中央環境審議会地球環境部会(第33回)議事録

1.日時

平成18年1月31日(金) 午後3時00分~午後5時55分

2.場所

フロラシオン青山3階「孔雀」の間

3.出席委員

(部会長) 須藤 隆一
(部会長代理) 浅野 直人
(委員) 大塚 直 佐和 隆光
武内 和彦 服部 拓也
(臨時委員) 青木 保之 天野 明弘
石坂 匡身 浦野 紘平
逢見 直人 川上 隆朗
小林 悦夫 塩田 澄夫
関澤 秀哲 富永  健
中上 英俊 永里 善彦
長辻 象平 西岡 秀三
馬場 久萬男 福川 伸次
森嶌 昭夫 横山 裕道
(専門委員) 原沢 英夫

4.議事次第

  1. 今後のフロン類等の排出抑制対策の在り方について
  2. 京都メカニズムの活用のための法制度の整備等について
  3. その他

5.配付資料

座席表
資料1 今後のフロン類等の排出抑制対策の在り方について
資料2-1 京都議定書に基づく国別登録簿制度を法制化する際の法的論点の検討について
資料2-2 京都メカニズムの活用のための法制度の整備について
資料2-3 クレジット取得に係る予算措置について
資料3-1 地球温暖化対策推進法政省令事項に係るパブリックコメントの結果について
資料3-2 気候変動枠組条約第11回締約国会議(COP11)、京都議定書第1回締約国会合(COP/MOP1)概要と評価
資料3-3 クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ第一回閣僚会合~概要と評価
参考資料1 平成18年度税制改正について
参考資料2 地球環境局の平成18年度重点施策
参考資料3 平成18年度教徒議定書目標達成計画関係予算案について

6.議事

午後 3時00分 開会

○清水総務課長 定刻となりましたので、委員の方、雨の都合もあるんでしょうか、若干まだいらっしゃるということで伺っておりますが、議論をし、そのうち過半数に達するということを期待して、まず始めさせていただきたいというふうに思います。
 まず、議事に先立ちまして、委員の改選についてご報告いたします。
 臨時委員といたしまして昨年11月22日付で、日本労働組合総連合会副事務局長、久保田泰雄様にかわりまして、逢見直人委員にご就任していただいております。一言ごあいさついただければと思います。

○逢見委員 逢見です。どうぞよろしくお願いいたします。

○清水総務課長 よろしくお願いいたします。
 本日、まだ今の時点で過半数に達しておりませんが、先立ちましてまず資料の確認などをして、そこから開始したいと思いますので、よろしいでしょうか。お願いします。

○事務局 資料の確認をさせていただきます。
 まず、1枚目に第33回中央環境審議会地球環境部会という議事次第と配付資料の羅列の1枚をめくっていただきまして、次が本地球環境部会の名簿でございます。その後ろに本日の座席表がございます。
 次に、資料1、今後のフロン類等の排出抑制対策のあり方について、その資料1に係る参考資料でございますが、ホチキスでちょっと分厚いですが、参考資料一覧というところをつけております。次に資料2-1でございます。ちょっと番号が振ってございませんが、京都議定書に基づく国別登録簿制度を法制化する際の法的論点の検討について、次に資料2-2でございます。京都メカニズムの活用のための法制度の整備について、次が資料2-3、クレジット取得に係る予算措置について、次が資料3-1でございます。温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度の実施のための政省令の整備に関する意見募集の実施結果、次が資料3-2、気候変動枠組条約第11回締約国会議、京都議定書第1回締約国会議 概要と評価でございます。次が、資料3-3、クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ第1回閣僚会合でございます。
 次が参考資料になりますが、参考資料の1、平成18年度税制改正について、次が参考資料の2としまして、地球環境局の平成18年度重点施策、次が参考資料の3、平成18年度京都議定書の目標達成計画関係予算についてでございます。
 ここまでが資料でございまして、最後に中央環境審議会議事運営規則をご参考までにつけております。
 以上が資料でございます。何か過不足等がございましたら、事務局の方までお申しつけいただきたいと思います。

○清水総務課長 それから、もう一つつけ加えさせていただきます。本日は浅岡委員が欠席でございますが、浅岡委員から意見を配付してくださいということをご依頼がありましたので、浅岡委員の意見を配付させていただいています。
 これからの進行は、部会長の方でよろしくお願いいたします。

○須藤部会長 かしこまりました。
 委員の先生方におかれましては、足元の悪い中をお繰り合わせ、多数お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。また、本日も傍聴の皆様にも大勢の方がいらしていただきましてありがとうございます。
 それでは、まず、本日の議題について紹介をさせていただきます。
 最初が今後のフロン類等の排出抑制対策の在り方についてということで、これは部会報告案をご審議いただきたいと思います。続いて京都メカニズムの活用のための法制度の整備についてということで、検討状況の報告をお伺いし、審議をお願いしたいと思います。さらに、昨年改正いたしました地球温暖化対策推進法の政省令の整備状況や地球温暖化に関する最近の国際交渉等について事務局から報告をお願いすることにいたしております。
 本日の会合は約3時間ということでございまして、18時までには遅くとも審議を終了させていただきたいということでございます。大変盛りだくさんの議事でございますので、円滑な議事進行にご協力をいただくことをあらかじめお願いをしておきます。
 それでは、最初の今後のフロン類等の排出抑制対策のあり方についてということでご審議をいただきます。
 今後のフロン類等の排出抑制対策につきましては、昨年8月19日に環境大臣から中央環境審議会に諮問がなされ、フロン類対策小委員会において、これまで検討を重ねてこられました。その結果を取りまとめられたのが本日提出されている資料で、どうぞお手元の資料をごらんになってください。
 それでは、フロン類等対策小委員会の委員長でいらっしゃる富永委員にまずご説明をいただいて、次いで事務局からも追加の説明をお願いしたいと思います。それでは富永先生、お願いいたします。

○富永委員 小委員長の富永でございます。
 今ご紹介がございましたように、詳細は後ほど事務局の方からお話をいただきますので、ちょっと最初に一言二言だけ申し上げることにいたしたいと思いますが、この小委員会と、それから経済産業省の方にも産業構造審議会のもとにワーキンググループがございまして、その両者の合同会議という形で昨年の10月から審議をしてまいりました。それで、パブリックコメントの手続も終わりまして、去る25日の第5回の合同会議で、この報告書、「今後のフロン類等の排出抑制対策の在り方について」を取りまとめさせていただきました。
 この報告書の一番中心になっておりますのは、業務用冷凍空調機からのフロン類の回収という点でありますけれども、既に出ておりますように、回収率が大変低迷しているのをいかにして上げるかということであります。そのための方策についてもいろいろ議論いたしましたんですけれども、フロン類の引き渡しを書類でもって捕捉をする。そして、フロンの流れを管理する制度を導入するということが一番中心になっております。それから、行政の方としては、都道府県による指導等を行う、強化する。それから、これは主に廃棄するときのフロンの回収なんですけれども、同時に整備の際のフロンの回収というのも重要な問題でありまして、これについては、やはり都道府県の登録を受けた者が行うというようなこと、そのほかを取りまとめました。
 それから、そのほかの対策といたしましては、もう一つ、建材用の断熱材というのがなかなか大きな部分を占めているわけですけれども、この部分については、当面はやはりノンフロン化をできるだけ強化するという形で、いろいろな提言をいたしました。
 それから、一般的にこういう回収の問題についての活動を高める、あるいは認識を深めるという意味では、フロン回収に係る地域の協議会ですね。これが一時は非常に活発であったんですけれども、最近若干必ずしもそうでないということもありまして、地域の協議会を活性化して、これを通じて啓発を進めるというようなことでございます。
 それから、もう一つ、国際的には途上国でのフロン対策というものをさらに支援していく必要があろうかと、こういった幾つかの対策、方策を盛り込ませていただいております。
 それから、この報告書の第5章というんでしょうか、最後の5というところに今後のハロン管理のあり方についてという部分がございますが、これは実は合同会議ではございませんで、小委員会の単独審議という形でまとめたものであります。このハロンについては、消火設備メーカーなどを中心とした管理のもとで大気中への排出抑制を徹底するというふうなことを取りまとめております。
 大体以上のようなことでありますけれども、5回の会議を通じて、ちょっと私の感じたことを一言二言さらに補足いたしますと、この委員会からも7名の方が委員として加わっておられますけれども、そのほかいろいろな専門の方がおられますので、大変幅広くいろいろな意見がございました。取りまとめもなかなか難しい部分もあったわけですけれども、5回にわたって大変熱心にご討議いただいた委員の方々、並びに取りまとめいただいた事務局には、大変この場を借りてお礼を申し上げたいと思いますし、もし取りまとめのプロセスで不備がございましたら、それは委員長の不明でございますので、ご指導いただきたいと思います。
 それで、この合同会議の形は今回が初めてではなくて、実は数年前にフロン回収破壊法の実施に当たってガイドラインのようなことを議論いたしましたときに、初めて経済産業省と環境省の合同会議という形でスタートしたわけですけれども、これは、こういう省にまたがる問題を、この審議の段階で合同会議でやるというのは大変有効であるということは、当時の浅野先生、部会長としてそういうことを思ったんじゃないかと思うんですけれども、今回もそういう形をとれたので、いろいろな意味で非常に有効だったと思いますので、こういうことが可能な問題については、ぜひ今後とも合同会議という形をとっていただければと思います。
 申し上げることは以上でございますので、詳細については事務局の方から説明をお願いしたいと思います。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、榑林室長の方からご説明願います。

○榑林フロン対策室長 それでは、お手元の資料1に基づきまして、答申案をご説明申し上げます。
 めくっていただきますと、目次のところにございますように、大きく5つのパートに分かれております。検討の背景、II、業務用冷凍空調機器からのフロン類の回収について、III、フロン類排出抑制に係るその他の対策、IV、その他、V、今後のハロン管理の在り方についてです。順次ページを追いながらご説明申し上げたいと思います。
 I、検討の背景。
 1段落目はフロンの特性。冷媒を初め断熱材等の発泡剤、半導体や精密部品の洗浄剤等、さまざまな分野に活用されて、1960年代以降、先進国を中心に大量に使用されるようになってきた。2段落目が、フロンによるオゾン層の破壊の問題についてでございます。3段落目以降、次ページにわたりまして、ウィーン条約が1985年に、またモントリオール議定書が1987年に採択されたという国際的な情勢について説明しております。
 2ページの1段落目は、我が国の取り組みに関してでございます。3段落目がオゾン層の現況、2ページ目の一番下の段落が、フロンから代替フロンへの代替ということでございまして、次のページ、3ページの図に大きくその流れを簡単に説明させていただいております。
 続きまして、3ページの方にいきます。5行目「このため、我が国では、オゾン層保護及び地球温暖化防止のための更なる取組として、フロン類の大気中への排出抑制について、フロン類を含む機器等の使用実態に応じて排出抑制を図る法制度を整備していった」ということでございます。
 4ページの方へ行っていただきまして、1段落目が京都議定書目標達成計画との関係です。2段落目の2行目から読ませていただきます。「京都議定書目標達成計画では、その対策評価目標として、『[1]業務用冷凍空調機器の冷媒の回収率を2008年度からの5年間平均で60%、[2]補充用冷媒の回収率を2008年度から5年間平均で30%』とすることなどが設定されている。このような状況を受け、市中に存在しているオゾン層破壊物質であるCFC及HCFC、オゾン層破壊物質ではないが温室効果ガスであるHFCの大気中への排出を抑制するための対策、特に、市中における存在量の大きな業務用冷凍空調機器中の冷媒フロン類を、これら機器が整備されるときや廃棄されるときに回収することを徹底するための対策について、その制度面での見直しを行うこと」としてご検討いただきました。
 II、業務用冷凍空調機器からのフロン類の回収について。
 1、基本的認識。5段目の中ほどから読ませていただきます。「現在市中で使用されている業務用冷凍空調機器の台数は全国で2,100万台にのぼると推計される。また、毎年百数十万台の機器が廃棄されており、このうち約2,000トンの冷媒フロン類についてフロン回収破壊法に基づき回収・破壊等の処理が行われている」。
 次のページへいっていただきますと、図2というのが現在のフロン回収破壊法のシステムでございます。
 7ページにまいります。2.機器の廃棄時におけるフロン類の回収について。
 (1)機器の廃棄者に係るフロン類の適正な回収の強化方策。「フロン回収破壊法では、業務用冷凍空調機器の廃棄者は、機器の廃棄時に自ら又は他の者に委託して、当該機器に含まれているフロン類を回収業者に引き渡すこととされているす。しかしながら、廃棄者が日常業務として業務用冷凍空調機器の廃棄を行っている場合は少ないため、その責任が十分に理解されていなかったり、個々の機器の設置状況等について十分に認識されていない場合がある」。
 このため、[1]といたしまして、法制度周知活動を推進すべきである。
 [2]として、解体工事の際の機器関連情報の提供。「フロン回収破壊法では、廃棄者が、業務用冷凍空調機器の廃棄時にフロン類を回収業者に引き渡す義務を負っている。しかしながら、実際の廃棄の場合、特に建物解体に伴って空調機器等を廃棄する場合にあっては、廃棄者は建物解体の機会が少ないことから、手続に不慣れな上に、建築物の構造等への知見が乏しいために機器中のフロン類の回収について委託漏れが生ずるおそれがある。このため、廃棄者が確実に責任を果たすことができるよう、解体工事を請け負う者が、解体対象建築物に残存している機器に関する情報を施主に対して提供する仕組みを設けることが必要である」。
 [3]廃棄から回収に至る行程管理制度の導入。「フロン類の回収が適正に完了し、廃棄者が責任をきちんと果たしたことを確認できるよう、また、回収が適切に行われなかった場合において事後に廃棄者又は行政がその原因を究明し、必要な措置を講ずることができるよう、廃棄から回収に至る経路について管理する制度を導入することが必要である。また、問題があった場合には、廃棄者が都道府県知事に通報するなど、行政が速やかに不適正な処理がなされた事案を把握することができるような仕組みを導入することが適当である」。
 [4]行政による担保措置。廃棄者に対して行政が指導等を行うことにより、当該廃棄者に対し適正な引き渡し又は事後の履行を促すことができる仕組みを導入すべきである。その関係を図示したものが図3でございます。
 次のページへまいりまして、(2)第三者が介在した場合のフロン類の適正な回収の強化方策。「業務用冷凍空調機器が廃棄される場合としては、建物の解体・建替え・店舗の改装等に伴い他の機器、構造物等と一緒に処分される場合も多い。このような場合においては、廃棄者がフロン類の引渡しを第三者に委託しても、その発注が、下請けの事業者を減る過程で途切れ、回収業者まで到達しないことが懸念される」。
 このため、[1]といたしまして、廃棄者が第三者にフロン類引渡しを委託する場合の契約の適正化。「廃棄者が第三者(解体工事やリフォーム工事を請け負う者、廃棄物処理業者等)に対し、回収業者へのフロン類引渡しを委託する場合に」、1行飛ばしまして「契約書面の相互交付、当該書面の一定期間の保存、費用負担の明確化等を盛り込んだ、廃棄者が第三者に委託する際に遵守すべき基準を定め、当該基準に従った契約を義務づけることが必要である」。
 [2]といたしまして、廃棄者からフロン類の引渡しを受託した者の責任の明確化。「廃棄者から業務用冷凍空調機器の処分に加えて当該機器中の冷媒フロン類を回収業者に引き渡すよう委託された解体工事やリフォーム工事を請け負う者、廃棄物処理業者等をフロン回収破壊法上位置づけ、下記[3]に基づく行程管理制度上の役割など、一定の役割を担わせるべきである」。
 次のページへまいりまして、[3]、[4]につきましては、第三者が介在した場合でも、前のページの[1]、[2]と同様に行程管理制度の導入、行政による担保措置を講ずるべきとするものでございます。
 11ページの方にまいりまして、3番、機器の整備時におけるフロン類の回収について。第2段落目から、「フロン回収破壊法では、このうち、機器の廃棄時のみに回収業者による回収を義務づけており、機器の修理・整備時の冷媒フロン類については基準に従った回収・運搬を行うことが規定されているものの、回収業者への引渡義務は規定されていない。また、回収量について都道府県に報告する義務も課せられておらず、修理・整備時に回収されたフロン類の流れを行政が把握できる仕組みにはなっていない」。
 このため、[1]といたしまして、修理・整備時におけるフロン類の回収義務。「修理・整備に際してフロン類の抜取りが必要になった場合には、回収業者により回収を行うことを義務として明確に規定すべきである」。
 [2]といたしまして、都道府県知事の登録を受けた回収業者による回収の実施。「修理・整備に際してフロン類の抜取りを行おうとするものは、都道府県知事への登録が必要とされている機器の廃棄時にフロン類の回収を行う者と同様に、回収業者として都道府県知事への登録が必要とすべきである。また、回収業者は、修理・整備の際に引き渡されたフロン類について、廃棄時と同様に、再利用されるものを除き破壊業者に引き渡さなければならないとすべきである」。
 [3]といたしまして、修理・整備時における回収量の報告等といったものでございます。
 続きまして、13ページの4.関連事項でございます。今まで廃棄者に対する話でしたが、(1)回収業者によるフロン類回収の適正化方策といたしまして、[1]報告徴収、立入検査の徹底等、[2]回収業者の技術水準の確保、[3]フロン類回収に要する時間の確保。
 (2)関係者の自主的取組の推進といたしまして、[1]として関係者による自主的取組の継続・強化。ここでは製造事業者であるとか各種関係者の自主的取組を継続・強化していくことによって法制度を補完していくことが重要と考えられる。次のページへまいりまして、[2]排出抑制努力の適正な評価。
 (3)ノンフロン化に係る技術開発・普及。[1]代替冷媒等に係る技術開発の推進、[2]ノンフロン冷媒等利用装置・機器の普及促進。
 (4)その他の措置といたしまして、[1]他法令に基づく届出等の情報の活用。「他法令に基づき行政への届出が行われる情報等の中でフロン類回収の促進に利用できそうなものがあれば、その活用について検討すべきである」。[2]費用負担の問題。「機器からのフロン類の回収等の費用を機器の廃棄時でなく機器購入時等に事前に徴収するなどフロン類回収における費用負担の方法を変更することについては、事前の費用算定や既販機器からの費用徴収の実効性等、多くの課題、困難が存在すると考えられるために、直ちに導入することは困難であると考えられるが、本報告書に基づく対策強化によってもフロン類の回収率等の回収実績が改善されない場合には、その実現可能性についても検討すべきである」。
 16ページの方にまいります。フロン類の排出抑制に係るその他の対策。
 1.建材用断熱材に用いられているフロン類の排出抑制対策。(1)建材用断熱材フロン類の使用状況。「過去に生産され、現在使用され市中に存在しているフロン類のうち、約3割が発泡用途である」。
 (2)断熱材フロン類の使用時における放散。「断熱材中のフロン類は時間とともに放散され、断熱材やフロン類の種類によって異なるものの、通常の建物寿命を経過して建物が解体されるまでに相当量のフロン類が抜けている」。
 (3)断熱材フロン類の回収・破壊方策における課題。「環境省、経済産業省の両省におけるこれまでの検討調査の結果、以下のような課題があり、現時点で建材用断熱材の回収・破壊を義務付けることは難しいと考えられる」。1番目のポツといたしましては、現場で簡易に適用可能な識別技術が開発されていない。2番目のポツといたしましては、分別、解体及び断熱材の運搬などの課題があります。3番目のポツといたしまして、受け入れ設備の処理能力等の課題がございます。1段落飛ばしまして次の段落、「一方で、解体業者等が自主的に断熱材を回収し、フロン類の処理を行う場合の適正な処理を支援するため、これまでの調査研究成果を踏まえて、フロン類回収を効率的に行うことが可能な条件、適切な回収方法等に関する情報の提供等を行うべきである」。
 (4)断熱材フロン類の排出抑制方策の方向性。2段落目の途中から、「安全性及び効率性に配慮しつつ、一層のフロン類使用原単位の低減、ノンフロン化を推進することにより、確実なフロン類排出量低減を図ることが重要と考えられる」。以下、現行の取り組みを[1]、[2]に示してございます。
 19ページの方にまいりまして、[3]今後の対策のあり方。「これまでの対策に加え、建材用断熱材のノンフロン化を更に促進するため、以下のような対策を推進することが必要である。官公需におけるノンフロン断熱材の使用を更に推進するために必要な措置を講ずる必要がある。民間建築物の施主や建築業者によるノンフロン断熱材の選択を促すための措置を検討するとともに、地球温暖化防止の意識を高めるための普及啓発を促進する必要がある。建材用断熱材の製造・販売事業者においても、フロン類使用原単位の一層の低減、生産及び使用の段階において高効率かつ安全なノンフロン化技術の開発・普及を推進することにより、確実なフロン類排出量低減を引き続き行う必要がある」。
 1ページめくっていただきまして、2.フロン類排出抑制のための技術開発・普及について。フロン類の大気中への放出を極力抑制するためには、フロン類を使用する、あらゆる分野において、ノンフロン化を実現することが効果的である。2段落目がこれまでの対応、3段落目が課題でございます。4段落目からまた読ませていただきます。「さらに、当面HFCを利用せざるを得ない分野については、完全なノンフロン化でなくとも、より温暖化係数の小さいHFCへの転換を図ることや、炭化水素等の代替品と混合すること等により、製品の性能や安全性の確保、地域の環境への配慮等の観点も踏まえつつ、HFCの使用原単位を低下させていくこと、使用中の漏洩などを極力抑制させていくことが求められる」。次の段落、ダストブロワーについてでございます。
 1ページめくっていただきまして、22ページです。その他、1.啓発事業の推進。
 (1)フロン類対策の必要性に係る啓発活動の推進。3段落目へまいります。「我が国においては、モントリオール議定書における責務を確実に果たしていくことに加え、京都議定書目標達成計画の達成のため、世界最高水準の対策を実施してきた環境先進国として、経済と環境の両立を図りながら、ノンフロン化等によりHFCの使用を抑制しつつ、既存のCFC等とともにHFCの回収・破壊を促進していくことが重要である。国民がこうしたフロン対策の重要性を正確に理解・認識することが不可欠と考えられる」。
 (2)効果的な啓発活動を実施するための仕組み。2段落目にまいります。「また、業務用冷凍空調機器からのフロン類の回収・破壊等については、機器の廃棄者、解体工事等を請け負う者、回収業者、破壊業者等各段階において数多くの事業者が関わっており、これら数多くの関係者がそれぞれの立場できちんと役割を果たすことによって初めて回収・破壊等が適切に行われることとなる。そのため、関係者の役割が明確でかつ分かりやすい制度とするとともに、各々が果たすべき役割について十分に周知することが必要である」。
 次のページへまいりまして、2.その他。
 (1)協議会の活性化。各都道府県においては、地域の協議会を通じた自主的なフロン類の回収・破壊や、講習会、普及啓発活動が実施されてきました。2段落目最後の方、「地域の協議会を廃止したり、活動を中止するところが増えている」。3段落目真ん中から、「具体的な取組事例としては、廃棄者や建設業者、冷凍空調機器の利用者や機器製造業者の所属する団体の加入による関係業者間の連携の拡大や、フロン類回収証明書の発行、フロン類を回収した機器への回収済みシールの貼付、整備時を含めた回収量の取りまとめの実施等が挙げられる。こうしたことから、フロン類の回収を促進するため、先進的な地域の取組を参考に地域の協議会を活性化するための方策を検討することが必要である」。
 (2)化学物質管理対策等の総合的な対応。次のページの上段から、「フロン類の転換等を検討する場合には、オゾン破壊係数、温暖化係数だけでなく、こうした化学物質としてのリスクに応じた諸規制、制度にも配慮しつつ、適切に進めていくことが必要である」。
 (3)途上国におけるフロン対策への支援。2段落目の途中から、「我が国が蓄積してきたフロン類対策に関する知見や技術の移転を積極的に行うことにより、途上国におけるオゾン層保護対策のなお一層強力な推進を後押しすることが地球規模での環境問題に取り組む上で有効と考えられる」。
 (4)国際的に協調した地球温暖化対策に向けて。「フロン類排出抑制対策の目標の一つである地球温暖化対策の防止については、米国や中国等を含め各国がそれぞれの役割を適切に果たすこととなるよう働きかけていくことが重要である」。
 続きまして、25ページ、今後のハロン管理の在り方について。
 1.ハロンの排出抑制に係る取組。「ハロンは、消火性能に優れ人命への安全性も高いことから、建築物や危険物施設、船舶、航空機等に設置される消火設備・機器等の消化剤として多量に使用されてきた。しかし、強力なオゾン層破壊効果を有することから、1990年の第2回モントリオール議定書締約国会合において、段階的に削減することが国際的に合意された。1994年に生産等が全廃された。以降は全廃時に消火設備メーカー等が保有していた在庫を利用し、またその後に建築物の解体等に伴って回収したハロンを再利用している」。
 2.今後のハロン管理の在り方。3行目からです。「ハロンの排出抑制については、オゾン層保護法において使用事業者に対する排出抑制・使用合理化の責務が規定されているが、採るべき具体的な措置についての規定はない。今後、1980年代から90年代初頭に建設された数多くの建築物が解体時期を迎えることに伴って回収されるハロン量の増加が予想され、需要量が低調なまま推移すると、消火設備メーカーにおける将来的な在庫量が増加すると見込まれる。消火設備メーカー等を中心とした管理のもとで、供給と回収のバランスを保ちつつ、大気への排出抑制を図ることが引き続き有効であると思われる。そこで、当分の間、以下の措置を講ずることが必要と考えられる」。
 (1)ハロンバンク推進協議会による継続的なデータ管理。
 (2)関係業界による自主的な取組の推進。「社団法人日本消火装置工業会において平成17年10月に『ハロンの適切な管理のための自主行動計画』が策定され、不用意なハロン放出の防止、今後の需給見通しに対応したハロンの確実な回収・保管、取組の実施状況に関するフォローアップ等を行うこととされた」。次のポツの3つ目でございます。「フォローアップ結果については、第三者機関によるレビュー、行政機関によるチェックを行い、その結果に基づき計画の見直し等必要な措置を講じていく必要がある」。
 (3)ハロンの適正な処理体制の整備。「回収後、不要、余剰となったハロンについては、無害化(破壊)のうえ適切に廃棄することが必要である」。
 以上でございます。

○須藤部会長 どうも、富永先生、それから榑林室長、ご説明ありがとうございました。
 先ほど定足数が少し足らないということでスタートはいたしましたが、現在におきましては定足数に達していることを確認いたしましたので、ご報告をさせていただきます。
 それでは、ただいまの小委員会の報告につきまして、何かご意見なり、あるいはご質問なりございましたらお願いをしたいと思いますが、やはり人数が大勢でございますので、確認のために立て札をどうぞお立てください。ご質問なりご意見のある方は立て札を、今の両者のご説明でございます。よろしゅうございますかね。
 そうしたら、きょうはこちらからいきましょうか。それでは原沢委員、どうぞお願いをいたします。

○原沢委員 フロンの対策は、オゾン層の保護と温暖化両方にかかわるということで、今回の報告書は非常によろしいんではないかと思いますので、早くこれを現実にやっていただきたいと思います。
 ちょっと質問なんですけれども、13ページ、14ページに、そうはいっても制度を補う形での実質的な取り組みが必要だということで、具体的に言いますと回収済みシールが14ページの上の方に出ております。多分地域によってそれぞれラベルの形が違ったりとか、位置づけが違ったりしているのかと思うんですけれども、この辺については、国としてはやはりこういった地域の実情に応じた自主的な取り組みを今後とも強化するのかどうかという点が1点目であります。
 それに関連いたしまして、RRCというのが技術センターとしてあるわけですけれども、これが後の方でご説明があった協議会の活性化とどういう関連があるのかを、ちょっと教えていただきたいのが1点。
 もう一点が、24ページの途上国におけるフロン対策への支援ということで、フロン対策を途上国でやることによって、CDMとしての位置づけももしかするとできるんではないかと思いますが、その辺でフロン対策と温暖化対策の接点という意味で、ちょっとご質問させていただきます。

○須藤部会長 それでは、まだご質問もあろうかと思いますが、ちょっと先に伺って、まとめてでよろしいですか。室長なり、今のご質問についてはいいですね。
 それでは、続いてご質問は川上先生ですか。ではどうぞお願いいたします。

○川上委員 私も質問なんですけれども、やはり京都議定書の達成計画との関係も、このフロンの問題は非常に密接にかかわっているというふうに理解しておりますし、そういう観点で、実際に途上国におけるフロン対策というものを今後日本がやっていく。既にそういう話が出始めているというふうに理解しています。
 そのコンテクストでちょっとお聞きしたかったのは、今回の日本の国内での抑制対策というものは、先ほどのご説明ですと、冷媒については捕獲率30%ぐらいだったのが60%にする。それから、断熱材のところが必ずしもよくわからなかったんですけれども、この措置によって抑制効果を上げるという方向でやるということだろうと思うんですが、この日本の国内対策、日本のフロン抑制対策というものが国際的に見てどのぐらいの水準にあるのか。例えばヨーロッパの非常に環境対策に厳しいドイツみたいな国と比較して、どの辺にあるのかというのを、ちょっと国際比較、それから今後の見通しを考えるに当たって参考にしたいので、教えていただければ幸いでございます。
 それから、先ほどちょっと私が冒頭に申しました、断熱材等の関係での今回の措置による抑制がどのぐらい進んで、それが全体の京都議定書の絡み、特に京都議定書の絡みですが、どのぐらいの意味を持った措置になる見通しなんだろうかというようなことについても、ちょっと具体的に教えてください。

○須藤部会長 目標がどのぐらいのところまでいくかということでよろしいですね。ありがとうございます。それでは、後でそれもまとめてお伺いします。
 それでは天野先生、どうぞお願いします。

○天野委員 質問だけですか。意見は……。

○須藤部会長 どうぞ、いいです。どっちでも結構でございます。

○天野委員 両方なんですが、大変難しい問題について、これだけの報告をいただいたのは大変ありがたいと思います。廃棄者、それから回収業者等、いろいろな新しい義務化が行われるということはよくわかるんですが、それを実際に遵守する手法というのはどういうことなのか。法律を決めても守られなければ全然効果は出ないわけですし、フロン等に関する審議会の議論でも、今までも決まっていたんだけれども実施されていない、非常にそういうことが多いということがありますので、私の質問は、こういう報告、新しい対策を決めたという中に、遵守の仕方まで含めて決めていられるのか。それを今後何か検討するのか。その辺がよくわからないので、これだけでは、結構ですと言うんでけれども、実効性があるかどうかは疑問ですねと言わざるを得ないわけですね。その辺、どういうふうに今後進むのかということをお伺いしたい。
 それから、自主的取り組み、これは私は大変重要な要因だと思いますけれども、新しい法制度をつくるというときに、同時に自主的取り組みを考えるというときには、両者の役割分担といいますか、すみ分けといいますか、それをはっきりしておかないと、法規制はここまで、自主規制はこの範囲というふうにしないと、何か両方がかぶってしまって、法規制をやらなくても自主規制をやっているからいいんだということになると、ちょっと私は困ると思いますので、その辺のすみ分けをどう考えてこの対策をお考えになったのかというのが1点。
 それから、もう一つ、費用負担の話が15ページに出てきますが、これはこういうやり方もあるんでしょうけれども、対策強化によっても効果が改善されない場合に、改めて検討するというのではなくて、多くの場合はあらかじめ何かの対応を決めておいて、対策が効果を上げなければこの対策をとりますよというふうにするのが、実際にそういう対策をとらなくても実効性を上げる非常に効果的な方法なんですね。そういうことをなぜお考えにならなかったのかという、その3つです。

○須藤部会長 どうもありがとうございます。それでは、それも後ほど伺います。
 それでは青木委員、どうぞお願いいたします。青木先生、どうぞ。

○青木委員 私は、7ページから8ページにかけての[2]の解体工事の際の機器関連情報の提供に関してでございますけれども、建築物に存在している業務用冷凍空調機の廃棄者と回収業者の関係について十分議論をされて、大変よく整理されておられるということで、非常に評価をいたしております。
 そこで要望なんでございますけれども、特に8ページの上から4行目ぐらいのところですかね。「解体工事を請け負う者が、解体対象建築物に残存している機器に関する情報を施主に対して提供する仕組みを設ける」という点でございます。確かにこういう仕組みは必要でございますし、やらなければいけないんですけれども、すべての解体事業者がフロン類が含まれている業務用冷凍空調機に関する知見を有しているというわけではない。業界の実態をいろいろ伺いますと、この辺はいろいろな業者がおるものですから、いろいろ大変なようでございます。正直者が損をしないようにということもありますし、逆に言えば、ここで報告義務みたいな情報提供をすることについて、過重な義務が負わせられるのではないかというような心配もあるというようなことも伺っておりますので、これから法制化され、また実施されるわけでございますけれども、その辺の所有者責任との関係でございますとか、業界の実態というものを十分に踏まえまして、円滑にこの仕組みが機能しますように、関係省庁、業界の意見も聞きながら、実際具体的に実行できるような仕組みをつくっていただきたいと思います。
 今伺っておりますと、いろいろな啓発等についてもいろいろなご提言がございますので、そういったようなことも必要かと思いますので、そういったものも含めて円滑に実施できるような仕組みを考えていただきたいという要望でございます。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは佐和先生、どうぞ。

○佐和委員 簡単な質問を2つ、全く素人ですので。
 1つは、今、日本あるいは世界で、要するにいわゆる温室効果ガスに占める代替フロンのCO換算した割合はどのぐらいなのかということと、特に日本の場合は、今、こういう対策を講じることによって、それをどの程度まで削減できるのか。
 それから、もう一つの質問は、さっきも費用の話が出ましたけれども、回収・破壊に必要な費用というのが、私には全く見当がつかないので教えていただきたいと思います。

○須藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、浅野部会長代理、どうぞお願いいたします。

○浅野部会長代理 まず、小委員会の先生方に大変感謝を申し上げたいと思います。短い時間でこれだけ厄介な話をよく整理をしていただいた。他の委員からもございましたが、私も全く同様でございます。
 これまでの制度は、やや緊急避難的に見切り発車的につくられた制度だったという気がするわけです。必ずしも審議会できっちり議論をしてフロン回収法ができたわけではなかったという経過があるわけですが、その結果が、やはり余り思ったようには効果を上げていなかった。それと、自動車のリサイクル法ができたおかげでカークーラーの部分がすっぽり抜けたということがあるものですから、ますますこのフロン回収法だけが取り残された格好になってしまっていたわけですけれども、一番の問題は、業務用冷凍空調機器というのは、ほとんど建物の中に組み込まれてしまっていて、普通の家庭の冷蔵庫のようなものをイメージしてはだめなんですね。ですから、場合によっては、建物の持ち主もそれが一体何であるかを知らない。完全に建物の一部分だと思い込んでいるような場合もあるものですから、それなのに、フロンの廃棄者にともかく回収者に引き渡せと言ってみても、全然実効性が上がらないということがあったような気がします。しかも、その上で従来の法規制は、どちらかというと回収・破壊業者に対しての指導、助言、命令というようなものはあっても、廃棄者の方に対しては、渡してくださいねと言っているだけで、それ以上何もなかったということがあるわけですね。
 ですから、今回のご検討ではっきりしてきたのは、先ほどご意見がございましたけれども、やはり廃棄者に一義的にはちゃんと責任を持ってもらうということが何よりも大事であるということです。このことは、私も先ほどの青木委員のご発言と同じようなことを考えている面がありまして、結局、廃棄物と全く同じで、施主がお金を払ってくれなかったらうまくいかないわけですね。施主がやらなければいけないし、費用も払わなければいけないということをしっかり認識してもらうということが事の出発点だということになるわけで、その辺が今回の小委員会のご検討では非常に明確に出てきたのではないかという気がします。
 何といっても、やはり排出者がきちんと理解をして費用も負担をする。やらなければいけない責任は自分にあるんだ。ただ、技術力も処理能力もないから、それを委託するだけであって、委託を受ける側にまず一義的に責任があるんではないんだということをはっきりさせていくことが、今後の動きとしては重要ではないかと思うわけです。ちょうどこれは廃棄物処理の世界でも同じような動きがあるんだと、ほとんど同じことを言っているという気がいたします。その意味では、この報告の内容は大変いいんではないかということです。
 それから、マニフェストの制度を導入しようということで、これについてはいろいろとご議論もあるわけですけれども、フロンのような場合には、廃棄物一般の場合ほどマニフェストのシートがお金になってというようなことは想定できません。むしろきちんとこれができるということは、よりこちらの方が物が特定されているだけに期待できるような気がしますので、こういうマニフェストシステムも意味があるだろうと思います。業者によって規模の大小がありますけれども、廃棄物の方では既に電子化というようなことを考えていますから、それができるなら、こちらの方にも入ってくると、もっと不正も防げるということがあるんだろうと思いますから、運用段階ではいろいろな工夫が可能ではないかという気がいたします。
 先ほど申しましたこととの関係で言いますと、自分のところにあるものがどんなものかということを、まずは所有者がよく知っておくということが大事でありますので、その辺のところは今後の運用の中で、この報告では必ずしも出てきていませんけれども、そもそも自分の持っている所有する施設がどういうものであるかを知らないというのはおかしな話なんですよね。ですから、メンテの段階などでしっかりこういうものが使われているということが所有者に伝わっておけば、廃棄のときに費用を負担しなければいけないことも当然だという意識が出てくるだろうと思いますので、この辺のところは、この報告書の線で今後立法が行われていく段階で適切な処理ができるのではないかという気がいたします。
 先ほど天野委員から2つ、おっしゃっている中の幾つかあるんですが、遵守の手法については、従来から審議会では法律の文章までは答申をしていないので、それはこの答申を受けた政府が法制化の中でしっかりお考えになることだろうと思いますけれども、やはりぜひ留意していただきたいのは、懲罰規定を設けることはできないだろうと思いますけれども、廃棄者は多くの場合、反復して廃棄をするようなことは余りありません。ただ単に指導勧告ぐらいだと、この次はやらないわけですから実効性がないということは、天野先生のご指摘のような点もあるだろうと思います。この辺のところはなかなか難しいとはいえ、どういう制度にするのかということについては、十分にまず情報を徹底して与えておくということから始まるんだろうと思いますけれども、工夫が必要なのかもしれません。
 それから、自主的な取り組みと制度の役割分担というのは、これはどっちかというと、具体の廃棄、回収、破壊という、そこのところの個々の行為については比較的きっちり制度的に法規制がかかってくるけれども、全体としてのフロン類の取り扱いというような大きなことについては、やはり情報が流れる仕組みをつくるとかなんとかのようなことについても、従来から行っている自主的な取り組みを重視すべきだというのが、この報告の流れだろうと思いますので、そこは同じことをある部分自主的にやりながら法規制もかけるというよりも、それぞれの分担を考えた報告になっていると私は読んでおります。
 それから、費用負担に関しては、小委員会もご検討になったんだと思いますが、やはり家電リサイクルのときと同じようなことがあって、既販機器についてはどうも扱いにくいということがあるものですから、前取り方式を一律にということにいかんのでいうことを書いておられた。しかし、どうしても実効性が上がらなければ今後はというようなことも出ていますから、これは、従来の他の制度との比較からいってもしようがないのかなという気がします。
 要は、最終的にこれが全体、工事費の中にきちんとその処理費用が含まれないと不正が起こるということが最も大事な点だろうと思いますが、ここはどう担保するかということは、確かにさらに課題として残っているんではないかという気がいたしました。

○須藤部会長 それでは、浅野先生からは、大変いいけれども、幾つかこういう問題、あるいは課題、留意点ということについてご説明がございましたが、天野先生、今の問題についてですね。
 では、続けて天野先生にもう一回戻します。

○天野委員 私が申し上げていたのは、決して法律の文章をここで議論しろということではなくて、法律をつくることはお任せいたしますが、ここは政策を考えるところですので、そのコンプライアンスがなかなかうまくいかないというときには、それを補完するような政策を一緒に組み合わせて、パッケージとして実施をするということを考えるのは、当然この委員会の役目だと思うんですね。
 この報告書にもいろいろそういう点では触れてあります。情報公開を義務づけるとか、PRTR法との関連づけをするとか。ただし、これはアイデアみたいなものが出ているだけで、本当にこの制度を運用するときに、こういう情報的手法を一緒にやりますということをはっきり書かれていないんですよ。その辺が私は少し心配、不満であったので、決して条文の中でコンプライアンスで罰則をどうするという話をここでしようという意図では全くありません。
 以上です。

○須藤部会長 かしこまりました。
 それでは大塚先生、どうぞ。

○大塚委員 多少かかわらせていただきましたのでお話ししますが、先ほど浅野先生が非常に見事にまとめてくださいました。2点ほど、浅野先生のご意見についてではなくて、むしろ青木先生や天野先生のご意見についてちょっとだけ申し上げておきます。
 7ページにある解体工事の際の機器関連情報の提供、8ページにかけてもありますが、この点については、確かに解体業者にそこまで求めても実際には難しいんじゃないかという議論は全くないわけではないんですけれども、先ほど浅野先生は排出事業者の責任を強調されまして、それはそれでもちろんあるんですが、これは情報提供という、ただそれだけのことなので、それほどの義務をかけたわけではないというふうに理解しております。ある種の専門家としての責任をここで果たしていただこうということですが、責任といっても別にそんなに強いものではなくて、情報を提供してもらおうという趣旨でございます。
 それから、費用負担については15ページにあるようなことで、もし今回のことでうまくいかなければまた考えるというのが今回のこの答申のスタンスでございまして、天野先生がお気になさっているのは私もわからないではないんですけれども、今回はこれでいって、もしうまくいかなければ、またちょっと考えるという趣旨でございます。
 以上でございます。

○須藤部会長 ありがとうございます。
 それでは中上先生、どうぞお願いします。

○中上委員 後になりましてすみません。
 非常によくおまとめいただいて立派な報告書だと思いますが、私、ちょっと質問です。資料編の28ページに、フロンを持っている空調機のリストがずらっと並んでいるわけです。これは多分全部調べていただいたのが下の表の3だろうと思うんですが、重みからいきますと、圧倒的に多いのはパッケージエアコンで、全体の半分ぐらいがパッケージエアコン。フロンの量も約6割ぐらいがこれなわけですね。何が言いたいかというと、浅野先生がおっしゃいましたように機器というのはいろいろなタイプがありまして、スタンドアローン、すなわち単独であるものと、システムとして組み込まれているもの、あるいは建物にビルトインされているもの、いろいろあるわけですね。そういったことから見ますと、大体最初から全部やってしまおうというのは、非常に立派な心がけですけれども、通常こういうときにやる場合には、まずやりやすいところから取っていく。だとすると、まず最初はパッケージエアコンかなという気がいたします。そういった意味での優先順位といいますか、そういうものがあってもよかったのかなと。これから実行していく場面において、難易度が相当これによって違ってまいります。易しいものからやっただけでは全体の量が稼げないとするならば、量的なカバレージからいけばパッケージエアコンをまず集中的にやるとか、そういう何か戦略的な手法があってもいいんじゃないかと思ったんですが、そういう点はご議論があったんでしょうか。

○須藤部会長 わかりました。
 それでは、一通りご意見といいましょうか、ご質問を含めていただきました。これは個々の一つ一つについては事務局からいただいて、総括的に富永委員長から後で伺うということでよろしいですね。そうしたら、浅野先生、大塚先生から解説していただいた部分はあるんですけれども、それはそれでいいというのであればそれでよろしいんですが、もう少し違う具体的な個々のご意見、ご質問がありましたので、どうぞ順番にお答えください。まずは原沢先生のところから、どうぞお願いします。

○榑林フロン対策室長 まず原沢委員の方から、地域の取り組みのところでシールの問題があったかと思います。現行法で、平成14年4月1日からは、フロンが入っている機器というものについてはシールが張られることが法律上義務づけられています。それより古いものに関して、例えば地域の取り組みで張っていただくというのが一つと、もう一つは、抜いた段階で図にあるような張り方というのがございますけれども、こちらにつきましては、いい例を全国的に例えば集めて紹介することによって、ばらばらやらないようなことについても考えていきたいと思います。
 それから、RCCと地域の協議会の取り組みですけれども、RCCは回収業者の専門家の集まりでありますので、そういったものと地域の、例えば地方公共団体なんかが連携することによって、よりよい効果が上げられるんじゃないかというふうに考えます。
 それから、24ページの途上国の関係でございますけれども、途上国の話になりますと、まず先進国と途上国ではCFCとかHCFCの規制の段階に差がございまして、HFCの対策、京都議定書の対象となっているHFCというよりは、それ以前にCFCやHCFCをどのように削減していくかというのが大きな課題になっていまして、例えばモントリオール議定書のマルチラテラルファンドなんかを活用いたしまして、そういったものの事業を進めているところでございます。
 続きまして、川上委員の方から断熱材のお話がございましたが、京都議定書の目標達成計画の中では、発泡断熱材の対策によりまして削減量583万トンCOを見込んでいるような状況でございます。
 次に、国際比較……

○須藤部会長 そうです。国際的なレベルですかね。

○榑林フロン対策室長 お手元の参考資料の方なんですけれども、国際的な比較は37ページをごらんいただけたらと思います。夏の8月22日の部会の際に国際的な話が各委員から多く寄せられましたので、私ども、新たに調べました。そうしたところ、回収に関して法律でやっているという国は多くはございません。回収量をきっちり報告させているというのもそれほど多くございません。例えばドイツのところが39ページのところにございますけれども、規定する法規につきましては、管理物質の卸売業者は規制物質をみずから回収するか、もしくは第三者による受理を保証する義務を負うといったようなことがございますけれども、量等についてはなかなかデータが集まっていないというのが現状でございます。

○須藤部会長 ですから、国際的には進んでいるということでご説明としてはよろしいですね。
 どうぞ、続けて。

○小川環境保全対策課長 それでは、天野委員からのご質問でございます。
 まず、遵守する手法ということについては、既に浅野委員の方からお話がございましたけれども、現在の法律で、回収のために廃棄する人が引き渡さなければいけないという義務がございまして、また、いかなる人もみだりにフロンを放出してはならないという義務規定はあったわけでございます。ただ、これを担保するためのシステムがなくて、フロンは目に見えませんので、抜かれてしまうと証拠がないというのが現状でございました。そういうことで、今回、いわゆる書面を順番に回収業者まで渡して、またその結果を見るといった措置を取り組んでおりますけれども、それは言ってみれば、そういった回収のための義務の遵守を確保するためのシステムを今回つくったということでございます。そういう意味で、まず手法として遵守するためのものだということです。
 さらに、遵守する手法の遵守みたいなことについては、そういった書面が廃棄者まで返ってこなかった場合には、それを都道府県知事に報告して、都道府県知事の方が指導に入るといった形で、いろいろな形でチェックするような仕組みを今回システムとして入れたところでございます。
 また、自主的取り組みにつきましても、法制度の関係でございますが、これも核となります義務については法制度ということできちんと決めたわけでございますが、この問題、いろいろな形で関係者への普及啓発ですとか情報提供ですとか、そういったことが法制度と相まってシステムを回すために重要なところでございます。そういったことについて役割分担をいたしまして、実質的な取り組みを進めていくということで整理をしたところでございます。
 また、費用負担につきましては、大塚委員の方からお話があったとおりでございます。
 次に、青木委員からの解体業者からの情報提供の点でございますが、ここも大塚委員からお話があったように、過重な義務ではなくて情報提供という義務に抑えているということでございます。また、現状何が起こっているかと申しますと、解体業者の方に建物解体があった場合、その中でフロンを含んでいる機器が入っていた場合に、その扱いについてはっきり示されたり、あるいははっきり委託されない形で解体業者の方に来てしまうということが多々あります。そのときにどういうことが起こるかというと、一つは、なかなか処理の費用がとれないものですから、解体業者の中で自腹を切って回収をしてしまう。その費用はなかなか払ってもらえないといった問題がある。あるいは、これは余りはっきりわかりませんけれども、うやむやな形でどこかへ抜かれてしまうという問題もございます。この場合には解体業者の方で放出義務の違反の罰則がかかるわけでございます。そういうことで、よくわからない機器が残っているという状況は解体業者にとっても非常に問題でございますので、このようにチェックをして発注者の方に機器の有無を知らせるという条項があることによって、解体業者の方としても適正な取り扱い、自分が過度の費用負担を負ったりということがないということで、メリットがある仕組みであろうというふうに考えております。

○須藤部会長 ありがとうございました。
 続けて、佐和先生のご質問にはどなたがお答えしますか。

○榑林フロン対策室長 佐和委員のご質問です。温室効果ガスの排出量に占めるフロンの割合です。お手元の参考資料の7ページをちょっとごらんいただきますと、ここでは、地球温暖化へのフロンの寄与度ということで、産業革命以降排出されたガスについてIPCCがまとめたグラフを図7に示しております。最近はフロンの対策が進んでおりまして、率は低いわけですけれども、産業革命からずっと見ますと、CFC、HCFCが13.5%といったことでかなりの割合を占めております。
 それから、佐和委員、次に費用の問題があったかと……

○須藤部会長 これは分解に至るまでの処理費用ですよね。

○榑林フロン対策室長 具体的に幾つかの例がございます。例えばコンビニエンスストアがございまして、大体平均的なコンビニエンスストアで175平米ぐらい。こんなものがありまして、例えばチルドケースだとかオープンケース、それから栄養ドリンクだとか冷房とかございまして、大体フロンで35キロぐらい入っていまして、これを回収しますと15万円ぐらいかかります。フロン1キログラム当たりにいたしますと大体4,600円ぐらい。今、2,000トン回収されているものを4,000トンぐらいまで上げようとしておりますので、マクロで見ますと大体5,000円で、2,000トンを掛けますと100億円ぐらいということになろうかと思います。
 続きまして、浅野委員はご意見。

○須藤部会長 ご要望と解説ですからいいですね。

○榑林フロン対策室長 大塚委員もご要望ですね。
 中上委員の28ページの表に関してです。委員ご指摘の点、もっともだということで、私ども、まず一番当初に検討いたしましたのは、遠心式冷凍機とかスクリュー式冷凍機、1台に数十キロとか100キロとかあるようなもの、大きなものを押さえるとかなりの部分が押さえられるんじゃないかということで実態を調べましたところ、数は少ない。管理技術者はちゃんといるんだけれども、そこを押さえたのでは十分じゃない。委員がおっしゃいますようにパッケージエアコンの部分が大きい。パッケージエアコンというのは、構造が割と単純化で費用的にも回収がしやすいといった面がございます。一方で、例えば業務用の冷凍庫とか、そういったものについては数は多いんだけれどもフロン量は多くない。ただし、ほっぽっておくとだれにも回収してもらえないので、建物を解体するときにパッケージエアコンとあわせてそういったものを回収すれば、そこそこ回収率が上げられるんじゃないかといったようなご議論もございました。

○須藤部会長 そんなところでよろしいですね。どうもありがとうございました。
 それでは、富永小委員長、一通りご意見を伺い、そして事務局に個々のご質問をいただきましたし、浅野委員、それから大塚委員からは解説もしていただきました。先生からおまとめとして何かございますでしょうか。

○富永委員 大体今までご発言いただいたところで、ご質問には実際的にもう答えになっているかと思うので、余りつけ加えることはないんですが、基本的なスタンスとして、今回の報告書は、そもそもなぜこういうふうなことを議論するようになったかというと、フロン回収破壊法の議論の中で、カーエアコンと、それから業務用空調機、この2つがあったわけですけれども、そのときに、業務用の冷凍空調機器については余り詳しく決めなかった。むしろ、いわば業界団体を中心として、任せてくださいとは言いませんけれども、そのときはそういうスタンスでありましたので、それでこれが残ったという、そういう事情があったわけなんですね。ですから、これが今度は京都議定書の強化していく中で0.3%から0.6%にぜひ回収率を上げたいという実質的な目標と、それはかなり直近の問題。それから、同時にやはり回収を進めるといいますか、やや中期的な問題と両方の要請があってスタートしたわけでございますよね。
 それで、中期的な目標については、そういうわけで何も具体的な道筋が決まっていなくて、廃棄から回収までというのがなかったので、そこにいわばそういうシステムをつくるという溝を掘ったというのが今回の立場であって、溝を掘っただけでは水は流れませんから、実際に実現可能な、まず今の段階で、しかも比較的近い時点で回収率を上げるという、それを満たすためには、ある程度実現可能性の高い方法を考えなければいけません。それがいわば緩い勾配というか、ですから、もう少しそれを長期的に眺めれば、当然もっとインセンティブ、あるいは何かの手法でもって、これでもし達成できなければ、さらに勾配を上げるということが必要なわけですけれども、それは例えば先ほどの費用負担なんかの問題がそこに入ると思うんです。それについては、実はこの検討会より以前に、検討会でそういう問題も議論したときに、いろいろ実際詰めていくと、これは実際それを扱っている産業界、それから我々といいますか、それ以外の学識経験者、そういう立場でいろいろな意見があって、そして実施に当たってはなかなかすぐは実現が難しい。むしろ先ほどの溝を掘る方が先ではないかという議論が出てきて、多分これにつながったということがあると思うんですね。
 ですから、費用負担の問題は、もちろん今の勾配では30%から60%という改善ができなければ、当然次にはしなければいけない。そういうようなきっかけというか糸口は、この報告書の中の幾つかに将来の問題という形で一応提起してありますが、ここではそういう意味で、はっきりした形をとっていないのはそういう理由です。ですから、これはむしろ第一次の報告書であって、もし第一次で不十分であれば、ここに糸口を与える第二次に進むという、そういう了解であるということを一応ご了解いただきたいと思います。
 それで、今、費用負担の問題で非常に難しいというのは、例えばカーエアコンなんかの場合、かなり機種とかそういうものがある程度統一性があるんだけれども、私どもが前の検討会でいろいろ聞いたところでは、業務用の冷凍空調機については、大きさとか機種とかが非常に幅が広くて、ある程度前にそういう価格を設定するということ自身が非常に難しいとか、そういう技術的な問題が大変出てまいりました。そこで、すぐその点についての統一的な見解に達するのは難しいということがあったので、一応第二次へのステップにちょっと置いたという、そういう事情があるということもつけ加えさせていただきます。ですから、これはあくまでも最終的な報告書というよりも、まずこれでベストを尽くして向上を図りましょうと。もしそれが十分でなければ、さらに第二次を考えると、そういうスタンスでございます。

○須藤部会長 ご追加のご説明、どうもありがとうございました。
 見逃しましてごめんなさい。では浦野先生、どうぞ。

○浦野委員 私も小委員会に参加させていただいたので、もう一度補足の説明を事務局からやっていただきたいんです。先ほど、浅野先生、あるいはほかの先生方から、非常に悪質な、これを守らない事例が出た場合に、8ページに行政による担保措置というのが書いてあるわけですが、従来からの法律ということと、それから、今度新しく改正して強化する場合を含めて、その悪質な場合にどういう措置が行われるかということを、もう一度ご説明を補充していただいた方がいいんじゃないかなと思います。

○須藤部会長 それでは、今の浦野先生ので、悪質なという断りがあるんですが、どういう法的な規制があるのかということです。

○榑林フロン対策室長 そうしたら、お手元の8ページの図をごらんいただけたらと思います。現行法におきましては、フロン回収業者であるとか破壊業者といった行政の登録なり許可を受けたような人間に対して都道府県知事の指導、助言等がございますけれども、新たに機器の廃棄者に対しても指導や助言ができるようにすべきじゃないかというご提言が一つと、それがなされなかった場合、あとは行程管理制度がきっちり行われなかった場合に関して指導、助言、それでもうまくいかなかった場合について、どのような罰則なり措置をとるかということにつきましては、法務省を初めとする関係省庁とも今後話し合っていきたいと思っております。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、第1の議題につきましてまとめをさせていただきたいと思います。
 富永小委員長を初めとして、小委員会の皆様には、大変短期間の中に何人かの先生からお褒めの言葉をいただいたほど立派な報告書をつくっていただきまして、まずお礼を申し上げたいと思います。たくさんの先生方からご意見をいただきましたが、答申の内容を変更しなければならないというような議論は多分なかったと思います。ご質問もたくさんありましたしご要望もありましたが、そういうものだと、こういうふうに理解をいたしました。本日のご意見は、環境省にも十分配慮していただくということは当然でございまして、本報告をもって中環審の答申とさせていただきたいと思いますが、それでよろしゅうございましょうか。
 特に意見がございませんが、これをもって中環審の答申とさせていただきます。どうもありがとうございました。
 そういうことで、あとの報告のことの手続は、会長に報告するというようなこともございますので、その後の取り扱いについては私に一任をさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 少し予定が早かったんですが、25分から再開ということでどうでしょうか。あの時計は少し進んでいるようですので、浅野先生の時計でやりますので、25分まで休憩をさせていただきます。次は第2の議題です。少しお休みください。

午後 4時17分 休憩
午後 4時24分 再開

○須藤部会長 どうもお待たせいたしました。
 それでは、次の議題、京都メカニズムの活用のための法制度の整備等についてということで審議をお願いしたいと思います。
 まず、政府として京都メカニズムを用いてクレジットを取得するための必要な国家登録簿を法制化するに当たり、法的論点について大塚委員を座長といたします法律専門家による検討が行われてまいりましたので、大塚委員からまずご説明をお願いしたいと思います。なお、またあわせて事務局から法案の検討状況や予算措置についてもご説明をお願いいたします。
 まず大塚先生、お願いいたします。

○大塚委員 恐れ入ります。報告をさせていただきます。
 京都議定書に基づく国別登録簿のあり方に関する検討会というお手元の冊子のものを取りまとめるに当たりまして座長をさせていただきましたので、若干の時間を使わせていただきましてお話し申し上げたいと思います。
 昨年の2月に京都議定書が発効いたしまして、昨年の4月には京都議定書目標達成計画が策定されまして、その中で最大限国内対策を講じても、我が国に課されたマイナス6%の目標を達成するために、なお不足する1.6%分、約1億COトンの分につきましては、京都メカニズムを活用して海外からクレジットを調達するということとなりました。クレジットが実際に発生いたしまして日本国内にも入ってくるということがございますし、政府としてクレジットの取得を安定的に実施する必要があるということがございますので、京都メカニズムを安定的に運用するという必要が高まっております。そのために、制度を法制化するということが喫緊の課題になっているということでございます。
 京都議定書の約束を達成するために、削減義務のかかっている各国におきましては国別登録簿というものを整備することが義務づけられておりますが、我が国におきまして国別登録簿制度を法制化するに当たりまして、その整備に必要な法的論点について検討するために、この京都議定書に基づく国別登録簿のあり方に関する検討会というようなものが設置されたわけでございます。この検討会は、昨年11月以降、3回の会合において法的に検討しなければならない論点を抽出いたしまして、それぞれの論点について検討を行いました。その検討結果をまとめたのが、お手元にある検討会の報告、資料2-1でございます。
 それでは、この報告の要点を説明申し上げたいと思います。
 まず、2ページの第1章におきましては、クレジットという概念について整理しております。クレジットといいますのは、京都メカニズムを利用して各国が温室効果ガスの排出枠をやりとりするために創造された概念でございますが、国だけではなく民間法人もその取引に参加することができるという点に特色がございます。来年早々には我が国においても、このクレジットが実際に入ってくる予定となっております。
 次に、4ページ、第2章に移りたいと思います。第2章におきましては国別登録簿システムについて説明しております。クレジットの取引は、コンピューターネットワークを用いて電子的に行われるところに特色がございます。クレジットには偽造防止の観点から1トンごとにシリアル番号が付されておりまして、償却はされない、電子的に流通するものでございます。
 次に、5ページの第3章に移りたいと思います。第3章では、国別登録簿制度の法制化の必要性と、その方向性についてまとめております。クレジットというのは新しい概念でございまして、既存の民事法体系における位置づけというのは明確ではありません。そのため、クレジット取引に携わる民間事業者などからは、その法的な位置づけを明確にして、その保有や取引について法的な予見可能性を高めるよう要望がふえております。また、政府におきましても安定的にクレジットを調達する必要がございますので、その調達の安全性が法的に担保されることが必要でございます。こういった要請から、クレジットの取引に係る法律関係の明確性、そして取引の安全を確保する観点が必要となってまいりまして、その観点から既存の民事法体系に依拠することを基本としながら法制度を創設すべきであるというのが、ここにおきます結論でございます。そして、その際には、クレジットの取引が国際的に活発に行われるということにかんがみまして、国際調和の観点から日本だけが突出した制度にならないということ、そして、法人の間のクレジット取引を発展させ、健全な市場を育成するために、法人に過度の負荷を強いることがあってはならない、そういう配慮が必要だということについても合意を得たわけでございます。
 次に、6ページに移っていただきたいと思います。第4章、6ページにおきましては、クレジットの法的性質についての検討結果をまとめております。一番上の枠囲みにございますように、クレジットの法的性質につきましては、無体物ではあるけれども、動産に類似した性格を持つものと観念する。これが今後の国内の立法、それから裁判における基本的な準則であるという整理をする必要があるということが確認されました。しかしながら、既存の民事法体系との関係とか国際調和の観点にかんがみまして、現時点において積極的にクレジットを動産とみなすことを法令上明示する意義は小さいという結論も得たわけでございます。この点は将来にゆだねるということにした方がよいのではないかということでございます。
 次に、10ページ、第5章に移っていただきたいと思います。第5章におきましては、クレジットの取引の安全の確保についての検討結果をまとめております。政府が国別登録簿を整備・管理し、その国別登録簿にクレジットの保有とか取引に必要な国や民間事業者の口座をつくるべきであるということ。それから、国別登録簿におけるクレジットの記録について、譲渡の効力発生用件とすべきであるということ。さらに、クレジットの記録の申請手続について必要な規定を整備しなければいけないということ。また、クレジットの記録のあるものについて、そのクレジットの保有の推定を働かせるということなどを結論として得ております。このクレジットの記録のあるものについて、そのクレジットの保有の推定を働かせるという点、さらに、善意者によるクレジットの取得を認めるという、いわゆる善意取得を認めるという点、これらは、このクレジットの取引の安全というのを確保する必要が高いということから結論として得たというものでございます。
 次に、13ページ、第6章に移っていただきたいと思います。第6章では、今後の課題としてクレジットに対する他国の法律の適用可能性について言及しております。このクレジットは、CDM等も含め海外との間でやりとりされるということがございますので、他国の法律の適用可能性というのは全く否定するわけにはいかないということがございますけれども、クレジットに関してなされた他国の立法がクレジットとかクレジットの取引についてどういう影響を及ぼすのかということについては、残念ながらまだ国際的に議論が成熟しておりません。したがって、その議論の成熟を踏まえながら、今後我が国においても検討すべきであるという結論を得たわけでございます。
 このように、本検討会における検討によりまして、国別登録簿の法制化に当たって法的な観点から検討すべき当面の課題につきましては、すべての論点を抽出し、必要な整理ができたと考えております。
 まずはクレジットが実際に発生し、国内にも入ってくるということ、それから、政府としてクレジットの取得を安定的に実施する必要があるという要請があることから、国別登録簿制度を喫緊に法制化するということが必要であると思います。なお、実際のクレジットの取引が開始された後で、国際的な動向とか搬出量の増加などの状況に応じて制度の見直しが必要となる可能性はございますが、その場合には、その必要性が生じたときに検討を行えば足りるというふうに考えております。
 以上でございます。

○須藤部会長 どうもご説明ありがとうございました。
 それでは、続いて梶原課長からお願いいたします。

○梶原地球温暖化対策課長 それでは、資料2-2、2-3を用いまして、今、政府内で考えております法制度につきましてご説明申し上げたいと思います。
 ちょっと後ろの方で恐縮でございますが、後ろから3ページ、一番後ろのカラーの部分がなくなった白い部分でございますが、白い部分を後ろから3枚めくっていただきまして、4というページがついているところがございます。これが昨年当審議会からいただいております答申の抜粋でございます。この4ページの一番上の丸の方をちょっと見ていただきたいんですが、中央環境審議会からは、「政府によるクレジット調達制度」を可能な限りの早期、すなわち2006年度から導入することが不可欠であり、その旨を京都議定書目標達成計画に掲げて計画的に取り組みを進めるようにというふうな答申をいただいております。
 さらに、後ろのこの同じ白いところの7ページでございます。これはちょっと太い字になっておりますが、これは京都議定書目標達成計画の抜粋でございます。京都メカニズムの本格活用ということで、線をちょっと引かせていただいておりますけれども、「2006年度からの実施を目指して関係府省で連携して検討し、必要な措置を速やかに講ずるものとする」と、こういうものを受けまして検討したわけでございます。
 それでは、表の方に戻っていただきまして説明を続けさせていただきたいと思います。大部な資料でございますので、ちょっと走りながら、はしょりながら説明させていただきたいと思います。
 ページは右肩の方に打ってありますので、ちょっと見にくいんでございますが、まず4ページを見ていただければと思います。
 京都メカニズムの意義というところでございますが、既にご存じのように、京都メカニズムにつきましては、温室効果ガスがどこで削減されても同じである、あるいは、逆に言うと、どこで発生しても同じ悪影響を及ぼすということで、削減コストの低いところで削減するのが費用対効果が高いという基本的な考え方から整理しているシステムでございますが、例えばCDMの場合は、途上国の持続可能な開発に資するとか、あるいは先進国の削減目標達成に算入可能であるとか、あるいは、限られた資金で大きな削減が可能であるといったようなことでございます。また、技術移転ということで、先進国の民間企業を通じた技術移転が可能であるということが特徴であろうかと思っております。
 それで、1枚めくっていただきまして6ページでございますが、もう既によくご存じのとおり、京都メカニズムについては、クリーン開発メカニズムと共同実施、国際排出量取引、この3点がございます。詳細については省かせていただきたいと思います。
 その次、1枚めくっていただきまして9ページでございます。制度全体を運用するに当たりまして、また、前回の答申でもこういう考え方をいただいておるわけでございますが、私ども、京都メカニズムを活用するに当たりまして幾つかの原則、考え方を掲げております。一つは補足性の原則というとこで、国内対策に対して補足的であるという考え方を踏まえるということと、具体的な排出削減努力に裏打ちされているというクリーン開発メカニズム、あるいは共同実施を中心とした活用をするということ。それと、国際排出量取引の活用については慎重なスタンスをとる。特にホットエアというものについては活用しないとか、あるいは、この分野で活用する場合は、排出枠の売買代金が環境対策に使用されるという条件で行いますグリーン投資スキームというものに限って当面は活用していくんだというふうに考えております。
 恐縮でございますが、また1枚めくっていただきまして11ページでございます。クレジットの予想価格の現状と見通しということでございますが、できるだけ費用対効果の高い運用の仕方をしたいというふうに考えております。価格の情報は非常に重要な情報でございまして、現在いろいろな調査、世界銀行とかナットソースの調査によりますと、COトン1トン当たり5ドルから6ドルということで取引をされている。2010年の予測につきましては、非常に低いものから高いものまでいろいろな予測が出ておりますけれども、大体平均をすれば10ドルとか11ドルになるだろうというふうに言われております。これは、この下にもございますように、プロジェクトの持っているいろいろなリスクに応じて価格が変わってくるということでございます。
 それで、また1枚めくっていただきまして13ページでございますが、これは、今回法的に措置をするということでございますが、世界では、EU指令に基づきましてEU各国が法制度を使っておる。これは基本的にはEUETS、EUの排出量取引に基づく法律でございますが、あわせて京都メカニズムから出てきますクレジットが使えるということで連携していることになっておりますので、両方カバーしている制度をつくっておられる。また、EUに入っていない国、ニュージーランドにおきましても法制度化をしているということでございます。
 それで、14ページをちょっと開いていただきたいんですが、今回、法制度としてどういうものを考えているかということでございます。まず地球温暖化対策推進法の改正で、先ほど大塚先生からご説明いただきました国別登録簿、ここでは割当量口座簿というふうに名前を変えておりますけれども、それをしっかり法律に位置づける。また、実際に海外からクレジットというものを調達するわけでございますけれども、それに関係をされるような民間の方々の口座というものを、しっかりこの登録簿の中に位置づける。あるいは、全体の運用方針をどうするかということを温対法で対応し、実際の政府の取得に当たりましては、この下の方にありますように、政府から委託をいたしまして独立行政法人のNEDOに調達をしていただくということでございます。
 15ページでございますが、じゃ、実際どういったような地球温暖化対策推進法の法改正を行うかということにつきましてご説明申し上げたいと思います。まず、京都メカニズムについては今の温対法の中に定義がございませんので、改めてこのクレジットを認証し、CDMから出てきます認証排出削減量等のクレジットを定義をするということでございます。2番目が、国として京都メカニズムの活用のための措置を講ずるということを規定いたします。3番目は、京都議定書目標達成計画に京都メカニズムの活用のための基本方針というものを法定化いたしまして、実際に目達計画の中で、政府の調達方針とか、どういうクレジットを優先してやるかといったようなことを明確にしたいと思っております。4番目は、割当量口座簿、先ほどの国別登録簿と同じでございますが、それを法定化するとともに、その口座簿上で行われます移転の手続を法定化をすることに考えております。また、あわせて、この一番下の[4]でございますが、先ほど大塚先生からご説明いただきましたクレジットの譲渡が口座簿の記載をもって効力を発生するといった口座簿上の記載の法的な性格でありますとか、あるいは、実際の取引が安定的に行われるような規定を置かせていただくことを考えております。
 それと、ちょっと飛んで18ページをお開きいただきたいと思います。18ページは、地球温暖対策推進法とあわせまして、NEDO法と石特法の一部改正もあわせて行うことを考えております。これにつきましては、まず、政府によるクレジットの取得の構築に当たりましてNEDOに委託をして行うということで、NEDOを実施機関とするための業務追加をNEDO法で行うということと、それに要します費用につきましては一般会計からも至便するわけでございますけれども、石油特会からも至便をするということで、石油特会の用途の一部にこれをつけ加えるということを改正するつもりでおります。
 19ページに図がございますが、これが具体的な手段としてどういう形を取得するかということでございます。NEDOがプロジェクト実施者と契約をいたしまして、実際にクレジットを入手するわけでございますが、プロジェクトが実施されましてから、実際にクレジットが発生するまでに時間がかかりますので、長期契約ができるように国庫債務負担という特例もあわせて設けることにしております。今後の予定でございますけれども、今、NEDO法及び石特法の改正が予算関連法ということでございまして、2月上旬に閣議決定できるように、今政府部内で調整をしているということでございます。
 以上でございます。

○須藤部会長 どうもご説明ありがとうございました。
 それでは、先ほどの大塚先生と、それから今の梶原課長のご説明につきまして、ご質問なりご意見なり、多分おありだろうと思いますので、どうぞ先に立て札をお立てください。順番にまいりますので、ご質問、ご意見、いかがでしょう。
 じゃ、今度はこっちからいきましょうかね。それでは、先ほど原沢先生の方からいきましたので、佐和先生の方からまいります。お願いいたします。

○佐和委員 このページ数は何ページになるのかな。カラーのやつの6ページのところに、共同実施、クリーン開発メカニズムというふうに書いていますね。ところが、この図で見る限りでは、要するに右側の国が先進国Bであっても途上国Bであっても、黄色と緑と色が違っているだけで、この図式自体は全く同じですよね。そして、これはちょっとミスリーディングだと思うんですね。といいますのは、JIとクリーン開発メカニズムのどこがどう違うのかといいますと、JIの場合は先進国Bから排出量というか、排出権が先進国Aの方に移転するということになるわけですね。逆にCDMの場合は、つまり先進国が排出できる量がそれだけふえるということになるわけですね。ですから、大塚さんの方でも、クレジットというのをCDMとJIの両方について使っていますけれども、JIの場合はむしろ排出量といいますか、排出権の移転であるというふうに考えて、CDMのときには新たに発生するということで、ちょっとそこのところで意味が違う。もともとクレジットと言っていたのがCDMに関してのみ言われていたんじゃないかなという気がするんですけれども、その辺の歴史的経緯等について教えていただきたいと思います。
 それからもう一点、先日、中国でCDMに関する中日のCDM可能性会議か何かよくわかりませんが、そういうような会議があって、1月ですけれども、それにちょっと顔を出したんです。そのときに、中国は国内でCDMについて法律をつくっているわけですね。ちょっと我々の理解と違うなと思ったのは、要するに、投資した企業は、そこで発生したいわゆるクレジットを買う権利を持つというんですね。つまり、技術やお金の代償としてクレジットが手に入るというのではなくて、それを買う権利はあなたたちにはあるんですよということで、「えっ」という感じがしたんですけれども、その辺について詳しい事情をご存じだったら教えていただきたいと思います。
 以上です。

○須藤部会長 ありがとうございました。
 またまとめて事務局、あるいは大塚先生にお願いしますが、天野先生、それでは続いてお願いします。

○天野委員 簡単なご質問があるんですが、この報告書の方ですね。黄色い表紙の、これの6ページの上の囲みがありまして、「クレジットを動産とみなすことを法令上で明示する意義は小さい」という、こんなご指摘があるんですが、この点は、例えば米国の二酸化量取引、これはずっと以前からやられていますが、そういうときの扱いとか、それから、先ほどからお話しになっておりますEU等の扱いが、こういう問題についてどういうふうにしているのか、多分お調べになっているだろうと思うんですけれども、ここに書いてあることと同じなのか、違うのか、そのあたりの説明がもしできればいただきたい。
 それから、同じようなことで、13ページの他国の法律の適用可能性という話が出てきます。これもEU等では、新しくEUに加盟する国も含めてこういう問題に直面しているわけですから、そこでどういうふうに扱われているのか、そのあたりも教えていただきたいということです。
 それから、こちらの資料の2-2の15ページ、4というのがあります。一番下の黄色い囲みですが、4の[3]、[4]ですね。ここはクレジットの民間の移転が行われるんですけれども、何かここだけを読んでおりますと、大変ややこしい仕組みで取引が行われるような感じがしまして、取引コストが非常に高くつくんじゃないかというような感じがするんですが、そのあたり、いかがでしょうかということです。

○須藤部会長 ありがとうございました。これもまとめて後でお願いいたします。
 それでは、川上委員、小林委員と続けてまいります。じゃ、川上先生の方からどうぞ。

○川上委員 ありがとうございます。今回、京都メカニズム活用のための法的なインフラを整備するという方向になったこと自体は歓迎したいと思います。時間的な余裕もそれほどないわけですし、そういう趣旨で、できるだけ早く法律ができて京都メカニズムが動き出すということは、我が国にとって非常に大事ではないかと私は思っております。
 ちょっと質問なんですけれども、やや技術的な話と、それから政策論的な話と両方あるんですが、先ほどご説明いただいた14ページだったと思います。国別登録簿のむしろ中身の方の話に関係するんですが、一つは、国の口座というのができて、それから民間事業者の口座というものも別途あるということで、最後は国の口座に入らなければ国のクレジットにはもちろんならないということなんだろうと思うんですが、その関係で一つは、民間の事業者がここに登録することのメリットというのは、それはわかります。国に移転してあれももらうということでわかるんですが、その点は何か一種の義務みたいに法律的にはなるんでしょうか。それとも、そこは登録を自由にすると、いろいろな考慮から登録しないということももちろんあるんじゃないかと思いますけれども、その辺、ちょっと確認させてもらいたい。
 それから国の方ですけれども、今まで国の財政面の出動という観点から言えば、プロジェクトの形成等の補助金を出したり何かすることで国が関与してきたと思いますけれども、これからはもうちょっとダイレクトに、これはODAであるかないかは別として、国の無償供与、いわゆる直接的な財政出動によって途上国のプロジェクトを助けるというようなことも、場合によってはというよりも、かなり必要になってくるんではないかと思います。その辺の政府内での今の議論の現況みたいなもの、つまり、イメージとして国自身が出動するものと、民間事業者を当てにすると言ってはちょっと語弊がありますけれども、その辺のことをどういうイメージで政府内では議論しておられるんだろうかということについて、ちょっと伺わせていただければありがたいということでございます。

○須藤部会長 ありがとうございます。
 続いて小林委員、どうぞお願いいたします。

○小林委員 ご説明いただいたシステムについては大変理解ができたんですが、その理解の上で気になる点が何点かございます。
 これの色のついた資料2-2の14ページ、この流れを見ていて気になったことなんですが、1点は、民間事業者が京都メカニズムを運用して海外から取得をして、取得したクレジットを、この場合ですとNEDOに売ることによって、いわゆるビジネスとしてこれをやるというふうに理解をしたらいいんでしょうかというのが1点。そうした場合は、この民間事業者であるAとかBについては、自分の事業者としての削減努力にはカウントされない、つまりビジネスとしてしか運用されないということではないか。そういう場合、では、NEDOが直接海外からクレジットを取得していればいいのであって、民間がここに介在することによる手数料分、政府としてはロスになるんではないかという気がしました。
 それから、ここで出てくる民間事業者AとBの間に取引という図が書いてあるんですが、ここで民間事業者AとBの取引をする効果というか、なぜそういうことが起こるのかという点が今のシステムからいくと起こらないんじゃないかなという気がするんですが、どういう場合に起こるんでしょうかというのが2つ目。
 それから、3つ目は、実際にこれをやる場合に、政府としては最終的に1.6%を確保するのに費用としてはどの程度カウントする必要性があるのかという3点でございます。

○須藤部会長 費用としてですね。わかりました。
 それでは、続いて関澤委員、どうぞお願いいたします。

○関澤委員 ちょっと細かなところで、よくわからないので教えていただきたい。この報告書の12ページの一番下のところに、国別登録簿の情報の公表等についてというところで、一番下のところに、クレジットの保有量については、公正な取引を阻害するため、非公表であると書いてあるんですが、保有量がわからないで取引をするというのは、どういう……。何に基づいて取引ができるのかなというのがちょっとよくわからなかったのと、それからもう一つ、ちょっとこれは確認なんですが、この制度自体をこういった仕組み、国際的な枠組というのが2006年度中にスタートするかどうかということは、そこがちょっと確認の意味でもう一回。

○須藤部会長 スタートするかどうかということですね。わかりました。ありがとうございます。
 それでは中上委員、どうぞ。それから次で永里委員、お願いいたします。

○中上委員 ありがとうございます。先ほどのご説明で、後ろから3枚目の、やはり4ページというところにODAの活用についてとございますけれども、やはりODAの活用はだめなのかどうなのかということがお聞きしたいこと。と申しますのは、ここのところ、途上国に行ってまいりますと、需要に供給が追いつかなくて、供給サイドにはODA予算がふんだんにつくスキームがあるわけですが、デマンドサイドに対しては、なかなかこういうODAの予算がつかない。したがって、結局、先進国がたどってきたと同じばかな道を途上国も歩むことになる。要するに何が言いたいかというと、需要がふえれば供給で対応すればいい。供給側にはODAが使える。また基準がふえるから、またODAで供給をふやすというようなことをやれば、我々が通ってきたのと同じ道を通ることになるわけですね。これは最初からデマンドサイド、すなわち需要側を徹底的に承認していれば、供給側で対応しなくても十分運営できるというスキームが描けるわけですけれども、そこが旧来のODAだとなかなかうまくいかない。だから、そういう意味では、ODAの使い方を含めて、そういったポイントも考えていただきたい。
 とにかく最初からエネルギー多消費型に一度ビルトインしてしまいますと、省エネ型に戻るというのは大変なことであります。そこは日本がたどってきた道ですし、アメリカはいまだにそれでにっちもさっちもいかないわけでありますから、いかに最初から省エネ型の社会をつくるかということについてやるべきであって、京都議定書以上に、ここ10年、20年の間に大変な資源エネルギー問題が起きるんじゃないかというふうに私自身は感じておりますので、非常にいいチャンスですから、CDMというビジネスをODAと絡めてやっていただけると、もっともっといろいろな可能性がある。それは単に日本が自分たちがやらないで逃げるという意味じゃなくて、アジア、あるいは世界のエネルギー問題についても非常に大きな意味を持っているんじゃないかと個人的には思っているものですから、ぜひご検討いただきたいと思います。

○須藤部会長 どうもありがとうございます。
 それでは永里委員、どうぞ続いてお願いします。

○永里委員 ありがとうございます。2点ありまして、1点は、佐和先生がおっしゃったのと同じで、私の同僚が中国に行ったときに、佐和先生のおっしゃったように、何か援助する側の方の権利みたいな言い方があったそうです。それについてちょっと解釈をお聞きしたい。
 それからもう一点は、ちょっと細かい話なんですが、本質的な話なんですけれども、この報告書の方ではなくてカラーの方の9ページに書いてあります、京都メカニズムの活用は、国内対策に対して補足的でなければならないというんですが、この補足的という意味を日本語で書いてあるわけですが、これの例えば英語の方はどうなっていて、そしてその英語の方の補足という意味が、例えば100%という概念のときに数%は補足なのか、50%まで補足なのかとかなんとか、その辺のことについてちょっと、オランダとか何とかのほかの例を含めてお聞きできたらと思います。
 以上です。

○須藤部会長 ありがとうございます。
 それでは福川委員、どうぞお願いします。

○福川委員 簡単に2つお尋ねしたいと思います。
 1つは会計上の処理です。排出権、あるいはクレジットの会計上の処理が国際的な共通ルールというような形の努力もなされつつあるやに聞いておりますが、会計上の処理がどうなっているだろうかというルールの問題をお尋ねしたいのが1つです。
 2つ目は、この報告書の方の本文の13ページで、他国の法律の適用可能性についてと書いてありまして、最後のところで、当然これしかやむを得ないかもしれませんが、「他国の立法が我が国の国内におけるクレジットに対する規律と矛盾する事態を可能な限り避ける形で国内法の整備及び解釈運用」という、この「可能な限り避ける形で国内法の整備及び解釈運用」というのはどういうことを意味していらっしゃるか、教えていただきたい。
 以上、2点の質問です。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは森嶌委員、どうぞお願いいたします。

○森嶌委員 今回の議論ではなくて、今までの議論でもよくあるんですけれども、京都メカニズムというのは、個々の企業の問題ではなくて国と国との問題でありまして、国が削減目標を持っていて、それに足らない場合には、削減目標を達成して余ったところに対してクレジットを取得できるかどうかという問題ですが、他方で、例えばEUの中でエミッショントレーディングをやっています。これは理論的には全然別の話なんですけれども、その辺がごっちゃになっているので、今のいろいろな質問があると思うんです。ですから、それは一応別に考えなければならないということです。その意味で、さっき佐和さんがおっしゃったCDMはそういう話じゃないものですから、CDMはクレジットをつくり出すものですから、個別に買ってきたら、それがそのままクレジットでありますけれども、国の場合には、あるところから一つの民間から買ってきても、その国としてクレジットが削減目標に達成しなければ、ある企業がうんと削減しても、そこから買ってきても結果的には何の意味もないということになるので、その点ではちゃんとその辺を区別しないといけない。先ほど小林委員がおっしゃった、この民間Aと民間Bとは取引ができるとかなんとかというような、これはその辺のところで、国としての問題の、クレジットを買ってきて国に売るのかどうかという、そういう問題の話です。ここは十分大塚さんなり、あるいは事務局なりがご説明いただかないと、皆さん、何となくその辺がごちゃごちゃになったまま議論を進めておられるのではないかと思いますので、そこを十分ご説明いただきたいと思います。
 私の方でこれはお願いですが、最近、EUは一丸となって、それぞれの国を従えてCDMなり何なりであちこちに出かけていって、先ほどの捕捉性も何もあったものではない。出かけていってやっております。これは商売と、それからそれぞれの国益というか、EUへ来てやっておりまして、うろうろしていると、日本の国が買いに行ったら高いものを買わされるということになります。その意味でNEDOが、これは実施機関というんでしょうか、そういう意味で、NEDOが国の機関として責任を負われるということは大変私は結構だと思いますが、ぜひともNEDOを中心にして──NEDOはニュー・エナジー・ディベロップメント・オーガニゼーションですから、我々の観念から言うとエナジーかなと思うんですけれども、植林も、その他全部京都メカニズムでかかわりがあるので、ぜひともNEDOに京都メカニズムにかかわるさまざまな業務を取り込んで、ここに環境省と共管と書いてありますけれども、環境省だけでなくて、ありとあらゆるかかわりのある行政機関、それからかかわりのある研究機関も取り込んで、NEDOが先頭になってEUと戦えとは言いませんけれど、気がついたら日本の取り分がなくなっていた、あるいは高いものを買わされるということがないように、NEDOの人がいたとしたらあれですが、ぜひNEDOに頑張ってほしい。NEDOはNEDOのためにあるのではなくて、日本国のためにあるということをお願いをしたいというふうに思っております。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは横山委員、どうぞ。お願いいたします。

○横山委員 3つ質問と意見を述べたいと思います。
 1点目は、京都メカニズムの道といっても、CDMと共同実施、それから排出量取引はかなり性格が違うわけですね。特にカラーの資料の方の9ページを見ると、国際排出量取引の活用には慎重なスタンスと書いてあるわけです。それを全部一緒くたに、この3つが同じだということで法整備を図って何も矛盾が出てこないのか。その辺を聞かせてください。
 それから、図表なんかもこのまま見ると、例えばホットエアの購入というのをできるだけやらないということですが、仮にどうしても間に合わないというとき、ホットエアの購入をやることになると思うんですが、それもNEDOを通じてやることになるのか。その辺を説明していただければというふうに思います。
 それから、これに関連して2点目は、先ほどの9ページに「国際排出量取引の活用には慎重なスタンス」というのは、新しく法律上も何かこういうような位置づけというものがなされるのかですね。これはもう慎重なスタンスというのは決まっているから、そこをやらなくても法的には何も問題ないのか、それが2点目です。
 それから3点目は、きょうのいろいろな説明を伺っていても、京都メカニズムの活用というような表現で3つを一緒くたにするのは、やはり無理が出てきて、CDM、共同実施と、それから排出量取引は分けて考えていかないと、かなり矛盾なり誤解が生じるんではないかというふうに考えます。
 以上です。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。
 大分たくさんのご意見というより、どちらかというとご質問が多かったかと思うんですが、ご要望もございました。これもやはり梶原課長の方から──やはり大塚先生が先の方がいいかな。では、大塚先生の方から総括的に、先ほど、もう少し理解を深めた方がよろしいんではないかというご意見もあったので、ちょっとご理解を深めるご説明をお願いします。

○大塚委員 ありがとうございます。
 私の関連するところだけ答えさせていただいて、申しわけないですけれども、あとは梶原課長の方にお願いすることになると思いますが、よろしくお願いします。
 まず、佐和先生からの第1の質問で、今、横山委員からの質問とも関係しましたし、ほかの方々もそういうのがあったと思いますけれども、京都メカニズムについては3種類あるんだけれども、みんな一緒にするのはどうかということです。確かに環境法上とか環境政策上の意味というのは違うということはあるんですけれども、きょう私がここでお話ししたり、あるいは今度法案で出される制度というのは、まさに手続的な制度でございまして、実態的なものをお話ししているわけではない。ただ取引のところだけはピックアップしたものだということ。そういう意味で、余り価値を持っていないニュートラルなものだということでございます。
 さらに関連して申し上げておきますと、国際的な取引の制度につきましても、さらにEUのものはEUのもので、ちょっと独自であることは森嶌先生のおっしゃるとおりなんですけれども、EUのものにおきましても、このCDM/JIと、それからETですね、排出枠取引は、すべて一律に扱われているということも申し上げておきたいと思います。背後には費用効果性を高めるという、最初の費用でCO等を減らしていくという観点があると思います。いずれにしても、この点は手続制度をつくるということだけを申し上げているだけで、実態的な話ではないということは強調しておきたいと思います。
 それから、佐和先生のご質問で、永里委員の方からもあった点です。これも梶原さんの方がお詳しいと思いますけれども、中国はCDMに関して少し違った考え方を持っていることは確かにそうです。CDMというのは、これはもともとの京都議定書での話ですけれども、途上国の国内の法律に従って、例えば日本国の企業と途上国の企業等々が契約をして、その分け前、クレジットの配分については契約で決めるということですので、途上国の国内法に影響されてしまうということが当然ございまして、それは途上国の国内によって各国で残念ながら違ってくるということがございます。この点は、実際にプロジェクトをなさる方にとってはどうなのかという問題があるというのも私も認識していますが、現状を申し上げると、そういう状況になっているということで、中国は先ほどおっしゃってくださったような考え方をどうもとっているということがあります。
 それから、天野先生のご質問についてですけれども、アメリカのSOの取引については、アメリカでは、これは国内の排出権ですけれども、財産権ではないという扱いをしています。それは、財産権だとすると、排出権が取引される期間というのが一定期間に限られているということですので、その一定期間たった後に残ったものについて補償しろというようなことを言われると困るということを政府は考えたようでして、財産権でないという扱いをしております。
 一方で、国際的な排出枠取引とか、CDM等の国際的なクレジットにつきましては、これは権利ではないけれども権限であるというのがマラケシュ合意の考え方で、エンタイトルメントだという扱いをしています。EUのETSについても基本的には権限だということで、ドイツの国内法においてはまさに権限だというふうに書いてありますが、イギリスなどでは権利だというふうに扱いも受けているようで、マラケシュ合意ではエンタイトルメントというのが決まっていることでございます。
 そういうふうに、財産権かどうかということについても、アメリカのSOとCO等の温室効果ガスの排出枠取引とは基本的には別に考えざるを得ないですけれども、別に考えた上で、財産権かどうかということについても明確な考え方があるわけではない。エンタイトルメントだというのがマラケシュ合意の考え方でして、そういう点で、先ほど動産類似だということを申しましたが、財産権ということを条文で明示するというところまではいかがなものかというのが今回の検討会の結論でございます。
 それから、天野先生からまた、ややこしくて取引費用がかかるんじゃないかという話です。これは具体的な制度については課長に答えていただければと思いますけれども、手数料とかを例えば安くするということも考えれば、取引費用は余りかからないような仕組みにできるのではないか。先ほどのカラーの方の15ページにあるような仕組みというのは、これはできるだけ取引の安全を考えている制度でして、善意取得とか、あるいは譲渡によって効力が発生するというのは、まさにできるだけ余計な問題が出てこないように配慮して、取引の安全を考えて取引費用を安くしようという趣旨でございます。
 それから、川上委員のご質問でございますけれども、民間の口座について登録することについて義務かということです。これは義務ではなくて任意だということだと思いますが、これはまだ新しい制度の話ですので、課長に後でお答えいただければ幸いでございます。
 それから、小林委員のものは私がお答えするものではなかったと思いますので、関澤委員のご質問です。12ページの各口座の保有量については出さないということなんですけれども、これは実はEUの域内の指令におきましてもこういう考え方が出されております。これは今、その企業等が持っておられるクレジットの保有量というのは公表しないというだけのことでして、これによって何か取引をする上で不都合になることはまず余りないということです。何が公正な取引を阻害するかというと、現在これしかないから、あの企業は絶対に買うはずだとかいうことが外から見るとわかってしまう。あの企業はどのぐらい足りないということとか、どれだけ買う必要があることになるだろうとか、そういうことが例えばわかってしまうようなことが将来的に考えられないわけではないということがございまして、とにかく企業の現在の保有量を外に出すというのは、その企業にとって余りよくないのではないかということがございます。しかし、これはかなり将来的な課題も含んだ問題ではないかと思っております。
 それから、中里委員の第1の質問は、先ほどの佐和委員に対するお答えと同じですので、そこでかえさせていただきます。
 それから、福川委員が聞かれた、13ページの可能な限り避ける方法でということです。これは国際私法の問題になるのではないかと思われるわけでございますけれども、国際私法の問題に仮になるとすると、先ほど申し上げた動産類似だというふうに考えれば、発行国の法律ではなくて目的物の所在地の法律というのが適用されるということになるので、これは日本で流通されている限りは日本の法律の適用があるということで問題ないわけです。けれども、債権だというふうに仮に考えるとすると、債権については法令という日本の法律がございます。国際私法を扱っている法律ですけれども、債権だということだと発行国の法律の適用があるということになってしまいますので、何か例えばCDMを発行した国があって、そこでいろいろな問題があったというようなときとか、あるいはその後いろいろな問題が起きたというときに、日本で今流通しているものでも発行国の法律を見なくてはいけないというようなことになってくると、途上国のどこかから出てきたCDMかわからないというようなことに例えばなると、途上国の法律を調べるのかというようなことになって、余り合理的かどうかもそもそもよくわからないというようなことがある。その辺の感覚が、ここの避ける形でというもののニュアンスでございます。ただ、ここに書いてありますように、この点についてはまだ議論が全く煮詰まっておりませんので、将来の課題にしておきたいということでございます。
 それから、森嶌先生がおっしゃった、民間取引と国に買ってもらう取引とは全然意味が違うというのは、まさにそのとおりでございます。民間の取引は何のためにするのかというのは、とりあえず今の状況では、恐らくCDMのクレジットとかJIのクレジットとかが将来上がるかもしれないので、それを持っていて取引を民間でもなさるというようなことではないかと思いますけれども、それ以外にどういう意味があり得るかというお話は梶原課長にお任せしたいと思います。政府に対して買い上げてもらうというのは、まさに環境関係では非常に大きな意味があることですけれども、民間で取引されるというのは、今申し上げたようなことが当面考えられるのではないかと思っております。森嶌先生がおっしゃった、NEDOについて高いものを買わされることがないように注意してほしいというのは、私もまさにそのように思っておりまして、さっき、今は5ドルか6ドルだけれども、将来は10ドルかというようなCDMについての値段がありましたが、できるだけ早く買って、国民に対して不合理な負担にならないようにしていただきたいと思っているところでございます。
 以上でございます。

○須藤部会長 大塚委員、ご説明どうもありがとうございました。難しい部分が結構課長の方に残っちゃった部分もありますが、一通り、重複があってもよろしいので、あるいはちょっとニュアンスが違うご回答があるかもしれませんが、梶原課長の方から順番にお願いいたします。

○梶原地球温暖化対策課長 かなり大塚先生の方からお答えいただいたので、少し不十分かもしれませんが、私なりに残ったものをご説明したいと思います。
 まず、JIとCDMは違うよというお話がございました。これは、おっしゃるとおりに、JIとCDMはプロジェクトを介して行う。つまり、いずれにしても排出削減があるんだということでは同じでございますが、JIは、もともと持っている枠をそのプロジェクトで動かす。したがいまして、ロシアで例えば日本がプロジェクトを行ってやった場合には、ロシアの枠が減って、その枠が日本に移転されるという意味で、トータルの枠がふえない。ただ、CDMにつきましては途上国で対策をとりますので、そこから生まれた枠は、京都議定書があらかじめ先進国に割り当てた枠の外に生まれるという意味で、本質的な大きな違いがございます。
 もう一つ、排出量取引とJIのことは、排出量取引も、これはプロジェクトを介さないわけなんでございますけれども、あらかじめ先進国に与えられた枠を移動するという意味。つまり、世界総体としては枠がふえないという意味ではJIとの類似性を持っているということで、三者が違います。
 それで、クレジットという言葉をCDMにしか使わないんではないかということでございますが、国際交渉等におきましては、京都議定書の採択以降、京都メカニズムが一括してずっと5年も6年も議論されております。その中で京都クレジットという言葉がある日突然出てきたということがありまして、その中では、みんな余り区別をして使っていなかったんではないかと私は個人的に認識しております。
 中国の件につきましては、先生の方からご説明いただいたので、これはちょっと省かせていただきたいと思います。
 天野先生から、取引コストが高くなるんではないかという話がございましたし、また、全体としてどれぐらいお金がかかるんだということのご質問もございました。先ほど、現在は世銀の関係で5ドルから6ドル、将来的には10ドルから11ドルというお話もしました。仮に1トン1,000円であると仮定いたしますと、全量が1億トンでございますので、1,000円といたしますと1,000億かかる事業でございます。ただ、1,000億と申しましても、これは2013年ぐらいまでかけてやるということでございますから、都合8年ぐらいかかってプロジェクトを調達するわけでございます。その全体のコストが例えば1トン1,000円としますと1,000億かかるということでございます。
 それと、川上委員から、登録簿に民が口座を持つことのメリットは何かということでございます。

○川上委員 メリットはわかるけれども……

○梶原地球温暖化対策課長 すみません。義務かどうかということですね。失礼しました。

○川上委員 大体はわかりましたけれども。

○梶原地球温暖化対策課長 じゃ、これは次にいきたいと思います。
 財政の直接出動の話がございました。既に先生ご存じのとおり、京都議定書の実施ルールを議論したときに、ODAというのは途上国の方から、基本的にはベーシックヒューマンニーズなんかに使ってもらうので、クレジットを持つような先進国にそういう形でメリットという話はちょっと困るよという話がございまして、国際的な合意はODAの流用にならないようにしてくれということになっている。何がODAの流用であるかというのは、まだ議論があると思います。例えばCDMの場合は、例えば投資国とホスト国の両国の間で、それは流用に当たるかどうかというのは個別判断がなされるんだと思っております。ただ、ODAをプロジェクトの本体に使った、あるいはクレジットを買う方に使ったというような両方とも、CDM理事会で具体的には審査を受けたケースがまだございません。したがいまして、両国の意向と、これからのCDMの理事会の議論の中で、大体の解釈といいますか、そういったものが決まると思いますし、また、それを踏まえて締約国会議の中で議論されるということになるんではないかと思っております。
 それとあと、小林委員の方から民間という話がありました。ビジネスでやるのか、みずからの努力の部分という形で使うということはないのかということでございます。それとあと、民間がやる意味がなくて、もしも商売でやらされるんだったら、NEDOが直接やればいいんじゃないかということでございました。ここに書いてある絵自体は、ちょっとわかりやすさを優先して、このページ14でございますけれども、国内の方からNEDOが調達するように見えますけれども、実際のNEDOの調達は公募で調達することを考えておりまして、例えば日本の民間の企業の方々が持っておられるクレジットを調達する場合もございますし、また、外国で保有されているものを調達する可能性もございます。逆に、民間の方の目で見ますと、当然ながら先ほど大塚先生からおっしゃられましたように、国が買ってくれるであろうということで調達する方もいらっしゃいますけれども、例えば自主行動計画の中で対策をとるんですけれども、足らない部分は京都メカニズムを活用したいといったような自主行動計画になっている部分もございます。その部分につきましては、みずからの約束を達成されるためにクレジットをお使いになれるというケースも当然想定されている。そういう場合は、私どももクレジットについては、みずからでやっていただくやつは無償で国の方に移転させていただけるんじゃないかと思っております。
 それと、関澤委員の方から、これは2006年度中にスタートするのかどうかということでございますけれども、これにつきましては、現在、すべてのクレジットの移動は登録簿上で行われることになっております。登録簿につきましては、どういう動きをするのかということで、カラー刷りのものの16ページがございますが、例えばCDMでクレジットが生じた場合でも、条約事務局の登録簿から関係する国の登録簿に移転されるわけでございますが、現在まだ条約事務局の登録簿がきちんとでき上がっておりません。私ども、日本として、例えば左の先進国Bが日本でございますと、そういったクレジットの登録簿をコンピューターシステムで持つわけでございますが、これがリンケージして初めてワークするシステムになっております。実際の条約事務局と我が国のシステムのリンケージのチェックをするのはことしの秋を予定しておりますので、年内はちょっと難しいかもしれませんけれども、年度明け、あるいは年明けぐらいには実際に動けるようになるんではないかと思っております。
 中上先生の方のところでODAの話が一つあったということと、あと、供給側とデマンドサイド、需要側の話がございました。これにつきましては、まだまだ現在認められるCDMの形式が、わかりやすい事業、方法論のみがCDM理事会で承認されて、余りはっきり削減量がクリアカットに示せない難しいものについてはこれからの課題だと思っております。いろいろなタイプのCDMが認められるように交渉してまいりたいと思っております。
 中里委員の方から、補足的という議論がございました。これは英語ではサプリメンタルということでございます。サプリメンタル・トゥー・ドメスティック・アクションズとたしかなっていたと思います。それで、ではその数値はという話については、国際的にはこれが明確に何%という合意はございません。
 福川委員の方から、会計上の整理はどうなっているんだということでございます。会計上の整理として国際ルールの話については、全体的な大きなことについては、ちょっとよく承知しておりませんけれども、少なくとも我が国においてはクレジットは資産として計上するということになっております。
 あと、森嶌先生の方からは、一丸となってしっかりやるようにということでございます。そのように努めていきたいと思っております。
 あと、横山委員の方から、3つの京都メカニズムの種類を法制的に一緒に扱っていいのかということでございますが、法律制度といたしましては、クレジットの移転──先ほど大塚先生の方から移転という形の方で整理をしますけれども、実際にどういう形でそれぞれ活用するかという方針につきましては、京都議定書目標達成計画の中でしっかり書き入れてやっていきたいと思っております。
 以上でございます。

○須藤部会長 梶原課長、どうもご説明ありがとうございました。
 まだおありですか。それでは川上委員、どうぞお願いいたします。

○川上委員 先ほどの私の質問がちょっと誤解されていたようなので、もう一回ちょっとお聞きしたいんですけれども、ODAの流用云々というのは、まだ議論になっていて決まっていないというのは私も承知しております。これは何がアディショナルかという永遠にある議論で、なかなか解決はできないというのが一般論なんですけれども、それはともかくとして、私が伺ったのは、この国別登録簿ができて、まず民間事業者の登録というのは義務じゃないと、今それはご回答いただきました。したがって、別の考慮からここに登録しない業者もたくさんいる。理論的にはそういうことはあり得ますよね。それが1つ。
 それから、今度は国の方ですけれども、国の方は、今の流用論なんかもあって、なかなか財政出動して──例えば私はあえてCDMを無償供与でやる、つまりODAであるか否かにかかわらずと申し上げたつもりなんですけれども、そういうことで無償供与した場合には、国が直接クレジットをとってこれるということははっきりしていますよね。しかし、それが実際は動かないんじゃないかという趣旨で申し上げているので、その辺のところ、民間と国のこれからのパーセンテージというようなものをどういうイメージでもって展望して、政府は今議論をしているんですかという政策論を──そうでないと、結果的にはこの1.6%というのは大変重要な数字なんですけれども、国別登録簿は、気がついたらやはりかなり空っぽになっているというようなおそれがないだろうか。したがって、京都メカニズムを通じる議定書の達成というものも十分できる見通しが立たないんじゃないだろうか。その辺を恐れて政策論的に、ちょっとお答えになりにくいとは思いますけれども伺ったわけです。

○梶原地球温暖化対策課長 大変失礼いたしました。今の2点について、2点目はちょっと十分なお答えになるかどうかあれなんですけれども、まず1点目の、民間の方々が京都メカニズムを使いたいときに口座を開くとかいったようなことは義務なのかどうか。あるいは、それを開かないでも取引ができるのかどうかといったようなお話がございました。
 クレジットそのものは、実は京都議定書が動かしたバーチャルなもの、つくったバーチャルなものでございます。それで、国際的にはクレジットというものが登録簿以外に存在し得ないということでございます。そこにしか存在しないものですから、また移動もその上でしかしない。しかも移動をするときには、先ほどの資料でいきましたら16ページにあるように、ここでは国際移動する場合ですね。2つの割当量口座簿と真ん中に条約事務局のログ、インターナショナル・アンド・トラザクションのログを置いて、その形で動くわけでございますけれども、ここでしか動かないものでございますから、例えば民間の方々が実際にクレジットを持ちたいと思われる、あるいは移転をするという活動の中に入りたいと思われる場合は、必ずどこかの国の中に口座を持っていないと、実際に持ったことにならないということになります。今回の法律の中で、例えば民民でそれとは別に取引をしますといったときに、じゃ、その取引したブツは何だろうかと。ブツはこの管理簿の中にあるんですというようなことが起こっているものですから、じゃ、民と民との間の譲渡の効力の発生は、この口座簿上の移転をもって効力を発生しているという形で整理をするというような取り扱いをさせていただいたわけで……

○浅野部会長代理 梶原さん、ほかの方に対する説明としては今のは非常にわかりやすいんだけれども、川上委員は、そういうことはもう承知の上で言っておられることなので、ちょっともうそのぐらいにしておいたらどうですかね。ただ、一般論としては、今の話は知らない人には非常におもしろい、わかりやすい話です。

○須藤部会長 よろしいですか。大体予定した時間が近づいてきたんですが、天野先生、それから横山先生の立て札が立っているので、ちょっと簡潔に、両方順番でお願いします。天野先生から。

○天野委員 一番最初の質問にお答えいただいたんですが、私はどうもよくわからないんです。それは、クレジットの法的性質について、我が国ではこういうふうに整理をするということが書いてあるんですけれども、米国ではこういうものはプロパティーライセンスとは認めないというのがはっきりしているわけですね。今、大塚委員が、EUではエンタイトルメントだと考えている。我が国がそれと違った国内法的な考え方をすると大変困ったことになると私は大変心配しているわけですね。ですから、国際的な法的な役割というものと同じ形で国内法をつくっておかないと、将来問題が起こったときに大変ややこしい話になりはしないかということがあったのでお聞きをしたわけです。その辺どうなっているか。この書き方では、何か動産類似の性質を持つものと関連するけれども、現時点においては明示する意義が小さい。私はよくわからないんですね。本当はどっちを言っているのか。それともヨーロッパ的な……

○浅野部会長代理 法律の中に、何々権であるとか、これは動産とみなすというようなことを明文で書いてしまわなくても、これは頭の整理としてはこういう整理ができたけれども、とりあえず今回つくる登録簿というのは、あくまでも一つの土俵をつくるだけなんですね。要するに手続法で、さっき大塚委員が言いましたけれども、あくまでもこういうようなものをつくって、それをこれから動かしていきましょうと。動かしていく中で、またいろいろな動きがあれば手直しもしなければいけないだろう。場合によっては国際的に協調できる形で権利の性質も書くということはあるかもしれないと、こういうことです。
 ですから、梶原課長が説明しましたように、これに書かなければともかくだめなんだというのは、国際の場に持っていったら、ここに書いていなければだめなんですけれども、でも実際には、A社とB社が国内で直接に債権債務関係で「自分が買ってきたものをおまえのところに譲ってやるよ」「ではお金を払うよ」というのはあり得るけれども、それはあくまでも内々の話で、その両当事者がしっかり資力があって責任を持てるという間はそれでいいけれども、それが一たん表に出ていくときには、ちゃんと今度は登録簿に載らなければいけません。こういうことですから、ここに書いてあることも、ちょっと読み方によっては気をつけなければいけないので、質権の設定はできないなどと書いてある。これは法律家から見ると「うーん」と思うんですけれども、でも、譲渡担保がだめだというようなことはあり得ないわけですから、そうはいったって、譲渡担保のような形、事実上それが担保になることはあり得る。そんなことは、実際にこういう制度が手続として動けば、市場の中でいかようにでもそれが活用されていくという前提です。ですから、余り最初からこういうふうな財産として活用しなければいけないという枠を決めてしまう方が、かえって国際的な協調に反するというのが、この報告の中身だと私は理解しています。

○須藤部会長 よろしいですか。
 では、すみません。先を少し急ぎますので、横山先生、簡潔にお願いします。

○横山委員 1点だけです。仮にホットエアを買う場合に、その場合はNEDOを通じて買うという理解でよろしいんですね。

○梶原地球温暖化対策課長 ホットエアを買う予定はございません。

○横山委員 わかりました。

○須藤部会長 そうしたら、それはよろしいですか。
 それでは、大体予定した時間に近づいてまいりましたというか、少し過ぎてまいりました。
 では、大塚先生。

○大塚委員 すみません。浅野先生にせっかく答えていただいたんですけれども、ちょっとだけ補足しますと、国際的にクレジットがエンタイトルメントと考えられており、また、EUETSもエンタイトルメントと考えられているんですけれども、財産権という言葉で明確には書いていないんですね。それで、例えばフランスは国内で動産だということを、さっきも絵の方に色刷りの方であったわけですけれども、環境法の中でこれは動産だと明確にしているんです。だから、財務案件とは言えないけれども、それに似たものというのが一般的な国際的な理解で、それ以上詳しくどうするかということについては、まだ固まっていない状況だということで、ここの検討会ではどういう性質に今までの財産権の中で近いかという検討はしましたけれども、そこがまだ国際的には必ずしも明らかではないので、動産というふうに明確にしたり、財産権があるということを明確にすることはやめたという、そういう趣旨でございます。

○須藤部会長 どうもありがとうございます。
 少し急がせて申しわけございません。まだ議題が残っておりますので、この2番目の議論はこの辺で整理をさせていただきたいと思います。
 法制度の内容につきましては、大塚先生が取りまとめた報告書に沿って行うことが適切であるということにつきましては、いろいろご質問がありましたけれども、これは異論がなかったろうと思います。政府としての法案の取りまとめをよろしくお願いをしたいというふうに考えます。
 また、環境省におきましては、本日出ましたさまざまなご意見を踏まえまして、京都メカニズムの本格的な活用に向けた施策を円滑に実施するようお願いしたいと思いますということで、これを整理させていただきまして、まだこれは今後も議論できますので、そのときにお出しいただきたいと思います。
 最後の議題になります。地球温暖化対策推進法政省令事項に係るパブリックコメントの結果報告と、昨年末に改正されましたCOP/MOP1など地球温暖化に関する最近の国際交渉について、事務局から報告をお願いいたします。
 なお、本日ご欠席の浅岡委員よりも、この課題につきまして意見書が提出されておりますので、配付をしてございます。
 事務局から梶原課長と、それから水野室長から、少しこれは簡潔にご説明をお願いしたいと思います。それでは梶原課長から。

○梶原地球温暖化対策課長 資料3-1を用いまして、昨年温対法を改正して導入していただきました温室効果ガスの算定・報告・公表制度の実施のための政省令の整備に関しましてパブリックコメントをやっております。そのパブリックコメントの結果について、その概要についてご報告をしたいと思っております。
 まず、1、意見募集の趣旨の中にございますが、パブリックコメントをいたしました中身につきましては、昨年11月4日の第32回の当部会でご説明をいたしたことをパブリックコメントにかけております。パブリックコメントは2回に分けて、11月と12月に分けて行っておりまして、意見は350名の方から、内容的には504件ほどの意見がございました。
 1枚めくっていただきまして、意見募集の結果一覧ということで、いろいろなさまざまな意見をいただいております。例えば排出者の特定の仕方とか、算定・公表の期間でありますとか、算定のやり方でありますとか、また、権利保護の関係の話でありますとか関連情報の提供とか、いろいろなものがございました。その中で3点ほど、非常に数の多かったといいますか、類似の意見として非常に際立ったものがございましたので、その点につきましてご報告をしたいと思っております。
 まず、第1点目が、電気の使用に係る二酸化炭素の排出係数をどういう形でやるか。私どもの原案では、一般電気事業者とその他の電気事業者と分けて2本立てをしておるんですが、これにつきましては一本化すべきであるとか、系統電力につながるものとそうでないもの、あるいは事業者別にばらばらにやるべきだとか、あるいは現行どおり2区分だとか、いろいろな意見が出ております。その中で私どもの考え方としましては、自主的な取り組みを促進するという意味では、できるだけ実態に即したものとしてやる必要があるということでございますが、現在のところは統計的な制約もございましてニゴという形でしてございますけれども、ただ、今後より一層実態に即した算定をするために、排出係数の区分をさらに細分化するということが意義があると考えております。
 2番目は、他社の電気や熱の供給に伴う算定のやり方、報告のあり方であります。これについても意見がございますけれども、要は、基本的には自分でコントロールできる部分についてを報告していただこうということで、電気とか熱の使用は、ほかの方々から買って使用する側の方で一応報告をすることを原則としておりまして、ただ、そうは言いつつも、熱とか電気の供給を業として行われる方々については、人に売る電気の部分も含めて報告をしていただこうということを提案しております。これについて、そうじゃない方、つまりそれを業としていない方々、業としていないけれども熱とか電気を供給している者についても報告させろという意見があったわけでございますが、そういう考え方をとっているということでございます。
 3番目は、電気の使用に伴う排出削減の効果を評価するために、どういう数字を用いて計算すべきかということで、火力平均をもってやるべきか、前々年平均をもってやるか、あるいは何らかの方法でやるべきかということを明らかにすべきだというご意見をいただいております。これにつきましては、今回削減というよりは、使用量削減の方を義務づけるということではなくて、むしろ排出の方を義務づけるということでございまして、直接的にそれを報告していただくということを義務づけているわけではございませんで、むしろ削減方法につきましては、この電気の使用も含めていろいろな形の削減努力のパターンがあろうかと思います。それにつきましては、余り制限を設けないで自由に記載をしていただくということを今考えておるということでございます。
 以上、報告でございます。

○須藤部会長 どうもありがとうございます。
 それでは水野室長、簡潔にお願いします。

○水野国際対策室長 それでは、引き続きまして、資料3-2、資料3-3に基づきまして、最近の国際的な取り組みの動きをご紹介させていただきます。
 まず最初に資料3-2で、COP11及びCOP/MOP1の概要と評価ということでございますが、今回、この条約の締約国会合と議定書の締約国会合が同時に、11月末から12月末にかけてカナダのモントリオールで開催されたということでございます。この会合はモントリオール会合としばしば呼んでおりますけれども、京都議定書発効後の最初の記念すべき会合であるということと同時に、将来に向けてどんな議論がなされるのかということでも社会的に非常に注目を浴びた中で開催されたということでございます。
 会議に先立ちまして、議長国のカナダは、かねてから3つの「I」について議論が行われるだろうということを言っておりまして、最初の「I」がImplementation、京都議定書の実施ですね。それから、次の「I」がImprovement、これは京都議定書の既存の、例えばCDMなどの改善ということです。最後のInnovationが、将来の行動についての協力ということでございまして、この3つを中心に実際に議論がなされまして、いずれについても成果が得られたということであります。特にここの1ページ目の2番に書いてございますように、COP決定として、「長期的協力のための行動の対話」というものがアメリカなども含めて合意をされたということは、非常に意義があるのではないかというふうに考えておりまして、我が国の基本方針である「すべての国が参加する実効ある将来枠組みの構築」に向けての道筋をつけたのではないかなというふうに考えております。
 少し詳細については、2ページ、3ページをお開きいただきたいと思いますけれども、この概要と評価では、さっきの3つの「I」を2つにまとめております。1つは京都議定書の運用ルールの確立と改善ということで、最初の2つの「I」をまとめておりますが、ここではまず運用ルール、マラケシュ合意を正式にCOP/MOP決定として採択したということが1つ目であります。それから、2つ目といたしまして遵守ルール、これについては、ここで注で書いてございますような内容ということについては、かねてからマラケシュ合意で合意はされていたわけですけれども、その位置づけが議論されて、今回のCOP/MOP1で決定することになっておりました。その結果、我が国の主張に沿いまして、これはCOP/MOP決定として立ち上げるということが合意をされたということで、逆に言えば、議定書を改正する形じゃなくて遵守ルールが立ち上がったということで、これに基づいて、その3番にありますような遵守委員会というようなものも立ち上がりが決まっております。3番は、今若干ご説明しましたけれども、各種委員会ということで、遵守委員会のほかに第6条監督委員会、つまりJIの監督委員会、これはCDMで言えばCDM理事会のようなものに該当するものですが、こういったものが設置も決まっておりまして、それぞれ遵守委員会については、我が国から浜中慶應大学教授、それからJI監督委員会については、日本エネルギー経済研究所の工藤先生が参加をされたことになっております。
 それから、2番目の「I」に関係するCDM改革ということにつきましては、さらなるCDM取り組みの活性化に向けて、いろいろな基準の見直し、あるいはさらに方法論の開発などの促進について合意をするとともに、CDM理事会事務局の機能強化ということが合意をされております。
 以上のようなことから、京都議定書の運用ルールというものが完全にでき上がったということで、本格的に京都議定書が動き出すということであります。
 2番目が、将来の行動にかかる対話プロセスの開始ということで、これは大きく分けて3つございまして、最初は、先ほど最初に申し上げたCOP決定によって長期的協力のための行動について対話をするということであります。これはCOP決定ということで、アメリカ、それから現在京都議定書のもとで削減目標を持っていない途上国も含めて将来について議論をする。これは議論して、4回ワークショップを開催するところまでは決まっておりますが、ただし、この対話は将来の交渉などに対する予断を持たないで開催されるという念押しが押されておりますので、直ちに交渉という認識をしてはちょっといけないと思いますけれども、いずれにしてもそういった場が設けられたということは大きな成果だったんではないかなというふうに思います。
 続きまして、3条9項に基づく検討の開始ということで、これは京都議定書の3条9項に、先進国の次期約束期間以降の約束について、去年から議論、検討を開始するという規定がございますので、この規定に沿った形で粛々と検討を行うということが決まったということでございまして、それと同時に、第1約束期間と第2約束期間で空白を生じないようなタイミングでその結論を出すということが決まっております。
 それから、4ページにいっていただきまして、もう一つ、議定書9条で議定書全体の見直し、レビューという規定があります。これについてはCOP/MOP2の議題ということが議定書上も書いてあるんですけれども、これについて準備を進めるということで、事前に意見とか関連情報を出すということが決まっております。
 そのほかにも、例えば適応に関する5カ年の作業計画、あるいはそのほかのシキメカリズム等々についても成果が得られたところであります。
 以上、簡単ですが、まずCOP/MOP1、それからCOP11についてのご報告であります。
 続きまして、資料3-3に基づきまして、クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ第1回閣僚会合についてご説明をします。
 これは略してAPPなどと呼んでおりますけれども、ことしの1月11日及び12日に欧州のシドニーで開催をされまして、このパートナーシップが正式に立ち上がっております。我が国のほか、豪州、中国、インド、韓国、米国の5カ国が参加をしておりまして、閣僚のほかに幅広い産業分野からのCEOクラスも参加して活発な議論が行われ、気候変動問題のみならず、増大するエネルギー需要、エネルギー安全保障、それから持続可能な開発といったものについての対応をしていくということで、技術の普及、移転を通じて協力をしていきましょうということで立ち上げられたものでございます。
 先ほど別途お配りをしておりますけれども、参加者名簿が別紙1というところについてございます。我が国からは、ここの表に書いてございますようなメンバーで参加をさせていただきまして、本委員会の服部先生や関澤先生にもご参画をいただいたところでございます。そのほか、米国、欧州等々からもいろいろな方が参加をされております。
 それで、これについては今後8つの分野で具体的な協力関係を結んでいくということで、8つのタスクホースが立ち上がったということでございます。具体的な行動計画は今後、ことしの中ごろまでにつくるということで、まだ中身は決まっておりませんが、これは京都議定書を代替するものではなくて補完するものであるという位置づけが、今回合意されたコミュニケ、それから憲章にも書いてございますので、そういった方向で発展していくように我が国としても努力をしていきたいということでございます。
 以上でございます。

○須藤部会長 どうも、両課長、急がせて申しわけございません。
 ほとんどもう時間がなくなってきました。本来ですとここで順番に、やはりご質問、ご意見を伺うんですが、あらかじめ少し早目に出たいというので、小林委員から、どうしてもここで一つ発言をしておきたいというふうにご連絡をいただいたので、出られる前に、それではこれも簡潔にお願いします。

○小林委員 恐れ入ります。急がせて申しわけございません。
 排出量に関する報告の件でパブコメをいただいたわけですが、その内容の中で一番大きな議題になっていますのが、電気使用に関する排出係数の算定をどうするかというようなところでございます。この中では1区分、2区分、それから事業所別等々の案があったわけでございますが、私自身、ここの部分につきましてはぜひご検討いただきたいのは、各事業所がいかに削減を努力されたかということを評価するという意味からの問題点、それからもう一点は、電力自由化の中で、事業者がどの電力を買い取るかということも一つの選択肢になるということになるわけで、これはお仕着せではなくて、ある程度それが選択できる方向に行くということも考えたときに、やはりこれにつきましては、1区分とか2区分とか、そういう形ではなくて、できれば個別の事業所、発電単位ごとに排出係数を出して、それに基づいて計算をされるのが必要ではないかというふうに考えております。ただ、今の段階でそれをすぐにできるというわけではないと思いますので、今の段階では現行の2区分ということがやむを得ないとは思いますが、将来的には、できたら各事業所別に計算をしていただくということが重要ではないかということをぜひお願いをしたいと思います。
 もう一点は、排出される削減量をカウントするに当たって、その係数として、例えば電力平均をやるとか、それから火力平均でやるとかいうようなご意見があって、これについては特に決める必要はないというふうにお話があったわけですが、ぜひそのようにお願いをしたい。これについては、やはり今申し上げたように、電源の選択権も対応の一つではありますし、また、今申し上げたように削減ということを目的に考えるわけで、その数字を大きく評価するという言い方は悪いかもわかりませんが、火力平均にするとか、または電力の総平均にするというようなことを特に決める必要性はないんではないか。やはりその事業所おのおのが独自のご判断、独自の努力を評価してもらうためにはどうしたら一番いいのかというのは、各事業所が自分でお考えになるというのが重要ではないか。それが最終的には各事業所が環境行動において国民が納得できる、また説得できるような報告書になるんではないかなというふうに考えてございます。そういう意味で、ぜひこの辺については、余り画一的にやらない方がいいんではないかということをお願いしたいと思います。

○須藤部会長 ご要望として承っておけばよろしいですね。どうもありがとうございました。
 それでは、小林委員だけというわけにもいきませんので、1つ2つ、何か先ほどの両課長のご説明の中でございましたら、ぜひということがあれば承りたいと思いますが。両方ともこれからの議論にもまたなりますので、ここで何か決めるわけでもございませんので、よろしゅうございましょうかね。
 何か大分時間が迫っちゃったというより、予定した時間を過ぎてしまったので、それでは、国際的な取り組みにつきましても、これからも当部会で議論をしていただけると、こういうふうに承っておりますので、大変恐縮ではございますが、本日はこのあたりで質疑応答を終了させていただきたいと思います。
 本日の議事録につきましては、事務局の方で取りまとめた上、後日委員の皆様に案を送付させていただきます。
 また、次回の日程につきましても、日程調整の都合から、地球温暖化関連の施策についての報告を行うということで、これはもうお知らせをしていると思いますが、2月28日を予定させていただいております。具体的な議題につきましては、確定次第改めて事務局から連絡をさせていただきます。
 本日はどうもありがとうございました。お疲れさまでございました。

午後 5時55分 閉会

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