中央環境審議会地球環境部会(第35回)議事録

1.日時

平成18年6月2日(金) 午後3時00分~午後5時50分

2.場所

三田共用会議所3階 大会議室

3.出席委員

(部会長) 須藤 隆一
(部会長代理) 浅野 直人
(委員) 浅岡 美恵 大塚 直
桝井 成夫
(臨時委員) 青木 保之 天野 明弘
石坂 匡身 及川 武久
逢見 直人 塩田 澄夫
清水  誠 関澤 秀哲
富永  健 永里 善彦
長辻 象平 馬場 久萬男
福川 伸次 三橋 規宏
森嶌 昭夫 山口 公生
横山 裕道

4.議事次第

  1. 2004年度(平成16年度)の温室効果ガス排出量について
  2. 地球温暖化対策をめぐる最近の動きについて
  3. その他

5.配付資料

座席表
資料1-1 2004年度(平成16年度)の温室効果ガス排出量について
資料1-2 温室効果ガス排出量について
資料2-1 京都議定書目標達成計画の改定について
資料2-2-1 「気候変動に対応するための長期的協力の行動に関する対話」(概要と評価)
資料2-2-2 気候変動枠組付属書I国の更なる約束に関する第一回アドホック・ワーキンググループ(AWGI)・気候変動枠組条約第24回補助機関会合(SB24):概要と評価
資料2-3 輸送用エコ燃料の普及拡大について(平成18年5月エコ燃料利用推進会議報告書)
資料2-4 地球温暖化対策とまちづくりに関する検討会における検討状況について
資料2-5 環境自主行動計画のフォローアップについて中央環境審議会地球環境部会長とりまとめ
資料3-1 特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律の一部を改正する法律案の概要
資料3-2 公益信託地球環境保全フロン対策基金の許可について
資料3-3 「ハロン破壊処理ガイドライン」の策定について
資料3-4 グローバル戦略(環境関係)~アジア環境行動パートナーシップ構想~について

6.議事

午後 3時00分 開会

○事務局 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会の第35回会合を開催いたしたいと思います。
 本日の出席予定の方は20名ということで成立するのですが、ただいまの時点におきましてはまだ数名来られていない方もいらっしゃいます。ただ本日は報告事項が中心ということもありますので、始めさせていただきたいというふうに思います。追々皆様ご出席なれば会として成立するということになると思います。
 それでは部会長、よろしくお願いいたします。

○須藤部会長 はい、かしこまりました。
 委員の先生方、大変ご多用の中を今日はお繰り合わせ、35回の地球環境部会にお集まりをいただきましてありがとうございます。また、事務局の皆様、それと本日も大勢の傍聴者の皆様にもお出かけをいただきまして、どうもありがとうございます。
 それでは、まずは資料の確認から事務局にお願いをしたいと思います。
 それでは、事務局、資料の確認をお願いいたします。

○事務局 お手元の資料、上から議事次第配付資料の1枚紙がございます。めくっていただきまして本日の会議の配席表、次から資料の方に入っていきます。
 資料1-1でございます。2004年度(平成16年度)の温室効果ガス排出量について、概要でございます。
 次が資料1-2、温室効果ガス排出量について。
 次が資料2-1でございます。京都議定書目標達成計画の改定について。
 次が資料2-2-1でございます。気候変動に対応するための長期的協力の行動に関する対話。
 次が資料2-2-2でございます。気候変動枠組付属書I国の更なる約束に関する第一回アドホック・ワーキンググループ・気候変動枠組条約第24回補助機関会合。
 次が資料2-3、輸送用エコ燃料の普及拡大についてでございます。
 次が資料2-4、地球温暖化対策とまちづくりに関する検討会における検討状況について。
 次が参考資料ということで環境白書抜粋を付けさせていただいております。
 続きまして資料2-5でございます。環境自主行動計画のフォローアップについて中央環境審議会地球環境部会長とりまとめというものでございます。
 次が資料3-1、特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律の一部を改正する法律案の概要でございます。
 続きまして資料3-2、公益信託地球環境保全フロン対策基金の許可について。
 次が資料3-3、「ハロン破壊処理ガイドライン」の策定について。
 次が資料3-4でございます。「グローバル戦略(環境関係)~アジア環境行動パートナーシップ構想~」について、資料は以上でございます。過不足等ございましたら事務局の方へご連絡いただければと思います。
 以上でございます。

○須藤部会長 どうも資料のご説明をありがとうございました。委員の先生方、資料に不足はございませんでしょうか、よろしいでしょうか。
 それでは、まず最初に本日の議題の紹介をさせていただきますが、お手元の資料の議事次第のとおりでございますが、本日はまずは、2004年度の温室効果ガスの排出量のお話をお伺いし、そのあとその他の地球温暖化対策をめぐる最近の動きあるいはフロン対策など、この辺の問題についてご報告を伺い、そして先生方からご意見をいただいたり、ご審議をお願いしたいと思います。
 本日の会合は一応18時までということになっておりますが、何人かの先生はちょっとご用のある方もいらっしゃるようでございますので、可能な限り少しでも早く終了できるように努力をしたいと思いますので、円滑な審議が進むようご配慮いただきたいと思います。
 それでは最初の議題であります「2004年度(平成16年度)の温室効果ガス排出量について」ということで、ご審議をいただきますが、現在のところ、定足数にちょっと不足はしてございますが、内容からして決め事でもございませんし、やがてご予定の先生がいらっしゃるというふうに確信をいたしておりますので、議事として進めていきたいと思っております。
 この問題は、先週の木曜日に2004年の排出量が公表されたというふうに伺っておりまして、本日はその概要と様々な観点からの解析といいましょうか、考察といいましょうか、それについてご報告を伺いたいと思っております。
 それでは、事務局からご説明を願います。山本調整官お願いいたします。

○山本調整官 地球温暖化対策課の山本です。どうぞよろしくお願いいたします。

○須藤部会長 どうぞおかけになって進めてください。

○山本調整官 ありがとうございます。それではお手元の資料の1-1と資料の1-2でございますが、こちらに基づきましてご説明をいたします。
 ただいま部会長からご案内のありましたとおり、先週の木曜日に公表した資料ということでこの資料の1-1につきましては既にメール等で委員の皆様方には送らせていただいておるものでございます。内容についてはもうごらんになっている方もいらっしゃるかと思いますので、その内容を含めて他の統計データも用いまして、全体どういうような傾向にあるのかというのを整理しましたものが、資料1-2ということでございますので、もっぱらこの資料の1-2を使いまして本日はご説明を差し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料1-2でございます。「温室効果ガス排出量について、環境省」という資料ですが、この資料は目次は付けておりませんが、排出量全体についての傾向とそれからその9割以上を占めますエネルギー起源のCOにつきまして部門別にどういうような状況にあるのかというのをご紹介して、そのあとにエネルギー起源CO以外のCO、非エネルギー起源のCO、メタン、その他のガスについてというような順番で整理をしてございます。
 そして1枚おめくりいただけますでしょうか、最初のページのところに「今回の報告値の性格について」というところがございます。これは毎年、条約事務局に対する義務ということで報告をしておるものでございまして、先週の木曜日に公表したのと同時に条約事務局の方にもその内容を報告をしておるところですが、今年の場合、ひとつ大きく違った事情がございます。それが2つ目のポツの段落に書いております。今年は9月1日までに京都議定書に基づく第一約束期間で守るべき排出量のベースになる割当量を報告すると、こういう大きなイベントがございます。ここで報告をしました割当量をもちまして我が国の基準年の排出量というのが確定をいたしまして、これが-6%でどこまで排出できるのかという我が国の責務の基本となる数字になります。これはいったん確定しますとその後の変更ができませんので、その前にできるだけきちっと精査をするという作業が必要になってくるわけでございます。そういうことがございまして、昨年の夏から精力的にこの算定方法につきましては精査を行ってきております。
 それに関連しまして、先ほどの資料の1-1の14ページのところに「算定方法の主な精査内容」というのがございます。こちらの方なんですが、先ほど申し上げましたようにきちっと精査をしていかなければいけないということで、茅先生の算定方法の委員会の下に各部門ごとの分科会をおいて精力的な詰めをしてきております。
 今回、ご報告をしておりますこの2004年の報告値につきましても、既にその精査の結果を一部反映させているということでございまして、その代表的なものをここの[1]から[4]に挙げております。エネルギー起源COにつきましては、エネルギーバランス表の改訂を踏まえました様々な精査を行っているでありますとか、非エネルギー起源COにつきましては、ここに掲げているような新規に計上するあるいは排出係数の見直しをするといったような様々な見直しをしております。こういった代表的なものだけを掲げておりますので、実際にはものすごくたくさんの項目について精査をずっと継続してやっておりまして、その精査を一部踏まえた結果というのが今回の2004年度の数字でございます。
 先ほどの2ページ目のところに戻りまして、これは本年9月1日までに割当量を確定していくということで、まだ現在その精査の作業が続いているという状況でございます。したがいまして、最後の3つ目のポツに書いてありますように、割当量報告時は、今後の精査した結果すべてを盛り込んでいくということでございますので、今回報告した数字が大きく変わるということではありませんが、さらに精査をされた数字に見直されるというものとしてご理解いただきたいと思います。
 それでは、次のページでございます。「我が国の温室効果ガス排出量の推移」ということで、まず全体の推移の状況でございます。最初の四角囲みの○の1つ目に書いてありますように、2004年度につきましては全体で13億5,500万トンということで基準年で約8%増、-6%までは14%あるというような数字になってございます。前年比を見ますと0.2%ということで若干減っているというものでございます。ここで大きな要素としまして原子力発電所の影響というのがございまして、こちらはちょっと図が見にくいのでその次のページに拡大しておりますので、次のページをごらんいただきたいのですが。
 原子力発電所が2002年に長期の停止に入ったということで、ここでかなり大きく原発の影響というのが出てまいりまして、それが火力発電所に切り替わっております関係で、実際に原子力発電所が動いていたと仮定した場合に比べると、排出量が増えてしまっているということがございます。それを表したのがこの図(資料1-2、4ページ参照)でございますが、2002年、2003年、2004年というところを見ていただきたいのですが、実際の排出量は2002年が+7.6、2003年が+8.2、2004年が+8.0という数字であったわけですが、これが原発が計画値どおりに理想的に動いていたというふうに仮定しました場合の、仮定の下での排出量というのがそこの下に括弧書きで点線で描いておりまして、数字を括弧書きにしておりますように2002年で+5.4、2003年で+3.4、2004年で+5.2というようなことになってございます。ですから、実際に原発が動いたとしていれば2002年では5%程度、2003年では3%+α程度、2004年で5.2%程度というような排出量であったであろうという仮定でございます。ただ、これを見ておわかりのように、2003年から2004年は実際には0.2%減っているということではございますが、これは3.4%から5.2%まで原発の影響というものを除外して考えた場合には、逆に1.8%増えているというような状況でございます。これは後ほど出てきますけれども、やはり電気使用料が大きく伸びているということでございまして、その影響によりまして原発はより稼働率が上がって持ち直しているのですが、排出量としてその電力の使用料の上昇分が増えているという状況でございます。
 では、次のページをお願いいたします。「COの部門別排出量の推移」ということで電熱配分前の数字でございます。これは電熱配分前ということでございますから発電部門、発電ですからエネルギー転換部門で、発電の際に使って排出されたCOというのを最終的なユーザーのところに、まだ乗せる前の数字ということでございます。これを見ますと産業部門と並んで発電等のエネルギー転換部門というのが大きな排出源となっておりまして、このエネルギー転換部門を見ていただきたいのですが、四角囲みの2つ目の○に書いてありますように、1999年の3億トン程度から2004年には4億トン程度までということで、約2割増加していると。もちろん、これは電力使用が伸びているということが背景にあるわけですが、これがエネルギー起源COの増加に大きな寄与をしているという状況でございます。
 それでは、次のページをお願いいたします。次のページは「COの部門別排出量の推移」で、こちらは電熱配分後ということでございます。先ほどエネルギー転換部門の数字をそれぞれユーザーであります産業部門、業務その他部門、家庭部門といった部門ごとにふり分けたあとの数字ということでございます。ここはもう皆さんご承知のとおりの傾向でございまして、産業部門というのはおおむね横ばいであるということですが、四角囲みの2つ目以下、運輸部門につきましては2割程度超過している状況にあると。ただ、運輸部門につきましては文章中に書いてありますように2002年以降は減少傾向になっております。頭打ちになって2002年以降少しずつ減っていく傾向が見られ始めている。なお、2004年で基準年比で2割超過という状況でございます。
 それから、業務その他部門がどんどん継続的に増えているということで、大体毎年2%程度ずつ増えているということで、2004年度は4割近く超過をしているということでございます。それから、家庭部問につきましてもこれもいったん減少傾向があったのですが、また99年から再度増加して、今は3割超過というような状況ということで、こういった部門が大きく伸びているというものです。
 それから絶対量は少ないのですが、一番下のところに廃棄物というところがございまして、これが括弧で+59.9とありますが、これが基準年比で6割近く伸びているということでございます。この点につきましては後ほど詳しく説明しますが、廃棄物が埋立てから焼却にシフトしたというようなこともありまして、廃棄物からのCO排出というのが増えているという状況がございます。
 それから次のページでございますが、CO排出量の内訳としまして、排出形態別、管理主体別の内訳ということでございます。これも皆様方よくご存じのとおりということで、家庭が約2割ということでございます。家庭で使っている電気、それから家庭の自家用車を合わせると大体2割程度が家庭からの排出というようなグラフでございます。
 それからもう1枚めくっていただきまして、次のページ以降が発電等のエネルギー転換部門におきます傾向につきまして整理をしたものでございます。9ページのところで、「エネルギー転換部門の概況(電気・熱配分前)」ということでございますが、こちらは圧倒的にエネルギー転換部門としましては発電が大部分を占めておりまして、これが基準年比では2割以上伸びているというところでございます。
 次のページをごらんいただきたいと思います。「電力消費量・電力消費に伴う二酸化炭素排出量の推移」ということでございます。これは電力消費量がまずどれだけ伸びているかというものと、それで最終消費側の実際のその消費に伴いますCO排出がどれだけ伸びているのかというところですが、これはその次のページで排出係数の整理をしているのですが、実際に現在の電気のCO排出係数というのが1990年時点とおおむね同じレベルということでございますので、電力消費量が折れ線グラフにありますように約30%伸びているという中でCO排出量も同じ程度の3割弱伸びているという状況でございます。
 その次のページのCO排出係数の推移というところで11ページのグラフでございますが、こちらは「一般電気事業者が供給する電気の全電源平均のCO排出係数の推移」ということでございます。原子力も含めてすべての電源のCO排出係数を整理して平均したものということで、需要側の需要端での係数を見てございます。これを見ますと1990年のところ、0.4を超えるあたりにドットがありますが、その後一端は0.35に近いところまで下がったのですが、最近、特に2002年以降は原発の影響もございまして排出係数が悪化していると。ここの2010年ところに大きな四角のドットがありますけれども、こちら側は電事連におきまして目標とされている排出係数ということで0.34ということでございますが、ここにはまだかなりギャップがあるという状況でございます。
 それから次のページをお願いいたします。原子力発電所の影響ということで申し上げましたが、次のページに「原子力発電所の設備利用率の推移」というのを整理してございます。こちら見ましてわかりますように2002年から2004年にかけて大きく落ち込んでいると、2003年を底にしまして2004年は改善の兆しが見えているということですが、このグラフには載っておりませんけれども、2005年もなお72%程度というように見込まれておりまして、まだ80%を超えるレベルから比べれば1割以上利用率としては低下しているという状況でございます。
 それから次のページをお願いいたします。「電気事業者の発電電力量及びその見通し」というところでございます。全合計というところを見ていただきますと、グラフの横の数字にありますように、基準年比32%増加しているということでございます。その下のグラフの中に「2010見通し」というところがございまして、折れ線グラフの右側のところに点が打ってありますが、これが2030年のエネルギー需給展望に基づきます見通しをプロットしたものでございます。これを見ていただくと全合計のところの見通しとしましてはそれほど大きく上回っているという状況ではないのですが、それぞれのグラフを見ていただきますと特に特徴的なのが、火力合計のところは実際に2010年で見通しております火力のレベルというのがかなり下にございますので、火力が相当予定より上回っているというような状況でございます。一方で原発の方が予定よりも相当下回っているという状況でありますので、火力を今後大幅に下げていって、その分原発の稼働率を上げていくということが必要になるわけでございます。
 その火力の中でも石炭火力のところが1990年のところからコンスタントに右肩上がりで伸びておりまして、これが90年比で約3.3倍に達しているということでございます。「2010見通し」のところを見ますとこれを大きく下げていく、約3分の2以下にしないと見通しに合うような形にならないということになっている状況でございます。それからLNGにつきましても、これも下げていく必要があるのですが、中でもやはり石炭火力を大きく下げていく必要があるというような状況でございます。
 それから次のページでございます、これもよくご存じかと思いますが、「発電種別の二酸化炭素排出係数」ということでございますが、石炭火力、石油火力、LNG火力の別で整理をしてございますが、LNG火力に比べますと石炭火力で約2倍の排出係数になっているという数字でございます。
 続きまして産業部門のデータということでございますが、1枚めくっていただきまして16ページ「産業部門概況」というところでございます。これは産業部門でどういった燃料種を使っているかということですが、石炭、電力、コークス類、それから石油製品ということでかなりまんべんなく様々なものが使われております。全体としては-3.4%ということでございますので横ばいの状況ということでございます。ただ、その中でも天然ガスや都市ガスあるいは石炭といったものの利用量が増えているという状況が見てとれます。
 次の17ページでございますが、「産業部門の内訳の経年変化」というところでございます。産業部門の実際の排出ですが、そのうち約8割は主要の10業種と、四角囲みの中に括弧書きで書いてありますこの10業種が大体8割ぐらいを排出しているということになります。それ以外に製造業のその他・中小製造業でありますとかそれから非製造業としましてグラフの下に註釈を打っておりますけれども、農林水産業や鉱業、建設業といったものと合わせて全体を構成しているわけですが、このグラフを見ていただきますとわかりますように主要の10業種のところが8割を占めているのですが、これがほぼ±0ということで横ばいの状況ということでございます。一方で、その他の製造業でありますとか非製造業につきましてはグラフの横に書いてありますように基準年比9%あるいは22%マイナスということですので、かなり下がってきております。産業部門全体で-8.6%という目線ですから主要の10業種を含めてさらに取組みが必要な状況ということでございます。
 それから次のページでございます、これは「主要業種の自主行動計画進捗状況」ということでございまして、これは業種ごとの解析が私どものインベントリーの情報からは少し整理できないということでございまして、経済産業省さんの方でやられております自主行動計画のフォローアップの状況というのを整理しているものでございます。ごくかいつまんでご紹介いたしますと、鉄鋼が産業部門の約4割を占めているということでございますが、これは特に生産量を見ていただきますとわかりますように生産量が伸びているということもありまして、効率としてはよくなっているのですが、全体としてはCOとしてはなかなか減らないという状況がございます。それからその下が化学工業ということでございますが、これもエネルギー原単位を90%にするというような目標は既に達成しているという状況でございまして、さらにこの原単位につきましては2ポイント程度を改善できるというふうに見込まれているということでございます。
 次のページでございますが製紙業とセメント業ということでございます。こちらの製紙につきましては2つの指標を目標にしておりますが、これは既に最初の目標を達成されたということで、さらに高い目標の設定をしておりましてそれに向けて精力的な取組みをされているというデータでございます。それからセメント協会のところですが、こちらはセメントの生産量のところを見ていただきますとわかりますように徐々に減っているということもありまして、COとしては減少傾向にあるというものでございます。
 それから次に、運輸部門に移らせていただきます。運輸部門のところですが、まず概況といたしまして、これは先ほども申し上げましたように2001年をピークとしまして減少傾向に移ってきているということがございます。この中でもやはり自家用の乗用車というところが大きく伸びているというのと、あと絶対量は少ないのですが、航空部門も5割近く伸びているということで大きく伸びている状況にございます。
 次のページをお願いいたします。運輸部門の中身ですが、大きく分けて旅客と貨物ということに分かれるわけですが、このうち伸びているのは旅客の方で貨物につきましては減少傾向にあると、特にもう2002年以降は基準年を下回るところまできておりまして、物流の合理化等によりまして貨物のCOというのは減っているのですが、旅客の部分が伸びているということでございます。特に旅客といいましても自動車によりますものが大半ですので、自動車からの排出が伸びているということでございます。
 その中身を見ていきますと、次のページでございますが、「自家用乗用車の走行距離」というところでございます。これにつきまして走行距離自体はずっと伸びてきているわけですが、近年ようやくこの走行距離の伸びは頭打ちになってきているということがいえると思います。その中で軽自動車とそれ以外の内訳というのが書いてありますが、だんだんとこの軽の走行距離が増えてきておりますので、COとしては全体的にいい方向にいっているというようなデータでございます。
 それから次のページでございます。「乗用車の実走行燃費の推移」というところでございます。この実走行燃費ですが、グラフの中で一番下のラインを見ていただきますと、最初に基準年からだんだんと低下していっているわけですが、これは特に車が大型化したというようなこともありまして、実際に燃費のいい車が出ても実走行燃費としては下がってきていたわけですが、1997年ぐらいを底にしまして98年以降は着実に実走行燃費も改善をしてきているというような状況がございます。
 それから次のページでございますが、「輸送機関別輸送量」ということでございます。これは旅客の人×kmということで輸送量をあらわしているわけですが、この傾向といたしましては鉄道ですとかバスとか営業用乗用車の輸送量が減少していて自家用乗用車が伸びていると、航空の需要も伸びているわけですが、一般には公共交通機関から自家用車へのシフトというのが見てとれます。
 それから次のページでございます。「輸送機関別輸送量あたり二酸化炭素排出原単位」というところでございます。これは輸送機関の別で1人・1km輸送するのにCOがどれだけかかるかということですが、これも当然のことながらバス・鉄道に比べると自家用乗用車というのは非常に大きな数字になっているということでございます。
 それから次のページでございますが、貨物部門でございます。「貨物自動車の走行量の増加」というところを見ていただきます。ここで折れ線グラフで輸送量を書いております。輸送量がトンキロ、荷の重さ×kmでございますが、輸送量は右肩上がりで伸びているという状況の中で車の走行量は減少しているということで、より効率的な輸送が行われるようになってきておりまして、輸送量自体は伸びているのですけれども、車の走行量としては減少してきているという傾向がございます。
 次のページをお願いいたします。「輸送機関(貨物)別輸送量(トンキロ)あたり二酸化炭素排出量」ということでございます。これは営業用の貨物と自家用の貨物ということで、専業の運送業者等で営業用貨物として運ばれているものがトンキロあたりの二酸化炭素排出量としては非常に少ないわけですが、この営業用貨物へのシフトというのが起きておりますので、その分が改善につながっているというのがございます。一方でさらに船舶とか鉄道というのは非常に二酸化炭素の排出は少ないのですが、実際にここに数字ではあらわれておりませんけれども、こういったものによる物流というのは実は減っておりまして、いわゆるモーダルシフトというのはなかなか進んでいないという現実がございます。
 それから次は、家庭部門の関係でございます。最初のページで「家庭部門エネルギー種別排出量と電力消費量」ということでございます。これは折れ線グラフと棒グラフを書いておりますが、左下の折れ線グラフの方が電力消費量の推移ということでございまして、これは右肩上がりで伸びておりまして、5割近く伸びていると。これに伴いまして家庭の中でのエネルギー消費、電力が約6割を占めているということがございまして、これが電力消費に伴って伸びているという状況がございます。
 次のページをお願いいたします。「世帯数の増加・世帯あたりCO排出量の増加」というところでございます。グラフの中で右肩上がりで上がっております世帯数がコンスタントに増加しておりまして、約2割増えているということがあります。一方で世帯あたりのCO排出量というのが真ん中あたりで上がったり下がったりしている部分ですが、これが余り減らないと、むしろ基準年比で見ると約1割増加しているということで、世帯が増え、かつ世帯あたりのCOも増えているということで、非常に家庭のCO排出が増えているということがございます。
 その世帯あたりのCOが増えている要因としまして、次のページをお願いいたします。「家電製品の世帯あたりの保有台数の増加」ということでございまして、特にエアコンなどが1世帯あたりが倍増して2台以上になっておりましたり、パソコンなどがほとんどなかったのが一家に1台あるようになったりというようなことで、世帯あたりこういった家電製品の使用が増えているというのがその大きな要素となってございます。
 それから次のページ、「家庭部門の概況(用途別)」というところでございます。これは世帯あたりのCO排出を用途別に見たものということですが、やはり一番上にのっております「照明・家電製品等」の部分が90年比26.6%増ということで非常に大きなウエイトを占めております。
 それから次の34ページが「世帯あたり用途別エネルギー消費量」というところでございます。これにつきましては表の縦軸に電力、ガスというようなエネルギー種別を書いておりまして、横に暖房用、冷房用、その他の用途を書いているというものでございますが、特に世帯あたりで見ますと増えているのが電力の欄の「動力他」と書いてあるところです。「動力他」といいますのは四角内に書いてありますように照明とか家電製品等のことでございまして、この部分が大きく伸びているというところが家庭用のエネルギーが増えているという大きな要因となっております。
 次に業務その他部門の状況ということでございます。1枚めくっていただきまして「業務その他部門概況」というところでございます。こちらも家庭の場合と同様の形で整理をしておりますが、こちらの場合も左下のグラフですが、電力消費量が5割以上伸びているというところで電力に起因しますCOというのが大幅に伸びているということでございます。これも電力使用によります部分が約半分を占めているということですので、この消費量の増加がCOの増加に直結しているということでございます。
 次のページをお願いします。「業種別のCO排出量」ということでございます。これは今回エネルギーバランスを見直した際に、従来は業務その他部門のこういった内訳というのはわからなかったわけなんですが、今回新たに出せるようになったというものでございます。業務その他部門全体として非常にCOが伸びているわけですが、その内訳というのを見てみますと、ここに書いてありますような内訳になりまして、特に対個人サービス、下の欄に内訳の意味合いが書いてありますが、飲食店、旅館等の宿泊所、娯楽サービスといったような対個人サービス、それからその2つ下の公共サービス、これが公務、教育、研究、医療保険、社会保障ということで民間のものも含まれておるわけですが、そういった公共サービス系のものが非常に大きく伸びていると。ここで例えば公共サービスというので7割以上伸びているとか、それから公共に関連します水道・廃棄物の関連で24%伸びているというようなことで、これを合わせると4割近くあって、公共が4割近くを出しているんじゃないかというようなご指摘もあるのですが、これ実は中身を見ていきますと廃棄物ですと産廃の処理といったものも入っていますし、公共サービスの中でも民間の提供する医療サービス、社会保障サービスだとか研究、教育というものも入っていますので、純粋な意味での公共という意味ではその約半分ぐらいが公共の排出となります。ただ、いずれにしても非常に伸びが大きいということでこういった部分の対策が重要となってくるということでございます。
 次のページをお願いいたします。「業務床面積の増加」というところでございます。こちらも世帯数の増加と同じように業務床面積が右肩上がりでコンスタントに伸びているということでございます。一方で床面積当たりのCOの排出というのがほぼ横ばいということになっていますので、床面積が伸びた分だけCO排出が増加するというような状況になっております。
 それから次が「床面積当たり用途別エネルギー消費量」というところでございます。こちらも用途別に見ますと照明とかOA機器等の動力というところが非常に大きなウエイトを占めているということでございまして、これが3割以上伸びている。ほかにも厨房用、それから冷房用のところが割合としては伸びているという状況がございます。
 その次のページに家庭用と同様に「床面積当たり用途別エネルギー源別エネルギー消費量」ということで、床面積当たりで用途別エネルギー別にエネルギー消費量を整理した数字がございます。これも特に電力の「動力他」というところがかなり伸びているということでございます。一方で石油などを使っている暖房や給湯につきましてはかなり減っているというような状況が見てとれます。
 それから最後にエネルギー起源以外のCO、その他のガスについての傾向でございます。最初のページで「非エネルギー起源COの排出量の内訳」というところがございます。こちらはセメント等の無機鉱物製品の伴うプロセスのCOが半分程度を占めているわけですが、これは年々減少をしているという状況でございます。一方で一般廃棄物、産業廃棄物の焼却に伴うCOというのが増えてきているということがございます。
 廃棄物につきましては次のページに整理をしてございますが、廃棄物焼却が増えているということですが、その中身を見てみますと単純な焼却ということではありませんで、原料あるいは燃料としての利用としての燃焼、それからエネルギー回収をしているものというものがございまして、ここに書いてありますように一般廃棄物につきましては、グラフの一番下のところが一般廃棄物ですが、基準年あたりではほとんどが焼却だったわけですが、その中でも一般廃棄物で発電をしているものが増えてきていると、ここでは発電効率10%以上のものを発電というふうに整理をしてございますが、その割合がどんどん増えてきているという状況がございます。産廃につきましては残念ながらまだデータがないのでそういう整理ができていませんが、今後そういうデータを整備していく予定というふうに聞いてございます。その一番上にのっているのが燃やしてはいるのですが、原料あるいは燃料として利用しているというものですので、こういった部分についてはその分石油代替ということで使われておりますので、化石燃料の消費の抑制につながっているというところがございます。
 それから次のページが「メタン(CH)の排出の内訳」というところでございます。メタンにつきましては農業・畜産系のものと廃棄物の埋立て、それから排水処理によるものというようなことで大きく分かれると思いますが、棒グラフの下の方が農業ですとか家畜からの排泄ということですが、これは活動量自体がだんだんと減っているということもありまして、全体的には減少傾向にあります。一方で廃棄物の埋立てにつきましても焼却処理が進んで埋立てそのものが減少しているということで、かなり減少をしてきているということがございます。
 それから次のページが「NOの排出量の内訳」でございます。NOの場合は工業プロセスとしてアジピン酸製造工程でかなりまとまった量が出ているわけですが、これがグラフでいきますと1999年のところでその分解装置が導入されまして、これが大幅に減っているということがございます。その他廃棄物の焼却や燃料の燃焼に伴うものがあるわけですが、このあたりはまだ十分なデータがないのでそれほど減っていませんが、その工業プロセスが減っている分、全体としては大きく減っているということがございます。
 それから最後のところは代替フロン等3ガスの関係ということでございます。「HFCSの排出量の内訳」というところですが、これもかなりコンスタントに減ってきております。ただ、
 HCFCから代替フロンのHFCへの転換が本格的に進みつつあるというようなことで、その製造過程あるいはエアコンの冷媒あるいは発泡剤からの排出というのは今後少し増加してくる見通しがございます。
 それから次のページでございますが、「PFCSの排出量の内訳」というところでございます。ここにつきましても全体としては量が下がっているというところがございますが、一部半導体製造でありますとか洗浄剤・溶剤につきましては前年度より増加しているというような状況がございます。
 それから最後は「SFの排出量の内訳」ということですが、これは電力設備に使われているものが多いわけですが、これはもうコンスタントに減ってきているという状況です。
 駆け足ではございましたが、若干長い説明になりまして失礼いたしました。以上でございます。

○須藤部会長 どうも山本調整官、要領よくご説明いただきまして、どうもありがとうございました。一応先ほどこの会議を始めるときにはちょっと定足数に足りないけれども始めますということを申し上げたのですが、現状は十分に定足数に達しておりますので地球環境部会として成立していることを、まずは報告をさせていただきます。
 それでは、ただいま山本調整官からご説明をいただいた部分で温室効果ガスの排出量の現状とそれぞれの解析、考察をいただいたわけでございますので、委員の先生方からご質問やらご意見をいただきたいと思います。いつものとおりどうぞ名札をお立てください。その順番でまいりたいと思いますが、あまりいらっしゃらないでしょうか、どうでしょうか。
 それでは、前回の私の記憶ですと最後は浅野先生でお終いになったように記憶をしていますので、久しぶりでございますので名簿の順というようなことで浅野部会長代理の方から順次お話をいただきます。

○浅野部会長代理 大変丁寧なデータが出てきたわけです。これまでもこういうデータをいただいてはいたわけですが、たいがい時間がなくて読みとばすか見過ごすということが多かったので、今回は時間をかけて説明をいただいたのでいろんなことがわかってきたと思います。問題はこうなっているという事実はそのとおりわかるわけですけれども、では、どうするのかという話にこの分析をつないでいかなければいけないと思います。かなりいろいろなことがわかってきたと思います。産業部門はともかくとして、その他のかなり伸びが大きい部門について、従来からそうだろうと想像していたことが数字で実証されたという部分と、それから余り気がつかなかったけれどもこんなところがこうだったんだ、というようなことがわかってきたという部分とがあります。
 2007年には目標達成計画の再度の見直しをした上で、いよいよ第一約束期間に入らなければいけないわけです。2007年での見直しの作業の中で本日お聴きした分析結果をどう生かしていくかということが大きな課題ではないかと思います。ただ残念ながら本日お聴きした分析は2004年の数字にもとづくものでありますので、現実に2005年、2006年かどうなるんだと考えてみると、非常に心もとない。全体の温室効果ガスの排出量の数字を見ただけでも、このところの毎年の数字の乱高下が激しいということが言えますから、それだけに、全体の数字からは今後の予想もたてにくいと、若干途方に暮れる面がある。しかし個々の部門、部分の話になると、やっぱりある種の傾向とか法則性というのはやや大げさかもしれませんけれども、こういう動きになっているということが読めるような気がするわけです。
 例えば製造業のことは格別と申しましたけれども、意外と非製造業や他業種のところは下がっているという事実をどう見るか。これは多分生産量が下がったりウエイトが下がったりという背景があるかもしれないので、本当に、努力の成果があって下がったり下がったのはどの程度ということも次の段階できっちり見ていかなければいけないと思います。また、家庭や業務の部門では何をどう取り組んだらいいのかという点も、かなりはっきりしてきたのではないかという気がいたします。というのは、世帯数はともかくこれからも増える傾向がある。一方でどんどん世帯分離が進んで単身世帯が増えていく、高齢化にともなっても単身世帯が増えますから世帯単位のエネルギー使用量が一定であっても、絶対量がある程度増えるということは避けられない。
 そのことを前提にして考えなければいけないとすると、家庭部門で、暖房や冷房よりも動力として使われている電気のほうがウエイトが高いわけですが、そうすると、単にトップランナー方式でやっています、というだけではだめで、トップランナー方式の最新の機器がどのぐらい各世帯に行き渡っているかということがより重要、ということになるわけです。しかし、そこのところは余り定量的にはわかっていないわけです。で、トップランナー方式でやっていますから成果が上がります、上がりますといってもそれだけではだめなわけで、どうやってトップランナーの機種を行き渡らせるか、そのためにはやっぱりいろんな意味のインセンティブが必要になるわけです。そうなるとやや飛躍するかもしれませんが、今までのような電力料金政策でいいのかというようなところに当然話が発展していいのだろうと思われます。トップランナーの製品が買われない、それは電気料金が安いから少々エネルギーが余計かかったって、古い機種を使っている方が買い換えなくていいからということであるならば、それではまずいということがはっきりしているのではないかという気がいたします。
 それからマイナーなことではあるわけですが、大して全体にしめるウエイトが低いとはいえるものの、業種別で業務その他の部門の数字が示されたこともおもしろいと思います。前から言われているようにどうも問題なのはパチンコ屋とホテルとそれから大学と病院ぐらいだろうという話が実証されているわけですね、しかしそれだけではなくて、通信放送が146.4というのは一体何なんだろうと思われます。おそらく携帯電話が随分増えて中継局が増えたような事情があるかもしれませんけれども、ひよっとしたら深夜放送をある時期やめたことがあるのに、今はもうチャンネルの数は増えるわ、深夜放送はじゃんじゃんやっているということもあるのかもしれません。しかもこれに加えて、かなりの電力を食うテレビの受像機が家庭普及していけば両方の相乗作用で、温室効果ガス排出量が増えるということになりはしないのかと、といったようなことが一つ一つ明らかになっていくわけです。
 ですから、例えばこういう例をあげてみたわけですが、さらにもっと細かくデータがとれていけば、細かく議論ができるので、それを用いつつ、次の段階では自主的な努力というだけはどうにもならない領域を洗い出して、それぞれについて今後どうするんだという議論ができることになるのだろうと思われます。そういう意味でも面白いと考えられる材料が得られたと思います。以上はコメントのような発言でしたが、考えたことをお話させていただきました。

○須藤部会長 どうも浅野部会長代理ありがとうございました。次の2007年度には皆さんご承知のとおり、目達計画の見直し等もやらなくてはいけないのですが、これがみんなベースになりますし、今浅野先生からは特に具体的な問題を取り上げていただきましたので、事務局どうぞその辺のデータの収集やら考察やらを進めていただきたいと思います。
 それでは、天野先生どうぞお願いいたします。

○天野委員 ありがとうございます。浅野委員のご意見とだぶる部分があるかもしれませんが、私はこういうデータを見るときにいつも参考にしておりますのが日本エネルギー経済研究所から出ているデータなんですね、多少細かい中身は違いますけれども、ここに挙がっているような細目とそれからその背景にあるいろんな活動量といいますか、運輸量というのは例えば人間をどれだけ運んだか、貨物をどれだけ運んだか、どういうもので運んだかというそういうバックグラウンドにあるようなデータを一緒に出してくれているんですね、ですから、増えたり減ったりしている要因を調べるのに大変役に立つ。
 ただ、今日いただいたデータは、エネルギーだけではなくてむしろ二酸化炭素の排出量のデータですので、排出係数のようなものも一緒に使っておられると思うのですが、そういうデータが一緒に出てくるということが大変大事なことであって、ここで見て私たちが直感的に判断して、こうかしら、ああかしらというだけではなくて、きちっとしたデータをもとに分析をしてみるということで、もっと詳しい原因が突きとめられるのではないかという気がしますので、日本エネルギー経済研究所は別の組織ですが、それに類するような機関ないし組織あるいは環境省そのものからああいうタイプのデータ集が出せないのかどうか、あるいはお互いに協力をして現に出ているデータプラス環境省の追加データによって全体像がわかるというふうな取組みを私はお願いしたいし、ぜひそういうことをすべきではないかというふうに思います。そのためにはいろんな追加のデータを調べたりしなければいけませんけれども、量的に大変大きいところですね、そういうところのバックグラウンドのデータがあればというふうに私は思いますので、ぜひお願いしたいと思います。

○須藤部会長 どうも天野先生ありがとうございました。最後のそういうCOというその結果だけではなくて、その途中の例えば排出係数とかいろんなデータも合わせてこれからの対策を立てるうえで可能であれば併せてこういうところで出してほしいというご意見もございましたので、可能な範囲でまた事務局は勉強していただきたいと思います。
 それでは、塩田委員どうぞお願いします。

○塩田委員 事務局が大変苦労されてCOをはじめ温室効果ガスの排出量のデータをこれだけ明確に出していただいたことに感謝したいと思います。今も既に発言された委員の方がおっしゃったこととだぶりますが、このデータは結論がこういう形で示されていますが、そのベースにある経済・社会の状況がどうかということと、それからこれまでいろいろな対策を打ってこられた、その対策の効果が混ざった結果がこうなっているだろうと思うのです。ですからこれからはこの中で、非常に効果が大きかったとそれぞれの関係されるところが指摘される政策に限っていいと思うのですが、非常に効果が大きかった政策がどのくらい具体的にCOの量を減らしたかということを立証していくというようなことが、これからの対策のためにいいのではないかということを思います。
 対策の効果が相殺されている場合もあると思いますし、諸対策の相乗効果がある場合があると思いますが、そういうことについても分析していかれる方が今後の対策のためにはいいのではないかと思います。私の意見としては、細かいところまで全部網羅的にやるよりは、大きな効果があったものを具体的に取り上げていくというようなことをやれば、今後の対策にも有効なのではないかと思います。
 以上です。

○須藤部会長 ありがとうございました。効果のあったものについてもう少し詳細な考察をということですので、また事務局は可能な範囲でこれもお願いをしたいと思います。
 それでは永里委員、どうぞお願いいたします。

○永里委員 ありがとうございます。2点だけ、これは単なる質問でございますが、本当に事務局ご苦労様でした。非常にまとまっていていいと思います。で、はっきりしたことがわかったのですが、ページ17の産業部門について中小企業とかそれから非製造業が減少しているわけですけれども、これについてはなぜこうなったかという分析をなさっているかという質問です。
 もう1つは、28ページの輸送機関についてなんですけれども、コンビニの配送というのは非常に問題があり、利便さを求めるために配送が頻繁に行われているのですが、このコンビニの配送は自家用貨物にとらえられているのか、営業用貨物でとらえられているのかということについてお聞きしたいと思います。

○須藤部会長 かなり具体的なご質問なんですけれども、これはおわかりになりますか。どうぞ、まずは1番の方から。

○馬場課長補佐 はい、まず1つ目でございます。他業種中小と非製造業の減少要因でございますが、実はここの部分今年から総合エネルギー統計が見直されまして計算方法が去年と変わっているところでございます。実は去年まではそれほど減少していなかったところなんですが、計算方法を変えたところがございまして変わっております。
 実は、まだ詳細まで分析はできておりませんので、これからこれらの業種について燃料種別にどういうふうな増減要因で減っているのかということを解析をしたうえでご報告いたしたいと思います。それから併せてコンビニの配送用のトラックについても、すみません、どちらにあたるのか現時点ではちょっと明確にわかりませんので、きちっと確認をしたうえでご回答を差し上げたいと思います。申しわけありませんが、よろしくお願いいたします。

○須藤部会長 それでは今のご質問は大変具体的なご質問だし、誤った理解をするといけませんので調べていただきたいと思います。永里委員、すみません、そういうことですので、あとでまたお知らせくださるそうですのでお願いいたします。
 福川委員、どうぞお願いいたします。

○福川委員 大変ありがとうございました。いろいろなことがよくわかってまいりました。若干質問をさせていただきたいと思いますが、1つは運輸部門でページの21、23あたりでございますけれども、この2001年以降あたりで見るとこの乗用車の排出量というのは、ほぼ横ばいのように見えますし、それでその中が社用車が減ってマイカーが増えているということですけれども、23ページになってまいりますと、自家用乗用車の方は輸送距離でいうと減って、むしろ軽の方が増えているということですので、これがどのくらい反映するのか。むしろ傾向としては軽が非常に増えていく、で、自家用乗用車の距離は減っていると、それで多分ここはまだハイブリットカーはそれほど入っていないかもしれませんが、ハイブリットカーが入っていくと、この運用部門というのはこれから先は相当減っていくと評価していいかどうかをお伺いしたいと思います。
 もう1つは、最近やっと昨日から動き出しました駐車違反の取締りですけれども、これはどのくらい効果があるとご予想していらっしゃるか、これは私は非常に大きいのだろうと思うので、かねてここの審議会でも何回も指摘がありましたが、なかなか動かなかったのですが、やっと動いたという感じがしますので、もしお分かりになれば教えていただければと思っております。
 それから業務用ですが、ページ38ということになりますが、ここは最近2002年以降は少し改善しているように見えますけれども、床面積当たりのCOの排出量が余り改善していないと、最近いろいろ設計技術も進んでいるし、素材も進んでいるのですけれども、もうちょっとCOの床面積当たりの排出量というのは減ってしかるべきではないかと思いますが、余り減っていないのは非常にスペースが大きくなって冷房効率、暖房効率がよくならないということなのか、その辺の背景がおわかりになれば教えていただきたいと思います。
 以上です、ありがとうございました。

○須藤部会長 これもより具体的なご質問なんですが、運輸部門の今後の動向、それから床面積の問題、2つどうぞお答えください。

○山本調整官 先ほどのお答えと同様にもう少し解析しないとわからないところもありますので、そこについてはもう少ししっかり調べたうえで、より詳細にお答えしたいと思いますが、1つは、車の傾向といたしましては後ほどまたご紹介することになるのですけれども、エコ燃料利用推進会議というところで、今後のバイオエタノール等のエコ燃料みたいなものをどうやって入れていくかというのを議論した際に、これからの燃費とかそういうのはどういうふうになっていくのだろうということを見た場合に、先ほど傾向はご指摘ありましたように自動車の大型化というのはある程度頭打ちになってきているということもありまして、これからはかなり燃費がトップランナー方式で改善して、どんどん古い車がいい燃費のものに置き換わっていくというその効果はかなり大きいだろうというふうに言われておりまして、それが2020年ぐらいには燃費改善で大体15%ぐらい削減できるのではないかと、そちらの会議の方ではそういうような議論を大聖先生のご意見も踏まえまして、盛り込んでおりますので、全体としてはキロ当たりの排出量というのは大分よくなっていく方向にあるだろうということです。
 ただ、駐車違反の取締りにつきましては、なかなかちょっと今はお答えできる材料がございませんので、確かにそういったものは物流に対する影響というのは大きいわけですから、たしかに効果がプラスになる方に働くのではないかと思われますが、またそこは勉強をさせていただきたいと思います。
 それからあと、床面積当たりですが、これももう少ししっかりした解析をしてお答えしなければいけないと思うのですが、一方で90年から比べますとどんどんOA機器がたくさん入ってきておりますので、そういった中で使われるものが、もの自体は随分省エネタイプのものに置き換わってきているのですが、一方で先ほどの家電と同じで使われているものが多種にわたって増えてきているということで、せっかくのそういった効果を相殺しているというところが一番大きいのかなと思っておりますが、もう少しそこは勉強させていただきたいと思います。

○須藤部会長 どうもありがとうございます。それでは、福川委員、先ほどのご質問と同じようにもう少し解析、考察をしたいと言われているので、またもう少し時間をいただきたいと思います。
 それでは、横山委員どうぞお願いいたします。 

○横山委員 遅れてきて既にご説明があったのかもわかりませんが、速報値が8.0で確定値が8.3と、それから04年度が7.4から8.0ということなんですね。私は04年度ぐらいはもう少し速報値と確定値が縮まるのかなと、7.4に限りなく近いのかなと思って随分差が開いてしまったのですけれども、これをこのままいきますと例えば1%も違ったりすると与える影響が大きいと思うんですね、例えばこんなに減っているのならもう大丈夫かと思っていたら、確定値になったらグンと上がっているとかですね、その辺のところ何かもう少しうまく差を縮める方法がないのかということが1点。
 それから03年度、04年度ともみんな確定値が大きくなっているのですが、それがどういうことなのかという分析ができているのかということと、それから確定値、速報値もそうなんですけれども、もう少し出す時期を早めることというのは今後ともできないのか、その辺のことをお尋ねしたいと思います。

○須藤部会長 ありがとうございます。それでは今の2点、どうしてそんなに差があるのかということと、それからなぜ確定値の方が大きいのかということ、どうぞそれをお答えください。

○山本調整官 一つ、04年でご指摘のとおり速報値のときは7.4%ということで0.6%の差が出ているということがございます。それは一つには統計として月報の速報のものが年報に確定した際に、その統計値の違いということで生じている部分、あるいは統計値がその時点で利用できないものを推計している部分の推計の誤差というのがあるのですが、先ほどちょっとご説明しましたように今回算定方法そのものを大きく見直しているということで、実は速報値の段階では昨年度2003年度の数値を出したときの算定方法と同じやり方でやっておりましたのですが、今回2004年の確定値に当りましては先ほどご紹介したように数百トンベースでいろいろ増減があるような算定方法の精査見直しをしましたので、その結果との相乗効果もありまして0.6というような開きになったということで理解をしております。

○須藤部会長 それからもう少し早くこういうものを出せないかという、それから速報と確定で確定の方がいつも大きいじゃないかと、それはどうしてそうなるのかというのもご質問だったのですが。

○馬場課長補佐 速報と確定で大小関係が必ず大きくなるということではございませんでして、2003年値は、去年の速報では8.3だったのですが、今回発表値は8.2で0.1下がっているわけでございまして、必ず大きくなるというものではございません。ただ、今回計算方法を見直したという中で通常の速報値と確報値の誤差にプラスその計算方法の見直しによる差分が出てきてしまった関係でちょっと今回はこうでございますが、2003年の速報と確報の差は0.3%の差でございました。
 それからもう少し早くというところですが、今年の速報値につきましては9月1日に割当量報告を出して計算方法が確定しないとその方法で速報値を出せないという事情がありまして、どうしても9月よりも後ということになるわけでございますが、それ以降の速報値はできるだけ早く出せるように努力をしていきたいと思っております。

○須藤部会長 ぜひ、こういうものはなるべく早く我々としても知って対策をいろいろ考えなくてはいけないわけですので、一日でも早くその速報値であれ、早く出るように努力をしていただきたいと思います。その他全体よろしゅうございましょうか。

(発言する者なし)

○須藤部会長 それでは、ただいまの温室効果ガスの排出量についていろいろ貴重なご意見、ご質問をいただきました。どうもありがとうございました。こういう排出量については今後の地球温暖化対策を進めていくうえで大変重要なベースになるものでございますので、また地球温暖化対策にこれを使って一層の強化を進めていただきたいわけでございますし、それから事務局には先ほど幾つかのご質問やらさらに精査してほしいことやら、また新たなデータもほしいやら、いろいろお願いもございました。どうぞ可能な範囲でそれを進めていただきたいということで、この議題は終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは次の議題、「地球温暖化対策をめぐる最近の動きについて」に移りたいと思います。前回の2月の部会以降の地球温暖化対策に関する国内外の動向について事務局の方からご説明を願います。資料が4つほどございますが、順番に連続してやらせていただきます。梶原課長、水野国際対策室長、山本調整官、芳野補佐、順番にどうぞ順次お願いをしたいと思います。

○梶原地球温暖化対策課長 それでは、資料の2-1を用いまして「京都議定書目標達成計画の改定について」、京都メカニズムの関連のところをご説明を申し上げたいと思います。
 京都メカニズムの活用につきましては過去2回ほどこの部会で本年度からの制度改正、温対法の改正とその予算、改定のための予算のご説明をさせていただきました。具体的にはまず1枚めくっていただきまして別紙ということになっておりますけれども、既に何回かご説明させていただいておりますが、京都メカニズムの活用のための必要な措置に関する基本方針を京都議定書目標達成計画に位置づけると、あるいはクレジットの取得・保有・移転のための割当量口座簿の法定化をする、あるいはこの割当量口座簿を用いて、この割当量の保管とか移動を行います手続について規定をする温対法の改正法案が一昨日国会で可決成立しております。
 それでページの一番下の方にまいりますけれども、これに関連いたしまして経産省と私ども環境省で54億円の予算が今年ついておりまして、さらにその54億円がキャッシュとして出せるわけでございますが、実際の契約としてクレジットの調達に使えるという契約をしてもいいという額としまして、国庫債務負担行為の額として122億円契約をしてもいいと、こういう予算をいただいているわけでございます。今般、この法律が国会を通りましたことを踏まえまして、これまで本審議会でご検討いただいたご意見、あるいは国会で賜りましたご意見を踏まえて京都議定書目標達成計画の改定案を、本日パブリックコメントにかけさせていただいておるわけでございます。
 資料の2ページを見ていただきたいのでございますが、京都議定書目標達成計画にどういうものを位置づけたかということでございます。基本的な観点、クレジットを取得する際に踏まえる観点として2点ございます。
 まず、リスクの低減を図りつつ、費用対効果を考慮して取得すること。この点につきましてはプロジェクトをベースにしてクレジットの取得をするわけでございますけれども、その際にいろんな長い3年から5年かかるプロセスで初めてクレジットというのが認証されてたまとして出てくるわけでございますが、その段階ではもう既にファイナンスが決まっていて、どういう人たちにそのクレジットが将来行くかというのが決まっておりますので、あらかじめ早い段階から対応する必要があると、そうしますと当然ながらリスクが高くなるということでございます。そういうものは費用対効果がいいわけでございますが、一方ではリスクが高くなるという問題がございますので、その両者をきちんと考えろということでございます。
 もう1点は、京都メカニズムは国際的に協力して削減を図るシステムであるという性格を持っておりますので、地球規模での温暖化防止あるいは途上国での持続可能な開発の支援を図ることが重要であると、こういう2点の重要な観点があるだろうということを明記しております。
 では、具体的にどういう形でそういったクレジットを取得していくのかという点で4つほど明記しているものがございます。1つは、CDM・JI・JISなどの実際に削減の裏打ちのあるような、そういうプロジェクトに関連するようなクレジットの取得に最大限努力をしましょうと、これが第1点目でございます。
 第2点目は、リスクの低減ということであらかじめ調達するプロジェクトあるいはそのプロジェクトをまとめてクレジットを提供していただく者と契約する場合には、そのリスクの厳正な評価・管理を行う。あるいは特定の国に固まらないように対象となる国あるいは実際に契約をする相手方を分散しておくというリスク分散を行うといったようなこと。また、費用効果のことを考えれば原則公募という形で対応するということでございます。
 第3点目が環境の保全に関すること、あるいは地域住民に対する配慮ということでございます。一応国連のCDM理事会のガイドラインでは当然ながらアセスが必要な場合はアセスをやることでありますとか、あるいは地域住民の意見をきちんと聞いたプロセスを整えてCDM理事会に申請することということになっております。その申請にあたりましてはホスト国の意見を聞くとか、あるいは実際に申請がされたあとはCDM理事会の審査を受けるといった何重ものプロセスがありますけれども、我が国が調達する際には、それに加えて配慮の徹底をさらにするべきであるということでございます。
 第4点目が、クレジットの取得についてはNEDOを活用するということでございます。具体的には14ページを開いていただきたいのですが、これが今回パブリックコメントに本日かけます京都議定書目標達成計画でございますが、14ページの一番下の方を見ていただきたいのですが、「我が国のクレジット取得に関する取組」ということになっておりますけれども、その中で例えばアとしまして、先ほど申し上げましたような踏まえるべき観点を[1]、15ページの[2]という形で明らかにしております。それと4点、取得に対する踏まえるべき基本方針というのは先ほどご説明させていただきましたが、その点につきましては15ページの上半分のところで書いてございます。こういう点が主たる変更点でございます。

○須藤部会長 ありがとうございました。続いて水野国際対策室長。

○水野国際対策室長 それでは、まず資料2-2-1からご説明をさせていただきまして、続きまして2-2-2についてご説明をさせていただきます。
 まず、2-2-1「気候変動に対応するための長期的協力の行動に関する対話」(概要と評価)でございます。先月の15日と16日、ボンにおきましてただいま申し上げました対話の第1回目会合が開催をされております。この会合は昨年の11月モントリオールで開催されましたCOP11での決定に基づいて開催されたものでございまして、議定書ではなくて条約の下での合意に基づく会議ですので、議定書に参加していないアメリカですとか、もちろん削減義務のない途上国も含めたすべての国が参加して情報交換を行う、そして今後の協力について対話をするということでありました。
 アレンジメントといたしましては先進国1名、途上国1名の共同議長の下で今後2年間で最大4回のワークショップを開催するということでございまして、その結果を随時COP12及びCOP13に報告するということになっております。なお、この対話は将来の行動等を予断しないということを前提にして開催されたものでございます。
 この会議は、まず議長として豪州のバムジー環境次官が選ばれまして、それから南アの外務省の方が選ばれて、このお二方の下で意見交換が行われたということでございます。非常に多様な意見が出されたわけですけれども、ごく大まかにまとめますと、一番最後のIII番目のところに「評価」ということで書いてございますけれども、各国から幅広い意見が表明されて、それぞれの立場が明確になったということができると思いますが、特に簡単に分けますと、やはり先進国側と途上国側で意見の対立がみられたということがあります。
 まず、我が国をはじめとしましてEUやノルウエーなどの幾つかの先進国は、条約の究極目的の達成に向けた主要排出国による温室効果ガスの削減など、将来枠組みに向けて連帯した取組をすべきだということを強調いたしました。これに対しまして途上国は一貫して、本「対話」では先進国による途上国支援がまだ不十分であるということで、この部分についてさらに強化をすべきということについて議論する必要があるということを全面に打ち出しまして従来の主張を繰り返していたということでございます。今後、将来枠組みの構築に向けた議論の厳しさが伺われたということでございます。
 なお、アメリカにつきましては気候変動への対処については多様なアプローチがあるというような点あるいは気候変動に取り組むにあたってはエネルギー安全保障ですとか大気汚染の解消などその他の問題と一体的に取り扱う必要があるということですとか、あるいは技術開発の必要性等々について主張をしておりました。
 先ほど申し上げましたように、今回は4回あるうちの第1回目ということでございますけれども、今後とも我が国としては主張すべきところはしっかりと主張いたしまして、実効ある枠組みの構築につながるように各国と連携して取り組んでいきたいというふうに考えているところであります。
 以上が対話の概要でございますが、続きまして資料2-2-2でございますけれども、この対話に引き続きまして、3つの補助機関会合が開催をされておりまして、その概要のご説明でございます。今3つ開催をされたと申しましたが、今回新たに設置された補助機関がございまして、それが先進国の次期約束の検討に関するアドホック・ワーキンググループというものでございます。その概要が1枚目の枠組みの(1)というところに書いてございます。
 先進国の第二約束期間以後の約束につきましては、議定書の3条9項の規定に基づきまして昨年からこれは開始しなければいけないことが議定書上明記をされておりました。これに基づきまして先般のモントリオール会議でこのアドホック・ワーキンググループをつくって検討していきましょうということが決まったわけでございまして、その決定に基づいた第1回の会合が、今回ボンで開催されたということでございます。もちろんこれは議定書の下での議論ですからアメリカは入っておりませんけれども、その他の主要国は参加をして、これについて今後どうやって進めていくかということについて議論がなされたということでございます。その結果でございますけれども、四角の中にあります3つのポツの点が成果として合意をされたということでございます。
 まず1つは、今後ともこのアドホック・ワーキンググループで先進国のさらなる約束についてはしっかりと議論をしていこうということですが、これについては先進国が様々な情報を提供していくということが決められております。
 それから、その前提としてやはり気候変動の科学、例えば長期目標ですとか、世界レベルでどの程度の削減努力をするというような必要性、あるいは温室効果ガスの削減ポテンシャルといった各種の基本的な情報について共有をしていくと、そして共通認識を各国間で持つということが2点目として合意をされております。
 3点目といたしましては、このアドホック・ワーキンググループの検討を進めるにあたりまして、それを単独で進めるのではなくてその他の条約や議定書のプロセスとも連携を保ちつつ検討を進めていくということが決められております。
 この合意に至るまでの若干の経緯がその下に書いてございますけれども、当初は途上国はやはりこのアドホック・ワーキンググループではあくまで先進国の次期約束の数字のみを議論せよということを主張していたわけですけれども、これに対しまして我が国をはじめとする先進国が、いや、数字を議論するにしてもやはり締約国全体でどの程度の削減をしなければいけないのか、あるいは各国のポテンシャルがどの程度あるのかといったことについて共通理解がなければそういったことは議論できないということを主張いたしまして、最終的には先進国側の主張が大分盛り込まれた形で先ほど申し上げた合意が成立したということでございます。具体的には今年11月にナイロビで開催されるCOP/MOP2ではその情報共有のためのワークショップが開催されるということなどが決まっております。こういった作業計画が合意をされまして、今後とも各国協力をしてこの次期約束等についての交渉を進めていくということが合意されたことは評価できるのではないかなというふうに考えております。
 それから(2)というところですが、この他に通常から行われておりました気候変動枠組条約及び京都議定書実施のための補助機関会合、これにつきましても開催をされまして個々の議題について突っ込んだ議論がなされております。特に1点だけ申し上げますと、COP/MOP2及びCOP12につきましてはあらためてナイロビで開催するということに最終決定がなされまして、これについてはかなり合理的に議論すべき課題を絞ってやっていこうということで、特に適応問題ですとか技術移転などの問題に絞って議論をしていくということが決まっております。
 以上でございます。

○須藤部会長 ありがとうございました。続きまして、山本調整官。

○山本調整官 それではお手元の資料2-3でございます。「輸送用エコ燃料の普及拡大について」ということでございます。これは地球環境局にエコ燃料利用推進会議というのを昨年12月に設置いたしまして、エコ燃料に関する検討を行ってきたというものでございます。経緯のところの2つ目の段落、「本日の」と書いてありますが、これは当日公表用に配付したものということでございますが、5月30日付で第4回の会議を開きましてその場でまとまったもののご報告ということでございます。こちらは裏面に委員名簿が付いておりますけれども、早稲田大学の大聖先生に座長を務めていただきました。さらにバイオエタノールに関しては、自動車用のバイオエタノールの分科会におきましても精力的にご検討をいただきまして、おまとめいただいたというものです。
 エコ燃料と呼んでおりますのはバイオマス由来の燃料ということでございまして、京都議定書目標達成計画の中で新エネルギーの導入として原油換算で1,910万KL相当の新エネを導入していくという目標がございます。これは一次エネルギーの3%に相当する量なんですが、この中で308万KLのバイオマス熱利用をしていくというのが重要な目標になっておりまして、このバイオマスの熱利用をどうやっていくのかというその具体的な道筋をしっかり考えていこうという目的で設置された会議でございます。特にバイオマス熱利用の中で自動車等の輸送用に使う燃料といたしまして、バイオエタノールに代表されますようなバイオ系の燃料をしっかり使っていこうという部分を先行してとりまとめていただいたということでございます。
 全体といたしましてはこの他に今回まとめた輸送用のエコ燃料以外に定置用のいろんな設備で使うようなバイオ系の燃料あるいはバイオガスですとか木質系の固形燃料といったものもございますので、そういったものもとりまとめのためのご議論をいただきましたので、追ってまた報告書をとりまとめて、またご報告をしたいと思います。
 内容でございますが、ここで簡単に1枚目に概要をまとめておりますが、ここでは目達計画は2010年に具体的に数値目標をおいているわけですが、さらには2030年という長期的な点を目標にしまして、2020年をその中間年といたしまして3段階の目標設定をしてございます。ここでその一例といたしましてガソリン全体に対しましてE10と書いておりますが、バイオエタノールを10%混合させた燃料で、ブラジルなんかではもっと高い比率で入れておりますし、アジアも含めてかなり最近は世界各国でこういう混合燃料の取組みが進められておりますが、日本でも将来的にはE10を目指して2030年ではガソリン需要をすべてこういったE10を入れていくというような目標をおいてございます。
 その中間年として2020年には一部E10化をしていくということなのですが、現在走っております車に直ちにこの10%混合ガソリンを入れられるかというと入れられませんで、現行法制度の下では3%までの混合が認められております。これはE3と呼んでおりますが、そういったE3ガソリンが入れられるわけですが、それを将来的にはE10にもっていくためには車両の側にも対応をしていただかなければいけないということで、その3つ目のポツに書いてありますように、これから販売していただく車を基本的にはE10対応車に順次切り換えていただくということで、この京都議定書の第一約束期間内にはガソリン車全車をE10対応にしていただくと、新車についてですね。それと併せてガソリン需要量の最大半分ぐらいを3%バイオエタノールを混合させた燃料を使う、あるいはここに書いてありますETBEという、これもバイオエタノールを使って合成したガソリンの添加剤ですけれども、こういったものを混ぜていくということでガソリンの半分ぐらいをこういうものでカバーしていこうというような目標をおいてございます。さらにこういったものにしっかりと取り組んでいって目標を前倒しするような勢いで関連する施策を加速化していくということを目標に掲げてございます。
 それから目標のために当面必要となる施策といたしまして関係省庁が連携をいたしまして、環境省だけではできませんので、経産省、農水省、それから国交省も含めて関係省庁が連携をしてできるだけ高い水準を目指した工程表を作っていこうと。今の目達計画の目標だけでは具体的な手順といいますか段取りまではありませんので、もっと具体的な工程表を作っていこうと。それからここにありますように関係業界としっかり連携をしまして、地元の自治体、企業とも連携をしてしっかりとした計画的な取組みのための体制をつくっていこうということを施策として掲げております。
 具体の施策といたしましては、環境省が宮古島におきましてサトウキビから砂糖を作るときに出てくる糖蜜を使いまして、それをバイオエタノールに変えるという、そこからつくったバイオエタノールをガソリンに3%混ぜて、実際にそこで車で走って使っていただくというようなことを実証事業として今やっておりますが、これを全島に拡げて大規模実証につなげていこうというような取組みでありますとか、あるいは大阪でも廃木材からバイオエタノールをつくりだすという、その商用プラントの1号機を環境省の支援で今つくっておりまして、これも来年の1月には廃木材からのバイオエタノールができるということですので、それを使って大阪のエリアで大規模にそれをE3として使っていくように実証していこうと、そういったことも含めて様々な具体的な手立てというのを盛り込んだ報告書にしてございます。その中には当然、やはり当初はバイオエタノールを使っていくということに対しては少し割高になって通常のレギュラーガソリンよりも高くなるということですので、揮発油税の減税といった税制上の措置も必要だということが内容として盛り込まれております。
 具体的な報告書の概要というのを付けておりますが、実は報告書自体は非常に大部なものですので、これはまた後ほど委員の皆様方には郵送にて送らせていただきたいと思います。その中でかなり具体的に目標でありますとか取組みでありますとか、それからそれに至ります現状の解析といったようなことが詳しく盛り込まれております。5ページのところを見ていただきますと、1ページだけ先ほど口頭で申し上げた目標というのがもう少し整理をして書いております。
 先ほどガソリンへのバイオエタノールの導入の話だけをしましたけれども、全体としては燃料全体にどういうふうに入れていくのかということと、それから大きくガソリン代替をどうしていくのか、それから軽油代替をどうしていくのかというようなことで整理をさせていただいておりまして、燃料全体で見ますと先ほどのインベントリーのお話の中で少しご紹介させていただきましたけれども、2020年のところでは輸送用燃料の消費量の抑制ということで現状の約2割は削減していくと、そのうえで200万KLの輸送用エコ燃料を入れて結果的には3%ぐらいエコ燃料を混ぜていこうというような目標を置いておりますし、さらに長期的には現状の5割の輸送用燃料を消費抑制するという少し大胆な目標を置いておりまして、それで400万KLのエコ燃料を入れて、結果的には輸送用燃料の10%をエコ燃料で置き換えていこうというようなことを置いてございます。このあたりの2割の考え方ですとか5割の考え方につきましては先ほど少し口頭でご説明しましたが、報告書の中に整理しておりますので、またそちらでご参照いただければと思います。それぞれガソリン代替、軽油代替に分けてそれぞれ3段階でどのような施策を打っていくのか、目標にして施策を打っていくのかということをここに整理をしております。
 そして最後の8ページ、9ページのところに、ガソリン自動車、ディーゼル自動車においてどんなロードマップでこれから進めていくのかということも整理してございます。これは単なる絵ですけれども、これに至る詳しい検討内容は報告書の方に整理をしておりますので、また後ほどお送りするものをご参照いただければ幸いです。
 以上でございます。

○須藤部会長 どうもご説明ありがとうございました。
 それでは、資料2-4でございますが、芳野補佐、どうぞご説明ください。

○芳野地球温暖化対策課課長補佐 「地球温暖化対策とまちづくりに関する検討会における検討状況について」、資料2-4とその後ろに付いてございます「環境白書」の抜粋の2つの冊子を用いてご説明したいと思います。時間が限られておりますので本当に触りだけの説明となってしまうことをご了承ください。
 この検討会ですが、通称、「まちづくり検討会」と呼んでおります。昨年の秋、10月ですが、第1回の検討会を開催しまして、これまで5回検討会を重ねております。資料2-4の1ページの一番下にございますように首都大学東京の教授でございます三上先生を座長として各界の有識者15名をもって構成しております。
 そもそもの問題意識は、最近新聞紙上などで「まちづくり」という言葉がよく現れてきておりますが、新聞などで語られているのは例えば中心市街地がシャッター街になってしまったりあるいは市街地が拡大することによって、道路、上下水道といった都市のインフラコストがものすごくかかってしまうですとか、あるいは高齢社会の到来に伴ってそういう高齢者にやさしくないまちづくりが行われているですとか、これからの人口減少社会の到来に伴ってまち自体が歯抜けになってしまうのではないかといった文脈で語られているわけなんですが、実はこういうまちづくりというのは、地球温暖化の観点からも考える必要があるのではないかという問題意識で検討しております。具体的には1ページ目の概要の下の方に書いてございますように、一つは、先ほどのインベントリの解説にもございましたけれども、施設の床面積の拡大によってそのエネルギー消費量が増えてしまっている、そして、車社会がどんどん進行していることに伴ってガソリン消費量が増大しているといった問題意識で地球温暖化の観点からも問題であると考えております。実際、京都議定書目標達成計画の中にも省CO型の都市構造ですとか省CO型の交通施策といった項目がございまして、次の目標達成計画の見直しに向けてここらを一生懸命勉強しておこうということでございます。
 一つ、具体例を説明申し上げたいのですが、実は今年の「環境白書」は総説でまちづくりというものが特集の一部として組まれておりまして、具体的には別冊の方の「環境白書」の15ページ以下が「都市と環境」ということでまちづくりに関する記述になっております。
 18ページをご覧いただきたいのですが、このまちづくり検討会においてどのような検討をしているかを申し上げますと、1つは、どうしてこのようにCOを大量に排出するようなまちになってしまったのかということ。そして、そのCOの大量排出を是正していくためには逆にどういう対策を講じていったらいいのかという2つの問題意識で望んでいるわけですが、この「環境白書」の18ページを見ていただきますと、前橋市と高知市という2つの都市のメッシュ図があるかと思います。どうしてこの2つの都市を選んだのかと申し上げますと、1つは両方のまちとも第二次大戦によってかなり大規模な空襲を受けた、つまりゼロから復興したまちなんですね。そして、もう1つは、人口規模がほぼ30万人前後と似ているということで取り上げているのですが、このメッシュ図の中の色の濃い赤い部分がこの両方のまちの中で人口が集中しているところでございます。明らかに違いが分かるかと思うのですが、前橋市の場合は関東平野にあるということもあって、だだっぴろく人口が拡がっている。逆に高知市の方は中心部にわりとまだ人口が密集しているという違いがお分かりになるかと思います。
 戦後すぐの時代にどのようなことが起こったのかというと、まず人口急増が起きて、住宅地をどこに造るかという話になったわけですが、前橋市の場合は大規模な住宅団地を中心市街地から遠くのところへ造ってしまった。前橋市の場合は、一番下の南側に濃い赤い部分でございますが、そして、そこから中心市街地へのアクセスについてはバスを使おうというプランだったわけなのですが、したがって、鉄道の駅からも遠いところにいきなりこういう赤い部分が出てきてしまっている。現在は皆様ご想像のように、バスも衰退してきてしまって、皆さんマイカーで中心市街地へ通勤しています。逆に、高知では何が起こっているのかというと、ここは路面電車がまだ生きているまちでございます。住宅地を戦後どこに求めたのかというと、この路面電車沿いに同心円状に人口密度をある程度維持する形で増やしていった。それで、現在に至ってもあまり市街地がむやみに拡がることなくある程度まとまっていると、まだ維持できている状態となっています。
 これは一例でございますが、こういう検討を進めておりまして、では、こういうまちのむやみな拡がりを食い止めるためにはどうしたらいいかということで、資料2-4の2ページ以降でこれまでの検討内容の整理ということでまとめてございます。実際まだ検討途中でございまして、検討を続けているのですが、一つ分かってきたのが、都市対策と交通対策を、旧建設省、旧運輸省の縦割り構造に引きずられてバラバラに考えるのではなくて、土地利用と交通とを密接に連携させる形で考えてまちづくりをしていかなければいけないということでございます。「コンパクトシティ」という用語が最近流行っておりますが、単にまちの機能を集約するだけではなくて、そのまちのアメニティ、例えば緑ですとか水といったものを考えあわせつつ持続可能なまちづくりといったものを進めていくべきではないかといった議論をしております。以上、まちづくり検討会のこれまでの検討の概要についてご説明を申し上げました。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。ただいま資料2-1から2-4までそれぞれの担当者によってご説明をいただきました。多岐にわたる問題がございますが、すべてが地球温暖化対策に関係する問題でございます。これはどちらかというとご意見もあるかもしれませんけれども、ご質問もたくさんあろうかと思います。また名札をどうぞお立てください。
 では、横山先生の方から今度まいります。まず、4つありますのでどこからということでお話ください。

○横山委員 資料2-2-1と2-2-2に関してご質問をしたいと思います。2-2-1の2ページの「3・各国の発言の主要な点は以下の通り」ということで日本の主張がここに書いてあるわけですが、やっぱり曖昧というかわかりにくい、これはなぜかというと次期枠組みについて政府内でもやっぱりまだ調整が進んでいないと。例えば京都議定書の枠組みを維持するのか、あるいはまったく別の枠組みでいくのかというのは、まだ多分政府内の調整もついていないからこういう抽象的な発言になったのではないかと思います。それでその辺のところの政府がどうしていくかという意見のすり合わせというか、そういうものは今どういう段階になっているのかということを教えていただきたいと思います。まだまだやっぱり京都議定書を維持するのか、あるいはアメリカの主張の形で新たなまったく別の枠組みをつくろうとしているという考え方があると思いますが、その辺の調整がどうなっているのかということを一点教えていただきたいと思います。
 それから資料2-2-2、これは私がフォローしていないためだけかもわかりませんが、これを見ると、特に1ページなどは京都議定書の第二約束期間の交渉に努力していくとかっていう表現が出てきていまして、これを見るときちんと京都議定書の枠組みを維持するというふうにも読めるのですが、そう読んではだめなのかですね、この2-2-1と2-2-2の関係について教えていただければというふうに思います。

○須藤部会長 ありがとうございました。これはご質問でございますので、今お答えいただいた方がよろしいかと思いますので、水野室長、どうぞお願いします。

○水野国際対策室長 それではお答えさせていただきます。
 まず、我が国としてこの問題にどのように取り組んでいるかということにつきましては、我々といたしましてはむしろ各省と非常に緊密に連携をとって、一体として取り組んでいけているというふうに認識をしておりまして、そういった中からこういった実際の先般の補助機関会合ですとかあるいは対話においても、むしろ世界をリードするような形で何をすべきかということについて主張ができたのではないかなというふうに思っております。
 具体的には、まず京都議定書との関係でいいますと、京都議定書のこれまでの共通基盤や経験を踏まえて、さらにこれを充実発展させていく必要があるということを主張しておりまして、ともかくも次期枠組み以降につきましては条約の究極目的の実現につながるものとしなければいけないということを主張しております。これのために何をすべきかということなんですが、まず、その枠組みの形としてどういったものであるべきかということの以前に、問題認識の共有ということの重要性を強調しておりまして、先ほど申し上げましたけれども、まず、要するに温室効果ガスをどの程度世界で下げなければいけないのか、あるいはその下げる能力というのがどの程度世界に存在するのかと、そういったことについて世界で共通認識を持つということがあって初めて、では、世界がその必要な取組みをどうやって分担をしていくのかという議論につながるのではないかというふうに思っておりまして、その意味でまず共通理解の形成が重要ということが具体的に反映された形で、この3条9項のアドホック・ワーキンググループにつきましても、次回ワークショップを開くということからスタートすることになったということは前進であったのではないかなというふうに思っております。
 それから、2-2-2のアドホック・ワーキンググループの位置づけでございますけれども、これはご指摘がございましたように、まさに京都議定書の規定に基づく取組みということになっておりまして、京都議定書上もう既に3条9項の中で次期約束については、昨年からその検討を開始するということになっているわけでございますから、これは議定書を前提としてそれをどうしていくのかということが議論のスタート台にあるというのは、もちろんそういった認識で正しいのだろうと思います。ただ、我々の主張といたしましては単純にそれを延長するということではなくて、繰り返しになりますけれども、条約の究極目標の実現に向けてどういった根本的な見直しが必要なのかいう文脈の中でこの点についても議論をしていく必要があるということも同時並行的に主張はしておりますので、これにつきましても先ほどの対話の取組みなどと最終的には一体化する形で、そういった効率的効果的な枠組みの構築の議論につなげていければというふうに思っているところであります。

○須藤部会長 ありがとうございました。それでは、三橋委員どうぞお願いいたします。

○三橋委員 一点伺いたいのだけれども、資料2-1です。平成18年度の政府予算の中でクレジット取得委託費、これは資料2-1の3ページの一番下のところに54億円と書いてあるんですよね、それに関連した質問です。
 このクレジット取得費54億円というのは、実際に京都メカニズム6%のうちの1.6%をまかなうという文脈なのだろうと思うんですよね、それでこの54億円でどのくらいの例えばCOの削減分に当たるんですかということと、このクレジット取得費というのは毎年増えていって約束期間が2008年から12年ですが、それのときにはこのクレジット取得委託費というのはもっと金額が増えていくのですか、私の理解不足もあるのかもわからないけれども、その辺のメカニズムをちょっと説明してほしいのですけれども。

○須藤部会長 はい、それではこれは梶原課長。

○梶原地球温暖化対策課長 まず、この予算は非常にわかりにくい予算になっておりまして、大変恐縮でございます。考え方としましては、まず54億円という数字と122億円という数字が出てきて、これは一体何だという話からまずご説明をしっかり差し上げないといけないと思うのですが、考え方としましては、例えばあるプロジェクトがあった場合にそのプロジェクトから出てくるクレジットについては、これはNEDOに事業を委託しますからNEDOが買うわけでございますが、NEDOが幾ら幾らで買いますよというような契約をいたします。そのときにクレジットというのは、2013年までにわたってずっと毎年出てくるものですから、例えば本年度2006年に契約をいたしますと、2006年から2013年までのクレジットについて契約をすることになります。そうしますと、実際は2012年にクレジットが出てきますからそのときにもらうものを先に契約はしてしまう。ですからクレジット等ができて、それを受け取るときに代金を支払うのですが、契約だけはその時点で大きく契約できるという意味が122億円にはございます。したがいまして、キャッシュフローとして出せるのは54億、契約上限が122億円という形になっております。これがまず第一点の説明です。
 第2点の説明につきましては、この54億円でどれぐらい確保できるのかということでございます。初年度につきましては122億円分まで契約をできるわけでございますから、結果としては122億円分でどれぐらい取れるのかというお話だと思います。実際はいろんな数字がございます。世界銀行の数字でありますとかあるいは民間の数字とかもございます。例えばCO1トン当たり6ドルぐらいだといったような予測もございますし、7ドル、8ドルという予測もございます。それについては今明確な形では申し上げられないのですが、実際は公募をするという形でいろんな方からオファーをしていただきまして、そのオファーの結果を見て、オファーの中身の一個一個を審査しまして、リスクの評価とそれと費用効果というものを考えて契約をさせていただくということになります。
 そういう意味では、明確な意味で何トンぐらいこれでできるのかというのは正直いってよくわからないというのが正直なところでございます。将来2010年ごろの1トン当たりの価格につきましては、例えば11ドルとかそういったような世銀の予測数値もございます。例えば11ドルという形で考えますと、これはたらればのことでございますが、11ドルということになりますと、トータルとして1億トンを入れるすれば1,200億円とかそういったような数字になりますし、例えば6ドルとしますとトータルとして700億円とかそういう数字になります。ですから、この122という数字を何年間分積み重ねてそういう700とかあるいは1,200、1,400とかそういったような数字になるのではないだろうかということでございます。それを今後8年間ぐらいで予算化をいたしますので、この54億円という数字は少なくとももう少しは大きくなっていくのではないかということで私ども考えておりまして、ただ、その額については毎年毎年これから財務省と調整をさせていただくということになると思います。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。それでは、馬場委員、続いてお願いします。

○馬場委員 資料2-4のまちづくりの関係でちょっと教えていただきたいのです。大変興味深い内容で読ませていただいたのですけれども、この国会でまちづくり三法といいますか、中心市街地活性化のための法律が確か通ったと思うのですけれども、私の理解ではこれは経済産業省とか国土交通省が中心になっていると理解しているのですけれども、考え方としては今回の2-4を読ませていただくと、これも非常に密接に絡んでいる話だと思うのですが、環境省としてはこの立法過程でどういうふうに関与されたのかを、ちょっと教えていただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

○須藤部会長 わかりました。それでは芳野補佐、どうぞお願いします。

○芳野地球温暖化対策課課長補佐 委員ご指摘のように、いわゆるまちづくり三法が今国会で可決成立しております。具体的には都市計画法などの改正法ですが、政府部内では、国土交通省と経済産業省が担当しております。環境省の関与についてでございますが、いわゆる内閣提出の法案として何かしらの法案を国会に提出する場合は、必ず、各省が了解するということが前提となっておりまして、まちづくり三法についても、環境省に事前に相談がきております。残念ながら、環境省のまちづくりに関する検討というのがまだご説明したような状況でございますので、我々の考え方をすべてそのまちづくり三法にインプットできたかというと、そんなことはないのですが、引き続き、まちづくりの中心的な機能になっています国土交通省あるいは経済産業省、あとは内閣官房に都市再生本部がございますので、そういった関係省庁と強く連携しつつ、環境の観点からものを申していきたいと考えております。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。では、続いて長辻委員どうぞお願いいたします。

○長辻委員 簡単な質問でちょっと教えていただきたいのですけれども、このE10がありますね、ガソリンの中にバイオエタノールを10%混ぜるという、これの技術というかこの製法についての特許というものはあるんでしょうか。なぜそういうことをお聞きするかというと、今から30年ぐらい前になるのですけれども、京大の工学部のカギヤさんとおっしゃる方が盛んにこういうことを当時おっしゃっておられて何か特許もとるというようなことをおっしゃっていた記憶がございますので、そこのところをちょっとお尋ねしてみたいなと思いました。

○須藤部会長 では、これは山本調整官の方からお願いします。

○山本調整官 特に混合にあたりましてE3もそうなんですけれども、特に難しい技術を用いてということではなくて単に混合しているだけですので、おそらくこちらの把握している範囲ではそういった特許という問題はないと認識しております。今一度確認はしてみますけれども、ないと認識しております。

○長辻委員 するとこの技術のもともとのルーツというか始まりというのはどのあたりから、日本発の技術なのかそれとも海外でのアイデアなのか。

○山本調整官 もともとバイオエタノールの利用ということで海外ではブラジルが一番進んでおりまして、もう今ブラジルは既に20%以上の義務づけになっておりまして、さらにはもう何パーセント混合でも走れるFFVと呼ばれている自由に燃料費を替えられる自動車も、新車販売の半分以上というそのぐらい普及していますから、混合自体はもう非常に当たり前のようにやられておりまして、アメリカでもかなり混合もやられておりますし、ヨーロッパでも一部始まっている、アジアでももう既に一部始まっているということですから、もうかなり世界的にやられているということで、特に特殊な技術ということではございません。

○長辻委員 ということを考えれば、もう特に特許とか独自のアイデアだとかそういうことを考える必要はもうほぼないだろうということですね。

○山本調整官 今回、この検討にあたりましていろんな様々な技術的な取組みとかいろんな海外の情報も含めて集めましたけれども、E10に関してそういう特許の問題があるというのは聞いてございません。

○長辻委員 ありがとうございます。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、永里委員、どうぞお願いします。

○永里委員 同じく2-3の資料について質問です。石油は中東におおきく依存しています。したがって、こういうバイオマス起源のエコ燃料というのは、その点ではエネルギーセキュリティ上は非常に意味があると思うのです。ただ、今のお話のとおり、ブラジルのサトウキビに集中するように原産地といいますか、そちらはどうも分散していないんです。そこが問題でこれはやっぱり同じくエネルギーセキュリティ上の問題が出てくるのではないかと。おそらく日本はこれからは東南アジアにアクセスしていくと思うのですが、同じくここはヨーロッパとかそれから中国がまた触手をのばしてきます。したがって、私が心配しているのは取り合いにならないかということで、国策上そういうことをお考えになっていらっしゃるのでしょうか、もうお考えになっていらっしゃるのだろうと思うのですけれども、そういう質問です。

○須藤部会長 それでは、これも山本調整官どうぞお願いします。

○山本調整官 そのエネルギーセキュリティという面は非常に大事な視点でございまして、今回まとめるにあたっても十分意識して整理をしてございます。特に将来的に見れば確かに今バイオ系の燃料の導入というのが世界各国で進んでおりますので、どんどん温暖化対策という側面でも進んでいくだろうということでございますから、海外でそういう大量のものを日本として確保していくというのは結構大変だろうというふうに認識しております。ですから、この報告書ではベースとして基本はまず国産のエコ燃料をしっかり確保すると、そのための施策を精力的に進めていくというのをベースにおいております。
 ただ、先ほどこちらの概要の表で見ていただきましたように、2010年というところでは50万KLを導入するというのが既に閣議決定された目標達成計画上の目標になっておるのですが、これを今回、国産でどこまでいけるかというのを精査しました結果はそこに書いてありますようにガソリン代替のところで国産で行けそうなのが原油換算でいくと3万KL程度であろうと、それから軽油代替のところでも1万~1.5万KL程度だろうということですから、残る45万KL以上は当面2010年ということで見ればやはり輸入ということを考えていかなければいけないという状況がございます。それは当面はバイオエタノールについてはブラジルしかないというのが現状でございますが、確かにこれからアジア全体でそういうエコ燃料をしっかり使っていこうというような取組みも環境省として重要だと考えておりますので、そういったアジアの視点もしっかり入れながら、将来的にはそういったところと連携して、そこで取り組みを進めていきながら反射的に少しそういったものを日本に確保するというような取組みも併せて考えているところですが、やはり輸入に依存しているということではそのセキュリティ上の問題もございますので、極力国産を伸ばしていこうということでいろんな取組みを盛り込んでいるという内容になってございます。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、塩田委員どうぞお願いします。

○塩田委員 私も今お二人の委員の質問された点についてお伺いしたかったのですが、今お二人に対する答えでその部分はよくわかりました。私の問題意識はヨーロッパとかブラジルとかそういうところに比べて、日本の目標というのはわりあい小さいものだなということだったのですが、エネルギーセキュリティ等の配慮で小さめのものになっているという理解でよろしいんでしょうか。あるいはその他に国産燃料の確保という問題以外に、現在何か問題があるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。

○須藤部会長 どうぞ山本さん、お願いします。

○山本調整官 全体の目標としましては先ほどの表で見ていただきましたように、2030年断面では燃料の全体の10%を入れていこうということで、かなり高い目標をおいていると考えております。ただ、その際に日本の国土を考えますと、ブラジルのように大規模にサトウキビを栽培できるというわけではございませんので、様々なバイオマス資源をうまく使っていくと、特に廃棄物系の廃木材でありますとか、あと食品廃棄物でありますとかそういったものと、それから今余り有効に使われていませんが、農地からの稲わらみたいなそういった残渣、あるいは今休耕田とかで余り使われていないところに粗放栽培をしまして、そこから得られる資源作物、そういったものを精力的にやっていって、どのくらいいけるだろうかというのも頭におきながら、ある程度はやはり海外からの輸入というのも考えて日本として目標として起きうる数字というのを考えて設定してございます。

○須藤部会長 はい、どうぞ。

○塩田委員 今のお答えよくわかるのですが、私がもう1つお伺いしたいのはヨーロッパではこのバイオ燃料の方が安いから、その燃料費を安くしたい人が使っているという話を聞いたことがあるのですが、その点はいかがですか。日本ではやはりどうしても高いものになるというのが、もう施策の前提になっていると理解して良いのですか。

○山本調整官 ヨーロッパでも決してバイオ燃料が安いということではなくて、ヨーロッパの場合は特に農業政策としてその生産のところも含めて、かなりしっかりと政策的に財政的な支援もしていると、その結果、混ぜたものが競合しうるものとなっているということですし、当然バイオ燃料を入れた場合の課税ということについても、減税、免税ということもやられていますから、そうするとそこは手厚くやった上で普及をしているということですから、安いということでは決してございません。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、逢見委員どうぞお願いいたします。

○逢見委員 私もエコ燃料のところで質問をさせていただきたいのですけれども、いわゆる混合ガソリンというものについての国民の意識というのは確かに経済産業省からも以前、保護ガソリンは自動車のエンジンに負荷をかけるとか、そういうようなことであまり使わないというようなメッセージが流れているし、国民の側もやっぱりガソリンを混合で使うということに対する抵抗感というかあるいは安全とか、そういう部分でまだ違和感があるのではないかと思うので、そういう国民の意識というのをこのエコ燃料ということでどのようにやっていくかと、それからメーカーの側のハイブリットカーの開発とか別の形でのエコの取組みをやっているわけですけれども、こういうものとエコ燃料利用ということとが並行的に進むものなのか、あるいはいずれこちらの方にシフトしいくものなのか、その辺について伺いたいと思います。

○須藤部会長 山本調整官どうぞ。

○山本調整官 ご指摘の国民の意識というのは非常に大事な点でございます。
 まず、事実認識としては今日本で走っているあらゆる車について3%まで混合するということは全然技術的にも安全で問題ないということを様々な検討の結果、確認されておりまして、制度上、それはまったく問題なく使えるという状況になっております。ただ、それ以上を混合していくためには、車両側の対応とか供給するインフラの対応とか、そういったこともございますので、プラスの対応が必要となるということです。ただ、やっぱり実際に使っていただく側がそういう不安感を持っていただくと、なかなか普及が進まないということもありますので、既に全国6カ所で実際にそういうE3ガソリンを入れて公道を走るという実証の試験もやっておりまして、どちらかというと公用車が中心なんですが、一般の方がモニターで取り組んでやっていることもございますので、そういった点はかなり検討が進んでございます。
 おおむね実証をやっている中では、そういった点に対する不安というのはそれほど感じられなくて、特に従来のガソリンと同じように走れるという評価をいただいておりますが、ご指摘の点はこれから大規模に実証していくとなると本当に一般の方々が対象になりますから、その説明もありますし、住民の方に受け入れられているかどうかという面もしっかり調査とかしていかないといけないだろうと思っております。
 それからハイブリットとの組合せということですが、例えば今のE3ガソリンをハイブリット車で使えるかどうかということに関しても全然問題なく使えますので、そこはクリーンエネルギーの自動車とこういったE3というような混合ガソリンというようなものは共存していけるものだと、ただメーカーはそれなりに燃料種が変われば必要なチェックはしていきますので、何らかの技術開発なり対応が必要な部分は出てくるかもしれませんが、そこは十分共存していけるものだと考えております。

○須藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、石坂委員どうぞお願いいたします。

○石坂委員 資料の2-1の2ページのこの取得方針のところですけれども、このクレジットの取得は原則公募を行うというふうに書かれてありますね、念のためという類の発言なんですけれども、確かに新聞報道でみられるようにいろんな企業が既に手をつけているという話があって、それをオファーをして公募してそれを取り上げていくということは、それはそれでいいと思うのですけれどもね。ただ、それを原則としてそれだけでやりきれるものではないと思うんですね、おそらく公募ではないものもたくさん取っていかないと1.6%を達成するということはなかなか難しいのではないかと推察するのですけれども、原則公募と書いてあるからいいようなものですけれども、余りこだわらないでやっていただきたいと思います。

○須藤部会長 それでは梶原課長、何か一言お願いします。

○梶原地球温暖化対策課長 原則公募の考え方の後ろにあるものの考え方としましては、機会均等というかそういう観点からが1つございます。
 それともう1つは、できるだけいっぱいオファーをしていただいてその中で評価の高いものを選びたいという、こちらが優位に立ちたいという考え方で原則公募というふうな考え方をしております。ただ、今委員がおっしゃられるとおり、それ以外のケースもあることをもう既に想定をしております。例えば具体的には日本の企業あるいは日本の技術が世界の途上国で非常に有効に使われている技術、そういうプロジェクトについては feasibility studyという形で、プロジェクトの促進をしましょうといったような事業も既に私ども環境省も経済産業省も実施しております。
 なかなか今世界のCDMの実施状況を見ますと、省エネとか新エネみたいな本来非常に有効な技術だと思うところのものがなかなか事業化に手間取っていたり、あるいはもっと効率よくクレジットを稼げるプロジェクトの方に日が当たってしまっているようなケースもございます。そうしますと、そういったようなプロジェクトを積極的に推進していくという観点もございます。そうした場合は完全な公募というよりは自分たちが公募という形はとるかもしれませんけれども、若干の思い入れを持ちながら対応していくといったようなケースもないわけではありません。そこにつきましては実際にどういうプロジェクトが集まってくるのかといったような公募の、あるいは応募の状況を見ながら対応させていただきたいと思っております。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは桝井委員、どうぞお願いいたします。

○桝井委員 私も資料の2-1について伺いたいと思います。この3ページに5月31日に温暖化対策推進に関する法律の一部改正、これが成立したということですけれども、この中で京都メカニズムを活用して1.6%はクレジットの取得をやって、確実に対応するというふうなことだと思うんですが、ここの部分で1.6%分についてはとにかく何がなんでも何であれ対応するということはわかりましたけれども、これが1.6%以外に達成できない目標だということも大いに起こりうるわけで、そのオーバーした部分というのはもう何もしないのかと、というかこの法律はこの1.6%を上限としてメカニズムがある、それ以上はどうこうしないということなのかというのが1つ。
 それからもう1つ、関連で54億円と、上限122億円までのいわゆる契約ができますよというご説明でしたが、もう2008年から始まるという中で例えば1億トンを1.6%にみた場合、先ほど梶原さんは世銀の予測では例えば1トン11ドルの場合だったら1,200億円ぐらいだと言われた。しかしこの膨大な金額を考えるときに、もうそれはしかも目前に迫っていると、この2つの中でこの金額はすごい額であると。なおかつ、今の欧州の排出量取引きの市場を見ましても石油が値上がりする中で逆に石炭需要というのが大いに高まるという中で、随分値上がりしてもう30ユーロ以上になっている。そうするとこの額1,200億円というのは、さらにふくらむかもしれない、こういうふうに大きくふくらむものを今回法律改正で石特会計の一部歳出するというぐらいのことにクレジットについては石特から一部を歳出するというぐらいになっているけれども、この先のこの膨大な、しかも至近に迫った額の手当てについてどのようなイメージを持っておられるのか。この2点を伺いたい。

○須藤部会長 ありがとうございます。それではその見通しについてどうぞ。

○梶原地球温暖化対策課長 ありがとうございました。2点ご質問があったと思います。1点は法制度上1.6%にこれは限っているのかということのご質問と、もう1つは、価格見通しについてどうなんだと、その2点のご質問だったと思います。
 まず、1点目につきましては、今ちょっと情報が手元にないのですけれども、条文上は1.6%分はどうのこうのといったような話にはなってございません。むしろ京都議定書目標達成計画の中での考え方としましては、国内対策について一生懸命やり、それでなお足りない部分についての差分について対応するということでございます。その差分につきましては今1.6%ということでございます。考え方としましては国内のいろんな対策について一生懸命やって、この1.6%が増えないよう、最大限の努力をするというのが基本的な考え方だと思っております。
 第2点目の資金の見通しでございますが、例えば先ほどヨーロッパの欧州の中での排出量取引の価格でございますが、これは30ユーロとかそういったような数値にもなったという話も聞いておりますし、また、つい先日各国の見通しについて発表になったときに、私の記憶が正しければ10ユーロ程度またストンと落ちたといったような話もございます。いずれにしましてもヨーロッパの今実際に取引きされているものについては、現物のアローワンスが動いているということで、現在京都メカニズムに基づいて動いている先渡しみたいなものとは若干違っていて、値段のつけ方も異なっているものと理解しております。
 いずれにしましても、例えば世銀の予測では11ドルとかそういったような数字でありましても、これは為替レートでは随分違いますけれども、例えば1,200円であったり1,300円であったり1,400円であったりするかもしれません。そういったようなところの数字になるわけでございます。じゃあ、それをいかにして効率的に、あるいはお金をできるだけ使わないようにして効率よく1億トンのクレジットを確保するかというのが、私どもの与えられている大きな宿題の一つだと考えております。そのためということもございますが、例えば先ほどの予算の組み方のご説明を申しましたけれども、今年の予算でいきますと54億円の予算でございますけれども、国庫債務負担行為で122億円分を手当てをさせていただく。つまり将来にわたってまだ安い、クレジットの価格が安い段階で将来に渡って契約をさせていただくということによって、できるだけそういったような額が大きくならないようにということを努めさせていただければと思っております。
 あと、これは毎年の予算の件につきましては、残念ながら予算自体は毎年毎年度、財政当局にご相談しながら問題がないように確保していくということになるわけでございます。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。

○桝井委員 もう1つちょっと伺いたいのですけれども、その関連で最初の方なんですが、今のお話を伺うと可決した法律の条文は別に1.6%、京都議定書の部分やメカニズムにかかる部分で原因としているわけではなくて、国内対策を一生懸命やって、なおかつその隙間というか足りない部分が出たらその部分は国が実現すると、こういうことなんですね。

○浅野部会長代理 今のご質問の点は目標達成計画の話とそれから法律の話がごちゃごちゃになっているんですね、法律そのものはただ単にこういうクレジット取得のときの手続を定めただけです。前の部会で既に説明があったのですが、ですからその中で実態的にどうするかということを法律に書いているわけではないわけです。
 で、課長の説明された1.6云々という話は目標達成計画の中の話でありまして、法律は何もそういう数字を入れるとかあるいはその分はどうするというようなことを書いているわけではない。むしろ目標達成計画は法律に基づくものですから、そういう意味では一体と考えることができますけれども、今回の改正はあくまでもクレジット取得についての手続をどうするかということが、これは大塚委員なんかが中心になって準備されて法律改正になったという経過がございます。

○須藤部会長 ありがとうございました。では、そういう理解で桝井委員どうぞよろしくお願いします。 では、大塚委員どうぞ最後を……申しわけございません。

○大塚委員 3点ほどございますが、どれもそれほど大したものではないのですが、1点は今桝井委員が気になったところとも関係するところでございますけれども、多分財務省との関係で大変だったなと思いますけれども、この54億円と122億円というのを獲得されて大変結構だったと思います。
 今、課長がおっしゃったように効率的にその1億トンのクレジットを確保するために、ぜひご利用いただきたいと思いますし、そのためには国庫債務負担行為の限度額は122億円で足りるのかどうかという問題も本当は多分あるのだろうと思いますけれども、おそらく今のところ精いっぱいだったと思いますが、そういうことも含めて来年度以降の予算に取り組んでいただければと思います。
 それから第2点ですけれども、同じ資料の2-1の2ページにあるように、この基本方針もかなり途上国に対しても配慮するようなことになっていて、大変結構なことだと思います。費用対効果を考慮して取得するというところも非常に結構だと思っております。で、質問ですが、資料の2-2-2に関してちょっと質問をさせていただきたいのですけれども、3ページの6のところにある「国際航空・海運からの排出に関する方法論」というのがございますけれども、この国際航空・海運からの排出量の算定方法については前からいろんな問題があると思いますけれども、多分先進国間で飛行機が飛び交っているときに、どういうふうに算定するかというのも前から議論があったと思って、ちょっと私は今どうなっているかよくわからないのですが、ご享受いただければ幸いでございます。結構な量になっているというふうなことは伺っており、大問題だけれどもなかなかどっちにつけるかというところあたりが難しいということも伺っていますけれどもいかがなのでしょうか、お願いします。

○須藤部会長 では、水野室長どうぞ。

○水野国際対策室長 最後の点でございますけれども、バンカーオイルの問題と俗称言われているのですが、航空機とそれから船舶に使われる燃料をどのように取り扱うかということで、これについては消費量も増大しているので何らかの手当てが必要ではないかというような問題意識から議論がかなり長年にわたってされておることはおるのですが、もともとこの問題についてはICAOとかIMOといった機関を通じて検討するということが決まっておりまして、検討を引き続きそこと連携しながらやっていくということになっています。
 実態的に交渉がどう進んでいるかということは、むしろ先進国の間の中での議論というよりも、端的にいえば例えば産油国などがこういった問題について深く議論することについては非常に警戒心を持っておりまして、要するにその対策をとるというのは単純に石油を使わなくなるということにほとんど等しいというような認識をもたれているようでして、そういったところから入り口論からなかなか進まないという状況でございます。ただ、技術的に詰めれるところは先ほどいったような機関を通じてやっていこうということです。

○大塚委員 日本とEU諸国の間で例えば飛行機が飛んでいる場合、どちらの側の排出量としてもカウントしていないということなんですよね、多分。

○水野国際対策室長 目標値と比較する対象の数値には含まれていないということですね。

○大塚委員 ちょっとそれは多分大きな問題ではないかと思いますけれどもね。

○須藤部会長 問題として指摘をしていただいたという理解でよろしいでしょうか。

○大塚委員 ありがとうございました。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。議題の2につきましては大体議論はよろしいですね、議論がまだあるかもしれませんが、大分時間も経過しましたのでこの辺で打ち切らせていただきたいと思います。
 あと、私の方から1つだけ報告というか前回の部会で審議をいただきました経団連の温暖化対策「環境自主行動計画のフォローアップについて」ということで、たくさんの委員の皆さんからご意見をいただきましたし、そのあとも何人かの委員からご意見をいだたきました。これを部会長がとりまとめて経団連の皆様にお示しをする方がよろしかろうというご意見があって、まとめましたのが資料2-5でございます。もう既に経団連の皆様方にはお渡しをしてございます。ということで、これは報告にとどめさせていただきます。
 ということで、次にもう1つ、まだ実は議題がございます。その他でございますが、次の議題が地球温暖化以外の話題について、事務局の方からご報告を願います。資料3-1、3-2、3-3としては松下補佐から。資料3-4については清水課長から順次要領よくどうぞご説明ください、お願いいたします。

○松下フロン等対策室長補佐 フロン対策室の松下でございます。それでは、私の方から3点、フロン類などに関係する事項をご報告申し上げます。
 1点目は、フロン回収破壊法の改正についてでございます。資料の3-1でございますが、前回の本部会におきまして改正法案につきましては国会提出する旨、ご報告を申し上げたところでございます。その後、閣議決定、国会提出、それから衆参両院における審議を経まして、本日午前中に開催されました参議院本会議におきまして原案の通りの内容で全会一致ということで可決成立をいたしております。部会の先生方におかれましては、検討過程におきまして格別のご指導をたまわり、まことにありがとうございました。今後、改正法律が公布をされまして来年10月の施行に向けて政省令改正の作業あるいは改正内容の周知などを進めていくことにしております。今後ともご指導方よろしくお願いを申し上げます。
 それから2点目、資料3-2でございます。公益信託地球環境保全フロン対策基金の設立の関係でございます。カーエアコンからのフロンの回収破壊につきましては現在は自動車リサイクル法に基づきまして、その回収が進められておりますけれども、その前につきましてはフロン回収破壊法におきまして、廃車のときに自動車フロン券というものを購入する制度がございました。自動車リサイクル法の全面施行によりまして、その役割が終わったところでございます。この自動車フロン券制度におきましては使用済み自動車から回収したフロン類を破壊をせずに再利用した場合には経費を支弁しないというような取り扱いになっておりましたので、結果的にフロン券の販売収入のうち、回収破壊費用に使われなかった分のお金が総額で7億円ほど剰余金となっております。
 その使い途につきましては昨年、中環審と産構審の自動車リサイクルの合同会議におきまして検討をされまして、一部公益信託という形で財産移転をいたしまして、NPO法人の方々などが行うフロン類の排出抑制の公益的な活動に助成金を出すという形で中長期的に活用するということになったわけでございます。それに応じまして信託の設立の許可申請が今年2月に環境省と経済産業省になされまして、この3月末許可設立に至ったということでございます。その後、助成対象事業の募集要項などがとりきめられまして、先週から18年度の助成事業の公募が始まっておりますので、そのご紹介でございます。
 助成事業の採択につきましては、信託の受託者であります信託銀行の方に設置をされました学識経験者の先生方で構成する運営委員会というところで選考作業を行うということになっております。この地球環境部会の委員でもいらっしゃいます富永先生をはじめ5名の方が運営委員を務めておられます。改正フロン法も成立したところでございまして、例えば都道府県のフロン回収協議会ですとかあるいは関係業界団体にこの基金を活用していただきまして、フロン排出抑制にかかる活動に積極的に取り組んでいただくことを期待しているところでございます。
 それから続きまして、資料の3-3、「ハロン破壊処理ガイドライン」についてでございます。消火設備に使用されておりますハロンはご存じのとおり強力なオゾン層破壊物質でございまして、不要になったものを適切に破壊処理し、大気中への放出を防止する方法について検討を進めてきたところでございます。浦野先生を委員長とする検討会でこの破壊のための技術的な事項をご検討いただきまして、今般ガイドラインの形でとりまとめたものでございます。この破壊につきましては、既にフロン類などを破壊している施設でこのハロンの破壊も行うということが想定をされますので、関係のそういった施設ですとかあるいは消防設備の業界などにこのガイドラインの周知を図りまして、適切な破壊処理がなされるように努めてまいりたいと思っております。ガイドライン本体につきましては環境省のホームページに掲載をしておりますので、ご関心のある方はご覧いただきたいと思います。
 私からは以上でございます。

○須藤部会長 続けてどうぞお願いをいたします。

○清水総務課長 それでは続けて資料3-4に基づきまして「グローバル戦略関連についてご説明をしたいと思います。
 まず、グローバル戦略とは何ぞやということでございますが、昨年閣議決定されましたいわゆる骨太の方針というものがございますが、その中でグローバル化への総合的かつ戦略的な取組みを行うため、これは政府全体でございますが、経済財政諮問会議におきまして、今年の春を目途にとりまとめをしようということで、昨年来決まっていたものであります。この検討過程におきましては当然環境のみならず様々な分野から対外政策または対外支援政策も含めて議論が行われたわけでありますが、特に対外支援政策、対外協力政策を考えるときに、環境問題、環境上の対策というものが不可欠な要素であるということから、この議論の中で環境省からもインプットを行ってくれということで、5月10日環境大臣が経済財政諮問会議の場に呼ばれまして、アジア環境行動パートナーシップ構想を、この場で発表させていただきました。
 こういう環境省からのインプットなども踏まえた形で、5月18日にグローバル戦略が最終的にとりまとめられております。関連部分は1枚めくっていただきました後ろに「グローバル戦略」ということで戦略的に取り組むべき施策と目標の中に[7]ということでございますが、アジアにおける包括的な国際環境・経済協力の推進として大きく取り上げられたところであります。
 それでは、具体的にどういうような資料で報告したかということが後ろについている資料でございます。時間の関係上、一番後ろに折りたたんだ形でページがついております。ページ数でいうと20というページがふってありますが、それを拡げていただきますとA3になりますので見ていただきたいと思います。
 基本的にアジア環境行動パートナーシップといいますのは、ここにタイトルがありますように、地球生態系との共生をアジアから拡げ、それを世界に拡げていこうという構想で考えました。左の方に地球環境に、特にアジア地域におけるエネルギーでありますとか資源の消費というものの拡大が大変負荷を与えている。で、アジアというものに着目しながら環境面で対策をとっていったらどうであろうと、そういう場合に視点としまして日本の環境立国としての優れた点を伸ばしていくような形でいったらどうか。それから左の下の方に書いてありますが、単に日本の環境技術が優れているというよりは、アジア地域のある種の共通性を土台に展開していったらどうだろう。
 それから右の方にいきまして、特に2008年、これは日本でG8サミットを開く開催年であります。ですからここの2008年というものをターゲットにしながら、ここで日本のイニシアチブを発揮できるような構想というものを、今から考えていったらどうだろう。具体的には環境情報でありますとか、環境技術でありますとか、人材、ライフスタイルというような4つの項目にわたり、この下の方にアクションが6つ書いてありますが、それぞれ細かくはご説明しませんが、情報を拡げ提供していくあるいは日本の優れたソーラーでありますとか省エネを拡げていく。バイオマス、これは先ほどエコ燃料のところでもありましたけれども、アジアのモータリゼーションをバイオ燃料で支えていく。あるいは日本の得意な3R戦略、それから人材面、それからライフスタイルというようなこういう6つのアクションを推進していく、そのためにある種の支える仕組みなども考えたらどうだろうということで、これは今後具体化していく必要がありますが、ある種の構想という形で提案させていただきました。これが先ほどの最終的にグローバル戦略という形に盛り込まれた内容でございます。
 以上です。

○須藤部会長 どうも松下補佐か、清水課長、ご説明ありがとうございました。ただいま一応地球温暖化以外の話題というようなことで話題を提供していただきました。どうぞ、ただいまのお二人のご説明に対しまして資料の3-1、3-2、3-3、3-4ですね、ここまでについてご質問あるいはご意見ございますでしょうか。
 それでは、大塚委員、天野委員といきましょうか、それではどうぞ。

○大塚委員 では、1つだけお伺いしておきますけれども、この環境大競争時代というのをもう少し詳しくお伺いしたいのですが、例えばEUなんかの構成国でフランスとドイツとかイギリスとかがこういうことを確かに今までやってきて、温暖化対策とか廃棄物対策とかを進めてきたということがあるので、私はそういうことを思いつくのですけれども、そういうことをお考えなんでしょうか、例えばアジアの中でそれをやろうとしたときにヨーロッパの中での環境関係の意識とかと比べると同じことは必ずしも言えないかもしれないので、いろんな障害があるかもしれないのですが、具体的にどういうふうなことをお考えになっているか、ちょっとお伺いしておきたいというところがあります。
 環境ビジネス上で競い合うというのは多分あると思うのですけれども、政策で競争するということは具体的にどういうふうに出てくるかが、あるいは出していけるかというところがちょっと関心があるのですけれども、質問させていただきたいと思います。

○須藤部会長 それでは、これは清水課長。

○清水総務課長 これは20ページのところにも書いてございますけれども、やはり環境の取組みが評価され、経済的にも報われる仕組みづくりをアジアで何とか拡げていきたいと、そのために右の方にも書いてありますが、やはり将来的には2つの観点がございまして、アジアで共通的な環境政策みたいなものを何とかこの領域の中で議論できないだろうかと。例えば公害関係の測定方法でありますとか指標でありますとか、あるいは様々な環境関係の企画というようなものもございます。こういったある種の基盤的なものを共通化していくことから土俵をそろえ、その中でお互いに比較できるような形で議論を進めていくというのが1点。
 それからもう1つは、アジア全体の環境活動のグリーン化ということを考えておりまして、これは例えば人材面でアジア地域における環境を支える人材が不足しているのではないか、これは学校の高連携の問題、あるいは特に日本の企業が海外、特にアジア地域に進出した場合、そういうところがかなりその地域の先進的な人材を供給できるような、そういうような機能も担えるのではないか等々含めまして、基盤を整備しながらアジア全体を環境面でいい方向に引っ張っていくというような、そういう構想であります。

○須藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、天野委員どうぞお願いします。

○天野委員 私もちゃんと読んでいないので誤解があるかもしれませんが、環境大競争という表現、これ例えば英語ではどういうのかよく理解できないのですが、特にアジア地域は最近BRICsなんて言われていますように、経済大競争がアジアで始まるというのが一方であるわけですね。ですから、それが環境に悪影響を及ぼさないようにするにはむしろ環境面ではアジアの諸国が協働といいますか、協力の「協」と「働く」という字ですね、そういう形が大々的に必要だと思うのですが、環境の方でも大競争して経済でも大競争してどっちが勝つのかなというようなそんな印象さえ招くのではないかという心配がちょっとあるわけで、ですからこれは大競争という表現を正確に定義をするなり内容を伝えるなりしないと、これが一人歩きをする心配はないのかというのが1つです。
 もう1つは、一番最後の21ページに人材輩出機関をつくるために国境を超えた環境大学院をつくる、特にビジネススクールの中で持続可能な開発の構想をつくるという、これは私は大変いいアイデアでぜひ進めていただきたいと思うのですが、日本でこういうことをやっているのかなというのがちょっとありまして、大学院でこういう取組みをされているのか、外国にはこういう例は私はよく知っているのですが、日本では大丈夫なんでしょうかね。
 以上2つです。

○須藤部会長 ご意見としてうけたまわっておきますが、とにかく大競争のところはもうちょっと解説なりが……。

○清水総務課長 そうですね、大競争のところはちょっとご意見を踏まえてさらに深めていきたいというふうに思います。

○須藤部会長 そうですね。

○清水総務課長 それから人材育成の方でありますけれども、現在考えておりますのは実は国連大学を中心にしまして、アジア関係の大学の学位コース間制度などのネットワーク構想などもありますので、そういうところを核にしながら一つは進めていく。それからまさにビジネススクールでの取組みの不足ということで、これはこれからやる話でありますけれども、ビジネススクールというような例えばMBAなどの単位を考えるときにやはり経営のことは入りますけれども、なかなか環境の要素がない入らないので、ぜひ働きかけてそういうMBAをとるようなアジアのビジネスリーダーになるような人たちに、ぜひ環境的な要素も考慮したうえで経営を図ってもらえるようなそういう形にもっていきたいというふうに考えております。

○須藤部会長 ありがとうございました。それでは、福川委員、山口委員、それから森嶌委員、まだこちらから順番にまいりますのでどうぞ福川委員からお願いいたします。

○福川委員 このアジア問題は非常に重要なことは私も非常によくわかるし、いろいろお考えになってなかなかまたそのキャッチフレーズなどを入れて苦労されたことは非常によくわかります。ただ、ここでグローバル戦略で求められたのにアジアを中心に焦点をおかれたわけですが、なぜこのグローバル戦略というときに、もう少し例えばアメリカとかヨーロッパの連携というようなことはお考えにならなかったのかということをひとつ感じますので、もちろんアジアが大事なことはもちろんわかりますけれども、グローバル戦略という内閣が求めたものにこれで応えているのかどうかということをちょっとお伺いしたいのが第1点です。
 第2点目はこのアジアの問題に焦点を当てるとすると、一つはやっぱり貧困問題というのは非常に重要なことになってきて、特に優れているところもありますが、例えば今、格差問題というのがあって、中国でも沿岸地域と内陸と非常に格差があるし、インドでもそれがあって、みんなそれを悩んでいて、そこがなかなか解消しないと環境問題は進まないということがあります。また西アジアなどを見たらこれはもう本当に大変な状況になっている。
 一体このアジアの環境問題を考えるときにもっと広い視野で見ないと解決しなのではないかというふうに思いますが、その辺がどうかというのが2点目です。
 3点目は先ほど都市の問題のお話がありましたけれども、アジアの1,000万以上の都市は今確か20以上ありますが、半分はアジアにあってこれからアジアの都市集中というのは非常に大問題になって、この都市環境、水だとか電力だとか生活が非常に悪くなるという、それでそのために上海万博などがあるわけですけれども、この都市問題というのが、これは非常に重要なことになる。これから多分農業、農村地帯から都市にみんな人口がいって、そして都市人口は非常に増えていって、今一般にいけば大体2030年には60%は都市に住むということになってくるわけで、そのときにこの都市がどうなるかというのが大問題なので、その辺の視点、そして長期で見ておかれた方がいい。先ほどせっかく都市問題ということで環境白書の引用もございましたが、そこら辺も視野に入れられてはいかがかと、その3点でございます。

○須藤部会長 ありがとうございます。今の3点はあとで清水課長にお答えいただきますが、大体もしかしたら類似の質問もあろうかと思いますし、時間も迫ってきましたので先に山口委員、森嶌委員からご意見、ご質問をいただきたいと思います。

○山口委員 私は意見の方なんですが、「環境大競争時代」というこの表現はやっぱりちょっと違和感があるなと、なぜかといいますと大競争時代といいますと技術力のある先進国が発展途上国をまた食いものにするというイメージが出てくるんですね、だから言葉を変えるとすれば「環境取組み競争時代」とか「環境改善競争時代」だとかそういうふうにしないと。ただ、環境ビジネスで競争するんだというのは、ちょっとやっぱり誤解を招くのではないかと思うので、その辺ちょっといろいろお考えになったらいいんじゃないですか。

○須藤部会長 ありがとうございます。それでは、森嶌先生どうぞお願いいたします。

○森嶌委員 福川委員、山口委員と基本的な発想は同じだと思うのですけれども、どうもこのアジアの環境共同体というのは日本から発想しているんですね、アジアの問題は貧困問題であり、それから人口の集中、都市問題なんですけれども。
 アクション1は、アジアの環境危機情報システムとあるのですけれども、じゃあ、情報システムをつくろうと思ったら、アジアの国は情報はいいけれども、だれが情報を持っているんだと、情報を集めてもいいけれども、だれが金くれるんだと、日本が金くれるのかと、集めたいのはいいけれども情報は集めるけれども自分のところにはそれだけの金がないよ、そういう技術もないよということになるんですね。じゃあ、日本は金を出すのかということが第1番目ですね。
 それからアジア・ソーラー大作戦と、大変結構ですけれども、じゃあ、そのテクノロジーを持っているのはどこだと、カンボジアが持っているのかというと日本が持っていって売りつけるのかと、そうでないのだとすると日本はただで持ってくれるのかということになりますね。バイオマスも先ほどの話と同じことで、自動車のエンジンも日本はただでくれるのか。それから3R、これは今中国は非常に関心を持っていますけれども、そういうテクノロジー、この発想は全部日本から途上国に対してテクノロジーをやろうか、売ろうか知りませんが、あるんですね。そうすると、一番問題になるのは日本がイニシアチブを取ろうと思うと、じゃあ、金はどうしてくれると、それから人材育成もいいけれども、人材育成はどこが責任を持ってくれるのか、日本がやってくれるだろうかなと。
 そこで伺いますけれども、2008年に日本が胸をはってやるときに、日本が金を出しましょうというつもりなのか、そのときに日本の財務省なりあるいは経済産業省なりが技術も出しましょうと、それからお金も出しましょうということをもう話ができているのかと、これを見る限りどうも勢いはいいんだけれども何か環境省の思いつきで先ほどのクールビズというのがありますけれども、大体アジアの国はネクタイなんかしたり上着を着ていたりする人は余りいないわけですね、今日だってクールビズなんていうけれども、28℃ないでしょう、だから私はわざわざそう思ってちゃんと上着も着てきたし、ネクタイもしてきて、嫌味を言おうと思って出てきたんですけれども。大体そうでないところにクールビズなんてのを持ち込もうというのが間違っているわけで、この発想は日本の環境省の発想ですから、考え方自身は非常にいいと思うのですけれども。
 もしもこれを進めようというのだったら、日本がどういう責任を持ってこれをやろうとするのかと、アジアの国でこういう考え方を進めようとするのだとすると、その資金、技術、それから人材を日本はちゃんと責任を持ってアジアに提供するつもりなのか、提供しないのだとするとアジアはどうするのかと。それで先ほど大塚さんがヨーロッパと言われましたけれども、ヨーロッパはそれぞれみんな持っているんですね、あるいは持っていないところもある程度基盤があるのですけれども、アジアは日本だけなんですね、で、オーストラリアはある程度ありますけれども出そうとしないんですよ。それと福川先生言われたように、あとはアメリカあたりと組んでやろうということなのか、日本だけでやろうとしたら日本が全部背負いこむつもりでこれをおやりになるのか、そうでないとすれば身の丈にあった計画をしないと……まあ、余りその先は言いませんけれども。このごろは何だか皮肉を言うために出てきているような気がしますので。
 紙の上に書いたのは非常にきれいで私は賛成しませんけれども、実際にアジアの人がこれを受け入れてくれるかどうかと、受け入れる側とするとちゃんと用意しているのかと言われることは必定ですので、それを覚悟のうえでお出しくださいということです。

○須藤部会長 どうも先生方、ありがとうございました。今3人の先生から大変貴重なご意見をいただいたので、清水課長、これ一つ一つについていろいろこれからの検討課題として検討していただく課題だと思いますけれども、まとめとして3人の先生に対して何か……まとめていただければよろしいかと思います。

○清水総務課長 まず、アジアだけでグローバルの方がよかったのではないかという議論がありますが、まずはアジアを固めて、そこから世界に発信していこうということでありまして、そういう二段階の考え方ということで、まずアジアということであります。ここで成功すればぜひ拡げたいという、そういう観点であります。
 それから貧困の問題は何人かの先生方からご議論がありました。これの資料については余り時間がなかったので、実は3ページ以下のかなり詳しい資料も付けておりまして、その中でも議論をしているのですが、特にやはり環境問題を考えることあるいは支援対策を考える面で、特に貧困の半減などの国連ミレニアム目標との関係というのは大変重要な課題だというふうに思っております。例えば12ページでアジアソーラー大作戦についての議論があります。先ほど全部日本が金出すのかという議論がありましたが、この構想は対外経済政策に対しての提言という側面もありますので、環境省だけではなくて、むしろ日本のODA政策をどういう形で進めていくかという提言になっております。
 この中では例えば12ページのところをごらんいただきますと、「アジアソーラー大作戦」というふうに書いてありますけれども、ODAを特に重点的に使うようなやり方として例えばソーラーでありますとか、日本の省エネルギーというものに重点的に特化してやったらいいのではないか。それから例えば従来の火力発電所を大型のインフラとして支援するというようなやり方よりも、むしろ省エネルギーの蛍光灯をつけることによって、そういうODAで巨額のプロジェクトをやってきたものを、むしろ合理化できるのではないかというような提案も中には含まれております。もちろん貧困問題、それから日本政府の全体の対外援助政策に対する提案であるということはご理解いただければというふうに思います。
 それから都市問題について確かに観点がかなり薄くなっております。13ページの「アジアのバイオマス作戦」というところで、アジアのモータリゼーションに対してはどう対応するかという観点はありますが、都市構造まではまだ踏み込んだ議論にはなっておりませんので、これはまさにおっしゃるとおりかなというふうに思います。
 それから情報など含め環境省の身の丈にあった提案になっていないのではないかというような厳しいご意見もあったわけでございますが、例えば8ページの「アジアの環境危機情報システム」を見ていただきますと、現在でも情報システムは既に海洋環境のモニタリングでありますとか、酸性雨のモニタリングでありますとか、環境省が既に進めているものがかなりありまして、このような今現在進行しつつあるこういうモニタリングシステムなどを統合した形で、さらに情報提供ができるようなシステムを将来的に統合していこうという構想になっております。
 たしかに言葉で見ると大風呂敷に見えるところがありますけれども、内容を見ていただくと少しこぢんまりしたところもあるということでありますので、そこはバランスがとれてはいると思いますので、先生方のご意見を踏まえて、さらに検討していきたいと思っております。そして環境省が自ら行うのかというご議論がありましたけれども、これは提案として経済財政諮問会議の場に提案いたしまして、経済成長戦略大綱とか政府全体の骨太方針などにも反映していって、環境省だけでできる部分、それからできない部分ありますので、政府全体としてもなるべくこういうような構想に沿った形で実現できるようにということで考えていきたいと思っております。
 個々の内容を見ていただくと必ずしも日本丸がかえ構想ではないということがご理解いただけるのではないかと思いますが、時間の制約上、舌足らずだったところがあって、説明が不十分で申しわけございませんでした。
 以上です。

○須藤部会長 どうも清水課長ありがとうございました。委員の先生方のご質問あるいはご意見を通して大変この問題は重要だけれども、もっと個々について、あるいは具体的な問題についてはしっかり考えていかなくてはいけないということに尽きるだろうと思いますので、今後のいろいろな取組みにつきまして先生方のどうぞご意見をふまえて進めていただきたいとお願いをいたします。
 それでは、まだもしかしたらご意見があろうかと思いますが、一応その他の議題はこの辺で打ち切らせていただきたいと思います。そういうことで今日は3つの議題について審議をいただきまして、議事録につきましては事務局の方からとりまとめていただいたうえ、後日委員の皆様にその案を送付させていただきます。また、次回の日程につきましてもあらためて事務局から連絡をさせていただきたいと思います。
 今日は大変長時間にわたりまして、ご議論をいただきましたことをお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

午後 5時50分 閉会

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