さらにCOを加えようという提案がオーストラリア、ノルウェー、イギリス、フランスからなされたわけでございます。8番としてCOを加えようということでございます。
 それが1つでございまして、もう一つ、海洋投棄する場合には、その影響の検討等に基づいて許可を発給することというのが、附属書IIにあるとご説明申し上げましたが、それが参考4にございますが、その附属書IIの規定を受けまして、我が国では平成16年に海洋汚染防止法を改正いたしまして、ここに書いてあるような海洋投入処分許可制度というものをつくっております。
 図が真ん中あたりに出ておりますが、海洋投入処分可能な廃棄物について、廃棄物発生の削減を検討し、実施計画を策定し、廃棄物の特性を把握し、排出海域の環境に及ぼす影響の予測・評価をし、監視計画を作成し、そしてそれらをもって環境大臣に許可申請をする。環境大臣の許可を得た後、今度は具体の排出計画を作成し、海上保安庁長官の確認を得て、その上で廃棄物の海洋への排出をすると、こういう法改正を16年にしておりまして、これは来年4月1日施行になっておるわけですが、ここにつきましても、COが先ほどの附属書Iに加わるということになった場合に、この制度、このままでよいのかというところについても審議が必要ではないかというふうに考えておるわけでございます。
 こうしたことを中央環境審議会で御審議いただくために、その次の一枚紙でございますけれども、(案)としてございますが、専門委員会を設置していただきまして、専門的な御審議を賜ればということでございます。地球環境部会決定、中央環境審議会地球環境部会への二酸化炭素海底下地層貯留に関する専門委員会の設置についてということでございまして、議事運営規則第9条の専門委員会として「二酸化炭素海底下地層貯留に関する専門委員会」を置く。
 二酸化炭素海底下地層貯留専門委員会は、「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の1996年の議定書」の締結に向けた、地球温暖化対策としての二酸化炭素海底下地層貯留の利用とその海洋環境への影響防止の在り方に関する調査・検討を行う。
 二酸化炭素海底下地層貯留に関する専門委員会に属すべき委員、臨時委員及び専門委員は、部会長が指名する。
 こういうことで部会の決定をいただければ幸いでございます。
 私の方からは以上でございます。

○須藤部会長 では、続けてどうぞお願いいたします。

○水野国際対策室長 引き続きまして、資料1-2に基づきまして、国際戦略専門委員会におきますCCSに関する審議の状況につきまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 まず1ページをおめくりいただきまして背景でございますけれども、このCCSの技術につきましては、昨年の9月にIPCCの方からCCSに関する特別報告書というものが出されておりまして、またCCSに関するCDMのプロジェクトなどという提案も、実際に我が国から出されているというようなこともございまして、条約あるいは議定書の締約会議の場でも、最近議論がなされるようになってまいりました。具体的には先般の補助機関会合でも、ワークショップなどがCCSに関して開催をされるというような動きもございます。
 そうした中で、今後の国際戦略を考える上で、やはりCCSについての現状、あるいは課題などについて審議をいただいておく必要があるのではないかということで、ことしの3月からでございますけれども、3回に渡りまして集中的に専門家の先生に御説明をいただいて、質疑応答等行っていただきました。その結果をまとめたものが、この資料1-2の報告ということでございまして、審議結果の整理ということで位置づけさせていただいております。
 具体的な中身は2ページの2.CCS技術に関するポテンシャルというところがございますけれども、まずIPCCの特別報告書の中でのCCSについての位置づけを簡単に説明をしております。
 まず、CCSはCO排出を抑制しつつ、中・長期的に化石燃料の利用を可能とする技術オプションであるということでありまして、コスト効果的な温室ガス削減に大きく寄与できる可能性があるということでございます。その技術的なポテンシャルといたしましては、約2兆二酸化炭素トン程度ということでございますので、今の世界全体の二酸化炭素の排出量の70~80年分ぐらいは、ざっと見ればあるという、極めて大きな容量があるということでございます。
 これにつきまして、1つの課題といたしましては、6ページを御覧いただきたいと思いますけれども、貯留されたCOが漏れていく可能性があるのではないかという懸念が、当然あるわけですけれども、これにつきまして、このIPCCの特別報告書の中では、1つ、地中貯留の場合には100年後では99%以上貯留されている確率がほぼ確かだと。1,000年後であっても、その可能性はかなり高いというような評価をしております。
 また、海洋隔離につきましては、これよりは隔離量が減ってまいりまして、100年後で65~100%、500年後では30~85%がとどまるということで、その残りの量は出ていく可能性があるという評価でございます。
 ちなみに、ここで言う地中貯留というのは、海底、地上にかかわらず、地面の下に、海底であれば海底の下に蓄える方法でございまして、海洋貯留と言いますのは、深海に直接COを圧力をかけて押し込む方法でございまして、深海に押し込みますと、そのCOが半分液状のような形になるので、そのままどとまるということで、レイクというような呼び方をされているようですけれども、そこにとどめたままにしておくというような方法を、ここでは海洋隔離と申しておりまして、先ほど諮問の御説明をさせていただいたときにも、該当するのは、この上の地中貯留というものに当たる場合だけでございます。
 この技術についても、各専門の方々から評価をいただいておりますが、まず産業総合技術研究所の赤井グループ長からは、ポテンシャルはかなり大きいということは言え、回収等がすべてできるわけではないというようなこともありまして、つなぎの技術であるというような評価をいただいております。
 それから、7ページをごらんいただきたいのですが、先ほど技術ポテンシャルとして2兆トンというお話をさせていただきましたが、あれは技術的にある程度見込みがあるポテンシャルでございまして、究極的なポテンシャルはどれぐらいかということについて、これはRITEの方で評価をされておりまして、究極的なポテンシャルとしては、ここに書いてありますのは炭素トンですので、3.6倍ぐらいしていただくと、COトンになると思いますが、大体その10倍ぐらいあるということでございまして、逆に言えば、究極的なポテンシャルの10分の1ぐらいが技術的に利用可能とみなしても、先ほどぐらいの量になるということでございます。
 ちなみに8ページを御覧いただきたいと思いますけれども、この8ページの図にありますような点が、現在実際にこのCCS技術を研究しているサイト、あるいは実際に利用しているサイトということでございまして、既に世界の各地域でそうしたプロジェクトが進みつつあるということでございます。
 それから、これにつきましては、地域的な若干の遍在ということが1つの課題としてございます。これにつきましては11ページにグラフがございますけれども、各国が利用可能なポテンシャルがどれぐらいあるか。それぞれの国の総排出量に比べてどれぐらいあるかということでございますが、日本と韓国が赤になっておりますけれども、要するに振り切れてしまうということで、すべての排出量をこのCCSで貯留してしまうというだけのポテンシャルは日本と韓国にはないのではないかという評価がここではされております。他方で、カナダとかUSA等々は非常にこの棒グラフが短くなっておりまして、ポテンシャルはものすごくあるということが言われております。
 それから、特に日本についての評価でございますけれども、17ページをごらんいただきたいと思います。17ページ、これもRITEの評価でございますけれども、日本における貯留ポテンシャルにつきましては、これは先ほどのデータと若干違うのですけれども、より詳細な分析によれば、データがあるものに限っても、52億トン程度はポテンシャルがある。2050年ぐらいまでには、この半分は経済性を有するのではないかということでございます。52億トンという数字ですけれども、これはあくまでデータがあるサイトについての数字ということでございまして、本当のポテンシャルということで言いますと、その枠で囲った下のポツのところに書いてございますけれども、帯水層全体では、1,500億トンもの量が見込まれるというようなことも、ここでは評価をなされておりました。
 以上、大体のCCS技術の概要でございますけれども、それから若干の質疑応答についても、20ページ以降にまとめさせていただいております。
 ここでは1つは、漏えいが起きていない事実の確認についてはモニタリングということが課題になるわけですけれども、これについては技術的にはかなり確立されているということ。それから、自然ハザードのリスクは小さいのではないかということ。それから、CCSについては技術的な課題だけではなくて、社会のコミュニケーションが大事であるというようなこと。それから、アメリカを京都議定書に復帰させるための1つのインセンティブになる可能性もあるのではないかというようなこと等々が指摘をなされております。
 23ページからは、先ほど申し上げました、先般の補助機関会合で開催されたワークショップの概要をまとめてございますけれども、基本的にワークショップでは、米、豪、カナダ、EU等の先進国、それからオイルメジャー等々もかなり積極的な姿勢を示しております。これについては、逆に否定的な見解を明確に示したのは、ブラジルですとかバングラディッシュなど、限られた国であったということであります。
 それから、一番最後に今後の課題ということでまとめていただいておりますけれども、まずはさらに今後の動向をフォローアップしていく必要があるということ。それから、中・長期的な温暖化対策の観点から、日本としてのCCSの位置づけについての検討が重要であるということ。コスト分析等々について、さらに検討を深めていく必要があるということ。それから、地中隔離のみならず、海洋隔離についても情報収集・整理が必要であるということ。最後に、先ほど申し上げましたように、社会とのコミュニケーションの推進が重要であるということ等々について、今後の課題として上げていただいたところであります。
 以上でございます。

○須藤部会長 徳田課長、それから水野室長、御説明ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方からご意見等を伺い、あるいはご質問でも結構でございますので、伺いたいと思いますが、いつものとおり、それでは名札をどうぞお立ていただけますでしょうか。ご質問なり、それから。天野委員お一人でしょうか。よろしいですか。そっちからまいりましょうか。
 では、横山委員の方からいきましょうか。そしたら、横山委員、どうぞ。

○横山委員 意見と質問を1つしたいと思います。
 今の説明を伺っていると、否定的なところというか、マイナス面も少しはありましたが、何かやはりものすごい技術だというような高い評価が中心だったと思います。
 しかし、一方で、これは漏れが考えられるとか、あるいはコストがかかるとか、あるいはこういうことをやって、先ほどのように、何百年もの二酸化炭素を貯蔵できるというようなことになると、では、通常の温暖化対策なんかどうでもいいのではないかというような議論にも結びつくわけで、その辺、この部会としては、真剣というか本当に利害得失というか、マイナス面のことも十分考慮した上でやっていかないといけないのではないかというふうに思います。
 それが意見で、質問はあくまで、これ先ほどの地中の場合と海底の場合があって、今回は海底の場合だけだというのですが、これを議論していく場合は、もちろん地中の方も関係するわけで、諮問内容あるいは議定書の問題とかは、海底への影響ということが問題になっているということはよくわかるのですけれども、地中の方も、せっかくの機会ならやって、メリット・デメリットが何かというのを、何かやるべきではないかというような気がします。特に今、新潟県の長岡なんかでも、地中の件はやっているわけで、それが海底のことだけに限ると言われると、何となくちょっと違うかなという感じがいたします。
 以上です。

○須藤部会長 それでは、ご質問の部分は、お答えを今、いただいた方がよろしいですね。
 では、どうぞ徳田課長、お願いします。

○徳田環境保全対策課長 諮問の内容は、御指摘のとおり、海底の下の地層に注入する場合の、その利用方法、それから制度の在り方ということでございますけれども、当然、その議論する際には、地下でのCOの挙動等を審議されるわけでありまして、それは海底下であろうが、あるいは地中の中であろうが、共通するものでございます。したがって、議論の過程で地中貯留についても、当然触れられていくということになろうかと思います。
 ただ、それについての制度云々というのは、まず海底下地層貯留についての制度についてのご検討をいただいた上で、審議の内容等々見ながら、必要に応じて、また別途考えていくということになろうかと思います。

○須藤部会長 ということで、まず質問の部分は、それでよろしゅうございますか。
 では、続いて長辻委員でよろしいですか。

○長辻委員 先ほどの横山先生と同じでございましたので。

○須藤部会長 同じだったのですか。ああ、そうですか。わかりました。
 そしたら、石坂先生、どうぞお願いします。

○石坂委員 質問ですけれども、一つはパイプラインで輸送することも可能とは書いてあるのですけれども、基本的に日本にとって、このCCSというのは日本の近海か、あるいは国内でないと、コスト的に、あるいは技術的に利用が難しいというふうに考えるべきなのか、あるいは例えばサウジアラビアとか、あそこまで持っていって埋めるということも可能な技術であると考えるのか、それが第1点です。
 もう一つは、その距離がどれくらいかによって、ものすごくコストが変わってくるのでしょうけれども、例えば日本の国内や近海でやるとした場合、およそどれくらいのコストがかかるという、それが今、わかっているのかどうかわかりませんけれども、もしわかっていれば、開示していただきたいと思います。
 それから、もう一つは、このCCSではなくて、海洋隔離の方ですけれども、これは当面検討の課題にはなっていませんが、海洋隔離は技術的に可能な段階までいっているのかどうかという、その3つを。

○須藤部会長 3つですね。はい、わかりました。これは、もしかしたら水野室長の方がよろしいかもしれませんので、3つお答え、順番にいただけますか。最初が長距離輸送がどれぐらいまで可能かということですね。

○水野国際対策室長 長距離輸送の問題ですけれども、IPCCの特別報告書では、現時点では1,000キロぐらいまでであれば、社会的な制約等々を抜きにすれば、パイプラインの方がコストは低いのではないかというような、一般論的な評価がされておりますけれども、もう少し具体的には15ページに、COの輸送コストというグラフがございまして、今の資料1-2の15ページでございますけれども、これで見ていただきますと、日本の場合には、陸域のパイプラインコストの方が海域よりも高いということが指摘されています。また、このパイプラインとタンカーを比較しますと、特にタンカーの場合は、長距離を輸送しても、それほどコストは上がってこないわけですけれども、パイプラインの場合には、距離が延びれば延びるだけ、ぐっと上がってくるというようなことは、一つの評価としてはなされているということはございます。
 もちろん、今後輸送コストをどう低減できるのか。あるいはコスト全般をみますと、輸送だけではなくて回収のところが、今、かなり高いと言われておりまして、そこの部分をどう下げれるのかというようなことが課題になるということがございます。

○石坂委員 陸域よりも安いというのは、何と比較してですか。パイプとでしょう。

○水野国際対策室長 はい、そうです。
 それから、海外でできるかどうかということにつきましては、これはもちろん日本のをどれだけ外国に運んでできるかということになれば、今、まさに御指摘をいただいたコストとの問題になると思いますけれども、一つ、今、課題になっていますのは、CDMとしてCCSを認めることができるのかどうなのかということも国際的には議論になっておりまして、そういった意味では、直接日本のCOを外に持っていくわけではないにしても、外のCOを外で貯留することを日本のクレジットとしてカウントするというようなことについては、一つの案としては議論されているというようなことはございます。
 一般論としては、先ほど申しましたように、今後のコスト次第ということだというふうに考えております。

○須藤部会長 それと海洋隔離の問題は、今、どの辺まで進んで、実用化というか、どのくらいまで進んでいますかという話。

○水野国際対策室長 海洋隔離につきましては、一つ、海洋隔離そのものも、先ほどは実はコストのところで申し上げましたのは、先ほどレイクという話を申し上げまして、ためておくために非常に深いところに直接注入する方法をご紹介いたしましたけれども、それ以外にも直接溶かし込むような方法もございまして、物理的にはそれほど、溶かすだけですからパイプさえあればできるのですが、一番の課題は生態系等への影響等々というところだというふうに考えられておりまして、そこについては、まだまだ研究がほとんどなされていないというような状況だというふうに、特別報告書では書かれております。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。
 続けて天野委員、どうぞお願いいたします。

○天野委員 メモしていたのがどこかへ行ってしまいましたので、ちょっと。幾つかございます。
 質問、これ地底と海底と両方あるという話ですが、私、あまり技術的なことよくわからないのですけれども、水というのは普通の真水ではなくて、海水だと思うのです。ですから、陸地の下に何か海水があって、そこへ入れるということだと、かなり可能性としては少ないのではないかなという気が、ちょっとするのですが、そのあたり、陸地の底に押し込む場合と、海の底の、そういうお碗型のところに押し込む場合というのは、ここでは同じように書いてあるわけです。
 それであれば、先ほど何人かの方がおっしゃったように、どうして海だけにするのかというの、よく理解できないですね。だから、恐らくそういうことがあるのかなというふうに思いますが、と言いますのは、CCSを海底でやる場合に、どれだけの二酸化炭素が押し込めるかというときに、水に溶けて吸収される分と、溶けないで一緒に押し込められる分とあって、溶ける方がよく入るのだというようなことを、ちょっと読んだ気がするものです。ですから、そういう意味で、特にこの海底が対象になっているのかなというのがありまして、違うのですか。それでは、それが1つ。
 それから、もう一つは、このCCSはキャプチャーとストレージの技術なのですけれども、それ以外のCOの固定化の技術もいろいろあると思うのですが、どうしてこの技術だけを、特に重視して考えるのか。ほかとの比較で、そういうことをしないのかというのがもう一つの点です。
 それから、海洋隔離というのがこの説明ですと、全然違う話のはずなのですけれども、海底に入れる場合と、並行して、並べて出てくる箇所があるので、どうしてこういうところに海洋隔離が入ってくるのか、よく理解できないというのが3つ目。
 以上です。

○須藤部会長 それでは、これは徳田課長、ご説明もう一回してください。

○徳田環境保全対策課長 水の中に貯留するというのでございませんで、典型的には油田であるとか、あるいはガス田の跡地に入れるということになろうかと思いますが。

○天野委員 いや、違います。このお碗が2つあって、同じ絵が描いてありますね。ですから、その陸地の下のお碗のところに、やはり水があって、そこへ入れるわけでしょう。

○徳田環境保全対策課長 水があるというわけではなくて、そこは帯水層、水が通ることができるような層であるということで、その上に不透水層で、水を通さない層があります。ですから、そこの下にCOを閉じ込めれば、そこの上には上がってこないであろうということでございます。ですから、油田、あるいはガス田の場合、キャップロックがあって、そこの下に油とか、あるいはガスが貯留されているわけですけれども、そこから上に上がってこない。それと同じように。

○天野委員 海底の下にある帯水層というのも、水はないわけなのですか。

○徳田環境保全対策課長 いや、それはないと言われれば、それはございますけれども。

○天野委員 私が読んだものだと、それは海水だと書いてあるのです。塩がある塩水だ。塩分の水だと書いてあるのです。

○浅野部会長代理 陸地の方も海水だと誤解していられたんだ。

○天野委員 ただのすき間へ入れるのではないわけです。

○徳田環境保全対策課長 海洋汚染は、これはそちらの水の汚染のことを言っているのではなくて、そこの上の方の青い部分です。海洋、そちらの方に汚染が及ぶことを。

○天野委員 いえいえ、そうではなくてCOを入れるのは、下の。

○浅野部会長代理 私も専門ではないのですけれども、私の理解している限りでは、ちょっと天野先生のご指摘は陸域の場合だろうと、海域の海底の場合であろうと、そこにあるのは、海水だというご質問だったような気がするのです。

○天野委員 海水というか、塩水。

○浅野部会長代理 塩水だということ。だけれども、私の理解では、陸域のこの貯留する場所が、必ず塩水でなければならないということでもないのだろうと思うので、要するに、今、課長が説明されたように、ここからはとにかく外に漏れないという状況がはっきりしていれば、そこに入れもよろしいということだ。そうすると、それがたまたま陸域の下にある場合と海域の下にある場合の2つに分かれているけれども、やることは同じだ。
 では、なぜ今回海域について問題にするかというと、法的には、要するに海洋投棄という行為に類似する、あるいはそれに近接するものですから、現在は法的に規制がかかるわけです。しかし、今度ロンドンの議定書の改定が行われると、我が国でも制度改正をして、これを海洋投棄の中の特例ということにせざるを得ないものですから、そこで制度をいじらなければいけない。
 これは用意をしておかないと、せっかくロンドン条約96年議定書が改定されても、我が国は全く使えないということになってしまいますので、我が国の近海でこういうことをやる場合に備えて、とりあえず制度的な準備をしなければいけない。だけれども、それだけではだめですから、あわせて技術的な検討も行おう。
 そうすると、その技術的な検討の中では関連して、陸域についてもどういう問題があるかという議論は当然行われるだろうから、レポートとしては両方出てくるでしょう。ただし、陸域に関しては、現在制度的に網を被せなければいけないかどうかということについては、必ずしも方針がはっきりしていませんし、それからちょっと先取りして言ってしまいますと、多くの場合、これは油田の跡とか天然ガスの採取場所の跡のようなところが問題になりますから、そちらの方で既に鉱山保安法とか、さまざまな規制がかかっていますので、それとの調整が当然問題になってまいりますし、これを陸域に関しても、何らかの別の網をかぶせる必要があるかどうかは、できる専門委員会のご議論の結果を見ながら、改めてまた考えるということになるだろうという、一応そういう理解を私はしております。

○天野委員 ちょっと浅野先生も私も科学者ではないので、どっちもよくわかっていないのだと思うのですが、表示されたこの絵、これは多分、もとは英語で書いてあったのではないかと思うのですが、その下に説明が書いてあるのです。帯水層の説明が書いてあって、これ顕微鏡で見たら、別に水がたまっているのではなくて、土と水が入りまじって入っていて、その水というのは塩水だと書いてあるのです。陸地の底と海底の底に同じものがある。そういう理解なのです。

○水野国際対策室長 確かに塩水であることがあるのは、当然あると思うのですけれども、すべて塩水かどうかって、ちょっと今すぐにわかりませんので、また確認の上、ご報告させていただきたいと思います。

○須藤部会長 ここはもう一度それを確認してください。私も一応このぐらいの深さになったら、塩水であることが多いとは思いますけれども、淡水があることもあるかもしれませんから、それが常にそうであるかどうかだけのご質問でございますので、ちょっと後でお調べくださいませんか。

○天野委員 お伺いしたいのは、要するに、浅野先生おっしゃったように、両方に同じものがある。ですから、陸地でもやれるはずなのです。

○徳田環境保全対策課長 はい、そうですね。

○天野委員 同じだけのコストをかけて。そうしたら、もちろんロンドン条約の関係で出てきたというのがあるのですけれども、ポテンシャルを考えるときに、どうして海ばっかり考えるのかというのがわからないです。陸地も全部含めてポテンシャルを考えたらいいと思うのです。

○浅野部会長代理 それはとりあえず積極的に進めるかどうかという政策決定をするというところから話を始めるのではなくて、法的な制度をどうするかということを考えてくださいというのが諮問の中身だというふうに、私は理解したのです。ですから、積極的にやるかどうかは、それはまた別の問題である。

○須藤部会長 それは多分、横山委員の最初のご質問とも関係してくるので、これがもうせねばならないということで始めることではなくて、幾つかのメニューの中で、これを用意するので、やはりロンドン条約の中でこれが対応するとなると、今、これを出しておかなくてはいけないだろうということで、要するに海底のこちらの方をやっていると、こういう理解でよろしいのだろうと、私は理解していますので。

○天野委員 この海底でそういうのをたくさん持っている国と、陸地で持っている国とは違うわけですね。ロンドン条約で、これを盛んに推進しようとしている国が。

○須藤部会長 ですから、海がないところですと、ロンドン条約の規制ではなくなりますよね。国内の廃棄物の規制などいろいろな規制であろうと思いますし。

○天野委員 私の申し上げているのは、ロンドン条約で賛成側に回る国と反対側に回る国が出てくるのは、多分、そういうことも関係しているだろうと、こういうことを申し上げているのです。

○須藤部会長 その辺の理解は、もう少し議論していただいて、それから事務局にもうちょっと今の少し誤解もあるような気もいたしますので、お調べいただきたいと思います。
 それから、先生がおっしゃている中の、なぜここで今、CCSかということについて、ほかの技術だってあるではないか。この辺の比較検討というのは、今すぐお答え、多分できないのではないかと、私思うので、幾つかいろいろ用意されていると思いますが、現在、とにかく今、非常に期待ができるポテンシャルとして高いのがこれだというので取り上げていただいたという理解で、さらに追加があったら言ってください。ほかの技術の中で、どうしてこれだけ上げるのかという、さっきの先生のご質問があったので、それを答えてください。

○水野国際対策室長 まさに今、ご説明いただきましたように、ポテンシャルとして非常に高いということと、それから技術的にかなり現実味がある。実際に使われているところも既にございますので、現実味があるということから、これがハイライトされてきているのだというふうに理解をしております。

○須藤部会長 ということで、まずはよろしいですね。という理由なのだと、先生のさっきのご質問ですと、その程度までしかちょっと無理なので、では、ほかの技術どんなのがあるかというようなことは、もう少し事務局に調べていただいた方がいいのかなという気もいたします。それは後日まで、それお願いいたします。
 では、桝井委員、どうぞお願いいたします。

○桝井委員 いろいろ問題あるのかもしれませんが、かなりポテンシャルの高いものの一つである。かなり有望だということはわかりました。
 そこで、このCCSについて、先ほどもちょっとおっしゃったのですけれども、これがいわゆるCDMとして、この10月を含めて検討されるとおっしゃったのですが、それが一体どういうふうな形で議論される方向性があるのかということを伺ってみたいと思います。
 それから、もう一点は、これに関連して、このCDM、特にアメリカの問題ですけれども、21ページ見ると、米国がCCSが存在することで、議定書を重視しなくなるのではないかというふうな質問が出て、それに類するようなことを認めるかのような話もありますけれども、これが例えばCDMという形の方向性が出てくると、またちょっと違う要因もあるかもしれないと思われる。というのは、アメリカにとってCDMは非常に重要であろうと思うわけです、復帰する場合において。
 そこらのところ、国際的なアメリカがこのCCSについて、どのように見る可能性があるのか。それから、これは排出量取り引きというのを始めたときに、いろいろな価格が出るときに、その価格とこのいわゆるCCSの価格というのは、1つの問題点になってくるのかなと。そんなところも含めて、やはりこれからの、今までに既に存在する報酬の取り引きがいろいろあるわけですから、それとの関連でCCSがどのように位置づけてもいけそうなのかという点を、ちょっと伺ってみたいと思います。

○須藤部会長 わかりました。これも大変すぐお答えは難しいかもしれない。今でわかる範囲で、また後日、この辺の議論は専門委員会でもなされると思いますし、また皆さんの方からもしていただくことがあるので、今、わかる範囲でお答えください。

○水野国際対策室長 では、わかる範囲でお答えをさせていただきます。
 一つはCDMとしての議論ということでございますけれども、これは実際に先ほど申し上げましたように、既にCDMのプロジェクトとしての提案が日本の企業ですけれども、出されているというようなこともございまして、これをどう扱うのかということをきっかけに、議論が継続的になされているところでございます。
 ただ、これについては大きく論点は3つぐらい、今のところ指摘をされておりまして、プロジェクトのバウンダリーという問題と、それからちょっと専門的になりますけれども、リーケージとパーマネンスという3つの問題がありまして、それらの課題をどう取り扱っていくのかというようなことが、今、技術的に議論が進められているというところでございまして、ここも、できれば結論を出したいというところまでやる方向で議論がなされる予定となっております。日本からは、まずは技術的にしっかり詰めるべきだという意見を述べているところであります。
 それから、米国にとってのCCSでございますけれども、CDMが重要だということは、確かに御指摘のとおり、アメリカにとってはそういった経済的なメカニズムを活用した排出削減ということについては、非常にかねてから重視をしてきているわけですけれども、CCSにつきましても、この条約、あるいは議定書の枠組み、もちろん議定書に入っていませんけれども、といったもので議論がなされる以前から国際的なフォーラムなどを率先してつくりまして、これを非常に積極的に推進するというようなこともやっておりまして、そういった意味では、かねてから非常に米国は積極的に推進をしておるということは、非常にポテンシャルですとか、あるいは利害関係者との関係等々からもあるのではないかと思いますけれども、そういった姿勢が見受けられるところであります。
 それから、エミッショントレーディングとの関係につきましては、これについてはまだ個別具体の議論、全くなされておりませんので、これについては今後の動向を見ていきたいというふうに考えております。
 以上です。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。いろいろ今のようなご質問がだんだん増えてくると思いますので、事務局の方でもお調べいただきたいと思います。
 では、大塚委員、お願いいたします。

○大塚委員 特にCDMとの関係を含めて、資料2の方について、水野室長にちょっとお伺いしておきたいのと、多少意見みたいなことを申し上げておきたいと思いますけれども、このCCSの技術は先ほど御説明いただいたように、非常に莫大な削減というか、吸収をすることになりますので、今までのやってきたことが、かなり大きな影響を受けるのではないかという可能性は高いと思いますけれども、CDMとかを、例えば考えたときに、フロンが結構批判されていましたけれども、それどころでは、多分全然ないので、ただ、ちゃんとリーケージがないような状況になれば、あまり問題ないところはあるのだと思いますけれども、1つお伺いしておきたいのは、今、3つの論点をおっしゃいましたが、追加性のところは、割と技術的に吸収できるような形にすれば、容易に追加性の要件はクリアするというふうに考えてよろしいでしょうかというのが、1点です。
 それから、もう一つは全然違う、もっと政策的な話ですけれども、現在、国際戦略を考えていくときに、アメリカに2012年で入ってもらわなくてはいけないという問題が一方であり、他方で途上国の中でも、排出量が極めて多いところには、ぜひ何らかの形で入っていただくことが極めて重要な問題になっていると思いますが、そういうことを考えたときに、このCCSは莫大な吸収ということになりますので、大きな戦略的な問題を抱えているのではないかと思います。
 先ほど、21ページに、あまりそういうふうには書いていなかったですけれども、水野室長がおっしゃってくださったように、アメリカが復帰するインパクトになる可能性はあるのではないかと思いますけれども、そのときに、多分排出枠取り引きとか、あるいはJIとかということになるのではないかと思うのですけれども、一方でCDMについては、今、これをあまり広げて認めてしまうと、ほっておくと、多分当然CCSもCDMができるようになりそうですけれども、認めてしまうと、もう主要排出国である途上国は、今後、途上国から卒業して義務づけを受けるということは、恐らくなくなるのではないかという感じもしますので、例えばCCSに関して、CDMを当然導入するというふうに、日本がいくら言ったって、国際的に通らないことは当然あると思いますけれども、当然、CDMを認めるべきだという発想で、日本で考えていくべきなのかどうかということは、どこかでご検討いただいた方がいいのではないかと思いますので、それはとりあえずの意見として申し上げておきたいと思います。
 以上です。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。
 今の問題はそういう理解でよろしいですね。CCSとCDMの関係。何かあったら追加してください。

○水野国際対策室長 御意見いただいた部分につきましては、受けとめさせていただきまして、検討させていただきたいと思いますけれども、若干補足させていただきますと、1つはCCSの追加性の問題ですけれども、追加性という問題は、通常であってもなされてしまう、例えば省エネなど、ほかの便益があるということでなされてしまうのに、上乗せして、いかに努力がなされたかというところで、追加性ということを測られるわけですけれども、このCCSの場合には、基本的にはですけれども、ピュアにCOを抑制するという観点からやられるということですので、これは非常にクリアにわかりやすいという理解を一般的にはされているということだというふうに考えております。
 それから、他の取組への影響ということについてだけ、若干、補足をさせていただきたいと思うのですけれども、これは最初にも横山先生からも御指摘をいただきましたように、まさに非常に重要な問題で、これについては今後ともしっかりと検討をしていく必要があるというふうに思いますけれども、1つ、事実認識としてだけご説明をさせていただきますと、特別報告書の中でも評価があるのですけれども、回収と言いましても、すべての発生源からのCOを回収するというのは、およそコスト的に不可能だということが、基本的な認識としてございまして、非常に小規模な発生源等々からのCOを回収して貯留するというのは、かなり難しい。
 やはり基本は非常に大きなプラント、例えば発電所ですとか、鉄鋼とかセメントとか、大きなところ、あるいは将来的にはもちろん水素を製造するところで、それを使うということはあり得ると思いますけれども、基本的にはそういった大きなプラントでなされることが想定され、それ以外の、個別、具体のところでは難しいということがありますので、特別報告書の中でも、例えば2050年までで化石燃料を起源とする地球規模のCO排出量のうち、回収に適しているものは20%~40%ほどであるという指摘がありまして、特別報告書の中でも、およそこれさえできれば、すべて回収、ほかの対策がやらなくていいというような評価がなされているわけではないということだけは、ちょっと補足をさせていただきたいというふうに思います。

○須藤部会長 では、いろいろご意見の部分については、どうぞ検討してください。
 では、浅岡委員、どうぞお願いします。

○浅岡委員 私ども、NGOの世界でも、この問題を一体どう捉えたらいいのかと、まだよく判断し切れていないところがありますし、先ほどマスで日本全体、あるいは地球全体での年間排出量はこれだけ、マスで吸収のポテンシャルがこれだけというので、何か事が終わるような誤解で話が進むというのは、あり得ない話だということで、それは今、御説明があったとおりだと思いますけれども、そういうことも含めて、いろいろな意味で慎重に考えなければいけないと思っているところであります。
 コストの話についても、回収とそれから貯蔵の両面において、輸送においても、今、温暖化対策として考えているものと、具体的に対比をして考えられるような情報が欲しい。今はこうだけれども、20年後の2030年、このようになっていくだろうと、そういう推測部分も結構あるのだろうと思いますけれども、少しリアリティーのある形で判断ができるような資料がほしいと思います。
 それから、日本にとりましては、特に地震の問題は避けて通れないと思うのですけれども、こういうことはどのように評価されているのかも教えていただきたいと思います。

○須藤部会長 わかりました。どうもありがとうございました。私どもがいろいろ心配の方を、逆に言えば、そういうことはいっぱいあると思いますので、この辺は専門委員会で全部できるかどうかわかりませんが、おっしゃるとおりだと思いますので、それをやっていただきたい。
 最後に、すみません、鈴木委員、お願いいたします。
 まだ、わかりました。塩田委員と2人、あとお願いいたします。

○鈴木委員 専門委員会の方で御検討いただけるとしたら、お願いしたいと思う件なのですが、これはやはり非常に大きなポテンシャルを持った技術であり、そして多分、問題になるとすれば、やはり隔離したところからリークが起こってくるという、それがロンドン条約に関わってくるところだろうと思いますし、私は大きなポテンシャルがあると申し上げたことの1つは、もしCOがそのままここへ隔離ができるということになると、燃焼技術そのものが変わっていくだろうと思っているのです。要するに、空気で燃焼するのではなくて、酸素燃焼という形になると、その後分離を全くしないで、そのまま隔離へ引っ張っていくことができる。
 これはもうものすごく大きな、いろいろな意味での、産業界でもいろいろなポテンシャルを持っていると思うのですが、そのときに問題なのは、要するにFuel NOxであったり、SOxであったり、燃料源が持っている不純物がそのままCOにまじってくる可能性がある。ですから、ここへ隔離するCOに関して、例えば不純物に対する考慮をどれくらいされることになるのか。もしそれを一緒にそのまま隔離して、漏れなければ、それはそれでいいという考えなのか、そういう考え方もあろうと思うのですが、そういうようなところを、ここの専門委員会として検討いただけるとしたら、ぜひお願いしたい。
 多分、そういうことになると、がらっといろいろな面が非常に安い技術でCOの隔離ができる。要するに、今、行われている分離技術がほとんど要らなくなるわけです。窒素、酸素の空気から酸素だけを分離すればいい。それだけの話になってくるので、その辺のところも、ぜひ国際的に議論されているかどうか分かりませんが、専門委員会で、もし可能であれば考えに入れておいていただければと思います。

○須藤部会長 どうもありがとうございます。そこまで言及できるかどうかはともかくとして、後でお諮りいたしますので、専門委員会の方で御検討の材料にしていただきたい。
 では、塩田委員、どうぞ最後にお願いいたします。

○塩田委員 非常に興味のあるテーマが突然出てきたという感じなのですが、1点だけ伺いたいのは、この問題がIMOですね、確か議論、条約の採択はIMOですね。そこにいつ頃提起されて、どこがこれ、この問題のイニシアチブを取っているか。それかまたそれを背後で強くサポートしている国は、どういう国か。そういう点について、概略教えていただければありがたいと思います。

○須藤部会長 ありがとうございます。これは御質問ですので、徳田課長、それではお答えください。

○徳田環境保全対策課長 これは2006年、本年4月にオーストラリアが音頭をとりまして、そのほかノルウェー、イギリス、フランスも共同で提案をしたというものでございます。事務局はロンドン条約の事務局ということでございます。IMOのサポートは得ておるということでございます。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、まだ御質問あろうかと思いますけれども、かなり時間も経過いたしましたので、本諮問事項につきましては、中央環境審議会議事運営規則第9条に基づきまして、資料1-1にございますように、二酸化炭素海底下地層貯留に関する専門委員会を設置いたしまして、ここで検討を願うということでいかがでございましょうか。よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

○須藤部会長 どうもありがとうございます。
 専門委員会の委員長につきましては、中央審議会運営規則第9条に基づき、部会長が指名するということになっております。二酸化炭素海底下地層貯留に関する専門委員会につきましては、清水委員にお願いしたいと考えております。それでは、清水委員長のもとで専門委員会を開いていただいて、先ほどからいろいろ御質問いただきましたが、そこでご検討をいただいて、その結果を地球環境部会で報告いただくということで進めていきたいと思います。
 清水委員、今日、いらっしゃっておりますので、何か一言ございますでしょうか。いろいろご注文がございましたが。

○清水委員 清水でございます。いろいろ御指導をいただきたいと思います。今、いろいろな方から御意見をいただきましたけれども、「けれども」と言ってはいけないのかな、諮問の内容の主なところが、ロンドン条約対応でございますので、まずはそれをやらないといけないということが一つ。
 それからもう一つは、先ほど南川局長からお話がありましたように、期限が限られておりまして、来年の通常国会というようなこともございます。したがって、時間もかなり制約を受けている。こういうことを言い訳にしたくはありませんけれども、議論のできる内容は限られているかもしれません。
 従いまして、皆様からの御注文を全部受けとめるということは、必ずしもできないかと思います。あらかじめお断りをしておきます。むしろ、皆さんからおっしゃったことに関して、どうしてもやるのだったらば別の委員会が必要ではないか。その場合、別の委員会を作るのだったら、実は環境省だけではないだろうということがございますので、それは別途お考えをいただければと思います。
 今、既に申し上げましたように、時間が限られておりますので、かなりこの専門委員会の日程はタイトになろうかと思いますので、専門委員に選ばれた先生方には、無理をお願いするかもしれませんので、ひとつよろしくお願いいたします。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。清水委員、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。当然、この守備範囲はきちっと決められておりますので、まずはその問題から対応していただきたいということで、ここで改めてまたお願いをしたいと思います。
 どうもありがとうございました。
 それでは、審議事項(2)でございますが、経団連環境自主行動計画フォローアップへの参加についてということでございますが、これはこの地球環境部会で平成17年3月に取りまとめました中央環境審議会の答申におきまして、自主行動計画の目標達成の蓋然性を高めるため、政府として経団連自主行動計画のフォローアップ作業に、中央環境審議会及び環境省が参画をするということで検討すべきであるとされてきたところでございます。
 これを踏まえまして、資料のご説明を願いたいと思いますが、小川温暖化対策課長、どうぞお願いいたします。

○小川地球温暖化対策課長 それでは、資料2の自主行動計画フォローアップ専門委員会の設置についてご説明をさせていただきます。
 経団連の自主行動計画、我が国の地球温暖化対策において、極めて重要なものでございますけれども、今、部会長からご紹介ありましたように、平成17年3月の本審議会答申におきましても、そのフォローアップに中央環境審議会、環境省が参画することを検討すべきであるという提言をいただいたところでございます。また、政府の目標達成計画におきましても、関係審議会等において定期的にフォローアップを行うとされたところでございます。
 こういったことを踏まえまして、今般、その体制について検討いたしましてまとめましたのが、この案でございまして、この地球部会の下に自主行動計画フォローアップ専門委員会を設置するというものでございます。メンバーは部会長からご指名をいただくわけでございますけれども、体制は委員全体14名程度を考えておりまして、裏側をおめくりいただきまして、図をごらんいただきたいと思いますけれども、環境省におきましては、上の合同開催となっておりますけれども、この自主行動計画フォローアップ専門委員会を設置して対応していく体制といたしまして、実際の実施は、既に産構審、それから総合エネルギー調査会で7つのワーキンググループが設置されておりますが、この中に中環審専門委員会の方から、2名ずつ参加して一緒に議論をしていくということ。その上で、取りまとめにつきましては、産構審、エネルギー調査会とそれから中環審の専門委員会が合同で開催をして議論を行うというものでございます。
 調査事項につきましては、各業種の目標達成状況、また対策技術の導入効果等についてご議論をいただくというものでございます。
 10月からこのフォローアップ作業が始まりますけれども、専門委員会を設置いただければ、このスケジュールに合わせて対応を進めていくということを予定しております。
 実際の設置の案につきましては、次項でございますけれども、内容につきましては今、ご説明をしたことでございます。
 また、参考といたしまして、既に地球環境部会の中で本年1度、自主行動計画につきましてヒヤリングを行って、部会長の取りまとめをいただいておりますが、その資料でございます。説明については省略をさせていただきます。
 よろしくお願いいたします。

○須藤部会長 どうも小川課長、簡潔にご説明いただきまして、ありがとうございました。
 それでは、同じように委員の先生方からご質問なり、ご意見を承りたいと思います。
 それでは、浅野部会長代理、どうぞ。

○浅野部会長代理 かねてから自主行動計画のフォローアップについては、中環審が参加すべきであるということが言われ続けてきたわけです。その参加の仕方でございますけれども、中環審は中環審で別々にやるということも、もちろん選択肢としてはあり得るわけです。1度、そういうやり方もとってみたわけですが、産構審の方のフォローアップも同じなのですけれども、最終的に会議に出てくる資料をつくるための、もとのワーキンググループのところで、かなり詳細な資料が出てきて、それが分析されて、整理されたものが答えとして上がってくるわけです。
 ですから、相当膨大な資料をいただくにはいただくのですけれども、細かい議論が全体会議ではなかなかできないというのが実態なのです。ですから、やはりぜひとも、どうせフォローアップに参加するのであるならば、ワーキンググループの作業のところからきちっと入って、細かいデータもよく見せていただくということでないと、実が上がらないというふうに、私は思っておりましたので、ぜひ全体会議をそれぞれにやって、フォローアップをするというやり方ではなくて、ワーキンググループ段階から入っていくということがいいと考えておりました。
 先方の方も、では、それを2回、別々にやれと言われてもお困りでしょうし、それから実は産構審のメンバーの中にも、結構中環審のメンバーが加わっていて、ワーキンググループもかなりダブっている面があるのです。ですから、そういう意味から言うと、2回同じことを別々にやるのも芸のないことでありますから、今、提案されたような形で、こちらの専門委員会からメンバーが選ばれ、経産省側の審議からのメンバーが選ばれて、一緒にワーキングを行うというやり方は合理性があるのではないかというふうに考えております。このようなやり方で進めることがいいのではないかと思いましたので、ご意見として申し上げたい。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。部会長代理の方から、これで全面的に賛成であるというご発言をいただきました。
 では、早瀬委員、どうぞお願いいたします。

○早瀬委員 最初に、私、経団連の委員として、きょう初めてこの委員会に参加させていただいております。
 今、フォローアップ委員会に中環審の方から参加していただけるということに関しては、私ども、その評価の対象になる経団連としても、参加をぜひ歓迎をしていきたいと思います。まさに今、浅野先生が本当におっしゃって、私が申し上げたいことを逆におっしゃっていただいて、実にありがたいのですが、やはり合同委員会のような形になりますので、資料の作成、審議、評価、その他を含めて、ぜひ両方の委員会、もしくは両方の省庁が一体となって効率的な、それは時間もエネルギーもその他も含めて、ぜひ効率的な議論を進めていただくように、逆に私からもお願いを申し上げたいと思います。
 よろしくお願いします。

○須藤部会長 どうも早瀬委員、ありがとうございました。今も同じように、この進め方については賛成であるというご意見でございますが、特に恐らくこれについて反対であるということは、そうないのであろうなとは予測はしておったのですが、よろしゅうございましょうか。
 では、どうぞ、横山委員、質問どうぞ。

○横山委員 ワーキンググループに2名ずつ参加というのは、よくわかったのですけれども、結論も合同開催で一緒に出すということなのでしょうか。それとも中環審として結論は別に考えるのか、それはいかがなのでしょうか。

○須藤部会長 それは小川課長、どうでしょう。どうぞ。

○小川地球温暖化対策課長 取りまとめについては一緒にやりますけれども、これは最終的には部会の下の専門委員会でございますので、地球環境部会にご報告をさせていただくということになります。

○須藤部会長 ここで再度議論をいただきたいと思います。よろしいですか。
 では、どうぞ中上委員お願いいたします。

○中上委員 私、先般、経済産業省の方から、こういう形になるからというご相談がございまして、きょうのお話を伺って、「ああ、そういうことかな」と思ったわけでございますけれども、スケジュール見ますと、10月から11月、これは私の実感からすると、かなり前倒しになっておりまして、例年、年末も押し迫ったところから年度末にかけて、大変忙しい時期に、膨大な資料をほとんどの委員会が同時並行的に開かれる。私、これ3つぐらい入っていたのですが、今、2つだと思いますけれども、したがいまして、膨大な資料をじっくりと読み込むというのは、今までやってきた経験でも、なかなかできないような、そのぐらい大変な資料が、最近はそろうようになってまいりました。
 したがいまして、ご参加いただく方には、すごい覚悟を持ってご参加いただかないと、ただ座っているだけ、あるいは環境省が参加しましたというだけでは何の意味もないわけでございまして、ぜひその辺を十分ご承知おき願いたい。
 私、流通ワーキングという、これはこの中で唯一民生部門になるのが、この流通ワーキングなのです。ほかは産業部門ですから、まさに経団連そのものかもしれませんが、流通というと、経団連の中では非常に弱小でございまして、だからほかの部会とは、かなりニュアンスが違うものですから、両方経験しまして、そんなことを感じた次第であります。
 これ、前回、私申し上げたかもしれませんが、合同するのも結構なのですが、ぜひ環境省もこれとは違った仕組み、これに漏れているところをカバーできるような仕掛けができれば、またそれはそれでいいのではないかと思うのです。別に私、この中で、この密室の議論がされているとは思っておりませんし、かなり公表されているわけでありますから、それにご参加いただくのは結構でございますが、できれば、これからますます2008年、2010年というふうに近づいてまいりますと、いろいろな意味で厳しい状態があちこちで出てくると思うのです。そのときに、ここだけが着目されて、漏れている人たち、すなわちアウトサイダーになる人たちが我関せずでは困るわけでありまして、そこをいかに拾い込むかということも、ぜひ考えていただきたい。これは前回申し上げたことと同じでございます。
 よろしくお願いいたします。

○須藤部会長 日ごろから中上委員から、そうおっしゃられているので、恐らく環境省の方も、その辺はここでお答えしていただくということにも、南川局長、あるいは梶原課長、きちっと受けとめていただいて、ずっと前からおっしゃられていることなので、ぜひご検討をいただきたいということをお願いをしておきたいと思います。よろしゅうございましょうか。
 ですから、これについては、多分こんなのつくるのやめてくれというご意見もなかったので、一応専門委員会を発足させるということで進めたいと思いますので、この議事の資料2のとおりにやらせていただきたいと思いますが、専門委員会の委員長につきましては、中央環境審議会運営規則第9条に基づき、部会長の指名により定めるということとなっております。自主行動計画フォローアップ専門委員会におきましては、大塚委員にお願いしたいと考えております。
 それでは、専門委員会において検討、先ほどからいろいろご注文もございましたが、ご注文に応じて専門委員会でご議論いただきたいと思います。そして、地球環境部会でご報告をいただくということでございます。
 非常に時間が迫っているということで、今、ご注意もいただいたのですが、では大塚委員に指名をさせていただきましたので、何か一言お願いをいたします。

○大塚委員 大変僭越でございますけれども、委員の先生方のご教授をいただきながら進めさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○須藤部会長 どうもありがとうございます。では、大塚委員、どうぞよろしくお願いします。
 それでは、その他になるのでしょうか。事務局からの報告事項ということで、移りたいと思います。
 報告事項7件ございますので、順番に説明をいただいていきたいと思いますが、説明を行うのが2件で、あとの5件は紹介するということで、時間の関係もございますのでいきたいと思いますので、私、一々説明者のご紹介いたしませんが、小川課長、水野室長、梶原課長という順で、順番にご説明いただきたいと思います。

○小川地球温暖化対策課長 それでは、まず資料3の横の資料でございますが、割当量報告書における報告事項等についてという資料について、ご説明をさせていただきます。
 1枚めくっていただきまして、割当量報告書でございますけれども、これは議定書上の義務につきまして、具体的に第1約束期間において、5年間において排出できる温室効果ガスの量というものを確定するものでございます。ですから、基準年の排出量に94%を掛けまして、その5年分というのが考え方でございます。
 これがメーンでございますけれども、その他、森林全体の吸収量ですとか、それから吸収量として算定できる森林の定義などについて、あわせて報告をしております。
 これは8月に報告をいたしまして、今後、事務局の審査を受けまして、1年後ぐらいに確定するというのがスケジュールでございます。
 3ページの方ですが、多少ご説明しましたけれども、報告書の中身としては、90年以降の排出・吸収の目録。それからフロン等の3ガスの基準年、これについては1995年にするということ。それから基準年排出量から算定した割当量、全体の枠でございます。それから吸収源、その他についての情報でございます。
 この確定のために、4ページでございますけれども、昨年8月以来、検討会を設置いたしまして、鋭意ご検討をお願いしてきたところでございます。その結果、条約事務局などから指摘がたくさんございましたけれども、そういった点を踏まえて改善をしたということでございます。
 その結果でございますが、5ページであります。これにつきまして、多少90年の量が変わっておりますけれども、見直し前、本年5月の発表の段階では、1990年の基準量で12億5,500万COトンであった。これに照らしますと、2004年で8.0%の増ということが、その時点でのデータでございましたけれども、今回の確定の中身では、多少見直しの結果、基準年の排出量がふえまして、12億6,100万COトンになった。2004年については変更ございませんので、この結果、2004年での増加率というのが、7.4%になったというものでございます。また、吸収量につきましては、これは森林全体の吸収量でございますけれども、多少見直しをしておるということでございます。
 6ページでございますが、この結果、計算でございますけれども、基準年の排出量が、今、申し上げた12億6,100万COトンとなった。これに対して、割当量は、これに94%を掛けまして5年分ということで、59.3億COトンであるということでございます。
 また、吸収量の関係でございますが、7ページの方をごらんいただきまして、我が国として吸収量として計上できる量につきましては、絶対量として4,800万COトンというふうになっておりますので、これについては、もう定められた値でございますので、変更がないわけでございます。
 この結果、この量が基準年排出量に対する比ということで見ますと、従来は3.9%というふうに棒グラフの左の方で言っておりましたけれども、これが基準年の排出量がふえたことによりまして、吸収量は変わらないのですけれども、比率が3.8%になったという変更がございます。
 また、同じく吸収源の位置づけでございますが、8ページをごらんいただきまして、8ページの緑の2.[2]でございますが、3条4項の関係ということで、第1約束期間にはどの吸収源について各国として対象とするかということは選択ができるということになっておりますけれども、これにつきまして、我が国としては、森林経営、それから植生の回復、この2つを選択をしたわけでございます。
 以下、9ページ、参考で吸収量関係の資料でございますけれども、これについては省略をさせていただきます。
 以上です。

○須藤部会長 ありがとうございます。
 続けてやってください。水野室長。

○水野国際対策室長 引き続きまして、適応対策についての審議経過の整理ということで、国際戦略専門委員会でのご審議の経過について、ご報告させていただきます。
 これは基本的な位置づけにつきましては、先ほどご説明をさせていただきましたCCSの審議経過の整理と同じような位置づけでございまして、背景といたしましては、昨年のCOP11で適応の5カ年作業計画がつくられたというようなこと。それから将来枠組みの構築の議論の中でも適応がハイライトされつつあるということ。さらには、ことしのCOP12が、ケニアのナイロビで開催されるということで、特に途上国支援というようなことがハイライトされると予測されるというようなこともございまして、集中的に審議をいただいて、その結果をまとめさせていただいたものでございます。
 大きくは、改めて科学的な知見の現状。それから適応の5カ年作業計画の内容。それから先進国における適応対策の動向。さらには資金メカニズムということで整理をいただいております。
 まず3ページからは、科学的知見ということでございますけれども、ここにつきましては、基本的にこれまで何度かご報告をさせていただいている内容と同じでございますけれども、緩和策をどれほど推進するにしても、ある程度の影響は避けられないということで、緩和策の補完策として適応対策が不可欠であるという認識のもとで、この問題は先進国、途上国、双方についての問題であるということと同時に、とりわけ島嶼国などの途上国は脆弱だということで、これらの国においては優先課題ではあるというような認識をいただいております。
 それから、適応5カ年作業計画については、11ページから概要整理をさせていただいてございますけれども、この適応5カ年作業計画は各国の適応問題についての理解を深めて、適切な意思決定ができるようにするということでつくられたものでございまして、どのようなテーマで作業していくかということにつきましては、13ページに表がございますけれども、こういった作業範囲で作業をしていこうということは決まっております。
 ただ、具体的なテーマのもとで、どのような具体的な作業を進めるかということにつきましては、補助機関会合で決定をするということでゆだねられておりまして、現在、補助機関会合で議論が進んでいるわけでございますけれども、なかなか先進国側と途上国側の歩み寄りが難しいというようなこともございまして、まだその決定がなされていない状況にございます。これにつきましては、引き続き議論が進められて、ナイロビでは合意がされることが期待されるところであります。
 14ページからは、先進国における適応対策の動向ということで、OECDでまとめた評価などを中心にまとめさせていただいておりますけれども、自国の気候変動による環境影響評価ということについては、大半の先進国がやっているけれども、まだ4分の1ぐらいの国は、その初期段階にあるというような評価が、そこではされております。
 また、15ページでございますけれども、OECDといたしまして、OECD加盟国が果たせる役割、途上国支援、特に途上国の適応対策支援ということで閣僚宣言というものも、今年の4月には出されておりまして、一層適応対策の重視、さらにはそれと開発政策との統合ということが重視されているという現状がございます。
 最後に、16ページからが資金メカニズムの現状でございます。資金メカニズムは3つございまして、2つが条約のもと、1つが議定書のもとでございます。
 2つの条約のもとでの資金メカニズムは、1つが後発開発途上国基金(LDCF)と呼ばれているものでございまして、これは後発開発途上国が主に適応計画、適応の行動計画をつくる。NAPAと呼ばれておりますけれども、このNAPAを策定する資金を全額支援するということでつくられたものでございまして、ほとんどのLDCは、この資金を受けて、その計画策定をもうほぼ完了の段階に来ておりまして、今後はその中身を実施することに、これを使っていこうということで動いているものでございます。
 もう2つについては、17ページにございますけれども、条約のもう一つの基金、SCCF特別気候変動基金、これは適応だけではなくて、ほかの課題とともに適応についても使っていくというためにつくられた基金でございますけれども、これにつきましても、具体的なプロジェクトの提案が、今、なされているというところでございまして、まだ動き出してはおりません。
 それから、最後の適応基金、これは議定書のもとでの基金でございますので、まだ全く動き出してございませんが、実はこれは資金そのものはCDMの収益の一部を充てるということが決まっておりまして、お金は集まるのですけれども、これをどこに任せるかということが、今、議論になっておりまして、GEFがいいのか、そのほかがいいのかということで、まだまとまっていないということでございまして、これについてもナイロビでの合意が期待されるところであります。
 最後に、本専門委員会におきましても、その審議をしていただいたわけでございますけれども、今後もさらにこの適応の問題については、先ほど申しましたように、ナイロビでも大きな議題になるというようなこともございますので、そこでの成果なども踏まえながら、我が国として何をしていくべきなのかということについて、議論いただく必要があるということで、24ページに今後の課題をまとめていただいております。
 とりわけ、さらに科学的知見に関する情報の収集・整理、それから将来枠組みという話を先ほどさせていただきましたが、国際的な将来枠組みにおける適応対策の位置づけについての検討。さらに、日本としてどのように適応対策を進めていくべきなのかということについての情報の収集・整理、こういった課題について、これは例でございますけれども、議論を継続していただきたいというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、梶原課長。

○梶原総務課長 資料5以下につきまして、私の方からご説明申し上げたいと思います。
 まず、資料5でございますが、本部会にも何回かお諮りをさせていただいておりますけれども、昨年の地球温暖化対策推進法の改正を踏まえまして、京都議定書目標達成計画の一部変更をしております。変更をされた後の、変更部分について、京都メカニズム部分についての資料をつけさせていただいております。具体的中身は省略をさせていただきたいと思います。
 次、資料6でございますが、これは7月7日に、内閣総理大臣を本部長といたします地球温暖化対策推進本部で、平成17年4月に閣議決定いたしました京都議定書目標達成計画の進捗状況の評価行ってございます。その評価結果をここでお示ししたものでございまして、1枚目は主要な対策・施策の実施状況ということで、いろいろな法制度を変えて施行をしたとか、あるいは[6]でトップランナー基準の対象を拡大したという話がございますけれども、ポイントは2ページ目でございまして、2ページ目の真ん中の方の「まとめ」というのございますけれども、この最初の

○を見ていただきたいのですけれども、全般的な評価といたしましては、ここ1年、一定の進展・具体化が見られたということで、前進はしている。
 一方で、今後、これまでの実施状況等の数字から見まして、今後さらに、過去を上回る進捗の必要性がある対策も見られるので、来年度の定量的な評価・見直しを待たずに、施策の一層の強化を図るなど、対策の加速化が必要であるという結論になっております。
 それとあわせて、面・ネットワークの対策を含め、対策や施策の追加や一層の強化、つまり今、京都議定書目標達成計画の中の対策の実施については、加速化をしろ。さらには、今、計画に書いていない施策についても、その追加とか、あるいは上乗せというものを考えろといったような評価をいただいているところでございます。
 また、一番下でございますけれども、来年度に行います見直しについても言及をしておりまして、対策・技術の進捗状況を厳格に評価し、6%削減約束を確実に達成できる内容とする必要があるということの評価をしております。
 以上が資料6でございます。
 資料7につきましては、白表紙の冊子でございます。前回の当部会におきまして、輸送用のエコ燃料、バイオエタノールをガソリンにまぜて、E3とか、そういったような利用のことにつきましてご報告いたしましたけれども、バイオマスを燃料として使う方法につきましては、今、申し上げました輸送用の自動車車両に使いますもののほかに、実際にボイラーで燃やすとか、そういった直接的な燃料利用ということもございます。そこの部分につきまして、今後、どういうふうにやっていくのかというシナリオをご検討いただいた資料でございます。ちょっと大部になりますので、これもお時間があればごらんになっていただければと思います。
 その次に、資料8でございます。資料8につきましては、一部パンフレットとか、キレーヌになったポスターの縮小したものがございますけれども、9月が実はオゾン層保護対策推進月間ということで、ポスターを作ったり、パンフレットを作ったり、あるいは各自治体が中心になっていただいて、全国でいろいろな運動を展開していただいております。その資料をお付けしたものでございます。
 最後でございますけれども、環境省の重点施策ということでございます。これも説明すると非常に長くなりますけれども、1枚だけめくっていただきまして、ポンチ絵がございます。平成19年度環境省重点施策ということでありますけれども、キーコンセプトが5つほどございまして、それぞれそのキーコンセプトのもとで、6つほどの大きなテーマを持っておりまして、当部会に関係いたしますことといたしましては、一番目の京都議定書第1約束期間に向けた地球温暖化対策の加速化等ということで、温暖化対策の推進についてしっかりやれということと、2.ということで、「アジア環境行動パートナーシップ構想」の具体化を初め、中東、島嶼国など世界各地域の連携を含めた地球環境の保全ということになってございます。あと、詳細については、省略させていただきたいと思います。
 以上でございます。

○須藤部会長 どうも小川課長、水野室長、梶原課長、ご説明ありがとうございました。
 以上、これ報告でございますが、この7つのご説明につきまして、何かご質問なり、ご意見ございますか。あればどうぞ。よろしゅうございましょうかね。ざっと見ていただいているので、もしかしたらわかりにくい点もあるかもしれませんが、どうぞ後日お読みいただければと思います。
 よろしいですか。
 福川委員、どうぞお願いします。

○福川委員 資料6でございますけれども、京都議定書目標達成計画の進捗状況で、これは検討結果が2ページ目のまとめということになっておりますが、右側の3ページの表を見ると、依然として、運輸部門とか業務部門、家庭部門、これかなり高い水準に推移してしまっていますが、全体のまとめで見ると、対策は前進していると評価をしておられ、上の方では、これからさらに必要だとこう言っておりますが、ここで対策の加速化が必要とは書いてありますけれども、この辺もやはり非常に前進しているというご認識であったのでしょうか。

○須藤部会長 この辺は、では、梶原課長、お願いします。

○梶原総務課長 ちょっと見にくうございますけれども、さらにもう1枚開いていただきますと、主要な対策の進捗状況という、小さい字で大変恐縮でございますが、表がついてございます。  例えば、エネルギー部門ということで見ていきますと、いろいろな数字が入っているところで説明した方がよくわかると思いますので、上から3番目のコージェネレーション・燃料電池の導入促進といったようなところがございますけれども、ここの中で、上からずっと見ていきますと、本分野で削減見込み量が、例えば2010年で1,440であるけれども、削減の実績はどれぐらいなのだろうかという数字が入っております。その見込み量に対する比率は何パーセントであるのかといったようなことで、今、2002年をベースに考えますと、2004年では50%弱になっている。あと、天然ガスコージェネ累積導入量は幾つか、燃料電池の話はどうだと、こういうことをやってございます。
 これを全体に数量的な削減を見込んでいるものについて、すべて列挙しておりまして、CO削減量と具体的なそれをやるための、例えば対策量としてこれぐらいの施設をつくるのだとか、あるいはこれぐらいの施設を変えるのだとかいったようなものについて、ずっと追いかけておりまして、これを全部やりますと、割合と計画どおりに近いものも実はありますけれども、全体としては、例えば主要なものだけを見ますと、このままの推移でいくと7割ぐらいしかできないといったような評価も一部ではされております。
 そういうことを考えますと、右肩上がりで対策というのは進んでおりますけれども、今のままでは、なかなか2010年で達成するのは難しいだろう。したがいまして、対策の実施のカーブをさらに上げるという努力がまず必要である。これが加速化であるということで、キーワードは私ども加速化が必要であるという評価であるというふうに理解しております。
 ただ、加速化ということではございますけれども、一応いろいろな対策をできるだけ、1年半ほど前にのせるだけのせたところもございますので、加速化だけではなくて、今から施策をさらに横にも広げる。今までやっていないものについても広げろということで、むしろ来年度の見直しの準備ということではなくて、もう走り出せといったようなご評価をいただいたというふうに理解しております。
 本件につきましては、関係省庁、全閣僚が参加をしている本部で理解されておりますので、これにこういう評価に基づいて、関係省庁の方では努力をされるというふうに理解しておりますし、また来年度の見直しの中で、関係省庁にさらに強化をしていただけるようにお願いできているものというふうに理解しております。
 以上でございます。

○須藤部会長 ありがとうございます。
 多分、今の福川委員のは、今のところはよろしいのですけれども、本当に前進しているのですかということがご質問でしたですよね。

○南川地球環境局長 ちょっと追加的にすみません。

○須藤部会長 では、その部分を答えてください。

○南川地球環境局長 その部分かどうかわかりませんが、ちょっと環境省の重点施策の方を見ていただきたいのですけれども、私どもとして、特に予算をつくるときに、予算案を出すときに、どういうことに留意したかについて、若干見ていただきたいと思います。
 資料の2ページが、京都議定書の第1約束期間に向けた温暖化対策の加速化等ということで、来年度の環境行政の1丁目1番地に上げておるわけでございます。その中で、まず当然(1)としまして、国内の政策手段を総動員した達成計画の実施ということで、その最初がア)とございますけれども、その[1]がまずは運輸部門だということで、これについてバイオエタノール、E3はもうできるだけ早く行うし、それをできたらE10ということでやっていきたいということで、いろいろまだ障害はございますけれども、やはり運輸部門で具体的に、もちろんいろいろな急加速、急発進をやめることだけではなくて、具体的にこういった燃料の中身を変えていくということを環境省として大々的に打ち出したいということでございます。
 それから、その次が[2]が太陽光発電のさらなる導入拡大ということで、やはりこれも省エネ等に加えまして、太陽光発電ということで、新しいソーラーの力を家庭、ビル等に入れていくということでございますので、やはり予算面で具体的に民生、あるいは輸送部門での大々的な変更ができるような、1つの核をつくっていきたいと考えているところでございます。
 それ以外に、若干加えますと、2番目が京都メカニズムの活用ということでございますし、それからフロンについてより深掘りできないかということでの対策とかいうことでございまして、できるだけ総括的に多くの方に納得いただいて、バランスよく減らせるということを考えていきたいというふうに考えております。

○須藤部会長 どうも局長ありがとうございました。
 よろしいですか、今の問題も。よろしいですか。

(発言する者なし)

○須藤部会長 それでは、最後になりますが、事務局から何か連絡事項等、ほかにございますでしょうか。いいですか。ないということでよろしいですか。

(発言する者なし)

○須藤部会長 では、連絡事項もほかにないようでございます。
 それでは、最初にお約束したとおりになったかな。少し早かったでしょうか。最初に少し今日は時間を削減をいたしますと、COの削減以上に、削減ができたのではないかと思いますが、お約束どおり以上になりましたので、先生方の熱心なご討論、ご審議を感謝いたしまして、これをもちまして36回目の地球環境部会を終了させていただきます。
 どうもお疲れさまでございました。

午後 4時44分 閉会